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特表2023-527502骨髄性悪性病変の治療のためのVデルタ1+T細胞
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-29
(54)【発明の名称】骨髄性悪性病変の治療のためのVデルタ1+T細胞
(51)【国際特許分類】
   A61K 35/17 20150101AFI20230622BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20230622BHJP
   A61K 31/7076 20060101ALI20230622BHJP
   A61K 31/675 20060101ALI20230622BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230622BHJP
   C12N 5/0783 20100101ALN20230622BHJP
   C07H 19/19 20060101ALN20230622BHJP
【FI】
A61K35/17
A61P35/02
A61K31/7076
A61K31/675
A61P43/00 121
C12N5/0783
C07H19/19
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022556264
(86)(22)【出願日】2020-03-20
(85)【翻訳文提出日】2022-11-01
(86)【国際出願番号】 GB2020050763
(87)【国際公開番号】W WO2021186137
(87)【国際公開日】2021-09-23
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519391608
【氏名又は名称】ガンマデルタ セラピューティクス リミティッド
【氏名又は名称原語表記】GAMMADELTA THERAPEUTICS LTD
【住所又は居所原語表記】1 Kingdom Street, W2 6BD London, United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【弁理士】
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100125070
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100121212
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 弥栄子
(74)【代理人】
【識別番号】100174296
【弁理士】
【氏名又は名称】當麻 博文
(74)【代理人】
【識別番号】100137729
【弁理士】
【氏名又は名称】赤井 厚子
(74)【代理人】
【識別番号】100151301
【弁理士】
【氏名又は名称】戸崎 富哉
(74)【代理人】
【識別番号】100152308
【弁理士】
【氏名又は名称】中 正道
(74)【代理人】
【識別番号】100201558
【弁理士】
【氏名又は名称】亀井 恵二郎
(72)【発明者】
【氏名】シモエス、アンドレ ゴンサロ ド エスピリト サント
(72)【発明者】
【氏名】ディ ロレンツォ、ビアージョ
(72)【発明者】
【氏名】コスロフスキー、マイケル
(72)【発明者】
【氏名】シルヴァ-サントス、ブルノ ミゲル デ カルヴァーリョ エ
(72)【発明者】
【氏名】ハットン、アンドリュー ジョン
(72)【発明者】
【氏名】リカルディン、ティモシー ジョエル
(72)【発明者】
【氏名】フォウラー、ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ブロムリー、アリス
(72)【発明者】
【氏名】ヌスバウマー、オリヴァー
【テーマコード(参考)】
4B065
4C057
4C086
4C087
【Fターム(参考)】
4B065AA92X
4B065AA94X
4B065BB19
4B065BB25
4B065BB31
4B065BB32
4B065BB34
4B065CA44
4C057CC03
4C057DD01
4C057LL34
4C057LL43
4C086AA01
4C086AA02
4C086DA35
4C086EA18
4C086MA02
4C086MA04
4C086MA07
4C086NA05
4C086ZB27
4C086ZC75
4C087AA01
4C087AA02
4C087BB37
4C087MA02
4C087NA05
4C087ZB27
4C087ZC75
(57)【要約】
本発明は、骨髄性悪性病変の治療における使用のための、Vδ1+T細胞を含む組成物に関する。本発明は、当該組成物を使用する治療方法にも関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨髄性悪性病変を有する患者の治療における使用のためのVδ1+T細胞を含む同種異系組成物。
【請求項2】
前記骨髄性悪性病変が、急性骨髄性白血病(AML)及び骨髄異形成症候群(MDS)から選択される、請求項1に記載の使用のための同種異系組成物。
【請求項3】
前記患者が微小残存病変に陽性(MRD+)である、請求項1または請求項2に記載の使用のための同種異系組成物。
【請求項4】
前記MRD+患者が完全寛解にあり、検出可能な白血病性芽球を末梢血中に含まず、5%未満の白血病性芽球を骨髄中に含む、請求項3に記載の使用のための同種異系組成物。
【請求項5】
前記患者が化学療法で以前に治療されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の使用のための同種異系組成物。
【請求項6】
前記患者が、前記同種異系組成物の投与の少なくとも3日前に化学療法で治療されている、請求項5に記載の使用のための同種異系組成物。
【請求項7】
前記化学療法が、フルダラビン及びシクロホスファミドから選択される、請求項5または請求項6に記載の使用のための同種異系組成物。
【請求項8】
全生細胞に対して少なくとも約90%のCD45+細胞を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の使用のための同種異系組成物。
【請求項9】
全生細胞に対して少なくとも約60%のγδT細胞を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の使用のための同種異系組成物。
【請求項10】
全生細胞に対して少なくとも約50%のVδ1+T細胞を含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の使用のための同種異系組成物。
【請求項11】
約1×1010個未満の全生細胞を含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の使用のための同種異系組成物。
【請求項12】
約1×10個未満の全生細胞を含む、請求項11に記載の使用のための同種異系組成物。
【請求項13】
約1×10個未満の全生細胞を含む、請求項12に記載の使用のための同種異系組成物。
【請求項14】
前記同種異系組成物が、約8×10個、約4×10個、約2.4×10個、約1.2×10個、約8×10個、約4×10個、約8×10個、または約4×10個の全生細胞を含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の使用のための同種異系組成物。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか1項に記載の使用のための同種異系組成物を含む用量。
【請求項16】
約1×10個未満細胞/kgを含む、請求項15に記載の用量。
【請求項17】
約1×10個未満細胞/kgを含む、請求項15に記載の用量。
【請求項18】
約1×10個未満細胞/kgを含む、請求項15に記載の用量。
【請求項19】
約3×10個未満細胞/kgを含む、請求項15に記載の用量。
【請求項20】
約1×10個未満細胞/kgを含む、請求項15に記載の用量。
【請求項21】
約5×10個未満αβT細胞/kgを含む、請求項15に記載の用量。
【請求項22】
約1×10個未満αβT細胞/kgを含む、請求項21に記載の用量。
【請求項23】
T細胞マイトジェンとインターロイキン-4様活性を有する増殖因子とを含む培地において、インターロイキン-15様活性を有する増殖因子の非存在下で試料を培養することを含む方法によって前記試料から前記Vδ1+T細胞が得られる、請求項1~15のいずれか1項に記載の使用のための同種異系組成物。
【請求項24】
T細胞マイトジェンとインターロイキン-15様活性を有する増殖因子とを含む培地において、インターロイキン-4様活性を有する増殖因子の非存在下で試料を培養することを含む方法によって前記試料から前記Vδ1+T細胞が得られる、請求項1~15のいずれか1項に記載の使用のための同種異系組成物。
【請求項25】
前記Vδ1+T細胞が、培養することを少なくとも11日間行った後に収集される、請求項23または請求項24に記載の使用のための同種異系組成物。
【請求項26】
前記培養することが、気体透過性材料を含む容器において実施される、請求項23~25のいずれか1項に記載の使用のための同種異系組成物。
【請求項27】
前記容器が、気体透過性材料を含むことで気体交換を可能にする液体密封入れ物を含む、請求項26に記載の使用のための同種異系組成物。
【請求項28】
前記容器の下部が、前記容器の前記下部からの気体交換が可能になるように構成される、請求項26または請求項27に記載の使用のための同種異系組成物。
【請求項29】
前記試料が無血清において培養される、請求項23~28のいずれか1項に記載の使用のための同種異系組成物。
【請求項30】
前記試料が、血清または血清代替物を含む培地において培養される、請求項23~28のいずれか1項に記載の使用のための同種異系組成物。
【請求項31】
骨髄性悪性病変を治療する方法であって、前記方法が、前記骨髄性悪性病変を有する患者に対してVδ1+T細胞を含む同種異系組成物を治療的に有効な量で投与することを含む、前記方法。
【請求項32】
前記骨髄性悪性病変が、AML及びMDSから選択される、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記患者が微小残存病変に陽性(MRD+)である、請求項31または請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記MRD+患者が完全寛解にあり、検出可能な白血病性芽球を末梢血中に含まず、5%未満の白血病性芽球を骨髄中に含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
化学療法を施すことをさらに含む、請求項31~34のいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
前記患者が、前記同種異系組成物の投与の少なくとも3日前に化学療法で治療される、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記化学療法が、フルダラビン及びシクロホスファミドから選択される、請求項35または請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記治療的に有効な量が、約8×10個、約4×10個、約2.4×10個、約1.2×10個、約8×10個、約4×10個、約8×10個、または約4×10個の全生細胞を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項39】
前記治療的に有効な量が、約1×1010個未満の全生細胞を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項40】
前記治療的に有効な量が、約1×10個未満の全生細胞を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項41】
前記治療的に有効な量が、約1×10個未満の全生細胞を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項42】
前記治療的に有効な量が、約5×10個未満αβT細胞/kgを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項43】
前記治療的に有効な量が、約1×10個未満αβT細胞/kgを含む、請求項42に記載の用量。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、骨髄性悪性病変の治療における使用のための、Vδ1+T細胞を含む組成物に関する。本発明は、当該組成物を使用する治療方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
急性骨髄性白血病(AML)は、化学療法抵抗性が生じる頻度が高く、再発が致命的であることから、依然として臨床的な課題である。高齢者(65歳以上)でのAMLの生存率は低く(10%)、この原因は主に、標準的な治療に対して抵抗性が生じることにある。利用可能な治療は、シタラビンとアントラサイクリン薬とを併用することからなるものである。この治療は完全寛解の誘導には有効ではあるが、不応性の再発を引き起こす化学療法抵抗性クローンを最終的に選択するものである。化学療法に代わる有望な治療は、標的療法、及びB細胞悪性病変に対して成功している来たるべき免疫療法である。
【0003】
測定可能残存病変(MRD)はAML及び骨髄異形成症候群(MDS)の独立した診断後予後指標であり、MRD+患者は、形態学的に完全寛解が生じた場合でさえ再発傾向が高く、生存率も低いことから、この指標はリスク層別化及び治療計画に重要である。AML及びMDSにおけるMRDを除去することは、強いアンメットニーズが存在する領域であるが、白血病性芽球上に発現する特異的な抗原を欠いていることから困難なことである。
【0004】
γδT細胞の存在は、いくつかの固形癌及び血液癌の予後と正の相関を有することが示されている(Deniger at al.Clin.Cancer Res.(2014)20(22):5708-5719、Gentles et al.Nat.Med.(2015)21(8):938-945)。そのような治療においてVδ2+T細胞を使用することは探求されている一方で、Vδ1+T細胞を臨床的に操作することは、末梢血リンパ球中のその存在量が比較的少ないこと(<0.5%)によって阻まれている。一方で、WO2016/198480に記載のものなどの方法によって、臨床使用に適し得るVδ1+T細胞の収量が最近改善されたことで、本明細書に記載の初めての骨髄性悪性病変の治療に対する要求が満たされている。
【発明の概要】
【0005】
本発明の第1の態様によれば、骨髄性悪性病変を有する患者の治療における使用のためのVδ1+T細胞を含む同種異系組成物が提供される。
【0006】
本発明の別の態様によれば、本明細書に記載の使用のための同種異系組成物を含む用量が提供される。
【0007】
本発明の別の態様によれば、骨髄性悪性病変を治療する方法が提供され、この方法は、当該骨髄性悪性病変を有する患者に対してVδ1+T細胞を含む同種異系組成物を治療的に有効な量で投与することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】γδT細胞組成物は、エクスビボVδ1T細胞よりも高いクローン多様性を示す。4人の健康な個別ドナー(HD#A~D)から得られた末梢血/PBまたはDOT細胞産物に由来するFACS選別Vδ1+T細胞のTRGV及びTRDVレパートリーならびにCDR3長(ヌクレオチド数)分布を図式的に表したものである。各四角形は、異なるクローン型(異なるヌクレオチド配列を有する)を表し、その面積は試料中の相対存在量に比例する。色は、鎖によるクローン型の分類を表す。
図1B】γδT細胞組成物は、エクスビボVδ1T細胞よりも高いクローン多様性を示す。4人の健康な個別ドナー(HD#A~D)から得られた末梢血/PBまたはDOT細胞産物に由来するFACS選別Vδ1+T細胞のTRGV及びTRDVレパートリーならびにCDR3長(ヌクレオチド数)分布を図式的に表したものである。各四角形は、異なるクローン型(異なるヌクレオチド配列を有する)を表し、その面積は試料中の相対存在量に比例する。色は、鎖によるクローン型の分類を表す。
図1C】γδT細胞組成物は、エクスビボVδ1T細胞よりも高いクローン多様性を示す。4人の健康な個別ドナー(HD#A~D)から得られた末梢血/PBまたはDOT細胞産物に由来するFACS選別Vδ1+T細胞のTRGV及びTRDVレパートリーならびにCDR3長(ヌクレオチド数)分布を図式的に表したものである。各四角形は、異なるクローン型(異なるヌクレオチド配列を有する)を表し、その面積は試料中の相対存在量に比例する。色は、鎖によるクローン型の分類を表す。
図1D】γδT細胞組成物は、エクスビボVδ1T細胞よりも高いクローン多様性を示す。4人の健康な個別ドナー(HD#A~D)から得られた末梢血/PBまたはDOT細胞産物に由来するFACS選別Vδ1+T細胞のTRGV及びTRDVレパートリーならびにCDR3長(ヌクレオチド数)分布を図式的に表したものである。各四角形は、異なるクローン型(異なるヌクレオチド配列を有する)を表し、その面積は試料中の相対存在量に比例する。色は、鎖によるクローン型の分類を表す。
図2】γδT細胞組成物のTCRレパートリー多様性及びAML反応性に対するCD27発現表現型の影響。(A)事前に選別したCD27+Vδ1+T細胞またはCD27-Vδ1+T細胞(21日間培養したもの)から得られたDOT細胞によるインビトロでのAML KG-1細胞の死滅。細胞を10:1(E:T)の比で3時間共インキュベートした後、アネキシンV染色によって分析した(事前に標識したKG-1細胞の中での陽性事象のパーセント)。データは、各ドナーについて2回の技術的反復実験の平均値を示す。(B)DOT細胞を増殖させた後のCD27+細胞(黒色)及びCD27-細胞(白色)におけるNKp30及びNKp44の発現。技術的反復実験の平均値が示される。
図3】AML細胞に対するクローン性γδT細胞組成物の反応性。(A)及び(B)は、健康なドナーから選別した単一Vδ1T細胞から生じたDOT細胞クローンによるインビトロでのAML KG-1細胞の死滅を示す。細胞を10:1(E:T)の比で3時間共インキュベートした後、アネキシンV染色によって分析した(事前に標識したKG-1細胞の中での陽性事象のパーセント)。各棒は、個々のクローンとの共インキュベート時のKG-1細胞の死滅を表す。水平の破線は、ベースの腫瘍細胞死(DOT細胞なし)の平均値を表す。Bでは、抗Vδ1 TCR特異的mAbまたはアイソタイプ対照のいずれかを培養物に添加した。遮断によってKG-1の標的化がより明確に減少したクローンが示される。データは2回の技術的反復実験の平均値を表し、4人の健康な個別ドナー(HD)から得られたものである。
図4A】γδT細胞組成物は複数のAML細胞型を標的とするが、健康な白血球は標的としない。インビトロ死滅アッセイにおいて、3~4人の健康なドナーから生成させたDOT細胞を、示されるAML細胞株(A)、初代AML試料(B)、または末梢血からFACS選別した正常白血球集団(C)と共に10:1(E:T)の比で3時間共インキュベートした。Aでは、水平の破線はベースの腫瘍細胞死の平均値を表し、Bでは、CTRもまた、腫瘍細胞単独(DOT細胞なし)を表す。実験は技術的に3回反復実施した。(D)インビトロ死滅アッセイにおいて、3人の健康なドナーから収集した非増殖新鮮(「エクスビボ」)Vδ1+T細胞を、示されるHEL細胞株またはKG-1細胞株と共に10:1(E:T)の比で3時間共インキュベートした。HD#1から生成させたDOT細胞は陽性対照として示される。(E)DOT細胞でのグランザイムB及びパーフォリンの発現を細胞内フローサイトメトリーによって評価したものである。(F)AML腫瘍標的と共に共インキュベートした後、またはPMA/イオノマイシンでの刺激時(陽性対照)、または無添加の場合(陰性対照)のCD107a+DOT細胞のパーセント。結果は2人の健康なドナーから得られたものであり、2連で試験したものである。
図4B】γδT細胞組成物は複数のAML細胞型を標的とするが、健康な白血球は標的としない。インビトロ死滅アッセイにおいて、3~4人の健康なドナーから生成させたDOT細胞を、示されるAML細胞株(A)、初代AML試料(B)、または末梢血からFACS選別した正常白血球集団(C)と共に10:1(E:T)の比で3時間共インキュベートした。Aでは、水平の破線はベースの腫瘍細胞死の平均値を表し、Bでは、CTRもまた、腫瘍細胞単独(DOT細胞なし)を表す。実験は技術的に3回反復実施した。(D)インビトロ死滅アッセイにおいて、3人の健康なドナーから収集した非増殖新鮮(「エクスビボ」)Vδ1+T細胞を、示されるHEL細胞株またはKG-1細胞株と共に10:1(E:T)の比で3時間共インキュベートした。HD#1から生成させたDOT細胞は陽性対照として示される。(E)DOT細胞でのグランザイムB及びパーフォリンの発現を細胞内フローサイトメトリーによって評価したものである。(F)AML腫瘍標的と共に共インキュベートした後、またはPMA/イオノマイシンでの刺激時(陽性対照)、または無添加の場合(陰性対照)のCD107a+DOT細胞のパーセント。結果は2人の健康なドナーから得られたものであり、2連で試験したものである。
図4C】γδT細胞組成物は複数のAML細胞型を標的とするが、健康な白血球は標的としない。インビトロ死滅アッセイにおいて、3~4人の健康なドナーから生成させたDOT細胞を、示されるAML細胞株(A)、初代AML試料(B)、または末梢血からFACS選別した正常白血球集団(C)と共に10:1(E:T)の比で3時間共インキュベートした。Aでは、水平の破線はベースの腫瘍細胞死の平均値を表し、Bでは、CTRもまた、腫瘍細胞単独(DOT細胞なし)を表す。実験は技術的に3回反復実施した。(D)インビトロ死滅アッセイにおいて、3人の健康なドナーから収集した非増殖新鮮(「エクスビボ」)Vδ1+T細胞を、示されるHEL細胞株またはKG-1細胞株と共に10:1(E:T)の比で3時間共インキュベートした。HD#1から生成させたDOT細胞は陽性対照として示される。(E)DOT細胞でのグランザイムB及びパーフォリンの発現を細胞内フローサイトメトリーによって評価したものである。(F)AML腫瘍標的と共に共インキュベートした後、またはPMA/イオノマイシンでの刺激時(陽性対照)、または無添加の場合(陰性対照)のCD107a+DOT細胞のパーセント。結果は2人の健康なドナーから得られたものであり、2連で試験したものである。
図4D】γδT細胞組成物は複数のAML細胞型を標的とするが、健康な白血球は標的としない。インビトロ死滅アッセイにおいて、3~4人の健康なドナーから生成させたDOT細胞を、示されるAML細胞株(A)、初代AML試料(B)、または末梢血からFACS選別した正常白血球集団(C)と共に10:1(E:T)の比で3時間共インキュベートした。Aでは、水平の破線はベースの腫瘍細胞死の平均値を表し、Bでは、CTRもまた、腫瘍細胞単独(DOT細胞なし)を表す。実験は技術的に3回反復実施した。(D)インビトロ死滅アッセイにおいて、3人の健康なドナーから収集した非増殖新鮮(「エクスビボ」)Vδ1+T細胞を、示されるHEL細胞株またはKG-1細胞株と共に10:1(E:T)の比で3時間共インキュベートした。HD#1から生成させたDOT細胞は陽性対照として示される。(E)DOT細胞でのグランザイムB及びパーフォリンの発現を細胞内フローサイトメトリーによって評価したものである。(F)AML腫瘍標的と共に共インキュベートした後、またはPMA/イオノマイシンでの刺激時(陽性対照)、または無添加の場合(陰性対照)のCD107a+DOT細胞のパーセント。結果は2人の健康なドナーから得られたものであり、2連で試験したものである。
図4E】γδT細胞組成物は複数のAML細胞型を標的とするが、健康な白血球は標的としない。インビトロ死滅アッセイにおいて、3~4人の健康なドナーから生成させたDOT細胞を、示されるAML細胞株(A)、初代AML試料(B)、または末梢血からFACS選別した正常白血球集団(C)と共に10:1(E:T)の比で3時間共インキュベートした。Aでは、水平の破線はベースの腫瘍細胞死の平均値を表し、Bでは、CTRもまた、腫瘍細胞単独(DOT細胞なし)を表す。実験は技術的に3回反復実施した。(D)インビトロ死滅アッセイにおいて、3人の健康なドナーから収集した非増殖新鮮(「エクスビボ」)Vδ1+T細胞を、示されるHEL細胞株またはKG-1細胞株と共に10:1(E:T)の比で3時間共インキュベートした。HD#1から生成させたDOT細胞は陽性対照として示される。(E)DOT細胞でのグランザイムB及びパーフォリンの発現を細胞内フローサイトメトリーによって評価したものである。(F)AML腫瘍標的と共に共インキュベートした後、またはPMA/イオノマイシンでの刺激時(陽性対照)、または無添加の場合(陰性対照)のCD107a+DOT細胞のパーセント。結果は2人の健康なドナーから得られたものであり、2連で試験したものである。
図4F】γδT細胞組成物は複数のAML細胞型を標的とするが、健康な白血球は標的としない。インビトロ死滅アッセイにおいて、3~4人の健康なドナーから生成させたDOT細胞を、示されるAML細胞株(A)、初代AML試料(B)、または末梢血からFACS選別した正常白血球集団(C)と共に10:1(E:T)の比で3時間共インキュベートした。Aでは、水平の破線はベースの腫瘍細胞死の平均値を表し、Bでは、CTRもまた、腫瘍細胞単独(DOT細胞なし)を表す。実験は技術的に3回反復実施した。(D)インビトロ死滅アッセイにおいて、3人の健康なドナーから収集した非増殖新鮮(「エクスビボ」)Vδ1+T細胞を、示されるHEL細胞株またはKG-1細胞株と共に10:1(E:T)の比で3時間共インキュベートした。HD#1から生成させたDOT細胞は陽性対照として示される。(E)DOT細胞でのグランザイムB及びパーフォリンの発現を細胞内フローサイトメトリーによって評価したものである。(F)AML腫瘍標的と共に共インキュベートした後、またはPMA/イオノマイシンでの刺激時(陽性対照)、または無添加の場合(陰性対照)のCD107a+DOT細胞のパーセント。結果は2人の健康なドナーから得られたものであり、2連で試験したものである。
図5】血液腫瘍株に対するVδ1+T細胞の細胞傷害活性、及び健康なPBMCの温存。さまざまなAML(MV4-11、Kasumi-1、HL-60)腫瘍標的、NHL(Raji)腫瘍標的、及びALL(NALM-6)腫瘍標的、ならびに健康な同種異系PBMCに対するVδ1+T細胞のインビトロ細胞傷害性アッセイを、さまざまなエフェクター:標的比で20時間行った。標的細胞溶解のパーセントが示される。N=2。
図6A】γδT細胞組成物によるインビボでのAMLの標的化。(A)照射処理(200~225rad)を行った8~12週齢のNOD-SCIDγc-/--SGM3(NSGS)マウスを麻酔下に置いた後、その右脛骨内(骨髄内-i.b.m.)に1×10個の初代ヒトAML細胞を移植した。(B)照射処理(200~225rad)を行った8~12週齢のNSG NOD-SCIDγc-/-(NSG)マウスの静脈内(i.v.)に2×10個のヒトKG-1細胞を注射した。(C)照射処理(225~250rad)を行った8~12週齢のNOD.Rag1-γc-/--SGM3(NRGS)マウスを麻酔下に置いた後、その右脛骨内(i.b.m.)に1×10個のヒトHEL細胞を移植した。(A)及び(C)では、腫瘍細胞の注射から1週間後に血中に少なくとも100個の腫瘍細胞(腫瘍トリガー)を検出することによって腫瘍の生着を評価した。マウスの血中に100個の腫瘍細胞が検出された時点(腫瘍トリガー)ですぐに処理を開始した。(B)では、腫瘍細胞の静脈内注射から10日後にPBSまたはDOT細胞のいずれかでの処理を開始した。PBSまたは2×10個のDOT細胞を動物に静脈内注射した。この静脈内注射は、5日の間隔を空けて3回実施した。HELを有するNRGS宿主についての生存曲線(CTR(n=5)、DOT処理マウス(n=4);p<0.05)。DOT細胞(2×10個細胞の3回の注射)を、KG-1 AML細胞を事前に注射したNSGマウス(CTR(n=6)、DOT処理マウス(n=7))(D~E)または初代AML細胞を有するNSGSマウス(CTR(n=5)、DOT処理マウス(n=5))(F~G;患者由来異種移植(PDX))に移入した。最後のDOT細胞移入から1週間後に血中及び肝臓中の腫瘍量を評価した(D)。または1週間に1回の採血によって腫瘍量を評価した(F)。生存曲線は、パネルE(P<0.05)及びパネルG(P<0.01)に示される。(H~I)第2の初代AMLモデルを開発した。(H)血液増悪における腫瘍量。(I)初代AMLを有するNSGS宿主(CTR(n=5)、DOT処理マウス(n=5))の生存曲線。疾患症状の進行(後足の麻痺など)が観察された場合は動物を屠殺した。平均値±SEMが示される;,P<0.05;***,P<0.001;****,P<0.0001。
図6B】γδT細胞組成物によるインビボでのAMLの標的化。(A)照射処理(200~225rad)を行った8~12週齢のNOD-SCIDγc-/--SGM3(NSGS)マウスを麻酔下に置いた後、その右脛骨内(骨髄内-i.b.m.)に1×10個の初代ヒトAML細胞を移植した。(B)照射処理(200~225rad)を行った8~12週齢のNSG NOD-SCIDγc-/-(NSG)マウスの静脈内(i.v.)に2×10個のヒトKG-1細胞を注射した。(C)照射処理(225~250rad)を行った8~12週齢のNOD.Rag1-γc-/--SGM3(NRGS)マウスを麻酔下に置いた後、その右脛骨内(i.b.m.)に1×10個のヒトHEL細胞を移植した。(A)及び(C)では、腫瘍細胞の注射から1週間後に血中に少なくとも100個の腫瘍細胞(腫瘍トリガー)を検出することによって腫瘍の生着を評価した。マウスの血中に100個の腫瘍細胞が検出された時点(腫瘍トリガー)ですぐに処理を開始した。(B)では、腫瘍細胞の静脈内注射から10日後にPBSまたはDOT細胞のいずれかでの処理を開始した。PBSまたは2×10個のDOT細胞を動物に静脈内注射した。この静脈内注射は、5日の間隔を空けて3回実施した。HELを有するNRGS宿主についての生存曲線(CTR(n=5)、DOT処理マウス(n=4);p<0.05)。DOT細胞(2×10個細胞の3回の注射)を、KG-1 AML細胞を事前に注射したNSGマウス(CTR(n=6)、DOT処理マウス(n=7))(D~E)または初代AML細胞を有するNSGSマウス(CTR(n=5)、DOT処理マウス(n=5))(F~G;患者由来異種移植(PDX))に移入した。最後のDOT細胞移入から1週間後に血中及び肝臓中の腫瘍量を評価した(D)。または1週間に1回の採血によって腫瘍量を評価した(F)。生存曲線は、パネルE(P<0.05)及びパネルG(P<0.01)に示される。(H~I)第2の初代AMLモデルを開発した。(H)血液増悪における腫瘍量。(I)初代AMLを有するNSGS宿主(CTR(n=5)、DOT処理マウス(n=5))の生存曲線。疾患症状の進行(後足の麻痺など)が観察された場合は動物を屠殺した。平均値±SEMが示される;,P<0.05;***,P<0.001;****,P<0.0001。
図6C】γδT細胞組成物によるインビボでのAMLの標的化。(A)照射処理(200~225rad)を行った8~12週齢のNOD-SCIDγc-/--SGM3(NSGS)マウスを麻酔下に置いた後、その右脛骨内(骨髄内-i.b.m.)に1×10個の初代ヒトAML細胞を移植した。(B)照射処理(200~225rad)を行った8~12週齢のNSG NOD-SCIDγc-/-(NSG)マウスの静脈内(i.v.)に2×10個のヒトKG-1細胞を注射した。(C)照射処理(225~250rad)を行った8~12週齢のNOD.Rag1-γc-/--SGM3(NRGS)マウスを麻酔下に置いた後、その右脛骨内(i.b.m.)に1×10個のヒトHEL細胞を移植した。(A)及び(C)では、腫瘍細胞の注射から1週間後に血中に少なくとも100個の腫瘍細胞(腫瘍トリガー)を検出することによって腫瘍の生着を評価した。マウスの血中に100個の腫瘍細胞が検出された時点(腫瘍トリガー)ですぐに処理を開始した。(B)では、腫瘍細胞の静脈内注射から10日後にPBSまたはDOT細胞のいずれかでの処理を開始した。PBSまたは2×10個のDOT細胞を動物に静脈内注射した。この静脈内注射は、5日の間隔を空けて3回実施した。HELを有するNRGS宿主についての生存曲線(CTR(n=5)、DOT処理マウス(n=4);p<0.05)。DOT細胞(2×10個細胞の3回の注射)を、KG-1 AML細胞を事前に注射したNSGマウス(CTR(n=6)、DOT処理マウス(n=7))(D~E)または初代AML細胞を有するNSGSマウス(CTR(n=5)、DOT処理マウス(n=5))(F~G;患者由来異種移植(PDX))に移入した。最後のDOT細胞移入から1週間後に血中及び肝臓中の腫瘍量を評価した(D)。または1週間に1回の採血によって腫瘍量を評価した(F)。生存曲線は、パネルE(P<0.05)及びパネルG(P<0.01)に示される。(H~I)第2の初代AMLモデルを開発した。(H)血液増悪における腫瘍量。(I)初代AMLを有するNSGS宿主(CTR(n=5)、DOT処理マウス(n=5))の生存曲線。疾患症状の進行(後足の麻痺など)が観察された場合は動物を屠殺した。平均値±SEMが示される;,P<0.05;***,P<0.001;****,P<0.0001。
図6D】γδT細胞組成物によるインビボでのAMLの標的化。(A)照射処理(200~225rad)を行った8~12週齢のNOD-SCIDγc-/--SGM3(NSGS)マウスを麻酔下に置いた後、その右脛骨内(骨髄内-i.b.m.)に1×10個の初代ヒトAML細胞を移植した。(B)照射処理(200~225rad)を行った8~12週齢のNSG NOD-SCIDγc-/-(NSG)マウスの静脈内(i.v.)に2×10個のヒトKG-1細胞を注射した。(C)照射処理(225~250rad)を行った8~12週齢のNOD.Rag1-γc-/--SGM3(NRGS)マウスを麻酔下に置いた後、その右脛骨内(i.b.m.)に1×10個のヒトHEL細胞を移植した。(A)及び(C)では、腫瘍細胞の注射から1週間後に血中に少なくとも100個の腫瘍細胞(腫瘍トリガー)を検出することによって腫瘍の生着を評価した。マウスの血中に100個の腫瘍細胞が検出された時点(腫瘍トリガー)ですぐに処理を開始した。(B)では、腫瘍細胞の静脈内注射から10日後にPBSまたはDOT細胞のいずれかでの処理を開始した。PBSまたは2×10個のDOT細胞を動物に静脈内注射した。この静脈内注射は、5日の間隔を空けて3回実施した。HELを有するNRGS宿主についての生存曲線(CTR(n=5)、DOT処理マウス(n=4);p<0.05)。DOT細胞(2×10個細胞の3回の注射)を、KG-1 AML細胞を事前に注射したNSGマウス(CTR(n=6)、DOT処理マウス(n=7))(D~E)または初代AML細胞を有するNSGSマウス(CTR(n=5)、DOT処理マウス(n=5))(F~G;患者由来異種移植(PDX))に移入した。最後のDOT細胞移入から1週間後に血中及び肝臓中の腫瘍量を評価した(D)。または1週間に1回の採血によって腫瘍量を評価した(F)。生存曲線は、パネルE(P<0.05)及びパネルG(P<0.01)に示される。(H~I)第2の初代AMLモデルを開発した。(H)血液増悪における腫瘍量。(I)初代AMLを有するNSGS宿主(CTR(n=5)、DOT処理マウス(n=5))の生存曲線。疾患症状の進行(後足の麻痺など)が観察された場合は動物を屠殺した。平均値±SEMが示される;,P<0.05;***,P<0.001;****,P<0.0001。
図6E】γδT細胞組成物によるインビボでのAMLの標的化。(A)照射処理(200~225rad)を行った8~12週齢のNOD-SCIDγc-/--SGM3(NSGS)マウスを麻酔下に置いた後、その右脛骨内(骨髄内-i.b.m.)に1×10個の初代ヒトAML細胞を移植した。(B)照射処理(200~225rad)を行った8~12週齢のNSG NOD-SCIDγc-/-(NSG)マウスの静脈内(i.v.)に2×10個のヒトKG-1細胞を注射した。(C)照射処理(225~250rad)を行った8~12週齢のNOD.Rag1-γc-/--SGM3(NRGS)マウスを麻酔下に置いた後、その右脛骨内(i.b.m.)に1×10個のヒトHEL細胞を移植した。(A)及び(C)では、腫瘍細胞の注射から1週間後に血中に少なくとも100個の腫瘍細胞(腫瘍トリガー)を検出することによって腫瘍の生着を評価した。マウスの血中に100個の腫瘍細胞が検出された時点(腫瘍トリガー)ですぐに処理を開始した。(B)では、腫瘍細胞の静脈内注射から10日後にPBSまたはDOT細胞のいずれかでの処理を開始した。PBSまたは2×10個のDOT細胞を動物に静脈内注射した。この静脈内注射は、5日の間隔を空けて3回実施した。HELを有するNRGS宿主についての生存曲線(CTR(n=5)、DOT処理マウス(n=4);p<0.05)。DOT細胞(2×10個細胞の3回の注射)を、KG-1 AML細胞を事前に注射したNSGマウス(CTR(n=6)、DOT処理マウス(n=7))(D~E)または初代AML細胞を有するNSGSマウス(CTR(n=5)、DOT処理マウス(n=5))(F~G;患者由来異種移植(PDX))に移入した。最後のDOT細胞移入から1週間後に血中及び肝臓中の腫瘍量を評価した(D)。または1週間に1回の採血によって腫瘍量を評価した(F)。生存曲線は、パネルE(P<0.05)及びパネルG(P<0.01)に示される。(H~I)第2の初代AMLモデルを開発した。(H)血液増悪における腫瘍量。(I)初代AMLを有するNSGS宿主(CTR(n=5)、DOT処理マウス(n=5))の生存曲線。疾患症状の進行(後足の麻痺など)が観察された場合は動物を屠殺した。平均値±SEMが示される;,P<0.05;***,P<0.001;****,P<0.0001。
図6F】γδT細胞組成物によるインビボでのAMLの標的化。(A)照射処理(200~225rad)を行った8~12週齢のNOD-SCIDγc-/--SGM3(NSGS)マウスを麻酔下に置いた後、その右脛骨内(骨髄内-i.b.m.)に1×10個の初代ヒトAML細胞を移植した。(B)照射処理(200~225rad)を行った8~12週齢のNSG NOD-SCIDγc-/-(NSG)マウスの静脈内(i.v.)に2×10個のヒトKG-1細胞を注射した。(C)照射処理(225~250rad)を行った8~12週齢のNOD.Rag1-γc-/--SGM3(NRGS)マウスを麻酔下に置いた後、その右脛骨内(i.b.m.)に1×10個のヒトHEL細胞を移植した。(A)及び(C)では、腫瘍細胞の注射から1週間後に血中に少なくとも100個の腫瘍細胞(腫瘍トリガー)を検出することによって腫瘍の生着を評価した。マウスの血中に100個の腫瘍細胞が検出された時点(腫瘍トリガー)ですぐに処理を開始した。(B)では、腫瘍細胞の静脈内注射から10日後にPBSまたはDOT細胞のいずれかでの処理を開始した。PBSまたは2×10個のDOT細胞を動物に静脈内注射した。この静脈内注射は、5日の間隔を空けて3回実施した。HELを有するNRGS宿主についての生存曲線(CTR(n=5)、DOT処理マウス(n=4);p<0.05)。DOT細胞(2×10個細胞の3回の注射)を、KG-1 AML細胞を事前に注射したNSGマウス(CTR(n=6)、DOT処理マウス(n=7))(D~E)または初代AML細胞を有するNSGSマウス(CTR(n=5)、DOT処理マウス(n=5))(F~G;患者由来異種移植(PDX))に移入した。最後のDOT細胞移入から1週間後に血中及び肝臓中の腫瘍量を評価した(D)。または1週間に1回の採血によって腫瘍量を評価した(F)。生存曲線は、パネルE(P<0.05)及びパネルG(P<0.01)に示される。(H~I)第2の初代AMLモデルを開発した。(H)血液増悪における腫瘍量。(I)初代AMLを有するNSGS宿主(CTR(n=5)、DOT処理マウス(n=5))の生存曲線。疾患症状の進行(後足の麻痺など)が観察された場合は動物を屠殺した。平均値±SEMが示される;,P<0.05;***,P<0.001;****,P<0.0001。
図6G】γδT細胞組成物によるインビボでのAMLの標的化。(A)照射処理(200~225rad)を行った8~12週齢のNOD-SCIDγc-/--SGM3(NSGS)マウスを麻酔下に置いた後、その右脛骨内(骨髄内-i.b.m.)に1×10個の初代ヒトAML細胞を移植した。(B)照射処理(200~225rad)を行った8~12週齢のNSG NOD-SCIDγc-/-(NSG)マウスの静脈内(i.v.)に2×10個のヒトKG-1細胞を注射した。(C)照射処理(225~250rad)を行った8~12週齢のNOD.Rag1-γc-/--SGM3(NRGS)マウスを麻酔下に置いた後、その右脛骨内(i.b.m.)に1×10個のヒトHEL細胞を移植した。(A)及び(C)では、腫瘍細胞の注射から1週間後に血中に少なくとも100個の腫瘍細胞(腫瘍トリガー)を検出することによって腫瘍の生着を評価した。マウスの血中に100個の腫瘍細胞が検出された時点(腫瘍トリガー)ですぐに処理を開始した。(B)では、腫瘍細胞の静脈内注射から10日後にPBSまたはDOT細胞のいずれかでの処理を開始した。PBSまたは2×10個のDOT細胞を動物に静脈内注射した。この静脈内注射は、5日の間隔を空けて3回実施した。HELを有するNRGS宿主についての生存曲線(CTR(n=5)、DOT処理マウス(n=4);p<0.05)。DOT細胞(2×10個細胞の3回の注射)を、KG-1 AML細胞を事前に注射したNSGマウス(CTR(n=6)、DOT処理マウス(n=7))(D~E)または初代AML細胞を有するNSGSマウス(CTR(n=5)、DOT処理マウス(n=5))(F~G;患者由来異種移植(PDX))に移入した。最後のDOT細胞移入から1週間後に血中及び肝臓中の腫瘍量を評価した(D)。または1週間に1回の採血によって腫瘍量を評価した(F)。生存曲線は、パネルE(P<0.05)及びパネルG(P<0.01)に示される。(H~I)第2の初代AMLモデルを開発した。(H)血液増悪における腫瘍量。(I)初代AMLを有するNSGS宿主(CTR(n=5)、DOT処理マウス(n=5))の生存曲線。疾患症状の進行(後足の麻痺など)が観察された場合は動物を屠殺した。平均値±SEMが示される;,P<0.05;***,P<0.001;****,P<0.0001。
図6H】γδT細胞組成物によるインビボでのAMLの標的化。(A)照射処理(200~225rad)を行った8~12週齢のNOD-SCIDγc-/--SGM3(NSGS)マウスを麻酔下に置いた後、その右脛骨内(骨髄内-i.b.m.)に1×10個の初代ヒトAML細胞を移植した。(B)照射処理(200~225rad)を行った8~12週齢のNSG NOD-SCIDγc-/-(NSG)マウスの静脈内(i.v.)に2×10個のヒトKG-1細胞を注射した。(C)照射処理(225~250rad)を行った8~12週齢のNOD.Rag1-γc-/--SGM3(NRGS)マウスを麻酔下に置いた後、その右脛骨内(i.b.m.)に1×10個のヒトHEL細胞を移植した。(A)及び(C)では、腫瘍細胞の注射から1週間後に血中に少なくとも100個の腫瘍細胞(腫瘍トリガー)を検出することによって腫瘍の生着を評価した。マウスの血中に100個の腫瘍細胞が検出された時点(腫瘍トリガー)ですぐに処理を開始した。(B)では、腫瘍細胞の静脈内注射から10日後にPBSまたはDOT細胞のいずれかでの処理を開始した。PBSまたは2×10個のDOT細胞を動物に静脈内注射した。この静脈内注射は、5日の間隔を空けて3回実施した。HELを有するNRGS宿主についての生存曲線(CTR(n=5)、DOT処理マウス(n=4);p<0.05)。DOT細胞(2×10個細胞の3回の注射)を、KG-1 AML細胞を事前に注射したNSGマウス(CTR(n=6)、DOT処理マウス(n=7))(D~E)または初代AML細胞を有するNSGSマウス(CTR(n=5)、DOT処理マウス(n=5))(F~G;患者由来異種移植(PDX))に移入した。最後のDOT細胞移入から1週間後に血中及び肝臓中の腫瘍量を評価した(D)。または1週間に1回の採血によって腫瘍量を評価した(F)。生存曲線は、パネルE(P<0.05)及びパネルG(P<0.01)に示される。(H~I)第2の初代AMLモデルを開発した。(H)血液増悪における腫瘍量。(I)初代AMLを有するNSGS宿主(CTR(n=5)、DOT処理マウス(n=5))の生存曲線。疾患症状の進行(後足の麻痺など)が観察された場合は動物を屠殺した。平均値±SEMが示される;,P<0.05;***,P<0.001;****,P<0.0001。
図6I】γδT細胞組成物によるインビボでのAMLの標的化。(A)照射処理(200~225rad)を行った8~12週齢のNOD-SCIDγc-/--SGM3(NSGS)マウスを麻酔下に置いた後、その右脛骨内(骨髄内-i.b.m.)に1×10個の初代ヒトAML細胞を移植した。(B)照射処理(200~225rad)を行った8~12週齢のNSG NOD-SCIDγc-/-(NSG)マウスの静脈内(i.v.)に2×10個のヒトKG-1細胞を注射した。(C)照射処理(225~250rad)を行った8~12週齢のNOD.Rag1-γc-/--SGM3(NRGS)マウスを麻酔下に置いた後、その右脛骨内(i.b.m.)に1×10個のヒトHEL細胞を移植した。(A)及び(C)では、腫瘍細胞の注射から1週間後に血中に少なくとも100個の腫瘍細胞(腫瘍トリガー)を検出することによって腫瘍の生着を評価した。マウスの血中に100個の腫瘍細胞が検出された時点(腫瘍トリガー)ですぐに処理を開始した。(B)では、腫瘍細胞の静脈内注射から10日後にPBSまたはDOT細胞のいずれかでの処理を開始した。PBSまたは2×10個のDOT細胞を動物に静脈内注射した。この静脈内注射は、5日の間隔を空けて3回実施した。HELを有するNRGS宿主についての生存曲線(CTR(n=5)、DOT処理マウス(n=4);p<0.05)。DOT細胞(2×10個細胞の3回の注射)を、KG-1 AML細胞を事前に注射したNSGマウス(CTR(n=6)、DOT処理マウス(n=7))(D~E)または初代AML細胞を有するNSGSマウス(CTR(n=5)、DOT処理マウス(n=5))(F~G;患者由来異種移植(PDX))に移入した。最後のDOT細胞移入から1週間後に血中及び肝臓中の腫瘍量を評価した(D)。または1週間に1回の採血によって腫瘍量を評価した(F)。生存曲線は、パネルE(P<0.05)及びパネルG(P<0.01)に示される。(H~I)第2の初代AMLモデルを開発した。(H)血液増悪における腫瘍量。(I)初代AMLを有するNSGS宿主(CTR(n=5)、DOT処理マウス(n=5))の生存曲線。疾患症状の進行(後足の麻痺など)が観察された場合は動物を屠殺した。平均値±SEMが示される;,P<0.05;***,P<0.001;****,P<0.0001。
図7A】γδT細胞組成物は、化学療法抵抗性のAMLを(再び)標的とする。DOT細胞及び標準的な化学療法のインビトロでの抗AML活性の比較。(A)化学療法ナイーブ(野生型(wt))AML細胞または化学療法再発(CR、99%超のHEL細胞が除去された後の再増殖)AML細胞に対して、DOT細胞及び標準的なAML化学療法(ドキソルビシン+シタラビン)プロトコールを試験した。処理から3時間後のアネキシンV+HEL細胞のパーセントが示される。(B)DOT細胞での処理(E:T比5:1で実施)の前または72時間後のAML HEL細胞の数。生存細胞(<1%)を再選別し、再増殖させることによって、(C~E)のDOT処理(DT)試料を得た。(C)DOT細胞を、非処理(NT)AML HEL細胞または既にDOT処理した(DT)AML HEL細胞と共に5:1または10:1(E:T)の比で3時間共インキュベートした。アネキシンV+HEL細胞のパーセントが示される。(D)非処理(NT)AML HEL細胞、化学療法処理(CT)AML HEL細胞、またはDOT処理(DT)AML HEL細胞におけるバーコード付きAML単一細胞系譜の数。(E)異なる処理の間のバーコード付きAML単一細胞系譜の分布に対するピアソン相関。破線は、それぞれ低度相関(0.2)、中度相関(0.4)、及び高度相関(0.8)を表す。平均値±SEM(**,P<0.01;***,P<0.001;****,P<0.0001)が示される。
図7B】γδT細胞組成物は、化学療法抵抗性のAMLを(再び)標的とする。DOT細胞及び標準的な化学療法のインビトロでの抗AML活性の比較。(A)化学療法ナイーブ(野生型(wt))AML細胞または化学療法再発(CR、99%超のHEL細胞が除去された後の再増殖)AML細胞に対して、DOT細胞及び標準的なAML化学療法(ドキソルビシン+シタラビン)プロトコールを試験した。処理から3時間後のアネキシンV+HEL細胞のパーセントが示される。(B)DOT細胞での処理(E:T比5:1で実施)の前または72時間後のAML HEL細胞の数。生存細胞(<1%)を再選別し、再増殖させることによって、(C~E)のDOT処理(DT)試料を得た。(C)DOT細胞を、非処理(NT)AML HEL細胞または既にDOT処理した(DT)AML HEL細胞と共に5:1または10:1(E:T)の比で3時間共インキュベートした。アネキシンV+HEL細胞のパーセントが示される。(D)非処理(NT)AML HEL細胞、化学療法処理(CT)AML HEL細胞、またはDOT処理(DT)AML HEL細胞におけるバーコード付きAML単一細胞系譜の数。(E)異なる処理の間のバーコード付きAML単一細胞系譜の分布に対するピアソン相関。破線は、それぞれ低度相関(0.2)、中度相関(0.4)、及び高度相関(0.8)を表す。平均値±SEM(**,P<0.01;***,P<0.001;****,P<0.0001)が示される。
図7C】γδT細胞組成物は、化学療法抵抗性のAMLを(再び)標的とする。DOT細胞及び標準的な化学療法のインビトロでの抗AML活性の比較。(A)化学療法ナイーブ(野生型(wt))AML細胞または化学療法再発(CR、99%超のHEL細胞が除去された後の再増殖)AML細胞に対して、DOT細胞及び標準的なAML化学療法(ドキソルビシン+シタラビン)プロトコールを試験した。処理から3時間後のアネキシンV+HEL細胞のパーセントが示される。(B)DOT細胞での処理(E:T比5:1で実施)の前または72時間後のAML HEL細胞の数。生存細胞(<1%)を再選別し、再増殖させることによって、(C~E)のDOT処理(DT)試料を得た。(C)DOT細胞を、非処理(NT)AML HEL細胞または既にDOT処理した(DT)AML HEL細胞と共に5:1または10:1(E:T)の比で3時間共インキュベートした。アネキシンV+HEL細胞のパーセントが示される。(D)非処理(NT)AML HEL細胞、化学療法処理(CT)AML HEL細胞、またはDOT処理(DT)AML HEL細胞におけるバーコード付きAML単一細胞系譜の数。(E)異なる処理の間のバーコード付きAML単一細胞系譜の分布に対するピアソン相関。破線は、それぞれ低度相関(0.2)、中度相関(0.4)、及び高度相関(0.8)を表す。平均値±SEM(**,P<0.01;***,P<0.001;****,P<0.0001)が示される。
図7D】γδT細胞組成物は、化学療法抵抗性のAMLを(再び)標的とする。DOT細胞及び標準的な化学療法のインビトロでの抗AML活性の比較。(A)化学療法ナイーブ(野生型(wt))AML細胞または化学療法再発(CR、99%超のHEL細胞が除去された後の再増殖)AML細胞に対して、DOT細胞及び標準的なAML化学療法(ドキソルビシン+シタラビン)プロトコールを試験した。処理から3時間後のアネキシンV+HEL細胞のパーセントが示される。(B)DOT細胞での処理(E:T比5:1で実施)の前または72時間後のAML HEL細胞の数。生存細胞(<1%)を再選別し、再増殖させることによって、(C~E)のDOT処理(DT)試料を得た。(C)DOT細胞を、非処理(NT)AML HEL細胞または既にDOT処理した(DT)AML HEL細胞と共に5:1または10:1(E:T)の比で3時間共インキュベートした。アネキシンV+HEL細胞のパーセントが示される。(D)非処理(NT)AML HEL細胞、化学療法処理(CT)AML HEL細胞、またはDOT処理(DT)AML HEL細胞におけるバーコード付きAML単一細胞系譜の数。(E)異なる処理の間のバーコード付きAML単一細胞系譜の分布に対するピアソン相関。破線は、それぞれ低度相関(0.2)、中度相関(0.4)、及び高度相関(0.8)を表す。平均値±SEM(**,P<0.01;***,P<0.001;****,P<0.0001)が示される。
図7E】γδT細胞組成物は、化学療法抵抗性のAMLを(再び)標的とする。DOT細胞及び標準的な化学療法のインビトロでの抗AML活性の比較。(A)化学療法ナイーブ(野生型(wt))AML細胞または化学療法再発(CR、99%超のHEL細胞が除去された後の再増殖)AML細胞に対して、DOT細胞及び標準的なAML化学療法(ドキソルビシン+シタラビン)プロトコールを試験した。処理から3時間後のアネキシンV+HEL細胞のパーセントが示される。(B)DOT細胞での処理(E:T比5:1で実施)の前または72時間後のAML HEL細胞の数。生存細胞(<1%)を再選別し、再増殖させることによって、(C~E)のDOT処理(DT)試料を得た。(C)DOT細胞を、非処理(NT)AML HEL細胞または既にDOT処理した(DT)AML HEL細胞と共に5:1または10:1(E:T)の比で3時間共インキュベートした。アネキシンV+HEL細胞のパーセントが示される。(D)非処理(NT)AML HEL細胞、化学療法処理(CT)AML HEL細胞、またはDOT処理(DT)AML HEL細胞におけるバーコード付きAML単一細胞系譜の数。(E)異なる処理の間のバーコード付きAML単一細胞系譜の分布に対するピアソン相関。破線は、それぞれ低度相関(0.2)、中度相関(0.4)、及び高度相関(0.8)を表す。平均値±SEM(**,P<0.01;***,P<0.001;****,P<0.0001)が示される。
図8】血液腫瘍株に対する増殖Vδ1+T細胞集団の反復細胞傷害性。グラフの左側は、負荷1の間にSytox+veであったCTV+ve事象(HL-60腫瘍標的)のパーセントを示し、グラフの右側は、負荷2の間にSytox+veであったCTV+ve事象のパーセントを示す。2人のドナーの標準偏差を伴う平均値。
図9A】刺激したVδ1増殖細胞によるサイトカイン産生。TCR刺激時のVδ1増殖細胞のサイトカイン産生(pg/百万個細胞/時間)(A)。生理学的レベルのOKT3及びIL-15によって刺激したVδ1増殖細胞によって産生された上位サイトカイン(B)またはIL-15での超生理学的な刺激によってVδ1増殖細胞によって産生された上位サイトカイン(C)を円グラフで表したもの。血液試料(PBMCまたはバフィーコート)とVδ1増殖細胞との共培養時のIL-6及びTNFαの産生(D)。
図9B】刺激したVδ1増殖細胞によるサイトカイン産生。TCR刺激時のVδ1増殖細胞のサイトカイン産生(pg/百万個細胞/時間)(A)。生理学的レベルのOKT3及びIL-15によって刺激したVδ1増殖細胞によって産生された上位サイトカイン(B)またはIL-15での超生理学的な刺激によってVδ1増殖細胞によって産生された上位サイトカイン(C)を円グラフで表したもの。血液試料(PBMCまたはバフィーコート)とVδ1増殖細胞との共培養時のIL-6及びTNFαの産生(D)。
図9C】刺激したVδ1増殖細胞によるサイトカイン産生。TCR刺激時のVδ1増殖細胞のサイトカイン産生(pg/百万個細胞/時間)(A)。生理学的レベルのOKT3及びIL-15によって刺激したVδ1増殖細胞によって産生された上位サイトカイン(B)またはIL-15での超生理学的な刺激によってVδ1増殖細胞によって産生された上位サイトカイン(C)を円グラフで表したもの。血液試料(PBMCまたはバフィーコート)とVδ1増殖細胞との共培養時のIL-6及びTNFαの産生(D)。
図9D】刺激したVδ1増殖細胞によるサイトカイン産生。TCR刺激時のVδ1増殖細胞のサイトカイン産生(pg/百万個細胞/時間)(A)。生理学的レベルのOKT3及びIL-15によって刺激したVδ1増殖細胞によって産生された上位サイトカイン(B)またはIL-15での超生理学的な刺激によってVδ1増殖細胞によって産生された上位サイトカイン(C)を円グラフで表したもの。血液試料(PBMCまたはバフィーコート)とVδ1増殖細胞との共培養時のIL-6及びTNFαの産生(D)。
図10】NALM-6細胞及び健康なB細胞に対する増殖Vδ1+T細胞集団の選択的細胞傷害活性。グラフは、さまざまなE:T比での、Sytox+veであったCTV+ve事象(健康なB細胞)のパーセント及びSytox+veであったCFSE+ve事象(NALM-6腫瘍細胞)のパーセントを共に示す。平均値及びSD(2回の技術的反復実験)。3人の生物学的ドナーを代表する1実験。
図11】(A)バフィーコート血液調製物から単離し、照射処理して細胞分裂潜在力を抑止したPBLを、CTV染色した同種異系血液T細胞集団または自己血液T細胞集団と共に1:1の比でサイトカインによる支援なしに5日間共培養した。その後、照射処理PBLとの共培養に反応して生じる細胞分裂を、CTV色素の希釈をフローサイトメトリーによって分析することで評価した。分裂したαβT細胞の総%が示される。N=3。(B)バフィーコート血液調製物から単離し、照射処理して細胞分裂潜在力を抑止したPBLを、2人の異なるドナー(LK008、LK009)から調製したCTV染色した血液T細胞またはGDX012細胞のいずれかと共に1:1の比で共培養した。血液T細胞及びGDX012細胞は、同じドナー由来のものとした。サイトカインによる支援なしに共培養物を5日間インキュベートした。その後、照射処理PBLとの共培養に反応して生じる細胞分裂を、CTV色素の希釈をフローサイトメトリーによって分析することで評価した。(血液T細胞については)αβT細胞の総%、または分裂した生存GDX023細胞の総%が示される。データは、3回の技術的反復実験で得たものが示される。N.D=非検出。
図12】GDX012の単回静脈内投与後のインビボモデルにおける腫瘍制御。0.5×10個のNALM-6-FLuc/GFP細胞を静脈内注射して接種した後、翌日に20×10個のGDX012細胞の単回の静脈内注射処理を行ったまたは行わなかったNSGマウスにおいて全身BLIによって腫瘍増殖を追跡した。すべての対照マウス及び処理マウスに組換えヒトIL-15を腹腔内注射した(試験期間中、3日ごとに1μg/マウスで実施)。14日目~28日目の平均値±SEM(n=8)が示され、17日目及び28日目の時点については個々のデータ点及び腹側全身BLI画像も示される。
図13】GDX012の単回静脈内投与後のインビボモデルにおける骨髄ホーミング。0.5×10個または1×10個のNALM-6-FLuc/GFP細胞を静脈内注射して接種したNSGマウスに対して、24時間後または6日後のいずれかに20×10個のGDX012細胞の単回の静脈内注射処理を行ったまたは行わなかった。すべての対照マウス及び処理マウスに組換えヒトIL-15を腹腔内注射した(試験期間中、2~3日ごとに1μg/マウスで実施)。4週間後に試験を終了して骨髄におけるGDX012の生体内分布及び腫瘍量を評価した。後足長骨から得た骨髄に対してフローサイトメトリーを実施し、生存単一細胞集団内のTCRγδ+細胞(GDX012)及びCD19+細胞(NALM-6細胞)のパーセントを評価した。代表的なフローサイトメトリープロット及び個々のデータ点が示される。
【発明を実施するための形態】
【0009】
第1の態様によれば、骨髄性悪性病変を有する患者の治療における使用のためのVδ1+T細胞を含む同種異系組成物が提供される。本明細書に示されるデータは、同種異系ドナーから増殖させたVδ1+T細胞が高度に多クローン性であり、ドミナントクローンを欠いていることを示しており、これによって、当該Vδ1+T細胞が幅広いドナーにおいて使用するための治療として適したものとなっている。そのような組成物はサイトカイン放出症候群を引き起こす可能性が限られたものであり、混合リンパ球反応を媒介しないことも追加の実験から示されており、こうしたことは、養子細胞療法を考慮した場合に重要な安全面である。さらに、本発明のVδ1+T細胞は、骨髄性の細胞株及び初代細胞に対して高度に選択的かつ細胞傷害性である一方で、同じ型の非悪性の「健康な」細胞を温存する。
【0010】
骨髄性悪性病変
骨髄性悪性病変は、造血幹細胞または前駆細胞に生じるクローン性疾患である。骨髄性悪性病変は、異常な骨髄性前駆細胞の無制御増殖及び/または分化遮断によって特徴付けられ得る。こうした悪性病変と関連する変異がいくつか同定されており、これらの変異は主に5つのクラスに属する:シグナル伝達経路タンパク質(例えば、CBL、FLT3、JAK2、RAS)、転写因子(例えば、CEBPA、ETV6、RUNX1)、エピジェネティック制御因子(例えば、ASXL1、DNMT3A、EZH2、IDH1、IDH2、SUZ12、TET2、UTX)、腫瘍抑制因子(例えば、TP53)、及びスプライソソームの成分(例えば、SF3B1、SRSF2)(Murati et al.(2012)BMC Cancer 12:304)。
【0011】
骨髄性悪性病変は、慢性ステージ(骨髄異形成症候群、骨髄増殖性新生物、及び慢性骨髄単球性白血病を含む)ならびに急性ステージ(急性骨髄性白血病)を含み得る。
【0012】
骨髄性障害の形態、細胞化学、免疫表現型、遺伝学、及び臨床的特徴に基づいて、世界保健機関(WHO)は骨髄性悪性病変を5つの主要型に分類している:(1)急性骨髄性白血病、(2)骨髄異形成症候群、(3)骨髄増殖性新生物、(4)骨髄異形成及び骨髄増殖性新生物、ならびに(5)好酸球増多症及び血小板または線維芽細胞に由来する増殖因子受容体の異常性を伴う骨髄性新生物。分類については、Tefferi and Vardiman(2008)Leukemia 22:14-22にさらに記載されている。
【0013】
したがって、一実施形態では、骨髄性悪性病変は、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖性新生物(MPN)、骨髄異形成及び骨髄増殖性(MDS/MPN)新生物、ならびに好酸球増多症及び血小板または線維芽細胞に由来する増殖因子受容体の異常性を伴う骨髄性新生物、から選択される。別の実施形態では、骨髄性悪性病変はAML、MDS、またはMPNであり、特に、AMLまたはMDSである。
【0014】
一実施形態では、骨髄性悪性病変はAMLである。AMLは、末梢血、骨髄、または他の組織において骨髄性芽球がクローン性に増殖することで生じる。AMLは、健康な白血球にならない異常な骨髄芽球が骨髄性幹細胞から生じるか、または異常な赤血球もしくは血小板になる骨髄性幹細胞が多すぎる場合に引き起こされる。結果として、白血病性芽球または未熟細胞形態が骨髄中、末梢血中、及び時には他の組織中に蓄積し、正常な赤血球、血小板、及び成熟顆粒球の生成が減少する。
【0015】
代替の実施形態では、骨髄性悪性病変はMDSである。MDS及びMPNは骨髄性悪性病変(AMLなど)の前段階であると考えられることが多い。血液細胞数が少ないこと(「血球減少症」とも称される)はMDSの顕著な特徴であり、MDSと関連する症状(感染症、貧血、特発性出血、またはあざのできやすさなど)の多くの原因である。
【0016】
MDS型には、単一血球系統の異形成を伴う不応性血球減少症(RCUD)、環状鉄芽球を伴う不応性貧血(RARS)、多血球系異形成を伴う不応性血球減少症(RCMD)、芽球増加を伴う不応性貧血(RAEB-1及びRAEB-2)、単独欠失(5q)を伴う骨髄異形成症候群、ならびに分類不能型骨髄異形成症候群(MDS-U)が含まれる。RCUDは、単一の血液細胞型に影響を及ぼすものであり、3つの亜型に分類され得る:不応性貧血(赤血球数の低下)、不応性好中球減少症(白血球数の低下)、及び不応性血小板減少症(血小板数の低下)。RARSは不応性貧血と類似しているが、鉄の環を中に有する初期赤血球(環状鉄芽球)の数が骨髄中で増加する。RCMDは、複数の血液細胞型に影響を及ぼすものであり、血中の未熟細胞(芽球)が非常に少ないか、または全く存在せず、骨髄中の芽球数が少ないことによって特徴付けられる。RAEBについては、1つ以上の血液細胞のレベルが低く、骨髄においてこうした細胞の多くが異常に見える。RAEB-2では、血中及び骨髄中の芽細胞がRAEB-1よりも多く存在する。
【0017】
一実施形態では、患者は微小残存病変に陽性(MRD+)である。
【0018】
微小残存病変(MRD)は、がん治療後に体内に少数のがん細胞が存在することを指す。MRDは、AML及びMDSの独立した診断後予後指標であり、この指標はリスク層別化及び治療計画に重要である。
【0019】
MRDでは、細胞レベルが低いことから、高感度検査を使用して検査を行うことが必要になる。最も広く使用される検査は、骨髄細胞及び/または末梢血細胞の試料に対するフローサイトメトリー、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、及び次世代シークエンシング(NGS)である。当該技術分野で知られる方法を使用することでMRD患者の診断を行うことができる。一実施形態では、MRD+患者は完全寛解にあり、検出可能な白血病性芽球を末梢血中に含まず、及び/または5%未満の白血病性芽球を骨髄中に含む。
【0020】
治療すべき患者または対象は、好ましくは、ヒトがん患者(例えば、血液癌の治療中のヒトがん患者)である。
【0021】
一実施形態では、患者は化学療法で以前に治療されている。例えば、患者は、同種異系組成物の投与の少なくとも3日前に化学療法で治療されている可能性がある。
【0022】
一実施形態では、化学療法は、フルダラビン及びシクロホスファミドから選択される。
【0023】
同種異系組成物
一実施形態では、同種異系組成物は、全生細胞に対して少なくとも約90%のCD45+細胞を含む。別の実施形態では、同種異系組成物は、全生細胞に対して少なくとも約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、約99.5%のCD45+細胞を含む。
【0024】
一実施形態では、同種異系組成物は、全生細胞に対して少なくとも約60%のγδT細胞を含む。別の実施形態では、同種異系組成物は、全生細胞に対して少なくとも約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%のγδT細胞を含む。
【0025】
一実施形態では、同種異系組成物は、非増殖出発細胞集団と比較してVδ1+T細胞が濃縮されたエクスビボ増殖細胞集団を含む。一実施形態では、同種異系組成物は、全生細胞に対して少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%のVδ1+T細胞を含む。別の実施形態では、同種異系組成物は、全生細胞に対して30%超(例えば、少なくとも33%)のVδ1+T細胞を含む。別の実施形態では、Vδ1+T細胞は、同種異系組成物の全γδT細胞の少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%を構成する。別の実施形態では、Vδ1+T細胞は、同種異系組成物の全γδT細胞の少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%を構成する。
【0026】
一実施形態では、同種異系組成物は、全生細胞に対して0.1%未満のαβT細胞を含む。好ましくは、同種異系組成物は、0.09%未満、0.08%未満、0.07%未満、0.06%未満、0.05%未満、0.04%未満、0.03%未満、0.02%未満、または0.01%未満のαβT細胞を含む。
【0027】
同種異系組成物は、患者への投与に適した用量を含み得る。別の態様によれば、骨髄性悪性病変を有する患者の治療における使用のためのVδ1+T細胞を含む同種異系組成物の用量が提供される。
【0028】
一実施形態では、同種異系組成物の用量は、約1×1010個未満の全生細胞(約9×10個未満、約8×10個未満、約7×10個未満、約6×10個未満、約5×10個未満、約4×10個未満、約3×10個未満、約2×10個未満、約1×10個未満、約5×10個未満、約3×10個未満、約1×10個未満、約5×10個未満、約3×10個未満、約1×10個未満、約5×10個未満、約3×10個未満、または約1×10個未満の全生細胞など)を含む。一実施形態では、同種異系組成物の用量は、約1×10個未満の全生細胞を含む。一実施形態では、同種異系組成物の用量は、約1×10個超の全生細胞(約3×10個超、約5×10個超、約1×10個超、約3×10個超、約5×10個超、約1×10個超、約3×10個超、約5×10個超、約1×10個超、約3×10個超、または約5×10個超の全生細胞など)を含む。一実施形態では、同種異系組成物の用量は、約1×10個超の全生細胞を含む。一実施形態では、同種異系組成物の用量は、約1×10個の細胞~約1×1010個の全生細胞(約1×10個の全生細胞~約1×10個の細胞、具体的には、約1×10個の細胞~約1×10個の全生細胞など)を含む。一実施形態では、同種異系組成物の用量は、約4×10個~8×10個(例えば、4×10個、8×10個、4×10個、8×10個、1.2×10個、2.4×10個、4×10個、または8×10個)の全生細胞を含む。
【0029】
同種異系組成物は、患者への投与のための用量(治療的に有効な用量など)を含み得る。一実施形態では、患者の体重kg当たりで計算されたVδ1+T細胞の用量が患者に投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のVδ1+T細胞の用量は、約1×10個細胞/kg、約5×10個細胞/kg、約1×10個細胞/kg、約1.5×10個細胞/kg、約2×10個細胞/kg、約3×10個細胞/kg、約5×10個細胞/kg、約1×10個細胞/kg、約1.5×10個細胞/kg、約2×10個細胞/kg、約3×10個細胞/kg、約5×10個細胞/kg、約1×10個細胞/kg、約2×10個細胞/kg、または約5×10個細胞/kgを含む。いくつかの実施形態では、Vδ1+T細胞の用量は、少なくとも約1×10個細胞/kg、約5×10個細胞/kg、約1×10個細胞/kg、約1.5×10個細胞/kg、約2×10個細胞/kg、約3×10個細胞/kg、約5×10個細胞/kg、約1×10個細胞/kg、約1.5×10個細胞/kg、約2×10個細胞/kg、約3×10個細胞/kg、約5×10個細胞/kg、約1×10個細胞/kg、約2×10個細胞/kg、または約5×10個細胞/kgを含む。いくつかの実施形態では、Vδ1+T細胞の用量は、最大で約1×10個細胞/kg、約1.5×10個細胞/kg、約2×10個細胞/kg、約3×10個細胞/kg、約5×10個細胞/kg、約1×10個細胞/kg、約1.5×10個細胞/kg、約2×10個細胞/kg、約3×10個細胞/kg、約5×10個細胞/kg、約1×10個細胞/kg、約2×10個細胞/kg、または約5×10個細胞/kgを含む。いくつかの実施形態では、Vδ1+T細胞の用量は、約1×10~1×10個細胞/kgを含む。
【0030】
同種異系組成物の用量は、5×10個以下αβT細胞/kg(約10個以下αβT細胞/kg、約10個以下αβT細胞/kg、または約10個以下αβT細胞/kgなど)を含み得る。したがって、一実施形態では、用量は、約5×10個未満αβT細胞/kgを含む。別の実施形態では、用量は、約1×10個未満αβT細胞/kgを含む。
【0031】
一実施形態では、同種異系組成物は凍結された後、投与前に解凍される。別の実施形態では、同種異系組成物の用量は凍結前に計算される。別の実施形態では、用量は凍結後に計算される。別の実施形態では、同種異系組成物は凍結されない。
【0032】
本明細書で使用される「約」という用語は、本明細書で使用される場合、上振れ範囲が明記値の10%まで(10%を含む)であり、かつ下振れ範囲が明記値の10%まで(10%を含む)であることを含み、適切には、上振れ範囲が明記値の5%まで(5%を含む)であり、かつ下振れ範囲が明記値の5%まで(5%を含む)であることを含み、とりわけ、明記値を含む。「~」という用語は、明記境界の値を含む。
【0033】
医薬組成物は、本明細書に記載の増殖Vδ1+T細胞組成物を、1つ以上の医薬的または生理学的に許容可能な担体、希釈剤、または医薬品添加物と併せて含み得る。そのような組成物は、緩衝剤(中性緩衝生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水、及び同様のものなど)、糖質(グルコース、マンノース、スクロース、またはデキストラン、マンニトールなど)、タンパク質、ポリペプチド、またはアミノ酸(グリシンなど)、抗酸化剤、キレート剤(EDTAまたはグルタチオンなど)、アジュバント(例えば、水酸化アルミニウム)、ならびに保存剤を含み得る。本発明の医薬組成物に使用され得る凍結保存溶液には、例えば、DMSOが含まれる。組成物は、任意の適切な投与(例えば、静脈内投与)用に製剤化され得る。
【0034】
一実施形態では、医薬組成物は、混入物(例えば、エンドトキシンまたはマイコプラズマ)を実質的に含まない(例えば、混入物が検出可能なレベルで存在しない)。
【0035】
ガンマデルタT細胞
好ましい一実施形態では、γδT細胞は、Vδ1+T細胞の集団を含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、Vδ1+T細胞はCD27を発現する。例えば、Vδ1+T細胞は、10%超、20%超、30%超、40%超、50%超、60%超、70%超、80%超、または90%超のCD27+細胞の頻度を有し得る。代替的には、Vδ1+T細胞は、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、または約90%のCD27+細胞の頻度を有し得る。ある特定の実施形態では、Vδ1+T細胞は、10%超のCD27+細胞の頻度を有する。したがって、一実施形態では、Vδ1+T細胞は、約20%のCD27+細胞の頻度を有する。別の実施形態では、Vδ1+T細胞は、20%超のCD27+細胞の頻度を有する。一実施形態では、Vδ1+T細胞は、約20%のCD27+細胞の頻度を有する。
【0037】
いくつかの実施形態では、Vδ1+T細胞は、低いTIGIT発現細胞の比率を有する。例えば、Vδ1+T細胞は、90%未満、80%未満、70%未満、60%未満、50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、または10%未満のTIGIT+細胞の頻度を有し得る。代替的には、Vδ1+T細胞は、約90%、約80%、約70%、約60%、約50%、約40%、約30%、約20%、または約10%のTIGIT+細胞の頻度を有し得る。ある特定の実施形態では、Vδ1+T細胞は、80%未満のTIGIT+細胞の頻度を有する。したがって、一実施形態では、Vδ1+T細胞は、約70%のTIGIT+細胞の頻度を有する。別の実施形態では、Vδ1+T細胞は、60%未満のTIGIT+細胞の頻度を有する。さらに別の実施形態では、Vδ1+T細胞は、約30%のTIGIT+細胞の頻度を有する。したがって、一実施形態では、Vδ1+T細胞は、TIGITを実質的に発現しない。
【0038】
別の実施形態では、Vδ1+T細胞はCD27を発現し、及び/またはTIGITを実質的に発現しない。
【0039】
Vδ1+T細胞濃縮組成物を得る方法
Vδ1+T細胞は、当該技術分野で知られる方法を使用して得ることができる。例えば、Vδ1+T細胞は、WO2016/198480、WO2017/072367、またはWO2018/202808に記載の方法を使用して得ることができ、これらの文献は、参照によって本明細書に組み込まれる。これらの方法は、培養でVδ1+T細胞(具体的には、Vδ2-TCRγδ+T細胞)を選択的に増殖させ得るものである。これらの方法は、試料に対して実施され、この試料は「出発試料」とも称され得る。これらの方法では、非分画試料か、またはTCRγδ+T細胞が濃縮されている試料のいずれかが使用され得る。
【0040】
本明細書の実施例において提供されるデータは、外来性増殖因子を使用して増殖させたVδ1+T細胞組成物が、単に末梢血から得たFACS選別非増殖Vδ1T細胞(すなわち、エクスビボVδ1T細胞)と比較して多クローン性が改善されたものであることを示している。したがって、一実施形態では、同種異系組成物は、増殖方法を使用して得られるVδ1+T細胞を含み、具体的には、当該増殖方法は、外来性増殖因子の存在下でVδ1+T細胞を培養することを含む。
【0041】
試料は、γδT細胞またはその前駆細胞を含む任意の試料であり得、こうした試料には、限定されないが、血液、骨髄、リンパ系組織、上皮、胸腺、肝臓、脾臓、がん組織、リンパ節組織、感染組織、胎児組織、及びその画分または濃縮部分が含まれる。本発明の組成物及び方法は、血液学的試料から得られるVδ1+T細胞を用いると特に有用である。したがって、一実施形態では、Vδ1+T細胞は血液試料から得られる。
【0042】
試料は、好ましくは、末梢血もしくは臍帯血またはその画分を含む血液であり、こうした画分には、バフィーコート細胞、白血球アフェレーシス産物、末梢血単核細胞(PBMC)、及び低密度単核細胞(LDMC)が含まれる。一実施形態では、血液試料は、末梢血またはその画分である。いくつかの実施形態では、試料は、ヒト血液またはその画分である。細胞は、当該技術分野で知られる手法(密度勾配遠心分離法など)を使用して血液の試料から得ることができる。例えば、全血を等体積のFICOLL-HYPAQUE上に重層した後、室温、400×gでの遠心分離に15~30分間供すことができる。界面物質は低密度単核細胞を含むことになり、この低密度単核細胞を培養培地に収集し、培養培地で洗浄し、室温、200×gでの遠心分離に10分間供すことができる。試料は新鮮なものとするか、または凍結することができる。
【0043】
一実施形態では、Vδ1+T細胞は、ヒト試料から得られる。
【0044】
本明細書に記載のように、本発明の組成物及び方法は、同種異系由来のVδ1+T細胞、すなわち、別のドナーから得られる試料に由来する細胞と共に使用され得る。一実施形態では、Vδ1+T細胞は、健康なドナーから得られる。
【0045】
試料またはその画分(PBMCなど)を培養する前に、そうした試料またはその画分は、ある特定の細胞型が濃縮され、及び/または他の細胞型が枯渇され得る。一実施形態では、試料は、T細胞が濃縮される。試料は、TCRγδ+T細胞が濃縮され得る。例えば、試料は、TCRαβ+T細胞、非TCRγδ+T細胞が枯渇され、及び/またはCD3+細胞が濃縮され得る。一実施形態では、試料は、TCRαβ+T細胞が最初に枯渇された後、CD3+細胞が濃縮される。
【0046】
試料は、当該技術分野で知られる手法を使用してある特定の細胞型が濃縮または枯渇され得る。一実施形態では、枯渇対象の細胞上の特定の分子に結合する抗体を含む抗体カクテルと共に試料またはその画分を培養することによって特定の表現型の細胞が枯渇され得る。好ましくは、カクテル中の抗体は、標的細胞が強制的に磁気カラムに通されるときにこうした細胞の磁気的な枯渇または濃縮に使用可能な磁気マイクロビーズと結合されている。一実施形態では、試料は、αβT細胞が枯渇される。
【0047】
Vδ1+T細胞の収集には、培養物からのVδ1+T細胞の物理的な収集、他のリンパ球(例えば、αβT細胞、γδT細胞、及び/またはNK細胞)からのVδ1+T細胞の単離、あるいは間質細胞(例えば、線維芽細胞)からのVδ1+T細胞の単離及び/または分離が含まれ得る。一実施形態では、Vδ1+T細胞は、機械的な手段(例えば、ピぺッティング)によって収集される。別の実施形態では、Vδ1+T細胞は、磁気分離及び/または標識化によって収集される。さらに別の実施形態では、Vδ1+T細胞は、フローサイトメトリー手法(FACSなど)によって収集される。したがって、ある特定の実施形態では、Vδ1+T細胞は、Vδ1+T細胞を特異的に標識化することによって収集される。Vδ1+T細胞のそのような収集は、培養物からの物理的取り出し、別の培養容器への移送、または別の培養条件もしくは異なる培養条件への移行を含み得ることが理解されよう。
【0048】
試料からの単離時には、Vδ1+T細胞は、一般に、リンパ球の大集団の一部であり、この大集団は、例えば、αβT細胞、B細胞、及びナチュラルキラー(NK)細胞を含む。いくつかの実施形態では、単離されたリンパ球集団の0.1%~10%はVδ1+T細胞であり、例えば、単離されたリンパ球集団の1~10%はVδ1+T細胞である。いくつかの実施形態では、Vδ1+T細胞のパーセントは、CD45+細胞(白血球共通抗原)の比率で測定される。いくつかの実施形態では、単離された集団は、他の細胞型が枯渇される(例えば、αβT細胞が枯渇される)。いくつかの実施形態では、αβT細胞が枯渇された、単離されたCD45+細胞集団は、少なくとも0.1%のVδ1+T細胞(少なくとも0.5%のVδ1+T細胞など)を含む。多くの場合、γδT細胞集団(例えば、血液由来のγδT細胞集団)は、Vδ1T細胞の大集団を含むことになる。場合によっては、γδT細胞の10%未満はVδ2+T細胞である(例えば、γδT細胞の10%未満はVδ2+T細胞である)。
【0049】
試料中の細胞が分画及び濃縮された時点で、望まれる場合は、細胞が培養され得る。
【0050】
ある特定の実施形態では、本発明は、Vδ1+T細胞を増殖させる方法を特徴とする。こうした方法は、インビトロで実施され得る。いくつかの実施形態では、Vδ1+T細胞は、本明細書に記載の試料から単離されたγδT細胞の集団から増殖される。
【0051】
本明細書で使用されるように、「増殖」または「Vδ1+T細胞の増殖集団」への言及は、非増殖集団と比較して細胞集団が大きいか、または多くの数の細胞を含むことを含む。そのような集団は、当該集団内での特定の細胞型の比率の増加に伴って数が多いか、数が少ないか、または混合集団であり得る。「増殖ステップ」という用語は、増殖または増殖集団が生じるプロセスを指すことが理解されよう。したがって、増殖または増殖集団は、実施される増殖ステップを経ていない集団または任意の増殖ステップの前の集団と比較して数が多いか、または多くの数の細胞を含み得る。増殖を示すために本明細書に示される数(例えば、増加倍率または増殖倍率)はいずれも、細胞集団の数もしくはサイズまたは細胞の数の増加を例示するものであると共に、増加の量を示すものであることがさらに理解されよう。
【0052】
一実施形態では、T細胞マイトジェンとインターロイキン-4様活性を有する増殖因子とを含む培地において、インターロイキン-15様活性を有する増殖因子の非存在下で試料を培養することを含む方法によって試料からVδ1+T細胞が得られる。
【0053】
一実施形態では、T細胞マイトジェンとインターロイキン-15様活性を有する増殖因子とを含む培地において、インターロイキン-4様活性を有する増殖因子の非存在下で試料を培養することを含む方法によって試料からVδ1+T細胞が得られる。
【0054】
一実施形態では、
(1)T細胞マイトジェンとインターロイキン-4様活性を有する増殖因子とを含む第1の培養培地において、インターロイキン-15様活性を有する増殖因子の非存在下で試料中の細胞を培養すること、ならびに
(2)T細胞マイトジェンとインターロイキン-15様活性を有する増殖因子とを含む第2の培養培地において、インターロイキン-4様活性を有する増殖因子の非存在下で、ステップ(1)で得られた細胞を培養すること、
を含む方法によって試料からVδ1+T細胞が得られる。
【0055】
「インターロイキン-15、インターロイキン-2、及びインターロイキン-7の非存在下で」及び「インターロイキン-4の非存在下で」という用語は、培養培地中にこれらのサイトカインが完全に存在しないことを指すだけなく、標的細胞において測定可能な応答または生理学的作用を生じさせることが不可能なほど低いが故に実用目的では不在と見なすことができる濃度レベルでそのようなサイトカインを使用することも含む。さらに、「標的細胞における測定可能な生理学的作用」は、標準的な定義による細胞の生理学的状態の任意の測定可能な変化を指す。例えば、細胞の生理学的状態の変化は、そのようなサイトカインとの接触から数時間後または数日後に、その活性化状態の変化(初期活性化細胞マーカーCD69の発現レベルの上方制御もしくは下方制御によって認識される)によって検出されるか、またはその分化状態の変化(NKG2DもしくはNCRの上方制御もしくは下方制御によって認識される)によって検出され得る。測定可能な生理学的作用は、CFSE染色または当該技術分野で知られる他の手法によって測定される細胞の増殖率変化でもあり得る。第1の培養培地において培養される細胞は、IL-2、IL-7、及びIL-15または機能的に類似する増殖因子による機能的に関連する刺激を受けてはならないことが当業者には明らかであろう。さらに、第2の培養培地中の細胞は、IL-4または機能的に類似する増殖因子による機能的に関連する刺激を受けてはならない。好ましくは、これらのサイトカインは、2ng/mlを超える最終濃度で細胞培養培地中に存在してはならず、より好ましくは、1ng/mlを超えてはならず、より好ましくは、0.1ng/mlを超えてはならず、より好ましくは、存在すべきではない。
【0056】
「インターロイキン-15様活性を有する増殖因子」という用語は、培養においてγδT細胞に対する同様の生理学的作用を促進する能力に関してIL-15と同じ活性を有する任意の化合物を意味し、限定されないが、IL-15及びIL-15模倣物、またはIL-2及びIL-7を含む、IL-15の任意の機能的均等物を含む。IL-15、IL-2、及びIL-7によって促進される培養γδT細胞に対する生理学的作用には、より細胞傷害性の表現型への細胞分化の誘導(NKG2DならびにNCR(NKp30及びNKp44)の発現レベルの上方制御など)、抗腫瘍細胞傷害機能の増加、ならびに炎症促進性サイトカイン(IFN-γなど)の産生増加が含まれる。
【0057】
一実施形態では、インターロイキン-15様活性を有する増殖因子は、インターロイキン-15(IL-15)、インターロイキン-2(IL-2)、またはインターロイキン-7(IL-7)のいずれかであり、好ましくは、IL-15である。
【0058】
本明細書で使用される「IL-15」は、天然もしくは組換えのIL-15、または1つ以上のIL-15受容体(IL-15R)サブユニットに対するアゴニストとして作用するそのバリアント(例えば、その変異体、変異タンパク質、類似体、サブユニット、受容体複合体、断片、アイソフォーム、及びペプチド模倣物)を指す。IL-15は、IL-2のように、IL-2依存性細胞株CTLL-2の増殖を支援し得る既知のT細胞増殖因子である。
【0059】
IL-15は、さまざまな哺乳類種に由来するIL-15も指し得、こうした哺乳類種には、例えば、ヒト、サル、ウシ、ブタ、ウマ、及びマウスが含まれる。本明細書で言及されるIL-15「変異タンパク質」またはIL-15「バリアント」は、天然の哺乳類IL-15の配列と実質的に相同的であるが、アミノ酸の欠失、挿入、または置換が理由で天然の哺乳類IL-15ポリペプチドとは異なるアミノ酸配列を有するポリペプチドである。バリアントは保存的に置換された配列を含み得、このことは、所与のアミノ酸残基が同様の生理化学的特徴を有する残基によって置き換えられていることを意味し得る。保存的置換の例としては、1つの脂肪族残基を別の残基へと置換するもの(Ile、Val、Leu、もしくはAlaを別の残基へと置換するものなど)、または1つの極性残基を別の残基へと置換するもの(LysとArgとの置換、GluとAspとの置換、もしくはGlnとAsnとの置換など)が挙げられる。そのような保存的置換は他にもよく知られており、例えば、同様の疎水性特徴を有する領域全体を置換するものである。天然起源のIL-15バリアントもまた、本発明によって包含される。そのようなバリアントの例は、選択的mRNAスプライシング事象から生じるタンパク質、またはIL-15タンパク質がタンパク質分解性に切断されることで生じるタンパク質であり、IL-15の結合特性は保持される。mRNAの選択的スプライシングは、短縮されているが、生物学的に活性なIL-15タンパク質を与え得る。タンパク質分解に起因し得るバリエーションには、例えば、異なる型の宿主細胞での発現時にIL-15タンパク質から1つ以上の末端アミノ酸(一般には、1~10個のアミノ酸)がタンパク質分解性に除去されることに起因するN末端またはC末端の差異が含まれる。
【0060】
本明細書で使用される「IL-2」は、天然もしくは組換えのIL-2、または1つ以上のIL-2受容体(IL-2R)サブユニットに対するアゴニストとして作用するそのバリアント(例えば、その変異体、変異タンパク質、類似体、サブユニット、受容体複合体、断片、アイソフォーム、及びペプチド模倣物)を指す。そのような物質は、IL-2依存性細胞株CTLL-2(33;American Type Culture Collection(ATCC(登録商標))TIB 214)の増殖を支援し得る。
【0061】
IL-2は、さまざまな哺乳類種に由来するIL-2も指し得、こうした哺乳類種には、例えば、ヒト、サル、ウシ、ブタ、ウマ、及びマウスが含まれる。バリアントは保存的に置換された配列を含み得、このことは、所与のアミノ酸残基が同様の生理化学的特徴を有する残基によって置き換えられていることを意味し得る。保存的置換の例としては、1つの脂肪族残基を別の残基へと置換するもの(Ile、Val、Leu、もしくはAlaを別の残基へと置換するものなど)、または1つの極性残基を別の残基へと置換するもの(LysとArgとの置換、GluとAspとの置換、もしくはGlnとAsnとの置換など)が挙げられる。そのような保存的置換は他にもよく知られており、例えば、同様の疎水性特徴を有する領域全体を置換するものである。天然起源のIL-2バリアントもまた、本発明によって包含される。そのようなバリアントの例は、選択的mRNAスプライシング事象から生じるタンパク質、またはIL-2タンパク質がタンパク質分解性に切断されることで生じるタンパク質であり、IL-2の結合特性は保持される。mRNAの選択的スプライシングは、短縮されているが、生物学的に活性なIL-2タンパク質を与え得る。タンパク質分解に起因し得るバリエーションには、例えば、異なる型の宿主細胞での発現時にIL-2タンパク質から1つ以上の末端アミノ酸(一般には、1~10個のアミノ酸)がタンパク質分解性に除去されることに起因するN末端またはC末端の差異が含まれる。
【0062】
本明細書で使用される「IL-7」は、天然もしくは組換えのIL-7、または1つ以上のIL-7受容体(IL-7R)サブユニットに対するアゴニストとして作用するそのバリアント(例えば、その変異体、変異タンパク質、類似体、サブユニット、受容体複合体、断片、アイソフォーム、及びペプチド模倣物)を指す。成熟ヒトIL-7は、152個のアミノ酸の配列(追加の25個のN-末端アミノ酸からなるシグナルペプチドが除かれたもの)として生じる。
【0063】
IL-7は、さまざまな哺乳類種に由来するIL-7も指し得、こうした哺乳類種には、例えば、ヒト、サル、ウシ、ブタ、ウマ、及びマウスが含まれる。バリアントは保存的に置換された配列を含み得、このことは、所与のアミノ酸残基が同様の生理化学的特徴を有する残基によって置き換えられていることを意味し得る。保存的置換の例としては、1つの脂肪族残基を別の残基へと置換するもの(Ile、Val、Leu、もしくはAlaを別の残基へと置換するものなど)、または1つの極性残基を別の残基へと置換するもの(LysとArgとの置換、GluとAspとの置換、もしくはGlnとAsnとの置換など)が挙げられる。そのような保存的置換は他にもよく知られており、例えば、同様の疎水性特徴を有する領域全体を置換するものである。天然起源のIL-7バリアントもまた、本発明によって包含される。そのようなバリアントの例は、選択的mRNAスプライシング事象から生じるタンパク質、またはIL-7タンパク質がタンパク質分解性に切断されることで生じるタンパク質であり、IL-7の結合特性は保持される。mRNAの選択的スプライシングは、短縮されているが、生物学的に活性なIL-7タンパク質を与え得る。タンパク質分解に起因し得るバリエーションには、例えば、異なる型の宿主細胞での発現時にIL-7タンパク質から1つ以上の末端アミノ酸(一般には、1~10個のアミノ酸)がタンパク質分解性に除去されることに起因するN末端またはC末端の差異が含まれる。
【0064】
「インターロイキン-4様活性を有する増殖因子」という用語は、培養においてγδT細胞に対する同様の生理学的作用を促進する能力に関してIL-4と同じ活性を有する任意の化合物を意味し、限定されないが、IL-4及びIL-4模倣物、またはIL-4の任意の機能的均等物を含む。IL-4によって促進されるγδT細胞に対する生理学的作用には、NKG2D及びNCRの発現レベルの低減、細胞傷害機能の抑制、ならびに選択的生存の改善が含まれることが示されている。IL-4は、活性化TCRγδ+T細胞からの炎症促進性サイトカイン(IFN-γ、TNF-αを含む)の分泌を顕著に抑制することも示されている。
【0065】
一実施形態では、インターロイキン-4様活性を有する増殖因子はインターロイキン-4(IL-4)である。
【0066】
本明細書で使用される「IL-4」は、天然もしくは組換えのIL-4、または1つ以上のIL-4受容体(IL-4R)サブユニットに対するアゴニストとして作用するそのバリアント(例えば、その変異体、変異タンパク質、類似体、サブユニット、受容体複合体、断片、アイソフォーム、及びペプチド模倣物)を指す。そのような物質は、ナイーブヘルパーT細胞(Th0細胞)からTh2細胞への分化を支援し得る。成熟ヒトIL-4は、129個のアミノ酸の配列(追加の24個のN-末端アミノ酸からなるシグナルペプチドが除かれたもの)として生じる。
【0067】
IL-4は、さまざまな哺乳類種に由来するIL-4も指し得、こうした哺乳類種には、例えば、ヒト、サル、ウシ、ブタ、ウマ、及びマウスが含まれる。バリアントは保存的に置換された配列を含み得、このことは、所与のアミノ酸残基が同様の生理化学的特徴を有する残基によって置き換えられていることを意味し得る。保存的置換の例としては、1つの脂肪族残基を別の残基へと置換するもの(Ile、Val、Leu、もしくはAlaを別の残基へと置換するものなど)、または1つの極性残基を別の残基へと置換するもの(LysとArgとの置換、GluとAspとの置換、もしくはGlnとAsnとの置換など)が挙げられる。そのような保存的置換は他にもよく知られており、例えば、同様の疎水性特徴を有する領域全体を置換するものである。天然起源のIL-4バリアントもまた、本発明によって包含される。そのようなバリアントの例は、選択的mRNAスプライシング事象から生じるタンパク質、またはIL-4タンパク質がタンパク質分解性に切断されることで生じるタンパク質であり、IL-4の結合特性は保持される。mRNAの選択的スプライシングは、短縮されているが、生物学的に活性なIL-4タンパク質を与え得る。タンパク質分解に起因し得るバリエーションには、例えば、異なる型の宿主細胞での発現時にIL-4タンパク質から1つ以上の末端アミノ酸(一般には、1~10個のアミノ酸)がタンパク質分解性に除去されることに起因するN末端またはC末端の差異が含まれる。
【0068】
一実施形態では、
(1)T細胞マイトジェン及びインターロイキン-4を含む第1の培養培地において、インターロイキン-15、インターロイキン-2、及びインターロイキン-7の非存在下で試料中の細胞を培養すること、ならびに
(2)T細胞マイトジェン及びインターロイキン-15を含む第2の培養培地において、インターロイキン-4の非存在下で、ステップ(1)で得られた細胞を培養すること、
を含む方法によって試料からVδ1+T細胞が得られる。
【0069】
試料からVδ1+T細胞を得る方法は、追加の増殖因子を含み得る。したがって、一実施形態では、第1の培養培地もしくは第2の培養培地または両方の培養培地は、1つ以上の追加の増殖因子をさらに含む。当該追加の増殖因子は、インターフェロン-γ(IFN-γ)、インターロイキン-21(IL-21)、インターロイキン-1β(IL-1β)、及びそれらの組み合わせ、から選択され得る。好ましくは、追加の増殖因子はIFN-γである。これらの増殖因子は、一方または両方の培養培地に添加されることで培養Vδ1+T細胞の増殖及び純度レベルをさらに増加させる。追加の増殖因子には、IL-6、IL-7、IL-8、IL-9、IL-12、IL-18、IL-33、IGF-1、ヒト血小板溶解物(HPL)、及び間質細胞由来因子-1(SDF-1)が含まれ得る。一実施形態では、そのような因子は、Vδ1+T細胞の増殖を選択的に促進する増殖において使用される。
【0070】
「T細胞マイトジェン」という用語は、TCRシグナル伝達を介してT細胞を刺激し得る任意の物質を意味し、こうした物質には、限定されないが、植物レクチン(フィトヘマグルチニン(PHA)及びコンカナバリンA(ConA)など)ならびに非植物起源のレクチン、T細胞を活性化する抗体、ならびに他の非レクチン/非抗体マイトジェンが含まれる。好ましい抗体クローンには、抗CD3抗体(OKT-3クローン及びUCHT-1クローンなど)、抗γδ抗体(B1及びIMMU510など)、または抗Vδ1抗体が含まれる。本発明との関連では、抗体は、モノクローナル抗体(mAb)、ポリクローナル抗体、抗体断片(例えば、Fab及びF(ab’)2)、一本鎖抗体、一本鎖可変断片(scFv)、ならびに組換えで生成される結合パートナーを含むものと理解される。一実施形態では、抗体は抗CD3モノクローナル抗体(mAb)である。別の実施形態では、抗体は抗Vδ1抗体である。他のマイトジェンには、ホルボール12-ミリステート-13-アセテート(TPA)及びその関連化合物(メゼレインなど)、または細菌化合物(例えば、ブドウ球菌エンテロトキシンA(SEA)及び連鎖球菌プロテインA)が含まれる。T細胞マイトジェンは、可溶性のものまたは固定化されたものであり得、方法においては複数のT細胞マイトジェンが使用され得る。
【0071】
一実施形態では、T細胞マイトジェンは、抗体またはその断片である。抗体またはその断片は、抗CD3抗体(例えば、OKT-3)であり得る。代替的または付加的には、抗体またはその断片は、抗TCRγδ抗体(pan-γδTCR抗体など)または抗TCRVδ1抗体であり得る。
【0072】
本明細書での「培養すること」への言及は、細胞を培地に添加することを含み、当該培地は、そうした細胞及び/または非造血組織試料に必要な及び/または好ましい増殖因子及び/または必須栄養素を含む。培養することは、選択的増殖によるものであり得、こうした選択的増殖は、試料に存在する他の細胞型を上回ってVδ1+T細胞が優先的に増殖する培養条件を選択することによるものなどである。代替的には、増殖条件は非選択的であり、培養することの後に非標的細胞(例えば、Vδ1+T細胞以外の細胞(αβT細胞など))の枯渇が行われ得る。代替的には、増殖条件は非選択的であり、培養することの前に非標的細胞(例えば、Vδ1+T細胞以外の細胞(αβT細胞など))の枯渇が行われる。
【0073】
一実施形態では、培養することは、フィーダー細胞の非存在下で実施される。
【0074】
一実施形態では、培養することは、間質細胞との実質的な接触の非存在下で実施される。別の実施形態では、培養することは、線維芽細胞との実質的な接触の非存在下で実施される。
【0075】
一実施形態では、Vδ1+T細胞は、培養することを少なくとも11日間(培養することを少なくとも14日間など)行った後に収集される。ある特定の実施形態では、本明細書で定義される方法による培養の期間は、少なくとも14日である。ある特定の実施形態では、本明細書で定義される方法による培養の期間は、45日未満(30日未満(25日未満など)など)である。別の実施形態では、本明細書で定義される方法による培養の期間は、14日~35日(14日~21日など)である。さらに別の実施形態では、本明細書で定義される方法による培養の期間は、約21日である。
【0076】
別の実施形態では、培養することは、Vδ1+T細胞の増殖集団の生成に有効な量で、ある期間(例えば、少なくとも5日間、少なくとも6日間、少なくとも7日間、少なくとも8日間、少なくとも9日間、少なくとも10日間、少なくとも11日間、少なくとも12日間、少なくとも13日間、少なくとも14日間、少なくとも21日間、少なくとも28日間、またはそれより長い期間、例えば、5日~40日間、7日~35日間、14日~28日間、または約21日間)実施される。いくつかの実施形態では、培養することは、数時間(例えば、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約15時間、約18時間、または約21時間)~約35日間(例えば、1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、13日間、14日間、15日間、16日間、17日間、18日間、19日間、20日間、21日間、22日間、23日間、24日間、25日間、26日間、27日間、28日間、29日間、30日間、31日間、32日間、33日間、34日間、または35日間)行われる。一実施形態では、培養することは、14日~21日間行われる。
【0077】
2つの培養培地が使用される場合、各培地において培養することの期間の長さは異なり得ることが理解されよう。例えば、細胞は、第1の培養培地において約2日~約21日間、より好ましくは、約3日~約14日間、より好ましくは、約4日~8日間培養され得る。細胞は、第2の培養培地において約2日~約30日間、より好ましくは、約5日~約21日間、より好ましくは、約10日~15日間培養され得る。
【0078】
一実施形態では、培養することは、気体透過性材料を含む容器において実施される。そのような材料は、気体(酸素、二酸化炭素、及び/または窒素など)を透過させることで容器の内容物と周囲の外気との間の気体交換を可能にする。本明細書での「容器」への言及は培養皿、培養プレート、シングルウェルディッシュ、マルチウェルディッシュ、マルチウェルプレート、フラスコ、多層フラスコ、ボトル(ローラーボトルなど)、バイオリアクター、バッグ、管、及び同様のものを含むことが理解されよう。非接着細胞及び他のリンパ球の増殖を伴う方法において使用するためのそのような容器は当該技術分野で知られている。気体透過性材料を含む容器は、単離されるVδ1+T細胞の収量を増加させることが明らかとなっている。そのような容器は、線維芽細胞及び他の間質細胞(例えば、上皮細胞)(接着細胞型を含む)を上回ってVδ1+T細胞及び他のリンパ球を優先的に支援することも明らかになった。別の実施形態では、気体透過性材料を含む容器において実施される培養物には、線維芽細胞及び/または他の間質細胞(例えば、上皮細胞)は存在しない。
【0079】
気体透過性材料を含むそのような容器は、非多孔性の気体透過性材料をさらに含み得る。したがって、一実施形態では、気体透過性材料は非多孔性である。いくつかの実施形態では、気体透過性材料は、膜フィルム(シリコーン、フルオロエチレンポリプロピレン、ポリオレフィン、またはエチレン酢酸ビニルコポリマーなど)である。さらに、そのような容器は、その一部のみに気体透過性材料、気体透過性膜フィルム、または非多孔性気体透過性材料を含み得る。したがって、さらに別の実施形態によれば、容器は、上部、下部、及び少なくとも1つの側壁を含み、当該容器下部の少なくとも一部は、当該上部が当該下部の上にくる場合に実質的に水平な面になる気体透過性材料を含む。一実施形態では、容器は、上部、下部、及び少なくとも1つの側壁を含み、当該下部の少なくとも一部は、当該上部が当該下部の上にくる場合に水平面となる気体透過性材料を含む。別の実施形態では、容器は、上部、下部、及び少なくとも1つの側壁を含み、当該少なくとも1つの側壁は、当該上部が当該下部の上にくる場合に垂直面となり得る気体透過性材料、または当該上部が当該下部の上にこない場合に水平面となり得る気体透過性材料を含む。そのような実施形態では、当該下部または当該側壁の一部のみが気体透過性材料が含み得ることが理解されよう。代替的には、当該下部の全体または当該側壁の全体が気体透過性材料を含み得る。さらに別の実施形態では、気体透過性材料を含む当該容器の当該上部は、例えばOリングを利用することによって、密封され得る。そのような実施形態は、容器内容物の漏出阻止または蒸発低減を行うものであることが理解されよう。したがって、ある特定の実施形態では、容器は、気体透過性材料を含むことで気体交換を可能にする液体密封入れ物を含む。代替の実施形態では、気体透過性材料を含む当該容器の当該上部は水平面であり、当該下部の上に位置し、密封されない。したがって、ある特定の実施形態では、当該上部は、容器の上部からの気体交換が可能になるように構成される。別の実施形態では、気体透過性入れ物の当該下部は、当該容器の下部からの気体交換が可能になるように構成される。さらに別の実施形態では、気体透過性材料を含む当該容器は液体密封入れ物であり得、注入ポート及び排出ポートまたは注入管及び排出管をさらに含み得る。したがって、ある特定の実施形態では、気体透過性材料を含む容器は、上部、下部、及び任意選択で少なくとも1つの側壁を含み、当該上部及び当該下部の少なくとも一部は気体透過性材料を含み、少なくとも1つの側壁が存在する場合はその少なくとも一部が気体透過性材料を含む。容器の例はWO2005/035728及びUS9255243に記載されており、これらの文献は参照によって本明細書に組み込まれる。こうした容器は商業的にも利用可能であり、Wilson Wolf Manufacturingによって供給されるG-REX(登録商標)細胞培養デバイス(G-REX6ウェル-プレート、G-REX24ウェル-プレート、及びG-REX10容器など)などである。
【0080】
ある特定の実施形態では、試料は、実質的に血清を含まない培地(例えば、無血清培地または血清代替物(SR)を含む培地)において培養される。したがって、一実施形態では、試料は、無血清培地において培養される。そのような無血清培地には血清代替物培地も含まれ得、血清代替物は、ヒトまたは動物に由来する血清の使用を回避するために化学的に規定された成分に基づくものである。代替の実施形態では、試料は、血清(例えば、ヒトAB血清またはウシ胎仔血清(FBS))を含む培地において培養される。一実施形態では、試料は、血清代替物を含む培地において培養される。一実施形態では、試料は、動物由来の産物を含まない培地において培養される。
【0081】
無血清培地において試料が培養される実施形態は、血清のろ過、沈降処理、混入、及び供給に伴う問題が回避されるという利点を有することが理解されよう。さらに、動物由来の産物は、ヒト用治療薬の臨床グレード製造での使用には好ましくない。
【0082】
γδT細胞の増殖における使用に適した基本培養培地は多くのものが利用可能であり、具体的には、AIM-V、イスコフ培地、及びRPMI-1640(Life Technologies)などである。培地には、本明細書で定義される他の培地因子(血清、血清タンパク質、及び選択薬剤(抗生物質など)など)も添加され得る。例えば、いくつかの実施形態では、RPMI-1640培地は、2mMのグルタミン、10%のFBS、10mMのHEPES(pH7.2)、1%のペニシリン-ストレプトマイシン、ピルビン酸ナトリウム(1mM;Life Technologies)、非必須アミノ酸(例えば、100μMのGly、Ala、Asn、Asp、Glu、Pro、及びSer;1×MEM非必須アミノ酸(Life Technologies))、ならびに10μl/Lのβ-メルカプトエタノールを含む。代替の実施形態では、AIM-V培地にはCTS免疫血清代替物及びアムホテリシンBが添加され得る。好都合には、細胞は、単離及び/または増殖の間、適切な培養培地において、COを5%含む加湿雰囲気の下、37℃で培養される。
【0083】
培養培地に添加され得る他の成分の例としては、限定されないが、血漿または血清、精製タンパク質(アルブミンなど)、脂質源(低密度リポタンパク質(LDL)など)、ビタミン、アミノ酸、ステロイド、ならびに細胞の増殖及び/または生存を支援または促進する任意の他の添加物が挙げられる。
【0084】
記載の方法に従って得られるVδ1+T細胞は、当該技術分野で知られる手法を使用して、最終培養物に存在し得る他の細胞から分離され得る。こうした手法には、蛍光活性化細胞選別、免疫磁気分離法、親和性カラムクロマトグラフィー、密度勾配遠心分離法、及び細胞パニングが含まれる。
【0085】
得られるVδ1+T細胞は、本明細書に記載の治療用途、実験用途、もしくは商業用途に迅速に使用され得るか、または当該細胞は、後日に使用するために凍結保存され得る。
【0086】
治療方法
本発明の別の態様によれば、骨髄性悪性病変を治療する方法が提供され、この方法は、Vδ1+T細胞を含む同種異系組成物を治療的に有効な量で当該骨髄性悪性病変を有する患者に投与することを含む。
【0087】
本明細書で使用される「治療的に有効な量」という用語は、所望の結果の達成に必要な用量及び期間で、所望の結果の達成に有効な量を意味する。
【0088】
本明細書に前述されるように、骨髄性悪性病変は、急性骨髄性白血病(AML)及び骨髄異形成症候群(MDS)から選択され得る。本発明は、微小残存病変に陽性(MRD+)である患者に特に有用である。
【0089】
一実施形態では、方法は、化学療法を施すことをさらに含む。
【0090】
一実施形態では、患者は、同種異系組成物の投与の少なくとも3日前に化学療法で治療される。化学療法は、例えば、フルダラビン及びシクロホスファミドから選択され得る。
【0091】
一実施形態では、患者の体重kg当たりで計算されたVδ1+T細胞の用量が患者に投与される。いくつかの実施形態では、治療的に有効な量は、約1×10個細胞/kg、約5×10個細胞/kg、約1×10個細胞/kg、約1.5×10個細胞/kg、約2×10個細胞/kg、約3×10個細胞/kg、約5×10個細胞/kg、約1×10個細胞/kg、約1.5×10個細胞/kg、約2×10個細胞/kg、約3×10個細胞/kg、約5×10個細胞/kg、約1×10個細胞/kg、約2×10個細胞/kg、または約5×10個細胞/kgを含む。いくつかの実施形態では、治療的に有効な量は、約1×10個細胞/kg、約1.5×10個細胞/kg、約2×10個細胞/kg、約3×10個細胞/kg、約5×10個細胞/kg、約1×10個細胞/kg、約1.5×10個細胞/kg、約2×10個細胞/kg、約3×10個細胞/kg、約5×10個細胞/kg、約1×10個細胞/kg、約2×10個細胞/kg、または約5×10個細胞/kgを含む。いくつかの実施形態では、治療的に有効な量は、最大で約1×10個細胞/kg、約1.5×10個細胞/kg、約2×10個細胞/kg、約3×10個細胞/kg、約5×10個細胞/kg、約1×10個細胞/kg、約1.5×10個細胞/kg、約2×10個細胞/kg、約3×10個細胞/kg、約5×10個細胞/kg、約1×10個細胞/kg、約2×10個細胞/kg、または約5×10個細胞/kgを含む。いくつかの実施形態では、治療的に有効な量は、約1×10~1×10個細胞/kgを含む。一実施形態では、治療的に有効な量は、約1×10個未満細胞/kgを含む。
【0092】
いくつかの実施形態では、治療的に有効な量は、約1×1010個未満の全生細胞(約1×10個未満の全生細胞または約1×10個未満の全生細胞など)を含む。いくつかの実施形態では、治療的に有効な量は、約8×10個、約4×10個、約2.4×10個、約1.2×10個、約8×10個、約4×10個、約8×10個、または約4×10個の全生細胞を含む。
【0093】
いくつかの実施形態では、治療的に有効な量は、約5×10個未満αβT細胞/kgを含む。別の実施形態では、治療的に有効な量は、約1×10個未満αβT細胞/kgを含む。
【0094】
一実施形態では、Vδ1+T細胞(例えば、対象の体重kg当たり10~10個のVδ1+T細胞、例えば、対象の体重kg当たり10~10個のVδ1+T細胞)が対象に初回投与され、Vδ1+T細胞が1回以上(例えば、2回、3回、4回、または5回)後続投与される。一実施形態では、1回以上の後続投与は、前回投与から15日(例えば、14日、13日、12日、11日、10日、9日、8日、7日、6日、5日、4日、3日、または2日)が経過する前に(例えば、前回投与から4日、3日、または2日が経過する前に)実施される。
【0095】
いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の治療剤が対象に投与され得る。追加の治療剤は、免疫治療剤、細胞傷害剤、増殖抑制剤、放射線治療剤、抗血管新生剤、またはそれらの2つ以上の薬剤の組み合わせ、からなる群から選択され得る。追加の治療剤は、増殖Vδ1+T細胞の投与と同時、投与前、または投与後に投与され得る。追加の治療剤は免疫治療剤であり得、当該免疫治療剤は、対象の体内の標的(例えば、対象自身の免疫系)及び/または移入Vδ1+T細胞に作用し得る。
【0096】
組成物の投与は、任意の好都合な様式で実施され得る。患者への本明細書に記載の組成物の投与は、経動脈的に、皮下に、皮内に、腫瘍内に、節内に、髄内に、筋肉内に、静脈内注射によって、または腹腔内に行うことができ、例えば、皮内注射または皮下注射によって行われる。具体的には、組成物は、静脈内注入物として投与される。
【0097】
本明細書に記載の実施形態はすべて、本発明のすべての態様に適用され得ることが理解されよう。
【0098】
ここでは、上述の図を参照して、本発明のある特定の態様及び実施形態が例として示されることになる。
【実施例
【0099】
材料及び方法
倫理に関する記述
初代急性骨髄性白血病(AML)細胞は、インフォームドコンセント及び施設内倫理委員会の承認の後に、病変が初回である患者の末梢血から得た。試験はヘルシンキ宣言に従って実施した。
【0100】
マウス
NOD SCIDγ -/-(NSG)マウス、NOD SCIDγ -/-SGM3(NSGS)マウス、及びNOD Rag1-/-γ -/-SGM3(NRGS)マウスはJackson Laboratoriesから入手した。週齢及び性別を一致させたマウスを、異なる群に無作為に割り付けた。(骨髄内モデルにおいて)週に1回の採血によって疾患発症を追跡した。後足の運動性低下が最初に示された時点で疾患エンドポイントとする。動物手順はすべて、Direcao Geral de Veterinariaの基本指針に従って実施し、Animal Ethics Committee of Instituto de Medicina Molecular Joao Lobo Antunes(Lisboa,Portugal)によって承認されたものである。
【0101】
γδT細胞組成物及びTCRレパートリー分析
γδT細胞組成物は、WO2016/198480に記載の方法を使用して生成させた。具体的には、「デルタ1T(Delta One T)」(DOT)細胞プロトコールは、Almeida et al.(2016)Clin.Cancer Res.22:5795-804に記載の研究スケールバージョンの増殖プロトコールを指し、「GDX012」は、使用容器(例えば、G-Rex容器)を大きくしてスケールを大きくしたバージョンの増殖プロトコールを指す。簡潔に記載すると、5%の自己血漿及び2mmol/LのL-グルタミン(Thermo Fisher Scientific)が添加された無血清培養培地(OpTmizer-CTS)にMACS選別γδT細胞を再浮遊させた。動物産物を含まないヒトサイトカイン(組換えIL-4[rIL4](100ng/mL)、組換えインターフェロン-γ[rIFNγ](70ng/mL)、組換えIL-21[rIL21](7ng/mL)、及び組換えIL-1β[rIL1β](15ng/mL))ならびに可溶性の抗CD3 mAb(クローンOKT-3、70ng/mL)を培地に添加した。5%CO雰囲気下、37℃で細胞をインキュベートし、組換えIL-15[rIL15](70ng/mL)、IFNγ(30ng/mL)、及び抗CD3(1mg/mL)を含む新鮮な培地を一定間隔で細胞に供給した。細胞は、任意選択で、増殖後に凍結し、使用前に解凍する。
【0102】
TRGV及びTRDVレパートリー分析については、最初の血液試料(エクスビボ)、または上記のように生成させた最終的なDOT細胞産物、のいずれかからFACSによってVδ1+T細胞を選別した。次世代シークエンシングについては、以前の説明のように実施した(Verstichel et al.(2017)Sci.Immunol.2:eaah4232、Ravens et al.(2017)Nat Immunol.18:393-401、Di Lorenzo et al.(2019)Sci Data 6:115)。DOT細胞クローンの生成については、FACSによって選別したCD3+TCRVδ1+TCRVδ2-単一細胞を96ウェル/プレートに移し、10個の照射処理した自己末梢血単核細胞(フィーダー)(1週間に1回交換した)の存在下で上記のDOT細胞プロトコールを使用して21日間培養した。
【0103】
インビトロ及びインビボでのAML細胞の標的化
German Resource Center for Biologic Material(DSMZ)によって認証されたAML細胞株(THP-1、HEL、AML-193、MV4-11、HL-60、U-937、OCI-AML3、Kasumi-1、及びKG-1)をDSMZから入手し、継代数p3~p8の時点で使用した。レンチウイルスによるAML細胞へのバーコード付加については、以前に詳述されたように実施及び分析した(Naik et al.(2013)Nature 496:229-232)。インビトロでの標的化については、AML細胞株または初代試料をDOT細胞と共に3時間共インキュベートし、以前に詳述されたようにアネキシンVで染色した(Nobrega-Pereira et al.(2018)Cancer Res.78:731-741)。インビボでの標的化については、図6A~Cに表されるように3つの異種移植hAMLモデルを確立した。患者由来の異種移植(脛骨内注射)については以前に記載されている(12)。腫瘍量の評価は、抗ヒトCD45(HI30)及び抗ヒトCD33(P67.6)を用いて染色することによって行った。フローサイトメトリーによるデータの取得はLSR Fortessa(BD Biosciences)で実施し、FlowJo Xソフトウェア(Tree Star)を用いてデータを解析した。
【0104】
統計解析
GraphPad Prismソフトウェアを使用して実施した。データはすべて平均値±SEMとして表した。2群の比較はスチューデントt検定によって実施し、3群以上の比較は、ANOVA検定をDunnet事後検定と組み合わせることによって実施した。動物の生存比較は、ログ・ランク(コックス・マンテル)検定を使用して実施した。
【0105】
実施例1:γδT細胞組成物は、エクスビボVδ1+T細胞よりも高いクローン多様性を示す。
材料及び方法セクションに記載のDOT細胞プロトコールを用いたαβ枯渇末梢血単核細胞の増殖に際してγδT細胞産物を最初に特徴付けた。成人末梢血Vδ1+T細胞レパートリーのクローン性の増殖及び多様性低下が一般的な病原体(サイトメガロウイルス(CMV)など)によって導かれる可能性があるとする報告が存在することから、TCRレパートリーに対する増殖の影響を分析した。細胞を三週間培養する前及び後に、TRGV遺伝子及びTRDV遺伝子のCDR3領域の次世代シークエンシングを実施した。すべての分析ドナーから得た新鮮な非増殖エクスビボVδ1T細胞とは対照的に、増殖Vδ1+細胞は高度に多クローン性であり、ドミナントクローンを欠いていることが明らかとなった(図1A~D)。
【0106】
このことは、全Vδ1TCRレパートリーに対する上位20の増殖クローンの寄与によって示された。これら20のクローンは末梢血では60%超を占めていたが、Vδ1+T細胞産物でのその構成率は10%未満であった。さらに、非増殖エクスビボ細胞で同定されたクローン型と増殖Vδ1+細胞で同定されたクローン型との間で共有されているクローン型は、(特にTRDVについては)ほとんど存在しなかった(表1)。
【0107】
【表1】
【0108】
増殖Vδ1+T細胞レパートリーの多様化の基礎を調べた。増殖前/分化Vδ1+T細胞にはCD27の下方制御が事前に関与することを考慮し、事前に選別したCD27-サブセット及びCD27+サブセットから生成させた増殖細胞のTCRクローン性を比較したところ、Vδ1+T細胞増殖プロトコールの下で示される増殖能力が異なることが示された。増殖後の多様なVδ1+T細胞の生成はCD27+前駆細胞に限られることが明らかとなった。さらに、Vδ1+T細胞集団(バルクVδ1T細胞から生成させたもの)は、その大半がCD27+細胞から構成されることが示された。事前に選別したCD27+細胞を起源とするVδ1+T細胞産物はNKp30を発現し、KG-1 AML細胞に対して高度に細胞傷害性であった(図2A~B)。
【0109】
実施例2:AML細胞に対するγδT細胞組成物の反応性
Vδ1+T細胞の多クローン性の機能的関連性を評価するために、単一細胞選別Vδ1+T細胞からクローンを生成させ、フィーダー細胞を添加することを含む適合DOT細胞増殖プロトコールを使用して増殖/分化させた。AML細胞株KG-1に対するこうした細胞の細胞傷害性を試験した(図3A)。ほとんどのクローン(異なるドナーに由来するもの)がインビトロでの短時間(3時間)の共インキュベート時にKG-1細胞のアポトーシスを効率的に誘導することが明らかとなった(図3A)。こうした結果は、増殖Vδ1+T細胞集団が、AML細胞を標的とする固有能力を有する複数のクローンから構成されるものであることを示す。この反応性にTCRが関与するかどうかを機能的に試験するために、Vδ1TCRを特異的に遮断するmAb(またはアイソタイプ対照)の存在下で死滅アッセイを実施したところ、異なるドナーに由来するいくつかのクローンにわたってKG-1細胞の標的化が軽度に低下することのみが観察された(図3B)。
【0110】
抗AML活性をさらに評価するために、複数のドナーに由来するバルクDOT細胞産物を、さまざまな他のAML細胞株ならびに診断時の患者から得た初代試料に対して試験した。すべての場合において、増殖Vδ1+T細胞集団はインビトロでAML細胞を直ちに(3時間以内)に死滅させた(図4A~B)。この様式は、CAR-T細胞について報告されたもの(Mardiros et al.(2013)Blood 122:3138-3148、Gill et al.(2014)Blood 123:2343-2354、Petrov et al.(2018)Leukemia 32:1317-1326)と同様であり、増殖させていない新鮮なエクスビボVδ1T細胞とは異なるものであった(図4D)。細胞傷害性は、腫瘍細胞認識時のパーフォリン及びグランザイムBの脱顆粒及び発現の増加と関連していた(図4E~F)。増殖Vδ1+T細胞は、CD33+及びCD123+骨髄性前駆細胞を含めて、健康なボランティアの末梢血に由来するいずれの正常白血球集団(骨髄性またはリンパ性)も標的とすることはなかった(図4C)。こうした正常白血球集団がそれぞれのCAR-T細胞によるオンターゲット枯渇を受けることは、望ましくないの骨髄破壊の原因となることが知られている。
【0111】
他の血液腫瘍細胞株に対しても同種異系γδT細胞組成物を試験した。
【0112】
バフィーコートからのPBMCの生成
血液を1部、PBSを3部としてバフィーコートを希釈し、Leucosep管(管当たり20mlのバフィーコート-PBS混合物)に重層した。遠心分離ブレーキを1に設定して2000rpm(約800g)、室温でLeucosep管を20分間遠沈した。界面を収集し、1つの管に統合し、PBSでさらに1回洗浄した後、下流アッセイに使用した。
【0113】
下記の腫瘍株及び健康な株(「標的」)に対するフローサイトメトリー細胞傷害性アッセイにおいて、2人のドナーに由来するGDX012細胞(「エフェクター」)を分析した。
-NALM-6
-Raji
-MV4-11
-Kasumi
-HL-60
-健康な同種異系末梢血単核細胞
【0114】
標的細胞をPBSで洗浄し、CellTrace Violet(CTV)を用いて室温で20分間染色した。20分後、少なくとも10%の血清を含む培地で細胞を洗浄し、サイトカインを含まない標的細胞培地(RPMI)に再浮遊させた。その後、標的細胞をエフェクター細胞と共に、10:1、5:1、2:1、及び1:1(エフェクター:標的)の比で37℃、2連または3連で20時間共培養した。このアッセイはサイトカインの非存在下で実施した。
【0115】
20時間後、SytoxAADvancedを培養培地に添加することによって死細胞を室温で10分間染色し、MACSQuant10で直ちに分析した。下記の式を使用して溶解パーセントを算出した。
【0116】
【数1】
【0117】
全体として、腫瘍株はすべて、Vδ1+T細胞介在性の標的化に感受性であった。E:T比を高めると細胞傷害性のレベルが上昇した。逆に、健康なPBMCは、E:T比とは無関係に完全に温存された。したがって、増殖Vδ1+T細胞は幅広い範囲の血液腫瘍標的を標的とする能力を有する一方で、健康な同種異系細胞は温存する。結果は図5に示される。
【0118】
実施例3:γδT細胞組成物によるインビボでのAMLの標的化のための異種移植モデル
インビボでAMLに対してDOT増殖Vδ1+T細胞を試験するために、AMLのさまざまな独立した異種移植モデルを確立した(図6A~C)。AML細胞株モデル(図6C~E)及び2人の患者由来の異種移植(図6F~I)の両方において、DOT増殖Vδ1+T細胞を投与すると、顕著な毒性を伴うことなく腫瘍量が減少し、宿主生存率が上昇した。CAR-T細胞はAML異種移植においてより大きな生存効果を与えることが報告されているが(Mardiros et al.(2013)、Gill et al.(2014)、Petrov et al.(2018))、こうしたモデルは、標的抗原を一様に発現するAML細胞株に偏ったものであった。その一方で、患者において骨髄破壊を誘導することが予測される方針の毒性を、異種移植を使用して評価することは不可能である。このデータは、VD1+濃縮γδT細胞組成物の安全性プロファイル及び効力プロファイルが組み合わさることで、この組成物がAMLの養子細胞療法の候補となることを裏付けるものである。
【0119】
実施例4:γδT細胞組成物は、化学療法抵抗性AMLを標的とする。
化学療法抵抗性は、AML治療の状況では致命的な再発を誘導することから、DOT増殖Vδ1+T細胞を、化学療法抵抗性AML細胞の標的化について評価した。この目的については、シタラビン+ドキソルビシンでAML細胞を72時間処理し、これによって99%超の腫瘍細胞を除去し、その後に生存細胞を再増殖させた後、化学療法またはVδ1+T細胞を用いて培養物を処理した。化学療法の細胞傷害性効力は減少したが、Vδ1+T細胞の標的化効力は影響を受けなかった(図7A)。このことは、Vδ1+T細胞が化学療法抵抗性AML細胞を標的とする能力に優れていることを実証するものである。
【0120】
この観点に加えて、Vδ1+T細胞レパートリーが多クローン性かつ多反応性であること(図1に示される)を考慮して、本発明者らは、72時間で99%超の腫瘍細胞が除去された最初のVδ1+T細胞処理(図7B)の後にVδ1+T細胞がAML細胞を再度標的とする能力について調べた。72時間の時点で存在した残りの約0.1%のAML細胞をFACSによって選別し、再増殖させてからVδ1+T細胞で再処理した。Vδ1+T細胞は、事前に処理したAML細胞を非処理対照と同じ効率で死滅させた(図7C)。このことは、Vδ1+T細胞での処理によってVδ1+T抵抗性AML細胞の特定サブセットが選択されなかったことを示唆している。治療(Vδ1+T細胞または化学療法)圧力時のAMLクローン動態を追跡するために、細胞バーコード(NGSによって追跡可能な非コードDNA配列)を用いて単一AML細胞のタグ付けを行った。化学療法は、すべてのバーコード付きAML単一細胞系譜の約半分を選択的に標的としたが、Vδ1+T細胞はAML集団のクローンアーキテクチャを保った(図7D~E)。
【0121】
まとめると、こうしたデータは、増殖Vδ1+T細胞によって標的にされるAMLに幅があることで、抵抗性系譜が選択されることが回避され、効率的な再治療が可能になることを示唆している。化学療法後に不応性の再発が生じることは阻止される必要がある。このように、この研究は、AML治療にγδT細胞組成物を臨床的に適用する上での証拠を与えるものである。
【0122】
実施例5:Vδ1+T細胞集団の反復細胞傷害性
反復負荷細胞傷害性アッセイ
適切な腫瘍細胞株に対する反復細胞傷害性についてのVδ1+T細胞の能力を決定するために、2人のドナー由来のGDX012増殖Vδ1+T細胞を、AML HL-60標的細胞に対するフローサイトメトリー細胞傷害性アッセイにおいて分析した。簡潔に記載すると、HL-60標的細胞をPBSで洗浄し、CellTrace Violet(CTV)を用いて室温で20分間染色した。20分後、少なくとも10%の血清を含む培地で細胞を洗浄し、サイトカインを含まない標的細胞培地(RPMI)に再浮遊させた。その後、標的細胞をエフェクター細胞と共に10:1(エフェクター:標的)の比で37℃、2連または3連で48時間共培養した。2ng/mlのIL-15の存在下でアッセイを実施した。48時間後、SytoxAADvancedを培養培地に添加することによって死細胞を室温で10分間染色し、MACSQuant10で直ちに分析した。SytoxAADvanced色素に陽性であったCTV+ve細胞のパーセントを定量化することによってSytox+veのパーセントを計算した。
【0123】
第2の死滅アッセイ、すなわち反復死滅アッセイについては、第1の死滅アッセイ由来の未使用ウェルから、激しくピぺッティングすることによって細胞を収集し、沈降処理(300g、5分)に供し、上清を除去し、新鮮な標的細胞培養培地に再浮遊させた。細胞の数を数え、細胞を新たなウェルに添加した。前述同様にCTVで染色した新鮮なHL-60細胞を再浮遊させ、再び10:1のエフェクター:標的比で、上記の新たに播種したエフェクター細胞に添加した。新鮮な2ng/mlのIL-15をウェルに再添加し、ウェルをさらに72時間静置した。上記のようにSytoxAADvancedを使用して標的細胞の死滅を定量化した。結果は図8に示される。
【0124】
全体として、IL-15サイトカインが添加された状況の下で5日にわたる2回のVd1細胞介在性の標的化に対してHL-60腫瘍株は感受性であった。したがって、増殖Vd1細胞は、腫瘍細胞の標的化能力を長期的に提供する能力を有する。
【0125】
実施例6:γδT細胞組成物がサイトカイン放出症候群を引き起こす可能性は限られる
サイトカイン放出症候群(CRS)は、他の免疫療法(αβT細胞療法など)では重要な安全性の問題である。本発明者らの生産物がサイトカインバーストを引き起こす潜在的なリスクを評価するために、凍結保存GDX012細胞を解凍し、いくつかの異なる条件の下で21時間培養したものの上清中のサイトカインレベルを測定した。実際、TCR(図9A)またはIL-15(Vδ1+T細胞による強力な応答を誘導することが知られる)(図9B)のいずれかによるGDX012細胞の生理学的刺激は、主にTh1関連サイトカインの放出を誘導し、CRSの原因となる主要なサイトカインを検出可能なレベルで誘導することはほぼない。IL-15での超生理学的刺激の下でさえ(図9C)、本発明者らのアッセイの過程でIL-6のレベルは検出不可能である一方で、TNFαについては、いくらかのレベルで見られ始める。この挙動は、請求される組成物に有利な安全性プロファイルが存在することを示している。さらに、GDX012細胞を同種異系血液由来の試料(PBMC及びバフィーコート)と共培養したときにサイトカイン放出バーストが生じるリスクは非常に限られていることが追加の試験によって実証され(図9D)、共培養の21時間後のIL-6及びTNFαのレベルは実質的に検出不可能なものであった。
【0126】
実施例7:γδT細胞組成物は同種異系B細胞を温存する
細胞の選択性を決定するために、3人のドナーに由来するGDX012増殖Vδ1+T細胞を、CFSE標識NALM-6細胞(腫瘍形成B細胞)とCTV標識B細胞(非腫瘍形成初代B細胞)との混合物に対するフローサイトメトリー細胞傷害性アッセイにおいて分析した。
【0127】
初代B細胞の単離
新鮮に取得したバフィーコートから100E6個のPBMCを取得し、300gで7分間遠心分離した。上清を除去し、10個の細胞当たり40μlのMACS緩衝液/10μlのPan B細胞ビオチン-抗体カクテルに細胞を再浮遊させた。細胞浮遊液を冷蔵庫中で5分間静置した。10個の細胞当たり30μlのMACS緩衝液/20μlの抗ビオチンマイクロビーズを細胞浮遊液に添加し、冷蔵庫中で10分間静置した。その間、磁気スタンド上のquadroMACSに挿入したLSカラムを、3mlのMACS緩衝液を当該カラムに通液することによって平衡化した。細胞浮遊液をカラムに供し、流出液を収集した。洗浄液(3mlのMACS緩衝液)をカラムに供し、収集した。これは、負に濃縮されたB細胞画分に相当するものであった。
【0128】
細胞傷害性アッセイ
B細胞をPBSで洗浄し、CellTrace Violet(CTV)を用いて室温で20分間染色した。NALM-6細胞をPBSで洗浄し、CFSEを用いて室温で20分間染色した。20分後、少なくとも10%の血清を含む培地で細胞を洗浄し、サイトカインを含まない標的細胞培地(RPMI)に再浮遊させた。その後、標的細胞をエフェクター細胞と共に、10:1:1、5:1:1、2:1:1、及び1:1:1(エフェクター:NALM-6:B細胞)の比で37℃、2連または3連で20時間共培養した。このアッセイはサイトカインの非存在下で実施した。20時間後、SytoxAADvancedを培養培地に添加することによって死細胞を室温で10分間染色し、MACSQuant10で直ちに分析した。SytoxAADvanced色素に陽性であったCTV+ve細胞またはCFSE+ve細胞のパーセントを定量化することによってSytox+veのパーセントを計算した。結果は図10に示される。
【0129】
全体として、NALM-6細胞は、はっきりと標的になった一方で、健康なB細胞は完全に温存された。NALM-6細胞の標的化はE:T比に依存的であった。E:T比を高めると細胞傷害性のレベルが上昇した。逆に、健康なB細胞は、E:T比とは無関係に完全に温存された。したがって、増殖Vd1+T細胞は、同じプレートで培養した健康なB細胞に対してはいずれの損傷も副次的に与えることなくB細胞腫瘍を特異的に標的とする。
【0130】
実施例8:γδT細胞組成物は、混合リンパ球反応(MLR)を媒介しない
同種異系応答の検出に培養系が適することを実証するために、ドナー血液T細胞を単離し、CTV染色し、自己源または同種異系源のいずれかに由来する照射処理した末梢血リンパ球(PBL)と共に培養した。培養を5日間実施した後、CTV色素の希釈をフローサイトメトリーによって分析することでαβT細胞の分裂を評価した。方法はここに示される。
【0131】
この実験から得られた結果(図11Aに示される)は、照射処理PBLが混合リンパ球応答培養系において血液T細胞由来の強固な同種異系応答を誘発し得る一方で、自己適合培養物で示されたT細胞増殖のレベルが大幅に低いものであったことを明確に示す。このことは、所与のT細胞集団が同種異形反応を引き起こす可能性を突き止める上でこの培養系が適していることを示す。
【0132】
増殖Vδ1+T細胞が同種異形反応を引き起こす可能性を突き止めるために、同種異系ドナー由来の照射処理PBLと共にGDX012細胞を培養した。対照として、GDX012産物の由来元と同じ個人に由来する適合血液T細胞をCTV染色し、同じ同種異系ドナーに由来する照射処理PBLに対して培養した。培養を5日間実施した後、フローサイトメトリーによって細胞分裂を評価した。
【0133】
図11Bに示される結果は、血液αβT細胞は同種異系PBLの存在下で明確に分裂する一方で、GDX012細胞(増殖Vδ1+T細胞)は、培養においていずれの有意義な数でも存続できないことを示すものであった。同種異系PBLに対して誘発されたαβ応答は、混合リンパ球反応に典型的なT細胞増殖を示すものである。このミスマッチにもかかわらず、同じ照射処理PBLの存在下でGDX012細胞は増殖しなかった。このことは、GDX012細胞がαβT細胞と同じ様式で同種異系応答を開始することは不可能であることを示すものである。まとめると、こうした結果は、GDX012がαβT細胞と同じ様式でGvHDを媒介することは不可能であることを示す。
【0134】
バフィーコートの調製、CD14事象の枯渇、及び得られる末梢血リンパ球の照射処理
バフィーコート血液を密度勾配分離に供してPBMC画分を単離した。こうして得られたPBMCのごく一部を10%のCryostor10凍結保存媒体中で凍結させ、-80℃で凍結させた。残りのPBMCを洗浄し、ヒトCD14に対する標識を施し、Miltenyi MACS LSカラムを使用してCD14の枯渇を実施した。その後、得られたPBL画分を完全RPMI培地(10%のウシ胎児血清、1%のペニシリン/ストレプトマイシン、1%のHEPES、1%の非必須アミノ酸、及び1%のピルビン酸ナトリウムを含むRPMI培地)において5%CO雰囲気下、37℃で一晩培養した。
【0135】
翌日、ピぺッティングによってPLBを収集し、40Gyのx線照射に曝露して細胞増殖潜在力を抑止した。こうした細胞は、MLRアッセイにおいて「刺激」細胞画分となる。
【0136】
血液T細胞の単離及びMLRプレートの準備
バフィーコート源または再凍結leukopak材料のいずれかに由来するPBMCを凍結保管から取り出し、解凍した。その後、PBMCを洗浄し、pan T細胞単離ビーズで標識し、MACS LSカラムによって血液T細胞を単離した。次に、得られた血液T細胞画分を洗浄し、Cell Tracker Violet(CTV)で染色した。次に、CTV+血液T細胞を照射処理した刺激PBLと共培養した。平行して、凍結バイアル中のGDX12を解凍し、洗浄し、直ちにCTVで染色した。次に、CTV+GDX012細胞を、照射処理した刺激PBLと共培養した。すべての場合において、ウェル当たりのエフェクター-刺激細胞比を1:1とした。共培養は完全RPMI培地において実施した。その後、5%CO雰囲気下、37℃で培養物を5日間インキュベートした。この最初の段取りの後は、追加の培地を培養物に供給することはしなかった。
【0137】
実施例8:増殖Vδ1+T細胞組成物はインビボで腫瘍増殖を阻止する
細胞株由来の異種移植モデルを使用してインビボでのGDX012の生体内分布及び効力を評価した。ホタルルシフェラーゼ(FLuc)及び緑色蛍光タンパク質(GFP)遺伝子が発現するように安定的に形質導入されているヒトB細胞急性リンパ芽球性白血病(ALL)細胞株(NALM-6)の細胞を、尾静脈を介する静脈内注射によって免疫不全NOD SCIDガンマ(NSG)マウスに0.5×10個または1×10個接種した。その後、腫瘍接種から24時間後または6日後に20×10個のGDX012細胞の尾静脈を介する単回の静脈内注射にマウスを供したまたは供さなかった。すべての対照マウス及び処理マウスに対して組換えヒトIL-15を腹腔内注射(試験期間中、2~3日ごとに1μg/マウスで実施)してGDX012の生存を支援した。ルシフェリンの皮下投与及び生存状態での全身生物発光イメージング(BLI)を行って腫瘍量の評価を1週間に2回実施した。4週間後、マウスを屠殺し、後足長骨を取り出した。RPMI-1640を使用して後足長骨から骨髄を押し出し、フローサイトメトリー分析用として収集した。簡潔に記載すると、eFluor780固定化可能生/死判別色素で細胞を染色した後、FITC結合型抗ヒトCD45、PE結合型抗ヒトCD19、及びAPC結合型抗ヒトTCRγδ抗体で染色した。最終的に細胞を4%のパラホルムアルデヒド中で固定化し、MACSQUANT10フローサイトメーターで分析した。
【0138】
全身ALLインビボモデルにGDX012を単回投与することで、対照と比較して播種性腫瘍の増殖を低減することが可能であった(図12)。さらに、GDX012細胞は骨髄にホーミングし、特に骨髄内の腫瘍量を優先的に制御することが可能であった(図13)。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図6G
図6H
図6I
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図8
図9A
図9B
図9C
図9D
図10
図11
図12-1】
図12-2】
図13-1】
図13-2】
【国際調査報告】