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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-29
(54)【発明の名称】動力工具用の塵埃収集装置
(51)【国際特許分類】
   B23Q 11/00 20060101AFI20230622BHJP
   B01D 46/52 20060101ALI20230622BHJP
   B01D 46/72 20220101ALI20230622BHJP
   B01D 46/76 20220101ALI20230622BHJP
   A47L 9/10 20060101ALI20230622BHJP
   B25F 5/00 20060101ALI20230622BHJP
【FI】
B23Q11/00 M
B01D46/52 Z
B01D46/72
B01D46/76
A47L9/10 D
B25F5/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022570100
(86)(22)【出願日】2021-06-08
(85)【翻訳文提出日】2022-11-16
(86)【国際出願番号】 EP2021065249
(87)【国際公開番号】W WO2021254823
(87)【国際公開日】2021-12-23
(31)【優先権主張番号】20180797.1
(32)【優先日】2020-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591010170
【氏名又は名称】ヒルティ アクチエンゲゼルシャフト
【住所又は居所原語表記】Feldkircherstrasse 100, 9494 Schaan, LIECHTENSTEIN
(74)【代理人】
【識別番号】100123342
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 承平
(72)【発明者】
【氏名】ウト プランク
【テーマコード(参考)】
3B062
3C011
3C064
4D058
【Fターム(参考)】
3B062AG01
3C011BB03
3C064AA04
3C064AB01
3C064AB02
3C064BA01
3C064BA03
3C064BA11
3C064BA12
3C064BA31
3C064BB82
3C064CB82
4D058JA12
4D058KA01
4D058MA02
4D058SA20
(57)【要約】
本発明は動力工具用の塵埃収集装置に関し、前記塵埃収集装置は、ラメラフィルタと、回転シャフトと、ラメラホルダとを有する。フィルタのラメラは、塵埃収集装置の塵埃収集部内で、シャフトの回転運動によって軸方向に移動されることができ、前記回転運動はラメラホルダによって付与され、軸方向運動はその後、シャフトの第1のプロファイルとラメラホルダの第2のプロファイルが互いに移動し、係合を外れると中断される。これにより、ラメラは元の位置に戻ることができ、この元の位置へ戻される結果としてラメラの振動が引き起こされ、このようにしてフィルタの清掃プロセスがもたらされる。本発明は、そのような塵埃収集装置を有することができる動力工具と、その動力工具を作動させ、フィルタを清掃する方法にも関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力工具用の塵埃収集装置(1)であって、塵埃を収容するための収集容器(2)を有する塵埃収集装置(1)において、
ラメラ(4)を備えるフィルタ(3)及び回転シャフト(5)が前記収集容器(2)内に配置され、前記シャフト(5)はラメラホルダ(7)に接続され、前記ラメラホルダ(7)は前記シャフト(5)の回転運動を介して軸方向(6)に移動可能であり、前記ラメラホルダ(7)は戻り運動によって前記フィルタ(3)を清掃する、
ことを特徴とする塵埃収集装置。
【請求項2】
前記収集容器(2)内に、前記軸方向(6)に移動する間に前記ラメラホルダ(7)を押し付けることができるばね(12)も存在する、ことを特徴とする請求項1に記載の塵埃収集装置。
【請求項3】
前記シャフト(5)が第1のプロファイル(13)を有し、前記ラメラホルダ(7)が第2のプロファイル(14)を有し、前記第1のプロファイル(13)及び前記第2のプロファイル(14)は互いに対応するように構成される、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の塵埃収集装置。
【請求項4】
前記ラメラホルダ(7)の前記第2のプロファイル(14)が、前記シャフト(5)の前記第1のプロファイルと係合することができ、それにより、前記シャフト(5)の回転運動によって前記ラメラホルダ(7)を軸方向運動(6)に設定することができる、ことを特徴とする請求項3に記載の塵埃収集装置。
【請求項5】
前記ラメラホルダ(7)が、回転が固定された状態で取り付けられる、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の塵埃収集装置。
【請求項6】
前記ラメラホルダ(7)が駆動手段(11)を有し、前記駆動手段(11)は、前記フィルタ(3)の前記ラメラ(4)又は前記フィルタ(3)の前記ラメラ(4)間の空いた空間に係合するように構成される、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の塵埃収集装置。
【請求項7】
前記収集容器(2)は回転式ハンドル(8)を有し、前記回転式ハンドル(8)は、前記シャフト(5)を回転させるように構成されている、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の塵埃収集装置。
【請求項8】
前記回転式ハンドル(8)は、前記収集容器(2)のハウジング(9)に存在する、ことを特徴とする請求項7に記載の塵埃収集装置。
【請求項9】
前記フィルタ(3)は、前記塵埃収集装置(1)の前記収集容器(2)の入口領域(10)に配置されている、ことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の塵埃収集装置。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の塵埃収集装置(1)を有する、ことを特徴とする動力工具。
【請求項11】
動力工具を動作させ、フィルタ(3)を清掃する方法であって、以下の工程、
a)前記動力工具を動作させる工程であって、前記動力工具の動作中に生じた塵埃は空気流によって除去される工程、
b)前記空気流からの前記塵埃をフィルタ(3)で濾過する工程、
c)塵埃収集装置(1)上の回転式ハンドル(8)を作動させることにより前記フィルタ(3)の清掃を開始する工程であって、前記塵埃収集装置(1)内のシャフト(5)は、前記回転式ハンドル(8)を作動させることによって回転される工程、
d)前記シャフト(5)の回転運動をラメラホルダ(7)の軸方向運動(6)に変換する工程であって、前記フィルタ(3)の前記ラメラ(4)は前記ラメラホルダ(7)の前記軸方向運動(6)によって元の位置を離れる工程、
e)前記ラメラホルダ(7)を戻り運動させることによって、前記フィルタ(3)の前記ラメラ(4)を前記ラメラ(4)の元の位置に戻す工程、そして
f)前記ラメラ(4)を前記ラメラ(4)の元の位置に戻すことによって前記フィルタ(3)を清掃する工程、
からなる、ことを特徴とする方法。
【請求項12】
前記ラメラホルダ(7)が、前記軸方向運動(6)によって前記ばね(12)に押し付けられる、ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記シャフト(5)の前記回転運動の前記ラメラホルダ(7)の前記軸方向運動(6)への変換が、前記シャフト(5)の第1のプロファイルと前記ラメラホルダ(7)の第2のプロファイル(14)を介して行われる、ことを特徴とする請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記シャフト(5)の第1のプロファイル(13)と前記ラメラホルダ(7)の第2のプロファイル(14)が互いに逆方向に移動し、係合を外れると、前記フィルタ(3)の前記ラメラ(4)の振動によって前記フィルタ(3)が清掃される、ことを特徴とする請求項11~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記フィルタ(3)の前記ラメラ(4)が、前記ラメラホルダ(7)の駆動手段(11)によって一緒に駆動される、ことを特徴とする請求項11~14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は動力工具用の塵埃収集装置に関し、塵埃収集装置は、ラメラフィルタと、回転シャフトと、ラメラホルダとを有する。塵埃収集装置の収集容器内で、フィルタのラメラは、ラメラホルダによって仲介されるシャフトの回転運動によって軸方向運動に設定されることができ、軸方向運動はシャフトの第1のプロファイルとラメラホルダの第2のプロファイルが互いに移動し、係合を外れると中断される。これにより、ラメラは元の位置に戻ることができ、この元の位置へのラメラの戻りがラメラの振動を引き起こし、これによりフィルタは清掃される。更なる態様では、本発明は、提案する塵埃収集装置を有することができる動力工具、並びに動力工具を動作させ、フィルタを清掃する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
動力工具で作業すると生じる塵埃を内部塵埃排出システムによって排出することができる動力工具は、従来技術において周知である。収集した塵埃は、例えば、動力工具内の塵埃収集装置内に溜めることができる又は装置が空にされるまで収集され得る。塵埃排出システムを有する動力工具は、空気流から石及び/又は塵埃粒子を分離するために、フィルタ、特に、小型フィルタを有し得る。これらのフィルタは、多くの場合、ラメラを有するフィルタである。本発明において、これらは、好ましくは、「ラメラフィルタ」と呼ばれる。これらのフィルタは、塵埃又は粗い汚物で容易に目詰まりする可能性があり、塵埃排出システムが性能を損なうこと又は排出路の詰まりにつながる可能性があるなどの不都合があることが経験から示されている。特に、望ましくないフィルタの目詰まりは、塵埃収集装置の充填容量を最適に使用できないことを意味し得る。
【0003】
従来技術において、動力工具の塵埃収集装置内のフィルタを清掃することができる様々な方法が知られている。これらのプロセスのほとんどは機械的な清掃プロセスであり、いくつかの欠点がある。例えば、従来技術においては、フィルタを清掃するためにフィルタのラメラを掃くことが提案されている。しかしながら、このために使用される掃き装置は、収集装置が塵埃で満たされている場合にはもはや動くことができないということが起こり得る。このことは、フィルタ清掃システムの機能性を阻害する可能性があり不都合である。更に、ダストボックスが塵埃で部分的に又は完全に満たされている場合に、塵埃収集装置の個々の構成要素の破損が起こり得る。従来技術においては、例えば、スクレーパ、スライド、又はブラシが掃き装置として知られている。
【0004】
更に、従来技術では、塵埃収集装置全体を叩くことを提案している。しかしながら、この、ダストボックス全体を叩くことは、多くの場合、塵埃収集装置又はその構成要素の機械的な故障につながる。既知の解決策において、塵埃収集装置を叩くことは、収集容器のハウジングに主に作用し、多くの場合、フィルタの十分な清掃につながらない。
【0005】
従来技術から知られる別の清掃オプションは、反対の空気流を使用してフィルタに「吹き付ける」ことである。吸引空気流の流れの方向は、空気流がフィルタ内を短時間にわたって流れるように、この場合、負圧をオフにする又は低減することによって反転される。その方向は、吸引の場合の通常の流れの方向と反対である。しかしながら、反対の空気流によるフィルタ清掃は、特に、塵埃又は石の大きな塊が流路に詰まっている場合には、所望の効果に役立たない又は至らないことが示されている。これは、一般に、反対の空気流は、通常、詰まった塵埃又は石の塊を流路から取る又は解放するほど十分に強くないからである。反対の空気流による清掃の別の欠点は、負圧を中断したときに塵埃排出も中断しなければならないことである。この清掃期間中、動力工具の使用者は、動力工具で作業しているときに発生する塵埃の全量に曝される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の課題は、塵埃収集装置内のフィルタの清掃を向上させるための装置を提供することである。更に、本発明は、塵埃収集装置が設けられる動力工具、並びにその動力工具を動作させる方法又はその動力工具内の塵埃収集装置内のフィルタを清掃する方法を示すことを目的とする。本発明は、上述の従来技術の欠点及び欠陥を克服すること、特に、動力工具の塵埃収集装置内のフィルタの効率的且つ効果的な清掃を可能にすることを目的とする。清掃は、例えば、動力工具の流路に詰まった塵埃又は石の塊を解放するために十分に強くすべきである。清掃に関連する機械的ストレスがフィルタ及びその周囲の構成要素の領域に限定され、特に、ハウジングに作用しなければ、当業者に歓迎されるであろう。更に、本発明においては、柔軟さがない及び/又はメンテナンスが発生しやすい掃き装置の使用を不要にすることが可能なはずである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、独立請求項に記載の要旨によって達成される。独立請求項の要旨に関連する有利な態様は、従属請求項に記載されている。
【0008】
この目的は、動力工具用の塵埃収集装置であって、塵埃を収容するための収集容器を有する塵埃収集装置によって達成される。塵埃収集装置は、ラメラを備えたフィルタ及び回転シャフトが収集容器内に配置され、シャフトはラメラホルダに接続され、ラメラホルダはシャフトの回転運動を介して軸方向に移動可能であり、戻り運動によってフィルタを清掃することを特徴とする。本発明において、ラメラのその元の位置への戻りがラメラに振動を引き起こし、これによりフィルタは清掃されることが特に好ましい。この点において、本発明は、ラメラフィルタの清掃オプションを提示し、ラメラフィルタは動力工具内の塵埃を含む空気流を濾過することができる。コンパクトで機械的な使いやすい構造により、本発明は、動力工具用の特に頑丈でメンテナンスの少ないダストボックスを有利に提供する。試験では、本発明は、特に、特別な掃き装置、ダストボックス全体を叩くこと、又は空気の逆噴射なしで管理される、フィルタ清掃の費用対効果の高い技術的解決策であることが示された。したがって、提案する塵埃収集装置は、従来技術から周知のそのような解決策とは別の、動力工具の塵埃収集装置のフィルタの清掃の領域を切り開くものである。
【0009】
本発明の本質的な利点は、フィルタが、フィルタの汚染箇所又は目詰まり箇所で直接ラメラの振動によって清掃されることである。この直接的な作用は、清掃の高い効率を保証することができる。特に、提案された方法では、塵埃収集装置のハウジングに対する作用が回避される。本発明の別の利点は、フィルタ清掃の振動ストロークと振動頻度を調整できることである。特に、ラメラホルダの加速度は、ばねの力によって調整することができ、非常に高い加速度値も有利に達成することができる。これは、フィルタの効率的な清掃及び提案された装置の清掃効果を促す。
【0010】
本発明において、ラメラホルダが軸方向に移動する間に押し付けられ得るばねも収集容器内に存在することが好ましい。ばねは、好ましくは、圧縮中にエネルギーを蓄積し、制御プロファイルが緩和を許容すると、このエネルギーを再び放出するように構成される。有利にはこれにより、ラメラホルダの戻り運動が、ばねによって影響され、及び/又は制御されることが可能になる。
【0011】
本発明において、シャフトが第1のプロファイルを有し、ラメラホルダが第2のプロファイルを有し、第1のプロファイル及び第2のプロファイルが互いに対応するように構成されていることが好ましい。このようにして、第1のプロファイルと第2のプロファイルとが互いに係合できることが有利に可能である。ラメラホルダの第2のプロファイルが、シャフトの第1のプロファイルと係合することができ、それにより、シャフトの回転運動によってラメラホルダを軸方向運動に設定できることが、本発明において好ましい。言い換えれば、ラメラホルダの第2のプロファイルは、シャフトの第1のプロファイルと係合することができるので、シャフトの回転運動によってラメラホルダは軸方向に移動されることが、本発明において好ましい。ラメラホルダが軸方向に変位可能にシャフトに配置されていることが、本発明において好ましい。好ましくは、ラメラホルダは、シャフトに対して軸方向に変位可能である。このようにラメラホルダが軸方向に変位可能である結果、シャフトの回転運動をラメラホルダの軸方向運動に変換することが可能であり得る。ラメラホルダの軸方向運動は、特に、好ましくはシャフトの中心を走る仮想中心軸に実質的に平行に走る軸に沿った元の位置から生じる。ラメラホルダの軸方向運動は、図1に両頭矢印によって象徴される。
【0012】
ラメラホルダが、軸方向運動によって、好ましくは提案された塵埃収集装置の収集容器内でシャフトの仮想中心軸に沿って同じく配置されているばねに押し付けられることが本発明においては好ましい。回転シャフトの動きは、特に第1及び第2のプロファイルを介して、ラメラホルダの軸方向運動に変換される。好ましくは、ラメラホルダは回転が固定された方法で取り付けられる。本発明において、第1のプロファイル及び第2のプロファイルは、互いに対してプロファイル及び嵌合プロファイルとして構成されることが好ましい。例えば、第1のプロファイル及び第2のプロファイルは、相互に対応して構成された鋸歯状プロファイルとして構成することができる。このように、それらは互いに係合した状態に置かれることができる。また、それらは、2つのプロファイルのうちの1つの移動の場合に、互いに逆方向に移動されることができ、その際、プロファイルのうちの1つが鋸歯の一端に到着し、より低い位置に落下する場合、関係するパートナーの突然の動きが発生し得る。好ましくは、鋸歯状プロファイルは、接触面として傾斜面を含んでいる。プロファイルのこれらの接触面は、プロファイルが互いに係合しているとき、互いに接触している。プロファイルが互いに相対的に移動するとき、接触面は、接触面の端部又は最高点に達するまで、互いにスライドし合う。そして、他方のプロファイルの反対側の接触面は、終了接触面との接触を失い、回転方向に隣接する接触面又はその最下点上に落下する。一方の接触面の最高点と隣接する接触面の最低点の高さの差のために、ラメラホルダの突然の動きが生じ、これがさらにラメラホルダのその開始位置への戻り運動をもたらす。ラメラホルダの戻り運動は、ラメラホルダの最初の軸方向運動とは反対の方向に起こることが、本発明においては好ましい。この戻り運動は、ばねによって支援又は制御され得ると都合がよい。ラメラホルダの駆動手段によって、フィルタラメラもラメラホルダの突然の戻り運動によって巻き込まれ、開始位置に戻ることができる。これは、好ましくは、フィルタのラメラが清掃される振動又は突然の動きによって行われる。特に、ラメラホルダの急な戻り運動は、ラメラに存在するか又は付着している塵埃又はフィルタケーキを振り落とすことができるので、フィルタはその本来の浄化力を取り戻すことができる。
【0013】
本発明において、第1のプロファイルを有するシャフトが回転可能に構成され、第2のプロファイルを有するラメラホルダが、回転が固定された状態で取り付けられることが特に好ましい。相互に対応するように構成されたプロファイルの例は、図2に示されている。プロファイルは、互いに相互作用できるように、互いに向き合っていることが本発明においては好ましい。好ましくは、シャフトは、ラメラホルダ内部の開口部又は空洞に挿入することができる円筒形状のセクションを備える。本発明において、ラメラホルダは、シャフトとばねとの間に配置されることが好ましい。好ましくは、ラメラホルダの第2のプロファイルは、シャフトに面するラメラホルダの側に存在する。ばねに面するラメラホルダの側には、好ましくは、ばねに力を伝達するように構成された周方向カラーが存在してもよい。ばねは、好ましくは、圧縮ばね又は渦巻きばねとして構成することができる。
【0014】
ラメラホルダが、フィルタのラメラ又はフィルタラメラ間の空いた空間に係合することができる駆動手段を有することは、本発明においては好ましい。言い換えれば、駆動手段が、フィルタのラメラ又はフィルタのラメラ間の空いた空間に係合するように構成されていることが、本発明においては好ましい。駆動手段は、例えば、指又はU字形フックとして構成することができ、ラメラの間の空間に係合することができる。好ましくは、駆動手段は、フィルタのラメラの敏感な材料が損傷したり、過剰な応力を受けたりしないように、特に摩耗に優しい方法でプラスチックから形成することができる。これらの駆動手段によって、フィルタのラメラは、ラメラホルダの軸方向移動によって巻き込まれるか、又は一緒に運ばれることができる。第1のプロファイルと第2のプロファイルとの相対移動によって生じ得るラメラホルダの突然の動きは、フィルタのラメラの振動を引き起こし、これにより、ラメラに付着した塵埃が有利に振り落とされる。このように、提案された塵埃収集装置の機械的な構造によって、清掃効果が有利に生じる。特に、この清掃効果は、シャフトの第1のプロファイルとラメラホルダの第2のプロファイルとが、互いに相対的に移動する間にもはや互いに係合していないときに、ラメラホルダの突然の戻り運動によってもたらされる。
【0015】
本発明において、提案された塵埃収集装置の収集容器内に、ラメラを備えたフィルタと、第1のプロファイルを有する回転シャフトとが配置され、シャフトは、回転が固定された状態で取り付けられたラメラホルダに第1のプロファイルを介して接続され、ラメラホルダは、シャフトの第1のプロファイルと係合可能な第2のプロファイルを有し、シャフトの回転によって元の位置から軸方向に移動可能であり、ラメラホルダはその戻り運動によってフィルタを有利に清掃することが、非常に特に好ましい。
【0016】
ラメラホルダとフィルタ又はそのラメラとが互いに形状同志の嵌め合いにより係合することが本発明において好ましい。フィルタのラメラとラメラホルダとの間の係合によって、シャフトの回転運動は、フィルタ又はフィルタラメラの軸方向運動に変換することができ、ラメラホルダはシャフトに接続されていることが好ましい。軸方向運動は、シャフトの中心軸に実質的に平行に起こることが好ましい。「実質的に平行」という用語は、当業者にとって不明瞭な用語ではない。なぜなら、当業者であれば、この表現が、シャフトの軸方向に実質的に平行なフィルタラメラの運動を意味し、正確な数学的平行からのわずかなずれは許容できることを知っているからである。
【0017】
提案された塵埃収集装置のシャフトが、収集容器内で実質的に水平に配置されることが、本発明において好ましい。これは、回転グリップを用いて外側から回転させることができる。この回転は、ラメラホルダの助けを借りてフィルタのラメラを軸方向運動に設定することができるシャフトの回転運動を表している。特に、シャフトの回転運動がフィルタの個々のラメラの軸方向運動に変換されるように、フィルタの個々のラメラは、シャフトに接続されたラメラホルダの駆動手段によって巻き込まれることができる。回転式ハンドルは、例えば、ねじなどの締結手段によってシャフトに締結され得る。特に、提案する塵埃収集装置はハウジングを有することができ、回転式ハンドルは、例えば、ハウジングの凹部に回転自在に取り付けることができる。ハウジングは、互いに接合されて塵埃収集装置のハウジング全体を形成することができる2つの構成要素半片からなることができる。ハウジング又はその2つの構成要素半片は、動力工具の動作時に発生する塵埃を収集することができる閉じた中空又は内部空間を有利に形成する又は内包する。提案する塵埃収集装置は、特に、動力工具の構成要素として構成され得る。本発明において、提案する塵埃収集装置は、好ましくは、「ダストボックス」又は「塵埃除去モジュール」と呼ばれ得る。
【0018】
塵埃が動力工具の動作中に生じた場合、この塵埃は、同じく動力工具の一部であり得る塵埃排出システムによって排出することができる。この目的のため、塵埃排出システムは、動力工具の作業領域から塵埃を除去することができる空気流を発生させることができる負圧を発生させることができる。塵埃を含む空気流は、塵埃収集装置の方向に案内されることが好ましい。塵埃収集装置は開口部を有することが好ましく、空気流は、開口部を通って塵埃収集装置に入ることができる。本発明において、塵埃収集装置のこの開口部又は入口領域内にフィルタが存在することが好ましい。動力工具が長時間動作する場合、又は空気流が非常に多くの塵埃を含む場合、フィルタの目詰まりが起こり得る。この場合、例えば、固体のフィルタケーキが形成され、排出システムが吸引力を失い、吸引路が詰まることになる可能性がある。更に、目詰まりしたフィルタにより、塵埃収集装置又はその収集容器の性能が最適に使用されないことになる可能性があり得る。
【0019】
有利には、本発明は、フィルタの迅速、安価、省メンテナンス、且つ効果的な清掃の可能性を提供することができる。本発明において、清掃プロセスは、塵埃収集装置の回転式ハンドルを作動させることによって開始されることが好ましい。シャフトは、回転式ハンドルを作動させることにより、塵埃収集装置の収集容器内で回転されることが好ましい。本発明において、ラメラホルダが、フィルタのラメラ又はフィルタラメラ間の空いた空間と係合できる駆動装置を有することが好ましい。本発明において、シャフトの回転運動がフィルタのラメラの軸方向運動に変換されることができることが好ましい。
【0020】
回転運動の開始前、ラメラは、シャフト、ラメラホルダ又はその駆動手段に対して、元の又は最初の位置にある。軸方向運動の結果、フィルタラメラは、特に、シャフトの軸方向に沿って、その最初の位置から出る。例えば、水平方向におけるその軸方向運動により、ラメラは、長さdだけ右又は左に移動することができる。したがって、長さdは、ラメラとその最初の位置との間の距離を好ましくは表す。本発明において、各ラメラは独自の元の位置を有することが好ましい。例えば、ラメラホルダは、3~10個の駆動手段を有することができる。5つの駆動手段を有するラメラホルダが本発明の目的に特に適していることが示されている。本発明において、ラメラホルダの駆動手段数は、フィルタのラメラ数と相関関係にあることが好ましい。本発明において、この相関関係は、ラメラホルダの駆動手段数がフィルタのラメラの数と同じであることを意味し得る。しかしながら、本発明において、フィルタのラメラの数がラメラホルダの駆動手段数よりも1つ多いことが特に非常に好ましい。これにより、有利には、各駆動手段が、フィルタラメラ間の空間に係合すること、及び、シャフトの回転運動の間、又はラメラホルダの軸方向運動の間、ラメラを巻き込むことが可能になる。これは好ましくはフィルタラメラの軸方向運動をもたらし、これによりフィルタは跳ね返され、清掃される。言い換えると、本発明において、ラメラホルダがn個の駆動手段を有し、フィルタがn+1個のラメラを有することが好ましい可能性がある。
【0021】
フィルタのラメラの跳ね返り又はスナップバックは好ましくはそれらを振動させ、それにより塵埃又はフィルタケーキをほぐし、ラメラからふるい落とすことができる。特に、振動はフィルタラメラ又はフィルタの効果的且つ効率的な清掃を可能にする。ラメラホルダの頻繁な突然の動きは、有利にラメラの振動をもたらし、これにより塵埃又はフィルタケーキは、目詰まり又は閉塞したフィルタ内でほぐされ得る。特に、清掃効果は、回転シャフト、ラメラホルダ及びフィルタの有利な相互作用によってもたらされる。
【0022】
本発明において、収集容器は、シャフトを回転させることができる回転式ハンドルを有することが好ましい。換言すると、本発明において、回転式ハンドルは、シャフトを回転させるように構成されていることが好ましい。この回転運動は、特に、好ましくは、動力工具の使用者による手動での作動によって起こり得る。本発明の代替的な形態では、シャフトが駆動手段によって駆動されることも好ましい場合がある。この目的のため、スイッチによって作動又は作動停止させることができる電動機が提供され得る。本発明の代替的な形態では、このスイッチは、塵埃収集装置のハウジング上の、本発明の「手動の実施例」において回転式ハンドルが設けられる領域内に配置され得る。しかしながら、人間工学的な理由から、スイッチは様々な他の位置にも配置することができる。
【0023】
本発明は、好ましくは、動力工具の作業領域からの塵埃除去の技術分野内に位置づけられる。動力工具の作業領域は、好ましくは、動力工具によって行われる作業が実施される領域である。これは、大部分は、工具の助けを得て行われる。動力工具が例えばハンマードリルである場合、工具は、例えば、穿孔又は削り工具によって形成され得る。動力工具の工具としての穿孔又は削り工具が機械加工される基材と接触する領域は、本発明において、好ましくは、「動力工具の作業域」と呼ばれる。本発明において、本発明によって好ましくは収集される塵埃は、この作業領域内で発生することが好ましい。この目的のため、動力工具は、塵埃排出システムを含むことができる。本発明において、塵埃排出システムは、空気流又は負圧を発生させて、その動作中に動力工具の作業域内に生じ得る塵埃を空気流により吸い出すように構成された装置であることが好ましい。
【0024】
本発明は、第2の態様では、動力工具の作業領域から粒子を除去するための塵埃排出システムを有する動力工具に関する。特に、動力工具は、提案する塵埃収集装置を有することになっている。動力工具は、ラメラを備えたフィルタと、回転シャフトとが収集容器内に配置され、シャフトはラメラホルダに接続され、ラメラホルダは、シャフトの回転運動を介して軸方向に移動可能であり、ラメラホルダは戻り運動によってフィルタを清掃することを特徴とする。この振動によりフィルタが清掃されることが、提案された塵埃収集装置の著しい利点を表している。
【0025】
本発明において、動力工具は、塵埃排出システムを含み、塵埃排出システムは空気流を発生させるように構成されており、空気流によって塵埃が除去されることが好ましい。塵埃排出システムは、特に、動力工具の作業領域から塵埃を排出できるようにするために使用される。この目的のため、動力工具の塵埃排出システムは、負圧を発生させ、更に、空気流を発生させるように構成されていることが好ましい。この空気流によって、塵埃を、動力工具の作業域から除去し、塵埃収集装置の方向に案内することができる。空気流の流路が動力工具内に好ましくは設けられており、この流路を通して、空気流が作業領域から塵埃収集装置に案内される。動力工具の動作中に生じた塵埃は、塵埃収集装置の収集容器内に好ましくは収集され得る。塵埃収集装置に入ると、本発明において、空気流は濾過されることが好ましい。この目的のため、塵埃収集装置又は塵埃収集装置の収集容器の入口領域にフィルタが設けられ得る。フィルタはラメラを有し、ラメラの主な利点は、フィルタの表面を拡大することによりフィルタのフィルタ性能が上がることである。これにより、空気流を特に効果的に濾過することが可能になり、比較的粗い塵埃粒子が解放される。
【0026】
本発明において、フィルタは、提案する塵埃収集装置の収集容器に導かれる空気流から塵埃及び/又は塵埃粒子を濾過するように構成されていることが特に非常に好ましい。換言すると、本発明において、フィルタは収集容器の入口領域に存在することが好ましく、この入口領域内の空気流は、好ましくは、収集容器に通じている。収集容器の入口領域は、塵埃、粒子及び/又は石片をまだなお完全に含む空気流が収集容器に入る収集容器の領域であることが好ましい。これらの比較的粗い塵埃粒子を空気流から濾過することにより、提案する塵埃収集装置の機能性を向上させることができ、その耐用寿命を延長することができる。
【0027】
更なる態様では、本発明は、動力工具を動作させ、フィルタを清掃する方法に関する。当該方法は、以下の方法工程、すなわち、
a)動力工具を動作させる工程であって、動力工具の動作中に生じた塵埃は空気流によって除去される工程、
b)空気流からの塵埃をフィルタで濾過する工程、
c)塵埃収集装置上の回転式ハンドルを作動させることによりフィルタの清掃を開始する工程であって、塵埃収集装置内のシャフトは、回転式ハンドルを作動させることによって回転される工程、
d)シャフトの回転運動をラメラホルダの軸方向運動に変換する工程であって、フィルタのラメラはラメラホルダの軸方向運動によって元の位置を離れる工程、
e)ラメラホルダを戻り運動させることによって、フィルタのラメラをその元の位置に戻す工程と、そして
f)ラメラをその元の位置に戻すことによってフィルタを清掃する工程、
からなる、ことを特徴とする。
【0028】
提案するフィルタ清掃方法に関して、塵埃は、動力工具の塵埃排出システムによって動力工具の作業領域から吸い出すことができることが好ましい。これは、特に、塵埃排出システムによって空気流を発生させ、空気流によって動力工具の作業領域から塵埃を除去することができることで達成される。塵埃は、塵埃収集装置の収集容器内に収集されることが好ましく、空気流は、収集容器に入るときにフィルタを通過する。動力工具が長時間動作する場合、又は空気流が非常に多くの塵埃を含む場合、フィルタの目詰まりが起こり得る。例えば、いわゆるフィルタケーキがフィルタ内に形成される可能性がある。この状況において、本発明は、フィルタの清掃を開始することを有利に可能にし、フィルタ清掃は、特に、塵埃収集装置の外側の回転式ハンドルを作動させることにより開始される。例えば、回転式ハンドルは、ハウジングの凹部に回転自在に取り付けることができる。
【0029】
本発明において、シャフトは、回転式ハンドルを作動させることにより、塵埃収集装置内で回転されることが好ましい。シャフトはラメラホルダと接続され、この接続は特にシャフトの第1のプロファイルとラメラホルダの第2のプロファイルによって形成される。プロファイルは好ましくは、互いに対向して位置し互いに係合することができる、互いに対応するように構成された表面を表す。好ましくは、ラメラホルダは、回転が固定された方法で取り付けられる。このようにして、シャフトの回転運動はラメラホルダの軸方向運動に変換されることができる。ラメラホルダは、好ましくは、フィルタのラメラがラメラホルダの移動方向に軸方向に移動することを同様に引き起こすように設定された駆動手段を有することができる。フィルタのラメラがその元の位置を離れることは、好ましくは、本発明において、ラメラホルダによるフィルタのラメラの駆動とも呼ばれる。この目的のために、ラメラホルダは駆動手段を有することができ、駆動手段はフィルタのラメラ又はフィルタのラメラ間の空いた空間に係合することができる。言い換えると、シャフトの回転運動がフィルタのラメラの軸方向運動に変換され、軸方向運動の結果としてフィルタのラメラがその元の位置から離れることが本発明においては好ましい。好ましくは、本発明は、シャフトに設けられた第1のプロファイルと、ラメラホルダに設けられた第2のプロファイルとを有し、これらが、プロファイルが相対運動によって互いに係合解除したときに、フィルタのラメラが元の位置に戻ることを可能にする。有利なことに、フィルタは、フィルタのラメラの振動によって清掃されることができ、この振動は、ラメラが元の位置に戻ること、又はラメラホルダが元の位置に戻ることによって引き起こされる。
【0030】
提案された塵埃収集装置について記載された定義、技術的効果及び利点は、動作及び清掃プロセス、並びに動力工具にも同様に適用される。
【0031】
ラメラホルダが軸方向運動によってばねに押し付けられることが、本発明においては好ましい。ラメラホルダの戻り運動がばねによって影響を受けることができることは、本発明のさらなる利点を表している。特に、ラメラホルダの振動ストローク、振動頻度、及び加速度は、このように制御することができる。
【0032】
本発明において、シャフトの回転運動が、シャフトの第1のプロファイルとラメラホルダの第2のプロファイルを介してラメラホルダの軸方向運動へ変換されることが好ましい。好ましくは、シャフトの第1のプロファイルとラメラホルダの第2のプロファイルとが互いに逆方向に移動し、係合を外れると、フィルタラメラの振動によってフィルタが清掃される。本発明において、フィルタのラメラがラメラホルダの駆動手段によってその開始位置又は元の位置から駆動されることが好ましい。これらは、指のように、又はU字形のフック又は穴として構成することができる。
【0033】
本発明の一形態において、シャフトは、塵埃収集装置のハウジングの外側に取り付けられた回転式ハンドルを介して回転に設定することができる。シャフトには、ラメラホルダが軸方向に変位可能に配置される。ラメラホルダは、好ましくは、シャフトに面する側に鋸歯状プロファイルを有し、これは、本発明において、好ましくは第2のプロファイルと呼ばれる。シャフトは、ラメラホルダに面する側に嵌合プロファイルを有し、これは、本発明において、好ましくは第1のプロファイルと呼ばれる。回転中、好ましくは回転が固定された状態で取り付けられたラメラホルダは、ラメラホルダの鋸歯状プロファイルとシャフトの嵌合プロファイルを介してばねに対して軸方向に変位される。ラメラホルダのこの軸方向変位により、フィルタのラメラを駆動することができる。ラメラホルダの鋸歯状プロファイルとシャフトの嵌合プロファイルがラメラホルダを解放すると同時に、ばねの力によってラメラホルダがその開始位置まで急激に戻り、それによってフィルタのラメラを駆動することができる。ラメラホルダの急な戻り運動により、ラメラに付着した塵埃が振り落とされる。
【0034】
本発明の更なる利点は、以下の図面の説明から明らかになるであろう。図は、本発明の実施例を示している。図面、説明、及び特許請求の範囲は様々な特徴の組み合わせを含んでいる。当業者はまた、適宜、特徴を個別に検討し、それらを組み合わせて、有用な更なる組み合わせを形成するであろう。
【0035】
図では、同一及び類似の構成要素は同じ参照符号で示す。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】提案する塵埃収集装置の好ましい実施例を示す図(分解組立図)である。
図2】シャフト及びラメラホルダ、並びにそれらのプロファイルの好ましい実施例を示す図である。
図3】ラメラホルダ、ばね及びフィルタラメラの好ましい実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1は、提案する塵埃収集装置(1)の好ましい実施例の図を示す。特に、図1は、塵埃収集装置(1)の分解組立図を示す。図1は、左上から右下に、塵埃収集装置(1)又は収集容器(2)のハウジング(9)の第1の半片、ばね(12)、フィルタ(3)及びそのラメラ(4)、並びに駆動手段(11)を有するシャフト(5)及びラメラホルダ(7)、塵埃収集装置(1)又は収集容器(2)のハウジング(9)の第2の半片、並びに回転式ハンドル(8)を示す。
【0038】
本発明において、ハウジング(9)の2つの構成要素半片はある体積の空間を内包し、この閉じた体積の空間に塵埃が捕捉され収集され得ることが好ましい。この点において、ハウジング(9)の2つの構成要素半片は、塵埃収集装置(1)の収集容器(2)を好ましくは形成している。収集容器(2)の下部領域は、ベース又はシェルによって形成され得る。フィルタ(3)が配置され得る塵埃収集装置(1)の前側は、収集容器(2)のこの下面から始まって延びることができる。本発明において、塵埃収集装置(1)の前側は、塵埃を含む空気流が通じる、塵埃収集装置(1)の入口領域(10)を形成することが好ましい。特に、フィルタ(3)は、フィルタ受け部内に配置され得る。フィルタ(3)は、ラメラフィルタであることが好ましく、すなわち、ラメラ(4)を有するフィルタ(3)であることが好ましい。図1に示される本発明の実施例では、フィルタ(3)は、例えば、6つのラメラ(4)を有し、ラメラ(4)の間に5つの空間がある。本発明において、シャフト(5)に接続されたラメラホルダ(7)は駆動手段(11)を有することが好ましく、ラメラホルダ(7)は5つの駆動手段(11)を備えて図1に例として示されている。結果として、各駆動手段(11)は、ラメラの間の空間に係合し、ラメラホルダ(7)が移動するときに、フィルタラメラ(4)を一緒に駆動又は運搬することができる。
【0039】
ハウジング(9)の2つの構成要素半片は、このシャフト(5)を収容するための開口部を有することができる。特に、シャフト(5)は、塵埃収集装置(1)内に回転自在に取り付けることができ、シャフト(5)は、特に、回転式ハンドル(8)によって回転され得る。回転式ハンドル(8)は、例えば、外側からアクセス可能であり、動力工具の使用者(図示せず)が手動で作動させることができる。この目的のため、使用者は、特に、回転式ハンドル(8)を回すことができる。回転式ハンドル(8)は、塵埃収集装置(1)のハウジング(9)内に回転自在に取り付けられていることが好ましい。この目的のため、ハウジング(9)又はその構成要素半片の1つは、回転式ハンドル(8)を収容するための凹部を有することができる。回転式ハンドル(8)は、有利には、塵埃収集装置(1)の外側から容易にアクセス可能である。
【0040】
回転式ハンドル(8)を作動することによって、シャフト(5)は回転運動に設定される。シャフト(5)及びラメラホルダ(7)は、好ましくは、互いに係合することができる対向するプロファイル(13、14)を有する。好ましくは、シャフト(5)のプロファイル(13)は、第1のプロファイルと呼ばれ、ラメラホルダ(7)のプロファイル(14)は、第2のプロファイルと呼ばれ得る。プロファイル(13、14)は、好ましくは、例えば鋸歯状プロファイルとして、互いに対応するように構成される。ラメラホルダ(7)の第2のプロファイル(14)がシャフト(5)の第1のプロファイルと係合することができ、それによりシャフト(5)の回転運動によってラメラホルダ(7)を軸方向運動(6)に設定できることが本発明においては好ましい。
【0041】
ラメラホルダ(7)は、提案された塵埃収集装置(1)のフィルタ(3)のラメラ(4)の間の空間に係合するように適合された駆動手段(11)を有することができる。駆動手段(11)がフィルタ(3)のラメラ(4)又はフィルタ(3)のラメラ(4)間の空間と係合する場合、シャフト(5)が回転すると、ラメラホルダ(7)はラメラ(4)に沿って駆動する。ラメラ(4)がラメラホルダ(7)によって駆動される前、フィルタラメラ(4)は、好ましくは、開始位置又は元の位置にある。フィルタラメラ(4)の駆動は、フィルタ(3)のラメラ(4)の軸方向移動(6)を発生させ、これは図1において両頭矢印で示されている。両頭矢印は、ラメラホルダ(7)によってそれらが駆動されるときに、フィルタ(3)のラメラ(4)が、例えば、塵埃収集装置(1)のハウジング(9)の第1の構成要素半片の方向に移動し得ることを示す。好ましくは、ラメラホルダ(7)は、シャフト(5)に対して軸方向に変位可能なように構成されている。フィルタラメラ(4)の軸方向移動(6)は、好ましくは、仮想軸としてシャフト(5)を通って走る中心軸に実質的に平行に生じる。シャフト(5)の第1のプロファイル(13)とラメラホルダ(7)の第2のプロファイル(14)とが互いに係合解除する、すなわちもはや互いに係合していないときに、フィルタラメラ(4)の駆動が終了することが本発明においては好ましい。プロファイル(13、14)間の接触がないため、ラメラホルダ(7)は突然動き、フィルタラメラ(4)は解放される。本発明において、これは好ましくは、フィルタ(3)のラメラ(4)がその開始位置まで跳ね返ることができることを意味する。フィルタラメラ(4)のこの戻り運動は、例えば、塵埃収集装置(1)のハウジング(9)の第2の構成要素半片の方向に生じ得、ここでフィルタ(3)のラメラ(4)のこのスナップバックは、ラメラ(4)からの塵埃及びフィルタケーキの剥離とフィルタ(3)の清掃を有利にもたらすその振動を引き起こす。言い換えれば、フィルタラメラ(4)が開始位置に跳ね返るとき、特にフィルタラメラ(4)は振動し得、それによって、塵埃及びフィルタケーキがフィルタ(3)から放出される。放出された塵埃やフィルタケーキは、塵埃収集装置(1)の収集容器(2)に落ち、収集容器(2)を次に空にするときに廃棄されることができる。
【0042】
図2は、提案された塵埃収集装置(1)、特にシャフト及びラメラホルダ、並びにそれらのプロファイルの好ましい実施形態の図を示す。図2に示す本発明の例示的な実施形態では、2つのプロファイル(13、14)は、相互に対応して構成された鋸歯状プロファイルとして構成されている。プロファイル(13、14)は、好ましくは傾斜面によって形成される接触面を有する。当業者は、「傾斜面」という用語に関する知識を有する。図2は、シャフト(5)の第1のプロファイル(13)とラメラホルダ(7)の第2のプロファイル(14)が、どのように互いに対向し得るかを示している。プロファイル(13、14)が接触しているとき、特に、一方のプロファイル(13又は14)の接触面の最高点は、他方のプロファイル(14又は13)の接触面の最低点と接触し得る。プロファイル(13、14)を互いに相対的に移動させることにより、接触面は、傾斜面の一方の最高点に達し、他方のプロファイルの反対側の接触面の最高点が次の接触面又はその最低点上に落下するまで互いに沿って移動される。この落下は、ラメラホルダ(7)の突然の動きにつながり、これはフィルタラメラ(4)の振動とフィルタの清掃を引き起こす。
【0043】
図3は、駆動手段(11)を有するラメラホルダ(7)の好ましい実施形態の図を示す。特に、図3に描かれるラメラホルダ(7)は、シャフト(5)の回転運動をラメラ(4)の軸方向運動(6)に変換するためにフィルタラメラ(4)の間の空間と係合又は相互作用することができる5つの駆動手段(11)を有する。さらに、図3は、ラメラホルダ(7)がその軸方向運動(6)の結果として押し付けられ得るばね(12)を示している。
【符号の説明】
【0044】
1 塵埃収集装置
2 収集容器
3 フィルタ
4 ラメラ
5 シャフト
6 軸方向運動
7 ラメラホルダ
8 回転式ハンドル
9 ハウジング
10 入口領域
11 駆動手段
12 ばね
13 シャフトの第1のプロファイル
14 ラメラホルダの第2のプロファイル
図1
図2
図3
【国際調査報告】