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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-29
(54)【発明の名称】フィルタモジュール
(51)【国際特許分類】
   F04B 53/20 20060101AFI20230622BHJP
【FI】
F04B53/20 A
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022577193
(86)(22)【出願日】2021-04-22
(85)【翻訳文提出日】2022-12-14
(86)【国際出願番号】 EP2021060512
(87)【国際公開番号】W WO2022012792
(87)【国際公開日】2022-01-20
(31)【優先権主張番号】102020208934.5
(32)【優先日】2020-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506292974
【氏名又は名称】マーレ インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】MAHLE International GmbH
【住所又は居所原語表記】Pragstrasse 26-46, D-70376 Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ザウペ カイ
【テーマコード(参考)】
3H071
【Fターム(参考)】
3H071AA01
3H071BB03
3H071CC32
3H071CC34
3H071CC35
3H071CC41
3H071DD61
(57)【要約】
本発明は、ポンプハウジング(3)を備えたポンプ(2)と、フィルタハウジング(5)を備えたフィルタ装置(4)とを有するフィルタモジュール(1)に関する。必要に応じて、組付及び保守を簡略化するために、ポンプハウジング(3)に第1ネジ山(6)が配置され、それに補完的な第2ネジ山(7)がフィルタハウジング(5)に配置され、ポンプハウジング(3)によってフィルタ装置(4)のフィルタハウジング(5)にポンプ(2)をネジ込むことができるようにすることが提案される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプハウジング(3)を有するポンプ(2)と、
フィルタハウジング(5)を有するフィルタ装置(4)とを備えるフィルタモジュール(1)であって、
前記ポンプハウジング(3)上に第1ネジ山(6)が配置され、
前記第1ネジ山(6)に相補的に構成される第2ネジ山(7)が前記フィルタハウジング(5)上に配置され、
前記ポンプ(2)が、前記フィルタ装置(4)の前記フィルタハウジング(5)にポンプハウジング(3)によってネジ込まれ得る
ことを特徴とするフィルタモジュール。
【請求項2】
前記第1ネジ山(6)が雄ネジ山であり、
前記第2ネジ山(7)が雌ネジ山である
ことを特徴とする、請求項1に記載のフィルタモジュール。
【請求項3】
前記ポンプハウジング(3)が、ハウジングカバー(8)、中間部(9)及び下部(10)を有し、
前記ハウジングカバー(8)が、前記中間部(9)にネジ止めされ、
前記中間部(9)が、下部(10)にネジ止めされる
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載のフィルタモジュール。
【請求項4】
前記第2ネジ山(7)が、前記フィルタハウジング(5)と一体に構成される
ことを特徴とする、請求項3に記載のフィルタモジュール。
【請求項5】
前記中間部(9)及び前記下部(10)が、ロータ(14)を備えた電動モータ(13)が配置されたモータチャンバ(12)を取り囲む
ことを特徴とする、請求項3又は4に記載のフィルタモジュール。
【請求項6】
前記下部(10)上に、外側に開いた環状溝(18)が配置され、
前記環状溝(18)の中にシールリング(19)が配置される
ことを特徴とする、請求項3~5のいずれか1項に記載のフィルタモジュール。
【請求項7】
前記フィルタハウジング(5)上には、深度ストッパ(20)と相補的に構成された軸方向ストッパ(21)が配置され、前記軸方向ストッパ(21)の上に前記下部(10)が正しく組み付けされた状態にある
ことを特徴とする、請求項3から6のいずれか1項に記載のフィルタモジュール。
【請求項8】
前記フィルタハウジング(5)及び前記下部(10)が、ポンプホイール(16)が配置されるポンプチャンバ(15)を画定する
ことを特徴とする、請求項3から7のいずれか1項に記載のフィルタモジュール。
【請求項9】
前記ハウジングカバー(8)及び前記中間部(9)が、前記ポンプ(2)の電子制御部が配置される制御チャンバ(17)を画定する
ことを特徴とする、請求項3から8のいずれか1項に記載のフィルタモジュール。
【請求項10】
前記中間部(9)が、
軸方向の第1環状フランジ(22)を有し、
前記第1環状フランジ(22)を介して前記第1環状フランジ(22)と相補的に構成される前記下部(10)の第2環状フランジ(23)に押し込まれ、
前記第1及び第2環状フランジ(22,23)の間にOリングシール(24)が配置されている
ことを特徴とする、請求項3から9のいずれか1項に記載のフィルタモジュール。
【請求項11】
前記第1ネジ山及び第2ネジ山(6,7)が、左ネジ山として構成される
ことを特徴とする、請求項1から10のいずれか1項に記載のフィルタモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプハウジングを備えたポンプを有し、請求項1の前提部に記載のフィルタハウジングを備えたフィルタ装置を有するフィルタモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
フィルタモジュールは、すでに様々な方法で使用されており、実際のフィルタ装置と並んで、さらに、ポンプがフィルタモジュール内に収容されるので、コンパクトな構造方法の大きな利点を提供する。純粋に理論的には、もちろん、例えば熱交換器などのさらなる構成要素も、フィルタモジュールの構成要素部品とすることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ここで、個々の構成要素を確実に、かつ、それに加えて互いにしっかりと接続するために、これまで、例えば、ポンプが、対応するネジによってフィルタ装置のフィルタハウジングに取り付けられ、又はその逆であり、これは、組付及び封止に関して過小評価されない努力を必要とする。
【0004】
したがって、本発明は、特にポンプハウジングとフィルタハウジングとの間の簡略化された接続によって区別される、一般的なタイプのフィルタモジュールのための改良された、又は少なくとも別の、実施形態を示すことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、この課題は、独立請求項1の主題によって解決される。有利な実施形態は、従属請求項の主題である。
【0006】
本発明は、ポンプとフィルタ装置とを備えるフィルタモジュールにおいて、ポンプハウジングを別個のネジによって接続するのではなく、むしろ、ポンプハウジング上に配置されたネジ接続部によって、相補的に構成され、フィルタハウジング上に配置されたネジ接続部を用いて、ポンプハウジングの、したがってポンプハウジングの対応するネジ山への簡単なネジ締めによるフィルタハウジング上へのポンプハウジングの固定が可能になるという一般的な考えに基づく。これにより、例えばネジのような別個の締結手段が省かれ、それによって、部品の多様性、及びそれに関連する貯蔵及び物流コストを低減することができるだけでなく、それに加えて、例えば、単一の作業者によって追加的にもたらされ得る工具のようなさらなる補助なしに、手動で単純な組付を行うことができる。これまで別個のネジによってフィルタにネジ止めされたポンプと比較して、本発明による解決策によって、明確な単純化及びコスト低減を実現することができる。
【0007】
便宜上、第1ネジ山は雄ネジ山であり、第2ネジ山は、雄ネジ山に対して相補的に構成された雌ネジ山である。ここで、雄ネジ山は、例えばポンプハウジング上に配置され、対応する雌ネジ山は、フィルタハウジング上に配置され、その結果、ポンプハウジングを介してポンプをフィルタハウジング内に簡単にネジ込むことによって、ポンプをフィルタ装置に接続することが可能になる。
【0008】
本発明による解決策のさらなる有利な実施形態では、ポンプハウジングは、ハウジングカバーと、中間部と、下部とを有し、ハウジングカバーは、中間部にネジ止めされ、中間部は、下部にネジ止めされる。このようにして、3つの部品からなるポンプハウジングを形成することができ、それに加えて、これにより、ポンプハウジング内の異なる作業空間を分離することができる。ポンプハウジングを3つの個々のセクションに分割することによって、純粋に理論的には、例えばより高い必要なポンプ出力を伴うとき、中間部を拡大することができ、これにより、より強力な駆動装置、例えばより強力な電動モータをその中に配置することができるという点で、はっきりと高い柔軟性を達成することができる。それに加えて、このような多部品ポンプハウジングは、その簡単な開口部と、例えばメンテナンス目的のための、容易なアクセスとを可能にする。ネジ締めのために、例えばセルフタッピングネジをここで使用することができ、純粋に理論的にはもちろん、対抗支持部としてナットを有するネジも考えられる。
【0009】
本発明による解決策のさらなる有利な実施形態では、第1ネジ山は、雄ネジ山として構成されると共に、ポンプハウジングの下部と一体に構成される。追加的に又は代替的に、第2ネジ山が雌ネジ山として構成されると共に、フィルタハウジングと一体に構成されるようにすることもできる。これにより、例えばプラスチック射出成形装置によって、第1ネジ山及び第2ネジ山の両方の製造が可能であり、それにより、高品質なだけでなく、それに加えて第1及び第2ネジ山の経済的な製造も可能である。
【0010】
本発明によるフィルタモジュールのさらなる有利な実施形態では、中間部及び下部は、ロータ及びステータを有する電動モータが配置されるモータチャンバを取り囲む。したがって、理想的には、中間部及び下部は、駆動装置、ここでは電動モータを封入し、それによって、電動モータは、流体から保護されるように配置され得る。
【0011】
好適には、外側に開いた環状溝が、シールリングが配置される下部に配置される。このようなシールリングは、例えば、従来のOシールリングとして構成することができ、それによって、経済的に、かつ、ほぼ任意の所望の実施形態で製造することができる。ポンプハウジングの下部の外側に開いた環状溝によって、加えて、シールリングの所定の位置を強制することができ、それによって、組付中、すなわち、ポンプハウジングのフィルタハウジングへのネジ込み時の、シールリングの意図しない、また望ましくない移動を確実に防止することができ、それによって、ポンプハウジングとフィルタハウジングとの間の信頼できる緊密な接続を作り出すことができる。
【0012】
本発明による解決策のさらに有利な実施形態では、環状段部の形態の深度ストッパが下部に配置される。フィルタハウジング上には、深度ストッパと相補的に構成された軸方向ストッパが配置され、この軸方向ストッパ上には、下部がその深度ストッパと共に正しく組み付けされた状態にある。深度ストッパ及び軸方向ストッパによって、所定の組付位置を手探りで示すことができる。
【0013】
便宜上、フィルタハウジング及び下部は、ポンプのポンプホイールが配置されるポンプチャンバを画定する。これは、例えばポンプホイールの摩耗に起因して、比較的簡単な交換を可能にし、この場合、その下部を有するポンプハウジングのみがフィルタハウジングから外されなければならず、そうすることで、ポンプホイールへのアクセスが提供される。フィルタハウジングから下部部品を、ネジを緩めて簡単に外すことができるので、メンテナンス労力も明らかに低減することができる。
【0014】
本発明によるフィルタモジュールの特に有利な実施形態では、第1ネジ山及び第2ネジ山は、左ネジ山として構成される。これにより、例えば、認可されたポンプをフィルタモジュールのフィルタハウジングにネジ込むことのみを可能にするタイプのキーロック原則を実現することができる。一方、例えば右ネジ山を有する他のポンプハウジングは、フィルタモジュールのフィルタ装置に結合することができない。もちろん、それぞれ対応する認可されたポンプハウジングのみを対応するフィルタハウジングに挿入することを可能にする、さらに別のキーロック原則も考えられる。
【0015】
本発明のさらなる重要な特徴及び利点は、従属請求項から、図面から、及び図面の助けを借りた関連する図の説明から、明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】取付状態の本発明によるフィルタモジュールを示す図である。
図2】本発明によるフィルタモジュールの断面図である。
図3】第2ネジ山がその中に配置されたフィルタハウジングの内面を示す斜視図である。
図4】ポンプハウジング上に配置された第1ネジ山を有するポンプを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
上で述べられた及び下でさらに説明される特徴は、本発明の範囲から逸脱することなく、それぞれ示される組み合せのみならず、他の組み合せ又は単独でも、使用されることができる、ことを理解されたい。
【0018】
本発明の好ましい例示的な実施形態は、図面に示され、以下の説明においてより詳細に説明される。ここで、同じ参照番号は、同一若しくは類似又は機能的に同一の、構成を参照する。
【0019】
図1及び図2によれば、本発明によるフィルタモジュール1は、例えばオイルフィルタモジュール1’として構成することができ、ポンプハウジング3を備えたポンプ2と、フィルタハウジング5を備えたフィルタ装置4とを有する。本発明によれば、第1ネジ山6がポンプハウジング3(図4参照)上に配置され、第2ネジ山7がフィルタハウジング5上に相補的に構成され、ポンプハウジング3及びその上に配置された第1ネジ山6によってポンプ2がフィルタ装置4のフィルタハウジング5に容易にネジ込まれるようになっている。ここでは、第1ネジ山6は雄ネジ山であり、一方、第2ネジ山7は、それと相補的に構成された雌ネジ山である。
【0020】
第1及び第2ネジ山6,7によって、ポンプが別個のネジによって対応するフィルタ装置にネジ込まれなければならない従来の解決策と比較して、極めて簡単に、直覚的に固定され、加えて、さらなる固定手段、すなわちネジを必要とせず、それによって経済的に構成することができる接続可能性が提供される。
【0021】
ポンプハウジング3をより詳細に見ると、ポンプハウジング3は、ハウジングカバー8と、中間部9と、下部10とを有し、それによって、3つのハウジング部品8,9,10から構成されることが分かる。この場合、第1ネジ山6は、下部10上に配置される。
【0022】
ここで、ハウジングカバー8と中間部9との間の接続は、ネジ11によって行われ、中間部9と下部10との接続は、ネジ11’によっても同様に行われる(図2参照)。これにより、例えばメンテナンス目的のために、個々の部品8,9,10をそれぞれ、又は互いに簡単に組み付けすることができると共に、簡単に分解することができる。
【0023】
図2及び図4を見ると、第1ネジ山6は、雄ネジ山として構成されると共に、下部10と一体に構成されていることが分かる。第2ネジ山7は、雌ネジ山として、好ましくはフィルタハウジング5と一体に構成される。また、ネジ山6,7を、下部10に又はフィルタハウジング5に、それぞれ備えた一体構造は、経済的であると同時に、プラスチック射出成形部品としての部品の高品質な製造を可能にするとともに、例えば、下部10に配置された第1ネジ山6を一体に構成したものをプラスチック部品として、又は金属部品として構成し、第2ネジ山7を一体に配置したフィルタハウジング5を金属部品として、又はプラスチック部品として構成することも考えられる。
【0024】
中間部9及び下部10は、ここでは(図2参照)、ロータ14を有する電動モータ13が配置されているモータチャンバ12を取り囲んでいる。ここでは、モータチャンバ12内にステータも配置されている。ここで、中間部9及び下部10は、モータチャンバ12の封入を可能にし、それによって、その中に配置された電動モータ13は、保護された方法で配置され、特に、流体の望ましくない浸入から保護される。
【0025】
フィルタハウジング5及びポンプ2の下部10は、ポンプチャンバ15(図2参照)を画定し、このポンプチャンバ15内には、電動モータ13のロータ14に対して回転不能に接続されたポンプホイール16が配置されている。したがって、例えば、ポンプホイール16が摩耗の兆候によって交換される場合、維持のためにポンプ2のみをフィルタハウジング5から外さなければならず、それによってポンプホイール16へ直接アクセスできるようになる。
【0026】
ハウジングカバー8及びポンプハウジング3の中間部9は、例えばポンプ2の電子制御部及び電気的接続部が配置される制御チャンバ17(図2参照)を画定する。ポンプ2は、ここでは、モータチャンバ12に対して、また、もちろん、ポンプチャンバ15に対しても密閉されている。
【0027】
図4に示す下部10を見ると、外側に開いた環状溝18(図2も参照)を有しており、その中に、シールリング19、例えばOリングシールを配置することができることが分かる。これにより、定位置に固定されたシールリング19の信頼性の高い配置が提供され、その結果、ポンプハウジング3をフィルタハウジング5にネジ込む間、シールリング19は望まない滑りを発生しない。
【0028】
さらに、下部10には、環状段部(図2及び図4参照)の様式の深度ストッパ20が配置され、フィルタハウジング5には、深度ストッパ20と相補的に構成された軸方向ストッパ21(図2及び図3参照)が配置され、その上に下部10が正しく組み付けされた状態、すなわち組付状態にある。これにより、適切な作業者が手探りで組付終端位置を検出することができ、信頼性の高い組付を実現することができる。
【0029】
さらに、中間部9は、軸方向に延びる第1環状フランジ22を有することができ、この第1環状フランジ22を介して、相補的に構成される、下部10の第2環状フランジ23に押し込まれる。第1環状フランジ22と第2環状フランジ23との間には、さらに、外部に対してモータチャンバ12をシールするOリングシール24(図2参照)が配置されている。第1環状フランジ22と第2環状フランジ23によって、確実で簡単な組付を保証することができ、これらはガイド補助として役立つ。
【0030】
さらに、認可されたポンプ2のみがフィルタモジュール1のフィルタハウジング5に挿入されることを保証できるようにするために、キーロックシステムを形成することもでき、このキーロックシステムは、例えば、第1及び第2ネジ山6,7が左ネジ山として構成されるように形成することができる。
【0031】
全体として、本発明によるフィルタモジュール1では、ポンプ2のフィルタ装置4への固定は、これまでのネジによる接続と比較して、明確に簡単に行うことができる。
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2021-07-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプハウジング(3)を有するポンプ(2)と、
フィルタハウジング(5)を有するフィルタ装置(4)とを備えるフィルタモジュール(1)であって、
前記ポンプハウジング(3)上に第1ネジ山(6)が配置され、
前記第1ネジ山(6)に相補的に構成される第2ネジ山(7)が前記フィルタハウジング(5)上に配置され、
前記ポンプ(2)が、前記フィルタ装置(4)の前記フィルタハウジング(5)にポンプハウジング(3)によってネジ込まれ得るように構成されており、
前記ポンプハウジング(3)が、ハウジングカバー(8)、中間部(9)及び下部(10)を有し、
前記ハウジングカバー(8)が、前記中間部(9)にネジ止めされ、
前記中間部(9)が、下部(10)にネジ止めされる
ことを特徴とするフィルタモジュール。
【請求項2】
前記第1ネジ山(6)が雄ネジ山であり、
前記第2ネジ山(7)が雌ネジ山である
ことを特徴とする、請求項1に記載のフィルタモジュール。
【請求項3】
前記第2ネジ山(7)が、前記フィルタハウジング(5)と一体に構成される
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載のフィルタモジュール。
【請求項4】
前記中間部(9)及び前記下部(10)が、ロータ(14)を備えた電動モータ(13)が配置されたモータチャンバ(12)を取り囲む
ことを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載のフィルタモジュール。
【請求項5】
前記下部(10)上に、外側に開いた環状溝(18)が配置され、
前記環状溝(18)の中にシールリング(19)が配置される
ことを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載のフィルタモジュール。
【請求項6】
前記フィルタハウジング(5)上には、深度ストッパ(20)と相補的に構成された軸方向ストッパ(21)が配置され、前記軸方向ストッパ(21)の上に前記下部(10)が正しく組み付けされた状態にある
ことを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載のフィルタモジュール。
【請求項7】
前記フィルタハウジング(5)及び前記下部(10)が、ポンプホイール(16)が配置されるポンプチャンバ(15)を画定する
ことを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載のフィルタモジュール。
【請求項8】
前記ハウジングカバー(8)及び前記中間部(9)が、前記ポンプ(2)の電子制御部が配置される制御チャンバ(17)を画定する
ことを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載のフィルタモジュール。
【請求項9】
前記中間部(9)が、
軸方向の第1環状フランジ(22)を有し、
前記第1環状フランジ(22)を介して前記第1環状フランジ(22)と相補的に構成される前記下部(10)の第2環状フランジ(23)に押し込まれ、
前記第1及び第2環状フランジ(22,23)の間にOリングシール(24)が配置されている
ことを特徴とする、請求項1~8のいずれか1項に記載のフィルタモジュール。
【請求項10】
前記第1ネジ山及び第2ネジ山(6,7)が、左ネジ山として構成される
ことを特徴とする、請求項1からのいずれか1項に記載のフィルタモジュール。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプハウジングを備えたポンプを有し、請求項1の前提部に記載のフィルタハウジングを備えたフィルタ装置を有するフィルタモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
独国特許出願公開第10 2009 040 655号明細書から、ポンプハウジングを備えたポンプを有し、フィルタハウジングを備えたフィルタ装置を有する一般的なフィルタモジュールが知られている。第1のネジ山がポンプハウジング上に配置され、相補的に構成された第2のネジ山がフィルタハウジング上に配置され、その結果、ポンプは、そのポンプハウジングによってフィルタ装置のフィルタハウジングにネジ止めされ得る。
【0003】
独国特許出願公開第10 2008 027 374号明細書及び独国特許発明第198 43 021号明細書から、さらなるフィルタモジュールが知られている。
【0004】
フィルタモジュールは、すでに様々な方法で使用されており、実際のフィルタ装置と並んで、さらに、ポンプがフィルタモジュール内に収容されるので、コンパクトな構造方法の大きな利点を提供する。純粋に理論的には、もちろん、例えば熱交換器などのさらなる構成要素も、フィルタモジュールの構成要素部品とすることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、個々の構成要素を確実に、かつ、それに加えて互いにしっかりと接続するために、これまで、例えば、ポンプが、対応するネジによってフィルタ装置のフィルタハウジングに取り付けられ、又はその逆であり、これは、組付及び封止に関して過小評価されない努力を必要とする。
【0006】
したがって、本発明は、特にポンプハウジングとフィルタハウジングとの間の簡略化された接続によって区別される、一般的なタイプのフィルタモジュールのための改良された、又は少なくとも別の、実施形態を示すことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、この課題は、独立請求項1の主題によって解決される。有利な実施形態は、従属請求項の主題である。
【0008】
本発明は、ポンプとフィルタ装置とを備えるフィルタモジュールにおいて、ポンプハウジングを別個のネジによって接続するのではなく、むしろ、ポンプハウジング上に配置されたネジ接続部によって、相補的に構成され、フィルタハウジング上に配置されたネジ接続部を用いて、ポンプハウジングの、したがってポンプハウジングの対応するネジ山への簡単なネジ締めによるフィルタハウジング上へのポンプハウジングの固定が可能になるという一般的な考えに基づく。これにより、例えばネジのような別個の締結手段が省かれ、それによって、部品の多様性、及びそれに関連する貯蔵及び物流コストを低減することができるだけでなく、それに加えて、例えば、単一の作業者によって追加的にもたらされ得る工具のようなさらなる補助なしに、手動で単純な組付を行うことができる。これまで別個のネジによってフィルタにネジ止めされたポンプと比較して、本発明による解決策によって、明確な単純化及びコスト低減を実現することができる。
【0009】
便宜上、第1ネジ山は雄ネジ山であり、第2ネジ山は、雄ネジ山に対して相補的に構成された雌ネジ山である。ここで、雄ネジ山は、例えばポンプハウジング上に配置され、対応する雌ネジ山は、フィルタハウジング上に配置され、その結果、ポンプハウジングを介してポンプをフィルタハウジング内に簡単にネジ込むことによって、ポンプをフィルタ装置に接続することが可能になる。
【0010】
本発明によれば、ポンプハウジングは、ハウジングカバーと、中間部と、下部とを有し、ハウジングカバーは、中間部にネジ止めされ、中間部は、下部にネジ止めされる。このようにして、3つの部品からなるポンプハウジングを形成することができ、それに加えて、これにより、ポンプハウジング内の異なる作業空間を分離することができる。ポンプハウジングを3つの個々のセクションに分割することによって、純粋に理論的には、例えばより高い必要なポンプ出力を伴うとき、中間部を拡大することができ、これにより、より強力な駆動装置、例えばより強力な電動モータをその中に配置することができるという点で、はっきりと高い柔軟性を達成することができる。それに加えて、このような多部品ポンプハウジングは、その簡単な開口部と、例えばメンテナンス目的のための、容易なアクセスとを可能にする。ネジ締めのために、例えばセルフタッピングネジをここで使用することができ、純粋に理論的にはもちろん、対抗支持部としてナットを有するネジも考えられる。
【0011】
本発明による解決策のさらなる有利な実施形態では、第1ネジ山は、雄ネジ山として構成されると共に、ポンプハウジングの下部と一体に構成される。追加的に又は代替的に、第2ネジ山が雌ネジ山として構成されると共に、フィルタハウジングと一体に構成されるようにすることもできる。これにより、例えばプラスチック射出成形装置によって、第1ネジ山及び第2ネジ山の両方の製造が可能であり、それにより、高品質なだけでなく、それに加えて第1及び第2ネジ山の経済的な製造も可能である。
【0012】
本発明によるフィルタモジュールのさらなる有利な実施形態では、中間部及び下部は、ロータ及びステータを有する電動モータが配置されるモータチャンバを取り囲む。したがって、理想的には、中間部及び下部は、駆動装置、ここでは電動モータを封入し、それによって、電動モータは、流体から保護されるように配置され得る。
【0013】
好適には、外側に開いた環状溝が、シールリングが配置される下部に配置される。このようなシールリングは、例えば、従来のOシールリングとして構成することができ、それによって、経済的に、かつ、ほぼ任意の所望の実施形態で製造することができる。ポンプハウジングの下部の外側に開いた環状溝によって、加えて、シールリングの所定の位置を強制することができ、それによって、組付中、すなわち、ポンプハウジングのフィルタハウジングへのネジ込み時の、シールリングの意図しない、また望ましくない移動を確実に防止することができ、それによって、ポンプハウジングとフィルタハウジングとの間の信頼できる緊密な接続を作り出すことができる。
【0014】
本発明による解決策のさらに有利な実施形態では、環状段部の形態の深度ストッパが下部に配置される。フィルタハウジング上には、深度ストッパと相補的に構成された軸方向ストッパが配置され、この軸方向ストッパ上には、下部がその深度ストッパと共に正しく組み付けされた状態にある。深度ストッパ及び軸方向ストッパによって、所定の組付位置を手探りで示すことができる。
【0015】
便宜上、フィルタハウジング及び下部は、ポンプのポンプホイールが配置されるポンプチャンバを画定する。これは、例えばポンプホイールの摩耗に起因して、比較的簡単な交換を可能にし、この場合、その下部を有するポンプハウジングのみがフィルタハウジングから外されなければならず、そうすることで、ポンプホイールへのアクセスが提供される。フィルタハウジングから下部部品を、ネジを緩めて簡単に外すことができるので、メンテナンス労力も明らかに低減することができる。
【0016】
本発明によるフィルタモジュールの特に有利な実施形態では、第1ネジ山及び第2ネジ山は、左ネジ山として構成される。これにより、例えば、認可されたポンプをフィルタモジュールのフィルタハウジングにネジ込むことのみを可能にするタイプのキーロック原則を実現することができる。一方、例えば右ネジ山を有する他のポンプハウジングは、フィルタモジュールのフィルタ装置に結合することができない。もちろん、それぞれ対応する認可されたポンプハウジングのみを対応するフィルタハウジングに挿入することを可能にする、さらに別のキーロック原則も考えられる。
【0017】
本発明のさらなる重要な特徴及び利点は、従属請求項から、図面から、及び図面の助けを借りた関連する図の説明から、明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】取付状態の本発明によるフィルタモジュールを示す図である。
図2】本発明によるフィルタモジュールの断面図である。
図3】第2ネジ山がその中に配置されたフィルタハウジングの内面を示す斜視図である。
図4】ポンプハウジング上に配置された第1ネジ山を有するポンプを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
上で述べられた及び下でさらに説明される特徴は、本発明の範囲から逸脱することなく、それぞれ示される組み合せのみならず、他の組み合せ又は単独でも、使用されることができる、ことを理解されたい。
【0020】
本発明の好ましい例示的な実施形態は、図面に示され、以下の説明においてより詳細に説明される。ここで、同じ参照番号は、同一若しくは類似又は機能的に同一の、構成を参照する。
【0021】
図1及び図2によれば、本発明によるフィルタモジュール1は、例えばオイルフィルタモジュール1’として構成することができ、ポンプハウジング3を備えたポンプ2と、フィルタハウジング5を備えたフィルタ装置4とを有する。本発明によれば、第1ネジ山6がポンプハウジング3(図4参照)上に配置され、第2ネジ山7がフィルタハウジング5上に相補的に構成され、ポンプハウジング3及びその上に配置された第1ネジ山6によってポンプ2がフィルタ装置4のフィルタハウジング5に容易にネジ込まれるようになっている。ここでは、第1ネジ山6は雄ネジ山であり、一方、第2ネジ山7は、それと相補的に構成された雌ネジ山である。
【0022】
第1及び第2ネジ山6,7によって、ポンプが別個のネジによって対応するフィルタ装置にネジ込まれなければならない従来の解決策と比較して、極めて簡単に、直覚的に固定され、加えて、さらなる固定手段、すなわちネジを必要とせず、それによって経済的に構成することができる接続可能性が提供される。
【0023】
ポンプハウジング3をより詳細に見ると、ポンプハウジング3は、ハウジングカバー8と、中間部9と、下部10とを有し、それによって、3つのハウジング部品8,9,10から構成されることが分かる。この場合、第1ネジ山6は、下部10上に配置される。
【0024】
ここで、ハウジングカバー8と中間部9との間の接続は、ネジ11によって行われ、中間部9と下部10との接続は、ネジ11’によっても同様に行われる(図2参照)。これにより、例えばメンテナンス目的のために、個々の部品8,9,10をそれぞれ、又は互いに簡単に組み付けすることができると共に、簡単に分解することができる。
【0025】
図2及び図4を見ると、第1ネジ山6は、雄ネジ山として構成されると共に、下部10と一体に構成されていることが分かる。第2ネジ山7は、雌ネジ山として、好ましくはフィルタハウジング5と一体に構成される。また、ネジ山6,7を、下部10に又はフィルタハウジング5に、それぞれ備えた一体構造は、経済的であると同時に、プラスチック射出成形部品としての部品の高品質な製造を可能にするとともに、例えば、下部10に配置された第1ネジ山6を一体に構成したものをプラスチック部品として、又は金属部品として構成し、第2ネジ山7を一体に配置したフィルタハウジング5を金属部品として、又はプラスチック部品として構成することも考えられる。
【0026】
中間部9及び下部10は、ここでは(図2参照)、ロータ14を有する電動モータ13が配置されているモータチャンバ12を取り囲んでいる。ここでは、モータチャンバ12内にステータも配置されている。ここで、中間部9及び下部10は、モータチャンバ12の封入を可能にし、それによって、その中に配置された電動モータ13は、保護された方法で配置され、特に、流体の望ましくない浸入から保護される。
【0027】
フィルタハウジング5及びポンプ2の下部10は、ポンプチャンバ15(図2参照)を画定し、このポンプチャンバ15内には、電動モータ13のロータ14に対して回転不能に接続されたポンプホイール16が配置されている。したがって、例えば、ポンプホイール16が摩耗の兆候によって交換される場合、維持のためにポンプ2のみをフィルタハウジング5から外さなければならず、それによってポンプホイール16へ直接アクセスできるようになる。
【0028】
ハウジングカバー8及びポンプハウジング3の中間部9は、例えばポンプ2の電子制御部及び電気的接続部が配置される制御チャンバ17(図2参照)を画定する。ポンプ2は、ここでは、モータチャンバ12に対して、また、もちろん、ポンプチャンバ15に対しても密閉されている。
【0029】
図4に示す下部10を見ると、外側に開いた環状溝18(図2も参照)を有しており、その中に、シールリング19、例えばOリングシールを配置することができることが分かる。これにより、定位置に固定されたシールリング19の信頼性の高い配置が提供され、その結果、ポンプハウジング3をフィルタハウジング5にネジ込む間、シールリング19は望まない滑りを発生しない。
【0030】
さらに、下部10には、環状段部(図2及び図4参照)の様式の深度ストッパ20が配置され、フィルタハウジング5には、深度ストッパ20と相補的に構成された軸方向ストッパ21(図2及び図3参照)が配置され、その上に下部10が正しく組み付けされた状態、すなわち組付状態にある。これにより、適切な作業者が手探りで組付終端位置を検出することができ、信頼性の高い組付を実現することができる。
【0031】
さらに、中間部9は、軸方向に延びる第1環状フランジ22を有することができ、この第1環状フランジ22を介して、相補的に構成される、下部10の第2環状フランジ23に押し込まれる。第1環状フランジ22と第2環状フランジ23との間には、さらに、外部に対してモータチャンバ12をシールするOリングシール24(図2参照)が配置されている。第1環状フランジ22と第2環状フランジ23によって、確実で簡単な組付を保証することができ、これらはガイド補助として役立つ。
【0032】
さらに、認可されたポンプ2のみがフィルタモジュール1のフィルタハウジング5に挿入されることを保証できるようにするために、キーロックシステムを形成することもでき、このキーロックシステムは、例えば、第1及び第2ネジ山6,7が左ネジ山として構成されるように形成することができる。
【0033】
全体として、本発明によるフィルタモジュール1では、ポンプ2のフィルタ装置4への固定は、これまでのネジによる接続と比較して、明確に簡単に行うことができる。
【国際調査報告】