IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ナッツクラッカー セラピューティクス, インコーポレイテッドの特許一覧

特表2023-527714抗原性ペイロードを含むポリヌクレオチド
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-30
(54)【発明の名称】抗原性ペイロードを含むポリヌクレオチド
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/62 20060101AFI20230623BHJP
   C12N 15/12 20060101ALI20230623BHJP
   C12N 15/31 20060101ALI20230623BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20230623BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20230623BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20230623BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20230623BHJP
   A61K 31/7088 20060101ALI20230623BHJP
   A61K 35/12 20150101ALI20230623BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20230623BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20230623BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230623BHJP
   A61K 39/00 20060101ALI20230623BHJP
   A61P 37/04 20060101ALI20230623BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20230623BHJP
   A61K 47/44 20170101ALI20230623BHJP
   C07K 19/00 20060101ALN20230623BHJP
   C07K 16/28 20060101ALN20230623BHJP
   C07K 14/005 20060101ALN20230623BHJP
   C07K 14/195 20060101ALN20230623BHJP
【FI】
C12N15/62 Z
C12N15/12 ZNA
C12N15/31
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
A61K31/7088
A61K35/12
A61K48/00
A61K45/00
A61P43/00 121
A61K39/00 H
A61P37/04
A61K9/48
A61K47/44
C07K19/00
C07K16/28
C07K14/005
C07K14/195
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022569132
(86)(22)【出願日】2021-05-12
(85)【翻訳文提出日】2023-01-06
(86)【国際出願番号】 US2021031947
(87)【国際公開番号】W WO2021231541
(87)【国際公開日】2021-11-18
(31)【優先権主張番号】63/024,604
(32)【優先日】2020-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522441895
【氏名又は名称】ナッツクラッカー セラピューティクス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】フリーマンソン, ダニエル オマール
(72)【発明者】
【氏名】ハーベス, オーレ
【テーマコード(参考)】
4B065
4C076
4C084
4C085
4C086
4C087
4H045
【Fターム(参考)】
4B065AA01X
4B065AA01Y
4B065AA57X
4B065AA57Y
4B065AA72X
4B065AA72Y
4B065AA83X
4B065AA83Y
4B065AA90X
4B065AA90Y
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA02
4B065CA45
4C076AA53
4C076AA95
4C076CC06
4C076DD33
4C076EE41
4C076FF05
4C076FF06
4C076FF16
4C076FF51
4C076FF52
4C076FF53
4C084AA02
4C084AA13
4C084AA19
4C084NA13
4C084NA14
4C084ZB09
4C084ZC75
4C085AA03
4C085BB23
4C085EE01
4C086AA01
4C086AA02
4C086EA16
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA13
4C086NA14
4C086ZB09
4C086ZC75
4C087AA01
4C087AA02
4C087BB65
4C087NA13
4C087NA14
4C087ZB09
4C087ZC75
4H045AA10
4H045AA30
4H045BA09
4H045BA41
4H045CA40
4H045DA76
4H045DA86
4H045EA31
4H045FA74
(57)【要約】
ポリヌクレオチド、足場、およびカセットがここに開示され、記載されている。特に、これらのポリヌクレオチドは、シグナル/リーダー-ペイロード-PRMを含む式を有することができ、式中、シグナル/リーダーは、ペイロードとインフレームかつペイロードの上流で、シグナル配列、リーダー配列またはソーティング配列をコードし、ペイロードは、抗原性ペイロード領域、検出可能な薬剤、および治療薬であり、PRMは、CD1d、CD1e、LDLR、LDLRPおよびLRP1タンパク質からなる群から選択される1またはそれを超えるアイソフォームまたはタンパク質からの少なくとも1つの親受容体分子領域の全部または一部をコードする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
シグナル/リーダー-ペイロード-TMD-CYD
(式中、
前記シグナル/リーダーは、ペイロードとインフレームで、かつペイロードの上流で、シグナル配列、リーダー配列、またはソーティング配列をコードし、
前記ペイロードは、抗原性ペイロード領域、検出可能な薬剤、および治療薬からなる群から選択され、
前記TMDは、CD1d、CD1e、LDLR、LDLRPおよびLRP1タンパク質からなる群から選択される1またはそれを超えるタンパク質またはアイソフォーム由来の膜貫通領域の一部をコードし、
前記CYDは、CD1d、CD1e、LDLR、LDLRPおよびLRP1タンパク質からなる群から選択される1またはそれを超えるタンパク質またはアイソフォーム由来の細胞質領域の全部または一部をコードする)
を有するポリヌクレオチド。
【請求項2】
前記ペイロードが、
(a)第1のコードされた抗原性ペイロード(An1)(式中、nは1~10の整数である)、
(b)コードされたリンカー領域(X)(式中、oは0~10の整数である)、および
(c)第2のコードされた抗原性ペイロード(An2)(式中、pは0~10の整数である)
を含む式(An1)n-Xo-(An2)pを有する抗原性ペイロード領域である、請求項1に記載のポリヌクレオチド。
【請求項3】
前記第1のコードされた抗原性ペイロードまたは第2のコードされた抗原性ペイロードが、腫瘍抗原または感染病原体抗原の全部または一部をコードする、請求項2に記載のポリヌクレオチド。
【請求項4】
前記第1のコードされた抗原性ペイロードまたは第2のコードされた抗原性ペイロードが配列SIINFEKLを含む、請求項2または請求項3に記載のポリヌクレオチド。
【請求項5】
前記ペイロードが、有機小分子、無機化合物、ナノ粒子、酵素または酵素基質、蛍光材料、発光材料、生物発光材料、化学発光材料、放射性材料、造影剤、ガドリニウム、酸化鉄、単結晶酸化鉄ナノ粒子、超小型超常磁性酸化鉄、マンガンキレート、硫酸バリウム、ヨウ素化造影剤、マイクロバブルおよびパーフルオロカーボンからなる群から選択される検出可能な薬剤である、請求項1に記載のポリヌクレオチド。
【請求項6】
前記TMDおよび前記CYDが、同じアイソフォームまたはタンパク質に由来する、先行する請求項のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド。
【請求項7】
前記TMDおよび前記CYDが、異なるアイソフォームまたはタンパク質に由来する、請求項1~5のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド。
【請求項8】
前記シグナル/リーダーが、前記TMD、前記CYD、またはその両方と同じアイソフォームまたはタンパク質由来のシグナル配列、リーダー配列、またはソーティング配列をコードする、先行する請求項のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド。
【請求項9】
前記TMDが、配列MGLIALAVLACLLFLLIVGFTをコードする、先行する請求項のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド。
【請求項10】
前記CYDが、配列SRFKRQTSYQGVLをコードする、先行する請求項のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド。
【請求項11】
前記シグナル配列が、配列MGCLLFLLLWALLQAWGSAをコードする、先行する請求項のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド。
【請求項12】
式:
シグナル/リーダー-ペイロード-PRM
(式中、
前記シグナル/リーダーは、ペイロードとインフレームで、かつペイロードの上流で、シグナル配列、リーダー配列、またはソーティング配列をコードし、
前記ペイロードは、抗原性ペイロード領域、検出可能な薬剤、および治療薬からなる群から選択され、
前記PRMは、CD1d、CD1e、LDLR、LDLRPおよびLRP1タンパク質からなる群から選択される1またはそれを超えるタンパク質またはアイソフォーム由来の少なくとも1つの親受容体分子領域の全部または一部をコードする)
を有するポリヌクレオチド。
【請求項13】
前記親受容体分子が、細胞外領域、膜貫通領域および細胞質領域からなる群から選択される、請求項12に記載のポリヌクレオチド。
【請求項14】
先行する請求項のいずれか1項に記載のポリヌクレオチドを含む宿主細胞。
【請求項15】
請求項1~13のいずれか1項に記載のポリヌクレオチドまたは請求項14に記載の宿主細胞を含む医薬組成物。
【請求項16】
前記医薬組成物がワクチンの形態である、請求項15に記載の医薬組成物。
【請求項17】
1もしくはそれを超える薬学的に許容され得る賦形剤、または1もしくはそれを超える追加の薬学的有効成分をさらに含む、請求項15または請求項16に記載の医薬組成物。
【請求項18】
前記薬学的に許容され得る賦形剤が、付着防止剤、酸化防止剤、結合剤、コーティング、圧縮助剤、崩壊剤、染料、皮膚軟化剤、乳化剤、充填剤、皮膜形成剤またはコーティング、香味剤、香料、流動促進剤、潤滑剤、防腐剤、印刷インク、吸着剤、懸濁剤または分散剤、甘味料、および水和水からなる群から選択される、請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項19】
送達ビヒクルと共に製剤化された請求項1~13のいずれか1項に記載のポリヌクレオチドを含む、治療用ポリヌクレオチド。
【請求項20】
前記ポリヌクレオチドが、前記送達ビヒクルでカプセル化されている、請求項19に記載の治療用ポリヌクレオチド。
【請求項21】
前記送達ビヒクルが、両親媒性分子、アミノ脂質付加ペプチドおよび三級アミノ脂質付加カチオン性ペプチドからなる群から選択される、請求項19または20に記載の治療用ポリヌクレオチド。
【請求項22】
請求項19~21のいずれか1項に記載の治療用ポリヌクレオチドを含む治療用組成物。
【請求項23】
前記治療用組成物が、ワクチンの形態である、請求項22に記載の治療用組成物。
【請求項24】
1もしくはそれを超える治療的に許容され得る賦形剤、または1もしくはそれを超える追加の治療有効成分をさらに含む、請求項22または請求項23に記載の治療用組成物。
【請求項25】
前記治療的に許容され得る賦形剤が、付着防止剤、酸化防止剤、結合剤、コーティング、圧縮助剤、崩壊剤、染料、皮膚軟化剤、乳化剤、充填剤、皮膜形成剤またはコーティング、香味剤、香料、流動促進剤、潤滑剤、防腐剤、印刷インク、吸着剤、懸濁剤または分散剤、甘味料、および水和水からなる群から選択される、請求項24に記載の治療用組成物。
【請求項26】
前記医薬組成物または治療用組成物の治療有効用量、予防有効用量、または適切なイメージング用量が、それを必要とする対象に投与される、請求項15~18のいずれか1項に記載の医薬組成物、または請求項22~25のいずれか1項に記載の治療用組成物。
【請求項27】
処置、ワクチン接種または免疫化を必要とする対象を処置、ワクチン接種または免疫化する方法であって、請求項1~13のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド、請求項14に記載の宿主細胞、請求項15~18のいずれか1項に記載の医薬組成物または請求項22~25のいずれか1項に記載の治療用組成物を前記対象に投与することを含む、方法。
【請求項28】
前記対象が哺乳動物である、請求項26に記載の医薬組成物もしくは治療用組成物、または請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記対象がヒトである、請求項26に記載の医薬組成物もしくは治療用組成物、または請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記ポリヌクレオチドが、
a)抗原のプロセシングおよび提示を可能にする、
b)タンパク質を抗原提示経路へ輸送する、
c)T細胞活性化を改善する、
d)クローン多様性を増加させる、および
e)それらの任意の組み合わせ
のうち1つを行うためのものである、請求項1~13のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド、請求項14に記載の宿主細胞、請求項15~18のいずれか1項に記載の医薬組成物、請求項19~21のいずれか1項に記載の治療用ポリヌクレオチド、請求項22~25のいずれか1項に記載の治療用組成物、または請求項27~29のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
背景
CD8+およびCD4+リンパ球の両方の刺激は、組換えワクチンによる効果的な免疫療法のために望ましく、近年、DNAまたはRNA核酸に基づくワクチンがますます重要になってきている。しかしながら、これらのタイプのワクチンは、組換えワクチンの有効性にとって重要な要素であるCD4+リンパ球の刺激をほとんどまたは全く受けない。したがって、例えば細菌またはウイルス由来の外来エピトープに対する融合の一次配列を変更することによって、ならびに抗原およびサイトカインまたはケモカイン等の免疫調節剤からなるキメラ産物によって、ワクチンの免疫原性を増加させるためのいくつかの遺伝子操作が開発されている。
【発明の概要】
【0002】
要旨
本開示は、ポリヌクレオチド、足場およびカセットに関する例を提供する。本開示はまた、腫瘍抗原、ネオ抗原、患者特異的抗原、共有抗原、および感染病原体抗原等の1またはそれを超えるポリペプチド抗原を含む融合分子に関する例を提供し、そのような足場が、細胞の表面または特定の細胞区画における抗原提示のために、親受容体分子の1またはそれを超える領域、例えばシグナル配列、細胞外領域、膜貫通領域および/または細胞質領域を含む足場に組み込まれたペイロードとして操作される。本開示はまた、動物において免疫応答または治療応答を誘導することを含む、多くの用途に使用することができるポリヌクレオチドおよび足場に関する例を提供する。具体的には、本開示のポリヌクレオチドおよび足場は、CD1および他の細胞受容体を利用する設計に基づく。
【0003】
本開示はまた、ワクチンとして使用するための抗原性ペイロードを組み込んだ足場およびカセットを含む代替ワクチン様式を提供する。
【0004】
本開示はさらに、足場およびカセットをコードするポリヌクレオチド、例えばDNA、RNAまたはmRNA、ならびにそれらを作製および使用する方法を記載する。
【0005】
本開示の一態様は、式:シグナル/リーダー-ペイロード-TMD-CYD(式中、シグナル/リーダーは、ペイロードとインフレームで、かつペイロードの上流で、シグナル配列、リーダー配列、またはソーティング配列をコードし、ペイロードは、抗原性ペイロード領域、検出可能な薬剤、および治療薬からなる群から選択され、TMDは、CD1d、CD1e、LDLR、LDLRPおよびLRP1タンパク質からなる群から選択される1またはそれを超えるタンパク質またはアイソフォーム由来の膜貫通領域の一部をコードし、CYDは、CD1d、CD1e、LDLR、LDLRPおよびLRP1タンパク質からなる群から選択される1またはそれを超えるタンパク質またはアイソフォーム由来の細胞質領域の全部または一部をコードする)を有するポリヌクレオチドに関する。
【0006】
いくつかの態様では、ペイロードは、第1のコードされた抗原性ペイロード(An1)(式中、nは1~10の整数である);コードされたリンカー領域(X)(式中、oは0~10の整数である);および第2のコードされた抗原性ペイロード(An2)(式中、pは0~10の整数である)を含む式(An1)n-Xo-(An2)pを有する抗原性ペイロード領域である。
【0007】
いくつかの態様では、第1のコードされた抗原性ペイロードまたは第2のコードされた抗原性ペイロードは、腫瘍抗原または感染病原体抗原の全部または一部をコードする。
【0008】
いくつかの態様では、第1のコードされた抗原性ペイロードまたは第2のコードされた抗原性ペイロードは配列SIINFEKLを含む。
【0009】
ある態様では、ペイロードは、有機小分子、無機化合物、ナノ粒子、酵素または酵素基質、蛍光材料、発光材料、生物発光材料、化学発光材料、放射性材料、造影剤、ガドリニウム、酸化鉄、単結晶酸化鉄ナノ粒子、超小型超常磁性酸化鉄、マンガンキレート、硫酸バリウム、ヨウ素化造影剤、マイクロバブルおよびパーフルオロカーボンからなる群から選択される検出可能な薬剤である。
【0010】
一態様では、TMDおよびCYDは、同じアイソフォームまたはタンパク質に由来する。別の態様では、TMDおよびCYDは、異なるアイソフォームまたはタンパク質に由来する。
【0011】
ある態様では、シグナル/リーダーは、TMD、CYD、またはその両方と同じアイソフォームまたはタンパク質由来のシグナル配列、リーダー配列、またはソーティング配列をコードする。一態様では、TMDは、配列MGLIALAVLACLLFLLIVGFTをコードする。別の態様では、CYDは、配列SRFKRQTSYQGVLをコードする。なお別の態様では、シグナル配列は、配列MGCLLFLLLWALLQAWGSAをコードする。
【0012】
本開示の一態様は、式:シグナル/リーダー-ペイロード-PRM(式中、シグナル/リーダーは、ペイロードとインフレームで、かつペイロードの上流で、シグナル配列、リーダー配列、またはソーティング配列をコードし、ペイロードは、抗原性ペイロード領域、検出可能な薬剤、および治療薬からなる群から選択され、PRMは、CD1d、CD1e、LDLR、LDLRPおよびLRP1タンパク質からなる群から選択される1またはそれを超えるタンパク質またはアイソフォーム由来の少なくとも1つの親受容体分子領域の全部または一部をコードする)を有するポリヌクレオチドに関する。
【0013】
ある態様では、親受容体分子は、細胞外領域、膜貫通領域および細胞質領域からなる群から選択される。
【0014】
本開示の一態様は、少なくとも1つの開示されるポリヌクレオチドを含む宿主細胞に関する。
【0015】
本開示の一態様は、少なくとも1つの開示されるポリヌクレオチドまたは宿主細胞を含む医薬組成物に関する。ある態様では、医薬組成物はワクチンの形態である。別の態様では、医薬組成物は、1もしくはそれを超える薬学的に許容され得る賦形剤、または1もしくはそれを超える追加の薬学的有効成分をさらに含む。別の態様では、薬学的に許容され得る賦形剤は、付着防止剤、酸化防止剤、結合剤、コーティング、圧縮助剤、崩壊剤、染料、皮膚軟化剤、乳化剤、充填剤、皮膜形成剤またはコーティング、香味剤、香料、流動促進剤、潤滑剤、防腐剤、印刷インク、吸着剤、懸濁剤または分散剤、甘味料、および水和水からなる群から選択される。
【0016】
本開示の一態様は、送達ビヒクルと共に製剤化された少なくとも1つの本開示のポリヌクレオチドを含む治療用ポリヌクレオチドに関する。一態様では、ポリヌクレオチドは送達ビヒクルで封入される。別の態様では、送達ビヒクルは、両親媒性分子、アミノ脂質付加ペプチド、および三級アミノ脂質付加カチオン性ペプチドからなる群から選択される。
【0017】
本開示の一態様は、治療用ポリヌクレオチドを含む治療用組成物に関する。別の態様では、治療用組成物は、ワクチンの形態である。さらなる態様では、治療用組成物は、1もしくはそれを超える治療的に許容され得る賦形剤、または1もしくはそれを超える追加の治療有効成分をさらに含む。ある態様では、治療的に許容され得る賦形剤は、付着防止剤、酸化防止剤、結合剤、コーティング、圧縮助剤、崩壊剤、染料、皮膚軟化剤、乳化剤、充填剤、皮膜形成剤またはコーティング、香味剤、香料、流動促進剤、潤滑剤、防腐剤、印刷インク、吸着剤、懸濁剤または分散剤、甘味料、および水和水からなる群から選択される。
【0018】
本開示の一態様は、少なくとも1つの開示される医薬組成物または治療用組成物を投与することを含み、特に、医薬組成物または治療用組成物の治療有効用量、予防有効用量、または適切なイメージング用量が、それを必要とする対象に投与される。
【0019】
本開示の一態様は、それを必要とする対象を処置、ワクチン接種または免疫化する方法を含み、該方法は、少なくとも1つの開示されるポリヌクレオチド、宿主細胞、少なくとも1つの開示される医薬組成物、または少なくとも1つの開示される治療用組成物を対象に投与することを含む。
【0020】
一態様では、対象は哺乳動物である。別の態様では、対象はヒトである。
【0021】
本開示の一態様において、本開示のポリヌクレオチド(本開示の宿主細胞、本開示の医薬組成物、本開示の治療用ポリヌクレオチド、本開示の治療用組成物または本開示の方法が含まれるが、これらに限定されない)は、a)抗原のプロセシングおよび提示を可能にする;b)タンパク質を抗原提示経路へ輸送する;c)T細胞活性化を改善する;d)クローン多様性を増加させる;およびe)それらの任意の組み合わせのうち1つを行うためのものである。
【0022】
本開示の一態様は、式[シグナル/リーダー]-[(An1)n-Xo-(An2)p]-[TMD]-[CYD]](式中、[シグナル/リーダー]は、任意のシグナル、リーダーまたはソーティング配列を抗原性ペイロード領域とインフレームかつその上流でコードする)を有するポリヌクレオチドに関し;[(An1)n-Xo-(An2)p]は抗原性ペイロード領域を含み、当該抗原性ペイロード領域は、(a)「n」回複製され得る第1のコードされた抗原性ペイロード(An1)、(b)必要に応じて「o」回複製され得るコードされたリンカー領域(X)、および(c)必要に応じて、存在する場合、「p」回複製され得る第2のコードされた抗原性ペイロード(An2)を含み;TMDは、CD1、LDLR、LDLRPおよび/またはLRP1タンパク質からなる群から選択される1またはそれを超えるタンパク質由来の膜貫通領域の一部をコードし;CYDは、CD1、LDLR、LDLRPおよび/またはLRP1タンパク質からなる群から選択される1またはそれを超えるタンパク質由来の細胞質領域の全部または一部をコードする。
【0023】
一態様では、TMDおよびCYDはCD1アイソフォームに由来する。別の態様では、TMDおよびCYDはCD1dアイソフォームに由来する。一態様では、当該TMDは、配列MGLIALAVLACLLFLLIVGFTをコードする。別の態様では、当該CYDは、配列SRFKRQTSYQGVLをコードする。さらに別の態様では、シグナル配列は、配列MGCLLFLLLWALLQAWGSAをコードする。別の態様では、コードされた抗原性ペイロードは配列SIINFEKLを含む。
【0024】
本開示の他の態様および特徴は、添付の図面と併せて本開示の特定の態様の以下の説明を検討することにより、当業者には明らかになるであろう。
【0025】
以下でより詳細に議論される前述の概念および追加の概念の全ての組み合わせ(そのような概念は相互に矛盾しない限り)は、本明細書に開示される本発明の主題の一部ことが企図され、本明細書に記載される利点を達成するために使用され得ることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1A図1Aは、一例において、異なる足場の状況におけるエピトープについてのJAWS樹状細胞モデル(未処置およびマウス)における抗原提示を比較するフローサイトメトリー結果を示す。
【0027】
図1B図1Bは、一例において、異なる足場の状況におけるエピトープについてのJAWS樹状細胞モデル(ヒトCD1dおよびヒトCD1b)における抗原提示を比較するフローサイトメトリー結果を示す。
【0028】
図2A図2Aおよび図2Bは、一例において、hCD1d MHCトラフィッキングシグナルがin vitroでCD8 T細胞再活性化を増強するmRNAのフローサイトメトリー結果を示す。
図2B図2Aおよび図2Bは、一例において、hCD1d MHCトラフィッキングシグナルがin vitroでCD8 T細胞再活性化を増強するmRNAのフローサイトメトリー結果を示す。
【0029】
図3A図3Aは、一例において、ペプチド、ネイティブpp65 mRNAおよびpp65 mRNA Sec-MITDに対するSec-hCD1d MHCソーティング配列を用いて観察されたIFNg T細胞応答の比較を例示する。
【0030】
図3B図3Bは、一例において、ネイティブpp65 mRNAおよびpp65 mRNA Sec-MITDと比較して、Sec-hCD1d pp65 mRNAナノ粒子で処置した試料における活性化CD8 T細胞のフローサイトメトリー結果を示す。
【0031】
図4A図4Aは、1μg/mLの非コードmRNAナノ粒子、2μg/mLのpp65ペプチド、および1μg/mLのpp65をコードするmRNAでSec-hCD1dを用いて処置した培養物におけるCD8 T細胞増殖の比較を示す。
【0032】
図4B図4Bは、一例において、T2標的細胞のフローサイトメトリー結果を示す。
【0033】
図4C図4Cは、一例において、未処置標的細胞、ペプチド誘導CD8 T細胞、およびmRNA誘導CD8 T細胞のフローサイトメトリー結果を示す。
【0034】
図4D図4Dは、一例において、ペプチド誘導CD8 T細胞、mRNA誘導CD8 T細胞、抗原負荷T2標的細胞、および抗原陰性T2標的細胞についての%PI陽性標的細胞の比較を示す。
【0035】
図5図5は、一例において、pp65ペプチドで処置した場合と比較して、pp65 Sec-hCD1d mRNAナノ粒子で処置したPBMCから選別したCD8 T細胞間のクローン多様性を示す。
【0036】
図6A-6B】図6Aおよび図6Bは、一例では、HEK293におけるHPV16E7タンパク質発現を示す。
【発明を実施するための形態】
【0037】
詳細な説明
組成物
【0038】
足場
【0039】
本開示の足場は、1またはそれを超える親ポリペプチド、例えば受容体分子の1またはそれを超える領域に由来する。そのような親分子としては、限定されないが、受容体またはタンパク質のCD1、LDLR、LDLRPおよび/またはLRP1ファミリーが挙げられ得る。
【0040】
いくつかの態様では、親分子は、受容体のCD1糖タンパク質ファミリーから選択される。CD1タンパク質は、ヒト第1染色体上の遺伝子座にコードされている。この領域は、5つのCD1アイソフォーム(CD1a~e)をコードする。これらのタンパク質は、細胞内でのみ発現され、他のヒトCD1アイソフォームによる提示のための脂質のプロセシングおよび編集に関与するCD1eを除いて、細胞表面で発現され、抗原提示分子として機能する。CD1異性体は、カルネキシン、カルレティキュリン、さらにはB2M等の様々なシャペロンとの会合によって細胞の周囲を移動する。新たに合成された占有されていないCD1異性体は、ERおよびゴルジから原形質膜に出て、続いて内部移行し、アダプタータンパク質複合体2および3との結合を可能にするチロシンベースのソーティングモチーフを介して異なる区画に侵入し、これは様々なエンドソーム区画(初期エンドソーム、リサイクルエンドソーム、後期エンドソーム)およびリソソームへの侵入を促進し、最終的にMHC I分子の輸送経路と同様の輸送経路を経る。さらに、CD1異性体は、これらのエンドソーム区画を介して輸送されて抗原を負荷し、多くの場合、CD1およびMHC IおよびMHC II分子は同じ区画内で検出される。
【0041】
カセット
【0042】
医薬組成物および治療用組成物のためのコンストラクトおよび足場が本明細書に開示される。本明細書で提供される場合、本明細書に記載の医薬組成物または治療用組成物は、抗原性ペイロード、検出可能な薬剤、または治療薬等のペイロードを運ぶまたは運搬することができる足場を含み得る。足場と抗原性ペイロードとの組み合わせは、本明細書ではカセットと呼ばれる。組成物がワクチン組成物である例では、組成物は、抗原性ペイロードを運ぶおよび運搬する足場を含み、この足場とペイロードとの組み合わせはワクチンカセットである。本明細書で使用される場合、「カセット」は、足場および抗原性ペイロードをコードするポリヌクレオチド(またはそのコードされたポリペプチド)である。一態様では、足場およびその抗原性ペイロードを有するカセットは、ワクチンとして機能し得る。ワクチンは、疾患の原因物質、その製品、または合成代替物から調製された、抗体の産生を刺激し、1つまたはいくつかの疾患に対する免疫を提供するために使用される物質と呼ばれることがある。カセットは、直接投与するように構成されてもよく、または細胞での発現のために1またはそれを超えるポリヌクレオチドにコードされてもよく、投与のためにDNA、RNA、またはmRNAにコードされてもよい。
【0043】
本開示によれば、カセットは、以下の式:
5’UTR--シグナル/リーダー-(An1)n-Xo-(An2)p-TMD-CYD-3’UTR-ポリA
【0044】
式中、「UTR」は、mRNAコンストラクトの5’および3’末端に位置する非翻訳領域であり、「ポリA」は、mRNAのポリアデニル化部位を指す。
【0045】
シグナル/リーダーとは、抗原性ペイロード領域とインフレームで、かつ抗原性ペイロード領域の上流にある適切なシグナル配列、リーダー配列、ソーティング配列を指す。
【0046】
(An1)n-Xo-(An2)pは、第1の抗原性ペイロード(An1)、スペーサーまたはリンカー領域(X)および第2の抗原性ペイロード(An2)を含む任意の適切な抗原性ペイロード領域を指す。いくつかの例では、nは1より大きい整数である。例えば、nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であり得る。いくつかの例では、nは10より大きくてもよい。いくつかの例では、oは0より大きい整数である。例えば、oは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であり得る。いくつかの例では、oは10より大きい場合がある。いくつかの例では、pは0より大きい整数である。例えば、pは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であり得る。いくつかの例では、pは10より大きくてもよい。
【0047】
TMDは、1またはそれを超えるCD1アイソフォーム、LDLR、LDLRPおよび/またはLRP1タンパク質由来の膜貫通領域の全部または一部を指し、
【0048】
CYDは、1またはそれを超えるCD1アイソフォーム、LDLR、LDLRPおよび/またはLRP1タンパク質由来の細胞質領域の全部または一部を指す。
【0049】
いくつかの態様では、カセットは以下の式を含み得る:
5’UTR-シグナル/リーダー-ペイロード-PRM-3’UTR-ポリA
【0050】
式中、「UTR」は、mRNAコンストラクトの5’および3’末端に位置する非翻訳領域であり、「ポリA」は、mRNAのポリアデニル化部位を指す。
【0051】
シグナル/リーダーとは、抗原性ペイロード領域とインフレームで、かつ抗原性ペイロード領域の上流にある適切なシグナル配列、リーダー配列、ソーティング配列を指す。
【0052】
ペイロードは、抗原性ペイロード領域、検出可能な薬剤、または治療薬を指し、
【0053】
PRMは、1またはそれを超えるCD1アイソフォーム、LDLR、LDLRPおよびLRP1タンパク質から選択される1またはそれを超えるタンパク質由来の少なくとも1つの親受容体分子領域の全部または一部を指す。例えば、親受容体分子領域は、細胞外領域、膜貫通領域、もしくは細胞質領域、またはそれらの任意の組み合わせから独立して選択され得る。
【0054】
いくつかの態様では、本開示の足場またはカセットは、エンドソームおよび/またはリソソーム区画への抗原ルーティングを促進し、最終的にMHCクラスIおよびMHCクラスII分子のプロセシングおよびローディングを可能にするCD1アイソフォーム、LDLR、LDLRPおよび/またはLRP1異性体の1またはそれを超えるシグナル配列および/または細胞質ソーティングシグナルの複数を含む。
【0055】
いくつかの態様では、シグナル配列は、ヒトCD1a(MLFLLLPLLAVLPGDG);ヒトCD1b(MLLLPFQLLAVLFPGGN);ヒトCD1c(MLFLQFLLLALLLPGGD);ヒトCD1d(MGCLLFLLLWALLQAWGSA);ヒトCD1e(MLLLFLLFEGLCCPGENTA);ヒトLDLR(MGPWGWKLRWTVALLLAAAGT);またはヒトLRP1(MLTPPLLLLLPLLSALVAA)から選択される。本開示によれば、シグナル配列は、任意のタンパク質に由来し得る。シグナル配列は、4~50アミノ酸の範囲であり得、キメラ、タンデム、反復または逆位であり得る。シグナル配列は、シグナル伝達機能が実質的に保持されている限り、本明細書に教示されたもの、または本明細書に教示されたものと少なくとも約50%、例えば少なくとも約60、約70、約80、約90、約95、約99%またはそれを超えて同一である任意のシグナル配列を含み得る。
【0056】
いくつかの態様では、膜貫通ドメイン配列は、ヒトCD1a(GFIILAVIVPLLLLIGLALWF);ヒトCD1b(IVLAIIVPSLLLLLCLALWYM);ヒトCD1c(NWIALVVIVPLVILIVLVLWF);ヒトCD1d(MGLIALAVLACLLFLLIVGFT);ヒトCD1e(SIFLILICLTVIVTLVILVVV);ヒトLDLR(ALSIVLPIVLLVFLCLGVFLLW);またはヒトLRP1(HIASILIPLLLLLLLVLVAGVVFWY)から選択される。本開示によれば、膜貫通ドメイン配列は、任意のタンパク質に由来し得る。膜貫通配列は、10~100アミノ酸の範囲であり得、キメラ、タンデム、反復または逆位であり得る。膜貫通配列は、機能が実質的に保持されている限り、本明細書に教示されるもの、または本明細書に教示されるものと少なくとも-例えば、少なくとも約60、約70、約80、約90、約95、約99%またはそれを超えて同一である任意の膜貫通配列を含み得る。
【0057】
いくつかの態様では、細胞質ドメイン配列は、ヒトCD1a(RKRCFC);ヒトCD1b(RRRSYQNIP);ヒトCD1c(KKHCSYQDIL);ヒトCD1d(SRFKRQTSYQGVL);ヒトCD1e(DSRLKKQSSNKNILSPHTPSPVFLMGANTQDTKNSRHQFCLAQVSWIKNRVLKKWKTRLNQLW);ヒトLDLR(KNWRLKNINSINFDNPVYQKTTEDEVHICHNQDGYSYPSRQMVSLEDDVA);およびヒトLRP1(KRRVQGAKGFQHQRMTNGAMNVEIGNPTYKMYEGGEPDDVGGLLDADFALDPDKPTNFTNPVYATLYMGGHGSRHSLASTDEKRELLGRGPEDEIGDPLA)から選択される。本開示によれば、細胞質ドメイン配列は、任意のタンパク質に由来し得る。細胞質配列は、10~100アミノ酸の範囲であり得、キメラ、タンデム、反復または逆位であり得る。細胞質配列は、機能が実質的に保持されている限り、本明細書に教示されるもの、または本明細書に教示されるものと少なくとも約50、例えば少なくとも約60、約70、約80、約90、約95、約99%またはそれを超えて同一である任意の細胞質配列を含み得る。
【0058】
CD1e配列構造はまた、エンドソーム区画でプロセシングされ、膜会合に関与するN末端プロペプチド配列(APQALQSYHLAA)を含み、その非存在は可溶性分子をもたらすことに留意されたい。
【0059】
上記の親受容体分子のそれぞれについてのNCBI参照を表1に提供する。
【表1】
【0060】
抗原性ペイロード
【0061】
本開示の足場は、少なくとも1つの抗原性ペイロードが負荷され得るか、またはその中に組み込まれ得るように操作される。抗原性ペイロードが足場と組み合わされると、コンストラクトは本明細書ではカセットと呼ばれる。一態様では、足場はワクチン足場であり、したがって、コンストラクトはワクチンカセットと呼ばれる。
【0062】
医薬組成物および治療用組成物
【0063】
様々な疾患、障害、および/または症状を医薬組成物で処置することができる。医薬組成物はまた、1もしくはそれを超える薬学的に許容され得る賦形剤または1もしくはそれを超える追加の薬学的有効成分を含み得る。
【0064】
薬学的に許容され得る賦形剤の適切な非限定的な例としては、付着防止剤、酸化防止剤、結合剤、コーティング、圧縮助剤、崩壊剤、染料、皮膚軟化剤、乳化剤、充填剤、皮膜形成剤またはコーティング、香味剤、香料、流動促進剤、潤滑剤、防腐剤、印刷インク、吸着剤、懸濁剤または分散剤、甘味料、および水和水が挙げられる。
【0065】
薬学的有効成分としては、疾患、障害、および/または症状を診断、治癒、緩和、処置、または阻止するための薬学的活性または他の直接的な効果を提供することを意図した任意の物質またはその混合物が挙げられる。
【0066】
治療用組成物は、疾患を処置するために、または疾患の発生を阻止するために、またはそのような疾患の症候を緩和するために使用され得る。
【0067】
いくつかの態様では、治療用組成物は、送達ビヒクルによって製剤化またはカプセル化された本開示の少なくとも1つのポリヌクレオチドを含み得る。この製剤化またはカプセル化されたポリヌクレオチドは、「治療用ポリヌクレオチド」とも呼ばれる。いくつかの例では、送達ビヒクルは両親媒性分子、ペプチド、アミノ脂質付加ペプチド、または三級アミノ脂質付加カチオン性ペプチドである。治療用組成物はまた、1もしくはそれを超える治療的に許容され得る賦形剤または1もしくはそれを超える追加の治療有効成分を含み得る。
【0068】
適切な非限定的な治療的に許容され得る賦形剤としては、付着防止剤、酸化防止剤、結合剤、コーティング、圧縮助剤、崩壊剤、染料、皮膚軟化剤、乳化剤、充填剤、皮膜形成剤またはコーティング、香味剤、香料、流動促進剤、潤滑剤、防腐剤、印刷インク、吸着剤、懸濁剤または分散剤、甘味料、および水和水が挙げられる。
【0069】
治療有効成分としては、疾患、障害、および/または症状を診断、治癒、緩和、処置、または阻止するための治療活性または他の直接的な効果を提供することを意図した任意の物質またはその混合物が挙げられる。
【0070】
そのような疾患としては、癌または感染性疾患が挙げられる。癌が本開示の医薬組成物または治療用組成物で診断、治癒、緩和、処置または阻止される疾患である場合、抗原性ペイロードは、少なくとも1つの腫瘍抗原の全部または一部をコードし得る。腫瘍抗原は、腫瘍特異的抗原(TSA)または腫瘍関連抗原(TAA)であり得る。感染性疾患が、本開示の医薬組成物または治療用組成物で診断され、治癒され、緩和され、処置され、または阻止される疾患である場合、抗原性ペイロードは、少なくとも1つの感染病原体抗原の全部または一部をコードし得る。
【0071】
そのような医薬組成物または治療用組成物の一例は、ワクチンである。本開示のワクチンの一例では、ワクチンカセットは、免疫応答が所望されるタンパク質に由来する1またはそれを超える抗原性ペイロードを含む。
【0072】
本明細書で使用される場合、「癌」という用語は、周囲組織に浸潤し、新たな身体部位に転移する傾向がある未分化細胞の増殖を特徴とする様々な悪性新生物のいずれかを指し、そのような悪性新生物成長を特徴とする病理学的症状も指す。癌は、腫瘍または血液悪性腫瘍であり得、限定されないが、全てのタイプのリンパ腫/白血病、癌腫および肉腫、例えば、肛門、膀胱、胆管、骨、脳、乳房、子宮頸部、結腸/直腸、子宮内膜、食道、眼、胆嚢、頭頸部、肝臓、腎臓、喉頭、肺、縦隔(胸部)、口、卵巣、膵臓、陰茎、前立腺、皮膚、小腸、胃、脊髄、尾骨、精巣、甲状腺および子宮に見られる癌または腫瘍が挙げられる。
【0073】
本開示の医薬組成物または治療用組成物で処置することができる癌腫の種類としては、限定されないが、軟部組織肉腫(肺胞軟部肉腫、血管肉腫、皮膚線維肉腫、デスモイド腫瘍、線維形成性小細胞腫瘍、骨外軟骨肉腫、骨外骨肉腫、線維肉腫、血管周囲細胞腫、血管肉腫、カポジ肉腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、リンパ血管肉腫、リンパ肉腫、悪性線維性組織球腫、神経線維肉腫、横紋筋肉腫、滑膜肉腫およびアスキン腫瘍等)、ユーイング肉腫(原始神経外胚葉腫瘍)、悪性血管内皮腫、悪性シュワン細胞腫、骨肉腫ならびに軟骨肉腫が挙げられる。
【0074】
非限定的な例として、処置され得る癌は、急性顆粒球性白血病、急性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、腺癌、腺肉腫、副腎癌、副腎皮質癌、肛門癌、再生不良性星状細胞腫、血管肉腫、虫垂癌、星状細胞腫、基底細胞癌腫、B細胞リンパ腫)、胆管癌、膀胱癌、骨癌、腸癌、脳癌、脳幹神経膠腫、脳腫瘍、乳癌、カルチノイド腫瘍、子宮頸癌、胆管細胞癌、軟骨肉腫、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、結腸癌、結腸直腸癌、頭蓋咽頭腫、皮膚リンパ腫、皮膚黒色腫、びまん性星細胞腫、非浸潤性乳管癌、子宮内膜癌、上衣腫、類上皮肉腫、食道癌、ユーイング肉腫、肝外胆管癌、眼癌(Eye cancer)、卵管癌、線維肉腫、胆嚢癌、胃癌(Gastric cancer)、消化管癌、消化管カルチノイド癌、消化管間質腫瘍、一般(General)、胚細胞性腫瘍、多形性膠芽腫、神経膠腫、有毛細胞白血病、頭頸部癌、血管内皮腫、ホジキンリンパ腫、ホジキン病、ホジキンのリンパ腫、下咽頭癌、浸潤性乳管癌、浸潤性小葉癌、炎症性乳癌、腸癌、肝内胆管癌、浸潤性(Invasive)/浸潤性(infiltrating)乳癌、膵島細胞癌、顎癌、カポジ肉腫、腎癌、喉頭癌、平滑筋肉腫、軟髄膜転移、白血病、口唇癌、脂肪肉腫、肝癌、非浸潤性小葉癌、低悪性度星細胞腫、肺癌、リンパ節癌、リンパ腫、男性乳癌、髄様癌、髄芽腫、黒色腫、髄膜腫、メルケル細胞癌、間葉性軟骨肉腫、間葉系、中皮腫、転移性乳癌、転移性黒色腫、転移性扁平上皮性頸部癌、混合神経膠腫、口腔癌、粘膜癌、粘膜黒色腫、多発性骨髄腫、鼻腔癌、鼻咽頭癌、頸部癌、神経芽細胞腫、神経内分泌腫瘍、非ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、非小細胞肺癌、燕麦細胞癌、眼癌(Ocular cancer)、眼黒色腫、乏突起膠腫、口腔癌、口腔癌、口腔咽頭癌、骨原性肉腫、骨肉腫、卵巣癌、卵巣上皮癌、卵巣胚細胞腫瘍、卵巣原発性腹膜癌、卵巣性性索間質腫瘍、ページェット病、膵癌、乳頭癌、副鼻腔癌、副甲状腺癌、骨盤癌、陰茎癌、末梢神経癌、腹膜癌、咽頭癌、褐色細胞腫、毛様細胞性星細胞腫、松果体領域腫瘍、松果体芽腫、下垂体癌、原発性中枢神経系リンパ腫、前立腺癌、直腸癌、腎細胞癌、腎盂癌、横紋筋肉腫、唾液腺癌、肉腫、肉腫、骨、肉腫、軟部組織、肉腫、子宮、副鼻腔癌、皮膚癌、小細胞肺癌、小腸癌、軟部組織肉腫、脊髄癌、脊柱癌、脊髄癌、脊髄腫瘍、扁平上皮癌、胃癌(Stomach cancer)、滑膜肉腫、T細胞リンパ腫)、精巣癌、咽頭癌、胸腺癌/胸腺癌腫、甲状腺癌、舌癌、扁桃癌、移行上皮癌、移行上皮癌、移行上皮癌、トリプルネガティブ乳癌、卵管癌、管状癌、尿管癌、尿管癌、尿道癌、子宮腺癌、子宮癌、子宮肉腫、膣癌、および外陰癌であり得る。
【0075】
様々な感染性疾患を、本開示の医薬組成物または治療用組成物で処置することができる。いくつかの例では、カセットは、感染因子または生物に由来する1またはそれを超える抗原性ペイロードを含む。本明細書で使用される場合、「感染性疾患」という用語は、細菌、ウイルス、真菌、または寄生虫等の生物によって引き起こされる任意の障害を指す。非限定的な例として、感染性疾患および/または原因物質は、急性細菌性鼻副鼻腔炎、14日間麻疹、ざ瘡、慢性萎縮性肢端皮膚炎(ACA)-(潜伏性ライム病の遅発性皮膚所見)、急性出血性結膜炎、急性出血性膀胱炎、急性鼻副鼻腔炎、成人T細胞白血病-リンパ腫(ATLL)、アフリカ睡眠病、AIDS(後天性免疫不全症候群)、胞巣状水症、アメーバ症、アメーバ性髄膜脳炎、アナプラズマ症、炭疽、アルボウイルス性またはパラ感染性-(回虫症)、無菌性髄膜炎、水虫(足白癬)、オーストラリアマダニチフス、鳥インフルエンザ、バベシア症、細菌性血管腫症、細菌性髄膜炎、細菌性腟症、亀頭炎、バランチジウム症、バング病、バルマー森林ウイルス感染症、バルトネラ症(ペルー疣症;カリオン病;オロヤ熱)、コウモリリッサウイルス感染症、Bay sore(チクレロ潰瘍)、アライグマ感染(アライグマ回虫感染)、ビーバー熱、ビーフ条虫、ビーゼル(風土病性梅毒)、二相性髄膜脳炎、Black Bane、黒死病、黒色砂毛症、黒水熱、ブラストミセス症、新生児膿漏眼、眼瞼炎、腫れ物(Boils)、ボルンホルム病(胸膜痛)、Borrelia miyamotoi病、ボツリヌス症、ブートヌース熱、ブラジル紫斑病、骨折熱、ブリル、細気管支炎、気管支炎、ブルセラ症(バング病)、腺ペスト、水疱性膿痂疹、Burkholderia mallei(鼻疽)、Burkholderia pseudomallei(類鼻疽)、滑液包潰瘍(マイコブルーリ潰瘍も含む)、ブッセ、ブッセ-ブシュケ病(クリプトコッカス症)、カリフォルニア群脳炎、カンピロバクター症、カンジダ症、カンフィールド熱(カンジコラ熱;7日間発熱;ワイル病;レプトスピラ症;カンフィールド熱)、カニコラ熱、毛細血管症、カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)、カルブンクレ、カリオン病、猫ひっかき熱、ケーブ病、中央アジア出血熱、中央ヨーロッパダニ、子宮頸癌、シャーガス病、チャンクロイド(軟性下痢)、シカゴ病、水痘(水痘)、チクレロ潰瘍、チクングニア熱、クラミジア感染、コレラ、クロモブラストミセス症、シガテラ、淋病、肝吸虫症(肝吸虫感染)、Clostridium Difficile感染症、ウエルシュ菌(ClostriDium Perfringens)(イプシロン毒素)、コクシジオイデス真菌感染症(バレー熱、砂漠リウマチ)、共尾虫症、コロラドマダニ熱、Condyloma accuminata、Condyloma accuminata(疣贅)、Condyloma lata、コンゴ熱、コンゴ出血熱ウイルス、結膜炎、牛痘、カニ、クリミア、クループ、クリプトコッカス症、クリプトスポリジウム症(クリプト)、皮膚幼虫移行症、サイクロスポリア症、嚢胞性包虫症、嚢虫症、嚢胞炎、チェコスロバキアマダニ、D68(EV-D68)、涙嚢炎(Dacryocytitis)、デング熱(Dandy fever)、ダーリング病、メクラアブ熱、デング熱(Dengue fever)(1、2、3および4)、砂漠リウマチ、流行性胸膜痛(Devil’s grip)、二相性授乳熱、ジフテリア、播種性血管内凝固症候群、イヌの条虫、鼠径リンパ肉芽腫症、鼠径リンパ肉芽腫症(鼠径肉芽腫)、メジナ虫症(Dracontiasis)、メジナ虫症(Dracunculosis)、デューク病、デュムダム病、デュラン・ニコラス・ファブレ病、ドワーフ条虫症、大腸菌感染症(大腸菌)、東部ウマ脳炎、エボラ出血熱(エボラウイルス疾患EVD)、毛外菌、エーリキア症(セネツ熱)、脳炎、流行性再発熱、風土病性梅毒、眼内炎、毛内菌、腸蟯虫症(ピンワーム感染症)、エンテロトキシンB中毒(ブドウ球菌食中毒)、エンテロウイルス感染症、流行性角結膜炎、流行性再発熱、流行性発疹チフス、喉頭蓋炎、丹毒、類丹毒(エリシペロトリックス症)、遊走性慢性紅斑、伝染性紅斑、辺縁紅斑、多形紅斑、結節性紅斑、らい性結節性紅斑、紅色陰癬、エスプンディア、真菌性菌腫ヨーロッパブラストミセス症、突発性皮疹(第6病)、眼虫、極東ダニ、肝蛭症、ブートニュース熱(マダニチフス)、第5病(伝染性紅斑)、フィラトウ・デュークス病(瘢痕性皮膚症候群;リッター病)、魚条虫、フィッツ・ヒュー・カーチス症候群、肝周囲炎、フリンダース島斑点熱、インフルエンザ(インフルエンザ)、毛包炎、フォーコーナーズ病、フォーコーナーズ病(ヒト肺症候群(HPS))、フラムベシア、フランシス病、フルンケル症、ガス壊疽、胃腸炎、性器ヘルペス、生殖器疣贅、ドイツ麻疹、ゲルストマン・シュトラウスラー・シャインカー(GSS)、ジアルジア症、ギルクリスト病、歯肉炎、歯肉口内炎、鼻疽、腺熱(伝染性単核球症)、顎口虫症、淋菌感染(淋菌感染症)、淋菌感染症、鼠径肉芽腫(ドノヴァン症)、糸状虫症;インフルエンザ菌性疾患、ハンバーガー病、ハンセン病-らい、ハンタアン病、ハンタン-韓国出血熱、ハンタウイルス肺症候群、ハンタウイルス肺症候群(HPS)、硬性下疳、硬性麻疹、ハバーヒル熱-ラット咬傷熱、頭部と体のシラミ、ハートランド熱、ヘリコバクター症、溶血性尿毒症症候群(HUS)、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、D型肝炎、E型肝炎、ヘルパンギーナ、陰部ヘルペス、陰唇ヘルペス、新生児ヘルペス、汗腺炎、ヒストプラスマ症、ヒストプラスマ症感染症(ヒストプラスマ症)、ヒス-ウェルナー病、HIV感染症、鉤虫感染症、ものもらい(Hordeola)、ものもらい(Hordeola)(麦粒腫)、HTLV、HTLV関連ミエロパシー(HAM)、ヒト顆粒球エーリキア症、ヒト単球エーリキア症、ヒトパピロマリブス(HPV)、ヒト肺症候群、単包虫症、恐水病、膿痂疹、先天性(ドイツ麻疹)を含む、封入体結膜炎、封入体結膜炎-水泳プール結膜炎-パンヌス、乳児下痢、感染性単核球症、感染性心筋炎、感染性心膜炎、インフルエンザ、イソスポーラ症、イスラエル紅斑熱、日本脳炎、いんきんたむし、Jorge Lobo病-ロボミコーシス、ジャングル黄熱病、ジュニン・アルゼンチン出血熱、カラアザール、カポジ肉腫、ケロイド芽球症、角膜結膜炎、クールー病、キャサヌール森林病、ラクロス脳炎、ラッサ出血熱、レジオネラ症(レジオネラ病)、レジオネラ肺炎、レミエール症候群(狭心症後敗血症)、レミング熱、らい、レプトスピラ症(ナヌカヤミ熱;ワイル病)、リステリア症(リステリア)、肝吸虫感染症、Lobo菌症、破傷風、ロア糸状虫症、跳躍病、口腔底蜂巣炎(Ludwig’s angina)、肺吸虫感染症、肺吸虫感染症(パラゴニマ症)、ライム病、性病性リンパ肉芽腫感染症(LGV)、Machupoボリビア出血熱、Madura del pinto、マラリア、悪性膿疱症、マルタ熱、マールブルグ出血熱、マスターズ病、母親の敗血症(産褥熱)、はしか、地中海紅斑熱、メリオイド症(ホワイトモア病)、髄膜炎、髄膜炎菌性疾患、MERS、ミルカー結節、伝染性軟属腫、モニリア症、サル痘、単核球症、単核球症様症候群、モンテズマ・レベンジ(Montezuma’s Revenge)、モルビリ、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)感染、粘膜真菌症-接合菌症、多臓器機能障害症候群またはMODS、多臓器萎縮症(MSA)、ムンプス、ネズミチフス、マレーバレー脳炎(MVE)、マイコブルーリ潰瘍、マイコブルーリ潰瘍-ブルーリ潰瘍、真菌性外陰炎、筋炎、中山熱、壊死性筋膜炎、壊死性筋膜炎-1型、壊死性筋膜炎-2型、ネギシ、新世界紅斑熱、ノカルジア症、非淋菌性尿道炎、非ポリオ(非ポリオ腸ウイルス)、ノロウイルス感染、北米ブラストミセス症、北米マダニチフス、ノーウォークウイルス感染、ノルウェーそう痒症、O’Hara病、オムスク出血熱、オンコセルカ症(Onchoceriasis)、爪真菌症、オピストルキス症、新生児眼炎、口腔毛様白板症、伝染性膿痂疹、東洋瘤腫、オリエンタルスポット熱、オリエンタルスポット熱、鳥類病(パロット熱、オウム病)、オロヤ熱、外耳炎、中耳炎、パンヌス、パラコクシジオイデス症、パラゴニマ症、麻痺性貝中毒(麻痺性貝中毒)、爪囲炎(ひょう疽)、耳下腺炎、PCP肺炎、ペジクルス症、肝性紫斑病、骨盤内炎症性疾患、百日咳(百日咳(Whooping cough)とも呼ばれる)、褐色糸状菌症、咽頭結膜熱、砂毛症(白色砂毛症)、砂毛症(黒色砂毛症)、ピグベル、ピンク眼結膜炎、ピンタ、蟯虫感染症、孔紋表皮剥脱症、癜風(黒なまず)、ペスト(Plague);腺、胸腺、肺炎球菌性疾患、ニューモシスチス症、肺炎、肺炎(ペスト)、ポリオまたは急性灰白髄炎、多嚢胞性包虫、ポンティアック熱、豚条虫、ポサダ-ウェルニッケ病、狭心症後敗血症、Powassan、進行性多巣性白質脳症、進行性風疹性脳炎、前立腺炎、偽膜性大腸炎、オウム病、産褥熱、膿疱性発疹(痘瘡)、腎盂腎炎、腎盂炎Q-熱、扁桃膿瘍、キンタナ熱(5日間熱)、ウサギ熱、狂犬病、アライグマ回虫感染症、ヒツジ回虫感染、ラット咬傷熱、ラット条虫、ライター症候群、再発熱、呼吸器多核体ウイルス(RSV)感染、リウマチ熱、リケッチア痘、リケッチア症、リフトバレー熱、白癬、リター病、河川盲目症、ロッキー山脈紅斑熱、ローズハンドラー病(スポロトリクム症)、幼児バラ疹、バラ疹、ロスリバー熱、蛔虫感染、風疹、麻疹、ロシア春(Russian spring)、サルモネラ症胃腸炎、サン・ジョアキンバレー熱、サン・パウロ脳炎、サン・パウロ熱、SARS、疥癬の寄生(疥癬)(ノルウェーそう痒症)、熱傷皮膚症候群、猩紅熱(Scarlet fever)(猩紅熱(Scarlatina))、住血吸虫症、スコンブロイド、ツガムシ病、セネツ熱、敗血症(敗血症性ショック)、重症急性呼吸器症候群、重症急性呼吸器症候群(SARS)、志賀毒素原性大腸菌(STEC/VTEC)、赤痢性胃腸炎(赤痢菌)、シンボーン熱、シングルス、出荷熱、シベリアダニチフス、副鼻腔炎、第6病、リンゴ病(Slapped cheek disease)、睡眠病、痘瘡(天然痘)、カタツムリ熱、軟性下疳、南部マダニ関連発疹疾患、孤虫症、スペランカー病、散発性発疹チフス、スポロトリクム症、斑点熱、春、セントルイス脳炎、ブドウ球菌食中毒、ブドウ球菌感染症、レンサ球菌性咽頭炎、レンサ球菌性疾患、レンサ球菌中毒-ショック症候群、糞線虫症、亜急性硬化性全脳炎、亜急性硬化性全脳炎(SSPE)、急性呼吸器症候群、突発性発疹、外耳炎、水泳者かゆみ症、プール結膜炎、森林黄熱病、全身性炎症反応症候群(SIRS)、脊髄癆(第三期梅毒)、条虫症、タイガ脳炎タナー病、条虫感染症、側頭葉脳炎、側頭葉脳炎、破傷風(tetani)(破傷風(Lock Jaw))、破傷風感染、蟯虫感染、鵞口瘡、マダニ、マダニチフス、白癬性毛瘡、頭部白癬、体部白癬、股部白癬、手白癬、黒色白癬、足白癬、爪白癬、バーシコロル白癬、トルロプソス症、トルロ症、中毒性ショック症候群、トキソプラズマ症、伝染性海綿状脳症(CJD)、旅行者下痢、トレンチ熱5、旋毛虫症、トリコモナス症、腋窩白癬、旋毛虫症、熱帯性痙性パラパレシス(TSP)、トリパノソーマ症、結核(TB)、結核、野兎病、腸チフス、チフス熱、軟性潰瘍、波状熱、都市部黄熱病、尿道炎、腟炎、腟症、バンコマイシン中間体(VISA)、バンコマイシン耐性(VRSA)、水痘、ベネズエラウマ脳炎、ペルーいぼ症、コレラ菌(コレラ)、ビブリオ病(ビブリオ)、ビンセント病または口腔トレンチ、ウイルス性結膜炎、ウイルス性髄膜炎、ウイルス性髄膜脳炎、ウイルス性発疹、内臓幼虫移行症、Vomito negro、外陰腟炎、疣贅、Waterhouse、Weil病、西ナイル熱、西部ウマ脳炎、ウイップル病、ウイップル感染、白色砂毛症、ひょう疽、Whitmore

病、冬季下痢症、ウルヒニア熱、ウール・ソーター病、イチゴ腫、黄熱病、イエルシニア症、エルシニア症(エルシニア)、ザホルスキー病、ジカウイルス病、帯状疱疹、接合菌症、ジョン・カニンガムウイルス(JCV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、インフルエンザウイルス、B型肝炎、C型肝炎、D型肝炎、呼吸器多核体ウイルス(RSV)、単純ヘルペスウイルス1および2、ヒトサイトメガロウイルス、エプスタイン-バーウイルス、帯状疱疹ウイルス、コロナウイルス、ポックスウイルス、エンテロウイルス71、風疹ウイルス、ヒトパピローマウイルス、肺炎球菌、レンサ球菌ウイルス、黄色ブドウ球菌(S.aureus)、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)(MRSA)、バンコマイシン中間型黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)(VISA)、バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)(VRSA)、表皮ブドウ球菌(S.epidermidis)Clostridium Tetani、Bordetella pertussis、Bordetella paratussis、Mycobacterium、Francisella Tularensis、Toxoplasma gondii、Candida(C.albicans、C.glabrata、C.parapsilosis、C.tropicalis、C.kruseiおよびC.lusitaniae)および/またはその他の感染性疾患、障害または症候群が挙げられる。
【0076】
様々な毒素が、本開示のワクチンまたはカセットの成分または抗原性ペイロードとして使用され得る。そのような抗原性ペイロードの非限定的な例としては、リシン、炭疽菌、志賀毒素およびシガ様毒素、ボツリヌス毒素が挙げられる。
【0077】
熱帯性疾患を引き起こす作用物質由来の様々なペプチドまたはタンパク質が、本開示のワクチンまたはカセットの成分または抗原性ペイロードとして使用され得る。熱帯性疾患および/またはそのような疾患の原因物質の非限定的な例としては、チクングニア熱、デング熱、シャーガス病、狂犬病、マラリア、エボラウイルス、マールブルグウイルス、西ナイルウイルス、黄熱病、日本脳炎ウイルス、セントルイス脳炎ウイルスが挙げられる。
【0078】
食品媒介疾患を引き起こす作用物質由来の様々なペプチドまたはタンパク質を、本開示のワクチンまたはカセットの成分または抗原性ペイロードとして使用することができる。食品媒介疾患および/またはそのような疾患または胃腸炎の原因因子の非限定的な例としては、ロタウイルス、ノーウォークウイルス(ノロウイルス)、カンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni)、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)、エンタモエバ・ヒストリチカ(Entamoeba histolytica)、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pyroli)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)のエンテロトキシンB、A型肝炎ウイルス(HAV)、E型肝炎、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)、サルモネラ、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)およびサルモネラが挙げられる。
【0079】
感染を引き起こす作用物質由来の様々なペプチドまたはタンパク質を、本開示のワクチンまたはワクチンカセットの成分または抗原性ペイロードとして使用することができる。このような感染病原体の非限定的な例としては、アデノウイルス、Anaplasma phagocytophilium、Ascaris lumbricoides、Bacillus anthracis、Bacillus cereus、Bacteriodes属、バーマフォレストウイルス、Bartonella bacilliformis、Bartonella henselae、Bartonella quintana、Clostridium perfringensのベータ毒素、Bordetella pertussis、Bordetella parapertussis、Borrelia burgdorferi、Borrelia miyamotoi、Borrelia recurrentis、Borrelia属、Botulinum毒素、Brucella属、Burkholderia pseudomallei、カリフォルニア脳炎ウイルス、カンピロバクター、Candida albicans、チクングニアウイルス、Chlamydia psittaci、Chlamydia trachomatis、Clonorchis sinensis、Clostridium difficile bacteria、Clostridium tetani、コロラドダニ熱ウイルス、Corynebacterium diphtheriae、Corynebacterium minutissimum、Coxiella burnetii、コクサッキーA、コクサッキーB、クリミア・コンゴ出血熱ウイルス、サイトメガロウイルス、デングウイルス、東部馬脳炎ウイルス、エボラウイルス、エコーウイルス、Ehrlichia chaffeensis、Ehrlichia equi、Ehrlichia属、Entamoeba histolytica、Enterobacter属、Enterococcus feacalis、エンテロウイルス71、エプスタイン-バーウイルス(EBV)、Erysipelothrix rhusiopathiae、大腸菌(Escherichia coli)、フラビウイルス、Fusobacterium necrophorum、Gardnerella vaginalis、B群連鎖球菌(Group B streptococcus)、Haemophilus aegyptius、Haemophilus ducreyi、Haemophilus influenzae、hantavirus、Helicobacter pylori、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、D型肝炎、E型肝炎、単純ヘルペスウイルス1と2、ヒトヘルペスウイルス6、ヒトヘルペスウイルス8、ヒト免疫不全ウイルス1と2、ヒトT細胞白血病ウイルスIおよびII、インフルエンザウイルス(A、B、C)、ジェームズタウン キャニオンウイルス、日本脳炎抗原性、日本脳炎ウイルス、ジョン・カニンガムウイルス、ジュニンウイルス、カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス(KSHV)、Klebsiella granulomatis、Klebsiella属、キャサヌール森林病ウイルス、ラクロスウイルス、ラッサウイルス、Legionella pneumophila、Leptospira interrogans、Listeria monocytogenes、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス、リッサウイルス、マチュポウイルス、マールブルクウイルス、麻疹ウイルス、MERSコロナウイルス(MERS-CoV)、Micrococcus sedentarius、Mobiluncus属、モルシポックスウイルス、Moraxella catarrhalis、モルビリ-麻疹ウイルス、ムンプスウイルス、Mycobacterium leprae、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)、Mycobacterium ulcerans、Mycoplasma genitalium、Mycoplasma属、ナイロウイルス、Neisseria gonorrhoeae、Neisseria meningitidis、ノカルディア、ノーウォークウイルス、ノロウイルス、オムスク出血熱ウイルス、パピローマウイルス、パラインフルエンザウイルス1~3、パラポックスウイルス、パルボウイルスB19、Peptostreptococccus属、Plasmodium属、ポリオウイルスI、II、III型、プロテウス属、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa,)、Pseudomonas pseudomallei、シュードモナス属、狂犬病ウイルス、呼吸器多核体ウイルス、リシン毒素、Rickettsia australis、Rickettsia conori、Rickettsia honei、Rickettsia prowazekii、ロスリバーウイルス、ロタウイルス、風疹ウイルス、セントルイス脳炎、Salmonella Typhi、Sarcoptes scabiei、SARS関連コロナウイルス(SARS-CoV)SARS関連コロナウイルス(SARS-CoV-2)セラチア属、志賀毒素および志賀様毒素、赤痢菌属、シンノンブルウイルス、カンジキウサギウイルス、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、Staphylococcus epidermidis、Streptobacillus moniliformis、肺炎球菌(Streptoccoccus pneumoniae)、Streptococcus agalactiae、Streptococcus agalactiae、Streptococcus A~H群、Streptococcus pneumoniae、Streptococcus pyogenes、、梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)亜種、Pallidum、梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)var.carateum、梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)var.endemicum、Tropheryma whippelii、Ureaplasma urealyticum、水痘帯状疱疹ウイルス、水痘ウイルス、コレラ菌(Vibrio cholerae)、西ナイルウイルス、黄熱病ウイルス、Yersinia enterocolitica、Yersinia pestisおよびジカウイルスが挙げられる。
【0080】
医薬組成物および治療用組成物:投薬、投与および送達
【0081】
投薬
【0082】
本開示は、本明細書に記載の任意の1またはそれを超える医薬組成物または治療用組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む方法を提供する。医薬組成物または治療用組成物は、例えば、ワクチンであり得る。これらは、疾患、障害および/または症状(例えば、疾患、障害、および/または症状)を阻止もしくは処置するか、またはイメージングするのに有効な任意の量および任意の投与経路を使用して対象に投与され得る。必要とされる正確な量は、対象の種、年齢および全身状態、疾患の重症度、特定の組成物、その投与様式、その活性様式等に応じて、対象ごとに異なるであろう。
【0083】
本明細書中に記載される組成物は、投与の容易さおよび投薬量の均一性のために投薬単位形態で製剤化され得る。しかしながら、本明細書に記載の組成物の1日の総使用量は、健全な医学的判断の範囲内で主治医によって決定され得ることが理解されよう。任意の特定の患者に対する具体的な治療上有効な、予防上有効な、または適切なイメージング用量レベルは、処置されている障害および障害の重症度;使用される特定の化合物の活性;使用される特定の組成;患者の年齢、体重、全身の健康状態、性別および食事;使用される特定の化合物の投与時間、投与経路、および排泄速度;処置期間;使用される特定の化合物と組み合わせてまたは同時に使用される薬物;ならびに医学分野で周知の同様の要因を含む様々な要因に依存するであろう。
【0084】
投与
【0085】
本開示の医薬組成物または治療用組成物は、治療上有効な転帰を達成するための任意の経路によって投与され得る。これらには、限定されないが、腸(腸内)、胃腸、硬膜外(epidural)(硬膜内)、経口(口腔経由)、経皮、硬膜上(peridural)、脳内(大脳内)、脳室内(脳室へ)、上皮(皮膚への塗布)、皮内(皮膚自体)、皮下(皮膚下)、鼻腔内投与(鼻を通して)、静脈内(静脈へ)、急速静注、点滴静注、動脈内(動脈へ)、筋肉内(筋肉へ)、心内(心臓へ)、骨内(骨髄へ)注入、髄腔内(脊柱管へ)、腹腔内(腹膜への注入または注射)、膀胱内注入、硝子体内、(眼を通して)、、空洞内注射(病的空洞へ)、空洞内注入(陰茎基部へ)、膣内投与、子宮内投与、羊膜外投与、経皮(全身分布のためのインタクトな皮膚を通しての拡散)、経粘膜(粘膜を介する拡散)、経膣、通気(吸引)、舌下、口唇下、浣腸、点眼(結膜上)、点耳、耳介(耳内または耳経由)、頬(頬側に向けられる)、結膜、皮膚、歯(dental)(歯または歯(複数))、電気浸透、子宮頸管内、内洞、気管内、体外、血液透析、浸潤、間質、腹腔内、羊膜内、関節内、胆管内、気管支内、滑液包内、軟骨内(軟骨内)、仙骨内(馬尾内)、大脳槽内(脳延髄大槽内)、角膜内(角膜内)、歯冠内、冠動脈内(冠動脈内)、陰茎海綿体(陰茎海綿体の拡張可能な空間内)、椎間板内(円板内)、管内(腺管内)、十二指腸内(十二指腸内)、硬膜内(硬膜内または硬膜下)、表皮内(表皮)、食道内(食道)、胃内(胃内)、歯肉内(歯肉内)、回腸内(小腸の遠位部内)、病変内(限局性病変内または直接的に導入)、管腔内(管腔内)、リンパ管内(リンパ管内)、髄内(骨髄腔内)、髄膜内(髄膜内)、心筋内(心筋内)、眼内(眼内)、卵巣内(卵巣内)、心膜内(心膜内)、胸膜内(胸膜内)、前立腺内(前立腺内)、肺内(肺または気管支内)、洞内(鼻または眼窩周囲の洞内)、脊髄内(脊柱内)、滑膜内(関節の滑膜腔内)、腱内(腱内)、精巣内(精巣内)、髄腔内(脳脊髄軸のどのレベルでも脳脊髄液内)、胸腔内(胸腔内)、尿細管内(臓器の尿細管内)、腫瘍内(腫瘍内)、鼓室内(耳介内)、血管内(血管内)、心室内(心室内)、イオン泳動(可溶性塩のイオンが体の組織に移動する電流による)、洗浄(開いた創傷や体腔を入浴または洗い流す)、喉頭(喉頭に直接)、経鼻胃(鼻から胃に)、閉塞ドレッシング法(局所経路による投与。その後、領域を閉塞するドレッシングで覆われる)、眼科(外眼)、口腔咽頭(口腔および咽頭へ直接)、非経口、経皮、関節周囲、硬膜周囲、神経周囲、歯周、直腸、呼吸器(局所または全身作用のために経口または鼻腔内に吸入することにより、気道内)、球後(橋の後方または眼球の後方)、心筋内(心筋に入る)、軟部組織、クモ膜下、結膜下、粘膜下、局所、経胎盤(胎盤を介して、または胎盤を横切って)、経気管(気管壁を介して)、経鼓室(鼓室を横切るか、または鼓室を通る)、尿管(尿管へ)、尿道(尿道へ)、膣、尾側ブロック、診断、神経ブロック、胆道潅流、心臓潅流、光フェレーシスまたは脊椎が含まれる。
【0086】
非経口および注射可能な投与
【0087】
いくつかの態様では、本開示の医薬組成物または治療用組成物は、非経口的に投与され得る。経口および非経口投与用の液体剤形としては、限定されないが、薬学的または治療的に許容され得るエマルジョン、マイクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップおよび/またはエリキシル剤が挙げられる。有効成分に加えて、液体剤形は、当技術分野で一般的に使用される不活性希釈剤、例えば水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、落花生油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにそれらの混合物を含み得る。不活性希釈剤に加えて、経口組成物は、湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、甘味剤、香味剤および/または芳香剤等のアジュバントを含むことができる。非経口投与の特定の態様では、組成物を、CREMOPHOR(登録商標)、アルコール、油、変性油、グリコール、ポリソルベート、シクロデキストリン、ポリマー、および/またはそれらの組み合わせ等の可溶化剤と混合する。他の態様では、ヒドロキシプロピルセルロース等の界面活性剤が含まれる。
【0088】
注射用調製物、例えば滅菌注射用水性または油性懸濁液は、適切な分散剤、湿潤剤および/または懸濁化剤を使用して公知の技術に従って製剤化され得る。滅菌注射用調製物は、非毒性の非経口的に許容され得る希釈剤および/または溶媒(例えば1,3-ブタンジオール)中の滅菌注射用溶液、懸濁液および/またはエマルジョンであり得る。使用され得る許容され得るビヒクルおよび溶媒の中には、水、リンゲル液(米国薬局方)、および等張塩化ナトリウム溶液がある。滅菌固定油は、溶媒または懸濁媒体として従来使用されている。この目的のために、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含む任意の無刺激性固定油を使用することができる。オレイン酸等の脂肪酸を注射剤の調製に使用することができる。
【0089】
注射用製剤は、例えば、細菌保持フィルターによる濾過によって、および/または滅菌固体組成物の形態の滅菌剤を組み込むことによって滅菌することができ、滅菌固体組成物は、使用前に滅菌水または他の滅菌注射用媒体に溶解または分散することができる。
【0090】
有効成分の効果を延長するために、皮下注射または筋肉内注射からの有効成分の吸収を遅らせることがしばしば望ましい。これは、水溶性が低い結晶性または非晶質材料の液体懸濁液の使用によって達成され得る。有効成分の吸収速度は溶解速度に依存し、溶解速度は結晶サイズおよび結晶形態に依存し得る。あるいは、非経口投与された薬物形態の遅延吸収は、薬物を油性ビヒクルに溶解または懸濁することによって達成される。注射可能なデポー形態は、ポリラクチド-ポリグリコリド等の生分解性ポリマー中に薬物のマイクロカプセル化マトリックスを形成することによって作製される。薬物対ポリマーの比および使用される特定のポリマーの性質に応じて、薬物放出速度を制御することができる。他の生分解性ポリマーの例としては、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)が挙げられる。デポー注射用製剤は、身体組織と適合するリポソームまたはマイクロエマルジョンに薬物を封入することによって調製される。
【0091】
直腸および膣投与
【0092】
いくつかの態様では、本開示の医薬組成物または治療用組成物は、直腸および/または膣に投与され得る。直腸または膣投与用の組成物は、典型的には、周囲温度では固体であるが体温では液体であり、したがって直腸または膣腔で融解して有効成分を放出するカカオバター、ポリエチレングリコールまたは坐剤ワックス等の適切な非刺激性賦形剤と組成物を混合することによって調製することができる坐剤である。
【0093】
経口投与
【0094】
いくつかの態様では、本開示の医薬組成物または治療用組成物は、経口投与され得る。経口投与用の固体剤形としては、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤および顆粒剤が挙げられる。そのような固体剤形では、有効成分は、少なくとも1つの不活性な薬学的に許容され得る賦形剤、例えばクエン酸ナトリウムもしくはリン酸二カルシウムおよび/または充填剤もしくは増量剤(例えば、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトールおよびケイ酸)、結合剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、スクロースおよびアカシア)、湿潤剤(例えば、グリセロール)、崩壊剤(例えば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩、および炭酸ナトリウム)、溶液遅延剤(例えば、パラフィン)、吸収促進剤(例えば、第4級アンモニウム化合物)、湿潤剤(例えば、セチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロール)、吸収剤(例えば、カオリンおよびベントナイト粘土)、潤滑剤(例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム)およびそれらの混合物と混合される。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、剤形は緩衝剤を含み得る。
【0095】
局所投与または経皮投与
【0096】
本明細書に記載されるように、本開示の医薬組成物または治療用組成物は、局所投与のために製剤化され得る。皮膚は、容易にアクセス可能であるため、送達のための理想的な標的部位であり得る。本開示の医薬組成物または治療用組成物を皮膚に送達するための3つの経路が一般に考えられている:(i)局所適用(例えば、局所/領域処置および/または化粧品用途のため);(ii)皮内注射(例えば、局所/領域処置および/または化粧品用途のため);および(iii)全身送達(例えば、皮膚領域と皮膚外領域の両方に影響を及ぼす皮膚疾患の処置のため)。本開示の医薬組成物は、当技術分野で公知のいくつかの異なるアプローチによって皮膚に送達することができる。
【0097】
いくつかの態様では、本開示は、本開示の方法を便利におよび/または効果的に実行するための様々な包帯(例えば、創傷包帯)または包帯(例えば、粘着包帯)を提供する。典型的には、包帯または包帯は、使用者が複数の処置を行うことを可能にするのに十分な量の本明細書に記載の本開示の医薬組成物または治療用組成物を含み得る。
【0098】
局所および/または経皮投与のための剤形には、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、粉末、溶液、スプレー、吸入剤および/またはパッチが含まれ得る。一般に、有効成分は、滅菌条件下で薬学的に許容され得る賦形剤および/または任意の必要な防腐剤および/または緩衝剤と混合される。さらに、本開示は、本開示の医薬組成物または治療用組成物の身体への制御された送達を提供するというさらなる利点を有することが多い経皮パッチの使用を企図する。そのような剤形は、例えば、適切な媒体に医薬組成物または治療用組成物を溶解および/または分配することによって調製され得る。代替的または追加的に、速度は、速度制御膜を提供することによって、および/または医薬組成物もしくは治療用組成物をポリマーマトリックスおよび/またはゲルに分散させることによって制御され得る。
【0099】
局所投与に適した製剤としては、限定されないが、液体および/または半液体調製物、例えば、リニメント、ローション、水中油および/または油中水エマルジョン、例えば、クリーム、軟膏および/またはペースト、および/または溶液および/または懸濁液が挙げられる。
【0100】
局所投与可能な製剤は、例えば、約1%~約10%(w/w)の有効成分を含み得るが、有効成分の濃度は、溶媒中の有効成分の溶解限界と同じくらい高くてもよい。局所投与のための製剤は、本明細書中に記載される1またはそれを超える追加の成分をさらに含み得る。
【0101】
デポー投与
【0102】
本明細書に記載されるように、いくつかの態様では、本開示の医薬組成物または治療用組成物は、持続放出用のデポーに製剤化される。一般に、特定の器官または組織(「標的組織」)が投与の標的とされる。
【0103】
本開示のいくつかの態様では、本開示の医薬組成物または治療用組成物は、標的組織内または標的組織に近接して空間的に保持される。哺乳動物対象の標的組織に医薬組成物または治療用組成物を提供する方法であって、標的組織(1またはそれを超える標的細胞を含む)を、標的組織に実質的に保持されるような条件下で医薬組成物または治療用組成物と接触させることによって提供する方法が開示され、これは、組成物の少なくとも約10、例えば、少なくとも約20、約30、約40、約50、約60、約70、約80、約85、約90、約95、約96、約97、約98、約99、約99.9、約99.99またはそれを超えるものが標的組織に保持されることを意味する。有利には、保持は、1またはそれを超える標的細胞に入る医薬組成物または治療用組成物の量を測定することによって決定される。例えば、対象に投与される医薬組成物または治療用組成物の少なくとも約1%、例えば、約5%、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、約99.9%、約99.99%または約99.99%超が、投与後の期間に細胞内に存在する。例えば、哺乳動物対象への筋肉内注射は、本開示の医薬組成物または治療用組成物および1またはそれを超えるトランスフェクション試薬を含む水性組成物を使用して実施され得、保持は、筋肉細胞中に存在する医薬組成物または治療用組成物の量を測定することによって決定される。
【0104】
本開示の特定の態様は、哺乳動物対象の標的組織に本開示の医薬組成物または治療用組成物を提供する方法であって、標的組織(1またはそれを超える標的細胞を含む)を医薬組成物または治療用組成物と、それらがそのような標的組織に実質的に保持されるような条件下で接触させることによる方法に関する。医薬組成物または治療用組成物は、少なくとも1つの標的細胞において目的の効果が生じるのに十分な有効成分を含む。いくつかの態様では、医薬組成物または治療用組成物は、一般に、1またはそれを超える細胞透過剤を含むが、「ネイキッド」製剤(細胞透過剤または他の薬剤を含まない等)もまた、医薬的または治療的に許容され得る担体の有無にかかわらず企図される。
【0105】
いくつかの態様では、製剤は、複数の異なる医薬組成物または治療用組成物を含む。必要に応じて、製剤はまた、医薬組成物または治療用組成物の細胞内送達を補助するための細胞透過剤を含み得る。そのような態様では、所定の体積の標的組織(一般に、隣接組織または遠位組織中の目的の生体分子を標的としない)内に含まれる細胞の実質的な割合で目的の生体分子を標的化するのに必要な化合物および/または組成物の用量の決定が行われる。次いで、決定された用量を対象組織に直接導入する。
【0106】
肺投与
【0107】
いくつかの態様では、本開示の医薬組成物または治療用組成物は、肺投与に適した製剤で調製、包装および/または販売され得る。いくつかの態様では、そのような投与は頬側口腔を介して行われる。いくつかの態様では、製剤は、有効成分を含む乾燥粒子を含み得る。そのような態様では、乾燥粒子は、約0.5nm~約7nmまたは約1nm~約6nmの範囲の直径を有し得る。いくつかの態様では、製剤は、そのような粉末を分散させるために噴射剤の流れが導かれ得る乾燥粉末リザーバを含む装置を使用して投与するための乾燥粉末の形態であり得る。いくつかの態様では、自己噴射溶媒/粉末分配容器を使用することができる。そのような態様では、有効成分は、密封容器内の低沸点噴射剤に溶解および/または懸濁されてもよい。そのような粉末は、粒子の少なくとも98%(重量基準)が0.5nmより大きい直径を有し、粒子の少なくとも95%(数基準)が約7nm未満の直径を有する粒子を含み得る。あるいは、粒子の少なくとも約95%(重量基準)が約1nmを超える直径を有し、粒子の少なくとも約90%(数基準)が約6nm未満の直径を有する。乾燥粉末組成物は、糖等の固体微粉末希釈剤を含むことができ、単位用量形態で好都合に提供される。
【0108】
低沸点噴射剤は、一般に、大気圧で65°F未満の沸点を有する液体噴射剤を含む。一般に、噴射剤は、組成物の約50%~約99.9%(w/w)を構成し得、有効成分は、組成物の約0.1%~約20%(w/w)を構成し得る。噴射剤は、液体非イオン性および/または固体アニオン性界面活性剤および/または固体希釈剤(有効成分を含む粒子と同じ程度の粒径を有し得る)等の追加の成分をさらに含み得る。
【0109】
肺送達用に製剤化された医薬組成物または治療用組成物は、溶液および/または懸濁液の液滴の形態の有効成分を提供し得る。そのような製剤は、有効成分を含む水性および/または希釈アルコール溶液および/または懸濁液(必要に応じて滅菌)として調製、包装および/または販売され得、任意の噴霧化および/または霧化装置を使用して好都合に投与され得る。そのような製剤は、サッカリンナトリウム等の香味剤、揮発性油、緩衝剤、界面活性剤、および/またはヒドロキシ安息香酸メチル等の防腐剤を含むがこれらに限定されない1またはそれを超える追加の成分をさらに含み得る。
【0110】
鼻腔内、経鼻および口腔内投与
【0111】
いくつかの態様では、本開示の医薬組成物または治療用組成物は、経鼻および/または鼻腔内投与され得る。いくつかの態様では、肺送達に有用であるとして本明細書に記載される製剤は、鼻腔内送達にも有用であり得る。いくつかの態様では、鼻腔内投与のための製剤は、有効成分を含み、約0.2um~約500umの平均粒子を有する粗粉末を含む。そのような製剤は、嗅ぎタバコを嗅ぐ様式で、すなわち、鼻の近くに保持された粉末の容器から鼻通路を介した迅速な吸入によって投与される。
【0112】
経鼻投与に適した製剤は、例えば、約0.1%(w/w)程度の少量から約100%(w/w)程度の有効成分を含んでもよく、本明細書に記載される1またはそれを超える追加の成分を含んでもよい。医薬組成物または治療用組成物は、頬側投与に適した製剤で調製、包装、および/または販売され得る。そのような製剤は、例えば、従来の方法を使用して製造された錠剤および/またはロゼンジの形態であってもよく、例えば、約0.1%~約20%(w/w)の有効成分であってもよく、残部は、経口溶解性および/または分解性組成物、ならびに必要に応じて、本明細書に記載される1またはそれを超える追加の成分を含む。あるいは、頬側投与に適した製剤は、有効成分を含む粉末および/またはエアロゾル化および/または霧化溶液および/または懸濁液を含み得る。そのような粉末化製剤、エアロゾル化製剤および/またはエアロゾル化製剤は、分散されている場合、約0.1nm~約200nmの範囲の平均粒径および/または液滴サイズを含み得、本明細書に記載の任意の1またはそれを超える追加の成分をさらに含み得る。
【0113】
眼または耳投与
【0114】
いくつかの態様では、本開示の医薬組成物または治療用組成物は、眼および/または耳投与に適した製剤で調製、包装および/または販売され得る。そのような製剤は、例えば、水性および/または油性液体賦形剤中の有効成分の0.1/1.0%(w/w)溶液および/または懸濁液を含む点眼剤および/または点耳剤の形態であり得る。そのような滴剤は、緩衝剤、塩、および/または本明細書に記載の任意の1またはそれを超える追加の成分をさらに含み得る。有用な他の眼投与可能な製剤としては、微結晶形態および/またはリポソーム調製物中に有効成分を含むものが挙げられる。網膜下インサートも投与形態として使用され得る。
【0115】
送達ビヒクル分子
【0116】
送達様式
【0117】
医薬組成物または治療用組成物は1またはそれを超える様式を使用して送達され得る。これらには、レンチウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、単純ヘルペスウイルス、レトロウイルス等のウイルスベクターおよび粒子が含まれる。mRNA、プラスミド、および組換えタンパク質等の他の様式も使用され得る。
【0118】
レンチウイルスビヒクル
【0119】
いくつかの態様では、レンチウイルス担体/粒子を送達様式として使用することができる。レンチウイルスは、レトロウイルス科のウイルスのサブグループであり、ウイルスRNAゲノムのDNAへの逆転写が宿主ゲノムへの組み込みの前に必要であるために命名されている。したがって、レンチウイルスビヒクル/粒子の最も重要な特徴は、標的/宿主細胞のゲノムへのそれらの遺伝物質の組み込みである。レンチウイルスのいくつかの例としては、ヒト免疫不全ウイルス:HIV-1およびHIV-2、サル免疫不全ウイルス(SIV)、ネコ免疫不全ウイルス(FIV)、ウシ免疫不全ウイルス(BIV)、ジェンブラナ病ウイルス(JDV)、ウマ感染性貧血ウイルス(EIAV)、ウマ感染性貧血ウイルス、ビスナ・マエディ(visna-maedi)およびヤギ関節炎脳炎ウイルス(CAEV)が挙げられる。
【0120】
遺伝子送達ビヒクルを構成するレンチウイルス粒子は、それ自体が複製欠損であり得る(「自己不活性化」とも呼ばれる)。レンチウイルスは、インタクトな宿主核エンベロープ(Naldini Lら、Curr.Opin.Biotechnol,1998,9:457-463)を介した侵入機構により、分裂細胞と非分裂細胞の両方に感染することができる。組換えレンチウイルスビヒクル/粒子は、HIV病原性遺伝子を多重減衰させることによって生成されており、例えば、遺伝子Env、Vif、Vpr、Vpu、NefおよびTatは欠失され、ベクターを生物学的に安全にする。これに対応して、例えばHIV-1/HIV-2に由来するレンチウイルスビヒクルは、非分裂細胞への導入遺伝子の効率的な送達、組み込み、および長期発現を媒介することができる。
【0121】
レンチウイルス粒子は、ウイルスパッケージングエレメントとベクターゲノム自体とをヒトHEK293T細胞等の産生細胞において共発現させることによって作製され得る。これらの要素は、通常、3つまたは4つの別個のプラスミドで提供される。プロデューサー細胞は、ウイルスのコア(すなわち、構造タンパク質)および酵素成分を含むレンチウイルス成分、ならびにエンベロープタンパク質をコードするプラスミド(パッケージングシステムと呼ばれる)、ならびに標的細胞、すなわちビヒクル自体に移入される外来導入遺伝子を含むゲノムをコードするプラスミド(トランスファーベクターとも呼ばれる)で同時トランスフェクトされる。一般に、プラスミドまたはベクターは、産生細胞株に含まれる。プラスミド/ベクターは、産生細胞株へのトランスフェクション、形質導入、または感染を介して導入される。トランスフェクション、形質導入または感染のための方法は、当業者に周知である。非限定的な例として、パッケージングコンストラクトおよびトランスファーコンストラクトは、一般に、neo、DHFR、GlnシンセターゼまたはADA等の主要な選択マーカーと共に、リン酸カルシウムトランスフェクション、リポフェクションまたはエレクトロポレーションによって産生細胞株に導入し、続いて適切な薬物の存在下で選択し、クローンを単離することができる。
【0122】
産生細胞は、外来遺伝子、例えば本開示のワクチンまたはワクチンカセットを含有する組換えウイルス粒子を産生する。組換えウイルス粒子を培養培地から回収し、当業者によって使用される標準的な方法によって滴定する。組換えレンチウイルスビヒクルは、標的細胞を感染させるために使用することができる。
【0123】
高力価レンチウイルス粒子を産生するために使用することができる細胞としては、限定されないが、HEK293T細胞、293G細胞、STAR細胞(Relanderら、Mol.Ther.,2005,11:452-459)、および他のHEK293T系産生細胞株(例えば、Stewartら、Hum Gene Ther.2011,22(3):357-369;Leeら、Biotechnol Bioeng,2012,109(6):1551-1560;Thromら、Blood.2009,113(21):5104-5110;その各々の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)が挙げられる。
【0124】
いくつかの態様では、エンベロープタンパク質は、水疱性口内炎ウイルス(VSV G)のGタンパク質またはバキュロウイルスgp64エンベロープタンパク質等の他のウイルスからの異種エンベロープタンパク質であり得る。VSV-G糖タンパク質は、特に、ベシクロウイルス属に分類される種の中から選択することができる:カラヤスウイルス(CJSV)、チャンディプラウイルス(CHPV)、コカールウイルス(COCV)、イクファハンウイルス(ISFV)、マラバウイルス(MARAV)、ピリーウイルス(PIRYV)、水疱性口内炎アラゴアスウイルス(VSAV)、水疱性口内炎インディアナウイルス(VSIV)および水疱性口内炎ニュージャージウイルス(VSNJV)、および/またはベシクロウイルス属に暫定的に分類される系統、ソウギョラブドウイルス、BeAn 157575ウイルス(BeAn 157575)、ボテケウイルス(BTKV)、カルチャキウイルス(CQIV)、Eel virus American(EVA)、グレイロッジウイルス(GLOV)、ユロナウイルス(JURY)、クラマスウイルス(KLAV)、クワッタウイルス(KWAV)、ラ・ホージャウイルス(LJV)、マルパイス・スプリングウイルス(MSPV)、エルゴン山(MountElgon)コウモリウイルス(MEBV)、ペリネ(Perinet)ウイルス(PERV)、パイク(Pike)ハエラブドウイルス(PFRV)、ポートン(Porton)ウイルス(PORV)、ラジ(Radi)ウイルス(RADIV)、コイ春ウイルス血症ウイルス(SVCV)、ツバイウイルス(TUPV)、潰瘍性疾患ラブドウイルス(UDRV)およびユーグボグダノバックウイルス(YBV)。gp64または他のバキュロウイルスenvタンパク質は、オートグラファ・カリフォルニカ(Autographa californica)核多角体ウイルス(AcMNPV)、アナグラファ・ファルシフェラ(Anagrapha falcifera)核多角体病ウイルス、カイコ(Bombyx mori)核多角体病ウイルス、コリストネウラ・フミフェラナ(Choristoneura fumiferana)核多角体ウイルス、オルギア・プソイドツガタ(Orgyia pseudotsugata)単一カプシド核多角体ウイルス、エピフィア・ポストビタナ(Epiphyas postvittana)核多角体ウイルス、ハイファントリア・クネア(Hyphantria cunea)核多角体ウイルス、ガレリア・メロネラ(Galleria mellonella)核多角体ウイルス、ドーリウイルス(Dhori virus)、トゴトウイルス(Thogoto virus)、サクサン(Antheraea pemyi)核多角体ウイルス、またはバトケンウイルス(Batken virus)に由来し得る。
【0125】
レンチウイルス粒子において提供される他のエレメントは、5’または3’末端のいずれかにあるレトロウイルスLTR(長末端反復配列)、レトロウイルスエクスポートエレメント、必要に応じてレンチウイルス逆応答エレメント(RRE)、そのプロモーターまたは活性部分、および遺伝子座制御領域(LCR)またはその活性部分を含み得る。エフェクターモジュールは、ベクターに連結されている。
【0126】
組換えレンチウイルス粒子を作製するための方法は、当技術分野、例えば、米国特許第同第8,846,385号;同第7,745,179号;同第7,629,153号;同第7,575,924号;同第7,179,903号;および同第6,808,905号(その各々の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)において検討されている。
【0127】
レンチウイルスのビヒクルは、プラスミドベースまたはウイルスベースであり、当技術分野で公知である(米国特許第9,260,725号;同第9,068,199号;同第9,023,646号;同第8,900,858号;同第8,748,169号;同第8,709,799号;同第8,420,104号;同第8,329,462号;同第8,076,106号;同第6,013,516号;および同第5,994,136号;その各々の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。
【0128】
アデノ随伴ウイルス粒子
【0129】
本開示の医薬組成物または治療用組成物のいずれかの送達は、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)ベクターを使用して達成され得る。そのようなベクターまたはウイルス粒子は、既知の血清型キャプシドまたは血清型キャプシドの組み合わせのいずれかを利用するように設計され得る。キャプシドには、限定されないが、AAV1、AAV2、AAV2G9、AAV3、AAV3a、AAV3b、AAV3-3、AAV4、AAV4-4、AAV5、AAV6、AAV6.1、AAV6.2、AAV6.1.2、AAV7、AAV7.2、AAV8、AAV9、AAV9.11、AAV9.13、AAV9.16、AAV9.24、AAV9.45、AAV9.47、AAV9.61、AAV9.68、AAV9.84、AAV9.9、AAV10、AAV11、AAV12、AAV16.3、AAV24.1、AAV27.3、AAV42.12、AAV42-1b、AAV42-2、AAV42-3a、AAV42-3b、AAV42-4、AAV42-5a、AAV42-5b、AAV42-6b、AAV42-8、AAV42-10、AAV42-11、AAV42-12、AAV42-13、AAV42-15、AAV42-aa、AAV43-1、AAV43-12、AAV43-20、AAV43-21、AAV43-23、AAV43-25、AAV43-5、AAV44.1、AAV44.2、AAV44.5、AAV223.1、AAV223.2、AAV223.4、AAV223.5、AAV223.6、AAV223.7、AAV1-7/rh.48、AAV1-8/rh.49、AAV2-15/rh.62、AAV2-3/rh.61、AAV2-4/rh.50、AAV2-5/rh.51、AAV3.1/hu.6、AAV3.1/hu.9、AAV3-9/rh.52、AAV3-11/rh.53、AAV4-8/r11.64、AAV4-9/rh.54、AAV4-19/rh.55、AAV5-3/rh.57、AAV5-22/rh.58、AAV7.3/hu.7、AAV16.8/hu.10、AAV16.12/hu.11、AAV29.3/bb.1、AAV29.5/bb.2、AAV106.1/hu.37、AAV114.3/hu.40、AAV127.2/hu.41、AAV127.5/hu.42、AAV128.3/hu.44、AAV130.4/hu.48、AAV145.1/hu.53、AAV145.5/hu.54、AAV145.6/hu.55、AAV161.10/hu.60、AAV161.6/hu.61、AAV33.12/hu.17、AAV33.4/hu.15、AAV33.8/hu.16、AAV52/hu.19、AAV52.1/hu.20、AAV58.2/hu.25、AAVA3.3、AAVA3.4、AAVA3.5、AAVA3.7、AAVC1、AAVC2、AAVC5、AAV-DJ、AAV-DJ8、AAVF3、AAVF5、AAVH2、AAVH6、AAVLK03、AAVH-1/hu.1、AAVH-5/hu.3、AAVLG-10/rh.40、AAVLG-4/rh.38、AAVLG-9/hu.39、AAVN721-8/rh.43、AAVCh.5、AAVCh.5R1、AAVcy.2、AAVcy.3、AAVcy.4、AAVcy.5、AAVCy.5R1、AAVCy.5R2、AAVCy.5R3、AAVCy.5R4、AAVcy.6、AAVhu.1、AAVhu.2、AAVhu.3、AAVhu.4、AAVhu.5、AAVhu.6、AAVhu.7、AAVhu.9、AAVhu.10、AAVhu.11、AAVhu.13、AAVhu.15、AAVhu.16、AAVhu.17、AAVhu.18、AAVhu.20、AAVhu.21、AAVhu.22、AAVhu.23.2、AAVhu.24、AAVhu.25、AAVhu.27、AAVhu.28、AAVhu.29、AAVhu.29R、AAVhu.31、AAVhu.32、AAVhu.34、AAVhu.35、AAVhu.37、AAVhu.39、AAVhu.40、AAVhu.41、AAVhu.42、AAVhu.43、AAVhu.44、AAVhu.44R1、AAVhu.44R2、AAVhu.44R3、AAVhu.45、AAVhu.46、AAVhu.47、AAVhu.48、AAVhu.48R1、AAVhu.48R2、AAVhu.48R3、AAVhu.49、AAVhu.51、AAVhu.52、AAVhu.54、AAVhu.55、AAVhu.56、AAVhu.57、AAVhu.58、AAVhu.60、AAVhu.61、AAVhu.63、AAVhu.64、AAVhu.66、AAVhu.67、AAVhu.14/9、AAVhu.t 19、AAVrh.2、AAVrh.2R、AAVrh.8、AAVrh.8R、AAVrh.10、AAVrh.12、AAVrh.13、AAVrh.13R、AAVrh.14、AAVrh.17、AAVrh.18、AAVrh.19、AAVrh.20、AAVrh.21、AAVrh.22、AAVrh.23、AAVrh.24、AAVrh.25、AAVrh.31、AAVrh.32、AAVrh.33、AAVrh.34、AAVrh.35、AAVrh.36、AAVrh.37、AAVrh.37R2、AAVrh.38、AAVrh.39、AAVrh.40、AAVrh.46、AAVrh.48、AAVrh.48.1、AAVrh.48.1.2、AAVrh.48.2、AAVrh.49、AAVrh.51、AAVrh.52、AAVrh.53、AAVrh.54、AAVrh.56、AAVrh.57、AAVrh.58、AAVrh.61、AAVrh.64、AAVrh.64R1、AAVrh.64R2、AAVrh.67、AAVrh.73および/またはAAVrh.74が含まれ得る。
【0130】
AAVベクターには、一本鎖ベクターだけでなく、自己相補的AAVベクター(scAAV)も含まれる。scAAVベクターは、共にアニーリングして二本鎖ベクターゲノムを形成するDNAを含有する。第2鎖合成をスキップすることによって、scAAVは細胞における迅速な発現を可能にする。
【0131】
rAAVベクターは、当技術分野における標準的な方法、例えばトリプルトランスフェクションによって、sf9昆虫細胞において、またはHEK293細胞等のヒト細胞の懸濁細胞培養物において製造することができる。
【0132】
医薬組成物または治療用組成物は、本明細書に教示されるAAVキャプシドにパッケージングされる1またはそれを超えるウイルスゲノムにコードされ得る。
【0133】
そのようなベクターまたはウイルスゲノムはまた、少なくとも1つまたは2つのITR(逆方向末端反復配列)に加えて、ベクターまたはウイルスゲノムからの発現に必要な特定の調節エレメントを含み得る。そのような調節エレメントは当技術分野において周知であり、例えば、プロモーター、イントロン、スペーサー、スタッファー配列等を含む。
【0134】
本開示の医薬組成物または治療用組成物は、1またはそれを超えるAAV粒子で投与され得る。
【0135】
いくつかの態様では、医薬組成物または治療用組成物は、1またはそれを超えるAAV粒子で投与され得る。いくつかの態様では、2以上の医薬組成物または治療用組成物がウイルスゲノムにコードされ得る。
【0136】
レトロウイルスビヒクル/粒子(γ-レトロウイルスベクター)
【0137】
いくつかの態様では、レトロウイルスビヒクル/粒子を使用して、医薬組成物または治療用組成物を送達することができる。レトロウイルスベクター(RV)は、標的細胞への導入遺伝子の永続的な組み込みを可能にする。複雑なHIV-1/2に基づくレンチウイルスベクターに加えて、単純なガンマレトロウイルスに基づくレトロウイルスベクターは、治療遺伝子を送達するために広く使用されており、広範囲の細胞型を形質導入することができる最も効率的で強力な遺伝子送達システムの1つとして臨床的に実証されている。ガンマレトロウイルスの種例としては、マウス白血病ウイルス(MLV)およびネコ白血病ウイルス(FeLV)が挙げられる。
【0138】
いくつかの態様では、哺乳動物ガンマ-レトロウイルス(例えば、マウス白血病ウイルス(MLV)等)に由来するガンマ-レトロウイルスベクターは組換え体である。ガンマレトロウイルスのMLVファミリーには、エコトロピック(ecotropic)、アンホトロピック(amphotropic)、ゼノトロピック(xenotropic)およびポリトロピック(polytropic)サブファミリーが含まれる。エコトロピックウイルスは、mCAT-1受容体を使用してマウス細胞のみに感染することができる。エコトロピックウイルスの例は、モロニーMLVおよびAKVである。アンホトロピックウイルスは、Pit-2受容体を介してマウス、ヒト、および他の種に感染する。アンホトロピックウイルスの一例は4070Aウイルスである。ゼノトロピックウイルスおよびポリトロピックウイルスは、同じ(Xpr1)受容体を利用するが、それらの種指向性が異なる。NZB-9-1等のゼノトロピックウイルスはヒトおよび他の種に感染するが、マウス種には感染しないのに対して、フォーカス形成ウイルス(MCF)等のポリトロピックウイルスはマウス、ヒト、および他の種に感染する。
【0139】
ガンマレトロウイルスベクターは、レトロウイルス構造および酵素(gag-pol)ポリタンパク質をコードするもの、エンベロープ(env)タンパク質をコードするもの、および新たに形成されたウイルス粒子にパッケージングされる本開示の組成物をコードする少なくとも1つのポリヌクレオチドを含むベクターmRNAをコードするものを含むいくつかのプラスミドで細胞を同時トランスフェクトすることによって、パッケージング細胞中で産生され得る。
【0140】
いくつかの態様では、組換えガンマ-レトロウイルスベクターは、他のウイルス由来のエンベロープタンパク質でシュードタイプ化される。エンベロープ糖タンパク質は、ウイルス粒子の外側脂質層に組み込まれ、細胞指向性を増加/変化させることができる。例示的なエンベロープタンパク質としては、テナガザル白血病ウイルスエンベロープタンパク質(GALV)もしくは水疱性口内炎ウイルスGタンパク質(VSV-G)、またはサル内因性レトロウイルスエンベロープタンパク質、または麻疹ウイルスHおよびFタンパク質、またはヒト免疫不全ウイルスgp120エンベロープタンパク質、またはコカルベシキュロウイルスエンベロープタンパク質(例えば、米国特許出願公開第2012/164118号を参照されたい;その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)が挙げられる。他の態様では、エンベロープ糖タンパク質は、限定されないが、ペプチドリガンド、一本鎖抗体および成長因子を含む標的化/結合リガンドをガンマ-レトロウイルスベクターに組み込むように遺伝子改変され得る(Waehlerら、Nat.Rev.Genet.2007,8(8):573-587;その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。これらの操作された糖タンパク質は、ベクターをそれらの対応する標的部分を発現する細胞に再標的化することができる。他の態様では、「分子架橋」を導入して、ベクターを特定の細胞に向けることができる。分子架橋は二重特異性を有し、すなわち、一方の末端はウイルス糖タンパク質を認識することができ、他方の末端は標的細胞上の分子決定基に結合することができる。そのような分子架橋、例えばリガンド受容体、アビジン-ビオチン、および化学的コンジュゲーション、モノクローナル抗体、および操作された融合原性タンパク質は、形質導入のために標的細胞へのウイルスベクターの付着を指示することができる(Yangら、Biotechnol.Bioeng.,2008,101(2):357-368およびMaetzigら、Viruses,2011,3,677-713;その各々の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。
【0141】
いくつかの態様では、組換えガンマ-レトロウイルスベクターは自己不活性化(SIN)ガンマレトロウイルスベクターである。ベクターは複製不能である。SINベクターは、最初にエンハンサー/プロモーター活性を含む3’U3領域内に欠失を有し得る。さらに、5’U3領域は、サイトメガロウイルスもしくはRSV由来の強力なプロモーター(パッケージング細胞株で必要とされる)、または選択された内部プロモーター、および/またはエンハンサーエレメントで置き換えられ得る。内部プロモーターの選択は、本開示の特定の目的に必要な遺伝子発現の特定の要件に従って行われ得る。
【0142】
いくつかの態様では、医薬組成物または治療用組成物をコードするポリヌクレオチドは、組換えウイルスゲノム内に挿入される。組換えガンマレトロウイルスベクターのウイルスmRNAの他の成分は、天然に存在する配列(例えば、IRESの挿入、目的のポリペプチドまたは阻害性核酸をコードする異種ポリヌクレオチドの挿入、野生型プロモーターの代わりに異なるレトロウイルスまたはウイルスからのより有効なプロモーターのシャッフリング等)の挿入または除去によって改変され得る。いくつかの例において、組換えガンマ-レトロウイルスベクターは、改変されたパッケージングシグナル、および/またはプライマー結合部位(PBS)、および/または5’-長末端反復配列(LTR)のU3領域中の5’-エンハンサー/プロモーターエレメント、および/または3’-LTRのU3領域中で改変された3’-SINエレメントを含み得る。これらの修飾は、力価および感染能力を増加させ得る。
【0143】
本開示の医薬組成物または治療用組成物に適したガンマレトロウイルスベクターは、米国特許第8,828,718号;同第7,585,676号;同第7,351,585号;米国特許出願公開第2007/048285号;PCT出願公開番号WO2010/113037;WO2014/121005;WO2015/056014;および欧州特許第1757702号;欧州特許第1757703(その各々の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に開示されるものから選択され得る。
【0144】
メッセンジャーRNA(mRNA)
【0145】
いくつかの態様では、医薬組成物または治療用組成物は、メッセンジャーRNA(mRNA)として設計され得る。本明細書で使用される場合、「メッセンジャーRNA」(mRNA)という用語は、目的のポリペプチドをコードし、in vitro、in vivo、in situまたはex vivoで翻訳されてコードされたポリペプチドを産生することができる任意のポリヌクレオチドを指す。本開示のそのようなmRNA分子は、国際出願第PCT/US2013/030062(その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に教示されているもののいずれかの構造成分または特徴を有し得る。
【0146】
例えば、本開示のmRNAワクチンまたはmRNAワクチンカセットのような医薬組成物も、例えば、Ribostem Limitedの英国特許出願第0316089.2号(2003年7月9日出願、現在放棄されている)、PCT出願第PCT/GB2004/002981号(2004年7月9日出願、WO2005005622として公開)、米国特許出願第10/563,897号(2006年6月8日出願、US20060247195として公開、現在放棄されている)、および欧州特許出願国内段階登録番号第2004743322号(2004年7月9日出願、EP1646714として公開され、現在取り下げられている);Novozymes,Inc.のPCT出願第PCT/US2007/88060号(2007年12月19日出願、WO2008140615号として公開)、米国特許出願第12/520,072号(2009年7月2日出願、US20100028943として公開)および欧州特許出願第2007874376(2009年7月7日出願、EP2104739として公開);ロチェスター大学のPCT出願第PCT/US2006/46120号(2006年12月4日出願、WO2007064952として公開)、および米国特許出願第11/606,995号(2006年12月1日出願、US20070141030として公開);BioNTech AGの欧州特許出願第2007024312号(2007年12月14日出願、現在放棄されている)、PCT出願第PCT/EP2008/01059号(2008年12月12日出願、WO2009077134として公開)欧州特許出願第2008861423号(2010年6月2日出願、EP2240572として公開)、米国特許出願第12/735,060号(2010年11月24日出願、US20110065103として公開)、ドイツ特許出願第102005046490号(2005年9月28日出願)、PCT出願第PCT/EP2006/0448号(2006年9月28日出願、WO2007036366として公開)、欧州特許第1934345号(2012年3月21日公開)および米国特許出願第11/992,638号(2009年8月14日出願、20100129877として公開);Immune Disease Institute Inc.の米国特許出願第13/088,009号(2011年4月15日出願、US20120046346号として公開)、およびPCT出願第PCT/US2011/32679号(2011年4月15日出願、WO20110130624として公開);Shire Human Genetic Therapeuticsの米国特許出願第12/957,340号(2010年11月20日出願、US20110244026号として公開);Sequitur Inc.のPCT出願第PCT/US1998/019492号(1998年9月18日出願、WO1999014346として公開);The Scripps Research InstituteのPCT出願第PCT/US2010/00567号(2010年2月24日出願、WO2010098861として公開)および米国特許出願第13/203,229号(2011年11月3日出願、US20120053333として公開);ルートヴィヒ・マクシミリアン大学のPCT出願第PCT/EP2010/004681号(2010年7月30日出願、WO2011012316として公開);Cellscript Inc.の米国特許第8,039,214号(2008年6月30日出願、2011年10月18日に付与)、米国特許出願第12/962,498(2010年12月7日出願、US20110143436号として公開)、12/962,468(2010年12月7日出願、US20110143397として公開)、13/237,451(2011年9月20日出願、US20120009649として公開)、ならびにPCT出願第PCT/US2010/59305(2010年12月7日出願、WO2011071931として公開)およびPCT/US2010/59317(2010年12月7日出願、WO2011071936として公開);ペンシルベニア大学の受託者のPCT出願第PCT/US2006/32372号(2006年8月21日出願、WO2007024708として公開)および米国特許出願第11/990,646号(2009年3月27日出願、US20090286852として公開)Curevac GMBHのドイツ特許出願第102001027283.9号(2001年6月5日出願)、DE10 2001 062 480.8(2001年12月19日出願)およびDE 20 2006 051 516(2006年10月31日出願)(いずれも放棄されている)、欧州特許第1392341号(2005年3月30日に付与)および欧州特許第1458410号(2008年1月2日に付与)、PCT出願第PCT/EP2002/06180号(2002年6月5日出願、WO2002098443として公開)、PCT/EP2002/14577(2002年12月19日出願、WO2003051401として公開)、PCT/EP2007/09469(2007年12月31日出出願、WO2008052770として公開)、PCT/EP2008/03033(2008年4月16日出願、WO2009127230として公開)、PCT/EP2006/004784(2005年5月19日出願、WO2006122828として公開)、PCT/EP2008/00081(2007年1月9日出願、WO2008083949として公開)、ならびに米国特許出願第10/729,830号(2003年12月5日出願、US20050032730として公開)、米国特許出願第10/870,110号(2004年6月18日出願、US20050059624として公開)、米国特許出願第11/914,945号(2008年7月7日出願、US20080267873として公開)、米国特許出願第12/446,912号(2009年10月27日出願、US2010047261として公開、現在放棄されている)、米国特許出願第12/522,214号(2010年1月4日出願、US20100189729として公開)、米国特許出願第12/787,566号(2010年5月26日出願、US20110077287として公開)米国特許出願第12/787,755号(2010年5月26日出願、US20100239608として公開)、米国特許出願第13/185,119号(2011年7月18日出願、US20110269950として公開)、および米国特許出願第13/106,548号(2011年5月12日出願、US20110311472として公開)(いずれも全体が参照により本明細書に組み込まれる)に教示されているように設計することができる。
【0147】
ネイキッド送達
【0148】
本開示の医薬組成物または治療用組成物は、ネイキッド形態で細胞、組織、器官および/または生物に送達され得る。本明細書で使用される場合、「ネイキッド」という用語は、トランスフェクションまたは透過性を促進する薬剤または修飾を含まずに送達される医薬組成物または治療用組成物を指す。ネイキッド医薬組成物または治療用組成物は、当該分野で公知であり、本明細書に記載される投与経路を使用して、細胞、組織、器官および/または生物に送達され得る。いくつかの態様では、ネイキッド送達は、生理食塩水またはPBS等の単純な緩衝液中での製剤化を含み得る。
【0149】
製剤化送達
【0150】
本開示の組成物は、当技術分野で公知の任意の方法によって製剤化され得る。
【0151】
いくつかの態様では、本開示の医薬組成物または治療用組成物は、本明細書に記載の方法を使用して製剤化され得る。
【0152】
製剤は、修飾および/または未修飾であり得る医薬組成物または治療用組成物を含み得る。
【0153】
製剤は、限定されないが、細胞透過剤、薬学的に許容され得る担体、送達剤、生体侵食性または生体適合性ポリマー、溶媒、および/または持続放出送達デポーをさらに含み得る。本開示の製剤は、当技術分野で公知であり、本明細書に記載される投与経路を使用して細胞に送達され得る。
【0154】
医薬組成物または治療用組成物はまた、限定されないが、カテーテルを介した、ゲル、粉末、軟膏、クリーム、ゲル、ローション、および/または液滴による直接浸漬もしくは入浴、組成物でコーティングまたは含浸された布地または生分解性材料等の基材を使用すること等を含む、当技術分野におけるいくつかの方法のいずれかで臓器または組織への直接送達のために製剤化され得る。
【0155】
一例では、本明細書に記載の組成物は、RNAベースの(例えば、mRNA)ナノ粒子医薬または治療用組成物である。ナノ粒子は、限定されないが、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)(PLGA)ミクロスフェア、リピドイド、リポプレックス、リポソーム、ポリマー、炭水化物(単純糖を含む)、カチオン性脂質、およびそれらの組み合わせであり得る製剤を有する送達ビヒクル分子によってカプセル化されている、記載されるポリヌクレオチドを含み得る。
【0156】
一態様では、送達ビヒクル分子製剤は、少なくとも1つの脂質を含み得る。脂質は、限定されないが、DLin-DMA、DLin-K-DMA、98N12-5、C12-200、DLin-MC3-DMA、DLin-KC2-DMA、DODMA、PLGA、PEG、PEG-DMG、およびPEG化脂質から選択され得る。別の態様では、脂質は、限定されないが、DLin-DMA、DLin-D-DMA、DLin-MC3-DMA、DLin-KC2-DMA、およびDODMA等のカチオン性脂質であり得る。
【0157】
一態様では、送達ビヒクル分子は、ナノ粒子の幾何学的形状を有し得る。送達ビヒクルは、例えば、三級アミノ脂質付加カチオン性ペプチドを含んでいてもよいアミノ脂質付加ペプチド、例えば、それぞれの内容がその全体が参照により本明細書に組み込まれる、PCT出願第PCT/US19/53661、表題「LIPID NANOPARTICLE FORMULATIONS COMPRISING LIPIDATED CATIONIC PEPTIDE COMPOUNDS FOR NUCLEIC ACID DELIVERY」、2019年9月27日出願、およびPCT/US19/53655、表題「TERTIARY AMINO LIPIDATED CATIONIC PEPTIDES FOR NUCLEIC ACID DELIVERY」、2019年9月27日出願に記載されているもののいずれかであってもよい。ナノ粒子送達ビヒクルは、追加の脂質/成分を含み得る。例えば、アミノ脂質化ペプチドは、1またはそれを超えるリン脂質、例えばMSPCまたはDSPCを含み得る。脂質組成物はまた、DOTAP等の第4級アミン化合物を含むことができる。
【0158】
医薬組成物または治療用組成物は、例えば、米国特許出願公開第20180028688号(その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に教示されている送達ビヒクルのいずれかを使用して製剤化され得る。
【0159】
検出可能な薬剤および標識
【0160】
本開示の医薬組成物または治療用組成物は、1またはそれを超える放射性薬剤または検出可能な薬剤と会合し得るか、またはそれに結合し得る。これらの薬剤には、様々な有機小分子、無機化合物、ナノ粒子、酵素または酵素基質、蛍光材料、発光材料(例えば、ルミノール)、生物発光材料(例えば、ルシフェラーゼ、ルシフェリンおよびエクオリン)、化学発光材料、放射性材料(例えば、18F、67Ga、81mKr、82Rb、111In、123I、133Xe、201Tl、125I、35S、14C、H、または99mTc(例えば、過テクネチウム酸(テクネチウム酸塩(VII)、TcO )として)、および造影剤(例えば、金(例えば、金ナノ粒子)、ガドリニウム(例えば、キレート化Gd)、酸化鉄(例えば、超常磁性酸化鉄(SPIO)、単結晶酸化鉄ナノ粒子(MION)、および超小型超常磁性酸化鉄(USPIO))、マンガンキレート(例えば、Mn-DPDP)、硫酸バリウム、ヨウ素化造影剤(イオヘキソール)、マイクロバブル、またはパーフルオロカーボンが含まれる。そのような光学的に検出可能な標識としては、限定されないが、例えば、4-アセトアミド-4’-イソチオシアナトスチルベン-2,2’ジスルホン酸;アクリジンおよび誘導体(例えば、アクリジンおよびアクリジンイソチオシアネート);5-(2’-アミノエチル)アミノナフタレン-1-スルホン酸(EDANS);4-アミノ-N-[3-ビニルスルホニル)フェニル]ナフタルイミド-3,5-ジスルホネート;N-(4-アニリノ-1-ナフチル)マレイミド;アントラニルアミド;BODIPY;Brilliant Yellow;クマリンおよび誘導体(例えば、クマリン、7-アミノ-4-メチルクマリン(AMC、クマリン120)、および7-アミノ-4-トリフルオロメチルクマリン(クマリン151));シアニン色素;シアノシン;4’,6-ジアミニジノ-2-フェニルインドール(DAPI);5’5’’-ジブロモピロガロールスルホンナフタレン(ブロモピロガロールレッド);7-ジエチルアミノ-3-(4’-イソチオシアナトフェニル)-4-メチルクマリン;ジエチレントリアミンペンタアセテート;4,4’-ジイソチオシアナトジヒドロ-スチルベン-2,2’-ジスルホン酸;4,4’-ジイソチオシアナトスチルベン-2,2’-ジスルホン酸;5-[ジメチルアミノ]-ナフタレン-1-スルホニルクロリド(DNS、塩化ダンシル);4-ジメチルアミノフェニルアゾフェニル-4’-イソチオシアネート(DABITC);エオシンおよび誘導体(例えば、エオシンおよびエオシンイソチオシアネート);エリスロシンおよび誘導体(例えば、エリスロシンBおよびエリスロシンイソチオシアネート);エチジウム;フルオレセインおよび誘導体(例えば、5-カルボキシフルオレセイン(FAM)、5-(4,6-ジクロロトリアジン-2-イル)アミノフルオレセイン(DTAF)、2’,7’-ジメトキシ-4’5’-ジクロロ-6-カルボキシフルオレセイン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、X-ローダミン-5-(および-6)-イソチオシアネート(QFITCまたはXRITC)、およびフルオレサミン);2-[2-[3-[[1,3-ジヒドロ-1,1-ジメチル-3-(3-スルホプロピル)-2H-ベンズ[e]インドール-2-イリデン]エチリデン]-2-[4-(エトキシカルボニル)-1-ピペラジニル]-1-シクロペンテン-1-イル]エテニル]-1,1-ジメチル-3-(3-スルホプロピル)-1H-ベンズ[e]インドリウムヒドロキシド、分子内塩、n,n-ジエチルエタンアミンとの化合物(1:1)(IR144);5-クロロ-2-[2-[3-[(5-クロロ-3-エチル-2(3H)-ベンゾチアゾール-イリデン)エチリデン]-2-(ジフェニルアミノ)-1-シクロペンテン-1-イル]エテニル]-3-エチルベンゾチアゾリウムパークロレート(IR140);マラカイトグリーンイソチオシアネート;4-メチルウンベリフェロンオルソクレゾールフタレイン;ニトロチロシン;パラロアニリン;フェノールレッド;B-フィコエリトリン;o-フタルジアルデヒド;ピレンおよび誘導体(例えば、ピレン、酪酸ピレン、およびスクシンイミジル1-ピレン);酪酸塩量子ドット;Reactive Red4(CIBACRON(商標)Brilliant Red 3B-A);ローダミンおよび誘導体(例えば、6-カルボキシ-X-ローダミン(ROX)、6-カルボキシローダミン(R6G)、リッサミンローダミンBスルホニルクロリドローダニン(Rhod)、ローダミンB、ローダミン123、ローダミンXイソチオシアネート、スルホローダミンB、スルホローダミン101、スルホローダミン101のスルホニルクロライド誘導体(Texas Red)、N,N,N’,N’テトラメチル-6-カルボキシローダミン(TAMRA)テトラメチルローダミン、およびテトラメチルローダミンイソチオシアネート(TRITC));リボフラビン;ロソール酸;テルビウムキレート誘導体;シアニン-3(Cy3);シアニン-5(Cy5);シアニン-5.5(Cy5.5)、シアニン-7(Cy7);IRD 700;IRD 800;Alexa 647;La Jolta Blue;フタロシアニン;ならびにナフタロシアニンが挙げられる。
【0161】
いくつかの態様では、検出可能な薬剤は、活性化時に検出可能になる検出不能な前駆体(例えば、蛍光発生テトラジン-フルオロフォアコンストラクト例えば、テトラジン-BODIPY FL、テトラジン-Oregon Green 488、またはテトラジン-BODIPY TMR-X)または酵素活性化可能な蛍光発生剤(例えば、PROSENSE(登録商標)(VisEn Medical)))であり得る。酵素標識組成物を使用することができるin vitroアッセイとしては、限定されないが、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、免疫沈降アッセイ、免疫蛍光、酵素イムノアッセイ(EIA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)およびウエスタンブロット分析が挙げられる。
【0162】
キット
【0163】
本開示は、本開示の方法を簡便におよび/または効果的に実施するための様々なキットを含む。典型的には、キットは、使用者が対象の1つもしくは複数の処置を実施すること、および/または1つもしくは複数の実験を実施することを可能にするのに十分な量および/または数の成分を含む。
【0164】
一態様では、本開示は必要に応じて任意の他の適切な活性剤と組み合わせて、対象または患者において免疫応答を誘導するためのキットを提供する。
【0165】
キットは、製剤組成物を形成するための包装および説明書および/または送達剤をさらに含み得る。送達剤は、例えば、生理食塩水、緩衝液を含み得る。
【0166】
さらなる態様では、アッセイスクリーニングキットが提供される。キットは、スクリーニングアッセイ用の容器を含む。アッセイの使用説明書およびスクリーニング方法に関する情報はキットに含まれるものとする。
【0167】
用語
【0168】
ヌクレオチドは、一般に受け入れられている一文字コードによって言及される。別段の指示がない限り、核酸は、5’から3’方向に左から右に書かれる。ヌクレオチドは、IUPAC-IUB Biochemical Nomenclature Commissionによって推奨されるそれらの一般的に知られている一文字記号によって本明細書中で言及される。すなわち、Aはアデニン、Cはシトシン、Gはグアニン、Tはチミン、Uはウラシルである。
【0169】
アミノ酸は、一般に知られている3文字記号またはIUPAC-IUB生化学命名法委員会によって推奨される1文字記号のいずれかによって本明細書で言及される。別段示されない限り、アミノ酸配列は、アミノからカルボキシへの配向で左から右に表記される。
【0170】
約:本明細書および特許請求の範囲を通して数値に関連して使用される「約」という用語は、当業者によく知られており許容され得る精度の間隔を示す。一般に、このような精度の間隔は+10%である。
【0171】
範囲が与えられる場合、終点が含まれる。さらに、文脈および当業者の理解から特に指示されない限り、またはそうでなければ明らかでない限り、範囲として表される値は、文脈が明らかにそうでないことを指示しない限り、本開示の異なる態様において記載された範囲内の任意の特定の値または部分範囲を、範囲の下限の単位の10分の1まで想定し得る。
【0172】
組み合わせて投与される:本明細書で使用される場合、「組み合わせて投与される」、「同時投与」、「併用投与」または「併用療法」という用語は、患者に対する各薬剤の効果の重複があり得るように、2またはそれを超える薬剤が同時にまたは間隔内で対象に投与されることを意味する。いくつかの態様では、それらは互いに約60、30、15、10、5、または1分以内に投与される。いくつかの態様では、薬剤の投与は、組み合わせ(例えば、相乗的)効果が達成されるように互いに十分に近接している。
【0173】
アミノ酸置換:「アミノ酸置換」という用語は、親または参照配列(例えば、野生型配列)中に存在するアミノ酸残基を別のアミノ酸残基で置換することを指す。アミノ酸は、例えば、化学ペプチド合成を介して、または当技術分野で公知の組換え方法を介して、親配列または参照配列(例えば、野生型ポリペプチド配列)で置換され得る。したがって、「位置Xでの置換」への言及は、位置Xに存在するアミノ酸の代替アミノ酸残基での置換を指す。いくつかの態様では、置換パターンは、スキーマAnYに従って記載することができ、式中、Aは、天然に存在するかまたは元々位置nに存在するアミノ酸に対応する一文字コードであり、Yは、置換アミノ酸残基である。他の態様では、置換パターンは、スキーマAn(YZ)に従って記載することができ、式中、Aは、天然にまたは元々位置Xに存在するアミノ酸を置換するアミノ酸残基に対応する一文字コードであり、YおよびZは、代替置換アミノ酸残基である。
【0174】
本開示の文脈において、置換(アミノ酸置換と呼ばれる場合であっても)は、核酸レベルで行われ、すなわち、第1のアミノ酸をコードするコドンを第2のアミノ酸をコードするコドンで置換することによって、アミノ酸残基を代替アミノ酸残基で置換することが行われる。
【0175】
動物:本明細書で使用される場合、「動物」という用語は、動物界の任意のメンバーを指す。いくつかの態様では、「動物」は、発生の任意の段階のヒトを指す。いくつかの態様では、「動物」は、任意の発達段階の非ヒト動物を指す。特定の態様では、非ヒト動物は哺乳動物(例えば、齧歯類、マウス、ラット、ウサギ、サル、イヌ、ネコ、ヒツジ、ウシ、霊長類、またはブタ)である。いくつかの態様では、動物には、限定されないが、哺乳動物、鳥類、爬虫類、両生類、魚類および蠕虫類が含まれる。いくつかの態様では、動物は、トランスジェニック動物、遺伝子操作動物、またはクローンである。
【0176】
目的の抗原または所望の抗原:本明細書で使用される場合、「目的の抗原」または「所望の抗原」または「抗原」という用語は、免疫応答、例えば抗体の産生を誘発するタンパク質および/または他の生体分子を指す。いくつかの態様では、目的の抗原は、本明細書に記載のポリペプチドもしくはペイロードもしくはタンパク質、またはその断片もしくは部分のいずれかを含み得る。
【0177】
およそ:本明細書で使用される場合、「およそ」という用語は、1またはそれを超える目的の値に適用される場合、記載された基準値と同様の値を指す。特定の態様では、「およそ」という用語は、特に明記しない限り、または文脈から明らかでない限り(そのような数が可能な値の10%を超える場合を除く)、記載された基準値のいずれかの方向(より大きいまたはより小さい)において100%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%またはそれ未満に入る値の範囲を指す。
【0178】
関連する:疾患に関して本明細書で使用される場合、「関連する」という用語は、問題の症候、測定値、特徴、または状態がその疾患の診断、発症、存在、または進行に関連することを意味する。関連は、疾患に因果的に関連し得るが、そうである必要はない。
【0179】
2またはそれを超える部分に関して使用される場合、「~と会合した」、「コンジュゲートした」、「~と連結した」、「付着した」、および「~と繋がれた」という用語は、直接または連結剤として働く1またはそれを超えるさらなる部分を介して、部分が互いに物理的に会合または連結して、構造が使用される条件下、例えば生理学的条件下で部分が物理的に会合したままであるように十分に安定な構造を形成することを意味する。「会合」は、厳密に直接的な共有結合化学結合によるものである必要はない。それはまた、「会合した」実体が物理的に会合したままであるように、イオン結合もしくは水素結合またはハイブリダイゼーションに基づく接続性が十分に安定していることを示唆し得る。
【0180】
生体適合性:本明細書で使用される場合、「生体適合性」という用語は、生細胞、組織、器官、または系と適合性であり、免疫系による傷害、毒性、または拒絶のリスクがほとんどまたは全くないことを意味する。
【0181】
生分解性:本明細書で使用される場合、「生分解性」という用語は、生物の作用によって無害な製品に分解することができることを意味する。
【0182】
配列最適化:「配列最適化」という用語は、参照核酸配列中の核酸塩基が代替核酸塩基で置き換えられ、改善された特性、例えば改善されたタンパク質発現または免疫原性を有する核酸配列をもたらすプロセスまたは一連のプロセスを指す。
【0183】
一般に、配列最適化の目標は、参照ヌクレオチド配列によってコードされる同じポリペプチド配列をコードする同義ヌクレオチド配列を生成することである。したがって、参照ヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチドに関して、コドン最適化ヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチド中に(コドン最適化の結果として)アミノ酸置換は存在しない。
【0184】
コドン置換:配列最適化の文脈における「コドン置換」または「コドン置き換え」という用語は、参照核酸配列中に存在するコドンを別のコドンで置換することを指す。コドンは、例えば、化学ペプチド合成を介して、または当該分野で公知の組換え方法を介して、参照核酸配列において置換され得る。したがって、核酸配列中の特定の位置(例えば、mRNA)または核酸配列の特定の領域もしくは部分配列内(例えば、mRNA)における「置換」または「置き換え」への言及は、そのような位置または領域におけるコドンの代替コドンによる置換を指す。
【0185】
本明細書で使用される場合、「コード領域」および「コードする領域」という用語ならびにその文法上の変形は、発現時にポリペプチドまたはタンパク質を生成するポリヌクレオチド中のオープンリーディングフレーム(ORF)を指す。
【0186】
化合物:本明細書で使用される場合、「化合物」という用語は、示された構造の全ての立体異性体および同位体を含むことを意味する。本明細書で使用される場合、「立体異性体」という用語は、化合物の任意の幾何異性体(例えば、シス-およびトランス-異性体)、エナンチオマー、またはジアステレオマーを意味する。本開示は、立体異性的に純粋な形態(例えば、幾何学的に純粋、エナンチオマー的に純粋、またはジアステレオマー的に純粋)ならびに鏡像異性体および立体異性体の混合物、例えばラセミ体を含む、本明細書に記載の化合物のありとあらゆる立体異性体を包含する。化合物のエナンチオマーおよび立体異性体の混合物ならびにそれらをそれらの成分エナンチオマーまたは立体異性体に分割する手段は周知である。「同位体」は、同じ原子番号を有するが、核内の異なる数の中性子から生じる異なる質量数を有する原子を指す。例えば、水素の同位体には、トリチウムおよび重水素が含まれる。さらに、本開示の化合物、塩または複合体は、溶媒または水分子と組み合わせて調製して、溶媒和物および水和物を日常的な方法によって形成することができる。
【0187】
保存的アミノ酸置換:「保存的アミノ酸置換」は、アミノ酸残基が類似の側鎖を有するアミノ酸残基で置換されたものである。類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは当技術分野で定義されており、塩基性側鎖(例えば、リジン、アルギニンまたはヒスチジン)、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸またはグルタミン酸)、非荷電極性側鎖(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシンまたはシステイン)、非極性側鎖(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニンまたはトリプトファン)、ベータ分岐側鎖(例えば、トレオニン、バリン、イソロイシン)および芳香族側鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、またはヒスチジン)を含む。したがって、ポリペプチド中のアミノ酸が同じ側鎖ファミリーからの別のアミノ酸で置換されている場合、アミノ酸置換は保存的であると考えられる。別の態様では、アミノ酸のストリングを、側鎖ファミリーメンバーの順序および/または組成が異なる構造的に類似したストリングで保存的に置換することができる。
【0188】
非保存的アミノ酸置換には、(i)電気陽性側鎖(例えば、Arg、HisまたはLys)を有する残基が電気陰性残基(例えば、GluまたはAsp)に置換されるか、もしくは電気陰性残基によって置換されるもの、(ii)親水性残基(例えば、SerまたはThr)が疎水性残基(例えば、Ala、Leu、Ile、PheまたはVal)に置換されるか、もしくは疎水性残基によって置換されるもの、(iii)システインもしくはプロリンが任意の他の残基に置換されるか、もしくは他の残基によって置換されるもの、または(iv)かさ高い疎水性もしくは芳香族側鎖(例えば、Val、His、IleまたはTrp)を有する残基が、より小さい側鎖(例えば、AlaまたはSer)を有する残基に置換されるか、もしくは側鎖を有さない残基(例えば、Gly)によって置換されるものが含まれる。
【0189】
他のアミノ酸置換は、当業者によって容易に同定され得る。例えば、アミノ酸アラニンの場合、置換は、D-アラニン、グリシン、β-アラニン、L-システイン、およびD-システインのいずれか1つから行うことができる。リジンの場合、置き換えは、D-リジン、アルギニン、D-アルギニン、ホモ-アルギニン、メチオニン、D-メチオニン、オルニチン、またはD-オルニチンのいずれか1つであり得る。一般に、単離されたポリペプチドの特性の変化を誘導すると予想され得る機能的に重要な領域における置換は、(i)極性残基(例えば、セリンまたはトレオニン)が疎水性残基(例えば、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニンまたはアラニン)に(またはそれによって)置換されたもの;(ii)システイン残基が任意の他の残基に(またはそれによって)置換されたもの;(iii)電気陽性側鎖を有する残基、例えば、リジン、アルギニンまたはヒスチジンが、電気陰性側鎖を有する残基、例えば、グルタミン酸またはアスパラギン酸に(またはそれによって)置換されたもの;または(iv)かさ高い側鎖を有する残基、例えばフェニルアラニンが、そのような側鎖を有さない残基、例えばグリシンに(またはそれによって)置換されているものである。前述の非保存的置換の1つがタンパク質の機能的特性を変化させる可能性は、タンパク質の機能的に重要な領域に対する置換の位置にも相関する。したがって、いくつかの非保存的置換は、生物学的特性にほとんどまたは全く影響を及ぼさない可能性がある。
【0190】
保存された:本明細書で使用される場合、「保存された」という用語は、比較される2またはそれを超える配列の同じ位置に変化せずに生じるものである、それぞれポリヌクレオチド配列またはポリペプチド配列のヌクレオチドまたはアミノ酸残基を指す。比較的保存されているヌクレオチドまたはアミノ酸は、配列の他の場所に現れるヌクレオチドまたはアミノ酸よりも関連する配列の間で保存されているものである。
【0191】
いくつかの態様では、2またはそれを超える配列が互いに100%同一である場合、それらは「完全に保存されている」と言われる。いくつかの態様では、2またはそれを超える配列は、それらが互いに少なくとも70%同一、少なくとも80%同一、少なくとも90%同一、または少なくとも95%同一である場合、「高度に保存されている」と言われる。いくつかの態様では、2またはそれを超える配列が互いに約70%同一、約80%同一、約90%同一、約95%、約98%、または約99%同一である場合、それらは「高度に保存されている」と言われる。いくつかの態様では、2またはそれを超える配列は、それらが互いに少なくとも30%同一、少なくとも40%同一、少なくとも50%同一、少なくとも60%同一、少なくとも70%同一、少なくとも80%同一、少なくとも90%同一、または少なくとも95%同一である場合、「保存されている」と言われる。いくつかの態様では、2またはそれを超える配列が互いに約30%同一、約40%同一、約50%同一、約60%同一、約70%同一、約80%同一、約90%同一、約95%同一、約98%同一または約99%同一である場合、それらは「保存されている」と言われる。配列の保存は、ポリヌクレオチドまたはポリペプチドの全長に適用され得るか、またはその一部、領域もしくは特徴に適用され得る。
【0192】
接触する:本明細書で使用される場合、「接触する」という用語は、2またはそれを超える実体間の物理的接続を確立することを意味する。例えば、哺乳動物細胞を組成物と接触させることは、哺乳動物細胞と組成物とが物理的接続を共有するようにされることを意味する。in vivoおよびex vivoの両方で細胞を外部実体と接触させる方法は、生物学的分野で周知である。例えば、組成物と哺乳動物内に配置された哺乳動物細胞との接触は、様々な投与経路(例えば、静脈内、筋肉内、皮内、および皮下)によって行われ得、様々な量の組成物を含み得る。さらに、2つ以上の哺乳動物細胞を組成物と接触させることができる。
【0193】
制御放出:本明細書で使用される場合、「制御放出」という用語は、所望の、例えば治療結果をもたらすための特定の放出パターンに適合する医薬組成物もしくは治療用組成物または化合物放出プロファイルを指す。
【0194】
共有結合性誘導体:ポリペプチドに言及する場合の「共有結合性誘導体」という用語は、有機タンパク質性または非タンパク質性誘導体化剤によるネイティブまたは出発タンパク質の修飾および/または翻訳後修飾を含む。共有結合修飾は、伝統的に、タンパク質の標的アミノ酸残基を、選択された側鎖または末端残基と反応することができる有機誘導体化剤と反応させることによって、または選択された組換え宿主細胞において機能する翻訳後修飾の機構を利用することによって導入される。得られた共有結合性誘導体は、生物学的活性、イムノアッセイ、または組換え糖タンパク質の免疫親和性精製のための抗タンパク質抗体の調製に重要な残基を同定することを対象とするプログラムにおいて有用である。そのような修飾は、当業者の技術の範囲内であり、過度の実験を行うことなく行われる。
【0195】
環状または環化:本明細書で使用される場合、「環状」という用語は、連続ループの存在を指す。環状分子は、環状である必要はなく、結合してサブユニットの切断されていない鎖を形成するだけである。操作されたRNAまたはmRNA等の環状分子は、単一単位または多量体であり得るか、または複合体もしくは高次構造の1またはそれを超える成分を含み得る。
【0196】
細胞傷害性:本明細書で使用される場合、「細胞傷害性」とは、細胞(例えば、哺乳動物細胞(例えば、ヒト細胞))、細菌、ウイルス、真菌、原虫、寄生生物、プリオン、またはそれらの組み合わせを死滅させるか、または細胞に有害、毒性、または致命的な影響を引き起こすことを指す。
【0197】
送達:本明細書で使用される場合、「送達する」という用語は、目的地に実体を提供することを意味する。例えば、ポリヌクレオチドを対象に送達することは、組成物を対象に投与すること(例えば、静脈内、筋肉内、皮内、または皮下経路によって)を含み得る。哺乳動物または哺乳動物細胞への組成物の投与は、1またはそれを超える細胞を組成物と接触させることを含み得る。
【0198】
送達ビヒクル:本明細書で使用される場合、「送達ビヒクル」は、標的細胞または組織(例えば、腫瘍等)へのポリヌクレオチドのin vivo、in vitro、またはex vivo送達を少なくとも部分的に促進する任意の物質を指す。送達ビヒクルとして何かを参照することは、それが治療効果も有さない可能性があることを意味しない。
【0199】
不安定化された:本明細書で使用される場合、「不安定」、「不安定化する」または「不安定化領域」という用語は、同じ領域または分子の出発形態、野生型形態、またはネイティブ形態よりも安定性が低い領域または分子を意味する。
【0200】
検出可能な標識:本明細書で使用される場合、「検出可能な標識」は、ラジオグラフィ、蛍光、化学発光、酵素活性、吸光度等を含む当技術分野で公知の方法によって容易に検出される別の実体に付着され、組み込まれ、または会合する1またはそれを超えるマーカー、シグナル、または部分を指す。検出可能な標識としては、放射性同位体、フルオロフォア、発色団、酵素、色素、金属イオン、ビオチン、アビジン、ストレプトアビジンおよびハプテン等のリガンド、量子ドット等が挙げられる。検出可能な標識は、本明細書に開示されるペプチドまたはタンパク質の任意の位置に配置することができる。それらは、アミノ酸、ペプチドもしくはタンパク質内にあり得るか、またはN末端もしくはC末端に位置し得る。
【0201】
ジアステレオマー:本明細書で使用される場合、「ジアステレオマー」という用語は、互いに鏡像ではなく、互いに重ね合わせることができない立体異性体を意味する。
【0202】
消化:本明細書で使用される場合、「消化する」という用語は、より小さな断片または成分に分解することを意味する。ポリペプチドまたはタンパク質に言及する場合、消化はペプチドの産生をもたらす。
【0203】
遠位:本明細書で使用される場合、「遠位」という用語は、中心から離れて、または目的の点もしくは領域から離れて位置することを意味する。
【0204】
ドメイン:本明細書で使用される場合、ポリペプチドに言及する場合、「ドメイン」という用語は、1またはそれを超える同定可能な構造的または機能的特徴または特性(例えば、タンパク質-タンパク質相互作用のための部位として働く結合能)を有するポリペプチドのモチーフを指す。
【0205】
投薬レジメン:本明細書で使用される場合、「投薬レジメン」または「投薬レジメン」は、処置、予防、または緩和ケアの投与スケジュールまたは医師が決定したレジメンである。
【0206】
有効量:本明細書で使用される場合、薬剤の「有効量」という用語は、有益なまたは所望の結果、例えば臨床結果をもたらすのに十分な量であり、したがって「有効量」は、それが適用される文脈に依存する。「有効量」という用語は、「有効用量」、「治療有効量」、または「治療有効用量」と互換的に使用することができる。
【0207】
エナンチオマー:本明細書で使用される場合、「エナンチオマー」という用語は、少なくとも80%(すなわち、少なくとも90%の一方のエナンチオマーおよび多くとも10%の他方のエナンチオマー)、少なくとも90%、または少なくとも98%の光学純度またはエナンチオマー過剰率(当技術分野の方法標準によって決定される)を有する本開示の化合物の個々の光学活性形態を意味する。
【0208】
カプセル化する:本明細書で使用される場合、「カプセル化する」という用語は、封入する、取り囲む、または包むことを意味する。
【0209】
操作された:本明細書で使用される場合、本開示の態様は、構造的または化学的にかかわらず、出発点、野生型またはネイティブ分子から変化する特徴または特性を有するように設計されている場合、「操作されている」。
【0210】
増強された送達:本明細書で使用される場合、「増強された送達」という用語は、対照組成物による目的の標的組織への送達レベルと比較して、目的の標的組織(例えば、哺乳動物の肝臓)へのより多くの(例えば、少なくとも1.5倍以上、少なくとも2倍以上、少なくとも3倍以上、少なくとも4倍以上、少なくとも5倍以上、少なくとも6倍以上、少なくとも7倍以上、少なくとも8倍以上、少なくとも9倍以上、少なくとも10倍以上)組成物の送達を意味する。送達レベルは、組織内で産生されたタンパク質の量を前記組織の重量と比較すること、組織内のポリヌクレオチドの量を当該組織の重量と比較すること、組織内で産生されたタンパク質の量を当該組織内の総タンパク質の量と比較すること、または組織内のポリヌクレオチドの量を当該組織内の総ポリヌクレオチドの量と比較することによって測定され得る。標的組織への増強された送達は、処置されている対象において決定される必要はなく、動物モデル(例えば、ラットモデル)等の代理で決定され得ることが理解されよう。
【0211】
エキソソーム:本明細書で使用される場合、「エキソソーム」は、哺乳動物細胞によって分泌される小胞である。
【0212】
発現:本明細書で使用される場合、核酸配列の「発現」は、以下の1またはそれを超える事象を指す:(1)DNA配列からのRNA鋳型の作製(例えば、転写によって);(2)RNA転写物(例えば、スプライシング、編集、5’キャップ形成、および/または3’末端処理によって)のプロセシング;(3)RNAのポリペプチドまたはタンパク質への翻訳;(4)ポリペプチドまたはタンパク質の翻訳後修飾。
【0213】
ex vivo:本明細書で使用される場合、「ex vivo」という用語は、生物(例えば、動物、植物、または微生物、またはその細胞もしくは組織)の外部で起こる事象を指す。ex vivo事象は、天然の(例えば、in vivo)環境からほとんど変化しない環境で起こり得る。
【0214】
特徴:本明細書で使用される場合、「特徴」は、特性、特性、または他と異なる要素を指す。ポリペプチドに言及する場合、「特徴」は、分子の異なるアミノ酸配列に基づく成分として定義される。本開示のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドの特徴としては、表面発現、局所的立体配座形状、折り畳み、ループ、ハーフループ、ドメイン、ハーフドメイン、部位、末端、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0215】
製剤:本明細書で使用される場合、「製剤」は、少なくともポリヌクレオチドまたはポリペプチドと、1またはそれを超える担体、賦形剤、および送達剤またはビヒクルとを含む。
【0216】
前方散乱(FSC):本明細書で使用される場合、前方散乱またはFSCは、レーザーの経路に沿って細胞によって散乱された光を検出するフローサイトメトリー測定である。
【0217】
断片:本明細書で使用される「断片」は、部分を指す。例えば、タンパク質の断片は、培養細胞から単離された全長タンパク質を消化することによって得られたポリペプチドを含むことができる。いくつかの態様では、断片は、N末端、および/またはC末端、および/または内部部分配列が欠失している完全長タンパク質(例えば、IL-23のサブユニットの1つ)の部分配列である。本開示のいくつかの好ましい態様では、本開示のタンパク質の断片は機能性断片である。
【0218】
機能性:本明細書で使用される場合、「機能性」生体分子は、それが特徴付けられる特性および/または活性を示す形態の生体分子である。
【0219】
相同性:本明細書で使用される場合、「相同性」という用語は、ポリマー分子間、例えば核酸分子間(例えば、DNA分子および/またはRNA分子)および/またはポリペプチド分子間の全体的な関連性を指す。一般に、「相同性」という用語は、2つの分子間の進化的関係を意味する。したがって、相同な2つの分子は、共通の進化的祖先を有する。本開示の文脈において、相同性という用語は、同一性と類似性の両方を包含する。
【0220】
いくつかの態様では、ポリマー分子は、分子中のモノマーの少なくとも25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%が同一である(全く同じモノマー)か、または類似している(保存的置換)場合、互いに「相同」であるとみなされる。「相同」という用語は、必然的に少なくとも2つの配列(ポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列)間の比較を指す。
【0221】
同一性:本明細書で使用される場合、「同一性」という用語は、ポリマー分子間、例えばポリヌクレオチド分子間(例えば、DNA分子および/またはRNA分子)および/またはポリペプチド分子間の全体的なモノマー保存を指す。2つのポリヌクレオチド配列の同一性パーセントの計算は、例えば、最適な比較目的のために2つの配列を整列させることによって行うことができる(例えば、最適なアラインメントのために第1および第2の核酸配列の一方または両方にギャップを導入することができ、比較目的のために非同一配列を無視することができる)。ある特定の態様では、比較のためにアラインメントされる配列の長さは、参照配列の長さの少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%である。次いで、対応するヌクレオチド位置のヌクレオチドを比較する。第1の配列中の位置が第2の配列中の対応する位置と同じヌクレオチドによって占められている場合、分子はその位置で同一である。2つの配列間の同一性パーセントは、2つの配列の最適なアラインメントのために導入する必要がある、ギャップの数および各ギャップの長さを考慮した、配列によって共有される同一の位置の数の関数である。配列の比較および2つの配列間の同一性パーセントの決定は、数学的アルゴリズムを使用して達成することができる。DNAとRNAを比較すると、チミン(T)とウラシル(U)は同等と考えることができる。
【0222】
適切なソフトウェアプログラムは、様々な供給源から、ならびにタンパク質およびヌクレオチド配列の両方のアラインメントのために利用可能である。配列同一性パーセントを決定するための1つの適切なプログラムは、米国政府の国立バイオテクノロジー情報センターのBLASTウェブサイト(blast.ncbi.nlm.nih.gov)から入手可能なBLASTプログラム一式の一部であるbl2seqである。bl2seqは、BLASTNまたはBLASTPアルゴリズムのいずれかを使用して2つの配列間の比較を実行する。BLASTNは核酸配列を比較するために使用され、BLASTPはアミノ酸配列を比較するために使用される。他の適切なプログラムは、例えば、Needle、Stretcher、Water、またはMatcher、バイオインフォマティクスプログラムのEMBOSS一式の一部であり、European Bioinformatics Institute(EBI)からも入手可能である。
【0223】
配列アラインメントは、MAFFT、Clustal(ClustalW、Clustal XまたはClustal Omega)、MUSCLE等の当技術分野で公知の方法を使用して行うことができる。
【0224】
ポリヌクレオチドまたはポリペプチド参照配列と整列する単一のポリヌクレオチドまたはポリペプチド標的配列内の異なる領域は、それぞれ独自のパーセント配列同一性を有することができる。
【0225】
特定の態様では、第2のアミノ酸配列(または核酸配列)に対する第1のアミノ酸配列(または核酸配列)の同一性パーセント「%ID」は、%ID=100×(Y/Z)として計算され、式中、Yは、(目視検査または特定の配列アラインメントプログラムによってアラインメントされた)第1および第2の配列のアラインメントにおいて同一のマッチとしてスコア付けされたアミノ酸残基(または核酸塩基)の数であり、Zは、第2の配列中の残基の総数である。第1の配列の長さが第2の配列よりも長い場合、第2の配列に対する第1の配列の同一性パーセントは、第1の配列に対する第2の配列の同一性パーセントよりも高くなる。
【0226】
当業者は、パーセント配列同一性の計算のための配列アラインメントの生成が、一次配列データによって排他的に駆動される二次配列-配列比較に限定されないことを理解するであろう。配列アライメントは、構造データ(例えば、結晶学的タンパク質構造)、機能データ(例えば、変異の位置)、または系統発生データ等の異種ソースからのデータと配列データを統合することによって生成できることも理解されよう。異種データを統合して多重配列アラインメントを生成する適切なプログラムは、www.tcoffee.orgで入手可能であり、あるいは例えばEBIから入手可能なT-Coffeeである。配列同一性パーセントを計算するために使用される最終アラインメントは、自動的にまたは手動でキュレートすることができることも理解される。
【0227】
免疫応答:「免疫応答」という用語は、例えば、リンパ球、抗原提示細胞、食細胞、顆粒球、および上記の細胞によって産生される可溶性高分子(抗体、サイトカインおよび補体を含む)の作用であって、侵入病原体、病原体に感染した細胞もしくは組織、癌性細胞、または自己免疫もしくは病理学的炎症の場合には正常なヒト細胞もしくは組織に対する選択的損傷、破壊、または人体からの排除をもたらす作用を指す。
【0228】
炎症応答:「炎症性応答」は、特異的および非特異的な防御系を含む免疫応答を指す。特異的な防御系反応は、抗原に対する特異的な免疫系反応である。特異的な防御系反応の例としては、抗体応答が挙げられる。非特異的防御系反応は、一般に免疫記憶ができない白血球、例えばマクロファージ、好酸球および好中球によって媒介される炎症反応である。いくつかの態様では、免疫応答には、炎症性サイトカインの分泌が含まれ、その結果、炎症性サイトカインレベルが上昇する。
【0229】
炎症性サイトカイン:「炎症性サイトカイン」という用語は、炎症反応において上昇するサイトカインを指す。炎症性サイトカインの例としては、インターロイキン-6(IL-6)、CXCL1(ケモカイン(C-X-Cモチーフ)リガンド1(GROcとしても知られる)、インターフェロン-γ(IFNγ)、腫瘍壊死因子α(TNFα)、インターフェロンγ誘導性タンパク質10(IP-10)、または顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)が挙げられる。炎症性サイトカインという用語には、当技術分野で公知の炎症応答に関連する他のサイトカイン、例えばインターロイキン-1(IL-1)、インターロイキン-8(IL-8)、インターロイキン-12(L-12)、インターロイキン-13(IL-13)、インターフェロンα(IFN-α)等も含まれる。
【0230】
in vitro:本明細書で使用される場合、「in vitro」という用語は、生物(例えば、動物、植物または微生物)内ではなく、人工環境、例えば試験管または反応容器内、細胞培養中、ペトリ皿内等で起こる事象を指す。
【0231】
in vivo:本明細書で使用される場合、「in vivo」という用語は、生物(例えば、動物、植物、または微生物、またはその細胞もしくは組織)内で起こる事象を指す。
【0232】
挿入および欠失変異体:ポリペプチドに言及する場合の「挿入変異体」は、ネイティブ配列または出発配列の特定の位置のアミノ酸に直接隣接して挿入された1またはそれを超えるアミノ酸を有するものである。アミノ酸に「直接隣接する」とは、アミノ酸のα-カルボキシまたはα-アミノ官能基のいずれかに連結されていることを意味する。ポリペプチドに言及する場合の「欠失変異体」は、ネイティブまたは出発アミノ酸配列中の1またはそれを超えるアミノ酸が除去されたものである。通常、欠失変異体は、分子の特定の領域で1またはそれを超えるアミノ酸が欠失している。
【0233】
インタクト:本明細書で使用される場合、ポリペプチドの文脈において、「インタクト」という用語は、野生型タンパク質に対応するアミノ酸を保持すること、例えば野生型アミノ酸を変異または置換しないことを意味する。逆に、核酸との関連において、「インタクト」という用語は、野生型核酸に対応する核酸塩基を保持すること、例えば、野生型核酸塩基を変異または置換しないことを意味する。
【0234】
単離された:本明細書で使用される場合、「単離された」という用語は、それが会合していた成分の少なくともいくつかから分離された物質または実体を指す(自然界または実験環境にかかわらず)。単離された物質(例えば、ヌクレオチド配列またはタンパク質配列)は、それらが会合している物質に関して様々なレベルの純度を有することができる。単離された物質および/または実体は、それらが最初に会合していた他の成分の少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%またはそれを超えて分離することができる。いくつかの態様では、単離された作用物質は、約80%超、約85%超、約90%超、約91%超、約92%超、約93%超、約94%超、約95%超、約96%超、約97%超、約98%超、約99%超もしくは約99%超またはそれを超えて純粋である。本明細書で使用される場合、物質は、他の成分を実質的に含まない場合、「純粋」である。「実質的に単離された」という用語は、化合物が形成または検出された環境から実質的に分離されていることを意味する。部分分離は、例えば、本開示の化合物が濃縮された組成物を含み得る。実質的な分離は、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、または少なくとも約99%(重量基準)の本開示の化合物またはその塩を含有する組成物を含み得る。
【0235】
「単離された」本明細書に開示されるポリヌクレオチド、ベクター、ポリペプチド、細胞、または任意の組成物は、天然には見られない形態のポリヌクレオチド、ベクター、ポリペプチド、細胞、または組成物である。単離されたポリヌクレオチド、ベクター、ポリペプチドまたは組成物には、それらがもはや自然界で見出される形態ではない程度まで精製されたものが含まれる。いくつかの態様では、単離されるポリヌクレオチド、ベクター、ポリペプチドまたは組成物は実質的に純粋である。
【0236】
異性体:本明細書で使用される場合、「異性体」という用語は、本開示の任意の化合物の任意の互変異性体、立体異性体、エナンチオマー、またはジアステレオマーを意味する。本開示の化合物は、1またはそれを超えるキラル中心および/または二重結合を有することができ、したがって、二重結合異性体(すなわち、幾何E/Z異性体)またはジアステレオマー(例えば、エナンチオマー(すなわち、(+)または(-))またはシス/トランス異性体)等の立体異性体として存在することができることが認識されている。本開示によれば、本明細書に示される化学構造、したがって本開示の化合物は、対応する立体異性体の全て、すなわち立体異性体的に純粋な形態(例えば、幾何学的に純粋、エナンチオマー的に純粋、またはジアステレオマー的に純粋)ならびに鏡像異性体および立体異性体の混合物、例えばラセミ体の両方を包含する。本開示の化合物のエナンチオマーおよび立体異性体混合物は、典型的には、キラル相ガスクロマトグラフィー、キラル相高速液体クロマトグラフィー、化合物をキラル塩錯体として結晶化すること、または化合物をキラル溶媒中で結晶化すること等の周知の方法によって、それらの成分エナンチオマーまたは立体異性体に分割することができる。エナンチオマーおよび立体異性体はまた、周知の不斉合成法によって、立体異性的またはエナンチオマー的に純粋な中間体、試薬および触媒から得ることができる。
【0237】
リンカー:本明細書で使用される場合、「リンカー」は、原子群、例えば10~1,000個の原子を指し、限定されないが、炭素、アミノ、アルキルアミノ、酸素、硫黄、スルホキシド、スルホニル、カルボニルおよびイミン等の原子または基から構成され得る。リンカーは、第1の末端で核酸塩基または糖部分上の修飾されたヌクレオシドまたはヌクレオチドに、および第2の末端でペイロード、例えば検出可能または治療薬に結合することができる。リンカーは、核酸配列への組み込みを妨げないように十分な長さであり得る。リンカーは、本明細書中に記載されるように、任意の有用な目的のため、例えば、ポリヌクレオチドマルチマー(例えば、2またはそれを超えるキメラポリヌクレオチド分子またはIVTポリヌクレオチドの連結を介して)またはポリヌクレオチドコンジュゲートを形成するために、また同様に、ペイロードを投与するために使用され得る。
【0238】
ポリペプチド、例えばアミノ酸またはポリヌクレオチド、例えばヌクレオシドのモノマーまたはマルチパーをリンカーとして利用することができる。例えば、短いペプチドは、2つのタンパク質またはポリペプチド間のリンカーとして作用し得る。同様に、2つのポリヌクレオチド間のリンカーとして働く一連のヌクレオシドまたはヌクレオチドが存在し得る。
【0239】
リンカーに組み込まれ得る化学基の例としては、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミド、アミノ、エーテル、チオエーテル、エステル、アルキレン、ヘテロアルキレン、アリールまたはヘテロシクリルが挙げられるが、これらに限定されず、これらはそれぞれ、本明細書に記載されるように、必要に応じて置換されていてもよい。リンカーの例としては、限定されないが、不飽和アルカン、ポリエチレングリコール(例えば、エチレンまたはプロピレングリコールモノマー単位、例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、またはテトラエチレングリコール)、およびデキストランポリマー、ならびにそれらの誘導体が挙げられる。他の例としては、限定されないが、還元剤または光分解を使用して切断することができる、例えばジスルフィド結合(-S-S-)またはアゾ結合(-N=N-)等のリンカー内の切断可能な部分が含まれる。選択的に切断可能な結合の非限定的な例としては、例えばトリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)または他の還元剤の使用によって切断され得るアミド結合、および/または光分解、ならびに例えば酸性または塩基性加水分解によってエステル結合が切断され得るアミド結合が挙げられる。
【0240】
投与方法:本明細書で使用される場合、「投与方法」は、静脈内、筋肉内、皮内、皮下、または組成物を対象に送達する他の方法を含み得る。投与方法は、身体の特定の領域または系への送達(例えば、具体的に送達するために、)を標的とするように選択され得る。
【0241】
修飾:本明細書で使用される場合、「修飾された」とは、本開示の分子の変化した状態または構造を指す。分子は、化学的、構造的、および機能的を含む多くの方法で修飾することができる。いくつかの態様では、本開示のmRNA分子は、例えば天然リボヌクレオチドA、U、GおよびCに関連するように、非天然ヌクレオシドおよび/またはヌクレオチドの導入によって修飾される。キャップ構造等の非カノニカルヌクレオチドは、A、C、G、Uリボヌクレオチドの化学構造とは異なるが、「修飾されている」とはみなされない。
【0242】
天然に存在する:本明細書で使用される場合、「天然に存在する」とは、人工的な補助なしに自然に存在することを意味する。
【0243】
非ヒト脊椎動物:本明細書で使用される場合、「非ヒト脊椎動物」は、野生種および家畜種を含むホモサピエンスを除く全ての脊椎動物を含む。非ヒト脊椎動物の例としては、限定されないが、アルパカ、バンテン、バイソン、ラクダ、ネコ、ウシ、シカ、イヌ、ロバ、ガヤル、ヤギ、モルモット、ウマ、ラマ、ラバ、ラバ、ブタ、ウサギ、トナカイ、ヒツジスイギュウ、およびヤク等の哺乳動物が挙げられる。
【0244】
核酸配列:「核酸配列」、「ヌクレオチド配列」または「ポリヌクレオチド配列」という用語は互換的に使用され、連続した核酸配列を指す。配列は、一本鎖または二本鎖のDNAまたはRNA、例えばmRNAであり得る。
【0245】
「核酸」という用語は、その最も広い意味で、ヌクレオチドのポリマーを含む任意の化合物および/または物質を含む。これらのポリマーは、ポリヌクレオチドと呼ばれることが多い。本開示の例示的な核酸またはポリヌクレオチドとしては、限定されないが、リボ核酸(RNA)、デオキシリボ核酸(DNA)、トレオース核酸(TNA)、グリコール核酸(GNA)、ペプチド核酸(PNA)、ロックド核酸(β-D-リボ配置を有するLNA、α-L-リボ配置を有するα-LNA(LNAのジアステレオマー)、2’-アミノ官能基化を有する2’-アミノLNA、および2’-アミノ官能基化を有する2’-アミノ-α-LNAを含むLNA)、エチレン核酸(ENA)、シクロヘキセニル核酸(CeNA)もしくはハイブリッド、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0246】
「をコードするヌクレオチド配列」という語句は、ポリペプチドをコードする核酸(例えば、mRNAまたはDNA分子)コード配列を指す。コード配列は、核酸が投与される個体または哺乳動物の細胞における発現を指示することができるプロモーターおよびポリアデニル化シグナルを含む、調節要素に作動可能に連結された開始シグナルおよび終結シグナルをさらに含むことができる。コード配列は、シグナルペプチドをコードする配列をさらに含み得る。
【0247】
オフターゲット:本明細書で使用される場合、「オフターゲット」は、任意の1またはそれを超える標的、遺伝子、または細胞転写物に対する任意の意図しない効果を指す。
【0248】
オープンリーディングフレーム:本明細書で使用される場合、「オープンリーディングフレーム」または「ORF」は、所与のリーディングフレーム中に終止コドンを含まない配列を指す。
【0249】
作動可能に連結された:本明細書で使用される場合、「作動可能に連結された」という語句は、2またはそれを超える分子、コンストラクト、転写物、実体、部分等の間の機能的連結を指す。
【0250】
必要に応じて置換された:本明細書では、「必要に応じて置換されたX」(例えば、必要に応じて置換されたアルキル)という形態の語句は、「Xであって、Xは必要に応じて置換されている)」(例えば、「アルキルであって、当該アルキルは必要に応じて置換されている、アルキル」)と同等であることを意図している。特徴「X」(例えば、アルキル)自体が任意であることを意味するものではない。
【0251】
部分:本明細書で使用される場合、ポリヌクレオチドの「部分」または「領域」は、ポリヌクレオチドの全長未満であるポリヌクレオチドの任意の部分として定義される。同様に、ポリペプチドの「部分」または「領域」は、ポリヌクレオチドの全長より短いポリペプチドの任意の部分として定義される。
【0252】
患者:本明細書で使用される場合、「患者」は、特定の疾患または症状について訓練された専門家による処置を求めているか、または治療を必要としている、処置を必要としている、処置を受けている、処置を受けるであろう対象、またはケアされている対象を指す。
【0253】
薬学的に許容され得る:「薬学的に許容され得る」という語句は、健全な医学的判断の範囲内で、合理的な利益/リスク比に見合った、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症なしにヒトおよび動物の組織と接触して使用するのに適した化合物、材料、組成物、および/または剤形を指すために本明細書で使用される。
【0254】
薬学的に許容され得る賦形剤:本明細書で使用される「薬学的に許容され得る賦形剤」という語句は、本明細書に記載される化合物(例えば、活性化合物を懸濁または溶解することができるビヒクル)以外の、患者において実質的に非毒性かつ非炎症性であるという特性を有する任意の成分を指す。賦形剤としては、例えば、付着防止剤、酸化防止剤、結合剤、コーティング、圧縮助剤、崩壊剤、染料(着色剤)、皮膚軟化剤、乳化剤、充填剤(希釈剤)、皮膜形成剤またはコーティング、香味剤、香料、滑剤(流動促進剤)、潤滑剤、防腐剤、印刷インク、吸着剤、懸濁剤または分散剤、甘味料、および水和水を挙げることがでいきる。例示的な賦形剤としては、限定されないが、以下が挙げられる:ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム(二塩基性)、ステアリン酸カルシウム、クロスカルメロース、架橋ポリビニルピロリドン、クエン酸、クロスポビドン、システイン、エチルセルロース、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ラクトース、ステアリン酸マグネシウム、マルチトール、マンニトール、メチオニン、メチルセルロース、メチルパラベン、微結晶セルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポビドン、アルファ化デンプン、プロピルパラベン、パルミチン酸レチニル、シェラック、二酸化ケイ素、カルボキシメチルセルロースナトリウム、クエン酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ソルビトール、デンプン(トウモロコシ)、ステアリン酸、スクロース、タルク、二酸化チタン、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンCおよびキシリトール。
【0255】
薬学的に許容され得る塩:本開示はまた、本明細書に記載される化合物の薬学的に許容され得る塩を含む。本明細書で使用される場合、「薬学的に許容され得る塩」は、既存の酸または塩基部分を(例えば、遊離塩基基を適切な有機酸と反応させることにより)その塩形態に変換することによって親化合物が修飾されている、開示される化合物の誘導体を指す。薬学的に許容され得る塩の例としては、限定されないが、アミン等の塩基性残基の無機または有機酸塩;カルボン酸等の酸性残基のアルカリ塩または有機塩;等が挙げられる。代表的な酸付加塩としては、酢酸塩、酢酸、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプトン酸塩、ヘキサン酸塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩等が挙げられる。代表的なアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等、ならびに限定されないが、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミン等を含む非毒性アンモニウム、第四級アンモニウム、およびアミンカチオンが挙げられる。本開示の薬学的に許容され得る塩には、例えば、非毒性の無機酸または有機酸から形成される親化合物の従来の非毒性塩が含まれる。本開示の薬学的に許容され得る塩は、従来の化学的方法によって、塩基性部分または酸性部分を含有する親化合物から合成することができる。一般に、このような塩は、これらの化合物の遊離酸または遊離塩基形態を、化学量論量の適切な塩基または酸と、水もしくは有機溶媒中、または2つの混合物中で反応させることによって調製することができ、一般に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールまたはアセトニトリル等の非水性媒体が使用される。適切な塩のリストは、Remington’s Pharmaceutical Sciences,17th ed.,Mack Publishing Company,Easton,Pa.,1985,p.1418,Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use,P.H.Stahl and C.G.Wermuth(eds.),Wiley-VCH,2008、およびBergeら、Journal of Pharmaceutical Science,66,1-19(1977)に見られ、これらの各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0256】
薬学的に許容され得る溶媒和物:本明細書で使用される「薬学的に許容され得る溶媒和物」という用語は、適切な溶媒の分子が結晶格子に組み込まれている本開示の化合物を意味する。適切な溶媒は、投与される投与量で生理学的に許容される。例えば、溶媒和物は、有機溶媒、水、またはそれらの混合物を含む溶液からの結晶化、再結晶、または沈殿によって調製することができる。適切な溶媒の例は、エタノール、水(例えば、一水和物、二水和物および三水和物)、N-メチルピロリジノン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N’-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N’-ジメチルアセトアミド(DMAC)、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン(DMEU)、1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2-(1H)-ピリミジノン(DMPU)、アセトニトリル(ACN)、プロピレングリコール、酢酸エチル、ベンジルアルコール、2-ピロリドン、安息香酸ベンジル等である。水が溶媒である場合、溶媒和物は「水和物」と呼ばれる。
【0257】
薬物動態:本明細書で使用される場合、「薬物動態」は、生物に投与された物質の運命の決定に関する分子または化合物の任意の1またはそれを超える特性を指す。薬物動態は、吸収、分布、代謝、および排泄の程度および速度を含むいくつかの領域に分けられる。これは一般にADMEと呼ばれ、(A)吸収は、血液循環に入る物質のプロセスである;(D)分布は、身体の体液および組織全体にわたる物質の分散または播種である;(M)代謝(または生体内変換)は、親化合物の娘代謝産物への不可逆的変換である;ならびに(E)排出(または排除)は、身体からの物質の排除を指す。まれに、一部の薬物は体組織に不可逆的に蓄積する。
【0258】
物理化学的本明細書で使用される場合、「物理化学的」は、物理的および/または化学的特性を意味するか、またはそれに関する。
【0259】
ポリヌクレオチド:本明細書で使用される「ポリヌクレオチド」という用語は、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、それらの類縁体、またはそれらの混合物を含む、任意の長さのヌクレオチドのポリマーを指す。この用語は、分子の一次構造を指す。したがって、この用語は、三本鎖、二本鎖および一本鎖デオキシリボ核酸(「DNA」)、ならびに三本鎖、二本鎖および一本鎖リボ核酸(「RNA」)を含む。これには、例えばアルキル化によって、および/またはキャッピングによって修飾された形態、および未修飾形態のポリヌクレオチドも含まれる。より詳細には、「ポリヌクレオチド」という用語は、ポリデオキシリボヌクレオチド(2-デオキシ-D-リボースを含有する)、ポリリボヌクレオチド(D-リボースを含有する)、tRNA、rRNA、hRNA、siRNA、およびmRNA(スプライシングされているか否かにかかわらず)、プリン塩基またはピリミジン塩基のN-またはC-グリコシドである任意の他のタイプのポリヌクレオチド、ならびにノルヌクレオチド骨格を含有する他のポリマー、例えばポリアミド(例えば、ペプチド核酸「PNA」)およびポリモルホリノポリマー、ならびにポリマーがDNAおよびRNAに見られるような塩基対形成および塩基スタッキングを可能にする構成で核酸塩基を含有することを提供する他の合成配列特異的核酸ポリマーを含む。特定の態様では、ポリヌクレオチドはmRNAを含む。他の態様では、mRNAは合成mRNAである。いくつかの態様では、合成mRNAは少なくとも1つの非天然核酸塩基を含む。いくつかの態様では、特定のクラスの全ての核酸塩基が非天然核酸塩基で置換されている(例えば、本明細書に開示されるポリヌクレオチド中の全てのウリジンは、非天然核酸塩基、例えば5-メトキシウリジンで置き換えることができる)。いくつかの態様では、ポリヌクレオチド(例えば、合成RNAまたは合成DNA)は、天然の核酸塩基のみ、すなわち合成DNAの場合はA、C、TおよびU、または合成RNAの場合はA、C、TおよびUを含む。
【0260】
当業者は、本明細書に開示されるコドンマップ中のT塩基はDNA中に存在するが、T塩基は対応するRNA中のU塩基で置換されることを理解するであろう。例えば、DNA形態の本明細書に開示されるコドン-ヌクレオチド配列、例えばベクターまたはin vitro翻訳(IVT)鋳型は、その対応する転写されたmRNAに基づいてUとして転写されるそのT塩基を有するであろう。この点において、コドン最適化DNA配列(Tを含む)およびそれらの対応するRNA配列(Uを含む)の両方が、本開示のコドン最適化ヌクレオチド配列と考えられる。当業者はまた、1またはそれを超える塩基を非天然塩基で置換することによって等価なコドン地図を生成することができることを理解するであろう。したがって、例えば、TTCコドン(DNAマップ)はUUCコドン(RNAマップ)に対応し、これは次に「P」Cコドン(Uがプソイドウリジンで置き換えられたRNAマップ)に対応する。
【0261】
標準的なA-TおよびG-C塩基対は、チミジンのN3-HおよびC4-オキシと、アデノシンのN1およびC6-NHとのそれぞれの間、ならびにシチジンのC2-オキシ、N3およびC4-NHと、グアノシンのC2-NH、N’-HおよびC6-オキシとのそれぞれの間の水素結合の形成を可能にする条件下で形成する。したがって、例えば、グアノシン(2-アミノ-6-オキシ-9-β-D-リボフラノシル-プリン)を修飾してイソグアノシン(2-オキシ-6-アミノ-9-β-D-リボフラノシル-プリン)を形成することができる。そのような修飾は、もはやシトシンと標準的な塩基対を有効に形成しないヌクレオシド塩基をもたらす。しかしながら、イソシトシン(1-β-D-リボフラノシル-2-オキシ-4-アミノ-ピリミジン)を形成するためのシトシン(1-β-D-リボフラノシル-2-アミノ-4-オキシ-ピリミジン)の修飾は、グアノシンと効果的に塩基対を形成しないが、イソグアノシンと塩基対を形成する修飾ヌクレオチドをもたらす(Collinsらに対する米国特許第5,681,702号)。イソシトシンは、Sigma Chemical Co.(ミズーリ州セントルイス。)から入手可能である;イソシチジンは、Switzerら、(1993)Biochemistry 32:10489-10496およびそこに引用されている参考文献に記載されている方法によって調製することができる;2’-デオキシ-5-メチル-イソシチジンは、Torら、(1993)J.Am.Chem.Soc.115:4461-4467、およびそこに引用されている参考文献の方法によって調製することができる;ならびにイソグアニンヌクレオチドは、上記のSwitzerら、1993、およびMantschら、(1993)Biochem.14:5593-5601によって記載される方法を用いて、またはCollinsらに対する米国特許第5,780,610号に記載される方法によって調製することができる。他の非天然塩基対は、2,6-ジアミノピリミジンおよびその相補体(1-メチルピラゾロ-[4,3]ピリミジン-5,7-(4H,6H)-ジオンの合成について、Piccirilliら、(1990)Nature 343:33-37に記載されている方法によって合成することができる。固有の塩基対を形成する他のこのような修飾ヌクレオチド単位は公知であり、例えば、Leachら、(1992)J.Am.Chem.Soc.114:3675-3683、および上記のSwitzerらに記載されるもの等である。
【0262】
核酸配列:「核酸配列」、「ヌクレオチド配列」または「ポリヌクレオチド」という用語は互換的に使用され、連続した核酸配列を指す。配列は、一本鎖または二本鎖のDNAまたはRNA、例えばmRNAであり得る。
【0263】
「をコードするヌクレオチド配列」という語句およびその変異体は、本明細書に記載のポリペプチドまたはその機能的断片をコードするヌクレオチド配列を含む核酸(例えば、mRNAまたはDNA分子)コード配列を指す。コード配列は、核酸が投与される個体または哺乳動物の細胞における発現を指示することができるプロモーターおよびポリアデニル化シグナルを含む、調節要素に作動可能に連結された開始シグナルおよび終結シグナルをさらに含むことができる。コード配列は、シグナルペプチドをコードする配列をさらに含み得る。
【0264】
ポリペプチド:「ポリペプチド」、「ペプチド」、および「タンパク質」という用語は、本明細書では互換的に使用され、任意の長さのアミノ酸のポリマーを指す。ポリマーは、修飾アミノ酸を含むことができる。この用語はまた、天然にまたは介入によって修飾されたアミノ酸ポリマー(例えば、ジスルフィド結合の形成、グリコシル化、脂質化、アセチル化、リン酸化、または標識成分とのコンジュゲーション等の任意の他の操作もしくは修飾)を包含する。例えば、アミノ酸の1またはそれを超える類縁体(例えば、非天然アミノ酸、例えば、ホモシステイン、オルニチン、p-アセチルフェニルアラニン、D-アミノ酸およびクレアチンを含む)、ならびに当技術分野で公知の他の修飾を含有するポリペプチドも定義に含まれる。
【0265】
本明細書で使用される場合、この用語は、任意のサイズ、構造、または機能のタンパク質、ポリペプチド、およびペプチドを指す。ポリペプチドとしては、遺伝子産物、天然に存在するポリペプチド、合成ポリペプチド、ホモログ、オルソログ、パラログ、断片および上記の他の等価物、変異体および類縁体が挙げられる。ポリペプチドは、単一のポリペプチドであり得るか、または二量体、三量体もしくは四量体等の多分子複合体であり得る。それらはまた、一本鎖または多鎖ポリペプチドを含むことができる。最も一般的には、ジスルフィド結合は多重鎖ポリペプチドに見られる。ポリペプチドという用語は、1またはそれを超えるアミノ酸残基が対応する天然アミノ酸の人工化学的類縁体であるアミノ酸ポリマーにも適用することができる。いくつかの態様では、「ペプチド」は、50アミノ酸長以下、例えば約5、10、15、20、25、30、35、40、45、または50アミノ酸長であり得る。
【0266】
ポリペプチド変異体:本明細書で使用される場合、「ポリペプチド変異体」という用語は、ネイティブまたは参照配列とアミノ酸配列が異なる分子を指す。アミノ酸配列変異体は、ネイティブまたは参照配列と比較して、アミノ酸配列内の特定の位置に置換、欠失および/または挿入を有することができる。通常、変異体は、ネイティブ配列または参照配列と少なくとも約50%の同一性、少なくとも約60%の同一性、少なくとも約70%の同一性、少なくとも約80%の同一性、少なくとも約90%の同一性、少なくとも約95%の同一性、少なくとも約99%の同一性を有する。いくつかの態様では、それらは、ネイティブ配列または参照配列と少なくとも約80%、または少なくとも約90%同一である。
【0267】
阻止:本明細書で使用される場合、「阻止する」という用語は、感染、疾患、障害および/または症状の発症を部分的または完全に遅延させることを;特定の感染、疾患、障害、および/または症状の1またはそれを超える症候、特徴、または臨床所見の発症を部分的または完全に遅延させること;特定の感染、疾患、障害、および/または症状の1またはそれを超える症候、特徴、または所見の発症を部分的または完全に遅延させること;感染、特定の疾患、障害および/または症状からの進行を部分的または完全に遅延させること;および/または感染、疾患、障害および/または症状に関連する病態を発症するリスクを低下させることを指す。
【0268】
予防的:本明細書で使用される場合、「予防的」は、疾患の広がりを阻止するために使用される治療薬または一連の作用を指す。
【0269】
予防:本明細書で使用される場合、「予防」は、健康を維持し、疾患の広がりを阻止するためにとられる措置を指す。「免疫予防」、例えばワクチンは、疾患の拡散を阻止するめに能動免疫または受動免疫を生成するための手段を指す。
【0270】
タンパク質切断部位:本明細書で使用される場合、「タンパク質切断部位」は、化学的、酵素的または光化学的手段によってアミノ酸鎖の制御された切断が達成され得る部位を指す。
【0271】
タンパク質切断シグナル:本明細書で使用される場合、「タンパク質切断シグナル」は、切断のためにポリペプチドを標識またはマークする少なくとも1つのアミノ酸を指す。
【0272】
目的のタンパク質:本明細書で使用される場合、「目的のタンパク質」または「所望のタンパク質」という用語は、本明細書で提供されるもの、ならびにその断片、突然変異体、変異体、および変化を含む。
【0273】
近位:本明細書で使用される場合、「近位」という用語は、中心または目的の点もしくは領域のより近くに位置することを意味する。
【0274】
プソイドウリジン:本明細書で使用される場合、プソイドウリジンは、ヌクレオシドウリジンのC-グリコシド異性体を指す。「プソイドウリジン類縁体」は、プソイドウリジンの任意の修飾、変異体、アイソフォームまたは誘導体である。例えば、プソイドウリジン類縁体としては、限定されないが、1-カルボキシメチル-プソイドウリジン、1-プロピル-プソイドウリジン、1-タウロミノメチル-プソイドウリジン、1-タウロミノメチル-4-チオ-プソイドウリジン、1-メチルプソイドウリジン(mψ)、1-メチル-4-チオ-プソイドウリジン(mψ)、4-チオ-1-メチル-プソイドウリジン、3-メチル-プソイドウリジン(mψ)、2-チオ-1-メチル-プソイドウリジン、1-メチル-1-デアザ-プソイドウリジン、2-チオ-1-メチル-1-デアザ-プソイドウリジン、ジヒドロプソイドウリジン、2-チオ-ジヒドロプソイドウリジン、2-メトキシウリジン、2-メトキシ-4-チオ-ウリジン、4-メトキシ-プソイドウリジン、4-メトキシ-2-チオ-プソイドウリジン、N1-メチル-プソイドウリジン、1-メチル-3-(3-アミノ-3-カルボキシプロピル)プソイドウリジン(acpψ)、および2’-O-メチル-プソイドウリジン(xm)が挙げられる。
【0275】
精製された:本明細書で使用される場合、「精製する」、「精製された」、「精製」は、望ましくない成分、材料の汚れ、混合、または不完全性から実質的に純粋またはクリアにすることを意味する。
【0276】
参照核酸配列:「参照核酸配列」または「参照核酸」または「参照ヌクレオチド配列」または「参照配列」という用語は、配列最適化することができる出発核酸配列(例えば、RNA、例えばmRNA配列)を指す。いくつかの態様では、参照核酸配列は、野生型核酸配列、その断片または変異体である。いくつかの態様では、参照核酸配列は、以前に配列最適化された核酸配列である。
【0277】
塩:いくつかの態様では、腫瘍内送達のための医薬組成物または治療用組成物が本明細書に開示され、それらの脂質成分のいくつかの塩を含む。「塩」という用語は、任意のアニオン性およびカチオン性錯体を含む。アニオンの非限定的な例としては、無機および有機アニオン、例えば、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、シュウ酸塩(例えば、ヘミオキサレート)、リン酸塩、ホスホネート、リン酸水素、リン酸二水素、酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、窒化物、亜硫酸水素塩、硫化物、亜硫酸塩、重硫酸塩、硫酸塩、チオ硫酸塩、硫酸水素塩、ホウ酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、アクリレート、ポリアクリレート、フマル酸塩、マレイン酸塩、イタコン酸塩、グリコール酸塩、グルコン酸塩、リンゴ酸塩、マンデル酸塩、チグレート、アスコルビン酸塩、サリチル酸塩、ポリメタクリレート、過塩素酸塩、塩素酸塩、亜塩素酸塩、次亜塩素酸塩、臭素酸塩、次亜臭素酸塩、ヨウ素酸塩、アルキルスルホン酸塩、アリールスルホン酸塩、ヒ酸塩、亜ヒ酸塩、クロム酸塩、二クロム酸塩、シアン化物、シアン酸塩、チオシアン酸塩、水酸化物、過酸化物、過マンガン酸塩、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0278】
試料:本明細書で使用される場合、「試料」または「生物学的試料」という用語は、その組織、細胞、または構成部分(例えば、血液、粘液、リンパ液、滑液、脳脊髄液、唾液、羊水、羊水臍帯血、尿、膣液および精液を含むがこれらに限定されない体液)のサブセットを指す。試料はさらに、全生物またはその組織、細胞もしくは構成部分のサブセット、またはその画分もしくは一部から調製されたホモジネート、溶解物または抽出物を含むことができ、これらには、限定されないが、例えば、血漿、血清、脊髄液、リンパ液、皮膚の外部切片、呼吸器、腸および泌尿生殖路、涙、唾液、乳、血球、腫瘍、器官が含まれる。試料はさらに、タンパク質または核酸分子等の細胞成分を含有し得る、栄養ブロスまたはゲル等の培地を指す。
【0279】
側方散乱(SSC):側方散乱、すなわちSSCは、レーザーに対して90度の角度で細胞によって散乱された光を測定するフローサイトメトリー測定である。
【0280】
シグナル配列:本明細書で使用される場合、「シグナル配列」、「シグナルペプチド」および「輸送ペプチド」という語句は互換的に使用され、特定の細胞小器官、細胞区画、または細胞外輸送へのタンパク質の輸送または局在化を指示することができる配列を指す。この用語は、シグナル配列ポリペプチドおよびシグナル配列をコードする核酸配列の両方を包含する。したがって、核酸との関連におけるシグナル配列への言及は、実際には、シグナル配列ポリペプチドをコードする核酸配列を指す。
【0281】
類似性:本明細書で使用される場合、「類似性」という用語は、ポリマー分子間、例えばポリヌクレオチド分子間(例えば、DNA分子および/またはRNA分子)および/またはポリペプチド分子間の全体的な関連性を指す。ポリマー分子の互いの類似性パーセントの計算は、当技術分野で理解されているように、類似性パーセントの計算が保存的置換を考慮することを除いて、同一性パーセントの計算と同じ方法で行うことができる。
【0282】
特異的送達:本明細書で使用される場合、「特異的送達」、「特異的に送達する」または「特異的に送達すること」という用語は、オフターゲット組織(例えば、哺乳動物の脾臓)と比較してより多く(例えば、少なくとも1.5倍多く、少なくとも2倍多く、少なくとも3倍多く、少なくとも4倍多く、少なくとも5倍多く、少なくとも6倍多く、少なくとも7倍多く、少なくとも8倍多く、少なくとも9倍多く、少なくとも10倍多く)のポリヌクレオチドを目的の標的組織(例えば、哺乳動物の肝臓)に送達することを意味する。特定の組織への送達レベルは、組織内で産生されたタンパク質の量を前記組織の重量と比較すること、組織内のポリヌクレオチドの量を当該組織の重量と比較すること、組織内で産生されたタンパク質の量を当該組織内の総タンパク質の量と比較すること、または組織内のポリヌクレオチドの量を当該組織内の総ポリヌクレオチドの量と比較することによって測定され得る。
【0283】
安定な:本明細書で使用される場合、「安定な」とは、反応混合物から有用な程度の純度までの単離に耐えるのに十分に頑強であり、場合によっては有効な治療薬に製剤化することができる化合物を指す。
【0284】
安定化された:本明細書で使用される場合、「安定化する」、「安定化された」、「安定化された領域」という用語は、安定化させることまたは安定化することを意味する。
【0285】
立体異性体:本明細書で使用される場合「立体異性体」という用語は、化合物が有し得る全ての可能な異なる異性体ならびに配座形態(例えば、本明細書に記載の任意の式の化合物)、特に全ての可能な立体化学的および立体配座的異性体形態、全ての基本分子構造のジアステレオマー、エナンチオマーおよび/またはコンフォーマーを指す。本開示のいくつかの化合物は、異なる互変異性形態で存在し得、後者の全てが本開示の範囲内に含まれる。
【0286】
対象:「対象」または「個体」または「動物」または「患者」または「哺乳動物」とは、診断、予後診断または治療が望まれる任意の対象、特に哺乳動物対象を意味する。哺乳動物対象としては、限定されないが、ヒト、飼育動物、家畜、動物園動物、スポーツ動物、ペット動物(イヌ、ネコ、モルモット、ウサギ、ラット、マウス、ウマ、畜牛、乳牛等);霊長類(類人猿、サル、オランウータン、チンパンジー等);イヌ科動物(イヌおよびオオカミ等);ネコ科動物(ネコ、ライオン、トラ等);ウマ類(ウマ、ロバ、ゼブラ等);クマ、食用動物(ウシ、ブタ、ヒツジ等);有蹄動物(シカ、キリン等);げっ歯類(マウス、ラット、ハムスター、モルモット等)等が挙げられる。特定の態様では、哺乳動物はヒト対象である。他の態様では、対象はヒト患者である。
【0287】
実質的に:本明細書で使用される場合、「実質的に」という用語は目的の特徴または特性の全体またはほぼ全体の程度または程度を示す定性的条件を指す。生物学的技術分野の当業者は、生物学的および化学的現象が、たとえあったとしても、完了することおよび/または完全に進むこと、または絶対的な結果を達成もしくは回避することはほとんどないことを理解するであろう。したがって、「実質的に」という用語は、本明細書では、多くの生物学的および化学的現象に固有の完全性の潜在的な欠如を捉えるために使用される。
【0288】
実質的に等しい:用量間の時間差に関するものとして本明細書で使用される場合、この用語はプラス/マイナス2%を意味する。
【0289】
実質的に同時:本明細書で使用される場合、および複数の用量に関する場合、この用語は数秒(例えば、2秒)以内を意味する。
【0290】
罹患している:疾患、障害、および/または症状に「罹患している」個体は、疾患、障害、および/または状態と診断されているか、または疾患、障害、および/または症状の1またはそれを超える症候を示す。
【0291】
感受性がある:疾患、障害、および/または症状「に感受性がある」個体は、疾患、障害、および/または症状と診断されておらず、および/または疾患、障害、および/または症状の症候を示さない可能性があるが、疾患またはその症候を発症する傾向を有する。いくつかの態様では、疾患、障害、および/または症状(例えば、癌)にかかりやすい個体は、以下の1またはそれを超えるものを特徴とする:(1)疾患、障害および/または症状の発症に関連する遺伝子変異;(2)疾患、障害および/または症状の発症に関連する遺伝子多型;(3)疾患、障害および/または症状に関連するタンパク質および/または核酸の発現および/または活性の増加および/または減少;(4)疾患、障害および/または症状の発症に関連する習慣および/またはライフスタイル;(5)疾患、障害および/または症状の家族歴;(6)疾患、障害および/または症状の発症に関連する微生物への曝露および/または微生物による感染。いくつかの態様では、疾患、障害、および/または症状にかかりやすい個体は、疾患、障害、および/または症状を発症する。いくつかの態様では、疾患、障害、および/または状態にかかりやすい個体は、疾患、障害、および/または症状を発症しない。
【0292】
持続放出:本明細書で使用される場合、「持続放出」という用語は、特定の期間にわたる放出速度に適合する医薬もしくは治療用組成物、または化合物放出プロファイルを指す。
【0293】
合成:「合成」という用語は、人の手によって産生、調製、および/または製造されることを意味する。本開示のポリヌクレオチドまたは他の分子の合成は、化学的または酵素的であり得る。
【0294】
標的細胞:本明細書で使用される場合、「標的細胞」は、目的の任意の1またはそれを超える細胞を指す。細胞は、in vitro、in vivo、in situ、または生物の組織もしくは器官において見出され得る。生物は、動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒト、最も好ましくは患者であり得る。
【0295】
標的組織:本明細書で使用される場合、「標的組織」は、ポリヌクレオチドの送達が所望の生物学的および/または薬理学的効果をもたらすであろう対象の任意の1またはそれを超える目的の組織型を指す。目的の標的組織の例には、特定の組織、器官、および系またはそれらの群が含まれる。「オフターゲット組織」とは、コードされたタンパク質の発現が所望の生物学的および/または薬理学的効果をもたらさない任意の1またはそれを超える組織型を指す。
【0296】
ターゲッティング配列:本明細書で使用される場合、「ターゲッティング配列」という語句は、タンパク質またはポリペプチドの輸送または局在化を指示することができる配列を指す。
【0297】
末端:本明細書で使用される場合、ポリペプチドに言及する場合の「末端(複数)」または「末端」という用語は、ペプチドまたはポリペプチドの末端を指す。そのような末端は、ペプチドまたはポリペプチドの最初または最後の部位だけに限定されず、末端領域に追加のアミノ酸を含むことができる。本開示のポリペプチドベースの分子は、N末端(遊離アミノ基(NH)を有するアミノ酸によって末端化されている)およびC末端(遊離カルボキシル基(COOH)を有するアミノ酸によって末端化されている)の両方を有すると特徴付けることができる。本開示のタンパク質は、場合によっては、ジスルフィド結合または非共有結合力(多量体、オリゴマー)によって一緒になった複数のポリペプチド鎖で構成される。これらの種類のタンパク質は、複数のN末端およびC末端を有するであろう。あるいは、ポリペプチドの末端は、場合によっては、有機コンジュゲート等の非ポリペプチドベースの部分で開始または終了するように修飾することができる。
【0298】
治療薬:「治療薬」という用語は、対象に投与された場合に、治療効果、診断効果、および/または予防効果を有し、および/または所望の生物学的および/または薬理学的効果を誘発する薬剤を指す。
【0299】
治療有効量:本明細書で使用される場合、「治療有効量」という用語は、感染症、疾患、障害および/または症状に罹患しているかまたは感染症、疾患、障害および/または症状にかかりやすい対象に投与された場合に、感染症、疾患、障害および/また症状を処置、その症候の改善、診断、阻止および/またはその発症を遅延させるのに十分な、送達される薬剤の量(例えば、核酸、薬物、治療薬、診断薬、予防薬等)を意味する。
【0300】
治療上有効な転帰:本明細書で使用される場合、「治療上有効な転帰」という用語は、感染、疾患、障害、および/または症状に罹患しているかまたは易罹患性の対象において、感染、疾患、障害、および/または症状を処置、その症候の改善、診断、阻止、および/またはその発症を遅延させるのに十分な転帰を意味する。
【0301】
転写:本明細書で使用される場合、「転写」という用語は、外因性核酸を細胞に導入する方法を指す。トランスフェクションの方法としては、化学的方法、物理的処置、およびカチオン性脂質または混合物が挙げられる、これらに限定されない。
【0302】
トランスフェクション:本明細書で使用される場合、「トランスフェクション」は、ポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドが発現される(例えば、mRNA)か、またはポリペプチドが細胞機能を調節する(例えば、siRNA、miRNA)、細胞へのポリヌクレオチドの導入を指す。本明細書で使用される場合、核酸配列の「発現」は、ポリヌクレオチド(例えば、mRNA)のポリペプチドもしくはタンパク質への翻訳および/またはポリペプチドもしくはタンパク質の翻訳後修飾を指す。
【0303】
処置すること、処置、治療:本明細書で使用される場合、「処置すること」または「処置」または「治療」という用語は、過剰増殖性疾患、例えば癌の1またはそれを超える症候または特徴を部分的または完全に緩和すること、改善すること、向上させること、軽減すること、発症を遅延させること、進行を阻害すること、重症度を低下させること、および/または発生率を低下させることを指す。例えば、癌を「処置すること」とは、腫瘍の生存、成長、および/または拡大を阻害することを指し得る。処置は、疾患、障害および/または症状に関連する病態を発症するリスクを低下させる目的で、疾患、障害および/または症状の徴候を示さない対象、および/または疾患、障害および/または症状の初期徴候のみを示す対象に投与することができる。
【0304】
未修飾:本明細書で使用される場合、「未修飾」は、何らかの方法で変更される前の任意の物質、化合物または分子を指す。未修飾とは、必ずしもそうとは限らないが、生体分子の野生型またはネイティブ型を指すことができる。分子は一連の修飾を受けることができ、それによって各修飾分子は後続の修飾のための「未修飾」出発分子として機能することができる。
【0305】
変異体:本開示で使用される変異体という用語は、天然変異体(例えば、多型、アイソフォーム等)およびネイティブまたは出発配列(例えば、野生型配列)中の少なくとも1つのアミノ酸残基が除去され、異なるアミノ酸が同じ位置でその場所に挿入された人工変異体の両方を指す。これらの変異体は、「置換変異体」と記載することができる。置換は、分子内の1つのアミノ酸のみが置換されている単一であってもよく、または2もしくはそれを超えるアミノ酸が同じ分子内で置換されている複数であってもよい。アミノ酸が挿入または欠失される場合、得られる変異体はそれぞれ「挿入変異体」または「欠失変異体」となる。
【0306】
本開示の1またはそれを超える態様の詳細は、以下の添付の説明に記載されている。本明細書に記載のものと類似または同等の任意の材料および方法を本開示の実施または試験に使用することができるが、ここで好ましい材料および方法を説明する。本開示の他の特徴、目的、および利点は、説明から明らかになるであろう。本明細書において、単数形は、文脈が明らかにそうでないことを指示しない限り、複数形も含む。他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書が優先する。
【0307】
本開示は、以下の非限定的な実施例によってさらに説明される。
【実施例
【0308】
実施例1.SIINFEKL-MHCl提示のフローサイトメトリー分析
【0309】
マウス樹状細胞(JAWSII)を100,000万細胞/ウェルで24ウェルプレート(500μL容量)に播種し、ウェルあたり製剤あたり200ngのmRNA(マウスCD1d、ヒトCD1dおよびヒトCD1bを含むCD1ワクチンカセットをコードする)の最終用量で処置した。
マウスCD1dカセットを含むmRNAワクチンは、配列:
ctagcGAGAGAAAAGAAGAGUAAGAAGAAAUAUAAGAGCCACCAUGCGCUACCUGCCUUGGCUGCUGCUGUGGGCUUUUCUGCAAGUGUGGGGCCAGUCUGAGGCCCUGGAAUCCAUCAUCAACUUCGAGAAGCUGACCGAGCUGAUCGUGUUCAUCGUGCUGAUCAUGCUGGUGGUCGUGGGCGCCGUGGUGUACUACAUUUGGAGAAGAAGAAGCGCCUACCAGGACAUCAGAUGAGUUAAUUAAGCUGCCUUCUGCGGGGCUUGCCUUCUGGCCAUGCCCUUCUUCUCUCCCUUGCACCUGUACCUCUUGGUCUUUGAAUAAAGCCUGAGUAGGAAGcccgggcggattAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAを有する。
ヒトCD1dカセットを含むmRNAワクチンは、配列:
ctagcGAGAGAAAAGAAGAGUAAGAAGAAAUAUAAGAGCCACCAUGGGCUGCCUGCUGUUUCUGCUGCUUUGGGCUCUGCUGCAGGCCUGGGGAUCUGCCCUGGAAUCCAUCAUCAACUUCGAGAAGCUGACCGAGAUGGGCCUGAUCGCUCUGGCUGUUCUGGCCUGUCUGCUGUUCCUCCUGAUCGUGGGCUUCACCAGCAGAUUCAAGAGACAGACCAGCUACCAGGGCGUGCUCUGAGUUAAUUAAGCUGCCUUCUGCGGGGCUUGCCUUCUGGCCAUGCCCUUCUUCUCUCCCUUGCACCUGUACCUCUUGGUCUUUGAAUAAAGCCUGAGUAGGAAGcccgggcggattAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAを有する。
ヒトCD1bカセットを含むmRNAワクチンは、配列:
ctagcGAGAGAAAAGAAGAGUAAGAAGAAAUAUAAGAGCCACCAUGCUGCUGCUGCCCUUCCAGCUGCUGGCUGUUCUUUUUCCUGGCGGCAACCUGGAAUCCAUCAUCAACUUCGAGAAGCUGACCGAGAUCGUGCUGGCCAUCAUCGUGCCUUCUCUGCUGCUCCUGCUGUGUCUGGCCCUGUGGUACAUGAGAAGAAGAAGCUACCAGAACAUCCCCUGAGUUAAUUAAGCUGCCUUCUGCGGGGCUUGCCUUCUGGCCAUGCCCUUCUUCUCUCCCUUGCACCUGUACCUCUUGGUCUUUGAAUAAAGCCUGAGUAGGAAGcccgggcggattAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAを有する。
【0310】
各CD1足場には、T7プロモーター配列の直後のスタッファー配列(ctagc)が含まれる。
【0311】
細胞を37℃/5%COで一晩インキュベートした。インキュベーション後、細胞を96ウェルプレート(およそ250μL)に等分し、細胞をFcブロック(100μL/試料)で遮断し、FACS緩衝液(5%ウシ胎児血清を含むdPBS pH7.5)で洗浄した後、抗原に結合したPE-Cy5コンジュゲート抗マウスCD11c抗体およびPEコンジュゲート抗マウスH-2kb(SIINFEKL)で染色した。さらに、生細胞から死細胞を識別するために、各試料をZombie近赤外染色で染色した。
【0312】
異なる足場の状況でエピトープについてJAWS樹状細胞モデルにおける抗原提示を比較するこれらのデータは、hCD1d足場が、未処置試料と比較してフローサイトメトリーによって測定した場合に特異的なエピトープ提示を示す抗原提示細胞の10.2%で最良の性能を有することを明らかにした。図1を参照されたい。
【0313】
実施例2.in vivo試験
【0314】
in vivo研究では、本明細書に記載のワクチンを市販の材料に対して評価する。この研究では、mRNAワクチンを、市販の対照と比較して、MHC-I上のSIINFEKL提示レベルについて評価する。再現性を同様に実証し(複数のバッチを用いる)、同様のレベルのSIINFEKL+JAWSII細胞が得られる。
【0315】
この研究では、mRNAワクチンをマウスin vivo実験におけるワクチン候補として評価する。C57BL/6マウスに、送達ビヒクルに製剤化された本明細書に記載の市販またはmRNAワクチンを注射する(IV)。注射の7日後、末梢血を単離し、OVAエピトープを認識するT細胞に特異的な蛍光性MHC-I四量体を用いて染色する。次いで、OVA特異的CD8+T細胞の画分をフローサイトメトリーによって定量する。この実験では、mRNAワクチンは、市販の対照と比較して末梢血中のOVA特異的T細胞の割合の増加をもたらすと予想され、ワクチンとしてのこれらの分子の強度を示している。
【0316】
実施例3.健常ドナーにおけるex vivo刺激:pp65
【0317】
実施例3A
【0318】
凍結保存したヒトサイトメガロウイルス(CMV)血清陽性健常ドナー(CMV+)末梢血単核細胞を解凍し、14mLのRPMI1640に再懸濁した。細胞を1200rpmで10分間の遠心分離によってペレット化した。上清を吸引し、細胞を適切な体積の培養培地(1:1AIM-V/RPMI1640+10%濾過ヒトAB血清+50μMB-メルカプトエタノール(TCグレード))に再懸濁して計数した。細胞をCOインキュベータ(5%CO)中、37℃で一晩静置した。
【0319】
インキュベーション後、細胞を、ネイティブCMV pp65タンパク質をコードする50ngのmRNA、MHC提示増強配列を有するpp65をコードする50ngのmRNA、pp65分子全体をカバーする2ug/mLのCMV pp65ペプチドプール、または非コードmRNAで処置した。細胞を、COインキュベータ(5%CO)中、37℃で24時間インキュベートした。
【0320】
24時間後、細胞を回収し、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)pH7.2で2回洗浄した。次いで、洗浄した細胞を、室温(RT)で15分間、PBS中のZombie Near Infrared live dead stain(NIR)(BioLegend)で染色した。
【0321】
次いで、細胞を洗浄し、蛍光色素コンジュゲートa-CD8、a-CD4、a-CD137およびa-CD69(BioLegend)を含有する100ul FACS緩衝液(PBS+0.5%BSA+0.02%アジ化ナトリウム)に再懸濁した。次いで、細胞を室温で20分間インキュベートした。染色後、細胞を200ul PBSで2回洗浄し、続いて1200rpmで10分間遠心分離した。最後の洗浄後、上清を捨て、細胞を200ul PBSに再懸濁した。次いで、再懸濁した細胞をフローサイトメーター(Cytek)で分析した。
【0322】
結果:活性化細胞の割合は、図2Aおよび図2B中の黒い四角で示されている。対照群には、DMSO(陰性対照)、CD3(陽性対照)およびCTR(非コードmRNAナノ粒子で処置した細胞)が含まれる。処置群には、ペプチド(重複配列のpp65タンパク質全体をカバーする2uMのCMV pp65ペプチドプールで処置した細胞)およびPp65 Sec-hCD1d(Sec-pp65-hCD1d mRNAナノ粒子で処置した細胞)が含まれる。
【0323】
観察:対照およびペプチド処置細胞と比較して、Sec-pp65-hCD1d mRNAナノ粒子処置細胞は、2倍多い活性化細胞を示した。これは、全pp65タンパク質をコードするhCD1d増強mRNAによる細胞の処置が効果的な抗原のプロセシングおよび提示を可能にすることを示している。この増強は、より良好でより広範なT細胞活性化をもたらす。
【0324】
実施例3B
【0325】
凍結保存したヒトサイトメガロウイルス(CMV)血清陽性健常ドナー(CMV+)末梢血単核細胞を解凍し、14mLのRPMI1640に再懸濁した。細胞を1200rpmで10分間の遠心分離によってペレット化した。上清を吸引し、細胞を適切な体積の培養培地(1:1AIM-V/RPMI1640+10%濾過ヒトAB血清+50μMB-メルカプトエタノール(TCグレード))に再懸濁して計数した。細胞をCOインキュベータ(5%CO)中、37℃で一晩静置した。
【0326】
インキュベーション後、細胞を、ネイティブCMV pp65タンパク質をコードする50ngのmRNA、MHC提示増強配列を有するpp65をコードする50ngのmRNA、pp65分子全体をカバーする2ug/mLのCMV pp65ペプチドプール、または非コードmRNAで処置した。細胞を、COインキュベータ(5%CO)中、37℃で24時間インキュベートした。
【0327】
24時間後、細胞および細胞培養上清を回収し、細胞をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)pH7.2で2回洗浄した。次いで、洗浄した細胞を、室温(RT)で15分間、PBS中のZombie Near Infrared live dead stain(NIR)(BioLegend)で染色した。次いで、細胞を洗浄し、蛍光色素コンジュゲートa-CD8、a-CD4、a-CD137およびa-CD69(BioLegend)を含有する100ul FACS緩衝液(PBS+0.5%BSA+0.02%アジ化ナトリウム)に再懸濁した。次いで、細胞を室温で20分間インキュベートした。
【0328】
染色後、細胞を200ul PBSで2回洗浄し、続いて1200rpmで10分間遠心分離した。最後の洗浄後、上清を捨て、細胞を200ul PBSに再懸濁した。次いで、再懸濁した細胞をフローサイトメーター(Cytek)で分析した。上清を、標準化された市販のヒトIFNg ELISAキットおよびプロトコル(Thermo Scientific)を使用して、分泌されたインターフェロンガンマ(IFNg)を測定するために使用した。
【0329】
結果:図3Aに示されるように、ペプチド、ネイティブpp65 mRNAおよびpp65 mRNA Sec-MITDに対して、Sec-hCD1d MHC-ソーティング配列を用いて改善されたIFNg T細胞応答が観察された。ネイティブpp65 mRNAおよびpp65 mRNA Sec-MITDと比較して、Sec-hCD1d pp65 mRNAナノ粒子で処置した試料では、より活性化されたCD8 T細胞が観察された(図3B)。MHC提示増強配列を導入することによって、これらのPBMC試料における抗原提示およびCD8 T細胞活性化が改善された。
【0330】
実施例3C
【0331】
凍結保存したヒトサイトメガロウイルス(CMV)血清陽性健常ドナー(CMV+)末梢血単核細胞を解凍し、14mLのRPMI1640に再懸濁した。細胞を1200rpmで10分間の遠心分離によってペレット化した。上清を吸引し、細胞を適切な体積の培養培地(1:1AIM-V/RPMI1640+10%濾過ヒトAB血清+50μMB-メルカプトエタノール(TCグレード))に再懸濁して計数した。細胞をCOインキュベータ(5%CO)中、37℃で一晩静置した。
【0332】
インキュベーション後、8×10個の細胞を、Sec-hCD1d MHC提示増強配列を有するpp65をコードする1μgのmRNA、pp65分子全体をカバーする2μM CMV pp65ペプチドプール、または非コードmRNAのいずれかで処置した。細胞を、追加のサイトカインを含まない培養培地中のCOインキュベータ(5%CO)において37℃で6日間インキュベートして、T細胞の増殖を支援した。
【0333】
6日後、細胞を採取し、ヒトCD8単離キット(STEMCELL)を用いてCD8 T細胞を単離した。生存率を測定し、細胞を計数し、ペプチドまたはmRNA処置試料のいずれかから単離した50000個のCD8 T細胞を、96ウェルU底プレート中の100μl完全培地中に8連で播種した。
【0334】
次いで、HLA-A2:01発現T2細胞(ATCC)細胞を、製造業者のプロトコル(Thermo Scientific)に従って細胞トレーサー紫色色素で標識した。標識後、細胞を予熱した培地で2回洗浄した後、生存率および細胞数を評価した。
【0335】
T2細胞の半分にパルスをかけ、他方の半分にはパルスをかけずに、CMV pp65ペプチドを37℃で1時間置いた。1時間後、細胞を予熱した完全培地で2回洗浄した後、10000個のパルスT2細胞または非パルスT2細胞を、単離CD8 T細胞を含むウェルに添加した。単離されたCD8 T細胞、およびパルスT2細胞または非パルスT2細胞を、37℃で4時間共インキュベートした。4時間後、5μlのヨウ化プロピジウム(PI)を各ウェルに添加し、CD8媒介T2殺傷をフローサイトメトリー(Cytek)によって分析した。
【0336】
結果:6日間の受動的増殖の後、Sec-hCD1dを用いてpp65をコードする1ugのmRNAで処置した培養物における堅固なCD8 T細胞増殖が観察された。生存率および細胞数の両方が、ペプチドで処置した細胞と比較して優れていた(図4A)。活性化および拡大したCD8 T細胞は、T2標的細胞にCMV-pp65抗原をパルスした場合にのみ、T2標的細胞を認識して死滅させることができた。ペプチドと比較して、mRNAで処置した培養物から単離したCD8 T細胞における有意に良好な殺滅効力が観察された(図4B~4D)。これは、抗原およびMHC輸送シグナルSec-hCD1dをコードするmRNAを含むナノ粒子でPBMC集団全体を処置することによって、多数の機能的(すなわち、標的細胞を死滅させることができる)CD8 T細胞を生成できることを示す。
【0337】
実施例3D
【0338】
凍結保存したヒトサイトメガロウイルス(CMV)血清陽性健常ドナー(CMV+)末梢血単核細胞を解凍し、14mLのRPMI1640に再懸濁した。細胞を1200rpmで10分間の遠心分離によってペレット化した。上清を吸引し、細胞を適切な体積の培養培地(1:1AIM-V/RPMI1640+10%濾過ヒトAB血清+50μMB-メルカプトエタノール(TCグレード))に再懸濁して計数した。細胞をCOインキュベータ(5%CO)中、37℃で一晩静置した。
【0339】
インキュベーション後、8×10個の細胞を、Sec-hCD1d MHC提示増強配列を有するpp65をコードする1μgのmRNA(2連)、pp65分子全体をカバーする2uM CMV pp65ペプチドプール、または非コードmRNAのいずれかで処置した。細胞を、培養培地中のCOインキュベータ(5%CO)中、37℃で24時間インキュベートした。24時間後、細胞および細胞培養上清を回収し、細胞をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)pH7.2で2回洗浄した。次いで、洗浄した細胞を、室温(RT)で15分間、PBS中のZombie Near Infrared live dead stain(NIR)(BioLegend)で染色した。次いで、細胞を洗浄し、蛍光色素コンジュゲートa-CD8、a-CD4、a-CD137およびa-CD69(BioLegend)を含有する100ul FACS緩衝液(PBS+0.5%BSA+0.02%アジ化ナトリウム)に再懸濁した。次いで、細胞を室温で20分間インキュベートした。
【0340】
染色後、細胞を200ul PBSで2回洗浄し、続いて1200rpmで10分間遠心分離した。最後の洗浄後、上清を捨て、細胞を200ul PBSに再懸濁した。次いで、再懸濁した細胞を、フローソーター(Aria BD biosciences)上のCD137およびCD69の発現に基づいて単一細胞選別した。CD137およびCD69二重陽性細胞を、Takara 10X緩衝液(Takara biosciences)において選別した。選別した細胞を、T細胞受容体配列決定のためにMedGenome(Medgenome)に供した。
【0341】
図5に示されるように、処置されたpp65ペプチドと比較して、pp65 Sec-hCD1dmRNAナノ粒子処置PBMCから選別されたCD8 T細胞のなかでより高いクローン多様性が観察された。
【0342】
実施例4.HEK293におけるHPV16 E7タンパク質発現(Sec mRNA 402対hCD1d mRNA416)
【0343】
50K HEK293細胞の培養物を50ng mRNAで一晩処置した。上清および細胞溶解物(凍結および解凍×3)をトランスフェクションの24時間後に収集した。HPV17 E7タンパク質を、HPV16/18 E7 ELISAキット(CellBioLabs)を使用してELISAによって、またはプレート上への直接試料コーティングによる社内法によって測定した。
【0344】
結果。図6Aおよび図6Bに示すように、SEC-HPV E6-E7(mRNA402)によるHEK293のトランスフェクションは、hCD1d mRNA-416と比較して堅牢なE7タンパク質を生成した。
【0345】
等価物および範囲
当業者は、日常的な実験のみを使用して、本明細書に記載の開示による特定の態様に対する多くの等価物を認識するか、または確認することができるであろう。本開示の範囲は、上記の説明に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲に記載されているとおりである。
【0346】
特許請求の範囲において、「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」等の冠詞は、反対の指示がない限り、または文脈から明らかでない限り、1または1より多いを意味し得る。群の1またはそれを超えるメンバーの間に「または」を含む特許請求の範囲または記載は、反対の指示がない限り、または文脈から明らかでない限り、1つ、2つ以上、または全ての群メンバーが所与の生成物またはプロセスに存在するか、所与の生成物またはプロセスに使用されるか、または所与の生成物またはプロセスに関連する場合に満たされるとみなされる。本開示は、群の正確に1つのメンバーが所与の生成物またはプロセス中に存在するか、所与の生成物またはプロセス中で使用されるか、そうでなければ所与の生成物またはプロセスに関連する態様を含む。本開示は、1つより多くの、または全体の群メンバーが、所与の生成物またはプロセスに存在するか、所与の生成物またはプロセスにおいて使用されるか、そうでなければ所与の生成物またはプロセスに関連する態様を含む。
【0347】
「含む(comprising)」という用語は、オープンであることを意図しており、追加の要素または工程を含むことを可能にするが、必要としないことにも留意されたい。したがって、「含む(comprising)」という用語が本明細書で使用される場合、「からなる(consisting of)」という用語も包含され、開示される。
【0348】
範囲が与えられる場合、終点が含まれる。さらに、文脈および当業者の理解から特に指示されない限り、またはそうでなければ明らかでない限り、範囲として表される値は、文脈が明らかにそうでないことを指示しない限り、本開示の異なる態様において記載された範囲内の任意の特定の値または部分範囲を、範囲の下限の単位の10分の1まで想定し得ることを理解されたい。
【0349】
さらに、先行技術に含まれる本開示の任意の特定の態様は、任意の1またはそれを超える請求項から明示的に除外され得ることを理解されたい。そのような態様は当業者に知られているとみなされるので、排除が本明細書に明示的に記載されていなくても、それらは排除され得る。本開示の組成物の任意の特定の態様(例えば、任意の抗生物質、治療成分または有効成分;任意の製造方法;任意の使用方法等)は、先行技術の存在に関連するか否かにかかわらず、任意の理由で、任意の1またはそれを超える請求項から除外することができる。
【0350】
使用される文言は、限定ではなく説明の文言であり、そのより広い態様における本開示の真の範囲および精神から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲の範囲内で変更が行われ得ることを理解されたい。
【0351】
本開示は、いくつかの記載された態様に関してある程度の長さおよびある程度の特殊性をもって記載されているが、そのような詳細もしくは態様または任意の特定の態様に限定されるべきではなく、先行技術を考慮してそのような請求項の可能な限り最も広い解釈を提供し、したがって本開示の意図された範囲を効果的に包含するように、添付の請求項を参照して解釈されるべきである。
【0352】
さらに、本明細書で使用される場合、「および/または」は、他のものの有無にかかわらず、2つの指定された特徴または構成要素のそれぞれの具体的な開示として解釈されるべきである。したがって、本明細書で「Aおよび/またはB」等の句で使用される「および/または」という用語は、「AおよびB」、「AまたはB」、「A」(単独)、および「B」(単独)を含むことを意図している。同様に、「A、B、および/またはC」等の句で使用される「および/または」という用語は、以下の態様:A、B、およびC;A、B、またはC;AまたはC;AまたはB;BまたはC;AおよびC;AおよびB;BおよびC;A(単独);B(単独);およびC(単独)のそれぞれを包含することが意図されている。
【0353】
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、本開示が関連する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。例えば、the Concise Dictionary of Biomedicine and Molecular Biology,Juo,Pei-Show,2nd ed.,2002,CRC Press;The Dictionary of Cell and Molecular Biology,3rd ed.,1999,Academic Press;and the Oxford Dictionary Of Biochemistry And Molecular Biology,Revised,2000,Oxford University Pressは、本開示で使用される多くの用語の一般的な辞書を当業者に提供する。
【0354】
態様が「含む(comprising)」という文言で本明細書に記載されている場合はいつでも、「からなる(consisting of)」および/または「から本質的になる(consisting essentially of)」という用語で記載されている他の類似の態様も提供される。
【0355】
単位、接頭辞、および記号は、国際単位系(SI)で認められている形式で示されている。数値範囲は、範囲を定義する数を含む。値の範囲が記載されている場合、その範囲の記載された上限と下限との間の各介在する整数値およびその各分数もまた、そのような値の間の各部分範囲と共に具体的に開示されていることを理解されたい。任意の範囲の上限および下限は、その範囲に独立して含まれ得るか、またはその範囲から除外され得、いずれか、どちらも含まれないか、または両方の限界が含まれる各範囲も本開示内に包含される。値が明示的に記載されている場合、記載された値とほぼ同じ量または量の値も本開示の範囲内であることを理解されたい。組み合わせが開示されている場合、その組み合わせの要素の各部分組み合わせも具体的に開示されており、本開示の範囲内である。逆に、異なる要素または要素群が個別に開示される場合、それらの組み合わせも開示される。本開示の任意の要素が複数の代替形態を有するものとして開示されている場合、各代替形態が単独で、または他の代替形態と任意に組み合わせて除外されるその開示の例も本明細書によって開示される。本開示の2つ以上の要素がそのような除外を有することができ、そのような除外を有する要素の全ての組み合わせが本明細書に開示される。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6A-6B】
【配列表】
2023527714000001.app
【国際調査報告】