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特表2023-527719ロッド形状の物品を回転させるためのドラムコンベヤおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-30
(54)【発明の名称】ロッド形状の物品を回転させるためのドラムコンベヤおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A24C 5/33 20060101AFI20230623BHJP
【FI】
A24C5/33
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022569470
(86)(22)【出願日】2021-05-25
(85)【翻訳文提出日】2022-11-15
(86)【国際出願番号】 EP2021063802
(87)【国際公開番号】W WO2021239684
(87)【国際公開日】2021-12-02
(31)【優先権主張番号】20176931.2
(32)【優先日】2020-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100122563
【弁理士】
【氏名又は名称】越柴 絵里
(72)【発明者】
【氏名】チェスリコウスキ バルトシュ
(72)【発明者】
【氏名】リソフスキー アンジェイ
【テーマコード(参考)】
4B144
【Fターム(参考)】
4B144CC23
4B144CE07
4B144CL10
4B144CM03
(57)【要約】
本発明は、ドラム回転軸および外周表面を画定するドラムコンベヤに関し、ドラムコンベヤは、o第一のシートおよび第二のシートであって、第一のシートおよび第二のシートの各々が、ロッド形状の物品を搬送するように適合されており、第一のシートおよび第二のシートが、ドラムコンベヤの外周表面に位置する、第一のシートおよび第二のシートと、o第一のシャフトおよび第二のシャフトであって、第一のシャフトは、第一のシャフト長軸方向軸を画定し、第二のシャフトは、第二のシャフト長軸方向軸を画定し、第一のシャフト長軸方向軸および第二のシャフト長軸方向軸は、ドラム回転軸に対して実質的に直角を成し、第一のシャフト長軸方向軸の周りの第一のシャフトの回転および第二のシャフト長軸方向軸の周りの第二のシャフトの回転により、第一のシートおよび第二のシートが回転するように、第一のシートは第一のシャフトに取り付けられ、第二のシートは第二のシャフトに取り付けられる、第一のシャフトおよび第二のシャフトと、o機械的連結によって第一のシャフトおよび第二のシャフトに連結されたプッシャーであって、プッシャー方向に沿って直線的に移動し、移動中に第一のシャフトおよび第二のシャフトと係合するように適合されている、プッシャーと、o第一のシャフトおよび第二のシャフトと、取り付けられた第一のシートおよび第二のシートとを同時に回転させるように、ドラムコンベヤがドラム回転軸の周りを回転する間にプッシャーをプッシャー方向に沿って移動させるように適合されたアクチュエータと、を備える。本発明はまた、ロッド形状の物品を回転させる方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドラム回転軸および外周表面を画定するドラムコンベヤであって、
第一のシートおよび第二のシートであって、前記第一のシートおよび前記第二のシートの各々が、ロッド形状の物品を搬送するように適合されており、前記第一のシートおよび前記第二のシートが、前記ドラムコンベヤの前記外周表面に位置する、第一のシートおよび第二のシートと、
第一のシャフトおよび第二のシャフトであって、前記第一のシャフトが、第一のシャフト長軸方向軸を画定し、前記第二のシャフトが、第二のシャフト長軸方向軸を画定し、前記第一のシャフト長軸方向軸および前記第二のシャフト長軸方向軸が、前記ドラム回転軸に対して実質的に直角を成し、前記第一のシャフト長軸方向軸の周りの前記第一のシャフトの回転および前記第二のシャフト長軸方向軸の周りの前記第二のシャフトの回転により、前記第一のシートおよび前記第二のシートが回転するように、前記第一のシートが前記第一のシャフトに取り付けられ、前記第二のシートが前記第二のシャフトに取り付けられる、第一のシャフトおよび第二のシャフトと、
機械的連結によって前記第一のシャフトおよび前記第二のシャフトに連結されたプッシャーであって、プッシャー方向に沿って直線的に移動し、移動中に前記第一のシャフトおよび前記第二のシャフトと係合するように適合されている、プッシャーと、
前記第一のシャフトおよび前記第二のシャフトと、取り付けられた前記第一のシートおよび前記第二のシートとを同時に回転させるように、前記ドラムコンベヤが前記ドラム回転軸の周りを回転する間に前記プッシャーを前記プッシャー方向に沿って移動させるように適合されたアクチュエータと、を備える、ドラムコンベヤ。
【請求項2】
前記アクチュエータが、カムを含み、前記カムが、前記ドラムコンベヤが前記ドラム回転軸の周りを回転する間に、前記プッシャーを前記プッシャー方向に沿って押す、請求項1に記載のドラムコンベヤ。
【請求項3】
前記ドラムコンベヤが、前記外周表面の二つの対向する側面に位置する第一の壁および第二の壁を備え、前記カムが、前記第一の壁の一部分によって画定される、請求項2に記載のドラムコンベヤ。
【請求項4】
前記第一の壁が固定されている、請求項3に記載のドラムコンベヤ。
【請求項5】
前記プッシャーが、第一の端および第二の端を含み、前記プッシャーの第一の端が、前記アクチュエータと係合するように適合されている、請求項1~4のうちの一つ以上に記載のドラムコンベヤ。
【請求項6】
前記プッシャーに弾性要素が提供されている、請求項1~5のうちの一つ以上に記載のドラムコンベヤ。
【請求項7】
前記弾性要素が、前記プッシャーと前記カムとの間の接触を維持するために、前記プッシャーを前記カムに向かって付勢するように適合されている、請求項2または3に従属する場合の、請求項5または6に記載のドラムコンベヤ。
【請求項8】
前記プッシャーが、伸縮自在であり、内側管状要素および外側管状要素を含み、前記内側管状要素が、前記外側管状要素内を前記プッシャー方向に沿って摺動可能である、請求項1~7のうちの一つ以上に記載のドラムコンベヤ。
【請求項9】
前記第一のシャフトおよび前記第二のシャフトと前記プッシャーとの間の前記機械的連結が、ラックとピニオンとを含む、請求項1~8のうちの一つ以上に記載のドラムコンベヤ。
【請求項10】
前記プッシャーが第一のラックおよび第二のラックを含み、前記第一のシャフトが第一のピニオンを含み、前記第二のシャフトが第二のピニオンを含み、前記プッシャーが、前記第一のラックが前記第一のピニオンと係合し、前記第二のラックが前記第二のピニオンと係合するように位置付けられる、請求項9に記載のドラムコンベヤ。
【請求項11】
前記プッシャーの直線運動が振幅を画定し、前記振幅が、前記第一のシートおよび前記第二のシートが少なくとも90度回転するように選択される、請求項1~10のうちの一つ以上に記載のドラムコンベヤ。
【請求項12】
複数のN個のシートおよび複数のN個のシャフト、およびN/2個のプッシャーを備え、前記N/2個のプッシャーのk番目(k=1...N/2)のプッシャーそれぞれが、請求項1~11の一つ以上に従い、二つの最も近い隣接したシャフト(i、i+1)に連結され、i=1、3、5…N-1である、請求項1~11のうちの一つ以上に記載のドラムコンベヤ。
【請求項13】
ロッド形状の物品を回転させるためのシステムであって、
請求項1~12のいずれか一項に記載のドラムコンベヤと、
前記第一のシート上または前記第二のシート上に位置付けられたロッド形状の物品を検査するように適合された検査装置と、を備える、システム。
【請求項14】
長軸方向軸を有するロッド形状の物品を回転させる方法であって、
ドラム回転軸および外周表面を画定するドラムコンベヤを提供することであって、前記ドラムコンベヤが、
前記ドラムコンベヤの前記外周表面上に位置する第一のシートおよび第二のシート、
第一のシャフトおよび第二のシャフトであって、前記第一のシャフトが、第一のシャフト長軸方向軸を画定し、前記第二のシャフトが、第二のシャフト長軸方向軸を画定し、前記第一のシャフト長軸方向軸および前記第二のシャフト長軸方向軸が、前記ドラム回転軸に対して実質的に直角を成し、前記第一のシートが、前記第一のシャフトに取り付けられ、前記第二のシートが、前記第二のシャフトに取り付けられる、第一のシャフトおよび第二のシャフト、および、
前記第一のシャフトおよび前記第二のシャフトとの機械的連結を形成するプッシャー、を備える、提供することと、
ロッド形状の物品を前記第一のシート内および前記第二のシート内に位置付けることと、
前記ドラムコンベヤを前記ドラムコンベヤ回転軸の周りに回転させることと、
前記ドラムコンベヤを回転させる間に前記プッシャーをプッシャー方向に沿って直線的に移動させることと、
前記第一のシートおよび前記第二のシート内の前記ロッド形状の物品の前記長軸方向軸を回転させるように、前記プッシャーの前記直線運動を、前記第一のシャフト長軸方向軸および前記第二のシャフト長軸方向軸の周りの前記第一のシャフトおよび前記第二のシャフトの回転運動へと変換することと、を含む、方法。
【請求項15】
前記ドラムコンベヤを回転させる工程が、
前記ドラムコンベヤを前記ドラム回転軸の周りに360度回転させることを含み、
前記ドラムコンベヤの同じ360度の回転において、前記第一のシャフトおよび前記第二のシャフトを回転させる工程が、
前記第一のシャフトおよび前記第二のシャフトを、前記第一のシート内および前記第二のシート内の前記ロッド形状の物品の前記長軸方向軸が前記ドラム回転軸に対して直角を成す構成から、前記第一のシート内および前記第二のシート内の前記ロッド形状の物品の前記長軸方向軸が前記ドラム回転軸に平行な構成へと回転させることと、
前記第一のシャフトおよび前記第二のシャフトを、前記第一のシート内および前記第二のシート内の前記ロッド形状の物品の前記長軸方向軸が前記ドラム回転軸に平行な前記構成から、前記第一のシート内および前記第二のシート内の前記ロッド形状の物品の前記長軸方向軸が前記ドラム回転軸に平行な前記構成へと戻るように回転させることと、を含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロッド形状の物品を回転させるためのドラムコンベヤ、およびロッド形状の物品を回転させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル発生物品、例えば、フィルター紙巻たばこは典型的に、紙ラッパーで囲まれたたばこカットフィラーのロッドと、巻かれたたばこロッドと端と端を接した関係で整列され、チッピングペーパーによってそれに取り付けられた円筒状のフィルターとを備える。軸方向に整列して取り付けられた複数の円筒状の構成要素を備える、喫煙物品のためのいくつかのフィルターが公知である。一例として、二つまたは三つの異なるセグメントを備える喫煙物品用のフィルターを製造するための方法が公知である。
【0003】
こうした複数構成要素フィルターの製造において、構成要素のうちの一つ以上は、最初は、二重または四重の長さの構成要素、すなわち、最終喫煙物品におけるその構成要素の2倍または4倍の長さの構成要素として提供されてもよい。これらの多重長のロッドは、典型的には切断されてより小さな部分へと分離され、切断された部分の間に他の構成要素が導入されてもよい。フィルター内の様々なセグメントは通常、例えば、フィルターの内部空洞を画定するために、連続的なセグメントが当接した関係にあるか、または相互から所定の距離で互いに整列するように、特定の順序および配設で定置される必要がある。
【0004】
別個のフィルター構成要素は、処理中に、駆動チェーンなどの線形コンベヤによって移動されてもよい。したがって、線形コンベヤは、構成要素自体の軸方向に実質的に平行に延びる第一の搬送方向に沿ってフィルターセグメントを搬送するように適合されている。
【0005】
さらに、追加の物体がフィルター内部に導入されてもよい。フィルターは、風味剤カプセル、スレッド、発熱体、サセプタ、およびその他を含んでもよい。こうした要素のフィルター構成要素内部における位置付けは、最終製品の品質にとって重要である。
【0006】
例えば、切断される構成要素内に物体を不正確に位置付けることにより、物体を損傷する場合がある。例えば、物体がサセプタである場合、こうした切断のために使用されるブレードの衝撃は、サセプタの形状を変化させ、これにより使用中のサセプタの機能を損なう場合がある。
【0007】
さらに、構成要素における物体の不正確な位置は、ユーザーの感覚的な体験、および最終製品の一貫性を変化させ得る。
【0008】
典型的には、エアロゾル発生物品の製造中、例えば、たばこの密度、ロッドの空隙率、または構成要素内の物体の位置を確認するために、ロッドの端を検査する必要がある。しかしながら、ロッドが端と端を接した関係で搬送される場合には、これは困難である。したがって、回転の信頼性が高いが、同時に比較的複雑なアセンブリを必要としない、ロッド形状の構成要素を回転させるシステムおよび方法が必要である。
【発明の概要】
【0009】
一態様によると、本発明は、ドラム回転軸および外周表面を画定するドラムコンベヤに関する。ドラムコンベヤは、第一のシートおよび第二のシートを備え、第一のシートおよび第二のシートの各々は、ロッド形状の物品を搬送するように適合されており、第一のシートおよび第二のシートは、ドラムコンベヤの外周表面上に位置することが好ましい。ドラムコンベヤは、第一のシャフトおよび第二のシャフトを備え、第一のシャフトは、第一のシャフト長軸方向軸を画定し、第二のシャフトは、第二のシャフト長軸方向軸を画定し、第一のシャフト長軸方向軸および第二のシャフト長軸方向軸は、ドラム回転軸に対して実質的に直角を成し、第一のシャフト長軸方向軸の周りの第一のシャフトの回転および第二のシャフト長軸方向軸の周りの第二のシャフトの回転により、第一のシートおよび第二のシートが回転するように、第一のシートは第一のシャフトに取り付けられ、第二のシートは第二のシャフトに取り付けられることが好ましい。ドラムコンベヤは、機械的連結によって第一のシャフトおよび第二のシャフトに連結されたプッシャーを備え、プッシャーは、プッシャー方向に沿って直線的に移動し、移動中に第一のシャフトおよび第二のシャフトと係合するように適合されていることが好ましい。ドラムコンベヤは、第一のシャフトおよび第二のシャフト、および取り付けられた第一のシートおよび第二のシートを同時に回転させるように、ドラムコンベヤがドラム回転軸の周りを回転する間にプッシャーをプッシャー方向に沿って移動させるように適合されたアクチュエータを備えることが好ましい。
【0010】
本発明のドラムコンベヤでは、外側円筒面上に形成されたシートは、ロッド形状の物品を受容するように構築および配設される。シートは、シャフトの長軸方向軸の周りを回転することができるシャフトに取り付けられる。二つのシャフトは、プッシャーの直線運動によって回転するように強制される。プッシャーは次に、アクチュエータによって移動される。シャフトの回転によりシートが回転し、それ故にシート内に収容されたロッド形状の物品が回転する。比較的少ない要素を備えた単純な機械的構造により、ロッド形状の物品を任意の角度で回転させることが可能になる。
【0011】
ドラムコンベヤは、ドラムコンベヤがその周りを回転するように適合されたドラム回転軸を画定する。ドラムコンベヤは、例えば、ギアまたは歯付きベルトを含むドラムドライブによって機械的に駆動され得る。ドラムコンベヤは、電気ドラムドライブによって駆動されてもよい。ドラムコンベヤは、円筒状の形状であり、外周表面を備えることが好ましい。外周表面は、例えば、幾何学的中心としてドラム回転軸を有する実質的に円筒面である。
【0012】
ドラムコンベヤは、ロッド形状の物品を搬送および回転させるように適合されている。ロッド形状の物品の各々は、長軸方向軸に沿って延びる、好ましくは実質的に円筒状の外表面を含む。実質的に円筒状のロッド形状の物品の場合、長軸方向軸は円筒の軸に対応する。
【0013】
ドラムコンベヤは、外周表面上に位置する少なくとも第一のシートおよび第二のシートを備える。以下では、ある特徴が「シート」に適用されると言われる場合、それが第一のシートであるか第二のシートであるかの言及がなくても、第一のシートおよび第二のシートの両方に適用されることを意味する。シートは、外周表面に位置付けられる。各シートは、搬送中にロッド形状の物品を保持するように適合されている。第一のシートは、第一のシート軸に沿って長軸方向に延び、第二のシートは、第二のシート軸に沿って長軸方向に延びる。第一のシートおよび第二のシートの各々は、ドラムコンベヤが回転するにつれて、シート軸に平行なその長軸方向軸を有するロッド形状の物品を受容するように適合されている。各シートは、シート軸およびロッド形状の物品の長軸方向軸が平行である、より好ましくは同心である場合に、ロッド形状の物品が内部に収容され得るように構成されることが好ましい。シートは、単一のロッド形状の物品、または複数のロッド形状の物品を収容するように適合されていてもよい。複数のロッド形状の物品がシート内に収容される場合、ロッド形状の物品は、当接関係にあり、それらの長軸方向軸は実質的に整列していることが好ましい。
【0014】
ドラムコンベヤは、三個以上のシート、例えばN個のシート(N>2)を備え、すべてのシートはドラムコンベヤの周辺表面上に位置付けられることが好ましい。シートは、ドラムの周辺部の周りに均等に間隙を介していることがより好ましい。ドラムコンベヤは、10~100個のシートを備えることが好ましい。ドラムコンベヤは、40~80個のシートを備えることがより好ましい。一部の実施形態では、ドラムコンベヤは50個のシートを備える。
【0015】
ドラムコンベヤ内に存在するすべてのシートは、同じ幾何学的形状を有することが好ましい。例えば、第一のシートおよび第二のシートの各々は、ロッド形状の物品の外表面に接触するよう適合された受容面を含む。受容面は、陥凹面、例えば、円筒面の一部分を含むことが好ましい。円筒面は、ドラムコンベヤによって搬送されるロッド形状の物品の直径と等しいか、わずかにこれよりも大きい直径を有する。その一部が受容面である円筒面の軸は、シート軸を画定する。
【0016】
各シートは、ドラムコンベヤが回転する間に吸引によってロッド形状の物品をシート内に保持するように適合された、吸引システムまたは空気圧システムに接続された吸引開口を含むことが好ましい。ロッド形状の物品のサイズおよび重量に応じて、二つ以上の開口が存在してもよい。
【0017】
ドラムコンベヤは、第一のシャフトおよび第二のシャフトを備える。以下では、ある特徴が「シャフト」に適用されると言われる場合、それが第一のシャフトであるか第二のシャフトであるかの言及がなくても、第一のシャフトおよび第二のシャフトの両方に適用されることを意味する。第一のシャフトは、第一のシャフト長軸方向軸の周りを回転するように適合され、第二のシャフトは、第二のシャフト長軸方向軸の周りを回転するように適合されている。第一のシャフト長軸方向軸および第二のシャフト長軸方向軸は、両方ともドラムコンベヤのドラム回転軸に対して実質的に直角を成している。第一のシャフトおよび第二のシャフトは、ドラム回転軸の周りに半径方向に延びることが好ましい。第一のシャフト長軸方向軸および第二のシャフト長軸方向軸は、同一平面上にあることが好ましい。第一のシャフトは、第一のシートに関連付けられ、第二のシャフトは、第二のシートに関連付けられる。N>2であるN個のシートがコンベヤドラム内に存在する場合、ドラムコンベヤ内に含まれるシャフトの数Nは、N個のシートと同数であるため、N個のシートの各シートは、N個のシャフトに関連付けられる。一つのシートに対して、一つのシャフトのみが関連付けられることが好ましい。N>2であるN個のシャフトの場合、すべてのシャフトは、シャフト長軸方向軸の周りを回転するように適合されている。N個の長軸方向軸は、同一平面上にあることが好ましい。N個のシャフト長軸方向軸は、すべてドラム回転軸に対して直角を成すことが好ましい。N個のシャフト長軸方向軸は、ドラム回転軸に対して直角を成す平面でドラムコンベヤを区切ることによって画定される円周の半径に沿って延び、円周は、中心としてドラム回転軸、および外側境界として外周表面を有することが好ましい。
【0018】
各シートは、シャフトの回転によりシートが回転するように、その関連付けられたシャフトに取り付けられる。したがって、回転のために、シャフトおよび関連付けられたシートは一体として移動する。シートは、シャフト長軸方向軸およびシート軸が相互に実質的に直角を成すように、シャフトに取り付けられることが好ましい。
【0019】
各シャフトは、相互に軸方向に対向する第一の端および第二の端を画定することが好ましい。第一の端は、ドラム回転軸に面してもよく、第二の端は、外周表面に位置するシートに取り付けられてもよい。シートは、シャフトの第二の端に固定されることが好ましい。
【0020】
さらに、ドラムコンベヤは、プッシャーを備える。プッシャーは、ロッド形状であることが好ましい。プッシャーは、プッシャー方向に沿って直線的に移動するように適合されている。プッシャー方向は、ドラム回転軸に対して直角を成さないことが好ましい。プッシャー方向は、ドラム回転軸に実質的に平行であることが好ましい。「直線的に移動」とは、プッシャーが、直線運動、すなわち、実質的に直線に沿った移動を行うように適合されていることを意味する。プッシャーは、プッシャー方向に沿って往復するように適合されていることがより好ましい。したがって、プッシャーは、直線的な前方運動(前方移動)および直線的な後方運動(後方移動)を行うように適合されている。
【0021】
プッシャーは、第一のシャフトおよび第二のシャフトに関連付けられる。N個(N>2)のシャフトの場合、ドラムコンベヤは、N/2個のプッシャーを備えることが好ましい。N/2個のプッシャーの各プッシャーは、二つの最も近い隣接したシャフトに関連付けられる。
【0022】
プッシャーは、機械的連結によって第一のシャフトおよび第二のシャフトと係合するように適合されている。機械的連結に起因して、プッシャーの直線運動は、第一のシャフト長軸方向軸の周りの第一のシャフト、および第二のシャフト長軸方向軸の周りの第二のシャフトの回転運動へと変換される。したがって、プッシャーは、プッシャーの直線運動をシャフトの回転運動へと変換する。
【0023】
機械的連結は、第一のシャフトおよび第二のシャフトを反対方向に回転させるように適合されていることが好ましい。例えば、機械的プッシャーは、プッシャーの直線運動の結果として、第一のシャフトを第一のシャフト長軸方向軸の周りに時計回りに回転させ、第二のシャフトを第二のシャフト長軸方向軸の周りに反時計回りに回転させる。プッシャーの前方移動中の第一のシャフトまたは第二のシャフトの回転方向は、プッシャーの後方移動中は逆転することが好ましい。
【0024】
プッシャーと第一のシャフトおよび第二のシャフトとの間の機械的連結は、機械的連結が直線運動を回転運動へと変換する能力がある限り、いかなる種類のものであってもよい。機械的連結は、当業界で公知であり得る。
【0025】
プッシャーは、例えば、第一のシャフトと第二のシャフトの間に位置することが好ましい。第一のシャフトおよび第二のシャフトは、角度的に間隙を介していることが好ましい。第一のシャフトと第二のシャフトとの間には空間が形成され、プッシャーが挿入されることが好ましい。プッシャーは、第一のシャフトおよび第二のシャフトと接触していることが好ましい。
【0026】
N>2であるN個のシャフトの場合、第一のシャフトおよび第二のシャフトは最も近い隣接したシャフトである。最も近い隣接したシャフトとは、角度的に最も近いシャフトである。N>2であるN個のシャフトの場合、最も近い隣接したシャフトの各対に対して、プッシャーを間に挿入することが好ましい。例えば、第一のシャフト、第二のシャフト、第三のシャフトおよび第四のシャフトの場合、第一のプッシャーは、第一のシャフトおよび第二のシャフトと係合し、第二のプッシャーは、第三のシャフトおよび第四のシャフトと係合する。一つのシャフトは、一つのプッシャーのみと係合することが好ましい。
【0027】
第一のシャフトが第一のシャフト長軸方向軸の周りを回転し、第二のシャフトが第二のシャフト長軸方向軸の周りを回転するように直線運動を行うために、プッシャーはアクチュエータによって移動される。アクチュエータは、プッシャーをプッシャー方向に沿って押して、プッシャーをシフトさせる。並進運動は、方向としてプッシャー方向、および所与の係数を有する並進ベクトルに沿って行われる。この係数の値は、とりわけ、第一のシャフトおよび第二のシャフトの回転角度を決定する。したがって、プッシャー上のアクチュエータ動作に応じて、プッシャー方向に沿ったプッシャーの移動は、異なる振幅を有し得る。プッシャーの直線運動の「振幅」は、並進運動ベクトルの係数を意味する。したがって、振幅は、移動の開始におけるプッシャーの端の位置と、移動の終了におけるプッシャーの同じ端の位置との間の距離であり、移動の開始および終了は、ドラム回転軸の周りのドラムコンベヤの回転中の二つの瞬間t1およびt2(t2>t1)である。距離は、プッシャー方向に沿って計算される。好ましくは、プッシャー方向は、ドラム回転軸に平行である。ドラム回転軸の周りのドラムコンベヤの回転中、プッシャーの直線運動は、プッシャーが、同じプッシャー方向に沿った移動を逆転させる時点において最大振幅に達する。移動の最大振幅は、0.5センチメートル~2センチメートルから成ることが好ましい。
【0028】
プッシャー移動の振幅は、プッシャーの直線運動に起因して、第一のシャフト長軸方向軸の周りの第一のシャフトの回転および第二のシャフト長軸方向軸の周りの第二のシャフトの回転が少なくとも80度となるように選択されることが好ましい。選択される振幅は、第一のシャフト長軸方向軸の周りの第一のシャフトの回転と、第二のシャフト長軸方向軸の周りの第二のシャフトの回転とが実質的に90度に等しくなるようなものであることが好ましい。90度の回転により、ロッド形状の物品の端、特に端面を簡単に検査することが可能になる。したがって、検査システムが存在する場合、ロッド形状の物品の端の正確な検査が可能となり得る。
【0029】
第一のシャフト上および第二のシャフト上のプッシャーの運動は、好ましくはプッシャーの直線運動は往復運動であるために、ドラム回転軸の周りのコンベヤドラムの回転中に変化することが好ましい。したがって、ドラムコンベヤの回転中、第一のシャフトおよび第二のシャフトの回転も同様に変化し得る。
【0030】
ドラム回転軸の周りのドラムコンベヤの360度の回転において、プッシャーが前方移動および後方移動を行うことが好ましい。前方移動および後方移動は、同じ最大振幅を有することが好ましい。プッシャーの前方移動は、アクチュエータから離れるプッシャーの直線運動であり、後方移動は、アクチュエータに向かうプッシャーの直線運動である。好ましくは、プッシャー方向は、ドラム回転軸に平行である。したがって、前方移動は、第一の配向を有するドラム回転軸に平行なプッシャーの直線運動であり、後方移動は、ドラム回転軸に平行であり、かつ第一の配向とは反対の配向を有する直線運動である。
【0031】
t=0で示されるドラム回転軸の周りのドラムコンベヤの回転中の一時点において、第一のシートおよび第二のシートは、ドラム回転軸に対して実質的に直角を成すそれらの第一のシート軸および第二のシート軸を有することが好ましい。ドラムコンベヤが回転を開始すると、アクチュエータがプッシャー上に作用してプッシャーを押し、前方移動させる。結果として生じる直線運動が、機械的連結により第一のシャフトおよび第二のシャフトを回転させる。したがって、ドラムコンベヤの回転中、プッシャーは、プッシャーの移動が最大振幅に達するまでプッシャー方向に沿って移動する。この最大振幅は、達した時に、少なくとも90度、より好ましくは実質的に90度に等しい角度で、第一のシャフトが第一のシャフト長軸方向軸の周りを回転し、第二のシャフトが第二のシャフト長軸方向軸の周りを回転するようなものであることが好ましい。回転が90度であるこの構成では、第一のシートおよび第二のシートのシート軸は、ドラム回転軸と実質的に平行であることが好ましい。
【0032】
この構成に達した時、すなわち、第一のシャフト長軸方向軸および第二のシャフト長軸方向軸の90度の回転が得られた時、プッシャーに対するアクチュエータの作用が変化してプッシャーの後方移動が開始し、その直線的な前方移動が逆転する。この逆転移動により、第一のシャフト長軸方向軸の周りの第一のシャフトと第二のシャフト長軸方向軸の周りの第二のシャフトの回転方向が変化する。プッシャーの前方移動中、第一のシャフトが時計回りに回転し、第二のシャフトが反時計回りに回転する場合、プッシャーの後方移動中、第一のシャフトおよび第二のシャフトの回転はそれぞれ反時計回りおよび時計回りとなる。この後方移動の最大振幅は、好ましくは、前方移動の最大振幅と同じであり、したがって、第一のシャフトおよび第二のシャフトは再び90度回転されることが好ましい。したがって、後方移動の終了時に、シート軸は再びドラム回転軸に対して実質的に直角を成す。
【0033】
t=0で示されるドラム回転軸の周りのドラムコンベヤの回転中の一時点において、第一のシートおよび第二のシートは、ドラム回転軸とαに等しい角度を形成する、その第一のシート軸および第二のシート軸を有することが好ましい。ドラムコンベヤが回転を開始すると、アクチュエータがプッシャー上に作用してプッシャーを押し、前方移動させる。結果として生じる直線運動が、機械的連結により第一のシャフトおよび第二のシャフトを回転させる。したがって、ドラムコンベヤの回転中、プッシャーは、プッシャーの移動が最大振幅に達するまでプッシャー方向に沿って移動する。この最大振幅は、達した時に、第一のシートと第二のシートのシート軸がドラム回転軸と実質的に平行である角度βで、第一のシャフトが第一のシャフト長軸方向軸の周りを回転し、第二のシャフトが第二のシャフト長軸方向軸の周りを回転するようなものであることが好ましい。したがって、α+β=90度であることが好ましい。
【0034】
この構成に達した時、すなわち、第一のシャフト長軸方向軸および第二のシャフト長軸方向軸のβ度の回転が得られた時、プッシャーに対するアクチュエータの作用が変化してプッシャーの後方移動が開始し、その直線的な前方移動が逆転する。この逆転移動により、第一のシャフト長軸方向軸の周りの第一のシャフトと第二のシャフト長軸方向軸の周りの第二のシャフトの回転方向が変化する。プッシャーの前方移動中、第一のシャフトが時計回りに回転し、第二のシャフトが反時計回りに回転する場合、プッシャーの後方移動中、第一のシャフトおよび第二のシャフトの回転はそれぞれ反時計回りおよび時計回りとなる。この後方移動の最大振幅は、好ましくは、前方移動の最大振幅と同じであり、したがって、第一のシャフトおよび第二のシャフトは再びβ度回転されることが好ましい。したがって、後方移動の終了時に、シート軸は再びドラム回転軸とαに等しい角度を実質的に形成する。
【0035】
前方移動および後方移動中、各時点で、シート軸とドラム回転軸との間に形成される角度は、プッシャー方向に沿ったプッシャーの位置に依存する。例えば、プッシャーの前方移動は、プッシャー方向に沿った第一の位置から第二の位置への移動を含む。第一の位置において、シート軸とドラム回転軸との間の角度は90度であってもよく、第二の位置において、シート軸とドラム回転軸との間の角度は0度であってもよい。プッシャーが第一の位置と第二の位置との間で移動する間、シート軸とドラム回転軸との間に形成される角度は、0度~90度であり、正確な値は、プッシャーの正確な瞬間的な位置に依存する。
【0036】
上記構造において、シートの回転、およびそれ故にシート内に位置付けられたロッド形状の物品の回転は比較的単純であり、比較的少ない機械的部品を必要とする。したがって、より小さなドラムコンベヤが使用されてもよく、小さなドラムコンベヤは、例えば、大きなドラムコンベヤと比較して、比較的低い慣性に起因してエネルギーを節約することを可能にする。さらに、ロッド形状の物品の長軸方向軸の回転角度は、プッシャーの直線運動の最大振幅を変更することによって容易に決定することができる。任意の回転角度を容易に達成することができる。角度の単純かつ効果的な選択が達成される。したがって、本発明のドラムコンベヤは、フィルターロッド物品の配向を、より効果的かつ円滑に変更するように適合されている。
【0037】
プッシャー方向は、第一のシャフト長軸方向軸または第二のシャフト長軸方向軸に対して直角を成すことが好ましい。シャフト長軸方向軸に対して直角を成すプッシャー方向を有することで、プッシャーと第一のシャフトおよび第二のシャフトとの間の安定的かつ効率的な機械的連結が可能になる。
【0038】
アクチュエータは、カムを含み、カムは、ドラムコンベヤがドラム回転軸の周りを回転する間に、プッシャーをプッシャー方向に沿って押すことが好ましい。プッシャーとカムとの間の相対回転は、プッシャーの直線運動へと変換される。この構成において、プッシャーはカムの従動子として作用する。プッシャーは、ドラムコンベヤの回転が同じ軸(ドラム回転軸)の周りのプッシャーの回転に対応するように、ドラムコンベヤと一体的に回転することが好ましい。カムは、エンドカムであることが好ましい。ドラムコンベヤは、外周表面の二つの対向する側面に位置する第一の壁および第二の壁を備えることが好ましい。カムは、第一の壁の一部分によって画定されることが好ましい。すなわち、第一の壁にカムが提供されることが好ましい。第一の壁の表面、より好ましくは第二の壁に面する表面上に、カムは第一の壁の局所的な厚さの変化として形成されることが好ましい。第一の壁は、周辺輪郭を含み、第一の壁の輪郭は、第一の壁と第二の壁との間のドラム回転軸に沿った局所的な距離が変化するように、所定のパターンに応じて厚さが変化する。プッシャーは、第一の端および第二の端を画定することが好ましい。プッシャーの第一の端は、カムに当接することが好ましい。プッシャーの第二の端は、ドラムコンベヤの第二の壁に固定されることが好ましい。好ましい実施形態では、カムを含む第一の壁は固定されている、すなわち、第一の壁は、ドラムコンベヤがドラム回転軸の周りを回転する際にドラムコンベヤと一緒に回転しない。反対に、第二の壁およびプッシャーは、ドラムコンベヤと一体的に回転することが好ましい。したがって、第一の壁と第二の壁との間に相対回転があることが好ましい。ドラムコンベヤが回転すると、プッシャーの第一の端が第一の壁上を摺動(または、第一の壁の表面がプッシャーの第一の端上を摺動)し、カムを画定して第一の壁の表面の輪郭に従う。第一の壁の厚さの変化に起因して、プッシャーが摺動する表面は平坦ではないが、プッシャーを第二の壁に向かって押す「突出部」を含む。この押す力は、第二の壁に向けたプッシャーの直線運動を引き起こす。直線運動の振幅は、第一の距離と第二の距離との間の差に依存する。第一の距離は、移動の開始における、プッシャーが接触する第一の壁の表面の点と第一の壁に面する第二の壁の内表面上の対応する点との間の、ドラム回転軸に平行な軸に沿って計算される距離である。第二の距離は、直線運動の終了における、プッシャーが接触する第一の壁の表面の点と第一の壁に面する第二の壁の内表面上の対応する点との間の、ドラム回転軸に平行な軸に沿って計算される距離である。差が大きいほど、振幅が大きくなる。第一の壁の表面の形状は、ドラム回転軸の周りのドラムコンベヤの実質的に180度以下の回転の後、第一のシャフト長軸方向軸の周りの第一のシャフトの回転、または第二のシャフト長軸方向軸の周りの第二のシャフトの回転が少なくとも80度、より好ましくは少なくとも90度となるように適合される。
【0039】
第一の壁は固定されていることが好ましい。カムは固定されたままであり、プッシャーは、ドラムコンベヤが回転する間にカム上を摺動することが好ましい。ドラムコンベヤと一体的に回転するプッシャーは、カム上を摺動し、それ故にカム形状に起因して直線方向に沿った直線運動を行うように強制される。プッシャーの移動は、実質的にエンドカムの従動子の移動であることが好ましい。
【0040】
プッシャーは、第一の端および第二の端を含み、プッシャーの第一の端は、アクチュエータと係合するように適合されていることが好ましい。アクチュエータの運動は、プッシャーの対向する第一の遠位端および第二の遠位端のうちの一つ、例えば、第一の端上で行われることが好ましい。例えば、プッシャーおよびカムの相対回転においてプッシャーの第一の端がカム上を摺動するように、アクチュエータがカムであり、プッシャーがその従動子である。
【0041】
プッシャーに弾性要素が提供されることが好ましい。弾性要素は、第一の壁に向かってプッシャー上に弾性力を加えることが好ましい。プッシャーの第一の端がアクチュエータと係合したままとなるように、力がプッシャーに加えられることが好ましい。この力は弾性力であることが好ましい。この力は、第一の壁に向かう主要な成分を有することが好ましい。弾性力は、プッシャーの第二の端に提供される弾性要素によって生成され得る。弾性要素は、好ましくはプッシャー方向に沿って方向付けられた力を生成する。この弾性力は、プッシャー上にアクチュエータによって加えられる力の配向とは反対の配向を有することが好ましい。弾性力は、アクチュエータと係合したままとなるようにプッシャーの第一の端を付勢し得る。例えば、プッシャーの第一の端が第一の壁の表面上を摺動する時、プッシャーの第二の端は、プッシャーの第一の端とカムを含む第一の壁の表面との間の接触を維持することができるように、プッシャーを第一の壁の表面に向かって押す弾性要素と係合してもよい。弾性要素は、プッシャーと第二の壁との間で圧縮されることが好ましい。弾性要素は、第二の壁に接続されることが好ましい。弾性要素は、例えば、ばねを含んでもよい。弾性要素は、ゴムなどの弾性材料のブロックを含んでもよい。弾性要素は、プッシャー上に第一の壁に向かって絶えず力を加えるように常に圧縮状態にあるように取り付けられてもよい。弾性力は、プッシャーが直線的に移動する時に変化する。プッシャーがプッシャー方向に沿って第二の壁に向かって移動すると、弾性力が増大する。プッシャー方向はドラム回転軸に平行であり、プッシャーの第一の端がアクチュエータと係合する一方で、プッシャーの第二の端が弾性要素と係合することが好ましい。プッシャー上にアクチュエータによって加えられる力は、プッシャー方向に沿った成分を有する。プッシャー上に弾性要素によって加えられる弾性力は、プッシャー方向に沿った成分を有する。
【0042】
弾性要素は、プッシャーとカムとの間の接触を維持するために、プッシャーをカムに向かって付勢するように適合されていることが好ましい。ドラムコンベヤの回転中にプッシャーとカムとの間の接触を維持するには、力が必要である。この力は、弾性要素によって提供されてもよい。プッシャーは第一の壁の表面上を摺動し、接触は、弾性要素によって加えられる力によって第一の壁とプッシャーとの間の相対回転中保持されることが好ましい。弾性要素は、第二の壁とプッシャーの第二の端との間に位置付けられることが好ましい。
【0043】
プッシャーは、伸縮自在であり、内側管状要素および外側管状要素を含み、内側管状要素は、外側管状要素内をプッシャー方向に沿って摺動可能である。伸縮自在なプッシャーは、収縮した構成における最小長さから、拡張した構成における最大長さまで、プッシャー方向に沿ったプッシャーの全長を変化させ得る。伸縮自在なプッシャーは、弾性要素によって加えられる弾性力によって拡張した構成に向けて押されることが好ましい。アクチュエータは、伸縮自在なプッシャーを収縮した構成に向けて押す。したがって、プッシャーの往復移動は、伸縮自在なプッシャーの拡張および収縮を含む。したがって、直線運動の最大振幅は、プッシャーの拡張した構成における全長とプッシャーの収縮した構成における全長との間のプッシャーの全長との差である。したがって、直線運動は、外側管状要素内外の内側管状要素の摺動移動である。弾性要素は、内側管状要素と外側管状要素との間に位置してもよく、弾性要素は、内側管状要素が外側管状要素内を摺動する時に圧縮されることが好ましい。
【0044】
第一のシャフトおよび第二のシャフトとプッシャーとの間の機械的連結は、ラックおよびピニオンを含むことが好ましい。プッシャーの直線運動を第一のシャフトおよび第二のシャフトの回転運動へと変換するために、線形ギア(ラック)と係合する円形ギア(ピニオン)を含む機械的連結が使用されることが好ましい。ラックを直線的に駆動させることにより、ピニオンが回転へと駆動される。機械的連結のこの構成は、運動の変換において非常に効率的であり、実現が比較的簡単である。しかしながら、他の機械的連結が同様に使用されてもよい。
【0045】
プッシャーは第一のラックおよび第二のラックを含み、第一のシャフトは第一のピニオンを含み、第二のシャフトは第二のピニオンを含み、プッシャーは、第一のラックが第一のピニオンと係合し、第二のラックが第二のピニオンと係合するように位置付けられることが好ましい。プッシャーは、第一のシャフトと第二のシャフトとの間に位置することが好ましい。第一のシャフトと第二のシャフトとの間のプッシャーの挿入の正確な位置、例えば、プッシャーとドラム回転軸との間の距離は、第一のシャフトおよび第二のシャフト内に形成されるピニオンの位置に依存する。プッシャーは、第一のラックおよび第二のラックを含むことが好ましい。第一のラックと第二のラックは、反対方向に面してもよい。第一のラックは、第一のシャフトに面してもよく、第二のラックは、第二のシャフトに面してもよい。第一のラックは、第一のピニオンと係合してもよい。第二のラックは、第二のピニオンと係合してもよい。このように、第一のラックおよび第二のラックと第一のピニオンおよび第二のピニオンそれぞれとの係合に起因して、第一のラックおよび第二のラックの直線運動が、第一のシャフトの回転運動および第二のシャフトの回転運動へと変換される。第一のシートが第一のシャフトに取り付けられ、第二のシートが第二のシャフトに取り付けられるという事実に起因して、第一のシャフトおよび第二のシャフトの回転運動はまた、第一のシャフト長軸方向軸の周りの第一のシート、および第二のシャフト長軸方向軸の周りの第二のシートの回転に対応する。
【0046】
プッシャーの直線運動は振幅を画定し、振幅は、第一のシートおよび第二のシートが少なくとも90度回転するように選択されることが好ましい。プッシャー方向は、ドラム回転軸に平行であることが好ましい。プッシャー方向は、第一のシャフト長軸方向軸および第二のシャフト長軸方向軸に対して直角を成すことが好ましい。直線運動は、前方移動および後方移動を含むことが好ましい。前方移動および後方移動は両方とも、ドラムコンベヤの360度の単一の回転内に含まれることが好ましい。前方移動および後方移動は、同じ最大振幅を有することが好ましい。回転中の所与の時点t1において、シート軸は、ドラム回転軸に対して実質的に直角を成すことが好ましい。ドラムコンベヤの180度以下の回転後、時間t2の時点(t2>t1)において、シート軸はドラム回転軸に平行であることが好ましい。完全な回転の終了前または終了時におけるドラムコンベヤの後続の回転後、シート軸は、再びドラム回転軸に対して直角を成すことが好ましい。
【0047】
ドラムコンベヤは、複数のN個のシートおよび複数のN個のシャフト、およびN/2個のプッシャーを備え、N/2個のプッシャーのk番目(k=1...N/2)のプッシャーそれぞれは、上記態様に従い、二つの最も近い隣接したシャフト(i、i+1)に連結され、i=1、3、5…N-1であることが好ましい。ドラムコンベヤにおいて、プッシャーの数はシャフト(またはシート)の数の半分であることが好ましい。したがって、シートおよびシャフトの数がNに等しい場合、プッシャーの数はN/2に等しい。一つのプッシャーと二つのシャフトとの間の連結により、N/2個のプッシャーを使用するだけでN個のシャフトを回転させることが可能になる。N個のシャフトは、すべてドラム回転軸に対して直角を成すことが好ましい。N個のシャフトは、同一平面上にあることが好ましい。N個のシャフトの各シャフトは、N個のシートのシートに関連付けられる。関連付けは、第一のシートと第一のシャフト、および第二のシートと第二のシャフトとの間の関連付けと同一であることが好ましい。N/2個のプッシャーの各々は、N個のシャフトの二つの最も近い隣接したシャフトに連結される。したがって、シャフトとプッシャーとの間の関係は、以下が好ましい。
【0048】
k番目のプッシャー(kは1~N/2の整数)は、i番目のシャフトおよび(i+1)番目のシャフトと呼ばれる二つの最も近い隣接したシャフトに連結され、iは1~N-1の奇数である。したがって、第一のシャフトと第二のシャフトとの間には第一のプッシャーが介在し、第二のシャフトと第三のシャフトとの間にはプッシャーがなく、第三のシャフトと第四のシャフトとの間には第二のプッシャーが介在するなどである。
【0049】
ドラムコンベヤは、ドラムコンベヤの外周表面の周りに均等に間隙を介したN個のシートを備えることが好ましい。ドラムコンベヤはまた、N個のシャフトを備え、シャフトは、N個のシートの各シートに関連付けられることが好ましい。N個のシートは、不均等な間隔を有し得ることが好ましい。例えば、間にプッシャーが挿入される二つのシャフトに関連付けられた二つの最も近い隣接したシート間の間隔は、間にプッシャーが存在しない二つのシャフトに関連付けられた二つの最も近い隣接したシート間の間隔とは異なる場合がある。さらに、シート間の間隔は、シート内に位置付けられたロッド形状の物品間の間隔に対応しない場合がある。
【0050】
さらなる態様によると、本発明は、ロッド形状の物品を回転させるためのシステムに関し、システムは、前述の態様によるドラムコンベヤを備える。ロッド形状の物品は、ドラムコンベヤ内で所定の角度で回転される。ロッド形状の物品は、その長軸方向軸がドラム回転軸に対して直角を成す構成から、その回転軸がドラム回転軸と実質的に平行である構成へと回転されることが好ましい。
【0051】
このシステムの利点については、第一の態様を参照しながら既に概説しているため、ここでは繰り返さない。
【0052】
システムは、第一のシート上または第二のシート上(または第一のシートおよび第二のシートの両方上)に位置付けられたロッド形状の物品を検査するように適合された検査装置をさらに備えることが好ましい。ロッド形状の物品が、物品の長軸方向軸を搬送方向に平行にして搬送方向に搬送される場合、ロッド形状の物品の端面を検査することは困難な場合がある。ロッド形状の物品の一つ以上の端面の検査は、ロッド形状の物品の品質を評価するのに関連し得る。例えば、ロッド形状の物品の楕円率などの変形の存在を調べることが望ましい。製造中にロッド形状の物品に物体が挿入される場合、物体の位置が正しいかどうかを評価することが望ましい場合がある。しかしながら、それらの軸を相互に平行にして順々に移動するロッド形状の物品の経路は、この作業を困難にし得る。したがって、ロッド形状の物品の第一の端または第二の端を検査するために、特に、ロッド形状の物品が、最初はロッド長軸方向軸がドラム回転軸に対して直角を成してドラムコンベヤのシート内に位置付けられる場合、本発明のシステムを使用して、ロッド形状の物品を選択された角度、例えば、90度回転させることが好ましい。90度の回転は、長軸方向軸の初期方向に対するロッド形状の物品の長軸方向軸の回転である。したがって、回転は、搬送方向に対する回転である。システムは、ロッド形状の物品の第一の端もしくは第二の端、またはその両方を検査するための検査装置を含むことが好ましい。検査装置は、カメラを含むことが好ましい。検査装置は、ロッド形状の物品の第一の端または第二の端におけるサセプタの位置を検出するように適合されていることが好ましい。
【0053】
第一のシートは第一のシート軸に沿って延び、第二のシートは第二のシート軸に沿って延び、検査装置は、第一のシート軸および第二のシート軸がドラム回転軸に平行である時に、ドラムコンベヤ上のロッド形状の物品を検査するように適合されていることが望ましい。検査装置は、ロッド形状の物品が第一のシートまたは第二のシート内に位置付けられ、かつ第一のシート軸または第二のシート軸がドラム回転軸に平行である時に、ロッド形状の物品の第一の端または第二の端を検査することが好ましい。
【0054】
システムは、第一の線形コンベヤを備え、第一の線形コンベヤは、ドラム回転軸に対して実質的に直角を成して延びる第一の搬送方向にロッド形状の物品の長軸方向軸の配向を維持して、ロッド形状の物品の流れを搬送するように適合されており、ドラムコンベヤは、第一の線形コンベヤの下流に位置し、ロッド形状の物品と係合し、その長軸方向軸を回転させながらロッド形状の物品を搬送するように適合されていることが好ましい。長軸方向軸の回転は、ドラムコンベヤの搬送方向に対する回転である。したがって、システムは、ロッド形状の物品が第一の線形コンベヤからドラムコンベヤに移送される移送ステーションを備える。前述のように、この構成は、ロッド形状の物品の端面の簡単な検査を可能にしない。この理由のために、ロッド形状の物品は、好ましくは、線形コンベヤから本発明のドラムコンベヤに移送され、そこで物品は所与の角度で回転される。
【0055】
システムは、第二の線形コンベヤを備え、第二の線形コンベヤは、ドラム回転軸に対して実質的に直角を成して延びる第二の搬送方向にロッド形状の物品の長軸方向軸の配向を維持して、ロッド形状の物品の流れを搬送するように適合されており、第二の線形コンベヤは、ドラムコンベヤの下流に位置し、ドラムコンベヤから受容したロッド形状の物品と係合するように適合されている。したがって、システムは、その長軸方向軸を相互に平行にしてロッド形状の物品が再び搬送されるように、ロッド形状の物品をドラムコンベヤから別の線形コンベヤに戻すように移送することが好ましい。
【0056】
さらなる態様によると、本発明は、長軸方向軸を有するロッド形状の物品を回転させる方法に関する。方法は、ドラム回転軸および外周表面を画定するドラムコンベヤを提供することを含むことが好ましい。ドラムコンベヤは、ドラムコンベヤの外周表面上に位置する第一のシートおよび第二のシートを備えることが好ましい。ドラムコンベヤは、第一のシャフトおよび第二のシャフトを備え、第一のシャフトは、第一のシャフト長軸方向軸を画定し、第二のシャフトは、第二のシャフト長軸方向軸を画定し、第一のシャフト長軸方向軸および第二のシャフト長軸方向軸は、ドラム回転軸に対して実質的に直角を成し、第一のシートは、第一のシャフトに取り付けられ、第二のシートは、第二のシャフトに取り付けられる。ドラムコンベヤは、第一のシャフトおよび第二のシャフトとの機械的連結を形成するプッシャーを備えることが好ましい。方法は、ロッド形状の物品を第一のシート内および第二のシート内に位置付けることを含むことが好ましい。方法は、ドラムコンベヤをドラムコンベヤ回転軸の周りに回転させることを含むことが好ましい。方法は、ドラムコンベヤを回転させる間にプッシャーをプッシャー方向に沿って直線的に移動させることを含むことが好ましい。方法は、第一のシートおよび第二のシート内のロッド形状の物品の長軸方向軸を回転させるように、プッシャーの直線運動を、第一のシャフト長軸方向軸の周りの第一のシャフトの回転運動、および第二のシャフト長軸方向軸の周りの第二のシャフトの回転運動へと変換することを含むことが好ましい。
【0057】
第二の態様の利点については、前述の態様を参照しながら既に詳述したため、ここでは繰り返さない。
【0058】
第一のシャフトおよび第二のシャフトを回転させる工程は、第一のシャフトおよび第二のシャフトを90度回転させることを含むことが好ましい。90度の回転により、ロッド形状の物品の端面を容易に検査することが可能になる。
【0059】
第一のシャフトおよび第二のシャフトを回転させる工程は、第一のシャフトおよび第二のシャフトを反対方向に回転させることを含むことが好ましい。プッシャー方向に沿ったプッシャーの直線運動は、第一のシャフトおよび第二のシャフトそれぞれの二つの回転運動へと変換される。容易な変換のために、二つの回転運動は反対方向にある。
【0060】
第一のシャフトおよび第二のシャフトを回転させる工程は、第一のシャフトおよび第二のシャフトを、第一のシート内および第二のシート内のロッド形状の物品の長軸方向軸がドラム回転軸に対して直角を成す構成から、第一のシート内および第二のシート内のロッド形状の物品の長軸方向軸がドラム回転軸に平行な構成へと回転させることを含むことが好ましい。ロッド形状の物品の一部の処理では、ロッド形状の物品を、その長軸方向軸が相互に平行かつ当接関係にあるように一列に位置付けることが好ましい。しかしながら、この構成では、ロッド形状の物品の端面の検査など、他の処理工程が妨げられる場合がある。本発明の方法は、ロッド形状の物品が一列にあるこの初期構成から、ロッド形状の物品が90度回転される構成へとロッド形状の物品を回転させることが好ましい。このようにして、それらの端面が容易に検査され得る。
【0061】
ドラムコンベヤを回転させる工程は、ドラム回転軸の周りでドラムコンベヤを360度回転させることを含むことが好ましい。ドラムコンベヤの同じ360度の回転において、第一のシャフトおよび第二のシャフトを回転させる工程は、第一のシャフトおよび第二のシャフトを、第一のシート内および第二のシート内のロッド形状の物品の長軸方向軸がドラム回転軸に対して直角を成す構成から、第一のシート内および第二のシート内のロッド形状の物品の長軸方向軸がドラム回転軸に平行である構成へと回転させることと、第一のシャフトおよび第二のシャフトを、第一のシート内および第二のシート内のロッド形状の物品の長軸方向軸がドラム回転軸に平行である構成から、第一のシート内および第二のシート内のロッド形状の物品の長軸方向軸がドラム回転軸に平行な構成へと戻るように回転させることと、を含むことが好ましい。物品が、長軸方向軸を相互に対して平行にして一列に、かつ当接関係で位置付けられる場合、より多くの処理工程がロッド形状の物品に対して行われるため、所望の検査のための十分な期間の間ロッド形状の物品を「一時的に」回転させ、その後物品を初期構成へと戻るように回転させることが好ましい。
【0062】
方法は、第一のシャフトおよび第二のシャフトが、ロッド形状の物品の長軸方向軸がドラム回転軸に平行である構成にある時に、第一のシートおよび第二のシート内のロッド形状の物品を検査することを含むことが好ましい。端面の検査は、この構成において促進され得る。
【0063】
プッシャーをプッシャー方向に沿って直線的に移動させる工程は、プッシャーをプッシャー方向に沿って往復させることを含むことが好ましい。プッシャーは、第一のシートおよび第二のシートの90度の第一の回転において前方移動、および後続の、第一のシートおよび第二のシートの元に戻る90度の回転において後方移動を行い得る。
【0064】
プッシャーをプッシャー方向に沿って直線的に移動させる工程は、カムによって、プッシャーをプッシャー方向に沿って移動させることを含むことが好ましい。プッシャーとカムとの間の関係は、プッシャーがカムの従動子として機能することである。
【0065】
コンベヤドラムを提供する工程は、第一の壁および第二の壁を有するコンベヤドラムを提供することと、第一の壁にカムを形成することとを含むことが好ましい。部品数が少ない単純な構造が達成され得る。
【0066】
プッシャーを有するコンベヤドラムを提供する工程は、内側管状要素および外側管状要素を含む伸縮自在なプッシャーを提供することを含むことが好ましい。プッシャーをプッシャー方向に沿って直線的に移動させる工程は、内側管状要素を外側管状要素の内向きまたは外向きに摺動させることを含むことが好ましい。プッシャーの直線運動は、プッシャー方向に沿ってプッシャー全長を変化させる、伸縮自在なプッシャーの摺動運動を含み得る。
【0067】
方法は、一つ以上のロッド形状の物品を第一のコンベヤからドラムコンベヤに移送する工程を含むことが好ましい。第一のコンベヤは、線形コンベヤであり、方法は、複数のロッド形状の物品を、それらの軸を相互に平行にして経路に沿って搬送することを含むことがより好ましい。
【0068】
以下では、「ロッド形状の物品」という用語は、エアロゾル形成物品に含まれ得る任意の要素を指し得る。こうした要素は当業界において公知であり、以下でさらに詳細には述べない。例えば、こうしたロッド形状の物品は、フィルターのプラグ、熱源、たばこロッド、木炭要素等を含んでもよい。ロッド形状の物品は、物品、特にたばこ含有物品を含有する植物材料であることが好ましい。たばこ物品は、たばこカットフィラーまたはエアロゾル形成再構成たばこを含んでもよい。物品は、燃焼されるまたは加熱されるたばこロッドを備え得る。本発明によるロッド形状の物品は、完全な組み立てられたエアロゾル形成物品であってもよく、または例えば加熱式喫煙装置の消耗部品など、エアロゾルを生成するために組み立てられたエアロゾル形成物品を提供する目的で一つ以上の他の構成要素と組み合わせられたエアロゾル形成物品の要素であってもよい。
【0069】
エアロゾル形成物品の要素は、加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される揮発性たばこ風味化合物を含むたばこ含有材料を含むことが好ましい。
【0070】
ロッド形状の物品は、熱源、または揮発性風味生成構成要素(例えば、メントールカプセル、木炭要素)、またはサセプタを含み得ることが好ましい。
【0071】
サセプタは、エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生させるのに十分な温度に誘導加熱されることができる任意の材料から形成されてもよい。好ましいサセプタは金属または炭素を含む。好ましいサセプタは、強磁性材料、例えばフェライト鉄、または強磁性の鋼もしくはステンレス鋼を含んでもよい。好適なサセプタはアルミニウムであってもよく、またはアルミニウムを含んでもよい。好ましいサセプタは、400シリーズのステンレス鋼、例えばグレード410、またはグレード420、またはグレード430のステンレス鋼から形成されてもよい。異なる材料は、類似の値の周波数および磁界強度を有する電磁場内に位置付けられた時に、異なる量のエネルギーを散逸させる。こうして、材料のタイプ、長さ、幅、および厚さなどのサセプタのパラメータはすべて、公知の電磁場内で望ましい電力散逸を提供するように改変されてもよい。
【0072】
好ましいサセプタは摂氏250度を超える温度に加熱される場合がある。適切なサセプタは、非金属コアの上に配置された金属層を有する非金属コア、例えば、セラミックコアの表面上に形成された金属のトラックを備えてもよい。サセプタは、細長いサセプタ材料を封入する保護用の外部層、例えば保護用のセラミック層または保護用のガラス層を有してもよい。サセプタは、サセプタ材料のコアの上に形成される、ガラス、セラミック、または不活性金属によって形成された保護被覆を備えてもよい。
【0073】
ロッド形状の物品は、約5ミリメートル~約20ミリメートル、好ましくは約8ミリメートル~約16ミリメートルの長さ、例えば、約12ミリメートルの長さを有してもよいことが好ましい。一部の場合において、ロッド形状の物品は、約40ミリメートル~約85ミリメートルの長さを有してもよい。
【0074】
以下では、「長さ」という用語は、他に明示されない限り、その長軸方向軸に沿ったロッド形状の物品の長さを指す。
【0075】
以下では、「ロッド形状」という用語は、実質的に円筒形、長円形または楕円形の概して円筒状の要素を指す。しかしながら、異なる断面を有する他の角柱形態も可能である。
【0076】
本明細書で使用される場合、エアロゾル形成物品は、エアロゾル形成基体が加熱された時に吸入可能なエアロゾルを生成する任意の物品である。この用語は、電気発熱体などの外部熱源によって加熱されるエアロゾル形成基体を備える物品を含む。エアロゾル形成物品は、エアロゾル形成基体の燃焼を用いずに揮発性化合物を放出する物品である、不燃性エアロゾル形成物品であってもよい。エアロゾル形成物品は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出するために、燃焼ではなく加熱されることが意図されるエアロゾル形成基体を含むエアロゾル形成物品である、加熱式エアロゾル形成物品であってもよい。この用語は、エアロゾル形成基体と、一体型の熱源(例えば、可燃性熱源)と、を備える物品を含む。
【0077】
本発明によるエアロゾル形成物品は、フィルター付き可燃性紙巻たばこ、またはたばこ材料が燃焼して煙を形成するその他の喫煙物品の形態であってもよい。
【0078】
エアロゾル形成物品は実質的に円筒形の形状でありうることが好ましい。エアロゾル形成物品は、実質的に細長くてもよい。エアロゾル形成物品は、長さと、その長さに対して実質的に直角を成す円周とを有してもよい。エアロゾル形成物品は、約30ミリメートル~約100ミリメートルの全長を有してもよい。エアロゾル形成物品は、約5ミリメートル~約12ミリメートルの外径を有してもよい。
【0079】
本発明は特許請求の範囲に定義されている。しかしながら、以下に非限定的な実施例の非網羅的なリストを提供している。これらの実施例の特徴のうちの任意の一つ以上は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、または態様の任意の一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【0080】
実施例1:
ドラム回転軸および外周表面を画定するドラムコンベヤであって、
o 第一のシートおよび第二のシートであって、第一のシートおよび第二のシートの各々は、ロッド形状の物品を搬送するように適合されており、第一のシートおよび第二のシートは、ドラムコンベヤの外周表面上に位置する、第一のシートおよび第二のシートと、
o 第一のシャフトおよび第二のシャフトであって、第一のシャフトが、第一のシャフト長軸方向軸を画定し、第二のシャフトが、第二のシャフト長軸方向軸を画定し、第一のシャフト長軸方向軸および第二のシャフト長軸方向軸が、ドラム回転軸に対して実質的に直角を成し、第一のシャフト長軸方向軸の周りの第一のシャフトの回転および第二のシャフト長軸方向軸の周りの第二のシャフトの回転により、第一のシートおよび第二のシートが回転するように、第一のシートが第一のシャフトに取り付けられ、第二のシートが第二のシャフトに取り付けられる、第一のシャフトおよび第二のシャフトと、
o 機械的連結によって第一のシャフトおよび第二のシャフトに連結されたプッシャーであって、プッシャー方向に沿って直線的に移動し、移動中に第一のシャフトおよび第二のシャフトと係合するように適合されている、プッシャーと、
o 第一のシャフトおよび第二のシャフトと、取り付けられた第一のシートおよび第二のシートとを同時に回転させるように、ドラムコンベヤがドラム回転軸の周りを回転する間にプッシャーをプッシャー方向に沿って移動させるように適合されたアクチュエータと、を備える、ドラムコンベヤ。
実施例2:
プッシャー方向は、第一のシャフト長軸方向軸または第二のシャフト長軸方向軸に対して直角を成す、実施例1によるドラムコンベヤ。
実施例3:
アクチュエータは、カムを含み、カムは、ドラムコンベヤがドラム回転軸の周りを回転する間に、プッシャーをプッシャー方向に沿って押す、実施例1または2によるドラムコンベヤ。
実施例4:
ドラムコンベヤは、外周表面の二つの対向する側面に位置する第一の壁および第二の壁を備え、カムは、第一の壁の一部分によって画定される、実施例3によるドラムコンベヤ。
実施例5:
第一の壁が固定されている、実施例4によるドラムコンベヤ。
実施例6:
プッシャーは、第一の端および第二の端を含み、プッシャーの第一の端は、アクチュエータと係合するように適合されている、先行する実施例1~5の一つ以上によるドラムコンベヤ。
実施例7:
プッシャーには弾性要素が提供されている、先行する実施例1~6の一つ以上によるドラムコンベヤ。
実施例8:
弾性要素は、プッシャー上に第一の壁に向かって弾性力を加える、実施例4または5に従属する場合の、実施例7によるドラムコンベヤ。
実施例9:
弾性要素は、プッシャーとカムとの間の接触を維持するために、プッシャーをカムに向かって付勢するように適合されている、実施例3または4に従属する場合の、実施例7または8によるドラムコンベヤ。
実施例10:
プッシャーは、伸縮自在であり、内側管状要素および外側管状要素を含み、内側管状要素は、外側管状要素内をプッシャー方向に沿って摺動可能である、先行する実施例1~9の一つ以上によるドラムコンベヤ。
実施例11:
第一のシャフトおよび第二のシャフトとプッシャーとの間の機械的連結は、ラックおよびピニオンを含む、先行する実施例1~10の一つ以上によるドラムコンベヤ。
実施例12:
プッシャーは第一のラックおよび第二のラックを含み、第一のシャフトは第一のピニオンを含み、第二のシャフトは第二のピニオンを含み、プッシャーは、第一のラックが第一のピニオンと係合し、第二のラックが第二のピニオンと係合するように位置付けられる、実施例11によるドラムコンベヤ。
実施例13:
プッシャーの直線運動は振幅を画定し、振幅は、第一のシートおよび第二のシートが少なくとも90度回転するように選択される、先行する実施例1~12の一つ以上によるドラムコンベヤ。
実施例14:
複数のN個のシートおよび複数のN個のシャフト、およびN/2個のプッシャーを備え、N/2個のプッシャーのk番目(k=1...N/2)のプッシャーそれぞれは、先行する請求項の一つ以上に従い、二つの最も近い隣接したシャフト(i、i+1)に連結され、i=1、3、5…N-1である、先行する実施例1~13の一つ以上によるドラムコンベヤ。
実施例15:
N個のシートを備え、N個のシートは、ドラムコンベヤの外周表面の周りに均等に間隙を介している、先行する実施例1~14の一つ以上によるドラムコンベヤ。
実施例16:
ロッド形状の物品を回転させるためのシステムであって、
o 実施例1~15のいずれか一つによるドラムコンベヤと、
o 第一のシート上または第二のシート上に位置付けられたロッド形状の物品を検査するように適合された検査装置と、を備える、システム。
実施例17:
第一のシートは第一のシート軸に沿って延び、第二のシートは第二のシート軸に沿って延び、検査装置は、第一のシート軸および第二のシート軸がドラム回転軸に平行である時に、ドラムコンベヤ上のロッド形状の物品を検査するように適合されている、実施例16によるシステム。
実施例18:
長軸方向軸を有するロッド形状の物品を回転させる方法であって、
・ ドラム回転軸および外周表面を画定するドラムコンベヤを提供することであって、ドラムコンベヤが、
o ドラムコンベヤの外周表面上に位置する第一のシートおよび第二のシート、
o 第一のシャフトおよび第二のシャフトであって、第一のシャフトが、第一のシャフト長軸方向軸を画定し、第二のシャフトが、第二のシャフト長軸方向軸を画定し、第一のシャフト長軸方向軸および第二のシャフト長軸方向軸が、ドラム回転軸に対して実質的に直角を成し、第一のシートが、第一のシャフトに取り付けられ、第二のシートが、第二のシャフトに取り付けられる、第一のシャフトおよび第二のシャフト、および、
o 第一のシャフトおよび第二のシャフトとの機械的連結を形成するプッシャー、を備える、提供することと、
・ ロッド形状の物品を第一のシート内および第二のシート内に位置付けることと、
・ ドラムコンベヤをドラムコンベヤ回転軸の周りに回転させることと、
・ ドラムコンベヤを回転させる間にプッシャーをプッシャー方向に沿って直線的に移動させることと、
・ 第一のシートおよび第二のシート内のロッド形状の物品の長軸方向軸を回転させるように、プッシャーの直線運動を、第一のシャフト長軸方向軸および第二のシャフト長軸方向軸の周りの第一のシャフトおよび第二のシャフトの回転運動へと変換することと、を含む、方法。
実施例19:
第一のシャフトおよび第二のシャフトを回転させる工程は、
o 第一のシャフトおよび第二のシャフトを90度回転させることを含む、実施例18による方法。
実施例20:
第一のシャフトおよび第二のシャフトを回転させる工程は、
o 第一のシャフトおよび第二のシャフトを反対方向に回転させることを含む、実施例18または19による方法。
実施例21:
第一のシャフトおよび第二のシャフトを回転させる工程は、
o 第一のシャフトおよび第二のシャフトを、第一のシート内および第二のシート内のロッド形状の物品の長軸方向軸がドラム回転軸に対して直角を成す構成から、第一のシート内および第二のシート内のロッド形状の物品の長軸方向軸がドラム回転軸に平行な構成へと回転させることを含む、実施例19または20による方法。
実施例22:
ドラムコンベヤを回転させる工程は、
o ドラムコンベヤをドラム回転軸の周りに360度回転させることを含み、
ドラムコンベヤの同じ360度の回転において、第一のシャフトおよび第二のシャフトを回転させる工程が、
o 第一のシャフトおよび第二のシャフトを、第一のシート内および第二のシート内のロッド形状の物品の長軸方向軸がドラム回転軸に対して直角を成す構成から、第一のシート内および第二のシート内のロッド形状の物品の長軸方向軸がドラム回転軸に平行な構成へと回転させることと、
o 第一のシャフトおよび第二のシャフトを、第一のシート内および第二のシート内のロッド形状の物品の長軸方向軸がドラム回転軸に平行な構成から、第一のシート内および第二のシート内のロッド形状の物品の長軸方向軸がドラム回転軸に平行な構成へと戻るように回転させることと、を含む、実施例20または21による方法。
実施例23:
o 第一のシャフトおよび第二のシャフトが、ロッド形状の物品の長軸方向軸がドラム回転軸に平行である構成にある時に、第一のシートまたは第二のシート内のロッド形状の物品を検査することを含む、実施例21または22による方法。
実施例24:
プッシャーをプッシャー方向に沿って直線的に移動させる工程は、
o プッシャーをプッシャー方向に沿って往復させることを含む、実施例18~23の一つ以上による方法。
実施例25:
プッシャーをプッシャー方向に直線的に移動させる工程は、
o プッシャーをカムによってプッシャー方向に沿って移動させることを含む、実施例18~24の一つ以上による方法。
実施例26:
コンベヤドラムを提供する工程は、
o 第一の壁および第二の壁を有するコンベヤドラムを提供することと、
o 第一の壁にカムを形成することと、を含む、実施例18~25の一つ以上による方法。
実施例27:
プッシャーを含むコンベヤドラムを提供する工程は、
o 内側管状要素および外側管状要素を含む伸縮自在なプッシャーを提供することを含み、
プッシャーをプッシャー方向に沿って直線的に移動させる工程は、
o 内側管状要素を外側管状要素の内向きまたは外向きに摺動させることを含む、実施例18~26の一つ以上による方法。
実施例28:
o 一つ以上のロッド形状の物品を第一のコンベヤからドラムコンベヤに移送する工程を含む、実施例18~27の一つ以上による方法。
実施例29:
第一のコンベヤは線形コンベヤであり、方法は、
o ロッド形状の物品の長軸方向軸を相互に平行にして複数のロッド形状の物品を搬送することを含む、実施例28による方法。
【0081】
ここで、以下の図を参照しながら実施例をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0082】
図1図1は、いくつかの要素が除去された、本発明により実現されるコンベヤドラムの概略側面図である。
図2図2は、いくつかのより多くの要素が除去された、図1のコンベヤドラムの斜視図である。
図3図3は、図1または2の細部の拡大図である。
図4図4および図5は、それぞれ拡張した構成および収縮した構成における、図1~2のコンベヤドラムの別の細部の分解された構成の斜視図である。
図5】同上。
図6図6は、図1~2のドラムコンベヤの別の細部の分解された構成の概略斜視図である。
図7図7は、本発明によるロッド形状の物品を検査するためのシステムの斜視図であり、明瞭化のためにいくつかの要素が除去されている。
図8図8および図9は、図7の異なる細部の斜視図であり、明瞭化のためにいくつかの要素が除去されている。
【発明を実施するための形態】
【0083】
図1~3および9を参照すると、ロッド形状の物品を回転させるように適合されたコンベヤドラムは、包括的に1で示されている。
【0084】
コンベヤドラム1によって搬送および回転されるのに適したロッド形状の物品2は、図3において簡略化された形態で見える。ロッド形状の物品2は、第一の端3および第二の端4を含み、長軸方向軸5を画定する。さらに、ロッド形状の物品2は、実質的に円筒状の外表面6を含む。
【0085】
コンベヤドラム1は、ドラム回転軸7の周りを回転するように適合されている。コンベヤドラムは、外周表面8を含み、実質的に円筒状の形状であり、中心としてドラム回転軸7を有する。コンベヤドラム1は、相互に面し、かつ外周表面8の二つの対向する側面に位置付けられた第一の壁9および第二の壁10を含む。第一の壁9は固定されている、すなわち、コンベヤドラム1の残りの部分と一緒にドラム回転軸7の周りを回転せず、第二の壁10はコンベヤドラムの残りの部分と一体的に回転する。外周表面8は、その下の構造をより良好に示すために、図1のドラムコンベヤ1からは除去されている。
【0086】
コンベヤドラム1は、複数のシート、好ましくは、N≧2であるN個のシートを含む。好ましくはすべて同じ幾何学的形状を有するシートの中で、第一のシートおよび第二のシートは、それぞれ12および13で示されている。第一のシート12および第二のシート13は、最も近い隣接したシートである。第一のシート12および第二のシート13を含むすべてのN個のシートは、外周表面8に位置し、外周表面8の周りに均等に間隔を介している。複数の各シートは、例えば図2および9で見ることができるように、少なくとも一つのロッド形状の物品2を保持および搬送するように適合されている。以下では、外周表面8およびN個のシートなどのコンベヤドラムのすべての要素は、第一の壁9に対するような別段の言及がない場合、第二の壁10と一体的に回転し、それ故にドラムコンベヤ1が回転すると、コンベヤドラムのこれらの要素も同様にドラム回転軸7の周りを回転する。
【0087】
図3を参照すると、第一のシート12および第二のシート13の拡大図が示されている。ロッド形状の物品2を搬送しながらこれを保持するために、好ましくは、複数の各シートは、空気圧システム(図面には示されていない)に接続された開口14を含む。開口14を介して、空気圧システムは、シート内に位置付けられたロッド形状の物品2に対して吸引作用を行うように適合されている。各シートはまた、ロッド形状の物品2がシート内に搬送された時に、ロッド形状の物品2の外表面6と接触する受容面15を含む。受容面15は、少なくとも部分的に湾曲しており、例えば、円筒面を含み、シート軸を画定する。シート軸は、ロッド形状の物品がシート内に搬送された時に、ロッド形状の物品2の長軸方向軸5に平行である。図示するように、第一のシート12のシート軸は16で示され、第二のシート13のシート軸は17で示される。
【0088】
ドラムコンベヤ1は、複数のシャフトを備える。シャフトの数は、シートの数に等しい。各シャフトに対して、シートが関連付けられている。したがって、ドラムコンベヤ1は、第一のシート12および第二のシート13にそれぞれ関連付けられた第一のシャフト18および第二のシャフト19を備える。シャフトは、図8および9でより良好に見ることができる。各シャフトは、シャフト長軸方向軸の周りを回転するように適合されている。したがって、第一のシャフト18は、第一のシャフト長軸方向軸20の周りを回転するように適合され、第二のシャフト19は、第二のシャフト長軸方向軸21の周りを回転するように適合されている。すべてのシャフトのシャフト長軸方向軸は、ドラム回転軸7に対して直角を成す。各シャフト長軸方向軸は、ドラム回転軸7に対して直角を成す平面に沿って取られたドラムコンベヤ1の断面によって画定される円周の半径に沿って延びる。各シャフトはさらに、第一の端22および第二の端23を画定し、第一の端22はシートに取り付けられる。シートとシャフトとの間の取り付けは、シャフト回転軸の周りのシャフトの回転が、シャフト回転軸の周りのシート軸の回転に対応するようなものである。シャフト回転軸およびシート軸は、相互に直角を成すことが好ましい。
【0089】
さらに、各シャフトはピニオンを含む。ここで図4および5を参照すると、第一のシャフト18および第二のシャフト19のみが示されており、第一のシャフト18は第一のピニオン24を含み、第二のシャフト19は第二のピニオン25を含む。第一のピニオン24および第二のピニオン25は、第一のシャフト18および第二のシャフト19それぞれと一体的に回転する。したがって、第一のピニオン24および第二のピニオン25は、第一のシャフト長軸方向軸20および第二のシャフト長軸方向軸21それぞれの周りを回転するように適合されている。
【0090】
ドラムコンベヤ1は、すべて26で示される複数のプッシャーを備える。各プッシャーは、二つの最も近い隣接したシャフトの間に介在する。図1、4、および5に詳細に示すように、プッシャー26は、第一のシャフト18と第二のシャフト19との間に介在する。プッシャー26はロッド形状であり、第一の端27および第二の端28を含む。第一の端27は第一の壁9と当接しており、第二の端28は第二の壁10に取り付けられる。第二の端28は、第二の壁10と一体的に回転し、第一の端9は第一の壁9上を摺動することができる。プッシャー26はまた、好ましくはプッシャーの長軸方向軸に対応するプッシャー方向29を画定する。プッシャー方向29は、ドラム回転軸7に平行であることが好ましい。プッシャー26は、伸縮自在であり、外側管状部材30および内側管状部材31を含み、内側管状部材31は、外側管状部材30内部をプッシャー方向29に沿って摺動可能である。したがって、プッシャー29は、プッシャー方向29に沿ったプッシャー26の全長がその最大値となるように、内側管状部材31が所与の長さL1だけ外側管状部材30の外側にある、第一の拡張した構成、およびプッシャー方向に沿ったプッシャー26の全長がその最小値となるように、内側管状部材31が所与の長さL2(L2<L1)だけ外側管状部材30の外側にある、第二の収縮した構成を有する(図1を参照)。プッシャー26は、直線運動、より具体的には、プッシャー方向29に沿って、図5に図示した収縮した構成から図4に図示した拡張した構成へと、またはその逆に移動する往復運動を行うように適合されている。
【0091】
ここで図1および6を参照すると、ドラムコンベヤ1はカム32をさらに含む。カム32は、第一の壁9によって画定される。カム32は、エンドカムであることが好ましい。カム32は、可変の厚さを有する第一の壁9のへり部分33を含む。へり部分33は、第二の壁10に面する。へり部分33は、隆起34および谷35を含む。したがって、へり部分33における点と第二の壁10との間のドラム回転軸7に平行な方向に沿った距離は、へり部分においてこの点が位置する場所、例えば、この点が隆起34内または谷35内に位置するかに応じて変化する。へり部分33上の点と第二の壁10との間の距離は、例えば隆起のピーク上にある最小点から、例えば谷の底部上にある最大点まで移動する。図1の概略側面図では、第一の端27が隆起34の上部上または谷35の底部上にある時のプッシャー26の全長の差が、差を明確に示すために誇張されている。
【0092】
プッシャー26は、第一の壁9、特に、へり部分33に当接するその第一の端27を有し、ドラム回転軸7に平行に延びる。したがって、第一の端27が、第二の壁10に対する最小距離(隆起35の上部)においてへり部分33の点に当接している場合、プッシャー26は、図5の収縮した構成にある。第一の端27が、第二の壁10に対する最大距離(谷35の底)においてへり部分33の点と当接している場合、プッシャー26は、図4の拡張した構成にある。
【0093】
へり部分33上の点と第二の壁10との間の最大距離と最小距離との間の差は、プッシャー方向29に沿ったプッシャー26の移動の振幅に等しい。
【0094】
ドラムコンベヤ1は、ばね40、好ましくは各プッシャー9に対してばねをさらに備える。ばね40は、プッシャー26の第二の端28において、プッシャー9の内側管状要素31上に圧縮状態で挿入される。圧縮状態に起因して、ばね40は、プッシャー26を拡張した構成に向かって付勢し、プッシャー方向29に沿って第一の壁9に向かって方向付けられた弾性力を加える。
【0095】
図4および5を再び参照すると、プッシャー26は、第一のラック36および第二のラック37を含む。第一のラック36は第一のシャフト18に面し、第二のラック37は第二のシャフト19に面する。より詳細には、第一のラック36は第一のピニオン24と係合し、第二のラック37は第二のピニオン25と係合する。収縮した構成から拡張した構成への、またはその逆のプッシャー26の直線運動の間、ラック/ピニオンの係合に起因して、第一のピニオン24および第二のピニオン25が回転するように強制される。次いで、第一のシャフト18および第二のシャフト19が、第一のシャフト長軸方向軸20および第二のシャフト長軸方向軸21の周りを回転する。
【0096】
ドラムコンベヤ1の機能は以下の通りであり、ここで図1~3を再び参照する。時間t=0において、第一のシート12および第二のシート13は、第一のシート軸16および第二のシート軸17がドラム回転軸7に対して直角を成すように、外周表面8上に配設される。この構成は、図2に示されており、第一のシート12および第二のシート13を図の左側上の二つのシートと想定している(t=0の標識で示されている)。この構成では、プッシャー26の第一の端27が隆起34のピークと接触しているため、プッシャー26は図5の収縮した構成にある。ドラム回転軸7の周りのドラムコンベヤ1の回転が開始されるとすぐに、プッシャー26はドラムコンベヤ1と一緒に回転して搬送され(第一の壁9は除外)、プッシャー26の第一の端27は、固定されたままであるへり部分33上を摺動する。プッシャー26の第一の端27とへり部分33との間の接触点は、隆起34から谷35に向かって移動する。第一の端27とへり部分33との間の接触は、第一の端27をへり部分33と当接するように付勢するばね40によって加えられる弾性力によって維持される。谷35へと下方に移動することにより、ばね40はプッシャー26を第一の壁に向かって押すことができ、内側管状要素31は外側管状要素30の外側を摺動し、プッシャー26の全長を増大させる。内側管状要素31および外側管状要素30の相対摺動は、第一のピニオン24および第二のピニオン25にそれぞれ係合された第一のラック36および第二のラック37の直線運動を引き起こす。したがって、第一のシャフト18および第二のシャフト19は、第一の回転軸20および第二の回転軸21の周りを回転する。第一のシャフト18および第二のシャフト19は反対方向に回転する。例えば、第一のシャフト18は時計回りに回転し、第二のシャフト19は反時計回りに回転する。これは、第一のシート軸16および第二のシート軸17の回転を引き起こす。
【0097】
ドラムコンベヤ1の回転が継続される間、プッシャー26の第一の端27は、谷35の底部に達するまでへり部分33上を摺動し続ける。この構成では、プッシャー26の全長はその最大値にあり、プッシャーは図4の拡張した構成にある。この拡張した構成では、第一のシャフト18および第二のシャフト19は、第一のシート軸16および第二のシート軸17が両方ともドラム回転軸7に平行になるように、90度回転している。この構成は、図2のドラムコンベヤの右部分に図示されている(t=t1で示される)。
【0098】
90度の回転が得られた後、ドラムコンベヤ1が回転し続ける間、プッシャー26の第一の端27は、へり部分33上を摺動し続け、谷35を離れて別の隆起34に達することが好ましい。ドラムコンベヤ1の360度の回転の終了時に、第一のシート12および第二のシート13が、再びドラム回転軸7に対して直角を成す第一のシート軸15および第二のシート軸16を有するように、第一のシャフト18および第二のシャフト19の別の90度の回転が行われる。
【0099】
ドラムコンベヤ1は、ロッド形状の物品2の第一の端3および第二の端4の一方または両方の検査のためにシステム100で使用することができる。
【0100】
図7を最初に参照すると、システム100は、第一のコンベヤドラムおよび第二のコンベヤドラムを含み、第一のコンベヤドラムおよび第二のコンベヤドラムの各々は、図1~6および図9を参照して記載されるように構築されている。第一のコンベヤドラムと第二のコンベヤドラムを区別するために、それぞれ1と50で言及されているが、両方とも、上述の1で識別されたコンベヤドラムと同一に構築されている。第一のコンベヤドラム1および第二のコンベヤドラム50の各々は、コンベヤドラムの外周表面8上に複数のシートを備え、その第一のドラム回転軸7または第二のドラム回転軸70の周りをそれぞれ回転する。複数の各シートは、シート軸に沿って長軸方向に延びる。第一のコンベヤドラム1および第二のコンベヤドラム50の各々は、回転しながら、入力ステーション102(第一のコンベヤドラム1のための)、104(第二のコンベヤドラム50のための)においてロッド形状の物品2を受容し、出力ステーション103(第一のコンベヤドラム1のための)、105(第二のコンベヤドラム50のための)へとロッド形状の物品2を搬送するように適合されている。
【0101】
システム100は、第一の搬送方向110に沿ってロッド形状の物品2を搬送する第一の線形コンベヤ109をさらに含む。第一の搬送方向110は、図7に矢印で示されている。第一の線形コンベヤ109は、ロッド形状の物品2を経路に沿って搬送するように適合されており、ロッド形状の物品2の長軸方向軸5の配向は、第一の搬送方向110に平行である。ロッド形状の物品2は、第一の線形コンベヤ109内に順々に一列で位置付けられており、当接関係にあるか、または二つの隣接するロッド形状の物品の間にギャップが存在してもよい。
【0102】
システム100は、第一のドラム軸111の周りを回転するよう適合された第一の移送ドラム101をさらに備える。第一の移送ドラム101は、第一の搬送方向110と整列したロッド形状の物品2の長軸方向軸5を維持して、第一の線形コンベヤ109で搬送されたロッド形状の物品2を第一のコンベヤドラム1、特に第一の入力ステーション102に移送するように適合されている(移送ドラムはロッド形状の物品を回転させない)。第一のコンベヤドラム1は、第一の入力ステーション102において第一の移送ドラム101から受容したロッド形状の物品2を、その第一のドラム長軸方向軸7の周りを回転しながら第一の出力ステーション103に搬送するように適合されている。その第一のドラム回転軸7の周りの回転中、第一のコンベヤドラム1は、搬送されたロッド形状の物品2の長軸方向軸5が第一の出力ステーション103において第一のドラム回転軸7に平行になるように、搬送されたロッド形状の物品2の長軸方向軸5を90度回転するように適合されている。システム100は、検査ドラム軸113の周りを回転し、第一の出力ステーション103において第一のコンベヤドラム1によって搬送されたロッド形状の物品2を受容するように適合された検査ドラム112をさらに備える。検査ドラム112は、ロッド形状の物品2がドラム回転軸7に平行であるその長軸方向軸5を有する時に、ロッド形状の物品2を受容することができる。ロッド形状の物品2の移送が、出力ステーション103で行われる。さらに、検査ドラム112は、長軸方向軸5の配向が変化しないように維持するように適合されている。システム100は、第二の入力ステーション104において検査ドラム112からロッド形状の物品2を受容し、ロッド形状の物品2が第二の出力ステーション105に達した時に、ロッド形状の物品2の長軸方向軸5が再び第一の搬送方向110に平行になるように、ドラム回転軸70の周りを回転しながら、ロッド形状の物品2の長軸方向軸5を90度回転させるように適合されている、第二のコンベヤドラム50をさらに備える。システム100は、第二の移送ドラム130および第二の線形コンベヤ140をさらに備える。第二の移送ドラム130は、第二のドラム軸131の周りを回転するように適合されている。第二の移送ドラム130は、第二の出力ステーション105において第二のコンベヤドラム50によって搬送されたロッド形状の物品2を第二の線形コンベヤ140に移するように適合されている。第二の移送ドラム130はまた、第二の出力ステーション105において有していた配向と同一のロッド形状の物品2の長軸方向軸5の配向を維持するように適合されている。したがって、第二の線形コンベヤ140への移送が行われる時、ロッド形状の物品2の長軸方向軸5は、第一の搬送方向110と整列している。
【0103】
第二の線形コンベヤ140は、図7に矢印で示される第二の搬送方向141に沿ってロッド形状の物品2を搬送する。第二の搬送方向141は、第一の搬送方向110に平行であることが好ましい。第二の線形コンベヤ140は、ロッド形状の物品2を経路に沿って搬送するように適合されており、ロッド形状の物品2の長軸方向軸5の配向は、第二の搬送方向141に平行である。ロッド形状の物品2は、第二の線形コンベヤ141内に順々に一列で位置付けられており、当接関係にあるか、または二つの隣接するロッド形状の物品の間にギャップが存在してもよい。
【0104】
システムは、ロッド形状の物品2の第一の端3、または第二の端4、またはその両方を検査するための検査装置150をさらに備える。検査装置150は、一つ以上のカメラを含み得る。検査装置150は、検査ドラム112に、好ましくは、検査ドラムの一つの側面に位置付けられる。検査ドラムでは、好ましくは、ロッド形状の物品2の端3、4が検査される。
【0105】
第一の移送ドラム101および第二の移送ドラム130は、当業界で公知である。それらは互いに実質的に同一であることが好ましい。第一の移送ドラム101および第二の移送ドラム130の各々は、すべて107で示される複数の溝を含み、これらはロッド形状の物品2と係合するように適合されている。第一の移送ドラム101は、第一の移動方向110に対して直角を成すことが好ましい第一のドラム軸111の周りを回転し、第二の移送ドラムは、同じく第一の移動方向110に対して直角を成す第二のドラム軸131の周りを回転する。溝107は、ロッド形状の物品2を、その回転中に長軸方向軸5を第一の搬送方向110と実質的に整列させて保持するように設計される。
【0106】
第一の移送ドラム101がその第一のドラム軸111の周りを回転するにつれて、ロッド形状の物品2を保持する溝107は、第一のコンベヤドラム1の第一の入力ステーション102に達する。こうして、ロッド形状の物品2は、依然としてその長軸方向軸5を第一の搬送方向110に平行にして、第一のコンベヤドラム1に送達される。この移送を図9の拡大図に示す。明瞭化の目的のために、第一のコンベヤドラム1のいくつかの要素のみを示す。移送を得るために、第一のコンベヤドラム1は、第一の入力ステーション102において、ロッド形状の物品2を受容する第一のコンベヤドラム1の第一のシート12および第二のシート13が、第一の搬送方向110に平行であるその第一のシート軸16および第二のシート軸17を有するように、第一の移送ドラム101に対して取り付けられる。第一のドラム軸111およびドラム回転軸7は、相互に平行である。第一の移送ドラム101と第一のコンベヤドラム1との間の移送は、当業界で公知であり、本明細書に詳述しない。
【0107】
すでに詳述したように、ドラム回転軸7の周りの第一のコンベヤドラム1の回転において、第一のシート12および第二のシート13は回転し、したがって、第一のシートおよび第二のシート内に存在するロッド形状の物品の長軸方向軸5も回転する。ロッド形状の物品2の長軸方向軸が、それらがドラム回転軸7に平行な構成に達すると、ロッド形状の物品2は、検査ドラム112に移送される。この移送は、図2に詳細に示されている。検査ドラム112は、ロッド形状の物品2を、その長軸方向軸5が検査ドラム軸113に平行であることを意味する、その長軸方向軸5が第一の搬送方向110に対して直角を成すように維持するように構成された複数の検査溝114を含む。その各々がロッド形状の物品2を受容する検査溝114は、ロッド形状の物品の第一の端および第二の端を覆う要素が存在しないように、ディスク(検査ドラム)上に形成された幾何学的形状のノッチを有することが好ましい。
【0108】
検査ドラム112の回転中、検査溝114内に位置するロッド形状の物品2の第一の端3または第二の端4、またはその両方は、検査装置150の前方を通過する(図2には図示せず)。検査装置150は、検査ドラム112の側面の一方または両方に位置し、ロッド形状の物品2の第一の端3または第二の端4の状態を検査することが好ましい。検査溝114内のロッド形状の物品2の長軸方向軸5の配向に起因して、第一の端3または第二の端4は、検査装置150に面しており、それ故に検査は比較的容易である。
【0109】
検査ドラム112がその検査ドラム軸113の周りを回転するにつれて、ロッド形状の物品2を保持する検査溝114は、第二の入力ステーション104に達して第二のコンベヤドラム50に移送される。したがって、ロッド形状の物品2は、第一の搬送方向110に対して直角を成すその長軸方向軸5を有する第二のコンベヤドラム50に送達される。この移送を図8の拡大図に示す。明瞭化の目的のために、第二のコンベヤドラム50のいくつかの要素のみを示す。移送を得るために、第二のコンベヤドラム50は、第二の入力ステーション104において、ロッド形状の物品2を受容する第二のコンベヤドラム50の第一のシート12および第二のシート13が、第一の搬送方向110に対して直角を成すそれらの第一のシート軸16および第二のシート軸17を有するように、検査ドラム112に対して取り付けられる。検査ドラム軸113および第二のドラム回転軸70は、相互に平行である。
【0110】
第二のドラム回転軸70の周りの第二のコンベヤドラム50の回転中、第一のシート12および第二のシート13は回転し、したがって、第一のシートおよび第二のシート内に存在するロッド形状の物品2の長軸方向軸5も回転する。ロッド形状の物品2の長軸方向軸5が、第二のドラム回転軸70に対して直角を成す構成に達すると、ロッド形状の物品2は、第二の出力ステーション105において、第二の移送ドラム130に移送される。この移送は、図8に詳細に示されている。第二の移送ドラム130は、ロッド形状の物品2を、第二のドラム軸131に対して直角を成すことを意味する、その長軸方向軸5を第一の搬送方向110に平行に維持するように構成された複数の溝107を含む。その各々がロッド形状の物品を受容する溝107は、第一の移送ドラム101の溝と同じ形状を有することが好ましい。
【0111】
第二の移送ドラム130から、その長軸方向軸5が第一の搬送方向110に平行な配向されたロッド形状の物品2は、公知の態様で第二の線形コンベヤ140に搬送される。第二の線形コンベヤ140は、第二の搬送方向141に沿ってその配向を変化させることなく、第一の搬送方向に平行にロッド形状の物品2を搬送する。
【0112】
本明細書および添付の特許請求の範囲の目的において、別途示されていない限り、量(amounts)、量(quantities)、割合などを表すすべての数字は、すべての場合において用語「約」によって修飾されるものとして理解されるべきである。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつその中の任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されてもよく、列挙されていなくてもよい。従って、この文脈において、数字AはA±10パーセントとして理解される。この文脈内で、数字Aは、数字Aが表す特性の測定値に対する一般的な標準誤差内にある数値を含むと考えられてもよい。数字Aは、添付の特許請求の範囲で使用される通りの一部の場合において、Aが逸脱する量が特許請求する本発明の基本的かつ新規の特性(複数可)に実質的に影響を及ぼさないという条件で、上記に列挙された割合だけ逸脱してもよい。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつその中の任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されてもよく、列挙されていなくてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】