(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-30
(54)【発明の名称】剃毛かみそりのための剥離バー
(51)【国際特許分類】
B26B 21/22 20060101AFI20230623BHJP
【FI】
B26B21/22 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022569514
(86)(22)【出願日】2021-05-19
(85)【翻訳文提出日】2022-11-15
(86)【国際出願番号】 US2021033044
(87)【国際公開番号】W WO2021236699
(87)【国際公開日】2021-11-25
(32)【優先日】2020-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】316015877
【氏名又は名称】ザ ジレット カンパニー リミテッド ライアビリティ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE GILLETTE COMPANY LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ネイル ダスティン レテンベルガー
(57)【要約】
少なくとも30mm2の皮膚接触フットプリント面積を有し、(50)超のショアAデュロメータを有する材料を含む剃毛かみそり(10)用の剥離バー(22)。剥離バーは、皮膚接触フットプリント面積内に位置付けられた、0.02mm~0.25mmの半径を有する先端(48)を備えた複数の皮膚突出要素44を有する。皮膚突出要素は、80度~(145度)の角度A1で平均先端平面と交差する前面(54)を有する。皮膚接触フットプリント面積で除算される、皮膚突出要素の先端の0.1mm下方の構造平面によって隔離された体積は、1mm2のフットプリント面積当たり0.003mm3~0.04mm3である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
剃毛かみそりであって、
ガード、キャップ、及び、前記ガードと前記キャップとの間の少なくとも1つの刃を有する剃毛かみそりカートリッジと、
前記ガードと前記キャップとの間の複数の刃であって、剃毛平面を規定するそれぞれの刃先を有する、複数の刃と、
前記ガードの前方に位置付けられた剥離バーであって、
少なくとも30mm
2の皮膚接触フットプリント面積及び50超のショアAデュロメータを有する材料と、
前記皮膚接触フットプリント面積内に位置付けられた0.02mm~0.25mmの半径を備えた先端を各々が有する複数の皮膚突出要素であって、80度~145度の角度で前記剃毛平面と交差する前面を有し、前記皮膚接触フットプリント面積によって除算される、前記皮膚突出要素の前記先端の0.1mm下方の構造平面によって隔離された体積は、1mm
2のフットプリント面積当たり0.003mm
3~0.04mm
3である、複数の皮膚突出要素と、を備える、剥離バーと、を備える、剃毛かみそり。
【請求項2】
把持部分及び遠位端を有するハンドルを更に備え、前記皮膚接触バーは前記遠位端に装着される、請求項1に記載の剃毛かみそり。
【請求項3】
前記剃毛かみそりカートリッジは開口部を画定し、前記剥離バーは前記開口部内に位置付けられる、請求項1又は2に記載の剃毛かみそり。
【請求項4】
前記剥離バーは、細長いギャップを画定するように前記ガードから離間され、前記ギャップは、前記剥離バーの長さに沿って延在し、0.2mm~1.0mmの深さを有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の剃毛かみそり。
【請求項5】
前記剥離バーは、前記ガードと1つ以上のエラストマー突出部との間に位置付けられる、請求項1~4のいずれか一項に記載の剃毛かみそり。
【請求項6】
前記皮膚突起要素の前記先端は、前記ガードの頂部表面の平面の0.1mm下方から0.1mm上方に位置付けられる、請求項1~5のいずれか一項に記載の剃毛かみそり。
【請求項7】
前記複数の皮膚突出要素は、前記フットプリント面積の長さに沿って位置付けられて、複数の列を形成する、請求項1~6のいずれか一項に記載の剃毛かみそり。
【請求項8】
前記複数の皮膚突出要素は、離間した別個の要素である、請求項1~7のいずれか一項に記載の剃毛かみそり。
【請求項9】
前記複数の皮膚突出要素の前記前面は半円状である、請求項1~8のいずれか一項に記載の剃毛かみそり。
【請求項10】
前記複数の皮膚突出要素は、0.15mm~0.6mmの幅を有するギャップを画定するように離間される、請求項1~9のいずれか一項に記載の剃毛かみそり。
【請求項11】
前記複数の皮膚突出要素はポリオキシメチレンを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の剃毛かみそり。
【請求項12】
前記複数の皮膚突出要素は、前記先端まで延在する一対の傾斜側面を有する、請求項1~11のいずれか一項に記載の剃毛かみそり。
【請求項13】
前記複数の皮膚突出要素は複数のオフセット列を形成する、請求項1~12のいずれか一項に記載の剃毛かみそり。
【請求項14】
前記先端の半径は0.05mm~0.15mmである、請求項1~13のいずれか一項に記載の剃毛かみそりカートリッジ。
【請求項15】
前記前面は、90度~125度の角度で平均先端平面と交差する、請求項1~14のいずれか一項に記載の剃毛かみそり。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は剥離バーに関し、より具体的には、剥離バーを有する剃毛かみそりレーザに関する。
【背景技術】
【0002】
かみそりカートリッジは、典型的には、刃の前方にガードを、刃の後方にキャップを備え、ガード及びキャップは、刃の前後でそれぞれ皮膚に接触している。ガード及びキャップは、「剃毛幾何形状」、すなわち、皮膚に対する刃の向き及び位置を決定し、かつかみそりの剃毛性能及び剃毛効率に大きく影響するパラメータ、を確立するよう補助することができる。キャップは、刃と接触した後、皮膚表面に潤滑剤を提供する。特定のかみそりはまた、刃との接触前に皮膚を管理し、皮膚を伸張させて、嫌な皮膚感覚を伴うことなく刃と最適に接触することを確実にするために、かみそり前方に付加的な部材を含み得る。これらの皮膚接触部材は、典型的には、皮膚の触覚及び延伸性能を更に改善するために、エラストマーから射出成形された様々な形状の突出部である。エラストマー突出部は、皮膚を延伸し、典型的な剃毛負荷下で変形するように設計される。したがって、それらは、刃の前方に十分な剥離を提供しない場合がある。
【0003】
剥離は、一般に、死んだ皮膚のフレーク又はスケールの剥離として説明され得る。皮膚の外観及び全体的な感触は、剥離によって改善され得る。剥離は、例えば、研磨粒子を含んだ化粧品の使用によって、あるいはヘチマなどの研磨材で皮膚を擦ることによって達成され得る。剥離は、一般に、湿式剃毛システムの触覚特性を高めることが知られており、例えば、粗面化ガード表面を有する剃毛システムを提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
湿式剃毛タイプの剃毛システムでは、皮膚を横切るかみそりの摩擦抵抗、毛を切断するのに必要な力、及び既存の皮膚損傷部の刺激などの要素は、特に剥離剤が剃毛かみそりの一部として組み込まれている場合、ある程度の剃毛不快感を生じさせる可能性がある。したがって、十分な剥離を提供するが、剃毛不快感を悪化させないガード(及び皮膚延伸部材)の代わりに、あるいはそれに加えて剥離バーが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様では、本発明は一般に、少なくとも30mm2の皮膚接触フットプリント面積を有し、50超のショアAデュロメータを有する材料を含む剃毛かみそりのための剥離バーを特徴とする。剥離バーは、皮膚接触フットプリント面積内に位置付けられた0.02mm~0.25mmの半径を有する先端を備えた複数の皮膚突出要素を有する。皮膚突出要素は、80度~145度の角度で平均先端平面と交差する前面を有する。皮膚接触フットプリント面積によって除算される、皮膚突出部の先端の0.1mm下方の構造平面によって隔離された体積は、1mm2のフットプリント面積当たり0.003mm3~0.04mm3である。
【0006】
別の態様では、本発明は一般に、ガード、キャップ、及び、ガードとキャップとの間の少なくとも1つの刃を有する剃毛かみそりカートリッジを備えた剃毛かみそりを特徴とする。複数の刃がガードとキャップとの間に位置付けられる。複数の刃が、ガードとキャップとの間にある。刃は、剃毛平面を規定するそれぞれの刃先を有する。剥離バーがガードの前方に位置付けられ、当該剥離バーは、少なくとも30mm2の皮膚接触フットプリント面積を有し、50超のショアAデュロメータを有する材料を含む。剥離バーは、皮膚接触フットプリント面積内に位置付けられた0.02mm~0.25mmの半径を備えた先端を各々が有する複数の皮膚突出要素を有する。皮膚突出要素は、80度~145度の角度で剃毛平面と交差する前面を有する。皮膚接触フットプリント面積で除算される、皮膚突出要素の先端の0.1mm下方の構造平面によって隔離された体積は、1mm2のフットプリント面積当たり0.003mm3~0.04mm3である。
【0007】
本発明の1つ以上の実施形態の詳細を、添付図面及び以下の明細書に記述する。本発明のその他の特徴及び利点は、明細書及び図面、並びに特許請求の範囲から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】
図1の剃毛かみそりの剃毛かみそりハンドルの正面図である。
【
図4A】
図1の剃毛かみそりハンドルの剥離バー及び
図3の剃毛かみそりカートリッジの上面図である。
【
図5A】概ね
図1及び
図3の線3-3に沿った剃毛かみそりカートリッジの断面図である。
【
図6】剥離バーの皮膚突出要素の拡大正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1を参照すると、本発明の一実施形態が示されており、剃毛かみそりハンドル14に装着された剃毛カートリッジ12を有する剃毛かみそり10が示されている。ハンドル14は、剃毛カートリッジ14が装着される遠位端17を有する把持部分15を有し得る。剃毛カートリッジ12は、少なくとも1つの刃18を受容するように寸法決めされたハウジング16を含み得る。ハウジング16は、刃18の前方に位置付けられた剥離バー22を備えた前方部分20を有し得る。ガードバー24が、剥離バー22と刃18との間に位置付けられ得る。ハウジング16はまた、ブレード18の後方に位置付けられたキャップ28を備えた後方部分26を有し得る。5つの刃18が図示されているが、剃毛かみそりカートリッジ12は、剃毛かみそり12の所望の性能及びコストに応じて、より多数又はより少数の刃18を有してもよい。
【0010】
剃毛カートリッジ12は、剃毛かみそりハンドル14に、旋回可能に(すなわち、剃毛かみそりハンドル14に対する軸を中心としたカートリッジ12の回転)かつ/又は取り外し可能に係合され得る。ある特定の実施形態は、ハンドル14に対して枢動するが、かみそりハンドル14に固定される(すなわち、かみそりハンドル14に取り外し可能に係合されない)剃毛カートリッジ12を含み得ることが理解される。この実施形態では、ブレード18又は複数のブレード18が鈍化したときに、剃毛かみそり10全体が廃棄され得る(すなわち、使い捨てかみそり)。使い捨てかみそりは、枢動型カートリッジ12又は非枢動型カートリッジ12のいずれかを有し得る。
【0011】
ハウジング16、ハンドル14、及び剥離バー22は、半剛性高分子材料から射出成形され得る。特定の実施形態では、ハウジング16及び/又はハンドル14は、Noryl(商標)(General Electric Plastics(現在のSABIC Innovative Plastics)によって開発されたポリフェニレンオキシド(PPO)とポリスチレンとのブレンド)から成形されてもよい。ハウジング16、剥離バー22及び/又はハンドル14は、50超のショアA硬度、例えば約ショアA60~約ショアD100を有する材料を含み得る。ハウジング16、剥離バー22及び/又はハンドル14の材料としては、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリプロピレン(PP)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、又はこれらの任意の組み合わせが挙げられ得るが、これらに限定されない。以下でより詳細に説明されるように、剃毛負荷下で変形しないより剛性の高い材料を含む剥離バー22は、付加的な剃毛利益を提供し得る。特定の実施形態では、剥離バー22は、ガード24と1つ以上のエラストマー突出部25(例えば、フィン)との間に位置付けられ得る。エラストマー突出部25は、剃毛ストローク中に皮膚を延伸させて、より効率的な剃毛のための皮膚の剥離を容易にするのに役立ち得る。
【0012】
キャップ28はまた、ハウジング16と同じ材料から成形され得る。特定の実施形態では、キャップ28は、剃毛中に皮膚の表面に潤滑を提供するために、潤滑性ポリマー材料又は剃毛助剤から成形され得る。それに代わって、キャップ28は、ハウジング16に組み付けられる個別の成形構成要素又は押出構成要素であってよい。キャップ28は、ハウジング16と同じ材料から成形又は押出されてもよく、あるいは、剃毛中の快適性を増すために有効量の水滲出性の剃毛補助剤組成物を有するより潤滑な材料から成形又は押出されてもよい。
【0013】
図2は、
図1の剃毛かみそり10の剃毛かみそりハンドル14の正面図である。特定の実施形態では、剥離バー22は、ハンドル14の一部であってもよく、剃毛カートリッジ12(
図1)に装着される。剥離バー22は、ハンドル14の遠位端17に枢動可能に取り付けられてもよい。したがって、剥離バー22は、ハンドル14の把持部分15に対して枢動してもよい。剥離バー22は、
図1に示されるように、剃毛カートリッジ12の(例えば、ハウジング16内の)開口部30の中に挿入され得る。したがって、剥離バー22は、ハウジング16内に一時的にロックされて、剃毛ストローク中にハンドル14の把持部分15に対する剃毛カートリッジ12の枢動を容易にし得る。剃毛カートリッジ12ではなく、剥離バー22をハンドル14に組み込むことが望ましい場合がある。例えば、剥離バー22は、皮膚を効率的に剥離するために、より高い性能の高分子材料を必要とし得る。剃毛カートリッジ12上により高性能の高分子材料を組み込むことは、非常に高コストとなり得る。更に、ハンドル14上により高性能の高分子材料を組み込むことにより、1ヶ月のみにわたって使用され得る剃毛かみそりカートリッジとは異なり、剥離バー22は長期の寿命サイクル(例えば、数年)にわたって使用され得るようになる。理論にとらわれるものではないが、剥離バー22をハンドル14の枢動機構32(例えば、ピン枢動又はシェルベアリング)に組み込むことによって、ユーザは、剃毛中に剥離バー22から皮膚に伝達される圧力をより良好に制御することが可能となり、それにより、不快感を伴わずに剥離するユーザの能力が改善される。しかしながら、
図3の実施形態に示されるように、剥離バー38が剃毛かみそりカートリッジ40に組み込まれ得ることが理解される。剃毛かみそりカートリッジ40は、剥離バー38がハンドルの代わりに剃毛かみそりカートリッジ38のハウジング42に恒久的に組み込まれることを除いて、剃毛カートリッジ12と実質的に同じであってもよい。
【0014】
図4A及び
図4Bを参照すると、剥離バー22及び38の正面図及び拡大図が示されている。剥離バー22及び38の1つの重要な態様は、剃毛中に皮膚との接触がなされ得る大きな面積を提供することであり得、皮膚接触表面の周りに延在する外部周囲は、以下で「フットプリント面積」と呼ばれる面積を限定する。剥離バー22及び38は、十分な皮膚接触及び剥離を可能にし得る、少なくとも30mm
2、より好ましくは約90mm
2~約110mm
2の皮膚接触フットプリントを有し得る。他の実施形態では、皮膚接触フットプリントは、例えば、脚部などのより大きな身体部分を剥離及び剃毛する場合、110mm
2超であり得る。以下でより詳細に説明されるように、より大きな皮膚接触面積はまた、剥離バー22及び38上の複数の皮膚突出要素44によって皮膚上に及ぼされる圧力を広げることになり得る。剥離バー22及び38並びに/又は複数の皮膚突出要素44は、上述のように、50超のショアA硬度を有する材料を含み得る。より軟質の材料を含むスキン突出部は、典型的な剃毛力の下で変形し得る。したがって、皮膚突出部の幾何学形状は一定ではなく、剥離性能に悪影響を及ぼし得る。複数の皮膚突出要素44は、約0.1~約0.6(ASTM D3702、動的摩擦係数、40psi、50fpm)の摩擦係数を有する高分子材料を含み得る。より低い摩擦係数は、剃毛ストローク中に皮膚により大きな圧力を加え得るため、特により硬い材料に対し、刺激を減少させるのに役立つ剥離バー22及び38の滑動を改善し得る。
【0015】
皮膚突出要素44は、図示のように、離間した別個の要素であっても、あるいはフットプリントエリアの長さL1に沿って延在する連続的な要素であってもよい。距離L1は、約15mm~約45mmであり得る。剥離バー22、38は、約1mm~約6mmの幅「w1」を有し得る。皮膚突出要素44は、互い違いの列(例えば、1つの列の皮膚突出要素44が、その直前及び直後の列の皮膚突出要素44と重複する)をなして離間され得る。特定の実施形態では、皮膚突出要素44は、約1mm~約3mmの距離「d1」だけ列内で離間され得る。皮膚突出要素44は、直接隣接する列内の皮膚突出要素44から約1mm~約3mmの距離「d2」だけ離間され得る。皮膚突出要素44間の距離は、皮膚突出要素44の先端48(すなわち、最も上方の頂部表面)の中心46から計算され得る。複数の皮膚突出要素44は、先端48まで延在する一対の傾斜側面50及び52を有し得る。先端は、約0.02mm~0.25mm、より好ましくは約0.05mm~0.15mmの剃毛方向における半径を有し得る。複数の皮膚突出要素44の前面54及び/又は後面56は、半円形であってもよい。
【0016】
皮膚突出要素44は、剥離バー22及び38の下方表面58から先端48まで、約0.15mm~約0.4mmの距離だけ延在し得る。特定の実施形態では、隣接する皮膚突出要素44は、約0.15mm~約0.6mmの幅「w2」を有するギャップ60を画定するように離間され得る。ギャップ60は、剥離バーを洗浄し易くし、また剃毛ストローク中に体毛を管理し、それによって、突出要素は体毛の周囲から死んだ皮膚及び細片をより良好に払いのけ、結果として剃毛はより効率的かつより近い緊密なものとなる。皮膚突出要素44は、典型的な剃毛条件下では偏向しない場合があり、したがって、ギャップ60は、サイズにおいて減少しないか、あるいは隣接する皮膚突出要素44によって被覆されないことがある。したがって、皮膚突出要素44の高分子材料の剛性は、ギャップ60及び皮膚突出要素44の一貫した幾何学形状を維持するのに役立つ。
【0017】
図5Aを参照すると、
図1の5-5線に概ね沿った断面図が示されている。
図5は剥離バー22及び38を有する剃毛カートリッジ14を示すため、
図5はまた
図3の線5-5に沿った断面に概ね沿った断面図を表すことが理解される。1つ以上の刃18は各々、剃毛平面P1を画定する刃先62を有し得る。特定の実施形態では、皮膚突出要素44のうちの1つ以上の前面54の平面P2は、約80度~145度の角度「A1」で剃毛平面と交差し得る。角度「A1」はまた、平均先端平面P3(すなわち、皮膚突出要素44の全ての先端48の平均位置から作成された平面)と前面54の平面P2との交点から計算され得る。特定の実施形態では、平均先端P3平面は、剃毛平面P1に沿って延在し得る。
【0018】
図5Bを参照すると、
図5Aの剃毛かりカートリッジ12の拡大図が示されている。剥離バー22及び38は、細長いギャップ64を画定するように、ガード24から離間されており、そのギャップは、剥離バー22の長さに沿って延在し、ガード24に最も近い皮膚接触要素の先端48からギャップ64の底面66までの約0.2mm~約1.0mmの深さを有する。ギャップ64は、約0.2mm~約2mmの幅「w3」を有し得る。特定の実施形態では、皮膚突出要素44の先端48は、ガード24の頂部表面68の平面P5の約0.2mm下方から約0.3mm上方にあり得る。特定の実施形態では、先端48は、剥離性能と快適性とのバランスを取るために、平面P5の約0.1mm上方から約0.1mm下方にあり得る。
【0019】
図6を参照すると、皮膚突出要素44のうちの1つの拡大正面図が示されている。構造平面「CP」は、皮膚突出要素44のうちの先端48から約0.1mm下方にある体積を隔離し得る。構造平面「CP」によって隔離された体積を皮膚接触フットプリント面積で割ると、1mm
2のフットプリント面積当たり約0.003mm
3~0.04mm
3となり得る。理論にとらわれるものではないが、構造平面は、皮膚突出要素44(例えば、前面54)が皮膚に押し込まれ、したがって剥離のために皮膚に係合するおおよその深さを表すことに留意されたい。
【0020】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」として開示されている寸法は、「約40mm」を意味することが意図されている。更に、寸法は、典型的な製造許容差によるずれを許容しない、不可能なほど高い形而上学的識別基準に固執されるべきではない。したがって、「約」という用語は、典型的な製造の許容誤差の範囲内であると解釈されるべきである。
【0021】
相互参照される文書又は関連特許若しくは出願を含めた、本明細書に引用される全ての文書は、明示的に除外されるか又は特に限定されない限り、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求されるいかなる発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0022】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。
【国際調査報告】