(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-30
(54)【発明の名称】移動式マルチデッキ型選別装置におけるスクリーンの取付
(51)【国際特許分類】
B07B 1/48 20060101AFI20230623BHJP
B07B 1/46 20060101ALI20230623BHJP
【FI】
B07B1/48
B07B1/46 Z
B07B1/46 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022570426
(86)(22)【出願日】2021-05-24
(85)【翻訳文提出日】2022-11-18
(86)【国際出願番号】 FI2021050371
(87)【国際公開番号】W WO2021240057
(87)【国際公開日】2021-12-02
(32)【優先日】2020-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510331445
【氏名又は名称】メッツォ オートテック フィンランド オーユー
(74)【代理人】
【識別番号】100127188
【氏名又は名称】川守田 光紀
(72)【発明者】
【氏名】ラヤラ ヨウニ
(72)【発明者】
【氏名】レイノネン ティモ
【テーマコード(参考)】
4D021
【Fターム(参考)】
4D021AA01
4D021BA01
4D021BA04
4D021BA20
4D021CA07
4D021DA15
(57)【要約】
移動式マルチデッキ型スクリーンのスクリーンメディアはテンショナーで張られる。スクリーンメディア用サイドテンショナー(400)が移動式マルチデッキ型選別装置(100)に取り付けられると、少なくとも2本のリニアテンションロッド(410)によって引張りリンク(250)がスクリーンメディア(240)を側部で係合し、張る。調整部材(220)が各リニアテンションロッドに直線的な移動を生じさせる。リニアテンションロッドの上側で、スクリーンメディアの側部が引張りリンクによって張られる。リトラクター(510)は、リニアテンションロッドを緩めることに応じて引張りリンクの係合を解除する。スクリーンデッキ(112)、スクリーン(110)、移動式マルチデッキ型選別装置、テンショナーを使用してスクリーンメディアを交換する方法も開示される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動式マルチデッキ型選別装置のためのスクリーンメディア用サイドテンショナーであって、
少なくとも2本のリニアテンションロッドと;
スクリーンメディア用サイドテンショナーが移動式マルチデッキ型選別装置に取り付けられたときに、前記リニアテンションロッドを締め付けることに応じてスクリーンメディアの横側に係合し前記スクリーンメディアを張るように構成される引張りリンクと;
前記少なくとも2本のリニアテンションロッドのそれぞれに設けられる調整部材であって、前記リニアテンションロッドの直線的な移動を生じさせるように構成される調整部材と;
を備え、
前記引張りリンクは、前記2本のリニアテンションロッドの上方にある前記スクリーンメディアの側部にテンションをかけるように構成されており、
前記スクリーンメディア用サイドテンショナーは、前記少なくとも2本のリニアテンションロッドを緩めることに応じて、前記引張りリンクが前記スクリーンメディアから外れるように前記引張りリンクを後退させるように構成されるリトラクターをさらに備える、
スクリーンメディア用サイドテンショナー。
【請求項2】
前記引張りリンクを案内するように構成されるガイドをさらに備える、請求項1に記載のスクリーンメディア用サイドテンショナー。
【請求項3】
前記リトラクターが前記少なくとも2本のリニアテンションロッドと一体化されている、請求項1又は2に記載のスクリーンメディア用サイドテンショナー。
【請求項4】
前記引張りリンクが前記スクリーンメディアの側部全体に張力をかけるように構成される、請求項1から3のいずれか1項に記載のスクリーンメディア用サイドテンショナー。
【請求項5】
前記引張りリンクが前記スクリーンメディアの側部の一部に張力をかけるように構成される、請求項1から3のいずれか1項に記載のスクリーンメディア用サイドテンショナー。
【請求項6】
移動式マルチデッキ型選別装置のためのスクリーンデッキであって、
請求項1から5のいずれかに記載のスクリーンメディア用サイドテンショナーと、
前記スクリーンメディア用サイドテンショナーを受けるフレームと、
を備える、スクリーンデッキ。
【請求項7】
前記フレームは、請求項1から5のいずれかに記載のスクリーンメディア用サイドテンショナーを2つ用いてスクリーンメディアの2つの対向する側部を移動可能に支持するように構成される、請求項6に記載のスクリーンデッキ。
【請求項8】
移動式マルチデッキ型選別装置のためのマルチデッキ型スクリーンであって、
請求項7に記載のスクリーンデッキを1つ又は複数と;
前記1つ又は複数のスクリーンデッキを支持するように構成されるスクリーンボディと、
を備える、マルチデッキ型スクリーン。
【請求項9】
前記スクリーンボディは、前記1つ又は複数のスクリーンデッキを、2つ以上の異なる位置又は方向に支持するように構成される、請求項8に記載のマルチデッキ型スクリーン。
【請求項10】
移動式マルチデッキ型選別装置であって、
請求項8又は9に記載のマルチデッキ型スクリーンと;
前記マルチデッキ型スクリーンを支持するように構成される移動プラットフォームと;
を備える、移動式マルチデッキ型選別装置。
【請求項11】
前記マルチデッキ型スクリーンの側部の少なくとも一部を、選別される物質から閉じるように構成されるサイドプレートを備える、請求項10に移動式マルチデッキ型選別装置。
【請求項12】
前記サイドプレートが、工具なしで前記サイドプレートを着脱できるように構成された着脱式取り付け機構をさらに備える、請求項11に記載の移動式マルチデッキ型選別装置。
【請求項13】
前記サイドプレートは、前記サイドプレートの下で選別される物質がこぼれることを防ぐように構成された封止部材をさらに備え、前記封止部材はスクリーンメディアのエッジに隣接するように構成される、請求項11又は12に記載の移動式マルチデッキ型選別装置。
【請求項14】
移動式マルチデッキ型選別装置においてスクリーンメディアを交換する方法であって、
リニアテンションロッドを緩めることにより、前記スクリーンメディアの横側において、引張りリンクを後退させることと;
少なくとも2本のリニアテンションロッドを緩めることに応じて前記引張りリンクを後退させることにより、前記スクリーンメディアの係合を解除することと;
前記引張りリンクから外れた前記スクリーンメディアを取り外すことと;
係合端部を有する新しいスクリーンメディアを、前記係合端部が前記引張りリンクに面するように、前記移動式マルチデッキ型選別装置に置くことと;
前記マルチデッキ型選別装置の少なくとも2つのリニアテンションロッドにテンションをかけることにより、前記係合端部が係合し、前記スクリーンメディアが前記引張りリンクによって張られるようにすることと;
前記マルチデッキ型選別装置の外側から、前記少なくとも2本のリニアテンションロッドにテンションをかけることと;
少なくとも2本のリニアテンションロッドを緩めることに応じて、リトラクターを用いて前記引張りリンクを後退させることにより、前記スクリーンメディアの係合を解除することと;
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、移動式マルチデッキ型選別装置におけるスクリーン(ふるい)の取付に関する。
【背景】
【0002】
このセクションは、有用な背景情報を説明するが、ここで説明されている技術が技術水準を示していることを認めている訳ではないことに注意されたい。
【0003】
スクリーンは、材料を様々な粒径分布のフラクションに分類する。一般にオーバーサイズの粒子は拒絶し、アンダーサイズの粒子は受け入れる。スクリーンは、パンチプレートやメッシュなどの1つまたは複数のスクリーンメディアを使用して、フラクションを分離する。
【0004】
ふるい作用を高めるためにスクリーンメディアを強制的に振動させると、摩耗が激しくなる。そのため産業用スクリーンは、通常、耐摩耗性を有するスクリーンメディアを使用している。通常、スクリーンメディアは必要なときに新しいものに交換可能である。スクリーンメディアの取り付けは、通常、スクリーンメディアがスクリーンのフレーム間に圧入されるテンションシステムを含む。この目的のために、テンションシステムにはエンドテンションシステムとサイドテンションシステムの2種類がある。
【0005】
WO9426427A1には、スクリーンのリーディングエンドとトレーリングエンドでテンションアイアンを用いてスクリーンメディアにテンションをかけるために締め付けボルトが使用されるエンドテンショニングシステムが開示されている。これらのエンドメディア間のスクリーンメディアについて、締め付けネジは、これらのネジが容易にアクセスできるスクリーン本体の端部に移動される。これらの締め付けネジから、エクステンションロッドを用いて中間のスクリーンメディアに力が伝達される。本文書の例では3つのスクリーンデッキが設けられており、各デッキのスクリーンメディアは、デッキごとに異なるだけでなく、流れ方向も異なっている。各デッキでは、スクリーンメディアの長さは出口端に向かって長くなっている。
【0006】
移動式マルチデッキ型スクリーンは、道路や鉄道の橋の下を移動できるようにスクリーニン装置の全高を低くすることと、スクリーンメディアの交換を容易にすることの相反するニーズを両立させる必要がある。また、スクリーンメディアの交換は、片側だけで行えることが望ましい。最近のスクリーンメディアは手で扱うには重すぎることが多く、例えば何百キログラムもあり、そのため、その取り外しと挿入には、リフト装置を使用する必要がある。選別装置内へ侵入することを必ずしも要せずに、締め付けシステムをスクリーンメディアに係合および係合解除が容易であることが望ましい。例えば、WO9426427A1の
図3を見ると、スクリーンメディアの取り付けと取り外しのために、締め付けネジ30は枠外のナットによってある工具で操作し、ボルトヘッドはフレーム内の別の工具で操作する必要がある。さらに、スクリーンメディアをその固定テンションアイアンとボルト可動テンションアイアンとに位置合わせするために、手作業による装着が必要である。スクリーンメディアを取り外す際、スクリーンメディアのフック付き端部が(錆などで)引っかかると、選別装置内でテンションアイアンをスクリーンメディアから手動で分離する必要がある。
【摘要】
【0007】
添付の特許請求の範囲は、保護範囲を定義するものである。特許請求の範囲にカバーされない説明及び/又は図面中の装置、製品及び/又は方法の例や技術説明は、本発明の実施形態としてではなく、本発明の理解に役立つ背景技術または例として提示されるものである。
【0008】
本発明の第1の例示的な捉え方によれば、移動式マルチデッキ型選別装置のためのスクリーンメディア用サイドテンショナー(張力装置)が提供される。このテンショナーは、
少なくとも2本のリニアテンションロッドと;
スクリーンメディア用サイドテンショナーが移動式マルチデッキ型選別装置に取り付けられたときに、前記リニアテンションロッドを締め付けることに応じてスクリーンメディアの横側に係合し前記スクリーンメディアを張るように構成される引張りリンクと;
前記少なくとも2本のリニアテンションロッドのそれぞれに設けられる調整部材であって、前記リニアテンションロッドの直線的な移動を生じさせるように構成される調整部材と;
を備え、前記引張りリンクは、前記2本のリニアテンションロッドの上方にある前記スクリーンメディアの側部にテンションをかけるように構成されている。
【0009】
前記少なくとも2本のリニアテンションロッドはねじ切りされていてもよい。前記調整部材はナットを備えてもよい。このナットは、締め付けられたときに、移動式マルチデッキ型選別装置のフレームに対して内側に作用する力を形成するように構成される。そのような力を形成することにより、リニアテンションロッドに対して外側に作用する力が形成される。前記調整部材はボルトヘッドを備えてもよい。
【0010】
前記スクリーンメディア用サイドテンショナーは、リトラクターをさらに備えてもよい。このリトラクターは、前記少なくとも2本のリニアテンションロッドを緩めることに応じて、前記引張りリンクが前記スクリーンメディアから外れるように前記引張りリンクを後退させるように構成される。前記調整部材は、係合したスクリーンメディアを張るために、フレームの方に引張りリンクを移動させてもよい。前記リトラクターは、前記引張りリンクを後退させたり戻したりすることができてもよい。
【0011】
前記リトラクターは、前記少なくとも2本のリニアテンションロッドの各々に引き込み部品を有してもよい。前記引き込み部材は、弾力性の付勢要素を有してもよい。前記引き込み部材は、ばねを有してもよい。前記引き込み部材は、前記リニアテンションロッドが緩められたときに引き込み力を前記引張りリンクに誘発するように構成された内向き力中継要素を含んでもよい。前記引き込み部材は、前記引張りリンクと前記調整部材との間において、前記リニアテンションロッド上にナットを有してもよい。
【0012】
前記スクリーンメディア用サイドテンショナーは、前記リニアテンションロッドを案内するように構成されるガイドをさらに備えてもよい。前記ガイドはベアリングを有してもよい。前記ガイドは前記リニアテンションロッドの周りに形成されてもよい。前記ガイドは前記リニアテンションロッドからスペースを空けて配されてもよい。前記ガイドは方向ロック式であってもよく、例えば矩形、楕円形、又は他の非円形であってもよい。前記スクリーンメディア用サイドテンショナーは、前記引張りリンクの端部のそれぞれに2つのガイドを有してもよい。前記2つのガイドは、前記引張りリンクの端部から、前記引張りリンクの長さの1%、5%、10%又は20%未満の距離に存在してもよい。
【0013】
前記引張りリンクは、前記スクリーンメディアの側部全体に張力をかけるように構成されてもよい。前記引張りリンクは、少なくとも部分的に2つの異なるスクリーンメディアに張力をかけるように構成されてもよい。前記引張りリンクは、1つのスクリーンメディアの側部全体と、別のスクリーンメディアの側部の少なくとも一部とに張力をかけるように構成されてもよい。あるいは、前記引張りリンクは、前記スクリーンメディアの側部の一部分に張力をかけるように構成されていてもよい。その部分は半分であってもよい。
【0014】
本発明の第2の例示的な捉え方によれば、移動式マルチデッキ型選別装置のスクリーンデッキが提供される。このスクリーンデッキは、
前記第1の例示的な捉え方のスクリーンメディア用サイドテンショナーと、
前記スクリーンメディア用サイドテンショナーを受けるフレームと、
を備える。
【0015】
前記スクリーンデッキは更にスクリーンメディアを備えてもよい。
【0016】
前記スクリーンデッキは複数のスクリーンメディアを備えてもよい。前記スクリーンデッキは、前記複数のスクリーンメディアのそれぞれについて、少なくとも片側に、前記第1の例示的な捉え方のスクリーンメディア用サイドテンショナーを備えてもよい。
【0017】
前記フレームは、1つのスクリーンデッキの複数のスクリーンメディアを支持するように構成されてもよい。前記フレームは、前記スクリーンデッキの各スクリーンメディアのために個別にスクリーンメディアテンショナーを受容するように構成されてもよい。
【0018】
前記移動式マルチデッキ型選別装置は、1つのスクリーンメディアに対して対応する2つ以上の異なる部分で張力をかけるために、2つ以上のスクリーンメディア用サイドテンショナーを備えてもよい。
【0019】
前記スクリーンメディアの一方の側部は、前記フレームによって固定的に支持されてもよい。前記スクリーンメディアの反対側の側部は、前記スクリーンメディア用サイドテンショナーによって可動に支持されてもよい。あるいは、前記スクリーンメディアの2つの反対側の側部は、それぞれ別の、第1の例示的な捉え方のスクリーンメディア用サイドテンショナーによって、可動に支持されてもよい。
【0020】
本発明の第3の例示的な捉え方によれば、移動式マルチデッキ型選別装置のマルチデッキ型スクリーンが提供される。このマルチデッキ型スクリーンは、
第2の例示的な捉え方のスクリーンデッキを1つ又は複数と;
前記1つ又は複数のスクリーンデッキを支持するように構成されるスクリーンボディと、
を備える。
【0021】
前記スクリーンボディは、前記1つ又は複数のスクリーンデッキを、2つ以上の異なる位置又は方向に支持するように構成されてもよい。前記スクリーンボディは、前記1つ又は複数のスクリーンデッキを、2つ以上の異なる位置又は方向に取り付けるように構成される、2つ以上の取り付け点セットを備えてもよい。
【0022】
前記マルチデッキ型スクリーンは、ふるい機能を強化するように構成されたバイブレータをさらに含んでもよい。
【0023】
前記スクリーンボディは、上から下に数えてN個の第1のスクリーンデッキのために、スクリーンメディアテンショナーを受け入れるように構成されてもよい。ここでNは、スクリーンデッキの数に等しくてもよい。またはNは、スクリーンデッキの数から1を引いた数に等しくてもよい。
【0024】
1つのスクリーンデッキのスクリーンメディアはいずれも同じ寸法であってもよい。同じ寸法のスクリーンメディアの使用を可能にすることは、移動式マルチデッキ型選別装置のロジスティクスや保守を容易にすることができる。
【0025】
本発明の第4の例示的な捉え方によれば、移動式マルチデッキ型選別装置が提供される。この装置は、
第3の例示的な捉え方のマルチデッキ型スクリーンと;
前記マルチデッキ型スクリーンを支持するように構成される移動プラットフォームと;
を備える。
【0026】
前記移動式マルチデッキ型選別装置はサイドプレートを備えてもよい。前記サイドプレートは、スクリーンメディア用サイドテンショナーによって張られている側でふるいにかけられている物質がこぼれ落ちることを抑制するように構成されていてもよい。前記サイドプレートは、前記サイドプレートの下で、ふるいにかけられている物質の漏れの抑制を改善するように構成される封止部材を備えてもよい。代替的に又は追加的に、前記スクリーンメディアは、前記サイドプレートの下で選別される物質の漏出の抑制を改善するように構成された封止部材を備えてもよい。前記サイドプレートはユーザにより着脱が可能であってもよい。前記サイドプレートは工具なしで着脱可能であってもよい。前記サイドプレートは着脱自在な取付機構を備えてもよい。この着脱機構は磁石を備えてもよい。
【0027】
前記サイドプレートは、前記調整部材へのアクセスを提供するように構成されてもよい。前記サイドプレートは、前記調整部材へのアクセスを提供するための1つ又は複数の隙間又は開口部を備えてもよい。
【0028】
前記サイドプレートは、スクリーンメディアの挿入又は取り外しを容易にするために、スクリーンメディアから離して移動可能であってもよい。前記サイドプレートは、スクリーンメディアの取り外しを段階的に進めるように構成されていてもよい。例えば1つの段階において、前記サイドプレートは漏出防止構成にあり、リニアテンションロッドを緩めることで、部分的に動かなくなった引張りリンクをスクリーンメディアから分離してもよい。
【0029】
前記サイドプレートが漏出防止構成にあるとき、前記サイドプレートは、スクリーンメディアの撓みに抵抗してもよい。
【0030】
前記移動式マルチデッキ型選別装置は自走式であってもよい前記移動式マルチデッキ型選別装置は車輪によって移動されてもよい。前記移動式マルチデッキ型選別装置は無限軌道によって移動されてもよい。あるいは、前記移動式マルチデッキ型選別装置は牽引可能であってもよい。
【0031】
前記フレームは、ロッドを介して前記引張りリンクに衝撃を導くための衝撃ツールアクセス開口部を備えてもよい。この衝撃ツールアクセス開口部は、動かなくなった引張りリンクをガイドから衝撃で取り外すことを可能にしてもよい。
【0032】
本発明の第5の例示的な捉え方によれば、移動式マルチデッキ型選別装置におけるスクリーンメディアの交換方法が提供される。この方法は、
リニアテンションロッドを緩めることにより、前記スクリーンメディアの横側において、引張りリンクを後退させることと;
引張りリンクの後退によってスクリーンメディアの係合を解除することと;
前記引張りリンクから外れた前記スクリーンメディアを取り外すことと;
係合端部を有する新しいスクリーンメディアを、前記係合端部が前記引張りリンクに面するように、前記移動式マルチデッキ型選別装置に置くことと;
前記マルチデッキ型選別装置の少なくとも2つのリニアテンションロッドにテンションをかけることにより、前記係合端部が係合し、前記スクリーンメディアが前記引張りリンクによって張られるようにすることと;
前記マルチデッキ型選別装置の外側から、前記少なくとも2本のリニアテンションロッドにテンションをかけることと;
を含む。
【0033】
前記方法は更に、線形軌道に沿って移動するように引張りリンクを案内することを含んでもよい。
【0034】
前記方法は更に、前記スクリーンメディアを張ることに応じて、前記スクリーンメディアを封止することを含んでもよい。
【0035】
本発明の第6の例示的な捉え方によれば、移動式マルチデッキ型選別装置が提供される。この装置は、
少なくとも2本のリニアテンションロッドを緩めることにより、スクリーンメディアの横側において引張りリンクを後退させる調整部材と;
前記引張りリンクから前記スクリーンメディアが外れたときに前記スクリーンメディアを取り外すために、前記引張りリンクを後退させて前記引張りリンクと前記スクリーンメディアとの係合を解除するリトラクターと;
係合端部を有する新しいスクリーンメディアを受け取るプラットフォームと;
ガイドと;
を備え、
前記ガイド及び前記引張りリンクは、前記少なくとも2本のリニアテンションロッドを締め付けると、前記新しいスクリーンメディアに係合して該新しいスクリーンメディアに張力を付加するように構成され、
前記調整部材は、前記マルチデッキ型選別装置の外部から前記少なくとも2本のリニアテンションロッドに張力を与えることができるように構成される。
【0036】
本発明の様々な捉え方や実施形態を紹介してきたが、これらは発明の範囲を限定するものではない。これらの実施形態は、本発明の実施にあたり使用され得る特定の態様やステップを説明するために用いられたに過ぎない。実施形態によっては、発明の特定の例示的な捉え方を参照してのみ紹介されるかもしれない。いくつかの実施形態は他の実施形態にも適用可能であることが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0037】
いくつかの実施形態が、以下の添付図面を参照して説明される。
【
図1】移動式マルチデッキ型選別装置の概略図である。
【
図2】スクリーンデッキの立体図である。スクリーンメディアが1つ描かれている。
【
図3】3つのスクリーンメディアを搭載したスクリーンデッキの上面図である。
【
図4】スクリーンメディア用サイドテンショナーの詳細を示す三次元図である。
【
図5】スクリーンメディア用サイドテンショナーの詳細を示す別の三次元図である。
【
図7】スクリーンメディアの張力をかける課程のフローチャートである。
【詳細説明】
【0038】
図1は、移動式マルチデッキ型選別プラント100の概略図である。プラント100は、複数のスクリーンデッキ112、114を有するマルチデッキ型選別装置110と、車輪122及び無限軌道124を有する移動台120とを備える。マルチデッキ型選別装置110は更に、バイブレータ116と、スクリーンデッキ112,114及びバイブレータ116を支持する本体118とを備える。
【0039】
図2は、スクリーンデッキ112の立体図である。スクリーンメディア240が1つ描かれている。スクリーンメディア240は、その側面に、外径がフック状である係合端242を有する。係合端242の50wt%以上は、スチール、アルミニウム又は複合材料であってもよい。
図2は更に、フレーム210と、それぞれリニアテンションロッド(
図4の410)を調整するための複数の調整部材220
【0040】
(ここではナット)と、サイドプレート230と、複数のテンションロッド410から係合端242に力を中継するための引張りリンク250とを示す。力は、テンションロッド410が配されている箇所に於いて、また複数のテンションロッド410の間において、中継される。
【0041】
図3は、3つのスクリーンメディア240を搭載したスクリーンデッキ112の上面図である。
図3には、複数(ここでは3つ)のスクリーンメディア240が、スクリーンデッキ112を覆うように互いに隣接して取り付けられている様子が示されている。隣接するスクリーンメディア240の間からサイズの大きな鉱物質が漏出することを防ぐために、隣接するスクリーンメディア240間の隙間は、ギャップストリップ(図示せず)によって塞がれている。
図5からより良く理解されるように、これらのギャップストリップは、隣接するスクリーンメディアとサイドプレート230との間のギャップをも封鎖できるように、スクリーンメディア240と実質的に同じ長手方向長を有してもよい。
【0042】
図4は、スクリーンメディア用サイドテンショナー400の詳細を示す三次元図である。スクリーンメディア用サイドテンショナー400は、調整部材220と、リニアテンションロッド410と、ガイド420とを備える。リニアテンションロッド410は、スクリーンメディア240をピンと張るため又は弛ませるために引張りリンク250を外側又は内側に動かすための部材である。
図4において、リニアテンションロッド410は、
図5に描かれるばね510がない状態で描かれている。ガイド420は、引張りリンク250が実質的に直線軌道に沿って動くように案内する。それによって、スクリーンメディアが設置されているときに、引張りリンクが、スクリーンメディアの係合端242と係合する位置に保持されるようにする。
【0043】
図5は、スクリーンメディア用サイドテンショナー400の詳細を示す別の三次元図である。リニアテンションロッド410の周りにスプリング510が描かれている。
【0044】
図6は、ある例による封止部材610を示す図である。封止部材610はサイドプレート520に取り付けられており、締め付けたときに係合端242が封止部材610を凹ませるようにされている。
図3に関連して説明したギャップストリップも、封止部材610によって封止される。
【0045】
図6では、封止部材610としてDシールを使用している。Bシールのような他の形態の封止部材も使用可能であり、発泡シールのような充填圧縮可能な封止部材も使用可能である。また、
図6のものに基本的に対応するが、シール610をサイドプレート520に支持する底部を欠いた、比較的硬いシールを用いることも可能である。
【0046】
図7は、移動式マルチデッキ型選別装置においてスクリーンメディアを交換するための、スクリーンメディアに張力をかけるプロセス700のフローチャートである。このプロセスは次のことを含む。
【0047】
710.リニアテンションロッドを緩めることにより、スクリーンメディアの横側において、引張りリンクを後退させる。
【0048】
720.引張りリンクの後退によってスクリーンメディアの係合を解除する。
【0049】
730.引張りリンクから外れたスクリーンメディアを取り外す。
【0050】
740.係合端部を有する新しいスクリーンメディアをマルチデッキ型選別装置に置く。このとき、係合端部は引張りリンクに面するようにされる。
【0051】
750.マルチデッキ型選別装置の少なくとも2つのリニアテンションロッドにテンションをかけることにより、係合端が係合し、スクリーンメディアが引張りリンクによって張られるようにする。
【0052】
760.マルチデッキ型選別装置の外側から、少なくとも2本のリニアテンションロッドにテンションをかける。
【0053】
実施例によっては、プロセス700は、次の1つ又は複数を含む。
【0054】
770.線形軌道に沿って移動するように引張りリンクを案内する。
【0055】
780.スクリーンメディアを張ることに応じて、スクリーンメディアを封止する。
【0056】
様々な実施形態を紹介してきた。「有する」や「備える」「含む」といった語句は、オープンエンドに解されるべきものであり、その他の要素の存在を排除するものではない。
【0057】
上の説明は、本発明の特定の実装形態および実施形態の非限定的な例によって、本発明を実施するために本発明者らが現在考えている最良の形態の完全かつ有益な説明を提供したものである。しかしながら、当業者には明らかであるように、上述の実施形態の詳細は本発明を限定するものではなく、本発明の特徴から逸脱することなく同等の手段又は様々な実施形態の組み合わせを用いて、他の実施形態に実装することができる。
【0058】
さらに、以上に開示した本発明の実施形態の特徴は、対応する他の特徴を用いることなく用いられてもよい。然るに、以上の説明は、本発明の原理を説明するための例に過ぎず、それを限定するものではないと捉えるべきである。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【国際調査報告】