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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-30
(54)【発明の名称】掃引周波数蛍光光度計
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/64 20060101AFI20230623BHJP
【FI】
G01N21/64 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022571165
(86)(22)【出願日】2021-05-19
(85)【翻訳文提出日】2023-01-17
(86)【国際出願番号】 US2021033090
(87)【国際公開番号】W WO2021236726
(87)【国際公開日】2021-11-25
(31)【優先権主張番号】63/027,587
(32)【優先日】2020-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/028,013
(32)【優先日】2020-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/028,723
(32)【優先日】2020-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522452477
【氏名又は名称】ワイエスアイ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】ケビン フラナガン
【テーマコード(参考)】
2G043
【Fターム(参考)】
2G043AA04
2G043CA03
2G043EA01
2G043FA03
2G043LA03
(57)【要約】
信号プロセッサ又は処理モジュールを有する掃引周波数蛍光光度計において、前記信号プロセッサ又は処理モジュールは、可変周波数範囲を有する光で掃引される液体試料中の1つ以上の対象蛍光種からの反射光に関する情報を含む信号であって、前記情報は、前記液体中の対象蛍光種に対応する特性光周波数と、前記対象蛍光種が励起状態に留まる独自の蛍光寿命に対応する特性光周波数又は寿命光周波数とを含む、信号を受信し、受信した信号に基づいて、特性光周波数又は寿命光周波数を用いて、検出されかつ液体中の重なり合う複数の蛍光種から識別される対象蛍光種の同一性に関する情報を含む対応する信号を提供するように構成されている信号プロセッサ又は処理モジュールを有する掃引周波数蛍光光度計。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号プロセッサ又は処理モジュールを備える装置において、
前記信号プロセッサ又は処理モジュールは、
可変周波数範囲を有する光で掃引される液体試料中の1つ以上の対象蛍光種からの反射光に関する情報を含む信号であって、前記情報は、前記液体中の対象蛍光種に対応する特性光周波数と、前記対象蛍光種が励起状態に留まる独自の蛍光寿命に対応する特性光周波数又は寿命光周波数とを含む、信号を受信し、
受信された前記信号に基づいて、前記特性光周波数又は寿命光周波数を用いて、検出されかつ液体中の重なり合う複数の蛍光種から識別される対象蛍光種の同一性に関する情報を含む対応する信号を提供するように構成されている、装置。
【請求項2】
前記装置は、前記可変周波数範囲にわたって光を検知して前記信号を提供するように構成されている光センサを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記光センサは、前記光を提供する光源の長さに沿って前記可変周波数範囲にわたって前記光を検知するように構成されているリニアセンサアレイである、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記装置は、前記可変周波数範囲にわたって励起光波長を有する励起光を掃引して前記1つ以上の対象蛍光種を励起するように構成されている光源を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記光源は、準平行光源を含む掃引周波数光源である、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記可変周波数範囲は、最初の変調周波数fから最終的な変調周波数fまで、徐々に励起光を増加させることによって掃引されるロックイン周波数を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記可変周波数範囲は、前記特性光周波数又は寿命光周波数に対応する中間点周波数を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記装置は、掃引周波数蛍光光度計である、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記方法は、
信号プロセッサ又は処理モジュールによって、可変周波数範囲を有する光で掃引された液体試料中の1つ以上の対象蛍光種に関する情報を含む信号であって、前記情報は、前記液体中の対象蛍光種に対応する特性光周波数と、前記1つ以上の対象蛍光種が励起状態に留まる独自の蛍光寿命に対応する特性光周波数又は寿命光周波数とを含む、信号を受信することと、
前記信号プロセッサ又は処理モジュールによって、受信された前記信号に基づいて、前記特性光周波数又は寿命光周波数を用いて、検出されかつ液体中の重なり合う複数の蛍光種から識別される対象蛍光種の同一性に関する情報を含む対応する信号を提供することとを備える、方法。
【請求項10】
前記方法が、前記可変周波数範囲にわたって前記光を検知して前記信号を提供するための光センサを構成することを備える、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記方法が、前記光を提供する光源の長さに沿って前記可変周波数範囲にわたって光を検知するように、前記光センサをリニアセンサアレイで構成することを備える、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記方法が、前記可変周波数範囲にわたって励起光波長を有する励起光を掃引して前記1つ以上の対象蛍光種を励起するように光源を構成することを備える、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記方法が、準平行光源を含む掃引周波数光源で前記光源を構成することを備える、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記可変周波数範囲が、励振光を最初の変調周波数fから最終的な変調周波数fまで徐々に増やすことによって掃引されるロックイン周波数を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記可変周波数範囲は、前記特性光周波数又は寿命光周波数に対応する中間点周波数を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記方法が、前記信号プロセッサ又は信号処理モジュールを掃引周波数蛍光光度計の一部として構成することを備える、請求項9に記載の方法。
【請求項17】
掃引周波数蛍光光度計において、
前記掃引周波数蛍光光度計は、
1つ以上の対象蛍光種を有する液体試料上に光を提供するように構成されている光源であって、前記光は、初期周波数f及び最終周波数fを有する可変周波数範囲を有する、光源と、
前記液体試料中の前記1つ以上の対象蛍光種からの反射光を検知し、可変周波数範囲を有する光で掃引される前記液体試料中の前記1つ以上の対象蛍光種からの反射光に関する情報を含む信号を提供するように構成されている光センサであって、前記情報は、前記液体中の対象蛍光種に対応する特性光周波数と、前記対象蛍光種が励起状態に留まる独自の蛍光寿命に対応する特性光周波数又は寿命光周波数とを含む、光センサと、
信号を受信し、受信した前記信号に基づいて、前記特性光周波数又は寿命光周波数を用いて、検出されかつ液体中の重なり合う複数の蛍光種から識別される対象蛍光種の同一性に関する情報を含む対応する信号を提供するように構成されている、信号プロセッサ又は処理モジュールとを備える、掃引周波数蛍光光度計。
【請求項18】
前記光源は、準平行光源を含む掃引周波数光源であり、前記光センサは、前記光を提供する光源の長さに沿って前記可変周波数範囲にわたって前記光を検知するように構成されているリニアセンサアレイである、請求項17に記載の掃引周波数蛍光光度計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年5月20日に出願された仮特許出願第63/027,587号(911-023.9-1-1/N-YSI-0045US01)、2020年5月21日に出願された仮特許出願第63/028,013号(911-023.010-1-1/N-YSI-0046US02)、及び、2020年5月22日に出願された仮特許出願第63/028,723(911-023.011-1-1/N-YSI-0047US02)に基づく利益を主張し、これら全てを参照することにより本願明細書に組み込まれる。
本発明は、重なり合う複数の種を含む液体中の種を特定するための蛍光光度計に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、従来の蛍光検知技術は、特に複数の種の蛍光特性が重なり合う場合に多くの場合に水種の曖昧な特定をもたらすスペクトル的に幅広い特徴に悩まされてきた。
【0003】
特に、従来の(単一チャネル)蛍光光度計は、典型的には、対象の水パラメータを光学的に励起し、対象の水パラメータに特有の光を(より長い光波長で)再発光するために(指定された光波長で)使用される単一の励起光源からなる。このようなセンサは、固定周波数(帯域内周波数)で正弦波信号を選択的に測定し、他の周波数(帯域外周波数)を有する信号を拒否するロックイン検出を利用することが多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
当業界において、例えば重なり合う複数の種を含む液体中の種を特定するための、より良好な蛍光光度計が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
要約すると、本発明によるセンサは、このセンサに対するロックイン周波数が「掃引される(swept)」、すなわち、ある最初の変調周波数fからある最終的な変調周波数fへと徐々に増やされるという点において、従来の蛍光光度計とは異なる。全ての蛍光種は、その後の発光を伴って基底状態に戻る前に、(励起光波長によって励起される)励起した蛍光体が有限の時間、例えば寿命[秒]の間だけ励起状態に留まる、その蛍光種自体の独自の蛍光「寿命」(FLT)を有する。信号の変調周波数が種の特性周波数、f=(1/寿命)[Hz]にわたって掃引されると、信号の位相は、信号振幅の低下に加えて、90度の全体的な相対位相シフトを受ける。相対位相転移の中間点(45度)は、蛍光種の特性/寿命周波数に正確に対応する。要するに、重なり合う複数の蛍光種の同一性に不確実性がある場合、寿命についての知識によって、さらに二つの種の間の輪郭を表現することができる。
【0006】
事実上、(掃引励起周波数を通した)蛍光寿命により、別次元の情報を約束し、水域の「指紋(fingerprint)」に深さを追加する。
【0007】
本発明による蛍光光度計は、検出技術を向上させるために、Ex/Emと蛍光寿命を測定する。
【0008】
さらに、本発明の一つの鍵は、特に、準平行光の長さに沿った広いリニアアレイを利用する光学機械工学的構成にある。
【0009】
本設計は、非強度に基づく濁度測定に適合する。
【0010】
一例として、本発明は、環境水質監視におけるいくつかの用途を有する
【0011】
特定の実施形態
一例として、幾つかの実施形態によれば、本発明は、
可変周波数範囲を有する光で掃引される液体試料中の1つ以上の対象蛍光種の反射光に関する情報であって、前記情報は、液体中の対象蛍光種に対応する特性光周波数と、対象蛍光種が励起状態に留まる独自の蛍光寿命に対応する特性光周波数/寿命光周波数とを含む、信号を受信し、
受信した信号に基づいて、特性光周波数/寿命光周波数を使用して、検出されかつ液体中の重なり合う複数の蛍光種から識別された、対象蛍光種の同一性に関する情報を含む対応する信号を提供するように構成されている信号プロセッサ又は処理モジュールを特徴とする装置を有するか又はその形態を取ることができる。
【0012】
前記装置は、以下のさらなる複数の特徴のうちの1つ以上を有しうる。
【0013】
前記装置は、可変周波数範囲にわたって光を検知し、信号プロセッサ又は処理モジュールによって受信した信号を提供するように構成されている光センサを有しうる。
【0014】
前記光センサは、光を提供する光源の長さに沿った可変周波数範囲にわたって光を検知するように構成されているリニアセンサアレイとしうる。
【0015】
前記装置は、1つ以上の対象蛍光種を励起するために、可変周波数範囲にわたって励起光波長を有する励起光を掃引するように構成されている光源を有しうる。
【0016】
前記光源は、準平行光源を含む掃引周波数光源としうる。
【0017】
前記可変周波数範囲は、励起光を最初の変調周波数fから最終変調周波数fまで徐々に増すことによって掃引されるロックイン周波数を有しうる。
【0018】
前記可変周波数範囲は、特性光周波数又は寿命光周波数に対応する中間点周波数を有しうる。
【0019】
前記装置は、掃引周波数蛍光光度計を有することができ、又は、その形態を取りうる。
【0020】
掃引周波数蛍光光度計
さらなる例として、そして、幾つかの実施例によれば、本発明は、光源と、光センサと、信号プロセッサ又は処理モジュールとを特徴とする掃引周波数蛍光光度計の形態を取ることができる。
【0021】
前記光源は、最初の周波数f及び最終周波数fを有する可変周波数範囲を有する励起光を1つ以上の対象蛍光種を有する液体試料上に提供するように構成することができる。
【0022】
前記光センサは、液体試料中の1つ以上の対象蛍光種からの反射光を検知し、可変周波数範囲を有する励起光で掃引される液体試料中の1つ以上の対象蛍光種からの反射光に関する情報であって、液体中の対象蛍光種に対応する特性光周波数と、対象蛍光種が励起状態に留まる独自の蛍光寿命に対応する特性光周波数又は寿命光周波数とを含む情報を含む、信号を提供するように構成することができる。
【0023】
信号プロセッサ又は処理モジュールは、
信号を受信し
受信した信号に基づいて、特性光周波数又は寿命光周波数を用いて、検出されかつ液体中の重なり合う複数の蛍光種から識別される対象蛍光種の同一性に関する情報を含む対応する信号を提供するように構成することができる。
【0024】
また、掃引周波数蛍光光度計は、上述の複数の特徴のうちの1つ以上を有しうる。
【0025】
本方法
さらに別の例として、幾つかの実施形態によれば、本発明は、
信号プロセッサ又は処理モジュールによって、可変周波数範囲を有する光で掃引された液体試料中の1つ以上の対象蛍光種からの反射光に関する情報であって、液体中の対象蛍光種に対応する特性光周波数と、対象蛍光種が励起状態に留まる独自の蛍光寿命に対応する特性光周波数又は寿命光周波数とを含む、情報を含む信号を受信し、
信号プロセッサ又は処理モジュールによって、受信した信号に基づいて、特性光周波数又は寿命光周波数を用いて、検出されかつ液体中の重なり合う複数の蛍光種の同一性に関する情報を識別された対象蛍光種の同一性に関する情報を含む対応する信号を提供する特徴を有する方法を備える。
【0026】
また、この方法は、上述の複数の特徴のうちの1つ以上を有しうる。
【0027】
コンピュータ可読記憶媒体
さらに他の例として、本発明の幾つかの実施形態によれば、本発明は、また、前述の方法のステップを実行するためのコンピュータ実行可能コンポーネントを有するコンピュータ可読記憶媒体の形態を取りうる。また、コンピュータ可読記憶媒体は、上述の複数の特徴のうちの1つ以上を有しうる。
【0028】
図面は必ずしも一定の縮尺で描かれていないが、以下のように、図1図5を含む。
【0029】
図面中の乱雑さを低減するために、図面中の各図は、その中に示されている全ての要素について全ての参照符号を必ずしも有するわけではない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1図1は、励起、発光及び蛍光寿命のグラフであり、本発明による蛍光光度計の概念図を提供し、この図では、3つの異なるが重なり合う種を、同じEx/Em帯域通過領域内で測定することができ、従来の蛍光光度計は、3種の間を識別する能力を有していないが、本発明によれば、蛍光寿命の表示によって、識別を行うことができる。
図2図2Aは、2つの重なる種(トリスビピリジンルテニウム(II)及び白金ポルフィリン)の内の前者の励起発光マトリックス(EEM)図であり、わかりやすくするために、図は積み重ねられている(重ね合わせられていない)、軸線とスケールは両方のフレームで同じである。図2Bは、重なり合う2つの種(トリスビピリジンルテニウム(II))及び白金ポルフィリン)の内の後者の励起発光マトリックス(EEM)図であり、わかりやすくするために、図は積み重ねられている(重ね合わせられていない)、軸線とスケールは両方のフレームで同じである。
図3図3は、それぞれの種(トリスビピリジンルテニウム(II)及び白金ポルフィリン)の相対位相角(度)対掃引変調励起周波数(Hz)のグラフ又は図であり、例えば、それぞれのEEM特性がEEMチャートの同じ領域を占有し、あいまいさを引き起こしているが、位相応答がどのように完全に識別可能であるかを示しており、点を示している。
図4図4は、本発明の幾つかの実施形態に係る、例えば光源と、光センサと、信号処理機能を実行する信号プロセッサ又は処理モジュールとを有する、掃引周波数蛍光光度計のブロック図である。
図5図5は、本発明の幾つかの実施形態による、例えば複数行及び複数列の光学素子を有するリニアセンサアレイの形態の光センサの図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図4は、本発明による、例えば、準平行光源などの光源20と、リニアセンサアレイなどの光センサ30と、信号プロセッサ又は処理モジュール40とを有する、掃引周波数蛍光光度計を有する装置10を示す。
【0032】
光源20は、最初の周波数f及び最終周波数fを有する可変周波数範囲を有する光を1つ以上の対象蛍光種を有する液体試料上に提供するように構成することができる。幾つかの実施形態によれば、光源20は、例えば信号プロセッサ又は処理モジュール40によって提供される光源制御信号に応答して、可変周波数範囲を有する光を提供するように構成することができる。
【0033】
光センサ30は、液体試料中の対象蛍光種からの反射光を検知し、可変周波数範囲を有する光で掃引される液体試料中の1つ以上の対象蛍光種からの反射光に関する情報であって、液体中の対象蛍光種に対応する特性光周波数と、対象蛍光種が励起状態に留まる独自の蛍光寿命に対応する特性光周波数/寿命光周波数とを含む情報を含む信号を提供するように構成することができる。幾つかの実施形態によれば、光センサ30は、例えば信号プロセッサ又は処理モジュール40によって提供される光センサ制御信号に応答し、反射光を検知するように構成することができる。
【0034】
信号プロセッサ又は処理モジュール40は、信号を受信し、受信した信号に基づいて、特性光周波数又は寿命光周波数を用いて、検出されかつ液体中の重なり合う複数の蛍光種から識別された対象蛍光種の同一性に関する情報を含む対応する信号を提供するように構成することができる。幾つかの実施形態によれば、信号プロセッサ又は処理モジュール40は、光源制御信号及び/又は光センサ制御信号を、例えば光源20及び/又は光センサ30に提供するように構成することができる。
【0035】
光源20
一例として、光源20は、例えば図5に示すように、光源20及びリニアセンサアレイ30に関連して配置された液体試料を介して、リニアセンサアレイ30の対応する長さに沿って、準平行光を含む光を提供するように構成することができ、その結果、監視又は試験される液体試料中の1つ以上の対象蛍光種からの光をリニアセンサアレイ30上に反射させることができる。
【0036】
当業者であれば理解できるように、準平行光源は当業者には公知であり、本発明の範囲は、現在公知であるか又は将来開発される後のいずれかの特定のタイプ又はその種類に限定されることを意図していない。
【0037】
リニアセンサアレイ30
一例として、リニアセンサアレイ30は、例えば、リニアフォトダイオードアレイ、リニア撮像素子アレイ、又はリニアCMOSアレイを有しうる。特に、リニアセンサアレイ30は、個々にアドレス可能な、例えば図5に示すような複数行及び複数列の光学素子の二次元アレイ(r1,c1;r1,c2;r1,c3;r1,c4;r1,c5;r1,c6;r1,c7;r1,c8;…;r1,cn;r2,c1;r2,c2;r2,c3;r2,c4;r2,c5;r2,c6;r2,c7;r2,c8;…;r2,cn;r3,c1;r3,c2;r3,c3;r3,c4;r3,c5;r3,c6;r3,c7;r3,c8;…;r3,cn;…;rn,c1;rn,c2;rn,c3;rn,c4;rn,c5;rn,c6;rn,c7;rn,c8;…;rn,cn)を有しうる。リニアセンサアレイは当業界で公知であり、本発明の範囲は、現在公知であるか又は将来開発される後のいずれかの特定のタイプ又はその種類に限定されることを意図しない。
【0038】
一例として、以下の米国特許第9,020,202号、同8,022,349号、同7,956,341号、同7,040,538号、同5,252,818号及び同4,193,057号にリニアセンサアレイが開示されており、これら全ては参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0039】
信号プロセッサ又は処理モジュール40
一例として、信号プロセッサ又は処理モジュール40は、決定した周波数に基づいて1つ以上の対象蛍光種を決定し、次いで、その周波数に基づいて液体の濁度の濃度を決定するように構成することができる。例えば液体中の混濁度の濃度との関連で、検知された光周波数に関する情報を含む信号を処理する技術は、当業界で公知であり、本発明の範囲は、現在公知であるか又は将来開発される後のいずれかの特定のタイプ又はその種類に限定されることを意図していない。
【0040】
信号処理機能の実施
一例として、信号プロセッサ又は処理モジュール40の機能性は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はこれらの組み合わせを用いて実現されうる。典型的なソフトウェアの実施において、信号プロセッサ40は、例えば、少なくとも1つの信号プロセッサ又はマイクロプロセッサを有する、1つ以上のマイクロプロセッサに基づくアーキテクチャを有しうる。当業者であれば、過度の実験を行うことなく、本明細書に開示する信号処理機能を実行するために、マイクロコントローラに基づく又はマイクロプロセッサに基づく実施などを適切なプログラムコードでプログラムすることができるであろう。
【0041】
本発明の範囲は、現在公知であるか又は将来開発される後のいずれかの技術を使用する、いずれかの特定の実施例に限定されることを意図するものではない。本発明の範囲は、独立型プロセッサ、信号プロセッサ、又は信号プロセッサモジュール、並びに、別個のプロセッサ又はプロセッサモジュール、並びに、それらの幾つかの組合せとして、信号プロセッサ(複数可)の機能性を実施することを含むものとする。
【0042】
一例として、装置10は、また、例えば、ランダムアクセスメモリ又はメモリモジュール及び/又はリードオンリーメモリ(ROM)、入出力装置及び制御装置、及び、同一を接続するデータ及びアドレスバス、及び/又は、少なくとも1つの入力プロセッサ及び少なくとも1つの出力プロセッサを有する、全体的に参照番号50で示される他の信号プロセッサ回路又は構成要素を有することができ、これらは、例えば、当業者には理解されるであろう。
【0043】
さらなる例として、信号プロセッサは、信号プロセッサと、コンピュータプログラムコードを有する少なくとも1つの記憶装置との何らかの組み合わせを有することができ、信号プロセッサ及び少なくとも1つの記憶装置は、受信した信号に基づいて、本発明の機能性をシステムに実施させ、例えば、受信した信号に応答し、対応する信号を決定するように構成されている。
【0044】
発明の範囲
本発明を例示的な実施形態を参照して説明してきたが、種々の変更を行うことができ、本発明の範囲から逸脱することなく、その要素に均等物が置換されうることが当業者には理解されよう。さらに、その本質的技術的範囲から逸脱することなく、特定の状況又は材料を発明の教示に適合させるための修正が行われうる。したがって、本発明は、本発明を実施するために考えられる最良の態様として本明細書に開示される特定の実施形態に限定されないことが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】