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特表2023-527798COVID-19(SARS-CoV-2)を含むRNAウイルス感染を治療するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-30
(54)【発明の名称】COVID-19(SARS-CoV-2)を含むRNAウイルス感染を治療するための方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/4965 20060101AFI20230623BHJP
   A61P 31/14 20060101ALI20230623BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20230623BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20230623BHJP
   A61K 9/14 20060101ALI20230623BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20230623BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230623BHJP
   C07D 241/24 20060101ALN20230623BHJP
【FI】
A61K31/4965
A61P31/14
A61K9/20
A61K9/48
A61K9/14
A61K45/00
A61P43/00 121
C07D241/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022572395
(86)(22)【出願日】2020-06-30
(85)【翻訳文提出日】2023-01-16
(86)【国際出願番号】 RU2020000321
(87)【国際公開番号】W WO2021242134
(87)【国際公開日】2021-12-02
(31)【優先権主張番号】2020117666
(32)【優先日】2020-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】RU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522456475
【氏名又は名称】リミテッド・ライアビリティ・カンパニー“クロミス”
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135415
【弁理士】
【氏名又は名称】中濱 明子
(72)【発明者】
【氏名】イワシュチェンコ,アンドレイ・アレクサンドロビッチ
(72)【発明者】
【氏名】イワチチェンコ,アレクサンドレ・バシリエビッチ
(72)【発明者】
【氏名】イワチチェンコ,アレーナ・アレクサンドロフナ
(72)【発明者】
【氏名】サブチュク,ニコライ・フィリッポビッチ
(72)【発明者】
【氏名】クラフチェンコ,ドミトリイ・ウラジミロビッチ
(72)【発明者】
【氏名】シトデコフ,タギール・アリエビッチ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA30
4C076AA36
4C076AA53
4C076BB01
4C076CC35
4C076FF01
4C076FF68
4C084AA19
4C084MA02
4C084MA35
4C084MA37
4C084MA43
4C084MA52
4C084NA05
4C084NA06
4C084NA14
4C084ZB33
4C084ZC75
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC48
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA35
4C086MA37
4C086MA43
4C086MA52
4C086NA05
4C086NA06
4C086NA14
4C086ZB33
4C086ZC75
(57)【要約】
本発明は、RNAウイルス感染、とりわけCOVID-19(SARS-CoV-2)を治療するための新規の方法に関する。RNAウイルス感染、とりわけCOVID-19(SARS-CoV-2)を治療するための特許請求された方法は、医薬組成物を、活性成分としてファビピラビルを含有する錠剤、カプセル剤、丸剤または散剤の形態で、1日目に≧40mg/kg/日のファビピラビルの用量で、その後のそれぞれの日に、患者からウイルスが排除されるまで、≧16mg/kg/日の1日用量で、任意選択で付随する薬物療法剤と組み合わせて患者に投与することからなる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
COVID-19(SARS-CoV-2)を含むRNAウイルス感染を治療するための方法であって、医薬組成物を、活性成分としてファビピラビルを含有する錠剤、カプセル剤、丸剤、または散剤の形態で、1日目に≧40mg/kg/日の用量で、その後の日々にウイルスが体から排除されるまで≧16mg/kg/日の用量で、任意選択で付随する薬物療法剤と組み合わせて、患者に投与することからなる、方法。
【請求項2】
75kg未満の体重を有する患者に投与されるファビピラビルの用量が、1日目に1600mgを1日2回、その後の日々に600mgを1日2回である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
75kg~90kgの体重を有する患者に投与されるファビピラビルの用量が、1日目に2000mgを1日2回、その後の日々に800mgを1日2回である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
90kgを超える体重を有する患者に投与されるファビピラビルの用量が、1日目に2400mgを1日2回、その後の日々に1000mgを1日2回である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
鎮痛薬、抗凝血剤、全身性の使用、代用血漿および灌流溶液のための抗菌薬、鎮咳薬および風邪薬、ベータ-ブロッカー、ビタミン、利尿薬、胃酸障害に関連する疾患のための薬物、レニン-アンジオテンシン系に影響を与える薬物、糖尿病のための薬物、カルシウムチャンネル遮断薬、全身性の使用のためのコルチコステロイド、心疾患のための薬物、下痢止め薬、抗原虫薬、免疫抑制剤、甲状腺疾患のための薬物、閉塞性呼吸器疾患のための薬物、抗腫瘍性のホルモン薬物、脂質低下薬、胃腸疾患および代謝性疾患のための他の薬物からなる群より選択される付随する薬物療法剤が投与される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
付随する薬物療法剤が、鎮痛薬、抗凝血剤、全身性の使用、代用血漿および灌流溶液のための抗菌薬、鎮咳薬、風邪薬、およびビタミンからなる群より選択される、請求項5に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、COVID-19(SARS-CoV-2)を含むRNAウイルス感染を治療するための新規の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
1999年に日本の会社である富山化学工業株式会社によって特許化された[RU2224520]ファビピラビル(FVP)薬物(T-705およびアビガンとしても公知)を使用する、トリインフルエンザの高度な病原性を有するA H5N1株を含むRNAウイルス感染の治療のための公知の方法がある[R.W. Sidwell at al. Antimicrob. Agents Chemother. 2007, 51(3): 845-851]。FVPは、他の多くのRNAウイルス、例えば、アレナウイルス属、ブニヤウイルス属、および致死性のエボラ出血熱を引き起こすことがわかっているフィロウイルス属に対して抗ウイルス活性を示す[Y. Furutaら、Review Favipiravir (T-705), a broad spectrum inhibitor of viral RNA polymerase. Proc. Jpn. Acad.、Ser.B 93、2017、449~463. L. Oestereichら、Ebola virus infection with T-705 (favipiravir) in a small animal model. Antiviral Research 2014、105、17~21]。
【0003】
FVPは、日本ではアビガンというブランド名で(アビガン錠200mg、ロシア特許RU2527766で保護されており、それにおいて錠剤中のFVP含量は、50~95%であるとして特許請求された)、中国ではファビピラビルというブランド名で(ファビピラビル錠200mg)販売されており、これは、日本ではインフルエンザを治療するために使用される抗ウイルス薬である。これは、富士フイルム富山化学株式会社によって開発され、現在生産されており、日本では2014年に医学的用途のために承認された[Shiraki K.、Daikoku T. Favipiravir, an anti-influenza drug against life-threatening RNA virus infections. Pharmacology & Therapeutics 2020、107512. doi:10.1016/j.pharmthera.2020.107512]。
【0004】
2019年中国武漢における新型コロナウイルス(後にSARS-CoV-2と名付けられた)の突発的な大発生は、すぐに世界的なパンデミックと化し、人間社会に有害性のコロナウイルスの第3の導入をもたらし、医療制度だけでなく世界経済にも影響を及ぼした。SARS-CoV-2(COVID-19)のワクチン接種、防止、および治療への有効なアプローチならびに疫学的な制御はまだない。
【0005】
これに関して、SARS-CoV-2(COVID-19)を含むRNAウイルス感染を防止および治療するためのワクチンおよび治療剤に関する集中的な世界的な探索が進行中である。新たに出現するパンデミックに対する迅速な応答としての1つの実用的なアプローチは、それまで他のウイルス感染を対象とした既存の治療剤を転用することであり、これはなぜなら、これらの薬剤のほとんどはすでにそれらの安全性に関して試験されているためである。
【0006】
RNAウイルス感染を治療する一般的な方法は、活性成分としてFVPを含有する錠剤、カプセル剤、散剤などの形態での医薬組成物の経口投与であり、1日のFVP用量は広範に変化する。例えば、インフルエンザを治療するために、FVPは、1日目に1800mgを1日2回、次いで2~5日間で800mgを1日2回の用量で使用されており[https://www.medrxiv.org/content/medrxiv/early/2020/04/08/2020.03.17.20037432.full.pdf]、一方でエボラウイルス感染を治療するために、FVPは、1日目に、8時間毎に2400mg、2400mg、または1200mgの用量で与えられ、1200mgの維持用量が1日2回与えられた。[https://www.thelancet.com/journals/laninf/article/PIIS1473-3099(14)71047-3/fulltext]。
【0007】
SARS-CoV-2(COVID-19)感染を治療するために、FVPを以下のように使用した:
- 1日目に1600mgを1日2回、次いで14日間で600mgを1日2回の用量[https://www.jwatch.org/na51293/2020/04/09/favipiravir-potential-antiviral-covid-19.clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04349241;https://www.medicalnewstoday.com/articles/anti-flu-drug-effective-in-treating-covid-19#Favipiravir-maycombat-SARS-CoV-2.file:///C:/Users/av/Downloads/Experimental_Treatment_with_Favipiravir_for_COVID-%20(1).pdf. https://www.precisionvaccinations.com/vaccines/avigan-antiviral-medication.];
- 1日目に1800mgを1日2回、次いで14日間で800mgを1日2回の用量[https://bgr.com/2020/04/17/coronavirus-update-antiviral-tablet-avigan-clinical-trial/. https://theprint.in/health/glenmark-enrols-150-patients-to-test-favipiravir-the-most-sought-after-drug-for-covid/420019/.]。
【0008】
FVPの経口摂取(1日目:1600mgを1日2回;2~14日目:600mgを1日2回、14日間)、それに加えて、インターフェロン-αエアロゾルの吸入(500万単位を1日2回)でのCOVID-19が確認された患者の併用治療において、ロピナビル/リトナビル(400mg/100mgを1日2回)を受けている患者の対照グループの場合の11日(8~13)に対して、4日のウイルス排除(2.5~9)が達成されたことが見出された[file:///C:/Users/av/Downloads/Experimental_Treatment_with_Favipiravir_for_COVID-%20(1).pdf]。
【0009】
また、FVPが、30mg/kg/日の用量で、2~4回に分けた用量で使用されてきたことも公知である[https://emedz.net/antiviral-drugs-for-the-treatment-of-covid-19-infection/]。
【0010】
2020年2月に、中国で、SARS-CoV-2コロナウイルス(COVID-19)のための抗ウイルス剤療法の無作為化試験においてFVPの試験が成功した。2020年2月に、FVPは、中国において、COVID-19に対する有効な抗ウイルス剤として承認された[https://de.wikipedia.org/wiki/Favipiravir]。
【0011】
2020年5月22日の時点で、世界でCOVID-19に感染した人の数は5,214,971人であり、そのうち335,002人が死亡し、2,094,920人が回復した。コロナウイルス症例数の上位10の国:米国(1,621,333人)、ロシア(326,448人)、ブラジル(310,921人)、スペイン(280,117人)、英国(250,908人)、イタリア(228,006人)、フランス(181,826人)、ドイツ(179,110人)、トルコ(153,548人)、イラン(129,341人)https://sport24.ru/news/zozh/2020-05-22-koronavirus-na-22-maya-statistika-v-mire-onlayn-rossiya-karta-na-segodnya。
【発明の概要】
【0012】
SARS-CoV-2が世界の公衆衛生および経済に深刻な脅威をもたらすことを考えれば、RNAウイルス感染の新規の治療方法を探索することが適切であると思われる。
【0013】
本発明の主題は、COVID-19(SARS-CoV-2)を含むRNAウイルス感染を治療するための方法であって、RNAウイルスに感染した患者に、錠剤、カプセル剤、丸剤、または散剤の形態で医薬組成物を投与することからなり、前記医薬組成物は、任意選択で併存する(付随する: concomitant)薬物療法剤と組み合わせて、活性成分として、1日目に≧40mg/kg/日の用量で、その後の日々にウイルスが体から排除されるまで≧16mg/kg/日の用量でFVPを含有する、上記方法である。
【0014】
75kg未満の体重を有する患者の場合、より好ましい用量は、1日目に1600mgを1日2回、その後の日々(subsequent days)に、ウイルスが体から排除されるまで600mgを1日2回である。
【0015】
上下限値の値を含む75kg~90kgの体重を有する患者の場合、より好ましい用量は、1日目に2000mgを1日2回、その後の日々に、ウイルスが体から排除されるまで800mgを1日2回である。
【0016】
90kgを超える体重を有する患者の場合、より好ましい用量は、1日目に2400mgを1日2回、その後の日々に、ウイルスが体から排除されるまで1000mgを1日2回である。
【0017】
患者の状態に応じて、併存(付随)する薬物療法剤を投与してもよく、薬物療法剤の例としては、鎮痛薬、抗凝血剤、全身性の使用、代用血漿および灌流溶液のための抗菌薬、鎮咳薬および風邪薬、ベータ-ブロッカー、ビタミン、利尿薬、胃酸障害に関連する疾患のための薬物、レニン-アンジオテンシン系に影響を与える薬物、糖尿病のための薬物、カルシウムチャンネル遮断薬、全身性の使用のためのコルチコステロイド、心疾患のための薬物、下痢止め薬、抗原虫薬、免疫抑制剤、甲状腺疾患のための薬物、閉塞性呼吸器疾患のための薬物、抗腫瘍性のホルモン薬物、脂質低下薬、胃腸疾患および代謝性疾患のための他の薬物が挙げられる。
【0018】
好ましい併存する薬物療法剤は、鎮痛薬、抗凝血剤、全身性の使用、代用血漿および灌流溶液のための抗菌薬、鎮咳薬、風邪薬、およびビタミンである。
【0019】
活性成分としてFVPを含む薬物アビファビルの臨床研究は、治療開始の4日後にSARS-CoV-2に関して陰性のPCR試験結果を有する患者において、1日目、体重1kg当たりのFVPの中央値の1日用量は44mg/kgであり、陽性の結果を有する患者において39mg/kgであったことを示した。1日目のFVP≧43mg/kgの用量の場合、ウイルス排除率は79%であり、<43mg/kgの用量を受けた患者では44%であった。患者におけるウイルス排除の中央値は、標準的な療法で処置した患者が9日であったのに対して4日を要した。アビファビルを摂取した患者の68%において、体温は3日目に正常になり、一方で対照グループでは6日目であった。アビファビルで処置した患者における平均ウイルス排除は4日を要したが、標準的な療法のグループでは9日であった。処置の最初の4日の後、アビファビルで処置した40人の患者のうち65%が、コロナウイルス陰性の試験結果を示した。これは、標準的な療法のグループにおけるものの2倍である(30%)。10日目までに、陰性の試験結果を有する患者の数は、40人中35人に達した。
【0020】
本発明は、これらに限定されないが、以下の実施例によって例示される。
【実施例
【0021】
「COVID-19で入院した中程度から重度の患者におけるアビファビルの効能および安全性の適応型多施設無作為化非盲検比較臨床研究」。
【0022】
研究の目的:SARS-CoV-2排除の速さに基づくアビファビル(活性成分として200mgのFVPを含有する錠剤[2000年5月7日の特許出願RU2020116521])の抗ウイルス作用の評価。
【0023】
この研究は、臨床センターの感染症科に入院した中程度から重度の新型コロナウイルス感染(COVID-19)が確認された60人の患者を含んでいた。
【0024】
患者を3つの研究療法グループに無作為化した。グループ1(20人の患者):FVP用量は、1日目に1600mgを2回、次いで13日間、600mgを1日2回であった。グループ2(20人の患者):FVP用量は、1日目に1800mgを2回、次いで13日間、800mgを1日2回であった。
【0025】
状態に応じて、両方のグループの患者は、FVPと共に、併存する薬物療法剤、例えば、鎮痛薬、抗凝血剤、全身性の使用、代用血漿および灌流溶液のための抗菌薬、鎮咳薬および風邪薬、ベータ-ブロッカー、ビタミン、利尿薬、胃酸障害に関連する疾患のための薬物、レニン-アンジオテンシン系に影響を与える薬物、糖尿病のための薬物、カルシウムチャンネル遮断薬、全身性の使用のためのコルチコステロイド、心疾患のための薬物、下痢止め薬、抗原虫薬、免疫抑制剤、甲状腺疾患のための薬物、閉塞性呼吸器疾患のための薬物、抗腫瘍性のホルモン薬物、脂質低下薬、胃腸疾患および代謝性疾患のための他の薬物などを摂取した。
【0026】
ほとんどの場合、患者は、FVPと共に、鎮痛薬、抗凝血剤、全身性の使用、代用血漿および灌流溶液のための抗菌薬、鎮咳薬、風邪薬、およびビタミンからなる群より選択される併存する薬物療法剤を摂取した。
【0027】
標準的な療法のグループの患者(20人の人)は、患者の特定の状態に応じて、クロロキン、アジスロマイシン、アモキシクラブ、アジスロマイシン+ヒドロキシクロロキン、アジスロマイシン+セフトリアキソンまたはアジスロマイシン+ロピナビル+リトナビルを摂取した。
【0028】
この研究に組み入れる時点で、患者の27%が酸素の維持を必要とし、37%が重度の疾患のリスク(60歳を超える年齢および/または慢性共存症の存在)があった。第1の症状の発症から研究療法の初期までの疾患の平均期間は7日であった。疾患の最も一般的な症状は、なかでも、37.5℃を超える発熱(95%)、咳(83%)、衰弱(70%)、嗅覚消失(35%)、胸部うっ血(30%)、および息切れ(28%)であった。標準的な療法のグループでは、初期のパラメーターは、わずかに軽い疾患の経過を示す(患者の95%、若い患者の45%で、正常な範囲内の飽和)。
【0029】
活性成分としてFVPを含む薬物アビファビルの臨床研究は、処置開始の4日後にSARS-CoV-2に関して陰性のPCR試験結果を有する患者において、1日目、体重1kg当たりのFVPの中央値の1日用量は44mg/kgであり、陽性の試験結果を有する患者において、39mg/kgであったことを示した。1日目に≧43mg/kgのFVP用量の場合、ウイルス排除率は79%であり、<43mg/kgを摂取した患者では44%であった。患者における中央値のウイルス排除は、標準的な療法のケースでは9日であったのに対して4日を要した。アビファビルを摂取した患者の68%において、体温は3日目に正常になったが、対照グループでは6日目であった。アビファビルで処置した患者における平均ウイルス排除は、標準的な療法のグループでは9日であったのに対して4日を要した。処置の最初の4日の後、アビファビルで処置した40人の患者のうち65%が、コロナウイルス陰性の試験結果を示した。これは、標準的な療法のグループにおけるものの2倍である(30%)。10日目までに、陰性の試験結果を有する患者の数は、40人中35人に達した。
【国際調査報告】