(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-30
(54)【発明の名称】ミラー分離型化粧品容器
(51)【国際特許分類】
A45D 33/00 20060101AFI20230623BHJP
【FI】
A45D33/00 650F
A45D33/00 645Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022572413
(86)(22)【出願日】2021-05-14
(85)【翻訳文提出日】2022-11-24
(86)【国際出願番号】 KR2021006066
(87)【国際公開番号】W WO2021246678
(87)【国際公開日】2021-12-09
(31)【優先権主張番号】10-2020-0065836
(32)【優先日】2020-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517230666
【氏名又は名称】パムテク コリア カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】PUM-TECH KOREA CO., LTD
【住所又は居所原語表記】46, Bupyeong-daero 329beon-gil, Bupyeong-gu, Incheon 21315, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】イ,ド フン
(57)【要約】
本発明の一実施形態に係るミラー分離型化粧品容器は、下容器と、前記下容器を開閉する上容器と、前記上容器の内側に形成される上容器カバーと、前記上容器カバーと着脱可能に締結され、上容器の内側に固定結合されたミラーカバーと、前記上容器カバーとミラーカバーとの間に挟み込まれるミラーとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下容器と、
前記下容器を開閉する上容器と、
前記上容器の内側に形成された上容器カバーと、
前記上容器カバーと着脱自在に締結され、前記上容器の内側に固定結合されたミラーカバーと、
前記上容器カバーと前記ミラーカバーとの間に挟まれたミラーと、
を含むミラー分離型化粧品容器。
【請求項2】
前記下容器の内側には、内容物が収容されるリフィル容器がさらに結合されていることを特徴とする請求項1に記載のミラー分離型化粧品容器。
【請求項3】
前記下容器の底面の周縁部は中央に向かって上方へと傾斜し、前記底面の周縁部にリフィル容器が据え付けられ、前記リフィル容器が床面から一定間隔で隔てられていることを特徴とする請求項2に記載のミラー分離型化粧品容器。
【請求項4】
前記下容器の底面の周縁部と、リフィル容器の底面との間に、補助据え付けリングが設けられていることを特徴とする請求項2に記載のミラー分離型化粧品容器。
【請求項5】
前記下容器の内側には、さらに中体が結合され、前記中体には掛け止めフックを有する押しボタンが形成され、前記上容器の内周には掛け止め突起が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のミラー分離型化粧品容器。
【請求項6】
前記上容器の掛け止め突起に隣接する位置における、上容器カバーの周縁部の一方の側には、挿入穴が形成され、前記挿入穴には掛け止めフックが挿入され、前記挿入穴を通じて前記ミラーカバーの少なくとも一部が外部に露出される、請求項5に記載のミラー分離型化粧品容器。
【請求項7】
前記上容器カバーには据え付け・掛け止め部が形成され、前記ミラーカバーには圧迫部が形成され、前記ミラーは、上容器カバーの据え付け・掛け止め部に据え付けられた状態にて、ミラーカバーの圧迫部により圧迫されて固定されていることを特徴とする請求項1に記載のミラー分離型化粧品容器。
【請求項8】
前記下容器にはヒンジ結合突起が形成され、前記上容器にはヒンジ結合穴が形成されて、着脱可能に連結されていることを特徴とする請求項1に記載のミラー分離型化粧品容器。
【請求項9】
前記ミラーカバーの周縁部には締結延長部が形成され、前記上容器カバーには締結突出部が外側に突出形成されて、互いに掛け止め結合されるとともに、前記ミラーカバーの締結延長部には締結突起が形成され、前記上容器の内周面には締結穴が形成されて、互いに結合されることを特徴とする請求項1に記載のミラー分離型化粧品容器。
【請求項10】
前記ミラーカバーには貫通穴が形成され、上容器カバーの締結突出部が貫通しており、ミラーカバーの締結延長部が、上側・下側へと、または内側・外側へと弾力的に撓むことを特徴とする請求項9に記載のミラー分離型化粧品容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は化粧品容器に関し、より具体的には容器の内側に取り付けられたミラー(鏡)を容易に分離回収してリサイクルするのに伴い、資源の浪費及び環境汚染を防止できるようにしたミラー分離型化粧品容器に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧品は、人体の外観を美化させ、容姿の欠点をカバーし、魅力的に見えるようにしたり、皮膚、毛髪などの健康を維持するために使用されたりする物品である。
【0003】
前記化粧品は、使用目的に応じて、基礎化粧品、色調化粧品、機能性化粧品に分類され、その特性に応じて、液状やゲルの形態、または固形や粉末の形態で作製され、多様な形態の化粧品容器に貯蔵されて使用される。
【0004】
これに伴い、化粧品の使用目的及びその特性に応じて、多様な種類の化粧品用容器の開発も必要となり、一般に液状又はゲル状の化粧品をガラス容器又はチューブ容器に充填して、使用時に使用者が手に取ったり、絞り出したりして、皮膚に塗布する方式にて使用された。
【0005】
しかしながら、このような従来の化粧品容器は、使用者が使用するたびに、手に化粧料がこびりついて毎回手を洗わなければならないという、使用上の不便さ、及び化粧料が無駄になるという問題点があった。
【0006】
上記のような問題点を解決するために、パフを内蔵したコンパクト容器が開発され、化粧料を手につける必要がなくなり、また持ち運びが簡単になった。
【0007】
このような従来のコンパクト容器として、大韓民国登録特許第10-1584512号が開示されており、前記従来のコンパクト容器は、外容器と、前記外容器内部に結合され、内部に化粧料を収容したリフィル容器と、前記リフィル容器を開閉するリフィル上容器(リフィル容器を構成する上容器)と、前記外容器を開閉する外上容器(外容器を構成する上容器)とを含んで構成され、前記外容器とリフィル容器が着脱可能になるようにアンダーカット結合されるようにすることにより、リフィル容器内に収容された化粧料を使い切ったら、前記リフィル容器を外容器から分離し、前記外容器に新しいリフィル容器を組み合わせることができる。
【0008】
しかし、前記従来のコンパクト容器は、外上容器の内側にミラーが固定されて結合された構造であり、前記外上容器を開いた状態で、外容器を持って使用しなければならないという不便さがあったのであり、外部の衝撃又は外容器の傾き等により、前記外上容器が勝手に閉じてミラーが覆われるという問題があった。
【0009】
また、前記従来のコンパクト容器は、内部に収容された化粧品を全て使用してリサイクルまたは廃棄処理する場合、残りの部品とは材質の異なるミラーを分離することが難しく、一度に廃棄されるしかいのであり、これにより、資源が無駄になることはもちろんのこと、環境が汚染されるという問題があった。
【0010】
このような問題を解決するために、大韓民国登録実用新案第20-0488068号が開示されたが、前記従来技術は、ミラーが着脱可能に結合される化粧品容器として、内部に内容物が収納される下容器と、前記下容器の上部を開閉して下容器と対向するカバー部と、カバー部の周りを包み込み下方に延びる側面部が備えられた外蓋と、外蓋の内側に取り付けられるミラーとを含み、前記カバー部と前記側面部は、強制嵌め合わせにより互いに着脱自在に結合されており、前記ミラーはカバー部の内側に取り付けられる。
【0011】
しかし、前記従来技術は、上下に開放した外蓋にカバー部とミラーが直接または結合部材によって強制嵌め合わせ方式で結合されているので、前記外蓋からミラーを分離するためにはミラーの一面を押して、カバー部または結合部材を外蓋の上側へと強制的に分離する必要があるという不便さがあった。また、上記のように外蓋からミラーを分離する際、ミラーを押し出す力によりミラーが破損したり、外蓋から分離されたミラーが床面に落ちたりしてしまい、これにより使用者が怪我をする危険があった。
【0012】
したがって、リサイクルまたは廃棄の際、残りの複数の部品とは材質の異なるミラーを、外蓋から、より安定的でありつつも便利なように分離して回収できる、環境にやさしい化粧品容器の開発が必要であるという実情にある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】韓国登録特許第10-1584512号(2016.01.25.公告)
【特許文献2】韓国登録実用新案第20-0488068号(2018.12.10.公告)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上記の問題を解決するために、本発明は、上容器の内側にミラーカバーと上容器カバーとを結合し、ミラーカバーと上容器カバーとの間にミラーが挟み込まれるようにすることで、リサイクル(再活用)または廃棄の際に、上容器から上容器カバーとミラーカバーとを分離した後、前記の上容器カバーとミラーカバーとの締結を解除し、これらの間に挟まれたミラーを安全かつ容易に分離回収することにより、資源の浪費及び環境汚染を防止できるようにした、ミラー分離型化粧品容器を提供することに目的がある。
【0015】
また、本発明は、下容器の底面の周縁部が中央に行くにつれて上方へ向かうように傾斜し、前記下容器の周縁部の上部にリフィル容器が据え付けられ、前記リフィル容器が床面(載せ置く箇所の面)から一定間隔だけ離れるようにすることにより、リフィル容器が外部の異物と容易に接触しないようにするのはもちろんのこと、外部衝撃などの要因からの影響を少なく受け、リフィル容器に収容された内容物を安全に保管できるようにした、ミラー分離型化粧品容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するために、本発明は、下容器と、上記下容器を開閉する上容器と、上記上容器の内側に形成される上容器カバーと、上記上容器カバーに着脱自在に締結され、上容器の内側に固定されて結合されたミラーカバーと、市販のカバーとミラーカバーとの間に挟み込まれたミラーと、を含むミラー分離型化粧品容器を提供する。
【0017】
また、前記下容器の内側には、内容物が収容されるリフィル容器をさらに組み付けられ得る。
【0018】
また、下容器の底面の周縁部は中央に向かって上方へと傾斜し、底面の周縁部にリフィル容器が据え付けられ、リフィル容器が床面から一定間隔で離間されうる。
【0019】
また、下容器の底面の周縁部と、リフィル容器の底面との間に補助据え付けリングが設けられ得る。
【0020】
また、下容器の内側には中体(中間筐体)が組付けられ、中体には掛け止めフックを有する押しボタンが形成され、上容器の内周には掛け止め突起が形成されてもよい。
【0021】
また、上容器の掛け止め突起に隣接する位置における上容器カバーの周縁部の一方の側には挿入穴が形成され、挿入穴には掛け止めフックが挿入され、挿入穴を通じてミラーカバーの少なくとも一部が外部に露出してもよい。
【0022】
また、前記上容器カバーには据え付け掛け止め部が形成され、前記ミラーカバーには圧迫部が形成され、前記ミラーが上容器カバーの据え付け掛け止め部に据え付けられた状態にて、ミラーカバーの圧迫部により圧迫されて固定される。
【0023】
また、下容器にはヒンジ結合突起が形成され、上記上容器にはヒンジ結合穴が形成されて、互いに着脱可能に結合することができる。
【0024】
また、前記ミラーカバーの周縁部には締結延長部が形成され、前記上容器カバーには締結突出部が外側に突出形成されて互いに結合されるとともに、前記ミラーカバーの締結延長部には締結突起が形成され、前記上容器の内周面には締結凹部が形成されて互いに結合されうる。
【0025】
また、前記ミラーカバーには貫通孔(ないし切欠き)が形成され、上容器カバーの締結突出部が貫通され、ミラーカバーの締結延長部が上側・下側又は内側・外側へと弾力的に曲げられ(撓み)うる。
【発明の効果】
【0026】
本発明の実施形態によれば、上容器の内側にミラーカバーと上容器カバーとを組付け、前記ミラーカバーと上容器カバーとの間にミラーが挟まれるようにすることで、リサイクルまたは廃棄時に、上容器から上容器カバーとミラーカバーを分離した後、上記上容器カバーとミラーカバーとの締結を解除して、これらの間に挟まれたミラーを安全かつ容易に分離回収することにより、資源の浪費及び環境汚染を防止するという効果がある。
【0027】
本発明の実施形態によれば、下容器の底面の周縁部が中央に向かって上方へと傾斜し、下容器の周縁部の上側にリフィル容器が据え付けられ、リフィル容器が床面から一定間隔で離されるようにすることにより、リフィル容器が外部異物と接触しないようにすることはもちろんのこと、外部の衝撃などの要因から影響をより受けにくく、リフィル容器に収容された内容物を安全に保管するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の一実施形態による、化粧品容器の斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態による、化粧品容器の分解斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態による、化粧品容器の断面図である。
【
図4】本発明の一実施形態による、化粧品容器を開放して使用する様子を例示する断面図である。
【
図5】本発明の一実施形態による、下容器と上容器とを分離する様子を示す斜視図である。
【
図6】本発明の一実施形態による、上容器の挿入穴にツールを挿入する様子を示す部分斜視図である。
【
図7】本発明の一実施形態による、上容器と上容器カバーとを分離する様子を例示する部分斜視図である。
【
図8】本発明の一実施形態による、上容器カバーとミラーカバーとを分離する様子を例示する部分斜視図である。
【
図9】本発明の一実施形態による、上容器カバーとミラーカバーとの間に挟まれたミラーを分離する様子を例示する部分斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下の本発明に関する詳細な説明は、本発明を実施することができる実施形態であり、これらの実施形態の例示として示された添付の図面を参照する。これらの実施形態は、当業者が本発明の実施に十分であるように詳細に説明される。本発明の多様な実施形態は互いに異なるが、相互に排他的である必要はないことが理解されなければならない。例えば、本明細書に記載されている特定の形状、構造および特性は、一実施形態に関して本発明の思想および範囲から逸脱することなく、他の実施形態にて具現されうる。さらに、それぞれに記載された実施形態における個々の構成要素の位置または配置は、本発明の思想および範囲から逸脱することなく変更され得ることが理解されなければならない。
【0030】
したがって、後述する詳細な説明は限定的な意味で捉えられるものではないのであり、本発明の範囲は、適切に説明されている限り、特許請求の範囲が主張するものと同等のすべての範囲を伴うようにして、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。図中の同様の参照符号は、いくつかの態様にわたって同じであるかまたは類似である機能を指す。
【0031】
本発明で使用される用語は、本発明における機能を考慮しながら可能な、現在広く使用されている一般用語を選択したが、これは、当分野に従事している技術者の意図または判例、新技術の出現などによって変わり得る。また、特定の場合には、出願人が任意に選択した用語もあり、この場合、該当する発明の説明部分に詳細にその意味を記載するであろう。したがって、本発明で使用される用語は、単なる用語の名称ではなく、その用語が有する意味と本発明の全体にわたる内容に基づいて定義されなければらない。
【0032】
本発明において、ある部分が、ある構成要素を「含む」と言う場合、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0033】
以下、
図1~
図9を参照して、本発明の一実施形態によるミラー分離型化粧品容器を詳細に説明する。
【0034】
図1は本発明の一実施形態による化粧品容器の斜視図であり、
図2は本発明の一実施形態による化粧品容器の分解斜視図であり、
図3は本発明の一実施形態による化粧品容器の断面図である。
【0035】
図示のように、本発明は、下容器10と、上容器20と、上容器カバー30と、ミラーカバー40と、ミラー50とを含むように構成されうる。
【0036】
本発明の一実施形態に係るミラー分離型化粧品容器を、それぞれの構成別に分けて説明すると、以下の通りである。
【0037】
前記下容器10は、内側に化粧品が収容され、上部と下部が開放された円筒形である。本発明の一実施形態に係る化粧品容器の図面では、下容器10は、高さが低く幅の広い円筒形であることが示されているが、これに限定されず、使用の便宜性または購入者の好みや流行などに応じて、多様な形態に変更されうる。
【0038】
図2に示すように、下容器10には、底部から上方に延びる外壁12と、外壁12の内側へと一定間隔だけ隔てられた内壁14とが形成されうる。
【0039】
外壁12の一方の側にはボタン挿入穴12aが形成され、ボタン挿入穴12aの向かい側にはヒンジ軸挿入穴12bが形成されるのであり、ヒンジ軸挿入穴12bにはヒンジ結合突起12cが形成され、上容器20とヒンジ結合される。ここで、ボタン挿入穴12aは、上部が開放された凹部(ないし切欠き)の形状であり、ヒンジ結合突起12cは、ヒンジ挿入穴12bの両側壁から内側の空間へと突出した一対の突起であるのが適切であろう。
【0040】
前記内壁14は、下容器10の内側に部分的に形成され、内壁14同士の間にはリフィル容器結合部16が形成され、リフィル容器60と固定結合することができる。ここで、リフィル容器結合部16は、下容器10の底面から上側へと延びる延長部16aと、上部内周面に突出して形成された突部16bとからなるのでありうる。
【0041】
一方、
図3に示すように、下容器10の底面の周縁部は、中央に向かうにつれて上方へと向かって傾斜した形状に形成されることが好ましい。すなわち、下容器10の底面中央部が開放されていて、底面の周縁部が中央に向かうにつれて徐々に盛り上がって床面(床台)から一定間隔だけ離れるようにするのであり、下容器10の底面の周縁部にリフィル容器60を据え付けて、リフィル容器60が床面から一定間隔で離間されるようにしたものであり、これにより、リフィル容器60が床面にある外部の異物と容易に接触しないようにするのはもちろんのこと、外部の衝撃などの要因から影響を少なく受けることから、前記リフィル容器に収容された化粧品を安全に保管できるようになる。
【0042】
ここで、前記下容器10の底面の周縁部と、リフィル容器60の下面との間に補助据え付けリング18を設けることで、リフィル容器60に伝達される外部の衝撃を吸収することができる。前記補助据え付けリング18は、リング状に形成され、一方の側面が下容器10の周縁部の底面に密着され、他方の側面がリフィル容器60の下面に密着される。ここで、前記補助据え付けリング18は、外部の衝撃の吸収性およびリフィル容器60の安定した固定などのために、発泡成形(foaming)の方式により製造されるのが好ましい。
【0043】
また、下容器10には、上容器20との締結構造を有する中体70がさらに組付けられうる。前記中体70は、リング状に形成され、下容器10の外壁12と内壁14との間に挿入されることで固定されて結合される。前記中体70の外周面には押しボタン72が形成されて、下容器10のボタン挿入穴12aの開放上部に挿入されるのであり、内周面には、少なくとも1つ以上の挿入部74が形成されて、下容器10の内壁14と、リフィル容器結合部16との間に挿入されうる。
【0044】
図2に示すように、押しボタン72は、ユーザが指等で加圧する加圧部72aと、前記加圧部72aの両側へと延びて形成された弾性翼72bと、加圧部72aの上部に形成された掛け止めフック72cとで構成されうる。
【0045】
前記押ボタン72の加圧部72aは、下容器10のボタン挿入穴12aを通じて化粧品容器の外部に露出されるのであり、前記掛け止めフック72cは、上容器20に形成された掛け止め突起22に結合されるのであるが、押しボタン72は、加圧部72aが中体70から一定間隔だけ離れた状態にて、弾性翼72bの端部が中体70の一方の側面に一体に連結されることで、中体70の一部を構成するのであり、これに伴い、押しボタン72を、使用者の押下操作によって容易に前後移動させることができる。
【0046】
前記押しボタン72の弾性翼72bは、中間体70の外周面に沿って延びるように形成され、少なくとも1つ以上の折り曲げ部72dを含むことができる。言い換えれば、弾性翼72bは、複数の折り曲げ部72dによって曲げられた形状、すなわち、加圧部72aの外側方向に延びるにあたり、シワまたはつづら折りをなすように形成されており、加圧時には、加圧部72aが、より弾力的に前後に移動することができる。
【0047】
ここで、押しボタン72は、中体70と一体に射出成形されることが好ましい。
【0048】
本発明の一実施形態に係る化粧品容器の図では、下容器10の内周面に形成された凹部と、中体70の外周面に形成された突起とが嵌め合わされて結合されるものとして示したが、これに限定されず、アンダーカット結合または強制嵌め合わせ結合など、前記中体70が下容器10の内側に堅固に固定されて結合されうる範囲内で、多様な結合方式を有しうる。
【0049】
一方、前記下容器10の内部空間には、化粧品が収容されたリフィル容器60が組付けられうる。リフィル容器60の内側には、化粧品、または化粧品が含浸された含浸スポンジが、内蔵されうる。
【0050】
図3に示すように、リフィル容器60は、上部が外側に延びるように形成されて中体70の上端に据え付けられるのであり、下面には下面突出部62が下側へと突出形成されて、下容器10における開放された下部、及び、補助据え付けリング18の中央へと挿入されるのであり、下面突出部62の外側の部分が補助据え付けリング18の上面に据え付けられるに伴い、前記リフィル容器60が揺れ動くことなく安定的に固定されうる。また、リフィル容器60の外周面に沿って結合リング突起64が突出形成され、下容器10のリフィル容器結合部16とアンダーカット結合されうる。ここで、リフィル容器60は、内部空間の効果的な確保および耐久性強化などのために、薄い金属材料で形成されることが適切であろう。
【0051】
前記上容器20は、下容器10の一方の側に組付けられ、ヒンジ回動することで、下容器10の上部を覆って閉鎖するか、または開放する。
【0052】
図2に示すように、上容器20の内周面には掛け止め突起22が形成されて、押しボタン72の掛け止めフック72cに締結されうる。掛け止め突起22の向かい側には、ヒンジ部26が下側に延びて形成されており、前記ヒンジ部26は下部容器10のヒンジ挿入穴12bに挿入されうるのであり、前記ヒンジ部26には、ヒンジ結合穴26aが形成されて、ヒンジ挿入穴12bに形成されたヒンジ結合突起12cと嵌め合されるのであり、これに伴い、上容器20が下容器10から着脱可能となる。ここで、前記ヒンジ結合穴26aは、ヒンジ部26の内周面の両側に形成された一対の凹部であることが適切であろう。
【0053】
そして、上容器20の内周面には、締結凹部24及び補助締結凹部28が形成され、ミラーカバー40と着脱可能に組付けられる。
【0054】
図3に示すように、上容器20の上面は、外側から中央に向かうにつれて上方へと向かう凸の形状であることが好ましい。
【0055】
前記上容器カバー30は、上容器20の内側に形成され、ミラー50を上容器20の内側に固定する。もちろん、前記上容器カバー30は、ミラー50の大部分が外側へと見えるように、リング状に形成されるのが適切であろう。
【0056】
前記上容器カバー30の周縁部の一方の側には挿入穴(ないし切欠き)31が形成され、挿入穴31には、下容器10と上容器20との締結の際に、下容器10に形成された掛け止めフック72cが挿入されるのであり、上容器20から上容器カバー30が分離されると、ボールペンやピンといったツールtが挿入される。そして、前記挿入穴31は、上容器20の掛け止め突起22に隣接する位置に形成されるのであり、前記挿入穴31を通じて、ミラーカバー40の周縁部の一部が外部に露出されうる。
【0057】
図2に示すように、前記上容器カバー30の上部には締結突出部32が外側へと突出形成され、前記締結突出部32はミラーカバー40とアンダーカット締結される。前記締結突出部32は、挿入穴31に隣接する上部に形成されており、上容器カバー30の上面から一定間隔を隔てて形成されていることが好ましい。
【0058】
上容器カバー30には、ミラー50が据え付けられる据え付け掛け止め部35が形成されうる。前記据え付け掛け止め部35は、上容器カバー30の内周面に沿って一定の幅を有するように形成されるのであり、前記据え付け・掛け止め部35の外側には、上部延長リング突起37が形成され、据え付け・掛け止め部35に据え付けられたミラー50の外周面を包み込むことで、ミラー50が遊動しないようにする。
【0059】
そして、上容器カバー30の上部延長リング突起37の外周面には、少なくとも1つ以上の嵌め込み穴37aが形成され、ミラーカバー40と結合することができる。
【0060】
前記ミラーカバー40は、ミラー50を包み込むことで、上容器カバー30の上部に着脱可能に結合される。前記ミラーカバー40は、ミラー50を固定するための構成であり、図示のように、内部に一定の空間を有する円板状に形成されることが好ましい。
【0061】
前記ミラーカバー40の周縁部には、締結延長部42が突出して形成され、上容器カバー30の締結突出部32と掛け止め結合されうる。前記締結延長部42は、ミラーカバー40の外側へと突出した状態にて、ミラーカバー40の外周面に沿って長く延びて形成されており、上容器カバー30の挿入穴31に隣接する位置に配置されることで、挿入穴31を通じて外部に露出させることができる。
図3に示すように、前記上容器カバー30の挿入穴31の上方に位置する締結延長部42の外周面には、下側へと一定角度だけ傾斜した斜線面42aが形成されるのに伴い、前記挿入穴31に挿入したボールペンやピンなどのツールtが、前記締結延長部42をミラーカバー40の中央の側へと、より容易に押し出すことができるようになる。
【0062】
そして、前記締結延長部42の一方の側には締結突起44が形成され、上容器20の締結凹部24と結合することができる。ここで、締結延長部42は上容器20の内壁に密着され、締結突起44は締結延長部42から外側へと突出して締結凹部24に嵌め合わされる。
【0063】
整理すると、前記上容器カバー30とミラーカバー40とがミラー50を挟んで固定結合され、ミラーカバー40が上容器20の内側に固定結合されるのに伴い、前記上容器カバー30とミラー50とが上容器20の内側空間に固定されることにより、前記ミラーカバー40の周縁部に形成された締結延長部42が、上容器カバー30に形成された締結突出部32と、互いに掛け止めされて結合されるとともに、ミラーカバー40に形成された締結突起44と、上容器20に形成された締結凹部24とが嵌め合わされて結合する。
【0064】
一方、化粧品容器を分別収集しようとする場合、前記上容器カバー30の挿入凹部31にツールtを挿入して、ミラーカバー40の締結延長部42を内側に押し込むことで、前記ミラーカバー40の締結突起44と、上容器20の締結凹部24との締結を解除することにより、上容器20から上容器カバー30とミラーカバー40とを分離し、さらに前記ミラーカバー40の締結延長部42と、上容器カバー30の締結突出部32とを上下の反対方向に押し動かして締結を解除することにより、ミラーカバー40と上容器カバー30とを分離した後、ミラー50を取り出す。
【0065】
図2に示すように、ミラーカバー40の上部の隅っこには貫通穴(切欠き)46が形成されており、貫通穴46には上容器カバー30の締結突出部32が貫通することで、締結突出部32がミラーカバー40の側方へと突出しうる。前記貫通穴46は、ミラーカバー40の締結延長部42の後方(内側)に形成され、締結延長部42が上側・下側または内側・外側へと弾力的に曲げられ(撓み)、これに伴い、締結突起44が内側または外側へと動くこととなる。
【0066】
そして、前記ミラーカバー40の内周面には少なくとも1つ以上の嵌め合わせ突起47が形成され、上容器カバー30の嵌め合わせ穴37aと結合されうる。嵌め合わせ突起47は、ミラーカバー40の締結延長部42と、上容器カバー30の締結突出部32との間の締結力を補助することとなる。もちろん、上記上容器カバー30とミラーカバー40とが上記の締結構造によってのみ結合されるのではなく、磁力による結合またはアンダーカット結合または強制嵌め合わせ結合など、上記上容器カバー30とミラーカバー40とが容易に着脱されうる範囲内にて、多様な締結構造を有しうる。
【0067】
また、前記ミラーカバー40の外周面には、少なくとも1つ以上の補助締結部48が形成されうる。補助締結部48は、ミラーカバー40の締結突起44と、上容器20の締結凹部24との締結力を補助するものであり、補助締結部48の外周面には補助締結突起48aが突出形成されて、上容器20の補助締結穴(または凹部)28と互いに結合され、前記補助締結突起48aの後方(内側)に補助弾性穴48bが形成されることで、補助締結突起48aの弾力的な前後の移動がなされるようにしうる。
図2に示すように、補助締結部48は、締結延長部42から一定間隔を隔ててミラーカバー40の外周面に形成されるのが好ましい。本発明の一実施形態に係る化粧品容器の図では、前記補助締結部48が締結延長部42の両側にそれぞれ形成されているものとして示されているが、これに限定されず、上容器20とミラーカバー40との締結力や、ミラーカバー40の分離容易性等を考慮して、補助締結部48の個数や位置が変更されうる。
【0068】
図3に示すように、ミラーカバー40には圧迫部45を形成することができるが、圧迫部45は、上容器カバー30の据え付け・掛け止め部35に据え付けられたミラー50を上から圧迫して固定することになる。これに伴い、ミラー50が上容器カバー30とミラーカバー40との間に強く固定されることで、揺れ動いたり抜け出たりすることがない。
【0069】
そして、ミラーカバー40の圧迫部45の上方に押さえ部49が形成されうるが、前記押さえ部49は、ミラーカバー40の上面に突出形成されて、上容器20の内側面によって押されて曲がることで、前記圧迫部45を下方に押すこととなり、これに伴い、前記圧迫部45がミラー50をより強く圧迫しうることとなる。
【0070】
図2に示すように、ミラーカバー40の圧迫部45は、互いに一定間隔で配置された複数の扇形の形状に形成されてもよく、押さえ部49はミラーカバー40の中心から外側へと複数に分かれて延びる放射状に形成されうる。もちろん、圧迫部45と押さえ部49とは、上記の形状に限定されるものではなく、この他にも多様に変更されうる。
【0071】
前記ミラー50は、上容器20の内側に配置されて、化粧を行う際に使用者の化粧部位を映す化粧補助道具であり、上容器カバー30とミラーカバー40との間に挟まれた状態にて上容器20の内側に固定される。すなわち、前記ミラー50は、側面が上容器カバー30の上部延長リング突起37によって包み込まれた状態にて、据え付け・掛け止め部35に据え付けられ、同時に、ミラーカバー40の圧迫部45によって圧迫されて固定される。
【0072】
上記にて検討したように、本発明の一実施形態による化粧品容器は、上容器カバー30とミラーカバー40との間にミラー50を挟み込み、ミラーカバー40を上容器20の内側に固定結合することにより、化粧品容器の使用時に安定的にミラー50を固定することはもちろんのこと、リサイクルまたは廃棄の際に、上容器20から上容器カバー30とミラーカバー40を分離した後、上記上容器カバー30とミラーカバー40との締結を解除して、これらの間に挟まれたミラー50を安全かつ容易に分別回収することにより、資源の浪費及び環境汚染を防止することができる。
【0073】
図4~
図9は、本発明の一実施形態による化粧品容器の使用を例示する図であり、これを参照して本発明の一実施形態による化粧品容器の使用方法を説明する。
【0074】
図4は、本発明の一実施形態に係る化粧品容器を開放して使用する様子を例示した断面図であり、
図5は、本発明の一実施形態に係る下容器と上容器とを引き離す様子を例示した斜視図である。
図6は、本発明の一実施形態による上容器の挿入穴にツールを挿入する様子を例示する部分斜視図であり、
図7は、本発明の一実施形態による上容器と上容器カバーとを分離する様子を例示する。
図8は、本発明の一実施形態による上容器カバーとミラーカバーとを分離する様子を示す部分斜視図であり、
図9は、本発明の一実施形態による上容器カバーとミラーカバーとの間に挟まれているミラーを分離する様子を例示した部分斜視図である。
【0075】
本発明の一実施形態に係る化粧品容器を使用するためには、まず、下容器10の一方の側に露出した押しボタン72を押し込んで下容器10と上容器20との締結を解除する。この際、前記押しボタン72の加圧部72aが押し下げられ、多数の折り曲げ部72dによって屈曲状に形成された弾性翼72bが、弾力的に曲げられるととともに、掛け止めフック72cが後退することで、上容器20に形成された掛け止め突起22との締結が解除される。
【0076】
その後、前記上容器20を回動させて下容器10の内側に結合されたリフィル容器60を開放し、
図4にて示すように、上記リフィル容器60に収容された化粧品について、パフPといった化粧道具を用いることで化粧をする。
【0077】
一方、化粧品容器をリサイクルまたは廃棄しようとする場合、
図5に示すように下容器10から上容器20を分離する。この際、下容器10から上容器20を強制的に引き抜くことで、下容器10のヒンジ結合突起12cと、上容器20のヒンジ結合穴26aとを分離する。
【0078】
その後、
図6に示すように、上容器20の内側に組付けられた上容器カバー30の挿入穴31に、ボールペンやピンなどのツールtを挿入し、上容器20とミラーカバー40との締結を解除する。より詳細には、細くて先のとがったツールtを、前記上容器カバー30の挿入穴31に押し込み、前記ツールtの先端が締結延長部42の斜線面(傾斜面)42aに接するようにした後、ツールtをミラーカバー40の中央の側へと押し込むと、ミラーカバー40の締結延長部42が、ミラーカバー40の中央の側へと押し動かされることで、締結長部42の一方の側に形成された締結突起44も一緒に移動して、上容器20の締結凹部24から外れ出て、ミラーカバー40と上容器20との締結が解除される。ここで、ミラーカバー40における締結突起44の後方には貫通穴(抜き部)46が形成されており、締結突起44が内側及び外側へと弾力的に動くこととなる。
【0079】
その後、
図7に示すように、上容器カバー30とミラーカバー40とを上容器20から分離し、
図8に示すように、上容器カバー30の締結突出部32と、ミラーカバー40の締結延長部42との締結を解除する。より詳細には、ミラーカバー40の締結延長部42を外側へと軽く引っ張りながら上方に押し上げ、同時に上容器カバー30の締結突出部32を下方に押し下げることで、締結延長部42と締結突出部32とのアンダーカット結合を解除する。この際、ミラーカバー40の締結延長部42の後方には、貫通穴46(抜き部)が形成されており、締結延長部42が上側・下側、または内側・外側へと弾力的に曲げられる。
【0080】
最後に、
図9に示すように、上容器カバー30とミラーカバー40とを分離し、その間に挟まれていたミラー50を取り出し、ミラー50と残りの部品とを分別回収する。
【0081】
以上、本説明では、具体的な構成要素等の特定の事項と、限定された実施形態及び図面により説明したが、これは、本発明についての、より全体的な理解を助けるために提供されたものであり、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明が属する分野で一般的な知識を有する者であれば、そのような記載から様々な修正および変形が可能である。
【0082】
したがって、本発明の思想は、説明された実施形態に限定されてはならず、後述する特許請求の範囲だけでなく、この特許請求の範囲と均等であるか、または等価的な変形を有するすべてのものは、本発明の思想の範囲に属するというべきであろう。
【符号の説明】
【0083】
10:下容器 12:外壁
14:内壁 18: 据え付けリング
20:上容器 22:掛け止め突起
24:締結凹部 28:補助締結凹部
30:上容器カバー 31:挿入穴
32:締結突出部 35:据え付け掛け止め部
40:ミラーカバー 42:締結延長部
44:締付突起 45:圧迫部
46:貫通穴 48:補助締結部
50:ミラー 60:リフィル容器
70:中体 72:押しボタン
P:パフ t:ツール
【国際調査報告】