(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-30
(54)【発明の名称】コア-シェルマイクロカプセルを含むカプセル化された組成物およびその調製のためのプロセス
(51)【国際特許分類】
B01J 13/10 20060101AFI20230623BHJP
C11D 3/50 20060101ALI20230623BHJP
C11B 9/00 20060101ALI20230623BHJP
A61K 8/11 20060101ALI20230623BHJP
A61K 8/65 20060101ALI20230623BHJP
A61K 8/73 20060101ALI20230623BHJP
A61Q 13/00 20060101ALI20230623BHJP
【FI】
B01J13/10
C11D3/50
C11B9/00 Z
A61K8/11
A61K8/65
A61K8/73
A61Q13/00 102
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022572520
(86)(22)【出願日】2021-05-25
(85)【翻訳文提出日】2023-01-24
(86)【国際出願番号】 EP2021063932
(87)【国際公開番号】W WO2021239742
(87)【国際公開日】2021-12-02
(32)【優先日】2020-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501105842
【氏名又は名称】ジボダン エス エー
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】オサン,エマニュエル
【テーマコード(参考)】
4C083
4G005
4H003
4H059
【Fターム(参考)】
4C083AD021
4C083AD022
4C083AD211
4C083AD271
4C083AD272
4C083AD301
4C083AD331
4C083AD351
4C083AD371
4C083AD411
4C083AD431
4C083AD432
4C083BB41
4C083KK03
4G005AA01
4G005BA06
4G005BA07
4G005BB03
4G005BB12
4G005BB13
4G005BB15
4G005DB05Y
4G005DB06Y
4G005DB12Y
4G005DB13Y
4G005DC12Y
4G005DC26Y
4G005DC42Y
4G005DC46Y
4G005DC48Y
4G005DC50Y
4G005EA03
4G005EA05
4G005EA07
4H003DA01
4H003DA02
4H003DA05
4H003FA16
4H003FA26
4H059BA12
4H059BC10
4H059CA54
4H059EA35
(57)【要約】
本発明は、カプセル化された組成物を得るためのプロセス、このプロセスによって得られるカプセル化された組成物、これらのカプセル化された組成物を含む製品、および、消費者向け製品を提供するためのこれらのカプセル化された組成物の使用に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコア-シェルマイクロカプセルを含むカプセル化された組成物を得るためのプロセスであって、コア-シェルマイクロカプセルは、コア、およびコアを囲むシェルを含み、シェルが、第1の架橋剤での少なくとも1つのタンパク質の架橋、これに続く複合コアセルベートを形成するための少なくとも1つの多糖類の添加、によって形成される、前記プロセス。
【請求項2】
シェルが、単純コアセルベートを形成するための、第1の架橋剤での少なくとも1つのタンパク質の架橋によって形成される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
シェルが、第1の架橋剤での少なくとも1つのタンパク質と多官能性求核剤との架橋によって形成される、請求項1または2に記載のプロセス。
【請求項4】
少なくとも1つのタンパク質が、ゼラチンであり、好ましくはBタイプゼラチンである、請求項1~3のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項5】
Bタイプゼラチンが、200~250ブルームのブルーム強度を有する、請求項4に記載のプロセス。
【請求項6】
Bタイプゼラチンが、魚から得られるものである、請求項4または5に記載のプロセス。
【請求項7】
第1の架橋剤が、三官能芳香脂肪族イソシアナートである、請求項1~6のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項8】
三官能芳香脂肪族イソシアナートが、2-エチルプロパン-1,2,3-トリオールまたは2-エチル-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-1,3-ジオールの、1-イソシアナート-2-(イソシアナートメチル)ベンゼン、1-イソシアナート-3-(イソシアナートメチル)ベンゼンおよび/または1-イソシアナート-4-(イソシアナートメチル)-ベンゼンとの付加体である、請求項7に記載のプロセス。
【請求項9】
三官能芳香脂肪族イソシアナートが、2-エチルプロパン-1,2,3-トリオールの1-イソシアナート-3-(イソシアナートメチル)ベンゼンとの付加体である、請求項8に記載のプロセス。
【請求項10】
多官能性求核剤が、ポリアミン、とりわけジアミンおよびトリアミン、ポリオール、尿素、ウレタンおよびチオールからなる群から選択される、請求項3に記載のプロセス。
【請求項11】
多官能性求核剤が、メラミンおよび尿素からなる群から選択される、請求項10に記載のプロセス。
【請求項12】
少なくとも1つの多糖類が、カルボン酸基を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項13】
少なくとも1つの多糖類が、カルボキシメチルセルロース、アラビアゴム、アルギン酸、ペクチン、ヒアルロン酸、キサンタンガム、ジェランガム、およびそれらの一価アルカリ金属との塩、からなる群から選択される、ここで、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、およびアラビアゴムがとりわけ好ましい、請求項12に記載のプロセス。
【請求項14】
少なくとも1つの多糖類が、カルボキシメチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウムからなる群から選択され、ここで、カルボキシメチルセルロースおよび/またはカルボキシメチルセルロースナトリウムは、50,000~250,000g/mol、好ましくは75,000~125,000g/molの分子量、および、0.5~1.0、好ましくは0.6~0.8の置換度を有する、請求項13に記載のプロセス。
【請求項15】
複合コアセルベートが、第2の架橋剤で架橋される、請求項1~14のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項16】
第2の架橋剤が、スクシンアルデヒド、グルタルアルデヒド、グリオキサール、ベンゼン-1,2-ジアルデヒド、ベンゼン-1,3-ジアルデヒド、ベンゼン-1,4-ジアルデヒド、ピペラジン-N,N-ジアルデヒド、および2,2’-ビピリジル-5,5’-ジアルデヒドからなる群から選択される二官能アルデヒドである、請求項15に記載のプロセス。
【請求項17】
以下のステップを含む、請求項1~16のいずれか一項に記載のプロセス:
a) 第1の架橋剤を含むコア組成物を提供すること;
b) 少なくとも1つのタンパク質、および任意に多官能性求核剤、を含む水相を提供すること;
c) 任意に:少なくとも1つのタンパク質を、およびさらに任意に多官能性求核剤を、溶解させるために、水相を加熱すること;
d) 水相中に分散された1~100μmの、好ましくは5~75μmの、より好ましくは8~60μmの、なおより好ましくは10~25μmまたは35~55μmの体積メジアンサイズを有するコア組成物の液滴を得るために、ステップb)またはステップc)で提供された水相中にステップa)で提供されたコア組成物を乳化させること;
e) ステップd)において得られたエマルションを、好ましくは少なくとも60℃、より好ましくは少なくとも80℃、なおより好ましくは少なくとも90℃の温度まで、とりわけ少なくとも10分間、加熱すること;
f) ステップe)において得られたエマルションを、好ましくは25~35℃、より好ましくは30~32℃の温度まで、とりわけ単純コアセルベートを形成するために、冷却すること;
g) ステップf)において形成された混合物へ多糖類の水溶液を添加すること;
h) ステップg)において形成された混合物のpHを、複合コアセルベートの形成を誘導するために調整すること;
i) 任意に:ステップh)において得られたスラリーを、好ましくは10~15℃の温度まで、冷却すること;
j) 任意に:第2の架橋剤を添加して混合物を室温まで温めながら攪拌下で維持すること;
k) 複数のコア-シェルマイクロカプセルを得ること。
【請求項18】
第1の架橋剤、とりわけ三官能芳香脂肪族イソシアナートの、少なくとも1つのタンパク質、とりわけゼラチンに対する重量比が、0.08~1.2、好ましくは0.12~0.8、より好ましくは0.16~0.6、なおより好ましくは0.2~0.4である、請求項1~17のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項19】
複数のコア-シェルマイクロカプセルの体積メジアン径Dv(50)が、1~100μm、好ましくは5~75μm、より好ましくは8~60μm、なおより好ましくは10~25μmまたは35~55μmである、請求項1~18のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項20】
少なくとも1つの多糖類と少なくとも1つのタンパク質との間の重量比が、0.05~0.5、好ましくは0.08~0.2である、請求項1~19のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項21】
ステップh)の後またはステップj)の後またはステップk)の後に少なくとも1つの懸濁剤を添加するステップをさらに含む、請求項17~20のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項22】
ステップh)の後またはステップj)の後またはステップk)の後に少なくとも1つの防腐剤を添加するステップをさらに含む、請求項17~21のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項23】
コアまたはコア組成物が、それぞれ、少なくとも1つの機能的材料を、とりわけ、フレグランス成分、化粧品成分および生物活性成分からなる群から選択されるものを含む、請求項1~22のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項24】
コアが、2,6,10-トリメチルウンデカ-9-エナール;2-(tert-ブチル)シクロ酢酸ヘキシル);デカナール;2-メチルデカナール;ウンデカ-10-エナール;ウンデカナール;ドデカナール;2-メチルウンデカナール;(E)-ウンデカ-9-エナール;(E)-ドデカ-2-エナール;アリル2-(イソペンチルオキシ)アセタート;アリル3-シクロヘキシルプロパノアート;アリルヘプタノアート;1-((2-(tert-ブチル)シクロヘキシル)オキシ)-ブタン-2-オール;1,3,4,5,6,7-ヘキサヒドロ-ベータ,1,1,5,5-ペンタメチル-2H-2,4a-メタノナフタル-エン-8-エタノール;ペンチル2-ヒドロキシベンゾアート;1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)エチルホルマート;(1R,2S,4R)-2’-イソプロピル-1,7,7-トリメチル-スピロ[ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,4’-[1,3]ジオキサン];8-(sec-ブチル)-5,6,7,8-テトラ-ヒドロキノリン;(エトキシメトキシ)-シクロドデカン;(1S,2R,5R)-2-エトキシ-2,6,6-トリメチル-9-メチレンビシクロ[3.3.1]ノナン;(2S,4S)-1,7,7-トリメチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イルアセタート;1-ブトキシ-1-オキソプロパン-2-イルブチラート);4-(tert-ブチル)シクロ酢酸ヘキシル;(Z)-4,11,11-トリメチル-8-メチレン-ビシクロ[7.2.0]ウンデカ-4-エン);1,1,2,3,3-ペンタメチル-2,3,6,7-テトラヒドロ-1H-インデン-4(5H)-オン;5-tert-ブチル-2-メチル-5-プロピル-2H-フラン;(E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエナール;(E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエナール;(Z)-1,1-ジエトキシ-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン;3,7-ジメチルオクタ-6-エナール;3,7-ジメチルオクタ-6-エン-1-オール;3,7-ジメチルオクタ-6-エン-1-イルアセタート;3,7-ジメチルオクタ-6-エン-1-イルホルマート;3,7-ジメチルオクタ-6-エンニトリル;3,7-ジメチルオクタ-6-エン-1-イルプロピオナート;ドデカンニトリル;4-シクロヘキシル-2-メチルブタン-2-オール;(Z)-3-メチルシクロテトラデカ-5-エノン;3-(4-イソプロピルフェニル)-2-メチルプロパナール;アリル2-(シクロヘキシルオキシ)アセタート;シクロヘキシル2-ヒドロキシベンゾアート;8,8-ジメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロナフタレン-2-カルバルデヒド;(E)-1-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1,3-ジエン-1-イル)ブタ-2-エン-1-オン;(E)-1-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタ-2-エン-1-オン;(E)-1-(2,6,6-トリメチル-シクロヘキサ-3-エン-1-イル)ブタ-2-エン-1-オン;(E)-デカ-4-エナール;2-ペンチルシクロペンタノン;プロパンジオイック酸1-(1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)エチル)3-エチルエステル;3-メチル-2-ペンチルシクロペンタ-2-エノン;2-メチル-1-フェニルプロパン-2-オール;2-メチル-1-フェニルプロパン-2-イルアセタート;2-メチル-1-フェニルプロパン-2-イルブチラート;4,7-ジメチルオクタ-6-エン-3-オン;2,6-ジメチルヘプタン-2-オール;1-メチル-4-(プロパ-1-エン-2-イル)シクロヘキサ-1-エン;(E)-4-((3aS,7aS)-ヘキサヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-5(6H)-イリデン)ブタナール;(E)-3-メチル-5-(2,2,3-トリメチルシクロペンタ-3-エン-1-イル)ペンタ-4-エン-2-オール;エチルヘキサノアート;エチルオクタノアート;(E)-3,7-ジメチルノナ-1,6-ジエン-3-オール;(Z)-3,7-ジメチルノナ-1,6-ジエン-3-イルアセタート;ヘプタン酸エチル;エチル2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1,3-ジエン-1-カルボキシラート;(1s,4s)-1,3,3-トリメチル-2-オキサ-ビシクロ[2.2.2]オクタン;(2S)-1,3,3-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イルアセタート;(1S,2R,4R)-1,3,3-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-オール;1-(3,5,5,6,8,8-ヘキサ-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-2-イル)エタノン;3-(4-エチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパナール;3-(3-イソプロピルフェニル)ブタナール;(3aR,6S,7aS)-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-6-イルプロピオナート;2,4,6-トリメチル-4-フェニル-1,3-ジオキサン;2-(sec-ブチル)シクロヘキサノン;(3aS,4S,7R,7aS)-エチルオクタヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-3a-カルボキシラート;2-メチルデカンニトリル;1-(3,3-ジメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル)ペンタ-4-エン-1-オン;3aR,6S,7aS)-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-6-イルイソブチラート;(E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-オール;(E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イルアセタート;(E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6- 2-オン;1-(2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロナフタレン-2-イル)エタノン);2,4,6-トリメチルシクロヘキサ-3-エンカルバルデヒド;3,5,5- ジエン-1-イルイソブチラート;エチル2-エチル-6,6-ジメチルシクロヘキサ-2-エンカルボキシラート;(E)-オキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オン;メチル3-オキソ-2-ペンチルシクロペンタンアセタート;(2S)-エチル3-イソプロピルビシクロ[2.2.1]へプタ-5-エン-2-カルボキシラート;(Z)-ヘキサ-3-エン-1-イルブチラート;(E)-2-ベンジリデンオクタナール;ヘキシルイソブチラート;ヘキシル2-ヒドロキシベンゾアート;4,4a,5,9b-テトラヒドロインデノ[1,2-d][1,3]ジオキシン;(E)-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル)ブタ-3-エン-2-オン;(E)-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタ-3-エン-2-オン;(E)-4-(2,5,6,6-テトラメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタ-3-エン-トリメチル酢酸ヘキシル;イソプロピル 2-メチルブタノアート;(E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタ-3-エン-2-オン;(3aR,6S,7aS)-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-6-イルアセタート;(Z)-3-メチル-2-(ペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタ-2-エノン;5-(sec-ブチル)-2-(2,4-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)-5-メチル-1,3-ジオキサン;(Z)-3,4,5,6,6-ペンタメチルへプタ-3-エン-2-オン;(Z)-1-(1-エトキシエトキシ)ヘキサ-3-エン;(2E,6Z)-3,7-ジメチルノナ-2,6-ジエンニトリル;(Z)-ヘキサ-3-エン-1-イル炭酸メチル;3-(4-(tert-ブチル)フェニル)-2-メチルプロパナール;3,7-ジメチルオクタ-1,6-ジエン-3-オール;3,7-ジメチルオクタ-1,6-ジエン-3-イルアセタート;(4E)-9-ヒドロキシ-5,9-ジメチル-4-デセナ―ル;2-メチル-4-オキソ-4H-ピラン-3-イルイソブチラート;エチル2-メチルペンタノアート;2,6-ジメチルへプタ-5-エナール;2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサノール;2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサノン;1-((1S,8aS)-1,4,4,6-テトラメチル-2,3,3a,4,5,8-ヘキサヒドロ-1H-5,8a-メタノアズレン-7-イル)エタノン;ウンデカン-2-オン;メチルノナ-2-イノアート;6,6-ジメトキシ-2,5,5-トリメチルヘキサ-2-エン;4-(4-メチルペンタ-3-エン-1-イル)シクロヘキサ-3-エンカルバルデヒド;2-(2-(4-メチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)プロピル)シクロペンタノン;2-メチル-6-メチレンオクタ-7-エン-2-イルアセタート;(E)-メチルノナ-2-エノアート;(Z)-3,7,11-トリメチルドデカ-1,6,10-トリエン-3-イルアセタート;(Z)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イルアセタート;6,8-ジメチルノナン-2-オール;(Z)-ノナ-6-エナール;3-(4-イソブチル-2-メチルフェニル)プロパナール;4-(tert-ペンチル)シクロヘキサノン;2-エチル-N-メチル-N-(m-トリル)ブタンアミド;2-メチル-4-メチレン-6-フェニルテトラヒドロ-2H-ピラン;2-シクロヘキシリデン-2-フェニルアセトニトリル;2-シクロヘキシリデン-2-(o-トリル)アセトニトリル;2,2-ジメチル-2-フェニルエチルプロパノアート;1-メチル-4-(4-メチルペンタ-3-エン-1-イル)シクロヘキサ-3-エンカルバルデヒド;6-(sec-ブチル)キノリン;(E)-2-エチル-4-(2,2,3-トリメチルシクロペンタ-3-エン-1-イル)ブタ-2-エン-1-オール;4-(4-ヒドロキシフェニル)ブタン-2-オン;2,2,5-トリメチル-5-ペンチルシクロペンタノン;2,2,2-トリクロロ-1-フェニル酢酸エチル;デカ-9-エン-1-オール;(1-メチル-2-(5-メチルヘキサ-4-エン-2-イル)シクロプロピル)-メタノール;4-メチレン-2-フェニルテトラヒドロ-2H-ピラン;2-(1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)エトキシ)-2-メチルプロピルシクロプロパンカルボキシラート;3-(4-イソブチルフェニル)-2-メチルプロパナール;1-(スピロ[4.5]デカ-6-エン-7-イル)ペンタ-4-エン-1-オン;(E)-5-メチルヘプタン-3-オンオキシム;(E)-6-エチル-3-メチルオクタ-6-エン-1-オール;(E)-2-((3,5-ジメチルヘキサ-3-エン-2-イル)オキシ)-2-メチルプロピルシクロプロパンカルボキシラート;1-メチル-4-プロパン-2-イルシクロヘキサ-1,4-ジエン;1-メチル-4-(プロパン-2-イリデン)シクロヘキサ-1-エン;2-(4-メチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)プロパン-2-イルアセタート;3,7-ジメチルオクタン-3-オール;2,6-ジメチルオクタン-2-オール;オキサシクロヘキサデカン-2-オン;(E)-トリデカ-2-エンニトリル;(E)-4-メチルデカ-3-エン-5-オール;2,2,5-トリメチル-5-ペンチルシクロペンタノン、および(2,2-ジメトキシエチル)ベンゼン、および2-(2,4-ジメチルシクロヘキシル)ピリジン)、からなる群から選択される少なくとも1つのフレグランス成分を含む、請求項1~23のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項25】
請求項1~24のいずれか一項に記載のプロセスによって得られるカプセル化された組成物。
【請求項26】
請求項25に記載のカプセル化された組成物を含む消費者向け製品、好ましくはファブリックケア製品、ホームケア製品、またはパーソナルケア製品。
【請求項27】
消費者向け製品を得るための、請求項26に記載のカプセル化された組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カプセル化された組成物を得るためのプロセス、かかるプロセスによって得られるカプセル化された組成物、および、消費者向け製品を提供するためのかかるカプセル化された組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
家庭用ケア、パーソナルケア、およびファブリックケア製品などの消費者向け製品において、カプセル化された機能的材料を組み込むことは知られている。機能的材料は、例えばフレグランス、化粧品活性剤、ならびに殺生物剤および薬物などの生物活性成分を包含する。
【0003】
かかる機能的材料の送達のために特に好適なマイクロカプセルは、コア-シェルマイクロカプセルであり、ここでコアは、機能的材料を含み、シェルは、機能的材料に対して不浸透性または部分的に不浸透性である。大抵は、これらのマイクロカプセルは、水性媒体において使用され、カプセル化された機能的材料は、疎水性である。このシェル材料は、カプセル化された機能的材料に対して不浸透性または部分的に不浸透性である限り、幅広いシェル材料を使用することができる。
【0004】
機能的材料のなかでも、フレグランスは、様々な理由のためにカプセル化される。マイクロカプセルは、フレグランスを、不適合であるか、その中では不安定である消費者向け製品ベースなどの外部懸濁媒体から分離し、保護することができる。それらは、皮膚、毛髪、ファブリックまたは硬い家庭用品表面などの基質にフレグランス成分を付着させることを手助けすることにも使用される。それらは、フレグランスの時空間的な放出を制御する手段としても機能することができる。
【0005】
熱硬化性樹脂は、機能的材料、とくにフレグランス成分などの揮発性の機能的材料をカプセル化するための、一般的なカプセル化材料である。アミノプラスト樹脂、ポリ尿素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリラート樹脂、およびそれらの組み合わせ、から形成されたコア-シェルマイクロカプセルは、一般に、水性の懸濁媒体中に分散させられたときに、界面活性剤含有媒体中であっても、フレグランスの漏れにかなり抵抗性を持つ。さらにまた、洗濯洗剤またはコンディショナーなどの消費者向け製品に組み込まれたとき、それらは、香料がこれらの製品に直接組み込まれるとしたら得られないような香料の利点を提供する。
【0006】
しかしながら、今日、消費者は、合成石油化学などの非再生可能な供給源から得られた材料を使用することを、益々懸念するようになっている。換言すれば、消費者は、環境および資源保護の点でより持続可能な由来である材料を好む傾向にある。それにもかかわらず、有益剤のカプセル化のすべての側面に応える天然の材料または天然に由来する材料を使用することは、一般に難しい。とりわけ、高いカプセル化効率とともにカプセル化することができる、また、保管の間有益剤に対して充分に不浸透性であるカプセルを形成する手段は、捉えにくいことが証明されている。
【0007】
実例として、タンパク質ベースの、およびとくにゼラチンベースのコア-シェルマイクロカプセルが、当技術分野で周知である。ゼラチンベースのマイクロカプセルは、従来、ゼラチンと多糖類との間の複合体がコア/水の界面で形成される所謂コアセルベーションプロセスによって得られる。次いで、コアセルベーションに続いて、シェルを機械的および熱的に安定させるために架橋が行われる。
【0008】
水の存在下で意味するところの油/水の界面で架橋反応が起こり得る場合、架橋は、幅広い架橋剤の選択肢を使用して達成され得る。水中において効果的である架橋反応には、例えば、ゼラチンの利用可能な第一級アミン基とホルムアルデヒド、ジアルデヒド、およびレゾルシノールとの間の反応が関与する。
【0009】
WO 2018/002214 A1は、フレグランス含有マイクロカプセルのシェルを形成するゼラチン-アラビアゴムコアセルベートを架橋させるためのポリイソシアナートの使用を開示する。かかる架橋されたコアセルベートで遭遇する主な問題は、それらの、水ベースの製品中で膨潤し、そしてカプセル化された機能的材料に対して透過性になる、という傾向である。これは、機能的コア材料が低分子材料、すなわち、フレグランス成分などの250g/molよりも低い分子量を有する材料である場合に、とりわけ当てはまる。さらにまた、WO 2018/002214 A1において得られるマイクロカプセルのメジアンサイズは、600μmのオーダーにあり、このことは、消費者向け製品中または基質上のいずれにおいても、マイクロカプセルは目に見えるものであり得るということを意味する。これは、消費者向け製品における香料送達系としてのそれらの使用を大幅に限定する。
【0010】
これらの問題は、フレグランスのカプセル化のためのタンパク質ベースのマイクロカプセルの発達をかなり妨げてきた。
【発明の概要】
【0011】
したがって、本発明の根底にある問題は、先行技術における上述の欠点を克服することである。とりわけ、本発明の根底にある問題は、製造、保管の間および適用において、改善された安定性を示す、上述の種類の、タンパク質ベースのカプセル化された組成物を提供することである。さらにまた、組成物は、操作上の安全性、堅固性、およびコスト効率の高いプロセスで生産可能でなければならない。
これらの問題は、独立請求項の主題によって解決される。
【0012】
第1の側面において、本発明は、複数のコア-シェルマイクロカプセルを含むカプセル化された組成物を得るためのプロセスに関する。コア-シェルマイクロカプセルは、コア、およびコアを囲むシェルを含む。シェルは、第1の架橋剤での少なくとも1つのタンパク質の架橋とこれに続く複合コアセルベートを形成するための少なくとも1つの多糖類の添加によって形成される。
コア-シェルマイクロカプセルのコアは、コア組成物から出来ている。コア組成物は、本質的に水に不混和性である。
【0013】
「本質的に水に不混和性」とは、コア組成物を水と混合したとき、激しい攪拌下でも、コア組成物相の少なくとも95wt.-%が、好ましくは少なくとも99wt.-%が、攪拌の停止直後または徐々に水相から分離するということを意味する。
【0014】
好ましくは、コア組成物の量は、水相の量よりも低く、そうすることで、水相と乳化したとき、コア組成物が水相中に分散相を、一般にコア組成物の液滴の形態で形成する。
【0015】
本発明の文脈において、第1の架橋剤での少なくとも1つのタンパク質の架橋は、複数のコア組成物の液滴を含む安定なコア組成物のエマルションの形成に至る。これらは、液滴が合体することを防止するという点でエマルションを安定化させる。これらの安定化した液滴は、マイクロカプセル化がさらに行われるテンプレートとしての役割を果たす。
【0016】
いかなる理論にも縛られることなく、第1の架橋剤での少なくとも1つのタンパク質の架橋は、コア組成物の周りの第1のシェルを形成するためにコア組成物・水相の界面での界面重合として、または、本明細書中の下記でさらに記載されるとおり、単純コアセルベートの形成によって、起こることができる。これら2つのプロセス間の連続も可能である。
【0017】
本発明の具体的な態様において、シェルは、単純コアセルベートを形成するための、第1の架橋剤での少なくとも1つのタンパク質の架橋によって形成される。
【0018】
「コアセルベート」とは、多価電解質に富む液滴が、多価電解質に乏しい水性の連続相と共存していることを意味する。液滴は、界面で凝集して界面層を形成することができる。
【0019】
本文脈において、コアセルベートの液滴は、コア組成物と水相との間の界面で凝集する。その結果として、各液滴がコアセルベートの液滴によって取り囲まれている複数のコア組成物の液滴を含む、水中の安定なコア組成物のエマルションが形成される。これらは、液滴の合体を防止するという点でエマルションを安定化させる。
【0020】
「単純コアセルベーション」とは、本文脈において、単一の多価電解質を含む界面層の形成を意味する。
「複合コアセルベーション」とは、本文脈において、多価電解質の混合物を含む界面層の形成を意味する。
【0021】
単純または複合コアセルベーションの現象は、光学顕微鏡下で観察され得、コア組成物の液滴の周りのリングの出現が特徴となる。このリングは、周囲の水相とは異なる屈折率を有する先述の多価電解質に富む相からなる。
【0022】
単一の多価電解質のコアセルベーションは、一般に、多価電解質をその等電点(多価電解質の正味の電荷がゼロまたはゼロに近い点という意味である)に持っていくことによって誘導される。これは、塩濃度を変更することによって、または、タンパク質などの高分子両性電解質の場合には、培体のpHを変更することによって、達成され得る。
【0023】
本出願人は、コア組成物/水の界面でタンパク質を架橋することでもまた、単純コアセルベーションが誘導され得るということを見出した。
最初に架橋タンパク質を、とりわけ単純コアセルベートにて、コア組成物/水相の界面で、構築すること、これに続いてこの架橋されたタンパク質の第2の多価電解質との、つまり少なくとも1つの多糖類との、複合コアセルベーションが行われることで、増強された不浸透性を有するシェルの形成に至るということが見出されている。とりわけ、シェルは、低分子材料、すなわち、フレグランス成分などの250g/molよりも低い分子量を有する材料に対して、増強された不浸透性を示す、ということが見出された。
【0024】
さらにまた、上述した類の従来のコア-シェルマイクロカプセルと比較して、本発明に従うプロセスによって得られるカプセルは、液体の消費者向け製品、とりわけファブリックケアコンディショナーなどの水ベースの消費者向け製品の製剤化において、増大した安定性を示す。
【0025】
その上、本出願人は、先述のプロセスを実施することによって、従来の複合コアセルベーションと比較してマイクロカプセルのサイズをより良好に制御することが可能であるということを見出している。とりわけ、75μm未満のサイズにおいてマイクロカプセルを得ることが可能になる。これは、先行技術において報告されたマイクロカプセルのサイズよりもはるかに低い。これはまた、75μm未満のサイズを有するマイクロカプセルが、より大きなマイクロカプセルよりもリンスオフの適用の間に基質上により良好に堆積することが知られているので、はるかに有利でもある。
【0026】
本発明の好ましい態様において、シェルは、第1の架橋剤での少なくとも1つのタンパク質と多官能性求核剤との架橋によって形成することができる。架橋プロセスにおける多官能性求核剤の添加によって、上述の液体の消費者向け製品の製剤化の安定性は、さらに改善されるということが見出されている。
本発明の利益のために具体的に有用なタンパク質は、ゼラチン、ホエイタンパク質、エンドウ豆タンパク質、大豆タンパク質、カゼインおよびアルブミン、実例としてウシ血清アルブミンを包含する。
【0027】
本発明の好ましい態様において、少なくとも1つのタンパク質は、ゼラチン、好ましくはBタイプゼラチンである。
Bタイプゼラチンは、コラーゲンのアルカリ処理から得ることができ、また、穏やかな酸性条件下で負に帯電した多糖類などのアニオン性多価電解質と複合体を形成するその能力について周知である。
【0028】
ゼラチンは、大抵、所謂「ブルーム強度(Bloom Strength)」によって特徴付けされる。本発明の文脈において、ブルーム強度は、Official Procedures of the Gelatin Manufacturers Institute of America, Inc., 2019年改訂、第2.1章に従う、所謂「ブルームジェロメータ(Bloom Gelometer)」によって測定したものとしての、ゼラチンフィルムの剛性を指す。この手順に従うと、ブルーム(Bloom)で表現されるブルーム強度は、直径12.5mmの標準化されたプランジャーを、制御された条件下で(すなわち、標準化された瓶の中で、6.67wt.-%のゼラチンを脱イオン水中に60℃にて溶解させ、そして10℃にて17時間ゲルを形成させることによって)調製されたゼラチンゲル中へ4mmの深さまで垂直に移動させるのに必要な、gで表現される重量に等しい。重量が高くなるほど、試験されたゲルを作るのに使用したゼラチンのブルーム強度が高くなる。
【0029】
本発明の好ましい態様において、Bタイプゼラチンは、200~250ブルームのブルーム強度を有する。
ブルーム強度が低すぎる場合、ゲルは機械的に弱く、そこから得られるコアセルベートはコア組成物の周りのゼラチンに富む相の自立層を形成しない可能性がある。ブルーム強度が高すぎる場合、そうするとそこから得られるコアセルベートおよびゼラチンに富む相は脆すぎる可能性がある。
【0030】
本発明の好ましい態様において、Bタイプゼラチンは、魚から得られるものであるが、それは、魚のゼラチンが、主に健康上の懸念、社会学的な文脈、または宗教上のルールに起因して、牛肉または豚肉のゼラチンよりも消費者によりよく受け入れられるからである。
代替的に、タンパク質は、植物性タンパク質、とりわけエンドウ豆タンパク質および/または大豆タンパク質であり得、これはビーガンであるという利点を有する。
【0031】
本発明の好ましい態様において、第1の架橋剤は、三官能芳香脂肪族イソシアナートである。
いかなる理論によっても縛られることなく、本出願人は、芳香脂肪族イソシアナート基が、反応性の高い芳香族イソシアナートおよびより反応性の低い脂肪族イソシアナートと比較して中間の反応性を持っていることの利点を有すると考える。
【0032】
より好ましくは、三官能芳香脂肪族イソシアナートは、2-エチルプロパン-1,2,3-トリオールまたは2-エチル-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-1,3-ジオールの、1-イソシアナート-2-(イソシアナートメチル)ベンゼン、1-イソシアナート-3-(イソシアナートメチル)ベンゼンおよび/または1-イソシアナート-4-(イソシアナートメチル)-ベンゼンとの付加体である。
【0033】
とりわけ好ましい態様において、三官能芳香脂肪族イソシアナートは、2-エチルプロパン-1,2,3-トリオールの1-イソシアナート-3-(イソシアナートメチル)ベンゼンとの付加体である。
2-エチルプロパン-1,2,3-トリオールの1-イソシアナート-3-(イソシアナートメチル)ベンゼンとの付加体は、商標名Takenate D110-N(ex Mitsui Chemicals)またはQuix 175(ex Covestro)の下で市販で入手可能である。
【0034】
多官能性求核剤は、ポリアミン、とりわけジアミンおよびトリアミン、ポリオール、尿素、ウレタンおよびチオールからなる群から選択することができる。
【0035】
とりわけ、多官能性求核剤は、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、1,3-ジアミノプロパン、1,2-ジアミノプロパン、1,4-ジアミノブタン、1,6-ジアミノヘキサン、ビス(3-アミノプロピル)アミン、ビス(ヘキサンエチレン)トリアミン、トリス(2-アミノエチル)アミン、N,N’-ビス(3-アミノプロピル)-1,3-プロパンジアミン、キトサン、ナイシン、アルギニン、リシン、オルニチン、ビウレット、N,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、分枝ポリエチレンイミン、2,4-ジアミノ-6-ヒドロキシピリミジン、2,2’-エチレンジオキシ)ビス(エチルアミン)および4,7,10-トリオキサ-1,13-トリデカンジアミンレゾルシノールからなる群から選択することができる。
【0036】
さらにまた、多官能性求核剤は、グアニジン、グアニジン塩(実例としてグアニジン炭酸塩またはグアニジン塩酸塩)、1,3-ジアミノ-グアニジン、1,1-ジメチルビグアニドおよび2,4,6-トリアミノピリミジングアナゾールからなる群から選択することができる。
【0037】
多官能性求核剤はまた、芳香族ポリアミン、好ましくはm-キシリレンジアミンまたはp-キシリレンジアミンなどのアリールアルキルアミン、とすることもできる。
さらにまた、多官能性求核剤はまた、4,4’-ジアミノジシクロヘキシルメタン、1,4-シクロヘキサンビスメチルアミン、イソホロンジアミンまたは1,4-ジアザシクロヘプタンなどの脂環式ジアミンとすることもできる。
【0038】
その上、多官能性求核剤は、ポリフェノールなどのポリオール、および多糖、とりわけペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、グリセロール、ポリグリセロール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、ソルビトール、エリスリトール、トレイトール、アラビトール、キシリトール、リビトール、マンニトール、ガラクチトール、フシトール、イジトール、イノシトール、ボレミトール、イソマルト、マルチトール、ラクチトール、マルトトリイトール、マルトテトライトール、ポリグリシトール、ポリフェノール、およびタンニン酸、から選択することができる。
【0039】
本発明の好ましい態様において、多官能性求核剤は、メラミンおよび尿素からなる群から選択される。
好ましくは、多官能性求核剤は、水溶性である。
【0040】
本発明の好ましい態様において、多官能性求核剤、とりわけメラミンの、少なくとも1つのタンパク質、とりわけゼラチンに対する重量比は、0.01~1.0、好ましくは0.05~0.5、より好ましくは0.08~0.2、なおより好ましくは0.1~0.15である。
【0041】
本発明の好ましい態様において、少なくとも1つの多糖類は、カルボン酸基を含む。カルボン酸基を含む多糖類は、タンパク質との、とりわけBタイプゼラチンとの、複合コアセルベーションのためにとりわけ好適である。これは、pHを調整することによりこれらの多糖類の正味の電荷が調整され得、そうすることで、両性タンパク質との複合体形成(complexation)が容易になる、という事実に起因する。複合体化は、タンパク質が全体的に正の電荷を有し他方で多糖類が負の電荷を有し、そうすることで複合体の全体的な電荷は中性である、というpHで起こる。これらの多糖類は、自然界からのネイティブな多糖類、および修飾された多糖類を包含する。これらの多糖類の一価アルカリ金属塩もまた使用され得る。
【0042】
とりわけ、少なくとも1つの多糖類は、カルボキシメチルセルロース、アラビアゴム、アルギン酸、ペクチン、ヒアルロン酸、キサンタンガム、ジェランガム、およびそれらの一価アルカリ金属との塩、からなる群から選択される。カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、およびアラビアゴムは、とりわけ好ましい。
アラビアゴムの2つのバリアント、すなわち、アカシアガムセネガル種(gum acacia Senegal)およびアカシアガムセヤル種(gum acacia Seyal)の中でも、アカシアガムセネガル種におけるグルクロン酸のより高いレベルのため、アカシアガムセネガル種が好ましい。
【0043】
少なくとも1つの多糖類を、カルボキシメチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウムからなる群から選択することができ、ここで、カルボキシメチルセルロースおよび/またはカルボキシメチルセルロースナトリウムは、50,000~250,000g/mol、好ましくは75,000~125,000g/molの分子量、および、0.5~1.0、好ましくは0.6~0.8の置換度を有する。
【0044】
本発明の好ましい態様において、シェルの不浸透性および安定性は、第2の架橋剤での複合コアセルベートの架橋によってさらに改善され得る。
とりわけ好ましい態様において、第2の架橋剤は、スクシンアルデヒド、グルタルアルデヒド、グリオキサール、ベンゼン-1,2-ジアルデヒド、ベンゼン-1,3-ジアルデヒド、ベンゼン-1,4-ジアルデヒド、ピペラジン-N,N-ジアルデヒド、および2,2’-ビピリジル-5,5’-ジアルデヒドからなる群から選択される二官能アルデヒドである。二官能アルデヒドは、タンパク質に効果的な架橋剤であることが知られている。
【0045】
好ましい態様において、本発明に従うプロセスは、以下のステップを含む:
a) 第1の架橋剤を含むコア組成物を提供すること;
b) 少なくとも1つのタンパク質、および任意に多官能性求核剤、を含む水相を提供すること;
c) 任意に:少なくとも1つのタンパク質を、およびさらに任意に多官能性求核剤を、溶解させるために、水相を加熱すること;
d) 水相中に分散された1~100μmの、好ましくは5~75μmの、より好ましくは8~60μmの、なおより好ましくは10~25μmまたは35~55μmの体積メジアンサイズを有するコア組成物の液滴を得るために、ステップb)またはステップc)で提供された水相中にステップa)で提供されたコア組成物を乳化させること;
e) ステップd)において得られたエマルションを、好ましくは少なくとも60℃、より好ましくは少なくとも80℃、なおより好ましくは少なくとも90℃の温度まで、とりわけ少なくとも10分間、加熱すること;
f) ステップe)において得られたエマルションを、好ましくは25~35℃、より好ましくは30~32℃の温度まで、とりわけ単純コアセルベートを形成するために、冷却すること;
g) ステップf)において形成された混合物へ多糖類の水溶液を添加すること;
h) ステップg)において形成された混合物のpHを、複合コアセルベートの形成を誘導するために調整すること;
i) 任意に:ステップh)において得られたスラリーを、好ましくは10~15℃の温度まで、冷却すること;
j) 任意に:第2の架橋剤を添加して混合物を室温まで温めながら攪拌下で維持すること;
k) 複数のコア-シェルマイクロカプセルを得ること。
【0046】
本発明に従うプロセスによって得られるマイクロカプセルは、従来のコアセルベーションプロセスによって得られたマイクロカプセルよりも、マイクロカプセルのサイズ、保管安定性、および嗅覚性能の面で、有意により良好な特性を呈する。
【0047】
本発明の好ましい態様において、第1の架橋剤、とりわけ三官能芳香脂肪族イソシアナートの、少なくとも1つのタンパク質、とりわけゼラチンに対する重量比は、0.08~1.2、好ましくは0.12~0.8、より好ましくは0.16~0.6、なおより好ましくは0.2~0.4である。
【0048】
タンパク質に対する第1の架橋剤のかかる重量比によって、マイクロカプセルの良好な安定性、とりわけ漏れに対してのものを、生分解性を確保しながら同時に達成することができる。本発明の文脈において、生分解性は、具体的にはOECD法301Fに従って測定される。本発明の好ましい態様において、この方法で測定される分解のパーセンテージは、少なくとも50wt.-%、好ましくは少なくとも55wt.-%、より好ましくは少なくとも60wt.-%、なおより好ましくは少なくとも65wt.-%、さらにより好ましくは少なくとも70wt.-%、なおさらにより好ましくは少なくとも75wt.-%である。本文脈において、第1の架橋剤の少なくとも1つのタンパク質に対する重量比は、具体的には、活性な第1の架橋剤の量に基づく。
【0049】
本発明の好ましい態様において、複数のコア-シェルマイクロカプセルの体積メジアン径Dv(50)は、1~100μm、好ましくは5~75μm、より好ましくは8~60μm、なおより好ましくは10~25μmまたは35~55μmである。8~60μmの範囲にある体積メジアン径を有するマイクロカプセルは、ファブリックおよび髪などの様々な基質上への最適な堆積を示す。その上、漏れに対して十分に安定であるために、三官能芳香脂肪族イソシアナートのタンパク質、とりわけゼラチンに対する重量比は、さらに好ましくは先述の好ましい範囲内、0.08~1.2、好ましくは0.12~0.8、より好ましくは0.16~0.6、なおより好ましくは0.2~0.4にある。
【0050】
多糖類のタンパク質に対する重量比は、典型的には、多糖類の性質に依存する。いかなる理論によっても縛られることなく、この重量比は、多糖類の置換度に依存し、とりわけ、該当する場合は、カルボキシル基またはカルボン酸基についてそうであることが推定される。
好ましくは、少なくとも1つの多糖類と少なくとも1つのタンパク質との間の重量比は、0.05~0.5、好ましくは0.08~0.2である。
【0051】
本発明の具体的な態様において、上記のプロセスは、ステップh)の後またはステップj)の後またはステップk)の後に少なくとも1つの懸濁剤を添加するステップをさらに含んでもよい。かかる懸濁剤は、マイクロカプセルの凝集物の形成を防止し得、および/またはマイクロカプセルがクリーム化または沈降するのを防止し得る。
【0052】
本発明の利益のために具体的に有用な懸濁剤は、加工デンプンなどのデンプンおよびデンプン誘導体、デキストリン、キサンタンガム、トラガカントガム、カラヤガム、グアーガム、ジウタンガム;ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース/ラウリル-ジメチルアンモニウムエポキシ縮合物、ヒドロキシプロピル-セルロース、カチオン性セルロース(例えば、ポリクオタニウム-4)、セルロースガム、などのセルロースおよびセルロース誘導体;カラギーナン;寒天;ペクチンおよびペクチン酸;ゼラチン;タンパク質加水分解物;ポリビニルピロリドンなどの、ビニルおよびアリルのポリマーおよびコポリマー;ポリ(ビニルピロリドン-co-酢酸ビニル);ポリ(ビニルアルコール-co-酢酸ビニル)、より具体的には85~92%の間の加水分解度を有する加水分解されたポリ(酢酸ビニル);酢酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサチック酸ビニルなどのビニルエステルホモポリマーおよびコポリマー;ポリ(ビニルメチルエーテル)、ビニルメチルアミン、四級化ビニルアルキルアミン、ビニルピリジン、四級化ビニルピリジン、ビニルイミダゾリン、ビニルイミダゾール、ビニルイミダゾリニウム、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドなどの、ビニルアルキルアミンのポリマーおよびコポリマー;ポリアミンおよびポリイミン;エトキシ化ポリアミン;N,N-ジメチルアミノアルキルメタクリラートなどの、(メタ)アクリルアミド、N-アルキル-(メタ)アクリルアミドのポリマーおよびコポリマー、メタクリルアミドプロピル-トリメチルアンモニウムクロリド、アクリルアミド-エチルトリモニウムクロリド、アクリルアミドラウリルトリメチル-アンモニウムクロリドおよび2-(アクリロイルオキシ)-N,N,N-トリメチルエタンアミニウムクロリドなどの四級化N-アルキル-(メタ)アクリルアミド;ポリ(アルキレン-オキシド);カチオン性、非イオン性、および両性のポリウレタンおよびポリ尿素などの、ポリウレタンおよびポリ尿素;それらの混合コポリマー;ならびにそれらの混合物を包含する。
【0053】
本発明の具体的な態様において、プロセスは、ステップh)の後またはステップj)の後またはステップk)の後に少なくとも1つの防腐剤を添加するステップをさらに含んでもよい。
【0054】
好適な防腐剤は、四級化合物、ビグアニド化合物ポリアミノプロピルビグアニジン、ヘキセチジン、パラクロロメタクレゾール、メテナミン、3-ビス(ヒドロキシメチル)-5,5-ジメチルイミダゾリジン-2,4-ジオン、クオタニウム-15、安息香酸、サリチル酸、ウンデカ-10-エン酸、ギ酸、ビフェニル-2-オールおよびそれらの塩;ソルビン酸およびその塩、イソチアゾリノン、ブロノポール(2-ブロモ-2-ニトロ-1,3-プロパンジオール)、5-ブロモ-5-ニトロ-1,3-ジオキサン、チアベンダゾン、ベンズイミダゾールカルバマート、トリクロカルバン;3-ヨード-2-プロピニルブチルカルバマート、チオメルサール;トリクロサン、ジクロロベンジルアルコール、クロロキシレノール、イミダゾリジニル尿素、フェノキシエタノール、ベンジルアルコール;カプリリルグリコール、ならびにそれらの混合物を包含する。
【0055】
本発明の好ましい態様において、コアまたはコア組成物は、それぞれ、少なくとも1つの機能的材料を、とりわけ、フレグランス成分、化粧品成分および生物活性成分からなる群から選択されるものを含む。
【0056】
少なくとも1つの機能的材料は、典型的には、疎水性であるか、または、水への限定された溶解度、例えば、100gの水あたり2.5g未満、好ましくは100gの水あたり1g未満、さらにより好ましくは100gの水あたり0.1g未満、を有する。好ましくは、少なくとも1つの機能的材料は、液体であるか、または油などの非極性溶媒に可溶性である。好ましくは、少なくとも1つの機能的材料は、1.5以上の、より好ましくは2以上の、計算されたオクタノール/水分配係数(ClogP)を有する。好ましくは、少なくとも1つの機能的化粧品成分のClogPが、約2~約7である。
【0057】
本発明の好ましい態様において、コア組成物は、少なくとも1つのフレグランス成分を含む。本発明に従ってカプセル化され得る香料成分の包括的なリストは、香料の文献、例えば“Perfume & Flavor Chemicals”, S. Arctander (Allured Publishing, 1994)において見出すことができる。
【0058】
本発明に従うカプセル化された香料は、好ましくは、ADOXAL(2,6,10-トリメチルウンデカ-9-エナール);AGRUMEX(2-(tert-ブチル)シクロ酢酸ヘキシル);ALDEHYDE C 10 DECYLIC(デカナール);ALDEHYDE C 11 MOA(2-メチルデカナール);ALDEHYDE C 11 UNDECYLENIC(ウンデカ-10-エナール);ALDEHYDE C 110 UNDECYLIC(ウンデカナール);ALDEHYDE C 12 LAURIC(ドデカナール);ALDEHYDE C 12 MNA PURE(2-メチルウンデカナール);ALDEHYDE ISO C 11((E)-ウンデカ-9-エナール);ALDEHYDE MANDARINE 10%/TEC((E)-ドデカ-2-エナール);ALLYL AMYL GLYCOLATE(アリル2-(イソペンチルオキシ)アセタート);ALLYL CYCLOHEXYL PROPIONATE(アリル3-シクロヘキシルプロパノアート);ALLYL OENANTHATE(アリルヘプタノアート);AMBER CORE(1-((2-(tert-ブチル)シクロヘキシル)オキシ)ブタン-2-オール);AMBERMAX(1,3,4,5,6,7-ヘキサヒドロ-ベータ,1,1,5,5-ペンタメチル-2H-2,4a-メタノナフタル-エン-8-エタノール);AMYL SALICYLATE(ペンチル2-ヒドロキシベンゾアート);APHERMATE(1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)エチルホルマート);BELAMBRE((1R,2S,4R)-2’-イソプロピル-1,7,7-トリメチルスピロ[ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,4’-[1,3]ジオキサン]);BIGARYL(8-(sec-ブチル)-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン);BOISAMBRENE FORTE((エトキシメトキシ)-シクロドデカン);BOISIRIS((1S,2R,5R)-2-エトキシ-2,6,6-トリメチル-9-メチレンビシクロ[3.3.1]ノナン);BORNYL ACETATE((2S,4S)-1,7,7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イルアセタート);BUTYL BUTYRO LACTATE(1-ブトキシ-1-オキソプロパン-2-イルブチラート);BUTYL CYCLOHEXYL ACETATE PARA(4-(tert-ブチル)シクロ酢酸ヘキシル);
【0059】
CARYOPHYLLENE((Z)-4,11,11-トリメチル-8-メチレンビシクロ[7.2.0]ウンデカ-4-エン);CASHMERAN(1,1,2,3,3-ペンタメチル-2,3,6,7-テトラヒドロ-1H-インデン-4(5H)-オン);CASSYRANE(5-tert-ブチル-2-メチル-5-プロピル-2H-フラン);CITRAL((E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエナール);CITRAL LEMAROME N((E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエナール);CITRATHAL R((Z)-1,1-ジエトキシ-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン);CITRONELLAL(3,7-ジメチルオクタ-6-エナール);CITRONELLOL(3,7-ジメチルオクタ-6-エン-1-オール);CITRONELLYL ACETATE(3,7-ジメチルオクタ-6-エン-1-イルアセタート);CITRONELLYL FORMATE(3,7-ジメチルオクタ-6-エン-1-イルホルマート);CITRONELLYL NITRILE(3,7-ジメチルオクタ-6-エンニトリル);CITRONELLYL PROPIONATE(3,7-ジメチルオクタ-6-エン-1-イルプロピオナート);CLONAL(ドデカンニトリル);CORANOL(4-シクロヘキシル-2-メチルブタン-2-オール);COSMONE((Z)-3-メチルシクロテトラデカ-5-エノン);CYCLAMEN ALDEHYDE(3-(4-イソプロピルフェニル)-2-メチルプロパナール);CYCLOGALBANATE(アリル2-(シクロヘキシルオキシ)アセタート);CYCLOHEXYL SALICYLATE(シクロヘキシル2-ヒドロキシベンゾアート);CYCLOMYRAL(8,8-ジメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロナフタレン-2-カルバルデヒド);DAMASCENONE((E)-1-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1,3-ジエン-1-イル)ブタ-2-エン-1-オン);DAMASCONE ALPHA((E)-1-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタ-2-エン-1-オン);DAMASCONE DELTA((E)-1-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)ブタ-2-エン-1-オン);DECENAL-4-TRANS((E)-デカ-4-エナール);DELPHONE(2-ペンチルシクロペンタノン);DIHYDRO ANETHOLE(プロパンジオイック酸1-(1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)エチル)3-エチルエステル);DIHYDRO JASMONE(3-メチル-2-ペンチルシクロペンタ-2-エノン);DIMETHYL BENZYL CARBINOL(2-メチル-1-フェニルプロパン-2-オール);DIMETHYL BENZYL CARBINYL ACETATE(2-メチル-1-フェニルプロパン-2-イルアセタート);DIMETHYL BENZYL CARBINYL BUTYRATE(2-メチル-1-フェニルプロパン-2-イルブチラート);DIMETHYL OCTENONE(4,7-ジメチルオクタ-6-エン-3-オン);DIMETOL(2,6-ジメチルヘプタン-2-オール);DIPENTENE(1-メチル-4-(プロパ-1-エン-2-イル)シクロヘキサ-1-エン);DUPICAL((E)-4-((3aS,7aS)-ヘキサヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-5(6H)-イリデン)ブタナール);
【0060】
EBANOL((E)-3-メチル-5-(2,2,3-トリメチルシクロペンタ-3-エン-1-イル)ペンタ-4-エン-2-オール);ETHYL CAPROATE(エチルヘキサノアート);ETHYL CAPRYLATE(エチルオクタノアート);ETHYL LINALOOL((E)-3,7-ジメチルノナ-1,6-ジエン-3-オール);ETHYL LINALYL ACETATE((Z)-3,7-ジメチルノナ-1,6-ジエン-3-イルアセタート);ETHYL OENANTHATE(ヘプタン酸エチル);ETHYL SAFRANATE(エチル2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1,3-ジエン-1-カルボキシラート);EUCALYPTOL((1s,4s)-1,3,3-トリメチル-2-オキサビシクロ[2.2.2]オクタン);FENCHYL ACETATE((2S)-1,3,3-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イルアセタート);FENCHYL ALCOHOL((1S,2R,4R)-1,3,3-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-オール);FIXOLIDE(1-(3,5,5,6,8,8-ヘキサメチル-5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-2-イル)エタノン);FLOR-ALOZONE(3-(4-エチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパナール);FLORHYDRAL(3-(3-イソプロピルフェニル)ブタナール);FLOROCYCLENE((3aR,6S,7aS)-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-6-イルプロピオナート);FLOROPAL(2,4,6-トリメチル-4-フェニル-1,3-ジオキサン);FRESKOMENTHE(2-(sec-ブチル)シクロヘキサノン);FRUITATE((3aS,4S,7R,7aS)-エチルオクタヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-3a-カルボキシラート);FRUTONILE(2-メチルデカンニトリル);GALBANONE PURE(1-(3,3-ジメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル)ペンタ-4-エン-1-オン);GARDOCYCLENE((3aR,6S,7aS)-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-6-イルイソブチラート);GERANIOL((E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-オール);GERANYL ACETATE SYNTHETIC((E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イルアセタート);GERANYL ISOBUTYRATE((E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イルイソブチラート);GIVESCONE(エチル2-エチル-6,6-ジメチルシクロヘキサ-2-エンカルボキシラート);HABANOLIDE((E)-オキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オン);HEDIONE(メチル3-オキソ-2-ペンチルシクロペンタンアセタート);HERBANATE((2S)-エチル3-イソプロピルビシクロ[2.2.1]へプタ-5-エン-2-カルボキシラート);HEXENYL-3-CIS BUTYRATE((Z)-ヘキサ-3-エン-1-イルブチラート);HEXYL CINNAMIC ALDEHYDE((E)-2-ベンジリデンオクタナール);HEXYL ISOBUTYRATE(ヘキシルイソブチラート);HEXYL SALICYLATE(ヘキシル2-ヒドロキシベンゾアート);INDOFLOR(4,4a,5,9b-テトラヒドロインデノ[1,2-d][1,3]ジオキシン);IONONE BETA((E)-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル)ブタ-3-エン-2-オン);IRISONE ALPHA((E)-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタ-3-エン-2-オン);IRONE ALPHA((E)-4-(2,5,6,6-テトラメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタ-3-エン-2-オン);ISO E SUPER(1-(2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロナフタレン-2-イル)エタノン);ISOCYCLO-CITRAL(2,4,6-トリメチルシクロヘキサ-3-エンカルバルデヒド);ISONONYL ACETATE(3,5,5-トリメチル酢酸ヘキシル);ISOPROPYL METHYL-2-BUTYRATE(イソプロピル 2-メチルブタノアート);ISORALDEINE 70((E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタ-3-エン-2-オン);
【0061】
JASMACYCLENE((3aR,6S,7aS)-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-6-イルアセタート);JASMONE CIS((Z)-3-メチル-2-(ペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタ-2-エノン);KARANAL(5-(sec-ブチル)-2-(2,4-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)-5-メチル-1,3-ジオキサン);KOAVONE((Z)-3,4,5,6,6-ペンタメチルへプタ-3-エン-2-オン);LEAF ACETAL((Z)-1-(1-エトキシエトキシ)ヘキサ-3-エン);LEMONILE((2E,6Z)-3,7-ジメチルノナ-2,6-ジエンニトリル);LIFFAROME GIV((Z)-ヘキサ-3-エン-1-イル炭酸メチル);LILIAL(3-(4-(tert-ブチル)フェニル)-2-メチルプロパナール);LINALOOL(3,7-ジメチルオクタ-1,6-ジエン-3-オール);LINALYL ACETATE(3,7-ジメチルオクタ-1,6-ジエン-3-イルアセタート);MAHONIAL((4E)-9-ヒドロキシ-5,9-ジメチル-4-デセナ―ル);MALTYL ISOBUTYRATE(2-メチル-4-オキソ-4H-ピラン-3-イルイソブチラート);MANZANATE(エチル2-メチルペンタノアート);MELONAL(2,6-ジメチルへプタ-5-エナール);MENTHOL(2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサノール);MENTHONE(2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサノン);METHYL CEDRYL KETONE(1-((1S,8aS)-1,4,4,6-テトラメチル-2,3,3a,4,5,8-ヘキサヒドロ-1H-5,8a-メタノアズレン-7-イル)エタノン);METHYL NONYL KETONE EXTRA(ウンデカン-2-オン);METHYL OCTYNE CARBONATE(メチルノナ‐2-イノアート);METHYL PAMPLEMOUSSE(6,6-ジメトキシ-2,5,5-トリメチルヘキサ-2-エン);MYRALDENE(4-(4-メチルペンタ-3-エン-1-イル)シクロヘキサ-3-エンカルバルデヒド);NECTARYL(2-(2-(4-メチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)プロピル)シクロペンタノン);NEOBERGAMATE FORTE(2-メチル-6-メチレンオクタ-7-エン-2-イルアセタート);NEOFOLIONE((E)-メチルノナ-2-エノアート);NEROLIDYLE((Z)-3,7,11-トリメチルドデカ-1,6,10-トリエン-3-イルアセタート);NERYL ACETATE HC((Z)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イルアセタート);NONADYL(6,8-ジメチルノナン-2-オール);NONENAL-6-CIS((Z)-ノナ‐6-エナール);NYMPHEAL(3-(4-イソブチル-2-メチルフェニル)プロパナール);ORIVONE(4-(tert-ペンチル)シクロヘキサノン);
【0062】
PARADISAMIDE(2-エチル-N-メチル-N-(m-トリル)ブタンアミド);PELARGENE(2-メチル-4-メチレン-6-フェニルテトラヒドロ-2H-ピラン);PEONILE(2-シクロヘキシリデン-2-フェニルアセトニトリル);PETALIA(2-シクロヘキシリデン-2-(o-トリル)アセトニトリル);PIVAROSE(2,2-ジメチル-2-フェニルエチルプロパノアート);PRECYCLEMONE B(1-メチル-4-(4-メチルペンタ-3-エン-1-イル)シクロヘキサ-3-エンカルバルデヒド);PYRALONE(6-(sec-ブチル)キノリン);RADJANOL SUPER((E)-2-エチル-4-(2,2,3-トリメチルシクロペンタ-3-エン-1-イル)ブタ-2-エン-1-オール);RASPBERRY KETONE (N112)(4-(4-ヒドロキシフェニル)ブタン-2-オン);RHUBAFURANE(2,2,5-トリメチル-5-ペンチルシクロペンタノン);ROSACETOL(2,2,2-トリクロロ-1-フェニル酢酸エチル);ROSALVA(デカ-9-エン-1-オール);ROSYFOLIA((1-メチル-2-(5-メチルヘキサ-4-エン-2-イル)シクロプロピル)-メタノール);ROSYRANE SUPER(4-メチレン-2-フェニルテトラヒドロ-2H-ピラン);SERENOLIDE(2-(1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)エトキシ)-2-メチルプロピルシクロプロパンカルボキシラート);SILVIAL(3-(4-イソブチルフェニル)-2-メチルプロパナール);SPIROGALBANONE(1-(スピロ[4.5]デカ-6-エン-7-イル)ペンタ-4-エン-1-オン);STEMONE((E)-5-メチルヘプタン-3-オンオキシム);SUPER MUGUET((E)-6-エチル-3-メチルオクタ-6-エン-1-オール);SYLKOLIDE((E)-2-((3,5-ジメチルヘキサ-3-エン-2-イル)オキシ)-2-メチルプロピルシクロプロパンカルボキシラート);TERPINENE GAMMA(1-メチル-4-プロパン-2-イルシクロヘキサ-1,4-ジエン);TERPINOLENE(1-メチル-4-(プロパン-2-イリデン)シクロヘキサ-1-エン);TERPINYL ACETATE(2-(4-メチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)プロパン-2-イルアセタート);TETRAHYDRO LINALOOL(3,7-ジメチルオクタン-3-オール);TETRAHYDRO MYRCENOL(2,6-ジメチルオクタン-2-オール);THIBETOLIDE(オキサシクロヘキサデカン-2-オン);TRIDECENE-2-NITRILE((E)-トリデカ-2-エンニトリル);UNDECAVERTOL((E)-4-メチルデカ-3-エン-5-オール);VELOUTONE(2,2,5-トリメチル-5-ペンチルシクロペンタノン);VIRIDINE((2,2-ジメトキシエチル)ベンゼン);ZINARINE(2-(2,4-ジメチルシクロヘキシル)ピリジン)から選択されるフレグランス成分を含む。
【0063】
コア組成物は、少なくとも1つのフレグランス前駆体(温度の変化、酸化剤の存在、酵素の作用または光の作用などの刺激の手段によってフレグランス成分を放出することを可能とする材料という意味である)もまた含み得る。かかるフレグランス前駆体は、当技術分野で周知である。
コア組成物は、少なくとも1つの機能的化粧品成分もまた含み得る。カプセル化された組成物中での使用のための機能的化粧品成分は、好ましくは疎水性である。
【0064】
具体的に有用な機能的化粧品成分は、以下からなる群から選択される:エモリエント、スムージング成分、ハイドレーティング成分、スージングおよびリラックス成分、デコレーション成分、デオドラント、アンチエイジング成分、細胞再生(cell rejuvenating)成分、ドレイニング成分、リモデリング成分、スキンレベリング成分、防腐剤、抗酸化剤、抗菌または静菌成分、洗浄成分、潤滑成分、構造化成分、ヘアコンディショニング成分、美白成分、テクスチャー成分、柔軟成分、フケ防止成分、および角質除去成分。
【0065】
具体的に有用な機能的化粧品成分は、これらに限定されないが以下を包含する:疎水性ポリマー、たとえばアルキルジメチルシロキサン、ポリメチルシルセスキオキサン、ポリエチレン、ポリイソブチレン、スチレン-エチレン-スチレンおよびスチレン-ブチレン-スチレンブロックコポリマー、等々;鉱油、たとえば水素化されたイソパラフィン、シリコーン油、等々;植物油、たとえばアルガン油、ホホバ油、アロエベラ油、等々;脂肪酸および脂肪アルコールおよびそれらのエステル、糖脂質、リン脂質、スフィンゴ脂質、たとえばセラミド、ステロールおよびステロイド、テルペン、セスキテルペン、トリテルペンおよびそれらの誘導体、精油、たとえばアルニカ油、アルテミシア油、バークツリー油、バーチリーフ油、カレンデュラ油、シナモン油、エキナセア油、ユーカリ油、ジンセン油、ナツメ油、ヘリアンサス油、ジャスミン油、ラベンダー油、ロータスシード油、シソ油、ローズマリー油、サンダルウッド油、ティーツリー油、タイム油、バレリアン油、アブサン油、イランイラン油、およびユッカ油。
【0066】
とりわけ、少なくとも1つの機能的化粧品成分は、Fusanus Spicatusカーネルオイルなどのサンダルウッドオイル;トリ酢酸パンテニル;酢酸トコフェロール;トコフェロール;ナリンギニン;リノール酸エチル;酢酸ファルネシル;ファルネソール;シトロネリルメチルクロトン酸;およびセラミド-2(1-ステアロイル-C18-スフィンゴシン、CAS番号:100403-19-8)からなる群から選択され得る。
本発明に従うプロセスは、マイクロカプセルを乾燥させるステップもまた含み得る。
【0067】
任意に、塩、ケイ酸塩、粘土、および炭水化物などのキャリア材料、耐火材料、フレグランス成分、化粧品成分、生物活性成分、および基質のエンハンサーなどの、さらなる機能的材料、多糖類、タンパク質、アルコキシシラン、合成ポリマーおよびコポリマーなどのさらなるカプセル化材料、界面活性剤およびワックス、などのさらなる材料が、粉末に添加されてもよい。
噴霧乾燥、噴霧コーティング、ベルトおよびドラム乾燥などの乾燥方法が採用され得る。これらの方法は、当技術分野で周知である。
【0068】
とりわけ、乾燥プロセスには、さらなる機能的材料がさらなるカプセル化材料中に閉じ込められる、さらなるカプセル化プロセスが伴い得る。例えば、乾燥させられるスラリーは、本発明に従うプロセスにおいて得られたコア-シェルマイクロカプセルに加えて、少なくとも1つのカプセル化されていない機能的材料と少なくとも1つの水溶性のカプセル化材料を含み得、そうすることで、コア-シェルマイクロカプセル中にカプセル化されていない機能的材料が、乾燥の間に水溶性のカプセル化材料中に閉じ込められる。典型的には、少なくとも1つの水溶性のカプセル化材料は、オクテニルコハク酸デンプンおよびアカシアガムなどの、少なくとも1つの親水コロイドを含む。親水コロイドは、スラリーの水相中でのカプセル化されていない材料の分散を促進および安定化し、そうすることで、乾燥させるとマトリックスがコア-シェルマイクロカプセルの周りにまたはこれと共存して形成される。
【0069】
コア-シェルマイクロカプセル中にカプセル化される機能的材料は、第1のフレグランスを含み得、他方、水溶性のカプセル化材料中に閉じ込められる機能的材料は、第2のフレグランスを含み得、ここで第1および第2のフレグランスは同一であるかまたは異なる。
少なくとも2つのカプセル化プロセスを組み合わせることは、機能的材料を放出するための異なるメカニズム、例えば、水分に誘発される放出および機械的ストレスに誘発される放出を提供することの利点を有する。
乾燥ステップにはまた、球状化、造粒および押出などの機械的または熱的な処理が伴ってもまたはそれに続いてもよい。
【0070】
第2の側面において、本発明は、本明細書において上に記載されたとおりのプロセスによって得られるカプセル化された組成物に関する。
カプセル化された組成物は、液体スラリー、粉末、顆粒、フレークまたは押出物の形態であり得る。組成物は、そのまま、例えばフレグランスブースターとして、または製品中に希釈された形態で、使用され得る。
液体スラリーの形態のカプセル化された組成物は、10~50wt.-%、より具体的には15~25wt.-%のコア-シェルマイクロカプセルを含み得る。
【0071】
固体形態のカプセル化された組成物は、1~100wt.-%のコア-シェルマイクロカプセルを含み得る。しかしながら、用途または機能的材料の性質に依存して、固体形態中におけるコア-シェルマイクロカプセルのレベルを限定すること、またはその反対で最大化することが好ましいことがあり得る。例えば、固体中のコア-シェルマイクロカプセルのレベルの限定は、カプセル化された材料が可燃性、反応性、刺激性、または高価であるときにとりわけ望ましい。
【0072】
ゆえに、固体の組成物中のカプセル化されたフレグランス成分の最適なレベルは、 かかるフレグランス成分の可燃性および関連する爆発の危険性に依存して、50wt.-%未満、より具体的には35wt.-%未満、およびさらにより具体的には20wt.-%未満、または15wt.-%未満でさえあり得る。
カプセル化された組成物は、本明細書において上で言及したキャリア材料中に希釈され得る。
【0073】
本発明はまた、本明細書において上に記載されたとおりのカプセル化された組成物を含む消費者向け製品、好ましくはファブリックケア製品、ホームケア製品、またはパーソナルケア製品、にも関する。
フレグランス成分を含む本発明のカプセル化された組成物は、ランドリーケア洗剤、ランドリーケアコンディショナー、ファブリックリフレッシャー、シャンプー、バスおよびシャワージェルなどのパーソナルケアクレンジング組成物、液体石鹸、石鹸バー、ヘアケアコンディショナー、バスおよびシャワーローションなどのパーソナルケアコンディショニング組成物、デオドラント組成物、制汗組成物、硬質表面クリーナーなどのホームケア組成物、およびヘビーデューティー洗剤を包含するあらゆる種類の消費者向け製品を香り付けするために使用され得る。
【0074】
本発明に従う消費者向け製品は、ファブリック、皮膚、毛髪、生物表面および無生物表面、硬質表面などの基質を処置するために使用され得、ここで、基質を処置する作用は、当該基質を洗浄、クレンジング、柔軟、ケア、仕上げ、芳香付けおよび/または消臭することを包含する。
本発明の一側面において、消費者向け製品は、本明細書において上に記載されたとおりの組成物を含有し、好ましくは消費者向け製品の0.005~5wt.-%、より好ましくは0.01~1wt.-%、およびさらにより好ましくは0.02~0.5wt.-%のレベルである。
【0075】
多くの場合において、本発明の関わる消費者向け製品は、アニオン性、カチオン性、両性または非イオン性界面活性剤などの界面活性剤を含有する。
本発明の関わる消費者向け製品は、酸または塩基、あるいは、酸性源またはアルカリ性源とも呼ばれる酸性またはアルカリ性を提供する物質を含有し得る。
本発明の関わる消費者向け製品は、リン酸塩、ポリリン酸塩、ポリカルボン酸塩、クエン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アルミノケイ酸ナトリウム(ゼオライト)などの、水の硬度を低減させるためのビルダーを含有し得る。
【0076】
多くの場合において、本発明の関わる消費者向け製品は液体であり、および、溶媒、フィラー、増粘剤およびレオロジー助剤などのテクスチャリング剤、分散助剤、再付着防止剤、防腐剤、消臭剤、化粧品成分、および表面増強剤、などのさらなる添加剤を含有し得る。
本発明のマイクロカプセルを含有する消費者向け製品は、水溶性の溶媒、または水に不溶性もしくは部分的に水溶性の溶媒、から選択される少なくとも1つの溶媒を含有し得る。
本発明のマイクロカプセルを含有する消費者向け製品は、レオロジー調整剤、増粘剤、ゲル形成剤、チキソトロピック剤、および分散剤から選択される、少なくとも1つのテクスチャリング剤および/またはコロイド安定剤を含有し得る。
【0077】
本発明のマイクロカプセルを含有する消費者向け製品は、ジメチコン、ポリ(ジメチルシロキサベジメチルシロキサン)、アモジメチコンなどのアミノシリコーン、トリアルキルアンモニウムシリコーン塩、エトキシ化シリコーンから選択されるがこれに限られない、少なくとも1つのシリコーンを含有し得る。
本発明のマイクロカプセルを含有する消費者向け製品は、エモリエント、保湿剤、シワ防止剤、角質除去剤、サンスクリーン剤、染料、顔料、タルカム、コンディショニング剤、ヘアスタイリング剤、およびフケ防止剤から選択されるがこれに限られない、少なくとも1つの化粧品成分を含有し得る。
【0078】
本発明のマイクロカプセルを含有する消費者向け製品は、柔軟剤、蛍光増白剤および帯電防止剤から選択されるがこれに限られない、少なくとも1つのファブリック向上剤を含有し得る。
第3の側面において、本発明は、消費者向け製品を得るための、本明細書において上に記載されたとおりのカプセル化された組成物の使用に関する。
本発明のさらなる特徴および具体的な利点は、以下の例から明らかになる。
【実施例】
【0079】
例1:マイクロカプセルの調製
例1.1~1.5において、以下のステップを実施することによってマイクロカプセルを調製した:
a) 既知(表1を参照)の量の三官能芳香脂肪族イソシアナート(Takenate N100-D、ex Mitsui Inc., 75wt.-%の活性含有量)を165gのフレグランス組成物中に溶解させることによってコア組成物を提供すること;
b) 17gのBタイプゼラチンおよび150gの脱イオン水を混合することによって水相を提供すること;
c) ゼラチンを溶解させるために、攪拌下で水相を35℃まで加熱すること;
d) 水中に分散された50μmの体積メジアン径Dv(50)を有するコア組成物の液滴のエマルションを得るために、ステップc)において得られた水相中にコア組成物を1000rpmの攪拌速度で乳化させること;
e) ステップd)において得られたエマルションを90℃まで加熱して、エマルションをこの温度に10分間維持すること;
f) ステップe)において得られたエマルションを、コア・水の界面での架橋ゼラチンの単純コアセルベーションを誘導してそれによってコア-シェルマイクロカプセルのスラリーを形成するために、31℃の温度まで冷却すること;
g) 攪拌速度を1000rpmに維持しながら、ステップf)において形成されたスラリーに、80gの脱イオン水中のカルボキシメチルセルロースの2wt.-%水溶液を、および次いで534gの脱イオン水を添加すること;
h) ステップf)において得られたマイクロカプセルの表面で架橋されたゼラチン/多糖類コアセルベートを形成させるために攪拌スピードを600rpmに低減させながら;水中のクエン酸の10wt.-%溶液を用いてスラリーのpHを5.3の値に調整すること;
i) ステップh)において得られたスラリーを、10~15℃の温度まで1時間にわたって冷却すること;
j) スラリーを15℃にて1分間攪拌下で保ちながら、0.26gのグルタルアルデヒドを添加すること。マイクロカプセルのスラリーを得るために、1時間以内でスラリーを室温まで温めること;
k) 脱イオン水で1000gに仕上げること。
【0080】
スラリーの固形分を、120℃において動作する熱天秤を使用することによって測定した。乾燥による重量変化率が0.1%/分以下になった時点で、天秤に堆積した初期スラリーの重量%で表される固形分を測定した。測定された固形分の、使用したフレグランス組成物およびカプセル化材料の重量に基づいて計算された理論固形分に対する比を、wt.-%で表されるカプセル化収率の測定値とした。
スラリーには凝集物がなく、得られたスラリーの固形分は19wt.-%であり、カプセルの体積メジアンサイズDv(50)は表2に報告され、そしてカプセル化効率は100%であった。
【0081】
例1.6において、マイクロカプセルを、例1.3におけるものと同様のプロセスによって製造し、ただし、カルボキシメチルセルロースを同じ量のアラビアゴム(CAS番号9000-01-5)で置き換えた。
スラリーには凝集物がなく、得られたスラリーの固形分はまた19wt.-%であり、カプセルの体積メジアンサイズDv(50)は52μmであり、そしてカプセル化効率は100%であった。
【0082】
例1.7において、マイクロカプセルを、例1.3におけるものと同様のプロセスによって製造し、ただし、ステップb)において150gに代えて100gの脱イオン水を使用し;かつ、ステップg)において534gに代えて584gの脱イオン水を添加した。
スラリーには凝集物がなく、得られたスラリーの固形分はまた19wt.-%であり、カプセルの体積メジアンサイズDv(50)は16μmであり、そしてカプセル化効率は100%であった。
【0083】
例1.8において、マイクロカプセルを、例1.7におけるものと同様の、ただし、カルボキシメチルセルロースが同じ量のアラビアゴム(CAS番号9000-01-5)で置き換えられた、プロセスによって得た。
スラリーには凝集物がなく、得られたスラリーの固形分はまた19wt.-%であり、カプセルの体積メジアンサイズDv(50)は16μmであり、そしてカプセル化効率は100%であった。
【0084】
例1.9~1.11において、以下のステップを実施することによってマイクロカプセルを調製した:
a) 既知(表1を参照)の量の三官能芳香脂肪族イソシアナート(Takenate N100-D、ex Mitsui Inc., 75wt.-%の活性含有量)を250gのフレグランス組成物中に溶解させることによってコア組成物を提供すること;
b) 17gのBタイプゼラチンおよび100gの脱イオン水を混合することによって水相を提供すること;
c) ゼラチンを溶解させるために、攪拌下で水相を35℃まで加熱すること;
d) 水中に分散された40~45μmの体積メジアン径Dv(50)を有するコア組成物の液滴のエマルションを得るために、ステップc)において得られた水相中にコア組成物を700rpmの攪拌速度で乳化させること;
e) ステップd)において得られたエマルションを90℃の温度まで加熱し;エマルションを90℃にて10分間維持し、それによってコア-シェルマイクロカプセルのスラリーを形成すること;
f) ステップe)において得られたエマルションを31℃の温度まで冷却すること;
g) 混合物がおよそ50℃に達したら、攪拌速度を700rpmに維持しながら、80gの脱イオン水中のカルボキシメチルセルロースの2wt.-%水溶液を、および次いで584gの脱イオン水を添加すること;
h) マイクロカプセルの表面で架橋されたゼラチン/多糖類コアセルベートを形成させるために、水中のクエン酸の10wt.-%溶液を用いてスラリーのpHを5.4の値に調整すること;
i) ステップh)において得られたスラリーを、10~15℃の温度まで1時間にわたって冷却すること;
j) スラリーを15℃にて1分間攪拌下で保ちながら、0.26gのグルタルアルデヒドを添加すること。マイクロカプセルのスラリーを得るために、1時間以内でスラリーを室温まで温めること;
k) 脱イオン水で1000gに仕上げること。
【0085】
スラリーの固形分は27.5wt.-%であり、カプセルの体積メジアンサイズDv(50)は43μmであり、そしてカプセル化効率は100%であった。
例1.10において、例1.9におけるものと同様のプロセスによって、ただし、ゼラチンの溶解後に水相へ2gのメラミンを粉末形態で添加して、マイクロカプセルを得た。スラリーの固形分は28.0wt.-%であり、カプセルの体積メジアンサイズDv(50)は47μmであり、そしてカプセル化効率は100%であった。
【0086】
例1.11において、例1.0におけるものと同様のプロセスによって、ただし、2gのメラミンを3g尿素で置き換えて、これをまたゼラチンの溶解後に水相へ粉末形態で添加して、マイクロカプセルを得た。スラリーの固形分は28.1wt.-%であり、カプセルの体積メジアンサイズDv(50)は47μmであり、そしてカプセル化効率は100%であった。
【0087】
表1: 三官能芳香脂肪族イソシアナートの濃度および使用した多糖類
【表1】
【0088】
例2:比較例
比較例2.1において、以下のステップを実施することによって、従来のコアセルベーションプロセスを適用してこれに続いて三官能芳香脂肪族イソシアナートでのおよび次いでグルタルアルデヒドでの架橋を行うことによりマイクロカプセルを得た:
a) 7gの三官能芳香脂肪族イソシアナート(Takenate N100-D, ex Mitsui Inc., 75wt.-%の活性含有量)を165gのフレグランス組成物中に溶解させることによってコア組成物を提供すること;
b) 17gのBタイプゼラチンおよび150gの脱イオン水を混合することによって水相を提供すること;
c) ゼラチンを溶解させるために、攪拌下で水相を35℃まで加熱すること;
d) 水中に分散されたコア組成物の液滴のエマルションを得るために、ステップc)において得られた水相混合物中にコア組成物を1000rpmの攪拌速度で乳化させること;
e) 攪拌速度を1000rpmに維持しながら、d)において得られたエマルションに、80gの脱イオン水中のカルボキシメチルセルロースの2wt.-%水溶液を、および次いで534gの脱イオン水を添加すること;
f) d)において得られたコア組成物の液滴の表面でゼラチン/多糖類複合コアセルベートを形成させるために攪拌スピードを600rpmに低減させながら;スラリーを35℃から31℃の温度まで冷却し、および、水中のクエン酸の10wt.-%溶液を用いてg)において形成されるスラリーのpHを5.3の値に調整すること;
g) マイクロカプセルのスラリーを得るために、スラリーをを90℃まで加熱して、エマルションをこの温度に10分間維持すること;
h) ステップg)において得られたスラリーを、10~15℃の温度まで冷却すること;
i) スラリーをこの温度にて1分間攪拌下で保ちながら、0.26gのグルタルアルデヒドを添加すること。マイクロカプセルのスラリーを得るために、1時間にわたってスラリーを室温まで温めること。
【0089】
結果としてもたらされたマイクロカプセルには凝集物がなく、カプセル化効率は100%に近く、これはスラリー中に目に見える遊離油がないことを意味し、そしてマイクロカプセルの体積メジアンサイズDv(50)は400μmであった。これらのマイクロカプセルの弱い熱安定性に起因して、固形分は測定できなかった。
【0090】
比較例2.2において、以下のステップを実施することによって、従来のコアセルベーションプロセスを適用してこれに続いてグルタルアルデヒドでの架橋のみを行うことによりマイクロカプセルを得た:
a) 165gのフレグランス組成物からなるコア組成物を提供すること;
b) 17gのBタイプゼラチンおよび150gの脱イオン水を混合することによって水相を提供すること;
c) ゼラチンを溶解させるために、攪拌下で水相を35℃まで加熱すること;
d) 水中に分散されたコア組成物の液滴のエマルションを得るために、ステップc)において得られた水相混合物中にコア組成物を1000rpmの攪拌速度で乳化させること;
e) 攪拌速度を1000rpmに維持しながら、ステップd)において得られたエマルションに、80gの脱イオン水中のカルボキシメチルセルロースの2wt.-%水溶液を、および次いで534gの脱イオン水を添加すること;
f) ステップd)において得られたコア組成物の液滴の表面でゼラチン/多糖類コアセルベートを形成させるために攪拌スピードを600rpmに低減させながら;ステップe)において得られたスラリーを35℃から31℃の温度まで冷却し、および、水中のクエン酸の10wt.-%溶液を用いてステップg)において形成されるスラリーのpHを5.3の値に調整すること;
g) ステップh)において得られたスラリーを、10~15℃の温度まで冷却すること;
h) スラリーをこの温度にて1分間攪拌下で保ちながら、0.26gのグルタルアルデヒドを添加すること。マイクロカプセルのスラリーを得るために、1時間にわたってスラリーを室温まで温めること。
【0091】
結果としてもたらされたマイクロカプセルには凝集物がなく、カプセル化効率は100%に近く、これはスラリー中に目に見える遊離油がないことを意味し、そしてマイクロカプセルの体積メジアンサイズDv(50)は250μmであった。これらのマイクロカプセルの弱い熱安定性に起因して、固形分は測定できなかった。
【0092】
例3:モデル抽出媒体におけるフレグランスの漏れの測定
モデル抽出媒体は、初期濃度30vol.-%のエタノールの水溶液の、非混和性のシクロヘキサン相との共存からなる系とした。
第1のステップにおいて、10mlのシクロヘキサンをバイアルに入れた。さらに、1.8mlの水中の30vol.-%エタノールをバイアルに添加した。平衡化後、シクロヘキサンと水との間のエタノールの分配係数が0.03であることを考慮して(A.W. Islam, A. Zavvadi, V.N. Kabadi, Chem. Process Eng. 2012, 33, 243-253を参照)、水相中のエタノールのパーセンテージは25vol.-%であり、系全体に占めるエタノールのパーセンテージは4.6vol.-%であった。
【0093】
第2のステップにおいて、査定されるスラリーを、希釈したスラリーにおけるフレグランス濃度を10wt.-%となるように希釈し、200マイクロリットルのこの希釈したスラリーをバイアルに添加した。
第3のステップにおいて、バイアルを250rpmで動作する楕円形のxy-ミキシング装置で4時間の水平混合にかけた(z方向への振とうは避けた)。
【0094】
第4のステップにおいて、抽出されたフレグランス組成物を含有する上部のシクロヘキサン相を、UV/可視光分光計を用いて分光光度的に分析した。フレグランス濃度は、吸収されたUV/可視光の強度を最大吸光波長において測定することで判断し、この最大吸収波長は、基準となる既知の濃度のフレグランス/シクロヘキサン溶液を用いてあらかじめ求めておいた。この後者の基準溶液は、抽出されたフレグランス組成物の定量化のための外部標準として使用した。漏れ値は、カプセル化されたフレグランス組成物のうち、ヘキサン相に回収されたもののパーセンテージとして定義される。
【0095】
代表的な漏れ値を、以下の表2に示す。
表2:モデル抽出媒体におけるフレグランスの漏れ
【表2】
【0096】
これらの結果から明らかなように、第1のステップにおいて5.3~10.5wt.-%の三官能芳香脂肪族イソシアナートでゼラチンを架橋させ、および第2のステップにおいて複合コアセルベーションを実施することによって得られたマイクロカプセル(例1.3~1.6)は、第1のステップにおいて複合コアセルベーションを実施することおよび複合体の架橋が第2のステップにおいて実施されることによって得られたマイクロカプセル(例2.1)よりも低いフレグランスの漏れを示した。グルタルアルデヒドでの架橋が関与する従来のゼラチン/カルボキシメチルセルロースコアセルベーションによって得られたマイクロカプセル(例2.2)は、モデル抽出媒体におけるフレグランスの漏れに対し、全く安定ではなかった。例1.7および1.8のより小さいマイクロカプセルは、モデル抽出媒体におけるより高い漏れを示すが、この漏れは、類似のサイズを有するが三官能芳香脂肪族イソシアナートがより低いカプセル(例1.1および1.2)について得られたそれよりも有意に小さい。最後に、それぞれメラミンおよび尿素を含む例1.10および1.11は、スラリーの固形分の量が約19%から約25wt.-%まで増大しているという事実にもかかわらず、より低い漏れ値を示している。
【0097】
例4:マイクロカプセルでの分解試験
例1.1~1.7のマイクロカプセルに存在するコアフレグランス組成物を、超音波浴中にてエタノールで抽出し、空のシェルをエタノールで3回洗浄した。空のシェルを次いで乾燥させ、および、OECD法301Fに従う分解試験にかけた。結果は、試験にかけられたシェルの初期重量に基づいて分解のパーセンテージで表され、表3に報告される。
【0098】
表3:OECD 301F法に従うシェル分解のパーセンテージ
【表3】
【0099】
表3から明らかなように、三官能イソシアナートの濃度を増大させることは、分解の程度を減少させる。表2と表3とを比較することは、約19wt.-%の固形分を有するスラリーに対して約5wt.-%~約25wt.-%の固形分を有するスラリーに対して約7.5wt.-%の活性な三官能イソシアナートのレベルで、安定性と分解との間の最適なバランスが満たされるということを示し、すなわち、カプセル化されたフレグランス組成物の約83.3wt.-%~約89.3wt.-%である。
【0100】
例5:嗅覚評価
例1.3、1.6、1.7、1.9、1.10、1.11、2.1および2.2において得られたコア-シェルマイクロカプセルのスラリーを、表4に示す組成を有するモデルのファブリックケアコンディショナー中へと組み込んだ。カプセル化されたフレグランス組成物のレベルは、コンディショナーの総重量に基づいて0.19wt.-%であった。コンディショナーのpHは3であった。
【0101】
【0102】
テリータオルを、フロントロード式洗濯機の濯ぎサイクルにかけた。コンディショナーの量は、1kgのタオル荷量に対して35gであり、および水の総体積は20Lであった。
調製したてのコンディショナーと37℃にて1か月間コンディショナーを経時劣化させた後のものとの両方を使用して、嗅覚評価を実施した。
この評価のため、テリータオルは、マイクロカプセルを機械的に壊す危険性を最小限に抑えるために慎重に扱った。擦る前および擦った後の嗅覚評価を、テリータオルを室温で24時間吊り干しした後で実施した。嗅覚性能(強度)は、1~5のスケール(1=ほとんど目立たない、2=弱い、3=中程度、4=強い、および5=非常に強い)上で4名の専門家のパネルによって査定された。
【0103】
結果は、表5上で報告される。
表5:新鮮な試料(t=0)と経時劣化させた試料(t=1月@37℃)の両方についての、ランドリーケアコンディショナー中の選択されたカプセル化組成物の嗅覚性能
【表5】
【0104】
表5の結果から明らかなように、例1.3、1.6、1.7、および1.9~1.11のマイクロカプセルは、従来のコアセルベーション法によって得られた比較例2.1のマイクロカプセルよりも、とくに擦った後の強度の面で、有意により良好に性能を発揮する。グルタルアルデヒドでの架橋のみが関与する従来のコアセルベーションによって得られたマイクロカプセル(比較例2.2)は、コンディショナー中において、新鮮な試料中で優位に性能を発揮するのには十分に安定でなく、そして保管の後では全く性能を発揮しなかった。
【0105】
結果は、例1.7のマイクロカプセルが、モデル抽出媒体における漏れ(表2)に対して安定性がより低くても、より大きなマイクロカプセルよりも良好に性能を発揮する(他のすべてのパラメータは一定である)ということもまたさらに示す。系中に存在するマイクロカプセルの数の増大およびそれに関連してファブリックへのマイクロカプセルの堆積の可能性がより高いことによって、より高い漏れがそれを超えて補償されているということが推測される。
【国際調査報告】