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特表2023-527842高エネルギー密度を有するリチウムイオン電池
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-30
(54)【発明の名称】高エネルギー密度を有するリチウムイオン電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/052 20100101AFI20230623BHJP
   H01M 10/0585 20100101ALI20230623BHJP
   H01M 10/0587 20100101ALI20230623BHJP
   H01M 50/531 20210101ALI20230623BHJP
   H01M 50/107 20210101ALI20230623BHJP
   H01M 50/545 20210101ALI20230623BHJP
   H01M 50/56 20210101ALI20230623BHJP
   H01M 50/566 20210101ALI20230623BHJP
   H01M 50/536 20210101ALI20230623BHJP
   H01M 50/186 20210101ALI20230623BHJP
   H01M 50/179 20210101ALI20230623BHJP
   H01M 50/152 20210101ALI20230623BHJP
【FI】
H01M10/052
H01M10/0585
H01M10/0587
H01M50/531
H01M50/107
H01M50/545
H01M50/56
H01M50/566
H01M50/536
H01M50/186
H01M50/179
H01M50/152
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022573154
(86)(22)【出願日】2021-05-17
(85)【翻訳文提出日】2023-01-20
(86)【国際出願番号】 EP2021062999
(87)【国際公開番号】W WO2021239492
(87)【国際公開日】2021-12-02
(31)【優先権主張番号】20177599.6
(32)【優先日】2020-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502350250
【氏名又は名称】ヴァルタ マイクロバッテリー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】110000109
【氏名又は名称】弁理士法人特許事務所サイクス
(72)【発明者】
【氏名】ポンペツキー マルクス
(72)【発明者】
【氏名】ゴットシャルク ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】エンスリング ダーヴィト
(72)【発明者】
【氏名】エルマー マルティン
【テーマコード(参考)】
5H011
5H029
5H043
【Fターム(参考)】
5H011AA09
5H011CC06
5H011DD13
5H011DD14
5H011EE02
5H011EE04
5H011FF02
5H029AJ03
5H029AJ06
5H029AJ14
5H029AK01
5H029AK03
5H029AL07
5H029AL08
5H029AL11
5H029AM03
5H029AM04
5H029AM07
5H029BJ02
5H029BJ12
5H029BJ14
5H029CJ05
5H029CJ13
5H029DJ02
5H029DJ03
5H029DJ05
5H029EJ01
5H029HJ12
5H043AA19
5H043BA19
5H043CA03
5H043CA12
5H043CA13
5H043DA03
5H043DA09
5H043EA08
5H043EA11
5H043HA11E
5H043JA01E
5H043JA02D
5H043KA01D
5H043LA21E
(57)【要約】
本発明は、アノード(120)/セパレータ(118)/カソード(130)の配列を有するストリップ状電極-セパレータ複合体(104)を含むリチウム-イオン電池(100)であって、アノード(120)及びカソード(130)が、第1及び第2の長手方向縁部(110e、115e)並びに2つの末端部を有するそれぞれのストリップ状集電体(110、115)を有し、集電体の各々が、それぞれの電極材料(123、125)で作製された層を載せられたストリップ状主領域(122、116)、及び第1の長手方向縁部(110e、115e)に沿って延び、電極材料を載せられていない自由縁部ストリップ(121、117)を有する、リチウム-イオン電池(100)に関する。複合体(104)は2つの末端端面を有する巻回体の形態で提供されるか、又は2つ以上の同一の電極-セパレータ複合体で作製され、2つの末端面を同様に有するスタックの部分であり、任意選択的に、スタックの追加の同一の電極-セパレータ複合体と共に、ハウジングによって封入されている。アノード(120)及びカソード(130)は、アノード集電体の第1の長手方向縁部(110e)がスタックの一方の末端端面又は面から出、カソード集電体の第1の長手方向縁部(115e)がスタックの他方の末端端面又は面から出るよう、複合体(104)内で互いに対して設計され、及び/又は配置されている。電池(100)は、第1の長手方向縁部(110e、115e)のうちの一方と直接接触し、溶接プロセスによって該長手方向縁部に接続されたシート金属コンタクト部分(101a、102、155)を含む。本発明によれば、ハウジングの部分(101a)がシート金属コンタクト部分として形成されるか、又はシート金属コンタクト部分(102、155)がハウジングの部分を形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リチウムイオン電池(100)であって、以下の特徴、
a. 前記電池が、配列アノード(120)/セパレータ(118)/カソード(130)を有するリボン状電極-セパレータアセンブリ(104)を含むことと、
b. 前記アノード(120)が、第1の長手方向縁部(110e)、及び第2の長手方向縁部、並びに2つの端部を有するリボン状アノード集電体(110)を含むことと、
c. 前記アノード集電体(110)が、負電極材料(123)の層を載せられたストリップ状主領域(122)、及び前記電極材料(123)を載せられていない前記第1の長手方向縁部(110e)に沿って延びた自由縁部ストリップ(121)を含むことと、
d. 前記カソード(130)が、第1の長手方向縁部(115e)、及び第2の長手方向縁部、並びに2つの端部を有するリボン状カソード集電体(115)を含むことと、
e. 前記カソード集電体(115)が、正電極材料(125)の層を載せられたストリップ状主領域(116)、及び前記電極材料(125)を載せられていない前記第1の長手方向縁部(115e)に沿って延びた自由縁部ストリップ(117)を有することと、
f. 前記電極-セパレータアセンブリ(104)が、2つの末端端面を有する巻回体の形態のものであるか、又は2つ以上の同一の電極-セパレータアセンブリ(104)で形成され、2つの末端面を有するスタックの部分であることと、
g. 前記電極-セパレータアセンブリ(104)が、場合によっては、前記スタックの他の同一の電極-セパレータアセンブリと共に、ハウジング内に封入されていることと、
h. 前記アノード(120)及び前記カソード(130)が、前記アノード集電体(110)の前記第1の長手方向縁部(110e)が前記スタックの前記末端端面又は面のうちの一方から突出し、前記カソード集電体(115)の前記第1の長手方向縁部(115e)が前記スタックの前記末端端面又は面のうちの他方から突出するよう、前記電極-セパレータアセンブリ(104)内で互いに対して形成され、及び/又は配置されていることと、
i. 前記電池が、前記第1の長手方向縁部(110e、115e)のうちの一方が直接接触したコンタクトシート金属部材(101a、102、155)を含むことと、
j. 前記コンタクトシート金属部材(101a、102、155)が溶接によって前記長手方向縁部(110e、115e)に接続されていることと、
さらなる特色的特徴、
k. 前記ハウジングの部分(101a)が前記コンタクトシート金属部材の役割を果たし、及び/又は前記コンタクトシート金属部材(102、155)が、前記電極-セパレータアセンブリ(104)を封入する前記ハウジングの部分を形成すること、
を有するリチウムイオン電池(100)。
【請求項2】
以下のさらなる特徴、
a. 前記ハウジングが、底部(101a)、及び周側壁(101b)、及び開口部を有するカップ状の第1のハウジング部分(101)、並びに前記開口部を閉鎖する第2のハウジング部分(102)を含むことと、
b. 前記コンタクトシート金属部材が前記第1のハウジング部分(101)の前記底部(101a)であることと、
を有する、請求項1に記載の電池。
【請求項3】
以下のさらなる特徴、
a. 前記電池(100)が、前記アノード集電体(110)の前記第1の長手方向縁部(110e)が直接接触し、この長手方向縁部(110e)が溶接によって接続されたコンタクトシート金属部材(101a)を有することと、
b. 前記電池(100)が、前記カソード集電体(115)の前記第1の長手方向縁部(115e)が直接接触し、この長手方向縁部(115e)が溶接によって接続されたコンタクトシート金属部材(105)を含むことと、
c. 前記コンタクトシート金属部材のうちの一方が前記第1のハウジング部分(101)の前記底部(101a)であることと、
d. 前記コンタクトシート金属部材のうちの他方(105)が電気導体(107)によって前記第2のハウジング部分(102)に接続されていることと、
e. 前記電池(100)が、前記第1のハウジング部分(101)及び前記第2のハウジング部分(102)を互いに電気的に隔離する電気的シール(103)を含むことと、
を有する、請求項2に記載の電池。
【請求項4】
以下のさらなる特徴、
a. 前記電池(100)が、前記アノード集電体(110)の前記第1の長手方向縁部(110e)が直接接触し、この長手方向縁部(110e)が溶接によって接続されたコンタクトシート金属部材(101a)を有することと、
b. 前記電池(100)が、前記カソード集電体(115)の前記第1の長手方向縁部(115e)が直接接触し、この長手方向縁部(115e)が溶接によって接続されたコンタクトシート金属部材(105)を含むことと、
c. 前記コンタクトシート金属部材のうちの一方が前記第1のハウジング部分(101)の前記底部(101a)であることと、
d. 前記第2のハウジング部分(102)が前記第1のハウジング部分(101)の前記開口部内に溶接されており、電気導体(108)が前記ハウジングの外部へ導かれるポールブッシングを含むことと、
e. 前記コンタクトシート金属部材のうちの他方(105)がこの電気導体(108)に電気接続されていることと、
を有する、請求項2に記載の電池。
【請求項5】
以下のさらなる特徴、
a. 前記電池(100)が、前記アノード集電体(110)の前記第1の長手方向縁部(110e)が直接接触し、この長手方向縁部(110e)が溶接によって接続されたコンタクトシート金属部材(101a)を有することと、
b. 前記電池(100)が、前記カソード集電体(115)の前記第1の長手方向縁部(115e)が直接接触し、この長手方向縁部(115e)が溶接によって接続されたコンタクトシート金属部材(102)を含むことと、
c. 前記コンタクトシート金属部材のうちの一方が前記第1のハウジング部分(101)の前記底部(101a)であることと、
d. 前記コンタクトシート金属部材のうちの他方が前記第2のハウジング部材(102)であることと、
e. 前記電池(100)が、前記第1のハウジング部分(101)及び前記第2のハウジング部分(102)を互いに電気的に隔離する電気的シール(103)を含むことと、
を有する、請求項2に記載の電池。
【請求項6】
以下のさらなる特徴、
a. 前記ハウジングが、2つの末端開口部を有する管状の第1のハウジング部分(101)、前記開口部のうちの一方を閉鎖する第2のハウジング部分(102)、及び前記開口部のうちの他方を閉鎖する第3のハウジング部分(155)を含むことと、
b. 前記コンタクトシート金属部材が前記第2のハウジング部分(102)又は前記第3のハウジング部分(155)であることと、
を有する、請求項1に記載の電池。
【請求項7】
以下のさらなる特徴、
a. 前記電池(100)が、前記アノード集電体(110)の前記第1の長手方向縁部(110e)が直接接触し、この長手方向縁部(110e)が溶接によって接続されたコンタクトシート金属部材(155)を有することと、
b. 前記電池(100)が、前記カソード集電体(115)の前記第1の長手方向縁部(115e)が直接接触し、この長手方向縁部(115e)が溶接によって接続されたコンタクトシート金属部材(105)を含むことと、
c. 前記コンタクトシート金属部材のうちの一方(155)が前記第1のハウジング部分(101)の前記末端開口部のうちの一方の内部に溶接されており、前記第2のハウジング部分であることと、
d. 前記第3のハウジング部分(102)が前記第1のハウジング部分の前記末端開口部のうちの他方の内部に溶接されており、電気導体(108)が前記ハウジングの外部へ導かれるポールブッシングを含むことと、
e. 前記コンタクトシート金属部材のうちの他方(105)がこの電気導体(108)に電気接続されていることと、
を有する、請求項6に記載の電池。
【請求項8】
以下のさらなる特徴、
a. 前記電池が、前記アノード集電体の前記第1の長手方向縁部が直接接触し、この長手方向縁部が溶接によって接続されたコンタクトシート金属部材を有することと、
b. 前記電池が、前記カソード集電体の前記第1の長手方向縁部が直接接触し、この長手方向縁部が溶接によって接続されたコンタクトシート金属部材を有することと、
c. 前記コンタクトシート金属部材のうちの一方が前記第1のハウジング部分の前記末端開口部のうちの一方の内部に溶接されており、前記第2のハウジング部分であることと、
d. 前記コンタクトシート金属部材のうちの他方が、前記第1のハウジング部分の前記端部開口部のうちの他方を閉鎖する第3のハウジング部分であり、シールによって前記第1のハウジング部分から絶縁されていることと、
を有する、請求項6に記載の電池。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の特徴を有する電池(100)を製造する方法であって、以下のステップ、
a. アノード集電体(110)の第1の長手方向縁部(110e)及びカソード集電体(115)の第1の長手方向縁部(115e)が突出した末端面又は端面を有する電極-セパレータアセンブリ(104)を提供することと、
b. 前記第1の長手方向縁部(110e、115e)のうちの一方と電気的に接触するためのコンタクトシート金属部材(155、101a、102)を提供することと、
c. この長手方向縁部(110e、115e)を前記コンタクトシート金属部材(155、101a、102)に溶接することと、
を含み、
d. 前記電極-セパレータアセンブリ(104)を封入するハウジング部分(101a)の部分が前記コンタクトシート金属部材(101a)の役割を果たすか、又は前記コンタクトシート金属部材(155、102)が少なくとも1つのさらなるハウジング部分(101)に接続され、前記電極-セパレータアセンブリ(104)を封入するハウジングを形成する、方法。
【請求項10】
以下のさらなるステップ及び/又は特徴、
a. 底部(101a)、及び周囲側壁、及び開口部を有するカップ状の第1のハウジング部分(101)が提供されることと、
b. 前記電極-セパレータアセンブリ(104)が、前記アノード集電体(110)の前記第1の長手方向縁部(110e)又は前記カソード集電体の前記第1の長手方向縁部が前記底部(101a)と直接接触するまで前記カップ状ハウジング(101)内に挿入されることと、
c. この長手方向縁部(110e)を前記第1のハウジング部分(101)の前記底部(101a)に溶接することと、
d. 第2の、好ましくは円形のハウジング部分(102)を用いて前記第1のハウジング部分(101)の前記開口部を閉鎖することと、
を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
以下のさらなるステップ及び/又は特徴、
a. 前記電極-セパレータアセンブリ(104)が提供されることと、
b. 前記コンタクトシート金属部材(155)が前記電極集電体(110)の前記第1の長手方向縁部(110e)と直接接触させられ、この長手方向縁部(110e)に溶接されることと、
c. 前記コンタクトシート金属部材(105)が前記カソード集電体(115)の前記第1の長手方向縁部(115e)と直接接触させられ、この長手方向縁部(115e)に溶接されることと、
d. 2つの端面開口部を有する管状の第1のハウジング部分(101)が提供されることと、
e. 前記電極-セパレータアセンブリ(104)が前記端面開口部のうちの一方を通して前記管状の第1のハウジング部分(101)内に挿入されることと、
f. 前記コンタクトシート金属部材のうちの一方(155)が第2のハウジング部分として前記第1のハウジング部分(101)の前記端面のうちの一方の内部に溶接されることと、
g. 電気導体(108)が前記ハウジングの外部へ導かれ得るポールブッシングを含む第3のハウジング部分(102)が、前記第1のハウジング部分(101)の前記端面のうちの他方の内部に溶接されることと、
を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
以下のさらなるステップ及び/又は特徴、
a. 前記ハウジング部分(101、102)のうちの一方の内部の孔(109)を通して前記ハウジングに電解液を充填することと、
b. 前記孔(109)が、溶接、接着、リベット留め、又ははんだ付けによって充填後に閉鎖されることと、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項9~11のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
後述される本発明は、電極-セパレータアセンブリを含むリチウムイオン電池に関する。
【背景技術】
【0002】
電気化学電池は、蓄積された化学エネルギーを酸化還元反応によって電気エネルギーに変換する能力を有する。電気化学電池は、概して、セパレータによって互いに分離された正電極及び負電極を含む。放電中には、電子が酸化プロセスの結果として負電極において放出される。これは、電気化学電池がエネルギー供給器の役割を果たす外部電力消費機器によって引き出され得る電子電流を生じさせる。同時に、電極反応に対応するイオン電流が電池内で発生する。このイオン電流はセパレータを通り抜け、イオン伝導性電解液によって可能にされる。
【0003】
放電が可逆である場合には、電池は、二次電池であると言われる。これは、放電の間に行われた化学エネルギーの変換を逆転させ、それゆえ、電池を充電する可能性があることを意味する。二次電池における慣例である、アノードとしての負電極の呼称、及びカソードとしての正電極の呼称は、電気化学電池の放電機能を指す。
【0004】
広く用いられている二次リチウムイオン電池は、イオンの形態で電池の電極の間を移動することができる、リチウムの使用に基づく。リチウムイオン電池は、比較的高いエネルギー密度によって特徴付けられる。リチウムイオン電池の負電極及び正電極は、概して、電気化学的活性構成要素及び電気化学的非活性構成要素を含む、いわゆる複合電極によって形成される。
【0005】
原理的に、リチウムイオンを吸収及び放出することができる全ての材料を二次リチウムイオン電池のための電気化学的活性構成要素(活物質)として用いることができる。負電極のためには、黒鉛質炭素などの炭素ベースの粒子がしばしば用いられる。リチウムのインターカレーションのために適した他の非黒鉛質炭素を用いることもできる。加えて、リチウムと合金化され得る金属及び半金属材料を用いることもできる。例えば、元素、スズ、アルミニウム、アンチモン、及びケイ素がリチウムと金属間相を形成することができる。例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO)、マンガン酸リチウム(LiMn)、チタン酸リチウム(LiTi12)、又はリン酸鉄リチウム(LiFePO)、或いはそれらの派生物を正電極のための活物質として用いることができる。電気化学的活物質は、概して、電極内に粒子の形態で含有される。
【0006】
電気化学的不活性構成要素として、複合電極は、概して、活物質で被覆された、平坦な、及び/又はリボン状の集電体、例えば、金属箔を含む。例えば、負電極(アノード集電体)のための集電体は銅又はニッケルで形成され得、正電極(カソード集電体)のための集電体はアルミニウムで形成され得る。さらに、電極は、電極バインダ(例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、又はカルボキシメチルセルロースなどの、別のポリマー)を含むことができる。これは、電極の機械的安定性、及び多くの場合、また、集電体への活物質の付着を確実にする。さらに、電極は伝導性向上添加材又は他の添加材を含有することができる。
【0007】
電解液として、リチウムイオン電池は、概して、有機溶媒(例えば、炭酸のエーテル及びエステル)中の六フッ化リン酸リチウム(LiPF)などのリチウム塩の溶液を含む。
【0008】
リチウムイオン電池の生産において、複合電極は1つ以上のセパレータと組み合わせられ、アセンブリを形成する。多くの場合、電極及びセパレータは貼り合わせ又は接着によって互いに接合される。次に、アセンブリに電解液を含浸させることによって電池の基本的機能性を確立することができる。
【0009】
多くの実施形態では、アセンブリは平坦であり、このため、いくつかのアセンブリを互いの上に平坦に積み重ねることができる。しかし、非常に多くの場合、アセンブリは巻回体の形状で形成されるか、又は巻回体に加工される。
【0010】
概して、アセンブリは、巻回されるか否かにかかわらず、配列、正電極/セパレータ/負電極を含む。多くの場合、アセンブリは、可能な配列、負電極/セパレータ/正電極/セパレータ/負電極、又は正電極/セパレータ/負電極/セパレータ/正電極を有する、いわゆるバイセルとして生産される。
【0011】
自動車部門における適用のため、電動自転車のため、又はまた、工具などにおける、高エネルギー要求を有する他の適用のためには、充電及び放電の間に高電流を負荷される能力も有する、可能な限り高いエネルギー密度を有するリチウムイオン電池が必要とされる。このような電池が、例えば、国際公開第2017/215900(A1)号パンフレットに記載されている。
【0012】
これらの適用のための電池は、多くの場合、例えば、フォームファクタ21×70(直径*高さ(mm単位))を有する円筒形円形電池として設計される。この種の電池は巻回体の形態のアセンブリを必ず含む。このフォームファクタの最新のリチウムイオン電池はすでに、最大270Wh/kgのエネルギー密度を達成することができる。しかし、このエネルギー密度は単なる中間段階と考えられているにすぎない。市場はすでに、よりいっそう高いエネルギー密度を有する電池を要求している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかし、改善されたリチウムイオン電池を開発するときには、単にエネルギー密度以外に考慮すべき因子が存在する。極めて重要なパラメータは、また、充電及び放電中の電力損失を低減するためにできるだけ低く保たれなければならない、電池の内部抵抗、並びに電池の温度調節のために肝要になり得る、電極の熱的接続である。これらのパラメータはまた、巻回体の形態のアセンブリを包含する円筒形円形電池のためにも非常に重要である。電池が高速充電される際には、電力損失のゆえに発熱が電池内で生じ得、これが、膨大な熱機械的応力、並びにその後、変形及び損傷を電池構造にもたらし得る。リスクは、特に、集電体の電気接続が、巻回されたアセンブリから軸方向に突出した、集電体に溶接された別個の電気導体タブを介して行われる場合に存在する。なぜなら、充電又は放電中の重負荷の間に加熱がこれらの導体タブにおいて局所的に生じ得るからである。
【0014】
本発明の目的は、従来技術と比べて改善されたエネルギー密度によって特徴付けられ、同時に、それらの内部抵抗及びそれらの受動的熱放散能力に関して優れた特性を有するリチウムイオン電池を提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この目的は、請求項1の特徴を有するリチウムイオン電池及び請求項9の特徴を有する方法によって達成される。この電池及びこの方法の好ましい実施形態も従属請求項から明らかになるであろう。
【0016】
本発明に係るリチウムイオン電池は、直後に示す特徴a.~i.によって常に特徴付けられる:
a. 電池が、配列、アノード/セパレータ/カソードを有するリボン状電極-セパレータアセンブリを含むこと。
b. アノードが、第1及び第2の長手方向縁部、並びに2つの端部を有するリボン状アノード集電体を含むこと。
c. アノード集電体が、負電極材料の層を載せられたストリップ状主領域、及び電極材料を載せられていない第1の長手方向縁部に沿って延びた自由縁部ストリップを有すること。
d. カソードが、第1及び第2の長手方向縁部、並びに2つの端部を有するリボン状カソード集電体を含むこと。
e. カソード集電体が、正電極材料の層を載せられたストリップ状主領域、及び第1の長手方向縁部に沿って延び、電極材料を載せられていない自由縁部ストリップを有すること。
f. 電極-セパレータアセンブリが、2つの末端端面を有する巻回体の形態のものであるか、又は2つ以上の同一の電極-セパレータアセンブリから形成され、2つの末端面を有するスタックの部分であること。
g. 電極-セパレータアセンブリが、場合によっては、スタックの他の同一の電極-セパレータアセンブリと共に、ハウジング内に封入されていること。
h. アノード及びカソードが、アノード集電体の第1の長手方向縁部がスタックの末端端面又は面(terminal end faces or sides)のうちの一方から突出し、カソード集電体の第1の長手方向縁部が末端端面又は面のうちの他方から突出するよう、電極-セパレータアセンブリ内で互いに対して形成され、及び/又は配置されていること。
i. 電池が、好ましくは長手方向に、第1の長手方向縁部のうちの一方と直接接触したコンタクトシート金属部材を有すること。
j. コンタクトシート金属部材が溶接によってこの長手方向縁部に接続されていること。
【0017】
特に好ましくは、電池は2つのコンタクトシート金属部材を含み、そのうちの一方はアノード集電体の第1の長手方向縁部と直接接触しており、そのうちの他方はカソード集電体の第1の長手方向縁部と直接接触しており、コンタクトシート金属部材、及びそれと接触した長手方向縁部は各々、溶接によって互いに接続されている。
【0018】
集電体は、電極材料内に含有される電気化学的活性構成要素とできるだけ大きな面積にわたって電気的に接触する機能を有する。好ましくは、集電体は金属から成るか、又は少なくとも、表面上で金属化されている。アノード集電体のために適した金属は、例えば、銅又はニッケル、或いは他の導電性材料、特に、銅及びニッケルの合金、或いはニッケルで被覆された金属である。ステンレス鋼もまた、一般的に、可能性のあるものである。カソード集電体のために適した金属としては、アルミニウム、又は他の導電性材料、特に、アルミニウム合金が挙げられる。
【0019】
好ましくは、アノード集電体及び/又はカソード集電体は、4μm~30μmの範囲内の厚さを有するリボン状金属箔である。
【0020】
フィルムに加えて、金属若しくは金属化不織布又は開気孔発泡体などの他のリボン状基材を集電体として用いることもできる。
【0021】
集電体は、好ましくは、両側でそれぞれの電極材料を載せられている。
【0022】
自由縁部ストリップの区域内では、それぞれの集電体の金属にそれぞれの電極材料が含まれない。好ましくは、それぞれの集電体の金属はそこでは被覆されておらず、これにより、それは、例えば、溶接による、電気接触のために利用可能である。
【0023】
しかし、実施形態によっては、自由縁部ストリップの区域内のそれぞれの集電体の金属も、それで被覆された集電体よりも耐熱性が高い支援材料で被覆され得る。
【0024】
「より耐熱性が高い」は、ここでは、支援材料が、集電体の金属が融解する温度で固体の状態を保持することを意味するべきである。したがって、それは、金属よりも高い融点を有するか、或いはそれは、金属がすでに融解した温度においてのみ昇華又は分解する。
【0025】
好ましくは、アノード集電体及びカソード集電体は両方とも、それぞれの電極材料を載せられていない少なくとも1つの自由縁部ストリップを各々有する。さらなる発展では、アノード集電体の少なくとも1つの自由縁部ストリップ及びカソード集電体の少なくとも1つの自由縁部ストリップは両方とも支援材料で被覆されていることが好ましい。特に好ましくは、同じ支援材料が領域の各々のために用いられる。
【0026】
本発明の文脈で用いることができる支援材料は、原理的に、金属又は金属合金であることができる。ただし、これ又はこれらが、支援材料で被覆された表面が成る金属よりも高い融点を有することを条件とする。しかし、多くの実施形態では、本発明に係るリチウムイオン電池は、好ましくは、直後に示すさらなる特徴a.~d.のうちの少なくとも1つによって特徴付けられる:
a. 支援材料が非金属材料であること。
b. 支援材料が電気絶縁材料であること。
c. 非金属材料が、セラミック材料、ガラス-セラミック材料、又はガラスであること。
d. セラミック材料が、酸化アルミニウム(Al)、酸化チタン(TiO)、窒化チタン(TiN)、窒化チタンアルミニウム(TiAlN)、又は炭窒化チタン(TiCN)であること。
【0027】
本発明によれば、支援材料は、特に好ましくは、直前に示した特徴b.に従って、及び特に好ましくは、直前に示した特徴d.に従って具現される。
【0028】
用語、非金属材料は、特に、プラスチック、ガラス、及びセラミック材料を含む。
用語、電気絶縁材料は本文脈において広義に理解されるべきである。原理的に、それは、任意の電気絶縁材料、特に、同じく、前述のプラスチックを含む。
用語、セラミック材料は広義に理解されるべきである。特に、それは、炭化物、窒化物、酸化物、ケイ化物、或いはこれらの化合物の混合物又は派生物を含む。
用語「ガラス-セラミック材料」は、特に、非晶質ガラス相内に組み込まれた結晶性粒子を含む材料を意味する。
用語「ガラス」は、基本的に、以上において定義された熱的安定性のための基準を満たし、電池内に存在し得る電解液に対して化学的に安定した任意の無機ガラスを意味する。
【0029】
特に好ましくは、アノード集電体は銅又は銅合金から成り、その一方で、同時に、カソード集電体はアルミニウム又はアルミニウム合金から成り、支援材料は酸化アルミニウム又は酸化チタンである。
【0030】
アノード及び/又はカソード集電体の自由縁部ストリップが支援材料のストリップで被覆されていることがさらに好ましくなり得る。
【0031】
アノード集電体及びカソード集電体のストリップ状主領域は、好ましくは、集電体のそれぞれの長手方向縁部と平行に延びている。好ましくは、ストリップ状主領域は、アノード集電体及びカソード集電体の表面の少なくとも90%にわたって、特に好ましくは、少なくとも95%にわたって広がっている。
【0032】
好ましい実施形態によっては、支援材料はストリップ状主領域に隣接して適用されるが、自由領域を完全に覆わない。例えば、それは、それがそれぞれの縁部ストリップを部分的にのみ覆うよう、アノード及び/又はカソード集電体の長手方向縁部に沿ったストリップ又は線の形態で適用される。この長手方向縁部に直接沿って、自由縁部ストリップの細長部分が被覆されずに残ることができる。
特に好ましくは、本発明に係るリチウムイオン電池は二次リチウムイオン電池である。基本的に、リチウムイオン電池のために知られた全ての電極材料をそれらのアノード及びカソードのために用いることができる。
【0033】
負電極においては、好ましくは同じく粒子の形態の、リチウムをインターカレートする能力を有する黒鉛質炭素又は非黒鉛質炭素材料などの炭素ベースの粒子が、好ましくは、活物質として用いられる。代替的に、又は加えて、チタン酸リチウム(LiTi12)、並びにまた、リチウムと合金化可能である金属及び半金属材料、例えば、リチウムと金属間相を形成する能力を有する、元素、スズ、アンチモン、及びケイ素を用いることができる。これらの物質もまた、好ましくは、粒子の形態で用いられる。正電極のためには、LiCoO及びLiFePOなどのリチウム金属酸化物化合物及びリチウム金属リン酸塩化合物を活物質として考慮することができる。さらに、化学式LiNiMnCo(ここで、x+y+zは、通例、1である)を有するリチウムニッケルマンガンコバルト酸化物(NMC)、化学式LiMnを有するリチウムマンガンスピネル(LMO)、又は化学式LiNiCoAl(ここで、x+y+zは、通例、1である)を有するリチウムニッケルコバルトアルミニウム酸化物(NCA)が特に適している。これらの派生物、例えば、化学式Li1.11(Ni0.40Mn0.39Co0.16Al0.050.89を有するリチウムニッケルマンガンコバルトアルミナ(NMCA)、又はLi1+xM-O化合物、並びに/或いは言及された物質の混合物を用いることもできる。
【0034】
電気化学的不活性構成要素として、電極材料は、例えば、電極バインダ及び導電剤を含有し得る。粒子状活物質は、好ましくは、電極バインダの母材内に組み込まれ、母材内の隣接粒子は、好ましくは、互いに直接接触している。導電剤は、電極の導電率を増大させる機能を有する。一般的な電極バインダは、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリル酸塩、又はカルボキシメチルセルロースに基づく。一般的な導電剤はカーボンブラック及び金属粉末である。
【0035】
さらに、電池は、好ましくは、特に、有機溶媒中に(例えば、有機炭酸塩の混合物中に)溶解した、六フッ化リン酸リチウムなどの少なくとも1種のリチウム塩に基づく、電解液を含む。
【0036】
セパレータは、例えば、例として、それが微小孔を有するため、電解液によって透過され得る電気絶縁性プラスチックフィルムである。フィルムは、例えば、ポリオレフィン又はポリエーテルケトンで作製することができる。このようなプラスチック材料で作製されたフリース及び布材をセパレータとして用いることもできる。
電極-セパレータアセンブリの製造においては、通常、反対の極性を有する集電体が一方の側から突出しないことを確実にするために注意が払われる。なぜなら、これは短絡のリスクを増大させ得るからである。しかし、上述されたアノード及びカソードの配置では、反対の極性を有する集電体が巻回体又はスタックの反対の端面から突出するため、短絡のリスクが最小限に抑えられる。
【0037】
この配置からもたらされる集電体の突出は、対応する電流導体によって好ましくはそれらの全長にわたってそれらと接触することによって利用され得る。本発明によれば、上述のコンタクトシート金属部材は電流導体の役割を果たす。このような電気接触は、本発明に係る電池内の内部抵抗を著しく低減する。それゆえ、上述された配置は大電流の発生を非常にうまく吸収することができる。内部抵抗が最小限に抑えられることによって、高電流における熱損失が低減される。加えて、巻回された電極-セパレータアセンブリからの熱エネルギーの放散が促進される。重負荷の場合には、加熱は局所的に発生せず、均等に分散する。
【0038】
本発明に係るリチウムイオン電池のハウジングは、好ましくは、電極-セパレータアセンブリ、又は同一の電極-セパレータアセンブリのスタックを気密的及び/又は液密的に封入する。
【0039】
コンタクトシート金属部材が用いられるときには、概して、コンタクトシート金属部材をハウジングに、又はハウジングの外部へ導かれる電気導体に電気接続することが必要である。例えば、コンタクトシート金属部材は上述のハウジング部分に直接、又は電気導体を介して接続され得る。
【0040】
電極-セパレータアセンブリが2つ以上の同一の電極-セパレータアセンブリのスタックの部分である場合には、同一の電極-セパレータアセンブリは、それらのアノード集電体の長手方向縁部、及びそれらのカソード集電体の長手方向縁部がスタックの同じ側から突出するよう、スタック内で配置されている。このように、全てのアノード集電体及び全てのカソード集電体を同時に同じコンタクトシート金属部材と電気的に接触させることができる。
【0041】
本発明に係る電池は、特に、直後に示す特徴jによって特徴付けられる:
j. ハウジングの部分がコンタクトシート金属部材の役割を果たし、及び/又はコンタクトシート金属部材が、電極-セパレータアセンブリを封入するハウジングの部分を形成すること。
【0042】
この設計は特に有利である。一方では、それは熱放散の観点から最適である。巻回体内で発生された熱は長手方向縁部を介してハウジングへ直接放散され得る。他方では、所与の外部寸法を有するハウジングの内部容積をこのようにほぼ最適に利用することができる。各々の別個のコンタクトシート金属部材、及びコンタクトシート金属部材をハウジングに接続するための各々の別個の電気導体はハウジング内の空間を必要とし、電池の重量に寄与する。このような別個の構成要素が省かれた場合には、この空間は活物質のために利用可能である。このように、本発明に係る電池のエネルギー密度をさらに増大させることができる。
【0043】
本発明の第1の変形例では、本発明に係る電池は、直後に示す特徴a.及びb.のうちの少なくとも1つによって、特に好ましくは、2つの特徴の組み合わせによって特徴付けられる:
a. ハウジングが、底部、及び周側壁、及び開口部を有するカップ状の第1のハウジング部分、並びに開口部を閉鎖する第2のハウジング部分を含むこと。
b. コンタクトシート金属部材が第1のハウジング部分の底部であること。
【0044】
ハウジングは、好ましくは、円筒形又は角柱形である。カップ状の第1のハウジング部分は、好ましくは、円形又は矩形断面を有し、第2のハウジング部分、及び第1のハウジング部分の底部は、好ましくは、円形又は矩形である。
【0045】
電極-セパレータアセンブリが、2つの末端端面を有する巻回体の形態のものである場合には、ハウジングは、好ましくは、円筒形である。電極-セパレータアセンブリが2つ以上の同一の電極-セパレータアセンブリのスタックの部分である場合には、ハウジングは、好ましくは、角柱形である。
【0046】
ハウジングが円筒形である場合には、それは、概して、円筒形ハウジングシェル、並びに円形上部部分及び円形下部部分を含み、これにより、本変形例では、第1のハウジング部分はハウジングシェル及び円形下部部分を含み、その一方で、第2のハウジング部分は円形上部部分に対応する。円形上部部分及び/又は円形下部部分はコンタクトシート金属部材の役割を果たすことができる。
【0047】
ハウジングが角柱形である場合には、このとき、ハウジングは、概して、いくつかの矩形側壁、並びに多角形、特に、矩形上部部分、及び多角形、特に、矩形下部部分を含み、これにより、本変形例では、第1のハウジング部分は側壁及び多角形下部部分を含み、その一方で、第2のハウジング部分は円形多角形上部部分に対応する。上部部分及び/又は下部部分はコンタクトシート金属部分の役割を果たすことができる。
【0048】
第1及び第2のハウジング部分は両方とも、好ましくは、導電性材料、特に、金属材料から成る。ハウジング部分は、例えば、ニッケルめっき鋼板から、又は合金若しくは非合金アルミニウムから成ることができる。
【0049】
第1の変形例の好ましいさらなる発展では、本発明に係る電池は、直後に示す特徴a.~e.のうちの少なくとも1つによって、好ましくは、直前に示した特徴a.~e.の組み合わせによって特徴付けられる:
a. 電池が、アノード集電体の第1の長手方向縁部が、好ましくは長手方向に、直接接触し、この長手方向縁部が溶接によって接続されたコンタクトシート金属部材を有すること。
b. 電池が、カソード集電体の第1の長手方向縁部が、好ましくは長手方向に、直接接触し、この長手方向縁部が溶接によって接続されたコンタクトシート金属部材を有すること。
c. コンタクトシート金属部材のうちの一方が第1のハウジング部分の底部であること。
d. コンタクトシート金属部材のうちの他方が電気導体によって第2のハウジング部分に接続されていること。
e. 電池が、第1及び第2のハウジング部分を互いに電気的に隔離するシールを含むこと。
【0050】
本実施形態では、従来のハウジング部分を、電極-セパレータアセンブリを封入するために用いることができる。底部と電極-セパレータアセンブリとの間に配置された電気導体のために空間が無駄にされない。別個のコンタクトシート金属部材が底部において必要とされない。ハウジングを閉鎖するために、電気絶縁シールを第2のハウジング部分の一方の縁部に取り付けることができる。第2のハウジング部分及びシールのアセンブリは、第1のハウジング部分の開口部内に挿入され、例えば、圧着加工によって、そこに機械的に固定され得る。
【0051】
第1の変形例の特に好ましい実施形態では、第2のハウジング部分はコンタクトシート金属部材の役割を果たすこともできる。本実施形態では、本発明に係る電池は、直後に示す特徴a.~e.のうちの少なくとも1つによって、好ましくは、直前に示した特徴a.~e.の組み合わせによって特徴付けられる:
a. 電池が、アノード集電体の第1の長手方向縁部が、好ましくは長手方向に、直接接触し、この長手方向縁部が溶接によって接続されたコンタクトシート金属部材を有すること。
b. 電池が、カソード集電体の第1の長手方向縁部が、好ましくは長手方向に、直接接触し、この長手方向縁部が溶接によって接続されたコンタクトシート金属部材を有すること。
c. コンタクトシート金属部材のうちの一方が第1のハウジング部分の底部であること。
d. コンタクトシート金属部材のうちの他方が第2のハウジング部分であること。
e. 電池が、第1及び第2のハウジング部分を互いに電気的に隔離する電気的シールを含むこと。
【0052】
本実施形態では、電極-セパレータアセンブリのどちらの側でも、コンタクトシート金属部材をハウジング部分に接続するための電気導体が必要とされない。一方の側では、コンタクトシート金属部材のうちの一方がハウジング部分の追加的機能を有し、他方の側では、ハウジングの部分がコンタクトシート金属部材の役割を果たす。ハウジングの内部の空間を最適に利用することができる。
【0053】
第1の変形例のさらに好ましい発展では、本発明に係る電池は、直後に示す特徴a.~e.のうちの少なくとも1つによって特徴付けられる:
a. 電池が、アノード集電体の第1の長手方向縁部が、好ましくは長手方向に、直接接触し、この長手方向縁部が溶接によって接続されたコンタクトシート金属部材を有すること。
b. 電池が、カソード集電体の第1の長手方向縁部が、好ましくは長手方向に、直接接触し、この長手方向縁部が溶接によって接続されたコンタクトシート金属部材を有すること。
c. コンタクトシート金属部材のうちの一方が第1のハウジング部分の底部であること。
d. 第2のハウジング部分が第1のハウジング部分の開口部内に溶接されており、電気導体がハウジングの外部へ導かれるポールブッシング、例えば、電気絶縁体によって包囲されたポールスタッドを含むこと。
e. コンタクトシート金属部材のうちの他方がこの電気導体に電気接続されていること。
【0054】
直前に示した特徴a.~e.が互いに組み合わせて実現されることが特に好ましい。
【0055】
本実施形態では、ハウジング部分は互いに溶接され、それゆえ、電気接続される。この理由のために、前述のポールブッシングが必要とされる。
本発明の第2の変形例では、本発明に係る電池は、直後に示す特徴a.及びb.のうちの少なくとも1つによって、特に好ましくは、2つの特徴の組み合わせによって特徴付けられる:
a. ハウジングが、2つの末端開口部を有する管状の第1のハウジング部分、開口部のうちの一方を閉鎖する第2のハウジング部分、及び開口部のうちの他方を閉鎖する第3のハウジング部分を含むこと。
b. コンタクトシート金属部材が第2のハウジング部分又は第3のハウジング部分であること。
【0056】
本変形例でも、電池のハウジングは、好ましくは、円筒形又は角柱形である。管状の第1のハウジング部分は、好ましくは、円形又は矩形断面を有し、第2及び第3のハウジング部分は、好ましくは、円形又は矩形である。
【0057】
ハウジングが円筒形である場合には、このとき、第1のハウジング部分は概ね中空円筒形であり、その一方で、第2及び第3のハウジング部分は円形であり、コンタクトシート金属部材の役割を果たすとともに、同時に、第1のハウジング部分を完全に閉鎖することができる、底部及び蓋の役割を果たすことができる。
【0058】
ハウジングが角柱形である場合には、第1のハウジング部分は、概して、共通縁部によって互いに接続されたいくつかの矩形側壁を含み、その一方で、第2及び第3のハウジング部分は各々、多角形、特に、矩形である。第2及び第3のハウジング部分は両方ともコンタクトシート金属部材の役割を果たすことができる。
【0059】
第1及び第2のハウジング部分は両方とも、好ましくは、導電性材料、特に、金属材料から成る。ハウジング部分は、例えば、ニッケルめっき鋼板、ステンレス鋼(例えば、タイプ1.4303若しくは1.4304)、銅、ニッケルめっき銅、又は合金若しくは非合金アルミニウムから成ることができる。また、カソードに電気接続されたハウジング部分がアルミニウム又はアルミニウム合金から成り、アノードに電気接続されたハウジング部分が銅、又は銅合金、又はニッケルめっき銅から成ることも好ましくなり得る。
【0060】
本変形例の大きな利点は、上流の成形及び/又は鋳造プロセスによって製造されなければならないカップ状ハウジング部分がハウジングのために必要とされないことである。その代わりに、管状の第1のハウジング部分が出発点の役割を果たす。
【0061】
第2の変形例の好ましいさらなる発展では、本発明に係る電池は、直後に示す特徴a.~e.のうちの少なくとも1つによって、好ましくは、直前に示した特徴a.~e.の組み合わせによって特徴付けられる:
a. 電池が、アノード集電体の第1の長手方向縁部が、好ましくは長手方向に、直接接触し、この長手方向縁部が溶接によって接続されたコンタクトシート金属部材を有すること。
b. 電池が、カソード集電体の第1の長手方向縁部が、好ましくは長手方向に、直接接触し、この長手方向縁部が溶接によって接続されたコンタクトシート金属部材を有すること。
c. コンタクトシート金属部材のうちの一方が第1のハウジング部分の末端開口部のうちの一方の内部に溶接されており、第2のハウジング部分であること。
d. 第3のハウジング部分が第1のハウジング部分の末端開口部のうちの他方の内部に溶接されており、電気導体がハウジングの外部へ導かれるポールブッシング、例えば、電気絶縁体によって包囲されたポールスタッドを含むこと。
e. コンタクトシート金属部材のうちの他方がこの電気導体に電気接続されていること。
【0062】
直前に示した特徴a.~e.が互いに組み合わせて実現されることが特に好ましい。
【0063】
第2の変形例のさらに好ましいさらなる発展では、本発明に係る電池は、直後に示す特徴a.~d.のうちの少なくとも1つによって特徴付けられる:
a. 電池が、アノード集電体の第1の長手方向縁部が、好ましくは長手方向に、直接接触し、この長手方向縁部が溶接によって接続されたコンタクトシート金属部材を有すること。
b. 電池が、カソード集電体の第1の長手方向縁部が、好ましくは長手方向に、直接接触し、この長手方向縁部が溶接によって接続されたコンタクトシート金属部材を有すること。
c. コンタクトシート金属部材のうちの一方が第1のハウジング部分の末端開口部のうちの一方の内部に溶接されており、第2のハウジング部分であること。
d. コンタクトシート金属部材のうちの他方が、第1のハウジング部分の端部開口部のうちの他方を閉鎖する第3のハウジング部分であり、シールによって第1のハウジング部分から絶縁されていること。
【0064】
直前に示した特徴a.~d.が互いに組み合わせて実現されることが特に好ましい。
【0065】
どちらの実施形態も、一方のハウジングの側では、コンタクトシート金属部材がハウジング部分の役割を果たし、溶接によって第1のハウジング部分に接続されているという事実によって特徴付けられる。他方の側では、コンタクトシート金属部材が同じくハウジング部分の役割を果たすことができる。しかし、このとき、これは第1のハウジング部分から電気絶縁されなければならない。代替的に、ポールブッシングをここでも用いることができる。
【0066】
本発明に係る電池のポールブッシングは、ハウジングと、ハウジングの外部へ導かれる電気導体との間の電気接触を防止する電気絶縁体を必ず含む。電気絶縁体は、例えば、ガラス、又はセラミック材料、又はプラスチックであることができる。
【0067】
電極-セパレータアセンブリは、好ましくは、円筒形巻回体の形態のものである。このような巻回体の形態の電極を提供することは円筒形ハウジング内の空間の特に有利な利用を可能にする。したがって、好ましい実施形態では、ハウジングも円筒形である。
【0068】
他の好ましい実施形態では、電極-セパレータアセンブリは、好ましくは、角柱形巻回体の形態のものである。このような巻回体の形態の電極を提供することは角柱形ハウジング内の空間の特に有利な利用を可能にする。したがって、好ましい実施形態では、ハウジングも角柱形である。
【0069】
加えて、角柱形ハウジングは、以上において説明された同一の電極-セパレータアセンブリの角柱形スタックによって特にうまく充填され得る。この目的のために、電極-セパレータアセンブリは、特に好ましくは、実質的に矩形の形状を有し得る。
【0070】
特に好ましい実施形態では、本発明に係る電池は、直後に示す特徴a.~c.のうちの少なくとも1つによって特徴付けられる:
a. 溶接によってコンタクトシート金属部材に接続された集電体のストリップ状主領域が複数のアパーチャを有すること。
b. 主領域内のアパーチャが、丸又は角孔、特に、パンチ又はドリル孔であること。
c. 溶接によってコンタクトシート金属部材に接続された集電体が、特に、丸孔又は長孔によって、主区域内で穿孔されていること。
【0071】
多数のアパーチャは、体積の低減、及びまた、集電体の重量の低減をもたらす。これは、より多くの活物質を電池内に投入し、こうして、電池のエネルギー密度を大幅に増大させることを可能にする。こうして最大2桁の範囲までのエネルギー密度の増大を達成することができる。
【0072】
好ましい実施形態によっては、アパーチャは、レーザを用いてストリップ状主領域内に導入される。
【0073】
原理的に、アパーチャの幾可学的構成は本発明にとって本質的でない。重要なことは、アパーチャの挿入の結果、集電体の質量が低減され、アパーチャに活物質を充填することができるため、活物質のためにより多くの空間が存在することである。
【0074】
他方では、アパーチャを挿入するときには、アパーチャの最大直径が大きすぎないことを確実にすることが有利になり得る。好ましくは、アパーチャは、それぞれの集電体上の電極材料の2倍より大きくなってはならない。
【0075】
特に好ましい実施形態では、本発明に係る電池は、直後の以下の特徴a.によって特徴付けられる:
a. 集電体内、特に、主領域内のアパーチャが1μm~3000μmの範囲内の直径を有すること。
この好ましい範囲内においては、10μm~2000μm、好ましくは、10μm~1000μm、特に、50μm~250μmの範囲内の直径がさらに好ましい。
【0076】
特に好ましくは、本発明に係る電池は、直後に示す特徴a.及びbのうちの少なくとも1つによってさらに特徴付けられる:
a. 溶接によってコンタクトシート金属部材に接続された集電体が、少なくとも、主区域の部分セクション内では、同じ集電体の自由縁部ストリップよりも低い単位面積当たりの重量を有すること。
b. 溶接によってコンタクトシート金属部材に接続された集電体が、自由縁部ストリップ内では、単位面積当たりのアパーチャを有しないか、又は主区域内よりも少数の単位面積当たりのアパーチャを有すること。
【0077】
直前に示した特徴a.及びb.が互いに組み合わせて実現されることが特に好ましい。
【0078】
アノード及びカソード集電体の自由縁部ストリップは第1の長手方向縁部の方で主区域を区切る。好ましくは、アノード及びカソード集電体はそれらの長手方向縁部に沿って自由縁部ストリップを含む。
【0079】
アパーチャは主領域を特徴付ける。換言すれば、主領域と自由縁部ストリップとの間の境界は、アパーチャを有する領域と有しない領域との間の移行に対応する。
アパーチャは、好ましくは、主区域にわたって実質的に均等に分布している。
【0080】
さらに特に好ましい実施形態では、本発明に係る電池は、直後に示す特徴a.~c.のうちの少なくとも1つによって特徴付けられる:
a. 主区域内の集電体の単位面積当たりの重量が、自由縁部ストリップ内の集電体の単位面積当たりの重量と比べて5%~80%低減されていること。
b. 集電体が主区域内の5%~80%の範囲内の穿孔区域を有すること。
c. 集電体が20N/mm~250N/mmの主区域内の引張強さを有すること。
【0081】
自由断面としばしば称される、孔区域は、ISO 7806-1983に従って決定することができる。主区域内の集電体の引張強さは、アパーチャを有しない集電体と比べて低減される。それは、DIN EN ISO 527 part 3に従って決定することができる。
【0082】
アノード集電体及びカソード集電体は同じ又は同様のアパーチャを有することが好ましい。それぞれの達成可能エネルギー密度の改善が合算する。したがって、好ましい実施形態では、本発明に係る電池は、直後に示す特徴a.~c.のうちの少なくとも1つによってさらに特徴付けられる:
a. アノード集電体のストリップ状主領域及びカソード集電体のストリップ状主領域がどちらも複数のアパーチャによって特徴付けられること。
b. 電池が、第1のコンタクトシート金属部材として第1の長手方向縁部のうちの一方の上に載ったコンタクトシート金属部材を含み、第1の長手方向縁部のうちの他方の上に載った第2のコンタクトシート金属部材をさらに含むこと。
c. 第2のコンタクトシート金属部材が溶接によってこの他方の長手方向縁部に接続されていること。
【0083】
直前に示した特徴a.~c.が互いに組み合わせて実現されることが特に好ましい。しかし、特徴b.及びc.を、特徴aを有しない組み合わせで実施することもできる。
【0084】
上述されたアパーチャを設けた集電体の好ましい実施形態はアノード集電体及びカソード集電体に独立して適用可能である。
【0085】
穿孔された、又は他の仕方でアパーチャを設けた集電体の使用は、このような集電体と電気接触することは非常に難しいため、リチウムイオン電池のために真剣に検討されていなかった。冒頭で述べたように、集電体の電気接続は別個の電気導体タブを介して行われる。しかし、工業的大量生産プロセスにおける、穿孔された集電体へのこれらの導体タブの確実な溶接は、許容誤り率を伴わずに実現することが難しい。
【0086】
本発明によれば、この問題は、上述されたように、集電体縁部をコンタクトシート金属部材に溶接することによって解決される。本発明に係るコンセプトは、別個の導体タブを完全に省くことを可能にし、それゆえ、低い材料含有量を有し、アパーチャを設けられた集電体の使用を可能にする。特に、集電体の自由縁部ストリップにアパーチャが設けられていない実施形態では、溶接が、極めて低い不良率をもって確実に実施され得る。
【0087】
非常に薄い金属箔が集電体として用いられる場合には、集電体の長手方向縁部は機械的に極めて繊細になり得、コンタクトシート金属部材への溶接中に非意図的に押しつぶされるか、又は融解され得る。さらに、コンタクトシート金属部材の溶接中に、電極-セパレータアセンブリのセパレータが融解し得る。上述された支援層はこれに対抗する。
【0088】
集電体の縁部をコンタクトシート金属部材と溶接するというコンセプトは、国際公開第2017/215900(A1)号パンフレットから、又は特開2004-119330号公報からすでに知られている。コンタクトシート金属部材の使用は、特に高い電流輸送能力及び低い内部抵抗を可能にする。したがって、コンタクトシート金属部材を集電体の縁部に電気接続するための方法については、国際公開第2017/215900(A1)号パンフレット及び特開2004-119330号公報の内容を完全に参照する。
【0089】
好ましくは本発明の範囲内で使用可能であるコンタクトシート金属部材はコンタクトプレートとも称され得る。好ましい実施形態では、それらはプレート状である。
【0090】
好ましい実施形態によっては、本発明に係る電池は、直後に示す以下の特徴a.及びb.のうちの少なくとも1つを有する:
a. 50μm~600μm、好ましくは、150~350μmの範囲内の厚さを有するコンタクトシート金属部材、特に、コンタクトプレート。
b. コンタクトシート金属部材、特に、コンタクトプレートが、合金若しくは非合金アルミニウム、チタン、ニッケル、又は銅から成るが、任意選択的に、また、ステンレス鋼(例えば、タイプ1.4303若しくは1.4304のもの)から、又はニッケルめっき鋼から成ること。
【0091】
指定された厚さは、コンタクトシート金属部材、特に、コンタクトプレートがハウジングの部分である上述の場合、及びコンタクトシート金属部材、特に、コンタクトプレートがハウジングの部分の役割を果たさない場合のどちらにおいても好ましい。
【0092】
特に、コンタクトシート金属部材、特に、コンタクトプレートがハウジングの部分の役割を果たさない実施形態では、それは少なくとも1つのスロット及び/又は少なくとも1つの穿孔を含み得る。これらは、溶接接合部の作製の間における、コンタクトシート金属部材、特に、コンタクトプレートの変形に対抗する機能を有する。
【0093】
特に、コンタクトシート金属部材、特に、コンタクトプレートがハウジングの部分の役割を果たす実施形態では、スリット及び穿孔は、好ましくは、省略される。しかし、このようなコンタクトシート金属部材、特に、このようなコンタクトプレートは中心区域内にアパーチャ、特に、孔を有し得る。
【0094】
ハウジングが円筒形である場合には、好ましくは、ディスクの形状、特に、円形又は少なくとも略円形のディスクの形状を有するコンタクトシート金属部材、特に、コンタクトプレートが用いられる。このとき、それらは外側の円形又は少なくとも略円形のディスク縁部を有する。略円形のディスクによって、具体的には、少なくとも1つの切り取られた弓形を有する、好ましくは、2つ~4つの切り取られた弓形を有する円の形状を有するディスクが意味される。
【0095】
ハウジングが角柱形である場合には、好ましくは、多角形、特に、矩形の基本形状を有するコンタクトシート金属部材、特に、コンタクトプレートが用いられる。
【0096】
特に好ましい実施形態では、アノード集電体、及びそれに溶接されたコンタクトシート金属部材、特に、それに溶接されたコンタクトプレートは両方とも、同じ材料から成る。これは、特に好ましくは、銅、ニッケル、チタン、ニッケルめっき鋼、及びステンレス鋼を含む群から選択される。
【0097】
さらに特に好ましい実施形態では、カソード集電体、及びそれに溶接されたコンタクトシート金属部材、特に、それに溶接されたコンタクトプレートは両方とも、同じ材料から成る。これは、特に好ましくは、合金若しくは非合金アルミニウム、チタン、及びステンレス鋼(例えば、タイプ1.4404のもの)を含む群から選択される。
【0098】
上述されたように、本発明に係る電池は、第1の長手方向縁部が、好ましくは長手方向に、直接接触したコンタクトシート金属部材、特に、コンタクトプレート金属部材を有する。これは線状のコンタクトゾーンをもたらすことができる。
【0099】
可能な好ましいさらなる発展では、本発明に係る電池は、直後に示す特徴a.~c.のうちの少なくとも1つによって特徴付けられる:
a. アノード集電体の第1の長手方向縁部がコンタクトシート金属部材、特に、コンタクト金属プレートと、好ましくは長手方向に、直接接触しており、溶接によってこのコンタクトシート金属部材、特に、このコンタクトプレートに接続されており、線状のコンタクトゾーンが、長手方向縁部とコンタクトシート金属部材、特に、コンタクト金属プレートとの間から成ること。
b. カソード集電体の第1の長手方向縁部がコンタクトシート金属部材、特に、金属コンタクトプレートと、好ましくは長手方向に、直接接触しており、溶接によってこのコンタクトシート金属部材、特に、このコンタクトプレートに接続されており、線状のコンタクトゾーンが、長手方向縁部とコンタクトシート金属部材、特に、金属コンタクトプレートとの間から成ること。
c. アノード集電体の、及び/又はカソード集電体の第1の長手方向縁部が、それぞれのコンタクトシート金属部材に、特に、それぞれのコンタクトプレートに溶接継目によってそれらの全長にわたって各々連続的に接続された1つ以上のセクションを含むこと。
【0100】
直前に示した特徴a.及びb.は、互いに独立して、及び組み合わせて実現され得る。しかし、好ましくは、特徴a.及びb.は、どちらの場合にも、直前に示した特徴c.と組み合わせて実現される。
【0101】
コンタクトシート金属部材、特に、コンタクトプレートが長手方向縁部に接続され得るいくつかの仕方が存在する。
【0102】
コンタクトシート金属部材は少なくとも1つの溶接継目によって線状コンタクトゾーンに沿って長手方向縁部に接続され得る。それゆえ、長手方向縁部は、各々が溶接継目を介してその全長にわたってコンタクトシート金属部材に連続的に接続された、1つ以上のセクションを含むことができる。特に好ましくは、これらのセクションは、5mmの、好ましくは、10mmの、特に好ましくは、20mmの最小長を有する。
【0103】
可能なさらなる発展では、それらの全長にわたってコンタクトシート金属部材に連続的に接続されたセクション又はセクション群は、それぞれの長手方向縁部の総長の少なくとも25%にわたって、好ましくは、少なくとも50%にわたって、特に好ましくは、少なくとも75%にわたって延びている。
【0104】
好ましい実施形態によっては、長手方向縁部はそれらの全長にわたってコンタクトシート金属部材、特に、コンタクトプレートに連続的に溶接されている。
【0105】
さらに可能な実施形態では、コンタクトシート金属部材、特に、コンタクトプレートは複数又は多数の溶接点を介してそれぞれの長手方向縁部に接続されている。
【0106】
電極-セパレータアセンブリが渦巻き状巻回体の形態のものである場合には、巻回体の末端端面から突出したアノード集電体及びカソード集電体の長手方向縁部も、概して、渦巻き状の幾可学的構成を有する。同じことが、コンタクトシート金属部材、特に、コンタクトプレートがそれぞれの長手方向縁部に溶接される線状コンタクトゾーンにも当てはまる。
【0107】
電極-セパレータアセンブリが2つ以上の同一の電極-セパレータアセンブリのスタックの部分である場合には、巻回体の末端面から突出したアノード集電体及びカソード集電体の長手方向縁部は、概して、直線状の幾可学的構成を有する。同じことが、コンタクトシート金属部材、特に、コンタクトプレートがそれぞれの長手方向縁部に溶接される線状コンタクトゾーンにも当てはまる。
【0108】
さらに可能な好ましいさらなる発展では、本発明に係る電池は、直後に示す特徴a.~c.のうちの少なくとも1つによって特徴付けられる:
a. セパレータが、5μm~50μmの範囲内の、好ましくは、7μm~12μmの範囲内の厚さを有し、第1及び第2の長手方向縁部並びに2つの端部を有するリボン状プラスチック基材であること。
b. セパレータの長手方向縁部が電極-セパレータ複合体の末端面又は端面(terminal sides or end faces)を形成すること。
c. 巻回体の末端面又は端面から突出したアノード集電体及び/又はカソード集電体の長手方向縁部が5000μmを超えない、好ましくは、3500μmを超えないこと。
【0109】
直前に示した特徴a.~c.が互いに組み合わせて実現されることが特に好ましい。
【0110】
特に好ましくは、巻回体の面又は端面からのアノード集電体の長手方向縁部の突出は、2500μm以下、特に好ましくは、1500μm以下である。
【0111】
特に好ましくは、巻回体の面又は端面からのカソード集電体の長手方向縁部の突出は、3500μm以下、特に好ましくは、2500μm以下である。
【0112】
アノード集電体及び/又はカソード集電体の突出のための数値は、面又は端面がコンタクトプレートと接触させられる前の自由突出を指す。コンタクトシート金属部材、特に、コンタクトプレートに接触し、それを溶接する際に、集電体の縁部の変形が生じ得る。
【0113】
自由突出が小さく選択されるほど、電極材料で覆われた集電体のリボン状主区域が広く形成され得る。これは、本発明に係る電池のエネルギー密度にプラスに寄与することができる。
【0114】
好ましくは、アノード集電体の第1の長手方向縁部が末端端面のうちの一方から突出し、カソード集電体の第1の長手方向縁部が末端端面のうちの他方から突出することを確実にするために、リボン状アノード及びリボン状カソードは電極-セパレータアセンブリ内で互いにオフセットしている。
【0115】
本発明に係るリチウムイオン電池はボタン電池であり得る。ボタン電池は円筒形であり、それらの直径よりも小さい高さを有する。好ましくは、高さは4mm~15mmの範囲内である。電池が5mm~25mmの範囲内の直径を有することがさらに好ましい。ボタン電池は、例えば、腕時計、補聴器、及びワイヤレスヘッドフォンなどの小型電子デバイスに電気エネルギーを供給するために適している。
【0116】
ボタン電池の形態の本発明に係るリチウムイオン電池の公称容量は、概して、最大1500mAhである。好ましくは、公称容量は、100mAh~1000mAhの範囲内、特に好ましくは、100~800mAhの範囲内である。
【0117】
特に好ましくは、本発明に係るリチウムイオン電池は円筒形円形電池である。円筒形円形電池は、それらの直径よりも大きい高さを有する。それらは、自動車部門における適用のため、電動自転車のため、又はまた、高いエネルギー要求を有する他の適用のために特に適している。
【0118】
好ましくは、円形電池として設計されたリチウムイオン電池の高さは15mm~150mmの範囲内である。円筒形円形電池の直径は、好ましくは、10mm~60mmの範囲内である。これらの範囲内においては、例えば、18×65(直径*高さ(mm単位))又は21×70(直径*高さ(mm単位))のフォームファクタが特に好ましい。これらのフォームファクタを有する円筒形円形電池は、電力を自動車両内の電気駆動装置に供給するために特に適している。
【0119】
円筒形円形電池の形態の本発明に係るリチウムイオン電池の公称容量は、好ましくは、最大90000mAhである。21×70のフォームファクタを有する場合、リチウムイオン電池としての一実施形態における電池は、好ましくは、1500mAh~7000mAhの範囲内、特に好ましくは、3000~5500mAhの範囲内の公称容量を有する。18×65のフォームファクタを有する場合、リチウムイオン電池としての一実施形態における電池は、好ましくは、1000mAh~5000mAhの範囲内、特に好ましくは、2000~4000mAhの範囲内の公称容量を有する。
【0120】
欧州連合では、二次バッテリの公称容量に関する製造業者の仕様が厳密に規制されている。例えば、二次ニッケルカドミウムバッテリの公称容量に関する情報は、IEC/EN 61951-1及びIEC/EN 60622規格に従う測定に基づかなければならず、二次ニッケル水素バッテリの公称容量に関する情報は、IEC/EN 61951-2規格に従う測定に基づかなければならず、二次リチウムバッテリの公称容量に関する情報は、IEC/EN 61960規格に従う測定に基づかなければならず、二次鉛酸バッテリの公称容量に関する情報は、IEC/EN 61056-1規格に従う測定に基づかなければならない。本出願における公称容量の指示はいずれも、好ましくは、同じくこれらの規格に基づく。
【0121】
本発明に係る電池が円筒形円形電池である実施形態では、アノード集電体、カソード集電体、及びセパレータは、好ましくは、以下の寸法を有する:
- 0.5m~25mの範囲内の長さ
- 30mm~145mmの範囲内の幅
第1の長手方向縁部に沿って延び、電極材料を載せられていない自由縁部ストリップは、好ましくは、これらの場合には、5000μm以下の幅を有する。
18×65のフォームファクタを有する円筒形円形電池の場合には、集電体は、好ましくは、
- 56mm~62mm、好ましくは、60mmの幅、及び
- 1.5mの以下の長さ
を有する。
21×70のフォームファクタを有する円筒形円形電池の場合には、集電体は、好ましくは、
- 56mm~68mm、好ましくは、65mmの幅、及び
- 2.5mの以下の長さ
を有する。
【0122】
本発明に係る電池の上述の設計はさらに別の重要な利点を可能にする。集電体が、冒頭で述べられた別個の導体タブを介して電気接続された電極の場合には、導体タブのすぐ近傍において、導体タブから離れた所よりも大きい熱機械的負荷が充電及び放電中に生じる。この差は、ある割合のケイ素、スズ、及び/又はアンチモンを活物質として有する負電極の場合に特に顕著である。なぜなら、これらの物質でできた粒子は、充電及び放電中に比較的強い体積変化を受けるからである。例えば、負電極内における10%超のケイ素の割合は制御が難しいことがこれまでに明らかになっている。
【0123】
コンタクトシート金属部材を介した集電体の電気接続は電池の上述の均一な熱放散を可能にするだけでなく、充電及び放電中に生じる熱機械的負荷も巻回体にわたって均等に分散させる。驚くべきことに、これは、負電極内において非常に高い割合のケイ素、及び/又はスズ、及び/又はアンチモンを制御することを可能にする。>20%の割合において、熱機械的応力の結果として充電及び放電中に損傷が観察されることは比較的まれであるか、又は観察されることはなかった。例えば、アノード内のケイ素の割合を増大させることによって、電池のエネルギー密度をさらに増大させることもできる。
【0124】
したがって、特に好ましい実施形態では、本発明に係る電池は、直後に示す特徴aによって特徴付けられる:
a. 負電極材料が、ケイ素、アルミニウム、スズ、及び/又はアンチモン、特に、粒子状ケイ素、アルミニウム、スズ、及び/又はアンチモンを、20重量%~90重量%、好ましくは、50重量%~90重量%の割合で負極活物質として含むこと。
ここでの重量の指定は、負電極材料の乾燥質量、すなわち、電解液を有せず、アノード集電体の重量を考慮しない質量を指す。
【0125】
本実施形態は、請求項1からの特徴k.と完全に独立して実現することもできることが強調されるべきである。それゆえ、本発明はまた、充電状態におけるアノードが粒子状ケイ素を20重量%~90重量%の割合で含むが、ハウジングの部分が必ずしもコンタクトシート金属部材の役割を果たさず、及び/又はコンタクトシート金属部材が、電極-セパレータアセンブリを封入するハウジングの部分を形成する、請求項1の特徴a.~j.を有する電池も含む。
活物質、ケイ素、アルミニウム、スズ、及びアンチモンのうちでは、ケイ素が特に好ましい。
【0126】
当業者は、スズ、アルミニウム、ケイ素、及びアンチモンは、必ずしもそれらの最も純粋な形態での金属であるとは限らないことを理解する。例えば、ケイ素粒子は、微量の他の元素、特に、他の金属(リチウム以外)も、例えば、最大10重量%の割合で含有し得る。
【0127】
本発明に係る製造方法は、上述された電池を生産する役割を果たす。それは、直後に示すステップ又は特徴a.~d.を必ず含む:
a. アノード集電体の第1の長手方向縁部及びカソード集電体の第1の長手方向縁部が突出した末端面又は端面を有する上述された電極-セパレータアセンブリを提供すること、
b. 第1の長手方向縁部のうちの一方と電気的に接触するための上述されたコンタクトシート金属部材のうちの一方を提供すること、
c. この長手方向縁部をコンタクトシート金属部材に溶接すること、
d. 電極-セパレータアセンブリを封入するハウジング部分の部分がコンタクトシート金属部材の役割を果たすか、又はコンタクトシート金属部材が少なくとも1つのさらなるハウジング部分に接続され、電極-セパレータアセンブリを封入するハウジングを形成すること。
それゆえ、コンタクトシート金属部材は、適用可能な場合には、ハウジング部分の部分として提供される。
直前に示した特徴d.によって含まれる選択肢はどちらも、以下において説明される利点を有する。
【0128】
本方法の第1の特に好ましいさらなる発展では、本方法は、直後に示すさらなるステップのうちの少なくとも1つのさらなるもの、及び/又は直後に示す特徴a.~d.のうちの1つを含む:
a. 底部、及び周側壁、及び開口部を有するカップ状状の第1のハウジング部分が提供されること。
b. 電極-セパレータアセンブリが、アノード集電体の第1の長手方向縁部又はカソード集電体の第1の長手方向縁部が底部と直接接触するまでカップ状ハウジング内に挿入されること。
c. この長手方向縁部を第1のハウジング部分の底部に溶接すること。
d. 第2の、好ましくは円形のハウジング部分を用いて第1のハウジング部分の開口部を閉鎖すること。
好ましくは、本方法は、直前の4つのステップ及び/又は特徴a.~d.の組み合わせを含む。
【0129】
このさらなる発展では、第1のハウジング部分の底部がコンタクトシート金属部材の役割を果たす。
【0130】
コンタクトシート金属部材、並びに第1のカップ状の、及び第2のハウジング部分の可能な好ましい設計に関しては、本発明に係る電池の上述の説明が参照される。
【0131】
第1のハウジング部分の底部への長手方向縁部の溶接は、特に、ハウジングの外部からレーザによって実施され得る。
【0132】
この第1のさらなる発展では、底部と接触していない、アノード又はカソード集電体の第1の長手方向縁部は、電極-セパレータアセンブリがカップ状の第1のハウジング内に挿入される際に、さらなるコンタクトシート金属部材にすでに溶接されていることが好ましい。このさらなるコンタクトシート金属部材は電気導体を介して、カップ状の第1のハウジング部分の開口部を閉鎖する役割を果たす第2のハウジング部分に接続され得る。
【0133】
さらなるコンタクトシート金属部材が電気導体を介して第2のハウジング部分に接続される、これらの場合には、第2のハウジング部分は、好ましくは、例えば、レーザによって、第1のハウジング部分の開口部内に溶接される。これらの場合には、第2のハウジング部分は、好ましくは、上述されたポールブッシングを有する。代替的に、電気絶縁シールを第2のハウジング部分の縁部に適用し、第2のハウジング部分をシールと共に第1のハウジング部分の開口部内へ挿入し、それをそこに固定することも可能である。
【0134】
第1のさらなる発展の別の実施形態では、さらなるコンタクトシート金属部材は、カップ状の第1のハウジング部分に接続され、電極-セパレータアセンブリを封入するハウジングを形成するハウジング部分、より正確には、直前に示した特徴d.の第2のハウジング部分の役割を果たす。
【0135】
この場合には、アノード又はカソード集電体の長手方向縁部にすでに溶接されたさらなるコンタクトシート金属部材は、好ましくは、第1のハウジング部分の開口部内にハウジングを閉鎖するために挿入された後に、例えば、圧着加工によって、機械的に固定される。この前に、電気絶縁シールがコンタクトシート金属部材の縁部に適用されなければならない。これは、理想的には、電極-セパレータアセンブリが第1のハウジング部分内に挿入される前に行われる。
【0136】
本実施形態は、どちらも同時にハウジング部分になる、コンタクトシート金属部材の二機能性によってハウジングの内部の無駄容積が最小限に抑えられるという魅力を有する。
【0137】
本方法の第2の特に好ましいさらなる発展では、本方法は、直後に示すさらなるステップのうちの少なくとも1つ、及び/又は直後に示す特徴のうちの1つを含む:
a. 電極-セパレータアセンブリが提供されること。
b. コンタクトシート金属部材、特に、金属コンタクトプレートがアノード集電体の第1の長手方向縁部と直接接触させられ、この長手方向縁部に溶接されること。
c. コンタクトシート金属部材、特に、金属コンタクトプレートがカソード集電体の第1の長手方向縁部と直接接触させられ、この長手方向縁部に溶接されること。
d. 2つの端面開口部を有する管状の第1のハウジング部分が提供されること。
e. 電極-セパレータアセンブリが端面開口部のうちの一方を通して管状の第1のハウジング部分内に挿入されること。
f. コンタクトシート金属部材のうちの一方、特に、コンタクトプレートのうちの一方が第2のハウジング部分として第1のハウジング部分の端面のうちの一方の内部に溶接されること。
g. 電気導体がハウジングの外部へ導かれ得るポールブッシング、例えば、電気絶縁体によって包囲されたポールスタッドを含む第3のハウジング部分が第1のハウジング部分の端面のうちの他方の内部に溶接されること。
好ましくは、本方法は、直前の7つのステップ及び/又は特徴a.~g.の組み合わせを含む。
【0138】
第1のカップ状の、及び第2のハウジング部分の可能な好ましい設計に関しては、ここでも本発明に係る電池の上述の説明が参照される。
本実施形態は、管状の第1のハウジング部分はカップ状のハウジング部分よりも生産が容易で安価であるという魅力を有する。
第1のハウジング部分は、好ましくは、レーザによって第2のハウジング部分に溶接される。
【0139】
本発明に係る方法は、直後に示すさらなるステップ及び/又は特徴a.又はbのうちの少なくとも1つによって特徴付けられることが好ましい:
a. ハウジングがハウジング部分のうちの一方の内部の孔を通して電解液を充填されること。
b. 孔が、溶接、接着、リベット留め、又ははんだ付けによって充填後に閉鎖されること。
【0140】
孔は、例えば、第1のカップ状ハウジング部分の底部内に配置することができるか、又はそれは、他のハウジング部分のうちの1つの内部の、場合によっては、コンタクトシート金属部分のうちの1つの内部のアパーチャを形成する。
【0141】
特に好ましい実施形態では、孔は、例えば、バースティングクロス(bursting cross)の形態の、圧力逃がし弁によって閉鎖される。
【0142】
本発明のさらなる特徴、及び本発明からもたらされる利点は、図面から、及び図面の以下の説明から明らかになるであろう。後述される実施形態は、単に、本発明を説明し、より深く理解することを目的としたものにすぎず、決して限定として理解されるべきでない。
【0143】
図面は以下のものを概略的に示す。
【図面の簡単な説明】
【0144】
図1】本発明の一実施形態に係る集電体の上面図である。
図2図1に示される集電体の断面図である。
図3】巻回体の形態の電極-セパレータアセンブリに加工することができるアノードの上面図である。
図4図3に示されるアノードの断面図である。
図5図3に示されるアノードを用いて作製された電極-セパレータアセンブリの上面図である。
図6図5に示される電極-セパレータアセンブリの断面図である。
図7】円筒形円形電池の形態の本発明に係る電池の一実施形態の断面図である。
図8】円筒形円形電池の形態の本発明に係る電池のさらなる実施形態の断面図である。
図9】円筒形円形電池の形態の本発明に係る電池のさらなる実施形態の断面図である。
図10】円筒形円形電池の形態の本発明に係る電池のさらなる実施形態の断面図である。
図11】円筒形円形電池の形態の本発明に係る電池のさらなる実施形態の断面図である。
図12】本発明に係る図11に示される電池を製造する方法の図である。
【発明を実施するための形態】
【0145】
図1及び図2は、本発明に係る電池において用いることができる集電体110の設計を示す。図2はSに沿った断面図である。集電体110は、矩形の孔である、複数のアパーチャ111を含む。領域110aはアパーチャ111によって特徴付けられ、それに対して、長手方向縁部110eに沿った領域110b内にはアパーチャが存在しない。したがって、集電体110は、区域110a内において、区域110b内よりも著しく低い単位面積当たりの重量を有する。
【0146】
図3及び図4は、負電極材料123を図2及び図3に示される集電体110の両側に適用することによって作製されたアノード120を示す。図5はSに沿った断面である。集電体110は、今や、負電極材料123の層を載せられた、ストリップ状主領域122、及び長手方向縁部110eに沿って延び、電極材料123を載せられていない、自由縁部ストリップ121を有する。電極材料123はアパーチャ111も充填する。
【0147】
図5及び図6は、図4及び図5に示されるアノード120を用いて作製された電極-セパレータアセンブリ104を示す。それはまた、カソード115、並びにセパレータ118及び119も含む。図6はSに沿った断面図である。カソード115はアノード120と同じ集電体設計に基づく。好ましくは、アノード120及びカソード130の集電体110及び115は材料のそれらのそれぞれの選定のみが異なる。それゆえ、カソード130の集電体115は、正電極材料125の層を載せられたストリップ状主領域116、及び電極材料125を載せられていない長手方向縁部115eに沿って延びた自由縁部ストリップ117を含む。渦巻き状に巻回することによって、電極-セパレータアセンブリ104は、本発明に係る電池内に含まれ得るものなどの巻回体に変容させることができる。
好ましい実施形態によっては、自由縁部ストリップ117及び121は、両側で、及び少なくとも一部の区域内で、上述された支援材料のうちの1つで被覆される。
【0148】
図7は、第1のハウジング部分101及び第2のハウジング部分102を含むハウジングを有する電池100を示す。電極-セパレータアセンブリ104がハウジング内に封入されている。ハウジングは形状が概ね円筒形であり、ハウジング部分101は、円形底部101a、中空円筒形シェル101b、及び底部101aと反対側の円形開口部を有する。ハウジング部分102は、円形開口部を閉鎖する役割を果たし、円形の蓋として形成される。電極-セパレータアセンブリ104は、2つの末端端面を有する円筒形巻回体の形態のものである。
【0149】
角柱形ハウジングの場合には、電池を貫く断面は全く同じに見え得るであろう。この場合のハウジング部分101は、矩形底部101a、矩形側壁101b、及び矩形断面、並びに矩形開口部を有することになり、ハウジング部分102は、矩形開口部を閉鎖するための矩形の蓋として形成されるであろう。そして、この場合の参照符号104は円筒形の形態の電極-セパレータアセンブリを示すのではなく、いくつかの同一の電極-セパレータアセンブリのスタック、又は角柱形巻回体を示すであろう。
【0150】
アノード集電体110の自由縁部ストリップ121は電極-セパレータアセンブリ104の一方の端面から突出しており、カソード集電体115の自由縁部ストリップ117は他方の端面から突出している。アノード集電体110の縁部110eはその全長にわたってハウジング部分101の底部101aと直接接触しており、少なくともいくつかのセクションにわたって、好ましくは、その全長にわたって溶接によってそれに接続されている。カソード集電体115の縁部115eはその全長にわたってコンタクトプレート105と直接接触しており、少なくともいくつかのセクションにわたって、好ましくは、その全長にわたって溶接によってそれに接続されている。
【0151】
コンタクトプレート105が、今度は、電気導体107を介してハウジング部分102に電気接続されている。好ましくは、溶接接続は、一方の側では導体107及びコンタクトプレート105、並びに他方の側では導体107及びハウジング部分102から成る。
【0152】
概観の改善のために、- 集電体110及び115を除いて - 電極-セパレータアセンブリ104のさらなる構成要素(具体的には、セパレータ及び電極材料)は示されていない。
【0153】
ハウジング部分101及び102はシール103によって互いに電気絶縁されている。ハウジングは、例えば、フランジングによって閉鎖される。ハウジング部分101は負極を形成し、ハウジング部分102は電池100の正極を形成する。
【0154】
図8は、第1のハウジング部分101及び第2のハウジング部分102を含むハウジングを有する電池100を示す。電極-セパレータアセンブリ104がハウジング内に封入されている。ハウジングは全体的に円筒形であり、ハウジング部分101は、円形底部101a、中空円筒形シェル101b、及び底部101aと反対側の円形開口部を有する。ハウジング部分102は、円形開口部を閉鎖する役割を果たし、円形の蓋として形成される。電極-セパレータアセンブリ104は、2つの末端端面を有する円筒形巻回体の形態のものである。
【0155】
角柱形ハウジングの場合には、電池を貫く断面は全く同じに見え得るであろう。この場合のハウジング部分101は、矩形底部101a、矩形側壁101b、及び矩形断面、並びに矩形開口部を有することになり、ハウジング部分102は、矩形開口部を閉鎖するための矩形の蓋として形成されるであろう。そして、この場合の参照符号104は円筒形の形態の電極-セパレータアセンブリを示すのではなく、いくつかの同一の電極-セパレータアセンブリのスタック、又は角柱形巻回体を示すであろう。
【0156】
アノード集電体110の自由縁部ストリップ121は電極-セパレータアセンブリ104の一方の端面から突出しており、カソード集電体115の自由縁部ストリップ117は他方の端面から突出している。アノード集電体110の縁部110eはその全長にわたってハウジング部分101の底部101aと直接接触しており、少なくともいくつかのセクションにわたって、好ましくは、その全長にわたって溶接によってそれに接続されている。カソード集電体115の縁部115eはその全長にわたってコンタクトプレート105と直接接触しており、少なくともいくつかのセクションにわたって、好ましくは、その全長にわたって溶接によってそれに接続されている。
【0157】
コンタクトプレート105は金属ポールスタッド108に直接接続されており、好ましくは、溶接されている。これはハウジング部分102内の開口部を通してハウジングの外部へ導かれ、電気絶縁106によってハウジング部分102から絶縁されている。ポールスタッド108及び電気絶縁106で合わせてポールブッシングを形成する。
【0158】
概観の改善のために、- 集電体110及び115を除いて - 電極-セパレータアセンブリ104の他の構成要素(具体的には、セパレータ及び電極材料)は示されていない。
【0159】
底部101a内には、例えば、はんだ付け、溶接、又は接着によって閉鎖され、例えば、電解液をハウジング内に投入するために用いることができる孔109が存在する。代替的に、同じ目的のために孔をハウジング部分102内に作製することができたであろう。
【0160】
ハウジング部分102はハウジング部分101の円形開口部内に溶接されている。したがって、ハウジング部分101及び102は同じ極性を有し、電池100の負極を形成する。ポールスタッド108は電池100の正極を形成する。
【0161】
図9は、第1のハウジング部分101及び第2のハウジング部分102を含むハウジングを有する電池100を示す。電極-セパレータアセンブリ104がハウジング内に封入されている。ハウジングは全体的に円筒形であり、ハウジング部分101は、円形底部101a、中空円筒形シェル101b、及び底部101aと反対側の円形開口部を有する。ハウジング部分102は、円形開口部を閉鎖する役割を果たし、円形の蓋として形成される。電極-セパレータアセンブリ104は、2つの末端端面を有する円筒形巻回体の形態のものである。
【0162】
角柱形ハウジングの場合には、電池を貫く断面は全く同じに見え得るであろう。この場合のハウジング部分101は、矩形底部101a、矩形側壁101b、及び矩形断面、並びに矩形開口部を有することになり、ハウジング部分102は、矩形開口部を閉鎖するための矩形の蓋として形成されるであろう。そして、この場合の参照符号104は円筒形の形態の電極-セパレータアセンブリを示すのではなく、いくつかの同一の電極-セパレータアセンブリのスタック、又は角柱形巻回体を示すであろう。
【0163】
アノード集電体110の自由縁部ストリップ121は電極-セパレータアセンブリ104の一方の端面から突出しており、カソード集電体115の自由縁部ストリップ117は他方の端面から突出している。アノード集電体110の縁部110eはその全長にわたってハウジング部分101の底部101aと直接接触しており、少なくともいくつかのセクションにわたって、好ましくは、その全長にわたって溶接によってそれに接続されている。カソード集電体115の縁部115eはその全長にわたってハウジング部分102と直接接触しており、少なくともいくつかのセクションにわたって、好ましくは、その全長にわたって溶接によってそれに接続されている。
【0164】
概観の改善のために、- 集電体110及び115を除いて - 電極-セパレータアセンブリ104のさらなる構成要素(具体的には、セパレータ及び電極材料)はここに示されていない。
【0165】
底部101a内には、例えば、はんだ付け、溶接、又は接着によって閉鎖され、例えば、電解液をハウジング内に投入するために機能することができる孔109が見出される。ここで、同じ目的を果たすことができる別の孔109がハウジング部分102内に見出される。好ましくは、これは、例えば、ハウジング部分102上に溶接され得る、圧力逃がし弁141を用いて閉鎖される。
【0166】
図示の孔109は、概して、両方とも必要とはされない。多くの場合、したがって、図9に示される電池100は2つの孔のうちの一方を有するのみである。
【0167】
ハウジング部分101及び102はシール103によって互いに電気絶縁されている。ハウジングは、例えば、圧着によって閉鎖されている。ハウジング部分101は負極を形成し、ハウジング部分102は電池100の正極を形成する。
【0168】
図10は、第1のハウジング部分101、及び第2のハウジング部分102、及び第3のハウジング部分155を含むハウジングを有する電池100を示す。電極-セパレータアセンブリ104がハウジング内に封入されている。ハウジングは概ね円筒形であり、ハウジング部分101は、2つの円形端面開口部を有する中空円筒である。ハウジング部分102及び155は、円形開口部を閉鎖する役割を果たし、円形の蓋として形成される。電極-セパレータアセンブリ104は、2つの末端端面を有する円筒形巻回体の形態のものである。
【0169】
角柱形ハウジングの場合には、電池を貫く断面は全く同じに見え得るであろう。この場合には、ハウジング部分101は矩形断面及び2つの矩形開口部を有することになり、ハウジング部分102及び155は、矩形開口部を閉鎖するための矩形の蓋になるであろう。そして、参照符号104は、この場合には、円筒形の形態の電極-セパレータアセンブリを示すのではなく、いくつかの同一の電極-セパレータアセンブリのスタック、又は角柱形巻回体を示すであろう。
【0170】
アノード集電体110の自由縁部ストリップ121は電極-セパレータアセンブリ104の一方の端面から突出しており、カソード集電体115の自由縁部ストリップ117は他方の端面から突出している。アノード集電体110の縁部110eはその全長にわたってハウジング部分155と直接接触しており、少なくともいくつかのセクションにわたって、好ましくは、その全長にわたって溶接によってそれに接続されている。それゆえ、ハウジング部分155は本発明の意義の範囲内でコンタクトプレートとしても機能する。カソード集電体115の縁部115eはその全長にわたってコンタクトプレート105と直接接触しており、少なくともいくつかのセクションにわたって、好ましくは、その全長にわたって溶接によってそれに接続されている。
【0171】
概観の改善のために、- 集電体110及び115を除いて - 電極-セパレータアセンブリ104のさらなる構成要素(具体的には、セパレータ及び電極材料)はここに示されていない。
【0172】
コンタクトプレート105は金属ポールスタッド108に直接接続されており、好ましくは、溶接されている。これはハウジング部分102内の開口部を通してハウジングの外部へ導かれ、電気絶縁106によってハウジング部分102から絶縁されている。ポールスタッド108及び電気絶縁106で合わせてポールブッシングを形成する。
【0173】
ハウジング部分102内には、例えば、はんだ付け、溶接、又は接着によって閉鎖され、例えば、電解液をハウジング内に投入するために用いることができる孔109が存在する。代替的に、同じ目的のために孔をハウジング部分155内に作製することができたであろう。
【0174】
ハウジング部分102及び155はハウジング部分101の円形開口部内に溶接されている。したがって、ハウジング部分101、102、及び155は同じ極性を有し、電池100の負極を形成する。ポールボルト108は電池100の正極を形成する。
【0175】
図11は、第1のハウジング部分101及び第2のハウジング部分102を含むハウジングを有する電池100を示す。電極-セパレータアセンブリ104がハウジング内に封入されている。ハウジングは全体的に円筒形であり、ハウジング部分101は、円形底部101a、中空円筒形シェル101b、及び底部101aと反対側の円形開口部を有する。ハウジング部分102は、円形開口部を閉鎖する役割を果たし、円形の蓋として形成される。電極-セパレータアセンブリ104は、2つの末端端面を有する円筒形巻回体の形態のものである。
【0176】
角柱形ハウジングの場合には、電池を貫く断面は全く同じに見え得るであろう。この場合のハウジング部分101は、矩形底部101a、矩形側壁101b、及び矩形断面、並びに矩形開口部を有することになり、ハウジング部分102は、矩形開口部を閉鎖するための矩形の蓋として形成されるであろう。そして、この場合の参照符号104は円筒形の形態の電極-セパレータアセンブリを示すのではなく、いくつかの同一の電極-セパレータアセンブリのスタック、又は角柱形巻回体を示すであろう。
【0177】
アノード集電体110の自由縁部ストリップ121は電極-セパレータアセンブリ104の一方の端面から突出しており、カソード集電体115の自由縁部ストリップ117は他方の端面から突出している。アノード集電体110の縁部110eはその全長にわたってハウジング部分101の底部101aと直接接触しており、少なくともいくつかのセクションにわたって、好ましくは、その全長にわたって、溶接によってそれに接続されている。
【0178】
カソード集電体115の縁部115eはその全長にわたってハウジング部分102と直接接触しており、少なくともいくつかのセクションにわたって、好ましくは、その全長にわたって溶接によってそれに接続されている。それゆえ、ハウジング部分102はここではコンタクトプレートの役割を同時に果たす。
【0179】
アノード集電体110は両側で負電極材料123の層を載せられているが、電極材料123を載せられていない長手方向縁部110eに沿って延びた自由縁部ストリップ121を有する。その代わりに、自由縁部ストリップ121は両側でセラミック支援材料165で被覆されている。
【0180】
カソード集電体115は両側で負電極材料125の層を載せられているが、電極材料125を載せられていない長手方向縁部115eに沿って延びた自由縁部ストリップ117を有する。その代わりに、自由縁部ストリップ117は両側でセラミック支援材料165で被覆されている。
【0181】
電極-セパレータアセンブリ104は、セパレータ118及び119の長手方向縁部118a及び119a並びに118b及び119bによって形成された2つの端面を有する。集電体110及び115の長手方向縁部はこれらの端面から突出している。対応する突出はd1及びd2と標識されている。
【0182】
ハウジング部分102内には、例えば、電解液をハウジング内に投入するために用いることができる孔109が存在する。孔は、例えば、溶接によって、ハウジング部分102に接続される、圧力逃がし弁141によって閉鎖される。
【0183】
ハウジング部分101及び102はシール103によって互いに電気絶縁されている。ハウジングは圧着によって閉鎖されている。この目的のために、ハウジング部分の開口部縁部101cは半径方向内方に曲げられている。ハウジング部分101は負極を形成し、ハウジング部分102は電池100の正極を形成する。
【0184】
図11に示される電池は図12に従って製造することができ、個々のプロセスステップA~Iが以下において説明される。まず、電極-セパレータアセンブリ104が提供され、その上端面上に、コンタクトプレートの役割を果たすハウジング部分102が配置される。ステップBにおいて、これがカソード集電体115の長手方向縁部115eに溶接される。ステップCにおいて、周縁シール103がハウジング部分102の縁部上に張られる。これをもって、ステップDにおいて、電極-セパレータアセンブリ104が、アノード集電体110の長手方向縁部110eがハウジング部分101の底部101aと直接接触するまでハウジング部分101内に挿入される。ステップEにおいて、これがハウジング部分101の底部101aに溶接される。ステップFにおいて、ハウジングが圧着によって閉鎖される。これを行うために、ハウジング部分101の開口部縁部101cが半径方向内方に曲げられる。ステップGにおいて、ハウジングに電解液が充填される。電解液は開口部109を通してハウジング内に添加される。ステップH及びIにおいて、開口部109が圧力逃がし弁141によって閉鎖され、圧力逃がし弁141がハウジング部分102上に溶接される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】