IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フェリング ベスローテン フェンノートシャップの特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-30
(54)【発明の名称】膣内微生物叢組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 35/747 20150101AFI20230623BHJP
   A61K 9/02 20060101ALI20230623BHJP
   A61P 15/02 20060101ALI20230623BHJP
   A61P 31/00 20060101ALI20230623BHJP
【FI】
A61K35/747
A61K9/02
A61P15/02
A61P31/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022573677
(86)(22)【出願日】2021-06-01
(85)【翻訳文提出日】2023-01-30
(86)【国際出願番号】 US2021035245
(87)【国際公開番号】W WO2021247571
(87)【国際公開日】2021-12-09
(31)【優先権主張番号】63/033,008
(32)【優先日】2020-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】500297535
【氏名又は名称】フェリング ベスローテン フェンノートシャップ
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】100119183
【弁理士】
【氏名又は名称】松任谷 優子
(74)【代理人】
【識別番号】100149076
【弁理士】
【氏名又は名称】梅田 慎介
(74)【代理人】
【識別番号】100173185
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 裕
(74)【代理人】
【識別番号】100162503
【弁理士】
【氏名又は名称】今野 智介
(74)【代理人】
【識別番号】100144794
【弁理士】
【氏名又は名称】大木 信人
(74)【代理人】
【識別番号】100204582
【弁理士】
【氏名又は名称】大栗 由美
(72)【発明者】
【氏名】ウォルシュ,ダナ エム.
(72)【発明者】
【氏名】ハウ,ヘイディ
(72)【発明者】
【氏名】ストランドベルグ,クリスティ
(72)【発明者】
【氏名】ブラント,ケネス エフ.
(72)【発明者】
【氏名】ジョーンズ,リー エー.
【テーマコード(参考)】
4C076
4C087
【Fターム(参考)】
4C076AA01
4C076BB30
4C076CC17
4C076CC31
4C087AA01
4C087AA02
4C087BC56
4C087CA09
4C087MA02
4C087MA31
4C087MA56
4C087NA14
4C087ZA81
4C087ZB33
4C087ZB35
(57)【要約】
患者を治療するための組成物及び方法が開示される。例示の組成物は、膣内微生物叢組成物を含み得る。膣内微生物叢組成物は、細菌の混合物を含み得る。細菌の混合物は、ラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)、ラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)、ラクトバチルス・ジェンセニイ(Lactobacillus jensenii)、及びラクトバチルス・ラムノースス(Lactobacillus rhamnosus)を含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
膣内微生物叢組成物であって、
ラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)、ラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)、ラクトバチルス・ジェンセニイ(Lactobacillus jensenii)、及びラクトバチルス・ラムノースス(Lactobacillus rhamnosus)を含む細菌の混合物を含む、膣内微生物叢組成物。
【請求項2】
前記細菌の混合物が、25~75%のラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)を含む、請求項1に記載の膣内微生物叢組成物。
【請求項3】
前記細菌の混合物が、30~60%のラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)を含む、請求項1~2のいずれか一項に記載の膣内微生物叢組成物。
【請求項4】
前記細菌の混合物が、40%のラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の膣内微生物叢組成物。
【請求項5】
前記細菌の混合物が、1~10%のラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の膣内微生物叢組成物。
【請求項6】
前記細菌の混合物が、2~8%のラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の膣内微生物叢組成物。
【請求項7】
前記細菌の混合物が、5%のラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の膣内微生物叢組成物。
【請求項8】
前記細菌の混合物が、1~10%のラクトバチルス・ジェンセニイ(Lactobacillus jensenii)を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の膣内微生物叢組成物。
【請求項9】
前記細菌の混合物が、2~8%のラクトバチルス・ジェンセニイ(Lactobacillus jensenii)を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の膣内微生物叢組成物。
【請求項10】
前記細菌の混合物が、5%のラクトバチルス・ジェンセニイ(Lactobacillus jensenii)を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の膣内微生物叢組成物。
【請求項11】
前記細菌の混合物が、0.1~5%のラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の膣内微生物叢組成物。
【請求項12】
前記細菌の混合物が、0.1~5%のラクトバチルス・ラムノースス(Lactobacillus rhamnosus)を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の膣内微生物叢組成物。
【請求項13】
前記細菌の混合物が、0.5~4%のラクトバチルス・ラムノースス(Lactobacillus rhamnosus)を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の膣内微生物叢組成物。
【請求項14】
前記細菌の混合物が、1%のラクトバチルス・ラムノースス(Lactobacillus rhamnosus)を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の膣内微生物叢組成物。
【請求項15】
前記細菌の混合物が、カプセル中に配置される、請求項1~14のいずれか一項に記載の膣内微生物叢組成物。
【請求項16】
前記細菌の混合物が、座薬中に配置される、請求項1~15のいずれか一項に記載の膣内微生物叢組成物。
【請求項17】
前記細菌の混合物が、可溶性シェル中に配置される、請求項1~16のいずれか一項に記載の膣内微生物叢組成物。
【請求項18】
前記細菌の混合物が、1×10~1×1015CFUを含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の膣内微生物叢組成物。
【請求項19】
前記細菌の混合物が、1×10~1×1012CFUを含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の膣内微生物叢組成物。
【請求項20】
前記細菌の混合物が、1×10~1×1010CFUを含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の膣内微生物叢組成物。
【請求項21】
前記細菌の混合物が、凍結乾燥された細菌の混合物を含む、請求項1~20のいずれか一項に記載の膣内微生物叢組成物。
【請求項22】
感染症を治療するための方法であって、前記方法が、
請求項1~20のいずれか一項に記載の膣内微生物叢組成物を、感染症を有する患者に投与することを含み、前記感染症が、細菌性膣炎、カンジダ症感染症、ヒトパピローマウイルス感染症、尿路感染症、性感染症、及び婦人科癌のうちの1つ以上を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、患者を治療するための組成物及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多種多様な組成物及び方法が、疾患及び/又は状態、例えば、生殖器系、消化管、肝臓、免疫系などの疾患及び/又は状態を治療するために開発されている。既知の組成物及び方法の中で、各々は、特定の利点及び欠点を有する。疾患及び/又は状態を治療するための代替的な組成物及び方法を提供することが、継続的に必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示は、患者を治療するための組成物及び方法の代わりとなる設計、材料、製造方法、及び使用を提供する。膣内微生物叢組成物が開示される。膣内微生物叢組成物は、ラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)、ラクトバチルス・イナース(Lactobacillus iners)、ラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)、ラクトバチルス・ジェンセニイ(Lactobacillus jensenii)、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・ワギナリス(Lactobacillus vaginalis)、ラクトバチルス・ラムノースス(Lactobacillus rhamnosus)、ラクトバチルス・ジョンソニー(Lactobacillus johnsonii)、ラクトバチルス・ヘルヴェティクス(Lactobacillus helveticus)、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバチルス・ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)、ラクトバチルス・サルバリウス(Lactobacillus salivarius)、及びラクトバチルス・デルブリュッキイ(Lactobacillus delbrueckii)を含む細菌の混合物を含む。
【0004】
上記実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、細菌の混合物は、25~75%のラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)を含む。
【0005】
上記実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、細菌の混合物は、30~60%のラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)を含む。
【0006】
上記実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、細菌の混合物は、40%のラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)を含む。
【0007】
上記実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、細菌の混合物は、10~40%のラクトバチルス・イナース(Lactobacillus iners)を含む。
【0008】
上記実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、細菌の混合物は、15~30%のラクトバチルス・イナース(Lactobacillus iners)を含む。
【0009】
上記実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、細菌の混合物は、20%のラクトバチルス・イナース(Lactobacillus iners)を含む。
【0010】
上記実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、細菌の混合物は、1~10%のラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)を含む。
【0011】
上記実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、細菌の混合物は、2~8%のラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)を含む。
【0012】
上記実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、細菌の混合物は、5%のラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)を含む。
【0013】
上記実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、細菌の混合物は、1~10%のラクトバチルス・ジェンセニイ(Lactobacillus jensenii)を含む。
【0014】
上記実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、細菌の混合物は、2~8%のラクトバチルス・ジェンセニイ(Lactobacillus jensenii)を含む。
【0015】
上記実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、細菌の混合物は、5%のラクトバチルス・ジェンセニイ(Lactobacillus jensenii)を含む。
【0016】
上記実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、細菌の混合物は、0.1~5%のラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)を含む。
【0017】
上記実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、細菌の混合物は、0.5~4%のラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)を含む。
【0018】
上記実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、細菌の混合物は、1%のラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)を含む。
【0019】
上記実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、細菌の混合物は、0.1~5%のラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)を含む。
【0020】
上記実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、細菌の混合物は、約0.5~4%のラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)を含む。
【0021】
上記実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、細菌の混合物は、1%のラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)を含む。
【0022】
上記実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、細菌の混合物は、0.1~5%のラクトバチルス・ワギナリス(Lactobacillus vaginalis)を含む。
【0023】
上記実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、細菌の混合物は、0.5~4%のラクトバチルス・ワギナリス(Lactobacillus vaginalis)を含む。
【0024】
上記実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、細菌の混合物は、1%のラクトバチルス・ワギナリス(Lactobacillus vaginalis)を含む。
【0025】
上記実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、細菌の混合物は、0.1~5%のラクトバチルス・ラムノースス(Lactobacillus rhamnosus)を含む。
【0026】
上記実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、細菌の混合物は、0.5~4%のラクトバチルス・ラムノースス(Lactobacillus rhamnosus)を含む。
【0027】
上記実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、細菌の混合物は、1%のラクトバチルス・ラムノースス(Lactobacillus rhamnosus)を含む。
【0028】
上記実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、細菌の混合物は、0.1~5%のラクトバチルス・ジョンソニー(Lactobacillus johnsonii)を含む。
【0029】
上記実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、細菌の混合物は、0.5~4%のラクトバチルス・ジョンソニー(Lactobacillus johnsonii)を含む。
【0030】
上記実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、細菌の混合物は、1%のラクトバチルス・ジョンソニー(Lactobacillus johnsonii)を含む。
【0031】
上記実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、細菌の混合物は、0.1~5%のラクトバチルス・ヘルヴェティクス(Lactobacillus helveticus)を含む。
【0032】
上記実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、細菌の混合物は、0.5~4%のラクトバチルス・ヘルヴェティクス(Lactobacillus helveticus)を含む。
【0033】
上記実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、細菌の混合物は、1%のラクトバチルス・ヘルヴェティクス(Lactobacillus helveticus)を含む。
【0034】
上記実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、細菌の混合物は、0.1~5%のラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)を含む。
【0035】
上記実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、細菌の混合物は、0.5~4%のラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)を含む。
【0036】
上記実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、細菌の混合物は、約1%のラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)を含む。
【0037】
上記実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、細菌の混合物は、0.1~5%のラクトバチルス・ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)を含む。
【0038】
上記実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、細菌の混合物は、0.5~4%のラクトバチルス・ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)を含む。
【0039】
上記実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、細菌の混合物は、1%のラクトバチルス・ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)を含む。
【0040】
上記実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、細菌の混合物は、0.1~5%のラクトバチルス・サルバリウス(Lactobacillus salivarius)を含む。
【0041】
上記実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、細菌の混合物は、0.5~4%のラクトバチルス・サルバリウス(Lactobacillus salivarius)を含む。
【0042】
上記実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、細菌の混合物は、1%のラクトバチルス・サルバリウス(Lactobacillus salivarius)を含む。
【0043】
上記実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、細菌の混合物は、0.1~5%のラクトバチルス・デルブリュッキイ(Lactobacillus delbrueckii)を含む。
【0044】
上記実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、細菌の混合物は、0.5~4%のラクトバチルス・デルブリュッキイ(Lactobacillus delbrueckii)を含む。
【0045】
上記実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、細菌の混合物は、1%のラクトバチルス・デルブリュッキイ(Lactobacillus delbrueckii)を含む。
【0046】
上記実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、細菌の混合物は、細菌の1つ以上の凍結乾燥株を含む。
【0047】
上記実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、細菌の混合物は、カプセル中に配置される。
【0048】
上記実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、細菌の混合物は、座薬中に配置される。
【0049】
上記実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、細菌の混合物は、可溶性シェル中に配置される。
【0050】
感染症を治療するための方法が開示される。本方法は、上記実施形態のいずれか1つの膣内微生物叢組成物を、感染症を有する患者に投与することを含む。
【0051】
上記実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、感染症は、細菌性膣炎、カンジダ症感染症、ヒトパピローマウイルス感染症、尿路感染症、性感染症、及び婦人科癌のうちの1つ以上を含む。
【0052】
患者を治療するための方法が開示される。本方法は、上記の実施形態のいずれか1つの膣内微生物叢組成物を患者に投与することを含む。
【0053】
上記実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、膣内微生物叢組成物を患者に投与することは、早産を防止すること、流産を防止すること、不妊症を治療すること、間質性膀胱炎を治療すること、及び多嚢胞性卵巣症候群を治療することの1つ以上を含む。
【0054】
膣内微生物叢組成物が開示される。膣内微生物叢組成物は、座薬と座薬内に配置された凍結乾燥細菌の混合物とを含み、凍結乾燥細菌の混合物は、ラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)、ラクトバチルス・イナース(Lactobacillus iners)、ラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)、ラクトバチルス・ジェンセニイ(Lactobacillus jensenii)、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・ワギナリス(Lactobacillus vaginalis)、ラクトバチルス・ラムノースス(Lactobacillus rhamnosus)、ラクトバチルス・ジョンソニー(Lactobacillus johnsonii)、ラクトバチルス・ヘルヴェティクス(Lactobacillus helveticus)、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバチルス・ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)、ラクトバチルス・サルバリウス(Lactobacillus salivarius)、及びラクトバチルス・デルブリュッキイ(Lactobacillus delbrueckii)を含む。
【0055】
膣内微生物叢組成物バンクが開示される。膣内微生物叢組成物バンクは、その中に配置された1つ以上の微生物の第1の集団を含む第1の容器であって、第1の集団が第1のドナーから収集される、第1の容器と、その中に配置される1つ以上の微生物の第2の集団を含む第2の容器であって、第2の集団が第2のドナーから収集される、第2の容器と、第1のドナー及び第2のドナーからのドナーデータを含むインデックスシステムと、を含む。
【0056】
膣内微生物叢組成物バンクが開示される。膣内微生物叢組成物バンクは、その中に配置された1つ以上の微生物の第1の集団を含む第1の容器であって、第1の集団が第1のドナーから収集される、第1の容器と、その中に配置される1つ以上の微生物の第2の集団を含む第2の容器であって、第2の集団が第2のドナーから収集される、第2の容器と、を含む。
【0057】
上記実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、膣内微生物叢組成物バンクは、第1のドナー及び第2のドナーからのドナーデータを含むインデックスシステムを含む。
【0058】
膣内微生物叢組成物バンクが開示される。膣内微生物叢組成物バンクは、その中に配置された1つ以上の凍結乾燥微生物の第1の集団を含む第1の容器であって、第1の集団が第1のドナーから収集される、第1の容器と、その中に配置される1つ以上の凍結乾燥微生物の第2の集団を含む第2の容器であって、第2の集団が第2のドナーから収集される、第2の容器と、第1のドナー及び第2のドナーからのドナーデータを含むインデックスシステムと、を含む。
【0059】
膣内微生物叢組成物バンクが開示される。膣内微生物叢組成物バンクは、その中に配置された1つ以上の凍結乾燥微生物の第1の集団を含む第1の容器であって、第1の集団が第1のドナーから収集される、第1の容器と、その中に配置される1つ以上の凍結乾燥微生物の第2の集団を含む第2の容器であって、第2の集団が第2のドナーから収集される、第2の容器と、を含む。
【0060】
上記実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、膣内微生物叢組成物バンクは、第1のドナー及び第2のドナーからのドナーデータを含むインデックスシステムを含む。
【0061】
上記いくつかの実施形態の概要は、各開示された実施形態又は本開示の全ての実装を説明するよう意図するものではない。以下に続く詳細な説明は、これらの実施形態をより具体的に例示する。
【発明を実施するための形態】
【0062】
以下に定義された用語については、特許請求の範囲又は本明細書の他の箇所で異なる定義が提供されない限り、これらの定義を適用するものとする。
【0063】
全ての数値は、本明細書では明示的に示されているかどうかに関わらず、用語「約」によって修飾されていると想定される。用語「約」は、一般に、当業者が記載された値に相当すると見なす(例えば、同じ機能又は結果を有する)数値の範囲を指す。多くの場合、用語「約」は、最大有効数字に丸めた数字を含み得る。
【0064】
端点による数値範囲の記載は、その範囲内の全ての数を含む(例えば、1~5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4及び5を含む)。
【0065】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈がそうでないと明確に示さない限り、複数の指示対象を含む。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、用語「又は」は、文脈がそうでないと明確に示さない限り、「及び/又は」を含む意味で利用される。
【0066】
明細書における「ある実施形態」、「いくつかの実施形態」、「他の実施形態」などの言及は、記載される実施形態が1つ以上の特定の特徴、構造、及び/又は特性を含み得ることを示すことが留意される。しかしながら、そのような記載は、全ての実施形態が特定の特徴、構造、及び/又は特性を含むことを必ずしも意味するものではない。更に、特定の特徴、構造、及び/又は特性が、1つの実施形態と関連付けて記載される場合、そのような特徴、構造、及び/又は特性がまた、反対のことを明確に述べない限り、明示的に記載されているか否かにかかわらず、他の実施形態と関連付けて使用されてもよいことを理解するべきである。
【0067】
ヒトマイクロバイオーム(又はヒト微生物叢)は、ヒトの皮膚の表面上及び皮膚の深層、唾液及び口腔粘膜中、結膜中、並びに胃腸管、泌尿生殖器、及び/又は膣管に常在する微生物の凝集体であり、胎盤微生物叢などの生殖に関する健康に関連する微生物を含む。ヒト微生物叢は、細菌から構成されるが、真菌ファージ、ウイルス、古細菌なども含み得る。これらの生物のいくつかは、ヒト宿主に対して有用であるタスクを実行するが、ヒト微生物叢を構成する大部分の生物の機能は、まだ研究段階にある。正常な状況下では、これらの微生物は、ヒト宿主に疾患を引き起こさず、代わりに健康の維持に関与する。
【0068】
膣内微生物叢は、多くの異なる健康状態において役割を果たし得る。これらの状態のいくつかとしては、細菌性膣炎、カンジダ症感染症、ヒトパピローマウイルス感染症、尿路感染症、及び/又は性感染症などの感染症を挙げることができる。他の状態としては、婦人科癌(例えば、子宮頸癌)、早産、流産、不妊症、間質性膀胱炎、多嚢胞性卵巣症候群などを挙げることができる。膣内微生物叢の構成を復元し、正常化し、及び/又は他の方法でシフトさせることは、これら及び他の状態を軽減するのに役立ち得る。本明細書には、患者を治療するための組成物及び方法が開示される。組成物の少なくともいくつかは、膣内微生物叢組成物を含む。方法の少なくともいくつかは、細菌性膣炎を治療し、カンジダ症感染症を治療し、ヒトパピローマウイルス感染症を治療し、尿路感染症を治療し、性感染症を治療し、婦人科癌(例えば、子宮頸癌)を治療し、早産を予防し、流産を予防し、不妊症を治療し、間質性膀胱炎を治療し、多嚢胞性卵巣症候群を治療するための方法などを含む。
【0069】
健康な生殖年齢の女性においては、ラクトバチルス属の細菌が膣内微生物叢を支配する傾向にある。4つの種が、女性全体にわたって一貫して特定されており、これらはラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)、ラクトバチルス・イナース(Lactobacillus iners)、ラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)、及びラクトバチルス・ジェンセニイ(Lactobacillus jensenii)である。これらの種は、白人、黒人、アジア人、及びヒスパニック民族の女性の中で、それらの支配の頻度の順番で列挙されている。一般に、膣内微生物叢のラクトバチルス属の支配は、健康状態と関連する。この単一属又は種の支配は、多様性の低い微生物叢を作り出す。膣内微生物叢の多様性の増加は、不健康及び感染のより高いリスクと関連している。例えば、スネアチア属(Sneathia)、メガスフェラ属(Megasphaera)、アトポビウム属(Atopobium)、ペプトニフィラス属(Peptoniphilus)、ダイアリスター属(Dialister)、プレボテラ属(Prevotella)、及び/又はガードネレラ属(Gardnerella)からの細菌は、不健康な膣内微生物叢と相関する傾向があり得、なぜなら、それらが膣内不健康の他の指標を用いて女性で特定されている(高いNugentスコア及び膣内pH)ためである。しかしながら、これらの一般論は、異なる集団において異なる場合がある。
【0070】
膣内微生物叢は、思春期前、閉経前、及び閉経後の女性の間で変化し得る。例えば、思春期前の女性は、比較的低いラクトバチルスの相対存在量及び比較的高い微生物の多様性を有し得る(並びに、比較的薄い膣上皮、比較的薄い粘膜層、及び比較的低量のグリコーゲンを有し得る)。閉経前の女性は、比較的高いラクトバチルスの存在量及び比較的低い微生物の多様性を有し得る(並びに、比較的厚い膣上皮、比較的厚い粘膜層、比較的高いエストロゲンレベル、及び比較的低量のグリコーゲンを有し得る)。閉経後の女性は、中程度のラクトバチルスの相対存在量及び比較的低い若しくはより低い微生物の多様性を有し得る(並びに、比較的薄い膣上皮、比較的薄い粘膜層、比較的中程度のエストロゲンレベル、及び比較的中程度のグリコーゲンの量を有し得る)。膣感染症(例えば、細菌性膣炎)の症状を示す閉経後の女性は、より低いラクトバチルスの存在量及び比較的高い微生物の多様性を有し得る。まとめると、ラクトバチルスの相対存在量を含むか、又は他の方法で増加させる傾向にある組成物、並びに微生物多様性を低下させることを助ける組成物は有用であり得る。
【0071】
少なくともいくつかの例では、本明細書に開示される組成物(例えば、膣内微生物叢組成物)は、膣内微生物叢ドナーから収集した膣内微生物叢を利用する。しかしながら、細菌培養物などの含む膣内微生物叢の他の供給源が考えられる。潜在的なドナーは同定することができ、多くのスクリーニングプロセスを受けることができる。場合によっては、潜在的ドナーは、健康歴問診票を使用してスクリーニングされてもよい。例示的な問診票は、潜在的な献血者のスクリーニングのために赤十字が使用しているものと同じであるか、又は類似してもよい。これらのいくつか及び他の例において、潜在的ドナーは、一般的感染症及び他の状態についてスクリーニングされ得る。そのようなスクリーニングとしては、血液検査、便検査、尿検査、膣スワブ検査などが挙げられ得る。そのような検査は、HIV、肝炎(A型、B型、及び/又はC型肝炎)、梅毒、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)、細菌性病原体、卵並びに寄生虫、及び/又はその他同種のものの存在について検査することを含み得る。これらは例に過ぎない。ドナーの健康は、血液検査を施し、便試料を分析し、尿試料を分析し、膣分泌物を分析し、健康歴を定期的に更新することによって監視することができる。膣スワブは、グラム染色並びにNugent採点法、白血球数、及び酵母の存在の検出を介して膣の健康状態を評価するために採取され得る。尿及び/又は膣スワブは、性感染症を検査するために採取され得る。
【0072】
潜在的ドナーが提供するのに十分に健康であることが決定された後、ドナーに試料採取キット(例えば、試料自己採取キット)が提供される。試料採取キットは、ドナー説明書、配列解析用の膣DNA/RNA採取キット(例えば、DNAgeneotek(商標)から市販されているOMNIgene膣採取キットORM-130)、及び検体採取及び運搬キット(例えば、Copan Diagnosticsから市販されているeSwab 480C Copan Liquid Amies Elution Swab Collection and Transport System)を含み得る。ドナーは、インフォームドコンセントの書類に署名するよう求められる場合がある。各ドナーは、2つの試料を採取するように求められる場合がある。第1の試料は、配列解析に使用され得る。例えば、手洗い後、膣DNA/RNA採取キットからのスワブを用いて、スワブを膣内に数インチ挿入し、膣壁を約20秒間スワビングすることによって膣検体を採取することができる。次いで、スワブを、安定化緩衝液を含む管に挿入することができ、管/検体を更に分析することができる。第2の試料は、膣微生物を培養するために使用することができる。例えば、検体採取及び運搬キットからのスワブを使用して、膣検体を採取することができる。次いで、スワブを、液体アミーズ溶液(例えば、これは好気性、嫌気性、及び培養困難な細菌を最大48時間まで保存することができる)を含む管に挿入することができる。採取時に、ドナーは試料管及び材料をバイオハザードバッグの内部に配置し、次いで検体を提供施設に置いていく。
【0073】
シーケンシング(例えば、ショットガンシーケンシング)用に試料を処理するために、第1のプロテアーゼ(例えば、QIAGENプロテアーゼ)を、滅菌PCR認証水を使用して再水和させ、80mg/mL溶液を生成することができる(これは、試料を10回以上反転させることを含み得る)。試料(例えば、膣DNA/RNA採取キット試料)を冷蔵庫から取り出し、30秒間ボルテックスすることができる。採取管を3回振って、試料を含有する溶液を管の底部に持っていくことができる。5マイクロリットルの再水和したプロテアーゼを、膣スワブ試料を含む採取管に添加することができる。試料を、10回以上反転させることができる。次いで試料を、50℃のインキュベーター内で2時間インキュベートすることができる。次いで試料を、30秒間ボルテックスすることができる。次いで採取管を3回振って、試料を含有する溶液を管の底部に持っていくことができる。スワブを、管から取り出すことができる(これは、スワブを管の片側に押し付けて、スワブに吸収された試料を回収することを含み得る)。500マイクロリットルの試料を、2つの2mLの冷凍保存用バイアルの各々に小分けすることができ、試料を配列解析(これは、St.Paul,MNのDivergent(商標)などの好適な処理/解析施設で行うことができる)の準備ができるまで、-80℃で保存することができる。
【0074】
培養用に試料を処理するために、試料(例えば、検体採取及び運搬キット試料)を嫌気性チャンバのエアロックに配置して、チャンバに導入することができる。スワブをその中に入れたままで、管を5秒間激しくボルテックスして、スワブ先端部から試料を放出させることができる。これは希釈されないか、又は10希釈物である。次いで、スワブを取り出すことができる。試料は、100マイクロリットルを900マイクロリットルの滅菌生理食塩水(0.9%)を含む管に移すことによって、10倍段階希釈を受けることができる。試料は、5秒間激しくボルテックスされてもよく、及び/又は反転によって混合されてもよい。これは、10-1希釈物である。100マイクロリットルの10-1希釈物を、900マイクロリットルの滅菌生理食塩水(0.9%)を含む新しい管に移すことができる。試料は、5秒間激しくボルテックスしてもよく、及び/又は反転によって混合されてもよい。これは、10-2希釈物である。検体が、10-6希釈物に希釈されるまでこのプロセスを繰り返すことができる。
【0075】
三通りで、塗抹培養プレートを、CDC嫌気性菌用5%ヒツジ血液寒天プレート、De Man,Rogosa and Sharpe(MRS)寒天プレート、及び50%MRS寒天プレート上に、次の希釈管:10-3、10-4、10-5から調製することができる。簡単に言うと、適切な管から100μLを寒天プレートの表面上に直接移し、滅菌L字型スプレッダー及びプレート回転子を使用して、プレート表面全体に塗抹することができる。プレートを、嫌気性条件下35℃で、24~120時間インキュベートすることができる。プレートを新しいコロニーの出現について、毎日チェックすることができる。プレートが乾き始めたら、それらにパラフィルムを巻く。コロニーを観察することができたら、コロニー数及び形態を記録することができる(これは、プレートのキャプチャー写真を撮影して、コロニー形態の文書による検証を支援することを含み得る)。更なる特性化のための個々のコロニーを選択し、新しいプレート上に画線塗布することができる。必要ならば、例えば、ビフィドバクテリウム属選択寒天培地(BSA)、エンテロコッコセル寒天培地(ECA)、セトリミド寒天培地(CA)、マンニット食塩寒天培地(MSA)などの選択培地を利用してもよい。
【0076】
場合によっては、グラム染色を利用してもよい。それを行う場合、検体は、スライドガラスに適用することができる。液体培養物を染色する場合、滅菌接種ループを使用して、培養物を塗抹として直接スライドに適用することができる。プレートからのコロニーを染色する場合、滅菌生理食塩水の液滴を、接種ループを使用してスライドの中心に適用することができ、次いで、少量の単一のコロニーを収集して、液滴に添加することができる。可能であれば、液滴と試料とを穏やかに混合して、薄い均一な塗抹物をもたらすことができる。液滴を乾燥させることができる。無水メタノールを1~2分間注ぎ、次いで、水道水で濯ぐことによって、スライドをメタノール固定することができる。固定された塗抹物に、一次染色剤(例えば、クリスタルバイオレット)を1分間注ぐことができる。水道水で穏やかに濯ぐことによって、一次染色剤を除去することができる。固定された塗抹物に、二次染色剤/モーダント(例えば、グラムヨウ素)を1分間注いで、その後、水道水で穏やかに濯ぐことができる。スライドから移動する溶媒が無色になるまで(例えば、約3~60秒)、スライドを脱色することができ、スライドを水道水で穏やかに洗浄することができる。次いで、スライドに対比染色剤を1分間注ぐことができる(例えば、サフラニン;最初の対比染色の結果が満足のゆくものでない場合、塩基性フクシンに置き換えることができる)。スライドを水道水で洗浄し、乾燥させることができる。塗抹物を、油浸レンズ下で検査することができ、その結果/観察を記録することができる。
【0077】
カタラーゼ検査を含む他の試料検査を実施することができ、カタラーゼ検査は過酸化水素を添加して、ブドウ球菌(Staphylococci)と連鎖球菌(Streptococci)とを区別することを含み得る。実施することができる別の試料試験には、血漿凝固試験を挙げることができ、これは血漿を添加して、ブドウ球菌と連鎖球菌とを区別することを含み得る。
【0078】
ラクトバチルスであると決定された単離物は、それらの抗生物質感受性プロファイルを決定するために、更に特性化され得る。これは、一晩培養したプレートからのラクトバチルスコロニーを、90%のイソ-センシテストブロス及び10%のMRSブロスから構成されるブロス中に、懸濁液が1のマクファーランド濁度標準液と等しくなるまで懸濁させることを含み得る。次に、滅菌スワブを接種菌液中に浸漬させ、管の壁に押し付け、過剰の液体を除去することができる。スワブを寒天表面全体に対して画線塗布することができる(2回以上回転させて、均一な分布を確実にする)。過剰な水分を吸収させた後、最小阻害濃度(MIC)試験紙を適用することができる(例えば、これは試験紙を目盛りが上を向き、試験紙のコードがその外側を向いた状態で試験紙を適用することを含み得る)。抗生物質勾配の全長が寒天表面と完全に接触している状態で、寒天の表面に試験紙を押し付けることができ、必要に応じて再配置される。プレートを反転させ、35℃で20~48時間(又はより長く)インキュベートすることができる。これらの結果を解釈することができる。
【0079】
単離された株は冷凍保存され、保管され得る。これは、一晩培養物に画線塗抹プレートから選択された十分に単離されたコロニーを接種することを含み得る。多くのコロニーが選択される場合、96ウェルプレートフォーマットが使用されてもよい。好適なブロスが使用されてもよい(例えば、ラクトバチルスは、MRSを使用する傾向がある)。培養物は、嫌気性チャンバインキュベーター内で、35℃で一晩インキュベートさせることができる。培養物が翌朝までに濁っていない場合、追加のインキュベーション時間を利用してもよい。培養物が視覚的に濁って見えるようになったら、200~300マイクロリットルを凍結防止剤(例えば、50~60マイクロリットルの50%グリセロール)を含有する新しい96ウェルプレートに移すことができる。グリセロールの最終濃度は10%であり得る。96ウェルプレートを密閉して、-80℃の冷凍庫で保存することができる。
【0080】
本明細書で示唆されるように、個々の微生物株(例えば、個々の株又は細菌の種)は、スワブから単離することができる。これは、例えば、所望の株に対して選択的な寒天培地にプレーティングすること、及びその後の単一コロニー単離物として株を「精製すること」の1つ以上のプロセスを含み得る。個々の微生物株は増殖/培養され、シーケンシング、生化学試験、コロニー形態、細胞形態、顕微鏡的な死亡率、及び異なる代表的な抗生物質に対する感受性によって種が特定され/特性評価され得る。微生物株は様々であり得る。ある場合には、微生物株は、ラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)、ラクトバチルス・イナース(Lactobacillus iners)、ラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)、ラクトバチルス・ジェンセニイ(Lactobacillus jensenii)、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・ワギナリス(Lactobacillus vaginalis)、ラクトバチルス・ラムノースス(Lactobacillus rhamnosus)、ラクトバチルス・ジョンソニー(Lactobacillus johnsonii)、ラクトバチルス・ヘルヴェティクス(Lactobacillus helveticus)、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバチルス・ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)、ラクトバチルス・サルバリウス(Lactobacillus salivarius)、ラクトバチルス・デルブリュッキイ(Lactobacillus delbrueckii)、ガードネレラ・ワギナリス(Gardnerella vaginalis)、非ラクトバチルス細菌、アトポビウム・ワギナエ(Atopobium vaginae)、プレボテーラ・ビビア(Prevotella bivia)、これらの属の他の種、メガスフェラ属(Megasphaera)、スネアチア属(Sneathia)、ダイアリスター属(Dialister)、ペプトニフィラス属(Peptoniphilus)、真菌、それらの組み合わせなどのうちの1つ以上を含み得る。
【0081】
膣内微生物叢組成物は、単一の単離された株又は2つ以上の単離された株の混合物を含むと考えられる。例示的な組成物は、約20~85%のラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)、又は約25~75%のラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)、又は約30~60%のラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)、又は約40%のラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)を含んでもよい。これらのいくつかでは、また他の例では(例えば、上記に列挙された微生物のいずれか1つ以上に加えて、又はそれに代えて)、例示的な組成物は、約10~50%のラクトバチルス・イナース(Lactobacillus iners)、又は約10~40%のラクトバチルス・イナース(Lactobacillus iners)、又は約15~30%のラクトバチルス・イナース(Lactobacillus iners)、又は約20%のラクトバチルス・イナース(Lactobacillus iners)を含んでもよい。これらのいくつかでは、また他の例では(例えば、上記に列挙された微生物のいずれか1つ以上に加えて、又はそれに代えて)、例示的な組成物は、約1~10%のラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)、又は約2~8%のラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)、又は約5%のラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)を含んでもよい。これらのいくつかでは、また他の例では(例えば、上記に列挙された微生物のいずれか1つ以上に加えて、又はそれに代えて)、例示的な組成物は、約1~10%のラクトバチルス・ジェンセニイ(Lactobacillus jensenii)、又は約2~8%のラクトバチルス・ジェンセニイ(Lactobacillus jensenii)、又は約5%のラクトバチルス・ジェンセニイ(Lactobacillus jensenii)を含んでもよい。これらのいくつかでは、また他の例では(例えば、上記に列挙された微生物のいずれか1つ以上に加えて、又はそれに代えて)、例示的な組成物は、約0.1~5%のラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)、又は約0.5~4%のラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)、又は約1%のラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)を含んでもよい。これらのいくつかでは、また他の例では(例えば、上記に列挙された微生物のいずれか1つ以上に加えて、又はそれに代えて)、例示的な組成物は、約0.1~5%のラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、又は約0.5~4%のラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、又は約1%のラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)を含んでもよい。これらのいくつかでは、また他の例では(例えば、上記に列挙された微生物のいずれか1つ以上に加えて、又はそれに代えて)、例示的な組成物は、約0.1~5%のラクトバチルス・ワギナリス(Lactobacillus vaginalis)、又は約0.5~4%のラクトバチルス・ワギナリス(Lactobacillus vaginalis)、又は約1%のラクトバチルス・ワギナリス(Lactobacillus vaginalis)を含んでもよい。これらのいくつかでは、また他の例では(例えば、上記に列挙された微生物のいずれか1つ以上に加えて、又はそれに代えて)、例示的な組成物は、約0.1~5%のラクトバチルス・ラムノースス(Lactobacillus rhamnosus)、又は約0.5~4%のラクトバチルス・ラムノースス(Lactobacillus rhamnosus)、又は約1%のラクトバチルス・ラムノースス(Lactobacillus rhamnosus)を含んでもよい。これらのいくつかでは、また他の例では(例えば、上記に列挙された微生物のいずれか1つ以上に加えて、又はそれに代えて)、例示的な組成物は、約0.1~5%のラクトバチルス・ジョンソニー(Lactobacillus johnsonii)、又は約0.5~4%のラクトバチルス・ジョンソニー(Lactobacillus johnsonii)、又は約1%のラクトバチルス・ジョンソニー(Lactobacillus johnsonii)を含んでもよい。これらのいくつかでは、また他の例では(例えば、上記に列挙された微生物のいずれか1つ以上に加えて、又はそれに代えて)、例示的な組成物は、約0.1~5%のラクトバチルス・ヘルヴェティクス(Lactobacillus helveticus)、又は約0.5~4%のラクトバチルス・ヘルヴェティクス(Lactobacillus helveticus)、又は約1%のラクトバチルス・ヘルヴェティクス(Lactobacillus helveticus)を含んでもよい。これらのいくつかでは、また他の例では(例えば、上記に列挙された微生物のいずれか1つ以上に加えて、又はそれに代えて)、例示的な組成物は、約0.1~5%のラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)、又は約0.5~4%のラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)、又は約1%のラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)を含んでもよい。これらのいくつかでは、また他の例では(例えば、上記に列挙された微生物のいずれか1つ以上に加えて、又はそれに代えて)、例示的な組成物は、約0.1~5%のラクトバチルス・ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)、又は約0.5~4%のラクトバチルス・ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)、又は約1%のラクトバチルス・ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)を含んでもよい。これらのいくつかでは、また他の例では(例えば、上記に列挙された微生物のいずれか1つ以上に加えて、又はそれに代えて)、例示的な組成物は、約0.1~5%のラクトバチルス・サルバリウス(Lactobacillus salivarius)、又は約0.5~4%のラクトバチルス・サルバリウス(Lactobacillus salivarius)、又は約1%のラクトバチルス・サルバリウス(Lactobacillus salivarius)を含んでもよい。これらのいくつかでは、また他の例では(例えば、上記に列挙された微生物のいずれか1つ以上に加えて、又はそれに代えて)、例示的な組成物は、約0.1~5%のラクトバチルス・デルブリュッキイ(Lactobacillus delbrueckii)、又は約0.5~4%のラクトバチルス・デルブリュッキイ(Lactobacillus delbrueckii)、又は約1%のラクトバチルス・デルブリュッキイ(Lactobacillus delbrueckii)を含んでもよい。
【0082】
例示的な組成物は、約40%のラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)、約20%のラクトバチルス・イナース(Lactobacillus iners)、約5%のラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)、約5%のラクトバチルス・ジェンセニイ(Lactobacillus jensenii)、約1%のラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)、約1%のラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、約1%のラクトバチルス・ワギナリス(Lactobacillus vaginalis)、約1%のラクトバチルス・ラムノースス(Lactobacillus rhamnosus)、約1%のラクトバチルス・ジョンソニー(Lactobacillus johnsonii)、約1%のラクトバチルス・ヘルヴェティクス(Lactobacillus helveticus)、約1%のラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)、約1%のラクトバチルス・ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)、約1%のラクトバチルス・サルバリウス(Lactobacillus salivarius)、及び約1%のラクトバチルス・デルブリュッキイ(Lactobacillus delbrueckii)を含んでもよい。
【0083】
例示的な組成物は、ラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)、ラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)、ラクトバチルス・ジェンセニイ(Lactobacillus jensenii)、及びラクトバチルス・ラムノースス(Lactobacillus rhamnosus)を含んでもよい。例えば、組成物は、約20~85%のラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)、又は約25~75%のラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)、又は約30~60%のラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)、又は約40%のラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)を含んでもよい。組成物は、約1~10%のラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)、又は約2~8%のラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)、又は約5%のラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)を含んでもよい。組成物は、約1~10%のラクトバチルス・ジェンセニイ(Lactobacillus jensenii)、又は約2~8%のラクトバチルス・ジェンセニイ(Lactobacillus jensenii)、又は約5%のラクトバチルス・ジェンセニイ(Lactobacillus jensenii)を含んでもよい。組成物は、約0.1~5%のラクトバチルス・ラムノースス(Lactobacillus rhamnosus)、又は約0.5~4%のラクトバチルス・ラムノースス(Lactobacillus rhamnosus)、又は約1%のラクトバチルス・ラムノースス(Lactobacillus rhamnosus)を含んでもよい。場合によっては、成分の各々は、凍結乾燥されてもよい。例示的な組成物中の微生物の総数は、約1×10~1×1015CFU、又は約1×10~1×1012CFU、又は約1×10~1×1010CFUのオーダーであってもよい。組成物は、カプセル、座薬、可溶性シェル、及び/又はその他同種のものなどの好適な送達ビヒクル中に配置することができる。場合によっては、組成物は経口投与され得る。他の例では、組成物は局所投与され得る(例えば、カプセル、座薬、可溶性シェルなどを膣内に挿入することによって)。
【0084】
例示的な組成物は、所望の特性を有するラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)、ラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)、ラクトバチルス・ジェンセニイ(Lactobacillus jensenii)、及びラクトバチルス・ラムノースス(Lactobacillus rhamnosus)の株を含み得る。例えば、成分の各々の株は、pH低下活性を有し、乳酸を産生し、他のユニークな活性を有する他の微生物に対する阻害活性を有し、それらの組み合わせ、及び/又はその他同種のものを有するように選択されてもよい。
【0085】
例示的な組成物は、凍結乾燥されたラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)、凍結乾燥されたラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)、凍結乾燥されたラクトバチルス・ジェンセニイ(Lactobacillus jensenii)、及び凍結乾燥されたラクトバチルス・ラムノースス(Lactobacillus rhamnosus)の混合物を含み得る。成分の各々は、ドナーから単離され得る。例えば、組成物は、約20~85%のラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)、又は約25~75%のラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)、又は約30~60%のラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)、又は約40%のラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)を含んでもよい。組成物は、約1~10%のラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)、又は約2~8%のラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)、又は約5%のラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)を含んでもよい。組成物は、約1~10%のラクトバチルス・ジェンセニイ(Lactobacillus jensenii)、又は約2~8%のラクトバチルス・ジェンセニイ(Lactobacillus jensenii)、又は約5%のラクトバチルス・ジェンセニイ(Lactobacillus jensenii)を含んでもよい。組成物は、約0.1~5%のラクトバチルス・ラムノースス(Lactobacillus rhamnosus)、又は約0.5~4%のラクトバチルス・ラムノースス(Lactobacillus rhamnosus)、又は約1%のラクトバチルス・ラムノースス(Lactobacillus rhamnosus)を含んでもよい。成分の各々は、ドナー検体から誘導/単離され得る。例示的な組成物中の微生物の総数は、約1×10~1×1015CFU、又は約1×10~1×1012CFU、又は約1×10~1×1010CFUのオーダーであってもよい。組成物は、カプセル、座薬、可溶性シェル、及び/又はその他同種のものなどの好適な送達ビヒクル中に配置することができる。場合によっては、組成物は経口投与され得る。他の例では、組成物は局所投与され得る(例えば、カプセル、座薬、可溶性シェルなどを膣内に挿入することによって)。
【0086】
例示的な組成物は、凍結乾燥されたラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)、凍結乾燥されたラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)、凍結乾燥されたラクトバチルス・ジェンセニイ(Lactobacillus jensenii)、及び凍結乾燥されたラクトバチルス・ラムノースス(Lactobacillus rhamnosus)の混合物を含み得る。成分の各々は、ドナーから単離され得る。例えば、組成物は、約20~85%のラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)、又は約25~75%のラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)、又は約30~60%のラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)、又は約40%のラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)を含んでもよい。組成物は、約1~10%のラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)、又は約2~8%のラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)、又は約5%のラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)を含んでもよい。組成物は、約1~10%のラクトバチルス・ジェンセニイ(Lactobacillus jensenii)、又は約2~8%のラクトバチルス・ジェンセニイ(Lactobacillus jensenii)、又は約5%のラクトバチルス・ジェンセニイ(Lactobacillus jensenii)を含んでもよい。組成物は、約0.1~5%のラクトバチルス・ラムノースス(Lactobacillus rhamnosus)、又は約0.5~4%のラクトバチルス・ラムノースス(Lactobacillus rhamnosus)、又は約1%のラクトバチルス・ラムノースス(Lactobacillus rhamnosus)を含んでもよい。成分の各々は、細菌培養物から誘導され得る。例示的な組成物中の微生物の総数は、約1×10~1×1015CFU、又は約1×10~1×1012CFU、又は約1×10~1×1010CFUのオーダーであってもよい。組成物は、カプセル、座薬、可溶性シェル、及び/又はその他同種のものなどの好適な送達ビヒクル中に配置することができる。場合によっては、組成物は経口投与され得る。他の例では、組成物は局所投与され得る(例えば、カプセル、座薬、可溶性シェルなどを膣内に挿入することによって)。
【0087】
例示的な組成物は、凍結乾燥されたラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)、凍結乾燥されたラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)、凍結乾燥されたラクトバチルス・ジェンセニイ(Lactobacillus jensenii)、及び凍結乾燥されたラクトバチルス・ラムノースス(Lactobacillus rhamnosus)の混合物を含み得る。成分の各々は、ドナーから単離され得る。例えば、組成物は、約20~85%のラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)、又は約25~75%のラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)、又は約30~60%のラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)、又は約40%のラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)を含んでもよい。組成物は、約1~10%のラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)、又は約2~8%のラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)、又は約5%のラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)を含んでもよい。組成物は、約1~10%のラクトバチルス・ジェンセニイ(Lactobacillus jensenii)、又は約2~8%のラクトバチルス・ジェンセニイ(Lactobacillus jensenii)、又は約5%のラクトバチルス・ジェンセニイ(Lactobacillus jensenii)を含んでもよい。組成物は、約0.1~5%のラクトバチルス・ラムノースス(Lactobacillus rhamnosus)、又は約0.5~4%のラクトバチルス・ラムノースス(Lactobacillus rhamnosus)、又は約1%のラクトバチルス・ラムノースス(Lactobacillus rhamnosus)を含んでもよい。成分のうちの1つ以上は、ドナー検体から誘導/単離されてもよく、1つ以上の成分は、細菌培養物から誘導されてもよい。例示的な組成物中の微生物の総数は、約1×10~1×1015CFU、又は約1×10~1×1012CFU、又は約1×10~1×1010CFUのオーダーであってもよい。組成物は、カプセル、座薬、可溶性シェル、及び/又はその他同種のものなどの好適な送達ビヒクル中に配置することができる。場合によっては、組成物は経口投与され得る。他の例では、組成物は局所投与され得る(例えば、カプセル、座薬、可溶性シェルなどを膣内に挿入することによって)。
【0088】
例示的な組成物は、所望の特性を有するラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)、ラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)、ラクトバチルス・ジェンセニイ(Lactobacillus jensenii)、及びラクトバチルス・ラムノースス(Lactobacillus rhamnosus)の株を含み得る。例えば、成分の各々の株は、pH低下活性を有し、乳酸を産生し、他のユニークな活性を有する他の微生物に対する阻害活性を有し、それらの組み合わせ、及び/又はその他同種のものを有するように選択されてもよい。
【0089】
上に示したように、例示的な組成物中の微生物の総数は、約1×10~1×1015CFU、又は約1×10~1×1012CFU、又は約1×10~1×1010CFUのオーダーであってもよい。これは、単一カプセル、座薬、可溶性シェル、及び/又はその他同種のものの中の微生物の総数に相当し得る。或いは、これは組成物の好適な投与形態中の微生物の総数に相当し得る(例えば、これは1つ以上のカプセル、座薬、可溶性シェル、及び/又はその他同種のものを含み得る)。
【0090】
単一のカプセル、座薬、可溶性シェル、及び/又はその他同種のものは、患者に投与され得る封入された製剤又は用量として説明することができる。これは、好適な投与レジメンを使用して患者に用量を投与することを含み得る。これは、患者に1回以上の用量を投与することを含み得る。例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20回、又はそれ以上の用量が患者に投与され得る。これらのいくつかで、また他の例では、封入された製剤は患者に1日1回以上投与されてもよい。例えば、用量は、1日1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14回、又はそれ以上にわたって投与されてもよい。これらのいくつかで、また他の例では、用量は、患者に1日1回以上投与されてもよい。例えば、用量は、患者に1、2、3、4、5、6回、又はそれ以上投与されてもよい。
【0091】
1つの例示的な投与レジメンは、2用量を1日2回、2日間患者に投与することを含み得る。別の例示的な投与レジメンは、4用量を1日2回、2日間患者に投与することを含み得る。別の例示的な投与レジメンは、4用量を1日2回、4日間患者に投与することを含み得る。別の例示的な投与レジメンは、患者に対する1日1回の8日間の投与を含み得る。これらは例に過ぎない。これらの例の少なくともいくつかでは、各用量は、ラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)、ラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)、ラクトバチルス・ジェンセニイ(Lactobacillus jensenii)、及びラクトバチルス・ラムノースス(Lactobacillus rhamnosus)の混合物を含む凍結乾燥された材料を含み得る。
【0092】
少なくともいくつかの例では、膣内微生物叢組成物は、スネアチア属(Sneathia)、メガスフェラ属(Megasphaera)、アトポビウム属(Atopobium)、ペプトニフィラス属(Peptoniphilus)、ダイアリスター属(Dialister)、プレボテラ属(Prevotella)、及び/又はガードネレラ属(Gardnerella)からの細菌を含まなくてもよい。例えば、膣内微生物叢組成物は、アトポビウム属(Atopobium)、ガードネレラ属(Gardnerella)、及びプレボテラ属(Prevotella)からの細菌を含まなくてもよい。
【0093】
本明細書に開示される膣内微生物叢組成物は、多数の異なる健康状態を治療するために使用することができる。例えば、膣内微生物叢組成物は、細菌性膣炎を治療し、カンジダ症感染症を治療し、ヒトパピローマウイルス感染症を治療し、尿路感染症を治療し、性感染症を治療し、婦人科癌(例えば、子宮頸癌)を治療し、早産を低減及び/又は予防し、流産を低減及び/又は予防し、不妊症を治療し、間質性膀胱炎を治療し、多嚢胞性卵巣症候群を治療するためなどに使用することができる。
【0094】
膣内微生物叢組成物はまた、1つ以上の追加の微生物(例えば、ドナーから採取及び単離されたものなど)と組み合わされるか、又は混合された広範囲の膣内微生物叢の組み合わせを含むと考えられる。本開示の目的のために、広範囲の膣内微生物叢は、代表的な女性の膣内に存在する微生物の集合体であると理解することができる。広範囲の膣内微生物叢は、試料中の任意の特定の微生物の存在又は非存在を変更するように、意図的に操作されておらず、代わりに試料中の生物の全集団を代表するように意図されている。膣内微生物叢の構成は、人それぞれ異なり得る。このために、広範囲の膣内微生物叢には違いがあり得る。場合によっては、膣内微生物叢組成物は、ラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)、ラクトバチルス・イナース(Lactobacillus iners)、ラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)、ラクトバチルス・ジェンセニイ(Lactobacillus jensenii)、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・ワギナリス(Lactobacillus vaginalis)、ラクトバチルス・ラムノースス(Lactobacillus rhamnosus)、ラクトバチルス・ジョンソニー(Lactobacillus johnsonii)、ラクトバチルス・ヘルヴェティクス(Lactobacillus helveticus)、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバチルス・ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)、ラクトバチルス・サルバリウス(Lactobacillus salivarius)、ラクトバチルス・デルブリュッキイ(Lactobacillus delbrueckii)のうちの1つ以上と組み合わされ、混合され、又はこれらが添加されている広範囲の膣内微生物叢を含むと考えられる。少なくともいくつかの例では、広範囲の膣内微生物叢及び追加の微生物の両方が、膣内微生物叢ドナーから供給される。
【0095】
細菌/微生物は、経口送達又は局所送達用にカプセル、座薬、可溶性シェル、及び/又はその他同種のものなどの好適な容器内に配置され得る。場合によっては、シミュレートされた膣液を膣内微生物叢組成物に組み込んでもよい。これらのいくつかで、また他の例では、膣内微生物叢組成物は、グリコーゲンを含み得る。容器/座薬内に含まれる総容量は、約100マイクロリットル~約10ミリリットルのオーダーであり得る。
【0096】
少なくともいくつかの例では、膣内微生物叢組成物中の細菌/微生物は、凍結乾燥された細菌/微生物を含んでもよい。これは、細菌/微生物が凍結乾燥される凍結乾燥プロセスを含み得る。細菌/微生物、及び/又は凍結乾燥された細菌/微生物は、経口送達又は局所送達用にカプセル、座薬、可溶性シェル、及び/又はその他同種のものなどの好適な容器内に配置され得る。
【0097】
患者の治療は、膣内微生物叢組成物の患者への投与を含み得る。治療の1つの目的は、患者の膣内微生物叢を膣内微生物叢組成物で効果的に置き換えることによって、患者の膣内微生物叢を正常化することであり得る。これには、膣内微生物叢組成物を、移植、座薬、又は投与の別の好適な経路によって患者の膣に直接投与することを含み得る。
【0098】
少なくともいくつかの例では、複数の膣内微生物叢組成物は、好適な保存装置/設備内において保存又はバンクされ得る。保存装置は、冷蔵装置(例えば、4℃冷蔵装置)、冷凍庫(例えば、-20℃冷凍庫)、超低温冷凍庫(例えば、-80℃冷凍庫)、又はその他同種のものなどの温度制御装置を含み得る。いくつかの例では、インデックスシステムはまた、膣内微生物叢組成物バンクに連結しているか、又は他の方法で関連付けることができる。インデックスシステムは、所与のドナーからの膣内微生物叢組成物を、好適な患者と一致させるために使用することができるドナーデータなどのデータを含み得る。ドナーデータは、採取時の年齢、採取時の生殖状態(非閉経、閉経)、人種、採取時の月経期、細菌性膣炎の既往歴、カンジダ症感染症の既往歴、ヒトパピローマウイルスの既往歴、他の病歴(例えば、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症の既往歴、癌の診断歴/治療歴など)、それらの組み合わせ、及び/又はその他同種のものなどを含み得る。臨床医は、ドナーデータを利用して、特定の患者に対する治療レジメンを調整することができる。例えば、細菌性膣炎を有する患者は、細菌性膣炎の改善を成功したことがあるドナーに由来する膣内微生物叢組成物で治療され得る。
【0099】
場合によっては、ドナーデータは妊娠歴を含み得る。例えば、一部のドナーは、妊娠を求めるか又は他の方法で、実際若しくは認知された受精能の上昇を有するときに、妊娠する可能性が高いという経験を有する場合がある。そのようなドナーからの微生物を含む膣内微生物叢組成物は、患者の受精能を増加又は高めようとして、不妊治療の課題を経験している患者に投与されてもよい。そのような場合、膣内微生物叢組成物は、経口カプセルとして投与され得る。或いは、膣内微生物叢組成物は、移植片として投与され、及び/又は他の方法で患者の膣内に直接挿入されてもよい。
【0100】
米国特許第9,675,648号明細書は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0101】
米国特許第9,629,881号明細書は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0102】
米国特許第10,226,431号明細書は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0103】
米国特許出願公開第2018/0289750号明細書は、参照により本明細書に組み込まれる。
【実施例
【0104】
本開示は、以下の実施例を参照することによって更に明確にすることができ、これらの実施例は、本質的に予測的であり、いくつかの実施例を例証するために機能し、本開示を多少なりとも限定するものではない。
【0105】
実施例1
膣内微生物叢組成物を製造することができる。膣内微生物叢組成物は、約40%のラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)、約20%のラクトバチルス・イナース(Lactobacillus iners)、約5%のラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)、約5%のラクトバチルス・ジェンセニイ(Lactobacillus jensenii)、約1%のラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)、約1%のラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、約1%のラクトバチルス・ワギナリス(Lactobacillus vaginalis)、約1%のラクトバチルス・ラムノースス(Lactobacillus rhamnosus)、約1%のラクトバチルス・ジョンソニー(Lactobacillus johnsonii)、約1%のラクトバチルス・ヘルヴェティクス(Lactobacillus helveticus)、約1%のラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)、約1%のラクトバチルス・ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)、約1%のラクトバチルス・サルバリウス(Lactobacillus salivarius)、及び約1%のラクトバチルス・デルブリュッキイ(Lactobacillus delbrueckii)を含む細菌の混合物を含む。
【0106】
細菌の混合物は、座薬中に配置することができる。座薬中に含まれる総容量(例えば、細菌の混合物を含む材料の用量)は、約100マイクロリットル~約10ミリリットルのオーダーであり得る。
【0107】
この座薬は患者に投与することができる。例えば、座薬は、細菌性膣炎、カンジダ症感染症、ヒトパピローマウイルス感染症、尿路感染症、性感染症、及び婦人科癌のうちの1つ以上を治療するために患者に投与することができる。
【0108】
この座薬は、患者に投与することができる。例えば、座薬は、早産を予防し、流産を予防し、不妊症を治療し、間質性膀胱を治療し、多嚢胞性卵巣症候群を治療し、及び/又はこれらの組み合わせを行うために患者に投与することができる。
【0109】
実施例2-膣内微生物叢組成物に使用するための例示的なラクトバチルス・ジェンセニイ(Lactobacillus jensenii)株
株8001-D01-M006と表記されるラクトバチルス・ジェンセニイ(Lactobacillus jensenii)株を、ドネーション(例えば、本明細書に記載されるように寄贈された)中に寄託されたドナーの検体から単離した。ドナーは、膣スワブ及び尿検体を寄贈することによって資格を得て、これらはグラム染色及びNugentスコア化(GRAM)のためにFairview Diagnostics Laboratoryに送られ、次のSTI:膣トリコモナス(Trichomonas vaginalis)(TVPCR)、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)(GCPCR)、クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)(CHPCR)について検査した。
【0110】
8001-D01-M006のワーキングセルストックの調整中には、培養細胞密度を設定することは対象にされなかったが、以前に調整された画線塗布プレートから単一ウェル単離コロニーを選択することによって、一晩培養を開始した。この一晩培養物を、翌朝に新鮮なブロスに1:5に希釈し、少なくとも4時間増殖させて、その後培養物をグリセロールと組み合わせて、10%のグリセロールストックを調整した。一般に、この方法でのグリセロールストックの調整は、約1×10CFU/mlの細胞密度を有するストックをもたらしている。
【0111】
OmniGene及びESwab膣スワブ検体(8001-D01)を、メタゲノミクスシーケンシング(OmniGene)、及び培養並びにqPCRアイデンティティ検査(ESwab)用に提供した。培養並びにqPCRアイデンティティ検査用のESwab検体8001-D01を、嫌気性チャンバに導入した。Eswab検体を簡単にボルテックスし、その後50μLの試料を取り出した。試料アリコートを、遠心分離によりペレット化した。ペレットからDNAを抽出し、試料をqPCRによって評価し、ラクトバチルス種のアイデンティティを決定した。
【0112】
追加の100μLのサンプルを、元のEswab検体から取り出した。このアリコートを10倍段階希釈し、次いで10-3、10-4、10-5希釈物からの100μLを、MRS寒天上で塗抹プレーティングし、次いで35℃で24~72時間インキュベートした。
【0113】
推定に基づくラクトバチルス属を、コロニー形態及びグラム染色によって寒天プレート上で同定した。推定に基づくラクトバチルスコロニー形態と一致するコロニー形態を有する個々のコロニーを、滅菌トゥースピックを使用して拾い上げ、次いで新鮮なMRS寒天、LAMVAB寒天(ラクトバチルス属に選択的な培地)上に置き、その後96深型ウェルプレートのウェル中のMRSブロスに接種した。MRSブロス中で増殖させたラクトバチルス属を含有する96深型ウェルプレートを、24時間インキュベートした。パッチプレートを、35℃で24~72時間インキュベートした。
【0114】
株8001-D01-M006を、元のMRS寒天希釈プレートのうちの1つから拾い上げ、MRS寒天パッチプレート上のグリッドスポット#6、LAMVABプレート上のグリッドスポット#6上に広げ、ウェルF7中のMRSブロスに接種した。96深型ウェルプレートのウェルF7で増殖する株8001-D01-M006のブロス培養物を、96ウェルPCRプレートのウェルF7、及び2つの96ウェルマイクロタイタープレートのウェルF7(ウェル中に50%のグリセロールを含有し、それにより8001-D01-M006培養物の添加時に、最終グリセロール濃度は10%であった)に移した。96ウェルPCRプレートに小分けした培養物をペレット化し、DNAを抽出し、試料をqPCRによって試験して、ラクトバチルス種のアイデンティティを決定した(可能な場合)。株8001-D01-M006は、qPCRによってラクトバチルス・ジェンセニイ(Lactobacillus jensenii)であると決定された。培養物及び10%のグリセロールを含有する2×96ウェルマイクロタイタープレート(凍結保存プレート)を粘着ホイルシールで密封し、次いで-70℃以下で凍結保存した。
【0115】
株8001-D01-M006を、凍結した96ウェルマイクロタイタープレートから増殖及び特性評価のために回収した。培養物及び10%のグリセロールを含有する1つの96ウェルマイクロタイタープレートを、嫌気性チャンバに導入し、室温で1時間解凍した。ウェルF7中の培養物をピペッティングにより穏やかに混合し、次いでMRS寒天上で単離するために画線塗抹した。プレートを35℃で24~72時間インキュベートした。
【0116】
単一ウェル単離コロニーを画線塗抹プレートから選択し、予め減量したMRSブロス中の一晩培養物を接種するために使用した(35℃で18~24時間)。翌日、一晩培養物を新鮮なMRSブロス中に希釈し、約4時間インキュベートさせて、その後50%のグリセロールと合わせ(10%のグリセロールの最終濃度)、冷凍保存バイアルに小分けし(バイアル当たり1ミリリットル)、-70℃以下で冷凍保存した。
【0117】
株8001-D01-M006を単離し、予め減量したMRS寒天及びブロスを使用して繁殖させた。使用した培地のロットを、P249-01検体培養ワークシート上に検体8001-D01について記録する。MRSブロス及びMRS寒天の各ロットについての完成した培地調製物ワークシートをP249バインダーに保管する。簡単に言うと、MRS寒天及びMRSブロス増殖培地を、以下の成分を含有する(グラム重量/リットル)Hardy DiagnosticのCriterion(商標)ラクトバチルス属MRSブロスを使用して自主調製した:デキストロース(20.0g)、動物組織のペプシン消化物(10.0g)、牛肉エキス(10.0g)、酵母エキス(5.0g)、酢酸ナトリウム(5.0g)、リン酸二ナトリウム(2.0g)、クエン酸アンモニウム(2.0g)、Tween 80(1.0g)、硫酸マグネシウム(0.1g)、及び硫酸マンガン(0.05g)。MRS寒天プレートは、同じCriterion(商標)ラクトバチルス属MRSブロスを基剤として使用し、15g/LのBD Difco寒天を含む。MRSブロス及び寒天はまた、0.5g/LのL-システインを含有する。
【0118】
この株8001-D01-M006は、qPCR及びStrainviewシーケンシングによって同定された。qPCR法は、未知の単離物から生成されたアンプリコンについての解離曲線プロファイルを既知の陽性対照株のものと比較することによって、ラクトバチルス属及び7つの異なるラクトバチルス種(ラクトバチルス・クリスパタス(L.crispatus)、ラクトバチルス・ガセリ(L.gasseri)、ラクトバチルス・ジェンセニイ(L.jensenii)、ラクトバチルス・イナース(L.iners)、ラクトバチルス・アシドフィルス(L.acidophilus)、ラクトバチルス・デルブリュッキイ(L.delbrueckii)、及びラクトバチルス・ヘルヴェティクス(L.helveticus))を検出する。Strainviewシーケンシングは、Diversigenによって実施された。株は、Strainviewパイプラインを使用して分析される場合、抗生物質耐性遺伝子を含有せず、且つ病原性遺伝子を含有しないことが見出された。
【0119】
株8001-D01-M006は、膣内微生物叢組成物に利用することができる好適なラクトバチルス・ジェンセニイ(Lactobacillus jensenii)株の一例であり得る。
【0120】
実施例3-膣内微生物叢組成物に使用するための例示的なラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)株
株8018-IN-M001と表記されるラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)株を、ドネーション(例えば、本明細書に記載されるように寄贈された)中に寄託されたドナーの検体から単離した。ドナーは、膣スワブ及び尿検体を寄贈することによって資格を得て、これらはグラム染色及びNugentスコア化(GRAM)のためにFairview Diagnostics Laboratoryに送られ、次のSTI:膣トリコモナス(Trichomonas vaginalis)(TVPCR)、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)(GCPCR)、クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)(CHPCR)について検査した。
【0121】
8018-IN-M001のワーキングセルストックの調整中には、培養細胞密度を設定することは対象にされなかったが、以前に調整された画線塗布プレートから単一ウェル単離コロニーを選択することによって、一晩培養を開始した。この一晩培養物を、翌朝に新鮮なブロスに1:5に希釈し、少なくとも4時間増殖させて、その後培養物をグリセロールと組み合わせて、10%のグリセロールストックを調整した。一般に、この方法でのグリセロールストックの調整は、約1×10~7×10CFU/mlの細胞密度を有するストックをもたらしている。
【0122】
OmniGene及びESwab膣スワブ検体(8018-IN)を、メタゲノミクスシーケンシング(OmniGene)、及び培養並びにqPCRアイデンティティ検査(ESwab)用に提供した。培養並びにqPCRアイデンティティ検査用のESwab検体8018-INを、嫌気性チャンバに導入した。Eswab検体を簡単にボルテックスし、その後50μLの試料を取り出した。試料アリコートを、遠心分離によりペレット化した。ペレットからDNAを抽出し、試料をqPCRによって評価し、ラクトバチルス種のアイデンティティを決定した。
【0123】
追加の100μLのサンプルを、元のEswab検体から取り出した。このアリコートを10倍段階希釈し、次いで10-3、10-4、10-5希釈物からの100μLを、MRS寒天上で塗抹プレーティングし、次いで35℃で24~72時間インキュベートした。
【0124】
推定に基づくラクトバチルス属を、コロニー形態及びグラム染色によって寒天プレート上で同定した。推定に基づくラクトバチルスコロニー形態と一致するコロニー形態を有する個々のコロニーを、滅菌トゥースピックを使用して拾い上げ、次いで新鮮なMRS寒天、LAMVAB寒天(ラクトバチルス属に選択的な培地)上に置き、その後96深型ウェルプレートのウェル中のMRSブロスに接種した。MRSブロス中で増殖させたラクトバチルス属を含有する96深型ウェルプレートを、24時間インキュベートした。パッチプレートを、35℃で24~72時間インキュベートした。
【0125】
株8018-IN-M001を、元のMRS寒天希釈プレートのうちの1つから拾い上げ、MRS寒天パッチプレート上のグリッドスポット#1、LAMVABプレート上のグリッドスポット#1上に広げ、ウェルA7中のMRSブロスに接種した。96深型ウェルプレートのウェルA7で増殖する株8018-IN-M001のブロス培養物を、96ウェルPCRプレートのウェルA7、及び2つの96ウェルマイクロタイタープレートのウェルA7(ウェル中に50%のグリセロールを含有し、それにより8018-IN-M001培養物の添加時に、最終グリセロール濃度は10%であった)に移した。96ウェルPCRプレートに小分けした培養物をペレット化し、DNAを抽出し、試料をqPCRによって試験して、ラクトバチルス種のアイデンティティを決定した(可能な場合)。株8018-IN-M001は、qPCRによってラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)であると決定された。培養物及び10%のグリセロールを含有する2×96ウェルマイクロタイタープレート(凍結保存プレート)を粘着ホイルシールで密封し、次いで-70℃以下で凍結保存した。
【0126】
株8018-IN-M001を、凍結した96ウェルマイクロタイタープレートから増殖及び特性評価のために回収した。培養物及び10%のグリセロールを含有する1つの96ウェルマイクロタイタープレートを、嫌気性チャンバに導入し、室温で1時間解凍した。ウェルA7中の培養物をピペッティングにより穏やかに混合し、次いでMRS寒天上で単離するために画線塗抹した。プレートを35℃で24~72時間インキュベートした。
【0127】
単一ウェル単離コロニーを画線塗抹プレートから選択し、予め減量したMRSブロス中の一晩培養物を接種するために使用した(35℃で18~24時間)。翌日、一晩培養物を新鮮なMRSブロス中に希釈し、約4時間インキュベートさせて、その後50%のグリセロールと合わせ(10%のグリセロールの最終濃度)、冷凍保存バイアルに小分けし(バイアル当たり1ミリリットル)、-70℃以下で冷凍保存した。
【0128】
株8018-IN-M001を単離し、予め減量したMRS寒天及びブロスを使用して繁殖させた。使用した培地のロットを、P249-01検体培養ワークシート上に検体8018-INについて記録する。MRSブロス及びMRS寒天の各ロットについての完成した培地調製物ワークシートをP249バインダーに保管する。簡単に言うと、MRS寒天及びMRSブロス増殖培地を、以下の成分を含有する(グラム重量/リットル)Hardy DiagnosticのCriterion(商標)ラクトバチルス属MRSブロスを使用して自主調製した:デキストロース(20.0g)、動物組織のペプシン消化物(10.0g)、牛肉エキス(10.0g)、酵母エキス(5.0g)、酢酸ナトリウム(5.0g)、リン酸二ナトリウム(2.0g)、クエン酸アンモニウム(2.0g)、Tween 80(1.0g)、硫酸マグネシウム(0.1g)、及び硫酸マンガン(0.05g)。MRS寒天プレートは、同じCriterion(商標)ラクトバチルス属MRSブロスを基剤として使用し、15g/LのBD Difco寒天を含む。MRSブロス及び寒天はまた、0.5g/LのL-システインを含有する。
【0129】
この株8018-IN-M001は、qPCR及びStrainviewシーケンシングによって同定された。qPCR法は、未知の単離物から生成されたアンプリコンについての解離曲線プロファイルを既知の陽性対照株のものと比較することによって、ラクトバチルス属及び7つの異なるラクトバチルス種(ラクトバチルス・クリスパタス(L.crispatus)、ラクトバチルス・ガセリ(L.gasseri)、ラクトバチルス・ジェンセニイ(L.jensenii)、ラクトバチルス・イナース(L.iners)、ラクトバチルス・アシドフィルス(L.acidophilus)、ラクトバチルス・デルブリュッキイ(L.delbrueckii)、及びラクトバチルス・ヘルヴェティクス(L.helveticus))を検出する。Strainviewシーケンシングは、Diversigenによって実施された。株は、Strainviewパイプラインを使用して分析される場合、抗生物質耐性遺伝子を含有せず、且つ病原性遺伝子を含有しないことが見出された。
【0130】
株8018-IN-M001は、膣内微生物叢組成物に利用することができる好適なラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)株の一例であり得る。
【0131】
実施例4-膣内微生物叢組成物に使用するための例示的なラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)株
株8001-D01-M004と表記されるラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)株を、ドネーション(例えば、本明細書に記載されるように寄贈された)中に寄託されたドナーの検体から単離した。ドナーは、膣スワブ及び尿検体を寄贈することによって資格を得て、これらはグラム染色及びNugentスコア化(GRAM)のためにFairview Diagnostics Laboratoryに送られ、次のSTI:膣トリコモナス(Trichomonas vaginalis)(TVPCR)、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)(GCPCR)、クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)(CHPCR)について検査した。
【0132】
8001-D01-M004のワーキングセルストックの調整中には、培養細胞密度を設定することは対象にされなかったが、以前に調整された画線塗布プレートから単一ウェル単離コロニーを選択することによって、一晩培養を開始した。この一晩培養物を、翌朝に新鮮なブロスに1:5に希釈し、少なくとも4時間増殖させて、その後培養物をグリセロールと組み合わせて、10%のグリセロールストックを調整した。一般に、この方法でのグリセロールストックの調整は、約1×10~1×10CFU/mlの細胞密度を有するストックをもたらしている。
【0133】
OmniGene及びESwab膣スワブ検体(8001-D01)を、メタゲノミクスシーケンシング(OmniGene)、及び培養並びにqPCRアイデンティティ検査(ESwab)用に提供した。培養並びにqPCRアイデンティティ検査用のESwab検体8001-D01を、嫌気性チャンバに導入した。Eswab検体を簡単にボルテックスし、その後50μLの試料を取り出した。試料アリコートを、遠心分離によりペレット化した。ペレットからDNAを抽出し、試料をqPCRによって評価し、ラクトバチルス種のアイデンティティを決定した。
【0134】
追加の100μLのサンプルを、元のEswab検体から取り出した。このアリコートを10倍段階希釈し、次いで10-3、10-4、10-5希釈物からの100μLを、MRS寒天上で塗抹プレーティングし、次いで35℃で24~72時間インキュベートした。
【0135】
推定に基づくラクトバチルス属を、コロニー形態及びグラム染色によって寒天プレート上で同定した。推定に基づくラクトバチルスコロニー形態と一致するコロニー形態を有する個々のコロニーを、滅菌トゥースピックを使用して拾い上げ、次いで新鮮なMRS寒天、LAMVAB寒天(ラクトバチルス属に選択的な培地)上に置き、その後96深型ウェルプレートのウェル中のMRSブロスに接種した。MRSブロス中で増殖させたラクトバチルス属を含有する96深型ウェルプレートを、24時間インキュベートした。パッチプレートを、35℃で24~72時間インキュベートした。
【0136】
株8001-D01-M004を、元のMRS寒天希釈プレートのうちの1つから拾い上げ、MRS寒天パッチプレート上のグリッドスポット#4、LAMVABプレート上のグリッドスポット#4上に広げ、ウェルD7中のMRSブロスに接種した。96深型ウェルプレートのウェルD7で増殖する株8001-D01-M004のブロス培養物を、96ウェルPCRプレートのウェルD7、及び2つの96ウェルマイクロタイタープレートのウェルD7(ウェル中に50%のグリセロールを含有し、それにより8001-D01-M004培養物の添加時に、最終グリセロール濃度は10%であった)に移した。96ウェルPCRプレートに小分けした培養物をペレット化し、DNAを抽出し、試料をqPCRによって試験して、ラクトバチルス種のアイデンティティを決定した(可能な場合)。株8001-D01-M004は、qPCRによってラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)であると決定された。培養物及び10%のグリセロールを含有する2×96ウェルマイクロタイタープレート(凍結保存プレート)を粘着ホイルシールで密封し、次いで-70℃以下で凍結保存した。
【0137】
株8001-D01-M004を、凍結した96ウェルマイクロタイタープレートから増殖及び特性評価のために回収した。培養物及び10%のグリセロールを含有する1つの96ウェルマイクロタイタープレートを、嫌気性チャンバに導入し、室温で1時間解凍した。ウェルD7中の培養物をピペッティングにより穏やかに混合し、次いでMRS寒天上で単離するために画線塗抹した。プレートを35℃で24~72時間インキュベートした。
【0138】
単一ウェル単離コロニーを画線塗抹プレートから選択し、予め減量したMRSブロス中の一晩培養物を接種するために使用した(35℃で18~24時間)。翌日、一晩培養物を新鮮なMRSブロス中に希釈し、約4時間インキュベートさせて、その後50%のグリセロールと合わせ(10%のグリセロールの最終濃度)、冷凍保存バイアルに小分けし(バイアル当たり1ミリリットル)、-70℃以下で冷凍保存した。
【0139】
株8001-D01-M004を単離し、予め減量したMRS寒天及びブロスを使用して繁殖させた。使用した培地のロットを、P249-01検体培養ワークシート上に検体8001-D01について記録する。MRSブロス及びMRS寒天の各ロットについての完成した培地調製物ワークシートをP249バインダーに保管する。簡単に言うと、MRS寒天及びMRSブロス増殖培地を、以下の成分を含有する(グラム重量/リットル)Hardy DiagnosticのCriterion(商標)ラクトバチルス属MRSブロスを使用して自主調製した:デキストロース(20.0g)、動物組織のペプシン消化物(10.0g)、牛肉エキス(10.0g)、酵母エキス(5.0g)、酢酸ナトリウム(5.0g)、リン酸二ナトリウム(2.0g)、クエン酸アンモニウム(2.0g)、Tween 80(1.0g)、硫酸マグネシウム(0.1g)、及び硫酸マンガン(0.05g)。MRS寒天プレートは、同じCriterion(商標)ラクトバチルス属MRSブロスを基剤として使用し、15g/LのBD Difco寒天を含む。MRSブロス及び寒天はまた、0.5g/LのL-システインを含有する。
【0140】
この株8001-D01-M004は、qPCR及びStrainviewシーケンシングによって同定された。qPCR法は、未知の単離物から生成されたアンプリコンについての解離曲線プロファイルを既知の陽性対照株のものと比較することによって、ラクトバチルス属及び7つの異なるラクトバチルス種(ラクトバチルス・クリスパタス(L.crispatus)、ラクトバチルス・ガセリ(L.gasseri)、ラクトバチルス・ジェンセニイ(L.jensenii)、ラクトバチルス・イナース(L.iners)、ラクトバチルス・アシドフィルス(L.acidophilus)、ラクトバチルス・デルブリュッキイ(L.delbrueckii)、及びラクトバチルス・ヘルヴェティクス(L.helveticus))を検出する。Strainviewシーケンシングは、Diversigenによって実施された。株は、Strainviewパイプラインを使用して分析される場合、抗生物質耐性遺伝子を含有せず、且つ病原性遺伝子を含有しないことが見出された。
【0141】
株8001-D01-M004は、膣内微生物叢組成物に利用することができる好適なラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)株の一例であり得る。
【0142】
実施例5-膣内微生物叢組成物で使用するための例示的なラクトバチルス・ラムノースス(Lactobacillus rhamnosus)株
株BPL5と表記されるラクトバチルス・ラムノースス(Lactobacillus rhamnosus)の例示的な株は、米国特許第10,588,926号明細書に開示されており、その内容全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0143】
株BPL5は、膣内微生物叢組成物に利用することができる好適なラクトバチルス・ラムノースス(Lactobacillus rhamnosus)株の一例であり得る。
【0144】
実施例6-MRSブロス中で48時間嫌気的に増殖される場合の株のpH低下能力及び乳酸産生
株BPL5(ラクトバチルス・ラムノースス(L.rhamnosus);実施例6)、8001-D01-M006(ラクトバチルス・ジェンセニイ(L.jensenii);実施例2)、8001-D01-M004(ラクトバチルス・クリスパタス(L.crispatus);実施例4)、及び8018-IN-M001(ラクトバチルス・ガセリ(L.gasseri);実施例3)を、MRSブロスのpHを経時的に低下させるそれらのインビトロ能力について評価した。pH低下を評価するために、各株をMRSブロスに接種し、一晩増殖させた(嫌気性条件下で)。翌日、一晩培養物を、およそ1.0のOD600nm(これは、約1×10CFU/mLに相当した)に調整し、次いで新鮮なMRSブロスに更に希釈した(約1×10CFU/mLの出発濃度を目標にする(8001-D01-M006、8001-D01-M004、及び8018-IN-M001について))。株BPL5を、別々に異なる出発濃度(約1×10CFU/mL)で試験した。全ての培養物を嫌気的に48時間インキュベートし、pHについては試料を増殖の0時間及び48時間に採取した。全ての株は、48時間までにブロスのpHを大幅に低下させることができ、ラクトバチルス・ラムノースス(L.rhamnosus)及びラクトバチルス・クリスパタス(L.crispatus)の株が、最も大幅なpH低下を示している(表1)。BPL5(ラクトバチルス・ラムノースス(L.rhamnosus))及び8001-D01-M004(ラクトバチルス・クリスパタス(L.crispatus))株の両方は、ブロスpHを48時間までに4.0よりも低くなるまで低下させることができた(それぞれ3.78及び3.77)。8001-D01-M006(ラクトバチルス・ジェンセニイ(L.jensenii))及び8018-IN-M001(ラクトバチルス・ガセリ(L.gasseri))株もまた、48時間までにブロスpHを低下させた(それぞれ4.02及び4.06)が、ラクトバチルス・ラムノースス(L.rhamnosus)及びラクトバチルス・クリスパタス(L.crispatus)と同じ程度ではなかった。
【0145】
【表1】
【0146】
追加の試料を48時間の時点で採取し、濾過して、細菌を除去した。次いで、これらの細胞を含まない上清を分析して、D-乳酸及びL-乳酸のレベルを検出した。D-乳酸及びL-乳酸を、Megazymeによって製造されたD-/L-Lactic Acid(D-/L-Lactate)(迅速)アッセイキット(カタログ番号K-DLATE)を使用して定量化した。このキットは、乳酸デヒドロゲナーゼ及びグルタミン酸デヒドロゲナーゼを使用する酵素反応を用いて、D-乳酸及びL-乳酸の両方を定量化するように設計されている。乳酸の酸化によって生成されるNADHの量は、乳酸の出発濃度に対して化学量論的である。このキットを製造元が推奨する手順に従って使用した。試験された全ての株は、検出可能なレベルの乳酸を産生した(表2)。8001-D01-M004(ラクトバチルス・クリスパタス(L.crispatus))株は、最大レベルのD-乳酸及びL-乳酸(20.9g/L)並びに最大量のD-乳酸(13.5)を産生し、一方BPL5(ラクトバチルス・ラムノースス(L.rhamnosus))株は最大量のL-乳酸(17.3g/L)及び非常に少量のD-乳酸(0.8g/L)を産生した。ラクトバチルス・クリスパタス(L.crispatus)及びラクトバチルス・ガセリ(L.gasseri)株の両方は、大量の両方の乳酸異性体を産生し、両方の株はL-乳酸よりもD-乳酸を多く産生している。ラクトバチルス・ジェンセニイ(L.jensenii)の8001-D01-M006株は、主としてD-乳酸(12.4g/L)を産生し、非常に少量のL-乳酸(0.3g/L)を作り出した。
【0147】
【表2】
【0148】
これらの結果は、株BPL5(ラクトバチルス・ラムノースス(L.rhamnosus);実施例6)、8001-D01-M006(ラクトバチルス・ジェンセニイ(L.jensenii);実施例2)、8001-D01-M004(ラクトバチルス・クリスパタス(L.crispatus);実施例4)、及び8018-IN-M001(ラクトバチルス・ガセリ(L.gasseri);実施例3)が、膣内微生物叢組成物で使用するために好適な材料であり得ることを実証している。
【0149】
実施例7-例示的な膣内微生物叢組成物
例示的な膣内微生物叢組成物は、ラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)、ラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)、ラクトバチルス・ジェンセニイ(Lactobacillus jensenii)、ラクトバチルス・ラムノースス(Lactobacillus rhamnosus)を組み合わせることによって形成され得る。少なくともいくつかの例では、ラクトバチルス・ジェンセニイ(Lactobacillus jensenii)は、実施例2に記載された株であり得る。少なくともいくつかの例では、ラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)は、実施例3に記載された株であり得る。少なくともいくつかの例では、ラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)は、実施例4に記載された株であり得る。少なくともいくつかの例では、ラクトバチルス・ラムノースス(Lactobacillus rhamnosus)は、実施例5に記載された株であり得る。
【0150】
本開示は、多くの点で、例示に過ぎないことを理解するべきである。変更を細部にわたって、特に本開示の範囲を超えることなく、形状、サイズ、及びステップの配置に関して行うことができる。これには、適切である限りにおいて、1つの例示的な実施形態の特徴のいずれかの使用が、他の実施形態で使用されることを含み得る。本発明の範囲は、当然のことながら、添付の特許請求の範囲が表現されている言語で定義されている。
【国際調査報告】