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特表2023-527901振動カプセルの制御方法及び制御システム
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  • 特表-振動カプセルの制御方法及び制御システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-30
(54)【発明の名称】振動カプセルの制御方法及び制御システム
(51)【国際特許分類】
   A61H 21/00 20060101AFI20230623BHJP
【FI】
A61H21/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022574188
(86)(22)【出願日】2021-05-27
(85)【翻訳文提出日】2022-12-20
(86)【国際出願番号】 CN2021096441
(87)【国際公開番号】W WO2021244395
(87)【国際公開日】2021-12-09
(31)【優先権主張番号】202010486778.3
(32)【優先日】2020-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517396261
【氏名又は名称】アンコン メディカル テクノロジーズ (シャンハイ) カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ANKON MEDICAL TECHNOLOGIES (SHANGHAI) CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】Floor 1, No. 2218 Jinsui Road, Pilot Free Trade Zone, Shanghai, 200131, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】ドゥァン シァォドン
(72)【発明者】
【氏名】ドゥ ジェンミン
【テーマコード(参考)】
4C074
【Fターム(参考)】
4C074BB05
4C074CC01
4C074DD01
4C074HH08
(57)【要約】
本発明は、振動カプセルの制御方法及び制御システムを提供し、前記制御方法は、加速度センサの検出命令を受信し、加速度センサを作動するように制御するステップと、作動加速度データを取得するステップと、作動加速度データを外部機器に送信するステップと、外部機器で作動加速度データを解析し、振動カプセルの所在位置を判断するステップと、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加速度センサの検出命令を受信し、前記加速度センサを作動するように制御するステップと、
作動加速度データを取得するステップと、
前記作動加速度データを外部機器に送信するステップと、
前記外部機器で前記作動加速度データを解析し、振動カプセルの所在位置を判断するステップと、を含むことを特徴とする、振動カプセルの制御方法。
【請求項2】
「前記外部機器で前記作動加速度データを解析する」ステップは、
前記外部機器でT時間帯おきに前記作動加速度データを累積計算するステップと、
所定加速度データリストにおいて照会し、累積計算後の前記作動加速度データと前記所定加速度データリストとを照合するステップと、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の振動カプセルの制御方法。
【請求項3】
「前記作動加速度データを取得する」ステップは、
前記加速度センサにより検出された作動加速度値を取得するステップと、
前記作動加速度値を計算して前記作動加速度データを生成するステップと、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の振動カプセルの制御方法。
【請求項4】
「前記作動加速度データを前記外部機器に送信する」ステップは、
前記作動加速度データをコンフィギュレータに送信するステップと、
前記作動加速度データを振動カプセル制御ソフトウェアに送信するように前記コンフィギュレータを制御するステップと、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の振動カプセルの制御方法。
【請求項5】
「前記加速度センサの前記検出命令を受信する」ステップの前に、
作動システムに給電するように電源を制御するステップと、
前記作動システムを予設定するステップと、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の振動カプセルの制御方法。
【請求項6】
「前記作動システムに給電するように前記電源を制御する」ステップは、
前記加速度センサにより検出された起動加速度データを受信するステップと、
前記起動加速度データが所定値に達しているか否かを判断するステップと、
前記起動加速度データが前記所定値に達している場合、前記作動システムに持続的に給電するように前記電源を制御するステップと、を含むことを特徴とする、請求項5に記載の振動カプセルの制御方法。
【請求項7】
「前記作動システムを予設定する」ステップは、
振動カプセル内部メモリ内のデフォルトパラメータ情報を読み取るステップと、
前記デフォルトパラメータ情報によって前記作動システムを予設定するステップと、を含むことを特徴とする、請求項5に記載の振動カプセルの制御方法。
【請求項8】
「前記振動カプセルの前記所在位置を判断する」ステップの後に、
前記外部機器から送信されたた前記振動カプセルの前記所在位置での前記加速度データを受信し、前記加速度データを前記振動カプセルの前記所在位置での加速度閾値とするステップと、
前記加速度センサにより検出された現在の前記加速度データが前記所在位置での前記加速度閾値に達するように、前記作動システムにおけるモータを、作動状態を調整するように駆動するステップと、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の振動カプセルの制御方法。
【請求項9】
「前記振動カプセルの前記所在位置を判断する」ステップの後に、
前記外部機器と通信接続してマッチング情報を送信するステップと、
返答データ情報を受信した場合、前記返答データ情報において命令情報を抽出して取得し、前記命令情報に基づいてモータを作動するように制御するか又は内部メモリ内のデフォルトパラメータ情報を更新するステップと、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の振動カプセルの制御方法。
【請求項10】
「前記外部機器と通信接続して前記マッチング情報を送信する」ステップは、
N秒おきに前記外部機器へ前記マッチング情報を1回送信し、a回毎のマッチング情報送信を1つのサイクルとするステップを含み、毎回のサイクルで送信される前記マッチング情報がいずれも前記モータの現在の振動パラメータ及び作動状態を含むことを特徴とする、請求項9に記載の振動カプセルの制御方法。
【請求項11】
「前記振動カプセルの前記所在位置を判断する」ステップの後に、
内部メモリ内のデフォルト加速度閾値を読み取るステップと、
前記作動加速度データを取得するステップと、
前記作動加速度データと前記デフォルト加速度閾値とが一致するか否かを判断するステップと、
一致しない場合、前記加速度センサにより検出された現在の前記加速度データが前記デフォルト加速度閾値に達するように、モータの作動状態を調整するステップと、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の振動カプセルの制御方法。
【請求項12】
振動カプセルのMCU内で作動する前記振動カプセルの制御システムであって、前記MCUが命令を実行することで、
加速度センサの検出命令を受信し、前記加速度センサを作動するように制御するステップと、
作動加速度データを取得するステップと、
前記作動加速度データを外部機器に送信するステップと、
前記外部機器で前記作動加速度データを解析し、前記振動カプセルの所在位置を判断するステップと、を実現することを特徴とする、振動カプセルの制御システム。
【請求項13】
「前記加速度センサの前記検出命令を受信する」ステップを実現する前に、前記MCUが命令を実行することで、
作動システムに給電するように電源を制御するステップと、
前記作動システムを予設定するステップと、をさらに実現することを特徴とする、請求項12に記載の制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、出願日が2020年6月1日で、出願番号が202010486778.3で、発明の名称が「振動カプセルの制御方法」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容が参照によって本出願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、嚥下可能デバイスの技術に関し、特に振動カプセルの制御方法及び制御システムに関する。
【背景技術】
【0003】
現在、カプセル装置は医療行為において広く応用されている。中でも、カプセル内視鏡は患者の体内検査において大きな成果をもたらし、患者の小腸検査において従来の内視鏡技術を上回る明らかな優位性を示しているものであり、従来の内視鏡技術では検査できない腸管領域及び部位を検査可能である。
【0004】
また例えば、振動カプセルは振動によって人体の結腸壁に作用するものであり、結腸痙攣を効果的に軽減し、結腸運動を促進し、便秘を治療し、排便を促進し、それにより顔面の皮膚を整え、健康を促進するという効果を達成することができる。また、振動カプセルは小腸蠕動を促進し、小腸の食物に対する吸収を低減し、それにより痩身効果を達成することができる。
【0005】
しかし、既存の振動カプセルは、作動方式が単一で、予め設定されたパラメータに従って作動することしかできず、マンマシンインタラクションの機能がなく、まして振動カプセルの所在位置を把握できないため、ユーザの使用に不便を与える。
【0006】
したがって、位置が把握可能な振動カプセルを設計する必要がある。
【発明の概要】
【0007】
上記問題の1つを解決するために、本発明は、加速度センサの検出命令を受信し、前記加速度センサを作動するように制御するステップと、作動加速度データを取得するステップと、前記作動加速度データを外部機器に送信するステップと、前記外部機器で前記作動加速度データを解析し、振動カプセルの所在位置を判断するステップと、を含む振動カプセルの制御方法を提供する。
【0008】
本発明のさらなる改良として、「前記外部機器で前記作動加速度データを解析する」ステップは、前記外部機器でT時間帯おきに前記作動加速度データを累積計算するステップと、所定加速度データリストにおいて照会し、累積計算後の前記作動加速度データと前記所定加速度データリストとを照合するステップと、を含む。
【0009】
本発明のさらなる改良として、「前記作動加速度データを取得する」ステップは、前記加速度センサにより検出された作動加速度値を取得するステップと、前記作動加速度値を計算して前記作動加速度データを生成するステップと、を含む。
【0010】
本発明のさらなる改良として、「前記作動加速度データを前記外部機器に送信する」ステップは、前記作動加速度データをコンフィギュレータに送信するステップと、前記作動加速度データを振動カプセル制御ソフトウェアに送信するように前記コンフィギュレータを制御するステップと、を含む。
【0011】
本発明のさらなる改良として、「前記加速度センサの前記検出命令を受信する」ステップの前に、作動システムに給電するように電源を制御するステップと、前記作動システムを予設定するステップと、を含む。
【0012】
本発明のさらなる改良として、「前記作動システムに給電するように前記電源を制御する」ステップは、前記加速度センサにより検出された起動加速度データを受信するステップと、前記起動加速度データが所定値に達しているか否かを判断するステップと、前記起動加速度データが前記所定値に達している場合、前記作動システムに持続的に給電するように前記電源を制御するステップと、を含む。
【0013】
本発明のさらなる改良として、「前記作動システムを予設定する」ステップは、振動カプセル内部メモリ内のデフォルトパラメータ情報を読み取るステップと、前記デフォルトパラメータ情報によって前記作動システムを予設定するステップと、を含む。
【0014】
本発明のさらなる改良として、「前記振動カプセルの前記所在位置を判断する」ステップの後に、前記外部機器から送信された前記振動カプセルの前記所在位置での前記加速度データを受信し、前記加速度データを前記振動カプセルの該所在位置での加速度閾値とするステップと、前記加速度センサにより検出された現在の前記加速度データが前記所在位置での前記加速度閾値に達するように、前記作動システムにおけるモータを、作動状態を調整するように駆動するステップと、を含む。
【0015】
本発明のさらなる改良として、「前記振動カプセルの前記所在位置を判断する」ステップの後に、前記外部機器と通信接続してマッチング情報を送信するステップと、返答データ情報を受信した場合、前記返答データ情報において命令情報を抽出して取得し、前記命令情報に基づいてモータを作動するように制御するか又は内部メモリ内のデフォルトパラメータ情報を更新するステップと、を含む。
【0016】
本発明のさらなる改良として、「前記外部機器と通信接続して前記マッチング情報を送信する」ステップは、N秒おきに前記外部機器へ前記マッチング情報を1回送信し、a回毎のマッチング情報送信を1つのサイクルとするステップを含み、毎回のサイクルで送信される前記マッチング情報がいずれも前記モータの現在の振動パラメータ及び作動状態を含む。
【0017】
本発明のさらなる改良として、「前記振動カプセルの前記所在位置を判断する」ステップの後に、内部メモリ内のデフォルト加速度閾値を読み取るステップと、前記作動加速度データを取得するステップと、前記作動加速度データと前記デフォルト加速度閾値とが一致するか否かを判断するステップと、一致しない場合、前記加速度センサにより検出された現在の前記加速度データが前記デフォルト加速度閾値に達するように、モータの作動状態を調整するステップと、を含む。
【0018】
上記問題の1つを解決するために、本発明は、振動カプセルのMCU内で作動する前記振動カプセルの制御システムであって、前記MCUが命令を実行することで、加速度センサの検出命令を受信し、前記加速度センサを作動するように制御するステップと、作動加速度データを取得するステップと、前記作動加速度データを外部機器に送信するステップと、前記外部機器で前記作動加速度データを解析し、前記振動カプセルの所在位置を判断するステップと、を実現する振動カプセルの制御システムをさらに提供する。
【0019】
本発明のさらなる改良として、「前記加速度センサの前記検出命令を受信する」ステップを実現する前に、前記MCUが命令を実行することで、作動システムに給電するように電源を制御するステップと、前記作動システムを予設定するステップと、をさらに実現する。
【0020】
従来技術に比べ、本発明では、加速度センサが作動加速度データを検出によって取得し、該作動加速度データは外部機器に伝送し、外部機器で解析することができ、それにより振動カプセルの所在位置を判断することができる。したがって、ユーザは振動カプセルの腸管における大まかな位置を容易に把握でき、作動状態等の情報をよりよく把握することもできる。そして、ユーザは振動カプセルの所在位置に基づいてさらなる操作又は判断を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の振動カプセルの制御方法の手順模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
当業者が本発明における技術的解決手段をよりよく理解できるために、以下において、本発明の実施例における図面を参照しながら、本発明の実施例における技術的解決手段を明確に、完全に説明し、当然ながら、説明される実施例は本発明の実施例の一部に過ぎず、全ての実施例ではない。本発明における実施例に基づき、当業者が創造的な労力を要することなく得られた他の全ての実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属するものとする。
【0023】
図1は、本発明の振動カプセルの制御方法であり、前記制御方法は、
加速度センサの検出命令を受信し、加速度センサを作動するように制御するステップと、
作動加速度データを取得するステップと、
作動加速度データを外部機器に送信するステップと、
外部機器で作動加速度データを解析し、振動カプセルの所在位置を判断するステップと、を含む。
【0024】
即ち、加速度センサは作動加速度データを検出によって取得し、該作動加速度データは外部機器に伝送し、外部機器で解析することができ、それにより振動カプセルの所在位置を判断することができる。したがって、ユーザは振動カプセルの腸管における大まかな位置を容易に把握でき、作動状態等の情報をよりよく把握することもできる。そして、ユーザは振動カプセルの所在位置に基づいてさらなる操作又は判断を行うことができる。
【0025】
振動カプセルの所在位置を判断するためには、作動加速度データを解析する必要がある。具体的には、「外部機器で作動加速度データを解析する」前記ステップは、
外部機器でT時間帯おきに作動加速度データを累積計算するステップと、
所定加速度データリストにおいて照会し、累積計算後の作動加速度データと所定加速度データリストとを照合するステップと、を含む。
【0026】
T時間帯は1分間であり、所定加速度データリストには腸管の位置及び該位置に対応する作動加速度データを累積計算したデータが示される。それにより、照合によって、振動カプセルの腸管における大まかな位置を判断することができる。当然、該所定加速度データリストは事前の測定、計算等の方式で得られたものであり、参考になる価値が高い。
【0027】
また、「作動加速度データを取得する」ステップは、
加速度センサにより検出された作動加速度値を取得するステップと、
作動加速度値を計算して作動加速度データを生成するステップと、を含む。
【0028】
具体的には、モータは作動時に周期的に振動及び停止し、加速度センサは加速度値を検出によって取得し、且つモータの作動時に、振動カプセルも腸管と共に運動するため、これに基づいて振動カプセルの所在位置を計測することができる。また、加速度センサにより検出された作動加速度値は3軸加速度データであり、該3軸加速度データに対して数値変換を行って作動加速度データを得る。
【0029】
外部機器はコンフィギュレータ及び振動カプセル制御ソフトウェアを含み、それにより、さらに、「作動加速度データを外部機器に送信する」ステップは、
作動加速度データをコンフィギュレータに送信するステップと、
作動加速度データを振動カプセル制御ソフトウェアに送信するようにコンフィギュレータを制御するステップと、を含む。
【0030】
振動カプセルはまず無線信号によって作動加速度データをコンフィギュレータに送信し、コンフィギュレータは該作動加速度データを振動カプセル制御ソフトウェアに送信し、振動カプセル制御ソフトウェアは上記作動加速度データを累積計算することができ、且つ振動カプセルの所在位置の判断結果を振動カプセル制御ソフトウェアのインタフェースに表示することができる。したがって、ユーザは該振動カプセル制御ソフトウェアによって振動カプセルの作動状態を監視でき、振動カプセルの振動状態を変更することもできる。
【0031】
加速度センサが起動された後、加速度センサはまず初期化し、次に高速サンプリングし、高速サンプリングにおいて、加速度センサのサンプリング速度は約50ミリ秒当たりに1回とする。
【0032】
そのため、「加速度センサの検出命令を受信する」ステップの前に、
作動システムに給電するように電源を制御するステップと、
作動システムを予設定するステップと、を含む。
【0033】
加速度センサが持続的な高速検出を行う前に、先に作動システムに電源を投入し、作動システムのパラメータを設定する。具体的には、モータの振動周波数、振幅、振動時間等のパラメータを設定してもよい。
【0034】
具体的には、「作動システムに給電するように電源を制御する」ステップは、
加速度センサにより検出された起動加速度データを受信するステップと、
起動加速度データが所定値に達しているか否かを判断するステップと、
起動加速度データが所定値に達している場合、作動システムに持続的に給電するように電源を制御するステップと、を含む。
【0035】
加速度センサは持続的に給電されているが、電源の作動システムへの給電前に、低消費電力の定期低速検出状態にある。
【0036】
該定期低速検出状態において、加速度センサが起動加速度データを検出し、且つ該起動加速度データが所定値に達している場合、該振動カプセルが既に使用準備ができているため、作動システムに電源を投入し、作動システムの作動を開始させる。それにより上記の外部機器との通信等をさらに行うことができる。
【0037】
また、起動加速度データが所定値に達するためには、振動カプセルに対する特定の操作が必要である。
【0038】
例えば、振動カプセルを包装箱から取り出した後、所定の時間内に振動カプセルに対して特定の回動、振り回し、揺動等の操作を行うことで、加速度センサは1つの特別な起動加速度データを検出でき、該起動加速度データが所定値に達した時、作動システムに持続的に給電するように電源を制御することで、振動カプセルの作動が開始する。したがって、本発明では、ユーザが振動カプセルに対する特定の操作を行って振動カプセルの作動システムを起動することで、ユーザは振動カプセルの作動開始時間を自主的に選択することができ、従来技術のように振動カプセルを包装箱から取り出すと直ちに服用しなければならないことがない。さらに、ユーザは振動カプセルの作動状態を把握でき、振動カプセルの使用にも興趣を添えることができる。
【0039】
以下において、パラメータの設定プロセスをさらに説明し、「作動システムを予設定する」ステップは、
振動カプセル内部メモリ内のデフォルトパラメータ情報を読み取るステップと、
デフォルトパラメータ情報によって作動システムを予設定するステップと、を含む。
【0040】
予設定プロセスにおいて、振動カプセルの内部メモリにデフォルトパラメータ情報が記憶されており、振動カプセルの作動が開始した後、モータは該デフォルトパラメータに従って作動してもよい。具体的には、カプセルの電源投入が初めてであるか否かを、振動カプセル内部のマイクロコントローラが判断する。初めての電源投入である場合、振動カプセル内部の不揮発性メモリ(例えばflash memory,フラッシュメモリ)からデフォルトパラメータ情報を読み取って作動システムを設定する。初めての電源投入でない場合、振動カプセル内部のランダムアクセスメモリ(例えばSRAM(Static Random-Access Memory,スタティックランダムアクセスメモリ))からデフォルトパラメータ情報を読み取って作動システムを設定する。
【0041】
さらに、第1の実施形態において、振動カプセルが人体内で作動する場合、振動カプセルの人体内での位置を知った後、振動カプセルの作動状況を制御する必要がある。具体的には、「振動カプセルの所在位置を判断する」ステップの後に、
外部機器から送信された振動カプセルの所在位置での加速度データを受信し、該加速度データを振動カプセルの該所在位置での加速度閾値とするステップと、
加速度センサにより検出された現在の加速度データが上記所在位置での加速度閾値に達するように、作動システムにおけるモータを、作動状態を調整するように駆動するステップと、を含む。
【0042】
それにより、モータは現在の加速度データに基づいて作動し、外部機器と通信することができ、振動カプセルの所在位置に基づいて調整を行うことができる。
【0043】
また、外部機器は振動カプセルの作動を制御するために振動カプセルに他の情報を送信してもよい。具体的には、第2の実施形態において、「振動カプセルの所在位置を判断する」ステップの後に、
外部機器と通信接続してマッチング情報を送信するステップと、
返答データ情報を受信した場合、返答データ情報において命令情報を抽出して取得し、該命令情報に基づいてモータを作動するように制御するか又は内部メモリ内のデフォルトパラメータ情報を更新するステップと、を含む。
【0044】
逆に、返答データ情報を受信していない場合、モータは依然として元のデフォルトパラメータに従って作動し、対応するデフォルトパラメータ情報の変更も行わない。
【0045】
それにより、振動カプセルが作動している場合にも、外部機器との通信が依然として維持される。返答データ情報を受信した場合、モータが直ちに新しい振動パラメータに従って振動するように、命令情報に基づいてモータの振動パラメータを調整してもよく、又は、モータが後続の作動において振動状態を変えるように、デフォルトパラメータ情報を更新してもよい。それにより、ユーザは必要に応じて外部機器によってカプセルの振動パラメータを変更し、マンマシンインタラクションを実現し、好ましい振動力で振動するようにカプセルを制御することができる。該第2の実施形態及び第1の実施形態の両方においても、上記振動カプセル制御ソフトウェアによってカプセルの作動状態を調整することができる。
【0046】
また、「外部機器と通信接続してマッチング情報を送信する」上記ステップは、
N秒おきに外部機器へマッチング情報を1回送信し、a回毎のマッチング情報送信を1つのサイクルとするステップを含み、毎回のサイクルで送信されるマッチング情報がいずれもモータの現在の振動パラメータ及び作動状態を含む。さらに、具体的には、Nが2、aが4の場合、作動システムが2秒おきにマッチング情報を1回送信し、4回を1サイクルとすることを意味する。また、1つのサイクルにおいて、最初の3回で送信されるマッチング情報は作動システムの現在の設定パラメータであり、4回目で送信されるマッチング情報は作動システムの現在の状態である。また、1回のマッチング情報送信を完了した毎に、受信状態に移行し、一定時間内(例えば3ミリ秒内)に返答データ情報を受信したならば、返答データ情報を命令情報として抽出し、一定時間内(例えば3ミリ秒内)に返答データ情報を受信していないならば、マッチング情報の再度送信を待つ。それにより、送信されるマッチング情報に対応する返答データ情報が取得されると、作動システムを操作し、モータに新しい振動状態があるようにモータの振動パラメータを調整するか、又はデフォルトパラメータ情報を更新することができる。
【0047】
なお、第3の実施形態において、「振動カプセルの所在位置を判断する」ステップの後に、
内部メモリ内のデフォルト加速度閾値を読み取るステップと、
作動加速度データを取得するステップと、
作動加速度データとデフォルト加速度閾値とが一致するか否かを判断するステップと、
一致しない場合、加速度センサにより検出された現在の振動加速度データがデフォルト加速度閾値に達するように、モータの作動状態を調整するステップと、を含む。
【0048】
本実施形態において、振動カプセルのモータは、外部機器と通信することなく、自体のメモリに記憶されたデフォルト加速度閾値に基づいて作動状態を調整することができる。外部機器との通信異常又は別の状況が発生しても、依然としてカプセル自体に記憶されたデフォルト加速度閾値でモータの作動状態を調整できる。
【0049】
本発明は振動カプセルの制御システムをさらに含み、該制御システムは振動カプセルのMCU(Microcontroller Unit,マイクロコントローラユニット)内で作動し、前記MCUは命令を実行することで、
加速度センサの検出命令を受信し、加速度センサを作動するように制御するステップと、
作動加速度データを取得するステップと、
作動加速度データを外部機器に送信するステップと、
前記外部機器で作動加速度データを解析し、振動カプセルの所在位置を判断するステップと、を実現する。
【0050】
「加速度センサの検出命令を受信する」ステップを実現する前に、前記MCUは命令を実行することで、
作動システムに給電するように電源を制御するステップと、
作動システムを予設定するステップと、をさらに実現する。
【0051】
よって、以上のように、本発明は加速度センサによって作動加速度値を持続的に検出し、作動加速度データを形成し、外部機器で解析することで、振動カプセルの所在位置を判断することができる。それにより、ユーザは振動カプセルの腸管における大まかな位置を容易に把握でき、作動状態等の情報をよりよく把握することもできる。そして、マンマシンインタラクションを実現でき、ユーザは自分の異なる需要に応じて外部機器によって振動カプセルの作動状態を変えることができる。また、ユーザが特定の回動、振り回し、揺動等のジェスチャ動作によって振動カプセルに作用し、加速度センサが特定の時間区間内に適切な起動加速度データを検出することで、ユーザが振動カプセルの作動開始時間を自主的に選択し、カプセルの作動状態を把握することも可能である。
【0052】
なお、本明細書は実施形態に基づいて説明をしたが、各実施形態に1つのみの独立した技術的解決手段が含まれるわけではなく、明細書におけるこのような記載方式は明確化のためのものに過ぎないことを理解すべきであり、当業者であれば、明細書を全体と見なすべきであり、各実施形態における技術的解決手段も適宜組み合わせて、当業者の理解できる他の実施形態を形成することが可能である。
【0053】
上記で記載された一連の詳細な説明は本発明の実行可能な実施形態についての具体的な説明に過ぎず、本発明の保護範囲を限定するためのものではなく、本発明の趣旨から逸脱することなくなされた均等の実施形態又は変更は、いずれも本発明の保護範囲に含まれるものとする。
図1
【手続補正書】
【提出日】2022-12-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加速度センサの検出命令を受信し、前記加速度センサを作動するように制御するステップと、
作動加速度データを取得するステップと、
前記作動加速度データを外部機器に送信するステップと、
前記外部機器で前記作動加速度データを解析し、振動カプセルの所在位置を判断するステップと、
前記外部機器と通信接続してマッチング情報を送信するステップと、
返答データ情報を受信した場合、前記返答データ情報において命令情報を抽出して取得し、前記命令情報に基づいてモータを作動するように制御するか又は内部メモリ内のデフォルトパラメータ情報を更新するステップと、
を含むことを特徴とする、振動カプセルの制御方法。
【請求項2】
「前記外部機器で前記作動加速度データを解析する」ステップは、
前記外部機器でT時間帯おきに前記作動加速度データを累積計算するステップと、
所定加速度データリストにおいて照会し、累積計算後の前記作動加速度データと前記所定加速度データリストとを照合するステップと、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の振動カプセルの制御方法。
【請求項3】
「前記作動加速度データを取得する」ステップは、
前記加速度センサにより検出された作動加速度値を取得するステップと、
前記作動加速度値を計算して前記作動加速度データを生成するステップと、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の振動カプセルの制御方法。
【請求項4】
「前記作動加速度データを前記外部機器に送信する」ステップは、
前記作動加速度データをコンフィギュレータに送信するステップと、
前記作動加速度データを振動カプセル制御ソフトウェアに送信するように前記コンフィギュレータを制御するステップと、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の振動カプセルの制御方法。
【請求項5】
「前記加速度センサの前記検出命令を受信する」ステップの前に、
作動システムに給電するように電源を制御するステップと、
前記作動システムを予設定するステップと、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の振動カプセルの制御方法。
【請求項6】
「前記作動システムに給電するように前記電源を制御する」ステップは、
前記加速度センサにより検出された起動加速度データを受信するステップと、
前記起動加速度データが所定値に達しているか否かを判断するステップと、
前記起動加速度データが前記所定値に達している場合、前記作動システムに持続的に給電するように前記電源を制御するステップと、を含むことを特徴とする、請求項5に記載の振動カプセルの制御方法。
【請求項7】
「前記作動システムを予設定する」ステップは、
振動カプセル内部メモリ内のデフォルトパラメータ情報を読み取るステップと、
前記デフォルトパラメータ情報によって前記作動システムを予設定するステップと、を含むことを特徴とする、請求項5に記載の振動カプセルの制御方法。
【請求項8】
「前記振動カプセルの前記所在位置を判断する」ステップの後に、
前記外部機器から送信されたた前記振動カプセルの前記所在位置での前記加速度データを受信し、前記加速度データを前記振動カプセルの前記所在位置での加速度閾値とするステップと、
前記加速度センサにより検出された現在の前記加速度データが前記所在位置での前記加速度閾値に達するように、前記作動システムにおけるモータを、作動状態を調整するように駆動するステップと、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の振動カプセルの制御方法。
【請求項9】
「前記外部機器と通信接続して前記マッチング情報を送信する」ステップは、
N秒おきに前記外部機器へ前記マッチング情報を1回送信し、a回毎のマッチング情報送信を1つのサイクルとするステップを含み、毎回のサイクルで送信される前記マッチング情報がいずれも前記モータの現在の振動パラメータ及び作動状態を含むことを特徴とする、請求項に記載の振動カプセルの制御方法。
【請求項10】
「前記振動カプセルの前記所在位置を判断する」ステップの後に、
内部メモリ内のデフォルト加速度閾値を読み取るステップと、
前記作動加速度データを取得するステップと、
前記作動加速度データと前記デフォルト加速度閾値とが一致するか否かを判断するステップと、
一致しない場合、前記加速度センサにより検出された現在の前記加速度データが前記デフォルト加速度閾値に達するように、モータの作動状態を調整するステップと、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の振動カプセルの制御方法。
【請求項11】
振動カプセルのMCU内で作動する前記振動カプセルの制御システムであって、前記MCUが命令を実行することで、
加速度センサの検出命令を受信し、前記加速度センサを作動するように制御するステップと、
作動加速度データを取得するステップと、
前記作動加速度データを外部機器に送信するステップと、
前記外部機器で前記作動加速度データを解析し、前記振動カプセルの所在位置を判断するステップと、を実現することを特徴とする、振動カプセルの制御システム。
【請求項12】
「前記加速度センサの前記検出命令を受信する」ステップを実現する前に、前記MCUが命令を実行することで、
作動システムに給電するように電源を制御するステップと、
前記作動システムを予設定するステップと、をさらに実現することを特徴とする、請求項11に記載の制御システム。

【国際調査報告】