IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アレディアの特許一覧

特表2023-527903物理量を捕捉又は放出する電子装置及びその製造方法
<>
  • 特表-物理量を捕捉又は放出する電子装置及びその製造方法 図1
  • 特表-物理量を捕捉又は放出する電子装置及びその製造方法 図2
  • 特表-物理量を捕捉又は放出する電子装置及びその製造方法 図3
  • 特表-物理量を捕捉又は放出する電子装置及びその製造方法 図4
  • 特表-物理量を捕捉又は放出する電子装置及びその製造方法 図5
  • 特表-物理量を捕捉又は放出する電子装置及びその製造方法 図6
  • 特表-物理量を捕捉又は放出する電子装置及びその製造方法 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-30
(54)【発明の名称】物理量を捕捉又は放出する電子装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/04 20230101AFI20230623BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20230623BHJP
   H01L 23/29 20060101ALI20230623BHJP
【FI】
H01L25/04 Z
H01L33/00 L
H01L23/30 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022574200
(86)(22)【出願日】2021-05-31
(85)【翻訳文提出日】2023-01-24
(86)【国際出願番号】 FR2021050977
(87)【国際公開番号】W WO2021245343
(87)【国際公開日】2021-12-09
(31)【優先権主張番号】2005799
(32)【優先日】2020-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515151273
【氏名又は名称】アレディア
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マイヤー フレデリック
(72)【発明者】
【氏名】メルシエ フレデリック
(72)【発明者】
【氏名】ドルネル エルワン
(72)【発明者】
【氏名】ロベン イヴァン-クリストフ
【テーマコード(参考)】
4M109
5F142
【Fターム(参考)】
4M109AA01
4M109BA04
4M109CA26
4M109DB16
4M109GA01
5F142AA33
5F142AA66
5F142BA32
5F142CA13
5F142FA32
5F142GA01
(57)【要約】
物理量を捕捉又は放出するための電子装置(10)であり、下部支持体(11)と、下側導電要素(12)と、能動部を含む能動素子(13)であって、各々が、下側導電要素(12)の少なくとも1つに電気的に接続された下部(13a)及び上部(13b)を含む能動素子(13)と、上側導電要素(14)と、を備えている。各能動素子(13)の上部(13b)は、上側導電要素(14)の1つに電気的に接続されている。少なくとも1つの第1電気絶縁要素(16)が、下部支持体(11)の支持面上に並んで配置された少なくとも2つの隣り合う能動素子(13)の側壁(13c)の間に配置されている。第1電気絶縁要素(16)は、上側導電要素(14)の1つと下側導電要素(12)の1つとの間に配置されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物理量を捕捉又は放出するための電子装置(10)であって、
下部支持体(11)と、
互いに電気的に絶縁され、且つ、少なくとも一部が前記下部支持体(11)の支持面上に形成された下側導電要素(12)と、
前記下部支持体(11)を横切る方向の厚さ(H)を有し、各々が、前記下側導電要素(12)の少なくとも1つに電気的に接続された下部(13a)と、前記下部(13a)に対して前記方向において前記下部支持体(11)と反対側に配置された上部(13b)と、外部から外部パラメータが印加されたときに状態を変更できる能動部とを含む、複数の能動素子(13)と、
互いに電気的に絶縁されている上側導電要素(14)と、を備え、
各能動素子(13)の前記上部(13b)は、前記上側導電要素(14)の少なくとも1つに電気的に接続され、且つ、各能動素子(13)が、前記厚さ(H)に沿って、前記能動素子(13)の周囲で側方に延在する少なくとも1つの側壁(13c)を外部に対して画成しており、
少なくとも1つの第1電気絶縁要素(16)は、前記側壁(13c)が、前記第1電気絶縁要素(16)により分離されて互いに電気的に絶縁されるように、前記下部支持体(11)の支持面上に並んで配置された少なくとも2つの隣り合う能動素子(13)の少なくとも1つの前記側壁(13c)の少なくとも一部の間に配置され、
前記第1電気絶縁要素(16)は、前記第1電気絶縁要素(16)により分離された少なくとも1つの前記上側導電要素(14)と少なくとも1つの前記下側導電要素(12)とが互いに電気的に絶縁されるように、前記上側導電要素(14)の少なくとも1つと、前記下側導電要素(12)の少なくとも1つとの間に配置されている、電子装置(10)。
【請求項2】
前記能動素子(13)の少なくとも1つは、前記能動素子(13)の前記能動部に関連する少なくとも1つのパラメータに影響を与えることができる、制御装置(19)を含む、請求項1に記載の電子装置(10)。
【請求項3】
少なくとも1つの前記能動素子(13)の能動部は、前記能動部に加えられる前記外部パラメータが前記上側導電要素(14)及び前記下側導電要素(12)のうちの少なくとも1つから生じる電気量である場合に少なくとも1つの光放射を放出できる発光部を含む、請求項1又は2のいずれかに記載の電子装置(10)。
【請求項4】
前記制御装置(19)は、前記発光部により放射され得る光放射に関する少なくとも1つの発光パラメータを変調できる、請求項2及び3に記載の電子装置(10)。
【請求項5】
前記制御装置(19)は、少なくとも1つのトランジスタを含む、請求項4に記載の電子装置(10)。
【請求項6】
前記上側導電要素(14)の少なくとも1つは、一方では、前記能動素子(13)の前記発光部と電気接触し、且つ、前記発光部により放出され得る光放射に対して透明である特性を有する透明導電体(14a)により形成され、他方では、前記透明導電体(14a)と電気接触している金属導電体(14b)により形成されている、請求項3~5のいずれか1項に記載の電子装置(10)。
【請求項7】
前記上側導電要素(14)の前記金属導電体(14b)は、前記能動素子(13)の前記発光部を少なくとも横切る方向において覆わないように配置されている、請求項6に記載の電子装置(10)。
【請求項8】
少なくとも1つの前記能動素子(13)の前記発光部は、少なくとも1つの発光ダイオードを含む、請求項3~7のいずれか1項に記載の電子装置(10)。
【請求項9】
前記発光ダイオードは、マイクロメートル単位の寸法を有するワイヤ状であり、主軸が前記方向に対して全体的に平行である、請求項8に記載の電子装置(10)。
【請求項10】
少なくとも1つの前記能動素子(13)の前記発光部の前記発光ダイオードの少なくとも2つは、異なる波長を有する少なくとも2つの光放射を放出可能である、請求項8又は9のいずれか1項に記載の電子装置(10)。
【請求項11】
少なくとも1つの前記能動素子(13)の前記発光部の前記発光ダイオードの少なくとも1つは、対応する発光ダイオードにより放出される光放射を変換できる光輝性材料により少なくとも部分的に取り囲まれている、請求項8~10のいずれか1項に記載の電子装置(10)。
【請求項12】
少なくとも1つの前記能動素子(13)の前記能動部は、前記外部パラメータが前記能動部に印加されると状態が変化するように構成された前記外部パラメータ測定用装置を含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の電子装置(10)。
【請求項13】
前記制御装置(19)は、前記能動部の前記測定装置の状態の変化を決定し、この決定を表す出力信号を、前記上側導電要素(14)の少なくとも1つと前記下側導電要素(12)の1つとの間に送出する、請求項2に従属する場合の請求項12に記載の電子装置(10)。
【請求項14】
前記測定装置の少なくとも1つは、センサ及びトランスデューサから選択される電気部品である、請求項12又は13のいずれか1項に記載の電子装置(10)。
【請求項15】
前記能動素子(13)は、前記下部支持体(11)に転写する前に、前記下部支持体(11)とは異なる外部支持体上に形成される、請求項1~14のいずれか1項に記載の電子装置(10)。
【請求項16】
前記第1電気絶縁要素(16)は、電気絶縁材料(16b)で被覆された金属粒子(16a)を含み、前記金属粒子(16a)が、前記第1電気絶縁要素(16)が圧縮圧力を受けず、且つ前記金属粒子(16a)の大部分が互いに接触していない第1の電気絶縁状態と、前記方向に加えられた圧縮圧力の影響を受けて前記金属粒子(16a)の大部分が電気接触している第2の異方性導電状態との間で変化できるように適合されている、請求項1~15のいずれか1項に記載の電子装置(10)。
【請求項17】
前記第1電気絶縁要素(16)は、少なくとも1つの前記能動素子(13)の前記下部(13a)と、この能動素子(13)の前記下部(13a)に接続された前記下側導電要素(12)の少なくとも1つとの間に配置された接触部分に配置されており、
前記能動素子(13)の前記下部(13a)が、前記第1電気絶縁要素(16)が、前記能動素子(13)及び前記下部支持体(11)を含む群から得られる少なくとも1つの素子に対する電気結合装置の作用の結果として、前記能動素子(13)及び/又は前記下部支持体(11)が前記接触部分に圧縮圧力が加えられることにより、前記第1の電気絶縁状態から前記第2の異方性導電状態へと移行して前記下側導電要素(12)と電気接触状態にされ、前記接触部分に位置する前記第1電気絶縁要素(16)の前記金属粒子(16a)の全部又は一部が、前記能動素子(13)の前記下部(13a)と前記下側導電要素(12)との電気接続を提供する、、請求項16に記載の電子装置(10)。
【請求項18】
前記第1電気絶縁要素(16)とは異なる第2電気絶縁要素(17)は、2つのグループのうちの少なくとも1つの部材を互いに電気的に絶縁するように、前記下部支持体(11)の前記支持面上に並んで配置された少なくとも2つの隣り合う能動素子(13)の間及び、前記上側導電要素(14)と前記下側導電要素(12)との間に配置され、
前記2つのグループが、
前記第2電気絶縁要素(17)により互いに分離された前記隣り合う能動素子(13)から成る第1のグループと、
前記第2電気絶縁要素(17)により互いに分離された前記上側導電要素(14)及び前記下側導電要素(12)から成る第2のグループとを含む、請求項1~17のいずれか1項に記載の電子装置(10)。
【請求項19】
少なくとも1つの前記上側導電要素(14)の前記金属導電体(14b)は、前記第2電気絶縁要素(17)と前記透明導電体(14a)との間に配置されている、請求項6及び請求項18に記載の電子装置(10)。
【請求項20】
前記上側導電要素(14)の少なくとも1つは、前記上側導電要素(14)が接続される前記能動素子(13)の前記上部(13b)の高さに配置された局所部分を画成しており、前記上側導電要素(14)の前記局所部分が少なくとも部分的に、適応するリソグラフィにより形成されている、請求項1~19のいずれか1項に記載の電子装置(10)。
【請求項21】
前記外部パラメータは、音波、光放射、電磁放射、電流、電位差及び圧力波により形成される群に含まれる、請求項1~20のいずれか1項に記載の電子装置(10)。
【請求項22】
物理量を捕捉又は放出するための電子装置(10)の製造方法であって、
下側導電要素(12)を備えた下部支持体(11)を設けるステップE1であって、前記下側導電要素(12)が互いに電気的に絶縁され、且つ少なくとも一部が前記下部支持体(11)の支持面上に形成されるステップE1と、
前記下部支持体(11)を横切る方向の厚さHを有する複数の能動素子(13)を設けるステップE2であって、前記能動素子(13)の各々が、前記下側導電要素(12)の少なくとも1つに電気的に接続され得る下部(13a)と、上部(13b)(前記下部(13a)に対して横方向において前記下部支持体(11)の反対側に配置されている)と、能動部(当該能動部の外部の外部パラメータが当該能動部に印加されると状態が変化することができる)とを含み、ステップE2において提供される各能動素子(13)が、前記厚さ(H)に沿って、少なくとも前記下部(13a)及び前記上部(13b)の周囲で側方に延在する少なくとも1つの側壁(13c)を画成するステップE2と、
少なくとも1つの第1電気絶縁要素(16)を、前記下部支持体(11)の前記支持面上に並んで配置された少なくとも2つの隣り合う能動素子(13)の前記少なくとも1つの側壁(13c)の少なくとも一部の間に配置して形成し、これにより、前記第1電気絶縁要素(16)により分離された側壁(13c)を互いに電気的に絶縁するステップE3と、を含み、
前記ステップE2及びE3の一方の終了時に、少なくとも一つの前記能動素子(13)の前記下部(13a)が、前記下側導電要素(12)の少なくとも一つに電気的に接続される製造方法であり、
互いに電気的に絶縁された上側導電要素(14)を形成するステップE4であって、各能動素子(13)の前記上部(13b)が、形成された前記上側導電要素(14)の少なくとも1つに電気的に接続されるようにするステップE4を含み、
前記ステップE4の終了時に、前記第1電気絶縁要素(16)は、さらに、前記上側導電要素(14)の少なくとも1つと前記下側導電要素(12)の少なくとも1つとの間に配置され、これにより、前記第1電気絶縁要素(16)により分離された前記少なくとも1つの上側導電要素(14)と前記少なくとも1つの下側導電要素(12)とが互いに電気的に絶縁される、製造方法。
【請求項23】
前記ステップE2にて設けられた前記能動素子(13)は、前記ステップE2の間に実施される、前記下部支持体(11)に前記能動素子(13)を転写する前に、前記下部支持体(11)とは異なる外部支持体上に形成される、請求項22に記載の製造方法。
【請求項24】
前記第1電気絶縁要素(16)は、電気絶縁材料(16b)で被覆された金属粒子(16a)を含み、前記金属粒子(16a)は、前記第1電気絶縁要素(16)が圧縮圧力を受けず、且つ前記金属粒子(16a)の大部分が互いに接触していない第1の電気絶縁状態と、圧縮圧力の影響を受けて前記金属粒子(16a)の大部分が電気接触している第2の異方性導電状態との間を前記第1電気絶縁要素(16)が変化できるように適合されており、
前記ステップE3がステップE31を含み、ステップE31が、前記第1電気絶縁要素(16)を、少なくとも1つの前記能動素子(13)の前記下部(13a)と、当該能動素子(16a)の前記下部(13a)に接続可能な前記下側導電要素(12)の少なくとも1つとの間に配置された接触部分に形成することからなり、
前記方法がステップE21を含み、ステップE21が、前記能動素子(13)と前記下部支持体(11)との相対的な移動により前記接触部分に圧縮圧力を加えることからなり、前記相対的な移動が、前記能動素子(13)及び前記下部支持体(11)を含む群から得られる少なくとも1つの素子に対する電気結合装置の作用により生じ、前記接触部分に位置する前記第1電気絶縁要素(16)の前記金属粒子(16a)の全部又は一部が、前記能動素子(13)の前記下部(13a)と前記下側導電要素(12)との電気接続を提供する状態である、第2の異方性導電状態とする、請求項23に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物理量を捕捉又は放出するための電子装置に関する。
【0002】
また、本発明は、物理量を捕捉又は放出するための電子装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
光ディスプレイ画面の分野において、画面を構成する光素子をマトリクス状に配置しなければならない。このようなマトリクスの形成に必要な精度は、画面に求められる解像度が高くなるほど高くなる。
【0004】
発光素子を構成する発光ダイオードを、第1の支持体、例えばシリコン又はサファイアウェハ上に作製し、それらを、画面の一体化が意図されている第2の支持体上に転写することが知られている。このようにして転写された発光ダイオードに電力を供給することを可能にする電気接続は、第2の支持体の高さに形成される。
【0005】
発光ダイオードが三次元配線ダイオードである場合、発光ダイオードの上部の電気接続と発光ダイオードの下部の電気接続とは、これらの部分を隔てる距離が数十マイクロメートル程度と短いため、不本意な短絡を伴わずに達成することは困難である。
【0006】
光素子と第2の支持体との間に電気接続を形成するために、熱圧着法がしばしば用いられる。しかし、このような解決策は、光素子の発光ダイオードを覆うことができる光変換素子に適さない高温を使用するため、改善の余地がある。
【0007】
高解像度センサによる撮像の分野では、パラメータ又は物理量のセンサ及び発光体をマトリクス状に配置する必要がある。このようなマトリックスの形成に必要な精度は、画面に期待される解像度が高くなるにつれて高くなり、上記と同様の課題を生じさせる。さらに、これらのセンサ又はエミッタの大きい凹凸により、寸法が大きい面上において一体化することを困難にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記で示した問題の全部又は一部を解決することが可能な電子装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
詳細には、以下の目的の少なくとも1つを満たす解決策を提供することを目的とする。すなわち、
-短絡のリスクを抑制する物理量を捕捉又は放出するための電子装置を提供できるようにする、
-物理量を捕捉又は放出するための電子装置を低コストで提供できるようにする、
-光変換素子を破損するリスクを抑制する、
-大規模な物理量を捕捉又は放出するための電子装置を提供できるようにする、
-物理量を高性能に捕捉又は放出する電子装置を提供できるようにする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、物理量を捕捉又は放出するための電子装置により達成され得る。この電子装置は、
-下部支持体と、
-互いに電気的に絶縁され、且つ、少なくとも一部が下部支持体の支持面上に形成された下側導電要素と、
-複数の能動素子であって、下部支持体を横切る方向の厚さを有し、各々が、下側導電要素の少なくとも1つに電気的に接続された下部と、下部に対して横切る方向において下部支持体と反対側に配置された上部と、外部から外部パラメータが印加されたときに状態を変更できる能動部とを含む、能動素子と、
-互いに電気的に絶縁されている上側導電要素と、を備え、
各能動素子の上部が、上側導電要素の少なくとも1つに電気的に接続され、且つ、各能動素子が、厚さに沿って、能動素子の周囲で側方に延在する少なくとも1つの側壁を外部に対して画成しており、
少なくとも1つの第1電気絶縁要素が、下部支持体の支持面上に並んで配置された少なくとも2つの隣り合う能動素子の少なくとも1つの側壁の少なくとも一部の間に配置され、これにより、側壁が、第1電気絶縁要素により分離されて互いに電気的に絶縁されており、
第1電気絶縁要素が、上側導電要素の少なくとも1つと、下側導電要素の少なくとも1つとの間に配置され、この配置が、第1電気絶縁要素により分離された少なくとも1つの上側導電要素と少なくとも1つの下側導電要素とが互いに電気的に絶縁されるようになされている。
【0011】
この電子装置の好ましいが非限定的な幾つかの態様は、以下の通りである。
【0012】
この装置の1つの実施態様において、能動素子の少なくとも1つが制御装置を含み、当該制御装置は、能動素子の能動部に関連する少なくとも1つのパラメータに影響を与えることができる。
【0013】
装置の1つの実施態様において、少なくとも1つの能動素子の能動部が発光部を含み、当該発光部は、能動部に加えられる外部パラメータが上側導電要素及び下側導電要素のうちの少なくとも1つから生じる電気量である際に少なくとも1つの光放射を放出できる。
【0014】
装置の1つの実施態様において、制御装置は、発光部により放射され得る光放射に関する少なくとも1つの発光パラメータを変調できる。
【0015】
装置の1つの実施態様において、制御装置は、少なくとも1つのトランジスタを含む。
【0016】
装置の1つの実施態様において、上側導電要素の少なくとも1つが、一方では、能動素子の発光部と電気接触し、且つ、発光部により放出され得る光放射に対して透明である特性を有する透明導電体により形成され、他方では、透明導電体と電気接触している金属導電体により形成されている。
【0017】
装置の1つの実施態様において、上側導電要素の金属導電体は、能動素子の発光部を少なくとも横方向において覆わないように配置されている。
【0018】
装置の1つの実施態様において、少なくとも1つの能動素子の発光部が、少なくとも1つの発光ダイオードを含む。
【0019】
装置の1つの実施態様において、発光ダイオードが、マイクロメートル単位の寸法を有するワイヤ状であり、その延伸主軸が横方向に対して全体的に平行である。
【0020】
装置の1つの実施態様において、少なくとも1つの能動素子の発光部の発光ダイオードの少なくとも2つが、異なる波長を有する少なくとも2つの光放射を放出可能である。
【0021】
装置の1つの実施態様において、少なくとも1つの能動素子の発光部の発光ダイオードの少なくとも1つが、対応する発光ダイオードにより放出される光放射を変換できる光輝性材料により少なくとも部分的に取り囲まれている。
【0022】
装置の1つの実施態様において、少なくとも1つの能動素子の能動部は、外部パラメータが能動部に印加されると状態が変化するように構成された外部パラメータ測定用装置を含む。
【0023】
装置の1つの実施態様において、制御装置は、能動部の測定装置の状態の変化を決定し、この決定を表す出力信号を、上側導電要素の少なくとも1つと下側導電要素の1つとの間に送出する。
【0024】
装置の1つの実施態様において、測定装置の少なくとも1つが、センサ及びトランスデューサから選択される電気部品である。
【0025】
装置の1つの実施態様において、能動素子は、下部支持体へと転写される前に、下部支持体とは異なる外部支持体上で得られる。
【0026】
装置の1つの実施態様において、第1電気絶縁要素は、電気絶縁材料で被覆された金属粒子のセットを含み、当該金属粒子のセットは、第1の電気絶縁状態、すなわち、第1電気絶縁要素が圧縮圧力を受けず、且つ金属粒子の大部分が互いに接触していない状態と、第2の異方性導電状態、すなわち、横方向に加えられた圧縮圧力の影響を受けて金属粒子の大部分が電気接触している状態との間で第1電気絶縁要素が変化できるように適合されている。
【0027】
装置の1つの実施態様において、第1電気絶縁要素は、能動素子の少なくとも1つの下部と、この能動素子の下部に接続された下側導電要素の少なくとも1つとの間に配置された接触部分に配置されており、能動素子の下部は、第1電気絶縁要素がその第1の電気絶縁状態からその第2の異方性導電状態へと移行することにより下側導電要素と電気接触状態にされ、通過が、能動素子及び/又は下部支持体が接触部分に圧縮圧力を加えることによるものであり、これは、特に、能動素子及び下部支持体を含む群から得られる少なくとも1つの素子に対する電気結合装置の作用の結果である。これにより、接触部分に位置する第1電気絶縁要素の金属粒子の全部又は一部が、能動素子の下部と下側導電要素との電気接続を提供する。
【0028】
装置の1つの実施態様において、第1電気絶縁要素とは異なる第2電気絶縁要素が、下部支持体の支持面上に並んで配置された少なくとも2つの隣り合う能動素子の間に、且つ、上側導電要素と下側導電要素との間に配置されている。これにより、以下の2つの群のうちの少なくとも1つの部材を互いに電気的に絶縁する。これらの群は、
-第2電気絶縁要素により互いに分離された隣り合う能動素子から成る第1の群と、
-第2電気絶縁要素により互いに分離された上側導電要素及び下側導電要素から成る第2の群とである。
【0029】
装置の1つの実施態様において、少なくとも1つの上側導電要素の金属導電体が、第2電気絶縁要素と透明導電体との間に配置されている。
【0030】
装置の1つの実施態様において、上側導電要素の少なくとも1つが、上側導電要素が接続される能動素子の上部の高さに配置された局所部分を画成しており、上側導電要素の局所部分が少なくとも部分的に、適応するリソグラフィにより形成されている。
【0031】
装置の1つの実施態様において、外部パラメータは、音波、光放射、電磁放射、電流、電位差及び圧力波により形成される群に含まれる。
【0032】
また、本発明は、物理量を捕捉又は放出するための電子装置の製造方法の実施に関する。この方法は、
E1)下側導電要素を備えた下部支持体を設けるステップであって、下側導電要素が互いに電気的に絶縁され、且つ少なくとも一部が下部支持体の支持面上に形成されるステップと、
E2)下部支持体を横切る方向の所定の厚さを有する複数の能動素子を設けるステップであって、能動素子の各々が、下側導電要素の少なくとも1つに電気的に接続され得る下部と、下部に対して下部支持体と反対側に配置された上部と、外部から外部パラメータが印加されると状態が変化する能動部とを含み、ステップE2)において提供される各能動素子が、厚さに沿って、少なくとも下部及び上部の周囲で側方に延在する少なくとも1つの側壁を外部に画成するステップと、
E3)少なくとも1つの第1電気絶縁要素を、下部支持体の支持面上に並んで配置された少なくとも2つの隣り合う能動素子の少なくとも1つの側壁の少なくとも一部の間に配置して形成し、これにより、第1電気絶縁要素により分離された側壁を互いに電気的に絶縁するステップと、を含み、
ステップE2)及びE3)の一方の終了時に、少なくとも一方の能動素子の下部が、下側導電要素の少なくとも一方に電気的に接続される製造方法であり、方法は、さらに、
E4)互いに電気的に絶縁された上側導電要素を形成するステップであって、各能動素子の上部が、形成された上側導電要素の少なくとも1つに電気的に接続されるようにするステップを含み、ステップE4)の終了時に、第1電気絶縁要素が、さらに、上側導電要素の少なくとも1つと下側導電要素の少なくとも1つとの間に配置され、これにより、第1電気絶縁要素により分離された少なくとも1つの上側導電要素と少なくとも1つの下側導電要素とが互いに電気的に絶縁される。
【0033】
この製造方法の、好ましいが非限定的な幾つかの態様は、以下の通りである。
【0034】
方法の1つの実施態様において、ステップE2)にて設けられた能動素子は、ステップE2)の間に実施される、下部支持体への能動素子の転写の前に、下部支持体とは異なる外部支持体上に形成される。
【0035】
方法の1つの実施態様において、第1電気絶縁要素は、電気絶縁材料で被覆された金属粒子のセットを含み、当該金属粒子のセットは、第1の電気絶縁状態、すなわち、第1電気絶縁要素が圧縮圧力を受けず、且つ金属粒子の大部分が互いに接触していない状態と、圧縮圧力の影響を受けて金属粒子の大部分が電気接触している第2の異方性導電状態との間を第1電気絶縁要素が移行できるように適合されている。ステップE3)はサブステップE31)を含み、サブステップE31)は、第1電気絶縁要素を、少なくとも1つの能動素子の下部と、この能動素子の下部に接続可能な下側導電要素の少なくとも1つとの間に配置された接触部分に形成することから成り、
方法はステップE21)を含み、ステップE21)は、能動素子と下部支持体との相対的な移動により接触部分に圧縮圧力が加えられることから成り、相対的な移動が、能動素子及び下部支持体を含む群から得られる少なくとも1つの素子に対する電気結合装置の作用により生じ、これにより、接触部分に位置する第1電気絶縁要素の金属粒子の全部又は一部が、それらの第2の異方性導電状態、すなわち、能動素子の下部と下側導電要素との電気接続を提供する状態となる。
【0036】
本発明のその他の態様、目的、利点及び特徴は、本発明の好ましい実施形態の以下の詳細な説明を読むと、より良く理解されよう。これらは、非限定的な例として与えられ、且つ添付図面を参照して行われる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本発明による電子装置の第1実施形態の製造方法の第1の例の幾つかのステップを示す概略断面図である。
図2】本発明による電子装置の第2実施形態の製造方法の第2の例の幾つかのステップを示す概略断面図である。
図3】本発明による電子装置の第3実施形態の製造方法の第3の例の幾つかのステップを示す概略断面図である。
図4】本発明による電子装置の第4実施形態の製造方法の第4の例の幾つかのステップを示す概略断面図である。
図5】本発明による電子装置の第5実施形態の製造方法の第5の例の幾つかのステップを示す概略断面図である。
図6】本発明による電子装置の第6実施形態の製造方法の第6の例の幾つかのステップを示す概略断面図である。
図7】本発明の例示的な電子装置の概略上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
添付の図1図7及び以下の説明において、機能的に同一の又は類似の要素は、同一の参照番号により識別する。また、異なる要素は、理解を容易にするために、図の明瞭性を優先するように、縮尺通りに示していない。さらに、異なる実施形態及び変形例は、相互に排他的ではなく、逆に、互いに組み合わされ得る。
【0039】
以下の説明において、特に断りのない限り、「実質的に」、「約」、「全体的に」、「~の範囲で」という用語は、「10%以内」という意味である。
【0040】
図1図6に示されているように、本発明は、まず、発光のための電子装置10に関する。しかし、この電子装置10は、物理量の捕捉又は放出のために限定されることなく適用できる。用語「捕捉」は、「測定」と同様の意味を有する。捕捉されるべき物理量は、圧力、圧力波、音波、湿度レベル、温度、電磁場、可視光放射又は非可視光放射、電流、或いは、電位差であり得る。放出されるべき物理量は、捕捉又は測定されるべき物理量と同じ性質のものであってもよいし、異なる性質のものであってもよい。
【0041】
電子装置10は、第1に、下部支持体11を備えている。下部支持体11は、例えば電気絶縁性であり、少なくとも1枚のガラスプレートにより形成される。また、下部支持体11は、導電性であってもよく、少なくとも1つの金属プレートにより形成され得る。また、下部支持体11は、導電性トラックを含むこともでき、この導電性トラックは互いに絶縁され、下部支持体11の面上又は内部に形成される。下部支持体11は、結晶性又は非結晶性材料で形成されることができ、また、能動素子又は受動素子、例えばトランジスタ又はメモリも含み得る。下部支持体11は、例えば、光ディスプレイ画面のための支持体を構成できる。
【0042】
また、電子装置10は、下側導電要素12も備えている。下側導電要素12は互いに電気的に絶縁され、且つ、少なくとも一部が下部支持体11の支持面上に形成されている。下側導電要素12は、適応的又は非適応的にフォトリソグラフィにより、及び/又は、エッチングにより、並びに、真空蒸着法若しくは金属の湿式法により形成することが可能である。金属は、例えば、銅、アルミニウム、銀、金、チタン、パラジウム、ニッケル、若しくは、これらの金属から形成された合金、又は、例えば上記の金属から選択される異なる金属の異なる層による多層体である。
【0043】
電子装置10は、さらに、複数の能動素子13を備えている。能動素子13は下部支持体11を横切る横断方向の厚さHを有する。能動素子の厚さHは、0.5μm~200μmで構成され得る。例えば、能動素子13は、能動素子13を下部支持体11に転写する前に、下部支持体11とは異なる外部支持体上に形成される。これは、非常に多くの場合において能動素子13が特定の形成条件(例えば、下部支持体11を損傷する可能性のある500℃を超える高温)を必要とするため、有利である。
【0044】
能動素子13は、下側導電要素12の少なくとも1つに電気的に接続された下部13aを含む。用語「電気的に接続されている」は、「直接的な物理的接触により接続されている」、或いは「1つ又は幾つかの導電要素(例えば、金属粒子又はカーボンナノチューブを含む接着剤、又は感圧接着剤若しくは感温接着剤)を介した間接的接触により接続されている」ことを意味する。
【0045】
また、能動素子13は、縦断する方向において下部13aに対して下部支持体11反対側に配置された上部13bを含む。下部13a及び上部13bは、1つ又は幾つかの導電性電極を含むことができ、これが、下側導電要素12及び/又は上側導電要素14(後述する)との接触を促進する。従って、各能動素子13の上部13bは、上側導電要素14の少なくとも1つに電気的に接続されている。一例において、能動素子13の上部13bは2つの電極を含み、各々が、異なる上側導電要素14に接続されている。
【0046】
各能動素子13は、外部パラメータが印加されたときに状態を変化させることができる能動部を含む。外部パラメータとは、例えば、圧力、圧力波、音波、湿度、温度、電磁場、可視光線又は非可視光線、電流、又は電位差である。各能動素子13は、厚さHに沿って少なくとも1つの側壁13cを外部に対して画成しており、側壁13cは、能動素子13の周囲に延在している。
【0047】
また、電子装置10は、上側導電要素14を備え、上側導電要素14は互いに電気的に絶縁されている。各上側導電要素14は、少なくとも1つの能動素子13の上部13bに電気的に接続されている。用語「電気的に接続されている」とは、「直接的な物理的接触により接続されている」、又は「1つ又は幾つかの中間導電要素を介した間接的接触により接続されている」ことを意味する。
【0048】
電子装置10は、さらに第1電気絶縁要素16を備えており、第1電気絶縁要素16は、下部支持体11の支持面上に並んで配置された少なくとも2つの隣り合う能動素子13において側壁13cの少なくとも一部の間に配置されている。従って、第1電気絶縁要素16により側壁13cが分離されて、側壁13cが互いに電気的に絶縁されることを可能にしている。図1図3図5及び図7に示した例において、第1電気絶縁要素16は、さらに、上側導電要素14の少なくとも1つと下側導電要素12の少なくとも1つの間に配置され、これにより、第1電気絶縁要素16により分離された少なくとも1つの上側導電要素14と少なくとも1つの下側導電要素12とが互いに電気的に絶縁される。
【0049】
1つの能動素子13の下部13aと1つの下部導体12との電気接触を形成するために、光接着剤又は導電性接着剤(熱、圧力、光又は電界に敏感)を使用できる。一例において、能動素子13の下部13aは、少なくとも1つの金属締結要素を含み、この要素の少なくとも一部は、締結圧力を加えることにより下側導電要素12に締結されることができる。、これにより、能動素子13の下部13aと下部電気導体12との電気接続を確立する。金属製の締結具の例は、銅で作られたチップ、マイクロチューブ、又はマイクロピラーである。別の例において、能動素子13の下部13aは、下部導電要素12に、銀を含有する粒子を含む接着剤を介して電気的に接続される。
【0050】
図1図3及び図5に示されている例において、能動素子13は下側導電要素12に、第1電気絶縁要素16の形成前に接続される。
【0051】
図2図4及び図6に示されている例において、第1電気絶縁要素16は、金属粒子16aのセットを含む。この粒子は、例えば、電気絶縁材料16bで被覆された、銀又はニッケル-金合金(Ni-Au)である。この金属粒子16aのセットは、第1電気絶縁要素16が圧縮圧力を受けておらず、金属粒子16aの大部分が互いに接触していない第1電気絶縁要素16が電気的に絶縁されたの第1の状態と、金属粒子16aの大部分が、横断方向に加えられる圧縮圧力の影響下で電気接触して異方導電性となったの第2の状態との間で変化できるように適合されている。異方導電性の第2の状態においては、金属粒子16aは互いに接触するようにグループ化されているため電気接触を形成し、第1電気絶縁要素16の残りの部分が、金属粒子16aが存在しない電気絶縁材料16bにより形成される。
【0052】
図2図4図6に示した例において、第1電気絶縁要素16は、また、接触部分(少なくとも1つの能動素子13の下部13aと、この能動素子13の下部13aに接続された下側導電要素12の少なくとも1つとの間に配置されている)にも形成されている。従って、能動素子13の下部13aは、第1電気絶縁要素16がその第1の電気絶縁状態からその第2の異方性導電状態へと通過することにより下側導電要素12に電気接触される。これは、接触部分に能動素子13及び/又は下部支持体11により圧縮圧力が加えられることにより可能にされる(図面に太字の矢印により示されている)。圧縮圧力の印加は、能動素子13及び/又は下部支持体11に対する電気的結合装置の作用に起因する。従って、接触部分に配置された第1電気絶縁要素16の金属粒子16aの全て又は一部が、能動素子13の下部13aと下側導電要素12との間の電気接続を提供する。加えて、同時に、このようにして金属粒子16aとは解離した電気絶縁材料16bが能動素子13の側壁13cを取り囲み、下側導電要素12と上側導電要素14との間の電気絶縁、及び能動素子13の相互間における少なくとも側方での電気絶縁を可能にする。
【0053】
電気絶縁材料16bは、樹脂、酸化物、又はポリマーであり得る。
【0054】
図1図6に示した例において、電気絶縁要素16に、スピンコーティング又はラミネーションをした後、化学機械的研磨を施すことができる。これは、最終的に能動素子13の上部13bが絶縁体で覆われないようにするため、及び、上側導電要素14の電気接触の回復が促進されるようにするためである。
【0055】
電子装置10の実施形態によれば、能動素子13の少なくとも1つが制御装置19を含み、制御装置19は、この能動素子13の能動部に関連する少なくとも1つのパラメータに影響を与えることができる。従って、制御装置19は、CMOS並びに/又は、バイポーラ及び/若しくは薄膜トランジスタ(TFT)型技術、或いは、任意のその他の技術、例えばGan(ガリウムと窒素の混合物)又はガン・オン・シリコン(Gan on silicon)の少なくとも1つのトランジスタを含み得る。また、メモリ又は受動部品を含むことも可能である。この部品は、例えば、下側導電要素12及び/又は上側導電要素14からの電圧又は電流により電力供給される。
【0056】
電子装置10の一実施形態によれば、能動素子13の少なくとも1つにおける能動部が発光部を含む。発光部は、少なくとも1つの光放射又は電磁放射を放出できるように構成されており、これは、能動部に印加される外部パラメータが、上側導電要素14及び下側導電要素12のうちの少なくとも1つから直接又は間接的に生じる電流又は電圧である場合である。従って、制御装置19が設けられる場合、例えば、発光部により放出され得る光放射に関する少なくとも1つの発光パラメータを変調することが可能になり得る。例えば、発光パラメータは、光強度、発光角度、又は発光色であり得る。
【0057】
一例において、制御装置19は、光学的に伝達される情報を検知する。制御装置19は、フォトダイオードを組み込むことができ、これにより、制御装置19にリンクされている能動素子13により放射される光の強度を、組み込まれたフォトダイオードにより受け取った情報に従って調整することが可能である。
【0058】
一例において、少なくとも1つの能動素子13のうちの発光部が、少なくとも1つの発光ダイオードを含む。この発光ダイオードはワイヤ状であってよく、マイクロメートル単位又はナノメートル単位の寸法を有し、上述の横方向に対して全体的に平行な延伸主軸を有する。また、この発光ダイオードは、マイクロメートル単位の高さを有する2次元タイプのものであってもよい。一例において、少なくとも1つの能動素子13の少なくとも2つの発光部の発光ダイオードが、少なくとも2つの異なる波長を有する光放射を放出できる。別の例において、少なくとも1つの能動素子13の発光部の発光ダイオードの少なくとも1つが、少なくとも部分的に、対応する発光ダイオードにより放射された光放射を変換できる光輝性材料により取り囲まれている。
【0059】
図1図7に示した電子装置10の実施形態によれば、上側導電要素14の少なくとも1つは、一方では、光能動素子13の発光部と直接物理的に電気接触するか又は導電要素を介して間接的に接触する透明導電体14aにより形成され、他方では、透明導電体14aと電気接触する金属導電体14bにより形成されている。透明導電体14aは、好ましくは、発光部により放出され得る光又は電磁波に対して透明である特性を有する。
【0060】
図5図6及び図7に示されている例において、上側導電要素14の金属導電材料14bは、能動素子13の発光部を少なくとも横切る方向において覆わないように配置されている。このようにして、ディスプレイ画面が、制御装置19に関連するか又は関連しない発光ダイオードを用いて製造され、外部基板上に形成され、次いで、下側導電要素12及び上側導電要素14に転写されて電気的に接続され、異なる素子間の電気絶縁が第1電気絶縁要素16によりもたらされる。
【0061】
別の実施形態では、少なくとも1つの能動素子13の能動部が、外部パラメータを測定するための装置を含み、この装置は、外部パラメータが能動部に印加されたときに状態が変化するように構成されている。一例において、測定装置の少なくとも1つが、センサ、トランスデューサ、フォトダイオード、PMUT(Piezoelectric Micromachined Ultrasonic Transducers)又はCMUT(Capacitive Micromachined Ultrasonic Transducers)型の超音波センサから選択される電気部品である。
【0062】
従って、この実施形態の例において、制御装置19は、能動部の測定装置の状態変化を判定し、この判定を表す出力信号を、上側導電要素14の少なくとも1つと下側導電要素12の1つとの間で配信し得る。外部パラメータに相当する外部物理量が音波若しくは圧力波又は圧力である場合、このように構成された能動素子13は、この外部パラメータを捕捉又は測定し得る。このようにして、電圧及び/又は電流が生成され得る。そして超音波イメージャが、外部基板上に形成されたトランスデューサ及び超音波センサを有して製造されることができ、次いで、下側導電要素12及び上側導電要素14に転写されて電気接続される。異なる素子間の電気絶縁が、第1電気絶縁要素16により提供されている。
【0063】
図3図4図5及び図6に示されている電子装置10の別の実施形態において、第1電気絶縁要素16とは異なる第2電気絶縁要素17が、下部支持体11の支持面上に並んで配置された少なくとも2つの隣り合う能動素子13の間に配置されており、且つ、上側導電要素14と下側導電要素12との間に、隣り合う能動素子13を互いに電気的に絶縁するように配置されている。こうして、能動素子13は第2電気絶縁要素17により互いに分離され、及び/又は、上側導電要素14と下側導電要素12とが第2電気絶縁要素17により互いに分離されている。
【0064】
図5及び図6に示されている例において、少なくとも1つの上側導電要素14の金属導電体14bが、第2電気絶縁要素17と透明導電体14aとの間に配置されている。
【0065】
一例において、上側導電要素14の少なくとも1つが、上側導電要素14が接続される能動素子13の上部13bの高さに配置された局所部分を画成しており、上側電気素子14の局所部分は、少なくとも部分的に、適応するリソグラフィにより形成されている。
【0066】
このような電子装置10の利点は、能動素子13の高さHに相当する高低差が約10マイクロメートルであっても、下部電極と上部電極が確実に且つ無駄なく電気的に絶縁されることである。
【0067】
また、このような電子装置10の利点は、下部電極と上部電極とに高低差がある状態で電力を供給することが可能であり、短絡が生じにくくなることである。
【0068】
このような電子装置10の別の利点は、電子装置10の実装が、高温高圧を必要としない技術により行われる得ることである。また、これらの技術は、市販のシリコンディスクの面より大きいような、大表面への適用にも適している。これは、大型の光ディスプレイ装置や、超音波スキャンを用いた超音波撮像装置のような多くのセンサを含む物理量捕捉装置を作るのに有利である。
【0069】
このような電子装置10のさらなる利点は、上部電極との電気接触の回復が促進されることである。
【0070】
このような電子装置10の別の利点は、電圧損失が低減されるため、上方位置での接触回復の電気効率が改善されることである。
【0071】
本発明は、また、物理量を捕捉又は放出するための電子装置10の製造方法に関する。
【0072】
この方法は、図1図6に示すように、以下のステップを含む。すなわち、
E1)下側導電要素12を備えた下部支持体11を設ける。下側導電要素12は、互いに電気的に絶縁され、少なくとも一部が下部支持体11の支持面上に形成されている;
E2)下部支持体11を横切る横断方向の厚さHを有する複数の能動素子13を設ける。能動素子13の各々が、下側導電要素12の少なくとも1つに電気的に接続され得る下部13aと、下部13aに対して下部支持体11と反対側に配置された上部13bと、外部から外部パラメータが能動部に印加されると状態が変化する能動部とを含み、ステップE2)において提供される各能動素子13は、厚さHに沿って、少なくとも1つの側壁13cを外部に対して画成しており、側壁13cは、少なくとも下部13a及び上部13bの周囲で側方に延在する。
E3)少なくとも1つの第1電気絶縁要素16を、下部支持体11の支持面上に並んで配置された少なくとも2つの隣り合う能動素子13の少なくとも1つの側壁13cの少なくとも一部の間に配置して形成する。これにより、第1電気絶縁要素16により分離された側壁13cを互いに電気的に絶縁する;
E4)互いに電気的に絶縁された上側導電要素14を形成する。これは、各能動素子13の上部13bが、形成された上側導電要素14の少なくとも1つに電気的に接続されるように行われる。
【0073】
この製造方法において、ステップE2)及びE3)の一方の終了時に、少なくとも1つの能動素子13の下部13aが、下側導電要素12の少なくとも1つに電気的に接続される。従って、図1に示したような場合、能動素子13は、能動素子13の側壁13cの全て又は一部が第1電気絶縁要素16により取り囲まれる前に形成され、下側導電要素12に接続される。図2に示した別の場合、第1電気絶縁要素16が最初に、特に下側導電要素12上に堆積される。次に能動素子13が形成され、下部導電要素12に接続される。この接続は、以下に説明するように、例えば第1電気絶縁要素16を介して、又は、能動素子13を下部伝導素子に接続する前に第1絶縁要素16の凹部を介して行われる。
【0074】
この製造方法では、ステップE4)の終了時に、第1電気絶縁要素16を、さらに、上側導電要素14の少なくとも1つと下側導電要素12の少なくとも1つとの間に配置し、これにより、第1電気絶縁要素16により分離された上側導電要素14の少なくとも1つと下側導電要素12の少なくとも1つとが互いに電気的に絶縁されるようにする。これにより、例えば導電要素14の形成中に、異なる高さの導電要素間の短絡を制限することが可能になる。
【0075】
製造方法の特定の非限定的な実施において、能動素子13の上部13bの高さでの接触を改善するために、ステップE3)の後に平坦化ステップを実行できる。平坦化ステップは、例えば、化学的機械的研磨装置の作用により、又は、反応性イオンベースのドライエッチングにより実行され得る。
【0076】
別の特定の非限定的な実施によれば、ステップE2)にて提供される能動素子13は、下部支持体11とは異なる外部支持体上に得られ、これは、ステップE2)中に能動素子13を下部支持体11に転写する前に行われる。これにより、能動素子13を外部基板上に形成し(例えば壊れにくく、耐高温性)、次いで、これらを下部支持体に転写することが可能になる。この下部支持体11は、例えば耐高温性ではなく、又は、幅が広すぎて能動素子13の形成を可能にする基板には適合しない場合があろう。
【0077】
図2図4及び図6に示した特定の非限定的な実施によれば、ステップE3)にて形成される第1電気絶縁要素16は、電気絶縁材料16bで被覆された金属粒子16aのセットを含み、これは、第1電気絶縁要素16が以下の間で変化できるように適合されている。すなわち、
-第1電気絶縁要素16が圧縮圧力を受けず、且つ、金属粒子16aの大部分が互いに接触していない第1の電気絶縁状態と、
-圧縮圧力の影響を受けて金属粒子16aの大部分が電気接触している第2の異方性導電状態とである。
【0078】
そして、ステップE3)はステップE31)を含み、ステップE31)は、少なくとも1つの能動素子13の下部13aと、この能動素子13の下部13aと接続可能な下側導電要素12の少なくとも1つとの間に配置された接触部分に、第1電気絶縁要素16を形成することから成る。そして、ステップE2)もまたステップE21)を含み、ステップE21)は、能動素子13と下部支持体11との相対的な移動により接触部分に圧縮圧力を加えることから成る。
【0079】
この相対的な移動は、能動素子13及び下部支持体11を含む群から得られた少なくとも1つの素子上の電気接続装置の作用から生じ、従って、接触部分に位置する第1電気絶縁要素16の金属粒子16aの全部又は一部が、それらの第2の異方性導電状態にあり、従って、能動素子13の下部13aと下側導電要素12との電気接続を保証する。
【0080】
この方法の利点は、接触が能動素子13の下のみに形成されることである。これは、寄生溶接が能動素子13の側壁に接触して短絡が発生することを防止する。
【0081】
この製造方法の利点は、高温及び高圧を必要としない技術で実施できることにある。また、これらの技術は、大型の面への適用に適しており、例えば市販のシリコンディスクの寸法よりも大きい寸法の光ディスプレイ装置又は撮像装置を作製するのに有利である。
【符号の説明】
【0082】
10 電子装置
11 下部支持体
12 下側導電要素
13 能動素子
13a 能動素子の下部
13b 能動素子の上部
13c 側壁
14 上側導電要素
16 第1電気絶縁要素
17 第2電気絶縁要素
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-02-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物理量を捕捉又は放出するための電子装置(10)であって、
下部支持体(11)と、
互いに電気的に絶縁され、且つ、少なくとも一部が前記下部支持体(11)の支持面上に形成された下側導電要素(12)と、
前記下部支持体(11)を横切る方向の厚さ(H)を有し、各々が、前記下側導電要素(12)の少なくとも1つに電気的に接続された下部(13a)と、前記下部(13a)に対して前記方向において前記下部支持体(11)と反対側に配置された上部(13b)と、外部から外部パラメータが印加されたときに状態を変更できる能動部とを含む、複数の能動素子(13)と、
互いに電気的に絶縁されている上側導電要素(14)と、を備え、
各能動素子(13)の前記上部(13b)は、前記上側導電要素(14)の少なくとも1つに電気的に接続され、且つ、各能動素子(13)が、前記厚さ(H)に沿って、前記能動素子(13)の周囲で側方に延在する少なくとも1つの側壁(13c)を外部に対して画成しており、
少なくとも1つの第1電気絶縁要素(16)は、前記側壁(13c)が、前記第1電気絶縁要素(16)により分離されて互いに電気的に絶縁されるように、前記下部支持体(11)の支持面上に並んで配置された少なくとも2つの隣り合う能動素子(13)の少なくとも1つの前記側壁(13c)の少なくとも一部の間に配置され、
前記第1電気絶縁要素(16)は、前記第1電気絶縁要素(16)により分離された少なくとも1つの前記上側導電要素(14)と少なくとも1つの前記下側導電要素(12)とが互いに電気的に絶縁されるように、前記上側導電要素(14)の少なくとも1つと、前記下側導電要素(12)の少なくとも1つとの間に配置されている、電子装置(10)。
【請求項2】
前記能動素子(13)の少なくとも1つは、前記能動素子(13)の前記能動部に関連する少なくとも1つのパラメータに影響を与えることができる、制御装置(19)を含む、請求項1に記載の電子装置(10)。
【請求項3】
少なくとも1つの前記能動素子(13)の能動部は、前記能動部に加えられる前記外部パラメータが前記上側導電要素(14)及び前記下側導電要素(12)のうちの少なくとも1つから生じる電気量である場合に少なくとも1つの光放射を放出できる発光部を含む、請求項1又は2のいずれかに記載の電子装置(10)。
【請求項4】
前記上側導電要素(14)の少なくとも1つは、一方では、前記能動素子(13)の前記発光部と電気接触し、且つ、前記発光部により放出され得る光放射に対して透明である特性を有する透明導電体(14a)により形成され、他方では、前記透明導電体(14a)と電気接触している金属導電体(14b)により形成されている、請求項に記載の電子装置(10)。
【請求項5】
前記上側導電要素(14)の前記金属導電体(14b)は、前記能動素子(13)の前記発光部を少なくとも横切る方向において覆わないように配置されている、請求項に記載の電子装置(10)。
【請求項6】
少なくとも1つの前記能動素子(13)の前記能動部は、前記外部パラメータが前記能動部に印加されると状態が変化するように構成された前記外部パラメータ測定用装置を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の電子装置(10)。
【請求項7】
少なくとも1つの前記能動素子(13)の前記能動部、前記外部パラメータが前記能動部に印加されると状態が変化するように構成された前記外部パラメータ測定用装置を含み、
前記制御装置(19)は、前記能動部の前記測定装置の状態の変化を決定し、この決定を表す出力信号を、前記上側導電要素(14)の少なくとも1つと前記下側導電要素(12)の1つとの間に送出する、請求項に記載の電子装置(10)。
【請求項8】
前記能動素子(13)は、前記下部支持体(11)に転写する前に、前記下部支持体(11)とは異なる外部支持体上に形成される、請求項1~7のいずれか1項に記載の電子装置(10)。
【請求項9】
前記第1電気絶縁要素(16)は、電気絶縁材料(16b)で被覆された金属粒子(16a)を含み、前記金属粒子(16a)が、前記第1電気絶縁要素(16)が圧縮圧力を受けず、且つ前記金属粒子(16a)の大部分が互いに接触していない第1の電気絶縁状態と、前記方向に加えられた圧縮圧力の影響を受けて前記金属粒子(16a)の大部分が電気接触している第2の異方性導電状態との間で変化できるように適合されている、請求項1~8のいずれか1項に記載の電子装置(10)。
【請求項10】
前記第1電気絶縁要素(16)は、少なくとも1つの前記能動素子(13)の前記下部(13a)と、この能動素子(13)の前記下部(13a)に接続された前記下側導電要素(12)の少なくとも1つとの間に配置された接触部分に配置されており、
前記能動素子(13)の前記下部(13a)が、前記第1電気絶縁要素(16)が、前記能動素子(13)及び前記下部支持体(11)を含む群から得られる少なくとも1つの素子に対する電気結合装置の作用の結果として、前記能動素子(13)及び/又は前記下部支持体(11)が前記接触部分に圧縮圧力が加えられることにより、前記第1の電気絶縁状態から前記第2の異方性導電状態へと移行して前記下側導電要素(12)と電気接触状態にされ、前記接触部分に位置する前記第1電気絶縁要素(16)の前記金属粒子(16a)の全部又は一部が、前記能動素子(13)の前記下部(13a)と前記下側導電要素(12)との電気接続を提供する、請求項に記載の電子装置(10)。
【請求項11】
前記第1電気絶縁要素(16)とは異なる第2電気絶縁要素(17)は、2つのグループのうちの少なくとも1つの部材を互いに電気的に絶縁するように、前記下部支持体(11)の前記支持面上に並んで配置された少なくとも2つの隣り合う能動素子(13)の間及び、前記上側導電要素(14)と前記下側導電要素(12)との間に配置され、
前記2つのグループが、
前記第2電気絶縁要素(17)により互いに分離された前記隣り合う能動素子(13)から成る第1のグループと、
前記第2電気絶縁要素(17)により互いに分離された前記上側導電要素(14)及び前記下側導電要素(12)から成る第2のグループとを含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の電子装置(10)。
【請求項12】
少なくとも1つの前記上側導電要素(14)の前記金属導電体(14b)は、前記第2電気絶縁要素(17)と前記透明導電体(14a)との間に配置されている、請求項4又は8に記載の電子装置(10)。
【請求項13】
前記上側導電要素(14)の少なくとも1つは、前記上側導電要素(14)が接続される前記能動素子(13)の前記上部(13b)の高さに配置された局所部分を画成しており、前記上側導電要素(14)の前記局所部分が少なくとも部分的に、適応するリソグラフィにより形成されている、請求項1~12のいずれか1項に記載の電子装置(10)。
【請求項14】
前記外部パラメータは、音波、光放射、電磁放射、電流、電位差及び圧力波により形成される群に含まれる、請求項1~13のいずれか1項に記載の電子装置(10)。
【請求項15】
物理量を捕捉又は放出するための電子装置(10)の製造方法であって、
下側導電要素(12)を備えた下部支持体(11)を設けるステップE1であって、前記下側導電要素(12)が互いに電気的に絶縁され、且つ少なくとも一部が前記下部支持体(11)の支持面上に形成されるステップE1と、
前記下部支持体(11)を横切る方向の厚さHを有する複数の能動素子(13)を設けるステップE2であって、前記能動素子(13)の各々が、前記下側導電要素(12)の少なくとも1つに電気的に接続され得る下部(13a)と、上部(13b)(前記下部(13a)に対して横方向において前記下部支持体(11)の反対側に配置されている)と、能動部(当該能動部の外部の外部パラメータが当該能動部に印加されると状態が変化することができる)とを含み、ステップE2において提供される各能動素子(13)が、前記厚さ(H)に沿って、少なくとも前記下部(13a)及び前記上部(13b)の周囲で側方に延在する少なくとも1つの側壁(13c)を画成するステップE2と、
少なくとも1つの第1電気絶縁要素(16)を、前記下部支持体(11)の前記支持面上に並んで配置された少なくとも2つの隣り合う能動素子(13)の前記少なくとも1つの側壁(13c)の少なくとも一部の間に配置して形成し、これにより、前記第1電気絶縁要素(16)により分離された側壁(13c)を互いに電気的に絶縁するステップE3と、を含み、
前記ステップE2及びE3の一方の終了時に、少なくとも一つの前記能動素子(13)の前記下部(13a)が、前記下側導電要素(12)の少なくとも一つに電気的に接続される製造方法であり、
互いに電気的に絶縁された上側導電要素(14)を形成するステップE4であって、各能動素子(13)の前記上部(13b)が、形成された前記上側導電要素(14)の少なくとも1つに電気的に接続されるようにするステップE4を含み、
前記ステップE4の終了時に、前記第1電気絶縁要素(16)は、さらに、前記上側導電要素(14)の少なくとも1つと前記下側導電要素(12)の少なくとも1つとの間に配置され、これにより、前記第1電気絶縁要素(16)により分離された前記少なくとも1つの上側導電要素(14)と前記少なくとも1つの下側導電要素(12)とが互いに電気的に絶縁される、製造方法。
【請求項16】
前記ステップE2にて設けられた前記能動素子(13)は、前記ステップE2の間に実施される、前記下部支持体(11)に前記能動素子(13)を転写する前に、前記下部支持体(11)とは異なる外部支持体上に形成される、請求項15に記載の製造方法。
【請求項17】
前記第1電気絶縁要素(16)は、電気絶縁材料(16b)で被覆された金属粒子(16a)を含み、前記金属粒子(16a)は、前記第1電気絶縁要素(16)が圧縮圧力を受けず、且つ前記金属粒子(16a)の大部分が互いに接触していない第1の電気絶縁状態と、圧縮圧力の影響を受けて前記金属粒子(16a)の大部分が電気接触している第2の方向性導電状態との間を前記第1電気絶縁要素(16)が変化できるように適合されており、
前記ステップE3がステップE31を含み、ステップE31が、前記第1電気絶縁要素(16)を、少なくとも1つの前記能動素子(13)の前記下部(13a)と、当該能動素子(16a)の前記下部(13a)に接続可能な前記下側導電要素(12)の少なくとも1つとの間に配置された接触部分に形成することからなり、
前記方法がステップE21を含み、ステップE21が、前記能動素子(13)と前記下部支持体(11)との相対的な移動により前記接触部分に圧縮圧力を加えることからなり、前記相対的な移動が、前記能動素子(13)及び前記下部支持体(11)を含む群から得られる少なくとも1つの素子に対する電気結合装置の作用により生じ、前記接触部分に位置する前記第1電気絶縁要素(16)の前記金属粒子(16a)の全部又は一部が、前記能動素子(13)の前記下部(13a)と前記下側導電要素(12)との電気接続を提供する状態である、第2の異方性導電状態とする、請求項16に記載の製造方法。
【国際調査報告】