(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-30
(54)【発明の名称】リファイナのためのブレードセグメント
(51)【国際特許分類】
D21D 1/30 20060101AFI20230623BHJP
【FI】
D21D1/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022574530
(86)(22)【出願日】2021-06-02
(85)【翻訳文提出日】2023-01-23
(86)【国際出願番号】 EP2021064841
(87)【国際公開番号】W WO2021245161
(87)【国際公開日】2021-12-09
(32)【優先日】2020-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515183610
【氏名又は名称】バルメット テクノロジーズ オサケユキチュア
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ロイヤス,マルコ
(72)【発明者】
【氏名】イーサッキラ,トミ
(72)【発明者】
【氏名】フェーストレーム,ホーカン
【テーマコード(参考)】
4L055
【Fターム(参考)】
4L055BB03
4L055CA16
4L055CA19
4L055EA15
4L055FA30
(57)【要約】
繊維状材料を精製するためのリファイナ(1)のためのブレードセグメント(4,8)を提供する。ブレードセグメント(4,8)は、ブレードセグメント(4,4a,4b,8,8a,8b)の長手方向軸線(LA)の方向における第1の端縁部(20)及び第1の端縁部の反対側の第2の端縁部(21)と、第1の側縁部(22)及び第1の側縁部の反対側の第2の側縁部(23)であって、第1の端縁部と第2の端縁部との間に延びる第1の側縁部及び第2の側縁部と、ブレードセグメント(4,8)の前面(25)上にブレードバー(26)及びこれらブレードバーの間のブレード溝(27)を含むリファイニング面(5,9)と、を含む。少なくとも1つの側縁部(22,23)は、ブレードセグメント(4,4a,4b,8,8a,8b)の長手方向軸線(LA)の方向から逸れるように配置され且つ各2つの縁部分(31,33,35,41,43,45)の間でエルボ(32,34,42,44)によって接続される少なくとも2つの縁部分(31,33,35,41,43,45)を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維状材料を精製するためのリファイナ(1)のためのブレードセグメント(4,8)であって、当該ブレードセグメント(4,8)は、
当該ブレードセグメント(4,4a,4b,8,8a,8b)の長手方向軸線(LA)の方向における第1の端縁部(20)及び該第1の端縁部の反対側の第2の端縁部(21)と、
第1の側縁部(22)及び該第1の側縁部(22)の反対側の第2の側縁部(23)であって、前記第1の端縁部(20)と前記第2の端縁部(21)との間に延びる第1の側縁部(22)及び第2の側縁部(23)と、
当該ブレードセグメント(4,8)の前面(25)にブレードバー(26)及びこれらブレードバーの間のブレード溝(27)を含むリファイニング面(5,9)と、を含み、
少なくとも1つの側縁部(22,23)は、前記ブレードセグメント(4,4a,4b,8,8a,8b)の前記長手方向軸線(LA)の方向から逸れるように配置され且つ各2つの縁部分(31,33,35,41,43,45)の間でエルボ(32,34,42,44)によって接続される少なくとも2つの長縁部分(31,33,35,41,43,45)を含み、前記エルボ(32,34,42,44)は、第1の屈曲部(32a,34a,42a,44a)と、該第1の屈曲部(32a,34a,42a,44a)に続く短縁部分(32b,34b,42b,44b)と、該短縁部分(32b,34b,42b,44b)に続く第2の屈曲部(32c,34c,42c,44c)とから構成される、
ブレードセグメント。
【請求項2】
前記長縁部分(31,33,35,41,43,45)は、前記長手方向軸線(LA)の方向に対して同じ方向に逸れるように配置され、前記エルボ(32,34,42,44)は、前記長手方向軸線(LA)の方向に対して前記長縁部分(31,33,35,41,43,45)とは異なる方向に逸れるように、前記長縁部分(31,33,35,41,43,45)から離れる方向に曲げられる、請求項1に記載のブレードセグメント。
【請求項3】
両側縁部(22,23)は、当該ブレードセグメント(4,4a,4b,8,8a,8b)の長手方向軸線(LA)の方向から逸れるように配置され且つ各2つの縁部分(31,33,35,41,43,45)の間で前記エルボ(32,34,42,44)によって接続された少なくとも2つの長縁部分(31,33,35,41,43,45)を含む、請求項1又は2に記載のブレードセグメント。
【請求項4】
同じ側縁部(22,23)にあり、且つ前記長手方向軸線(LA)の方向から同じ方向に逸れるように配置される前記長縁部分(31,33,35,41,43,45)は、実質的に平行である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のブレードセグメント。
【請求項5】
前記側縁部(22,23)は、内側端縁部(20)から外側端縁部(21)に向かう方向に、少なくとも、当該ブレードセグメント(4,4a,4b,8,8a,8b)の前記長手方向軸線(LA)の方向から逸れるように配置された実質的に直線状の第1の長縁部分(31,41)と、該第1の長縁部分(31,41)に続き且つ前記第1の長縁部分(31,41)の方向から離れる方向に曲げられる第1の屈曲部(32a,42a)と、該第1の屈曲部(32a、42a)に続き且つ当該ブレードセグメント(4,4a,4b,8,8a,8b)の前記長手方向軸線(LA)の方向から前記第1の長縁部分(31,41)とは異なる方向に逸れるように配置される実質的に直線状の第1の短縁部分(32b,42b)と、該第1の短縁部分(32b,42b)に続き且つ前記第1の短縁部分(32b,42b)の方向から離れる方向に曲げられる第2の屈曲部(32c,42c)と、該第2の屈曲部(32c,42c)に続き且つ前記ブレードセグメント(4,4a,4b,8,8a,8b)の前記長手方向軸線(LA)の方向から、前記第1の長縁部分(31,41)と同じ方向に逸れるように配置された実質的に直線状の第2の長縁部分(33,43)と、を含み、
前記第1の屈曲部(32a、42a)、前記短縁部分(32b,42b)、及び前記第2の屈曲部(32c,42c)は、当該ブレードセグメント(4,4a,4b,8,8a,8b)の前記側縁部(22,23)に前記エルボ(32)を提供する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のブレードセグメント。
【請求項6】
各側縁部(22,23)は、少なくとも1つのエルボ(32,34,42,44)を含む、請求項3乃至5のいずれか一項に記載のブレードセグメント。
【請求項7】
対向する前記側縁部(22,23)における前記エルボ(32,34,42,44)は、前記長手方向軸線(LA)に対して同じ法線(N)レベルにある、請求項3乃至6のいずれか一項に記載のブレードセグメント。
【請求項8】
各側縁部(22,23)におけるエルボ(32,34,42,44)の数が1~10であり、好ましくは2~約7である、請求項3乃至7のいずれか一項に記載のブレードセグメント。
【請求項9】
前記長手方向軸線(LA)に対する前記エルボ(32,34,42,44)の偏角が約10~90度である、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のブレードセグメント。
【請求項10】
前記エルボ(32,34,42,44)の延長方向が、前記ブレードバー(26)の延長方向と実質的に平行である、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のブレードセグメント。
【請求項11】
前記側縁部(22,23)は、当該ブレードセグメント(4,4a,4b,8,8a,8b)の前記長手方向軸線(LA)に関して互いに鏡像でない、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のブレードセグメント。
【請求項12】
前記エルボ(42)は、当該ブレードセグメント(4,4a,4b,8,8a,8b)の縁軸線(LA’)を超えるように配置され、当該ブレードセグメント(4,4a,4b,8,8a,8b)の前記縁軸線(LA’)は、当該ブレードセグメント(4,4a,4b,8,8a,8b)の縁部(23)において当該ブレードセグメント(4,4a,4b,8,8a,8b)の前記長手方向軸線(LA)に対応する、請求項1乃至11のいずれか一項に記載のブレードセグメント。
【請求項13】
当該ブレードセグメント(4,4a,4b,8,8a,8b)の両方の角部に当該ブレードセグメント(4,4a,4b,8,8a,8b)の少なくとも一方の端部があり、肩部(50,51,52,53)は、リファイナ(1)のリファイニング要素(3,6)のリファイニング面(5,9)の一部を提供するように組み立てられたときに、隣接するブレードセグメント(4,4a,4b,8,8a,8b)と接触することを目的としている、請求項1乃至12のいずれか一項に記載のブレードセグメント。
【請求項14】
前記短縁部分(32b,34b,42b,44b)の長さと前記長縁部分(31,33,35,41,43,45)の長さとの比が、約1:2~1:20である、請求項1乃至13のいずれか一項に記載のブレードセグメント。
【請求項15】
繊維状材料をリファインするためのリファイナであって、請求項1乃至14のいずれか一項に記載の少なくとも1つのブレードセグメント(4,4a,4b,8,8a,8b)を含むリファイナ。
【請求項16】
当該リファイナ(1)のリファイニング要素(3,6)において、隣接するブレードセグメント(4,4a,4b,8,8a,8b)の間に連続的なスリット状の開口部(14,15)がある、請求項15に記載のリファイナ。
【請求項17】
当該リファイナ(1)のリファイニング要素(3,6)において、隣接するブレードセグメント(4,4a,4b,8,8a,8b)の間に不連続的なスリット状の開口部(14,15)がある、請求項15に記載のリファイナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維状材料を精製する(refining:リファイニングする)ためのリファイナ(refiner)に関し、特に、繊維状材料を精製するためのリファイナのブレードセグメントに関する。
【背景技術】
【0002】
繊維状材料を精製するために使用されるリファイナ、例えば機械パルプの製造に使用されるリファイナ、又は任意の低コンシステンシー(consistency)精製で使用されるリファイナは、典型的には、互いに対向し、互いに対して回る、すなわち一方又は両方が回転する2つのリファイニング要素を含む。リファイニング要素は、ブレードバー及びこれらブレードバーの間のブレード溝が設けられたリファイニング面を含み、ブレードバーは、精製すべき材料を解繊及び精製することを目的とし、ブレード溝は、精製すべき材料をリファイニング面に沿って前方に搬送することを目的とする。リファイニング要素のリファイニング面は、典型的には、それぞれのリファイニング要素の本体に固定されたいくつかのブレードセグメントから形成され、各ブレードセグメントは、ブレードバー及びこれらブレードバーの間のブレード溝によって形成されるそれぞれのリファイニング面を含む。こうして、リファイニング要素の完全なリファイニング面は、リファイニング要素内で互いに隣り合って固定されたいくつかのブレードセグメントのリファイニング面から形成される。EP公報第3401439 B1号は、繊維状材料を精製するためのリファイナで使用するのに適用可能なブレードセグメントを開示している。
【発明の概要】
【0003】
本発明の目的は、繊維状材料を精製するためのリファイナのための新規なブレードセグメントだけでなく、繊維状材料を精製するための新規なリファイナを提供することである。
【0004】
本発明は、独立請求項の特徴によって特徴付けられる。
【0005】
本発明は、ブレードセグメントの少なくとも1つの側縁部を構成して、ブレードセグメントの長手方向軸線の方向から逸れるような形状を提供するという考えに基づいている。
【0006】
ブレードセグメントの少なくとも1つの側縁部の形状が、ブレードセグメントの長手方向軸線の方向から逸れた形状を有するように構成され、反対側の側縁部の構成が、最初に述べた側縁部の構成と協働して選択される場合に、その構成は、隣接するブレードセグメントの間に流路を提供する長手方向のスリット状の開口部を提供し、開口部は、精製すべき繊維状材料をステータとロータとの間のリファイニングチャンバ内に供給し、且つ既に精製した繊維状材料をリファイニングチャンバから排出するためのものである。従って、このスリット状の開口部は、開口部の延長部の少なくとも大部分において、ブレードセグメントの長手方向軸線の方向から逸れる方向の中心線を有する。これは、ロータの開口部とステータの開口部との間の入射角がリファイナの軸方向に変化し、ロータの開口部とステータの開口部との間の入射点をリファイナの軸方向から移動させるという効果を有する。これは、次に、従来技術のリファイナの動作で現れる可能性のある流れの変動を減少させることができるという効果を有する。
【0007】
本発明のいくつかの実施形態は、従属請求項に開示される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
以下では、添付の図面を参照して好ましい実施形態により本発明についてより詳細に説明する。
【
図1】円錐形のリファイナの断面における概略全体側面図である。
【
図2】
図1のリファイナで使用するのに適用可能なステータ及びロータの概略斜視側面図である。
【
図3】ステータ/ロータのブレードセグメントのセットの概略平面上面図である。
【
図4a】解決策によるブレードセグメントの概略平面上面図である。
【
図4b】解決策によるブレードセグメントの概略平面上面図である。
【
図5】解決策による別のブレードセグメントの概略平面上面図である。
【
図6】解決策による別のブレードセグメントの概略平面上面図である。 明確にするために、図は、本発明のいくつかの実施形態を簡略化して示している。同様の参照符号は、図中の同様の要素を特定する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、リファイナ1の全体的な構造の断面の概略全体側面図であり、このリファイナは、例えば、紙又は板紙の製造に使用するのに適しているリグノセルロースを含む木材材料又は他の繊維材料を含む繊維状材料を精製するために使用することができる。
図1に示されるリファイナ1は円錐形タイプのものであるが、ディスクリファイナ、円錐形のディスクリファイナ、及び円筒形のリファイナをここでの例と同様に使用することができる。一般に、リファイナは、実質的に対向して位置付けされた少なくとも2つのリファイニング要素であって、少なくとも1つが回転している、リファイニング要素と、実質的に対向して位置付けされた各2つのリファイニング要素の間に形成されたリファイニングチャンバとを含む。以下では、回転可能なリファイニング要素を1つだけ含むリファイナについて説明する。
【0010】
図1のリファイナ1は、フレーム2と、フレーム2に支持された静止した固定リファイニング要素3、すなわちステータ3とを含む。ステータ3は、2つ以上のステータブレードセグメント4を含み、それらセグメント4の各々は、ブレードバーと、これらステータブレードセグメント4の間のブレード溝とを含む。各ステータブレードセグメント4のブレードバー及びブレード溝は、それぞれのブレードセグメント4のリファイニング面5を形成し、それにより各ステータブレードセグメント4のリファイニング面5は、ステータ3のリファイニング面の一部を提供する。ステータ3の完全なリファイニング面は、ステータ3において互いに隣り合って固定された必要数のブレードセグメント4のリファイニング面5から形成され、それによってステータ3の全周に亘って延びる完全なリファイニング面5が提供される。明確にするために、各単一のステータブレードセグメント4のリファイニング面と、ステータ3の完全なリファイニング面との両方が、本明細書では同じ参照符号5で示される。
【0011】
リファイナ1は、リファイナ1の回転可能なリファイニング要素6、すなわちロータ6をさらに含む。ロータ6は、ハブ7を含む。ロータ6は、ハブ7に支持された2つ以上のロータブレードセグメント8をさらに含み、各ロータブレードセグメント8は、ブレードバーと、これらブレードバーの間のブレード溝とを含む。各ロータブレードセグメント8のブレードバー及びブレード溝は、それぞれのブレードセグメント8のリファイニング面9を形成し、それにより各ロータブレードセグメント8のリファイニング面9は、ロータ6のリファイニング面の一部を提供する。ロータ6の完全なリファイニング面は、ロータ6において互いに隣り合って固定された必要数のブレードセグメント8のリファイニング面9から形成され、それによってロータ6の全周に亘って延びる完全なリファイニング面9が提供される。明確にするために、各単一のロータブレードセグメント8のリファイニング面と、ロータ6の完全なリファイニング面との両方が、本明細書では同じ参照符号9で示される。
【0012】
ロータ6のハブ7は、シャフト11によって駆動モータ10に接続されており、それによってロータ6は、ステータ3に対して、例えば矢印RDの方向に回転することができ、こうして、矢印RDは、ロータ6の意図した回転方向RDを示す。
【0013】
リファイナ1は、明確にするために
図1には示していないローディング(loading)装置も含んでもよい。ローディング装置は、ステータ3とロータ6との間のリファイニングギャップ12、すなわちリファイニングチャンバ12のサイズを調整するために、矢印Aで概略的に示されるように、シャフト11に取り付けられたロータ6を前後に動かすために使用することができ、そのリファイニングチャンバ12で、繊維状材料が実際に精製される。
【0014】
精製すべき繊維状材料は、矢印Fによって示される方法で供給チャネル13を介してリファイナ1に供給される。一実施形態では、リファイナ1に供給される繊維状材料の大部分は、矢印Pによって概略的に示される方法で、ロータ6のリファイニング面9の開口部14を通過する、すなわち流路を通ってリファイニングチャンバ12に入り、そこで繊維状材料が精製される。さらに、既に精製した繊維状材料の大部分は、順に、ステータ3のリファイニング面9の開口部15、すなわち流路を通って排出され、リファイナ1のフレーム2とステータ3との間の中間空間16に入り、そこから、精製した材料は、矢印Dで概略的に示されるように、排出チャネル17を介してリファイナ1から取り出される。
【0015】
図1のリファイナ1のロータ6とフレーム2との間の空間が完全には閉じられていないので、リファイナ1に供給すべき繊維状材料の一部が、
図1に確認されるように、リファイニングチャンバ12の右端から、すなわち、より小さい直径を有するリファイナ1の第1の端部18又は内側端部18からリファイニングチャンバ12内に移動され得る。対応して、既に精製した材料の一部が、
図1に確認されるように、リファイニングチャンバ12の左端から、すなわち、より大きな直径を有するリファイナ1の第2の端部19又は外側端部19からリファイニングチャンバ12から放出され、そこから中間空間16への接続が提供される。
【0016】
リファイナ1の
図1の実施形態では、供給チャネル13が1つだけ設けられ、そのチャネル13は、より小さい直径を有するリファイナ1の第1の端部18に配置される。リファイナの実際の実施態様は、より大きな直径を有するリファイナ1の第2の端部19に配置された第2の供給チャネルを含むこともでき、それによりリファイナ1の排出チャネル17は、例えばリファイナ1の第1の端部18と第2の端部19との間のどこかに配置することができる。以下において、参照符号18及び用語第1の端部18又は用語内側端部18は、より小さい直径を有するリファイナ1の第1の端部18又は内側端部18と、より小さな直径を有するリファイニング要素3、6の又はリファイニングチャンバ12の第1の端部18又は内側端部18との両方を示し得る。対応して、参照符号19及び用語第2の端部19又は用語外側端部19は、より大きな直径を有するリファイナ1の第2の端部19又は外側端部19と、より大きな直径を有するリファイニング要素3、6の又はリファイニングチャンバ12の第2の端部19又は外側端部19との両方を示し得る。
【0017】
上に開示した円錐形のリファイナに加えて、本明細書で説明する解決策のブレードセグメントは、他の種類の円錐形のリファイナにも適用され得ることが強調される。円錐形のリファイナに加えて、本明細書で説明する解決策のブレードセグメントは、円筒形のリファイナ及びディスク形のリファイナ、並びに円錐部分とディスク部分との両方を含むリファイナにも適用可能である。
【0018】
図2は、円錐形のリファイナのステータ3及びロータ6の概略的な斜視側面図であり、ステータ3は断面で示されている。ステータ3の周方向において、ステータ3の内側端部18の側にいくつかの隣接する内側ブレードセグメント4aがあり、ステータ3の外側端部19の側にそれぞれの数の隣接する外側ブレードセグメント4bがあり、内側セグメント4a及び外側セグメント4bは一緒にブレードセグメント4を提供する。各内側ブレードセグメント4aは、ステータ3の対応する円周位置でそれぞれの外側ブレードセグメント4bと相互接続され、ブレードセグメント4を提供する。このセグメント4は、このブレードセグメント4のそれぞれの内側ステータブレードセグメント4a及び外側ステータブレードセグメント4bにおいて、ステータ3の内側端部18と外側端部19との間に実質的に連続したリファイニング面5を提供する。ステータブレードセグメント4a、4bの側縁部は、相互接続したステータブレードセグメント4の間に、ステータ3の周方向に流路を形成するスリット状の開口部15が設けられるように実施される。
【0019】
同様に、ロータ6の周方向には、ロータ6の内側端部18の側にいくつかの隣接する内側ブレードセグメント8aがあり、ロータ6の外側端部19の側にそれぞれの数の隣接する外側ブレードセグメント8bがあり、内側ブレードセグメント8a及び外側ブレードセグメント8bは一緒にブレードセグメント8を提供する。各内側ブレードセグメント8aは、ロータ6の対応する円周位置でそれぞれの外側ブレードセグメント8bと相互接続され、ブレードセグメント8を提供する。このセグメント8は、このブレードセグメント8のそれぞれの内側ステータブレードセグメント8a及び外側ステータブレードセグメント8bにおいて、ロータ6の内側端部18と外側端部19との間に実質的に連続したリファイニング面9を提供する。ロータブレードセグメント8a、8bの側縁部は、流路を形成するスリット状の開口部14が、ロータ6の周方向で相互接続されたロータブレードセグメント8の間に設けられるように実施される。
図3は、
図2のものと実質的に同様のステータ3又はロータ6のリファイニング面5、9の一部を形成するために使用するために適用可能である相互接続された隣接するステータブレードセグメント4a、4b又はロータブレードセグメント8a、8bのセットの概略平面上面図である。
【0020】
ロータブレードセグメント8a、8bがロータ6のハブ7に固定されると、ロータ6の周方向で隣接するロータブレードセグメント8同士の間に長手方向のスリット状の開口部14が存在し、この開口部14を介して、精製すべき繊維状材料は、ロータ6とステータ3との間のリファイニングチャンバ12に供給される。同様に、ステータ3の周方向で隣接するステータブレードセグメント4同士の間に長手方向のスリット状の開口部15が存在し、この開口部15を通して、リファイニングチャンバ12内で既に精製した繊維材料がリファイニングチャンバ12から排出される。この種のリファイナの構成は、側部供給構成又は側部供給リファイナと呼ばれる。
【0021】
以下では、本明細書に開示する解決策によるブレードセグメント構造を、
図4a、
図4b、
図5、及び
図6を参照してより詳細に考察する。
図4aは、ステータ3又はロータ6の内側端部18の側で使用するのに適用可能なブレードセグメント4a、8aの平面上面図を概略的に示す。
図4bは、ステータ3又はロータ6のステータの外側端部19の側で使用するのに適用可能なブレードセグメント4b、8bの平面上面図を概略的に示す。次に、
図5及び
図6は、円錐形のリファイナのステータ3及び/又はロータ6で使用するのに適用可能な別のブレードセグメント4、8の平面図を概略的に開示し、ブレードセグメント4、8のリファイニング面5、9は、明確にするために、
図5及び
図6では省略される。上記の
図2を考慮すると、
図5及び
図6のブレードセグメント4、8は、ステータ3/ロータ6の内側端部18からステータ3/ロータ6の外側端部19まで、単一の均一な部品として延びることを意図している。こうして、以下の説明は、内側ブレードセグメント4a、8aとそれぞれの外側ブレードセグメント4b、8bとを相互接続することによって形成されるブレードセグメント4、8を含む、上述の各ブレードセグメント4、4a、4b、8、8a、8bに適用可能である。
【0022】
ブレードセグメント4、4a、4b、8、8a、8bは、より小さい直径を有するリファイニング要素3、6の内側端部18に向けて方向付けられる内側端縁部20又は第1の端縁部20を含む。ブレードセグメントは、より大きな直径を有するリファイニング要素3、6の外側端部19に向けて方向付けられる外端縁部21又は第2の端縁部21をさらに含む。円錐形及び円筒形のリファイナのブレードセグメントでは、ブレードセグメントの内側端縁部がブレードセグメントの軸方向(axially)内側端部を提供し、ブレードセグメントの外側端縁部がブレードセグメントの軸方向外側端部を提供し、こうして、軸方向内側端部から軸方向外側端部に向かう方向は、ブレードセグメントの長手方向軸線を提供する。こうして、外側端縁部21は、ブレードセグメントの長手方向軸線の方向で内側端縁部20と実質的に対向している。
図3では、ブレードセグメントの長手方向軸線LAが、ブレードセグメントの中心線とブレードセグメントの縁部ラインとの両方で矢印によって概略的に示されており、これらの線は、平面図における円錐形のセグメントの表現に応じて、
図3の外側で共通の交点を有するように見えるが、実際のセグメントでは、それぞれの線又は矢印は、
図3の図では平行になる。換言すると、参照記号LAで示され且つブレードセグメントの中心線にある矢印は、ブレードセグメントの中心線におけるブレードセグメントの長手方向軸線を指し、参照符号LA’で示され且つブレードセグメントの縁部ライン又は縁部にある矢印は、ブレードセグメントの縁部でのブレードセグメントの長手方向軸線を指す。こうして、長手方向軸線LA’は、ブレードセグメントの縁部に示される長手方向軸線LAである。こうして、長手方向軸線LA及び長手方向軸線LA’は両方とも、ブレードセグメントの1つの同一の長手方向軸線を表すが、以下の説明のために異なる参照符号で本明細書に示される。ブレードセグメントの縁部ラインでの長手方向軸線LAの下は、縁(edge)軸線とも呼ばれ、参照記号LA’で示され、
図6では破線で示される。
図4a、
図4b、及び
図5では、ブレードセグメントの長手方向軸線は、ブレードセグメントの中心線で概略的に示されており、従って参照符号LAで示されている。
【0023】
円錐形のリファイナを意図したブレードセグメントでは、ブレードセグメントの長手方向軸線LAを示す線が、実際にはブレードセグメントの円錐面に沿って延び、従って、円錐形のリファイナ1のシャフト11に対してある角度で延びているが、リファイナ1のシャフト11と平行に延びるようにシャフト11で突出することができることに留意されたい。円錐形のリファイナを意図したブレードセグメントでは、次に、ブレードセグメントの円筒面に沿って延びるブレードセグメントの長手方向軸線を示す線は、リファイナのシャフトに実質的に平行に延びる。さらに、ディスクリファイナを意図したブレードセグメントでは、次に、ブレードセグメントの長手方向軸線LAを示す線は、ブレードセグメントの半径方向にブレードセグメントの実質的に平坦な表面に沿って延びており、すなわちディスク状のブレードセグメントにおいて、ブレードセグメントの長手方向軸線は、ブレードセグメントの半径方向と一致する。
【0024】
ブレードセグメントは、ブレードセグメントの内側端縁部20からブレードセグメントの外側端縁部21まで延び、ブレードセグメントの側縁部を提供する第1の側縁部22又は前側縁部22をさらに含み、これは、リファイナの動作中にカウンターブレードセグメントの縁部に最初に接触(meet)する。そのため、ロータ6では、それは、ロータ6の意図する回転方向RDに向けて方向付けられるブレードセグメントの側縁部を提供し、ステータ3では、それは、ロータ6の意図した回転方向RDに対して反対方向に方向付けられるブレードセグメントの側縁部を提供する。
【0025】
ブレードセグメントはさらに、ブレードセグメントの長手方向軸線LAに実質的に直交する方向で第1の側縁部22と実質的に反対側にあり、ブレードセグメントの内側端縁部20からブレードセグメントの外側端縁部21までから延び、且つリファイナの動作中にカウンターブレードセグメントの縁部と最後に出くわすブレードセグメントの側縁部を提供する第2の側縁部23又は後方側縁部23を含む。そのため、ロータ6では、それは、ロータ6の意図した回転方向RDに対して反対方向に方向付けられるブレードセグメントの側縁部を提供し、ステータ3では、それは、ロータ6の意図した回転方向RDに対して反対方向に方向付けられたブレードセグメントの側縁部を提供し、ステータ3では、それは、ロータ6の意図された回転方向RDに向けて方向付けられる側縁部を提供する。内側端縁部20及び外側端縁部21は、第1の側縁部22及び第2の側縁部23と共に、ブレードセグメント8の周囲を規定する。
【0026】
ブレードセグメントは、リファイナ1のリファイニングチャンバ12に向けて方向付けられる前面25を有する本体24を含む。ブレードセグメント本体24の前面25には、ブレードバー26及びブレード溝27が設けられ、これらは共に、ブレードセグメントのリファイニング面5、9を提供する。ブレードバー26は、精製すべき材料を解繊し、精製することを目的としており、ブレード溝27は、精製すべき材料をリファイニング面5、9に沿って前方に搬送することを目的としている。締結孔28は、ボルトのような締結手段を受け入れることを意図しており、ブレードセグメントをステータの支持構造及びロータのハブに直接、又はリング29、30等のような固定要素を介して固定する。
【0027】
セグメントの最も内側及び最も外側の端縁部には、セグメントの少なくとも一方の側縁部22、23に延長部又は肩部50、51、52、53がある。延長部又は肩部は、リファイナのリファイニング要素のリファイニング面の一部を提供するために組み立てられたときに、隣接するブレードセグメントと接触することを目的としている。
図4a及び
図5は、ブレードセグメント4、4a、8、8aの内側端部における肩部50、51を示し、
図4b及び
図5は、ブレードセグメント4、4b、8、8bの外側端部における肩部52、53を示す。肩部50、51、52、53は、
図5のように1つのセグメントの角部(corners:隅部)にあるか、又は
図4a及び
図4bに確認されるように、別個の連続するセグメントの角部、すなわち内側セグメント4a、8aの角部、及び外側セグメント4b、8bの角部にあり得る。当然のことながら、セグメント4、8の全ての角部に肩部50、51、52、53を設けることができ、
図4a、4bの実施形態と同様に、内側セグメント4a、8aは両側縁部において内側縁部20に又は代替的にその各角部に肩部50、51を有することができ、外側セグメント4b、8bはそれぞれ、両側縁部において外側縁部21に又は代替的にその各角部の肩部52、53を有することができる。1つのセグメントの側縁部あたりの肩部の数量は2~10である。基本的に、これらの肩部50、51、52、53は、セグメントが隣接するセグメントと相互に側方接触する唯一又は少数の部分である。
【0028】
図6には、肩部ライン50、51、52、53に沿って、より具体的には2つの隣接するセグメントの間のシームラインを介して縁軸線(edge axes)LA’も引かれており、セグメントの長手方向軸線LAと同様であるが、本明細書では、既に上で論じた方法でブレードセグメントの縁部に提示されるリファイナの軸方向(axial direction)(つまりディスクリファイナの場合の半径方向)に対して平行に延びる。スリット状の開口部14、15は、内側肩部50と外側肩部52との間の第1の側縁部22と、内側肩部51と外側肩部53との間の第2の側縁部23とに形成される。スリット状の長手方向の開口部14、15は、固定リングのようなセグメント外構造によって引き起こされるもの以外の中断なしに、最も内側の肩部から最も外側の肩部まで連続して延びることができる。あるいはまた、スリット状の長手方向の開口部14、15は、エルボが隣接セグメントと接触するように設計されている場合に、後でより詳細に開示するように、最も内側の肩部と最も外側の肩部との間で不連続であってもよい。
【0029】
図4a、
図4b、及び
図5並びにその中のブレードセグメント4、8を参照すると、第1の側縁部22は、内側端縁部20から外側端縁部21に向かう方向に、少なくとも実質的に直線状の第1の長縁部分31を含む。第1の長縁部分31の方向は、ブレードセグメントの長手方向軸線LAの方向から逸れる、すなわち、ブレードセグメントの長手方向軸線LAの方向に対して逸れるように配置され、それによって第1の長縁部分31は、ブレードセグメントの中心部又は中心線に向けて方向付けられ、ブレードセグメントの中心線は、
図4a、
図4b、及び
図5においてブレードセグメントの長手方向軸線LAによって示される。
【0030】
第1の長縁部分31の後には、第1の長縁部分31の方向から離れる方向に曲げられる、すなわち長手方向軸線LAの方向に対して第1の長縁部分31とは反対の方向(つまり、ブレードセグメントの中心部又は中心線から離れる)に曲げられる第1の屈曲部32aが続く。
【0031】
第1の屈曲部32aの後には、実質的に直線状又は僅かに湾曲した短縁部分32bが続く。短縁部分32bの方向は、長手方向軸線LAの方向から、第1の長縁部分31とは異なる方向、すなわち長手方向軸線LAの方向に対して第1の長縁部分31とは反対の方向(つまり、ブレードセグメントの中心部又は中心線から離れる)に逸れるように配置される。
【0032】
短縁部分32bの後には、第1の短縁部分32bの方向から離れる方向に曲げられる、すなわち、長手方向軸線LAの方向に対して短縁部分32bとは反対の方向(つまり、ブレードセグメントの中心部又は中心線に向かう)に曲げられる第2の屈曲部32cが続く。こうして、第2の屈曲部32bは、長手方向軸線LAに対して第1の屈曲部32aとは反対方向に向けて曲げられる。
【0033】
第1の屈曲部32a、短縁部分32b、及び第2の屈曲部32cは、ブレードセグメントの第1の側縁部22にエルボ32を提供する。換言すると、ブレードセグメントの第1の側縁部22におけるエルボ32は、第1の屈曲部32a、第1の屈曲部32aに続く短縁部分32b、及び短縁部分32bに続く第2の屈曲部32cから構成される。
【0034】
次に、第2の屈曲部32c又はエルボ32の後には、実質的に直線状の第2の長縁部分33が続き、その方向は、ブレードセグメントの長手方向軸線LAの方向から第1の長縁部分31と同じ方向に逸れる、すなわち、ブレードセグメントの中心部又は中心線に向かうように配置される。換言すると、第2の屈曲部32c、こうしてエルボ32の後には、実質的に直線状の第2の長縁部分33が続き、その方向は、ブレードセグメントの長手方向軸線LAの方向から第1の長縁部分31と同じ方向にレードセグメントへと逸れるように配置される。こうして、第2の長縁部分33は、長手方向軸線LAの方向に対して、第1の長縁部分31と同じ方向に逸れるように配置される。
【0035】
さらに、ブレードセグメント4、4a、4b、8、8a、8bの第2の側縁部23は、内側端縁部20から外側端縁部21に向かう方向に、少なくとも実質的に直線状の第1の長縁部分41を含む。第1の長縁部分41の方向は、ブレードセグメントの長手方向軸線LAの方向から逸れる、すなわちブレードセグメントの長手方向軸線LAの方向に対して逸れるように配置され、それによって長縁部分41は、ブレードセグメントの中心部又は中心線から離れる方向に方向付けられる。
【0036】
第1の長縁部分41の後には、第1の長縁部分41の方向から離れる方向に曲げられる、すなわち長手方向軸線LAの方向に対して第1の長縁部分41とは反対の方向(つまり、ブレードセグメントの中心部又は中心線に向かう)に曲げられる第1の屈曲部42aが続く。
【0037】
第1の屈曲部42aの後には、実質的に直線状又は僅かに湾曲した短縁部分42bが続く。短縁部分42bの方向は、長手方向軸線LAの方向から、第1の長縁部分41とは異なる方向、すなわち長手方向軸線LAの方向に対して第1の長縁部分41とは反対の方向(つまり、ブレードセグメントの中心線に向かう)に逸れるように配置される。
【0038】
短縁部分42bの後には、第1の短縁部分42bの方向から離れる方向曲げられる、すなわち、長手方向軸線LAの方向に対して短縁部分42bとは反対の方向(つまり、ブレードセグメントの中心線から離れる)に曲げられる第2の屈曲部42cが続く。こうして、第2の屈曲部42cは、長手方向軸線LAに対して第1の屈曲部42aとは反対の方向に向けて曲げられる。
【0039】
第1の屈曲部42a、短縁部分42b、及び第2の屈曲部42cは、ブレードセグメントの第2の側縁部23にエルボ42を提供する。換言すると、ブレードセグメントの第2の側縁部23におけるエルボ42は、第1の屈曲部42a、第1の屈曲部42aに続く短縁部分42b、及び短縁部分42bに続く第2の屈曲部42cから構成される。
【0040】
次に、第2の屈曲部42c又はエルボ42の後には、実質的に直線状の第2の長縁部分43が続き、その方向は、ブレードセグメントの長手方向軸線LAの方向から第1の長縁部分41と同じ方向に逸れる、すなわち、ブレードセグメントの中心部又は中心線から離れる方向に配置される。換言すると、第2の屈曲部42c、こうしてエルボ42の後には、実質的に直線状の第2の長縁部分43が続き、その方向は、ブレードセグメントの長手方向軸線LAの方向から第1の長縁部分41と同じ方向に逸れるように配置される。こうして、第2の長縁部分43は、長手方向軸線LAの方向に対して、第1の長縁部分41と同じ方向に逸れるように配置される。
【0041】
図5のブレードセグメント4、8をさらに考察すると、
図5のブレードセグメント4、8の第1の側縁部22は、第2の長縁部分33に続く別の面取り面34をさらに含む。それにより、第2の長縁部分33の後には第3の屈曲部34aが続き、第3の屈曲部34aは、第2の長縁部分33の方向から離れる方向に曲げられる、すなわち、長手方向軸線LAの方向に対して第2の長縁部分33方向とは反対の方向(つまり、ブレードセグメントの中心部又は中心線から離れる)に曲げられる。
【0042】
第3の屈曲部34aの後には、実質的に直線状又は僅かに湾曲した第2の短縁部分34bが続く。第2の短縁部34bの方向は、長手方向軸線LAの方向から、第2の長縁部分33とは異なる方向、すなわち長手方向軸線LAの方向に対して第2の長縁部分とは反対方向(つまり、ブレードセグメントの中心部又は中心線から離れる)に逸れるように配置される。
【0043】
第2の短縁部分34bの後には、第4の屈曲部34cが続き、第4の屈曲部34cは、第2の短縁部分34bの方向から離れる方向に曲げられる、すなわち長手方向軸線LAの方向に対して第2の短縁部分34bとは反対方向(つまり、ブレードセグメントの中心部又は中心線に向かう)に曲げられる。こうして、第4の屈曲部34cは、長手方向軸線LAに対して、第3の屈曲部34aとは反対の方向に向けて曲げられる。
【0044】
第3の屈曲部34a、第2の短い縁部分34b、及び第4の屈曲部34cは、ブレードセグメントの第1のサイド縁部22に第2のエルボ34を提供する。換言すると、ブレードセグメントの第1の側縁部22における第2のエルボ34は、第3の屈曲部34a、第3の屈曲部34aに続く第2の短縁部分34b、及び短縁部分34bに続く第4の屈曲部34cから構成される。
【0045】
次に、第4の屈曲部34c又は第2のエルボ34の後には、実質的に直線状の第3の長縁部分35が続き、その方向は、ブレードセグメントの長手方向軸線LAの方向から第1の長縁部分31及び第2の長縁部分33と同じ方向に逸れる、すなわちブレードセグメントの中心部又は中心線に向かうように配置される。換言すると、第4の屈曲部34c、こうして第2のエルボ34の後には、実質的に直線状の第3の長縁部分35が続き、その方向は、ブレードセグメントの長手方向軸線LAの方向から第1の長縁部分31及び第2の長縁部分33と同じ方向に逸れるように配置される。こうして、第3の長縁部分35は、長手方向軸線LAの方向に対して、第1の長縁部分31及び第2の長縁部分33と同じ方向に逸れるように配置される。
【0046】
短縁部分32b、34bの長さと長縁部分31、33、35の長さの比は、約1:2~1:20である。
【0047】
同様に、
図5のブレードセグメント4、8の第2の側縁部23は、第2の長縁部分43に続く別の面取り面44を含む。それにより、第2の長縁部分43の後には第3の屈曲部44aが続き、第3の屈曲部44aは、第2の長縁部分43の方向から離れる方向に曲げられる、すなわち、長手方向軸線LAの方向に対して第2の長縁部分とは反対の方向(つまり、ブレードセグメントの中心部又は中心線に向かう)に曲げられる。
【0048】
第3の屈曲部44aの後には、実質的に直線状又は僅かに湾曲した第2の短縁部分44bが続く。第2の短縁部分44bの方向は、長手方向軸線LAの方向から、第2の長縁部分43とは異なる方向、すなわち、長手方向軸線LAの方向に対して第2の長縁部分とは反対の方向(つまり、ブレードセグメントの中心部又は中心線に向かう)に逸れるように配置される。
【0049】
第2の短縁部分44bの後には、第4の屈曲部44cが続き、第4の屈曲部44cは、第2の短縁部分44bの方向から離れる方向に曲げられる、すなわち長手方向軸線LAの方向に対して第2の短縁部分44bとは反対の方向(つまり、ブレードセグメントの中心部又は中心線から離れる)に曲げられる。こうして、第4の屈曲部44cは、長手方向軸線LAに対して、第3の屈曲部44aとは反対の方向に向けて曲げられる。
【0050】
第3の屈曲部44a、第2の短い縁部分44b、及び第4の屈曲部44cは、ブレードセグメントの第2の側縁部23に第2のエルボ44を提供する。換言すると、ブレードセグメントの第2の側縁部23における第2のエルボ44は、第3の屈曲部44a、第3の屈曲部44aに続く第2の短縁部分44b、及び第2の短縁部分44bに続く第4の屈曲部44cから構成される。
【0051】
次に、第4の屈曲部44c又は第2のエルボ44の後には、実質的に直線状の第3の長縁部分45が続き、その方向は、ブレードセグメントの長手方向軸線LAの方向から第1の長縁部分41及び第2の長縁部分43と同じ方向に逸れる、すなわちブレードセグメントの中心部又は中心線から離れる方向に逸れるように配置される。換言すると、第4の屈曲部44c、こうして第2のエルボ44の後には、実質的に直線状の第3の長縁部分45が続き、その方向は、ブレードセグメントの長手方向軸線LAの方向から第1の長縁部分41及び第2の長縁部分43と同じ方向に逸れるように配置される。こうして、第3の長縁部分45は、長手方向軸線LAの方向に対して、第1の長縁部分41及び第2の長縁部分43と同じ方向に逸れるように配置される。
【0052】
短縁部分42b、44bの長さと長縁部分41、43、45の長さとの比は、約1:2~1:20である。
【0053】
図4a、
図4b、及び
図5のブレードセグメントの実施形態では、ブレードセグメントの両方の側縁部22、23は、ブレードセグメント4、4a、4b、8、8a、8bの長手方向軸線LAの方向から逸れるように配置され、且つ各2つの縁部分31、33、35、41、43、45の間でエルボ32、34、42、44によって接続される少なくとも2つの縁部分31、33、35、41、43、45を含む。
【0054】
図4a、
図4b、及び
図5のブレードセグメントの実施形態では、側縁部22、23の構成も、ブレードセグメントの長手方向軸線LAに関して鏡像から逸れるように配置される。換言すると、
図4a、
図4b、及び
図5のブレードセグメントの側縁部は、ブレードセグメント4、4a、4b、8、8a、8bの中心線において、ブレードセグメント4、4a、4b、8、8a、8bの長手方向軸線LAに関して互いの鏡像ではない。
【0055】
一般に、開示する解決策によれば、ブレードセグメント4、4a、4b、8、8a、8bの少なくとも1つの側縁部22、23は、少なくとも2つの縁部分31、33、35、41、43、43、45を含み、それらの方向は、ブレードセグメント4、4a、4b、8、8a、8bの長手方向軸線LAの方向から逸れるように配置され、少なくとも2つの縁部分は、各2つの縁部分31、33、35、41、43、45の間でエルボ32、34によって接続される。
【0056】
更なる実施形態によれば、特定の側縁部22、23における縁部分31、33、35、41、43、45の方向は、長手方向軸線LAの方向から同じ方向に逸れるように配置され、エルボ32、34、42、44は、ブレードセグメントの長手方向軸線LAの方向に対して縁部分31、33、35、41、43、45とは異なる方向に逸れるように、縁部分31、33、35、41、43、45から離れる方向に曲げられる。
【0057】
ブレードセグメントの一実施形態によれば、
図6のブレードセグメント4、8の第1の側縁部22の側に概略的に示されるように、エルボ32、34の到達範囲、又はより具体的には、短縁部分32b、34bの長さは、実質的に縁軸線LA’を超えないように構成することができ、それにより、隣接するセグメント4、8の間に連続するスリット状の開口部14、15を設けることができる。換言すると、この実施形態では、エルボ32、34は、ブレードセグメント4、8の第1の側縁部22において、ブレードセグメント4、8の長手方向軸線LA’を超えないように配置される。
【0058】
ブレードセグメントの一実施形態によれば、
図6のブレードセグメント4、8の第2の側縁部23の側に概略的に示されるように、エルボ42、44の到達範囲は、エルボが、エルボ44のように縁軸線LA’まで延びるか、又はエルボ42のように縁軸線LA’を超えるように構成することができる。換言すると、この実施形態では、エルボ42、44は、ブレードセグメント4、8の第2の側縁部22においてブレードセグメント4、8の長手方向軸線LA’まで延びるか、又はブレードセグメント4、8の第2の側縁部22においてブレードセグメント4、8の長手方向軸線LA’を超えることさえあるように構成される。対向する側縁部22、23が平行でない場合に、エルボは、隣接するセグメントとの接触を可能にする程度まで縁軸線LA’さえ超える可能性があり、それにより隣接するセグメント4、8の間に不連続なスリット状の開口部14、15が設けられ得る。
【0059】
ブレードセグメントの側縁部の開示する構成は、ブレードセグメントの長手方向軸線の方向から逸れる緩やかなジグザグの形状を提供する。反対側の側縁部の構成が、最初に述べた側縁部の構成と協働して選択される場合に、その反対側の側縁部の構成は、隣接するブレードセグメント間に長手方向のスリット状の開口部、すなわち流路を提供し、流路によって、精製すべき繊維状材料をステータとロータとの間のリファイニングチャンバ内に供給し、既に精製した繊維状材料をリファイニングチャンバから排出する。従って、階段状又は段差形状の開口部構成を有するこのスリット状の開口部は、開口部の延長部の少なくとも大部分においてブレードセグメントの軸線方向から逸れる方向の中心線を有する。これは、ロータの開口部とステータの開口部との間の入射角が、リファイナの軸方向、又はブレードセグメントの長手方向軸線及び縁軸線で変化し、ロータの開口部及びステータの開口部との間の入射ポイントを、リファイナの軸方向又はブレードセグメントの長手方向軸線から移動させるという効果をもたらす。次に、これは、起こりうる流れの脈動の変動、こうしてリファイナの運転中に現れる振動を減少させることができるという効果を有する。
【0060】
一実施形態によれば、スリット状の開口部は、10mm~25mmの間の幅を有する。
【0061】
一実施形態によれば、ブレードセグメントの同じ側縁部22、23にあり、且つブレードセグメントの長手方向軸線LAの方向から同じ方向に逸れるように配置された縁部分は、実質的に平行である。この効果は、実質的に一定の幅の開口部が、隣接するブレードセグメントの間に容易に実現されることである。
【0062】
一実施形態によれば、ブレードセグメントの各側縁部は、少なくとも1つのエルボを含む。この効果は、ブレードセグメントの両側縁部が一種の緩やかなジグザグの形状を有することであり、それにより側縁部の大部分がブレードセグメントの長手方向軸線に追従するのを防ぎ、それによって運転中のリファイナの振動の傾向を生じさせる可能性のある開口部の形成が防止される。
【0063】
一実施形態によれば、対向する側縁部のエルボは、ブレードセグメントの長手方向軸線LAに対して同じ法線レベル(level)にあり、ブレードセグメントの長手方向軸線LAの法線は、
図5に参照記号INで破線で示され、概略的に示されている。これは、開口部の長手方向の延長部に沿って実質的に一定の幅を有する開口部を提供する効果を有する。
【0064】
一実施形態によれば、各側縁部22、23におけるエルボの数は、1~10、好ましくは2~6、又は2~7、又は2~8である。側縁部でのエルボの数が妥当である場合に、ブレードセグメントの長手方向軸線からの開口部の延長方向の逸れ(逸脱)が確保され得る。ブレードセグメントの側縁部のジグザグ形状が密集し過ぎると、パルプのための永続的な往復タイプの流路が生じる可能性があり、これは、最終的には振動的に望ましくない可能性のある設計とあまり変わらない。
【0065】
一実施形態によれば、ブレードセグメントの長手方向軸線LAからのエルボの偏角(逸れた角度)は、約10~90度、好ましくは10~60度、より好ましくは10~50度である。
【0066】
一実施形態によれば、エルボの延長方向は、ブレードバーの延長方向と実質的に平行である。換言すると、エルボは、ブレードセグメントに加えられるブレードバー角度に実質的に平行な角度を形成するように配置される。
【0067】
一実施形態によれば、側縁部22、23の構成は、ブレードセグメントの長手方向軸線に対して鏡像から逸れるように配置される。換言すると、ブレードセグメントの側縁部は、ブレードセグメントの長手方向軸線LAに関して互いに鏡像ではない。
【0068】
技術が進歩するにつれて、本発明の概念を様々な方法で実施できることは、当業者には明らかであろう。本発明及びその実施形態は、上述の例に限定されず、特許請求の範囲内で変更することができる。
【国際調査報告】