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特表2023-527940表示パネル、表示装置及び表示パネルの成形方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-30
(54)【発明の名称】表示パネル、表示装置及び表示パネルの成形方法
(51)【国際特許分類】
   H10K 50/854 20230101AFI20230623BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20230623BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20230623BHJP
   H10K 71/60 20230101ALI20230623BHJP
   H10K 71/10 20230101ALI20230623BHJP
   H10K 50/84 20230101ALI20230623BHJP
   H10K 50/805 20230101ALI20230623BHJP
【FI】
H10K50/854
G09F9/00 338
G09F9/30 349Z
H10K71/60
H10K71/10
H10K50/84
H10K50/805
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023515230
(86)(22)【出願日】2021-12-15
(85)【翻訳文提出日】2022-11-22
(86)【国際出願番号】 CN2021138333
(87)【国際公開番号】W WO2022206033
(87)【国際公開日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】202110352510.5
(32)【優先日】2021-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110609216.8
(32)【優先日】2021-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522457081
【氏名又は名称】合肥維信諾科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】HEFEI VISIONOX TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Southwest Cross Of The Weiwu Road and New Bengbu Road,Xinzhan District,Hefei,Anhui 230000,China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】彭兆基
(72)【発明者】
【氏名】方旭陽
(72)【発明者】
【氏名】李曉玲
(72)【発明者】
【氏名】劉明星
(72)【発明者】
【氏名】馮士振
(72)【発明者】
【氏名】甘帥燕
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC41
3K107DD88
3K107EE28
3K107FF15
5C094AA60
5C094BA03
5C094BA27
5C094CA19
5C094ED13
5C094FA01
5C094FA02
5C094FB02
5C094FB15
5C094JA01
5C094JA08
5G435AA00
5G435BB05
5G435CC09
5G435FF06
5G435HH04
5G435KK05
(57)【要約】
本願は、表示パネル、表示装置及び表示パネルの成形方法に関し、表示パネルは第1の領域を有し、表示パネルは、基板と、基板に積層して設置された発光素子層と、を備え、発光素子層は、第1の領域にアレイ状に分布された第1の発光素子を含み、第1の発光素子は、第1の電極と、少なくとも部分的に第1の電極と同一層に設置されかつ第1の電極の外周を囲む粒子ユニットと、第1の電極上に位置する第1の発光モジュールと、第1の発光モジュール上に位置する第2の電極とを備え、粒子ユニットは、接着層及び接着層内に分布された粒子を含み、少なくとも一部の粒子における各粒子の、基板への正投影の少なくとも一部は第1の電極の基板への正投影と重ならない。本願の提供する表示パネルは全画面表示の需要を満たすことができると共に、フロントカメラなどの素子の結像効果に対する回折現象の影響を低減することができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の領域を有する表示パネルであって、
前記表示パネルは、
基板と、
前記基板に積層して設置された発光素子層と、を備え、
前記発光素子層は、前記第1の領域にアレイ状に分布された第1の発光素子を含み、前記第1の発光素子は、第1の電極と、少なくとも部分的に前記第1の電極と同一層に設置されかつ前記第1の電極の外周を囲む粒子ユニットと、前記第1の電極上に位置する第1の発光モジュールと、前記第1の発光モジュール上に位置する第2の電極とを備え、
前記粒子ユニットは、接着層及び前記接着層内に分布された粒子を含み、少なくとも一部の前記粒子における各前記粒子の、前記基板への正投影の少なくとも一部が、前記第1の電極の前記基板への正投影と重ならない、表示パネル。
【請求項2】
少なくとも一部の前記粒子の前記基板への正投影は、前記第1の電極の前記基板への正投影とずれて設置されている請求項1に記載の表示パネル。
【請求項3】
各前記第1の発光素子に含まれる前記粒子ユニットの前記粒子の数は一つ以上であり、少なくとも二つの前記第1の発光素子にそれぞれ含まれる前記粒子ユニットの、一つ以上の前記粒子の前記基板への正投影分布パターンは互いに異なっている請求項1に記載の表示パネル。
【請求項4】
少なくとも二つの前記第1の発光素子に含まれる前記粒子の数の差は0より大きい請求項1に記載の表示パネル。
【請求項5】
前記第1の発光素子の数に対する前記発光素子層に含まれる前記粒子の数の比は50以上である請求項1又は4に記載の表示パネル。
【請求項6】
各前記第1の発光素子の前記粒子ユニットの前記基板への正投影は、前記粒子ユニットに囲まれた前記第1の電極の前記基板への正投影から突出している請求項1に記載の表示パネル。
【請求項7】
前記粒子ユニットの前記基板への正投影が前記粒子ユニットに囲まれた前記第1の電極の前記基板への正投影から突出したサイズ範囲は1μm~5μmである請求項6に記載の表示パネル。
【請求項8】
前記粒子は、高屈折率透光性粒子である請求項1に記載の表示パネル。
【請求項9】
前記高屈折率透光性粒子は、酸化ジルコニウム粒子を含む請求項8に記載の表示パネル。
【請求項10】
前記粒子は、非透光性粒子である請求項1に記載の表示パネル。
【請求項11】
前記粒子は、金属粒子を含む請求項1に記載の表示パネル。
【請求項12】
前記粒子は、炭素粒子を含む請求項1に記載の表示パネル。
【請求項13】
前記粒子の直径のサイズの範囲は、0.1μm~1μmである請求項1に記載の表示パネル。
【請求項14】
隣接する二つの前記第1の発光素子の前記粒子ユニットは、互いに間隔を隔てて設置されている請求項1に記載の表示パネル。
【請求項15】
前記表示パネルは、前記第1の領域の少なくとも一部を囲む第2の領域を更に有し、前記発光素子は前記第2の領域にアレイ状に分布された第2の発光素子を更に含み、前記第2の発光素子は第3の電極、前記第3の電極上に位置する第2の発光モジュール及び前記第2の発光モジュール上に位置する第4の電極を含む請求項1に記載の表示パネル。
【請求項16】
前記第1の発光素子は、前記第1の領域に第1の密度でアレイ状に分布され、前記第2の発光素子は前記第2の領域に第2の密度でアレイ状に分布されている請求項15に記載の表示パネル。
【請求項17】
前記第1の密度は、前記第2の密度に等しい請求項16に記載の表示パネル。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか一項に記載の表示パネルを含む表示装置。
【請求項19】
第1の領域を有する表示パネルの成形方法であって、
基板にパターン化された第1の金属層を成形し、パターン化された前記第1の金属層は前記第1の領域に分布された第1の電極を含むS100と、
前記第1の領域にアレイ状に分布された複数の粒子ユニットを成形し、各前記粒子ユニットは少なくとも部分的に前記第1の電極と同一層に設置され、かつそのうちの一つの前記第1の電極の外周を囲み、前記粒子ユニットは接着層及び前記接着層内に分布された粒子を含み、少なくとも一部の前記粒子における各前記粒子の、前記基板への正投影の少なくとも一部は前記第1の電極の前記基板への正投影と重ならないS200と、
前記第1の金属層に、前記第1の電極上に位置する第1の発光モジュールを含む発光構造層を成形するS300と、
前記発光構造層の前記第1の金属層から離れた側に第2の金属層を成形することにより、前記表示パネルを形成するS400とを備える表示パネルの成形方法。
【請求項20】
前記S200は、
前記第1の領域に前記粒子が混合された接着液を塗布し硬化させて接着層を形成することと、
前記接着層をパターン化することで、アレイ状に分布された複数の前記粒子ユニットを形成することと、を備える請求項19に記載の表示パネルの成形方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年3月31日に提出された「表示パネル、表示装置及び表示パネルの成形方法」という名称の中国特許出願第202110352510.5号、及び2021年6月1日に提出された「表示パネル、表示装置及び表示パネルの成形方法」という名称の中国特許出願第202110609216.8号の優先権を要求し、上記出願の全ての内容は引用により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本願は、表示技術分野に関し、特に表示パネル、表示装置及び表示パネルの成形方法に関する。
【背景技術】
【0003】
電子機器の急速な発展に伴い、画面占有率に対するユーザの要求がますます高くなり、電子機器の全画面表示が業界にますます注目されている。
【0004】
携帯電話、タブレットコンピュータなどの電子機器は、フロントカメラなどの感光素子を統合するため、対応する領域の光線透過率を増加させる必要がある。このため、多くのメーカーは表示パネルにおけるフロントカメラなどの素子に対応する領域の構造を改善し、ある程度ではフロントカメラなどの素子の感光の需要を満たすことができるが、同時に回折現象が存在し、フロントカメラの結像効果に対し影響を与える。
【0005】
したがって、新たな表示パネル、表示装置及び表示パネルの成形方法を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願の実施例は、全画面表示の需要を満たすことができると共に、フロントカメラなどの素子の結像効果に対する回折現象の影響を低減することができる表示パネル、表示装置及び表示パネルの成形方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様において、本願の実施例は、第1の領域を有する表示パネルを提供し、表示パネルは、基板と、基板に積層して設置された発光素子層と、を備え、発光素子層は、第1の領域にアレイ状に分布された第1の発光素子を含み、第1の発光素子は、第1の電極と、少なくとも部分的に第1の電極と同一層に設置されかつ第1の電極の外周を囲む粒子ユニットと、第1の電極上に位置する第1の発光モジュールと、第1の発光モジュール上に位置する第2の電極とを備え、粒子ユニットは、接着層及び接着層内に分布された粒子を含み、少なくとも一部の粒子における各前記粒子の、基板への正投影の少なくとも一部は第1の電極の基板への正投影と重ならない。
【0008】
第2の態様において、本願の実施例は、上記表示パネルを含む表示装置を提供する。
【0009】
第3の態様において、本願の実施例は、基板にパターン化された第1の金属層を成形し、パターン化された第1の金属層は基板の第1の領域に分布された第1の電極を含むことと、第1の領域にアレイ状に分布された複数の粒子ユニットを成形し、各粒子ユニットは少なくとも部分的に第1の電極と同一層に設置され、かつそのうちの一つの第1の電極の外周を囲み、粒子ユニットは接着層及び接着層内に分布された粒子を含み、少なくとも一部の粒子における各前記粒子の、基板への正投影の少なくとも一部は第1の電極の基板への正投影と重ならないことと、第1の金属層に、第1の電極上に位置する第1の発光モジュールを含む発光構造層を成形することと、発光構造層の第1の金属層から離れた側に第2の金属層を成形することにより、表示パネルを形成することとを備える表示パネルの成形方法を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本願の実施例が提供する表示パネル、表示装置及び表示パネルの成形方法によれば、表示パネルは基板及び発光素子層を含み、発光素子層は第1の領域に設置された第1の発光素子を含み、第1の発光素子は第1の電極、第1の発光モジュール及び第2の電極を含み、表示パネルの全画面表示需要を満たすために用いられる。第1の発光素子は、粒子ユニットを更に含み、粒子ユニットは少なくとも部分的に第1の電極と同一層に設置されかつ第1の電極の外周を囲み、かつ粒子ユニットは接着層及び接着層内に分布された粒子を含み、少なくとも一部の粒子における各前記粒子の、基板への正投影の少なくとも一部は第1の電極の基板への正投影と重ならず、無秩序な粒子での外光の回折、屈折又は反射作用により、第1の電極の周期的な配列による回折現象を破壊し、回折を低減し、それにより表示パネルにおける第1の領域に対応する位置に対しカメラ等の素子が集積された場合、カメラ等の素子の結像効果に対する回折現象の影響を低減し、結像効果を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
以下、図面を参照して本願の例示的な実施例の特徴、利点及び技術的効果を説明する。
図1】本願の実施例に係る表示パネルの平面概略図である。
図2図1におけるQ箇所の部分拡大図である。
図3図2におけるM-M方向に沿う断面図である。
図4】本願の実施例に係る表示装置の構造概略図である。
図5図4におけるN-N方向に沿う断面図である。
図6】本願の実施例に係る表示パネルの成形方法のフローチャートである。
図7】本願の実施例に係る表示パネルの成形方法の各ステップに対応する構造概略図である。
図8】本願の実施例に係る表示パネルの成形方法の各ステップに対応する構造概略図である。
図9】本願の実施例に係る表示パネルの成形方法の各ステップに対応する構造概略図である。
図10】本願の実施例に係る表示パネルの成形方法の各ステップに対応する構造概略図である。
図11】本願の実施例に係る表示パネルの成形方法の各ステップに対応する構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に本願の様々な態様の特徴及び例示的な実施例を詳細に説明し、本願の目的、技術案及び利点をより明らかにするために、以下に図面及び具体的な実施例を参照しながら、本願を更に詳細に説明する。理解すべきことは、ここで説明された具体的な実施例は本願を解釈するものであり、本願を限定するものではない。当業者にとって、本願はこれらの具体的な詳細のうちのいくつかの詳細を必要としない場合に実施することができる。以下の実施例の説明は本願の例を示すことにより本願をよりよく理解するために用いられる。
【0013】
全画面表示パネルは将来の発展傾向であるが、全画面表示パネルの需要とフロントカメラの設計は該技術上の主な矛盾点となっている。このため、全画面表示パネルの光学特性がアンダー画面撮像機能をサポートできることを要求し、表示パネルの光学特性に対する要求が非常に高い。
【0014】
アンダー画面カメラUDC(Under Display Camera)技術に対して、撮影領域は高品質の結像特性を有し、同時に可能な限り正常な表示効果を達成する必要がある。光学原理から言えば、表示領域のパターン及び膜層構造は光に対して強い回折作用を有し、これはアンダー画面の高品質の結像需要と衝突し、どのようにUDC撮影領域で低回折スクリーンを設計するかは、現段階の研究の焦点となっている。
【0015】
上記技術的問題を解決するために、本願の実施例は全画面表示の需要を満たすことができると共に、フロントカメラなどの素子の結像効果に対する回折現象の影響を低減することができる表示パネル、表示装置及び表示パネルの成形方法を提供する。本願をよりよく理解するために、以下に図1図11を参照して本願の実施例に係る表示パネル、表示装置及び表示パネルの成形方法を詳細に説明する。
【0016】
図1図3に示すように、本願の一つの実施例の表示パネルの平面概略図であり、図2図1におけるQ箇所の部分拡大図であり、図3図2におけるM-M方向に沿う断面図である。
【0017】
本願の実施例が提供する表示パネル1は、基板10及び基板10に積層して設置された発光素子層20を含む。表示パネル1は第1の領域AA1と第1の領域AA1の少なくとも一部を囲む第2の領域AA2とを有する。発光素子層20は、第1の領域AA1にアレイ状に分布された第1の発光素子22と、第2の領域AA2にアレイ状に分布された第2発光素子21とを含む。第1の発光素子22は第1の電極221、少なくとも部分的に第1の電極221と同一層に設置されかつ第1の電極221の外周を囲む粒子ユニット224、第1の電極221上に位置する第1の発光モジュール222及び第1の発光モジュール222上に位置する第2の電極223を含む。第2の発光素子21は第3の電極211、第3の電極211上に位置する第2の発光モジュール212及び第2の発光モジュール212上に位置する第4の電極213を含む。ここで、粒子ユニット224は接着層224a及び接着層224a内に分布された粒子224bを含み、少なくとも一部の粒子224bにおける各前記粒子の、基板10への正投影の少なくとも一部と第1の電極221の基板10への正投影とが重ならず、すなわち、少なくとも一部の粒子224bにおける前記粒子の基板10への正投影と第1の電極221の基板10への正投影とが完全に重ならなくてもよく、及び/又は、少なくとも一部の粒子224bにおける前記粒子の基板10への正投影と第1の電極221の基板10への正投影とが部分的に重なってもよい。選択可能に、少なくとも一部の粒子224bの基板10への正投影は第1の電極221の基板10への正投影とずれて設置されている(すなわち完全に重ならない)。
【0018】
本願の実施例が提供する表示パネル1において、発光素子層20は第1の領域AA1に設置された第1の発光素子22を含み、第1の発光素子22は第1の電極221、第1の発光モジュール222及び第2の電極223を含み、ここで、第1の電極221は陽極であってもよく、第2の電極223は陰極であってもよく、第1の領域AA1の第1の発光素子22により、表示パネル1の全画面表示の需要を満たすことができる。同時に第1の発光素子22は更に粒子ユニット224を含み、粒子ユニット224は少なくとも部分的に第1の電極221と同一層に設置され第1の電極221の外周を囲み、かつ粒子ユニット224は接着層224a及び接着層224a内に分布された粒子224bを含み、少なくとも一部の粒子224bにおける各前記粒子の、基板10への正投影の少なくとも一部は第1の電極221の基板10への正投影と重ならず、粒子224bは第1の電極221の近傍にランダムに分布され、外光は無秩序な粒子で回折、屈折又は反射を発生し、更に外光の経路を変更して、第1の電極の周期的な配列による回折現象を破壊し、回折を低減し、それにより表示パネル1における第1の領域AA1に対応する位置に対しカメラ等の素子が集積された場合、カメラ等の素子の結像効果への回折光線の影響を低減し、結像効果を確保することができる。
【0019】
本願の実施例が提供する表示パネル1において、その基板10はアレイ基板10であってもよく、基板11、基板11にアレイ状に分布された薄膜トランジスタ12及び各薄膜トランジスタ12を覆って設置された平坦化層13を含み、発光素子層20は基板10の平坦化層13に積層して設置されてもよい。基板10に設置された薄膜トランジスタ12により対応する第2の発光素子21及び第1の発光素子22を駆動することができ、表示パネルの表示需要を確保することができる。
【0020】
選択可能に、第2の領域AA2は第1の領域AA1を完全に囲んで設置されてもよく、当然のことながら第1の領域AA1の一部を囲んでもよい。
【0021】
選択可能な実施形態として、第2の発光素子21及び第1の発光素子22はいずれも有機発光素子であってもよい。
【0022】
本願の実施例が提供する表示パネル1において、発光素子層20は更に画素限定層23を含み、画素限定層23は基板10に設置され、選択可能に、画素限定層23は平坦化層13上に位置する。隣接する第3の電極211の間、隣接する第1の電極221の間及び隣接する第1の電極221と第3の電極211との間は前記画素限定層23により分離され、画素限定層23は画素開口を有し、第1の電極221及び第3の電極211はそれぞれ対応する画素開口から露出し、第1の発光モジュール222及び第2の発光モジュール212は画素限定層23に対応する画素開口に設置されている。選択可能に、表示パネル1の第1の領域AA1において、画素限定層23は更に粒子ユニット224を覆って設置されている。
【0023】
選択可能に、第1の発光素子22は表示パネル1の第1の領域AA1に第1の密度でアレイ状に分布され、第2の発光素子21は表示パネル1の第2の領域AA2に第2の密度でアレイ状に分布され、第1の密度は第2の密度に等しい。上記設置により、発光素子層20の成形に役立ち、同時に表示パネル1の表示効果を最適化することができる。
【0024】
本願の実施例が提供する表示パネル1では、各第1の発光素子22に含まれる粒子ユニット224の粒子224bの数が一つ以上であり、少なくとも二つの第1の発光素子22にそれぞれ含まれる粒子ユニットの一つ以上の粒子224bの基板10への正投影分布パターンが互いに異なる。上記設置により、各第1の発光素子22に対応して設置された粒子ユニット224の構造はランダム性を有することができ、外光の無秩序な粒子での回折、反射又は屈折作用により、第1の電極の周期的な配列による回折現象を破壊し、回折を低減することができる。
【0025】
例示的には、表示パネル1のうちの一つの第1の発光素子22に含まれる粒子ユニット224における粒子224bは五つであり、五つの粒子224bの基板10への投影の接続線は五角形であり、もう一つの第1の発光素子22に含まれる粒子ユニット224における粒子224bは六つであり、六つの粒子224bの基板10への投影の接続線は六角形である。いくつかの実施例において、表示パネル1の複数の第1の発光素子22のそれぞれに含まれた粒子ユニット224の一つ以上の粒子224bの基板10への正投影分布パターンを互いに異ならせ、又は異ならせ、それにより、各第1の発光素子22に対応して設置された粒子ユニット224の構造がランダム性を有し、外光の無秩序な粒子での回折、反射又は屈折作用により、更に外光の経路を変更して、第1の電極の周期的な配列による回折現象を破壊し、回折を低減することができる。
【0026】
いくつかの選択可能な実施例において、本願の実施例が提供する表示パネル1では、少なくとも二つの第1の発光素子22のそれぞれに含まれる粒子224bの数の差が0より大きい。上記設置により、更に表示パネル1を透過する外光の位相の無秩序化を確保し、回折を低減することにより、表示パネル1における第1の領域AA1に対応する位置に対しフロントカメラ等の素子が集積された場合、回折を低減し、結像効果を確保することができる。
【0027】
選択可能な実施形態として、発光素子層20に含まれる第1の発光素子22の数に対する発光素子層20に含まれる粒子224bの数の比は50以上である。上記設置により、第1の領域AA1における粒子224bの分布は十分なランダム性を有し、表示パネル1を透過する外光の位相の無秩序化を効果的に確保し、光線が表示パネル1の第1の領域AA1に対応する位置を透過する時に引き起こされた回折問題を効果的に低減することができる。
【0028】
選択可能な実施形態として、本願の実施例が提供する表示パネル1では、各第1の発光素子22の粒子ユニット224の基板10への正投影が粒子ユニット224に囲まれた第1の電極221の基板10への正投影から突出し、例えば、粒子ユニット224の基板10への正投影が粒子ユニット224に囲まれた第1の電極221の基板10への正投影から突出したサイズ範囲は1μm~5μmの間の任意の数値であり、1μm、5μmの二つの端点を含み、2μm、3μm、4μmのいずれかを選択することができる。上記設置により、光線が隣接する二つの第1の電極221の間を透過することを確保する前提で、粒子224bの分布面積を確保し、回折を低減し、表示パネル1における第1の領域AA1に対応する位置に対しカメラ等の素子が集積された場合の結像効果を確保することができる。
【0029】
なお、本願の実施例に言及された各第1の発光素子22の粒子ユニット224の基板10への正投影が粒子ユニット224に囲まれた第1の電極221の基板10への正投影から突出するとは、各第1の発光素子22の粒子ユニット224は第1の電極221の周囲を囲んで設置され、粒子ユニット224の基板10への正投影は第1の電極221の基板10への正投影を取り囲み、かつ粒子ユニット224の基板10への正投影は基板10の延在方向に沿って第1の電極221から離れる方向に延在し、粒子ユニット224に囲まれた第1の電極221の基板10への正投影から突出することにより、粒子ユニット224は少なくとも部分的に隣接する二つの第1の電極221の間の領域に位置することを指す。
【0030】
選択可能な実施形態として、本願の実施例が提供する表示パネル1では、粒子224bが高屈折率透光性粒子であってもよい。ここで、前記高屈折率透光性粒子は高屈折率材料で構成され、具体的には、前記高屈折率材料の屈折率は1.8より大きく、更に、前記高屈折率材料の屈折率は1.8-2.4である。外光は無秩序な粒子で回折するか又は屈折し、具体的には、外光は粒子のエッジで回折し、粒子表面で屈折し、粒子を利用して外光の経路を変更し、それにより、第1の電極の周期的な配列による回折現象を破壊し、回折を低減することができる。
【0031】
いくつかの選択可能な実施例において、本願の実施例が提供する表示パネル1において、粒子224bは酸化ジルコニウム粒子等を含む。当然のことながら、いくつかの実施例において、粒子は他の高屈折率透光性粒子を採用してもよく、第1の電極の周辺にランダムに分布された粒子を形成することで、粒子の回折又は屈折により第1の電極の規則的な配列による回折現象を破壊し、回折を低減すればよい。
【0032】
選択可能な実施形態として、本願の実施例が提供する表示パネル1では、粒子224bが非透光性粒子であってもよい。外光の無秩序な粒子での回折又は反射作用により、具体的には、外光は粒子のエッジで回折し、粒子表面で反射し、それにより第1の電極の周期的な配列による回折現象を破壊し、回折を低減することができる。
【0033】
いくつかの選択可能な実施例において、本願の実施例が提供する表示パネル1において、粒子224bは金属粒子、例えばアルミニウム粒子等を含む。当然のことながら、いくつかの実施例において、粒子は非金属粒子、例えば炭素粒子を採用してもよく、第1の電極の周辺にランダムに分布する粒子を形成することができれば、粒子での外光の回折又は反射作用により第1の電極の規則的な配列による回折現象を破壊し、回折を低減することができる。
【0034】
選択可能な実施形態として、本願の実施例が提供する表示パネル1では、粒子224bの直径寸法の範囲が0.1μm~1μmの間の任意の数値であり、具体的には、前記粒子224bの直径寸法の範囲が更に0.3μm~1μmの間の任意の数値であってもよく、0.3μm、1μmの二つの端点を含み、0.4μm、0.6μm、0.8μm等のいずれかを選択することができる。粒子224bは上記範囲を採用することで、粒子224bに照射された光線の経路の変更を確保することができ、かつ粒子224bのサイズが大きすぎることにより大部分の光線を遮断して結像効果に影響を与えることを回避することができる。
【0035】
選択可能な実施形態として、本願の実施例が提供する表示パネル1では、各第1の発光素子22に含まれる粒子ユニット224内の粒子224bの数、大きさは異なってもよい。
【0036】
いくつかの選択可能な実施例において、本願の実施例が提供する表示パネル1では、粒子ユニット224が非導電性構造層である場合、複数の第1の発光素子22の粒子ユニット224が同一層に設置され、かつ互いに接続されてもよく、当然のことながら、これは選択可能な実施形態であり、いくつかの実施例において、隣接する二つの第1の発光素子22の粒子ユニット224が互いに間隔を隔てて設置されてもよい。上記設置により、粒子224bが導電性粒子であるか否かに関わらず、いずれも粒子ユニット224を設置することによる各第1の電極221同士の電気的接続を効果的に回避し、表示効果を確保することができる。
【0037】
いくつかの選択可能な実施例において、粒子ユニット224は少なくとも部分的に第1の電極221の基板から離れた表面を覆うことができ、粒子ユニット224の第1の電極221への囲みに役立ち、回折確率を低減させることができる。
【0038】
選択可能に、本願の実施例が提供する表示パネル1では、表示パネル1の第3の電極211及び第1の電極221が同一層に設置され、かつ互いに独立し間隔を隔てて設置されてもよく、選択可能に、第3の電極211及び第1の電極221がいずれも陽極である。選択可能に、表示パネル1の第4の電極213及び第2の電極223は同一層に設置されてもよく、第4の電極213及び第2の電極223はいずれも陰極であり、選択可能に、第4の電極213及び第2の電極223は一体式構造であり、かつ層全体に設置されてもよい。
【0039】
選択可能な実施形態として、本願の実施例が提供する表示パネル1では、表示パネル1の第1の領域AA1が第1の表示領域であってもよく、表示パネル1の第2の領域AA2が第2の表示領域であってもよく、第1の表示領域及び第2の表示領域が画面を共に表示して表示パネル1の全画面表示需要を実現する。
【0040】
図4及び図5に示すように、図4は本願の一つの実施例の表示装置の構造概略図であり、図5図4におけるN-N方向に沿う断面図である。他方では、本願の実施例は更に上記いずれかの実施例の表示パネル1を含む表示装置を提供する。表示パネル1は対向する第1の表面S1及び第2の表面S2を含み、ここで第1の表面S1は表示面である。表示装置は更に感光組立体2を含み、該感光組立体2は表示パネル11の第2の表面S2が位置する側に位置し、感光組立体2は第1の領域AA1の位置に対応している。
【0041】
感光組立体は、外部画像情報を収集するための画像収集装置であってもよい。本実施例において、感光組立体は相補型金属酸化物半導体(Complementary Metal Oxide Semiconductor、CMOS)画像収集装置であってもよく、他のいくつかの実施例において、感光組立体は電荷結合素子(Charge-coupled Device、CCD)画像収集装置などの他の形式の画像収集装置であってもよく、例えばフロントカメラなどである。
【0042】
図6図11に示すように、図6は本願の一つの実施例の表示パネル1の成形方法のフローチャートであり、図7図11は本願の一つの実施例の表示パネル1の成形方法の各ステップに対応する構造概略図である。別の態様では、本願の実施例は更に表示パネル1の成形方法を提供し、以下のステップを含む。
【0043】
S100では、基板10にパターン化された第1の金属層を成形し、パターン化された第1の金属層は表示パネル1の第1の領域AA1に分布された第1の電極221を含む。
【0044】
S200では、第1の領域AA1にアレイ状に分布された複数の粒子ユニット224を成形し、各粒子ユニット224は少なくとも部分的に第1の電極221と同一層に設置され、かつそのうちの一つの第1の電極221の外周を囲み、粒子ユニット224は接着層224a及び接着層224a内に分布された粒子224bを含み、少なくとも一部の粒子224bにおける各前記粒子の基板10への正投影の少なくとも一部は第1の電極221の基板10への正投影と重ならない。
【0045】
S300では、第1の金属層に発光構造層を成形し、発光構造層は第1の電極221上に位置する第1の発光モジュール222を含む。
【0046】
S400では、発光構造層の第1の金属層から離れた側に第2の金属層を成形することにより、表示パネル1を形成し、第2の金属層は第1の発光モジュール222上に位置する第2の電極223を含む。
【0047】
本願の実施例が提供する表示パネル1の成形方法は、上記各実施例が提供する表示パネル1を成形するために用いられ、第1の領域AA1にアレイ状に分布された複数の粒子ユニット224を成形することを含み、各粒子ユニット224は少なくとも部分的に第1の電極221と同一層に設置されかつそのうちの一つの第1の電極221の外周を囲んで設置され、粒子ユニット224は接着層224a及び接着層224a内に分布された粒子224bを含み、少なくとも一部の粒子224bにおける各前記粒子の、基板10への正投影の少なくとも一部は第1の電極221の基板10への正投影と重ならず、それにより、成形後の表示パネル1は対応する第1の領域AA1に粒子224bを有し、外光は粒子で回折し、屈折するか又は反射し、更に外光の経路を変更して、第1の電極の周期的な配列による回折現象を破壊し、回折を低減し、それにより表示パネル1における第1の領域AA1に対応する位置に対しカメラ等の素子が集積された場合、カメラなどの素子の結像効果に対する回折光線の影響を低減し、結像効果を確保することができる。
【0048】
選択可能な実施形態として、ステップS100において、提供された基板10は上記実施例における表示パネル1に言及されたアレイ基板10であってもよく、予め製造されてもよく、当然のことながらステップS100の前に現場で予め製造されてもよく、具体的に限定されない。
【0049】
選択可能に、ステップS100において、パターン化された第1の金属層は更に前記表示パネル1の第2の領域AA2に分布された第3の電極211を含む。
【0050】
いくつかの選択可能な実施例において、ステップS200は以下のことを含む。
【0051】
第1の領域AA1に粒子224bが混合された接着液を塗布し硬化させて接着層を形成する。
【0052】
接着層をパターン化することで、アレイ状に分布された複数の粒子ユニット224を形成する。
【0053】
選択可能に、接着層をパターン化することで、アレイ状に分布された複数の粒子ユニット224を形成するステップは、エッチングプロセスを用いて接着層をパターン化することにより、アレイ状に分布される複数の粒子ユニット224のアレイ分布要件を確保することができる。
【0054】
いくつかの選択可能な実施例において、ステップS300において、形成された発光構造層は更に第3の電極211上に位置する第2の発光モジュール212を含む。
【0055】
選択可能な実施例を参照して本願を説明したが、本願の範囲から逸脱することなく、それに様々な改良を行うことができかつ等価物でその中の部材を置き換えることができる。特に、構造衝突が存在しない限り、各実施例に言及された各技術的特徴はいずれも任意の方式で組み合わせることができる。本願は本明細書に開示された特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲内にある全ての技術案を含む。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
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【国際調査報告】