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  • 特表-卵収納容器 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-03
(54)【発明の名称】卵収納容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/32 20060101AFI20230626BHJP
   C08J 11/06 20060101ALI20230626BHJP
   B65D 65/40 20060101ALI20230626BHJP
   B65D 1/36 20060101ALI20230626BHJP
【FI】
B65D85/32 130
C08J11/06 ZAB
B65D65/40 D BRH
B65D1/36 BSF
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022539304
(86)(22)【出願日】2021-05-13
(85)【翻訳文提出日】2022-06-24
(86)【国際出願番号】 RU2021050130
(87)【国際公開番号】W WO2021246914
(87)【国際公開日】2021-12-09
(31)【優先権主張番号】2020118144
(32)【優先日】2020-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】RU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522039326
【氏名又は名称】フォーペット エス.アー.エール.エル.
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラストルグエフ、ドミトリー セルゲービチ
(72)【発明者】
【氏名】ニキテンコ、セルゲイ セルゲービチ
(72)【発明者】
【氏名】ツィルクレフ、ミハイル バレレビチ
【テーマコード(参考)】
3E033
3E086
3E096
4F401
【Fターム(参考)】
3E033AA10
3E033BA17
3E033FA04
3E033GA03
3E086AD05
3E086BA02
3E086BA16
3E086CA40
3E086DA08
3E096AA09
3E096BA26
3E096BB09
3E096CA06
3E096CC01
3E096DA17
3E096DA23
3E096DC01
3E096EA02X
3E096FA16
3E096GA01
3E096GA07
4F401AA22
4F401AC10
4F401AD06
4F401BA13
4F401BB08
4F401CA02
4F401CA14
4F401CA21
4F401CA58
(57)【要約】
本発明は、卵又は同様の壊れやすい品物の収容及び配送に使用される収納容器の分野に関する。
新規な卵収納トレイの創作者が設定した目的は、従来技術の類似品の欠点を排除することである。その技術的成果は、物理的及び機械的特性において類似品を凌ぎ、発泡した一次ポリエチレンテレフタレート及び/又はリサイクルされた(ポリエチレンテレフタレート廃棄物から得られた)ポリエチレンテレフタレートに基づく卵トレイが、適切と考えられる回数だけリサイクルすることを可能にする、卵トレイを作成することにある。この技術的成果は、本質的な特徴のセット全体によって達成される。
本発明の本質は、卵収納トレイが、基部の内側に収納区画を有する基部と、基部に枢動可能に接続された蓋と、蓋に設けられた孔及び基部に設けられた突起として構成されたラッチとを備えることである。ラッチ付き基部及び蓋は、100kg/mから900kg/mの密度及び0.5dl/gから1.0dl/gの固有粘度を有する発泡ポリエチレンテレフタレートから作製される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部の内側に収納区画を有する前記基部と、
前記基部に枢動可能に接続された蓋と、
前記蓋に設けられた孔及び前記基部に設けられた突起として構成されたラッチと、
を備え、
前記ラッチを有する前記基部及び前記蓋は、100kg/mから900kg/mの密度及び0.5dl/gから1.0dl/gの固有粘度を有する発泡ポリエチレンテレフタレートから作製される、
卵収納トレイ。
【請求項2】
前記発泡ポリエチレンテレフタレートが、100μm~2000μmの厚さを有する、請求項1に記載の卵収納トレイ。
【請求項3】
前記発泡ポリエチレンテレフタレートとして、発泡再生ポリエチレンテレフタレートが使用される、請求項1に記載の卵収納トレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、卵又は同様の壊れやすい品物の収容及び配送に使用される収納容器の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
卵容器のための技術的解決策は、ロシア特許出願公開86175号、欧州特許出願公開2736821号、米国特許出願公開3346171号、米国特許出願公開4059219号、オランダ特許出願公開1025636号、米国特許出願公開2600130号、米国特許出願公開4795080号、独国特許出願公開60300073T2号、ロシア特許出願公開2500596号、米国特許出願公開7255231号、米国特許出願公開7258234号、米国特許出願公開2006006049号、韓国特許出願公開1020090079361号、ロシア特許出願公開79090号から知られている。卵容器の主な技術的解決策は、卵型ディンプル及び製品を閉じるためのラッチを有し、リサイクルされたプレス紙、及び/又は厚紙、ポリプロピレン、ポリスチレン、発泡又は非発泡ポリエチレンテレフタレート(PET)で作られた製品を得ることにある。卵容器は、折り目(筋付け線)に沿って蓋に接続され、略長方形のトレイとして構成された基部を備える。トレイは、壁によって分離され、円筒形の基部を有する半楕円形の卵型ディンプルの1つ以上の列を有する。ディンプルの間のトレイには分離ストッパが設けられており、分離ストッパは、トレイのフランジ付き縁部よりも高い高さに設けられている。ディンプル相互間には隙間が形成され、壁にはダンパーが成形され、通常、補強リブがフランジ付き縁部の形でトレイ周囲の周りに作られる。蓋は、一般に、その外周に沿ってフランジ付き縁部を有する切頭四角錐の形態の無底容器として構成される。各ディンプルは、追加の減衰効果を付与するために、ディンプルの内側に向かって概ね凹状の底部を有する。蓋は、蓋が閉じられたときにトレイ内の分離ストッパ上に載るように内側に向けられた突起を形成する2つの横方向に細長い凹部を有する。トレイ上のフランジ状縁部は主に段付き形状を有し、蓋上のフランジ状縁部は相反する形状を有する。これらのタイプのトレイの欠点は以下の通りである。すなわち、リサイクルプロセスにおいてポリマー(ポリスチレン及び/又はポリプロピレン及び/又は非発泡PET)の特性が著しく劣化するために、一般に受け入れられている材料から作られた卵トレイの再利用が制限されること。紙及び/又は厚紙ベースの卵トレイの吸湿性。繊維長の短縮及び環境に有害な化学物質の使用に起因する紙及び/又は厚紙ベースの卵トレイの複雑なリサイクルプロセス。そこで使用されるポリマー(ポリスチレン及び/又はポリプロピレン及び/又は非発泡PET)が原因で廃棄された卵トレイの自然分解が長期にわたること。トレイに紙及び/又は厚紙を使用すると、地球全体の森林資源が破壊され、地球の大気中のカーボンフットプリントが増加する。
【発明の概要】
【0003】
新規な卵収納トレイの創作者が設定した目的は、従来技術の類似品の欠点を排除することである。その技術的成果は、物理的及び機械的特性において類似品を凌ぎ、発泡した一次ポリエチレンテレフタレート及び/又はリサイクルされた(ポリエチレンテレフタレート廃棄物から得られた)ポリエチレンテレフタレートに基づく卵トレイが、適切と考えられる回数だけリサイクルすることを可能にする、卵トレイを作成することにある。この技術的成果は、本質的な特徴のセット全体によって達成される。
【0004】
本発明の本質は、卵収納トレイが、基部の内側に収納区画を有する基部と、基部に枢動可能に接続された蓋と、蓋に設けられた孔及び基部に設けられた突起として構成されたラッチとを備えることである。ラッチ付き基部及び蓋は、100kg/mから900kg/mの密度及び0.5dl/gから1.0dl/gの固有粘度を有する発泡ポリエチレンテレフタレートから作製される。さらに、発泡ポリエチレンテレフタレートは、100μmから2000μmの厚さを有する。さらに、発泡ポリエチレンテレフタレートとして、発泡再生ポリエチレンテレフタレートが用いられる。
【0005】
本発明を以下の図面を用いて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、発泡ポリエチレンテレフタレートに基づく卵トレイの製造工程を図式化して示す。
【0007】
図2図2は、発泡ポリエチレンテレフタレートの構造を示す。
【0008】
図3図3は、卵トレイの実施形態のうちの1つを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
卵収納トレイは、基部1と、蓋2と、蓋2を基部1上に固定するためのラッチ3とを備える。ラッチ3を有する基部1及び蓋2は、荷重に耐え、収納及び輸送中に卵を保護するのに必要な物理的及び機械的特性を提供するのに十分な強度を保持する発泡ポリエチレンテレフタレートのシート4で作られる。基部1の内側には、卵の外形に少なくとも部分的に対応する形状を有する区画が設けられている。蓋2と基部1とは、基部1と蓋2との間の折り目に沿って筋及び/又は切り欠きによって形成されたヒンジによって枢動可能に接続されている。ラッチ3は、蓋2に設けられた孔と、基部1に設けられた突起とを有する。必要に応じて、ラベルが卵収納トレイの外側に取り付けられる。発泡ポリエチレンテレフタレートのシート4は、密度が100kg/mから900kg/mであり、固有粘度(IV)が0.5dl/g(デシリットル/グラム)から1.0dl/gである。発泡ポリエチレンテレフタレートのシート4の厚さは、100μmから2000μmである。発泡再生ポリエチレンテレフタレートを使用することもできる。発泡再生ポリエチレンテレフタレートは、ポリエチレンテレフタレート(PET)廃棄物から、いくつかのリサイクル工程、すなわち、PET廃棄物を洗浄・浄化する工程と、ポリマーの種類及び色に応じて粉砕されたPET廃棄物を粉砕・分離する工程と、ポリエチレンテレフタレートの溶融物を押出加工する工程と、PETの液体状態重縮合を実行する工程と、を実行することによって得られる。PETの液体状態重縮合は、真空下で溶融状態で縮合するPETの固有の能力に基づく。この縮合により、固有粘度が増加する。高効率の真空により、材料から有害な化学不純物が効果的に除去され、リサイクル材料を食品との100%安全な接触に使用することが可能になる。溶融PETがP:REACT(LSP反応器)の垂直部分に入ると、フィラメントが生成され、体積関係で対応する表面が形成される。ついで、材料を水平ドラムに回収し、ゆっくりと前方に移動させる。縮合プロセスは、フィラメントの製造直後に開始し、PETがLSP反応器を出るまで継続する。固有粘度の増加は、LSP反応器内の溶融PETの滞留時間及び真空度によって制御され、これによって所望のレベルに設定することができる。パラメータを設定することにより、制御ユニットが狭い許容範囲内で所定の固有粘度レベルを維持することができる。不純物を除去するプロセスは、それがPETの液体状態で行われるために、非常に効果的である。食品産業規格が設定する限界を超える材料の精製効率が提供されるだけでなく、精製プロセス中に繊維から潤滑剤が効果的に除去される。固有粘度の上昇は、約0.01dl/g/分のレベルで測定することができる。LSP反応器を連続運転することにより、顆粒の固有粘度の範囲が狭くなり、これは押出成形による繊維紡糸又はシート製造などのハイエンドの用途に適している。大量生産中の固有粘度の変動は、単に除外される。潤滑剤又は食品との接触を意図していない物質などの有害な不純物の分離は、高効率の真空下で行われる。その高い不純物の除去率により、LSP反応器を様々な用途で利用することが可能になり、その高い運転柔軟性がもたらされる。LSP反応器内に作り出された好ましい条件(温度/溶融表面体積比/高効率真空)によって、PETの縮合プロセスが自然に開始される。これにより、固有粘度が0.01dl/g/分程度上昇する。より速い応答時間は、要求される結果のより速い達成及びより高い収益性につながる。
【0010】
卵収納トレイの製造方法は以下の通りである。発泡ポリエチレンテレフタレートのロールは、ポリエチレンテレフタレートの顆粒から、押出成形技術を使用することによって、さらには、窒素及び/若しくは二酸化炭素又はそれらの混合物のガスによる物理的発泡によって得られる。さらに、少なくとも発泡ポリエチレンテレフタレートのシート4を含むロールを熱成形機の巻戻しユニットに装着する。次のステップで、材料は熱成形機内で軟化温度まで加熱され、次に主に空気圧真空熱成形によって卵収納トレイが成形される。次のステップでは、基部1と蓋2との間の折り目に沿って筋付け及び/又はノッチ加工が行われる。その後、卵収納トレイ自体が材料から切断され、後に箱に入れるために積み重ねられる。
【産業上の利用可能性】
【0011】
特許請求の範囲に記載の発明は、発泡ポリエチレンテレフタレートの主担体層を含む卵トレイを製造し、ポリエチレンテレフタレートの破砕とそれに続く液体状態重縮合によって、発泡ポリエチレンテレフタレートの主担体層を含む材料に基づいて廃棄された卵トレイを完全にリサイクルすることを可能にし、それによってポリエチレンテレフタレートの特性を一次原料の特性に戻す。特許請求の範囲に記載の発明は、発泡ポリエチレンテレフタレートの主担体層を備える卵トレイを、適切と考えられる回数だけリサイクルすることを可能にする。ほとんどの場合、特許請求される発明は、ポリスチレン及び/若しくは発泡ポリスチレン及び/若しくはポリプロピレン及び/若しくは非発泡PET、厚紙、並びに/又は紙に基づく同様の卵トレイよりも、良好な物理的及び機械的特性を有する発泡ポリエチレンテレフタレートから卵トレイを製造することを可能にする。特許請求される発明は、関与するポリエチレンテレフタレートの膨張係数により、またその固有粘度によって、より良好な物理的及び機械的特性を有し、卵トレイを無制限の回数リサイクルすることを可能にし、より安価である。したがって、特許請求される発明は、製品の性能特性を改善する。
図1
図2
図3
【国際調査報告】