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  • 特表-触媒物品を形成するための方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-03
(54)【発明の名称】触媒物品を形成するための方法
(51)【国際特許分類】
   B01J 37/02 20060101AFI20230626BHJP
   B01J 37/04 20060101ALI20230626BHJP
   B01J 37/08 20060101ALI20230626BHJP
   B01J 29/76 20060101ALI20230626BHJP
   B01D 53/94 20060101ALI20230626BHJP
   B01D 53/86 20060101ALI20230626BHJP
   B01D 53/90 20060101ALI20230626BHJP
【FI】
B01J37/02 301D
B01J37/04 102
B01J37/08 ZAB
B01J29/76 A
B01D53/94 222
B01D53/94 400
B01D53/86 222
B01D53/90
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022561021
(86)(22)【出願日】2021-05-26
(85)【翻訳文提出日】2022-11-01
(86)【国際出願番号】 GB2021051281
(87)【国際公開番号】W WO2021245375
(87)【国際公開日】2021-12-09
(31)【優先権主張番号】20177967.5
(32)【優先日】2020-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590004718
【氏名又は名称】ジョンソン、マッセイ、パブリック、リミテッド、カンパニー
【氏名又は名称原語表記】JOHNSON MATTHEY PUBLIC LIMITED COMPANY
(71)【出願人】
【識別番号】504109285
【氏名又は名称】ジョンソン マッセイ キャタリスツ (ジャーマニー) ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Johnson Matthey Catalysts (Germany) GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132263
【弁理士】
【氏名又は名称】江間 晴彦
(74)【代理人】
【識別番号】100221501
【弁理士】
【氏名又は名称】式見 真行
(72)【発明者】
【氏名】アモス-ライヒェルト、ニッキ ジェーン
(72)【発明者】
【氏名】エイヴィス、ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】バウアー、ユルゲン
(72)【発明者】
【氏名】ビダル、ヤニック
(72)【発明者】
【氏名】チャンドラー、ガイ リチャード
(72)【発明者】
【氏名】グリーン、アレクサンダー、ニコラス、マイケル
(72)【発明者】
【氏名】グリーンハム、ニール
(72)【発明者】
【氏名】ハリス、マシュー エーベン
(72)【発明者】
【氏名】ロペス-オロスコ、ソフィア
(72)【発明者】
【氏名】ミュンヒ、イェルク
(72)【発明者】
【氏名】フィリップス、ポール リチャード
(72)【発明者】
【氏名】ピラス、アイリーン
【テーマコード(参考)】
4D148
4G169
【Fターム(参考)】
4D148AA06
4D148AA07
4D148AB02
4D148AC03
4D148BA02Y
4D148BA03X
4D148BA06Y
4D148BA07Y
4D148BA08Y
4D148BA11X
4D148BA15Y
4D148BA16Y
4D148BA18Y
4D148BA19Y
4D148BA21Y
4D148BA28Y
4D148BA30Y
4D148BA31Y
4D148BA35X
4D148BA36Y
4D148BA37Y
4D148BA38Y
4D148BA41X
4D148BA42Y
4D148BB02
4D148BB14
4D148BB17
4D148DA03
4D148DA11
4G169AA02
4G169AA03
4G169AA08
4G169AA09
4G169BA01C
4G169BA02C
4G169BA03C
4G169BA04C
4G169BA05C
4G169BA07A
4G169BA07B
4G169BA10C
4G169BA27C
4G169BA29C
4G169BB04C
4G169BB05C
4G169BB06C
4G169BB14C
4G169BB16C
4G169BC09A
4G169BC10A
4G169BC16C
4G169BC22C
4G169BC31A
4G169BC31B
4G169BC35A
4G169BC40A
4G169BC42A
4G169BC43A
4G169BC43C
4G169BC51A
4G169BC51C
4G169BC55A
4G169BC62A
4G169BC66A
4G169BC67A
4G169BC68A
4G169BC72A
4G169BC75A
4G169BE08C
4G169CA03
4G169CA08
4G169CA13
4G169DA06
4G169EA01X
4G169EA01Y
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4G169EA02Y
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4G169EB18Y
4G169ED07
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4G169FB05
4G169FB23
4G169FB30
4G169FC02
4G169FC03
4G169FC07
4G169FC08
4G169ZA02A
4G169ZA07A
4G169ZA14A
4G169ZA14B
4G169ZD06
4G169ZE09
4G169ZF02A
4G169ZF02B
4G169ZF04A
4G169ZF05A
4G169ZF05B
(57)【要約】
本開示は、(a)少なくとも以下の成分:H又はNH4形態の結晶性モレキュラーシーブ、不溶性活性金属前駆体、及び水溶性溶媒を、10~35℃の範囲の温度で一緒に混合することによって最大50重量%の固形含有量を有するスラリーを形成することと、(b)工程(a)で形成されたスラリーで基材をコーティングすることと、(c)工程(b)で形成されたコーティングされた基材を焼成して、基材上に触媒層を形成することと、を含む、触媒物品を形成するための方法に関する。本開示は、触媒物品、特に、窒素酸化物の選択的触媒還元での使用に好適な触媒物品及び排気システムに更に関する。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
触媒物品を形成する方法であって、
(a)少なくとも以下の成分:
(i)H又はNH 形態の結晶性モレキュラーシーブと、
(ii)不溶性活性金属前駆体と、
(iii)水性溶媒と、を一緒に混合することによって、スラリーを形成することであって、
前記スラリーが、最大50重量%の固形含有量を有し、工程(a)が、10~35℃の範囲の温度で実施される、スラリーを形成することと、
(b)工程(a)で形成された前記スラリーで基材をコーティングすることと、
(c)工程(b)で形成された前記コーティングされた基材を焼成して、前記基材上に触媒層を形成することと、を含む、方法。
【請求項2】
工程(a)において、一緒に混合される前記成分が、(iv)結合剤成分及び/又は(v)レオロジー調整剤を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記結合剤成分が、アルミナ、アルミナ前駆体、水酸化アルミニウム、TiO、SiO、ZrO、CeZrO、SnO、アルミノリン酸塩、非ゼオライト性アルミノケイ酸塩、シリカ-アルミナ、粘土、又はそれらの混合物から選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記レオロジー調整剤が、多糖類、デンプン、セルロース、アルギン酸塩、又はそれらの混合物から選択される、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
工程(a)で使用される前記成分の相対的な定量的割合が、工程(c)で形成される前記触媒層が、85~92重量%の金属担持モレキュラーシーブ及び8~15重量%の結合剤を含むように選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記結晶性モレキュラーシーブが、CHA、AEI又はAFX、LTA又はERIから選択される骨格型を有する小細孔ゼオライトである、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記不溶性活性金属前駆体が、炭酸銅、炭酸マンガン、炭酸ニッケル、炭酸コバルト、炭酸鉄、炭酸パラジウム、炭酸白金、炭酸セリウム、炭酸イットリウム、炭酸ニオブ、炭酸ランタン、炭酸亜鉛、炭酸ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化銅、水酸化マンガン、水酸化ニッケル、水酸化コバルト、水酸化鉄、水酸化パラジウム、水酸化白金、水酸化セリウム、水酸化イットリウム、水酸化ニオブ、水酸化ランタン、水酸化亜鉛、水酸化ジルコニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、シュウ酸銅、シュウ酸カルシウム、シュウ酸鉄、シュウ酸マンガン、シュウ酸コバルト、シュウ酸セリウム、シュウ酸イットリウム、シュウ酸亜鉛、及びそれらのうちの2つ以上の任意の混合物からなる群から選択される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記不溶性活性金属前駆体が、炭酸銅(II)、水酸化銅(II)、及びシュウ酸銅のうちの1つ以上を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記水性溶媒が、水である、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
工程(a)で形成される前記スラリーが、30~50重量%の範囲又は30~48重量%の範囲の固形含有量を有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
工程(a)が、10~30℃の範囲、好ましくは18~28℃の範囲の温度で実施される、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
工程(b)が、10~35℃の範囲、好ましくは10~30℃の範囲、より好ましくは18~28℃の範囲の温度で実施される、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に規定された方法により取得される、又は取得可能な触媒物品。
【請求項14】
SCRに対して触媒活性である、請求項13に記載の触媒物品。
【請求項15】
排気システムであって、窒素系還元剤源と、窒素系還元剤を、流動する排ガス中に注入するための注入器と、を備え、前記注入器が、請求項14に規定された触媒物品から上流に配設されている、排気システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、触媒物品を形成する方法に関する。特に、本発明は、排ガスにおける窒素酸化物(nitrogen oxide、NOx)の選択的触媒還元での使用に好適な触媒物品を形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
移動式及び固定式の動力源からの排出物を処理するために使用される触媒コンバータが、毎年、多数製造されている。自動車両における使用のための触媒コンバータは、典型的には、排ガスのスルーフローのためのチャネルが提供された、押出成形セラミックモノリスを備える。モノリスのチャネルは、触媒活性材でコーティングされ得る。代替的に、押出成形モノリス自体が(「全活性押出成形物」又は「押出成形触媒」と称される)触媒活性材で形成される。
【0003】
コーティングされた触媒の生成において、「ウォッシュコート」として既知の組成物は、基材(例えば、セラミックモノリス)に適用される。ウォッシュコートは、典型的には、液体及び触媒活性材を含む。ウォッシュコートは、溶媒中の触媒材料の溶液、スラリー、又は懸濁液の形態を採り得る。基材上にコーティングされると、ウォッシュコートは、典型的には、焼成工程を受けて、溶媒を除去し、触媒活性材を基材に固定する。
【0004】
触媒コンバータで使用するための基材は、一般的に、成形物の第1の端部から第2の端部まで延在する、均一なサイズの平行なチャネルを有するハニカムの形態の一体構造を含む。一般的に、チャネルは、第1の端部及び第2の端部の両端において開放されている、いわゆる、「フロースルー型」構造となっている。代替的に、第1の上流端におけるチャネルは、好適なセラミックセメントで塞ぐことができ、第1の上流端において塞がれていないチャネルもまた、第2の下流端において塞がれて、いわゆるウォールフロー型フィルタを形成することができる。
【0005】
アンモニア(NH-SCR)による窒素酸化物(NO)の選択的触媒還元は、自動車、トラック、機関車、及び船舶などの車両のための、固定源及び移動エンジン、原則的にはディーゼルエンジンから放出される排ガスからのNOの軽減のための最も実用的かつ効率的な技法であると考えられる。
【0006】
既知のSCR(selective catalytic reduction、選択的触媒還元)触媒としては、モレキュラーシーブが挙げられる。有用なモレキュラーシーブとしては、例えば、アルミノケイ酸塩(ゼオライト)又はシリコアルミノリン酸塩(silicoaluminophosphate、SAPO)であり得る結晶性又は準結晶性材料が挙げられる。このようなモレキュラーシーブは、規則的な結晶内空洞及び分子寸法のチャネルを有する骨格を形成するために、例えば、環に連結された、繰り返しSiO、AlO、及び任意選択的にPO四面体単位で構築されている。四面体単位(環員)の特定の配置は、モレキュラーシーブの骨格を生じさせるものであり、慣例によって、各独特の骨格には、国際ゼオライト学会(International Zeolite Association、IZA)によって独特の3文字コード(例えば、「CHA」)が割り当てられている。既知のSCR触媒であるモレキュラーシーブの骨格の例としては、骨格型コードCHA(chabazite、チャバザイト)、BEA(beta、ベータ)、MOR(mordenite、モルデナイト)、AEI、MFI、及びLTAが挙げられる。
【0007】
モレキュラーシーブ(例えば、ゼオライト)はまた、細孔径、例えばモレキュラーシーブの骨格中に存在する四面体原子の最大数によって分類することができる。本明細書に定義されるように、CHAなどの「小細孔」モレキュラーシーブは、8個の四面体原子の最大環サイズを含有し、一方、中細孔モレキュラーシーブ、例えばMFIは、10個の四面体原子の最大環サイズを含有し、BEAなどの大細孔モレキュラーシーブは、12個の四面体原子の最大環サイズを含有する。小細孔及び中細孔モレキュラーシーブ、特に、小細孔モレキュラーシーブは、例えば、改善されたSCR性能及び/又は改善された炭化水素耐性を提供し得るため、SCR触媒における使用に好ましい。
【0008】
モレキュラーシーブ触媒は、金属促進性であり得る。金属促進性モレキュラーシーブ触媒の例としては、鉄、銅、及びパラジウム促進性モレキュラーシーブが挙げられ、金属は、モレキュラーシーブ内に担持され得る。金属担持モレキュラーシーブにおいて、担持された金属は、「骨格外金属」の種類、すなわち、モレキュラーシーブ内及び/又はモレキュラーシーブ表面の少なくとも一部に存在する金属であり、モレキュラーシーブの骨格を構成する原子を含まない。例えば、鉄及び銅担持ゼオライトは、SCR反応を促進することが既知である。
【0009】
金属担持モレキュラーシーブ、特に、金属担持ゼオライトを調製するためのいくつかの方法が文献に記載されている。金属担持ゼオライトの直接合成は、複雑なプロセスであり、合成条件に依存する(M.Moliner,ISRN Materials Science,2012,Article ID 789525を参照されたい)。代替案は、市販のゼオライト担体を使用し、その後、例えば、湿式含浸、湿式イオン交換、又は固体イオン交換といった、ゼオライトの合成後処理により、金属を添加することである。
【0010】
モレキュラーシーブ(例えば、ゼオライト)に金属を添加するための、既知の湿式イオン交換方法では、典型的には、酢酸金属塩、金属硫酸塩、又は金属塩化物等の可溶性金属塩を、活性金属前駆体として用い、活性金属前駆体は、水溶液中のモレキュラーシーブと反応する。イオン交換を加速させるために、かかるプロセスは、典型的には、加熱工程を必要とし、70~80℃の範囲の温度に、最長数時間にわたって、混合物が加熱され得る。更に、得られる金属担持モレキュラーシーブが、触媒物品を形成するためのウォッシュコート組成物に用いられ得る前に、追加のプロセス工程(例えば、濾過、蒸発、噴霧乾燥等)が必要とされ得る。更に、特定の酢酸金属塩(例えば、酢酸銅)が、SCR触媒として使用される金属担持モレキュラーシーブ(例えば、金属担持ゼオライト)の調製に用いられる場合、焼成後に残ったいかなる残留酢酸金属塩も、SCR触媒の下流又はその近くで使用されるアンモニアスリップ触媒(ammonia slip catalyst、ASC)に対し、被毒の影響を有し得ることが見出された。
【0011】
本発明は、金属担持の結晶性モレキュラーシーブを触媒活性材として用いる、ウォッシュコーティングされた触媒物品の調製のための改善されたプロセスを提供する。
【0012】
本開示の第1の態様によると、触媒物品を形成する方法が提供され、方法は、
(a)少なくとも以下の成分:
(i)H又はNH 形態の結晶性モレキュラーシーブと、
(ii)不溶性活性金属前駆体と、
(iii)水性溶媒と、を一緒に混合することによって、スラリーを形成することであって、
スラリーが、最大50重量%の固形含有量を有し、工程(a)が、10~35℃の範囲の温度で実施される、スラリーを形成することと、
(b)工程(a)で形成されたスラリーで基材をコーティングすることと、
(c)工程(b)で形成されたコーティングされた基材を焼成して、基材上に触媒層を形成することと、を含む。
【0013】
有利に、コーティングされた基材を焼成するために用いられる熱は、モレキュラーシーブへの金属担持を促進させるために用いられ得ることが見出された。これにより、湿式イオン交換又は含浸プロセス中における、いかなる加熱工程に対する要件、及び高価な高温耐熱機器に対する要件も回避され得る。更に、湿式イオン交換又は含浸プロセスにおいて典型的な長い反応期間並びに/又は噴霧乾燥等のエネルギー及び手間のかかるプロセスが回避され得る。これにより、第1の態様による本方法は、より効率的かつ経済的であり得る。
【0014】
更に、第1の態様による本方法の工程(a)で調製されたスラリーは、いかなる更なるプロセス工程も必要とすることなく、直接、ウォッシュコート組成物として用いられ得ることが見出された。
【0015】
更に、活性金属前駆体として金属炭酸塩等の不溶性金属種の使用は、酢酸金属塩が活性金属前駆体として使用される場合と比較して、焼成中により少ない危険種の生成をもたらし得る。したがって、不溶性活性金属前駆体の使用は、健康及び安全性の利益を提供し得る。
【0016】
追加的に、第1の態様によるプロセスを介して調製された触媒は、湿式イオン交換又は含浸を介して調製された、金属担持モレキュラーシーブ(例えば、金属担持ゼオライト)を含む触媒と、少なくとも同等のSCR活性を提供し得ることが見出された。そのうえ、活性金属前駆体として酢酸金属塩を使用して調製された金属担持モレキュラーシーブを含む触媒と比較して、関連付けられたアンモニアスリップ触媒の被毒が軽減され得ることも見出された。
【0017】
本開示の第2の態様によると、第1の態様の方法によって取得される、又は取得可能な触媒物品が提供される。
【0018】
本開示の第3の態様によると、排気システムが提供され、排気システムは、窒素系還元剤源と、窒素系還元剤を、流動する排ガス中に注入するための注入器と、を備え、注入器は、第2の態様による触媒物品よりも上流に配設されている。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本開示の第1の態様に従って調製された触媒物品によって達成されたNO変換率及びNO選択性を、従来技術の方法を介して調製された触媒物品と比較して示すグラフである。
図2】本開示の第1の態様に従って調製された触媒によって達成されたNOx変換率及びNO選択性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
これから、本開示を更に説明する。以下の節において、本開示の異なる態様/実施形態がより詳細に定義される。そのように定義された各態様/実施形態は、別途明確に示されていない限り、任意の他の態様/実施形態又は態様/実施形態と組み合わせることができる。特に、好ましい又は有利であると示された任意の特徴は、好ましい又は有利であると示された任意の他の特徴又は複数の特徴と組み合わせることができる。
【0021】
更に、本明細書において使用される際、用語「含む(comprising)」は、定義「から本質的になる(consisting essentially of)」又は「からなる(consisting of)」と交換することができる。「含む(comprising)」という用語は、指定された要素が必須であることを意味することを意図するものであるが、他の要素が追加され得、かつ依然として、請求項の範囲内に構成を形成し得る。「から本質的になる(consisting essentially of)」という用語は、指定された材料又は工程、並びに、特許請求される発明の基本的かつ新規な特性に実質的に影響しないものに請求項の範囲を限定する。「からなる(consisting of)」という用語は、通常それに関連する不純物を除いて、列挙されたもの以外の材料を含めることに対して請求項を閉鎖する。
【0022】
結晶性モレキュラーシーブは、典型的には、アルミニウム、ケイ素、及び/又はリンから構成される。結晶性モレキュラーシーブは、一般的に、酸素原子の共有によって結合される、SiO、AlO、及び任意選択的にPO四面体単位を繰り返して、三次元配列(例えば、骨格)を有する。
【0023】
モレキュラーシーブに関連して、「H形態」という用語は、骨格の電荷が陽子(つまり、Hカチオン)によって平衡を保たれる、アニオン性骨格を有するモレキュラーシーブを指す。
【0024】
モレキュラーシーブに関連して、用語NH 形態は、骨格の電荷がアンモニウムカチオン(NH カチオン)によって平衡を保たれる、アニオン性骨格を有するモレキュラーシーブを指す。
【0025】
結晶性モレキュラーシーブがアルミノケイ酸塩骨格を有する場合には、モレキュラーシーブは、好ましくはゼオライトである。
【0026】
モレキュラーシーブは、小細孔モレキュラーシーブ(すなわち、8個の四面体原子の最大環サイズを有する)、又は中細孔モレキュラーシーブ(すなわち、10個の四面体原子の最大環サイズを有する)であり得る。
【0027】
結晶性モレキュラーシーブが小細孔モレキュラーシーブである場合、小細孔モレキュラーシーブは、ACO、AEI、AEN、AFN、AFT、AFX、ANA、APC、APD、ATT、CDO、CHA、DDR、DFT、EAB、EDI、EPI、ERI、GIS、GOO、IHW、ITE、ITW、KFI、LEV、LTA、MER、MON、NSI、OWE、PAU、PHI、RHO、RTH、SAT、SAV、SFW、SIV、THO、TSC、UEI、UFI、VNI、YUG、及びZON、並びにこれらの混合物及び/又は連晶からなる骨格型群から選択され得る。好ましくは、小細孔モレキュラーシーブは、AEI、AFT、AFX、CHA、DDR、ERI、KFI、LEV、LTA、SFW、及びRHOからなる骨格型群から選択される骨格型を有する。より好ましくは、小細孔結晶性モレキュラーシーブは、AEI、AFX、CHA、LTA、ERI、又はAEI-CHA連晶である骨格型を有する。
【0028】
結晶性モレキュラーシーブが中細孔モレキュラーシーブである場合、中細孔モレキュラーシーブは、AEL、AFO、AHT、BOF、BOZ、CGF、CGS、CHI、DAC、EUO、FER、HEU、IMF、ITH、ITR、JRY、JSR、JST、LAU、LOV、MEL、MFI、MFS、MRE、MTT、MVY、MWW、NAB、NAT、NES、OBW、PAR、PCR、PON、PUN、RRO、RSN、SFF、SFG、STF、STI、STT、STW、-SVR、SZR、TER、TON、TUN、UOS、VSV、WEI、及びWEN、並びにこれらの混合物及び/又は連晶からなる骨格型群から選択され得る。好ましくは、中細孔結晶性モレキュラーシーブは、FER、MEL、MFI、STI及びSTTからなる骨格型群から選択される。
【0029】
好ましくは、結晶性モレキュラーシーブは、骨格型CHA、AEI、AFX、LTA、又はERIを有する小細孔モレキュラーシーブである。
【0030】
結晶性モレキュラーシーブがゼオライトの場合、ゼオライトは、5~200、好ましくは5~100、より好ましくは10~80のシリカ-アルミナ比(Silica-To-Alumina Ratio、SAR)を有し得る。例えば、ゼオライトのシリカ-アルミナ比(SAR)は、5~30であり得る。
【0031】
結晶性モレキュラーシーブがSAPOである場合、SAPOは、(モレキュラーシーブの総重量に基づいて)5~30重量%、好ましくは、8~16重量%の範囲のケイ素含有量を有し得る。
【0032】
結晶性モレキュラーシーブは、好ましくは、粉状結晶性モレキュラーシーブ(すなわち、粒子形態)であり、粒子は、個々の結晶、結晶の凝集体、又はそれらの組み合わせを含む。結晶性モレキュラーシーブは、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscopy、SEM)によって測定される場合、0.5μm以上、好ましくは約0.5~約15μm、例えば、約0.5~10μm、約0.5~約5μm、約1~約5μm、又は約2~約5μmの平均結晶サイズを有し得る。
【0033】
粉状結晶性モレキュラーシーブは、好ましくは、10μm未満のD90粒径を有する。例えば、粉状結晶性モレキュラーシーブは、2~9μm、好ましくは3~8μmの範囲のD90粒径を有し得る。本明細書において使用される際、「D90粒径」という用語は、粒径分布を指す。D90粒径の値は、特定のサンプル中の総粒子の90体積%が存在する、以下の粒径値に対応する。D90粒径は、レーザー回折法を使用して(例えば、Malvern Mastersizer 2000を使用して)、求めることができる。
【0034】
所望される場合、第1の態様の方法の工程(a)でスラリーを形成する前に、モレキュラーシーブは、ジェット粉砕、湿式粉砕、又は蒸気アシストジェット粉砕等の粒径低減処理を受け得る。
【0035】
第1の態様の工程(a)で一緒に混合される成分は、H又はNH 形態の2つ以上の結晶性モレキュラーシーブを含み得る。よって、工程(c)で形成されて得られる触媒層は、2つ以上の異なる型の金属担持モレキュラーシーブを含み得る。
【0036】
本明細書において使用される際、「活性金属前駆体」は、結晶性モレキュラーシーブに対し、骨格外金属を供給できる金属種を指す。本明細書において使用される際、「骨格外金属」という用語は、モレキュラーシーブ内(すなわち、イオン交換位置又は非イオン交換位置のどちらか一方における微小孔内)、及び/又はモレキュラーシーブ表面の少なくとも一部に(例えば、イオン又は酸化物の形態で)存在し、モレキュラーシーブの骨格をなす四面体単位の金属原子を含まない金属を指す。追加の金属種は、それ自体が金属担持に関わらない、工程(a)で形成されるスラリーに存在し得ることが理解されるだろう。
【0037】
「不溶性活性金属前駆体」によって、不水溶性の活性金属前駆体を意味する。特に、不溶性活性金属前駆体は、1g/100ml未満、例えば、0.1g/100ml未満、又は0.01g/100ml未満の水溶性を有し得る。水溶性の性質とは、決まった温度及び圧力で、特定の体積の水に溶けて、飽和溶液を形成する、材料の量の測定値である。本明細書において使用される際、不溶性活性金属前駆体に関連して、「水溶性」という用語は、20℃の温度、1大気圧において、100ミリリットルの水(g/100ml)に溶ける不溶性活性金属前駆体の量(グラム単位)を指す。
【0038】
好適な不溶性活性金属前駆体は、特定の金属塩を含む。特に、不溶性活性金属前駆体は、金属炭酸塩、金属水酸化物、又は金属シュウ酸塩であり得る。
【0039】
不溶性活性金属前駆体は、好ましくは、500℃未満の温度での熱分解によって、熱分解される金属塩を含む。
【0040】
不溶性活性金属前駆体は、遷移金属、貴金属、又は希土類金属の塩を含み得る。例えば、不溶性活性金属前駆体は、銅、マンガン、ニッケル、コバルト、鉄、パラジウム、白金、セリウム、イットリウム、ニオブ、ランタン、亜鉛、カルシウム、マグネシウムのうちの1つ以上の塩、又は2つ以上のそれらの任意の混合物を含み得る。
【0041】
特に、不溶性活性金属前駆体は、炭酸銅、炭酸マンガン、炭酸ニッケル、炭酸コバルト、炭酸鉄、炭酸パラジウム、炭酸白金、炭酸セリウム、炭酸イットリウム、炭酸ニオブ、炭酸ランタン、炭酸亜鉛、炭酸ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化銅、水酸化マンガン、水酸化ニッケル、水酸化コバルト、水酸化鉄、水酸化パラジウム、水酸化白金、水酸化セリウム、水酸化イットリウム、水酸化ニオブ、水酸化ランタン、水酸化亜鉛、水酸化ジルコニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、シュウ酸銅、シュウ酸カルシウム、シュウ酸鉄、シュウ酸マンガン、シュウ酸コバルト、シュウ酸セリウム、シュウ酸イットリウム、シュウ酸亜鉛、及びそれらのうちの2つ以上の任意の混合物からなる群から選択され得る。
【0042】
好ましくは、不溶性活性金属前駆体は、炭酸銅(II)、水酸化銅(II)、及びシュウ酸銅のうちの1つ以上を含み得る。より好ましくは、不溶性活性金属前駆体は、炭酸銅(II)を含む。一例において、不溶性活性金属前駆体は、炭酸銅(II)及び炭酸セリウムの混合物を含み得る。
【0043】
不溶性活性金属前駆体に加えて、工程(a)で混合される成分は、可溶性(すなわち、水溶性)活性金属前駆体を更に含み得る。好適な可溶性活性金属前駆体は、可溶性金属塩、例えば、酢酸金属塩若しくは金属硝酸塩、又は任意の2つ以上のそれらの混合物を含み得る。一例において、不溶性活性金属前駆体は、炭酸銅を含み得、可溶性活性金属前駆体は、酢酸セリウムを含み得る。
【0044】
工程(a)で用いられる、モレキュラーシーブ及び不溶性活性金属前駆体の相対量は、モレキュラーシーブの目標とする金属担持及び用いられる任意の可溶性活性金属前駆体の量に左右される。工程(c)で生成される触媒層に存在する金属担持モレキュラーシーブは、0.1%以上~10重量%以下、好ましくは0.1%以上及び7重量%以下、より好ましくは0.1%以上及び5重量%以下の金属担持を有し得る。
【0045】
特に、結晶性モレキュラーシーブがゼオライトの場合、工程(a)で用いられるモレキュラーシーブ、不溶性活性金属前駆体、及び任意の可溶性活性金属前駆体の相対量は、0.2~0.5、好ましくは、0.3~0.5の範囲の金属担持ゼオライト中の金属-アルミナ比を提供するように選択され得る。
【0046】
本明細書で使用される際、「水性溶媒」という用語は、水性液体媒体(すなわち、水含有液体媒体)を指し、任意の成分がその中に溶解することを必ずしも示さない。例えば、水性溶媒は、工程(a)中に、成分(i)及び(ii)が分散される水含有液体媒体であり得る。しかしながら、当業者によって、水性溶媒中のいくつかの成分の部分的又は完全な溶解が起こり得ることが理解されるだろう。例えば、工程(a)で任意選択的に用いられ得るレオロジー調整剤は、それ自体が水性溶媒に溶解し得る。好ましくは、水性溶媒は、本質的に水からなる。すなわち、水性溶媒は、水を含有するが、微量の非水性(例えば、有機又は無機)不純物も含有し得る。水は、脱イオン水又は脱塩水であり得る。
【0047】
工程(a)で形成されたスラリーは、最大50重量%の固形含有量を有する。「固形含有量」は、スラリーの総重量に基づく、スラリー内に存在する固形材料の割合を意味する。スラリーの固形含有量は、好ましくは30~50重量%の範囲、より好ましくは30~48重量%の範囲である。
【0048】
工程(a)で一緒に混合される成分は、結合剤成分、レオロジー調整剤、及び/又は他の添加剤を更に含み得る。
【0049】
特に、工程(a)で一緒に混合される成分は、アルミナ、アルミナ前駆体(ベーマイト及び/又はバイヤライト等)、水酸化アルミニウム、TiO、SiO、ZrO、CeZrO、SnO、アルミノリン酸塩、非ゼオライト性アルミノケイ酸塩、シリカ-アルミナ、粘土、又はそれらの混合物から選択される結合剤成分を更に含み得る。
【0050】
結合剤は、スラリーの総重量に基づいて、5~15重量%、好ましくは8~12.5重量%、例えば、10~12.5重量%の範囲の量でスラリー中に存在し得る。
【0051】
工程(a)で一緒に混合される成分は、レオロジー調整剤を更に含み得る。レオロジー調整剤は、多糖類、デンプン、セルロース、アルギン酸塩、又はそれらの混合物から選択され得る。レオロジー調整剤は、最大0.4重量%、好ましくは0.2重量%以下の量でスラリー中に存在し得る。
【0052】
任意選択的に、工程(a)で一緒に混合される成分は、有機添加剤、例えば、細孔形成剤、界面活性剤、及び/又は加工助剤としての分散剤を更に含み得る。
【0053】
いくつかの実施形態では、工程(a)で一緒に混合される成分は、例えば、触媒物品が多機能であることが所望される(すなわち、触媒機能を超える働きをする)、追加の触媒活性材(アンモニアスリップの触媒作用に活性な材料等)を更に含み得る。
【0054】
工程(a)で用いられる各成分の相対量は、スラリーが必要な固形含有量を有し、溶媒及び任意の有機物の除去後に、工程(c)で形成される触媒層が、所望の割合の金属担持モレキュラーシーブを含むように選択され得る。これは、当業者の能力の範囲内である。好ましくは、工程(a)で用いられる各成分の相対量は、工程(c)で形成される触媒層が、85~92重量%の金属担持モレキュラーシーブ及び8~15重量%の結合剤を含むように選択される。
【0055】
工程(a)において、スラリーは、成分を一緒に混合することによって形成される。好ましくは、スラリーは、実質的に均一(例えば、均質)、つまり、スラリー中の成分の分布が実質的に均等である。これらの成分は、任意の好適な方法によって混合され得る。好ましくは、成分は、撹拌によって混合される。
【0056】
任意選択的に、スラリーのpHは、酸又は塩基の添加によって調整され得る。有利に、スラリーのpHの変動性は、第1の態様の方法に従って調製されたSCR触媒の性能に対してほとんど影響を有しないことが見出された。これは、ウォッシュコート組成物のpHが最終触媒の性能に影響を与えることが知られているいくつかの従来技術の方法とは対照的である。
【0057】
工程(a)は、周囲温度で実施され得る。好ましくは、工程(a)は、10~30℃、好ましくは18~28℃の範囲の温度で実施される。
【0058】
本発明の特筆すべき利点は、工程(a)で形成されたスラリーを、ウォッシュコート組成物として直接使用され得ることである。したがって、工程(a)で形成されたスラリーは、いかなる追加のプロセス工程を伴うことなく、工程(b)で直接用いられ得る。
【0059】
工程(b)において、工程(a)で形成されたスラリーは、当該技術分野で周知のウォッシュコーティング技術によって基材上にコーティングされ得る。1つのかかる方法は、チャネルが実質的に垂直配向を有するように、モノリス基材を位置付け、ウォッシュコートを基材の第1の面(例えば、上面)に適用し、基材の反対側の第2の面(例えば、下面)を少なくとも部分的真空に供して、チャネルを通るウォッシュコートの運動を達成することを伴う。モノリス基材は、単回用量でコーティングすることができ、基材が単一の配向のままに留まっている単一の工程でウォッシュコートを基材に適用することができる。代替的に、基材は、2回の注入においてコーティングされ得る。例えば、第1の用量では、モノリス基材は、第1の面が最上部にあり、第2の面が最下部にある、第1の配向にある。コーティングが第1の面に適用され、基材の長さ部分をコーティングする。その後、基材は、第2の面が最上部になるよう、逆さまにされる。次に、1回目の注入によってコーティングされなかった基材の部分をコーティングするために、コーティングが第2の面に適用される。国際公開第99/47260号は、モノリス基材をコーティングするための一般的方法を記載している。
【0060】
コーティングは、所望のウォッシュコート充填量を提供するのに十分な量で基材に適用されるべきである。好ましくは、コーティングは、0.5~5g/inの範囲、好ましくは1.5~3.5g/inの範囲のウォッシュコート充填量を提供するのに十分な量で適用される。
【0061】
基材は、好ましくはハニカムモノリス基材である。ハニカムモノリスは、当該技術分野において周知である。本明細書で定義される「ハニカムモノリス基材」は、基材構造の長さに沿って長手方向に延在する複数のチャネル又はセルを有する金属及びセラミックフロースルーモノリスを含み、チャネルは、その両端部で開放されており、金属及びセラミックフィルタは、基材構造の長さに沿って長手方向に延在する複数のチャネル又はセルを有するセラミックウォールフロー型フィルタを含み、開放されている基材の第1の端部にあるチャネルは、反対側の端部で遮断されており、反対側の端部で開放されているチャネルは、第1の端部で遮断されており、全ての他の隣接するセルがウォールフロー型フィルタの第1の端部に開放端部(又は遮断端部)、及びその反対側の端部に遮断端部(又は開放端部)を有し、そのためウォールフロー型フィルタの端部が見える場合、それが、開放及び遮断チャネルのチェスボードに類似するような配置である。ウォールフロー型フィルタの第1の端部の開放チャネルとその反対側の端部の開放チャネルとの間の流体連通は、ウォールフロー型フィルタの多孔質壁構造を介している。
【0062】
代替的に、基材は、プレート型基材であり得る。
【0063】
基材は、非対称基材であり得る。基材は、セラミック材料又は金属材料から構成され得る。例えば、基材は、コーディエライト(SiO-Al-MgO)、炭化ケイ素(SiC)、Fe-Cr-Al合金、Ni-Cr-Al合金、チタン酸アルミニウム、又はステンレス鋼合金で作製又は構成され得る。
【0064】
触媒物品が多機能であることが望ましい(すなわち、同時に触媒機能を超える働きをする)場合、基材は、第1の態様の工程(a)で形成されたスラリーでコーティングされる前に、既に触媒活性を有し得る。例えば、基材は、全ての活性押出物であり得る。代替的に、基材は、既に第1のウォッシュコート層を備え得る。この例では、工程(a)で形成されたスラリーは、第1のウォッシュコート層の上に第2のウォッシュコート層としてコーティングされることができ、かつ/又は第1のウォッシュコート層が基材の全長を覆わない場合、隣接するか、若しくは重複するウォッシュコート層としてコーティングされ得る。例えば、本発明がSCR触媒を提供する場合、スラリーは、使用中にASC触媒の上又はその上流になるであろう位置にコーティングされ得る。
【0065】
原則として、基材は、任意の形状又は大きさであり得る。しかしながら、基材の形状及び大きさは、通常、使用中に触媒物品中の触媒活性材の排ガスへの曝露を最適化するように選択される。
【0066】
工程(b)は、周囲温度で実施され得る。好ましくは、工程(b)は、10~35℃の範囲、好ましくは10~30℃、より好ましくは18~28℃の範囲の温度で実施される。
【0067】
最も好ましくは、工程(a)及び(b)は両方とも、10~35℃の範囲、例えば、10~30℃又は18~28℃の範囲の温度で実施される。
【0068】
工程(b)で形成されたコーティングされた基材は、工程(c)での焼成の前に、乾燥プロセスを受け得る。したがって、第1の態様の方法は、工程(c)を実施する前に、工程(b)で形成されたコーティングされた基材を乾燥させることを更に含み得る。
【0069】
コーティングされた基材の乾燥は、120℃未満の温度で実施され得る。例えば、コーティングされた基材の乾燥は、約100℃の温度で実施され得る。乾燥は、静的に(例えば、バッチオーブンを使用して)又は連続的に(例えば、ベルト炉を使用して)実施され得る。
【0070】
第1の態様の工程(c)において、工程(b)で形成された(任意選択的に乾燥された)コーティングされた基材は、焼成を受けて、金属担持モレキュラーシーブを含む基材上に触媒層を形成する。「焼成する」又は「焼成」という用語は、熱処理工程を指す。焼成によって、触媒活性材が基材に固定され、並びに任意の残りの溶媒及び任意の残留有機成分、例えば、活性金属前駆体の分解、又は工程(a)で形成されたスラリーに含まれる有機添加剤から誘導される有機物の除去が引き起こされる。
【0071】
いかなる理論にも拘束されることを望むものではないが、コーティングされた基材の焼成中、モレキュラーシーブの少なくとも一部の金属担持が起こると考えられる。例えば、焼成時に固形状態のイオン交換が起こり得る。
【0072】
コーティングされた基材の焼成は、当該技術分野において周知の技術を介して実施され得る。特に、焼成は、静的に(例えば、バッチオーブンを使用して)又は連続的に(例えば、ベルト炉を使用して)実施され得る。
【0073】
好ましくは、焼成工程(c)は、最大550℃、好ましくは450~550℃の範囲の温度で実施される。
【0074】
好ましくは、コーティングされた基材は、最大3時間、好ましくは30分~2時間焼成される。
【0075】
工程(c)で実施される焼成は、複数の熱処理工程を含み得、例えば、コーティングされた基材は、第1の温度での第1の熱処理に供され、次いで第2の温度での第2の熱処理に供され得る。
【0076】
乾燥及び焼成は、任意選択的に、連続プロセスで組み合わせされ得、コーティングされた基材は、複数の加熱ゾーンを通ってベルト炉上で運ばれ、各ゾーンは、異なる温度に設定される。
【0077】
本開示の第2の態様による触媒物品は、燃焼排ガス流の処理に用いられ得る。すなわち、触媒物品は、内燃機関(移動式又は固定式のいずれか)、ガスタービン、又は発電プラント(例えば、石炭又は石油を燃料とした発電プラント)等の燃焼プロセスに由来する排ガスを処理するために使用できる。本開示の触媒物品の好ましい用途は、自動車車両用の排気システムにおけるものである。特に、触媒物品は、SCR触媒として用いられ得る。
【0078】
いくつかの実施形態では、例えば、触媒物品が多機能であることが所望される(すなわち、同時に触媒機能を超える働きをする)場合、工程(b)の後に、第1の態様の方法は、更なるウォッシュコート組成物を基材上にコーティングする工程を含み得る。更なるウォッシュコート組成物は、工程(b)で適用されたコーティングの上部に、又はそれに近接する位置に直接適用され得る。かかる工程は、工程(c)の前又は後のいずれかで実施され得る。
【0079】
触媒物品は、排ガス処理システムの一部であり得、触媒物品は、窒素系還元剤源の下流に配設されている。
【実施例
【0080】
以下の実施例を参照して、本発明を更に説明する。これは例示的なものであり、本発明を限定するものではない。
【0081】
・比較例
粒子SSZ-13(CHA)ゼオライトを水と組み合わせて、37重量%の固形含有量を有するスラリーを形成し、次いでビーズ粉砕を使用してゼオライトの粒径を7μmのD90に低減した。
【0082】
酢酸銅をスラリーに添加し、得られた混合物を4時間70℃に加熱した。室温に冷却した後、スラリーの試料をICP分析のために採取し、これによって、84%超の銅取り込みが行われたことを確認した。
【0083】
加熱中に蒸発によって失われた水を置き換えるために、固形含有量を37重量%に調整して戻すように、追加の水をスラリーに添加した。次いで、水酸化テトラエチルアンモニウム(Tetraethylammonium hydroxide、TEAOH)を添加して、上清中に残っている一切の遊離銅イオンを複合した。
【0084】
次いで、結合剤成分(水溶性ベーマイト-Sasolから入手可能なDispersal)をスラリーに添加し、次いでそれが均質化するまで連続高剪断条件下で撹拌した。
【0085】
スラリーがウォッシュコーティングに好適になるように、スラリーのレオロジーをセルロースレオロジー調整剤の添加によって調整した。スラリーのpHを、塩基の添加によって3.8に調整した。
【0086】
次いで、真空堆積ウォッシュコーティング技術(国際公開第99/47260号に記載されているように)を使用して、最終的なスラリーを正方形セルのセラミックフロースルー基材上にウォッシュコーティングした。次いで、コーティングされた基材を乾燥させて、動的ライン乾燥機を使用して乾燥を完了した。次いで、乾燥したコーティングされた基材を、少なくとも30分間500℃の動的ライン焼成器で焼成して、基材上に触媒層を形成した。
【0087】
出発材料の定量的割合は、触媒層が87.5重量%の銅担持ゼオライト及び12.5重量%のアルミナを含有するように選択された。
【0088】
・実施例1
粒子SSZ-13(CHA)ゼオライトを水と組み合わせて、37重量%の固形含有量を有するスラリーを形成し、ビーズ粉砕を使用してゼオライトの粒径を7μmのD90に低減した。
【0089】
炭酸銅をスラリーに添加し、得られた混合物を最低20分間、高剪断条件下で撹拌した。比較例で提供されるような最終スラリー中の銅の等価重量%を得るように、炭酸銅の量を選択した。
【0090】
次いで、結合剤成分(水溶性ベーマイト-Sasolから入手可能なDispersal)をスラリーに添加し、次いでそれが均質化するまで連続高剪断条件下で撹拌した。
【0091】
スラリーがウォッシュコーティングに好適になるように、スラリーのレオロジーを、セルロースレオロジー調整剤の添加によって調整した。スラリーのpHを、塩基の添加によって、約3.8に調整した。
【0092】
次いで、比較例に関連して記載されるものと同じ様式で、比較例で用いられるものと同じ形状及び寸法を有する基材上に最終スラリーをウォッシュコーティングした。次いで、コーティングされた基材を乾燥させ、比較例に記載されるものと同じ様式で焼成した。
【0093】
出発材料の定量的割合は、最終の触媒層が87.5重量%の銅及びゼオライト、並びに12.5重量%のアルミナを含有するように選択された。
【0094】
・実施例2
スラリーのpHを4に調整したことを除いて、実施例1を繰り返した。
【0095】
・実施例3
スラリーのpHを7に調整したことを除いて、実施例1を繰り返した。
【0096】
・ 触媒試験
同一体積コア試料を、比較例及び実施例1~3の各々で調製した触媒物品から採取し、31.6L/分の流量において、選択された入口温度で以下の入口ガス混合物を使用して合成触媒活性試験(synthetic catalytic activity test、SCAT)装置で試験した:500ppmのNO、750ppmのNH、10%のHO、5%のO、350ppmのCO、残りのN。触媒試料を、新鮮な状態及び水熱エージング後(10%の水中で16時間、800℃)の両方で試験した。
【0097】
結果を図1及び図2に示す。
【0098】
図1は、選択された入口温度での実施例1及び比較例の触媒物品によって達成されたNOx変換率及びNO選択性を比較する。
【0099】
図2は、選択された入口温度での実施例1~3の触媒物品によって達成されたNOx変換率及びNO選択性を比較する。
【0100】
図1に示されるデータによって実証されるように、実施例1の触媒物品は、比較例と比較して同等のNOx変換率及び同様又はわずかに改善されたNO選択性を達成する。
【0101】
有利に、比較例の調製全体と比較して、実施例1の調製は、より少ないプロセス工程、並びに低減された水及びエネルギーの消費を必要とした。
【0102】
図2に示されるデータによって実証されるように、ウォッシュコーティングのためのスラリーのpHの変化は、最終触媒物品の性能にほとんど影響を有しない。
【0103】
本開示の更なる態様及び実施形態を以下に番号を振った条項に記載する。
【0104】
条項1.触媒物品を形成する方法であって、
(a)少なくとも以下の成分:
(i)H又はNH 形態の結晶性モレキュラーシーブと、
(ii)不溶性活性金属前駆体と、
(iii)水性溶媒と、を一緒に混合することによって、スラリーを形成することであって、
スラリーが、最大50重量%の固形含有量を有し、工程(a)が、10~35℃の範囲の温度で実施される、スラリーを形成することと、
(b)工程(a)で形成されたスラリーで基材をコーティングすることと、
(c)工程(b)で形成されたコーティングされた基材を焼成して、基材上に触媒層を形成することと、を含む、方法。
【0105】
条項2.工程(a)において、一緒に混合される成分が、(iv)結合剤成分及び/又は(v)レオロジー調整剤を更に含む、条項1に規定された方法。
【0106】
条項3.触媒物品を形成する方法であって、
(a)以下の成分:
(i)H又はNH 形態の結晶性モレキュラーシーブと、
(ii)不溶性活性金属前駆体と、
(iii)水性溶媒と、
(iv)結合剤成分と、
(v)任意選択的なレオロジー調整剤と、を一緒に混合することによって、スラリーを形成することであって、
スラリーが、最大50重量%の固形含有量を有し、工程(a)が、10~35℃の範囲の温度で実施される、スラリーを形成することと、
(b)工程(a)で形成されたスラリーで基材をコーティングすることと、
(c)工程(b)で形成されたコーティングされた基材を焼成して、基材上に触媒層を形成することと、を含む、方法。
【0107】
条項4.触媒物品を形成する方法であって、
(a)以下の成分:
(i)H又はNH 形態の結晶性モレキュラーシーブと、
(ii)不溶性活性金属前駆体と、
(iii)水性溶媒と、
(iv)結合剤成分と、
(v)任意選択的なレオロジー調整剤と、を一緒に混合することによって、スラリーを形成することであって、
スラリーが、最大50重量%の固形含有量を有し、工程(a)が、10~35℃の範囲の温度で実施される、スラリーを形成することと、
(b)工程(a)で形成されたスラリーで基材をコーティングすることと、
(b)任意選択的に、工程(b)で形成されたコーティングされた基材を乾燥させることと、
(c)工程(b)又は(b)で形成されたコーティングされた基材を焼成して、基材上に触媒層を形成することと、を含む、方法。
【0108】
条項5.結合剤成分が、アルミナ、アルミナ前駆体、水酸化アルミニウム、TiO、SiO、ZrO、CeZrO、SnO、アルミノリン酸塩、非ゼオライト性アルミノケイ酸塩、シリカ-アルミナ、粘土、又はそれらの混合物から選択される、条項2、3、又は4に規定された方法。
【0109】
条項6.結合剤成分が、ベーマイト及びバイヤライトから選択されるアルミナ前駆体である、条項5に規定された方法。
【0110】
条項7.レオロジー調整剤が、多糖類、デンプン、セルロース、アルギン酸塩、又はそれらの混合物から選択される、条項2~6のいずれか一条項に規定された方法。
【0111】
条項8.工程(a)で使用される成分の相対的な定量的割合が、工程(c)で形成される触媒層が、85~92重量%の金属担持モレキュラーシーブ及び8~15重量%の結合剤を含むように選択される、条項1~7のいずれか一条項に規定された方法。
【0112】
条項9.結晶性モレキュラーシーブが、小細孔又は中細孔モレキュラーシーブである、条項1~8のいずれか一条項に規定された方法。
【0113】
条項10.結晶性モレキュラーシーブが、小細孔モレキュラーシーブである、条項1~9のいずれか一条項に規定された方法。
【0114】
条項11.小細孔モレキュラーシーブが、AEI、AFT、AFX、CHA、DDR、ERI、KFI、LEV、LTA、SFW、及びRHOから選択される骨格型を有する、条項10に規定された方法。
【0115】
条項12.結晶性モレキュラーシーブが、CHA、AEI若しくはAFX、LTA、又はERIから選択される骨格型を有する小細孔ゼオライトである、条項1~11のいずれか一条項に規定された方法。
【0116】
条項13.結晶性モレキュラーシーブが、中細孔モレキュラーシーブである、条項9に規定された方法。
【0117】
条項14.中細孔モレキュラーシーブが、FER、MEL、MFI、STI、及びSTTから選択される骨格型を有する、条項13に規定された方法。
【0118】
条項15.結晶性モレキュラーシーブが、ゼオライトである、条項1~14のいずれか一条項に規定された方法。
【0119】
条項16.ゼオライトが、5~200、5~100、10~80、又は5~30のシリカ-アルミナ比(SAR)を有する、条項15に規定された方法。
【0120】
条項17.結晶性モレキュラーシーブが、粒子形態であり、10μm未満のD90粒径を有する、条項1~16のいずれか一条項に規定された方法。
【0121】
条項18.結晶性モレキュラーシーブが、2~9μmの範囲、又は2~8μmの範囲のD90粒径を有する、条項17に規定された方法。
【0122】
条項19.成分(i)が、H又はNH 形態の2つ以上の結晶性モレキュラーシーブを含む、条項1~18のいずれか一条項に規定された方法。
【0123】
条項20.不溶性活性金属前駆体が、1g/100ml未満、0.1g/100ml未満、又は0.01g/100ml未満の水溶性を有する、条項1~19のいずれか一条項に規定された方法。
【0124】
条項21.不溶性活性金属前駆体が、金属炭酸塩、金属水酸化物、金属シュウ酸塩、又はそれらのうちの任意の2つ以上の混合物から選択される、条項1~20のいずれか一条項に規定された方法。
【0125】
条項22.不溶性活性金属前駆体が、銅、マンガン、ニッケル、コバルト、鉄、パラジウム、白金、セリウム、イットリウム、ニオブ、ランタン、亜鉛、カルシウム、マグネシウムの塩、又はそれらのうちの2つ以上の任意の混合物を含む、条項1~21のいずれか一条項に規定された方法。
【0126】
条項23.不溶性活性金属前駆体が、炭酸銅、炭酸マンガン、炭酸ニッケル、炭酸コバルト、炭酸鉄、炭酸パラジウム、炭酸白金、炭酸セリウム、炭酸イットリウム、炭酸ニオブ、炭酸ランタン、炭酸亜鉛、炭酸ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化銅、水酸化マンガン、水酸化ニッケル、水酸化コバルト、水酸化鉄、水酸化パラジウム、水酸化白金、水酸化セリウム、水酸化イットリウム、水酸化ニオブ、水酸化ランタン、水酸化亜鉛、水酸化ジルコニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、シュウ酸銅、シュウ酸カルシウム、シュウ酸鉄、シュウ酸マンガン、シュウ酸コバルト、シュウ酸セリウム、シュウ酸イットリウム、シュウ酸亜鉛、及びそれらのうちの2つ以上の任意の混合物からなる群から選択される、条項1~22のいずれか一条項に規定された方法。
【0127】
条項24.不溶性活性金属前駆体が、炭酸銅(II)、水酸化銅(II)、及びシュウ酸銅のうちの1つ以上を含む、条項1~23のいずれか一条項に規定された方法。
【0128】
条項25.不溶性活性金属前駆体が、炭酸銅(II)を含む、条項1~24のいずれか一条項に規定された方法。
【0129】
条項26.不溶性活性金属前駆体が、炭酸銅(II)及び炭酸セリウムの混合物を含む、条項1~25のいずれか一条項に規定された方法。
【0130】
条項27.不溶性活性金属前駆体が、500未満の温度での熱分解によって、熱分解された1つ以上の金属塩を含む、条項1~26のいずれか一条項に規定された方法。
【0131】
条項28.工程(a)において、一緒に混合される成分が、(vi)可溶性活性金属前駆体を更に含む、条項1~27のいずれか一条項に規定された方法。
【0132】
条項29.水性溶媒が、水から本質的になる、条項1~28のいずれか一条項に規定された方法。
【0133】
条項30.水性溶媒が、水である、条項1~29のいずれか一条項に規定された方法。
【0134】
条項31.工程(a)で形成されるスラリーが、30~50重量%の範囲又は30~48重量%の範囲の固形含有量を有する、条項1~30のいずれか一条項に規定された方法。
【0135】
条項32.工程(a)において、成分が、撹拌することによって一緒に混合される、条項1~31のいずれか一条項に規定された方法。
【0136】
条項33.工程(a)が、周囲温度で実施される、条項1~32のいずれか一条項に規定された方法。
【0137】
条項34.工程(a)が、10~30℃の範囲、好ましくは18~28℃の範囲の温度で実施される、条項1~33のいずれか一条項に規定された方法。
【0138】
条項35.基材が、ハニカムモノリス基材である、条項1~34のいずれか一条項に規定された方法。
【0139】
条項36.ハニカムモノリス基材が、フロースルーモノリスである、条項35に規定された方法。
【0140】
条項37.ハニカムモノリス基材が、ウォールフロー型フィルタである、条項35に規定された方法。
【0141】
条項38.工程(b)が、周囲温度で実施される、条項1~37のいずれか一条項に規定された方法。
【0142】
条項39.工程(b)が、10~35℃の範囲、又は10~30℃の範囲、又は18~28℃の範囲の温度で実施される、条項1~38のいずれか一条項に規定された方法。
【0143】
条項40.工程(b)が、10~35℃の範囲、又は10~30℃の範囲、又は18~28℃の範囲の温度で実施される、条項1~39のいずれか一条項に規定された方法。
【0144】
条項41.方法が、工程(b)で形成されたコーティングされた基材を、工程(c)の前に乾燥させることを更に含む、条項1~40のいずれか一条項に規定された方法。
【0145】
条項42.工程(c)が、最大550℃の温度、好ましくは450~550℃の範囲の温度で実施される、条項1~41のいずれか一条項に規定された方法。
【0146】
条項43.工程(c)において、焼成が、最大3時間、好ましくは30分~2時間の期間の間実施される、条項1~42のいずれか一条項に規定された方法。
【0147】
条項44.工程(c)で形成される触媒層が、金属担持モレキュラーシーブを含む、条項1~43のいずれか一条項に規定された方法。
【0148】
条項45.工程(c)で形成される触媒層が、SCRに対して触媒活性である、金属担持モレキュラーシーブを含む、条項1~44のいずれか一条項に規定された方法。
【0149】
条項46.工程(c)の間、モレキュラーシーブの少なくとも一部の金属担持が起こる、条項1~45のいずれか一条項に規定された方法。
【0150】
条項47.条項1~46のいずれか一条項に規定された方法により取得される、又は取得可能な触媒物品。
【0151】
条項48.フロースルーハニカムモノリス又はウォールフロー型フィルタとして構成される、条項47に規定された触媒物品。
【0152】
条項49.SCRに対して触媒活性である、条項47又は48に規定された触媒物品。
【0153】
条項50.排気システムであって、窒素系還元剤源と、窒素系還元剤を、流動する排ガス中に注入するための注入器と、を備え、注入器が、条項49に規定された触媒物品よりも上流に配設されている、排気システム。
図1
図2
【国際調査報告】