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特表2023-527993缶ボディメーカー用カムフォロアアセンブリ及びそれを含む缶ボディメーカー
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-03
(54)【発明の名称】缶ボディメーカー用カムフォロアアセンブリ及びそれを含む缶ボディメーカー
(51)【国際特許分類】
   B30B 1/26 20060101AFI20230626BHJP
   B21D 51/26 20060101ALI20230626BHJP
   F16H 25/00 20060101ALI20230626BHJP
【FI】
B30B1/26 C
B21D51/26 X
F16H25/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022572675
(86)(22)【出願日】2021-03-16
(85)【翻訳文提出日】2023-01-24
(86)【国際出願番号】 US2021022537
(87)【国際公開番号】W WO2021242360
(87)【国際公開日】2021-12-02
(31)【優先権主張番号】16/885,589
(32)【優先日】2020-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505257497
【氏名又は名称】ストール マシーナリ カンパニー,エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Stolle Machinery Company,LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001438
【氏名又は名称】弁理士法人 丸山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フレイシャー,カール エス.
(72)【発明者】
【氏名】スコーリー,イアン ケー.
(72)【発明者】
【氏名】リベイロ,レオナルド アントニオ ブトロ
(72)【発明者】
【氏名】プラトゥーロン,シルバン マリオ
【テーマコード(参考)】
3J062
4E090
【Fターム(参考)】
3J062AA21
3J062AB31
3J062BA01
3J062BA12
3J062BA16
3J062BA25
3J062BA26
3J062CC12
3J062CC33
4E090BA02
4E090BB01
4E090CC01
4E090CC03
4E090CD02
4E090EB04
4E090EC04
(57)【要約】
【解決手段】缶ボディメーカーのカムフォロアアセンブリは、缶ボディメーカーのラム本体の近位端部に結合するように構成されたスライダと、スライダに回転可能に結合された複数のカムフォロア部材とを含む。複数のカムフォロア部材は、ラム駆動アセンブリのカムに動作可能に結合するように構成されている。
【選択図】図7D
【特許請求の範囲】
【請求項1】
缶ボディメーカー用カムフォロアアセンブリであって、
前記缶ボディメーカーのラム本体の近位端部に結合するように構成されたスライダと、
前記スライダに回転可能に結合された複数のカムフォロア部材と、
を備えており、
前記複数のカムフォロア部材は、ラム駆動アセンブリのカムに動作可能に結合するように構成されている、カムフォロアアセンブリ。
【請求項2】
協働するように配置された対応するベアリング部材と係合するように配置及び構成された幾つかの静圧/動圧ベアリングパッドを有するカムフォロアベアリングアセンブリを更に備える、請求項1に記載のカムフォロアアセンブリ。
【請求項3】
各ベアリングパッドは凹状ベアリングポケットを含んでおり、前記凹状ベアリングポケットは、提供されるベアリング流体の加圧供給を概ね収容するように構成されている、請求項2に記載のカムフォロアアセンブリ。
【請求項4】
前記スライダは、スライダ本体と、前記スライダ本体から上方に延びる上側フレーム部とを備えており、前記幾つかの静圧/動圧ベアリングパッドは、前記上側フレーム部に設けられている、請求項2に記載のカムフォロアアセンブリ。
【請求項5】
前記スライダ本体の上側フレーム部は、
前記スライダ本体の第1の縁部又はその付近から概ね上方に延びる第1の部材と、
前記スライダ本体の第2の端部又はその付近から概ね上方に延びる第2の部材と、
前記第1の部材と前記第2の部材の間に延びており、ある距離だけ前記スライダ本体の上方に離れて配置された第3の部材と、
を備える、請求項4に記載のカムフォロアアセンブリ。
【請求項6】
前記幾つかの静圧/動圧ベアリングパッドは、
前記第1の部材の外向き面に結合された第1のベアリングパッドと、
前記第2の部材の外向き面に結合された第2のベアリングパッドと、
前記第3の部材の上向き面に結合された第3のベアリングパッドと、
を含む、請求項5に記載のカムフォロアアセンブリ。
【請求項7】
前記スライダは、前記スライダ本体から下方に延びる下側フレーム部を更に備える、請求項4に記載のカムフォロアアセンブリ。
【請求項8】
前記下側フレーム部は、
前記スライダ本体の第1の縁部又はその付近から概ね下方に延びる第1の部材と、
前記第1の縁部の反対側にある前記スライダ本体の第2の縁部又はその付近から概ね下方に延びる第2の部材と、
前記第1の部材と前記第2の部材の間に延びており、前記スライダ本体の下方に離れて配置された第3の部材と、
を備える、請求項7に記載のカムフォロアアセンブリ。
【請求項9】
前記複数のカムフォロアの各々はローラーベアリングを備える、請求項1に記載のカムフォロアアセンブリ。
【請求項10】
前記複数のローラーベアリングの1つは、前記複数のローラーベアリングの他の1つから第1の距離を置いて配置される第1の配置と、前記複数のローラーベアリングの他の1つから前記第1の距離とは異なる第2の距離を置いて配置される第2の配置との間で前記複数のローラーベアリングの1つを位置決め可能な偏心ブッシュを含む、請求項9に記載のカムフォロアアセンブリ。
【請求項11】
缶ボディメーカー用の可動アセンブリにおいて、
近位端部と反対側の遠位端部とを有する延設されたラム本体を含むラムアセンブリと、
カムフォロアアセンブリと、
を備えており、
前記カムフォロアアセンブリは、
前記ラム本体の近位端部に結合されたスライダと、
前記スライダに回転可能に結合された複数のカムフォロア部材であって、前記カムフォロア部材は、ラム駆動アセンブリのカムによって作動的に係合するように構成されている、複数のカムフォロア部材と、
を備える可動アセンブリ。
【請求項12】
協働するように配置された対応するベアリング部材と係合するように配置及び構成された幾つかの静圧/動圧ベアリングパッドを有するカムフォロアベアリングアセンブリを更に備える、請求項11に記載の可動アセンブリ。
【請求項13】
各ベアリングパッドは凹状ベアリングポケットを含んでおり、前記凹状ベアリングポケットは、提供されるベアリング流体の加圧供給を概ね収容するように構成されている、請求項12に記載の可動アセンブリ。
【請求項14】
前記スライダは、スライダ本体と、前記スライダ本体から上方に延びる上側フレーム部とを備えており、前記幾つかの静圧/動圧ベアリングパッドは、前記上側フレーム部に設けられている、請求項12に記載の可動アセンブリ。
【請求項15】
前記スライダ本体の上側フレーム部は、
前記スライダ本体の第1の端部又はその付近から概ね上方に延びる第1の部材と、
前記スライダ本体の第2の端部又はその付近から概ね上方に延びる第2の部材と、
前記第1の部材と前記第2の部材の間に延びており、ある距離だけ前記スライダ本体の上方に離れて配置された第3の部材と、
を備える、請求項14に記載の可動アセンブリ。
【請求項16】
前記幾つかの静圧/動圧ベアリングパッドは、
前記第1の部材の外向き面に結合された第1のベアリングパッドと、
前記第2の部材の外向き面に結合された第2のベアリングパッドと、
前記第3の部材の上向き面に結合された第3のベアリングパッドと、
を含む、請求項15に記載の可動アセンブリ。
【請求項17】
前記スライダは、前記スライダ本体から下方に延びる下側フレーム部を更に備えており、前記下側フレーム部は、
前記スライダ本体の第1の縁部又はその付近から概ね下方に延びる第1の部材と、
前記第1の縁部の反対側にある前記スライダ本体の第2の縁部又はその付近から概ね下方に延びる第2の部材と、
前記第1の部材と前記第2の部材の間に延びており、前記スライダ本体の下方に離れて配置された第3の部材と、
を備える、請求項14に記載の可動アセンブリ。
【請求項18】
前記複数のカムフォロアの各々はローラーベアリングを備える、請求項11に記載の可動アセンブリ。
【請求項19】
前記複数のローラーベアリングの1つは、前記複数のローラーベアリングの他の1つから第1の距離を置いて配置される第1の配置と、前記複数のローラーベアリングの他の1つから前記第1の距離とは異なる第2の距離を置いて配置される第2の配置との間で前記複数のローラーベアリングの1つを位置決め可能な偏心ブッシュを含む、請求項18に記載の可動アセンブリ。
【請求項20】
ディスクカム又はバレルカムのうちの1つを含むラム駆動アセンブリと、
可動アセンブリと、
を備える缶ボディメーカーにおいて、
前記可動アセンブリは、
近位端部と反対側の遠位端部とを有する延設されたラム本体を含むラムアセンブリと、
前記ラム本体の近位端部に結合したカムフォロアアセンブリと、
を備えており、
前記カムフォロアアセンブリは、
スライダと、
前記スライダに回転可能に結合された複数のカムフォロア部材と、
を備えており、
前記複数のカムフォロア部材は、前記ディスクカム又は前記バレルカムの一方に動作可能に結合する、缶ボディメーカー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示及び特許請求の範囲に記載される概念は、缶ボディメーカーに関しており、より具体的には、カムによって駆動される缶ボディメーカーに使用するためのカムフォロアアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、アルミ缶は、アルミニウムのシート又はコイルから打ち抜かれた、「ブランク」と呼ばれるアルミニウムの円板から生じる。つまり、シートがプレスに供給されて、そこで、外側スライド/ラムの動きによってシートから「ブランク」円板が切り取られる。次に、内側スライド/ラムが「ブランク」を押して、絞りプロセスを介してカップが作られる。カップは、底部と付随する側壁とを有する。カップはボディメーカーに供給されて、更に再絞り及びしごき工程を経て、缶ボディに成形される。即ち、ボディメーカーは、延設された往復ラムアセンブリに配置されたパンチを含む。カップはパンチの前に置かれた後、パンチはカップをダイパックに通し、そこで、カップの半径が小さくされて、側壁が伸ばされて薄くなる。
【0003】
より具体的には、カップは、通路を画定する複数のダイを有するダイパックの入口に配置される。カップは、再絞りアセンブリの一部である再絞りスリーブで固定される。パンチ/ラムがカップと係合すると、カップは再絞りダイの通路を通って移動する。その後、カップは幾つかのしごきダイを通って移動する。即ち、しごきダイは、再絞りダイの後方に、軸方向に揃えられて配置されている。ラムの反対側のダイパックの端には、ドーマーがある。ドーマーは、カップ/缶ボディの底に凹んだドームを作るように構成されたダイである。
【0004】
一般的に、また、図1に示されるように、ボディメーカー1は、駆動アセンブリ2及び成形アセンブリ3を含む。駆動アセンブリ2は、モータ(図示せず)を含んでおり、モータは、かなりの質量のフライホイール(符号なし)が結合された回転クランク4に動作可能に結合されており、フライホイールは、モータが可変エネルギを供給する必要がないように金属成形のための運動エネルギを蓄積する。クランク4は更に、第1のコネクティングロッド6Aによって、揺動するスイングアーム5に結合される。スイングアーム5は、第2のコネクティングロッド6Bを介してラムアセンブリ7に結合される。即ち、成形アセンブリ3は、ラムアセンブリ7、ダイパック8、及びドーマー9を含む。ラムアセンブリ7は、キャリッジ7Aと、延設されたラム(又はラム本体)7Bと、そして、幾つかの実施形態では、第2のコネクティングロッド6Bから見てラム本体7Bの遠位端に配置されたパンチ7Cとを含む。ダイパック8は、成形通路を画定する幾つかのしごきダイ(符号なし)を含む。ラム本体7B/パンチ7Cは、ダイパック8を通って往復するように構成されている。即ち、ラム本体7B/パンチ7Cは、ラム本体7B/パンチ7Cがダイパック8から引き出されている(即ち、図1において右に移動している)第1の位置と、ラム本体7B/パンチ7Cがダイパック8を通ってドーマー9に隣接する位置まで延びている(即ち、図1において左に移動している)第2の位置との間で移動する。知られているように、カップフィーダ(符号なし)は、ラム本体7Bが第1の位置にある場合において、ダイパック8の入口、即ち上流端にカップを配置する。従って、ラム本体7Bが第2の位置に向かって移動すると、ラム本体7B/パンチ7Cがダイパック8を通って移動し、そこでカップが缶ボディに成形される。ボディメーカー駆動アセンブリにおいてクランク、スイングアーム、及び/又は揺動コネクティングロッドを使用することは問題である。即ち、以下で述べるように、ボディメーカーのクランク/スイングアーム駆動アセンブリに関連する多くの不都合が存在する。
【0005】
例えば、この構成では、クランク4の円運動は、ラム本体7B及びパンチ7Cの往復運動に変換される。クランク4は約320r.p.m.乃至400r.p.m.の速度で回転し、ラム本体7B/パンチ7Cは各サイクル中に1回往復する。1サイクル中に缶ボディが形成されることから、ボディメーカー1では、毎分約320乃至400個の缶ボディが作られる。即ち、駆動アセンブリ2の各サイクルについて、即ち、クランク4が360度回転するたびに、ボディメーカー1は1つの缶ボディを作る。或いは、クランク4が2つのラム本体7Bを駆動する実施形態では、ボディメーカー1は、各サイクル中に2つの缶ボディを作る。1分あたりにできるだけ多くの缶ボディを製造することが望ましいことから、サイクル毎に作られる缶ボディの数が問題となる。つまり、ボディメーカーがより高い、つまり大きなアウトプットで動作することが望ましい。
【0006】
しかしながら、高速で運転させることは、ボディメーカーの構成要素の制約と特性に起因して困難である。例えば、ラム及びパンチは金属製、典型的には鋼鉄製であって、かなりの質量を有する。駆動アセンブリは、ラム及びパンチの質量を動かし、また、ラム及びパンチが動くことによって発生する力に耐えるように構成されていなければならない。従って、上述したように、駆動アセンブリも典型的には金属/鋼鉄製であり、それ故にかなりの質量を有する。更に、駆動アセンブリの構成要素は実質的に堅く、回転結合及びピボット結合で互いに結合される。この速度でこの構成では、ボディメーカー駆動アセンブリ2の構成要素への幾つかの有害な影響がある。即ち、この構成は、延設された堅い構成要素(これは、スイングアーム5、コネクティングロッド6A、6B及びラム本体7Bを含む)を含んでおり、それらは、回転要素(即ち、クランク4やフライホイール)によって作動的に係合している。クランク4の回転運動がラム本体7Bの往復運動に変換されると、それらの堅い構成要素は動いて、(加速が減速になる瞬間を除いて)加速又は減速する。即ち、駆動アセンブリと特定の成形アセンブリの構成要素は、基本的に加速又は減速しており、基本的に等速度では動いてはいない。この種の動きは、つまり等速度で動いていないと、パンチを含むラム本体の遠位端は振動してしまう。これは問題である。
【0007】
更に、駆動アセンブリが上記のように構成された、即ち、クランクがスイングアームに動作可能に結合されてスイングアームが更にラムアセンブリに動作可能に結合されたボディメーカーでは、それら構成要素の全てが基本的に一定の動きをしている。即ち、ラムアセンブリが方向を反転する瞬間を除いて、駆動アセンブリに動作可能に結合された構成要素は常に動いている。このような構成のボディメーカーには問題がある。
【0008】
例えば、駆動アセンブリ及び/又はラムアセンブリの延設された構成要素の運動は、前方運動から後方運動へ突然、又は瞬時に反転する。運動方向のこの急な転換を、本明細書では「ホイップラッシュ(whiplash)」と称する。ラム本体7Bのストロークの前端では、この影響でラム本体7Bに好ましくない振動が起こって、ダイパック8に伝達される。ラム本体7Bのストローク後端では、急な方向転換により、パンチ7Cがカップと係合する直前で好ましくない振動が起こる。更に、このような速度で、このような急な動きの変化があると、様々な構成要素の勢いや構成要素間の相互作用により、駆動アセンブリの延設されている構成要素が変形/伸長する。この伸長により、次に、ダイパック8及びドーマー9に対するラムアセンブリ7の位置が変化する。より具体的には、ラム/パンチの遠位端は要するに、ドーマーを越えてしまうことになるだろう。この状態は、本明細書では「オーバーストローク」と称される。即ち、本明細書では、ラム/パンチの「オーバーストローク」とは、ラムが第2の位置にある場合に、ラム(及び/又は他の構成要素)の伸長により、ラム/パンチの遠位端がカップにドームを形成するのに必要な位置を超えて配置されること、即ち、ラム/パンチの遠位端がドーマーに近づき過ぎて、ラム/パンチ、ドーマーが損傷し、及び/又は、缶ボディが不適切に形成されるという結果になり得ることを意味する。そのようなオーバーストロークとそれに起因する損傷とを防止するため、従来技術の構成における成形構成の配置は、典型的には、最大生産速度に調整され、従って最大変形に合わせて配置され、低速(故に、より小さい変形)での運転については適切に配置されていない。従って、最大生産速度未満で起こり得る損傷や不適切に形成された缶ボディを避けるために、このような配置のフライホイールは、必要とされる最大速度の80%以上の速度で、缶を作ることなく2回を超えないストロークで成形ラムの運動機構に係合しなければならない。このような係合はかなり急で、強いクラッチが必要とされる。これらは問題である。
【0009】
缶及び/又は缶ボディの製造プロセスで使用される成形装置には、駆動アセンブリにカムを使用するものがあることに留意のこと。例えば、缶ボディにネックを作る機械である「ネッカー」マシンでは、固定カムディスクと回転成形アセンブリとが使用されることが多い。つまり、カムディスクはハウジングやその他のマウントに固定され、複数の成形アセンブリはカムの周りで動く。成形アセンブリが動くと、成形アセンブリはカムと係合して、カムは、ダイと成形アセンブリ内のその他の成形要素とを駆動する。故に、カムは静的に、成形アセンブリは動的に取り付けられる。つまり、成形アセンブリの内部構成要素が相対的に動く一方で、成形アセンブリ全体も動く。一般的に、成形アセンブリ用のマウントアセンブリは複雑で、損耗しやすい。これは問題である。つまり、静的なカムと動的に装着された成形アセンブリとを有することは問題である。
【0010】
更に、上述した図1の駆動アセンブリの連動機構は、揺動を受ける少なくとも3つの回転結合(コネクティングロッド6A/スイングアーム5、スイングアーム5/コネクティングロッド6B、コネクティングロッド6B/キャリッジ7A)を含んでいる。これらの回転結合は、以下、本明細書では「ピボット(pivotal)」結合と称される。メンテナンスが必要とされる場合や、駆動アセンブリ及び成形アセンブリを別の駆動アセンブリ及び成形アセンブリに交換して特徴が異なる缶ボディを作る場合には、技術者は、各回転/ピボット結合にて複数回の分離/結合操作を行う必要がある。ピボット結合で連結された構成要素の交換は時間のかかるプロセスである。例えば、駆動アセンブリ構成要素が交換されている間、ボディメーカーは運転されない。そのため、ピボット結合を含む駆動アセンブリ2は問題である。
【0011】
言い換えると、駆動アセンブリ2の駆動装置、即ち、動きを発生させる構造(上述の実施形態ではモータである)は、多要素連動機構、即ち、クランク4/スイングアーム5/第1のコネクティングロッド6A/第2のコネクティングロッド6Bを介してラムアセンブリ7に動作可能に結合される。このような多要素連動機構は、モータとラムアセンブリの間で「ダイレクト動作結合要素」として機能することはできない。これは問題である。何故ならば、構成要素の数が増えると、コスト、駆動アセンブリの重量、駆動アセンブリの動作に必要なエネルギが増加するからである。
【0012】
更に、成形アセンブリの個々の構成要素が設置される際に、それら構成要素は互いに慎重に位置決めされる必要がある。例えば、ラムは、ダイパックを通る成形通路とドーマーとに対して揃えられている必要がある。成形アセンブリには互いに完全に分離した複数の要素があることから、このプロセスはかなりの時間を要し、その間、ボディメーカーは稼働しない。これは問題である。即ち、可動な構成要素が成形アセンブリの静止構成要素と揃えられた状態に維持されない成形アセンブリは、問題である。
【0013】
駆動アセンブリの速度が上がるにつれて、これらの問題はより深刻になるものと理解される。故に、このような駆動アセンブリを有するボディメーカーが作れる缶ボディの数には限界がある。更に缶ボディを作ることを可能にする1つの改変は、第2の成形アセンブリを含んでいる。第2の成形アセンブリは、第1の成形アセンブリのラムアセンブリとは反対に動くラムアセンブリを含む。即ち、概して、クランクは2つの別々のラムに動作可能に結合される。第1のラムアセンブリが第1の位置にある場合、第2のラムアセンブリは第2の位置にあり、第1のラムアセンブリが第2の位置にある場合、第2のラムアセンブリは第1の位置にある。故に、それらのラムは、概ね互いに反対方向に動く。この構成により、ボディメーカーの生産量は実質的に2倍となる。この構成の問題点は、一方のラムアセンブリの交換又は修理が必要な場合、両方のラムアセンブリが動作不能になることである。即ち、バランスと同様の問題に起因して、駆動アセンブリに結合された成形アセンブリ/ラムアセンブリが全てでない状態でボディメーカーを動作させることは不可能である。これは問題である。
【0014】
更に、2つのラムが概ね互いに反対方向に動くこのようなボディメーカーでは、ラムの移動方向の反転などのある種の動作が同時に又はほぼ同時に起こる。故に、両方のラムが同時に「ホイップラッシュ」を受ける。これは問題である。何故ならば、このような同時動作は好ましくない振動を発生させ、しかも、その振動はラムが1つであるボディメーカーよりも強いからである。つまり、振動を発生させる動作が異なるラム本体に対して起こることは好ましくない。これは問題である。
【0015】
更に、駆動アセンブリ及び/又はラムアセンブリの構成要素が一定の動きをする場合には、ラムストロークの長さ、即ち第1の位置と第2の位置の間の距離は、より大きくなる必要がある。即ち、上述したように、ダイパックで成形される前に、カップは、ダイパックにてラム/パンチの前に配置される必要がある。一般的に、カップフィーダや同様な装置は、ラムがダイパックから引き出されると直ぐに、カップをダイパックの入口の位置まで移動し始めるように構成されている。ラムは一定の動きであることから、ラムは、カップが配置されている間、常に動いているはずである。つまり、ラムは、一旦ダイパックから引き込まれると停止できない。従って、ラムが前方に移動してカップと係合してダイパックを通ってカップを移動させる前に、カップがダイパックの入口に配置されるのに十分な時間があるように、ラムのストローク長は十分に長い必要がある。故に、ストロークの長さが問題になる。
【0016】
12オンスの標準飲料缶ボディの場合、ラムアセンブリは、19インチ乃至24インチ、場合によってはそれを超える距離を移動する。即ち、例えば、ラム本体7Bの遠位端は、引き込まれている第1の位置から伸ばされている第2の位置にラム本体7Bが移動する際に、19インチ乃至24インチ以上の距離を移動する。ラムが移動する距離は、本明細書では、「ストローク長」と称する。ストローク長が長くなるほど、駆動アセンブリの構成要素をより大きく、より長くする必要がある。構成要素が大きく/長くなると、動かすのにより多くのエネルギが求められる。これは問題である。より小さい/より短い構成要素が望ましい。つまり、より小さい/より短い構成要素は、ストローク長を短くして重量を減らすことができる。軽量化された構成要素の動作に必要なエネルギは少なくなる。故に、ストローク長の短いボディメーカーが望まれており、それは、これらの問題を解決するであろう。
【0017】
従って、クランク、スイングアーム、及び/又は揺動コネクティングロッドの何れをも含まないボディメーカー駆動アセンブリが必要とされている。更に、1分間に多数の缶ボディを製造するように構成された、1分間に非常に多数の缶ボディを製造するように構成された、1分間に極めて多数の缶ボディを製造するように構成されたボディメーカーが必要とされている。更に、駆動アセンブリが成形アセンブリに動きを与えて、その動きの少なくとも一部は等速度である、ボディメーカー駆動アセンブリが必要とされている。更に、可動な成形アセンブリ構成要素の方向に急激な又は瞬間的な変化を生じさせないボディメーカー駆動アセンブリが、即ち、方向を変える前に可動な成形アセンブリ構成要素を停止させるように構成されたボディメーカー駆動アセンブリが必要とされている。更に、ピボット結合を含まないボディメーカー駆動アセンブリが必要とされている。更に、統合された成形アセンブリを有するボディメーカーが必要とされている。更に、複数の成形アセンブリを有するボディメーカーであって、複数の成形アセンブリの全てが係合されていない場合であっても、ボディメーカーがなお動作可能であるボディメーカーが必要とされている。更に、ストローク長が短くされたボディメーカー駆動アセンブリが必要とされている。
【0018】
ボディメーカーの生産量を増加させるもう一つの方法は、複数のラムを一つの駆動アセンブリによって駆動させることである。即ち、ある種のボディメーカーは、複数の駆動アセンブリを含んでおり、各駆動アセンブリは独立したラムと関連している。これらは、基本的に独立している複数のボディメーカーであって、互いに繋がれた別々の駆動アセンブリを有している。これは、連結されたボディメーカーのタイミングを制御するためになされている。この構成のボディメーカーは、1つの駆動アセンブリで駆動する複数のラムを含んでいない。しかしながら、その他のボディメーカーは、複数のラムを駆動するように構成された単一の駆動アセンブリを有している。
【0019】
例えば、米国特許第9,162,274号は、単一のモータを有するダブルアクションボディメーカーを開示しており、そのモータはオフセットジャーナルを有するクランクに結合され、更にそれらオフセットジャーナルは別個の2つのラムに結合される。それら2つのラムは、互いに反対方向に動く。より具体的には、先述のボディメーカーと比較すると、このダブルアクションボディメーカーは、単一のモータ、(2つのジャーナルを有する)単一のクランク、2つのスイングレバー、及び2つのラムを含んでいる。それらのラムは概ね反対方向に延びており、互いに反対方向に動く。つまり、第1のラムが第1の位置にある場合に、第2のラムは第2の位置にある。更に、この構成のボディメーカーは、2つの揺動要素、即ちスイングレバーを含んでいる。
【0020】
別の例として、米国特許第10,343,208号は、単一のモータを有する鉛直型ボディメーカーを開示しており、そのモータは、オフセットジャーナルを有する単一のクランクを介して、2つの別々のラムアセンブリに結合される。それらのラムは、互いに対して反対に、しかしながら同じ方向で動く。より具体的には、上述のボディメーカーと比較した場合、鉛直型ボディメーカーは、1つのモータ、(2つのジャーナルを有する)1つのクランク、2つのコネクティングロッド、及び2つのラムアセンブリを含んでいる。米国特許第10,343,208号は、図示されていない実施形態において、ボディメーカーが3つ以上のラムアセンブリを含むことに言及している。この構成では、例えば、同期した2つのラムアセンブリが同時に第2の位置に向かって移動し、同期した2つのラムアセンブリが同時に第1の位置に向かって移動することになるだろう。つまり、ラムアセンブリのそれらの対は、互いに反対方向に動く。
【0021】
別の例では、米国特許第7,882,721号は、クランクアームを有するギアボックスに結合された単一のモータを有するボディメーカーを開示しており、そのクランクアームは、2つのラムアセンブリに動作可能に結合される。この構成では、2つのラムは互いに対して反対方向に動く。
【0022】
米国特許第9,162,274号のスイングレバーと米国特許第10,343,208号のコネクティングロッドは、上述した図1の「スイングアーム5」と実質的に同じである。つまり、クランクと、「スイングアーム5」及び/又は前述した類似の構成要素との組合せは、モータ出力シャフトの回転運動をラムの往復運動に変換する構造である。ガイドと他の構造体は、ラムが移動する経路を制御又は制限するが、クランク/スイングアーム(又は同様の構造体)は、モータ出力シャフトの回転運動をラムの往復運動に変換する構成要素であると理解される。同様に、米国特許第7,882,721号のギアボックスは、モータ出力シャフトの回転運動をラムの往復運動に変換している。このような構成は、モータ出力シャフトの回転運動をラムの往復運動に変換するためにモータが複数の構成要素を駆動する必要がある点で問題である。つまり、クランク/スイングアーム/ギアボックスの構成要素は重いので、重い構成要素を駆動できるようにモータはより頑丈である必要がある。このようなモータは高価である。更に、クランク/スイングアーム/ギアボックスは損耗しやすい。従って、複数のスイングアーム又はギアボックスを有するボディメーカーの維持により費用を要することになる。これらが従来技術の問題である。
【0023】
更に、このようなボディメーカーでは、駆動アセンブリは、ラムアセンブリを同時に動作させるように構成、即ちバランスされている。即ち、例えば、2つのラムアセンブリのうちの1つが動作していない場合、負荷/無効負荷がアンバランスになり駆動アセンブリが動作不能になるので、ボディメーカーは1つのラムアセンブリでは使用することができない。
【0024】
更に、ボディメーカーのアウトプットを増やすことが望ましい一方で、ボディメーカーが必要とする床スペースを増やすことは望ましくない。即ち、例えば、図1に概要を示す1台のStandunボディメーカー(Stolle Machinery Company,LLC製)は、配置に約333平方フィートを占める。表向きは、2つのこのようなボディメーカーに1つのハウジングを用意し、生産量が2倍になったと言うこともできる。しかし、そのようなボディメーカーが必要とする床スペースは、1つのボディメーカーが必要とする床スペースの約2倍であろうと理解される。これは問題である。つまり、1つのボディメーカーが必要とする床スペースを抑えながら、ボディメーカーの生産量を増やすことが問題とされている。
【0025】
従って、ダイレクトラム駆動アセンブリ、即ちスイングアームやギアボックスを含まないラム駆動アセンブリを備えたボディメーカーが必要とされている。更に、2つのラム本体が一度に同じ中間位置にないように、及び/又は、成形アセンブリが非対称成形アセンブリであるように構成されたラム駆動アセンブリを有するボディメーカーが必要とされている。更に、成形アセンブリがフルセットでなくとも動作するように構成されたラム駆動アセンブリを有するボディメーカーが必要とされている。つまり、ラム駆動の負荷が制限されたボディメーカーが更に必要とされている。更に、1分間に多数の缶ボディを製造するように構成された、1分間に非常に多数の缶ボディを製造するように構成された、1分間に極めて多数の缶ボディを製造するように構成されたボディメーカーが必要とされている。更に、そのようなボディメーカーには、占有する床スペースを小さくする必要がある。このようなボディメーカーは、単一ソース/マルチアウトプットラム駆動アセンブリを有することが更に必要とされている。以下に説明するボディメーカー及びその変形例は、上述の課題を解決するものである。
【発明の概要】
【0026】
これら及びその他の要請は、開示された概念の少なくとも1つの実施形態によって満たされ、当該実施形態は、缶ボディメーカー用カムフォロアアセンブリを提供する。カムフォロアアセンブリは、缶ボディメーカーのラム本体の近位端部に結合するように構成されたスライダと、スライダに回転可能に結合された複数のカムフォロア部材とを備えており、複数のカムフォロア部材は、ラム駆動アセンブリのカムに動作可能に結合するように構成されている。
【0027】
カムフォロワアセンブリは、協働するように配置された対応するベアリング部材と係合するように配置及び構成された幾つかの静圧/動圧ベアリングパッドを有するカムフォロワベアリングアセンブリを更に備えてよい。
【0028】
各ベアリングパッドは凹状ベアリングポケットを含んでおり、その凹状ベアリングポケットは、提供されるベアリング流体の加圧供給を概ね収容するように構成されてよい。
【0029】
スライダは、スライダ本体と、スライダ本体から上方に延びる上側フレーム部とを備えており、幾つかの静圧/動圧ベアリングパッドは、上側フレーム部に設けられてよい。
【0030】
スライダ本体の上側フレーム部は、スライダ本体の第1の縁部又はその付近から概ね上方に延びる第1の部材と、スライダ本体の第2の縁部又はその付近から概ね上方に延びる第2の部材と、第1の部材と第2の部材の間に延びており、ある距離だけスライダ本体の上方に離れた第3の部材とを備えてよい。
【0031】
幾つかの静圧/動圧ベアリングパッドは、第1の部材の外向き面に結合された第1のベアリングパッドと、第2の部材の外向き面に結合された第2のベアリングパッドと、第3の部材の上向き面に結合された第3のベアリングパッドとを含んでよい。
【0032】
スライダは、スライダ本体から下方に延びる下側フレーム部を更に備えてよい。
【0033】
下側フレーム部は、スライダ本体の第1の縁部又はその付近から概ね下方に延びる第1の部材と、第1の縁部とは反対側のスライダ本体の第2の縁部又はその付近から概ね下方に延びる第2の部材と、第1の部材と第2の部材1との間に延びており、ある距離だけスライダ本体の下方に離れている第3の部材とを含んでいる。
【0034】
各カムフォロアはローラーベアリングを備えてよい。
【0035】
複数のローラーベアリングの1つは、複数のローラーベアリングの他の1つから第1の距離を置いて配置される第1の配置と、複数のローラーベアリングの他の1つから第1の距離とは異なる第2の距離を置いて配置される第2の配置との間で位置決め可能な偏心ブッシュを含む。
【0036】
開示された概念の別の実施形態として、缶ボディメーカー用可動アセンブリは、近位端部と反対側の遠位端部とを含む延設されたラム本体を含むラムアセンブリと、先に説明したカムフォロアアセンブリとを備えている。
【0037】
開示された概念の更に別の実施形態として、缶ボディメーカーは、ディスクカム又はバレルカムのうちの1つを含むラム駆動アセンブリと、先に説明した可動アセンブリとを備える。
【図面の簡単な説明】
【0038】
開示されている概念は、添付図面と併せて読むことで、好適な実施形態に関する以下の説明から十分に理解することができる。
【0039】
図1図1は、従来技術のボディメーカーの概略を示す側面図である。
図2図2は、開示される概念の例示的な一実施形態に基づく、ディスクカムで駆動される4つの成形アセンブリを有するボディメーカーの概略を示す平面図である。
図3図3は、図2に示された線に沿って破断された図2のボディメーカーの概略を示す部分側断面図である。
図4図4は、図2及び図3のボディメーカーの成形アセンブリの(図3にて指定されている)詳細を示す側断面図であり、ディスクカムとの作動係合配置で示されている。
図5図5は、図2乃至図4のボディメーカーのカムフォロアの(図4にて指定されている)詳細を示す側断面図である。
図6図6は、図2及び図3のボディメーカーの別の成形アセンブリの(図3にて指定されている)詳細を示す側断面図であり、ディスクカムから離れた非作動係合解除配置で示されている。
図7A図7Aは、開示される概念の例示的な一実施形態に基づくラムガイドアセンブリの概略を示す平面図であり、以下に詳細が示される一部は取り除かれている。
図7B図7Bは、図7Aに示すように破断した、図7Aのラムガイドアセンブリの概略を示す側断面図である。
図7C図7Cは、図7Aに示すように破断した、図7A及び図7Bのラムガイドアセンブリの概略を示す断面図である。
図7D図7Dは、図7A乃至図7Cのラムガイドアセンブリのカムフォロアの一部の概略を示す斜視図である。
図8A図8Aは、開示された概念の例示的な一実施形態による再絞りアセンブリの概略を示す平面図である。
図8B図8Bは、図8Aに示すように破断した、図8Aの再絞りアセンブリの概略を示す断面図である。
図8C図8Cは、図8Bに示すように破断した、図8A及び図8Bの再絞りアセンブリの概略を示す断面図である。
図9A図9Aは、開示された概念の一例示的な実施形態による再絞りアセンブリの概略を示す平面図である。
図9B図9Bは、図9Aに示すように破断された、図9Aの再絞りアセンブリの概略を示す断面図である。
図9C図9Cは、図9Bに示すように破断した、図9A及び図9Bの再絞りアセンブリの概略を示す断面図である。
図10図10は、開示される概念の例示的な一実施形態に基づく、バレルカムによって駆動される2つの成形アセンブリを有するボディメーカーの概略を示す平面図である。
図11図11は、図10に示された線に沿って破断された、図10のボディメーカーの概略を示す部分側断面図である。
図12図12は、開示された概念の例示的な一実施形態に基づくカムの概略を示す平面図である。
図12A図12Aは、図12のカムに関連するストローク中におけるパンチの変位を示すグラフである。
図12B図12Bは、図12のカムに関連するストローク中におけるパンチの速度を示すグラフである。
図12C図12Cは、図12のカムに関連するストローク中のパンチの加速度を示すグラフである。
図13図13は、開示された概念の例示的な一実施形態に基づく、8つの成形アセンブリと関連する機械とを有するボディメーカーの概略を示す平面図である。
図14図14は、従来技術の8つのボディメーカーと関連する機械とが公知の方法と必要とされる間隔で配置された概略を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図面に示されており、以下の説明に記載されている具体的な要素及び実施形態は単に、開示される概念の例示的な実施形態に過ぎず、例示のためだけに非限定的な例として提供されることは理解される。従って、特定の寸法、向き、アセンブリ、使用される構成要素の数、実施形態の構成、及び本明細書に開示される実施形態のその他の物理的特性は、開示される概念の範囲に関する限定とみなされるべきではない。
【0041】
本明細書で使用される方向表現、例えば、時計回り、反時計回り、左、右、上、下、上方、下方、及びその派生語は、図示される要素の向きに関連しており、請求項に明示されない限り請求項を限定するものではない。
【0042】
本明細書では、「ある」及び「その」の単数形は、文脈上特に明示されない限り、複数形を含む。
【0043】
本明細書では、「可動に結合される」とは、2つの要素が、それら要素の結合を解除することなく、他方の要素に対するそれら要素の一方又は両方の少なくとも幾らかの動きが許容されるように結合されることを意味する。例えば、ドアは、1又は複数のヒンジによってドアフレームに「動作可能に結合」される。
【0044】
本明細書では、「選択的に結合」とは、2つ以上の要素が、それら要素の何れかに損傷を与えることなく容易に外れることができる態様で結合されていることを意味する。例えば、ボルトとネジで結合されている2つの要素は「選択的に結合」されているが、接着剤又は溶接で結合されている2つの要素は、本明細書では、「選択的に結合」されてはいない。
【0045】
本明細書では、「[動詞]するように構成された」は、特定された要素又はアセンブリが、特定された動詞を実行するように形成された、サイズ決めされた、配置された、結合された、及び/又は構成された構造を有することを意味する。例えば、「動くように構成された」部材は、別の要素に可動に結合されており、その部材を動かす要素を含んでいるか、或いは、当該部材は、別のやり方で別の要素又はアセンブリに応答して動くように構成されている。よって、本明細書では、「[動詞]するように構成された」は、機能ではなく構造を述べている。更に、本明細書では、「[動詞]するように構成された」は、特定された要素又はアセンブリが、特定された動詞を実行するように意図及び設計されることを意味する。よって、特定された動詞を単に実行できるだけで、特定された動詞を実行するように意図及び設計されていない要素は、「[動詞]するように構成され」ていない。
【0046】
本明細書では、限定ではないが、「[X]は[Y]を[動詞]するように構成されている」のような用語において、「[Y]」は言及される構成要素ではない。むしろ、「[Y]」は、「[X]」の構造を更に画定する。つまり、次の2つの例では、「[X]」が「マウント」であり、「[動詞]」が「支持する」と仮定する。第1の例では、完全な表現は、「飛ぶ鳥を支持するように構成されたマウント」である。つまり、この例では、「[Y]」は「飛ぶ鳥」である。飛ぶ鳥は、泳ぐ鳥又は歩く鳥とは異なり、一般的には枝を掴んで支えることが知られている。従って、マウント、即ち「[X]」が、鳥を支えるように「構成されている」ためには、マウントは、鳥が枝のように掴むことができるような形状と大きさにされる。しかしながら、これは、鳥が構成要素であることを意味してはいない。第2の例では、「[Y]」は家であり、つまり、第2の例示的な表現は、「家を支えるように構成されたマウント」である。この例では、家が基礎で支えられることはよく知られており、マウントは基礎として構成されている。先と同じく、家が構成要素にされているのではなく、マウントの形状、サイズ、及び構成が、即ち、「[X]は[Y]を[動詞]するように構成されている」における[X]の形状、サイズ、及び構成が定義されているのである。
【0047】
本明細書では、「関連する」は、要素が同じアセンブリの一部である、及び/又は共に動作する、又は何らかの方法で相互に作用することを意味する。例えば、自動車は4つのタイヤと4つのハブキャップとを有する。全ての要素が自動車の部品と結合されているが、各ハブキャップは特定のタイヤと「関連する」と理解される。
【0048】
本明細書では、「結合アセンブリ」は、2つの又は2つを超える結合又は結合要素を含む。結合又は結合アセンブリの構成要素は概ね、同じ要素又は他の構成要素の一部ではない。よって、「結合アセンブリ」の構成要素は、以下の説明で同時に記載されないことがある。
【0049】
更に、本明細書では、「協働結合」又は「協働結合アセンブリ」は、2つ以上の結合又は結合要素を含む。協働結合アセンブリの構成要素は概ね、同じ要素又は他の構成要素の一部ではない。そのため、「協働結合アセンブリ」の構成要素は、以下の説明において同時に記載されないことがある。「協働結合アセンブリ」としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:(1)ナットと、ボルトと、ボルトが貫通する他の要素における通路との組合せ、(2)ねじ/リベットと、ねじ/リベットが貫通する他の要素の通路、(3)さねはぎ(tongue-and-groove)アセンブリ。
【0050】
本明細書では、「ユニラテラル(unilateral)結合」又は「ユニラテラル結合アセンブリ」は、他の要素又はアセンブリに結合されるように構成された構造体であって、他の要素又はアセンブリは、「ユニラテラル結合」に結合されるように構成されていない構造体を意味する。「ユニラテラル結合アセンブリ」には、クランプ、張力部材(例えば、ロープ)、や接着構造体が含まれるが、これらに限定されない。更に、「ユニラテラル結合アセンブリ」としてのそのような構造体の性質は、結合アセンブリが結合される他の要素に依存することは理解される。つまり、例えば馬の手綱は、木と結合する場合、木は手綱と結合するように構成された構造体ではないことから、「ユニラテラル結合」である。逆に言えば、馬の手綱は、ヒッチポストに結合される場合、ヒッチポストが手綱に結合するように構成された構造体であることから、「協働結合」となる。
【0051】
本明細書では、「結合」又は「結合要素」は、「結合アセンブリ」の1つ又は複数の構成要素、即ち、「協働結合」又は「ユニラテラル結合」の何れかである。即ち、協働結合アセンブリは、互いに結合されるように構成された少なくとも2つの構成要素を含む。協働結合アセンブリの構成要素は、互いに互換であることは理解される。例えば、協働結合アセンブリにおいて、一方の結合要素がスナップソケットであれば、他方の協働結合要素はスナッププラグであり、或いは、一方の協働結合要素がボルトであれば、他方の協働結合要素はナット(及びボルトが通る開口)又はネジ孔である。「ユニラテラル結合」では、「結合」又は「結合要素」は、他の構造体に結合する構成されている構造体である。例えば、ロープにループが形成されている場合、ロープのループは「結合」又は「結合要素」である。
【0052】
本明細書では、「締結具」は、2つ以上の要素を結合するように構成された別個の構成要素である。よって、例えば、ボルトは「締結具」であるが、さねはぎ継ぎは「締結具」ではない。つまり、さねはぎ要素は、結合されている要素の一部であって、別個の構成要素ではない。
【0053】
本明細書では、2つ以上の部品又は構成要素が「結合される」という表現は、リンクが発生する限り、それらの部品が、直接的、又は間接的に、即ち、1つ以上の中間部品又は構成要素を介して共に連結される又は動作することを意味する。本明細書では、「直接結合される」は、2つの要素が互いに直接接触することを意味する。本明細書では、「固定的に結合される」又は「固定される」は、2つの構成要素が、互いに対して一定の向きを維持しながら移動するように結合されることを意味する。従って、2つの要素が結合されると、これらの要素の全ての部分が結合される。しかしながら、第1の要素の特定の部分が第2の要素に結合される、例えば、軸体の第1の端部が第1のホイールに結合されるというような記載は、第1の要素の特定の部分が、第1の要素の他の部分に比べて第2の要素により近く配置されることを意味する。更に、重力によってのみ別の物体上の適所に載置されている物体は、上側の物体がそれ以外の方法でほぼ適所に保持されない限り、下側の物体に「結合」されていない。つまり、例えば、テーブル上の本はテーブルに結合されていないが、テーブルに糊付けされた本はテーブルに結合されている。
【0054】
本明細書では、「着脱可能に結合される」又は「一時的に結合される」という表現は、ある構成要素が別の構成要素に実質的に一時的に結合されることを意味する。つまり、2つの構成要素は、構成要素どうしの連結又は分離が容易であり、構成要素にダメージを及ぼさないように結合される。例えば、限られた数の、容易にアクセス可能な締結具、即ち、アクセスが難しくない締結具によって相互に固定された2つの構成要素は、「着脱可能に結合され」ており、溶接された、又はアクセスが困難な締結具によって連結された2つの構成要素は、「着脱可能に結合され」ていない。「アクセスが困難な締結具」は、締結具へのアクセスの前に1又は複数の他の構成要素を取り外す必要がある締結具のことであり、「他の構成要素」は、限定はされないが、例えばドアなどのアクセス手段ではない。
【0055】
本明細書では、「一時的に配置される」は、第1の要素を分離すること又はそれ以外の形で操作することなく第1の要素/アセンブリを動かせるように、第1の要素又はアセンブリが第2の要素又はアセンブリにあることを意味する。例えば、テーブルに単に載っている本、即ち、テーブルに糊付け又は固定されていない本は、テーブルに「一時的に配置される」。
【0056】
本明細書では、「動作可能に結合される」は、第1の位置と第2の位置の間で、又は第1の配置と第2の配置の間で移動可能な複数の要素又はアセンブリが、第1の要素が一方の位置/配置から他方の位置/配置に動き、第2の要素も両者の位置/配置間で動くように結合されることを意味する。なお、逆が成り立たないように、第1の要素が別の要素に「動作可能に結合され」てもよい。電子機器に関しては、第1の電子機器が第2の電子機器に信号又は電流を送って第2の電子機器を作動させる、さもなければ給電する又はアクティブにするように構成されている場合、第1の電子機器は第2の電子機器に「動作可能に結合され」ている。
【0057】
本明細書では、2つの又は2つを超える部品又は構成要素が相互に「係合する」という表現は、それらの要素が、直接的に、或いは、1又は複数の中間要素若しくは構成要素を介して相互に力を及ぼすこと、又は付勢することを意味する。更に、移動する部品について、本明細書では、移動する部品は、ある位置から別の位置への移動中に別の要素に「係合し」てよく、及び/又は、一旦記載された位置に至ると別の要素に「係合し」てよい。故に、「要素Aは、要素の第1の位置に移動すると、要素Bに係合する」と、「要素Aは、要素の第1の位置にあると、要素Bに係合する」とは等価の表現であり、この表現は、要素Aは、要素の第1の位置に移動する間に要素Bに係合する、及び/又は、要素の第1の位置にある間に要素Bに係合することを意味すると理解される。
【0058】
本明細書では、「作動的に係合する」は、「係合し、移動する」ことを意味する。つまり、「作動的に係合する」は、可動な又は回転可能な第2の構成要素を動かすように構成された第1の構成要素について使用される場合、第1の構成要素が、第2の構成要素を動かすために十分な力を加えることを意味する。例えば、ねじ回しは、ねじと接触させて配置できる。力がねじ回しに加えられないと、ねじ回しは、単にねじに「一時的に結合される」だけである。軸方向の力がねじ回しに加えられると、ねじ回しがねじに押しつけられて、ねじに「係合する」。しかしながら、回転力がねじ回しに加えられると、ねじ回しは、ねじに「作動的に係合し」て、ねじを回転させる。更に、電子部品の場合、「作動的に係合する」とは、ある部品が制御信号又は電流によって別の部品を制御することを意味する。
【0059】
本明細書では、「[x]が第1の位置と第2の位置との間を移動する」、又は「[y]が、第1の位置と第2の位置との間で[x]を移動させるように構成される」という表現において、「[x]」は、要素又はアセンブリの名称である。更に、[x]が複数の位置の間で移動する要素又はアセンブリである場合、「その」という代名詞は、「[x]」、即ち、「その」という代名詞の後に言及される要素又はアセンブリを意味する。
【0060】
本明細書では、「対応する」は、2つの構造構成要素が相互に類似したサイズと形状を有し、最小摩擦量で結合できることを示す。故に、部材に「対応する」開口は、その部材が最小摩擦量で開口を通過できるように、部材よりも僅かに大きいサイズを有する。この定義は、2つの構成要素が「ぴったりと」嵌まる場合には変更される。かかる状況では、構成要素間の寸法差が更に小さくなることで、摩擦量が増加する。開口を画定する要素及び/又は開口に挿入される構成要素が、変形可能又は圧縮可能な材料から作られている場合、開口は、開口に挿入される構成要素よりも僅かに小さくてよい。表面、形状、及び線に関して、2つ以上の「対応する」表面、形状、又は線は略同一のサイズ、形状、及び輪郭を有する。可動な又は設定可能な要素/アセンブリについて、「対応する」は、要素/アセンブリが関連しており、一方の要素/アセンブリが移動する/再設定されると、他方の要素/アセンブリも所定の方法で移動する/再設定されることを意味する。例えば、中央支点と細長い板とを含むレバー、即ち「シーソー」又は「ティータートッター」は、板は第1の端と第2の端とを有している。板の第1の端が上昇位置にあると、板の第2の端は下降位置にある。板の第1の端が下降位置に移動すると、板の第2の端が「対応する」上昇位置に移動する。また、エンジンのカムシャフトは、第1のピストンに動作可能に結合される第1のローブを有する。第1のローブ(lobe)が上方に移動すると、第1のピストンが「対応する」上方位置に移動し、第1のローブが下方に移動すると、第1のピストンは「対応する」下方位置に移動する。
【0061】
本明細書では、「移動経路」又は「経路」は、移動する要素に関連して使用される場合、移動中に要素が通る空間を含む。よって、移動する要素は、「移動経路」又は「経路」を本質的に有する。更に、「移動経路」又は「経路」は、識別可能な1つの構造体における、別の物体に対する全体としての動きに関連している。例えば、道路が完全に滑らかである仮定すると、自動車の回転するホイール(識別可能な構造体)は、自動車の車体(別の物体)に対してほとんど移動しない。即ち、ホイールは全体として、例えば隣接するフェンダーに対して位置を変えない。故に、回転するホイールには、自動車の車体に対する「移動経路」又は「経路」はない。逆に、そのホイールの空気吸入弁(識別可能な構造体)には、自動車の車体に対する「移動経路」又は「経路」がある。つまり、ホイールが回転して動いている間、吸気弁全体は、自動車の車体に対して移動する。
【0062】
本明細書では、「板状体」又は「板状部材」は、概ね薄い要素であって、対向しており、広くて概ね平行な表面、即ち、板状部材の平面と、広い平行な表面の間で延びるより細い縁面とを含んでいる。即ち、本明細書では、「板状」要素は、2つの対向する平面を有しており、それらの間に縁面が延びることが本質的である。外周、そして縁面は、例えば、クレジットカードのような長方形の板状部材の場合のように概ね真っ直ぐな部分を含んでよく、又は、コインのような円板の場合のように曲ってよく、又は他の任意の形状を有してよい。
【0063】
本明細書では、「一体」という文言は、単一の片又はユニットとして作製されている構成要素を意味する。つまり、別個に作製された後に互いにユニットとして結合された複数の片を含む構成要素は、「一体型」構成要素又は「一体型」構造体ではない。
【0064】
本明細書では、「統合された」とは、アセンブリの全ての要素が単一の場所に、及び/又は、単一のハウジング、フレーム若しくは同様の構造体内に配置されることを意味する。
【0065】
本明細書では、「幾つか」という用語は、1又はそれを超える整数(即ち、複数)を意味する。即ち、例えば、「幾つかの要素」という語句は、1つの要素又は複数の要素を意味する。「幾つかの[x]」は、単一の[x]を含むことに特に留意のこと。
【0066】
本明細書では、円状体又は円柱体の「径方向側面/面」は、その中心又は中心を通る高さ線の周りに延びる、或いは、その中心又は中心を通る高さ線を囲む側面/面である。本明細書では、円状体又は円柱体の「軸方向側面/面」は、中心を通る高さ線に略垂直に延びる平面内に延びる面である。つまり、一般的には、円柱状スープ缶の場合、「径方向側面/面」は略円状側壁であり、「軸方向側面/面」はスープ缶の頂部と底部である。更に、本明細書では、「径方向に延びる」は、半径方向に延びる、又は、半径方向線に沿って延びることを意味する。即ち、例えば、「径方向に延びる」線は、円又は円柱の中心から径方向側面/面へ向けて延びる。更に、本明細書では、「軸方向に延びる」は、軸方向に延びる、又は、軸に沿って延びることを意味する。即ち、例えば、「軸方向に延びる」線は、円柱の底部から円柱の頂部へ向かって略柱の長手方向中心軸と略平行に又はそれに沿って延びる。
【0067】
本明細書では、「張力部材」は、張力に曝されると長さが最大になるが、そうでなければ、実質的に柔軟な構造体であって、例えば、鎖やケーブルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0068】
本明細書では、「概ね曲線状」とは、複数の曲線部、曲線部及び平坦部の組合せ、或いは、相互に角度を成すように配置されて曲線を形成する複数の直線/平坦部又はセグメントを有する要素を含む。
【0069】
本明細書では、「延設された」要素は、延出方向に延びる長手方向軸及び/又は長手方向線を本質的に含む。
【0070】
本明細書では、「[要素、点、又は軸]を中心に配置される」、又は「[要素、点、又は軸]を中心に延びる」、又は「[要素、点、又は軸]を中心に[X]度」などの表現における「中心に」は、それを中心に囲う、延びる、又は測定されることを意味する。測定値に関連して又はそれに類似した状況で使用される場合、「約」は、「おおよそ」、即ち、当業者によって理解される、測定値に関する近似的な範囲を意味する。
【0071】
本明細書では、「一般的」は、当業者によって理解されるように、修飾される用語に関連して「一般的な方法で」を意味する。
【0072】
本明細書では、「実質的に」は、当業者によって理解されるように、修飾される用語に関連して「かなりの量又は度合いで」を意味する。
【0073】
本明細書では、「にて」は、当業者によって理解されるように、修飾される用語に関連して位置及びその近傍を意味する。
【0074】
本明細書では、「標準飲料缶」又は「標準飲料缶ボディ」は、限定ではないがソーダ又はビールのような12オンスの飲料用の概ね円筒状のアルミニウム製缶ボディを意味する。「標準飲料缶」には、「202飲料缶」やそれに類似した形状を有する缶が含まれるが、これらに限定されない。http://www.cancentral.com/beverage-cans/standardsを参照のこと。
【0075】
本明細書では、「動的」要素は、缶ボディを作る間に動く要素である。逆に、「静的」要素とは、缶ボディを作る間に動かない要素である。
【0076】
本明細書では、「協働」カム面とは、互いに概ね平行に延びており、同じ要素又は同じアセンブリに動作可能に結合するように構成された2つのカム面を意味する。例えば、概ねトロイド状のカム本体の径方向内面と径方向外面は、それら2つの表面が同じ要素又はアセンブリに動きを与える場合、「協働」カム面である。つまり、径方向内面と径方向外面は、互いに概ね平行に延びる。それら「協働」カム面は、必ずしも他の要素又はアセンブリと同時に作動的に係合するとは限らないことは理解される。即ち、それら「協働」カム面がリッジによって画定されている場合、それら「協働」カム面は、他の要素又はアセンブリと同時に作動的に係合しない。逆に、それら「協働」カム面が溝によって画定されている場合、それら「協働」カム面は選択的に、同時に他の要素又はアセンブリに作動的に係合する。即ち、それら「協働」カム面が溝によって画定されている場合、それら「協働」カム面又はそれらの部分は、同時に他の要素又はアセンブリと作動的に係合するように、又は、所定の時間に他の要素又はアセンブリと個別に作動的に係合するように構成されている。
【0077】
本明細書では、「ダイレクト」[ラム]駆動アセンブリは、限定ではないがスイングアームなどの揺動構造体なしで回転運動が往復運動に変換されるラムアセンブリ用の駆動アセンブリを意味する。更に、「ダイレクト」[ラム]駆動アセンブリとは、回転運動を往復運動に変換するように構成されたギアボックスを使用せずに、回転運動を往復運動に変換するラムアセンブリ用の駆動アセンブリを意味する。つまり、「ダイレクト」駆動アセンブリであるためには、駆動アセンブリの可動要素は、モータ出力シャフトと共に回転する、さもなければモータ出力シャフトの回転に対応するか、ラムアセンブリと共に概ね直線的に移動する。本明細書では、「モータ出力シャフトと共に回転する、さもなければモータ出力シャフトの回転に対応する」ことは、モータ出力シャフトの回転に対応する往復揺動運動を含まない。本明細書では、「ラムアセンブリ共に概ね直線的に移動する」とは、ラムアセンブリの経路と概ね平行であるか、又はそれと揃えられている経路上を要素が移動することを意味する。本明細書では、限定ではないがスイングアームのような揺動構造体は、「ラムアセンブリと共に概ね直線的に移動する」ことはできない。
【0078】
本明細書では、「単一ソース/[X]-アウトプットラム駆動アセンブリ」は、駆動アセンブリが、[X]個の成形アセンブリに動作可能に結合された単一のモータを、又は動きを発生させる似たような単一の構造を含むことを意味しており、ここで、「[X]」は1より大きい整数である。更に、「単一のモータ」は、動きを発生させる単一の構造又はアセンブリであって、成形アセンブリに動作可能に結合されるそのような唯一の構造を意味する。即ち、反例として、各モータがラムに結合されている筐体内に配置された2つのモータを有する駆動アセンブリを有するボディメーカーは、(モータが筐体内に配置されているので)単一の「駆動アセンブリ」を有すると記述することができるかも知れないが、何れのモータも、「動きを発生させる単一の構造又はアセンブリであって、成形アセンブリに動作可能に結合されるそのような唯一の構造」ではないので、駆動アセンブリは、「単一ソース/[X]-アウトプットラム駆動アセンブリ」ではない。言い換えると、単に複数のモータをハウジングや同様な構造に結合するだけでは、複数のモータを「単一のソース/[X]-アウトプットラム駆動アセンブリ」に変換することはできない。
【0079】
本明細書では、ボディメーカーラム駆動アセンブリの「一次回転軸」とは、回転するラム駆動アセンブリ要素の回転軸であって、その要素が複数のラムアセンブリ/ラム本体に動作可能に結合されるような回転軸を意味する。クランクが2つのスイングアームに動作可能に結合され、各スイングアームが別々のコネクティングロッドに結合され、各コネクティングロッドが別々のラムアセンブリ/ラム本体に結合されているようなボディメーカー駆動アセンブリにおいて、コネクティングロッドとラムアセンブリ/ラム本体の間の結合は、コネクティングロッドが単一のラムアセンブリ/ラム本体に動作可能に結合されているので「一次回転軸」ではないことに留意のこと。更に、「一次回転軸」とは、回転要素が揺動ではなく、回転することを意味する。つまり、例えばボディメーカーのクランクは、「一次回転軸」を有し得るが、ボディメーカーの揺動スイングアームは「一次回転軸」を有することはない。
【0080】
上述したように、ラム本体は、引き込まれた第1の位置と伸ばされた第2の位置との間を移動する。更に、ラム本体は、第1の位置と第2の位置との間に幾つかの中間位置がある経路にわたって移動する。故に、本明細書では、「中間位置」にあるラムアセンブリ又はラム本体は、ラムアセンブリ又はラム本体が第1の位置と第2の位置の間の位置に配置されることを意味する。更に、「中間位置」にあるラムアセンブリ又はラム本体は、ラムアセンブリ又はラム本体が第1の位置又は第2の位置の何れかに向かって動いていることを意味する。ラムアセンブリ又はラム本体の移動方向は、必要に応じて「前向き」又は「後向き」という用語で示される。即ち、ラム本体が第2の位置に向かって動いており、中間位置にある場合、ラム本体は、本明細書では、「前向き」中間位置にある。「前向き」なる用語は、中間位置にあるラムアセンブリ又はラム本体に関する方向を示す。逆に、ラムアセンブリ又はラム本体が第1の位置に向かって移動しており、中間位置にある場合、ラムアセンブリ又はラム本体は、本明細書では、「後向き」中間位置にある。「後向き」なる用語は、中間位置にあるラムアセンブリ又はラム本体に関する方向を示す。前述のとおり、「前向き」及び「後向き」という用語は、明確さが求められる場合に使用される。故に、本明細書では、「2つのラム本体が同時に同じ中間位置にない」という記載は、異なる2つのラムアセンブリ/ラム本体が第1の位置と第2の位置との間の中央位置にあるが、2つの異なるラムアセンブリ/ラム本体が異なる方向に移動しているような構成を含む。
【0081】
更に、本明細書では、ラム本体が正確に第1又は第2の位置にある場合、ラム本体は前向き又は後向きには移動していない。従って、第1又は第2の位置にあるラム本体は関連する方向を有さないことは理解される。更に、中間「位置」は「[X]%」で選択的に特定され、ここで、パーセントは、2つの端位置の間の部分を意味する。即ち、例えば、ラム本体が「前向き25%」位置にある場合、ラム本体が第2の位置に向かって移動しており、第1の位置と第2の位置との間の距離の25%を、即ち1/4を移動したことを意味する。更なる例として、「後方50%」位置にあるラム本体は、ラム本体が第1の位置に向かって移動しており、第1の位置と第2の位置の間の距離の50%、即ち1/2を移動したことを意味する。更に、「前向き」中間位置にあるラムアセンブリは、ブランク/カップの位置によっては、「成形」位置にある。即ち、本明細書では、「成形」位置は、ブランク/カップがボディメーカーダイパックを通って移動している場合に起こる。
【0082】
図2乃至図6を参照すると、開示された概念の一例の実施形態に従った缶ボディメーカー10が示されている。ボディメーカー10は、成形システム12及びマウントアセンブリ14を含む。成形システム12は、幾つかの成形アセンブリ16(図2乃至図6の例では4つが示されており、16A乃至16Dの符号が付けられている)とラム駆動アセンブリ300とを含んでいる。例示的な一実施形態において、ボディメーカー10及び/又は各成形アセンブリ16は、標準飲料缶ボディを作るように構成されている。マウントアセンブリ14は、幾つかの成形アセンブリ16を支持するように構成されている。マウントアセンブリ14は更に、後述するラム駆動アセンブリ300のカム330を回転可能に支持するように構成されている。例示的な一実施形態において、マウントアセンブリ14は、概ね平らなマウントアセンブリ本体18を含む。
【0083】
図3を参照すると、マウントアセンブリ本体18は概ね水平に向けられており、上側の第1の面22と、第1の面30に対向する下側の第2の面24とを含む。更に、4つの成形アセンブリ16A、16B、16C、16Dを含むボディメーカー10では、マウントアセンブリ本体18は概ね正方形である。マウントアセンブリ本体18の形状は、マウントアセンブリ本体18が幾つかの成形アセンブリ16を支持するように構成されている限り、変更されてよいことは理解される。例示的な実施形態では、マウントアセンブリ本体18は、マウントアセンブリ本体18の第1の面22及び第2の面24の間に延びており、概ね中央に配置された通路20を画定する。
【0084】
引き続き図3を参照すると、図示されている例示的な実施形態では、マウントアセンブリ14は、マウントアセンブリ本体18の外周に配置された幾つかの付随要素26を更に含む。マウントアセンブリ本体18の外周に延びる単一のマウントアセンブリ付随要素26がある場合、単一のマウントアセンブリ付随要素26は、マウントアセンブリ本体18の下側において囲まれた空間30を画定するハウジング28を形成する。比較的薄い複数の、離間した別個のマウントアセンブリ付随要素26がある場合、個々のマウントアセンブリ付随要素26は、本明細書では、テーブルの脚と同様に「脚」として特定される。マウントアセンブリ付随要素26は、マウントアセンブリ本体18とその上に配置された要素とを支持するように構成されている。
【0085】
更に、例示的な実施形態では、マウントアセンブリ本体18の第1の面22は、幾つかの凹部34(図4及び図6)を画定しており、各凹部34は、対応する成形アセンブリ16のためのものである。例示的な実施形態では、各凹部34は、「機械加工」凹部34である。本明細書では、「機械加工」凹部とは、成形アセンブリ16をマウントアセンブリ本体18上に正確に配置し、従って、ラム駆動アセンブリ300及びカム330に対して成形アセンブリ16を正確に配置するように構成された輪郭を有する凹部を意味する。本明細書では、「正確に配置する」とは、ラム駆動アセンブリ300に対する成形アセンブリ16及び/又はその要素の更なる位置決めが必要でない方法で、ラム駆動アセンブリ300及びカム330に対して成形アセンブリ16を配置することを意味する。即ち、文献/特許には通常、記載されていないが、成形アセンブリ16の構成要素の位置は設置後に調整されて、それら要素の適切な位置合わせを確実にすることはよく知られている。故に、ラム駆動アセンブリ300(又はその要素)に対する成形アセンブリ16(又は、その要素)の調整がないことが文献/特許で具体的に言及されていない限り、その場合、文献/特許は、成形アセンブリ16及び/又はその要素を「正確に配置する」構成を開示していない。即ち、成形アセンブリ16、及び/又はその要素の調整の欠如が、文献/特許において具体的に言及されていない限り、その文献/特許は、本明細書で言うところの「機械加工」凹部を開示していない。
【0086】
更に、別の例示的な実施形態では、各凹部34は、マウントアセンブリ本体18に画定されて、それを通って延びる幾つかの(図では、複数の)ガイドピン通路36を含む。各ガイドピン通路36の断面積は、ガイドブッシュ37を収容するように構成されている。各ガイドブッシュ37はトロイド本体38を含む。各ガイドブッシュ37は、対応する通路36に配置される。各ガイドブッシュ37は、その中にガイドピン39を通すことができるように構成されている。
【0087】
幾つかの成形アセンブリ16は実質的に同じであって、そのため、ここでは1つのみを詳細に説明する。前述したように、図示されている異なる成形アセンブリ16は、追加の文字によって識別されることに留意のこと。従って、図2の例に示すような4つの成形アセンブリ16がある場合、個々の成形アセンブリ16は、成形アセンブリ16A、16B、16C、16Dとして識別される。この符号付けは、成形アセンブリ16A、16B、16C、16Dの要素にも同様に適用される。即ち、包括的な単一の成形アセンブリ16がダイパック56を有するものとして説明されている場合、第1の成形アセンブリ16Aはダイパック56Aを有し、第2の成形アセンブリ16Bはダイパック56Bを有する。
【0088】
次に図3及び図4を参照すると、成形アセンブリ16は、静止アセンブリ42及び可動アセンブリ44を含む。図示しない例示的な一実施形態では、静止アセンブリ42は、マウントアセンブリ本体18の第1の面22に結合、直接結合、又は固定されており、可動アセンブリ44は、静止アセンブリ42を介してマウントアセンブリ本体18の第1の面22に可動に結合される。図示されている実施形態では、以下に説明するように、静止アセンブリ42と可動アセンブリ44は、マウントアセンブリ本体18に一時的に結合されるように構成された「統合された」アセンブリである。即ち、静止アセンブリ42と可動アセンブリ44の要素は、互いに結合、直接結合、又は固定される。更に、静止アセンブリ42及び可動アセンブリ44は、後述するように、静止アセンブリベース50に一時的に結合されるように構成される。この構成では、成形アセンブリ16は、統合されたアセンブリである。
【0089】
図4の例示的な実施形態に示すように、成形アセンブリ16の静止アセンブリ42は、静止アセンブリベース50、ラムガイドアセンブリ52、再絞りアセンブリ200、ダイパック56及びドーマー58を含む。ベース50は、上向きに付随した幾つかの概ね平面的な支持体62を有する略板状部材60を含む。板状部材60は、マウントアセンブリ本体18の第1の面22に画定された凹部34に実質的に対応するように構成されており、即ち、機械加工されている。板状部材60は、近位端64及び遠位端66を有する。成形アセンブリ16がラム駆動アセンブリ300に動作可能に結合される場合、板状部材60の近位端64は、ラム駆動アセンブリ300のカム330に近い端であり、板状部材60の遠位端66は、ラム駆動アセンブリ300のカム330から遠い端である。
【0090】
例示的な一実施形態において、板状部材60は、静止アセンブリ42のベース50の板状部材60を通って延びる幾つかの(図では複数の)ガイドピン通路68を含んでいる。幾つかのガイドピン通路68は、先に説明したマウントアセンブリ本体18の凹部34のガイドピン通路36に対応するパターンで配置される。各ガイドピン通路68は、ガイドブッシュ69を収容するように構成された断面積を有する。凹部34の幾つかのガイドピン通路36と、板状部材60の幾つかのガイドピン通路68とは、それらの関連するガイドブッシュ37及びガイドブッシュ69と共に、各成形アセンブリ16をカム330に対して位置決めするように構成されている。即ち、ガイドピン通路36、68を含む実施形態では、板状部材60が機械加工された凹部34に配置されると、各ガイドピン通路36は、それに関連するガイドピン通路68と概ね揃えられる。更に、ガイドピン39が関連するガイドピン通路36、68(及び関連するブッシュ37、69)に通されると、板状部材60はカム330と揃えられる。2組の関連するガイドピン通路36及びガイドピン通路68が図示されているが、関連するガイドピン通路36及びガイドピン通路68の数は、開示される概念の範囲から逸脱することなく変更されてよい。
【0091】
ベース50の支持体62は、少なくともドーマー支持体70を含む。ドーマー支持体70は、略板状の本体72を含んでおり、本体72は、板状部材60に結合された別部材であってよく、又は、板状部材60と一体的に形成されてもよい。図示されているように、ドーマー支持体70の本体72は、後述するラム本体122の長手方向軸Lに対して概ね横方向に延びている。ベース50の支持体62はダイパック支持体74を更に含んでおり、ダイパック支持体74は、図示されているように、成形アセンブリ16のベース50の板状部材60の平面の上で隆起するフレーム76である。更に、ベース50の支持体62はガイドアセンブリ支持体78を含んでおり、ガイドアセンブリ支持体78は、静止アセンブリ42のラムガイドアセンブリ52を支持するように構成されている。図示されているように、ラムガイドアセンブリ支持体78は略板状の本体79を含んでおり、略板状の本体79は、板状部材60に結合された別部材であってよく、又は、板状部材60と一体的に形成されてもよい。本体79は、ドーマー支持体70の本体72の平面と概ね平行に延びている。
【0092】
引き続き図4を参照し、更には図7Bも参照すると、ラムガイドアセンブリ52は、通路81を画定するハウジング80を含む。幾つかのベアリングアセンブリ82、限定ではないが、例えば、幾つかの静圧/動圧ベアリングアセンブリ84(これらも通路(符号なし)を画定する)が、ハウジング80内に配置されている。ベアリングアセンブリ84は、以下に説明するように、ラム本体122が往復する際にラム本体122を支持するように構成されている。ラムガイドアセンブリ52は更にシールパックアセンブリ86(図4)を更に含んでおり、シールパックアセンブリ86は、公知のように、(後述するように)ラム本体122から静圧/動圧ベアリング流体を実質的に除去するように構成されている。
【0093】
図4及び図8A乃至図8Cに示すように、再絞りアセンブリ200は、静止要素及び可動要素の両方を含んでおり、ここでは、成形アセンブリ16の静止アセンブリ42と共に含まれる。例示的な実施形態では、再絞りアセンブリ200は、押さえピストン202(概略的に示されている)及びブランク(カップ)ホルダ204を含む。ブランクホルダ204は、押さえピストン202に結合、直接結合、又は固定されて、これと一緒に移動する。押さえピストン202及びブランクホルダ204は夫々、概ねトロイド状の本体206、208を含んでおり、それら本体206、208の各々は、ラム本体122が通過できる大きさの中央通路(符号なし)を画定する。再絞りアセンブリ200はまた、押さえピストン202、ひいてはブランクホルダ204を概ね往復運動させるように構成されたサーボモータ209又は同様の機構を含む。即ち、押さえピストン202及びブランクホルダ204は、押さえピストン202及びブランクホルダ204がダイパック56から離れている第1の配置と、押さえピストン202及びブランクホルダ204がダイパック56の直ぐ隣に配置された第2の配置との間で直線的に(例えば、並進軸229に沿って)移動/平行移動するように構成されている。公知のように、カップ供給アセンブリ108(後述される)又は同様の機構は、ダイパック56の入口にカップ又はブランクを配置する。ブランクホルダ204は、ラム本体122がカップ/ブランクに係合してダイパック56を通るようにカップ/ブランクを移動させるまで、この位置にカップ/ブランクを維持する。
【0094】
図4及び図8A乃至図8Cに図示される例示的な実施形態では、サーボモータ209が幾つかのカムディスク214、214’に結合されており(図示の例では2つが示されているが、更に、後述するラム駆動アセンブリ300のカム330は、「カム330」として識別されることに留意のこと。一方、ここでは、「カムディスク214」は、「カムディスク214」として識別される)、押さえピストン202及びブランクホルダ204は、適切な幾つかの付勢部材210(例えば、ばね又は他の適切な構造体)を介して、カムディスク214に結合しており、即ち、カムディスク214に対して(ダイパック56から離れるように)付勢される。図4に示す例示的な実施形態では、カムディスク214は、サーボモータ209によって(押さえピストン202及びブランクホルダ204の前述の並進軸229に垂直に配置された)回転軸215回りに回転可能な略板状体である。押さえピストン202及びブランクホルダ204は、カムディスク214の端面211に対して付勢される。カムディスク214の端面211は、前方ストローク部216、前方ドエル部218、後方ストローク部220及び後方ドエル部222を画定している。即ち、前方ストローク部216が押さえピストン202と係合すると、押さえピストン202、ひいてはブランクホルダ204が第1の位置から第2の位置(即ち、ダイパック56に向かって)へ移動し、幾つかの付勢部材210を圧縮する。前方ドエル部218が押さえピストン202と係合すると、押さえピストン202、ひいてはブランクホルダ204は、第2の位置に維持される。後方ストローク部220が押さえピストン202と係合すると、押さえピストン202、ひいてはブランクホルダ204は、幾つかの付勢部材210の付勢力により、第2の位置から第1の位置へと(即ち、ダイパック56から離れるように)移動する。後方ドエル部222が押さえピストン202と係合すると、押さえピストン202、ひいてはブランクホルダ204は、第1の位置に維持される。故に、押さえピストン202、従ってブランクホルダ204は、第1の位置と第2の位置の間を移動するが、移動期間中にそれらの位置で休止する。これにより、ブランクホルダ204が第1の位置で休止する間に、ブランクホルダ204とダイパック56の間にカップ/ブランクを配置することができ、また、ブランクホルダ204が第2の位置で休止する間に、ブランクホルダ204がカップ/ブランクをダイパック56にて保持することができるようになる。図示しない別の実施形態では、ラム駆動アセンブリ300は、押さえピストン202及びブランクホルダ204を第1の位置と第2の位置の間で同様なやり方で、即ち、移動期間中に休止期間を設けて移動させる連動機構を含んでおり、従って、カムディスク214が排除されている。
【0095】
図9A乃至図9Cは、再絞りアセンブリ200に似ている別の例示的実施形態であって、押さえピストン202及びブランクホルダ204を含む再絞りアセンブリ200’を示している。押さえピストン202及びブランクホルダ204は、(例えば、幾つかのリニアベアリングピン226及び協働するリニアベアリングブッシュ228を介して)ダイパック支持体74にスライド可能に結合されており、押さえピストン202及びブランクホルダ204は、回転軸215に対して垂直に配置された並進軸229に沿って容易に並進できるようにされている。再絞りアセンブリ200’は図4の再絞りアセンブリ200と同様に機能するが、再絞りアセンブリ200’が溝230’を有するカムディスク214’を利用しており、溝230’は押さえピストン202に結合されたローラー部材232又は他の適切な構造体と係合する点で異なる。任意選択的に、再絞りアセンブリ200’は更に、溝230’を有する第2のカムディスク214’’を利用しており、溝230’は、同様に第2のローラー部材232’と係合する。動作時には、カムディスク214’、214’’の一方又は両方は、サーボモータ212により、或いは、(図示されているように)サーボモータ212に直接結合されているか、ベルト又は他の適切な機構を介してそれに結合されている同様の機構により、回転軸215回りで回転する。カムディスク214’及び214’’の一方又は両方が回転すると、それらの溝230’及び溝230’’はローラー部材230及びローラー部材2232と相互作用して、押さえピストン202及びブランクホルダ204は、押さえピストン202及びブランクホルダ204がダイパック56から離れている第1の配置と、押さえピストン202及びブランクホルダ204がダイパック56の直ぐ隣に配置される第2の配置の間で並進軸229に沿って往復並進する。
【0096】
ダイパック56に移ると、ダイパック56は、幾つかの、典型的には複数のダイ(符号なし)を含む。各ダイは中央開口を有する概ねトロイド状の本体(図示せず)を含んでおり、当該開口は、カップ/ブランクをしごき等をして缶ボディ(図示せず)へと成形する大きさにされている。即ち、周知のように、ダイパック56は、パンチ124/ラム本体122に配置されたカップ/ブランクを缶ボディへと(後述するように)改変/成形するように構成されている。そのため、ダイパック56のダイは、上流の近位端102(又は「入口」102)と下流の遠位端104とを有する成形通路100を画定する。
【0097】
再絞りアセンブリ200は、成形通路100の近位端102に配置される。更に、公知のように、ダイパック56は、以下に説明するように戻りストローク中にラム本体122から缶ボディを剥がす、即ち除去するように構成されたストリッパーアセンブリ106を含んでいるか、或いは、それに隣接して又はその直ぐ隣に配置される。即ち、ストリッパーアセンブリ106は、成形通路100の遠位端に配置される。
【0098】
例示的な実施形態では、ダイパック56は、カップ(又はブランク)供給アセンブリ108を更に含む。例示的な実施形態では、カップ供給アセンブリ108は、サーボモータ及び回転支持体(何れも符号なし)を含む。カップ又はブランクは、カップ供給アセンブリの回転支持体に配置される。カップ供給アセンブリのサーボモータは、カップ供給アセンブリ回転支持体を回転させ、後述するようにラム本体122がダイパック56を通って移動する前に、カップ(又はブランク)がダイパック56の成形通路100の近位端102に配置されるように構成されている。
【0099】
ドーマー58は、マウントアセンブリ110及びドーマー本体112を含む。マウントアセンブリ110は、ドーマー支持体70と結合するように構成されている。マウントアセンブリ110は更に、ドーマー本体112を調整可能に支持するように構成されている。ドーマー本体112は、頂点116を有するドーム状面114を含む。ドーム状面114/頂点116は、公知のようにダイパック56の成形通路100に向いており、それと概ね揃えられている。
【0100】
図4乃至図6を参照すると、成形アセンブリ16の可動アセンブリ44は、ラムアセンブリ120及びカムフォロアアセンブリ150を含む。ラムアセンブリ120は、延設された本体122(以下、「ラム本体」122)及びパンチ124(以下、「パンチ」124)を含む。ラム本体122は、近位、即ち第1の端部126と、中間部分125と、遠位、即ち第2の端部128とを有する。公知のように、パンチ124は、ラム本体の遠位端部128に結合され、直接結合され、又は固定される。公知のように、遠位端部128の断面積は、近位端部126及び中間部分125と比較して小さい。例示的な実施形態では、パンチ124の断面積は、近位端部126及び中間部分125と実質的に同じである。従って、パンチ124とラム本体122の間の移行は、概ね又は実質的に滑らかである。カムフォロアアセンブリ150はラム本体122の近位端部126に配置されて、それに結合している。
【0101】
更に、例示的な実施形態では、ラム本体122は概ね中空である。即ち、ラム本体122はキャビティ130を画定している。ラム本体122の遠位端部128は、キャビティ130と流体連通する通路129を含む。更に、パンチ124が使用される場合、パンチ124は軸方向に延びる通路127も含む。即ち、ラム本体122の通路129(及び、含まれる場合には、パンチ通路127)は、ラム本体122の遠位端部128の軸方向面からキャビティ130まで延びている。キャビティ130は、圧力アセンブリ(後述する)と選択的に流体連通する。圧力アセンブリは、正圧及び/又は負圧を発生するように構成されている。知られているように、ラム本体122のキャビティ130は、ラム本体122が前方に(即ち、ラム駆動アセンブリ300から離れるように)移動している場合に、負の流体圧力と選択的に流体連通する。この構成では、負の流体圧力は、ラム本体122及び/又はパンチ124に向けてカップ/ブランクを付勢する。ラム本体122が後向きに(即ち、ラム駆動アセンブリ300に向かって)移動している場合、正圧は、作られたばかりの缶ボディをラム本体122/パンチ124から除去するのを助ける。ラム本体122は、ここでは、成形アセンブリ16の長い要素の1つであるので、ラム本体122の長手方向軸Lは、成形アセンブリ16の長手方向軸でもある。
【0102】
図4図5及び図7A乃至図7Dを参照すると、成形アセンブリ16の可動アセンブリ44のカムフォロアアセンブリ150は、スライダ152と幾つかのカムフォロア部材154(この例では、2つが示されている)とを含んでいる。例示的な実施形態では、スライダ152は、スライダ本体160と、スライダ本体160から下方に延びる下側フレーム部162と、スライダ本体160から上方に延びる上側フレーム部164とを含む。図示されている例では、スライダ本体160は、マウントアセンブリ本体18の第1の面22の平面に対して概ね平行に、即ち、図示されているように概ね水平に配置される。
【0103】
スライダ本体160の下側フレーム部162は、スライダ本体160の第1の縁部160A又はその付近から概ね下方に延びる第1の部材162Aと、第1の縁部160Aとは反対側のスライダ本体160の第2の縁部160B又はその付近から概ね下方に延びる第2の部材162Bと、第1の部材162Aと第2の部材162Bとの間に延びており、ある距離だけスライダ本体160の下方に離れている第3の部材162Cとを含んでいる。図7Dに示す例では、第3の部材162Cは、第1の部材162Aと第2の部材162Bの間において、スライダ本体160と平行に概ね水平に延びている。第1、第2、及び第3の部材162A乃至162Cの各々は、図7Dの例に示すように、単一の一体型部材の一部として一体的に形成されてよく、或いは、別々に作られてから任意の適切な方法(例えば、ボルトや溶接等)によって一緒に結合されてよい。
【0104】
スライダ本体160の上側フレーム部164は、スライダ本体160の第1の縁部160A又はその付近から概ね上方に延びる第1の部材164Aと、スライダ本体160の第2の縁部160B又はその付近から概ね上方に延びる第2の部材164Bと、第1の部材164Aと第2の部材164Bの間に延びており、ある距離だけスライダ本体160の上方に離れた第3の部材164Cとを含んでいる。第1、第2、及び第3の部材164A乃至164Cの各々は、図7Dの例に示すように、単一の一体型部材の一部として一体的に形成されてよく、或いは、別々に作られてから任意の適切な方法(例えば、ボルトや溶接等)によって一緒に結合されてよい。
【0105】
引き続き図7A及び図7Dを参照すると、カムフォロアアセンブリ150は、幾つかの静圧/動圧ベアリングパッド166を有するカムフォロアベアリングアセンブリ165を更に含んでおり、それらパッド166は、協働して配置された対応するベアリング部材167と係合するように構成されており、ベアリング部材167は、静止アセンブリ42の一部として設けられている。各ベアリング部材167はベアリング面168を含んでおり、各ベアリングパッド166がそのベアリング面168に配置されて、スライドするように構成されている。静圧/動圧ベアリングアセンブリは、米国特許第10,137,490号で詳細に説明されており、当該米国特許における静圧/動圧ベアリングアセンブリの開示は、参照により本明細書の一部となる。各ベアリングパッド166は、凹状ベアリングポケット169(図7Dでは、そのうちの2つに符号169A及び169Cを付している)を含んでおり、凹状ベアリングポケット169は、(以下で更に説明するように)そこに提供される油又は他の適切なベアリング流体(図示せず)の加圧供給を概ね収めるように構成されている。
【0106】
従来技術の駆動アセンブリ、例えば図1に関して先に説明した駆動アセンブリ2は、ラム本体7Bのようなラム本体に鉛直方向の力を及ぼし、それは、ラム本体を概ね完全に囲むベアリングによって対処/処理される必要がある。このような鉛直方向の力は、ラムの「垂れ(droop)」を引き起こし得る。しかしながら、このような従来技術とは異なり、本明細書に記載されているようなカム駆動を利用する構成は、通常、ほどほどの横方向の力を受けるだけで、有意な鉛直方向の力を受けることはない。従って、カムフォロアベアリングアセンブリ165の設計は、既知の構成と比較して独特である。図7A乃至図7Dに示される例では、カムフォロアベアリングアセンブリ165は、概ね平らな3つの静圧/動圧ベアリングパッド166を含んでいる。第1のベアリングパッド166Aは、第1の部材164Aの外向き面に結合、直接結合、又は固定されており、第2のベアリングパッド166Bは、第2の部材164Bの外向き面(即ち、第1のベアリングパッド166Aと反対方向に向いている)に結合、直接結合、又は固定されており、第3のベアリングパッド166Cは、第3の部材164Cの上向き面に結合、直接結合、又は固定されている。この例では、カムフォロアベアリングアセンブリ165はまた、ベアリング面168A、168B、168Cを夫々有する3つのベアリング部材167A、167B、167Cを含む。より詳細には、第1のベアリング部材167Aは成形アセンブリ16の静止アセンブリベース50に固定的に結合されており、そのベアリング面168Aは、成形アセンブリ16のラム本体122の長手方向軸Lに対して外側に、上方に、且つ平行に、そして、静止アセンブリベース50に対して概ね垂直に配置されている。第2のベアリング部材167Bは、成形アセンブリ16の静止アセンブリベース50に固定的に結合されて、そのベアリング面168Bは、成形アセンブリ16のラム本体122の長手方向軸Lに対して外側に、上方に、且つ平行に、静止アセンブリベース50に対して概ね垂直に、そして、第1のベアリング部材167Aのベアリング面168Aに向いている。第3のベアリング部材167Cは成形アセンブリ16の静止アセンブリベース50に固定的に結合され、そのベアリング面168Cは、成形アセンブリ16のラム本体122の長手方向軸Lに対して真上且つ平行に、静止アセンブリベース50に対して概ね平行に、そして、第1のベアリング部材167Aのベアリング面168A及び第2のベアリング部材167Bのベアリング面168Bの各々に対して垂直に配置されている。従って、図7Cの断面図から容易に理解できるように、3つのベアリング部材167A乃至167Cは下向き開口チャネル(ベアリング面168A乃至168Cが内側を向く)を形成するように配置されており、当該下向き開口チャネルは、スライダ本体160の上側フレーム部164とその外側向きのベアリングパッド166A乃至166Cとの周りに配置される。その図から、このようなカムフォロアベアリングアセンブリ165は、スライダ152に上向きの支持を提供するベアリング部材167又は面168を含まないことも容易に理解することができる。従来技術の構成と比較して、そのような構成では何も必要とされないからである。開示された概念に従った例示的な一実施形態では、ベアリング面168A乃至168Cの各々は、4乃至8ミクロンの表面仕上げと0.0002インチ以内の平行度及び直角度で研磨される。
【0107】
先に述べたように、ラム本体122は概ね中空であり、圧力アセンブリと選択的に流体連通するキャビティ130をその中に画定している。圧力アセンブリ(図示せず)とラム本体122のキャビティ130との間でのこのような連通は柔軟な導管又はホース170を介して提供され、導管又はホース170は、前述の圧力アセンブリに接続するためにマウントアセンブリ本体18又は他の適切な固定場所に結合される下側回転シール170Aと、スライダ本体160の下側フレーム部162に結合される上側回転シール170Bとの間を延びる。上側回転シール170Bは、カムフォロアアセンブリ150の一部として設けられた任意の適切な導管機構を介して、ラム本体のキャビティ130と流体連通する。ショックアブソーバ機構171がホース170周りに設けられており、カムフォロアアセンブリ150の往復運動から生じるホースの鞭振りをできるだけ小さくする。
【0108】
また、先述したように、各ベアリングパッド166は凹状ベアリングポケット169を含んでおり、凹状ベアリングポケット169は、そこに提供される油又は他の適切なベアリング流体(図示せず)の加圧供給を概ね収めるように構成されている。このような油又は他の適切なベアリング流体の供給は、前述の伝導圧力機構と同様なやり方で行われる。即ち、オイル又は他の適切なベアリング流体の供給は、スライダ本体160の下側フレーム部162に結合される第2の上側回転シール172B(図7B及び図7C参照)に提供される。供給は、その供給の適切なソース(図示せず)に結合されており、ホース170及び下側回転シール170A(及びショックアブソーバ機構171)と同様に配置された第2の下側回転シールに結合しているホース(何れも図示せず)を介して提供される。油又は他の適切なベアリング流体の供給は、各ベアリングポケット169に設けられた入口173(図7D参照)に接続されており、カムフォロアアセンブリ150の一部として設けられている任意の適切な導管機構を介して、第2の上側回転シール172Bから幾つかのベアリングパッド166A、166B、166Cの各々の凹状ベアリングポケット169へと通じている。開示された概念に従った例示的な一実施形態では、油流が約1000psiの圧力でマニホールド(符号なし)に注入される。前述のマニホールドから、油流は各ベアリングパッド166A、166B、166Cに供給される。油流は、リージェット(leejets)(校正されたオリフィス)によって制御される。ベアリングパッド166A、166B、166C、対応するベアリング面168A、168B、168C、及び油流のこのような構成は、対応するベアリングパッド166A、166B、166Cとベアリング面168A、168B、168Cとの間で油膜をもたらして、金属同士の接触を妨げてベアリング部材167A、167B、167Cに沿ってカムフォロアアセンブリ150を滑らかに摺動させ、ひいては成形アセンブリ16の静止アセンブリベース50に対して滑らか平行移動させることは理解されるべきである。
【0109】
次に図5を参照すると、スライダ本体160は、その中に画定された幾つかの通路(まとめては符号を付されていない)を含む。それら通路は、幾つかのカムフォロア取付通路を含んでおり、2つの取付通路174及び取付通路175が図示されている。2つのカムフォロア取付通路174、175がある場合、カムフォロア取付通路174、175は概ね線に沿って配置されており、その線は、成形アセンブリ16がマウントアセンブリ14に結合されている場合に、マウントアセンブリ本体18の通路20から外側に延びており、成形アセンブリ16のラム本体122の長手方向軸Lの上方にて揃えられている概ね径方向の線である。スライダ本体160を通って画定される別の通路は、ラム本体122の反対にあるスライダ本体160の端部に概ね隣接して配置された位置決めピン通路178である。
【0110】
カムフォロア部材154は、ラム駆動アセンブリ300のカム330と作動的に係合するように構成されている。言い換えると、カム330は、各成形アセンブリ16の可動アセンブリ44のカムフォロア部材154に動作可能に結合されるように構成されており、従って、各ラムアセンブリ120及び/又は成形アセンブリ16に動作可能に結合されている。
【0111】
図示しない一実施形態では、カムフォロア部材154は、リジッドベアリングである。図2乃至図6及び図7A乃至図7Dに示す実施形態では、カムフォロア部材154は、ローラーベアリング180(以下、「カムフォロアローラーベアリング」180と称する)である。図示されているように、例示的な実施形態では、各カムフォロアローラーベアリングは、軸体184及びホイール186を含む(図5を参照)。更に、例示的な実施形態では、カムフォロアローラーベアリング180の1つは、偏心ブッシュ187を含む。偏心ブッシュ187は、カムフォロア取付通路175(或いは、通路174)内に嵌まるように構成された中空管状体188を含む。管状体188は、第1の中心(符号なし)を有する概ね円筒形の外面190と、第2の中心(符号なし)を有する概ね円筒形の外面192とを有している。前文にある第1の中心と第2の中心は揃えられていない。即ち、上述した第1の中心及び第2の中心は、互いにオフセットしている。この構成において、偏心ブッシュ187は、最大厚さを有する部分、以下、偏心ブッシュ187の「肉厚」側188’と、最小厚さを有する部分、以下、偏心ブッシュ187の「薄肉」側188’’とを含む。更に、偏心ブッシュ187は、管状体188の外面190から概ね径方向に延びる位置付けタブ194を含む。この構成では、偏心ブッシュ187は、後述するように、離れている第1の位置と接近している第2の位置との間で、関連するローラーベアリングホイール186を動かすように構成されている。
【0112】
故に、ここでは、「成形アセンブリ」16は、少なくともダイパック56、ドーマー58、及びラム本体122を含む。更に、「成形アセンブリ」16は、限定ではないが、ラムガイドアセンブリ52及び再絞りアセンブリ200などの追加要素を選択的に含む。
【0113】
成形アセンブリ16は、以下のようにして組み立てられる。ラムガイドアセンブリ52、再絞りアセンブリ200、及びダイパック56が、ベースの板状部材60、即ち静止アセンブリベース50に結合、直接結合、又は固定される。ドーマー58が、ドーマー支持体70に結合、直接結合、又は固定され、即ち、ドーマー支持体70は、先に述べたように、静止アセンブリベース50に結合され、又はそのユニット部分として構成される。概ね、ラムガイドアセンブリ52は、マウントアセンブリ本体18の通路20に最も近い位置に配置される。再絞りアセンブリ200は、ラムガイドアセンブリ52に隣接して配置される。ダイパック56はラムガイドアセンブリ52に隣接して配置され、カップ供給アセンブリ108は再絞りアセンブリ200とダイパック56との間に配置される。更に、上述したように、ストリッパーアセンブリ106は、ダイパック56の成形通路100の遠位端104に配置される。最後に、ドーマー58は、ダイパック56及び/又はストリッパーアセンブリ106から離れて配置される。即ち、ドーマー58(又はストリッパーアセンブリ106)は、少なくとも缶ボディの長さの距離だけ、図では少なくとも缶ボディの長さよりも大きい距離だけダイパック56から離れて配置される。一実施形態において上述した構成で、成形アセンブリ16の静止アセンブリ42は完成される。
【0114】
成形アセンブリ16の可動アセンブリ44は、以下のように組み立てられる。ラム本体122の近位端部126は、カムフォロアアセンブリ150のスライダ152に結合され、直接結合され、又は固定される。図示されているように、例示的な実施形態では、ラム本体122の近位端部126は、スライダ本体160の下側フレーム部162に結合される。パンチ124は、ラム本体122の遠位端部128に配置され、結合され、直接結合され、又は固定される。この構成では、ラム本体122の長手方向軸Lは、通路81、再絞りアセンブリ200、及びダイパック56の成形通路100の長手方向軸と概ね又は実質的に揃えられる。更に、ラム本体122の長手方向軸Lは、ドーマー本体112のドーム状面114の頂点116と概ね又は実質的に揃えられる。即ち、ラム本体122の長手方向軸Lが延ばされると、ドーマー本体112のドーム状面114の頂点116を通過するか、又は、その直ぐ隣になる。
【0115】
この構成において、一実施形態では、成形アセンブリ16は完成される。更に、上述したように、成形アセンブリ16は、「統合された」アセンブリである。更に、当該技術分野で知られているように、成形アセンブリ16が組み立てられると、様々な要素が適切な位置関係になるように位置決めされることは理解される。即ち、例えば、ラム本体122の長手方向軸Lがラムガイドアセンブリ52のハウジング80の通路81の長手方向軸及びダイパック56の成形通路100の長手方向軸と概ね又は実質的に揃えられるまで、ラム本体122は調整/再配置される。成形アセンブリ16は「統合された」アセンブリであることから、その要素は互いに揃えられたままである。即ち、成形アセンブリ16がマウントアセンブリ14から取り外される場合において、その要素は別々にされない。そのため、成形アセンブリ16が設置されるたびに、成形アセンブリ16の要素を調整して揃える必要がない。成形アセンブリ16は、設置中に要素の配置を維持し、即ち、静止アセンブリ42及び可動アセンブリ44の要素は分離されず、「揃えられている」統合された成形アセンブリ16である。統合された成形アセンブリ16又は揃えられている統合された成形アセンブリ16は、上記の問題を解決する。
【0116】
図2及び図3に示すように、ボディメーカー10のラム駆動アセンブリ300は、(ラム駆動アセンブリ300に向かって)引き込まれており、ラム本体122が成形通路100内に配置されておらず、ラム本体122の遠位端部128が関連するダイパック56から離れている第1の位置と、ラム本体122が成形通路100内に配置されており、ラム本体122の遠位端部128が関連するドーマー58に隣接している、伸ばされた(即ち、ラム駆動アセンブリ300から離れた)第2の位置との間で、成形アセンブリ16の可動アセンブリ44、即ち、ラムアセンブリ120又はラム本体122を動かすように構成されている。ラム駆動アセンブリ300は、以下に説明するように、クランク、スイングアーム、及び/又は揺動コネクティングロッドの何れかを含まない。これにより、上述した課題は解決される。
【0117】
図3を参照すると、ラム駆動アセンブリ300は、モータ310と、モータ310によって一次回転軸330回りで回転するカム330とを含む。モータ310は、回転する出力シャフト312を含む。例示的な実施形態では、モータ310は、ハウジング28によって画定される閉じた空間30内において、マウントアセンブリ本体18の下方に配置される。図示されているように、一次軸体314は、中空マウントアセンブリの閉じた空間30内に概ね配置されており、一次軸333回りに回転可能である。モータ出力シャフト312は、例えばギアボックス315によって一次軸体314に動作可能に結合される。そのため、ここでは、一次軸体314もモータ310の一部として特定される。一次軸体314は、上側の第1の端部318と、ギアボックス315に結合された下側の第2の端部(符号なし)とを有する延設された軸体本体316を含んでいる。軸体本体316の下側の第2の端部は、適切なクラッチ機構を介してギアボックス315に選択的に結合され、そのクラッチ機構は、軸体本体316をギアボックス315、ひいてはモータ310と選択的に係合させ又は係合解除する。軸体本体316の第1の端部318は、マウントアセンブリ本体18の通路20を通って延びる。軸体本体316の第1の端部318は、カム本体332に結合するように構成される。ブレーキ機構319(例えば、ディスクブレーキ又は他の適切な機構)は一次軸体314に沿って配置されて、一次軸体314及びカム本体332の一次軸333回りの回転を選択的に、制御された適時の停止状態にする。
【0118】
ラム駆動アセンブリ300のカム330は、幾つかの協働カム面334、336(2つが図示されている)を画定する又は有する本体332を含み、ここで、協働カム面334、336は、内側の第1のカム面334と外側の第2のカム面336として特定される。カム330/カム本体332は、各成形アセンブリ16に、例示的な実施形態では各可動アセンブリ44及び/又はラムアセンブリ120に往復運動を与えるように構成されている。更に、後述するように、カム330は動くが、各成形アセンブリ16はマウントアセンブリ14に取り付けられていることに留意のこと。即ち、カム330は動的であり、各成形アセンブリ16は静的に取り付けられている。故に、カム本体332は、「動的カム本体」である。これにより、上記の問題が解決される。或いは、カム本体332は固定又は動かない状態に保持されるが、各成形アセンブリ16がその周囲を移動することも可能であろう。このような配置では、カム本体332は、「動かないカム本体」となるであろう。
【0119】
更に、例示的な実施形態では、カム330/カム本体332は、ラム本体122/パンチ124がダイパック56を通って移動する際にラム本体122/パンチ124の遠位端部128に「スムーズなしごき動作」を発生させるように構成されている。本明細書では、「スムーズなしごき動作」とは、カップを支持する構造体、典型的にはラム本体122の遠位端部128又はパンチ124がダイパック56を通る際に加速又は減速しないことを意味する。例示的な実施形態では、カム本体332は、後述するように実質的に等速のカムプロファイルを有する協働カム面334、336を含んでいる。等速カムプロファイルを有するカム面334、336は、ラム本体122の遠位端部128又はパンチ124がダイパック56を通る際に、ラム本体122の遠位端部128又はパンチ124を、実質的に等速で、即ち加速又は減速しない状態で移動させる。従って、このようなカム330/カム本体332は、「スムーズなしごき動作」を発生させるように構成されている。これにより、上述した課題は解決される。
【0120】
更に、例示的な実施形態では、成形アセンブリ16の可動アセンブリ44の構成要素(即ち、ラムアセンブリ120及びカムフォロアアセンブリ150)の質量は小さい。移動極限におけるドエル部(従って、無加速度、無慣性力及び無変形)を有するカム330を有するこのような低質量可動アセンブリ44を用いることは、実質的に如何なる動作速度においても可動アセンブリ44及びその構成要素における変形を無くす又は基本的に無くす。従って、ラムアセンブリ120の位置が最適なドーム成形位置に一旦調整されると、その配置は生産速度によって変化することはない。これにより、上記の問題が解決される。
【0121】
更に、例示的な実施形態では、カム330/カム本体332は、「ダイレクト動作結合要素」となるように構成されている。本明細書では、「ダイレクト動作結合要素」とは、動きを生成する構造とボディメーカーのラムアセンブリの両方に直接結合されるように構成されている要素を意味する。上記実施形態では、動きを発生させる構造はモータ310である。動きを発生させる構造体に「直接結合される」とは、本明細書では、モータ出力シャフト又はモータ出力シャフトのマウントに要素が直接結合されることを意味する。本明細書では、モータ出力シャフトの「マウント」は、モータ出力シャフトと共に回転し、モータ出力シャフト周りに実質的に対称に配置された本体を有する構造である。即ち、例えば、従来技術のボディメーカーのクランクは通常、モータ出力シャフトに「直接結合され」ている。しかしながら、クランクは、モータ出力シャフト周りに実質的に対称に配置される物体を有していない。従って、本明細書では、クランクは「マウント」ではない。更に、本明細書では、「ラムアセンブリ」は、ラム本体の移動経路で、それと実質的に平行に移動する要素を意味する。即ち、例えば、図1に示すような従来技術の構成では、キャリッジ7Aと第2のコネクティングロッド6Bの両方がラム本体7Bと共に移動するが、第2のコネクティングロッド6Bはラム本体7Bの移動経路で実質的に平行に移動しない。故に、第2のコネクティングロッド6B及び同様な要素は、「ラムアセンブリ」の一部ではない。故に、上述したように、従来技術の複数要素の連動機構、即ち、クランク4/スイングアーム5/第1のコネクティングロッド6A/第2のコネクティングロッド6Bは、「ダイレクト動作結合要素」ではなく、それになることもできない。つまり、このような連動機構は単一要素ではなく、モータ出力シャフトに「直接結合され」ていない。このように、「ダイレクト動作結合要素」であるように構成されたカム330/カム本体332は、上述の問題を解決する。
【0122】
ある実施形態では、カム本体332は、概ね堅くて一体の平板であって、軸方向に延びるハブ337(図3)と、カム本体332の回転軸(即ち、一次軸333)周りに延びるリッジ338とを有する。図13に示す別の実施形態では、カム本体332’は2部品アセンブリであり、外側リング332A’が内側セクション332B’周りに配置されている。外側リング332A’及び内側セクション332B’は異なる材料から形成されてよく、外側リング332A’及び内側セクション332B’の一方又は両方は、そこに又はそれにより画定された1又は複数の開口又は開放部を有することで、このような部分を軽くしてカム330’の慣性モーメントを減少させてよい。
【0123】
再び図3を参照すると、カム本体のハブ337は、結合通路339を画定している。例示的な実施形態では、結合通路339はテーパ状であって、下から上に向かって狭くなっている(例えば、図3参照)。例示的な実施形態では、軸体本体316の第1の端部318は、結合通路339でカム本体332に結合するように構成されている。図示されているように、カム本体のリッジ338は、例示的な実施形態では、カム本体332の外周周りに延びている。図2に示すように、上から見ると、カム本体332のリッジ338は、以下に詳述するように実質的に円形ではない。即ち、リッジ338は、カム本体332の回転軸(即ち、一次軸333)に対して実質的に一定の径Rを有しておらず、代わりに所定の仕方で変動して、可動アセンブリ44の望ましい動きを作り出す。径Rの全体的な変動(即ち、半径Rの最小値と最大値との差であって、ラムアセンブリ120のストロークに等しい)は、製造される缶ボディの高さに依存する。例示的な実施形態では、22インチのストロークを使用して、高さ/長さが6.5インチまでの缶を製造する。本明細書では、カム本体332の外周周りに延びるリッジ338を有する概ね平らなカム本体332は、「ディスクカム」である。この実施形態では、リッジ338は、内側の第1のカム面334と、外側の第2のカム面336とを含む。更に、例示的な実施形態では、カム本体のリッジ338の径方向の幅W(図5)は、概ね又は実質的に一定である。即ち、第1のカム面334と第2のカム面336の間の距離は、概ね又は実質的に一定である。更に、例示的な実施形態では、カム本体332は、カム本体のリッジ338に隣接して配置された幾つかの位置決め通路344を含んでおり、その目的については後述する。
【0124】
図10及び図11に示す別の例示的な実施形態では、「バレル」カム330Bを利用するボディメーカー10Bが示される。ボディメーカー10Bは、図2乃至図6に関連して先に述べたボディメーカー10と同様の機構のものであるが、ボディメーカー10Bが2つの成形アセンブリ16のみを含んでおり、ディスクカムの代わりに「バレル」カム330Bを含む/利用するラム駆動アセンブリ300Bを含む点で異なっている。以下、バレルカム330Bに関連して、図2乃至図6に示す実施形態と同様な符号が用いられるが、それらの符号は文字「B」を含む。この実施形態では、カム本体332Bは概ね円筒状であり、カム本体332Bの円筒面(符号なし)にその周囲に配置された溝(図示せず)又はリッジ(図示せず)338Bを含む。リッジ338Bは、概ね軸方向に延びる一方で、円筒形のカム本体332B周りにループを形成している。この形態では、カム本体332B、即ちそのリッジ338Bは、概ね軸方向の第1のカム面334Bと概ね軸方向の第2のカム面336Bとを画定する。リッジ338Bが方向を反転するところでは、リッジ338Bは、カム本体332Bに沿って軸方向ではなく、カム本体332B周りで概ね周方向に延びることは理解される。本実施形態では、リッジ338Bの両側は協働カム面334B、336Bである。これらの要素を含む、又はこれらの要素からなるラム駆動アセンブリ300は、ピボット結合を含まないことに留意のこと。これにより、上記の問題が解決する。
【0125】
そのような例示的な機構の何れにおいても、協働カム面334、336又は協働カム面334B、336Bは、各カムフォロアアセンブリ150と作動的に係合するように構成されている。図2乃至図6に示す実施形態では、カムフォロアアセンブリ150は、2つのカムフォロア部材154、即ち、ローラーベアリング180を含んでおり、それらは、ここでは、第1のカムフォロア部材156及び第2のカムフォロア部材158としても特定される。第1のカムフォロア部材156は、第1のカム面334に隣接して配置される。即ち、第1のカムフォロア部材156のホイール186は、第1のカム面334に隣接して配置される。第2のカムフォロア部材158は、第2のカム面336に隣接して配置される。即ち、第2のカムフォロア部材158のホイール186は、第2のカム面336に隣接して配置される。従って、このような実施形態では、第1のカムフォロア部材156及び第2のカムフォロア部材158は、カム本体のリッジ338を「挟む(sandwich)」。即ち、第1のカムフォロア部材156及び第2のカムフォロア部材158は、カム本体のリッジ338の両側に配置されている。リッジ334Bの代わりに溝を有するバレルカムを有する例示的な実施形態では、その溝内に配置されるように構成された単一のカムフォロア部材が存在する。
【0126】
更に、図10及び図11に示すように、例示的な実施形態では、ボディメーカー10Bはバレルカム330Bを備えており、バレルカム330Bは、モータ310Bの出力シャフト312Bに結合、直接結合、又は固定される2つの別々のバレルカム330B’、330B’’を含む。例示的な実施形態では、各バレルカム330B’、330B’’は、図2乃至図6に関して先に説明したように、個々の成形アセンブリ16に動作可能に結合されるように構成されていることは理解される。従って、図10及び図11に示すような、単一のバレルカム330Bと2つの成形アセンブリ16とを有する実施形態では、ボディメーカー10Bは、1サイクルあたり2つの缶ボディを製造する。図10及び図11においては、2つの成形アセンブリ16のみがバレルカム330Bと組み合わせて使用されるように示されているが、本発明の概念の範囲から変わることなく、3つ以上の成形アセンブリが用いられてよいことは理解されよう。例えば、更なる成形アセンブリ16には、(即ち、図10及び図11に示すように頂部のみに加えて、又はその代わりに)バレルカム330B周りの概ね任意の点にて338Bに係合するように配置された個々のカムフォロアアセンブリ150が設けられてよい。一例として、バレルカム330Bの一次回転軸333Bに概ね沿って見ると、バレルカム330B周りに等間隔に配置された12個の成形アセンブリ150を利用する機構は、一般的な時計の文字盤の12時間指標の配置に概ね類似しているであろう。
【0127】
上述したように、各成形アセンブリ16は、マウントアセンブリ14に結合、直接結合、又は固定される。従って、各成形アセンブリ16は、カム本体332に隣接する据付場所に配置される。更に、各成形アセンブリ16に対して、カム本体のリッジ338は、カム本体332の回転に伴って径方向外側に移動し、そして径方向内側に移動する。カム本体のリッジ338の径が減少すると、第1のカム面340は、第1のカムフォロア部材156と作動的に係合することは理解される。逆に、カム本体のリッジ338の径が大きくなると、第2のカム面342が第2のカムフォロア部材158と作動的に係合する。一方のカム面340、342がカムフォロア部材156、158と作動的に係合する際に、他方のカム面340、342はカムフォロア部材156、158と作動的に係合しないことは理解される。即ち、1つのカム面340、342のみが、一度にカムフォロア部材156、158と作動的に係合する。
【0128】
カムフォロアアセンブリ150が成形アセンブリの可動アセンブリのラムアセンブリ120に結合、直接結合、又は固定されているので、カム330は、第1のカム面334が第1のカムフォロア部材156に作動的に係合する際にラム本体122を径方向内側に引っ張るように構成されている。逆に、カム330は、第2のカム面336が第2のカムフォロア部材158と作動的に係合すると、ラム本体122を径方向外側に押すように構成されている。即ち、本明細書では、カム面/カムプロファイルは、カムフォロアがカム面/カムプロファイルに対して移動する場合、及び/又は、カム面/カムプロファイルがカムフォロアに対して移動する場合に、カムフォロア又はカムフォロアに結合されている構造体に「作動的に係合」するカム面である。
【0129】
図12に示すように、協働カム面334、336、即ち、第1のカム面334と第2のカム面336とは、「部分」に分割される。即ち、カム面334、336は、幾つかの駆動部350、352(図では2つ)を含み、又は画定する。本明細書では、カム面の「駆動」部とは、カム面が他の要素又はアセンブリを動かすように構成されていることを意味する。例示的な実施形態では、カム面の駆動部350、352は、前方、即ち成形ストローク部350と、後方、即ち戻りストローク部352とを含む。即ち、本明細書では、「前方ストローク」部350は、カムフォロア150(と、限定ではないがラム本体122などのカムフォロア150に結合された構造)を、関連するドーマー58に向かって移動させる駆動部の代替的名称である。更に、本明細書では、「後方ストローク」部352は、カムフォロア150(と、限定ではないがラム本体122などのカムフォロア150に結合された構造)を、関連するドーマー58から離れるように移動させる駆動部の代替的名称である。
【0130】
上述したように、第2のカム面336と第2のカムフォロア部材158との作動的な係合は、ラム本体122を含む成形アセンブリ16の可動アセンブリ44を径方向外側に移動させる。故に、第2のカム面336のうち、カム本体332が移動する際に径が「増加する」部分は、協働カム面の前方ストローク部350となる。逆に、第1のカム面334と第1のカムフォロア部材156との作動的な係合は、ラム本体122を含む成形アセンブリ16の可動アセンブリ44を径方向内側に移動させる。従って、第1のカム面340のうち、カム本体332が移動する際に径が「減少する」部分は、協働カム面の後方ストローク部352となる。上述したように、第1のカム面334又は第2のカム面336の一方のみが、一度にカムフォロア部材156、158と作動的に係合する。しかしながら、本明細書では、両側のカム面334、336は、同じ部分名で識別される。即ち、第1のカム面334が前方ストローク部350にて第1のカムフォロア部材156と作動的に係合しなくても、第2のカム面の前方ストローク部350の反対側の第1のカム面334の部分は、「前方ストローク部350」と識別される。言い換えると、更に上記の定義に従うと、本明細書では、関連する第1のカム面334及び第2のカム面336の「前方ストローク部」350は、協働カム面334、336の少なくとも一方が直接又は間接的にラム本体122に作動的に係合して、ラム本体122を関連するドーマー58に向かって移動させる部分を意味する。逆に、更に上記の定義に従うと、即ち、本明細書では、関連する第1の協働カム面334及び第2の協働カム面336の「後方ストローク部」352は、協働カム面334、336の少なくとも一方が直接又は間接的に、ラム本体122を作動的に係合して、ラム本体122を関連するドーマー58から離れるように移動させる部分を意味する。
【0131】
更に、カム本体332が回転すると、協働カム面の駆動部350、352は、カムフォロア部材156、158と作動的に係合することは理解される。故に、協働カム面の各駆動部350、352(或いは、カム本体の協働カム面の前方ストローク部350とカム本体の協働カム面の後方ストローク部352)は、開始/上流の第1の端350U、352Uと、終了/下流の第2の端350D、352Dとを有している。即ち、カム本体332が回転すると、協働カム面の駆動部の第1の端350U、352Uがまず、カムフォロア部材156、158に作動的に係合する。カム本体332が更に回転すると、協働カム面の駆動部の第2の端350D、352Dは、カムフォロア部材156、158を通り過ぎる。これが起こると、カムフォロア部材156、158は、もはやその協働カム面の駆動部350、352に配置されない。
【0132】
本明細書では、各カム面部分について、上流側の第1の端と下流側の第2の端とを区別するために、[符号]Uと[符号]Dという命名法が用いられる。例えば、後述するように、協働カム面334、336はまた、第1のドエル部360’を含むか、又はそれを画定する。従って、第1のドエル部360’の上流/第1の端は、「第1のドエル部第1の端360’U」として特定される。
【0133】
カム本体のリッジ338の、ひいては協働する第1のカム面334及び第2のカム面336のピッチ(周方向変化に対する径方向変化)は、カムフォロア部材156、158、ひいてはラム本体122が、概ね又は実質的に等速で移動するか、加速/減速しているか(及び/又は加速/減速レート)、或いは、実質的に静止しているかを決定することに留意のこと。即ち、簡単化した例(例示的な要素は図示せず)として、ラムは3インチ前方に(ドーマーに向かって)移動しなければならないと仮定する。更に、カム本体の協働カム面の前方ストローク部は、90度(90°)の弧にわたって延びていると仮定する。この例示的な構成では、協働カム面、より具体的には第2のカム面の径は、カム本体の協働カム面の前方ストローク部の90度(90°)にわたって3インチ増加する。つまり、ラム本体の動きは、協働カム面の径に比例する。従って、協働カム面の径が1インチ大きくなると、ラムは1インチ前進する。
【0134】
更に、前述のように、例示的な実施形態では、協働カム面の駆動部350(或いは、カム本体の協働カム面の前方ストローク部350)は、実質的に等速のカムプロファイルを、即ち、カム面と作動的に係合する要素/アセンブリに実質的な等速を与えるように構成された形状を有している。上記の例(例示的な要素は図示せず)では、協働カム面、より具体的には第2のカム面の径が90度(90°)にわたって3インチ増加する場合、30°毎1インチの径の増加は、実質的な等速をラムに生じさせるであろう。
【0135】
カム本体リッジ338、ひいては協働する第1のカム面334及び第2のカム面336は、カムフォロア(又は、限定ではないがラム本体122などのカムフォロアに結合された構造)と作動的に係合し、そして、カムフォロア(又はそれに結合された構造)に実質的な等速を生じるように構成されたピッチを有しており、本明細書で言うところの「実質的等速カムプロフィール」を有している。例示的な実施形態では、協働カム面の前方ストローク部350及び協働カム面の後方ストローク部352の少なくとも一方又は両方は、実質的に等速のカムプロファイルを有する。更に、例示的な実施形態では、協働カム面の前方ストローク部350は、約183.5度(183.5°)の弧にわたって延びており、協働カム面の後方ストローク部352は、約143度(143.0°)の弧にわたって延びている。
【0136】
例示的な実施形態では、協働カム面334、336はまた、幾つかのドエル部360’、360’’(2つが図示されている)を含み又画定しており、それらは本明細書では第1のドエル部360’及び第2のドエル部360’’として識別される。本明細書では、関連する第1の協働カム面334及び第2の協働カム面336の「ドエル部」360’、360’’は、協働カム面334、336の何れもがカムフォロア(又は、限定ではないがラム本体122などのカムフォロアに結合された構造)と作動的に係合しない協働カム面334、336の部分を意味する。故に、ラム本体122は概ね静止しており、関連するドーマー58に向かって又はそれから離れるように移動しない。例示的な実施形態では、また、協働カム面のドエル部360’、360’’にて、カム本体のリッジ338の径、ひいては、第1の協働カム面334及び第2の協働カム面336の径は、実質的に増加又は減少しない。故に、カム本体のリッジ338、ひいては、第1の協働カム面334及び第2の協働カム面336は、カムフォロア部材154(又は、限定ではないがラム本体122のようなカムフォロア部材154に結合された構造)と作動的に係合しない。本明細書では、カムフォロア部材154と作動的に係合しないカム面は、「無速度カムプロファイル」を有する。即ち、「無速度カムプロフィール」は、協働カム面334、336が、カムフォロア(又は、ラム本体122などのカムフォロアに結合された構造)を関連するドーマー58に向かって又はそこから遠ざかるように移動させないことを意味する。このように、協働カム面ドエル部360’、360’’は、「無速度カムプロファイル」を有する。しかしながら、一貫した用語を維持するために、以下では、第1のドエル部360’及び第2のドエル部360’’は、成形アセンブリ16の可動アセンブリ44(又は、限定ではないがカムフォロア部材154などのその要素)に「係合」又は「作動的に係合」すると言う。「係合する」又は「作動的に係合する」という用語が使用されているが、第1のドエル部360’及び第2のドエル部360’’は、可動アセンブリ44(又はカムフォロア部材154などのその要素)を実際に移動させないことは理解される。即ち、第1のドエル部360’及び第2のドエル部360’’に関してのみ、本明細書では、用語「係合」及び「作動的に係合」は、先に定義した意味を有しておらず、代わりに、第1のドエル部360’及び第2のドエル部360’’がカムフォロアアセンブリ150と直接的に結合することを意味している。
【0137】
例示的な実施形態では、何れの協働カム面のドエル部360’、360’’も、30度(30°)を超える弧にわたって延びていない。本明細書では、30度を超えない弧にわたって延びる協働カム面のドエル部360’、360’’の存在は、カム本体のリッジ338がカム本体332の回転軸に対して概ね又は実質的に一定の径を有することを意味していない。即ち、協働カム面のドエル部360’、360’’が30度を超えない弧にわたって延びる限り、カム本体のリッジ338は、カム本体332の回転軸に対して概ね又は実質的に一定の径を有していない。
【0138】
例示的な実施形態では、カム本体の協働カム面の少なくとも1つのドエル部360’、360’’は、カム本体の協働カム面の前方ストローク部350とカム本体の協働カム面の後方ストローク部352の間、又は、カム本体の協働カム面の後方ストローク部352とカム本体の協働カム面の前方ストローク部350の間の少なくとも一方に配置される。別の例示的な実施形態では、協働カム面の各ドエル部360’、360’’は、カム本体の協働カム面の駆動部350、352の間に配置される。即ち、前方ストローク部の第2の端350Dと後方ストローク部の第1の端352Uとの間に配置された協働カム面の第1のドエル部360’と、後方ストローク部の第2の端352Dと前方ストローク部の第1の端350Uとの間に配置された協働カム面の第2のドエル部360’’が存在する。例示的な実施形態では、協働カム面の第1のドエル部360’は、約3.5度(3.5°)の弧にわたって延びており、協働カム面の第2のドエル部360’’は、約30度(30°)の弧にわたって延びている。
【0139】
例示的な実施形態では、協働カム面334、336はまた、以後、加速部370及び減速部372として特定される幾つかの部分370、372(2つが図示されている)を含む又は画定する。加速部370と減速部372は夫々「加速プロファイル」を有する。本明細書では、「加速プロファイル」は、カム本体リッジ338、ひいては、協働する第1のカム面334及び第2のカム面336が、カムフォロア(又は、限定ではないがラム本体122のようなカムフォロアに結合された構造)に作動的に係合して、ラム本体122の速度変化をもたらすこと意味する。即ち、「加速プロファイル」とは、カム面がカムフォロアに作動的に係合すると、カム本体リッジ338、ひいては、協働する第1のカム面334及び第2のカム面336が、カムフォロア(又は、限定ではないがラム本体122のようなカムフォロアに結合された構造)に変化する速度を生じさせるように構成されたピッチを有することを意味する。このように、面部370,372はどちらも、ラム本体122の速度を増加させるか又は減少させる。即ち、ラム本体122の速度の減速は言い換えると、ラム本体122の速度と反対の方向への加速である。
【0140】
図12に示されるような例示的な実施形態では、協働カム面の加速部370及び減速部372は、協働カム面の駆動部350、352と協働カム面のドエル部360’、360’’との間に配置される。即ち、第1の位置にあるラム本体122に関連するドエル部360’’の終端から始まり(即ち、ドーマー58から最も遠い)、カム面334、336を順次移動して、加速部370(ドーマー58に向かうラム本体122の加速を生じる)、等速部350、減速部372(無速度への減速を生じる)、第1のドエル部360’、速度を変化させる変速部352、第2のドエル部360’’の順に部分がある。加速部370、等速部350、減速部372が成形ストロークを構成しており、変速部352が戻りストロークを構成している。図12に示すような例示的な実施形態では、加速部370は約33度(33°)の弧にわたって延び、減速部372は約33度半(33.5°)の弧にわたって延びている。
【0141】
故に、図12に示すように、例示的な実施形態では、第1の協働カム面334及び第2の協働カム面336は、特定の弧にわたって順次延びる以下の部分に分割されている。
【0142】
【表1】
【0143】
上述のようなカム330について、図12Aは、カム330の回転に伴う、第1の位置に対する及びカム330に対するパンチ124の位置又は変位を示している。図12Bは、カム330の回転に伴うラムアセンブリ120/パンチ124の速度を示す図である。図12Cは、カム330の回転に伴うラムアセンブリ120/パンチ124の加速(又は減速)を示す。
【0144】
成形アセンブリ16がマウントアセンブリ14に結合、直接結合、又は固定されると、カム本体のリッジ338は、第1のカムフォロア部材156と第2のカムフォロア部材158との間に配置される。即ち、上述したように、第1のカムフォロア部材156のホイール186は、第1のカム面334に隣接して配置され、第2のカムフォロア部材158のホイール186は、第2のカム面336に隣接して配置される。故に、カム330、即ちカム本体332が回転して、カム本体のリッジ338の径が上述のように「減少する」場合、第1のカム面334は第1のカムフォロア部材156に作動的に係合する。逆に、カム330、即ちカム本体332が回転して、カム本体のリッジ338の径が上記のように「増加する」場合、第2のカム面336は、第2のカムフォロア部材158と作動的に係合する。
【0145】
協働カム面334、336との第1のカムフォロア部材156及び第2のカムフォロア部材158の作動的係合は、カムフォロアアセンブリ150とそれに結合された要素、即ちラムアセンブリ120を移動させる。即ち、協働カム面334、336との第1のカムフォロア部材156及び第2のカムフォロア部材158の作動的係合により、成形アセンブリ16の可動アセンブリ44が動くことになる。
【0146】
故に、成形アセンブリ16の可動アセンブリ44の動きは、以下のようにして順次起こる。初期状態では、可動アセンブリ44は第1の位置にある。第1のカムフォロア部材156及び第2のカムフォロア部材158が第2のドエル部360’’にあると、(ラム本体122及びパンチ124を含む)可動アセンブリ44は動かない。可動アセンブリ44の可動要素が突然又は瞬時に方向を反転しないので、可動アセンブリ44は実質的に振動しない。これにより、上述した課題は解決される。即ち、第2の協働カム面のドエル部360’’は、上述の問題を解決する。更に、このとき、カップがダイパック56の入口に移動される。
【0147】
カム330、即ちカム本体332が回転すると、第1の協働カム面の加速部370が第1のカムフォロア部材156及び第2のカムフォロア部材158と係合し、これによって、(ラム本体122及びパンチ124を含む)可動アセンブリ44が加速して関連するドーマー58に向かって移動する。カム330、即ちカム本体332が回転し続けると、協働カム面の前方ストローク部350が第1のカムフォロア部材156及び第2のカムフォロア部材158と係合し、これによって、(ラム本体122及びパンチ124を含む)可動アセンブリ44が関連するドーマー58に向かって実質的に等速度で移動する。これにより、上述した課題は解決される。即ち、協働カム面の前方ストローク部350は、上述した問題を解決する。
【0148】
カム330、即ちカム本体332が回転し続けると、減速部372が第1のカムフォロア部材156及び第2のカムフォロア部材158に係合し、これによって、(ラム本体122及びパンチ124を含む)可動アセンブリ44が減速して、即ち速度と反対の方向に加速して無速度になる。カム330、即ちカム本体332が回転し続けると、第1協働カム面のドエル部360’が第1のカムフォロア部材156及び第2のカムフォロア部材158に係合して、これによって、(ラム本体122及びパンチ124を含む)可動アセンブリ44が第2の位置に維持される。即ち、可動アセンブリ44の可動要素が突然又は瞬時に方向を反転しないので、可動アセンブリ44は実質的に振動しない。可動アセンブリ44が第2の位置にある場合における動き/加速度の欠如は、上述した問題を解決する。即ち、第1の協働カム面のドエル部360’は、上述した問題を解決する。
【0149】
更に、可動アセンブリ44は、移動方向を反転させる前に第2の位置(及び後述するように第1の位置)で休止するので、可動アセンブリ44は「ホイップラッシュ」を受けない。これはまた、可動アセンブリ44の要素が上述のような伸びを受けないことを意味する。言い換えると、本明細書では、ラム駆動アセンブリ300は、それと作動的に係合する任意の要素における「ホイップラッシュ」を回避するように構成されており、「安定状態(steady state)」駆動アセンブリとなる。同様に、カム330又はカム本体332と作動的に係合する任意の要素における「ホイップラッシュ」を回避するように構成されたカム330又はカム本体332は、「安定状態」カム330又はカム本体332である。これにより、上述した課題は解決される。
【0150】
カム330、即ちカム本体332が回転し続けると、協働カム面の後方ストローク部352が第1のカムフォロア部材156及び第2のカムフォロア部材158と係合し、これによって、(ラム本体122及びパンチ124を含む)可動アセンブリ44は加速度、圧力角及び振動が概ね小さい動きで移動する。これにより、上述した課題は解決される。即ち、協働カム面の後方ストローク部352は、上述した問題を解決する。
【0151】
カム330、即ちカム本体332が回転し続けると、サイクルが再び始まって、第2の協働カム面のドエル部360’’が第1のカムフォロア部材156及び第2のカムフォロア部材158と再度係合する。カム本体322が360度回転する毎、本明細書では、ボディメーカー10の1「サイクル」毎に、成形アセンブリ16が缶ボディを作ることは理解される。
【0152】
図5に関連して上述したように、あるカムフォロア取付通路175は、位置付けタブ194を有する偏心ブッシュ187を含む。偏心ブッシュ187は、カムフォロアアセンブリ150を2つの配置の間で動かすように構成されている。即ち、薄肉側188’’がマウントアセンブリ本体通路20により近づくように偏心ブッシュ187が配置されると、カムフォロア部材154の間の距離は最大となる。これが、カムフォロアアセンブリ150の第1の配置である。この配置では、カムフォロア部材154の間の距離は、カム本体のリッジ338の径方向幅Wよりも大きい。故に、後述するように、成形アセンブリ16は、カム本体のリッジ338に接触することなく、カム本体332の平面に対して概ね垂直な方向に移動可能である。即ち、カム本体332の平面が概ね水平になるようにカム本体332が配置される場合、そして、カムフォロアアセンブリ150が第1の配置にある場合、カムフォロアアセンブリ150がカム本体のリッジ338に接触又は実質的に接触することなく、成形アセンブリ16を、(例えば、適切な頭上式リフト機構を介して)カム本体332に対して持ち上げること又は下降させることが可能である。成形アセンブリの可動アセンブリのカムフォロアアセンブリ150が第1の配置にあるとき、カムフォロアのローラーベアリングの偏心ブッシュの位置付けタブ194は、任意の適切な機構(例えば、径方向凹部)を介して固定されることは理解される。従って、偏心ブッシュ187は、取付通路175内で回転することができない。
【0153】
逆に、偏心ブッシュ187が、肉厚側188’’がマウントアセンブリ本体の通路20に(図5に示すように)より近づくように配置されると、カムフォロア部材154の間の距離は最小となる。これは、成形アセンブリの可動アセンブリのカムフォロアアセンブリ150の第2の配置である。この配置では、カムフォロア部材154の間の距離は概ね又は実質的に、カム本体のリッジ338の径方向の幅Wと同じである。これが、カムフォロアアセンブリ150の作動配置である。この配置では、カム本体のリッジ338の、即ち、関連する協働カム面334、336、又は第1のカム面340及び第2のカム面342の位置における径方向の変化は、協働カム面334、336をカムフォロアアセンブリ150に作動的に係合させる。
【0154】
このような構成により、ボディメーカー10は、上述した課題を解決する。即ち、例えば、ラム駆動アセンブリ300は、先に定義された「ダイレクト」ラム駆動アセンブリ300である。即ち、ラム駆動アセンブリ300は、限定ではないがスイングアームのような揺動構造を用いることなく、(モータ出力シャフト312の)回転運動を(ラム本体122の)往復運動に変換するように構成されている。これにより、上述した課題は解決される。
【0155】
更に、ディスクカム330を有する上記のようなボディメーカー10は、既知のボディメーカーとは異なる構成を有することに留意のこと。上述のように、各ラム本体122は長手方向軸Lを有する。更に、カム本体332の回転軸は、先に定義されているように、ボディメーカーのラム駆動アセンブリ300の「一次回転軸」である。故に、カム本体332の回転軸は、本明細書では、「ラム駆動アセンブリ一次回転軸333」としても特定される。上述したように、各ラム本体長手方向軸Lは、ラム駆動アセンブリ一次回転軸333に対して概ね放射状に延びる(例えば、図2参照)。即ち、それらラム本体長手方向軸Lは、概ね平面内に配置されており、ラム駆動アセンブリ一次回転軸333を中心として径方向にオフセットしている。例示的な実施形態では、成形アセンブリ16は、ラム駆動アセンブリ一次回転軸333周りに概ね等間隔で配置されている。即ち、「N」個の成形アセンブリ16では、それら成形アセンブリ16は、約360°/N度間隔で配置される。例示的な実施形態では、ラム駆動アセンブリ一次回転軸333周りに配置された2つ以上の成形アセンブリ16が存在する。即ち、例示的な実施形態では、幾つかの成形アセンブリ16は、2つ以上10個以下の成形アセンブリ16を含む。更に、例示的な実施形態では、幾つかの成形アセンブリ16は、2つの成形アセンブリ16、4つの成形アセンブリ16、6つの成形アセンブリ16、8つの成形アセンブリ16、又は10の成形アセンブリ16のうちの何れかを含む。
【0156】
更に、例示的な実施形態では、偶数個の成形アセンブリ16がある場合、各成形アセンブリ16は、ラム駆動アセンブリ一次回転軸333を挟んで別の成形アセンブリ16と概ね対向するように配置されてよい(即ち、一次回転軸333周りに概ね180°に配置されてよい)。しかしながら、本明細書に記載の駆動配置は、それら成形アセンブリ16を、ラム駆動アセンブリ一次回転軸333を挟んで互いに対向しない他の構成で配置する(即ち、互いに対して180°以外に配置する)ことができることは理解されるであろう。例えば、例示的な一実施形態では、ボディメーカー10は、一次軸333を中心に45°だけ離れて配置された2つの成形アセンブリ16のみを含む。別の例では、ボディメーカー10は、一次軸333を中心に36°だけ離れて配置された2つの成形アセンブリ16のみを含む。更に、ボディメーカー10の隣接する成形アセンブリ16の間の角度間隔は、ボディメーカー10内の成形アセンブリ16の組の間で異なっていてよいことは理解されるであろう。一例として、限定ではないが、3つの成形アセンブリ16を有するボディメーカー10は、成形アセンブリ16のうちの2つが一次軸333を中心に90°だけ離れて配置されており、第3の成形アセンブリは、他の2つの成形アセンブリ16の各々に対して一次軸333を中心に135°だけ離れて配置されてよい。これらの構成の何れにおいても、ラム駆動アセンブリ300は、先に定義されているように、「単一ソース/[X]-アウトプットラム駆動アセンブリ」である。即ち、例えば、成形システム12が3つの成形アセンブリ16を含む場合、ラム駆動アセンブリ300は、単一ソース/3-アウトプットラム駆動アセンブリである。従って、4、5、6、7、8、9、又は10個の成形アセンブリ16のうちの何れかを含む成形システム12の場合、ラム駆動アセンブリ300は夫々、単一ソース/4-アウトプットラム駆動アセンブリ、単一ソース/5-アウトプットラム駆動アセンブリ、単一ソース/6-アウトプットラム駆動アセンブリ、単一ソース/7-アウトプットラム駆動アセンブリ、単一ソース/8-アウトプットラム駆動アセンブリ、単一ソース/9-アウトプットラム駆動アセンブリ、又は単一ソース/10-アウトプットラム駆動アセンブリである。図13には、8つの成形アセンブリ16を有する実施形態が示されている。
【0157】
例示的な実施形態では、成形システム12は4つの成形アセンブリ16を含む。図2に示すように、4つの成形アセンブリ16は、ラム駆動アセンブリ300の一次軸333を中心に約90度離れて又は実質的に90度離れて配置されている。更に、この構成では、成形アセンブリ16は、「非対称成形アセンブリ」である。即ち、この構成では、成形要素は互いに対して実質的に反対に移動しない。
【0158】
ボディメーカーがバレルカム330Bである図11に示すような実施形態では、カム本体332Bの回転軸は、一次回転軸333Bを規定する。しかしながら、この実施形態では、各ラム本体122の長手方向軸Lは、バレルカム330Bの一次回転軸333Bに概ね平行に延びる。
【0159】
ラムアセンブリ120、即ち、ラム本体122の動きの別の態様は、上述したようなラム駆動アセンブリ300のカム330による作動的係合によって生じるが、2つのラム本体が一度に同じ「中間位置」にはない。即ち、例えば、2つのラム本体122は、パンチ124がそれに関連するダイパック56に入っている状態に同時に配置されない。しかしながら、2つのラム本体122は、幾つかの構成では、パンチ124がそれに関連するダイパック56にあるように同時に配置されることに留意のこと。即ち、例えば、カム330が特定の向きにある成形システム12では、あるラム本体122のパンチ124がそれに関連するダイパック56の上流端にある一方で、別のラム本体122のパンチ124がそれに関連するダイパック56の下流端に配置されてよい。成形アセンブリ16が「非対称成形アセンブリ」である場合、最大抵抗を発生する場所にラムアセンブリ120が同時に配置されないことから、必要な電力、即ちモータ310のサイズ/電力が低減される。これにより、上述した課題は解決される。更に、上述したボディメーカー10、即ちラム駆動アセンブリ300は、成形アセンブリのフルセットよりも少ない状態で動作するように構成されており、そして選択的にそのようにされる。即ち、上述したボディメーカー10は、幾つかの成形アセンブリ16を備えている。特定のボディメーカー10に関する成形アセンブリ16の最大数は、幾つであっても、本明細書では、成形アセンブリ16の「フルセット」である。例えば、成形アセンブリ16の最大数が4つである実施形態では、成形アセンブリ16の「フルセット」は、4つの成形アセンブリ16を意味する。
【0160】
成形アセンブリ16が生じる荷重をバランスさせる必要があった従来技術のボディメーカーとは異なり、本発明のボディメーカー10は、成形アセンブリ16の「フルセット」未満で動作するように構成されており、必要な場合にはそのようにされる。例えば、成形アセンブリ16の「フルセット」が4つの成形アセンブリ16を意味する実施形態では、ボディメーカー10、即ちラム駆動アセンブリ300は、3つ、2つ、又は1つの成形アセンブリ16で動作するように構成されている。これにより、上述した課題は解決される。
【0161】
言い換えると、ボディメーカー10は、駆動アセンブリに動作可能に結合された全ての成形アセンブリよりも少ない数の成形アセンブリで動作するように構成され、必要な場合にはそのように動作する。即ち、クランクに結合された2つの成形アセンブリを有する従来技術のボディメーカーとは異なり、カム330の使用は、駆動アセンブリをバランスさせる必要を排除する。従って、例えば、4つの成形アセンブリ16のうちの1つを修理する必要がある場合、欠陥のある成形アセンブリ16は駆動アセンブリ300から取り離されて、その後、残りの3つの成形アセンブリ16が運転に戻される。本明細書では、ボディメーカー駆動アセンブリ300は、それに係合される全ての成形アセンブリ16よりも少ないもので動作するように構成されており、「制限負荷(limited load)」駆動アセンブリ300である。制限負荷駆動アセンブリ300の使用は、上述の問題点を解決する。
【0162】
図3図4及び図6に示されるような例示的な実施形態では、マウントアセンブリ14は、幾つかの成形アセンブリ配置アセンブリ400を更に含む。各成形アセンブリ16に関連した配置アセンブリ400は1つである。マウントアセンブリ本体18が概ね水平な面に配置される場合、各配置アセンブリ400は、実質的にマウントアセンブリ本体18の下方に配置される。各成形アセンブリの配置アセンブリ400は、成形アセンブリ16を移動させる(この構成では、持ち上げる/下げる)ように構成されている。即ち、各成形アセンブリの配置アセンブリ400は、成形アセンブリ16が関連するマウントアセンブリの板状体上面の凹部34から離れている(即ち、関連するマウントアセンブリの板状体上面の凹部34の上にある)図6に示すような第1の(非動作)位置と、成形アセンブリ16が関連するマウントアセンブリ板状体上面の凹部34内に配置されている図4に示すような第2の(動作)位置の間で、成形アセンブリを移動させるように構成されている。
【0163】
図示された例示的な実施形態では、各配置アセンブリ400は、流体圧力源402と、流体導管406を介してそれに結合され幾つかのアクチュエータ404とを含む。流体圧力源402は、空気圧又は油圧の任意の適切な源(例えば、限定ではないが、エアコンプレッサ、油圧ポンプ、遠隔圧力源からの供給ラインなど)であってよい。各アクチュエータは、対応する適切な圧力源に、可撓性の又堅い導管406を介して結合された適切な空気圧又は油圧アクチュエータであってよい。各アクチュエータ404の動きの制御は、任意の適切な制御機構(符号なし)を介して提供されてよい。或いは、各配置アセンブリは、適切な電力源から給電されて、適切なコントローラによって制御される電気アクチュエータを用いてよい。更に、各配置アセンブリ400は、各成形アセンブリ16をマウントアセンブリ14に固定するための1又は複数の適切なロック機構(図示せず。例えば、機械的及び/又は電磁的な機構)を含んでよい。
【0164】
成形アセンブリ16が第1の位置と第2の位置の間を移動している場合、そして、成形アセンブリ16が第1の(非動作)位置にある場合、カムフォロアアセンブリ150は、先に説明した第1の(広く離れた)配置にあることは理解される。更に、成形アセンブリ16が第2の(動作)位置にある場合、カムフォロアアセンブリ150は、先に述べた第2の(間隔が狭い)配置にある。
【0165】
マウントアセンブリの板状体上面の凹部34が「機械加工」凹部34である場合、成形アセンブリ16がマウントアセンブリの板状体の上面の機械加工凹部34に移動すると、各成形アセンブリ16は自動的に位置決めされる。或いは、成形アセンブリ16がマウントアセンブリの板状体上面の凹部34に配置された後、ユーザは、ガイドピン39を関連するガイドピン通路36、68に通すことによって、成形アセンブリ16を適切な配置に揃える。更に、ガイドピン39が、カムフォロアアセンブリ150のスライダ152の位置決めピン通路178と、カム330の位置決め通路344とに一時的に配置される。ガイドピン39を使用して、各成形アセンブリ16をカム330と適切に揃える。各成形アセンブリ16は、例示的な実施形態では、位置合わせされている一体の成形アセンブリ16であることに再び留意のこと。従って、各成形アセンブリ16を有する要素は、更なる位置合わせを必要としていない。これにより、上述した課題は解決される。
【0166】
ある実施形態では、ボディメーカー10は、単一の成形アセンブリ16を含む。別の実施形態では、ボディメーカー10は、複数の成形アセンブリ16を含む。別の実施形態では、ボディメーカー10は、偶数個の成形アセンブリ16を含む。故に、例示的な実施形態では、幾つかの成形アセンブリは、単一の成形アセンブリ16、2つの成形アセンブリ16、4つの成形アセンブリ16、6つの成形アセンブリ16、8つの成形アセンブリ16、又は10の成形アセンブリ16のうちの何れかを含んでいる。更に、上述したように、幾つかの成形アセンブリ16がカム本体332の回転軸を中心にして配置された状態で、それらの成形アセンブリ16の長手方向軸は、カム320の回転軸に対して概ね又は実質的に径方向に延びる。
【0167】
更に、ボディメーカー10が3つ以上の成形アセンブリ16を含む先に開示された構成では、ボディメーカー10は、1サイクルあたり3つ以上の缶ボディを製造する。これにより、上述した課題は解決される。即ち、例えば、4つの成形アセンブリ16を有する実施形態では、ボディメーカー10は、1サイクルあたり4つの缶ボディを製造する。更に、カム330が320r.p.m.で回転すると、4つの成形アセンブリ16を有するボディメーカー10、又は、4つの成形アセンブリ16を有する成形システム12は、1分あたり多数の缶ボディ、1分あたり非常に多数の缶ボディ、又は1分あたり極めて多数の缶ボディのうちの何れかを製造する。本明細書では、1分あたり「多数の」缶ボディは、1分あたり1,280個を超える缶ボディを意味する。本明細書では、1分あたり「非常に多数」の缶ボディは、1分あたり1,440個を超える缶ボディを意味する。本明細書では、1分あたり「極めて多数の」缶ボディは、1分あたり1,600個を超える缶ボディを意味する。1分あたり多数の缶ボディ、1分あたり非常に多数の缶ボディ、1分あたり極めて多数の缶ボディの何れかを製造するボディメーカー10は、上述の問題を解決する。
【0168】
更に、上述した缶ボディメーカー10の占める床スペースは、従来のボディメーカーと比較して「縮小」されている。本明細書では、「床スペース」という用語は、ボディメーカーから延びる要素の外縁によって画定されるスペースを含む。例えば、図13は、8つの成形アセンブリ16と関連する機械(例えば、トリマー)とを有する開示された概念の例示的な実施形態に基づくボディメーカー10’のレイアウトの俯瞰図である。このようなレイアウトは、約D1’×D2’の寸法を有する床スペースを占有する/必要とする。この例では、D1’及びD2’は共に366インチである。従って、このようなレイアウトが占める/必要とする全体の床スペースは、133,956平方インチ、即ち約930平方フィートである。比較として、図14は、8つの従来技術のボディメーカー1(即ち、図13のボディメーカー10’と同じ又は類似の生産量を達成するために必要な幾つかの従来技術のボディメーカー1)と関連する機械のレイアウトを示す。このようなレイアウトでは、約D1×D2の床スペースを占有する/必要とする。この例では、D1が885.5インチ、D2が432インチである。従って、このようなレイアウトによって占有/必要とされる全体の床スペースは、382,536平方インチ、即ち約2,656平方フィートであり、開示された概念に基づくボディメーカー10’の床スペースのおよそ3倍である。開示された概念に従ったボディメーカーは、より小さい又は「低減された」床スペースを必要する一方で同様の生産量を提供するので、そのようなボディメーカーが占有する床スペースは、従来のボディメーカーと比較して「低減される」。
【0169】
床スペースの節約に加えて、開示された概念に基づくボディメーカーは、従来の機構と比較して、等しい量の缶ボディを製造するために必要なエネルギが少ないことは理解されるべきである。例えば、従来のシングルヘッドのボディメーカーは75HPのモータを必要としている。最近発売された2ヘッドユニットでも75HPを必要としており、4ヘッドユニットは300HPを必要としている。全く対照的に、開示された概念に基づく4ヘッド(即ち、4つの成形アセンブリ16)のボディメーカーは、単一の30HPのモータを必要とするだけである。従って、同じ缶ボディ生産量であれば、開示された概念に基づくボディメーカーは、大幅なエネルギ節約をもたらす。更に、従来のボディメーカーは、成形/駆動の機構上、缶を作るのに必要なエネルギを供給するためにかなりの質量のフライホイールを必要としている。対照的に、成形アセンブリの質量が小さいだけでなく、ディスクカムの使用により利用可能なプロファイル(即ち、ストロークの端部における無加速部と、その結果による無慣性力及び無変形)のため、開示された概念に基づくボディメーカーは、このようなフライホイールを必要としない。
【0170】
発明の具体的な実施形態が詳細に説明されたが、本開示の全体的な教示に照らしてそれらの詳細に対する様々な修正及び代替がなされ得ることは当業者には理解されるであろう。従って、開示された特定の構成は、例示であることのみを意図されており、添付の特許請求の範囲及びその任意の且つ全ての均等物の全範囲として与えられる本発明の範囲に対する限定ではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図9C
図10
図11
図12
図12A
図12B
図12C
図13
図14
【国際調査報告】