(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-03
(54)【発明の名称】モル移送デバイス
(51)【国際特許分類】
G01N 1/00 20060101AFI20230626BHJP
G01N 31/12 20060101ALI20230626BHJP
【FI】
G01N1/00 101Q
G01N31/12 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022573231
(86)(22)【出願日】2021-06-03
(85)【翻訳文提出日】2022-11-25
(86)【国際出願番号】 IB2021054891
(87)【国際公開番号】W WO2021245606
(87)【国際公開日】2021-12-09
(32)【優先日】2020-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522461424
【氏名又は名称】レコ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100096758
【氏名又は名称】高橋 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100114845
【氏名又は名称】高橋 雅和
(74)【代理人】
【識別番号】100148781
【氏名又は名称】高橋 友和
(72)【発明者】
【氏名】ウィリス, ピーター エム.
(72)【発明者】
【氏名】ラッシュ, ブラッドリー アール.
【テーマコード(参考)】
2G042
2G052
【Fターム(参考)】
2G042AA01
2G042BA01
2G042BA04
2G042BA05
2G042CA10
2G042DA04
2G052AA07
2G052AA24
2G052AD22
2G052AD42
2G052CA04
2G052CA14
2G052CA20
2G052CA35
2G052CA38
2G052JA08
2G052JA11
(57)【要約】
未知のガス混合物及び変動圧力を有する源からの既知のモル量のガスの連続的な移送を提供する分析機器における使用のためのデバイスが提供される。典型的な流量制御デバイスの上流及び下流経路に加えて、デバイスは、既知の高圧でキャリアガスを導入するための中流経路を有する。デバイスは、少なくとも3つの等体積バラスト容器と、バラストを少なくとも3つの状態、すなわち充填、平衡化、及び空の状態で循環させるためのバルブ配置を有する。バラストは、上流ガスで充填され、中流圧力で加圧及び平衡化され、下流の経路に空になる。各バラストのサイクルは、位相関係において、他のバラストとタイミングを合わせて、流量を比較的中断しないようにする。一方が充填されるにつれて、もう一方が平衡化し、もう一方が空になる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モル移送デバイスであって、
バラスト機構であって、
第1のバラストシリンダと、
前記第1のバラストシリンダにおいて設けられた受動的ピストンであって、前記第1のバラストシリンダを第1のバラストと第2のバラストに分割する、受動的ピストンと、
前記第1のバラストにガスが流入し、そこから流出することを可能にする第1のバラストポートと、
前記第2のバラストにガスが流入し、そこから流出することを可能にする第2のバラストポートと、を含む、バラスト機構と、
バルブデバイスであって、
上流ガスポートと、中流ガスポートと、下流ガスポートと、を含むバルブ本体と、
(a)前記第2のバラストを前記下流ガスポート内に空にしながら、前記上流ガスポートから前記第1のバラスト内にガスを方向付けることと、(b)前記第1のバラストにおける前記ガスを平衡化するために、前記第1のバラストポートを前記中流ガスポートに結合することと、(c)前記第1のバラストを前記下流ガスポート内に空にしながら、前記上流ガスポートから前記第2のバラスト内にガスを方向付けることと、(d)前記第2のバラストにおける前記ガスを平衡化するために、前記第2のバラストポートを前記中流ガスポートに結合することと、を順次行うために、前記第1のバラストポート及び前記第2のバラストポートに結合された前記バルブ本体に含まれたバルブと、を含む、バルブデバイスと、を備える、モル移送デバイス。
【請求項2】
前記バラスト機構が、
第2のバラストシリンダと、
前記第2のバラストシリンダにおいて設けられた第2の受動的ピストンであって、前記第2のバラストシリンダを第3のバラストと第4のバラストに分割する、第2の受動的ピストンと、
前記第2のバラストにガスが流入し、そこから流出することを可能にする第3のバラストポートと、
前記第4のバラストにガスが流入し、そこから流出することを可能にする第4のバラストポートと、を更に含む、請求項1に記載のモル移送デバイス。
【請求項3】
前記バルブが、(a)前記第4のバラストを前記下流ガスポート内に空にしながら、前記上流ガスポートから前記第3のバラスト内にガスを方向付けることと、(b)前記第3のバラストにおける前記ガスを平衡化するために、前記第3のバラストポートを前記中流ガスポートに結合することと、(c)前記第3のバラストを前記下流ガスポート内に空にしながら、前記上流ガスポートから前記第4のバラスト内にガスを方向付けることと、(d)前記第4のバラストにおける前記ガスを平衡化するために、前記第4のバラストポートを前記中流ガスポートに結合することと、を順次行うために、前記第3のバラストポート及び前記第4のバラストポートに更に結合されている、請求項2に記載のモル移送デバイス。
【請求項4】
モル移送デバイスであって、
バラスト機構であって、
第1のバラストシリンダと、
前記第1のバラストシリンダにおいて設けられた受動的ピストンであって、前記第1のバラストシリンダを第1のバラストと第2のバラストに分割する、受動的ピストンと、
前記第1のバラストにガスが流入し、そこから流出することを可能にする第1のバラストポートと、
前記第2のバラストにガスが流入し、そこから流出することを可能にする第2のバラストポートと、を含む、バラスト機構と、
回転式バルブであって、
上流ガスポート、中流ガスポート、及び下流ガスポートと連通する円筒形ボアを有するバルブ本体と、
その中で回転するように前記円筒形ボア内において位置決めされた回転円筒形チャンバであって、前記回転円筒形チャンバが、第1の軸方向ポート、第2の軸方向ポート、第3の軸方向ポート、前記第1の軸方向ポートと連通する第1の半径方向ポート、前記第2の軸方向ポートと連通する第2の半径方向ポート、及び前記第3の軸方向ポートと連通する第3の半径方向ポートを有し、前記回転チャンバの外側円筒形壁が、前記円筒形ボアの前記内壁から離間されて、前記第1の半径方向ポート、前記第2の半径方向ポート、及び前記第3の半径方向ポートが、前記回転円筒形チャンバの前記回転位置に関係なく、それぞれ前記上流ガスポート、前記中流ガスポート、及び前記下流ガスポートと連通することを可能にする、回転円筒形チャンバと、
前記回転円筒形チャンバの前記回転位置に応じて、前記第1のバラストポートに接続され、前記第1の軸方向ポート、前記第2の軸方向ポート、及び前記第3の軸方向ポートのうちの1つと整列するように内部に延在する第1のキャップポートと、前記回転円筒形チャンバの前記回転位置に応じて、前記第2のバラストポートに接続され、前記第1の軸方向ポート、前記第2の軸方向ポート、及び前記第3の軸方向ポートのうちの別の1つと整列するように内部に延在する第2のキャップポートと、を含む、第1のバルブ端キャップと、
モータであって、前記モータは、前記第1の軸方向ポート、前記第2の軸方向ポート、及び前記第3の軸方向ポートのうちのどれが前記第1のキャップポート及び前記第2のキャップポートと整列されているかを変更するために、前記回転円筒形チャンバを異なる回転位置に回転させ、その結果、前記第1及び第2のバラストの各々が、前記上流ガス流からのガスで順次充填され、前記中流ガス流と平衡化され、前記下流ガス流内に空にされ、前記第1のバラストが充填されるにつれて、前記第2のバラストが空にされ、前記第2のバラストが充填されるにつれて、前記第1のバラストが空にされる、モータと、を含む、回転式バルブと、を備える、モル移送デバイス。
【請求項5】
前記バラスト機構が、
第2のバラストシリンダと、
前記第2のバラストシリンダにおいて設けられた第2の受動的ピストンであって、前記第2のバラストシリンダを第3のバラストと第4のバラストに分割する、第2の受動的ピストンと、
前記第2のバラストにガスが流入し、そこから流出することを可能にする第3のバラストポートと、
前記第4のバラストにガスが流入し、そこから流出することを可能にする第4のバラストポートと、を更に含む、請求項4に記載のモル移送デバイス。
【請求項6】
前記回転式バルブが、
前記回転円筒形チャンバの前記回転位置に応じて、前記第3のバラストポートに接続され、前記第1の軸方向ポート、前記第2の軸方向ポート、及び前記第3の軸方向ポートのうちの1つと整列するように内部に延在する第3のキャップポートと、前記回転円筒形チャンバの前記回転位置に応じて、前記第4のバラストポートに接続され、前記第1の軸方向ポート、前記第2の軸方向ポート、及び前記第3の軸方向ポートのうちの別の1つと整列するように内部に延在する第4のキャップポートと、を含む、第2のバルブ端キャップを更に含み、
前記モータが、前記第1の軸方向ポート、前記第2の軸方向ポート、及び前記第3の軸方向ポートのうちのどれが前記第1のキャップポート、前記第2のキャップポート、前記第3のキャップポート、及び前記第4のキャップポートと整列されているかを変更するために、前記回転円筒形チャンバを4つの異なる回転位置に回転させ、その結果、前記第1、第2、第3、及び第4のバラストの各々が、前記上流ガス流からのガスで順次充填され、前記中流ガス流と平衡化され、前記下流ガス流内に空にされ、前記第3のバラストが充填されるにつれて、前記第4のバラストが空にされ、前記第4のバラストが充填されるにつれて、前記第3のバラストが空にされる、請求項5に記載のモル移送デバイス。
【請求項7】
前記第3の軸方向ポートが、前記回転円筒形チャンバの前記4つの回転位置のうちの2つで、前記第3の軸方向ポート、したがって、前記下流ガスポートを前記第1、第2、第3、及び第4のキャップポートのうちの1つに接続するためのチャネルを、前記回転円筒形チャンバの両端に含む、請求項6に記載のモル移送デバイス。
【請求項8】
前記回転円筒状チャンバの前記4つの回転位置が、90度離間されている、請求項6又は7に記載のモル移送デバイス。
【請求項9】
前記中流ガスポートでの圧力が、前記上流ガスポートにおける最大予想圧力よりも高いレベルに維持されるため、前記中流ガスポートでの前記圧力が、前記バラストの前記平衡圧力を決定する、請求項4~8のいずれか一項に記載のモル移送デバイス。
【請求項10】
モル移送デバイスであって、
バラスト機構であって、
第1のバラストシリンダと、
前記第1のバラストシリンダにおいて設けられた受動的ピストンであって、前記第1のバラストシリンダを第1のバラストと第2のバラストに分割する、受動的ピストンと、
前記第1のバラストにガスが流入し、そこから流出することを可能にする第1のバラストポートと、
前記第2のバラストにガスが流入し、そこから流出することを可能にする第2のバラストポートと、を含む、バラスト機構と、
回転式バルブであって、
円筒形ボアを有するバルブ本体と、
その中で回転するように円筒形ボアにおいて位置決めされた回転円筒形チャンバであって、前記回転円筒形チャンバが、第1のポート、第2のポート、第3のポート、前記第1のポートと連通する第4のポート、前記第2のポートと連通する第5のポート、及び前記第3のポートと連通する第6のポートを有し、前記回転円筒形チャンバが、前記円筒の対向端に第1の端部及び第2の端部を有し、前記第1、第2、及び第3のポートが、前記第1の端部で開口し、前記第4、第5、及び第6のポートが、前記第2の端部で開口し、前記第2の端部が、前記回転円筒形チャンバの前記回転位置に関係なく、前記第4のポート、並びに上流ガスポート、中流ガスポート、及び下流ガスポートのうちの1つと連通する第1の環状溝を有し、前記第2の端部が、前記回転円筒形チャンバの前記回転位置に関係なく、前記第5のポート、並びに前記上流ガスポート、前記中流ガスポート、及び前記下流ガスポートのうちの別の1つと連通する第2の環状溝を更に含み、前記第6のポートが、前記第2の端部の中心において開口し、前記上流ガスポート、前記中流ガスポート、及び前記下流ガスポートのうちの更に別の1つと連通する、回転円筒形チャンバと、
前記回転円筒形チャンバの前記回転位置に応じて、前記第1のポート、前記第2のポート、及び前記第3のポートのうちの1つと整列するように内部に延在する第1のキャップポートと、前記回転円筒形チャンバの前記回転位置に応じて、前記第1のポート、前記第2のポート、及び前記第3のポートのうちの別の1つと整列するように内部に延在する第2のキャップポートと、を含む、第1のバルブ端キャップと、
モータであって、前記モータは、前記第1のポート、前記第2のポート、及び前記第3のポートのうちのどれが前記第1のキャップポート及び前記第2のキャップポートと整列されるかを変更するために、前記回転円筒形チャンバを異なる回転位置に回転させ、その結果、前記第1のキャップポート及び前記第2のキャップポートの各々が、前記上流ガスポート、前記中流ガスポート、及び前記下流ガスポートに順次接続される、モータと、を含む、回転式バルブと、を備える、モル移送デバイス。
【請求項11】
前記バラスト機構が、
第2のバラストシリンダと、
前記第2のバラストシリンダにおいて設けられた第2の受動的ピストンであって、前記第2のバラストシリンダを第3のバラストと第4のバラストに分割する、第2の受動的ピストンと、
前記第2のバラストにガスが流入し、そこから流出することを可能にする第3のバラストポートと、
前記第4のバラストにガスが流入し、そこから流出することを可能にする第4のバラストポートと、を更に含む、請求項10に記載のモル移送デバイス。
【請求項12】
前記回転式バルブが、
前記上流ガスポート、前記中流ガスポート、及び前記下流ガスポートが延在する第2のバルブ端キャップを更に含み、
前記第1のバルブ端キャップが、前記回転円筒形チャンバの前記回転位置に応じて、前記第1のポート、前記第2のポート、及び前記第3のポートのうちの1つと整列するように内部に延在する第3のキャップポートと、前記回転円筒形チャンバの前記回転位置に応じて、前記第1のポート、前記第2のポート、及び前記第3のポートのうちの別の1つと整列するように内部に延在する第4のキャップポートと、を更に含み、
前記モータが、前記第1のポート、前記第2のポート、及び前記第3のポートのうちのどれが前記第3のキャップポート及び前記第4のキャップポートと整列されるかを変更するために、前記回転円筒形チャンバを異なる回転位置に回転させ、その結果、前記第3のキャップポート及び前記第4のキャップポートの各々が、前記上流ガスポート、前記中流ガスポート、及び前記下流ガスポートに順次接続される、請求項11に記載のモル移送デバイス。
【請求項13】
前記回転円筒形チャンバの前記4つの回転位置が、90度離間されている、請求項12に記載のモル移送デバイス。
【請求項14】
前記中流ガスポートでの圧力が、前記上流ガスポートにおける最大予想圧力よりも高いレベルに維持されるため、前記中流ガスポートでの前記圧力が、前記バラストの前記平衡圧力を決定する、請求項10~13のいずれか一項に記載のモル移送デバイス。
【請求項15】
バラスト機構であって、
第1のバラストシリンダと、
前記第1のバラストシリンダにおいて設けられた受動的ピストンであって、前記第1のバラストシリンダを第1のバラストと第2のバラストに分割する、受動的ピストンと、
前記第1のバラストにガスが流入し、そこから流出することを可能にする第1のバラストポートと、
前記第2のバラストにガスが流入し、そこから流出することを可能にする第2のバラストポートと、
第2のバラストシリンダと、
前記第2のバラストシリンダにおいて設けられた第2の受動的ピストンであって、前記第2のバラストシリンダを第3のバラストと第4のバラストに分割する、第2の受動的ピストンと、
前記第2のバラストにガスが流入し、そこから流出することを可能にする第3のバラストポートと、
前記第4のバラストにガスが流入し、そこから流出することを可能にする第4のバラストポートと、を備える、バラスト機構。
【請求項16】
前記第1のバラスト、前記第2のバラスト、前記第3のバラスト、及び前記第4のバラストが、等しい体積を有する、請求項15に記載のバラスト機構。
【請求項17】
前記第1のバラスト、前記第2のバラスト、前記第3のバラスト、及び前記第4のバラストが、約200ml~500mlの体積を有する、請求項16に記載のバラスト機構。
【請求項18】
回転式バルブであって、
上流ガスポート、中流ガスポート、及び下流ガスポートと連通する円筒形ボアを有するバルブ本体と、
その中で回転するように前記円筒形ボア内において位置決めされた回転円筒形チャンバであって、前記回転円筒形チャンバが、第1の軸方向ポート、第2の軸方向ポート、第3の軸方向ポート、前記第1の軸方向ポートと連通する第1の半径方向ポート、前記第2の軸方向ポートと連通する第2の半径方向ポート、及び前記第3の軸方向ポートと連通する第3の半径方向ポートを有し、前記回転チャンバの外側円筒形壁が、前記円筒形ボアの前記内壁から離間されて、前記第1の半径方向ポート、前記第2の半径方向ポート、及び前記第3の半径方向ポートが、前記回転円筒形チャンバの前記回転位置に関係なく、それぞれ前記上流ガスポート、前記中流ガスポート、及び前記下流ガスポートと連通することを可能にする、回転円筒形チャンバと、
前記回転円筒形チャンバの前記回転位置に応じて、前記第1の軸方向ポート、前記第2の軸方向ポート、及び前記第3の軸方向ポートのうちの1つと整列するように内部に延在する第1のキャップポートと、前記回転円筒形チャンバの前記回転位置に応じて、前記第1の軸方向ポート、前記第2の軸方向ポート、及び前記第3の軸方向ポートのうちの別の1つと整列するように内部に延在する第2のキャップポートと、を含む、第1のバルブ端キャップと、
モータであって、前記モータは、前記第1の軸方向ポート、前記第2の軸方向ポート、及び前記第3の軸方向ポートのうちのどれが前記第1のキャップポート及び前記第2のキャップポートと整列されるかを変更するために、前記回転円筒形チャンバを異なる回転位置に回転させ、その結果、前記第1のキャップポート及び前記第2のキャップポートの各々が、前記上流ガスポート、前記中流ガスポート、及び前記下流ガスポートに順次接続される、モータと、を備える、回転式バルブ。
【請求項19】
前記第1の軸方向ポート、前記第2の軸方向ポート、及び前記第3の軸方向ポートの各々が、前記回転円筒形チャンバの長さを延在し、第1の端部及び第2の端部を含むその対向端で開口し、前記第1の端部が、前記第1のバルブ端キャップで開口する、請求項18に記載の回転式バルブ。
【請求項20】
前記回転円筒形チャンバの前記回転位置に応じて、前記第1の軸方向ポート、前記第2の軸方向ポート、及び前記第3の軸方向ポートのうちの1つの前記第2の端部と整列するように内部に延在する第3のキャップポートと、前記回転円筒形チャンバの前記回転位置に応じて、前記第1の軸方向ポート、前記第2の軸方向ポート、及び前記第3の軸方向ポートのうちの別の1つの前記第2の端部と整列するように内部に延在する第4のキャップポートと、を含む、第2のバルブ端キャップを更に含み、
前記モータが、前記第1の軸方向ポート、前記第2の軸方向ポート、及び前記第3の軸方向ポートのうちのどれが前記第3のキャップポート及び前記第4のキャップポートと整列されるかを変更するために、前記回転円筒形チャンバを異なる回転位置に回転させ、その結果、前記第3のキャップポート及び前記第4のキャップポートの各々が、前記上流ガスポート、前記中流ガスポート、及び前記下流ガスポートに順次接続される、請求項19に記載の回転式バルブ。
【請求項21】
前記3つの半径方向ポートを互いから、かつ外部環境から密封するために、前記ボアの前記長さに沿って離間された場所に位置する4つの回転式シールを更に備える、請求項18~20のいずれか一項に記載の回転式バルブ。
【請求項22】
前記第3の軸方向ポートが、前記回転円筒形チャンバの前記4つの回転位置のうちの2つで、前記第3の軸方向ポート、したがって、前記下流ガスポートを前記第1、第2、第3、及び第4のキャップポートのうちの1つに接続するためのチャネルを、前記回転円筒形チャンバの両端に含む、請求項18~21のいずれか一項に記載の回転式バルブ。
【請求項23】
回転式バルブであって、
円筒形ボアを有するバルブ本体と、
その中で回転するように前記円筒形ボアにおいて位置決めされた回転円筒形チャンバであって、前記回転円筒形チャンバが、第1のポート、第2のポート、第3のポート、前記第1のポートと連通する第4のポート、前記第2のポートと連通する第5のポート、及び前記第3のポートと連通する第6のポートを有し、前記回転円筒形チャンバが、前記円筒の対向端に第1の端部及び第2の端部を有し、前記第1、第2、及び第3のポートが、前記第1の端部で開口し、前記第4、第5、及び第6のポートが、前記第2の端部で開口し、前記第2の端部が、前記回転円筒形チャンバの前記回転位置に関係なく、前記第4のポート、並びに上流ガスポート、中流ガスポート、及び下流ガスポートのうちの1つと連通する第1の環状溝を有し、前記第2の端部が、前記回転円筒形チャンバの前記回転位置に関係なく、前記第5のポート、並びに前記上流ガスポート、前記中流ガスポート、及び前記下流ガスポートのうちの別の1つと連通する第2の環状溝を更に含み、前記第6のポートが、前記第2の端部の中心において開口し、前記上流ガスポート、前記中流ガスポート、及び前記下流ガスポートのうちの更に別の1つと連通する、回転円筒形チャンバと、
前記回転円筒形チャンバの前記回転位置に応じて、前記第1のポート、前記第2のポート、及び前記第3のポートのうちの1つと整列するように内部に延在する第1のキャップポートと、前記回転円筒形チャンバの前記回転位置に応じて、前記第1のポート、前記第2のポート、及び前記第3のポートのうちの別の1つと整列するように内部に延在する第2のキャップポートと、を含む、第1のバルブ端キャップと、
モータであって、前記モータは、前記第1のポート、前記第2のポート、及び前記第3のポートのうちのどれが前記第1のキャップポート及び前記第2のキャップポートと整列されるかを変更するために、前記回転円筒形チャンバを異なる回転位置に回転させ、その結果、前記第1のキャップポート及び前記第2のキャップポートの各々が、前記上流ガスポート、前記中流ガスポート、及び前記下流ガスポートに順次接続される、モータと、を備える、回転式バルブ。
【請求項24】
前記上流ガスポート、前記中流ガスポート、及び前記下流ガスポートが延在する第2のバルブ端キャップを更に備え、
前記第1のバルブ端キャップが、前記回転円筒形チャンバの前記回転位置に応じて、前記第1のポート、前記第2のポート、及び前記第3のポートのうちの1つと整列するように内部に延在する第3のキャップポートと、前記回転円筒形チャンバの前記回転位置に応じて、前記第1のポート、前記第2のポート、及び前記第3のポートのうちの別の1つと整列するように内部に延在する第4のキャップポートと、を更に含み、
前記モータが、前記第1のポート、前記第2のポート、及び前記第3のポートのうちのどれが前記第3のキャップポート及び前記第4のキャップポートと整列されるかを変更するために、前記回転円筒形チャンバを異なる回転位置に回転させ、その結果、前記第3のキャップポート及び前記第4のキャップポートの各々が、前記上流ガスポート、前記中流ガスポート、及び前記下流ガスポートに順次接続される、請求項23に記載の回転式バルブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モル移送デバイス、特に、元素分析器のためのモル移送デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
有機材料における炭素、水素、及び窒素などの元素の判定は、多くの理由から望ましい。近年、食品市場は試料中のタンパク質の量を判定することに関心を有するようになり、これは、窒素含有量によって判定することができる。したがって、窒素の判定は、栄養市場に有用な情報を提供する上で重要である。炭素対水素比は、様々な他の有機材料における炭素、水素、及び窒素比と同様に、石炭及びコークス試料の特徴付けにおいて望ましい。したがって、元素分析器は、これら及び他の用途にしばらくの間使用されてきた。
【0003】
本元素分析器において、燃焼又は還元炉は、それによって生成される燃焼ガスが分析され得るように、試料材料を燃焼又は還元するために提供され得る。1つのかかる分析器システムは、本譲受人に割り当てられた米国特許第7,070,738号に記載されている。米国特許第7,497,991号、同第4,622,009号、同第6,291,802号、同第6,270,727号もまた、燃焼システムの構成要素を開示している。
【0004】
いくつかの元素分析器は、未知の速度で試料材料から進化しているガスを運ぶ、燃焼又は還元炉を掃引するキャリアガスを備えている。流路に沿った他の場所では、選択されたガスが除去又は変換される。ガス成分の相対濃度が未知であり変動する、そのような事象の下流の領域における流量を制御することがしばしば必要であるか、又は望ましい。ガス組成物の変動は、粘度又は熱伝導率などの少なくとも1つのガス特性が一定であることに依存する、従来の流量コントローラの問題を引き起こす。これらの特性は、ガス混合物が変化するにつれて変化し、それによって流速に影響を与える。
【0005】
米国特許第4,525,328号は、流量を制御する試みを放棄し、むしろ大きなバラスト容器における試料燃焼から燃焼ガスを収集する分析器を記載している。燃焼を支持するために必要な最小酸素流量及び最長試料燃焼時間は、バラストのサイズ要件を決定する。より短い燃焼時間を必要とする試料については、バラストが充填されるずっと前に燃焼が完了される。バラストの残りは高価な高純度酸素キャリアガスで充填され、これは、分析ガスを希釈し、検出限界を悪化させる。充填後、容器は平衡化し、下流の更なる分析のために、内容物からアリコートが採取される。次に、バラストが空にされて、パージされる。分析時間は、一部の試料の燃焼時間よりも2~4倍長くすることができる。この方法は、繰り返し可能な結果を提供するが、感度、コスト、及び速度の点で苦しむ。
【0006】
米国特許第9,435,758号は、より小さいバラスト体積の一方を循環的に充填し、他方を空にすることによって、バラストアイデアを拡張する双方向バラストシステムを開示している。このアプローチは、ガス消費、希釈、及び分析時間を削減するが、空にする前にガスを完全に混合することはできず、上流の燃焼事象により、バラスト圧力が変動して精度が悪くなる。
【0007】
燃焼ガスを一定速度で移送するために、様々なポンプが使用されている。しかしながら、ガス混合物及びそれによるガス粘度の変動は、ポンプ入口における圧力低下を変動させる。これ及び圧力の変動のため、ポンプは分析中に変動速度でガスを移送する。
【発明の概要】
【0008】
開示された本発明は、上流源が変動圧力でのガスの未知の混合物を有する、既知のモル量のガスを移送する上記の制限を克服する。デバイスは、上流、下流、及び中流の3つのガス接続を有する。中流経路は、上流圧力と比較して上昇した圧力で、キャリアガスを導入する。デバイスは、少なくとも3つの充填可能なバラスト、及び3つのガス流をバラストに循環的に方向付けるためのバルブ配置を有する。デバイス温度を測定又は制御する手段も提供される。
【0009】
各バラストは、充填、平衡、空の少なくとも3つの状態を循環する。バラストは、上流及び下流の流量が比較的中断されないように、互いに対して位相的において循環される。充填状態では、上流経路からのガスがバラストを充填する。平衡状態では、キャリアガスはバラストにおけるガスが混合している間、バラストを再現可能なレベルに加圧する。最終的な状態では、バラストの内容物は下流の経路に空にされる。
【0010】
理想気体の状態方程式は、圧力、温度、及び体積が既知の場合、デバイスのサイクルごとに移送されるモル数が、ガス混合物に関係なく既知であることを示す。
【0011】
本発明の一態様によれば、バラスト機構であって、第1のバラストシリンダと、第1のバラストシリンダにおいて設けられた受動的ピストンであって、第1のバラストシリンダを第1のバラストと第2のバラストに分割する、受動的ピストンと、第1のバラストにガスが流入し、そこから流出することを可能にする第1のバラストポートと、第2のバラストにガスが流入し、そこから流出することを可能にする第2のバラストポートと、を含む、バラスト機構を備える、モル移送デバイスが提供される。モル移送デバイスは、バルブデバイスであって、上流ガスポートと、中流ガスポートと、下流ガスポートと、を含むバルブ本体と、(a)第2のバラストを下流ガスポート内に空にしながら、上流ガスポートから第1のバラスト内にガスを方向付けることと、(b)第1のバラストにおけるガスを平衡化するために、第1のバラストポートを中流ガスポートに結合することと、(c)第1のバラストを下流ガスポート内に空にしながら、上流ガスポートから第2のバラスト内にガスを方向付けることと、(d)第2のバラストにおけるガスを平衡化するために、第2のバラストポートを中流ガスポートに結合することと、を順次行うために、第1のバラストポート及び第2のバラストポートに結合されたバルブ本体に含まれたバルブと、を含む、バルブデバイスを更に備える。
【0012】
本発明の別の態様によれば、バラスト機構と、回転式バルブと、を備える、モル移送デバイスが提供される。バラスト機構は、第1のバラストシリンダと、第1のバラストシリンダにおいて設けられた受動的ピストンであって、第1のバラストシリンダを第1のバラストと第2のバラストに分割する、受動的ピストンと、第1のバラストにガスが流入し、そこから流出することを可能にする第1のバラストポートと、第2のバラストにガスが流入し、そこから流出することを可能にする第2のバラストポートと、を含む。回転式バルブは、上流ガスポート、中流ガスポート、及び下流ガスポートと連通する円筒形ボアを有するバルブ本体と、その中で回転するように円筒形ボア内において位置決めされた回転円筒形チャンバであって、回転円筒形チャンバが、第1の軸方向ポート、第2の軸方向ポート、第3の軸方向ポート、第1の軸方向ポートと連通する第1の半径方向ポート、第2の軸方向ポートと連通する第2の半径方向ポート、及び第3の軸方向ポートと連通する第3の半径方向ポートを有し、回転チャンバの外側円筒形壁が、円筒形ボアの内壁から離間されて、第1の半径方向ポート、第2の半径方向ポート、及び第3の半径方向ポートが、回転円筒形チャンバの回転位置に関係なく、それぞれ上流ガスポート、中流ガスポート、及び下流ガスポートと連通することを可能にする、回転円筒形チャンバと、回転円筒形チャンバの回転位置に応じて、第1のバラストポートに接続され、第1の軸方向ポート、第2の軸方向ポート、及び第3の軸方向ポートのうちの1つと整列するように内部に延在する第1のキャップポートと、回転円筒形チャンバの回転位置に応じて、第2のバラストポートに接続され、第1の軸方向ポート、第2の軸方向ポート、及び第3の軸方向ポートのうちの別の1つと整列するように内部に延在する第2のキャップポートと、を含む、第1のバルブ端キャップと、モータであって、モータは、第1の軸方向ポート、第2の軸方向ポート、及び第3の軸方向ポートのうちのどれが第1のキャップポート及び第2のキャップポートと整列されているかを変更するために、回転円筒形チャンバを異なる回転位置に回転させ、その結果、第1及び第2のバラストの各々が、上流ガス流からのガスで順次充填され、中流ガス流と平衡化され、下流ガス流内に空にされ、第1のバラストが充填されるにつれて、第2のバラストが空にされ、第2のバラストが充填されるにつれて、第1のバラストが空にされる、モータと、を含む。
【0013】
本発明の別の態様によれば、バラスト機構であって、第1のバラストシリンダと、第1のバラストシリンダにおいて設けられた受動的ピストンであって、第1のバラストシリンダを第1のバラストと第2のバラストに分割する、受動的ピストンと、第1のバラストにガスが流入し、そこから流出することを可能にする第1のバラストポートと、第2のバラストにガスが流入し、そこから流出することを可能にする第2のバラストポートと、を含む、バラスト機構を備える、モル移送デバイスが提供される。モル移送デバイスは、回転式バルブであって、円筒形ボアを有するバルブ本体と、その中で回転するように円筒形ボアにおいて位置決めされた回転円筒形チャンバであって、回転円筒形チャンバが、第1のポート、第2のポート、第3のポート、第1のポートと連通する第4のポート、第2のポートと連通する第5のポート、及び第3のポートと連通する第6のポートを有し、回転円筒形チャンバが、円筒の対向端に第1の端部及び第2の端部を有し、第1、第2、及び第3のポートが、第1の端部で開口し、第4、第5、及び第6のポートが、第2の端部で開口し、第2の端部が、回転円筒形チャンバの回転位置に関係なく、第4のポート、並びに上流ガスポート、中流ガスポート、及び下流ガスポートのうちの1つと連通する第1の環状溝を有し、第2の端部が、回転円筒形チャンバの回転位置に関係なく、第5のポート、並びに上流ガスポート、中流ガスポート、及び下流ガスポートのうちの別の1つと連通する第2の環状溝を更に含み、第6のポートが、第2の端部の中心において開口し、上流ガスポート、中流ガスポート、及び下流ガスポートのうちの更に別の1つと連通する、回転円筒形チャンバと、回転円筒形チャンバの回転位置に応じて、第1のポート、第2のポート、及び第3のポートのうちの1つと整列するように内部に延在する第1のキャップポートと、回転円筒形チャンバの回転位置に応じて、第1のポート、第2のポート、及び第3のポートのうちの別の1つと整列するように内部に延在する第2のキャップポートと、を含む、第1のバルブ端キャップと、モータであって、第1のポート、第2のポート、及び第3のポートのうちのどれが第1のキャップポート及び第2のキャップポートと整列されるかを変更するために、回転円筒形チャンバを異なる回転位置に回転させ、その結果、第1のキャップポート及び第2のキャップポートの各々が、上流ガスポート、中流ガスポート、及び下流ガスポートに順次接続される、モータと、を含む、回転式バルブを更に備える。
【0014】
本発明の別の態様によれば、バラスト機構は、第1のバラストシリンダと、第1のバラストシリンダにおいて設けられた受動的ピストンであって、第1のバラストシリンダを第1のバラストと第2のバラストに分割する、受動ピストンと、第1のバラストにガスが流入し、そこから流出することを可能にする第1のバラストポートと、第2のバラストにガスが流入し、そこから流出することを可能にする第2のバラストポートと、第2のバラストシリンダと、第2のバラストシリンダにおいて設けられた第2の受動的ピストンであって、第2のバラストシリンダを第3のバラストと第4のバラストに分割する、第2の受動的ピストンと、第2のバラストにガスが流入し、そこから流出することを可能にする第3のバラストポートと、第4のバラストにガスが流入し、そこから流出することを可能にする第4のバラストポートと、を含む。
【0015】
本発明の別の態様によれば、回転式バルブであって、上流ガスポート、中流ガスポート、及び下流ガスポートと連通する円筒形ボアを有するバルブ本体と、その中で回転するように円筒形ボア内において位置決めされた回転円筒形チャンバであって、回転円筒形チャンバが、第1の軸方向ポート、第2の軸方向ポート、第3の軸方向ポート、第1の軸方向ポートと連通する第1の半径方向ポート、第2の軸方向ポートと連通する第2の半径方向ポート、及び第3の軸方向ポートと連通する第3の半径方向ポートを有し、回転チャンバの外側円筒形壁が、円筒形ボアの内壁から離間されて、第1の半径方向ポート、第2の半径方向ポート、及び第3の半径方向ポートが、回転円筒形チャンバの回転位置に関係なく、それぞれ上流ガスポート、中流ガスポート、及び下流ガスポートと連通することを可能にする、回転円筒形チャンバと、回転円筒形チャンバの回転位置に応じて、第1の軸方向ポート、第2の軸方向ポート、及び第3の軸方向ポートのうちの1つと整列するように内部に延在する第1のキャップポートと、回転円筒形チャンバの回転位置に応じて、第1の軸方向ポート、第2の軸方向ポート、及び第3の軸方向ポートのうちの別の1つと整列するように内部に延在する第2のキャップポートと、を含む、第1のバルブ端キャップと、モータであって、モータは、第1の軸方向ポート、第2の軸方向ポート、及び第3の軸方向ポートのうちのどれが第1のキャップポート及び第2のキャップポートと整列されるかを変更するために、回転円筒形チャンバを異なる回転位置に回転させ、その結果、第1のキャップポート及び第2のキャップポートの各々が、上流ガスポート、中流ガスポート、及び下流ガスポートに順次接続される、モータと、を備える、回転式バルブが、提供される。
【0016】
本発明の別の態様によれば、回転式バルブであって、円筒形ボアを有するバルブ本体と、その中で回転するように円筒形ボアにおいて位置決めされた回転円筒形チャンバであって、回転円筒形チャンバが、第1のポート、第2のポート、第3のポート、第1のポートと連通する第4のポート、第2のポートと連通する第5のポート、及び第3のポートと連通する第6のポートを有し、回転円筒形チャンバが、円筒の対向端に第1の端部及び第2の端部を有し、第1、第2、及び第3のポートが、第1の端部で開口し、第4、第5、及び第6のポートが、第2の端部で開口し、第2の端部が、回転円筒形チャンバの回転位置に関係なく、第4のポート、並びに上流ガスポート、中流ガスポート、及び下流ガスポートのうちの1つと連通する第1の環状溝を有し、第2の端部が、回転円筒形チャンバの回転位置に関係なく、第5のポート、並びに上流ガスポート、中流ガスポート、及び下流ガスポートのうちの別の1つと連通する第2の環状溝を更に含み、第6のポートが、第2の端部の中心において開口し、上流ガスポート、中流ガスポート、及び下流ガスポートのうちの更に別の1つと連通する、回転円筒形チャンバと、回転円筒形チャンバの回転位置に応じて、第1のポート、第2のポート、及び第3のポートのうちの1つと整列するように内部に延在する第1のキャップポートと、回転円筒形チャンバの回転位置に応じて、第1のポート、第2のポート、及び第3のポートのうちの別の1つと整列するように内部に延在する第2のキャップポートと、を含む、第1のバルブ端キャップと、モータであって、モータは、第1のポート、第2のポート、及び第3のポートのうちのどれが第1のキャップポート及び第2のキャップポートと整列されるかを変更するために、回転円筒形チャンバを異なる回転位置に回転させ、その結果、第1のキャップポート及び第2のキャップポートの各々が、上流ガスポート、中流ガスポート、及び下流ガスポートに順次接続される、モータと、を備える、回転式バルブが、提供される。
【0017】
本発明のこれら及び他の特徴、目的、及び利点は、添付の図面を参照しながら、以下の説明を読むことによって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図面では、
【
図2】
図1に示されるモル移送デバイスにおいて使用されるバラスト機構の斜視図である。
【
図3】
図1に示されるモル移送デバイスにおいて使用される回転式バルブの斜視図である。
【
図4】
図3に示される回転式バルブにおいて使用される回転円筒形チャンバの斜視図である。
【
図5】
図3に示す回転式バルブの部分断面斜視図である。
【
図6】
図3に示される回転式バルブにおいて使用されるバルブ本体の斜視図である。
【
図7A】一連の動作サイクルにおける
図1に示されるモル移送デバイスの概略図である。
【
図7B】一連の動作サイクルにおける
図1に示されるモル移送デバイスの概略図である。
【
図7C】一連の動作サイクルにおける
図1に示されるモル移送デバイスの概略図である。
【
図7D】一連の動作サイクルにおける
図1に示されるモル移送デバイスの概略図である。
【
図7E】一連の動作サイクルにおける
図1に示されるモル移送デバイスの概略図である。
【
図7F】一連の動作サイクルにおける
図1に示されるモル移送デバイスの概略図である。
【
図7G】一連の動作サイクルにおける
図1に示されるモル移送デバイスの概略図である。
【
図7H】一連の動作サイクルにおける
図1に示されるモル移送デバイスの概略図である。
【
図8】
図1に示されるモル移送デバイスにおいて使用され得る代替の回転式バルブの斜視図である。
【
図9】
図8に示される回転式バルブの部分断面斜視図である。
【
図10】
図8に示される回転式バルブの部分断面斜視図である。
【
図11】
図8に示される回転式バルブにおいて使用される回転円筒形チャンバの斜視図である。
【
図12】
図11に示される回転円筒形チャンバの斜視図である。
【
図13】
図11に示される回転円筒形チャンバの底面図である。
【
図14】線XIV-XIVに沿って取られた、
図11に示される回転円筒形チャンバの断面図である。
【
図15】線XV-XVに沿って取られた、
図11に示される回転円筒形チャンバの断面図である。
【
図16】
図8に示される回転式バルブの分解斜視図である。
【
図17】
図1に示されるモル移送デバイスを使用する元素分析器のブロック図である。
【
図18】1つの大きな4.5リットルのバラストを使用するデバイス及び200mlバラストを有するデバイスの経時的な試料分析を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
最初に
図1を参照すると、モル移送デバイス10が示される。一実施形態では、モル移送デバイス10は、酸素キャリアガスを備えた元素燃焼分析器200(
図8)において使用される。モル移送デバイス10は、可動ピストン23を備えた少なくとも第1のバラストシリンダ21を備えたバラスト機構20を有する。ピストン23は、第1のバラストシリンダ21を個々のバラストに分割し、それによって、第1のバラスト25及び第2のバラスト26を提供する。第2のバラストシリンダ22は、第2のバラストシリンダ22を第3のバラスト27及び第4のバラスト28に分割する可動ピストン24を有することができる。第1及び第2のバラストシリンダ21及び22は、等しい体積であってもよい。
【0020】
モル移送デバイス10は、上流ガス流A、中流ガス流B、及び下流ガス流Cの3つのガス流に接続される。回転式バルブ50は、3つの流A、B、及びCを、4つのバラスト25、26、27、及び28に循環的に接続するために使用される。モル移送デバイス10は、デバイスのサイクルごとに移送されるガスのモル量が一定であるように、定温オーブン内に位置し得る。
【0021】
バラストの説明
図1及び
図2に示すように、バラスト機構20は、第1のバラスト端キャップ30と、体積に入るガスを分散させるための内部ノズルを備えた第2のバラスト端キャップ32と、を含む。第1のバラストポート33aは、第1のバラスト25にガスが流入し、そこから流出することを可能にし、第2のバラストポート34aは、第2のバラスト26にガスが流入し、そこから流出することを可能にし、第3のバラストポート35aは、第3のバラスト27にガスが流入し、そこから流出することを可能にし、第4のバラストポート36aは、第4のバラスト28にガスが流入し、そこから流出することを可能にする。第1及び第3のバラストポート33a及び35aは、ノズルを第1のバラスト端キャップ30の外部に接続し、そこで、コネクタ33及び35が、回転式バルブ50に接続するために提供されてもよい。同様に、第2のバラストポート34a及び第4のバラストポート36aは、ノズルを第2のバラスト端キャップ30の外部に接続し、そこで、コネクタ34及び36は、回転式バルブ50に接続するために提供されてもよい。
【0022】
ピストン速度は、上流及び下流経路間の圧力差によって制御される。ピストン23、24がシリンダ21、22内において移動しているとき、一方の側のバラスト25、27が充填され、他方の側のバラスト26、28が空になっている。上流圧力は比較的一定に保たれているが、この圧力は燃焼事象により、多少変動すると予想される。中流キャリア圧力は、その圧力が常にバラストの平衡圧力を決定するように、期待される最大上流圧力を超えるレベルに正確に維持されている。ピストン速度を制御し、それによって、モル移送デバイス10の所望の充填速度を制御するために、下流経路における比例バルブなどの調整可能な制限が存在する。バルブタイミングは、単位時間ごとに所望のモル量のガスが移送されるように決定される。回転式バルブ50は、ピストン23、24がその移動の終わりに達した直後に循環することが意図されている。燃焼中に上流圧力が変動するため、ピストン23、24は、バルブ50が循環される前に移動の終わりに到達しない場合がある。バルブにおいて、ピストン23、24が、デバイス10のモル移送速度に影響を与えることなく、平衡状態中にその移動を完了することを可能にする手段が提供される。
【0023】
バラスト25、26、27、及び28は、充填、平衡化、空、及び待機の4つの状態を循環する。回転式バルブ50は、バラスト25、26、27、及び28を互いに位相関係において配列し、その結果、常に1回の充填、1回の平衡化、1回の空化、及び1回の待機が存在する。
【0024】
バラストサイズは、燃焼を維持するために必要な酸素流量、及びガスを徹底的に混合する時間によって決定される。1つの分析器は5lpmの酸素流量を必要とし、ガスは5秒後に混合されるとみなされる。この分析器の最短燃焼時間は約10秒であるため、体積は、過希釈を避けて、燃焼ピーク時の約半分の燃焼ガスで充填されている。得られるバラスト体積は、約0.4リットルである。
【数1】
【0025】
1つの大きなバラスト(例えば、4.5リットル)を使用して、より長時間の燃焼事象の生成物の全てを収集する場合、バラストは、燃焼事象がより短いときに必要なものよりも大きくてもよく、それは、次いで、キャリアガス(典型的には高純度酸素)による収集されたガスの希釈をもたらす。単一の大きなバラストをより小さなバラスト(例えば200~400ml)に置き換えることにより、希釈を防止し、高価な酸素量を低減させることができる。
【0026】
ピストン23及び24は、ピストンにシール又はグリースを必要としないでよいように、低摩擦材料で構成され得る。これにより、保守コストが低減される。
【0027】
回転式バルブの説明
回転式バルブ50は、3つの流A、B、及びCと、4つのバラスト25、26、27、及び28との間のガスを循環的に方向付けるために使用される。
図1、
図3、及び
図5に示されるように、回転式バルブ50は、回転円筒形チャンバ60、バルブ本体70、第1のバルブ端キャップ80、第2のバルブ端キャップ90、第1の端シール85、第2の端シール95、回転式シール71、72、73、74、及びモータ98からなる。
【0028】
図4に示すように、回転円筒形チャンバ60は、チャンバ60の長さを軸方向に延在し、両方のチャンバ面61及び62で開口する3つの内部軸方向ポート63、64、及び65を備えた平坦な端面61及び62を有する。軸方向ポート63、64、及び65は、面61及び62の中心から固定された半径に位置し、互いから90°で配置される。各シリンダ面61及び62上のチャネル66、67は、第3の軸方向ポート65を第4の90°位置68まで延在する。この特徴により、ピストン23及び24は、必要に応じて平衡状態中に移動を完了することができる。モータ98のシャフト上の同様の形状の嵌合カップリングに係合するように設計された1つのシリンダ面61の中心に非円形の特徴69が存在する。
【0029】
図4及び
図5に示すように、チャンバの側壁における3つの半径方向ポート63a、64a、及び65aは、それぞれ3つの軸方向ポート63、64、及び65と交差する。半径方向ポート63a、64a、及び65aは、円筒形チャンバ60の長さに沿って、離間された関係において位置し、3つのガス経路A、B、及びCにそれぞれ接続するバルブ本体70上の同様に離間されたポート75、76、及び77と整列する。この配置は、半径方向ポート63a又は64aに入るガスがいずれかのチャンバ端面61、62に流れ、半径方向ポート65aを出るガスがいずれかのチャンバ端面61、62から流れることを可能にする。
【0030】
バルブ本体70は、回転チャンバ60を受容するための大きな円筒形ボア78を有する。バルブ本体70における3つの半径方向ポート75、76、及び77は、チャンバ60上の3つの半径方向ポート63a、64a、及び65aと整列し、3つのガス流A、B、及びCに接続する手段を有する。ボア78の長さに沿って位置する4つの回転式シール71、72、73、及び74が存在し、3つの半径方向ポート63a、64a、及び65aを互いから、かつ外部環境から密封する。これらの回転式シール71、72、73、74はまた、チャンバ60をボア78の内側で中心にする。ボア78は、3つのガス蒸気がバルブ本体70の内部と回転チャンバ60との間を容易に流れることを可能にするように設計される。このようにして、チャンバ60の回転位置に関係なく、上流ガスは、バルブ本体70の第1の半径方向ポート75から第1の半径方向ポート63a、したがって、チャンバ60の第1の軸方向ポート63に流れてもよく、中流ガスは、バルブ本体70の第2の半径方向ポート76から第2の半径方向ポート64a、したがって、チャンバ60の第2の軸方向ポート64に流れてもよく、下流ガスは、第3の軸方向ポート65から第3の半径方向ポート65a、したがって、バルブ本体70の第3の半径方向ポート77に流れてもよい。
【0031】
回転円筒形チャンバ60は、第1のバルブ端キャップ80及び第2のバルブ端キャップ90によって軸方向に保持され、両方とも、バルブ本体70に締結される。
図1及び
図3に示すように、第1のバルブ端キャップ80は、回転チャンバ60の軸方向ポート63、64、及び65のうちのいずれか1つと相互接続する場所に、第1のキャップポート81及び第2のキャップポート82を有する。同様に、第2のバルブ端キャップ90は、回転チャンバ60の軸方向ポート63、64、及び65のうちのいずれか1つと相互接続する場所に、第3のキャップポート91及び第4のキャップポート92を有する。キャップポート81、82、91、92は互いから90°離れて位置し、第1のバルブ端キャップ80上のキャップポート81及び82は、第2のバルブ端キャップ90上のキャップポート91及び92から180°離れた位置を占める。このようにして、軸方向ポート63及び64は、一度に1つのキャップポート81、82、91、92のみと整列することができる。キャップポート81、82、91、92は、キャップ80及び90の外部に延在し、そこで、コネクタ33、34、35、及び36は、4つのキャップポート81、82、91、92を4つのバラスト25、26、27、及び28に接続するために提供される。具体的には、
図1に示すように、第1のキャップポート81は、第1のコネクタ33によって、第1のバラストポート33a、したがって、第1のバラスト25に接続される。第3のキャップポート91は、第2のコネクタ34によって、第2のバラストポート34a、したがって、第2のバラスト26に接続される。第2のキャップポート82は、第3のコネクタ35によって、第3のバラストポート35a、したがって、第3のバラスト27に接続される。第4のキャップポート92は、第4のコネクタ36によって、第4のバラストポート36a、したがって、第4のバラスト28に接続される。
【0032】
モータ98は、バルブ端キャップ80、90のうちの1つに固定される。
図3~
図5に示すように、第1のバルブ端キャップ80において、モータシャフトが回転チャンバ60の中心に非円形ポート69を通過して係合するために(
図4及び
図5)、第1の端シール85における穴69a(
図5)と整列する穴69b(
図3)が存在する。
【0033】
図5に示されるように、第1及び第2のバルブ端キャップ80及び90と回転チャンバ端面61及び62との間の第1及び第2の端シール85及び95は、好ましくは、バルブ端キャップ80及び90と接触するエラストマー材料87及び97、回転チャンバ端面61及び62と接触するPTFEなどの低摩擦材料86及び96の2つの材料から構成される。エラストマー材料87及び97は、低摩擦密封面86及び96を、チャンバ端面61及び62に対して密封するためのばね力を提供する。端シール85及び95は、チャンバ60とともに回転しないように、バルブ端キャップ80及び90とバルブ本体70との間に保持される。端シール85及び95の開口部81a、82a、91a、92a(
図6)は、それぞれ、各キャップポート81、82、91、92と一致する。
【0034】
4つのキャップポート81、82、91、及び92は、第1及び第2のバルブ端キャップ80と90との間で分割されるように上記に開示されているが、キャップポートは、全て同じバルブ端キャップ80又は90上に位置することができる。更に、4つのキャップポート81、82、91、及び92は、バルブ端キャップ80及び90の異なる側を出るように説明され、示されているが、キャップポートは全て、1つの側で出ることができる。そのような修正は、マニホールドを使用して、様々な構成要素を接続することを可能にし得る。コネクタ33、34、35、及び36の一部又は全ては、バラストの端キャップ及び回転式バルブを形成して、考えられる漏出点を排除するために使用される共通の基板を通るポートとして提供され得る。
【0035】
加えて、3つの半径方向ポート75、76、及び77は、同じ側に示されているが、それらは、バルブ本体70の異なる側にあり得る。
【0036】
回転式バルブ50は、特定のバラスト機構20と組み合わせて説明され、示されるが、回転式バルブ50は新規の構造であり、任意の他のバラスト機構とともに使用され得る。
【0037】
本明細書に記載の回転式バルブ50の機能を達成するためには、12個の双方向バルブ、4個の三方向バルブ、又は望ましくないデッドボリューム(最後の試料からの持ち越し、現在の試料のスケーリング)をもたらす可能性がある複雑なステムバルブのいずれかが必要となるであろう。回転式バルブ50は、デッドボリュームを提供せず、したがって、分析された最後の試料からの持ち越しも提供しない。回転式バルブ50は、保守を必要とする把持チューブ及びステムバルブを排除するという点で、従来技術よりもいくつかの利点を提供する。
【0038】
回転式バルブ50は、流量を、3つのガス流に、又は3つのガス流から4つのバラストに再方向付けしたように示されるが、回転式バルブは、N軸ポートを使用することによって、任意の数のN個のガス流に接続するように構築されてもよく、M個のキャップポートを含むことによって、任意の数のM個のバラスト又は他のデバイスに接続してもよい。
【0039】
動作
図7A~
図7Hは、様々な動作状態にあるモル移送デバイス10の概略図を示す。概略図では、回転式バルブ50は、動作の説明を容易にするために、一方の端部に示される全ての4つのキャップポート81、82、91、及び92を備えて、その側に示される。
【0040】
図7Aは、炉からの上流ガス流Aが、バルブ本体の第1の半径方向ポート75、第1の軸方向ポート63、第1のキャップポート81、及び第1のバラストポート33aを介して、第1のバラスト25内に方向付けられるように、第1の軸方向ポート63が第1のキャップポート81と整列される第1の状態を示す。第2の軸方向ポート64は、中流ガスB(酸素など)が、バルブ本体70の第2の半径方向ポート76、第2の軸方向ポート64、第4のキャップポート92、及び第4のバラストポート36aを介して、第4のバラスト28内に方向付けられるように、第4のキャップポート92と整列される。第3の軸方向ポート65は、第2のバラスト26から、第2のバラストポート34a、第3のキャップポート91、第3の軸方向ポート65、及びバルブ本体70の第3の半径方向ポート77を介して、下流ガス流(又は排気)内にガスが空にされるように、第3のキャップポート91と整列される。第1のバラスト25を充填する上流ガスからの圧力は、ピストン23を押し、ピストン23は、次いで、第2のバラスト26からガスを押し出す。第2のキャップポート82は、第3のバラスト27から、第3のバラストポート35a、第2のキャップポート82、チャネル66、第3の軸方向ポート65、及びバルブ本体70の第3の半径方向ポート77を介して、下流ガス流(又は排気)内にガスが空にされるように、チャネル66と整列される。第4のバラスト25を充填する中流ガスからの圧力は、ピストン24を押し、ピストン24は、次いで、第3のバラスト27からガスを押し出す。したがって、この第1の状態では、第1のバラスト25は、上流ガスAで充填され、第2及び第3のバラスト26及び27は下流ガスCに空にされ、第4のバラスト27は、中流ガスBで平衡化される。
【0041】
図7Bは、第1のバラスト25が、上流ガスAで充填され、第2及び第3のバラスト26及び27が、下流ガスCに完全に空にされ、第4のバラスト27が、中流ガスBと完全に平衡化されたときの、モル移送デバイス10を示す。
【0042】
充填サイクル中、バラストが充填されるにつれて、バラストにおけるノズルが混合を容易にし、比例バルブの使用などの排気の制限によって、ピストン速度が調整され得る。
【0043】
平衡サイクル中、バラスト内側の温度及び圧力が平衡化される。上述したように、分析物充填圧力は、外乱によって変動し得る。中流キャリアガス圧力は、それらの外乱から分離されてもよく、したがって、0.002psi、0.1torr内で繰り返し可能な一定の圧力平衡を提供する。中流のキャリアガス圧は、必要に応じて、ピストン移動を終了し、分析物の希釈を制限する。平衡化サイクルはまた、ガスの均質性を向上させる。
【0044】
排気サイクルは、ピストン速度を設定するために排気経路が制限され得る下流ガス経路内にバラストを空にする。以下に記載されるように、排気ガスは、窒素測定のために投与器によってサンプリングされ得る。終了サイクルは、必要に応じてピストンのポンプストロークを終了させ、バラストを下流経路に接続したままにして、バラストが空にされるようにする。
【0045】
モータ98は、
図7Cに示されるように、回転チャンバ50を4分の1回転(又は90度)だけ回転させるように作動される。モータは、例えば、3秒の事前設定された間隔で作動される。平衡化のための十分な時間を可能にするために、間隔を選択する必要がある。この状態では、炉からの上流ガス流Aが、バルブ本体の第1の半径方向ポート75、第1の軸方向ポート63、第2のキャップポート82、及び第3のバラストポート35aを介して、第3のバラスト27内に方向付けられるように、第1の軸方向ポート63が第2のキャップポート82と整列される。第2の軸方向ポート64は、中流ガスB(酸素など)が、バルブ本体70の第2の半径方向ポート76、第2の軸方向ポート64、第1のキャップポート81、及び第1のバラストポート33aを介して、第1のバラスト25内に方向付けられるように、第1のキャップポート81と整列される。第3の軸方向ポート65は、第4のバラスト28から、第4のバラストポート36a、第4のキャップポート92、第3の軸方向ポート65、及びバルブ本体70の第3の半径方向ポート77を介して、下流ガス流(又は排気)内にガスが空にされるように、第4のキャップポート92と整列される。第3のバラスト27を充填する上流ガスからの圧力は、ピストン24を押し、ピストン24は、次いで、第4のバラスト28からガスを押し出す。第3のキャップポート91は、第2のバラスト26から、第2のバラストポート34a、第3のキャップポート91、チャネル66、第3の軸方向ポート65、及びバルブ本体70の第3の半径方向ポート77を介して、下流ガス流(又は排気)内にガスが空にされるように、チャネル66と整列される。第1のバラスト25を充填する中流ガスからの圧力は、ピストン23を押し、ピストン23は、次いで、第2のバラスト26から任意の残存ガスを押し出す。したがって、この第2の状態では、第3のバラスト27は上流ガスAで充填され、第2及び第4のバラスト26及び28は下流ガスCに空にされ、第1のバラスト25は、中流ガスBで平衡化される。
【0046】
図7Dは、第1のバラスト25が、中流ガスBと完全に平衡化され、第2及び第4のバラスト26及び28が、下流ガスCに完全に空にされ、第3のバラスト27が、上流ガスAで完全に充填されたときの、モル移送デバイス10を示す。
【0047】
モータ98は、次いで、
図7Eに示されるように、回転チャンバ50を90度だけ回転させるように作動される。この状態では、炉からの上流ガス流Aが、バルブ本体の第1の半径方向ポート75、第1の軸方向ポート63、第3のキャップポート91、及び第2のバラストポート34aを介して、第2のバラスト26内に方向付けられるように、第1の軸方向ポート63が第3のキャップポート91と整列される。第2の軸方向ポート64は、中流ガスBが、バルブ本体70の第2の半径方向ポート76、第2の軸方向ポート64、第2のキャップポート82、及び第3のバラストポート35aを介して、第3のバラスト27内に方向付けられるように、第2のキャップポート82と整列される。第3の軸方向ポート65は、第1のバラスト25から、第1のバラストポート33a、第1のキャップポート81、第3の軸方向ポート65、及びバルブ本体70の第3の半径方向ポート77を介して、下流ガス流(又は排気)内にガスが空にされるように、第1のキャップポート81と整列される。第2のバラスト26を充填する上流ガスからの圧力は、ピストン23を押し、ピストン23は、次いで、第1のバラスト25からガスを押し出す。第4のキャップポート92は、第4のバラスト28から、第4のバラストポート36a、第4のキャップポート92、チャネル66、第3の軸方向ポート65、及びバルブ本体70の第3の半径方向ポート77を介して、下流ガス流内にガスが空にされるように、チャネル66と整列される。第3のバラスト27を充填する中流ガスからの圧力は、ピストン24を押し、ピストン24は、次いで、第4のバラスト28から任意の残存ガスを押し出す。したがって、この第3の状態では、第2のバラスト26は上流ガスAで充填され、第1及び第4のバラスト25及び28は下流ガスCに空にされ、第3のバラスト27は、中流ガスBで平衡化される。
【0048】
図7Fは、第3のバラスト27が、中流ガスBと完全に平衡化され、第1及び第4のバラスト25及び28が、下流ガスCに完全に空にされ、第2のバラスト27が、上流ガスAで完全に充填されたときの、モル移送デバイス10を示す。
【0049】
モータ98は、次いで、
図7Gに示されるように、回転チャンバ50を90度だけ回転させるように再び作動される。この状態では、炉からの上流ガス流Aが、バルブ本体の第1の半径方向ポート75、第1の軸方向ポート63、第4のキャップポート92、及び第4のバラストポート36aを介して、第4のバラスト28内に方向付けられるように、第1の軸方向ポート63が第4のキャップポート92と整列される。第2の軸方向ポート64は、中流ガスBが、バルブ本体70の第2の半径方向ポート76、第2の軸方向ポート64、第3のキャップポート91、及び第2のバラストポート34aを介して、第2のバラスト26に方向付けられるように、第3のキャップポート91と整列される。第3の軸方向ポート65は、第3のバラスト27から、第3のバラストポート35a、第2のキャップポート82、第3の軸方向ポート65、及びバルブ本体70の第3の半径方向ポート77を介して、下流ガス流(又は排気)内にガスが空にされるように、第2のキャップポート82と整列される。第4のバラスト28を充填する上流ガスからの圧力は、ピストン24を押し、ピストン24は、第3のバラスト27からガスを押し出す。第1のキャップポート81は、第1のバラスト25から、第1のバラストポート33a、第1のキャップポート81、チャネル66、第3の軸方向ポート65、及びバルブ本体70の第3の半径方向ポート77を介して、下流ガス流内にガスが空にされるように、チャネル66と整列される。第2のバラスト26を充填する中流ガスからの圧力は、ピストン23を押し、ピストン23は、次いで、第1のバラスト25から任意の残存ガスを押し出す。したがって、この第4の状態では、第4のバラスト28は上流ガスAで充填され、第1及び第3のバラスト25及び27は下流ガスCに空にされ、第2のバラスト26は、中流ガスBで平衡化される。
【0050】
図7Hは、第2のバラスト26が、中流ガスBと完全に平衡化され、第1及び第3のバラスト25及び27が、下流ガスCに完全に空にされ、第4のバラスト28が、上流ガスAで完全に充填されたときの、モル移送デバイス10を示す。
【0051】
次いで、上記のプロセスを所望の回数繰り返して、完全燃焼ガスを炉から移送してもよい。以下は上記4つの状態の状態表である。
【表1】
【0052】
なお、状態1及び状態5は状態2及び状態6と同じである。6つの状態は、全ての4つのバラストが充填され、平衡化され、次いで、空にされ、終了される完全なサイクルを示すように示されている。
【0053】
従来のデバイスは、燃焼事象の生成物の全てを収集するために4.5リットル程度のより大きなバラストを使用していたため、タンパク質の分析は、異なる試料を分析する重複の量に応じて、2分40秒から3分かかることがある。より小さいバラストを備える本明細書に記載のモル移送デバイス10を使用して、分析時間は約1分に近づく。バラスト25、26、27、及び28を使用して、より小さな試料を採取することにより、過希釈を回避し、約3:1~5:1の信号対騒音比の改善を達成することができる。更に、アリコートサイズを低減させることができ、これは試薬を節約し、従来技術と同じ1回の分析ごとのコストでより良い検出限界を提供することができるか、又は1回の分析ごとのより低いコストで同じ検出限界を提供することができる。
【0054】
燃焼圧力は、異なる生成物を作成する可能性がある。例えば、低圧では、CO2の代わりにCOが作成されてもよく、高圧では、SO2よりも多くのSO3が作成されてもよい。これは、SO2がSO3を変換する必要性をもたらす一方で、SO3を測定することができないため、望ましくない。したがって、モル移送デバイス10は、いくつかの従来技術のデバイスに見られるような非定圧力0~8psiの代わりに、約2psiの定燃焼圧力を提供するという利点を有する。
【0055】
代替回転式バルブの説明
図8~
図16は、回転式バルブ50'の代替設計を示す。回転式バルブ50'は、機能において回転式バルブ50と同様である。回転式バルブ50'を説明するために使用される参照番号は、各番号で使用されるプライム(')を除いて回転式バルブ50のものと同じである。構造的に、回転式バルブ50'は、キャップポート81'、82'、91'、及び92'の4つ全てが第1のバルブ端キャップ80'及び上流ガスポート75'に設けられ、中流ガスポート76'及び下流ガスポート77'は全て、バルブ本体70'の側ではなく第2のバルブ端キャップ90'に設けられるという点で異なる。追加の違いは、以下の説明から明らかになるであろう。
【0056】
回転式バルブ50'は、円筒形ボア78'、及びその中で回転するように円筒形ボア78'において位置決めされた回転円筒形チャンバ60'を有するバルブ本体70'を含む。第1のポート63'、第2のポート64'、第3のポート65'、第1のポート63'と連通する第4のポート63a'、第2のポート64'と連通する第5のポート64a'、及び第3のポート65'と連通する第6のポート65a'を有する回転円筒形チャンバ60'。円筒の対向端に、第1の端部61'及び第2の端部62'を有する、回転円筒形チャンバ60'。第1の端部61'で開口する第1、第2及び第3のポート63'、64'、65'、第2の端部62'で開口する第4、第5、及び第6のポート63a'、64a'、65a'。回転円筒形チャンバ60'の回転位置に関係なく、第6のポート65a'、並びに上流ガスポート75'、中流ガスポート76'、及び下流ガスポート77'のうちの1つと連通する第1の環状溝101を有する第2の端部62'。示される例では、第1の環状溝101は、第6のポート65a'及び下流ガスポート77'と連通する。第2の端部62'は、回転円筒形チャンバ60'の回転位置に関係なく、第5のポート64a'、並びに上流ガスポート75'、中流ガスポート76'、及び下流ガスポート77'のうちの別の1つと連通する第2の環状溝102を更に含む。示される例では、第2の環状溝102は、第5のポート64a'及び中流ガスポート76'と連通する。第4のポート63a'は、第2の端部62'の中心にいて開口し、上流ガスポート75'、中流ガスポート76'、及び下流ガスポート77'の更に1つと連通する。示される例では、第2の環状溝102は、第4のポート63a'及び上流ガスポート75'と連通する。
【0057】
回転式バルブ50'は、回転円筒形チャンバ60'の回転位置に応じて、第1のポート63'、第2のポート64'、及び第3のポート65'のうちの1つと整列するように内部に延在する第1のキャップポート81'と、回転円筒形チャンバ60'の回転位置に応じて、第1のポート63'、第2のポート64'、及び第3のポート65'のうちの別の1つと整列するように内部に延在する第2のキャップポート82'と、を含む、第1のバルブ端キャップ80'を更に備える。任意選択的に、第1のバルブ端キャップ80'が、回転円筒形チャンバ60'の回転位置に応じて、第1のポート63'、第2のポート64'、及び第3のポート65'のうちの1つと整列するように内部に延在する第3のキャップポート91'と、回転円筒形チャンバ60'の回転位置に応じて、第1のポート63'、第2のポート64'、及び第3のポート65'のうちの別の1つと整列するように内部に延在する第4のキャップポート92'と、を更に含んでもよい。
【0058】
回転式バルブ50とは異なり、回転式バルブ50'は、必要に応じて、平衡状態中にピストン23及び24が移動を完了することを可能にするように設けられたチャネル66及び67を含まない。しかしながら、ピストン23及び24は、平衡状態中に移動を完了し、それによって平衡を受けるバラストと反対側のバラストが下流ポート77'に接続されるこの第4の(「終了」)状態を必要としないことが分かっている。
【0059】
回転式バルブ50'は、モータ(図示されていないが、モータ98に類似している)を更に備え、モータは、第1のポート63、第2のポート64'、及び第3のポート65'のうちのどれが第1のキャップポート81'及び第2のキャップポート82'(及び任意選択的に、第2のキャップポート91'及び第4のキャップポート92')と整列されるかを変更するために、回転円筒形チャンバ60'を異なる回転位置に回転させ、その結果、キャップポートの各々が、上流ガスポート75'、中流ガスポート76'、及び下流ガスポート77'に順次接続される。
【0060】
モータ98は、バルブ端キャップ80'、90'のうちの1つに固定される。
図8~
図16の例に示されるように、第1のバルブ端キャップ80'において、モータシャフトが回転チャンバ60'の中心に非円形ポート69'を通過して係合するために、第1の端シール85'における穴69a'と整列する穴69b'(
図16)が存在する。
【0061】
図16にも示されるように、第1及び第2のバルブ端キャップ80'と90'と回転チャンバ端面61'及び62'との間の第1及び第2の端シール85'及び95'は、好ましくは、バルブ端キャップ80'及び90'と接触するエラストマー材料87'及び97'、回転チャンバ端面61'及び62'と接触するPTFEなどの低摩擦材料86'及び96'の2つの材料から構成される。エラストマー材料87'及び97'は、低摩擦材料86'及び96'をチャンバ端面61'及び62'に押し付け続けるためのばね力を提供する。端シール85'及び95'は、チャンバ60'とともに回転しないように、キャップ80'及び90とバルブ本体70'との間に保持される。端シール85'の開口部81a'、82a'、91a'、92a'(
図16)は、それぞれ、各キャップポート81'、82'、91'、92'と一致する。端シール95'の開口部75a'、76a'、77a'(
図16)は、それぞれ、上流ガスポート75'、中流ガスポート76'、及び下流ガスポート77'の各々と一致する。
【0062】
第1の用途の説明
モル移送デバイス10の第1の用途は、
図17に示すように燃焼分析器200にある。モル移送デバイスは、燃焼炉202に接続されて、そこから上流ガスAを受容し、加圧された酸素キャリアガスに接続されて、中流ガスBを受容する。上流の燃焼圧力は、燃焼中に所望のガス成分を生成するように設定されてもよく、いくつかの分析器については、およそ2psiである。中流圧力は、3psiに設定することができる。試料燃焼中の予想される最大上流圧力よりも十分に高い。下流経路Cは、比例バルブ(図示せず)及び投与器210を通して大気圧まで排気する。比例バルブ及びモータ98のタイミングは、所望の流量を達成するように調整され得る。
【0063】
投与器210は、好ましくは、Peter Willisらによって2021年6月1日に出願され、「ROTARY DOSING DEVICE」と題された米国特許出願第17/335,540号(代理人整理番号LEC001 P507A)に開示されているものなどの回転式投与器である。回転式投与器210は、ユーザが精度を損なうことなく小さな増分でアリコートサイズを選択することを可能にする点で有利である。以前の投与器は3及び10ccのアリコートループを使用していたため、ユーザはこれらの2つの投与量のうちの1つしか選択することができなかった。回転式注入器210は、質量流量コントローラ222を介して、HeなどのキャリアガスをHe源220から受容し、流量コントローラ230を通してHeを受容し得るIRセル224、Cu+スクラバ226、及び熱伝導性(TC)セル232などのスクラバ/検出器にアリコートを供給する。スクラバ/検出器は、一般に当技術分野で知られている。
【0064】
動作において、回転式バルブ50が使用される場合、モータ98は、ポート63、64、及び65並びにチャネル66をキャップポート81、82、91、及び92と整列させ、上記のように、チャンバ60を4つの90°位置まで繰り返し回転させて、バラスト25、26、27、及び28に4つの状態を循環させる。代替の回転式バルブ50'が使用される場合、モータ98は、ポート63'、64'、及び65'をキャップポート81'、82'、91'、及び92'と整列させ、上記のように、チャンバ60'を4つの90°位置まで繰り返し回転させて、バラスト25、26、27、及び28に4つの状態を循環させる。
【0065】
モル移送デバイス10を燃焼分析器200に提供することによって、ユーザは、分析器の感度を選択することができる。
図18は、200mlのバラスト25、26、27、及び28を有するモル移送デバイス10を使用して採取された試料と比較して、単一の4.5リットルのバラストを使用して採取された試料の分析の比較グラフを示す。容易に明らかなように、より大きなバラストは、バラスト体積を充填し平衡化するのにかかる時間にわたって分析対象物を効果的に平均化するが、より小さいバラストは、その時間にわたって多くの別個の試料を取り、その時間にわたって分析対象物組成物が変化する程度を示す。
【0066】
燃焼分析器200が有する従来技術の燃焼分析器よりも優れている別の利点は、従来技術の分析器において使用される高純度O2の代わりに低純度O2を使用して、低純度O2を使用するときに他の方法で引き起こされるブランクにおけるピークを低減し得ることである。より低い純度のO2は、アルゴンなどの汚染物質を含み、これは洗浄しにくく、ブランクにおいてより大きなピークを生成する。したがって、アルゴンの存在を低減させるために、より高い純度のO2が使用された。しかしながら、現在のシステムでは、ベースラインは上に移動するため、ブランクは存在しない。これにより、低純度のO2を使用することができ、コストを節約する。更に、いくつかの国では、高純度のO2は容易に入手できない。
【0067】
モル移送デバイス10は、以前のデバイスほど多くのO2で試料を希釈しないため、除去されるO2が少ないので、Cuスクラバは除去されてもよく、又はそうでなければより少ないCuを使用してもよい。上記のように、分析時間は0.5~1.5分ほど速くてもよい。機器のコストを下げることができ、保守のコストも下げることができる。
【0068】
第2の用途の説明
第2の用途において、デバイス10は、融合分析器の下流に、又は燃焼分析器の二次不活性流に位置する。この用途では、モル移送デバイス10は、およそ350ml/分でヘリウム又はアルゴンの流量を処理するように設計される。デバイス10は、これらの用途において、下流経路がガス検出器に直接流れるため、ピストン速度を正確に制御することが望ましいことを除いて、第1の用途の全ての特徴を有する。ピストン23及び24は、様々な手段によって、しかし好ましくは、非接触磁気駆動によって制御され得る。磁石は、ピストン23及び24に埋め込まれ、外部機械的アクチュエータに取り付けられた補完的な磁石、又は一定の速度でいずれかの方向にピストン磁石を移動させるような方式で通電することができる外部静止電気巻線のいずれかによって駆動される。
【0069】
バラスト体積が少ないほど、平衡時間は2秒未満になると予想される。したがって、バラストは約2秒で充填されるように設計されており、以下のバラスト体積をもたらす。
【数2】
【0070】
これらの用途では、従来、質量流量コントローラ又は機械的流量コントローラが役割を果たしてきた。しかしながら、ガス組成物が変化すると、これらの従来の流量コントローラは、それらの流量を変更し、検出器で信号を歪ませる。これらの用途で使用されるモル移送デバイス10は、その流速を変更しないため、信号は検出器で歪まない。
【0071】
本明細書の教示を考慮すれば、複数の双方向又は一方向のバラストを使用して、分析器の性能を向上させることができることが、当業者に明らかとなるであろう。また、これら及び他の修正が、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の趣旨又は範囲から逸脱することなく行われ得ることも、当業者には明らかであろう。
【国際調査報告】