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特表2023-528031照明器具の保守性をサポートするための方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-03
(54)【発明の名称】照明器具の保守性をサポートするための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   H05B 45/50 20220101AFI20230626BHJP
   H05B 47/10 20200101ALI20230626BHJP
   H05B 45/00 20220101ALI20230626BHJP
   H05B 47/18 20200101ALI20230626BHJP
   H05B 47/25 20200101ALI20230626BHJP
   H05B 47/17 20200101ALI20230626BHJP
   H05B 47/24 20200101ALI20230626BHJP
   H05B 47/19 20200101ALI20230626BHJP
【FI】
H05B45/50
H05B47/10
H05B45/00
H05B47/18
H05B47/25
H05B47/17
H05B47/24
H05B47/19
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022573399
(86)(22)【出願日】2021-05-25
(85)【翻訳文提出日】2023-01-19
(86)【国際出願番号】 EP2021063778
(87)【国際公開番号】W WO2021239672
(87)【国際公開日】2021-12-02
(31)【優先権主張番号】20177301.7
(32)【優先日】2020-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.DALI
2.FIREWIRE
3.THUNDERBOLT
4.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ヴェント マティアス
(72)【発明者】
【氏名】クルーセン マルティヌス ペトルス
(72)【発明者】
【氏名】タオ ハイミン
(72)【発明者】
【氏名】アッカーマン ベルント
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA02
3K273PA03
3K273PA04
3K273QA38
3K273RA11
3K273RA16
3K273TA09
3K273TA14
3K273TA15
3K273TA21
3K273TA40
3K273TA42
3K273TA48
3K273TA51
3K273TA54
3K273TA62
3K273TA66
3K273UA22
3K273UA23
(57)【要約】
本発明は、駆動パラメータ、修理履歴情報などのような保守関連情報を記憶するためのプログラマブルメモリデバイスの、照明器具への統合に関する。前記メモリデバイスは、前記照明器具を駆動するために使用されるのと同じ接続性によって読み出されることができ、故に、前記ドライバは、必要とされる動作条件を通知され得る。従って、前記ドライバは、前記照明器具を駆動し始める前に、前記保守関連情報について学習することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明器具モジュールであり、
照明システム関連情報を記憶するためのメモリ要素と、
前記照明器具モジュールのドライバに前記メモリ要素へのアクセスを提供するためのインターフェース回路とを有する照明器具モジュールであって、
前記インターフェース回路が、前記ドライバに接続可能な少なくとも1本の接続線に前記メモリ要素を結合することによって前記メモリ要素へのアクセスを提供するよう構成され、前記ドライバが、前記少なくとも1本の接続線を介して前記照明器具モジュールの少なくとも1つの光源を駆動するためのものであり、
前記インターフェース回路が、前記少なくとも1つの光源を駆動するための駆動モードの間、前記メモリ要素を前記少なくとも1つの光源から絶縁するよう構成される絶縁要素を有する照明器具モジュール。
【請求項2】
前記照明システム関連情報が、前記照明器具モジュール及び前記少なくとも1つの光源のうちの少なくとも一方のための駆動パラメータを有する請求項1に記載の照明器具モジュール。
【請求項3】
前記メモリ要素と、前記インターフェース回路と、前記少なくとも1つの光源とが、並列に接続される請求項1に記載の照明器具モジュール。
【請求項4】
前記絶縁要素が、ヒューズ、電圧制御スイッチ及び結合コンデンサのうちの少なくとも1つを有する請求項3に記載の照明器具モジュール。
【請求項5】
前記インターフェース回路が、前記メモリ要素に並列に接続される電圧制限要素を有する請求項1に記載の照明器具モジュール。
【請求項6】
無線受信した情報を前記メモリ要素に書き込むための、又は前記メモリ要素から読み取った情報を無線送信するための、無線通信ユニットを更に有する請求項1に記載の照明器具モジュール。
【請求項7】
前記メモリ要素が、前記ドライバの駆動電圧未満の電圧範囲を備える低電圧デバイス、とりわけ1-Wireデバイスである請求項1に記載の照明器具モジュール。
【請求項8】
照明システムにおいて請求項1乃至7のいずれか一項に記載の照明器具モジュールのドライバを制御するための装置であって、前記装置が、アクティブなメモリ要素の有無について、前記照明器具モジュールに前記ドライバを接続する少なくとも1本の接続線をチェックし、チェック結果に応じて、前記少なくとも1本の接続線を介して前記メモリ要素から照明システム関連情報を読み取るためのメモリアクセスモードに前記ドライバを設定するよう構成される装置。
【請求項9】
前記メモリアクセスモードが、前記ドライバの駆動電圧未満の電圧範囲を備える低電圧モード、とりわけ1-Wireモードである請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記装置が、前記ドライバの起動フェーズ中、前記ドライバを前記メモリアクセスモードに設定するよう構成される請求項8に記載の装置。
【請求項11】
請求項8に記載の装置を有するドライバ。
【請求項12】
請求項11に記載のドライバを少なくとも1つ有し、請求項1に記載の照明器具モジュールを少なくとも1つ有する照明システム。
【請求項13】
照明システムにおけるドライバを制御する方法であって、
アクティブなメモリ要素の有無について、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の照明器具モジュールに前記ドライバを接続する少なくとも1本の接続線をチェックするステップと、
チェック結果に応じて、前記少なくとも1本の接続線を介して前記メモリ要素から照明システム関連情報を読み取るためのメモリアクセスモードに前記ドライバを設定するステップとを有する方法。
【請求項14】
コンピュータデバイスにおいて実行されるときに、請求項13に記載のステップを生成するためのコード手段を有するコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭、オフィス、小売、ホスピタリティ及び産業のための様々な異なる用途での使用のための固体照明システムなどの照明システムの分野に関するが、これに限定されない。
【背景技術】
【0002】
以下の開示全体を通して、照明器具は、照明及び/又は通信目的のための(可視又は非可視(赤外線(IR)若しくは紫外線(UV)光源を含む)1つ以上の光源を有し、且つ随意に、照明の適切な動作のために、例えば、光を分配するため、光源及び安定器(該当する場合)を配置及び保護するため、並びに照明器具を電源に接続するために必要な他の内部部品及び/又は外部取付部品を有する任意のタイプの照明ユニット又は照明器具として理解されるべきである。照明器具は、埋め込み型又は表面実装型の、白熱灯照明器具、蛍光照明器具又は他の放電照明器具などの従来のタイプのものであり得る。照明器具は、光源と、光源によって生成される光を案内するためのファイバコア(fiber core)又は「ライトパイプ」とを備える光ファイバなどの、従来とは異なるタイプのものでもあり得る。
【0003】
保守又はアップグレード作業(service or upgrade actions)中、多くの場合、照明器具ドライバ(例えば、発光ダイオード(LED)のための電流ドライバ)又は照明器具モジュール(例えば、「L2(レベル2)基板」などとも呼ばれるLEDモジュール)が交換される必要があり得る。このような照明器具モジュールは、光源(例えば、LED)のための担体として使用されることがあり、FR4担体、フレックスオンリジッド(flex-on-rigid)担体又は冷却の強化のためのMCPCB(金属クラッドPCB(Metal clad PCB))担体のような一般的なPCB材料からのプリント回路基板(PCB)として製造されることがある。
【0004】
照明器具ドライバ又はモジュールの交換に関しては、主要問題のうちの1つは、新しい組み合わせが適切に機能するものでなければならないことである。このことは、耐用年数にわたっての旧式の構成要素の在庫の維持、又は古い構成要素及び/若しくはモジュールの適切な供給元を選択のいずれかを必要とする。
【0005】
一般に、照明器具モジュールの光出力は、(ドライバによって設定される)駆動電流と、照明器具モジュールの効率レベルとに依存する。既存の照明器具モジュールを、改良したもの(例えば、より高い効率)に交換する場合には、元のモジュールによる光出力と同じ光出力が生成されることを確実にするよう、駆動電流が調整される必要がある。従来の照明システムにおいては、照明器具ドライバは、照明器具モジュールが交換されるときに駆動電流を変更せず、ユーザによる照明器具ドライバのプログラムの修正は、手間がかかりすぎるだろう。その結果、より高い効率を持つ照明器具モジュールの導入は、高すぎる可能性がある光出力をもたらすだろう。
【0006】
更に、多くの場合には、照明器具の修理は、ドライバが交換される必要がある場合、未知の駆動パラメータによって妨げられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ドライバ及び/又はモジュールが交換されるときの照明システムの向上した保守性を提供することが、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、請求項1に記載の照明器具モジュール、請求項9に記載の装置、請求項12に記載のドライバ、請求項13に記載の照明システム、請求項14に記載の方法、及び請求項15に記載のコンピュータプログラム製品によって達成される。
【0009】
第1態様によれば、照明器具モジュールは、
照明システム関連情報を記憶するためのメモリ要素と、
前記照明器具モジュールのドライバに前記メモリ要素へのアクセスを提供するためのインターフェース回路とを有し、
前記インターフェース回路は、前記ドライバに接続可能な少なくとも1本の接続線に前記メモリ要素を結合することによって前記メモリ要素へのアクセスを提供するよう構成され、前記ドライバは、前記少なくとも1本の接続線を介して前記照明器具モジュールの少なくとも1つの光源を駆動するためのものである。
【0010】
ドライバと、メモリ要素と、少なくとも1つの光源との間の相互接続を提供するために、単一の接続線が使用され得る。前記ドライバは、前記少なくとも1つの光源を駆動するための電力を供給するために使用されることができる。同じ配線において、前記ドライバは、前記メモリ要素を読み出すための読み出しモードを実施することもできる。
【0011】
更に、第2態様によれば、照明システムにおけるドライバを制御する方法が提供され、前記方法は、
アクティブなメモリ要素の有無について、照明器具モジュールに前記ドライバを接続する少なくとも1本の接続線をチェックするステップと、
チェック結果に応じて、前記少なくとも1本の接続線を介して前記メモリ要素から照明システム関連情報を読み取るためのメモリアクセスモードに前記ドライバを設定するステップとを有する。
【0012】
その結果、前記ドライバと前記照明器具モジュールとの間に新たな接続線又はコネクタを必要とせずに、前記照明器具モジュールに設けられる前記メモリ要素から(保守情報(例えば、駆動パラメータ)、コミッショニング情報、商品番号情報(例えば、EAN)、ネットワーク接続照明システムのための、ランプ識別子、ノード名又はIPアドレスなどのような)照明システム関連情報を読み取ることによって、照明器具モジュールの保守性が向上され得る。前記メモリ要素に記憶される前記照明システム関連情報は、ドライバの交換後に新しいドライバに、又は前記照明器具モジュール(照明器具基板も交換可能なスペアパーツであり得る)の交換後に既存のドライバに、転送される(例えば読み取られる)ことができる。前記照明システム関連情報の可用性及び自動読み出しは、専門家ではないユーザによる現場での前記照明器具モジュールの交換を可能にする。
【0013】
前記第1又は第2態様の第1オプションによれば、前記照明システム関連情報は、前記照明器具モジュール及び前記少なくとも1つの光源のうちの少なくとも一方のための駆動パラメータを有してもよい。それによって、モジュール全体の交換後に、又は1つ以上の光源の配置後に、前記ドライバによって前記駆動パラメータが読み出されることができる。
【0014】
前記第1オプションと組み合わされ得る、前記第1態様の第2オプションによれば、前記メモリ要素と、前記インターフェース回路と、前記少なくとも1つの光源とが、並列に接続されてもよい。それによって、単に、前記ドライバと前記照明器具モジュールとの間の接続線に、前記インターフェース回路と前記メモリ要素とを並列に接続するだけで、前記照明器具モジュールが改善されることができる。
【0015】
前記第1又は第2オプションと組み合わされ得る、前記第1態様の第3オプションによれば、前記インターフェース回路は、前記少なくとも1つの光源を駆動するための駆動モードの間、前記メモリ要素を前記少なくとも1つの光源から絶縁するよう構成される絶縁要素を有してもよい。従って、前記ドライバの前記駆動モード及び前記メモリアクセスモードが、同じ接続線を介して実施されることができる一方で、前記絶縁要素が、前記メモリ要素がより高い駆動電力から保護されることを確実にする。
【0016】
第4オプションによれば、前記絶縁要素は、ヒューズ(例えば、1回限りの、又は電子的に若しくは機械的にリセット可能なヒューズ)、電圧制御スイッチ及び結合コンデンサのうちの少なくとも1つを有してもよい。それによって、単純な回路要素によって絶縁が達成されることができ、それによって、回路の複雑性が低い改善された照明器具モジュールを提供することができる。
【0017】
前記第1乃至第4オプションのうちのいずれか1つと組み合わされ得る、前記第1態様の第5オプションによれば、前記インターフェース回路は、前記メモリ要素に並列に接続される電圧制限要素(例えばツェナーダイオード)を有してもよい。この方策は、前記ドライバの前記駆動モード中、前記メモリ要素が高電圧から保護されることを確実にする。
【0018】
前記第1乃至第5オプションのうちのいずれか1つと組み合わされ得る、前記第1態様の第6オプションによれば、前記照明器具モジュールは、無線受信した情報を前記メモリ要素に書き込むための、又は前記メモリ要素から読み取った情報を無線送信するための、無線通信ユニットを更に有してもよい。それによって、前記メモリ要素は、前記照明器具モジュールへの機械的なアクセスなしに、遠隔プログラミング又は読み取りを可能にするよう、無線でアクセスされることができる。例として、このような無線アクセスは、前記照明器具モジュールのコミッショニングフェーズ中に、モバイルユーザデバイスによって実施され得る。
【0019】
前記第1乃至第6オプションのうちのいずれか1つと組み合わされ得る、前記第1又は第2態様の第7オプションによれば、前記メモリ要素は、前記ドライバの駆動電圧未満の電圧範囲を備える低電圧デバイス、とりわけ1-Wireデバイスであってもよい。従って、前記メモリアクセスモードは、より低い電圧範囲によって前記駆動モードと識別されることができる。更に、前記メモリ要素が1-Wireデバイスである場合には、メモリアクセスのために1本の接続線しか必要とされない。
【0020】
(前記ドライバ側を対象にする)第3態様によれば、照明システムにおいて照明器具モジュールのドライバを制御するための装置が提供され、前記装置は、アクティブなメモリ要素の有無について、前記照明器具モジュールに前記ドライバを接続する少なくとも1本の接続線をチェックし、チェック結果に応じて、前記少なくとも1本の接続線を介して前記メモリ要素から照明システム関連情報を読み取るためのメモリアクセスモードに前記ドライバを設定するよう構成される。
【0021】
それによって、上記の利点に加えて、前記照明モジュールは、前記ドライバによってチェックされることができ、前記ドライバは、読み取った前記照明システム関連情報から、適切な駆動性能のための駆動パラメータを自動的に導き出すことができる。
【0022】
前記第1又は第2態様の前記第1乃至第7オプションのうちのいずれかと組み合わされ得る、前記第3態様の第1オプションによれば、前記装置は、前記ドライバの起動フェーズ中、前記ドライバを前記メモリアクセスモードに設定するよう構成されてもよい。従って、前記ドライバに電力が供給され、起動プロセスが開始されるときに、照明器具デバイスの前記メモリ要素が前記ドライバによって自動的に読み取られる。
【0023】
第4態様によれば、前記第3態様による装置を有するドライバが提供される。
【0024】
第5態様によれば、前記第4態様によるドライバを少なくとも1つ有し、前記第1態様による照明器具モジュールを少なくとも1つ有する照明システムが提供される。
【0025】
第6態様によれば、コンピュータデバイスにおいて実行されるときに、前記第2態様の上記の方法のステップを生成するためのコード手段を有するコンピュータプログラム製品が提供される。
【0026】
上記の装置は、個別のハードウェア構成要素、集積チップ、若しくはチップモジュールの配列を備える個別のハードウェア回路をベースにして、又はメモリに記憶される、コンピュータ可読媒体に書き込まれる、若しくはインターネットなどのネットワークからダウンロードされるソフトウェアルーチン若しくはプログラムによって制御される信号処理デバイス若しくはチップをベースにして実施されてもよいことに留意されたい。
【0027】
請求項1に記載の照明器具モジュール、請求項9に記載の装置、請求項12に記載のドライバ、請求項13に記載の照明システム、請求項14に記載の方法、及び請求項15に記載のコンピュータプログラム製品は、とりわけ従属請求項において規定されているような、同様の及び/又は同一の好ましい実施形態を有し得ることは理解されたい。
【0028】
本発明の好ましい実施形態はまた、従属請求項又は上記の実施形態とそれぞれの独立請求項の任意の組み合わせであってもよいことは理解されたい。
【0029】
下記の実施形態を参照して、本発明のこれら及び他の態様を説明し、明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】様々な実施形態による改善された照明器具モジュール及びドライバを備える照明器具システムのブロック図を概略的に示す。
図2】様々な実施形態によるドライバ出力信号の波形を備えるタイミング図を概略的に示す。
図3】様々な実施形態によるドライバのブロック図を概略的に示す。
図4】様々な実施形態による改善された照明器具駆動手順のフローチャートを示す。
図5】実施形態による改善された照明器具モジュールの第1例のブロック図を概略的に示す。
図6】実施形態による改善された照明器具モジュールの第2例のブロック図を概略的に示す。
図7】実施形態による改善された照明器具モジュールの第3例のブロック図を概略的に示す。
図8】実施形態による改善された照明器具モジュールの第4例のブロック図を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
ここで、固体照明システムの照明器具に基づいて、本発明の様々な実施形態について説明する。固体照明(SSL)は、電気フィラメント、(蛍光灯などのアークランプにおいて使用される)プラズマ、又はガスではなく、半導体発光ダイオード(LED)、半導体レーザ、垂直共振器面発光レーザ(VCSEL)、有機発光ダイオード(OLED)、又はポリマ発光ダイオード(PLED)を、照明の供給源、又は光源として使用する照明の一種である。更に、SSLにおいては、 (熱放射を使用する) 白熱電球又は蛍光灯とは対照的に、固体エレクトロルミネッセンスが使用され得る。SSLは、白熱照明と比較して、発熱を減らし、エネルギ散逸を少なくして、可視光を生成する。更に、白色LEDは、従来の蛍光管において使用されるのと同じ原理であるフォトルミネッセンスを使用して、固体デバイスからの青色光を(近似)白色光スペクトルに変換し得る。
【0032】
以下の実施形態は、LED照明器具を対象にしている。しかしながら、本発明は、あらゆる種類の照明器具のために、それらの保守性を向上させるために使用されることができることに言及されている。
【0033】
ドライバは、LED又はLEDストリングへの電力を調整する電気デバイスである。ドライバは、LEDの電気的特性が温度とともに変化するので、一定量の電力をLEDに供給することによって、LEDの変化するニーズに対応し得る。LEDは、適切に動作するために非常に特殊な電力を必要とすることから、ドライバは重要である。LEDに供給される電圧が、必要とされる電圧よりも低い場合には、接合部を流れる電流がほとんどなく、少ない光及び悪い性能をもたらす。他方で、電圧が高すぎる場合には、過大な電流がLEDへ流れ、LEDは、過熱し、深刻な損傷を受ける又は完全に故障する可能性がある(熱暴走)。このことは、確実に他の種類の照明器具にも当てはまる。
【0034】
様々な実施形態によれば、照明器具モジュールにプログラマブルメモリデバイスが組み込まれ、前記照明器具モジュールは、回路基板(例えば、L2基板)又は集積回路などであってよく、照明器具モジュールの中又は上には、照明器具の少なくとも1つの光源が配設される。プログラマブルメモリのメモリセルは、とりわけ、照明器具の保守性を向上させるよう、駆動パラメータ、修理履歴情報又は他の照明システム関連情報を記憶するために使用されることができる。プログラマブルメモリデバイスは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、不揮発性RAM(NVRAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、消去可能PROM(EPROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、フラッシュEPROMなどであってもよい。
【0035】
例においては、照明器具モジュールは、照明器具モジュールを駆動するためにも使用される接続線(例えば、2本のワイヤ)の利用を可能にするよう構成され得る。
【0036】
以下において、それぞれの通信インターフェース回路を備えるドライバ及び照明器具モジュールの様々な実施形態であって、照明器具モジュールが、様々な保守パラメータ、例えば、必要とされる動作条件をドライバに通知することが可能である様々な実施形態を紹介する。従って、ドライバは、例えばドライバへの従来の2ピン接続を介してアクセス可能であり得る新しい又は交換された照明器具モジュールを駆動し始める前に、これらの保守パラメータについて学習し得る。
【0037】
図1は、様々な実施形態による改善された照明器具モジュール120(例えば、レベル2(L2)基板など)及びドライバ110を備える照明器具システムのブロック図を概略的に示している。
【0038】
(本開示全体を通して)前に説明されている同一の参照符号を備えるブロック又は回路構成要素の構造及び/又は機能は、追加の特定の機能が含まれない限り、再度説明されないことに留意されたい。更に、実施形態を理解するのに役立つ構造要素及び機能しか示されていない。他の構造要素及び機能は、簡潔さの理由で省略されている。
【0039】
図1の例示的な実施形態においては、ドライバ110は、2本の接続線又はワイヤ112を介して照明器具モジュール120に接続される。照明器具モジュールは、複数の固体光源(例えば、LED)121を保持し、加えて、プログラマブルメモリ要素132と、メモリ要素132に書き込む又はメモリ素子から読み取るために、及び光源121を駆動するために、個々のメモリセル又はメモリセルのグループをアドレス指定するためのインターフェース回路131とを保持する。
【0040】
更に、ドライバ110は、ドライバパラメータを設定するための、及び/又はドライバ110に電力を供給するための、ユーザインターフェース及び/又は入力ポート111を有してもよい。
【0041】
例においては、照明器具モジュール120に取り付けられる追加の構成要素(例えば、プログラマブルメモリ要素132及びインターフェース回路131)にアクセスするためのドライバ110と照明器具モジュール120との間の接続技術は、1-Wire(OneWire)技術であってもよく、前記1-Wire技術は、プログラム可能なメモリ要素132のメモリ動作(例えば、読み取り、書き込みなど)のためにも駆動ワイヤ112を使用することを可能にする。1-Wireは、単一の導体を通じて、データ及び信号(signaling)の低速伝送(例えば、16.3kbit/s)と電源とを提供するデバイス通信バスシステムである。1-Wireは、ICと概念が似ているが、データ速度がより低く、範囲がより長い。前記バスの顕著な特徴の1つは、2本のワイヤ112、即ち、データ及び接地のみを使用することができることである。1-Wire通信は、マスタ(例えば、ドライバ110)によって開始されることができ、1-Wireプロトコルは、0Vと5Vとの間の電圧を使用する。論理ハイレベル(5V)は、駆動ワイヤ112のデータワイヤと、基準電圧(例えば、供給電圧)との間に接続されるプルアップ抵抗器によってマスタ側(例えばドライバ110)において印加されることができる。マスタデバイス(例えば、ドライバ110)及びスレーブデバイス(例えば、照明器具モジュール120)は、駆動ワイヤ112のデータワイヤをプルダウンするためにオープンドレイン又はオープンコレクタスイッチを利用してもよい。全ての情報が、固定タイミング方式で運ばれ得る。
【0042】
ドライバ110と、インターフェース回路131及びプログラマブルメモリ要素132を備える照明器具モジュール120との間の接続性を提供するために、他のシリアル又はパラレル通信バス技術も確実に使用され得る。これらは、Inter-Integrated Circuit(IC)、Digital Addressable Lighting Interface(DALI)、HyperTransport、Peripheral Component Interconnect(PCI)、Advanced Technology Attachment(ATA)、Serial Peripheral Interface(SPI)、UNI/O、SMBus、Controller Area Network(CAN)、ExpressCard、Fieldbus、FireWire、RS-232、RS-485、Thunderbolt、Small Computer System Interface(SCSI)、Scalable Coherent Interface(SCI)、Industry Standard Architecture(ISA)、Low Pin Count(LPC)、MicroChannel(MCA)、Multibus、SBus、VMEbusなどであり得る。
【0043】
図2は、照明器具モジュール120の光源121を駆動する前の1-Wireメモリアクセスの例として、様々な実施形態によるドライバ出力信号の波形を備えるタイミング図を概略的に示している。
【0044】
1-Wireメモリアクセス動作401は、ドライバ110が供給電力を得るたびに、開始される。メモリアクセス動作401の間、駆動ワイヤ112における信号電圧は、ロー電圧(例えば、0V)からハイ電圧U1W-H(例えば、5V)までの1-Wire動作範囲に制約される。1-Wire構成要素(即ち、照明器具モジュール120)がアクティブである場合には、その情報はドライバメモリ(図示せず)に転送されることができる。ドライバ110が必要とされる駆動条件を通知された後には、ドライバ110は、光源121を駆動するための適切な公称電圧及び駆動電流を自動的に選択することができる。次いで、ドライバ110は、時点402において電圧を増加させ始める。その後、時点403において、電圧が、1-Wire電圧範囲(即ち、5V)を超え、トリガ回路(例えば、後で説明するような、ヒューズ、スイッチなど)が、照明器具モジュール120の光源121(例えば、LEDストリング)から1-Wire回路(例えば、インターフェース回路131及びメモリ要素132)を絶縁する。従って、ドライバ110は、時点404において、1-Wire電圧範囲よりも高い一般的な順方向電圧Uにおいて駆動モードに入ることができる。
【0045】
照明器具モジュール120において1-Wire技術を使用する利点は、全ての1-Wire構成要素に割り当てられる固有の一意のシリーズ番号である。このシリーズ番号は、照明器具モジュール120の変更(例えば、交換)を検出し、保守作業の終了後にシリアル番号を報告するために使用されることができる。
【0046】
1-Wire技術を使用する別の利点は、並列接続される照明器具モジュール120が別々にアドレス指定されることができることである(例えば、1-Wire照明器具モジュール120は、 DALIバスのように読み出されることができる)。それによって、並列接続される照明器具モジュール120の異なる駆動パラメータ又は他のパラメータが独立して読み取られることができる。従って、ドライバ110は、いくつの照明器具モジュール120が並列に接続されているか、及び順方向電圧が適合しているか否かを決定することができる。順方向電圧が適合していない場合には、保守担当者が、問題がまだ存在することを確認することができるように、保守メッセージが出され得る、又は単に適合する(例えば、より低い電圧の)照明器具モジュールだけが作動され得る。
【0047】
図3は、様々な実施形態によるドライバ110のブロック図を概略的に示している。
【0048】
ドライバ110は、メモリ要素132に記憶される光源121の駆動パラメータに従って、光源121を作動させ、駆動するために、照明器具モジュール120に供給されるべき駆動出力を生成するためのドライバ回路(D)31を有する。ドライバ回路31は、必要とされる明るさで照明器具モジュール120の光源121を点灯させるのに十分な電流を供給するが、光源121の損傷を防止するよう電流を制限するために、制御可能な電流源として構成される。照明のための高出力光源を駆動するためには、適切な電流調整を達成するために、より複雑な電流源回路が必要とされ得る。
【0049】
更に、ドライバ110は、例えば、1-Wireマスタ機能を提供し、必要とされる電圧範囲(例えば、0乃至5V)において必要とされる1-Wire信号を供給するようドライバ回路31を制御することによって、インターフェース回路131を介してメモリ要素132にアクセスするよう構成(例えばプログラム)されるインターフェース制御回路(I-CTRL)32を有する。インターフェース制御回路32は、駆動ワイヤ112に接続され、照明器具モジュール120のメモリ要素132にアクセスし、インターフェース回路131及び駆動ワイヤ112を介して照明器具モジュール120のメモリ要素132から受信される(例えば、照明器具デバイス120の駆動パラメータ及び他の保守パラメータを含む)データを読み取るよう構成される。インターフェース制御回路32は、受信される駆動パラメータをドライバ110のメモリ(図示せず)において記憶し、(ドライバ回路31が独自の制御回路を有する場合には)ドライバ回路31に駆動パラメータを供給してもよい。他の例においては、インターフェース制御回路32は、受信される駆動パラメータに従って必要とされる駆動出力を駆動ワイヤ112を介して照明器具モジュール120に供給するようにドライバ回路31を制御するよう構成されてもよい。
【0050】
ドライバ回路31とインターフェース制御回路32との両方が、ドライバ110の内部又は外部の電源回路(図示せず)からそれらの電源Pを受け取る。
【0051】
インターフェース制御回路32は、プログラムメモリにおいて記憶されるソフトウェアルーチンによって制御されるプログラマブルプロセッサとして実施されてもよい。
【0052】
図4は、様々な実施形態による改善された照明器具駆動手順のフローチャートを示している。この手順は、例えばインターフェース制御回路32を制御するソフトウェアルーチンによって、ドライバ110において実施され得る。
【0053】
ステップS401において、例えば、自身の要求を送信し、応答を待つことによって、又は照明器具モジュール120からのアドバタイズメント(advertisement)又は他の信号の受信を待つことによって、バス接続線(例えば、駆動ワイヤ112)がアクセスされる。
【0054】
次いで、ステップS402において、照明器具デバイス(例えば、照明器具モジュール120)が、バス接続線に接続されているアクティブな低電圧デバイス(例えば、1-Wireデバイス)を有するか否か、又はアクティブな低電圧デバイスが「工場新品(factory-new)」応答をするかどうかがチェックされる。
【0055】
そう(「Y」)である場合には、手順はステップS403に分岐し、低電圧デバイスのメモリ(例えば、メモリ要素132)がアクセスされ、記憶されている駆動パラメータ及び/又は他の保守パラメータが読み取られる。後続のステップS404においては、読み取られたパラメータが、照明器具デバイスを駆動するための適切な設定を選択するために使用される。次いで、手順はステップS405へ進み、バス接続線に印加される出力電圧が、照明器具デバイスのために必要とされる駆動電圧まで増加され、ステップS406において駆動モードに入る。
【0056】
そうでなければ、ステップS402においてアクティブな低電圧デバイスが検出されなかった場合に、又はアクティブな低電圧デバイスが「工場新品」応答をしない場合に、手順は、直接、ステップS405及びS406へ進み、出力電圧を増加させ、照明器具デバイスのための駆動モードに入る。
【0057】
以下においては、図5乃至8を参照して、低電圧デバイス(例えば、1-Wireデバイス)を備える改善された照明器具モジュール120を実施するための例を説明する。
図5は、実施形態による改善された照明器具モジュールの第1例のブロック図を概略的に示している。
【0058】
図1と同様に、プログラマブルメモリ要素132は、1-Wire低電圧デバイスであり、照明器具モジュール120(例えば、L2基板)の光源121(例えばLEDの直列接続)221に追加される。
【0059】
第1例においては、図1のインターフェース回路131は、交換可能な又はリセット可能なヒューズ231と、メモリ要素132に並列に接続される(例えば5Vのツェナー電圧を備える)ツェナーダイオード232又は他の電圧制限要素によって実施される。
【0060】
ドライバ110が光源121を一般的な順方向電圧Uで駆動する前に、低電圧デバイスのプロトコル信号(例えば、1-Wireプロトコル信号)が、例えばユーザ入力111を介して受信される初期設定に基づいて、ドライバ120によって実行される。ここで、プロトコル信号の電圧は、図2において示されているように、一般的な順方向電圧Uよりはるかに低い。ドライバ110の起動手順は、常に、光源121のストリングに並列に接続されている利用可能な1-Wire構成要素をチェックする期間から始まり得る。通常の駆動動作の前のこのようなアクセス手順は、図2において図示されている。
【0061】
通常の駆動動作がヒューズ231を切断するという事実のため、1-Wireインターフェース回路は、例えばヒューズ231を交換又はリセットすることによって、復活させられる必要がある。従って、ドライバ110が交換された後に照明器具モジュール120を保守点検するときに、ヒューズ231は、新しいヒューズに交換されることができ、新しいドライバは、照明器具モジュール120の駆動要件に関する全ての重要な情報に再びアクセスすることができる。
【0062】
第1例の修正例においては、切断可能な(breakable)又はリセットできない使い捨てのヒューズ231は、過電流が検出されると回路を開くが冷却後に再び回路を接続する自動的にリセット可能なタイプのヒューズに有益に置き換えられ得る。これは、例えば、保護されるべき回路又はアセンブリと直列に配置されるポリマ性で正の温度係数(PTC)の過電流保護装置であってもよい。PTC要素は、過電流に反応して低抵抗状態から高抵抗状態に変化することによって、回路を保護する。この機能は、過電流保護装置の「トリップ(tripping)」と呼ばれる。
【0063】
従って、従来のヒューズもリセット可能なPTCも、回路内の過剰な電流の流れによって生成される熱に反応することによって機能する。ヒューズ要素は、溶けて開いて、電流の流れを遮断し、リセット可能なPTCは、低抵抗から高抵抗に変化して、電流の流れを制限する。
【0064】
このやり方においては、照明器具の駆動モードに入る前に常にメモリ要素132にアクセスすることができ、もはや、壊れたヒューズを交換する必要はない。
【0065】
第1例の更なる修正例においては、高電圧の照明器具の光源からの低電圧セクション(例えば、メモリ要素132)の分離は、ヒューズ231ではなく、手動スイッチ又は取り外し可能なジャンパによって達成されてもよい。これは、スイッチ又はジャンパが作動される(例えば、切り替えられる又は押される)まで、ドライバ110を読み取りモードに維持する。従って、保守担当者は、手動で、容易に、照明器具モジュール120を保守モードに設定することができる。
【0066】
図6は、実施形態による改善された照明器具モジュールの第2例のブロック図を概略的に示している。
【0067】
第2例においては、インターフェース回路のヒューズ231が、電圧依存型絶縁回路に置き換えられ、前記電圧依存型絶縁回路は、例えば、電圧依存制御要素535と、電圧依存制御要素535によって制御される絶縁スイッチ534とを有する。制御要素535は、低電圧時には(即ち、メモリ要素132へのアクセス中には)絶縁スイッチ534を閉じ、1-Wireのハイ電圧U1W-H(例えば、5V)より高い電圧時には絶縁スイッチ534を開くよう構成される。
【0068】
電圧依存型絶縁回路は、一体化された、絶縁スイッチ、制御回路及び電力管理を備える集積回路(例えば、eFuse)として実施されてもよい。
【0069】
第2例の利点は、このような改善された照明器具モジュール120のメモリ要素132は、単に、1-Wireのハイ電圧U1W-H(例えば、5V)未満のより低い電圧に切り替えるだけで、いつでもアクセスされることができることである。その後、ドライバ110は、メモリ要素132へのアクセスを完全に制御する。
【0070】
メモリ要素132は、追加の用途として、照明器具モジュール120の駆動診断及び駆動履歴を定期的に記録するために使用されることができる。
【0071】
図7は、実施形態による改善された照明器具モジュールの第3例のブロック図を概略的に示している。
【0072】
第3例においては、第1例のヒューズ231が、結合コンデンサ331に置き換えられる。それによって、照明器具モジュール120のメモリ要素132は、ドライバ110の出力に容量結合される。これは、単純で安価なソリューションであり、リセット可能である。コンデンサ331は、通常動作モードにおいては、高いDC駆動電圧を阻止し、メモリ要素132を保護する。保守又はアクセスモードの間、メモリ要素132にアクセスするための低電圧ACプロトコル信号は、インターフェース回路としてのコンデンサ331を介して通信されることができる。メメモリ要素132は、ほとんど電流を消費せず、場合によっては、駆動ワイヤ112の通信バスにおける電圧遷移によって供給され得る。
【0073】
第3例の修正例においては、メモリ要素132から照明システム関連情報(例えば、駆動パラメータなど)を取り出すための通信が、DC駆動電圧にプロトコル信号を重畳することによって、通常動作モード(照明器具駆動モード)中に達成されてもよい。
【0074】
図8は、実施形態による改善された照明器具モジュールの第4例のブロック図を概略的に示している。
【0075】
第2例の改善例である第4例においては、補助電源550が、電圧制御絶縁スイッチ534が開いているときに、メモリ要素132及び更なる回路551に給電する。更なる回路551は、メモリ要素132に書き込むことができる、且つ/又はメモリ要素132から読み取ることができるメモリコントローラであってもよい。
【0076】
第4例によれば、更なる回路551は、例えば、赤外線(IR)ユニット、Bluetooth(BT)ユニット又は近距離無線通信(NFC)ユニットのような、無線通信ユニットを有してもよい。無線通信ユニットは、次の起動プロセス中にドライバ110によって読み取られ得る情報をメモリ要素132に書き込む(即ち、プログラムする)よう構成されてもよい。更に、起動プロセス中に、ドライバ110は、更なる回路551の無線通信ユニットによって照明器具モジュール120の外部に後で通信され得る情報をメモリ要素132に書き込むことができる。
【0077】
照明器具モジュール(例えば、L2基板)は、例えばドライバとは異なり、ハウジングなどによって環境からほとんど遮蔽されないことから、その上に無線通信ユニットを配置するのによく適している。更に、更なる回路551の無線通信ユニットは、照明器具モジュール120をアップグレードする(例えば交換する)ときにアップグレードされることができる。
【0078】
上記の第1乃至第4例に基づき得る他の実施形態においては、メモリ要素132は、駆動パラメータ(例えば、駆動電流及び順方向電圧)に加えて、他の照明システム関連情報を記憶してもよい。このような他の照明システム関連情報は、色温度、製造日、演色評価数のようなスペクトルの詳細、期待寿命、ビームサイズのような光学的詳細情報などのような照明器具モジュール情報であってもよい。
【0079】
上記の第1乃至第4例に基づき得る更なる発展実施形態においては、メモリ要素132又は照明器具モジュール120が、寿命カウンタも有してもよく、前記寿命カウンタは、例えば、(例えば、時間単位での)期限切れの動作時間又はオン/オフサイクルの数をカウントし得る。
【0080】
上記の第1乃至第4例に基づき得る更なる発展実施形態においては、メモリ要素132は、照明器具モジュール120及び/又はその構成要素をスペアパーツとして指定するためのスペアパーツコード(例えば、12NCコード)、global trade item number(GTIN)、一意のインスタンスコード(unique instance code)、サービスタグ、又は相手先商標製品の製造会社(OEM)の特定のウェブサイトへのリンクのような照明システム関連情報も記憶してもよい。
【0081】
上記の第1乃至第4例に基づき得る更なる発展実施形態においては、ドライバ110は、メモリ要素132にコミッショニング又はセットアップ情報のコピーを書き込んでもよい。任意のドライバの不具合時に、新しく取り付けられるドライバは、次いで、このコミッショニング又はセットアップ情報を自動的に呼び出し、壊れたドライバの役割をシームレスに引き継ぐことができる。このやり方においては、ドライバ110の交換による修理は、新たなコミッショニング又は調節を全く必要としない。このような情報は、更に、ネットワーク接続照明システムのための、ランプ識別子、ノード名又はIPアドレスを有してもよい。
【0082】
上記の第1乃至第4例に基づき得る更なる発展実施形態においては、照明器具内の他のモジュールのために同じインターフェース及び記憶機構が使用されることができる。これらは、センサ、通信モジュールなどであり得る。
【0083】
要約すると、照明器具へのプログラマブルメモリデバイスの統合について説明した。メモリデバイスは、駆動パラメータ、修理履歴情報などのような保守関連情報を記憶するために使用されることができる。メモリデバイスは、照明器具を駆動するために使用されるのと同じ接続性によって読み出されることができ、故に、ドライバは、必要とされる動作条件を通知され得る。従って、ドライバは、照明器具を駆動し始める前に、保守関連情報について学習することができる。
【0084】
図面及び上述の説明において本発明が詳細に図示及び説明されているが、このような図及び説明は、理解を助けるもの又は例となるものとみなされるべきであり、限定しようとするものとみなされるべきではない。本発明は、開示されている実施形態に限定されない。提案されている、プログラマブルメモリ要素132の分離及びプログラマブルメモリ要素132へのアクセスは、ドライバによって駆動される照明器具デバイスに設けられる任意のタイプのモジュールに適用されることができ、場合によっては、標準化されることができる。
【0085】
当業者は、請求項記載の発明の実施において、図面、明細及び添付の特許請求の範囲の研究から、開示されている実施形態に対する他の変形を、理解し、達成することができる。特許請求の範囲において、「有する」という単語は、他の要素又はステップを除外せず、単数形表記は、複数性を除外しない。単一のプロセッサ又は他のユニットが、特許請求の範囲において挙げられている複数のアイテムの機能を果たしてもよい。単に、或る特定の手段が、相互に異なる従属請求項において挙げられているという事実は、これらの手段の組み合わせは有利になるようには使用されることができないことを示すものではない。上述の説明は、本発明の或る特定の実施形態を詳述している。しかしながら、上述のものが本文中でどんなに詳細に書かれていても、本発明は、多くのやり方で実施されることができ、それ故、開示されている実施形態に限定されないことが理解されるだろう。本発明の或る特定の特徴又は態様を説明する際の特定の用語の使用は、用語が関連する本発明の特徴又は態様の任意の特定の特性を含むよう限定されるよう、本明細書において用語が再定義されていることを意味するとみなされるべきではないことに留意されたい。
【0086】
単一のユニット又はデバイスが、特許請求の範囲において挙げられている複数のアイテムの機能を果たしてもよい。単に、或る特定の手段が、相互に異なる従属請求項において挙げられているという事実は、これらの手段の組み合わせは有利になるようには使用されることができないことを示すものではない。
【0087】
図4において示されている手順のような、記載されている手順は、それぞれ、コンピュータプログラムのプログラムコード手段として、及び/又は受信デバイス若しくは送受信デバイスの専用のハードウェアとして実施されることができる。コンピュータプログラムは、他のハードウェアと一緒に又は他のハードウェアの一部として供給される光学式記憶媒体又は固体媒体のような適切な媒体上に記憶及び/又は分散されてもよいが、インターネット又は他の有線若しくは無線電気通信システムを介するような他の形態で分散されてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】