(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-03
(54)【発明の名称】モバイルロボット用ダイレクトドライブ空気圧トランスミッション
(51)【国際特許分類】
B25J 11/00 20060101AFI20230626BHJP
【FI】
B25J11/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022573509
(86)(22)【出願日】2021-05-25
(85)【翻訳文提出日】2023-01-20
(86)【国際出願番号】 US2021034030
(87)【国際公開番号】W WO2021242742
(87)【国際公開日】2021-12-02
(32)【優先日】2020-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】522462638
【氏名又は名称】ローム ロボティクス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100123630
【氏名又は名称】渡邊 誠
(72)【発明者】
【氏名】サミア エリアス アール
(72)【発明者】
【氏名】パーク リーナス
(72)【発明者】
【氏名】ケンパー ケビン コンラッド
(72)【発明者】
【氏名】スウィフト ティモシー アラン
(72)【発明者】
【氏名】ル ルー フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】ジオバ ランディ
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707AS38
3C707HS27
3C707HT19
3C707KS35
3C707KV15
3C707LV22
3C707XK06
3C707XK12
3C707XK27
3C707XK33
3C707XK45
3C707XK75
(57)【要約】
流体アクチュエータと動力トランスミッションとを備える外骨格システムであって、流体を保持するように構成されたトランスミッションチャンバを画定するトランスミッション本体であって、トランスミッション本体が第1及び第2の端部を有するトランスミッション本体と、トランスミッションチャンバ内で第1の端部と第2の端部の間で並進するピストンとを含み、トランスミッション内のピストンの並進により、トランスミッションチャンバ内の容積が変化する、外骨格システム。外骨格システムは、ピストンをそれぞれのトランスミッション本体内で並進させてトランスミッション空洞の容積を変化させるように構成された動力トランスミッションに結合された機械的動力源、及び動力トランスミッションを流体アクチュエータに結合する第1の流体ラインも含む。
【選択図】
図7a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの左脚部及び右脚部にそれぞれ結合されるように構成された左脚部及び右脚部アクチュエータユニットであって、前記左脚部及び右脚部アクチュエータユニットが各々、
ジョイントを介して回転可能に結合された上部アーム及び下部アームであって、前記ジョイントが前記ユーザの膝に配置され、前記上部アームが前記膝の上の前記ユーザの上脚部分に結合され、前記下部アームが前記膝の下の前記ユーザの下脚部分に結合されている、上部アーム及び下部アームと、
前記上部アームと前記下部アームの間に延びる流体アクチュエータと、を含む左脚部及び右脚部アクチュエータユニットと、
別個の第1及び第2の空気圧動力トランスミッションであって、各々が、
流体を保持するように構成されたトランスミッションチャンバを画定するトランスミッション本体であって、第1及び第2の端部を有する前記トランスミッション本体と、
前記トランスミッション本体内で軸Xに沿って延びるリードねじであって、前記トランスミッション本体の前記第1の端部に回転可能に結合されている前記リードねじと、
前記リードねじの回転を介して前記トランスミッション本体の前記第1と第2の端部の間で前記トランスミッションチャンバ内を並進するピストンであって、前記トランスミッションチャンバ内での前記ピストンの並進によって前記トランスミッションチャンバの容積が変化し、前記ピストンが前記トランスミッション本体の内壁に係合して流体不浸透性シールを生成し、前記トランスミッションチャンバ内での前記ピストンの回転を防止する非円形周辺プロファイルを有する前記ピストンと、を含む、第1及び第2の空気圧動力トランスミッションと、
前記第1及び第2の空気圧動力トランスミッションの前記リードねじにそれぞれ結合された第1及び第2の機械的動力源であって、前記それぞれのリードねじを独立して回転させ、前記それぞれのピストンを前記それぞれのトランスミッション本体内で並進させ、前記それぞれのトランスミッション空洞の前記容積を変化させるように構成された前記第1及び第2の機械的動力源と、
前記第1及び第2の空気圧動力トランスミッションを、前記左脚部及び右脚部アクチュエータユニットの前記流体ベローズアクチュエータのそれぞれの1つにそれぞれ結合する第1及び第2の流体ラインと、を備え、
前記第1の流体ラインが、前記第1の空気圧動力トランスミッションの前記トランスミッションチャンバと前記左脚部アクチュエータユニットの前記流体ベローズアクチュエータを流体的に結合して、第1の作動流体容積を画定し、
前記第2の流体ラインが、前記第2の空気圧動力トランスミッションの前記トランスミッションチャンバと前記右脚部アクチュエータユニットの前記流体ベローズアクチュエータを流体的に結合して、第1の作動流体容積を画定する、外骨格システム。
【請求項2】
前記第1及び第2の機械的動力源が、複数の圧力を含む複数のセンサから得られたデータに少なくとも部分的に基づいて、外骨格デバイスによって制御される、請求項1に記載の外骨格システム。
【請求項3】
前記第1及び第2の機械的動力源ならびに前記第1及び第2の空気圧動力トランスミッションが、前記ユーザが着用するように構成されたバックパック内に配置される、請求項1に記載の外骨格システム。
【請求項4】
前記左脚部及び右脚部アクチュエータユニットの前記流体ベローズアクチュエータに弁が存在せず、前記第1及び第2の空気圧動力トランスミッションに弁が存在せず、前記第1及び第2の流体ラインに弁が存在しない、請求項1に記載の外骨格システム。
【請求項5】
第1及び第2の流体ベローズアクチュエータと、
別個の第1及び第2の空気圧動力トランスミッションであって、各々が、
流体を保持するように構成されたトランスミッションチャンバを画定するトランスミッション本体であって、第1及び第2の端部を有するトランスミッション本体と、
前記トランスミッション本体内で軸Xに沿って延びるねじであって、前記トランスミッション本体の前記第1の端部に回転可能に結合されている前記ねじと、
前記ねじの回転を介して前記トランスミッション本体の前記第1と第2の端部の間で前記トランスミッションチャンバ内で並進するピストンであって、前記トランスミッションチャンバ内の前記ピストンの並進により前記トランスミッションチャンバ内の容積が変化し、前記トランスミッション本体の内壁と係合して流体不浸透性シールを生成する前記ピストンと、
前記第1及び第2の空気圧動力トランスミッションの前記ねじにそれぞれ結合された第1及び第2の機械的動力源であって、前記それぞれのねじを独立して回転させて、前記それぞれのピストンを前記それぞれのトランスミッション本体内で並進させ、前記それぞれのトランスミッション空洞の前記容積を変化させるように構成された前記第1及び第2の機械的動力源と、
前記第1の空気圧動力トランスミッションを前記第1の流体ベローズアクチュエータに結合する第1の流体ラインと、
前記第2の空気圧動力トランスミッションを前記第2の流体ベローズアクチュエータに結合する第2の流体ラインと、
を備える外骨格システム。
【請求項6】
前記ピストンが、前記トランスミッション本体の内壁と係合して流体不浸透性シールを生成する非円形の周辺プロファイルを有する、請求項5に記載の外骨格システム。
【請求項7】
前記第1の流体ラインが、前記第1の空気圧動力トランスミッションの前記トランスミッションチャンバと前記左脚部アクチュエータユニットの前記流体ベローズアクチュエータとを流体的に結合して第1の作動流体容積を画定し、
前記第2の流体ラインが、前記第2の空気圧動力トランスミッションの前記トランスミッションチャンバと前記右脚部アクチュエータユニットの前記流体ベローズアクチュエータとを流体的に結合して、第1の作動流体容積を画定する、請求項5に記載の外骨格システム。
【請求項8】
ユーザの左右のジョイントにそれぞれ結合されるように構成された左右のジョイントアクチュエータユニットをさらに備え、前記左右のジョイントアクチュエータユニットはそれぞれ前記第1及び第2の流体ベローズアクチュエータを含む、請求項5に記載の外骨格システム。
【請求項9】
前記第1及び第2の機械的動力源ならびに前記第1及び第2の空気圧動力トランスミッションが、前記ユーザが着用するように構成されたバックパック内に配置される、請求項5に記載の外骨格システム。
【請求項10】
前記左脚部及び右脚部アクチュエータユニットの前記流体ベローズアクチュエータに弁が存在せず、前記第1及び第2の空気圧動力トランスミッションに弁が存在せず、前記第1及び第2の流体ラインに弁が存在しない、請求項5に記載の外骨格システム。
【請求項11】
流体アクチュエータと、
動力トランスミッションであって、
流体を保持するように構成されたトランスミッションチャンバを画定するトランスミッション本体であって、第1及び第2の端部を有する前記トランスミッション本体と、
前記トランスミッション本体の第1と第2の端部の間の前記トランスミッションチャンバ内で並進するピストンであって、前記トランスミッションチャンバ内での前記ピストンの並進によって前記トランスミッションチャンバの容積が変化する前記ピストンと、を含む動力トランスミッションと、
を含む、前記動力トランスミッションと、
それぞれのトランスミッション本体内で前記ピストンを並進させて前記トランスミッション空洞の前記容積を変化させるように構成された、前記動力トランスミッションに結合された機械的動力源と、
前記動力トランスミッションを前記流体アクチュエータに結合する第1の流体ラインと、
を備える外骨格システム。
【請求項12】
ねじが前記トランスミッション本体内で軸Xに沿って延び、前記ねじが前記トランスミッション本体の前記第1の端部に回転可能に結合される、請求項11に記載の外骨格システム。
【請求項13】
前記ピストンが、前記ねじの回転を介して、前記トランスミッション本体の前記第1と第2の端部の間で前記トランスミッションチャンバで並進する、請求項12に記載の外骨格システム。
【請求項14】
前記機械的動力源が、動力トランスミッションの前記ねじに結合され、前記ねじを回転させて前記ピストンを前記トランスミッション本体内で並進させて前記トランスミッション空洞の前記容積を変化させるように構成されている、請求項12に記載の外骨格システム。
【請求項15】
前記ピストンが前記トランスミッション本体の内壁と係合して、流体不浸透性シールを生成する、請求項11に記載の外骨格システム。
【請求項16】
前記ピストンが非円形の周辺プロファイルを有する、請求項11に記載の外骨格システム。
【請求項17】
前記流体ラインが前記動力トランスミッションの前記トランスミッションチャンバと前記流体アクチュエータとを流体的に結合して作動流体容積を画定する、請求項11に記載の外骨格システム。
【請求項18】
ユーザのジョイントに結合されるように構成されたジョイントアクチュエータユニットをさらに備え、前記ジョイントアクチュエータユニットが前記流体アクチュエータを含む、請求項11に記載の外骨格システム。
【請求項19】
前記機械的動力源及び前記動力トランスミッションが、前記ユーザによって着用されるように構成されたバックパック内に配置される、請求項11に記載の外骨格システム。
【請求項20】
前記流体アクチュエータに弁が存在せず、前記動力トランスミッションに弁が存在せず、前記流体ラインに弁が存在しない。請求項11に記載の外骨格システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年5月27日出願された「DYNAMIC AIR DISPLACEMENT PRESSURE CONTROL FOR A CLOSED SYSTEM」と題する、代理人整理番号0110496-009PR0の米国仮特許出願第63/030,551号の非仮特許出願であり、優先権を主張する。本出願は、その全体が、全ての目的のために、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、2021年2月5日に出願された「DIRECT DRIVE PNEUMATIC TRANSMISSION FOR MOBILE ROBOT」と題する、弁護士整理番号0110496-009PR1の米国仮特許出願第63/146,390号の非仮出願でもあり、優先権を主張する。本出願は、その全体が、全ての目的のために、参照により本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0003】
【
図1】ユーザが装着している外骨格システムの一実施形態の例示的な図示である。
【
図2】ユーザの1本の脚部に結合された脚部作動ユニットの一実施形態の正面図である。
【
図3】ユーザの脚部に結合された
図3の脚部作動ユニットの側面図である。
【
図5】外骨格システムの例示的な実施形態を示すブロック図である。
【
図6】外骨格システムの空気圧システムの一部であり得る空気圧動力トランスミッションの1つの例示的な実施形態を示す。
【
図7a】ピストンがリードねじの長さに沿ってトランスミッション本体内の第1の位置にある第1の構成における空気圧動力トランスミッションの例を示す。
【
図7b】ピストンがリードねじの長さに沿ってトランスミッション本体内の第2の位置にある第2の構成における
図7aの空気圧動力トランスミッションの例を示す。
【
図8】機械的動力源がトランスミッション本体の長さに隣接して配置され、ピストンが楕円形の外形を有する、空気圧トランスミッションシステムの別の実施形態を示す。
【
図9a】第1の流体アクチュエータに流体結合された第1の空気圧トランスミッションシステム及び第2の流体アクチュエータに流体結合された別個の第2の空気圧トランスミッションシステムを備える外骨格システムの第1の例示的な実施形態を示す。
【
図9b】所与の時間に単一の空気圧動力トランスミッションと第1及び第2の流体アクチュエータの一方または両方との間の流体の流れを制御するように構成され得る弁を介して第1及び第2の流体アクチュエータに結合された単一の空気圧動力トランスミッションを備える外骨格システムの別の例示的な実施形態を示す。
【
図10a】弁を介して単一の流体アクチュエータに結合された第1及び第2の空気圧トランスミッションシステムを備える、外骨格システムのさらなる例示的な実施形態を示す。
【
図10b】第1、第2、及び第3の空気圧トランスミッションを備える外骨格システムのさらに別の例示的な実施形態を示し、第1及び第2の空気圧トランスミッションは、排他的に、それぞれ第1及び第2の流体アクチュエータに接続される。
【
図11a】弁を介して第1及び第2の流体アクチュエータに流体結合されるように構成された第1、第2及び第3のトランスミッションシステムを備える外骨格システムの別の実施形態を示す。
【
図11b】弁によって、第1及び第2の動力トランスミッションユニットが第1及び第2のアクチュエータの一方または両方に選択的に配管されることを可能にする例示的な実施形態を示す。
【
図12a】一実施形態による圧縮構成での空気圧アクチュエータの側面図を示す。
【
図12b】拡張構成での
図12aの空気圧アクチュエータの側面図を示す。
【
図13a】別の実施形態による圧縮構成での空気圧アクチュエータの側断面図を示す。
【
図13b】拡張構成での
図13aの空気圧アクチュエータの断面側面図を示す。
【
図14a】別の実施形態による圧縮構成での空気圧アクチュエータの上面図を示す。
【
図14b】拡張構成にある
図14aの空気圧アクチュエータの上部を示す。
【
図15】一実施形態による空気圧アクチュエータの拘束リブの上面図を示す。
【
図16a】別の実施形態による空気圧アクチュエータのベローズの断面図を示す。
【
図17】平面材料の1つ以上の平面軸に沿って実質的に非伸長性であるが、他の方向には可撓性である、例示的な平面材料を示す。
【0004】
図は縮尺通りに描かれていないことと、類似する構造または機能の要素は、一般に、全図を通して説明する目的のために同様の参照番号によって表されることとに留意されたい。また、図は、好ましい実施形態の説明を容易にすることだけを意図していることにも留意されたい。図は、説明される実施形態のすべての態様を示すものではなく、本開示の範囲を限定するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本出願は、新規の空気圧動力トランスミッションの設計の例示的な実施形態を開示する。いくつかの空気圧システムに存在する可能性がある高い遠位比出力と、電気機械的システムの典型である可能性がある効率の組み合わせにより、様々な例がモバイル空気圧ロボットに適用され得る。いくつかの空気圧動力トランスミッションは、電力が空気圧動力に変換される主な動力発生源として空気コンプレッサを使用する。ただし、様々なコンプレッサ技術は、これらの設計に固有の流量制限と、加圧空気が定期的に大気中に排出されるオープン空気圧システムの使用により、かなり重くなり、全体的な効率が非常に低くなる可能性がある。これにより、いくつかの設計では、設計構成要素をダウングレードすることにより、ジョイントでの実行時間または動力容量が犠牲になる可能性がある。
【0006】
対照的に、様々な電気機械的システムは高い全体効率を提供できるが、達成可能な速度を大幅に制限し得る、またはアクチュエータにおける電力負担を増加させ得る、比較的固定された遠位質量要件を有する可能性がある。本明細書のいくつかの例で説明されている新しいアプローチは、モバイルロボットアプリケーションに適した方法でこれらのニーズのバランスをとるように作用することができる。これらの利点が価値を発揮できる分野には、消費者、軍事、初期対応者、産業用アプリケーション、アスリート、及び医療機器を対象とするデバイスが含むが、これらに限定されない。本明細書は、機能ロボットへのそのような空気圧動力トランスミッションシステムの様々な実施形態を説明する。
【0007】
一態様では、本開示は、いくつかの例において、空気圧アクチュエータを含むことができる公称閉鎖システム内の空気を直接圧縮及び拡張させるリードねじコンプレッサに関する。様々な実施形態では、これにより、非常に高速な応答時間と、高頻度の動きで目標圧力を達成できる高い瞬時流量が可能になり、これはいくつかの用途では望ましい場合がある。
【0008】
1つの好ましい実施形態は、動力を空気圧トランスミッションを介してユーザの脚部の特注設計の回転空気圧ジョイントに伝達する駆動ピストンの使用により閉鎖空気圧システムに動力を導入する電気機械的動力源を含む。そのような実施形態では、主要構成要素は、機械的動力源、空気圧トランスミッションシステム、及び流体アクチュエータなどの出力自由度を含むことができる。
【0009】
以下の本開示は、新規の外骨格デバイスの設計の例示的な実施形態も含む。様々な好ましい実施形態は、作動が統合されている脚部装具、モバイル動力源、及びリアルタイムにデバイスの出力挙動を決定する制御ユニットを含む。
【0010】
様々な実施形態で存在する外骨格システムの構成要素は、トルクをユーザに伝える能力を組み込む、装着式の下肢の装具である。この構成要素の好ましい一実施形態は、ユーザの膝を支持するように構成される脚部装具であり、この脚部装具は、伸展方向内に補助トルクを与える膝ジョイント全体での作動を有する。この実施形態は、一連のアタッチメントを介してユーザに連結することができ、これら一連のアタッチメントはユーザの靴の上のもの、膝より下のもの、及び大腿に沿ったものを含むことができる。この好ましい実施形態は、このタイプの脚部装具をユーザの両脚部の上に含むことができる。
【0011】
本開示は、1つ以上の調節可能な流体アクチュエータを含む流体外骨格システムの例示的な実施形態を教示する。いくつかの好ましい実施形態は、人体上のジョイントに適応させることができる構成で、大きなストロークの長さで様々な圧力レベルで動作できる流体アクチュエータを含む。
【0012】
本明細書で論じられるように、外骨格システム100は、様々な適切な使用のために構成され得る。例えば、
図1~
図3は、ユーザにより使用されている外骨格システム100を示している。
図1に示されているように、ユーザ101は両脚部102の上に外骨格システム100を装着することができる。
図2及び
図3は、ユーザ101の片脚部102に結合されたアクチュエータユニット110の正面図及び側面図を示し、
図4は、ユーザ101が装着していないアクチュエータユニット110の側面図を示す。
【0013】
図1の例に示されているように、外骨格システム100は、ユーザの左右の脚部102L、102Rにそれぞれ結合されている左右の脚部アクチュエータユニット110L、110Rを含むことができる。様々な実施形態では、左右の脚部アクチュエータユニット110L、110Rは実質的に互いの鏡像であることができる。
【0014】
図1~
図4に示されているように、脚部アクチュエータユニット110は、ジョイント125を介して回転可能に結合される上部アーム115及び下部アーム120を含むことができる。ベローズアクチュエータ130は、上部アーム115と下部アーム120との間に延びる。本明細書で論じられるように、1セット以上の空気圧ライン145をベローズアクチュエータ130に結合して、ベローズアクチュエータ130から流体を注入すると、及び/または除去すると、ベローズアクチュエータ130が拡張して収縮し、硬直して柔軟になることができる。バックパック155は、ユーザ101によって装着されることができ、流体源、制御系、電源などのような外骨格システム100の様々な構成要素を保持することができる。
【0015】
図1~
図3に示されているように、脚部アクチュエータユニット110L、110Rは、それぞれユーザ101の脚部102L、102Rの周りで、ユーザ101の膝103L、103Rに位置決めされているジョイント125を用いて結合することができ、脚部アクチュエータユニット110L、110Rの上部アーム115は、1つ以上のカプラ150(例えば、脚部102を囲むストラップ)を介して、ユーザ101の大腿部104L、104Rの周りに結合することができる。脚部アクチュエータユニット110L、110Rの下部アーム120は、1つ以上のカプラ150を介して、ユーザ101の下腿部105L、105Rの周りに結合することができる。
【0016】
脚部アクチュエータユニット110の上部アーム115及び下部アーム120は、様々な適切な方法でユーザ101の脚部102の周りに結合することができる。例えば、
図1~3は、脚部アクチュエータユニット110の上部アーム115及び下部アーム120及びジョイント125が、脚部102の頂部104及び底部105の外側面(側面)に沿って結合される一例を示す。
図1~
図3の例に示されるように、上部アーム115は2つのカプラ150を介して膝103より上の脚部102の大腿部104に結合することができ、下部アーム120は2つのカプラ150を介して膝103より下の脚部102の下腿部105に結合することができる。
【0017】
具体的には、上部アーム115は、膝103より上の脚部102の大腿部104に、第1のカプラ150A及び第2のカプラ150Bを含む第一セットのカプラ250Aを介して結合することができる。第一カプラ150A及び第二カプラ150Bのストラップ151が脚部102の大腿部104の周りに延在している状態で、第一カプラ150A及び第二カプラ150Bは、脚部102の大腿部104の外側の上に配置された剛性プレートアセンブリ215によって接合することができる。上部アーム115は脚部102の大腿部104の外側の上でプレートアセンブリ215に結合することができることで、上部アーム115が発生した力が脚部102の大腿部104に伝達することができる。
【0018】
下部アーム120は、第3のカプラ150C及び第4のカプラ150Dを含む第2のセットのカプラ250Bを介して、膝103より下の脚部102の下腿部105に結合することができる。カップリングブランチユニット220は、下部アーム120の遠位端部から延びてもよく、またはその遠位端部によって画定されてもよい。カップリングブランチユニット220は、第一ブランチ221を含むことができる。第一ブランチは、脚部102の下腿部105上の外側位置から延び、第一アタッチメント222が第三カプラ150Cとカップリングブランチユニット220の第一ブランチ221とに接合している状態で、膝103より下の下腿部105の前側(前方)の上にある第一アタッチメント222に対して、上向きで、かつ下腿部105の前側に向けて湾曲する。カップリングブランチユニット220は、第二ブランチ223を含むことができる。第二ブランチは、脚部102の下腿部105上の外側位置から延び、第二アタッチメント224が第四カプラ150Dとカップリングブランチユニット220の第二ブランチ223とを接合している状態で、膝103より下の下腿部105の後側(後方)の上にある第二アタッチメント224に対して、下向きで、かつ下腿部105の後側に湾曲する。
【0019】
図1~
図3の例に示されているように、第四カプラ150Dは、ユーザの靴191を囲み、係合するように構成することができる。例えば、第四カプラ150Dのストラップ151は、脚部102単独の下腿部105と比較して直径が大きい靴191を第四カプラ150Dが囲むことを可能にするサイズのものであることができる。また、下部アーム120及び/またはカップリングブランチユニット220の長さは、脚部アクチュエータユニット110がユーザによって装着されるときに、第四カプラ150Dが脚部102の下腿部105のセクションを囲むように、第四カプラ150Dが靴191の上に位置決めされるのに、短い長さのものではなく、十分な長さのものであることができる。
【0020】
靴191への付装は、様々な実施形態にわたり変化することができる。一実施形態では、この付装は、可撓性ストラップによって達成することができる。脚部アクチュエータユニット110とストラップとの間に所望の相対運動量で、可撓性ストラップが靴191の外周に巻装されることで、脚部アクチュエータユニット110が靴191に添着される。他の実施形態は、様々な自由度を制限するように機能することができるが、他の自由度では、脚部アクチュエータユニット110と靴191との間の所望の相対運動量を可能にする。そのような一実施形態は、靴191の背側に連結することで、デバイスと靴191の間の特異的な機械的連結を提供することができる機械的なクリップの使用を含むことができる。様々な実施形態は、機械的ねじ接合、剛性ストラップ、磁気結合、電磁結合、電気機械的結合、ユーザの靴内への挿入、剛性もしくは可撓性ケーブル、または192への直接結合という先に列挙された設計を含むことができるがこれらに限定されない。
【0021】
外骨格システム100の別の態様は、外骨格システム100をユーザ101に固定するために使用されている適合部品であることができる。外骨格システム100が身体101で著しくドリフトすることまたは不快感を生じさせることなく、ユーザ101と外骨格システム100との間に力を効率的に伝える外骨格システム100の適合に、様々な実施形態での外骨格システム100の機能が大きく依存し得ることから、いくつかの実施形態では、外骨格システム100の適合を向上させること、及び経時的にユーザへの外骨格システム100の適合を監視することは、外骨格システム100の機能全体に望ましいことがある。
【0022】
様々な例では、異なるカプラ150は、異なる目的のために構成されることができ、主に力の伝達のためのカプラ150もあれば、外骨格システム100のアタッチメントを身体101に固定するように構成されるカプラもあることができる。単一の膝系のための好ましい一実施形態では、ユーザ101の下腿105上に位置するカプラ150(例えば、カプラ150C、150Dの一方または両方)は、身体適合を対象とすることを意図するものであることができ、その結果、ユーザ101の身体に適合するように可撓性で、かつ柔軟なままであることができる。代替に、この実施形態では、脚部102の大腿部104上のユーザの大腿の前面に添着するカプラ150(例えば、カプラ150A、150Bの一方または両方)は、伝動装置の必要性を対象とすることを意図するものであることができ、残りのカプラ150(例えば、カプラ150C、150Dのうちの一方または両方)よりも身体への堅い付装を有することができる。様々な実施形態は、様々なストラップまたはカップリング構成を用いることができ、これらの実施形態は、任意の様々な適したストラップ、カップリングなどを含むまで拡大させることができ、カップリング構成の類似した2セットは、これらの異なる必要性を満たすことを意図するものである。
【0023】
場合によっては、ジョイント125の設計は、ユーザ上での外骨格システム100の適合度を向上させることができる。一実施形態では、片膝の脚部アクチュエータユニット110のジョイント125は、膝ジョイントの生理機能に関する一部の逸脱を有する単軸ジョイントを使用するように設計することができる。別の実施形態は、ヒトの膝ジョイントの運動により良く適合する多軸膝ジョイントを使用して、いくつかの例では、非常に良く適合した脚部アクチュエータユニット110と望ましく対にすることができる。ジョイント125の様々な実施形態は、ボールアンドソケットジョイント、四節リンク機構などの上記で列挙された例示的な要素を含むことができるが、これらに限定されない。
【0024】
いくつかの実施形態は、下腿105での内反または外反の角度内の解剖学的な多様性に適合した調節を含むことができる。好ましい一実施形態は、ユーザ101の膝103のジョイントにまたがるクロスストラップの形態で脚部アクチュエータユニット110に組み込まれている調節を含み、クロスストラップが締着することができると、前頭面内の膝ジョイントにわたり、公称静止角度を変えるモーメントが与えられることができる。様々な実施形態は、以下の、ジョイント125の動作角度を変えるようにジョイント125にまたがるストラップ、ジョイント125の角度を変えるように調節することができるねじを含む機械的アセンブリ、ユーザ101のためにジョイント125のデフォルト角度を慎重に変えるように脚部アクチュエータユニット110に追加され得る機械的インサートなどを含むことができるが、これらに限定されない。
【0025】
様々な実施形態では、脚部アクチュエータユニット110は、脚部102上で垂下したままであり、膝103のジョイントと適切に位置決めされたままであるように構成することができる。一実施形態では、靴191に関連するカプラ150(例えば、カプラ150D)は、脚部アクチュエータユニット110に垂直方向の保定力を与えることができる。別の実施形態は、ユーザ101の下腿105上に位置決めされているカプラ150(例えば、カプラ150C、150Dの一方または両方)を使用して、ユーザ101の腓腹上で反発させることによって、脚部アクチュエータユニット110上に垂直方向の力を与える。様々な実施形態は、以下の、カプラ150(例えば、カプラ150D)を介して靴上に、または前述された別の実施形態の靴アタッチメント上に伝達される支持力、電子及び/または流体ケーブルアセンブリを介して伝達される支持力、腰ベルトへの連結を介して伝達される支持力、バックパック155、または外骨格デバイス510及び/または空気圧システム520(
図5を参照)用の他のハウジングを介して伝達される支持力、ストラップまたはハーネスを介してユーザ101の肩に伝達される支持力などを含むことができるが、これらに限定されない。
【0026】
様々な実施形態では、脚部アクチュエータユニット110は、脚部102に限られた数のアタッチメントを用いて、ユーザの脚部102から離隔することができる。例えば、いくつかの実施形態では、脚部アクチュエータユニット110は、ユーザ101の脚部102に対して3つのアタッチメントからなること、またはそれらから本質的になることができる(つまり、第一及び第二アタッチメント222、224及び215を介して)。様々な実施形態では、脚部アクチュエータユニット110の下腿部105への結合は、下腿部105の前側及び後側にある第一及び第二アタッチメントからなること、またはそれから本質的になることができる。様々な実施形態では、脚部アクチュエータユニット110の大腿部104への結合は、単一外側カップリングからなること、またはそれから本質的になることができ、この単一外側カップリングは、1つ以上のカプラ150(例えば、
図1~4に示されるような2つのカプラ150A、150B)に関連付けられることができる。様々な実施形態では、そのような構成は、被験体の活動中の使用に特異的な力伝達に基づいていることが望ましい場合がある。したがって、様々な実施形態でのユーザ101の脚部102へのアタッチメントまたはカップリングの数及び位置は、単一設計の選択ではなく、1つ以上の選択された標的のユーザ活動に対して特異的に選択することができる。
【0027】
カプラ150の特異的な実施形態が本明細書に示されているが、さらなる実施形態では、本明細書で論じられるそれらのような構成要素は、同じ機能を生成する代替構造体によって動作可能に置き換えられることができる。例えば、ストラップ、バックル、パッドなどが様々な例で示されているが、さらなる実施形態は、様々な適したタイプのもので、かつ様々な適した要素を備えたカプラ150を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態は、Velcroフックアンドループストラップなどを含むことができる。
【0028】
図1~
図3は、ジョイント125の回転軸が膝103の回転軸に平行して配置される状態で、ジョイント125が膝103の側方に隣接して配置される外骨格システム100の一例を示す。いくつかの実施形態では、ジョイント125の回転軸は、膝103の回転軸と一致していることができる。いくつかの実施形態では、ジョイントは、膝103の前側、膝103の後側、膝103の内側などに配置することができる。
【0029】
様々な実施形態において、ジョイント構造125は、ベローズアクチュエータ130内のアクチュエータ流圧によって発生する力が、瞬間中心(空間に固定されていても固定されていなくてもよい)の周りに向けられることができるように、ベローズアクチュエータ130を拘束することができる。外旋もしくは回転式ジョイント、または曲面上で摺動する本体の場合によっては、この瞬間中心は、ジョイント125の瞬間回転中心または曲面と一致していることができる。脚部アクチュエータユニット110によって回転式ジョイント125の周りに発生する力を使用して、瞬間中心の周りにモーメントを加えることができるだけでなく、さらにその力を使用して、指向性の力を加えることができる。直動ジョイントまたは線形ジョイント(レール上のスライドなど)の一部の場合には、瞬間中心は運動学的に無限大にあるとみなすことができ、その場合、この無限の瞬間中心に向けられた力を、直動ジョイントの運動軸に沿って向けられた力とみなすことができる。様々な実施形態において、回転式ジョイント125が機械的ピボット機構から構築されることは十分であり得る。そのような実施形態では、ジョイント125は、画定するのが容易であり得る固定の回転の中心を有することができ、ベローズアクチュエータ130は、ジョイント125に対して移動することができる。さらなる実施形態では、ジョイント125が、単一の固定の回転の中心を備えていない複雑なリンク機構を含むことは、有益であり得る。さらに別の実施形態では、ジョイント125は、固定ジョイントピボットを備えていない屈曲設計を含むことができる。またさらなる実施形態では、ジョイント125は、人間のジョイント、ロボットのジョイントなどの構造を含むことができる。
【0030】
様々な実施形態では、脚部アクチュエータユニット110(例えば、ベローズアクチュエータ130、ジョイント構造125などを含む)をシステムに統合して、脚部アクチュエータユニット110の生成された指向力を使用して、様々なタスクを達成することができる。いくつかの例で、脚部アクチュエータユニット110が人体を支えるように構成されるか、動力付き外骨格システム100に含まれる場合、脚部アクチュエータユニット110は、1つ以上の独自の利点を有することができる。例示的な実施形態では、脚部アクチュエータユニット110は、ユーザの膝ジョイント103の周りの人間のユーザの動きを助けるように構成することができる。これを行うために、いくつかの例では、脚部アクチュエータユニット110の瞬間中心は、ユーザ101の膝103の瞬間回転中心と一致またはほぼ一致するように設計することができる。例示的な一構成では、脚部アクチュエータユニット110は、
図1~
図3に示すように膝ジョイント103の外側に配置することができる。様々な例では、人間の膝ジョイント103は、脚部アクチュエータユニット110のジョイント125として(例えば、それに加えて、またはその代わりに)機能することができる。
【0031】
明確にするために、本明細書で説明される例示的な実施形態は、本開示内で説明される脚部アクチュエータユニット110の潜在的な用途を制限するものとみなされるべきではない。脚部アクチュエータユニット110は、1つ以上の肘、1つ以上の殿部、1本以上の指、1つ以上の足首、脊椎、または首を含むがこれらに限定されない身体の他の関節上で使用することができる。いくつかの実施形態では、脚部アクチュエータユニット110は、人体上ではない用途に、例えば、ロボット工学、汎用作動、動物外骨格などに使用することができる。
【0032】
また、実施形態は、様々な適切な用途、例えば、戦術用途、医療用途、または労働用途などに使用される、または適合することができる。それらのような用途の例は、参照により本明細書に組み込まれる、2017年11月27日に出願され、「PNEUMATIC EXOMUSCLE SYSTEM AND METHOD」と題された、代理人整理番号0110496-002US1の米国特許出願第15/823,523号、及び2018年4月13日に出願され、「LEG EXOSKELETON SYSTEM AND METHOD」と題された、代理人整理番号0110496-004US0の米国特許出願第15/953,296号に見出すことができる。
【0033】
いくつかの実施形態は、本明細書で説明されるように、直線作動で適用するために、脚部アクチュエータユニット110の構成を適用することができる。例示的な実施形態では、ベローズアクチュエータ130は、2層不浸透性/非伸張性構造を含むことができ、1つ以上の拘束リブの一端は、所定の位置でベローズアクチュエータ130に固定することができる。種々の実施形態におけるジョイント構造125は、一対の直線ガイドレールの一連のスライドとして構成することができ、1つ以上の拘束リブの残りの端部はスライドに接続される。したがって、流体アクチュエータの動きと力は、直線レールに沿って拘束され、方向付けられる。
【0034】
図5は、空気圧システム520に動作可能に接続される外骨格デバイス510を含む外骨格システム100の例示的な実施形態のブロック図である。空気圧システム520が
図5の例に使用されているが、さらなる実施形態は任意の適切な流体システムを含んでもよく、または外骨格システム100が電動機などによって作動するようないくつかの実施形態では、空気圧システム520は存在しなくてもよい。
【0035】
この例での外骨格デバイス510は、プロセッサ511、メモリ512、1つ以上のセンサ513、通信ユニット514、ユーザインターフェース515、及び電源516を備える。複数のアクチュエータ130は、それぞれの空気圧ライン145を介して空気圧システム520に動作可能に結合される。複数のアクチュエータ130は、本体100の左側と右側に位置決めされる一対の膝用アクチュエータ130L及び130Rを含む。例えば、上述されているように、
図5に示されている例示的な外骨格システム100は、外骨格デバイス510及び空気圧システム520の一方もしくは両方、またはそれらの1つ以上の構成要素がバックパック155(
図1を参照)内にもしくはその周りに格納されている、またはその他の方法でユーザ101によって取り付けられている、装着されているもしくは保持されている状態で、左右の脚部アクチュエータユニット110L、110Rを、
図1及び2に示されるように身体101のそれぞれの側面上に含むことができる。
【0036】
したがって、様々な実施形態では、外骨格システム100は、様々なユーザの活動中に外部電源なしで長期間電力を供給されて動作するように構成される、完全に移動式で自立型のシステムであることができる。したがって、アクチュエータユニット(複数可)110、外骨格デバイス510及び空気圧システム520のサイズ、重量及び構成は、様々な実施形態では、そのような移動式で自立型の動作のために構成することができる。
【0037】
様々な実施形態において、例示的なシステム100は、外骨格システム100を着用しているユーザ101の動きを移動及び/または強化するように構成することができる。例えば、外骨格デバイス510は、空気圧システム520に命令を提供することができ、それにより空気圧ライン145を介してベローズアクチュエータ130を選択的に膨張及び/または収縮させることができる。ベローズアクチュエータ130のこのような選択的膨張及び/または収縮は、一方または両方の脚部102を動かして及び/またはサポートして、身体の動き、例えば歩行、走行、ジャンプ、登ること、持ち上げること、投げること、しゃがむこと、スキーすることなどを生じさせる及び/または増強することができる。
【0038】
場合によっては、外骨格システム100は、モジュラ構成での複数の構成をサポートするように設計することができる。例えば、一実施形態は、ユーザ101が着用しているアクチュエータユニット110の数に応じて片膝構成か両膝構成かいずれかで動作するように設計されるモジュラ構成である。例えば、外骨格デバイス510は、空気圧システム520及び/または外骨格デバイス510に結合されるアクチュエータユニット110の数(例えば、1つまたは2つのアクチュエータユニット110)を決定することができ、外骨格デバイス510は、検出されたアクチュエータユニット110の数に基づいて動作能力を変えることができる。
【0039】
さらなる実施形態では、空気圧システム520は、手動で制御する、一定の圧力を加えるように構成する、または他の任意の適切な方法で動作させることができる。一部の実施形態では、そのような動きは、外骨格システム100を着用しているユーザ101、または別の人物によって、制御及び/またはプログラムすることができる。一部の実施形態では、外骨格システム100は、ユーザ101の動きによって制御することができる。例えば、外骨格デバイス510は、ユーザが歩行して荷物を運んでいることを感知でき、アクチュエータ130を介してユーザに電動アシストをもたらして、荷及び歩行に関連する運動を軽減することができる。同様に、ユーザ101が外骨格システム100を着用する場合、外骨格システム100はユーザ101の動きを感知することができ、アクチュエータ130を介してユーザへの電動アシストをもたらして、スキー中のユーザへの支えを増強または提供することができる。
【0040】
したがって、様々な実施形態において、外骨格システム130は、直接的なユーザとの対話なしで自動的に反応することができる。さらなる実施形態では、コントローラ、ジョイスティック、音声制御、または思考の制御などのユーザインターフェース515により、動きをリアルタイムで制御することができる。さらに、一部の動作は、完全に制御されるのではなく、先に事前のプログラムをして、選択的にトリガ(例えば、前方に歩く、座る、しゃがむ)することができる。いくつかの実施形態において、動きは一般化された命令によって制御され得る(例えば、A地点からB地点まで歩いて、棚Aから箱を取り出して、棚Bまで移す)。
【0041】
ユーザインターフェース515は、外骨格システム100の電源のオンとオフ、外骨格システム100の動きの制御、外骨格システム100のセッティングの構成などを含む外骨格システム100の様々な態様をユーザ101が制御することを可能にし得る。ユーザインターフェース515は、タッチスクリーン、1つ以上のボタン、オーディオ入力などのような様々な適した入力要素を含むことができる。ユーザインターフェース515は、外骨格システム100の周りの様々な適した位置にあることができる。例えば、一実施形態では、ユーザインターフェース515は、バックパック155のストラップなどの上に配置することができる。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェースは、スマートフォン、スマートウォッチ、ウェアラブルデバイスなどのユーザデバイスによって定義することができる。
【0042】
様々な実施形態では、電源516は、外骨格システム100に動作電力を供給するモバイル電源であることができる。好ましい一実施形態では、動力パックユニットは、脚部アクチュエータユニット110の空気圧作動の連続動作に必要な空気圧システム520(例えば、コンプレッサ)及び/または電源(例えば、電池)の一部またはすべてを含む。そのような動力パックユニットの内容は、特異的な実施形態に使用されるように構成される特異的な作動アプローチに相関することができる。いくつかの実施形態では、動力パックユニットのみが電池を含み、電気機械的に作動したシステム、または空気圧システム520及び電源516が分離しているシステムでの場合にそうであり得る。動力パックユニットの様々な実施形態は、次の物品、空気圧コンプレッサ、電池、高圧格納型空気圧チャンバ、油圧ポンプ、空気圧セーフティコンポーネント、電動機、電動機ドライバ、マイクロプロセッサなどのうちの1つ以上の組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。したがって、動力パックユニットの様々な実施形態は、外骨格デバイス510及び/または空気圧システム520の要素のうちの1つ以上を含むことができる。
【0043】
それらのような構成要素は、様々な適した方法でユーザ101の身体の上に構成することができる。好ましい一実施形態は、実質的な機械力を脚部アクチュエータユニット110に伝えるいかなる方法でも脚部アクチュエータユニット110に動作可能に結合されない、胴体に装着したパック内に動力パックユニットを含むことである。別の実施形態は、動力パックユニットまたはその構成要素を脚部アクチュエータユニット110自体に統合することを含む。様々な実施形態は、以下の構成、胴体のバックパック内への取り付け、胴体のメッセンジャーバッグ内への取り付け、殿部のバッグへの取り付け、脚部への取り付け、装具の構成要素への統合などを含むことができるが、これらに限定されない。さらなる実施形態は、動力パックユニットの構成要素を分離させ、それらをユーザ101上の様々な構成に分散させることができる。そのような実施形態は、空気圧コンプレッサをユーザ101の胴体上に構成してから、電池を外骨格システム100の脚部アクチュエータユニット110内に統合してもよい。
【0044】
様々な実施形態での電源516の一態様は、動作のために装具に操作可能なシステム電源を渡すような方法で装具の構成要素に接続される必要があることである。好ましい一実施形態は、電源516及び脚部アクチュエータユニット110を接続するために電気ケーブルを使用することである。他の実施形態は、電気ケーブル及び空気圧ライン145を使用して、電力及び空気圧を脚部アクチュエータユニット110に送達することができる。様々な実施形態は、以下の接続、空気圧ホース、油圧ホース、電気ケーブル、無線通信、無線給電などのいずれかの構成を含むことができるが、これらに限定されない。
【0045】
いくつかの実施形態では、脚部アクチュエータユニット110と電源516及び/または空気圧システム520との間にケーブル接続(例えば、空気圧ライン145及び/または電力ライン)の機能を拡張する二次的な特徴を含むことが望ましい場合がある。好ましい一実施形態は引き込み式ケーブルを含み、この引き込み式ケーブルは、ケーブルに残るゆるみを少なくした状態でユーザに対して張設するようにケーブルを維持する機械的保持力が小さいように構成される。様々な実施形態は、以下の二次的な特徴、引き込み式ケーブル、流体と電力との両方を含む単一ケーブル、磁気で接続された電気ケーブル、機械的なクイックリリース、指定された引張力で解放するように設計されたブレーカウェイコネクション、ユーザの衣類上の機械的保定特徴への統合などの組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。さらに別の実施形態は、ユーザ101とケーブル長との間の幾何学的差異を最小にするような方法でケーブルを配線することを含むことができる。胴体電源を備えた両膝構成におけるそのような一実施形態は、ユーザの胴体下部に沿ってケーブルを配線し、電源バッグの右側をユーザの左膝に接続することができる。そのような配線により、ユーザの通常の可動域全体で長さの幾何学的差異を許容することができる。
【0046】
いくつかの実施形態において懸念となり得る1つの特異的な追加の特徴は、外骨格システム100の適切な熱管理の必要性である。その結果、熱を制御するという利点のために特異的に統合することができる様々な特徴がある。好ましい一実施形態は、露出型ヒートシンクを環境に統合することで、外骨格デバイス510及び/または空気圧システム520の要素は、周囲気流を使用した自然な冷却によって熱を環境に直接消散させることが可能になる。別の実施形態は、バックパック155または他のハウジング内の内部エアチャネルを介して周囲空気を送ることで、内部冷却が可能になる。さらに別の実施形態は、バックパック155または他のハウジングにスクープを導入することで、内部チャネルを介した気流が可能になることによって、この機能を拡張することができる。様々な実施形態は、以下の、高熱構成要素に直接連結される露出型ヒートシンク、水冷または流体冷却の熱管理システム、電動ファンまたはブロアの導入による強制空冷、ユーザに直接接触させないように外部シールドされたヒートシンクなどを含むことができるが、これらに限定されない。
【0047】
いくつかの場合、追加の機能をバックパック155または他のハウジングの構造に統合して、外骨格システム100に追加の特徴を提供することが有益であることがある。好ましい一実施形態は、小型パッケージに、外骨格デバイス510及び/または空気圧システム520に加えて脚部アクチュエータユニット110を格納することを支援するための機械的アタッチメントの統合である。そのような実施形態は、アクチュエータユニット110の上部または下部アーム115、120をバックパック155に保持する機械式クラスプと共に、バックパック155に対して脚部アクチュエータユニット110を固定することができる展開可能なポーチを含むことができる。別の実施形態は、ユーザ101が水筒、食品、個人用電子機器、及び他の私物などの追加の物品を保持することができるように、バックパック155に収納容量を含めることである。様々な実施形態は、以下の、外骨格デバイス510及び/または空気圧システム520からの熱気流によって加熱される加温ポケット、バックパック155の内部の追加の気流を促進するエアスクープ、バックパック155をユーザにより密着して適合させるためのストラップ、防水保管、温度調節保管などのような他の追加の機能を含むことができるが、これらに限定されない。
【0048】
モジュラ構成では、いくつかの実施形態で外骨格デバイス510及び/または空気圧システム520が、外骨格システムの様々な可能な構成の動力、流体、感知及び制御の要件及び機能を支援するように構成し得ることが必要とされる場合がある。好ましい一実施形態は、両膝構成または片膝構成(すなわち、ユーザ101上の1つまたは2つの脚部アクチュエータユニット110を備えた)に動力を供給するタスクを課され得る、外骨格デバイス510及び/または空気圧システム520を含むことができる。そのような外骨格システム100は、両方の構成の要件を支援し、次いで所望の動作構成の決定または指示に基づいて、動力、流体、感知及び制御を適切に構成することができる。複数の電池などの潜在的なモジュラシステム構成のアレイをサポートするために、様々な実施形態が存在する。
【0049】
様々な実施形態において、外骨格デバイス100は、以下により詳細に、または参照により本明細書に組み込まれる関連出願に記載される方法または方法の一部を実行するように動作可能であってよい。例えば、メモリ512は、プロセッサ511によって実行される場合、外骨格システム100に、本明細書、または参照により本明細書に組み込まれる関連出願に記載された方法または方法の一部を実行させることができる非一時的なコンピュータ可読命令(例えば、ソフトウェア)を含むことができる。
【0050】
このソフトウェアは、センサ513または他のソースからの信号を解釈して、ユーザに所望の利益を提供するためにどのように外骨格システム100を操作したら最適かを決定する様々な方法を具現化することができる。以下に記載の特異的な実施形態は、そのような外骨格システム100またはセンサデータのソースに適用することができるセンサ513に対する制限を示唆するために使用されるべきではない。いくつかの例示的な実施形態は、決定を導くために特異的な情報を必要とし得るが、外骨格システム100が必要とするであろうセンサ513の明示的なセットを作成せず、さらなる実施形態は、センサ513の様々な適切なセットを含み得る。さらに、センサ513は、外骨格デバイス510、空気圧システム520、1つ以上の流体アクチュエータ130などのうちの一部として含む、外骨格システム100上の様々な適切な位置にあることができる。したがって、
図5の例示的な図示は、センサ513が外骨格デバイス510またはその一部に排他的に配置されることを黙示すると解釈されるべきではなく、そのような図解は単純化及び明確化のために提供されているに過ぎない。
【0051】
制御ソフトウェアの一態様は、所望の応答を提供する、脚部アクチュエータユニット110、外骨格デバイス510、及び空気圧システム520の動作制御であり得る。動作制御ソフトウェアには、様々な適切な応答性があり得る。例えば、以下でより詳細に説明されるように、1つは、脚部アクチュエータユニット110、外骨格デバイス510、及び空気圧システム520の動作のためのベースラインフィードバックを開発することに応答可能であり得る低レベル制御であることができる。もう1つは、センサ513からのデータに基づいてユーザ101の意図した操作を識別することで、1つ以上の識別された意図した操作に基づいて外骨格システム100を動作させることに応答可能であり得る意図認識であり得る。さらなる例は、ユーザ101を最良に支援するために外骨格システム100が発生する必要がある所望のトルクを選択することを含むことができる基準生成を含むことができる。動作制御ソフトウェアの応答性を説明するためのこの例示的なアーキテクチャが、単に説明を目的としたものであり、外骨格システム100のさらなる実施形態に展開することができる多種多様なソフトウェアアプローチを決して限定しないことに留意されたい。
【0052】
制御ソフトウェアによって実装される1つの方法は、外骨格システム100の低レベル制御及び通信のためのものであり得る。これは、特異的なジョイント及びユーザのニーズによって要求される通りに様々な方法を介して達成することができる。好ましい実施形態では、動作制御は、ユーザのジョイントで脚部アクチュエータユニット110によって所望のトルクを与えるように構成される。そのような場合、外骨格システム100は、外骨格システム100のセンサ513からのフィードバックに応じて、脚部アクチュエータユニット110によって所望のジョイントトルクを達成するために、低レベルのフィードバックを生成することができる。例えば、そのような方法は、1つ以上のセンサ513からセンサデータを取得することと、脚部アクチュエータユニット110によるトルクにおける変化が必要かどうかを決定することと、そうである場合、脚部アクチュエータユニット110によって標的ジョイントトルクを達成するように空気圧システム520に脚部アクチュエータユニット110の流体状態を変化させることとを含むことができる。様々な実施形態は、以下の、現在のフィードバック、記録された挙動再生、位置に基づいたフィードバック、速度に基づいたフィードバック、フィードフォワード応答、所望の流量をアクチュエータ130に注入するように流体システム520を制御するボリュームフィードバックなどを含むことができるが、これらに限定されない。
【0053】
動作制御ソフトウェアによって実装される別の方法は、ユーザの意図した挙動の意図認識のためのものであることができる。動作制御ソフトウェアのこの部分は、いくつかの実施形態では、システム100が考慮するように構成される許容可能な挙動の任意のアレイを指示することができる。好ましい一実施形態では、動作制御ソフトウェアは、2つの特異的な状態、すなわち、歩行中及び非歩行中を識別するように構成される。そのような実施形態では、意図認識を完了するために、外骨格システム100は、ユーザ入力及び/またはセンサ読み出し値を使用して、歩行中に支援動作を提供することが安全である場合、望ましい場合、または適切である場合を識別することができる。例えば、いくつかの実施形態では、意図認識は、ユーザインターフェース515を介して受信した入力に基づいていることができ、その入力は歩行中及び非歩行中という入力を含むことができる。したがって、いくつかの例では、ユーザインターフェースは、歩行中及び非歩行中からなるバイナリ入力用に構成することができる。
【0054】
いくつかの実施形態では、意図認識の方法は、外骨格デバイス510がセンサ513からデータを取得することと、取得されたデータの少なくとも一部に基づいて、データが歩行中及び非歩行中のユーザ状態に対応するかどうかを決定することとを含むことができる。状態における変化が識別された場合、外骨格システム100は、現在の状態で動作するように再構成することができる。例えば、外骨格デバイス510は、ユーザ101が座っているなどの非歩行中の状態にあると決定することができ、非歩行中構成で動作するように外骨格システム100を構成することができる。例えば、そのような非歩行中構成は、歩行中構成と比較して、より広い可動域を与えること、脚部作動ユニット110にトルクを与えない、または最小限のトルクを与えることと、処理と流体操作を最小にすることにより、動力と流体を節約することと、より多種多様なスキー以外の動きをサポートするためにシステムにアラートを出させることとができる。
【0055】
外骨格デバイス510は、ユーザ101の活動を監視することができ、ユーザが歩行中である、または歩こうとしていることを(例えば、センサデータ及び/またはユーザ入力に基づいて)決定することができ、次いで、外骨格システム100が歩行中構成で動作するように構成することができる。例えば、そのような歩行中構成により、非歩行中構成と比較して、スキー中に存在する可動域をより制限する(非歩行中の動きとは対照的に)ことが可能になることと、スキーをサポートするために外骨格システム100の処理及び流体応答を増加させることによって、高いまたは最大のパフォーマンスを提供することなどができる。ユーザ101が歩行セッションを終了し、休んでいると識別されるときなどに、外骨格システム100は、ユーザが歩行中でなくなると決定することができ(例えば、センサデータ及び/またはユーザ入力に基づいて)、次いで、外骨格システム100が非歩行中構成で動作するように構成することができる。
【0056】
いくつかの実施形態では、困難な歩行中、適度な歩行中、軽い歩行中、下り坂、上り坂、ジャンプ、レクリエーション、スポーツ、ランニングなどを含む、外骨格システム100によって(例えば、センサデータ及び/またはユーザ入力に基づいて)決定することができる複数の歩行中状態または歩行中サブ状態があることができる。それらのような状態は、歩行の難易度、ユーザの能力、地形、気象条件、標高、歩行面の角度、所望のパフォーマンスレベル、省電力などに基づき得る。したがって、様々な実施形態では、外骨格システム100は、多種多様な要因に基づいて様々な特異的なタイプの歩行または動きに適合することができる。
【0057】
動作制御ソフトウェアによって実装される別の方法は、支援を提供する特異的なジョイントの所望の基準挙動の開発であることができる。制御ソフトウェアのこの部分は、識別された操作をレベル制御と結びつけることができる。例えば、外骨格システム100が意図されたユーザ操作を識別するとき、ソフトウェアは、脚部作動ユニット110内のアクチュエータ130によって望まれるトルクまたは位置を規定する基準挙動を生成することができる。一実施形態では、動作制御ソフトウェアは、構成アクチュエータ130を介して脚部作動ユニット110に膝103での機械的ばねをシミュレートさせるための基準を生成する。動作制御ソフトウェアは、膝ジョイント角度の線形関数である膝ジョイントでのトルク基準を生成することができる。別の実施形態では、動作制御ソフトウェアは、一定の標準的な空気量を空気圧アクチュエータ130に提供するための基準量を生成する。これにより、空気圧アクチュエータ130は、1つ以上のセンサ513からのフィードバックを通じて識別することができる膝の角度に関係なく、アクチュエータ130内に一定の空気量を維持することによって、機械的ばねのように動作することが可能になる。
【0058】
別の実施形態では、動作制御ソフトウェアによって実装される方法は、歩行中、動作中、起立中、またはランニング中にユーザ101のバランスを評価することと、ユーザの現在のバランスプロファイル外にある脚部102への膝補助を指示することによってユーザ101がバランスを保ったままであるように促すような方法でトルクを送ることとを含むことができる。したがって、外骨格システム100を操作する方法は、左右の脚部作動ユニット110L、110R、及び/または位置センサ、加速度計などの環境センサの構成に基づいて、ユーザ101のバランスプロファイルを示すセンサデータを外骨格デバイス510がセンサ510から取得することを含むことができる。さらに、方法は、取得されたデータに基づいて、外側及び内側の脚部を含むバランスプロファイルを決定することと、次いで、外側の脚部として識別された脚部102に関連付けられた作動ユニット110へのトルクを増加させることとをさらに含むことができる。
【0059】
様々な実施形態は、体位の運動学的推定値、ジョイント運動プロファイル推定値、及び身体の姿勢の観測推定値を使用することができるが、これらに限定されない。2本の脚部102を協調させてトルクを発生する方法には、最大に屈曲した脚部にトルクをガイドすること、両脚部にわたる膝の角度の平均量に基づいてトルクをガイドすること、トルクを速度または加速度に応じてスケールすることなどを含むがこれらに限定されない、様々な他の実施形態が存在する。さらに別の実施形態が、線形の組み合わせ、操作の特異的な組み合わせ、または非線形の組み合わせを含むがこれらに限定されない、様々な事項での様々な個別の基準生成方法の組み合わせを含むことができることにも留意されたい。
【0060】
別の実施形態では、動作制御方法は、2つの主な基準生成技術、すなわち、1つは静的支援に焦点を当てた基準と、もう1つはユーザ101を自分の今後の挙動に導くことに焦点を当てた基準とを組み合わせることができる。いくつかの例では、ユーザ101は、外骨格システム100を使用している間に望ましい予測支援の程度を選択することができる。例えば、ユーザ101が予測支援量を多くするように指示することで、外骨格システム100は、非常に応答性が高くなるように構成されることができ、困難な地形にいる熟練したオペレータのために適切に構成され得る。また、ユーザ101が予測支援量をごくわずかにしたいと指示することができると、システムパフォーマンスは、遅くなることができ、学習中のユーザまたはあまり困難でない地形に対してより適切に合わされてもよい。
【0061】
様々な実施形態は、様々な方法でユーザの意図を取り込むことができ、上記に提示された例示的な実施形態は、決して限定するものとして解釈されるべきではない。例えば、外骨格システム100の決定及び操作方法は、参照により本明細書に組み込まれる、2018年2月2日に出願された「SYSTEM AND METHOD FOR USER INTENT RECOGNITION」と題された、代理人整理番号0110496-003US0の米国特許出願第15/887,866号のシステム及び方法を含むことができる。また、様々な実施形態は、連続的なユニットとして、またはわずかな指示値のみを伴う個別のセッティングとして含む様々な方法にユーザの意図を使用することができる。
【0062】
時には、デバイスパフォーマンスまたはユーザエクスペリエンスを最大にするために、動作制御ソフトウェアがその制御を、二次的または追加の目的を考慮するように操作することが有益な場合がある。一実施形態では、外骨格システム100は、中央コンプレッサ、または空気圧システム520の他の構成要素を介して標高認識制御を提供して、異なる標高での空気密度の変化を考慮することができる。例えば、動作制御ソフトウェアは、システムがセンサ513などからのデータに基づいてより高い標高で動作していることを識別し、コンプレッサによって消費される電力を維持するために、より多くの電流をコンプレッサに供給することができる。したがって、空気圧外骨格システム100を動作させる方法は、空気圧外骨格システム100が動作している空気密度を示すデータ(例えば、標高データ)を取得することと、取得されたデータに基づいて空気圧システム520の最適な動作パラメータを決定することと、決定された最適な動作パラメータに基づいて動作を構成することとを含むことができる。さらなる実施形態では、空気量に影響する可能性がある環境温度に基づいて、動作量などの空気圧外骨格システム100の動作を調整することができる。
【0063】
別の実施形態では、外骨格システム100は、周囲の可聴ノイズレベルを監視し、システムのノイズプロファイルを低減させるように外骨格システム100の制御挙動を変えることができる。例えば、ユーザ101が静かな公共の場所にいる、または静かに一人で、もしくは他の人と一緒に、ある場所を楽しんでいる場合、脚部作動ユニット110の作動に関連するノイズ(例えば、コンプレッサを作動させるノイズ、またはアクチュエータ130を膨張させる、もしくは収縮させるノイズ)は望ましくない可能性がある。したがって、いくつかの実施形態では、センサ513は、周囲のノイズレベルを検出するマイクロフォンを含むことができ、ある一定の閾値を周囲のノイズ量が下回る場合に静音モードで動作するように外骨格システム100を構成することができる。そのような静音モードは、空気圧システム520もしくはアクチュエータ130の要素をより静かに動作させるように構成してもよく、またはそれらのような要素によって生じるノイズの頻度を遅延させるか、または低減させてもよい。
【0064】
モジュラシステムの場合、様々な実施形態では、外骨格システム100内で動作する脚部作動ユニット110の数に基づいて異なるように動作制御ソフトウェアが操作することが望ましいことがある。例えば、いくつかの実施形態では、モジュラ両膝外骨格システム100(例えば、
図1及び2を参照)は、2つの脚部作動ユニット110のうちの1つだけがユーザ101によって装着されている片膝構成でも動作することができ(例えば、
図3及び4を参照)、外骨格システム100は、両脚部構成の場合に片脚部構成と比較して異なる基準を生成することができる。そのような実施形態は、外骨格システム100が両方の脚部作動ユニット110からの入力を使用して、所望の動作を決定する場合の基準を生成するための協調制御アプローチを使用することができる。ただし、片脚部構成では、利用可能なセンサ情報が変わっている可能性があるため、様々な実施形態では、外骨格システム100は異なる制御方法を実装することができる。様々な実施形態では、これは、所与の構成について外骨格システム100のパフォーマンスを最大にするように、または外骨格システム100で動作する1つもしくは2つの脚部作動ユニット110が存在することに基づいて利用可能なセンサ情報での差異を考慮するように、行われることができる。
【0065】
したがって、外骨格システム100を動作させる方法は、外骨格システム100で動作している脚部作動ユニット110が1つか2つかを外骨格デバイス510が決定することと、外骨格システム100で動作している作動ユニット110の数に基づいて制御方法を決定することと、選択された制御方法を用いて外骨格システム100を実装して操作することと、というスタートアップシーケンスを含むことができる。外骨格システム100を動作させるさらなる方法は、外骨格システム100で動作している作動ユニット110を外骨格デバイス510によって監視することと、外骨格システム100で動作している作動ユニット110の数における変化を決定することと、次いで、外骨格システム100で動作している作動ユニット110の新しい数に基づいて制御方法を決定して変更することとを含むことができる。
【0066】
例えば、外骨格システム100は、2つの作動ユニット110で、かつ第一制御方法で動作していることができる。ユーザ101は、作動ユニット110のうちの1つを係脱することができ、外骨格デバイス510は、作動ユニット110のうちの1つの喪失を識別することができ、外骨格デバイス510は、作動ユニット110のうちの1つの喪失に適応する、新しい第二制御方法を決定して実装することができる。いくつかの例では、アクティブな作動ユニット110の数に適合することにより、作動ユニット110のうちの1つが使用中に損傷する、または切断される場合でも、外骨格システム100が自動的に適合することができるので、外骨格システム100がアクティブな作動ユニット110を1つしか有していないにもかかわらず、中断することなく、ユーザ101が作業または移動をさらに続けることができるという利益がもたらされ得る。
【0067】
様々な実施形態では、動作制御ソフトウェアは、個々の作動ユニット110または脚部102の間でユーザのニーズが異なる制御方法を適合することができる。そのような実施形態では、外骨格システム100が各作動ユニット110で生成されるトルク基準を変更して、ユーザ101のエクスペリエンスに合わせることが有益であり得る。一例は、ユーザ101が片方の脚部102に重大な脱力の問題を抱えているが、他方の脚部102にはわずかな脱力の問題しかない両膝外骨格システム100(例えば、
図1を参照)のものである。この例では、外骨格システム100は、ユーザ101のニーズを最もよく満たすために、影響の大きい肢と比較して、影響の少ない肢での出力トルクをスケールダウンするように構成することができる。
【0068】
肢の強さの差異に基づいたそのような構成は、外骨格システム100によって自動的に行われてもよく、及び/またはユーザインターフェース516などを介して構成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ユーザ101が外骨格システム100を使用している間に、ユーザ101の両脚部102での相対的な強さまたは弱さをテストすることができる較正テストを実行することができ、両脚部102で識別された強さまたは弱さに基づいて外骨格システム100を構成することができる。そのようなテストは、両脚部102の全体的な強さもしくは弱さを識別してもよく、または四頭筋、ふくらはぎ、大腿屈筋、殿筋、腓腹筋、大腿部、縫工筋、ヒラメ筋などの特異的な筋肉もしくは筋群の強さもしくは弱さを識別してもよい。
【0069】
外骨格システム100を操作する方法の別の態様は、外骨格システム100を監視する制御ソフトウェアを含むことができる。そのようなソフトウェアの監視の態様は、いくつかの例では、ユーザの理解及びデバイスパフォーマンスを促進するために、外骨格システム100に状況認識及びセンサ情報の理解を提供する試みの中で通常動作の間、外骨格システム100及びユーザ101の状態を監視することに焦点を当てることができる。そのような監視ソフトウェアの一態様は、所望のパフォーマンス能力を達成するためのデバイスの理解を提供するために、外骨格システム100の状態を監視することであり得る。これの一部は、身体姿勢を推定するシステムの開発であり得る。一実施形態では、外骨格デバイス510は、オンボードセンサ513を使用して、ユーザの姿勢のリアルタイムの理解を高める。換言すれば、センサ513からのデータは、作動ユニット110の構成を決定するために使用することができ、この構成は、他のセンサデータと共に、作動ユニット110を装着しているユーザ101のユーザの姿勢または身体構成の推定を推測するために使用することができる。
【0070】
時には、いくつかの実施形態では、感知モダリティが存在しない、またはハードウェアに実際に統合されることができないため、外骨格システム100がシステムの姿勢のすべての重要な態様を直接感知することは非現実的または不可能であることがある。結果として、いくつかの例での外骨格システム100は、ユーザの身体の基礎となるモデルと、ユーザが装着している外骨格システム100とに基づいたセンサ情報の融合された理解に依存することができる。両脚部膝補助用外骨格システム100の一実施形態では、外骨格デバイス510は、ユーザの下肢及び胴体セグメントの基礎となるモデルを使用して、本来であれば遮断されているセンサ513間の関係制約を強化することができる。そのようなモデルにより、外骨格システム100は、身体によって作成されるユーザの運動連鎖を通じて2本の脚部102が機械的に連結されているという点で、これら2本の脚部の制約された動きを理解することが可能になる。このアプローチは、膝の向きの推定値が適切に制約され、生体力学的に妥当であることを確保するために使用することができる。様々な実施形態では、外骨格システム100は、外骨格デバイス510及び/または空気圧システム520に埋め込まれたセンサ513を含み、システムの姿勢のさらなる全体像を提供することができる。さらに別の実施形態では、外骨格システム100は、姿勢推定の動作に追加の制約を提供する試みの中でアプリケーションにユニークな論理制約を含むことができる。これは、いくつかの実施形態では、外骨格システム100が外部からのGPS信号を拒否する、または地磁気が歪んでいる場合、高度に動的なアクションなどに、グラウンドトゥルース情報が利用できない状況では望ましいことがある。
【0071】
いくつかの実施形態では、外骨格システム100に基づいた位置及び/または位置属性の構成での変更は、自動的に、及び/またはユーザ101からの入力によって実行することができる。例えば、いくつかの実施形態では、外骨格システム100は、位置及び/または位置属性に基づいた構成での変更について1つ以上の提案を提供することができ、ユーザ101はそれらのような提案を受け入れることを選択することができる。さらなる実施形態では、外骨格システム100に基づいた位置及び/または位置属性の一部またはすべての構成は、ユーザインタラクションなしで自動的に発生することができる。
【0072】
様々な実施形態は、動作全体を通して外骨格システム100からのデータの収集及びストレージを含むことができる。一実施形態では、これは、外骨格デバイス510上で収集されたデータを、利用可能な無線通信プロトコルによって通信ユニット(複数可)514を介してクラウドストレージ位置にライブストリーミングすること、またはそのようなデータを外骨格デバイス510のメモリ512に格納することを含むことができ、そのようなデータは、通信ユニット(複数可)514を介して別の位置にアップロードされてもよい。例えば、外骨格システム100がネットワーク接続を取得すると、記録されたデータは、利用可能なデータ接続によって支援される通信速度でクラウドにアップロードすることができる。様々な実施形態は、これの変形形態を含むことができるが、このような外骨格システム100用に後で取得するために、外骨格システム100に関するデータをローカル及び/またはリモートに収集して格納するための監視ソフトウェアの使用は、様々な実施形態に含まれ得る。
【0073】
いくつかの実施形態では、そのようなデータが記録されていると、そのデータを様々な異なる用途に使用することが望ましい場合がある。そのような1つの用途は、注目すべきデバイスシステムの問題を識別する試みの中で、外骨格システム100でのさらなる監督機能を開発するためのデータの使用であることができる。一実施形態は、様々な用途にわたってパフォーマンスが有意に変化した複数の中から、特異的な外骨格システム100または脚部アクチュエータユニット110を識別するためのデータの使用であることができる。データの別の使用は、ユーザ101がどのようにスキーをするかのより良い理解を得るために、それをユーザ101に返すことであり得る。これの一実施形態は、ユーザ101がモバイルデバイス上で自分の使用をレビューすることを可能にするモバイルアプリケーションを介して、ユーザ101にデータを返すことであり得る。そのようなデバイスデータのさらに別の使用は、データの再生を外部データストリームと同期させて、追加のコンテキストを提供することであり得る。一実施形態は、コンパニオンスマートフォンからのGPSデータを、デバイスにネイティブに格納されたデータに組み込むシステムである。別の実施形態は、記録されたビデオと、デバイス100から取得された格納されているデータとの時間同期を含むことができる。様々な実施形態は、これらの方法を使用して、ユーザが自分自身のパフォーマンスを評価するためにデータを即時に使用すること、ユーザが過去から挙動を理解するため、ユーザが他のユーザと直接またはオンラインプロファイルを介して比較するため、開発者がシステムのさらなる開発のために後で取得することなどができる。
【0074】
外骨格システム100を操作する方法の別の態様は、ユーザ固有の特徴を識別するように構成された監視ソフトウェアを含むことができる。例えば、外骨格システム100は、特定のスキーヤー101が外骨格システム100でどのように動作するかの認識を提供することができ、経時的に、そのユーザのデバイスパフォーマンスを最大にする試みの中でユーザ固有の特徴のプロファイルを開発することができる。一実施形態は、特定のユーザの使用スタイルまたはスキルレベルを識別する試みの中でユーザ固有の使用タイプを識別する外骨格システム100を含むことができる。様々な活動中のユーザのフォーム及び安定性の評価を通じて(例えば、センサ513などから得られたデータの分析を介して)、いくつかの例では、外骨格デバイス510は、ユーザが高度な熟練者、新参者、または初心者であるかどうかを識別することができる。このスキルレベルまたはスタイルの理解により、外骨格システム100は、特定のユーザに制御基準をより良く合わせることができる。
【0075】
さらなる実施形態では、外骨格システム100は、所与のユーザに関する個別化された情報を使用して、外骨格システム100に対するユーザの生体力学的応答のプロファイルを構築することもできる。一実施形態は、外骨格システム100が、ユーザに関するデータを収集して、使用中にユーザが自分の脚部102にかかった負荷をユーザが理解するのを支援する試みの中で、個々のユーザの膝の緊張の推定値を生じることを含むことができる。これにより、外骨格システム100は、ユーザが履歴でかなりの量の膝の緊張に達した場合にユーザに警告し、ユーザが潜在的な痛みまたは不快感を受けないために止めたほうがよいとユーザに警告することができる。
【0076】
個別化された生体力学的応答の別の実施形態は、ユーザ専用に個別化されたシステムモデルを開発するために、ユーザに関するデータを収集するシステムであり得る。そのような実施形態では、個別化されたモデルは、基礎となるシステムモデルを用いてシステムパフォーマンスを評価するシステムID(識別)方法を通じて開発されることができ、特定のユーザに適合する最良のモデルパラメータを識別することができる。そのような実施形態におけるシステムIDは、セグメントの長さ及び質量(例えば、脚部102または脚部102の一部の)を推定して、動的ユーザモデルをより適切に定義するように動作することができる。別の実施形態では、これらの個別化されたモデルパラメータを使用して、ユーザ固有の質量及びセグメントの長さに応じてユーザ固有の制御応答を送達することができる。動的モデルのいくつかの例では、これは非常に困難な活動中の動的な力を考慮するデバイスの機能に有意に役立つことができる。
【0077】
様々な実施形態では、外骨格システム100は、様々なタイプのユーザインタラクションを提供することができる。例えば、そのようなインタラクションは、必要に応じてユーザ101から外骨格システム100への入力を含むことができ、そして外骨格システム100は、外骨格システム100の動作における変化、外骨格システム100の状態などを示すフィードバックをユーザ101に提供することができる。本明細書で説明されるように、ユーザ入力及び/またはユーザへの出力は、外骨格デバイス510の1つ以上のユーザインターフェース515を介して提供されてもよく、またはスマートフォンユーザデバイスなどの様々な他のインターフェースもしくはデバイスを含んでもよい。それらのような1つ以上のユーザインターフェース515またはデバイスは、バックパック155(例えば、
図1参照)、空気圧システム520、脚部作動ユニット110などの上のような、様々な適切な位置にあることができる。
【0078】
外骨格システム100は、ユーザ101から意図を取得するように構成することができる。例えば、これは、外骨格システム100の他の構成要素(例えば、1つ以上のユーザインターフェース515)と直接統合されるか、または外部で外骨格システム100と動作可能に接続されている(例えば、スマートフォン、装着型デバイス、リモートサーバ等)様々な入力デバイスを通して達成することができる。一実施形態では、ユーザインターフェース515は、外骨格システム100の脚部作動ユニット110の一方または両方に直接統合されるボタンを含むことができる。この単一のボタンにより、ユーザ101は様々な入力を示すことができる。別の実施形態では、ユーザインターフェース515は、外骨格システム100の外骨格デバイス510及び/または空気圧システム520と統合されている胴体に取り付けられたラペル入力デバイスによって提供されるように構成することができる。一例では、そのようなユーザインターフェース515は、専用の有効化及び無効化機能を有するボタンと、ユーザの所望の動力源レベル(例えば、脚部アクチュエータユニット110によって加えられる力の量または範囲)に専用の選択インジケータ、及び外骨格システム100の制御に統合するための予測意図の量に専用であり得る選択スイッチを含むことができる。ユーザインターフェース515のそのような実施形態は、いくつかの例では、一連の機能的にロックされたボタンを使用して、通常動作に必要な場合がある理解されたインジケータのセットをユーザ101に提供することができる。さらに別の実施形態は、Bluetooth接続、または他の適切な有線もしくは無線接続を介して外骨格システム100に接続されるモバイルデバイスを含むことができる。ユーザインターフェース515としてモバイルデバイスまたはスマートフォンを使用すると、入力方法の柔軟性により、ユーザのデバイスへの入力量をはるかに多くすることができる。様々な実施形態は、上記に列挙されたオプションまたはその組み合わせ及び変形を使用することができるが、入力方法及び物品の明示的に述べられた組み合わせに決して限定されない。
【0079】
1つ以上のユーザインターフェース515は、ユーザが外骨格システム100を適切に使用して操作することを可能にする情報をユーザ101に提供することができる。そのようなフィードバックは、作動ユニット110の一方または両方に直接統合されたフィードバックメカニズムと、作動ユニット110の動作によるフィードバックと、外骨格システム100と統合されていない外部アイテム(例えば、モバイルデバイス)を介したフィードバックなどを含むがこれらに限定されない、様々な視覚的、触覚的及び/または聴覚的方法でのものであり得る。いくつかの実施形態は、外骨格システム100の、作動ユニット110におけるフィードバック照明の統合を含むことができる。1つのそのような実施形態では、ユーザ101が照明を見ることができるように、5つの多色照明が膝ジョイント125または他の適切な位置に統合される。これらの照明は、システムエラー、デバイス電源、デバイスの正常な動作などのフィードバックを提供するために使用することができる。別の実施形態では、外骨格システム100は、特定の情報を示すように制御されたフィードバックをユーザに提供することができる。それらのような実施形態では、外骨格システム100は、最大の許容可能なユーザ所望のトルクをユーザが変更するときに、脚部作動ユニット110の一方または両方でのジョイントトルクを最大許容トルクまで脈動させることができることで、トルクセッティングの触覚インジケータを提供することができる。別の実施形態は、動作エラー、設定ステータス、電源ステータスなどのデバイス情報に関するアラート通知を外骨格システム100が提供することができるモバイルデバイスなどの外部デバイスを使用することができる。フィードバックのタイプは、作動ユニット110、空気圧システム520、バックパック155、モバイルデバイス、またはウェブインターフェース、SMSテキストもしくは電子メールなどの他の適切なインタラクション方法を含むものとユーザ101がインタラクトすることが期待され得る様々な位置に統合された、光、音、振動、通知、及び操作力を含むことができるが、これらに限定されない。
【0080】
通信ユニット514は、外骨格システム100がユーザデバイス、分類サーバ、他の外骨格システム100などを含む他のデバイスと直接またはネットワークを介して通信できるようにするハードウェア及び/またはソフトウェアを含むことができる。例えば、外骨格システム100は、ユーザデバイスと接続するように構成されることができ、このユーザデバイスを使用して、外骨格システム100を制御し、外骨格システム100からパフォーマンスデータを受信し、外骨格システムへの更新を容易にすることなどができる。そのような通信は、有線及び/または無線通信であることができる。
【0081】
いくつかの実施形態では、センサ513は、任意の適切なタイプのセンサを含むことができ、センサ513は、中央の位置に配置するか、外骨格システム100の周りに分散させることができる。例えば、いくつかの実施形態では、外骨格システム100は、アーム115、120、ジョイント125、アクチュエータ130または任意の他の場所を含む様々な適切な位置に、複数の加速度計、力センサ、位置センサなどを備えることができる。したがって、いくつかの例では、センサデータは、1つ以上のアクチュエータ130の物理的な状態、外骨格システム100の一部分の物理的な状態、外骨格システム100の物理的な状態などに一般に対応し得る。一部の実施形態では、外骨格システム100は、全地球測位システム(GPS)、カメラ、測距感知システム、環境センサ、標高センサ、マイクロフォン、温度計などを含むことができる。いくつかの実施形態では、外骨格システム100は、スマートフォンなどのユーザデバイスからセンサデータを取得することができる。
【0082】
いつかの場合、外骨格デバイス100を装着しているユーザ101の理解、外骨格システム100の環境及び/または動作の理解を、様々な適切なセンサ515を外骨格システム100に統合することによって外骨格システム100が生成する、または拡張することが有益であり得る。一実施形態は、生物学的インジケータを測定及び追跡して、体温、心拍数、呼吸数、血圧、血液酸素飽和度、呼気CO2、血糖値、歩行速度、発汗量などのユーザ101の様々な適切な側面(例えば、疲労及び/または身体生命機能に対応)を観察するためのセンサ515を含むことができる。
【0083】
いくつかの実施形態では、外骨格システム100は、それらのようなセンサ515とユーザ101の身体との比較的密接で信頼できる接続性を利用して、システムバイタルを記録し、それらをアクセス可能なフォーマットで(例えば、外骨格デバイス、リモートデバイス、リモートサーバなどに)格納することができる。別の実施形態は、温度、湿度、照明レベル、気圧、放射能、サウンドレベル、毒物、汚染物質などの様々な環境条件について、外骨格システム100の周囲の環境を連続的または定期的に測定することができる環境センサ515を含むことができる。いくつかの例では、様々なセンサ515は、外骨格システム100の動作に必要でなくてもよく、または動作制御ソフトウェアによって直接使用されなくてもよいが、ユーザ101に報告するために(例えば、インターフェース515を介して)、またはリモートデバイス、リモートサーバなどに送信するために格納することができる。
【0084】
空気圧システム520は、アクチュエータ130を個別にまたはグループとして膨張及び/または収縮させるように動作可能な任意の適切なデバイスまたはシステムを含むことができる。例えば、一実施形態では、空気圧システムは、2014年12月19日に出願された関連特許出願第14/577,817号に開示されているダイアフラムコンプレッサ、または本明細書に説明されるような空気圧動力トランスミションを含むことができる。
【0085】
図6~
図8を参照すると、本開示は、いくつかの実施形態におけるモバイルロボット用途に独自に適合することができる新規の空気圧動力トランスミッション600の例示的なシステム及び方法を教示する。1つの例示的なアーキテクチャは、流体媒体を介して動力を出力自由度(例えば、流体アクチュエータ130)に中継するために閉鎖空気圧動力トランスミッションを使用する機械的動力源を含む。1つの好ましい実施形態は、いくつかの例において、遠位の重量及び電力効率の負担が特に顕著になり得る空気圧式外骨格用途で使用するための空気圧動力トランスミッション600である。したがって、空気圧動力トランスミッション600を使用できるシステムの一例として、可動式外骨格(例えば、本明細書で説明する外骨格システム100などの可動式身体装着型ロボット)が使用される。ただし、これは明確にするために行われるものであり、そのようなシステム、方法、または提供される関連する利益が価値のある他の実施形態への一般的な適用性を制限するために行われるものではないことを明確にする必要がある。同様に、説明は、説明された実施形態で使用される主要な適用可能な流体として、空気または他のガスの使用を論じているが、本明細書で論じるシステム及び方法は、特定の流体特性に対していくつかの実施形態で好ましい場合がある任意の代替流体媒体(例えば、ガス及び/または液体流体)に同様に適用できるため、これも説明のために行われたものである。
【0086】
図6は、外骨格システム100(例えば、
図5参照)の空気圧システム520の一部であり得る空気圧動力トランスミッション600の1つの例示的な実施形態を示す。空気圧動力トランスミッション600は、流体を保持するように構成されたトランスミッションチャンバ620を画定するトランスミッション本体610を備え、トランスミッションチャンバ620は、トランスミッションチャンバ620に存在する作動流体、流体ライン145、及びベローズアクチュエータ130からなるか、または本質的になる、より大きな作動流体容積630の一部を画定する。例えば、トランスミッションチャンバ620は、流体ライン145を介してベローズアクチュエータ130に流体結合することができ、トランスミッションチャンバ620、流体ライン145、及びベローズアクチュエータ130内に一定量の作動流体が保持される。
【0087】
空気圧動力トランスミッション600は、トランスミッション本体610の第1の端部612と第2の端部613の間でリードねじ650(例えば、
図7a及び
図7b参照)を介してトランスミッション本体610内で平行並進するピストン640をさらに備えて本明細書で論じるように、トランスミッションチャンバ620のサイズまたは容積を変更することができる。例えば、ピストン640の周縁641は、トランスミッション本体610の内壁611と係合し、作動流体をトランスミッションチャンバ620内に保持できるように、流体不浸透性シールを生成することができる。いくつかの例では、トランスミッション本体610の第2の端部613は、(例えば、
図6に示すように)完全に閉じることができるか、または空気がトランスミッション本体610の第2の端部613に出入りできるようにしながら、ほとんど閉じることができる(例えば、
図8に示されるような空気流ポート813を介して)。
【0088】
図6の例に示されるように、リードねじ650は、トランスミッション本体610の主軸に平行であり得る、トランスミッション本体610内の軸Xに沿って延びることができる。リードねじ650は、本体610の第1の端部612で回転可能に結合され、第2の端部613に近接する機械的動力源660まで延びることができ、リードねじ650を回転させて、ピストン640をトランスミッション本体610内で並進させてトランスミッション空洞620のサイズまたは容積を変更させるように構成することができる。いくつかの実施形態では、リードねじ650は、トランスミッション空洞620内で本体610の内面に回転可能に結合することができ、トランスミッション空洞620内などの本体610の内面内に結合される。例えば、いくつかの実施形態では、リードねじ650は、トランスミッション本体610の第1の端部612でトランスミッション本体610内に、またはトランスミッション本体610を通って延びることができる(例えば、
図7a及び
図7b参照)。電気機械、油圧、または燃焼源を含むことができるがこれらに限定されない異なるタイプの機械的動力源660を利用する様々な実施形態が存在する。例えば、一実施形態は、リードねじ650を回転させる電気モータを含む。さらなる実施形態は、リニアモータ、ダイレクトドライブ、電気空気圧ポジショナ、油圧アクチュエータなどを含むことができる。
【0089】
様々な実施形態による空気圧動力トランスミッション600の動作の背後にある主要な概念は、いくつかの空気圧システムで使用されるものとは異なる可能性がある。例えば、いくつかの空気圧システムでは、システムの容積は比較的一定であり、空気圧トランスミッションは、コンプレッサを使用して空気圧システムの高圧部分に新しい空気を導入することにより、ターゲットジョイントに動力を伝達できる。これは、PV=nRTという標準気体法則の理解された特性を活用できる。そのような場合、圧力(P)を増加させるために、空気圧トランスミッションは、そうでなければ安定した容積(V)に含まれるガスの量(n)を増加させる。対照的に、本明細書で提示される様々な実施形態は、システム内に含まれるガスの量(n)を大きく変えることなく、システム全体の容積(V)を変化させることによって圧力(P)に影響を与えることができる。
【0090】
例えば、
図7a及び
図7bは、ピストン640とトランスミッション本体610とによって画定されるトランスミッション空洞620が異なるサイズまたは容積であるように、リードねじ650の長さに沿ってピストン640がトランスミッション本体610内の異なる位置にあるそれぞれの第1及び第2の構成における空気圧動力トランスミッション600の一例を図示する。
図7aは、トランスミッション空洞620が、
図7bに示される第2の構成におけるトランスミッション空洞620よりも大きいかまたはより大きな容積を有する第1の構成を示す。具体的には、
図7aは、ピストン640が、
図7bの第2の構成に示されるピストン640と第1の端部のトランスミッション本体610との間の距離よりも大きい第1の例の構成におけるトランスミッション本体610の第1の端部612からの距離に配置される例示的構成を図示している。
【0091】
様々な実施形態では、リードねじ650は、リードねじ650を回転させるとピストンがリードねじ650の長さに沿って並進するように、ピストン640のねじ山に対応するねじ山を含むことができる。したがって、様々な実施形態では、リードねじ650を第1の方向に回転させると、ピストン640を第1の構成から第2の構成までリードねじ650の長さに沿って並進させることができ、リードねじ650を第1の方向と反対の第1の方向に回転させると、ピストン640を第2の構成から第1の構成までリードねじ650の長さに沿って並進させることができる。ピストン640及びリードねじ650の対応するねじ山を使用して、トランスミッション本体610内でピストン640の動きを生成することができるが、さらなる実施形態は、トランスミッション本体610内でピストン640の動きを生成するための様々な他の適切なシステムを含むことができる。さらに、いくつかの例では、従来の「ピストン」を使用せず、代わりに、容積変化が電気機械的アクチュエータなどによって駆動される、可変容積のソフトロボット的な要素を使用する場合がある。
【0092】
本明細書で説明するように、作動流体容積630は、トランスミッションチャンバ620内に存在する作動流体、流体ライン145、及びベローズアクチュエータ130を含むは、からなるか、または本質的にからなることができる。したがって、
図7a及び
図7bの例に示すように、作動流体容積630のサイズまたは容積は、トランスミッションチャンバ620のサイズまたは容積を変更することによって変更することができる。さらに、様々な実施形態では、流体アクチュエータ130は、拡張及び収縮するように構成することができ、これは作動流体容積630のサイズまたは容積の変化を引き起こすこともできる。様々な実施形態において、流体ライン145のサイズまたは容積は、流体ライン145を画定し得る可撓性材料の公称膨張または収縮を除いて、概ね一定のままであり得る。
【0093】
作動流体(例えば、空気)の量が作動流体容積630内で一定のままである実施形態では、作動流体容積630のサイズまたは容積を拡張及び収縮させることにより、作動流体容積630内の作動流体の圧力を変化させることができる。例えば、作動流体容積630内の作動流体の圧力は、
図7aに示される第2の構成における作動流体容積630内の作動流体のより高い圧力と比較して、
図7aに示される第1の構成におけるより低い圧力であり得る。
【0094】
ベローズアクチュエータ130は、本明細書の様々な例で示されているが、出力自由度は、線形作動ジョイント、回転作動ジョイント、直接空気圧アクチュエータ、または空気圧システム内の動力を任意の適切なタイプの二次動力システムに伝達することを含み得るがこれらに限定されない様々な異なる方法で行うことができる。したがって、本明細書で説明するベローズまたは空気圧アクチュエータ130の例は、限定的であると解釈されるべきではない。さらに、様々な例は、流体がアクチュエータに導入されると伸長する流体アクチュエータに関するが、さらなる実施形態は、流体がそのようなアクチュエータに導入されると収縮するアクチュエータを含むことができる。
【0095】
本明細書で説明するように、いくつかの実施形態では、機械的動力源660によって駆動される機械的に結合されたピストン640を使用することによって、機械的動力から空気圧トランスミッションシステム600への変換を完了することができる。好ましい一実施形態では、これは、リードねじ650を備える閉鎖空気圧システム内で電気機械的電源システムまたはモータをピストン640に接続することによって達成される。これにより、空気圧チャンバ620内の利用可能な容積を変化させることによって、モータからの入力トルクを空気圧システムの機械的作業に変換することが可能になる。様々な実施形態は、他の方法を使用して、設計の拡張性を決して制限することなく、機械力を空気圧システムに変換することができる。これらの方法には、ボールねじの使用、4バーリンケージの使用、リニアモータの使用、カムシャフトの使用などを含み得るが、これらに限定されない。
【0096】
例えば、
図6は、機械的動力源660がX軸に沿ってリードねじ650と位置合わせされ、回転機械的動力をリードねじ650に伝達する空気圧トランスミッションシステム600の1つの例示的な実施形態を示しているが、さらなる例では、機械的動力源660回転動力を空気圧トランスミッションシステム600に様々な他の適切な方法で伝達することができる。例えば、
図8は、空気圧トランスミッションシステム600の別の実施形態を示しており、機械的動力源660は、
図6に示すように、第2の端部613に近接してX軸と一致するのではなく、トランスミッション本体610の長さに隣接して配置されている。
図8の例では、機械的動力源660とリードねじ650との間に結合される、チェーン、ベルト、ギアアセンブリなどを含むことができる機械的動力カップリング861を介してリードねじ650に伝達される機械的動力源660によって、回転機械的動力を生成することができる。
【0097】
別の例では、機械的動力源660のいくつかの実施形態は、
図6に示されるように、機械的動力源660のX軸との位置合わせを必要とし得る直線駆動シャフトまたは他のカップリングを含み得るが、さらなる実施形態は、機械的動力源660をリードねじ650のX軸に対して様々な適切な角度に配向させ得る非線形または可撓性駆動シャフトまたはカップリングを構成することが可能である。例えば、いくつかの実施形態では、機械的動力源660の駆動軸または機械的動力源660と駆動ねじ650の間の結合は、機械的動力源660がリードねじ650のX軸に対してある角度(例えば、10°、20°、30°、40°、50°、60°、90°、120°、150°、180°など)で、配向され得るように可撓性のコイルを備えることが可能である。そのような実施形態では、そのような角度は固定することができ、または可変とすることができる。例えば、可撓性駆動シャフトまたはカップリングが、ユーザの関節または屈曲し得るユーザの部分(例えば、背中または脊椎)上に延びる場合、機械的動力源660と駆動ねじ650の間のカップリングは、機械的動力源660が駆動ねじ650に機械的回転エネルギーを付与することを可能にしながら、ユーザの動きに対応するように屈曲または湾曲することができる。
【0098】
場合によっては、いくつかの実施形態では、入力動力は、機械的なトランスミッションを通過して、利用可能な動力を所定の用途のためのトルク及び速度の望ましいスペクトルに変換することができる。一実施形態では、DCブラシレスモータの形態の電気機械的動力源の使用は、動力をギアダウンするための機械的トランスミッションを含むことができ、これは、入力動力のトルクを増幅し、動作速度が所与の空気圧駆動システムの機械的制約によく適合するように動作速度を減少させることができる。機械的動力源と空気圧チャンバの間のトランスミッションを達成することができる様々な方法があり、ベルト駆動トランスミッション、遊星歯車トランスミッション、多段トランスミッション、ハーモニックトランスミッション、または摩擦駆動トランスミッションを含むことができるが、これらに限定されない。例えば、
図8の機械的動力カップリング861は、機械的動力源660によって生成された回転動力を、駆動ねじ650に加えられるトルク及び速度の適切なスペクトルに変換するための機械的トランスミッションを備えることができる。いくつかの実施形態は、機械的動力源660とリードねじ650の間に、ギアボックス、タイミングベルトなどの減速機構を含むことができる。
【0099】
様々な空気圧システム520では、いくつかの実施形態が対処することを選択し得る実際的な問題は、空気圧システム520からの少量の漏れの可能性である。いくつかの空気圧システム520では、空気圧システム520は、コンプレッサまたは他の適切な方法を介して新しい作動流体を引き込むことによって、作動流体容積630内に作動流体(例えば、空気)を連続的に補充することによって動作するので、これは重大な問題ではない可能性がある。
【0100】
直接駆動空気圧トランスミッション(例えば、空気圧動力トランスミッション600)は、そのような直接駆動空気圧トランスミッションが空気圧システム520内の容積を変化させることによって作動することができるように、様々な実施形態において異なり得る。いくつかの実施形態は、空気圧システム520が環境に失われた作動流体(例えば、空気)を補充できるようにする設計要素を含むことができる。1つの好ましい実施形態は、トランスミッションチャンバ620(または作動流体容積630の他の適切な部分)と連通し、大気圧に接続される受動逆止弁を備えることができる。そのような実施形態では、そのような補充弁は、大気圧に等しくすることができるトランスミッションチャンバ620内に配置することができる。空気圧トランスミッションが作動流体を漏らす一例のシナリオでは、トランスミッションチャンバ620内のチャンバ圧力が大気圧未満に低下し、逆止弁が空気を空気圧システム520に逆流し、失われた作動流体を再充填できるようにすることができる。様々な実施形態は、コンプレッサで充電される高圧補充システム、コンプレッサで充電される高圧補充システム、一次空気圧システムに直接接続された小型の補充コンプレッサ、大気または他のソースチャンバなどに接続された能動的に制御される補充弁などを含み得るがこれらに限定されない、失われた作動流体を補充するための他のシステム及び方法を使用することができる。
【0101】
いくつかの実施形態では、過圧シナリオの場合に安全に対応するための設計適応を含めることが有益である。好ましい一実施形態では、空気圧トランスミッション600は、大気圧に接続され、トランスミッションチャンバ620が識別された最大圧力を超えたときに開くように設計できる圧力ブローオフ弁を含む。選択された最大圧力は、所望のシステム用途に完全に依存し得るが、これらの選択された圧力は、0psi、15psi、30psi、60psi、120psiなどを含み得るが、これらに限定されない。例えば、いくつかの実施形態は、トランスミッションチャンバ620の外部環境へのトランスミッションチャンバ620内の流体の放出を提供する、トランスミッション本体610内に配置されたブローオフ弁を含むことができる。様々な実施形態は、圧力解放弁、電子制御圧力排出弁などを含むことができるがこれらに限定されない様々な方法で、この設計上の考慮事項を含むことができる。
【0102】
トランスミッションチャンバ620を画定するトランスミッション本体610の設計の特徴は、いくつかの実施形態において重要であり得る。様々な例におけるトランスミッション本体610の設計上の考慮事項は、トランスミッションチャンバ620の静的容積を設計することを含むことができる。一実施形態では、空気圧トランスミッション600は、1リットルのアクチュエータチャンバを画定し、流体アクチュエータ130の範囲全体で0~~0psiの目標動作圧力範囲を有する流体アクチュエータ130に接続することができる。これを達成するために、様々な例において、ソーストランスミッションチャンバ620は、最も低い目標圧力における最も低いシステム容積(アクチュエータ閉)、及び最も高い目標圧力における最大システム容積(アクチュエータ伸長)であり得る流体アクチュエータ130の2つの最も極端な動作シナリオを満たすようにサイズ決定することが可能である。別の設計上の考慮事項は、一次トランスミッションチャンバ620の幾何学的形状であり得る。様々な幾何学的形状で目標チャンバ容積を達成することは可能であるが、目標用途と、機械的動力源660または他の構成要素によって課される利用可能な機械的制約を考えると、1つの特定の設計がよりうまく機能する可能性がある。これらの設計上の考慮事項は、いくつかの実施形態の不可欠な部分と考えることができ、設計基準の特定のセットの選択は、様々な適切な方法で行うことができることに留意することが重要である。様々な実施形態における選択された動作圧力範囲は、外骨格システム100の設計者またはオペレータが決定することができ、本明細書における動作圧力範囲の例は、いかなる方法でも限定的であると見なすべきではなく、さらなる例の外骨格システム100は、実現可能な圧力の任意の適切な範囲内で動作するように設計することができることにも留意する必要がある。
【0103】
いくつかの実施形態では、ピストン640がトランスミッションチャンバ620内で移動している間に、一次トランスミッションチャンバ620内のピストン640が回転する自由度に抵抗、制限、または制約することが望ましい場合がある。具体的には、ピストン640を駆動するリードねじ650を含む実施形態では、ピストン640がトランスミッションチャンバ620内で自由に回転すると、ピストン640はトランスミッション本体610内で並進できず、トランスミッションチャンバ620内に配置された空気圧流体に機械的仕事を付与し得る。一実施形態では、駆動機構としてリードねじ650を含む構成は、ピストン640とトランスミッション本体610の内壁611との間の機械的相互作用が逆回転機能として作用するように、非円形ピストン640を使用することができる。別の実施形態では、リードねじ構成は、ピストン640の回転に対抗、抵抗、または制限するために、トランスミッション本体の第1の端部612と第2の端部613の間でリードねじ650と平行に一次トランスミッションチャンバ620の長さにわたって延びる1つ以上のガイドロッドを含むことができる。様々な追加の実施形態は、楕円形のピストンヘッド、チャンバ壁に嵌合機構を含むキー付きピストンヘッド、中心から外れたリードねじ650などを含むことができるが、これらに限定されない。例えば、
図8は、楕円形を有するピストン640の例を示している。いくつかの実施形態におけるピストン640は、角及び/または線状のエッジを有さない滑らかなエッジのみを有する形状を含む、様々な形状を有することができる。しかしながら、さらなる実施形態では、ピストン640は、三角形、正方形、五角形、六角形、八角形、または他の多角形、ルーロー多角形などの、角及び/または直線状のエッジを有する形状を有することが可能である。ピストン640の形状は、0、1、2、3、4、5、6、8などを含む放射対称の様々な平面を含むことができる。
【0104】
いくつかの実施形態では、システム全体の性能を強調するために、ベローズアクチュエータ130の特定の挙動をさらに制御することが望ましいことが判明する場合がある。一組の実施形態では、空気圧システム520は、アクチュエータ130に出入りする空気の流れを制御するために、空気圧トランスミッションシステム600内に追加の弁を含むことができる。一実施形態では、空気圧システム520及び/またはアクチュエータ130は、ベローズアクチュエータ130への流れ面積を制御する入口制御弁を含むことができる。そのような設計は、いくつかの例では、ベローズアクチュエータ130に出入りする流量の別個の制限を提供することができ、負荷のかかったベローズアクチュエータ130から出る流量を制限することによって、外骨格システム100のジョイント125における減衰様式の力の供給を支援する低電力代替物を提供することができる。このような弁は、ベローズアクチュエータ130と流体ライン145との間の接続部、トランスミッション本体610と流体ライン145の間の接続部、トランスミッションチャンバ620またはトランスミッション本体610内のトランスミッション本体、流体ライン145に沿ってまたはその内部、アクチュエータ130の本体内またはその一部として、など様々な適切な場所に配置することが可能である。
【0105】
別の実施形態では、ベローズアクチュエータ130または外骨格システム100の他の部分は、ベローズアクチュエータ130とベローズアクチュエータ130の外部の環境の間で流体を連通させるように構成された排気弁を含むことができる。そのような設計は、様々な例において、安全問題または他の所望の応答に基づいて外骨格システム100を急速に収縮させるための努力として、外骨格システム100が圧力を大気圧に迅速に排気することを可能にすることができる。システム通気は、いくつかの例では、ベローズアクチュエータ130上の制御可能な入口弁と排気弁の一方または両方を含むことができる。1つ以上の通気バルブまたは構造は、ベローズアクチュエータ130と流体ライン145の接続部、トランスミッション本体610と流体ライン145の接続部、トランスミッションチャンバ620またはトランスミッション本体610内のトランスミッション本体、流体ライン145に沿ってまたはその内部、アクチュエータ130の本体の中または一部としてなどを含む、様々な適切な場所に配置することが可能である。
【0106】
いくつかの実施形態は、ベローズアクチュエータ130、トランスミッションチャンバ630、流体ライン145などに出入りする流れを制御するための弁を含むことができるが、さらなる実施形態では、外骨格システム100、空気圧システム520、空気圧動力トランスミッション600、流体ライン145、アクチュエータ130、それらのカップリングなどの様々な部分から弁が特にないことが可能である。いくつかの実施形態では、緊急圧力解放弁などの安全弁は別として、外骨格システム100のそのような部分には弁がなくてもよい。
【0107】
空気圧動力トランスミッション600のいくつかの実施形態では、所与の外骨格システム100の電力需要を満たすために空気圧動力トランスミッション600を配備できるいくつかの可能な方法がある。本明細書のいくつかの記載は、外骨格システム100のアーキテクチャを説明しているが、外骨格システム100が配備される方法に関連するシステムレベルの設計は、いくつかの例において、外骨格システム100の全体的な機能にとって重要であり得る。これは、様々な設計上の考慮事項によってシステム性能の向上が可能になるため、複数の制御可能な自由度を有する外骨格システム100のいくつかの実施形態ではさらに重要になる可能性がある。様々な実施形態で配備できるいくつかの例示的なシステム構成を以下に説明する。
【0108】
1つのシステム構成は、1つの作動ユニットを外骨格システム100上の単一の自由度に割り当てるように設計することができる。一実施形態では、空気圧システム520は、2つの動力付き膝アクチュエータユニット110L、110R(例えば、
図1及び
図5に示されるように)を備える、からなる、または本質的にそれらからなる下肢外骨格システム100に動力を供給するように構成することができる。そのような外骨格システム100に動力を供給するために、空気圧システム520は、左右の膝アクチュエータユニット110L、110Rにそれぞれ関連する第1及び第2の空気圧動力トランスミッション600を備えることができる。例えば、そのようなシステムは、左右の膝アクチュエータユニット110L、110Rをそれぞれ作動させる2つの独立して動作する空気圧トランスミッションシステム600を含むことができる。同様に、
図9aは、第1の流体アクチュエータ130Aに流体的に結合された第1の空気圧トランスミッションシステム600Aと、第2の流体アクチュエータ130Bに流体的に結合された別の第2の空気圧トランスミッションシステム600Bとを含む外骨格システム100の第1の例示的実施形態100Aを図示している。
【0109】
さらに、いくつかの実施形態は、2つの完全に別個の空気圧トランスミッションシステム600を含むことができるが、いくつかの実施形態では、2つ以上のトランスミッションシステム600が、様々な方法で物理的に関連付けられ、結合され、または統合されながら、独立して動作するように構成され得る。例えば、空気圧トランスミッションシステム600のいくつかの実施形態は、別個の第1及び第2のトランスミッション空洞620を画定するトランスミッション本体610と、第1及び第2のトランスミッション空洞620内で並進するそれぞれの第1及び第2のピストン640と、を備えることが可能である。第1及び第2のトランスミッション空洞620は、それぞれの第1及び第2の流体アクチュエータ130に関連付けることができる。そのような構成の様々な実施形態では、第1及び第2のピストン640は、それぞれの第1及び第2の流体アクチュエータ130を別々に制御するために、それぞれの第1及び第2の機械的動力源660によって独立して作動させることができる。同様に、いくつかの実施形態では、機械的動力源660は、完全に分離するか、または様々な方法で物理的に関連付け、結合しもしくは統合することができる。例えば、いくつかの実施形態では、2つ以上の独立して制御可能な機械的動力源660が、共通のハウジング、本体、電源などを共有することができる。
【0110】
様々な例において、独立した空気圧及び機械的構成は、電気的及びソフトウェア計画(例えば、外骨格デバイス510を介して実装される)が、本明細書で説明されるように所望の協調運動を生成するために2つの機械的に独立したシステムを操作できるように、別々のアクチュエータユニット110(左及び右膝アクチュエータユニット110L、110R)を協調的に操作する能力を制限しないことに留意されたい。また、機械的動力源などのシステム660及び/またはトランスミッション本体610は、ユーザ101の身体に別々に、または共通の場所(例えば、バックパック155内)に配置することができる。
【0111】
この構成の他の実施形態では、機械的及び空気圧的に独立したシステムの数は、制御される自由度(例えば、流体アクチュエータ130)の数に合わせてスケーリングすることができ、それぞれが独立してサイズ決定され、外骨格システム100が取り付けられる標的関節のニーズを満たすように設計される。本明細書で説明するように、つま先、足首、膝、股、肩、肘、手首、指、首などのうちの1つ以上を含む、様々な実施形態において、身体の任意の適切な関節を1つ以上のアクチュエータによって標的とすることができる。したがって、左右の膝アクチュエータユニット110L、110Rに関連する本明細書の例は、限定的であると解釈されるべきではなく、外骨格システム100のいくつかの実施形態の例としてのみ使用される。
【0112】
別のシステム構成は、空気圧トランスミッションシステム600を複数の動力付き自由度(例えば、複数の別個の流体アクチュエータ130)に接続するように設計することができる。例えば、
図9bは、単一の空気圧動力トランスミッション600と第1及び第2の流体アクチュエータ130A、130Bの一方または両方の間の流体の流れを所与の時間に制御するように構成することができる弁950を介して第1及び第2の流体アクチュエータに結合された単一の空気圧動力トランスミッション600を備える外骨格システム100の別の例の実施形態100Bを例示する。
【0113】
そのような設計構成は、複数のアクチュエータユニット110の間でより結合された動作スタイルの挙動を提示することができるが、いくつかのシナリオでは、そのような構成は、システムの複雑さ、重量及び/またはサイズの観点から、それらのアクチュエータユニット110に電力を供給するために必要なインフラストラクチャを削減しながら、適切な性能を生成することができる。一実施形態では、左及び右膝アクチュエータユニット110L、110Rを有する電動外骨格システム100は、歩行、ランニングなどの間のヒールストライクに関連する衝撃のみを支援するように設計することができる。いくつかの例ではユーザの関節での必要性の範囲が限られているため、いくつかの実施形態のベローズアクチュエータ130は、(例えば、2つの別個の空気圧トランスミッションシステム600を介して)重複する電力追加を必要としない。
【0114】
したがって、いくつかの実施形態では、第1及び第2のアクチュエータ130A、130B(例えば、左及び右アクチュエータユニット110L、110Rの)の間に選択弁(例えば、弁950)を追加することによって、単一の空気圧動力トランスミッションシステム600からの動力は、使用例が最も重要である場合に基づいて左膝及び右膝アクチュエータ130A、130Bの間でリダイレクトさせることが可能である。別の実施形態では、単一の空気圧動力トランスミッション600は、(例えば、左右のアクチュエータユニット110L、110Rを介して)ユーザの膝における階段下降の力の減衰を支援するように構成することができる。この場合、左右のアクチュエータユニット110L、110Rの力プロファイルは完全に独立していなくてもよいが、各脚部のピーク動力要件にかなりの位相遅延が存在する可能性がある。
【0115】
結果として、いくつかの例における外骨格システム100は、空気圧動力トランスミッション600の単一のトランスミッションチャンバ620と左右のアクチュエータユニット110L、110Rのそれぞれのアクチュエータ130A、130Bの間で移動する1つ以上の制御弁(例えば、弁950)を含むことができる。トランスミッションチャンバ620が動力を生成するとき、1つ以上の制御弁を使用して、ベローズアクチュエータ130のそれぞれへの空気圧動力フローを制限及び/または可能にすることができる。これにより、個々のベローズアクチュエータ130の各々に所望の量の動力を入れることが可能になり、単一の空気圧トランスミッション600のトランスミッションチャンバ620は、トランスミッションチャンバ620に関連するベローズアクチュエータ130の最大動力構成を支援するようなサイズにすることのみが必要とされる場合がある。
【0116】
1つ以上の弁(例えば、弁950)は、様々な適切な方法で、2つ以上のベローズアクチュエータ130への流体の流れ及び/またはそこからの流体の流れを制御することができる。例えば、いくつかの実施形態は、例えば2つのベローズアクチュエータ130のための2つの弁の状態がオン/オン、オフ/オフ、オン/オフ及びオフ/オンを含むことができるベローズアクチュエータ130への/からの流体の流れのためのバイナリオン/オフを提供することができる。別の実施形態は、2つ以上のベローズアクチュエータ130の間のスイッチを提供することができる。例えば、第1と第2のベローズアクチュエータ130間の切替弁であり、オン/オフまたはオフ/オンの状態を含むことができる。さらなる実施形態では、2つ以上のベローズアクチュエータ130に出入りする流体の流量は、スペクトルに沿って、または様々な適切な増分で制御することができ、アクチュエータ130間のそのような制御は、従属的であってもなくてもよい。例えば、2つのアクチュエータ130への/からの従属的な流量は、20/80%、40/60%、50/50%、60/40%、80/20%などの例示的状態を生成することができる。別の例では、2つのアクチュエータ130への/からの独立に構成可能な流量は、20/20%、30/60%、80/20%、90/90%などの例示的な状態を生成することができる。単一の空気圧動力トランスミッション600に接続された複数のベローズアクチュエータ130を備えたそのような構成の様々な実施形態が存在し、本明細書の範囲及び精神内にあるため、本明細書の例は限定的であると解釈されるべきではない。
【0117】
空気圧外骨格システム100の別の構成は、複数の独立した空気圧トランスミッションシステム600を単一の動力付き自由度(例えば、流体アクチュエータ130)に接続するように設計することができる。例えば、
図10aは、弁950を介して単一の流体アクチュエータ130に結合された第1及び第2の空気圧トランスミッションシステム600を備える、外骨格システム100のさらなる例示的な実施形態100Cを示す。いくつかの例におけるそのような構成の潜在的な利点は、ジョイントの動力要件が異なる動作条件で大幅に変化するか、または単一の空気圧トランスミッションシステム600を介して達成できない、または達成することが望ましくないダイナミックレンジを必要とする外骨格システム100の適応性である場合がある。
【0118】
一例では、2つの独立した空気圧トランスミッションシステム600A、600Bを備えた外骨格システム100は、いくつかの動作条件において空気圧トランスミッションシステム600のうちの1つだけが使用され、その後、いくつかの動作条件において第1の空気圧トランスミッション600に加えて動作するように第2の空気圧トランスミッション600を必要に応じて採用できる(例えば、高出力及び/または高速ダイナミックレンジが望ましい動作条件において)ように設計することが可能である。一実施形態では、2つの空気圧トランスミッションシステム600を単一の脚部作動ユニット110に接続することができる。いくつかのそのような例における空気圧トランスミッションシステム600は、第1のトランスミッションシステム600Aが遊脚部期挙動に関連する動力要件を支援し、他の第2のトランスミッションシステム600Bが立脚部相動作のために(すなわち、第1のトランスミッションシステム600Aと組み合わせて)追加の動力を提供するように設計することが可能である。そのようなシステム構成の様々な実施形態が存在し、そのいくつかは、単一の動力付き自由度に接続された複数の空気圧トランスミッション600を有するという特徴を含む。
【0119】
同様に、いくつかの実施形態は、別個のそれぞれの空気圧トランスミッション600によって、また、複数の流体アクチュエータ600のうちの1つ以上に追加の動力を提供するように構成された空気圧トランスミッション600によって動力を与えられる複数の流体ベローズアクチュエータ130を備えることができる。例えば、
図10bは、第1、第2及び第3の空気圧トランスミッション600A、600B及び600Cを備える外骨格システム100の例示的な実施形態110Dを示し、第1及び第2の空気圧トランスミッション600A、600Bは、第1及び第2の流体アクチュエータ130A、130Bに排他的にそれぞれ接続される。
図10bの第3の空気圧トランスミッション600Cは、弁950を介して第1及び第2の流体アクチュエータ130A、130Bの一方または両方に流体結合されるように構成される。例えば、
図10bの第1及び第2の空気圧トランスミッション600A、600Bは、
図9aの実施形態100Aと同様の第1及び第2の流体アクチュエータ130A、130B流体的に結合され得、
図10bの第3の空気圧トランスミッション600Cは、
図9bの実施形態100Bと同様に第1及び第2の流体アクチュエータ130A、130Bに流体的に結合され得る。
【0120】
さらなるシステム構成は、複数の空気圧トランスミッションシステム600と複数の動力付き自由度(例えば、流体ベローズアクチュエータ130)の間のネットワークを備えるかまたは生成するように設計することができる。そのような構成は、外骨格システム100が、複数の空気圧ベローズアクチュエータ130にわたって複数の空気圧トランスミッションシステム600によって生成された空気圧システム520の動力容量を共有することを可能にし得る。全空気圧システム520は、個々の空気圧トランスミッションシステム600の設計によって定義され得るピーク空気圧動力出力能力を依然として有することができるが、様々な例において様々な動力付き自由度(例えば、流体ベローズアクチュエータ130)を相互接続することによって、空気圧動力は、単一の動力付き自由度に専用されるのではなく、外骨格システム100の任意の動力付き自由度にわたって活用され得る。
【0121】
例えば、
図11aは、弁950を介して第1及び第2の流体アクチュエータ130A、130Bに流体的に結合されるように構成された第1、第2及び第3のトランスミッションシステム600A、600B、600Cを備える外骨格システム100の別の実施形態100Eを示す。弁950は、第1、第2及び第3のトランスミッションシステム600A、600B、600Cの1つ以上を、所与の時間に第1及び第2の流体アクチュエータ130A、130Bの一方または両方に流体結合することを可能にすることができる。例えば、弁950は、第1、第2、及び第3のトランスミッションシステム600A、600B、600Cのうちの1つ以上を、第1の流体アクチュエータ130Aのみに、第2の流体アクチュエータ130Bのみに、または第1及び第2の流体アクチュエータ130A、130Bの両方に同時に流体的に結合させることができる。
【0122】
一実施形態では、デュアル膝動力外骨格は、2つの空気圧動力トランスミッションユニット600で構成することができる(例えば、
図1及び
図5に示されるように)。空気圧システム520は、必要に応じて、各動力トランスミッションユニット600を脚部作動ユニット110L、110Rの一方または両方に選択的に配管できる弁950と相互接続することができる。例えば、
図11bは、そのような構成を有する例示的な実施形態100Fを示す。そのような実施形態における動力トランスミッションユニット600は、動力トランスミッションユニット600が、必要なときに過剰な動力を他方の脚部アクチュエータユニット110に向けるように制御されて、各自由度(例えば、各流体ベローズアクチュエータ130)の平均動力ニーズを満たすようにサイズ設定することが可能である。そのようなシステム構成の様々な実施形態は、様々な数の自由度及び動力トランスミッションユニット600と共に存在することができ、様々な実施形態は、動力トランスミッションシステム600の2つ以上のものに一連の弁を介して相互接続された動力付き自由度の2つ以上(例えば、2つ以上の流体ベローズアクチュエータ130)を有する特徴を備えることができる。
【0123】
上記の構成は代表的な構成であり、限定的であること、またはすべての潜在的なシステム構成を伝える試みであることを意図していないことに留意することが重要である。他の構成の変形は、1つ以上の空気圧トランスミッションシステム600及び1つ以上の動力付き自由度(例えば、1つ以上の流体アクチュエータ130)の任意の適切な集合を含むことができる。したがって、
図9a~
図11bは、任意の適切な複数の流体ベローズアクチュエータ130(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、15、25、50、100、など)及び任意の適切な複数の空気圧トランスミッションシステム600(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、15、25、50、100、など)を有する外骨格システム100に適用することができるは明らかであろう。例えば、いくつかの実施形態は、例示的な実施形態100A、100B、100C、100D、100E、100Fのいずれかに従って、トランスミッションシステム(複数可)600及び流体ベローズアクチュエータ(複数可)130の複数の同じまたは異なるセットを含むことができる。同様に、相互接続されたトランスミッションシステム600及び流体ベローズアクチュエータ130の数は、任意の適切な数であってもよい。たとえば、例示的な実施形態100Eは、3つのトランスミッションシステム600及び2つの流体アクチュエータ130を備えるが、さらなる実施形態は、任意の適切な複数のそのような要素(たとえば、3、4、5、6、7、8、9、10、12、15、25、50、100など)を含むことができる。したがって、例示的な実施形態の態様は、適宜交換可能であり、必ずしもその所与の実施形態のみに限定されないと解釈されるべきである。また、システムの様々なコンポーネントのサイジングに対する例示的な設計アプローチの本明細書での導入は、これらの構成の適用性または拡張性を制限するものではない。同様に、複雑なシステムは、本明細書に記載の本発明の広範な適用性を制限することなく、上記の構成の任意の組み合わせを含むことができる。
【0124】
外骨格システム100の挙動を制御するために、様々な適切な方法を使用することができる。例えば、ロボットシステムにおける個々の自由度(例えば、流体ベローズアクチュエータ130)の共通の目的は、自由度を制御して所望の低レベルの目標性能を満たすことであり得る。具体的には、位置、力、圧力、または速度の基準に一致するように制御できることは、様々な例で有益であり得る。
【0125】
一実施形態では、外骨格デバイス510(
図5参照)は、単一の動力トランスミッションシステム600に直接接続された単一の自由度(例えば、流体ベローズアクチュエータ130)を有する外骨格システム100内の所望の圧力基準を目標とするように構成することができる。例えば、外骨格デバイス510が、ベローズアクチュエータ130の圧力が目標圧力よりも低いことを検出すると(例えば、1つ以上のセンサ513を介して)、空気圧システム520は、空気圧動力トランスミッション600に、アクチュエータ130内の圧力を高めるためにより多くの空気をアクチュエータ130に移動させてベローズアクチュエータ130に新しい動力を入力することができる。例えば、流体ベローズアクチュエータ130内の圧力が目標圧力未満であるという判定は、1つ以上の圧力センサ513からのデータに基づいて、外骨格デバイス510によって行われ得る。これに応答して、外骨格デバイス510は、機械的動力源660に空気圧動力トランスミッション600のピストン640を動かしてトランスミッションチャンバ620をより小さくさせ、トランスミッションチャンバ620内の圧力を増加させ、これによって流体アクチュエータ130内の圧力も増加させることができる。
【0126】
同様に、外骨格デバイス510が、ベローズアクチュエータ130の圧力が目標圧力よりも低いことを感知すると(例えば、1つ以上のセンサ513を介して)、空気圧システム520は、逆の方法で動作し、ピストン640を機械的に引き戻し、トランスミッションチャンバ620(及びそれによって作動流体容積630)の容積を増大させることによってベローズアクチュエータ130から動力を除去することができ、それによってベローズアクチュエータ130内の圧力を低くすることができる。例えば、流体ベローズアクチュエータ130内の圧力が目標圧力超であるという判定は、1つ以上の圧力センサ513からのデータに基づいて、外骨格デバイス510によって行われ得る。これに応答して、外骨格デバイス510は、機械的動力源660に空気圧動力トランスミッション600のピストン640を動かしてトランスミッションチャンバ620をより大きくさせ、トランスミッションチャンバ620内の圧力を増加させ、これによって流体アクチュエータ130内の圧力を順に増加させることができる。
【0127】
いくつかの実施形態では、外骨格デバイス100を操作する方法は、流体ベローズアクチュエータ130内の圧力を判定することと、圧力が目標圧力または目標圧力範囲超、未満、または同等/範囲内であるかを判定することと、圧力が目標圧力または目標圧力範囲超、未満、または同等/範囲内であるかを判定することに少なくとも一部基づいて空気圧動力トランスミッション600のピストン640を動かすかどうかを決定することとを含むことができる。例えば、ベローズアクチュエータ130の圧力が目標圧力範囲または値にある、近い、または範囲内であると判断された場合、ピストン640を動かすことは必要でないと判断することができるが、アクチュエータ130の圧力が所定の目標圧力または圧力範囲超または未満であると判断された場合、ピストン640を動かすことは必要であると判断することができる。
【0128】
ピストン640の移動が必要であると判断された場合、ピストン640を現在位置から移動させる距離または量に関して判断を下すことができ、次いでピストン640を現在位置から判断された距離または量だけ移動させることができる。例えば、本明細書で説明するように、空気圧動力トランスミッション600の本体610内のピストン640の位置を変更すると、トランスミッションチャンバ620の容積またはサイズが変化し、それにより作動流体容積630の容積またはサイズが変化する。
【0129】
いくつかの実施形態では、ピストン640を動かす距離または量を決定することは、作動流体容積630、またはその一部分(例えば、トランスミッションチャンバ620、流体ライン145及び/または流体ベローズアクチュエータ(複数可)130)の決定または周知の容積と、トランスミッションチャンバ620、流体ライン145及び/または流体アクチュエータ(複数可)130などの外骨格システム100の様々な部分に関連する圧力に基づいて行うことができる。例えば、トランスミッションチャンバ620の容積は、ピストン640の位置、リードねじ650の回転などに基づいて決定することができる。流体ベローズアクチュエータ130の容積は、流体ベローズアクチュエータ130の構成(例えば、流体アクチュエータ130が物理的にどの程度圧縮または拡張されるか)に基づいて決定することができる。流体ライン145の容積は、静的で既知の容積とすることができ、いくつかの実施形態では、無視できる容積であるとみなすことができる。作動流体容積630またはその一部分の圧力は、トランスミッションチャンバ620、流体ライン145及び/または流体アクチュエータ130(複数可)に配置された1つ以上のセンサ513(例えば、圧力センサ)に基づくことができる。
【0130】
別の実施形態では、そのような外骨格システム100は、フィードバックの形態として、自由度に関する位置センサ(例えば、流体ベローズアクチュエータ130)を含むことができ、外骨格デバイス510は、位置センサからのデータを使用して、自由度の所望の標的位置を追跡することができる。例えば、位置センサは、流体ベローズアクチュエータ130の容積に対応することができる、流体ベローズアクチュエータ130が拡張または収縮する量を示すことができる。上述の例と同様に、外骨格デバイス510は、流体ベローズアクチュエータ130が目標状態と比較してより圧縮された状態にあることを示す流体ベローズアクチュエータ130に関連付けられた位置センサからデータを取得することができ、外骨格デバイス510は空気圧トランスミッション600のピストン640にトランスミッション空洞620のサイズを縮小させ、トランスミッション空洞620内の流体圧を増加させて、続いて、目標状態に向かって拡張させ得る流体ベローズアクチュエータ130内の圧力を増加させることができる。
【0131】
様々な実施形態は、1つ以上の流体ベローズアクチュエータ130の所望の位置、速度、加速度、圧力、力、トルクなどを制御するように構成することができ、これは、本明細書で説明したように、外骨格システム100に様々な適切な動作での使用を支援させることができる。例えば、1つ以上のトランスミッション空洞620の1つ以上のピストン640の位置を制御して1つ以上の流体ベローズアクチュエータ130の圧力を制御することに加えて、外骨格デバイス510は、第1の位置から第2の位置へ移動する速度またはスピード、第1の位置から第2の位置へのパルス運動、などを含む、ピストン640を第1の位置から第2の位置に動かすのに適した方法をさらに決定することができる。
【0132】
いくつかの実施形態では、1つ以上のピストン640の動きは、事前にプログラムされた動作セットに少なくとも部分的に基づくことができ、これは、いくつかの例では、立つ、歩く、座る、持ち上げるなどの、ユーザ、管理者または外骨格システム100によって自動的にトリガされ得る外骨格システム100の動きに対応することができる。そのような事前にプログラムされた動作セットは、いくつかの例では、1つ以上のセンサ512から取得されたデータに基づいて変更することができる。例えば、ユーザは、1つ以上のピストン640に対して事前にプログラムされた動作セットを実行させることができる立つ動作をトリガすることができ、そのような動作の実行は、外骨格システム100の1つ以上のセンサ512から得られたデータに少なくとも部分的に基づいて、微調整、調整、修正などを行うことができる。さらに、本明細書で説明する様々な例は、外骨格システム100の移動を容易にするために1つ以上の動力トランスミッション600の1つ以上のピストン640を動かすことに関連しているが、さらなる実施形態は、弁(例えば、
図9b~~11bの弁950)などを作動させることを含むことができる。
【0133】
いくつかの場合、ユーザから作動力を除去するために、空気圧システム520、流体ベローズアクチュエータ130などを迅速に排気することが望ましい場合がある。いくつかの外骨格システム100では、これは、1つ以上のベローズアクチュエータ130または空気圧システム520の一部分の圧力を環境に排気するための制御可能な弁を介して達成することができる。しかしながら、空気圧動力トランスミッション600のいくつかの実施形態では、空気圧回路または作業容積630は環境に対して閉鎖されたままであり、直接排気を許容しないかまたは不可能にする。これを考慮するために、空気圧動力トランスミッション600のいくつかの実施形態は、1つ以上のベローズアクチュエータ130のゲージ圧力をゼロ、ゼロ付近に、ユーザから作動力を実質的に除去する圧力に低減する努力で、システム圧力を大気圧未満に引き下げるように構成することが可能である。これは、いくつかの例では、空気圧チャンバ620の最大容積で、空気圧チャンバ620内の圧力が大気圧未満に低下するように、空気圧チャンバ620の容積を設計することによって達成することができる。一実施形態では、片脚部膝外骨格は、-5psi~30psiの作動範囲を有する単一の空気圧動力トランスミッションシステムを用いて設計される。-5psiは、大気圧より5psi低いゲージ圧であることができ、ベローズアクチュエータ130内の空気がベローズアクチュエータ130から急速に流出して、ベローズアクチュエータ130内の圧力を低下させ、様々な例で制御システムの応答性を向上させることができる。
【0134】
いくつかの場合、空気圧システム620、空気圧ライン(複数可)145、及び/または流体ベローズアクチュエータ(複数可)130を設計及び制御して、そのような要素の受動的ダイナミクスを活用することが有益である場合がある。例えば、そのような要素は、いくつかの例では、それらの受動的なダイナミクスに関連するばね定数と減衰効果の両方を有する。一実施形態では、外骨格デバイス510は、空気圧チャンバ(複数可)620を所望の容積目標に制御することによって、ベローズアクチュエータ(複数可)130で所望のばね定数を生成することができ、これは、その中の流体の圧縮率と共に、ベローズアクチュエータ(複数可)130において特定の所望のばね定数を生成できる。別の実施形態では、外骨格デバイス510は、空気圧システム520、空気圧ライン(複数可)145、ベローズアクチュエータ(複数可)130、などと一列に配置された制御弁を空気の流れを制限する努力で部分的に閉じることによって、1つ以上のジョイントで所望の減衰定数を実現しようとする。
【0135】
様々な実施形態は、様々な方法でばね定数及び/または減衰を生成することができ、上述した方法の一般的適用性を失うことなく、これらの目的の任意の適切な組み合せを含むことができる。様々な例において、外骨格システム100は、外骨格デバイス510が動的挙動に追いつくために必要な速度及び制御帯域幅を必要とせずに所望の挙動を達成できるように、作動システムの受動的ダイナミクスを適合させる入力を制御することが可能である。
【0136】
1つの例示的な実施形態は、空気圧ベローズアクチュエータ130及び空気圧トランスミッション600を備える密閉空気システムを含み、ピストン640を駆動して、作動流体容積630の全体容積を増加または減少させて、空気圧ベローズアクチュエータ130内の目標圧力を達成することができる。これは、1つ以上の圧力センサを使用してシステム圧力をリアルタイムで検出し、そのようなセンサからの読み取り値に基づくピストン速度及び/または位置を調整するなど、いくつかの例では、能動的に行うことができる。ピストン640は、いくつかの例では、ボールねじへの名目上の剛性接続を有するモータによって直接駆動することができる。ピストン640のナットは、ボールねじの回転運動をピストン640の直線運動に変換することができる。さらなる実施形態は、台形ねじ、アクメねじ、ボールねじ、リードねじなどを含む、任意の適切なプロファイルまたはタイプのねじ構成要素を含むことができる。さらに、本明細書の様々な例は、単一のリードねじ650によって作動する単一のピストン640を有する空気圧トランスミッション600を示しているが、さらなる実施形態は、協調運動で回転する2つ以上のねじによって作動するピストン640を含むことができる。
【0137】
外骨格システム100を装着したユーザ101の動き(例えば、ユーザ101が膝を動かしてベローズアクチュエータ130の膨張または収縮を引き起こす)によって1つ以上の空気圧式ベローズアクチュエータ130の容積が変化する場合外骨格システム100は、作動流体容積630、ベローズアクチュエータ(複数可)130、空気圧チャンバなどの圧力における対応の変化を感じ、それに応じて1つ以上のピストン640を動かして作動流体容積630を調節して1つ以上の流体ベローズアクチュエータ130内で目標圧力を達成し得るよう構成され得る。
【0138】
様々な好適な流体アクチュエータ及びシステムは、米国特許第10,543,110号として発行された「LOWER-LEG EXOSKELETON SYSTEM AND METHOD」と題する出願人の米国特許出願第15/082,824号、米国特許第9,827,667号として発行された「PNEUMATIC EXOMUSCLE SYSTEM AND METHOD」と題する米国特許出願14/577,524号、及び「LEG EXOSKELETON SYSTEM AND METHOD」と題する米国特許出願第15/953,296号の1つ以上に示され、記載されているアクチュエータ及び/または外骨格システムを含むリードばねコンプレッサを採用することができる。これらの特許出願は、その全体が、全ての目的のために、参照により本明細書に組み込まれる。
【0139】
機械的エネルギーがユーザ101に伝達される機械的動力源660(例えば、モータ)と1つ以上の空気圧アクチュエータ(複数可)130の間の弁を排除することにより(例えば、脚部アクチュエータユニット110を介して)、制御できない空気膨張による不可逆的エネルギー損失は、いくつかの例ではほとんど排除され得る。さらに、いくつかの実施形態では、1つ以上の作動流体容積630に圧力上昇を生じさせるために使用されるエネルギーは、圧力低下中に部分的に回収することができる。例えば、ピストン640上の背圧は、機械的動力源660に負荷を生じさせることができ、これは、回生ブレーキと同様に、機械的動力源660を逆駆動するのに使用することができる。これにより、機械的動力源660がシステム動力源516(
図5参照)に戻るエネルギーを蓄積する結果となり得る。これにより、様々な例で総エネルギー消費量を正味削減できる。
【0140】
本明細書で説明されるように、様々な実施例において弁を排除することは、いくつかの弁設計に内在し得る流量制限を排除することができる。流量制限の低減は、空気がより高い流量で外骨格システム100の1つ以上の空気圧アクチュエータ130に出入りできることを意味し、これは望ましいことであり得る。ただし、いくつかの例では、弁が主な流量制限ではない場合があることに留意されたい。
【0141】
いくつかの往復コンプレッサシステムでは、1つ以上の空気圧アクチュエータ130に空気を供給するために使用される空気圧は、アクチュエータ(複数可)130よりも供給源の方が高くなければならない。このような例では、入口弁を横切る流れを誘発するために圧力差が必要となる場合がある。十分なサイズの弁のない空気圧流路を横切る流れを誘発するために必要な圧力差は、いくつかの例では無視できる可能性があり、作動流体容積630の最大圧力が空気圧アクチュエータ(複数可)130の最大圧力目標になり得ることを意味する。そのようなコンプレッサでシステム内の圧力上昇を抑えることにより、システム内の空気の温度上昇も抑えることができる。これにより、流路内の構成要素の温度要件が緩和され、システムからの熱伝達によるエネルギー損失の可能性が減少する。
【0142】
空気圧アクチュエータ130のいくつかの例における吸気弁及び/または排気弁を排除することによって、(これは、エネルギー消費を低減することができ、熱緩和要件を低減することができる)そのような圧力制御システムの周りに基づく流体システム(例えば、外骨格システム100)は、より少ない総部品、少ない電気機械的アクチュエータ、及び所定の動作範囲についてより少ないエネルギー貯蔵を有することができる。これは、様々な実施形態において望ましいことであり得る。
【0143】
いくつかの実施形態では、ロボット外骨格システム100は、1つ以上の空気圧アクチュエータ130を加圧状態で密閉するために弁を使用しない。空気圧アクチュエータ130が動いておらず、一定の圧力(例えば、大気圧より高い)を維持する必要がある場合、いくつかの例では、機械的動力源660がピストン640を静止状態に保持することができる。ピストン640を位置決めするねじ650は逆駆動できるので、ピストン640に作用するシステム圧力からの力は、様々な実施形態において機械的動力源660のモータトルクによって打ち消される必要がある。機械的動力源660は、静的システムのいくつかの例において圧力を維持するために保持トルクを行使することができる。この保持トルクは、いくつかの例では、外骨格システム100が実際の機械的動力をユーザ101に伝達していない間に電力を消費する可能性がある(ただし、1つ以上の空気圧アクチュエータ130で一定の力が維持されてもよい)。
【0144】
静的システムで圧力を維持するために電力を消費することは、他のタイプのシステムと比較していくつかのタイプのシステムの欠点になる可能性がある。1つ以上の空気圧ベローズアクチュエータ130を密閉するための弁を備えたシステムでは、様々な例において、静的負荷の場合に圧力を維持するために電力を消費する必要がない。この欠点の大きさは、用途に大きく依存する可能性があり、いくつかの実施形態では存在しない場合がある。したがって、様々な実施形態は、空気圧動力トランスミッション600と1つ以上の空気圧ベローズアクチュエータ130の間に弁を含むことができ、これは、いくつかの例では、1つ以上の空気圧ベローズアクチュエータ130内に静圧を生成するのを支援することができる。
【0145】
いくつかの好ましい実施形態は、ねじ駆動ピストン640を使用して、動的システムに圧力変化を生じさせることができる。そのようなシステム(例えば、空気圧トランスミッションシステム600)のピストン側の1つの機能は、そのようなシステムがシリンジに類似していることであり得る。たとえば、ソフトロボティクスのアプリケーションでは、システム全体が大きなシリンジを使用して小さな風船を膨らませ、収縮させることに類似し得る。
【0146】
様々な実施形態において、ピストン640は、円形ではない断面を有することができる。ピストン円周の広い領域とピストン壁との相互作用を使用して、ピストン640に反作用トルクを発生させることができ、この反作用トルクは、ピストン640のナットがリードねじ650を介してピストン640の動きを生成するために必要とされ得る.非円形ピストン640のそのような相互作用は、ピストン640がナットと一緒に回転するのを防ぐことができる逆回転機能として効果的に機能することができる。このような非円形の設計により、追加の構成要素、より多くのシールインターフェース、より複雑なシールまたは構成要素、またはそれらの組み合わせの形態で、追加の逆回転機能の必要性を排除することができる。しかし、いくつかの実施形態は、キー溝、リニアガイドレールなどの回転防止機能を有する円形ピストンを備えることができる。
【0147】
様々な例において、外骨格システム100の作動流体容積630は、単一の空気チューブまたはライン145によって接続された、空気圧アクチュエータ130及び空気圧トランスミッション600からなる、本質的にそれらからなる、またはそれらを備える単一の閉じた空気容積であり得る。ユーザ101に取り付けられると、空気圧アクチュエータ130は、本明細書で説明されるように、骨格ジョイントまたは筋肉群の周りでユーザ101に力を伝達するように配置することができる。空気圧トランスミッション600は、ユーザの背中、胴体、またはユーザの胴体に最も近い手足の部分、例えば大腿上部などに装着することができる。いくつかの例における空気圧ライン145は、空気圧アクチュエータ130と空気圧トランスミッション600を接続して、単一の密閉空気作動流体容積630を作成することができる。しかしながら、いくつかの例は、過圧弁、空気をシステムに入れるためのブリード弁、またはシステムから空気を素早く出すためのブリード弁などを含むことができる。
【0148】
図12a、
図12b、
図13a及び
図13bを参照すると、脚部アクチュエータユニット110の例は、ジョイント125、ベローズアクチュエータ130、拘束リブ135、及びベースプレート140を含むことができる。より具体的には、
図12aは、圧縮構成にある脚部アクチュエータユニット110の側面図を示し、
図12bは、拡張構成にある
図12aの脚部アクチュエータユニット110の側面図を示す。
図13aは、圧縮構成の脚部アクチュエータユニット110の側断面図を示し、
図13bは、拡張構成の
図13aの脚部アクチュエータユニット110の側断面図を示す。
【0149】
図12a、
図12b、
図13a及び
図13bに示されるように、ジョイント125は、ジョイント125から延びるまたはそれに結合する複数の拘束リブ135を有することができ、それはベローズアクチュエータ130の一部分を囲むかまたはそれに当接する。例えば、いくつかの実施形態では、拘束リブ135はベローズアクチュエータ130の端部132に当接でき、ベローズアクチュエータ130の端部132が押し付けることができるベースプレート140の一部またはすべてを画定することができる。しかし、いくつかの例では、ベースプレート140は、拘束リブ135とは別個の及び/または異なる要素とすることができる(例えば、
図1に示すように)。さらに、1つ以上の拘束リブ135をベローズアクチュエータ130の端部132間に配置することができる。例えば、
図12a、
図12b、
図13a及び
図13bは、ベローズアクチュエータ130の端部132間に配置された1つの拘束リブ135を示すが、さらなる実施形態は、ベローズアクチュエータ130の端部間に配置される任意の適切な数の拘束リブ135を含むことができ、その数は1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、50、100などを含む。いくつかの実施形態では、拘束リブは存在しなくてもよい。
【0150】
図13a及び
図13bの断面に示されるように、ベローズアクチュエータ130は、流体(例えば、空気)で満たされ得る空洞131を画定して、ベローズアクチュエータ130を拡張することができ、これにより、
図12b及び
図13bに示されるようにB軸に沿ってベローズを伸長させることができる。例えば、
図12aに示されるベローズアクチュエータ130内の圧力及び/または流体の容積を増加させると、ベローズアクチュエータ130が
図12bに示す構成に拡張するようにすることができる。同様に、
図13aに示されるベローズアクチュエータ130での流圧及び/または流体率を増加させると、ベローズアクチュエータ130が
図13bに示される構成に拡張するようにすることができる。明確にするために、「ベローズ」という用語の使用は、説明されたアクチュエータユニット110の構成要素を説明するためであり、構成要素の形状を限定することを意図していない。ベローズアクチュエータ130は、一定の円筒管、断面積が多様な円筒、規定された円弧の形状に膨張する3次元の織物形状などを含むがそれらに限定されない様々な形状で構築することができる。「ベローズ」という用語は、畳み込みを有する構造を含む必要があると解釈されるべきではない。
【0151】
代替的には、
図12bに示されるベローズアクチュエータ130内の圧力及び/または流体の容積を減少させると、ベローズアクチュエータ130が
図12aに示される構成に収縮するようにすることができる。同様に、
図13bに示されるベローズアクチュエータ130内の圧力及び/または流体の容積を減少させると、ベローズアクチュエータ130が
図13aに示される構成に収縮するようにすることができる。ベローズアクチュエータ130の流圧または流体率のこのような増加または減少は、外骨格デバイス510(
図5参照)によって制御可能な外骨格システム100の空気圧システム520及び空気圧ライン145によって実行することができる。
【0152】
好ましい一実施形態では、ベローズアクチュエータ130は空気で膨張させることができる。しかし、さらなる実施形態では、任意の適切な流体を使用してベローズアクチュエータ130を膨張させることができる。例えば、酸素、ヘリウム、窒素、及び/またはアルゴンなどを含むガスを使用してベローズアクチュエータ130を膨張及び/または収縮させることができる。さらなる実施形態では、水、油などの液体を使用してベローズアクチュエータ130を膨張させることができる。さらに、本明細書で説明するいくつかの例は、ベローズアクチュエータ130内の圧力を変えるベローズアクチュエータ130への流体の導入及び除去に関し、さらなる例は、ベローズアクチュエータ130内の圧力を修正するために流体を加熱及び/または冷却することを含むことができる。
【0153】
図12a、
図12b、
図13a及び
図13bに示されるように、拘束リブ135は、ベローズアクチュエータ130を支持し、拘束することができる。例えば、ベローズアクチュエータ130を拡張させると、ベローズアクチュエータ130はベローズアクチュエータ130の長さに沿って拡張し、ベローズアクチュエータ130は半径方向にも拡張する。拘束リブ135は、ベローズアクチュエータ130の一部の半径方向の拡張を拘束することができる。さらに、本明細書で説明するように、ベローズアクチュエータ130は、1つ以上の方向に柔軟な材料を含み、拘束リブ135は、ベローズアクチュエータ130の直線の拡張方向を制御することができる。例えば、いくつかの実施形態では、拘束リブ135または他の拘束構造がないと、ベローズアクチュエータ130は、制御不能に突き出したり軸から曲がったりして、適合する力がベースプレート140に加えられないようになり、アーム115、120が適合して、または制御可能に作動しないようになる。したがって、様々な実施形態において、拘束リブ135は、ベローズアクチュエータ130が膨張及び/または収縮する際に、ベローズアクチュエータ130に対して一貫した制御可能な拡張軸Bを生成することが望ましい場合がある。
【0154】
いくつかの例では、収縮構成のベローズアクチュエータ130は、拘束リブ135の半径方向縁部を実質的に越えて延びることができ、膨張中に収縮して、拘束リブ135の半径方向の縁部を越えてより少なく延びるように、拘束リブ135の半径方向の縁部まで延びるように、または拘束リブ135の半径方向の縁部を越えてより少なく延びないようにすることが可能である。例えば、
図13aは、ベローズアクチュエータ130が圧縮リブ135の半径方向縁部を実質的に越えて延びるベローズアクチュエータ130の圧縮構成を示し、
図13bは、膨張中に収縮して、ベローズアクチュエータ130の膨張構成で拘束リブ135の半径方向縁部をより少なく越えて延びるベローズアクチュエータ130を示している。
【0155】
同様に、
図14aは、ベローズアクチュエータ130が拘束リブ135の半径方向縁部を実質的に越えて延びるベローズアクチュエータ130の圧縮構成の上面図を示し、
図14bは、膨張中に収縮して、ベローズアクチュエータ130の膨張構成で拘束リブ135の半径方向縁部をより少なく越えて延びるベローズアクチュエータ130の上面図を示す。
【0156】
拘束リブ135は、様々な適切な方法で構成することができる。例えば、
図14a、
図14b、及び
図15は、ジョイント構造125から延び、ベローズアクチュエータ130の一部分が(例えば、
図13a、
図13b、
図14a及び
図14bに示すように)延びることができるリブ空洞138を画定する円形リブリング137と結合する一対のリブアーム136を有する拘束リブ135の例示的実施形態の上面図である。様々な例において、1つ以上の拘束リブ135は、リブアーム136及びリブリング137が共通の平面内に配置された実質的に平面の要素であり得る。
【0157】
さらなる実施形態では、1つ以上の拘束リブ135は、任意の他の適切な構成を有することができる。例えば、いくつかの実施形態は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つなどを含む任意の適切な数のリブアーム136を有することができる。加えて、リブリング137は、リブ空洞138を画定する内側縁部またはリブリング137の外側縁部の一方または両方を含めて、様々な適切な形状を有することができ、円形である必要はない。
【0158】
様々な実施形態において、拘束リブ135は、ベローズアクチュエータ130の運動をある瞬間的な中心(空間に固定されていても固定されていなくてもよい)の周りの掃引経路に向け、及び/または面外の座屈などの望ましくない方向でのベローズアクチュエータ130の運動を防止するように構成することができる。結果として、いくつかの実施形態に含まれる拘束リブ135の数は、脚部アクチュエータユニット110の特定の幾何学的形状及び負荷に応じて変わり得る。例は、1つの拘束リブ135から任意の適切な数の拘束リブ135までの範囲であり得る。したがって、拘束リブ135の数は、本発明の適用可能性を制限するものと解されるべきではない。さらに、いくつかの実施形態では、拘束リブ135がなくてもよい。
【0159】
1つ以上の拘束リブ135は、様々な方法で構築することができる。例えば、1つ以上の拘束リブ135は、所与の脚部アクチュエータユニット110上の構造が異なっていてもよく、及び/またはジョイント構造体125への取り付けを必要とする場合と必要としない場合がある。様々な実施形態で、拘束リブ135は、中央回転式ジョイント構造体125の一体部品として構築することができる。そのような構造の例示的な実施形態は、機械の回転式のピンジョイントを含むことができ、拘束リブ135は、ジョイント構造体125の一端でジョイント125に接続され、ジョイント125の周りで旋回することができ、他端にあるベローズアクチュエータ130の延びない外側の層に取り付けられる。実施形態の別のセットでは、拘束リブ135は、脚部アクチュエータユニット110の可動域全体にわたってベローズアクチュエータ130の運動を方向付ける単一の屈曲構造の形態で構築することができる。別の例示的な実施形態は、ジョイント構造125に一体的に接続されるのではなく、代わりに予め組み立てられたジョイント構造125に外部から取り付けられる、屈曲する拘束リブ135を使用する。別の例示的な実施形態は、ベローズアクチュエータ130の周りに巻き付けられてジョイント構造125に取り付けられた布片から構成される拘束リブ135を備えることができ、それはハンモックのように作用して、ベローズアクチュエータ130の動きを制限及び/または案内する。追加の実施形態で使用することができる、拘束リブ135を構築するために利用可能な追加の方法があり、ジョイント構造体125の周りなどに接続されるリンク機構、回転的屈曲が含まれるがこれらに限定されない。
【0160】
いくつかの例において、拘束リブ135の設計上の考慮事項は、1つ以上の拘束リブ135がベローズアクチュエータ130と相互作用してベローズアクチュエータ130の経路を案内する方法であり得る。様々な実施形態において、拘束リブ135はベローズアクチュエータ130の長さに沿った所定の位置でベローズアクチュエータ130に固定できる。1つ以上の拘束リブ135は、これらに限定されないが、縫製、機械的クランプ、幾何学的干渉、直接的な統合などを含む様々な適切な方法で、ベローズアクチュエータ130に連結され得る。他の実施形態では、拘束リブ135は、拘束リブ135がベローズアクチュエータ130の長さに沿って浮遊し、所定の接続箇所でベローズアクチュエータ130に固定されないように構成することができる。いくつかの実施形態では、拘束リブ135は、ベローズアクチュエータ130の断面積を制限するように構成することができる。例示的な実施形態は、楕円形の断面を有する拘束リブ135に取り付けられた管状ベローズアクチュエータ130を含むことができ、いくつかの例で、ベローズアクチュエータ130が膨張したときにその位置でベローズアクチュエータ130の幅を縮小する構成であってよい。
【0161】
ベローズアクチュエータ130は、脚部アクチュエータユニット110の作動流体を収容すること、脚部アクチュエータユニット110の作動圧力に関連する力に抵抗することなどを含め、いくつかの実施形態において様々な機能を有することができる。様々な例において、脚部アクチュエータユニット110は、周囲圧力を上回る、下回る、またはほぼ周囲圧力で、流体の圧力にて作動することができる。様々な実施形態において、ベローズアクチュエータ130は、周囲圧力を超えるよう加圧されたときに所望されるものを超える、ベローズアクチュエータ130の膨張(例えば、力の付与または運動の意図された方向以外の方向で望まれるものを超えるもの)に抵抗するために、1つ以上の可撓性であるが非伸張性または実質的に非伸張性の材料を含むことができる。加えて、ベローズアクチュエータ130は、アクチュエータ流体を収容するために不浸透性または半不浸透性の材料を含むことができる。
【0162】
例えば、いくつかの実施形態では、ベローズアクチュエータ130は、織られたナイロン、ゴム、ポリクロロプレン、プラスチック、ラテックス、布地などの可撓性シート材料を含むことができる。したがって、いくつかの実施形態では、ベローズアクチュエータ130は、平面材料の1つ以上の平面軸に沿って実質的に非伸長性であるが、他の方向には可撓性である平面材料で作ることができる。例えば、
図17は、平面材料1700(例えば布地)の側面図を示し、この平面材料1700は、この材料の平面と一致する軸Xに沿って実質的に非伸長性であるが、軸Zを含む他の方向には可撓性である。
図17の例では、材料1700は、Z軸に沿って上向き及び下向きに屈曲するが、X軸に沿って非伸長性であることが示されている。様々な実施形態では、軸Xのように材料1700の平面とも一致しており、軸Xに垂直である軸Y(図示せず)にも沿って材料1700が非伸長性であり得る。
【0163】
いくつかの実施形態では、ベローズアクチュエータ130は、材料の1つ以上の軸に沿って非伸長性である非平面の織布材料で作製することができる。例えば、一実施形態では、ベローズアクチュエータ130は、織布製チューブを含むことができる。織布材料は、ベローズアクチュエータ130の長さに沿って円周方向に伸張性を提供することができる。そのような実施形態は、依然として、ユーザ101の身体に沿って、身体101の所望のジョイント(例えば、膝103)の軸と整列するように構成することができる。
【0164】
様々な実施形態において、ベローズアクチュエータ130は、互いに拘束された距離である拘束された内面の長さ及び/または外面の長さを使用することにより、結果として生じる力を発生させることができる(例えば、上記の非伸張性材料による)。いくつかの例では、そのような設計により、アクチュエータはベローズアクチュエータ130で収縮することができるが、特定のしきい値まで加圧されると、ベローズアクチュエータ130は脚部アクチュエータユニット110のプレート140を押すことにより、軸方向に力を向けることができ、その理由はベローズアクチュエータ130の本体によって規定される最大の長さを超えてその長さを伸ばすことができないため、ベローズアクチュエータ130はさらに体積部を拡張することができないからである。
【0165】
換言すれば、ベローズアクチュエータ130は、チャンバを画定する実質的に非伸長性の織物製エンベロープを含むことができ、このチャンバは、実質的に非伸長性の織物製エンベロープ内に含まれる流体不浸透性ブラダ、及び/または実質的に非伸長性の織物製エンベロープ内に組み込まれた流体不浸透性構造によって流体不浸透性になる。実質的に非伸長性の織物製エンベロープは、実質的に非伸長性の織物製アクチュエータの過度の変位を防止するために、所定の幾何学的形状と、チャンバの加圧時に機械的停止を提供する変位での非線形平衡状態とを有することができる。
【0166】
いくつかの実施形態では、ベローズアクチュエータ130はエンベロープを含むことができ、このエンベロープは、本明細書で論じられるような様々な適切な動きを規定することができる非伸長性織物(例えば、非伸長性の編物、織布、不織布など)からなる、または本質的にそれらからなる。非伸長性の織物製ベローズアクチュエータ130は、特定の平衡状態(例えば、圧力の増加にもかかわらず安定している最終状態または形状)、圧力/剛性比、及び運動経路で設計することができる。いくつかの例での非伸長性の織物製ベローズアクチュエータ130は、非伸長性材料が力の方向性をより最適に制御することを可能にするため、大きい力を正確に伝えるように構成することができる。
【0167】
したがって、非伸長性の織物製ベローズアクチュエータ130のいくつかの実施形態は、所定の幾何学的形状を有することができ、この所定の幾何学的形状は、チャンバ内側の圧力が相対的に上昇している間の織物製エンベロープの伸縮を介してではなく、織物製エンベロープの変位が原因で、非膨張形状とその平衡状態の所定の幾何学的形状(例えば、完全膨張形状)との間の幾何学的形状における変化を主に介して変位を生じる。様々な実施形態では、これは、ベローズアクチュエータ130のエンベロープの構造に非伸長性材料を使用することで達成することができる。本明細書で説明されるように、いくつかの例では、「非伸長性」または「実質的に非伸長性」は、1つ以上の方向での10%以下、5%以下、または1%以下までの拡張として定義することができる。
【0168】
図16aは、別の実施形態によるベローズアクチュエータ130を含む空気圧アクチュエータユニット110の断面図を示し、
図16bは、
図16aの断面を示す拡張構成における
図16aの空気圧アクチュエータユニット110の側面図を示す。
図16aに示すように、ベローズアクチュエータ130は、ベローズ空洞131を画定する内側第1層132を含むことができ、第1層132と第2層133の間に配置された第3層134を有する外側第2層133を含むことができる。この記載全体に亘って、ベローズアクチュエータ130の構造を説明するための「層」という用語の使用は、設計を限定するものとみなされるべきではない。「層」の使用は、平面材料シート、湿式フィルム、乾式フィルム、ゴム引きコーティング、共成形構造などを含むがこれらに限定されない様々な設計を指すことができる。
【0169】
いくつかの例では、内側第1層132は、アクチュエータ流体(例えば、空気)に対して不浸透性または半浸透性の材料を含むことができ、外側第2層133は、本明細書で説明する非伸張性材料を含むことができる。例えば、本明細書で説明されるように、不浸透性層は不浸透性または半浸透性層を示し、非伸張性層は非伸張性または実質的に非伸張性の層を示し得る。
【0170】
2つ以上の層を含むいくつかの実施形態では、内側層132は、内部の力を高強度の非伸張性の外側第2層133に伝達できるように、非伸張性の外側第2層133に比べてわずかに大きくすることができる。一実施形態は、不浸透性ポリウレタンポリマーフィルム内側第1層132、及び外側第2層133として織られたナイロンブレードを有するベローズアクチュエータ130を含む。
【0171】
ベローズアクチュエータ130は、さらなる実施形態において様々な適切な方法で構成することができ、これは、流体不浸透性を付与し、十分に非伸張性である材料で構成される単一層設計を含むことができる。他の例には、単一構造に共に固定された複数の積層層を含む複合式ベローズアセンブリが含まれる。いくつかの例では、脚部アクチュエータユニット110の動作範囲を最大化するために、ベローズアクチュエータ130の収縮したスタックの高さを制限する必要があり得る。そのような例では、ベローズアクチュエータ130の他の能力の必要性を満たす、厚さの薄い織布を選択することが望ましい場合がある。
【0172】
さらに別の実施形態では、ベローズアクチュエータ130の様々な層間の摩擦を低減することが望ましい場合がある。一実施形態では、これは、第1層132と第2層133の間の耐摩耗及び/または低摩擦中間層として作用する第3層134を統合することを含むことができる。他の実施形態は、湿式潤滑剤、乾式潤滑剤、または低摩擦材料の複数層の使用を含むがこれらに限定されない代替または追加の方法で、第1層132と第2層133との間の摩擦を減少させることができる。したがって、
図14aの例は、3層132、133、134を含むベローズアクチュエータ130の一例を示しているが、さらなる実施形態は、1、2、3、4、5、10、15、25などを含む、任意の適切な数の層を有するベローズアクチュエータ130を含むことができる。そのような1つ以上の層は、隣接する面に沿って部分的または全体的に結合することができ、いくつかの例は層間に1つ以上の空洞を画定する。そのような例では、潤滑剤または他の適切な流体などの材料をそのような空洞に配置することができ、またはそのような空洞を効果的に空にすることができる。加えて、本明細書に記載されるように、1つ以上の層(例えば、第3層134)は、いくつかの例に示されるようなシートまたは平面材料層である必要はなく、代わりに流体によって画定される層を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、第3層134は、湿式潤滑剤、乾式潤滑剤などによって画定され得る。
【0173】
ベローズアクチュエータ130の膨張した形状は、いくつかの実施形態では、ベローズアクチュエータ130及び/または脚部アクチュエータユニット110の動作にとって重要であり得る。例えば、ベローズアクチュエータ130の膨張形状は、ベローズアクチュエータ130の不浸透性及び非伸張性部分(例えば、第1層132及び第2層133)の両方の設計により影響を受ける可能性がある。様々な実施形態では、収縮構成では直観的ではない可能性がある様々な二次元パネルから、ベローズアクチュエータ130の層132、133、134の1つ以上を構築することが望ましい場合がある。
【0174】
いくつかの実施形態では、ベローズ空洞131内に1つ以上の不浸透性層を配置することができ、及び/またはベローズアクチュエータ130は、所望の流体を保持できる材料(例えば、本明細書で議論した流体不浸透性の第一内側層132)を含むことができる。ベローズアクチュエータ130は、本明細書に記載のようにベローズアクチュエータ130が拡張または収縮したときに膨張及び収縮するように動作可能な、可撓性、弾性、または変形可能な材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、ベローズアクチュエータ130は、収縮構成に向かって付勢することができ、ベローズアクチュエータ130が弾性的で、膨張していないときに収縮構成に戻る傾向がある。さらに、本明細書に示されるベローズアクチュエータ130は、流体で膨張すると拡張及び/または伸長するように構成されるが、いくつかの実施形態では、ベローズアクチュエータ130は、いくつかの例で流体にて膨張するとき短縮及び/または収縮するように構成できる。また、本明細書で使用される「ベローズ」という用語は、決して限定的なものと解釈されるべきではない。例えば、本明細書で使用される「ベローズ」という用語は、畳み込みまたは他のそのような特徴などの要素を必要とするように解釈されるべきではない(いくつかの実施形態では畳み込みベローズアクチュエータ130が存在し得るが)。本明細書で説明するように、ベローズアクチュエータ130は、様々な適切な形状、サイズ、比率などをとることができる。
【0175】
ベローズアクチュエータ130は、様々な実施形態にわたって大幅に変わることができるため、本例は限定的であると解釈されるべきではない。ベローズアクチュエータ130の好ましい一実施形態は、本明細書で説明される膝伸展トルクを提供するように構成された布ベースの空気圧アクチュエータを含む。この実施形態の変形は、均一な断面ではない布製アクチュエータなどのアクチュエータの所望のパフォーマンス特性を提供するようにアクチュエータを合わせるために存在することができる。他の実施形態は、電気機械式アクチュエータを使用することができ、この電気機械式アクチュエータは、流体ベローズアクチュエータ130の代わりに、またはそれに加えて、膝に屈曲及び伸展トルクを与えるように構成することができる。様々な実施形態は、下肢ジョイントの伸展または屈曲の正の動力または負の動力の補助のために、電気機械、油圧、空気圧、電磁気、または静電の組み合わせを組み込む設計を含むことができるが、これらに限定されない。
【0176】
また、アクチュエータのベローズアクチュエータ130は、特定の設計により必要に応じて様々な位置にあることができる。一実施形態は、膝ジョイントの軸に沿って位置しており、ジョイント自体と平行に位置決めされている、動力膝部装具構成要素のベローズアクチュエータ130を配置する。様々な実施形態は、ジョイントと直列に構成されたアクチュエータ、ジョイントの前側に構成されたアクチュエータ、及びジョイントの周りに静止するように構成されたアクチュエータを含むが、これらに限定されない。
【0177】
ベローズアクチュエータ130の様々な実施形態は、作動の動作を拡張する二次的特徴を含むことができる。そのような一実施形態は、ベローズアクチュエータ130に対して許容可能な可動域を制限するために、ユーザが調整可能な機械的ハードエンドストップを含むものである。様々な実施形態は、以下の伸展特徴、すなわち、可撓性エンドストップの包含、電気機械的ブレーキの包含、電磁ブレーキの包含、磁気ブレーキの包含、ジョイントをアクチュエータから機械的に切り離すために機械的に係脱するスイッチの包含、またはアクチュエータ構成要素の迅速な交換を可能にするクイックリリースの包含を含むことができるが、これらに限定されない。
【0178】
様々な実施形態では、ベローズアクチュエータ130は、米国特許第9,821,475号として発行された2013年10月25日に出願された関連する米国特許出願公開第14/064,071号に記載されているような、2013年10月25日に出願された米国特許出願公開第14/064,072号に記載されているような、2017年11月27日に出願された米国特許出願公開第15/823,523号に記載されているような、または2017年3月29日に出願された米国特許出願公開第15/472,740号に記載されているような、ベローズ及び/またはベローズシステムを含むことができる。
【0179】
一部の用途において、流体アクチュエータユニット110の設計は、その能力を拡張するために調整され得る。このような修正の一例は、トルクがジョイント構造125の角度に応じて変化するように、流体アクチュエータユニット110の回転構成のトルクプロファイルを調整するために行うことができる。これを達成するために、いくつかの例で、ベローズアクチュエータ130の断面を操作して、全体的な流体アクチュエータユニット110の所望のトルクプロファイルを強制することができる。一実施形態では、ベローズアクチュエータ130の直径をベローズアクチュエータ130の長手方向中心で小さくして、ベローズアクチュエータ130の完全な伸長時に、全体的な力の能力を低下させることができる。さらに別の実施形態では、ベローズアクチュエータ130の断面積を変更して、ベローズアクチュエータ130が望ましくない構成にならないように所望の座屈挙動を誘発することができる。例示的な実施形態において、回転構成のベローズアクチュエータ130の端部構成は、アクチュエータユニット110の所定のジョイントの角度を越えて延びるまで荷重下で座屈するベローズアクチュエータ130の端部を設けるために、名目上の直径からわずかに減少した端部の面積を有することができ、この箇所で、ベローズアクチュエータ130のより短い径の端部が膨張し始める。
【0180】
他の実施形態では、この同じ能力は、拘束リブ135の挙動を修正することにより発展させることができる。例示的実施形態として、前の実施形態で説明したベローズアクチュエータ130と同じ例を使用して、2つの拘束リブ135を、ベローズアクチュエータ130の長さに沿って、均等に分布する場所で、そのようなベローズアクチュエータ130に固定することができる。いくつかの例では、部分的に膨張した座屈に抵抗するという目標は、アクチュエータユニット110が閉じるときにベローズアクチュエータ130を制御された方法で閉じることにより、対処することができる。拘束リブ135は、ジョイント構造125に近づくが、ジョイント構造125に対して底に達するまで互いに近づくことはできない。これにより、ベローズアクチュエータ130の中央部分が完全に膨張した状態にとどまることができ、いくつかの例では、ベローズアクチュエータ130の最も強い構成になり得る。
【0181】
さらなる実施形態では、ベローズアクチュエータ130の特定の能力特性を調整するために、ベローズアクチュエータ130の個々の編組または織りの繊維の角度を最適化することが望ましい場合がある(例えば、ベローズアクチュエータ130が編組または織布により付与される非伸縮性を含む例において)。他の実施形態では、アクチュエータユニット110のベローズアクチュエータ130の形状を操作して、ロボット外骨格システム100が異なる特性で動作できるようにすることができる。そのような修正のための例示的な方法は、以下を含むことができるが、これらに限定されない。すなわち、ベローズアクチュエータ130上のスマート材料を使用して、コマンドでベローズアクチュエータ130の機械的挙動を操作すること、または、ベローズアクチュエータ130の作動長さを短くする、及び/または断面積を減らすなどの手段によるベローズアクチュエータ130の幾何学的形状の機械的修正をすることである。
【0182】
さらなる例では、流体アクチュエータユニット110は単一のベローズアクチュエータ130または複数のベローズアクチュエータ130の組み合わせを含むことができ、それぞれが独自の組成、構造、及び幾何形状を有する。例えば、いくつかの実施形態は、必要に応じて係合することができる同じジョイントアセンブリ125に平行または同心円状に配置された複数のベローズアクチュエータ130を含むことができる。例示的な一実施形態では、ジョイントアセンブリ125は、互いに直接隣接して平行に配置された2つのベローズアクチュエータ130を有するように構成することができる。外骨格システム100は、所望の機械的構成で同じ流体アクチュエータユニット110によって様々な量の力が出力されることを可能にするために、必要に応じて各ベローズアクチュエータ130と係合することを選択的に選択できる。
【0183】
さらなる実施形態では、流体アクチュエータユニット110は、ベローズアクチュエータ130または流体アクチュエータユニット110の他の部分の圧力、力、またはひずみを直接的または間接的に推定するために使用できる、ベローズアクチュエータ130または流体アクチュエータユニット110の他の部分の機械的特性を測定するための様々な適切なセンサを含むことができる。いくつかの実施形態には特定のセンサを望ましい機械的構成に統合することに関連する困難性があるが、他のものはより適切なものがあるということにより、いくつかの例は、流体アクチュエータユニット110に配置されたセンサが望ましい場合がある。流体アクチュエータユニット110のそのようなセンサは、外骨格デバイス610に動作可能に接続することができ(
図6参照)、外骨格デバイス610は、流体アクチュエータユニット110のそのようなセンサからのデータを使用して外骨格システム100を制御することができる。
【0184】
本明細書で説明されるように、様々な適切な外骨格システム100は、様々な適切な方法で、様々な適切な用途に使用することができる。しかし、そのような例は、本開示の範囲及び精神内にある多種多様な外骨格システム100またはその一部を制限するものと解釈されるべきではない。したがって、
図1~5の例よりも多少複雑な外骨格システム100は、本開示の範囲内である。
【0185】
さらに、様々な例は、ユーザの脚部または下半身に関連する外骨格システム100に関するが、さらなる例は、胴体、腕、頭、脚部などを含むユーザの身体のいずれかの適切な部分に関連し得る。また、様々な例が外骨格に関係しているが、本開示が人工装具、体内移植片、ロボットなどを含む他の類似のタイプの技術に適用できることは、明らかであるはずである。さらに、いくつかの例は人間のユーザに関連する可能性があるが、他の例は動物のユーザ、ロボットのユーザ、様々な形態の機械などに関連し得る。
【0186】
本開示の実施形態は、以下の条項を考慮して説明され得る。
条項1。
ユーザの左脚部及び右脚部に結合されるように構成された左脚部及び右脚部アクチュエータユニットであって、前記左脚部及び右脚部アクチュエータユニットが各々、
ジョイントを介して回転可能に結合された上部アーム及び下部アームであって、前記ジョイントが前記ユーザの膝に配置され、前記上部アームが前記膝の上の前記ユーザの上脚部分に結合され、前記下部アームが前記膝の下の前記ユーザの下脚部分に結合されている、上部アーム及び下部アームと、
前記上部アームと前記下部アームの間に延びるベローズアクチュエータと、を含む左脚部及び右脚部アクチュエータユニットと、
別個の第1及び第2の空気圧動力トランスミッションであって、各々が、
流体を保持するように構成されたトランスミッションチャンバを画定するトランスミッション本体であって、第1及び第2の端部を有する前記トランスミッション本体と、
前記トランスミッション本体内で軸Xに沿って延びるリードねじであって、前記リードねじが、前記トランスミッション本体の前記第1の端部に回転可能に結合されているリードねじと、
前記リードねじの回転を介して前記トランスミッション本体の前記第1と第2の端部の間で前記トランスミッションチャンバ内を並進するピストンであって、前記トランスミッションチャンバ内での前記ピストンの並進によって前記トランスミッションチャンバの容積が変化し、前記ピストンが前記トランスミッション本体の内壁に係合して流体不浸透性シールを生成し、前記トランスミッションチャンバ内での前記ピストンの回転を防止する非円形周辺プロファイルを有するピストンと、を含む、第1及び第2の空気圧動力トランスミッションと、
前記第1及び第2の空気圧動力トランスミッションの前記リードねじにそれぞれ結合された第1及び第2の機械的動力源であって、前記それぞれのリードねじを独立して回転させ、前記それぞれのピストンを前記それぞれのトランスミッション本体内で並進させ、前記それぞれのトランスミッション空洞の前記容積を変化させるように構成された前記第1及び第2の機械的動力源と、
前記第1及び第2の空気圧動力トランスミッションを、前記左脚部及び右脚部アクチュエータユニットの前記流体ベローズアクチュエータのそれぞれの1つにそれぞれ結合する第1及び第2の流体ラインと、を備え、
前記第1の流体ラインが、前記第1の空気圧動力トランスミッションの前記トランスミッションチャンバと前記左脚部アクチュエータユニットの前記流体ベローズアクチュエータを流体的に結合して、第1の作動流体容積を画定し、
前記第2の流体ラインが、前記第2の空気圧動力トランスミッションの前記トランスミッションチャンバと前記右脚部アクチュエータユニットの前記流体ベローズアクチュエータを流体的に結合して、第1の作動流体容積を画定する、外骨格システム。
条項2。
前記第1及び第2の機械的動力源が、複数の圧力を含む複数のセンサから得られたデータに少なくとも部分的に基づいて、外骨格デバイスによって制御される、条項1に記載の外骨格システム。
条項3。
前記第1及び第2の機械的動力源ならびに前記第1及び第2の空気圧動力トランスミッションが、前記ユーザが着用するように構成されたバックパック内に配置される、条項1または2に記載の外骨格システム。
条項4。
前記左脚部及び右脚部アクチュエータユニットの前記流体ベローズアクチュエータに弁が存在せず、前記第1及び第2の空気圧動力トランスミッションに弁が存在せず、前記第1及び第2の流体ラインに弁が存在しない、条項1~3のいずれか1項に記載の外骨格システム。
条項5。
第1及び第2の流体ベローズアクチュエータと、
別個の第1及び第2の空気圧動力トランスミッションであって、各々が、
流体を保持するように構成されたトランスミッションチャンバを画定するトランスミッション本体であって、第1及び第2の端部を有する前記トランスミッション本体と、
前記トランスミッション本体内で軸Xに沿って延びるねじであって、前記トランスミッション本体の前記第1の端部に回転可能に結合されている前記ねじと、
前記ねじの回転を介して前記トランスミッション本体の前記第1と第2の端部の間で前記トランスミッションチャンバ内で並進するピストンであって、前記トランスミッションチャンバ内の前記ピストンの並進により前記トランスミッションチャンバ内の容積が変化し、前記トランスミッション本体の内壁と係合して流体不浸透性シールを生成する前記ピストンと、
前記第1及び第2の空気圧動力トランスミッションの前記ねじにそれぞれ結合された第1及び第2の機械的動力源であって、前記それぞれのねじを独立して回転させて、前記それぞれのピストンを前記それぞれのトランスミッション本体内で並進させ、前記それぞれのトランスミッション空洞の前記容積を変化させるように構成された前記第1及び第2の機械的動力源と、
前記第1の空気圧動力トランスミッションを前記第1の流体ベローズアクチュエータに結合する第1の流体ラインと、
前記第2の空気圧動力トランスミッションを前記第2の流体ベローズアクチュエータに結合する第2の流体ラインと、を備える外骨格システム。
条項6。
前記ピストンが、前記トランスミッション本体の内壁と係合して流体不浸透性シールを生成する非円形の周辺プロファイルを有する、条項5に記載の外骨格システム。
条項7。
前記第1の流体ラインが、前記第1の空気圧動力トランスミッションの前記トランスミッションチャンバと前記左脚部アクチュエータユニットの前記流体ベローズアクチュエータとを流体的に結合して第1の作動流体容積を画定し、
前記第2の流体ラインが、前記第2の空気圧動力トランスミッションの前記トランスミッションチャンバと前記右脚部アクチュエータユニットの前記流体ベローズアクチュエータとを流体的に結合して、第1の作動流体容積を画定する、条項5または6に記載の外骨格システム。
条項8。
ユーザの左右のジョイントにそれぞれ結合されるように構成された左右のジョイントアクチュエータユニットをさらに備え、前記左右のジョイントアクチュエータユニットはそれぞれ前記第1及び第2の流体ベローズを含む、条項5~7のいずれか1項に記載の外骨格システム。
条項9。
前記第1及び第2の機械的動力源ならびに前記第1及び第2の空気圧動力トランスミッションが、前記ユーザが着用するように構成されたバックパック内に配置される、条項5~8のいずれか1項に記載の外骨格システム。
条項10。
前記左脚部及び右脚部アクチュエータユニットの前記流体ベローズアクチュエータに弁が存在せず、前記第1及び第2の空気圧動力トランスミッションに弁が存在せず、前記第1及び第2の流体ラインに弁が存在しない、条項5~9のいずれか1項に記載の外骨格システム。
条項11。
流体アクチュエータと、
以下を含む動力伝達:
流体を保持するように構成されたトランスミッションチャンバを画定するトランスミッション本体であって、第1及び第2の端部を有する前記トランスミッション本体と、
前記トランスミッション本体の前記第1と第2の端部の間の前記トランスミッションチャンバ内で並進するピストンであって、前記トランスミッションチャンバ内での前記ピストンの並進によって前記トランスミッションチャンバの容積が変化する前記ピストンと、を含む動力トランスミッションと、
それぞれのトランスミッション本体内で前記ピストンを並進させて前記トランスミッション空洞の前記容積を変化させるように構成された、前記動力トランスミッションに結合された機械的動力源と、
前記動力トランスミッションを前記流体アクチュエータに結合する第1の流体ラインと、を備える外骨格システム。
条項12。
ねじが前記トランスミッション本体内で軸Xに沿って延び、前記ねじが前記トランスミッション本体の前記第1の端部に回転可能に結合される、条項11に記載の外骨格システム。
条項13。
前記ピストンが、前記ねじの回転を介して、前記トランスミッション本体の前記第1と第2の端部の間で前記トランスミッション室内で並進する、条項12に記載の外骨格システム。
条項14。
前記機械的動力源が、動力トランスミッションの前記ねじに結合され、前記ねじを回転させて前記ピストンを前記トランスミッション本体内で並進させて前記トランスミッション空洞の前記容積を変化させるように構成されている、条項12または13に記載の外骨格システム。
条項15。
前記ピストンが前記トランスミッション本体の内壁と係合して、流体不浸透性シールを生成する、条項11~14のいずれか1項に記載の外骨格システム。
条項16。
前記ピストンが非円形の周辺プロファイルを有する、条項11~15のいずれか1項に記載の外骨格システム。
条項17。
前記流体ラインが前記動力トランスミッションの前記トランスミッションチャンバと前記流体アクチュエータとを流体的に結合して作動流体容積を画定する、条項11~16のいずれか1項に記載の外骨格システム。
条項18。
ユーザのジョイントに結合されるように構成されたジョイントアクチュエータユニットをさらに備え、前記ジョイントアクチュエータユニットが前記流体アクチュエータを含む、条項11~17のいずれか1項に記載の外骨格システム。
条項19。
前記機械的動力源及び前記動力トランスミッションが、前記ユーザによって着用されるように構成されたバックパック内に配置される、条項11~18のいずれか1項に記載の外骨格システム。
条項20。
前記流体アクチュエータに弁が存在せず、前記動力トランスミッションに弁が存在せず、前記流体ラインに弁が存在しない、条項11~19のいずれか1項に記載の外骨格システム。
【0187】
説明される実施形態は、様々な修正及び代替形態が可能であり、その具体例は、図面に例として示されており、本明細書で詳細に説明されている。しかしながら、説明される実施形態は、開示される特定の形態または方法に限定されるべきではなく、逆に、本開示は、全ての修正、均等物、及び代替物を含むことを理解されたい。さらに、所与の実施形態の要素は、その例示的な実施形態のみに適用可能であると解釈されるべきではなく、したがって、例示的な一実施形態の要素は他の実施形態に適用可能である。さらに、例示的な実施形態に具体的に示される要素は、それらのような要素を含む、それらから本質的になる、もしくはそれらからなる実施形態を含めると解釈されるべきであり、またはそれらのような要素は、さらなる実施形態に明示的に存在しなくてもよい。したがって、一例に存在する要素の記載は、そのような要素が明示的に存在しないいくつかの実施形態を支持すると解釈されるべきである。
【国際調査報告】