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特表2023-528045外装材及び外装材を利用したバッテリ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-03
(54)【発明の名称】外装材及び外装材を利用したバッテリ
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/133 20210101AFI20230626BHJP
   H01M 50/105 20210101ALI20230626BHJP
   H01M 50/145 20210101ALI20230626BHJP
   H01M 50/121 20210101ALI20230626BHJP
   H01M 50/129 20210101ALI20230626BHJP
   H01M 50/136 20210101ALI20230626BHJP
【FI】
H01M50/133
H01M50/105
H01M50/145
H01M50/121
H01M50/129
H01M50/136
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022573628
(86)(22)【出願日】2021-12-14
(85)【翻訳文提出日】2022-12-02
(86)【国際出願番号】 KR2021018921
(87)【国際公開番号】W WO2022145809
(87)【国際公開日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】10-2020-0185043
(32)【優先日】2020-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518050539
【氏名又は名称】リベスト インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】LIBEST INC.
【住所又は居所原語表記】(Munji-dong, KAIST Munji Campus) T306, 193 Munji-ro, Yusung-gu, Daejeon 34051, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100128783
【弁理士】
【氏名又は名称】井出 真
(74)【代理人】
【識別番号】100128473
【弁理士】
【氏名又は名称】須澤 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100160886
【弁理士】
【氏名又は名称】久松 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジュ ソン
(72)【発明者】
【氏名】イム,スン ギュ
(72)【発明者】
【氏名】イ,ギル ジュ
(72)【発明者】
【氏名】キム,ゼ フン
【テーマコード(参考)】
5H011
【Fターム(参考)】
5H011AA01
5H011BB03
5H011CC02
5H011CC10
5H011DD13
5H011KK01
5H011KK04
(57)【要約】
バッテリに使用される外装材は、遮断層と、前記遮断層の何れか一面に形成される第1の機能層と、前記遮断層の他面に形成される第2の機能層と、前記遮断層の少なくとも一面に形成された腐食防止層(Anti-Corrosion layer)とを含み、前記第1の機能層は、封止層を含む1つ以上の樹脂層により構成され、前記第2の機能層は、前記遮断層の厚さよりも厚く、前記外装材の全体厚さの33%以上の厚さを有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリに使用される外装材において、
遮断層と、
前記遮断層の何れか一面に形成される第1の機能層と、
前記遮断層の他面に形成される第2の機能層と、
前記遮断層の少なくとも一面に形成された腐食防止層(Anti-Corrosion layer)とを含み、
前記第1の機能層は、封止層を含む1つ以上の樹脂層により構成され、
前記第2の機能層は、前記遮断層の厚さよりも厚く、前記外装材の全体厚さの33%以上の厚さを有する、外装材。
【請求項2】
前記遮断層は、25μm以上の厚さを有し、
前記外装材の全体厚さは、100μm~300μmに構成される、請求項1に記載の外装材。
【請求項3】
前記第2の機能層が内部に位置するように前記外装材をフォールディングする場合、前記フォールディングされた遮断層の曲率半径は0.03mm以上である、請求項1に記載の外装材。
【請求項4】
前記封止層は、前記遮断層の厚さ以上であり、25μm以上の厚さを有する、請求項1に記載の外装材。
【請求項5】
前記第1の機能層は、前記封止層よりも融点が高い強化樹脂層をさらに含む、請求項1に記載の外装材。
【請求項6】
前記強化樹脂層は、前記腐食防止層の厚さよりも厚く、10μm以上の厚さを有する、請求項5に記載の外装材。
【請求項7】
前記強化樹脂層は、前記封止層の厚さに対して0.25~4.2倍の厚さを有する、請求項5に記載の外装材。
【請求項8】
前記外装材は、曲げ性のあるフレキシブルバッテリに使用される、請求項1に記載の外装材。
【請求項9】
外装材を利用するバッテリにおいて、
遮断層と、前記遮断層の何れか一面に形成される第1の機能層と、前記遮断層の他面に形成される第2の機能層と、前記遮断層の少なくとも一面に形成された腐食防止層(Anti-Corrosion layer)とを含む外装材と、
前記外装材の間に挿入された電極組立体と、
前記外装材のうち前記電極組立体を封止する封止部と
を含み、
前記第1の機能層は、封止層を含む1つ以上の樹脂層により構成され、
前記第2の機能層は、前記遮断層の厚さよりも厚く、前記外装材の全体厚さの33%以上の厚さを有する、バッテリ。
【請求項10】
前記封止部に対して熱融着プロセスを行い、前記封止部に含まれた封止層を熱変形させることで、前記封止部の周辺に位置した封止周辺部に生成された不均一レイヤをさらに含む、請求項9に記載のバッテリ。
【請求項11】
前記不均一レイヤの生成によって前記封止部及び前記不均一レイヤが生成された封止周辺部の間で厚さの差が発生する、請求項10に記載のバッテリ。
【請求項12】
前記第1の機能層は、強化樹脂層をさらに含み、
前記強化樹脂層は、前記腐食防止層と前記封止層との間に形成され、前記腐食防止層の厚さよりも厚く、10μm以上の厚さを有する、請求項10に記載のバッテリ。
【請求項13】
前記熱融着プロセスは、120℃~190℃の温度において行われ、
前記強化樹脂層は、前記封止層よりも融点の高いポリマー(polymer)により構成される、請求項12に記載のバッテリ。
【請求項14】
前記不均一レイヤが生成された封止周辺部は、前記強化樹脂層に基づき、前記封止部の厚さの300%以内の厚さを有するように構成される、請求項13に記載のバッテリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外装材及び外装材を利用したバッテリに関する。
【背景技術】
【0002】
電気化学セル(electrochemical cell)は、少なくとも2つの電極、並びに電解質により構成され、電気エネルギーを提供することのできる組立体を意味し、特に、充電及び放電が可能な二次電池(secondary cell)により構成されるリチウムイオンバッテリは、スマートフォンを含む各種の先端電子機器に広く使用されている。
【0003】
最近は、スマートフォンを含むモバイルデバイス、各種ウェアラブルデバイスのデザインにおいて従来の形状から脱皮した様々な試みがなされており、さらに、機能を維持しつつ曲げられることのできるフレキシブル機器に対する注目度が高くなっている。そこで、このようなフレキシブルデバイスに内蔵し、電源として使用できるフレキシブル電気化学セルに対して機能及び安全性を確保することが重要である。
【0004】
フレキシブルバッテリを繰り返して曲げたり広げたりする場合、外装材が破損される恐れがある。外装材が大きく破損されれば内部の電解液の液漏れが発生し得る。また、外装材に軽微な破損が発生した場合も、大気中の水分がバッテリの内部へ浸透してバッテリのスウェリング(swelling)現象が誘発され、電極が損傷してバッテリの容量及び出力が減少し得る。
【0005】
よって、バッテリが曲げられる部位で発生する圧縮応力と引張応力を吸収することでフレキシブルバッテリの外装材が破損することを防止するために、外装材に対して上下金型プレスを通じたパターン加工を実施する。パターン加工された外装材は、初期弾性率(初期弾性係数)が高くなるので、バッテリが曲げられる際に外装材に作用する力が、何れか一方に力が集中するよりは分散される。これにより、外装材及び内部に収容された電極組立体が何れか一部で激しく折られることがなくなる。
【0006】
一方、外装材のパターンは、深く成形される必要はないが、繰り返して発生するバッテリの曲げ、反り、フォールディング、ツイストなどによる外装材の破損を最小化し、バッテリの耐久性を向上させる必要がある。
【0007】
しかし、外装材にパターン加工を実施することにより、外装材及び内部に収容された電極組立体が折られることを防止し、外装材の破損を最小化することはできるものの、外装材が封止された部分とパターンが加工された部分が隣接する外装材のパターンエッジ(Edge)部分で破損が発生する。
【0008】
このような問題は、バッテリに変形を与える場合、曲率半径が大きい部分では破損が殆どないが、相対的に曲率半径が小さい外装材のパターンエッジ(Edge)部分ではクラック及びピンホールなどの外装材の破損が発生する。
【0009】
よって、外装材のパターンエッジ(Edge)部分における破損を防止するために、フレキシブルバッテリの耐久性を高め、一般のバッテリとは差別化された高耐久性の外装材の開発が要求されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】韓国出願公開第2005-0052069号明細書(2005年6月2日付にて公開)
【特許文献2】特開第2013-218991号公報(2013年10月24日付にて公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためのものであり、遮断層と、遮断層の何れか一面に形成される第1の機能層と、遮断層の他面に形成される第2の機能層と、遮断層の少なくとも一面に形成された腐食防止層(Anti-Corrosion layer)とを含み、第1の機能層は、封止層を含む1つ以上の樹脂層により構成され、第2の機能層は、遮断層の厚さよりも厚く、外装材の全体厚さの33%以上の厚さを有する外装材を提供することを目的とする。
【0012】
遮断層と、遮断層の何れか一面に形成される第1の機能層と、遮断層の他面に形成される第2の機能層と、遮断層の少なくとも一面に形成された腐食防止層(Anti-Corrosion layer)とを含む外装材と、外装材の間に挿入された電極組立体と、外装材のうち電極組立体を封止する封止部とを含み、第1の機能層は、封止層を含む1つ以上の樹脂層により構成され、第2の機能層は、遮断層の厚さよりも厚く、外装材の全体厚さの33%以上の厚さを有するバッテリを提供することを目的とする。
【0013】
外装材の第1の機能層は、封止層よりも融点が高い強化樹脂層をさらに含み、強化樹脂層を腐食防止層と封止層との間に形成することによって、外装材の封止周辺部に発生する不均一レイヤの形成を抑制する外装材を利用してバッテリを生成する方法を提供することを目的とする。
【0014】
本発明の一目的は、外装材のパターンエッジと封止周辺部において発生する破損を防止し、バッテリの変形による耐久性が向上するよう遮断層よりも第2の機能層を厚くする外装材及び外装材を利用したバッテリを提供することを目的とする。
【0015】
但し、本実施例が解決しようとする技術的課題は、上記したような技術的課題に限定されるものではなく、また他の技術的課題が存在し得る。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上述した技術的課題を解決するための手段として、本発明の一実施例は、バッテリに使用される外装材において、遮断層と、前記遮断層の何れか一面に形成される第1の機能層と、前記遮断層の他面に形成される第2の機能層と、前記遮断層の少なくとも一面に形成された腐食防止層(Anti-Corrosion layer)とを含み、前記第1の機能層は、封止層を含む1つ以上の樹脂層により構成され、前記第2の機能層は、前記遮断層の厚さよりも厚く、前記外装材の全体厚さの33%以上の厚さを有する外装材を提供しても良い。
【0017】
一実施例において、前記遮断層は、25μm以上の厚さを有し、前記外装材の全体厚さは、100μm~300μmに構成されても良い。
【0018】
一実施例において、前記第2の機能層が内部に位置するように前記外装材をフォールディングする場合、前記フォールディングされた遮断層の曲率半径は0.03mm以上であっても良い。
【0019】
一実施例において、前記封止層は、前記遮断層の厚さ以上であり、25μm以上の厚さを有しても良い。
【0020】
一実施例において、前記第1の機能層は、前記封止層よりも融点が高い強化樹脂層をさらに含み、前記強化樹脂層は、前記腐食防止層の厚さよりも厚く、10μm以上の厚さを有しても良い。
【0021】
一実施例において、前記強化樹脂層は、前記封止層の厚さに対して0.25~4.2倍の厚さを有しても良い。
【0022】
一実施例において、前記外装材は、曲げ性のあるフレキシブルバッテリに使用されても良い。
【0023】
本発明の他の実施例は、外装材を利用するバッテリにおいて、遮断層と、前記遮断層の何れか一面に形成される第1の機能層と、前記遮断層の他面に形成される第2の機能層と、前記遮断層の少なくとも一面に形成された腐食防止層(Anti-Corrosion layer)とを含む外装材と、前記外装材の間に挿入された電極組立体と、前記外装材のうち前記電極組立体を封止する封止部とを含み、前記第1の機能層は、封止層を含む1つ以上の樹脂層により構成され、前記第2の機能層は、前記遮断層の厚さよりも厚く、前記外装材の全体厚さの33%以上の厚さを有するバッテリを提供しても良い。
【発明の効果】
【0024】
上述した本発明の課題を解決するための手段の何れか1つによれば、本発明の外装材に、遮断層と、遮断層の何れか一面に形成される第1の機能層と、遮断層の他面に形成される第2の機能層と、遮断層の少なくとも一面に形成された腐食防止層とを含み、第1の機能層が、封止層を含む1つ以上の樹脂層により構成され、第2の機能層が、遮断層の厚さよりも厚く、外装材の全体厚さの33%以上の厚さを有する外装材を提供することができる。
【0025】
また、外装材内の遮断層の曲率半径を考慮し、外装材の第2の機能層を遮断層の厚さよりも厚くすることによって、外装材の封止部及びパターン部と隣接した部分である外装材のパターンエッジ部分において発生する破損を防止することができる。
【0026】
また、外装材の第1の機能層が強化樹脂層をさらに含むことによって、遮断層の曲率半径を大きくし、外装材の封止周辺部において生成される不均一レイヤの厚さを小さくすることで、バッテリの曲げ耐久性を向上させることができる。
【0027】
さらに、外装材の破損及び電解液の液漏れを防止することによって、バッテリの安全性及び耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1a】本発明の一実施例に係る外装材を含むバッテリを示す例示的な図である。
図1b】本発明の一実施例に係るバッテリの断面の形状を示す例示的な図である。
図2a】本発明の一実施例に係る多層構造で構成された外装材を示す例示的な図である。
図2b】本発明の一実施例に係る多層構造で構成された外装材を示す例示的な図である。
図2c】本発明の一実施例に係る多層構造で構成された外装材を示す例示的な図である。
図3a】本発明の一実施例に係る2枚の外装材を封止する過程を説明するための例示的な図である。
図3b】本発明の一実施例に係る2枚の外装材を封止する過程を説明するための例示的な図である。
図4】本発明の一実施例に係る多層構造で構成された外装材とバッテリの特性を比較評価した例示的な図である。
図5a】本発明の一実施例に係る第2の機能層の厚さに基づく外装材の遮断層の曲率半径と外装材のフォールディング評価を説明するための例示的な図である。
図5b】本発明の一実施例に係る第2の機能層の厚さに基づく外装材の遮断層の曲率半径と外装材のフォールディング評価を説明するための例示的な図である。
図6】本発明の一実施例に係る多層構造で構成された外装材のフォールディング評価を通じて第2の機能層の厚さに基づく外装材の耐久性を比較評価した例示的な図である。
図7】本発明の一実施例に係る外装材を利用してバッテリを生成する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下では、添付した図面を参照しながら、本発明の属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施できるように本願の実施例を詳しく説明する。ところが、本発明は様々な異なる形態に具現されることができ、ここで説明する実施例に限定されるものではない。そして、図面において、本発明を明確に説明するために、説明とは関係ない部分は省略しており、明細書全体に亘って類似した部分に対しては類似した図面符号を付けている。
【0030】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」という場合、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。また、明細書全体において、ある部分が他の部分と「連結」されているという場合、これは直接的に連結されている場合だけでなく、その中間に他の部材を介して連結されている場合と、中間に他の素子を挟んで電気的に連結されている場合も含む。さらに、本願の明細書全体において、ある部材が他の部材の「上に」位置しているという場合、これは、ある部材が他の部材に接している場合だけでなく、両部材の間にまた他の部材が存在する場合も含む。
【0031】
本発明に係る外装材を含むバッテリは、例えば、電気化学セルであり、リチウムイオンバッテリであっても良い。具体的に、本発明に係る外装材を含むバッテリは、電極組立体が外装材の内部に電解液と共に収容されて封止され、リチウムイオンの移動により充電及び放電されるように構成されても良い。本発明に係る外装材を含むバッテリは、その機能を発揮する状態を維持しつつ、柔軟性を持って曲げられるように構成されるフレキシブル(flexible)バッテリであっても良い。以下では、図面を参照しながら本発明の実施例を具体的に説明することとする。
【0032】
図1aは、本発明の一実施例に係る外装材100を含むバッテリを示す斜視図であり、図1bは、図1aに示されたバッテリの断面の形状を示す図である。
【0033】
図1a及び図1bを参照すると、バッテリ1は、外装材100と、外装材100の内部に収容された電極組立体200と、電極組立体200と連結された電極リード300とを含んでいても良い。
【0034】
外装材100は、例えば、複数の機能性素材がラミネートされた多層構造で形成されても良い。複数の機能性素材はそれぞれ軟性を有しても良い。
【0035】
例えば、外装材100の多層構造は、各層の機能によって区分される第1の機能層と、遮断層(Barrier layer)と、第2の機能層と、腐食防止層(Anti-Corrosion layer)とを含んでいても良い。
【0036】
第1の機能層は、封止層を含む1つ以上の樹脂層により構成され、封止層は、外装材100の複数の機能性素材のうち最も低い温度で溶ける素材であって、加熱接合させることにより、電極組立体200を内部に封止する機能と共に電解液が外部へ漏れないようにする機能を果たし、例えば、ポリプロピレン(polypropylene;PP)フィルムにより構成されても良い。
【0037】
遮断層は、ポリマーフィルム素材の封止層が有する非晶質領域における物質の移動を基本的に遮断するための結晶質金属層であり、例えば、アルミニウムホイル(aluminum foil)により構成されても良い。
【0038】
第2の機能層は、遮断層を構成する金属層の汚染及び損傷を防止するための層であり、例えば、ナイロン(nylon)フィルム又はナイロン及びポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate;PET)複合層により構成されても良い。
【0039】
腐食防止層は、外装材100内の電解液が遮断層と反応することを防止する役割を果たしても良い。
【0040】
外装材100は、ロール・ツー・ロール(Roll to Roll)工程によって製造されたものであり、ロールの軸方向又は長さ方向によって外装材100の機械的物性が変わっても良い。ここで、TD(Transverse Direction)は、ロールの軸方向を意味し、MD(Machine Direction)は、ロールの長さ方向を意味しても良い。
【0041】
このような外装材100は、曲げ性のあるフレキシブルバッテリ1に使用されても良い。
【0042】
フレキシブルバッテリ1に使用される外装材100において、パターンが形成される方向によってバッテリの機械的特性が変わっても良い。つまり、パターンが外装材のTD(Transverse Direction)に形成された外装材を含むバッテリと、パターンが外装材のMD(Machine Direction)に形成された外装材を含むバッテリとは、互いに異なる機械的特性を有しても良い。これにより、パターンが形成される方向は、フレキシブルバッテリ1の耐久性に影響を及ぼすことができる。
【0043】
電極組立体200は、複数の電極を備え、分離膜をさらに含んでいても良く、これらが厚さ方向に積層される構造に形成されても良い。
【0044】
電極組立体200は、互いに異なる極性の第1及び第2の電極を含んでいても良く、第1及び第2の電極のそれぞれの両面又は断面に活物質が含まれた合剤が塗布されても良い。第1及び第2の電極の間には分離膜が挟まれていても良い。例えば、第1の電極は負極であり、使用される集電体は、銅、アルミニウムなどであって、黒鉛、カーボン、リチウム、シリコン、SiOなどのシリコン誘導体、シリコン-黒鉛複合体、スズ、シリコン-スズ複合体のうち何れか1つ又はそれ以上の組み合わせである負極活物質により構成されても良い。また、第2の電極は正極であり、使用される集電体は、アルミニウム、ステンレススチール材質などであって、リチウムコバルト酸化物、リチウムニッケル酸化物、リチウムマンガン酸化物、リチウムコバルト-マンガン酸化物、リチウムコバルト-ニッケル酸化物、リチウムマンガン-ニッケル酸化物、リチウムコバルト-ニッケル-マンガン酸化物、リチウムコバルト-ニッケル-アルミニウム酸化物、リチウムリン酸鉄のうち何れか1つ又はそれ以上の組み合わせである正極活物質からなっても良い。電極組立体200は、第1及び第2の電極が面を形成するように延びる2方向のうち長さ方向に幅方向よりも長く延び、面を形成する方向と交差(例えば、直交)する、活物質及び分離膜が積層される厚さ方向に厚さの薄い形状を有しても良い。
【0045】
また、電極組立体200は、電極連結タブと、リード連結タブとを含んでいても良い。電極連結タブは、第1及び第2の電極の長さ方向の一端部から突出して形成されても良く、互いに同じ極性の電極から突出する電極連結タブが互いに結合されても良い。電極連結タブにより、電極は電気的に並列連結されていても良い。リード連結タブは電極リード300と連結され、正極及び負極の電極から突出して電極リード300と結合されても良い。
【0046】
具体的に、外装材100は、収容部110と、封止部120とを含んでいても良い。収容部110は、電極組立体200を収容する空間を形成し、封止部120は、収容される電極組立体200を外部と密閉するように接合されても良い。図1bに示すように、収容部110は、2つの外装材100が互いに離れて対面する領域に該当しても良い。収容部110を形成するために、外装材100の予め設定された領域が略四角状の器(又はカップ)の形状になるよう、外装材100は厚さ方向に加圧されて突出するように加工されても良い。
【0047】
さらに具体的に、本実施例の収容部110の表面には、少なくとも1つのパターン部115が外装材100のTDに延びて形成されても良い。例えば、パターン部115が形成されている外装材100を含むようにバッテリを生成する場合、バッテリの幅方向10Aは、外装材100のTD(Transverse Direction)であり、バッテリの長さ方向10Bは、外装材100のMD(Machine Direction)であっても良い。
【0048】
パターン部115は、一方向に延びて一方向と交差する方向に繰り返して配置されるパターンであり、具体的に、厚さ方向に交互に突出又はリセス(即ち、互いに反対方向に交互に突出)され、一方向に沿って凹凸形状を有しても良い。例えば、パターン部115は、所定のパターン高さh1及びパターンピッチPを有する凹凸形状が繰り返されるように形成されても良い。ここで、一方向は、外装材100のTDであるバッテリの幅方向10Aであり、パターン部115が繰り返される方向は、バッテリの長さ方向10Bとなっても良い。突出及びリセスされるパターン部115により、図1bに示すように、収容部110を形成する外装材100は、長さ方向に波又はしわパターンを形成しても良い。
【0049】
あるいは、パターン部115は、TDとは異なる方向である外装材100のMD(Machine Direction)に延びて形成されても良い。例えば、パターン部115が形成されている外装材を含むようにバッテリを生成する場合、バッテリの幅方向10Aは、外装材のMD(Machine Direction)であり、バッテリの長さ方向10Bは、外装材のTD(Transverse Direction)であっても良い。
【0050】
封止部120は、2つの封止層(シール面)の接合により形成されても良い。封止層(シール面)は外装材100の熱接合面を意味し、収容部110の縁に沿って重ねられた2つの封止層(シール面)が互いに接合されることにより、内部空間(収容部110)を外部と隔離することができる。内部空間には上述した電極組立体200及び電解液が収容され、電極組立体200及び電解液は封止状態が維持されても良い。
【0051】
また、封止部120は、バッテリの幅方向10A又はバッテリの長さ方向10Bに延びる平板状であっても良い。例えば、封止部120の平板状は、表面が互いに対向して曲げられていない形状であっても良い。または、封止部120は、パターン部115と異なるパターンを有しても良く、例えば、パターン部115よりも厚さ方向に高さの低いパターンを有しても良い。
【0052】
一方、電極リード300は、外装材100の内部の電極組立体200とのリード連結タブと連結され、外装材100の外部へ露出されるように延びる。電極リード300は、外装材100の内部に収容される電極組立体200との電気的連結のための端子として機能し、封止部120を形成する際に封止層(シール面)の間に挟まれる状態で封止部120を 貫通するように接合されても良い。正極及び負極の一対の電極リード300は、電極組立体200に備えられるリード連結タブと同じ極同士で結合されても良い。
【0053】
図2a乃至図2cは、本発明の一実施例に係る多層構造で構成された外装材を示す例示的な図である。
【0054】
図2aは、従来の多層構造で構成された外装材を示す例示的な図である。従来の外装材210は、封止層211と、遮断層212と、保護層213とを含む。ここで、外装材210は、各層間の接着層214をさらに含み、接着層214は、外装材210を構成する各層が接着して積層されるよう各層の間に位置しても良い。図2aを参照すると、従来の外装材210は、外装材210の全体厚さのうち封止層211及び遮断層212が占める厚さの割合が高く構成されている。
【0055】
具体的に、従来の外装材210の封止層211は、外装材210の全体厚さのうち約35~53%の厚さを有するように構成されている。従来の封止層211は、Cup加工(forming)工程において延伸しながら、遮断層212を構成する金属層の延伸を助け、金属層が電解液に露出される問題を防止するために、従来の外装材210の全体厚さにおいて最も厚く構成されている。特に、一般のリチウムバッテリが電気自動車用バッテリのように大型に製作される場合、従来の封止層211は、小型バッテリの封止層211の厚さに対して約2倍の厚さになるように構成されていた。
【0056】
このような従来の外装材210を利用して製作されたフレキシブルバッテリの場合、封止層211に熱を加えて封止すれば、封止部の厚さが急激に小さくなり(最大半分以上)、これにより、フレキシブルバッテリの封止部と隣接し、曲率半径の小さい部分であるパターンエッジ(Edge)部分における曲げ耐久性が低下していた。
【0057】
従来の遮断層212は、外装材210の全体厚さのうち約25~40%の厚さを有するように構成されている。従来の遮断層212では、物質の移動を完璧に遮断するためにメタルホイル(metal foil)が利用されるが、メタルホイルは、他の構成素材に比べて軟性が足りないという短所を有する。このような従来の遮断層212における水分遮断性と成形性(forming)を高めるために、Cup加工工程で延伸されても金属層が破れたり、ピンホールが発生しないよう、遮断層212の厚さが一定水準以上維持されるように製作されていた。
【0058】
従来の保護層213は、従来の外装材210の全体厚さのうち約15~25%の厚さを有するように構成されている。従来の保護層213は、遮断層212を保護する機能を果たし、フレキシブルバッテリのエネルギー密度を減少させないよう、従来の外装材210の全体厚さのうち他の層よりも相対的に薄く構成されていた。
【0059】
図2bは、本発明の一実施例に係る封止層を含む第1の機能層、遮断層、第2の機能層及び腐食防止層の多層構造で構成された外装材を示す例示的な図である。図2bを参照すると、外装材100は、第1の機能層220と、腐食防止層270と、遮断層230と、第2の機能層240とを含んでいても良い。ここで、外装材100は、各層間の接着層260をさらに含み、接着層260は、外装材100を構成する各層が接着して積層されるよう各層の間に位置しても良い。
【0060】
外装材100の全体厚さは、100μm~300μmに構成されても良い。
【0061】
第1の機能層220は、遮断層230の何れか一面に形成され、封止層を含む1つ以上の樹脂層により構成されても良い。封止層は、例えば、外装材100の全体厚さのうち約30~60%の厚さを有するように構成されても良い。例えば、封止層は、遮断層230の厚さ以上であり、例えば、25μm以上の厚さを有しても良い。封止層は、遮断層230を保護する機能を提供しても良い。また、封止層は、外装材100の曲げ耐久性を高めるために、外装材100を曲げた際に遮断層230が大きい曲率半径で曲げられるよう厚く製作されても良い。
【0062】
腐食防止層270は、第1の機能層220の上に積層されても良い。腐食防止層270は、外装材100内の電解液が遮断層230と反応することを防止する役割を果たし、接着層260を含めて約3~6μmの厚さを有するように構成されても良い。
【0063】
遮断層230は、腐食防止層270の上に積層され、例えば、外装材100の全体厚さのうち約8~30%の厚さを有するように構成されても良い。例えば、遮断層230は、25μm以上の厚さを有しても良い。
【0064】
図2aにおける従来の外装材210では、遮断層212が繰り返し曲げ耐久性が最も弱い層に当たり、従来の遮断層212が厚いほど耐久性がより弱くなり、従来の遮断層212が薄くなるほど外装材210の表面のパターン加工性が悪くなるという短所を有するので、従来の遮断層212が適当な厚さを有することが求められていた。
【0065】
しかし、本願は、遮断層230よりも第2の機能層240の厚さの割合を高くすることによって、フレキシブルバッテリ1の柔軟特性の評価指標の1つである繰り返し曲げ耐久性を向上させるという長所を提供することができる。
【0066】
このような遮断層230は、フレキシブルバッテリ1の場合、成形(forming)を最大2mm内として従来バッテリのように深く成形しないので、遮断機能を正確に果たすことができれば、他の層に比べて相対的に薄く製作されても問題ない。
【0067】
第2の機能層240は、遮断層230の他面に形成され、例えば、外装材100の全体厚さのうち約22~50%の厚さを有するように構成されても良い。例えば、第2の機能層240は、遮断層230の厚さよりも厚く、外装材100の全体厚さの33%以上の厚さを有しても良い。
【0068】
第2の機能層240は、外部環境から遮断層230を保護する機能を提供しても良い。
【0069】
第2の機能層240は、外装材100の曲げ耐久性を向上させるために、外装材100を曲げた際に遮断層230が大きい曲率半径で曲げられるよう最も厚く製作されても良い。
【0070】
フレキシブルバッテリ1は、相対的に曲率半径Rが最も小さい外装材100のパターン部115及び封止部120と隣接したパターンエッジ(edge)において破損が頻繁に発生する。このとき、バッテリの封止部120と隣接するパターンエッジ(edge)は、曲率半径が非常に小さい状態であり、外装材100の繰り返しフォールディング評価によりフレキシブルバッテリ1の曲げ耐久性が簡易に分かる。最も曲率半径が小さい状態は折り畳まれた(フォールディング)状態であり、フレキシブルバッテリ1において曲げが起こる外装材100の第2の機能層240の方へ繰り返しフォールディングを行う。言い換えれば、フォールディングの際、外装材100の折り畳まれる内側は第2の機能層240である保護層であり、外側は第1の機能層220である封止層にて行われても良い。ここで、第2の機能層240が内部に位置するように外装材100をフォールディングする場合、フォールディングされた遮断層230の曲率半径は0.03mm以上であっても良い。
【0071】
つまり、本願は、第2の機能層240の厚さを外装材100の全体厚さのうち最も厚く製作することによって、フレキシブルバッテリ1の外装材100のパターン部115及び封止部120と隣接したパターンエッジにおいて発生する破損を防止するという長所を提供することができる。
【0072】
図2cは、本発明の一実施例に係る封止層及び強化樹脂層を含む第1の機能層、遮断層、第2の機能層及び腐食防止層の多層構造で構成された外装材を示す例示的な図である。図2cを参照すると、外装材100は、第1の機能層220と、腐食防止層270と、遮断層230と、第2の機能層240とを含んでいても良い。ここで、外装材100は、各層の間に位置する接着層260をさらに含んでいても良い。
【0073】
腐食防止層270は、外装材100内の電解液が遮断層230と反応することを防止する役割を果たし、接着層260を含めて約3~6μmの厚さを有するように構成されても良い。
【0074】
第1の機能層220は、封止層255を含む1つ以上の樹脂層により構成され、封止層255よりも融点が高い強化樹脂層250をさらに含んでいても良い。例えば、強化樹脂層250は、封止層255及び遮断層230の間で封止層255の上に積層され、強化樹脂層250は、腐食防止層270の厚さよりも厚く、例えば、外装材100の全体厚さのうち約10μm以上の厚さを有し、封止層255の厚さに対して0.25~4.2倍の厚さを有するように構成されても良い。ここで、強化樹脂層250は、封止の際に封止部120の厚さが急激に減少しないようにし、繰り返し変形によって最も先に破壊が起こる遮断層230を保護する役割を果たしても良い。
【0075】
強化樹脂層250は、封止層255よりも融点(melting point)が高いポリマー(polymer)層であり、例えば、ポリアミド(polyamide)により構成されても良い。強化樹脂層250が封止層255よりも高い融点を有するポリマー層により構成されることで、外装材100を熱で接合する際に封止温度によって封止層255が所定厚さ以上に溶けることを防止し、遮断層230までの電解液の移動経路を長くすることによって、電解液と遮断層230の反応をできるだけ遅延させる機能を果たすことで遮断層230を保護し、それと同時に柔軟性を有することができる。
【0076】
強化樹脂層250を含むフレキシブルバッテリ1は、封止部120の厚さが大きくなることによって、フレキシブルバッテリ1を曲げる際に曲率半径が大きくなるので、フレキシブルバッテリ1の曲げ耐久性を高くすることができる。
【0077】
つまり、本願は、外装材100の第1の機能層220がポリマー層である強化樹脂層250をさらに含むことによって、フレキシブルバッテリ1の柔軟特性の評価指標の1つである繰り返し曲げ耐久性を、外装材100の外側だけでなく、外装材100の封止部120においても向上させるという長所を提供することができる。
【0078】
図3a及び図3bは、本発明の一実施例に係る2枚の外装材を封止する過程を説明するための例示的な図である。
【0079】
図3aは、従来に封止層を利用して外装材を封止する過程を示す図である。図3aを参照すると、従来は、2枚の外装材210を封止する場合、約80μmの厚さを有する既存の封止層211は2つ合わせて約160μmの厚さを有することになり、2つの封止層211が結合された厚さの50%に当たる約80μmとなる条件で封止されていた。
【0080】
図3bは、本発明の一実施例に係る封止層及び強化樹脂層を含む第1の機能層を利用して外装材を封止する過程を示す例示的な図である。図3bを参照すると、第1の機能層220は、封止層255と、強化樹脂層250とを含んでいても良い。ここで、強化樹脂層250は、腐食防止層270の厚さよりも厚く、約10μm以上の厚さで構成されても良い。
【0081】
例えば、封止層255及び強化樹脂層250により構成された第1の機能層220を含む2枚の外装材100を封止する場合、強化樹脂層250の厚さと封止層255の厚さとの割合(強化樹脂層/封止層)は、0.25(強化樹脂層=10μm、封止層=40μm、遮断層=25μm、第2の機能層(保護層)=50μm)~4.2(強化樹脂層=105μm、封止層=25μm、遮断層=25μm、第2の機能層(保護層)=80μm)を有するように構成されても良い。
【0082】
強化樹脂層250/封止層255間の厚さの割合が0.25未満に低くなれば、バッテリの封止周辺部130に生成される不均一レイヤの抑制とバッテリの繰り返し変形の際、硬い不均一レイヤによって破壊される遮断層230を保護するといった自らの役割ができなくなり、強化樹脂層250/封止層255間の厚さの割合が4.2を超えれば、相対的に遮断層230と第2の機能層240の割合が低くなって、成形性と耐久性が低下し、全体的な外装材100の厚さが厚くなることで、バッテリのエネルギー密度が低くなる短所が生じ得る。よって、好ましくは、強化樹脂層250/封止層255間の厚さの割合は、0.25~4.2倍の値に設定されても良い。
【0083】
第1の機能層220は、封止層255を含む1つ以上の樹脂層により構成され、封止層255の厚さは、遮断層230の厚さ以上であって、約25μm以上の厚さで構成されても良い。これは、一般のバッテリの外装材が封止性及び成形性を目的に形成されるのに対し、本願のフレキシブルバッテリ1の外装材100は、封止層255が封止性を主な目的に形成されるようにするためである。そのために、フレキシブルバッテリ1の封止プロセスを行う場合、左右の工程偏差を考慮し、封止性を備えるために、封止層255は、約25μm以上の厚さに製作されても良い。
【0084】
強化樹脂層250の厚さと封止層255の厚さとに対する最適な厚さ割合値は、約6:4であっても良い。
【0085】
当該厚さ割合で強化樹脂層250及び封止層255が製作された場合、封止層255は、封止性を果たすことができ、強化樹脂層250は、遮断層230の保護と成形性に優秀に寄与するという長所を提供することができ、これにより、外装材100の封止過程において封止周辺部130で発生する不均一レイヤの生成を抑制することができる。
【0086】
以下では、図4乃至図6を参照しながら多層構造で構成された外装材100の特性を評価する方法を説明することとする。ここで、外装材100は、第1の機能層220と、遮断層230と、第2の機能層240とにより構成されても良い。遮断層230は、第1の機能層220及び第2の機能層240の間に位置しても良く、例えば、25μm以上の厚さを有するように構成されても良い。
【0087】
一実施例において、多層構造の外装材100を構成する材料別の加工性を確認するために、金型でパターン成形を行っても良い。
【0088】
実行の結果、第1の機能層220である封止層は、パターン成形性は低いものの、延伸が非常に優れていることが確認され、これは、外装材100を成形する際、深さにより遮断層230が伸びている形態をできるだけ保持させることを確認することができる。
【0089】
遮断層230は、パターン成形性が良いことを確認することができる。
【0090】
第2の機能層240は、パターン成形性が普通であることを確認することができる。
【0091】
上記評価において、外装材100のパターン加工、即ち、成形性に最も大きい影響を与えるものは遮断層230であって、アルミニウムホイルにより構成された遮断層230が少なくとも25μm以上に構成されなければ、外装材100のパターン形状を維持することができなかった。しかし、遮断層230の厚さが25μm未満においては、他の構造層の割合が高く、成形性が低下し得る。
【0092】
図4は、本発明の一実施例に係る多層構造で構成された外装材とそれを利用したバッテリの特性を比較評価した例示的な図である。図4を参照すると、外装材100は、第1の機能層220と、遮断層230と、第2の機能層240とにより構成されても良い。例えば、外装材100の全体厚さは、100μm~300μmの厚さを有するように構成され、遮断層230の厚さは、25μm以上の厚さを有するように構成されても良い。
【0093】
外装材100の基本評価は、成形性、封止性、柔軟性、曲げ耐久性などについて進行される。成形性は、外装材100の波パターンの成形程度を表し、封止性は、熱融着時の封止程度を表し、柔軟性は、このような外装材100を利用したフレキシブルバッテリ1の柔軟程度を表し、曲げ耐久性は、フレキシブルバッテリ1を繰り返し曲げ評価する際に外装材100の破損程度を表しても良い。
【0094】
実験の結果、外装材100の全体厚さが100μm未満(400)である場合、パターン成形性が良くなく、繰り返し曲げ評価の際、外装材100にピンホール、クラックなどの破損が多く発生したことが確認された。また、外装材100の全体厚さが300μm(420)を超える場合、外装材100の柔軟性が非常に低下して外装材100が折られた形状となり、これにより、内部の電極も折られながら切断されてしまい、曲げ耐久性も良くない結果が導出されたことが確認された。また、外装材100の全体厚さが大きくなることにより、フレキシブルバッテリ1のエネルギー密度も低下するという結果が導出された。
【0095】
つまり、評価の結果、最適な外装材100の全体厚さは、100μm~300μm(410)で構成される。
【0096】
図5a及び図5bは、本発明の一実施例に係る第2の機能層の厚さに基づく外装材の遮断層の曲率半径と外装材のフォールディング評価を説明するための例示的な図である。
【0097】
図5aを参照すると、従来の外装材210は、封止層211と、遮断層212と、保護層213とにより構成され、従来の外装材210を構成する多層構造は、遮断層212+保護層213<封止層211の厚さを有するように構成されていた。
【0098】
しかし、本願において提案する外装材100は、第1の機能層220と、遮断層230と、第2の機能層240とにより構成され、本願の外装材100を構成する多層構造は、第1の機能層220<遮断層230+第2の機能層240の厚さを有するように構成されても良い。例えば、本願において提案する外装材100の全体厚さは、100μm~300μmの厚さを有するように構成され、遮断層230の厚さは、25μm以上の厚さを有するように構成されても良い。
【0099】
図5bを参照すると、第2の機能層240が外装材100の内部に位置するように外装材100をフォールディングする場合、本願において提案する外装材100内の遮断層230の曲率半径R(500)は、従来の外装材210内の遮断層212の曲率半径R(510)よりも大きいことが確認される。ここで、第2の機能層240が内部に位置するように外装材100をフォールディングする場合、フォールディングされた遮断層230の曲率半径は、0.03mm以上であっても良い。図5bを参照すると、外装材100のフォールディングの際、遮断層230、212の曲率半径は、本願の第2の機能層240及び従来の保護層213の厚さと同じことが分かり、外装材100の全体厚さの最小値が100μmの際、第2の機能層240は、外装材100の全体厚さの33%以上であるためである。
【0100】
このような外装材100に対してフォールディング評価を進行しても良い。例えば、外装材100をダンベル状(例えば、幅:10mm、長さ:100mm)に打ち抜いた後、試料の中央部分を所定時間(例えば、2秒)一定の圧力(例えば、ゲージ圧力:0.2MPa)で押した場合、外装材100を曲げる際に、曲率半径Rが最も小さい場合は折り畳まれた状態(フォールディング)になり得る。このとき、折り畳まれる方向は、フレキシブルバッテリ1の曲げが起こる第2の機能層240の方に折り畳んだり広げたりする動作を繰り返すことで、外装材100の遮断層230の破壊有無を確認することができる。
【0101】
一般的に、フレキシブルバッテリ1は、相対的に曲率半径Rが最も小さい封止部120とパターン部115が隣接するパターンエッジ部分において外装材100の破損が発生する。ここで、外装材100の状態は折り畳まれた状態であり、フレキシブルバッテリ1の曲げ評価は、第2の機能層240の方へ外側方向であっても良い。
【0102】
それを改善すべく本願は、曲がる外装材100内の遮断層230の曲率半径を大きくして曲げ耐久性を高めるために、第2の機能層240が外装材100の全体厚さの33%以上の厚さを有するようにしても良い。
【0103】
図6は、本発明の一実施例に係る多層構造で構成された外装材のフォールディング評価を通じて第2の機能層の厚さに基づく外装材の耐久性を比較評価した例示的な図である。図6を参照すると、外装材100のフォールディング評価を通じて第2の機能層240の厚さによる外装材100の耐久性の効果を確認しても良い。
【0104】
以下では、外装材100に対してフォールディング10回を行った場合について比較例と実施例を比較しながら説明することとする。ここで、比較例は、遮断層230において破損が発生した場合を示し、実施例は、遮断層230において破損が発生していない場合を示す。
【0105】
ここで、現在常用化されている外装材の場合、保護層の割合が外装材の全体厚さにおいて占める割合が低いことが確認された。そのような常用化された外装材の場合、繰り返しフォールディング10回を行った後に遮断層が切断されることが確認された。従って、本フォールディング評価では、フォールディング10回を評価基準に設定した。また、それ以上のフォールディング回数においても、遮断層の破損を遅延、改善させることで本来の機能が果たせるように構成した外装材と当該外装材を含むフレキシブルバッテリの曲げ耐久性が優れていることは、評価を通じて確認することができる。
【0106】
比較例3によると、外装材の全体厚さが「113μm」で、第2の機能層の厚さが「25μm」で、遮断層の厚さが「40μm」で、第1の機能層に含まれた封止層の厚さが「45μm」で構成された場合、フォールディング10回の後に確認した結果、遮断層が切断された。比較例3の場合、第2の機能層の厚さが遮断層の厚さよりも薄く構成され、第2の機能層の厚さが外装材の全体厚さのうち約22%を有するように構成されることにより、フォールディング10回で遮断層が切断されたことが確認された。
【0107】
比較例4によれば、外装材の全体厚さが「150μm」で、第2の機能層の厚さが「25μm」で、遮断層の厚さが「40μm」で、第1の機能層の厚さが「80μm」で構成された場合、フォールディング10回の後に確認した結果、遮断層が切断された。比較例4の場合、第2の機能層の厚さが遮断層の厚さよりも薄く構成され、第2の機能層の厚さが外装材の全体厚さのうち約16%を有するように構成されることにより、フォールディング10回で遮断層が切断されたことが確認された。
【0108】
比較例5によれば、外装材の全体厚さが「146μm」で、第2の機能層の厚さが「45μm」で、遮断層の厚さが「35μm」で、第1の機能層の厚さが「60μm」で構成された場合、フォールディング10回の後に確認した結果、遮断層が部分的に破損された。比較例5の場合、第2の機能層の厚さが遮断層の厚さよりも厚く構成され、第2の機能層の厚さが外装材の全体厚さのうち約30%を有するように構成されることにより、フォールディング10回の後に遮断層が部分的に破損されたことが確認された。ここで、第2の機能層の厚さが遮断層の厚さよりも薄く構成された比較例3及び4とは異なり、比較例5は、第2の機能層の厚さが遮断層の厚さよりも厚く構成されることで、フォールディング10回で遮断層の全体破損ではなく部分破損が発生した点から、遮断層を含む外装材の曲げ耐久性が向上したことが確認された。
【0109】
実施例5によれば、外装材の全体厚さが「120μm」で、第2の機能層の厚さが「40μm」で、遮断層の厚さが「35μm」で、第1の機能層の厚さが「40μm」で構成された場合、フォールディング20回の後に確認した結果、遮断層が部分的に破損された。実施例5の場合、第2の機能層の厚さが遮断層の厚さよりも厚く、第2の機能層の厚さが外装材の全体厚さのうち約33%を有するように構成されたことが確認された。ここで、フォールディング10回で遮断層の一部又は全体破損が発生した比較例3乃至5とは異なり、実施例5は、第2の機能層の厚さが外装材の全体厚さのうち約33%を有するように構成されることで、フォールディング10回以上を超え、フォールディング20回で遮断層の部分破損が発生した点から、外装材の耐久性が向上したことが確認された。
【0110】
実施例6によれば、外装材の全体厚さが「153μm」で、第2の機能層の厚さが「60μm」で、遮断層の厚さが「40μm」で、第1の機能層の厚さが「50μm」で構成された場合、フォールディング30回の後に確認した結果、遮断層が部分的に破損された。実施例6の場合、第2の機能層の厚さが遮断層の厚さよりも厚く、第2の機能層の厚さが外装材の全体厚さのうち約35%を有するように構成されたことが確認された。
【0111】
実施例7によれば、外装材の全体厚さが「155μm」で、第2の機能層の厚さが「65μm」で、遮断層の厚さが「35μm」で、第1の機能層の厚さが「50μm」で構成された場合、フォールディング30回まで遮断層の破損が発生しなかった。遮断層の破損が発生していない実施例7の場合、第2の機能層の厚さが遮断層の厚さよりも厚く、第2の機能層の厚さが外装材の全体厚さのうち約41%を有するように構成されたことが確認された。
【0112】
実施例8によれば、外装材の全体厚さが「250μm」で、第2の機能層の厚さが「120μm」である場合、遮断層の厚さが「40μm」で、第1の機能層の厚さが「80μm」で構成された場合、フォールディング30回まで遮断層の破損が発生しなかった。遮断層の破損が発生していない実施例8の場合、第2の機能層の厚さが遮断層の厚さよりも厚く、第2の機能層の厚さが外装材の全体厚さのうち48%を有するように構成されたことが確認された。実験の結果、比較例3乃至5と実施例5乃至8の比較を通じて、第2の機能層の厚さが遮断層の厚さよりも厚い場合、遮断層の破損が少なくなったことが確認された。また、実施例5乃至8を通じて、第2の機能層の厚さが外装材の全体厚さのうち約33%以上を占め、外装材の全体厚さにおいて占める第2の機能層の厚さの割合が高くなるほど、フォールディング回数による遮断層の破損が少なくなることが確認された。
【0113】
つまり、第2の機能層の厚さが外装材100の全体厚さのうち33%未満(600)である場合、パターン成形性や封止性は優れているものの、フォールディング10~20回(630)で遮断層が切断されたという結果が導出された。しかし、第2の機能層240の厚さが外装材100の全体厚さのうち33%以上(610)である場合、遮断層230が20回で切断されないように改善されており、外装材100の全体厚さに対する多層で構成された第2の機能層240の厚さの割合が高くなるほど、外装材100の破損が発生しないことが確認された。これは、バッテリの曲げ耐久性の評価でも確認されるように、第2の機能層240の厚さを外装材100の全体厚さのうち33%以上を有するように構成することにより、R:20、25rpmの曲げ環境においてバッテリ1を繰り返し曲げ評価した結果、何れも3,000回以上で外装材100の破損及び電解質の液漏れが全く発生していないことが確認された。
【0114】
図7は、本発明の一実施例に係る外装材を利用してバッテリを生成する方法のフローチャートである。
【0115】
ステップS710において、外装材100に少なくとも1つのパターン部115を形成しても良い。例えば、封止層を含む第1の機能層220と、遮断層230と、第2の機能層240とにより構成された外装材100の上面及び下面の表面に少なくとも1つのパターン部115を形成しても良い。他の例において、封止層及び強化樹脂層250を含む第1の機能層220と、遮断層230と、第2の機能層240とにより構成された外装材100の上面及び下面の表面に少なくとも1つのパターン部115を形成しても良い。ここで、外装材100は、腐食防止層270をさらに含んでいても良い。
【0116】
ステップS720において、パターン部115が形成された外装材100をフォールディングしても良い。ここで、外装材100をフォールディングする際、外装材100の第1の側面部を封止しても良い。
【0117】
ステップS730において、フォールディングされた外装材100の間に電極組立体200を挿入しても良い。
【0118】
ステップS740において、封止部120により外装材100のうち電極組立体200を封止しても良い。このとき、外装材100の上面部及び下面部を封止し、外装材100の内部に電解液を注入した後、化成(Formation)プロセス及びデガッシングプロセスを経て第2の側面部を最終的に封止しても良い。
【0119】
ステップS740は、封止部120に対して熱融着プロセスを行うステップと、封止部120に含まれた外装材100の封止層を熱変形させるステップと、封止部120の周辺に位置した封止周辺部130に不均一レイヤを生成するステップとを含んでいても良い。熱融着プロセスを行うステップは、外装材100の4方向に封止部120に熱融着を行った後に封止しても良い。熱融着プロセスは、170℃~190℃の温度において所定時間(例えば、3秒)行われても良い。
【0120】
図7には示されていないが、外装材100の第1の機能層220は、強化樹脂層250をさらに含み、強化樹脂層250は、腐食防止層270と封止層の間に形成され、腐食防止層270の厚さよりも厚く、10μm以上の厚さを有しても良い。ここで、強化樹脂層250は、封止層よりも融点の高いポリマー(polymer)により構成されても良い。例えば、強化樹脂層250は、融点が200℃以上の耐熱性樹脂層であり、バッテリ1を封止する際、既存に発生していた不均一レイヤの形成を抑制する役割を果たしても良い。ここで、不均一レイヤとは、電極組立体200を外装材100の内部に配置させ、外装材100を熱融着する際に、封止部120の境界面において外装材100の封止層の材料(例えば、CPP)が熱変形により一部が局所的にはみ出てパターン部115及び封止部120の間に位置した封止周辺部130から突出して形成されるものを意味する。
【0121】
強化樹脂層250を腐食防止層270と封止層の間に構成させることにより、強化樹脂層250の厚さが変化することなく封止層の不均一レイヤを生成させ、不均一レイヤの生成を最小限に抑制することができる。また、強化樹脂層250は、バッテリの繰り返し変形の際、硬い不均一レイヤによって破壊される遮断層230を保護する役割を果たすことができる。
【0122】
例えば、図1bを参照すると、封止部120の厚さを「T1」と仮定すると、封止周辺部130の厚さは、機能層に基づき、「T1」の300%以内である「T2」で構成されても良い。
【0123】
もし封止周辺部130の厚さである「T2」が封止部120の厚さである「T1」の300%を超えて生成された場合、フレキシブルバッテリ1の繰り返し変形の際、「T1」と「T2」とで厚さの差が大きくなり、封止部120とパターン部115が隣接する封止周辺部130に当たる外装材100のパターンエッジ部分において破損が発生する。よって、封止周辺部130の厚さである「T2」が封止部120の厚さである「T1」の300%以内になるよう不均一レイヤをハンドリングすることが求められる。つまり、強化樹脂層250を含んでいるか否かによって外装材100のエッジ部分の破損有無が決定され得る。
【0124】
例えば、従来の外装材210の全体厚さが113μm、封止層211が無延伸ポリプロピレン(CPP、Cast Polypropylene)40μmで構成され、170℃~190℃の封止温度で外装材210の封止部を熱融着した。ここで、従来の外装材210は、強化樹脂層250を含んでおらず、熱融着は、5つのサンプルに対して封止時間:3秒、封止圧力:1MPaの条件で行った。
【0125】
封止部120の厚さをマイクロメータで確認した結果、170℃~180℃で熱融着した外装材210の封止部120の厚さであるT1が204μm±2%であって、封止前後の厚さの変化が大きくなかったが、185℃以上の温度で熱融着した外装材210の封止部120の厚さであるT1は167μm±1%であって、封止部120に当たる領域の上下のCPP層の厚さが約75%減少した。また、封止部120と隣接した封止周辺部130での厚さであるT2が633μm±10%であって、大きく増加した。これは、不均一レイヤによるものであり、封止層211である無延伸ポリプロピレン(CPP)の融点よりも遥かに高い温度で融着することによって、無延伸ポリプロピレン(CPP)の熱変形が過度に行われ、封止部120のサイド(パターン部115及び封止部120の間に位置した封止周辺部130)にはみ出たためである。不均一レイヤによって封止部120の境界で厚さの差が大きく発生し、フレキシブルバッテリ1が持続的に曲げ変形された場合、外装材210の遮断層212に物理的ストレスが積み重なることによって封止部120とパターン部115が隣接する封止周辺部130に当たる外装材210のパターンエッジ部分が破損(例えば、R20、25rpmのベンディング評価の際、3,000回以下で破損)され、外部から水分が浸透する移動経路として作用する問題が発生した。
【0126】
このような問題点を改善するために、本願は、第1の機能層220が、腐食防止層270と封止層との間に、融点が200℃以上の耐熱性樹脂層の1つであるポリマー(例えば、ポリアミド(polyamide))を強化樹脂層250として追加した。
【0127】
例えば、外装材100の全体厚さが120μm、封止層が無延伸ポリプロピレン(CPP、Cast Polypropylene)30μm、強化樹脂層250がポリアミド(polyamide)15μmで構成され、170℃~190℃の封止温度で外装材100の上下を熱融着した。ここで、熱融着は、5つのサンプルに対して封止時間:3秒、封止圧力:3MPaの条件で行った。
【0128】
封止部120の厚さをマイクロメータで確認した結果、170℃~180℃で熱融着した外装材100の封止部120の厚さであるT1が211μm±2%で、185℃以上の温度で熱融着した外装材100の封止部120の厚さであるT1が196μm±2%であって、封止層に当たる領域である無延伸ポリプロピレン(CPP)の厚さの減少と強化樹脂層250の追加により、封止部120の急激な厚さの減少が緩和された。また、封止部120と隣接した封止周辺部130での厚さであるT2も413μm±10%であって、厚さの増加を低める結果が得られた。これは、強化樹脂層250を追加し、封止層の割合を低めることによって、封止部120のサイドにはみ出る不均一レイヤの量を減らし、厚さを小さくしたためである。
【0129】
これを利用してフレキシブルバッテリ1の繰り返しベンディング評価を進行した結果、不均一レイヤによる外装材100の遮断層230の破損を、強化樹脂層250が遮断層230を保護することによって、曲げ耐久性(例えば、R20、25rpmのベンディング評価の際、5,000回でも外装材100の封止周辺部130のパターンエッジの破損なし)が確実に良くなる実験結果が導出された。
【0130】
これにより、不均一レイヤの生成によって封止部120及び不均一レイヤが生成された封止周辺部130の間で厚さの差が発生し、不均一レイヤが生成された封止周辺部130は、強化樹脂層250に基づき、封止部120の厚さの300%以内の厚さを有するように構成されても良い。
【0131】
上述した説明において、ステップS710乃至S740は、本発明の具現例によって追加のステップにさらに分割されたり、より少ないステップに組み合わせられても良い。また、一部のステップは必要に応じて省略されても良く、ステップ間の順番が変更されても良い。
【0132】
上述した本発明の説明は例示のためのものであり、本発明の属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想や必須の特徴を変更せずに他の具体的な形態に容易に変形可能であるということを理解できるはずである。それゆえ、上記した実施例は全ての面において例示的なものであり、限定的なものではないと理解すべきである。例えば、単一型で説明されている各構成要素は分散して実施されても良く、同様に、分散したものと説明されている構成要素も結合された形態で実施されても良い。
【0133】
本発明の範囲は、詳細な説明よりは後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味及び範囲、並びにその均等概念から導出される全ての変更又は変形された形態が本発明の範囲に含まれると解釈されなければならない。
図1a
図1b
図2a
図2b
図2c
図3a
図3b
図4
図5a
図5b
図6
図7
【国際調査報告】