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特表2023-528047光分解バイオリアクタシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-03
(54)【発明の名称】光分解バイオリアクタシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   C01F 11/18 20060101AFI20230626BHJP
   B01D 53/62 20060101ALI20230626BHJP
   B01D 53/78 20060101ALI20230626BHJP
   C12M 1/00 20060101ALI20230626BHJP
【FI】
C01F11/18 B
B01D53/62 ZAB
B01D53/78
C12M1/00 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022573648
(86)(22)【出願日】2021-05-25
(85)【翻訳文提出日】2023-01-27
(86)【国際出願番号】 US2021034046
(87)【国際公開番号】W WO2021242748
(87)【国際公開日】2021-12-02
(31)【優先権主張番号】63/030,916
(32)【優先日】2020-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522464207
【氏名又は名称】サミー,ヨハン,キュー.
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サミー,ヨハン,キュー.
【テーマコード(参考)】
4B029
4D002
4G076
【Fターム(参考)】
4B029AA27
4B029BB11
4D002AA09
4D002AC10
4D002BA09
4D002BA17
4D002CA20
4D002DA59
4D002EA20
4D002FA10
4D002HA08
4G076AA16
4G076AB02
4G076BA34
4G076BA43
4G076BH01
4G076CA02
4G076DA30
(57)【要約】
CO及び他のガスは、生成物を合成するために鉱物供給原料と共に利用される。開示された実施形態の先進的なバイオリアクタ内の液体、固体、ガスの光化学反応の結果として、合成された生成物は、複数の最終消費者製品及び工業製品のための沈殿した原料である。バイオリアクタから生成された廃熱、圧力及びトルクは、エネルギー回収装置の組み合わせを介して電気及び/又は熱を生成するために利用される。エネルギー回収装置は、開示されたリアクタが、活性ミキサ-アジテータアセンブリ、圧力及び真空容器チャンバ、熱源、並びに媒体摂取用のポートからも構成されるリアクタシステムの必須の構成要素として、紫外線を介した光分解を組み込むので、リアクタを動作させるコストを相殺して低減する。開示されたリアクタは、二酸化炭素COのようなガス状、固体、及び液体供給原料、並びに水性媒体中の無機及び/又は有機である他の供給原料を無機及び有機生成物に変換するのに役立つように設計されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
CO反応供給原料との反応によってCOを変換して炭酸塩反応材料を生成するための光分解バイオリアクタシステムであって、
水平軸に沿って延びる収束発散ベンチュリノズルを備える中央圧力本体部分、
前記収束発散ベンチュリノズルの収束セクションの外面直径の周りに設置された加熱バンド、
駆動シャフト上で前記水平軸に沿って設置された複数の軸流タービンを備え、前記CO反応供給原料及び投入スラリーを含む初期複合体を有する軸流水性スラリーを、前記収束発散ベンチュリノズル内で選択可能に回転させるミキサアジテータアセンブリであって、前記駆動シャフトを駆動するように接続された方向選択可能な電気モータを備えるパワーモジュール部分による選択により、時計回り及び反時計回り方向に回転可能である、ミキサアジテータアセンブリ、
前記収束発散ベンチュリノズルへのCOの進入流を提供するために、前記収束発散ベンチュリノズルに入る少なくとも1つのポート入口、並びに
前記収束発散ベンチュリノズルへの前記初期スラリーの進入流を提供するために、前記収束発散ベンチュリノズルに入る少なくとも1つのポート入口
を備える、ベンチュリノズルセクションと、
光セクションであって、
光に対して半透明な壁で形成されたるつぼを備え、前記セクションは、前記収束発散ベンチュリノズルの開放端部に接続された少なくとも1つの光エミッタ源を有し、それにより、前記軸流水性スラリーは前記るつぼに流入し、前記少なくとも1つの光エミッタ源はるつぼに導かれて、前記軸流水性スラリーの前記CO反応供給原料を照射して反応させ、炭酸塩生成物を生成する、
光セクションと、
パワーモジュールセクションであって、
前記収束拡散ベンチュリノズルセクションから前記パワーモジュールセクションまで延びる前記駆動シャフト、及び
選択された回転方向に対して選択的に動作可能である、前記駆動シャフトに接続された可逆モータ
を備える、パワーモジュールセクションと
を備え、それにより、前記システムの動作時に、進入するCOは前記初期スラリーと反応的に相互混合して反応を連続的に引き起こし、前記供給原料の生成物として炭酸塩反応材料をもたらす、光分解バイオリアクタシステム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの光エミッタ源は、紫外線光エミッタ源を含む、請求項1に記載の光分解バイオリアクタ。
【請求項3】
前記少なくとも1つの光エミッタ源は、可視光エミッタ源を含む、請求項1に記載の光分解バイオリアクタ。
【請求項4】
細胞組織培養物の多核形成のために、前記リアクタ内に収容された少なくとも1つの有孔シリンダ内に封入された前記軸流水性スラリー内の有機供給原料をさらに備える、請求項1に記載の光分解バイオリアクタ。
【請求項5】
少なくとも1つの光ファイバストランド及び少なくとも1つの光ファイバケーブルが、前記バイオリアクタ内の反応下で前記軸流水性スラリーの有機供給原料、有機及び無機媒体、無機及び有機成分を照射する目的で前記バイオリアクタの内壁に沿って装着される、請求項1に記載の光分解バイオリアクタ。
【請求項6】
廃熱を電気に変換するための少なくとも1つの熱電発電機をさらに備える、請求項1に記載の光分解バイオリアクタ。
【請求項7】
前記リアクタの動作から消費されるエネルギーを相殺するために電気を生成する目的で、前記軸流タービンの周りで囲まれた少なくとも1つの永久磁石発電機をさらに備える、請求項1に記載の光分解バイオリアクタ。
【請求項8】
前記光セクションは、前記軸流水性スラリーの選択された供給原料を照射して反応させるための可視光発光源をさらに備える、請求項に記載の光分解バイオリアクタ。
【請求項9】
前記CO源は、少なくとも産業排出物からのものである、請求項1に記載の光分解バイオリアクタ。
【請求項10】
前記CO源は、少なくとも産業排出物及び直接空気捕捉COからのものである、請求項1に記載の光分解バイオリアクタ。
【請求項11】
炭酸塩反応材料を生成するための方法であって、
初期スラリー及びCOを含む投入スラリーを収集するステップと、
バイオリアクタの収束発散ベンチュリノズルセクションで、前記収集した投入スラリーを処理するステップであって、前記バイオリアクタは、
水平軸に沿って延びる収束発散ベンチュリノズルを備える中央圧力本体部分、
前記収束発散ベンチュリノズルの収束セクションの外面直径の周りに設置された加熱バンド、
駆動シャフト上で前記水平軸に沿って設置された複数の軸流タービンを備え、前記CO反応供給原料及び投入スラリーを含む初期複合体を有する軸流水性スラリーを、前記収束発散ベンチュリノズル内で選択可能に回転させるミキサアジテータアセンブリであって、前記駆動シャフトを駆動するように接続された方向選択可能な電気モータを備えるパワーモジュール部分による選択により、時計回り及び反時計回り方向に回転可能である、ミキサアジテータアセンブリ、
前記収束発散ベンチュリノズルへのCOの進入流を提供するために、前記収束発散ベンチュリノズルに入る少なくとも1つのポート入口、並びに
前記収束発散ベンチュリノズルへの前記投入スラリー形態の進入流を提供するために、前記収束発散ベンチュリノズルに入る少なくとも1つのポート入口
を備える、ステップと、
前記ミキサアジテータを係合して時計回り及び反時計回りに選択的に回転させることによって、前記軸流水性スラリーをループさせて前記収束発散ベンチュリノズルセクションに戻すステップと、
前記収束発散ベンチュリの前記出力を、
前記収束発散ベンチュリノズルの開放端部に接続された半透明な光透過性材料のるつぼであって、前記軸流水性スラリーが前記るつぼに流入し、少なくとも1つの光エミッタ源が前記るつぼに導かれて、前記軸流水性スラリーの前記CO反応供給原料を照射して反応させ、炭酸塩生成物を生成する、るつぼ
を備える光セクションにおいて処理するステップと
を含み、それにより、前記システムの動作時に、進入するCOは前記軸流水性スラリーと反応的に相互混合して反応を連続的に引き起こし、前記供給原料の生成物として炭酸塩反応材料をもたらす、方法。
【請求項12】
前記光セクションは、少なくとも1つの可視光エミッタ源をさらに備える、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記光源セクションは、少なくとも1つの紫外線光エミッタ源をさらに備える、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記軸流水性スラリー内の前記有機供給原料は、細胞組織培養物の多核形成のために、前記バイオリアクタ内に収容された少なくとも1つの有孔シリンダ内に封入される、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
少なくとも1つの光ファイバストランド及び少なくとも1つの光ファイバケーブルが、前記バイオリアクタ内の反応下で前記軸流水性スラリーの有機供給原料、有機及び無機媒体、無機及び有機成分を照射する目的で前記バイオリアクタの内壁に沿って装着される、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記バイオリアクタはまた、廃熱を電気に変換するための少なくとも1つの熱電発電機を備える、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記バイオリアクタはまた、前記リアクタの動作から消費されるエネルギーを相殺するために電気を生成する目的で、前記軸流タービンの周りで囲まれた少なくとも1つの永久磁石発電機をさらに備える、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
前記CO源は、少なくとも産業排出物からのものである、請求項10に記載の方法。
【請求項19】
前記CO源は、少なくとも産業排出物及び直接空気捕捉COからのものである、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連特許及び関連出願
本出願は、2020年5月27日に出願された「Photolytic One Step Reactor with Energy Recovery」という名称の仮出願第63/030,916号の利益を主張し、その内容全体は本明細書に完全に組み込まれる。
【0002】
本開示は、生成物を合成するために鉱物供給原料を用いる、CO及び他のガスの利用に関する。
【背景技術】
【0003】
人間の活動におけるCOの過剰な発生は、人間及び動物の生活の多くの問題をもたらした。産業活動からのCO排出の継続的な増加は、一連のリスク及び有害な影響を引き起こす。これらには、大気の放射バランスへの影響、CO排出量の増加の例示的な結果としてのいわゆる「温室効果」効果又は気候変動が含まれる。この炭素過剰は、勢いが衰えずに大気中に蓄積し続けると、不可逆的変化という最大のリスクをもたらす。多くの技術開発は、COの排出を削減することに集中している。しかしながら、有益な目的のために、COを捕捉して使用する技術的動きもある。そのような技術分野の1つは、生成物を合成するために鉱物供給原料とのバイオ反応においてCOを利用する方法である。生成物の合成は、COと選択された供給原料との一般的な混合と組み合わせて、バイオ反応プロセスに光分解の追加を導入することによって強化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1A】ベンチュリノズル、フランジ、電気モータハウジング、UV-B/C排出フェアリング及びシールド、並びに排出ノズルを含む、開示されたリアクタの主要な構成要素を示す図である。さらに、圧力タップ及び支持スタンドの一般的な配置が、2D右側立面図で提示されている。
図1B】電気モータ、シャフトカップリング、主駆動シャフト、及びフランジ付きキャップ、支持アセンブリの3D詳細を有する図1のリアクタアセンブリの右側等角図、並びにUV排出フェアリング、シールド、及び排出ノズルの後方遠隔図である。
図1C】モータフェアリング-ハウジングを有さない電気モータの拡大等角図であり、シャフトカップリング、主駆動シャフト、シール-軸受アセンブリ、及びキャップ端部フランジセクションを3Dで詳細に描写する。
図2A図1のリアクタベンチュリキャビティの断面の左側立面図である。2D断面図には、スラリー混合物を混合及び撹拌するためのプロペラと、ベンチュリノズル全体を通って延びる主駆動シャフトとが示されている。石英、サファイア、又は高いUV透過性を有する他のタイプの硬化透明又は半透明材料からの壁から形成され、紫外線照明アレイマウントによって囲まれたるつぼと、キャップ端部フランジリテーナとを示す側面立面図が表示されている。側面立面図では、電気モータ、電気モータ-リアクタマウント及びキャップ端部フランジアセンブリ、並びにポートがさらに描写されている。
図2B図1Aの電気モータフェアリング-カバーを有さない、完全なバイオリアクタアセンブリの左側斜視図である。
図2C】主駆動シャフトから始まり、UV排出ナセル及びシールドで終わる、バイオリアクタの左側の斜投影図である。ベンチュリノズルキャビティの断面図も描画され、内壁に装着され、主ドリフトシャフトの周りに配向された有孔容器を例示する。断面図はまた、主駆動シャフトに装着され、リアクタキャビティ内に収容されたミキサ-アジテータを特徴とする。
図2D】主駆動シャフトから始まり、分割壁保持キャップ端部フランジで終わる、バイオリアクタの左側の斜投影図である。ベンチュリノズルキャビティの断面図には、バイオリアクタの内壁に装着され、主ドリフトシャフトに沿って配向された有孔容器が描写されている。断面図はまた、主駆動シャフトに装着され、リアクタキャビティ内に収容されたミキサ-アジテータ、ポート、加熱バンド要素、フランジ付きキャップ端部、直線セクションチューブ、及びシール-軸受アセンブリ構成を示す。
図3A】ブロックマウント及びフランジによって支持された分割保持壁キャップ端部の周りに設置されたUV及び可視光のLED(発光ダイオード)及びランプアレイの左側斜視図である。UV排出フェアリング及びシールドは取り外されており、図示されていない。また、分割壁キャップ端部内に収容された石英若しくはサファイアシリンダ又は他のタイプの透明材料シリンダも描写されている。
図3B】分割保持壁キャップ端部フランジの左側二軸測視図(dimetric left side view)、ベンチュリノズルバイオリアクタ及びポートの断面である。UV排出-シールドナセルの断面図は、分割保持壁キャップ端部フランジ内に収容されたUVエミッタハウジング、UVエミッタ、石英、サファイア、又は透明材料のるつぼの配置及び配向を明らかにする。
図3C】リアクタ本体及び構成要素の2D右側立面図及び断面図である。断面図は、フランジ付きキャップ端部から始まり(左から右)、光ファイバケーブル用のUVエミッタ源で終わる。電気モータ及びUVフェアリングカバーを有さないリアクタキャビティの断面図では、分割壁保持フランジ付きキャップ端部の外側に装着されたUVエミッタから始まり、リアクタキャビティを通過する光ファイバケーブルが示されている。
図3D】UV及び可視光ナセル-排出シールドの断面図、並びにベンチュリノズルリアクタ本体コア又はキャビティの断面図を描写するバイオリアクタの左側斜視図である。リアクタのコア又はキャビティの内側には、UV又は可視光エミッタ源から始まり、バイオリアクタの内壁に装着される光ファイバケーブルがある。UVナセルの内側には、LED、又はランプベースのUV及び可視光源が示されている。光ファイバは、UV又は可視光源エミッタから始まり、キャップ端部フランジ及びるつぼを通過してリアクタキャビティに入る。
図4】永久磁石発電機を形成する巻線を有する、プロペラブレード先端リングのロータ及びステータハウジングの詳細な斜視図である。この構成では、プロペラブレードの回転は、将来の電力消費のために貯蔵され得る、又は電気モータを動作させるために使用可能な電気に変換され得る電気エネルギーを生成する。この構成は、反応時間又は反応後時間におけるエネルギー回収を容易にする。
図5】圧力エネルギーを回収するための複数の圧力タップポートを有する一次リアクタアセンブリの2D右側立面図である。リアクタに再注入される廃棄CO及び水蒸気又は蒸気の圧力を増加させ、プロペラミキサの回転を誘発し、リアクタから反応の生成物又は炭酸塩をパージし、水性スラリー供給原料で炭酸化されていない可能性があるCOを再利用する液体ガスブーストポンプアセンブリが描写されている。
図6】リアクタの2D右側立面図である。ベンチュリノズルリアクタの断面図は、主駆動シャフトの周りに配向された、リアクタのキャビティ内に収容された有機及び無機媒体を貯蔵するための有孔シリンダを描写している。追加的に、非接触供給原料装填のためのマルチポート注入システムが描写されている。有孔容器は、鉱物供給原料又は細胞組織培養物のいずれかを収容し、有孔は、ミキサタービンの循環を介した、リアクタキャビティに注入された有機栄養培地及び無機供給原料の、マルチポートによる拡散を可能にする。
図7】有機媒体及び無機媒体を収容するための有孔シリンダの二軸測視拡大図である。シリンダは、主駆動シャフトに沿って配向され、ミキサタービンによってリアクタのキャビティから循環する液体、固体及びガス状媒体流を受け取る。
図8】バイオリアクタのベンチュリノズルセクションの外壁に沿って装着された任意の構成の注入ポート及び排出ポートの二軸測視図及び空間位置基準である。ポートは、バイオリアクタへの、およびバイオリアクタからの液体、固体及びガスの注入及び排出に使用される。
【0005】
上記の図では、断面の図示は、断面塗りつぶし線によって例示されている。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本開示は、生成物を合成するために鉱物供給原料を用いてCO及び他のガスを利用する方法を提示する。開示された実施形態の先進的なバイオリアクタ内の液体、固体、ガスの光化学反応の結果として、合成された生成物は、複数の最終用途の消費者製品及び工業製品のための沈殿した原料である。バイオリアクタから生成された廃熱、圧力及びトルクは、エネルギー効率のためのエネルギー回収装置の組み合わせを介して、発電及び又は環境調整のための熱交換に利用される。エネルギー回収装置は、開示されたリアクタが、活性ミキサ-アジテータアセンブリ、圧力及び真空容器チャンバ、熱源、並びに媒体摂取用のポートからも構成されるリアクタシステムの必須の構成要素として、紫外線を介した光分解を組み込むので、リアクタを動作させるコストを相殺して低減する。開示されたリアクタは、二酸化炭素COのようなガス状、固体、及び液体供給原料、並びに水性媒体中の無機及び/又は有機である他の供給原料を、無機及び有機生成物に変換するのに役立つ広範囲の環境条件をシミュレートするように設計されている。
【0007】
炭酸塩COは、化合物の光及び化学的解離、並びにその後のイオン交換による化合物炭酸塩形態への結合の結果である。このような光化学的、電気化学的及び自然の速度論的反応の結果により、二酸化炭素COは無機金属ケイ酸塩と結合し、長期的には炭酸塩として安定な形態となる。COの供給源は、これらに限定されないが、自由流大気からのCOの直接的な空気捕捉、及び又は産業プラント、工場、及び建物の排気、煙道ガスからの捕捉に由来してもよい。より具体的には、本開示は、開示されたリアクタの一部としてエネルギー回収装置を組み込むことを記載する。本実施形態の先進的なバイオリアクタ内の光化学反応から生じる可能性のある生成物は、これらに限定されないが、無機炭酸塩、流体及びゲル媒体、ガス、細胞及び植物培養食品、試薬、固体無機酸化物、鉱物供給原料、並びに人間及び非人間が利用及び消費するための酵素及び微生物のような有機体を含むことができる。
【0008】
一般に、開示された実施形態の先進的なバイオリアクタにおける光化学反応に由来する生成物は、人間及び非人間が消費及び利用するための液体、固体及びガス状生成物として広く分類することができる。
【0009】
光分解及びエネルギー回収能力を有する、開示されたバイオリアクタは、高温及び高CO分圧(P(CO2)としても表記される)下での鉱物及び添加剤によるCOの炭酸化が使用されるが、これに限定されない。COは温室効果ガスであり、大気中に放出されて気候危機の原因となる主要なガスである。International Panel on Climate Change
(IPCC:気候変動に関する国際パネル)は目標を設定しており、その多くがまだ存在していない無数の技術的かつ自然な解決策からの直接的な空気捕捉によるCOの能動的除去を求めている。開示されたリアクタは、直接空気捕捉されたCO、産業用エミッタのCO、又は産業用煙道ガス廃棄物流から分離されたCOを利用し、光及び化学反応を介してCOを炭酸塩に変換し、プロセスにおいて、隔離されたCOのための安定な長期貯蔵溶液及び使用を提供する。このタイプの炭酸化は、風化促進(accelerated weathering)又は風化強化(enhanced weathering)として公知である。ガス状CO、又はCOが富化された水である炭酸水のいずれかがケイ酸塩及び他の鉱物と反応して、体積及び重量により部分炭酸塩を生成する場合、同様のプロセスが自然に起こる。しかしながら、天然の炭酸化のタイムスケールは、数十万年以上ではないにしても、数百年や数千年である。
【0010】
エネルギー回収を伴う開示された光分解リアクタは、数分及び数時間以内にCOの完全炭酸化バッチを完了し、エネルギー回収装置を用いてそのエネルギー消費を相殺することができる。リアクタ内の供給原料として利用することができる他の種類の不活性ガス、貴ガス、同素体ガス及びカルコゲン基ガスには、窒素(N)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、オゾン(O)及び酸素(O)が含まれる。
【0011】
一般に、バイオリアクタのタイプは、2つの広範なフローカテゴリ:水平及び垂直に分類される。垂直又は水平のいずれかの処理フローには利点及び欠点がある。垂直リアクタは、シリンダハウジング、通常は鋼合金材料の構造設計であり、ヘッドスペースを含む、鉱物、添加剤、及びCOなどの媒体を収容するのに十分なスペースを有するミキサ/プロペラ(単段)を含む。エネルギー回収装置を有する開示された光分解リアクタは、開示された実施形態の説明全体を通して、COを注入するガスブースタポンプによって、2200ポンド毎平方インチ(略語psiと呼ばれ、P(CO2)として表される)まで加圧することができる。垂直リアクタの利点には、150立方メートル以上の体積のサイズへのスケーリングを容易にする単純な構造が含まれる。
【0012】
垂直リアクタは、反応下でスラリー及び又は媒体を撹拌するミキサ又はインペラを収容することができる。垂直リアクタにはいくつかの欠点がある。第1に、重力が常にスラリーを下方に引っ張り、旋回されていない、又は撹拌されていない媒体を、炭酸化がゆっくり起こるか、又は全く起こらない可能性がある底部に沈ませる。第2に、単一のミキサでは、底に沈んだ媒体を能動的に混合するのに経済的に苦労する。持続的な撹拌がなければ、不動態化シリコーン層が形成され、ケイ酸塩の炭酸化を阻害し、反応速度、すなわちCOの吸収及びその後の炭酸化を遅らせる。第3に、バッチあたりの媒体及び/又はスラリーの体積及び質量が増加するにつれて、スラリー及び/又は媒体重量は、150立方メートルの体積スケール以上における垂直混合を、予想よりも遅いプロセスにする可能性があり、バッチスループットあたりの効率損失をもたらす可能性がある。
【0013】
水平軸1段リアクタは、垂直撹拌リアクタに勝る重要な利点を有する。第1の利点は、体積に対して容量を効率的に使用することである。リアクタの全体積は、垂直リアクタとは異なり、スラリーの重量変位の分配、水平方向の拡散及び混合からのスラリー粒子表面積の増加を伴う炭酸化に利用可能である。第2の利点は、垂直、円筒形及び/又は球形の幾何学的設計と比較して、水平ベンチュリノズル、ベンチュリ型設計からの流動力学(圧力)が改善されることである。
【0014】
中央圧力本体部分の本リアクタは、ベンチュリの収束部と発散部との間にあるスロート又は収束部を有するベンチュリメータ構造を使用する。スロート部分は、流体流が収束し、増加した速度及び減少した圧力で流れる最も狭い部分を画定する。発散部は、スロートから離れて延び、断面が増加し、そこを通って流れる流体が広がる。
【0015】
ノズルの幾何学的形状が、収束-発散ベンチュリノズル設計の狭窄セクションを通るスラリー及び/又は媒体の体積あたりの効率的な流れをもたらすので、水平流リアクタはバッチあたりでより高いスループットで機能する。基本的な物理学は、ベルヌーイ効果とベンチュリ効果によって定義される。ミキサが水性スラリーを、ベンチュリリアクタの右側及び左側、並びに電気モータの回転の反転により右から左に移動させるので、スラリー又は媒体はリアクタの狭窄セクションを通過しなければならず、その結果、通過中のスラリーの速度が増加し、圧力が低下する。熱バンド又は熱要素は、狭窄セクションの外面の周りに配置され、次いで、リアクタのコアを加熱し、次いで、ベンチュリノズルリアクタの狭窄セクションを通過中のスラリーを加熱する。
【0016】
能動的混合により、水性スラリーは、ベンチュリの加熱された狭窄セクションを通過する。次いで、熱は、円筒形、球形、又は非ベンチュリリアクタ本体の設計と比較して、リアクタ全体にわたって均一かつ迅速に分配される。加熱分配の増加により、最適な反応温度までの時間はより速くなる。
【0017】
さらに、本実施形態は、複数の紫外線(UV)-A、UV-B及びUV-C発光ダイオード(LED)、エキシマランプ、ランプを組み込み、リアクタ容器のキャビティ内でスラリー中の鉱物、ガス及び添加剤の解離を加速する。光エネルギーは、より短い波長に近づくにつれて、よりエネルギーが大きくなる。遠紫外線、短紫外線及び真空紫外線(VUV)範囲におけるこの光エネルギー及び強度は、他のガスの存在下で、局所的なリアクタの熱及び圧力条件に独立して基づいて、化合物を解離させることができる。UV-C及びUV-B光エネルギーは、反応プロセス中に殺菌剤として補助的な利益を提供する。UV-C光は、病原菌、細菌、ウイルス、及び他の病原体を中和する能力が特に注目されている。バイオリアクタに組み込まれたUV及び可視光のエミッタ、ダイオード、及びランプの完全な紫外線波長は、真空紫外線(VUV)の100nm~200nm、UV-Cの200nm~280nm、UV-Bの280nm~315nm、及びUV-Aの291nm~400nm、並びに可視光の400nm~700nmの範囲に及ぶ。開示されたUV及び可視光エミッタは全て非イオン化型である。
【0018】
UV-Cは、125~200ナノメートル(nm)の波長の非イオン化電磁放射線である紫外線の高エネルギースペクトルである。UV光は、開示された実施形態の先進バイオリアクタにおいて3つの主要な能力において使用される:(a)UV-Cによって生成されたOH(ヒドロキシル)及びO(オゾン)からの炭酸化増強のための水精製、(b)浸出鉱物、カルシウム若しくはマグネシウム、又は他の無機及び有機供給原料と結合して水酸化物を生成する高速反応OH(ヒドロキシル)の生成、並びに(c)リアクタ内の鉱物炭酸化に使用するため、又は貯蔵及び他の場所で使用するため、UV-Cで生成されたOHを、160nmの波長においてUV-Cでの副生成物であるCO(一酸化炭素)及びO(酸素)と反応させ、次いで再結合させて、CO生成物を生成することができるということ。
【0019】
開示される実施形態のバイオリアクタの特定の熱、圧力、滞留時間、紫外線照射、固体鉱物供給原料、ガス投入量、及び一般生成物の下での光化学反応速度を支配する一般式を以下の段落に示す。記載された反応における全ての投入物は無機であり、無機ケイ酸塩の耐候性を高めるためのバイオミネラル化又はバイオ炭酸化のための有機投入物を考慮しない。
【0020】
鉱物ウォラストナイトは、実施例1において使用される。珪酸カルシウムCaSiOの一般的な化学化合物を有するウォラストナイトは、鉱物投入物であり、COと反応して、開示された実施形態のリアクタ内で炭酸カルシウム(CaCo)及び二酸化ケイ素(SiO)を与える。
CaSiO+CO→CaCO+SiO 式(1)
この反応は水相中ではるかに効果的である。水HOがCOを吸収すると、水相は酸性になり、以下によって与えられる以下の種が同時に存在する:
CO+HO→HCO 式(2)
さらに、
CO→←H+HCO 式(3)
HCO →←H+CO 2- 式(4)
O→←H+OH 式(5)
そして、ウォラストナイトに含有されるカルシウムは、以下のようにして水相に溶解する。
CaSiO+2H→Ca2+SiO↓+HO 式(6)
Ca2++CO 2-→←CaCO↓ 式(7)
【0021】
この実施例で反応が起こるための滞留時間は30分~6時間であり、参照されるウォラストナイトの粒径は38μ(ミクロン)である。能動的混合は、1500回転毎分(rpm)である。最高温度は華氏400度である。約400ポンド毎平方インチ(psi)又は30barのPCO2分圧での内部バイオリアクタ圧力。
【0022】
次の実施例2では、UV-C照射が使用される。天然光励起(hv)、すなわち、上層大気の大気圧動作条件下でのヒドロキシル(OH)の生成は、開示された実施形態のバイオリアクタにおいてUV-C≒(λ160nm~172nm)で人工的に再現される。Mは、衝突ガス、典型的には窒素である。
【0023】
以下の一般式は、光化学反応を記述する。
+hv→←O+O(P) 式(8)
O(P)+O(+M)→O(+M) 式(9)
O(P)+HO→2OH 式(10)
【0024】
圧縮空気及びUV-C光分解の副生成物であるOは、ヒドロキシル(OH)形成を補うために、開示された実施形態のバイオリアクタに注入することができ、以下が得られる。
CaSiO+2H+OH+hv→Ca(OH)+SiO2(s)+H 式(11)
次いで、COがリアクタに注入され、これにより、以下が得られる。
CO+Ca(OH)+SiO2(s)→CaCO+HO+SiO2(aq)
式(12)
水和スラリーをバイオリアクタから除去し、温度T≒華氏212度で乾燥させる。水蒸気H(aq.-蒸気)が収集され、精製され、その後の使用のために再利用され、これにより、以下が得られる。
CaCO+HO+SiO2(aq)+ΔH→CaCO+SiO 式(13)
【0025】
実施例2の滞留時間は5分~1時間であると推定され、ウォラストナイトの粒径は38μ(ミクロン)で参照される。温度は華氏250度/華氏400度である。圧力条件は、200~400ポンド毎平方インチ(psi)のPCO2分圧から変化してもよい。能動混合は、500rpm~1500rpmである。
【0026】
開示されたリアクタは、タービンブレードが回転しているときにDC電力を生成することができる、様々な構成のプロペラ及び/又はモータシャフトのブレード先端に結合されたリングステータ磁石を含むがこれらに限定されないエネルギー回収装置を組み込んでおり、シャフトに装着されたタービン及びそのようなシャフトに向けられた圧縮COガスジェットも発電機に結合されるが、COガスジェットからの高圧流体エネルギーは、多要素タービンの機械的トルクに変換する。さらに、高圧蒸気及び圧縮空気もまた、タービン回転を誘発するためにリアクタに注入及び再注入することができ、回転タービンシャフトも電気モータに結合されている場合、直流電気が生成される。Thermo electric generators(略してTEG:熱発電機)は、熱流束から電荷を生成するためにゼーベック効果を使用する固体状態装置である。TEGはリアクタ設計に組み込まれている。DC及び/又はAC電力の形態で電気を生成することは、炭酸化及び他のタイプの反応に必要な最適な熱及び圧力条件で開示されたリアクタを動作させるために必要なエネルギー消費を相殺する。
【0027】
本実施形態のバイオリアクタは、温度、圧力及び真空、混合、人工UV、可視光に関する機能範囲が広いため、食品、具体的には、魚、肉、特定の野菜などの細胞培養食品や、人間や動物が消費するための特定の植物の製造にさらに応用される。リアクタの容積、材料、並びに無機生成物及び有機生成物の両方のための設計は、大型バッチで細胞培養食品用の組織及び有機物を処理及び培養するために、0.014立方メートル~150立方メートルの容積でスケーリングすることができる。
【0028】
好ましいリアクタ材料は、ステンレス鋼及び又はアルミニウムである。リアクタの容積をスケーリングするために、他の軽金属合金、ガラス、及びサファイアアタッチメントが、いくつかのタイプのプラスチックよりも好ましい場合がある。プラスチックの選択は、永久に残る化学物質(forever chemicals)の頭字語であるPFAS/PFOA/PFOS、及びプラスチック製品中に存在し、リアクタ内でインキュベートしている培養バッチに潜在的に移行する可能性がある潜在的に有毒な化学物質の移行のリスクのために、慎重に行わなければならない。しかしながら、PFAS/PFOA/PFOSを含まない特定のプラスチック、成形炭酸塩及びポリカーボネートを、リアクタ内張り本体の材料として使用することができる。PFAS/PFOA/PFOSから作製されたテフロン(登録商標)材料を組み込んだ最先端のバイオリアクタには、永久に残る化学物質の群が肉、魚、及び植物製品などの培養細胞有機製品へ移行するリスクがあり、移行からヒト及び非ヒトが永久に残る化学物質を摂取するリスクがある。
【0029】
細胞培養肉のための筋細胞の産生は、2つの段階に分離することができる:細胞が分裂して増殖する増殖段階、及び細胞が骨格筋細胞に分化し、次いで多核筋管に融合する分化段階。両方の段階は、異なる培養環境を必要とする。分化段階の間、骨格筋細胞が筋組織を形成することができるように、3D支持構造が必要とされる場合がある。
【0030】
現在の最新技術のバイオリアクタと比較して、開示された実施形態のバイオリアクタは、リアクタの容積及び長さ全体に等しく栄養流を拡散させ、帯状加熱又は部分加熱及び冷却を維持し、並びに可変速混合、逆流混合及びガス注入からの熱交換によってリアクタ内の培養物全体に均一に加熱を分配することができる。
【0031】
紫外線(UV)発光源及び/又は可視発光源を使用することで、光ファイバケーブルを使用して、又はバイオリアクタのキャビティ内に収容された、若しくはバイオリアクタの外壁に沿って円周方向に装着されたUV若しくは可視光源から直接、バイオリアクタ内に封入された各組織培養物を照射(irradiate)(照射(dose))することができる。UV及び可視光の照射は、特定の細胞培養物の発生率を高めることができ、様々な細胞組織培養肉、家禽、魚、特定の植物及び野菜のバイオフォトニックシーケンシングに実用的である。
【0032】
バイオフォトニクスからの細胞培養組織の発生率を高める主な方法は、バイオリアクタ内でインキュベートする栄養流及び細胞組織培養物に対する殺菌利益にある。ウイルス、微生物細菌(酵母、真菌)、及びマイコプラズマは、細胞汚染を引き起こし、細胞組織の喪失をもたらし、リアクタに収容されたバッチ全体の汚染を引き起こす可能性がある。UV-C/B/A光は、細菌、ウイルス及び病原体に対する強力な殺菌剤及びRNA破壊剤であり、組織培養物中の細菌及びウイルスコロニーの拡散を防止する。
【0033】
本実施形態のバイオリアクタは、試薬、栄養素、ガスを注入するための複数のポートと、スラリー廃棄物及び細胞廃棄副生成物を除去するための排出ポートとを有する。UV照明を使用して、栄養ブロスに使用される水を精製及び再利用することができる。
【0034】
エネルギー回収能力を有する、開示された次世代光分解リアクタは、実験室、機関、及び研究施設で見られる従来の垂直マウント型リアクタとは異なる動作をする。バイオリアクタ設計は、200~400ナノメートル(nm)の波長の紫外線/UV-A/B LED(液体発光ダイオード)及びエキシマランプ、並びに140nm~200nmのUV-C指向光エネルギーと組み合わせた多要素軸プロペラアジテータを利用して、ケイ酸マグネシウム及びケイ酸カルシウム鉱物並びに他の鉱物廃棄物、酸化物供給原料及び脱硫硫酸カルシウムを用いてCOを炭酸化する時間を加速する。光分解、高温及び圧力の結果として生じる効果は、好ましい実施形態の背景の説明において実施例2に記載されているように、COの存在下でのケイ酸カルシウム及びケイ酸マグネシウムの炭酸化の増強である。
【0035】
生成される炭酸塩沈殿物は、これらに限定されないが、炭酸マグネシウム(MgCO)、炭酸カルシウム(CaCO)、ドロマイト炭酸塩([Mg/Ca]CO)、炭酸鉄、(FeCO)、炭酸カリウム(KCO)、及び炭酸ナトリウム(NaCO)とすることができる。次いで、炭酸塩は、多数の産業プロセス及び最終使用製品の供給原料材料となる。本実施形態は、地球の上部マントルの状態をエミュレートするために、2200psi(ポンド毎平方インチ)、又は150atm(気圧)まで加圧することができるリアクタ圧力容器ハウジング、キャップ端部、及び石英ビューポートからなる。リアクタ環境を減圧して、低大気圧条件及び真空条件をエミュレートすることもできる。
【0036】
開示されたリアクタはまた、周囲条件下で華氏2000度までの加熱、高圧条件下で華氏625度までの加熱、及び負の温度-華氏20度までの凍結に耐える。内部及び外部に装着された加熱要素が、高熱環境シミュレーションのための熱エネルギーを提供する。産業又はプラントの排気設定では、煙道ガスの排気からの熱は、組み込まれたバイオリアクタ加熱要素を補完し、熱エネルギー消費をより低くすることができる。多要素ミキサは、一般的に使用される単一段アジテータに対して指数関数的により多くのスラリー表面領域を撹拌し、これは高温での沈殿までの時間を増加させるのに役立つ。
【0037】
鉱物炭酸化からの沈殿中に、過去の研究及び実験から、不動態化シリコーン層すなわちPLが形成されること、及び炭酸化プロセス中に再形成されることが見出されており、これは炭酸塩を沈殿させる時間を阻害する。鉱物及び岩石形成の自然の風化では、風化した表面領域であるラテライト層が生じる。ラテライト層は、層が破壊、露出、又は除去されない限り、その下の風化していない鉱物表面領域が風化するのを防止又は阻害する。開示された多要素ミキサは、最大1500rpmで動作して、炭酸化プロセス中に高温及び高圧で形成及び再形成するPassivating Layer(PL:不動態化層)を持続的にチップアウ
ト及び破壊する。
【0038】
UV-C光分解は、ヒドロキシラジカル(OH)を誘発し、次いで、ヒドロキシラジカルは、浸出したケイ酸カルシウム及びケイ酸マグネシウムと結合して水酸化物を生成することができ、水酸化物は注入されたCOと反応し、次いで、添加剤又は混和物を含み得る水性スラリー中で炭酸塩が生成される。リアクタの一部として開示される人工UV-C光エミッタは、上層大気中のオゾン生成のように、太陽光からのUV-Cに曝されたときの酸素の光解離をエミュレートする。光分解(photolysis)は、光解離及び光分解(photo decomposition)とも呼ばれ、無機化学物質又は有機化学物質がエネルギー光子によって分解される化学反応であり、1つ又は複数の光子と1つの標的分子との相互作用である。UV-C指向性の光を用いた光分解を使用することによって、鉱物供給原料及びCOのリアクタバッチあたりの反応時間が著しく向上する。光分解は、潜在的に炭酸化時間を1時間以下に短縮することができる。実施形態を通して、UV又は可視光の放射又は照射への言及は、UV及び可視光波の非イオン化波長に限定される。
【0039】
さらに、開示されたリアクタは、ブレード先端リング永久磁石発電機の実装を介して、反応プロセス中に消費されるエネルギーを回収する。ミキサタービンは、発電機のロータとして機能し、発電機構成を完成させるために巻線を有するステータリングハウジングによって囲まれる。追加的に、反応中及び反応後に廃棄物圧力を移送及び再注入する圧力エネルギー回収システムを、開示されたリアクタ設計の一部として使用して、リアクタシステムの運転に必要なエネルギー入力を相殺する。
【0040】
図1Aは、光分解リアクタ、構成要素、及びサブアセンブリを描写する。バイオリアクタシステムは、3つの主要な機能セグメントA、B、及びCに分割される。図1Aには、バイオリアクタシステムの3つの主要な機能セクションA、B、Cの間を線引きする境界線セパレータが描写されている。セクションAの境界は、電気モータハウジング1から始まり、直線パイプキャップ端部19及びフランジ2で終わる。セクションBは、セクションAの端部から始まり、分割保持壁キャップ端部フランジ6で終わる。セクションCは、セクションBの端部から始まり、排出チューブ15で終わる。セクションAは電力駆動セクションであり、セクションBはベンチュリノズルセクションであり、セクションCはUV及び可視光セクションである。各セクションはモジュール式である。セクションA内では、電気モータが、電気モータハウジング1によって囲まれる。
【0041】
ハウジングカバー1内の電気モータは、電気モータを支持するフレームスタンド9に装着される。典型的には雄雌スリップオンフランジと呼ばれる、互い違いに面するフランジ対2及び6が示されている。直線セクションのパイプキャップ端部19は、溶接によってフランジ2に固定される。次いで、フランジ2は、高強度の高温締結具2.1によって互いに接合される。セクションBにおいて、ベンチュリノズル11、12、12.1、及び13は、図1Aのバイオリアクタシステムの中央圧力体を形成する。セクションBのベンチュリノズルの幾何学的形状は、連続した直線シリンダ又はチューブと比較して流体の流れの改善を促進する。ベンチュリノズルセクション12は、直線セクション11に向かって発散する。ベンチュリノズルセクション12.1は、短い直線セクションチューブ13に向かって発散する。セクションBの直線セクションチューブ11及び13は、溶接によって、互い違いに面するフランジ2及びフランジ6に取り付けられる。フランジ6の背面には、セクションCにおいてセクションCの構成要素を備える分割保持壁を有するキャップ端部チューブが溶接されて、分割保持壁を有するキャップ端部チューブは、UVナセル-シールドフェアリング8によって囲まれる。UVナセル-シールドフェアリング8には、排出チューブ15の360°の回転を容易にするスリーブ付き支持チューブ14に接続された排出ノズル15が取り付けられる。UVナセル-シールドフェアリング8は、クランプ7によって分割保持壁のキャップ端部チューブから取り外し、又はそれに固定することができるモジュール式セクションである。
【0042】
スリーブ付き支持チューブ14は、排出ノズル15を360°(度)回転させて、オゾン廃棄物を異なるスタック高さの水タンク又は貯蔵ビンに導くことを可能にする。オゾン(化学式O)は、バッチ反応中に高強度UV-C LED(発光ダイオード)、及びランプによる周囲酸素(化学式O)の解離によって生成される。UVナセル-シールドフェアリング8はまた、UV-C光に対するバリアシールドであり、設置時にUV-C光エネルギーに人間が曝される可能性を排除する。2つのポート3、4が、媒体供給原料及びCOガスをセクションBに注入することを可能にし、次いでガスはセクションA、Bを通って拡散し、バイオリアクタシステムのセクションBから排出することができる。加熱要素又は加熱バンド5は、図1Aのリアクタアセンブリの熱環境を制御する。加熱バンド5は、収束セクション12.3(図2C及び図3B及び図3D及び図6参照)又はセクションBのベンチュリノズルの狭窄セクションの外面直径の周りに設置される。図1Aのリアクタ本体及びアセンブリは、セクションAの10及びセクションBの10.1の2つの
ブロックスタンドによって支持される。
【0043】
図1Bは、フェアリングカバー1(図1A)を有さない、図1Aのバイオリアクタアセンブリの右側等角(ISO)図であり、電気モータ22、電気モータシャフト22.1、駆動シャフトカップリング22.2、主駆動シャフト21、フランジ付きキャップ端部2(図1A、2)、及び直線セクションパイプキャップ端部19(図1A、19)、分割保持壁フランジ付きキャップ端部6(図1A、6)、加熱バンド要素5(図1A、5)の3D詳細図、並びにUVナセル-シールドフェアリング8(図1A、8)、及び排出ノズル15(図1A、15)の構成の遠方図である。動作中、電気モータ22は、シャフトカップリング22.2に固定的に接続された電気モータシャフト22.1を回転させ、シャフトカップリング22.2は主駆動シャフト21に固定的に接続され、主駆動シャフト21は、電気モータシャフト22.1と同じ直径であってもなくてもよい。回転は、周囲圧力下、かつ2200ポンド毎平方インチ(psi)までのガス混合物又はCO分圧において、又は-5psi若しくは-517torrに近い真空環境において、1~1800回転毎分の可変速度で行うことができる。
【0044】
主駆動シャフト21の回転は、ミキサ-アジテータタービンに回転を与え、ミキサ-アジテータタービンは、スラリー及び/又は媒体、並びにリアクタ内にある、有機又は無機の任意の他の液体、固体又はガス状供給原料を撹拌、混合及び分散させる。スラリーという用語は、水及び添加剤と組み合わせた、様々な粒径の無機鉱物供給原料の混合物として定義される。スラリーを予備混合してリアクタに注入してもよく、又は水、添加剤、及び無機鉱物供給原料の別々の注入から、スラリーをリアクタ内で生成してもよい。
【0045】
ベンチュリ効果及び、ベンチュリノズル12、12.1(図1A、セクションB)の狭窄セクションの外面上の電気バンドヒータ又は電気加熱要素5(図1A、5)の配置により、ミキサの回転を介して、図1AのセクションA、B、及びC並びに図1Bのバイオリアクタアセンブリ全体に熱が均一に分配される。排出ノズル15(図1A)、スリーブ付き支持チューブ14(図1A)、及び追加のスラリー注入ポート4.1は、UVナセル-シールドフェアリング8(図1A)に対して相対的な位置に示されている。追加の注入ポート34は、ガス用であり、無機スラリーポート35、有機培養ポート36、有機培養用の栄養素及び一般的な添加剤ポート37は、ベンチュリノズルセクション12(図1A)の表面に沿って装着されて示されている。
【0046】
図1Cは、モータフェアリング-ハウジング1(図1A)を有さない、電気モータ22(図1B)の等角拡大図であり、シャフトカップリング22.2(図1B)、主駆動シャフト21(図1B)、少なくとも1つのシール-軸受シャフト支持アセンブリ20、少なくとも1つの保持シャフト支持板20.1、締結具41、及び直線パイプセクション19(図1A図1B)を有するキャップ端部フランジ2(図1A図1B)を描写する。
【0047】
図2Aは、ミキサアジテータ軸流タービン25、25.1、25.2及び26、26.1及び26.2を断面図で示しており、これは、ベンチュリリアクタ本体セクション12、12.1、11、13(図1A図1C)内の反応下での媒体の永続的かつ断続的な混合のための多要素構成である。主駆動シャフト21(図1B図1C)は、シャフトカップリング22.2(図1B図1C)から水平に延び、シール-軸受シャフト支持アセンブリ20(図1C)を通過して示されている。主駆動シャフト21(図1B図1C)は、ベンチュリノズルセクション12、12.1、11、13(図1A図1B)を通過し、ベンチュリノズル発散セクション13(図1A)で終わる。ミキサ-アジテータ軸流タービン25、25.1、25.2及び26、26.1、26.2は、反応下で媒体を撹拌する。分割保持壁キャップ端部24、フランジ6(図1B図1A)内では、るつぼ17が囲まれている。透明な半透明材料がるつぼ17を形成し、透明な半透明材料は、UV
LED(発光ダイオード)及び可視光エミッタ23のアレイから放出されるUV及び可視光の透過を可能にし、UV及び可視光エミッタ23は、分割保持壁キャップ端部24を囲むプレート構造16上に円周方向に設置される。電気モータ2(図1B図1C)の支持は、プラットフォーム支持構造9(図1A)によって提供される。図1AのセクションA、B、Cは、参照のために描写されている。
【0048】
UV又は可視光エミッタ23は、ここで、反応速度を高めるために、高温又は低温、かつ高圧若しくは低圧で、若しくは真空中での反応下で媒体に照射することができる。追加の圧力タップポート4.1は、高圧CO及び蒸気をベンチュリノズルセクション12、12.1(図1A図1B)の内側のタービンブレードに注入して、ミキサアジテータ軸流タービン25、25.1、25.2及び26、26.1、26.2の回転を誘発することを可能にし、電気モータ22(図1B図1C、22)を回転させる。CO及び蒸気を再注入することは、図1A図1B図1C図2Aのバイオリアクタシステムを動作させることからのエネルギー入力を部分的に相殺する。
【0049】
バンドヒータ又は加熱要素5(図1A図1B)は、図1Aのリアクタ本体、セクションA、B及びC(図1B及び図2A)内の熱環境を制御するための一次加熱源である。熱が図1Aのバイオリアクタアセンブリのコア、セクションA、B、Cを通して分配され、最適な反応温度に到達すると、CO及び他の不活性ガスを、図1A及び図1Bのポート4、4.1を通して注入することができ、次いで、図1A及び図1Bに示す加熱要素5によって設定された熱勾配、及び注入時のCOの分圧に応じて、図1A図1B図2Aに示すベンチュリノズルリアクタキャビティに超臨界及び/又は臨界状態で入る。
【0050】
図2Bは、図1Aの電気モータハウジングカバー1を有さない、図1A図1B及び図2Aの完全なバイオリアクタアセンブリの左側斜視図である。UVナセル-シールドフェアリング8(図1B図1A)は、図1A及び図1Bでは排出ノズル15と共に示されている。図1A図1B及び図2Aのフランジ6及び2は、左側斜視図に描写されている。図1A及び図2Aに示すポート4.1、及び追加のポート30が示されている。図1B図1C及び図2Aに示す電気モータ22、並びに図1B図1C及び図2Aに示すシャフトカップリング22.2は、UVナセル-シールドフェアリング8に対する相対位置で示されている。
【0051】
図2Cは、図1B図1C及び図2Aに示す主駆動シャフト21から始まり、図1A図1B及び図2Bに示すUVナセル-シールドフェアリング8で終わるバイオリアクタの左側の斜投影図である。図1A図1B図2Aに示すベンチュリノズルセクション12、12.1、及び11の断面斜視図は、ミキサ-アジテータ軸流タービン26.2、26、25、25.2(図2A)が図1B図1C、及び図2Aに示す主駆動シャフト21に沿って配向されていることを明らかにする。図1A図1B及び図2Aに示すベンチュリノズルセグメント12、12.1の内壁に装着された2つの有孔円錐シリンダ33、33.1が示されている。有孔シリンダ33、33.1の主な目的は、リアクタキャビティの残りの構成要素とは別個に無機及び有機供給原料を収容することである。
【0052】
細胞組織培養物のような有機供給原料の場合、有孔シリンダ33、33.1に細胞組織有機培養物を予め充填することは、細胞組織培養物の注入よりも好ましい可能性がある。各シリンダ33、33.1の有孔は、有機及び無機栄養素が図1A図1B図2A図2Bのリアクタ本体キャビティに注入されてシリンダ33、33.1に流入し、そこから流出することを可能にする。追加のポート31も示されている。
【0053】
図2Dは、図1A図1B図2A図2B図2Cのバイオリアクタシステムの左側の斜投影図である。断面図には、直線パイプキャップ端部19(図1A図1C図2A
図2C)の内部キャビティが描写されている。主駆動シャフト21(図1B図1C図2A図2C)は、加圧のために少なくとも3つの封止グランド20.2によって囲まれて描写されている。主駆動シャフト21(図1B図1C図2A図2C)を支持するための少なくとも1つの軸受-シール支持ハウジング20(図1C図2C)、及び少なくとも1つの保持支持プレート20.1(図1C図2C)の断面が示されている。フランジ対2(図1A図1B図1C図2A図2B図2C)のうちの1つの断面図も示されている。
【0054】
図3Aは、分割保持壁キャップ端部24(図2A)及びフランジ6(図1A図1B図2A図2B図2C)の周りに設置されたUV及び可視光LED(発光ダイオード)エミッタ23並びにプレートマウント構造16(図2A)の近接斜視図である。UV及び可視光LED(発光ダイオード)エミッタ23は、図1図1B図2A図2B図2C図2Dのリアクタアセンブリの媒体及びガス含有量を光解離するために、るつぼ17(図2A)を形成する透明材料を介して、120nm~700nmの波長のUV及び可視光を導く。るつぼ17(図2A)は中空であり、最大2200psiの加圧に対処する相当な厚さ及び材料である。
【0055】
複数のUV及び可視光のLED(発光ダイオード)及びランプ23は、プレートマウント構造16(図2A)によって収容及び支持される。るつぼ17(図2A)は、分割保持壁24(図2A)、キャップ端部フランジ6(図1A図1B図2A図2B図2C)の内部に封止される。分割保持壁24(図2A)は、溶接、ねじ山、又は他の締結方法によって、キャップ端部フランジ6(図1A図1B図2A図2B図2C)に取り付けられ、ブロックマウント10.1(図1A図2A)に取り付けられるか又はそれによって支持される。
【0056】
図3Bは、分割保持壁キャップ端部24(図2A図3A)の二軸測視図である。UVナセル-シールドフェアリング8(図1A図1B図2B図2C)の断面図は、UV及び可視光源エミッタ23(図3A)、並びにプレートマウント構造16(図3A)の配置及び配向を明らかにする。分割保持壁キャップ端部24(図2A図3A)、フランジ6(図1A図1B図2A図2B図2C図3A)内に収容されたるつぼ17(図2A図3A)が描写されている。
【0057】
図3Cは、図1A図1B図2A図2B図2C図2D図3Bのリアクタ内部キャビティの2D右側立面図及び断面図である。内壁に装着された光ファイバ及び光ファイバケーブル39、39.1が描写されている。光ファイバケーブル39、39.1は、光子との反応下でスラリーのより多くの表面領域に衝突するように、UV及び可視光をキャビティ内に直接伝送する。光ファイバケーブル39、39.1が取り付けられたUV又は可視光源エミッタ40は、分割保持壁キャップ端部24(図2A図3A図3B)の外側に装着される。
【0058】
図3Dは、UVナセル-シールドフェアリング8(図1A図1B図2B図2C図3B)、るつぼ17(図2図3A図3B図3B)、及びベンチュリノズルセグメント12、12.3、12.1、11(図1図1B図2A図2B図2C図2D図3B図3C)の断面図を有する斜視図である。光ファイバケーブル39、39.1(図3C)が取り付けられたUV及び可視光エミッタ40が示されている。光ファイバケーブル39、39.1(図3C)は、分割壁保持キャップ端部24(図2A図3A図3B図3C)内に設置されたエミッタ40に起点があるように示されている。光ファイバケーブル39、39.1(図3C)は、るつぼ17(図2A図3A図3B図3C)を通って延び、ベンチュリノズル発散セグメント11(図1A図2A図2D)のバイオリアクタキャビティ内で終わる。UVナセル-シールドフェアリング8(図1A、図
1B、図2A.1、図2C図3B)内のダクト通路43も示されている。
【0059】
図4は、巻線27を有するブレード先端ステータリングを有する、少なくとも1つのミキサ-アジテータ軸流タービン25.2(図2A図2C)の断面近接斜視図である。回転ミキサ-アジテータ軸流タービンロータ25.2(図2A図2C)及び巻線付きステータリング27のこの構成は、主駆動シャフト21(図1B図1C図2A図2C図2D図3D)が回転しているときにDC電力を生成することができる永久磁石発電機の構成である。ミキサ-アジテータ軸流タービンロータ25.2(図2A図2C)の先端は、巻線27によってステータリングの内側に封止され、回転時にDC電流を生成する。露出したミキサ-アジテータ軸流タービン表面領域25.2(図2A図2C)は、媒体及び/又はスラリーを撹拌及び混合するために使用される。
【0060】
図5は、図2A図2C図2D図3Dの断面図に描写される、バイオリアクタキャビティを通って流れ、そこから流出するCOガス及び他の排ガス流、並びに戻り経路を強調している。方向付き太矢印は、ガス及びスラリー出口ポート31(図3D図3C図2D図2C図2B)、及び追加のポート30を表す。ガス-スラリー流は、最初に、スラリーを濾して濾過するフィルタ44に入り、バイパスガスをフィルタ-ストレーナ44から循環させる。動作中、図1Aのベンチュリノズルセクション、セクションA、B、C、及びベンチュリノズルセクション11、12、12.1(図1B図2A図2C図2D図3C図3D)、及びベンチュリノズルセクション13(図1A、及び図2A)のコアは、リアクタ内の媒体の反応を促進するために、様々な時間間隔にわたって特定の温度レベルで熱的に調整され保持される。電気モータ、加熱、及び圧縮に必要なエネルギー入力を相殺するために、リアクタ内の圧力は、圧力ポート31(図2B図2C図2D図3C図3D)、及びポート30を介して排出される。端が黒丸の矢印は、バイオリアクタアセンブリの外側のCO及び排気蒸気の流れを表す。CO及び排気蒸気は、CO及び蒸気の圧力を増加させる液体-ガスブースタポンプ28を通過する。CO2及び蒸気は、追加の圧力ポート29を介して再注入され、流れは、ミキサ-アジテータ軸流タービン42(図3D)又は任意の他のミキサアジテータ軸流タービン26.2、26.1、26、25、25.1、25(図2A図2C図2D図3D)に集束されて、主駆動シャフト21(図1B図1C図2A図2C図2D図3D)の回転を誘発する。次いで、トルクは、電気モータ発電機22(図1B図1C図2A図2B)を回転させ、DC電流が生成される。蒸気及びCO再注入から生成された電力は、消費又は貯蔵に利用可能となり、それにより、リアクタシステムを動作させるのに必要な電力入力を潜在的に相殺する。
【0061】
図6では、図1AのベンチュリノズルキャビティセクションBが断面図で描写されている。図1AのキャビティセグメントB内には、無機材料が使用される場合、又は用途が細胞培養食品である場合、鉱物供給原料のような無機及び有機媒体を貯蔵し得る少なくとも2つの有孔容器33、33.1(図2C図2D図3D)が収容され、有孔容器33、33.1(図2C図2D図3D)は、細胞組織培養物を収容することができる。有孔容器33、33.1(図2C図2D図3D)は、図1AのセグメントBのベンチュリリアクタキャビティの内壁に装着することができ、主駆動シャフト21(図1B図1C図2A図2C図2D図3D図4)が有孔容器33、33.1(図2C図2D図3D)のボアセクションを通過することを可能にする。前述の取り付け方法はまた、有孔容器33、33.1(図2C図2D図3D)内に収容された有機又は無機媒体を通る熱、冷却、ガス、液体、鉱物及び栄養素の流れの分散を容易にすることができる。
【0062】
ミキサ-アジテータ軸流タービン26.2、26.1、25.1、25.2(図2A図2C図2D)は、主駆動シャフト21(図1B図1C図2A図2C図2D図3D図4)に装着され、固体、液体、及びガス又はそれらの組み合わせであり得る、
栄養ブロスのような無機媒体又は有機媒体の混合流及び分散を提供する。ミキサ-アジテータ軸流タービン26.2、26.1、25.1、25.2(図2A図2C図2D)の回転により、熱及び冷却流体流は、リアクタキャビティ全体の無機又は有機媒体、並びに有孔容器33、33.1(図2C図2D図3D)に収容された細胞組織培養物などの無機及び有機媒体に、様々な回転毎分(rpm)で均一に分配される。図6は、ベンチュリノズルリアクタセグメント12(図1A図1B図2A図2C図2D図3B図3C図3D図5)の外壁に装着されたポート34、35、36、37(図1B)及び追加のポート38を示す。
【0063】
各ポート34、35、36、37(図1B)、及び38は、任意に指定することができる。例えば、ポート34(図1B)を介してガスが注入され、ポート35(図1B)が鉱物供給原料用であるか、又はポート36(図1B)を介して液体が注入されるか、又はポート37(図1B)を介して固体が注入され、そして、追加のポート38を介して無機又は有機スラリーが注入される。液体、固体、及びガスの注入は、汚染物質による、COガスによる無機鉱物供給原料の炭酸化又は核生成、及び有機供給原料、主に有孔容器33、33.1(図2C図2D図3D)内に収容された組織細胞培養物の多重核生成の中断を最小化及び防止するための、非接触供給原料装填方法を容易にする。
【0064】
台形として描写されている加熱ユニット又は加熱要素5(図1A図1B図2A図2B図2C図2D図3D)は、方向付き太矢印で示されている廃熱流を生成し、廃熱流はその後、熱交換、熱電対、又は他のタイプの熱伝導材料を介して図6の熱発電機32に伝導される。熱電発電機、すなわちTEG 32は、図1AのセグメントA、B及びCのリアクタ外面からの熱流束と、加熱バンド要素5(図1A図1B図2A図2B図2C図2D図3D)とを利用して、ゼーベック効果によって電気を生成するエネルギー回収装置である。
【0065】
図7は、主駆動シャフト21(図1B図1C図2A図2C図2D図3D図4図6)に沿って配向された有孔シリンダ33、31(図2C図2D図3D)のみの斜視詳細図である。ミキサ-アジテータ軸流タービン26.2、26.1、25.1、25.2(図2A図2C図2D図6)は、反応下の液体、固体及びガスの混合、機械的活性化前処理、媒体表面撹拌、加熱、冷却、流体及び媒体分散の目的のために可変rpmで任意の方向に回転する。
【0066】
図8は、本実施形態の説明全体を通して参照されるマルチポート構成の二軸測視図である。セクションB(図1A及び図2A)のベンチュリノズルモジュールのポートを例示する。ポートの構成、位置、及び数は、用途、並びに図1A及び図2AのセクションBのベンチュリノズルモジュールに注入される媒体のタイプに基づいて変化してもよい。ベンチュリノズルモジュールの12.3(図2C図3B図3C図6)の収束セクション、図1A及び図2AのセクションBに円周方向に装着された2つの加熱バンド又は加熱要素5(図1A図2A図2B図2C図2D図3D、及び図6)が、描画されている。ポート34、35、36、37、38(図6)は、ポート31(図5図3C図2D図2C図2B)、ポート30(図5)、ポート4.1(図1B図2A図2B図2C図2D図3B図3C図3D図6)、ポート4(図1A図2A)、ポート3(図1A)、及びポート29(図5)を空間的に参照して示されている。
【0067】
例示的及び好ましい実施形態の上記の詳細な説明は、法律の要件に従って例示及び開示の目的で提示されている。網羅的であることは意図されておらず、本発明を記載された正確な形態に限定することも意図されておらず、本発明が実装の特定の使用にどのように適し得るかを当業者が理解できるようにすることのみを意図している。修正及び変形の可能性は、当業者には明らかであろう。公差、特徴寸法、特定の動作条件、技術仕様などを含
み得る、実装間で、又は最新技術の変更によって変化し得る例示的な実施形態の説明による制限は意図されておらず、そこからいかなる制限も示唆されるべきではない。本開示は、現在の技術水準に関してなされているが、進歩も企図しており、将来における適応は、これらの進歩を考慮に入れること、すなわち、その時点での技術水準に従うことができる。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】