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2023-528059抗ウイルス剤及び抗うつ剤を有効成分として含有する癌の予防または治療用薬学的組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-03
(54)【発明の名称】抗ウイルス剤及び抗うつ剤を有効成分として含有する癌の予防または治療用薬学的組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 45/06 20060101AFI20230626BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230626BHJP
   A61P 25/24 20060101ALI20230626BHJP
   A61P 31/12 20060101ALI20230626BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230626BHJP
   A61K 31/155 20060101ALI20230626BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20230626BHJP
   A61K 31/138 20060101ALI20230626BHJP
   A61K 31/536 20060101ALI20230626BHJP
【FI】
A61K45/06
A61P35/00
A61P25/24
A61P31/12
A61P43/00 121
A61K31/155
A61P35/02
A61K31/138
A61K31/536
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022574620
(86)(22)【出願日】2021-06-03
(85)【翻訳文提出日】2023-02-02
(86)【国際出願番号】 KR2021006915
(87)【国際公開番号】W WO2021246797
(87)【国際公開日】2021-12-09
(31)【優先権主張番号】10-2020-0068221
(32)【優先日】2020-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
2.Witepsol
(71)【出願人】
【識別番号】519100468
【氏名又は名称】フロントバイオ インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】FrontBio Inc.
【住所又は居所原語表記】(Hupyeong-dong,Bio Town)bio-1Dong 405Ho,32,Soyanggang-ro,Chuncheon-si, Gangwon-do 24232 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】パク、スヒョン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、ヨンス
(72)【発明者】
【氏名】キム、セッビョル
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジョンフン
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
4C206
【Fターム(参考)】
4C084AA20
4C084MA02
4C084MA16
4C084MA23
4C084MA35
4C084MA36
4C084MA37
4C084MA41
4C084MA43
4C084MA60
4C084MA66
4C084NA05
4C084ZA122
4C084ZB261
4C084ZB332
4C084ZC751
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC72
4C086MA02
4C086MA03
4C086MA04
4C086MA16
4C086MA23
4C086MA35
4C086MA36
4C086MA37
4C086MA41
4C086MA43
4C086MA60
4C086MA66
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZC75
4C206AA01
4C206AA02
4C206FA21
4C206HA31
4C206MA03
4C206MA04
4C206MA55
4C206MA56
4C206MA57
4C206MA63
4C206MA80
4C206MA86
4C206NA05
4C206NA14
4C206ZB26
4C206ZB27
4C206ZC75
(57)【要約】
本発明は、抗ウイルス剤及び抗うつ剤を有効成分として含有し、ビグアニド系化合物を添加することができる、癌の予防または治療用の薬学的組成物に関し、さらに詳しくは、抗ウイルス剤として、エファビレンツ、エトラビリン、リルピビリン及びロピナビルを、並びに抗うつ剤として、フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチン、セルトラリン、デュロキセチン、アミトリプチリン、クロミプラミン、ノルトリプチリン、デシプラミン、アモキサピン、マプロチリン、トリミプラミン、プロトリプチリン及びメリトラセンを複合、混合または併用投与するか、あるいはエファビレンツ及びフルオキセチンに対して、ビグアニド系化合物であるメトホルミンを加えて複合、混合または併用投与する場合、それぞれを単独で投与した場合と比較して、有意に高い相乗的抗癌活性を示すことが確認されたため、本発明による抗ウイルス剤及び抗うつ剤は、癌の予防または治療用組成物の有効成分として有用に用いることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
癌の予防または治療に用いるための複合剤、混合剤または併用剤であって、
抗ウイルス剤を含む第1の成分と、
抗うつ剤を含む第2の成分とを有効成分として含有する、癌の予防または治療用薬学的組成物。
【請求項2】
癌の予防または治療に用いるための複合剤、混合剤または併用剤であって、
抗ウイルス剤を含む第1の成分と、
抗うつ剤を含む第2の成分と、
ビグアニド(biguanide)系化合物またはその薬学的に許容される塩を含む第3の成分とを有効成分として含有する、癌の予防または治療用薬学的組成物。
【請求項3】
抗ウイルス剤が、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NNRTIs;Non-nucleoside reverse-transcriptase inhibitors)、ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NRTIs;Nucleoside reverse-transcriptase inhibitors)、プロテアーゼ阻害剤(PIs;Protease inhibitors)、インテグラーゼ阻害剤(INSTI;Integrase Strand Transfer Inhibitor)、融合阻害剤、CCR5(Chemokine(C-C motif)ligand 5)阻害剤、インフルエンザ治療剤、ヘルペス治療剤、B型肝炎治療剤、C型肝炎治療剤、免疫増強剤、免疫反応調節剤系化合物またはその誘導体、もしくはその薬学的に許容される塩である、請求項1または2に記載の薬学的組成物。
【請求項4】
抗ウイルス剤としては、エファビレンツ(efavirenz)、エトラビリン(etravirine)、ネビラピン(nevirapine)、ドラビリン(doravirine)、リルピビリン(rilpivirine)、デラビルジン(delavirdine)、ジドブジン(zidovudine)、ジダノシン(didanosine)、ザルシタビン(zalcitabine)、スタブジン(stavudine)、ラミブジン(lamivudine)、アバカビル(abacavir)、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩(tenofovir disoproxil fumarate)、エムトリシタビン(emtricitabine)、テノホビルアラフェナミドフマル酸塩(tenofovir alafenamide fumarate)、サキナビル(saquinavir)、リトナビル(ritonavir)、インジナビル(indinavir)、ネルフィナビル(nelfinavir)、アンプレナビル(amprenavir)、ロピナビル(lopinavir)、アタザナビル(atazanavir)、ホスアンプレナビル(fosamprenavir)、チプラナビル(tipranavir)、ダルナビル(darunavir)、コビシスタット(cobicistat)、ドルテグラビル(dolutegravir)、ラルテグラビル(raltegravir)、エンフビルチド(enfuvirtide)、マラビロク(maraviroc)、エルビテグラビル(elvitegravir)、テノホビルアラフェナミド(tenofovir alafenamide)、テノホビルジソプロキシル(tenofovir disoproxil)、アマンタジン(amantadine)、リマンタジン(rimantadine)、オセルタミビル(oseltamivir)、ザナミビル(zanamivir)、ペラミビル(peramivir)、バロキサビル(baloxavir)、ラニナミビル(laninamivir)、アシクロビル(aciclovir)、バラシクロビル(valaciclovir)、イドクスウリジン(idoxuridine)、ビダラビン(vidarabine)、ペンシクロビル(penciclovir)、ファムシクロビル(famciclovir)、トリフルリジン(trifluridine)、シドホビル(cidofovir)、ホスカルネット(foscarnet)、クレブジン(clevudine)、テルビブジン(telbivudine)、エンテカビル(entecavir)、アデホビル(adefovir)、ベシホビル(besifovir)、ペグインターフェロンアルファ2a(peginterferon-α-2a)、ペグインターフェロンアルファ2b(peginterferon-α-2b)、リバビリン(ribavirin)、ボセプレビル(boceprevir)、ダサブビル(dasabuvir)、ダクラタスビル(daclatasvir)、アスナプレビル(asunaprevir)、ソホスブビル(sofosbuvir)、エルバスビル(elbasvir)、グラゾプレビル(grazoprevir)、グレカプレビル(glecaprevir)、ピブレンタスビル(pibrentasvir)、オムビタスビル(ombitasvir)、パリタプレビル(paritaprevir)、インターフェロンアルファ2a(interferon alfa-2a)、インターフェロンアルファ2b(interferon alfa-2b)、及びイミキモド(imiquimod)からなる群から選択される少なくとも1種の化合物である、請求項3に記載の薬学的組成物。
【請求項5】
抗うつ剤が、三環系抗うつ剤(TCAs;Tricyclic antidepressants)、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRIs;Selective serotonin reuptake inhibitors)、モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI;Monoamine oxidase inhibitor)、セロトニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(SNRIs;Serotonin-norepinephrine reuptake inhibitors)系化合物またはその誘導体、もしくはその薬学的に許容される塩である、請求項1または2に記載の薬学的組成物。
【請求項6】
抗うつ剤が、アミトリプチリン(amitriptyline)、クロミプラミン(clomipramine)、ノルトリプチリン(nortriptyline)、デシプラミン(desipramine)、イミプラミン(imipramine)、アモキサピン(amoxapine)、マプロチリン(maprotiline)、トリミプラミン(trimipramine)、プロトリプチリン(protriptyline)、メリトラセン(melitracen)、フルオキセチン(fluoxetine)、フルボキサミン(fluvoxamine)、パロキセチン(paroxetine)、セルトラリン(sertraline)、エスシタロプラム(escitalopram)、ボルチオキセチン(vortioxetine)、モクロベミド(moclobemide)、デュロキセチン(duloxetine)、ベンラファキシン(venlafaxine)、デスベンラファキシン(desbenlafaxine)、ミルナシプラン(milnacipran)、ブプロピオン(bupropion)、ミルタザピン(mirtazapine)、トラゾドン(trazodone)、及びチアネプチン(tianeptine)からなる群から選択される少なくとも1種の化合物である、請求項5に記載の薬学的組成物。
【請求項7】
ビグアニド系化合物が、メトホルミン(metformin)、フェンホルミン(phenformin)、ブホルミン(buformin)、及びビグアニド(biguanide)からなる群から選択される、請求項2に記載の薬学的組成物。
【請求項8】
抗ウイルス剤を含む第1の成分と、
抗うつ剤を含む第2の成分との配合比が、第1の成分0.0000001~10重量部:第2の成分1重量部である、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項9】
抗ウイルス剤を含む第1の成分と、
抗うつ剤を含む第2の成分と、
ビグアニド系化合物またはその薬学的に許容される塩を含む第3の成分との配合比が、第1の成分0.0000001~10重量部:第2の成分1重量部:第3の成分0.01~100000重量部である、請求項2に記載の薬学的組成物。
【請求項10】
塩が、酸付加塩である塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、亜硝酸または亜リン酸などの無機酸類と、脂肪族モノ及びジカルボキシレート、フェニル置換アルカノエート、ヒドロキシアルカノエート、及びアルカンジオエート、芳香族酸類、脂肪族及び芳香族スルホン酸類、薬学的に無毒な塩類である硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、フッ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプリン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオル酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン-1,4-二酸塩、ヘキサン-1,6-二酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、テレフタル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、クロロベンゼンスルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ナフタレン-1-スルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩またはマンデル酸塩及び金属塩であるナトリウム、カリウム及びカルシウムからなる群から選択される、請求項2に記載の薬学的組成物。
【請求項11】
癌が、以下のものからなる群から選択される、請求項1または2に記載の癌の予防または治療用薬学的組成物:(A)(1)非浸潤性乳管癌種(DCIS)(面皰癌種、篩状癌、乳頭癌、微小乳頭状)、浸潤性乳管癌種(IDC)、管状癌種、膠様(コロイド)癌種、乳頭癌種、化生性癌種及び炎症性癌種を含む、腺管癌種、(2)上皮内小葉癌種(LCIS)及び浸潤性小葉癌種を含む、小葉癌種、並びに、(3)乳首のパジェット病を含む、乳腺癌、(B)(1)子宮頸部上皮内腫瘍(グレードI)、子宮頸部上皮内腫瘍(グレードII)、子宮頸部上皮内腫瘍(グレードIII)(扁平上皮内癌種)、角化扁平上皮癌種、非角化扁平上皮癌種、疣状癌種、潜在腺癌種、子宮頸管型、類子宮内膜腺癌種、明細胞腺癌種、腺扁平上皮癌種、腺様嚢胞癌種、小細胞癌及び分化癌を含む、子宮頸部の癌、(2)類内膜癌種、腺癌種、腺棘細胞腫(扁平上皮化生を有する腺癌種)、腺扁平上皮癌種(腺癌及び扁平上皮癌の混合、粘液腺癌種、漿液性腺癌種)、透明細胞腺癌種、扁平上皮腺癌及び未分化腺癌を含む、子宮体癌、(3)漿液性嚢胞腺腫、漿液性嚢胞腺癌種、粘液性嚢胞腺腫、子宮内膜性腫瘍、類内膜腺癌種、透明細胞腫瘍、透明細胞嚢胞腺癌及び未分化腫瘍を含む、卵巣癌、(4)扁平上皮癌種及び腺癌種を含む、膣癌、並びに、(5)外陰部上皮内腫瘍(グレードI)、外陰部上皮内腫瘍(グレードII)、外陰部上皮内腫瘍(グレードIII)(扁平上皮内癌種)、扁平上皮癌種、疣状癌種、外陰部のパジェット病、腺癌種(NOS)、基底細胞癌種(NOS)、及びバルトリン腺癌種を含む、外陰部癌を含む、女性生殖系の癌、(C)(1)扁平上皮癌種を含む陰茎癌、(2)腺癌種、肉腫、及び前立腺の移行上皮癌種を含む、前立腺癌、(3)精上皮腫勢腫瘍、非精上皮腫勢腫瘍、奇形腫、胎生期癌種、卵黄嚢腫瘍、絨毛癌種を含む精巣癌を含む、男性生殖系の癌、(D)肉腫(血管肉腫、線維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫)、粘液腫、横紋筋腫、線維腫、脂肪腫及び奇形腫を含む心臓系の癌、(E)喉頭の扁平上皮癌種、原発性胸膜中皮腫及び咽頭の扁平上皮癌種を含む、呼吸器系の癌、(F)扁平上皮癌種(表皮癌種)、扁平上皮癌種の変異体、紡錘細胞癌種、小細胞癌種、他の細胞の癌種、中間細胞型の癌種、複合型燕麦細胞癌種、腺癌種、腺房腺癌種、乳頭腺癌種、細気管支肺胞上皮癌種、粘液形成を有する固形癌種、大細胞癌種、巨細胞癌種、透明細胞腺癌種及び肉腫を含む、肺癌、(G)(1)原発性腺癌種、カルチノイド腫瘍及びリンパ種を含む、ファーター(Vater)膨大部の癌種、(2)腺癌種、扁平上皮癌及び黒色腫を含む、肛門管の癌、(3)上皮癌種、腺癌種、乳頭腺癌種、腸型腺癌、粘液腺癌種、透明細胞腺癌種、印環細胞癌種、腺扁平上皮癌種、扁平上皮癌種、小細胞(燕麦細胞)癌種、未分化癌種、腺癌種(NOS)、肉腫及びカルチノイド腫瘍を含む、肝外胆管の癌、(4)潜在腺癌種、腺癌種、粘液腺癌種(コロイド型、50%粘液癌種より多い)、印環細胞癌種(コロイド型、50%印環細胞より多い)、扁平上皮癌種(表皮癌種)、腺扁平上皮癌種、小細胞(燕麦細胞)癌種、未分化癌種、腺癌種(NOS)、肉腫、リンパ腫及びカルチノイド腫瘍を含む、結腸直腸癌、(5)扁平上皮癌種、腺癌種、平滑筋肉腫及びリンパ腫を含む、食道癌、(6)腺癌種、腸型腺癌、腺扁平上皮癌種、上皮内癌種、腺癌種(NOS)、透明細胞腺癌種、粘液腺癌種、乳頭腺癌種、印環細胞癌種、小細胞(燕麦細胞)癌種、扁平上皮癌及び未分化癌種を含む、胆嚢癌、(7)扁平上皮癌種を含む、口唇及び口腔の癌、(8)肝癌(肝細胞癌種)、胆管癌種、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫及び血管腫を含む、肝臓癌、(9)導管細胞癌種、多形性巨細胞癌種、巨細胞癌種、破骨細胞(osteoclastoid)型巨細胞癌種、腺癌種、腺扁平上皮癌種、粘液(コロイド)癌種、嚢胞腺癌種、acinar細胞癌種、乳頭腺癌種、小細胞(燕麦細胞)癌種、混合細胞型小細胞(燕麦細胞)癌種、腺癌種(NOS)、未分化癌種、ランゲルハンス島に発生する内分泌細胞腫瘍、及びカルチノイドを含む、膵外分泌腺癌、(10)腺房細胞癌種、腺様嚢胞癌種(円柱腫)、腺癌種、腺扁平上皮癌種、多形性腺腫内癌種(悪性混合腫瘍)、粘膜表皮癌種(高分化または低グレード)及び粘膜表皮癌種(低分化または高グレード)を含む、唾液腺癌、(11)腺癌種、乳頭腺癌種、管状腺癌種、粘液腺癌種、印環細胞癌種、腺扁平上皮癌種、扁平上皮癌種、小細胞癌種、未分化癌種、リンパ腫、肉腫及びカルチノイド腫瘍を含む胃癌、並びに、(12)腺癌種、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経線維腫及び線維腫を含む、小腸癌、を含む、消化管癌、(H)(1)腎細胞癌種、ベリニ集合管腫瘍、腺癌種、乳頭腺癌種、管状腺癌種、顆粒細胞癌種、透明細胞腺癌種(副腎腫)、腎臓の肉腫及び腎芽細胞腫を含む、腎臓癌、(2)移行上皮癌種、乳頭移行上皮癌種、扁平上皮癌種及び腺癌種を含む、腎盂及び尿管の癌、(3)移行上皮癌種、扁平上皮癌種及び腺癌種を含む、尿道癌、並びに、(4)上皮内癌種、移行尿路上皮癌種、乳頭移行上皮癌種、扁平上皮癌種、腺癌種、未分化型含む膀胱癌を含む、泌尿器系の癌、(I)(1)(a)骨形成;骨肉腫、(b)軟骨形成;軟骨肉腫及び間葉性軟骨肉腫、(c)悪性巨細胞癌、(d)ユーイング肉腫、(e)血管腫瘍;血管内皮腫、血管周囲細胞腫及び血管肉腫、(f)結合組織腫瘍;線維肉腫、脂肪肉腫、悪性間葉腫及び未分化肉腫、並びに、(g)他の腫瘍;脊索腫、長骨アダマンチノーマを含む、骨癌、(2)胞巣状軟部肉腫、血管肉腫、類上皮肉腫、骨外性軟骨肉腫、線維肉腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、悪性線維性組織球腫、悪性血管外皮腫、悪性間葉腫、悪性シュワン腫、横紋筋肉腫、滑膜肉腫及び肉腫(NOS)を含む、軟部組織癌、(3)頭蓋骨の腫瘍(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎)、髄膜の腫瘍(髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫症)、脳の腫瘍(星状細胞腫、髄芽腫、神経膠腫、上衣腫、胚細胞腫(胚腫)、多形性膠芽腫、乏突起膠腫、神経鞘腫、網膜芽細胞腫、先天性腫瘍)、及び脊髄の癌(神経芽細胞腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫)を含む、神経系の癌、(4)骨髄性白血病(急性及び慢性)、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、ホジキン病及び非ホジキンリンパ腫(悪性リンパ腫)を含む、血液癌、(5)(a)(小胞巣を有する乳頭癌を含む)乳頭癌種、濾胞状癌種、髄様癌種及び未分化(退形成)癌種を含む、甲状腺癌、並びに、(b)交感神経芽細胞腫、交感神経産生細胞腫、悪性神経節細胞腫、神経節交感神経芽細胞腫及び神経節細胞腫を含む神経芽細胞腫を含む、内分泌系の癌、(6)扁平上皮癌種、扁平上皮癌の紡錘細胞変異体、基底細胞癌種、汗腺または皮脂腺から進展する腺癌種及び悪性黒色腫を含む、皮膚癌、(7)(a)結膜の腫瘍を含む、結膜癌、(b)基底細胞癌種、扁平上皮癌種、瞼の黒色腫及び脂腺細胞癌種を含む、瞼の癌、(c)腺癌種、腺様嚢胞癌種、多形性腺腫内癌種、粘液性類表皮癌種及び扁平上皮癌種を含む、涙腺の癌、(d)紡錘細胞黒色腫、混合細胞黒色腫及び類上皮細胞黒色腫を含む、ブドウ膜の癌、(e)眼球孔の肉腫、軟部組織腫瘍及び骨肉腫を含む眼球孔の癌、並びに、(f)網膜芽細胞腫を含む、眼の癌、を含む、筋肉、骨及び軟部組織の癌。
【請求項12】
薬学的組成物が、錠剤、カプセル剤、注射剤、トロッキー剤、散剤、顆粒剤、液剤、懸濁剤、内用液剤、乳剤、シロップ剤、坐剤、膣錠剤、及び丸剤からなる群から選択される剤形に剤形化される、請求項1または2に記載の薬学的組成物。
【請求項13】
抗ウイルス剤を含む製剤と、
抗うつ剤を含む製剤とを含む、癌の予防または治療用の複合剤、混合剤または併用剤キット。
【請求項14】
抗ウイルス剤を含む製剤と、
抗うつ剤を含む製剤と、
ビグアニド系化合物またはその薬学的に許容される塩とを含む、癌の予防または治療用の複合剤、混合剤または併用剤キット。
【請求項15】
複合剤、混合剤または併用剤が、錠剤、カプセル剤、注射剤、トロッキー剤、散剤、顆粒剤、液剤、懸濁剤、内用液剤、乳剤、シロップ剤、坐剤、膣錠剤、及び丸剤からなる群から選択される剤形に剤形化される、請求項13または14に記載の癌の予防または治療用の複合剤、混合剤または併用剤キット。
【請求項16】
薬学的に有効な量の抗ウイルス剤を含む第1の成分と、
抗うつ剤を含む第2の成分とを、癌を有する個体に複合、混合または併用投与するステップを含む、癌治療方法。
【請求項17】
ビグアニド(biguanide)系化合物またはその薬学的に許容される塩をさらに投与する、請求項16に記載の癌治療方法。
【請求項18】
癌の予防または治療に用いるための複合剤、混合剤または併用剤であって、抗ウイルス剤を含む第1の成分と、抗うつ剤を含む第2の成分とを有効成分として含有する、製剤。
【請求項19】
ビグアニド(biguanide)系化合物またはその薬学的に許容される塩をさらに含む、請求項18に記載の製剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗ウイルス剤及び抗うつ剤を有効成分として含有する癌予防または治療用薬学的組成物に関し、さらに詳しくは、抗ウイルス剤を含む第1の成分と、抗うつ剤を含む第2の成分とを複合剤、混合剤または併用剤の有効成分として含有する癌予防または治療用薬学的組成物に関する。本発明はまた、前記第1の成分と、第2の成分と、ビグアニド(biguanide)系化合物またはその薬学的に許容される塩を第3の成分として含む、癌予防または治療用薬学的組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
癌は、体の組織または他の部分と接触して広がる可能性のある、制御不可能な細胞の異常な成長による疾患であり、癌細胞は、癌細胞が集まって塊状になっている固形腫瘍を形成したり、白血病のように分散した細胞として存在したりする。
【0003】
正常細胞は成熟するまで分化し、後に必要に応じて損傷した細胞や死んだ細胞を交替するが、癌細胞は絶えず分化し、最終的に近隣する細胞を押し出して他の部分に広がるため、悪性と呼ばれる。悪性腫瘍細胞は、血流またはリンパ系を介して体の他の部分に転移し、そこで増殖して新しい腫瘍を形成する。
【0004】
様々な治療方法の開発にもかかわらず、癌は依然として世界中で人間の健康を深刻に脅かしている。現在、癌の主な治療法としては、外科手術、放射線療法、ホルモン療法、及び化学療法があり、その中で、化学療法は、少なくとも1種の抗癌剤を用いて癌を直接治療したり、あるいは症状を緩和する方法である。
【0005】
従来の化学療法剤は、癌細胞の分裂と代謝を妨げるか、あるいは核酸またはタンパク質の生合成を抑制することによって、癌細胞に対する細胞毒性を示す。しかしながら、このような化学療法剤は、癌細胞が抗癌剤に耐性を有する問題や、正常組織への毒性を示すなど、重大な副作用を引き起こすという問題がある。特に、既存の抗癌剤として用いられている物質は、癌細胞に影響を与えるだけでなく、正常細胞にも毒性を有するなど、様々な副作用を引き起こすことが多い。よって、正常細胞に対しては毒性を有さず、癌細胞のみに選択的に優れた毒性を示し、優れた抗癌活性を有する抗癌治療剤が必要である。
【0006】
抗ウイルス剤は、人体に侵入したウイルスの作用を弱化させるか、あるいは消滅させることによってウイルスによる感染疾患を治療する薬剤であり、ウイルスの増殖を抑制する作用がある。作用機序に応じて、ウイルスの付着及び侵入阻害剤とウイルスの増殖阻害剤に分類することができる。ほとんどの抗ウイルス剤は、ウイルスの増殖に必要な数種類の酵素を阻害することで、抗ウイルス作用を示す。
【0007】
ヒト免疫不全ウイルス(Human Immunodeficiency Virus;HIV)、特にHIV 1型(HIV-1)及び2型(HIV-2)として知られる菌株は、後天性免疫不全症候群(AIDS)として知られる免疫抑制疾患と病因学的に関連してきた。HIVはレトロウイルスであるため、HIV複製サイクルは、逆転写酵素を介したウイルスRNAゲノムのDNAへの転写を必要とする。よって、HIV逆転写酵素の酵素作用を阻害する化合物がHIV抗ウイルス剤として開発されている。
【0008】
HIV逆転写酵素の酵素作用を阻害する化合物としては、ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(Nucleoside Reverse Transcriptase Inhibitor;NRTI)系化合物と非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(Non nucleoside Reverse Transcriptase Inhibitor;NNRTI)系化合物がある。NRTIは、主に前駆体の形で服用され、その後宿主細胞に入り、リン酸化されてヌクレオチド形態に変換されることで、薬物として活性化する。NRTIは、ヌクレオシドの糖分子の3-OH(水酸化基)を共同で欠いているため、ウイルスのDNA合成過程でDNA鎖に介入し、DNA鎖の次のヌクレオチドとの3'-5'リン酸エステル結合を遮断することで、DNA合成を停止させる。FDAの承認を受けたNRTIとしては、ジドブジン(zidovudine)、ジダノシン(didanosine)、ザルシタビン(zalcitabine)、スタブジン(stavudine)、ラミブジン(lamivudine)、アバカビル(abacavir)、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩(tenofovir disoproxil fumarate)、エムトリシタビン(emtricitabine)、テノホビルアラフェナミドフマル酸塩(tenofovir alafenamide fumarate)などが挙げられる。NRTIとは異なり、NNRTIは、ウイルスのDNAターミネータとして機能せず、逆転写酵素の活性部位付近の疎水性ポケット(hydrophobic pocket)に直接結合して酵素の構造を変化させることにより、酵素作用を阻害する。FDAの承認を受けたNNRTIとしては、エファビレンツ(efavirenz)、エトラビリン(etravirine)、ネビラピン(nevirapine)、ドラビリン(doravirine)、リルピビリン(rilpivirine)、デラビルジン(delavirdine)などが挙げられる。
【0009】
プロテアーゼ阻害剤(Protease inhibitors;PIs)は、感染力のないビリオン(virion)に含まれているGagとGag-Polの前駆体タンパク質を剪断して感染力のある成熟ウイルスに変化させる酵素を阻害する化合物であり、初期には、前記酵素がウイルスの増殖において非常に重要な役割を果たしながらも、大きさは11kDaと非常に小さいため、耐性の発生が少ないと期待されていたが、非常に高い頻度で耐性突然変異が発生するため、現在では主に3つの抗HIV薬剤を投与する「カクテル療法」のみに用いられている。PIsとしては、サキナビル(saquinavir)、リトナビル(ritonavir)、インジナビル(indinavir)、ネルフィナビル(nelfinavir)、アンプレナビル(amprenavir)、ロピナビル(lopinavir)、アタザナビル(atazanavir)、ホスアンプレナビル(fosamprenavir)、チプラナビル(tipranavir)、ダルナビル(darunavir)などが挙げられる。
【0010】
近年では、これらの抗ウイルス剤の抗癌効果が検討されている。一例として、エファビレンツは、膠芽腫、膵臓癌、卵巣癌で抗癌効果のあることが報告されており、エトラビリンは、卵巣癌で抗癌効果のあることが報告されており、ネビラピンは、肝臓癌や甲状腺癌で癌細胞の転移抑制効果のあることが報告されており、ネルフィナビル、ロピナビル、及びビンクリスチン(vincristine)の組み合わせは、口腔扁平上皮癌細胞の生存率低下効果のあることが報告されている。
【0011】
また、抗うつ剤は、うつ病に関連する神経伝達物質(セロトニン(serotonin)、ノルエピネフリン(norepinephrine)、ドーパミン(dopamine))の不均衡を調節することで、うつ症状を改善する薬剤であり、三環系抗うつ剤(Tricyclic antidepressants;TCAs)、モノアミンオキシダーゼ阻害剤(Monoamine oxidase inhibitors;MAOIs)、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(Selective serotonin reuptake inhibitors;SSRI)、セロトニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(Serotonin-norepinephrine reuptake inhibitors;SNRI)などに分類することができる。
【0012】
三環系抗うつ剤は、神経細胞末端におけるセロトニンとノルエピネフリンの再取り込みを阻害し、シナプス内の神経伝達物質の濃度を増加させることで、うつ症状を改善する物質であり、アミトリプチリン(amitriptyline)、クロミプラミン(clomipramine)、ノルトリプチリン(nortriptyline)、イミプラミン(imipramine)、アモキサピン(amoxapine)などが挙げられる。
【0013】
選択的セロトニン再取り込み阻害剤は、神経細胞末端において選択的にセロトニンの再取り込みを阻害し、シナプス内のセロトニンの濃度を増加させることで、セロトニンの活性を高めてうつ症状が緩和される物質であり、フルオキセチン(fluoxetine)、フルボキサミン(fluvoxamine)、パロキセチン(paroxetine)、セルトラリン(sertraline)、エスシタロプラム(escitalopram)、ボルチオキセチン(vortioxetine)などの薬剤があり、うつ病、強迫性障害、月経前不快気分障害などに用いられている。三環系抗うつ剤に比べて副作用や安全性の面で優れており、抗うつ剤として最も多く用いられている。
【0014】
近年では、これらの抗うつ剤の抗癌効果が検討されている。一例として、イミプラミンは、小細胞肺癌で抗癌効果のあることが報告されており、フルオキセチンは、肝細胞癌及び非小細胞肺癌で抗癌効果のあることが報告されている。
【0015】
また、メトホルミン(metformin)、フェンホルミン(phenformin)、ブホルミン(buformin)またはビグアニド(biguanide)は、同じビグアニド(Biguanide)系の薬物であり、肝臓において糖の生成を阻害し、末梢血管における糖の使用を促す2型糖尿病治療剤として今でも広く用いられている。メトホルミン、フェンホルミン、ブホルミン、またはビグアニドは、代謝調節の重要な酵素であるAMPK(AMP-activated protein kinase)を活性化し、タンパク質、脂肪脂質、グリコーゲンの合成を阻害し、分解を促進し、またインスリン、IGF1、レプチン、アディポネクチンの産生を阻害する。一方で、活性化されたAMPKは、細胞の再生を抑制するため、癌細胞の代謝を阻害し、細胞分裂を阻害する。AMPK活性化は、mTOR(mammalian target of rapamycin)を直接阻害し、最終的にタンパク質合成を阻害することで、癌細胞の増殖を抑制する。特に、メトホルミンは、血管新生促進因子の発現を阻害することで、癌細胞の成長を抑制することが報告されている。このような抗癌機序により、メトホルミンやフェンホルミンは単独で、または他の抗癌剤との組み合わせで様々な種類の癌の臨床試験への使用が試みられたが、異なる治療効果が示され、いくつかの問題によって未だ抗癌剤として許可が得られていない状態である。
【0016】
そこで、本発明者らは、より優れた抗癌効果を奏する物質の組み合わせを開発するために鋭意研究してきたところ、抗ウイルス剤と抗うつ剤の組み合わせが抗癌効果における著しい相乗作用を示すことを確認し、さらには抗ウイルス剤と抗うつ剤の組み合わせにビグアニド系化合物を加えた組み合わせが抗癌効果における著しい相乗作用を示すことを見出すことで、新規な混合、複合、または併用抗癌剤を発明するに至った。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】米国特許出願公開第2014-0113930号明細書(2014年4月24日)
【非特許文献】
【0018】
【非特許文献1】Lopez,J.;Tait,S.W.G.Mitochondrial apoptosis:Killing cancer using the enemy within.Br.J.Cancer 2015,112,957-962.
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【非特許文献3】Elkholi,R.;Renault,T.T.;Serasinghe,M.N.;Chipuk,J.E.Putting the pieces together:How is the mitochondrial pathway of apoptosis regulated in cancer and chemotherapy?Cancer Metab.2014,2,16.
【非特許文献4】Fiocchetti,M.;Nuzzo,M.T.;Totta,P.;Acconcia,F.;Ascenzi,P.;Marino,M.Neuroglobin,a pro-survival player in estrogen receptor-positive cancer cells.Cell Death Dis.2014,5,e1449.
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【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
既存の抗癌剤として用いられている物質は、癌細胞にも影響を与えるが、正常細胞、例えば、細胞分裂が速い正常細胞である皮膚、粘膜、血液細胞にも毒性を引き起こすことで、脱毛、下痢、白血球減少症などの様々な副作用を招くことが多い。また、多くの癌細胞では、BCL-2などの抗アポトーシスタンパク質(antiapoptotic proteins)の発現が増加したり、あるいはBAXなどのアポトーシス促進タンパク質(proapoptotic proteins)の発現が抑制されるなど、正常細胞とは異なり、アポトーシス(apoptosis)を回避することが多い。そして、癌細胞では、カスパーゼ(caspases)の発現が低下したり、カスパーゼ遺伝子の突然変異が現れたりする。場合によっては、癌細胞は、ミトコンドリア外膜透過性(mitochondrial outer membrane permeabilization;MOMP)が阻害されることにより、アポトーシスが阻害されることもある。このように、多くの癌細胞がアポトーシスを回避するため、アポトーシスを誘発する多くの抗癌剤の治療効果が現れないという問題点がある。
【0020】
よって、正常細胞に対しては毒性を有さず、癌細胞のみに選択的に優れた毒性を示しながらも、優れた抗癌活性を有する抗癌治療剤が切望されている。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明は、癌の予防または治療に用いるための複合剤、混合剤または併用剤であり、抗ウイルス剤を含む第1の成分と、抗うつ剤を含む第2の成分とを有効成分として含有する、癌の予防または治療用薬学的組成物が癌細胞に対して著しく優れた抗癌効果を示すことを見出し、前記第1の成分と第2の成分を複合剤、混合剤または併用剤の有効成分として含有する薬学的組成物を提供することにより、前記課題を解決した。
【0022】
さらに、前記抗ウイルス剤を含む第1の成分と、抗うつ剤を含む第2の成分と、ビグアニド(biguanide)系化合物またはその薬学的に許容される塩である第3の成分とを複合剤、混合剤または併用剤の有効成分として含有する薬学的組成物を提供することにより、前記課題を解決した。
【0023】
本発明の一態様において、前記抗ウイルス剤は、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NNRTIs;Non-nucleoside reverse-transcriptase inhibitors)系化合物またはその誘導体、もしくはその薬学的に許容される塩であってもよく、前記NNRTI系化合物またはその誘導体は、エファビレンツ(efavirenz)、エトラビリン(etravirine)、ネビラピン(nevirapine)、ドラビリン(doravirine)、リルピビリン(rilpivirine)、デラビルジン(delavirdine)からなる群から選択されてもよい。
【0024】
本発明の一態様において、前記抗ウイルス剤は、ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NRTIs;Nucleoside reverse-transcriptase inhibitors)系化合物またはその誘導体、もしくはその薬学的に許容される塩であってもよく、前記NRTI系化合物またはその誘導体は、ジドブジン(zidovudine)、ジダノシン(didanosine)、ザルシタビン(zalcitabine)、スタブジン(stavudine)、ラミブジン(lamivudine)、アバカビル(abacavir)、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩(tenofovir disoproxil fumarate)、エムトリシタビン(emtricitabine)、テノホビルアラフェナミドフマル酸塩(tenofovir alafenamide fumarate)からなる群から選択されてもよい。
【0025】
本発明の一態様において、前記抗ウイルス剤は、プロテアーゼ阻害剤(PIs;Protease inhibitors)系化合物またはその誘導体、もしくはその薬学的に許容される塩であってもよく、前記PI系化合物またはその誘導体は、サキナビル(saquinavir)、リトナビル(ritonavir)、インジナビル(indinavir)、ネルフィナビル(nelfinavir)、アンプレナビル(amprenavir)、ロピナビル(lopinavir)、アタザナビル(atazanavir)、ホスアンプレナビル(fosamprenavir)、チプラナビル(tipranavir)、及びダルナビル(darunavir)からなる群から選択されてもよい。
【0026】
本発明の一態様では、前記抗ウイルス剤は、インテグラーゼ阻害剤(INSTI;Integrase Strand Transfer Inhibitor)系化合物またはその誘導体、もしくはその薬学的に許容される塩であってもよく、前記INSTI系化合物またはその誘導体は、ドルテグラビル(dolutegravir)及びラルテグラビル(raltegravir)であってもよい。
【0027】
本発明の一態様において、前記抗ウイルス剤は、融合阻害剤系化合物またはその誘導体、もしくはその薬学的に許容される塩であってもよく、前記融合阻害剤は、エンフビルチド(enfuvirtide)であってもよい。
【0028】
本発明の一態様において、前記抗ウイルス剤は、CCR5(Chemokine(C-C motif)ligand 5)阻害剤系化合物またはその誘導体、もしくはその薬学的に許容される塩であってもよく、前記CCR5阻害化合物またはその誘導体は、単剤であるマラビロク(maraviroc)及び複合剤であるコビシスタット/エルビテグラビル/エムトリシタビン/テノホビルアラフェナミド(cobicistat/elvitegravir/emtricitabine/Tenofovir alafenamide)、コビシスタット/エルビテグラビル/エムトリシタビン/テノホビルジソプロキシル(cobicistat/Elvitegravir/emtricitabine/Tenofovir disoproxil)及びアバカビル/ドルテグラビル/ラミブジン(abacavir/dolutegravir/lamivudine)からなる群から選択されてもよい。
【0029】
本発明の一態様において、前記抗ウイルス剤は、インフルエンザ治療剤であってもよく、前記インフルエンザ治療剤は、脱殻(uncoating)阻害剤系化合物またはその誘導体、もしくはその薬学的に許容される塩であるアマンタジン(amantadine)、リマンタジン(rimantadine)、及びリマンタジン及びノイラミニダーゼ阻害剤(NAIs;Neuraminidase inhibitors)系化合物またはその誘導体、もしくはその薬学的に許容される塩であるオセルタミビル(oseltamivir)、ザナミビル(zanamivir)、ペラミビル(peramivir)、バロキサビル(baloxavir)、及びラニナミビル(laninamivir)からなる群から選択されてもよい。
【0030】
本発明の一態様において、前記抗ウイルス剤は、ヘルペス治療剤であってもよく、前記ヘルペス治療剤は、アシクロビル(aciclovir)、バラシクロビル(valaciclovir)、イドクスウリジン(idoxuridine)、ビダラビン(vidarabine)、ペンシクロビル(penciclovir)、ファムシクロビル(famciclovir)、トリフルリジン(trifluridine)、シドホビル(cidofovir)、及びホスカルネット(foscarnet)からなる群から選択されてもよい。
【0031】
本発明の一態様において、前記抗ウイルス剤はB型肝炎治療剤であってもよく、前記B型肝炎治療剤は、ラミブジン(lamivudine)、クレブジン(clevudine)、テルビブジン(telbivudine)、エンテカビル(entecavir)、アデホビル(adefovir)、テノホビルジソプロキシル(tenofovir disoproxil)、テノホビルアラフェナミド、テノホビルアラフェナミド(tenofovir alafenamide)、及びベシホビル(besifovir)からなる群から選択されてもよい。
【0032】
本発明の一態様において、前記抗ウイルス剤はC型肝炎治療剤であってもよく、前記C型肝炎治療剤は、サイトカインであるペグインターフェロンアルファ2a(peginterferon-α-2a)及びペグインターフェロンアルファ2b(peginterferon-α-2b)、プロテアーゼ系化合物またはその誘導体、もしくはその薬学的に許容される塩であるリバビリン(ribavirin)、ウイルスタンパク質に作用する抗ウイルス剤(DAA;Direct-acting antivirals)系化合物またはその誘導体、もしくはその薬学的に許容される塩として、単剤であるボセプレビル(boceprevir)、ダサブビル(dasabuvir)、ダクラタスビル(daclatasvir)、アスナプレビル(asunaprevir)、ソホスブビル(sofosbuvir)、及び複合剤であるエルバスビル/グラゾプレビル(elbasvir/grazoprevir)、グレカプレビル/ピブレンタスビル(glecaprevir/pibrentasvir)、オムビタスビル/パリタプレビル/リトナビル(ombitasvir/paritaprevir/ritonavir)からなる群から選択されてもよい。
【0033】
本発明の一態様において、前記抗ウイルス剤は、免疫増強剤(インターフェロン類)系化合物またはその誘導体、もしくはその薬学的に許容される塩であってもよく、前記免疫増強剤は、インターフェロンアルファ2a(interferon alfa-2a)、インターフェロンアルファ2b(interferon alfa-2b)、及びペグインターフェロンアルファ2a(peginterferon-α-2a)からなる群から選択されてもよい。
【0034】
本発明の一態様において、前記抗ウイルス剤は、免疫反応調節剤系化合物またはその誘導体、もしくはその薬学的に許容される塩であってもよく、前記免疫反応調節剤は、イミキモド(imiquimod)であってもよい。
【0035】
本発明の一態様において、前記抗うつ剤は、三環系抗うつ剤(Tricyclic antidepressants;TCAs)であってもよく、前記三環系抗うつ剤は、アミトリプチリン(amitriptyline)、ノルトリプチリン(nortriptyline)、クロミプラミン(clomipramine)、イミプラミン(imipramine)、アモキサピン(amoxapine)、デシプラミン(desipramine)、マプロチリン(maprotiline)、トリミプラミン(trimipramine)、プロトリプチリン(protriptyline)、及びメリトラセン(melitracen)からなる群から選択されてもよい。
【0036】
本発明の一態様において、前記抗うつ剤は、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(Selective serotonin reuptake inhibitors;SSRIs)であってもよく、前記選択的セロトニン再取り込み阻害剤は、フルオキセチン(fluoxetine)、フルボキサミン(fluvoxamine)、パロキセチン(paroxetine)、セルトラリン(sertraline)、エスシタロプラム(escitalopram)、及びボルチオキセチン(vortioxetine)からなる群から選択されてもよい。
【0037】
本発明の一態様において、前記抗うつ剤は、モノアミンオキシダーゼ阻害剤(Monoamine oxidase inhibitor;MAOI)であってもよく、前記モノアミンオキシダーゼ阻害剤は、モクロベミド(moclobemide)であってもよい。
【0038】
本発明の一態様において、前記抗うつ剤は、セロトニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(Serotonin-norepinephrine reuptake inhibitors;SNRIs)であってもよく、前記セロトニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害剤は、デュロキセチン(duloxetine)、ベンラファキシン(venlafaxine)、デスベンラファキシン(desbenlafaxine)、ミルナシプラン(milnacipran)、及び抗うつ剤であるブプロピオン(bupropion)、ミルタザピン(mirtazapine)、トラゾドン(trazodone)、チアネプチン(tianeptine)からなる群から選択されてもよい。
【0039】
本発明の一態様において、前記ビグアニド系化合物は、メトホルミン(metformin)、フェンホルミン(phenformin)、ブホルミン(buformin)及びビグアニド(biguanide)からなる群から選択されてもよい。
【0040】
本発明の一態様において、第1の成分の抗ウイルス剤と、第2の成分の抗うつ剤は、第1の成分0.0000001~10重量部:第2の成分1重量部の比で配合されてもよい。
【0041】
本発明の一態様において、第1の成分の抗ウイルス剤と、第2の成分の抗うつ剤と、第3の成分のビグアニド系化合物またはその薬学的に許容される塩は、第1の成分0.0000001~10重量部:第2の成分1重量部:第3の成分0.01~100000重量部の比で配合されてもよい。
【0042】
本発明の一態様において、塩は、酸付加塩である塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、亜硝酸または亜リン酸などの無機酸類と、脂肪族モノ及びジカルボキシレート、フェニル置換アルカノエート、ヒドロキシアルカノエート、及びアルカンジオエート、芳香族酸類、脂肪族及び芳香族スルホン酸類、薬学的に無毒な塩類である硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、フッ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプリン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオル酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン-1,4-二酸塩、ヘキサン-1,6-二酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、テレフタル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、クロロベンゼンスルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ナフタレン-1-スルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩またはマンデル酸塩及び金属塩であるナトリウム、カリウム及びカルシウムからなる群から選択されてもよい。
【0043】
本発明の一態様において、前記癌は、以下のものから構成される群から選択されてもよい:(A)(1)非浸潤性乳管癌種(DCIS)(面皰癌種、篩状癌、乳頭癌、微小乳頭状)、浸潤性乳管癌種(IDC)、管状癌種、膠様(コロイド)癌種、乳頭癌種、化生性癌種及び炎症性癌種を含む、腺管癌種、(2)上皮内小葉癌種(LCIS)及び浸潤性小葉癌種を含む、小葉癌種、並びに、(3)乳首のパジェット病を含む、乳腺癌、(B)(1)子宮頸部上皮内腫瘍(グレードI)、子宮頸部上皮内腫瘍(グレードII)、子宮頸部上皮内腫瘍(グレードIII)(扁平上皮内癌種)、角化扁平上皮癌種、非角化扁平上皮癌種、疣状癌種、潜在腺癌種、子宮頸管型、類子宮内膜腺癌種、明細胞腺癌種、腺扁平上皮癌種、腺様嚢胞癌種、小細胞癌及び分化癌を含む、子宮頸部の癌、(2)類内膜癌種、腺癌種、腺棘細胞腫(扁平上皮化生を有する腺癌種)、腺扁平上皮癌種(腺癌及び扁平上皮癌の混合、粘液腺癌種、漿液性腺癌種)、透明細胞腺癌種、扁平上皮腺癌及び未分化腺癌を含む、子宮体癌、(3)漿液性嚢胞腺腫、漿液性嚢胞腺癌種、粘液性嚢胞腺腫、子宮内膜性腫瘍、類内膜腺癌種、透明細胞腫瘍、透明細胞嚢胞腺癌及び未分化腫瘍を含む、卵巣癌、(4)扁平上皮癌種及び腺癌種を含む、膣癌、並びに、(5)外陰部上皮内腫瘍(グレードI)、外陰部上皮内腫瘍(グレードII)、外陰部上皮内腫瘍(グレードIII)(扁平上皮内癌種)、扁平上皮癌種、疣状癌種、外陰部のパジェット病、腺癌種(NOS)、基底細胞癌種(NOS)、及びバルトリン腺癌種を含む、外陰部癌を含む、女性生殖系の癌、(C)(1)扁平上皮癌種を含む陰茎癌、(2)腺癌種、肉腫、及び前立腺の移行上皮癌種を含む、前立腺癌、(3)精上皮腫勢腫瘍、非精上皮腫勢腫瘍、奇形腫、胎生期癌種、卵黄嚢腫瘍、絨毛癌種を含む精巣癌を含む、男性生殖系の癌、(D)肉腫(血管肉腫、線維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫)、粘液腫、横紋筋腫、線維腫、脂肪腫及び奇形腫を含む心臓系の癌、(E)喉頭の扁平上皮癌種、原発性胸膜中皮腫及び咽頭の扁平上皮癌種を含む、呼吸器系の癌、(F)扁平上皮癌種(表皮癌種)、扁平上皮癌種の変異体、紡錘細胞癌種、小細胞癌種、他の細胞の癌種、中間細胞型の癌種、複合型燕麦細胞癌種、腺癌種、腺房腺癌種、乳頭腺癌種、細気管支肺胞上皮癌種、粘液形成を有する固形癌種、大細胞癌種、巨細胞癌種、透明細胞腺癌種及び肉腫を含む、肺癌、(G)(1)原発性腺癌種、カルチノイド腫瘍及びリンパ種を含む、ファーター(Vater)膨大部の癌種、(2)腺癌種、扁平上皮癌及び黒色腫を含む、肛門管の癌、(3)上皮癌種、腺癌種、乳頭腺癌種、腸型腺癌、粘液腺癌種、透明細胞腺癌種、印環細胞癌種、腺扁平上皮癌種、扁平上皮癌種、小細胞(燕麦細胞)癌種、未分化癌種、腺癌種(NOS)、肉腫及びカルチノイド腫瘍を含む、肝外胆管の癌、(4)潜在腺癌種、腺癌種、粘液腺癌種(コロイド型、50%粘液癌種より多い)、印環細胞癌種(コロイド型、50%印環細胞より多い)、扁平上皮癌種(表皮癌種)、腺扁平上皮癌種、小細胞(燕麦細胞)癌種、未分化癌種、腺癌種(NOS)、肉腫、リンパ腫及びカルチノイド腫瘍を含む、結腸直腸癌、(5)扁平上皮癌種、腺癌種、平滑筋肉腫及びリンパ腫を含む、食道癌、(6)腺癌種、腸型腺癌、腺扁平上皮癌種、上皮内癌種、腺癌種(NOS)、透明細胞腺癌種、粘液腺癌種、乳頭腺癌種、印環細胞癌種、小細胞(燕麦細胞)癌種、扁平上皮癌及び未分化癌種を含む、胆嚢癌、(7)扁平上皮癌種を含む、口唇及び口腔の癌、(8)肝癌(肝細胞癌種)、胆管癌種、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫及び血管腫を含む、肝臓癌、(9)導管細胞癌種、多形性巨細胞癌種、巨細胞癌種、破骨細胞(osteoclastoid)型巨細胞癌種、腺癌種、腺扁平上皮癌種、粘液(コロイド)癌種、嚢胞腺癌種、acinar細胞癌種、乳頭腺癌種、小細胞(燕麦細胞)癌種、混合細胞型小細胞(燕麦細胞)癌種、腺癌種(NOS)、未分化癌種、ランゲルハンス島に発生する内分泌細胞腫瘍、及びカルチノイドを含む、膵外分泌腺癌、(10)腺房細胞癌種、腺様嚢胞癌種(円柱腫)、腺癌種、腺扁平上皮癌種、多形性腺腫内癌種(悪性混合腫瘍)、粘膜表皮癌種(高分化または低グレード)及び粘膜表皮癌種(低分化または高グレード)を含む、唾液腺癌、(11)腺癌種、乳頭腺癌種、管状腺癌種、粘液腺癌種、印環細胞癌種、腺扁平上皮癌種、扁平上皮癌種、小細胞癌種、未分化癌種、リンパ腫、肉腫及びカルチノイド腫瘍を含む胃癌、並びに、(12)腺癌種、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経線維腫及び線維腫を含む、小腸癌、を含む、消化管癌、(H)(1)腎細胞癌種、ベリニ集合管腫瘍、腺癌種、乳頭腺癌種、管状腺癌種、顆粒細胞癌種、透明細胞腺癌種(副腎腫)、腎臓の肉腫及び腎芽細胞腫を含む、腎臓癌、(2)移行上皮癌種、乳頭移行上皮癌種、扁平上皮癌種及び腺癌種を含む、腎盂及び尿管の癌、(3)移行上皮癌種、扁平上皮癌種及び腺癌種を含む、尿道癌、並びに、(4)上皮内癌種、移行尿路上皮癌種、乳頭移行上皮癌種、扁平上皮癌種、腺癌種、未分化型含む膀胱癌を含む、泌尿器系の癌、(I)(1)(a)骨形成;骨肉腫、(b)軟骨形成;軟骨肉腫及び間葉性軟骨肉腫、(c)悪性巨細胞癌、(d)ユーイング肉腫、(e)血管腫瘍;血管内皮腫、血管周囲細胞腫及び血管肉腫、(f)結合組織腫瘍;線維肉腫、脂肪肉腫、悪性間葉腫及び未分化肉腫、並びに、(g)他の腫瘍;脊索腫、長骨アダマンチノーマを含む、骨癌、(2)胞巣状軟部肉腫、血管肉腫、類上皮肉腫、骨外性軟骨肉腫、線維肉腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、悪性線維性組織球腫、悪性血管外皮腫、悪性間葉腫、悪性シュワン腫、横紋筋肉腫、滑膜肉腫及び肉腫(NOS)を含む、軟部組織癌、(3)頭蓋骨の腫瘍(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎)、髄膜の腫瘍(髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫症)、脳の腫瘍(星状細胞腫、髄芽腫、神経膠腫、上衣腫、胚細胞腫(胚腫)、多形性膠芽腫、乏突起膠腫、神経鞘腫、網膜芽細胞腫、先天性腫瘍)、及び脊髄の癌(神経芽細胞腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫)を含む、神経系の癌、(4)骨髄性白血病(急性及び慢性)、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、ホジキン病及び非ホジキンリンパ腫(悪性リンパ腫)を含む、血液癌、(5)(a)(小胞巣を有する乳頭癌を含む)乳頭癌種、濾胞状癌種、髄様癌種及び未分化(退形成)癌種を含む、甲状腺癌、並びに、(b)交感神経芽細胞腫、交感神経産生細胞腫、悪性神経節細胞腫、神経節交感神経芽細胞腫及び神経節細胞腫を含む神経芽細胞腫を含む、内分泌系の癌、(6)扁平上皮癌種、扁平上皮癌の紡錘細胞変異体、基底細胞癌種、汗腺または皮脂腺から進展する腺癌種及び悪性黒色腫を含む、皮膚癌、(7)(a)結膜の腫瘍を含む、結膜癌、(b)基底細胞癌種、扁平上皮癌種、瞼の黒色腫及び脂腺細胞癌種を含む、瞼の癌、(c)腺癌種、腺様嚢胞癌種、多形性腺腫内癌種、粘液性類表皮癌種及び扁平上皮癌種を含む、涙腺の癌、(d)紡錘細胞黒色腫、混合細胞黒色腫及び類上皮細胞黒色腫を含む、ブドウ膜の癌、(e)眼球孔の肉腫、軟部組織腫瘍及び骨肉腫を含む眼球孔の癌、並びに、(f)網膜芽細胞腫を含む、眼の癌、を含む、筋肉、骨及び軟部組織の癌。
【0044】
本発明の一態様において、製剤は、錠剤、カプセル剤、注射剤、トロッキー剤、散剤、顆粒剤、液剤、懸濁剤、内用液剤、乳剤、シロップ剤、坐剤、膣錠剤、及び丸剤からなる群から選択される剤形に剤形化されてもよい。
【0045】
本発明の別の態様において、抗ウイルス剤を含む製剤と、抗うつ剤を含む製剤との複合剤、混合剤または併用剤を含む、癌の予防または治療用の併用剤キットが提供される。
【0046】
本発明の別の態様において、抗ウイルス剤を含む製剤と、抗うつ剤を含む製剤と、ビグアニド系化合物またはその薬学的に許容される塩とを含む製剤の複合剤、混合剤または併用剤を含む、癌の予防または治療用の併用剤キットが提供される。
【0047】
本発明の別の態様において、薬学的に有効な量の抗ウイルス剤を含む製剤と、抗うつ剤を含む製剤とを、癌を有する個体に複合、混合、または併用投与するステップを含む、癌治療方法が提供される。
【0048】
本発明の別の態様において、薬学的に有効な量の抗ウイルス剤を含む製剤と、抗うつ剤を含む製剤と、ビグアニド系化合物またはその薬学的に許容される塩とを含む製剤を、癌を有する個体に複合、混合または併用投与するステップを含む、癌治療方法が提供される。
【0049】
本発明の別の態様において、癌の予防または治療に用いるための複合剤、混合剤または併用剤であって、抗ウイルス剤を含む製剤と、抗うつ剤を含む製剤とを有効成分として含有する製剤が提供される。
【0050】
本発明の別の態様において、癌の予防または治療に用いるための複合剤、混合剤または併用剤であって、抗ウイルス剤を含む製剤と、抗うつ剤を含む製剤と、ビグアニド系化合物またはその薬学的に許容される塩とを含む製剤を有効成分として含有する製剤が提供される。
【発明の効果】
【0051】
本発明に係る抗ウイルス剤、抗うつ剤及びビグアニド系化合物またはその薬学的に許容される塩は、それぞれを単独で処理したときには抗癌効果が弱いが、複合、混合または併用して処理する場合、様々な癌種で相乗的に有意に高い抗癌効果が示されるため、これを有効成分として含有する薬学的組成物は、癌の予防または治療に有用に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
図1】2μMのエファビレンツ(efavirenz)、2μMのフルオキセチン(fluoxetine)、2μMのエファビレンツ+2μMのフルオキセチンををa)膵臓癌細胞株及びb)大腸癌細胞株に24時間処理したときの成長抑制の程度(%growth inhibition)を示す図である。 a)膵臓癌細胞ASPC-1 青色の棒グラフ(1):2μMのエファビレンツのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、 緑色の棒グラフ(2):2μMのフルオキセチンのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、及び 赤色の棒グラフ(3):2μMのエファビレンツと2μMのフルオキセチンを併用処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)。 b)大腸癌細胞HCT116 青色の棒グラフ(1):2μMのエファビレンツのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、 緑色の棒グラフ(2):2μMのフルオキセチンのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、及び 赤色の棒グラフ(3):2μMのエファビレンツと2μMのフルオキセチンを併用処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)。
図2】2μMのエファビレンツ、10μMのフルボキサミン(fluvoxamine)、2μMのエファビレンツ+10μMのフルボキサミンを、a)膵臓癌細胞株及びb)大腸癌細胞株に24時間処理したときの成長抑制の程度(%growth inhibition)を示す図である。 a)膵臓癌細胞ASPC-1 青色の棒グラフ(1):2μMのエファビレンツのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、 緑色の棒グラフ(2):10μMのフルボキサミンのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、及び 赤色の棒グラフ(3):2μMのエファビレンツと10μMのフルボキサミンを併用処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)。 b)大腸癌細胞HCT116 青色の棒グラフ(1):2μMのエファビレンツのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、 緑色の棒グラフ(2):10μMのフルボキサミンのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、及び 赤色の棒グラフ(3):2μMのエファビレンツと10μMのフルボキサミンを併用処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)。
図3】2μMのエファビレンツ、1μMのパロキセチン(paroxetine)、2μMのエファビレンツ+1μMのパロキセチンを、a)膵臓癌細胞株及びb)大腸癌細胞株に24時間処理したときの成長抑制の程度(%growth inhibition)を示す図である。 a)膵臓癌細胞ASPC-1 青色の棒グラフ(1):2μMのエファビレンツのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、 緑色の棒グラフ(2):1μMのパロキセチンのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、及び 赤色の棒グラフ(3):2μMのエファビレンツと1μMのパロキセチンを併用処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)。 b)大腸癌細胞HCT116 青色の棒グラフ(1):2μMのエファビレンツのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、 緑色の棒グラフ(2):1μMのパロキセチンのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、及び 赤色の棒グラフ(3):2μMのエファビレンツと1μMのパロキセチンを併用処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)。
図4】2μMのエファビレンツ、1μMのセルトラリン(sertraline)、2μMのエファビレンツ+1μMのセルトラリンを、a)膵臓癌細胞株及びb)大腸癌細胞株に24時間処理したときの成長抑制の程度(%growth inhibition)を示す図である。 a)膵臓癌細胞ASPC-1 青色の棒グラフ(1):2μMのエファビレンツのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、 緑色の棒グラフ(2):1μMのセルトラリンのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、及び 赤色の棒グラフ(3):2μMのエファビレンツと1μMのセルトラリンを併用処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)。 b)大腸癌細胞HCT116 青色の棒グラフ(1):2μMのエファビレンツのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、 緑色の棒グラフ(2):1μMのセルトラリンのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、及び 赤色の棒グラフ(3):2μMのエファビレンツと1μMのセルトラリンを併用処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)。
図5】10μMのエトラビリン(etravirine)、2μMのフルオキセチン、10μMのエトラビリン+2μMのフルオキセチンを、a)膵臓癌細胞株及びb)大腸癌細胞株に24時間処理したときの成長抑制の程度(%growth inhibition)を示す図である。 a)膵臓癌細胞ASPC-1 青色の棒グラフ(1):10μMのエトラビリンのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、 緑色の棒グラフ(2):2μMのフルオキセチンのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、及び 赤色の棒グラフ(3):10μMのエトラビリンと2μMのフルオキセチンを併用処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)。 b)大腸癌細胞HCT116 青色の棒グラフ(1):10μMのエトラビリンのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、 緑色の棒グラフ(2):2μMのフルオキセチンのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、及び 赤色の棒グラフ(3):10μMのエトラビリンと2μMのフルオキセチンを併用処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)。
図6】2μMのリルピビリン(rilpivirine)、2μMのフルオキセチン、2μMのリルピビリン+2μMのフルオキセチンを大腸癌細胞株HCT116に24時間処理したときの成長抑制の程度(%growth inhibition)を示す図である。 青色の棒グラフ(1):2μMのリルピビリンのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、 緑色の棒グラフ(2):2μMのフルオキセチンのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、及び 赤色の棒グラフ(3):2μMのリルピビリンと2μMのフルオキセチンを併用処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)。
図7】2μMのエファビレンツ、10μMのデュロキセチン(duloxetine)、2μMのエファビレンツ+10μMのデュロキセチンを、a)膵臓癌細胞株及びb)大腸癌細胞株に24時間処理したときの成長抑制の程度(%growth inhibition)を示す図である。 a)膵臓癌細胞ASPC-1 青色の棒グラフ(1):2μMのエファビレンツのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、 緑色の棒グラフ(2):10μMのデュロキセチンのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、及び 赤色の棒グラフ(3):2μMのエファビレンツと10μMのデュロキセチンを併用処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)。 b)大腸癌細胞HCT116 青色の棒グラフ(1):2μMのエファビレンツのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、 緑色の棒グラフ(2):10μMのデュロキセチンのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、及び 赤色の棒グラフ(3):2μMのエファビレンツと10μMのデュロキセチンを併用処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)。
図8】2μMのエファビレンツ、10μMのアミトリプチリン(amitriptyline)、2μMのエファビレンツ+10μMのアミトリプチリンを、a)膵臓癌細胞株及びb)大腸癌細胞株に24時間処理したときの成長抑制の程度(%growth inhibition)を示す図である。 a)膵臓癌細胞ASPC-1 青色の棒グラフ(1):2μMのエファビレンツのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、 緑色の棒グラフ(2):10μMのアミトリプチリンのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、及び 赤色の棒グラフ(3):2μMのエファビレンツと10μMのアミトリプチリンを併用処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)。 b)大腸癌細胞HCT116 青色の棒グラフ(1):2μMのエファビレンツのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、 緑色の棒グラフ(2):10μMのアミトリプチリンのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、及び 赤色の棒グラフ(3):2μMのエファビレンツと10μMのアミトリプチリンを併用処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)。
図9】2μMのエファビレンツ、10μMのクロミプラミン(clomipramine)、2μMのエファビレンツ+10μMのクロミプラミンを、a)膵臓癌細胞株及びb)大腸癌細胞株に24時間処理したときの成長抑制の程度(%growth inhibition)を示す図である。 a)膵臓癌細胞ASPC-1 青色の棒グラフ(1):2μMのエファビレンツのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、 緑色の棒グラフ(2):10μMのクロミプラミンのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、及び 赤色の棒グラフ(3):2μMのエファビレンツと10μMのクロミプラミンを併用処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)。 b)大腸癌細胞HCT116 青色の棒グラフ(1):2μMのエファビレンツのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、 緑色の棒グラフ(2):10μMのクロミプラミンのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、及び 赤色の棒グラフ(3):2μMのエファビレンツと10μMのクロミプラミンを併用処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)。
図10】2μMのエファビレンツ、10μMのノルトリプチリン(nortriptyline)、2μMのエファビレンツ+10μMのノルトリプチリンを、a)膵臓癌細胞株及びb)大腸癌細胞株に24時間処理したときの成長抑制の程度(%growth inhibition)を示す図である。 a)膵臓癌細胞ASPC-1 青色の棒グラフ(1):2μMのエファビレンツのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、 緑色の棒グラフ(2):10μMのノルトリプチリンのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、及び 赤色の棒グラフ(3):2μMのエファビレンツと10μMのノルトリプチリンを併用処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)。 b)大腸癌細胞HCT116 青色の棒グラフ(1):2μMのエファビレンツのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、 緑色の棒グラフ(2):10μMのノルトリプチリンのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、及び 赤色の棒グラフ(3):2μMのエファビレンツと10μMのノルトリプチリンを併用処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)。
図11】2μMのエファビレンツ、10μMのデシプラミン(desipramine)、2μMのエファビレンツ+10μMのデシプラミンを、a)膵臓癌細胞株及びb)大腸癌細胞株に24時間処理したときの成長抑制の程度(%growth inhibition)を示す図である。 a)膵臓癌細胞ASPC-1 青色の棒グラフ(1):2μMのエファビレンツのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、 緑色の棒グラフ(2):10μMのデシプラミンのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、及び 赤色の棒グラフ(3):2μMのエファビレンツと10μMのデシプラミンを併用処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)。 b)大腸癌細胞HCT116 青色の棒グラフ(1):2μMのエファビレンツのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、 緑色の棒グラフ(2):10μMのデシプラミンのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、及び 赤色の棒グラフ(3):2μMのエファビレンツと10μMのデシプラミンを併用処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)。
図12】2μMのエファビレンツ、10μMのアモキサピン(amoxapine)、2μMのエファビレンツ+10μMのアモキサピンを、a)膵臓癌細胞株及びb)大腸癌細胞株に24時間処理したときの成長抑制の程度(%growth inhibition)を示す図である。 a)膵臓癌細胞ASPC-1 青色の棒グラフ(1):2μMのエファビレンツのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、 緑色の棒グラフ(2):10μMのアモキサピンのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、及び 赤色の棒グラフ(3):2μMのエファビレンツと10μMのアモキサピンを併用処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)。 b)大腸癌細胞HCT116 青色の棒グラフ(1):2μMのエファビレンツのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、 緑色の棒グラフ(2):10μMのアモキサピンのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、及び 赤色の棒グラフ(3):2μMのエファビレンツと10μMのアモキサピンを併用処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)。
図13】2μMのエファビレンツ、10μMのマプロチリン(maprotiline)、2μMのエファビレンツ+10μMのマプロチリンを、a)膵臓癌細胞株及びb)大腸癌細胞株に24時間処理したときの成長抑制の程度(%growth inhibition)を示す図である。 a)膵臓癌細胞ASPC-1 青色の棒グラフ(1):2μMのエファビレンツのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、 緑色の棒グラフ(2):10μMのマプロチリンのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、及び 赤色の棒グラフ(3):2μMのエファビレンツと10μMのマプロチリンを併用処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)。 b)大腸癌細胞HCT116 青色の棒グラフ(1):2μMのエファビレンツのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、 緑色の棒グラフ(2):10μMのマプロチリンのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、及び 赤色の棒グラフ(3):2μMのエファビレンツと10μMのマプロチリンを併用処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)。
図14】2μMのエファビレンツ、10μMのトリミプラミン(trimipramine)、2μMのエファビレンツ+10μMのトリミプラミンを、a)膵臓癌細胞株及びb)大腸癌細胞株に24時間処理したときの成長抑制の程度(%growth inhibition)を示す図である。 a)膵臓癌細胞ASPC-1 青色の棒グラフ(1):2μMのエファビレンツのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、 緑色の棒グラフ(2):10μMのトリミプラミンのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、及び 赤色の棒グラフ(3):2μMのエファビレンツと10μMのトリミプラミンを併用処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)。 b)大腸癌細胞HCT116 青色の棒グラフ(1):2μMのエファビレンツのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、 緑色の棒グラフ(2):10μMのトリミプラミンのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、及び 赤色の棒グラフ(3):2μMのエファビレンツと10μMのトリミプラミンを併用処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)。
図15】2μMのエファビレンツ、10μMのプロトリプチリン(protriptyline)、2μMのエファビレンツ+10μMのプロトリプチリンを、a)膵臓癌細胞株及びb)大腸癌細胞株に24時間処理したときの成長抑制の程度(%growth inhibition)を示す図である。 a)膵臓癌細胞ASPC-1 青色の棒グラフ(1):2μMのエファビレンツのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、 緑色の棒グラフ(2):10μMのプロトリプチリンのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、及び 赤色の棒グラフ(3):2μMのエファビレンツと10μMのプロトリプチリンを併用処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)。 b)大腸癌細胞HCT116 青色の棒グラフ(1):2μMのエファビレンツのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、 緑色の棒グラフ(2):10μMのプロトリプチリンのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、及び 赤色の棒グラフ(3):2μMのエファビレンツと10μMのプロトリプチリンを併用処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)。
図16】2μMのエファビレンツ、1μMのメリトラセン(melitracen)、2μMのエファビレンツ+1μMのメリトラセンを、a)膵臓癌細胞株及びb)大腸癌細胞株に24時間処理したときの成長抑制の程度(%growth inhibition)を示す図である。 a)膵臓癌細胞ASPC-1 青色の棒グラフ(1):2μMのエファビレンツのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、 緑色の棒グラフ(2):1μMのメリトラセンのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、及び 赤色の棒グラフ(3):2μMのエファビレンツと1μMのメリトラセンを併用処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)。 b)大腸癌細胞HCT116 青色の棒グラフ(1):2μMのエファビレンツのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、 緑色の棒グラフ(2):1μMのメリトラセンのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、及び 赤色の棒グラフ(3):2μMのエファビレンツと1μMのメリトラセンを併用処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)。
図17】10μMのロピナビル(lopinavir)、2μMのフルオキセチン、10μMのロピナビル+2μMのフルオキセチンを、a)膵臓癌細胞株及びb)大腸癌細胞株に24時間処理したときの成長抑制の程度(%growth inhibition)を示す図である。 a)膵臓癌細胞ASPC-1 青色の棒グラフ(1):10μMのロピナビルのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、 緑色の棒グラフ(2):2μMのフルオキセチンのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、及び 赤色の棒グラフ(3):10μMのロピナビルと2μMのフルオキセチンを併用処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)。 b)大腸癌細胞HCT116 青色の棒グラフ(1):10μMのロピナビルのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、 緑色の棒グラフ(2):2μMのフルオキセチンのみを単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、及び 赤色の棒グラフ(3):10μMのロピナビルと2μMのフルオキセチンを併用処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)。
図18】2μMのエファビレンツ、4μMのフルオキセチン及び2.5mMのメトホルミン(metformin)を、a)膵臓癌細胞株及びb)大腸癌細胞株に24時間処理したときの成長抑制の程度(%growth inhibition)を示す図である。 a)膵臓癌細胞ASPC-1 青色の棒グラフ(1):2μMのエファビレンツ、4μMのフルオキセチンのみを、あるいは2.5mMのメトホルミンをそれぞれ単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、及び 赤色の棒グラフ(2):2μMのエファビレンツ、4μMのフルオキセチン及び2.5mMのメトホルミンを併用処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)。 b)大腸癌細胞HCT116 青色の棒グラフ(1):2μMのエファビレンツ、4μMのフルオキセチン及び2.5mMのメトホルミンをそれぞれ単独で処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、及び 赤色の棒グラフ(2):2μMのエファビレンツ、4μMのフルオキセチン及び2.5mMのメトホルミンを併用処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)。
図19】0.5mMのメトホルミン、2μMドキソルビシン(doxorubicin)、1.5μMのエファビレンツ、2μMのフルオキセチン、1.5μMのエファビレンツ及び2μMのフルオキセチンと、1.5μMのエファビレンツ及び0.5mMのメトホルミンと、2μMのフルオキセチン及び0.5mMのメトホルミンと、1.5μMのエファビレンツ、2μMのフルオキセチン、及び0.5mMのメトホルミンとを、大腸癌細胞株HCT116に0、24、48、72及び96時間処理したときの成長抑制の程度(%growth inhibition)を示す図である。 青色の線グラフ(1):0.5mMのメトホルミンのみを単独で0、24、48、72、及び96時間処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、 橙色の線グラフ(2):2μMのドキソルビシンのみを単独で0、24、48、72、及び96時間処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、 灰色の線グラフ(3):1.5μMのエファビレンツのみを単独で0、24、48、72、及び96時間処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、 黄色の線グラフ(4):2μMのフルオキセチンのみを単独で0、24、48、72、及び96時間処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、 空色の線グラフ(5):1.5μMのエファビレンツ及び2μMのフルオキセチンを0、24、48、72及び96時間併用処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、 緑色の線グラフ(6):1.5μMのエファビレンツ及び0.5mMのメトホルミンを0、24、48、72及び96時間併用処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、 藍色の線グラフ(7):2μMのフルオキセチン及び0.5mMのメトホルミンを0、24、48、72及び96時間併用処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、 褐色の線グラフ(8):1.5μMのエファビレンツ、2μMのフルオキセチン及び0.5mMのメトホルミンを0、24、48、72及び96時間併用処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、 b)青色の棒グラフ(1):0.5mMのメトホルミンのみを単独で0、24、48、72、及び96時間処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、 橙色の棒グラフ(2):2μMのドキソルビシンのみを単独で0、24、48、72、及び96時間処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、 灰色の棒グラフ(3):1.5μMのエファビレンツのみを単独で0、24、48、72、及び96時間処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、 黄色の棒グラフ(4):2μMのフルオキセチンのみを単独で0、24、48、72、及び96時間処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、 空色の棒グラフ(5):1.5μMのエファビレンツ及び2μMのフルオキセチンを0、24、48、72及び96時間併用処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、 緑色の棒グラフ(6):1.5μMのエファビレンツ及び0.5mMのメトホルミンを0、24、48、72及び96時間併用処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、 藍色の棒グラフ(7):2μMのフルオキセチン及び0.5mMのメトホルミンを0、24、48、72及び96時間併用処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)、 褐色の棒グラフ(8):1.5μMのエファビレンツ、2μMのフルオキセチン及び0.5mMのメトホルミンを0、24、48、72及び96時間併用処理したときの癌細胞成長抑制の程度(パーセント)。
【発明を実施するための形態】
【0053】
以下、本発明をより詳細に説明する。
【0054】
本発明は、癌の予防または治療に用いるための複合剤、混合剤または併用剤であって、抗ウイルス剤を含む第1の成分と、抗うつ剤を含む第2の成分とを複合剤、混合剤または併用剤の有効成分として含有する、癌の予防または治療用薬学的組成物、薬学的に有効な量の抗ウイルス剤を含む第1の成分と、抗うつ剤を含む第2の成分とを、癌を有する個体に複合、混合または併用投与するステップを含む、癌治療方法、及び、癌の予防または治療に用いるための複合剤、混合剤または併用剤であって、抗ウイルス剤を含む第1の成分と、抗うつ剤を含む第2の成分とを有効成分として含有する製剤を提供する。
【0055】
また、本発明は、癌の予防または治療に用いるための複合剤、混合剤または併用剤であって、抗ウイルス剤を含む第1の成分と、抗うつ剤を含む第2の成分と、ビグアニド系化合物またはその薬学的に許容される塩を含む第3の成分とを有効成分としてさらに加えることで複合剤、混合剤または併用剤の有効成分として含有する、癌の予防または治療用薬学的組成物、薬学的に有効な量の抗ウイルス剤を含む第1の成分と、抗うつ剤を含む第2の成分と、ビグアニド系化合物またはその薬学的に許容される塩を含む第3の成分とをさらに加えて癌を有する個体に複合、混合または併用投与するステップを含む、癌治療方法、及び、癌の予防または治療に用いるための複合剤、混合剤または併用剤であって、抗ウイルス剤を含む第1の成分と、抗うつ剤を含む第2の成分と、ビグアニド系化合物またはその薬学的に許容される塩を含む第3の成分とをさら加えて有効成分として含有する製剤を提供する。
【0056】
本発明において、「予防」とは、組成物の投与によって発症を抑制するか、あるいは発症を遅延させるあらゆる行為を意味する。また、本発明において、「改善」または「治療」とは、組成物の投与によって前記疾患の症状が改善するか、あるいは有利に変化するあらゆる行為を意味する。
【0057】
本発明において、「投与」とは、所定の物質を任意の適切な方法で患者に提供することを意味し、本発明の組成物の投与経路は、目的組織に到達できる限り、一般的なあらゆる経路から経口または非経口投与されてもよい。さらに、組成物は、活性物質が標的細胞に移動することができる任意の装置によって投与されてもよい。
【0058】
本発明に係る抗ウイルス剤は、非ヌクレオシド逆転写(NNRTIs;Non-nucleoside reverse-transcriptase inhibitors)系化合物またはその誘導体、もしくはその薬学的に許容される塩であってもよく、前記NNRTI系化合物またはその誘導体は、エファビレンツ(efavirenz)、エトラビリン(etravirine)、ネビラピン(nevirapine)、ドラビリン(doravirine)、リルピビリン(rilpivirine)、デラビルジン(delavirdine)からなる群から選択されてもよい。
【0059】
また、本発明に係る抗ウイルス剤は、ヌクレオシド逆転写(NRTIs;Nucleoside reverse-transcriptase inhibitors)系化合物またはその誘導体、もしくはその薬学的に許容される塩であってもよく、前記NRTI系化合物またはその誘導体は、ジドブジン(zidovudine)、ジダノシン(didanosine)、ザルシタビン(zalcitabine)、スタブジン(stavudine)、ラミブジン(lamivudine)、アバカビル(abacavir)、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩(tenofovir disoproxil fumarate)、エムトリシタビン(emtricitabine)、テノホビルアラフェナミドフマル酸塩(tenofovir alafenamide fumarate)からなる群から選択されてもよい。
【0060】
さらに、本発明に係る抗ウイルス剤は、プロテアーゼ阻害剤(PIs;Protease inhibitors)系化合物またはその誘導体、もしくはその薬学的に許容される塩であってもよく、前記PI系化合物またはその誘導体は、単剤であるサキナビル(saquinavir)、リトナビル(ritonavir)、インジナビル(indinavir)、ネルフィナビル(nelfinavir)、アンプレナビル(amprenavir)、ロピナビル(lopinavir)、アタザナビル(atazanavir)、ホスアンプレナビル(fosamprenavir)、チプラナビル(tipranavir)、ダルナビル(darunavir)、及び複合体であるアタザナビル+コビシスタット(cobicistat)、ダルナビル+コビシスタット、リトナビル+ロピナビルからなる群から選択されてもよい。
【0061】
また、本発明に係る抗ウイルス剤は、インテグラーゼ阻害剤(INSTI;Integrase Strand Transfer Inhibitor)系化合物またはその誘導体、もしくはその薬学的に許容される塩であってもよく、前記INSTI系化合物またはその誘導体は、ドルテグラビル(dolutegravir)及びラルテグラビル(raltegravir)であってもよい。
【0062】
さらに、本発明に係る抗ウイルス剤は、融合阻害剤系化合物またはその誘導体、もしくはその薬学的に許容される塩であってもよく、前記融合阻害剤は、エンフビルチド(enfuvirtide)であってもよい。
【0063】
また、本発明に係る抗ウイルス剤は、CCR5(Chemokine(C-C motif)ligand 5)阻害剤系化合物またはその誘導体、もしくはその薬学的に許容される塩であってもよく、前記CCR5阻害化合物またはその誘導体は、単剤であるマラビロク(maraviroc)及び複合剤であるコビシスタット/エルビテグラビル/エムトリシタビン/テノホビルアラフェナミド(cobicistat/elvitegravir/emtricitabine/Tenofovir alafenamide)、コビシスタット/エルビテグラビル/エムトリシタビン/テノホビルジソプロキシル(cobicistat/Elvitegravir/emtricitabine/Tenofovir disoproxil)及びアバカビル/ドルテグラビル/ラミブジン(abacavir/dolutegravir/lamivudine)からなる群から選択されてもよい。
【0064】
さらに、本発明に係る抗ウイルス剤は、A型及びB型インフルエンザウイルス感染の治療に用いられるインフルエンザ治療剤であってもよく、前記インフルエンザ治療剤は、脱殻(uncoating)阻害剤系化合物またはその誘導体、もしくはその薬学的に許容される塩であるアマンタジン(amantadine)、リマンタジン(rimantadine)、及びリマンタジン及びノイラミニダーゼ阻害剤(NAIs;Neuraminidase inhibitors)系化合物またはその誘導体、もしくはその薬学的に許容される塩であるオセルタミビル(oseltamivir)、ザナミビル(zanamivir)、ペラミビル(peramivir)、バロキサビル(baloxavir)、及びラニナミビル(laninamivir)からなる群から選択されてもよい。
【0065】
また、本発明に係る抗ウイルス剤は、単純ヘルペスウイルス(HSV;herpes simplex virus)及び水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV;varicella zoster virus)感染の治療に用いられるヘルペス治療剤であってもよく、前記ヘルペス治療剤は、アシクロビル(aciclovir)、バラシクロビル(valaciclovir)、イドクスウリジン(idoxuridine)、ビダラビン(vidarabine)、ペンシクロビル(penciclovir)、ファムシクロビル(famciclovir)、トリフルリジン(trifluridine)、シドホビル(cidofovir)、及びホスカルネット(foscarnet)からなる群から選択されてもよい。
【0066】
さらに、本発明に係る抗ウイルス剤は、B型肝炎ウイルスの増殖を抑制することで、炎症緩和、線維化防止及び肝硬変症や肝細胞癌腫の発生を予防するB型肝炎治療剤であってもよく、前記B型肝炎治療剤は、ラミブジン(lamivudine)、クレブジン(clevudine)、テルビブジン(telbivudine)、エンテカビル(entecavir)、アデホビル(adefovir)、テノホビルジソプロキシル(tenofovir disoproxil)、テノホビルアラフェナミド、テノホビルアラフェナミド(tenofovir alafenamide)、及びベシホビル(besifovir)からなる群から選択されてもよい。耐性が生じた場合は、他の薬剤に切り替えるか、あるいは2つの薬剤の併合治療に切り替えることができる。
【0067】
また、本発明に係る抗ウイルス剤は、C型肝炎ウイルスの増殖を抑制することで、質病の進行を遅らせるC型肝炎治療剤であってもよく、前記C型肝炎治療剤は、サイトカインであるペグインターフェロンアルファ2a(peginterferon-α-2a)及びペグインターフェロンアルファ2b(peginterferon-α-2b)、プロテアーゼ系化合物またはその誘導体、もしくはその薬学的に許容される塩であるリバビリン(ribavirin)、ウイルスタンパク質に作用する抗ウイルス剤(DAA;Direct-acting antivirals)系化合物またはその誘導体、もしくはその薬学的に許容される塩として、単剤であるボセプレビル(boceprevir)、ダサブビル(dasabuvir)、ダクラタスビル(daclatasvir)、アスナプレビル(asunaprevir)、ソホスブビル(sofosbuvir)、及び複合剤であるエルバスビル/グラゾプレビル(elbasvir/grazoprevir)、グレカプレビル/ピブレンタスビル(glecaprevir/pibrentasvir)、オムビタスビル/パリタプレビル/リトナビル(ombitasvir/paritaprevir/ritonavir)からなる群から選択されてもよい。
【0068】
さらに、本発明に係る抗ウイルス剤は、免疫増強剤(インターフェロン類)系化合物またはその誘導体、もしくはその薬学的に許容される塩であってもよく、前記免疫増強剤は、インターフェロンアルファ2a(interferon alfa-2a)、インターフェロンアルファ2b(interferon alfa-2b)、及びペグインターフェロンアルファ2a(peginterferon-α-2a)からなる群から選択されてもよい。
【0069】
また、本発明に係る抗ウイルス剤は、免疫反応調節剤系化合物またはその誘導体、もしくはその薬学的に許容される塩であってもよく、前記免疫調節剤は、イミキモド(imiquimod)からなる群から選択されてもよい。
【0070】
本発明に係る抗うつ剤は、三環系抗うつ剤(Tricyclic antidepressants;TCAs)であってもよく、前記三環系抗うつ剤は、アミトリプチリン(amitriptyline)、クロミプラミン(clomipramine)、ノルトリプチリン(nortriptyline)、デシプラミン(desipramine)、イミプラミン(imipramine)、アモキサピン(amoxapine)、マプロチリン(maprotiline)、トリミプラミン(trimipramine)、プロトリプチリン(protriptyline)、及びメリトラセン(melitracen)からなる群から選択されてもよい。
【0071】
また、本発明に係る抗うつ剤は、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(Selective serotonin reuptake inhibitors;SSRIs)であってもよく、前記選択的セロトニン再取り込み阻害剤は、フルオキセチン(fluoxetine)、フルボキサミン(fluvoxamine)、パロキセチン(paroxetine)、セルトラリン(sertraline)、エスシタロプラム(escitalopram)、及びボルチオキセチン(vortioxetine)からなる群から選択されてもよい。
【0072】
さらに、本発明に係る抗うつ剤は、モノアミンオキシダーゼ阻害剤(Monoamine oxidase inhibitor;MAOI)であってもよく、前記モノアミンオキシダーゼ阻害剤は、モクロベミド(moclobemide)であってもよい。
【0073】
また、本発明に係る抗うつ剤は、セロトニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(Serotonin-norepinephrine reuptake inhibitors;SNRIs)であってもよく、前記セロトニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害剤は、デュロキセチン(duloxetine)、ベンラファキシン(venlafaxine)、デスベンラファキシン(desbenlafaxine)、ミルナシプラン(milnacipran)、及び抗うつ剤であるブプロピオン(bupropion)、ミルタザピン(mirtazapine)、トラゾドン(trazodone)、チアネプチン(tianeptine)からなる群から選択されてもよい。
【0074】
本発明に係るビグアニド系化合物は、メトホルミン(metfomrin)、フェンホルミン(phenformin)、ブホルミン(buformin)及びビグアニド(biguanide)からなる群から選択されてもよい。
【0075】
本発明におけるメトホルミン(metformin)は、下記化学式1の化合物である。
【0076】
【化1】
【0077】
本発明におけるフェンホルミン(phenformin)は、下記化学式2の化合物である。
【0078】
【化2】
【0079】
本発明におけるブホルミン(buformin)は、下記化学式3の化合物である。
【0080】
【化3】
【0081】
本発明におけるビグアニド(biguanide)は、下記化学式4の化合物である。
【0082】
【化4】
【0083】
本発明の一態様において、抗ウイルス剤の濃度は、0.001μM~10mMであってもよく、抗うつ剤の濃度は、0.001μM~10mMであってもよい。
【0084】
また、本発明の一態様において、加えられてもよいビグアニド系化合物またはその薬学的に許容される塩の濃度は、0.1~100mMであってもよい。
【0085】
本発明の一態様において、本発明の医薬に対する抗ウイルス剤と、抗うつ剤と、ビグアニド系化合物またはその薬学的に許容される塩との含有量は、製剤形態などに応じて適宜選択されてもよい。
【0086】
本発明の一態様において、抗ウイルス剤と、抗うつ剤と、ビグアニド系化合物またはその薬学的に許容される塩が、1つの単剤に剤形化される場合、抗ウイルス剤の含有量は、一般的に、全製剤に対して約0.01~99.99wt%であり、具体的には、約0.01~90wt%であり、好ましくは、約0.1~90wt%であり、より好ましくは、約0.1~80wt%であり、さらに好ましくは、約0.1~70wt%であり、抗うつ剤の含有量は、一般的に、全製剤に対して約0.01~99.99wt%であり、具体的には、約0.01~90wt%であり、好ましくは、約0.1~80wt%であり、より好ましくは、約0.1~70wt%であり、さらに好ましくは、約0.1~60wt%であり、ビグアニド系化合物またはその薬学的に許容される塩の含有量は、一般的に、全製剤に対して約0.01~99.99wt%であり、具体的には、約0.01~90wt%であり、好ましくは、約0.1~90wt%であり、より好ましくは、約0.1~80wt%であり、さらに好ましくは、約0.1~70wt%である。
【0087】
一方で、1つの単剤に配合される場合において、本発明の医薬における抗ウイルス剤と、抗うつ剤との含有量比は、第1の成分の抗ウイルス剤と、第2の成分の抗うつ剤とは、第1の成分0.0000001~10重量部:第2の成分1重量部の比で配合されてもよい。また、1つの単剤に配合される場合において、本発明の医薬における第1の成分の抗ウイルス剤と、第2の成分の抗うつ剤と、第3の成分のビグアニド系化合物またはその薬学的に許容される塩とは、第1の成分0.0000001~10重量部:第2の成分1重量部:第3の成分0.01~100000重量部の比で配合されてもよい。
【0088】
本発明の一態様において、抗ウイルス剤と、抗うつ剤と、ビグアニド系化合物またはその薬学的に許容される塩とを個別に製剤化して併用する場合、抗ウイルス剤の含有量は、一般的に、その含有製剤に対して約0.01~99.99wt%であり、具体的には、約0.1~99.99wt%であり、好ましくは、約0.1~90wt%であり、より好ましくは、約0.1~80wt%であり、さらに好ましくは、約1~80wt%である。また、抗うつ剤の含有製剤における抗うつ剤の含有量は、一般的に、その含有製剤に対して約0.01~99.99wt%であり、具体的には、約0.1~99.99wt%であり、好ましくは、約0.1~90wt%であり、より好ましくは、約0.1~80wt%であり、さらに好ましくは、約1~80wt%である。さらに、ビグアニド系化合物またはその薬学的に許容される塩の含有量は、一般的に、その含有製剤に対して約0.01~99.99wt%であり、具体的には、約0.1~99.99wt%であり、好ましくは、約0.1~90wt%であり、より好ましくは、約0.1~80wt%であり、さらに好ましくは、約1~80wt%であってもよい。
【0089】
一方で、抗ウイルス剤と、抗うつ剤と、ビグアニド系化合物またはその薬学的に許容される塩とを個別に製剤化して併用する場合、担体などの添加剤の含有量は可変であるが、一般的に、各含有製剤に対して約1~99.00wt%であり、具体的には、約1~90wt%であり、好ましくは、約10~90wt%であり、より好ましくは、約10~80wt%であり、さらに好ましくは、約10~70wt%であってもよい。
【0090】
本発明の一態様において、前記癌は、以下のものから構成される群から選択されてもよい:(A)(1)非浸潤性乳管癌種(DCIS)(面皰癌種、篩状癌、乳頭癌、微小乳頭状)、浸潤性乳管癌種(IDC)、管状癌種、膠様(コロイド)癌種、乳頭癌種、化生性癌種及び炎症性癌種を含む、腺管癌種、(2)上皮内小葉癌種(LCIS)及び浸潤性小葉癌種を含む、小葉癌種、並びに、(3)乳首のパジェット病を含む、乳腺癌、(B)(1)子宮頸部上皮内腫瘍(グレードI)、子宮頸部上皮内腫瘍(グレードII)、子宮頸部上皮内腫瘍(グレードIII)(扁平上皮内癌種)、角化扁平上皮癌種、非角化扁平上皮癌種、疣状癌種、潜在腺癌種、子宮頸管型、類子宮内膜腺癌種、明細胞腺癌種、腺扁平上皮癌種、腺様嚢胞癌種、小細胞癌及び分化癌を含む、子宮頸部の癌、(2)類内膜癌種、腺癌種、腺棘細胞腫(扁平上皮化生を有する腺癌種)、腺扁平上皮癌種(腺癌及び扁平上皮癌の混合、粘液腺癌種、漿液性腺癌種)、透明細胞腺癌種、扁平上皮腺癌及び未分化腺癌を含む、子宮体癌、(3)漿液性嚢胞腺腫、漿液性嚢胞腺癌種、粘液性嚢胞腺腫、子宮内膜性腫瘍、類内膜腺癌種、透明細胞腫瘍、透明細胞嚢胞腺癌及び未分化腫瘍を含む、卵巣癌、(4)扁平上皮癌種及び腺癌種を含む、膣癌、並びに、(5)外陰部上皮内腫瘍(グレードI)、外陰部上皮内腫瘍(グレードII)、外陰部上皮内腫瘍(グレードIII)(扁平上皮内癌種)、扁平上皮癌種、疣状癌種、外陰部のパジェット病、腺癌種(NOS)、基底細胞癌種(NOS)、及びバルトリン腺癌種を含む、外陰部癌を含む、女性生殖系の癌、(C)(1)扁平上皮癌種を含む陰茎癌、(2)腺癌種、肉腫、及び前立腺の移行上皮癌種を含む、前立腺癌、(3)精上皮腫勢腫瘍、非精上皮腫勢腫瘍、奇形腫、胎生期癌種、卵黄嚢腫瘍、絨毛癌種を含む精巣癌を含む、男性生殖系の癌、(D)肉腫(血管肉腫、線維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫)、粘液腫、横紋筋腫、線維腫、脂肪腫及び奇形腫を含む心臓系の癌、(E)喉頭の扁平上皮癌種、原発性胸膜中皮腫及び咽頭の扁平上皮癌種を含む、呼吸器系の癌、(F)扁平上皮癌種(表皮癌種)、扁平上皮癌種の変異体、紡錘細胞癌種、小細胞癌種、他の細胞の癌種、中間細胞型の癌種、複合型燕麦細胞癌種、腺癌種、腺房腺癌種、乳頭腺癌種、細気管支肺胞上皮癌種、粘液形成を有する固形癌種、大細胞癌種、巨細胞癌種、透明細胞腺癌種及び肉腫を含む、肺癌、(G)(1)原発性腺癌種、カルチノイド腫瘍及びリンパ種を含む、ファーター(Vater)膨大部の癌種、(2)腺癌種、扁平上皮癌及び黒色腫を含む、肛門管の癌、(3)上皮癌種、腺癌種、乳頭腺癌種、腸型腺癌、粘液腺癌種、透明細胞腺癌種、印環細胞癌種、腺扁平上皮癌種、扁平上皮癌種、小細胞(燕麦細胞)癌種、未分化癌種、腺癌種(NOS)、肉腫及びカルチノイド腫瘍を含む、肝外胆管の癌、(4)潜在腺癌種、腺癌種、粘液腺癌種(コロイド型、50%粘液癌種より多い)、印環細胞癌種(コロイド型、50%印環細胞より多い)、扁平上皮癌種(表皮癌種)、腺扁平上皮癌種、小細胞(燕麦細胞)癌種、未分化癌種、腺癌種(NOS)、肉腫、リンパ腫及びカルチノイド腫瘍を含む、結腸直腸癌、(5)扁平上皮癌種、腺癌種、平滑筋肉腫及びリンパ腫を含む、食道癌、(6)腺癌種、腸型腺癌、腺扁平上皮癌種、上皮内癌種、腺癌種(NOS)、透明細胞腺癌種、粘液腺癌種、乳頭腺癌種、印環細胞癌種、小細胞(燕麦細胞)癌種、扁平上皮癌及び未分化癌種を含む、胆嚢癌、(7)扁平上皮癌種を含む、口唇及び口腔の癌、(8)肝癌(肝細胞癌種)、胆管癌種、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫及び血管腫を含む、肝臓癌、(9)導管細胞癌種、多形性巨細胞癌種、巨細胞癌種、破骨細胞(osteoclastoid)型巨細胞癌種、腺癌種、腺扁平上皮癌種、粘液(コロイド)癌種、嚢胞腺癌種、acinar細胞癌種、乳頭腺癌種、小細胞(燕麦細胞)癌種、混合細胞型小細胞(燕麦細胞)癌種、腺癌種(NOS)、未分化癌種、ランゲルハンス島に発生する内分泌細胞腫瘍、及びカルチノイドを含む、膵外分泌腺癌、(10)腺房細胞癌種、腺様嚢胞癌種(円柱腫)、腺癌種、腺扁平上皮癌種、多形性腺腫内癌種(悪性混合腫瘍)、粘膜表皮癌種(高分化または低グレード)及び粘膜表皮癌種(低分化または高グレード)を含む、唾液腺癌、(11)腺癌種、乳頭腺癌種、管状腺癌種、粘液腺癌種、印環細胞癌種、腺扁平上皮癌種、扁平上皮癌種、小細胞癌種、未分化癌種、リンパ腫、肉腫及びカルチノイド腫瘍を含む胃癌、並びに、(12)腺癌種、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経線維腫及び線維腫を含む、小腸癌、を含む、消化管癌、(H)(1)腎細胞癌種、ベリニ集合管腫瘍、腺癌種、乳頭腺癌種、管状腺癌種、顆粒細胞癌種、透明細胞腺癌種(副腎腫)、腎臓の肉腫及び腎芽細胞腫を含む、腎臓癌、(2)移行上皮癌種、乳頭移行上皮癌種、扁平上皮癌種及び腺癌種を含む、腎盂及び尿管の癌、(3)移行上皮癌種、扁平上皮癌種及び腺癌種を含む、尿道癌、並びに、(4)上皮内癌種、移行尿路上皮癌種、乳頭移行上皮癌種、扁平上皮癌種、腺癌種、未分化型含む膀胱癌を含む、泌尿器系の癌、(I)(1)(a)骨形成;骨肉腫、(b)軟骨形成;軟骨肉腫及び間葉性軟骨肉腫、(c)悪性巨細胞癌、(d)ユーイング肉腫、(e)血管腫瘍;血管内皮腫、血管周囲細胞腫及び血管肉腫、(f)結合組織腫瘍;線維肉腫、脂肪肉腫、悪性間葉腫及び未分化肉腫、並びに、(g)他の腫瘍;脊索腫、長骨アダマンチノーマを含む、骨癌、(2)胞巣状軟部肉腫、血管肉腫、類上皮肉腫、骨外性軟骨肉腫、線維肉腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、悪性線維性組織球腫、悪性血管外皮腫、悪性間葉腫、悪性シュワン腫、横紋筋肉腫、滑膜肉腫及び肉腫(NOS)を含む、軟部組織癌、(3)頭蓋骨の腫瘍(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎)、髄膜の腫瘍(髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫症)、脳の腫瘍(星状細胞腫、髄芽腫、神経膠腫、上衣腫、胚細胞腫(胚腫)、多形性膠芽腫、乏突起膠腫、神経鞘腫、網膜芽細胞腫、先天性腫瘍)、及び脊髄の癌(神経芽細胞腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫)を含む、神経系の癌、(4)骨髄性白血病(急性及び慢性)、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、ホジキン病及び非ホジキンリンパ腫(悪性リンパ腫)を含む、血液癌、(5)(a)(小胞巣を有する乳頭癌を含む)乳頭癌種、濾胞状癌種、髄様癌種及び未分化(退形成)癌種を含む、甲状腺癌、並びに、(b)交感神経芽細胞腫、交感神経産生細胞腫、悪性神経節細胞腫、神経節交感神経芽細胞腫及び神経節細胞腫を含む神経芽細胞腫を含む、内分泌系の癌、(6)扁平上皮癌種、扁平上皮癌の紡錘細胞変異体、基底細胞癌種、汗腺または皮脂腺から進展する腺癌種及び悪性黒色腫を含む、皮膚癌、(7)(a)結膜の腫瘍を含む、結膜癌、(b)基底細胞癌種、扁平上皮癌種、瞼の黒色腫及び脂腺細胞癌種を含む、瞼の癌、(c)腺癌種、腺様嚢胞癌種、多形性腺腫内癌種、粘液性類表皮癌種及び扁平上皮癌種を含む、涙腺の癌、(d)紡錘細胞黒色腫、混合細胞黒色腫及び類上皮細胞黒色腫を含む、ブドウ膜の癌、(e)眼球孔の肉腫、軟部組織腫瘍及び骨肉腫を含む眼球孔の癌、並びに、(f)網膜芽細胞腫を含む、眼の癌、を含む、筋肉、骨及び軟部組織の癌。
【0091】
本発明の一態様において、製剤は、錠剤、カプセル剤、注射剤、トロッキー剤、散剤、顆粒剤、液剤、懸濁剤、内用液剤、乳剤、シロップ剤、坐剤、膣錠剤及び丸剤からなる群から選択される剤形に剤形化されてもよいが、これらに限定されるものではなく、必要に応じて適切な剤形に剤形化されてもよい。
【0092】
また、本発明は、抗ウイルス剤と、抗うつ剤との複合剤、混合剤または併用剤を含む、癌の予防または治療用の併用剤キットを提供する。
【0093】
さらに、本発明は、抗ウイルス剤及び抗うつ剤にビグアニド系化合物またはその薬学的に許容される塩を添加することができる複合剤、混合剤または併用剤を含む、癌の予防または治療用の併用剤キットを提供する。
【0094】
本発明の一態様において、抗ウイルス剤、抗うつ剤及びビグアニド系化合物またはその薬学的に許容される塩、それらの含有量、含有量比、癌については、前記癌の予防または治療用薬学的組成物の説明と同様であるため、具体的な説明は前記内容を援用する。
【0095】
本発明において、抗ウイルス剤、抗うつ剤及び/またはビグアニド系化合物またはその誘導体は、薬学的に許容される塩の形態で用いられてもよく、塩としては、薬学的に許容される遊離酸(free acid)によって形成された酸付加塩が有用である。酸付加塩は、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、亜硝酸または亜リン酸などの無機酸類と、脂肪族モノ及びジカルボキシレート、フェニル置換されたアルカノエート、ヒドロキシアルカノエート及びアルカンジオエート、芳香族酸類、脂肪族及び芳香族スルホン酸類などの無毒性有機酸から得られる。このような薬学的に無毒な塩類としては、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、フッ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプリン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオル酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン-1,4-二酸塩、ヘキサン-1,6-二酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、テレフタル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、クロルベンゼンスルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ナフタレン-1-スルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩またはマンデル酸塩が挙げられる。
【0096】
本発明による酸付加塩は、通常の方法、例えば、本発明の化合物を過剰量の酸水溶液に溶解し、その塩を水混和性有機溶媒、例えば、メタノール、エタノール、アセトンまたはアセトニトリルを用いて沈殿させて作製する。また、その混合物から溶媒や過剰量の酸を蒸発させて乾燥させるか、または析出した塩を吸引濾過させて作製してもよい。
【0097】
また、塩基を用いて薬学的に許容される金属塩を形成することができる。アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩は、例えば、化合物を過剰量のアルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物溶液に溶解し、溶解しない化合物の塩を濾過して濾液を蒸発、乾燥させて得る。ここで、金属塩としては、ナトリウム、カリウムまたはカルシウム塩を用いることが製薬上好ましい。また、これに対応する銀塩は、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩を好適な銀塩(例えば、硝酸銀)と反応させて得る。
【0098】
前記組成物を製剤化する場合は、通常用いる充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、界面活性剤などの希釈剤または賦形剤を用いて調製される。
【0099】
経口投与のための固形製剤には、錠剤、丸剤 、散剤、顆粒剤、カプセル剤、トローチ剤などが含まれ、これらの固形製剤は、本発明の少なくとも1つの化合物に少なくとも1つの賦形剤、例えば、デンプン、炭酸カルシウム、スクロース(sucrose)またはラクトース(lactose)、ゼラチンなどを混合して調製される。また、通常の賦形剤以外に、ステアリン酸マグネシウム、タルクなどの滑沢剤も用いられる。経口投与のための液体製剤には、懸濁剤、内用液剤、乳剤、シロップ剤などが含まれ、通常用いられる通常の希釈剤である水、流動パラフィン以外にも種々の賦形剤、例えば、湿潤剤、甘味剤、芳香剤、保存剤などが用いられる。
【0100】
非経口投与のための製剤には、滅菌水溶液、非水性溶剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥剤、坐剤などが含まれる。
【0101】
非水性溶剤、懸濁剤としては、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油などの植物性油、オレイン酸エチルなどの注射可能なエステルなどが用いられる。坐剤の基剤としては、ウィテップゾール(witepsol)、マクロゴール、ツイーン(tween)61、カカオ脂、ラウリン脂、グリセロール、ゼラチンなどが用いられる。
【0102】
本発明に係る組成物は、薬学的に有効な量を投与する。本発明における「薬学的に有効な量」とは、医学的治療に適用できる合理的な利益/リスク比で疾患を治療するのに十分な量を意味し、有効用量レベルは、患者の疾患の種類、重症度、薬物の活性、薬物に対する感受性、投与時間、投与経路及び排出率、治療期間、同時用いられる薬物が含まれる要素、並びにその他医学分野で公知の要素により決定される。本発明の組成物は、配合されてから単独でまたは他の治療剤と併用して投与してもよく、従来の治療剤と順次または同時に投与してもよく、単一または多重投与してもよい。前記要素を全て考慮して副作用なく最小限の量で最大の効果が得られる量を投与することが重要であり、これは当業者により容易に決定される。
【0103】
具体的には、本発明に係る化合物の有効量は、患者の年齢、性別、体重により異なり、一般には体重1kg当たり0.1~100mg、好ましくは0.5~10mgを連日または隔日投与するか、1日1~3回に分けて投与することができる。しかしながら、投与経路、疾患の重症度、性別、体重、年齢などにより増減するので、前記投与量がいかなる方法であれ本発明を限定するものではない。
【0104】
本発明の一態様において、抗ウイルス剤を含む第1の成分と、抗うつ剤を含む第2の成分とは、混合、複合、または併用して癌治療を必要とする対象に投与される。また、本発明の一態様において、抗ウイルス剤を含む第1の成分と、抗うつ剤を含む第2の成分に、ビグアニド系化合物またはその薬学的に許容される塩を含む第3の成分を有効成分としてさらに加え、混合、複合または併用して癌治療を必要とする対象に投与される。本発明に係る方法によって、前述の癌疾患を始めとする様々な癌を治療することができる。
【0105】
本発明の具体的な実施例において、本発明者らは、抗ウイルス剤と、抗うつ剤との複合剤、混合剤または併用剤に対する抗癌活性を確認するために、膵臓癌及び大腸癌細胞に、抗ウイルス剤NNRTIであるエファビレンツ、エトラビリン、リルピビリン及びPIであるロピナビルと、抗うつ剤SSRIであるフルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチン、セルトラリン、SNRIであるデュロキセチン、及びTCAであるアミトリプチリン、クロミプラミン、ノルトリプチリン、デシプラミン、アモキサピン、マプロチリン、トリミプラミン、プロトリプチリン、及びメリトラセンを単独で処理するか、あるいは複合、混合または併用処理してMTT分析を行ったところ、癌細胞において成長抑制効果が奏されることを確認した。
【0106】
また、本発明の具体的な実施例において、本発明者らは、抗ウイルス剤と、抗うつ剤と、ビグアニド系化合物またはその薬学的に許容される塩との複合剤、混合剤または併用剤に対する抗癌活性を確認するために、膵臓癌及び大腸癌細胞に、抗ウイルス剤NNRTIであるエファビレンツと、抗うつ剤SSRIであるフルオキセチンと、ビグアニド系化合物であるメトホルミンとを単独で処理するか、あるいは複合、混合または併用処理してMTT分析を行ったところ、癌細胞において成長抑制効果が奏されることを確認した。
【0107】
さらに、本発明の具体的な実施例において、本発明者らは、抗ウイルス剤及び抗うつ剤と、抗ウイルス剤、抗うつ剤、及びビグアニド系化合物またはその薬学的に許容される塩との複合剤、混合剤または併用剤に対する処理時間による抗癌活性を確認するために、大腸癌細胞に、抗ウイルス剤NNRTIであるエファビレンツと、抗うつ剤SSRIであるフルオキセチンと、ビグアニド系化合物であるメトホルミンとを、0、24、48、72及び96時間単独で処理するか、あるいは複合、混合または併用処理してMTT分析を行ったところ、癌細胞において成長抑制効果が奏されることを確認した。また、エファビレンツ及びフルオキセチンと、エファビレンツ及びメトホルミンと、あるいは、フルオキセチン及びメトホルミンを併用処理したときよりも、エファビレンツ、フルオキセチン及びメトホルミンを併用処理したときに成長抑制効果に優れることを確認した。
【0108】
さらに、抗ウイルス剤、抗うつ剤またはビグアニド系化合物をそれぞれ単独で処理した場合よりも、複合、混合または併用処理した場合、著しく高い成長抑制を示す相乗効果(synergistic effect)が生じることを確認した。
【0109】
本発明の対象は、癌治療を必要とする哺乳動物である。一般に、対象はヒト癌患者である。本発明の一態様において、対象は、ヒト以外の霊長類などの非ヒト哺乳動物、モデルシステムに用いられる動物(例えば、薬剤のスクリーニング、特徴付け及び評価に用いられるマウス及びラット)、並びに他の哺乳動物、例えば、ウサギ、モルモット、ハムスター、イヌ、ネコ、チンパンジー、ゴリラ、サルなどの類人猿類動物であってもよい。
【0110】
本発明の一態様において、前記薬学的組成物は、癌患者の治療のために単独で、あるいは手術、ホルモン療法、薬物治療及び生物学的応答調節剤と並行して用いられてもよい。
【0111】
また、本発明は、癌の予防及び治療用薬学的組成物として用いるための抗ウイルス剤と、抗うつ剤との複合剤、混合剤または併用剤の用途を提供する。
【0112】
さらに、本発明は、癌の予防及び改善用健康食品として用いるための抗ウイルス剤と、抗うつ剤との薬学的に許容される塩の複合剤、混合剤または併用剤の用途を提供する。
【0113】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。しかしながら、これらの実施例は本発明の理解を助けるためのものにすぎず、本発明がこれらの実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0114】
抗ウイルス剤の非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NNRTIs;Non-nucleoside reverse-transcriptase inhibitors)及び抗うつ剤の選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRIs;Selective serotonin reuptake inhibitors)の抗癌活性の確認
<1-1>膵臓癌及び大腸癌におけるエファビレンツ(efavirenz)及びフルオキセチン(fluoxetine)の抗癌活性の確認
抗ウイルス剤のNNRTI及び抗うつ剤のSSRIの抗癌活性を調べるために、膵臓癌及び大腸癌細胞に抗ウイルス剤のNNRTIとしてエファビレンツ及び抗うつ剤のSSRIとしてフルオキセチンを処理し、MTT(3-(4,5-dimethylthiazol-2-yl))-2,5-diphenyltetrazolium bromide)分析を行い、成長抑制(growth inhibition)効果を確認した。
【0115】
具体的には、膵癌細胞株であるASPC-1細胞株及び大腸癌細胞株であるHCT116細胞株を、100mmの培養皿(culture dish)でDMEM-10%FBSを用いて5%CO、37℃で培養し、その後、96ウェルプレート(well plate)の各ウェルに20%コンフルエンス(confluence)で接種し、24時間培養した。濃度2μMのエファビレンツ、濃度2μMのフルオキセチンで単独または併用処理し、COインキュベーター(incubator)で24時間培養した。各ウェルから培養液を除去し、新しい培養液100μLを加え、その後10μLの12mM MTTストック溶液(5mg MTT/PBS)を加え、37℃で2時間培養した。その後、反応停止溶液であるSDS-HCl溶液(1g SDS/10mL 0.01M HCl)100μLを加え、37℃で4時間培養し、マイクロプレートリーダー(microplate leader)を用いて570nMでODを測定した。薬物を処理していない細胞のODと比較して成長抑制の程度(パーセント)を計算した。
【0116】
その結果、図1に示すように、膵臓癌細胞及び大腸癌細胞に2μMのエファビレンツまたは2μMのフルオキセチンのそれぞれを単独で処理した場合よりも、2μMのエファビレンツ及び2μMのフルオキセチンを併用処理した場合、有意に高い成長抑制を示す相乗効果が見られることを確認した(図1)。
【0117】
<1-2>膵臓癌及び大腸癌におけるエファビレンツ及びフルボキサミン(fluvoxamine)の抗癌活性の確認
抗ウイルス剤のNNRTI及び抗うつ剤のSSRIの抗癌活性を調べるために、膵臓癌及び大腸癌細胞に抗ウイルス剤のNNRTIとしてエファビレンツ及び抗うつ剤のSSRIとしてフルボキサミンを処理し、MTT分析を行い、成長抑制(growth inhibition)効果を確認した。
【0118】
具体的には、膵臓癌細胞株及び大腸癌細胞株を用いて、実施例<1-1>に記載の方法と同様にMTT分析を行った。そのとき、薬物で処理し、24時間培養した。
【0119】
その結果、図2に示すように、膵臓癌細胞及び大腸癌細胞に2μMのエファビレンツまたは10μMのフルボキサミンのそれぞれを単独で処理した場合よりも、2μMのエファビレンツ及び10μMのフルボキサミンを併用処理した場合、有意に高い成長抑制を示す相乗効果が見られることを確認した(図2)。
【0120】
<1-3>膵臓癌及び大腸癌におけるエファビレンツ及びパロキセチン(paroxetine)の抗癌活性の確認
抗ウイルス剤のNNRTI及び抗うつ剤のSSRIの抗癌活性を調べるために、膵臓癌及び大腸癌細胞に抗ウイルス剤のNNRTIとしてエファビレンツ及び抗うつ剤のSSRIとしてパロキセチンを処理し、MTT分析を行い、成長抑制(growth inhibition)効果を確認した。
【0121】
具体的には、膵臓癌細胞株及び大腸癌細胞株を用いて、実施例<1-1>に記載の方法と同様にMTT分析を行った。そのとき、薬物で処理し、24時間培養した。
【0122】
その結果、図3に示すように、膵臓癌細胞及び大腸癌細胞に2μMのエファビレンツまたは1μMのパロキセチンのそれぞれを単独で処理した場合よりも、2μMのエファビレンツ及び1μMのパロキセチンを併用処理した場合、有意に高い成長抑制を示す相乗効果が見られることを確認した(図3)。
【0123】
<1-4>膵臓癌及び大腸癌におけるエファビレンツ及びセルトラリン(sertraline)の抗癌活性の確認
抗ウイルス剤のNNRTI及び抗うつ剤のSSRIの抗癌活性を調べるために、膵臓癌及び大腸癌細胞に抗ウイルス剤のNNRTIとしてエファビレンツ及び抗うつ剤のSSRIとしてセルトラリンを処理し、MTT分析を行い、成長抑制(growth inhibition)効果を確認した。
【0124】
具体的には、膵臓癌細胞株及び大腸癌細胞株を用いて、実施例<1-1>に記載の方法と同様にMTT分析を行った。そのとき、薬物で処理し、24時間培養した。
【0125】
その結果、図4に示すように、膵臓癌細胞及び大腸癌細胞に2μMのエファビレンツまたは1μMのセルトラリンのそれぞれを単独で処理した場合よりも、2μMのエファビレンツ及び1μMのセルトラリンを併用処理した場合、有意に高い成長抑制を示す相乗効果が見られることを確認した(図4)。
【0126】
<1-5>膵臓癌及び大腸癌におけるエトラビリン(etravirine)及びフルオキセチンの抗癌活性の確認
抗ウイルス剤のNNRTI及び抗うつ剤のSSRIの抗癌活性を調べるために、膵臓癌及び大腸癌細胞に抗ウイルス剤のNNRTIとしてエトラビリン及び抗うつ剤のSSRIとしてフルオキセチンを処理し、MTT分析を行い、成長抑制(growth inhibition)効果を確認した。
【0127】
具体的には、膵臓癌細胞株及び大腸癌細胞株を用いて、実施例<1-1>に記載の方法と同様にMTT分析を行った。そのとき、薬物で処理し、24時間培養した。
【0128】
その結果、図5に示すように、膵臓癌細胞及び大腸癌細胞に10μMのエトラビリンまたは2μMのフルオキセチンのそれぞれを単独で処理した場合よりも、10μMのエトラビリン及び2μMのフルオキセチンを併用処理した場合、有意に高い成長抑制を示す相乗効果が見られることを確認した(図5)。
【0129】
<1-6>膵臓癌及び大腸癌におけるリルピビリン(rilpivirine)及びフルオキセチンの抗癌活性の確認
抗ウイルス剤のNNRTI及び抗うつ剤のSSRIの抗癌活性を調べるために、大腸癌細胞に抗ウイルス剤のNNRTIとしてリルピビリン及び抗うつ剤のSSRIとしてフルオキセチンを処理し、MTT分析を行い、成長抑制(growth inhibition)効果を確認した。
【0130】
具体的には、大腸癌細胞株を用いて、実施例<1-1>に記載の方法と同様にMTT分析を行った。そのとき、薬物で処理し、24時間培養した。
【0131】
その結果、図6に示すように、膵臓癌細胞及び大腸癌細胞に2μMのエファビレンツまたは2μMのリルピビリンのそれぞれを単独で処理した場合よりも、2μMのエファビレンツ及び2μMのリルピビリンを併用処理した場合、有意に高い成長抑制を示す相乗効果が見られることを確認した(図6)。
【実施例2】
【0132】
抗ウイルス剤の非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NNRTIs;Non-nucleoside reverse-transcriptase inhibitors)及び抗うつ剤のセロトニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(SNRIs;Serotonin-norepinephrine reuptake inhibitors)の抗癌活性の確認
<2-1>膵臓癌及び大腸癌におけるエファビレンツ及びデュロキセチン(duloxetine)の抗癌活性の確認
抗ウイルス剤のNNRTI及び抗うつ剤のSNRIの抗癌活性を調べるために、膵臓癌及び大腸癌細胞に抗ウイルス剤のNNRTIとしてエファビレンツ及び抗うつ剤のSNRIとしてデュロキセチンを処理し、MTT分析を行い、成長抑制(growth inhibition)効果を確認した。
【0133】
具体的には、膵臓癌細胞株及び大腸癌細胞株を用いて、実施例<1-1>に記載の方法と同様にMTT分析を行った。そのとき、薬物で処理し、24時間培養した。
【0134】
その結果、図7に示すように、膵臓癌細胞及び大腸癌細胞に2μMのエファビレンツまたは10μMのデュロキセチンのそれぞれを単独で処理した場合よりも、2μMのエファビレンツ及び10μMのデュロキセチンを併用処理した場合、有意に高い成長抑制を示す相乗効果が見られることを確認した(図7)。
【実施例3】
【0135】
抗ウイルス剤の非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NNRTIs;Non-nucleoside reverse-transcriptase inhibitors)及び及び抗うつ剤の三環系抗うつ剤(TCAs;Tricyclic antidepressants)の抗癌活性の確認
<3-1>膵臓癌及び大腸癌におけるエファビレンツ及びアミトリプチリン(amitriptyline)の抗癌活性の確認
抗ウイルス剤のNNRTI及び抗うつ剤のTCAの抗癌活性を調べるために、膵臓癌及び大腸癌細胞に抗ウイルス剤のNNRTIとしてエファビレンツ及び抗うつ剤のTCAとしてアミトリプチリンを処理し、MTT分析を行い、成長抑制(growth inhibition)効果を確認した。
【0136】
具体的には、膵臓癌細胞株及び大腸癌細胞株を用いて、実施例<1-1>に記載の方法と同様にMTT分析を行った。そのとき、薬物で処理し、24時間培養した。
【0137】
その結果、図8に示すように、膵臓癌細胞及び大腸癌細胞に2μMのエファビレンツまたは10μMのアミトリプチリンのそれぞれを単独で処理した場合よりも、2μMのエファビレンツ及び10μMのアミトリプチリンを併用処理した場合、有意に高い成長抑制を示す相乗効果が見られることを確認した(図8)。
【0138】
<3-2>膵臓癌及び大腸癌におけるエファビレンツ及びクロミプラミン(clomipramine)の抗癌活性の確認
抗ウイルス剤のNNRTI及び抗うつ剤のTCAの抗癌活性を調べるために、膵臓癌及び大腸癌細胞に抗ウイルス剤のNNRTIとしてエファビレンツ及び抗うつ剤のTCAとしてクロミプラミンを処理し、MTT分析を行い、成長抑制(growth inhibition)効果を確認した。
【0139】
具体的には、膵臓癌細胞株及び大腸癌細胞株を用いて、実施例<1-1>に記載の方法と同様にMTT分析を行った。そのとき、薬物で処理し、24時間培養した。
【0140】
その結果、図9に示すように、膵臓癌細胞及び大腸癌細胞に2μMのエファビレンツまたは10μMのクロミプラミンのそれぞれを単独で処理した場合よりも、2μMのエファビレンツ及び10μMのクロミプラミンを併用処理した場合、有意に高い成長抑制を示す相乗効果が見られることを確認した(図9)。
【0141】
<3-3>膵臓癌及び大腸癌におけるエファビレンツ及びノルトリプチリン(nortriptyline)の抗癌活性の確認
抗ウイルス剤のNNRTI及び抗うつ剤のTCAの抗癌活性を調べるために、膵臓癌及び大腸癌細胞に抗ウイルス剤のNNRTIとしてエファビレンツ及び抗うつ剤のTCAとしてノルトリプチリンを処理し、MTT分析を行い、成長抑制(growth inhibition)効果を確認した。
【0142】
具体的には、膵臓癌細胞株及び大腸癌細胞株を用いて、実施例<1-1>に記載の方法と同様にMTT分析を行った。そのとき、薬物で処理し、24時間培養した。
【0143】
その結果、図10に示すように、膵臓癌細胞及び大腸癌細胞に2μMのエファビレンツまたは10μMのノルトリプチリンのそれぞれを単独で処理した場合よりも、2μMのエファビレンツ及び10μMのノルトリプチリンを併用処理した場合、有意に高い成長抑制を示す相乗効果が見られることを確認した(図10)。
【0144】
<3-4>膵臓癌及び大腸癌におけるエファビレンツ及びデシプラミン(desipramine)の抗癌活性の確認
抗ウイルス剤のNNRTI及び抗うつ剤のTCAの抗癌活性を調べるために、膵臓癌及び大腸癌細胞に抗ウイルス剤のNNRTIとしてエファビレンツ及び抗うつ剤のTCAとしてデシプラミンを処理し、MTT分析を行い、成長抑制(growth inhibition)効果を確認した。
【0145】
具体的には、膵臓癌細胞株及び大腸癌細胞株を用いて、実施例<1-1>に記載の方法と同様にMTT分析を行った。そのとき、薬物で処理し、24時間培養した。
【0146】
その結果、図11に示すように、膵臓癌細胞及び大腸癌細胞に2μMのエファビレンツまたは10μMのデシプラミンのそれぞれを単独で処理した場合よりも、2μMのエファビレンツ及び10μMのデシプラミンを併用処理した場合、有意に高い成長抑制を示す相乗効果が見られることを確認した(図11)。
【0147】
<3-5>膵臓癌及び大腸癌におけるエファビレンツ及びアモキサピン(amoxapine)の抗癌活性の確認
抗ウイルス剤のNNRTI及び抗うつ剤のTCAの抗癌活性を調べるために、膵臓癌及び大腸癌細胞に抗ウイルス剤のNNRTIとしてエファビレンツ及び抗うつ剤のTCAとしてアモキサピンを処理し、MTT分析を行い、成長抑制(growth inhibition)効果を確認した。
【0148】
具体的には、膵臓癌細胞株及び大腸癌細胞株を用いて、実施例<1-1>に記載の方法と同様にMTT分析を行った。そのとき、薬物で処理し、24時間培養した。
【0149】
その結果、図12に示すように、膵臓癌細胞及び大腸癌細胞に2μMのエファビレンツまたは10μMのアモキサピンのそれぞれを単独で処理した場合よりも、2μMのエファビレンツ及び10μMのアモキサピンを併用処理した場合、有意に高い成長抑制を示す相乗効果が見られることを確認した(図12)。
【0150】
<3-6>膵臓癌及び大腸癌におけるエファビレンツ及びマプロチリン(maprotiline)の抗癌活性の確認
抗ウイルス剤のNNRTI及び抗うつ剤のTCAの抗癌活性を調べるために、膵臓癌及び大腸癌細胞に抗ウイルス剤のNNRTIとしてエファビレンツ及び抗うつ剤のTCAとしてマプロチリンを処理し、MTT分析を行い、成長抑制(growth inhibition)効果を確認した。
【0151】
具体的には、膵臓癌細胞株及び大腸癌細胞株を用いて、実施例<1-1>に記載の方法と同様にMTT分析を行った。そのとき、薬物で処理し、24時間培養した。
【0152】
その結果、図13に示すように、膵臓癌細胞及び大腸癌細胞に2μMのエファビレンツまたは10μMのマプロチリンのそれぞれを単独で処理した場合よりも、2μMのエファビレンツ及び10μMのマプロチリンを併用処理した場合、有意に高い成長抑制を示す相乗効果が見られることを確認した(図13)。
【0153】
<3-7>膵臓癌及び大腸癌におけるエファビレンツ及びトリミプラミン(trimipramine)の抗癌活性の確認
抗ウイルス剤のNNRTI及び抗うつ剤のTCAの抗癌活性を調べるために、膵臓癌及び大腸癌細胞に抗ウイルス剤のNNRTIとしてエファビレンツ及び抗うつ剤のTCAとしてトリミプラミンを処理し、MTT分析を行い、成長抑制(growth inhibition)効果を確認した。
【0154】
具体的には、膵臓癌細胞株及び大腸癌細胞株を用いて、実施例<1-1>に記載の方法と同様にMTT分析を行った。そのとき、薬物で処理し、24時間培養した。
【0155】
その結果、図14に示すように、膵臓癌細胞及び大腸癌細胞に2μMのエファビレンツまたは10μMのトリミプラミンのそれぞれを単独で処理した場合よりも、2μMのエファビレンツ及び10μMのトリミプラミンを併用処理した場合、有意に高い成長抑制を示す相乗効果が見られることを確認した(図14)。
【0156】
<3-8>膵臓癌及び大腸癌におけるエファビレンツ及びプロトリプチリン(protriptyline)の抗癌活性の確認
抗ウイルス剤のNNRTI及び抗うつ剤のTCAの抗癌活性を調べるために、膵臓癌及び大腸癌細胞に抗ウイルス剤のNNRTIとしてエファビレンツ及び抗うつ剤のTCAとしてプロトリプチリンを処理し、MTT分析を行い、成長抑制(growth inhibition)効果を確認した。
【0157】
具体的には、膵臓癌細胞株及び大腸癌細胞株を用いて、実施例<1-1>に記載の方法と同様にMTT分析を行った。そのとき、薬物で処理し、24時間培養した。
【0158】
その結果、図15に示すように、膵臓癌細胞及び大腸癌細胞に2μMのエファビレンツまたは10μMのプロトリプチリンのそれぞれを単独で処理した場合よりも、2μMのエファビレンツ及び10μMのプロトリプチリンを併用処理した場合、有意に高い成長抑制を示す相乗効果が見られることを確認した(図15)。
【0159】
<3-9>膵臓癌及び大腸癌におけるエファビレンツ及びメリトラセン(melitracen)の抗癌活性の確認
抗ウイルス剤のNNRTI及び抗うつ剤のTCAの抗癌活性を調べるために、膵臓癌及び大腸癌細胞に抗ウイルス剤のNNRTIとしてエファビレンツ及び抗うつ剤のTCAとしてメリトラセンを処理し、MTT分析を行い、成長抑制(growth inhibition)効果を確認した。
【0160】
具体的には、膵臓癌細胞株及び大腸癌細胞株を用いて、実施例<1-1>に記載の方法と同様にMTT分析を行った。そのとき、薬物で処理し、24時間培養した。
【0161】
その結果、図16に示すように、膵臓癌細胞及び大腸癌細胞に2μMのエファビレンツまたは1μMのメリトラセンのそれぞれを単独で処理した場合よりも、2μMのエファビレンツ及び1μMのメリトラセンを併用処理した場合、有意に高い成長抑制を示す相乗効果が見られることを確認した(図16)。
【実施例4】
【0162】
抗ウイルス剤のプロテアーゼ阻害剤(PIs;Protease inhibitors)及び抗うつ剤の選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)の抗癌活性の確認
<4-1>膵臓癌及び大腸癌におけるロピナビル(lopinavir)及びフルオキセチンの抗癌活性の確認
抗ウイルス剤のPI及び抗うつ剤のSSRIの抗癌活性を調べるために、膵臓癌及び大腸癌細胞に抗ウイルス剤のPIとしてロピナビル及び抗うつ剤のSSRIとしてフルオキセチンを処理し、MTT分析を行い、成長抑制(growth inhibition)効果を確認した。
【0163】
具体的には、膵臓癌細胞株及び大腸癌細胞株を用いて、実施例<1-1>に記載の方法と同様にMTT分析を行った。そのとき、薬物で処理し、24時間培養した。
【0164】
その結果、図17に示すように、膵臓癌細胞及び大腸癌細胞に10μMのロピナビルまたは2μMのフルオキセチンのそれぞれを単独で処理した場合よりも、10μMのロピナビル及び2μMのフルオキセチンを併用処理した場合、有意に高い成長抑制を示す相乗効果が見られることを確認した(図17)。
【実施例5】
【0165】
抗ウイルス剤の非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤、抗うつ剤の選択的セロトニン再取り込み阻害剤、及びビグアニド(biguanide)系化合物の抗癌活性の確認
<5-1>膵臓癌及び大腸癌におけるエファビレンツ、フルオキセチン、及びメトホルミン(metformin)の抗癌活性の確認
抗ウイルス剤、抗うつ剤、及びビグアニド系化合物の抗癌活性を調べるために、膵臓癌及び大腸癌細胞に抗ウイルス剤のNNRTIとしてエファビレンツ、抗うつ剤のSSRIとしてフルオキセチン、及びビグアニド系化合物としてメトホルミンを処理し、MTT分析を行い、成長抑制(growth inhibition)効果を確認した。
【0166】
具体的には、膵癌細胞株であるASPC-1細胞株及び大腸癌細胞株であるHCT116細胞株を、100mmの培養皿(culture dish)でDMEM-10%FBSを用いて5%CO、37℃で培養し、その後、96ウェルプレート(well plate)の各ウェルに20%コンフルエンス(confluence)で接種し、24時間培養した。濃度2μMのエファビレンツ、濃度4μMのフルオキセチン、及び濃度2.5mMのメトホルミンを単独または併用処理し、COインキュベーター(incubator)で24時間培養した。各ウェルから培養液を除去し、新しい培養液100μLを加え、その後10μLの12mM MTTストック溶液(5mg MTT/PBS)を加え、37℃で2時間培養した。その後、反応停止溶液であるSDS-HCl溶液(1g SDS/10mL 0.01M HCl)100μLを加え、37℃で4時間培養し、マイクロプレートリーダー(microplate leader)を用いて570nMでODを測定した。薬物を処理していない細胞のODと比較して成長抑制の程度(パーセント)を計算した。
【0167】
その結果、図18に示すように、膵臓癌細胞及び大腸癌細胞に2μMのエファビレンツ、4μMのフルオキセチンまたは2.5mMのメトホルミンのそれぞれを単独で処理した場合よりも、2μMのエファビレンツ、4μMのフルオキセチン、及び2.5mMのメトホルミンを併用処理した場合、有意に高い成長抑制を示す相乗効果が見られることを確認した(図18)。
【0168】
<5-2>大腸癌におけるエファビレンツ及びフルオキセチンの組み合わせ、またはエファビレンツ、フルオキセチン、及びメトホルミン(metformin)の抗癌活性差の確認
抗ウイルス剤及び抗うつ剤の組み合わせと、抗ウイルス剤、抗うつ剤、及びビグアニド系化合物の組み合わせの抗癌活性差を調べるために、大腸癌細胞に抗ウイルス剤のNNRTI、抗うつ剤のSSRIとしてフルオキセチン、及びビグアニド系化合物としてメトホルミンを処理し、MTT分析を行い、成長抑制(growth inhibition)効果を確認した。
【0169】
具体的には、大腸癌細胞株を用いて、実施例<1-1>に記載の方法と同様にMTT分析を行った。そのとき、薬物で処理し、0、24、48、72、及び96時間培養した。
【0170】
その結果、図19に示すように、大腸癌細胞に0.5mMのメトホルミン、2μMのドキソルビシン(doxorubicin)、1.5μMのエファビレンツ、及び2μMのフルオキセチンのそれぞれを単独で0、24、48、72及び96時間処理した場合よりも、1.5のμMのエファビレンツ及び2μMのフルオキセチンと、1.5μMのエファビレンツ及び0.5のmMのメトホルミンと、2μMのフルオキセチン及び0.5mMのメトホルミンと、1.5μMのエファビレンツ、2μMのフルオキセチン、及び0.5mMのメトホルミンとを併用処理した場合、有意に高い成長抑制を示す相乗効果が見られることを確認した。
【0171】
また、1.5μMのエファビレンツ及び2μMのフルオキセチンと、1.5μMのエファビレンツ及び0.5mMのメトホルミン、あるいは、2μMのフルオキセチン及び0.5mMのメトホルミンとを併用処理した場合よりも、1.5μMのエファビレンツ、2μMのフルオキセチン、及び0.5mMのメトホルミンを併用処理した場合、より優れた成長抑制効果を示す相乗効果が見られることを確認した(図19)。
【0172】
結論としては、抗ウイルス剤と抗うつ剤を併用処理すると、それぞれを単独で処理した場合よりも、癌細胞における有意に優れた成長抑制効果を示した。
【0173】
また、抗ウイルス剤、抗うつ剤、及びビグアニド系化合物を併用処理すると、癌細胞における有意に優れた成長抑制効果を示した。
【0174】
さらに、抗ウイルス剤、抗うつ剤、及びビグアニド系化合物の3種を併用処理すると、抗ウイルス剤及び抗うつ剤と、ビグアニド系化合物及び抗ウイルス剤と、ビグアニド系化合物及び抗うつ剤とを併用処理した場合よりも顕著に優れた成長抑制効果を示した。
【産業上の利用可能性】
【0175】
本発明は、抗ウイルス剤及び抗うつ剤を有効成分として含有し、ビグアニド系化合物を添加することができる、癌の予防または治療用の薬学的組成物に関し、さらに詳しくは、抗ウイルス剤及び抗うつ剤を複合、混合または併用投与するか、あるいはビグアニド系化合物を加えて複合、混合または併用投与する場合、それぞれを単独で投与した場合と比較して、有意に高い相乗的抗癌活性を示すことが確認されたため、本発明による抗ウイルス剤及び抗うつ剤は、癌の予防または治療用組成物の有効成分として有用に用いることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
【手続補正書】
【提出日】2023-02-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
癌の予防または治療に用いるための複合剤、混合剤または併用剤であって、
抗ウイルス剤を含む第1の成分と、
抗うつ剤を含む第2の成分とを有効成分として含有する、癌の予防または治療用薬学的組成物。
【請求項2】
癌の予防または治療に用いるための複合剤、混合剤または併用剤であって、
抗ウイルス剤を含む第1の成分と、
抗うつ剤を含む第2の成分と、
ビグアニド(biguanide)系化合物またはその薬学的に許容される塩を含む第3の成分とを有効成分として含有する、癌の予防または治療用薬学的組成物。
【請求項3】
抗ウイルス剤が、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NNRTIs;Non-nucleoside reverse-transcriptase inhibitors)、ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NRTIs;Nucleoside reverse-transcriptase inhibitors)、プロテアーゼ阻害剤(PIs;Protease inhibitors)、インテグラーゼ阻害剤(INSTI;Integrase Strand Transfer Inhibitor)、融合阻害剤、CC5(Chemokine(C-C motif)ligand 5)阻害剤、インフルエンザ治療剤、ヘルペス治療剤、B型肝炎治療剤、C型肝炎治療剤、免疫増強剤、免疫反応調節剤系化合物またはその誘導体、もしくはその薬学的に許容される塩である、請求項1または2に記載の癌の予防または治療用薬学的組成物。
【請求項4】
抗ウイルス剤としては、エファビレンツ(efavirenz)、エトラビリン(etravirine)、ネビラピン(nevirapine)、ドラビリン(doravirine)、リルピビリン(rilpivirine)、デラビルジン(delavirdine)、ジドブジン(zidovudine)、ジダノシン(didanosine)、ザルシタビン(zalcitabine)、スタブジン(stavudine)、ラミブジン(lamivudine)、アバカビル(abacavir)、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩(tenofovir disoproxil fumarate)、エムトリシタビン(emtricitabine)、テノホビルアラフェナミドフマル酸塩(tenofovir alafenamide fumarate)、サキナビル(saquinavir)、リトナビル(ritonavir)、インジナビル(indinavir)、ネルフィナビル(nelfinavir)、アンプレナビル(amprenavir)、ロピナビル(lopinavir)、アタザナビル(atazanavir)、ホスアンプレナビル(fosamprenavir)、チプラナビル(tipranavir)、ダルナビル(darunavir)、コビシスタット(cobicistat)、ドルテグラビル(dolutegravir)、ラルテグラビル(raltegravir)、エンフビルチド(enfuvirtide)、マラビロク(maraviroc)、エルビテグラビル(elvitegravir)、テノホビルアラフェナミド(tenofovir alafenamide)、テノホビルジソプロキシル(tenofovir disoproxil)、アマンタジン(amantadine)、リマンタジン(rimantadine)、オセルタミビル(oseltamivir)、ザナミビル(zanamivir)、ペラミビル(peramivir)、バロキサビル(baloxavir)、ラニナミビル(laninamivir)、アシクロビル(aciclovir)、バラシクロビル(valaciclovir)、イドクスウリジン(idoxuridine)、ビダラビン(vidarabine)、ペンシクロビル(penciclovir)、ファムシクロビル(famciclovir)、トリフルリジン(trifluridine)、シドホビル(cidofovir)、ホスカルネット(foscarnet)、クレブジン(clevudine)、テルビブジン(telbivudine)、エンテカビル(entecavir)、アデホビル(adefovir)、ベシホビル(besifovir)、ペグインターフェロンアルファ2a(peginterferon-α-2a)、ペグインターフェロンアルファ2b(peginterferon-α-2b)、リバビリン(ribavirin)、ボセプレビル(boceprevir)、ダサブビル(dasabuvir)、ダクラタスビル(daclatasvir)、アスナプレビル(asunaprevir)、ソホスブビル(sofosbuvir)、エルバスビル(elbasvir)、グラゾプレビル(grazoprevir)、グレカプレビル(glecaprevir)、ピブレンタスビル(pibrentasvir)、オムビタスビル(ombitasvir)、パリタプレビル(paritaprevir)、インターフェロンアルファ2a(interferon alfa-2a)、インターフェロンアルファ2b(interferon alfa-2b)、及びイミキモド(imiquimod)からなる群から選択される少なくとも1種の化合物である、請求項3に記載の癌の予防または治療用薬学的組成物。
【請求項5】
抗うつ剤が、三環系抗うつ剤(TCAs;Tricyclic antidepressants)、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRIs;Selective serotonin reuptake inhibitors)、モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI;Monoamine oxidase inhibitor)、セロトニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(SNRIs;Serotonin-norepinephrine reuptake inhibitors)系化合物またはその誘導体、もしくはその薬学的に許容される塩である、請求項1または2に記載の癌の予防または治療用薬学的組成物。
【請求項6】
抗うつ剤が、アミトリプチリン(amitriptyline)、クロミプラミン(clomipramine)、ノルトリプチリン(nortriptyline)、デシプラミン(desipramine)、イミプラミン(imipramine)、アモキサピン(amoxapine)、マプロチリン(maprotiline)、トリミプラミン(trimipramine)、プロトリプチリン(protriptyline)、メリトラセン(melitracen)、フルオキセチン(fluoxetine)、フルボキサミン(fluvoxamine)、パロキセチン(paroxetine)、セルトラリン(sertraline)、エスシタロプラム(escitalopram)、ボルチオキセチン(vortioxetine)、モクロベミド(moclobemide)、デュロキセチン(duloxetine)、ベンラファキシン(venlafaxine)、デスベンラファキシン(desenlafaxine)、ミルナシプラン(milnacipran)、ブプロピオン(bupropion)、ミルタザピン(mirtazapine)、トラゾドン(trazodone)、及びチアネプチン(tianeptine)からなる群から選択される少なくとも1種の化合物である、請求項5に記載の癌の予防または治療用薬学的組成物。
【請求項7】
ビグアニド系化合物が、メトホルミン(metformin)、フェンホルミン(phenformin)、ブホルミン(buformin)、及びビグアニド(biguanide)からなる群から選択される、請求項2に記載の癌の予防または治療用薬学的組成物。
【請求項8】
抗ウイルス剤を含む第1の成分と、
抗うつ剤を含む第2の成分との配合比が、第1の成分0.0000001~10重量部:第2の成分1重量部である、請求項1に記載の癌の予防または治療用薬学的組成物。
【請求項9】
抗ウイルス剤を含む第1の成分と、
抗うつ剤を含む第2の成分と、
ビグアニド系化合物またはその薬学的に許容される塩を含む第3の成分との配合比が、第1の成分0.0000001~10重量部:第2の成分1重量部:第3の成分0.01~100000重量部である、請求項2に記載の癌の予防または治療用薬学的組成物。
【請求項10】
塩が、酸付加塩である塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、亜硝酸または亜リン酸などの無機酸類と、脂肪族モノ及びジカルボキシレート、フェニル置換アルカノエート、ヒドロキシアルカノエート、及びアルカンジオエート、芳香族酸類、脂肪族及び芳香族スルホン酸類、薬学的に無毒な塩類である硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、フッ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプリン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオル酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン-1,4-二酸塩、ヘキサン-1,6-二酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、テレフタル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、クロロベンゼンスルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ナフタレン-1-スルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩またはマンデル酸塩及び金属塩であるナトリウム、カリウム及びカルシウムからなる群から選択される、請求項2に記載の癌の予防または治療用薬学的組成物。
【請求項11】
癌が、以下のものからなる群から選択される、請求項1または2に記載の癌の予防または治療用薬学的組成物:(A)(1)非浸潤性乳管癌種(DCIS)(面皰癌種、篩状癌、乳頭癌、微小乳頭状)、浸潤性乳管癌種(IDC)、管状癌種、膠様(コロイド)癌種、乳頭癌種、化生性癌種及び炎症性癌種を含む、腺管癌種、(2)上皮内小葉癌種(LCIS)及び浸潤性小葉癌種を含む、小葉癌種、並びに、(3)乳首のパジェット病を含む、乳腺癌、(B)(1)子宮頸部上皮内腫瘍(グレードI)、子宮頸部上皮内腫瘍(グレードII)、子宮頸部上皮内腫瘍(グレードIII)(扁平上皮内癌種)、角化扁平上皮癌種、非角化扁平上皮癌種、疣状癌種、潜在腺癌種、子宮頸管型、類子宮内膜腺癌種、明細胞腺癌種、腺扁平上皮癌種、腺様嚢胞癌種、小細胞癌及び分化癌を含む、子宮頸部の癌、(2)類内膜癌種、腺癌種、腺棘細胞腫(扁平上皮化生を有する腺癌種)、腺扁平上皮癌種(腺癌及び扁平上皮癌の混合、粘液腺癌種、漿液性腺癌種)、透明細胞腺癌種、扁平上皮腺癌及び未分化腺癌を含む、子宮体癌、(3)漿液性嚢胞腺腫、漿液性嚢胞腺癌種、粘液性嚢胞腺腫、子宮内膜性腫瘍、類内膜腺癌種、透明細胞腫瘍、透明細胞嚢胞腺癌及び未分化腫瘍を含む、卵巣癌、(4)扁平上皮癌種及び腺癌種を含む、膣癌、並びに、(5)外陰部上皮内腫瘍(グレードI)、外陰部上皮内腫瘍(グレードII)、外陰部上皮内腫瘍(グレードIII)(扁平上皮内癌種)、扁平上皮癌種、疣状癌種、外陰部のパジェット病、腺癌種(NOS)、基底細胞癌種(NOS)、及びバルトリン腺癌種を含む、外陰部癌を含む、女性生殖系の癌、(C)(1)扁平上皮癌種を含む陰茎癌、(2)腺癌種、肉腫、及び前立腺の移行上皮癌種を含む、前立腺癌、(3)精上皮腫勢腫瘍、非精上皮腫勢腫瘍、奇形腫、胎生期癌種、卵黄嚢腫瘍、絨毛癌種を含む精巣癌を含む、男性生殖系の癌、(D)肉腫(血管肉腫、線維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫)、粘液腫、横紋筋腫、線維腫、脂肪腫及び奇形腫を含む心臓系の癌、(E)喉頭の扁平上皮癌種、原発性胸膜中皮腫及び咽頭の扁平上皮癌種を含む、呼吸器系の癌、(F)扁平上皮癌種(表皮癌種)、扁平上皮癌種の変異体、紡錘細胞癌種、小細胞癌種、他の細胞の癌種、中間細胞型の癌種、複合型燕麦細胞癌種、腺癌種、腺房腺癌種、乳頭腺癌種、細気管支肺胞上皮癌種、粘液形成を有する固形癌種、大細胞癌種、巨細胞癌種、透明細胞腺癌種及び肉腫を含む、肺癌、(G)(1)原発性腺癌種、カルチノイド腫瘍及びリンパ種を含む、ファーター(Vater)膨大部の癌種、(2)腺癌種、扁平上皮癌及び黒色腫を含む、肛門管の癌、(3)上皮癌種、腺癌種、乳頭腺癌種、腸型腺癌、粘液腺癌種、透明細胞腺癌種、印環細胞癌種、腺扁平上皮癌種、扁平上皮癌種、小細胞(燕麦細胞)癌種、未分化癌種、腺癌種(NOS)、肉腫及びカルチノイド腫瘍を含む、肝外胆管の癌、(4)潜在腺癌種、腺癌種、粘液腺癌種(コロイド型、50%粘液癌種より多い)、印環細胞癌種(コロイド型、50%印環細胞より多い)、扁平上皮癌種(表皮癌種)、腺扁平上皮癌種、小細胞(燕麦細胞)癌種、未分化癌種、腺癌種(NOS)、肉腫、リンパ腫及びカルチノイド腫瘍を含む、結腸直腸癌、(5)扁平上皮癌種、腺癌種、平滑筋肉腫及びリンパ腫を含む、食道癌、(6)腺癌種、腸型腺癌、腺扁平上皮癌種、上皮内癌種、腺癌種(NOS)、透明細胞腺癌種、粘液腺癌種、乳頭腺癌種、印環細胞癌種、小細胞(燕麦細胞)癌種、扁平上皮癌及び未分化癌種を含む、胆嚢癌、(7)扁平上皮癌種を含む、口唇及び口腔の癌、(8)肝癌(肝細胞癌種)、胆管癌種、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫及び血管腫を含む、肝臓癌、(9)導管細胞癌種、多形性巨細胞癌種、巨細胞癌種、破骨細胞(osteoclastoid)型巨細胞癌種、腺癌種、腺扁平上皮癌種、粘液(コロイド)癌種、嚢胞腺癌種、acinar細胞癌種、乳頭腺癌種、小細胞(燕麦細胞)癌種、混合細胞型小細胞(燕麦細胞)癌種、腺癌種(NOS)、未分化癌種、ランゲルハンス島に発生する内分泌細胞腫瘍、及びカルチノイドを含む、膵外分泌腺癌、(10)腺房細胞癌種、腺様嚢胞癌種(円柱腫)、腺癌種、腺扁平上皮癌種、多形性腺腫内癌種(悪性混合腫瘍)、粘膜表皮癌種(高分化または低グレード)及び粘膜表皮癌種(低分化または高グレード)を含む、唾液腺癌、(11)腺癌種、乳頭腺癌種、管状腺癌種、粘液腺癌種、印環細胞癌種、腺扁平上皮癌種、扁平上皮癌種、小細胞癌種、未分化癌種、リンパ腫、肉腫及びカルチノイド腫瘍を含む胃癌、並びに、(12)腺癌種、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経線維腫及び線維腫を含む、小腸癌、を含む、消化管癌、(H)(1)腎細胞癌種、ベリニ集合管腫瘍、腺癌種、乳頭腺癌種、管状腺癌種、顆粒細胞癌種、透明細胞腺癌種(副腎腫)、腎臓の肉腫及び腎芽細胞腫を含む、腎臓癌、(2)移行上皮癌種、乳頭移行上皮癌種、扁平上皮癌種及び腺癌種を含む、腎盂及び尿管の癌、(3)移行上皮癌種、扁平上皮癌種及び腺癌種を含む、尿道癌、並びに、(4)上皮内癌種、移行尿路上皮癌種、乳頭移行上皮癌種、扁平上皮癌種、腺癌種、未分化型含む膀胱癌を含む、泌尿器系の癌、(I)(1)(a)骨形成;骨肉腫、(b)軟骨形成;軟骨肉腫及び間葉性軟骨肉腫、(c)悪性巨細胞癌、(d)ユーイング肉腫、(e)血管腫瘍;血管内皮腫、血管周囲細胞腫及び血管肉腫、(f)結合組織腫瘍;線維肉腫、脂肪肉腫、悪性間葉腫及び未分化肉腫、並びに、(g)他の腫瘍;脊索腫、長骨アダマンチノーマを含む、骨癌、(2)胞巣状軟部肉腫、血管肉腫、類上皮肉腫、骨外性軟骨肉腫、線維肉腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、悪性線維性組織球腫、悪性血管外皮腫、悪性間葉腫、悪性シュワン腫、横紋筋肉腫、滑膜肉腫及び肉腫(NOS)を含む、軟部組織癌、(3)頭蓋骨の腫瘍(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎)、髄膜の腫瘍(髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫症)、脳の腫瘍(星状細胞腫、髄芽腫、神経膠腫、上衣腫、胚細胞腫(胚腫)、多形性膠芽腫、乏突起膠腫、神経鞘腫、網膜芽細胞腫、先天性腫瘍)、及び脊髄の癌(神経芽細胞腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫)を含む、神経系の癌、(4)骨髄性白血病(急性及び慢性)、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、ホジキン病及び非ホジキンリンパ腫(悪性リンパ腫)を含む、血液癌、(5)(a)(小胞巣を有する乳頭癌を含む)乳頭癌種、濾胞状癌種、髄様癌種及び未分化(退形成)癌種を含む、甲状腺癌、並びに、(b)交感神経芽細胞腫、交感神経産生細胞腫、悪性神経節細胞腫、神経節交感神経芽細胞腫及び神経節細胞腫を含む神経芽細胞腫を含む、内分泌系の癌、(6)扁平上皮癌種、扁平上皮癌の紡錘細胞変異体、基底細胞癌種、汗腺または皮脂腺から進展する腺癌種及び悪性黒色腫を含む、皮膚癌、(7)(a)結膜の腫瘍を含む、結膜癌、(b)基底細胞癌種、扁平上皮癌種、瞼の黒色腫及び脂腺細胞癌種を含む、瞼の癌、(c)腺癌種、腺様嚢胞癌種、多形性腺腫内癌種、粘液性類表皮癌種及び扁平上皮癌種を含む、涙腺の癌、(d)紡錘細胞黒色腫、混合細胞黒色腫及び類上皮細胞黒色腫を含む、ブドウ膜の癌、(e)眼球孔の肉腫、軟部組織腫瘍及び骨肉腫を含む眼球孔の癌、並びに、(f)網膜芽細胞腫を含む、眼の癌、を含む、筋肉、骨及び軟部組織の癌。
【請求項12】
薬学的組成物が、錠剤、カプセル剤、注射剤、トロッキー剤、散剤、顆粒剤、液剤、懸濁剤、内用液剤、乳剤、シロップ剤、坐剤、膣錠剤、及び丸剤からなる群から選択される剤形に剤形化される、請求項1または2に記載の癌の予防または治療用薬学的組成物。
【請求項13】
抗ウイルス剤を含む製剤と、
抗うつ剤を含む製剤とを含む、癌の予防または治療用の複合剤、混合剤または併用剤キット。
【請求項14】
抗ウイルス剤を含む製剤と、
抗うつ剤を含む製剤と、
ビグアニド系化合物またはその薬学的に許容される塩とを含む、癌の予防または治療用の複合剤、混合剤または併用剤キット。
【請求項15】
複合剤、混合剤または併用剤が、錠剤、カプセル剤、注射剤、トロッキー剤、散剤、顆粒剤、液剤、懸濁剤、内用液剤、乳剤、シロップ剤、坐剤、膣錠剤、及び丸剤からなる群から選択される剤形に剤形化される、請求項13または14に記載の癌の予防または治療用の複合剤、混合剤または併用剤キット。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0168
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0168】
<5-2>大腸癌におけるエファビレンツ及びフルオキセチンの組み合わせ、またはエファビレンツ、フルオキセチン、及びメトホルミン(metformin)の抗癌活性差の確認
抗ウイルス剤及び抗うつ剤の組み合わせと、抗ウイルス剤、抗うつ剤、及びビグアニド系化合物の組み合わせの抗癌活性差を調べるために、大腸癌細胞に抗ウイルス剤のNNRTIとしてエファビレンツ及び抗うつ剤のSSRIとしてフルオキセチン、及びビグアニド系化合物としてメトホルミンを処理し、MTT分析を行い、成長抑制(growth inhibition)効果を確認した。
【国際調査報告】