(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-03
(54)【発明の名称】細長い金属製品を加工する装置および方法
(51)【国際特許分類】
B21D 11/22 20060101AFI20230626BHJP
B21D 7/024 20060101ALI20230626BHJP
B21D 43/10 20060101ALI20230626BHJP
B23D 23/00 20060101ALI20230626BHJP
【FI】
B21D11/22
B21D7/024 C
B21D43/10 C
B23D23/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022574674
(86)(22)【出願日】2021-06-03
(85)【翻訳文提出日】2023-01-27
(86)【国際出願番号】 IT2021050171
(87)【国際公開番号】W WO2021245715
(87)【国際公開日】2021-12-09
(31)【優先権主張番号】102020000013174
(32)【優先日】2020-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592060639
【氏名又は名称】エム・イー・ピー・マシーネ・エレトロニーチェ・ピエガトリーチ・エス・ピー・エイ
【氏名又は名称原語表記】M.E.P. MACCHINE ELETTRONICHE PIEGATRICI SOCIETA PER AZIONI
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】デル ファブロ、ジョルジョ
【テーマコード(参考)】
3C039
4E063
【Fターム(参考)】
3C039DA00
4E063AA09
4E063BC05
4E063CA08
4E063GA05
4E063GA10
4E063MA10
(57)【要約】
細長い金属製品(P)を加工する装置(10)であって、前記金属製品(P)のうちの少なくとも1つを供給方向(Z)に移動させるための引き出しユニット(11)と、少なくとも1つの曲げデバイス(14)および少なくとも1つの切断デバイス(15)が関連付けられている加工面(13)を備える、前記引き出しユニット(11)の下流に配置された加工ユニット(12)とを備える、装置(10)に関する。本発明はまた、前記金属製品(P)を加工するための対応する方法にも関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長い金属製品を加工する装置(10)であって、
前記金属製品(P)のうちの少なくとも1つを供給方向(Z)に移動させるための引き出しユニット(11)と、
少なくとも1つの曲げデバイス(14)および少なくとも1つの切断デバイス(15)が関連付けられている加工面(13)を備える、前記引き出しユニット(11)の下流に配置された加工ユニット(12)と、を備え、
前記引き出しユニット(11)が、前記加工ユニット(12)に向かう/前記加工ユニット(12)から離れる供給方向(Z)に可動であること、および前記加工ユニット(12)が、前記供給方向(Z)に対して横方向の作動方向(T)に可動であることを特徴とする、装置(10)。
【請求項2】
前記引き出しユニット(11)が、それぞれの軌道(17a、18a)が設けられたドラッグ部材(17、18)を備えること、ならびに、前記加工ユニット(12)の方に面している把持手段(16)であって、前記供給方向(Z)に伸びた外形を有する、かつ、少なくとも1つの前記金属製品(P)を少なくともその最終部分の加工中に保持できる把持部(26)を備えている、把持手段(16)と関連付けられていることを特徴とする、請求項1に記載の装置(10)。
【請求項3】
前記切断デバイス(15)が、少なくとも1つの鋏(33)と、挟持機能を持つ手段(32)とを備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の装置(10)。
【請求項4】
挟持機能を持つ前記手段(32)が、前記鋏(33)それ自体であることを特徴とする、請求項3に記載の装置(10)。
【請求項5】
挟持機能を持つ前記手段(32)が、前記鋏(33)とは異なる把持部(132)であることを特徴とする、請求項3に記載の装置(10)。
【請求項6】
挟持機能を持つ前記手段(32)が、前記鋏(33)の少なくとも一部から部分的に構成され、前記鋏(33)とは部分的に異なることを特徴とする、請求項3に記載の装置(10)。
【請求項7】
前記切断デバイス(15)が、後退位置と、少なくとも1つの加工されている前記金属製品(P)の把持および/または切断を実施するように作動可能である前記加工面(13)に対して突出する突出位置との間で、後退可能に可動であることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の装置(10)。
【請求項8】
挟持機能を持つ手段(32)および鋏(33)が置かれている前記突出位置が、前記加工面(13)に対して調整可能であることを特徴とする、請求項7に記載の装置(10)。
【請求項9】
前記引き出しユニット(11)および前記加工ユニット(12)がそれぞれ、前記供給方向(Z)および前記作動方向(T)それぞれと平行なガイド(27、28)上で可動であり、前記作動方向(T)が前記供給方向(Z)と直交していることを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の装置(10)。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか1項の請求項に記載の装置を用いて実施される、細長い金属製品(P)を加工する方法であって、少なくとも
前記引き出しユニット(11)が前記加工ユニット(12)から離れて前記供給方向(Z)に後方へ移動して少なくとも1つの待機金属製品(P)を捕捉する、第1の工程、
前記引き出しユニット(11)が前記供給方向(Z)に前記加工ユニット(12)に向かって前進して、少なくとも1つの前記金属製品(P)が加工される加工位置に到達するとともに、前記曲げデバイス(14)が少なくとも1つの前記金属製品(P)と位置合わせされるように前記加工ユニット(12)が前記作動方向(T)に移動される、第2の工程、
前記加工位置に静止したままの前記引き出しユニット(11)が、少なくとも1つの前記金属製品(P)をドラッグ部材(17、18)によって、少なくとも1つの最終製品を製造するために行われる加工を実施する前記曲げデバイス(14)に向けて前進させる、第3の工程、
少なくとも1つの第1の前記最終製品を少なくとも1つの前記金属製品(P)から切り離して部分的に移動させるために、前記切断デバイス(15)が少なくとも1つの加工されている前記金属製品(P)と位置合わせされるように前記加工ユニット(12)が前記作動方向(T)に移動される、第4の工程
を備えることを特徴とする、方法。
【請求項11】
前記第3の工程では、前記切断デバイス(15)が、前記加工面(13)の内側の、少なくとも1つの加工されている前記金属製品(P)と干渉しない後退位置にあること、ならびに、前記第4の工程では、前記切断デバイス(15)は、前記切断デバイス(15)が少なくとも1つの加工されている前記金属製品(P)の切断を鋏(33)によって実施するように少なくとも作動可能である、前記加工面(13)の外側の突出位置にあることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも1つの加工されている前記金属製品(P)の長さが、前記ドラッグ部材(17、18)によって引き出されるべき少なくとも1つの前記金属製品(P)に対して十分ではないとき、前記方法では、挟持機能を持つ手段(32)を用いて少なくとも1つの前記金属製品(P)を保持するために、前記切断デバイス(15)が少なくとも1つの加工されている前記金属製品(P)と位置合わせされるように、前記加工ユニット(12)が前記作動方向(T)に移動される再位置決め工程を遂行し、前記引き出しユニット(11)が、前記加工ユニット(12)から前記供給方向(Z)に後方に移動し、それにより、少なくとも1つの前記金属製品(P)の末端が、少なくとも1つの前記金属製品(P)を保持するために締め付けられる把持手段(16)に対応して、つかまれることを特徴とする、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
前記再位置決め工程の後に、第5の工程が遂行され、この工程では、前記曲げデバイス(14)が少なくとも1つの前記金属製品(P)と位置合わせされるように前記加工ユニット(12)が前記作動方向(T)に移動されるとともに、前記引き出しユニット(11)が、少なくとも1つの前記金属製品(P)の少なくとも1つの最後の最終製品を製造するために行われる加工を実施する前記曲げデバイス(14)に向かって、前記供給方向(Z)に制御されて前進することを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記加工から生じ得る端材が、前記引き出しユニット(11)または前記加工ユニット(12)によって排出される第6の工程を遂行することを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築業用のスターラップおよび/もしくは成形片、直棒または付属品などの最終製品、あるいはその他の、または同様もしくは類似の製品を生産するための、細長い金属製品を加工する装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
細長い金属製品から出発して、いくらか複雑な、たとえば建築業用の、スターラップおよび/もしくは成形片、直棒、または一般に構造付属品などの最終製品を生産する装置が知られている。最終製品を得るために、出発製品はコイル、または事前切断された棒の1つもしくは複数の束とすることができる。
【0003】
知られている装置は一般に、少なくとも1つの引き出しユニット、および引き出しユニットの下流に配置された加工ユニットを備える。
通常、加工ユニットは固定位置に配置され、たとえば曲げデバイスを備え、引き出しユニットは、加工されるべき所望の長さの金属製品を都度ごとに制御されて加工ユニットに向けて供給する。
【0004】
やはり固定位置に配置されている引き出しユニットは、1対または複数対の対向するローラを備えることができ、ローラのうちの少なくとも1つのローラは、金属製品を加工ユニットに供給するためにモータ駆動される。金属製品の引き出しの制御機構をより大きくする必要がある場合、引き出しユニットは、キャタピラ型とすることができ、金属製品のための引き出しチャネルを画定するように互いに向かい合わせて配置された1対または複数対の軌道を備えることができる。
【0005】
引き出しユニットと加工ユニットの間には通常、最終製品を画定するために使用される切断ユニットがある。
知られている装置の欠点の1つは、細長い製品の均一な供給を行うことが、特に一度に2つ以上の金属製品が供給される場合には困難であり、製品の断面が同一ではない、または変形している場合にはなおいっそう困難なことである。
【0006】
別の欠点は、特に軌道を用いる引き出しの場合に、金属製品の適正な供給を確保するために、加工可能な製品の有効長を制限する必要があることである。実際、引き出されることを保証するために十分な一定の長さの製品が、常に把持されていることが不可欠である。このため、端材がかなりの長さになる可能性があり、その不使用に関連する経済的損失が非常に大きくなり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、現況技術の欠点のうちの少なくとも1つを克服することができる、細長い金属製品を加工する装置および方法を完全なものにする必要がある。
特に、本発明の目的の1つは、各製品の端材の長さを可能な限り制限できる、細長い製品を加工する装置を提供することである。
【0008】
本発明の別の目的は、単純でありながら生産性を向上させること、および製造される最終製品の単価を低減することを可能にする、細長い製品を加工する装置を提供することである。
【0009】
別の目的は、端材の長さを低減させることによって細長い金属製品の使用量を最適にすることができる、細長い金属製品の加工方法を完全なものにすることである。
本出願人は、現況技術の欠点を克服するために、また上記および他の目的および利点を得るために、本発明を考案し、試験し、具現化した。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、独立請求項に明記され、その特徴が記述されている。従属請求項では、本発明の他の特徴、または主な発明概念の変形形態について記述している。
上記目的に応じて、現況技術の限界を克服し、現況技術に存在する欠陥を取り除く、細長い金属製品を加工する装置は、
金属製品のうちの少なくとも1つを供給方向に移動させるための引き出しユニットと、
少なくとも1つの曲げデバイスおよび少なくとも1つの切断デバイスが関連付けられている加工面を備える、引き出しユニットの下流に配置された加工ユニットと、を備える。
【0011】
本発明の1つの態様によれば、引き出しユニットは、加工ユニットに向かう/加工ユニットから離れる供給方向に可動である。
本発明の1つの態様によれば、加工ユニットは、加工されている少なくとも1つの金属製品と位置合わせされた曲げデバイスまたは切断デバイスを都度ごとに配置するように、供給方向に対して横方向の作動方向に可動である。
【0012】
本発明の1つの態様によれば、引き出しユニットは軌道が設けられ、加工ユニットの方に面している把持手段と関連付けられている。この把持手段は、供給方向に伸びた外形を有する、かつ、少なくとも1つの金属製品を少なくともその最終部分の加工中に保持できる少なくとも1つの把持部を備える。
【0013】
この解決策は、より多くの最終製品を得るために、加工されるべき金属製品の長さを最適にすることを可能にする。加えて、最後の最終製品の端材の長さが、把持手段および切断デバイスの動作と整合されている供給方向における引き出しユニットの移動により、最小にされる。
【0014】
本発明の1つの態様によれば、切断デバイスは、少なくとも1つの鋏と、以下では把持部とも呼ばれる、挟持機能を持つ手段とを備える。
第1の解決策では、挟持機能を持つ手段は鋏それ自体である。
【0015】
別の解決策では、挟持機能を持つ手段は鋏とは異なる。
さらに別の解決策では、挟持機能を持つ手段は、鋏の少なくとも一部から部分的に構成され、鋏とは部分的に異なる。
【0016】
本発明の1つの態様によれば、切断デバイスは、後退位置と、少なくとも1つの加工されている金属製品の把持および/または切断を実施するように作動可能である加工面に対して突出する突出位置との間で、後退可能に可動である。
【0017】
本発明の1つの態様によれば、挟持機能を持つ手段および鋏が置かれている突出位置は、加工面に対して調整可能である。
いくつかの実施形態によれば、上記の装置を用いて実施される、細長い金属製品を加工する方法が提供される。この方法は、少なくとも
引き出しユニットが加工ユニットから離れて供給方向に後方へ移動して少なくとも1つの待機金属製品を捕捉する、第1の工程、
引き出しユニットが供給方向に加工ユニットに向かって前進して、少なくとも1つの金属製品が加工される加工位置に到達するとともに、曲げデバイスが少なくとも1つの金属製品と位置合わせされるように加工ユニットが作動方向に移動される、第2の工程、
加工位置に静止したままの引き出しユニットが、少なくとも1つの金属製品を軌道によって、少なくとも1つの最終製品を製造するために行われる加工を実施する曲げデバイスに向けて前進させる、第3の工程、
少なくとも1つの第1の最終製品を少なくとも1つの加工されている金属製品から切り離して部分的に移動させるために、切断デバイスが少なくとも1つの加工されている金属製品と位置合わせされるように加工ユニットが作動方向に移動される、第4の工程を備える。
【0018】
本発明の1つの態様によれば、少なくとも1つの加工されている金属製品の長さが、軌道によって引き出されるのに十分ではないとき、方法では、金属製品を保持するために、切断デバイスが少なくとも1つの加工されている金属製品と位置合わせされるように、加工ユニットが作動方向に移動される再位置決め工程を遂行し、引き出しユニットが、加工ユニットから供給方向に後方に移動し、それにより、少なくとも1つの金属製品の末端が、少なくとも1つの金属製品を保持するために締め付けられる把持手段に対応して、つかまれる。
【0019】
本発明の別の態様によれば、再位置決め工程の後に、第5の工程が遂行され、この工程では、曲げデバイスが再度、少なくとも1つの加工されている金属製品と位置合わせされるように加工ユニットが作動方向に移動されるとともに、引き出しユニットは、少なくとも1つの金属製品からの少なくとも1つの最後の最終製品を製造するために行われる加工を実施する曲げデバイスに向かって、供給方向に制御されて前進する。
【0020】
本発明の別の態様によれば、その方法では、加工から生じ得る端材が引き出しユニットまたは加工ユニットによって排出される第6の工程を遂行する。
本発明の上記および他の態様、特徴および利点は、添付図面を参照して非限定的な例として示される、いくつかの実施形態についての以下の説明から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本明細書に記載の実施形態によって、および対応する方法の異なる作動工程において、細長い金属製品を加工する装置の側面図。
【
図2】本明細書に記載の実施形態によって、および対応する方法の異なる作動工程において、細長い金属製品を加工する装置の側面図。
【
図3】本明細書に記載の実施形態によって、および対応する方法の異なる作動工程において、細長い金属製品を加工する装置の側面図。
【
図3a】切断デバイスの別の側面図の形で拡大細部を、
図3にそれ自体を見出す作動位置において示す図。
【
図4】本明細書に記載の実施形態によって、および対応する方法の異なる作動工程において、細長い金属製品を加工する装置の側面図。
【
図5】本明細書に記載の実施形態によって、および対応する方法の異なる作動工程において、細長い金属製品を加工する装置の側面図。
【
図6】本明細書に記載の実施形態によって、および対応する方法の異なる作動工程において、細長い金属製品を加工する装置の側面図。
【
図7】本明細書に記載の実施形態によって、および対応する方法の異なる作動工程において、細長い金属製品を加工する装置の側面図。
【
図8】本明細書に記載の実施形態によって、および対応する方法の異なる作動工程において、細長い金属製品を加工する装置の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
理解しやすいように、可能な場合には同じ参照番号が、図面中の同一の共通要素を識別するために使用されている。1つの実施形態の要素および特性は、さらなる明示がなくても、他の実施形態に適宜に組み合わされること、または組み込まれることが可能であると理解されたい。
【0023】
次に、添付の図面に1つまたは複数の非限定的な例が示されている、本発明の様々な実施形態を詳細に参照する。本明細書で使用される語法および術語は、非限定的な例を提示することを目的としている。
【0024】
本明細書に記載のいくつかの実施形態は、金属製品Pのうちの少なくとも1つを供給方向Zに供給するように構成された少なくとも1つの引き出しユニット11と、引き出しユニット11の下流に配置され、加工面13およびそれと関連付けられた少なくとも1つの曲げデバイス14を備える加工ユニット12と、を備える、細長い金属製品Pを加工する装置10に関する。
【0025】
本発明の1つの態様によれば、加工ユニット12は、加工面13と関連付けられた切断デバイス15を備える。引き出しユニット11は、加工されている金属製品Pと位置合わせされた曲げデバイス12または切断デバイス15を都度ごとに配置するように、供給方向Zに対して横方向の作動方向Tに可動である加工ユニット12に向かう/加工ユニット12から離れる供給方向Zに可動である。
【0026】
本発明の1つの態様によれば、引き出しユニット11は、加工ユニット12の方に作動可能に面している把持手段16と関連付けられている。把持手段16は、引き出しユニット11と一体化しており、引き出しユニットと一緒に移動して、曲げデバイス14または切断デバイス15と都度ごとに協働する。
【0027】
以下でより適切に説明されるように、曲げデバイス14の非常に近傍に到達できる把持手段16の動作と整合された供給方向Zにおける引き出しユニット11の移動が、加工による端材の長さを最小にすることを可能にする。
【0028】
いくつかの実施形態によれば、引き出しユニット11は、供給方向Zに対して互いに対向している第1のドラッグ部材17および第2のドラッグ部材18と、これらの移動のための少なくとも1つのモータ部材19とを備える。
【0029】
第1のドラッグ部材17および第2のドラッグ部材18は、互いに平行である、かつ、これらの間で供給方向Zに、少なくとも1つの金属製品Pのためのドラッグ・チャネル20を画定する、それぞれの軌道17a、18aを備える。
【0030】
図示されていない実現可能な実施形態によれば、ドラッグ部材17、18は、ドラッグ・チャネル20を画定するように互いに向かい合っている、それぞれの一連の成形ロールを備えることができる。
【0031】
本明細書に記載の例を特に参照すると、第1のドラッグ部材17および第2のドラッグ部材18はそれぞれ、互いに距離が置かれた第1の輪21、第2の輪22を備え、そのまわりに軌道17a、18aが閉ループの形で巻かれている。
【0032】
軌道17a、18aは、第1の輪21と第2の輪22の間に備えられるそれぞれの第1の戻りセグメントを供給方向Zに平行に、かつ対向して画定して、それらの間にドラッグ・チャネル20を画定する。
【0033】
ドラッグ・チャネル20は、少なくとも1つの金属製品Pのための横面を有し、軌道17a、18aによってそれぞれ移動される対向する複数の固定挿入物24によって、上部および下部において画定される。
【0034】
ドラッグ・チャネル20は、たとえば2つ以上の金属製品Pを引っ張るために、金属製品Pの断面の倍数と整合のとれた幅を有することができ、また高さを、第1のドラッグ部材17を供給方向Zと直交する方向に第2のドラッグ部材18に向かって/第2のドラッグ部材18から離れて移動させる位置決め・調整手段25によって、調整可能とすることができる。
【0035】
いくつかの実施形態によれば、把持手段16は、ドラッグ・チャネル20の出口に配置され、有利には、位置決め・調整手段34によって、横面と実質的に直交する平面上で調整可能である。
【0036】
把持手段16は、少なくとも1つの金属製品Pを少なくともその最終セグメントの加工中に保持できる、把持部26を備える。特に、把持部26の保持する動作は、金属製品Pの末端部分がドラッグ・チャネル20から完全に、またはほぼ完全に出てしまっているときに、末端部分に対して作動される。
【0037】
引き出しユニット11の前進移動と組み合わされた、把持部26の把持する動作は、金属製品Pの前進を作動させるためにドラッグ・ユニット17、18によって要求される、金属製品Pの把持される最小長さに関連する問題を取り除くことを可能にする。このことは、加工され得る金属製品Pの長さを増加させ、したがって、端材を減少させ、作業コストを低下させることを可能にする。
【0038】
把持部26は、供給方向Zに伸びた外形を有しているので、引き出しユニット11が加工ユニット12に向かって移動する間、少なくとも1つの金属製品Pを、その端部もまた曲げられるようにするために保持することが可能である。特に、把持部26は、加工面13に実質的に平行な平面で働く。
【0039】
いくつかの実施形態によれば、曲げデバイス14には、固定された対照要素29と、少なくとも1つの金属製品Pの曲げを対照要素29のまわりで決定するために対照要素29に対して可動である、曲げ要素30とが設けられる。
【0040】
対照要素29は、加工面13に直交する回転軸のまわりに作られた円筒体を有し、これに対して曲げ要素30が回転して金属製品Pの所望の曲げを決定することができる。特に、曲げ加工中、金属製品Pの横面は、対照要素29の円筒垂直壁と実質的に一点で接している。
【0041】
いくつかの実施形態によれば、少なくとも対照要素29は、金属製品Pに対して右曲げも左曲げも両方が行われることを可能にするように、加工状態と非干渉状態の間で加工面13から後退させられ得る。
【0042】
いくつかの実施形態によれば、加工面13は、水平、ほぼ垂直または垂直とすることができる。好ましくは、加工面13は、製造されたばかりの最終製品FPの重力による排出を容易にするために、約30°と約50°の間の角度で、通常は約45°で傾斜している。
【0043】
いくつかの実施形態によれば、切断デバイス15は、曲げデバイス14に隣接して、特に曲げ加工中に金属製品Pと干渉しないような位置に配置される。
この目的のために、切断デバイス15は、加工面13の内側の、加工されている金属製品Pと干渉しない後退位置と、加工面13の外側の、加工されている金属製品Pの切断を実施するように切断デバイス15が少なくとも作動可能である突出位置とをとるために、加工面13に対して後退可能に可動になっている。
【0044】
いくつかの実施形態によれば、切断デバイス15は、加工面13に対して後退可能に可動である、鋏33および挟持手段32もまた存在する支持体31を備え、挟持手段は、図面に示されている場合では、鋏33とは別個の把持部132から構成されている。上述のように、挟持手段32が、切断要素および対照要素の位置に基づいて、切断機能も挟持機能も両方を実施できる鋏33自体から構成されている、あるいはまた、挟持手段32が部分的に鋏33の構成要素から構成され、一部は鋏33とは別個の要素で構成されている、代替の解決策は本発明の範囲に入る。
【0045】
曲げデバイス14が、曲げ加工を行うために金属製品Pと位置合わせされているとき、支持体31は有利には、把持部132も鋏33も両方が加工面13の内側にある後退位置に配置され得る。
【0046】
曲げ加工の終了時に、加工ユニット12は、切断デバイス15を、特に把持部132および鋏33を、加工されている金属製品Pと位置合わせするように移動される。この場合、支持体31は、把持部132および鋏33がそれぞれ、要件に応じて、加工されている金属製品Pを保持および切断することができるように、突出する位置に持ち上げられる。
【0047】
いくつかの実施形態によれば、把持部132および鋏33がある突出位置は、加工面13からの把持部および鋏の距離が、切断されるべき金属製品Pのサイズおよび数と整合されるように、適切に調整され得る。
図3aに示された例では、加工されている金属製品Pの数は2つであり、4つの金属製品が鋏33に対して位置合わせされるが、鋏33は一度にそのうちの2つだけを同時に切断する。明らかに、鋏33は、刃先のサイズと加工されている金属製品Pの数量とに応じて、2つよりも多い金属製品も一度に切断することができる。
【0048】
実現可能な実施形態によれば、把持部132および鋏33は、その一方、他方または両方を使用する必要性に応じて、互いに独立してそれぞれの突出位置または後退位置をとることができる。
【0049】
いくつかの実施形態によれば、引き出しユニット11および加工ユニット12はそれぞれ、供給方向Zおよび作動方向Tそれぞれと平行なガイド27、28上で可動である。ここに記載の例では、作動方向Tは供給方向Zと直交している。
【0050】
図1~
図8に示されたいくつかの実施形態によれば、細長い金属製品Pを加工する方法が提供され、この方法は少なくとも、
引き出しユニット11が加工ユニット12から離れて供給方向Zに後方へ移動して、軌道17a、18aの間に保持されている少なくとも1つの待機金属製品Pを捕捉する(
図1)、第1の工程、
引き出しユニット11が供給方向Zに加工ユニット12に向かって前進して、少なくとも1つの金属製品Pが加工される加工位置に到達するとともに、曲げデバイス14が少なくとも1つの金属製品Pと位置合わせされるように、加工ユニット12が作動方向Tに移動される(
図2)、第2の工程、
加工位置に静止したままの引き出しユニット11が、少なくとも1つの金属製品Pを軌道17a、18aによって、少なくとも1つの最終製品FPを製造するために行われる加工を実施する曲げデバイス14に向けて前進させる(
図2)、第3の工程、
少なくとも1つの最終製品PFを少なくとも1つの金属製品Pから切り離すために、切断デバイス15が少なくとも1つの加工されている金属製品Pと位置合わせされるように、加工ユニット12が作動方向Tに移動される(
図3~
図3a)、第4の工程を備える。
【0051】
特に、第3の工程では、切断デバイス15は後退位置にあり、第4の工程では、切断デバイス15は、切断デバイス15が少なくとも1つの加工されている金属製品Pの切断を鋏33によって実施するように少なくとも作動可能である、突出位置にある(
図3a)。有利には、切断操作の実行中、変形のないより精確な切断を保証するために、把持部132は金属製品Pを保持することができる。
【0052】
本発明の1つの態様によれば、少なくとも1つの加工されている金属製品Pの長さが、軌道17a、18aによって引き出されるのに十分ではないとき、その方法では、把持部132が金属製品Pを保持できるように切断デバイス15が少なくとも1つの金属製品Pと位置合わせされるべく、加工ユニット12が作動方向Tに移動される再位置決め工程を遂行する。引き出しユニット11は、加工ユニット12から供給方向Zに後方に移動し、それにより、少なくとも1つの金属製品Pの端部、すなわち末端は、少なくとも1つの金属製品Pを保持するために締め付けられる把持手段16に対応して、つかまれる(
図5)。
【0053】
特に、
図4に示されるように、金属製品Pの末端が第1の輪21と第2の輪22の中心間距離の中間点で軌道17a、18a間にあるとき、軌道17a、18aによる移動が限界になり始め、したがって、再位置決め工程を遂行することが必要になる。
【0054】
本発明の1つの態様によれば、再位置決め工程に続いて、曲げデバイス14が少なくとも1つの金属製品Pと位置合わせされるように加工ユニット12が作動方向Tに移動される第5の工程が遂行され、この工程では、引き出しユニット11が、少なくとも1つの金属製品Pの少なくとも1つの最後の最終製品FPを製造するために行われる加工を実施する曲げデバイス14に向かって、供給方向Zに制御されて前進する(
図6~
図7)。
【0055】
本発明の1つの態様によれば、その方法では、少なくとも1つの加工からの端材が引き出しユニット11から、または加工ユニット12から排出される第6の工程を遂行する(
図8)。たとえば、加工部12からの端材は、把持部132で阻止されたままであること、および重力によって排出されることが可能であり、あるいは、把持部26で阻止されたままであること、および後続の金属製品Pが強く押すことによって排出されることが可能である。
【0056】
部品または工程の修正および/または追加が、これまで説明された、細長い金属製品Pを加工する装置10および方法に対して、特許請求の範囲によって定義される本発明の分野および範囲から逸脱することなく、なされてもよいことは明らかである。
【0057】
添付の特許請求の範囲において、括弧内の参照符号の唯一の目的は読みやすさを提供することである。すなわち参照符号は、特定の特許請求の範囲において主張される保護の領域に関して制限的な要素であると考えられてはならない。
【国際調査報告】