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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-04
(54)【発明の名称】角度計算システム及びその方法
(51)【国際特許分類】
   G01P 15/00 20060101AFI20230627BHJP
【FI】
G01P15/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022553610
(86)(22)【出願日】2021-04-29
(85)【翻訳文提出日】2022-09-05
(86)【国際出願番号】 CN2021090873
(87)【国際公開番号】W WO2022226867
(87)【国際公開日】2022-11-03
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522352340
【氏名又は名称】蔡 国志
(74)【代理人】
【識別番号】100166372
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 博明
(72)【発明者】
【氏名】蔡 国志
(72)【発明者】
【氏名】潘 俊斌
(57)【要約】
本発明は、角度計算システム及びその方法であり、角度計算システムは、定点装置、基準装置及び端末装置を含み、定点装置及び基準装置は、それぞれ基準点及び定点の慣性を測定して、定点データ及び基準データを取得し、端末装置により定点データ及び基準データを水平角及び回転角に変換して、定点と基準点との間の相対水平角及び相対回転角を計算することにより、遠くなる両端の水平角及び回転角を測定するという目的を達成する。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
角度計算システムであって、
定点の慣性を検出して定点データを取得するための定点装置と、
基準点の慣性を検出して基準データを取得するための基準装置と、
該基準データ及び該定点データを受信するための受信ユニット、該受信ユニットに接続され、傾斜角換算ユニットを含み、該定点データを該定点の定点傾斜角に換算し、基準データを該基準点の基準傾斜角に変換するための処理モジュールを含む端末装置と、を含み、
該定点データは、該定点における複数の軸方向の加速度信号を含み、
該基準データは、該基準点における複数の軸方向の加速度信号を含む、角度計算システム。
【請求項2】
該定点傾斜角を定点水平角に変換し、該基準傾斜角を基準水平角に変換するための水平角変換ユニットと、
該基準傾斜角と該定点傾斜角との間の差を計算して、該定点と該基準点との間の相対水平角を取得するための相対水平角計算ユニットと、をさらに含む、請求項1に記載の角度計算システム。
【請求項3】
該処理モジュールは、
該定点傾斜角を該定点回転角に換算し、該基準傾斜角を基準回転角に変換するための回転角変換ユニットと、
該定点回転角と該基準回転角との間の差を計算して、該定点と該基準点との相対回転角を取得するための相対回転角計算ユニットと、をさらに含む、請求項1に記載の角度計算システム。
【請求項4】
該定点装置、基準装置及び該端末装置に接続される中継装置をさらに含み、該中継装置は、該基準データと該定点データを受信して該端末装置に伝送することに用いられる、請求項1又は2に記載の角度計算システム。
【請求項5】
該定点装置又は基準装置は、加速度計、ジャイロスコープ又は2つ以上の組み合わせである、請求項1に記載の角度計算システム。
【請求項6】
角度計算方法であって、
定点における複数の軸方向の定点加速度を含む定点データを提供するステップと、
基準点における複数の軸方向の基準加速度を含む基準データを提供するステップと、
斜面加速度式及び標準重力(standard gravity)を用いて、各軸方向の該定点加速度を該定点の各軸方向での定点傾斜角に変換するステップと、
斜面加速度式及び標準重力を用いて、各軸方向の該基準加速度を該基準点の各軸方向での基準傾斜角に変換するステップと、を含む、角度計算方法。
【請求項7】
該斜面加速度式は、
である(式中、
は、標準重力を表し、
は、各軸方向の該定点傾斜角又は該基準傾斜角を表し、
は、各軸方向の該定点加速度又は該基準加速度を表す)、請求項6に記載の角度計算方法。
【請求項8】
標準水平面における複数の軸の標準加速度を含む標準データを提供するステップと、
該標準加速度と標準重力(standard gravity)との間の誤差に従って、補正演算子を生成するステップと、
該補正演算子(operator)を該定点データ及び該基準データに作用させるステップと、をさらに含み、
該標準データが該補正演算子により作用された場合、各軸方向の標準加速度の合計は、標準重力に等しくなる、請求項6に記載の角度計算方法。
【請求項9】
各軸方向の該定点傾斜角が各軸方向の定点水平角に等しいという関係を用いて、該定点の各軸方向での該定点水平角を取得するステップと、
各軸方向の該基準傾斜角が各軸方向の基準水平角に等しいという関係を用いて、該基準点の各軸方向での該基準水平角を取得するステップと、
該基準水平角と該定点水平角との間の差を計算して、該定点と該基準点との間の相対水平角を取得するステップと、をさらに含む、請求項6に記載の角度計算方法。
【請求項10】
各軸方向の該定点傾斜角が各軸方向の定点回転角に等しいという関係を用いて、該定点の各軸方向での該定点回転角を取得するステップと、
各軸方向の該基準傾斜角が各軸方向の基準回転角に等しいという関係を用いて、該基準点の各軸方向での該基準回転角を取得するステップと、
各軸方向の該基準回転角と各軸方向の該定点回転角との間の差を計算して、該定点と該基準点との間の各軸方向での相対回転角を取得するステップと、をさらに含む、請求項6に記載の角度計算方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定分野に属し、特に慣性装置に基づく水平角及び回転角の測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
様々な工事分野では、完成品又は建物が工事における測定誤差により正しく使用できなくなることを回避するために、水平角度及び回転角度の測定は、常にエンジニアたちが製造又は施工中に関心を持っているトピックスであり、エンジニアたちが気泡水準器又はレーザー水準器を用いて水平測定を行う場合が多い。
【0003】
しかしながら、気泡水準器又はレーザー水準器にかかわらず、両者はいずれも完成品又は建物と地面との水平誤差のみを測定でき、全ての判断は人間が視認によって行うため、誤差が不可避的に存在し、且つ地面を水平基準としない状況には対処できない。
【0004】
さらに、数百メートル以上にわたる建物の水平誤差の測定する場合、例えば、橋梁の両端の測定について、気泡水準器もレーザー水準器も対応できないため、セオドライト又はトータルステーションなどの従来技術が提示されているが、セオドライト又はトータルステーションはいずれも大型の水平測定器であり、体積が大きく、価格が高く、専門家が操作する必要があり、従って、如何に大型の建物の水平誤差を容易、簡単且つ正確に測定するかは、依然として緊急に解決すべき課題である。
【0005】
本発明者は、上記従来技術に派生する様々な欠陥に鑑みて、極力新規改善を試み、且つ長年苦心研鑽の末、本発明の角度計算システム及びその方法の研究開発に成功した。
【発明の概要】
【0006】
上記従来技術の課題を解決するために、本発明は、角度計算システム及び方法を提供し、
1.遠くなる両端の水平を測定する水準器を提供し、
2.軽量で操作しやすい回転角測定器を提供し、
3.リアルタイム監視機能を備えた水平角及び回転角測定器を提供することを目的とする。
【0007】
本発明は、角度計算システムであり、定点装置、基準装置及び端末装置を含み、定点装置及び基準装置は、それぞれ基準点及び定点の慣性を測定して、定点データ及び基準データを取得して端末装置に伝送し、端末装置は、受信ユニット、処理モジュール及び表示モジュールを含み、処理モジュールは、傾斜角換算ユニット、水平角変換ユニット、相対水平角計算ユニット、回転角変換ユニット及び相対回転角計算ユニットをさらに含む。
【0008】
傾斜角換算ユニットは、斜面加速度式及び標準重力(standard gravity)に従って、定点データを定点傾斜角に変換し、及び基準データを基準傾斜角に変換する。
【0009】
斜面加速度式は、
である(式中、
は、標準重力を表し、
は、各軸方向の定点傾斜角又は基準傾斜角を表し、
は、各軸方向の定点加速度又は基準加速度を表す)。
【0010】
水平角変換ユニットは、水平軸方向の定点傾斜角が定点水平角に等しいという幾何学的関係、及び水平軸方向の基準傾斜角が基準水平角に等しいという幾何学的関係に従って、基準傾斜角を基準水平角に変換し、定点傾斜角を定点水平角に変換する。
【0011】
最後に、相対水平角計算ユニットは、定点水平角から基準水平角を減算して、相対水平角を取得する。
【0012】
回転角変換ユニットは、定点傾斜角と定点回転角との幾何学的関係、及び基準傾斜角が基準回転角に等しいという関係に従って、基準傾斜角を基準回転角に変換し、定点傾斜角を定点回転角に変換する。
【0013】
最後に、相対回転角計算ユニットは、定点回転角から基準回転角を減算して、相対回転角を取得する。
【0014】
本発明の定点装置及び基準装置は、加速度計、ジャイロスコープ又は2つ以上の組み合わせである。
【0015】
定点データ及び基準データは、加速度データである。
【0016】
中継装置は、無線アクセスポイント(Wireless Access Point)である。
【0017】
中継装置は、非必須素子であり、端末装置は、受信ユニットを用いて定点装置及び基準装置に直接接続され得る。
【0018】
以上のように、本発明は、定点装置、基準装置及び処理装置のシステムコロケーションにより、定点水平角、基準水平角、定点回転角、基準回転角を取得して、定点と基準点との間の相対水平角及び相対回転角を計算する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は本発明の角度計算システムの模式図である。
図2図2は定点装置の模式図である。
図3図3は本発明の相対水平角計算方法のステップを示す図である。
図4図4は定点装置の回転模式図である。
図5図5は定点装置の多軸回転模式図である。
図6図6は本発明の相対回転角計算方法のステップを示す図である。
図7図7は本発明の第1実施例の模式図である。
図8図8は本発明の第2実施例の模式図である。
図9図9は本発明の表示モジュールの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
当業者が、本発明の技術的特徴、内容、利点及び達成できる効果を理解することに寄与するように、以下、図面及び実施形態を参照しながら、本発明について詳細に説明する。ここで用いる図面は、明細書を説明し及び支援するためのものに過ぎず、本発明の実施に比して真に正確に構成されるものではないため、添付の図面における構成に基づいて、本発明の実際の実施における権利範囲を理解、制限すべきではないことを、最初に明確に説明しておく。
【0021】
図1は、本発明の角度計算システムの模式図であり、図に示すように、本発明の角度計算システムは、基準装置1、定点装置2、端末装置3及び中継装置4を含み、基準装置1は1つだけであり、定点装置2は2つあり、基準装置1及び各定点装置2はいずれも中継装置4を介して端末装置3に接続される。
【0022】
基準装置1は、基準点の慣性を検出して、基準データ101を取得して端末装置3に伝送する。
【0023】
各定点装置2は、それぞれ各定点の慣性を検出して、定点データ201を取得して端末装置3に伝送する。
【0024】
端末装置3は、受信ユニット31、処理モジュール32及び表示モジュール33を含み、処理モジュール32は、傾斜角換算ユニット321、水平角変換ユニット322、相対水平角計算ユニット323、回転角変換ユニット324及び相対回転角計算ユニット325をさらに含む。
【0025】
基準装置1及び定点装置2がそれぞれ中継装置4を介して基準データ11及び定点データ201を端末装置3に伝送する場合、受信ユニット31は、基準データ101及び定点データ201を受信して、処理モジュール32に伝送し、処理モジュール32は、傾斜角換算ユニット321を用いて、定点傾斜角9及び基準傾斜角13を取得する。
【0026】
使用者が定点と基準点との間の相対水平角16を取得したい場合、水平角変換ユニット322は、先ず定点傾斜角9を定点水平角6に変換し、及び基準傾斜角13を基準水平角14に変換し、相対水平角計算ユニット323は、定点水平角6から基準水平角14を減算して定点と基準点との間の相対水平角16を取得する。
【0027】
使用者が定点と基準点との間の相対回転角17を取得したい場合、回転角変換ユニット324は、先ず定点傾斜角9を定点回転角12に換算し、基準傾斜角13を基準回転角15に変換し、相対回転角計算ユニット325は、定点回転角12から基準回転角15を減算して定点と基準点との間の相対回転角17を取得する。
【0028】
図2は、定点装置の模式図であり、図に示すように、定点装置が傾斜し、定点装置2と水平面5とがX軸方向7xにX軸方向定点水平角6をなし、且つX軸方向7xと元のX軸方向8xとの間がX軸方向定点傾斜角9xをなす場合、定点装置2は、標準重力10によって、定点装置2のX軸方向7xにX軸方向定点加速度11xを測定することができる。
【0029】
傾斜角変換ユニット321は、斜面加速度式
を介して、X軸方向7xのX軸方向定点傾斜角9xを取得し、本発明の実施例では、
は、標準重力10を表し、
は、各軸方向7の定点傾斜角9を表し、
は、各軸方向7の定点加速度11を表す。
【0030】
水平角変換ユニット322は、元のX軸方向8xと水平面5とが互いに平行であるという関係に従って、X軸定点傾斜角9xがX軸方向水平角6xに等しいと推論し、さらにX軸方向水平角6xを取得する。
【0031】
図3は、本発明の相対水平角計算方法のステップを示す図であり、本発明の相対水平角計算方法はステップS301から始まり、基準データ101及び定点データ201を提供し、定点データ201は定点装置2により提供され、定点におけるX軸、Y軸及びZ軸の加速度を含み、これに対応して、基準データ101は、基準装置1により提供され、基準点におけるX軸、Y軸及びZ軸の加速度を含む。
【0032】
ステップS302において、本発明は、補正演算子(operator)を基準データ101及び定点データ201に作用させることにより、基準装置1及び定点装置2の機械的誤差を排除する。
【0033】
補正演算子は、1つの行列であり、
のベクトルが水平面で測定された定点データ201又は基準データ101を表し、
が補正演算子を表し、
が標準重力を表す場合、関係式
を取得することができる。
【0034】
ステップS303において、本発明は、斜面加速度式を用いて、定点データ201を定点傾斜角9に変換し、且つ基準データ101を基準傾斜角13に変換し、斜面加速度式は、
である(式中、
は、標準重力を表し、
は、各軸方向7での定点傾斜角12又は基準傾斜角15を表し、
は、各軸方向7での定点加速度11又は基準加速度を表す)。
【0035】
ステップS304において、本発明は、幾何学的関係に従って、各軸方向7の定点傾斜角9が定点水平角6に等しく、各軸方向7の基準傾斜角が基準水平角に等しいと推論し、さらに各軸方向の定点水平角6及び基準水平角を取得する。
【0036】
基準傾斜角13及び基準水平角の取得方式は、定点傾斜角9及び定点水平角6の取得方式と同じであるため、詳細な説明を省略する。
【0037】
ステップS305において、本発明は、定点水平角から基準水平角を減算して、相対傾斜角を取得する。
【0038】
図4は、定点装置の回転模式図であり、図に示すように、定点装置2が定点回転角12を反時計回りに回転させて、軸方向7と元の軸方向8との間に定点傾斜角9をなす場合、定点装置2は、標準重力10によって、定点装置2の該軸方向7に軸方向定点加速度11を測定することができる。
【0039】
傾斜角変換ユニット321は、斜面加速度式
を用いて、該軸方向7の定点傾斜角9を取得し、ここでは、
は、標準重力10を表し、
は、該軸方向7の定点傾斜角9を表し、
は、該軸方向7の定点加速度11を表す。
【0040】
回転角変換ユニット324は、元の水平軸8と標準重力10の方向が互いに垂直であるという関係に従って、定点傾斜角9が定点回転角12に等しいと推論し、さらに定点回転角12を取得する。
【0041】
図5は、定点装置の多軸回転模式図であり、図に示すように、定点装置2は、多軸方向に回転するため、X軸方向7xと元のX軸方向8xとの間がX軸方向定点傾斜角9xをなし、Y軸方向7yと元のY軸方向8yとの間がY軸方向定点傾斜角9yをなし、Z軸方向7zと元のZ軸方向8zとの間がZ軸方向定点傾斜角9zをなす。
【0042】
回転角変換ユニット324は、斜面加速度式
を用いて、X軸方向定点傾斜角9x、Y軸方向定点傾斜角9y及びZ軸方向定点傾斜角9zを取得し、定点傾斜角9が定点回転角12に等しいという幾何学的関係に従って、各軸方向の定点回転角12を取得する。
【0043】
図6は、本発明の相対回転角計算方法のステップを示す図であり、本発明の相対回転角計算方法のステップは、
基準データ及び定点データを提供するステップS601と、
基準データ及び定点データを補正するステップS602と、
斜面加速度式を用いて計算された定点データを定点傾斜角に変換し、且つ基準データを基準傾斜角に変換するステップS603と、
基準傾斜角をX軸方向基準回転角、Y軸方向基準回転角及びZ軸方向基準回転角に変換し、及び定点傾斜角をX軸方向定点回転角、Y軸方向定点回転角及びZ軸方向定点回転角に変換するステップS604と、
X軸方向定点回転角からX軸方向基準回転角を減算して、X軸方向相対傾斜角を取得し、Y軸方向定点回転角からY軸方向基準回転角を減算して、Y軸方向相対傾斜角を取得し、Z軸方向定点回転角からZ軸方向基準回転角を減算して、Z軸方向相対傾斜角を取得するステップS605と、を含む。
【0044】
図7は、本発明の第1実施例の模式図であり、図に示すように、山の斜面に沿って建てられた建物、又は特別な室内設計などのシナリオでは、1階の平面が水平ではない斜面階段がある場合が多く、本発明の角度計算システムを用い、1階の平面を基準点100とし、1階の階段を第1定点200aとし、2階の階段を第2定点200bとして、基準装置1を基準点100に配置し、第1定点装置2aを第1定点200aに配置し、第2定点装置2bを第2定点200bに配置し、さらに中継装置4により基準装置1が測定した基準データ101、第1定点装置2aが測定した定点データ及び第2定点装置2bが測定した定点データを収集して、端末装置3に伝送する。
【0045】
端末装置3は、傾斜角換算ユニット及び水平角変換ユニットの分析により、基準水平角、第1定点水平角、第2定点水平角を得て、さらに相対水平角計算ユニットにより基準点100と第1定点200aとの間の第1相対水平角、及び基準点100と第2定点200bとの間の第2相対水平角を求める。なお、
第1相対水平角=第1定点水平角-基準水平角、
第2相対水平角=第2定点水平角-基準水平角である。
【0046】
第1相対水平角及び第2相対水平角を介して、建築家及び土木技師は、階段を調整し、又は他の工事施工の変形量を検出することができる。
【0047】
図8は、本発明の第2実施例の模式図であり、図に示すように、本発明の角度計算システムは、ロボットアーム18の歩留り率を検出する応用シナリオに適用でき、ロボットアーム18は、合計で3つの回転軸181を有し、それぞれ第1回転軸181a、第2回転軸181b、第3回転軸181cであり、基準装置1は第1回転軸181aに配置され、第1定点装置2aは第2回転軸181bに配置され、第2定点装置2bは第3回転軸181cに配置される。
【0048】
第2実施例では、第1回転軸18aが回転すると、第2回転軸18b及び第3回転軸18cは回転し、各回転軸18に位置する基準装置1、第1定点装置2a及び第2定点装置2b、及び目標テーブル面19に位置する第3定点装置2cは、慣性を検出して基準データ及び定点データを生成して、端末装置3に直接伝送し、さらに第2回転軸18bの各軸方向での定点回転角と基準回転角との間の相対回転角、第3回転軸18cの各軸方向での定点回転角と基準回転角との間の相対回転角、及び目標テーブル面19とクランプジョー182との間の相対水平角を計算する。
【0049】
第2回転軸181bの相対回転角、及び第3回転軸181cの相対回転角を把握することにより、ロボットアームの歩留り率を検出する品質検査員は、ロボットアームの各回転軸181の間の回転角の誤差を把握し、さらにロボットアーム18を調整することができる。
【0050】
また、本発明の角度計算システムはさらに、橋梁の水平リアルタイム検出に適用でき、例えば、橋梁の両端にそれぞれ基準装置及び定点装置を配置し、橋梁の両端の相対水平角を連続的にモニタリングすることにより、台風や他の風害による橋梁の損傷を早めに発見し、治療に勝る予防の効果を達成することに寄与する。
【0051】
一方、実際の応用中に、さらにクランプジョー182に水平基準装置1hを配置し、目標テーブル面19に水平定点装置2hを配置することにより、ロボットアーム18のクランプジョー182と目標テーブル面19との間の水平関係を測定することができる。
【0052】
本発明は、半導体製造分野にも適用でき、ウエハが各ステージ間で搬送される場合、設備エンジニアは、基準装置を目標ステージに配置し、定点装置をエンドエフェクタのクランプジョーに配置することにより、クランプジョーと目標ステージとの間の相対水平角を確保し、ウエハが転移中に水平誤差により損傷することを回避することができる。
【0053】
図9は、本発明の表示モジュールの模式図であり、図に示すように、本発明の表示モジュール33は、各軸の相対水平角及び相対回転角をレーダーチャートの形態で使用者に伝達し、使用者は、レーダー点331の移動、及び数値表332の変更に従って、相対水平角及び相対回転角を把握することができる。
【0054】
本発明の定点装置及び基準装置は、加速度計、ジャイロスコープ又は2つ以上の組み合わせである。
【0055】
本発明の中継装置は、無線アクセスポイント(Wireless Access Point)である。
【0056】
本発明の中継装置は、非必要素子であり、本発明の端末装置は、受信ユニットを用いて定点装置及び基準装置に直接接続され得る。
【0057】
以上のように、本発明は、定点装置、端末装置及び角度計算方法を実行する処理モジュールの連携を用いて、遠くなる両端の水平角及び回転角を測定するという目的を達成し、且つ本発明の定点装置及び基準装置は、軽量且つ小型であり、銅板のような体積しかなく、エンジニアたちが容易に携帯でき、被測定物に長期にわたって装着でき、被測定物の負担をもたらさず、水平角及び回転角をリアルタイムに監視するという目的を達成する。
【0058】
以上は、本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本発明に対して行った修正や等価置換は、いずれも本発明の特許出願の範囲の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0059】
1:基準装置
1h:水平基準装置
100:基準点
101:基準データ
2:定点装置
2a:第1定点装置
2b:第2定点装置
2h:水平定点装置
200:定点
200a:第1定点
200b:第2定点
201:定点データ
3:端末装置
31:受信ユニット
32:処理モジュール
321:傾斜角換算ユニット
322:水平角変換ユニット
323:相対水平角計算ユニット
324:回転角変換ユニット
325:相対回転角計算ユニット
33:表示モジュール
4:中継装置
5:水平面
6:定点水平角
6x:X軸方向定点水平角
7:軸方向
7x:X軸方向
7y:Y軸方向
7z:Z軸方向
8:元の軸方向
8x:元のX軸方向
8y:元のY軸方向
8z:元のZ軸方向
9:定点傾斜角
9x:X軸方向定点傾斜角
9y:Y軸方向定点傾斜角
9z:Z軸方向定点傾斜角
10:標準重力
11:基準データ
12:定点回転角
13:基準傾斜角
14:基準水平角
15:基準回転角
16:相対水平角
17:相対回転角
18:ロボットアーム
181:回転軸
181a:第1回転軸
181b:第2回転軸
181c:第3回転軸
19:目標テーブル面
S301~S305:ステップ
S601~S605:ステップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】