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  • 特表-剃刀カートリッジのシール 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-04
(54)【発明の名称】剃刀カートリッジのシール
(51)【国際特許分類】
   B26B 21/22 20060101AFI20230627BHJP
【FI】
B26B21/22 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022555981
(86)(22)【出願日】2021-05-13
(85)【翻訳文提出日】2022-09-16
(86)【国際出願番号】 US2021032205
(87)【国際公開番号】W WO2021236417
(87)【国際公開日】2021-11-25
(31)【優先権主張番号】63/027,377
(32)【優先日】2020-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】315017030
【氏名又は名称】エッジウェル パーソナル ケア ブランズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Edgewell Personal Care Brands, LLC
【住所又は居所原語表記】1350 Timberlake Manor Parkway, Chesterfield, MO 63017 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100228337
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 綾
(72)【発明者】
【氏名】テーネ ヨーヘン
(72)【発明者】
【氏名】フィッシャー シュテファン
(57)【要約】
剃刀カートリッジは、保護部と蓋部との間に刃取付け領域を有するハウジングを有する。第1および第2の剃刀刃が、刃の間に中間非切断および皮膚係合構造を有する刃取付け領域に順次に取付けられる。中間構造は、保護部に最も近く、および中間構造の皮膚係合表面に、またはそれに隣接する、前縁領域を有する。中間構造の前縁領域は、中間構造と第1の刃との間の任意の間隙を封止するために、第1の剃刀刃に接触するエラストマーの線状シールを有する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
剃刀カートリッジであって、
ハウジングであって、前記ハウジングの前部領域にある保護部と、前記ハウジングの後部領域にある蓋部と、前記保護部と前記蓋部とを接続する対向する端壁とを有し、前記ハウジングが前記保護部と前記蓋部との間に刃取付け領域を画定する、ハウジングと、
前記保護部に最も近い第1の剃刀刃と、第2の剃刀刃であって、その両方が前記刃取付け領域に取付けられ、その両方の剃刀刃の刃先は前記保護部に面している、第1の剃刀刃と第2の剃刀刃と、
前記第1および前記第2の剃刀刃の間の中間非切断および皮膚係合構造であって、前記中間構造は、前記保護部に最も近く、および前記中間構造の皮膚係合表面に、またはそれに隣接する、前縁領域を有し、前記前縁領域は前記第1の剃刀刃に接触するエラストマーの線状シールを備える、中間構造と、
を備える、剃刀カートリッジ。
【請求項2】
前記中間構造が、前記ハウジングと一体的に形成されている、請求項1に記載の剃刀カートリッジ。
【請求項3】
前記線状シールが、前記対向する端壁の間で、全体的に前記前縁領域に沿って延在している、請求項1または2に記載の剃刀カートリッジ。
【請求項4】
前記中間構造と前記線状シールの後縁との間の界面が、城郭状である、請求項1~3のいずれか1項に記載の剃刀カートリッジ。
【請求項5】
前記線状シールが、前記保護部のエラストマー構造と共形成されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の剃刀カートリッジ。
【請求項6】
前記中間構造は、複数の台座を備える、請求項1~5のいずれか1項に記載の剃刀カートリッジ。
【請求項7】
前記台座は、片持ちである、請求項6に記載の剃刀カートリッジ。
【請求項8】
隣接する台座間の間隙は、前記カートリッジの前後方向において幅が減少する、請求項6または請求項7のいずれかに記載の剃刀カートリッジ。
【請求項9】
後部の間隙の幅は、0.1mmである、請求項8に記載の剃刀カートリッジ。
【請求項10】
前記保護部の後部領域は、間隙が設けられている、請求項1~9のいずれか1項に記載の剃刀カートリッジ。
【請求項11】
前記線状シールは、熱可塑性エラストマーおよび親水性ポリマーの混合物を含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の剃刀カートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、安全剃刀に関し、より具体的には、シール、特にエラストマーのシールを有する剃刀カートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許出願公開2006/0277759は、一般に、典型的な複数刃の安全剃刀カートリッジの隣接する刃の間の空間から剃りくず(毛および皮膚の粒子、ならびにシェービングクリームまたは他のシェービング準備物を含む)を洗い流すことの困難さを論じている。本明細書は、通常のシェービング中に、剃られる表面の皮膚が2つ以上の刃の間の空間に入ることが妨げられるため、刃の間の空間に残るくずが剃刀カートリッジの性能に悪影響を及ぼし得ることを一般に認識している。さらに、くずは、空間が過度に充填される程度に詰まって蓄積し、剃られる皮膚表面が刃の刃先から押しのけられることがある。蓄積されたくずはまた、ユーザにとって視覚的に望ましくないことがある。
【0003】
米国特許出願番号2011/0146079は、刃の間の中間非切断および皮膚支持構造を開示しており、中間構造から隣接構造へのすすぎ通し間隙が0.05mmからの幅の範囲であり得ることを述べている。男性ユーザの典型的な髭毛(末端毛)は、直径約0.1mmで、1日あたり約0.4mmの成長速度がある。ウェットシェービングにおいて、一般に毛の軸を長さ方向に対して鋭角に切断するため、毛くずの粒子が発生し、小さな間隙に詰まるという好ましくないことがある。そのような間隙はまた、間隙の対向する端部からすすぎ落とすのも困難である。
【0004】
前述の‘759の出願は、快適性を高めるために先端から先端までの間隔(刃と非切断構造との間の間隔とも考えられる)を短くしたいという願望と、より高いすすぎ性を実現するために間隔を広くしたいという願望との間のジレンマについてさらに論じている。
【0005】
本出願人は、そのような詰まりやすい間隙を設けるよりも、小さな寸法のすすぎ間隙を完全に排除することが好ましい場合があることを発見した。この願望をさらに複雑にしているのは、多くの現代のウェットシェービングのカートリッジの刃構造は、完全に平坦または直線的でないことである。そのような刃構造は、湾曲した支持体上の刃およびいわゆる湾曲した刃を含み得る。米国特許番号5,010,646は、いくつかの歪みを認め、寸法的に定義している。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、中間構造と先行する剃刀刃構造との間の任意の間隙を完全に塞ぐエラストマー(弾力性)のシールを有する中間刃間構造を設けることによって、先行技術の剃刀カートリッジの制限を実質的に緩和することをその目的としている。
【0007】
剃刀カートリッジは、ハウジングの前部領域にある保護部と、ハウジングの後部領域にある蓋部と、保護部と蓋部とを接続する対向する端壁と、を有するハウジングを備える。ハウジングは、保護部と蓋部との間に刃取付け領域を画定する。保護部に最も近い第1の剃刀刃と、第2の剃刀刃とは、共に刃取付け領域に取付けられ、両方の剃刀刃の刃先が保護部に面している。中間非切断および皮膚係合構造は、第1および第2の剃刀刃の間にあり、中間構造は、保護部に最も近く、中間構造の皮膚係合表面においてまたは隣接して、前縁領域を有する。前縁領域は、第1の剃刀刃に接触するエラストマーの線状シールを有する。
【0008】
本開示の他の態様において、中間構造は、ハウジングと一体的に形成される。線状シールは、対向する端壁の間で全体的に前縁領域に沿って延在する。中間構造と線状シールの後縁との間の界面は城郭状である。線状シールは、保護部のエラストマー構造と共形成される。線状シールは、熱可塑性エラストマーと親水性ポリマーとの混合物を含む。
【0009】
さらなる態様において、中間構造は、片持ちの複数の台座(platform)を備えることができる。隣接する台座間の間隙は、カートリッジの前部から後部への方向に幅を減少させることができ、例えば、後部の間隙幅は0.1mmである。
【0010】
さらに別の態様において、保護部の後部領域は、間隙を含むことができる。
【0011】
線状シールは、中間構造と第1の剃刀刃との間の、平坦または直線でない可能性のある任意の間隙を封止する。任意の間隙が封止されるので、小さいかもしれない間隙の望ましくない目詰まりが回避される。線状シールは、使用時の湿潤摩擦の利点のために、潤滑性の親水性ポリマーを含むことができる。
【0012】
上記の特徴および利点は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を参照することにより、より完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本開示の剃刀カートリッジの上等角図である。
図2】カートリッジの横断面図である。
図3】別の剃刀刃構造の横断面図である。
図4】別の剃刀カートリッジの上等角図である。
図5図4のカートリッジの一部分の詳細図である。
図6図5の部分の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ここで図面、特に図1および図2を参照すると、ハウジング30の前部領域に保護部40と、ハウジング30の後部領域に蓋部50とを有するハウジング30を備える、剃刀カートリッジ20が描かれている。本開示の文脈では、前部、前方、前縁など、および後部、後方、後縁などの用語は、使用中の剃刀カートリッジ20の動作方向に対して使用される。ハウジングは、保護部40と蓋部50とを接続する対向する端壁60を有する。ハウジングは、保護部40と蓋部50との間に刃取付け領域70を画定する。保護部40に最も近い第1の剃刀刃80と、第2の剃刀刃90とは、刃取付け領域70に取付けられる。両方の刃80、90のそれぞれの刃先82、92は、保護部40に向かって、前方に面している。
【0015】
ハウジング30は、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)のような好適な熱可塑性ポリマーを射出成形することにより製造される。
【0016】
中間非切断および皮膚係合構造100は、剃刀刃80および90の間の刃取付け領域70に配置される。中間構造100は、好ましくはハウジング30と一体的に形成され、より具体的には、端壁60と一体的に形成される。中間構造100は、保護部40に最も近く、中間構造100の皮膚係合面106に、またはそれに隣接する、前縁領域102を有する。前縁領域102は、第1の剃刀刃80に接触するエラストマーの線状シール110を有する。線状シール110は、好ましくは、対向する端壁60の間に完全に延在する。中間構造100と線状シール110の後縁112との間の界面104は、城郭状である。直線的な界面と比較して、これは、中間構造100と線状シール110との間の接触面積を効果的に増加させ、その間の接合強度を高める。
【0017】
保護部40は、描かれているように、そして当業者に周知のように、例えばフィン付き構造であるエラストマーの部分42を含む。好ましくは、線状シール110は、エラストマーの保護部の部分42と共形成される。線状シール110(およびエラストマーの保護部の部分42)の好適なエラストマーポリマー(TPE)は、28~65ショアAの間、好ましくは35~45ショアAの間のショアA硬度の範囲を有する。好適な材料は、Kraiburg社製のTHERMOLAST K TF6である。この材料は、ABSと共形成したときに好ましい接合強度を含む利点のために選択される。線状シール110のTPEは、使用時の湿潤摩擦の利点のために、ポリエチレンオキシド(PEO)のような親水性ポリマーを含むことができる。
【0018】
図2において、描かれている剃刀刃80、90は、いわゆる湾曲した刃である。図3では、それぞれの湾曲した支持体86、96上のそれぞれの第1および第2の平らな剃刀刃84、94の満足のいく代替刃構造が示されている。
【0019】
線状シール110は、中間非切断および皮膚係合構造100と第1の剃刀刃80との間の、または同等に皮膚係合構造100とその湾曲した支持体86上の第1の平らな剃刀刃84との間の任意の間隙を封止している。線状シールはエラストマー材料から形成されているため、剃刀刃80の長さに沿った不規則性に適合することができる。
【0020】
図4図6では、別の剃刀カートリッジが描かれており、図1のカートリッジと同じ参照符号を有する類似の特徴がある。剃刀カートリッジ20は、ハウジング30の前部領域に保護部40を有し、ハウジング30の後部領域に蓋部50を有するハウジング30を備える。ハウジングは、保護部40と蓋部50とを接続する対向する端壁60を有する。ハウジングは、保護部40と蓋部50との間に刃取付け領域70を画定している。保護部40に最も近い第1の剃刀刃80と、第2の剃刀刃90とは、刃取付け領域70に取付けられる。両方の刃80、90のそれぞれの刃先82、92は、前方、保護部40の方に面している。中間非切断および皮膚係合構造100は、剃刀刃80、90の間の刃取付け領域70に配置される。中間構造100は、好ましくは、ハウジング30と一体的に形成され、より具体的には、端壁60と一体的に形成される。中間構造100は、保護部40に最も近く、中間構造100の皮膚係合面106に、またはそれに隣接する、前縁領域102を有する。前縁領域102は、第1の剃刀刃80に接触するエラストマーの線状シール110を有する。線状シール110は、好ましくは、対向する端壁60の間に完全に延在している。界面104は、中間構造100と線状シール110の後縁112との間にある。好ましくは、線状シール110は、エラストマーの保護部の部分42と共形成される。このカートリッジ20では、中間構造100は、隣接する台座120の間に間隙122を含む、複数の、例えば合計30個の片持ちの台座120(特に図5および図6を参照)を備える。描かれているように、間隙122は、剃刀カートリッジ20の前部から後部への方向に幅を減少させることができる。例えば、間隙122の前部幅124は0.5mmとすることができ、後部幅126は0.1mmとすることができる。台座120の間隔128は1.0mmとすることができ、台座の前部から後部への長さ130は1.2mmとすることができる。間隙122は、第2の剃刀刃90の刃先92によって切断される毛を整列させて準備することができる。すなわち、一般的な髭の毛は直径0.1mmであるため、毛は隣接する台座120の間に軽く掴まれ、第2の刃先92に先行してそれぞれの毛根から軽く引っ張られるか、または伸ばされることが可能である。
【0021】
保護部40の後部領域におけるシェービング形状規定レール44も、間隙46を設けることができる。
【0022】
様々な実施形態が上述されてきたが、それらは例としてのみ提示されたものであり、限定するものではないことを理解されたい。例えば、添付の特許請求の範囲および任意の一実施形態に関連して開示された特徴の範囲内で行うことができる修正または変更は、単独で、またはそれぞれの他の実施形態の各特徴と組み合わせて使用することができる。したがって、任意の実施形態の幅および範囲は、上述した例示的な実施形態のいずれかによって制限されるべきではなく、以下の特許請求の範囲およびその等価物に従ってのみ定義されるべきである。
【符号の説明】
【0023】
20 剃刀カートリッジ
30 ハウジング
40 保護部
42 部分
50 蓋部
60 端壁
70 刃取付け領域
80 剃刀刃
82 刃先
90 剃刀刃
92 刃先
100 中間構造
102 前縁領域
104 界面
106 皮膚係合面
110 線状シール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】