(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-04
(54)【発明の名称】洗濯機及び制御方法
(51)【国際特許分類】
D06F 34/14 20200101AFI20230627BHJP
【FI】
D06F34/14
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022558471
(86)(22)【出願日】2021-03-25
(85)【翻訳文提出日】2022-11-14
(86)【国際出願番号】 CN2021082876
(87)【国際公開番号】W WO2021197181
(87)【国際公開日】2021-10-07
(31)【優先権主張番号】202010249942.9
(32)【優先日】2020-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202010249653.9
(32)【優先日】2020-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512128645
【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER WASHING MACHINE CO.,LTD.
(71)【出願人】
【識別番号】520148792
【氏名又は名称】海爾智家股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】王子真
(72)【発明者】
【氏名】黄振興
(72)【発明者】
【氏名】許升
【テーマコード(参考)】
3B167
【Fターム(参考)】
3B167AA01
3B167AA04
3B167AA05
3B167AE01
3B167AE04
3B167AE05
3B167BA08
3B167BA12
3B167BA16
3B167BA40
3B167GB02
3B167HA52
3B167HA56
3B167JA01
3B167JC01
3B167JC16
3B167JC17
3B167KA90
3B167KB02
3B167LA23
3B167LA38
3B167LC25
3B167LD20
3B167LE10
3B167LG01
3B167LG11
(57)【要約】
本発明は、ハウジングを含み、ハウジング内に槽が設けられている洗濯機に関する。ハウジング内には、槽内の金属物を検出する金属探知機が装着されている。洗濯機に金属探知機を設置することで、槽内の洗濯負荷に金属物が含まれるか否かの正確な検出が実現されるため、鍵や硬貨等の物品が洗濯負荷のポケット内に忘れられる等の事態の発生が防止される。これにより、ユーザの洗浄体験が向上するだけでなく、洗浄過程で金属物が負荷を損傷させる等の事態の発生も根絶される。本発明は、槽内の洗濯物を検出し、槽内に金属材質の物品が含まれるか否かを検出する洗濯機の制御方法に関する。上記の制御方法によれば、金属物が洗濯機に誤って洗浄されるとの事態の発生が効果的に根絶されるほか、洗濯機の異物検出の主体性及びスマート化のレベルも向上し、更には、洗浄効果の向上、洗浄過程における洗濯物の損傷確率の低下が達成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングを含み、ハウジング内に槽が設けられている洗濯機であって、
前記ハウジング内には、前記槽内の金属物を検出する金属探知機が装着されていることを特徴とする洗濯機。
【請求項2】
前記金属探知機はサーチコイルを含み、前記サーチコイルは、槽側壁、槽口側、槽底側のいずれか1つ又はそれらを組み合わせた箇所に直接設けられるか、前記槽外に位置して近接するように設けられることを特徴とする請求項1に記載の洗濯機。
【請求項3】
前記サーチコイルは、環状に少なくとも1周巻かれた可撓性のケーブルによって構成され、
更に好ましくは、前記サーチコイルはハウジングを有し、前記ハウジング内には密封された環状チャンバが備わっており、前記環状チャンバ内に可撓性のケーブルが装着されることを特徴とする請求項2に記載の洗濯機。
【請求項4】
前記金属探知機は、更に、制御モジュールを含み、前記制御モジュールは、通信可能に前記サーチコイルに接続され、前記制御モジュールには信号インターフェースが設けられており、前記信号インターフェースは、通信ケーブルを介して洗濯機の主制御盤に接続され、
好ましくは、前記金属探知機は、更に、電源モジュールを有し、前記電源モジュールの入力インターフェースは洗濯機の供給電源に接続され、出力インターフェースは前記制御モジュールに接続されることを特徴とする請求項2に記載の洗濯機。
【請求項5】
前記金属探知機は、警報出力モジュールを更に含み、前記警報出力モジュールは前記制御モジュールに接続され、前記警報出力モジュールは、警報提示音を発するスピーカー、警報提示画像を生成する表示装置、モバイル端末に警報提示プッシュ通知を発するワイヤレスデバイスのうちのいずれか又はそれらの組み合わせであり、
好ましくは、前記警報出力モジュールは洗濯機の主制御盤に設けられ、前記警報出力モジュールは、洗濯機の主制御盤を介して前記制御モジュールに間接的に接続されることを特徴とする請求項4に記載の洗濯機。
【請求項6】
前記ハウジング内には貯水槽が設けられており、前記槽は回転可能に前記貯水槽に装着され、前記金属探知機は前記貯水槽に設けられることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の洗濯機。
【請求項7】
前記金属探知機のサーチコイルは、前記槽の軸線と同心の円に沿って設置され、前記サーチコイルの径方向のサイズは前記槽の径方向のサイズよりも大きく、
好ましくは、前記サーチコイルと前記槽の軸線との間の夾角は90度以下であり、
好ましくは、前記サーチコイルは前記槽の中央部に位置することを特徴とする請求項6に記載の洗濯機。
【請求項8】
前記金属探知機のサーチコイルは、前記槽のいずれかの接線方向における平行面に設けられ、
好ましくは、前記サーチコイルは、前記槽の上方及び/又は下方の水平面に位置し、
好ましくは、前記サーチコイルは、前記槽の中央部の下方に位置することを特徴とする請求項6に記載の洗濯機。
【請求項9】
前記ハウジングには、前記槽の槽口と対向して設置される衣類投入口が設けられており、前記ハウジングには、前記衣類投入口を開閉可能な本体ドアが設けられており、前記金属探知機が前記本体ドアに設けられ、
好ましくは、前記金属探知機のサーチコイルは、前記槽の軸線と同心の円に沿って設置され、前記サーチコイルの径方向のサイズは、前記槽の径方向のサイズよりも小さく、前記槽の槽口の径方向のサイズよりも大きいことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の洗濯機。
【請求項10】
前記金属探知機のサーチコイルは槽上に設けられ、前記サーチコイルは、洗濯機のハウジングに設置される制御モジュールに対し、ワイヤレスモジュールを介してワイヤレス接続されることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の洗濯機。
【請求項11】
洗濯機の制御方法であって、
槽内の洗濯物を検出し、前記槽内に金属材質の物品が含まれるか否かを検出することを特徴とする方法。
【請求項12】
前記槽内に金属材質の物品が含まれることを検出すると、洗濯機が動作を停止してユーザに注意喚起信号を発し、
好ましくは、前記注意喚起信号は、注意喚起音、注意喚起画像、モバイル機器の注意喚起プッシュ通知のうちのいずれか又はそれらの組み合わせを含むことを特徴とする請求項11に記載の洗濯機の制御方法。
【請求項13】
前記槽内に金属材質の物品が含まれることを検出すると、洗濯機は動作を停止して、洗濯機の本体ドアを自動的に開放し、
好ましくは、前記本体ドアを開放したあと、一定の時間間隔ごとに、前記槽内に金属材質の物品が含まれるか否かを検出し、金属材質の物品が含まれることを検出した場合には、引き続き前記本体ドアの開放を維持するが、金属材質の物品が含まれないことを検出した場合には前記本体ドアを閉止するよう制御することを特徴とする請求項12に記載の洗濯機の制御方法。
【請求項14】
本体ドアを閉止したあと、前記槽内に金属材質の物品が含まれるか否かを検出し、金属材質の物品が含まれることを検出すると、ユーザに注意喚起信号を発し、金属材質の物品が含まれることを検出しなかった場合には、ユーザが選択した洗浄プログラムに従って動作を開始することを特徴とする請求項11~13のいずれか1項に記載の洗濯機の制御方法。
【請求項15】
前記槽内に金属材質の物品が含まれることを検出すると、ユーザに対し、洗浄の実行を継続するか否かの選択待機注意喚起信号を発し、
ユーザが洗浄の実行を継続する旨を選択すると、洗濯機は、金属物を含む際の洗浄モードを実行して、前記槽内に金属材質の物品が含まれる洗濯物を洗浄処理することを特徴とする請求項11~14のいずれか1項に記載の洗濯機の制御方法。
【請求項16】
前記槽内に金属材質の物品が含まれることを検出したあと、所定の時間内に本体ドアが開放されたか否かを判定し、
開放されなかった場合には、金属物を含む際の洗浄モードを実行し、
開放された場合には、前記槽内に金属材質の物品が含まれるか否かを再び検出し、再び検出した際に、前記槽内に金属材質の物品が含まれると判定された場合には、金属物を含む際の洗浄モードを実行するが、再び検出した際に、前記槽内に金属材質の物品が含まれないと判定された場合には、通常の洗浄モードを実行することを特徴とする請求項11~14のいずれか1項に記載の洗濯機の制御方法。
【請求項17】
洗濯機が槽内に金属材質の物品が含まれることを検出し、且つ、金属物を含む際の洗浄モードを実行する場合には、ユーザが選択した洗浄プログラムにおける槽回転速度を所定値だけ低下させ、及び/又は、洗浄時間を所定時間だけ延長させて修正洗浄プログラムとし、洗濯機が修正洗浄プログラムによって動作を開始し、
好ましくは、具体的に、
ステップS1:本体ドアが開放され、ユーザが槽内に洗濯物を投入し、
ステップS2:槽内に金属物が含まれるか否かを検出して、槽内に金属物が含まれることを検出した場合にはステップS3を実行し、槽内に金属物が含まれないことを検出した場合にはステップS9を実行し、
ステップS3:洗濯機は動作を停止し、ユーザに注意喚起情報を発し、
ステップS4:所定の時間t内に、洗濯機の本体ドアが開放されたか否かを判定し、開放された場合にはステップS5を実行するが、開放されなかった場合にはステップS6を実行し、
ステップS5:槽内に金属材質の物品が含まれるか否かを再び検出し、含まれる場合にはステップS6を実行するが、含まれない場合にはステップS9を実行し、
ステップS6:ユーザは洗浄プログラムを選択し、
ステップS7:洗濯機は、選択された洗浄プログラムの槽回転速度を所定値だけ低下させ、洗浄時間を所定時間だけ延長させて修正洗浄プログラムを生成し、
ステップS8:洗濯機は、修正洗浄プログラムにより動作を開始し、
ステップS9:ユーザは洗浄プログラムを選択し、
ステップS10:洗濯機は、選択された洗浄プログラムにより動作を開始する、
とのステップを含むことを特徴とする請求項15又は16に記載の洗濯機の制御方法。
【請求項18】
洗濯機が槽内に金属材質の物品が含まれることを検出し、且つ、金属物を含む際の洗浄モードを実行する場合、洗濯機は、槽の回転速度が所定の区間であり、洗浄時間が所定の時間内である洗浄プログラムのみを実行可能であり、
好ましくは、洗濯機が槽内に金属材質の物品が含まれることを検出し、且つ、金属物を含む際の洗浄モードを実行する場合、洗濯機は、槽の回転速度が所定の区間であり、洗浄時間が所定の時間内である洗浄プログラムを呼び出してユーザに選択させることしかできないことを特徴とする請求項15又は16に記載の洗濯機の制御方法。
【請求項19】
槽内の洗濯物の材質を検出し、検出した衣類の材質に基づいて、予め保存されている相応の洗浄プログラムを呼び出し、洗濯機は、呼び出した洗浄プログラムで動作し、洗濯物を洗浄処理することを特徴とする請求項11~18のいずれか1項に記載の洗濯機の制御方法。
【請求項20】
上記請求項11~19のいずれか1項に記載の制御方法を応用する洗濯機であって、
槽内の金属物を検出する金属探知機が装着されており、
好ましくは、上記請求項1~10のいずれか1項に記載の洗濯機であることを特徴とする洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯機の技術分野に属し、具体的には、金属物を検出可能であって、金属物が誤って洗浄されることを防止する洗濯機に関し、更には、金属物を検出可能であって、金属物が誤って洗浄されることを防止する洗濯機の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今は、人々の生活リズムが全体的に加速しているため、洗濯機を使用して衣類を洗浄する際に、衣類のポケットをチェックし忘れることが多い。洗濯物に硬貨や鍵等の金属物が含まれている場合には、洗濯機による洗濯時に異音が発生しやすい。特に、洗濯物のポケットに自動車キー等の電子部品が入っていた場合、結果はより深刻となる。仮に、ユーザが衣類のポケットチェックを毎回覚えていられたとしても、現在デザインされている衣類には、数多くの、或いは比較的変わったタイプのポケットが備わっているため、ユーザがポケットを1つずつチェックするのも非常に面倒である。
【0003】
また、衣類上の金属部品が洗浄過程で衣類を損傷させる恐れがある。従来のハンディタイプの金属探知機は、ユーザが単独で起動し、自発的に衣類を検査する必要があるため、同様にユーザにとって不便である。また、衣類上の金属部品が洗濯中に衣類を損傷させるとの事態を解決することもできない。
【0004】
上記の技術的欠点に鑑みて、本願を提案する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、従来技術に存在する上記の瑕疵を解消するために、洗濯機の槽内に金属物が含まれるか否かを正確に検出することで、金属物が誤って洗浄されるとの事態の発生を達成する洗濯機を提供することである。且つ、洗濯物に金属製の装飾物が含まれるか否かを検出することで、洗濯物が誤って傷付けられるとの事態の発生を回避する洗濯機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の技術的課題を解決し、上記の技術的効果を達成するために、本発明が採用する技術方案の基本的な設計思想は下記の通りである。
【0007】
洗濯機は、ハウジングを含み、ハウジング内に槽が設けられている。ハウジング内には、槽内の金属物を検出する金属探知機が装着されている。
【0008】
更に、前記金属探知機はサーチコイルを含む。前記サーチコイルは、槽側壁、槽口側、槽底側のいずれか1つ又はそれらを組み合わせた箇所に直接設けられるか、槽外に位置して近接するよう設けられる。
【0009】
更に、前記サーチコイルは、環状に少なくとも1周巻かれた可撓性のケーブルによって構成される。
【0010】
更に好ましくは、サーチコイルはハウジングを有する。ハウジング内には密封された環状チャンバが備わっており、環状チャンバ内に可撓性のケーブルが装着される。
【0011】
更に、前記金属探知機は制御モジュールを更に含む。制御モジュールは、通信可能にサーチコイルに接続される。制御モジュールには信号インターフェースが設けられている。信号インターフェースは、通信ケーブルを介して洗濯機の主制御盤に接続される。
【0012】
好ましくは、金属探知機は、更に、電源モジュールを有する。電源モジュールの入力インターフェースは洗濯機の供給電源に接続され、出力インターフェースは制御モジュールに接続される。
【0013】
更に、前記金属探知機は、警報出力モジュールを更に含む。前記警報出力モジュールは制御モジュールに接続される。前記警報出力モジュールは、警報提示音を発するスピーカー、警報提示画像を生成する表示装置、モバイル端末に警報提示プッシュ通知を発するワイヤレスデバイスのうちのいずれか又はそれらの組み合わせである。好ましくは、警報出力モジュールは洗濯機の主制御盤に設けられる。警報出力モジュールは、洗濯機の主制御盤を介して制御モジュールに間接的に接続される。
【0014】
更に、ハウジング内には貯水槽が設けられている。槽は回転可能に貯水槽に装着され、前記金属探知機は貯水槽に設けられる。
【0015】
更に、金属探知機のサーチコイルは、槽の軸線と同心の円に沿って設置される。サーチコイルの径方向のサイズは槽の径方向のサイズよりも大きい。好ましくは、サーチコイルと槽の軸線との間の夾角は90度以下である。好ましくは、サーチコイルは槽の中央部に位置する。
【0016】
更に、金属探知機のサーチコイルは、槽のいずれかの接線方向における平行面に設けられる。好ましくは、サーチコイルは、槽の上方及び/又は下方の水平面に位置する。好ましくは、サーチコイルは槽の中央部の下方に位置する。
【0017】
更に、ハウジングには、槽の槽口と対向して設置される衣類投入口が設けられている。ハウジングには、衣類投入口を開閉可能な本体ドアが設けられており、前記金属探知機が本体ドアに設けられる。
【0018】
好ましくは、金属探知機のサーチコイルは、槽の軸線と同心の円に沿って設置される。サーチコイルの径方向のサイズは、槽の径方向のサイズよりも小さく、槽の槽口の径方向のサイズよりも大きい。
【0019】
更に、前記金属探知機のサーチコイルは槽上に設けられ、サーチコイルは、洗濯機のハウジングに設置される制御モジュールに対し、ワイヤレスモジュールを介してワイヤレス接続される。
【発明の効果】
【0020】
本発明で記載する洗濯機は、従来技術の洗濯機と比較して以下の有益な効果を有する。
【0021】
洗濯機に金属探知機を設置することで、槽内の洗濯負荷に金属物が含まれるか否かの正確な検出が実現されるため、鍵や硬貨等の物品が洗濯負荷のポケット内に忘れられる等の事態の発生が防止される。これにより、ユーザの洗浄体験が向上するだけでなく、洗浄過程で金属物が負荷を損傷させる等の事態の発生も根絶される。
【0022】
且つ、本発明は構造がシンプルであり、効果が著しく、利用普及に適している。
【0023】
本発明の別の目的は、従来技術に存在する上記の瑕疵を解消するために、洗濯機の槽内に金属物が含まれるか否かを正確に検出することで、金属物が誤って洗浄されるとの事態の発生を達成する洗濯機の制御方法を提供することである。且つ、洗濯物に金属製の装飾物が含まれるか否かを検出することで、洗濯物が誤って傷付けられるとの事態の発生を回避する洗濯機の制御方法を更に提供する。
【0024】
上記の技術的課題を解決し、上記の技術的効果を達成するために、本発明が採用する技術方案の基本的な設計思想は下記の通りである。
【0025】
洗濯機の制御方法は、槽内の洗濯物を検出し、槽内に金属材質の物品が含まれることを検出した場合に注意喚起信号を発する。
【0026】
更に、槽内に金属材質の物品が含まれることを検出すると、洗濯機が動作を停止してユーザに注意喚起信号を発する。好ましくは、注意喚起信号は、注意喚起音、注意喚起画像、モバイル機器の注意喚起プッシュ通知のうちのいずれか又はそれらの組み合わせを含む。
【0027】
槽内に金属材質の物品が含まれることを検出すると、洗濯機は動作を停止して、洗濯機の本体ドアを自動的に開放する。
【0028】
好ましくは、本体ドアを開放したあと、一定の時間間隔ごとに、槽内に金属材質の物品が含まれるか否かを検出し、金属材質の物品が含まれることを検出した場合には、引き続き本体ドアの開放を維持するが、金属材質の物品が含まれないことを検出した場合には本体ドアを閉止するよう制御する。
【0029】
更に、本体ドアを閉止したあと、槽内に金属材質の物品が含まれるか否かを検出し、金属材質の物品が含まれることを検出すると、ユーザに注意喚起信号を発し、金属材質の物品が含まれることを検出しなかった場合には、ユーザに洗浄プログラムを選択するよう促すとともに、ユーザが選択した洗浄プログラムに従って動作を開始する。
【0030】
更に、槽内に金属材質の物品が含まれることを検出すると、ユーザに対し、洗浄の実行を継続するか否かの選択待機注意喚起信号を発する。ユーザが洗浄の実行を継続する旨を選択すると、洗濯機は、金属物を含む際の洗浄モードを実行して、槽内に金属材質の物品が含まれる洗濯物を洗浄処理する。
【0031】
更に、槽内に金属材質の物品が含まれることを検出したあと、所定の時間内に本体ドアが開放されたか否かを判定する。
【0032】
開放されなかった場合には、金属物を含む際の洗浄モードを実行する。
【0033】
開放された場合には、槽内に金属材質の物品が含まれるか否かを再び検出する。そして、再び検出した際に、槽内に金属材質の物品が含まれると判定された場合には、金属物を含む際の洗浄モードを実行するが、再び検出した際に、槽内に金属材質の物品が含まれないと判定された場合には、通常の洗浄モードを実行する。
【0034】
更に、洗濯機が槽内に金属材質の物品が含まれることを検出し、且つ、金属物を含む際の洗浄モードを実行する場合には、ユーザが選択した洗浄プログラムにおける槽回転速度を所定値だけ低下させ、及び/又は、洗浄時間を所定時間だけ延長させて修正洗浄プログラムとし、洗濯機が修正洗浄プログラムによって動作を開始する。
【0035】
更に、具体的には、以下のステップを含む。
【0036】
ステップS1:本体ドアが開放され、ユーザが槽内に洗濯物を投入する。
【0037】
ステップS2:槽内に金属物が含まれるか否かを検出して、槽内に金属物が含まれることを検出した場合にはステップS3を実行し、槽内に金属物が含まれないことを検出した場合にはステップS9を実行する。
【0038】
ステップS3:洗濯機は動作を停止し、ユーザに注意喚起情報を発する。
【0039】
ステップS4:所定の時間t内に、洗濯機の本体ドアが開放されたか否かを判定し、開放された場合にはステップS5を実行するが、開放されなかった場合にはステップS6を実行する。
【0040】
ステップS5:槽内に金属材質の物品が含まれるか否かを再び検出し、含まれる場合にはステップS6を実行するが、含まれない場合にはステップS9を実行する。
【0041】
ステップS6:ユーザは洗浄プログラムを選択する。
【0042】
ステップS7:洗濯機は、選択された洗浄プログラムの槽回転速度を所定値だけ低下させ、洗浄時間を所定時間だけ延長させて修正洗浄プログラムを生成する。
【0043】
ステップS8:洗濯機は、修正洗浄プログラムにより動作を開始する。
【0044】
ステップS9:ユーザは洗浄プログラムを選択する。
【0045】
ステップS10:洗濯機は、選択された洗浄プログラムにより動作を開始する。
【0046】
更に、洗濯機が槽内に金属材質の物品が含まれることを検出し、且つ、金属物を含む際の洗浄モードを実行する場合、洗濯機は、槽の回転速度が所定の区間であり、洗浄時間が所定の時間内である洗浄プログラムのみを実行可能である。好ましくは、洗濯機が槽内に金属材質の物品が含まれることを検出し、且つ、金属物を含む際の洗浄モードを実行する場合、洗濯機は、槽の回転速度が所定の区間であり、洗浄時間が所定の時間内である洗浄プログラムを呼び出してユーザに選択させることしかできない。
【0047】
更に、槽内の洗濯物の材質を検出し、検出した衣類の材質に基づいて、予め保存されている相応の洗浄プログラムを呼び出す。洗濯機は、呼び出した洗浄プログラムで動作し、洗濯物を洗浄処理する。
【0048】
本発明における上記の洗濯機の制御方法は、従来技術と比較して、以下の有益な効果を有する。
【0049】
上記の制御方法によれば、金属物が洗濯機に誤って洗浄されるとの事態の発生が効果的に根絶されるほか、洗濯機の異物検出の主体性及びスマート化のレベルも向上し、更には、洗浄効果の向上、洗浄過程における洗濯物の損傷確率の低下が達成される。また、本願の制御方法によれば、金属材質の物品が取り付けられている洗濯負荷について注意喚起を行い、洗濯機が相応のプログラムで運転することで、できるだけ槽の回転速度を低下させ、洗浄時間を延長するよう制御可能である。これにより、洗浄負荷に対する洗浄処理効果を保証しつつ、衣類の損耗を低下させる。
【0050】
本発明の技術方案の設計思想をより明瞭とすることで、それによりもたらされる有益な効果が更に理解されるよう、以下に、図面を組み合わせて本発明における一部の具体的実施形態につき詳細に記載する。
【0051】
図面は、本発明の一部として本発明の更なる理解のために用いられる。また、本発明の概略的実施例及びその説明は本発明の解釈のために用いられるが、本発明を不当に限定するものではない。なお、言うまでもなく、以下で記載する図面は実施例の一部にすぎず、当業者であれば、創造的労働を要さないことを前提に、これらの図面から更にその他の図面を得ることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【
図1】
図1は、本発明の実施例における洗濯機の概略構造図である。
【
図2】
図2は、本発明の別の実施例における洗濯機の概略構造図である。
【
図3】
図3は、本発明の別の実施例における洗濯機の概略構造図である。
【
図4】
図4は、本発明の別の実施例における洗濯機の概略構造図である。
【
図5】
図5は、本発明の別の実施例における洗濯機の概略構造図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施例における金属探知機の構造の接続ブロック図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施例における洗濯機の制御方法の概略フローチャートである。
【
図8】
図8は、本発明の別の実施例における洗濯機の制御方法の概略フローチャートである。
【
図9】
図9は、本発明の別の実施例における洗濯機の制御方法の概略フローチャートである。
【
図10】
図10は、本発明の別の実施例における洗濯機の制御方法の概略フローチャートである。
【
図11】
図11は、本発明の別の実施例における洗濯機の制御方法の概略フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0053】
説明すべき点として、これらの図面及び文字記載は何らかの方式で本発明の構想の範囲を制限するとの意図ではなく、特定の実施例を参照して当業者に本発明の概念を説明するためのものである。
【0054】
本発明における実施例の目的、技術方案及び利点をより明瞭とすべく、以下では、本発明の実施例にかかる図面を組み合わせて、実施例の技術方案につき明瞭簡潔に述べる。なお、以下の実施例は本発明を説明するためのものであって、本発明の範囲を制限するものではない。
【0055】
本発明の記載において、説明すべき点として、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「内」、「外」等の用語で示される方向又は位置関係は、図示に基づく方向又は位置関係であって、本発明の記載の便宜上及び記載の簡略化のためのものにすぎず、対象となる装置又は部材が特定の方向を有し、且つ特定の方向で構成及び操作されねばならないことを明示又は暗示するものではない。よって、本発明を制限するものと理解すべきではない。
【0056】
本発明の記載において、説明すべき点として、別途明確に規定及び限定しない限り、「装着する」、「連なる」、「接続する」との用語は広義に解釈すべきである。例えば、固定的な接続であってもよいし、取り外し可能な接続であってもよいし、一体的な接続であってもよい。また、機械的な接続であってもよいし、電気的な接続であってもよい。更には、直接的な連なりであってもよいし、中間媒体を介した間接的な連なりであってもよい。当業者であれば、具体的状況に応じて本発明における上記用語の具体的意味を解釈可能である。
【0057】
本発明の実施例では、洗濯機について説明する。前記洗濯機は、例えば、パルセータ式洗濯機、ドラム式洗濯機等の従来のいずれかの洗浄方式の洗濯機とすることができる。本発明の実施例では、記載の便宜上、以下ではドラム式洗濯機の場合を例示して述べるが、本発明はパルセータ式洗濯機にも同様に適用される。
【0058】
図1~
図6に示すように、本発明の実施例では洗濯機について説明する。洗濯機はハウジング2を含む。ハウジング2内には槽1が設けられている。槽1の軸線は、水平に延伸するか、前方から後方に向かって徐々に下方へ傾斜するよう設置される。槽1の前端は開口して設置される槽口101となっており、後端は密封して設置される槽底102となっている。また、槽側壁103が槽口101と槽底102を接続することで槽1が構成される。且つ、洗濯機のハウジング2の前端には、外側に開放可能な扉4が装着されている。そのため、扉4が閉止されると槽口101が封止され、扉4が開放されると、槽口101から槽1内に衣類を投入するとの目的が達せられる。槽1の外部には貯水槽が設けられている。前記貯水槽は、同軸に槽を内部に嵌装する桶状構造をなしている。槽1の後端は、貯水槽3を介して洗濯機のハウジング2内に装着される。前記貯水槽3は槽1の後端に同軸に設置される。貯水槽3の上下両端は、それぞれ槽1の前端の槽口方向に屈曲している。屈曲部は少なくとも槽1の中央部まで延伸しており、上下の屈曲部がそれぞれ制震吊りバネ及び制震支持ロッドを介して洗濯機のハウジング2に接続される。これにより、貯水槽3を震動可能に洗濯機のハウジング2内に装着するとの目的が実現される。且つ、槽底102の中心は、内槽1を回転駆動させるよう洗濯機の駆動モータ5のモータ軸に同軸に設置される。槽1及び駆動モータはいずれも貯水槽3に固定的に装着される。好ましくは、槽底102及び駆動モータは、それぞれ貯水槽3の両側に設置される。駆動モータは貯水槽3に固定的に接続される。駆動モータのモータ軸は、軸受を介して貯水槽3を貫通し、槽底102に同軸に固定的に接続される。且つ、駆動モータのモータ軸は貯水槽3に対し回転可能である。これにより、槽1及び駆動モータを貯水槽3に装着し、槽1を駆動モータの作用によって単独で回転可能とすることで内部の衣類を洗浄するとの目的が実現される。好ましくは、駆動モータのモータ軸が槽軸を直接構成し、槽軸と槽1の槽底102が同軸に固定接続される。
【0059】
本発明の実施例において、洗濯機のハウジング2内には金属探知機6が装着されている。金属探知機6は、槽内に金属物が含まれるか否かを検出する。洗濯機に金属探知機を設置することで、槽内の洗濯負荷に金属物が含まれるか否かの正確な検出が実現されるため、鍵や硬貨等の物品が洗濯負荷のポケット内に忘れられる等の事態の発生が防止される。これにより、ユーザの洗浄体験が向上するだけでなく、洗浄過程で金属物が負荷を損傷させる等の事態の発生も根絶される。
【0060】
且つ、本発明の実施例では、更に、洗濯機が動作しようとする際、或いは動作中に、槽内の洗濯物を検出し、槽内に金属材質の物品が含まれることを検出した場合に注意喚起信号を発する洗濯機の制御方法を提供する。これにより、金属物が洗濯機に誤って洗浄されるとの事態の発生が効果的に根絶されるほか、洗濯機の異物検出の主体性及びスマート化のレベルも向上し、更には、洗浄効果の向上、洗浄過程における洗濯物の損傷確率の低下が達成される。また、本願の制御方法によれば、金属材質の物品が取り付けられている洗濯負荷について注意喚起を行い、洗濯機が相応のプログラムで運転することで、できるだけ槽の回転速度を低下させ、洗浄時間を延長するよう制御可能である。これにより、洗浄負荷に対する洗浄処理効果を保証しつつ、衣類の損耗を低下させる。
【実施例1】
【0061】
図1~
図6に示すように、本実施例では洗濯機について説明する。洗濯機はハウジング2を含む。ハウジング2内には金属探知機6が装着されている。金属探知機6は、槽1内に金属物が含まれるか否かを検出する。
【0062】
本実施例において、前記金属探知機6はサーチコイル61を含む。前記サーチコイル61は、槽側壁103、槽口101側、槽底102側のいずれか1つ又はそれらを組み合わせた箇所に直接設けられるか、槽外に位置して近接するよう設けられる。
【0063】
本実施例において、前記サーチコイル61は、環状に少なくとも1周巻かれた可撓性のケーブルによって構成される。好ましくは、サーチコイル61は、何周にも環状に巻かれた可撓性のケーブルによって構成される。本実施例において、サーチコイル61はハウジングを有する。ハウジング内には密封された環状チャンバが備わっており、環状チャンバ内に可撓性のケーブルが装着される。サーチコイル61のハウジングは、電磁波を透過可能であり、電磁遮蔽性を有さない材質(例えば、プラスチック材質)で構成される。前記サーチコイル61のハウジングは、主として、内部の環状チャンバに配設される可撓性のケーブルを支持することで、可撓性のケーブルが環状に巻かれて設置されるよう保証する。
【0064】
図6に示すように、本実施例において、前記金属探知機6は、更に、制御モジュールを含む。制御モジュールは、通信可能にサーチコイル61に接続される。制御モジュールには信号インターフェースが設けられている。信号インターフェースは、通信ケーブルを介して洗濯機の主制御盤に接続される。好ましくは、制御モジュールは、サーチコイル61に対し信号命令をそれぞれ送信又は受信するよう、信号送信ユニット及び信号受信ユニットを介してサーチコイル61にそれぞれ接続される。
【0065】
本実施例において、前記金属探知機6は、更に、電源モジュールを有する。電源モジュールの入力インターフェースは洗濯機の供給電源に接続され、出力インターフェースは制御モジュールに接続される。電源モジュールは制御モジュールに接続され、供給電源は、電源モジュールを介してサーチコイル61に対し制御可能に電気を供給する。そして、サーチコイル61が単一の供給電源からの電力を受け付けるとその磁束を検出し、変化した磁束の検出信号を制御モジュールに送信する。制御信号は、検出値を所定の値と比較したあと、槽内に金属物を有するか否かの判定信号を生成する。
【0066】
本実施例において、前記金属探知機6は、警報出力モジュールを更に含む。前記警報出力モジュールは制御モジュールに接続される。前記警報出力モジュールは、警報提示音を発するスピーカー、警報提示画像を生成する表示装置、モバイル端末に警報提示プッシュ通知を発するワイヤレスデバイスのうちのいずれか又はそれらの組み合わせとする。好ましくは、警報出力モジュールは洗濯機の主制御盤に設けられる。また、警報出力モジュールは、洗濯機の主制御盤を介して制御モジュールに間接的に接続される。こうして、洗濯機上の部品で金属探知機6の警報出力モジュールを直接構成し、金属探知機6を洗濯機に統合することで、部品数が減少し、コストの節約となる。
【実施例2】
【0067】
図1~
図3に示すように、本実施例は、上記実施例1をベースとして、更に以下の技術的特徴を有する。
【0068】
本実施例では、ハウジング2内に貯水槽が設けられており、槽1は回転可能に貯水槽3に装着される。また、前記金属探知機6は貯水槽3に設けられる。槽に対し回転不可能な貯水槽にサーチコイルを設けることで、槽内に金属物を有するか否かを検出する際には、槽を相対的に回転するよう制御し、動かないよう固定されるサーチコイルを用いて、槽内で運動する物品を検出すればよい。これにより、検出精度が向上する。
【0069】
図1に示すように、本実施例において、金属探知機6のサーチコイル61は、槽1の軸線と同心の円に沿って設置される。また、サーチコイル61の径方向のサイズは槽1の径方向のサイズよりも大きい。好ましくは、サーチコイル61は槽側壁103の中央部に設けられる。これにより、軸線が水平に延伸する槽1の中央部をサーチコイル61で検出することで、検出精度を効果的に向上させる。且つ、検出精度を更に向上させるために、槽1の複数の径方向に金属探知機6をそれぞれ設置することで、検出カバー範囲を更に拡大してもよい。
【0070】
更に、本実施例では、検出カバー範囲を拡大するために、サーチコイル61を槽1のいずれかの径方向断面に対し斜めに設置することで、サーチコイル61と槽1の軸線との間に90度未満の夾角を持たせてもよい。これにより、サーチコイル61は、槽の軸線方向において一定のカバー範囲を有することになり、当該範囲内の洗濯負荷についてサーチコイル61が金属検出を実施可能となる。こうすることで、金属探知機6の検出範囲が著しく拡大される。
【0071】
図2に示すように、本実施例において、金属探知機6のサーチコイル61は、槽における槽底102側の貯水槽3に設けてもよい。或いは、
図3に示すように、金属探知機6のサーチコイル61は、槽1における槽口101側の貯水槽3に設けてもよい。この場合にも同様に、槽内の物品を金属検出するとの目的を実現可能である。且つ、特に、洗濯機がパルセータ洗濯機の場合には、槽1全体が縦方向に延伸しているため、洗濯負荷は槽底102に堆積する。よって、槽における槽底102側の貯水槽3に金属探知機6のサーチコイル61を設置することで、検出精度を効果的に向上させられる。
【実施例3】
【0072】
図4に示すように、本実施例は、上記実施例1をベースとして、更に以下の技術的特徴を有する。
【0073】
本実施例では、ハウジング2内に貯水槽3が設けられており、槽1は回転可能に貯水槽3に装着される。また、前記金属探知機6は貯水槽3に設けられる。槽に対し回転不可能な貯水槽にサーチコイルを設けることで、槽内に金属物を有するか否かを検出する際には、槽を相対的に回転するよう制御し、動かないよう固定されるサーチコイルを用いて、槽内で運動する物品を検出すればよい。これにより、検出精度が向上する。
【0074】
図4に示すように、本実施例では、回転する槽1内でサーチコイル61の近傍まで運動してきた洗濯負荷につき金属検出を実施するために、金属探知機6のサーチコイル61は槽1のいずれかの接線方向における平行面に設けられる。金属探知機6は、槽1の接面内で延伸するため、金属探知機6の検出カバー範囲は単一の断面に限定されず、検出範囲が増大する。
【0075】
好ましくは、本実施例において、金属探知機6のサーチコイル61は、槽の上方及び/又は下方の水平面に位置する。より好ましくは、検出精度を向上させるために、サーチコイル61は槽1の中央部の下方に位置し、衣類が最も堆積しやすい箇所を検出する。これにより、検出精度が更に向上する。且つ、検出精度を更に向上させるために、槽1の複数の径方向に金属探知機6をそれぞれ設置することで、検出カバー範囲を更に拡大してもよい。
【実施例4】
【0076】
図5に示すように、本実施例は、上記実施例1をベースとして、更に以下の技術的特徴を有する。
【0077】
本実施例において、ハウジング2には、槽1の槽口101と対向して設置される衣類投入口が設けられている。また、ハウジング2には、衣類投入口を開閉可能な本体ドア4が設けられており、前記金属探知機6が本体ドア4に設けられる。
【0078】
本実施例において、金属探知機6のサーチコイル61は、槽1の軸線と同心の円に沿って設置される。また、サーチコイル61の径方向のサイズは、槽1の槽側壁103の径方向のサイズよりも小さく、槽1の槽口102の径方向のサイズよりも大きい。
[実施例4]
【0079】
本実施例は、上記実施例1をベースとして、更に以下の異なる技術的特徴を有する。
【0080】
本実施例において、前記金属探知機のサーチコイルは槽上に直接設けられる。サーチコイルは、洗濯機のハウジングに設置される制御モジュールに対し、ワイヤレスモジュールを介してワイヤレス接続される。上記のように設置することで、回転する槽上にサーチコイルを直接装着し、槽内の洗濯負荷について金属検出を実施するとともに、ワイヤレス給電及び信号伝送を実施するとの目的を実現可能となる(図中には明記していない)。
【実施例5】
【0081】
図7~
図11に示すように、本実施例では、槽内の洗濯物を検出し、槽内に金属材質の物品が含まれることを検出した場合に注意喚起信号を発する洗濯機の制御方法について説明する。
【0082】
本実施例では、槽内に金属材質の物品が含まれることを検出すると、洗濯機が動作を停止してユーザに注意喚起信号を発する。好ましくは、注意喚起信号は、注意喚起音、注意喚起画像、モバイル機器の注意喚起プッシュ通知のうちのいずれか又はそれらの組み合わせを含む。前記注意喚起信号は、洗濯機上の部品から発してもよいし、洗濯機に独立して設置される金属探知機に設けられたユニットから発してもよい。
【0083】
図7に示すように、本実施例では、槽内に金属材質の物品が含まれることを検出すると、洗濯機が動作を停止して、洗濯機の本体ドアを自動的に開放する。好ましくは、本体ドアを開放したあと、一定の時間t間隔ごとに、槽内に金属材質の物品が含まれるか否かを検出する。そして、金属材質の物品が含まれることを検出した場合には、引き続き本体ドアの開放を維持するが、金属材質の物品が含まれないことを検出した場合には本体ドアを閉止するよう制御する。
【0084】
本実施例では、本体ドアを閉止したあと、槽内に金属材質の物品が含まれるか否かを検出し、金属材質の物品が含まれることを検出すると、ユーザに注意喚起信号を発する。一方、金属材質の物品が含まれることを検出しなかった場合には、ユーザに洗浄プログラムを選択するよう促すとともに、ユーザが選択した洗浄プログラムに従って動作を開始する。
【0085】
本実施例では、槽内に金属材質の物品が含まれることを検出すると、ユーザに対し、洗浄の実行を継続するか否かの選択待機注意喚起信号を発する。そして、ユーザが洗浄の実行を継続する旨を選択すると、洗濯機は、金属物を含む際の洗浄モードを実行し、引き続き後続の動作を実施することで、槽内に金属材質の物品が含まれる洗濯物を洗浄処理する。
【0086】
本実施例では、洗濯機が槽内に金属材質の物品が含まれることを検出し、且つ、金属物を含む際の洗浄モードを実行する場合、ユーザが選択した洗浄プログラムにおける槽回転速度を所定値だけ低下させ、及び/又は、洗浄時間を所定時間だけ延長させて修正洗浄プログラムとし、洗濯機が修正洗浄プログラムによって動作を開始する。
【0087】
図8に示すように、本実施例では、具体的に以下のステップを含む。
【0088】
ステップS1:本体ドアが開放され、ユーザが槽内に洗濯物を投入する。
【0089】
ステップS2:槽内に金属物が含まれるか否かを検出する。そして、槽内に金属物が含まれることを検出した場合にはステップS3を実行し、槽内に金属物が含まれないことを検出した場合にはステップS9を実行する。
【0090】
ステップS3:洗濯機は動作を停止し、ユーザに注意喚起情報を発する。
【0091】
ステップS4:洗濯機は、所定の時間t間隔ごとにステップS2を再び実行するとともに、次のステップS5を同期して引き続き実行する。
【0092】
ステップS5:ユーザが、注意喚起情報に基づいて、洗濯物に金属物が含まれることを確認した旨を洗濯機にフィードバックすると、ステップS4をジャンプして、ステップS6を実行する。
【0093】
ステップS6:ユーザは洗浄プログラムを選択する。
【0094】
ステップS7:洗濯機は、選択された洗浄プログラムの槽回転速度を所定値だけ低下させ、洗浄時間を所定時間だけ延長させて修正洗浄プログラムを生成する。
【0095】
ステップS8:洗濯機は、修正洗浄プログラムにより動作を開始する。
【0096】
ステップS9:ユーザは洗浄プログラムを選択する。
【0097】
ステップS10:洗濯機は、選択された洗浄プログラムにより動作を開始する。
【実施例6】
【0098】
本実施例は、上記実施例5と以下の点において異なる。
【0099】
本実施例では、槽内に金属材質の物品が含まれることを検出したあと、所定の時間内に本体ドアが開放されたか否かを判定する。
【0100】
そして、開放されなかった場合には、金属物を含む際の洗浄モードを実行する。
【0101】
一方、開放された場合には、槽内に金属材質の物品が含まれるか否かを再び検出する。そして、再び検出した際に、槽内に金属材質の物品が含まれると判定された場合には、金属物を含む際の洗浄モードを実行するが、再び検出した際に、槽内に金属材質の物品が含まれないと判定された場合には、通常の洗浄モードを実行する。
【0102】
図9に示すように、本実施例では、具体的に以下のステップを含む。
【0103】
ステップS1:本体ドアが開放され、ユーザが槽内に洗濯物を投入する。
【0104】
ステップS2:槽内に金属物が含まれるか否かを検出する。そして、槽内に金属物が含まれることを検出した場合にはステップS3を実行し、槽内に金属物が含まれないことを検出した場合にはステップS9を実行する。
【0105】
ステップS3:洗濯機は動作を停止し、ユーザに注意喚起情報を発する。
【0106】
ステップS4:所定の時間t内に、洗濯機の本体ドアが開放されたか否かを判定し、開放された場合にはステップS5を実行するが、開放されなかった場合にはステップS6を実行する。
【0107】
ステップS5:槽内に金属材質の物品が含まれるか否かを再び検出し、含まれる場合にはステップS6を実行するが、含まれない場合にはステップS9を実行する。
【0108】
ステップS6:ユーザは洗浄プログラムを選択する。
【0109】
ステップS7:洗濯機は、選択された洗浄プログラムの槽回転速度を所定値だけ低下させ、洗浄時間を所定時間だけ延長させて修正洗浄プログラムを生成する。
【0110】
ステップS8:洗濯機は、修正洗浄プログラムにより動作を開始する。
【0111】
ステップS9:ユーザは洗浄プログラムを選択する。
【0112】
ステップS10:洗濯機は、選択された洗浄プログラムにより動作を開始する。
【実施例7】
【0113】
本実施例は、上記実施例5及び6と以下の点において異なる。
【0114】
本実施例では、洗濯機が槽内に金属材質の物品が含まれることを検出し、且つ、金属物を含む際の洗浄モードを実行する場合、洗濯機は、槽の回転速度が所定の区間であり、洗浄時間が所定の時間内である洗浄プログラムのみを実行可能である。好ましくは、洗濯機が槽内に金属材質の物品が含まれることを検出し、且つ、金属物を含む際の洗浄モードを実行する場合、洗濯機は、槽の回転速度が所定の区間であり、洗浄時間が所定の時間内である洗浄プログラムを呼び出してユーザに選択させることしかできない。
【0115】
図10に示すように、本実施例では、具体的に以下のステップを含む。
【0116】
ステップS1:本体ドアが開放され、ユーザが槽内に洗濯物を投入する。
【0117】
ステップS2:槽内に金属物が含まれるか否かを検出する。そして、槽内に金属物が含まれることを検出した場合にはステップS3を実行し、槽内に金属物が含まれないことを検出した場合にはステップS8を実行する。
【0118】
ステップS3:洗濯機は動作を停止し、ユーザに注意喚起情報を発する。
【0119】
ステップS4:洗濯機は、所定の時間t間隔ごとにステップS2を再び実行するとともに、次のステップS5を同期して引き続き実行する。
【0120】
ステップS5:ユーザが、注意喚起情報に基づいて、洗濯物に金属物が含まれることを確認した旨を洗濯機にフィードバックすると、ステップS4をジャンプして、ステップS6を実行する。
【0121】
ステップS6:洗濯機は、所定の区間であり、洗浄時間が所定の時間内である洗浄プログラムを呼び出し、ユーザは、洗濯機が呼び出した洗浄プログラムから1つを選択する。
【0122】
ステップS7:洗濯機は、選択された洗浄プログラムにより動作を開始する。
【0123】
ステップS8:ユーザは洗浄プログラムを選択する。
【0124】
ステップS9:洗濯機は、選択された洗浄プログラムにより動作を開始する。
[実施例9]
【0125】
本実施例は、上記の実施例5~8をベースとして、更に以下の技術的特徴を有する。
【0126】
本実施例において、洗濯機は、槽内の洗濯物の材質を検出し、検出した衣類の材質に基づいて、予め保存されている相応の洗浄プログラムを呼び出す。また、洗濯機は、呼び出した洗浄プログラムで動作し、洗濯物を洗浄処理する。且つ、上記の制御方法の完了を保証するために、洗濯機には、衣類材質検出器を設置して、槽内の衣類の材質を自動的に検出する必要がある。本実施例における衣類材質検出器は、従来のいずれかの形式の構造とすればよい。
【0127】
図11に示すように、本実施例では、具体的に以下のステップを含む。
【0128】
ステップS1:本体ドアが開放され、ユーザが槽内に洗濯物を投入する。
【0129】
ステップS2:槽内に金属物が含まれるか否かを検出する。そして、槽内に金属物が含まれることを検出した場合にはステップS3を実行し、槽内に金属物が含まれないことを検出した場合にはステップS9を実行する。
【0130】
ステップS3:洗濯機は動作を停止し、ユーザに注意喚起情報を発する。
【0131】
ステップS4:洗濯機は、所定の時間t間隔ごとにステップS2を再び実行するとともに、次のステップS5を同期して引き続き実行する。
【0132】
ステップS5:ユーザが、注意喚起情報に基づいて、洗濯物に金属物が含まれることを確認した旨を洗濯機にフィードバックすると、ステップS4をジャンプして、ステップS6を実行する。
【0133】
ステップS6:槽内の洗濯負荷の材質を検出し、検出した材質に基づいて相応の洗浄プログラムを選択する。
【0134】
ステップS7:洗濯機は、選択された洗浄プログラムの槽回転速度を所定値だけ低下させ、洗浄時間を所定時間だけ延長させて修正洗浄プログラムを生成する。
【0135】
ステップS8:洗濯機は、修正洗浄プログラムにより動作を開始する。
【0136】
ステップS9:ユーザは洗浄プログラムを選択する。
【0137】
ステップS10:洗濯機は、選択された洗浄プログラムにより動作を開始する。
【0138】
以上の記載は本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明を何らかの形式に制限するものではない。本発明については好ましい実施例によって上記のように開示したが、本発明を限定するとの主旨ではない。本発明の技術方案を逸脱しない範囲において、当業者が上記で提示した技術内容を用いて実施可能なわずかな変更或いは補足は、同等に変形された等価の実施例であって、いずれも本発明の技術方案の内容を逸脱するものではない。また、本発明の技術的本質に基づいて上記の実施例に加えられる任意の簡単な修正、同等の変形及び補足は、いずれも本発明の方案の範囲に属する。
【符号の説明】
【0139】
1 槽
2 ハウジング
3 貯水槽
4 扉
5 駆動モータ
6 金属探知機
61 サーチコイル
21 槽軸
101 槽口
102 槽底
103 槽側壁
【国際調査報告】