(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-04
(54)【発明の名称】血液抽出
(51)【国際特許分類】
A61M 27/00 20060101AFI20230627BHJP
A61F 13/00 20060101ALI20230627BHJP
A61K 35/14 20150101ALN20230627BHJP
【FI】
A61M27/00
A61F13/00 Z
A61K35/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022560277
(86)(22)【出願日】2021-04-07
(85)【翻訳文提出日】2022-10-14
(86)【国際出願番号】 IL2021050404
(87)【国際公開番号】W WO2021205457
(87)【国際公開日】2021-10-14
(32)【優先日】2020-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517114528
【氏名又は名称】レッドドレス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】クシュニール,アロン
(72)【発明者】
【氏名】イラン,オハド
【テーマコード(参考)】
4C087
4C267
【Fターム(参考)】
4C087AA03
4C087BB34
4C087DA01
4C087NA20
4C087ZA53
4C267AA38
4C267BB09
4C267CC06
4C267JJ02
4C267JJ12
(57)【要約】
本開示によって、血餅ベースの創傷ドレッシングの調製のための方法及びシステムが提供されており、方法及びシステムによって、流体、典型的には空気などのガスは、1つの導管を通って、血液を収納する封止式試験管内に入るように推進され、同時に、血液は、第2の導管を通って、試験から流出することが可能にされ、これによって、ブロット塊成形空間内に移送され、ブロット塊成形空間内で、血液は、凝固して、成形空間によって画定された形状の血餅を形成することが可能にされる。推進流体は、典型的には、シリンジによって第1の導管内を流れるように推進される空気である。本開示によって、当該方法及びシステムにおいて有用な結合デバイス、並びに本開示の方法を実施するために必要とされる要素を備える部品のキットがまた提供されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血餅ベースの創傷ドレッシングを形成するための方法であって、
開口部が弾性ストッパ(例えば、ゴムストッパ)によって封止されている状態で、ある体積の血液を試験管内に蓄積することと、
血液を前記試験管から血餅成形デバイスの成形空間に移送することであって、血餅支持マトリックス(例えば、ガーゼなどの創傷ドレッシング材料)が、前記空間内にあり、前記移送することが、
流体(例えば、ガス)が、前記ストッパを通って前記管内の第1の遠位端と第1の近位端との間に延びる少なくとも1つの第1の導管を通って、前記管内に入るように前記流体を推進し、同時に、血液が、前記管内の第2の近位端と第2の遠位端との間の少なくとも1つの第2の導管を通って、前記管から流出することを可能にすることと、
前記第2の遠位端から出る前記血液を前記成形空間内に収集することと
を含む、移送することと、
前記血液が、前記マトリックスと接触している間に凝血することを可能にして、これによって、前記マトリックスと一体化された血餅を含む創傷ドレッシングを得ることと
を含む方法。
【請求項2】
ある量の血液を血餅成形デバイスの成形空間に移送することであって、血餅支持マトリックスが、前記空間内にある、移送することと、
前記血液が、前記マトリックスと接触している間に凝血することを可能にして、これによって、前記マトリックスと一体化された血餅を含む創傷ドレッシングを得ることと
を含む、血餅ベースの創傷ドレッシングを形成するための方法であって、
前記移送することが、
ある体積の血液を、弾性ストッパ(例えば、ゴムストッパ)によって封止された試験管内に蓄積することと、
流体(例えば、ガス)が、前記ストッパを通って前記管内の少なくとも1つの第1の導管の第1の遠位端前記第1の導管の第1の近位端の間に延びる前記第1の導管を通って、前記管内に入るように前記流体を推進し、同時に、血液が、前記管内の少なくとも1つの第2の導管の第2の近位端と第2の遠位端との間の前記第2の導管を通って、前記管から流出することを可能にすることと、
前記第2の遠位端から出る前記血液を前記成形空間内に収集することと
を含む、方法。
【請求項3】
前記推進することが、前記第1の遠位端と結合されたシリンジによる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記方法が、前記推進すること及び前記収集することの前に、
前記第1の導管の近位区画を画定する少なくとも1つの第1の近位細長要素、及び前記第2の導管の近位区画を画定する少なくとも1つの第2の近位細長要素を前記ストッパに挿入することを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記細長要素がそれぞれ、前記ストッパを貫通するための鋭い先端を有する、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記挿入することが、前記ストッパを、結合デバイスから突出する前記細長要素を備える前記デバイスの管結合部材と係合させて、これによって、前記要素が前記ストッパを貫通することを含む、
請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
前記管結合部材が、開口部と閉端とを有する略円筒形の容器を備え、前記近位細長要素が、前記管結合部材から前記容器内に突出し、前記方法が、
前記ストッパが円筒形の試験管容器の端壁に面する状態で、前記試験管を前記容器に導入することを含み、前記試験管が前記容器に導入されると、前記容器への前記試験管の完全な挿入後に、前記2つの細長要素が、前記ストッパを貫通する、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記結合デバイスが、流体がシリンジから前記第1の導管内に入るように前記流体を推進することを可能にするために前記シリンジを前記第1の遠位端と結合するためのシリンジ結合部材を備える、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
前記第2の遠位端が、前記成形空間の壁を貫くように構成された管状突出部の端においてある、請求項6~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記第2の導管が、前記結合デバイスに一体化された金属管によって構築されており、一方の端が、前記管結合部材から突出し、他方の端が、別の(典型的には、反対)方向に突出する、請求項6~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の近位細長要素が、前記第2の近位細長要素よりも長い、請求項4~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記方法が、
前記第1の遠位端をシリンジと結合することと、
前記2つの近位端が前記ストッパを通って前記試験管内に入るように、前記2つの近位端を挿入することと、
前記第2の遠位端を前記成形空間の壁に挿入することと、
前記シリンジによって空気を前記第1の導管に押し込むことによって、前記血液を前記試験管から前記成形空間に移送し、血液を前記成形空間内に収集することと、
前記収集することに続いて、前記血液が凝血するのに十分な時間にわたって前記血液が前記マトリックスと接触しているように前記成形デバイスを維持して、これによって、前記マトリックスと一体化された血餅を含む創傷ドレッシングを得ることと
を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記試験管が、バキュテナーである、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
弾性ストッパを有する採血試験管(例えば、バキュテナー)と、
成形空間を画定する血餅成形デバイスであって、血餅支持マトリックスが、前記空間内にある、血餅成形デバイスと、
流体推進デバイスと、
前記試験管と結合するための第1の結合部材及び第2の管結合部材と、
結合デバイス内に画定された流体導管であって、前記第1の結合部材内の第1の遠位端と第1の近位細長要素の端における第1の近位端との間に延びる少なくとも1つの第1の流体導管、及び遠位細長要素の端における第2の遠位端と細長要素の端における第2の近位端との間に延びる少なくとも1つの第2の流体導管を含む流体導管と
を有する結合デバイスと
を備える、血餅ベースの創傷ドレッシングを形成するためのシステムであって、
前記第1の近位細長要素及び前記第2の近位細長要素が、前記管結合部材において前記デバイスから突出し、前記ストッパを突き抜けるように構成されており、
前記遠位細長要素が、前記成形空間の壁を貫くように構成されており、
前記第1の結合部材が、前記推進デバイスが、流体が前記第1の遠位端を通って前記第1の導管内に入るように前記流体を推進することを可能にするように、前記流体推進デバイスに結合するように構成されている、
システム。
【請求項15】
前記推進デバイスが、シリンジである、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
流体推進デバイスと結合するように構成された第1の結合部材、及びストッパ封止式試験管と結合するように構成された第2の結合部材と、
結合デバイス内に画定された流体導管であって、
前記第1の結合部材内の第1の遠位端と第1の近位細長要素の端において形成された第1の近位端との間に延びる少なくとも1つの第1の流体導管、及び遠位細長要素の端における第2の遠位端と第2の近位細長要素との間に延びる少なくとも1つの第2の流体導管を含む流体導管と
を備える結合デバイスであって、
前記第1の近位細長要素及び前記第2の近位細長要素が、前記管結合部材において前記デバイスから突出し、前記試験管’ストッパを突き抜けるように構成されており、
前記推進デバイスとの前記第1の結合部材の前記結合が、前記シリンジと前記第1の遠位端との間の流体連通を可能にし、これによって、
前記結合デバイスが、前記推進デバイスと、液体で充填された前記試験管とに結合すると、前記推進デバイスの作動が、流体が前記第1の導管内に入るように前記流体を推進し、これによって、次いで、前記液体が、前記第2の導管を通って、前記試験管から排出される、
結合デバイス。
【請求項17】
前記推進デバイスが、シリンジである、請求項16に記載の結合デバイス。
【請求項18】
前記細長要素がそれぞれ、前記ストッパを貫通するための鋭い先端を有する、請求項16又は17に記載の結合デバイス。
【請求項19】
前記第1の結合部材が、シリンジの雄型ルアー取付具と結合するための雌型ルアー取付具を有する、請求項16~18のいずれか一項に記載の結合デバイス。
【請求項20】
前記第2の結合部材が、開口部と閉端とを有する略円筒形の容器を備え、前記近位細長要素が、前記第2の結合部材から前記容器内に突出し、
前記円筒形の容器が、前記2つの近位細長要素が前記ストッパを突き抜けて前記2つの近位細長要素の近位端を前記管内に入れるように、前記試験管の前記ストッパ嵌合端を受容するように構成されている、
請求項16~19のいずれか一項に記載の結合デバイス。
【請求項21】
前記第2の導管が、前記結合デバイスに一体化された金属管によって構築されており、一方の端における1つの区画が、前記第2の近位細長要素を構築し、反対側の区画が、前記遠位細長要素を構築する、請求項16~20のいずれか一項に記載の結合デバイス。
【請求項22】
前記第1の近位細長要素が、前記第2の近位細長要素よりも長い、請求項16~21のいずれか一項に記載の結合デバイス。
【請求項23】
前記第1の導管が、
前記デバイスの一部分内のボアによって構築されており、前記第1の結合部材内の前記第1の遠位端からボア内端へ延びる第1の区画と、
前記デバイスに一体化された第1の金属管によって構築されており、前記内端から前記第1の近位細長要素を構築する外側部分へ延びる第2の区画と
を備える、請求項16~22のいずれか一項に記載の結合デバイス。
【請求項24】
前記ボアが、ボア軸に沿って線形に延び、
前記金属管が、直線状であり、前記ボア軸に対してある角度を形成する管軸を画定する、
請求項23に記載の結合デバイス。
【請求項25】
前記第2の導管が、直線状の第2の金属管によって構築されており、
前記第2の金属管が、前記結合デバイスに一体化されており、前記第1の金属管と平行であり、
前記第2の管の一方の端における1つの区画が、前記第2の近位細長要素を構築し、反対側の区画が、前記遠位細長要素を構築する、
請求項24に記載の結合デバイス。
【請求項26】
前記結合デバイスが、
前記管軸に沿って延びる前記第1の金属管及び前記第2の金属管を収容し、前記第2の結合部材を備える中央本体部分と、
前記中央本体から、ユーザによって保持されるように構成された前記管軸の1つの半径方向に延びる把持部分と、
前記中央本体から前記シリンジ結合部材へ反対側の半径方向に延びるシリンジ結合部分と
を備える、請求項25に記載の結合デバイス。
【請求項27】
前記シリンジ結合部分が、略円筒形であり前記ボア軸に当接する、前記把持部分が、略平面である、請求項26に記載の結合デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、血餅ベースの創傷ドレッシングの調製のための方法及びシステム、並びに当該システムの部品のキット、及び当該方法及びシステムにおいて有用なデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
本開示の主題の背景として関連すると考えられる参考文献が、以下に列挙されている。
米国特許第9,180,142号
米国特許第10,111,979号
国際公開第2019/058375号
国際公開第2019/150355号
【0003】
本明細書における上記の参考文献の承認は、これらが本開示の主題の特許性に関連することを意味するとしてなんら推測されるべきでない。
【0004】
米国特許第9,180,142号及び同第10,111,979号には、創傷治療手順が開示されており、創傷治療手順によって、血液は、凝固し、このように形成された血餅は、ドレッシング材料で創傷上に適用される。PCT公報国際公開第2019/058373号、PCT公報国際公開第2019/058375号及びPCT公報国際公開第2019/150355号には、血餅を含むドレッシングで創傷をドレッシングするための方法、デバイス及びシステムが開示されている。血餅を含むドレッシングは、典型的には、患者から採取された血液から調製される。引き出される血液サンプルは、(血液バンクへの献血の量と比較して)比較的少量、例えば10~20mLのものであるため、血液サンプルは、典型的には、血液検査において使用される種類のバキュテナー(弾性ストッパ、典型的には、ゴムストッパによって封止された真空保持試験管)内に引き入れられ、次いで、バキュテナーから引き出される必要がある。管が封止されているため、典型的にはシリンジで血液を引き出すことは、管内の真空に対抗する必要があり、これは困難であり得る。
【発明の概要】
【0005】
本開示によって、血餅ベースの創傷ドレッシングの調製のための方法及びシステムが提供されており、方法及びシステムによって、流体、典型的には空気などのガスは、1つの導管を通って、血液を収納する封止式試験管内に入るように推進され、同時に、血液は、第2の導管を通って、試験から流出することが可能にされ、これによって、ブロット塊成形空間内に移送され、ブロット塊成形空間内で、血液は、凝固して、成形空間によって画定された形状の血餅を形成することが可能にされる。推進流体は、典型的には、シリンジによって第1の導管内を流れるように推進される空気である。本開示によって、当該方法及びシステムにおいて有用な結合デバイス、並びに本開示の方法を実施するために必要とされる要素を備える部品のキットがまた提供されている。
【0006】
本開示の血餅ベースの創傷ドレッシングを形成するための方法によれば、血液は、最初に、開口部が弾性ストッパ(例えば、ゴムストッパ)によって封止されている状態で、試験管内に蓄積される。この試験管は、典型的には、管内で真空封止を維持するバキュテナーであり、この真空は、血液を試験管内に引き入れるための推進力である。次いで、血液は、試験管から成形デバイスの血液成形空間に移送される必要があり、血液成形空間内で、血液は、凝血し、このプロセスにおいて、血液は、当該空間内に含まれた(ガーゼなどの創傷ドレッシング材料であり得る)支持マトリックスと一体化して、血餅ベースの創傷ドレッシングを形成することが可能にされる。
【0007】
試験管から成形空間への血液の移送は、流体(例えば、ガス)が、ストッパを通って当該試験管内の第1の遠位端と第1の近位端との間に延びる少なくとも1つの第1の導管を通って、当該管内に入るように流体を推進し、同時に、血液が、当該管内の第2の近位端と第2の遠位端との間の少なくとも1つの第2の導管を通って、管から流出することを可能にすることによる。次いで、当該第2の遠位端から出る血液は、当該成形空間にチャネルで運ばれ(channel)、当該成形空間内に収集される。
【0008】
1つの実施形態によれば、当該推進すること及び当該収集することの前に、第1の導管の近位区画を画定する少なくとも1つの第1の近位細長要素、及び第2の導管の近位区画を画定する少なくとも1つの第2の近位細長要素は、ストッパに挿入されて、これによって、流体連通を当該第1の導管及び当該第2の導管と試験管の内部との間に確立する。
【0009】
1つの実施形態によれば、当該細長要素はそれぞれ、ストッパを貫通するための鋭い先端を有する。
【0010】
1つの実施形態によれば、結合デバイスは、当該導管が結合デバイス内に画定されている状態で、使用される。当該細長要素は、デバイスの試験管結合部材においてデバイスから突出し、試験管とこの結合部材との近接及び係合により、細長要素は、ストッパを突き抜けて当該流体連通を確立する。
【0011】
当該管結合部材は、開口部と閉端とを有する略円筒形の容器を備えてもよく、当該近位細長要素は、当該管結合部材から容器内に突出する。係合のために、試験管は、ストッパが円筒形の試験管容器の端壁に面する状態で、当該容器に導入され、試験管が容器に導入されると、容器への試験管の完全な挿入後に、2つの細長要素は、ストッパを貫通する。
【0012】
結合デバイスはまた、典型的には、流体がシリンジから第1の導管内に入るように流体を推進することを可能にするためにシリンジを当該第1の遠位端と結合するためのシリンジ結合部材を備える。
【0013】
第2の遠位端は、典型的には、当該成形空間の壁を貫くように構成された管状突出部の端においてある。いくつかの実施形態によれば、第2の導管は、結合デバイスに一体化された金属管によって構築されてもよく、一方の端は、管結合部材から突出し、他方の端は、別の(典型的には、反対)方向に突出する。
【0014】
当該第1の近位細長要素は、典型的には、当該第2の近位細長要素よりも長い。第2の近位細長要素は、典型的には、ストッパに挿入された後に第2の近位細長要素の第2の近位端が試験管の内部内でストッパ隣接するように、寸法決めされている。したがって、結合後に、試験管は、試験管のストッパ嵌合端が試験管の底部においてあるように位置決めされてもよく、これによって、血液は、当該端において蓄積し、推進流体が第1の導管を通って管内に入るように推進されると、これによって、血液は、第2の導管を通って、血液成形空間に流出する。配置はまた、異なってもよく、第2の近位細長要素は、第1の近位細長要素よりも長く、任意選択で、試験管の長さのほぼ全体に及ぶように寸法決めされており、この場合、当該結合後に、試験管は、試験管のストッパ嵌合端が頂部においてあるように位置決めされる。
【0015】
方法は、
(i)第1の遠位端をシリンジに結合することと、
(ii)2つの近位端がストッパを通って当該試験管内に入るように、2つの近位端を挿入することと、
(iii)当該第2の遠位端を当該成形空間の壁に挿入することと、
(iv)シリンジによって空気を第1の導管に押し込むことによって、血液を当該試験管から当該成形空間に移送し、血液を当該成形空間内に収集することと、
(V)当該収集することに続いて、血液が凝血するのに十分な時間にわたって血液が当該マトリックスと接触しているように成形デバイスを維持して、これによって、当該マトリックスと一体化された血餅を含む創傷ドレッシングを得ることと
を含み得る。
【0016】
ステップ(i)、(ii)及び(iii)は、当該順序又は任意の他の順序で実行され得る。
【0017】
成形空間は、公開されたPCT出願国際公開第2019/058373号に開示されている種類のものであってもよく、成形空間は、本体と開口部上への取り外し可能な平面クロージャとによって構築された壁の間に画定されたエンクロージャであり、当該マトリックスは、当該クロージャに隣接する。当該維持することは、成形デバイスを成形デバイスの平面クロージャ上に配置することを含み得る。
【0018】
第2の遠位端は、成形空間の壁を貫くように構成された先端を有してもよく、血液の移送の前に、壁部分は、当該先端によって貫かれる。血液の移送前に、血液の移送中に又は血液の移送に続いて、凝固開始剤が、当該成形空間内に導入されてもよい。凝固開始剤は、粉末又は粒状物質であってもよく、カオリン及び/又はカルシウム塩(例えば、グルコン酸カルシウム)を含んでもよい。
【0019】
本開示のシステムは、弾性ストッパ(例えば、バキュテナー)を有する血液収集試験管と、流体推進デバイスと、成形デバイスと、結合デバイスとを備える。成形デバイス及びは、血餅支持マトリックスを有する血液成形空間を備える。流体推進デバイスは、加圧ガスキャニスタなどの任意のデバイスであってもよく、又は中央加圧ガス源のための結合装置(coupling arrangement)であってもよい。1つの実施形態によれば、当該流体推進デバイスは、シリンジであり、推進流体は、空気である。
【0020】
システムはまた、結合デバイスを備え、結合デバイスは、第1の結合部材と、当該試験管と結合するための第2の管結合部材と、デバイス内に画定された流体導管とを有する。流体導管は、第1の結合部材内の第1の遠位端と第1の近位細長要素の端における第1の近位端との間に延びる少なくとも1つの第1の流体導管、及び遠位細長要素の端における第2の遠位端と近位細長要素の端における第2の近位端との間に延びる少なくとも1つの第2の流体導管を含む。第1の近位細長要素及び第2の近位細長要素は、当該管結合部材においてデバイスから突出し、当該ストッパを突き抜けるように構成されている。このような突き抜けの後に、流体連通が、導管と試験管の内部との間に確立される。当該成形空間の壁を貫いて、これによって、流体連通を当該導管と試験管の内部との間に確立するように構成されている遠位細長要素。流体が当該第1の遠位端を通って当該第1の導管内に入るように流体を推進することを可能にするように、流体推進デバイスに結合するように構成されている第1の結合部材。第1の結合部材は、典型的には、シリンジの雄型ルアー取付具と結合するための雌型ルアー取付具を有する。
【0021】
上記のように、本開示はまた、当該システムの部品のキット、並びに当該方法及びシステムにおいて有用な結合デバイスを提供する。
【0022】
実施形態
以下の番号付けされた段落は、本開示の実施形態を列挙する。特許請求の範囲の形式で作成されたこれらの実施形態は、上記の全般的な説明を増すように意図されている。
【0023】
1.血餅ベースの創傷ドレッシングを形成するための方法であって、
開口部が弾性ストッパ(例えば、ゴムストッパ)によって封止されている状態で、ある体積の血液を試験管内に蓄積することと、
血液を試験管から血餅成形デバイスの成形空間に移送することであって、血餅支持マトリックス(例えば、ガーゼなどの創傷ドレッシング材料)が、当該空間内にあり、当該移送することが、
流体(例えば、ガス)が、ストッパを通って当該管内の第1の遠位端と第1の近位端との間に延びる少なくとも1つの第1の導管を通って、当該管内に入るように流体を推進し、同時に、血液が、当該管内の第2の近位端と第2の遠位端との間の少なくとも1つの第2の導管を通って、管から流出することを可能にすることと、
第2の遠位端から出る血液を当該成形空間内に収集することと
を含む、移送することと、
血液が、当該マトリックスと接触している間に凝血することを可能にして、これによって、当該マトリックスと一体化された血餅を含む創傷ドレッシングを得ることと
を含む方法。
2.ある量の血液を血餅成形デバイスの成形空間に移送することであって、血餅支持マトリックスが、空間内にある、移送することと、
血液が、当該マトリックスと接触している間に凝血することを可能にして、これによって、当該マトリックスと一体化された血餅を含む創傷ドレッシングを得ることと
を含む、血餅ベースの創傷ドレッシングを形成するための方法であって、当該移送することが、
ある体積の血液を、弾性ストッパ(例えば、ゴムストッパ)によって封止された試験管内に蓄積することと、
流体(例えば、ガス)が、ストッパを通って当該管内の少なくとも1つの第1の導管の第1の遠位端第1の導管の第1の近位端の間に延びる第1の導管を通って、当該管内に入るように流体を推進し、同時に、血液が、当該管内の少なくとも1つの第2の導管の第2の近位端と第2の遠位端との間の第2の導管を通って、管から流出することを可能にすることと、
第2の遠位端から出る血液を当該成形空間内に収集することと
を含む、方法。
3.当該推進することが、当該第1の遠位端と結合されたシリンジによる、実施形態1又は2に記載の方法。
4.方法が、当該推進すること及び当該収集することの前に、
第1の導管の近位区画を画定する少なくとも1つの第1の近位細長要素、及び第2の導管の近位区画を画定する少なくとも1つの第2の近位細長要素をストッパに挿入することを含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載の方法。
5.
細長要素がそれぞれ、ストッパを貫通するための鋭い先端を有する、
実施形態4に記載の方法。
6.
当該挿入することが、ストッパを、結合デバイスから突出する当該細長要素を備える当該デバイスの管結合部材と係合させて、これによって、当該要素がストッパを貫通することを含む、
実施形態4又は5に記載の方法。
7.
当該管結合部材が、開口部と閉端とを有する略円筒形の容器を備え、当該近位細長要素が、管結合部材から容器内に突出し、方法が、
ストッパが円筒形の試験管容器の端壁に面する状態で、試験管を当該容器に導入することを含み、試験管が容器に導入されると、容器への試験管の完全な挿入後に、2つの細長要素が、ストッパを貫通する、
実施形態6に記載の方法。
8.当該結合デバイスが、流体がシリンジから第1の導管内に入るように流体を推進することを可能にするためにシリンジを当該第1の遠位端と結合するためのシリンジ結合部材を備える、実施形態6又は7に記載の方法。
9.第2の遠位端が、当該成形空間の壁を貫くように構成された管状突出部の端においてある、実施形態6~8のいずれか1つに記載の方法。
10.第2の導管が、結合デバイスに一体化された金属管によって構築されており、一方の端が、管結合部材から突出し、他方の端が、別の(典型的には、反対)方向に突出する、実施形態6~9のいずれか1つに記載の方法。
11.当該第1の近位細長要素が、当該第2の近位細長要素よりも長い、実施形態4~10のいずれか1つに記載の方法。
12.方法が、
第1の遠位端をシリンジと結合することと、
2つの近位端がストッパを通って当該試験管内に入るように、2つの近位端を挿入することと、
当該第2の遠位端を当該成形空間の壁に挿入することと、
シリンジによって空気を第1の導管に押し込むことによって、血液を当該試験管から当該成形空間に移送し、血液を当該成形空間内に収集することと、
当該収集することに続いて、血液が凝血するのに十分な時間にわたって血液が当該マトリックスと接触しているように成形デバイスを維持して、これによって、当該マトリックスと一体化された血餅を含む創傷ドレッシングを得ることと
を含む、実施形態1~11のいずれか1つに記載の方法。
13.
当該成形空間が、本体と開口部上への取り外し可能な平面クロージャとによって構築された壁の間に画定されたエンクロージャであり、当該マトリックスが、当該クロージャに隣接し、
当該維持することが、成形デバイスを成形デバイスの平面クロージャ上に配置することを含む、
実施形態12に記載の方法。
14.
第2の遠位端が、成形空間の壁を貫くように構成された先端を有し、
当該挿入することが、当該先端がエンクロージャの壁を貫くことを含む、
実施形態11又は12に記載の方法。
15.方法が、凝固開始剤を当該成形空間内に導入することを含む、実施形態1~14のいずれか1つに記載の方法。
16.導入することが、当該収集の前、当該収集と同時、又は当該収集の後である、実施形態15に記載の方法。
17.凝固開始剤が、別個に導入される又は当該移送の前に当該空間内にアプリオリに存在する粉末又は粒状物質である、請求項16に記載の方法。
18.凝固開始剤が、カオリン及びカルシウム塩(例えば、グルコン酸カルシウム)を含む、実施形態17に記載の方法。
19.当該試験管が、バキュテナーである、実施形態1~18のいずれか1つに記載の方法。
20.
弾性ストッパを有する採血試験管(例えば、バキュテナー)と、
成形空間を画定する血餅成形デバイスであって、血餅支持マトリックスが、当該空間内にある、血餅成形デバイスと、
流体推進デバイスと、
当該試験管と結合するための第1の結合部材及び第2の管結合部材と、
結合デバイス内に画定された流体導管であって、第1の結合部材内の第1の遠位端と第1の近位細長要素の端における第1の近位端との間に延びる少なくとも1つの第1の流体導管、及び遠位細長要素の端における第2の遠位端と細長要素の端における第2の近位端との間に延びる少なくとも1つの第2の流体導管を含む流体導管と
を有する結合デバイスと
を備える、血餅ベースの創傷ドレッシングを形成するためのシステムであって、
第1の近位細長要素及び第2の近位細長要素が、当該管結合部材においてデバイスから突出し、当該ストッパを突き抜けるように構成されており、
遠位細長要素が、当該成形空間の壁を貫くように構成されており、
第1の結合部材が、当該推進デバイスが、流体が当該第1の遠位端を通って当該第1の導管内に入るように流体を推進することを可能にするように、当該流体推進デバイスに結合するように構成されている、
システム。
21.当該推進デバイスが、シリンジである、実施形態20に記載のシステム。
22.近位細長要素がそれぞれ、ストッパを貫通するための鋭い(例えば、針状の)先端を有する、実施形態21に記載のシステム。
23.
当該管結合部材が、開口部と閉端とを有する略円筒形の容器を備え、当該近位細長要素が、管結合部材から容器内に突出する、
実施形態21又は22に記載のシステム。
24.第2の導管が、結合デバイスに一体化された金属管によって構築されており、近位区画が、当該第2の近位細長要素であり、遠位区画が、別の(典型的には、反対)方向に突出する、実施形態20~23のいずれか1つに記載のシステム。
25.当該第1の近位細長要素が、当該第2の近位細長要素よりも長い、実施形態20~24のいずれか1つに記載のシステム。
26.当該結合デバイスが、備える、実施形態20~25のいずれか1つに記載のシステム。
27.
当該成形空間が、本体と開口部上への取り外し可能な平面クロージャとによって構築された壁の間に画定されたエンクロージャであり、当該マトリックスが、当該クロージャに隣接する、
実施形態20~26のいずれか1つに記載のシステム。
28.当該成形空間が、凝固開始剤を含む、実施形態20~27のいずれか1つに記載のシステム。
29.凝固開始剤が、粉末又は粒状物質である、実施形態28に記載のシステム。
30.凝固開始剤が、カオリン及びカルシウム塩(例えば、グルコン酸カルシウム)を含む、実施形態29に記載のシステム。
31.
流体推進デバイスと結合するように構成された第1の結合部材、及びストッパ封止式試験管と結合するように構成された第2の結合部材と、
結合デバイス内に画定された流体導管であって、
第1の結合部材内の第1の遠位端と第1の近位細長要素の端において形成された第1の近位端との間に延びる少なくとも1つの第1の流体導管、及び遠位細長要素の端における第2の遠位端と第2の近位細長要素との間に延びる少なくとも1つの第2の流体導管を含む流体導管と
を備える結合デバイスであって、
第1の近位細長要素及び第2の近位細長要素が、当該管結合部材においてデバイスから突出し、試験管’ストッパを突き抜けるように構成されており、
当該推進デバイスとの第1の結合部材の結合が、シリンジと当該第1の遠位端との間の流体連通を可能にし、これによって、
当該結合デバイスが、当該推進デバイスと、液体で充填された当該試験管とに結合すると、推進デバイスの作動が、流体が第1の導管内に入るように流体を推進し、これによって、次いで、液体が、当該第2の導管を通って、当該試験管から排出される、
結合デバイス。
32.当該推進デバイスが、シリンジである、実施形態31に記載の結合デバイス。
33.細長要素がそれぞれ、ストッパを貫通するための鋭い先端を有する、実施形態31又は32に記載の結合デバイス。
34.当該第1の結合部材が、シリンジの雄型ルアー取付具と結合するための雌型ルアー取付具を有する、実施形態31~33のいずれか1つに記載の結合デバイス。
35.
当該第2の結合部材が、開口部と閉端とを有する略円筒形の容器を備え、近位細長要素が、第2の結合部材から容器内に突出し、
当該円筒形の容器が、2つの近位細長要素がストッパを突き抜けて2つの近位細長要素の近位端を管内に入れるように、当該試験管のストッパ嵌合端を受容するように構成されている、
実施形態31~34のいずれか1つに記載の結合デバイス。
36.当該第2の導管が、結合デバイスに一体化された金属管によって構築されており、一方の端における1つの区画が、当該第2の近位細長要素を構築し、反対側の区画が、当該遠位細長要素を構築する、実施形態31~35のいずれか1つに記載の結合デバイス。
37.当該第1の近位細長要素が、当該第2の近位細長要素よりも長い、実施形態31~36のいずれか1つに記載の結合デバイス。
38.第1の導管が、
当該デバイスの一部分内のボアによって構築されており、当該第1の結合部材内の第1の遠位端からボア内端へ延びる第1の区画と、
デバイスに一体化された第1の金属管によって構築されており、当該内端から当該第1の近位細長要素を構築する外側部分へ延びる第2の区画と
を備える、実施形態31~37のいずれか1つに記載の結合デバイス。
39.
当該ボアが、ボア軸に沿って線形に延び、
当該金属管が、直線状であり、当該ボア軸に対してある角度を形成する管軸を画定する、
実施形態38に記載の結合デバイス。
40.
当該第2の導管が、直線状の第2の金属管によって構築されており、
第2の金属管が、結合デバイスに一体化されており、当該第1の金属管と平行であり、
当該第2の管の一方の端における1つの区画が、当該第2の近位細長要素を構築し、反対側の区画が、当該遠位細長要素を構築する、
実施形態39に記載の結合デバイス。
41.結合デバイスが、
当該管軸に沿って延びる当該第1の金属管及び当該第2の金属管を収容し、当該第2の結合部材を備える中央本体部分と、
当該中央本体から、ユーザによって保持されるように構成された当該管軸の1つの半径方向に延びる把持部分と、
当該中央本体から当該シリンジ結合部材へ反対側の半径方向に延びるシリンジ結合部分と
を備える、実施形態40に記載の結合デバイス。
42.当該シリンジ結合部分が、略円筒形であり当該ボア軸に当接する、実施形態41に記載の結合デバイス。
43.当該把持部分が、略平面である、実施形態41又は42に記載の結合デバイス。
44.実施形態1~20のいずれか1つに記載の方法及び実施形態21~30のいずれか1つに記載のシステムにおいて使用するための、実施形態31~43のいずれか1つに記載の結合デバイス。
45.実施形態21~30のいずれか1つに記載のシステムの要素を備える部品のキット。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本明細書に開示されている主題をよりよく理解するために、及び本明細書に開示されている主題が実際にどのように実施され得るかを例示するために、実施形態について、添付の図面を参照して、非限定的な例としてのみここで説明する。
【
図1】本開示の一実施形態の結合デバイスの斜視図及び断面図をそれぞれ示す。
【
図2】本開示の一実施形態の結合デバイスの斜視図及び断面図をそれぞれ示す。
【
図3】円筒形の管容器が結合デバイスの管結合部材に嵌合されている状態の、
図1及び
図2のものなどのデバイスの斜視図及び断面図をそれぞれ示す。
【
図4】円筒形の管容器が結合デバイスの管結合部材に嵌合されている状態の、
図1及び
図2のものなどのデバイスの斜視図及び断面図をそれぞれ示す。
【
図5】バキュテナー及びシリンジに結合されており、成形デバイスと係合されている
図3及び
図4の結合デバイスの斜視図、部分断面図及び拡大部分断面図をそれぞれ示す。
【
図6】バキュテナー及びシリンジに結合されており、成形デバイスと係合されている
図3及び
図4の結合デバイスの斜視図、部分断面図及び拡大部分断面図をそれぞれ示す。
【
図7】バキュテナー及びシリンジに結合されており、成形デバイスと係合されている
図3及び
図4の結合デバイスの斜視図、部分断面図及び拡大部分断面図をそれぞれ示す。
【
図8】本開示の一実施形態のシステムの要素を示す。
【
図9A】本開示の一実施形態による方法の実施におけるステップのシーケンスを示す。
【
図9B】本開示の一実施形態による方法の実施におけるステップのシーケンスを示す。
【
図9C】本開示の一実施形態による方法の実施におけるステップのシーケンスを示す。
【
図9D】本開示の一実施形態による方法の実施におけるステップのシーケンスを示す。
【
図9E】本開示の一実施形態による方法の実施におけるステップのシーケンスを示す。
【
図9F】本開示の一実施形態による方法の実施におけるステップのシーケンスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本明細書の開示について、以下の説明において例示する。疑義なく理解され得るように、以下に例示されており添付の図面に示されている実施形態は、本開示によって可能にされる無数の実施形態の単なる例示である。
【0026】
以下の記載では、説明を容易にするために、図面に示されている向き及び相対位置に従って、「上部(upper)」、「下部(lower)」、「垂直(vertical)」、「水平(horizontal)」などを使用する。要素は、使用時に、例えば、「下部」要素が上部要素であってもよいように、「垂直の向きが水平であってもよいように向けられていることを理解されたい。
【0027】
図1及び
図2は、本開示の一実施形態の結合デバイス100を示す。結合デバイス100は、中央本体部分102と、把持部分104と、シリンジ結合部分106とを有する。
【0028】
中央本体部分102は、略円筒形の垂直に向けられた形状を有し、第1の金属管108と、第2の金属管110とを収容し、第1の金属管108及び第2の金属管110は、上向きに突出する区画を有し、上向きに突出する区画は、第1の細長要素112及び第2の細長要素114をそれぞれ画定し、第1の細長要素112及び第2の細長要素114は、針状の先端116、118のそれぞれを有する。管108及び管110は、平行であり、(本質的には、円筒形の本体部分102によって画定された軸でもある)垂直管軸120に沿って延びる。管110はまた、第2の近位細長要素122を構築する下向きに突出する区画を有する。
【0029】
把持部分104は、本質的に平面であり、中央本体部分102から軸120の1つの半径方向に延び、シリンジ結合部分は、反対方向に延びる。把持部分は、概して、ユーザによって保持又は把持されるように構成されており、把持部分の表面上のアバットメント124は、この機能を更に増す。
【0030】
軸方向ボア126は、部分106内に画定されており、軸方向ボア126は、ボア軸128に沿って、いくつかの狭くなる区画において、雌型ルアー取付具である第1の結合部材132内のボアの第1の遠位端130における開口部から、狭いボア内端134へ延びる。管108の内端136は、ボア内端122と流体連通する。ボア116と管108の管腔とは一緒に、1つの連続する第1の導管を構築し、1つの連続する第1の導管は、第1の遠位端130と管116の針状の先端における第1の近位端との間に延びる。
【0031】
ねじ付き部材140は、中央本体から上向きに突出し、細長要素112、114は、ねじ付き部材140から上向きに突出する。部材140は、典型的には
図3及び
図4に示す円筒形の試験管容器150と一緒に、試験管と係合するように機能し、円筒形の試験管容器150は、部材140にねじ嵌合されている。容器150は、容器150の上端において開口部152を有し、2つの近位細長要素112、114は、容器の内部内に突出する。円筒形の容器150は、試験管のストッパ嵌合端を受容することができ、これによって、2つの近位細長要素112、114は、ストッパを突き抜けて、2つの近位細長要素112、114の近位端を管内に入れて、これによって、流体連通を管の内部と第1の導管及び第2の導管との間に確立する。これについて、
図5~
図7を参照して以下に説明する。
【0032】
図5~
図7は、シリンジ160、ストッパに嵌合する試験管162、典型的にはバキュテナーに結合されており、また、成形デバイス164に係合されている結合デバイス100を示す。
【0033】
シリンジの結合は、結合デバイスの雌型ルアー取付具とシリンジの対応するメール型ルアー取付具との間のルアー型係合による。レバー164を押圧することによるシリンジのプランジャ162の下向きの変位は、シリンジの内容物、典型的には空気を、第1の導管の遠位端内に押し込んで、シリンジの流体内容物(典型的には、上記のように空気)が第1の導管を通って移動するようにシリンジの流体内容物を推進する。
【0034】
試験管162、典型的にはバキュテナーは、ストッパ168と嵌合した開口部を有し、係合のために、試験管のストッパ嵌合端は、円筒形の容器に挿入されて、これによって、2つの鋭い先端116、118は、ストッパを突き抜けて、2つの鋭い先端116、118の近位端を管の内部内に入れる。これによって、第1の導管及び第2の導管は、管の内部と流体連通する。したがって、シリンジのプランジャの下向きの変位によって、(典型的には)空気は、第1の導管内に押し込まれ、これによって、試験管内の血液は、第2の導管から流出する。図示のように、細長要素108は、細長要素110よりも長く、細長要素110は、ストッパに挿入された後に細長要素110の第2の近位端が試験管の内部内でストッパ隣接するように、寸法決めされている。これは、試験管の血液内容物のほぼ全体が、第2の導管から移送されることを可能にする。
【0035】
また
図5~
図7に示すように、第2の近位細長要素122は、成形デバイスの成形空間170の壁を貫通するようになされ得、このようにして、第2の導管からの血液の排出によって、血液は、当該空間内に移送され、当該空間内で、血液は、凝血して、その関連する内容が参照として本明細書に組み込まれている国際公開第2019/058373号に開示されているように、血餅ベースの創傷ドレッシングのために可能にされる。
【0036】
本開示の一実施形態によるシステム200の要素が、
図8に示されている。システム200は、シリンジ206に結合された円筒形の試験管容器204を有する結合デバイス202と、患者から引き出された血液で既に充填されたバキュテナー208と、エンクロージャである血液成形空間212を有する成形デバイス210とを含む壁214と取り外し可能な平面クロージャ216との間を画定する。成形デバイス210はまた、クロージャに隣接する一片のガーゼ218を含んでいた、そして、一片のガーゼ218の一部分は、エンクロージャ内にある。血餅ベースの創傷ドレッシングの調製のために、血液は、空間212内に導入され、次いで、血液は、モールドがモールドの平面クロージャ上に配置されたときに、凝血することが可能にされて、これによって、形成血餅は、ガーゼと一体化して、創傷ドレッシングを形成する。
【0037】
本開示の一実施形態による方法の実施におけるステップのシーケンスが、
図9A~
図9Fに示されている。ステップのこのシーケンスは、例示であることに留意されたい。例えば、図示のようでなく、結合デバイスは、最初に、血液を収納するバキュテナーと結合されてもよく、このときに、成形デバイスと係合されてもよい。
【0038】
図9Aは、t成形デバイス取り付けられたシリンジとの結合デバイスの係合を示し、係合は、結合デバイスの(この図に示さない)第2の近位細長要素が成形空間の壁を貫くことによって行われる。次いで、血液で充填されたバキュテナーは、上記のように結合され(
図9B~
図9C)、次いで、シリンジのプランジャが変位して、これによって、血液は、バキュテナーから成形空間に移送される(
図9D~
図9F)。典型的には、当該空間内にアプリオリに存在する又は当該空間内への血液の導入前に、導入中に若しくは導入に続いて導入された血液凝固開始剤を使用して、血液の凝血を可能にするためのインキュベーションに続いて。
【国際調査報告】