IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エフピー ビジネス インベストの特許一覧

特表2023-528147ケーブルロック要素が提供されているケーブルコンベヤベルト接合デバイス
<>
  • 特表-ケーブルロック要素が提供されているケーブルコンベヤベルト接合デバイス 図1
  • 特表-ケーブルロック要素が提供されているケーブルコンベヤベルト接合デバイス 図2
  • 特表-ケーブルロック要素が提供されているケーブルコンベヤベルト接合デバイス 図3
  • 特表-ケーブルロック要素が提供されているケーブルコンベヤベルト接合デバイス 図4
  • 特表-ケーブルロック要素が提供されているケーブルコンベヤベルト接合デバイス 図5
  • 特表-ケーブルロック要素が提供されているケーブルコンベヤベルト接合デバイス 図6
  • 特表-ケーブルロック要素が提供されているケーブルコンベヤベルト接合デバイス 図7
  • 特表-ケーブルロック要素が提供されているケーブルコンベヤベルト接合デバイス 図8
  • 特表-ケーブルロック要素が提供されているケーブルコンベヤベルト接合デバイス 図9
  • 特表-ケーブルロック要素が提供されているケーブルコンベヤベルト接合デバイス 図10
  • 特表-ケーブルロック要素が提供されているケーブルコンベヤベルト接合デバイス 図11
  • 特表-ケーブルロック要素が提供されているケーブルコンベヤベルト接合デバイス 図12
  • 特表-ケーブルロック要素が提供されているケーブルコンベヤベルト接合デバイス 図13
  • 特表-ケーブルロック要素が提供されているケーブルコンベヤベルト接合デバイス 図14
  • 特表-ケーブルロック要素が提供されているケーブルコンベヤベルト接合デバイス 図15
  • 特表-ケーブルロック要素が提供されているケーブルコンベヤベルト接合デバイス 図16
  • 特表-ケーブルロック要素が提供されているケーブルコンベヤベルト接合デバイス 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-04
(54)【発明の名称】ケーブルロック要素が提供されているケーブルコンベヤベルト接合デバイス
(51)【国際特許分類】
   F16G 11/00 20060101AFI20230627BHJP
   F16G 11/06 20060101ALI20230627BHJP
【FI】
F16G11/00 A
F16G11/00 E
F16G11/06 C
F16G11/06 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022560451
(86)(22)【出願日】2021-05-29
(85)【翻訳文提出日】2022-11-29
(86)【国際出願番号】 EP2021064465
(87)【国際公開番号】W WO2021240008
(87)【国際公開日】2021-12-02
(31)【優先権主張番号】2005721
(32)【優先日】2020-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520298581
【氏名又は名称】エフピー ビジネス インベスト
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】タヴェルニエ,バーナード
(72)【発明者】
【氏名】ギュメ,フレデリック
(57)【要約】
本発明は、少なくとも1本のケーブル(4)の少なくとも一部分(40)に固定されることを意図したケーブルロック要素(50)に関し、ロック要素(50)は、第1の側の少なくとも1つの支持体(51)と、第1の側とは反対の第2の側の1つの支持体(52)と、を備え、支持体(51、52)は、ケーブルの少なくとも一部をクランプするように構成されており、支持体(51、52)は各々、少なくとも1つの溝(71、72)を有し、基準軸(X)に従って整列した入口開口部(50A)と出口開口部(50B)との間でロック要素(50)を通過するケーブル(4)の少なくとも一部分(40)を受容するための貫通空洞(70)の少なくとも一部をともに画定し、ロック要素(50)は、ケーブルの部分(40)を受容する空洞(70)が、入口開口部(50A)と出口開口部(50B)部分との間において、入口開口部部分(50A)と出口開口部部分(50B)に対して半径方向に広がる拡幅中間部(73)を備え、ロック要素(50)は、ケーブル(40)の部分(40)のセクションの半径方向の変形(45)を局所的に生じさせるように、入口及び出口開口部(50A、50B)と整列して位置する空洞(70)の拡幅中間部(42)の一部分(40)を、少なくとも部分的に占有するように構成された、少なくとも1つのアンカ部材(80)を備えることを特徴とする。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向軸(X’)に沿って延在し、少なくとも部分的に軸方向に延在する補強ケーブル(4’)を備える補強部(3)がその内側に収容されている可撓性材料から作製される本体(2)を備えるタイプの少なくとも1つのコンベヤベルト(1)のための接合デバイス(100)であって、前記接合デバイス(100)が、前記コンベヤベルト(1)の少なくとも第1(11)及び第2(12)の端部部分を接続することが意図されており、前記接合デバイス(100)が、アセンブリによって互いに接続された少なくとも2つのロック要素(50)の少なくとも1つのアセンブリ(150)を備え、前記アセンブリ手段が、少なくとも1本の接続ケーブル(4、4”)を備え、前記アセンブリ(150)が、前記コンベヤベルト(1)の前記第1の端部部分(11)の前記補強ケーブル(4’)のうちの少なくともいくつかを、前記コンベヤベルト(1)の前記第2の端部部分(12)の前記補強ケーブル(4’)のうちの少なくともいくつかに接続するように、前記コンベヤベルトの前記第1の端部部分(11)及び前記第2の端部部分(12)に取り付けられることが意図されており、
各ケーブルロック要素(50)が、前記補強ケーブル(4’)及び前記接続ケーブル(4、4”)のうちの関連付けられたケーブルの少なくとも一部分を封入するように構成された少なくとも2つの反対の支持体(51、52)を備え、前記支持体(51,52)は各々、基準軸(X)に従って整列した入口開口部(50A)と出口開口部(50B)との間で、前記ロック要素(50)を通過する前記関連付けられたケーブル(4)の少なくとも前記一部分(40)を受容するための貫通空洞(70)の少なくとも一部をともに画定する、少なくとも1つの溝(71、72)を有し、前記空洞(70)が、入口(50Aと出口(50B)開口部部分との間で、前記入口開口部部分(50A)及び前記出口開口部部分(50B)に対して半径方向に拡幅された拡幅中間部(73)を有し、前記ロック要素(50)が、前記関連付けられたケーブルの前記部分(40)の断面の半径方向の変形(45)を局所的に生じさせるように、前記入口及び出口開口部(50A、50B)と整列して位置する前記空洞(70)の前記拡幅中間部(73)の一部分を少なくとも部分的に占有するように構成された少なくとも1つのアンカ部材(80)を備えることを特徴とする、接合デバイス(100)。
【請求項2】
前記接合デバイス(100)が、前記コンベヤベルト(1)の前記端部部分(11、12)の各々の別個の側を被覆するように構成された少なくとも2つの接合プレート(101、102)を備え、そのため、前記コンベヤベルト(1)の前記端部部分(11、12)が、前記2つの接合プレート(101、102)の間に各々配設され、前記接合プレート(101、102)が、1つの接合プレート、前記コンベヤベルト(1)の前記端部のうちの1つ、次いで他の接合プレートをそれぞれ通過するように配置されたファスナ(110)によって、ともに固定され、各接合プレート(101、102)が、可撓性及び弾性材料から作製され、ロック要素の前記アセンブリ(150)をなし、好ましくは、対応する前記接合プレート(101、102)の前記可撓性及び弾性材料に少なくとも部分的に埋め込まれていることを特徴とする、請求項1に記載の接合デバイス(100)。
【請求項3】
前記接合デバイス(100)が、少なくとも、
前記接続ケーブルのうちの上側接続ケーブルによってともに接続され、接続される前記補強ケーブル(4’)の前記2つの端部に跨る、前記ロック要素(50)のうちの少なくとも2つの上側ロック要素(50)の上側長手方向アセンブリ(150)と、
前記接続ケーブルのうちの下側接続ケーブルによってともに接続され、接続される前記補強ケーブル(4’)の前記2つの端部に跨る、前記ロック要素のうちの少なくとも2つの下側ロック要素(50)の下側長手方向アセンブリ(150)と、を備え、
前記上側長手方向アセンブリの前記上側ロック要素が、接合アセンブリ(150’)をともに形成することによって、前記下側長手方向アセンブリの前記下側ロック要素とともに組み立てられるように、かつ、前記コンベヤベルト(1)の前記第1の端部部分(11)の前記補強ケーブル(4’)の少なくとも一部、及び前記コンベヤベルト(1)の前記第2の端部部分(12)の補前記強ケーブル(4’)の少なくとも一部を封入するように成形され、前記接合デバイス(100)が、好ましくは、互いに平行に配置され、前記接合部(10)にわたって均等に分散されるように構成された複数の接合アセンブリ(150’)を備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の接合デバイス(100)。
【請求項4】
前記アセンブリ手段のいくつかが、前記ファスナ(110)のうちのいくつかによって構成され、前記ファスナが、1つの接合プレート、前記コンベヤベルト(1)の前記端部のうちの1つ、次いで他の接合プレートをそれぞれ通過するように配置されていることを特徴とする、請求項3に記載の接合デバイス(100)。
【請求項5】
前記第1の端部部分(11)及び前記第2の端部部分(12)の前記補強ケーブル(4’)の封入位置において、前記補強ケーブル(4’)が、互いに平行に、かつ、それらの対応するロック要素(50)でロックされる接続ケーブル(4)の前記部分(40)の前記長手方向基準軸(X)に対して平行に配置されることを特徴とする、請求項3又は4に記載の接合デバイス(100)。
【請求項6】
前記ロック要素(50)の支持部(51、52)が、前記補強ケーブル及び前記接続ケーブルのうちの第1のケーブルの少なくとも前記一部分を封入するように構成され、前記ロック要素(50)が、前記補強ケーブル及び前記接続ケーブルから第2のケーブルを受容するための貫通空洞(170)の少なくとも一部を画定する溝(171)を備え、前記貫通空洞が、2つの軸方向端部開口部を有することを特徴とする、先行請求項のいずれか一項に記載の接合デバイス(100)。
【請求項7】
前記ロック要素(50)の全部又は一部が、前記2つの支持体(51、52)の互いに対するクランプを確実にするための少なくとも1つのクランプ手段(60)を備え、前記クランプ手段(60)が、好ましくは、少なくとも1つのねじ及び/又はクリート及び/又はリベット及び/又は圧着具を備えることを特徴とする、先行請求項のいずれか一項に記載の接合デバイス(100)。
【請求項8】
前記クランプ手段(60)が、前記アンカ部材(80)を備え、そのため、前記アンカ部材(80)が、前記2つの支持体(51、52)を互いに対してクランプすることに関与することを特徴とする、先行請求項に記載の接合デバイス(100)。
【請求項9】
前記ロック要素のうちの少なくともいくつかの前記支持体(51、52)が、1つのピースに形成されていることを特徴とする、先行請求項のいずれか一項に記載の接合デバイス(100)。
【請求項10】
前記ロック要素のうちの少なくともいくつかの前記アンカ部材(80)が、前記ケーブル(4)の前記部分(40)を貫通するように構成されたロッド部分(83)を備え、前記アンカ部材(80)が、好ましくは、少なくとも1つのクリート及び/又は1つのねじ及び/又は1つのリベット及び/又は1つのピンを備えることを特徴とする、先行請求項のいずれか一項に記載の接合デバイス(100)。
【請求項11】
前記関連付けられたケーブルの前記部分(40)が、ワイヤ(43)を備えるタイプの構造を備え、前記ロック要素のうちの少なくともいくつかの前記アンカ部材(80)が、前記関連付けられたケーブルの前記構造から前記ワイヤ(43)を分離することによって、前記関連付けられたケーブルの中へ少なくとも部分的に貫通するように、先端(820)が提供された、ヘッド(81)とは反対の、遠位端部(82)を備えることを特徴とする、先行請求項のいずれか一項に記載の接合デバイス(100)。
【請求項12】
前記ロック要素のうちの少なくともいくつかの前記2つの支持体(51、52)の少なくとも第1の支持体が、前記アンカ部材(80)が前記空洞(70)の前記拡幅中間部(73)を貫通することを可能にするために、前記空洞(70)の前記拡幅中間部(73)の中への少なくとも1つの貫通孔(53)開口部を備えることを特徴とする、先行請求項のいずれか一項に記載の接合デバイス(100)。
【請求項13】
前記2つの支持体(51、52)の前記第1の支持体が、前記アンカ部材(80)のうちの1つのヘッド(81)を収容することができる、少なくとも1つの第1のインターフェース(510)、例えば、凹み又は座ぐりを備え、前記2つの支持体(51,52)の第2の支持体が、前記アンカ部材のアンカセクション(84)、例えば、ねじ孔がともに協働することができる、少なくとも1つの第2のインターフェース(520)を備えることを特徴とする、請求項12に記載の接合デバイス(100)。
【請求項14】
前記ロック要素のうちの少なくともいくつかの前記入口開口部(50A)及び/又は出口開口部(50B)部分が、横断面くびれを局所的に有し、好ましくは、このくびれが、前記関連付けられたケーブル(4)の円筒形ジャケットの直径(D)よりも厳密に小さい直径(d)を有するように構成されていることを特徴とする、先行請求項のいずれか一項に記載の接合デバイス(100)。
【請求項15】
前記ロック要素のうちの少なくともいくつかの前記空洞(70)の前記拡幅中間部(73)が、前記関連付けられたケーブルを貫通するように構成された前記アンカ部材(80)のロッド部分(83)の軸(A)に直交する平面(P)内に半径方向の拡幅部(75)を有し、前記半径方向の拡幅部(75)が、前記空洞(70)に対して両側において、前記関連付けられたケーブルの直径(D)の、好ましくは10%以上、より好ましくは25%以上であり、かつ、前記関連付けられたケーブルの直径(D)の、好ましくは50%以下、より好ましくは40%未満であることを特徴とする、先行請求項のいずれか一項に記載の接合デバイス(100)。
【請求項16】
前記ケーブル受容ロック要素のうちの少なくともいくつかの前記空洞(70)の前記入口及び出口開口部部分(50A、50B)が、前記関連付けられたケーブルの円筒形ジャケットとともに協働するように構成された円筒形ジャケットを部分的に画定する形状を有し、前記空洞(70)の前記入口及び出口開口部部分(50A、50B)の各々が、前記空洞(70)の前記拡幅中間部(73)の軸方向長さ(L73)以上である長さ(l50A、I50B)に沿って、軸方向に延在することを特徴とする、先行請求項のいずれか一項に記載の接合デバイス(100)。
【請求項17】
各ロック要素が、概して2つずつ平行に長手方向に延在する前記3つの異なるケーブル部分を確実に固定することを可能にし、そのうちの、接続ケーブルを形成する中央ケーブル(4”)が、前記ロック要素(50)を長手方向に通過し、アンカ部材(80)によってブロックされる2本の補強ケーブル(4’)が、対応する前記中間部(73)の一部分を少なくとも部分的に占有するように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の接合デバイス(100)。
【請求項18】
少なくとも部分的に軸方向に延在する補強ケーブル(4’)を備える補強部(3)がその内側に収容されている、可撓性材料から作製される本体(2)を備える長手方向軸(X’)に沿って延在するコンベヤベルト(1)の接合部(10)であって、前記コンベヤベルト(1)が、先行請求項のいずれか一項に記載の接合デバイス(100)によってともに接続された第1(11)及び第2(12)の端部部分を備え、前記コンベヤベルト(1)の前記第1の端部部分(11)及び前記第2の端部部分(12)には、少なくとも1つのアセンブリ(150)が取り付けられており、前記コンベヤベルト(1)の前記第1の端部部分(11)の前記補強ケーブル(4’)の少なくとも一部を、前記コンベヤベルト(1)の前記第2の端部部分(12)の前記補強ケーブル(4’)の少なくとも一部に接続する、コンベヤベルト(1)の接合部(10)。
【請求項19】
先行請求項に記載のコンベヤベルト(1)の接合部(10)を製造するための方法であって、少なくとも、
前記コンベヤベルト(1)の前記第1の端部部分(11)及び前記第2の端部部分(12)において、前記コンベヤベルト本体(2)の上部及び下部を剥離する工程と、
前記コンベヤベルト(1)の前記第1の端部部分(11)の前記補強ケーブル(4’)の少なくとも一部を、前記コンベヤベルト(1)の前記第2の端部部分(12)の前記補強ケーブル(4’)の少なくとも一部に接続するように、前記ロック要素(50)の少なくとも1つのアセンブリ(150)を配置する工程と、を含むことを特徴とする、方法。
【請求項20】
前記コンベヤベルト(1)の前記第1及び第2の端部部分(11、12)が、前記2つの接合プレート(101、102)間に配設されるように、前記コンベヤベルト(1)の前記第1及び前記第2の端部部分(11、12)の別個の側を各々が被覆する少なくとも2つの接合プレート(101、102)を配置する少なくとも1つの工程を含み、前記接合プレート(101、102)は、好ましくは、加硫可能な材料で形成され、前記接合プレート(101、102)を配置する工程は、好ましくは、前記ロック要素(50)の少なくとも1つのアセンブリ(150)を配置する工程と同時に行われることを特徴とする、先行請求項に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、ケーブルクランプ又はケーブルロックなどの、少なくとも1本のケーブルのロック要素の技術分野に関する。
【0002】
本発明は、より具体的には、少なくとも1本のケーブルの少なくとも1つの部分に固定されることが意図されるケーブルロック要素に関し、ロック要素は、ケーブルの部分を封入するように構成された2つの支持体を備え、それをロックする。
【0003】
先行技術
要素をケーブルに固定するため、又は複数のケーブルをまとめて局所的に接続するための多数の解決策が先行技術から既知である。例えば、ケーブルクランプは、概して、いくつかの、概して2本の異なるケーブルの2つの部分、又は同じケーブルの2つの部分を結合し、例えば、対応するケーブルと閉ループを作製するために使用される。また、ファスナは、ケーブルの単一の部分にドッキングするために、例えば、アクセサリを固定するためにも使用され、そのような構成は一般に、所望の使用に依存する。例えば、この場合、取り扱いを確実にするためにケーブルを把持するためのハンドルであり得る。
【0004】
これらのファスナは、ボルトなどのクランプ手段によって互いに対して拘束される、2つの支持体の間の各ケーブルの少なくとも1つの部分をクランプするように構成されている。
【0005】
これらのファスナの欠点は、使い方によっては、ケーブルに対する過度の長手方向の引張応力が、ファスナ支持体に対してケーブルを滑らせる可能性があることである。この場合、一旦引張力を受けると、ケーブルに沿ったその相対的な滑りを回避するために、1本以上のケーブルの十分なクランプを確実にするように、ファスナを寸法決定することが既知である。このタイプの寸法決定は、一般に、特定の用途に適合しない嵩張った解決策の設計をもたらす。低減されたサイズ及び高い強度のケーブル接合部が要求される用途の一例には、ケーブルアーマチュアで補強されたコンベヤベルトの接合部がある。
【0006】
また、この支持体の接触面がある程度の起伏又は顕著な粗さを有し、摩擦力を増大させ、その結果として、ケーブルとファスナ支持体のクランプインターフェースとの間の接着力を増大させるように構成することも考えられる。しかしながら、実際には、そのような構成は、ファスナにおいて、ケーブルをより早く局所的に劣化させる可能性があり、これは、ケーブルを交換するためのメンテナンス作業を最小限に抑えながら、固定の質を改善することが求められる特定の用途にとって、特に問題である。加えて、これらの構成は、所望の用途に応じたファスナの大きさの問題を解決しない。
【0007】
また、いくつかの用途では、1本以上のケーブルの取り付けには、取り付けられる1本以上のケーブル部分の準備が必要とされ、これには時間がかかり、面倒となり得る。ケーブル補強部で補強されたコンベヤベルトの2つの端部間の接合の分野では、一般に、接続されるべきコンベヤベルトの端部部分の近傍でケーブル剥離作業を行うために、有資格者を動員する必要があり、これを行うには非常に時間がかかる。更に、一旦接合されると、次いで、接合ケーブルをベルト本体の構成材料に埋め込み、接合を終えるために加硫作業を実行せねばならず、この構成材料は、例えば、加硫ゴムから作製される可撓性及び弾性材料、又はポリウレタンなどの合成材料である。
【0008】
これらの工程を行うには、特に制約が多い。まず、多様な作業には、1日を超える、更には数日間にもわたる、非常に長いメンテナンス時間が必要とされる。加えて、コンベヤベルトの運転条件が非常に厳しいため、接合には慎重な作業が必要であり、これは、高度な資格を持つ専門家だけが行うことができる。メンテナンスの時間に起因して、人を何度か交代する必要があり、各人が有資格者でなければならない。加えて、これらの接合には、非常に長い長さ、通常は5~10メートルで作業が行われることが求められる。加硫作業は、接合部の全長にわたって1回の工程で行わなければならないため、現場、通常は接合部が修理される場所に、加硫プレスを有すること、及びそれを接合部の長さに適合させることが必要である。その手間及びコストは非常に大きい。
【0009】
したがって、少なくとも1本のケーブルの少なくとも1つの部分に固定されることを意図し、特に強力かつサイズが小さく、また、好ましくは、ケーブルを備える補強部がその内側に収容される、可撓性材料から作製される本体を有するタイプのコンベヤベルトの2つの端部の接合を改良することに関与するケーブルロック要素を実現するために、先行技術で提案されたものよりもより効果的な解決策に到達することが、当業者に対して顕著に必要とされている。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の目的は、これらの技術的課題のうちのいくつか又は全てに対処する解決策を提案することであり、特に、引張強度特性を改善し、ケーブル早期摩耗のリスクを低減しつつ、ケーブルへのファスナのロックを保証し、かつ比較的低減されたサイズのものであるという解決策を提案することである。
【0011】
この目的のために、本発明は、少なくとも1本のケーブルの少なくとも一部分に固定されることを意図したケーブルロック要素に関し、ロック要素は、第1の側の少なくとも1つの支持体と、第1の側とは反対の第2の側の1つの支持体を備え、支持体は、ケーブルの少なくとも一部分を封入するように構成されており、支持体は各々、少なくとも1つの溝を有し、基準軸に従って整列した入口開口部と出口開口部との間でロック要素を通過するケーブルの少なくとも一部分を受容するための貫通空洞の少なくとも一部をともに画定し、ロック要素は、ケーブルの部分を受容する空洞が、入口開口部と出口開口部部分との間において、入口開口部部分と出口開口部部分に対して半径方向に広がる拡幅中間部を備え、ロック要素は、ケーブルの部分のセクションの半径方向の変形を局所的に生じさせるように、入口及び出口開口部と整列して位置する空洞の拡幅中間部の一部分を少なくとも部分的に占有するように構成された少なくとも1つのアンカ部材を備えることを特徴とする。
【0012】
このような特徴の組み合わせにより、1本以上のケーブル部分が支持体の間に封入され、所定のケーブル部分については、アンカ部材の導入によって、所定のケーブル部分のセクションの半径方向の変形を局所的に生じさせることが可能である。次に、この変形により、アンカ部材によって変形されたケーブルのゲージを局所的に増加させることができ、アンカ部材は、それ自体、一方がケーブルの入口開口部に、また、他方が出口開口部に向かって縮小されたセクションの2つの部分によって軸方向に縁取られた、中間部分の拡幅領域に含まれる。開口部部分は各々、ロック要素の関連付けられた開口部に向かって、又はその側面に、空洞開口部の一部を形成する。ロック要素内におけるケーブル部分のロック位置では、ケーブル自体がロックに関与し、その半径方向の変形に起因して、したがって、そのサイズに起因して、これらの縮小されたセクションに対して支持されるようになり、入口と出口開口部部分との間にロックされる。
【0013】
一実施形態によれば、ロック要素は、2つの支持体を互いに対してクランプするための少なくとも1つのクランプ手段を備える。好ましくは、クランプ手段は、少なくとも1つのねじ及び/又は1つのクリート及び/又は1つのリベット及び/又は1つの圧着具を備える。概して、クランプ手段は取り外し可能であり、これは、特にねじ及びクリートに当てはまる。
【0014】
一実施形態によれば、ロック要素は、同じケーブル、又は2本の別個のケーブルの少なくとも第1の部分及び第2の部分を封入するように構成される。
【0015】
一実施形態によれば、クランプ手段は、アンカ部材を備え、アンカ部材は、2つの支持体を互いに対してクランプすることに関与する。このようにして、ロック要素の全体的なサイズは、単一の手段によって、クランプ及びアンカの両方の機能を提供することによって最小化される。
【0016】
一実施形態によれば、支持体は、単一のピースとして形成される。このような構成では、支持体によって連続的に包囲されているケーブルの部分が得られる。この場合、支持体は、例えば、互いに向き合う少なくとも2つのゾーンにわたって不連続的とすることができ、かつ分散させることができるか、又は円周方向のクランプを形成するように一緒に繋げることができる。
【0017】
一実施形態によれば、アンカ部材は、ケーブルの部分を貫通するように構成されたロッド部分を備える。
【0018】
一実施形態によれば、アンカ部材は、好ましくは、少なくとも1つのクリート及び/又は1つのねじ及び/又は1つのリベット及び/又は1つのピンを備える。
【0019】
一実施形態では、ケーブルの部分は、ワイヤを備えるタイプの構造を備え、アンカ部材は、ケーブル構造のワイヤを分離することによってケーブルを少なくとも部分的に貫通するように、先端が提供された、ヘッドとは反対の遠位端部を備える。先端を使用することにより、特定の工具を使用する必要なく、ケーブルの対応する部分を通してアンカ部材を導入することが容易になる。この先端は、ロック要素の構成に応じて、アンカ部材の位置決め後に、例えば、曲げ加工、又は切断加工することができる。
【0020】
一実施形態によれば、2つの支持体のうちの少なくとも第1の支持体は、アンカ部材が空洞の拡幅中間部を貫通することを可能にするために、空洞の拡幅中間部の中への少なくとも1つの貫通孔開口部を備える。
【0021】
一実施形態によれば、2つの支持体の第1の支持体は、アンカ部材のうちの1つのヘッドを収容するのに好適な、少なくとも1つの第1のインターフェース、例えば、凹み又は座ぐりを備え、2つの支持体の第2の支持体は、上記アンカ部材のアンカセクション、例えば、ねじ山との協働に好適な、少なくとも1つの第2のインターフェースを備える。当然のことながら、これらの第1及び第2のインターフェースは、関連付けられたアンカ部材に適合されている。この特徴は、アンカ部材がクランプ手段自体を形成する、又は構成する場合に、一層有利であり、インターフェースによって、アンカ部材及びクランプ手段の良好な保持を確実にすることが可能となる。
【0022】
一実施形態によれば、入口開口部部分及び/又は出口開口部部分は、横断面くびれを局所的に有し、好ましくは、このくびれが、ケーブルの円筒形ジャケットの直径よりも厳密に小さい直径を有するように構成される。このような特徴は、開口部部分を通るロック要素の入口及び出口におけるケーブルの部分のクランプを確実にすることを意図する。このような断面くびれは、ケーブルの円筒形ジャケットの円周の周りで連続的又は不連続的であり得る。このような不連続性は、例えば、所定のケーブル部分を貫通することができる、少なくとも1つの歯、又は円周方向にわたる歯の連続によって形成され得る。くびれは、例えば、このケーブル部分に対して円周方向に延在するフランジ又はフランジ部分によって形成される場合、連続的であり得る。このようなくびれはまた、例えば、入口及び/若しくは出口開口部、又は入口及び/若しくは出口開口部部分で、空洞内のケーブル部分の一部を局所的に覆う接続ピースによって形成され得る。
【0023】
一実施形態によれば、空洞の拡幅中間部は、ケーブルを貫通するように構成されたアンカ部材のロッド部分の軸に対して直交する平面内に半径方向の拡幅部を有する。この軸は、好ましくは、空洞を通る、好ましくは、拡幅中間部を通るアンカ部材の挿入軸に対応する。半径方向の拡幅部は、空洞に対して両側において、好ましくは、ケーブルの直径の10%以上、より好ましくは25%以上であり、好ましくは、ケーブルの直径の50%以下、より好ましくは40%未満である。
【0024】
一実施形態によれば、ケーブル受容空洞の入口及び出口開口部部分は、ケーブルの円筒形ジャケットと協働するように構成された円筒形ジャケットを部分的に画定する形状を有する。この場合において、好ましくは、空洞の入口及び出口開口部部分は各々、空洞の拡幅中間部の軸方向長さ以上の長さに沿って軸方向に延在する。
【0025】
第2の態様によれば、本発明はまた、少なくとも2つのケーブルロック要素のアセンブリであって、上で説明される特徴の全て又はいくつかを有する少なくとも第1及び第2のロック要素を備え、第1及び第2のロック要素が、アセンブリ手段によって互いに接続されていることを特徴とする、アセンブリに関する。
【0026】
一実施形態によれば、第1及び第2のロック要素は、上で説明されるようなロック要素の特性のうち全て又はいくつかを有する第3のロック要素の支持体を各々が形成するように、対をなして結合される。この場合において、好ましくは、アセンブリ手段は、互いに対するこれらの2つの支持体のクランプを確実にするための1つ以上のクランプ手段を備える。この場合、クランプ手段はまた、アンカ部材を備え得るか、又はそれから構成され得る。
【0027】
一実施形態によれば、少なくとも2つのケーブルロック要素のアセンブリは、少なくとも1本のケーブルの少なくとも第1の端部部分及び第2の端部部分を結合することが意図されており、アセンブリ手段は、複数のロック要素を連続して接続し、ロック要素のうちの少なくとも1つは、2つの端部部分のうちの一方に固定されるように構成され、ロック要素のうちの少なくとも1つは、2つの端部部分のうちの他方に固定されるように構成される。好ましくは、この場合のアセンブリ手段は、少なくとも1本の接続ケーブルを備える。
【0028】
別の態様によれば、本発明はまた、長手方向軸に沿って延在し、少なくとも部分的に軸方向に延在するケーブルを備える補強部がその内側に収容される可撓性材料から作製される本体を備えるタイプの少なくとも1つのコンベヤベルトのための接合デバイスに関し、接合デバイスは、コンベヤベルトの少なくとも1つの第1及び1つの第2の整列された端部部分を接続することが意図されており、接合デバイスは、上で説明される特徴の全て又はいくつかを有し、コンベヤベルトの第1の端部部分の補強ケーブルのうちの少なくともいくつかを、コンベヤベルトの第2の端部部分の補強ケーブルのうちの少なくともいくつかに接続するように、コンベヤベルトの第1の端部部分及び第2の端部部分に取り付けられることが意図されているロック要素の少なくとも1つのアセンブリをなすという点で注目に値する。
【0029】
言い換えれば、本発明はまた、長手方向軸に沿って延在し、少なくとも部分的に軸方向に延在する補強ケーブルを備える補強部がその内側に収容されている可撓性材料から作製される本体を備えるタイプの少なくとも1つのコンベヤベルトのための接合デバイスに関し、接合デバイスは、コンベヤベルトの少なくとも第1及び第2の端部部分を接続することが意図されており、接合デバイスは、アセンブリ手段によって互いに接続された少なくとも2つのロック要素の少なくとも1つのアセンブリを備え、アセンブリ手段は、少なくとも1本の接続ケーブルを備え、アセンブリは、コンベヤベルトの第1の端部部分の補強ケーブルのうちの少なくともいくつかを、コンベヤベルトの第2の端部部分の補強ケーブルのうちの少なくともいくつかに接続するように、コンベヤベルトの第1の端部部分及び第2の端部部分に取り付けられることが意図されており、
各ケーブルロック要素は、関連付けられた補強ケーブル及び接続ケーブルのうちの一方の少なくとも一部を封入するように構成された少なくとも2つの反対の支持体を備え、支持体は各々、基準軸に従って整列した入口開口部と出口開口部との間でロック要素を通過する関連付けられたケーブルの少なくとも一部分を受容するための貫通空洞の少なくとも一部分をともに画定する少なくとも1つの溝を有し、空洞は、入口と出口開口部部分との間に、入口開口部部分及び出口開口部部分に対して半径方向に拡幅された拡幅中間部を備え、ロック要素は、関連付けられたケーブルの部分のセクションの半径方向の変形を局所的に生じさせるように、入口及び出口開口部と整列して位置する空洞の拡幅中間部の一部分を少なくとも部分的に占有するように構成された少なくとも1つのアンカ部材を備えることを特徴とする。一実施形態によれば、ケーブルロック要素のうちのいくつか又は全ては、上記の特徴のうちのいくつか又は全てを有する。
【0030】
一実施形態によれば、接合デバイスは、各々がコンベヤベルトの端部部分の別個の側を被覆するように構成された少なくとも2つの接合プレートを備え、そのため、コンベヤベルトの端部部分が2つの接合プレートの間に配設され、接合プレートは、接合プレート、コンベヤベルトの端部のうちの1つ、次いで他の接合プレートをそれぞれ通過するように配置された固定手段によってともに固定され、各接合プレートは、可撓性及び弾性材料から作製され、上で説明されるように、ロック要素アセンブリを備え、好ましくは、対応する接合プレートの可撓性及び弾性材料に少なくとも部分的に埋め込まれている。
【0031】
一実施形態によれば、接合デバイスは、少なくとも以下を備える。
接続ケーブルの上側接続ケーブルによってともに接続され、接続される上記補強ケーブルの両端に跨る、ロック要素の少なくとも2つの上側ロック要素の上側長手方向アセンブリと、
接続ケーブルの下側接続ケーブルによってともに接続され、接続される上記補強ケーブルの両端に跨る、ロック要素の少なくとも2つの下側ロック要素の下側長手方向アセンブリと、を備え
上側長手方向アセンブリの上側ロック要素は、下側長手方向アセンブリの下側ロック要素と組み立てられ、ともに接合アセンブリを形成し、コンベヤベルトの第1の端部部分の少なくともいくつかのうちの補強ケーブル及びコンベヤベルトの第2の端部部分の補強ケーブルのうちの少なくともいくつかを封入するように成形され、接合デバイスは、好ましくは、互いに平行に配置され、接合部にわたって均等に分散されるように構成された複数の接合アセンブリを備える。
【0032】
一実施形態によれば、アセンブリ手段のいくつかは、ファスナのいくつかによって構成され、ファスナは、1つの接合プレート、コンベヤベルトの端部のうちの1つ、次いで他の接合プレートをそれぞれ通過するように配置される。
【0033】
一実施形態によれば、第1の端部部分及び第2の端部部分の補強ケーブルの封入位置において、補強ケーブルは、互いに平行かつ、対応するロック要素でロックされた接続ケーブル部分の長手方向基準軸に対して平行に配置される。
【0034】
一実施形態によれば、ロック要素の支持部品は、補強ケーブル及び接続ケーブルから第1のケーブルの少なくとも一部分を封入するように構成され、ロック要素は、補強ケーブル及び接続ケーブルから第2のケーブルを受容する貫通空洞の少なくとも一部を画定する溝を備え、貫通空洞は、2つの軸方向端部開口部を有する。
【0035】
一実施形態によれば、ファスナは各々、ヘッド及びアンカセクションを備え、接合プレートは、ファスナのヘッドと協働する少なくとも第1のインターフェース、及び/又はファスナのアンカセクションと協働する第2のインターフェースを有し、接合プレートは、互いに嵌合するように配置される。好ましくは、第1及び第2のインターフェースは、対応する接合プレートに収容された少なくとも1つのアセンブリのうちのロック要素によって担持される。
【0036】
一実施形態によれば、各ロック要素は、概して2つずつ平行に長手方向に延在する3つの異なるケーブル部分を固定することを可能にし、そのうち、接続ケーブルを形成する中央ケーブルは、ロック要素を長手方向に通過し、アンカ部材によってブロックされる2本の補強ケーブルは、対応する中間部分の一部分を少なくとも部分的に占有するように構成される。
【0037】
別の態様によれば、本発明はまた、少なくとも部分的に軸方向に延在するケーブルを備える補強部がその内側に収容されている、可撓性材料から作製される本体を備える長手方向軸に沿って延在するコンベヤベルト接合部に関し、コンベヤベルトは、接合デバイスによってともに接続された第1及び第2の端部部分を有し、接合部は、接合デバイスが、コンベヤベルトの第1の端部部分の補強ケーブルのうちの少なくともいくつかを、コンベヤベルトの第2の端部部分の補強ケーブルのうちの少なくともいくつかに接続するように、上で説明される特徴の全て又はいくつかを有し、コンベヤベルトの第1の端部部分及び第2の端部部分に取り付けられたロック要素の少なくとも1つのアセンブリを備えることを特徴とする。
【0038】
一実施形態によれば、接合部は、コンベヤベルトの第1の端部部分の全ての補強ケーブルを、コンベヤベルトの第2の端部部分の全ての補強ケーブルに接続する、少なくとも1つの、好ましくは複数のロック要素のアセンブリを備える。
【0039】
一実施形態によれば、接合部は、複数の軸方向に整列したロック要素アセンブリを備え、アセンブリは各々、少なくとも1つの隣接するアセンブリからの軸方向オフセットを有し、軸方向オフセットは、好ましくは、ロック要素の軸方向長さ以上である。
【0040】
別の態様によれば、本発明はまた、上で説明されるようなコンベヤベルト接合部の製造方法であって、少なくとも、
コンベヤベルトの第1の端部部分及び第2の端部部分において、コンベヤベルト本体の上部及び下部を剥離する工程と、
コンベヤベルトの第1の端部部分の補強ケーブルのうちの少なくともいくつかを、コンベヤベルトの第2の端部部分の補強ケーブルのうちの少なくともいくつかに接続するように、ロック要素の少なくとも1つのアセンブリを配置する工程と、を含むことを特徴とする。
【0041】
一実施形態によれば、製造方法は、上記コンベヤベルトの第1及び第2の端部部分が、2つの接合プレート間に配設されるように、コンベヤベルトの第1及び第2の端部部分の別個の側を各々が被覆する少なくとも2つの接合プレートを配置する少なくとも1つの工程を含み、接合プレートは、好ましくは、加硫可能な材料で形成され、接合プレートを配置する工程は、少なくとも1つのロック要素アセンブリを配置する工程と同時に行われることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
本発明の更なる特徴及び利点は、以下を例解する添付の図面を参照して、以下の説明から明らかになるであろう。
図1】本発明の第1の実施形態による2つのロック要素のアセンブリの等角図。
図2】この第1の実施形態による、アセンブリの下方からの斜視図。
図3】この第1の実施形態による、本アセンブリの上からの水平断面図。
図4】この第1の実施形態による、同じアセンブリの断面図。
図5】この第1の実施形態による、同じアセンブリの切除された側の図。
図6】この第1の実施形態による、接合要素アセンブリを備えるコンベヤベルト接合部の一部の分解等角図。
図7】この第1の実施形態による、接合位置における、このコンベヤベルト接合部の等角図。
図8】同じこの第1の実施形態による、接合要素アセンブリを備えるコンベヤベルト接合部の分解等角図。
図9】本発明の第2の実施形態による、ロック要素の上からの等角図。
図10】この第2の実施形態によるロック要素の下からの等角図。
図11図9の断面図。
図12】変形例による、ロック要素の断面図。
図13】この第2の実施形態によるロック要素の一部の図。
図14】本発明の第3の実施形態によるロック要素の上からの等角図。
図15】この第3の実施形態による、ロック要素の断面図。
図16】この第3の実施形態による、ロック要素の一部の図。
図17】この第3の実施形態による、ロック要素を備えるコンベヤベルト接合部の一部の図。
【0043】
明確にするために、同一又は類似の要素は、図を通して同一の参照符号で示す。
【0044】
本明細書及び特許請求の範囲では、本明細書及び特許請求の範囲を明確にするために、長手方向、横方向、及び鉛直方向という用語は、図に示されるX、Y、Z、又はX’、Y’、Z’三面体を参照して、非限定的に採用される。
一実施形態の詳細な説明
【0045】
図1、2、3、4、及び5を参照すると、図は、本発明の第1の実施形態による2つのロック要素50のアセンブリ150を例解している。
【0046】
例解されるアセンブリ150は、鉛直方向に重ね合わされた、ケーブル4のための2つのロック要素50と、第1の上側ロック要素50、及び第2の下側ロック要素50とを備える。ケーブル4の各ロック要素50は、ケーブル4の一部分40に対するそのロックを確実にする。好ましくは、ロック要素50は、金属材料で形成又は作製される。この固定を確実にするために、各ロック要素50は、ケーブル4の少なくとも部分40を受容するように構成された空洞70が通過する本体を備え、空洞70は、一方の入口開口部50Aと、他方の出口開口部50Bとの間で、一方の側から他方の側へ本体を通過し、これらの開口部は、長手方向基準軸Xに従って整列される。
【0047】
空洞70は、その長さのうち全て又は一部に沿ってケーブル4の部分40を封入するように構成される。この目的のために、及び一般に、ロック要素50は、第1の側に少なくとも1つの支持体51と、第1の側とは反対の第2の側に支持体52を備え、支持体51、52は、少なくともケーブル4の部分40を封入するように構成される。支持体51、52は各々、空洞70の少なくとも一部をともに区画し、ケーブル4の部分40を収容する溝71、72を有する。本実施形態では、空洞70が一方の開口部50Aから他方の開口部50Bを通過するロック要素50の本体は、一体型部品であり、支持体51、52は、ともに単一ピースに形成される。したがって、空洞70は、ここでは、入口開口部50A及び出口開口部50Bにおいて軸方向に長手方向に開放され、空洞70は、支持体51、52によって半径方向に閉鎖され、その結果、溝71、72が集合して、ケーブル4の部分40を包囲する閉鎖された輪郭を形成する。
【0048】
ケーブル4の部分40を受容する2つのロック要素50の各々の空洞70は、入口開口部50A部分と出口開口部50B部分との間に配設され、入口開口部50A部分に関して、及び出口開口部50B部分に関して、半径方向に広がる拡幅中間部、又は中央部73を備える。この拡幅中間部73は、入口開口部50A部分及び出口開口部50B部分と整列して配設され、すなわち、上記拡幅中間部73は、ここではこの軸Xを中心とする長手方向基準軸X上にあるが、任意選択的に中心から外れている場合がある。開口部部分は、関連付けられた開口部50A、50Bを通してロック要素50に対して開口する、空洞70の概して長手方向に延在する部分を形成する。
【0049】
各ロック要素50は、少なくとも1つの半径方向構成要素に沿ってケーブル4の部分40のセクションの変形45を局所的に生じさせるように、空洞70の拡幅中間部73の一部分を少なくとも部分的に占有するように構成された少なくとも1つのアンカ部材80が提供されている。例えば、図4に見ることができるように、アンカ部材80は、ここでは、ロッド80の一部分83が拡幅中間部73を貫通する直線状ロッドによって形成される。ケーブル4の一部分40が空洞70内に収容されるとき、このロッド80は、長手方向基準軸Xに関して、局所的に、好ましくは、ここで半径方向に、それを通過する。ケーブル4は、素線42によって包囲されたコア41と、素線42の各々と、及びワイヤ43からなるコア41とを有する構造を備える。アンカ部材80のロッドは、ケーブル4を貫通することによって、ケーブル4の構造のワイヤ43の一部分を別の部分から局所的に分離し、ワイヤ43のこれらの2つの部分は、アンカ部材80に関して外側に離間され、局所的に膨らむ、すなわち、対応するケーブル4の部分40のゲージを増加させる。
【0050】
この膨らみは、ケーブル4の実質的に円筒形ジャケットに対して、概して半径方向の構成要素に沿って、2つの反対方向に、すなわち、長手方向軸Xに対して垂直であり、アンカ部材80のロッドの鉛直軸Aに対して垂直である横軸Yに沿って延在し、それによって、ケーブル4の初期の円筒形セクション40の横方向変形45を、概してこの横軸Y’に沿って、一方向、及び他方向に生じさせる。ロック要素50は各々、この変形45が、一旦アンカ部材80が位置決めされると、空洞70の拡幅中間部73を画定する内壁の少なくとも一部と接触し、隣接するように構成される。
【0051】
ロッド80のケーブルの中へのこの挿入は、アンカ部材80が、ワイヤ43をケーブル4の構造から徐々に分離することによって、ケーブル4の中へ少なくとも部分的に貫通するように、先端820が提供された、ヘッド81の反対側の遠位端部82を備えるときに容易に行われる。この先端820は、好ましくは、ワイヤ43が、それらの構造的完全性に影響を与えることなく、構造から分離されることを可能にするように、丸みを帯びている。次に、丸みの曲率半径は、それらを損傷することなくワイヤ43の分離を容易にするように選択される。
【0052】
このロッド80の配置を可能にするために、外部からアクセス可能な2つの支持体51、52のうちの一方は、第1のロッド801がそこで係合することを可能にし、したがって、上記ロッド801がここで、並進して、空洞70の拡幅中間部73の中に貫通することを可能にするために、空洞70の拡幅中間部73の中への貫通孔53開口部を備える(図4を参照)。また、2つの支持体51、52のうちの他方は、第2のロッド802の先端820を受容し、それを保持するために、第2の孔53’、例えば、示されているような貫通孔を備える、しかし、必ずしも貫通孔である必要はない。この第2の孔53’は、貫通孔53の反対に、ケーブル4の長手方向軸Xに関して半径方向に配設される。ロッド80、801、802は、その位置決め中に挿入方向に連続して2つの孔53、53’の各々に焼嵌めすることによって、ロック要素50と一体的に保持される。孔53、53’は、ここでアンカ部材80を形成するロッド801、802を一体的に収容するため、孔53は、アンカ部材80のヘッド81を収容することができる第1のインターフェース510を形成し、孔53’は、上記アンカ部材80のアンカセクション84とともに協働することができる第2のインターフェース520を形成する。本実施形態では、2つのロッド801、802は、対象となるロック要素50のうちの1つごとに別個のアンカ部材80を形成するが、代替的に、同じロッドが、鉛直方向に重ね合わされた2つのロック要素50に共通であることが想定され得る。
【0053】
ケーブル4の部分40を受容する空洞70は、その端部において、入口開口部50A及び出口開口部50Bの各々の近傍に、上記ケーブル4の円筒形ジャケットと協働するように構成された円筒形ジャケットを画定する形状を有する。支持体51、52は、1つのピースに形成され、ケーブル4の部分40を完全に包囲しており、空洞70の長手方向端部は、開口部部分を形成し、このケーブル4と相補的である円筒部分によって形成される、又は空洞70のケーブル4と対応する溝71、72との間の摩擦力を増加させる軽いクランプを可能にするように、わずかに更に小さい直径で形成される。この構成において、ケーブル4は、空洞70内に緩く配設されないように十分に囲まれているが、きつ過ぎず、好ましくは任意の特定の工具の助けを借りずに、操作者によって行われる手動操作によって、ケーブル4が上記空洞70を通って挿入されることを可能にする。追加のクランプ手段60は、2つの支持体51、52の互いに対するクランプを確実にするために提供され得る。本実施例では、圧着具60は、入口及び出口開口部50A、50Bの各々に提供され、圧着具は、特に、図5に見られるように、空洞70の内部の対応する溝71、72の中で、突起材料の変形を生じさせる、外面上の支持体のうちの1つのスタンピングによって得られる。当然のことながら、任意のタイプの圧着具を使用して、ロック要素50の構成に従ってクランプ手段を形成できる。
【0054】
空洞70のこれらの円筒形端部部分、又は開口部部分は、入口及び出口開口部50A、50Bに対して軸方向に開口する。これらの開口部部分は各々、長さl50A及びI50Bに沿って軸方向に延在し、この各々は、空洞70の拡幅中間部73の軸方向長さL73以下である。
【0055】
例えば、図3に見ることができるように、空洞70の拡幅中間部73は、概して、ケーブル4を貫通するように構成されたアンカ部材80のロッド部分83の軸Aに対して直交する平面Pに沿って延在する半径方向の拡大部75を有する。空洞のこの横方向拡大部75は、好ましくは、空洞70に関して、各側面において、ケーブル4の直径Dの10%以上、より好ましくは、25%以上、及び好ましくは、ケーブル4の直径Dの50%以下、より好ましくは、40%未満である(例えば、図3参照)。例えば、3mmの直径のロッド83が実質的に中央を通過する直径5mmのケーブル4について、ケーブル4は、ロッド83の両側にバルジを有し、このバルジは、空洞70の長手方向基準軸Xに関して、一方向及び他方方向に略横方向に方向付けられる。次いで、空洞70の拡幅中間部73は、このバルジを内部に収容するように構成された横方向拡大部75を有するように、かつ、軸Aの両側において、ケーブル4の直径Dの30%に対応する寸法を有するように構成される。
【0056】
このような構成では、ロック要素50は各々、一方では、ケーブル4の部分40との局所的なロック要素50の摩擦力のおかげで、特に相補的なクランプ手段60によって完成された支持体51、52間の摩擦力のおかげで、また、他方では、アンカ部材80によって確実にされたケーブル4の部分40の変形45のおかげで、ケーブルの一部分をロックしたままにすることを可能にする。このケーブルの変形45は、ケーブル4を軸方向に並進させてロックする、空洞70のより小さなセクションの2つの部分の間に配置された拡幅中間部73の部分のレベルにおける空洞70の内部拡大部75によって可能となる。
【0057】
上で考察されるように、この第1の実施形態は、鉛直軸Zに沿って鉛直に組み立てられた2つのケーブルロック要素50が提供されたアセンブリ150を例解する。第1の上側ロック要素50は、ファスナ110によってともに接続された第2の下側ロック要素50と結合するように構成される。
【0058】
この一対の下側及び上側ロック手段50は、図1~6に例解されるように、それらの間に少なくとも1つの他のケーブル部分4’、好ましくは2本の隣接するケーブル4’を封入するように構成される。このようにして、第1及び第2の下側及び上側ロック要素50は、これらの2本のケーブル4’をアセンブリ150の内部空間151内において封入するように構成されたクランプジョーをともに形成する。これらの図に特に例解されていない構成では、このようなクランプジョーは、本発明の意味において、同じロック要素50の支持体51、52を形成することができることに留意されたい。この場合、2つの支持体51、52は、1つのピースに形成されるのではなく、2つの別個の部分に形成され、ファスナ110は次いで、クランプ手段60を構成する。
【0059】
ロック要素50の各々の空洞70は、第1及び第2の下側及び上側ロック要素50の組み立て位置に位置決めされ、実質的に平行であり、特に、クランプ平面Psに対して対称である。下側及び上側クランプ要素50の各々のこれらの空洞70は、鉛直平面内で整列して位置決めされ、ケーブル4の2つのロック部分40の長手方向軸Xに対して平行であり、クランプ平面Psに対して垂直である。2つの下側と上側ロック要素50との間に封入された2本のケーブル4’は、互いに平行に、対応するロック要素50でロックされたケーブル4の2つの部分40の長手方向基準軸Xに対して平行に、また、関連付けられた下側及び上側接続ケーブルに対して平行に配置される。
【0060】
アセンブリ150のジョー50によって封入された2本のケーブル4’は、上述の鉛直平面に関して中心から外れており、この鉛直平面に関して対称的に位置決めされている。下側及び上側ロック要素50は各々、内側空間151に方向付けられた内側に、支持体中のケーブル4’のうちの1本を各々が受容する溝171を有する。溝は、下側及び上側ロック要素50の各々に1つの溝の対で関連付けられている。対の溝171は、鉛直方向に整列又は重ね合わせられ、2つの軸方向に開いた開口部の間でアセンブリ150を通過するケーブル4’の対応する部分を受容するために、貫通空洞170の少なくとも一部をともに画定する。したがって、2つの空洞170は、対応するケーブル部分4’を封入するようにインターフェースを形成するジョーの間に形成される。ここでも、これらの図に示されていない構成では、2つの空洞170は各々、一実施形態において、本発明の意味における拡幅中間部も有する空洞を形成することができる。
【0061】
下側及び上側ロック要素50は各々、内側に、対応する空洞70と実質的に鉛直方向に一列に並んで位置し、2つの入口と出口開口部50A、50Bとの間で実質的に長手方向に延在する、内側空間に面するバルジ172を有する。これにより、十分な量の材料がアンカ部材80の端部を受容し、そのアンカリングを確実にすることを可能にする余肉を提供することが可能となり、ここでは、ロッド83の端部の適切な締め付けを確実にするようにサイズ決定された孔53’を確実にする。このようなバルジ172は、概して、必ずしも長手方向に延在することなく、空洞70の拡幅中間部73と真一列に並んで位置し得る。しかしながら、このようなジョーの場合、長手方向に連続するバルジ172は、溝の少なくとも一部、この場合は両側の2つの溝を横方向に区画することを可能にする。
【0062】
上記アンカ部材80のアンカセクション84がともに協働するように適合され、ロッド83の先端520を受容する、2つのロック要素50の各々の第2のインターフェース520を形成する孔53’は、空洞70の拡幅中間部73の中に遷移する縁部を有する。この遷移縁部は、その全円周にわたって丸みを有するように構成される。このようにして、ケーブル4の部分40が、ジョーを形成するロック要素50の内側に位置する支持体である内側支持体52の溝72に押し付けられるとき、すなわち、内側空間151に最も近いとき、アンカ部材80が挿入されるとき、ケーブル4は、空洞70に対して、特に、拡幅中間部73の内壁に対して半径方向に押し付けられ、この丸みと接触し、鋭い周縁部とは接触せず、したがって、その摩耗を制限する。
【0063】
図6、7、及び8に例解されるように、ロック要素50は、特定のアセンブリを形成するために組み合わせて使用される。特に、これらのロック要素50は、コンベヤベルト1の接合部10の一部として使用される。このようなコンベヤベルト1は、特に鉱山、採石場、及び厳しい作業条件及び高い内的応力にさらされる他の場所で使用される。
【0064】
コンベヤベルト1は、コンベヤに沿うその進行方向に略対応する、長手方向軸X’に沿って延在する。コンベヤベルト1は、加硫可能エラストマーなどの可撓性材料、又は合成材料で形成された本体2を備え、本体2に埋め込まれた、例えば、鋼鉄から作製されるケーブル4’を備える補強部3で補強されている。コンベヤベルト1によって取り込まれる力は、主に、長手方向であり、したがって、ケーブル4’は、軸方向に延在するようにコンベヤベルト1の本体2内に配置され、上記コンベヤベルト1の使用中、牽引するように働く。
【0065】
コンベヤベルト1は、第1の端縁部11’及び第2の端縁部12’を備え、そこから、第1の端部部分11及び第2の端部部分12がコンベヤベルト1を横切って延在し、2つの端部部分11、12の間の接合部10を提供する接合デバイス100によってともに接続される。接合位置において、端部部分11及び第2の端部部分12は、鉛直方向に整列し、第1の端縁部11’及び第2の端縁部12’は、長手方向に対して反対であり、好ましくは当接する。実際には、採石場、又は他の使用場所での用途に応じて異なる材料、又は異なる製品を運搬するための距離を考慮すると、接合デバイス100によって、ともに接続された、いくつかの長手方向コンベヤベルト部分を接合することによって、単一のコンベヤベルト1を形成することができることが分かる。
【0066】
端部部分11、12は、接合位置において、接合デバイス100における接合部10が、コンベヤベルト1に等しい厚みであるように構成される。このようにして、接合デバイス100の使用は、その端部部分11、12に局所的な余分な厚みを生じさせず、厚みは一定である。このような特徴は、コンベヤ上をスクレーパが通過することに起因する早期摩耗を回避するのに特に重要である。この制約を満たすために、第1の端部部分11及び第2の端部部分12は、特に剥離作業によって剥離された後に、薄くされて、接合デバイス100の設置を確実にする。この剥離は、好ましくは、ケーブル4’の厚みまで、すなわちケーブル4’の厚みに対応する厚みに及ぶ。
【0067】
コンベヤベルト1は、その本体2内に補強ケーブル4’を収容している。コンベヤベルト1は、その厚みeの方向に、ケーブル4’を一体化し、補強部3のない本体2の外側可撓性材料の2つの層、すなわち、コンベヤベルト1の本体2の上側と下側との間に鉛直方向に介在された、実質的に中央の層1Aを備えるように構成されている。
【0068】
コンベヤベルト1のケーブル4’は各々、コンベヤベルト1の本体2内で長手方向に連続して、各ケーブル4’の切損遊端部が位置する、対応する端部部分の中に延在する。端部部分11、12は、コンベヤベルトの長手方向延長部において、ケーブルを一体化し、外層を剥奪又は剥離した、すなわち、通常は中央層1Aの両面において、接合部10の外側のコンベヤベルトの残りの部分上に位置する下側及び上側材料層を剥離した、中央層1Aから形成される。端部部分11、12の厚みは、剥離作業後に得られる中央層1Aの厚みに対応し、好ましくは、ケーブル4’の平均直径又は最大寸法を有するケーブル4’の直径に等しい。したがって、ケーブル4’を包囲する本体2の全ての材料、特にケーブル4’間の本体2の材料を完全に除去することに相応する、各ケーブルを完全に剥離することは、本実施形態では必要ではない。
【0069】
2つの長手方向に整列した端部部分11、12の間に接合部を提供する接合デバイス100は、ここで、コンベヤベルト1の同じ側の第1の端部部分11及び第2の端部部分12を、コンベヤベルト1の幅の全て又は一部にわたって、好ましくは、全幅にわたって覆うように各々がサイズ決定されている、2つの接合プレート101、102を備える。接合プレート101、102は、第1及び第2の端部部分11、12の下を跨ぐ下側接合プレート101と、第1及び第2の端部部分11、12を覆うように、それらの上を跨ぐように位置決めされた上側接合プレート102と、を備える。これらの接合プレート101、102は各々、第1の端部部分11及び第2の端部部分12の肉薄部を得ることを目的として、剥離工程の間に生成された材料空隙をともに充填するように構成された、対応する端部部分の厚みに相補的な厚みを有する。このようにして、接合後、コンベヤベルト1の下面1”及び上面1”との接合部10の平坦性、すなわち、コンベヤベルト1の一定の厚みeは、起伏なしで得られる。すでに上記で述べたように、このような特徴は、運搬される材料の経路に位置し、コンベヤベルト1の上面1’を掻き落とすように構成されたスクレーパ(図示せず)の使用に起因する早期摩耗を防止することを可能にする。
【0070】
上記コンベヤベルト1の第1及び第2の端部部分11、12は、第1と第2の端部11、12との間に材料ブリッジを各々が作製する、2つの接合プレート101、102の間に把持される、又はその間に鉛直方向に封入される。これらの接合プレート101、102は、可撓性及び弾性材料、例えば、加硫ゴム、又はポリウレタンなどの合成材料から作製される。これは、好ましくは、コンベヤベルト1の本体2を構成するものと同じ可撓性材料である。
【0071】
本発明によれば、接合デバイス100は、コンベヤベルト1の第1の端部部分11の補強ケーブル4’の少なくとも一部をコンベヤベルト1の第2の端部部分12の補強ケーブル4’の少なくとも一部と接続するために、コンベヤベルト1の第1の端部部分11及び第2の端部部分12に取り付けられたロック要素50の少なくとも1つのアセンブリ150を備える。
【0072】
コンベヤベルト1の2つの端部部分がともに接合されることを確実にするために、ロック要素50は、様々な方法でともに接続される。
【0073】
ロック要素50は、各アセンブリ150について、第1の上側ロック要素50が、ファスナ110によってともに接続された第2の下側ロック要素50と結合するように構成されるように、対をなして鉛直方向に組み立てられ、このような一対の下側及び上側ロック手段50は、少なくとも1本のケーブル4’、好ましくは2本の隣接するケーブル4’を封入するように構成される。前述の図に関連して先で説明されるように、第1及び第2の下側及び上側ロック要素50は、ケーブル4’の少なくとも一部を封入するように構成されたクランプジョーをともに形成する。
【0074】
加えて、複数の上方ロック要素50はまた、接合部10の接続ケーブルを形成し、いわゆる上記上側ロック要素50の各々の空洞70を通過するケーブル4によって、ともに長手方向に接続されている。同様に、複数の下側ロック要素50はまた、上記下側ロック要素50の各々の空洞70を通過する接続ケーブル4によって、ともに長手方向に接続される。ケーブル4’によって補強されたコンベヤベルト1の端部部分11、12の接合部10の文脈では、コンベヤベルト1の接続される上記ケーブル4’の2つの端部に跨る接続又は接合ケーブル4によって、ともに接続された複数のロック要素50の長手方向の軸方向アセンブリ150を使用することができる。本実施形態では、いくつかの上側ロック要素50の長手方向アセンブリ150は、相補的な下側長手方向アセンブリ150と結合され、これにより、ケーブル端部4’のうちの一方を封入する複数のジョー、及びケーブル端部4’のうちの他方を封入する別の複数のジョーを形成し、これにより、接続を形成する。
【0075】
上で説明されるような複数の対の下側及び上側ロック手段50の接合アセンブリ150’が得られ、上記対のロック手段は、長手方向に、下側ロック要素50を連続して接続する下側ケーブル4によって、及び上側ロック要素50を連続して接続する上側ケーブル4によって接続される。このような接合アセンブリは、2つの取り外し可能な部分、具体的には、上側及び下側に分割される。
【0076】
コンベヤベルト1の接合部10に構成を適用し、互いに平行に配置され、接合部10上に均等に分散したこのような接合アセンブリ150’を増大させることにより、その後、第1の端部部分11の各ケーブル端部4’を第2の端部部分12の別のケーブル端部4’に接続することによって、コンベヤベルト1の2つの端部部分の接合を確実にすることが可能である。本実施形態では、接合アセンブリ150’は、接合プレート101、102の中に組み込まれ、ロック要素50は、関連付けられた接合プレート101、102を形成する加硫ゴムなどの柔らかい弾性材料に埋め込まれる。単一の接合デバイス100の接合アセンブリ150’の上側部分(上側ロック要素50及び上側接続ケーブル4)は、実際に、上側接合プレート102の構成材料に容易に組み込まれ、単一の接合デバイス100の接合アセンブリ150’の下側部分(下側ロック要素50及び下側接続ケーブル4)は、実際に、下側接合プレート101の構成材料に容易に組み込まれる。
【0077】
代替的に、それらは、これらの第1及び第2の端部部分11、12に取り付けられ、その後、接合プレートで被覆され得る。しかしながら、このような実施形態は、より可撓性が低いことを示し、このようにして作製された接合部の厚みがより厚くなることになる。
【0078】
接合プレート、下側101及び上側102の固定は、ねじ-ナットファスナなどのロッドを備えるファスナ110によって行われる。ファスナ110は、厚みを通過し、2つの接合プレート101又は102のうちの第1の接合プレート、次いで2つの端部部分111又は12のうちの一方、最後に2つの接合プレート101又は102のうちの第2の接合プレート1を連続して通過する。本実施形態では、ファスナ110は、ヘッド111と、ねじ山が提供されたアンカセクション112とを各々が備えるねじであり、接合プレート101、102は、ファスナ110のヘッド111と協働する第1のインターフェース113及び/又はファスナ110のアンカセクション112と協働する第2のインターフェース114を備える。第1及び第2のインターフェース113、114は、接合プレート101、102に一体化されたロック要素50によって担持される。したがって、本実施形態では、ファスナ110は、一方では、接合プレート101、102を端部部分11又は12と互いに固定することを確実にし、他方では、ジョーを形成する一対のロック要素50の接続を確実にして、ケーブル4’の1つ以上の部分を封入する、二重機能を果たす。ここには例解されていない特定の構成では、ファスナ110はまた、ジョーのうち1つを形成する各ロック要素50が、1つ以上の空洞170とともに、上で説明されるように、支持体51、52を形成又は構成するとき、一対の重ね合わせられた下側及び上側ロック要素50の組み合わせによって形成されるであろうロック要素50のクランプ手段60を形成することができ、コンベヤベルト1の対応する端部部分11、12のケーブル4’のうち1つの変形をその中に収容することを可能にする。このような構成は、そのような空洞170を有する下側及び上側ロック要素50が、必ずしも第3の中央ケーブルが存在する必要なく、2本のケーブルを封入することも可能であり、また、ジョーは、同じロック要素50の支持体51、52に過ぎず、これらの支持体がロック要素50自体を構成することはない。
【0079】
第1のインターフェース113は、各々、ファスナ110のうちの1つのヘッド111を収容することができる窪みを備える。第2のインターフェース114は、円筒形の筒状部分116を備え、円筒形の筒状部分116の内側円筒形表面は、ここでは、アンカセクション112のねじ切りに対して相補的なねじ切りのおかげで、ファスナ110のアンカセクション112と協働することができる。
【0080】
ファスナ110は、関連付けられた端部部分11又は12の対応するケーブル4’のケーブル4’を通過するように配置される。下側及び上側ロック手段50の各対は、アセンブリの空洞170の各々を通過する2つのねじタイプのファスナ110、及びその中に収容されたケーブル4’を有する。ファスナは、横方向に整列されないように、アンカ部材80を通過する横軸Y’からオフセットされ、2つのファスナ100のうちの一方は、前方に向かって一工程オフセットされ、他方は、後方に向かって一工程オフセットされる。このようにして、ロック及び/又はアセンブリ要素の横方向のゲージを低減することができる。
【0081】
アセンブリ150の下側及び上側ロック要素50は各々、隣接するアセンブリ150の隣接する接続ケーブル4に対して片側及び他方に留まるように構成された、2つの横方向に延在する翼部54を備える。好ましくは、この支持体は、安定性を獲得し、ケーブル4’との接合部における摩耗を最小限に抑えるために、ケーブルの外面部分を少なくとも部分的に包囲する。
【0082】
接合プレート101、102は、ケーブル4’を一体化した中央層1Aからなるコンベヤベルトの端部部分11、12の両面から来るため、端部部分11、12の全てのケーブル4’を完全に剥離する必要はない。以下の工程を実行して、接合が行われる。
コンベヤベルト1の第1の端部部分11及び第2の端部部分12において、コンベヤベルト1の本体2の上側部分と下側部分を剥離する工程、
上記コンベヤベルト1の第1及び第2の端部部分11、12が2つの接合プレート101、102の間に配設されるように、コンベヤベルト1の第1及び第2の端部部分11、12の別個の側を各々が被覆する、2つの接合プレート101、102を配置する工程、
この接合プレート101、102を配置する工程の間、第1の端部部分11の補強ケーブル4’を第2の端部部分12の補強ケーブル4’に接続するために、上側ジョーを形成する上側ロック要素50を、下側ジョーを形成する下側ロック要素50に対で結合すると同時に、接合アセンブリ150’が配置される工程、
ファスナ110を位置決めすることによって接合部を固定し、各下側及び上側ロック要素50の対をともに固定する工程。
【0083】
好ましくは、下側ロック要素50及び上側ロック要素50の対は、概して、互い違いに配置されるように構成される。このようにして、これらは全て、コンベヤベルト1の横軸Y’に対して横方向に整列するわけではない。
【0084】
また、接合アセンブリ150’は、第1の端部部分11又は第2の端部部分12の各補強ケーブル4’が、補強ケーブル4’ケーブルを第1の側に隣接させた状態で、接合アセンブリ150’の一方によって接続され、及び補強ケーブル4’ケーブルを第1の側とは反側の第2の側に隣接させた状態で、接合アセンブリ150’のもう一方によって接続されるように位置決めされる。
【0085】
図9~13は、第2の実施形態によるロック要素50を例解する。金属から作製されるこのロック要素50は、3本の異なるケーブル素線又はケーブルの部分を固定することを可能にし、そのうちの2本のケーブルは、対応する中間部分73の少なくとも一部を占有するように構成されたアンカ部材80によってロックされる。これらの3本のケーブルのうち、ロック要素は、中央ケーブル4”と、2本の横ケーブル4を有する。
【0086】
中央ケーブル4”は、ロック要素50を長手方向に通過し、金属ロック要素50をケーブルに直接接着、溶着、又は成形するなどの任意の手段によって通過する孔に永久的に固定される。ロック要素50のいずれかの側のこの中央孔開口部は、円筒形(図11を参照)であっても、例えば、楕円形(図12を参照)など、異なり得るが、当然のことながら、他の形状(長方形など)が可能である。2本の横ケーブル4は各々、ロック要素50を通過し、ケーブル4の各々対応する部分40は、別個の空洞70に収容される。ケーブル4、4”のこれらの3つの部分は、概して、2つずつ長手方向に平行状に延在する。
【0087】
第1の実施形態と同様に、ケーブルの一部分を受容するように構成された2つの空洞70は各々、入口開口部50Aから他方の出口開口部50Bにロック要素50の本体を通過する。ロック要素50の本体は、一体型部品によって形成されているため、支持体51、52は一体に形成される。これらの空洞70は各々、第1の実施形態を参照して説明されるものと同様である。したがって、ケーブル4の部分40のうちの1つを受容する2つの空洞70は各々、対応する入口50Aと出口50Bの開口部との間に整列して配設された拡幅中間部又は中央部73を備える。2つの空洞70の各々の拡幅中間部73は、長手方向にオフセットされており、つまり、それらは、長手方向軸Xに対して横方向の軸Yに沿って整列されていない。これにより、より小さい全体的なサイズが可能となるが、以下で考察されるように、アンカ部材80の最適な位置決めも可能となる。
【0088】
アンカ部材80は、ここではクリートである。クリート80は、コンベヤベルトに固定される前に、略「U」字形状を有する。クリート80は、一体型ロッドから形成され、すなわち、1つのピースに形成され、好ましくは、金属から作製される。クリート80のヘッド81は、実質的に直線状の一体型ロッドの中央部から形成され、これは、各々がロックされるケーブル4の2つの部分40のうちの1つを貫通するように構成されたロッド部分83を各々が形成する2つの横ロッド部分の間に介在される。エルボによってヘッド81に接続された各ロッドは、それ自体がアンカ部材80を形成して、第1の実施形態のように、ケーブル4の2つの対応する部分40の各々の変形45を生じさせ、それらをロックするために、2つの拡幅中間部73のうちの1つを貫通する。
【0089】
ロッド80の部分83は、それらの端部に、ヘッド81から離れて延在する先端820を有し、2つの拡幅中間部73の各々のうちの1つを通るそれらの挿入を容易にし、ロック要素50の本体を通って鉛直方向にその厚みを通過する。
【0090】
上部支持体を形成する第1の支持体51の側のロック要素50の外側に、ロック要素50は、クリート80のヘッド81の全て又は一部を相補的に収容するための、溝などの第1のインターフェース510を有する。上部支持体を形成する第2の支持体52の側のロック要素50の他方の外側に、ロック要素50は、クリート80の先端820の全て又は一部を収容するための1つ又は2つの溝などの第2のインターフェース520を有し、先端820は、一旦設置されると、クリート80の締め付けをロックするように挿入された後に、ロック要素50の下で折り曲げられる、又は折り畳まれることにより、コンベヤベルト1の使用中にクリート80が緩むことができないことを確実にする。したがって、クリート80の曲がった先端820の各々は、上記アンカ部材80のアンカセクション84を形成し、上記クランプ80の取り外しを妨げ、そのアセンブリをロックすることを可能にすることによって、上記クランプ80のロック要素50への確実なアンカリングを確実にする。
【0091】
ロッド部分83は、ロックされるケーブル4の2つの部分40のうちの1つを鉛直に貫通するのに対して、ヘッド81は、2本のケーブル4を接続するために、横方向構成要素に沿って延在するが、角度をなして、すなわち、横方向軸に関して一定の傾きで延在し、また、2つの空洞の各々の拡幅中間部73が長手方向にオフセットされることを示している。体積の増加に加えて、このような構成から、クリート80がアンカリングされている2本の別個のケーブル4に引張力が印加されると、この結果、鉛直軸を中心としたクリート80の回転力が生じ、これがケーブル4の変形を外向きに更に制約し、ケーブル4をより良好にロックする効果をもたらすことは明らかである。
【0092】
2つの空洞70の各々の拡幅中間部73は、対応するケーブル部分の円筒形ジャケットに相補的な2つの略円筒形部分の間に軸方向に介在される、又は更にわずかに小さく、これらの円筒形部分の各々は、入口開口部50A及び出口開口部50B上に軸方向に開口する開口部部分を形成する。各々の拡幅中間部73の拡幅セクションは、それを縁取る円筒形部分の断面よりも大きな断面寸法を有する。このサイズの増加又は拡幅は、ロック要素50に関して、すなわち、関連付けられた長手方向軸Xに対して垂直であり、アンカ部材80のロッドの鉛直軸Aに垂直な横軸Yに沿って、少なくとも部分的に横方向に広がり、この結果、ケーブル4の部分40の元々は円筒形のセクションの横方向変形45を、概して、この横軸Yに沿って、一方向に、及び他方向に生じさせる。いくつかの可能な変形例では、軸Aは鉛直ではない場合があることに留意されたい。
【0093】
この第2の実施形態では、ロック要素50は、2つの支持体51、52を互いにクランプするためのクランプ手段60を更に備える。これらの支持体51、52は、ここでは、1つのピースに形成されているため、空洞70の各々の円筒形端部部分の全て又は一部に沿って圧着を進めると好都合である。この圧着は、クランプ作業、ここでは圧着後にロック要素50上に残された跡61によって外部から見ることができる。
【0094】
このような一組のロック要素50は、例えば、コンベヤベルトの端部の接合に関与する接合アセンブリを形成するために使用され得る。この場合、中央ケーブル4”は、好ましくは、複数のロック要素が連続して固定され、長手方向アセンブリを形成する接続ケーブルである。このようなロック要素50のアセンブリ(図示せず)は、この場合、コンベヤベルト1の第1の端部部分11の補強ケーブル4’の少なくとも一部をコンベヤベルト1の第2の端部部分12の補強ケーブル4’の少なくとも一部に接続するように、コンベヤベルト1の第1の端部部分11及び第2の端部部分12を跨ぐように取り付けられるように構成される。
【0095】
このような構成では、各ロック要素の中央ケーブル4”は、第1及び第2の端部部分11、12を跨ぎ、2本の横ケーブル4は、アセンブリの一方の長手方向の側面では、2つの端部部分11、12のうちの一方の補強ケーブル4”であり、アセンブリの他方の長手方向の側面では、2つの端部部分11、12の他方の補強ケーブル4”である。
【0096】
しかしながら、そのような接合を行うには、コンベヤベルト1の端部部分11、12を構成する補強ケーブル部分を完全に剥離する必要がある。一旦ケーブルが接続されると、接合部によって再構築された補強部の周りのコンベヤベルト1の本体を再構成するように、接合部を加硫することが可能である。加硫はまた、好ましくは、2つの接合プレート101、102の使用、及び/又は鋳造樹脂の使用によって置き換えられ得ることに留意されたい。これらの代替案によって、長く複雑な加硫工程を回避することが可能となる。
【0097】
ロック要素50の位置決めを容易にするために、それらは、2つの下側及び上側支持体51、52の各々のうちの1つを形成する、ジョーなどの2つの異なる部分で設計され得る。支持体51、52の各々の2つの溝71、72のセンタリングを確実にするために、追加の接続要素、例えば、支持体の完璧な重ね合わせを保証し、対応するケーブル部分の周りの位置決めを容易にする2つの支持体間の関節部を提供することができる。
【0098】
図14~17は、第3の実施形態によるロック要素50を例解しており、これは、中央ケーブル4”を有しないという点と、単一の拡幅中間部73を提供するように、各々がケーブルを受容する2つの空洞70が互いに連通するという点で第2の実施形態とは本質的に異なる。ロック要素50は、一体型スリーブの形態を有し、すなわち、支持体51、52もまた、1つのピースに形成されるが、それにより、同じ空洞70内にケーブル4の2つの部分40をロックすることを保証することが可能となる。
【0099】
このような構成では、入口50A及び出口50Bの開口部も互いに連通する。これらの入口50A及び出口50Bの開口部は、基準軸Xに従って互いに長手方向に整列し、第2の実施形態と同様の方法で圧着される2本のケーブルの形状と実質的に相補的な形状を有する。
【0100】
拡幅中間部73は、空洞に関してセンタリングされた拡大部75を有し、その構造を通るアンカ部材80の挿入に起因して、対応するケーブル部分4のゲージの局所的変形又は膨らみに相補的なこの空間内にケーブル4の各々が延在することを可能にする。アンカ部材80は、第2の実施形態と併せて説明されるものと同様のクリートである。この実施例では、拡幅中間部73は両方のケーブル4に共通であるため、空洞70の拡大部75は、他方のケーブル4と反対の空洞の側の所定のケーブル4のために提供される。直径が8mmのケーブル4については、各々を2.9mmの直径を有するロッド83が実質的に中央を通過し、各ケーブル4は、ロッド83の両側にバルジを有することになり、このバルジは、空洞70の長手方向基準軸Xに対して、一方向及び他方方向に、略横方向に方向付けられる。空洞70の拡幅中間部73は、次いで、一方の側の一方のケーブルのバルジと、他方の側の他方のケーブルのバルジとを収容するように構成された横方向拡大部75を有するように構成され、各バルジ75は、対応するケーブル4の直径Dの約18%に対応する寸法を有する。
【0101】
クリート80は、角度をなして、すなわちケーブルの軸に対して傾いて延在するヘッド81を有し、2本のケーブルのバルジが互いに対して長手方向にオフセットされることも示している。一方のケーブルのバルジは、拡幅中間部73の横方向の拡大部75の一方の側に位置し、反対側では、バルジは、他方のケーブルに方向付けられ、又はこれと接触し、そこに留まる。
【0102】
このような一組のロック要素50は、例えば、コンベヤベルトの端部の接合に関与する接合アセンブリを形成するために使用され得る。この場合、各ロック要素50によってロックされた2本のケーブルのうちの、2本のうちの一方は、2つの端部部分11、12のうちの一方の補強ケーブル4の1本であり、ロックされた2本のケーブルのうちの他方は、2つの端部部分11、12のうちの他方の補強ケーブル4’である。本実施形態では、2つの端部部分11、12を跨ぐ接続ケーブルは使用されず、その結果、完全に剥離された端部部分11、12の補強ケーブルが接合部10で絡み合うようになる。更に、これは、互いに交互かつ平行に生じる。次いで、ロック要素50は、ケーブル部分4’の絡み合いの程度にわたって互いに対して交互に、かつ、オフセットして配置され、ロック要素50は、ケーブルを2本ずつ接続し、好ましくは2本のケーブルごとに間隔が置かれる。各対のケーブルは、好ましくは、少なくとも3つ、好ましくは少なくとも5つのロック要素50によってまとめて固定される。一旦ケーブルが端部部分11、12で接続されると、接合部を加硫することができ、接合部によって再構築された補強部の周りのコンベヤベルト本体1を再構成することができる。
【0103】
当然のことながら、本発明は、実施例として先に説明されている。当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の様々な代替的な実施形態を実現することができると理解される。
【0104】
例えば、同じ機能を実行する他のファスナ、クランプ手段、又はねじなどのアンカ部材を使用できることと理解される。更に、ファスナ及び/又はクランプ手段及び/又はアンカ部材の鉛直方向の配向は、異なり得る。
【0105】
更に、図に関して説明されているのは、直線状ロッドによって形成されたアンカ部材80であり、上記ロッド80の一部分83は、拡幅中間部73を貫通し、ケーブル部分40を通過すると同時に、軸Xに対して半径方向に空洞70を局所的に通過し、ケーブル4の一部分40が空洞70に収容されているときに変形を生じさせる。別の構成において、この変形は、ケーブルを通過しなくとも生じることが想定され得る。この場合、ロッドは、例えば、円形又は矩形の断面を有する直線であることができ、それが挿入されたときに、ケーブル4の部分40を局所的に移動させて変形45を生じさせることを可能にする、傾斜した縁部を有する点820が提供され得る。
【0106】
コンベヤベルトに関して、長手方向は、慣例によるものであり、開示の便宜上及び明確さのために、本明細書全体を通してコンベヤベルトの長手方向であり、コンベヤベルトに搭載される際、検討対象の接合デバイスに適用される。横方向とは、接合デバイスの寸法に関係なく、このように画定された長手方向に対して垂直な方向である。
【0107】
図に示されていない特定の構成では、支持体は必ずしも一体型である必要はないため、空洞の全て又は一部を少なくとも1つの接続部分によって形成することができる。例えば、一体型であるか否かにかかわらず、2つの支持体の第1の部分は、円筒形ジャケットを有し、したがって、一定の直径を有する第1の貫通孔を有する、又は区画することができ、相補的なエンドピースは、その中で協働することによって、この第1の貫通孔の長手方向端部に配置されるように提供することができ、これらのエンドピースの各々は、入口及び出口開口部、並びに入口及び出口部分を画定する、第2の貫通孔を有する、又は区画する。次いで、拡幅中間部は、上記エンドピースの間で長手方向に画定され、第1の孔の直径に対応する内径を有する。
【0108】
支持体は、図に見られるように、ケーブル部分を直接封入する、又はケーブル部分を間接的にも封入することができる。これは、例えば、プラスチックから作製される中間ピースが、少なくとも1つの金属支持体の溝とケーブル部分の受容との間に配置される場合である。このようなプラスチック部品は、摩擦係数を変化させることを可能にしつつ、ロック要素の摩耗を保護するための消耗品として使用することができる。接続部分は、摩耗時に交換することができる。
【0109】
接続及び/又は補強ケーブルは、必ずしもコアを備える必要はなく、素線のみを備えることができる。一般的に述べると、それらは、撚られたワイヤの束からなる。好ましくは、ケーブルは、金属であり、すなわち、金属ワイヤから作製される。
【0110】
特徴の全ては、本明細書、図面、及び添付の特許請求の範囲から当業者に明らかであるように、個別に及び任意の組み合わせの両方で、他の特定の特徴と組み合わせて具体的に説明されているだけであっても、本明細書に開示の他の特徴又は特徴群と組み合わせることができることが強調されるが、但し、これが明示的に除外されておらず、技術的状況により、そのような組み合わせが不可能又は無意味であることがないことを前提とする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【国際調査報告】