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  • 特表-洗濯機のドア及び洗濯機 図1
  • 特表-洗濯機のドア及び洗濯機 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-04
(54)【発明の名称】洗濯機のドア及び洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 39/14 20060101AFI20230627BHJP
   D06F 37/28 20060101ALI20230627BHJP
【FI】
D06F39/14
D06F37/28
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022562644
(86)(22)【出願日】2020-04-15
(85)【翻訳文提出日】2022-11-11
(86)【国際出願番号】 EP2020060547
(87)【国際公開番号】W WO2021209123
(87)【国際公開日】2021-10-21
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519061251
【氏名又は名称】ヴェステル・エレクトロニキ・サナイ・ヴェ・ティジャレット・ア・セ
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エルデネル,スレイマン
(72)【発明者】
【氏名】エフェ,メスト
【テーマコード(参考)】
3B165
【Fターム(参考)】
3B165AA05
3B165AE07
3B165BA10
3B165BA72
3B165BA73
3B165CA11
3B165CA15
3B165CA17
3B165DW01
(57)【要約】
本発明は、洗濯機(2)の扉(1)に関する。ドア(2)は、インナー部(6)とサイド部(8)とアウター部(10)を有しサイド部(8)がインナー部(6)及びアウター部(10)を接続しサイド部(8)が少なくとも部分的に円錐形又は円筒形又は湾曲の壁を形成し好ましくは少なくとも可視光に対し透明である本体(4)と、本体(4)のアウター部(10)に配置されドア(1)を洗濯機(2)に取り付けるための接続手段(12)と、本体(4)のアウター部(10)に配置され洗濯機(2)と連結するためのロック部材(14)と、を少なくとも含み、サイド部(8)及び/又はアウター部(10)は、過圧流体を導くための少なくとも1つの流体流路(16)を含み、流体流路(16)は、少なくとも1つの又はちょうど1つの入力開口(18)と、少なくとも1つの又はちょうど1つの出力開口(20)と、を含むことを特徴とする。

図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯機(2)のドア(1)であって、
インナー部(6)、サイド部(8)、及びアウター部(10)を有する本体(4)であり、前記サイド部(8)は、前記インナー部(6)と前記アウター部(10)を接続し、前記サイド部(8)は、少なくとも部分的に、円錐形の又は円筒形の又は湾曲の壁を形成し、好ましくは、少なくとも可視光に対して透明である前記本体(4)と、
前記ドア(1)を洗濯機(2)に取り付けるための接続手段(12)と、
前記洗濯機(2)と連結するためのロック部材(14)と、
を少なくとも含み、
前記サイド部(8)及び/又は前記アウター部(10)は、過圧流体を導くための少なくとも1つの流体流路(16)を含み、前記流体流路(16)は、少なくとも1つの又はちょうど1つの入力開口(18)と、少なくとも1つの又はちょうど1つの出力開口(20)と、を含む、
ことを特徴とする洗濯機(2)のドア(1)。
【請求項2】
前記サイド部(8)及び/又は前記アウター部(10)は、加圧流体を導くための複数の流体流路(16、17、22、23)を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の洗濯機(2)のドア(1)。
【請求項3】
各流体流路(16、17、22、23)は、少なくとも1つ又はちょうど1つの入力開口(18、19、24、25)と、少なくとも1つ又はちょうど1つの出力開口(20、21、26、27)と、を含む、又は
前記サイド部(8)及び/又は前記アウター部(10)は、加圧流体を導くための第1流体流路(16)及び第2流体流路(17)を少なくとも含み、前記第1流体流路(16)は、主流体流路(16)であり、前記第2流体流路(17)は、前記主流体流路(16)の支流である、
ことを特徴とする請求項2に記載の洗濯機(2)のドア(1)。
【請求項4】
1つの流体流路(16)又は第1セットの流体流路(16、17)は、第1方向に延在し、第2流体流路(22)又は第2セットの流体流路(22、23)は、第2方向に延在する、
ことを特徴とする請求項2に記載の洗濯機(2)のドア(1)。
【請求項5】
前記第1セットの流体流路(16、17)に属する少なくとも2つの流体流路(16、17)は、長さにおいて異なり、及び/又は、前記第1セットの流体流路に属する複数の流体流路(16、17)の少なくとも2つの出力開口(20、21)は、位置及び/又は向きにおいて異なり、
及び/又は、
前記第2セットの流体流路(22、23)に属する少なくとも2つの流体流路(22、23)は、長さにおいて異なり、及び/又は、前記第2セットの流体流路に属する複数の流体流路(22、23)の少なくとも2つの出力開口(26、27)は、位置及び/又は向きにおいて異なる、
ことを特徴とする請求項4に記載の洗濯機(2)のドア(1)。
【請求項6】
前記入力開口(18、19、24、25)と、前記流体流路(16、17、22、23)の1つの出力開口(20、21、26、27)と、の間に延在する1つの流体流路(16、17、22、23)における少なくとも一部が、前記サイド部(8)及び/又は前記アウター部(10)の内側に完全に配置されている、
ことを特徴とする前述の請求項のいずれか1項に記載の洗濯機(2)のドア(1)。
【請求項7】
少なくとも1つの流体流路(16、17、22、23)と、好ましくは複数の流体流路、又は、全ての流体流路は、パイプ又は導管によって形成され、前記パイプ又は導管は、前記サイド部(8)及び/又は前記アウター部(10)に取り付けられている、
ことを特徴とする前述の請求項のいずれか1項に記載の洗濯機(2)のドア(1)。
【請求項8】
前記パイプ又は導管は、前記本体(4)と同じ材料を含み、前記材料は、ガラス、セラミック、又は、ポリマー材料であり、又は、前記材料は、ガラス、セラミック、及び/又は、ポリマー材料を含む、
ことを特徴とする請求項7に記載の洗濯機(2)のドア(1)。
【請求項9】
少なくとも1つの流体流路(16、17、22、23)と、好ましくは複数の流体流路、又は、全ての流体流路は、円弧形状を有し、前記円弧は、90度を超えて広がり、好ましくは、120度を超えて広がり、より好ましくは175度まで広がる、
ことを特徴とする前述の請求項のいずれか1項に記載の洗濯機(2)のドア(1)。
【請求項10】
洗濯機(2)であって、
衣服(32)を受け入れるための受入チャンバ(30)を含む主構造体(28)と、
前記受入チャンバ(30)を閉じるための前述の請求項のいずれか1項に記載のドア(2)であって、
前記ドア(2)は、サイドドアとして配置され、
接続手段(12)が、前記ドア(2)を前記洗濯機(2)の前記主構造体(28)に接続し、
前記少なくとも1つの流体流路(16)の前記入力開口(18)が、前記接続手段(12)よりも高い位置に配置され、
かつ、前記少なくとも1つの流体流路(16)の前記出力開口(20)が、前記接続手段(12)よりも低い位置に配置される、前記ドア(2)と、
供給パイプ(36)又は供給導管(36)を介して過圧流体を前記少なくとも1つの流体流路(16)の前記入力開口(18)の中に供給するポンプユニット(34)であって、前記洗濯機(1)の前記ドア(2)を閉めることによって、前記少なくとも1つの流体流路(16)の前記入力開口(18)が、前記供給パイプ(36)又は供給導管(36)と機能的に接続できるように、前記供給パイプ(36)又は供給導管(36)の出力部が配置されている、前記ポンプユニット(34)と、
を少なくとも含む洗濯機(2)。
【請求項11】
前記ポンプユニット(34)は、流体源から、特には、前記受入チャンバ(30)から、流体を受け入れるための入力部(40)を有する、
ことを特徴とする請求項10に記載の洗濯機(1)。
【請求項12】
前記洗濯機(1)は、前記ポンプユニット(34)を、第1構成において前記供給パイプ(36)又は供給導管(36)に接続し、かつ、第2構成において前記受入チャンバ(30)から前記流体を排出するための排出パイプ(44)に接続するための連結機構(42)、特には弁部を含む、
ことを特徴とする請求項10に記載の洗濯機(1)。
【請求項13】
洗濯機(2)を動作させる方法であって、
請求項10から12のいずれか1項に記載の洗濯機(2)を動作させるステップと、
前記ポンプユニット(34)を動作させるステップであって、前記ポンプユニット(34)は、加圧流体を前記ドア(2)に供給し、前記加圧流体は前記少なくとも1つの流体流路(16、17、22、23)の中に供給され、
前記少なくとも1つの流体流路(16、17、22、23)は、前記流体を出力開口(20、21、26、27)に導き、
前記流体は、前記流体流路(16、17、22、23)の前記出力開口(20、21、26、27)を介して、可撓性部材と前記サイド部(8)との間のターゲットエリア(46)へ、注ぎ込まれる、前記ポンプユニット(34)を動作させるステップと、
を少なくとも含む洗濯機(2)を動作させる方法。
【請求項14】
前記ドア(2)は、複数の流体流路(16、17、22、23)を含み、各流体流路(16、17、22、23)は、少なくとも1つの出力開口(20、21、26、27)を有し、少なくとも2つの出力開口(20、21、26、27)は、異なる高さに配置され、及び/又は、異なる方向を向いている、
ことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ポンプユニット(34)は、前記加圧流体に、1.1バールを超える圧力、又は、1.2バールを超える圧力、又は、1.5バールを超える圧力、又は、2バールを超える圧力、又は、5バールを超える圧力、又は、5バールまでの圧力を与える、
ことを特徴とする請求項13又は14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1に係る洗濯機のドアと、請求項10に係る洗濯機と、請求項13に係る洗濯機を動作させる方法と、に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの洗濯機は、サイドガラス開口部を有する。ゴム部材とガラス本体との間の場所は、洗浄工程が終了しているにもかかわらず、大抵は、多少のごみ及び化学的な汚れで満ちている。衣類の取り出しの際、大抵、衣類は、この領域に接触してしまい、よって、衣類は再び汚れてしまう。さらに、ユーザは、この汚れた領域を掃除しなければならない。
【発明の概要】
【0003】
発明の目的
本発明の目的は、上述の問題を回避する解決策を提供することである。このため、新しい洗濯機ドア及び/又は新しい洗濯機を提供することが、さらなる目的でもよい。さらに、本発明の目的は、洗濯機を動作させるための新しい方法を提供することでもよい。
【0004】
発明の説明
上述の目的は、請求項1に係る洗濯機のドアによって解決される。洗濯機のドアは、好ましくは、本体を少なくとも含み、本体は、インナー部と、サイド部と、好ましくはアウター部と、を有し、サイド部は、インナー部とアウター部をそれぞれ接続し、インナー部は、サイド部と直接連結し、サイド部は、好ましくは、少なくとも部分的に、円錐形の又は円筒形の又は湾曲の壁を形成する。サイド部とインナー部は、好ましくは、鍋のような形状、特には、中華鍋のような形状を形成する。
【0005】
本体は、好ましくは、少なくとも可視光に対して透明である。本体は、好ましくは、1つのピースの要素である。
【0006】
ドアは、好ましくは、ドアを洗濯機に取り付けるための接続手段を含み、接続手段は、本体のアウター部又は保持部材に配置され、保持部材は、好ましくは、少なくとも部分的に、アウター部を取り囲む。
【0007】
ドアは、好ましくは、ロック部材も含み、ロック部材は、ドアをそれぞれロックされた閉位置に維持するために、洗濯機と連結するための、特には、洗濯機のロック要素と連結するためのロック部材である。ロック部材は、好ましくは、本体のアウター部又は保持部材に配置される。このため、保持部材は、本体を部分的に取り囲んでもよく、及び/又は、ロック部材及び/又は接続手段を保持してもよい。
【0008】
本発明によれば、サイド部及び/又はアウター部は、加圧流体を導くための少なくとも1つの流体流路を含み、流体チャンネルは、少なくとも1つ又はちょうど1つの入力開口と、少なくとも1つ又はちょうど1つの出力開口と、を含む。
【0009】
この解決策は、加圧水が、少なくとも1つの流体流路を介して、ごみ及び/又は化学的な汚れの堆積物が蓄積するターゲットエリアに導かれるので、有益である。このため、加圧水は、特に、洗濯機の洗濯プログラムの期間中に、汚れたエリアを洗浄する。
【0010】
本発明のさらなる好ましい実施形態は、以下の明細書の部分に記載されている。
【0011】
本発明の好ましい実施形態によれば、サイド部及び/又はアウター部は、加圧流体を導くための複数の流体流路を含む。この実施形態は、多量の水が、複数の流体流路を介して、複数の出口に導かれるので、有益である。このため、本体と、可撓性部材、特にはゴム部材と、の間のターゲットエリアに、衣類が入り込むことも防止可能である。
【0012】
本発明のさらなる好ましい実施形態によれば、各流体流路は、少なくとも1つ又はちょうど1つの入力開口と、少なくとも1つ又はちょうど1つの出力開口と、を含む。あるいは、少なくとも1つの流体流路が、複数の出力開口を含むことが可能である。複数の出力開口の場合、各開口が、同じ形状及び同じサイズを有すること、又は、前記流体流路において少なくとも2つの又は複数の又は大部分の又は全ての開口が、形状及び/又はサイズにおいて互いに異なることが可能である。追加的または代替的に、サイド部及び/又はアウター部は、加圧流体を導くための、第1流体流路及び第2流体流路を、少なくとも含み、第1流体流路は、主流体流路であり、第2流体流路は、主流体流路の支流である。
【0013】
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、1つの流体流路又は第1セットの流体流路は、第1方向に延在し、第2流体流路又は第2セットの流体流路は、第2方向に延在する。この実施形態は、加圧流体が、複数の方向からターゲットエリアに当てられ得るので、有益である。
【0014】
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、第1セットの流体流路に属する少なくとも2つの流体流路は、長さにおいて(互いに)異なり、及び/又は、第1セットの流体流路に属する複数の流体流路の少なくとも2つの出力開口は、位置及び/又は向きにおいて異なる。追加的または代替的に、第2セットの流体流路に属する少なくとも2つの流体流路は、長さにおいて(互いに)異なり、及び/又は、第2セットの流体流路に属する複数の流体流路の少なくとも2つの出力開口は、位置及び/又は向きにおいて異なる。この実施形態は、全ての流体流路を介して提供される加圧流体が、ターゲットエリアのまったく同じ部分に当たらず、ターゲットエリアが大きくなるので、有益である。このため、各流体の噴射は、ターゲットエリアの所定の部分を洗浄する。
【0015】
本発明のさらなる好ましい実施形態によれば、前記流体流路の入力開口と、前記流体流路の1つの出力開口と、の間に延在する1つの流体流路における少なくとも一部が、サイド部及び/又はアウター部の内側に完全に配置されている。この実施形態は、流路それぞれが覆われ、洗濯機の動作中に洗濯機の内部に存在する強い力によって損傷が生じることを防止できるので、有益である。
【0016】
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの流体流路と、好ましくは複数の流体流路、又は、全ての流体流路が、パイプ又は導管によって形成され、パイプ又は導管は、サイド部及び/又はアウター部に取り付けられている。この実施形態は、パイプ及び/又は導管が事前の工程において製造可能であるので、有益である。さらに、各パイプ及び/又は導管に対して、剛性、長さ、直径、及び/又は、材料などの個々の排他的な特性を定めることができる。
【0017】
本発明のさらなる好ましい実施形態によれば、パイプ又は導管は、本体と同じ材料を含み、当該材料は、ガラス、セラミック、又は、ポリマー材料であり、又は、当該材料は、ガラス、セラミック、及び/又は、ポリマー材料を含む。この実施形態は、本体が、非常に堅くそれぞれ剛体であり得るので、有益である。
【0018】
本発明のさらなる好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの流体流路と、好ましくは複数の流体流路、又は、全ての流体流路は、少なくとも部分的に、好ましくは、流体流路の長さの50%を超える部分に、円弧形状を有し、円弧形状の50%(長さ)を超えて延在し、円弧は、90度を超えて広がり、好ましくは120度を超えて広がり、より好ましくは175度まで広がる。この実施形態は、加圧水が、ターゲットエリアの鉛直上方向に提供されることを可能にし、かつ、加圧水が、1つの流体流路又は複数の流体流路を介してターゲットエリアに導かれることを可能にするので、有益である。流体流路の1つの入力開口や複数の入力開口は、接続手段及び/又はロック部材の鉛直上方向に配置されている。流体流路の1つの入力開口や複数の入力開口は、好ましくは、ドアが閉じている場合に、ターゲットエリアよりも高い位置に正確に配置される。
【0019】
上記目的は、洗濯機によっても解決される。本発明に係る洗濯機は、好ましくは、主構造体であって衣服を受け入れるための受入チャンバを含む主構造体(28)と、受入チャンバを閉じるための前述の請求項のいずれか1項に記載のドアと、を少なくとも含む。ドアは、好ましくはトップドアとしてではなく、好ましくはサイドドアとして配置され、このため、本発明に係る洗濯機は、好ましくは、上部から出し入れをする縦型洗濯機ではない。ドアは、好ましくは、鉛直軸の周りを旋回可能であり、接続手段は、ドアを洗濯機の主構造体に連結し、少なくとも1つの流体流路の入力開口は、接続手段よりも高い位置に配置され、少なくとも1つの流体流路の出力開口は、好ましくは、接続手段よりも低い位置に配置される。洗濯機は、好ましくは、ポンプユニットを含み、ポンプユニットは、供給パイプ又は供給導管を介して、少なくとも1つの流体流路の入力開口の中に加圧流体を供給するためのポンプユニットであり、供給パイプ又は供給導管の出力部は、洗濯機のドアを閉じることによって、少なくとも1つの流体流路の入力開口が、供給パイプ又は供給導管と機能的に連結され得るように、配置される。
【0020】
この解決策は、本発明に係る洗濯機が、人間による操作の必要性をより小さくでき、ターゲットエリアを掃除する必要性がないので、有益である。したがって、全体的な快適性が向上する。また、本体と可撓性部材との間への衣類の付着が防止されるため、衣類が清潔になる。
【0021】
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、ポンプユニットは、流体源から、特には、受入チャンバから、流体を受け入れるための入力部を有する。この実施形態は、流体、特には、受入チャンバ内で衣類を洗濯するために使用される水が、ターゲットエリアを洗浄するためにも使用可能であるので、有益である。しかしながら、新鮮なそれぞれのクリーンな流体、特には、水を、ポンプユニットに供給することも可能であり、このため、ポンプユニットは、流体源、特には、水源と連結されてもよい。
【0022】
本発明のさらなる好ましい実施形態によれば、洗濯機は、連結機構を含み、連結機構は、ポンプユニットを、第1構成において供給パイプ又は供給導管に接続し、かつ、第2構成において受入チャンバから流体を排出するための排出パイプに接続するための連結機構、特には、弁部である。この実施形態は、1つのポンプユニットを複数のタスクに使用することができるので、有益である。このため、洗濯機を、より軽量、より安価にできる。
【0023】
上記の目的は、洗濯機を制御及び/又は動作させる方法によっても解決される。本発明に係る方法は、好ましくは、請求項10から12のいずれかに記載の洗濯機を動作させるステップと、ポンプユニットを動作させるステップであって、ポンプユニットは、加圧流体をドアに供給し、加圧流体は、少なくとも1つの流体流路に供給され、少なくとも1つの流体流路は、流体を出力開口に導き、流体は、流体流路の出力開口を介して、可撓性部材、特には封止部又は円周封止部と、サイド部と、の間のターゲットエリアに注ぎ込まれ、可撓性部材は、ドアに対して少なくとも部分的に押圧される、ステップと、を少なくとも含む。
この方法は、洗浄プログラムの開始後、又は、洗浄プログラムの期間中、及び/又は、洗浄プログラムの終了後に、加圧流体、特には水が、ターゲットエリアに注ぎ込まれるので、有益である。
【0024】
本発明のさらなる好ましい実施形態によれば、ドアは、複数の流体流路を含み、各流体流路は、少なくとも1つの出力開口を有し、少なくとも2つの出力開口は、異なる高さに配置され、及び/又は、異なる方向に向いている。
【0025】
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、ポンプユニットは、前記加圧流体に、1.1バールを超える圧力、又は、1.2バールを超える圧力、又は、1.5バールを超える圧力、又は、2バールを超える圧力、又は、5バールを超える圧力、又は、5バールまでの圧力を与える。この実施形態は、高圧が、衣類の付着防止に役立ち、かつ、蓄積した汚れを短時間で除去するのに役立つので、有益である。
【0026】
本発明のさらなる利点、目的、及び特徴は、本発明の構成要素が例示的に示されている添付図面についての以下の明細書によって説明される。本発明に係る装置及び方法の構成要素であって、少なくとも本質的にそれらの機能に関して合致するものには、同じ符号が付され得る。そして、そのような構成要素は、全ての図面において示されたり説明されたりする必要はない。
【0027】
以下では、本発明は、添付の図面に関して単に例示的に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1は、本発明に係る洗濯機の扉の一例を示す。
図2は、本発明に係る洗濯機を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図面の詳細な説明
図1は、ドア1、特には、洗濯機2のドアを示す。前記ドア1は、好ましくは、本体4を含み、本体4は、好ましくは、可視光に対して少なくとも透明である材料から成る、または、当該材料を含む。
【0030】
本体4は、好ましくは、ガラス製の要素である。本体は、好ましくは、インナー部6、サイド部8、及び、非常に好ましくはアウター部10も含み、サイド部8は、インナー部6とアウター部10を接続し、又は、サイド部8とインナー部6は、1つの要素における2つの部分である。好ましくは、インナー部、サイド部、及び、アウター部は、1つの要素における複数の部分である。符号7は、インナー部とサイド部との間のそれぞれの接続の境界を示す。サイド部は、好ましくは、2cmを超える長さ、特には、3cm又は4cm又は5cmを超える長さを有する。このため、インナー部6とアウター部10とは、少なくとも2cmのサイド部によって、互いに離間している。サイド部8は、少なくとも部分的に、円錐状の壁、又は、円筒状の壁、又は、湾曲した壁を形成する。
【0031】
ドア1は、好ましくは、ドア1を洗濯機2に取り付けるための接続手段12を含み、接続手段12は、好ましくは、本体4のアウター部10に配置される。接続手段12は、特には、ガラスドアヒンジの形態であって、好ましくは、可撓性パイプ接続部を覆う。
【0032】
さらに、ドア1は、好ましくは、洗濯機2と連結するためのロック部材14を含み、ロック部材14は、本体4のアウター部10に配置される。サイド部8及び/又はアウター部10は、好ましくは、加圧流体を導くための少なくとも1つの流体流路16を含み、流体流路16は、好ましくは、少なくとも1つの又はちょうど1つの入力開口18と、少なくとも1つの又はちょうど1つの出力開口20と、を含む。このため、本体4、特には、ガラスで設計された本体4は、1つまたは複数のパイプ穴を含み、当該1つまたは複数のパイプ穴の中を加圧水が通過でき、流体流路すなわちパイプから流出する水は、好ましくは、異なる角度に向けられる。
【0033】
図1の例は、2つの流体流路16、17を示し、1つの流体流路16は、ドアの中心の一方の側に配置され、1つの流体流路17は、ドアの中心の他方の側に配置される。流体流路16及び17の両方は、好ましくは、向かい合って配置される。しかしながら、複数の流体流路16、17、22、23が用意され、第1の数の流体流路が、ドアの中心の一方の側にそれぞれ配置されて形成され、第2の数の流体流路が、ドアの中心の他方の側(反対側)にそれぞれ配置されて形成されることが可能である。流体流路の第1の数と、流体流路の第2の数は、互いに等しいか、又は、異なってもよく、流体流路の第1の数は、好ましくは、1よりも大きく、そして、好ましくは2以上であり、流体流路の第2の数は、好ましくは、1よりも大きく、そして、好ましくは2以上である。符号20及び26は、出力開口を表す。流体、特には、水は、流体流路16、22から出ていき、それゆえに、前記出口開口20、26を介して、本体4に出る。
【0034】
符号48は、保持部材または保持フレームを示し、接続手段12及び/又はロック部材14は、保持部材48又は保持フレームに接続される。
【0035】
図2は、本発明に係る洗濯機の一例を概略的に示す。本発明に係る洗濯機と、本発明に係るシステムは、それぞれ、洗濯機キャビン内の水を使用するポンプ34を含み、当該水は、本発明に係るドア1、特には、サイドガラス窓、特には、当該ドア1のサイドガラス窓に通され、当該ドアは、いくつかの水の出口を有し、当該いくつかの水の出口は、汚れたエリアのそれぞれをターゲットエリアとして目標にする異なる複数の角度を有する。
【0036】
符号18は、流体、特には、水を、流体・水流路16にそれぞれ挿入するための入力開口を示し、符号20は、前記流体流路16の出力開口を示す。
【0037】
符号19は、流体、特には、水を、流体・水流路17にそれぞれ挿入するための入力開口を示し、符号21は、前記流体流路17の出力開口を示す。
【0038】
符号24は、流体、特には、水を、流体・水流路22にそれぞれ挿入するための入力開口を示し、符号26は、前記流体流路22の出力開口を示す。
【0039】
符号25は、流体、特には、水を、流体・水流路23にそれぞれ挿入するための入力開口を示し、符号27は、前記流体流路23の出力開口を示す。
【0040】
好ましくは、洗濯機2のドア1が閉じている場合に、ポンプ34の出力部38が連結されるように、全ての又は多少の又は複数の入力開口18、19、24及び25が配置される。このため、ポンプユニット34によって供給される流体である水は、それぞれ前記入力開口18、19、24及び25を介して、流体流路16、17、22、23の内部に供給可能である。流体流路16、17、22、23は、好ましくは、少なくとも1つのパラメータ、特には、出力開口の長さ、直径、向き、及び/又は、位置において、互いに異なる。
【0041】
複数の出力開口は、水が、ターゲットエリア、特には、サイド部8と、弾性部材、特には封止部と、の間に噴射されるように、それぞれ向きが定められて配置される。
【0042】
符号32は、洗濯機2の内部、特には、洗濯機2の受入チャンバ30の内部に存在し得る衣類を概略的に示す。洗濯機2は、好ましくは、主構造体28を備える。洗濯機2の筐体である主構造体28は、好ましくは、洗濯機2の複数の部品をそれぞれ保持する。
【0043】
ドア1は、好ましくは、接続手段12によって洗濯機2の主構造体24に配置される。
【0044】
ポンプユニット34は、好ましくは、吸引部材を含み、吸引部材は、ポンプユニット34にそれぞれ流体である水を吸引するための入力部40である吸引部材である。ポンプユニット34は、供給パイプ36又は供給導管36を介して、流体流路16、17、22、23に、加圧水を送る。加圧水は、衣類が本体4と弾性部材との間に付着することを防止するために、流体流路16、17、22、23から噴出される。さらに、噴射された水は、ターゲットエリア46を洗浄する。
【0045】
ポンプユニット34の出力部は、好ましくは、弁部を含む。弁部は、好ましくは、洗濯機2のドア1が開いている場合に、供給パイプ36又は供給導管36を閉じる。弁部は、ポンプユニット34の作動に応じて、及び/又は、ドア1が開くこと及び/又はドア1が閉まることに応じて、作動してもよい。
【0046】
連結機構42は、受入チャンバ30であるキャビネットから水を排出するための排水ハイプ44に、ポンプユニット34を連結するために設けられ得る。このため、ポンプユニット34を異なるタスクに使用することが可能である。
【符号の説明】
【0047】
1 洗濯機のドア
2 洗濯機
4 本体
6 インナー部
7 インナー部とサイド部との間の境界
8 サイド部
10 アウター部
12 接続手段
14 ロック部材
16 流体流路
17 さらなる流体流路
18 流体流路16の入力開口
19 流体流路17の入力開口
20 流体流路16の出力開口
21 流体流路17の出力開口
22 第2セットの流体流路
23 第2セットの更なる流路
24 流体流路22の入力開口
25 流体流路23の入力開口
26 流体流路22の出力開口
27 流体流路23の出力開口
28 主構造体
30 受入チャンバ
32 衣服
34 ポンプユニット
36 供給パイプ又は供給導管
38 ポンプユニットの出力部
40 ポンプユニットの入力部
42 連結機構
44 排水パイプ
46 ターゲットエリア
48 保持部材
図1
図2
【国際調査報告】