(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-04
(54)【発明の名称】基礎を設置する方法および構造の基礎
(51)【国際特許分類】
E02D 27/52 20060101AFI20230627BHJP
E02B 17/00 20060101ALI20230627BHJP
E02D 23/00 20060101ALI20230627BHJP
【FI】
E02D27/52 Z
E02B17/00 Z
E02D23/00 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022568644
(86)(22)【出願日】2021-04-20
(85)【翻訳文提出日】2022-11-21
(86)【国際出願番号】 EP2021060189
(87)【国際公開番号】W WO2021228510
(87)【国際公開日】2021-11-18
(32)【優先日】2020-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518399243
【氏名又は名称】オルステッド・ウィンド・パワー・エー/エス
【氏名又は名称原語表記】Orsted Wind Power A/S
【住所又は居所原語表記】Kraftvaerksvej 53,7000 Fredericia,Denmark
(74)【代理人】
【識別番号】100137095
【氏名又は名称】江部 武史
(74)【代理人】
【識別番号】100091627
【氏名又は名称】朝比 一夫
(72)【発明者】
【氏名】シュプ, ジェンス
(72)【発明者】
【氏名】ペダーセン, ジャン
(72)【発明者】
【氏名】ゲンゲンバッハ, ジェンス
【テーマコード(参考)】
2D046
【Fターム(参考)】
2D046DA61
(57)【要約】
構造物に対する基礎(1)を設置する方法が提供される。基礎本体(2)は、その先端に、内側壁(8)によって画定される内部空洞(12)内に開口を画定する先端部(7)を有する。流体は、複数のノズル(9)から噴射され、設置時に先端部(7)の前方の土壌(5)内に先端方向に流体を向ける。コントローラー(16)によって制御されるポンプ配置(13)を使用して、基端における流体の量を変化させ、それによって、基端と先端部(7)との間に延在する流体連通チャネル(11)内の、先端部(7)に隣接する流体懸濁液圧力を変化させる。コントローラー(16)は、先端部深さに応じて変化する目標流体懸濁液圧力に基づき、先端部(7)が土壌(5)に深く挿入されるにつれて、流体懸濁液圧力を変化させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造の基礎(1)を設置する方法であって、
基礎本体(2)を挿入方向に土壌(5)内に挿入する工程であって、前記基礎本体(2)がその先端に、内側壁(8)によって画定される内部空洞(12)内に開口を画定する先端部(7)を有する、挿入する工程と、
前記先端部(7)の前方の前記土壌(5)内に流体を先端方向に向けて配向させるために、前記基礎本体(2)の先端領域に設けられた複数のノズル(9)から流体を噴射する工程と、
ポンプ配置(13)を使用して、前記内部空洞(12)の基端における流体の量を変化させる工程と、
コントローラー(16)を使用して前記ポンプ配置(13)を制御して、前記内部空洞(12)の前記基端と、前記内側壁(8)と前記土壌(5)との間に形成される前記先端部(7)との間の流体連通チャネル(11)内の、前記先端部(7)に隣接する流体懸濁液圧力を変化させる工程と、を含み、
前記コントローラー(16)は、先端部深さに応じて変化する目標流体懸濁液圧力に基づき、前記先端部(7)が前記土壌(5)に深く挿入されるにつれて、前記流体懸濁液圧力を変化させる、方法。
【請求項2】
前記複数のノズル(9)から噴射された前記流体の流量を制御して、前記流体連通チャネル(11)内の前記流体懸濁液圧力を変化させる工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記目標流体懸濁液圧力は、前記先端部深さとともに増加する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記目標流体懸濁液圧力は、前記土壌(5)の特性に基づき決定される、請求項1ないし3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記目標流体懸濁液圧力は、異なる複数の土壌層の土壌タイプに応じて変化する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記目標流体懸濁液圧力は、推定されたアクティブ土圧係数に基づき決定される、請求項1ないし5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記複数のノズル(9)から前記流体を噴射する前記工程の前に、前記先端部深さに応じて変化する前記目標流体懸濁液圧力を決定する工程をさらに含む、請求項1ないし6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記コントローラー(16)を使用して前記ポンプ配置(13)を制御する前記工程は、受信したセンサー入力に基づき制御する工程を含み、
前記受信したセンサー入力は、前記先端部(7)に隣接する前記流体懸濁液圧力に対応する入力および/または設置抵抗に対応する入力を含む、請求項1ないし7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記内部空洞(12)の前記基端における前記流体の量を変化させる前記工程は、前記ポンプ配置(13)が、前記内部空洞(12)から水を排出し、および/または、前記内部空洞(12)に水を供給する工程を含む、請求項1ないし8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記内側壁(8)および前記土壌(5)を分離するための手段を使用して、前記内部空洞(12)の前記基端と前記先端部(7)との間で前記流体連通チャネル(11)を開状態で維持する工程をさらに含む、請求項1~9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
構造の基礎(1)であって、
土壌(5)内へ挿入方向に挿入するための基礎本体(2)であって、その先端に、内側壁(8)によって画定される内部空洞(12)内に開口を画定する先端部(7)を有する、基礎本体(2)と、
前記先端部(7)の前方の前記土壌(5)内に流体を先端方向に向けて噴射するために、前記基礎本体(2)の先端領域に設けられた複数のノズル(9)と、
前記内部空洞(12)の基端における流体の量を変化させるためのポンプ配置(13)と、
前記ポンプ配置(13)を制御して、前記内部空洞(12)の前記基端と、前記内側壁(8)と前記土壌(5)との間に形成される前記先端部(7)との間の流体連通チャネル(11)内の、前記先端部(7)に隣接する流体懸濁液圧力を変化させるためのコントローラー(16)と、を含み、
前記コントローラー(16)は、先端部深さに応じて変化する目標流体懸濁液圧力に基づき、前記先端部(7)が前記土壌(5)に深く挿入されるにつれて、前記流体懸濁液圧力を変化させる、基礎。
【請求項12】
前記流体懸濁液圧力を判別するための圧力センサー(24)と、
前記基礎本体(2)の土壌(5)への挿入に対する抵抗を判別するための設置抵抗センサー(23)と、をさらに含み、
前記コントローラー(16)を使用して前記ポンプ配置(13)を制御する前記工程は、前記圧力センサー(24)および前記設置抵抗センサー(23)から受信したセンサー入力に基づき制御する工程を含む、請求項11に記載の基礎。
【請求項13】
構造の基礎(1)であって、
設置中に、土壌(5)内へ挿入方向に挿入するための本体(2)であって、その先端に先端部(7)を有し、前記先端部(7)が内側壁(8)によって画定される内部空洞(12)内に開口部を画定する、本体(2)と、
前記先端部(12)の前方の前記土壌(5)内に流体の噴射を先端方向に向けて配向させるための一つまたは複数のノズル(9)と、
前記内部空洞(12)の前記基端から流体を排出するためのポンプ(13)と、
前記内部空洞(12)の前記基端と、前記内側壁(8)と前記土壌(5)との間に形成される前記先端部(7)との間の流体連通チャネル(11)を維持する手段(10)と、を含む、基礎。
【請求項14】
構造の基礎(1)の設置を制御するためのコントローラー(16)であって、
前記基礎(1)は、土壌(5)内へ挿入方向に挿入するための基礎本体(2)を含み、
前記本体(2)は、その先端に、内側壁(8)によって画定される内部空洞(12)内に開口を画定する先端部(7)を有し、
前記コントローラー(16)は、
前記先端部(7)の前方の前記土壌(5)内に流体を先端方向に向けて配向させるために、前記本体(2)の先端領域に設けられた複数のノズル(9)からの流体の噴射を制御するための噴射制御と、
前記内部空洞(12)の基端における流体の量を変化させるためにポンプ配置(13)を制御するためのポンプ制御と、を含み、
前記コントローラー(16)は、前記内部空洞(12)の前記基端と、前記内側壁(8)と前記土壌(5)との間に形成される前記先端部(7)との間の流体連通チャネル(11)内の、前記先端部(7)に隣接する流体懸濁液圧力を変化させ、
前記コントローラー(16)は、先端部深さに応じて変化する目標流体懸濁液圧力に基づき、前記先端部(7)が前記土壌(5)に深く挿入されるにつれて、前記流体懸濁液圧力を変化させる、コントローラー。
【請求項15】
構造の基礎(1)の設置を制御するためのコントローラー(16)を動作させる、ソフトウェアであって、
前記基礎(1)は、土壌(5)内へ挿入方向に挿入するための基礎本体(2)を含み、
前記基礎本体(2)は、その先端に、内側壁(8)によって画定される内部空洞(12)内に開口を画定する先端部(7)を有し、
前記ソフトウェアは、
前記先端部(7)の前方の前記土壌(5)内に流体を先端方向に向けて配向させるために、前記本体(2)の先端領域に設けられた複数のノズル(9)からの流体の噴射を制御するための命令と、
前記内部空洞(12)の基端における流体の量を変化させるためにポンプ配置(13)を制御するための命令と、を含み、
流体懸濁液圧力は、前記内部空洞(12)の前記基端と、前記内側壁(8)と前記土壌(5)との間に形成される前記先端部(7)との間の流体連通チャネル(11)内の、前記先端部(7)に隣接して、変化し、
前記流体懸濁液圧力は、先端部深さに応じて変化する目標流体懸濁液圧力に基づき、前記先端部(7)が前記土壌(5)に深く挿入されるにつれて、変化する、ソフトウェア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基礎を設置する方法、構造の基礎、基礎の設置中に使用するためのコントローラー、およびこうしたコントローラーを制御するためのソフトウェアに関する。特に、本発明は、建物、洋上構造物、風力タービンなどの構造物を支持するために土壌に挿入することができる、パイル、管状のパイル、モノパイル、ジャケットパイル、吸引バケット/ケーソン基礎および吸引アンカー、スカート基礎などの構造基礎に関する。吸引バケット/ケーソン基礎は、100mまでの水深および強い土壌のジャケット構造の浅い基礎に最も適していることが理解されよう。吸引アンカーは、軟質堆積物で深海のフロート油プラットフォームを連結するアンカーチェーンに最適である。本発明は、特にオフショア基礎に、より具体的には、モノパイル、ジャケットパイルおよび吸引バケットなどの開放端管状基礎(open ended tubular foundation types)タイプに好適である。
【背景技術】
【0002】
構造基礎(structural foundations)は、通常、パイルハンマーを使用して基礎を地面の中に押し込み、一連の軸方向の衝撃を適用して、基礎を挿入方向に土壌の中へ打ち込むことによって通常設置される。一旦設置されると、基礎は、基礎本体の側面にかかる摩擦によって軸方向に支持され、該摩擦は、より程度は低いが、基礎の先端部(toe)でのさらなる貫通に対する抵抗である。
【0003】
設置中、基礎の先端(distal end)にある先端部は、それが下へと打ち込まれるときに土壌を変位させる。これにより、周囲領域の土壌が圧縮される。しかし、基礎が深く打ち込まれ、圧力が高まるにつれ、基礎の先端部で土壌を変位し続けるために必要な力も増加する。同時に、土壌と接触する基礎の表面積が増加し、移動に対する摩擦抵抗を克服するために必要なせん断力が増加する。その結果、基礎が土壌の深部に設置されるにつれて、ベアリング抵抗が増加する。
【0004】
近年、モノパイル式および他の基礎が大きくなる傾向があり、設置上の課題が深刻化している。例えば、より大きな基礎をパイル打ちするには、より高い衝撃力および/またはより多数のハンマー打撃が必要である。これにより、基礎に著しい耐故障性要件が課される。同時に、大きな衝撃によって発生するノイズも増大し、環境や安全に重大な危険をもたらす。
【0005】
上記に鑑み、基礎の設置を容易にするためのさまざまな方法およびシステムが提案される。
【0006】
この関連で、一つの解決は、基礎のための空間を掘り出すために、高圧ノズルを使用して、大量の土壌を噴射した液体であふれさせる、液体による採掘技術の使用を伴う。この種の従来の方法では、土壌は制御不能な方法で除去され、掘削された場所は、基礎が本来の場所に設置されると、回収された土壌で有効に再充填される。しかし、その空間を再充填する土壌が新たに配置されるため、その空間は、開発された構造(developed structure)をほとんど有しない。結果として、その空間は、本質的に弱い。
【0007】
代替的な方法が、WO2019/206690として公開された、出願人自身の以前の特許出願に記載されている。特に、WO2019/206690は、流体を、基礎の先端部の上方に、基礎の内壁の半径方向内側に、横方向に土壌領域内に配向させるために、基礎の内側のノズルを使用して、先端部の設置抵抗を低減することを目的としている。このように、土壌が基礎の先端部によって内側に変位された後、流体中の変位した土壌領域から離れて輸送され得る。また、ポンプシステムが、設置中に基礎の上部(top)において、内部空洞から流体を排出するために使用される。そのため、変位した土壌領域内の土壌の圧縮が軽減される。この配置により、ノズルによって送達される流体が内部空洞内に局在化され、外部土壌構造の乱れが最小化されるため、上述の液体による採掘技術よりもかなりの利点を提供する。
【0008】
それにもかかわらず、基礎の先端部における故障メカニズムの理解が進展し続けるにつれ、基礎の設置中の設置抵抗を低減するための新しい方法およびシステムに対するニーズが依然として存在する。
【0009】
従って、本発明は、従来技術が有する上記問題に対処することを求めたものである。
【発明の概要】
【0010】
本発明の第一の態様によれば、構造の基礎を設置する方法が提供され、該方法は、基礎の本体を土壌内に挿入方向に挿入する工程であって、本体は、本体の先端に、内側壁によって規定される内部空洞内に開口を規定する先端部を有する、挿入する工程と、先端部の前方の土壌内に流体を先端方向に向けて配向させるために、本体の先端領域に設けられた複数のノズルから流体を噴射する工程と、ポンプ配置を使用して、内部空洞の基端における流体の量を変化させる工程と、コントローラーを使用してポンプ配置を制御して、内部空洞の基端と、内側壁と土壌との間に形成される先端部との間の流体連通チャネル内の先端部に隣接する流体懸濁液圧力を変化させる工程と、を含み、コントローラーは、先端部深さに応じて変化する目標流体懸濁液圧力に基づき、先端部が、土壌内に深く挿入されるにつれて、流体懸濁液圧力を変化させることを特徴とする。
【0011】
このようにして、設置中に、複数のノズルから噴射された流体は、先端部の下の土壌の領域内を先端側方向に切断し、先端部から内部空洞の基端にある水面(water table)まで流体連通チャネル内において延在する懸濁液(suspension)を形成することができる。このように、コントローラーの制御下で、ポンプ配置は、ポンプ配置を使用して内部空洞の基端における流体の量を変化させることによって、先端部に隣接する懸濁液圧力を調節することができる。例えば、ポンプ配置は、内部空洞から水を排出するか、または内部空洞に水を供給することによって、水面を低くするか、または上げることができる。この制御により、制御された様式で、先端部より先端側下方の土壌領域におけるアクティブ土圧(active earth pressure)が、流体懸濁液圧力によってバランスされる。すなわち、流体懸濁液圧力を目標懸濁液圧力に変化させることによって、外部土壌を、この領域の土壌懸濁液に弛緩させることができる。同時に、懸濁液圧力は、それがなければ、基礎の安定性を損なうであろう、接地または水圧障害のリスクを最小化するために十分に高く維持され得る。このように、基礎がより深く駆動(挿入)される際に懸濁液圧力を目標に一致させることによって、土壌の構造が本質的に無傷に維持され、一方で緩和は基礎の外壁に印加される横方向の土圧を減少させることを可能にする。これにより、パイルの外部に対する摩擦抵抗が低減する。重要なことに、特許請求の範囲に記載のコントローラーは、設置深度に伴うアクティブ土圧の変化に応じて、懸濁液圧力を変化させ得る。例えば、アクティブ土圧は、一般的に、深さとともに増加するが、異なる土壌層間の土壌特性の変化もまた、アクティブ土圧を減少または増加させ得る。結果として、特許請求される発明は、これらの変化を考慮し、設置プロセス全体を通して設置抵抗を低減し得る。
【0012】
上述の結果は、パイルを駆動(挿入)するために要求されるパイル駆動力をより小さくし、場合によっては、ハンマー衝撃を加える必要なく、設置が可能であり得る。基礎が必要な深さまで設置されると、次いで、流体噴射システムをオフにして、流体が土壌から排出し、土壌が再安定化することを可能にし得る。
【0013】
実施形態では、方法は、複数のノズルから噴射される流体の流量を制御して、流体連通チャネル内の流体懸濁液圧力を変化させる工程をさらに含む。そのため、ノズルから噴射される流体の体積は、懸濁液圧力を変化させるために増加または減少させ得る。典型的には、流体の流入流量を変化させることは、懸濁液圧力の増加が必要とされるときに応答するのが比較的遅いため、内部空洞の基端における流体の量を変化させることよりも望ましくない。例えば、過剰な流体は散逸するのに時間がかかることがあり、流量が減少できる程度は、土壌に切断するために十分に高い噴射圧力を維持する必要性によって制限される。とは言え、流体流入の制御は、懸濁液圧力を急速に減少させる必要がある場合の有用な制御パラメーター、またはポンプ配置が故障した場合の冗長性を提供し得る。
【0014】
実施形態では、目標流体懸濁液圧力は、先端部深さとともに増加する。このように、目標流体懸濁液圧力は、基礎が土壌に挿入される際に、アクティブ土圧の増加を補償し得る。アクティブ土圧は、深さとともに線形的または非線形的に増大し得、さらに先端部が特定の土壌層を通って降下している期間にわたって減少し得ることが理解されよう。
【0015】
実施形態では、目標流体懸濁液圧力は、土壌特性に基づき決定される。このように、目標流体懸濁液圧力は、異なる土壌タイプおよび異なる土壌層間のアクティブ土圧の変化を補償し得る。
【0016】
実施形態では、目標流体懸濁液圧力は、推定されたアクティブ土圧係数に基づき決定される。
【0017】
実施形態では、方法は、複数のノズルから流体を噴射する工程の前に、先端部深さに応じた目標流体懸濁液圧力を求める工程をさらに含む。このようにして、コントローラーによる実施のための目標パラメーターは、基礎の物理的設置を開始する前にあらかじめ決められてもよい。次に、設置は、これらの所定のパラメーターに基づき進行してもよく、例えば、コントローラーは、設置が進行するにつれて目標流体懸濁液圧力を維持するために、パラメーターに基づきポンプを制御する。
【0018】
実施形態では、コントローラーを使用してポンプ配置を制御する工程は、受信したセンサー入力に基づき制御する工程を含む。このようにして、コントローラーは、目標懸濁液圧力または好ましい設置速度を維持するために、設置中にフィードバック制御を提供し得る。
【0019】
実施形態では、受信したセンサー入力は、先端部に隣接する流体懸濁液圧力に対応する入力を含む。このようにして、流体懸濁液圧力は直接測定され、それによって、目標懸濁液圧力を維持するために制御パラメーターを用いた迅速な応答を可能にする。
【0020】
実施形態では、受信したセンサー入力は、設置抵抗に対応する入力を含む。このようにして、検出された設置抵抗は、予測された設置抵抗と比較されてもよく、例えば、設置抵抗が予想よりも速く増加する場合、懸濁液圧力は、これに応答して低下し得る。
【0021】
実施形態では、内部空洞の基端における流体の量を変化させる工程は、ポンプ配置が水を内部空洞の外へ圧送することおよび/または水を内部空洞への供給することを含む。このようにして、懸濁液圧力は、内部空洞内の水面の高さを変更することによって急速に変化し得る。
【0022】
実施形態では、方法は、内側壁と土壌を分離するための手段を使用して、内部空洞の基端と先端部との間の流体連通チャネルを開状態に維持する工程をさらに含む。例えば、流体連通チャネルを開状態に維持するための手段は、基礎本体の先端領域の内部表面上に円周方向および軸方向に分布するノズルの二次アレイを含み得る。これらの分離ノズルは、内部表面と対向する土壌との間の分離を維持するための噴射の分布を、本体の内部円周の周り、およびその軸に沿って垂直に上方に提供し得る。好ましくは、これらの2次ノズルは、堆積物の上向きの動きを強化するために、挿入方向に対し90~180度である平面に向けられてもよい。
【0023】
本発明の第二の態様によれば、構造の基礎が提供される。該構造の基礎は、土壌内に挿入方向に挿入するため基礎本体であって、その先端に、内側壁によって画定される内部空洞内に開口を画定する先端部を有する、本体と、先端部の前方の土壌内に流体を先端方向に向けて噴射するために、本体の先端領域に設けられた複数のノズルと、内部空洞の基端における流体の量を変化させるためのポンプ配置と、ポンプ配置を制御して、内部空洞の基端と、内側壁と土壌との間に形成される先端部との間の流体連通チャネル内の、先端部に隣接する流体懸濁液圧力を変化させる、コントローラーと、を含み、コントローラーは、先端部深さに応じて変化する目標流体懸濁液圧力に基づき、先端部が土壌に深く挿入されるにつれて、流体懸濁液圧力を変化させる。
【0024】
実施形態では、基礎はさらに、流体懸濁液圧力を判別するための圧力センサーと、基礎本体の土壌への挿入に対する抵抗を判別するための設置抵抗センサーと、を含み、コントローラーを使用してポンプ配置を制御する工程は、圧力センサーおよび設置抵抗センサーから受信したセンサー入力に基づき制御する工程を含む。
【0025】
本発明の第三の態様によれば、構造の基礎が提供される。該構造の基礎は、設置中に、土壌内への挿入方向への挿入のための本体であって、本体が、その先端に先端部を有し、先端部が内側壁によって画定される内部空洞内に開口を画定する、本体と、先端部の前方の土中に先端方向に向けて流体噴射を配向させるための一つまたは複数のノズルと、内部空洞の基端から流体を排出するためのポンプと、内部空洞の基端と、内側壁と土壌との間に形成されるつま先との間に流体連通チャネルを維持する手段と、を含む。
【0026】
流体は、水を含むことが好ましい。流体は、例えば、海水、または水溶液もしくは懸濁液であり得る。
【0027】
本発明の第四の態様によれば、構造の基礎の設置を制御するためのコントローラーが提供される。該基礎は、土壌内への挿入方向への挿入のための基礎本体を含み、本体は、その先端に、内側壁によって画定される内部空洞内に開口を画定する先端部を有し、コントローラーは、先端部の前方の土壌内に流体を先端方向に配向させるため本体の先端領域に設けられた複数のノズルからの流体の噴射を制御するための噴射制御と、内部空洞の基端における流体の量を変化させるためにポンプ配置を制御するためのポンプ制御とを含み、コントローラーは、内部空洞の基端と、内側壁と土壌との間に形成される先端部との間の流体連通チャネル内の、先端部に隣接する流体懸濁液圧力を変化させ、コントローラーは、先端部深さに応じて変化する目標流体懸濁液圧力に基づき、先端部が土壌に深く挿入されるにつれて、流体懸濁液圧力を変化させる。
【0028】
本発明の第五の態様によれば、構造の基礎の設置を制御するためのコントローラーを操作するためのソフトウェアが提供され、基礎は、土壌内への挿入方向への挿入のための基礎本体を含み、本体はその先端に、内側壁によって画定される内部空洞内に開口を画定する先端部を有し、ソフトウェアは、先端部の前方の土壌内に流体を先端方向に向けて配向させるため本体の先端領域に設けられた複数のノズルからの流体の噴射を制御するための命令と、内部空洞の基端における流体の量を変化させるためにポンプ配置を制御するための命令とを含み、流体懸濁液圧力は、内部空洞の基端と、内側壁と土壌との間に形成される先端部との間の流体連通チャネル内の、先端部に隣接して変化し、流体懸濁液圧力は、先端部深さの関数としての標的流体懸濁液圧力に基づき、先端部が土壌に深く挿入されるにつれに変化する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
ここで、本発明の例示的実施形態を添付図面を参照しながら説明する。
【
図1】
図1は、本発明の第一の実施形態による基礎の概略断面図を示す。
【
図2】
図2は、
図1に示される基礎の先端部の拡大概略断面図を示す。
【
図3】
図3は、本発明の第二の実施形態による基礎の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は、本発明の実施形態による基礎1の概略断面図を示す。本実施形態では、基礎2は、海上における設置用のモノパイルである。
【0031】
基礎1は、外部表面4と、井戸(ボア)状の内部空洞12を画定する内部表面8とを有する中空管状本体2を含む。この例では、本体2は、その基端に向かって円錐形セクションを有する。本体2の先端部分は、海3の下の土壌5内に挿入するための挿入セクション6を含む。挿入セクション6の先端は、内部空洞12内に開口を画定する先端部7で終わる。
【0032】
本実施形態では、内部表面8は、ノズルアレイを含む流体噴射システムを含む。このアレイは、先端部7に位置するか、または隣接し、基礎の先端部7の前方の土壌内に高圧流体を噴射するために先端方向向けて配向される、複数の切断ノズル9を含む。実施形態では、切断ノズルは、先端部7の10cm以内、より好ましくは2cm以内に位置する。本実施形態では、切断ノズル9は、土壌特性に応じて、使用時に10~20cmだけ土壌内に貫通する、200~400バールで流体を噴射し得る。噴射された流体は、その挿入方向15で、先端部7の前方の土壌を切断および侵食するように作用する。複数の切断ノズル9は、先端部開口の周囲の周りに配置され、高圧供給パイプシステム(図示せず)によって供給される。
【0033】
基礎の内部にはさらに、設置中に基礎の内部内の水面に接続するポンプ配置13が設けられる。ポンプ配置13は、パイプ14を使用して、空洞13に水を供給するか、または空洞13から水を排出ことによって内部空洞12の基端セクション内の水面の高さを調整するために、使用される。本実施形態では、単一のポンプおよびパイプが示されるが、ポンプ配置13は、一つまたは複数のポンプによって駆動される別個の複数の吸入口および排出口パイプを含んでもよいことが理解されよう。実施形態では、ポンプ配置の吸入口は、代替的に、制御可能な弁によって提供され得、海水が内部空洞12内に排出されることを可能にするための起動可能である。実施形態では、ポンプ配置は、基礎のケーブル孔内に設けられてもよく、従って、最終設置深度で海底の3~4m上に位置する。従って、こうした配置はパイプ14を必要としえない。
【0034】
基礎本体2が閉鎖端パイル(closed ended pile)である実施形態では、ポンプ配置13は、代替的に水面の上方に提供されて、内部空洞12内の気圧を増加または減少させるために動作し得る。
【0035】
コントローラー16は、ポンプ13を制御して、内部空洞内の水面の高さを調節するために設けられる。本実施形態では、コントローラー16はまた、切断ノズル9から噴射された流体の流量を変化させてもよい。コントローラー16は、例えば、モノパイルの設置中に使用される船またはジャッキアップベッセル上に提供され得る。
【0036】
設置中、基礎本体2は、海水3を通して下降し、先端部8が、挿入方向15に移動し、土壌5に軸方向に下向きに貫通する。
【0037】
基礎本体2は、自身の重量下で挿入方向15に押し込まれる。いくつかの実施形態では、追加のバラスト重量を使用して、基礎の駆動重量を増加させることができる。一部の状況では、基礎を下向きに駆動するために、本体2の基端にハンマー衝撃を加える必要があり得る。
【0038】
設置中、切断ノズル9が起動されて、流体の高圧噴射を先端部7の前方の土壌内に配向する。この作用は、短い距離で土壌を切断し、この領域の土壌を先端部7の直ぐ下に、かつ半径方向内側に分割する。
【0039】
図2は、土壌5を貫通するときの、先端部7の拡大概略断面図を示す。切断ノズル9から噴射された流体19は、土壌に入って切断し、先端部7に隣接する土壌領域内に懸濁液を形成し、それによって、本体2の内部表面8に隣接する土壌5を基礎本体2自体から分離する。流体は、本体2の内部表面8の上に、海底上の内部空洞の基端まで上方に延在する連通チャネル11を構築し、形成する(
図1を参照)。この連通チャネル11の確立は、内部空洞の基端における圧力変化が、先端部7に隣接する領域における、先端における、流体の懸濁液圧力に直接影響を与え得ることを意味する。
【0040】
この関連で、基礎本体2が押し下げられると、その内部表面および外部表面は、周囲の土壌5からの横方向の土圧を受ける。これはその後、設置に抵抗するシャフト抵抗18として現れる。
【0041】
上述のように、本配置では、切断ノズル9は、土壌のセクションを切断および排出するように作用し、それによって、先端部7の下の先端領域から内部空洞12の基端まで延在する流体連通チャネル11を生成する。このように、特に、土壌5によって本体2の内部表面8に印加される横方向の土圧が除去される。本体の外部表面4は、隣接する土壌によって加えられる横方向の土圧17に依然として曝される。しかしながら、先端部7の下の切り取り領域では、パイル本体2が存在しないことは、この横方向圧力17がアクティブ有効水平土圧(active effective horizontal earth pressure)であることを意味する。このように、土壌と懸濁液との間の前面22で、土壌間隙圧力uとこのアクティブ有効水平土圧の総和は、流体連通チャネル11の対向領域の流体懸濁液圧力(P_sus)21によって対抗される。従って、コントローラー16によって設定されたパラメーターを使用して、連通チャネル11を通して懸濁液圧力P_sus21を制御することによって、P_sus21は、以下のように土壌間隙圧力(soil pre pressure)およびこのアクティブ有効水平土圧の横方向の力と合致し得る。
P_sus>=土壌間隙圧力+アクティブ有効水平土圧
【0042】
従って、コントローラー16は、先端部7に隣接する領域での懸濁液圧力を制御するために、ポンプ13および/または切断ノズル9によって噴射される流体の流量を使用して、水面の高さを制御し得る。具体的には、コントローラーは、懸濁液圧力P_sus21を減少させるために、切断ノズル9によって噴射される流体の流れを増加させ得る。これは、ポンプ配置13を使用して内部空洞12内の水面からの水を加えることによって対抗され得る。逆に、懸濁液圧力は、ポンプ配置13を使用して内部空洞12から水を除去(排出)することによっても減少し得る。同様に、閉鎖端パイルの実施形態では、内部空洞12内の気圧は、懸濁液圧力を変化させるために増加または減少させてもよい。
【0043】
懸濁液圧力P_sus21は、外部の土壌が噴射環状部内に崩壊する、地盤破壊を防止するのに十分高くなるように制御することができる。より重要なことに、周囲の土壌構造を著しく損なうであろう水圧障害も防止できる。懸濁液圧力が、噴射環状部への間隙水の流入を引き起こし、隣接する間隙圧力より下に低下するため、水圧障害は特に壊滅的である。この間隙水流入は、侵食前面で土壌を急速に侵食するが、これは、懸濁液圧力が、アクティブ土圧に対抗するほど高くないため、すでに不安定である。従って、侵食前面は、周囲の土壌構造内に外向きに漸進的に食され、基礎の定置安定性を劇的に損なう。
【0044】
上記と同時に、懸濁液圧力P_sus21は、土壌5が前面22で流体内に半径方向内側に弛緩するのを可能にするのに十分低くなるように制御され得る。これにより、前面22に半径方向に隣接する土壌5の横方向の土圧17の一部が解放される効果を有する。先端部7が下向きに前進し続けると、この弛緩した土壌5の領域に移動する。従って、前進する先端部7は、それが懸濁液圧力21によって対抗されたときの大きさで、土壌5の外部横方向圧力17を固定する。これにより、基礎の外部4に適用される横方向の土圧17が著しく減少し、その結果、シャフト抵抗18が低減される。また、先端部7の強化された土壌侵食の副産物として先端部抵抗の減少があるが、これは全体的な設置抵抗の二次的要因である。
【0045】
パイルの設置が進行し、先端部7が土壌のより深い方へと駆動されるにつれて、前面22の土壌中のアクティブ有効水平土圧も一般に増加する。均質な土壌プロファイルでは、この増加は実質的に線形である。ただし、層状土壌プロファイルでは、アクティブ有効水平土圧係数は土壌タイプによって異なるため、増加は非線形となる。一部の土壌層はまた、アクティブ有効水平土圧の減少を示し得る。結果として、有害な接地または水圧障害を回避しながら、設置抵抗の低減を維持するために、コントローラー16は、先端部7が土壌の奥深くに駆動されるにつれて、懸濁液圧力を変化させるが、全体的な傾向は、深さとともに懸濁液圧力を増加させることである。
【0046】
この関連で、本実施形態では、コントローラー16は、設置プロセス中にポンプ配置13および/またはノズル9を通した噴射注入をコントロールして、先端部7の深さによって変化する目標懸濁液圧力を維持する。この目標懸濁液圧力は、土壌の推定特性に基づいてよい。例えば、設置前に、基礎の重量、使用される任意の追加バラスト、噴射構成、および基礎の設置場所に対する特定の土壌条件および特性などの要因を考慮に入れて、深さの関数としての目標懸濁液圧力を決定するために、モデリングを使用し得る。これに基づき、次に、コントローラーは、噴射圧力および水面の高さを調整して、実際の懸濁液圧力を所与の先端部深さ用の目標に一致させようとし得る。このため、コントローラー16は、フィードバックセンサーからの入力を監視し得る。例えば、フィードバックセンサーは、それぞれ、切断ノズル9およびポンプ13での流量を示すための、切断ノズル流量センサー25およびポンプ流量センサー26を含み得る。実施形態では、コントローラーは、例えば、パイルの先端の近くに設けられる圧力センサー24を使用して、懸濁液圧力を直接監視し得る。
【0047】
コントローラー16はまた、設置抵抗センサー23を使用して、設置抵抗を監視し、これを、モデリング段階の一部として計算された予測される設置抵抗と比較することができる。設置中、設置抵抗が予測よりも速く増大する場合、コントローラーは、例えば、懸濁液圧力を下げて抵抗を低減し得る。コントローラー16はまた、切断噴射9による土壌の浸食を増加させるために、設置速度を減少させてもよい。
【0048】
従って、上記の配置では、先端部7の下に噴射領域を生成し、連通チャネル11内の懸濁液圧力を制御することによって、外側壁摩擦18を減少させ、それによって設置を容易にするために必要な下向きの力を低減することができる。このように、パイルの駆動抵抗は、一部の土壌では、パイルがそれ自体の重量下で、または最小限の追加バラストで設置され得る程度まで減少し得る。結果として、これにより、パイルの設置を容易にするためにインパクトハンマーを使用する必要性を回避または低減することができる。
【0049】
図3は、本発明の第二の実施形態による基礎の概略断面図を示す。この第二の実施形態は、挿入セクション6の内部表面8上に円周方向および軸方向に分布する複数の分離ノズル10を有する第二のノズルアレイをさらに含むことを除いて、
図1および2に示す第一の実施形態と実質的に同じように動作する。分離ノズル10は、内部表面8と対向する土壌5との間の分離を維持するのを助けるための噴射の分布を、本体の内部円周の周り、およびその軸に沿って垂直に上方に設ける。このように、分離ノズル10は、内部土壌支柱からの土壌が再び弛緩して、パイル2と接触することを防止することによって、連通チャネル11を開放状態に維持するための手段として機能する。本実施形態では、分離ノズル10は、土壌5の上方の基礎の内部空洞12に向かって上方に流体を噴射するために基端方向に向けて配向されるものとして示される。これにより、堆積物を輸送するためのチャネル11を通る流体の上向きの流れを促進し、下向きの静水圧に対抗する圧力を生成する。他の実施形態では、分離ノズル10は、放射状に内側または接線方向に向けられてもよい。
【0050】
従って、上記の方法および配置により、基礎をより容易に土壌に設置できることが理解されるであろう。これにより、コストを削減し、設置時の騒音を最小限に抑えることができる。基礎が必要とされる深さまで設置された後、流体噴射システムは、オフとなり、土壌粒子が沈降して、周期的な振とう効果によって時間の経過とともに圧縮するとき、余分な水が、領域から排出されるのを可能にし、それによって土壌を再び安定化することを可能にすることができる。
【0051】
上述の実施形態は、例示の目的のためにのみ本発明の適用を示すことが理解されよう。実際には、本発明は、多くの異なる構成に適用されてもよく、詳細な実施形態は、当業者にとって実施することが簡単である。
【0052】
例えば、上記の実施形態は、懸濁液圧力を制御するために噴射圧力および流体排出流量を使用するが、他の制御パラメーターを追加的に使用し得ることが理解されよう。
【0053】
この関連で、例えば、追加のバラストを使用して、基礎の総重量、および従って適用される下向きの駆動力を増加させることができる。このように、コントローラー16は、噴射およびポンプ流量を適切に調整することによって、設置中の基礎の合計重量を考慮し得る。
【0054】
コントローラーはまた、所定の噴射流量に対して懸濁液圧力が増加する流量に影響を与え得る、設置速度を制御するための手段を含んでもよい。例えば、設置速度が遅いと、噴射によって土壌が侵食される時間が長くなる。コントローラー16は、他のパラメーターと組み合わせて、設置速度を変化させ得る。
【0055】
駆動抵抗をさらに低減するために、流体噴射システムと組み合わせて、追加の機構およびシステムも使用され得ることも理解されるであろう。例えば、基礎は、電気浸透用の電極をさらに組み込んでもよい。このように、流体噴射システムは、電気浸透システムと相乗的に作用し得る。
【0056】
第二の実施形態における連通チャネル11を維持する手段は分離ノズル10を使用するが、他の手段も想定されることも理解されるであろう。例えば、内壁8に隣接して設けられるドリル機構が、連通チャネル11を維持するために使用され得る。
【0057】
最後に、上記の例示的実施形態では、基礎はモノパイル式であったが、それにもかかわらず、吸引バケット基礎、およびジャケット基礎などの他の基礎も可能であることが理解されるであろう。本発明はまた、撤去中の基礎の簡素化された撤去を可能にし得る。特に、ノズルは、引き出される際に基礎の表面上の摩擦を低減するために高圧流体を印加するために使用され得る。
【国際調査報告】