(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-04
(54)【発明の名称】レドックスフロー電池システム及びオールアイアンフロー電池
(51)【国際特許分類】
H01M 8/18 20060101AFI20230627BHJP
H01M 8/248 20160101ALI20230627BHJP
H01M 8/249 20160101ALI20230627BHJP
H01M 8/04186 20160101ALI20230627BHJP
【FI】
H01M8/18
H01M8/248
H01M8/249
H01M8/04 M
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022569172
(86)(22)【出願日】2021-05-13
(85)【翻訳文提出日】2023-01-12
(86)【国際出願番号】 US2021032317
(87)【国際公開番号】W WO2021231777
(87)【国際公開日】2021-11-18
(32)【優先日】2020-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519297300
【氏名又は名称】イーエスエス テック インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】ESS Tech,Inc.
【住所又は居所原語表記】26440 SW Parkway Avenue,Wilsonville,Oregon 97070 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ケイシー ショーン
(72)【発明者】
【氏名】エヴァンス クレイグ
【テーマコード(参考)】
5H126
5H127
【Fターム(参考)】
5H126AA14
5H126AA25
5H126BB10
5H127AA10
5H127AB03
5H127AB14
5H127AB17
5H127AC07
5H127BA28
5H127BB13
(57)【要約】
レドックスフロー電池システムのための方法及びシステムが提供される。一例では、レドックスフロー電池システムは、第1の加圧板と第2の加圧板との間に配置されたサブスタックセパレータプレートを備えた加圧板のセットと、第1の加圧板とサブスタックセパレータプレートとの間に配置された第1のセルスタックとを有する。レドックスフロー電池システムは、第2の加圧板とサブスタックセパレータプレートとの間に配置された第2のセルスタックをさらに含み得る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レドックスフロー電池システムであって、
前記レドックスフロー電池システムの第1の端部の第1の加圧板と、前記レドックスフロー電池システムの第2の端部の第2の加圧板とを含む加圧板のセットであって、前記第2の端部は、前記レドックスフロー電池システムの長手方向軸に沿って前記第1の端部の反対側に位置する、前記加圧板のセットと、
前記第1の加圧板と前記第2の加圧板との間に配置され、前記長手方向軸に沿って前記加圧板のセットと整列するサブスタックセパレータプレートと、
前記第1の加圧板と前記サブスタックセパレータプレートとの間に配置された第1のセルスタックと、
前記第2の加圧板と前記サブスタックセパレータプレートとの間に配置された第2のセルスタックと
を含む、レドックスフロー電池システム。
【請求項2】
前記サブスタックセパレータプレートは、前記第1のセルスタックを前記第2のセルスタックから絶縁する、請求項1に記載のレドックスフロー電池システム。
【請求項3】
前記第1のセルスタック及び前記第2のセルスタックは、板ばねによって前記加圧板のセットに加えられた圧力により、前記加圧板のセットの間で圧縮される、請求項1に記載のレドックスフロー電池システム。
【請求項4】
前記加圧板のセット、前記第1のセルスタック、前記サブスタックセパレータプレート、及び前記第2のセルは、前記長手方向軸に沿って延在する複数のボルトによって所定の位置に維持される、請求項1に記載のレドックスフロー電池システム。
【請求項5】
前記レドックスフロー電池システムは、外部ハウジングを含まない自立型ユニットである、請求項4に記載のレドックスフロー電池システム。
【請求項6】
前記第1のセルスタック及び前記第2のセルスタックのそれぞれは、複数のセルで形成され、前記複数のセルの各セルは、負極、正極、双極板、及び膜セパレータを含む、請求項1に記載のレドックスフロー電池システム。
【請求項7】
前記第1のセルスタック及び前記第2のセルスタックのそれぞれにおける前記複数のセルの各セルは、フレームプレート内に支持され、各フレームプレートは、前記長手方向軸に沿って整列し、前記フレームプレートの1つの面に隣接するフレームプレートと接触する、請求項6に記載のレドックスフロー電池システム。
【請求項8】
前記第1のセルスタックの前記複数のセルの各セルは、前記第1のセルスタック内の前記複数のセルの他のセルに流体接続され、前記第2のセルスタックの前記複数のセルの各セルは、前記第2のセルスタック内の前記複数のセルの他のセルに流体接続される、請求項6に記載のレドックスフロー電池システム。
【請求項9】
前記第1のセルスタックと前記第2のセルスタックとの間の電解液の流れが、前記サブスタックセパレータプレートによって遮られる、請求項1に記載のレドックスフロー電池システム。
【請求項10】
電解液が、前記第1のセルスタックと前記第2のセルスタックとの間を、前記サブスタックセパレータプレートの開口部を通って流れる、請求項1に記載のレドックスフロー電池システム。
【請求項11】
オールアイアンフロー電池であって、
第1の加圧板と第2の加圧板との間で圧縮された複数のセルを含み、前記複数のセルは、第1のセルスタック及び第2のセルスタックで形成され、前記第1のセルスタックは、前記オールアイアンフロー電池の長手方向軸に沿った中間点に配置されたサブスタックセパレータプレートによって前記第2のセルスタックから分離され、圧縮は、1以上の圧縮アセンブリによって行われる、
前記オールアイアンフロー電池。
【請求項12】
前記サブスタックセパレータプレートを介して前記第1のセルスタックへ、また、前記第2のセルスタックへ、電解液を流入させるように構成された前記第1の加圧板の入口ポートのセットと、前記第2のセルスタックから前記サブスタックセパレータプレートを介して、また、前記第1のセルスタックから、電解液を流出させるように構成された前記第1の加圧板の出口ポートのセットとをさらに含み、前記第2の加圧板は、孔を有しない非中空のプレートである、請求項11に記載のオールアイアンフロー電池。
【請求項13】
前記第1の加圧板と前記サブスタックセパレータプレートとの間で前記第1のセルスタックを通って電解液を循環させるように構成された前記第1の加圧板の第1の入口ポートのセット及び第1の出口ポートのセットと、前記第2の加圧板と前記サブスタックセパレータプレートとの間で前記第2のセルスタックを通って電解液を循環させるように構成された前記第2の加圧板の第2の入口ポートのセット及び第2の出口ポートのセットとをさらに含む、請求項11に記載のオールアイアンフロー電池。
【請求項14】
前記サブスタックセパレータプレートと前記第1のセルスタックとの間に配置された第1の負極集電体と、前記第1の加圧板と前記第1のセルスタックとの間に配置された第1の正極集電体とをさらに含み、前記第1の負極集電体は、前記第1のセルスタックの各セルの各負極に電気的に接続され、前記第1の正極集電体は、前記第2のセルスタックの各セルの各正極に電気的に接続される、請求項11に記載のオールアイアンフロー電池。
【請求項15】
前記サブスタックセパレータプレートと前記第2のセルスタックとの間に配置された第2の負極集電体と、前記第2の加圧板と前記第2のセルスタックとの間に配置された第2の正極集電体とをさらに含み、前記第2の負極集電体は、前記第2のセルスタックの各セルの各負極に電気的に接続され、前記第2の正極集電体は、前記第2のセルスタックの各セルの各正極に電気的に接続される、請求項14に記載のオールアイアンフロー電池。
【請求項16】
前記第1の加圧板は、前記第1の加圧板、前記第1のセルスタック、前記サブスタックセパレータプレート、前記第2のセルスタック、及び前記第2の加圧板を通って前記長手方向軸に沿って延在する複数のボルトによって、前記第2の加圧板に接続される、請求項11に記載のオールアイアンフロー電池。
【請求項17】
前記1以上の圧縮アセンブリは、前記第1の加圧板の外側面を横切るように延在する第1の板ばねと、前記第2の加圧板の外側面を横切るように延在する第2の板ばねと、前記第1の板ばねと前記第2の板ばねとの間に延在するタイロッドとを含み、前記第1の板ばね及び前記第2の板ばねは、前記タイロッドの端部がナットと係合し、かつ、前記ナットを締めることにより、前記第1の加圧板及び前記第2の加圧板にそれぞれ、圧力を加えるように構成された、請求項16に記載のオールアイアンフロー電池。
【請求項18】
レドックスフロー電池システムであって、
前記レドックスフロー電池システムの長手方向軸に沿って第2のセルスタックと整列した第1のセルスタックであって、セパレータプレートによって前記第2のセルスタックから分離された前記第1のセルスタックと、
前記第1のセルスタックの端部に配置された第1の加圧板と、前記第2のセルスタックの端部に配置された第2の加圧板と、
前記第1の加圧板に第1の方向の圧力を加え、かつ、前記第2の加圧板に、反対の第2の方向の圧力を加えて、前記第1のセルスタック及び第2のセルスタックを、前記長手方向軸に沿って圧縮するように構成された圧縮アセンブリと
を含む、前記レドックスフロー電池システム。
【請求項19】
前記第1の加圧板及び第2の加圧板に配置され、前記長手方向軸に垂直な方向における第1のレドックスフロー電池と第2のレドックスフロー電池との積み重ねを可能にするように構成された入れ子戻り止めをさらに含む、請求項18に記載のレドックスフロー電池システム。
【請求項20】
入れ子戻り止めは、前記第1の加圧板及び第2の加圧板の双方の上縁部に配置された前記入れ子戻り止めの第1の半体と、前記第1の加圧板及び第2の加圧板の双方の下縁部に配置された前記入れ子戻り止めの第2の半体とを含み、前記入れ子戻り止めの前記第1の半体及び前記第2の半体は、第1のレドックスフロー電池及び第2のレドックスフロー電池の積み重ねを維持する固定部品を受けるように構成された開口を含む、請求項18又は19に記載のレドックスフロー電池システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年5月15日に出願された「DOUBLE-STACK REDOX FLOW BATTERY」という名称の米国仮出願第63/025,222号についての優先権を主張する。上記出願の全ての内容が、あらゆる目的で、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本説明は、一般に、レドックスフロー電池のための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
レドックスフロー電池は、電力と容量を個別にスケーリングでき、また、従来の電池技術と比較して、性能損失を抑えながら数千サイクルの充電と放電を行うことができるため、グリッドスケールの蓄電の用途に適する。オールアイアンハイブリッドレドックスフロー電池は、低コストで、地球に豊富にある材料が組み込まれているため、特に魅力的である。オールアイアンレドックスフロー電池(IFB)は、電解液として鉄、塩、及び水に依存しているため、シンプルで地球に豊富にある安価な材料を含み、刺激の強い化学物質の組み込みを除外することで、IFBに関する環境フットプリントを低減する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、本発明者らは、エネルギー需要を満たすために複数のIFBが必要なとき、各IFBの部品のセットを含むことが必要なマルチIFBシステムでは、部品のセットの重複のためにコストが増加し得ることを認識した。例えば、各IFBは、IFBごとに2つの加圧板を含む場合、IFBの数が増加すると、マルチIFBシステムの重量が負担となり得る。さらに、IFB構成に特有のハードウェアの製造コストにより、全体のコスト及び負担が増加し得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一例では、上述した問題は、加圧板のセットを含むレドックスフロー電池システムによって解決することができる。加圧板のセットは、レドックスフロー電池システムの第1の端部の第1の加圧板とレドックスフロー電池システムの第2の端部の第2の加圧板とを含み、第2の端部は、レドックスフロー電池システムの長手方向軸に沿って第1の端部の反対側に位置する。レドックスフロー電池システムは、第1の加圧板と第2の加圧板との間に配置され、長手方向軸に沿って加圧板のセットと整列したサブスタックセパレータプレートをさらに含み、第1のセルスタックは、第1の加圧板とサブスタックセパレータプレートとの間に配置され、第2のセルスタックは、第2の加圧板とサブスタックセパレータプレートとの間に配置される。このように、オールアイアンレドックスフロー電池(IFB)システムは、コストも負担も増加させずに、コンパクトで効率性を保つことができる。
【0006】
上記概要は、詳細な説明にさらに記載されている概念の一部を簡素化して伝えるためのものであることに留意すべきである。特許を請求する要旨の重要な特徴または必須の特徴を特定するものではなく、要旨の範囲は、詳細な説明に続く請求項によって一意に定義される。さらに、特許を請求する要旨は、上述した課題または本開示のいずれかの部分に記載した課題を解決する実施形態に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】電極及び膜セパレータを備えた電池セルを含むレドックスフロー電池システムの一例の概略図である。
【
図2】ダブルスタックレドックスフロー電池システムの斜視図である。
【
図3】
図2のダブルスタックレドックスフロー電池システムの分解図である。
【
図4】圧縮アセンブリが設けられたレドックスフロー電池の切断図を示す。
【
図5】ダブルスタックレドックスフロー電池システムの正面図である。
【
図6】電解液流路を示す、ダブルスタックレドックスフロー電池システムの第1の側面図である。
【
図7】集電体の位置を示す、ダブルスタックレドックスフロー電池システムの第2の側面図である。
【
図8】複数のダブルスタックレドックスフロー電池のスタック構成を示す。
【0008】
図2~
図9は、ほぼ一定の縮尺で示されているが、必要に応じて他の寸法を使用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の説明は、貯蔵コストが低減されたレドックスフロー電池を製造するためのシステム及び方法に関する。別個の正の電解液チャンバと負の電解液チャンバを有する一体型マルチチャンバタンクを備えたレドックスフロー電池を、
図1の概略図に示す。いくつかの例では、レドックスフロー電池は、IFBの負極と正極の双方で鉄レドックス化学を利用するオールアイアンフロー電池(IFB)とし得る。電解液チャンバは、1以上の電池セルに接続することができ、各セルは負極及び正極を含む。複数のIFBが組み込まれた場合のIFBシステムのコスト及び重量を削減するために、IFBは、
図2のIFBの第1の実施形態で示すように、複数のセルスタックで構成することができる。IFBの第1の実施形態は、
図3の分解図に示されている。
図4のIFBの第2の実施形態の切断図で示すように、1以上の電池セルを共通の軸に沿って積み重ねて、セルスタックを形成することができ、これは、加圧板の間に挟まれ、圧縮アセンブリによって圧縮することができる。IFBの第1の実施形態は、第1のセルスタックを第2のセルスタックから分離するサブスタックセパレータプレートを有するダブルスタックIFBとし得る。電解液は、
図5のダブルスタックIFBの正面図に示すように、複数の加圧板の少なくとも1つにおいて、複数の入口及び出口を介して、ダブルスタックIFBに電解液を流入し、また、ダブルスタックIFBから電解液を流出することができる。ダブルスタックIFBの各セルスタックを通る電解液流路が、
図6にIFBの側面図に示されており、また、ダブルスタックIFBにおける集電体の配置が、
図7に示されている。ダブルスタックIFBは、
図8及び
図9に示すように、積み重ねできるように構成されるため、IFBシステム全体の設置面積をさらに低減し得る。
【0010】
図2~
図9は、様々な部品の相対的な位置を有する構成例を示している。互いに直接接触しているように示されている場合、または、直接接続しているように示されている場合、そのような要素は、少なくとも1つの例では、それぞれ直接接触している、または直接接続していると表現することができる。同様に、互いに連続または隣接するように示された要素は、少なくとも1つの例では、それぞれ、互いに連続または隣接し得る。一例として、互いに面を共有して接触している部品は、面を共有して接触していると表現することができる。別の例として、少なくとも1つの例では、要素の間に空間だけがあり、他の部品がない状態で互いに離れて配置された要素は、そのように表現することができる。さらに別の例として、互いに上/下に示されている要素、互いに反対側に示されている要素、または互いに左/右に示されている要素は、互いに対してそのように表現することができる。さらに、図に示されるように、最も上の要素または要素の点は、少なくとも1つの例では、部品の「頂部」と表現され、最も下の要素または要素の点は、部品の「底部」と表現することができる。本明細書で使用される場合、頂部/底部、上部/下部、上/下は、図の垂直軸に対するものされることがあり、また、相対的な図の要素の位置を説明するために使用することができる。したがって、一例では、他の要素の上側に示される要素は、他の要素の垂直方向の上側に位置する。さらに別の例として、図面に示される要素の形状は、それらの形状(例えば、円形、直線形状、平面形状、湾曲形状、丸い形状、面取りされた形状、傾斜した形状など)を有すると表現することができる。さらに、少なくとも1つの例において、互いに交差するように示されている要素は、交差する要素または互いに交差すると表現することができる。さらに、一例では、別の要素の内側に示されている要素、または別の要素の外側に示されている要素は、そのように表現することができる。
【0011】
ハイブリッドレドックスフロー電池は、電極上の固体層としての1以上電気活性材料の堆積を特徴とするレドックスフロー電池である。ハイブリッドレドックスフロー電池は、例えば、電池充電プロセスの全体を通して、電気化学反応によって基板上に固体として被覆する化学物質を含み得る。電池の放電中、被覆物は、電気化学反応によってイオン化し、電解液に溶解し得る。ハイブリッド電池システムでは、レドックス電池の充電容量(例えば、蓄えられるエネルギーの最大量)は、電池充電中に被覆した金属の量によって制限される場合があるため、被覆のシステムの効率に依存すると共に、被覆に利用可能な体積及び表面積に依存し得る。
【0012】
図1に示すように、レドックスフロー電池システム10では、負極26は被覆電極と称され、正極28はレドックス電極と称することができる第1の電池セル18の被覆側(例えば、負極コンパートメント20)内の負の電解液は、被覆電解液と称され、第1の電池セル18のレドックス側(例えば、正極コンパートメント22)の正の電解液は、レドックス電解液と称され得る。
【0013】
アノードは電気活性材料が電子を失う電極を指し、カソードは電気活性材料が電子を取得する電極を指す。電池の充電中、正の電解液は負極26で電子を獲得する、したがって、負極26は電気化学反応のカソードである。放電中、正の電解液は電子を失う、したがって、負極26は電気化学反応のアノードである。代替的に、放電中、負の電解液及び負極は、それぞれ電気化学反応のアノード液及びアノードと称され、一方、正の電解液及び正極は、それぞれ電気化学反応のカソード液及びカソードと称することができる。充電中、負の電解液及び負極は、それぞれ電気化学反応のカソード液及びカソードと称され、一方、正の電解液及び正極は、それぞれ電気化学反応のアノード液及びアノードと称することができる。簡単にするために、正及び負という用語は、本明細書では、レドックス電池フローシステムの電極、電解液、及び電極コンパートメントを指して使用される。
【0014】
ハイブリッドレドックスフロー電池の一例は、オールアイアンレドックスフロー電池(IFB)であり、IFBでは、電解液は鉄塩(例えば、FeCl
2、FeCl
3など)の形態の鉄イオンを含み、負極は金属鉄を含む。例えば、負極26では、充電中に、第一鉄イオンFe
2+が2つの電子を受け取り、鉄金属として負極26を被覆し、放電中に、鉄金属Fe
0が2つの電子を失い、Fe
2+として再溶解する。正極では、充電中にFe
2+が電子を失って第二鉄イオンFe
3+を形成し、放電中にFe
3+が電子を獲得してFe
2+を形成する。電気化学反応は、数式(1)及び数式(2)にまとめられる。ここで、正反応(左から右)は、充電中の電気化学反応を示し、逆反応(右から左)は、放電中の電気化学反応を示す。
【数1】
【数2】
【0015】
上記のように、IFBで使用される負の電解液は、充電中にFe2+が負極から2つの電子を受け取ってFe0を形成して基板を被覆できるように、十分な量のFe2+を提供し得る。放電中、被覆したFe0は2つの電子を失い、Fe2+にイオン化し、溶解されて電解液内に戻る。上記の反応の平衡電位は-0.44Vであるため、この反応は、所望のシステムに負極端子を提供する。IFBの正極側では、充電中に電解液がFe2+を提供し、これが電子を失い、Fe3+に酸化する。放電中、電解液によって提供されたFe3+は、電極によって提供された電子を受け取ることによってFe2+になる。この反応の平衡電位は+0.77Vであるため、所望のシステムの正極端子を作成する。
【0016】
IFBは、非再生の電解液を利用する他の種類の電池とは異なり、電解液を充電及び再充電する能力を備える。充電は、端子40及び42を介して電極の間に電流を供給することによって実現される。負極26は端子40を介して電源の負極側に接続され、それにより、電子が正極を介して負の電解液に供給される(例えば、Fe2+が、正極コンパートメント22内の正の電解液中でFe3+に酸化される)。負極26(例えば、被覆電極)に供給される電子は、負の電解液中のFe2+を還元して、被覆基板でFe0を生成し、それを負極26上に被覆することができる。
【0017】
酸化のためにFe0が負の電解液で利用可能な状態であり、かつ、還元のためにFe3+が正の電解液で利用可能な状態である間、放電は継続することができる。例として、第1の電池セル18の正極コンパートメント22側への正の電解液の濃度または体積を増加させ、外部の正の電解液タンク52などの外部の供給源を介して追加のFe3+イオンを供給することにより、Fe3+の利用可能性を維持することができる。より一般的には、放電中のFe0の利用可能性は、IFBシステムで問題になることがあり、放電に利用できるFe0は、負極基板の表面積及び体積並びに被覆効率に比例し得る。充電容量は、負極コンパートメント20内のFe2+の利用可能性に依存し得る。例として、Fe2+の利用可能性は、外部の負の電解液チャンバ50などの外部の供給源を介して追加のFe2+イオンを供給して、第1の電池セル18の負極コンパートメント20側への負の電解液の濃度または体積を増加させることによって維持することができる。
【0018】
IFBにおいて、正の電解液は、第一鉄イオン、第二鉄イオン、第二鉄錯体、またはそれらの任意の組み合わせを含み、一方、負の電解液は、IFBシステムの充電状態に応じて、第一鉄イオンまたは第一鉄錯体を含む。前述のように、負の電解液と正の電解液の双方で鉄イオンを利用すると、電池セルの両側で同じ電解種を利用することが可能になり、これにより、電解液の相互汚染(クロスコンタミネーション)を減らし、IFBシステムの効率を高めることができ、その結果、他のレドックスフロー電池システムと比較して、電解液の交換が少なくなる。
【0019】
IFBにおける効率損失は、電解液がセパレータ24(例えば、イオン交換膜バリア、微多孔膜など)を通過することによって生じ得る。例えば、正の電解液中の第二鉄イオンは、第二鉄イオン濃度勾配及びセパレータにおける電気泳動力によって負の電解液に向かって移動し得る。次に、第二鉄イオンが、膜バリアを透過し、負極コンパートメント20に移動することにより、クーロン効率の損失が生じ得る。鉄イオンが、低pHのレドックス側(例えば、より酸性度の高い正極コンパートメント22)から高pHの被覆側(例えば、より酸性度の低い負極コンパートメント20)に移動することにより、Fe(OH)3が沈殿し得る。Fe(OH)3の沈殿は、セパレータ24を劣化させ、永続的に電池性能及び効率の損失を引き起こす場合がある。例えば、Fe(OH)3の沈殿は、イオン交換膜の有機官能基を化学的に汚染したり、イオン交換膜の小さな微細孔を物理的に詰まらせる場合がある。いずれの場合も、Fe(OH)3の沈殿により、時間の経過とともに膜のオーム抵抗が上昇し、電池性能が低下し得る。沈殿物は電池を酸で洗浄することで除去し得るが、定期的なメンテナンスとダウンタイムは、商業的な電池の応用には不都合な場合がある。さらに、洗浄は電解液の定期的な調製に依存する場合があり、処理コストと複雑さが加わる原因となる。代替的に、電解液のpHの変化に応じて、特定の有機酸を正の電解液と負の電解液に添加すると、全体的なコストを押し上げることなく、電池の充電及び放電サイクル中の沈殿物の生成を抑制し得る。さらに、鉄イオンの通過を阻害する膜バリアを設けることにより、汚染も軽減し得る。
【0020】
H+(例えば、プロトン)の還元とそれに続くH2(例えば、水素ガス)の生成により、また、負極コンパートメント20内のプロトンと、被覆された鉄金属電極で供給される電子との反応による水素ガスの生成により、クーロン効率の損失がさらに生じる場合がある。
【0021】
IFB電解液(例えば、FeCl2、FeCl3、FeSO4、Fe2(SO4)3など)は、容易に入手可能であり、低コストで製造することができる。IFB電解液は、同じ電解液を負の電解液と正の電解液に利用できるため、より高い再生価値を提供し、その結果、他のシステムと比較して相互汚染の問題が減少する。さらに、鉄は、その電子配置により、負極基板への被覆中に、固化してほぼ均一な固体構造になる。ハイブリッドレドックス電池で一般的に使用される亜鉛やその他の金属の場合、被覆中に固体の樹枝状構造が形成される場合がある。IFBシステムの安定した電極形態は、他のレドックスフロー電池と比較して、電池の効率を高め得る。さらに、オールアイアンレドックスフロー電池は、有毒な原材料の使用を減らし、他のレドックスフロー電池の電解液と比較して相対的に中性のpHで動作することができる。したがって、IFBシステムは、現在生産されている他のすべての高度なレドックスフロー電池システムと比較して、環境への害を軽減する。
【0022】
引き続き
図1を参照すると、レドックスフロー電池システム10の概略図が示されている。レドックスフロー電池システム10は、マルチチャンバ電解液貯蔵タンク110に流体接続された第1のレドックスフロー電池セル18を含み得る。第1のレドックスフロー電池は一般に、負極コンパートメント20と、セパレータ24と、正極コンパートメント22とを含み得る。セパレータ24は、電気絶縁性イオン伝導バリアを含むことができ、これは、正の電解液と負の電解液とのバルク混合を防ぎ、特定のイオンの伝導を可能にする。例えば、セパレータ24は、イオン交換膜及び/又は微多孔膜を含み得る。
【0023】
負極コンパートメント20は、負極26を含むことができ、負の電解液は、電気活性材料から少なくとも部分的に形成することができる。正極コンパートメント22は、正極28を含むことができ、正の電解液は、電気活性材料を含み得る。いくつかの例では、複数のレドックスフロー電池セル18を直列または並列に組み合わせて、レドックスフロー電池システムにおいて、より高い電圧または電流を生成し得る。例えば、いくつかの例では、レドックスフロー電池システム10は、
図2~
図9に示すように、2つのセルスタックを含むことができ、各セルスタックは複数の電池セルで形成される。例として、第1の電池セル18と、第1の電池セル18と同様に構成された第2の電池セル19とを有するレドックスフロー電池システム10を、
図1に示す。したがって、第1の電池セル18について本明細書に記載されたすべての部品及びプロセスは、第2の電池セル19にも同様に見出することができる。
【0024】
第1の電池セル18は、第1のセルスタックに含まれてよく、第2の電池セル19は、第2のセルスタックに含まれ得る。第1のセル及び第2のセルは、互いに流体接続することができ、又は、流体接続しなくてもよいが、それぞれ電解液貯蔵タンク110及びリバランス反応器80、82に流体接続される。例えば、
図1に示すように、第1の電池セル18及び第2の電池セル19は、それぞれ、第1の電池セル18及び第2の電池セル19のそれぞれに分岐する共通の通路を介して、負の電解液ポンプ30及び正の電解液ポンプ32に接続することができる。同様に、電池セルはそれぞれ、電池セルをリバランス反応器80、82に接続する共通の通路に合流する通路を有し得る。
【0025】
図1には、負の電解液ポンプ30及び正の電解液ポンプ32がさらに示されており、双方ともフロー電池システム10を通して電解液溶液を汲み上げるために使用される。電解液は、セル外部の1以上のタンクに貯蔵され、負の電解液ポンプ30及び正の電解液ポンプ32を介して、それぞれ電池の負極コンパートメント20側及び正極コンパートメント22側を通して汲み上げられる。
【0026】
レドックスフロー電池システム10はまた、第1の双極板36及び第2の双極板38を含むことができ、それぞれ、負極26及び正極28の後面側、例えば、セパレータ24に面する側の反対側に沿って配置される。第1の双極板36は、負極26と接触することができ、第2の双極板38は、正極28と接触することができる。しかしながら、他の例では、双極板は、近接して配置することができるが、それぞれの電極コンパートメント内で電極から離して配置することができる。IFB電解液は、双極板36、38の材料の導電特性に起因して、第1の双極板36及び第2の双極板38によって負極26及び正極28の反応部位に輸送することができる。電解液の流れはまた、負の電解液ポンプ30及び正の電解液ポンプ32によって補助され、第1のレドックスフロー電池セル18を通る強制対流を促進し得る。反応した電気化学種はまた、強制対流と、第1の双極板36及び第2の双極板38の存在との組み合わせによって、反応部位から離れる方向に移動され得る。
【0027】
図1に示すように、第1のレドックスフロー電池セル18は、負の電池端子40及び正の電池端子42をさらに含み得る。充電電流が電池端子40及び42に供給されると、正の電解液は正極28で酸化され(1以上の電子を失う)、負の電解液は負極26で還元される(1以上の電子を得る)。電池の放電中、電極で逆レドックス反応が生じる。換言すると、正の電解液は正極28で還元され(1以上の電子を得る)、負の電解液は負極26で酸化される(1以上の電子を失う)。電池全体の電位差は、正極コンパートメント22及び負極コンパートメント20における電気化学的レドックス反応によって維持され、反応が持続している間、集電体を通して電流を誘導し得る。レドックス電池に蓄えられるエネルギー量は、電解液の全体積と電気活性材料の溶解度に応じて、放電のために電解液内で利用可能な電気活性材料の量によって制限される。
【0028】
フロー電池システム10は、一体型マルチチャンバ電解液貯蔵タンク110をさらに含み得る。マルチチャンバ貯蔵タンク110は、隔壁98によって分割することができる。隔壁98は、貯蔵タンク内に複数のチャンバを形成することができ、正の電解液及び負の電解液の双方を単一のタンク内に入れることができる。負の電解液チャンバ50は、電気活性材料を含む負の電解液を保持し、正の電解液チャンバ52は、電気活性材料を含む正の電解液を保持する。隔壁98をマルチチャンバ貯蔵タンク110内に配置して、負の電解液チャンバ50と正の電解液チャンバ52とを所望の容積比とすることができる。一例では、隔壁98は、負のレドックス反応と正のレドックス反応の間の化学量論比に従って、負の電解液チャンバ及び正の電解液チャンバの容積比を設定するように配置することができる。図は、貯蔵タンク110の充填高さ112をさらに示しており、これは、各タンクコンパートメント内の液体レベルを示し得る。図はまた、負の電解液チャンバ50の充填高さ112の上に位置するガスヘッドスペース90と、正の電解液チャンバ52の充填高さ112の上に位置するガスヘッドスペース92を示す。第1のレドックスフロー電池セル18から電解液を戻すと共に、レドックスフロー電池の動作によって(例えば、プロトン還元及び腐食副反応により)生成され、かつ、マルチチャンバ貯蔵タンク110に運ばれた水素ガスを貯蔵するために、ガスヘッドスペース92を用いることができる。水素ガスは、マルチチャンバ貯蔵タンク110内の気液界面(例えば、充填高さ112)で自然に分離され、それにより、レドックスフロー電池システムの一部として追加の気液分離器を備える必要がない。水素ガスは、電解液から分離されると、ガスヘッドスペース90及び92を満たし得る。このように、貯蔵された水素ガスは、マルチチャンバ貯蔵タンク110から他のガスを除去するのを助けることができるため、電解液種の酸化を低減する不活性ガスブランケットとして機能し、これにより、レドックスフロー電池容量の損失を低減するのを助けることができる。このように、一体型マルチチャンバ貯蔵タンク110を利用することにより、従来のレドックスフロー電池システムに共通の別個の負の電解液貯蔵タンク及び正の電解液貯蔵タンク、水素貯蔵タンク、及び気液分離器を備える必要がなく、これにより、システム設計を簡素化し、システムの物理的な設置面積を減らし、システムコストを削減し得る。
【0029】
図1はまた、ガスヘッドスペース90と92との間の隔壁98に開口部を形成し、2つのチャンバの間のガスの圧力を等しくする手段を提供するスピルオーバーホール96を示す。スピルオーバーホール96は、充填高さ112よりも上の閾値高さに配置することができる。スピルオーバーホールはさらに、電池のクロスオーバーの際に、正の電解液チャンバ及び負の電解液チャンバのそれぞれの電解液の自己平衡化(セルフバランス)を可能にする。オールアイアンレドックスフロー電池システムの場合、同じ電解液(Fe
2+)が負極コンパートメント20と正極コンパートメント22の双方で使用されるため、負の電解液チャンバ50と正の電解液チャンバ52の間で電解液があふれ出て、システム全体の効率が低下し得るが、全体的な電解液の組成、電池モジュールの性能、及び電池モジュールの容量は維持される。マルチチャンバ貯蔵タンク110の入口及び出口のすべての配管の接続部にフランジ継手を用いて、漏れのない連続した加圧状態を維持することができる。マルチチャンバ貯蔵タンク110は、負の電解液チャンバ及び正の電解液チャンバのそれぞれからの少なくとも1つの出口と、負の電解液チャンバ及び正の電解液チャンバのそれぞれへの少なくとも1つの入口とを含み得る。さらに、水素ガスをリバランス反応器80及び82へ送るために、ガスヘッドスペース90及び92から1以上の出口接続を設けてもよい。
【0030】
図1には示されていないが、一体型マルチチャンバ電解液貯蔵タンク110は、負の電解液チャンバ50及び正の電解液チャンバ52のそれぞれに熱的に接続された1以上のヒータをさらに含み得る。代替例では、負の電解液チャンバ及び正の電解液チャンバの一方のみが、1以上のヒータを含み得る。正の電解液チャンバ52のみが1以上のヒータを含む場合、負の電解液は、パワーモジュールの電池セルで生成された熱を負の電解液に伝達することによって加熱される。このようにして、パワーモジュールの電池セルが加熱し、負の電解液の温度調整を容易にし得る。1以上のヒータは、コントローラ88によって作動されて、負の電解液チャンバ50及び正の電解液チャンバ52の温度を、別々にまたは一緒に調節することができる。例えば、電解液温度が閾値温度を下回ったことに応答して、コントローラ88は、1以上のヒータに供給される電力を増加させ、電解液への熱流束を増加させることができる。電解液の温度は、センサ60及び62を含む、マルチチャンバ電解液貯蔵タンク110に取り付けられた1以上の温度センサによって示すことができる。例として、1以上のヒータは、電解液流体に浸されたコイル型ヒータもしくは他の液浸ヒータ、または、負の電解液チャンバ及び正の電解液チャンバの壁を通して熱を伝達して、その中の流体を加熱する表面マントル型ヒータを含み得る。本開示の範囲から逸脱することなく、他の既知の種類のタンクヒータを採用することができる。さらに、コントローラ88は、液体レベルが固体の充填閾値レベルを下回ったことに応答して、負の電解液チャンバ50及び正の電解液チャンバ52内の1以上のヒータを停止することができる。換言すると、コントローラ88は、液体レベルが固体の充填閾値レベルを上回ったことのみに応じて、負の電解液チャンバ50及び正の電解液チャンバ52内の1以上のヒータを作動することができる。このようにして、正の電解液チャンバ及び/又は負の電解液チャンバ内に十分な液体がない状態で1以上のヒータを作動することを回避し、それにより、ヒータの過熱または焼損のリスクを低減することができる。
【0031】
さらに、フィールドハイドレーションシステム(図示せず)から負の電解液チャンバ50、及び正の電解液チャンバ52のそれぞれに1以上の入口接続を設けることができる。これにより、フィールドハイドレーションシステムは、最終使用場所でのシステムの設置、充填、及び水の供給を含む、レドックスフロー電池システムの作動を容易にすることができる。さらに、最終使用場所での作動の前に、レドックスフロー電池システムは、システムを充填及びシステムに水を供給することなく、最終使用場所とは異なる電池製造施設で乾いた状態で組み立てられた後、最終使用場所に配送される。一例では、最終使用場所は、レドックスフロー電池システム10が設置され、かつ、現場でのエネルギー貯蔵のために利用される場所に相当する。換言すると、最終使用場所に設置され、水が供給されると、レドックスフロー電池システム10の位置は固定され、レドックスフロー電池システム10は、もはや可搬型ドライシステムとは見なされなくなると考えられる。したがって、レドックスフロー電池システムのエンドユーザの観点では、可搬型ドライレドックスフロー電池システム10が現場に配送され、その後、レドックスフロー電池システム10が設置され、水が供給され、作動される。水が供給される前のレドックスフロー電池システム10は、可搬型ドライシステムと称され、レドックスフロー電池システム10は、水及び湿った電解液を含まない、または、水及び湿った電解液が無い。水が供給されると、レドックスフロー電池システム10は、非可搬型ウェットシステムと称され、レドックスフロー電池システム10は、湿った電解液を含む。
【0032】
図1にさらに示されるように、フロー電池システム10では、マルチチャンバ貯蔵タンク110に通常貯蔵される電解液溶液が、負の電解液ポンプ30及び正の電解液ポンプ32によって汲み上げられる。負の電解液チャンバ50に貯蔵された電解液は、負の電解液ポンプ30によって負極コンパートメント20側を通って汲み上げられ、また、正の電解液チャンバ52に貯蔵された電解液は、正の電解液ポンプ32によって電池の正極コンパートメント22側を通って汲み上げられる。
【0033】
2つの電解液リバランス反応器80及び82は、レドックスフロー電池システム10において、それぞれ第1の電池セル18の負極側及び正極側で電解液の再循環流路と直列または並列に接続することができる。電池の負極側及び正極側において、1以上のリバランス反応器を電解液の再循環流路と直列に接続することができ、また、冗長性のために(例えば、電池及びリバランス処理を中断することなく、リバランス反応器を修理することができる)、かつ、再平衡(リバランス)の能力を高めるために、他のリバランス反応器を並列に接続することができる。一例では、電解液リバランス反応器80及び82は、それぞれ正極コンパートメント20及び負極コンパートメント22から正の電解液チャンバ50及び負の電解液チャンバ52への戻り流路に配置することができる。電解液リバランス反応器80及び82は、本明細書に記載されるように、副反応、イオンクロスオーバーなどによって生じるレドックスフロー電池システムにおける電解液の電荷の不均衡を均衡にするのに役立つ。一例では、電解液リバランス反応器80及び82は、トリクルベッド反応器を含むことができ、電解液のリバランス反応を行うために、水素ガスと電解液が充填床の触媒表面で接触する。他の例では、リバランス反応器80及び82は、水素ガス及び電解液と接触し、かつ、充填触媒床が存在しない状態でリバランス反応を行うことが可能なフロースルータイプの反応器を含み得る。
【0034】
レドックスフロー電池システム10の動作中、センサ及びプローブは、電解液のpH、濃度、充電状態などの電解液の化学的特性を監視及び制御することができる。例えば、
図1に示すように、それぞれ、正の電解液チャンバ52及び負の電解液チャンバ50における正の電解液及び負の電解液の状態を監視するように、センサ62及び60を配置できる。別の例では、センサ62及び60はそれぞれ、正の電解液チャンバ52及び負の電解液チャンバ50内の電解液のレベルをそれぞれ示す1以上の電解液レベルセンサを含み得る。別の例として、
図1にさらに示すように、センサ72及び70は、それぞれ、正極コンパートメント22及び負極コンパートメント20における正の電解液及び負の電解液の状態を監視することができる。センサ72、70は、pHプローブ、光プローブ、圧力センサ、電圧センサなどとし得る。複数のセンサをレドックスフロー電池システム10における他の位置に配置して、電解液の化学的特性及び他の特性を監視してもよい。
【0035】
例えば、センサを外部の酸タンク(図示せず)に配置して、外部の酸タンクの酸量またはpHを監視することができ、外部の酸タンクからの酸は、外部ポンプ(図示せず)を介してレドックスフロー電池システム10に供給され、電解液中の沈殿物の形成を減少させる。追加の外部タンク及びセンサを設置して、レドックスフロー電池システム10に他の添加剤を供給してもよい。例えば、フィールドハイドレーションシステムの温度センサ、導電率センサ、及びレベルセンサを含む様々なセンサが、コントローラ88に信号を送信することができる。さらに、コントローラ88は、レドックスフロー電池システム10への水の供給中に、フィールドハイドレーションシステムのバルブ及びポンプなどのアクチュエータに信号を送信することができる。一例として、センサ情報はコントローラ88に送信され、次いで、コントローラ88は、ポンプ30及び32を作動させて、第1の電池セル18を通る電解液の流れを制御し、または、他の制御機能を実行し得る。このようにして、コントローラ88は、センサ及びプローブの1つまたは組み合わせに応答することができる。
【0036】
レドックスフロー電池システム10は、水素ガス供給源をさらに含み得る。一例では、水素ガス供給源は、別個の専用水素ガス貯蔵タンクを含み得る。
図1の例では、水素ガスは、一体型マルチチャンバ電解液貯蔵タンク110に貯蔵され、そこから供給することができる。一体型マルチチャンバ電解液貯蔵タンク110は、追加の水素ガスを正の電解液チャンバ52及び負の電解液チャンバ50に供給することができる。一体型マルチチャンバ電解液貯蔵タンク110は、追加の水素ガスを、電解液リバランス反応器80及び82の入口に交互に供給し得る。一例として、質量流量計または他の流量制御装置(コントローラ88によって制御することができる)は、一体型マルチチャンバ電解液貯蔵タンク110からの水素ガスの流れを調節し得る。一体型マルチチャンバ電解液貯蔵タンク110は、レドックスフロー電池システム10で生成された水素ガスを補給することができる。例えば、レドックスフロー電池システム10でガス漏れが検出された場合、または、水素分圧が低いために還元反応速度が非常に遅い場合、一体型マルチチャンバ電解液貯蔵タンク110から水素ガスを供給して、正の電解液と負の電解液における電気活性種の電荷の状態を再び平衡させることができる。一例として、コントローラ88は、測定されたpHの変化に応じて、または、測定された電解液もしくは電気活性種の電荷の状態の変化に応じて、一体型マルチチャンバ電解液貯蔵タンク110から水素ガスを供給することができる。
【0037】
例えば、負の電解液チャンバ50または負極コンパートメント20のpHの上昇は、水素がレドックスフロー電池システム10から漏れていること、及び/又は利用可能な水素分圧による反応速度が遅すぎることを示す場合があり、コントローラ88は、pHの上昇に応じて、一体型マルチチャンバ電解液貯蔵タンク110からレドックスフロー電池システム10への水素ガスの供給を増加させることができる。他の例として、コントローラ88は、pHの変化に応じて、一体型マルチチャンバ電解液貯蔵タンク110から水素ガスを供給することができ、この場合、pHは、第1の閾値pHよりも高くなり、または、第2の閾値pHよりも低くなる。IFBの場合、コントローラ88は、追加の水素を供給して、第二鉄イオンの還元速度及びプロトンの生成速度を増加させ、これにより、正の電解液のpHを下げることができる。さらに、負の電解液のpHは、正の電解液から負の電解液にクロスオーバーする第二鉄イオンの水素還元によって下げることができ、または、正極側で生成されたプロトンがプロトン濃度勾配及び電気泳動力によって負の電解液にクロスオーバーすることによって下げることができる。これにより、負の電解液のpHを安定した範囲に維持できると共に、Fe(OH)3のような(正極コンパートメントからクロスオーバーする)第二鉄イオンの沈殿のリスクを低減することができる。
【0038】
酸素還元電位(ORP)メータまたは光学センサなどの他のセンサによって検出される、電解液のpHの変化または電解液の電荷状態の変化に応じて、一体型マルチチャンバ電解液貯蔵タンク110からの水素ガスの供給速度を制御するための他の制御スキームを実装することができる。さらに、コントローラ88の動作を開始させるpHまたは電荷状態の変化は、一定期間において測定された変化率または変化に基づいてよい。変化率の期間は、予め決定することができ、または、レドックスフロー電池システム10の時定数に基づいて調整することができる。例えば、再循環率が高い場合、期間を短縮することができ、また、時定数が小さいため、(例えば、副反応またはガス漏れによる)濃度の局所的な変化は、素早く測定することができる。
【0039】
上述のように、IFBシステム、例えば、
図1のフロー電池システム10は、
図1の第の1電池セル18及び第2の電池セル19等、共通の軸に沿って積み重ねられ、1以上のセルスタックを形成する複数の電池セルを含み得る。IFBシステムのIFBは、IFBを構造的に支持し、かつ、ハードウェア及びセルスタックを可搬ユニットに組み立てることを可能にする様々なハードウェアをさらに含み得る。いくつかの例では、複数のIFBを使用してエネルギー需要に対応してよく、複数のIFBは、スタックに接続され、共通のエネルギー消費装置に接続される。しかしながら、IFBシステム内のIFBの数が増加するにつれ、IFBごとの2つの加圧板及び4つの管状板ばねなどの部品の重量及びコストが、望ましくないほど高くなる可能性がある。コストと重量の負担は、2つのIFBを組み合わせて、単一のダブルスタックIFBにすることによって少なくとも部分的に解決することができる。ダブルスタックIFBは、2つの別個のシングルスタックIFBに比べて、備えるハードウェア部品の数が少なくなる。
【0040】
ダブルスタックIFB202の例が、
図2に斜視
図200で、
図3に分解
図300で示されている。これらの図の間の比較のために、1組の基準軸201が提供されている。一例では、z軸は、IFB202の長手方向軸と平行である。IFB202は、IFB202の第1の端部206に第1の加圧板204を有し、IFB202の第2の端部210に第2の加圧板208を有する。
【0041】
第1のセルスタック212及び第2のセルスタック214は、第1の加圧板204と第2の加圧板208との間に配置することができる。第1のセルスタック212の各セル及び第2のセルスタック214の各セルは、
図1の第1の電池セル18及び第2の電池セル19と同様とし得る。一例では、第1のセルスタック212は、50個のセルで形成することができ、第2のセルスタック214もまた、50個のセルで形成することができる。しかしながら、他の例は、様々な数のセルを有するセルスタックを含むことができ、これらのセルスタックは、同じ数のセルを有することができ、または、同じ数のセルを有することができる。さらに他の例では、セルスタックは、50個を超えるセルまたは50個未満のセルを有することができる。さらに、IFBの他の例は、IFBに組み込まれた異なる数のセルスタックを含み得る。例えば、IFBは、1つのセルスタックまたは3つのセルスタックを有することができる。
【0042】
第1のセルスタック212は、z軸に沿って整列した複数のセルを有することができ、同様に、第2のセルスタック214は、z軸に沿って整列した複数のセルを含むことができる。第1のセルスタック212はまた、z軸に沿って第2のセルスタック214と整列しており、セルスタックは、複数のセルスタックを絶縁するサブスタックセパレータプレート216によって分離することができる。換言すると、第1のセルスタック212は、第1の加圧板204とサブスタックセパレータプレート216の第1の面との間に挟まれ、第2のセルスタック214は、サブスタックセパレータプレート216の第2の面と第2の加圧板208との間に挟まれ得る。サブスタックセパレータプレート216の詳細については、以下にさらに記載する。
【0043】
ここで
図3を参照して、ダブルスタックIFB202の構成要素を、第1の端部206から第2の端部210の方向に沿って説明する。IFB202の内部302とは、第1の加圧板204と第2の加圧板208との間の領域を指す。第1のセルスタック212は、第1の加圧板204の内側に配置され、第1の加圧板204の内側面と面を共有して接触している第1のエンドプレート304を含む。換言すると、IFB202の内部302に面する第1の加圧板204の表面は、IFB202の内部302から離れる方に対向する第1のエンドプレート304の表面と接触している。電流を流すように構成された第1の集電体306は、第1のエンドプレート304と第1の加圧板204との間に配置することができる。
【0044】
第1の双極板アセンブリ308が、第1のセルスタック212の第1のエンドプレート304と第2のエンドプレート310との間に配置される。この双極板アセンブリ308は、z軸に沿って積み重ねられた複数のフレームプレート312を含み、複数のフレームプレート312は、第1のセルスタック212及び第2のセルスタック214を構造的に支持する。複数のフレームプレート312の各フレームプレートは、同様に、第1のセルスタック212及び第2のセルスタック214のセルをフレームで囲むように構成される。各セルは、各フレームプレートの少なくとも1つの開口部に挿入された少なくとも1つの双極板314を含む。さらに、双極板314は、各セルの負極と正極との間に配置され(
図3に図示せず)、電極は、双極板の対向する面に沿って配置される。さらに、負極は、双極板314と膜セパレータ(例えば、
図1のセパレータ24)の間に配置される。このように、各フレームプレートは、膜セパレータ、負極、双極板314、及び正極を含む部品のスタックを有しており、部品のスタックは、第1のセルスタック212及び第2のセルスタック214の連続するフレームプレートアセンブリごとに繰り返される。
【0045】
第1のセルスタック212の第2のエンドプレート310は、サブスタックセパレータプレート216の第1の表面と面を共有して接触することができ、第1の表面は、IFB202の第1の端部206に面している。換言すると、IFB202の第2の端部210に面する第2のエンドプレート310の表面は、サブスタックセパレータプレート216の第1の表面と接触する。第2の集電体316は、第2のエンドプレート310とサブスタックセパレータプレート216との間に配置することができる。
【0046】
第2のセルスタック214は、同様に、エンドプレートの間でz軸に沿って延在することができる。例えば、
図7に示すように、第2のセルスタック214は、IFB302の第2の端部310にある第3のエンドプレート330と、サブスタックセパレータプレート216に隣接する第4のエンドプレート332とを有することができる。第4のエンドプレート332は、第2のエンドプレート310からサブスタックセパレータプレート216の反対側に配置することができる。したがって、IFB202の第1の端部206に面する第4のエンドプレート332の表面は、サブスタックセパレータプレート216の第2の側面と面を共有して接触し、第2の側面は、IFB202の第2の端部210に対向する。
【0047】
第2のセルスタック214は、第1の双極アセンブリ308と同様の第2の双極アセンブリを含む。さらに、第2のセルスタック214は、第1のセルスタック212がy軸を中心に180度回転される場合、第1のセルスタック212と同等に構成することができる。第3の集電体は、サブスタックセパレータプレート216と、サブスタックセパレータプレート216に近接する第2のセルスタック214のエンドプレートとの間に配置することができる。第2の加圧板208に近接する第2のセルスタック214のエンドプレートの表面は、IFB202の第1の端部206に対向する第2の加圧板208の表面と面を共有して接触することができる。
【0048】
セルスタックのエンドプレートは、セルスタック内の電解液などの流体を封止するための硬質の端壁を提供し得る。第1のセルスタック212及び第2のセルスタック214は、例えば、タイロッド318、ナット320、及び管状板ばね322を含む、様々なハードウェアによって、第1の加圧板204及び第2の加圧板208の間に固定することができ、また、それらに固定することができる。管状板ばね322は、y軸に沿って第1の加圧板204及び第2の加圧板208の外側面を横切るように延在する長方形の管を含み得る。次に、管状板ばね322の詳細について、
図4を参照して説明する。
【0049】
上述のハードウェアによるIFBの圧縮が、
図4のIFB402の代替的な実施形態の切断
図400に示されている。IFB402は、y-z平面に沿って切断される。
図4は、簡潔にするために、単一のスタックを有するIFB402を示しているが、IFB402の圧縮を可能にするハードウェアは、ダブルスタックIFBにも同様に適用することができる。上述のように、ハードウェアは、IFB402に圧縮機構を提供する圧縮アセンブリ404を含む。圧縮アセンブリ404の各々は、第1の加圧板408を横切るようにx軸に沿って延在する第1の板ばね406と、第2の加圧板412を横切るようにx軸に沿って延在する第2の板ばね410と、z軸に沿って延びて、第1の板ばね406と第2の板ばね410の双方と係合するタイロッド414で形成される。
【0050】
例えば、タイロッド414は、第1の板ばね406及び第2の板ばね412のそれぞれの開口部を通して挿入され、ねじ切りによってタイロッド414と係合可能なナット416を使用して締められる。ナット416がタイロッド414の周りで締め付けられると、矢印418によって示されるように、第1の板ばね406及び第2の板ばね412によって第1の加圧板408及び第2の加圧板412に圧縮力が加えられる。第1の板ばね406及び第2の板ばね412のそれぞれは、第1の加圧板408及び第2の加圧板412に形成された、破線の円420によって示される支点を有しており、板ばねによって加圧板に加えられる荷重を、加圧板全体に均一に分散させる。このようにして、圧縮アセンブリ404は、IFB402が圧縮されたときのIFBセルスタック(複数可)の撓みを低減する。
【0051】
図2~
図3に示されるダブルスタックIFB202などのダブルスタックIFBの構成、すなわち、各セルスタックの各セルが、複数のフレームプレートによって支持され、セルスタックが、第1の加圧板と第2の加圧板によって支えられ、加圧板が、締結部品によって互いに接続され、上述した圧縮アセンブリによってIFBを圧縮することにより、ダブルスタックIFBを自立させることができる。換言すると、ダブルスタックIFBは、ダブルスタックIFBの重量及びコストを増加させ得る、IFBの部品を維持する外部ハウジングに依存しない。したがって、ダブルスタックIFBは、撓みを減らして圧縮されるように構成された、丈夫で容易に運搬可能なユニットである。
【0052】
ダブルスタックIFBの動作は、電解液がダブルスタックIFBを流れるようにする方法によって異なる。ダブルスタックIFBを通る電解液の流れの例示的な構成を
図5に示す。
図5には、
図2のダブルスタックIFB202の第1の加圧板204を示す正面
図500が示されている。別の例では、
図5に示される図は、第2の加圧板208を示すダブルスタックIFB202の背面図とし得る。換言すると、第1の加圧板204及び第2の加圧板208は、同様に構成することができ、第1の加圧板204の態様と、ダブルスタックIFB202の第1のセルスタック212を通る電解液の流れについての説明は、第2の加圧板208及び第2のセルスタック214に適用することができる。
【0053】
IFB202の第1の端部206に配置された第1の加圧板204は、
図2に示すように、第1の加圧板204の厚さを通して延在する複数のポート502を有することができ、この場合、この厚さは、z軸に沿って規定される。一例では、IFB202の第1の端部206は、IFB202の第1のセルスタック212の正極端部とし得る。複数のポート502の第1のポート504は、負の電解液をIFB202に流入させる負極入口とし得る。複数のポート502の第2のポート506は、正の電解液をIFB202に流入させる正極入口とし得る。複数のポート502の第3のポート508は、IFB202から負の電解液を流出させる負極出口ポートとすることができ、複数のポート502の第4のポート510は、負の電解液をIFB202から流出させる正極出口ポートとし得る。したがって、IFB202の第1のセル212に入るすべての電解液は、第1の加圧板204を通って入ることができ、IFB202を出るすべての電解液も、第1の加圧板204を通って出ることができる。一例では、電解液は、第1の加圧板204のみを通って第1のセル212に出入りする。
【0054】
第1のポート504及び第2のポート506の双方が、y軸についてIFB202の下端512に配置され、x軸に沿って整列される。第3のポート508及び第4のポート510は、y軸についてIFB202の上端514に配置され、同様にx軸に沿って整列される。したがって、IFB202の第1の側面
図600で
図6に示され、かつ、矢印602によって示されるように、負の電解液は、第1の方向に沿って、第1の加圧板204からサブスタックセパレータプレート216へ、負極流路を流れ、第1のポート504でIFB202の第1のセルスタック212に入る。負極流路は、(
図5に示す正面
図500に関して)左に曲がり、第1の加圧板204とサブスタックセパレータプレート216との間のz軸に沿った複数の箇所で、矢印604で示すように(y軸に沿って)上方に曲がることができる。この流路は、再び、垂直に曲がり、矢印606で示すように、第2の方向に沿って、サブスタックセパレータプレート216から第1の加圧板204へ流れ、第3のポート508から出ることができる。
【0055】
同様に、
図6の矢印602で示すように、正の電解液は、第1の方向に沿って、正極流路を流れ、第2のポート506でIFB202の第1のセルスタック212に入り、正極流路は、(
図5に示す正面
図500に関して)右に曲がり、第1の加圧板204とサブスタックセパレータプレート216との間のz軸に沿った箇所で(y軸に沿って)上方に曲がる。この流路は再び、垂直に曲がり、
図6の矢印606で示すように、第2の方向に沿って、サブスタックセパレータプレート216から第1の加圧板204へ流れ、第4のポート510から出る。
【0056】
図6に示すように、類似の電解液の流路を、IFB202の第2のセルスタック214に実装することができる。例えば、正の電解液または負の電解液は、矢印610で示すように、第2の加圧板208に配置された第5のポート608に流入し、第2の加圧板208とサブスタックセパレータプレート216との間の様々な位置で、矢印612で示すように、上向きに流れ、矢印616で示すように、第6のポート614を通って出る。第2の加圧板208はまた、x軸に沿って第5のポート608と整列した第7のポートと、x軸に沿って第6のポート614と整列した第8のポートとを有することができ、これらもまた、負の電解液または正の電解液が第2のセルスタック214を通って流れるように構成される。
【0057】
第1のセルスタック212と第2のセルスタック214との間の電解液の流れがサブスタックセパレータプレート216によって妨げられると、セルスタックの独立した動作が可能になるようにできる。例えば、第1のセルスタック212は、第1のセルスタック212を通る電解液の流れを発生させるように構成された第1の電解液ポンプをオンにすることによって作動することができる。同時に、第2のセルスタック214は、第2のセルスタック214内に電解液を留めて維持することによって停止することができる。第2のセルスタック214を通る電解液の流れを発生させるように構成された第2の電解液ポンプがオフにされたとき、または、オフのままにされたとき、第2のセルスタック214内に電解液が留まる。同様に、第1のセルスタック212は、第1の電解液ポンプをオフにすることによって停止することができ、第2のセルスタック214は、第2の電解液ポンプをオンにすることによって作動される。このようにして、ダブルスタックIFB202から可変量の電力を供給することができる。ダブルスタックIFB202は、完全に停止することができ、電解液が双方のセルスタックを流れるように完全に作動することができ、または、電解液が一方のセルスタックを流れ、かつ、他方のセルスタックに流れないようにダブルスタックIFB202を動作させることにより、少量の電力を提供するように構成できる。
【0058】
別の例として、ダブルスタックIFB202は、一方の加圧板にポートを有するが、他方の加圧板にはポートを有しない場合がある。例えば、第1の加圧板204は、第1のポート504と、第2のポート506と、第3のポート508と、第4のポート510とを有し、第2の加圧板208は、ポートを有しない。したがって、サブスタックセパレータプレート216は、ダブルスタックIFB202の第1のセルスタック212に入る電解液が、サブスタックセパレータプレート216を通って第2のセルスタック214に流入し続けることを可能にする開口部を備えるように構成できる。電解液は、第2のセルスタック214を通って循環し、サブスタックセパレータプレート216の開口部を通って第1のセルスタック212に戻り、第1の加圧板204を通って第1のセルスタック212から出ることができる。このような構成では、セルスタックは別々に作動することができ、したがって、IFB202の動作は、第1のセルスタック212及び第2のセルスタック214の双方に同時に電解液を流すことを含む。サブスタックセパレータプレート216が、第2のセルスタック214を第1のセルスタック212に流体接続するように構成された場合、電力の供給は変化しない一方、動作の制御は、第1のセルスタック212と第2のセルスタック214の独立した動作と比較して単純化することができる。
【0059】
当然ながら、
図2~
図3、及び
図5~
図7に示されるIFB202は、非限定的な例であり、他の例は、本開示の範囲を逸脱することなく、電解液流路の変形例を含み得る。例えば、電解液流路は、代わりに、IFBの上部領域でIFBに入り、IFBの下部領域でIFBを出てもよく、または、電解液流路は、上部と下部の間の中間領域で出入りしてもよい。
【0060】
ダブルスタックIFBの正極及び負極で電解液の促進反応が起こると、電子は、各電極の各端子、例えば、
図1の端子40及び42と電流導電体との間に延在する金属ワイヤなどの導電線を介して、集電体に導かれる可能性がある。セルスタックの各セルの各正極は、正極集電体に電気的に接続することができ、セルスタックの各セルの各負極は、負極集電体に電気的に接続することができる。正極集電体及び負極集電体は、電子を外部回路に輸送して、例えば、電動装置にエネルギーを提供でき、それ自体は、IFBのレドックス化学に関与しない。
【0061】
集電体は、金属または樹脂などの導電性材料から形成することができ、集電体の寸法、例えば、長さ、幅、厚さなどは、電動装置に送られる電流密度に影響を及ぼし得る。正極集電体は、セルスタックの負極集電体の反対側に配置することができる。例えば、
図7のダブルスタックIFB202の第2の側面
図700に示すように、第1のセルスタック312(
図3にも示す)の第1の集電体306は、第1の加圧板204と第1のエンドプレート304との間に配置された第1の正極集電体306とし得る。第1のセルスタック212の第2の集電体316は、第2のエンドプレート310とサブスタックセパレータプレート216との間に配置された第1の負極集電体316とし得る。
【0062】
第2のセルスタック214は、ダブルスタックIFB202の第2の加圧板208と第3のエンドプレート330との間に配置された第3の集電体702を有することができる。第3の集電体702は、第2の正極集電体702とし得る。第4の集電体704は、サブスタックセパレータプレート216と第2のセルスタック214の第4のエンドプレート332との間に配置された第2の負極集電体704とし得る。
【0063】
したがって、第1のセルスタック212及び第2のセルスタック214のそれぞれは、サブスタックセパレータプレート216によって互いに絶縁された個別の電気回路となるように構成される。各集電体は、外部装置に電流を送るために外部回路に容易に接続することができる。
【0064】
上述のように、サブスタックセパレータプレート216は、ダブルスタックIFB202のセルスタックを電気的に分離することができる。電解液は、IFB202の電解液フローチャネルの構成に応じて、サブスタックセパレータプレート216を介して、複数のセルスタックの間で連通される場合と、連通されない場合がある。例えば、サブスタックセパレータプレート216は、
図6に示すように、複数のセルスタックの間の流れを遮断する硬質のプレートとし得る。あるいは、サブスタックセパレータプレート216は、複数のセルスタックの間の電解液フローチャネルを収容するための開口部またはポートを含み得る。
【0065】
上述のように、IFBシステムに少なくとも1つのダブルスタックIFBを実装することにより、1以上の外部装置への可変的な電力供給を可能にする。例えば、ダブルスタックIFBの動作は、検出された電力需要に基づいて、ダブルスタックIFBによって生成される電力量を増加または減少させるように、
図1のコントローラ88などのコントローラによって調整することができる。例えば、電力需要が低い場合、コントローラ88は、ダブルスタックIFBの第2のセルスタックを動作させながら、ダブルスタックIFBの第1のセルスタックを停止することができる。これにより、電力は、第2のセルスタックのみによって供給される。しかし、電気的に接続された外部装置による高いエネルギーの取り出しがあると判断された場合、コントローラは、第1のセルスタック及び第2のセルスタックの双方を作動して、ダブルスタックIFBによって供給される電力量を増加させてよい。
【0066】
いくつかの例では、IFBシステムに複数のダブルスタックIFBを実装することができる。そのようなシステムでは、複数のダブルスタックIFBは、IFBシステムのコンパクトな設置面積を維持するために、安全な方法で互いの上に積み重なるように構成することができる。複数のダブルスタックIFBを有するIFBシステム800の例を
図8に示す。IFBシステム800は、第1のダブルスタックIFB802と、第2のダブルスタックIFB804とを含み、第2のダブルスタックIFB804は、第1のダブルスタックIFB802の上に積み重ねられる。
【0067】
第1のダブルスタックIFB802及び第2のダブルスタックIFB804のそれぞれは、
図2~
図3、及び
図5~
図7のダブルスタックIFB202と同様に構成することができる。第1のダブルスタックIFB802は、第1のダブルスタックIFB802の第1の加圧板のセット806と第1のサブスタックセパレータプレート808がy軸と整列するように、配向することができる。同様に、第2のダブルスタックIFB804も、第2のダブルスタックIFB804の第2の加圧板のセット810と第2のサブスタックセパレータプレート812がy軸と整列するように、配向することができる。第2のダブルスタックIFB804は、第1の加圧板のセット806の上縁部814が第2の加圧板のセット810の下縁部816と接触するように、y軸に沿って第1のダブルスタックIFB802よりも上に配置される。
【0068】
加圧板のセットは、積み重ねられたダブルスタックIFBを整列させ、積み重ねられたダブルスタックIFBの整列を維持するために、入れ子戻り止め(nesting detent)を備えるように構成することができる。例えば、
図9に破線領域818の拡大
図850で示すように、第1の加圧板のセット806の上縁部814は、y軸に沿って上向きに突出する入れ子戻り止め854の第1の雄型半体852を含み得る。第2の加圧板のセット810の下縁部816は、入れ子戻り止め854の第2の雌型半体856を含むことができ、入れ子戻り止め854の第2の半体856は、y軸に沿って下方に突出する。
【0069】
入れ子戻り止め854の第1の半体852の直径858は、入れ子戻り止め854の第2の半体856の直径860よりもわずかに小さくして、第1の半体852が第2の半体856内に容易にスライド可能にすることができる。したがって、第2のダブルスタックIFB804が第1のダブルスタックIFB802の上に積み重ねられると、入れ子戻り止め854の第1の半体852は、入れ子戻り止め854の第2の半体856内に入れ子状に収容され、第1のダブルスタックIFB802と第2のダブルスタックIFB804が互いに横方向のスライドするのが妨げられる。また、入れ子戻り止め854の第1の半体852と第2の半体856との係合により、ダブルスタックIFBがy軸に沿って整列する。
【0070】
さらに、入れ子戻り止め854は、入れ子戻り止め854の第1の半体852と第2の半体856の双方を通ってy軸に沿って延在する開口862を有することができる。開口862は、ピン穴またはボルト穴とすることができ、これは、開口862を通してピンまたはボルトが挿入される場合、入れ子戻り止め854の第1の半体852を入れ子戻り止め854の第2の半体856に固定するため、第1のダブルスタックIFB802及び第2のダブルスタックIFB804が互いに固定される。
【0071】
複数のダブルスタックIFBをIFBシステムに組み込むことにより、IFBシステムによって供給される電力の範囲を広げることができる。例えば、
図8に示すIFBシステム800において、電力需要が低いとき、ダブルスタックIFBのうちの1つのセルスタックが動作し、他のセルスタックは停止される。一例として、
図8に示す第1のダブルスタックIFB802の第1のセルスタックは、電解液ポンプを作動させ、電解液を第1のセルスタックに循環させることによって動作することができる。第1のダブルスタックIFB802の第2のセルスタックは、電解液ポンプをオフにし、または、当該ポンプをオフに維持することによって停止することができ、その結果、電解液が第2のセルスタック内に滞留する。第2のダブルスタックIFB804の第1のセルスタック及び第2のセルスタックに接続された電解液ポンプは、同様に停止される。したがって、エネルギーは、第1のダブルスタックIFB802の第1のセルスタックによってのみ提供される。
【0072】
電力需要が高いとき、双方のダブルスタックIFBのすべてのセルスタックを動作させて、エネルギー需要を満たすことができる。あるいは、電力需要が中程度のとき、ダブルスタックIFBの一方が動作して電力を生成することができ、他方はオフにされる。その結果、例えば、要求よりも多くの電力を提供するなどの、IFBシステムの無駄な動作が抑制され、効率的な使用によってIFB部品の寿命を延長することができる。
【0073】
このようにして、IFBシステムのエネルギー貯蔵容量は、ハードウェア部品の数を相対的に増加させることなく、IFBシステム内のIFBの数を増加させることによって増強することができる。加圧板と、例えば、ボルト、ナットなどの締結アセンブリの数を少なくとも半分に削減して、IFBシステムの全体的なコストを低減することができる。一例として、2つの個々のセルスタックを組み合わせて単一のダブルスタックIFBを構成し、これを、1組の加圧板と1つの締結アセンブリによって共に保持することができる。複数のセルスタックの間の電気的な絶縁は、複数のセルスタックの間にサブスタックセパレータプレートを配置することによって維持できる。
【0074】
IFBシステムのIFBをダブルスタックIFBとして構成することの技術的な効果は、IFBのエネルギー貯蔵容量を増加させることができることであり、併せて製造コストを削減することができる。
【0075】
一例では、レドックスフロー電池システムは、加圧板のセットであって、レドックスフロー電池システムの第1の端部にある第1の加圧板と、レドックスフロー電池システムの第2の端部にある第2の加圧板とを含み、第2の端部はレドックスフロー電池システムの長手方向軸に沿って第1の端部の反対側に位置する、加圧板のセットと、第1の加圧板と第2の加圧板との間に配置され、長手方向軸に沿って加圧板のセットと整列するサブスタックセパレータプレートと、第1の加圧板とサブスタックセパレータプレートとの間に配置された第1のセルスタックと、第2の加圧板とサブスタックセパレータプレートとの間に配置された第2のセルスタックとを含む。レドックスフロー電池システムの第1の例は、サブスタックセパレータプレートが第1のセルスタックを第2のセルスタックから絶縁することをさらに含む。レドックスフロー電池システムの第2の例は、任意でレドックスフロー電池システムの第1の例を含み、第1のセルスタック及び第2のセルスタックが、板ばねによって加圧板のセットに加えられる圧力によって加圧板のセットの間で圧縮されることをさらに含む。レドックスフロー電池システムの第3の例は、任意でレドックスフロー電池システムの第1の例及び第2の例の1以上を含み、加圧板のセット、第1のセルスタック、サブスタックセパレータプレート、及び第2のセルが、長手方向軸に沿って延在する複数のボルトによって所定の位置に維持されることをさらに含む。レドックスフロー電池システムの第4の例は、任意でレドックスフロー電池システムの第1~第3の例のうちの1以上を含み、レドックスフロー電池システムが、外部ハウジングを含まない自立型ユニットであることをさらに含む。レドックスフロー電池システムの第5の例は、任意でレドックスフロー電池システムの第1~第4の例のうちの1以上を含み、第1のセルスタック及び第2のセルスタックのそれぞれが複数のセルで形成され、複数のセルの各セルは、負極、正極、双極板、及び膜セパレータを含むことをさらに含む。レドックスフロー電池システムの第6の例は、任意でレドックスフロー電池システムの第1~第5の例のうちの1以上を含み、第1のセルスタック及び第2のセルスタックのそれぞれにおける複数のセルの各セルが、フレームプレート内に支持され、各フレームプレートは、長手方向軸に沿って整列され、フレームプレートの面に隣接するフレームプレートと接触していることをさらに含む。レドックスフロー電池システムの第7の例は、任意でレドックスフロー電池システムの第1~第6の例のうちの1以上を含み、第1のセルスタックの複数のセルの各セルは、第1のセルスタックの複数のセルのうちの他のセルに流体接続され、第2のセルスタックの複数のセルの各セルは、第2のセルスタックの複数のセルのうちの他のセルに流体接続されることをさらに含む。レドックスフロー電池システムの第8の例は、任意でレドックスフロー電池システムの第1~第7の例のうちの1以上を含み、第1のセルスタックと第2のセルスタックとの間の電解液の流れが、サブスタックセパレータプレートによって遮られることをさらに含む。レドックスフロー電池システムの第9の例は、任意でレドックスフロー電池システムの第1~第8の例のうちの1以上を含み、電解液が、第1のセルスタックと第2のセルスタックとの間をサブスタックセパレータプレートの開口部を通って流れることをさらに含む。
【0076】
別の例では、オールアイアンフロー電池は、第1の加圧板と第2の加圧板との間で圧縮された複数のセルであって、第1のセルスタックと第2のセルスタックから形成される複数のセルを含み、第1のセルスタックは、オールアイアンフロー電池の長手方向軸に沿った中間点に配置されたサブスタックセパレータプレートによって第2のセルスタックから分離され、圧縮は、1以上の圧縮アセンブリによって行わる。オールアイアンフロー電池の第1の例は、電解液を、サブスタックセパレータプレートを介して第1のセルスタックに流入させ、かつ、第2のセルスタックに流入させるように構成された第1の加圧板の入口ポートのセットと、電解液を、サブスタックセパレータプレートを介して第2のセルスタックから流出させ、かつ、第1のセルスタックから流出させるように構成された第1の加圧板の出口ポートのセットとをさらに含み、第2の加圧板は、孔を有しない非中空のプレートである。オールアイアンフロー電池の第2の例は、任意でオールアイアンフロー電池の第1の例を含み、第1の加圧板とサブスタックセパレータプレートとの間で電解液が第1のセルスタックを循環するように構成された第1の加圧板の第1の入口ポートのセット及び第1の出口ポートのセットと、第2の加圧板とサブスタックセパレータプレートとの間で電解液が第2のセルスタックを循環するように構成された第2の加圧板の第2の入口ポートのセット及び第2の出口ポートのセットとをさらに含む。オールアイアンフロー電池の第3の例は、任意でオールアイアンフロー電池の第1の例及び第2の例のうちの1以上を含み、サブスタックセパレータプレートと第1のセルスタックとの間に配置された第1の負極集電体と、第1の加圧板と第1のセルスタックとの間に配置された第1の正極集電体とをさらに含み、第1の負極集電体は、第1のセルスタックの各セルの各負極に電気的に接続され、第1の正極集電体は、第2のセルスタックの各セルの各正極に電気的に接続される。オールアイアンフロー電池の第4の例は、任意でオールアイアンフロー電池の第1~第3の例のうちの1以上を含み、サブスタックセパレータプレートと第2のセルスタックとの間に配置された第2の負極集電体と、第2の加圧板と第2のセルスタックとの間に配置された第2の正極集電体とをさらに含み、第2の負極集電体は、第2のセルスタックの各セルの各負極に電気的に接続され、第2の正極集電体は、第2のセルスタックの各セルの各正極に電気的に接続される。オールアイアンフロー電池の第5の例は、任意でオールアイアンフロー電池の第1~第4の例の1以上を含み、第1の加圧板、第1のセルスタック、サブスタックセパレータプレート、第2のセルスタック、及び第2の加圧板を通って長手方向軸に沿って延在する複数のボルトによって、第1の加圧板が第2の加圧板に接続されることをさらに含む。オールアイアンフロー電池の第6の例は、任意でオールアイアンフロー電池の第1~第5の例の1以上を含み、1以上の圧縮アセンブリが第1の加圧板の外側面を横切るように延在する第1の板ばねと、第2の加圧板の外側面を横切るように延在する第2の板ばねと、第1の板ばねと第2の板ばねとの間に延在するタイロッドとを含み、第1の板ばね及び第2の板ばねは、タイロッドの端部をナットに係合し、ナットを締めることによって、第1の加圧板及び第2の加圧板にそれぞれ圧力を加えるように構成されることをさらに含む。
【0077】
さらに別の例では、レドックスフロー電池システムは、レドックスフロー電池システムの長手方向軸に沿って第2のセルスタックと整列する第1のセルスタックであって、セパレータプレートによって第2のセルスタックから分離された第1のセルスタックと、第1のセルスタックの端部に配置された第1の加圧板及び第2のセルスタックの端部に配置された第2の加圧板と、圧縮アセンブリとを含み、圧縮アセンブリは、第1の加圧板に第1の方向の圧力を加え、第2の加圧板に第2の反対方向に圧力を加えることにより、第1のセルスタック及び第2のセルスタックを長手方向軸に沿って圧縮するように構成される。レドックスフロー電池システムの第1の例は、第1のレドックスフロー電池の第2のレドックスフロー電池との長手方向軸に垂直な方向における積み重ねを可能にするように構成された第1の加圧板及び第2の加圧板に配置された入れ子戻り止めをさらに含む。レドックスフロー電池システムの第2の例は、任意でレドックスフロー電池システムの第1の例を含み、入れ子戻り止めが、第1の加圧板及び第2の加圧板の双方の上縁部に配置された入れ子戻り止めの第1の半体と、第1の加圧板及び第2の加圧板の双方の下縁部に配置された入れ子戻り止めの第2の半体とを含み、入れ子戻り止めの第1の半体及び第2の半体は、第1のレドックスフロー電池及び第2のレドックスフロー電池の積み重ねられた配置を維持するための固定部品を受けるように構成された開口を有することをさらに含む。
【0078】
以下の特許請求の範囲は、新規かつ非自明であると見なされる特定の組み合わせ及びサブコンビネーションを特に示す。これらの請求項は、「ある」要素または「第1の」要素、またはそれらの均等物を指す場合がある。そのような請求項は、2以上のそのような要素を要求も排除もせず、1以上のそのような要素の組み込みを含むと理解されるべきである。開示された特徴、機能、要素、及び/又は特性の他の組み合わせ及びサブコンビネーションは、現在の請求項の補正を通じて、または本出願もしくは関連出願における新しい請求項の提示を通じて請求することができる。そのような請求項は、元の特許請求の範囲より広いか、狭いか、等しいか、または異なるかに関係なく、本開示の要旨に含まれるものとみなされる。
【手続補正書】
【提出日】2023-01-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レドックスフロー電池システム
(10)であって、
前記レドックスフロー電池システムの第1の端部の第1の加圧板
(204)と、前記レドックスフロー電池システムの第2の端部の第2の加圧板
(208)とを含む加圧板のセットであって、前記第2の端部は、前記レドックスフロー電池システムの長手方向軸に沿って前記第1の端部の反対側に位置する、前記加圧板のセットと、
前記第1の加圧板と前記第2の加圧板との間に配置され、前記長手方向軸に沿って前記加圧板のセットと整列するサブスタックセパレータプレート
(216)と、
前記第1の加圧板と前記サブスタックセパレータプレートとの間に配置された第1のセルスタック
(212)と、
前記第2の加圧板と前記サブスタックセパレータプレートとの間に配置された第2のセルスタック
(214)と
を含む、レドックスフロー電池システム
(10)。
【請求項2】
前記サブスタックセパレータプレートは、前記第1のセルスタックを前記第2のセルスタックから絶縁
し、前記第1のセルスタック及び前記第2のセルスタックは、板ばね(322)によって前記加圧板のセットに加えられた圧力により、前記加圧板のセットの間で圧縮される、請求項1に記載のレドックスフロー電池システム。
【請求項3】
前記加圧板のセット、前記第1のセルスタック、前記サブスタックセパレータプレート、及び前記第2のセル
スタックは、前記長手方向軸に沿って延在する複数のボルトによって所定の位置に維持され
、前記レドックスフロー電池システムは、外部ハウジングを含まない自立型ユニットである、請求項1に記載のレドックスフロー電池システム。
【請求項4】
前記第1のセルスタック及び前記第2のセルスタックのそれぞれは、複数のセルから形成され、前記複数のセルの各セルは、負極
(26)、正極
(28)、双極板
(36、38)、及び膜セパレータ
(24)を含む、請求項1に記載のレドックスフロー電池システム。
【請求項5】
前記第1のセルスタック及び前記第2のセルスタックのそれぞれにおける前記複数のセルの各セルは、フレームプレート
(312)内に支持され、各フレームプレートは、前記長手方向軸に沿って整列し、前記フレームプレートの1つの面に隣接するフレームプレートと接触する、請求項
4に記載のレドックスフロー電池システム。
【請求項6】
前記第1のセルスタックの前記複数のセルの各セルは、前記第1のセルスタック内の前記複数のセルの他のセルに流体接続され、前記第2のセルスタックの前記複数のセルの各セルは、前記第2のセルスタック内の前記複数のセルの他のセルに流体接続される、請求項
4に記載のレドックスフロー電池システム。
【請求項7】
前記第1のセルスタックと前記第2のセルスタックとの間の電解液の流れが、前記サブスタックセパレータプレートによって遮られ
、または、前記サブスタックセパレータプレートの開口部によって可能にされる、請求項1に記載のレドックスフロー電池システム。
【請求項8】
オールアイアンフロー電池
(202)であって、
第1の加圧板
(204)と第2の加圧板
(208)との間で圧縮された複数のセルを含み、
前記複数のセルは、第1のセルスタック
(212)及び第2のセルスタック
(214)で形成され、
前記第1のセルスタックは、前記オールアイアンフロー電池の長手方向軸に沿った中間点に配置されたサブスタックセパレータプレート
(216)によって前記第2のセルスタックから分離され、
圧縮は、1以上の圧縮アセンブリ
(404)によって行われる、
オールアイアンフロー電池
(202)。
【請求項9】
前記サブスタックセパレータプレートを介して前記第1のセルスタックへ、また、前記第2のセルスタックへ、電解液を流入させるように構成された前記第1の加圧板の入口ポートのセット
(504、506)と、前記第2のセルスタックから前記サブスタックセパレータプレートを介して、また、前記第1のセルスタックから、電解液を流出させるように構成された前記第1の加圧板の出口ポートのセット
(508、510)とをさらに含み、
前記第2の加圧板は、孔を有しない非中空のプレートである、請求項
8に記載のオールアイアンフロー電池。
【請求項10】
前記第1の加圧板と前記サブスタックセパレータプレートとの間で前記第1のセルスタックを通って電解液を循環させるように構成された前記第1の加圧板の第1の入口ポートのセット及び第1の出口ポートのセットと、
前記第2の加圧板と前記サブスタックセパレータプレートとの間で前記第2のセルスタックを通って電解液を循環させるように構成された前記第2の加圧板の第2の入口ポートのセット
(608)及び第2の出口ポートのセット
(614)とをさらに含む、請求項
8に記載のオールアイアンフロー電池。
【請求項11】
前記サブスタックセパレータプレートと前記第1のセルスタックとの間に配置された第1の負極集電体
(316)と、
前記第1の加圧板と前記第1のセルスタックとの間に配置された第1の正極集電体
(306)とをさらに含み、
前記第1の負極集電体は、前記第1のセルスタックの各セルの各負極に電気的に接続され、
前記第1の正極集電体は、前記第2のセルスタックの各セルの各正極に電気的に接続される、請求項
8に記載のオールアイアンフロー電池。
【請求項12】
前記サブスタックセパレータプレートと前記第2のセルスタックとの間に配置された第2の負極集電体
(704)と、
前記第2の加圧板と前記第2のセルスタックとの間に配置された第2の正極集電体
(702)とをさらに含み、
前記第2の負極集電体は、前記第2のセルスタックの各セルの各負極
(26)に電気的に接続され、
前記第2の正極集電体は、前記第2のセルスタックの各セルの各正極
(28)に電気的に接続される、請求項
11に記載のオールアイアンフロー電池。
【請求項13】
前記第1の加圧板は、前記第1の加圧板、前記第1のセルスタック、前記サブスタックセパレータプレート、前記第2のセルスタック、及び前記第2の加圧板を通って前記長手方向軸に沿って延在する複数のボルトによって、前記第2の加圧板に接続され
、
前記1以上の圧縮アセンブリは、前記第1の加圧板の外側面を横切って延在する第1の板ばね(406)と、前記第2の加圧板の外側面を横切って延在する第2の板ばね(410)と、前記第1の板ばねと前記第2の板ばねとの間に延在するタイロッドとを含み、
前記第1の板ばね及び前記第2の板ばねは、前記タイロッドの端部がナットと係合し、かつ、前記ナットを締めることにより、前記第1の加圧板及び前記第2の加圧板にそれぞれ、圧力を加えるように構成される、請求項
8に記載のオールアイアンフロー電池。
【請求項14】
レドックスフロー電池システム
(10)であって、
前記レドックスフロー電池システムの長手方向軸に沿って第2のセルスタック
(214)と整列した第1のセルスタック
(212)であって、セパレータプレート
(216)によって前記第2のセルスタックから分離された前記第1のセルスタックと、
前記第1のセルスタックの端部に配置された第1の加圧板
(204)と、
前記第2のセルスタックの端部に配置された第2の加圧板
(208)と、
前記第1の加圧板に第1の方向の圧力を加え、かつ、前記第2の加圧板に、
前記第1の方向と反対の第2の方向の圧力を加えて、前記長手方向軸に沿って前記第1のセルスタック及び第2のセルスタックを圧縮するように構成された圧縮アセンブリ
(404)と
を含む、前記レドックスフロー電池システム
(10)。
【請求項15】
前記第1の加圧板及び第2の加圧板に配置され、前記長手方向軸に垂直な方向における第1のレドックスフロー電池
(802)と第2のレドックスフロー電池
(804)との積み重ねを可能にするように構成された入れ子戻り止め
(854)をさらに含
み、
前記入れ子戻り止めは、
前記第1の加圧板及び第2の加圧板の双方の上縁部に配置された前記入れ子戻り止めの第1の半体(852)と、
前記第1の加圧板及び第2の加圧板の双方の下縁部に配置された前記入れ子戻り止めの第2の半体(856)とを含み、
前記入れ子戻り止めの前記第1の半体及び前記第2の半体は、前記第1のレドックスフロー電池及び第2のレドックスフロー電池の積み重ね配置を維持する固定部品を受けるように構成された開口(862)を含む、請求項
14に記載のレドックスフロー電池システム。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0033】
2つの電解液リバランス反応器80及び82は、レドックスフロー電池システム10において、それぞれ第1の電池セル18の負極側及び正極側で電解液の再循環流路と直列または並列に接続することができる。電池の負極側及び正極側において、1以上のリバランス反応器を電解液の再循環流路と直列に接続することができ、また、冗長性のために(例えば、電池及びリバランス処理を中断することなく、リバランス反応器を修理することができる)、かつ、再平衡(リバランス)の能力を高めるために、他のリバランス反応器を並列に接続することができる。一例では、電解液リバランス反応器80及び82は、それぞれ正極コンパートメント22及び負極コンパートメント20から正の電解液チャンバ52及び負の電解液チャンバ50への戻り流路に配置することができる。電解液リバランス反応器80及び82は、本明細書に記載されるように、副反応、イオンクロスオーバーなどによって生じるレドックスフロー電池システムにおける電解液の電荷の不均衡を均衡にするのに役立つ。一例では、電解液リバランス反応器80及び82は、トリクルベッド反応器を含むことができ、電解液のリバランス反応を行うために、水素ガスと電解液が充填床の触媒表面で接触する。他の例では、リバランス反応器80及び82は、水素ガス及び電解液と接触し、かつ、充填触媒床が存在しない状態でリバランス反応を行うことが可能なフロースルータイプの反応器を含み得る。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0046】
第2のセルスタック214は、同様に、エンドプレートの間でz軸に沿って延在することができる。例えば、
図7に示すように、第2のセルスタック214は、IFB302の第2の
エンドプレート310にある第3のエンドプレート330と、サブスタックセパレータプレート216に隣接する第4のエンドプレート332とを有することができる。第4のエンドプレート332は、第2のエンドプレート310からサブスタックセパレータプレート216の反対側に配置することができる。したがって、IFB202の第1の端部206に面する第4のエンドプレート332の表面は、サブスタックセパレータプレート216の第2の側面と面を共有して接触し、第2の側面は、IFB202の第2の端部210に対向する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0050】
例えば、タイロッド414は、第1の板ばね406及び第2の板ばね410のそれぞれの開口部を通して挿入され、ねじ切りによってタイロッド414と係合可能なナット416を使用して締められる。ナット416がタイロッド414の周りで締め付けられると、矢印418によって示されるように、第1の板ばね406及び第2の板ばね410によって第1の加圧板408及び第2の加圧板412に圧縮力が加えられる。第1の板ばね406及び第2の板ばね410のそれぞれは、第1の加圧板408及び第2の加圧板412に形成された、破線の円420によって示される支点を有しており、板ばねによって加圧板に加えられる荷重を、加圧板全体に均一に分散させる。このようにして、圧縮アセンブリ404は、IFB402が圧縮されたときのIFBセルスタック(複数可)の撓みを低減する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0053】
IFB202の第1の端部206に配置された第1の加圧板204は、
図2に示すように、第1の加圧板204の厚さを通して延在する複数のポート502を有することができ、この場合、この厚さは、z軸に沿って規定される。一例では、IFB202の第1の端部206は、IFB202の第1のセルスタック212の正極端部とし得る。複数のポート502の第1のポート504は、負の電解液をIFB202に流入させる負極入口とし得る。複数のポート502の第2のポート506は、正の電解液をIFB202に流入させる正極入口とし得る。複数のポート502の第3のポート508は、IFB202から負の電解液を流出させる負極出口ポートとすることができ、複数のポート502の第4のポート510は、負の電解液をIFB202から流出させる正極出口ポートとし得る。したがって、IFB202の第1のセル
スタック212に入るすべての電解液は、第1の加圧板204を通って入ることができ、IFB202を出るすべての電解液も、第1の加圧板204を通って出ることができる。一例では、電解液は、第1の加圧板204のみを通って第1のセル
スタック212に出入りする。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0061
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0061】
集電体は、金属または樹脂などの導電性材料から形成することができ、集電体の寸法、例えば、長さ、幅、厚さなどは、電動装置に送られる電流密度に影響を及ぼし得る。正極集電体は、セルスタックの負極集電体の反対側に配置することができる。例えば、
図7のダブルスタックIFB202の第2の側面
図700に示すように、第1のセルスタック
212(
図3にも示す)の第1の集電体306は、第1の加圧板204と第1のエンドプレート304との間に配置された第1の正極集電体306とし得る。第1のセルスタック212の第2の集電体316は、第2のエンドプレート310とサブスタックセパレータプレート216との間に配置された第1の負極集電体316とし得る。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0075
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0075】
一例では、レドックスフロー電池システムは、加圧板のセットであって、レドックスフロー電池システムの第1の端部にある第1の加圧板と、レドックスフロー電池システムの第2の端部にある第2の加圧板とを含み、第2の端部はレドックスフロー電池システムの長手方向軸に沿って第1の端部の反対側に位置する、加圧板のセットと、第1の加圧板と第2の加圧板との間に配置され、長手方向軸に沿って加圧板のセットと整列するサブスタックセパレータプレートと、第1の加圧板とサブスタックセパレータプレートとの間に配置された第1のセルスタックと、第2の加圧板とサブスタックセパレータプレートとの間に配置された第2のセルスタックとを含む。レドックスフロー電池システムの第1の例は、サブスタックセパレータプレートが第1のセルスタックを第2のセルスタックから絶縁することをさらに含む。レドックスフロー電池システムの第2の例は、任意でレドックスフロー電池システムの第1の例を含み、第1のセルスタック及び第2のセルスタックが、板ばねによって加圧板のセットに加えられる圧力によって加圧板のセットの間で圧縮されることをさらに含む。レドックスフロー電池システムの第3の例は、任意でレドックスフロー電池システムの第1の例及び第2の例の1以上を含み、加圧板のセット、第1のセルスタック、サブスタックセパレータプレート、及び第2のセルスタックが、長手方向軸に沿って延在する複数のボルトによって所定の位置に維持されることをさらに含む。レドックスフロー電池システムの第4の例は、任意でレドックスフロー電池システムの第1~第3の例のうちの1以上を含み、レドックスフロー電池システムが、外部ハウジングを含まない自立型ユニットであることをさらに含む。レドックスフロー電池システムの第5の例は、任意でレドックスフロー電池システムの第1~第4の例のうちの1以上を含み、第1のセルスタック及び第2のセルスタックのそれぞれが複数のセルで形成され、複数のセルの各セルは、負極、正極、双極板、及び膜セパレータを含むことをさらに含む。レドックスフロー電池システムの第6の例は、任意でレドックスフロー電池システムの第1~第5の例のうちの1以上を含み、第1のセルスタック及び第2のセルスタックのそれぞれにおける複数のセルの各セルが、フレームプレート内に支持され、各フレームプレートは、長手方向軸に沿って整列され、フレームプレートの面に隣接するフレームプレートと接触していることをさらに含む。レドックスフロー電池システムの第7の例は、任意でレドックスフロー電池システムの第1~第6の例のうちの1以上を含み、第1のセルスタックの複数のセルの各セルは、第1のセルスタックの複数のセルのうちの他のセルに流体接続され、第2のセルスタックの複数のセルの各セルは、第2のセルスタックの複数のセルのうちの他のセルに流体接続されることをさらに含む。レドックスフロー電池システムの第8の例は、任意でレドックスフロー電池システムの第1~第7の例のうちの1以上を含み、第1のセルスタックと第2のセルスタックとの間の電解液の流れが、サブスタックセパレータプレートによって遮られることをさらに含む。レドックスフロー電池システムの第9の例は、任意でレドックスフロー電池システムの第1~第8の例のうちの1以上を含み、電解液が、第1のセルスタックと第2のセルスタックとの間をサブスタックセパレータプレートの開口部を通って流れることをさらに含む。
【手続補正9】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【国際調査報告】