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特表2023-528226射出成型のための多変量収縮センサ(MVSS)
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-04
(54)【発明の名称】射出成型のための多変量収縮センサ(MVSS)
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/76 20060101AFI20230627BHJP
   B29C 45/17 20060101ALI20230627BHJP
   B29C 45/26 20060101ALI20230627BHJP
   B22D 17/32 20060101ALI20230627BHJP
【FI】
B29C45/76
B29C45/17
B29C45/26
B22D17/32 J
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022569202
(86)(22)【出願日】2021-05-12
(85)【翻訳文提出日】2023-01-10
(86)【国際出願番号】 US2021032076
(87)【国際公開番号】W WO2021231637
(87)【国際公開日】2021-11-18
(31)【優先権主張番号】63/024,060
(32)【優先日】2020-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522442319
【氏名又は名称】レオナイン テクノロジーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】パンチャル,ラフル アール.
【テーマコード(参考)】
4F202
4F206
【Fターム(参考)】
4F202AM19
4F202AM32
4F202AP02
4F202AP05
4F202AP06
4F202AR02
4F202AR06
4F202AR07
4F202CA11
4F202CB01
4F202CK90
4F202CL50
4F206AM19
4F206AM32
4F206AP02
4F206AP05
4F206AP06
4F206AR02
4F206AR06
4F206AR07
4F206JA07
4F206JL02
4F206JM04
4F206JM05
4F206JP01
4F206JP11
4F206JP17
4F206JQ31
4F206JQ81
4F206JQ90
(57)【要約】
重合体射出成型装置の収縮検出デバイスは、射出成型素子の品質を評価するための射出成型素子により経験される収縮を検出する。冷却中の金型内の溶融物の温度及び圧力と共に収縮は、意図される目的のための結果成型素子の十分性を指示する。十分性は、柔軟性、剪断強度及び寿命などのパラメータを含み、精密に行われ、高価で時間がかかる成型品の従来の試料試験を置換し得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金型の内容積により画定された空洞と連通する細長いプランジャであって、前記空洞と連通する遠端と付勢力に応答する近端とを有する、細長いプランジャ、
前記近端へ取り付けられた磁気源、及び
前記空洞に含まれる射出溶融物の収縮からの前記遠端の変位に基づき前記プランジャの移動を検出するための前記磁気源に応答する位置センサ
を含む、射出成型品質感知デバイス。
【請求項2】
前記金型を充填するための射出段階中に及び前記充填された金型内の成型物の収縮により規定される冷却段階中に前記プランジャにより移動された距離を指示する変位信号を受信するための前記位置センサに応答する解析回路をさらに含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記細長いプランジャの挿入のための通路を有する金型をさらに含む、請求項1に記載のデバイスであって、
前記細長いプランジャはフラッシュ位置と充填位置との間の移動の範囲を有し、
前記充填位置は前記空洞内へ延びる前記細長いプランジャの遠端により規定され、
前記フラッシュ位置は前記空洞の表面とぴったり重なった前記細長いプランジャの前記遠端により規定され、
前記移動の範囲は成型品において予測される収縮率に基づく、デバイス。
【請求項4】
前記金型と流体連通する射出インターフェースをさらに含む、請求項1に記載のデバイスであって、前記射出インターフェースは溶融物を収容するために射出器に応答し、前記溶融物は、前記金型の内部輪郭により画定される成型品を形成するための前記空洞を充填する、デバイス。
【請求項5】
前記細長いプランジャ内に埋め込まれた圧力センサをさらに含む、請求項1に記載のデバイスであって、前記細長いプランジャは、前記空洞内の流体溶融物からかけられる圧力に基づき前記金型から前進及び後退するために、筐体と摺動可能に連通される、デバイス。
【請求項6】
前記付勢力は、前記細長いプランジャを前記空洞内へ前進させるように配置されたバネを含み、前記付勢力に対向作用する前記流体溶融物からかけられる前記圧力は前記細長いプランジャ内の圧縮を誘起し、前記圧力センサは前記圧縮に基づき圧力信号を呈示する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記圧力センサは、前記細長いプランジャの前記近端及び前記遠端と線形干渉可能に連通されて配置された圧電素子であり、前記圧電素子は、前記付勢力と射出溶融物からの対向力との間の圧縮力を受けるように配置される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記圧力センサは、歪ゲージ、容量性又はバイメタルベース変位トランスデューサ媒体の少なくとも1つを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
前記細長いプランジャの前記遠端に配置された温度センサをさらに含む請求項1に記載のデバイスであって、前記温度センサは前記射出溶融物の温度に基づき溶融物温度信号を生成する、デバイス。
【請求項10】
前記温度センサはさらに、放射エネルギーを前記温度センサへ渡すための赤外線レンズを含み、前記温度センサは前記溶融物温度信号を生成するための前記放射エネルギーに応答する、請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
前記細長いプランジャ内に抵抗センサをさらに含む請求項9に記載のデバイスであって、前記抵抗センサは、前記射出溶融物が前記空洞を充填すると、前記金型の温度に基づき金型温度信号を生成する、デバイス。
【請求項12】
前記溶融物の温度を指示する発射された赤外線エネルギーを受信するように配置された熱電対列をさらに含む、請求項9に記載のデバイスであって、前記熱電対列は前記金型の温度の導電的感知のためのサーミスタを含む、デバイス。
【請求項13】
前記磁気センサはホール効果センサであり、前記圧力センサは圧電センサであり、前記溶融物温度センサは熱電対列及びセレン化亜鉛レンズを含み、前記金型温度センサはサーミスタである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項14】
前記解析回路は、熱放散のために前記細長いプランジャの前記近端に隣接して配置され、前記解析回路は、前記変位信号と、
前記射出溶融物の流体圧力を指示する圧力信号、
前記射出溶融物の温度を指示する溶融物温度信号、及び
前記射出溶融物から生じる前記金型の温度を指示する金型温度信号のうちの1つ又は複数と
を受信するための前記位置センサへ電気的に接続される、請求項2に記載のデバイス。
【請求項15】
前記解析回路は、前記冷却溶融物から生じる前記成型品が使用のために十分かどうかを前記変位信号と、前記圧力信号、前記溶融物温度信号及び前記金型温度信号のうちの少なくとも1つの信号とに基づき指示する検証信号を生成するように構成された品質アプリケーションへ結合される、請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記品質アプリケーションは、前記変位信号から計算される収縮に基づき前記成型品の最終寸法を計算するように構成される、請求項15に記載のデバイス。
【請求項17】
前記品質アプリケーションはさらに、前記溶融物の粘度と前記空洞内への導入の率とを相関付けるための圧力体積温度(PvT)関係に基づき、前記検証信号を計算するように構成される、請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
金型内への溶融物の射出から生じる射出成型品を検証する方法であって、
金型の内容積により画定された空洞内へ細長いプランジャを延ばすことであって、前記細長いプランジャは、前記空洞と連通する遠端と付勢力に応答する近端とを有する、延ばすこと、
成型物質により規定された溶融物を、流体インターフェースを介して前記空洞内へ射出すること、
前記細長いプランジャを前記射出溶融物の圧力に応答して前記空洞から後退させることであって、前記射出溶融物の前記圧力は前記細長いプランジャ上の圧力センサにより検出される、後退させること、
前記遠端が前記金型の内面とぴったり重なるように前記細長いプランジャが後退する際に前記圧力センサからの前記検出圧力を測定すること、及び
前記空洞内の冷却溶融物を指示するための前記検出圧力が弱まると、前記位置信号に基づき変位距離を測定すること
を含む方法。
【請求項19】
前記金型を充填するための射出段階中に及び前記充填された金型内の成型物の収縮により規定される冷却段階中に前記プランジャにより移動された距離を指示する変位信号を受信することをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記細長いプランジャを前記金型内へ延ばすことをさらに含む、請求項19に記載の方法であって、
前記金型は前記細長いプランジャの挿入のための通路を有し、
前記細長いプランジャはフラッシュ位置と充填位置との間の移動の範囲を有し、
前記充填位置は前記空洞内へ延びる前記細長いプランジャの前記遠端により規定され、
前記フラッシュ位置は前記空洞の表面とぴったり重なった前記細長いプランジャの前記遠端により規定され、
前記移動の範囲は成型品において予測される収縮率に基づく、方法。
【請求項21】
金型内への溶融物の射出から生じる射出成型品を検証するためのシステムであって、
金型の内容積により画定された空洞内へ細長いプランジャを延ばすことであって、前記細長いプランジャは前記空洞と連通する遠端と付勢力に応答する近端とを有する、延長することと、
前記射出溶融物の圧力に応答して前記細長いプランジャを前記空洞から後退させることであって、前記射出溶融物の前記圧力は前記細長いプランジャ上の圧力センサにより検出される、後退させることと、
前記遠端が前記金型の内面とぴったり重なるように前記細長いプランジャが後退する際に前記圧力センサからの前記検出圧力を測定することと、
前記空洞内の冷却溶融物を指示するための前記検出圧力が弱まると前記位置信号に基づき変位距離を測定することと
を行うように構成されたセンサ素子、並びに
成型物質により規定された溶融物を、流体インターフェースを介して前記空洞内へ射出することと、
前記冷却溶融物から生じる前記成型品が使用のために十分かどうかを前記変位信号と、前記圧力信号、前記溶融物温度信号及び前記金型温度信号のうちの少なくとも1つの信号とに基づき指示する検証信号を生成することと
のための制御アプリケーション
を含むシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
連邦政府委託研究及び開発に関する陳述:
本発明は、少なくとも部分的に、全米科学財団により授与された認可番号第1822271,02-045309,CMMI-1000816/1000551,1843921下の政府支援によりなされた。米国政府は、本発明のいくつかの権利を有する。
【背景技術】
【0002】
背景
射出成型は、様々な重合体から形成される低コスト大量物品のための一般的製造手法である。ペレットストック(pelletized stock)が通常、大量に流通されており、そして所望形式を有する特別に用意された金型内への溶融原材料の高圧注入のために成型機へ配送される。ネジ又はインペラーは通常、熱により原材料に、複雑な金型形状ですら充填する高圧流動性溶融物を生成させる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
概要
射出成型多変量センサは、射出成型品に関連する収縮、温度及び圧力パラメータを捕捉し、計算し、そして、成型品が最小十分性を越えるかどうかを指示するために収集されたパラメータに基づき妥当性を計算する。収集されたパラメータは、金型内収縮に応答するプランジャ又は摺動ピンの変位であって圧力及び温度に関連して磁気媒体により測定される変位を含む。解析アプリケーションは、成型後検査の後ではなく成型時に成型品十分性を計算するためのパラメータを受信し、時間及びコスト優位性を提供する。
【0004】
本明細書における構成は射出成型が、金属加工、スタンピング及び金型により以前は行われた素子の製造に対する経済的代替案を提供するという観察に部分的に基づく。ホッパーへ装填された重合体ペレットストック(polymer pellet stock)が、ペレットストックを撹拌し粘着溶融形式(溶融物)に押し出し、加熱するネジ式(screw)又はネジ式(threaded)射出器へ送出される。ネジはまた、所望成型素子の形状を有する金型の空洞内へ粘着性溶融物を著しい圧力で押し付ける。押し出された溶融物は様々な間隙へ流れ込むことにより金型を充填し、金型内で輪郭形成する。残念ながら、射出成型に対する従来の手法は「成型品の欠陥が、金型を画定する空洞内への射出中の溶融重合体の粘度、温度及び圧力の変動から生じ得る」という欠点に悩まされる。
【0005】
溶融重合体が空洞の内側で冷めると、収縮が発生する。温度及び圧力と共に、収縮の大きさ及び率が成型品の十分性を指示する。本明細書における構成は、冷却中にこれらのパラメータを追跡し、出来上がった成型品の十分性測度を計算する、収縮、圧力及び温度一体化センサから射出成型品の十分性を評価する従来の手法を大いに圧倒する。
【0006】
射出成型の金型内収縮検出センサデバイスは、金型の内部容積により画定された空洞と連通するプランジャ又はロッドを含む。プランジャは、空洞と連通する遠端と、磁気源を有する近端とを有する。磁気源の移動経路に隣接するディジタル位置センサが、溶融物の収縮により引き起こされる遠端の変位に基づきプランジャの運動を検出するための、磁気源に応答する。射出すると、溶融物の圧力がプランジャを空洞から押し出し、溶融物が冷えると、この容積は収縮し、バネ装填プランジャを空洞内で若干引き戻す。移動の典型的な範囲は0.5mm程度であり得る。
【0007】
図面の簡単な説明
本発明の上述の及び他の目的、特徴、及び利点は、添付図面に示される本発明の特定実施形態の以下の説明から明らかになる。添付図面では、同様な参照文字は通常、様々な図を通して同じ部品を指す。添付図面は必ずしもスケーリングされておらず、及び強調はむしろ本発明の原理を図示することに置かれている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本明細書における構成との使用に好適な射出成型生産環境の文脈線図である。
図2A】本明細書で定義される多変量収縮センサを使用することによる図1の環境における成型シーケンスの簡略図を示す。
図2B】本明細書で定義される多変量収縮センサを使用することによる図1の環境における成型シーケンスの簡略図を示す。
図2C】本明細書で定義される多変量収縮センサを使用することによる図1の環境における成型シーケンスの簡略図を示す。
図2D】本明細書で定義される多変量収縮センサを使用することによる図1の環境における成型シーケンスの簡略図を示す。
図3図2A~2Dの多変量収縮センサ(MVSS:multivariate shrinkage sensor)により作動可能な制御アプリケーションの概略図である。
図4図2、3のMVSSの側面切り欠き図である。
図5図1~4の構成により動作可能な成型装置内に設置されたMVSSを示す。
図6A】成型作業を制御するために使用される図4のMVSSセンサを示す。
図6B】成型作業を制御するために使用される図4のMVSSセンサを示す。
図6C】成型作業を制御するために使用される図4のMVSSセンサを示す。
図6D】成型作業を制御するために使用される図4のMVSSセンサを示す。
図6E】成型作業を制御するために使用される図4のMVSSセンサを示す。
図6F】成型作業を制御するために使用される図4のMVSSセンサを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
詳細な説明
以下の説明は、成型品の品質に関連する収縮及び関連パラメータを監視するための射出成型システムと共に多変量収縮センサ(以降、感知素子)を使用し、収集されたパラメータに基づき品質を評価し、及び成型品が品質管理(QC)標準規格に基づく配備に好適かどうかを推薦する、射出成型環境の例を提示する。典型的成型プロセスは通常少数の内部金型に遭遇するが、温度の関連パラメータに伴う収縮感知及び成型圧力が成型製品の直接品質指標を提供する。対照的に、従来の手法は、成型品の品質バッチ(quality batch)を評価及び確認するために試料を成型後に解析するので、追加の時間及びコストを招く。
【0010】
図1は、本明細書における構成との使用に好適な射出成型生産環境の文脈線図である。射出成型は、単一金型が多くの成型ユニットに再使用され得ると最も経済的である。したがって、射出成型環境10は複数の成型機20を採用し得る。各成型機は、通常はペレット形式である生の成型材料の原材料24を収容するための、ホッパー22を使用する。多様な重合体及びプラスチックが原材料として採用され得、任意の好適な原材料が以下に述べるように採用され得る。ホッパー22は、原材料を、金型50内へ向けるための螺旋インペラー32、又は通常は螺旋面を有する射出管30へ送出する。射出管は通常、インペラー32により金型50内へ押し込まれる原材料24を溶融又は流動化するための、ヒータ34を採用する。駆動源26は通常、射出管30に沿って移動するにつれて、原材料の著しい圧力を生成する。
【0011】
金型50では、射出インターフェース52が、金型への高圧入力を規定するように、及び溶融原材料の溶融物を収容するために射出器54に応答するように、金型50と流体連通する。溶融物は、金型50の内部輪郭により画定される成型品を形成するための金型内の空洞を充填する。金型50は、所望成型品に対応するための任意の好適な形式を取り得、油圧アクチュエータ56が成型品の排出のための金型半分を分離し得るように、通常は少なくとも2つのパーツ50-1、50-2で画定される。
【0012】
図2A~2Dは、本明細書で定義される射出成型の品質感知を行うための多変量収縮センサ素子を使用することによる、図1の環境における成型シーケンスの簡略図を示す。図1~2Dを参照すると、センサ素子100は、金型の内容積により画定された空洞112と連通する細長いプランジャ110を含む。細長いプランジャ110は、空洞112と連通する遠端と付勢力に応答する近端とを有する。その近端に又はその近くに、磁気源120が取り付けられ、位置センサ122が、空洞112に含まれる射出溶融物130の収縮から生じる遠端の変位に基づくプランジャ110の移動を検出するための磁気源120に応答する。
【0013】
図2Aでは、溶融物130は、溶融物130を金型内へ押し込むための、図1の射出管30からの単に高圧路であり得る、射出インターフェース52を貫流し始める。図2Bにおいて充填されると、細長いプランジャ110は深さ132において加圧射出溶融物112と同一平面である(近端から示されている)。溶融物112が冷えて硬化すると、溶融物112は金型壁から引き離れる傾向があるので、溶融物112の収縮を引き起こす収縮が発生する(図2Cに示す)。冷却チャネル51もまた、温度管理の際に支援する。細長いプランジャ110は、成型深さ134が収縮133に基づく射出深さ132と異なるので、収縮に対応するために金型空洞の内側へ延びる(図2Dに示す)。射出深さと成型深さとの差から計算される細長いプランジャの変位が、以下にさらに論述されるように硬化成型品130’の品質評価のために使用される収縮133を規定する。
【0014】
図3は、図2A~2Dの多変量収縮センサ(MVSS)により動作可能な制御アプリケーションの概略図である。図1~3を参照すると、生産環境10において、硬化された成型品130’が金型50から排出されると大量の成型品150が金型50から生じる。これらは通常、各成型品150が十分かどうかに関する検証のための評価プロセス及び/又は分類プロセスに従う。例えば、コンベヤ140が成型品150を分類装置142へ搬送し得る。分類装置は、成型品150を、受容可能成型材料150-1及び受容不能成型材料150-2を含むための異なるビン144-1、144-2(概して144)へ方向転換するためにアクチュエータ146から駆動される方向転換器又は選択器を採用する。他の好適な分類及び製造装置が採用され得る。対照的に、従来の手法は通常、その後の試験及び解析のために未分類バッチの物品を格納する。
【0015】
本明細書における構成は、早められた又は即時評価のために金型内センサ素子100からの信号300を採用する。センサ素子100は、変位信号302を受信するための位置センサ100に応答して解析回路320により信号300を計算する。変位信号302は、金型50を充填するための射出段階中に及び充填された金型内の成型物112の収縮により規定される冷却段階中にプランジャ110により移動された距離を指示する。
【0016】
解析回路320は、対応成型品150が受容可能かどうかを計算するための論理324を有する成型品質アプリケーション322と通信し得、検証信号310をアクチュエータ146へ送信する。センサ素子100はまた、図4において以下にさらに論述される金型温度304、溶融物温度306及び成型圧力308に関係する信号を生成するための追加センサを含み得る。
【0017】
解析回路320は、解析回路が変位信号302を生成するための位置センサ122へ一体化されるか又は電気的に接続されるように、熱放散のために細長いプランジャの近端に隣接して配置されたPCB(プリント回路基板)上で符号化され得る。解析回路はまた、射出溶融物の流体圧力を指示する圧力信号308、射出溶融物の温度を指示する溶融物温度信号306、及び射出溶融物112から生じる金型50の温度を指示する金型温度信号304のうちの1つ又は複数の信号のセンサデータを受信し得る。隣接演算システム321は、検証310を生成するためのアプリケーション322を立ち上げて実行する。
【0018】
解析回路320は、冷却溶融物から生じる成型品150が使用のために十分かどうかを変位信号302と、圧力信号308、溶融物温度信号306及び金型温度信号304のうちの少なくとも1つの信号とに基づき指示する検証信号310を生成するように構成された成型品質アプリケーション322へ結合する。成型品質アプリケーションはまた、キーボード及びマウスなどのユーザインターフェース354に応答して描画デバイス350上で可視であるグラフィックユーザインタフェース352(GUI)を採用し得る。GUI 352は、以下にさらに論述される品質に関する制御パラメータ356及び成型品150の制御パラメータを描画及び受信し得る。一般的に、解析回路320はセンサから電圧信号などの生の信号データを受信するためにセンサ素子100上に配置され、解析アプリケーション322は、変位、圧力、金型温度及び溶融物温度を受信するためのリモートPC又はユーザコンピューティングデバイスにあるが、解析回路320と解析アプリケーション322との間の通信の任意の好適なモードが企図され得る。
【0019】
成型品の品質における最重要考慮事柄は当該収縮後の成型品の最終寸法である。したがって、品質アプリケーションは、変位信号から計算される収縮に基づき成型品の最終寸法を計算するように構成される。収縮は、溶融物が冷えて収縮するときの変位信号から判断されるが、全体品質はまた、金型の空洞及び幾何学形状を貫流する射出溶融物の圧力、体積及び温度(PvT:pressure, volume and temperature)関係性により影響される。通常、圧力体積温度関係性が成型後収縮を提供する。成型後収縮は、射出されたパーツが射出温度から室温まで冷めると発生する収縮である。内部金型寸法(高圧溶融が強いられるチャネルの狭さなど)だけが役割を果たす。したがって、品質アプリケーションはさらに、溶融物の粘度と空洞内への導入の率(速度)とを相関付けるための圧力体積温度(PvT)関係性に基づき検証信号を計算するように構成される。溶融成型品の品質を解析する際、粘度及び速度は、プラスチック部品製作プロセスの完全なプロセス監視及び制御を提供する。この文脈では、製作プロセスは、射出成型を含む他のプラスチック製作プロセスに従い得る。
【0020】
図4は、図2、3のMVSSの側面切り欠き図であり、信号生成をより詳細に示す。図1~4を参照すると、センサ素子100はさらに、細長いプランジャ110が空洞112内の流体溶融物130からかけられる圧力に基づき金型50から前進及び後退するために筐体400と摺動可能に連通されるように細長いプランジャ110内に埋め込まれた圧力センサ410を含む。
【0021】
圧力センサ410は、細長いプランジャ110の近端113及び遠端111と線形干渉連通されて配置された圧電素子により規定される。圧電素子は、バネ414からの付勢力と射出溶融物130からの対向力415との間の圧縮力を受けるように配置される。例示的配置では、付勢力414は、細長いプランジャ110を空洞112内へ前進させるように配置されたバネを含む。付勢力に対向して作用する流体溶融物130からかけられる圧力が細長いプランジャ110内の圧縮を誘起する。圧電素子は、両側に絶縁ワッシャ412を有し、上記圧縮に基づく圧電応答に基づき圧力信号を生成する。代替構成は、歪ゲージ、容量性又はバイメタルベース変位トランスデューサ媒体などの代替検知媒体を含み得る。
【0022】
温度センサ420は、射出溶融物112の温度に基づき溶融物温度信号306を発射するように細長いプランジャ110の遠端111に配置される。温度センサはさらに、溶融物温度信号306を生成するための放射エネルギーに応答して放射エネルギーを温度センサ420へ渡すための赤外線レンズ422を含む。例えば、溶融物温度センサ420は熱電対列424、スペーサ、及びフィルタ422としてセレン化亜鉛レンズを含み得る。
【0023】
遠端111はまた、射出溶融物112が空洞を充填すると金型の温度に基づき金型温度信号304を生成するための細長いプランジャ110内のサーミスタ又は熱電対などの抵抗センサ430を含む。溶融物112の温度は溶融物の流れ及び硬化における重要な要因であるということと、一般的に溶融物内の熱は溶融物112が射出され冷える/硬化すると金型50へ伝達するということとを喚起されたい。それぞれの信号306、304に基づき溶融物温度及び金型温度を追跡することは図6Fにおいて以下にさらに論述される。
【0024】
特定構成では、熱電対列424は、溶融物の温度を指示する発射された赤外線エネルギーを受信するように配置されるので、金型の温度の導電的感知のためのサーミスタを含む。代替的に、溶融物又は金型のいずれかの接触ベース感知のための熱電対又は他の抵抗ベースセンサが採用され得る。
【0025】
位置センサ122へ戻ると、細長いプランジャ110へ取り付けられた磁石120が射出に先立って金型50の方向へ移動し、射出中に押し戻されて、冷却溶融物112が縮小すると金型50の方向へ最終的に再び移動し、変位信号302を生成する、ホール効果センサが採用され得る。
【0026】
センサ素子100は、変位信号302、金型温度信号304、溶融物温度信号306及び圧力信号308を提供するための任意の好適なやり方で実装され得るが、特定構成は以下のとおりである。圧力感知センサ410及び金型内収縮測定センサ122は23mmの外径のセンサ筐体400内に置かれる。センサ筐体アセンブリは、センサ本体を形成するために6つの皿ネジにより25mmの外径のセンサ基部の上に置かれる。センサ基部部品は、配線と解析回路320を含む集積エレクトロニクスとのための空間を提供する。金型内収縮感知のために、位置センサ122及び磁石120は、センサ筐体のスロット内及びPZT(圧電)筐体部品のスロット内にそれぞれ置かれる。位置センサ及び磁石はセンサ動作中互いに向き合ったままであり、位置センサは動作中に静止したままである。圧力感知のために、PZTリング及び絶縁体ワッシャアセンブリがPZT筐体の内側に着座し、PZT筐体は圧縮バネの上に着座する。PZTリング、ワッシャ並びに磁石及び圧縮バネを有するPZT筐体は位置センサと共にセンサ筐体部品内に留まる。PZT筐体の滑らか摺動のためにPZT筐体ODとセンサ筐体IDとの間に0.025mmのクリアランスが存在する。
【0027】
温度感知システム(熱電対列及びZnSe窓)は、細長いプランジャ110全体の一部としてのセンサヘッドピンに一致する温度センサピンを規定する細長いプランジャ110内に置かれる。代替的に、ZnSeに加えて、他の水晶、宝石及び/又は結晶石が光を送信し得る窓として採用され得る。例えば、サファイア、ルビー又はトパーズが、コスト、耐久性又は温度互換性などの要因に基づき採用され得る。
【0028】
センサヘッドピンは標準的6mm排出ピンを複製する。センサヘッドピンの長さは、圧力センサピンの長さを変更することにより金型高さに依存してカスタム化され得る。
【0029】
センサヘッドピンの頭は、力をPZTリング及び圧縮バネへ転送することになるPZT絶縁ワッシャの上面と接触したままである。センサカバーが、センサヘッドピンの頭、PZT筐体アセンブリ、及びセンサ筐体の内部で部分的に圧縮されたバネを閉じ込めるために皿ネジを使用することによりセンサ筐体全体にわたって設置される。センサ筐体400は0.5mm変位を越えるPZT筐体のメカニカルストップを提供し、メカニカルストップはセンサヘッドピン変位を制御する。選択された圧縮バネは、5MPaより高い圧力において十分に圧縮し、圧力が5MPa未満に減衰すると、その自由長を回復する。他の好適な圧力及び変位閾値もまた採用され得、様々なリップ及びシェルフが細長いプランジャの移動を0.5mmなどの所定移動に制限するために設けられ得る。
【0030】
図5は、図1~4の構成により動作可能な成型装置内に設置されたMVSSを示す。例示的成型装置では、金型50は射出インターフェース52と係合する射出器54により充填される。センサ素子100は、成型品150を排出するために使用され、典型的金型50上の共通固定具である排出ピン502用にも採用され得る空洞インサート500を占有する。これは、センサ素子100を、成型プロセスと干渉しないように冷却ライン51、射出ノズル54、及び金型50の他の油圧作動式部品から離れる方向に好都合に配置する。
【0031】
センサヘッドピンの排出ピンスタイルのために、金型50は、スペース制約、複雑な金型構築、及びセンサ素子100設置及び整備中の失敗のリスクを削除することになるB側空洞板150-1内の標準的直線6mm孔を採用する。センサ本体は排出システム内に留まることになる。したがって、金型設計及び複雑性は特にマルチ空洞金型に関して劇的に低減される。また、金型設計は、より小さなパーツ及びマルチ空洞金型が冷却通路51を邪魔されないままにしたとしても効率的冷却システム設計の柔軟性を依然として維持することになる。好適には、圧力センサピン及び温度センサピンを除く金属部品は316Lステンレス鋼から作製される。これらの2本のピンは、55HRC硬度を有する硬化鋼(HI3)から作られるので、100万成型サイクルを越える期間の連続損傷に耐え得るだけでなく温度感知システムも保護し得る。すべての鋼部品は、溶融物130が受ける高熱及び高圧力におけるセンサの正しい機能及び頑強動作を保証するための厳しい公差を期待する。
【0032】
図6A~6Fは、成型作業を制御するために使用される図4のMVSSセンサ(センサ素子)100を示す。重合体射出成型では、成型機20が、固体プラスチックペレットをホットメルト130へ溶融し、空洞112を充填するためにホットメルトを金型空洞内に射出する。金型に入るや否やプラスチック溶融物は金型冷却システムに起因して冷め始め、凝固し始める。金型空洞内で、プラスチック材料は固化中に「金型内収縮」を受ける。金型内収縮のために、成型品は金型空洞より小さくなる。成型アプリケーションにおいて最も一般的に使用されるプラスチック材料は、多くの成型品の寸法公差に対して高い0.005~0.1mm/mm収縮率を呈示する。
【0033】
図1~6Fを参照すると、成型品150の成型プロセスは、移動を所定閾値(図6Aに示す0.5mmなど)内までに制限するバネ及びレッジにより付勢されてセンサ素子100が細長いプランジャ110を空洞122内へ延ばすことにより始まる。細長いプランジャ110は摺動可能集合体(金型内へ又はそれから外へ移動される際にすべてが単一ユニットとして移動する成型及び溶融物温度センサ、圧電圧力センサ及び磁気源を含む)を一括して指すということに注意すべきである。
【0034】
図6Bでは、溶融物130は、細長いプランジャ110が遠端111から0.5mm延びると高圧高温溶融状態で空洞へ流入する。金型50は、排出ピン又は専用ポート又は開口のいずれかの挿入を介した細長いプランジャの挿入のための通路を有する。細長いプランジャ110は、空洞112内へ延びる細長いプランジャの遠端111により充填位置が規定されるように、フラッシュ(flush)位置と充填位置との間の移動の範囲を有する。フラッシュ位置は空洞112の表面とぴったり重なった細長いプランジャの遠端により規定され、移動の範囲は成型品において予測される収縮率に基づく。開示された手法では、この変位距離は0.5mmであるが、任意の好適な所定範囲が採用され得る。細長いプランジャの遠端は、重合体溶融物130が遠端においてZnSe窓(赤外フィルタ422)の上面と接触するまで突出されたままとなる、センサヘッドピンを規定する。
【0035】
図6Cでは、溶融物130は間隙112を充填し、圧力が、細長いプランジャ110を充填位置(0.5mm延びる)からフラッシュ位置まで押し戻す(金型空洞表面が付勢素子へ押し付けられることにより)。センサヘッドピンに対し働く溶融物圧力が5MPa超に達すると、この圧力は、加圧力をPZTリング410へ転送しながらセンサヘッドピンを押し戻すことになる。センサ筐体上のメカニカルストップに起因して、センサヘッドピンは0.5mm変位後に移動することを停止することになる。この時、細長いプランジャは金型空洞表面とぴったり重なり、圧力をPZTリングへ転送し続ける。したがって、PZTリングはセンサヘッドピンに対し働く圧力に対応する出力信号を提供することになる。ホール効果位置センサがセンサヘッドピン変位及び位置を監視し測定する。図6Dにおいて、成型サイクルのうちの冷却段階中に、重合体溶融物130は冷め、この収縮に起因して金型空洞壁から離れる方向に分離し始める。したがって、細長いプランジャに対し働く圧力は減衰し続けることになる。細長いプランジャ110の遠端は、センサヘッドピンに対し働く圧力が5MPa未満に達するまで金型空洞表面とぴったり重なったままとなる。
【0036】
5Mpa未満の圧力では、センサヘッドピンはバネ力に起因して上方向へ移動し始めることになる(図6Eに描写される)。ホール効果位置センサは、センサヘッドピンの変位信号302における上方運動を監視し測定する。図6Eにおける成型サイクルの終わりに、金型50は開いて、成型品150を金型50から排出する。金型開放後は、センサヘッドピンに対し働く力はない。したがって、センサヘッドピンはその開始位置へ前進し、空洞の内側へ0.5mm突出することになる。図6Cにおけるフラッシュ状態から図6Dにおいて前進されるまでの位置センサの出力間の差が、成型サイクル中に受けた重合体の「金型内収縮」133の大きさを指示する。成型サイクルを通して、温度感知システム内の熱電対列が溶融物温度及び金型温度を連続的に監視し測定する(図6Fに示す)。GUI 352はこれらの制御パラメータを時間軸に沿ったグラフ600として表示する。収縮グラフ610は、図6A~6Eのそれぞれの段階における細長いプランジャの移動を示す。空洞圧力グラフ620は、射出中のピーク後の収縮に伴う低下を示す。溶融物温度及び金型温度630及び640はそれぞれ温度及び圧力と共に低下する。溶融物温度及び金型温度は、重合体の線膨張率(CLTE:coefficient of linear thermal expansion)又は高度圧力体積温度(PvT:pressure-volume-temperature)関係を使用することにより成型後収縮を推定するために使用され得る。
【0037】
例示的構成では、生の感知データは通常、それぞれの感知素子から発する電圧又は電流に基づく。一般的には、位置センサ、溶融物圧力、溶融物温度及び金型温度の出力電圧応答が取得される。電圧応答は絶対的金型内収縮、圧力及び温度へ変換される。
【0038】
ホール効果位置センサは、例示的構成では、Melexis Technologies NV(MLX90364)から供給され得、ネオジム磁石(スクエアシェア(square share)3.2mm、1.6mm厚)に対するその位置に対応する電圧を与える。位置センサは、(0.5mm)の最大許容可能センサピン移動に関して校正される。選択された位置センサはアナログ及びディジタル信号を与え得るが、実装されたMVSSに関してはアナログ信号が使用され、変位信号302により反映された絶対位置へ変換された。先に述べたように、全金型との溶融物接触時の位置センサ信号と冷却の終了時の位置センサ信号との差が、金型内収縮133を提供する。
【0039】
解析回路320では、圧力信号308に関して、図4に示すようにMVSSセンサヘッドピン全体にわたり重合体溶融物が流れると、レンズにかけられる圧力はPZT上へ転送され、電荷の蓄積を引き起こす。PZTリング412(VPZT)からの電圧応答は次式で説明される:
【数1】

ここで、g33はPZT材料により決定される電圧定数、Hは1mmのリング厚、IDは6mmのリング内径、ODは10mmのリング外径、及びRは3.0mmの温度センサピン半径である。上に示された設計に関して、Hが1mmに等しく、電圧定数g33がAPC-850材料に関し24.8×10-3Vm/Nであれば、電圧応答は溶融物圧力の14V/MPaになる。センサピンは、空洞の溶融物圧力が空洞とセンサとの間の間隙から生じる圧力読み取りにおけるいかなる損失又は異常も回避する5MPaに減衰するまで、空洞の表面とぴったり重なったままである。
【0040】
重合体溶融物がセンサ窓全体にわたり流れるので、溶融物温度信号306は、赤外線(IR)がセレン化亜鉛(ZnSe)窓を貫通し熱電対列(TP)により収集されると、導出される。TP、VTPの電圧応答は次式により説明される:
【数2】

ここで、kは利得であり、εは重合体の放射率であり、Tmelt及びTmoldはそれぞれ溶融物の及び金型の温度であり、並びにnはフィルタ及びセンサ特性に依存する(完全「黒」体及び無制限波長範囲に関して4に等しい)。
【0041】
金型温度信号304を計算するために、熱電対列は、CMOS IR検出器の基準温度(熱電対列への正味放射熱伝達を計算するために知られなければならない)を評価するためにサーミスタを含む。100kOhmサーミスタ抵抗は、0.2%絶対誤差内まで温度に応じて製造者から供給される。電圧分割器回路はサーミスタの出力抵抗を電圧へ変換する。基準抵抗の値(10kOhm)は、サーミスタ出力を25℃~100℃の当該金型冷却液温度内に線形化する一方で、出力電圧を所望範囲へスケーリングするために選択された。
【0042】
動作中、図3によるシステムは、溶融物130の金型50内への射出から生じる射出成型品150を検証する方法を行うための解析回路320から信号302、304、306、308を受信するための、アプリケーション322及び論理324を採用する。検証することは、空洞と連通する遠端111と付勢力に応答する近端113とを有する細長いプランジャ110を金型50の内容積により画定された空洞112内へ延ばすことを含む。射出器54は、成型物質により規定される溶融物を流体インターフェース52を介し空洞内へ射出し、流体インターフェース52は、射出溶融物の圧力が細長いプランジャ上の圧力センサにより検出されるように射出溶融物の圧力に応答して細長いプランジャを空洞から後退させる。アプリケーションは、遠端が金型の内面とぴったり重なるように細長いプランジャが後退する際に圧力センサからの検出圧力を測定し、空洞内の冷却溶融物及び細長いプランジャの空洞内へ戻る対応する移動又は変位を指示するための検出圧力が弱まると、位置信号に基づき変位距離を測定する。
【0043】
本明細書に規定されたシステム及び方法は、その実施形態を参照して具体的に示され説明されたが、添付の特許請求の範囲に包含される本発明の範囲から逸脱することなく、形式及び詳細の様々な変更がなされ得ることが、当業者により理解されるであろう。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
【国際調査報告】