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特表2023-528234可食性インク調合物、製品、及び液滴付着による像の形成に関連する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-04
(54)【発明の名称】可食性インク調合物、製品、及び液滴付着による像の形成に関連する方法
(51)【国際特許分類】
   C09D 11/32 20140101AFI20230627BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20230627BHJP
【FI】
C09D11/32
B41J2/01 501
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022569518
(86)(22)【出願日】2021-05-17
(85)【翻訳文提出日】2022-12-26
(86)【国際出願番号】 IB2021000327
(87)【国際公開番号】W WO2021234448
(87)【国際公開日】2021-11-25
(31)【優先権主張番号】63/026,038
(32)【優先日】2020-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518455723
【氏名又は名称】リップルズ エルティーディー.
【氏名又は名称原語表記】RIPPLES LTD.
【住所又は居所原語表記】HAMEFALSIM 14 P.O.BOX 3555, 4951422 PETAH TIKVA, Israel
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】ゼイラ, アサフ
【テーマコード(参考)】
2C056
4J039
【Fターム(参考)】
2C056FA03
2C056FA04
2C056FC01
2C056KC01
4J039BC07
4J039BE01
4J039BE02
4J039BE15
4J039EA14
4J039EA15
4J039EA28
4J039GA24
(57)【要約】
本発明の実施形態は、蛍光体(例えば、リボフラビンリン酸)を含む可食性インク調合物、製品(例えば、本開示に係る任意の可食性インク調合物(複数可)を備えたインクジェットカートリッジ)、本開示に係る任意の可食性インク調合物(複数可)を使用して可食基材(例えば、食品又は飲料)に印刷する方法に関するものである。可食性インク調合物を製造する方法も提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蛍光インク像を製造するための製品であって、
a.インクジェットカートリッジと、
b.可食性かつ水性のインクであって、前記インクジェットカートリッジ内に配置され且つ黒ニンジン抽出物を含む、インクと、
を備え、
前記可食性インクが以下i~ivを含む、製品。
i.蛍光体としての、0.05%wt/wt~1%wt/wtのリボフラビン及び/又はリン酸リボフラビン
ii.少なくとも4%wt/wtの黒ニンジン抽出物固形物であって、白色光条件下での前記インクの主要着色剤であり、任意で最大でも20%wt/wtの黒ニンジン抽出物固形物
iii.少なくとも5%wt/wtの保湿剤、又は少なくとも10%wt/wtの保湿剤、又は少なくとも15%wt/wtの保湿剤、又は少なくとも20%wt/wtの保湿剤、又は少なくとも25%wt/wtの保湿剤、又は少なくとも30%wt/wtの保湿剤、又は少なくとも35%wt/wtの保湿剤
iv.30%wt/wt~85%wt/wtの水
【請求項2】
請求項1に記載の製品であって、
白色光条件下で、前記インクがオレンジ又は赤又はその間の色合いであり、ブラックライト条件下で、リボフラビン及び/又はリボフラビンリン酸が前記インクの主要蛍光体である、製品。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の製品であって、
前記インクがエタノールを含まないか、又は、
下記(i)と(ii)との比が、最大でも3、若しくは最大でも2、若しくは最大でも1.5、若しくは最大でも1、若しくは最大でも0.5である、製品。
(i)前記インク中のエタノールのwt/wt含有量
(ii)グリセロール及びグリセリンの合計wt/wt含有量の比率
【請求項4】
請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の製品であって、前記インクは、500nm以下の粒子を実質的に含まない、製品。
【請求項5】
請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の製品であって、
白色光条件下で、前記インクのLAB値とLAB点(77,11,94)(例えば、黄の色合い)との間の距離が、少なくとも50、又は少なくとも55、又は少なくとも60である、製品。
【請求項6】
蛍光インク像を製造するための製品であって、
a.インクジェットカートリッジと、
b.前記インクジェットカートリッジ内に配置され、ブドウ抽出物を含む、可食性且つ水性のインクと、
を備え、
前記可食性インクは、下記i~ivを備えており、
i.蛍光体としての、0.05%wt/wt~1%wt/wtのリボフラビン及び/又はリン酸リボフラビン
ii.少なくとも4%wt/wtのブドウ抽出物固形物であって、白色光条件下での前記インクの主要着色剤であり、任意で最大でも20%wt/wtのブドウ抽出物固形物
iii.少なくとも5%wt/wtの保湿剤、又は少なくとも10%wt/wtの保湿剤、又は少なくとも15%wt/wtの保湿剤、又は少なくとも20%wt/wtの保湿剤、又は少なくとも25%wt/wtの保湿剤、又は少なくとも30%wt/wtの保湿剤、又は少なくとも35%wt/wtの保湿剤
iv.30%wt/wt~85%wtの水(例えば、40%wt/wt~85%wt/wtの水、又は40%wt/wt~85%wt/wtの水)
ここで、白色光条件下で前記インクは紫又は茶又はその間の色合いであり、ブラックライト条件下でリボフラビン及び/又はリボフラビンリン酸は前記インクの主要蛍光体である、製品。
【請求項7】
請求項6に記載の製品であって、エタノールをさらに含む、製品。
【請求項8】
請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の製品であって、
白色光条件下で、前記インクのLAB値とLAB点(77,11,94)(例えば、黄の色合い)との間の距離が、少なくとも50、又は少なくとも55、又は少なくとも60である、製品。
【請求項9】
請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の製品であって。
前記可食性インクが、40%wt/wt~85%wt/wtの水、又は40%wt/wt~85%wt/wtの水を含む、製品。
【請求項10】
蛍光インク像を製造するための製品であって、
a.インクジェットカートリッジと、
b.インクジェットカートリッジ内に配置された未発酵麦芽ベースのインク調合物と、
を含み、
前記インク調合物は、
i.蛍光体としての、0.05%wt/wt~1%wt/wtのリボフラビン及び/又はリボフラビンリン酸と、
ii.未発酵の麦汁と、
iii.保湿性付与のための保湿剤と、
iv.前記インク調合物のpHを4.0以下に維持するためのpH調整剤と、
を含み、
前記インク調合物は、可食性且つ水性であり、下記i~iiiの全ての構造的特性を有する、製品。
i.未発酵麦汁は、前記インク調合物の主要着色剤である。
ii.前記インク調合物の25℃粘度が最大でも7センチポアズである。
iii.前記インク調合物は、EBC(European Brewing Convention)番号が少なくとも1800着色剤単位であることを特徴とするものである。
iii.前記インク調合物のEBC番号とその25℃粘度との間の比率は、少なくとも350(センチポアズ)-1である。
【請求項11】
請求項10に記載の製品であって、
前記配合物の前記EBCが少なくとも2500着色剤単位であり、
前記インクがエタノールを含まないか、又は、
下記(i)と(ii)との比が、最大でも3、若しくは最大でも2、若しくは最大でも1.5、若しくは最大でも1、若しくは最大でも0.5である、製品。
(i)前記インク中のエタノールのwt/wt含有量
(ii)グリセロール及びグリセリンの合計wt/wt含有量の比率
【請求項12】
請求項10又は請求項11に記載の製品であって、
白色光下において、前記インクが、茶色であるか又は、茶と赤茶との間の色合いであり、
ブラックライト下において、リボフラビン及び/又はリボフラビンリン酸が前記インクの主要蛍光体である、製品。
【請求項13】
請求項1~請求項12のいずれか1項に記載の製品であって、
白色光条件下で、前記インクのLAB値とLAB点(77,11,94)(例えば、黄の色合い)との間の距離が、少なくとも50、又は少なくとも55、又は少なくとも60である、製品。
【請求項14】
請求項1~請求項13のいずれか1項に記載の製品であって、
前記未発酵麦芽ベースのインク調合物におけるリボフラビン及び/又はリボフラビンリン酸の含有量は、0.05%~0.5%、又は0.05%~0.4%、又は0.05%~0.3%wt/wtである、製品。
【請求項15】
請求項10~請求項14のいずれか1項に記載の製品であって、
下記の(i)と(ii)との間の比が、少なくとも1.5、又は少なくとも2、又は少なくとも3である、製品。
(i)前記可食性インク中の前記麦汁の存在に起因する可視域光学密度
(ii)前記可食性インク中の前記蛍光体(複数可)の存在に起因する可視域光学密度
【請求項16】
請求項1~請求項15のいずれか1項に記載の製品であって、
下記の(i)と(ii)との間の比が、少なくとも1.5、又は少なくとも2、又は少なくとも3である、製品。
(i)前記可食性インク中の天然着色剤保有植物質の存在に起因する可視域光学密度
(ii)前記可食性インク中の食用品(複数可)の存在に起因する可視域光学密度
【請求項17】
印刷方法であって、
請求項1~請求項16のいずれか1項に記載の製品を提供するステップと、
食品若しくは飲料の表面等の可食性基材又はターゲット基材の、上に又は中に対して、前記可食性インクの液滴を付着させることによって、インク像を形成するステップと、
を備える、方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法であって、前記インク像が可食性である、方法。
【請求項19】
請求項17又は請求項18に記載の方法であって、前記像がサーマルインクジェットで形成される、方法。
【請求項20】
請求項17又は請求項18に記載の方法であって、前記像がピエゾインクジェットで形成される、方法。
【請求項21】
請求項17~請求項20のいずれか1項に記載の方法であって、
視認するステップをさらに備え、
前記視認するステップは、前記インク像をブラックライト下で又は450nmに調整されたLED光下で見るもの、及び/又は前記インク像をブラックライト条件で見るものである、方法。
【請求項22】
請求項17~請求項21のいずれか1項に記載の方法であって、
可視光下では、前記インク像がモノクロームであり、
ブラックライト又は450nmに調整されたLED光の下では、前記インク像がマルチカラーである、方法。
【請求項23】
請求項17~請求項22のいずれか1項に記載の方法であって、
前記インク像は、前記可食性インクのみから形成され、単一リザーバで生成したインク像である、方法。
【請求項24】
印刷方法であって、ステップaとステップbとステップcとを備え、
前記ステップaは、天然着色剤保有植物質及び蛍光体を含む可食性インクを提供し、
前記ステップbは、例えばコンピュータメモリに記憶されたデジタル像を受け取り、前記デジタルは、非一様幾何学及び/又は非一様色の特徴を提供するものであり、
前記ステップcは、可食性インクの液滴を、任意に可食性である基材の表面に又は内部に付着させ、前記デジタル像をインク像に変換し、
前記インク像は、白色光下ではモノクロームであるが、ブラックライト又は450nmLED光の下ではマルチカラーであり、
i.前記インク像は、前記可食性インクの単一リザーバ液滴付着のみを行うことで形成される、方法。
【請求項25】
請求項24に記載の方法であって、
ii.印刷は、マッピングを実施するものであり、
前記マッピングは、前記デジタル像の色又は幾何学的特徴を、ブラックライト可視色で描くものである、方法。
【請求項26】
請求項24に記載の方法であって、
前記可食性インクの液滴密度及び液滴サイズの少なくとも一方を調節することにより、ブラックライト視認可能色をターゲットにして実施する、方法。
【請求項27】
印刷方法であって、ステップa及びステップbを備え、
前記ステップaは、下記の印刷(i)及び印刷(ii)のためのカラー印刷命令をデジタルコンピュータに受信し、
前記印刷(i)は、デジタル像の第1部分及び/又は画素の第1グループ及び/又は第1の像サブセクションを、第1の色で印刷することであり、且つ、
前記印刷(ii)は、デジタル像の第1部分及び/又は画素の第2のグループ及び/又は第2の像サブセクションを、第2の色で印刷することであり、
前記ステップbは、請求項1~請求項16のいずれか1項に記載の製品における可食性且つ水性のインクの液滴を付着(例えばインクジェット)させることにより、前記カラー印刷命令を実施し、
前記可食性且つ水性のインクは、インクジェットカートリッジ内に配置され、
前記液滴は、前記インク像の一部の液滴密度及び/又は液滴サイズ及び/又はグレースケールを調節することによって、ターゲット表面に付着させられ、
前記第1の色での印刷に応答して液滴サイズ及び/又は密度及び/又は被覆率及び/又はグレースケールを増加させ、前記第2の色での印刷に応答して液滴サイズ及び/又は密度及び/又は被覆率及び/又はグレースケールを減少させる、方法。
【請求項28】
請求項27に記載の方法であって、
前記ステップbは、単一インク像の印刷を行い、
前記単一インク像の印刷は、前記像を形成するために単一のインクのみを付着させる、方法。
【請求項29】
請求項27~請求項28のいずれか1項に記載の方法であって、
前記ステップbは、白色光下で見た場合にモノクロームであり且つブラックライト下で見た場合にマルチカラーである像を印刷する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本特許出願は、2020年5月16日に出願された米国仮特許出願番号第63026038号の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明の実施形態は、可食性インク調合物、インクジェットカートリッジを含む製品、及びインク像、例えば可食性インク像を印刷する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
発泡飲料の上面に印刷を行うことは当技術分野で知られている。例えば、米国特許出願公開20190200799号、米国特許出願公開20170066252号、国際特許出願2018/058224号、米国特許出願公開20150251470号、米国特許出願公開20150147444号、米国特許出願公開20090317519号(全て参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい。
【発明の概要】
【0004】
本発明の実施形態は、以下の成分(i)及び(ii)の両方を含む可食性インクを使用して、可食性インク像をインクジェット印刷することに関する。即ち、可食性インクは(i)蛍光体、及び(ii)未発酵の麦汁及び/又は植物質の抽出物(即ち、焙煎又は未焙煎)又はその固形物を含む。いくつかの実施形態では、蛍光体は、リボフラビン及び/又はリボフラビンリン酸である。
【0005】
リボフラビン及び/又はリボフラビンリン酸に関連する幾つかの例において、以下の特徴(A)及び(B)が同時に提供される。即ち、(特徴A)食用インクは、蛍光性食用インク像を(即ちインクジェット印刷によって)製造するために十分なリボフラビン及び/又はリボフラビンリン酸を含むものであり、(特徴B)可視白色光の下で、可食性インク像のインクドット色(例えば、白色又は茶色又は薄茶色の泡に印刷される)は、蛍光体の天然可視光着色剤とは異なる(即ち、リボフラビン及び/又はリボフラビンリン酸については、天然可視光着色剤が黄色であってよい)。従って、水性の可食性インクを使用して、蛍光性の赤及び/又は茶及び/又は紫のインク像を(例えば、白又は薄茶色の背景上に)印刷することが可能となった。
【0006】
例えば、特定の商業的状況(例えば、レストラン又はバーで、又は飲料自動販売機用)において、消費者は、「黄インク」を使用して可視像を印刷することを望まず、代わりに赤又は茶又は紫インクを好み、これらの色は消費者にとって黄色よりも受け入れられやすいかもしれない。しかしながら、リボフラビン及び/又はリン酸リボフラビンの蛍光特性を提供することも依然として望まれており、例えば、同じ消費者がブラックライト下で蛍光インク画像(例えば、ブラックライト下で黄色)を観察できる。
【0007】
主要な可視光着色剤がリボフラビン及び/又はリン酸リボフラビンである調合物(即ち、「黄インク」)を使用して印刷をする代わりに、現在開示されている幾つかの可食性インク調合物(及び関連する製品、システム及び方法)は、インク調合物内に複数の可視光着色剤を含んでおり、当該インク調合物は次のものを含む。即ち、(i)未発酵麦汁及び/又は着色剤保有植物材料(例えば、その抽出物又は固形物)であって、その機能が第1可視光着色剤を有する(例えば含有する)もの、及び(ii)第2可視光着色剤であるリボフラビン及び/又はリボフラビンリン酸である。これら2つの可視光着色剤の間の相対的な濃度は、前段落に開示された特徴を検証するのに有用と考えられる。
【0008】
いくつかの実施形態において(i)可食性インクが、「多量の」リボフラビン及び/又はリボフラビンリン酸(即ち、少なくとも0.05%wt/wt、例えば0.05%wt/wt~0.5%wt/wtのリボフラビン及び/又はリボフラビンリン酸)を含有しており、且つ(ii)未発酵麦汁が、インク調合物の主要着色剤(即ち、可視光着色剤)である。これにより、茶色又は赤茶色のインクが得られ、このインクを用いて製造された可食性インク像のインクドットも、(即ち、可視光下で)この色のインクドットを有し得る。しかしながら、このようなインク像は、依然として所望の蛍光特性を提供し得る。
【0009】
異なる実施形態において、マルチカラー像は、以下の目的(A)~(D)の1つ又は複数に従って可食性基材(例えば、発泡飲料の泡、又はライスペーパー、又はヨーグルト若しくはプリン)上に作り出されてもよく、そのうちのいくつかは互いに競合し得るものである。即ち、(A)人工色を含むインクに頼らずに(又はリボフラビン又はリボフラビンリン酸のような特定の「許容される」人工色のみを含むインクに頼らずに)可食性マルチカラー像を生成すること、及び/又は、(B)インクジェット可能な流体を使用して可食性マルチカラー像を生成すること(例えば、長期間にわたってインクポッドに収容された後でも)、(C)液滴の偏向なしに鮮明な像を生成可能なインク(又は印刷プロセス)が使用される(例えば、サーマルインクジェット又はバブルジェットを使用する)こと、及び/又は、(D)微生物の増殖に対して安定した可食性流体が使用されること、である。
【0010】
この「発明の概要」の欄では、少数の実施形態を説明しているに過ぎず、本明細書にはさらに多くの実施形態が記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1A】インクジェットプリンタの例を示す図である。
図1B】インクジェットプリンタの例を示す図である。
図1C】インクジェットプリンタの例を示す図である。
図1D】インクジェットプリンタの例を示す図である。
図1E】第1液体と第2液体の内容物を説明する例に関する図である。
図1F】ベン図である。
図2A-B】天然着色性植物抽出物と蛍光体を含有する可食性インクの液滴を、ミルク又はビールの泡又はペーパー上に付着させて印刷した像の写真である。
図3A-B】天然着色性植物抽出物と蛍光体を含有する可食性インクの液滴を、ミルク又はビールの泡又はペーパー上に付着させて印刷した像の写真である。
図4A-B】天然着色性植物抽出物と蛍光体を含有する可食性インクの液滴を、ミルク又はビールの泡又はペーパー上に付着させて印刷した像の写真である。
図5A-B】天然着色性植物抽出物と蛍光体を含有する可食性インクの液滴を、ミルク又はビールの泡又はペーパー上に付着させて印刷した像の写真である。
図6A-B】天然着色性植物抽出物と蛍光体を含有する可食性インクの液滴を、ミルク又はビールの泡又はペーパー上に付着させて印刷した像の写真である。
図7A-B】天然着色性植物抽出物と蛍光体を含有する可食性インクの液滴を、ミルク又はビールの泡又はペーパー上に付着させて印刷した像の写真である。
図9A-B】天然着色性植物抽出物と蛍光体を含有する可食性インクの液滴を、ミルク又はビールの泡又はペーパー上に付着させて印刷した像の写真である。
図10A-B】天然着色性植物抽出物と蛍光体を含有する可食性インクの液滴を、ミルク又はビールの泡又はペーパー上に付着させて印刷した像の写真である。
図11A-B】天然着色性植物抽出物と蛍光体を含有する可食性インクの液滴を、ミルク又はビールの泡又はペーパー上に付着させて印刷した像の写真である。
図12A-B】天然着色性植物抽出物と蛍光体を含有する可食性インクの液滴を、ミルク又はビールの泡又はペーパー上に付着させて印刷した像の写真である。
図13A-B】天然着色性植物抽出物と蛍光体を含有する可食性インクの液滴を、ミルク又はビールの泡又はペーパー上に付着させて印刷した像の写真である。
図14A-B】天然着色性植物抽出物と蛍光体を含有する可食性インクの液滴を、ミルク又はビールの泡又はペーパー上に付着させて印刷した像の写真である。
図15A-B】天然着色性植物抽出物と蛍光体を含有する可食性インクの液滴を、ミルク又はビールの泡又はペーパー上に付着させて印刷した像の写真である。
図16A-B】天然着色性植物抽出物と蛍光体を含有する可食性インクの液滴を、ミルク又はビールの泡又はペーパー上に付着させて印刷した像の写真である。
図17A-B】天然着色性植物抽出物と蛍光体を含有する可食性インクの液滴を、ミルク又はビールの泡又はペーパー上に付着させて印刷した像の写真である。
図18A-B】天然着色性植物抽出物と蛍光体を含有する可食性インクの液滴を、ミルク又はビールの泡又はペーパー上に付着させて印刷した像の写真である。
図19A-B】天然着色性植物抽出物と蛍光体を含有する可食性インクの液滴を、ミルク又はビールの泡又はペーパー上に付着させて印刷した像の写真である。
図20】天然着色性植物抽出物と蛍光体を含有する可食性インクの液滴を、ミルク又はビールの泡又はペーパー上に付着させて印刷した像の写真である。
図21】実施形態を説明するための図である。
図22A】インクジェットプリンタの例を示す図である。
図22B】インクジェットプリンタの例を示す図である。
図23】赤キャベツインジケータを示す図である。
図24】赤キャベツの色のpH依存性を示す図である。
図25】pHと混合比のグラフである。
図26】色と混合比のグラフである。
図27A-C】実施形態を説明するための図である。
図28】実施形態を説明するための図である。
図29】実施形態を説明するための図である。
図30】実施形態を説明するための図である。
図31】実施形態を説明するための図である。
図32】実施形態を説明するための図である。
図33A】インク像のマルチカラープロファイルを制御又は変調する装置及び方法に関する図である。
図33B】インク像のマルチカラープロファイルを制御又は変調する装置及び方法に関する図である。
図34】インク像のマルチカラープロファイルを制御又は変調する装置及び方法に関する図である。
図35A-B】インク像のマルチカラープロファイルを制御又は変調する装置及び方法に関する図である。
図36A-B】インク像のマルチカラープロファイルを制御又は変調する装置及び方法に関する図である。
図37】インク像のマルチカラープロファイルを制御又は変調する装置及び方法に関する図である。
図38A】実施形態を説明するための図である。
図38B】実施形態を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
いくつかの実施形態は、以下a及びbを含む製品に関する。
a.1つ以上のインクリザーバからなるリザーバアレイ。
b.1つ以上のリザーバ内に配置された第1インクであって、該第1インクは第1の着色剤を含み、該第1の着色剤は可視光着色剤である、インクリザーバ。
【0013】
リザーバの一例として、インクジェットカートリッジ又はそのチャンバが挙げられる。
【0014】
なお、「1つ以上のリザーバ」は、単一のリザーバ(例えば、インクジェットカートリッジ又はそのチャンバ)だけであってもよい。
【0015】
あるいは、「1つ以上のリザーバ」は、複数のリザーバであってもよい。例えば(例えば図1D及び図22Bを参照)、「複数のリザーバ」は、単一/共通のインクジェットカートリッジの第1及び第2インクストレージチャンバであってもよい。別の例では、「複数のリザーバ」は以下のようであってもよい。複数のリザーバのうちの第1リザーバは、第1インクジェットカートリッジ又はその一部(例えば、インクストレージチャンバ)であり、複数のリザーバのうちの第2リザーバは、第2インクジェットカートリッジ又はその一部(例えば、インクストレージチャンバ)であり、第2インクジェットカートリッジは第1インクジェットカートリッジとは異なる(図面では示されていない)。
【0016】
上述のように、本発明の実施形態は、1つ以上のリザーバ(複数可)内に配置された第1インクに関する。この第1インクは、単一の着色剤又は複数の着色剤から構成されてもよい。任意選択的に、「第1インク」に加えて、1つ以上の追加の流体が提供されてもよい。例えば、第1インク以外の追加インク又は別の追加流体が提供されてもよい。
【0017】
例えば、「別の追加流体」は、塩基性流体(即ち、pH>7)又はその他の方法で「第1流体」の色を変更する流体でもよく、例えば透明及び/又は無色透明の塩基性流体(例えば、図22A図32を参照)でもよい。
【0018】
図1A図1B.可食性インク調合物の液滴を付着させるためのシステム>
図1A図1Bは、インクジェットカートリッジ120(例えば、取り外し可能なカートリッジ)(例えば、サーマルインクジェットカートリッジ)が装填されたインクジェットプリンタ100を含むシステムを示している。カートリッジ120の少なくとも1つのチャンバ又はリザーバは、ターゲット基材160に付着される液滴130を生成するための量の可食性インク190を含んでいる。液滴130から、ターゲット基材160上に印刷デザイン140を生成するために、電子回路170(例えば、コントローラ174を含む)の出力に従って、付着が実行される。
【0019】
ここで開示される任意の教示又は実施形態に関連するターゲット基材160の例には、任意の食品、任意の泡(例えば、飲料の泡)、任意の飲料、ヨーグルト、ミルクセーキ、又は固体物質が含まれるが、これらに限定されるものではない。例えば、発泡面は、ビール泡、卵白泡、ミルク泡、及び代用ミルク泡、大豆泡、アクアファバ泡、ヒヨコ豆泡、ニトロ泡(窒素を注入した飲料を意味し、飲料と窒素気泡の混合泡を生成)、キラヤエキス、ユッカエキスからなる群から選択される。例えば、ターゲット基材160は、カクテル、ビール、コーヒー、茶(即ち、チャイ、抹茶)、ミルクシェイク、フルーツシェイク、及び野菜シェイクからなる群から選択される。
【0020】
例えば、コントローラ174は、ターゲット基材160上に(印刷デザイン140の)パターンを生成するために、液滴130が付着される位置(及び/又は液滴サイズ(複数可))を調整する。例えば、液滴付着は、揮発性及び/又は不揮発性コンピュータ記憶装置に記憶されたデジタル像178の幾何学的及び/又は色の特徴を再現するために(例えば、「像を印刷する」ために)行われる。いくつかの実施形態では、カートリッジ120は、カートリッジポート110に配備される。
【0021】
いくつかの実施形態において、カートリッジ120は、流体の単一のチャンバのみを有しており、例えば周知の「黒インクのみ」のインクジェットカートリッジと類似の構造を有する。あるいは、カートリッジ120は、流体の複数のチャンバを有し、そのうちの少なくとも1つに可食性インク190(例えばカートリッジ)が装填されている。
【0022】
図1Cは、複数の流体リザーバ198A、198Bから液滴を付着させるように構成されたインクジェットプリンタを示している。特に、第1流体194Aは第1リザーバ194A内に存在し、第2流体194Bは第2リザーバ194B内に存在する。図1Cにおける1つの非限定的な例が、図1Dに示されている。この例では、第1リザーバ194Aは、マルチチャンバカートリッジ192の第1チャンバ222Aであり、第2リザーバ194Bは、マルチチャンバカートリッジ192の第2チャンバ222Bである。
【0023】
一例として、第1流体及び第2流体の両方がインクである。例えば、第1流体は少なくとも第1着色剤を含んでもよく、第1着色剤は少なくとも可視光着色剤であり、第2流体は少なくとも第2着色剤を含んでもよく、第2着色剤は少なくとも蛍光体である。
【0024】
図1C又は図1Dの実施形態において、液滴は、回路170の出力に従って(例えば、それによって制御されて)付着させられてもよい。例えば、この出力は、いずれかのリザーバからの液滴のサイズ及び/又は位置を制御してもよい。例えば、回路170の出力は、第1及び第2リザーバからの液滴130A、130Bの間の混合(基材160内又は基材160上の混合)を調節するように構成されてもよく、例えばこれらの液滴の共通の位置又はそれらの間の混合に十分近い位置への付着を生じさせてもよい。回路170の出力は、基材内又は基材上の液滴間の混合(例えば、第1及び第2流体の相対量)、及び/又は基材内又は基材上の液滴のハーフトーニングを制御するために使用されてもよい。
【0025】
いくつかの実施形態において、ターゲット基材160は、流動性及び/又は可食性を持つ物質、又はそれらを含むものであり、例えば飲料の上面及び/又は泡である(例えば、図1Bを参照)。
【0026】
図1Eは、図1C図1Dに関連するいくつかの例を示す図である。
【0027】
(電子回路170についての注記)
「電子回路」又は「回路」は、任意のハードウェア(例えば、デジタル及び/又はアナログ電子機器)、又はソフトウェア又はそれらの組合せをいう。いくつかの実施形態では、「回路」は、デジタルコンピュータを含む。"分析回路"は、データ分析機能を実行するように構成された電子回路である。"メモリ"又は"ストレージ"(相互に関連して使用される)は、揮発性(例えばRAM)及び/又は不揮発性(例えばフラッシュ又は磁気媒体)コンピュータストレージを指す。"回路"又は"メモリ"は、所与のデバイス(又は局所的に結合されたデバイス)に対して局所的であってもよいし、非局所的に分散されていてもよい。回路170はインクジェットカートリッジ(複数可)の外部に示されているが、これは限定ではなく、いくつかの実施形態では、回路170の少なくとも一部は任意の(例えばインクジェット及び/又は取り外し可能な)カートリッジ内に存在する。
【0028】
図1E図1C図1Dに関連する実施例の図.可食性インク190の種類>
本開示は、1つの文書内で複数種類の可食性インクを提示する。本開示に係る可食性インクの幾つか(全てではない)は、蛍光性である。本開示に係る可食性インクの幾つか(全てではない)は、未焙煎天然着色剤保有植物質の抽出物を(例えば、インクの主要着色剤として)含んでいる。
【0029】
図1Fは、本明細書で説明する幾つかの異なる種類のインクについてのベン図を示す。
【0030】
蛍光性を有し、且つ可視光着色剤として天然着色剤保有植物質抽出物を含んでいるインクを、本明細書ではカテゴリ「A」のインクと称する。カテゴリAのインクの例としては、実施例の欄において実施例1~実施例43に記載したものが挙げられる。
【0031】
蛍光性を有するが、天然着色剤保有植物質の抽出物を含まないインクを、本明細書ではカテゴリ「B」のインクと称する。カテゴリBのインクの例としては、実施例の欄において実施例4に記載したものが挙げられる。
【0032】
蛍光性ではないが、可視光着色剤として天然着色剤保有植物質の抽出物を含むインクを、本明細書ではカテゴリ「C」インクと称する。カテゴリCのインクの例としては、実施例の欄において実施例7~実施例8に記載したものが挙げられる。
【0033】
いくつかの実施形態では、可食性インク(即ち、カテゴリA、カテゴリB、及びカテゴリCのインクを含む、本開示に係る任意のインク)は、以下の各種特徴のうちの1つ以上(即ち、任意の組み合わせ)を提供し得る。
【0034】
(I)人工的な成分や原材料を避けることに関する特徴
いくつかの実施形態において、インクは、人工的な可視光着色剤を含まないか、或いはその最小限の量のみを含むものである。いくつかの実施形態では、(1)インクが蛍光性であり、且つリボフラビンリン酸等の蛍光体である単一の人工可視光着色剤を含み、(2)この単一の可視光着色剤以外のもの(即ち、蛍光のために必要なもの)である。
本発明の実施形態において、インク調合物は、米国農務省(USDA)食品安全検査局食品基準及び表示政策書(方針書)に適合しており、そこで要求される事項として、人工又は合成の成分や化学防腐剤を含まず、最小限の加工を施した場合にのみ、製品が「天然」であることを主張することができる(USDA2005)。本書では、これを「USDA方針書に従って天然と表示すること」と称する。
【0035】
(II)インクジェット性に関連する特徴
例えば、サーマルインクジェットプリンターからの噴射性に関連する。これは、例えば、インク調合物の粘度及び/又は表面張力に関連することを要求することができる。
【0036】
(III)可食性インクの貯蔵寿命に関連する特徴
例えば、これは、特定のpH及び/又は抗微生物剤の存在を必要とする、可食性インク調合物の可食性製品としての貯蔵寿命に関連し得る。代替的又は追加的に、これは、インク調合物が噴射性能特性(即ち、一般的な特性又は特定の特性のいずれかであり、例えばノズルの詰まりを回避する能力、液滴の偏向を回避する能力、又はサーマルインクジェットカートリッジのノズルからインク調合物を吐出してインク調合物から液滴を形成する能力など)を、長期間(例えば、少なくとも数日又は数週間又は数ヶ月間)にわたって保持する能力に関連し得る。
【0037】
(IV)例えば1つ以上の可視光波長において、高い可視光光学密度を有することに関連する特徴
【0038】
(V)インクの特定の可視光色に関連する特徴
例えば後述するように、いくつかの実施形態では、インクの可視光色がその蛍光体(複数可)とは異なる必要がある。
【0039】
(vi)液滴付着によって、かつ液体の単一のリザーバから、紫外線(例えばUVA)下で見たときにマルチカラーであるインク像を生成するインクの能力に関連する特徴
【0040】
(vii)インク調合物の水含有量に関する特徴
異なる実施形態において、インク調合物は、少なくとも40%wt/wt、又は少なくとも50%wt/wtの水、及び/又は最大でも85%wt/wt、又は最大でも80%wt/wt、又は最大でも70%wt/wtの水を含んでいる。
【0041】
いくつかの実施形態では、これらの特徴のうちの1つ以上を提供するインク調合物に対しての要求事項は、競合する設計上の懸念に関連し得る。例えば、許容可能な貯蔵寿命を有しながら、人工的な抗微生物剤を使用しないインクを提供することが求められる。別の例では、インクの粘度が最大値以下であることが(例えば、噴射性のために)要求され得る一方で、インクがさらに最小の光学密度又は蛍光性を提供することも要求され得る(即ち、可視光着色剤及び/又は蛍光体の濃度を増加させると、粘度が増加する可能性がある)。
【0042】
<定義>
本項ではいくつかの定義を述べる。その他の定義は本書中の他の箇所で述べる。
【0043】
不可視光源(又はしばしばブラックライト)は、UV-Aライト、ウッズランプ、紫外光源とも呼ばれ、長波長(UV-A)紫外線を照射し、可視光はほとんど照射しないランプである。
【0044】
本開示において、「白色光可視着色剤」は、可視光スペクトルで光学的密度を有する着色剤である。このような着色剤は、白色光のもとで視認することができる。インク又はその着色剤は、ブラックライトの下で見た場合と、白色光(即ち、広帯域光及び可視光)の下で見た場合とで、異なる色を有し得る。
【0045】
ある物品(例えば、そのインク又は着色剤又はそこから印刷された像)の「白色光可視色」とは、その物品の「色」の通常の意味、即ち、白色光(即ち、広帯域かつ可視)の下で見たときの色を意味する。本開示では、特に指定がない限り(又は文脈から明らかな限り)、物品の「色」は、物品の「白色光可視色」である。
【0046】
白色光条件下で物体を見ると、白色広帯域可視光で物体が照らされる。
【0047】
現時点で開示されるインク調合物は、少なくとも可視波長において光学密度を示し、この光学密度は、波長の関数として変動する。「光学密度が最大となる可視波長」とは、インク調合物の光学密度が最大となる可視波長である。
【0048】
所与の成分(例えば、黒ニンジン抽出物固形物、ブドウ抽出物固形物、未発酵麦汁)がインク調合物の「主要着色剤」である場合には、インク調合物中における所与の成分の存在が、「最大の光学密度の可視波長」におけるインク調合物の吸光度の少なくとも75%、又は少なくとも80%、又は少なくとも85%、又は少なくとも90%、又は少なくとも95%、又は少なくとも97%の寄与をしていることを意味する。
【0049】
所与の成分(例えば、リボフラビン、リボフラビンリン酸、クロロフィル)が「インク調合物の主要蛍光体」である場合、これは、調合物中の所与の成分の存在がインク調合物の蛍光の少なくとも75%、又は少なくとも80%、又は少なくとも85%、又は少なくとも90%、又は少なくとも95%、又は少なくとも97%の寄与をしていることを意味する。
【0050】
<可食性インク190>
予備的考察.本明細書では新規なインク調合物が開示される。
【0051】
いくつかの実施形態では、可食性インク190は、後述する天然着色剤保有植物質の抽出物を含んでいる。例えば、天然着色剤保有植物質は、焙煎されていてもよく、未焙煎でもよい。例えば、天然着色剤保有植物質の抽出物(例えば、1種類の植物質から、又は複数種類の植物質から集合的に抽出されたもの)は、インク調合物の主要着色剤であってもよい。
【0052】
代替的又は追加的に、可食性インクは、1つ以上の蛍光体(複数可)を含む。
【0053】
いくつかの実施形態は、蛍光性、可食性及び水性のインク調合物に関し、このインク調合物は第1及び第2着色剤を含む。ここで、少なくとも第1着色剤は白色光可視着色剤であり、第2着色剤は蛍光体である。例えば、第1着色剤は、天然着色剤保有植物質の抽出物又は麦芽抽出物(例えば、焙煎麦芽の抽出物)若しくはコーヒー抽出物(例えば、焙煎コーヒーの抽出物)であってもよい。
【0054】
いくつかの実施形態では、(i)第1及び第2着色剤の両方が白色光可視着色剤であり(即ち、第2着色剤は白色光可視着色剤であると同時に蛍光体でもある)、且つ(ii)インク調合物内に第1着色剤が存在することは、インク調合物全体の白色光可視色(例えば、実施例1のインクは赤又はオレンジ)が、第2着色剤の白色光可視色(例えば、実施例1の第2着色剤は黄、又は黄を帯びた色)とは「著しく異なる」ことを意味している。
【0055】
これは、これまで認識されていなかった課題の解決に有用であり得るものであり、その課題とは可食性でインクジェット可能な調合物をいかにして提供するかということであり、ここで(i)「インク調合物の主要蛍光体」が可視光光学密度を提供し、特定の「白色光可視色」を有し、且つ(ii)この特定の「白色光可視色」が望ましくなく、(即ちインク調合物全体として)異なる色が好まれる。ある特定の例では、蛍光体、又は主要蛍光体としてリボフラビン又はリボフラビン酸を採用することが望まれる。しかしながら、インク調合物は全体として、リボフラビンを特徴付ける黄又は「黄色みがかった」色とは著しく異なる色を有することが好ましく、例えば、白色光色が赤又は茶又は紫又はオレンジであるインク調合物を提供することが好ましい。
【0056】
後述の実施例欄における実施例1(「第2着色剤」としてのリボフラビン5'リン酸及び「第1着色剤」としての黒ニンジン抽出物を含む)のインク調合物を考察し、以下に詳述する。インク調合物中にリボフラビン5'リン酸が0.1%wt/wtの濃度レベルで存在するにもかかわらず、インク調合物の白色光可視色は赤又は赤みがかった色であり、その主要蛍光体の白色光可視色とは大きく異なっている。後述の図2A図3A図4A図5A図6A、及び図7Aを参照されたい。
【0057】
後述の実施例欄における実施例2(「第2着色剤」としてのリボフラビン5'リン酸及び「第1着色剤」としてのブドウ抽出物を含む)のインク調合物を考察し、以下でより詳細に後述する。インク調合物中にリボフラビン5'リン酸が0.1%wt/wtの濃度レベルで存在するにもかかわらず、インク調合物の白色光可視色は、赤、又は赤味を帯びた色、又は茶色味を帯びた赤であり、その主要蛍光体の白色光可視色と大きく異なる。後述の図11A図12A図13A図14A図15Aを参照されたい。
【0058】
後述の実施例における実施例3のインク調合物(「第2着色剤」としてのリボフラビン5'リン酸と「第1着色剤」としての未発酵麦汁とを含む)については、インク調合物中に0.1%wt/wtの濃度レベルのリボフラビン5'リン酸が存在するにもかかわらず、インク調合物の白色光可視色は茶系色又は茶系の赤であり、その主要蛍光体の白色光可視色とは大きく異なる。後述の図16A図17A及び図18Aを参照されたい。
【0059】
幾つかの実施形態では、第1及び第2着色剤の相対的な濃度は、全体としてインク調合物の特定の「ターゲット」色を提供するように選択される。
【0060】
(実施例1~実施例3のインク調合物を使用して印刷された像の写真(白色光条件とブラックライト条件に関する第2の考察)))
図2図7及び図11図15は、天然着色剤保有植物質抽出物と蛍光体とを含有する可食性インクの液滴をミルク又はビールの泡に付着させて印刷した像の写真である。
【0061】
具体的には、図2A図2Bは、実施例1のインクを使用して作製した第1インク像(即ち、同一インク像)の写真であり、図3A図3Bは、実施例1のインクを用いて作製した第2インク像(即ち、同一のインク像)の写真であり、図4A図4Bは、実施例1のインクを用いて作製された第3インク像(即ち、同一のインク像)の写真であり、図5A図5Bは、実施例1のインクを用いて作製した第4インク像(即ち、同一のインク像)の写真であり、図6A図6Bは、実施例1のインクを用いて作製した第5インク像(即ち、同一のインク像)の写真であり、図7A図7Bは、実施例1のインクを用いて作製した第6インク像(即ち、同一のインク像)の写真である。図2A図3A図4A図5A図6A及び図7Aの写真はすべて白色光下で撮影され、図2B図3B図4B図5B図6B及び図7Bの写真はすべてブラックライト下で撮影されたものである。図2図7の全ての写真は、ターゲット基材160が可食性の泡(ビール泡又はミルク泡のいずれか)である状況に関するものである。いくつかの実施形態では、ミルク泡の代わりに、代用ミルクから又は卵白から製造された泡(又は適宜の他の可食性泡)が採用され得る。
【0062】
具体的には、図11A図11Bは、実施例2のインクを使用して作製された第1インク像(即ち、同一のインク像)の写真であり、図12A図12Bは、実施例2のインクを用いて作製された第2インク像(即ち、同一のインク像)の写真であり、図13A図13Bは、実施例2のインクを用いて作製した第3インク像(即ち、同一のインク像)の写真であり、図14A図14Bは、実施例2のインクを用いて作製した第4インク像(即ち、同一のインク像)の写真であり、図15A図15Bは、実施例2のインクを用いて作製した第5インク像(即ち、同一のインク像)の写真である。図11A図12A図13A図14A、及び図15Aの写真はすべて白色光下で撮影され、図11B図12B図13B図14B、及び図15Bの写真はすべてブラックライト下で撮影されたものである。図11図15の全ての写真は、ターゲット基材160が可食性の泡(ビール泡又はミルク泡のいずれか)である状況に関するものである。いくつかの実施形態では、ミルク泡の代わりに、代用ミルクから又は卵白から製造された泡(又は適宜の他の可食性泡)が採用され得る。
【0063】
図16図17に、未発酵麦汁(例えば、麦芽穀物の麦汁)と蛍光体(即ち、リボフラビンリン酸)の両方を含有する可食性インクの液滴をミルク又はビールの泡に付着させて印刷した像を示す写真である。
【0064】
具体的には、図16A図16Bは、実施例3のインクを用いて作製された第1インク像(即ち、同一のインク像)の写真であり、図17A図17Bは、実施例3のインクを用いて作製された第2インク像(即ち、同一のインク像)の写真である。図16図17の全ての写真は、ターゲット基材160が可食性泡(ビール泡又はミルク泡のいずれか)である状況に関するものである。いくつかの実施形態では、ミルク泡の代わりに、代用ミルクから又は卵白から製造された泡(又は適宜の他の可食性泡)が採用され得る。
【0065】
図20は、蛍光体(複数可)として機能するクロロフィルを含有する可食性インクの液滴を、ミルク泡に付着させて印刷した像を示す写真である。図20の写真は、ブラックライト下で撮影されたものである。
【0066】
図34図37を参照して後述するように、いくつかの実施形態は、単一のインクジェットカートリッジのみから、ブラックライト(即ちUVA)の光の下で見たときにマルチカラーである像を生成するように、蛍光性及び可食性インクの液滴の位置及び/又はサイズを調節する方法に関するものである。これらの方法についての考察を以下に述べる。
【0067】
注意事項:特定の像(図3B)において、「I taste good」の文字が赤(又は薄赤)く、且つ黄色い輪郭で表示される。
【0068】
カラー図形(例えば図3Aにおける「I taste good」の文字)の場合に、以下のRGBと関連しうる。即ち、図3AではRGB:148,62,41に、図3BではRGB:167,134,98に、図4AではRGB:143,91,74に、図4BではRGB:214,219,72に、図5AではRGB:169,104,85に、図5BではRGB:223,231,82に、図6AではRGB:189,102,86に、図6Bにおいて「Drink me」はRGB:187,226,158に、「I taste good」は、RGB:193,171,101に、図7AではRGB:183,177,168に、図7BではRGB:180,236,115に、図9AではRGB:131,77,197に、図9BではRGB:208,175,154に、図10AではRGB:208,175,154に、それぞれ関連し得る。
【0069】
未焙煎の天然着色剤保有植物質を含有するインク
幾つかの実施形態では、可食性インクは、天然着色剤保有植物質の抽出物、具体的には未焙煎植物質の抽出物を含んでいる。
【0070】
未焙煎の天然着色剤保有植物質又はその着色剤(複数可)は、人工的プロセス(例えば、焙煎及び/又は熱分解)により製造された着色剤と対照的であり、即ちメイラード粒子又はカラメルのようなメイラード及び/又はカラメル化生成物と対照的である。
【0071】
天然着色剤保有植物質は、植物質内に天然に存在する1つ以上の天然着色剤の任意の組合せを含む植物質である。天然着色剤(複数可)は、天然の染料又は顔料であってもよい。
【0072】
当該着色剤は、植物質の抽出物の固形物(例えば、調合物の水分に溶解及び/又は懸濁)としてインク調合物内に存在する。本発明の実施形態において、これは、植物質原料から予め分離されその後インク調合物に添加される着色剤とは対照的である。
【0073】
異なる実施形態において、天然着色剤保有植物質の抽出物は、以下(i)~(iv)の1つ以上の抽出物(又はそれらの組合せ)を含んでいてもよい。
(i)果実、例えば、ブドウ、クランベリー、カラント、ブルーベリー、トマト、カシス、アナトー、及び/又は任意のベリーの抽出物
(ii)野菜及び/又は葉及び/又は花及び/又は皮及び/又は根及び/又は種子及び/又は茎及び/又は樹皮及び/又は殻、例えばニンジン、黒ニンジン、ビート、ビーツ、ホウレンソウ、黄ニンジン、キャベツ及び/又は赤米の抽出物
(iii)穀類、例えば、赤米の抽出物
(iv)香辛料、例えば、ターメリック、パプリカ
【0074】
上述したように、天然着色剤保有植物質とは、天然着色剤を含む植物質のことである。着色剤としては、アントシアニン、クロロフィリン(例えば、銅クロロフィリン)、カロチノイド色素、ビキシン、ノルビキシン、フラボノイド、インドール由来色素(例えば、ベタレイン)、カルミン、ルテイン、キサントフィル又は自然界に存在する他の着色剤のうちの1つ又はそれ以上(即ち任意の組み合わせ)を挙げることができる。
【0075】
人工的な供給源からそのような着色剤を提供する代わりに、植物質の抽出物、特に未焙煎の植物質の抽出物に依拠する(例えば、専ら依拠する)ことが可能である。
【0076】
これにより可食性インクが提供され、この可食性インクは、天然食品の要件に適合し、かつ食品又は飲料(例えば、ビールなどの発泡飲料の泡、その上面に卵白物を有する飲料(例えば、カクテル)、及びカプチーノなどのコーヒー飲料)に像(例えば、インクジェット像で)を印刷するために十分な光学密度を有する。この目的に向けて、可食性インク調合物中に、(例えば未焙煎の)植物質の抽出物が、必要光学密度を提供するのに十分な濃度で存在することが必要であり得る。
【0077】
限定されないが、そのような必要光学密度は、比較的小さな液滴、例えば最大で60ピコリットル又は最大で50ピコリットル又は最大で40ピコリットルのサイズを有する液滴を使用して、像の印刷を可能にし得るものであり、例えば「ダブルパス」印刷を必要とせずに画素あたり単一の液滴のみを使用可能である。
【0078】
いくつかの実施形態において、可食性インクは、以下の特性を有する。水で1:90に希釈して希釈着色剤調合物を生成するとき、可視波長(例えば520ナノメートル)における希釈着色剤調合物の光学密度は少なくともODMINであり、ODMINの値は少なくとも0.5である。
【0079】
異なる実施形態において、ODMINの値は、少なくとも0.4若しくは0.5、又は少なくとも0.6、又は少なくとも0.7、又は少なくとも0.8、又は少なくとも0.9、又は少なくとも1.0である。
【0080】
いくつかの実施形態では、限定されないが、そのような小さな液滴及び/又はそのような高い光学密度は、インク調合物が1つ以上の「味の悪い」成分を含む状況において有用であり得る。そのような状況では、矛盾する設計要件は、以下の(i)及び(ii)であり得る。即ち、(i)鮮明な可視像が求められ、その像の形成のために比較的「多量の」着色剤を付着させる必要があること、及び/又は(ii)この比較的「多量」のインクを供給するために、最大でも「少量」のインクを使用する必要があること、である。
【0081】
(1つ以上の蛍光体(複数可)を含む可食性インク)
いくつかの実施形態では、可食性インクは、蛍光性であり、及び/又は1つ以上の蛍光体(複数可)を含む。
【0082】
当該インクは、以下の可食性蛍光体(複数可)の1つ以上(即ち任意の組み合わせ)を含有していてもよい。即ち、リボフラビン、リボフラビン5'-リン酸を含むリボフラビンリン酸、塩酸ピリドキシン、葉酸、硫酸キニーネ、ナイアシン、ニコチンアミド、及びクロロフィルである。
【0083】
いくつかの実施形態では、インクは、少なくとも0.05%wt/wt(例えば、少なくとも0.075%wt/wt又は少なくとも0.1%wt/wt)のリボフラビン又はリボフラビンリン酸又はリボフラビン5′-リン酸を含む。代替的に又は追加的に、リボフラビン及び/又はリボフラビンリン酸又はリボフラビン5′-リン酸の濃度は、最大で1%wt/wt又は最大で0.5%wt/wt又は最大で0.4%wt/wt又は最大で0.3%wt/wt又は最大で0.2%wt/wtとされる。
【0084】
蛍光体は、植物質の抽出物とは別の成分として存在してもよく、及び/又は比較的「高い」濃度でインク調合物中に存在してもよい。
【0085】
【数1】
【0086】
例えば、上記数式に係る比の値は、5であってもよいし、又は少なくとも10であってもよいし、又は少なくとも15であってもよいし、又は少なくとも20であってもよい。
【0087】
<蛍光インク及びその成分並びにそれから製造されるインク像の色特性(例えばLAB値)に関する考察>
本発明のいくつかの実施形態は、インクジェット印刷によって蛍光性(例えば可食性)インクからターゲット基材に像を生成する方法に関するものであり、得られた像を見たときに、視認可能(例えば高精度に視認可能)でなければならず、及び/又はターゲット基材との著しいコントラストを有していなければならない。
【0088】
これはCIELAB色空間で表すことができ(「CIE L*a*b*」として知られており、単に「Lab」色空間と略されることもある)、ここで明度値L*(又は単にL値)は、L*=0で最も暗い黒、L*=100で最も明るい白を表す。
【0089】
下記は、各色のLAB値の表である。
【0090】
【表1】
【0091】
より濃い色のほうが、L値が低い。
【0092】
LAB空間の特徴として、色間の差異を表現することが可能である。これは、それぞれの色のLAB座標間の直交距離(LAB距離ともいう)により表現される。
【0093】
下記は、各色のLAB距離の表である。
【0094】
【表2】
【0095】
このように、オレンジは赤と比較的「近い」ことが分かる(LAB距離22)。オレンジは、黄(LAB距離57)よりも赤(LAB距離22)に近い。
【0096】
以下は、デルタLの絶対値のみに関連する表である。即ち、色がどの程度暗いかを表す。このように、茶と栗色は、わずか1という|LBROWN-LMAROON|で表されるように、「暗さ」が比較的同じであることがわかる。
【0097】
【表3】
【0098】
今、図2A及び図2Bについて幾つかの考察をする。
【0099】
(i)白色光条件下で見たとき、ターゲット基材は、ほぼクリームホワイトであり、LTARGET-SUBSTRATE-UNDER-WHITE-LIGHTが80である。
【0100】
(ii)白色光条件下で見た場合、図2Aの像を生成するために使用される蛍光インクは、LINK-UNDER_WHITE_LIGHT≒40の色で、ほぼ栗色(maroon)である。
【0101】
(iii)白色光条件下で見たとき、蛍光インクとターゲット基材との間のLAB距離(例えば、栗色とクリームホワイトとの間のLABは約85である)が少なくとも50、又は少なくとも60、又は少なくとも70である。
【0102】
(iv)白色光条件下で見た蛍光インクが、白色光条件下で見たターゲット基材よりも著しく暗い(栗色及びクリーム白の場合は64)。即ち、|LINK-UNDER_WHITE_LIGHT - LTARGET-SUBSTRATE-UNDER-WHITE-LIGHT|は、少なくとも35、又は少なくとも40、又は少なくとも45、又は少なくとも50、又は少なくとも55、又は少なくとも60である。
【0103】
(v)白色光条件下で見た場合、図2Aの像の画素はほぼ栗色であり、従って図2A図2Bはターゲット基材上に像をインクジェットする方法に関し、ここで(A)白色光下で見た場合に、像の画素(例えば、蛍光インクをインクジェットすることによって生成されたインク像の少なくとも30%、又は少なくとも過半部分、又は少なくとも70%)が、ターゲット基材よりも暗い(例えば、著しく暗い)。即ち、|LPIXELS-OF-INK-IMAGE-UNDER_WHITE_LIGHT - LTARGET-SUBSTRATE-UNDER-WHITE-LIGHT|は、少なくとも35、又は少なくとも40、又は少なくとも45、又は少なくとも50、又は少なくとも55、又は少なくとも60である。
【0104】
図2A図2Bのインク像は、蛍光性を有する単一のインクのみをインクジェット処理することによって作製されたものである。例えば、図1A図1Bに示されるような配置(例えば、単一のインクのみが格納された単一のインクジェットカートリッジのみを有し、単一の(例えば、可食性及び/又は水性)インクは、第1及び第2着色剤を含み、少なくとも第1着色剤は可視光着色剤であり、第2着色剤は蛍光体である)を使用している。
【0105】
代替的に、本発明者は、図21に示すような実施形態を想定する。像は、例えば、第1及び第2流体の液滴の間のハーフトーンによって、マルチ着色剤から形成されてもよい。
【0106】
<白色光可視着色剤である第1着色剤及び蛍光体である第2着色剤を含む特定のマルチ着色剤インクに関する追記>
いくつかの実施形態では、(i)第1及び第2着色剤の両方が白色光可視着色剤であり(即ち、第2着色剤は白色光可視着色剤及び蛍光体の両方である)、且つ(ii)インク調合物内の第1着色剤の存在は、インク調合物全体の白色光可視色が第1着色剤の白色光可視色と「著しく異なる」ことを意味する。
【0107】
例として(数字は実施例1のインクに関連していてもよい)、次の(i)と(ii)との間のLAB距離は、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50又は少なくとも60であってよい(表3を参照、例えばオレンジ-黄のLAB距離、又は赤-黄のLAB距離を参照)。
(i)インク調合物全体の白色光可視色(例えば実施例1では、「第2着色剤」として機能する黒ニンジンの存在により、赤又はオレンジ)
(ii)第2着色剤(即ち蛍光体、例えば黄色又は黄色がかったリボフラビン5リン酸)の白色光可視色
【0108】
<蛍光性インクに関する追加の設計上の考慮点及び特徴>
前述のように、蛍光体(複数可)を含むインク調合物には、蛍光性と可視光特性の両方が要求され得る。
【0109】
図6Bを参照して後述するように、本発明者は、本開示に係る幾つかのインク調合物の液滴を特定の基材(例えば、泡のような流動性物質及び/又は土台の表面)上に付着させると、ブラックライト下で見たときにマルチカラーであるインク像を生成することが可能であることを発見している。
【0110】
幾つかの実施形態では、このインク像は、ブラックライトの下で見た場合にはマルチカラーであり、白色光の下で見た場合にはモノクロームである。
【0111】
「マルチカラー」という用語は、グレースケール又は同一色の異なる色調に対比されるものである。
【0112】
本発明者は、複数の着色剤を含有する単一のインクのみの液滴を付着させることによってマルチカラー像を生成できる先行技術を認識していない。本発明者は、単一のリザーバのみから流体を付着させることによってマルチカラー像を生成できる先行技術も認識していない。
【0113】
いくつかの実施形態において、可食性インクの第1及び第2着色剤の相対濃度は、特定のブラックライト特性、特にブラックライト下で見たときにマルチカラー像を印刷する性能に関連する特性を提供するように選択される。
【0114】
以下(i)、(ii)のようなインク調合物(例えば、実施例1のもの)を考える。即ち(i)インクは第1及び又は第2着色剤を含み、(ii)リボフラビン5'リン酸は「第1の着色剤」であり、黒ニンジン抽出物は第2着色剤である。第1及び第2着色剤における相対濃度の比が比較的「高い」(例えば「高すぎる」)場合、可視光インク色は「望ましくない」黄色又は黄緑色となる可能性がある。しかし、この比が「低すぎる」場合、インク調合物は十分に蛍光性でない可能性があり、及び/又はインク「黒ニンジン抽出物」はリボフラビン5'リン酸を「圧倒」し、それによってブラックライト下で見たときにマルチカラー(即ち、少なくとも黄及び赤を含むもの)である像(又は特定の像)を印刷する能力が損なわれてしまう可能性がある。
【0115】
上述のように、本発明者は、単一のインクのみの液滴を付着させることによって使用してマルチカラー像を生成することが可能であるいかなる先行技術も認識していない。上述したように、本発明者は、単一のリザーバのみから流体を付着させることによってマルチカラー像を生成することが可能であるいかなる先行技術も認識していない。
【0116】
本発明のいくつかの実施形態は、可食性蛍光インクの液滴をターゲット基材(例えば、泡及び/又は土台の表面などの流動性物質)上に付着させることによって生じる像(即ち、ブラックライト又は他の任意のUVA光又は450nmLEDからの光の下で見られるようなマルチカラー像)のマルチカラー特性をターゲット化及び/又は制御するための方法及び装置に関する。
【0117】
<インク調合物の追加成分及び/又は特性>
異なる実施形態において、インク調合物(例えば、カテゴリ「A」又はカテゴリ「B」又はカテゴリ「C」、或いは、本開示に係る任意のインク調合物、又は本開示に係る任意の方法で採用される任意のインク調合物)は、以下I~VIIの1つ以上を提供してもよい。
【0118】
I.インク調合物は、リンゴ酢を豊富に含んでいてもよい。例えば、少なくとも2%wt/wt、又は少なくとも2.5%wt/wt、又は少なくとも3%wt/wt、又は少なくとも3.5%wt/wt、又は少なくとも4%wt/wtを含んでなる。代替的に又は追加的に、インク調合物はGSE(グレープフルーツ種子抽出物)を含む。例えば、少なくとも0.1%wt/wt、少なくとも0.25%wt/wt、少なくとも0.5%wt/wt、少なくとも1%wt/wt、少なくとも1.5%wt/wt、少なくとも2%wt/wt、少なくとも3%wt/wt、少なくとも5%のGSEを含む。
【0119】
II.可食性インク調合物はpH調整剤を含んでおり、このpH調整剤はpHを最大でも4に、又は最大でも3.8に、又は最大でも3.5に、又は最大でも3.25に、又は最大でも3.1に、又は最大でも3に調整するためのものである。例えば、可食性インク調合物は、レモン汁及び/又はクエン酸を含む。pH調整剤は、抗微生物剤として機能してもよい。
【0120】
本発明の実験は、天然成分のみが使用されたインク調合物の貯蔵寿命を伸張することに関する。例えば、存在するpH調整剤は、一部の微生物(例えば、細菌)のみの成長を十分に妨げ得る。例えば、カビは、比較的低いpHであっても許容できない速度で成長する可能性がある。いくつかの実施形態では、「多量」の(例えば、極めて多量の)リンゴ酢及び/又はGSEの存在は、微生物の増殖(例えば、カビの増殖)を妨げてインク調合物の貯蔵寿命を伸ばすことができ、例えばソルビン酸カリウムなどの標準的抗微生物剤を必要としなくて済む。
【0121】
III.インク調合物は、非常に高い濃度の、天然着色剤保有植物質の抽出物(例えば、焙煎天然着色剤保有植物質)及び/又はその着色剤を含んでもよく、その狙いは、例えば(これに限定されないが)、リンゴ酢及び/又はGSEを豊富に含むインク調合物により、像が印刷(例えばインクジェット印刷)されるターゲット食品及び/又は飲料の味が台無しになりやすいという事実を克服するためである。
【0122】
IV.天然食品の要件を満たすために、特定の着色剤は、最初に植物質から分離されその後インク調合物に添加される物質としてではなく、植物質の抽出物(例えばその固形分)(例えば焙煎植物質の抽出物)の形態でのみ存在してもよい。
【0123】
V.異なる実施形態において、インク調合物は金属イオンを含まないか、及び/又はインク調合物内の金属イオンの濃度は最大でも0.1%、又は最大でも0.05%、又は最大でも0.01%wt/wtである。
【0124】
VI.異なる実施形態において、可食性インクは、保湿剤を含む。当技術分野で知られている異なる保湿剤には、グリセロールGRAS、プロピレングリコール、プロピレングリコール-MISC、ポリエチレングリコール200、ポリエチレングリコール400、ポリエチレングリコール600、又はそれらの混合物が含まれる。グルコース、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、エタノール、スクロース、デキストロース、及びフルクトース、好ましいインク調合物は、約5重量%~約20重量%のグルコース、約1重量%~約20重量%のソルビトール、及び約5重量%~約40重量%のグリセロールを含むことができる。好ましくは、保湿剤は、天然と表示するためのUSDA方針書に準拠して選択される。
【0125】
本開示については、インク(又は他の組成物)が少なくともX%wt/wtの保湿剤を含むと記載されている場合はいつでも、これが以下の限定事項のうちの少なくとも1つを指していてもよい。
(i)インク(又は他の組成物)が少なくともX%のグリセロールを含む。
(ii)インク(又は他の組成物)が、少なくともX%のソルビトールを含む。
(iii)インク(又は他の組成物)が、少なくともX%のマンニトールを含む。
(iv)インク(又は他の組成物)は、グリセロール(濃度がx1%wt/wtで、x1≧0)及び/又はソルビトール(濃度がx2%wt/wtで、x2≧0)及び/又はマンニトール(濃度がx3%wt/wtで、x3≧0)及び任意で追加の保湿剤)の任意の組み合わせからなり、ここで(x1+x2+x3)≧Xである。
【0126】
VI.異なる実施形態において、可食性インクは、pH調整剤を含む。例としては、クエン酸、酢酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、プロピオン酸、酒石酸、及びフマル酸が挙げられる。pH調整剤は、例えば、インク組成物の約0.5重量%~約10重量%の範囲の量で使用される。pH調整剤の選択及びその量は、必要とされるpHの調整内容によって決まる。
【0127】
VII.異なる実施形態において、可食性インクは、抗微生物剤を含む。例えば、抗微生物剤は、天然との表示をするためにUSDA方針書に準拠するように選択される。例えば、インクが全体としてUSDA方針書に適合するように、USDA方針書に適合しない抗微生物剤は含まれない。USDA方針書に準拠し、天然であることを表示できる抗微生物剤の例としては、以下のようなものがある。リンゴ酢、濃縮プルーン果汁、濃縮レーズンペースト、濃縮レーズン果汁、シナモン、クローブ、グレープフルーツ種子抽出物(GSE)である。注記として、プルーンジュース及びレーズンベースの抗微生物剤は、ある用途では採用され得るが、他の用途では、それらのコスト及び/又はインクの粘度を増加させる能力及び/又は色-特性のためにあまり好まれない場合がある。従って、いくつかの実施形態では、リンゴ酢(例えば、可食性インクの所望の貯蔵寿命に応じて、少なくとも2%、又は少なくとも3%、又は少なくとも4%wt/wt、又は少なくとも6%wt/wtの濃度)、及び/又はGSEが、好ましい抗微生物剤である。さらに、ある用途では抗微生物剤としてGSEが好ましく、他の用途では、例えばリンゴ酢よりもコストが高いという理由でGSEが避けられる場合がある。
【0128】
湿潤剤:USD方針書に適合する湿潤剤が好ましい。
【0129】
図22図31の考察>
注記:本項では蛍光インクを必要とせず、本開示に係る教示がカテゴリA、カテゴリB及びカテゴリCのいずれかのインクを使用して実施されてもよい(図1F参照)。
【0130】
図6A図6B及び図8A図8Dの追加考察>
ここで、蛍光インクと関連する装置及び方法についてのさらなる考察を行う。
【0131】
図8C図8Dは、クロススキームにおけるカバレッジレベルを説明する図である。図8C図8Dにおけるこの「クロススキーム」は、図9図10及び図18図19のインク像を生成するために(例えばインクジェットプリンタ100によって)印刷されたデジタル像178を説明するものである。
【0132】
図6A図6Bは、実施例1のインクを用いて作製した第5インク像(即ち、同一のインク像)の写真である。特に、インク像は図1Aと同様に印刷され、デジタルメモリに格納されたデジタル像178(例えばピクセルデータ)が、インクジェットプリンタ100によってインクジェット像に変換され、それによってインク190(例えば実施例1のインク)の液滴130が発泡ターゲット基材160に付着される。
【0133】
図6A図6Bのインク像を生成するために、図8Bのデジタル像178が発泡基材に印刷される。このデジタル像は、「DRINK ME I taste GOOD」という文字を含んでいる。図6Bでは、DRINK MEという単語は黄色であり、I taste wordという単語はそのほとんどが赤色である(黄色の包囲線付き)。
【0134】
理論に束縛されることなく、本発明者は、一般的にリボフラビン5'-リン酸は、高い蛍光性を有し、明確な黄色を有することができると考えている。インクの物理的密度(即ち、全体として)が比較的「高い」場所では、黄色を「圧倒」するのに十分な赤黒ニンジン抽出物が存在する可能性がある。特に、リボフラビン5'-リン酸は540nm付近に発光ピークを有しており、この光が黒ニンジン抽出物によって吸収されることにより、インクの物理的濃度が「比較的高い」インク像部分の色が赤く見える場合がある。しかしながら、液滴密度が低い部分(例えば、図8Bのデジタル画像178における文字「DRINK ME」のカバレッジが低いことに起因)では、これが起こるための黒ニンジン抽出物が不十分である場合があり、画像のこの部分は黄即ちリボフラビン5'-リン酸の色となる。
【0135】
「カバレッジ」(「被覆率」と同義に使用される)又はグレースケールレベルという用語は、ハーフトーンの技術から借用されたものである。用語「カバレッジ」は、デジタル像178の全体、又はデジタル像178内のオブジェクト(例えば、図8Bの文字)、又はデジタル像178の一部、又はデジタル像178から印刷/生成されるインク像の一部に関連してもよい。例えば、デジタル像又はインク像の前述の「部分」(例えば、図37のステップS309又はS313における画素群に対応する)は、少なくとも正方形領域で構成されてもよく、その正方形領域は(i)少なくとも5画素×5画素、又は(ii)少なくとも10画素×10画素、又は(iii)少なくとも15画素×15画素、又は(iv)少なくとも20画素×20画素、又は(v)少なくとも30画素×30画素、又は(vi)少なくとも40画素×40画素、又は(v)少なくとも50画素×50画素、又は(vi)少なくとも75画素×75画素、又は(v)少なくとも100画素×100画素、又は(vi)少なくとも150画素×150画素、又は(vii)少なくとも200画素×200画素、又は(viii)少なくとも300画素×300画素である。代替的又は追加的に、対応するインク像の前述の「部分」(例えば、図37のステップS309又はS313における画素群に相当する)は、正方形領域で構成されてもよく、その正方形領域のサイズは、(i)少なくとも5mm×5mm、又は(ii)少なくとも1cm×1cm、又は(iii)少なくとも1.5cm×1.5cm、又は(iv)少なくとも2cm×2cm、又は(v)少なくとも3cm×3cm、又は(vi)少なくとも4cm×4cm、又は(vii)少なくとも6cm×6cm、又は(viii)少なくとも8cm×8cm、又は(x)少なくとも10cm×10cmである。
【0136】
出願人は、先行技術において、インク像がインクの単一のリザーバのみから印刷される場合(例えばインクジェットカートリッジ内)、単一の色(即ちインクの色)の異なるカバレッジ又はグレースケールを達成するために、カバレッジ(即ち、液滴付着によってインク像に変換されるデジタル像178内)の変動という特徴が採用され得ることを指摘する。このため、先行技術では、得られるインク像の「DRINK ME」部分における「グレー部分」をターゲット化するために、図8Aのデジタル像178をその図8Bに(デジタルコンピュータ、例えば電子回路170により)修正/前処理をすることが可能である。
【0137】
本発明の実施形態は、異なる形態の開示に関する。新しい点として、液体(即ち、蛍光性及び可食性インク)の単一リザーバからマルチカラーインク像(即ち、ブラックライト下で見たときの像)を生成可能であるばかりでなく、入力デジタル像(例えば図8A参照)を出力デジタル像(例えば図8B参照)に前処理することによって、像の各部分の色(即ち、第1の色及び第2の色-単に色の濃淡とは異なる)を制御することが可能であり、出力デジタル像はその後にインクジェット印刷によってインク像に変換される。
【0138】
ブラックライト「条件」は、対象物が主にブラックライトの下で照明されるように、十分な環境光が遮断された場合(例えば、ある例では実質的にすべての環境光が遮断され、別の例では人工光が提供されていない夜間に対象物を見るとき)に提供されうる。
【0139】
注記:上述した本発明の様々な実施形態は、第1及び第2着色剤を含有しており蛍光性で可食性及び水性のインク調合物に関連するものであって、第1着色剤が蛍光体であり、少なくとも第2の着色剤が白色光可視着色剤である。これらのインク調合物は、可視光特性(例えば、白色光下で見た場合)と蛍光特性の両方を提供するインク像の印刷に有用である。
【0140】
図32は、異なる蛍光性及び可食性インクについて、異なるカバレッジレベル(即ち、10%、20%、・・・80%)で、数種のインクを用いて印刷した像の写真を含む追加の実施例を示す図である。特に、(A)第1インクは黒ニンジン抽出物とリボフラビンとを含み、(B)第2インクはブドウ抽出物とリボフラビンとを含み、(C)第3インクは焙煎コーヒー抽出物とリボフラビンとを含み、且つ(D)第3インクは焙煎コーヒー抽出物とリボフラビンとを含む。
【0141】
図33
図22は、ターゲット基材160(例えば、可食性基材、及び/又は泡、及び/又は発泡飲料の上面)へのインクの液滴の付着(例えば、インクジェット)により、可食性及び蛍光性のインクから像を印刷する方法を示す図である。
【0142】
いくつかの実施形態(図1A参照)では、ブラックライト又は他のUVA光源450nmLEDのような光源180がプリンタ100に取り付けられ、及び/又は図22の方法が蛍光条件下で実行される。
【0143】
本開示における蛍光条件では、ターゲット基材上のインク像の主照明が、白色光ではなく(例えば、450nmLED(もしそれが在る場合は)の光以外の昼光又は他の周囲光がインク像から遮断される)、むしろ(A)ブラックライト、(B)その他のUVA光、及び(C)450nmLEDのうちのいずれかである。
【0144】
図33Aを参照する。
【0145】
ステップS201において、インクが供給される。ステップS209では、可食性インクの液滴130を付着させることにより、ターゲット基材160にインク像を形成する。
【0146】
いくつかの実施形態では、白色光下で見た場合、インク像(又はその一部)及び/又はインク像が印刷された基材(例えば泡)は、CIELAB色空間(CIE L*a*b*としても知られており、単に「Lab」色空間と略されることもある)の観点から特徴付けられ得る。
【0147】
例えば、白色光条件下で見た場合、インク像又はその一部(複数可)(例えば、その過半部分)は、LAB値が(L=40、a=59、b=48)の赤であり、ターゲット基材(例えば、ビール泡又はミルク泡又は卵白泡のような泡)はLAB値が(90、0.6、8)のクリームホワイトである。
【0148】
いくつかの実施形態において、図33Aの方法は以下のように実行され、即ち白色光条件下で見たときに、ターゲット基材のLAB値は(Ltarget-substrate-under-white-light、atarget-substrate-under-white-light、btarget-substrate-under-white-light)であり、インク像又はその一部(複数可)(例えばその過半部分)のLAB値が(Link-image-under-white-light、aink-image-under-white-light、bink-image-under-white-light)である。例えば、Ltarget-substrate-under-white-light=90であり、atarget-substrate-under-white-light=0.6であり、btarget-substrate-under-white-light=8であり、Link-image-under-white-light=40であり、aink-image-under-white-light=59であり、bink-image-under-white-light=48である。この具体例では、Ltarget-substrate-under-white-light-Link-image-under-white-light=50であり、Ltarget-substrate-under-white-light/Link-image-under-white-light=2.25である。
【0149】
結論:幾つかの実施形態では、白色光条件下で見たとき、インク像は、基材よりも暗い140、又は有意に暗いものとなり得る。例えば、下記のとおりである。
target-substrate-under-white-light - Link-image-under-white-light ≧ 40
又は、Ltarget-substrate-under-white-light - Link-image-under-white-light ≧ 50
又は、Ltarget-substrate-under-white-light - Link-image-under-white-light ≧ 60
又は、Ltarget-substrate-under-white-light - Link-image-under-white-light ≧ 70
又は、Ltarget-substrate-under-white-light - Link-image-under-white-light ≧ 80
【0150】
代替的に又は追加的に、下記のとおりである。
target-substrate-under-white-light/Link-image-under-white-light ≧ 1.25
又は、Ltarget-substrate-under-white-light/Link-image-under-white-light ≧ 1.5
又は、Ltarget-substrate-under-white-light/Link-image-under-white-light ≧ 1.5
又は、Ltarget-substrate-under-white-light/Link-image-under-white-light ≧ 1.75
又は、Ltarget-substrate-under-white-light/Link-image-under-white-light ≧ 2.0
【0151】
これらの特徴は、暗い光の条件下又は450nmの光の下で見たとき、その基材160上のインク像140の少なくとも一部が蛍光を発するという事実と組み合わされ得る。
【0152】
図6B及び図15Bは、ブラックライトの状態で見た場合にマルチカラーである像を示す。特に、図6B及び図15Bの像は、基材上に付着させた単一の流体のみから形成された像であるにもかかわらず、赤の部分及び黄の部分を有している。
【0153】
結論:図6B及び図15Bの像は、2つの区別される色(即ち、黄及び赤)のそれぞれの部分からなり、drink meは黄色であり、I taste Goodの少なくとも内側部分は黄色である。
【0154】
なお、異なる2つの色は、単色の2階調グレースケールとは異なる。
【0155】
図33Bは、異なる2色の場合と単色の2階調グレースケールの場合とを区別するために使用される。同じ行の長方形は、単一色の異なるグレースケールの色調である。一方、異なる行の長方形は、異なる色である。
【0156】
明らかに、長方形1と長方形4は、赤とオレンジの2つの異なる色である。明らかに、長方形4と長方形7は、オレンジと黄色の2つの色である。一方、長方形10及び長方形11は、単一の色、即ち緑色のグレースケールの異なる色調である。
【0157】
本発明者は、単一のインク(例えば、蛍光及び可食性インク)の液滴を付着させて(例えば泡に)インク像を形成すると、(A)得られたインク像は、ブラックライト及び/又は450nmLED光の下で見た場合にマルチカラーであり、(B)像の一部がある色(例えば赤)となるか別の色(例えば黄)となるかはその部分の被覆率に応じて決まるということを初めて見出し、本発明に至った。
【0158】
図6B及び図15Bの例では、比較的低い被覆率で印刷されたインク像の部分(例えば15%、「drink me」)はブラックライト下で黄色に見え、比較的高い被覆率で印刷されたインク像の部分(例えば70%、「I taste good」)は黄色に見える。図24も参照されたい。
【0159】
幾つかの実施例において、この規則は,リンクの太さにも適用され得る。即ち、細い線は黄色に、太い線は赤色に表示され得る。
【0160】
この発見に基づいて、図33図37は、インク像のマルチカラープロファイルを制御又は変調する装置及び方法に関するものである。例えば、「drink me」という文字を黄色で印刷し、「I taste good」という文字を黄色で印刷するというマルチカラー命令に従って、デジタル像178の1つ以上の部分の各々のカバレッジを変更してもよく、これにより(例えば、図24のようなデータに従って)マルチカラー命令が実施される。
【0161】
一例として、これは、「I taste good」という文字のカバレッジ/グレースケールを同時に減らすことなく、及び/又はカバレッジ/グレースケールを約70%に増やしつつ、「drink me」という文字のカバレッジ/グレースケールを約15%に減少させることを伴ってもよい。
【0162】
マルチカラーリング命令は、デジタル像178と共に(例えば、像の一部として又はそのメタデータとして)又は他の任意の方法で(例えば、ユーザの「カラーリング」インターフェースを介して)提供されてもよい。
【0163】
図34は、マルチカラーであるが単一インクのキャリブレーションデータの例を示しており、例えば図6Bのような像を印刷像内の既知のカバレッジで印刷し、その後ブラックライト条件下でインク像を撮影することによって取得され得ることに留意されたい。
【0164】
マルチカラーであるが単一インクのキャリブレーションデータは、次の(i)及び(ii)の間の関係を記述するものであり、それは即ち(i)印刷されるインク像内の被覆率又は線厚、及び(ii)ピクセル群(例えば、「Drink me」又は「I taste good」)を当該被覆率で印刷して蛍光条件で視認したときの予測色である。従って、図34において、被覆率が15%の場合、結果として生じる予測色は黄であり、被覆率が70%の場合、結果として生じる予測色は赤である。図34は、2つのデータポイントのみを示している。いくつかの例では、より多くのデータポイント(又はそれらの補間又は外挿)がキャリブレーションデータの一部として提供されてもよい。
【0165】
像は、図1Aのプリンタ又は他の適切なプリンタ(例えば、インクジェットプリンタ)を使用して印刷されてもよい。
【0166】
図35A図35B及び図36A図36Bは、図37の方法の一例に関するものであり、図6Bをその表面に製造するために使用されるインクを用いて実施される。
【0167】
図35Aにおいて、ブラックライト下で見たときに赤及び黄の旗のように見え、任意に、ホワイトライト下で赤及び白の像(例えば赤の異なるグレースケール色調)として見える像を印刷することが望まれている。赤及び黄に見える像を印刷したいという要望は、このようにデジタル像の異なる部分をどのように着色するかを記述したマルチカラー命令を含んでいる。その部分とは、水平及び垂直線(ブラックライトで見たときに黄(図37の第1ターゲット色)に着色される)、及び4つの長方形(ブラックライトで見たときに赤色(図37の第2ターゲット色)に着色される)である。線は黄に、4つの長方形は赤に着色するという命令に応答して、図34におけるマルチカラーだが単一インクのキャリブレーションデータに従って、カバレッジが調整される(例えば、線は15%のカバレッジ、長方形は70%のカバレッジ)。図35Aでは、第1ターゲット色を黄とし、第2ターゲット色を赤としている。
【0168】
図27は、以下の特徴を同時に提供し得る。
(A)マルチカラーであるが単一インクのキャリブレーションデータは、共通単一色のグレースケールの色合いではない第1及び第2キャリブレーションカラー[図34の赤及び黄]のデータを含む。
(B)第1ターゲット色及び第2ターゲット色[図35A-235の赤及び黄]は、共通単一色のグレースケール色調ではない。
【0169】
「キャリブレーションデータ」(図37参照)という用語は、インク像の一部分の被覆率とブラックライト条件下でのインク像の当該一部分の予測色との間の関係を記述するデータである。任意選択的に、キャリブレーションデータは、ブラックライト条件下で異なる被覆率を有する部分を有するインク像(例えば、「キャリブレーション像」)又は複数の像(即ち、複数のキャリブレーション像)によって得られるが、これは要件ではなく、キャリブレーションデータをどのように取得するかは限定されない。
【0170】
図37についての注記.
幾つかの実施形態では、ステップS305の入力像を受け取った後、ステップS313の前又は間に、入力デジタル像が「後処理」される。即ち、そのライン(複数可)を太くし、及び/又はそのライン(複数可)を細くし、及び/又はその領域のカバレッジを増加し、及び/又はその領域のカバレッジを低減し、(例えばコンピュータメモリ内で)後処理されたデジタル像を生成する。この後処理されたデジタル像は、マルチカラー命令(例えば、ブラックライト条件又は蛍光条件に対して特定され得る)及び/又はキャリブレーションデータに従って生成されてもよい。この処理後デジタル像は、ステップS313で印刷されてもよい。
【0171】
いくつかの実施形態において、(I)第1ターゲット色及び/又は第1キャリブレーション色は、黄又はその色合い、又はLAB点(77,11,94)から最大で30、又は最大で20、又は最大で10、又は最大で5だけ離れていて(例えば、黄の色合い)、且つ(ii)第2ターゲット色及び/又は第2キャリブレーション色は、赤(又はその色合い)、又はオレンジ(又はその色合い)、又は赤とオレンジとの間の色、又は紫(又はその色合い)、又は赤と紫との間の色である。
【実施例
【0172】
以下の実施例は、本発明の特定の実施形態を説明することを意図しているが、本発明の全範囲を例示するものではない。本発明の非限定的な実施形態は、添付の図を参照して例示的に説明されるが、これらは概略的なものであり、縮尺通りに描かれることを意図していない。
【0173】
[実施例1]黒ニンジン抽出物とリボフラビンに基づく可食性蛍光性インク調合物
成分.
可食性インク調合物を準備するために、以下の成分が使用される。
(i)46%wt/wt 脱イオン水
(ii)20%wt/wt グリセロール
(iii)20%wt/wt 黒ニンジン抽出物濃縮物。ここで黒ニンジン抽出物濃縮物は、35%wt/wtの水及び65%wt/wtの黒ニンジン抽出物固形物である。
(iv)0.1%wt/wt リボフラビン5'-リン酸
(v)4%wt/wt リンゴ酢
(vi)10%wt/wt アスコルビン酸
【0174】
調製方法.
リボフラビン5'-リン酸と水とを混合する。混合物にグリセロール、黒ニンジン抽出物濃縮物、及びリンゴ酢を加えて、pHを約3.6にする。
その後、クエン酸を加え、pHを約3.05まで下げる。この混合物を0.4~0.5ミクロンのフィルタ(例えば、ポリプロピレン(PP)膜)に通して、可食性インクを得る。
可食性インクは、次に、インクジェットカートリッジに装填される。
カートリッジに装填されると、可食性インクは約40のBrixと約4.4センチポアズ(cP)の粘度とを有する。
【0175】
成分に関する注記.
黒ニンジン抽出物濃縮物は水と固形物とを両方とも含むので、可食性インク調合物(即ち、インクジェットカートリッジに装填されるもの)の成分は、以下のように記載され得る。
(i)53%wt/wt 水
(ii)20%wt/wt グリセロール
(iii)13%wt/wt 黒ニンジン抽出物固形物
(iv)0.1%wt/wt リボフラビン5'-リン酸
(v)4%wt/wt リンゴ酢
(vi)3%wt/wt アスコルビン酸
【0176】
[実施例2]ブドウ抽出物とリボフラビンに基づく可食性蛍光性インク調合物
成分.
可食性インク調合物を準備するために、以下の成分が使用される。
(i)69.9%wt/wt 脱イオン水。
(ii)10%wt/wt エタノール
(iii)13%wt/wt ブドウ抽出物濃縮物。ここでブドウ抽出物濃縮物は、30%wt/wtの水と70%wt/wtのブドウ抽出物固形物である。
(iv)0.1%wt/wt リボフラビン5'-リン酸
(v)4%wt/wt リンゴ酢
(vi)3%wt/wt アスコルビン酸
【0177】
調製方法.
リボフラビン5'-リン酸と水とを混合する。この混合物に、エタノール、ブドウ抽出物濃縮物、及びリンゴ酢を加える。
次に、クエン酸を加え、混合物を0.4~0.5ミクロンのフィルタ(例えば、ポリプロピレン(PP)膜))に通して、可食性インクを得る。
可食性インクは、次に、インクジェットカートリッジに装填される。
カートリッジに装填されると、可食性インクは、約17.2のBrix及び約1.95cPの粘度を有し、3.5未満のpHを有する。
【0178】
成分に関する注意事項.
ブドウ濃縮液は水と固形分を含むので、可食性調合物(即ちインクジェットカートリッジに装填されるもの)の成分は、以下のように記述され得る。
(i)73.8%wt/wt 水
(ii)10%wt/wt エタノール
(iii)9.1%wt/wt ブドウ抽出物固形物
(iv)0.1%wt/wt リボフラビン5'-リン酸
(v)4%wt/wt リンゴ酢
(vi)3%wt/wt アスコルビン酸
【0179】
[実施例3]麦芽抽出物とリボフラビンに基づく可食性蛍光性インク調合物
未発酵麦汁を実施例5に従って調製する。この未発酵麦汁は、(i)焙煎麦芽穀物のロビボンド数、及び(ii)穀物を浸漬した後のBrixに基づいて、インク調合物の最終EBC(欧州醸造条約)番号(即ち、インクジェットカートリッジへの装填時)が約2800となるように調製される。
未発酵の麦汁に、リボフラビン5'-リン酸、リンゴ酢、及びグリセロールを添加する。
次に、クエン酸を加え、その混合物を0.4~0.5ミクロンのフィルタ(例えば、ポリプロピレン(PP)膜))に通して、可食性インクを得る。
この可食性インクを、インクジェットカートリッジに装填する。
カートリッジに装填すると、可食性インクは、Brixが約26.8、粘度が約3.9センチポアズcPであり、pHが3.5未満である。
可食性インクのEBC番号は約2800である。
【0180】
[実施例4)クロロフィルを含む可食性インク調合物
この調合物は、以下の成分を有する。
(i)60%wt/wt 脱イオン水
(ii)25%wt/wt ライムグリーンブランドLWS ナチュレックス・ベジブライト(Naturex vegebrite)
(iii)15%wt/wt グリセロール
【0181】
上記成分を混合し、0.4~0.5ミクロンのフィルタ(例えば、ポリプロピレン(PP)膜))を通過させ、食用インクを得る。
この可食性インクをインクジェットカートリッジに装填する。
このインクは、0Brixが28.1、pHが5.89、粘度が3.1cPである。
PH 5.89
粘度 3.09(60rpm)、3.15(50rpm)
【0182】
[実施例5]未発酵麦汁の調製
ロビボンド値が極めて高い(即ち、300゜以上)挽き割り麦芽及び焙煎穀物をサプライヤから入手する。
予め粉砕した焙煎麦芽穀物2kgを、圧力釜により105~110℃で、15.5°Brixの麦芽抽出物を得るまで、水10kgで1時間以上煮沸した。(15.5°Brixが得られるまで水を蒸発させるか添加する)。未発酵麦汁の製造に使用され得る穀物の非限定的なリストが以下に提供される。
【0183】
【表4】
【0184】
ロビボンド値は、すべてメーカー発表値である。
現時点では、好ましい穀物は「Blackprinz(登録商標)/Briess」であり、これは「脱皮」穀物と呼ばれ、殻を大量に除去して製造される。
【0185】
[実施例6]未焙煎植物質抽出物からのインク調合物の調製
植物質の抽出物(例えば、ブドウ濃縮物又は黒ニンジンジュース)を入手する。濃度をターゲットレベルに調整する。例えば、蒸発させる及び/又は水を加える。
【0186】
[実施例7]黒ニンジンベースの調合物
固形物濃度が39%wt/wtである黒ニンジンジュース/抽出物を得る(例えば、実施例6による)。実施例1に従って、黒色ニンジンジュースから可食性インクを製造する。可食性インクの表面張力は約40dynes/cmであり、その25℃粘度は2~4cPである。
【0187】
保湿剤を添加(例えば攪拌しながら)して、例えば5%~30%wt/wtの間のターゲット濃度にする。天然抗微生物剤を添加する。インク調合物は、調合物のBrixに依存して、2~10cPの間の25℃粘度を有する。
【0188】
インク調合物を濾過する。例えば、最初に1ミクロンフィルタで、その後0.2ミクロンフィルタで濾過する。
【0189】
黒ニンジンジュース/抽出物をベースとした可食性インクのいくつかの例を以下に列挙する(「酢」は具体的にはリンゴ酢)、GSEはグレープフルーツ種子抽出物、「黒ニンジンジュース」の固形物濃度は39%wt/wt、「水」は脱イオン水である。
【0190】
【表5】
【0191】
【表6】
【0192】
[実施例8](ブドウ抽出物に基づく調合物)
固形物濃度が35%wt/wtであるブドウ抽出物を得る。実施例6に従って、このブドウ抽出物から可食性インクを製造する。可食性インクの表面張力は約46dynes/cmであり、その25℃粘度は2~4cPである。
【0193】
保湿剤を添加(例えば攪拌しながら)し、例えば5%~30%wt/wtの間のターゲット濃度にする。天然抗微生物剤が添加される。インク調合物は、調合物のBrixに依存して、2~10cPの間の25℃粘度を有する。
【0194】
インク調合物を濾過する。例えば、最初に1ミクロンフィルタで、その後0.2ミクロンフィルタで濾過する。
【0195】
黒ニンジンジュース/抽出物をベースとするいくつかの例示的可食性インクを以下に列挙する。ここで、「酢」は具体的にはリンゴ酢、GSEはグレープフルーツ種子抽出物、「ブドウ抽出物」の固形物濃度は35%wt/wtであり、「水」は脱イオン水である。
【0196】
【表7】
【0197】
【表8】
【0198】
【表9】
【0199】
<追加的検討>
【0200】
発明コンセプト1.
製品であって、
a.インクジェットカートリッジと、
b.可食性かつ水性のインクであって、インクジェットカートリッジ内に配置され、黒ニンジン抽出物を含む、インクと、
を備え、
前記可食性インクが以下i~ivを含む、製品。
i.蛍光体としての、0.05%wt/wt~1%wt/wtのリボフラビン及び/又はリン酸リボフラビン。
ii.少なくとも4%wt/wtの黒ニンジン抽出物固形物であって、白色光条件下での前記インクの主要着色剤であり、任意で最大でも20%wt/wtの黒ニンジン抽出物固形物。
iii.少なくとも5%wt/wtの保湿剤、又は少なくとも10%wt/wtの保湿剤、又は少なくとも15%wt/wtの保湿剤、又は少なくとも20%wt/wtの保湿剤、又は少なくとも25%wt/wtの保湿剤、又は少なくとも30%wt/wtの保湿剤、又は少なくとも35%wt/wtの保湿剤。
iv.30%wt/wt~85%wt/wtの水(例えば、40%wt/wt~85%wt/wtの水、又は40%wt/wt~85%wt/wtの水)。
【0201】
発明コンセプト2.
上記の発明コンセプトのうち任意の1つに記載の製品であって、
白色光条件下で、前記インクがオレンジ又は赤又はその間の色合いであり、ブラックライト条件下で、リボフラビン及び/又はリボフラビンリン酸が前記インクの主要蛍光体である、製品。
【0202】
発明コンセプト3.
上記の発明コンセプトのうち任意の1つに記載の製品であって、
前記インクがエタノールを含まないか、又は、
下記(i)と(ii)との比が、最大でも3、若しくは最大でも2、若しくは最大でも1.5、若しくは最大でも1、若しくは最大でも0.5である、製品。
(i)前記インク中のエタノールのwt/wt含有量
(ii)グリセロール及びグリセリンの合計wt/wt含有量の比率
【0203】
発明コンセプト4.
上記の発明コンセプトのうち任意の1つに記載の製品であって、前記インクは、500nm以下の粒子を実質的に含まない、製品。
【0204】
発明コンセプト5.
上記の発明コンセプトのうち任意の1つに記載の製品であって、
白色光条件下で、前記インクのLAB値とLAB点(77,11,94)(例えば、黄の色合い)との間の距離が、少なくとも50、又は少なくとも55、又は少なくとも60である、製品。
【0205】
発明コンセプト6.
製品であって、
a.インクジェットカートリッジと、
b.前記インクジェットカートリッジ内に配置され、ブドウ抽出物を含む、可食性かつ水性のインクと、
を備え、
前記可食性インクは、下記i~ivを備えており、
i.蛍光体としての、0.05%wt/wt~1%wt/wtのリボフラビン及び/又はリン酸リボフラビン、
ii.少なくとも4%wt/wtのブドウ抽出物固形物であって、白色光条件下での前記インクの主要着色剤であり、任意で最大でも20%wt/wtのブドウ抽出物固形物、
iii.少なくとも5%wt/wtの保湿剤、又は少なくとも10%wt/wtの保湿剤、又は少なくとも15%wt/wtの保湿剤、又は少なくとも20%wt/wtの保湿剤、又は少なくとも25%wt/wtの保湿剤、又は少なくとも30%wt/wtの保湿剤、又は少なくとも35%wt/wtの保湿剤、
iv.30%wt/wt~85%wtの水(例えば、40%wt/wt~85%wt/wtの水、又は40%wt/wt~85%wt/wtの水)、
ここで、白色光条件下で前記インクは紫又は茶又はその間の色合いであり、ブラックライト条件下でリボフラビン及び/又はリボフラビンリン酸は前記インクの主要蛍光体である、製品。
【0206】
発明コンセプト7.
発明コンセプト6に記載の製品であって、エタノールをさらに含む、製品。
【0207】
発明コンセプト8.
上記の発明コンセプトのうち任意の1つに記載の製品であって、
白色光条件下で、前記インクのLAB値とLAB点(77,11,94)(例えば、黄の色合い)との間の距離が、少なくとも50、又は少なくとも55、又は少なくとも60である、製品。
【0208】
発明コンセプト9.
製品であって、
a.インクジェットカートリッジと、
b.インクジェットカートリッジ内に配置された未発酵麦芽ベースのインク調合物と、
を含み、
前記インク調合物は、
i.蛍光体としての、0.05%wt/wt~1%wt/wtのリボフラビン及び/又はリボフラビンリン酸(例えば、0.05%~0.5%、又は0.05%~0.4%、又は0.05%~0.3% wt/wt)と、
ii.未発酵の麦汁と、
iii.保湿性付与のための保湿剤と、
iv.前記インク調合物のpHを4.0以下に維持するためのpH調整剤と、
を含み、
前記インク調合物は、可食性で水性であり、下記i~iiiの全ての構造的特性を有する、製品。
i.未発酵麦汁は、前記インク調合物の主要着色剤である。
ii.前記インク調合物の25℃粘度が最大でも7センチポアズである。
iii.前記インク調合物は、EBC(European Brewing Convention)番号が少なくとも1800着色剤単位であることを特徴とするものである。
iii.前記インク調合物のEBC番号とその25℃粘度との間の比率は、少なくとも350(センチポアズ)-1である。
【0209】
発明コンセプト10.
発明コンセプト9に記載の製品であって、
前記配合物のEBCが少なくとも2500着色剤単位であり、
前記インクがエタノールを含まないか、又は、
下記(i)と(ii)との比が、最大でも3、若しくは最大でも2、若しくは最大でも1.5、若しくは最大でも1、若しくは最大でも0.5である、製品。
(i)前記インク中のエタノールのwt/wt含有量
(ii)グリセロール及びグリセリンの合計wt/wt含有量の比率
【0210】
発明コンセプト11.
発明コンセプト9又は発明コンセプト10に記載の製品であって、
白色光下において、前記インクが茶又はその間の色合いであり、ブラックライト下において、リボフラビン及び/又はリボフラビンリン酸が前記インクの主要蛍光体である、製品。
【0211】
発明コンセプト12.
上記の発明コンセプトのうち任意の1つに記載の製品であって、
白色光条件下で、前記インクのLAB値とLAB点(77,11,94)(例えば、黄の色合い)との間の距離が、少なくとも50、又は少なくとも55、又は少なくとも60である、製品。
【0212】
発明コンセプト13.
可食性且つ水性のインクであって、天然着色剤保有植物質の抽出物と1つ以上の蛍光体(複数可)とを含み、
(i)前記蛍光体(複数可)は、前記天然着色剤保有植物体内には天然には存在しないか、又は、
(ii)前記インク中の少なくとも1つの前記蛍光体の濃度が、前記天然着色剤保有植物質内に天然に存在する濃度を超える、インク。
【0213】
発明コンセプト14.
製品であって、
a.インクジェットカートリッジと、
b.インクジェットカートリッジ内に配置された、発明コンセプト13のインクと、
を備える、製品。
【0214】
発明コンセプト15.
発明コンセプト13~発明コンセプト14のいずれか1つに記載の製品又はインクであって、
前記インクが、リボフラビンと、リボフラビンリン酸と、塩酸ピリドキシンと、葉酸と、ナイアシンと、硫酸キニーネと、ニコチンアミドと、D&CオレンジNo.5と、それらの組み合わせと、のうち少なくとも1つを備える、製品又はインク。
【0215】
発明コンセプト16.
発明コンセプト13又は発明コンセプト14に記載の製品又はインクであって、
前記インクが、リボフラビン及び/又はリン酸リボフラビンを含む、製品又はインク。
【0216】
発明コンセプト16.
発明コンセプト13又は発明コンセプト14に記載の製品又はインクであって、
前記インクが、少なくとも0.05%wt/wtのリボフラビン及び/又はリボフラビン酸を含む、製品又はインク。
【0217】
発明コンセプト17.
発明コンセプト13~発明コンセプト16のいずれか1つに記載の製品又はインクであって、
リボフラビン及び/又はリボフラビン酸が、前記インクの主要蛍光体である、製品又はインク。
【0218】
発明コンセプト18.
発明コンセプト13~発明コンセプト17のいずれか1つに記載の製品又は可食性インクであって、
前記天然着色剤保有植物質の抽出物が、ブドウ、クランベリー、スグリ、ブルーベリー、トマト、カシス、アナトー、ニンジン、黒ニンジン、ビート、ビーツ、ホウレンソウ、黄ニンジン、キャベツ及び/又は赤米、並びにターメリック、パプリカからなる少なくとも1種の抽出物を含む、製品又は可食性インク。
【0219】
発明コンセプト19.
発明コンセプト13~発明コンセプト18のいずれか1つに記載の製品又は可食性インクであって、
白色光条件下で、前記天然着色剤保有植物質の抽出物が、前記インクの主要着色剤である、製品又は可食性インク。
【0220】
発明コンセプト20.
上記の発明コンセプトのうち任意の1つに記載の製品であって、
白色光条件下で、インクのLAB値とLAB点(77,11,94)(例えば、黄の色合い)との間の距離は、少なくとも50、又は少なくとも55、又は少なくとも60である、製品。
【0221】
発明コンセプト21.
上記の発明コンセプトのうち任意の1つに記載のインク又は製品であって、
下記の(i)と(ii)の間の比が、少なくとも1.5、又は少なくとも2、又は少なくとも3である、インク又は製品。
(i)前記可食性インク中の天然着色剤保有植物質の存在に起因する可視域光学密度
(ii)前記可食性インク中の蛍光体(複数可)の存在に起因する可視範囲光学密度
【0222】
発明コンセプト22.
方法であって、
上記の発明コンセプトのうち任意の1つのいずれか1つに記載の、又は開示された任意の発明コンセプト又は実施形態に係る、物品又はインクを提供するステップと、
ターゲット基材(例えば泡、又は任意の流動体基材又は、食品若しくは飲料の表面等の可食性基材の、上に又は中に対して、前記可食性インクの液滴を付着させることによってインク像を形成するステップと、
を備える、方法。
【0223】
発明コンセプト23.
発明コンセプト22に記載の方法であって、さらに、
ブラックライト下で、又は450nmに調整されたLEDライトの下でインク像を見ること、及び/又はブラックライト条件下でインク像を見ることを含む、方法。
【0224】
発明コンセプト24.
発明コンセプト22又は発煙23に記載の方法であって、
可視光下では前記インク像がモノクロームであり、ブラックライト又は450nmに調整されたLED光の下では前記インク像がマルチカラーである、方法。
【0225】
発明コンセプト25.
発明コンセプト22~発明コンセプト24のいずれか1つに記載の方法であって、
前記インク像は、前記可食性インクのみから形成され、単一リザーバで生成したインク像である、方法。
【0226】
発明コンセプト26.
印刷方法であって、ステップaとステップbとステップcとを備え、
前記ステップaは、天然着色剤保有植物質及び蛍光体を含む可食性インクを提供し、
前記ステップbは、例えばコンピュータメモリに記憶されたデジタル像を受け取り、前記デジタルは、非一様幾何学及び/又は非一様色の特徴を提供するものであり、
前記ステップcは、可食性インクの液滴を基材の表面上又は内部に付着させ、基材は任意に可食性であり、前記デジタル像をインク像に変換し、
前記インク像は、白色光下ではモノクロームであるがブラックライト又は450nmLED光下ではマルチカラーであり、
i.前記インク像は、前記可食性インクの単一リザーバ液滴付着のみを行うことで形成された、方法。
【0227】
発明コンセプト27.
発明コンセプト26に記載の方法であって、
ii.印刷は、マッピングを実施し、
前記マッピングは、前記デジタル像の色又は幾何学的特徴をブラックライト可視色に描画する、方法。
【0228】
発明コンセプト27.
発明コンセプト26に記載の方法であって、
前記可食性インクの液滴密度及び液滴サイズの少なくとも一方を調節することによりブラックライト視認可能色をターゲットにして実施される、方法。
【0229】
発明コンセプト28.
印刷方法であって、ステップa及びステップbを備え、
前記ステップaは、下記の印刷(i)及び印刷(ii)のためのカラー印刷命令をデジタルコンピュータに受信し、
印刷(i)は、デジタル像の第1部分及び/又は画素の第1グループ及び/又は第1の像サブセクションを、第1の色で印刷することであり、且つ、
印刷(ii)は、デジタル像の第1部分及び/又は画素の第2のグループ及び/又は第2の像サブセクションを、第2の色で印刷することであり、
前記ステップbは、発明コンセプト1~発明コンセプト27のいずれか1つに係る製品における可食性且つ水性のインクの液滴を付着(例えばインクジェット)させることによりターゲット表面に液滴を付着させ、前記インク像の一部の液滴密度及び/又は液滴サイズ及び/又はグレースケールを調節することによって、前記カラー印刷命令を実施し、ここで、
前記第1の色での印刷に応答して液滴サイズ及び/又は密度及び/又は被覆率及び/又はグレースケールを増加させ、前記第2の色での印刷に応答して液滴サイズ及び/又は密度及び/又は被覆率及び/又はグレースケールを減少させる、方法。
【0230】
発明コンセプト29.
前記ステップbは、単一インク像の印刷を行い、前記単一インク像の印刷は、像を形成するために単一のインクのみを付着させる、方法。
【0231】
発明コンセプト30.
発明コンセプト28又は発明コンセプト29に記載の方法であって、
前記ステップbは、白色光下で見た場合にモノクロームでありブラックライト下で見た場合にマルチカラーである像を印刷する、方法。
【0232】
発明コンセプト31.
発明コンセプト28~発明コンセプト30のいずれか1つに記載の方法であって、
前記命令は、コンピュータデバイスのユーザインタフェースを介して受信される、方法。
【0233】
発明コンセプト32.
システムであって、
a.インクジェットプリンタと、
b.第1及び第2の流体リザーバと、
c.制御回路と、
を備え、
a.前記インクジェットプリンタは、ターゲット位置を定義し、
b.前記第1及び第2の流体リザーバは、前記第1流体及び前記第2流体がそれぞれ装填され、下記i及びiiに該当し、
i.前記第1流体は、色がpH感受性である酸性且つ可食性インク(例えば、本開示に係る任意のインクであり、例えば、4未満のpHを有する)であり、前記第1流体は、任意に天然着色剤保有植物体(例えば、前記第1流体の主要着色剤が未焼成植物体の抽出物又はその固形分)を含有し、
ii.前記第2流体は、塩基性溶液であり、
c.前記制御回路は、前記ターゲット位置への前記第1流体及び前記第2流体の両方の液滴の付着を前記インクジェットプリンタに行わせることで、デジタル像(例えば、コンピュータメモリに記憶された像)を印刷する、システム。
【0234】
発明コンセプト33.
発明コンセプト32に記載のシステムであって、
前記制御回路は、前記第1流体及び前記第2流体の液滴付着処理を行うように構成され、
前記第1流体及び前記第2流体の液滴間の相対的な液滴サイズ及び/又は前記第1流体及び前記第2流体の液滴間の距離が、前記第1流体のpH-色依存性及び/又は前記塩基性溶液のpH(例えば、前記pH-色依存性と前記塩基性溶液との組み合わせ)に従って決定される、システム。
【0235】
発明コンセプト34.
発明コンセプト32に記載のシステムであって、
前記制御回路は、前記第1流体及び前記第2流体の液滴付着を行うように構成され、
前記第1流体及び前記第2流体の液滴間の相対的な液滴サイズ、及び/又は前記第1流体及び前記第2流体の液滴間の距離が、下記A~Dの組み合わせに従って決定される、システム。
A.ターゲット位置におけるターゲット基材のpH
B.前記第1流体のpH色依存性
C.前記塩基性溶液のpH
D.任意に、前記第1流体のpH(例えば、前記第1流体と前記第2流体との間の滴定曲線)
【0236】
発明コンセプト35.
発明コンセプト32~34のいずれかに記載のシステムであって、
マルチカラーデジタル像が、第1の色及び前記第2の色を有する第1及び第2の領域をそれぞれ有し、
前記インク像の対応する第1及び第2の領域が、前記第1流体のpH色依存性に対応するそれぞれの第1及び第2のpHで前記第1及び第2の色にターゲット化されるように、前記インク像が印刷される、システム。
【0237】
発明者コンセプト36.
第1の色の第1領域及び第2の色の第2領域を有するデジタル像を印刷する方法であって、
前記方法は、ステップa及びステップbを含み、
前記ステップaは、第1流体及び第2流体を装填した第1及び第2の流体リザーバをそれぞれ提供し、ここで、
i.前記第1流体は、色がpH感受性である酸性且つ可食性インクであり、前記インクは、天然着色剤保有植物質を含み、
ii.前記第2流体は、塩基性溶液であり、
前記ステップbは、ターゲット基材に前記第1及び第2の流体リザーバの両方の形態の液滴を付着させることによって前記デジタル像を印刷し、
i.前記デジタル像の前記第1領域に対応する前記ターゲット基材の第1領域に対して、前記第1流体を第1の色とするpHに前記第1及び第2の流体リザーバからの液滴の相対量が対応するような液滴付着によって、第1の色をターゲット化し、
ii.前記デジタル像の前記第2領域に対応する前記ターゲット基材の第2領域に対して、前記第1流体を第2の色とするpHに前記第1及び第2の流体リザーバからの液滴の相対量が対応するような液滴付着によって、第2の色をターゲット化する、方法。
【0238】
発明コンセプト37.
天然着色剤保有植物質の抽出物を備える、可食性且つ水性のインク。
【0239】
発明コンセプト38.
発明コンセプト37に記載の可食性インクであって、前記植物質が未焙煎の植物質である、可食性インク。
【0240】
発明コンセプト39.
上記の発明コンセプトのうち任意の1つに記載のインクであって、
前記天然着色剤保有植物質の抽出物、又はその固形物が、前記インクの主要着色剤である、インク。
【0241】
発明コンセプト40.
上記の発明コンセプトのうち任意の1つに記載のインクであって、
前記可食性インク内の、天然着色剤保有植物質の抽出物の固形分の濃度が、少なくともX%wt/wtであり、
Xの値は少なくとも4である、インク。
【0242】
発明コンセプト41.
発明コンセプト40に記載のインクであって、
Xの値が、少なくとも5、又は少なくとも6、又は少なくとも7、又は少なくとも8、又は少なくとも9、又は少なくとも10、又は少なくとも11、又は少なくとも12である、インク。
【0243】
発明コンセプト49.
上記の発明コンセプトのうち任意の1つに記載の可食性インクであって、
前記植物質は、果実質、及び/又は野菜質、及び/又は根質、及び/又は衣質、及び/又は花質、及び/又は茎質、及び/又はそれらの組み合わせを備える、インク。
【0244】
発明コンセプト50.
上記の発明コンセプトのうち任意の1つに記載の可食性インクであって、前記植物質は、主に植物質を備える、インク。
【0245】
発明コンセプト51.
上記の発明コンセプトのうち任意の1つに記載の可食性インクであって、前記植物質は、主に果実質を備える、インク。
【0246】
発明コンセプト52.
上記の発明コンセプトのうち任意の1つに記載の可食性インクであって、
リンゴ酢、食酢、プルーン濃縮果汁、レーズンペースト濃縮物、レーズン濃縮果汁、シナモン、クローブ、及びグレープフルーツ種子抽出物(GSE)からなる群から選択される1つ以上の抗微生物剤を備える、インク。
【0247】
発明コンセプト53.
上記の発明コンセプトのうち任意の1つに記載の可食性インクであって、少なくとも2%wt/wtのリンゴ酢を含む、インク。
【0248】
発明コンセプト53.
上記の発明コンセプトのうち任意の1つに記載の可食性インクであって、少なくとも2.5%wt/wtのリンゴ酢を含む、インク。
【0249】
発明コンセプト53.
上記の発明コンセプトのうち任意の1つに記載の可食性インクであって、少なくとも3%wt/wt、又は少なくとも3.5%、又は少なくとも4%wt/wtのリンゴ酢を含む、インク。
【0250】
発明コンセプト58.
上記の発明コンセプトのうち任意の1つに記載の可食性インクであって、
前記可食性インクを水で1:90に希釈して希釈着色剤調合物を生成するとき、可視波長(例えば520ナノメートル)における前記希釈着色剤調合物の光学密度は少なくともODMINであり、ODMINの値は少なくとも0.5である、インク。
【0251】
発明コンセプト59.
発明コンセプト58に記載の可食性インクであって、ODMINの値は少なくとも0.6である、インク。
【0252】
発明コンセプト60.
発明コンセプト58に記載の可食性インクであって、ODMINの値が少なくとも0.7、又は少なくとも0.9、又は少なくとも1.0である、インク。
【0253】
発明コンセプト64.
上記の発明コンセプトのうち任意の1つに記載の可食性インクであって、前記可食性インクは人工着色料を含まない、インク。
【0254】
発明コンセプト65.
上記の発明コンセプトのうち任意の1つに記載の可食性インクであって、
前記可食性インクが、米国農務省方針書(USDA方針書)に準拠した天然のものである、インク。
【0255】
発明コンセプト66.
上記の発明コンセプトのうち任意の1つに記載の可食性インクであって、
前記可食性インクは金属イオンを有さないか、及び/又は、
前記インク調合物内の金属イオンの濃度が、最大でも0.1%、又は最大でも0.05%、又は最大でも0.01%wt/wtである、インク。
【0256】
発明コンセプト67.
上記の発明コンセプトのうち任意の1つに記載の可食性インクであって、
前記可食性インクは、最大でもZセンチポアズの25℃粘度を有し、
Zの値は、最大で10、又は最大で8、又は最大で6、又は最大で5、又は最大で4である、インク。
【0257】
発明コンセプト72.
上記の発明コンセプトのうち任意の1つに記載の可食性インクであって、
前記可食性インクは、サイズが1μmを超える粒子を含まない、インク。
【0258】
発明コンセプト73.
任意の発明概念72の可食性インクであって、
前記可食性インクは、サイズが0.75ミクロンを超える粒子を含まない、インク。
【0259】
発明コンセプト74.
任意の発明概念72に記載の可食性インクであって、
前記可食性インクは、0.5ミクロンを超える粒子を含まない、インク。
【0260】
発明コンセプト75.
上記の発明コンセプトのうち任意の1つに記載の可食性インクであって、
前記可食性インクが、pH調整剤を備え、
前記pH調整剤は、前記可食性インクのpHを最大でもpHMAXのターゲットpHに制御し、
pHMAXの値は、最大でも3.8、又は最大でも3.6、又は最大でも3.5、又は最大でも3.3、又は最大でも3.2、又は最大でも3.1、又は最大でも3.0である、インク。
【0261】
発明コンセプト82.
上記の発明コンセプトのうち任意の1つに記載の可食性インクであって、
前記天然着色剤保有植物質及び前記可食性インクは、下記の植物由来着色剤(複数可)のうち少なくとも1種を含み、
前記植物由来着色剤(複数可)は、アントシアニン、クロロフィリン(例えば銅クロロフィリン)、カロチノイド色素、ビキシン、ノルビキシン、フラボノイド、インドール由来色素(例えばベタレイン)、カルミン、ルテイン、キサントフィル、又はそれらの組合せである、インク。
【0262】
発明コンセプト83.
上記の発明コンセプトのうち任意の1つに記載の可食性インクであって、
前記天然着色剤保有植物質及び前記可食性インクは、下記の植物由来着色剤(複数可)の少なくとも1つを含み、
前記植物由来着色剤(複数可)は、アントシアニン、クロロフィリン(例えば銅クロロフィリン)、カロチノイド色素、ビキシン、ノルビキシン、フラボノイド、インドール由来色素(例えばベタレイン)、カルミン、ルテイン、キサントフィル、又はそれらの組合せであり、
前記着色剤(複数可)の濃度が、インク100g当たり少なくともWmgであり、
Wの値は、少なくとも20、又は少なくとも30、又は少なくとも40、又は少なくとも50、又は少なくとも75、又は少なくとも100、又は少なくとも150、又は少なくとも200、又は少なくとも250、又は少なくとも500、又は少なくとも750、又は少なくとも1000である、インク。
【0263】
発明コンセプト84.
上記の発明コンセプトのうち任意の1つに記載の可食性インクであって、
前記天然着色剤保有植物質の抽出物が、ブドウ、クランベリー、スグリ、ブルーベリー、トマト、カシス、アナトー、ニンジン、黒ニンジン、ビート、ビーツ、ホウレンソウ、黄ニンジン、キャベツ及び/又は赤米、並びにターメリック、パプリカから成る少なくとも1種の抽出物を含む、インク。
【0264】
発明コンセプト85.
上記の発明コンセプトのうち任意の1つに記載の可食性インクであって、少なくとも40%wt/wt又は少なくとも50%wt/wtの水を含む、インク。
【0265】
発明コンセプト88.
上記の発明コンセプトのうち任意の1つの可食性インクであって、
最大でも80%wt/wtの水、又は最大でも75%wt/wt、又は最大でも70%wt/wt、又は最大でも65%wt/wt、又は最大でも50%wt/wtの水を含む、インク。
【0266】
発明コンセプト。
上記の発明コンセプトのうち任意の1つに記載の可食性インクであって、少なくとも15%wt/wtの保湿剤を含む、インク。
【0267】
発明コンセプト94.
方法であって、いずれかの発明コンセプトに記載の前記可食性インクの液滴を食品又は飲料ターゲットにインクジェットして、前記食品又は飲料ターゲットの上に又は中に像を印刷する、方法。
【0268】
発明コンセプト95.
発明コンセプト94の方法であって、
像が、飲料の発泡表面に印刷される、方法。
【0269】
発明コンセプト96.
発明コンセプト95に記載の方法であって、
前記発泡表面が、ビール泡、卵白泡、ミルク泡、及び代用ミルク泡、大豆泡、アクアファバ泡、ひよこ豆泡、ニトロ泡(窒素を注入した飲料を意味し、飲料と窒素気泡の混合泡を生成)、からなる群から選択される、方法。
【0270】
発明コンセプト97.
発明コンセプト94~96のいずれか1つに記載の方法であって、
前記ターゲットが、カクテル、ビール、コーヒー、茶(即ち、チャイ、抹茶)、ミルクシェイク、フルーツシェイク、及び野菜シェイク、からなる群から選択される、方法。
【0271】
発明コンセプト98.
発明コンセプト93~97のいずれか1つに記載の方法であって、液滴のインクジェットは、サーマルインクジェットによって行われる。
【0272】
発明コンセプト99.
発明コンセプト94~98のいずれか1つに記載の方法であって、液滴のインクジェットは、ピエゾインクジェットによって行われる、方法。
【0273】
発明コンセプト100.
発明コンセプト94~99のいずれか1つに記載の方法であって
前記インクジェットされた液滴それぞれは、最大で60ピコリットル、又は最大で50ピコリットル、又は最大で40ピコリットルの大きさを有する、方法。
【0274】
発明コンセプト101.
製品であって、
a.1つ以上のインクリザーバ(複数可)のリザーバアレイと、
b.1つ以上のリザーバ内に配置された第1インクと、
を備え、
前記第1インクは第1着色剤を含み、前記第1着色剤が可視光着色剤である、製品。
【0275】
発明コンセプト102.
発明コンセプト101に記載の製品であって、前記第1インクは可食性インクである、製品。
【0276】
発明コンセプト103.
発明コンセプト101~102のいずれか1つに記載の製品であって、前記第1インクは水性のインクである、製品。
【0277】
発明コンセプト104.
発明コンセプト101~103のいずれか1つに記載の製品であって、
前記リザーバアレイはインクジェットカートリッジを含み、そのインクチャンバ内に前記第1インクが配置される、製品。
【0278】
発明コンセプト105.
発明コンセプト104に記載の製品であって、インクジェットカートリッジはサーマルインクジェットカートリッジである、製品。
【0279】
発明コンセプト106.
発明コンセプト104に記載の製品であって、インクジェットカートリッジはピエゾインクジェットカートリッジである、製品。
【0280】
発明コンセプト107.
発明コンセプト104~106のいずれか1つに記載の製品であって、
(i)前記インクジェットカートリッジは、複数のインク室を含むマルチチャンバ型インクジェットカートリッジであり、
(ii)前記複数のインク室のうちの第1インク室に前記第1の水性インクが配置され、且つ、
(iii)前記複数のインク室のうちの第2インク室に、追加のインクが配置され、
前記水性インクは、少なくとも1つの蛍光体を含む、製品。
【0281】
発明コンセプト108.
発明コンセプト107に記載の製品であって、前記追加の水性インクは可食性インクである、製品。
【0282】
発明コンセプト109.
発明コンセプト107~108のいずれか1つに記載の製品であって、追加的な水性インクが可食性インクである、製品。
【0283】
発明コンセプト110.
発明コンセプト107~109のいずれか1つに記載の製品であって、
前記蛍光体は、リボフラビン、リボフラビン5-リン酸、ピリドキシン塩酸塩、葉酸、ナイアシン、硫酸キニーネ、ニコチンアミド、D&CオレンジNo.5、又はそれらの組み合わせ、からなる群から選択される、製品。
【0284】
発明コンセプト111.
発明概念101~110のいずれか1つに記載の製品であって、
前記第1の水性インクが、CBPSM群から選択される着色剤保有植物由来材料CBPSMを含んでおり、
前記CBPSM群は、(i)未焙煎植物質の抽出物の固形物、(ii)黒ニンジン抽出物の固形物、(iii)ブドウ抽出物の固形物、(iv)コーヒー抽出物の固形物、(v)焙煎コーヒー抽出物の固形物、及び(vi)焙煎及び/又は麦芽穀物の抽出物の固形物、から構成される、製品。
【0285】
発明コンセプト112.
発明コンセプト111に記載の製品であって、
前記CBPSM群から選択される着色剤保有植物由来材料は、未焙煎植物質の抽出物の固形物である、製品。
【0286】
発明コンセプト113.
発明コンセプト112に記載の製品であって、
前記未焙煎植物質抽出物の固形物は、未焙煎果実質抽出物の固形物、及び/又は未焙煎野菜質抽出物の固形物、及び/又は未焙煎根質抽出物の固形物、及び/又は未焙煎穀類抽出物の固形物、及び/又は未焙煎下等植物質抽出物の固形物、及び/又は未焙煎茎質抽出物の固形物、並びにこれらの組み合わせ、を含む、製品。
【0287】
発明コンセプト114.
発明コンセプト112~113のいずれか1つに記載の製品であって、前記未焙煎の抽出物の固形分は、主に未焙煎野菜質抽出物の固形分を含む、製品。
【0288】
発明コンセプト115.
発明コンセプト112~113のいずれか1つに記載の製品であって、前記植物質は、主に未焙煎果実質抽出物の固形物を含む、製品。
【0289】
発明コンセプト116.
発明コンセプト111に記載の製品であって、前記CBPSM群から選択される着色剤保有植物由来材料は、黒ニンジン抽出物の固形分である、製品。
【0290】
発明コンセプト117.
発明コンセプト111に記載の製品であって、前記CBPSM群から選択される着色剤保有植物由来材料は、ブドウ抽出物の固形物である、製品。
【0291】
発明コンセプト118.
発明コンセプト111に記載の製品であって、前記CBPSM群から選択される着色剤保有植物由来材料は、コーヒー抽出物の固形分である、製品。
【0292】
発明コンセプト119.
発明コンセプト111に記載の製品であって、前記CBPSM群から選択される着色剤保有植物由来材料は、焙煎コーヒー抽出物の固形物である、製品。
【0293】
発明コンセプト120.
発明コンセプト111に記載の製品であって、前記CBPSM群から選択される着色剤保有植物由来材料は、焙煎及び/又は麦芽穀物の抽出物の固形分である、製品。
【0294】
発明コンセプト121.
発明コンセプト111に記載の製品であって、前記CBPSM群から選択される着色剤保有植物由来材料が、焙煎及び麦芽穀物の抽出物の固形分である、製品。
【0295】
発明コンセプト122.
発明コンセプト111に記載の製品であって、前記CBPSM群から選択される着色剤保有植物由来材料は、前記第1インクの主要可視光着色剤である、製品。
【0296】
発明コンセプト123.
発明コンセプト111~122のいずれか1つに記載の製品であって、前記第1インク内の、前記CBPSM群から選択される着色剤保有植物由来材料の濃度が、少なくとも3%wt/wtである、製品。
【0297】
発明コンセプト124.
発明コンセプト111~122のいずれか1つに記載の製品であって、前記第1インク内の、前記CBPSM群から選択される着色剤保有植物由来材料の濃度が、少なくとも4%wt/wtである、製品。
【0298】
発明コンセプト125.
発明コンセプト111~122のいずれか1つに記載の製品であって、前記第1インク内の、前記CBPSM群から選択される着色剤保有植物由来材料の濃度が、少なくとも5%wt/wtである、製品。
【0299】
発明コンセプト126.
発明コンセプト111~122のいずれか1つに記載の製品であって、前記第1インク内の、前記CBPSM群から選択される着色剤保有植物由来材料の濃度が、少なくとも8%wt/wtである、製品。
【0300】
発明コンセプト127.
発明コンセプト111~122のいずれか1つに記載の製品であって、前記第1インク内の、前記CBPSM群から選択される着色剤保有植物由来材料の濃度が、少なくとも10%wt/wtである、製品。
【0301】
発明コンセプト128.
発明コンセプト111~122のいずれか1つに記載の製品であって、前記第1インク内の、前記CBPSM群から選択される着色剤保有植物由来材料の濃度が、少なくとも10%wt/wtである、製品。
【0302】
発明コンセプト129.
発明コンセプト111~128のいずれか1つに記載の製品であって、前記第1インク内の、前記CBPSM群から選択される着色剤保有植物由来材料の濃度が、最大でも25%wt/wtである、製品。
【0303】
発明コンセプト130.
発明コンセプト111~128のいずれか1つに記載の製品であって、前記第1インク内の、前記CBPSM群から選択される着色剤保有植物由来材料の濃度が、最大でも20%wt/wtである、製品。
【0304】
発明コンセプト131.
発明コンセプト111~128のいずれか1つに記載の製品であって、前記第1インク内の、前記CBPSM群から選択される着色剤保有植物由来材料の濃度が、最大でも15%wt/wtである、製品。
【0305】
発明コンセプト132.
発明コンセプト111~128のいずれか1つに記載の製品であって、前記第1インク内の、前記CBPSM群から選択される着色剤保有植物由来材料の濃度が、最大でも12%wt/wtである、製品。
【0306】
発明コンセプト133.
発明コンセプト101~132のいずれか1つに記載の製品であって、
前記第1インク及び/又は前記追加のインクは、リンゴ酢、酢、プルーン濃縮果汁、レーズンペースト濃縮物、レーズン濃縮果汁、シナモン、クローブ、及びグレープフルーツ種子エキス(GSE)、からなる群から選択される1つ以上の抗微生物剤を含む、製品。
【0307】
発明コンセプト134.
発明コンセプト101~133のいずれか1つに記載の製品であって、
前記第1インク及び/又は追加のインクは、少なくとも2%wt/wt、又は少なくとも2.5%wt/wt、又は少なくとも3%wt/wt、又は少なくとも3,5%wt/wt、又は少なくとも4%wt/wtのリンゴ酢を含む、製品。
【0308】
発明コンセプト135.
発明コンセプト101~134のいずれか1つに記載の製品であって、
前記第1インク及び/又は前記追加のインクを水で1:90に希釈して希釈着色剤配合物を生成した場合、可視波長(例えば520ナノメートル)における前記希釈着色剤配合物の光学密度が、少なくともODMINであり、
ODMINの値は、少なくとも0.5、又は少なくとも0.6、又は少なくとも0.7、又は少なくとも0.8、又は少なくとも0.9、又は少なくとも1である、製品。
【0309】
発明コンセプト136.
発明概念101~135のいずれか1つに記載の製品であって、
前記第1インク及び/又は前記追加のインクは金属イオンを含有せず、及び/又は、前記インク調合物内の金属イオンの濃度が最大でも0.1%、又は最大でも0.05%、又は最大でも0.01%wt/wtである、製品。
【0310】
発明コンセプト137.
発明コンセプト101~136のいずれか1つに記載の製品であって、前記第1インク及び/又は前記追加のインクは、最大でZセンチポアズの25℃粘度を有し、Zの値は最大でも10である、製品。
【0311】
発明コンセプト138.
発明コンセプト137に記載の製品であって、Zの値は最大でも8、又は最大でも6、又は最大でも5、又は最大でも4である、製品。
【0312】
発明コンセプト142.
上記の発明コンセプトのうち任意の1つの製品であって、前記第1及び/又は追加のインクは、そのサイズが1ミクロンを超える粒子を含まない、製品。
【0313】
発明コンセプト143.
任意の発明コンセプト142に記載の製品であって、前記第1及び/又は追加のインクは、そのサイズが0.75ミクロンを超える粒子を含まない、製品。
【0314】
発明コンセプト144.
任意の発明コンセプト142の製品であって、前記可食性インクは、そのサイズが0.5ミクロンを超える粒子を含まない、製品。
【0315】
発明コンセプト145.
発明コンセプト101~144のいずれか1つに記載の製品であって、
前記可食性インクが、pH調整剤を含み、
前記pH調整剤は、前記可食性インクのpHを最大でもpHMAXのターゲットpHに調節し、
pHMAXの値は、最大でも4.5、又は最大でも4.2、又は最大でも4.0、又は最大でも3.8、又は最大でも3.6、又は最大でも3.5、又は最大でも3.4、又は最大でも3.3、又は最大でも3.2、又は最大でも3.1、又は最大でも3.0である、製品。
【0316】
発明コンセプト146.
発明コンセプト101~145のいずれか1つに記載の製品であって、
前記第1インクの天然着色剤由来植物質は、下記の植物由来着色剤(複数可)のうち少なくとも1つを含み、
前記植物由来着色剤(複数可)は、アントシアニン、クロロフィリン(例えば、銅クロロフィリン)、カロチノイド顔料、ビキシン、ノルビキシン、フラボノイド、インドール由来顔料(例えば、ベタレイン)、カルミン、ルテイン、キサントフィル、又はそれらの組み合わせ、を含む、物品。
【0317】
発明コンセプト147.
発明概念101~146のいずれか1つに記載の製品であって
前記第1インクが、以下の植物由来着色剤(複数可)のうちの少なくとも1つを含み、
前記植物由来着色剤(複数可)は、アントシアニン、クロロフィリン(例えば、銅クロロフィリン)、カロチノイド顔料、ビキシン、ノルビキシン、フラボノイド、インドール由来顔料(例えば、ベタレイン)、カルミン、ルテイン、キサントフィル、又はそれらの組合せ、を含み、
前記着色剤(複数可)の濃度が、インク100g当たり少なくともWmgであり、
Wの値は、少なくとも20、又は少なくとも30、又は少なくとも40、又は少なくとも50、又は少なくとも75、又は少なくとも100、又は少なくとも150、又は少なくとも200、又は少なくとも250、又は少なくとも500、又は少なくとも750、又は少なくとも1000である、製品。
【0318】
発明コンセプト148.
発明コンセプト101~147のいずれか1つに記載の製品であって、
前記天然着色剤保有植物質の抽出物は、ブドウ、クランベリー、スグリ、ブルーベリー、トマト、カシス、アナトー、ニンジン、黒ニンジン、ビート、ビーツ、ホウレンソウ、黄ニンジン、キャベツ及び/又は赤米、並びにターメリック、パプリカから選ばれる少なくとも1種の抽出物を含む、製品。
【0319】
発明コンセプト149.
発明コンセプト101~148のいずれか1つに記載の製品であって、前記第1及び/又は追加のインクは、少なくとも40%wt/wtの水又は少なくとも50%wt/wtの水を含む、製品。
【0320】
発明コンセプト150.
発明コンセプト101~149のいずれか1つに記載の製品であって、前記第1及び/又は追加のインクが、最大でも85%wt/wtの水、又は最大でも80%wt/wtの水、又は最大でも75%wt/wtの水を含む、製品。
【0321】
発明コンセプト151.
発明コンセプト101~149のいずれか1つに記載の製品であって、
前記第1及び/又は追加のインクは、最大でも70%wt/wtの水を含む、製品。
【0322】
発明コンセプト152.
発明コンセプト101~151のいずれか1つに記載の製品であって、
前記第1インクが、リボフラビン又はリボフラビン5'-リン酸以外の人工着色剤を含まないか、又は、
前記第1インクにおけるリボフラビン又はリン酸リボフラビン以外の人工着色剤の含有量が、最大でも250ppm、若しくは最大でも150ppm、若しくは最大でも100ppm、若しくは最大でも50ppm、若しくは最大でも25ppm、若しくは最大でも15ppm、若しくは最大でも10ppm、若しくは最大でも5ppmである、製品。
【0323】
発明コンセプト153.
発明コンセプト101~152のいずれか1つに記載の製品であって、
前記第1インクは、非蛍光性着色剤を含まないか、又は、
前記第1インクは、最大でも250ppm、若しくは最大でも150ppm、若しくは最大でも100ppm、若しくは最大でも50ppm、若しくは最大でも25ppm、若しくは最大でも15ppm、若しくは最大でも10ppm、若しくは最大でも5ppmの非蛍光性着色剤を含む、製品。
【0324】
発明コンセプト154.
発明コンセプト101~152のいずれか1つに記載の製品であって、
前記第1インクが、pH調整剤を含み、
前記pH調整剤は、前記インク調合物のpHを、(i)2.0~4.0の範囲内、又は(ii)2.0~3.8の範囲内、(iii)2.0~3.6の範囲内、又は(iv)2.0~3.5の範囲内、又は(v)2.5~4.0の範囲内、又は(vi)2.0~3.8の範囲内、又は(vi)2.0~3.6の範囲内、又は(vii)2.5~3.5の範囲内、又は(viii)3.0~4.0の範囲内、又は(ix)3.0~3.8の範囲内、又は(x)3.0~3.6の範囲内、又は(xi)3.0~3.5の範囲内、に維持する、製品。
【0325】
発明コンセプト155.
発明コンセプト101~154のいずれか1つに記載の製品であって、前記第1インクが以下(a)~(c)の特性を有する、製品。
(a)前記インク調合物のグリセロール濃度wt/wtは少なくともX1%wt/wtであり、X1の値はゼロ又は正の数である。
(b)前記インク調合物のソルビトール濃度wt/wtは少なくともX2%wt/wtであり、X2の値はゼロ又は正の数である。
(c)X1とX2の合計は、少なくとも10%、又は15%、又は少なくとも20%、又は少なくとも25%、又は少なくとも30%(例えば、最大でも50%、又は最大でも40%、又は最大でも31%)である。
【0326】
発明コンセプト156.
発明コンセプト101~155のいずれか1つに記載の製品であって、
前記第1インクは、
エタノールを含まないか、又は、
エタノール含有量が、最大でも2%、若しくは最大でも1%、若しくは最大でも0.5%wt/wtである、製品。
【0327】
発明コンセプト157.
発明コンセプト101~156のいずれか1つに記載の製品であって、
前記第1インクは、リボフラビン及び/又はリボフラビン5'-リン酸をさらに含み、
リボフラビン及びリボフラビン5'-リン酸のそれぞれの濃度の合計は、少なくとも0.05%wt/wtである、製品。
【0328】
発明コンセプト158.
発明コンセプト101~156のいずれか1つに記載の製品であって、
前記第1インクは、リボフラビン及び/又はリボフラビン5'-リン酸をさらに含み、
リボフラビン及びリボフラビン5'-リン酸のそれぞれの濃度の合計は、少なくとも0.1%wt/wtである、製品。
【0329】
発明コンセプト159.
発明コンセプト157~158のいずれか1つに記載の製品であって、リボフラビン及び/又はリボフラビン5'-リン酸のそれぞれの濃度の合計が、最大でも0.1%wt/wtである、製品。
【0330】
発明コンセプト160.
発明コンセプト157~158のいずれか1つに記載の製品であって、リボフラビン及び/又はリボフラビン5'-リン酸のそれぞれの濃度の合計が、最大でも0.5%wt/wtである、製品。
【0331】
発明コンセプト161.
発明コンセプト101~160のいずれか1つに記載の製品であって、
白色光の下で、前記第1インクのLAB値とLAB点(77,11,94)(例えば、黄の色合い)との間の距離は、少なくとも50、又は少なくとも55、又は少なくとも60である、製品。
【0332】
発明コンセプト162.
発明コンセプト101~156のいずれか1つに記載の製品であって、
前記第1インクは、
人工着色剤を含まないか、又は、
人工着色剤の含有量が、最大でも1000ppm、若しくは最大でも500ppm、若しくは最大でも250ppm、若しくは最大でも150ppm、若しくは最大でも100ppm、若しくは最大でも50ppm、若しくは最大でも25ppmである、製品。
【0333】
発明コンセプト163.
発明コンセプト1~162のいずれか1つに記載の製品であって、
前記インクジェットカートリッジは、サーマルインクジェットカートリッジである、製品。
【0334】
発明コンセプト164.
発明コンセプト1~162のいずれか1つに記載の製品であって、
前記インクジェットカートリッジは、ピエゾインクジェットカートリッジである、製品。
【0335】
発明コンセプト165.
製品であって、
a.インクジェットカートリッジと、
b.前記インクジェットカートリッジ内に配置され、且つ黒ニンジン抽出物を含む、可食性且つ水性なインクと、
を備え、
前記可食性インクは下記i~iiiを備える、製品。
i.少なくとも9%wt/wtの黒ニンジン抽出物固形分
ii.少なくとも15%wt/wtの保湿剤、及び/又は、濃度の合計が15%wt/wtであるwt/wtグリセロール及びwt/wtソルビトール
iii.40%wt/wt~80%wt/wtの水(例えば、50%wt/wt~70%wt/wtの水)
【0336】
発明コンセプト166.
発明コンセプト165に記載の製品であって、黒ニンジン抽出物固形分が、前記可食性インクの主要着色剤である、製品。
【0337】
発明コンセプト167.
製品であって、
a.インクジェットカートリッジと、
b.前記インクジェットカートリッジ内に配置され、ブドウ固体抽出物を含む、可食性且つ水性のインクと、
を備え、
前記可食性インクは、下記i~iiiを備える、製品。
i.少なくとも8%wt/wtのブドウ抽出物固形分
ii.少なくとも15%wt/wtの保湿剤、及び/又は、濃度の合計がl5%wt/wtであるwt/wtグリセロール及びwt/wtソルビトール
iii.40%wt/wt~80%wt/wtの水(例えば、50%wt/wt~70%wt/wtの水)
【0338】
発明コンセプト168.
発明コンセプト167に記載の製品であって、前記可食性インクは、少なくとも9%又は少なくとも10%wt/wtのブドウ抽出物固形分を含む、製品。
【0339】
発明コンセプト169.
発明コンセプト167~168のいずれか1つに記載の製品であって、ブドウ抽出物固形分(複数可)が、前記可食性インクの主要着色剤である、製品。
【0340】
発明コンセプト170.
システムであって、
a.インクジェットプリンタと、
b.第1及び第2の流体リザーバと、
c.制御回路と、
を備え、
a.前記インクジェットプリンタは、ターゲット位置を定義し、
b.前記第1及び第2の流体リザーバは、第1流体及び第2流体がそれぞれ装填され、下記i及びiiに該当し、
i.前記第1流体は、酸性且つ可食性インクであり、前記インクの色が、前記第1流体と混合される前記第2流体の量に依存し、
ii.前記第2流体は、透明溶液であり、
c.前記制御回路は、前記ターゲット位置への前記第1流体及び前記第2流体の両方の液滴の付着を前記インクジェットプリンタに行わせることで、デジタル像(例えば、コンピュータメモリに記憶された像)を印刷する、システム。
【0341】
明確さのために、別々の実施形態の文脈で説明されている本発明の特定の特徴も、単一の実施形態において組み合わせて提供されてもよいことが理解されるであろう。逆に、簡潔さのために、単一の実施形態の文脈で説明されている本発明の様々な特徴も、別々に又は任意の適切な副次的組合せで提供されてもよい。
【0342】
本発明をその特定の実施形態に関連して説明したが、多くの代替案、修正及び変形が当業者には明らかであろうことは明らかである。従って、添付の特許請求の範囲の精神と広い範囲内に入るそのような代替案、修正及び変形をすべて包含することが意図される。付録を含む本明細書中で言及されたすべての刊行物、特許及び特許出願は、個々の刊行物、特許又は特許出願が参照により本明細書に組み込まれることが具体的かつ個別に示されているのと同じ程度に、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。さらに、本願における任意の文献の引用又は特定は、当該文献が本発明の先行技術として利用可能であることを認めるものとして解釈されないものとする。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図2A-B】
図3A-B】
図4A-B】
図5A-B】
図6A-B】
図7A-B】
図8A
図8B
図8C
図8D
図9A-B】
図10A-B】
図11A-B】
図12A-B】
図13A-B】
図14A-B】
図15A-B】
図16A-B】
図17A-B】
図18A-B】
図19A-B】
図20
図21
図22A
図22B
図23
図24
図25
図26
図27A-C】
図28
図29
図30
図31
図32
図33A
図33B
図34
図35A-B】
図36A-B】
図37
図38A
図38B
【国際調査報告】