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特表2023-528236実験室用ディスク研磨装置、方法、補充用研磨盤、及び、研磨盤の使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-04
(54)【発明の名称】実験室用ディスク研磨装置、方法、補充用研磨盤、及び、研磨盤の使用
(51)【国際特許分類】
   B24B 7/04 20060101AFI20230627BHJP
   B24B 37/10 20120101ALI20230627BHJP
   B24B 37/12 20120101ALI20230627BHJP
   B24D 7/00 20060101ALI20230627BHJP
   B24D 3/00 20060101ALI20230627BHJP
   B24B 55/06 20060101ALI20230627BHJP
【FI】
B24B7/04 A
B24B37/10
B24B37/12 C
B24D7/00 P
B24D3/00 320B
B24D3/00 310D
B24D3/00 310F
B24B55/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022569529
(86)(22)【出願日】2021-05-10
(85)【翻訳文提出日】2023-01-04
(86)【国際出願番号】 EP2021062300
(87)【国際公開番号】W WO2021228753
(87)【国際公開日】2021-11-18
(31)【優先権主張番号】102020113324.3
(32)【優先日】2020-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522444265
【氏名又は名称】アーテーエム キューネス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ATM Qness GmbH
【住所又は居所原語表記】Reitbauernweg 26, 5440 Golling Austria
(74)【代理人】
【識別番号】110002664
【氏名又は名称】弁理士法人相原国際知財事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヘル, ロベルト
【テーマコード(参考)】
3C043
3C047
3C063
3C158
【Fターム(参考)】
3C043BA03
3C043BA10
3C043BA13
3C043BA16
3C043CC04
3C043CC13
3C043DD02
3C043DD04
3C043DD05
3C047FF08
3C047HH11
3C063AA02
3C063AB05
3C063BA21
3C063BA33
3C063BA37
3C063BB02
3C063BC02
3C063BC03
3C063BG01
3C063BG08
3C063CC16
3C063EE01
3C063EE15
3C158AA04
3C158AA07
3C158AA09
3C158AA12
3C158AA14
3C158AB01
3C158AB04
3C158AB08
3C158AC04
3C158CA01
3C158CA04
3C158CB01
3C158CB03
3C158CB05
3C158EA11
3C158EB01
3C158EB02
3C158EB04
3C158EB09
(57)【要約】
本発明は、実験室用ディスク研磨装置及び特に埋め込みサンプルの下面を平面研磨するための方法、並びに、前記実験室用ディスク研磨装置のための補充用研磨盤及び実験室用ディスク研磨装置における研磨盤の使用に関し、前記研磨盤(16)は、外縁の環状の第1の平面領域(42)と、前記外縁の環状の第1の平面領域(42)の内側に配置された中央の第2の平面領域(44)とに区分されており、前記支持円板(62)の前記上面(62b)は、前記外縁の環状の第1の平面領域(42)内においてのみ前記研磨材(46)によって被覆されており、その結果、研磨性の外縁の環状の第1の平面領域(42)及びパッシブな中央の第2の平面領域(44)が形成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に埋め込みサンプル(30)の下面(30a)を平面研磨するための、回転する研磨盤(16)を備える実験室用ディスク研磨装置(10,10')であって、
研磨盤受容ディスク(58)と、前記研磨盤受容ディスク(58)を回転させることが可能な駆動モータ(60)と、を備える装置ハウジング(12)と、
支持円板(62)と、結合剤によって前記支持円板(62)の上面(62a)上に結合された研磨材(46)とを有する研磨盤(16)であって、前記研磨盤(16)の前記支持円板(62)は上面(62b)及び下面(62a)を有し、前記研磨盤(16)の前記下面(62a)は前記研磨盤受容ディスク(58)上に取り外し可能に固定可能である、研磨盤(16)と、
を含み、
前記研磨盤(16)は、外縁の環状の第1の平面領域(42)と、前記外縁の環状の第1の平面領域(42)の内側に配置された中央の第2の平面領域(44)とに区分されており、前記支持円板(62)の前記上面(62b)は、前記外縁の環状の第1の平面領域(42)内においてのみ結合された前記研磨材(46)によって被覆されており、その結果、研磨性の外縁の環状の第1の平面領域(42)及びパッシブな中央の第2の平面領域(44)が形成される、実験室用ディスク研磨装置(10,10')。
【請求項2】
前記研磨材(46)は研磨粒によって形成され、前記研磨盤(16)の断面において、前記研磨粒(46)は、前記研磨性の外縁の環状の第1の平面領域(42)内に、前記研磨盤(16)の共通の環状の研磨性の第1の表面を画定し、前記研磨盤(16)の前記支持円板(62)は、前記パッシブな中央の第2の平面領域(44)内に、前記研磨盤(16)の中央の非研磨性の第2の表面を形成し、前記研磨盤(16)の未使用の摩耗されていない状態において、前記研磨盤(16)の前記共通の環状の研磨性の第1の表面は、前記中央の非研磨性の第2の表面よりも高い位置にある、請求項1に記載の実験室用ディスク研磨装置(10,10')。
【請求項3】
前記共通の環状の研磨性の第1の表面と、前記中央の非研磨性の第2の表面との間の高さの差異は、50μm~5mmの範囲にある、請求項2に記載の実験室用ディスク研磨装置(10,10')。
【請求項4】
前記研磨材(46)は研磨粒によって形成され、前記研磨性の外縁の環状の第1の平面領域(42)において、前記研磨粒は、前記結合剤と共に、複数の層で、好ましくは3~100の層で、前記支持円板(62)の前記上面(62)上に結合されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の実験室用ディスク研磨装置(10,10')。
【請求項5】
前記研磨材層は、多層に、鈍くなった研磨粒が研磨プロセス中に剥離し、それにより未使用の研磨粒がその下にある層から自動的に前記表面に現れるような態様で、セルフシャープニング式に形成されている、請求項4に記載の実験室用ディスク研磨装置(10,10')。
【請求項6】
前記研磨材(46)は研磨粒によって形成され、前記研磨性の外縁の環状の第1の平面領域(42)において、結合剤と共に、所定のパターンで印刷されている、請求項1~5のいずれか1項に記載の実験室用ディスク研磨装置(10,10')。
【請求項7】
前記研磨盤(16)は円形であり、100mm~500mmの、好ましくは150mm~400mmの、好ましくは300mm±50mmの外径を有する、請求項1~6のいずれか1項に記載の実験室用ディスク研磨装置(10,10')。
【請求項8】
前記研磨性の外縁の環状の第1の平面領域(42)は内径D_i及び外径D_aを有し、前記内径D_iと前記外径D_aとの差異の半分は、前記研磨性の外縁の環状の第1の平面領域(42)の径方向の幅B_rに対応し、240mm~20mm、好ましくは180mm~25mm、好ましくは30mm±10mm若しくは125mm±50mmである、請求項1~7のいずれか1項に記載の実験室用ディスク研磨装置(10,10')。
【請求項9】
前記研磨性の外縁の環状の第1の平面領域(42)は内径D_i及び外径D_aを有し、前記内径D_iは、20mm~450mm、好ましくは30mm~300mm、好ましくは50mm±30mm若しくは250mm±50mmであり、及び/又は、前記外径D_aは、100mm~500mm、好ましくは150mm~400mm、好ましくは300mm±50mmの範囲にある、請求項1~8のいずれか1項に記載の実験室用ディスク研磨装置(10,10')。
【請求項10】
前記支持円板(62)は、シート、特に金属シート若しくはプラスチックシートを含み、及び/又は、前記研磨材(46)はダイヤモンド粒子から成る、請求項1~9のいずれか1項に記載の実験室用ディスク研磨装置(10,10')。
【請求項11】
前記研磨盤(16)の前記下面は、前記研磨盤受容ディスク(58)上に、取り外し可能に付着して固定可能である、請求項1~10のいずれか1項に記載の実験室用ディスク研磨装置(10,10')。
【請求項12】
前記装置ハウジング(12)は、冷却流体及び研磨屑のための収集タブ(18)を備え、前記研磨盤受容ディスク(58)は前記収集タブ(18)内で回転する、請求項1~11のいずれか1項に記載の実験室用ディスク研磨装置(10,10')。
【請求項13】
1つ又は複数のサンプル(30)がサンプル・ホルダー(24)内に挿入されており、前記研磨盤(16)に押し付けられ、前記研磨盤(16)の回転に加えて、前記サンプル・ホルダー(24)が前記1つ又は複数のサンプル(30)と共に、研磨プロセス中に回転し、前記研磨盤(16)及び前記サンプル・ホルダー(24)の回転中、前記1つ又は複数のサンプル(30)の周縁領域は、前記研磨性の外縁の環状の第1の平面領域(42)を越えて径方向内向きに移動する、請求項1~12のいずれか1項に記載の実験室用ディスク研磨装置(10,10')。
【請求項14】
前記実験室用ディスク研磨装置は、サンプル・ホルダー(24)を固定するための押圧ピストン(20)を有する装置ヘッド(14)を備え、前記装置ヘッド(14)によって、前記サンプル・ホルダー(24)内に挿入された1つ又は複数のサンプル(30)が、所定の押圧力で前記研磨盤(16)上に押し付けられ、前記サンプル・ホルダー(24)は、特に、前記研磨盤(16)の回転に加えて同時に前記サンプル・ホルダー(24)の回転が前記研磨プロセス中に遂行されるよう、回転可能であり、前記研磨盤(16)及び前記サンプル・ホルダー(24)の回転軸(AS,AK)は平行にオフセットして延びている、請求項1~13のいずれか1項に記載の実験室用ディスク研磨装置(10,10')。
【請求項15】
前記研磨性の外縁の環状の第1の平面領域(42)は内径D_i及び外径D_aを有し、前記内径D_iと前記外径D_aとの差異の半分は、前記研磨性の外縁の環状の第1の平面領域(42)の径方向の幅B_rを定義し、
i)単独のサンプルの場合、前記研磨性の外縁の環状の第1の平面領域(42)の前記径方向の幅B_rは、前記サンプル(30)の直径が、特に前記研磨プロセス中の回転する前記サンプルの径方向の移動により持続的に若しくは一時的に、内向きに前記内径D_iを越えて突出するように選択されている、又は
ii)複数のサンプル(30)が挿入されたサンプル・ホルダー(24)の場合、前記サンプルの全体が、前記サンプル・ホルダーの回転に関して総外径D_gを定義し、前記研磨性の外縁の環状の第1の平面領域(42)の前記径方向の幅B_rは、前記総外径D_gが、特に前記研磨プロセス中の回転する前記サンプルの径方向の移動により持続的に若しくは一時的に、内向きに前記内径D_iを越えて突出するように選択されている請求項1~14のいずれか1項に記載の実験室用ディスク研磨装置(10,10')。
【請求項16】
回転する研磨盤(16)によって、特に請求項1~15のいずれか1項に記載の実験室用ディスク研磨装置(10,10')によって、特に埋め込みサンプル(30)の下面を平面研磨するための方法であって、
支持円板(62)と、結合剤によって前記支持円板(62)の上面(62a)上に結合された研磨材(46)とを有する研磨盤(16)が使用され、前記研磨盤(16)の前記支持円板(62)は上面(62b)及び下面(62a)を有し、前記研磨盤(16)は、平面研磨されるべき前記サンプル(30)よりも著しく大きく、
前記研磨盤(16)は、外縁の環状の第1の平面領域(42)と、前記外縁の環状の第1の平面領域(42)の内側に配置された中央の第2の平面領域(44)とに区分されており、前記支持円板(62)の前記上面(62b)は、前記外縁の環状の第1の平面領域(42)内においてのみ前記研磨材(46)によって被覆されており、その結果、研磨性の外縁の環状の第1の平面領域(42)及びパッシブな中央の第2の平面領域(44)が形成され、
1つ又は複数のサンプル(30)がサンプル・ホルダー(24)内に挿入されており、前記研磨盤(16)に押し付けられ、
前記研磨盤の回転に加えて、前記サンプル・ホルダー(24)が前記1つ又は複数のサンプル(30)と共に、研磨プロセス中に回転し、前記研磨プロセス中の回転において、前記1つ又は複数のサンプル(30)の周縁領域は、前記研磨性の外縁の環状の第1の平面領域(42)を越えて内側に移動する、方法。
【請求項17】
特に埋め込みサンプル(30)の下面(30a)を平面研磨するための請求項1~15のいずれか1項に記載の実験室用ディスク研磨装置(10,10')における使用のために構成された、支持円板(62)と前記支持円板上に結合剤によって結合された研磨粒とから成る補充用研磨盤(16)であって、
前記研磨盤(16)は、平面研磨されるべき前記サンプル(30)よりも著しく大きく、前記研磨盤(16)の前記支持円板(62)は上面(62b)及び下面(62a)を有し、前記支持円板(62)は、前記下面(62a)で、前記実験室用ディスク研磨装置(10,10')の研磨盤受容ディスク(58)上に、取り外し可能に付着可能であり、
前記研磨盤(16)は、外縁の環状の第1の平面領域(42)と、前記外縁の環状の第1の平面領域(42)の内側に配置された中央の第2の平面領域(44)とに区分されており、前記支持円板(62)の前記上面(62b)は、前記外縁の環状の第1の平面領域(42)内においてのみ研磨材(46)としての前記研磨粒によって被覆されており、その結果、研磨性の外縁の環状の第1の平面領域(42)及びパッシブな中央の第2の平面領域(44)が形成される、補充用研磨盤(16)。
【請求項18】
請求項1~15のいずれか1項に記載の実験室用ディスク研磨装置(10,10')における請求項17に記載の補充用研磨盤(16)の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、実験室用ディスク研磨装置の形態の、サンプルを研磨するための実験室スケールの材料除去装置、特に埋め込みサンプルの下面を平面研磨するための方法、並びに、実験室用ディスク研磨装置のための補充用研磨盤及び実験室用ディスク研磨装置における研磨盤の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
金属組織学においては、サンプルの材料調査を実施するために、しばしば、比較的小さなサンプル片が、プラスチック材料から成る円筒体に埋め込まれる。そのような埋め込みサンプルの直径は、例えば40mmである。次いで、そのような埋め込みサンプルは、平面研磨され、場合によってはポリッシュされた材料サンプルの表面で、例えば硬度試験測定又は組織分析のような材料調査を実施することができるように、平面研磨され、場合によってはポリッシュされる。埋め込まれた金属組織学的サンプルを平面研磨し、場合によってはポリッシュするために、典型的には、回転する研磨盤を備える実験室用ディスク研磨装置が使用され、それらは例えば、ATM Qness GmbHからSaphir及びRubinの商標名で知られている(www.qatm.com参照)。しばしば、そのような実験室用ディスク研磨装置は、研磨装置とポリッシング装置とを組み合わせた装置として設計されており、これは、実験室用ディスク研磨装置が、付加的なポリッシング機能を示すために、ポリッシュ盤をも装備され得ることを意味する。したがって、そのような実験室用ディスク研磨装置は、典型的には、材料試験、特に硬度試験又は組織分析における埋め込みサンプルの下面の平面研磨及び場合によってはポリッシングのために、使用される。
【0003】
このような実験室用ディスク研磨装置は、シングルスピンドル又はマルチスピンドルのいずれかで入手可能である。手動の実験室用ディスク研磨装置は、実質的に、タブ、駆動モータ及び研磨ディスクを備えたハウジングを有する。これらの単純な装置において、埋め込みサンプルは、手によって押圧され研磨され得る。自動の研磨装置は、付加的に、その内部に回転するサンプル・ホルダーが組み込まれ得る押圧ピストンを備える、ポリッシングヘッドと呼ばれることもある装置ヘッドを有する。サンプルは、サンプル・ホルダー内に緩く置かれ、個々の圧力ピンによって研磨盤に対して押し付けられるか(個別サンプル接触圧)、又は、固定された態様でサンプル・ホルダー内にクランプされ、サンプル・ホルダーが全体として研磨盤に対して押し付けられる(中央接触圧)。
【0004】
このような実験室用ディスク研磨装置のための研磨盤は、典型的には、完全に平坦に具現されている。すなわち、特定の粒度及び特定の分散を有する研磨材は、研磨盤上に完全に平坦に、場合によっては特定のパターンで、研磨盤の全表面にわたって内側から外側へ分配されている。
【0005】
しかしながら、研磨盤の周速は、中心に向かって低下する。周速が低下することにより、盤の中心に向かってサンプルへの圧力は増大する。周速がゼロに等しく、したがって材料が除去されないので、盤の中心では典型的には作業は行われない。したがって、主として盤の外側の領域が使用され、内側の領域は使用されない。比較的長期の使用の後、これは、異なる摩耗をもたらし、その結果、研磨盤は、比較的長期の使用の後はもはや平坦でなくなり、これは、基本的に目標とするサンプルの平坦度に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0006】
これらの不利な効果は、研磨盤を典型的には手によって砥石で定期的にドレッシングすることにより阻止されるが、これは不利なことに、付加的な労力の原因となる。加えて、それにより研磨材が浪費され、不必要なコストの原因となる。
【0007】
これらの効果は、装置ヘッドに回転可能に固定された押圧ピストンによって自動的に研磨盤に押圧されるサンプル・ホルダー内に1つ又は複数のサンプルが固定された実験室用ディスク研磨装置の場合、より問題のあるものである。この場合、サンプルは、典型的には常に研磨盤の同じ半径で研磨され、これは、研磨盤上の研磨材の顕著に不均一な摩耗を、すなわち1つ又は複数のサンプルが主として研磨される外側の環状領域において、もたらす。サンプル、又は、複数のサンプルの場合サンプルの全体は、自体の回転にもかかわらず、径方向において常にほぼ同じ半径間隔に留まるので、比較的長期の使用においては、研磨性の表面の、すなわち研磨盤の径方向外側の領域と中央の領域との間の研磨体の、高さの差異が生じる。なぜなら、中央の領域で生じる研磨材の摩耗は、より少ないか又は全くないからである。
【0008】
このように不均一に摩耗した研磨盤が定期的に砥石でドレッシングされないと、特定の半径で研磨材の本格的な段差形成が生じる可能性さえあり、これは、埋め込みサンプルの下側の外縁の基本的に望ましくない丸み付けをもたらす可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明の課題は、前述した欠点を回避するか又は少なくとも低減する、実験室用ディスク研磨装置、方法、補充用研磨盤及び研磨盤の使用を提供することである。
【0010】
本発明の課題の更なる態様は、一方では研磨盤のドレッシングの必要性がなくなるか又は少なくとも低減され、それにもかかわらず、研磨された埋め込みサンプルの下面が高度の平坦度を有し、特にサンプルの縁部における丸みが回避されるか又は少なくとも低減され、同時に研磨盤が長い耐用年数を有する、実験室用ディスク研磨装置、方法、補充用研磨盤及び研磨盤の使用を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の課題は、独立請求項の主題によって解決される。好ましい実施形態は、従属請求項の主題である。
【0012】
本発明は、特に埋め込まれた金属組織学的サンプルの下面を平面研磨するための回転する研磨盤を備える実験室スケールのディスク研磨装置に関し、実験室用ディスク研磨装置は、研磨装置とポリッシング装置とを組み合わせた装置として形成され得る。それは、研磨盤受容ディスクと、それによって研磨盤受容ディスクが回転させられる駆動モータと、を備える装置ハウジングを含む。研磨盤の回転速度は、好ましくは制御可能であり、例えば30rpm~600rpmで調節され得る。
【0013】
研磨盤受容ディスク上には、1つの特に薄い研磨盤が取り付けられ、例えばピン留めされることができ、当該研磨盤は、実質的に、支持円板と、当該支持円板上に結合された研磨材としての研磨粒又は研磨粒子の形態の研磨材層とから成る。研磨粒の結合は、好ましくは、合成樹脂結合剤又は金属結合剤、例えば研磨粒が埋め込まれたニッケル結合剤によって行われる。
【0014】
研磨盤の支持円板は上面及び下面を有し、研磨盤を消耗材として相応の摩耗の後に又は粒度を変えて研磨するために容易に交換することができるよう、下面で研磨盤受容ディスク上に例えば付着により取り外し可能に固定されている。このために、研磨盤は、研磨盤受容ディスク上に、例えば磁気的に、すなわち支持円板の研磨盤受容ディスクへの磁気的な付着によって、又は、例えばゲル状の表面コーティングを有する接着性の下面を有する支持円板によって、付着され得る。その場合、研磨盤は、特に平面研磨されるべきサンプルよりも著しく大きく、その直径は、典型的には30mm~60mmの範囲である。
【0015】
本発明の一態様によれば、研磨盤は、外縁の環状の第1の平面領域と、外縁の環状の第1の平面領域の内側に配置された中央の第2の平面領域とに区分されており、支持円板の上面は、外縁の環状の第1の平面領域内においてのみ研磨材としての研磨粒によって平坦に被覆されており、その結果、研磨性の外縁の環状の第1の平面領域及びパッシブな非研磨性の中央の第2の平面領域が形成される。換言すれば、研磨盤は、研磨材で被覆された研磨性の外縁の環状領域と、研磨材のない環状内部領域内の空所とを有し、これは、研磨盤の支持円板が、パッシブな非研磨性の中央の第2の平面領域内に存在はするものの、実質的に研磨材としての研磨粒で被覆されていないことを意味する。代替的に、研磨盤受容ディスク及び非研磨性の中央の第2の平面領域内の支持円板を付加的に空けておき、冷却剤のための流出口を研磨盤受容ディスクに設けることも考えられる。したがって、支持円板上の研磨材層、すなわち研磨盤のアクティブな研磨性の平面は、環状の平面として形成されており、支持円板の覆われていない非研磨性の中央の領域を取り囲む。したがって、研磨材層は、研磨盤の回転軸の周りの中央に空所を有する環状に構成されている。
【0016】
研磨性の外縁の環状領域の径方向の幅又は環状の研磨材層の径方向の幅は、好ましくは、1つ又は複数のサンプルの周縁領域が、特に恒久的に又は少なくとも定期的に、研磨性の外縁の環状領域の上を径方向内向きに移動するよう、1つ又は複数のサンプルの大きさに適合されており、その結果、研磨盤の中央の領域には、1つ又は複数のサンプルの研磨の際、特に恒久的に若しくは少なくとも定期的に、協働しない平面領域は残存しない。換言すれば、研磨材層の全表面は、1つ又は複数のサンプルがその上を移動しない研磨材層の領域が存在することなく、1つ又は複数のサンプルの下面を研磨する。換言すれば、非研磨性の中央の第2の平面領域の直径は、1つ又は複数のサンプルが恒久的に又は少なくとも定期的に径方向内向きにパッシブな非研磨性の中央の第2の平面領域内に至るのに十分に大きい。
【0017】
したがって、有利には、研磨材若しくは研磨材層の異なる摩耗は、とりわけ研磨盤の中央の内部領域において回避され得る。なぜなら、そこには、好ましくは研磨材が全く存在しないからである。
【0018】
これにより、相乗的な二重の利益が達成され得る。一方では、研磨盤の定期的なドレッシングを省略することができ又は少なくとも著しく低減することができ、それにもかかわらず、研磨盤が既にある摩耗レベルに達している場合であっても、1つ又は複数のサンプルの下面のための平坦な研磨結果が保証される。他方では、研磨盤の周速が最適な研磨結果を達成するにはいずれにせよ低すぎる場所で、研磨材の浪費が回避され又は少なくとも低減され得る。
【0019】
好ましくは、付加的に、1つ又は複数のサンプルが研磨性の外縁の環状領域の上を径方向外向きにも移動する、すなわち径方向外向きに研磨性の外縁の環状領域を越えて突出する若しくは延び出ることにより、研磨盤の径方向外側においても、研磨材の不均一な摩耗が回避され得る。
【0020】
研磨性の外縁の環状領域又は環状の研磨材層において、特定の粒度及び特定の分散を有する研磨材としての研磨粒は、結合剤によって支持円板上に結合されている。結合剤としては、例えば、エポキシ樹脂又はニッケルが使用され得る。研磨材としては、例えば、所望の粒度を有するダイヤモンド粒子の形態の工業的に製造されたダイヤモンドが使用され、ダイヤモンド粒子は、所望の硬度(軟らかい、中程度、硬い)を有する合成樹脂内に結合されている。好ましくは、研磨粒子は、粉末、例えばダイヤモンド粉末として、合成樹脂を用いた印刷プロセスによって、支持円板の表面上に印刷され、その際、局所的に結合される。したがって、研磨粒は、好ましくは、研磨性の外縁の環状の第1の平面領域において、結合剤によって、所定のパターンで印刷される。これに特に適しているのは、スクリーン印刷プロセスである。代替的に、研磨粒子は、金属結合、例えばニッケル結合によって、支持円板上に結合されることもできる。
【0021】
それにより、研磨盤の断面には、環状の研磨材の表面が、厳密には、研磨性の外縁の環状の第1平面領域において研磨盤の共通の環状の研磨性の第1の表面を画定する、結合剤中に埋め込まれた研磨粒によって、形成される。研磨盤の支持円板は、パッシブな非研磨性の中央の第2の平面領域において、研磨盤の中央の非研磨性の第2の表面を形成する。なぜなら、支持円板の中央の第2の平面領域は、研磨粒で被覆されていない又はそこには研磨材層がないからである。それにより、研磨盤の未使用の摩耗されていない状態において、研磨盤の共通の環状の研磨性の第1の表面は、研磨盤の中央の非研磨性の第2の表面よりも高い位置にあり、その結果、環状の研磨材層の内半径には、共通の環状の研磨性の第1の表面と中央の非研磨性の第2の表面との間に、高さの差又は段差が形成され、1つ又は複数のサンプルは、パッシブな非研磨性の中央の第2の平面領域内に至り、そこで、高さの差の故に、研磨盤まで軸方向の距離がある。
【0022】
共通の環状の研磨性の第1の表面若しくは環状の研磨材層の表面と、中央の非研磨性の第2の表面との間の段差の高さの差、又は、研磨材層の厚さは、研磨盤に応じて、例えば50μm~5mm、好ましくは100μm~3mm、好ましくは200μm~1.5mmであり得る。研磨性の外縁の環状の第1の平面領域に適した粒度は、3μm、6μm、15μm、30μm、60μm、125μm若しくは250μmの粒径、又は、80、120、180、240、320、600、800、1000、1200、2500の粒度を有し、粒径は25.4mm(1inch)/粒度に対応する。例えば、1000粒度の粒径は25.4mm/1000=0.025mm、又は、80粒度の粒径は25.4mm/80=0.32mmである。80未満の粒度は、実験室用ディスク研磨装置においてはむしろ慣用されていないため、最大の粒径は、好ましくは約0.32mm若しくは0.25mmである。
【0023】
研磨粒は、研磨性の外縁の環状の第1の平面領域において、結合剤によって支持円板の表面上に、好ましくは複数の層で、好ましくは3~200の層で、好ましくは5~100の層で結合されており、その結果、多層の研磨材層内には、平均して約3~200、好ましくは約5~100個の研磨粒子が、軸方向に重なり合って結合されている。
【0024】
更に好ましくは、多層の研磨材層は、例えば鈍くなった研磨粒、例えばダイヤモンド粒子が研磨プロセス中に剥離し、それにより未使用の研磨粒、例えばダイヤモンド粒子がその下にある層から自動的に上面に現れるような態様で、セルフシャープニング式に形成されている。
【0025】
これは、一方では、実験室用ディスク研磨装置内の研磨盤が長い耐用年数を有し、研磨盤が交換される必要が生じる前に、多数の埋め込みサンプルが連続して研磨され得るという利点を有する。他方では、連続的に除去される重なり合って結合された研磨粒から成る複数の層を有するこのような研磨盤と、研磨盤の内部領域における研磨材層の空所との組合せは、相乗的な利点を提供する。なぜなら、本発明がなければ、特に多層のセルフシャープニング式の研磨盤においては、大きく異なる摩耗によって生じる高さの差が、特に大きいからである。
【0026】
換言すれば、研磨性の外縁の環状の第1の平面領域とパッシブな非研磨性の中央の第2の平面領域との間の高さの差は、好ましくは研磨粒の大きさには対応せず、研磨粒の大きさよりも著しく大きい。なぜなら、結合、好ましくはダイヤモンド粒子との合成樹脂結合は、例えばスクリーン印刷プロセスによって多層で塗布され、したがって、比較的小さな粒径においても例えば1mmまでの高さの差は、塗布され得るからである。それにより、研磨粒が比較的急速に鈍くなる場合であっても、研磨盤の耐用年数は著しく増大される。研磨粒が多層に結合している場合、既に上で説明したように、研磨粒は、それが鈍い場合、土台による高い切削力の故に剥離し、その下にある未使用で依然として鋭い研磨粒が表面に達し、その研磨効果を発揮する。それにより、長い耐用年数が達成され得る。
【0027】
研磨盤は、好ましくは丸い(円の)形状であり、及び/又は、100mm~500mmの、好ましくは150mm~400mmの、好ましくは300mm±50mmの外径を有する。
【0028】
研磨性の外縁の環状の第1の平面領域又は環状の研磨材層は、好ましくは内径D_i及び外径D_aを有し、内径D_iと外径D_aとの差異の半分は、環状の研磨材層の径方向の幅B_rを定義し、240mm~20mm、好ましくは180mm~25mm、好ましくは30mm±10mm若しくは125mm±50mmである。個々のサンプルを研磨するために、環状の研磨材層の径方向の幅B_rは、30mm±10mmであるか、又は、埋め込みサンプルの直径よりも5%~50%小さくあることができ、複数のサンプルを有するサンプル・ホルダーの場合、環状の研磨材層の径方向の幅B_rは、125mm±50mm、又は、個々の埋め込みサンプルの直径の150%~400%であることができる。
【0029】
好ましい実施形態によれば、研磨性の外縁の環状の第1の平面領域又は環状の研磨材層は、内径D_i及び外径D_aを有し、内径D_iは、パッシブな非研磨性の中央の第2の平面領域の外径に対応し、内径D_iは、複数のサンプルを有するサンプル・ホルダーについて好ましくは20mm~450mm、好ましくは30mm~300mm、好ましくは50mm±30mmであり、又は、個々のサンプルについて250mm±50mmであり、及び/又は、外径D_aは、好ましくは100mm~500mm、好ましくは150mm~400mm、好ましくは300mm±50mmの範囲にある。
【0030】
支持円板は、好ましくは、特に剛なシートとして形成されている。支持円板の十分な剛性は、実験室用ディスク研磨装置において関連する研磨パラメータにとって有利である。シートは、好ましくは金属シートであるが、プラスチックシートであってもよい。好ましくは、シートの厚さは、0.1mm~3mmである。例えば、厚さ0.5mmの金属シートが適している。特に適しているのは、磁化可能な金属シート、例えば磁化可能な鋼シートである。なぜなら、これらは、研磨盤受容ディスクが磁石を含む場合、当該研磨盤受容ディスクに直接磁気的に付着され得るからである。
【0031】
研磨粒は、好ましくはダイヤモンド粒子であり、これは、やはり研磨盤の耐用年数にプラスの影響を及ぼす。
【0032】
研磨粒は、好ましくは、合成樹脂結合によって支持円板上に結合されている。代替的に、ニッケル結合が考慮に値する。その場合、研磨粒は、結合剤中に埋め込まれている。結合は、例えば、スクリーン印刷プロセスによって行われる。
【0033】
研磨粒又はダイヤモンド粒子は、結合剤によって、シート上に直接結合されることさえできる。代替的に、研磨盤は、その上で研磨粒又はダイヤモンド粒子が結合剤によって結合された織物の中間層を含むことができる。後者は、製造技術に関して利点を有し得る。この場合、研磨材層を有する織物の裏地は、再びシート上に貼り付けられる柔軟な研磨パッドを形成し、その結果、シートは、織物の中間層と共に、剛な研磨盤を得るために、支持円板を形成する。
【0034】
好ましい実施形態によれば、研磨盤は付着手段を有し、それによって研磨盤の下面が研磨盤受容ディスク上に取り外し可能に付着して固定される。付着は、例えば、磁力又はゲル状の粘着層によって達成され得る。それにより、研磨盤は、例えば粒度を変更するために又は研磨盤がその耐用年数の終わりに達したときに、ユーザーによって容易かつ快適に交換され得る。
【0035】
好ましくは、研磨盤受容ディスク、したがって研磨盤は、研磨屑及び場合によっては冷却流体を捕捉する収集タブ内で回転する。それにより、研磨盤は、冷却流体、例えば水によって冷却されることができ、研磨屑は洗い流されることができる。
【0036】
好ましい実施形態によれば、実験室用ディスク研磨装置は、好ましくは交換可能なサンプル・ホルダーを備え、これは、例えば、複数のサンプルを挿入するためのプレートとして、又は、個々のサンプルのための把持部として形成されることができ、1つ又は複数のサンプルは、サンプル・ホルダー内に挿入されており、当該サンプル・ホルダーによって、個別接触圧又は中央接触圧により、それぞれ研磨盤に対して押圧される。個別接触圧の場合、1つ又は複数のサンプルは、サンプル・ホルダー内に挿入されているにすぎず、中央触圧の場合、それらは、強固にクランプされている。更に、研磨盤の回転に加えて、サンプル・ホルダーは、挿入された1つ又は複数のサンプルと共に、研磨プロセス中に回転し、研磨盤及びサンプル・ホルダーの逆向きの又は同一方向の二重回転の間、1つ又は複数のサンプルの周縁領域は、研磨性の外縁の環状の第1の平面領域又は環状の研磨材層の上を径方向内向きに及び場合によっては付加的に外向きに移動し、径方向内向きにパッシブな非研磨性の中央の第2の平面領域内に至る。それにより、研磨盤の中央の内部領域に、1つ又は複数のサンプルによって均一に摩耗されない研磨材が存在しないことが保障される。
【0037】
換言すれば、i)単独のサンプルの場合、サンプルは外径を定義し、当該サンプルは、研磨プロセスの間、その外径が、研磨性の外縁の環状の第1の平面領域又は環状の研磨材層を越えて径方向内向きに及び場合によっては外向きに突出し、ii)複数のサンプルが挿入されたサンプル・ホルダーの場合、サンプルの全体が、サンプル・ホルダーの回転に関して総外径を定義し、総外径は、研磨プロセスの間、研磨性の外縁の環状の第1の平面領域又は環状の研磨材層を越えて径方向内向きに及び場合によっては外向きに突出し、パッシブな非研磨性の中央の第2の平面領域内に突出する。
【0038】
本発明の好ましい実施形態によれば、実験室用ディスク研磨装置は、自動ディスク研磨装置として形成されており、サンプル・ホルダーを固定するための押圧ピストンを有する装置ヘッドを備える。1つ又は複数のサンプルを挿入するためのサンプル・ホルダーがその下端に固定された押圧ピストンは、回転駆動装置によって駆動され、線形駆動装置、例えばスピンドル駆動装置によって、研磨盤に対して垂直に配置される。押圧ピストンは、規定の押圧力による研磨プロセスを生じさせるために、サンプル・ホルダーに挿入されたサンプルを、所定の押圧力で自動的に研磨盤に対して押し付け、その際、個別接触圧又は中央接触圧を使用することができる。個別接触圧の場合、各サンプルは、個々の接触ピンによって個々に研磨盤に対して押し付けられ、サンプル・ホルダー内に固定されておらず、共に動くがサンプル・ホルダー内で軸方向に移動可能である。中央接触圧の場合、サンプルは、例えば径方向クランプねじによってホルダー内にクランプされる。押圧ピストンの回転及び/又は研磨盤に対する押圧力は、ユーザー・インターフェースを用いてユーザーによって事前に選択されることができ、回転及び/又は押圧ピストンによって引き起こされる押圧力は、次いで、制御装置によって自動的に制御される。その場合、二重回転、すなわち研磨盤の回転及びサンプル・ホルダーの回転の下で、逆向きに又は同一方向に研磨が行われ、これは、特に均一な研磨結果を可能にする。
【0039】
サンプル・ホルダーは、例えば複数のサンプルが並んで挿入された円盤状のホルダーとして形成されることができるが、特に個々のサンプルを把持し保持する把持部としても形成され得る。サンプル・ホルダーとしてのそのような把持部は、例えば、3本指把持部として形成され得る。
【0040】
実験室用ディスク研磨装置は、好ましくは、研磨盤上に冷却流体を噴射するための少なくとも1つの冷却流体ノズルを備える。冷却流体は、次いで、典型的には、収集タブ内に収集され、研磨屑と共に流出口を通じて排出され得る。特に、実験室用ディスク研磨装置が、研磨装置とポリッシング装置とを組み合わせた装置として形成されている場合、付加的に、ポリッシングの際に種々の粒度のダイヤモンド懸濁液又は多結晶若しくは単結晶の粒子を適用することができるように、複数のノズルが設けられ得る。更に、実験室用ディスク研磨装置は、手動及び自動の両バージョンにおいて、シングルスピンドル又はマルチスピンドルであることができ、すなわち、それぞれが研磨盤受容ディスクを有する互いに隣接して配置された1つ又は複数の研磨ステーションを含むことができる。
【0041】
研磨性の外縁の環状の第1の平面領域又は環状の研磨材層は、内径D_i及び外径D_aを有し、内径D_iと外径D_aとの差異の半分は、研磨性の外縁の環状の第1の平面領域又は環状の研磨材層の径方向の幅B_rを定義する。この径方向の幅B_rは、好ましくは、i)単一のサンプルの場合にはサンプルの直径に、又は、ii)互いに隣り合って配置された複数のサンプルの場合にはサンプル全体の直径に、それぞれ適合されている。その際、好ましくは、i)単独のサンプルの場合、研磨性の外縁の環状の第1の平面領域の径方向の幅B_rは、厳密には回転するサンプルの径方向の変位又は振動によって恒久的に又は一時的に、研磨プロセス中にサンプルの直径が内径D_iを越えて内向きに及び/又は外径D_aを越えて外向きに突出するように選択され、ii)互いに隣り合って挿入された複数のサンプルを有するサンプル・ホルダーの場合、サンプルの全体が、サンプル・ホルダーの回転に関して総外径D_g(円形エンベロープ)を定義し、研磨性の外縁の環状の第1の平面領域又は環状の研磨材層の径方向の幅B_rは、厳密には回転するサンプルの径方向の変位又は振動によって恒久的に又は一時的に、研磨プロセス中に総外径D_g(円形エンベロープ)が内径D_iを越えて内向きに及び/又は外径D_aを越えて外向きに突出するように選択される。したがって、両方の場合において、1つ又は複数のサンプルは、径方向内向きに及び/又は径方向外向きに、研磨性の外縁の環状の第1の平面領域又は環状の研磨材層の上を移動することができ、それにより、摩耗のない研磨材領域が回避され得る。換言すれば、研磨盤は、一方では研磨材で被覆されているが、他方ではサンプルがその上を移動しない場所を有しておらず、その結果、研磨盤の表面上に、1つ又は複数のサンプルの研磨を通じて摩耗されない研磨材が被覆された場所は存在しない。
【0042】
本発明の一態様はまた、回転する研磨盤によって、特に前述した実験室用ディスク研磨装置によって、特に埋め込みサンプルの下面を平面研磨するための方法に関する。その場合、研磨盤は、支持円板と、当該支持円板上で結合剤によって結合された研磨粒とを有するか、又は、場合によっては例えば織物の中間層を伴う研磨粒から成り、平面研磨されるべきサンプルよりも著しく大きい。研磨盤は、更に、外縁の環状の第1の平面領域と、外縁の環状の第1の平面領域の内側に配置された中央の第2の平面領域とに区分されており、支持円板の上面は、外縁の環状の第1の平面領域内においてのみ研磨材としての研磨粒によって被覆されており、その結果、研磨性の外縁の環状の第1の平面領域又は環状の研磨材層及びパッシブな非研磨性の中央の第2の平面領域が形成される。1つ又は複数のサンプルは、サンプル把持部としても形成され得るサンプル・ホルダー内に挿入されており、場合によっては機械的に研磨盤に押し付けられる。研磨盤の回転に加えて、1つ又は複数のサンプルを有するサンプル・ホルダーは、研磨プロセス中に連続的に回転し、1つ又は複数のサンプルの周縁領域は、特に恒久的に又はサンプル・ホルダー若しくはサンプルの径方向の振動によって、研磨性の外縁の環状の第1の平面領域又は環状の研磨材層の上を径方向内向きに及び場合によっては外向きに移動する。
【0043】
換言すれば、i)単独のサンプルの場合、サンプルは外径を定義し、当該サンプルは、研磨プロセスの間、回転し、その外径が、研磨性の外縁の環状の第1の平面領域又は環状の研磨材層を越えて径方向内向きに及び場合によっては外向きに突出し、ii)複数のサンプルが挿入されたサンプル・ホルダーの場合、サンプル・ホルダーは回転し、サンプルの全体が、サンプル・ホルダーの回転に関して総外径を定義し、研磨プロセスの間、総外径は、研磨盤のうち研磨材で被覆された表面の全体にわたって研磨材の均一な摩耗が長期間保障されるよう、研磨性の外縁の環状の第1の平面領域又は環状の研磨材層を越えて径方向内側に及び場合によっては外側に突出する。
【0044】
本発明の一態様はまた、前述したように特に埋め込みサンプルの下面を平面研磨するための実験室用ディスク研磨装置用の、支持円板と、当該支持円板上に結合剤によって結合された研磨材としての研磨粒とから成る、補充用研磨盤としての研磨盤に関し、研磨盤は、平面研磨されるべきサンプルよりも著しく大きく、研磨盤の支持円板は上面及び下面を有し、研磨盤は、下面で、研磨盤受容ディスク上に、取り外し可能に付着可能であり、研磨盤は、外縁の環状の第1の平面領域と、当該外縁の環状の第1の平面領域の内側に配置された中央の第2の平面領域と、に区分されており、支持円板の上面は、外縁の環状の第1の平面領域内においてのみ研磨材としての研磨粒によって平坦に被覆されており、その結果、支持円板上の研磨性の外縁の環状の第1の平面領域又は環状の研磨材層、並びに、支持円板のパッシブな中央の第2の平面領域が形成される。
【0045】
本発明の一態様はまた、上述の実験室用ディスク研磨装置における、記載された補充用研磨盤の使用に関する。
【0046】
以下において、本発明が、実施例に基き、図面を参照して詳細に説明されるが、その際、同一の及び類似の要素には、部分的に同一の参照番号が付され、様々な実施例の特徴は互いに組み合わせられ得る。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1】実験室用ディスク研磨装置の一実施形態の3次元的な図示である。
図2図1の研磨盤及びサンプル・ホルダーの拡大図である。
図3】埋め込みサンプルの断面図である。
図4図2の研磨盤及びサンプル・ホルダーの上面図を示す。
図5図4における線5-5に沿った断面図である。
図6図5の領域Aの部分拡大図である。
図7】実験室用ディスク研磨装置の更なる実施形態を示す。
図8図7のサンプル・ホルダー及び研磨盤の概略的な断面図である。
図9】装置ヘッドハウジングのない、図7の装置ヘッドの3次元的な図示である。
図10図9の装置ヘッドの垂直断面である。
図11】従来の研磨盤の不均一な摩耗の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図1を参照すると、実験室用ディスク研磨装置10は、装置ハウジング12、本例では実験台上に設置するための自立型ハウジングを備える。装置ハウジング12の上方には、本例では片持ち梁として形成された装置ヘッド14があり、これは研磨盤16の上方まで延びている。研磨盤16は、装置ハウジング12内の収集タブ18内で回転する。装置ヘッド14から、回転する押圧ピストン20が下向きに延びており、押圧ピストン20の下端22には、本例ではディスク形状のサンプル・ホルダー24が、接続ピン26(図2)によって固定されている。サンプル・ホルダー24又はサンプル受容部内には、本例では6つの埋め込まれた金属組織学的サンプル30が挿入されている。図示された実施例は、中央接触圧で動作する。代替的に、個別接触圧で動作することも可能であり、その場合、サンプル30は、それぞれ1つの固有の加圧ピストンで研磨盤に対して押し付けられ、軸方向に固定されない態様でサンプル・ホルダー24内にクランプされ得る(図示せず)。
【0049】
サンプル・ホルダー24及びその中に挿入された6つの埋め込みサンプル30は、押圧ピストン20又は接続ピン26の回転軸AKを中心として回転する。それにより、6つの埋め込みサンプル30は、軸AKを中心とする円運動を描き、その際、本例では約130mmの総外径D_gを有する外側の全周31を画定する(図4)。
【0050】
サンプル30を研磨するために、一方において研磨盤16は研磨盤軸ASを中心として、他方においてサンプル・ホルダー24は押圧ピストン20の軸AKを中心として、それぞれ回転し、サンプル・ホルダーの回転の軸AKは、研磨盤の回転の軸ASに対して、横方向に平行にオフセットして延びている(図4、5)。特に、全周31は研磨盤軸ASの外側にあり、これは、研磨盤の周速がそれ自体の回転軸ASにおいてゼロに等しいため、有利である。
【0051】
中央接触圧を有する例示的な装置ヘッド14内には、例えばリニアガイド78(図9、10)を有する押圧機構があり、当該リニアガイド78は、研磨盤の上面16b上にある研磨粒又は摩耗粒から成る研磨材層による摩耗を通じてサンプルの下面30aの研磨プロセスをもたらすために、研磨盤16及びサンプル・ホルダー24の逆向きの又は同一方向の回転の間、サンプル・ホルダー24を埋め込みサンプル30と共に、所定の押圧力Fで研磨盤16に対して押圧する。
【0052】
図3を参照すると、サンプル30は、例えば後に硬度試験測定又は顕微鏡による組織分析を実施するための金属の試験対象物片のような検査されるべき実際のサンプル材料32と、その中にサンプル材料32が埋め込まれたプラスチック埋め込み材料から成る円筒ブロックと、から成る埋め込みサンプルである。特に、サンプル材料32は、より良好に取り扱い得るように、プラスチックブロック34内に埋め込まれている。本例では、プラスチックブロックは、コストを最適化するために、2つの異なるプラスチック34a、34bから成る。埋め込み材としては、例えば、ベークライト、エポキシ樹脂、熱硬化性プラスチック、熱可塑性プラスチック又は透明な埋め込みのためのアクリル樹脂が、使用される。
【0053】
図4を参照すると、研磨盤16は、外縁の環状領域42と、外縁の環状領域内に配置された中央領域44と、に区分されている。研磨盤の研磨材による被覆は、本例では六角形の研磨粒被覆で、外縁の環状領域42においてのみ行われる。中央の内部領域には研磨材46が無く、その結果、環状の分割線48が、研磨材で被覆された外縁の環状領域42を、研磨材で被覆されていない中央の内部領域44から分離する。換言すれば、研磨材層47は、研磨材の無い中央の内部領域44を有する環状に形成されている。ここで、回転軸AK及びASの距離は、埋め込みサンプル30の全周線31が、外縁の環状領域42と中央の内部領域44との間の分割線48、すなわち環状の研磨材層47の内径D_iと交差するように、選択されている。換言すれば、埋め込みサンプル30は、研磨盤16及びサンプル・ホルダー24の回転中、研磨材で被覆された外縁の環状領域42を越えて内向きに、研磨材で被覆されていない内部領域44内にまで移動する。この結果、研磨盤16の研磨材で被覆された部位のうち、その上を埋め込みサンプル30が通過しない部位はなく、それにより、研磨材の均一な損耗が保証される。
【0054】
同じことが研磨盤16の外縁16cにも当てはまる。なぜなら、軸AKとASとの間の径方向オフセットは、サンプル30も研磨盤16の外縁16cを越えて外側に移動するように選択されているからである。
【0055】
本例では、研磨盤16は、六角形のパターンで研磨材46により被覆されているが、これは必須ではない。他の被覆パターンも可能である。研磨材層の被覆パターンもリング形状も、スクリーン印刷によって単一の工程で製造することができる。スクリーン印刷プロセスによって、粉末として研磨粒を伴う結合剤が、研磨盤16の表面上に、本例では剛な支持円板62を形成する金属シート上に、直接的に印刷され、その結果、研磨粒は、所望であれば結合剤中に局所的に埋め込まれた状態で、研磨盤16上に結合されている。しかしながら、支持円板62は、その上に研磨粒が結合された織物の中間層を含むこともできる(図示せず)。
【0056】
図5及び6を参照すると、目下は内側にあるサンプル30が、研磨材で被覆された外縁の環状領域42を越えて又は分割線48を超えて内側に、研磨盤16のうち研磨材で被覆されていない内部領域44の中へ延びる様子を、より正確に認識することができる。研磨盤16に加えてサンプル・ホルダー24が回転することにより、全てのサンプル30が、環状の研磨材層47の内側の内部領域44又は円形の研磨材非存在部の中に入り込むまさにその瞬間だけでなく、それらの外周30cにおいても平面研磨されることが保障される。
【0057】
換言すれば、研磨盤16は、その全面にわたって研磨材46で完全に被覆されているのではなく、外側で環状にのみ被覆されている。サンプル30が、研磨プロセスにおける二重回転の間、研磨盤16の軸ASから常に最小距離を維持することにより、サンプル30に対する研磨材の最小周速は、全ての回転位置において維持される。研磨されるべきサンプル30が、研磨材で被覆された周外縁の環状領域42を越えて内向きに移動することにより、外縁の環状領域42における研磨材46もサンプル30の下面30aも平坦に除去され、その結果、研磨盤16のドレッシングはもはや必要ではない。これは、第一に、サンプルをドレッシングするためのユーザーの時間を省く。しかしながら、付加的な利点として、研磨材46のためのコストは更に低減され得る。なぜなら、研磨盤16に必要とされる研磨材46がより少ないからである。
【0058】
従来技術においては典型的であるように、内部領域44も研磨材で被覆されているとすると、研磨盤16の回転軸ASの周りの領域において、研磨材の材料除去は行われず、これは、研磨盤の非平面的な摩耗挙動という結果をもたらす。したがって、研磨盤は、再び平坦になるように、時々取り外されなければならなかった。さもなければ、不均一な摩耗のため、全周31が内側で終わる研磨盤の半径r_sにおいて特定の遷移が生じ、これは、サンプル30が研磨中に周縁領域30cにおいて丸みを帯びる傾向があり、平坦ではなかったということにつながった。図11は、以前の研磨装置又は研磨盤で発生した、この丸み33の問題を示す。
【0059】
再び図1~6に示された本発明の実施例に戻ると、研磨性の外縁の環状領域42は、外径D_a及び内径D_iを有し、この例では、外径D_a=300mm及び内径D_i=50mmである。これらの寸法は、図4に示されたサンプル受容ディスクの形態のサンプル・ホルダー24に適合されており、当該サンプル・ホルダー24は、6つの埋め込みサンプル30を軸AKの周りに環状の配置でクランプし、それ自体が140mmの直径を有する。本例では、サンプル30は40mmの直径を有し、全周31の全外径D_gはおおよそD_g=130mmである。したがって、パッシブな内部領域44内のサンプル30のオーバーラップ領域又はオーバーフロー領域43は、この例では数ミリメートルである。
【0060】
しかしながら、研磨盤16のアクティブな研磨性の表面領域42の環状の構成の原理は、複数のサンプル30を有するサンプル・ホルダー24に限定されず、単一のサンプル30を研磨する場合にも使用することができる。これに関して、図7~10を参照すると、実験室用ディスク研磨装置10'が示されており、当該装置は装置ヘッド14を備え、当該ヘッドはそれぞれ固有の研磨盤16を有する複数の研磨ステーション15を操作する。この例では、装置ヘッド14は、複数の研磨ステーション15を交互に操作することができるように、方向52に沿って変位可能にハウジング12に取り付けられている。この場合、各研磨盤16は、固有の収集タブ18内で回転する。実験室用ディスク研磨装置10'は、更に、もう2つの別個の研磨ステーション54を備える。
【0061】
図8を参照すると、各研磨ステーション15は、例えば、安定した金属ディスクとして形成され得る研磨盤受容ディスク58を備える。研磨盤受容ディスク58は、研磨盤駆動装置60によって、軸ASを中心に回転される。研磨盤受容ディスク58上には、研磨盤16が例えば磁気保持具によって取り外し可能に付着されているが、他の付着技術も可能である。
【0062】
研磨盤16は、ここでも、剛な支持円板62と、支持円板62上に結合された特定の粒度の研磨粒の形態の研磨材46とから成り、研磨粒は結合剤中に埋め込まれており、それにより研磨材層47が形成される。その場合、研磨粒は、セルフシャープニング研磨盤16を形成するために、複数の層で支持円板上に塗布される。このために、粉末としての研磨粒は、例えば、合成樹脂結合剤を用いたスクリーン印刷プロセスによって、研磨盤16上に、この例では支持円板62の上面62b上に直接的に、印刷される。粒度に応じて、これは、支持円板62上の約3~100層の研磨粒が、結合剤中で結合され得ることを意味する。このようにして製造された研磨材層47の厚さは、研磨盤16に応じて、約0.2mm~1mmである。スクリーン印刷プロセスによって、一方では所望の、例えば図2に示されているような六角形の研磨パターン、並びに、研磨材で被覆された外縁の環状領域42と研磨材で被覆されていない内部領域44への区分が、1つの作業ステップで生成され得る。研磨材で被覆された外縁の環状領域42と研磨材で被覆されていない内部領域44への区分により、研磨材で被覆された外縁の環状領域42と研磨材で被覆されていない内部領域44との間の分割線48に段差64が生じ、当該段差の高さは、研磨材層47の厚さに対応し、例えば0.2mm~1mmである。外縁の環状領域42から内部領域44内へ下向きに通じる段差64は、外縁の環状領域42において研磨材46の著しい摩耗があっても、サンプル30が支持円板62の上面62bから依然として十分な軸方向距離を有し、特に、従来の研磨盤においてそうであるように、研磨材が研磨盤の中央の領域においてサンプルによって摩耗しない場合に、外縁の環状領域42から内部領域44内への望ましくない上向きの段差が生じ得ないことを保証する。したがって、研磨盤を平坦にするための定期的なドレッシングは省略され得る。支持円板62は、その下面62aで、研磨盤受容ディスク58の上面58bに取り付けられている。
【0063】
図7~10に示された例では、サンプル・ホルダー24は、サンプル把持部72として形成されている。サンプル把持部72は、サンプルを自動的に研磨するために、自動的に個々のサンプルを把持することができる3つの把持アーム74を備える。複数のノズル76を用いて、例えば自動的に、冷却剤としての及び/又は洗浄のための水、あるいは、種々の粒度のダイヤモンド懸濁液が、研磨盤16の上に噴射され得る。
【0064】
図9及び10を参照すると、装置ヘッド14は直線駆動機構78を備え、それを用いて、サンプル・ホルダー24したがって1つ又は複数のサンプル30が規定の力Fで研磨盤16に対して配置され、同時に押圧ピストン20が回転する。
【0065】
上述した実施形態は例示的なものと理解されるべきであり、本発明は、それらに限定されず、請求項の保護範囲から逸脱することなく多くの方法で変更できることが、当業者には明らかである。更に、当業者には明らかなように、特徴は、明細書、特許請求の範囲、図面又は他の方法で開示されているか否かにかかわらず、たとえ他の特徴と共に記載されていても、本発明の本質的な構成要素を個々に定義する。実験室用ディスク研磨装置、方法、補充用研磨盤及び使用に関連して開示された全ての特徴は、もちろん、それぞれ他のカテゴリーの主題に対しても開示されたと見なされ、1つの実施例の特徴は、他の実施例に対しても開示されたと見なされる。この場合、これは、特に、一方では図1~6の、他方では図7~10の、2つの実施例に当てはまる。
図1
図2
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図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】