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特表2023-528270リンクを巻き取る/巻き戻すデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-04
(54)【発明の名称】リンクを巻き取る/巻き戻すデバイス
(51)【国際特許分類】
   F16H 1/32 20060101AFI20230627BHJP
   H02K 7/116 20060101ALI20230627BHJP
【FI】
F16H1/32 A
H02K7/116
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022570493
(86)(22)【出願日】2021-05-18
(85)【翻訳文提出日】2022-11-18
(86)【国際出願番号】 FR2021050866
(87)【国際公開番号】W WO2021234273
(87)【国際公開日】2021-11-25
(31)【優先権主張番号】2005123
(32)【優先日】2020-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513112876
【氏名又は名称】コンダクティクス ヴァンプフラー フランス
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ベルガー,ジャン‐ミシェル
(72)【発明者】
【氏名】パルセイアン,ブルーノ
(72)【発明者】
【氏名】フルニエ,ヨハン
【テーマコード(参考)】
3J027
5H607
【Fターム(参考)】
3J027FA36
3J027FB32
3J027GB03
3J027GC03
3J027GC24
3J027GD04
3J027GD08
3J027GD12
3J027GE01
5H607AA12
5H607BB01
5H607BB07
5H607BB14
5H607CC03
5H607DD03
5H607EE33
5H607EE36
(57)【要約】
本発明は、同軸であり且つ長手軸(L)について回転において移動可能である入力シャフト(10)および中空の貫通する出力シャフト(20)と、入力シャフト(10)と回転において一体的であるロータ(31)を含む永久磁石同期モータ(30)と、入力シャフト(10)と回転において一体的に取り付けられる偏心カム(51)、および長手軸(L)についてのカム(51)の回転が偏心的なサイクロイド運動においてサイクロイドディスク(52)の回転を駆動させるような方法においてカム(51)と回転において一体的に取り付けられるサイクロイドディスク(52)を含む、サイクロイド径違い継手(50)と、サイクロイドディスク(52)の角度変位を出力シャフト(20)に伝達するのに適した伝動部材(60)とを含む、リンクを巻き取り/巻き戻すためのデバイスを記載する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リンクを巻き取り且つ/或いは巻き戻すデバイスであって、
- 長手軸について回転において移動可能である入力シャフトと、
- 前記入力シャフトに対して実質的に同軸であり、リールと回転ジョイントとの間の前記リンクの通過のために配置される中空の貫通シャフトであり、前記長手軸について回転において前記リールを駆動させるように構成される、出力シャフトと、
- 前記出力シャフトの第1の部分の周囲に配置されるロータを含み、該ロータは、前記入力シャフトと回転において一体的である、少なくとも1つの永久磁石同期モータと、
- 前記出力シャフトの第2の部分の周囲に配置され、少なくとも1つの内部カムと、外部クラウン歯車と、各カムと前記クラウン歯車との間に配置される少なくとも1つのサイクロイドディスクとを含み、各カムは、前記入力シャフトと回転において一体的に取り付けられ、前記少なくとも1つのサイクロイドディスクは、各カムと回転において一体的に取り付けられ、各カムは、前記長手軸についての各カムの回転が偏心的なサイクロイド運動において前記少なくとも1つのサイクロイドディスクの回転を駆動させるような方法において、偏心的である、サイクロイド径違い継手と、
- 前記少なくとも1つのサイクロイドディスクの偏心的なサイクロイド回転が前記出力シャフトの前記長手軸についての回転を駆動させるような方法において、前記少なくとも1つのサイクロイドディスクの角度変位を前記出力シャフトに伝達するのに適した、伝動部材と、を含む、
デバイス。
【請求項2】
前記入力シャフトは、前記出力シャフトの少なくとも1つの部分の周囲に配置される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記少なくとも1つの同期モータと前記サイクロイド径違い継手とを配置するケーシングを更に含み、前記出力シャフトは、前記ケーシングの一端から他端まで前記ケーシングを貫通する、請求項1または2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記出力シャフトの前記第1の部分に沿って直列に取り付けられる1~4個の間の同期モータを含む、請求項1~3のうちのいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項5】
前記少なくとも1つの同期モータは、軸方向磁束永久磁石同期モータである、請求項1~4のうちのいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記少なくとも1つのカムおよび前記入力シャフトは、単一の部品から形成され、各カムは、各カムが前記巻き取り/巻き戻しデバイスに取り付けられるときに、前記長手軸についての前記角度位置に従って変化する半径方向寸法を有する外面を含む、請求項1~5のうちのいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記伝動部材は、第1の部分と、該第1の部分を前記出力シャフトと接続するように構成された第2の実質的に半径方向の部分とを含み、前記伝動部材は、前記少なくとも1つのサイクロイドディスクの偏心的なサイクロイド回転が前記伝動部材の前記第1の部分の前記長手軸についての回転を駆動させるような方法において構成される、請求項1~6のうちのいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記少なくとも1つのサイクロイドディスクは、少なくとも1つの長手ボアを含み、前記伝動部材の前記第1の部分は、前記少なくとも1つのサイクロイドディスクの前記角度変位を前記伝動部材の前記第1の部分に伝達するような方法において、前記少なくとも1つのサイクロイドディスクの前記少なくとも1つの長手ボア内に延びるのに適した、少なくとも1つの長手フィンガを形成する、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記サイクロイド径違い継手は、前記長手軸に沿って直列に取り付けられた、2つの実質的に同一のサイクロイドディスクを含み、該2つのサイクロイドディスクは、前記サイクロイド径違い継手内に反対の偏心性において配置され、各サイクロイドディスクは、少なくとも1つの長手ボアを含み、前記2つのサイクロイドディスクの前記長手ボアは、前記サイクロイドディスクが前記巻き取り/巻き戻しデバイス内に取り付けられるときに少なくとも1つのペアの長手ボアを形成するような方法において互いに面し合って配置され、前記伝動部材の前記少なくとも1つのフィンガは、前記2つのサイクロイドディスクの前記少なくとも1つのペアの長手ボア内に延びる、請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記サイクロイド径違い継手は、第1のサイクロイドディスクと、第2のサイクロイドディスクとを含み、前記第1のサイクロイドディスクは、前記少なくとも1つのカムと回転において一体的に取り付けられ、前記第2のサイクロイドディスクは、前記第1のサイクロイドディスクと回転において一体的に取り付けられ、前記伝動部材の前記第1の部分は、内部歯構成を含み、該内部歯構成は、前記第2のサイクロイドディスクの外側に配置され、前記第2のサイクロイドディスクの偏心的な回転が前記伝動部材の前記第1の部分の前記長手軸についての回転を駆動させるような方法において前記第2のサイクロイドディスクの外部サイクロイド歯構成と協働するように構成される、請求項7に記載のデバイス。
【請求項11】
前記伝動部材の前記第1の部分は、剛性フレームと、実質的に円筒形のシャフトのアセンブリとを含み、前記剛性フレームは、前記長手軸について円周方向に分散された実質的に円筒形のボアのアセンブリを含み、前記シャフトのアセンブリの各シャフトは、前記伝動部材の前記第1の部分の前記内部歯構成を形成するような方法において、前記伝動部材の前記第1の部分の前記フレームの前記ボアのアセンブリのそれぞれのボア内に挿入される、請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
リンクのワインダであって、リールと、請求項1~11のうちのいずれか1項に記載の巻き取り/巻き戻しデバイスと、回転ジョイントと、制御デバイスとを含み、該制御デバイスは、該制御デバイスおよび前記巻き取り/巻き戻しデバイスが適切な巻き取り/巻き戻しトルクを提供するような方法において、前記同期モータを制御するように構成される、ワインダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リンクを巻き取る(winding)および/または巻き戻す(unwinding)ためのデバイスの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
リンクを巻き取るおよび/または巻き戻すためのデバイスは、多くの産業用途で使用されている。特に、リンクは、互いに対して相対的な位置を有する2つの要素の間に配備されなければならず、この相対的な位置は、時間の経過に亘って変化することができる。
【0003】
例えば、第1の要素は、地面、ロボットのフレームなどに固定される支持体であることができ、第2の要素は、地面上のキャリッジまたは走行ガントリ、ロボットのアームなどであることができる。第2の要素は、約10メートルから1キロメートルよりも長い距離だけ第1の要素に対して移動させられることができる。
【0004】
リンクは、2つの要素の間で流体、エネルギおよび/または信号を伝達するように構成される。よって、リンクは、電気ケーブル、空気または流体パイプ、光ファイバまたは光ファイバの束などであることができる。リンクは、巻回リールのような巻回支持体に巻き取られる。
【0005】
第1の要素または第2の要素に取り付けられる巻き取り/巻き戻しデバイスは、リール上のリンクを巻き取るおよび/または巻き戻すのに適している。よって、リンクは、巻き取り/巻き戻しデバイスの第1の側面に配置されるリールと、デバイスに対して第1の側面の反対側の回転ジョイントとの間に延在する。
【0006】
リンク巻き取り/巻き戻しデバイスは、モータ駆動されることができ、第2の要素の変位と同期してリンクを巻き取るおよび/または巻き戻すことができる。よって、デバイスは、その長さをできるだけ短くするように、第2の要素が第1の要素により近くなるときに、リール上のリンクを巻き取り、第2の要素が第1の要素から離れるときに、リンクのより長い長さを巻き戻す。
【0007】
特許文献1は、ヘリカルベベルギアボックスを含むリンク巻き取り/巻き戻しデバイスを記載している。ギアボックスは、幾つかのベベルピニオンを含み、各ベベルピニオンは、モータカプラセットに連結され、同じベベルホイールに噛み合う。そのようなデバイスは、幾つかのモータカプラセットを共通のヘリカルベベルギアボックスに取り付けることを可能にする。よって、考慮される用途に従ってトルクを適合させることができ、モータカプラセットをより多くの数で生産することができ、それは製造コストを減少させる傾向がある。
【0008】
しかしながら、ヘリカルベベルギアボックスは、実質的な減少が求められるときに、コンパクトさに欠ける。その上、それらは、短時間のおよび/または実質的な衝撃(jolts)に満足に耐えることができない。実際には、ギアボックスの要素の少数の歯のみが互いに接触している。
【0009】
リンクを巻き取る/巻き戻すための他の知られているデバイスは、ギアボックスを通じて、リールに直接的に接続された非同期モータを含む。しかしながら、非同期モータは、トルクの制御において低い精度だけをもたらす。設定値トルクと非同期モータによって出力シャフトに実際に提供されるトルクとの間には、約15%の差があり得る。実際には、非同期モータにおいて、ロータは、磁場と同じ速度では回転しない。これは、モータ電流によるロータの滑りおよび磁化、従って、モータの出力における回転速度の損失、および電流/トルク関係の不正確さを生じさせる。結果的に、非同期モータに入力された電流の一部が失われ、トルクを生むために使用されない。従って、設定値トルクと出力シャフトに実際に提供されるトルクとの間の差は実質的であり、それは巻き取り/巻き戻しデバイスの制御を複雑にする。従って、トルク制御において高い精度が要求されるとき、非同期モータは、完全に満足できるものではない。
【0010】
加えて、非同期モータは、短い期間に亘って同期モータほどの高い値でオーバートルクを許容しない。これは緊急停止フェーズまたは非常に短い時間においてリールを制動し且つ逆方向に打ち上げることを必要とするフェーズを生成する際に問題を生じることがあり、それはワインダがその供給点を越えなければならない場合である。
【0011】
最後に、これらの非同期モータ巻き取り/巻き戻しデバイスは、満足なモジュール性を許容しない。実際には、これらのデバイスは、電子的な調整(regulation)を必要とする。何故ならば、それらは、周波数バリエータ(可変装置)およびデバイスの動作フェーズに従ってトルク設定値を変調する制御プログラムによって制御されるからである。しかしながら、単一の周波数バリエータを用いて幾つかの非同期モータを制御することは、設定値に関して得られたトルクに関して不満足な結果を招く。結果的に、巻き取りおよび/または巻き戻しのためのそのような電子的に調整される非同期モータデバイスは、トルクの制御に関して良好な精度が要求されるときには、幾つかの非同期モータを含むことができない。
【0012】
従って、非同期モータの電力は、クライアントのニーズに適合させられるために、各アプリケーションで修正されなければならない。従って、デバイスを駆動させる非同期モータのサイズ決定は、用途の大きな多様性に、特に異なるタイプのリンク、据え付け高さ、巻き取り/巻き戻しデバイスの速度および加速度などに適合させられるには、複雑である。トルクは、用途に特有の必要性に従って常に適合されないことがあり、リンクを巻き取る/巻き戻すためのこれらのデバイスの共通部品の数は制限され、それはデバイスのコストを増加させる。その上、所与の用途のために特定のモータを購入することがしばしば必要であり、それコストをさらに増加させ、利用できる用途の数を減少させる。
【0013】
特許文献2および特許文献3は、ヒステリシスを有する磁気カプラを含むリンクを巻き取る/巻き戻すデバイスを記載している。これらのデバイスは、電子的な調節(adjustment)を必要とせず、モジュール式であることができる。実際には、調節は、それらの速度をリールの速度に適合させる磁気カプラによって行われて、純粋なトルクを供給し、従って、幾分一定の牽引力をリンクに供給する。
【0014】
しかしながら、巻き取り/巻き戻しのための磁気結合デバイスは、より少ない完全な歩留まりを有し、それは緊急停止または供給地点通過のような過渡現象を管理することを可能にしない。その上、これらのデバイスは、特定の電力を超えると有効でない。何故ならば、同じギアボックスで余分な数のカプラを組み立てることは困難であり、後者の寸法は非常に大きくなり、カプラのサイズを大きくすることは高価であるからである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の目的は、大きな減少範囲を有する、リンクを巻き取る/巻き戻すためのコンパクトなデバイスを提供することである。
【0016】
本発明の別の目的は、トルクを制御するために並びに短い時間期間に亘って高いオーバートルクを可能にするために良好な精度でリンクを巻き取る/巻き戻すためのデバイスを提案することである。
【0017】
本発明の別の目的は、低い生産コストを依然として維持しながらトルクを所望の用途に適合させるような方法で、リンクを巻き取る/巻き戻すためのモジュール式のデバイスを提案することである。
【0018】
本発明の別の目的は、巻き取られる/巻き戻されるべきリンクを保護することを可能にするリンクを巻き取る/巻き戻すためのデバイスを提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
第1の態様によれば、本発明は、リンクを巻き取り且つ/或いは巻き戻すデバイスに関し、デバイスは、
- 長手軸について回転において移動可能である入力シャフトと、
- 入力シャフトに対して実質的に同軸であり、リールと回転ジョイントとの間のリンクの通過のために配置される中空の貫通シャフトであり、長手軸について回転においてリールを駆動させるように構成される、出力シャフトと、
- 出力シャフトの第1の部分の周囲に配置されるロータを含み、ロータは、入力シャフトと回転において一体的である、少なくとも1つの永久磁石同期モータと、
- 出力シャフトの第2の部分の周囲に配置され、少なくとも1つの内部カムと、外部クラウン歯車と、各カムとクラウン歯車との間に配置される少なくとも1つのサイクロイドディスクとを含み、各カムは、入力シャフトと回転において一体的に取り付けられ、少なくとも1つのサイクロイドディスクは、各カムと回転において一体的に取り付けられ、各カムは、長手軸についての各カムの回転が偏心的なサイクロイド運動において少なくとも1つのサイクロイドディスクの回転を駆動させるような方法において、偏心的である、サイクロイド径違い継手と、
- 少なくとも1つのサイクロイドディスクの偏心的なサイクロイド回転が出力シャフトの長手軸についての回転を駆動させるような方法において、少なくとも1つのサイクロイドディスクの角度変位を出力シャフトに伝達するのに適した、伝動部材と、を含む。
【0020】
上述の巻き取り/巻き戻しデバイスの特定の好ましいが制限するものではない特徴は、個別にまたは組み合わせにおいて理解されるときに、以下の通りである。
【0021】
- 入力シャフトは、出力シャフトの少なくとも1つの部分の周囲に配置される。
【0022】
- 巻き取り/巻き戻しデバイスは、少なくとも1つの同期モータとサイクロイド径違い継手とを配置するケーシングを更に含み、出力シャフトは、ケーシングの一端から他端までケーシングを貫通する。
【0023】
- 巻き取り/巻き戻しデバイスは、出力シャフトの第1の部分に沿って直列に取り付けられる1~4個の間の同期モータを含む。
【0024】
- 少なくとも1つの同期モータは、軸方向磁束永久磁石同期モータである。
【0025】
- 少なくとも1つのカムおよび入力シャフトは、単一の部品から形成され、各カムは、各カムが巻き取り/巻き戻しデバイスに取り付けられるときに、長手軸についての角度位置に従って変化する半径方向寸法を有する外面を含む。
【0026】
- 少なくとも1つのサイクロイドディスクは、サイクロイドホイールである。
【0027】
- 伝動部材は、第1の部分と、第1の部分を出力シャフトと接続するように構成された第2の実質的に半径方向の部分とを含み、伝動部材は、少なくとも1つのサイクロイドディスクの偏心的なサイクロイド回転が伝動部材の第1の部分の長手軸についての回転を駆動させるような方法において構成される。
【0028】
- 少なくとも1つのサイクロイドディスクは、少なくとも1つの長手ボアを含み、伝動部材の第1の部分は、少なくとも1つのサイクロイドディスクの角度変位を伝動部材の第1の部分に伝達するような方法において、少なくとも1つのサイクロイドディスクの少なくとも1つの長手ボア内に延びるのに適した、少なくとも1つの長手フィンガを形成する。
【0029】
- サイクロイド径違い継手は、長手軸に沿って直列に取り付けられた、2つの実質的に同一のサイクロイドディスクを含み、2つのサイクロイドディスクは、サイクロイド径違い継手内に反対の偏心性において配置され、各サイクロイドディスクは、少なくとも1つの長手ボアを含み、2つのサイクロイドディスクの長手ボアは、サイクロイドディスクが巻き取り/巻き戻しデバイス内に取り付けられるときに少なくとも1つのペアの長手ボアを形成するような方法において互いに面し合って配置され、伝動部材の少なくとも1つのフィンガは、2つのサイクロイドディスクの少なくとも1つのペアの長手ボア内に延びる。
【0030】
- 巻き取り/巻き戻しデバイスは、第1のサイクロイドディスクと、第2のサイクロイドディスクとを含み、第1のサイクロイドディスクは、少なくとも1つのカムと回転において一体的に取り付けられ、第2のサイクロイドディスクは、第1のサイクロイドディスクと回転において一体的に取り付けられ、伝動部材の第1の部分は、内部歯構成を含み、内部歯構成は、第2のサイクロイドディスクの外側に配置され、第2のサイクロイドディスクの偏心的な回転が伝動部材の第1の部分の長手軸についての回転を駆動させるような方法において第2のサイクロイドディスクの外部サイクロイド歯構成と協働するように構成される。
【0031】
- 伝動部材の第1の部分は、剛性フレームと、実質的に円筒形のシャフトのアセンブリとを含み、剛性フレームは、長手軸について円周方向に分散された実質的に円筒形のボアのアセンブリを含み、シャフトのアセンブリの各シャフトは、伝動部材の第1の部分の内部歯構成を形成するような方法において、伝動部材の第1の部分のフレームのボアのアセンブリのそれぞれのボア内に挿入される。
【0032】
第2の態様によれば、本発明は、リンクのワインダに関し、ワインダは、リールと、第1の態様に従った巻き取り/巻き戻しデバイスと、回転ジョイントと、制御デバイスとを含み、制御デバイスは、制御デバイスおよび巻き取り/巻き戻しデバイスが適切な巻き取り/巻き戻しトルクを提供するような方法において、設定値を制御し且つ/或いは同期モータを制御するように構成される。
【0033】
本発明の他の特徴、目的および利点は、以下の図によって例示される非限定的な例として与えられる以下の詳細な説明を読むときに現れる
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明の一実施形態による巻き取り/巻き戻しデバイスの概略的な側面図を示している。
図2a】本発明の一実施形態による巻き取り/巻き戻しデバイスの部分断面としての概略的な斜視図を示している。
図2b】本発明の一実施形態による巻き取り/巻き戻しデバイスの部分断面としての概略的な斜視図を示している。
図3】本発明の一実施形態による巻き取り/巻き戻しデバイスの概略的な側面図を示している。
図4】本発明の一実施形態による巻き取り/巻き戻しデバイスの概略的な側面図を示している。
図5a】本発明の一実施形態による巻き取り/巻き戻しデバイス部分断面としての概略的な斜視図を示している。
図5b】本発明の一実施形態による巻き取り/巻き戻しデバイス部分断面としての概略的な斜視図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0035】
リンクを巻き取る/巻き戻すためのデバイスは、
- 長手軸Lについて回転において移動可能な入力シャフト10と、
- 入力シャフト10に対して実質的に同軸である出力シャフト20と、を含み、出力シャフト20は、リールと回転ジョイントとの間のリンクの通過のために配置された中空貫通シャフトであり、出力シャフト20は、リールを長手軸Lについての回転において駆動させるように構成される。
【0036】
本願の残部において、長手軸L(longitudinal axis)という用語は、入力シャフト10および出力シャフト20がそれを中心として配置される軸を意味する。半径方向(radial direction)は、長手軸Lに対して垂直である方向であり、長手軸Lを通過する。長手要素とは、主に長手軸Lの方向に延びる要素である。半径要素とは、主に半径方向に延びる要素である。
【0037】
内側(internal)および外側(external)という用語は、それぞれ、要素の部分または内側面が、同じ要素の部分または外側面よりも長手軸Lにより近いような方法において、半径方向に関して使用される。
【0038】
上流および下流という用語は、それぞれ、長手軸L上の位置を基準として使用される。回転ジョイント(rotating joint)は、巻き取り/巻き戻しデバイスから上流に配置され、リール(reel)は、巻き取り/巻き戻しデバイスから下流に配置される。
【0039】
リンク(link)という用語は、電気ケーブル、データケーブル、空気または流体パイプなどのような、異なるリンクを指定するために使用される。
【0040】
リンクは、リールと回転ジョイントとの間に配置されることが意図されており、リールの周囲に巻き取られるおよび/または巻き戻されることが意図されている。回転ジョイントは、出力シャフト20によって回転駆動されるリールと、長手軸Lについて回転しない巻き取り/巻き戻しデバイスの環境との間の接続を可能にする。回転ジョイント20は、出力シャフト20に取り付けられており、回転ジョイント20が出力シャフト20と同じ回転速度で出力シャフト20によって駆動されるような方法において、長手軸についての回転において出力シャフト20と一体的である。
【0041】
例えば、リンクのバイアスを通じた電力の伝達の場合、回転ジョイントは、良好な導電性を有する合金で作られたリング系からなることができ、導電性材料の含有量が高い焼結ブラシをその上で擦り、それは導電性を確実にすることができる。リールからのリンクが、リングに接続される。固定された部分からのリンクが、ブラシに接続される。
【0042】
第1の方向におけるリールの回転は、リールの周囲のリンクの巻き取りを駆動し、第1の方向とは反対の第2の方向におけるリールの回転は、リンクの巻き戻しを駆動する。巻き取り/巻き戻しデバイスは、第1の回転方向および第2の回転方向において作動することができる。よって、リンクの長さは、リールの回転のバイアスによって調節されることができる。
【0043】
巻き取り/巻き戻しデバイスは、中空シャフトのバイアスによってリンクを保護することを可能にする。よって、実際には、リンクは、デバイスの中空シャフト内で、巻き取り/巻き戻しデバイスの第1の側面に配置されるリールと、第1の側面とは反対の巻き取り/巻き戻しデバイスの第2の側面に配置される回転ジョイントとの間に延在することができる。よって、リンクは、例えば、気候条件、制限的な外部環境、外部との接触による侵食、または外部要素との衝突および摩擦に起因する、潜在的な劣化から保護される。巻き取り/巻き戻しデバイスは、巻き取り/巻き戻しデバイスの内部部材からリンクを保護することも可能である。何故ならば、リンクは、リンクと同じ速度で回転する出力シャフト20内に拘束されるからである。
【0044】
リンクを巻き取る/巻き戻すためのデバイスは、
- 出力シャフト20の第1の部分の周囲に配置されるロータ31を含み、ロータ31は、入力シャフト10との回転において一体的である、少なくとも1つの永久磁石同期モータ30、
- 出力シャフト20の第2の部分の周囲に配置されるサイクロイド径違い継手50(cycloid reducer)であって、サイクロイド径違い継手50は、少なくとも1つの内部カム51と、外部クラウン歯車53(external crown)と、各内部カム51と外部クラウン歯車53との間に配置される少なくとも1つのサイクロイドディスク52(cycloid disc)を含み、各内部カム51は、入力シャフト10と回転において一体的であるように取り付けられ、サイクロイドディスク52は、各内部カム51と回転において一体的であるように取り付けられ、各内部カム51は、長手軸Lについての各内部カム51の回転が、偏心性のサイクロイド運動において少なくとも1つのサイクロイドディスク52の回転を駆動するような方法において偏心している、サイクロイド径違い継手、および
- 少なくとも1つのサイクロイドディスク52の偏心性のサイクロイド回転が出力シャフト20の長手軸Lについての回転を駆動するような方法において、少なくとも1つのサイクロイドディスク52の角度変位を出力シャフト20に伝達するのに適した、伝動部材60も含む。
【0045】
ギアボックスという用語は、速度を減少させ且つトルクを増加させることを意図した機構を指し、出力シャフト20は、入力シャフト10の速度よりも低い速度で回転する。代替的に、ギアボックスという用語は、入力シャフト10に対して出力シャフト20の速度およびトルクを修正することを意図した任意の機構を指し示すことができる。
【0046】
よって、サイクロイド径違い継手50は、減速比と呼ばれるある特定の比率によって、駆動シャフトの速度に対して出力シャフト20の速度を修正することを可能にする。よって、リンクを巻き取るおよび/または巻き戻すためのデバイスは、入力シャフト10の回転を出力シャフト20に伝達する。従って、巻き取り/巻き戻しデバイスは、同期モータまたは複数の同期モータ30のロータ31の回転に応答して、そして、それ自体でリンクを巻き取り/巻き戻すために、リールを回転において駆動させることを可能にする。
【0047】
「サイクロイド(cycloidal)」という用語は、サイクロイド(cycloid)に実質的に対応するプロファイル、すなわち、母線(generatrix)上で滑らずに回転する円に固定された点の軌跡を指し示すために使用される。記載されるプロファイルは、純粋に理論的なサイクロイドプロファイルから離れることができる。典型的には、サイクロイドディスク52は、外部サイクロイド表面を有することができる。
【0048】
サイクロイド径違い継手50は、コンパクトな方法において、例えば、約1/120まで、例えば、20、40または90までの実質的な減速比に到達することを可能にする。サイクロイド径違い継手50は、従来のヘリカルベベルギアボックスのような他のギアボックスに対して、低い故障の確率、低い動作クリアランス、および高い歩留まりを有する。サイクロイド径違い継手50は、従来のヘリカルベベルギアボックスよりも、より実質的な接触比を有し、従って、より実質的な接触面(contact)上の多数の歯を有する。結果的に、サイクロイド径違い継手50は、短時間および/または大きな衝撃(jolts)にさらに耐えることができる。
【0049】
永久磁石同期モータ30(または同期モータ30)は、非同期モータに対してトルクの制御において改良された精度をもたらす。実際には、磁場が永久磁石によって生成されると、同期モータは、モータ電流によるロータ31の滑りまたは磁化をもたらさない。結果的に、永久磁石同期モータ30に入力される実質的に全ての電流が、トルクを生成するために使用される。従って、設定値トルクと出力シャフト20に実際に提供されるトルクとの間の差は減少される。よって、機械的トルクは、電流の直接的なイメージであり、それは巻き取り/巻き戻しデバイスの制御を容易にし、より精密にする。
【0050】
加えて、同期モータ30は、非同期モータよりも短い時間期間に亘って、より高い値で、オーバートルクを許容する。したがって、緊急停止フェーズは、より適切に管理される。同じことが、リールを制動し且つ非常に短い時間でそれを反対方向に再起動する必要のあるフェーズに当て嵌まり、それはワインダがその供給点より上を通過しなければならない場合である。よって、同期モータを使用することは、同じ用途についてモータの電力を制限することが可能にする。
【0051】
最後に、リンク巻き取り/巻き戻しデバイスは、大きなモジュール性を可能にする。実際には、幾つかの同期モータ30が、巻き取り/巻き戻しデバイスの電子的な制御を実行するような方法において、同じ周波数バリエータで制御されることができる。結果的に、巻き取り/巻き戻しデバイスの同期モータ30の数を適合させることができる。従って、デバイスを駆動させるモータの寸法決めを多様な用途に、特に異なるタイプのリンク、巻き取り/巻き戻しデバイスの設置高さ、速度および加速度などに容易に適合させることができる。結果的に、リンク巻き取り/巻き戻しデバイスの共通部品の数は実質的であり、それはそのコストを減少させる。
【0052】
例えば、幾つかの同一または実質的に同一の同期モータ30が、出力シャフト20に沿って直列に取り付けられることができる。よって、トルクをクライアントのニーズに可能な限り近く適合させることができる。その上、より多数の同一の永久磁石同期モータ30がそのように製造され、それはそのコストを削減することを可能にする。
【0053】
同期モータ30は、サイクロイド径違い継手50の上流に配置される。入力シャフト10および出力シャフト20は、実質的に長手軸Lに沿って延在する。巻き取り/巻き戻しデバイスは、長手軸Lについての半径方向対称性を有することができる。
【0054】
入力シャフト10は、中空軸であり、巻き取り/巻き戻しデバイスのための駆動シャフトに対応することができる。入力シャフト10は、出力シャフト20の少なくとも1つの部分の周囲に配置されることができ、入力シャフト10は、出力シャフト20よりも外部位置にある。ローラベアリングが、出力シャフト20とは異なる速度で入力シャフト10の回転を許容するために、入力シャフト10と出力シャフト20との間に配置される。
【0055】
入力シャフト10は、同期モータ30で、そして、サイクロイド径違い継手50に、特にサイクロイド径違い継手50の少なくとも1つのカム51に延在することができる。入力シャフト10は、回転ジョイントの側部から延びるように構成された第1の端と、第1の端とは反対の第2の端とを有することができる。
【0056】
入力シャフト10は、同期モータまたは複数の同期モータ30に伝達されるべき駆動力(drive power)を受け取り、同期モータまたは複数の同期モータは、それらのロータ31を介して伝達されるべき機械力(mechanical power)を生成する。入力シャフト10の第2の端は、サイクロイド径違い継手50で、少なくとも1つのカム51によって半径方向に拡張されることができる。カム51は、入力シャフト10の第2の端の周囲に配置されることができ、カム51は、入力シャフト10よりも外部位置に配置される。ベアリングが、カム51で出力シャフト20と入力シャフト10との間に配置されることができる。
【0057】
少なくとも1つのカム51および入力シャフト10は、単一の部品から形成されることができる。代替的に、カム51は、その第2の端で入力シャフト10に付加されて、固定されることができる。
【0058】
入力シャフト10は、同期モータ30に配置される同期モータ30のロータ31を駆動するための手段を有することができる。例えば、入力シャフト10およびロータ31との相補的なフルート(flutes)は、同期モータ30の入力シャフト10およびロータ31を互いに対する回転において強固に取り付けることを可能にすることができる。
【0059】
リンクの巻き取り中に、ロータ31の回転は、入力シャフト10に伝達され、ロータ31は、入力シャフト10を長手軸Lについての回転において駆動させる。その場合、同期モータまたは複数の同期モータ30はモータとなり、リールを回転において駆動させる。
【0060】
逆に、リンクの巻き戻し中に、長手軸Lについての入力シャフト10の回転は、ロータ31を駆動させる手段によって同期モータまたは複数の同期モータ30のロータ31に伝達される。その場合、同期モータまたは複数の同期モータ30は発電機となり、リールの巻き戻しを制動して、リールの暴走(runaway)を防止する。
【0061】
出力シャフト20は、中空貫通シャフトである。出力シャフト20は、巻き取り/巻き戻しデバイスの全長に亘って、回転ジョイントとリールとの間に実質的に延在することができる。出力シャフト20の第1の部分は、出力シャフト20の第2の部分の上流に配置される。出力シャフト20の第1の部分および第2の部分は、入力シャフト10によって取り囲まれることができる。代替的に、出力シャフト20の第1の部分のみが、入力シャフト10によって取り囲まれることができる。
【0062】
出力シャフト20は、第2の部分から下流に配置される第3の部分を含むことができ、第3の部分は、リールで第2の部分と出力シャフト20の端とを接続する。伝動部材60は、出力シャフト20の第2部分と第3の部分との間に配置されることができる。
【0063】
巻き取り/巻き戻しデバイスは、少なくとも1つの同期モータ30およびサイクロイド径違い継手50が配置されるケーシング40を含むことができる。出力シャフト20は、ケーシング40の一端からケーシング40の他端に通過する。よって、リンクは、それが回転ジョイントとリールとの間を通過するときに、外部と決して接触せず、リンクは、依然として出力シャフト20に含まれている。よって、リンクは、外部環境に起因する潜在的な劣化からより良く保護される。リンクは、巻き取り/巻き戻しデバイスの内部部材からも保護される。
【0064】
流体の場合、出力シャフト20は、流体を巻き取り/巻き戻しデバイスの一方の側から他方の側へ輸送するための導管として使用されることができる。よって、巻き取り/巻き戻しデバイスを通じて流体を輸送するために追加の導管を使用する必要はない。
【0065】
出力シャフト20は、出力シャフト20の全長に亘って実質的に一定の半径を有することができる。代替的に、出力シャフト20は、長手軸Lに沿った位置に従って可変半径を有することができる。例えば、出力シャフト20の第1の部分および第2の部分は、同期モータ30およびサイクロイド径違い継手50のそれぞれのレベルで、第1の半径を有することができる。出力シャフト20の第3の部分は、第2の半径を有することができる。第1の半径は、第2の半径より小さいことができる。
【0066】
巻き取り/巻き戻しデバイスは、1~10の間の永久磁石同期モータ30、例えば、1~4の間の永久磁石同期モータ30を含むことができる。同期モータ30は、出力シャフト20の第1の部分に沿って直列に取り付けられることができる。よって、同期モータ30は、上流から下流に長手に配置される。
【0067】
よって、永久磁石同期モータ30の数は、クライアントのニーズおよび巻き取り/巻き戻しデバイスについて考慮される用途に従って適合される。特に、少数の同期モータ30、例えば、異なる電力を有する2つの同期モータ30は、従来の電力範囲である適合ピッチによって、1.5~30kWの電力範囲をカバーすることを可能にする。
【0068】
永久磁石同期モータ30は、ロータ31と、ステータ32とを含む。ロータ31は、長手軸Lについて実質的に半径方向に配置された磁石のアセンブリを含む。ステータ32は、ロータ31の磁石に面して実質的に半径方向に配置される。
【0069】
永久磁石は、2つの連続する磁石の間に反転した極性を有する、台形磁石であることができる。そのような台形磁石は、例えば、図2bに示されている。巻線(windings)は、それらを通過する電流の周波数に従って交互する磁束、例えば、軸方向磁束を生成する。次に、対向する磁石は、回転磁場に追従するように変位させられ、それによって、トルクを生成することを可能にする。
【0070】
非限定的な例として、図3は、単一の永久磁石同期モータ30を含む巻き取り/巻き戻しデバイスを示している。永久磁石は、ロータ31の上流面に配置され、ステータ32は、ステータ32の下流面がロータ31の上流面に面して配置されるような方法において、ロータ31から上流に配置される。
【0071】
巻き取り/巻き戻しデバイスは、2つ以上の同期モータ30を含むことができる。次に、2つの同期モータ30の各ペアが、ロータ31とステータ32とを含むモータアセンブリに一緒にグループ化されることができる。モータアセンブリのロータ31は、ロータ31の反対側に配置された永久磁石の2つのアセンブリを含む。よって、永久磁石の2つのアセンブリの一方は、ロータ31の上流面に配置され、永久磁石の2つのアセンブリの他方は、ロータ31の下流面に配置される。
【0072】
ステータ32は、ロータ31の永久磁石の各アセンブリがステータ32の面に面するような方法において、ロータ31の両側に配置されることができる。有利には、次に、同じ永久磁石の2つの反対側が、2つの隣接するモータのロータ31を形成することができる。代替的に、ステータ32は、2つのロータ31の間に配置されることができ、ロータ31は、ステータ32の両側に配置され、各巻線は、2つの異なるロータのトルクを生成するために使用される。
【0073】
非限定的な例として、図1は、4つの永久磁石同期モータ30を含む巻き取り/巻き戻しデバイスを示している。4つの同期モータ30は、2つのモータアセンブリにグループ化され、各アセンブリは、2つの同期モータ30を含む。
【0074】
少なくとも1つの永久磁石同期モータ30は、軸方向磁束永久磁石同期モータ30であることができる。そのような軸方向磁束同期モータ30は、半径方向磁束同期モータに対して長手方向において改良されたコンパクト性を有する。
【0075】
サイクロイド径違い継手50は、長手軸Lに沿って直列に取り付けられたカム51または幾つかのカム51を含むことができる。デバイスの各カム51は、同じカム幾何学的形状51を実質的に有することができる。
【0076】
各カム51は、内面と、外面とを含むことができる。カム51は、偏心している。よって、少なくとも1つのカム51は、少なくとも1つのカム51が巻き取り/巻き戻しデバイスに取り付けられるときに、長手軸Lについて角度位置に従って、すなわち、半径方向に従って変化する、半径方向寸法を有する外面を含むことができる。カム51の外面の半径方向寸法における変動は、カム51の偏心を形成する。
【0077】
入力シャフト10は、長手軸Lに沿って実質的に一定の半径を有することができる。入力シャフト10の半径は、長手軸Lについての角度位置に関係なく、すなわち、半径方向に関係なく、カム51の外面の半径方向寸法よりも小さいことができる。従って、入力シャフト10の第2の端とカム51との間の接合部(junction)は、階段(staircase)の段(step)を形成する。カム51は偏心しており、階段の段の寸法は、長手軸Lについての角度位置に従って変化する。
【0078】
カム51の内面は、カム51が巻き取り/巻き戻しデバイスに取り付けられるときに、長手軸Lについて回転の対称性を有することができる。カム51の内面は、実質的に円形であることができ、長手軸Lについて中心化されることができ、カム51の内面の半径が、入力シャフト10の半径に実質的に対応する。
【0079】
カム51の外面は、カム51が巻き取り/巻き戻しデバイスに取り付けられるときに、カムシャフト51について回転の対称性を有することができる。カムシャフト51は、長手軸Lに対して平行であるが、長手軸Lと混同されず、カムシャフト51は、長手軸Lに対して特定の距離だけ離間する。
【0080】
カム51の外面は、実質的に円形であることができ、カムシャフト51について中心化されることができる。換言すれば、カム51が巻き取り/巻き戻しデバイスに取り付けられるときに、カム51の外面の円の中心がカムシャフト51上に配置され、従って、長手軸L上に配置されない。
【0081】
サイクロイド径違い継手50は、長手軸Lに沿って直列に取り付けられたサイクロイドディスク52または幾つかのサイクロイドディスク52を含むことができる。サイクロイド径違い継手50の各サイクロイドディスク52は、同じ幾何学的形状を実質的に有することができ、或いは、代替的に、互いに異なる幾何学的形状を有することができる。
【0082】
サイクロイド径違い継手50のサイクロイドディスクまたは複数のサイクロイドディスク52の間のサイクロイドディスク52は、サイクロイドホイールであることができる。サイクロイドディスク52は、内面と、外面とを含む。サイクロイドディスク52の外面は、外部サイクロイド歯を含む。サイクロイドディスク52の内面は、カム51の外面の形状および寸法に実質的に対応する形状および寸法を有する。カム51の外面は、サイクロイドディスク52を駆動する手段を介してサイクロイドディスク52の内面を回転において駆動させる。サイクロイドディスク52を駆動する手段は、カム51とサイクロイドディスク52との間に配置される針またはローラベアリングのようなベアリングを含むことができる。代替的に、サイクロイドディスク52を駆動させる手段は、カム51とサイクロイドディスク52との間に配置された滑らかなベアリングを含むことができる。
【0083】
サイクロイドディスク52は、サイクロイドディスク52の軸について回転の対称性を有することができる。サイクロイドディスク52が巻き取り/巻き戻しデバイスに取り付けられるとき、サイクロイドディスク52の軸は、長手軸Lに対して平行であるが、後者と混合されず、サイクロイドディスク52の軸は、長手軸Lに対して特定の距離だけ離間される。サイクロイドディスク52の軸は、カムシャフト51に対応することができる。特に、サイクロイドディスク52の内面は、実質的に円形であることができ、カム51の外面の半径に実質的に対応する半径を有する。
【0084】
サイクロイドディスク52の外部サイクロイド歯構成(toothing)は、丸みを帯びた歯を含むことができ、各歯は、底と、フランク(側面)と、頂とを含む。歯の底は、歯の最も内側の部分に対応し、歯の頂は、歯の最も外側の部分に対応する。歯のフランクは、歯の底と歯の頂とを接続する。
【0085】
サイクロイドディスク52の外部サイクロイド歯構成は、実質的にサイクロイドプロファイルを有することができる。サイクロイド歯構成のサイクロイドの母線は、サイクロイド歯構成の底に内接する円、すなわち、サイクロイド歯構成の各歯の底に接する円に実質的に対応することができる。代替的に、サイクロイドディスク52の外部歯構成は、歯構成を補強し且つその耐用寿命および性能を向上させるために、歯構成オフセットを含むことができる。次に、サイクロイドの母線は、歯構成オフセットなしに母線に対してオフセットされる。
【0086】
代替的に、サイクロイドディスク52の外部歯構成は、歯に加えられる制約を最小限に抑え且つサイクロイド噛み合いのアセンブリを容易にするような方法において、理論的サイクロイドから離れるように動くプロファイルを有することができる。
【0087】
サイクロイド径違い継手50の外部クラウン53は、固定されている、すなわち、長手軸Lについて回転において移動させられることができない。クラウン歯車53は、長手軸Lについて回転の対称性を有するホイールであることができる。クラウン歯車53は、サイクロイドディスク52の外部サイクロイド歯構成が噛み合う内部歯構成を含む。
【0088】
クラウン歯車53の内部歯構成は、丸みを帯びた歯を含むことができ、各歯は、底と、フランクと、頂とを含む。歯の底は、歯の最も外側の部分に対応し、歯の頂は、歯の最も内側の部分に対応する。歯のフランクは、歯の底と歯の頂とを接続する。クラウン歯車53の歯は、長手軸Lについて円周方向に分散されることができる。すなわち、それらは、互いに等しい角度距離で配置される。
【0089】
クラウン歯車53の内部歯構成の各歯は、実質的に円筒形のプロファイルを有することができる。回転のシリンダの母線は、長手軸Lに沿って延び、シリンダは、長手軸Lについて実質的に半径方向に分散される。代替的に、クラウン歯車53の内部歯構成の各歯は、サイクロイドディスク52のサイクロイド歯構成の歯と協働するように構成された任意の形状を有することができる。
【0090】
例えば、クラウン歯車53の歯は、サイクロイドディスク52のサイクロイド歯構成との接触を改良するために、実質的にトロイダル形状であることができる。クラウン歯車53の歯のトロイダル形状は、低い減速比を有するサイクロイドギアボックス50のために適合させられることができる。代替的に、クラウン歯車53の内部歯構成は、サイクロイド形状を有することができる。
【0091】
クラウン歯車53は、サイクロイドディスク52の歯の数に対応する歯の数に1つの歯を加えた歯の数を有することができる。単一の歯のそのようなオフセットは、より大きな減速比を得ることを可能にする。よって、サイクロイドディスク52がn個の歯を有するならば、クラウン歯車53はn+1個の歯を有する。サイクロイドディスク52とクラウン歯車53との間の接触ゾーンで、サイクロイドディスク52の歯の少なくとも1つの頂またはフランクが、クラウン歯車53の歯の少なくとも1つのフランクと接触することができる。サイクロイドディスク52および/またはクラウン歯車53の幾つかの歯が同時に接触することができる。
【0092】
サイクロイドディスク52の外部サイクロイド歯構成の各歯の頂に接する円の半径が、クラウン歯車53の内部歯構成の各歯の底に接する円の半径よりも小さいことができる。よって、サイクロイドディスク52は、偏心したサイクロイド運動に従うことによって固定されたクラウン歯車53の内側で回転することができる。
【0093】
第1の実施形態において、固定されたクラウン歯車53は、剛性フレームと、シャフトのアセンブリとを含む。剛性フレームは、長手軸Lについて円周方向に分散されたボアのアセンブリを含む。シャフトのアセンブリの各シャフトは、クラウン歯車53の内部歯構成を形成するような方法において、クラウン歯車53のフレームのボアのアセンブリのそれぞれボアに挿入される。剛性フレームとフレーム内に剛性に組み立てられた独立したシャフトのセットとの構成は、高い減速比に到達することを可能にする。実質的に円筒形のプロファイルを持つ歯がもたらされるような方法において、シャフトのアセンブリの各シャフトは、実質的に円筒形であることができ、クラウン歯車53のフレームの各ボアは、実質的に円筒形であることができる。代替的に、各シャフトおよび各ボアは、実質的にトロイダル形状であることができ、或いはサイクロイドディスク52の歯との協働を確実にするように構成された任意の形状を有することができる。
【0094】
第2の実施形態において、クラウン歯車53は、単一の部品からら形成され、クラウン歯車53の歯を形成するように構成された突起を含む。突起は、実質的に円筒形、トロイダル形状、またはサイクロイドディスク52のサイクロイド歯構成との満足な接触に到達することを可能にする他の形状であることができる。
【0095】
伝動部材60は、長手軸Lについて回転において移動可能である。伝動部材60は、第1の部分61と、第2の部分62とを含むことができる。伝動部材60の第2の部分62は、実質的に放射状(radiale)であることができ、第1の部分61を出力シャフト20と接続するように構成されることができる。伝動部材60は、少なくとも1つのサイクロイドディスク52の偏心したサイクロイド回転が伝動部材60の第1の部分61の長手軸Lについての回転を駆動するような方法において構成されることができる。よって、サイクロイドディスク52の偏心したサイクロイド回転は、サイクロイドディスク52と伝動部材60の第1の部分61との間の協働によって長手軸Lについて回転に変換される。
【0096】
伝動部材60の第1の部分61は、伝動部材60の第2の部分62を備える単一の部品から形成されることができる。伝動部材60は、出力シャフト20を備える部品から形成されることができる。
【0097】
クラウン歯車53の外面は、ケーシング40の外面と、および/またはステータ32の外面と、および/または伝動部材60の第1の部分61の外面と面一に取り付けられることができる。よって、同期モータ30、サイクロイド径違い継手50およびケーシング40によって構成されるアセンブリの外面は、実質的に平坦であることができる。
【0098】
図4図5aおよび図5bに非限定的な例によって示される第1の実施形態において、サイクロイド径違い継手50は、単一段(single-stage)アーキテクチャまたは単一トレイン(single-train)アーキテクチャを有する。
【0099】
次に、少なくとも1つのサイクロイドディスク52は、少なくとも1つの長手ボアを含む。伝動部材60の第1の部分61は、少なくとも1つのサイクロイドディスク52の角度変位を伝動部材60の第1の部分61に伝達するような方法において、少なくとも1つのサイクロイドディスク52の少なくとも1つの長手ボア内に延びるのに適した少なくとも1つの長手フィンガを形成する。
【0100】
この第1の実施形態は、サイクロイドディスク52の偏心運動を伝動部材60の第1の部分61の円形運動に変換するために単一のサイクロイドディスク52のプロファイルのみを必要とするという利点を有する。よって、単一のサイクロイドホイールは、サイクロイド径違い継手50のためにサイズ決定されるべきである。
【0101】
長手フィンガは、長手に延びて、伝動部材60の第2の半径方向部分62から突出する。長手フィンガは、実質的に円筒状であることができる。
【0102】
長手ボアは、サイクロイドディスク52を通じて延びることができ、或いは、代替的に、長手ボアを貫通しないで、サイクロイドディスク52の下流部分にのみ延びることができる。
【0103】
長手ボアは、実質的に円筒形であることができ、長手フィンガの寸法よりも大きい寸法を有する。よって、サイクロイドディスク52の回転中に、サイクロイドディスク52の長手ボアは、長手軸Lについての回転において長手フィンガを駆動させるような方法において、長手フィンガの周囲および長手軸Lについての両方で回転する。換言すれば、少なくとも1つのサイクロイドディスク52の長手ボアの寸法は、サイクロイドディスク52の半径方向運動成分を吸収することを可能にし、それはサイクロイドディスク52の偏心回転をもたらす一方で、長手軸Lについての回転成分を依然として伝達する。
【0104】
より詳細には、サイクロイドディスク52は、長手軸Lについて円周方向に分散された複数の長手ボアを含むことができ、伝動部材60の第1の部分61は、長手軸Lについて円周方向に分散された複数の長手フィンガを形成する。各長手フィンガは、サイクロイドディスク52の対応するボア内に延びるように構成される。よって、アセンブリの機械的抵抗は改良され、サイクロイド径違い継手50はより実質的な衝撃および圧力に耐えることができ、減速比を増加させることができる。
【0105】
第1の実施形態において、サイクロイド径違い継手50は、出力シャフト20の第2の部分に沿って直列に取り付けられた1つまたは幾つかのサイクロイドディスク52を含むことができる。例えば、図4図5aおよび図5bに示すように、サイクロイド径違い継手50は、2つの実質的に同一のサイクロイドディスク523、524を含むことができ、特に出力シャフト20の第2の部分に沿って、長手軸Lに沿って直列に取り付けられる。
【0106】
2つのサイクロイドディスク523、524は、サイクロイド径違い継手50内に反対の偏心において配置される。換言すれば、2つのサイクロイドディスク523、524は、第1のサイクロイドディスク523のサイクロイド歯の底が第2のサイクロイドディスク524のサイクロイド歯の底に対してオフセットされる方法において、角度的に実質的に位相反対に配置され、逆も同様である。第2のサイクロイドディスク524の偏心の位置は、第1のサイクロイドディスク523の偏心の位置から実質的に180°であることができる。
【0107】
反対の偏心で配置された2つのサイクロイドディスク523、524を持つそのような構成は、2つのサイクロイドホイールを互いに反対方向に回転させることによって、不均衡を均衡させることを可能にする。その上、この構成は、異なる要素上の接触圧力を分布させること、およびサイクロイドディスク523、524の各歯上の接触圧力を制限することを可能にし、圧力は、サイクロイドディスクの数に比例する多数の歯に亘って分散される。
【0108】
その上、有利には、特に奇数の減速比を持つ減速比を有利に選択することによって、2つのサイクロイドディスク523、524は同一である。その結果、同じ部品が2回製造される。よって、生産コストの利得が可能である。その上、この解決策は、例えば、20未満のような、小さな削減において殆ど制限されない。
【0109】
他方、このアーキテクチャの可逆性は制限される。何故ならば、サイクロイドディスク523、524の偏心運動を円運動に戻すために、サイクロイドディスク523、524の偏心運動を反対の偏心度で再開することは、より大きな直径のボア内を転動することによって偏心運動をとるフィンガで摩擦を生成するからである。従って、可逆性は、これらのフィンガの接触の質に大きく依存する。
【0110】
2つのサイクロイドディスク523、524は、同一であることができ、共通のクラウン歯車53と噛み合うことができ、且つ/或いは共通のカム51と回転において一体的であるように取り付けられることができる。サイクロイドディスク523、524のホイールがそれぞれn個の歯を有し、クラウン歯車53がn+1個の歯を有するとき、減速比は、サイクロイドディスク523、524のホイールの歯に数に直接的に等しい。
【0111】
代替的に、2つのサイクロイドディスク523、524の各1つが、それぞれの固定されたクラウン歯車53に取り付けることができ、2つのクラウン歯車53は、長手軸Lに沿って直列に配置される。代替的にまたは追加的に、2つのサイクロイドディスク523、524の各々は、それぞれのカム51と回転において一体的であることができ、2つのカム51は、長手軸Lに沿って直列に配置される。
【0112】
各サイクロイドディスク523、524は、少なくとも1つの長手ボアを含む。2つのサイクロイドディスク523、524の長手ボアは、サイクロイドディスク523、524が巻き取り/巻き戻しデバイスに取り付けられるときに、少なくとも1つのペアの長手ボアを形成するような方法において、互いに対して面して配置される。伝動部材60の少なくとも1つのフィンガは、2つのサイクロイドディスク523、524の少なくとも1つのペアの長手ボア内に延びる。
【0113】
2つのサイクロイドディスク523、524が、長手軸Lについて円周方向に分散された複数の長手ボアを含むとき、長手ボアは、長手軸Lについて円周方向に分散された複数の長手ボア対を形成する。伝動部材60の第1の部分61の複数の長手フィンガの各フィンガは、対応するペアの長手ボア内に延びる。
【0114】
2つのサイクロイドディスク523、524は、それらが長手軸Lについて同一の回転速度を有するような方法において、互いに一体的である。
【0115】
第1の実施形態において、サイクロイド径違い継手50は、出力シャフト20の第2の部分に沿って直列に取り付けられた2つよりも多くのサイクロイドディスク52を含むことができる。より多くの数のサイクロイドディスク52は、サイクロイドディスク52の各歯上の接触圧力を制限することを可能にし、圧力は、サイクロイドディスクの数に比例する多数の歯に亘って分散される。
【0116】
図1図2a、図2b、および図3に非限定的な例として示す第2の実施形態において、サイクロイド径違い継手50は、2段(two-stage)アーキテクチャまたは2トレイン(two-train)アーキテクチャを含む。次に、サイクロイド径違い継手50は、長手軸Lに沿って直列に取り付けられた、異なるプロファイルを持つ2つのサイクロイドディスク521、522を含む。
【0117】
サイクロイド径違い継手50は、第1のサイクロイドディスク521と、第2のサイクロイドディスク522とを含む。第1のサイクロイドディスク521は、少なくとも1つのカム51と回転において一体的に取り付けられる。第2のサイクロイドディスク522は、第1のサイクロイドディスク521と回転において一体的に取り付けられる。
【0118】
伝動部材60の第1の部分61は、第2のサイクロイドディスク522の外側に配置され、第2のサイクロイドディスク522の偏心回転が伝動部材60の第1の部分61の長手軸Lについての回転を駆動するような方法において第2のサイクロイドディスク522の外部サイクロイド歯構成と協働するように構成された、内部歯構成を含むことができる。
【0119】
第1のサイクロイドディスク521は、サイクロイド径違い継手50の少なくとも1つのサイクロイドディスク52に関して上述したものと同様の方法において、固定されたクラウン歯車53の内部歯構成と噛み合う。第1のサイクロイドディスク521がn個の歯を有するならば、クラウン歯車53はn+1個の歯を有利に有することができる。
【0120】
第1のサイクロイドディスク521の偏心回転は、第2のサイクロイドディスク522の対応する偏心回転を駆動させる。第2のサイクロイドディスク522は、伝動部材60の第1の部分61の内部歯構成と噛み合う。伝動部材60の第1の部分61の内部歯構成は、第2のサイクロイドディスク522の角度変位を伝動部材60の第1の部分61に伝達するような方法において、第2のサイクロイドディスク522の外部サイクロイド歯構成と協働する。よって、この移動は、巻き取り/巻き戻しデバイスの出力シャフト20に伝達されるために、第2のサイクロイドディスク522の外側にある伝動部材60の第1の部分61によって取られる。伝動部材60の第1の部分61は、出力シャフト20のバイアスによって回転において案内され、よって、長手軸Lについて回転において角度的にオフセットされるように拘束される。
【0121】
この第2の実施形態は、サイクロイドの偏心運動を円運動に変換するフィンガを必要としないという利点を有する。よって、アセンブリの可逆性は改良される。
【0122】
伝動部材60の第1の部分61は、長手軸Lについて回転の対称性を有するホイールであることができる。伝動部材60の第1の部分61は、第2のサイクロイドディスク522の外部サイクロイド歯構成が噛み合う内部歯構成を含む。伝動部材60の第1の部分61の幾何学的形状は、クラウン歯車53の幾何学的形状と同様であることができる。
【0123】
伝動部材60の第1の部分61の内部歯構成は、丸みを帯びた歯を含むことができ、各歯は、底と、フランクと、頂とを含む。歯の底は、歯の最も外側の部分に対応し、歯の頂は、歯の最も内側の部分に対応する。歯のフランクは、歯の底を歯の頂に接続する。伝動部材60の第1の部分61の歯は、長手軸Lについて円周方向に分散されることができる、すなわち、それらは互いに等しい角度距離で配置される。
【0124】
伝動部材60の第1の部分61の内部歯構成の各歯は、実質的に円筒形のプロファイルを有することができる。回転のシリンダの母線は、長手軸Lに沿って実質的に延び、歯を形成するシリンダは、長手軸Lについて実質的に半径方向に分散される。代替的に、伝動部材60の第1の部分61の内部歯構成の各歯は、第2のサイクロイドディスク522のサイクロイド歯構成の歯と協働するように構成された任意の形状を有することができる。例えば、伝動部材60の第1の部分61の歯は、第2のサイクロイドディスク522のサイクロイド歯構成との接触を向上させるために、実質的にトロイダル形状であることができる。よって、接触は、歯の中心で行われ、ギアボックスの寿命中に歯の中心から延びる。
【0125】
伝動部材60の第1の部分61は、第2のサイクロイドディスク522の歯の数に対応する歯の数に1つの歯を加えた数を有することができる。よって、単一の凹み(dent)のそのようなオフセットが、より大きな減速比を可能にする。よって、第2のサイクロイドディスク522がN個の歯を有するならば、伝動部材60の第1の部分61は、N+1個の歯を有する。
【0126】
第2のサイクロイドディスク522と伝動部材60の第1の部分61との間の接触ゾーンで、第2のサイクロイドディスク522の歯の頂またはフランクが、伝動部材60の第1の部分61の歯の少なくとも1つのフランクと接触する。第2のサイクロイドディスク522および/または伝動部材60の第1の部分61の幾つかの凹みは、同時に接触することができる。伝動部材60の第1の部分61における第2のサイクロイドディスク522の回転は、歯間接触のバイアスを通じて、伝動部材60の第1の部分61を反作用において押すことによって、それを長手軸Lについて回転させる。
【0127】
第1の実施形態において、伝動部材60の第1の部分61は、剛性フレームと、シャフトのアセンブリとを含む。剛性フレームは、長手軸Lについて円周方向に分散されたボアのアセンブリを含む。シャフトのアセンブリの各シャフトは、伝動部材60の第1の部分61の歯構成を形成するような方法において、伝動部材60の第1の部分61のフレームのボアのアセンブリのそれぞれのボアに挿入される。剛性フレームおよびフレーム内に剛的に組み立てられた独立シャフトのアセンブリの構成は、高い減速比に到達することを可能にする。シャフトのアセンブリの各シャフトは、実質的に円筒形であることができ、伝動部材60の第1の部分61のフレームの各ボアは、実質的に円筒形のプロファイル、実質的にトロイダル、または第2のサイクロイドディスク522の歯との協働を確実にするように構成された任意の形状の歯をもたらすような方法において、実質的に円筒形であることができる。
【0128】
第2の実施形態において、伝動部材60の第1の部分61は、単一の部品から形成され、伝動部材60の第1の部分61の歯を形成するように構成された突起を含む。突起は、実質的に円筒形、トロイダル形状、または第2のサイクロイドディスク522のサイクロイド歯構成との満足な接触に到達することを可能にする任意の他の形状であることができる。
【0129】
第1のサイクロイドディスク521がn個の歯を含み、クラウン歯車53がn+1個の歯を含み、第2のサイクロイドディスク522がN個の歯を含み、伝動部材60の第1の部分61がN+1個の歯を含む、2段のサイクロイド径違い継手50の減速比は、
【数1】
または
【数2】
の形態において表されることができる。例えば、N=8およびn=10について、サイクロイド径違い継手の減速比は、R=45である。
【0130】
巻き取り/巻き戻しデバイスは、リンクワインダ(link winder)に組み込まれることができる。リンクワインダは、リールと、上述のような巻き取り/巻き戻しデバイスと、回転ジョイントと、制御デバイスとを含む。出力シャフト20は、リールと回転ジョイントとの間のリンクの通過のために配置され、出力シャフト20は、リールを長手軸Lについて回転において駆動させるように構成される。
【0131】
制御デバイスは、制御デバイスおよび巻き取り/巻き戻しデバイスが適切な巻き取り/巻き戻しトルクを提供するような方法において、設定値を制御し且つ/或いは同期モータまたは複数の同期モータ30を制御するように構成される。
【0132】
巻き取り/巻き戻しトルクは、リンクの巻き取りのレベルに従って変化することができる。実際には、巻線半径は、例えば、リンクが展開される2つの要素の変位の間に、リール上に巻き取られるリンクの量に従って変化する。従って、制御デバイスおよび巻き取り/巻き戻しデバイスは、リンクの巻き取りのレベルに従って構成された巻き取り/巻き戻しトルクを提供するように構成されることができる。
【0133】
その上、巻き取り/巻き戻しトルクは、ワインダの動作フェーズに従って変化することができる。そのようなフェーズは、第1の回転方向または第2の回転方向における速度、加速度、確立された速度などのようなパラメータによって特徴付けられることができる。従って、制御デバイスおよび巻き取り/巻き戻しデバイスは、ワインダの動作フェーズに従って適合された巻き取り/巻き戻しトルクを提供するように構成されることができる。
【0134】
代替的にまたは追加的に、従って、制御デバイスおよび巻き取り/巻き戻しデバイスは、所定の巻き取り/巻き戻しトルクを提供するように構成されることができる。
【0135】
代替的にまたは追加的に、従って、制御デバイスおよび巻き取り/巻き戻しデバイスは、リンク上の巻き取りおよび/または巻き戻しの効果の測定値に従って調整される巻き取り/巻き戻しトルクを提供するように構成されることができる。その場合、トルクの調整は制御され、閉ループで実行される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0136】
【特許文献1】仏国特許出願公開第2335754号明細書
【特許文献2】仏国特許出願公開第2607333A1号明細書
【特許文献3】仏国特許出願公開第2899399A1号明細書
図1
図2a
図2b
図3
図4
図5a
図5b
【国際調査報告】