(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-04
(54)【発明の名称】患者用インターフェースのためのヘッドギア
(51)【国際特許分類】
A61M 16/06 20060101AFI20230627BHJP
【FI】
A61M16/06 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022570521
(86)(22)【出願日】2021-05-19
(85)【翻訳文提出日】2023-01-13
(86)【国際出願番号】 IB2021054290
(87)【国際公開番号】W WO2021234583
(87)【国際公開日】2021-11-25
(32)【優先日】2020-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518329918
【氏名又は名称】フィッシャー アンド ペイケル ヘルスケア リミテッド
【氏名又は名称原語表記】FISHER & PAYKEL HEALTHCARE LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハマー、イェルーン
(57)【要約】
呼吸用インターフェースなどの患者用インターフェースのためのヘッドギアは、互いに対して重ねられる複数のパネルを含む。パネルは、パネルが互いに上及び/又は下に重なるヘッドギアの重なり部分と、1つ又は複数のパネルが別のパネルによって重ねられないヘッドギアの非重なり部分とを画定する。重なり領域におけるパネルは、ホットメルト接着剤などの接着剤によって互いに結合される。異なる特性を有するパネル、異なる重なり構成を有するパネル間のインターフェースを組み合わせ、且つ固化時の接着剤の伸展性及び剛性などの特性を制御することにより、ヘッドギアは、場所固有の特徴及び特性を提供され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者用インターフェースのためのヘッドギアであって、複数のパネルを含み、各パネルは、2つの反対側の主要面を有し、
前記ヘッドギアは、前記複数のパネルの少なくとも2つがそれぞれ互いに上及び下に重なる少なくとも1つの重なり領域と、前記複数のパネルの1つ又は複数が前記複数のパネルの別のものによって重ねられない少なくとも1つの非重なり領域とを有し、
それぞれの前記少なくとも1つの重なり領域において、前記パネルは、接着剤によって互いに結合される、ヘッドギア。
【請求項2】
前記複数のパネルの第1のパネルは、前記複数のパネルの第2のパネルの材料と異なる材料を含み、及び
前記異なる材料は、異なる質感、柔らかさ、剛性若しくは柔軟性、伸縮特性、密度、厚さ、色、基準材料に対する摩擦係数、通気性又は透明度若しくは透け感の1つ又は複数を含む、請求項1に記載のヘッドギア。
【請求項3】
前記複数のパネルは、第1の伸展性を有する少なくとも1つのパネルと、第2の相対的により低い伸展性を有する少なくとも1つのパネルとを含む、請求項1又は2に記載のヘッドギア。
【請求項4】
前記複数のパネルは、
患者の頭部の後部に位置するための後方部分、
クラウンストラップ、及び
前記患者用インターフェースに取り付けるための少なくとも2つのサイドストラップ
を画定する、請求項1から3のいずれか一項に記載のヘッドギア。
【請求項5】
前記後方部分は、前記少なくとも2つのサイドストラップ間で荷重を伝達し、及び
前記後方部分は、前記少なくとも2つのサイドストラップのそれぞれのサイドストラップパネルの一部に重なる、第1の材料の少なくとも1つのパネルを含む、請求項4に記載のヘッドギア。
【請求項6】
患者の頭部の後部において最も低く位置付けられる前記後方部分の範囲は、第2の材料の下部パネルを含む、請求項5に記載のヘッドギア。
【請求項7】
前記第2の材料の前記下部パネルは、前記第1の材料の前記複数のパネルよりも相対的に高い伸展性のものである、請求項6に記載のヘッドギア。
【請求項8】
前記下部パネルの一部は、前記ヘッドギアの非重なり領域にあり、及び
前記下部パネルの前記一部は、実質的に三日月状である、請求項6又は7に記載のヘッドギア。
【請求項9】
前記クラウンストラップは、可変長のクラウンストラップを提供するために互いに調整可能に固定可能なクラウンストラップ部分の対を含み、
各クラウンストラップ部分は、互いに接着剤で結合される内側クラウンストラップ部分パネル及び外側クラウンストラップ部分パネルを含む、請求項4から8のいずれか一項に記載のヘッドギア。
【請求項10】
前記少なくとも2つのサイドストラップは、上部サイドストラップ及び下部サイドストラップの2つの横方向セットを含み、
サイドストラップの各セットは、前記患者用インターフェースの対応する側に接続するためのものであり、
前記2つの上部サイドストラップは、前記ヘッドギアの前記後方部分にわたって延在する一体型パネルを含み、及び
前記一体型パネルは、前記ヘッドギアの前記後方部分の少なくとも一部にわたる重なり領域内及び遠位の非重なり領域の対内に提供される、請求項4から9のいずれか一項に記載のヘッドギア。
【請求項11】
前記上部サイドストラップ及び前記下部サイドストラップのセットは、一体型パネルを含み、
前記一体型パネルは、患者の耳の後部の周りに延在する、請求項10に記載のヘッドギア。
【請求項12】
各耳ループの縁部輪郭は、直線部分の対を含む、請求項11に記載のヘッドギア。
【請求項13】
前記上部サイドストラップ及び前記下部サイドストラップのいずれか又は両方の終端部分は、第1のタブパネル及び第2のタブパネルを含む把持タブを含み、
前記第1のタブパネル及び前記第2のタブパネルは、それぞれ第1のタブ領域で前記終端部分と上及び下に重なり、且つより遠位の第2のタブ領域で互いに重なる、請求項10から12のいずれか一項に記載のヘッドギア。
【請求項14】
前記第2のより遠位のタブ領域における前記ヘッドギアは、前記第1のタブ領域における前記ヘッドギアよりも高い剛性のものである、請求項13に記載のヘッドギア。
【請求項15】
前記サイドストラップのセットの各サイドストラップは、前記サイドストラップの少なくとも1つの表面に沿って一連の触覚特徴を含み、
前記触覚特徴は、それぞれの前記サイドストラップの異なる調整状態の触覚フィードバックを患者に提供するためのものである、請求項10から14のいずれか一項に記載のヘッドギア。
【請求項16】
前記一連の触覚特徴は、各サイドストラップそれぞれの調整の指標を提供する、請求項15に記載のヘッドギア。
【請求項17】
各サイドストラップは、ストラップパネルを含み、
前記ストラップパネルは、少なくとも1つの主要面上で触覚フィードバックパネルと重ねられ、
前記触覚フィードバックパネルは、前記触覚フィードバックパネルが重なる前記ストラップパネルより薄いこと、硬いこと及び剛性であることの1つ又は複数であり、
前記触覚フィードバックパネルと前記ストラップパネルとは、接着剤によって結合される、請求項15又は16に記載のヘッドギア。
【請求項18】
前記触覚フィードバックパネルは、前記触覚特徴を含み、
前記触覚特徴は、前記触覚フィードバックパネルが重ねられる前記ストラップパネルに対して一連の隆起を有するものとして前記触覚フィードバックパネルを提示する、前記触覚フィードバックパネルを貫く一連の空隙によって提供される、請求項17に記載のヘッドギア。
【請求項19】
前記触覚フィードバックパネルは、前記ストラップパネルより硬いこと及び剛性であることの一方又は両方であり、及び
前記一連の隆起は、前記患者用インターフェースのバックルと機械的に係合するためのものである、請求項18に記載のヘッドギア。
【請求項20】
前記クラウンストラップ、前記後方部分及び前記サイドストラップの1つ又は複数の縁部は、コンディショナーで処理される、請求項4から19のいずれか一項に記載のヘッドギア。
【請求項21】
前記サイドストラップのセット、前記後方部分及び前記クラウンストラップの1つ又は複数は、それぞれの相対的に非弾性のパネルによって上及び下に重ねられる相対的に弾性のパネルを少なくとも部分的に含む、請求項4から20のいずれか一項に記載のヘッドギア。
【請求項22】
1つ又は複数の重なり領域において、少なくとも部分的に、接着剤によって上に重ねられること及び下に重ねられることの一方又は両方である、請求項4から21のいずれか一項に記載のヘッドギア。
【請求項23】
前記接着剤は、それぞれの前記少なくとも1つの重なり領域において前記複数のパネル間に介在されるホットメルト接着剤を含む、請求項4から22のいずれか一項に記載のヘッドギア。
【請求項24】
前記接着剤は、シート状又はフィルム状の形態で提供される、請求項4から23のいずれか一項に記載のヘッドギア。
【請求項25】
前記ヘッドギアの縁部におけるパネルの少なくとも一部は、それ自体の上に巻き戻され、及び
接着剤は、前記パネルの前記巻き戻された一部と、それが巻き戻される前記パネルの一部との間に提供される、請求項4から24のいずれか一項に記載のヘッドギア。
【請求項26】
前記ヘッドギアの縁部の少なくとも一部は、縁部軟化パネルを含み、
前記縁部軟化パネルの一部は、より内側のパネルに重ねられ、
前記縁部軟化パネルは、前記縁部軟化パネルが重ねられる前記より内側のパネルの材料よりも薄い及び/又は柔らかい材料を含む、請求項4から25のいずれか一項に記載のヘッドギア。
【請求項27】
前記縁部軟化パネルは、前記ヘッドギアのより内側のパネルに重ねられ、
前記縁部軟化パネルは、前記ヘッドギアの、使用中の患者の頭部に対して内面の少なくとも一部を画定する、請求項26に記載のヘッドギア。
【請求項28】
縁部軟化パネルは、前記後方部分の上側に提供され、及び
前記縁部軟化パネルは、重なり領域及び非重なり領域の両方内に提供され、
前記非重なり領域は、前記後方部分の上部周縁の少なくとも一部を形成し、
前記非重なり領域における前記縁部軟化パネルは、使用時に且つ前記後方部分の前記上部周縁に向かって、前記患者の頭部から離れてロールするように構成される、請求項26又は27に記載のヘッドギア。
【請求項29】
前記非重なり領域における前記縁部軟化パネルは、隣接する重なり領域から離れて、前記縁部軟化パネルの厚さの約5倍から約20倍の距離だけ延在する、請求項28に記載のヘッドギア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者用インターフェースのためのヘッドギアに関する。
【背景技術】
【0002】
呼吸用インターフェース又はマスクは、例えば、VPAP及びBiPAPシステムを含むCPAP療法、又はNIV、又は高流量療法における空気など、1種又は複数の呼吸ガスを提供するために使用される。
【0003】
呼吸用インターフェースは、鼻、口腔又はフルフェイス、すなわち鼻及び口腔の両方のインターフェースを含み得る。したがって、インターフェースは、鼻、口若しくはその両方を覆う間接的なインターフェース或いは着用者の鼻に入る鼻ノズル若しくはピロー又は同様のものを含むインターフェースなどの間接的なインターフェースであり得る。
【0004】
呼吸用インターフェースのためのヘッドギアは、使用時、ヘッドギアの後部から患者の頭部の左側及び右側に沿って延在し、インターフェースに接続する少なくとも2つのサイドストラップを含み得る。他の構成は、各側の上部及び下部サイドストラップの2つのセットを含み得る。
【0005】
ヘッドギアは、クラウンストラップ又はフォアヘッドストラップなどの上部ストラップを含み得、呼吸ヘッドギアは、他の様々な形態であり得る。例えば、ヘッドギアは、クラウン若しくはフォアヘッドストラップ又は後頭部ループと、マスクに接続された患者の頭部又は顔の両側の単一のストラップとのみを含み得る。典型的には、ヘッドギアストラップの1つ又は複数の長さは、調整可能であり得、それにより、1つ又は複数のヘッドギアストラップが緩んでいるとき、患者は、インターフェース及びヘッドギアを着用し、インターフェース及びヘッドギアが所定の位置にあるときにストラップを締めて、その後、取り外すか又は脱ぐまでマスク及びヘッドギアを所定の位置に確実に保持することができる。
【0006】
患者は、様々な呼吸療法を提供するための様々なタイプの呼吸用インターフェース又はマスクを使用し得る。呼吸療法を患者に提供するために、患者の口及び鼻のいずれか一方又は両方に何らかの方法でインターフェースが保持されなければならない。これは、呼吸療法が加圧ガスの供給を伴う場合に特に当てはまり、少なくともある程度の密閉性を確保し、呼吸療法のガスがインターフェースの周囲から望ましくなく漏れることを防ぐために、インターフェースを患者の顔に対して保持する必要がある。ヘッドギアは、患者の顔にインターフェースを保持する機能を提供するために利用され得る。
【0007】
呼吸用インターフェース又はマスクは、病院環境及び患者の家庭を含む様々な環境で使用され得る。様々な呼吸療法は、患者が起きているとき又は寝ているときのいずれか又は両方で提供され得る。
【0008】
ヘッドギアの主な機能は、圧力を発生させる力に対抗するために患者の顔にインターフェースを保持し、且つ/又は患者の顔との密閉をもたらすことであるが、ヘッドギアが患者の頭部にどのように力を伝達するかは、患者の快適さ及び潜在的に呼吸療法の遵守にも大きく影響し得る。ヘッドギアの荷重を受ける部分は、刺激又は不快感を引き起こし得る。これは、睡眠時など、インターフェース及びヘッドギアを長時間装着する場合に特に当てはまり得る。
【0009】
睡眠時にインターフェース及びヘッドギアを使用する場合、ヘッドギアの少なくともいくつかの部分は、患者の頭部とベッドとの間に配置され得る。これは、ヘッドギアの局所的な厚みにより、ヘッドギアを装着したときに患者の頭部が受ける圧力が増加し得るため、患者に不快感を与え得る。
【0010】
異なる患者は、大きく異なる体格も有し得る。例えば、それには、頭囲が異なること、顔及び頭蓋骨の形状が異なること、部位によって組織の深さ及び感度が異なることなどが含まれ得る。これは、患者の後頭部で例示することができ、首が筋肉質であるか又は首が頭蓋骨から大きく広がっている患者もいれば、脂肪組織が多いか又は首が頭蓋骨から大きく広がっていない患者もいる。このような違いにより、所与のヘッドギアについて患者によってフィット感又は快適性のレベルが異なり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ヘッドギアは、例えば、ストラップの1つ又は複数を短くするか又は長くして、異なる患者にフィットするように何らかの方法で調整することができるが、そのような調整は、患者間の解剖学的構造の違いを十分に補償しない場合がある。このような調整は、追加的又は代替的に、患者の頭部に対するヘッドギアの十分な支持又は少なくとも支持しているという感覚を提供しない場合がある。理想的には、ヘッドギアは、患者の解剖学的構造に快適に合うように調整されるだけでなく、調整された状態で患者の頭部に確実且つ密にフィットすることが望ましい。
【0012】
ヘッドギア自体は、その構造及び機能に関して特定の局所的な要件を有し得る。例えば、いずれかの所与の呼吸用インターフェースをある程度の力で保持するために、ヘッドギアのいくつかの領域は、他の領域よりも大きい荷重を受け得る。剛性、柔軟性、柔らかさ、任意の数の他の特性に対する場所特有のニーズも存在し得る。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本開示の様々な態様は、複数のパネルを含むヘッドギアを提供し、各パネルの少なくとも一部は、別のパネルの少なくとも一部に対して重ねられ、それらは、接着剤によって一緒に結合され、異なる特性を有する異なるパネル及び異なる重なり構成を有するパネル間のインターフェースの組み合わせは、場所固有の特徴及び特性の可能性を有するヘッドギアを提供する。
【0014】
個々のパネルは、少なくともいくつかの構成によれば、同一の又は異なる材料の複数の層とは対照的に、1つの材料の単一プライ若しくは単一層又は複数の材料の一体型複合体であり得る。
【0015】
縫合又は超音波溶接などの他の接合又は結合方法に対する接着剤の使用は、(そのような他の接合又は結合方法と比較して)相対的に減少した嵩、又は厚さ、又は硬度のパネル間の結合を提供し得る。
【0016】
他の接合又は結合方法に対する接着剤の使用は、結合部における構造的及び材料的特性の調整をさらに提供し得る。例えば、接着剤は、パネルの接合領域の「感触」がパネル自体のそれと類似するように、結合されたパネルの実質的に一致した特性(特に剛性、伸縮性及び/又は回復性特性)を有するように選択することができる。有利には、これにより、ヘッドギアが頭部に装着されるときにパネル間の接合部を感じないため、ヘッドギアの患者は、快適性が向上することになる。
【0017】
他の例では、接着剤は、パネルに異なる特性(剛性、硬度及び/又は強度など)を提供するように選択することができる。そのような例では、接着剤は、性能を向上させ、且つ/又は使用中のヘッドギアの望ましくない変形に抵抗するために、パネルの選択された部分を有利にコンディショニングし得る。
【0018】
重なり構成は、特に接着剤によって完全に又は部分的にのみ結合され得る。例えば、重なり構成は、隣接するパネル表面が接着剤によって一緒に結合された結合領域と、隣接するパネル表面が接着剤によって一緒に結合されない非結合領域との両方を含み得る。
【0019】
重ねられたパネルが、重ねられたパネルの特性に実質的に一致する接着剤によって結合される場合、結合された重なり構成におけるヘッドギアの特性(特に伸縮特性を含む)には、結合されない重なり構成と比較して最小限の差のみが生じるか又はまったく差がない場合がある。
【0020】
他の場合、パネルの特性が異なる場合(例えば、重ねられたパネルが垂直方向に伸展可能である場合)又は接着剤の特性が、重ねられたパネルの特性と実質的に一致しない場合、結合されない重なり構成と比較して、結合された重なり構成においてヘッドギアの特性、特に伸縮特性に差が生じ得る。
【0021】
ヘッドギアの所望の性能を提供することに加えて、接着剤を利用してパネルに異なる特性を与え、ヘッドギアの「感触」又は外観を変えることができる。これは、患者又は他の使用者にヘッドギアの向き又は使用に関する手がかりを提供するために採用され得る。
【0022】
本開示によるヘッドギアのパネルは、1つ又は複数の接着剤を用いて全体的に結合され得る。
【0023】
しかしながら、様々な実施形態は、ヘッドギアを形成するために様々なパネル若しくはパネル部品又は他の構成要素をある程度一緒に結合する1つ又は複数の追加の方法を利用し得ることが理解されるであろう。例えば、様々なパネル又はパネル部品は、縫合された接合部を含み得るが、特にそのような縫合がヘッドギアの嵩又は特に接合部の厚さ及びヘッドギア装着時の患者の快適性に望ましくない影響を与えない可能性がある位置において、縫合された接合部を含み得る。
【0024】
従来のヘッドギアは、一般に、天然又は合成ゴムフォームなどの内部フォーム層を挟む外部ファブリック層を含む積層体の1つ又は複数の接合されたセクションから構成される。ヘッドギアの構築に使用されるこのような積層体材料の一例は、Breathe-o-prene(登録商標)である。Breathe-o-prene(登録商標)などの既存の積層体材料の接合されたセクションからヘッドギアが作られる場合、ヘッドギアは、少なくとも積層体の3層以上の厚みを有することになる。積層体のセクション間の接合部において、ヘッドギアは、接合された両方のセクションの厚みを有することになる。各積層体の層の厚さを減少させる努力がなされたとしても、重なり合う積層体のセクションは、望ましくなく厚い領域、したがってヘッドギアの装着者にとっての潜在的な不快の原因を容易にもたらし得る。例えば、積層体がそれぞれ3つの層を有する場合、得られる接合部は、合計で組み合わせた6つの層の厚さを有することになる。
【0025】
本開示によれば、ヘッドギアは、各単一プライパネルの少なくとも一部が別の単一プライパネルの少なくとも一部に対して重ねられ、重ねられたパネルがそれぞれ結合される、複数の単一プライパネルによって形成され得る。これにより、2つ以上のパネルが互いに重なる多数の重なり領域と、パネルが別のパネルによって重ねられない多数の非重なり領域とを有するヘッドギアが提供され得る。非重なり領域では、ヘッドギアは、単一プライパネルのみを含む。
【0026】
重なり領域の1つ又は複数において、パネルを互いに接合してパネルを固定し、ヘッドギアを画定することができる。
【0027】
パネルは、それぞれの所望の形状に切断され、その後、互いに重ねられ、接合され得る。このような構成は、既に積層されたパネルセクションを切断し、次にそれらを接合してヘッドギア又はヘッドギアの部分を形成することによってヘッドギアが構築される、Breathe-o-prene(登録商標)などの積層材料の場合などの従来の方法と異なり得る。
【0028】
ヘッドギアのパネルは、互いに重ねられて接合される前に形状に合わせて切断され得るが、いくつかの形態では、ヘッドギアの少なくともいくつかの部分は、追加的又は代替的に、互いに重ねられ、潜在的に1つ又は複数の重ねられた部分が互いに接合された後に切断され得る。
【0029】
本開示のヘッドギアは、異なる材料の複数の層の接合積層体からではなく、1つの材料又は1つの材料の複合体の単一プライを含む個々のパネルから形成され得るため、ヘッドギアは、減少した厚さを有し得る。非重なり構成では、ヘッドギアは、Breathe-o-prene(登録商標)などの3層積層体材料を使用する場合のように少なくとも3つのプライではなく、1つの単一プライパネルの厚さのみを含む。これにより、厚みを相対的に減らすことができる。
【0030】
同様に、重なり構成では、Breathe-o-prene(登録商標)など、2つの3層積層体材料を接合した場合の6つのパネルと比較して、重なり構成が2つのパネルのみの厚さを有し得るため、本開示のヘッドギアは、減少した厚さを有し得る。
【0031】
接合された積層体材料又はマルチプライ材料から作られた従来のヘッドギアと比較した場合の、本開示のヘッドギアの重なり構成及び非重なり構成の両方におけるパネルの数及び厚さの潜在的低減は、ヘッドギアの厚さの場所特定的な又は全体的な低減のいずれかをもたらし得る。特定の場所であろうと、ヘッドギア全体であろうと、低減された厚みは、嵩の減少という視覚的及び/又は身体的知覚を患者に提供し得る。厚みの減少は、ヘッドギアを装着する患者に対して快適性の向上も提供し得る。
【0032】
ヘッドギアの異なる箇所に存在するパネルの数及びその厚さのいかなるそのような減少も、ヘッドギアの全体的な重量の対応する減少を提供し得る。
【0033】
接着剤によってパネルを一緒に接合することは、接着剤の使用が縫合又は溶接によって複雑なへりを提供する必要性も排除し得るため、厚さ及び重量の減少のいずれか又は両方を提供し得る。
【0034】
別の態様によれば、本開示は、複数のパネルを含むヘッドギアであって、各パネルの少なくとも一部は、別のパネルの少なくとも一部に対して重ねられ、それらは、互いに結合されて、薄くて継ぎ目のない又は実質的に継ぎ目のないヘッドギアを提供する、ヘッドギアを提供する。
【0035】
別の態様によれば、本開示は、複数のパネルを含むヘッドギアであって、各パネルの少なくとも一部は、別のパネルの少なくとも一部に対して重ねられ、それらは、互いに結合されて、軽量なヘッドギアを提供する、ヘッドギアを提供する。
【0036】
別の態様によれば、本開示は、複数のパネルを含むヘッドギアであって、各パネルの少なくとも一部は、別のパネルの少なくとも一部に対して重ねられ、それらは、互いに結合され、パネルは、ヘッドギアが非装着状態にあるときにその使用中の形状の少なくとも一部を保持するように構成される、ヘッドギアを提供する。
【0037】
別の態様によれば、本開示は、1種又は複数の接着剤を用いて互いに結合される複数のパネルのみから構成されるヘッドギアを提供する。
【0038】
別の態様によれば、本開示は、単一の接着剤のみを使用して一緒に結合される複数のパネルのみからなるヘッドギアを提供する。
【0039】
別の態様によれば、本開示は、患者用インターフェースのためのヘッドギアであって、複数のパネルを含み、各パネルは、2つの反対側の主要面を有し、
ヘッドギアは、複数のパネルの少なくとも2つがそれぞれ互いに上及び下に重なる少なくとも1つの重なり領域と、複数のパネルの1つ又は複数が複数のパネルの別のものによって重ねられない少なくとも1つの非重なり領域とを有し、
それぞれの少なくとも1つの重なり領域において、パネルは、接着剤によって互いに結合される、ヘッドギアを提供する。
【0040】
ヘッドギアは、複数の重なり領域と、複数の非重なり領域とを含む。
【0041】
複数のパネルのそれぞれは、複数の重なり構成の1つ又は複数内に少なくとも部分的に提供される。
【0042】
複数のパネルの少なくともいくつかは、複数の非重なり領域の1つ又は複数内にも少なくとも部分的に提供される。
【0043】
複数のパネルのそれぞれは、複数の非重なり領域の1つ又は複数内にも少なくとも部分的に提供される。
【0044】
重なり領域は、2つ以上の重なったパネルの実質的に連続した領域を含む。
【0045】
非重なり領域は、1つの重ならないパネルの実質的に連続した領域を含む。
【0046】
複数の重なり領域の少なくとも1つにおいて、
第1のパネルと第2のパネルとが互いに重なること、
第1のパネルがそれぞれの側で第2のパネルと第3のパネルとの間に重ねられること、及び
少なくとも第1のパネル、第2のパネル、第3のパネル及び第4のパネルを含む4つ以上のパネルが連続して互いに重ねられること
の1つ又は複数である。
【0047】
重なり領域における複数のパネルの各パネルは、接着剤により、一方又は両方の隣接するパネルに結合される。
【0048】
複数のパネルの少なくとも1つは、複数のパネルの別のパネルの材料と異なる材料を含む。
【0049】
重なり領域におけるパネルの少なくとも1つは、重なり領域における別のパネルの材料と異なる材料を含む。
【0050】
第1のパネルは、第2のパネルの材料と異なる材料を含む。
【0051】
第2のパネル及び第3のパネルは、第1のパネルの材料と異なる材料である同じ材料を含む。
【0052】
異なる材料は、異なる質感、柔らかさ、剛性若しくは柔軟性、伸縮特性、密度、厚さ、色、基準材料に対する摩擦係数、通気性又は透明度若しくは透け感の1つ又は複数を含む。
【0053】
異なる材料は、方向的に異なる質感、柔らかさ、剛性若しくは柔軟性、進展性及び/若しくは回復性を含む伸縮特性若しくは特に弾性又は基準材料に対する摩擦係数の1つ又は複数を含む。
【0054】
複数のパネルの少なくとも1つのパネルの2つの反対側の主要面は、パネルの反対側の主要面の異なる質感、摩擦係数又は色の1つ又は複数を含む。
【0055】
複数のパネルの主要面の露出部分は、使用中の患者の頭部に対してヘッドギアの内面及び外面を画定し、複数のパネルの少なくともいくつかは、それぞれヘッドギアの内面及び/又は外面の一部を画定する。
【0056】
複数のパネルの少なくともいくつかは、異なる質感、柔らかさ、色又は基準材料に対する摩擦係数の1つ又は複数を含む。
【0057】
ヘッドギアの内面の一部を画定するパネルの少なくとも一部は、ヘッドギアの外面の一部を画定するパネルの少なくとも一部よりも大きい表面軟らかさを含む。
【0058】
複数のパネルの一部のみが内面を画定し、複数のパネルの一部のみが外面を画定する。
【0059】
それぞれの少なくとも1つの非重なり構成を除いて、パネルの露出部分は、内面及び外面の一方又は他方の一部を画定する。
【0060】
複数のパネルは、第1の伸縮性材料のパネル及び第2の伸縮性材料のパネルを含み、第1の伸縮性材料及び第2の伸縮性材料の伸縮性は、異なる。
【0061】
第1の伸縮性材料は、第2の伸縮性材料よりも伸縮性が高い。
【0062】
複数のパネルは、少なくとも1つの弾性生地パネルと、少なくとも1つの非弾性生地パネルとを含む。
【0063】
複数のパネルは、以下を含む:
患者の頭部の後部に位置するための後方部分、
クラウンストラップ、及び
患者用インターフェースに取り付けるための少なくとも2つのサイドストラップ。
【0064】
後方部分は、少なくとも2つのサイドストラップ間で荷重を伝達し、及び後方部分は、少なくとも2つのサイドストラップのそれぞれのサイドストラップパネルの一部に重なる、第1の材料の少なくとも1つのパネルを含む。
【0065】
後方部分は、第1の材料の複数のパネルを含み、少なくとも2つのサイドストラップのそれぞれは、第1の材料のパネルによってそれぞれの側で重ねられる。
【0066】
使用者の頭部の後部において最も低く位置付けられる後方部分の範囲は、第2の材料の下部パネルを含む。
【0067】
第2の材料は、解きほぐれ不可能な材料である。
【0068】
下部パネルは、第1の材料の複数のパネルの1つ又は複数に重ねられるか又はそれらの間に配置される。
【0069】
第2の材料の下部パネルは、第1の材料の複数のパネルよりも伸縮性がある。
【0070】
第1の材料の下部パネルは、伸縮性パネルであり、及び第1の材料の複数のパネルは、非伸縮性パネルである。
【0071】
第2の材料の下部パネルは、弾性であり、及び第1の材料の複数のパネルは、非弾性である。
【0072】
第2の材料の下部パネルは、第1の材料の複数のパネルよりも高い弾性を有する。
【0073】
第2の材料は、弾性材料であり、及び第1の材料は、実質的に非弾性材料である。
【0074】
下部パネルの一部は、ヘッドギアの非重なり領域にあり、及び下部パネルの前記一部は、実質的に三日月状である。
【0075】
ヘッドギアの非重なり領域内の下部パネルの少なくとも一部は、実質的に三日月形であり、凹状の縁と凸状の縁とを有し、凹状の縁が後方部分の下部周縁の少なくとも一部を形成する。
【0076】
後方部分は、上縁パネルを含み、上縁パネルは、後方部分の上部周縁の少なくとも一部を形成し、上縁パネルは、それが重ねられるパネルの材料よりも薄い及び/又は柔らかい材料を含む。
【0077】
上縁パネルは、後方部分の上部領域でヘッドギアの使用中の患者の頭部に対する内面を画定するように後方部分の別のパネルに重ねられる。
【0078】
上縁パネルは、重なり領域及び非重なり領域の両方内に提供され、非重なり領域は、後方部分の上部周縁の少なくとも一部を形成する。
【0079】
非重なり領域における上縁パネルは、使用時に且つ後方部分の上部周縁に向かって、患者の頭部から離れてロールするように構成される。
【0080】
非重なり領域における上縁パネルは、隣接する重なり領域から離れて、上縁パネルの厚さの約5倍~約20倍の距離だけ延在する。
【0081】
クラウンストラップは、使用時に患者の頭部に向けられた内面と、使用時に患者の頭部から離れて向けられた外面とを画定し、内面は、外面よりも大きい軟らかさを有する。
【0082】
クラウンストラップは、後方部分に従属する。
【0083】
クラウンストラップは、後方部分と、後方部分及び/又はクラウンストラップの各横方向側の少なくとも1つのサイドストラップとに従属する。
【0084】
クラウンストラップは、少なくとも2つのサイドストラップの幅よりも大きい幅を有する。
【0085】
クラウンストラップは、少なくとも2つのサイドストラップの色と異なる色である。
【0086】
クラウンストラップは、可変長のクラウンストラップを提供するために互いに調整可能に固定可能なクラウンストラップ部分の対を含み、各クラウンストラップ部分は、互いに接着剤で結合される内側クラウンストラップ部分パネル及び外側クラウンストラップ部分パネルを含む。
【0087】
内側クラウンストラップ部分パネルは、外側クラウンストラップ部分パネルよりも大きい柔らかさを有する。
【0088】
内側クラウンストラップ部分パネル及び外側クラウンストラップ部分パネルは、それらが重ねられる後方部分及び/又はサイドストラップの1つ又は複数のパネルにそれぞれ上及び下に重なる。
【0089】
クラウンストラップは、後方部分よりも相対的に硬く且つ/又は高密度である。
【0090】
クラウンストラップは、後方部分を構成する1つ又は複数のパネルよりも高い剛性及び/又は高い密度を有する材料の1つ又は複数のパネルを含む。
【0091】
少なくとも2つのサイドストラップは、上部サイドストラップ及び下部サイドストラップの2つの横方向セットを含み、サイドストラップの各セットは、患者用インターフェースの対応する側に接続するためのものである。
【0092】
2つの上部サイドストラップは、ヘッドギアの後方部分にわたって延在する一体型パネルを含む。
【0093】
一体型パネルは、ヘッドギアの後方部分の少なくとも一部にわたる重なり領域内及び遠位の非重なり領域の対内に提供される。
【0094】
上部及び下部ストラップは、一体型パネルを含み、一体型パネルは、患者の耳の後部の周りに延在するように構成される。
【0095】
上部サイドストラップの重なり領域は、クラウンストラップのパネルによってそれぞれ上及び下に重ねられる。
【0096】
下部サイドストラップは、後方部分の複数のパネルによって上及び下に重ねられる。
【0097】
患者の耳の後ろを通すための耳ループは、上部及び下部サイドストラップの各横方向セット間で後方部分の横方向周縁を画定する。
【0098】
各耳ループの縁部輪郭は、直線部分の対を含む。
【0099】
直線部分の対は、V字形を形成し、各V字の先端は、他方に向けられ、ヘッドギアの後方部分に入る。
【0100】
2つの上部サイドストラップは、2つのそれぞれのパネルを含み、それぞれは、ヘッドギアの後方部分における重なり領域内及び遠位の非重なり領域内に提供される。
【0101】
2つの上部サイドストラップの2つのそれぞれのパネルのそれぞれは、ヘッドギアの後方部分のパネルによって上及び下に重ねられる。
【0102】
上部及び下部サイドストラップのいずれか又は両方の終端部分は、第1及び第2のタブパネルを含む把持タブを含み、タブパネルは、それぞれ第1のタブ領域で終端部分と上及び下に重なり、且つより遠位の第2のタブ領域で互いに重なる。
【0103】
第1及び第2のタブパネルは、上部及び下部サイドストラップのセットのそれぞれのストラップの材料よりも薄いこと、柔らかいこと、異なる色又は基準材料に対してより低い摩擦係数を有することの1つ又は複数である材料である。
【0104】
第1及び第2のタブパネルは、上部及び下部サイドストラップのセットのそれぞれのストラップの材料よりも薄いこと、硬いこと、剛性であること、異なる色又は基準材料に対してより低い摩擦係数を有することの1つ又は複数であるプラスチック材料である。
【0105】
第2のより遠位のタブ領域におけるヘッドギアは、第1のタブ領域におけるヘッドギアよりも高い剛性のものである。
【0106】
第2のより遠位のタブ領域は、非重なり領域において、上部及び下部サイドストラップの1つ又は複数よりも薄い。
【0107】
把持タブは、一方の外面において、フックアンドループファスナーの第1の半部をさらに含む。
【0108】
サイドストラップは、フックアンドループファスナーの第1の半部に対応するストラップ表面が、ストラップがそれ自体に折り返されたとき、フックアンドループファスナーの第2の半部を含むように構成される。
【0109】
少なくとも2つのサイドストラップは、左サイドストラップ及び右サイドストラップを含み、各サイドストラップは、患者用インターフェースの対応する側に接続するためのものである。
【0110】
サイドストラップのセットの各サイドストラップは、それ自体の上に折り返して取り付けられ、患者用インターフェースを保持することができる接続ループを画定するように構成される。
【0111】
サイドストラップのセットの各サイドストラップは、サイドストラップの少なくとも1つの表面に沿って一連の視覚的特徴を含み、視覚的特徴は、サイドストラップをそれ自体に折り返すときに患者に調整点を示すためのものである。
【0112】
視覚的特徴は、各サイドストラップの表面に沿って規則的に間隔を空けて配置される。
【0113】
サイドストラップのセットの各サイドストラップは、サイドストラップの少なくとも1つの表面に沿って一連の触覚的特徴を含み、触覚的特徴は、それぞれのストラップの異なる調整状態の触覚的フィードバックを患者に提供するためのものである。
【0114】
一連の触覚特徴は、それぞれの各サイドストラップの調整の指標を提供する。
【0115】
患者用インターフェースと触覚特徴との相互作用により、患者に触覚フィードバックが提供される。
【0116】
各サイドストラップは、ストラップパネルを含み、ストラップパネルは、少なくとも1つの主要面上で触覚フィードバックパネルと重ねられ、触覚フィードバックパネルは、それが重なるストラップパネルより薄いこと、硬いこと及び剛性であることの1つ又は複数であり、触覚フィードバックパネルとストラップパネルとは、接着剤によって結合される。
【0117】
触覚フィードバックパネルは、触覚特徴を含み、触覚特徴は、触覚フィードバックパネルを貫く一連の空隙によって提供される。
【0118】
一連の空隙は、触覚フィードバックパネルが重ねられるストラップパネルに対して一連の隆起を有するものとして触覚フィードバックパネルを提示する。
【0119】
触覚フィードバックパネルは、ストラップパネルよりも硬く且つ/又は剛性であり、及び一連の隆起は、患者用インターフェースのバックルと機械的に係合するためのものである。
【0120】
クラウンストラップ及び後方部分のそれぞれの横方向の範囲は、互いに且つサイドストラップのそれぞれの1つの端部と重ならずにインターフェースする。
【0121】
クラウンストラップ及び後方部分のそれぞれの横方向の範囲と、それぞれのサイドストラップの端部とは、縁部対縁部の構成で互いにインターフェースする。
【0122】
クラウンストラップ及び後方部分のそれぞれの横方向の範囲と、それぞれのサイドストラップの端部とは、接合パネルによって主要面の少なくとも1つのセットにおいて重ねられる。
【0123】
クラウンストラップ、後方部分及びサイドストラップの1つ又は複数の少なくとも1つの主要面は、補強パネルにより、それらの周縁に向かう少なくとも一部分に沿って重ねられる。
【0124】
補強パネルは、クラウンストラップ、後方部分及びサイドストラップのそれぞれの1つ又は複数よりも伸縮性が低い伸縮性材料を含む。
【0125】
補強パネルは、非伸縮性の材料を含む。
【0126】
補強パネルは、実質的に進展不可能な材料を含む。
【0127】
補強パネルは、非弾性材料を含む。
【0128】
クラウンストラップ、後方部分及びサイドストラップの1つ又は複数の少なくとも1つの主要面の少なくとも一部は、コンディショナーで処理される。
【0129】
コンディショナーは、クラウンストラップ、後方部分及びサイドストラップの1つ又は複数の少なくとも1つの主要面の少なくとも一部の縁部に向かって少なくとも提供される。
【0130】
クラウンストラップは、単一の一体型ストラップを含む。
【0131】
後方部分は、単一の一体型ストラップを含む。
【0132】
クラウンストラップと後方部分とは、閉じたループを含む。
【0133】
サイドストラップのセットは、クラウンストラップ及び後方部分の交差部に従属する。
【0134】
クラウンストラップ及び後方部分の交差部は、使用時、患者の耳の上に位置する。
【0135】
サイドストラップのセット、後方部分及びクラウンストラップの1つ又は複数は、少なくとも部分的に、第2の伸縮性パネルの対によって上及び下に重ねられる第1の伸縮性パネルを含み、第1の伸縮性パネルは、第2の伸縮性パネルよりも伸縮性が高い。
【0136】
サイドストラップのセット、後方部分及びクラウンストラップの1つ又は複数は、少なくとも部分的に、それぞれの相対的に非弾性のパネルによって上及び下に重ねられる相対的に弾性のパネルを含む。
【0137】
クラウンストラップ及び後方部分の一方又は両方の全体は、第2の伸縮性パネルの対によって上及び下に重ねられる第1の伸縮性パネルを含み、第1の伸縮性パネルは、第2の伸縮性パネルよりも伸縮性が高い。
【0138】
クラウンストラップ及び後方部分の一方又は両方の全体は、それぞれの相対的に非弾性のパネルによって上及び下に重ねられる相対的に弾性のパネルを含む。
【0139】
後方部分及びクラウンストラップは、閉じたループを形成し、後方部分及びクラウンストラップは、相対的により高い伸縮性のパネル及び相対的により低い伸縮性のパネルを一緒に含む。
【0140】
後方部分及びクラウンストラップは、閉じたループを形成し、後方部分及びクラウンストラップは、弾性パネル及び少なくとも1つの非弾性パネルを一緒に含む。
【0141】
後方部分及びクラウンストラップは、2つの相対的により低い伸縮性のパネルを含み、2つの相対的により低い伸縮性のパネルは、それぞれ、それぞれの第1の端部において相対的に高い伸縮性のパネルと重ねられ、且つ他端において互いに重ねられる。
【0142】
後方部分及びクラウンストラップは、2つの非弾性パネルを含み、2つの非弾性パネルは、それぞれ、それぞれの第1の端部において弾性パネルで重ねられ、且つ他端において互いに重ねられる。
【0143】
後方部分及びクラウン部分は、単一の相対的に低い伸縮性のパネルを含み、単一の相対的に低い伸縮性のパネルは、1つ又は複数の相対的に高い伸縮性のパネルに2つの横方向端部で重ねられる。
【0144】
後方部分及びクラウン部分は、単一の非弾性パネルを含み、単一の非弾性パネルは、実質的に弾性材料のパネルに2つの横方向端部で重ねられる。
【0145】
サイドストラップは、クラウンストラップ及び後方部分の閉じたループに従属し、サイドストラップにおける閉じたループは、局所的に増加したパネル又は組み合わせたパネル幅を含む。
【0146】
上部及び下部サイドストラップのいずれか又は両方の終端部分は、第1及び第2のタブパネルを含む把持タブを含み、タブパネルは、それぞれ第1のタブ領域で終端部分に上及び下に重なり、より遠位の第2のタブ領域で互いに重なる。
【0147】
第1及び第2のタブパネルは、上部及び下部サイドストラップのセットのそれぞれのストラップの材料よりも薄いこと、柔らかいこと、異なる色又は低い摩擦係数を有することの1つ又は複数である材料のものである。
【0148】
第2のより遠位のタブ領域におけるヘッドギアは、第1のタブ領域におけるヘッドギアよりも高い剛性のものである。
【0149】
把持タブは、一方の外面において、フックアンドループファスナーの第1の半部をさらに含む。
【0150】
サイドストラップは、フックアンドループファスナーの第1の半部に対応するストラップ表面が、ストラップがそれ自体に折り返されたとき、フックアンドループファスナーの第2の半部を含むように構成される。
【0151】
1つ又は複数の重なり領域において、ヘッドギアは、少なくとも部分的に、接着剤によって上に重ねられること及び下に重ねられることの一方又は両方である。
【0152】
接着剤は、ホットメルト接着剤を含む。
【0153】
接着剤は、シート状又はフィルム状の形態で提供される。
【0154】
接着剤は、接着剤に熱又は熱と圧力が加えられると、隣接するパネルに接着されるか又は接着する。
【0155】
複数のパネルの1つ又は複数は、解きほぐし可能な材料を含む。
【0156】
ヘッドギアの縁部の少なくとも一部は、コンディショナーによって処理される。
【0157】
コンディショナーによって処理された縁部は、同じ材料の接着されない重ねられた縁部と比較して増大したほつれ抵抗性を備える。
【0158】
ヘッドギアの縁部の少なくとも一部は、それ自体の上に巻き戻される。
【0159】
巻き戻された部分と、それが巻き戻される部分との間に接着剤が提供される。
【0160】
ヘッドギアの縁部の少なくとも一部は、縁部軟化パネルを含み、縁部軟化パネルの一部は、より内側のパネルに重ねられ、縁部パネルは、それが重ねられるより内側のパネルの材料よりも薄い及び/又は柔らかい材料を含む。
【0161】
縁部パネルは、より内側のパネルに重ねられ、それにより、縁部パネルは、ヘッドギアの、使用中の患者の頭部に対して内面を画定する。
【0162】
縁部パネルは、使用中、その外側端部に向かって、患者の頭部から離れてロールするように構成される。
【0163】
非重なり領域における縁部パネルは、隣接する重なり領域から離れて、それが重ねられるより内側のパネルの厚さの約5倍~約20倍の距離だけ延在する。
【0164】
ヘッドギアは、約30g未満の重量を有する。
【0165】
ヘッドギアは、約20g未満の重量を有する。
【0166】
ヘッドギアは、約10g未満の重量を有する。
【0167】
ヘッドギアは、約15g~約30gの重量を有する。
【0168】
ヘッドギアは、約17.5~約27.5gの重量を有する。
【0169】
ヘッドギアは、約25gの重量を有する。
【0170】
前記複数のパネルの1つ又は複数は、平面パネルを含む。
【0171】
複数のパネルの1つ又は複数は、管状パネルを含む。
【0172】
別の態様によれば、本開示は、患者用インターフェースのためのヘッドギアを提供し、ヘッドギアは、互いに重ねられて接合される第1のパネル及び第2のパネルを含み、第1のパネルは、ヘッドギアが3D形状をとるようにする少なくとも1つのダーツ部分を含む。
【0173】
第1のパネルの少なくとも1つのダーツ部分の1つ又は複数は、第1のパネルの1つの主要面において第2のパネルによって覆われる。
【0174】
少なくとも1つのダーツ部分の1つ又は複数は、第1のパネルと第2のパネルとの接合によって閉じられた状態で固定される。
【0175】
少なくとも1つのダーツ部分の1つ又は複数は、ヘッドギアの後方部分において又は後方部分に向かって設けられ、ヘッドギアを、その患者に面する側で凹形状に形成する。
【0176】
別の態様によれば、本開示は、患者用インターフェースのためのヘッドギアを提供し、ヘッドギアは、互いに重ねられる複数のパネルを含み、パネル又はそれぞれのパネルの2つの縁部は、ヘッドギアが3D形状を画定するように互いに接続される。
【0177】
2つの縁部を有する1つ又は複数のパネルは、縁部において別のパネルによって重ねられる。
【0178】
1つ又は複数のパネル及び別のパネルがそれらの重ねられた部分で接合されることにより、別のパネルが縁部を一緒に保持する。
【0179】
2つの縁部は、ヘッドギアの後方部分に又は後方部分に向かって位置し、一緒に接続されると、ヘッドギアを、その患者に面する側で凹状に形成する。
【0180】
パネル又はそれぞれのパネルの3つ以上の縁部が一緒に接続される。
【0181】
1つ又は複数のパネルの3つ以上の縁部の対がそれぞれ一緒に接続される。
【0182】
別の態様によれば、本開示は、患者用インターフェースのためのヘッドギアを提供し、ヘッドギアは、ヘッドギアが3D形状を画定するように互いに重ねられ、互いに結合される複数のパネルを含む。
【0183】
ヘッドギアは、ヘッドギアの後方部分の患者に面する側で凹型の形状を画定する。
【0184】
パネルは、結合によって接合される。
【0185】
結合は、接着剤によるものである。
【0186】
パネルは、溶接によって接合される。
【0187】
ヘッドギアは、一般に、患者に関連して言及されるが、患者という用語は、適宜、患者の補助役若しくは医療専門家又は自らの使用であるか、又は他の誰かのヘッドギアの使用を補助することに関連するかにかかわらず、ヘッドギアを使用し得るか又はヘッドギアと相互作用し得る他の誰かに置き換えられ得ることが理解されるであろう。
【0188】
本明細書で使用される場合、「及び/又は」という用語は、「及び」若しくは「又は」又はその両方を意味する。
【0189】
本明細書で使用される場合、名詞に続く「(s)」は、その名詞の複数形及び/又は単数形を意味する。
【0190】
本明細書の目的のために、「プラスチック」という用語は、広範囲の、一般に炭化水素系ポリマーからなる合成又は半合成の重合生成物の一般用語を意味するように解釈されるものとする。
【0191】
本明細書の目的のために、方法ステップが順番に記載される場合、その順番を解釈するための他の論理的方法がない限り、その順番は、必ずしもステップをその順番で時系列に並べることを意味するものではない。
【0192】
本明細書及び特許請求の範囲で使用される際、「含む」という用語は、「少なくとも部分的に~からなる」を意味する。本明細書において、用語「含む」を含む各記載を解釈する場合、その用語で前置きされたもの以外の特徴も存在し得る。関連する用語「含む(comprise)」及び「含む(comprises)」は、同じように解釈されるものとする。
【0193】
本発明の他の態様は、単に例として且つ添付の図面を参照して与えられる以下の記載から明らかになるであろう。
【0194】
本特許ファイル又は出願ファイルは、カラーで実行された少なくとも1つの図面を含む。カラー図面を含む本特許又は特許出願公開の写しは、請求及び必要な手数料の支払いに応じて特許庁から提供される。
【0195】
本発明の好ましい実施形態が単に例として図面を参照して記載される。
【図面の簡単な説明】
【0196】
【
図1A】2つのパネルの積層前の構成の断面図である。
【
図1B】2つのパネルの積層後の構成の断面図である。
【
図2A】3つのパネルの積層前の構成の断面図である。
【
図2B】3つのパネルの積層後の構成の断面図である。
【
図3A】3つのパネルの別の積層前の構成の断面図である。
【
図3B】3つのパネルの別の積層後の構成の断面図である。
【
図4A】所与の厚さの第1のパネルと、第1のパネルよりも薄い第2のパネルの積層前の断面図である。
【
図4B】
図4Aと同様の積層前の断面図であるが、第1のパネルは、別のより薄いパネルによって他方の側で重ねられる。
【
図5A】2つのパネルの別の構成の積層前の断面図である。
【
図5B】2つのパネルの別の構成の積層後の断面図である。
【
図6A】互いに重ねられ、別のパネルの対によって部分的に上及び下に重ねられた第1及び第2のパネルの積層前の断面図である。
【
図6B】互いに重ねられ、別のパネルの対によって部分的に上及び下に重ねられた第1及び第2のパネルの積層後の断面図である。
【
図7A】別のパネルによって片側で重ねられた2つの隣接するパネル間の突き合わせ接合部の積層前の断面図である。
【
図7B】別のパネルによって片側で重ねられた2つの隣接するパネル間の突き合わせ接合部の積層後の断面図である。
【
図8】
図7Bの積層後の構成であり、2つの隣接するパネルは、突き合わせ接合部において別のパネルによって他の主要面で重ねられる。
【
図9A】
図8と同様に2つの隣接するパネル間の突き合わせ接合部の積層前の図であるが、2つの隣接するパネルは、異なる厚さである。
【
図9B】
図8と同様に2つの隣接するパネル間の突き合わせ接合部の積層後の図であるが、2つの隣接するパネルは、異なる厚さである。
【
図10】
図3Bと同様に、第1のパネルから離れて、互いに重ねられる他の2つのパネルによって上及び下に重ねられる第1のパネルの例示的な積層後の断面図であるが、第1のパネル及び他の2つのパネルは、他のパネルよりも薄いパネルの対によってさらに上及び下に重ねられる。
【
図11A】接着剤で処理されたパネルの縁部の1つの表面の積層前の断面図である。
【
図11B】接着剤で処理されたパネルの縁部の1つの表面の積層後の断面図である。
【
図12A】
図11Aの構成であるが、パネルの縁部に沿った両方の主要面は、接着剤で処理される。
【
図12B】
図11Bの構成であるが、パネルの縁部に沿った両方の主要面は、接着剤で処理される。
【
図13A】巻き戻されて自らに接着されるパネルの積層前の断面図である。
【
図13B】巻き戻されて自らに接着されるパネルの積層後の断面図である。
【
図14A】2つの重ねられたパネルの積層前の断面図であり、主要面のそれぞれにおけるパネル間の境界は、接着剤で処理される。
【
図14B】2つの重ねられたパネルの積層後の断面図であり、主要面のそれぞれにおけるパネル間の境界は、接着剤で処理される。
【
図15】組み合わせてヘッドギアの一部を形成する2つのパネルを示す。
【
図16B】ヘッドギアの他の実施形態の平置き図である。
【
図17A】患者によって保持されたときのヘッドギアのドレープ構成の図である。
【
図17B】患者によって保持されたときのヘッドギアのドレープ構成の図である。
【
図21】サイドストラップとヘッドギアの後方部分との間の重なり領域である。
【
図22】ヘッドギアの一部の様々な重なり領域及び非重なり領域の近接図である。
【
図32A】ストラップの一部のためのパネルである。
【
図39A】ヘッドギアを形成するための様々なパネルを示す。
【
図40】ヘッドギアのためのパネルの他の実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0197】
本明細書に記載されるのは、呼吸用インターフェースのためのヘッドギアの様々な実施形態である。そのようなヘッドギアは、複数のパネルであって、複数のパネルの少なくとも2つが互いに上及び下に重なる少なくとも1つの重なり領域と、パネルの1つ又は複数が別のパネルによって重ねられない少なくとも1つの非重なり領域とを有するヘッドギアを提示するように構成される複数のパネルを含み得る。1つ又は複数の重なり領域におけるパネルのそれぞれは、接着剤によって互いに結合される。
【0198】
最も単純な形態では、ヘッドギアは、少なくとも一方が他方に対して部分的に重ねられて、それらがそれぞれ上及び下に重なる重なり領域と、一方又は両方のパネルが重ねられずに存在する1つ又は2つの非重なり領域とを形成する2つのパネルのみを含み得る。
【0199】
他の様々な形態において、ヘッドギアは、他のパネルの1つ又は複数と完全に又は部分的に重なる関係にある追加のパネルを含み得る。このような様々な重ねられたパネルの構成により、積層されたヘッドギアが構築され得る。
【0200】
ヘッドギアの少なくとも一部は、そのような重ねられたパネルの構成によって形成され得る。
【0201】
いくつかの実施形態において、ヘッドギアの少なくとも主要部分又は全体若しくは実質的な全体は、様々な重ねられた構成の複数のパネルによって形成され得る。
【0202】
いくつかの実施形態によれば、ヘッドギアは、少なくとも1つの重なり領域と、少なくとも1つの非重なり領域とを有するヘッドギアを提供するために、複数のパネルのみから構成され得る。
【0203】
いくつかの実施形態によれば、ヘッドギアは、接着剤を用いて一緒に結合された複数のパネルのみから構成され得る。
【0204】
換言すれば、ヘッドギアは、縫合も溶接も使用せずに接合された複数のパネルから構成され得る。
【0205】
接着剤は、非常に薄い層を形成するため、パネルが縫合又は溶接されるヘッドギアと比較して、ヘッドギアの嵩が減少する。接着剤の材料特性は、重なり領域が、縫合又は溶接された接合部と比較して相対的に柔らかく、柔軟であるように選択することもできる。
【0206】
複数のパネルのパネルは、任意の適切なパネル状材料から選択することができる。これは、天然繊維及び/又は人工繊維のネットワークである生地、より詳細には織ること、編むこと、広げること、かぎ針編み、結合又は他の利用可能な方法によって作られ得るような布地を含み得る。
【0207】
それは、プラスチック又は複合体など、パネル状の形態で提供され得る他の任意の非従来型の生地材料も含み得る。
【0208】
パネルは、シート状の形態であり得るか、又はチューブ状のパネルを含み得る。
【0209】
少なくともいくつかの実施形態において、複数のパネルの一部又は全部は、柔軟な材料であり得、特に自重で垂れ下がる可能性のある材料であり得る。そのような材料は、患者の頭部の形状に適合させるべきヘッドギアの部品を形成するのに特に適し得る。
【0210】
ヘッドギアを構成する複数のパネルの各パネルは、2つの反対側の主要面を画定する。少なくともいくつかの実施形態において、ヘッドギアの1つ又は複数の重なり領域内で互いに重ねられ、一緒に結合されるのは、これらの主要面であり得る。
【0211】
複数のパネルは、同じ材料のパネルであり得る。
【0212】
様々な好ましい形態において、パネルの少なくともいくつかは、異なる材料のものであり得る。そのような異なる材料は、少なくともいくつかの異なる材料特性を有し得る。そのような特性は、その主要面の一方若しくは両方又は2つの主要面の境界を定める縁の1つ若しくは複数におけるパネルの質感を含み得る。別の特性は、主要面の一方若しくは両方又は2つの主要面の境界を定める縁の1つ若しくは複数の柔らかさ又は硬さであり得る。別の材料特性は、パネルの剛性若しくは柔軟性又はその伸縮特性を含み得る。伸縮特性は、伸展性、回復性及び弾力性を含み得る。パネルの1つ又は複数が有し得るさらなる特性は、異なる密度、表面硬度、ヤング率、厚さ、主要面又は境界縁の一方又は両方における色、基準材料に対する主要面の一方又は両方における摩擦係数を含み得る。異なる材料特性は、異なる程度の通気性、異なる程度の疎水性若しくは吸水性、異なる透過性又は異なる透明度若しくは透け感を含み得る。
【0213】
パネル間でそのような異なる材料特性のいずれかを有することに加えて、個々のパネル自体は、パネル自体内で方向的に異なるそのような特徴の1つ又は複数を有し得る。例えば、パネルは、方向的に異なる質感又は柔らかさを有し得る。それは、方向的に異なる剛性若しくは柔軟性、伸縮特性又は基準材料に対する摩擦係数も有し得る。
【0214】
異なる材料特性に加えて、複数のパネルの異なるパネルは、厚さ及び横方向の寸法の両方を含む異なる物理的構成を有し得る。
【0215】
生地パネルのパネル特徴の別の例は、それがカットパイル又はアンカットパイルのいずれを含むかであり得る。パイルがカットされるか又はカットされないかは、異なる表面特徴を提供し得る。例えば、アンカットパイルは、パネル表面で材料のループを示し得る。このようなアンカットパイルを有する材料は、一般に、アンブロークンループ(UBL)材料として知られている場合がある。
【0216】
このようなループの存在は、フックアンドループファスナーシステムのループ部分として機能することが望ましい場合がある。この構成により、パネルにループを提供する構成要素を追加で取り付けることなく、フックアンドループファスナーシステムを提供することができる。これは、少なくとも厚さが低減されたヘッドギアを提供することにつながり得る。
【0217】
パネルは、パネルを含むことになるヘッドギアの所望の機能性を提供し得るような他の任意の材料特性又はパネル構成を有する材料からさらに選択することができる。
【0218】
パネルの伸縮特性は、まず、その面内伸展性又は伸縮性を指す。この伸展性は、全方向性であり得、その結果、パネルは、全ての方向に同じ面内伸展性を有し得る。パネルの伸縮特性は、方向的に異なり得、したがって、パネルは、異なる面内方向において異なる伸展性を有するか又は伸展可能且つ伸展不可能である。
【0219】
伸縮性パネルは、少なくともある程度の面内伸展性又は伸縮性を有するものであり得る。非伸縮性パネルは、少なくとも1つの方向において面内で相対的に非伸展性であり得る。
【0220】
非伸縮性パネルは、伸縮性パネルよりも低い伸展性の程度を有するものであり得る。
【0221】
パネルは、互いに異なる伸縮特性を有し得る。例えば、第1のパネルが第1の伸縮性を有し、第2のパネルが第2の異なる伸縮性を有し得る。パネルが互いに重ねられるが、結合されない場合、それらは、別の第3の伸縮性を定め得る。最後に、パネルが重ねられ結合される場合、それらは、別の第4の伸縮性を定め得る。
【0222】
伸展性又は伸縮性を有するパネルは、回復可能であるか又は回復不可能であり得る。少なくともいくつかの好ましい構成では、伸縮性パネルの伸縮特性は、回復性を含むことができ、これにより、パネルは、伸張された後、伸張荷重が除去されると、その元の非伸張形状に戻るか又はそれに向かって戻ることができる。
【0223】
回復性は、例えば、パネルを弾性にすることによって達成することができる。弾性パネルは、少なくとも1種のエラストマー、ゴム又はゴム加工された構成要素を含む。例えば、弾性パネルは、そのような弾性材料の少なくともいくつかの繊維を含むことができる。逆に、非弾性パネルは、そのようなエラストマー、ゴム又はゴム加工された構成要素を一切含まないパネルである。弾性パネルは、少なくとも1種の弾性構成要素により、同じ材料であるが、少なくとも1種の弾性構成要素を含まない非弾性パネルより高い弾性を有する。
【0224】
異なる個々のパネルの特性によってもたらされる異なる物理的特性に加えて、ヘッドギアの1つ又は複数の重なり領域で2つ以上の重なりパネルを一緒に結合することにより、複合的特性がもたらされ得る。2つ以上の重なりパネルの特性及びいくつかの構成ではそれらを一緒に結合する接着剤の特性は、ヘッドギアのその重なり領域の異なる特性を提供し得る。
【0225】
例えば、それぞれのパネルの厚さは、より大きい合計厚さの重なり領域を形成することになる。
【0226】
別の例では、重なり領域における1つのパネルは、ある方向に伸展可能であり、重なり領域における別のパネルは、前のパネルの方向と異なるか又は潜在的に垂直な別の方向に伸展可能である。特に、パネルが互いに垂直又は実質的に垂直な方向にのみ伸展可能である場合、非重なり領域のパネルは、それぞれの方向に伸縮可能であり得るが、重なり領域では実質的に伸展不可能であり得る機能が提供され得る。
【0227】
別の例では、重なり領域における1つのパネルは、ある方向に弾性化され、重なり領域における別のパネルは、前のパネルの方向と異なるか又は潜在的に垂直である別の方向に弾性化される。特に、弾性化された方向が垂直又は実質的に垂直である場合、非重なり領域における各パネルは、弾性化された方向に沿って伸縮可能であり得る一方、重なり領域では、重なったパネルが実質的に非弾性の全体特徴を提供し得る。
【0228】
ヘッドギアに利用されるパネルは、解きほぐし可能であり得、すなわちその構成繊維を解きほぐすことができる。
【0229】
ヘッドギアに使用されるパネルは、解きほぐすことができない、フリーカット材料として知られているものであり得る。このような材料は、切断され得、切断された縁に沿って構成繊維の解きほぐしが生じないか又は少なくとも生じにくいものであり得る。有利には、そのような材料は、さらなる処理を必要とすることなく、パネルの切断縁がヘッドギアの縁を形成する形状に切断することができる。
【0230】
1つ又は複数の異なる材料特性を有するパネルの多数の他のそのような組み合わせは、非重なり領域及び重なり領域の両方において所望の特性を有するように構成され得ることが理解されるであろう。
【0231】
1つ又は複数の異なる材料特性を有するパネルの使用に加えて、ヘッドギアの特徴は、ヘッドギアの1つ又は複数の重なり領域におけるそれぞれの重なったパネルの異なる構成によって少なくとも部分的に決定され得る。
【0232】
ここで、様々な重なり領域及び非重なり領域並びにそれらの関連するパネル構成のさらなる詳細を、重なり領域及び非重なり領域の様々な例示的形態及び構成を示す
図1A~
図14Bに関連して記載する。
【0233】
図1A及び
図1Bは、それぞれ、結合される前の構成部品を示す積層前分解構成及びパネルが一緒に結合された積層後構成における、1つのそのような重なり領域の断面図である。
【0234】
図1Aに見られるように、第1のパネル1及び第2のパネル2がある。第1のパネル1と第2のパネル2とは、同じ又は異なる材料のものであり得る。接着剤5(後にさらに詳細に記載されるものなど)は、第1のパネル1と第2のパネル2とがそれぞれ互いに上及び下に重なる領域において、第1のパネル1と第2のパネル2との間に提供されるように示されている。
【0235】
第1のパネル1及び第2のパネル2が上及び下に重なる部分の実質的な全体にわたって提供されるように示されているが、接着剤5は、
図1Aの断面図のページにわたる方向及び/又はページ内に至る方向のいずれか又は両方において、重なり領域の一部のみ又はいくつかの部分に提供され得る。
【0236】
図1Bは、
図1Aのパネル及び接着剤を一緒に結合して単一の積層体を形成したときの図を示す。組み合わされたパネルは、第1のパネル1が重ねられない部分においてヘッドギアの第1の非重なり領域31を、第1のパネル1と第2のパネル2とが互いに重なる第1の重なり領域21及び第2のパネル2が重ねられない部分においてヘッドギアの第2の非重なり領域32を画定する。
【0237】
図1A及び
図1Bでは、同じ材料及び構成のパネルであるように図示されているが、
図1A及び
図1Bの重なり構成のパネル並びに
図2A~
図14Bのものを含む後で記載される構成のいずれも、本明細書に記載されるものなど、異なる材料又は構成のものであるパネルを含み得ることが理解されるであろう。
【0238】
図1A~
図14Bの図示された断面図に示されたパネルのいずれかは、図示されるのと異なる断面における横方向の寸法であり得、且つ/又はそれぞれの各パネルの異なる部分において異なる平面的な(ページにわたる又はページ内/外のいずれか)寸法であり得ることが理解されるであろう。例えば、
図1A及び
図1Bの第1のパネル1及び第2のパネル2の一方又は両方は、ページにわたってより大きい寸法であり得、その結果、非重なり領域31及び32の一方若しくは両方及び/又は重なり領域21は、図示されるよりもページにわたってより大きい横方向の寸法であり得る。図示された断面パネル構成はまた、断面図に見られるのと同じ構成でページ内若しくは外の方向に延在し得るか、又は1つ若しくは複数のパネルは、いずれかの方向で構成が変化し得る。
【0239】
第1の例では、
図1A及び
図1Bの第1のパネル1及び第2のパネル2は、ページ内及び/又は外の方向に延在する重なり領域21と、ページ内及び/又は外の方向に同様に延在する対応する非重なり領域31及び32とを提供するように、実質的に同じ構成でページ内及び/又は外の方向に延在することができる。
【0240】
第2の例では、
図1A及び
図1Bの第1のパネル1は、ページ内に入る方向に延在し得るが、ページの外に出る方向で終了し得、第2のパネル2は、ページ内及び外の両方の方向に延在する。このような構成は、ページの外の方向における第2のパネル2の部分を、別の非重なり領域を構成するために提供することになる。
【0241】
第3の例では、
図1A及び
図1Bの第1のパネル1は、非重なり領域31が狭くなり、最終的に存在しなくなるように、ページ内又は外のいずれかの方向に長さに沿って横方向寸法において狭くなり得る。
【0242】
示された断面図における対応する相違点又は断面図に見られないパネルの他の部分は、
図1A~
図14Bのいずれかのパネルの1つ又は複数で作られ得ることが理解されるであろう。
【0243】
少なくとも隣接するパネル同士は、重なり領域で接合されることになる。前述したように、これは、接着剤の使用を介した結合によるものであり得る。このような接着剤は、
図1A及び
図1Bに見られるように、接着剤5によって例示される。この接着剤は、パネルの一方又は両方に塗布される固体、半固体、液体又はゲル接着剤の形態であり得る。
【0244】
接着剤は、任意の1つ又は複数の一般に入手可能なタイプ又は組み合わせの接着剤を包含するものと理解されるであろう。接着剤は、例えば、アクリル系接着剤、嫌気性接着剤又はシアノアクリレート系接着剤であり得る。
【0245】
接着剤は、例えば、エステル系化合物又はエーテル系化合物であり得る。より具体的には、それは、ナイロン-ポリアミドを含み得、ナイロン-ポリアミド、エステル-ポリウレタン、ポリエステル又はポリオレフィンであり得る。
【0246】
特に、接着剤が固体又は半固体として提供される場合、しかし、潜在的に液体又はゲルである場合にも、接着剤を活性化して、接着剤を硬化させるプロセスを開始又は加速して、重ねられたパネル間の結合を形成する必要があり得る。例えば、固体又は半固体の接着剤の場合、接着剤は、その固体又は半固体の状態から溶融することによって活性化され得る。他の形態では、接着剤は、2成分アクリル系接着剤の場合など、接着剤の2つの成分の組み合わせによって活性化され得る。
【0247】
接着剤によって結合を形成するプロセスは、本明細書では接着剤の硬化と呼ばれるが、このような硬化は、接着剤又は接着剤の組み合わせ内での化学反応の1つ若しくは複数、特定の環境(嫌気性環境など)の存在若しくは特定の種類の材料(アルカリ性材料など)との接触、乾燥又は圧力、熱、音若しくは光の1つ若しくは複数の適用或いは接着剤を結合状態に変換する任意の他の一般に利用される方法による結合の形成を含み得ることが理解されるであろう。
【0248】
一例として、接着剤は、固体又は半固体のホットメルト接着剤の形態であり得る。接着剤を溶融することによって活性化するために熱が適用され得、接着剤は、それぞれの重ねられたパネル間の結合を形成するために、上記の硬化プロセスの1つなどで硬化され得る。
【0249】
図1Aに示されるように、接着剤5は、別個の層として提供され、それぞれのパネル間に組み立てられ得、そこで接着剤を活性化して結合を形成することができる。
【0250】
特に、接着剤が液体又はゲル接着剤である場合、接着剤は、パネルの組み立て中、重ねられるパネルの一方又は両方の領域に塗布され得る。
【0251】
接着剤5がホットメルト接着剤の形態である場合、それは、テープとして提供され得る。このテープ又は接着剤のシートは、パネルの所望の結合領域を提供するために、所望の平面形状を形成するように切断可能であり得る。
【0252】
このようなテープ又はシートのホットメルト接着剤は、接着剤が活性化される前に、接着剤5が組み付けられるパネルの少なくとも何らかの仮保持を提供し得るように、粘着性又は接着性の表面又は表面コーティングをさらに含み得る。
【0253】
図1Bに示されるように、第1のパネル1及び第2のパネル2は、接着剤5によって互いに結合される。接着剤5は、
図1Bに図示されるように、2つのパネル間の接着材料の層として存在し得る。他の構成では、接着剤は、パネルの一方又は両方の厚みにさらに部分的に又は完全に浸透し得る。これは、より強力な結合を形成するか、又は浸透した接着剤の特性により、重なり領域自体の特徴を変更するように作用し得る。
【0254】
図1Bでは、接着剤の離散層として積層されたパネル内に存在するように示されているが、接着剤5は、結合後にパネル間に接着剤のより薄い離散層が存在するか、又は接着剤の離散層が存在すらしないように、重ねられたパネル内に溶融又は他の方法で浸透することができる。
【0255】
接着剤の種類及び接着剤が提供される重なり領域内の位置に加えて、異なる特徴の結合を形成するために、異なる量の接着剤が提供され得る。例えば、より大きい所望の強度を有する結合を形成するために、相対的により多くの量の接着剤が提供され得る。
【0256】
異なる量の接着剤は、単一の重なり領域の異なる部分又は3つ以上の層が存在する重なり領域の異なる層間に塗布され得る。さらに、ヘッドギアの異なる重なり領域に異なる量の接着剤が提供され得る。
【0257】
結合又はヘッドギア内の様々な異なる結合のために利用される接着剤の特性は、それぞれの特定の結合領域に望まれる特徴に適合するようにも変更され得る。例えば、接着剤は、それが利用される重なり領域又はその一部の所望の特徴に適合するように、固化時に異なるレベルの柔軟性又は剛性を有するように提供され得る。
【0258】
接着剤の特性は、パネルが結合されるパネルの特性を変更するように選択され得る。例えば、接着剤は、剛性又は強度を向上させることができる。
【0259】
接着剤の特性は、結合された領域でパネルの特定の類似した特性を有するように選択され得る。剛性及び伸縮性及び回復性などの接着剤の特性は、結合領域におけるパネルの特性と類似するか又は完全に一致するように選択され得る。この構成により、ヘッドギアは、関連する結合領域を通して剛性又は伸縮性及び回復性などの実質的に連続した特性を提供され得る。ヘッドギア全体又は少なくともヘッドギアの領域にわたって1つ又は複数の連続的な物理的特性を有するこのようなヘッドギアは、患者に向上した快適さを提供することができる。
【0260】
パネルの特性を変えるか又はパネルの特性に類似させるために接着剤の特性をそのように調整することは、パネルの特定の重なり領域のみ又は重なり領域内の特定のパネル間で利用することができるか、又はヘッドギアの全体にわたって利用することができる。その結果、接着剤の特性が複数の異なる結合部で調整される場合、結合されたパネルの特性の所望の変更又は類似性を達成するために、異なる接着剤がそれぞれの各結合部で使用され得る。
【0261】
他の構成では、重なり領域におけるパネルは、他の非接着剤結合によって互いに結合され得る。例えば、パネルは、超音波溶接によって互いに結合され得る。パネルは、接合部を提供するために他の方法でも互いに溶融され得る。
【0262】
重なり領域又はその一部に3つ以上のパネルがある場合、インターフェースパネルの様々なものは、異なる方法によって接合され得る。
【0263】
ここで、
図2A~
図14Bに戻り、ヘッドギアの様々な重なり領域及び非重なり領域を形成するためのパネルの追加の構成について記載する。
【0264】
まず、
図2A及び
図2Bを参照すると、3つのパネルを含む構成が示されている。
図2Aの積層前分解図で見ると、第1のパネル1は、第2のパネル2及び第3のパネル3によって両方の主要面で重ねられる。接着剤5は、パネルの上及び下の重なり部分に設けられる。
【0265】
図2Bに見られるように、積層されたパネルは、第1のパネル1が第2のパネル2及び第3のパネル3によって両側で重ねられる第1の重なり領域21を形成する。第2のパネル2及び第3のパネル3は、それぞれ第1のパネルの反対側と重なる。
【0266】
第2のパネルと第1のパネルとの重なり領域及び第3のパネルと第1のパネルとの重なり領域は、同一の広がりであり得、ここで、第2のパネル及び第3のパネルは、それぞれ第1のパネルの反対側の面の実質的に同一の領域と重なる。重なり領域は、同一の広がりでなくてもよく、ここで、第2のパネル及び第3のパネルは、相対的に小さい若しくは大きい領域にわたって第1のパネルと重なるか、又は第1のパネルの反対側の面の異なる領域において第1のパネルと重なる。
【0267】
重なり領域22におけるパネルは、接着剤5によって相互に結合される。
【0268】
積層されたパネルは、第2のパネル2及び第3のパネル3が互いに上及び下に重なり得る第2の重なり領域22をさらに形成する。
図2Bでは、互いに離間した状態で図示されているが、材料の垂れ下がり及び/又は荷重下での変形により、少なくとも第1のパネル1の末端から離れた領域において、第2のパネル2及び第3のパネル3は、互いに接触し得ることが理解されるであろう。
【0269】
図2Bの重なり領域22で見られるように、いくつかの重なり領域では、重ねられたパネル間に接着剤が提供されなくてもよい。
【0270】
図2Bのパネルは、非重なり領域31をさらに画定し、この領域では、第1のパネル1は、他のパネルによっていずれの側でも重ねられない。
【0271】
図2A及び
図2Bの構成は、1つのパネルが両側で重ねられるため、2重重なり接合部として特徴付けることができる。これは、各パネルが片側でのみ重ねられるため、単一重なり接合部として特徴付けることができる
図1A及び
図1Bの接合部とは対照的である。
【0272】
単一重なり接合部と比較して、
図2Bに示すような2重重なり接合部は、それぞれのパネルの横方向の荷重の下で接合部にねじれを誘発する可能性を低減するという利点を有し得る。このようなねじれは、接合部にひねり又は他の変形を生じさせ、ヘッドギアの少なくとも一部が平らにならないようにし得る。これは、ヘッドギアが患者の頭部に対して平らになる場合など、いくつかの状況において望ましくない可能性がある。なぜなら、ヘッドギアのそのようなねじれは、患者の頭部に対する増加した圧力点、したがって不快感をもたらし得るからである。
【0273】
結合部でのねじれを低減又は除去することで、結合部でのヘッドギアの強度を高めることもできる。結合部でのパネルのねじれは、パネルに一般的に剥離応力を与え、パネルが張力を受けるときに180度(又は「T」)の剥離応力も与え得る。接着接合部、特に接着結合部は、パネルが結合面に対して垂直に互いに引き離される剥離応力下で強度が制限され得る。ねじれの低減は、パネルが荷重下でそれほどひねられず、その結果、少なくとも同程度の剥離応力にさらされず、むしろ主に又は専らせん断応力にさらされることを意味し得る。いくつかの結合、特に接着結合は、剥離応力よりも剪断応力下でより大きい強度を提供することができ得る。これは、重ねられたパネルでのねじれを減らすことにより、ヘッドギアの強度を高め得ることを意味する。
【0274】
他の構成において、例えば荷重が接合部に大きいねじれを生じさせるようなものではない場合、単一重なり接合部は、より少ない厚さの接合部を提供し得るため、2重重なり接合部よりも好ましい場合がある。
【0275】
図2A及び
図2Bに示されるように、第1のパネルは、同じ材料である第2のパネル2及び第3のパネル3と異なる材料である。例えば、第1のパネルは、第2のパネル2及び第3のパネル3の材料よりも相対的に強い材料であり得る。別の例として、第1のパネル1と、第2及び第3のパネル2、3との一方は、相対的に大きい伸展性を有する一方、他方は、相対的に小さい伸展性を有する。
【0276】
図3A及び3Bは、
図2A及び
図2Bのパネル重なり構成を示すが、第2の重なり領域22において第2のパネル2と第3のパネル3との間に接着剤5が設けられる。
【0277】
第2の重なり領域は、
図2Bのものと異なる結合領域を画定する。
【0278】
第1の重なり領域21は、2重重なり接合部を画定し、第2の重なり領域22は、単一重なり接合部を画定する。
【0279】
図4A及び
図4Bは、パネル間の接合部の2つのさらなる構成を示す。
図4A及び
図4Bのそれぞれは、積層される前のパネルの例示的な分解図を示す。
【0280】
図4Aは、
図1Aと同様の構成を示し、第1のパネル1は、接着剤5によって第2のパネル2に結合される。しかしながら、
図4Aでは、第1のパネル1は、第2のパネル2よりも厚みが大きい。
【0281】
図4Bは、
図4Aの構成を示すが、第1のパネルは、その他方の主要面において第3のパネル3によって追加的に重ねられる。第3のパネル3は、同様に、接着剤5によってこの第1のパネル1に接着される。
図4Bの実施形態では、第3のパネルは、第1のパネルよりも薄型である。第3のパネルは、第2のパネルと同様の厚さである。
【0282】
図4Bの構成は、
図2A及び
図2Bで記載されたような接合部を提供し得るが、第2のパネル2及び第3のパネル3の厚さが相対的に減少するため、全体の厚さがより小さくなる。
【0283】
第2のパネル2及び第3のパネル3が第1のパネル1と同じ材料であるか、又は一緒になって第1のパネル1と同じ若しくは同様の強度を有する場合、
図4Bの構成の接合部は、第1のパネルから第2及び第3のパネルに又は逆の方向に荷重を伝達するのに有用であり得、その結果、第1のパネルは、第2及び第3のパネルが集合的に荷重を受けるのと同様に荷重を受ける。
【0284】
第2のパネル2及び第3のパネル3の縁部は、
図2A及び
図2Bに関連して記載したように互いに接着されずに残され得るか、又は
図3A及び
図3Bに関連して記載したように互いに接着され得る。
【0285】
図5A及び
図5Bは、さらなる接合構成のそれぞれ積層前及び積層後の図である。これらの図に見られるように、第1のパネル1は、第2のパネル2によってその主要面の1つの全体が重ねられる。
図5A及び
図5Bに示すように、第1のパネルは、第2のパネル2の端部に位置する。この示された実施形態では、第1及び第2のパネルの少なくとも1つの縁部は、同一の外延を有する。しかしながら、他の実施形態では、第1のパネル1は、縁部から離れて、例えば第2のパネル2の中央部に位置し得る。
【0286】
第1のパネル1及び第2のパネル2の重なり部分間に接着剤5が示されている。
図5Bに見られるように、一緒に接着されると、パネルは、第2のパネル2の一端に第1の非重なり領域31を提供する。したがって、それは、第2のパネル2が第1のパネル1の全体と重なる第1の重なり領域21を画定する。
【0287】
図6A及び
図6Bは、複数のパネル間のより複雑な別の接合配置の断面図である。
図6Aに見られるように、第1のパネル1と第4のパネル4とは、第1、第2、第3及び第4のパネルの重なり領域でヘッドギアの外側パネルを画定する。第1のパネル1と第4のパネル4との間に第2のパネル2及び第3のパネル3がある。
【0288】
第2のパネル2及び第3のパネル3の一方又は両方の主要面全体は、第2のパネル2及び第3のパネル3の他方によって重ねられ得る。第2のパネル2と第3のパネル3との間に接着剤5が設けられ、第1のパネル1と第2のパネル2との間及び第3のパネル3と第4のパネル4との間には、それらが重なる領域において接着剤5がそれぞれ設けられる。最後に、第1のパネル1及び第4のパネル4の端部間にも接着剤5が設けられる。
【0289】
図6Bは、
図6Aのアセンブリの積層断面図である。
図6Bのパネルアセンブリ全体は、1つの全体的な重なり領域20を画定する。
【0290】
全体的な重なり領域20内において、アセンブリは、3つの異なる重なり領域を画定する。第1の重なり領域21では、パネルは、多重重なり構成であり、3つ以上のパネルが互いに対して重ねられる。第2及び第3のパネル2及び3は、互いに重ねられ、その後、第1のパネル1及び第4のパネル4によってそれぞれ上及び下に重ねられる。第2の重なり領域22では、第1のパネル1及び第4のパネル4は、互いに単独で重ねられ、接着剤5によって結合される。同様に、第3の重なり領域23では、第2のパネル2及び第3のパネル3は、単一重なり構成で互いに重ねられ、接着剤5によって互いに結合される。
【0291】
図6A及び
図6Bは、様々な単一重なり領域及び多重重なり領域を画定するパネルの組み合わせにより、複合的及び複雑な接合構成がどのように得られるかを示す。
【0292】
説明のために、第2のパネル2及び第3のパネル3は、異なる厚さであることを含む異なる材料であり、同様に、第1のパネル1及び第4のパネル4は、異なる厚さを有する別のパネルタイプである。所望の接合特徴及びヘッドギアの全体的な特徴を可能にするために、重なり領域における接合部内の同一の又は異なるパネルの任意のそのような構成が提供され得ることが理解されるであろう。
【0293】
同様に、先に述べたように、
図6A及び
図6Bのパネルレイアウトの異なるそれぞれのパネル間の接着剤5の特徴、タイプ及び量は、カスタマイズされ得る。すなわち、第1のパネルと第2のパネルとの間の接着剤は、第2のパネルと第3のパネルとの間にある接着剤と異なる接着剤であり得るなどである。
【0294】
図7Aは、第1のパネル1と第2のパネル2とを突き合わせ接合状態で接合するためのパネル積み上げの分解図であり、パネルの主要面は、実質的に整列され、それらは、エンドツーエンドの状態で接合される。
図7Aに見られるように、第1のパネル1及び第2のパネル2は、エンドツーエンドで整列され、それぞれ第3のパネル3によって上又は下に重ねられる。接着剤5は、パネルの重なり部分間に設けられる。
図7Aでは、第1のパネル1及び第2のパネル2と完全に重ねられるように示されているが、第3のパネル3は、他の変形構成では、パネルの一方又は両方と部分的にのみ重ねられ得る。例えば、第3のパネルは、第1のパネル及び/又は第2のパネルの長手方向軸に直交する軸に沿って延在する部分を有し得る。すなわち、
図7A及び
図7Bに示されるように、第1及び/又は第2のパネルは、ページにわたって長さ方向に延在する一方、第3のパネルは、ページ内又は外に長さ方向に延在し得る。
【0295】
図7Bは、
図7Aのパネルの積層構成を示す。
図7Bに見られるように、第1のパネルと第2のパネル2とは、実質的に整列した平面状態である。
【0296】
接着剤がパネルの重ねられた主要面に提供されることに加えて、接着剤は、突き合わせ接合部における第1のパネル1及び第2のパネル2の端部間にも提供され得る。
【0297】
図7A及び
図7Bでは、少なくとも同じ厚さであるように示されているが、第1のパネル1及び第2のパネル2は、変形構成において、異なる厚さ又は他の材料特性のものであり得る。
【0298】
図8は、
図7Bのパネル積み上げを示すが、第1のパネル1と第2のパネル2とは、第3のパネル3に対応する第4のパネル4によってさらに上に重ねられる。このような構成は、第1のパネル1と第2のパネル2との間の接合部の強度を高めるために望ましい場合がある。このような構成は、第1のパネル1及び第2のパネル2に荷重が加えられたときの接合部のねじれを低減又は排除するために望ましい場合もある。
【0299】
図8に示されるように、その図のパネル積み上げは、第1のパネル1及び第2のパネル2の遠位端にそれぞれ第1の非重なり領域31及び第2の非重なり領域32を画定する。それは、第4のパネル4及び第3のパネル3が第1のパネル1及び第2のパネル2の内側部分を挟む第1の重なり領域21も画定する。
【0300】
図9Aは、
図7Aに示されたパネル積み上げの変形形態を示し、第1のパネル1及び第2のパネル2は、異なる厚さである。
図7A及び
図7Bに示され、記載された積み上げとは対照的に、
図9Bの第1の重なり領域21は、その長さに沿って厚さが変化する。
【0301】
第2のパネル2と第1のパネル1との間の結合を提供することに加えて、
図9Bの積み上げ構成は、第1のパネル1と第2のパネル2との厚さ間の滑らかな移行を提供し得る。これは、第3のパネル3及び第4のパネル4が、少なくとも第1のパネル及び第2のパネルのより厚い厚さと比較した場合、相対的に薄い材料で提供される場合に特に当てはまり得る。
【0302】
図10は、
図3Bの構成のパネル積み上げを示すが、これらのパネルは、第1の重なり領域21の両側でそれぞれ第4のパネル4及び第5のパネル6によってさらに上及び下に重ねられる。
【0303】
図9Bに関連して述べたように、第4のパネル4及び第5のパネル6は、特に他のパネル又は少なくとも第2のパネル2及び第3のパネル3よりも薄い材料で提供される場合、重なり領域21において第1、第2及び第3のパネル1、2及び3間の厚さの縁部移行を少なくとも滑らかにする機能を提供し得る。
【0304】
様々な実施形態によれば、1つ又は複数のパネルの表面又は表面の一部がコンディショニングされ得、特にパネルの縁部がコンディショニングされ得る。コンディショニングは、処理領域におけるパネルの材料特性を変化させるためのコンディショナーの添加によるものであり得る。例えば、コンディショニングは、処理されるパネルの縁部の剛性を高めるか、又は表面の質感若しくは硬度を変化させるのに役立ち得る。別の例では、パネルが解きほぐれる材料である場合、パネルの縁部をコンディショニングすることは、材料が解きほぐれることを防止するのに役立ち得る。
【0305】
コンディショニングは、パネルの表面のみをコンディショニングし得るか、又はパネルに浸透するか若しくはパネルを完全に貫通して、コンディショニング領域でパネルの厚さの実質的な全体をコンディショニングするように提供され得る。
【0306】
コンディショニングは、例えば、固体、半固体、液体、ゲル又はペーストなど、コンディショニングを提供する既知の物質又は材料のあらゆる範囲を利用することができる。コンディショニング物質又は材料は、先に記載した接着剤のように、硬化して所望のコンディショニング特性を形成することができる。硬化する様々な調整物質は、特に固体又は半固体として提供される場合、硬化プロセスを開始又は加速するために、溶融又は2つの部分の組み合わせなどにより活性化され得る。
【0307】
他の形態では、コンディショニング物質又は材料は、硬化を必要とせずにパネルに提供され得る。例えば、コンディショニングは、テープのような固体の状態など、その最終形態でパネルに適用される材料によって提供され得る。その最終形態で適用されるそのような材料は、接着剤による結合又は縫合、溶接若しくは他の一般的に利用される接合方法によって1つ又は複数のパネルに接合され得る。
【0308】
いくつかの構成では、パネルを互いに結合するために使用される接着剤5などの接着剤は、コンディショニングを提供するために利用され得る。パネルの結合及びコンディショニングの提供の両方に使用される接着剤は、硬化したときに粘着性のない仕上げを有し得る。
【0309】
【0310】
図11Aに示すように、第1のパネル1は、コンディショナー7で処理され得る。パネルに塗布され、潜在的に硬化、乾燥又は固化されるにつれて、コンディショナー7は、コンディショニングされた領域において第1のパネル1の材料特性を変化させる。例えば、コンディショナー7がそれ自体でパネルの剛性よりも相対的に高い剛性を提供する場合、コンディショニングされた縁部領域におけるパネル1は、第1のパネル1の残りの部分に対して相対的に高められた剛性を有するようにされ得る。
【0311】
さらなる例として、コンディショナー7は、向上した硬度など、パネルの表面特徴の変更を提供し得る。
【0312】
図12Aは、
図11Aの構成を示すが、同じ縁部における第1のパネル1の両方の主要面は、コンディショナー7による表面処理を提供される。
図12Bは、これに対応して、
図12Aの塗布、結合、硬化又は他の処理を施された構成を示し、縁部領域における両方の主要面にコンディショニングが提供される。
【0313】
パネルが解きほぐれる材料(ニット又は織物であり得る)で作られる場合、一方若しくは両方の主要面又はパネルの縁面のコンディショニングは、その端部における材料の繊維の解きほぐれを抑制するように作用し得る。
【0314】
図13A及び
図13Bは、パネル1の縁部の処理に関するさらなる構成を示す。
図13Aに見られるように、第1のパネル1の縁部は、それ自体の上に折り返され、折り返された部分と、それが重なる第1のパネル1の残りの部分との間に接着剤5の形態のコンディショナーが提供される。積層されると、
図13Bに見られるように、パネルは、第1の非重なり領域31及び第1の重なり領域21として提示される。
【0315】
図13Bの巻き戻された縁部構成は、パネルの縁部において、向上した強度、剛性又は厚さを提供するために望ましい場合がある。
図11A及び
図11Bの縁部処理に関して記載したように、接着剤5は、異なる所望の特性に一致するように又は異なる所望の特性を提供するようにカスタマイズして、第1のパネル1自体の特性を補完することができる。巻き戻された縁部構成は、第1のパネル1の繊維の解きほぐれ又はほつれを防止するようにさらに作用し得る。
【0316】
図13A及び
図13Bのパネル構成は、31などの非重なり領域及び21などの重なり領域の両方を画定し得る単一のパネルのパネル構成の例を追加的に示す。
【0317】
1つ又は複数のパネルの縁部のコンディショニングに加えて、表面仕上げとしてのコンディショナー7の使用のさらなる用途が本明細書において企図される。
図14Aは、
図1Bのパネル積み上げを示すが、コンディショナー7は、第1のパネル1と第2のパネル2との間の移行部と上及び下に重なるために提供される。
図14A及び
図14Bに見られるように、コンディショナー7は、継ぎ目隠しのための可塑化テープなどのテープの形態であり得る。
【0318】
図14Bの積層図では、コンディショナー7は、両方のそれぞれの側で第1のパネル1及び第2のパネル2の主要面間の表面接合を提供するように示されている。
【0319】
図14Bでは、説明のために、2つのパネル間にコンディショナー7の固体層をもたらすように示されているが、利用されるコンディショナー7のタイプ及び構成によっては、コンディショナーは、パネルの厚さの著しい増加をもたらさず、むしろ各パネルの関連領域を単にコンディショニングし得る。例えば、これは、剛性、硬度又は他のそのような特性を向上させるためのものであり得る。
【0320】
図15は、ヘッドギアの一部を画定するために互いに結合される2つのパネル、第1のパネル1及び第2のパネル2を上部に示す。遠位領域で互いに完全に重なり合う一方、第2のパネル2は、中央部で半円形の切り欠きを含む。
【0321】
図15の下部に示されるように一緒に結合されると、2つのパネルは、第1のパネル1及び第2のパネル2の重なり部分において第1の重なり領域21を画定し、第1のパネル1が第2のパネル2によって重ねられない部分において非重なり領域31を画定するヘッドギア部分を形成するために組み合わされる。
【0322】
このような構成にすることで、積層されたパネル積み上げに場所固有の特徴を提供することができる。例えば、第2のパネル2が、相対的に伸縮性の低い又はさらにまったく伸縮性のないパネルであり、第1のパネル1が、相対的に伸縮性の高いパネルである場合、積み上げは、重なり領域21において伸縮性が低いか又はさらに伸展不可能であり得る一方、非重なり領域31において伸展性を維持する。
【0323】
重ねられた第1のパネル1及び第2のパネル2の全部又は一部が重なり領域で一緒に結合されることにより、第1のパネル又は第2のパネル単独の場合と比べて、結合された領域で低減された伸縮性が提供され得る。
【0324】
重ねられた第1のパネル1及び第2のパネル2の全部又は一部が重なり領域で一緒に結合されることにより、非結合領域における重ねられた第1のパネル及び第2のパネルの伸縮性に対して、結合された領域において低減された伸縮性が提供され得る。
【0325】
さらなる例として、第2のパネル2が非弾性パネルであり、第1のパネル1が弾性パネルである場合、積み上げは、非重なり領域31において弾性伸縮特性を有し得るが、重なり領域21において実質的に非弾性特性を有し得る。
【0326】
前述において異なるパネルの様々な例示的な積み上げを記載してきたが、ヘッドギアを形成するために、そのような積み上げの任意の数の変形形態又は組み合わせが提供され得ることが理解されるであろう。
【0327】
特定の例示的な厚さの様々なパネルを備えて示されているが、前述の積み上げは、他の任意の所望の材料特性のうち、異なる厚さのパネル及び厚さの組み合わせを提供され得ることが理解されるであろう。
【0328】
ここで、重なり領域及び非重なり領域を有するヘッドギアを提供するためのパネル構成及びパネル積み上げの前述の記載を参照して、重ねられたパネルを利用するヘッドギアの様々な特定の実施形態を記載する。
【0329】
【0330】
ヘッドギア10は、(
図16Aでは見えない)ヘッドギアの内面14と外面15とを画定し得る。内面は、使用時に患者の頭部と接触するためのものである。外面は、逆に患者の頭部から離れて向くためのものである。
【0331】
様々な実施形態によれば、内面14及び外面15は、同じであるように構成され得るか又は異なるように構成され得る。様々な好ましい実施形態において、内面14及び外面15は、異なるように構成され得る。この異なる構成は、その内側及び外側でヘッドギアの異なる使用機能を反映させるためのものであり得る。それは、追加的又は代替的に、患者にいずれの表面であるかを知らせ、患者がヘッドギアを方向付け、装着することを補助するためのものでもあり得る。
【0332】
ヘッドギア10は、使用時に患者の頭部の後部に位置するための後方部分100を含む。後方部分100の目的は、インターフェースに接続するストラップ300から患者の頭部に荷重を伝達し、患者の顔に対してインターフェースを保持することを可能にすることであり得る。
【0333】
図16Aのヘッドギア10は、使用時に患者の頭部の頂部の周りに位置するためのクラウンストラップ200も含む。クラウンストラップ200は、
図16Aに示されるものなど、ループを形成するために一緒に接合される2つ以上の離散した部品として提供され得る。代替的な構成では、クラウンストラップ200は、連続的なループとして提供され得る。
【0334】
クラウンストラップ200が、ループを形成するために一緒に接合される2つの部品を含む場合、クラウンストラップは、1つ又は複数のクラウンストラップ固定部品210を含み得る。例えば、
図16Aに見られるように、クラウンストラップの一方の側は、スロットと、クラウンストラップの他方の側にあるフックアンドループファスナーなどの留め具システムの対応する半分と結合するための留め具システムの半分とを含む。
【0335】
サイドストラップ300は、患者用インターフェースに取り付けるためのものであり、後方部分100及びクラウンストラップ200のいずれか又は両方に様々に荷重を伝達するためのものである。
【0336】
少なくともいくつかの構成において、サイドストラップ300は、それらが実質的に進展不可能であるような非伸縮性材料であり得る。そのようなものとして、それらは、著しく伸展することなく、患者用インターフェースとヘッドギアの後方部分との間で荷重を伝達し得る。
【0337】
図16Aに見られるように、サイドストラップ300は、それぞれ各側に上部サイドストラップ301及び303並びに下部サイドストラップ302及び304のセットを含み得る。各側にサイドストラップのセットがある場合、2つのサイドストラップ間の領域は、耳ループ320を画定し得る。耳ループ320は、ヘッドギアの片側のそれぞれの上部サイドストラップと下部サイドストラップとの間に延在するヘッドギアの部分を含む。各上部ストラップ301、303は、耳の上を通過し、各下部ストラップ302、304は、耳の下を通過する。耳ループ320は、少なくとも耳の後ろに位置する。各上部ストラップと下部ストラップとの間の耳ループの縁は、湾曲し得るか、又は公称曲線の周囲に配置された複数の直線状の縁を含み得る。
【0338】
他の実施形態では、ヘッドギア10は、2つのサイドストラップのみを含み得、1つのストラップは、インターフェースの各側に接続するためのものである。
【0339】
ヘッドギア10の様々な部品を示すことに加えて、
図16Aは、全体的なヘッドギア10を形成するために利用されるいくつかのパネル積み上げを示す。
【0340】
例えば、
図16Aに見られるように、上部及び下部サイドストラップの各セット、301及び302並びに303及び304は、それぞれ材料の単一パネルによって画定される。ヘッドギアの各側において、このパネルは、後方部分100の1つ又は複数のパネルに少なくとも単一重なり構成で重ねられる。このような構成は、ストラップ及び後方部分の引張荷重下での剥離応力、特に180度剥離応力を実質的に又は完全に排除し、代わりにパネル結合部での応力を実質的に又は完全にせん断応力とさせることができる。これは、それに応じて、結合されたパネルの耐荷重性を向上させ得る。
【0341】
図16Aにおいて、後方部分100は、第1の後方パネル110及び第2の後方パネル120を含む。これらのパネルは、
図15の第1のパネル1及び第2のパネル2と同様に構成され得、第2の後方パネル120は、第1の後方パネル110の三日月形の下部範囲を別にして、第1の後方パネル110に完全に積層される。
【0342】
他の構成では、第1の後方パネル110は、
図16Aで視認できるものなど、専ら三日月形の形状のものであり得、先に記載したように、重なり接合部又は突き合わせ接合部によって第2の後方パネル120に結合され得る。
【0343】
後方部分が患者の頭部の後部に位置するように、後方部分の下部範囲は、患者の首の上部の周りに位置付けられる。これは、異なる体格の人々の間でかなり変化する形状を有し得、したがって所与のヘッドギアを使用する患者にとって不快な点となり得る領域である。
【0344】
したがって、
図15に関連して記載したように、第1の後方パネル110は、伸縮性材料であり得、その結果、それは、伸縮することができ、ヘッドギア10が異なる首の解剖学的形状に対応するために異なる形状をとることを可能にし得る。特に、第1の後方パネル110は、第2の後方パネル120のものよりも相対的に高い伸縮性を有し得る。
【0345】
第1の後方パネル110の下縁は、縫い目のない自由縁であり得る。何らかの縁部処理も施され得、好ましくは縁部処理が施されなくてもよい。特に、第1の後方パネル110の下縁が縫い目又はいかなる縁部処理も有さない場合、第1の後方パネルは、解きほぐれることができない材料のものであり得る。
【0346】
下縁に縫い目及び/又はいかなる縁部処理もないことは、第2の後方パネル120から第1の後方パネルの下縁に至る第1の後方パネル110の全体にわたり、伸縮性、剛性及び厚みなどの連続した特性を与えることにより、患者にとってのヘッドギアの快適性を高め得る。
【0347】
図16Aに見られるように、各側のストラップパネルは、後方部分100の第1の後方パネル110及び第2の後方パネル120に結合される。その積み上げは、各耳ループ320周りのストラップパネルの重なり領域と非重なり領域とを形成するようなものである。
【0348】
相対的に短い長さとして示されているが、ストラップ300は、異なる患者の頭部のサイズの範囲を考えると、インターフェースに到達して結合するのに十分な長さで提供されることが理解されるであろう。
【0349】
図16Aに示すようなクラウンストラップ200は、後方部分100にわたって延在し、第2の後方パネル120及び/又は第1の後方パネル110に対して重ねられ、第2の後方パネル120と完全に重なる単一のクラウンストラップパネル201を含む。
【0350】
後方部分100の上縁に沿って重ねられることに加えて、クラウンストラップパネル201は、
図16Aに202で示されるように、後方部分100の少なくとも横方向部分と重ねられ得る。これは、クラウンストラップ200と後方部分100との間の結合に向上した強度を提供し、2つの領域間で荷重を伝達する能力を向上させるように機能し得る。潜在的に向上した強度を提供することに加えて、領域202における結合は、クラウンストラップパネル201及び後方部分100の互いからの剥離に対する抵抗力を高め得る。
【0351】
図16Bは、
図16Aのものと同様のヘッドギア10であるが、後方部分及びクラウンストラップに様々な変更が施された別の図を示す。
【0352】
図16Bでは、後方部分100の第2の後方パネル120の上部は、クラウンストラップパネル201を越えて突出する上部周縁401まで延在する。この構成により、第2の後方パネル120は、少なくとも患者の頭部の後部の周囲にヘッドギアの上縁401を画定する。
【0353】
クラウンストラップパネル201から上部周縁401まで延在する第2の後方パネル120の部分は、ヘッドギアの非重なり領域を含む。
【0354】
クラウンストラップパネル201を越えた張り出し部分121における第2の後方パネル120は、支持されず、実質的に耐荷重性でない場合があるため、患者の頭部と接触すると、患者の頭部から離れてロール又はカールし得る。これにより、クラウンストラップパネル201の上縁から第2の後方パネル120の張り出し部分121の遠位縁まで、患者の頭部に対する圧力が減少する領域が形成され得る。
【0355】
徐々に圧力を減少させるそのような領域は、患者にヘッドギアの存在をより意識させるか、又は縁部での組織の圧力刺激を引き起こす可能性のある硬い縁部にわたる圧力の急激な低下とは対照的に、患者にとって快適性の向上を提供し得る。
【0356】
このような張り出し部分121の機能は、ヘッドギアの縁部に向かって圧力が減少する領域を形成し、したがって患者の頭部に対する縁部の感触を和らげるために、縁部軟化を提供するものとして特徴付けることができる。この機能を実現するための張り出し部分121は、
図16Bに見られるような第2の後方パネル120の一部など、ヘッドギアの別のパネルの一部として提供され得る。張り出し部分121は、代わりに、例えば少なくともクラウンストラップパネル201に重ねられ、それを越えて張り出し、ヘッドギアの後方部分の上縁を画定するパネルとして、別のパネルの一部として提供され得る。
【0357】
図16Bに見られるように、張り出し部分121を含む上部パネル201は、患者の頭部に対してクラウンストラップパネル20の内側になるように提供される。そのため、張り出し部分121は、頭部から離れて好ましくはクラウンパネルの上にロールする。
【0358】
張り出し部分121を含むパネルは、それが重なるヘッドギアパネル、
図16Bの場合にはクラウンストラップパネル201よりも薄いこと、柔らかいこと及び密度が低いことの少なくとも1つである。
【0359】
張り出し部分121の縁部軟化効果は、張り出し部分121が、ストラップ300に起因する引張荷重にさらされることから少なくとも部分的に保護される場合に強化され得る。例えば、
図16Bに関連して、クラウンストラップパネル201は、最小限の引張荷重を上部ストラップ301及び303から張り出し部分121に伝達するように構成され得る。これは、クラウンストラップパネル201の伸縮を制限するか、又はさらにそれを非伸縮性材料から提供することによっても達成され得る。
【0360】
ヘッドギアの後方部分100の上側に圧力漸変縁部を形成することに関連して記載したが、記載した技術は、同じ機能性を達成するためにヘッドギアの他の任意の部分に適用することができる。例えば、このパネル構成は、後方部分100の下部周縁部及び/又は耳ループ320で利用され得る。
【0361】
ヘッドギアのパネルは、ヘッドギアが装着されないときに有し得る特定の全体的な形状又は構造をヘッドギアに与えるように構成され得る。
【0362】
そのような形状又は構造は、患者又は患者にヘッドギアを取り付ける人に、様々な部品の性質及び装着のためのそれらの意図された向きを知らせるために重要であり得る。例えば、非装着状態のヘッドギアは、患者の頭部を受け入れることができる各側のストラップ間の開口部を示すことが望ましい場合がある。同様に、非装着状態のヘッドギアは、サイドストラップを、ヘッドギアの残りの部分から離れて、潜在的に互いに個別に突出する離散的な部材として示し、患者が各ストラップを容易に識別して把持し、それらをインターフェースに接続できるようにすることが望ましい場合がある。
【0363】
この形状及び構造は、例えば、ヘッドギア10が患者によって保持されるとき又は特にヘッドギアの一部が患者によって把持され、ヘッドギアの残りの部分が把持された部分から垂れ下がるか若しくはぶら下がるときに示され得る。
【0364】
図17A及び
図17Bは、患者の手から垂れ下がったときのヘッドギア10の2つの異なる視点を示す。
図17A及び
図17Bに見られるように、本実施形態のヘッドギア10は、非装着時に特定の形状及び形態を表すように構成される。
【0365】
ヘッドギア10は、非装着時に少なくとも部分的に円形の形態を保持する十分な剛性を有するクラウンストラップ200を有し得る。これは、
図17A及び
図17Bの例に示されており、患者の手から垂れ下がるクラウンストラップ200の残りの部分は、実質的に円形の形状を示す。
【0366】
特に、
図17Bに見られるのは、ストラップ300がヘッドギア10の残りの部分から離れて且つ互いに離散的に突出し得る方法でもある。このような構成を提供するために、ストラップ300を含む1つ又は複数のパネルは、その長さにわたって十分に低い曲率量で垂れ下がるように十分な剛性を有する材料から提供され得る。追加的又は代替的に、ストラップ300が取り付けられる後方部分100及び/又はクラウンストラップ200のいずれか又は両方は、ストラップを、互いに離れて且つヘッドギア10の残りの部分から離れて外側に下がるように付勢し得る。
【0367】
そのような構成を達成するために、ストラップ300及び/又はそれらが重なるヘッドギアの残りの部分のパネルは、それらに対する自然なカール又は曲がりを設けられ得る。
【0368】
いくつかの実施形態では、ベースパネルは、ベースパネルに積層されるときに予め伸張される、より周辺部の伸縮性パネルと積層され得る。これは、ストラップ300の互いに離れる所望の自然な形状及び/又は発散性を提供するために、積層されたパネルに自然な曲率を誘導し得る。
【0369】
異なる部分の性質又は患者へのそれらの使用若しくは適用を知らせるために、ヘッドギアに非装着時形状を提供するための任意のパネル構成に加えて又はその代わりに、ヘッドギアは、視覚的に又は触覚の手がかりによって患者にこれらを知らせるように構成され得る。
【0370】
例えば、
図17A及び
図17Bに見られるように、ヘッドギアのクラウンストラップ及び後方部分は、1つの色又は主に1つの色で提供され得る。ヘッドギアの残りの部分と区別するために、ストラップ300の1つ又は複数は、クラウンストラップ200のものと異なる色及び/又は質感を有するように提供され得る。
図17A及び
図17Bに見られるように、上部ストラップ301及び303は、下部ストラップ302及び304のものと異なる色及び/又は質感を有して提供され得る。ヘッドギアに組み込まれ得る任意のそのような構造的、視覚的及び/又は触覚的手掛かりは、追加的又は代替的に、患者がヘッドギア10の内面14と外面15とを区別することを促進するために利用され得る。
【0371】
例えば、内面を構成するパネルの一部又は全部は、ヘッドギアの外面15を構成するパネルの一部又は全部と異なる色又は異なる複数の色を有するように提供され得る。
【0372】
他の構成では、ヘッドギアの内面14を構成するパネルの一部又は全部は、外面15を構成するパネルの一部又は全部と異なる質感を有し得る。特に、内面14の質感は、この部分が頭部に近接すべきであることを患者に知らせることを促進するとともに、装着時の快適性を高めるために一部又は全体が外面15よりも軟らかくてよい。
【0373】
図18A及び
図18Bは、ヘッドギア10の一実施形態の外面15及び内面14のそれぞれの図を示す。ここで、この実施形態の様々な例示的な特徴について記載する。
【0374】
ヘッドギア10は、前述したように、後方部分100、クラウンストラップ200及びサイドストラップ300を含む。
【0375】
上部ストラップ301及び303は、ヘッドギアの後方部分100にわたって延在する一体型パネル又はパネル305の積層体を構成する。このような構成により、上部サイドストラップ301及び303は、ヘッドギアの他の領域における望ましくない荷重を最小限に抑えながら、患者の頭部の後部に荷重を伝達し得る。
【0376】
図18Aのヘッドギアの外側の図では、上部ストラップパネル305は、後方部分100の中間部分で見ることができ、且つ上部後方部分パネル114の下に延在する。
【0377】
いくつかの構成では、下部ストラップ302及び304も一体型パネルを構成し得る。しかしながら、
図18A及び
図18Bの実施形態では、それらは、別個のパネルである。
【0378】
下部ストラップ302及び304は、それぞれ後方部分のパネルに接続する。後方部分100は、伸縮性材料であり得る第1の後方パネル110と、相対的に伸縮性が低い材料であり得る第2の後方パネル120とを含む。
【0379】
より詳細には、第1の後方パネル110は、弾性材料のものであり得、第2の後方パネル120は、非弾性材料のものであり得る。
【0380】
【0381】
第2の後方パネル120は、好ましくは、上部サイドストラップ301及び303並びに/又は下部サイドストラップ302及び304から荷重を受け、ストラップから受けた荷重をヘッドギアの残りの部分内に伝達し、均等化するように構成される。
【0382】
下部ストラップ302及び304は、
図1A及び
図1Bに関連して記載されたものなどの単一重なり構成で第2の後方パネル120に積層され得る。
【0383】
下部サイドストラップ302及び304は、代替的に、補足的後方パネル116の提供により、
図3A及び3Bに関連して記載されたように2重に重ねられ得る。これらの補足的後方パネルは、第2の後方パネル120に対してストラップパネルを挟むために提供され得る。このような2重重なりは、下部ストラップ302及び304の重なり部分が、荷重を経験したときに面内でよじれないことを保証することを支援し得る。
【0384】
補足的後方パネル116は、下部サイドストラップ302及び304から後方部分100及び特に第2の後方パネル120への荷重の伝達を補助するように、第2の後方パネル120と同様の又は同じ相対的に伸縮性が低い材料であり得る。
【0385】
下部ストラップ302及び304が第1の後方パネル110にわたって後方部分100に接続する場合、下部ストラップ302及び304上の荷重は、第1の後方パネル110を伸張するように追加的に機能し得る。第1の後方パネル110によって与えられる伸縮性及び場合により弾性は、それに応じて、患者が、顔へのインターフェースの所望の保持力を提供するためにストラップの長さを調整するためのより大きい許容範囲を提供し得る。
【0386】
しかしながら、特に、ストラップからの荷重が第1の後方パネル110を介して実質的に伝達されず、代わりに、
図18A及び
図18Bにおいてなど、第2の後方パネル120を介して伝達される構成では、第1の後方パネル110は、少なくとも主に患者の首の形状に適合するように伸縮し得る。有利には、サイドストラップ荷重を第2の後方パネル120に通すことにより、第1の後方パネル110を通る張力が特にその下縁において低減される。これにより、患者の首に食い込む硬い縁が第1の後方パネル110の下縁に生じる可能性が減少する(これは、下縁がその伸展性の限界又は弾性限界に達した場合に特に生じ得る)。
【0387】
異なる首の形状に対応するために伸縮することに加えて、相対的に高い伸縮性の第1の後方パネル110は、その領域におけるヘッドギアが、相対的により低い伸縮性又は非伸縮性のパネルよりも患者の頭部に連続的且つ密に適合するようにすることもできる。この首の領域における患者の頭部への伸縮性パネルの適合は、ヘッドギアの快適性及び安定性又は少なくとも患者に対する安定性の運動感覚的知覚を補助し得る。
【0388】
クラウンストラップ200は、後方部分及び/又は上部ストラップ301及び303に接続し得る。
図18Aのヘッドギアの外側の図において見られるように、クラウンパネル201は、後方部分100の上部にわたって延在する。
図18Bでは、それは、縁部軟化パネル114の背後に延在する。
【0389】
図19A及び
図19Bに見られるように、クラウンストラップ200は、積層クラウンストラップパネル201の対を含み得、そのそれぞれは、それらが重なるサイドストラップ及び/又は後方部分パネルの1つの主要面にそれぞれ重なる。これは、上部サイドストラップ301及び303とクラウンストラップ200との交差部220で特に見られ、
図19Aのヘッドギアの外側の図及び
図19Bのヘッドギアの内側の図の両方において、それぞれのクラウンストラップパネル201は、関連する上部ストラップに重なる。
【0390】
後方部分100又はクラウンストラップ200は、1つ又は複数の縁部軟化パネル114をさらに含み得る。そのような縁部軟化パネルの機能は、実質的に
図16Bの実施形態に関連して先に記載した通りであり得る。
【0391】
図19Aのヘッドギアの外側の図に見られるように、縁部軟化パネル114は、クラウンストラップパネル201、第2の後方パネル120及び上部ストラップ301、303の上部を越えて突出する。このように、縁部軟化パネル114は、後方部分においてヘッドギアの上縁401を画定する。
【0392】
図18Aから
図19Bの実施形態のさらなる特徴は、耳ループ320の構成である。
図16A及び
図16Bの実施形態と異なり、耳ループ320は、上部及び下部ストラップと後方部分100の横方向周辺部との両方によって画定される。
【0393】
ヘッドギアの外側の図を示す
図19Aを参照すると、切り欠き402が第2の後方パネル120に示されており、これは、その下に延びる上部ストラップを露出させる。特に、パネルが異なる色又は質感である場合、このような構成は、ヘッドギアの内側と外側との間の外観の違いをもたらし、且つ/又はヘッドギアのその部分が使用中にどのように又はどこに向けられるべきかという患者への合図をもたらすために利用され得る。
【0394】
図19A及び
図19Bの耳ループ320は、それぞれの上側及び下部ストラップ間に2つの実質的に直線的な部分を画定する。これらの直線部分は、後方部分100の内側にV字形に延在する。ストラップの使用中の荷重条件に起因して、このような直線部分を含む耳ループを設けることにより、耳ループ320における後方部分周縁のくずれ又は面外変形反りの程度が低減され得る。
【0395】
【0396】
図20は、上部ストラップ303にそれぞれ上及び下に重なるクラウンストラップパネル201の荷重伝達の適応を示す。
【0397】
同様に、第1の後方パネル110と、それが患者の首に適合するようにどのように伸張し得るか、及び下部サイドストラップ302及び304からの荷重が、少なくとも部分的に伸縮可能な第1の後方パネル110にどのように伝達され得るかが見られる。
【0398】
図21は、下部ストラップ302が後方部分200に接続される領域の近接図を示す。第2の後方パネル120は、下部ストラップ302の近位端に重なり、それに接着的に結合される。ストラップパネルは、第2の後方パネル120と補足的後方パネル116との間で2重に重ねられる。この下部ストラップ302、第2の後方パネル120及び補足的パネル116の交差部におけるパネルの積み上げは、実質的に
図2A及び2Bに断面で示されるようなものであり得る。
【0399】
図21には、第1の後方パネル110も示されている。このパネルは、第2の後方パネル120に単独で重ねられ得、且つ/又は第2の後方パネル120と補足的後方パネル116との間で2重に重ねられ得る。
【0400】
図21の近接図における様々な重ねられたパネルは、ヘッドギア10の重なり領域20を示す一方、下部ストラップ302の遠位部分は、非重なり領域31を示す。
【0401】
図22は、
図18A~
図20のヘッドギアの領域、特にクラウンストラップパネル201と上部ストラップ301との交差部の別の近接図を示す。
【0402】
クラウンストラップパネル201が単独で互いに重なるところは、ヘッドギアの第1の重なり領域21を画定する。この第1の重なり領域21は、
図1A及び
図1Bに示されるものなどの断面を有し得る。
【0403】
クラウンストラップパネル201が上部サイドストラップ301とそれぞれ上及び下に重なるところは、第2の重なり領域22を画定する。この第2の重なり領域22は、
図3Bに関連して記載した積み上げの第1の重なり領域21と同様の断面であり得る。
【0404】
第2の後方パネル120及び縁部軟化パネル114は、第3の重なり領域23を画定するために互いに単独で重ねられ得る。
【0405】
第3の重なり領域23と第1の重なり領域21との間の縁部軟化パネル114は、他のパネルによって重ねられず、第1の非重なり領域31を画定する。
【0406】
縁部軟化パネル114は、クラウンストラップパネル201の対間に重ねられ得るか、又はクラウンストラップパネル201の一方の外面に対して重ねられ得る。
【0407】
第4の重なり領域24では、一緒に重ねられた第2の後方パネル120と縁部軟化パネル114とは、少なくとも部分的にクラウンストラップパネル201の対間に重ねられる。第4の重なり領域24におけるヘッドギアの断面構成は、
図6A及び
図6Bに関連して記載したものと同様であり得、2つの外側パネル(クラウンストラップパネル201)が他の2つの重ねられたパネル(第2の後方パネル120及び縁部軟化パネル114)に上及び下に重なる。
【0408】
図23は、ヘッドギア10の他の実施形態の内面の図である。
図23に見られるように、ヘッドギアの後方部分100は、これまでの実施形態において記載したよりも相対的に広い構成の第1の後方パネル110を有する。第1の後方パネル110は、第2の後方パネル120に単独で重ねられる。
【0409】
第2の後方パネル120は、実質的に丸みを帯びた構成の耳ループ320を画定する。クラウンストラップパネル201は、第2の後方パネル120の上部領域にわたって単独で重ねられ、第2の後方パネル120の一部は、クラウンストラップパネル201を越えて延在し、後方部分100の上部周縁401を画定する。第2の後方パネル120のこの突出部分は、先に記載したように、ロールアウェイ縁部として機能し得る。
【0410】
図23に見られるように、下部ストラップ302及び304は、第2の後方パネル120によって重ねられないその下部において、第1の後方パネル110に直接接続される。この構成により、下部ストラップ302及び304からの荷重は、ヘッドギアの残りの相対的に伸縮性の低い部分に伝達される前に、相対的に伸縮性の高い第1の後方パネル110を通して最初に伝達される。これは、その非重なり領域における後方パネル110の伸縮性を高める結果となり得る。
【0411】
図23に見られるように、クラウンストラップ200は、第2の後方パネル120に単独で重ねられる単一のクラウンストラップパネル201を含み得るか、又は第2の後方パネル120(若しくは第1の後方パネル110と第2の後方パネル120との積層体、ここで、2つのパネルは、後方部分100のこの上部領域で互いに積層される)の両側に重なるクラウンストラップパネル201の対を含み得る。
【0412】
1つ又は複数のクラウンストラップパネル201の構成にかかわらず、第1の後方パネル110及び第2の後方パネル120の一方又は両方の一部は、縁部軟化パネル114の先に記載した機能を提供するために、1つ又は複数のクラウンストラップパネル201を越えて延在し得る。
【0413】
図24は、例示的な患者の頭部に装着されたヘッドギア10の別の実施形態を示す。
図24の実施形態において特に注目すべきは、耳ループ321の周りのヘッドギアの構成である。耳ループ320において、ヘッドギアは、耳ループの周りを通り、上部ストラップ301と下部ストラップ302との間を接続する耳ループストラップパネル321を含む。
【0414】
耳ループストラップパネル321のこの構成は、ヘッドギアの両側のそれぞれの上部サイドストラップ301及び303、下部サイドストラップ302及び304間で荷重を伝達することを補助し、例えば第1の後方パネル110に直接伝達される荷重を減らすために望ましいと考えられる。
【0415】
耳ループストラップパネル321は、特にそれが後方部分の隣接する部分と対照的な色である
図24において見られるように、患者にヘッドギアのこの部分を他の部分と区別し、使用のためにヘッドギアの正しい向きを促すための視覚的手がかりをさらに提供し得る。
【0416】
図24において、第2の後方パネル120は、耳ループストラップパネル321と重なり、耳ループストラップパネル321を越えて自由端322まで耳ループストラップパネル321を越えて延在し得る。
【0417】
図25Aは、ヘッドギアの他の実施形態の外面15の図であり、
図25Bは、同実施形態の内面14の図である。
【0418】
この実施形態では、上部ストラップ301及び303並びに下部ストラップ302及び304は、耳ループ320の周りを通過して耳ループ320を画定する1つのパネル又はパネルの積層体を含む。
【0419】
後方部分100は、第1の後方パネル110を含み、これは、先に記載したように、他のパネル又は特に他の隣接するパネルよりも相対的に高い伸縮性を有するパネルであり得る。次に、後方部分は、第2の後方パネル120を含む。第2の後方パネル120は、第1の後方パネルよりも相対的に低い伸縮性であり得る。第2の後方パネルは、第1の後方パネル110の一部を露出させる切り欠きを含み、これは、第1の後方パネル110及び第2の後方パネル120が一緒に結合されたときに非重なり領域を提供し得る。
【0420】
図25Aと
図25Bとの間に見られるように、上部及び下部ストラップ301/302及び303/304のセットのそれぞれの一体型ストラップパネル310は、耳ループ320の周りで第1の後方パネル110と第2の後方パネル120との間において部分的に2重に重ねられる。耳ループ320における一体型ストラップパネル310の少なくとも一部のこの2重の重なりは、
図3Bに関連して記載した構成と同様の断面であり得、それに応じてパネル接続の強度及び誘導トルクの低減において同様の利点を提供し得る。
【0421】
図25A及び
図25Bの実施形態では、第2の後方パネル120は、クラウンストラップ200の2つの側面を形成するように相対的に伸展される。このようにして、それは、本明細書の様々な他の実施形態に関連して記載されるような別個のクラウンストラップパネル20の必要性に取って代わり得る。
【0422】
図25Bに見られるように、第2の後方パネル120は、同様に先に記載したように、それが別の方法で重ねられる第1の後方パネル110を越えて延在し、後方部分の上部周縁401を形成し、他の場所で記載したようにロールアウェイ縁部として機能し得るようにし得る。
【0423】
図26Aは、ヘッドギア10のさらなる実施形態の外面15の図であり、
図26Bは、同じものの内面14の図である。
【0424】
この構成において、第1の後方パネル110は、単に三日月形の形状を含み、その中の対応する円弧形の切り欠きの周りで第2の後方パネル120に重ねられ得る。第1の後方パネル110はまた、単に第2の後方パネル120に単独で重ねられ得るか、又は2つの第2の後方パネル120が存在し得、第1の後方パネル110は、2つの後方パネル120間で2重に重ねられ得る。
【0425】
2つの第2の後方パネル120が存在し、第1の後方パネル110がそれらの間に重ねられる場合、第1の後方パネル110は、
図26A及び
図26Bに見られる露出した非重なり領域及び2つの第2の後方パネル120と重なり、それらと結合するのに十分な重なり領域のみを含み得る。
【0426】
他の形態では、第1の後方パネル110は、第2の後方パネル120の切り欠き領域を除いて、1つ又は複数の第2の後方パネル120のサイズ及び形状に実質的に対応し得る。この構成の例は、
図15の第1の後方パネル110及び第2の後方パネル120に見られる。
【0427】
第1の後方パネルが1つ若しくは複数の第2の後方パネル120に小さいインターフェースの周りでのみ重なって結合部を形成するか、又は1つ若しくは複数の第2の後方パネル12の実質的な全体に重なるかは、それぞれのパネルの性質及びヘッドギア10が果たすべき構造及び機能に従って決定することができる。
【0428】
図26A及び
図26Bの実施形態では、一体型耳ループストラップパネル321は、組み合わされた第1の後方パネル110及び第2の後方パネル120の一方の面に対して単独で重ねられ、
図25A及び
図25Bに関連して記載したようにそれらの間で2重に重ねられるのではない。
【0429】
図26A及び
図26Bの実施形態では、クラウンストラップ200は、クラウンストラップパネル201によって構成され、これは、第1及び/又は第2の後方パネル110及び120に重ねられ得る。
【0430】
図26Aに示されるように、サイドストラップ301~304の1つ又は複数は、ストラップの端部がそれ自体に戻って留められ得るファスナーシステムのそれぞれの部分331及び332を含み得る。これらは、例えば、フック部分331及びループ部分332を有するなど、フックアンドループファスナーシステムのそれぞれの半部であり得る。
【0431】
様々な構成において、ループ部分332は、下にあるパネルに結合される追加の構成要素として提供され得る。下にあるパネルがアンカットパイルを有するアンブロークンループ材料であるなどの他の構成では、パネル自体のアンカットパイルのループは、フックアンドループファスナーシステムのループ部分332を提供し得る。
【0432】
様々な実施形態において、ヘッドギア10は、サイドストラップ301及び302の1つのセットのみを含み得、1つのストラップが呼吸用インターフェースのそれぞれの側に接続する。
【0433】
1つのそのような実施形態は、
図27に示されている。ヘッドギア10は、後方部分100と、クラウンストラップ200と、サイドストラップ301及び302の1つのセットとを含む。このヘッドギアは、本明細書に記載される他の実施形態と同じ機能を達成し得るが、特にクラウンストラップ200及び後方部分100は、相対的に単純化された形態であり得る。
【0434】
図27に見られるように、後方部分100は、後方パネル140を含み、クラウンストラップ200は、クラウンパネル240を含む。後方パネル140及びクラウンパネル240のそれぞれは、それぞれの端部で合流し、そこで、それらは、互いに接合され、且つそれぞれのサイドストラップ301及び302の一端と接合される。
【0435】
図27に見られるように、後方パネル140及びクラウンパネル240のそれぞれ並びに後方部分100及びクラウンストラップ200に近接するサイドストラップ301及び302の少なくとも一部は、同一の又は実質的に同一のパネル又はパネル積み上げ構成を含み得る。
【0436】
それらが同様のパネル積み上げで作られる場合、それらは、ヘッドギアの内面14を画定し、使用時に患者の頭部に接触することになるベースパネル51と、別の補強パネル52とを一緒に積層することによって作られ得る。補強パネルは、ベースパネルの材料よりも相対的に高い強度又は剛性を有し得る。
【0437】
補強パネル52は、ベースパネル51に寸法的に対応する連続的なシートであり得る。他の構成では、補強パネルは、
図27に示されるような少なくとも部分的に切り欠きされたものであり得る。補強パネル52に切り欠きを設けると、組み合わせたパネル積み上げの重量を低減し得る。それはまた、補強パネル52の材料の強度又は剛性又は他の特性を、これらの特性が望まれるベースパネル51の領域においてのみ、例えばパネル積み上げの縁部に沿って提供し得る。
【0438】
図27に見られるように、補強パネル52は、少なくとも横方向の縁部に沿って中実であり、1つ又は複数の切り欠きを有する内部領域を有し得る。
【0439】
後方パネル140、クラウンストラップパネル240及びそれぞれのサイドストラップ301又は302の端部は、本明細書に記載されるものなど任意の適切なパネル重なり構成によって接合部70で一緒に接合され得る。
【0440】
特に、これらのパネルは、例えば、
図7A、
図7B及び
図8に関連して記載されたように、突き合わせ接合で一緒に接合され得る。
【0441】
図28は、後方パネル140、クラウンストラップパネル240及びサイドストラップ301間の接合部70の近接図である。後方パネル140、クラウンパネル240及びサイドストラップ301のそれぞれの端部は、エンドツーエンド接触下にない場合、少なくとも同一平面において整列され得る。したがって、接合パネル60は、他の3つのパネルのそれぞれに重なり、接合部70でそれらに結合され得る。
【0442】
このような接合パネル60は、接合部70においてヘッドギアの中断されない平面状の内面を提供するように、ヘッドギアの1つの表面、好ましくは外面にのみ設けられ得る。
【0443】
他の構成では、2つの接合パネル60を設け、1つは接合部において3つのパネルのいずれかの主要面に重なるようにし得る。
【0444】
単一の接合パネル60の使用は、接合パネル60のみの積み上げ厚さと、後方パネル140、クラウンパネル240及びサイドストラップ301又は302の厚さの最大のものとを有する接合部70における3つのパネルの接続を提供し得る。これは、接合部70を形成するために異なるヘッドギアパネルのそれぞれと一緒に上及び下に重なることにより、他の方法で可能であるよりも接合部においてより薄いパネル積み上げを提供し得る。
【0445】
【0446】
図29A及び
図29Bに見られるように、接合部70は、患者の耳の上に位置するように構成され得る。
【0447】
図30は、2つのサイドストラップ301及び302のみを有するヘッドギア10のさらなる実施形態を示す。
【0448】
図30に見られるように、この実施形態の後方部分100及びクラウンストラップ200は、連続ループ150を構成し得る。連続ループ150は、材料の単一のループ、それ自体に結合される単一のパネル又は接着剤で結合される複数のパネルを含み得る。
【0449】
サイドストラップ301及び302は、ループ150のそれぞれの横方向周縁に従属する。
【0450】
図30において、ループ150は、第1のタイプの1つ又は複数のパネルを含み、それは、相対的に伸縮性の低い材料であり得る。より詳細には、それは、非伸縮性材料及び/又は非弾性材料であり得る。それは、後方部分100に伸縮性パネル160も含む。伸縮性パネル160は、第1のタイプの1つ又は複数のパネルよりも相対的に高い伸縮性を有する。伸縮性パネル160は、ループ150のサイズが荷重の下で拡張及び収縮することを可能にし、且つ/又は患者の首の形状に適合するように作用し得る。
【0451】
伸縮性パネル160は、弾性パネルであり得る。
【0452】
後方部分100におけるループ150は、1つ又は複数の下部伸縮性パネル170をさらに含み得る。これらの下部伸縮性パネル170は、伸縮性パネル160とループ150のより横方向の部分との間において、特にサイドストラップが接続する場所の近傍で接続され得る。これらの下部伸縮性パネル170は、使用時、ループ150の残りの部分よりも患者の頭部の後部の下方に位置し得、この領域における異なる患者の頭部形状に対するさらなる補償と、患者の頭部上のヘッドギアのさらなる安定性とを提供するように作用し得る。
【0453】
図30のヘッドギアの様々な詳細は、例示的な患者の頭部に装着された
図30のヘッドギア10の異なる視点である
図31A及び
図31Bの図に示されている。
【0454】
図31A及び
図31Bに見られるように、ループ150は、可変幅であり得る。ループは、サイドストラップとの接続部の近傍の相対的に広い部分と、クラウンストラップ200の頂部に向かう少なくとも相対的に狭い部分とを有し得る。
【0455】
ヘッドギア10のサイドストラップ300は、一緒に積層される1つ又は複数のストラップパネルを含み得る。
【0456】
他の場所に記載したように且つ例えば
図20に示されるように、サイドストラップの端部は、呼吸用インターフェース上の固定具を通過し、それ自体の上に折り返して留め得る。これを可能にするために、フックアンドループファスナーなど、サイドストラップに設けられた2つの部分からなるファスナーシステムが存在し得る。
【0457】
しかしながら、サイドストラップをそれ自体に対して折り返して締めるとき、マスクがどの程度締まっているかについて患者に何らかの形態のフィードバックを提供し、且つ/又は異なるストラップが締められる量を容易に均等にすることを支援するためにストラップが調整され得るいくつかの規則的なステップを提供することが望ましい場合がある。
【0458】
図32Aは、サイドストラップを形成するためにベースパネル310に積層されるインデックスパネル335を示す。インデックスパネル335は、インデックスパネル335の2つの側部間に少なくとも部分的に延在する一連のステップ状形状部337を少なくとも含む。
【0459】
インデックスパネル335は、それが積層される下にあるベースパネル310よりも相対的に頑丈、剛性、高密度及び/又は硬質な材料を含み得る。
【0460】
図32Bは、ベースパネル310に積層された
図32Aのインデックスパネル335を示す。
【0461】
ベースパネル310に関してヘッドギアの外面15にインデックスパネル335を設けることにより、ストラップ端部が呼吸用インターフェースの固定具に通され、ヘッドギアの後方部分100に向かって引き戻されるとき、インデックスパネル335は、呼吸用インターフェースの固定具に接触し得る。
【0462】
呼吸用マスクの固定具を挟んでストラップ301の両側に張力があるとき、インデックスパネル335のステップ状形状部337は、ストラップが呼吸用インターフェース上で締め付けられるときに患者に触覚フィードバックを提供し得る。
【0463】
ベースパネル310よりも相対的に頑丈、剛性、高密度及び/又は硬質な材料であるそのようなインデックスパネル335のさらなる機能は、ストラップ301が呼吸用インターフェースの固定具と係合し、その上を通過する際にストラップ301に耐摩耗性を与えることであり得る。少なくともこの目的のために、ストラップは、触覚フィードバックを提供するための画定された切り欠き336のないインデックスパネル335を含み得るが、代わりに切り欠きのない実質的に連続したパネル335を有し得る。
【0464】
図33は、ベースパネル310と、それに積層されたインデックスパネル335とを含むサイドストラップ301のさらなる構成を示す。
【0465】
図33に見られるように、ストラップ301の遠位部分は、インデックスパネル335の切り欠き内において、ファスナーシステムの第2の部分332に対応するファスナーシステムの第1の部分331を有する。第2の部分332は、ベースパネル310自体の材料又はそれに積層された別の材料によって提供され得る。
【0466】
図32A~
図33では、ステップ状形状部337を画定するための複数の切り欠き336を有する一体型パネルを含むように示されているが、他の実施形態によれば、インデックスパネル335は、ステップ状形状部337とまったく同じように提供され得る。換言すれば、インデックスパネル335は、代わりに、単一の一体型パネルを画定するために連結材料を一切有さない複数のステップ状形状部337を含み得る。
【0467】
ステップ状形状部337は、好ましくは、ステップ状形状部がインターフェースに対するストラップの動きに対して抵抗を与えるように、下にあるストラップパネルの表面上に隆起した表面を提示する。ステップ状形状部の間隔は、患者がヘッドギアストラップの張力を調整するとき、患者による各ストラップの割出しの指標を提供し得る。
【0468】
割出しされた抵抗を提供するために、ステップ状形状部337は、下にあるストラップパネルの材料と異なる、好ましくはより硬質又はより高密度な材料であり得る。
【0469】
特に、
図11A~
図13Bに関連して先に記載したように、ヘッドギアの複数のパネルの様々なパネルは、縁部領域の1つ又は複数に異なる特性を提供するために様々な縁部処理を施され得る。1つ又は複数のパネルの1つ又は複数の縁部の特性の変更は、ヘッドギアの全体的な特性にも影響を及ぼし得る。
【0470】
【0471】
巻き戻されたへり411において、パネル又はパネルの積層体は、それ自体の上に距離を置いて巻き戻され、接着剤によってそれに結合される。
【0472】
巻き戻されたへり411のさらなる例は、
図35に示されており、ヘッドギア10の実施形態の別の部分の近接図を示す。
【0473】
巻き戻されたへり411は、縁部におけるパネル又はパネルの積層体の厚さの効果的な倍増を提供し得る。厚さは、パネルと、その巻き戻された部分との間の接着剤の存在によってさらに増加され得る。
【0474】
縁部領域における厚さを増加させることに加えて、巻き戻されたへり411は、縁部領域におけるパネル又はパネルの積層体の強度を高め得る。先に記載したように、接着剤の特性は、巻き戻されたへり411において所望の特性を与えるようにカスタマイズされ得る。例えば、接着剤は、パネル若しくはパネルの積層体よりも硬くてもよいか、又は巻き戻されたへり411においてパネル若しくはパネルの積層体と実質的に同じ硬さであり得る。
【0475】
荷重は、パネルの縁部領域に集中し得るため、巻き戻されたへり411の使用は、パネル又はパネルの積層体全体が、減少した厚さ又は減少した強度要件を有するが、強化された縁部領域に起因して同じ荷重に依然として対応できることを可能にし得る。
【0476】
ヘッドギアの周縁部にあるものとして一般に記載及び示されているが、巻き戻されたへり411又は他の任意の縁部コンディショニングは、ヘッドギアの他の非周辺部に設けられ得る。
【0477】
図35は、
図11A~12Bに関連して先に記載した縁部コンディショニング方法の適用も示す。処理された縁部412におけるパネル又はパネルの積層体は、接着剤で一方又は両方の主要面で処理され得る。特に、この接着剤が固化されたとき、それが塗布されるパネル又はパネルの積層体よりも高い剛性を有する場合、その結果は、剛性化された縁部412におけるパネル又はパネルの積層体に向上した剛性を与えることであり得る。他の構成では、処理は、向上した剛性に加えて又はその代わりに他の機能を果たし得、例えば、それは、縁部におけるパネル材料の解きほぐれを防止する一助となり得る。
【0478】
サイドストラップ300の端部は、使用時、患者によって把持され、呼吸用インターフェースの固定具に通され、その後、呼吸用インターフェースを患者の顔に保持するための張力を提供するために、それ自体の上に戻されて取り付けられるか又は他の方法で固定される。
【0479】
患者がサイドストラップの端部を把持することになるため、視覚的及び触覚的な違いのいずれか又は両方によってストラップの残部と容易に区別することができるストラップ端部を提供することが望ましい場合がある。
【0480】
この目的のために、いくつかの実施形態では、サイドストラップ300の1つ又は複数の端部は、1つ又は複数の追加のパネルによって重ねられ、ストラップ端部特徴部350を形成することができる。
【0481】
1つ又は複数の追加のパネルによって重ねられることにより、ストラップ端部特徴部350は、ストラップパネル310と異なる厚さを有し得、したがって患者が触れることによって識別することができる。
【0482】
厚さの物理的に識別可能な差に加えて又はその代わりに、ストラップタブ特徴部は、異なる色、質感、柔らかさ又は他の表面特徴を有し得る。
【0483】
そのようなストラップ端部特徴部350の例は、
図36A及び
図36Bに示されている。
図36Aに見られるように、ストラップ端部特徴部350は、ストラップパネル310に少なくとも部分的に重ねられる第1のタブパネル351を含み得る。
図36Aに見られるように、第1のタブパネル351は、ストラップパネル310のものよりも大きい表面平滑度を有し、したがって触れることでそれと区別することができ得る。
【0484】
第1のタブパネル351の上には、フックアンドループファスナーの第1の半部331がある。いくつかの実施形態では、ストラップパネル310の外面は、ストラップエンドがそれ自体の上に折り返されるときにストラップエンドをストラップと係合するために、フックアンドループファスナーの第2の半部332を形成し得る。
【0485】
図36Aの構成に見られるように、ストラップパネル310は、フックアンドループファスナーの第2の半部332を一体的に含み得る。例えば、ストラップパネル310は、切れ目のないループ材料であり得、ストラップパネル310の表面に提供されたループをフックアンドループファスナーのループとして利用することができる。
【0486】
ストラップパネル310は、第1のタブパネル351によって単独で重ねられ得るか、又は
図36Bの側面図に示されるように、対応する第2のタブパネル352によってその他方の主要面で重ねられ得る。
【0487】
第1及び/又は第2のタブパネル351及び352の存在は、ストラップ端部とストラップの残りの部分とを区別する所望の程度の能力を提供し得るが、この区別を強化するために接着剤が利用され得る。例えば、接着剤は、ストラップ端部特徴部350に、ストラップパネル310と比較して増大した剛性を提供し得る。この剛性の差は、ストラップ端部の存在について、患者に対する前記又は追加の物理的な手がかりとして作用し得る。
【0488】
第1及び第2のタブパネル351及び352は、
図36Bの第1の重なり領域21で示されるものなど、3パネル積層体を提供するためにストラップパネル310に対して完全に重ねられ得る。
【0489】
他の構成では、タブパネル351及び352は、
図36Bに見られるように、ストラップパネル310の端部の遠位に延在して、第2の重なり領域22を形成し得る。
【0490】
第1の重なり領域21と第2の重なり領域22との間の厚さの差は、ストラップの端部の位置に関して患者にさらなる触覚的手がかりを提供し得る。
【0491】
タブパネル351及び352が、ストラップパネル310の両側に重なるのではなく、互いに単独で重なるのみの第2の重なり領域22を含む場合、第2の重なり領域22で追加の量又は異なるタイプの接着剤が利用され得る。これは、第2の重なり領域22に、第1の重なり領域21又はストラップパネル310自体のいずれかの剛性と比較して増大した剛性を提供し得、タブ端部を把持するという患者に対する別の潜在的な形態の手がかりとなり得る。
【0492】
ヘッドギアの様々な実施形態は、2D形状を有し、平坦な表面上に平らに又は実質的に平らに横たわることが可能であり得るが、ヘッドギアのいくつかの実施形態は、平坦な表面上に平らに横たわらないような3D形状を有し得る。
【0493】
そのような3D形状は、パネルが重ねられ接合される前のパネルの1つ又は複数の形状によって提供され得る。
【0494】
3D形状は、追加的又は代替的に、パネルの一部又は全部が互いに重ねられた後、ヘッドギアの一部又は全部に提供され得る。例えば、1つ又は複数のパネルは、それらが互いに接合される前又は後、パネルの伸張及び/又は溶融によってなど、パネルに3D形状を提供するために3D金型内に配置され得る。
【0495】
図37は、2つのダーツ9を含む第1のパネル1の図を示す。
図37に見られるように、ダーツ9は、第1のパネル1に形成されたテーパー状のスロットである。テーパー状のスロットは、パネルの縁部で最も広く、パネル内に延在するにつれて幅が狭くなる。
【0496】
図37のパネル1などのパネルの部分がダーツにわたって集められると、パネルは、3D形状に引き込まれる。
【0497】
ダーツの両側は、それぞれ一本の直線を画定し得、ダーツの幅は、その長さに沿って直線的にテーパー状になる。
【0498】
他の形態では、ダーツの両側の一方又は両方が複数の直線セグメントを画定し得、それにより、ダーツの幅は、各直線セグメントに沿って直線的にテーパー状になるが、ダーツの全長に沿ってテーパー状になるわけではない。
【0499】
さらに他の形態では、ダーツの両側の一方又は両方が1つ又は複数の非直線セグメントを有し得、それにより、ダーツの幅は、その長さに沿って非直線的にテーパー状になる。
【0500】
所望の3D形状を有するパネル又はヘッドギアを提供するために、1つのダーツ又は複数のダーツにおけるこのような構成の1つ又は複数の組み合わせを利用することができる。
【0501】
図37のダーツ9は、第1のパネル1に形成されたテーパー状のスロットであるが、他の形態では、ダーツの両側に沿ってパネルを折り曲げることによって1つ又は複数のダーツを形成することができる。そのような実施形態では、パネルにスロットが形成されない。
【0502】
図38Aは、
図37のパネル1の斜視図であり、
図38Bは、ダーツのそれぞれの側421及び422並びに423及び424が結び付けられた同じパネル1を示す。
【0503】
ダーツがパネルのスロットとして形成されるダーツの両側の結び付けは、スロットを閉じ、隙間のないパネル面を再び画定し得る。
【0504】
ダーツの両側の結び付けは、
図38A及び
図38Bの側421及び422並びに423及び424などのそれぞれの側が縁部対縁部の接触に至るか又は少なくとも縁部対縁部の接触に向かうことを伴い得る。
【0505】
他の形態では、1つ又は複数のダーツの両側は、それらが結び付けられると、部分的又は全体的にそれぞれ互いに上及び下に重なり得る。ダーツの両側が互いに上及び下に重なるように結び付けられる場合、両側がまさに縁部対縁部の接触に至るか又は縁部対縁部の接触に向かう場合よりも、パネルの相対的により大きい3次元変形に影響が及び得る。
【0506】
図38Bに見られるように、ダーツ9のそれぞれの側421及び422並びに423及び424においてパネルを集めることは、パネルに3D形状をとらせる。
【0507】
ダーツ9が閉じられると、ダーツの側のパネル両側の部分は、テーパー状スロットの点でダーツの焦点の周りで回転される。ダーツ9は、その2つの横方向の広がりによりパネルの上側から離れるパネルの下縁において最も幅広であるため、ダーツ9が閉じられると、パネル1の底部は、横方向の大きさが最も減少する。横方向の大きさの減少は、ダーツ9の長さに沿って漸進的に減少する。
【0508】
その結果、ダーツがパネルの面外湾曲を誘発するため、以前に2D形状であった可能性があるパネル1が3D形状に引き込まれる。
【0509】
図38A及び
図38Bに見られるように、パネル1は、2つのダーツ9を有する。ダーツは、パネルの相対的により横方向の部分においてその最も幅広の部分から、パネルの相対的により中央の部分に向かってそれぞれ延在する。ダーツ9は、それぞれ両方ともパネル1の下部からパネルの上部に向かって延在する。
【0510】
2つのダーツ9の中心線81及び82が
図37に示されている。
【0511】
図37に見られるように、2つのダーツは、それらの狭まった端部を越えるそれらの中心線81及び82の延長線が、想定される交点83で互いに交差するように配置される。
【0512】
他の形態では、2つ以上のダーツの中心線は、互いに平行に延在するか又は互いに発散し得る。2つのダーツの中心線が想定される収束点で交わる場合、この点は、
図37に示す構成のように、パネル上に位置するか又はパネルの外側に位置し得る。
図37に見られるように、想定される収束点は、パネルの中央垂直軸上に位置する。
【0513】
図37及び
図38A及び
図38Bに見られるように、ダーツ9は、パネル1が一方の側、例えば
図38Bで見える側で凸形状をとり、パネルの他方の側で凹形状をとるように配置される。
【0514】
互いに向かってテーパー状である2つのダーツ9におけるパネル1の集まりは、少なくとも2つのダーツ9間の第1のパネル1の部分及びダーツのパネル両側の横方向に隣接する領域において、パネル1が3D曲線形状を取ることを引き起こす。特に、それは、パネルの下側の範囲から上側の範囲に向かって半径が減少する3D曲面を画定し得る。
【0515】
1つ又は複数のダーツを組み込むことにより、ヘッドギアの1つ又は複数のパネルを3D形状に形成することができる。3D形状は、任意の所望の形状であり得るが、特にヘッドギアが使用中に配置されることが意図される患者の頭部の形状に対応し得る1つ又は複数の形状である。
【0516】
3D形状を有するヘッドギアは、使用者の快適性を向上させ、特に潜在的に2Dヘッドギアが患者の頭部の3D形状に適合するように伸張する場合に生じ得る圧力集中の場所を減少させ得る。
【0517】
3D形状を有するヘッドギアは、安定性を高め、非装着時の形状からのヘッドギアの変形を低減し得る。使用時のヘッドギアの変形の程度が減少することにより、患者の頭部に対するヘッドギアの滑り又は使用中のヘッドギアのカール若しくは折れ曲がりの可能性が減少し得る。より安定したヘッドギアを提供することができるため、ヘッドギアを形成するために必要な材料の量を減らし、それに応じてヘッドギアの嵩及び/又は重量を減少させることができ得る。
【0518】
3D形状を有するヘッドギアは、ヘッドギアの所望の向き及び/又は位置を患者に対してよりよく知らせ得る。
【0519】
ダーツ付きパネルは、例えば、ダーツにおけるテープ又は特に接着テープの適用、ダーツのサイドを相互に溶接すること又は縫合により、ダーツで一緒に接合されて3D形状を作り得る。
【0520】
他の形態では、ダーツ付きパネルは、パネルのダーツ付き3D形状に対応する3D金型に配置され得る。次に、1つ又は複数の他のパネルは、ダーツを少なくとも部分的に覆うようにダーツ付きパネルと重ねられ、特に接着剤又は接着テープの使用を含む、本明細書に記載の方法のいずれかによってそれに接合され得る。
【0521】
図39Aは、2つのダーツ9を有する第1のパネル1と、2つの部分2a及び2bにおいて提供された第2のパネル2とを示す。第2のパネル部分2a及び2bは、ヘッドギアを形成するために第1のパネルにオーバーレイされる。
【0522】
図39Aに見られるように、第2のパネル2は、上部ストラップ200の2つの部分を含む。
【0523】
様々な形態において、パネルの一方又は他方は、ストラップ301~304又は200の1つ又は複数を完全に又は部分的に画定するための部分を含み得る。
【0524】
図39Aでは、2つの部分2a及び2bで提供されるように示されているが、第2のパネル2は、単一の部分又は3つ以上のピースとして提供され得る。
【0525】
図39Bは、3D形状を形成するためにダーツ9が閉じられた第1のパネル1の図を示し、第1のパネルは、第2のパネル2の2つの部分2a、2bによって重ねられる。
図39Bに見られるように、第2のパネルの第2の部分2bは、ダーツの上に重なるような大きさ及び形状である。
【0526】
第2の部分2bは、ダーツ9を覆ってそれらを視覚的に不明瞭にし、ヘッドギアのその側でシームレスな表面を提示し得る。
【0527】
第2の部分2bは、第2の部分2bの第1のパネル1への結合により、ダーツ9を閉じた位置に保持することを少なくとも部分的に支援し得る。
【0528】
図39Bでは、閉じたダーツの上に重なるように示されているが、第1のパネル1に重なるパネルは、ダーツの1つ又は複数の一部又は全部に重ならなくてもよい。
【0529】
ダーツが他のパネルによって重ねられない場合、それらは、先に記載したダーツ閉鎖方法の1つによってなど、閉鎖された状態に固定され得る。
【0530】
図39Bに見られるように、第2のパネル部分2a及び2bは、第1のパネル1上で3D形状をとり、3D形状を有するヘッドギア10を画定する。ダーツがないパネルがスムーズに3D形状をとることを確実にするために、パネルは、少なくとも相対的に伸展可能であるように選択され得る。
【0531】
いくつかの態様では、
図39Bの第2のパネル2などのダーツ付きパネルに重なるパネルは、最小限のしわ又は全くしわのない状態でダーツ付きパネルの形状に適合するように伸縮性材料のものであり得る。
【0532】
図39Cは、3Dヘッドギア10の別の図を示す。
図39Cの構成では、2つの上部ストラップ部分200の位置は、
図39Bのヘッドギア10のものと入れ替わっている。
【0533】
図39Cに見られるように、第1のパネル1のダーツ9は、ヘッドギアが、患者の頭部の後部の形状に対応し得るような、その後方部分100において内側に凹んだ表面を有するようにするためのものである。
【0534】
図37~
図39Cでは、第2のパネル2は、第1のパネル1が凸形状を有するヘッドギアの外部側で第1のパネル1に重ねられるように示されているが、第2のパネルは、代わりに、ヘッドギアの内面に重ねられ得ることが理解されるであろう。同様に、第1のパネル1の両側が他のパネルによって完全に又は部分的に重ねられ得る。
【0535】
図39A~
図39Cに示されるものなど、ダーツを付けられたパネルは、ダーツのない1つ又は複数のパネルでオーバーレイされ得る。
【0536】
他の形態では、複数のダーツ付きパネルが互いにオーバーレイされ得る。
【0537】
複数のダーツ付きパネルが互いにオーバーレイされる場合、それらは、パネルが所望の重ねられた配置にあるとき、それらのダーツの1つ又は複数が互いに整列するようにダーツを付けられ得る。
【0538】
複数のダーツ付きパネルが互いにオーバーレイされるいくつかの形態では、それらのダーツの少なくとも一部又は全部が互いに整列しなくてもよい。これは、ヘッドギアの強度を相対的に高め得る。パネルのダーツでの接合により、継ぎ目又は厚みが増加する領域が生じる場合、これは、ヘッドギアの厚みの減少を提供し得る。
【0539】
ダーツ付きのパネルは、ダーツを閉じたときに変形する。パネルが伸展可能である場合、そのダーツ付けの結果としてのパネルの変形の少なくとも一部又は全部は、3D形状を形成するために、面外ではなく、面内で経験され得る。
【0540】
したがって、ヘッドギアにおける少なくとも1つのダーツ付きパネルは、そのダーツ付けに起因して所望の量の面外変形が生じることを確実にするために、制限された伸展性のものであり得る。
【0541】
図37~
図39Cでは、2つのダーツ9を有する第1のパネル1を含むものとして示されているが、1つ又は複数のパネルは、ヘッドギアの所望の3D形状を可能にするような1つ又は複数のダーツを含み得ることが理解されるであろう。ダーツは、例えば、
図37のパネル1に図示されるよりもパネル内にさらに延在するか又はそれより少ない程度に延在するかのいずれかであり得る。ダーツは、それらの隣接する側部間の角度が相対的に小さいか又は相対的に大きくてもよい。これらのパラメータは、特に患者の頭部の形状に対応する形状を含む、ヘッドギアに所望の形状を提供するように構成され得る。
【0542】
他の形態では、3D形状を形成する1つ又は複数のパネルは、隣接する縁を合わせると3D形状が形成される複数のピースで提供され得る。
【0543】
図37~
図39Cに示されるように、ダーツは、パネルに形成されたテーパー状のスロットであり得る。先に記載したように、ダーツは、パネルに形成されたテーパー状の折り目でもあり得、ここで、テーパー領域内の材料は、スロットを画定するために除去されない。
【0544】
より一般的には、ダーツは、パネルの表面に対して垂直又は実質的に垂直な軸を中心とした、パネルの別の部分に対するパネルの一部の任意の面内回転によって提供され得る。
【0545】
このような回転は、
図37~
図39Cのダーツ9により、それらが閉じられるとき、パネル1の横方向部分がパネルの中央部分に向かって互いに相対的に回転されるときに提供される。
【0546】
同じパネルの別の部分に対するパネルの部分の面内回転は、パネルに形成された1つ又は複数のスロット状ダーツを閉じることによって影響を受け得るが、これは、異なるパネル又はパネル部分の縁を接合することによっても提供され得る。
【0547】
この例は、第1のパネル1が3つの部分1a~1cで提供される
図40で見られる。部分1a~1cのそれぞれの形状は、パネルの1つ又は複数の部分の変形を引き起こすことなく、それらの縁部421~428を全て一緒にすることができないようなものである。
【0548】
それらの隣接する縁部421~428が互いに整列されると、パネル部分の1つ又は複数が3D形状に変形される。
【0549】
隣接する縁部421~428が一緒にされるときの
図40のパネル部分1a~1cの3D形状は、
図38A及び
図38Bのものなどのテーパー状スロットによって画定されるダーツを有するパネルによって提供され得るのと同じ3Dパネル形状を提供するために、各縁部の長さ及び互いに対する角度の制御によって構成され得る。
【0550】
前述の記載は、パネルを一緒に重ねる様々な一般的概念と、そのような重ねられたパネルによって形成されたヘッドギアの特定の実施形態の様々な特徴とに言及したが、一般的概念又は特定の実施形態の特徴のいずれも、ヘッドギアを提供する多数の異なる方法で組み合わされ得ることが理解されるであろう。
【0551】
本開示の様々な態様によれば、それぞれが別のパネルと少なくとも部分的に重ねられ、接着剤によってそれらの重なりで一緒に結合される複数のパネルを含むヘッドギアは、他の方法によって形成されるヘッドギアと比較して低減された重量を有し得る。
【0552】
本開示によるヘッドギアは、約30g未満の重量、約20g未満の重量又は約10g未満の重量を有し得る。
【0553】
特に、本開示によるヘッドギア10の様々な実施形態は、約17.5g~約27.5g、より特に約25gの重量を有し得る。
【0554】
一例として、
図18A~
図19Bに関連して示され、記載された実施形態のヘッドギア10は、約10g~約30gの重量を有し得る。より特に、
図18A~
図19Bの実施形態のヘッドギア10は、約20gの重量を有し得る。
【国際調査報告】