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特表2023-528287印刷技術のための長さ切断ドクターブレードバンド
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-04
(54)【発明の名称】印刷技術のための長さ切断ドクターブレードバンド
(51)【国際特許分類】
   B41F 9/10 20060101AFI20230627BHJP
   B23K 26/364 20140101ALI20230627BHJP
   B23K 26/00 20140101ALI20230627BHJP
【FI】
B41F9/10
B23K26/364
B23K26/00 G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022571201
(86)(22)【出願日】2021-03-22
(85)【翻訳文提出日】2023-01-05
(86)【国際出願番号】 EP2021057303
(87)【国際公開番号】W WO2021233591
(87)【国際公開日】2021-11-25
(31)【優先権主張番号】20175462.9
(32)【優先日】2020-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522452802
【氏名又は名称】ダトワイラー スイステック アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ミシェル、マルタン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァイス、ぺーター
【テーマコード(参考)】
2C034
4E168
【Fターム(参考)】
2C034CA02
2C034CA04
4E168AD02
4E168AD18
4E168CB04
4E168CB07
4E168DA02
4E168DA03
4E168DA04
4E168DA28
4E168DA32
4E168EA15
4E168JA02
4E168JA17
4E168JA25
4E168JA28
(57)【要約】
印刷技術、特にグラビア印刷、フレキソ印刷および/またはスクリーン印刷用の個々のドクターブレード(200.1,200.2,200.3)を切断するためのドクターブレードバンド(100、100’)であって、ドクターブレードバンドは、長手方向に形成された作業刃領域(102)を有する平坦で細長い基体(101;301;401)を含み、ドクターブレードバンドが、長手方向(L)に対して横方向に、長手方向(L)に沿って所定の間隔(A)で続く連続した所定の破断点(110.1,110.2,110.3;310;410)を有することを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷技術用の個々のドクターブレード(200.1,200.2,200.3)、特にグラビア印刷、フレキソ印刷および/またはスクリーン印刷用のドクターブレードを切断するためのドクターブレードバンド(100、100’)であって、前記ドクターブレードバンドは、長手方向に形成された作業刃領域(102)を有する平坦で細長い基体(101;301;401)を含み、前記ドクターブレードバンド(100)が、前記長手方向(L)に対して横方向に、前記長手方向(L)に沿って所定の間隔(A)で続く連続した所定の破断点(110.1,110.2,110.3;310;410)を有することを特徴とする、ドクターブレードバンド。
【請求項2】
前記所定の破断点(110.1,110.2,110.3;310;410)が、前記ドクターブレードバンドの前記全幅(B)にわたる破断挙動に対して前記ドクターブレードバンド(100)が実質的に均一に弱められるように、前記ドクターブレードバンドの全幅(B)にわたって延在している、請求項1に記載のドクターブレードバンド。
【請求項3】
前記ドクターブレードバンド(100)が、前記所定の破断点(110.1,110.2,110.3;310;410)の領域に穿孔を有さない、請求項1または2に記載のドクターブレードバンド。
【請求項4】
前記所定の破断点(310;410)における前記ドクターブレードバンドの前記材料が、いずれの場合も、前記長手方向において前記所定の破断点に隣接する前記ドクターブレードバンドの領域とは少なくとも部分的に異なる結晶粒構造、微細構造、硬度および/または脆性を有する、請求項1から3の少なくとも一項に記載のドクターブレードバンド。
【請求項5】
前記所定の破断点が、前記長手方向(L)に対して横方向に延在する連続溝(110.1,110.2,110.3;310)を含む、請求項1から4の少なくとも一項に記載のドクターブレードバンド。
【請求項6】
前記溝(110.1,110.2,110.3;310)が、深さが増すにつれて幅が狭くなる、請求項5に記載のドクターブレードバンド。
【請求項7】
前記溝(110.1,110.2,110.3;310)が、前記ドクターブレードバンドの厚さ(D)の20~80%、特に35~65%の深さを有する、請求項5または6に記載のドクターブレードバンド。
【請求項8】
前記溝表面(311)に隣接する刃領域(312)の前記ドクターブレードバンドが、いずれの場合も、前記基体(301)のさらに内側にある前記ドクターブレードバンドの内側領域とは異なる結晶粒構造、微細構造、硬度および/または脆性を有し、特に前記刃領域(312)および前記内側領域も同じ材料から成る、請求項5から7の少なくとも一項に記載のドクターブレードバンド。
【請求項9】
前記刃領域(312)が、1~50μm、特に5~25μmの厚さを有する、請求項8に記載のドクターブレードバンド。
【請求項10】
前記所定の破断点(110.1,110.2,110.3;310;410)、特に前記溝が、レーザ加工によって生成される、請求項1から9の少なくとも一項に記載のドクターブレードバンド。
【請求項11】
前記ドクターブレードバンド(100)が鋼製の基体(101;301;401)を含み、任意選択的に少なくとも前記作業刃(102)の領域に1つまたは複数のコーティングが存在する、請求項1から10の少なくとも一項に記載のドクターブレードバンド。
【請求項12】
前記ドクターブレードバンド(100)が、0.05~0.35mm、特に0.15~0.3mmの厚さ(D)を有する、請求項1から11の少なくとも一項に記載のドクターブレードバンド。
【請求項13】
前記ドクターブレードバンドが、ロールとして、好ましくは前記ドクターブレードバンド(100’)を取り外すための開口部(21)を有する容器(20)内に存在する、請求項1から12の少なくとも一項に記載のドクターブレードバンド。
【請求項14】
加工されるべきドクターブレードバンド(100、100’)が提供され、連続した所定の破断点(110.1,110.2,110.3;310;410)、特に長手方向(L)に対して横方向に延びる連続した溝が、長手方向(L)に沿って所定の間隔(A)で前記ドクターブレードバンドに導入されることを特徴とする、請求項1から13の少なくとも一項に記載のドクターブレードバンドを製造する方法。
【請求項15】
前記ドクターブレードバンド(100)が、前記所定の破断点(110.1,110.2,110.3;310;410)の挿入中に前記長手方向(L)に連続的に、特に一定速度で移動することを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記所定の破断点(110.1,110.2,110.3;310;410)が、レーザ光ビーム(15)によるレーザ加工によって導入されることを特徴とする、請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
前記ドクターブレードバンド上の前記レーザ光ビーム(15)の焦点が、加工中に長手方向およびそれに垂直な方向の両方に移動することを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記レーザ光ビーム(15)の前記出力が、(i)前記ドクターブレードバンドの前記結晶粒構造および/または微細構造が前記所定の破断点で変化し、(ii)前記所定の破断点の領域で硬度および/または脆性の増加が生じ、および/または(iii)材料除去によって前記長手方向(L)に対して横方向に延びる連続溝(110.1,110.2,110.3;310)が生成されるように制御されることを特徴とする、請求項16または17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷技術のための個々のドクターブレード、特にグラビア印刷、フレキソ印刷および/またはスクリーン印刷のためのドクターブレードを長さに切断するためのドクターブレードバンドに関する。さらに、本発明は、そのようなドクターブレードバンドを製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ドクターブレードは、印刷シリンダおよび印刷ローラの表面から余分な印刷インクを掻き取るための印刷技術において使用される。そのようなドクターブレードは、通常、特別な形状の作業刃を有する鋼製基体に基づいている。
【0003】
特にグラビア印刷およびフレキソ印刷では、ドクターブレードの品質が印刷結果に決定的な影響を及ぼす。印刷シリンダと直接接触しているドクターブレードの不均一または不規則な作業刃は、例えば、印刷シリンダのウェブからの印刷インクの不完全な拭き取りにつながる。これは、印刷基材上への印刷インクの制御されない放出をもたらし得る。したがって、印刷技術のためのドクターブレードは、非常に正確に製造され、印刷技術の特別な要件に適合されなければならない。
【0004】
ドクターブレードは、動作中に絶えず摩耗するため、一定期間の使用後に交換しなければならない。したがって、ドクターブレードは、ロールアップドクターブレードバンドまたはいわゆるエンドレスバンドの形態の半製品として提供されることが多い。新しいドクターブレードが必要な場合、ドクターブレードバンドから必要な長さに切断し、印刷機に取り付けることができる。
【0005】
ドクターブレードを交換する際の長さへの切断を容易にし、エンドユーザの作業を簡単にするために、個々のドクターブレードを必要な長さに事前に切断し、次いで、それらを粘着テープのストリップで面端部で互いに再接続し、それらを巻き取ってドクターブレードバンドを形成することが知られている。次いで、必要に応じて、粘着テープストリップを後続のドクターブレードに取り外すことによって、個々のドクターブレードをドクターブレードバンドから比較的容易に分離することができる。これにより、エンドユーザは、ドクターブレードバンドを正しい長さに切断またはトリミングする必要がなくなる。
【0006】
しかしながら、製造に関して、これは、関与する追加のプロセスステップのために比較的高価な解決策である。
【0007】
したがって、上述の欠点を有さない改善された解決策が依然として必要とされている。
【発明の概要】
【0008】
したがって、本発明の目的は、印刷技術において摩耗したドクターブレードを交換するための改善された解決策を提供することである。特に、可能な限り効率的に製造することができ、個々のドクターブレードを長さに切断または容易に分離することを可能にする、印刷技術用のドクターブレードを長さに切断するためのドクターブレードバンドが提供されるべきである。特に、これは、切断中にドクターブレードの品質が損なわれず、エンドユーザの安全が保証されるように行われる。
【0009】
この目的は、請求項1に記載のドクターブレードバンドおよび請求項14に記載のドクターブレードバンドの製造方法によって解決される。
【0010】
したがって、第1の態様によれば、本発明は、印刷技術のための個々のドクターブレード、特にグラビア印刷、フレキソ印刷および/またはスクリーン印刷のためのドクターブレードを長さに切断するためのドクターブレードバンドであって、ドクターブレードバンドが、長手方向に形成された作業刃領域を有する平坦で細長い基体を含み、ドクターブレードバンドが、長手方向に対して横方向に、長手方向に沿って所定の間隔で続く連続した所定の破断点を有することを特徴とする、ドクターブレードバンドに関する。
【0011】
ドクターブレードバンドまたはそこから得られる個々のドクターブレードは、印刷シリンダ、アニロックスローラおよび/またはインキングローラから印刷インクをドクターイングするように設計されている。
【0012】
図示するように、本発明に従って導入された所定の破断点は、個々のドクターブレードを単に座屈することによって分離または切断して、明確に画定された破断縁部を形成することを可能にする。個々のドクターブレードの特性および品質は、長さに対する切断中に損なわれない。特に、ドクターブレードは、特に重要な作業刃領域では変形も損傷もされない。さらに、破断縁部は、エンドユーザが怪我をする大きなリスクがないようなものである。
【0013】
これは、連続した所定の破断点の代わりにいくつかの離間した穿孔のみを有する試験的に製造されたドクターブレードバンドとは対照的である。この場合、座屈による長さへの切断中にあまり明確に画定されていない破断縁部が生成され、これも尖った鋭利な領域を有していた。したがって、そのようなドクターブレードによる損傷のかなりの危険性があり、個々のドクターブレードの品質は、長さに切断中に損なわれる可能性がある。
【0014】
印刷技術のためのドクターブレードは、他のブレードと比較して比較的薄い。典型的には、印刷技術用のドクターブレードは0.4mm未満の厚さを有する。さらに、印刷技術用のドクターブレードは、印刷シリンダまたはローラと直接接触するため、特定の精度で製造されなければならない。
【0015】
特に、ドクターブレードバンドは、0.05~0.35mm、特に0.15から0.3mmの厚さを有する。これにより、印刷技術用のドクターブレードは、典型的な用途に適したものになる。同時に、そのような厚さで、十分に規定された所定の破断点を、印刷技術用のドクターブレードに通常使用される材料からなるドクターブレードバンドに、信頼性が高く効率的な方法で導入することができ、手で曲げて長さに切断することができる。
【0016】
所定の破断点間の距離は、特に10cm~5m、特に20cm~2mである。しかしながら、他の距離も可能である。
【0017】
ドクターブレードバンドの断面積は、長方形であってもよく、または断面積は、長方形から逸脱した形状を有する。後者は、例えば、ドクターブレードバンドが構造化の目的で研削される場合に当てはまる。
【0018】
特に、ドクターブレードバンドの作業刃は、研削仕上げを有する。好ましくは、作業刃は、1つまたは複数の段階で自由端に向かって先細にされ、先細くさび形状に面取りされ、面取りされ、および/または丸みを帯びている。異なる接地仕上げを互いに組み合わせることもできる。例えば、作業刃は、自由端に向かって1つまたは複数の段階で先細にすることができ、同時に自由端で傾斜させることができる。
【0019】
したがって、ドクターブレードバンドは、例えば、ラメラ状ドクターブレードバンド、ウェッジグラインドドクターブレードバンド、面取りドクターブレードバンドおよび/または丸みを帯びたドクターブレードバンドである。
【0020】
これに関連して、「所定の破断点」という用語は、その構造、形状および/または材料特性に起因して負荷下で予測可能に破損するドクターブレードバンドの領域を指す。
【0021】
「長手方向に対して横方向」という表現は、この場合、所定の破断点が、ドクターブレードバンドの長手方向に対してほぼ垂直な方向、特に80~90°、好ましくは90°の角度で延在することを意味する。
【0022】
所定の破断点は連続的であり、これは、特に途切れることなくドクターブレードバンドの全幅にわたって延在することを意味する。好ましくは、所定の破断点は直線状に延在する。
【0023】
この場合のドクターブレードバンドの長さは、通常通り、特に、最も長い延長部の方向に沿って測定されたドクターブレードバンドの寸法に対応する。ドクターブレードバンドの幅は、通常通り、特に、ドクターブレードの作業刃とは反対側のドクターブレードの後刃から作業刃まで延在する長さに垂直なドクターブレードバンドの寸法である。ドクターブレードバンドの厚さは、通常のように、ドクターブレードバンドの上側からその下側まで延在する長さおよび幅に垂直なドクターブレードバンドの範囲を特に表す。特に、上側および下側は、ドクターブレードバンドの2つの最大表面を形成する。
【0024】
典型的には、ドクターブレードバンドの長さは、ドクターブレードバンドの幅よりも大きい。同様に、典型的には、ドクターブレードバンドの幅は、ドクターブレードバンドの厚さよりも大きい。
【0025】
例えば、ドクターブレードバンドの厚さは、0.03~1mm、好ましくは0.1~0.6mmである。ドクターブレードバンドの幅は、特に、5~100mm、好ましくは8~80mmである。ドクターブレードバンドの長さは、例えば、1~150m、好ましくは25~100mである。
【0026】
特に好ましくは、ドクターブレードバンドは、所定の破断点の領域に穿孔を有さない。これにより、粗いまたは未画定の破断縁部の形成が防止される。しかしながら、特別な用途では、所定の破断点の領域に1つまたは複数の穿孔を設けることも可能である。
【0027】
好ましくは、所定の破断点は、ドクターブレードバンドの全幅にわたる破断挙動に対してドクターブレードバンドが実質的に均一に弱められるように、ドクターブレードバンドの全幅にわたって延在する。
【0028】
特定の実施形態によれば、所定の破断点におけるドクターブレードバンドの材料は、長手方向において所定の破断点に隣接するドクターブレードバンドの領域とは少なくとも部分的に異なる結晶粒組織および/または微細構造を有する。これは、所定の破断点の全長にわたって特に当てはまる。所定の破断点の長さは、ドクターブレードバンドの幅方向に測定される。特に、所定の破断点は、長手方向において所定の破断点に隣接するドクターブレードバンドの領域および/またはドクターブレードバンドの他の領域と同じ材料で作られる。
【0029】
特に、所定の破断点におけるドクターブレードバンドの材料は、長手方向において所定の破断点に隣接するドクターブレードバンドの領域よりも少なくとも部分的に高い硬度および/または脆性を有する。これは、所定の破断点の全長にわたって特に当てはまる。特に、所定の破断点は、長手方向において所定の破断点に隣接するドクターブレードバンドの領域および/またはドクターブレードバンドの他の領域と同じ材料で作られる。
【0030】
「硬度」という用語は、ここでは、規格DIN EN ISO 6507-1:2018~-4:2018に従って測定されたビッカース硬度を指すために使用される。
【0031】
特に、異なる結晶粒組織および/または微細構造を有する所定の破断点の領域および/またはより高い硬度および/または脆性を有する所定の破断点の領域は、所定の破断点の厚さ全体にわたってドクターブレードバンドの厚さ方向に延在する。しかしながら、これらの領域が厚さの一部のみにわたって延在することも可能である。
【0032】
特に、ドクターブレードバンドの長手方向に測定した所定の破断点の幅は、25から800μm、特に100から500μmである。
【0033】
特に、所定の破断点はそれぞれ熱影響領域を有するか、またはそれらからなる。熱影響領域は、ドクターブレード本体に所定の破断点を導入するときの適切な条件によって、例えば、レーザ加工中のプロセスパラメータの適切な選択によって形成することができる。
【0034】
好ましい実施形態では、ドクターブレードバンドは、ドクターブレードバンドの全幅に沿った所定の破断点の領域において実質的に一定の材料厚さを有する。言い換えれば、この場合、所定の破断点における材料の厚さは、本質的に一定であるか、または同じ厚さである。これは、長さに切断するときに特にきれいな破断縁部を得ることができることを意味する。
【0035】
しかしながら、原則として、これが好都合であれば、所定の破断点の領域においてドクターブレードバンドの幅に沿って変化する材料の厚さを提供することも可能である。
【0036】
所定の破断点の厚さまたは材料の厚さは、長手方向において所定の破断点に隣接する領域におけるドクターブレードバンドの厚さまたは材料の厚さと本質的に同じであり得る。この場合、所定の破断点における破断挙動は、例えば、所定の破断点における材料特性によって制御することができる。
【0037】
特に好ましくは、所定の破断点は、長手方向に対して横方向に延在する連続溝を有する。したがって、溝の領域では、ドクターブレードバンドは先細になり、したがって弱くなる。
【0038】
溝は連続的であり、これは、溝がドクターブレードバンドの全幅にわたって延在し、特に両端面で開口していることを意味する。好ましくは、溝は直線状に延在する。
【0039】
特に、溝は、ドクターブレードバンドの幅方向に一定の断面積を有することができる。しかしながら、原理的には、様々な断面積も可能である。後者は、例えば、ラメラ状ドクターブレードなどの特別に成形されたドクターブレードバンドの場合、所定の破断点の領域の材料厚さを一定に保つことができるため、有利であり得る。
【0040】
特に好ましくは、ドクターブレードバンドは、溝の領域に穿孔を有さない。これにより、粗いまたは未定義の破断縁部の形成が低減または防止される。
【0041】
しかしながら、特別な用途では、溝の領域に1つまたは複数の穿孔を設けることも可能である。
【0042】
好ましい実施形態によれば、溝は深さが増すにつれて幅が減少する。溝の幅はドクターブレードバンドの長手方向に測定される。このようにして、座屈によって長さに切断するときに明確に画定された破断縁部が得られる。
【0043】
特に、溝は、U字形またはV字形の断面積を有する。これが最適な形状であることが判明した。
【0044】
しかしながら、他の断面積、例えば矩形断面積を有する溝も可能である。
【0045】
特に好ましくは、溝は、ドクターブレードバンドの厚さの20~80%、特に35~65%の深さを有する。これにより、良好な座屈特性および印刷技術用のドクターブレードに使用されるほとんどの材料でのきれいな破断縁部が得られる。
【0046】
特に、溝は、20~150μm、特に25~90μmの深さを有する。これは、ドクターブレードが鋼製の基体を有する場合に特に当てはまる。
【0047】
特に好ましくは、最も広い領域の溝は、ドクターブレードバンドの長手方向に測定して20μm~500μm、特に50μm~200μmの幅を有する。これは、ドクターブレードが鋼製の基体を有する場合に特に当てはまる。
【0048】
特に、ドクターブレードバンドは、溝表面に隣接する刃領域において、基体のさらに内側に位置するドクターブレードバンドの内側領域とは異なる結晶粒構造および/または微細構造を有する。特に、刃領域および内側領域の両方は、同じ材料で作られる。
【0049】
特に、刃領域は熱影響領域である。熱影響領域は、ドクターブレード本体に溝を導入するときの適切な条件によって、例えばレーザ加工中のプロセスパラメータの適切な選択によって形成することができる。
【0050】
さらなる有利な実施形態によれば、ドクターブレードバンドは、溝表面に隣接する刃領域において、基体のさらに内側に位置するドクターブレードバンドの内側領域よりも高い硬度および/または脆性を有する。特に、刃領域および内側領域の両方は、同じ材料で作られる。
【0051】
刃領域は、好ましくは、それぞれの溝の深さの5~60%、特に20~50%の厚さを有する。
【0052】
特に、刃領域は、1~50μm、特に5~30μmの厚さを有する。これは、ドクターブレードが鋼製の基体を有する場合に特に当てはまる。
【0053】
特別な刃領域は、所定の破断点における破断挙動を具体的に改善するために使用することができ、その結果、破断縁部がさらに良好に画定されるか、またはよりきれいになる。
【0054】
刃領域は、例えば、高光沢に研磨され、反射光学顕微鏡下で検査される研磨部分を調製することによって特徴付けることができる。対応する方法は当業者に公知である。
【0055】
さらなる実施形態では、所定の破断点、特に溝は、ドクターブレードバンドの表面を越えて突出する突起、特にリブ状突起を有する。これにより、所定の破断点を触覚的に配置することができ、長さに対する切断が簡単になる。
【0056】
特に、突起は、所定の破断点、特に溝と、それに隣接するドクターブレードバンドの領域との間の移行部に配置される。
【0057】
特に、所定の破断点、特に溝の両側に、ドクターブレード本体の全幅に沿って延在するリブ状突起が長手方向に存在する。
【0058】
さらなる有利な実施形態によれば、ドクターブレードバンドの下側およびドクターブレードバンドの上側の両方に突起、特にリブ状突起が存在する。
【0059】
ドクターブレードバンドの基体は、特に金属、プラスチックおよび/または複合材料で作られる。特に、それは鋼、熱可塑性材料、熱硬化性材料および/または繊維強化プラスチックである。
【0060】
特に好ましくは、基体は、金属、特に鋼を含むかまたはそれからなる。鋼は、例えば、炭素鋼またはステンレス鋼であり得る。
【0061】
さらなる有利な実施形態によれば、ドクターブレードバンドは、少なくとも作業刃の領域に1つまたは複数のコーティングを有する。1つまたは複数のコーティングは、特に、基体とは異なる材料からなる。特に、コーティングの材料は、基体の材料とは化学組成が異なる。
【0062】
例えば、1つまたは複数のコーティングは、摩耗低減コーティングおよび/または摩擦低減コーティングである。例えば、コーティングは、金属コーティング、硬質材料コーティング、セラミックコーティング、またはポリマーコーティングであってもよい。そのようなコーティングは、特定の用途のためにドクターブレードをさらにカスタマイズするために使用することができる。
【0063】
好ましくは、所定の破断点、特に溝は、レーザ加工によって生成された所定の破断点である。レーザ加工の場合、加工は、ドクターブレードバンド上の加工される領域に向けられたレーザ光ビームによって行われ、レーザ光とドクターブレードバンドの材料との相互作用により、それぞれ局所的な材料の改質および/または材料の除去またはアブレーションを引き起こす。
【0064】
レーザ加工は、特に有利な方法であることが判明している。一方で、所定の破断点、特に溝は、特に効率的な方法で、異なる寸法、形状および/または断面プロファイルでレーザ加工によって導入することができる。一方、レーザ加工は、プロセスパラメータの適切な選択により、上述のような特殊な刃領域を有する溝を直接生成できるという利点を有する。
【0065】
ドクターブレードバンドは、レーザ加工中に純粋にレーザ光によって加工され、したがって物理的な工具(ミリングなどにおいて)または物質(例えばエッチングにおいて)と相互作用しないため、工具または物質からの摩耗材料によるドクターブレードバンドの汚染のリスクも防止することができる。これは、印刷技術用のドクターブレードの場合に重要であり、その理由は、作業刃の領域のわずかな汚染でさえも品質の著しい損失につながる可能性があるためである。
【0066】
レーザ加工をどのように実行するかについてのさらなる詳細は、本発明による方法に関連して後に見出すことができる。
【0067】
ドクターブレードバンドは、好ましくはロールの形態であり、特にドクターブレードバンドを取り外すための開口部を有する容器内にある。これにより、ドクターブレードバンドを省スペースで搬送して保管することができる。容器が使用される場合、ドクターブレードバンドはまた、損傷および汚染から保護することができ、容易に取り外し、開口部を通って長さに切断することができる。
【0068】
本発明の第2の態様は、個々のドクターブレードを印刷技術のための長さに切断するためのドクターブレードバンドを製造するための方法に関し、加工されるべきドクターブレードバンドが提供され、連続した所定の破断点、特に長手方向に対して横方向に延在する連続した溝が、長手方向に沿って所定の間隔で前記バンドに導入される。
【0069】
加工されるドクターブレードバンドは、好ましくは、金属、プラスチックおよび/または複合材料で作られた基体を有する。特に、それは鋼、熱可塑性材料、熱硬化性材料および/または繊維強化プラスチックである。鋼、例えば炭素鋼またはステンレス鋼が特に好ましい。
【0070】
特に、このプロセスは、ドクターブレードバンドが上述したように、好ましくは任意選択として上述した特徴のうちの1つまたは複数を有するように行われる。
【0071】
特に好ましい実施形態によれば、ドクターブレードバンドは、所定の破断点、特に溝の挿入中に、長手方向に連続的に、好ましくは一定速度で移動される。速度は、特に1~100m/分、好ましくは10~50m/分である。これにより、ドクターブレードバンドの極めて効率的な加工が可能になる。
【0072】
この場合、所定の破断点を導入するために使用される工具は、加工中に断面において長手方向に沿って移動することができ、それにより、横方向に延在する所定の破断点、特に溝をドクターブレードバンドの移動にもかかわらずドクターブレードバンドに導入することができる。
【0073】
特に好ましい実施形態によれば、所定の破断点、特に溝は、レーザ光ビームによるレーザ加工によって導入される。この点における利点は、本発明によるドクターブレードバンドに関連して既に上述されている。
【0074】
特に、レーザ光は、連続レーザ光またはパルスレーザ光である。「連続波レーザ光、」とも呼ばれる連続レーザ光ビームは、経時的に一定の強度を有する光波からなる。パルス光レーザビームは光波の脈動強度を有する。対応するレーザ加工システムは、当業者にそれ自体知られている。
【0075】
レーザ光の移動は、レーザビームを一次元に偏向し集束させるためのX個の偏向ユニット、またはレーザビームを2次元に偏向し集束させるためのXY偏向ユニットによるレーザ加工において達成することができる。例えば、ミラーを備えたいわゆるガルバノメータスキャナが適している。
【0076】
レーザ加工中のレーザ光ビームの出力は、好ましくは5~100W、特に30~70Wである。これにより、鋼などのドクターブレードに通常使用される材料を良好に加工することができる。しかしながら、他の材料または特殊なドクターブレードの場合、より低いまたはより高い出力も適切であり得る。
【0077】
特に好ましくは、レーザ光の光は、UV光、可視光または赤外線である。例えば、光の波長は、150nm~3μm、好ましくは400nm~2.5μm、より具体的には500nm~1.5μmの範囲である。
【0078】
ドクターブレードへの衝突点におけるレーザ光鋼の焦点径は、有利には1から100μm、特に30から70μmである。これはまた、比較的微細な所定の破断点、特に溝を形成することを可能にする。
【0079】
好ましくは、ドクターブレードバンドは、所定の破断点の挿入中に長手方向に連続的に、特に一定速度で移動され、同時に、ドクターブレードバンド上のレーザ光ビームの焦点は、加工中に長手方向およびそれに対して垂直の両方に移動される。これにより、対応する偏向ユニットによってレーザ光ビームを極めて迅速かつ正確に移動させることができるため、非常に高いスループットを達成することが可能になる。
【0080】
レーザ加工中のプロセスパラメータ、特にレーザ光ビームの出力および移動は、特に材料特性が変更され、および/または材料除去結果が得られるように制御される。
【0081】
特に、材料特性が変化すると、結晶粒組織、微細構造、硬度および/または脆性が変化する。
【0082】
特に、材料除去の結果として溝が形成される。
【0083】
特に有利な実施形態によれば、レーザ加工中のプロセスパラメータ、特にレーザ光ビームの出力および移動は、両方の溝が形成されると同時に、ドクターブレードバンドの結晶粒構造、微細構造、硬度および/または脆性が溝の刃領域で変化するように制御される。
【0084】
有利な実施形態によれば、プロセスパラメータは、ドクターブレードの変形が低減または防止されるようにレーザ加工中に制御される。
【0085】
好ましくは、プロセスは制御ユニットによって制御される。特に、制御ユニットは、レーザ光ビームの移動、ドクターブレードバンドの移動、および/またはレーザ光ビームの出力を制御する。
【0086】
特に、ドクターブレードバンドは、溝が形成された後に巻き上げられ、好ましくは容器に包装される。
【0087】
本発明のさらなる有利な実施形態および特徴の組み合わせは、以下の詳細な説明および特許請求の範囲全体から生じる。
【0088】
実施形態を説明するために使用される図面は、以下を示す。
【図面の簡単な説明】
【0089】
図1】ドクターブレードバンドを側面から連続的にレーザ加工するための装置を示す図である。
図2図1の装置で加工されたV字形の連続溝を有するバンド部の概略上面図である。
図3図2の加工済バンド部の概略側面図である。
図4図2および図3からの可動ドクターブレードバンドへの溝の挿入中のレーザ光ビームの誘導を示す図である。
図5】左側は、スリット状の除去開口部を有するドクターブレードボックス内の巻き取られた形態の完成したドクターブレードバンドを示す図である。右側は、ドクターブレードバンドからの個々のドクターブレードの切断を概略的に示す図である。
図6】レーザ加工によって作られたU字形溝の領域における鋼製ドクターブレードバンドの顕微鏡写真を示す図である。
図7】変化した結晶粒組織および微細構造を有する連続的な熱影響領域の形態でレーザ加工によって導入された所定の破断点の領域における鋼製ドクターブレードバンドの顕微鏡写真を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0090】
原則として、図中、同じ部分には同じ符号が付されている。
【0091】
図1は、ドクターブレードバンド100のレーザ加工のための装置10を側面から示している。図2および図3は、加工済バンド部100cを上面図および側面図で示している。
【0092】
図1において、左側には、第1のスプール11a上にドクターブレードバンドの巻き取りバンド部100aが存在する。ドクターブレードバンド100は、スプール11aから連続的に巻き出され、バンドセンタリング装置12を介してレーザ加工ステーション14を通過してバンド供給装置13を通って第2のスプール11bまで案内される。ドクターブレードバンド100は、基体101と、長手方向Lに延在し、階段状に先細りとなった作業刃102と、を有する(図2を参照)。例えば、長さ50m、幅50mmのラメラ状のドクターブレードバンドであり、例えば厚さ0.15mmの鋼製である。
【0093】
コイル11aとレーザ加工ステーション14との間の領域には、レーザ加工ステーション14に進入し、所定の破断点が連続溝110.1、110.2、110.3(図2および図3を参照)の形態でドクターブレードバンド100の長手方向に対して横方向に走る一定の間隔でレーザ光ビーム15が提供される巻き出されて加工されていないバンド部100bがある。レーザ加工システム14は、レーザビームを空間的に移動させることができる下流ガルバノメータスキャナ14.2を有するレーザ光源14.1、例えばファイバレーザを含む。加工中、ドクターブレードバンドは、例えば30m/分の一定速度でレーザ加工ステーション14を通過して連続的に移動する。制御ユニットは、横溝が形成されるように、レーザ光ビーム15がレーザメータスキャナ14.2によってドクターブレードバンド100上を移動することを確実にする。レーザ光15の光の波長は、例えば1064nmである。
【0094】
ドクターブレードバンド100がレーザ加工ステーション14を通過した後に、加工済バンド部100cは、第2のリール11bに進み、そこで以前に加工され巻き取られたバンド部100dが存在する。
【0095】
図2は、ドクターブレードバンド100の加工済バンド部100cを上面図で示している。ドクターブレードバンド100cの長手方向Lに垂直に、一定の溝断面を有する3つの連続したV字形溝110.1、110.2、110.3が、横方向B(=幅の方向)に平行に延在する。溝は、ドクターブレードバンド100の全幅にわたって直線状に延在し、溝間の距離Aは、例えば50cmである。V字形溝110.1、110.2、110.3は、ドクターブレードバンドを長さに切断することができる所定の破断点を形成する。
【0096】
図3は、ドクターブレードバンド100の加工済バンド部100cを側方から見た上面図を示している。ここで、V字形溝の幅NB(長手方向Lに沿って測定)は例えば250μmであり、深さNT(厚さ方向Dに沿って測定)は例えば50μmである。
【0097】
図4は、2つの溝110.1,110.2が挿入された後に、第3のV字形溝110.3が挿入される直前の様子を示している。レーザ加工装置14が所定の位置に留まっている間、ドクターブレードバンドは一定の速度で(図4の右側に)移動するため、レーザ光の焦点は、ドクターブレードバンドにわたって斜め方向15.1に誘導される。これにより、ドクターブレードバンドが通過するにもかかわらず、長手方向に対して垂直に延在する溝を導入することができる。したがって、加工動作中、レーザ光ビーム15は、長手方向に平行な方向およびそれに垂直な方向の両方に移動される。
【0098】
図5は、左側に、完全に完成したドクターブレードバンド100’を示し、ドクターブレードバンドは、その全長に沿ってその長手方向に対して直角に一定の間隔で延在する溝を有し、ドクターブレードボックス20または容器にそれぞれ巻き取られた形態である。
【0099】
ドクターブレードバンド100’は、スリット状の開口部21を介してドクターブレードボックス21から取り外すことができる。
【0100】
図5は、右側に、2つの個々のドクターブレード200.1、200.2が既に長さに切断されているか、またはドクターブレードバンド100’から分離されており、第3の個々のドクターブレード200.3が溝110.3を座屈させることによってちょうど分離された状況を示している。
【0101】
次いで、このようにして得られた個々のドクターブレードを印刷機で使用して、例えばグラビア印刷またはフレキソ印刷で印刷インクを剥ぎ取ることができる。
【0102】
図6は、レーザ加工によって作られたU字形溝310の領域における鋼製ドクターブレードバンドの顕微鏡写真を示す。鋼製のドクターブレードバンドは、厚さ303が0.15mmの鋼製の基体301を有する。長手方向Lは、図6の左右方向に沿っている。
【0103】
溝310の深さは約52μmであり、上端の幅(長手方向に測定)は約100μmである。溝表面311に隣接する刃領域312(図6に明るく表示されている)は、基体301のより内部の領域と比較して異なる結晶粒組織および微細構造を有するレーザ加工によって生成された熱影響領域である。刃領域312は、約15~30μmの厚さを有する。
【0104】
溝310の両側にはまた、ドクター本体の全幅に沿って延在するリブ状突起313a、313bがある(幅の方向は、図6の画像平面の方向に沿っている)。突起313a、313bは、レーザ加工中に直接生成されたものである。
【0105】
図7は、レーザ加工によって導入された所定の破断点410の領域における鋼製ドクターブレードバンドの顕微鏡写真を示す。鋼製ドクターブレードバンドは、厚さ約0.20mmの鋼製の基体401を有する。図7では、長手方向も水平である。所定の破断点410は、長手方向に隣接する領域(明るい領域)と比較して修正された微細構造を有する熱影響領域として設計される。上側および下側の所定の破断点の領域には、リブ状突起413a、413bが形成されており、ドクターブレードバンドの全幅にわたって延在する。
【0106】
上述の方法およびドクターブレードは、例示的な例としてのみ理解されるべきであり、本発明の範囲内で変更することができる。
【0107】
例えば、例えば丸みを帯びたまたは面取りされた作業刃を有する異なる形状のドクターブレードバンドを使用すること、および/または異なる材料、例えばプラスチックで作られたドクターブレードバンドを提供することが可能である。
【0108】
原則として、ドクターブレードバンド100の加工中に、バンドが加工される点に達するたびにバンドを停止させ、それぞれの溝を挿入し、次いでドクターブレードバンドをさらに移動させることも可能である。この場合、溝の挿入に要するレーザ光15の空間的な一方向への偏向のみで済むため、レーザ加工システムを簡素化することができる。
【0109】
さらに、いくつかのドクターブレードバンドを互いに隣接して平行に走らせ、同じレーザ加工システムで加工することができる。これにより、スループットを向上させることができる。
【0110】
溝110.1、110.2、110.3の断面形状は、原則として、異なるように、例えば長方形または非対称に選択することもできる。同様に、溝の寸法は、必要に応じて特別な材料に適合させることができる。
【0111】
図7のドクターブレードにおける所定の破断点410は、プロセスパラメータがそれに応じて選択される場合、リブ状突起413a、413bなしで生成することができる。図6に示すドクターブレードについても同様である。
【0112】
要約すると、長さ切断ドクターブレードバンドの供給のための新規かつ非常に効率的な解決策が見出されたと言える。このようにして製造されたドクターブレードバンドおよびそこから長さに切断することができる個々のドクターブレードは、高品質であり、特に、印刷技術における印刷インクのドクターイングに完全に適している。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】