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特表2023-528292脆弱X関連障害の処置のためのmaxi-Kカリウムチャネルオープナー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-04
(54)【発明の名称】脆弱X関連障害の処置のためのmaxi-Kカリウムチャネルオープナー
(51)【国際特許分類】
   C07D 209/34 20060101AFI20230627BHJP
   A61K 31/403 20060101ALI20230627BHJP
   C07D 209/54 20060101ALI20230627BHJP
   C07D 491/107 20060101ALI20230627BHJP
   A61K 31/407 20060101ALI20230627BHJP
   C07D 401/04 20060101ALI20230627BHJP
   A61K 31/4439 20060101ALI20230627BHJP
   C07D 471/04 20060101ALI20230627BHJP
   A61K 31/437 20060101ALI20230627BHJP
   C07D 498/04 20060101ALI20230627BHJP
   A61K 31/424 20060101ALI20230627BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20230627BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230627BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20230627BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20230627BHJP
   A61P 11/02 20060101ALI20230627BHJP
   A61P 11/06 20060101ALI20230627BHJP
   A61P 13/02 20060101ALI20230627BHJP
   A61P 21/00 20060101ALI20230627BHJP
   A61P 25/22 20060101ALI20230627BHJP
   A61P 25/08 20060101ALI20230627BHJP
   A61P 25/06 20060101ALI20230627BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20230627BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20230627BHJP
   C07D 403/10 20060101ALI20230627BHJP
   A61P 9/12 20060101ALI20230627BHJP
   A61P 27/06 20060101ALI20230627BHJP
【FI】
C07D209/34 CSP
A61K31/403
C07D209/54
C07D491/107
A61K31/407
C07D401/04
A61K31/4439
C07D471/04 104Z
A61K31/437
C07D498/04 101
A61K31/424
A61P25/00
A61P43/00 111
A61P9/00
A61P11/00
A61P11/02
A61P11/06
A61P13/02
A61P21/00
A61P25/22
A61P25/08
A61P25/06
A61P27/02
A61P3/10
C07D403/10
A61P9/12
A61P27/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022571242
(86)(22)【出願日】2021-05-20
(85)【翻訳文提出日】2023-01-18
(86)【国際出願番号】 EP2021063463
(87)【国際公開番号】W WO2021234084
(87)【国際公開日】2021-11-25
(31)【優先権主張番号】20175820.8
(32)【優先日】2020-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522453119
【氏名又は名称】カエラス・バイオサイエンス・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ロマン・フレク
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・プラウドフット
【テーマコード(参考)】
4C050
4C063
4C065
4C072
4C086
【Fターム(参考)】
4C050AA04
4C050AA07
4C050BB04
4C050CC16
4C050EE01
4C050FF02
4C050GG03
4C050HH01
4C063AA01
4C063BB01
4C063BB06
4C063CC12
4C063CC25
4C063DD06
4C063EE01
4C065AA04
4C065BB04
4C065CC01
4C065DD02
4C065EE02
4C065HH03
4C065JJ01
4C065KK02
4C065KK04
4C065LL04
4C065PP03
4C072AA01
4C072BB02
4C072CC02
4C072CC11
4C072EE02
4C072EE03
4C072FF03
4C072GG01
4C072GG07
4C072HH02
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC13
4C086BC38
4C086CB05
4C086CB22
4C086GA07
4C086GA08
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA02
4C086ZA06
4C086ZA08
4C086ZA33
4C086ZA36
4C086ZA42
4C086ZA66
4C086ZA81
4C086ZC35
4C086ZC41
(57)【要約】
本発明は、式(I)
の化合物、及びこれらの化合物を含有する医薬組成物に関する。本明細書で提供される化合物は、maxi-Kカリウムチャネルオープナーとして作用することができ、これにより、脆弱X症候群等の脆弱X関連障害の治療、特に処置又は予防における使用に好適なものとなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脆弱X関連障害の処置又は予防に使用するための、式(I)
【化1】
(式中、
R1は、C1~5アルキル、C2~5アルケニル、C2~5アルキニル、-(C0~4アルキレン)-CN、-(C1~4アルキレン)-COOH、-(C0~4アルキレン)-COO-(C1~5アルキル)、-(C1~4アルキレン)-O-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-NH2、-(C0~4アルキレン)-CO-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH2、-(C0~4アルキレン)-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-アリール、及び-(C0~4アルキレン)-ヘテロアリールから選択され、前記-(C0~4アルキレン)-アリール中のアリール部分及び前記-(C0~4アルキレン)-ヘテロアリール中のヘテロアリール部分はそれぞれ、1つ若しくは複数のRCyc基で任意選択で置換されており、R5は、R5A基であり;
又は代替的に、R1とR5が互いに結合してC2~3アルキレン若しくはC2~3アルケニレンを形成し、前記C2~3アルキレン又は前記C2~3アルケニレン中の1つ又は2つの-CH2-単位は、-O-、-NH-、-N(C1~5アルキル)-、及び-CO-から独立して選択される基によってそれぞれ任意選択で置き換えられており;
R2は水素であり;
環Aは、フェニル又は5員若しくは6員の単環式ヘテロアリールであり、前記フェニル又は前記ヘテロアリールは、-CO-NR2-を含有する環に縮合しており;
各R3は、C1~5アルキル、C2~5アルケニル、C2~5アルキニル、-(C0~4アルキレン)-OH、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキレン)-OH、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SH、-(C0~4アルキレン)-S(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH2、-(C0~4アルキレン)-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-OH、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-OH、-(C0~4アルキレン)-NH-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-O(C1~5アルキル)、ハロゲン、C1~5ハロアルキル、-(C0~4アルキレン)-O-(C1~5ハロアルキル)、-(C0~4アルキレン)-CN、-(C0~4アルキレン)-CHO、-(C0~4アルキレン)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-COOH、-(C0~4アルキレン)-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-NH2、-(C0~4アルキレン)-CO-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-NH-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-N(C1~5アルキル)-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-NH2、-(C0~4アルキレン)-SO2-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-シクロアルキル及び-(C0~4アルキレン)-ヘテロシクロアルキルから独立して選択され、前記-(C0~4アルキレン)-シクロアルキル中のシクロアルキル部分及び前記-(C0~4アルキレン)-ヘテロシクロアルキル中のヘテロシクロアルキル部分はそれぞれ、1つ若しくは複数のRCyc基で任意選択で置換されており;
nは、0~4の整数であり;
Z1、Z2及びZ3は、それぞれ独立してC(-R6)又はNであり;
R4は、水素、C1~5アルキル、C2~5アルケニル、C2~5アルキニル、-(C0~4アルキレン)-OH、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキレン)-OH、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SH、-(C0~4アルキレン)-S(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH2、-(C0~4アルキレン)-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-OH、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-OH、-(C0~4アルキレン)-NH-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-O(C1~5アルキル)、ハロゲン、C1~5ハロアルキル、-(C0~4アルキレン)-O-(C1~5ハロアルキル)、-(C0~4アルキレン)-CN、-(C0~4アルキレン)-CHO、-(C0~4アルキレン)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-COOH、-(C0~4アルキレン)-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-NH2、-(C0~4アルキレン)-CO-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-NH-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-N(C1~5アルキル)-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-NH2、-(C0~4アルキレン)-SO2-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-カルボシクリル、及び-(C0~4アルキレン)-ヘテロシクリルから選択され、前記-(C0~4アルキレン)-カルボシクリル中のカルボシクリル部分及び前記-(C0~4アルキレン)-ヘテロシクリル中のヘテロシクリル部分はそれぞれ、1つ若しくは複数のRCyc基で任意選択で置換されており;
R5Aは、水素、C1~5アルキル、C2~5アルケニル、C2~5アルキニル、-(C0~4アルキレン)-OH、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキレン)-OH、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SH、-(C0~4アルキレン)-S(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH2、-(C0~4アルキレン)-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-OH、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-OH、-(C0~4アルキレン)-NH-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-O(C1~5アルキル)、ハロゲン、C1~5ハロアルキル、-(C0~4アルキレン)-O-(C1~5ハロアルキル)、-(C0~4アルキレン)-CN、-(C0~4アルキレン)-CHO、-(C0~4アルキレン)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-COOH、-(C0~4アルキレン)-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-NH2、-(C0~4アルキレン)-CO-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-NH-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-N(C1~5アルキル)-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-NH2、-(C0~4アルキレン)-SO2-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-カルボシクリル、及び-(C0~4アルキレン)-ヘテロシクリルから選択され、前記-(C0~4アルキレン)-カルボシクリル中のカルボシクリル部分及び前記-(C0~4アルキレン)-ヘテロシクリル中のヘテロシクリル部分はそれぞれ、1つ若しくは複数のRCyc基で任意選択で置換されており;
各R6は、水素、C1~5アルキル、C2~5アルケニル、C2~5アルキニル、-(C0~4アルキレン)-OH、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキレン)-OH、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SH、-(C0~4アルキレン)-S(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH2、-(C0~4アルキレン)-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-OH、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-OH、-(C0~4アルキレン)-NH-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-O(C1~5アルキル)、ハロゲン、C1~5ハロアルキル、-(C0~4アルキレン)-O-(C1~5ハロアルキル)、-(C0~4アルキレン)-CN、-(C0~4アルキレン)-CHO、-(C0~4アルキレン)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-COOH、-(C0~4アルキレン)-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-NH2、-(C0~4アルキレン)-CO-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-NH-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-N(C1~5アルキル)-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-NH2、-(C0~4アルキレン)-SO2-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-カルボシクリル、及び-(C0~4アルキレン)-ヘテロシクリルから独立して選択され、前記-(C0~4アルキレン)-カルボシクリル中のカルボシクリル部分及び前記-(C0~4アルキレン)-ヘテロシクリル中のヘテロシクリル部分はそれぞれ、1つ若しくは複数のRCyc基で任意選択で置換されており;
各RCycは、C1~5アルキル、C2~5アルケニル、C2~5アルキニル、-(C0~4アルキレン)-OH、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキレン)-OH、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SH、-(C0~4アルキレン)-S(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH2、-(C0~4アルキレン)-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-OH、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-OH、-(C0~4アルキレン)-NH-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-O(C1~5アルキル)、ハロゲン、C1~5ハロアルキル、-(C0~4アルキレン)-O-(C1~5ハロアルキル)、-(C0~4アルキレン)-CN、-(C0~4アルキレン)-CHO、-(C0~4アルキレン)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-COOH、-(C0~4アルキレン)-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-NH2、-(C0~4アルキレン)-CO-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-NH-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-N(C1~5アルキル)-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-NH2、-(C0~4アルキレン)-SO2-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-(C1~5アルキル)、及び-(C0~4アルキレン)-SO-(C1~5アルキル)から独立して選択される)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
【請求項2】
R1が、C1~5アルキルであり、R5は、R5Aであり、又は代替的に、R1とR5が互いに結合して、-CH2CH2-、-O-CH2-、-CH2-O-、-CO-O-又は-O-CO-基を形成し;好ましくは、R1が、メチルである、請求項1に記載の使用のための化合物。
【請求項3】
R5が、-O(C1~5アルキル)又は-OHであり、好ましくは、R5が、-OCH3である、請求項1又は2に記載の使用のための化合物。
【請求項4】
環Aが、フェニル、ピリジニル、オキサゾリル、及びイソオキサゾリルから選択され、前記フェニル、前記ピリジニル、前記オキサゾリル又は前記イソオキサゾリルは、-CO-NR2-を含有する環に縮合しており;
好ましくは、環Aが、-CO-NR2-を含有する環に縮合しているフェニルであり、したがって、式(I)の化合物が以下の構造:
【化2】
有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
【請求項5】
各R3が、C1~5アルキル、-O(C1~5アルキル)、ハロゲン、C1~5ハロアルキル、及び-CNから独立して選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
【請求項6】
Z1、Z2、及びZ3が、それぞれC(-R6)である、請求項1から5のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
【請求項7】
R4が、ハロゲン、-CF3、又は-CNであり、好ましくは、R4が-Clである、請求項1から6のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
【請求項8】
各R6が、水素、C1~5アルキル、-O(C1~5アルキル)、ハロゲン、C1~5ハロアルキル、-O-(C1~5ハロアルキル)、及び-CNから独立して選択され、好ましくは、各R6が、水素である、請求項1から7のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
【請求項9】
- 環Aが、フェニル、ピリジニル、オキサゾリル、及びイソオキサゾリルから選択され、前記フェニル、前記ピリジニル、前記オキサゾリル又は前記イソオキサゾリルは、-CO-NR2-を含有する環に縮合しており;
- 環原子Z1、Z2及びZ3のうちの1つが、C(-R6)又はNであり、あとの2つの環原子はそれぞれC(-R6)であり;
- R1が、C1~5アルキル、C2~5アルケニル、C2~5アルキニル、-(C0~4アルキレン)-CN、-(C1~4アルキレン)-COOH、-(C0~4アルキレン)-COO-(C1~5アルキル)、-(C1~4アルキレン)-O-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-NH2、-(C0~4アルキレン)-CO-NH(C1~5アルキル)、及び-(C0~4アルキレン)-CO-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)から選択され、並びにR5が、R5A基であり;
又は代替的に、R1とR5が互いに結合してC2~3アルキレン若しくはC2~3アルケニレンを形成し、前記C2~3アルキレン又は前記C2~3アルケニレン中の1つ又は2つの-CH2-単位は、-O-、-NH-、-N(C1~5アルキル)-、及び-CO-から独立して選択される基によってそれぞれ任意選択で置き換えられており;
- 各R3が、C1~5アルキル、-O(C1~5アルキル)、ハロゲン、C1~5ハロアルキル、及び-CNから独立して選択される、請求項1に記載の使用のための化合物。
【請求項10】
- 環Aが、フェニル、ピリジニル、オキサゾリル、及びイソオキサゾリルから選択され、前記フェニル、前記ピリジニル、前記オキサゾリル又は前記イソオキサゾリルは、-CO-NR2-を含有する環に縮合しており;
- 環原子Z1、Z2及びZ3のうちの1つが、C(-R6)又はNであり、あとの2つの環原子はそれぞれC(-R6)であり;
- R1が、C1~5アルキル、C2~5アルケニル、C2~5アルキニル、-(C0~4アルキレン)-CN、-(C1~4アルキレン)-COOH、-(C0~4アルキレン)-COO-(C1~5アルキル)、-(C1~4アルキレン)-O-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-NH2、-(C0~4アルキレン)-CO-NH(C1~5アルキル)、及び-(C0~4アルキレン)-CO-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)から選択され、並びにR5が、R5A基であり;
又は代替的に、R1とR5が互いに結合してC2~3アルキレン若しくはC2~3アルケニレンを形成し、前記C2~3アルキレン又は前記C2~3アルケニレン中の1つ又は2つの-CH2-単位は、-O-、-NH-、-N(C1~5アルキル)-、及び-CO-から独立して選択される基によってそれぞれ任意選択で置き換えられており;
- 各R3が独立して、ハロゲン又はC1~5ハロアルキルである、
請求項1に記載の使用のための化合物。
【請求項11】
- 環Aが、フェニル、ピリジニル、オキサゾリル、及びイソオキサゾリルから選択され、前記フェニル、前記ピリジニル、前記オキサゾリル又は前記イソオキサゾリルは、-CO-NR2-を含有する環に縮合しており;
- Z1及びZ3が、それぞれC(-R6)であり;
- Z2が、C(-R6)又はNであり;
- R1が、C1~5アルキル、C2~5アルケニル、-(C0~4アルキレン)-CN、及び-(C1-4アルキレン)-COOHから選択され、並びにR5が、R5A基であり;
又は代替的に、R1とR5が互いに結合して、-CH2CH2-、又は-CH2CH2CH2-基を形成し、前記-CH2CH2-又は-CH2CH2CH2-中の1つ又は2つの-CH2-単位が、-O-、-NH-、-N(C1~5アルキル)-、及び-CO-から独立して選択される基によってそれぞれ任意選択で置き換えられており;
- 各R3が独立して、ハロゲン又はC1~5ハロアルキルである、請求項1に記載の使用のための化合物。
【請求項12】
- 環Aがフェニル又はピリジニルであり、前記フェニル又は前記ピリジニルは、-CO-NR2-を含有する環に縮合しており;
- Z1、Z2及びZ3が、それぞれC(-R6)であり;
- R1が、C1~5アルキルであり、R5が、R5A基であり、又は代替的に、R1とR5が互いに結合して、-CH2CH2-、-O-CH2-、-CH2-O-、-CO-O-又は-O-CO-基を形成しており;
- 各R3が独立して、ハロゲン又はC1~5ハロアルキルである、請求項1に記載の使用のための化合物。
【請求項13】
- 環Aが、-CO-NR2-を含有する環に縮合しているフェニルであり;
- 環原子Z1、Z2及びZ3のうちの1つが、C(-R6)又はNであり、あとの2つの環原子はそれぞれC(-R6)であり;
- R1が、C1~5アルキル、C2~5アルケニル、C2~5アルキニル、-(C0~4アルキレン)-CN、-(C1~4アルキレン)-COOH、-(C0~4アルキレン)-COO-(C1~5アルキル)、-(C1~4アルキレン)-O-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-NH2、-(C0~4アルキレン)-CO-NH(C1~5アルキル)、及び-(C0~4アルキレン)-CO-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)から選択され、並びにR5が、R5A基であり;
- 各R3が、C1~5アルキル、-O(C1~5アルキル)、ハロゲン、C1~5ハロアルキル、及び-CNから独立して選択される、請求項1に記載の使用のための化合物。
【請求項14】
- 環Aが、-CO-NR2-を含有する環に縮合しているフェニルであり;
- 環原子Z1、Z2及びZ3のうちの1つが、C(-R6)又はNであり、あとの2つの環原子はそれぞれC(-R6)であり;
- R1が、C1~5アルキル、C2~5アルケニル、C2~5アルキニル、-(C0~4アルキレン)-CN、-(C1~4アルキレン)-COOH、-(C0~4アルキレン)-COO-(C1~5アルキル)、-(C1~4アルキレン)-O-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-NH2、-(C0~4アルキレン)-CO-NH(C1~5アルキル)、及び-(C0~4アルキレン)-CO-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)から選択され、並びにR5が、R5A基であり;
- 各R3が独立して、ハロゲン又はC1~5ハロアルキルである、請求項1に記載の使用のための化合物。
【請求項15】
- 環Aが、-CO-NR2-を含有する環に縮合しているフェニルであり;
- Z1及びZ3が、それぞれC(-R6)であり;
- Z2が、C(-R6)又はNであり;
- R1が、C1~5アルキル、C2~5アルケニル、-(C0~4アルキレン)-CN、及び-(C1-4アルキレン)-COOHから選択され、R5が、R5A基であり;
- 各R3が独立して、ハロゲン又はC1~5ハロアルキルである、請求項1に記載の使用のための化合物。
【請求項16】
- 環Aが、-CO-NR2-を含有する環に縮合しているフェニルであり;
- Z1、Z2及びZ3が、それぞれC(-R6)であり;
- R1が、C1~5アルキルであり、R5が、R5A基であり;
- 各R3が独立して、ハロゲン又はC1~5ハロアルキルである、請求項1に記載の使用のための化合物。
【請求項17】
- 環Aが、-CO-NR2-を含有する環に縮合しているフェニルであり;
- 環原子Z1、Z2及びZ3のうちの1つが、C(-R6)又はNであり、あとの2つの環原子がそれぞれC(-R6)であり;
- R1とR5が互いに結合してC2~3アルキレン若しくはC2~3アルケニレンを形成し、前記C2~3アルキレン又は前記C2~3アルケニレン中の1つ又は2つの-CH2-単位は、-O-、-NH-、-N(C1~5アルキル)-、及び-CO-から独立して選択される基によってそれぞれ任意選択で置き換えられており;
- 各R3が、C1~5アルキル、-O(C1~5アルキル)、ハロゲン、C1~5ハロアルキル、及び-CNから独立して選択される、請求項1に記載の使用のための化合物。
【請求項18】
- 環Aが、-CO-NR2-を含有する環に縮合しているフェニルであり;
- 環原子Z1、Z2及びZ3のうちの1つが、C(-R6)又はNであり、あとの2つの環原子がそれぞれC(-R6)であり;
- R1とR5が互いに結合してC2~3アルキレン若しくはC2~3アルケニレンを形成し、前記C2~3アルキレン又は前記C2~3アルケニレン中の1つ又は2つの-CH2-単位は、-O-、-NH-、-N(C1~5アルキル)-、及び-CO-から独立して選択される基によってそれぞれ任意選択で置き換えられており;
- 各R3が独立して、ハロゲン又はC1~5ハロアルキルである、請求項1に記載の使用のための化合物。
【請求項19】
- 環Aが、-CO-NR2-を含有する環に縮合しているフェニルであり;
- Z1及びZ3が、それぞれC(-R6)であり;
- Z2が、C(-R6)又はNであり;
- R1とR5が互いに結合して、-CH2CH2-、又は-CH2CH2CH2-基を形成し、前記-CH2CH2-又は-CH2CH2CH2-中の1つ又は2つの-CH2-単位は、-O-、-NH-、-N(C1~5アルキル)-、及び-CO-から独立して選択される基によってそれぞれ任意選択で置き換えられており;
- 各R3が独立して、ハロゲン又はC1~5ハロアルキルである、請求項1に記載の使用のための化合物。
【請求項20】
- 環Aが、-CO-NR2-を含有する環に縮合しているフェニルであり;
- Z1、Z2及びZ3が、それぞれC(-R6)であり;
- R1とR5が互いに結合して、-CH2CH2-、-O-CH2-、-CH2-O-、-CO-O-又は-O-CO-基を形成しており;
- 各R3が独立して、ハロゲン又はC1~5ハロアルキルである、請求項1に記載の使用のための化合物。
【請求項21】
- 環Aが、ピリジニル、オキサゾリル、及びイソオキサゾリルから選択され、前記ピリジニル、前記オキサゾリル又は前記イソオキサゾリルは、-CO-NR2-を含有する環に縮合しており;
- 環原子Z1、Z2及びZ3のうちの1つが、C(-R6)又はNであり、あとの2つの環原子がそれぞれC(-R6)であり;
- R1が、C1~5アルキル、C2~5アルケニル、C2~5アルキニル、-(C0~4アルキレン)-CN、-(C1~4アルキレン)-COOH、-(C0~4アルキレン)-COO-(C1~5アルキル)、-(C1~4アルキレン)-O-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-NH2、-(C0~4アルキレン)-CO-NH(C1~5アルキル)、及び-(C0~4アルキレン)-CO-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)から選択され、並びにR5が、R5A基であり;
又は代替的に、R1とR5が互いに結合してC2~3アルキレン若しくはC2~3アルケニレンを形成し、前記C2~3アルキレン又は前記C2~3アルケニレン中の1つ又は2つの-CH2-単位は、-O-、-NH-、-N(C1~5アルキル)-、及び-CO-から独立して選択される基によってそれぞれ任意選択で置き換えられており;
- 各R3が、C1~5アルキル、-O(C1~5アルキル)、ハロゲン、C1~5ハロアルキル、及び-CNから独立して選択される、請求項1に記載の使用のための化合物。
【請求項22】
- 環Aが、ピリジニル、オキサゾリル、及びイソオキサゾリルから選択され、前記ピリジニル、前記オキサゾリル又は前記イソオキサゾリルは、-CO-NR2-を含有する環に縮合しており;
- 環原子Z1、Z2及びZ3のうちの1つが、C(-R6)又はNであり、あとの2つの環原子がそれぞれC(-R6)であり;
- R1が、C1~5アルキル、C2~5アルケニル、C2~5アルキニル、-(C0~4アルキレン)-CN、-(C1~4アルキレン)-COOH、-(C0~4アルキレン)-COO-(C1~5アルキル)、-(C1~4アルキレン)-O-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-NH2、-(C0~4アルキレン)-CO-NH(C1~5アルキル)、及び-(C0~4アルキレン)-CO-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)から選択され、並びにR5が、R5A基であり;
又は代替的に、R1とR5が互いに結合してC2~3アルキレン若しくはC2~3アルケニレンを形成し、前記C2~3アルキレン又は前記C2~3アルケニレン中の1つ又は2つの-CH2-単位は、-O-、-NH-、-N(C1~5アルキル)-、及び-CO-から独立して選択される基によってそれぞれ任意選択で置き換えられており;
- 各R3が独立して、ハロゲン又はC1~5ハロアルキルである、請求項1に記載の使用のための化合物。
【請求項23】
- 環Aが、ピリジニル、オキサゾリル、及びイソオキサゾリルから選択され、前記ピリジニル、前記オキサゾリル又は前記イソオキサゾリルは、-CO-NR2-を含有する環に縮合しており;
- Z1及びZ3が、それぞれC(-R6)であり;
- Z2が、C(-R6)又はNであり;
- R1が、C1~5アルキル、C2~5アルケニル、-(C0~4アルキレン)-CN、及び-(C1-4アルキレン)-COOHから選択され、並びにR5が、R5A基であり;
又は代替的に、R1とR5が互いに結合して、-CH2CH2-、又は-CH2CH2CH2-基を形成し、前記-CH2CH2-又は-CH2CH2CH2-中の1つ又は2つの-CH2-単位は、-O-、-NH-、-N(C1~5アルキル)-、及び-CO-から独立して選択される基によってそれぞれ任意選択で置き換えられており;
- 各R3が独立して、ハロゲン又はC1~5ハロアルキルである、請求項1に記載の使用のための化合物。
【請求項24】
- 環Aが、-CO-NR2-を含有する環に縮合しているピリジニルであり;
- Z1、Z2及びZ3が、それぞれC(-R6)であり;
- R1が、C1~5アルキルであり、R5が、R5A基であり、又は代替的に、R1とR5が互いに結合して、-CH2CH2-、-O-CH2-、-CH2-O-、-CO-O-又は-O-CO-基を形成しており;
- 各R3が独立して、ハロゲン又はC1~5ハロアルキルである、請求項1に記載の使用のための化合物。
【請求項25】
3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
3-(5-クロロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-エチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-プロピル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
3-ベンジル-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
2-(3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-オキソ-6-(トリフルオロメチル)インドリン-3-イル)アセトニトリル;
3-アリル-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
2-(3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-オキソ-6-(トリフルオロメチル)インドリン-3-イル)酢酸;
5-クロロ-6'-(トリフルオロメチル)-2H-スピロ[ベンゾフラン-3,3'-インドリン]-2'-オン;
7-メトキシ-6'-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロスピロ[インデン-1,3'-インドリン]-2'-オン;
4-クロロ-7-メトキシ-6'-(トリフルオロメチル)スピロ[インダン-1,3'-インドリン]-2'-オン;
4,6-ジクロロ-7-メトキシ-6'-(トリフルオロメチル)スピロ[インダン-1,3'-インドリン]-2'-オン;
3-(2-クロロ-5-メトキシ-4-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
3-(3-メトキシ-4-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
3-メチル-3-(4-ピリジル)-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
3-(2-クロロ-4-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
3-[2-メトキシ-5-(1-メチルイミダゾール-2-イル)フェニル]-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
3-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2-オン;
6'-クロロ-6-(トリフルオロメチル)-3'H-スピロ[インドリン-3,1'-イソベンゾフラン]-2,3'-ジオン;
3-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-6-(ジフルオロメチル)-3-メチル-インドリン-2-オン;
3-(5-クロロ-2-メトキシ-3-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
6-クロロ-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチルインドリン-2-オン;
6-クロロ-3-(2-クロロ-5-メトキシピリジン-4-イル)-3-メチルインドリン-2-オン;
3-(6-クロロ-3-メトキシピリジン-2-イル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
6-クロロ-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2(3H)-オン;
6-クロロ-3-(5-クロロ-2-メトキシピリジン-3-イル)-3-メチルインドリン-2-オン;
6-クロロ-3-(2-メトキシ-5-(1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)フェニル)-3-メチルインドリン-2-オン;
6-クロロ-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2(3H)-オン;
6-クロロ-3-(6-クロロ-3-メトキシピリジン-2-イル)-3-メチルインドリン-2-オン;
6-クロロ-3-(2-メトキシ-5-(1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)-3-メチルインドリン-2-オン;
6-クロロ-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2(3H)-オン;
3-(5-クロロ-2-メトキシピリジン-3-イル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2(3H)-オン;
6-クロロ-3-(5-メトキシ-2-(1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピリジン-4-イル)-3-メチルインドリン-2-オン;
3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2(3H)-オン;
3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2(3H)-オン;
3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2(3H)-オン;
6-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-6-メチル-3-(トリフルオロメチル)-4H-ピロロ[2,3-d]イソオキサゾール-5(6H)-オン;
6-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-6-メチル-2-(トリフルオロメチル)-4H-ピロロ[3,2-d]オキサゾール-5(6H)-オン;
から選択される、請求項1に記載の使用のための化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
【請求項26】
3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オンである、請求項1に記載の使用のための化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
【請求項27】
(3R)-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オンである、請求項1に記載の使用のための化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
【請求項28】
脆弱X関連障害が、脆弱X症候群、脆弱X関連振戦/運動失調症候群、脆弱X関連原発性卵巣機能不全、脆弱X関連多嚢胞性卵巣症候群、及び脆弱XE関連精神遅滞から選択され、
好ましくは、脆弱X関連障害は、脆弱X症候群である、請求項1から27のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
【請求項29】
maxi-Kカリウムチャネルオープナーとしての請求項1から27のいずれか一項に定義された化合物のインビトロ使用。
【請求項30】
式(Ia)の化合物
【化3】
(式中、
R1は、C1~5アルキル、C2~5アルケニル、C2~5アルキニル、-(C0~4アルキレン)-CN、-(C1~4アルキレン)-COOH、-(C0~4アルキレン)-COO-(C1~5アルキル)、-(C1~4アルキレン)-O-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-NH2、-(C0~4アルキレン)-CO-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH2、-(C0~4アルキレン)-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-アリール、及び-(C0~4アルキレン)-ヘテロアリールから選択され、前記-(C0~4アルキレン)-アリール中のアリール部分及び前記-(C0~4アルキレン)-ヘテロアリール中のヘテロアリール部分はそれぞれ、1つ若しくは複数のRCyc基で任意選択で置換されており、並びにR5は、R5A基であり;
又は代替的に、R1とR5が互いに結合してC2~3アルキレン若しくはC2~3アルケニレンを形成し、前記C2~3アルキレン又は前記C2~3アルケニレン中の1つ又は2つの-CH2-単位は、-O-、-NH-、-N(C1~5アルキル)-、及び-CO-から独立して選択される基によってそれぞれ任意選択で置き換えられており;
R2は水素であり;
環Aは、フェニル又は5員若しくは6員の単環式ヘテロアリールであり、前記フェニル又は前記ヘテロアリールは、-CO-NR2-を含有する環に縮合しており;
各R3は、C1~5アルキル、C2~5アルケニル、C2~5アルキニル、-(C0~4アルキレン)-OH、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキレン)-OH、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SH、-(C0~4アルキレン)-S(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH2、-(C0~4アルキレン)-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-OH、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-OH、-(C0~4アルキレン)-NH-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-O(C1~5アルキル)、ハロゲン、C1~5ハロアルキル、-(C0~4アルキレン)-O-(C1~5ハロアルキル)、-(C0~4アルキレン)-CN、-(C0~4アルキレン)-CHO、-(C0~4アルキレン)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-COOH、-(C0~4アルキレン)-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-NH2、-(C0~4アルキレン)-CO-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-NH-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-N(C1~5アルキル)-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-NH2、-(C0~4アルキレン)-SO2-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-シクロアルキル及び-(C0~4アルキレン)-ヘテロシクロアルキルから独立して選択され、前記-(C0~4アルキレン)-シクロアルキル中のシクロアルキル部分及び前記-(C0~4アルキレン)-ヘテロシクロアルキル中のヘテロシクロアルキル部分はそれぞれ、1つ若しくは複数のRCyc基で任意選択で置換されており;
nは、0~4の整数であり;
Z1、Z2及びZ3は、それぞれ独立してC(-R6)又はNであり;
R4は、水素、C1~5アルキル、C2~5アルケニル、C2~5アルキニル、-(C0~4アルキレン)-OH、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキレン)-OH、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SH、-(C0~4アルキレン)-S(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH2、-(C0~4アルキレン)-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-OH、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-OH、-(C0~4アルキレン)-NH-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-O(C1~5アルキル)、ハロゲン、C1~5ハロアルキル、-(C0~4アルキレン)-O-(C1~5ハロアルキル)、-(C0~4アルキレン)-CN、-(C0~4アルキレン)-CHO、-(C0~4アルキレン)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-COOH、-(C0~4アルキレン)-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-NH2、-(C0~4アルキレン)-CO-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-NH-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-N(C1~5アルキル)-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-NH2、-(C0~4アルキレン)-SO2-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-カルボシクリル、及び-(C0~4アルキレン)-ヘテロシクリルから選択され、前記-(C0~4アルキレン)-カルボシクリル中のカルボシクリル部分及び前記-(C0~4アルキレン)-ヘテロシクリル中のヘテロシクリル部分はそれぞれ、1つ若しくは複数のRCyc基で任意選択で置換されており;
R5Aは、水素、C1~5アルキル、C2~5アルケニル、C2~5アルキニル、-(C0~4アルキレン)-OH、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキレン)-OH、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SH、-(C0~4アルキレン)-S(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH2、-(C0~4アルキレン)-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-OH、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-OH、-(C0~4アルキレン)-NH-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-O(C1~5アルキル)、ハロゲン、C1~5ハロアルキル、-(C0~4アルキレン)-O-(C1~5ハロアルキル)、-(C0~4アルキレン)-CN、-(C0~4アルキレン)-CHO、-(C0~4アルキレン)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-COOH、-(C0~4アルキレン)-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-NH2、-(C0~4アルキレン)-CO-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-NH-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-N(C1~5アルキル)-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-NH2、-(C0~4アルキレン)-SO2-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-カルボシクリル、及び-(C0~4アルキレン)-ヘテロシクリルから選択され、前記-(C0~4アルキレン)-カルボシクリル中のカルボシクリル部分及び前記-(C0~4アルキレン)-ヘテロシクリル中のヘテロシクリル部分はそれぞれ、1つ若しくは複数のRCyc基で任意選択で置換されており;
各R6は、水素、C1~5アルキル、C2~5アルケニル、C2~5アルキニル、-(C0~4アルキレン)-OH、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキレン)-OH、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SH、-(C0~4アルキレン)-S(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH2、-(C0~4アルキレン)-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-OH、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-OH、-(C0~4アルキレン)-NH-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-O(C1~5アルキル)、ハロゲン、C1~5ハロアルキル、-(C0~4アルキレン)-O-(C1~5ハロアルキル)、-(C0~4アルキレン)-CN、-(C0~4アルキレン)-CHO、-(C0~4アルキレン)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-COOH、-(C0~4アルキレン)-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-NH2、-(C0~4アルキレン)-CO-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-NH-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-N(C1~5アルキル)-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-NH2、-(C0~4アルキレン)-SO2-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-カルボシクリル、及び-(C0~4アルキレン)-ヘテロシクリルから独立して選択され、前記-(C0~4アルキレン)-カルボシクリル中のカルボシクリル部分及び前記-(C0~4アルキレン)-ヘテロシクリル中のヘテロシクリル部分はそれぞれ、1つ若しくは複数のRCyc基で任意選択で置換されており;
各RCycは、C1~5アルキル、C2~5アルケニル、C2~5アルキニル、-(C0~4アルキレン)-OH、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキレン)-OH、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SH、-(C0~4アルキレン)-S(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH2、-(C0~4アルキレン)-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-OH、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-OH、-(C0~4アルキレン)-NH-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-O(C1~5アルキル)、ハロゲン、C1~5ハロアルキル、-(C0~4アルキレン)-O-(C1~5ハロアルキル)、-(C0~4アルキレン)-CN、-(C0~4アルキレン)-CHO、-(C0~4アルキレン)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-COOH、-(C0~4アルキレン)-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-NH2、-(C0~4アルキレン)-CO-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-NH-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-N(C1~5アルキル)-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-NH2、-(C0~4アルキレン)-SO2-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-(C1~5アルキル)、及び-(C0~4アルキレン)-SO-(C1~5アルキル)から独立して選択される)
又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物であって;
環Aが、-CO-NR2-を含有する環に縮合しているフェニルである場合、nは1、2、3又は4であり、
環Aが、-CO-NR2-を含有する環に縮合しているフェニルであり、nが1又は2である場合、少なくとも1つのR3基は、ハロゲン、-O(C1~4アルキル)、及び-OCF3とは異なっている、式(Ia)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
【請求項31】
3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
3-(5-クロロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-エチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-プロピル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
3-ベンジル-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
2-(3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-オキソ-6-(トリフルオロメチル)インドリン-3-イル)アセトニトリル;
3-アリル-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
2-(3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-オキソ-6-(トリフルオロメチル)インドリン-3-イル)酢酸;
5-クロロ-6'-(トリフルオロメチル)-2H-スピロ[ベンゾフラン-3,3'-インドリン]-2'-オン;
7-メトキシ-6'-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロスピロ[インデン-1,3'-インドリン]-2'-オン;
4-クロロ-7-メトキシ-6'-(トリフルオロメチル)スピロ[インダン-1,3'-インドリン]-2'-オン;
4,6-ジクロロ-7-メトキシ-6'-(トリフルオロメチル)スピロ[インダン-1,3'-インドリン]-2'-オン;
3-(2-クロロ-5-メトキシ-4-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
3-(3-メトキシ-4-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
3-メチル-3-(4-ピリジル)-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
3-(2-クロロ-4-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
3-[2-メトキシ-5-(1-メチルイミダゾール-2-イル)フェニル]-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
3-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2-オン;
6'-クロロ-6-(トリフルオロメチル)-3'H-スピロ[インドリン-3,1'-イソベンゾフラン]-2,3'-ジオン;
3-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-6-(ジフルオロメチル)-3-メチル-インドリン-2-オン;
3-(5-クロロ-2-メトキシ-3-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
3-(6-クロロ-3-メトキシピリジン-2-イル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
6-クロロ-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2(3H)-オン;
6-クロロ-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2(3H)-オン;
6-クロロ-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2(3H)-オン;
3-(5-クロロ-2-メトキシピリジン-3-イル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2(3H)-オン;
3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2(3H)-オン;
3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2(3H)-オン;
3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2(3H)-オン;
6-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-6-メチル-3-(トリフルオロメチル)-4H-ピロロ[2,3-d]イソオキサゾール-5(6H)-オン;
6-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-6-メチル-2-(トリフルオロメチル)-4H-ピロロ[3,2-d]オキサゾール-5(6H)-オン;
から選択される、請求項30に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
【請求項32】
3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オンである、請求項30に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
【請求項33】
(3R)-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オンである、請求項30に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
【請求項34】
医薬として使用するための、請求項30から33のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項35】
脳卒中、虚血再灌流障害、虚血性心疾患、高血圧、心筋梗塞、アレルギー性鼻炎、喘息、慢性閉塞性肺疾患、多発性硬化症、痙縮、振戦、筋肉障害、ジスキネジア、膀胱機能障害、過活動膀胱、尿失禁、過敏性腸症候群、便失禁、便秘、胃食道逆流障害、消化管通過障害、排尿筋活動低下、勃起不全、オピオイド誘発性呼吸抑制、不安、不安障害、感覚処理障害、自閉症、自閉症スペクトラム障害、社会的若しくは語用論的コミュニケーション障害、注意欠陥多動性障害、社会恐怖症、知的障害、疼痛、てんかん、てんかん及び/又は発作性障害、ドラベ症候群、全般性てんかん及び発作性ジスキネジア、側頭葉てんかん、精神病、統合失調症、統合失調症の陰性症状、統合失調症における認知障害、フェラン・マクダーミド症候群、レット症候群、ピット・ホプキンス症候群、16p11.2欠失症候群、ウィリアムズ・ビューレン症候群、開放隅角高眼圧症、緑内障、耳鳴り、糖尿病性網膜症、子宮収縮抑制、片頭痛、リャン・ワン(Liang-Wang)症候群、スミス・レムリ・オピッツ症候群、アンジェルマン症候群、ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群から選択される疾患/障害の処置又は予防に使用するための、請求項30から33のいずれか一項に記載の化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本明細書において以下に定義される式(I)の化合物、及びこれらの化合物を含有する医薬組成物に関する。本明細書で提供される化合物は、maxi-Kカリウムチャネルオープナーとして作用することができ、これにより、脆弱X症候群等の脆弱X関連障害の治療、特に処置又は予防における使用に好適なものとなる。
【背景技術】
【0002】
脆弱X症候群(FXS)は、知的障害の最も一般的な遺伝的原因であり、世界的に自閉症の最も一般的な単一遺伝子の原因である(Riley Cら、Pediatrics、2017年、139: S147~S52; Thurman AJら、Res Dev Disabil、2014年、35: 1072~86頁)。FXSは、FMR1遺伝子の5'非翻訳プロモーター領域におけるトリヌクレオチド(CGG)リピート伸長によって引き起こされ、FMR1遺伝子は、ニューロンにおける広範囲のmRNAを調節するRNA結合タンパク質である脆弱X精神遅滞タンパク質(FMRP)をコードする。典型的に発達している(非FXS)個体におけるCGGトリプレットリピートの正常範囲は、FXSを有する個体のCGGリピート数>200と比較して、5~44(Grigsby J, Clin Neuropsychol、2016年、30: 815~33頁)である。>200のCGGリピートの「完全な変異」によって、プロモーターのエピジェネティック修飾(メチル化)の増加、FMR1の転写サイレンシング、及びFMRPの相応の喪失又は欠損がもたらされる。あまり一般的ではないが(<1%)、FXSはFMR1の機能喪失変異及び欠失によっても引き起こされる可能性がある。
【0003】
Maxi-Kカリウムチャネルは、大コンダクタンスカルシウム(Ca2+)活性化カリウムチャネルであり、細胞膜を通過させて大量のカリウムイオン(K+)を透過することができるため、大カリウム(「BK」)チャネル又はカルシウム活性化大カリウム(「BKCa」)チャネルとしても知られている(Latorre Rら、Biol Res, 2006年、39(3): 385~401頁)。Maxi-Kカリウムチャネル(BKCaチャネル)は、脳に広く分布している。それらはニューロンのカルシウムセンサーとして機能し、ニューロンの再分極と、細胞の興奮性及び神経伝達物質放出の調節を介したニューロンシグナル伝達の制御に寄与している。脳において、BKCaチャネルの薬理学的開口により、内因性神経保護機構を増強することによってニューロンを保護することができる(Gribkoff VKら、Nat Med、2001年、7: 471~7頁)。
【0004】
BKCaをコードする遺伝子(KCNMA1)は、自閉症と知的欠陥の両方を呈する患者のデノボバランス9q23/10q22転座内で同定された(Laumonnier Fら、Am J Psychiatry、2006年、163: 1622~9頁)。この患者におけるKCNMA1ハプロ不全及びBKCaチャネル機能の低下の実証は、自閉症と知的障害の臨床的表現型の背後にある原因となっているBKCaチャネル障害を示唆している。
【0005】
BKCaは、FMRPの既知の分子標的である。(Deng PYら、Neuron, 2013年、77: 696~711頁)。機能的には、シナプス前BKCaチャネルは、海馬錐体ニューロンの活動電位持続時間、神経伝達物質放出、及び短期可塑性のFMRP調節において重要な役割を果たすことが示されている。CA3錐体ニューロンの単一チャネル記録は、BKCaカリウムチャネル開口確率がFMRPの喪失によって減少し、FMRPがチャネルのゲーティング動態を調節することによってBKCaカリウムチャネルに作用することを示し、BKCaの遺伝子アップレギュレーションによって、FXSのマウスモデルにおいてシナプス及び回路の欠損が正常化されることが示された(Deng PYら、J Physiol、2016年、594: 83~97頁)。したがって、BKCa機能の正の調節は、神経系におけるFMRPの喪失によって生じる欠損に対処するための新規方法を表す可能性があり、FXSの処置への新規アプローチを提供する可能性がある。
【0006】
この仮説の前臨床検証は、BKチャネルオープナーを使用した研究に見出される。Fmr1ノックアウト(KO)マウスモデルは、FXS患者で観察される臨床的異常の多くを再現しており、FXSに対する潜在的な治療法の前臨床評価に適したモデルであると考えられている。このモデルでは、2mg/kgのBMS-204352(約130ng/mLのCmaxに対応)の単回腹腔内(IP)注射により、樹状突起棘の異常が好転し、海馬のグルタミン酸恒常性が回復し、一連の行動表現型が好転した(Hebert Bら、Orphanet J Rare Dis、2014年、9: 124)。
【0007】
更に、BKチャネルオープナーは、ウィリアムズ・ボイレン症候群を含む他の疾患の治療介入にも提案されている(Piquemal Mら、bioRxiv, 2020年, doi:10.1101/2020.12.22.423977)。
【0008】
化合物BMS-204352(MaxiPost(商標))、すなわち(3S)-(+)-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-1,3-ジヒドロ-3-フルオロ-6-(トリフルオロメチル)-2H-インドール-2-オンは、急性虚血性脳卒中の処置のためにBristol-Myers Squibb社によって最初に開発された非常に強力なmaxi-Kカリウムチャネルオープナーである(Jensen BS、CNS Drug Rev、2002年、8(4): 353~60頁)。しかし、この化合物は、血漿タンパク質に共有結合する代謝分解生成物を生じさせることがわかっており、これは望ましくない副作用の大きなリスクをもたらし、特に長期投与の場合、この化合物の治療可能性を制限する(Smith DA (編)、「Metabolism, Pharmacokinetics and Toxicity of Functional Groups」における、Dalvie Dら、「Influence of aromatic rings on ADME properties of drugs」、Royal Society of Chemistry, Cambridge (UK), 2010年、p. 275~327; Evans DCら、Chem Res Toxicol, 2004年、17(1): 3~16頁)。
【0009】
BMS-204352以外の他のオキシインドール、特に他の3-フルオロオキシインドールもカリウムチャネルモジュレーターとして提案されているが、同様の欠点がある(Hewawasam Pら、Bioorg Med Chem Lett、2002年、12(7): 1023~6;米国特許第5,565,483号;米国特許第5,602,169号;WO02/00217;WO02/32419;WO02/066426;WO03/080047;WO2013/001412)。
【0010】
更に、ある特定のインドール誘導体は、合成中間体として、又はカリウムチャネル調節とは関係のないさまざまな治療用途について記載されている(Kundig EPら、Angew Chem Int Ed Engl, 2007年、46(44): 8484~7; Wurtz Sら、J Am Chem Soc, 2009年、131(24): 8344~5頁; Liu Lら、Org Lett, 2011年、13(7): 1666~9頁; Dey Cら、Chem Commun (Camb), 2012年、48(25): 3064~6頁; Kinthada LKら、Org Biomol Chem, 2014年、12(41): 8152~73頁;米国特許出願公開第2007/0203184号;WO01/74775;WO2014/154760)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第5,565,483号
【特許文献2】米国特許第5,602,169号
【特許文献3】WO02/00217
【特許文献4】WO02/32419
【特許文献5】WO02/066426
【特許文献6】WO03/080047
【特許文献7】WO2013/001412
【特許文献8】米国特許出願公開第2007/0203184号
【特許文献9】WO01/74775
【特許文献10】WO2014/154760
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Riley Cら、Pediatrics、2017年、139: S147~S52
【非特許文献2】Thurman AJら、Res Dev Disabil、2014年、35: 1072~86頁
【非特許文献3】Grigsby J, Clin Neuropsychol、2016年、30: 815~33頁
【非特許文献4】Latorre Rら、Biol Res、2006年、39(3): 385~401頁
【非特許文献5】Gribkoff VKら、Nat Med、2001年、7: 471~7頁
【非特許文献6】Laumonnier Fら、Am J Psychiatry、2006年、163: 1622~9頁
【非特許文献7】Deng PYら、Neuron, 2013年、77: 696~711頁
【非特許文献8】Deng PYら、J Physiol、2016年、594: 83~97頁
【非特許文献9】Hebert Bら、Orphanet J Rare Dis、2014年、9: 124
【非特許文献10】Piquemal Mら、bioRxiv、2020年、doi:10.1101/2020.12.22.423977
【非特許文献11】Jensen BS、CNS Drug Rev、2002年、8(4): 353~60頁
【非特許文献12】Smith DA (編)、「Metabolism, Pharmacokinetics and Toxicity of Functional Groups」における、Dalvie Dら、「Influence of aromatic rings on ADME properties of drugs」、Royal Society of Chemistry, Cambridge (UK)、2010年、p. 275~327
【非特許文献13】Evans DCら、Chem Res Toxicol、2004年、17(1): 3~16頁
【非特許文献14】Hewawasam Pら、Bioorg Med Chem Lett、2002年、12(7): 1023~6
【非特許文献15】Kundig EPら、Angew Chem Int Ed Engl, 2007年、46(44): 8484~7
【非特許文献16】Wurtz Sら、J Am Chem Soc、2009年、131(24): 8344~5頁
【非特許文献17】Liu Lら、Org Lett、2011年、13(7): 1666~9頁
【非特許文献18】Dey Cら、Chem Commun (Camb)、2012年、48(25): 3064~6頁
【非特許文献19】Kinthada LKら、Org Biomol Chem、2014年、12(41): 8152~73頁
【非特許文献20】Maddalena Aら、Genet Med、2001年、3(3): 200~5頁
【非特許文献21】Monaghan KGら、Genet Med、2013年、15(7): 575~86頁
【非特許文献22】Mulley JCら、J Med Genet、1995年、32(3): 162~9頁
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【非特許文献24】Myrick LKら、Proc Natl Acad Sci USA、2015年、112(4): 949~56頁
【非特許文献25】Hagerman PJら、Ann N Y Acad Sci、2015年、1338(1): 58~70頁
【非特許文献26】Jacquemont Sら、Eur J Hum Genet、2011年、19(9)
【非特許文献27】Hall DAら、Handb Clin Neurol、2018年、147: 377~91頁
【非特許文献28】Adam MPら(編)、GeneReviews、University of Washington, Seattle (WA), USA、1998年における、Hunter JEら、「FMR1 Disorders」(2019年11月に改訂)
【非特許文献29】Lozano Rら、Intractable Rare Dis Res、2014年、3(4): 134~46頁
【非特許文献30】Liang Lら、Hum Mol Genet、2019年、28(17): 2937~51頁
【非特許文献31】Atzrodt Jら、Bioorg Med Chem、2012年、20(18): 5658~67頁
【非特許文献32】William JSら、Journal of Labelled Compounds and Radiopharmaceuticals、2010年、53(11-12): 635~44頁
【非特許文献33】Modvig Aら、J Org Chem、2014年、79: 5861~8頁
【非特許文献34】「Remington: The Science and Practice of Pharmacy」、Pharmaceutical Press、第22版
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
脆弱X症候群の治療に使用することができ、BMS-204352に関連する欠点を被らない新規maxi-Kカリウムチャネルオープナーに対する緊急のアンメットニーズが依然として存在している。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、この必要性に対処し、新規かつ改善されたmaxi-Kカリウムチャネルオープナー(これは、驚くべきことに、maxi-Kチャネルに対して、有利に強力な刺激活性を呈することが見出された)を提供するという問題を解決し、(BMS-204352の場合のように)タンパク質との共有結合付加物を形成する代謝分解生成物を生じさせることなく、したがって、改善された副作用プロファイルを提供し、これにより慢性投与が可能となる。更に、これらのmaxi-Kカリウムチャネルオープナーは、有益な溶解性及び薬物動態プロファイルを呈する。これらの特性により、本発明の化合物は、特に脆弱X症候群及び関連障害の処置又は予防のための長期投薬として、治療に使用するのに特に有利になる。
【0015】
したがって、第1の態様では、本発明は、脆弱X関連障害、特に脆弱X症候群の処置又は予防に使用するための、以下の式(I)
【0016】
【化1】
【0017】
の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物に関する。
【0018】
式(I)において、R1は、C1~5アルキル、C2~5アルケニル、C2~5アルキニル、-(C0~4アルキレン)-CN、-(C1~4アルキレン)-COOH、-(C0~4アルキレン)-COO-(C1~5アルキル)、-(C1~4アルキレン)-O-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-NH2、-(C0~4アルキレン)-CO-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH2、-(C0~4アルキレン)-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-アリール、及び-(C0~4アルキレン)-ヘテロアリールから選択され、前記-(C0~4アルキレン)-アリール中のアリール部分及び前記-(C0~4アルキレン)-ヘテロアリール中のヘテロアリール部分はそれぞれ、1つ若しくは複数のRCyc基で任意選択で置換されており、R5は、R5A基であり;
又は代替的に、R1とR5が互いに結合してC2~3アルキレン若しくはC2~3アルケニレンを形成し、前記C2~3アルキレン又は前記C2~3アルケニレン中の1つ又は2つの-CH2-単位は、-O-、-NH-、-N(C1~5アルキル)-、及び-CO-から独立して選択される基によってそれぞれ任意選択で置き換えられている。
【0019】
R2は、水素である。
【0020】
環Aは、フェニル又は5員若しくは6員の単環式ヘテロアリールであり、前記フェニル又は前記ヘテロアリールは、-CO-NR2-を含有する環に縮合している。
【0021】
各R3は、C1~5アルキル、C2~5アルケニル、C2~5アルキニル、-(C0~4アルキレン)-OH、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキレン)-OH、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SH、-(C0~4アルキレン)-S(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH2、-(C0~4アルキレン)-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-OH、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-OH、-(C0~4アルキレン)-NH-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-O(C1~5アルキル)、ハロゲン、C1~5ハロアルキル、-(C0~4アルキレン)-O-(C1~5ハロアルキル)、-(C0~4アルキレン)-CN、-(C0~4アルキレン)-CHO、-(C0~4アルキレン)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-COOH、-(C0~4アルキレン)-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-NH2、-(C0~4アルキレン)-CO-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-NH-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-N(C1~5アルキル)-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-NH2、-(C0~4アルキレン)-SO2-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-シクロアルキル及び-(C0~4アルキレン)-ヘテロシクロアルキルから独立して選択され、前記-(C0~4アルキレン)-シクロアルキル中のシクロアルキル部分及び前記-(C0~4アルキレン)-ヘテロシクロアルキル中のヘテロシクロアルキル部分はそれぞれ、1つ若しくは複数のRCyc基で任意選択で置換されている。
【0022】
変数nは、0~4の整数である。
【0023】
環原子Z1、Z2及びZ3は、それぞれ独立してC(-R6)又はNである。
【0024】
R4は、水素、C1~5アルキル、C2~5アルケニル、C2~5アルキニル、-(C0~4アルキレン)-OH、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキレン)-OH、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SH、-(C0~4アルキレン)-S(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH2、-(C0~4アルキレン)-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-OH、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-OH、-(C0~4アルキレン)-NH-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-O(C1~5アルキル)、ハロゲン、C1~5ハロアルキル、-(C0~4アルキレン)-O-(C1~5ハロアルキル)、-(C0~4アルキレン)-CN、-(C0~4アルキレン)-CHO、-(C0~4アルキレン)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-COOH、-(C0~4アルキレン)-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-NH2、-(C0~4アルキレン)-CO-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-NH-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-N(C1~5アルキル)-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-NH2、-(C0~4アルキレン)-SO2-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-カルボシクリル、及び-(C0~4アルキレン)-ヘテロシクリルから選択され、前記-(C0~4アルキレン)-カルボシクリル中のカルボシクリル部分及び前記-(C0~4アルキレン)-ヘテロシクリル中のヘテロシクリル部分はそれぞれ、1つ若しくは複数のRCyc基で任意選択で置換されている。
【0025】
R5Aは、水素、C1~5アルキル、C2~5アルケニル、C2~5アルキニル、-(C0~4アルキレン)-OH、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキレン)-OH、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SH、-(C0~4アルキレン)-S(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH2、-(C0~4アルキレン)-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-OH、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-OH、-(C0~4アルキレン)-NH-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-O(C1~5アルキル)、ハロゲン、C1~5ハロアルキル、-(C0~4アルキレン)-O-(C1~5ハロアルキル)、-(C0~4アルキレン)-CN、-(C0~4アルキレン)-CHO、-(C0~4アルキレン)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-COOH、-(C0~4アルキレン)-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-NH2、-(C0~4アルキレン)-CO-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-NH-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-N(C1~5アルキル)-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-NH2、-(C0~4アルキレン)-SO2-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-カルボシクリル、及び-(C0~4アルキレン)-ヘテロシクリルから選択され、前記-(C0~4アルキレン)-カルボシクリル中のカルボシクリル部分及び前記-(C0~4アルキレン)-ヘテロシクリル中のヘテロシクリル部分はそれぞれ、1つ若しくは複数のRCyc基で任意選択で置換されている。
【0026】
各R6は、水素、C1~5アルキル、C2~5アルケニル、C2~5アルキニル、-(C0~4アルキレン)-OH、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキレン)-OH、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SH、-(C0~4アルキレン)-S(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH2、-(C0~4アルキレン)-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-OH、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-OH、-(C0~4アルキレン)-NH-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-O(C1~5アルキル)、ハロゲン、C1~5ハロアルキル、-(C0~4アルキレン)-O-(C1~5ハロアルキル)、-(C0~4アルキレン)-CN、-(C0~4アルキレン)-CHO、-(C0~4アルキレン)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-COOH、-(C0~4アルキレン)-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-NH2、-(C0~4アルキレン)-CO-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-NH-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-N(C1~5アルキル)-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-NH2、-(C0~4アルキレン)-SO2-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-カルボシクリル、及び-(C0~4アルキレン)-ヘテロシクリルから独立して選択され、前記-(C0~4アルキレン)-カルボシクリル中のカルボシクリル部分及び前記-(C0~4アルキレン)-ヘテロシクリル中のヘテロシクリル部分はそれぞれ、1つ若しくは複数のRCyc基で任意選択で置換されている。
【0027】
各RCycは、C1~5アルキル、C2~5アルケニル、C2~5アルキニル、-(C0~4アルキレン)-OH、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキレン)-OH、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SH、-(C0~4アルキレン)-S(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH2、-(C0~4アルキレン)-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-OH、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-OH、-(C0~4アルキレン)-NH-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-O(C1~5アルキル)、ハロゲン、C1~5ハロアルキル、-(C0~4アルキレン)-O-(C1~5ハロアルキル)、-(C0~4アルキレン)-CN、-(C0~4アルキレン)-CHO、-(C0~4アルキレン)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-COOH、-(C0~4アルキレン)-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-NH2、-(C0~4アルキレン)-CO-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-NH-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-N(C1~5アルキル)-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-NH2、-(C0~4アルキレン)-SO2-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-(C1~5アルキル)、及び-(C0~4アルキレン)-SO-(C1~5アルキル)から独立して選択される。
【0028】
上記の第1の態様に従って、本発明はまた、脆弱X関連障害(特に脆弱X症候群)の処置又は予防に使用するための、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物、及び薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物に関する。したがって、本発明は、特に、脆弱X関連障害(例として脆弱X症候群)の処置又は予防に使用するための、活性成分として式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を、薬学的に許容される賦形剤とともに含む医薬組成物を提供する。
【0029】
更に、この第1の態様において、本発明は、脆弱X関連障害の処置又は予防のための、医薬(又は医薬組成物)の調製における式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の使用にも関する。
【0030】
第1の態様によれば、本発明は同様に、脆弱X関連障害(特に脆弱X症候群)を処置又は予防する方法であって、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物、又は薬学的に許容される賦形剤と組み合わせて前述の実体のいずれかを含む医薬組成物を、それを必要とする対象(好ましくはヒト)に投与することを含む方法に関する。式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の(又は医薬組成物の)治療有効量を、この方法に従って投与するべきであることが理解される。
【0031】
本発明に従って処置又は予防される脆弱X関連障害は、特に、脆弱X精神遅滞1(FMR1)遺伝子及び/又は脆弱X精神遅滞2(FMR2)遺伝子における変化又は変異、例として、病理学的に増強された数のCGGリピート(例えば、FMR1遺伝子における約45以上のCGGリピート、特に約55以上のCGGリピート、とりわけ約200超のCGGリピート、或いは約230超のCGGリピートの存在)、によって引き起こされる(又はそれらに関連する)遺伝的疾患/障害、又は、FMR1遺伝子によってコードされるタンパク質、すなわち脆弱X精神遅滞タンパク質(FMRP)、及び/又はFMR2遺伝子によってコードされるタンパク質の欠乏、不在、機能障害、又は機能不全によって引き起こされる(又はそれらに関連する)疾患/障害、特にFMR1遺伝子における変化又は変異によって引き起こされる(又はそれらに関連する)疾患/障害であり得る。「脆弱X関連障害」という用語は、本明細書では、「脆弱Xスペクトル障害」と同義的に、交換可能に使用される。対応する脆弱X関連障害は、文献に、例えば:Maddalena Aら、Genet Med、2001年、3(3): 200~5頁;Monaghan KGら、Genet Med、2013年、15(7): 575~86頁;Mulley JCら、J Med Genet, 1995年、32(3): 162~9頁;Gecz J、Ann Hum Genet、2000年、64(Pt 2): 95~106頁; Myrick LKら、Proc Natl Acad Sci USA、2015年、112(4): 949~56頁;Hagerman PJら、Ann N Y Acad Sci、2015年、1338(1): 58~70頁; Jacquemont Sら、Eur J Hum Genet、2011年、19(9); Hall DAら、Handb Clin Neurol、2018年、147: 377~91頁;Adam MPら(編)、GeneReviews、University of Washington, Seattle (WA), USA、1998年における、Hunter JEら、「FMR1 Disorders」(2019年11月に改訂);Lozano Rら、Intractable Rare Dis Res、2014年、3(4): 134~46頁;及び前述の刊行物で引用されている参考文献に記載されている。
【0032】
好ましくは、本発明に従って処置又は予防される脆弱X関連障害は、脆弱X症候群(FXS)、脆弱X関連振戦/運動失調症候群(FXTAS)、脆弱X関連原発性卵巣機能不全(FXPOI)、脆弱X関連多嚢胞性卵巣症候群、脆弱XE関連精神遅滞(FRAXE)、FMR1遺伝子における病原性変異に関連する臨床症候群(特に、BKチャネル機能の変化をもたらすような突然変異;例えば、Myrick LKら、Proc Natl Acad Sci USA、2015年、112(4): 949~56頁を参照のこと)、及びKCNMA1遺伝子における病原性のバリエーションに関連する臨床症候群(例えば、全般性てんかんを伴うか又は伴わない、発作性非運動誘発性ジスキネジア(PNKD)、特にPNKD3等;例えば、Liang Lら、Hum Mol Genet、2019年、28(17): 2937~51頁を参照のこと)から選択される。より好ましくは、脆弱X関連障害は、脆弱X症候群(FXS)、脆弱X関連振戦/運動失調症候群(FXTAS)、脆弱X関連原発性卵巣機能不全(FXPOI)、脆弱X関連多嚢胞性卵巣症候群、及び脆弱XE関連精神遅滞(FRAXE)から選択される。更により好ましくは、脆弱X関連障害は、脆弱X症候群(FXS)、脆弱X関連振戦/運動失調症候群(FXTAS)、及び脆弱X関連原発性卵巣機能不全(FXPOI)から選択される。また更により好ましくは、脆弱X関連障害は、脆弱X症候群である。
【0033】
したがって、本発明は、脆弱X症候群(FXS)、脆弱X関連振戦/運動失調症候群(FXTAS)、又は脆弱X関連原発性卵巣機能不全(FXPOI)の処置又は予防に使用するための、好ましくは、脆弱X症候群の処置又は予防に使用するための、特に、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物(又は薬学的に許容される賦形剤と組み合わせて前述の実体のいずれかを含む医薬組成物)に関する。
【0034】
第2の態様では、本発明は更に、研究におけるmaxi-Kカリウムチャネルオープナーとしての、特にmaxi-Kカリウムチャネルを刺激するための研究ツール化合物としての、(本発明の第1の態様で定義される)式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の使用に関する。したがって、本発明は、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物のmaxi-Kカリウムチャネルオープナーとしてのインビトロ使用に、特に、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の、maxi-Kカリウムチャネルオープナーとして作用する研究ツール化合物としてのインビトロ使用に言及する。本発明は同様に、maxi-Kカリウムチャネルを刺激する方法、特にインビトロ法であって、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の適用を含む方法に関する。本発明は更に、maxi-Kカリウムチャネルを刺激する方法であって、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を、試験試料(例えば生体試料)又は試験動物(すなわち、非ヒト試験動物)に適用することを含む方法に関する。本発明はまた、試料(例えば生体試料)中のmaxi-Kカリウムチャネルを刺激する方法、特にインビトロ法であって、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を、前記試料に適用することを含む方法に言及する。本発明は更に、maxi-Kカリウムチャネルを刺激する方法であって、試験試料(例えば生体試料)又は試験動物(すなわち非ヒト試験動物)を、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物と接触させることを含む方法を提供する。「試料」、「試験試料」、及び「生体試料」という用語には、細胞、細胞培養物、又は細胞抽出物若しくは細胞内抽出物;動物(例えば、ヒト)から得られた生検材料、又はその抽出物;或いは血液、血清、血漿、唾液、尿、若しくはその他の体液、又はそれらの抽出物が含まれるが、これらに限定されない。「インビトロ」という用語は、この特定の文脈では、「生きている人間又は動物の体の外」という意味で使用され、特に、実験は、例えば、フラスコ、試験管、ペトリ皿、マイクロタイタープレート等に提供され得る水溶液又は培養培地等の人工環境中の細胞、細胞抽出物若しくは細胞内抽出物、及び/又は生物学的分子を用いて実行されることを理解すべきである。
【0035】
第3の態様では、本発明は新規化合物を提供する、すなわち、本発明は、以下の式(Ia):
【0036】
【化2】
【0037】
の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物に関し、
式中、特に環A、Z1、Z2、Z3、R1、R2、R3、R4、R5、R5A、R6、RCyc及びnを含む式(Ia)中の基/変数は、本発明の第1の態様による式(I)の化合物に含まれる対応する基/変数と同じ意味(同じ好ましい意味を含む)を有し;
式(Ia)の化合物には、以下の更なる条件が適用される:
- 環Aが、-CO-NR2-を含有する環に縮合しているフェニルである場合、nは1、2、3又は4であり、
- 環Aが、-CO-NR2-を含有する環に縮合しているフェニルであり、nが1又は2である場合、少なくとも1つのR3基は、ハロゲン、-O(C1~4アルキル)、及び-OCF3とは異なっている。
【0038】
式(Ia)の化合物は、活性医薬成分として、特にmaxi-Kカリウムチャネルオープナーとして使用することができる。したがって、本発明は、脆弱X関連障害(例えば、脆弱X症候群(FXS)、脆弱X関連振戦/運動失調症候群(FXTAS)、又は脆弱X関連原発性卵巣機能不全(FXPOI)等)、又はmaxi-Kカリウムチャネルが関係している他の疾患/障害の処置又は予防に使用するための、式(Ia)の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物にも関する。
【0039】
この第3の態様では、本発明は更に、式(Ia)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を、薬学的に許容される賦形剤と組み合わせて含む医薬組成物に関する。したがって、本発明は、医薬として使用するための、式(Ia)の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物、又は前述の実体のいずれかと薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物に関する。
【0040】
特に、本発明は、脳卒中(例えば、虚血性脳卒中)、虚血再灌流障害、虚血性心疾患、高血圧(例えば、部分高血圧又は動脈性高血圧)、心筋梗塞、アレルギー性鼻炎、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、多発性硬化症、痙縮(例えば、筋痙縮、又は多発性硬化症に罹患している対象/患者の痙縮)、振戦、筋肉障害、ジスキネジア、膀胱機能障害、過活動膀胱(OAB)、尿失禁、過敏性腸症候群(IBS)、便失禁、便秘、胃食道逆流障害(GERD)、消化管通過障害、排尿筋活動低下、勃起不全、オピオイド誘発性呼吸抑制、不安、不安障害(例えば、全般性不安障害(GAD)又は社会不安障害(SAD))、感覚処理障害(SPD)、自閉症、自閉症スペクトラム障害、社会的(語用論的)コミュニケーション障害、注意欠陥多動性障害(ADHD)、社会恐怖症、知的障害、疼痛(例えば、神経因性疼痛)、てんかん、てんかん及び/又は発作性障害(例えば、ドラベ症候群)、全般性てんかん及び発作性ジスキネジア(GEPD)、側頭葉てんかん、精神病、統合失調症、統合失調症の陰性症状、統合失調症における認知障害、フェラン・マクダーミド症候群、レット症候群、ピット・ホプキンス症候群、16p11.2欠失症候群、ウィリアムズ・ビューレン症候群、開放隅角高眼圧症、緑内障、耳鳴り、糖尿病性網膜症、子宮収縮抑制(又は早産の予防)、片頭痛、リャン・ワン(Liang-Wang)症候群、スミス・レムリ・オピッツ症候群、アンジェルマン症候群、ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群から選択される疾患/障害の処置又は予防に使用するための、式(Ia)の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物、又は前述の実体のいずれかと薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物に言及する。
【0041】
更に、この第3の態様において、本発明は、脳卒中(例えば、虚血性脳卒中)、虚血再灌流障害、虚血性心疾患、高血圧(例えば、部分高血圧又は動脈性高血圧)、心筋梗塞、アレルギー性鼻炎、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、多発性硬化症、痙縮(例えば、筋痙縮、又は多発性硬化症に罹患している対象/患者の痙縮)、振戦、筋肉障害、ジスキネジア、膀胱機能障害、過活動膀胱(OAB)、尿失禁、過敏性腸症候群(IBS)、便失禁、便秘、胃食道逆流障害(GERD)、消化管通過障害、排尿筋活動低下、勃起不全、オピオイド誘発性呼吸抑制、不安、不安障害(例えば、全般性不安障害(GAD)又は社会不安障害(SAD))、感覚処理障害(SPD)、自閉症、自閉症スペクトラム障害、社会的(語用論的)コミュニケーション障害、注意欠陥多動性障害(ADHD)、社会恐怖症、知的障害、疼痛(例えば、神経因性疼痛)、てんかん、てんかん及び/又は発作性障害(例えば、ドラベ症候群)、全般性てんかん及び発作性ジスキネジア(GEPD)、側頭葉てんかん、精神病、統合失調症、統合失調症の陰性症状、統合失調症における認知障害、フェラン・マクダーミド症候群、レット症候群、ピット・ホプキンス症候群、16p11.2欠失症候群、ウィリアムズ・ビューレン症候群、開放隅角高眼圧症、緑内障、耳鳴り、糖尿病性網膜症、子宮収縮抑制(又は早産の予防)、片頭痛、リャン・ワン(Liang-Wang)症候群、スミス・レムリ・オピッツ症候群、アンジェルマン症候群、ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群から選択される疾患/障害の処置又は予防のための、医薬(又は医薬組成物)の調製における式(Ia)の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の使用にも関する。
【0042】
この第3の態様において、本発明は同様に、脳卒中(例えば、虚血性脳卒中)、虚血再灌流障害、虚血性心疾患、高血圧(例えば、部分高血圧又は動脈性高血圧)、心筋梗塞、アレルギー性鼻炎、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、多発性硬化症、痙縮(例えば、筋痙縮、又は多発性硬化症に罹患している対象/患者の痙縮)、振戦、筋肉障害、ジスキネジア、膀胱機能障害、過活動膀胱(OAB)、尿失禁、過敏性腸症候群(IBS)、便失禁、便秘、胃食道逆流障害(GERD)、消化管通過障害、排尿筋活動低下、勃起不全、オピオイド誘発性呼吸抑制、不安、不安障害(例えば、全般性不安障害(GAD)又は社会不安障害(SAD))、感覚処理障害(SPD)、自閉症、自閉症スペクトラム障害、社会的(語用論的)コミュニケーション障害、注意欠陥多動性障害(ADHD)、社会恐怖症、知的障害、疼痛(例えば、神経因性疼痛)、てんかん、てんかん及び/又は発作性障害(例えば、ドラベ症候群)、全般性てんかん及び発作性ジスキネジア(GEPD)、側頭葉てんかん、精神病、統合失調症、統合失調症の陰性症状、統合失調症における認知障害、フェラン・マクダーミド症候群、レット症候群、ピット・ホプキンス症候群、16p11.2欠失症候群、ウィリアムズ・ビューレン症候群、開放隅角高眼圧症、緑内障、耳鳴り、糖尿病性網膜症、子宮収縮抑制(又は早産の予防)、片頭痛、リャン・ワン(Liang-Wang)症候群、スミス・レムリ・オピッツ症候群、アンジェルマン症候群、ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群から選択される疾患/障害を処置又は予防する方法であって、式(Ia)の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物、又は薬学的に許容される賦形剤と組み合わせて前述の実体のいずれかを含む医薬組成物を、それを必要とする対象(好ましくはヒト)に投与することを含む方法に関する。式(Ia)の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の(又は医薬組成物の)治療有効量を、この方法に従って投与するできであることが理解される。
【発明を実施するための形態】
【0043】
特に明記しない限り、以下の詳細な説明は、本発明の上記の第1の態様、第2の態様、及び第3の態様のそれぞれを含む、本発明の各態様に関する。
【0044】
式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物は、以下に、より詳細に説明される:
【0045】
【化3】
【0046】
式(I)において、R1は、C1~5アルキル、C2~5アルケニル、C2~5アルキニル、-(C0~4アルキレン)-CN(例えば、-CH2-CN)、-(C1~4アルキレン)-COOH(例えば、-CH2-COOH)、-(C0~4アルキレン)-COO-(C1~5アルキル)、-(C1~4アルキレン)-O-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-NH2、-(C0~4アルキレン)-CO-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH2、-(C0~4アルキレン)-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-アリール(例えば、-CH2-フェニル)、及び-(C0~4アルキレン)-ヘテロアリールから選択され、前記-(C0~4アルキレン)-アリール中のアリール部分及び前記-(C0~4アルキレン)-ヘテロアリール中のヘテロアリール部分はそれぞれ、1つ若しくは複数(例えば、1つ、2つ若しくは3つ)のRCyc基で任意選択で置換されており、R5は、R5A基であり;又は代替的に、R1とR5が互いに結合してC2~3アルキレン若しくはC2~3アルケニレンを形成し、前記C2~3アルキレン又は前記C2~3アルケニレン中の1つ又は2つの-CH2-単位は、-O-、-NH-、-N(C1~5アルキル)-、及び-CO-から独立して選択される基によってそれぞれ任意選択で置き換えられている。
【0047】
好ましくは、R1は、C1~5アルキルであり、R5は、R5Aであり;又は代替的に、R1とR5は互いに結合して、-CH2CH2-、-O-CH2-、-CH2-O-、-CO-O-又は-O-CO-基を形成する。より好ましくは、R1は、C1~5アルキルであり、R5は、R5Aである。更により好ましくは、R1は、メチル又はエチルであり、R5は、R5Aである。また更により好ましくは、R1は、メチルであり、R5は、R5Aである。
【0048】
上で説明したように、R1とR5はまた、互いに結合してC2~3アルキレン若しくはC2~3アルケニレンを形成してもよく、前記C2~3アルキレン又は前記C2~3アルケニレン中の1つ又は2つの-CH2-単位は、-O-、-NH-、-N(C1~5アルキル)-、及び-CO-から独立して選択される基によってそれぞれ任意選択で置き換えられている。特に、C2~3アルキレン又はC2~3アルケニレンは、その遠位端を介して(すなわち、アルキレン鎖又はアルケニレン鎖の端部(ends)/末端(termini)の2つの炭素原子を介して)、それぞれR1及びR5を担持する環原子に結合している直鎖C2~3アルキレン又は直鎖C2~3アルケニレン基であってもよく、この場合、R1とR5は互いに結合して、-CH2CH2-、又は-CH2CH2CH2-基を形成することが好ましく、前記-CH2CH2-又は-CH2CH2CH2-中の1つ又は2つの-CH2-単位は、-O-、-NH-、-N(C1~5アルキル)-、及び-CO-から独立して選択される基によってそれぞれ任意選択で置き換えられている。例えば、R1とR5は互いに結合して、-CH2CH2-、-O-CH2-、-CH2-O-、-CO-O-又は-O-CO-基を形成してもよい。更に、R1及びR5の上記の定義によれば、R1がC1~5アルキル(特にメチル)であり、R5がR5Aであることがより好ましい。
【0049】
R2は、水素である。
【0050】
環Aは、フェニル又は5員若しくは6員の単環式ヘテロアリールであり、前記フェニル又は前記ヘテロアリールは、-CO-NR2-を含有する環に縮合している。式(I)にも示されるように、環Aは、環員C(=O)及びN(-R2)を含有する5員環に縮合される。
【0051】
好ましくは、環Aは、フェニル、ピリジニル、オキサゾリル、及びイソオキサゾリルから選択され、前記フェニル、前記ピリジニル、前記オキサゾリル又は前記イソオキサゾリルは、-CO-NR2-を含有する環に縮合している。より好ましくは、環Aはフェニル又はピリジニルであり、前記フェニル又は前記ピリジニルは、-CO-NR2-を含有する環に縮合している。環Aがピリジニル(-CO-NR2-を含有する環に縮合している)である場合、式(I)の化合物は、以下の構造:
【0052】
【化4】
【0053】
のうちの1つを有し得る。
【0054】
更により好ましくは、環Aは、-CO-NR2-を含有する環に縮合しているフェニルである。したがって、式(I)の化合物が以下の構造:
【0055】
【化5】
【0056】
を有することが特に好ましい。
【0057】
各R3は、C1~5アルキル、C2~5アルケニル、C2~5アルキニル、-(C0~4アルキレン)-OH、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキレン)-OH、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SH、-(C0~4アルキレン)-S(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH2、-(C0~4アルキレン)-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-OH、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-OH、-(C0~4アルキレン)-NH-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-O(C1~5アルキル)、ハロゲン、C1~5ハロアルキル、-(C0~4アルキレン)-O-(C1~5ハロアルキル)、-(C0~4アルキレン)-CN、-(C0~4アルキレン)-CHO、-(C0~4アルキレン)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-COOH、-(C0~4アルキレン)-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-NH2、-(C0~4アルキレン)-CO-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-NH-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-N(C1~5アルキル)-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-NH2、-(C0~4アルキレン)-SO2-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-シクロアルキル及び-(C0~4アルキレン)-ヘテロシクロアルキルから独立して選択され、前記-(C0~4アルキレン)-シクロアルキル中のシクロアルキル部分及び前記-(C0~4アルキレン)-ヘテロシクロアルキル中のヘテロシクロアルキル部分はそれぞれ、1つ若しくは複数(例えば、1つ、2つ又は3つ)のRCyc基で任意選択で置換されている。
【0058】
好ましくは、各R3は、C1~5アルキル、C2~5アルケニル、C2~5アルキニル、-OH、-O(C1~5アルキル)、-O(C1~5アルキレン)-OH、-O(C1~5アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-SH、-S(C1~5アルキル)、-NH2、-NH(C1~5アルキル)、-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-NH-OH、-N(C1~5アルキル)-OH、-NH-O(C1~5アルキル)、-N(C1~5アルキル)-O(C1~5アルキル)、ハロゲン、C1~5ハロアルキル、-O-(C1~5ハロアルキル)、-CN、-CHO、-CO-(C1~5アルキル)、-COOH、-CO-O-(C1~5アルキル)、-O-CO-(C1~5アルキル)、-CO-NH2、-CO-NH(C1~5アルキル)、-CO-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-NH-CO-(C1~5アルキル)、-N(C1~5アルキル)-CO-(C1~5アルキル)、-NH-CO-O-(C1~5アルキル)、-N(C1~5アルキル)-CO-O-(C1~5アルキル)、-O-CO-NH-(C1~5アルキル)、-O-CO-N(C1~5アルキル)-(C1~5アルキル)、-SO2-NH2、-SO2-NH(C1~5アルキル)、-SO2-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-NH-SO2-(C1~5アルキル)、-N(C1~5アルキル)-SO2-(C1~5アルキル)、-SO2-(C1~5アルキル)、-SO-(C1~5アルキル)、シクロアルキル、及びヘテロシクロアルキルから独立して選択される。より好ましくは、各R3は、C1~5アルキル、-OH、-O(C1~5アルキル)、-O(C1~5アルキレン)-OH、-O(C1~5アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-SH、-S(C1~5アルキル)、-NH2、-NH(C1~5アルキル)、-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、ハロゲン、C1~5ハロアルキル、-O-(C1~5ハロアルキル)、-CN、及びC3~7シクロアルキルから独立して選択される。更により好ましくは、各R3は、C1~5アルキル、-O(C1~5アルキル)、ハロゲン、C1~5ハロアルキル、及び-CNから独立して選択される。また更により好ましくは、各R3は独立してハロゲン(例えば、-F、-Cl若しくは-Br)又はC1~5ハロアルキル(例えば-CF3、-CHF2若しくは-CH2F)である。なおより好ましくは、各R3は-CF3である。
【0059】
nは0~4の整数(すなわち、0、1、2、3、又は4)である。好ましくは、nは0、1又は2である。より好ましくは、nは1である。
【0060】
nは、環Aに結合している置換基R3の数を示すと理解されるべきである。nが0である場合、環AはR3基で置換されていない、すなわち、R3の代わりに水素で置換されている。
【0061】
R3基(nが1の場合)又は少なくとも1つのR3基(nが2、3又は4の場合)は、C1~5ハロアルキル(例えば、-CF3、-CHF2若しくは-CH2F)又はハロゲン(例えば、-F、-Cl、若しくは-Br)、更により好ましくは-CF3であることが特に好ましい。更に、前記C1~5ハロアルキル又は前記ハロゲン(又は前記-CF3)は、環A(環Aがフェニル又はピリジニル等の6員環である場合)に、4位、5位、6位又は7位、より好ましくは5位、6位又は7位、更により好ましくは5位又は6位、また更により好ましくは6位の環炭素原子で結合していることが好ましく、環原子の付番は以下に示すとおりである:
【0062】
【化6】
【0063】
したがって、環Aがフェニル(-CO-NR2-を含有する環に縮合している)である場合、nは1であり、R3は6位で環Aに結合している-CF3であり、式(I)の化合物は以下の構造を有する:
【0064】
【化7】
【0065】
環原子Z1、Z2及びZ3は、それぞれ独立してC(-R6)又はNである。
【0066】
好ましくは、環原子Z1、Z2及びZ3のうちの2つは、それぞれ独立してC(-R6)又はNであり、もう1つはC(-R6)である。例えば、Z1及びZ2はそれぞれNであってもよく、Z3はC(-R6)であってもよい。より好ましくは、環原子Z1、Z2及びZ3のうちの1つは、C(-R6)又はNであり、あとの2つの環原子はそれぞれC(-R6)である。更により好ましくは、環原子Z1及びZ2のうちの1つは、C(-R6)又はNであり、前記環原子Z1及びZ2のうちのもう1つは、C(-R6)であり、Z3はC(-R6)ある。また更により好ましくは、Z2は、C(-R6)又はNであり、Z1及びZ3は、それぞれC(-R6)である。例えば、式(I)の化合物が以下の構造:
【0067】
【化8】
【0068】
を有する場合、Z2は、Nであってもよく、Z1及びZ3は、それぞれC(-R6)であってもよい。
【0069】
また更により好ましくは、Z1、Z2、及びZ3は、それぞれC(-R6)である。したがって、式(I)の化合物が以下の構造:
【0070】
【化9】
【0071】
を有することが特に好ましい。
【0072】
R4は、水素、C1~5アルキル、C2~5アルケニル、C2~5アルキニル、-(C0~4アルキレン)-OH、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキレン)-OH、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SH、-(C0~4アルキレン)-S(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH2、-(C0~4アルキレン)-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-OH、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-OH、-(C0~4アルキレン)-NH-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-O(C1~5アルキル)、ハロゲン、C1~5ハロアルキル、-(C0~4アルキレン)-O-(C1~5ハロアルキル)、-(C0~4アルキレン)-CN、-(C0~4アルキレン)-CHO、-(C0~4アルキレン)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-COOH、-(C0~4アルキレン)-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-NH2、-(C0~4アルキレン)-CO-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-NH-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-N(C1~5アルキル)-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-NH2、-(C0~4アルキレン)-SO2-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-カルボシクリル、及び-(C0~4アルキレン)-ヘテロシクリルから選択され、前記-(C0~4アルキレン)-カルボシクリル中のカルボシクリル部分及び前記-(C0~4アルキレン)-ヘテロシクリル中のヘテロシクリル部分はそれぞれ、1つ若しくは複数(例えば、1つ、2つ又は3つ)のRCyc基で任意選択で置換されている。
【0073】
好ましくは、R4は、水素、C1~5アルキル、-O(C1~5アルキル)、ハロゲン、C1~5ハロアルキル、-O(C1~5ハロアルキル)(例えば、-OCF3)、-CN、-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-カルボシクリル、及び-(C0~4アルキレン)-ヘテロシクリル(-(C0~4アルキレン)-ヘテロアリール等;例えば、イミダゾリル)から選択され、前記-(C0~4アルキレン)-カルボシクリル中のカルボシクリル部分及び前記-(C0~4アルキレン)-ヘテロシクリル中のヘテロシクリル部分はそれぞれ、1つ若しくは複数のRCyc基で任意選択で置換されている。より好ましくは、R4は、水素、C1~5アルキル、-O(C1~5アルキル)、ハロゲン、C1~5ハロアルキル、-O(C1~5ハロアルキル)(例えば、-OCF3)、-CN、-SO2-(C1~5アルキル)、アリール、及びヘテロアリール(例えば、イミダゾリル等)から選択され、前記アリール及び前記ヘテロアリールはそれぞれ、1つ又は複数のRCyc基(例えば、R4は、N-メチルイミダゾリル、例として1-メチルイミダゾール-2-イル、1-メチルイミダゾール-4-イル、若しくは1-メチルイミダゾール-5-イルであってもよい)で任意選択で置換されている。更により好ましくは、R4は、ハロゲン(例えば、-F、-Cl、-Br若しくは-I)、-CF3、又は-CNである。R4は、-Clであることが特に好ましい。
【0074】
上で説明したように、R5は、R5A基のいずれかであるか;又はR1とR5が互いに結合してC2~3アルキレン若しくはC2~3アルケニレンを形成し、前記C2~3アルキレン又は前記C2~3アルケニレン中の1つ又は2つの-CH2-単位は、-O-、-NH-、-N(C1~5アルキル)-、及び-CO-から独立して選択される基によってそれぞれ任意選択で置き換えられている。更に、上記でも説明したように、R5は、R5A基であることが好ましい。
【0075】
R5Aは、水素、C1~5アルキル、C2~5アルケニル、C2~5アルキニル、-(C0~4アルキレン)-OH、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキレン)-OH、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SH、-(C0~4アルキレン)-S(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH2、-(C0~4アルキレン)-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-OH、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-OH、-(C0~4アルキレン)-NH-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-O(C1~5アルキル)、ハロゲン、C1~5ハロアルキル、-(C0~4アルキレン)-O-(C1~5ハロアルキル)、-(C0~4アルキレン)-CN、-(C0~4アルキレン)-CHO、-(C0~4アルキレン)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-COOH、-(C0~4アルキレン)-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-NH2、-(C0~4アルキレン)-CO-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-NH-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-N(C1~5アルキル)-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-NH2、-(C0~4アルキレン)-SO2-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-カルボシクリル、及び-(C0~4アルキレン)-ヘテロシクリルから選択され、前記-(C0~4アルキレン)-カルボシクリル中のカルボシクリル部分及び前記-(C0~4アルキレン)-ヘテロシクリル中のヘテロシクリル部分はそれぞれ、1つ若しくは複数(例えば、1つ、2つ又は3つ)のRCyc基で任意選択で置換されている。
【0076】
好ましくは、R5Aは、水素、-O(C1~5アルキル)、-OH、ハロゲン、C1~5ハロアルキル、-O-(C1~5ハロアルキル)、-CN、-CO-(C1~5アルキル)、-COOH、-CO-O-(C1~5アルキル)、-CO-NH2、-CO-NH(C1~5アルキル)、及び-CO-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)から選択される。より好ましくは、R5Aは、水素、-O(C1~5アルキル)、-OH、ハロゲン、C1~5ハロアルキル、-CN、-COOH、及び-CO-NH2から選択される。更により好ましくは、R5Aは、-O(C1~5アルキル)又は-OHである。また更により好ましくは、R5Aは、-OCH3、-OCH2CH3又は-OHである。なおより好ましくは、R5Aは、-OCH3である。
【0077】
各R6は、水素、C1~5アルキル、C2~5アルケニル、C2~5アルキニル、-(C0~4アルキレン)-OH、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキレン)-OH、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SH、-(C0~4アルキレン)-S(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH2、-(C0~4アルキレン)-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-OH、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-OH、-(C0~4アルキレン)-NH-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-O(C1~5アルキル)、ハロゲン、C1~5ハロアルキル、-(C0~4アルキレン)-O-(C1~5ハロアルキル)、-(C0~4アルキレン)-CN、-(C0~4アルキレン)-CHO、-(C0~4アルキレン)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-COOH、-(C0~4アルキレン)-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-NH2、-(C0~4アルキレン)-CO-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-NH-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-N(C1~5アルキル)-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-NH2、-(C0~4アルキレン)-SO2-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-カルボシクリル、及び-(C0~4アルキレン)-ヘテロシクリルから独立して選択され、前記-(C0~4アルキレン)-カルボシクリル中のカルボシクリル部分及び前記-(C0~4アルキレン)-ヘテロシクリル中のヘテロシクリル部分はそれぞれ、1つ若しくは複数(例えば、1つ、2つ又は3つ)のRCyc基で任意選択で置換されている。
【0078】
好ましくは、各R6は、水素、C1~5アルキル、C2~5アルケニル、C2~5アルキニル、-OH、-O(C1~5アルキル)、-O(C1~5アルキレン)-OH、-O(C1~5アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-SH、-S(C1~5アルキル)、-NH2、-NH(C1~5アルキル)、-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-NH-OH、-N(C1~5アルキル)-OH、-NH-O(C1~5アルキル)、-N(C1~5アルキル)-O(C1~5アルキル)、ハロゲン、C1~5ハロアルキル、-O-(C1~5ハロアルキル)、-CN、-CHO、-CO-(C1~5アルキル)、-COOH、-CO-O-(C1~5アルキル)、-O-CO-(C1~5アルキル)、-CO-NH2、-CO-NH(C1~5アルキル)、-CO-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-NH-CO-(C1~5アルキル)、-N(C1~5アルキル)-CO-(C1~5アルキル)、-NH-CO-O-(C1~5アルキル)、-N(C1~5アルキル)-CO-O-(C1~5アルキル)、-O-CO-NH-(C1~5アルキル)、-O-CO-N(C1~5アルキル)-(C1~5アルキル)、-SO2-NH2、-SO2-NH(C1~5アルキル)、-SO2-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-NH-SO2-(C1~5アルキル)、-N(C1~5アルキル)-SO2-(C1~5アルキル)、-SO2-(C1~5アルキル)、及び-SO-(C1~5アルキル)から独立して選択される。より好ましくは、各R6は、水素、C1~5アルキル、-O(C1~5アルキル)、ハロゲン、C1~5ハロアルキル、-O-(C1~5ハロアルキル)、及び-CNから独立して選択される。更により好ましくは、各R6は、水素である。
【0079】
各RCycは、C1~5アルキル、C2~5アルケニル、C2~5アルキニル、-(C0~4アルキレン)-OH、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキレン)-OH、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SH、-(C0~4アルキレン)-S(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH2、-(C0~4アルキレン)-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-OH、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-OH、-(C0~4アルキレン)-NH-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-O(C1~5アルキル)、ハロゲン、C1~5ハロアルキル、-(C0~4アルキレン)-O-(C1~5ハロアルキル)、-(C0~4アルキレン)-CN、-(C0~4アルキレン)-CHO、-(C0~4アルキレン)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-COOH、-(C0~4アルキレン)-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-NH2、-(C0~4アルキレン)-CO-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-NH-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-N(C1~5アルキル)-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-NH2、-(C0~4アルキレン)-SO2-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-(C1~5アルキル)、及び-(C0~4アルキレン)-SO-(C1~5アルキル)から独立して選択される。
【0080】
好ましくは、各RCycは、C1~5アルキル、C2~5アルケニル、C2~5アルキニル、-OH、-O(C1~5アルキル)、-O(C1~5アルキレン)-OH、-O(C1~5アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-SH、-S(C1~5アルキル)、-NH2、-NH(C1~5アルキル)、-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-NH-OH、-N(C1~5アルキル)-OH、-NH-O(C1~5アルキル)、-N(C1~5アルキル)-O(C1~5アルキル)、ハロゲン、C1~5ハロアルキル、-O-(C1~5ハロアルキル)、-CN、-CHO、-CO-(C1~5アルキル)、-COOH、-CO-O-(C1~5アルキル)、-O-CO-(C1~5アルキル)、-CO-NH2、-CO-NH(C1~5アルキル)、-CO-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-NH-CO-(C1~5アルキル)、-N(C1~5アルキル)-CO-(C1~5アルキル)、-NH-CO-O-(C1~5アルキル)、-N(C1~5アルキル)-CO-O-(C1~5アルキル)、-O-CO-NH-(C1~5アルキル)、-O-CO-N(C1~5アルキル)-(C1~5アルキル)、-SO2-NH2、-SO2-NH(C1~5アルキル)、-SO2-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-NH-SO2-(C1~5アルキル)、-N(C1~5アルキル)-SO2-(C1~5アルキル)、-SO2-(C1~5アルキル)、及び-SO-(C1~5アルキル)から独立して選択される。より好ましくは、各RCycは、C1~5アルキル、-OH、-O(C1~5アルキル)、-O(C1~5アルキレン)-OH、-O(C1~5アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-SH、-S(C1~5アルキル)、-NH2、-NH(C1~5アルキル)、-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、ハロゲン、C1~5ハロアルキル、-O-(C1~5ハロアルキル)、及び-CNから独立して選択される。
【0081】
式(I)の化合物が、非塩形態で、又はそれぞれの化合物の薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物としてのいずれかで、以下に更に記載される実施例1~40のいずれか1つを含む、本明細書の実施例セクションに記載されている式(I)の特定の化合物のいずれか1つであることが、特に好ましい。
【0082】
したがって、式(I)の化合物が、
3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
3-(5-クロロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-エチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-プロピル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
3-ベンジル-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
2-(3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-オキソ-6-(トリフルオロメチル)インドリン-3-イル)アセトニトリル;
3-アリル-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
2-(3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-オキソ-6-(トリフルオロメチル)インドリン-3-イル)酢酸;
5-クロロ-6'-(トリフルオロメチル)-2H-スピロ[ベンゾフラン-3,3'-インドリン]-2'-オン;
7-メトキシ-6'-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロスピロ[インデン-1,3'-インドリン]-2'-オン;
4-クロロ-7-メトキシ-6'-(トリフルオロメチル)スピロ[インダン-1,3'-インドリン]-2'-オン;
4,6-ジクロロ-7-メトキシ-6'-(トリフルオロメチル)スピロ[インダン-1,3'-インドリン]-2'-オン;
3-(2-クロロ-5-メトキシ-4-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
3-(3-メトキシ-4-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
3-メチル-3-(4-ピリジル)-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
3-(2-クロロ-4-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
3-[2-メトキシ-5-(1-メチルイミダゾール-2-イル)フェニル]-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
3-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2-オン;
6'-クロロ-6-(トリフルオロメチル)-3'H-スピロ[インドリン-3,1'-イソベンゾフラン]-2,3'-ジオン;
3-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-6-(ジフルオロメチル)-3-メチル-インドリン-2-オン;
3-(5-クロロ-2-メトキシ-3-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
6-クロロ-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチルインドリン-2-オン;
6-クロロ-3-(2-クロロ-5-メトキシピリジン-4-イル)-3-メチルインドリン-2-オン;
3-(6-クロロ-3-メトキシピリジン-2-イル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
6-クロロ-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2(3H)-オン;
6-クロロ-3-(5-クロロ-2-メトキシピリジン-3-イル)-3-メチルインドリン-2-オン;
6-クロロ-3-(2-メトキシ-5-(1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)フェニル)-3-メチルインドリン-2-オン;
6-クロロ-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2(3H)-オン;
6-クロロ-3-(6-クロロ-3-メトキシピリジン-2-イル)-3-メチルインドリン-2-オン;
6-クロロ-3-(2-メトキシ-5-(1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)-3-メチルインドリン-2-オン;
6-クロロ-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2(3H)-オン;
3-(5-クロロ-2-メトキシピリジン-3-イル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2(3H)-オン;
6-クロロ-3-(5-メトキシ-2-(1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピリジン-4-イル)-3-メチルインドリン-2-オン;
3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2(3H)-オン;
3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2(3H)-オン;
3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2(3H)-オン;
6-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-6-メチル-3-(トリフルオロメチル)-4H-ピロロ[2,3-d]イソオキサゾール-5(6H)-オン;
6-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-6-メチル-2-(トリフルオロメチル)-4H-ピロロ[3,2-d]オキサゾール-5(6H)-オン;
又は上記化合物のいずれか1つの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物から選択されることが特に好ましい。
【0083】
本発明は更に、特に、R1を担持する炭素原子においてS配置を有するこれらの化合物のそれぞれ1つ、又はR1を担持する炭素原子においてR配置を有するこれらの化合物のそれぞれ1つを含む、上記化合物の各立体異性体に、具体的かつ個別的に関する。
【0084】
したがって、式(I)の化合物が、
(3S)-3-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3R)-3-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3S)-3-(5-クロロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3R)-3-(5-クロロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3S)-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-エチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3R)-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-エチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3S)-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-プロピル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3R)-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-プロピル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3S)-3-ベンジル-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3R)-3-ベンジル-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3S)-2-(3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-オキソ-6-(トリフルオロメチル)インドリン-3-イル)アセトニトリル;
(3R)-2-(3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-オキソ-6-(トリフルオロメチル)インドリン-3-イル)アセトニトリル;
(3S)-3-アリル-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3R)-3-アリル-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3S)-2-(3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-オキソ-6-(トリフルオロメチル)インドリン-3-イル)酢酸;
(3R)-2-(3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-オキソ-6-(トリフルオロメチル)インドリン-3-イル)酢酸;
(3S)-5-クロロ-6'-(トリフルオロメチル)-2H-スピロ[ベンゾフラン-3,3'-インドリン]-2'-オン;
(3R)-5-クロロ-6'-(トリフルオロメチル)-2H-スピロ[ベンゾフラン-3,3'-インドリン]-2'-オン;
(1S)-7-メトキシ-6'-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロスピロ[インデン-1,3'-インドリン]-2'-オン;
(1R)-7-メトキシ-6'-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロスピロ[インデン-1,3'-インドリン]-2'-オン;
(1S)-4-クロロ-7-メトキシ-6'-(トリフルオロメチル)スピロ[インダン-1,3'-インドリン]-2'-オン;
(1R)-4-クロロ-7-メトキシ-6'-(トリフルオロメチル)スピロ[インダン-1,3'-インドリン]-2'-オン;
(1S)-4,6-ジクロロ-7-メトキシ-6'-(トリフルオロメチル)スピロ[インダン-1,3'-インドリン]-2'-オン;
(1R)-4,6-ジクロロ-7-メトキシ-6'-(トリフルオロメチル)スピロ[インダン-1,3'-インドリン]-2'-オン;
(3S)-3-(2-クロロ-5-メトキシ-4-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3R)-3-(2-クロロ-5-メトキシ-4-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3S)-3-(3-メトキシ-4-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3R)-3-(3-メトキシ-4-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3S)-3-メチル-3-(4-ピリジル)-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3R)-3-メチル-3-(4-ピリジル)-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3S)-3-(2-クロロ-4-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3R)-3-(2-クロロ-4-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3S)-3-[2-メトキシ-5-(1-メチルイミダゾール-2-イル)フェニル]-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3R)-3-[2-メトキシ-5-(1-メチルイミダゾール-2-イル)フェニル]-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3S)-3-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2-オン;
(3R)-3-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2-オン;
(3S)-6'-クロロ-6-(トリフルオロメチル)-3'H-スピロ[インドリン-3,1'-イソベンゾフラン]-2,3'-ジオン;
(3R)-6'-クロロ-6-(トリフルオロメチル)-3'H-スピロ[インドリン-3,1'-イソベンゾフラン]-2,3'-ジオン;
(3S)-3-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-6-(ジフルオロメチル)-3-メチル-インドリン-2-オン;
(3R)-3-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-6-(ジフルオロメチル)-3-メチル-インドリン-2-オン;
(3S)-3-(5-クロロ-2-メトキシ-3-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3R)-3-(5-クロロ-2-メトキシ-3-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3S)-6-クロロ-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチルインドリン-2-オン;
(3R)-6-クロロ-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチルインドリン-2-オン;
(3S)-6-クロロ-3-(2-クロロ-5-メトキシピリジン-4-イル)-3-メチルインドリン-2-オン;
(3R)-6-クロロ-3-(2-クロロ-5-メトキシピリジン-4-イル)-3-メチルインドリン-2-オン;
(3S)-3-(6-クロロ-3-メトキシピリジン-2-イル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3R)-3-(6-クロロ-3-メトキシピリジン-2-イル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3S)-6-クロロ-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2(3H)-オン;
(3R)-6-クロロ-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2(3H)-オン;
(3S)-6-クロロ-3-(5-クロロ-2-メトキシピリジン-3-イル)-3-メチルインドリン-2-オン;
(3R)-6-クロロ-3-(5-クロロ-2-メトキシピリジン-3-イル)-3-メチルインドリン-2-オン;
(3S)-6-クロロ-3-(2-メトキシ-5-(1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)フェニル)-3-メチルインドリン-2-オン;
(3R)-6-クロロ-3-(2-メトキシ-5-(1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)フェニル)-3-メチルインドリン-2-オン;
(3S)-6-クロロ-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2(3H)-オン;
(3R)-6-クロロ-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2(3H)-オン;
(3S)-6-クロロ-3-(6-クロロ-3-メトキシピリジン-2-イル)-3-メチルインドリン-2-オン;
(3R)-6-クロロ-3-(6-クロロ-3-メトキシピリジン-2-イル)-3-メチルインドリン-2-オン;
(3S)-6-クロロ-3-(2-メトキシ-5-(1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)-3-メチルインドリン-2-オン;
(3R)-6-クロロ-3-(2-メトキシ-5-(1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)-3-メチルインドリン-2-オン;
(3S)-6-クロロ-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2(3H)-オン;
(3R)-6-クロロ-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2(3H)-オン;
(3S)-3-(5-クロロ-2-メトキシピリジン-3-イル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2(3H)-オン;
(3R)-3-(5-クロロ-2-メトキシピリジン-3-イル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2(3H)-オン;
(3S)-6-クロロ-3-(5-メトキシ-2-(1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピリジン-4-イル)-3-メチルインドリン-2-オン;
(3R)-6-クロロ-3-(5-メトキシ-2-(1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピリジン-4-イル)-3-メチルインドリン-2-オン;
(3S)-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2(3H)-オン;
(3R)-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2(3H)-オン;
(3S)-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2(3H)-オン;
(3R)-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2(3H)-オン;
(3S)-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2(3H)-オン;
(3R)-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2(3H)-オン;
(6S)-6-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-6-メチル-3-(トリフルオロメチル)-4H-ピロロ[2,3-d]イソオキサゾール-5(6H)-オン;
(6R)-6-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-6-メチル-3-(トリフルオロメチル)-4H-ピロロ[2,3-d]イソオキサゾール-5(6H)-オン;
(6S)-6-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-6-メチル-2-(トリフルオロメチル)-4H-ピロロ[3,2-d]オキサゾール-5(6H)-オン;
(6R)-6-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-6-メチル-2-(トリフルオロメチル)-4H-ピロロ[3,2-d]オキサゾール-5(6H)-オン;
又は上記化合物のいずれか1つの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物から選択されることが特に好ましい。
【0085】
本発明はまた、新規化合物を提供する。したがって、上記の第3の態様では、本発明は、以下の式(Ia)
【0086】
【化10】
【0087】
の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物に関する。
【0088】
上記のように、式(Ia)の化合物は、活性医薬成分として、特にmaxi-Kカリウムチャネルオープナーとして使用することができる。したがって、本発明はまた、脆弱X関連障害(例えば、脆弱X症候群(FXS)、脆弱X関連振戦/運動失調症候群(FXTAS)、又は脆弱X関連原発性卵巣機能不全(FXPOI)等)、又はmaxi-Kカリウムチャネルが関係している他の疾患/障害の処置又は予防に使用するための、式(Ia)の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物、又は前述の実体のいずれかと薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物に関する。特に、本発明は、脳卒中(例えば、虚血性脳卒中)、虚血再灌流障害、虚血性心疾患、高血圧(例えば、部分高血圧又は動脈性高血圧)、心筋梗塞、アレルギー性鼻炎、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、多発性硬化症、痙縮(例えば、筋痙縮、又は多発性硬化症に罹患している対象/患者の痙縮)、振戦、筋肉障害、ジスキネジア、膀胱機能障害、過活動膀胱(OAB)、尿失禁、過敏性腸症候群(IBS)、便失禁、便秘、胃食道逆流障害(GERD)、消化管通過障害、排尿筋活動低下、勃起不全、オピオイド誘発性呼吸抑制、不安、不安障害(例えば、全般性不安障害(GAD)又は社会不安障害(SAD))、感覚処理障害(SPD)、自閉症、自閉症スペクトラム障害、社会的(語用論的)コミュニケーション障害、注意欠陥多動性障害(ADHD)、社会恐怖症、知的障害、疼痛(例えば、神経因性疼痛)、てんかん、てんかん及び/又は発作性障害(例えば、ドラベ症候群)、全般性てんかん及び発作性ジスキネジア(GEPD)、側頭葉てんかん、精神病、統合失調症、統合失調症の陰性症状、統合失調症における認知障害、フェラン・マクダーミド症候群、レット症候群、ピット・ホプキンス症候群、16p11.2欠失症候群、ウィリアムズ・ビューレン症候群、開放隅角高眼圧症、緑内障、耳鳴り、糖尿病性網膜症、子宮収縮抑制(又は早産の予防)、片頭痛、リャン・ワン(Liang-Wang)症候群、スミス・レムリ・オピッツ症候群、アンジェルマン症候群、ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群から選択される疾患/障害の処置又は予防に使用するための、式(Ia)の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物、又は前述の実体のいずれかと薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物に言及する。
【0089】
特に環A、Z1、Z2、Z3、R1、R2、R3、R4、R5、R5A、R6、RCyc及びnを含む式(Ia)に含まれる基/変数は、同じ意味を有し、式(I)の化合物に関して本明細書で上に記載及び定義したのと同じ好ましい意味を含む。
【0090】
式(Ia)には、以下の更なる条件が適用される:
- 環Aが、-CO-NR2-を含有する環に縮合しているフェニルである場合、nは1、2、3又は4であり、
- 環Aが、-CO-NR2-を含有する環に縮合しているフェニルであり、nが1又は2である場合、少なくとも1つのR3基は、ハロゲン、-O(C1~4アルキル)、及び-OCF3とは異なっている。
【0091】
更に、式(Ia)において、環Aがフェニル(-CO-NR2-を含有する環に縮合している)である場合、nは1、2、又は3であり、R3基は、5位で環Aに結合しており(環原子の付番は以下に示すとおりである)、
その場合、5位に結合する前記R3基は、-Brではないことが好ましく;より好ましくは、5位で結合している前記R3基はハロゲンではない(すなわち、ハロゲンとは異なる):
【0092】
【化11】
【0093】
上で説明したように、本発明の第3の態様による式(Ia)の化合物に含まれる環A、Z1、Z2、Z3、R1、R2、R3、R4、R5、R5A、R6、RCyc及びnは、本発明の第1の態様による式(I)の化合物に関して本明細書で上に記載及び定義したのと同じ好ましい意味を有する。
【0094】
式(Ia)の化合物が、非塩形態で、又はそれぞれの化合物の薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物としてのいずれかで、本明細書の実施例セクションに記載されている対応する特定の化合物のいずれか1つであることが、特に好ましい。
【0095】
したがって、式(Ia)の化合物が、
3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
3-(5-クロロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-エチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-プロピル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
3-ベンジル-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
2-(3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-オキソ-6-(トリフルオロメチル)インドリン-3-イル)アセトニトリル;
3-アリル-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
2-(3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-オキソ-6-(トリフルオロメチル)インドリン-3-イル)酢酸;
5-クロロ-6'-(トリフルオロメチル)-2H-スピロ[ベンゾフラン-3,3'-インドリン]-2'-オン;
7-メトキシ-6'-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロスピロ[インデン-1,3'-インドリン]-2'-オン;
4-クロロ-7-メトキシ-6'-(トリフルオロメチル)スピロ[インダン-1,3'-インドリン]-2'-オン;
4,6-ジクロロ-7-メトキシ-6'-(トリフルオロメチル)スピロ[インダン-1,3'-インドリン]-2'-オン;
3-(2-クロロ-5-メトキシ-4-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
3-(3-メトキシ-4-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
3-メチル-3-(4-ピリジル)-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
3-(2-クロロ-4-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
3-[2-メトキシ-5-(1-メチルイミダゾール-2-イル)フェニル]-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
3-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2-オン;
6'-クロロ-6-(トリフルオロメチル)-3'H-スピロ[インドリン-3,1'-イソベンゾフラン]-2,3'-ジオン;
3-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-6-(ジフルオロメチル)-3-メチル-インドリン-2-オン;
3-(5-クロロ-2-メトキシ-3-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
3-(6-クロロ-3-メトキシピリジン-2-イル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
6-クロロ-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2(3H)-オン;
6-クロロ-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2(3H)-オン;
6-クロロ-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2(3H)-オン;
3-(5-クロロ-2-メトキシピリジン-3-イル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2(3H)-オン;
3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2(3H)-オン;
3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2(3H)-オン;
3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2(3H)-オン;
6-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-6-メチル-3-(トリフルオロメチル)-4H-ピロロ[2,3-d]イソオキサゾール-5(6H)-オン;
6-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-6-メチル-2-(トリフルオロメチル)-4H-ピロロ[3,2-d]オキサゾール-5(6H)-オン;
又は上記化合物のいずれか1つの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物から選択されることが特に好ましい。
【0096】
更に、本発明はまた、特に、R1を担持する炭素原子においてS配置を有するこれらの化合物のそれぞれ1つ、又はR1を担持する炭素原子においてR配置を有するこれらの化合物のそれぞれ1つを含む、上記化合物の各立体異性体に、具体的かつ個別的に関する。
【0097】
したがって、式(Ia)の化合物が、
(3S)-3-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3R)-3-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3S)-3-(5-クロロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3R)-3-(5-クロロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3S)-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-エチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3R)-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-エチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3S)-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-プロピル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3R)-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-プロピル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3S)-3-ベンジル-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3R)-3-ベンジル-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3S)-2-(3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-オキソ-6-(トリフルオロメチル)インドリン-3-イル)アセトニトリル;
(3R)-2-(3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-オキソ-6-(トリフルオロメチル)インドリン-3-イル)アセトニトリル;
(3S)-3-アリル-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3R)-3-アリル-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3S)-2-(3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-オキソ-6-(トリフルオロメチル)インドリン-3-イル)酢酸;
(3R)-2-(3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-オキソ-6-(トリフルオロメチル)インドリン-3-イル)酢酸;
(3S)-5-クロロ-6'-(トリフルオロメチル)-2H-スピロ[ベンゾフラン-3,3'-インドリン]-2'-オン;
(3R)-5-クロロ-6'-(トリフルオロメチル)-2H-スピロ[ベンゾフラン-3,3'-インドリン]-2'-オン;
(1S)-7-メトキシ-6'-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロスピロ[インデン-1,3'-インドリン]-2'-オン;
(1R)-7-メトキシ-6'-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロスピロ[インデン-1,3'-インドリン]-2'-オン;
(1S)-4-クロロ-7-メトキシ-6'-(トリフルオロメチル)スピロ[インダン-1,3'-インドリン]-2'-オン;
(1R)-4-クロロ-7-メトキシ-6'-(トリフルオロメチル)スピロ[インダン-1,3'-インドリン]-2'-オン;
(1S)-4,6-ジクロロ-7-メトキシ-6'-(トリフルオロメチル)スピロ[インダン-1,3'-インドリン]-2'-オン;
(1R)-4,6-ジクロロ-7-メトキシ-6'-(トリフルオロメチル)スピロ[インダン-1,3'-インドリン]-2'-オン;
(3S)-3-(2-クロロ-5-メトキシ-4-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3R)-3-(2-クロロ-5-メトキシ-4-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3S)-3-(3-メトキシ-4-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3R)-3-(3-メトキシ-4-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3S)-3-メチル-3-(4-ピリジル)-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3R)-3-メチル-3-(4-ピリジル)-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3S)-3-(2-クロロ-4-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3R)-3-(2-クロロ-4-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3S)-3-[2-メトキシ-5-(1-メチルイミダゾール-2-イル)フェニル]-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3R)-3-[2-メトキシ-5-(1-メチルイミダゾール-2-イル)フェニル]-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3S)-3-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2-オン;
(3R)-3-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2-オン;
(3S)-6'-クロロ-6-(トリフルオロメチル)-3'H-スピロ[インドリン-3,1'-イソベンゾフラン]-2,3'-ジオン;
(3R)-6'-クロロ-6-(トリフルオロメチル)-3'H-スピロ[インドリン-3,1'-イソベンゾフラン]-2,3'-ジオン;
(3S)-3-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-6-(ジフルオロメチル)-3-メチル-インドリン-2-オン;
(3R)-3-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-6-(ジフルオロメチル)-3-メチル-インドリン-2-オン;
(3S)-3-(5-クロロ-2-メトキシ-3-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3R)-3-(5-クロロ-2-メトキシ-3-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3S)-3-(6-クロロ-3-メトキシピリジン-2-イル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3R)-3-(6-クロロ-3-メトキシピリジン-2-イル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3S)-6-クロロ-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2(3H)-オン;
(3R)-6-クロロ-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2(3H)-オン;
(3S)-6-クロロ-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2(3H)-オン;
(3R)-6-クロロ-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2(3H)-オン;
(3S)-6-クロロ-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2(3H)-オン;
(3R)-6-クロロ-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2(3H)-オン;
(3S)-3-(5-クロロ-2-メトキシピリジン-3-イル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2(3H)-オン;
(3R)-3-(5-クロロ-2-メトキシピリジン-3-イル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2(3H)-オン;
(3S)-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2(3H)-オン;
(3R)-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2(3H)-オン;
(3S)-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2(3H)-オン;
(3R)-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2(3H)-オン;
(3S)-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2(3H)-オン;
(3R)-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2(3H)-オン;
(6S)-6-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-6-メチル-3-(トリフルオロメチル)-4H-ピロロ[2,3-d]イソオキサゾール-5(6H)-オン;
(6R)-6-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-6-メチル-3-(トリフルオロメチル)-4H-ピロロ[2,3-d]イソオキサゾール-5(6H)-オン;
(6S)-6-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-6-メチル-2-(トリフルオロメチル)-4H-ピロロ[3,2-d]オキサゾール-5(6H)-オン;
(6R)-6-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-6-メチル-2-(トリフルオロメチル)-4H-ピロロ[3,2-d]オキサゾール-5(6H)-オン;
又は上記化合物のいずれか1つの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物から選択されることが特に好ましい。
【0098】
合成化学の分野の当業者にとって、式(I)又は(Ia)の化合物及びそれらの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を調製するための種々の方法は容易に明らかになるであろう。例えば、本発明の化合物は、本明細書の以下の実施例セクションに記載の合成経路に従って、又はそれに類似して調製することができる。特に、式(I)又は(Ia)の化合物は、以下のスキーム1~8に記載の一般的方法に従って合成することができる。
【0099】
スキーム1: 3-アリール-3-アルキル-インドリン-2-オンの一般的な調製方法。
【0100】
【化12】
【0101】
工程1:-40℃に冷却したTHF(40mL)等の不活性溶媒中のフェニル酢酸エステル(1、5mmol、1当量)と1-フルオロ-2-ニトロベンゼン誘導体(1.2当量)の混合物に、LiHMDS(1.3当量)等の塩基を加える。混合物を室温に温め、反応が完了するまで撹拌する。反応を、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えてクエンチし、酢酸エチルで抽出する。有機相を飽和ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発させる。シリカゲル上での残留物のクロマトグラフィー(溶離液 石油エーテル/酢酸エチル勾配)により、生成物2を得る。
【0102】
工程2:氷上で冷却した、DMF(5mL)等の不活性溶媒中の2(1mmol、1当量)及びハロゲン化アルキル又はハロゲン化アリールである、R1-X(6当量)の撹拌溶液に、NaH(1.5当量)等の脱プロトン化剤を加える。混合物を氷上で0.5時間撹拌し、次いで50℃に温め、反応が完了するまで撹拌する。反応を、氷上で冷却し水でクエンチし、EtOAcで抽出する。有機相を飽和ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発させる。シリカゲル上での残留物のクロマトグラフィー(溶離液 石油エーテル/酢酸エチル勾配)により、生成物3を得る。
【0103】
工程3:エタノール/水の混合物中の3(0.5mmol、1当量)の溶液に、亜ジチオン酸ナトリウム(10当量)等の還元剤を加え、反応が完了するまで混合物を80℃で撹拌する。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮し、残留物をシリカゲル上でのクロマトグラフィー(溶離液 石油エーテル/酢酸エチル勾配)により精製して、生成物4を得る。
【0104】
スキーム2: 3-ヘテロアリール-3-アルキル-インドリン-2-オンの一般的な調製方法。
【0105】
【化13】
【0106】
工程1:THF(10mL)中のエチル2-(ヘテロアリール)アセテート1(10mmol、1当量)の溶液に、N2下で-50℃にてNaH(1当量)等の脱プロトン化剤を滴加する。混合物を、1時間撹拌する。ヨウ化アルキルR1-X(5当量)をゆっくりと加え、反応混合物を-10℃に温め、反応が完了するまで撹拌する。水(20mL)を0℃で加え、混合物をEtOAcで抽出する。有機相を飽和ブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残留物をクロマトグラフィーにより精製して、生成物2を得る。
【0107】
工程2:THF(5mL)中のエチル2-(ヘテロアリール)アセテート2(5mmol、1当量)及び1-フルオロ-2-ニトロベンゼン誘導体(1.02当量)の溶液に、KOtBu(1.5当量)等の脱プロトン化剤を加える。反応が完了するまで混合物を25℃で撹拌する。反応を、0℃で飽和NH4Clを加えてクエンチし、EtOAcで抽出する。有機相を飽和ブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残留物をクロマトグラフィーにより精製して、生成物3を得る。
【0108】
工程3:AcOH(10mL)中の3(3mmol、1当量)の溶液にFe(10当量)を加え、混合物を50℃で反応が完了するまで撹拌する。混合物を濾過し、減圧下で濃縮し、残留物をクロマトグラフィーにより精製して、生成物4を得る。
【0109】
スキーム3: ピロロピリジン-2-オンの一般的な調製方法。
【0110】
【化14】
【0111】
工程1:THF(10mL)中のエチルフェニルアセテート誘導体1(5mmol、1当量)と2-クロロ-3-ニトロピリジン誘導体(1.02当量)の混合物に、N2下で0℃にて、t-BuOK(1.5当量)等の脱プロトン化剤を加える。反応が完了するまで混合物を25℃で撹拌する。混合物を濾過し、減圧下で濃縮し、残留物をクロマトグラフィーにより精製して、生成物2を得る。
【0112】
工程2:DMF(5mL)中の2(1mmol、1当量)とMeI(6当量)の混合物に、N2下で0℃にて、NaH(1.5当量)等の脱プロトン化剤を加える。混合物を0℃で0.5時間撹拌し、次いで50℃に加熱し、反応が完了するまで撹拌する。反応を水でクエンチし、EtOAcで抽出し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残留物をクロマトグラフィーにより精製して、生成物3を得る。
【0113】
工程3:AcOH(5mL)中の3(1mmol、1当量)の混合物に、N2下で25℃にて、Fe(10当量)を一度に加える。反応が完了するまで混合物を60℃で撹拌する。混合物を濾過し、減圧下で濃縮する。残留物をクロマトグラフィーにより精製して、生成物4を得る。
【0114】
スキーム4: 2H-スピロ[ベンゾフラン-3,3'-インドリン]-2'-オンの一般的な調製方法。
【0115】
【化15】
【0116】
工程1:DCM(150mL)中のヒドロキシベンズアルデヒド誘導体1(50mmol、1当量)の溶液にBF3.Et2O(0.1当量)を加え、混合物を15℃で0.5時間撹拌する。混合物に2-ジアゾアセテートエステル(1.7当量)を滴加し、反応が完了するまで混合物を15℃で撹拌する。混合物を減圧下で濃縮する。残留物を濃H2SO4に滴加し、反応が完了するまで15℃で撹拌する。混合物を飽和NaHCO3溶液に加えてpHを8に調整し、EtOAcで抽出する。有機相を飽和ブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させる。残留物をシリカゲル上でのクロマトグラフィー(溶離液 石油エーテル/酢酸エチル勾配)により精製して、生成物2を得る。
【0117】
工程2:MeOH(50mL)中の保護ベンゾフラン-3-カルボキシレート2(10mmol、1当量)の溶液に、Mg(5当量)を加え、反応が完了するまで混合物を15℃で撹拌する。HCl水溶液(1N、100mL)を0℃で加え、混合物をEtOAcで抽出する。有機相を飽和ブラインで洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残留物をシリカゲル上でのクロマトグラフィー(溶離液 石油エーテル/酢酸エチル勾配)により精製して、生成物3を得る。
【0118】
工程3:DMF(5mL)等の不活性溶媒中の0℃に冷却した保護2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-カルボキシレート3(1mmol、1当量)の溶液に、NaH(1.5当量)等の脱プロトン化剤を0℃でゆっくりと加え、混合物を0℃で0.5時間撹拌する。混合物に1-フルオロ-2-ニトロベンゼン試薬(1.2当量)を0℃で滴加し、反応が完了するまで混合物を15℃で撹拌する。0℃で水(50mL)を加えて混合物をクエンチし、EtOAcで抽出する。有機相を飽和ブラインで洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残留物をシリカゲル上でのクロマトグラフィー(溶離液 石油エーテル/酢酸エチル勾配)により精製して、生成物4を得る。
【0119】
工程4:EtOH(10mL)及びH2O(2mL)中の2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-カルボキシレート4(1mmol、1当量)及びNa2S2O4(10当量)の混合物を、反応が完了するまで80℃で撹拌する。混合物を濾過し、減圧下で濃縮する。残留物をシリカゲル上でのクロマトグラフィー(溶離液 石油エーテル/酢酸エチル勾配)により精製して、生成物5を得る。
【0120】
スキーム5: スピロ[インダン-1,3'-インドリン]-2'-オンの一般的な調製方法。
【0121】
【化16】
【0122】
工程1:氷上で冷却したDCM(70mL)中のアリールプロパ-2-エン酸1(40mmol、1当量)と(COCl)2(5当量)の撹拌混合物に、DMF(0.3当量)を加え、混合物を0℃で1時間撹拌する。溶媒を蒸発させ、残留物をDCMに溶解し、2-ブロモアニリン誘導体(1.2当量)及びTEA(2当量)に0℃で加える。次いで、反応が完了するまで混合物を撹拌する。混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出する。有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残留物をシリカゲル上でのクロマトグラフィー(溶離液 石油エーテル/酢酸エチル勾配)により精製して、生成物2を得る。
【0123】
工程2:THF(140mL)等の不活性溶媒中の2(30mmol、1当量)の撹拌溶液に、0℃でNaH(3当量)等の脱プロトン化剤を加える。パラメトキシベンジルクロリド(2.5当量)等のハロゲン化ベンジルを加え、混合物を15℃に温め、反応が完了するまで撹拌する。混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出する。有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残留物をシリカゲル上でのクロマトグラフィー(溶離液 石油エーテル/酢酸エチル勾配)により精製して、生成物3を得る。
【0124】
工程3:DMA(50mL)中の3(6mmol、1当量)、K2CO3(3当量)、CH2Br2(8当量)、及び好適な触媒、例として[2-(2-アミノフェニル)フェニル]-クロロ-パラジウム;トリtert-ブチルホスファン(0.15当量)の混合物を脱気し、N2でパージする。次いで、反応が完了するまで、混合物をN2雰囲気下で130℃にて撹拌する。反応混合物を水で希釈し、EtOAcで何回か抽出する。有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残留物をクロマトグラフィーにより精製して、生成物4を得る。
【0125】
工程4:DCM(5mL)中の4(1mmol、1当量)の溶液に、TFA(100当量)及びTfOH(20当量)を加える。反応が完了するまで混合物を50℃で撹拌する。混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出する。有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残留物をシリカゲル上でのクロマトグラフィー(溶離液 石油エーテル/酢酸エチル勾配)により精製して、生成物5を得る。
【0126】
スキーム6: 3'H-スピロ[インドリン-3,1'-イソベンゾフラン]-2,3'-ジオンの一般的な調製方法。
【0127】
【化17】
【0128】
工程1:エチル3-オキソブタノエート(13.42当量)中の2-ブロモ安息香酸誘導体1(50mmol、1当量)とCuBr(0.056当量)の混合物に、N2下で25℃にて、NaH(2.4当量)を一度に加える。反応が完了するまで混合物を80℃で撹拌する。混合物を水に注ぎ、EtOAcで洗浄する。水相を濃HClでpH1に酸性化し、EtOAcで抽出する。有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。トリチュレーション又はクロマトグラフィーによる残留物の精製により、生成物2が得られる。
【0129】
工程2:MeOH(40mL)中の安息香酸誘導体2(25mmol、1当量)の溶液に、SOCl2(5当量)を滴加する。反応が完了するまで混合物を60℃で撹拌する。反応混合物を、減圧下で濃縮し、残留物をクロマトグラフィーにより精製して、生成物3を得る。
【0130】
工程3:THF(30mL)中のジエステル誘導体3(10mmol、1当量)と1-クロロ-2-ニトロベンゼン試薬(1.02当量)の混合物に、N2下で25℃にて、t-BuOK(2当量)を一度に加える。反応が完了するまで混合物を25℃で撹拌する。混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出する。有機相を、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残留物をカラムで精製して、生成物4を得る。
【0131】
工程4:THF(30mL)中のエステル4(8mmol、1当量)の混合物に、N2下で-78℃にて、LiHMDS(1.3当量)を加える。混合物を-78℃で30分間撹拌する。NFSI(1.02当量)を加え、反応が完了するまで混合物を撹拌する。混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残留物をクロマトグラフィーにより精製して、生成物5を得る。
【0132】
工程5:AcOH(3mL)中のアルファフルオロエステル5(1mmol、1当量)の混合物に、N2下で25℃にて、Fe(10当量)を一度に加える。反応が完了するまで混合物を60℃で撹拌する。混合物を濾過し、減圧下で濃縮し、残留物をクロマトグラフィーにより精製して、生成物6を得る。
【0133】
工程6:AcOH(2mL)及びHCl(1mL)中の3-フルオロインドリノン6(0.5mmol、1当量)の溶液を、100℃で1.5時間撹拌する。混合物を濾過し、減圧下で濃縮し、残留物をクロマトグラフィーにより精製して、生成物7を得る。
【0134】
スキーム7: 3-ヘテロアリール-3-アルキル-インドリン-2-オンの一般的な調製方法。
【0135】
【化18】
【0136】
工程1:THF(10mL)中のインドリン-2,3-ジオン誘導体1(5mmol、1当量)の溶液に、NaH(1.5当量)等の脱プロトン化剤を0℃でゆっくりと加え、混合物を1時間撹拌する。標準条件下で調製したヘテロアリールグリニャール試薬の溶液を、N2下で加え、反応が完了するまで混合物を15℃で撹拌する。混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出する。有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残留物をシリカゲル上でのクロマトグラフィー(溶離液 石油エーテル/酢酸エチル勾配)により精製して、生成物2を得る。
【0137】
工程2:DCM(5mL)中のインドリン-2-オン2(0.5mmol、1当量)の溶液に、SOCl2(5当量)を加える。反応が完了するまで、N2下で50℃にて混合物を撹拌する。反応を水でクエンチし、EtOAcで抽出する。有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残留物をシリカゲル上でのクロマトグラフィー(溶離液 石油エーテル/酢酸エチル勾配)により精製して、生成物3を得る。
【0138】
工程3:0℃に冷却したTHF中の3-クロロ-インドリン-2-オン3(0.5mmol、1当量)の溶液に、不活性溶媒中のトリアルキルアルミニウム(8当量)を滴加する。混合物を50℃に温め、反応が完了するまでN2下で撹拌する。反応を水でクエンチし、EtOAcで抽出する。有機相をブライン(10mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残留物をクロマトグラフィーにより精製して、生成物4を得る。
【0139】
スキーム8: 3-アルキル-インドリン-2-オンの官能基化の一般的な方法。
【0140】
【化19】
【0141】
DMF(1mL)中の1(0.1mmol、1当量)の溶液に、触媒、例としてパラジウムビス(トリ-tert-ブチルホスファン)(1当量)及びトリブチルスタンニルヘテロアリール誘導体(1.5当量)を加える。反応が完了する(compete)まで、N2下で110℃にて混合物を撹拌する。反応を飽和NH4Clでクエンチし、EtOAcで抽出する。有機相を飽和ブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残留物をクロマトグラフィーにより精製して、生成物2を得る。
【0142】
以下の定義は、特に指示がない限り、本明細書及び特許請求の範囲全体に適用される。
【0143】
「炭化水素基」という用語は、炭素原子及び水素原子からなる基を指す。
【0144】
「脂環式」という用語は、環状基に関連して使用され、対応する環状基が非芳香族であることを示す。
【0145】
本明細書で使用される場合、「アルキル」という用語は、直鎖状又は分岐鎖状であってもよい一価の飽和非環式(すなわち、非環状)炭化水素基を指す。したがって、「アルキル」基は、炭素-炭素二重結合又は炭素-炭素三重結合を含まない。「C1~5アルキル」とは、1~5個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。好ましい例示的なアルキル基は、メチル、エチル、プロピル(例えば、n-プロピル若しくはイソプロピル)、又はブチル(例えば、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、若しくはtert-ブチル)である。別段の定義がない限り、「アルキル」という用語は、好ましくはC1~4アルキルを指し、より好ましくはメチル又はエチルを指し、更により好ましくはメチルを指す。
【0146】
本明細書で使用される場合、「アルケニル」という用語は、直鎖状又は分岐鎖状であってもよく、1つ又は複数(例えば、1つ又は2つ)の炭素-炭素二重結合を含むが、炭素-炭素三重結合を含まない一価の不飽和非環式炭化水素基を指す。「C2~5アルケニル」という用語は、2~5個の炭素原子を有するアルケニル基を意味する。好ましい例示的なアルケニル基は、エテニル、プロペニル(例えば、プロパ-1-エン-1-イル、プロパ-1-エン-2-イル、又はプロパ-2-エン-1-イル)、ブテニル、ブタジエニル(例えば、ブタ-1,3-ジエン-1-イル又はブタ-1,3-ジエン-2-イル)、ペンテニル、又はペンタジエニル(例えば、イソプレニル)である。別段の定義がない限り、「アルケニル」という用語は、好ましくはC2~4アルケニルを指す。
【0147】
本明細書で使用される場合、「アルキニル」という用語は、直鎖状又は分岐鎖状であってもよく、1つ又は複数(例えば、1つ又は2つ)の炭素-炭素三重結合及び任意選択で1つ又は複数(例えば、1つ又は2つ)の炭素-炭素二重結合を含む、一価の不飽和非環式炭化水素基を指す。「C2~5アルキニル」という用語は、2~5個の炭素原子を有するアルキニル基を意味する。好ましい例示的なアルキニル基は、エチニル、プロピニル(例えば、プロパルギル)、又はブチニルである。別段の定義がない限り、「アルキニル」という用語は、好ましくはC2~4アルキニルを指す。
【0148】
本明細書で使用される場合、「アルキレン」という用語は、アルカンジイル基、すなわち、直鎖状又は分岐鎖状であってもよい二価の飽和非環式炭化水素基を指す。「C1~5アルキレン」は、1~5個の炭素原子を有するアルキレン基を意味し、「C0~4アルキレン」という用語は、共有結合(任意の「C0アルキレン」に対応する)又はC1~4アルキレンが存在することを示す。好ましい例示的なアルキレン基は、メチレン(-CH2-)、エチレン(例えば、-CH2-CH2-若しくは-CH(-CH3)-)、プロピレン(例えば、-CH2-CH2-CH2-、-CH(-CH2-CH3)-、-CH2-CH(-CH3)-、若しくは-CH(-CH3)-CH2-)、又はブチレン(例えば、-CH2-CH2-CH2-CH2-)である。別段の定義がない限り、「アルキレン」という用語は、好ましくはC1~4アルキレン(特に直鎖C1~4アルキレンを含む)、より好ましくはメチレン又はエチレン、更により好ましくはメチレンを指す。
【0149】
本明細書で使用される場合、「アルケニレン」という用語は、アルケンジイル基、すなわち、直鎖状又は分岐鎖状であってもよく、1つ又は複数(例えば、1つ又は2つ)の炭素-炭素二重結合を含むが、炭素-炭素三重結合を含まない二価の不飽和非環式炭化水素基を指す。「C2~5アルケニレン」は、2~5個の炭素原子を有するアルケニレン基を意味する。「C2~3アルケニレン」は、例えば、-CH=CH-、-CH2-CH=CH-又は-CH=CH-CH2-等の、2個又は3個の炭素原子を有するアルケニレン基を指す。
【0150】
本明細書で使用される場合、「カルボシクリル」という用語は、単環式環並びに架橋環、スピロ環及び/又は縮合環系(例えば、2つ又は3つの環から構成されていてもよい)を含む炭化水素環基を指し、前記環基は、飽和、部分不飽和(すなわち、不飽和であるが芳香族ではない)又は芳香族であってもよい。別段の定義がない限り、「カルボシクリル」は、好ましくは、アリール、シクロアルキル又はシクロアルケニルを指す。
【0151】
本明細書で使用される場合、「ヘテロシクリル」という用語は、単環式環並びに架橋環、スピロ環及び/又は縮合環系(例えば、2つ又は3つの環から構成されていてもよい)を含む環基を指し、前記環基は、O、S、及びNから独立して選択される1つ又は複数(例えば、1つ、2つ、3つ、又は4つ等)の環ヘテロ原子を含み、残りの環原子は炭素原子であり、1つ又は複数のS環原子(存在する場合)及び/又は1つ又は複数のN環原子(存在する場合)は、任意選択で酸化されていてもよく、1つ又は複数の炭素環原子は任意選択で酸化されていてもよく(すなわち、オキソ基を形成する)、更に前記環基は、飽和、部分不飽和(すなわち、不飽和であるが芳香族ではない)又は芳香族であってもよい。例えば、前記環基に含まれる各ヘテロ原子含有環は、1つ若しくは2つのO原子及び/又は1つ若しくは2つのS原子(任意選択で酸化されていてもよい)及び/又は1つ、2つ、3つ若しくは4つのN原子(任意選択で酸化されていてもよい)を含んでもよく、ただし、対応するヘテロ原子含有環内のヘテロ原子の総数が1~4であり、対応するヘテロ原子含有環内に少なくとも1つの炭素環原子(任意選択で酸化されていてもよい)が存在することを条件とする。別段の定義がない限り、「ヘテロシクリル」は、好ましくは、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル又はヘテロシクロアルケニルを指す。
【0152】
本明細書で使用される場合、「アリール」という用語は、単環式芳香環並びに架橋環及び/又は少なくとも1つの芳香環を含有する縮合環系(例えば、2つ又は3つの縮合環から構成される環系であって、これらの縮合環の少なくとも1つが芳香族である;又は2つ又は3つの環から構成される架橋環系であって、これらの架橋環の少なくとも1つが芳香族である)を含む芳香族炭化水素環基を指す。アリールが、1つ又は複数の芳香環に加えて、少なくとも1つの非芳香環(例えば、飽和環又は不飽和脂環式環)を含有する架橋及び/又は縮合環系である場合、各非芳香環における1つ又は複数の炭素環原子は、任意選択で酸化されていてもよい(すなわち、オキソ基を形成する)。「アリール」は、例えば、フェニル、ナフチル、ジアリニル(すなわち、1,2-ジヒドロナフチル)、テトラリニル(すなわち、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル)、インダニル、インデニル(例えば、1H-インデニル)、アントラセニル、フェナントレニル、9H-フルオレニル、又はアズレニルを指してもよい。別段の定義がない限り、「アリール」は、好ましくは6~14個の環原子、より好ましくは6~10個の環原子を有し、更により好ましくはフェニル又はナフチルを指し、最も好ましくはフェニルを指す。
【0153】
本明細書で使用される場合、「ヘテロアリール」という用語は、単環式芳香環並びに少なくとも1つの芳香環を含有する架橋環及び/又は縮合環系(例えば、2つ又は3つの縮合環から構成される環系であって、これらの縮合環の少なくとも1つが芳香族である;又は2つ又は3つの環から構成される架橋環系であって、これらの架橋環の少なくとも1つが芳香族である)を含む芳香環基を指し、前記芳香環基は、O、S、及びNから独立して選択される1つ又は複数(例えば、1つ、2つ、3つ、又は4つ等)の環ヘテロ原子を含み、残りの環原子は炭素原子であり、1つ又は複数のS環原子(存在する場合)及び/又は1つ又は複数のN環原子(存在する場合)は、任意選択で酸化されていてもよく、更に、1つ又は複数の炭素環原子は任意選択で酸化されていてもよい(すなわち、オキソ基を形成する)。例えば、前記芳香環基に含まれる各ヘテロ原子含有環は、1つ若しくは2つのO原子及び/又は1つ若しくは2つのS原子(任意選択で酸化されていてもよい)及び/又は1つ、2つ、3つ若しくは4つのN原子(任意選択で酸化されていてもよい)を含んでもよく、ただし、対応するヘテロ原子含有環内のヘテロ原子の総数が1~4であり、対応するヘテロ原子含有環内に少なくとも1つの炭素環原子(任意選択で酸化されていてもよい)が存在することを条件とする。「ヘテロアリール」は、例えば、チエニル(すなわち、チオフェニル)、ベンゾ[b]チエニル、ナフト[2,3-b]チエニル、チアントレニル、フリル(すなわち、フラニル)、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、クロマニル、クロメニル(例えば、2H-1-ベンゾピラニル又は4H-1-ベンゾピラニル)、イソクロメニル(例えば、1H-2-ベンゾピラニル)、クロモニル、キサンテニル、フェノキサチイニル、ピロリル(例えば、1H-ピロリル)、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル(例えば、ピリジニル;例えば、2-ピリジル、3-ピリジル、又は4-ピリジル)、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、インドリル(例えば、3H-インドリル)、イソインドリル、インダゾリル、インドリジニル、プリニル、キノリル、イソキノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、シンノリニル、プテリジニル、カルバゾリル、β-カルボリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、ペリミジニル、フェナントロリニル(例えば、[1,10]フェナントロリニル、[1,7]フェナントロリニル、又は[4,7]フェナントロリニル)、フェナジニル、チアゾリル、イソチアゾリル、フェノチアジニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル(例えば、1,2,4-オキサジアゾリル、1,2,5-オキサジアゾリル(例えば、フラザニル)、又は1,3,4-オキサジアゾリル)、チアジアゾリル(例えば、1,2,4-チアジアゾリル)、1,2,5-チアジアゾリル、又は1,3,4-チアジアゾリル)、フェノキサジニル、ピラゾロ[1,5-a]ピリミジニル(例えば、ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イル)、1,2-ベンゾイソオキサゾール-3-イル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾ[b]チオフェニル(すなわち、ベンゾチエニル)、トリアゾリル(例えば、1H-1,2,3-トリアゾリル、2H-1,2,3-トリアゾリル、1H-1,2,4-トリアゾリル、又は4H-1,2,4-トリアゾリル)、ベンゾトリアゾリル、1H-テトラゾリル、2H-テトラゾリル、トリアジニル(例えば、1,2,3-トリアジニル、1,2,4-トリアジニル、又は1,3,5-トリアジニル)、フロ[2,3-c]ピリジニル、ジヒドロフロピリジニル(例えば、2,3-ジヒドロフロ[2,3-c]ピリジニル又は1,3-ジヒドロフロ[3,4-c]ピリジニル)、イミダゾピリジニル(例えば、イミダゾ[1,2-a]ピリジニル又はイミダゾ[3,2-a]ピリジニル)、キナゾリニル、チエノピリジニル、テトラヒドロチエノピリジニル(例えば、4,5,6,7-テトラヒドロチエノ[3,2-c]ピリジニル)、ジベンゾフラニル、1,3-ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキサニル(例えば、1,3-ベンゾジオキサニル又は1,4-ベンゾジオキサニル)、又はクマリニル、を指してもよい。別段の定義がない限り、「ヘテロアリール」という用語は、好ましくは、O、S、及びNから独立して選択される1つ又は複数(例えば、1つ、2つ、3つ、又は4つ)の環ヘテロ原子を含む5~14員(より好ましくは5~10員)の単環式環又は縮合環系を指し、1つ又は複数のS環原子(存在する場合)及び/又は1つ又は複数のN環原子(存在する場合)は、任意選択で酸化されており、1つ又は複数の炭素環原子が任意選択で酸化されており;更により好ましくは、「ヘテロアリール」は、O、S及びNから独立して選択される1つ又は複数(例えば、1つ、2つ、又は3つ)の環ヘテロ原子を含む5員又は6員の単環式環を指し、1つ又は複数のS環原子(存在する場合)及び/又は1つ又は複数のN環原子(存在する場合)は、任意選択で酸化されており、1つ又は複数の炭素環原子は、任意選択で酸化されている。更に、別段の定義がない限り、「ヘテロアリール」の特に好ましい例としては、ピリジニル(例えば、2-ピリジル、3-ピリジル、又は4-ピリジル)、イミダゾリル、チアゾリル、1H-テトラゾリル、2H-テトラゾリル、チエニル(すなわち、チオフェニル)、又はピリミジニルが挙げられる。
【0154】
本明細書で使用される場合、「シクロアルキル」という用語は、単環式環並びに架橋環、スピロ環及び/又は縮合環系(例えば、2つ又は3つの環から構成されていてもよい;例えば、2つ又は3つの縮合環から構成される縮合環系等)を含む飽和炭化水素環基を指す。「シクロアルキル」は、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、デカリニル(すなわち、デカヒドロナフチル)、又はアダマンチルを指してもよい。別段の定義がない限り、「シクロアルキル」は、好ましくはC3~11シクロアルキルを指し、より好ましくはC3~7シクロアルキルを指す。特に好ましい「シクロアルキル」は、3~7環員を有する単環式飽和炭化水素環である。更に、別段の定義がない限り、「シクロアルキル」の特に好ましい例としては、シクロヘキシル又はシクロプロピル、特にシクロヘキシルが挙げられる。
【0155】
本明細書で使用される場合、「ヘテロシクロアルキル」という用語は、単環式環並びに架橋環、スピロ環及び/又は縮合環系(例えば、2つ又は3つの環から構成されていてもよい;例えば、2つ又は3つの縮合環から構成される縮合環系等)を含む飽和環基を指し、前記環基は、O、S、及びNから独立して選択される1つ又は複数(例えば、1つ、2つ、3つ、又は4つ等)の環ヘテロ原子を含有し、残りの環原子は炭素原子であり、1つ又は複数のS環原子(存在する場合)及び/又は1つ又は複数のN環原子(存在する場合)は、任意選択で酸化されていてもよく、更に、1つ又は複数の炭素環原子は任意選択で酸化されていてもよい(すなわち、オキソ基を形成する)。例えば、前記飽和環基に含まれる各ヘテロ原子含有環は、1つ若しくは2つのO原子及び/又は1つ若しくは2つのS原子(任意選択で酸化されていてもよい)及び/又は1つ、2つ、3つ若しくは4つのN原子(任意選択で酸化されていてもよい)を含んでもよく、ただし、対応するヘテロ原子含有環内のヘテロ原子の総数が1~4であり、対応するヘテロ原子含有環内に少なくとも1つの炭素環原子(任意選択で酸化されていてもよい)が存在することを条件とする。「ヘテロシクロアルキル」は、例えば、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、アゼパニル、ジアゼパニル(例えば、1,4-ジアゼパニル)、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、モルホリニル(例えば、モルホリン-4-イル)、チオモルホリニル(例えば、チオモルホリン-4-イル)、オキサゼパニル、オキシラニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、1,3-ジオキソラニル、テトラヒドロピラニル、1,4-ジオキサニル、オキセパニル、チイラニル、チエタニル、テトラヒドロチオフェニル(すなわち、チオラニル)、1,3-ジチオラニル、チアニル、チエパニル、デカヒドロキノリニル、デカヒドロイソキノリニル、又は2-オキサ-5-アザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-イルを指してもよい。別段の定義がない限り、「ヘテロシクロアルキル」は、好ましくは、単環式環又は縮合環系(例えば、2つの縮合環から構成される縮合環系)である、3~11員の飽和環基を指し、前記環基は、O、S、及びNから独立して選択される1つ又は複数(例えば、1つ、2つ、3つ、又は4つ)の環ヘテロ原子を含有し、1つ又は複数のS環原子(存在する場合)及び/又は1つ又は複数のN環原子(存在する場合)は、任意選択で酸化されており、1つ又は複数の炭素環原子が任意選択で酸化されており;より好ましくは、「ヘテロシクロアルキル」は、O、S及びNから独立して選択される1つ又は複数(例えば、1つ、2つ、又は3つ)の環ヘテロ原子を含有する5員~7員の飽和単環式環基を指し、1つ又は複数のS環原子(存在する場合)及び/又は1つ又は複数のN環原子(存在する場合)は、任意選択で酸化されており、1つ又は複数の炭素環原子は、任意選択で酸化されている。更に、別段の定義がない限り、「ヘテロシクロアルキル」の特に好ましい例としては、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、又はテトラヒドロフラニルが挙げられる。
【0156】
本明細書で使用される場合、「シクロアルケニル」という用語は、単環式環並びに架橋環、スピロ環及び/又は縮合環系(例えば、2つ又は3つの環から構成されていてもよい;例えば、2つ又は3つの縮合環から構成される縮合環系等)を含む不飽和脂環式(非芳香族)炭化水素環基を指し、前記炭化水素環基は、1つ又は複数(例えば、1つ又は2つ)の炭素-炭素二重結合を含み、炭素-炭素三重結合を含まない。「シクロアルケニル」は、例えば、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプテニル、又はシクロヘプタジエニルを指してもよい。別段の定義がない限り、「シクロアルケニル」は、好ましくはC3~11シクロアルケニルを指し、より好ましくはC3~7シクロアルケニルを指す。特に好ましい「シクロアルケニル」は、3~7環員を有し、1つ又は複数(例えば、1つ又は2つ、好ましくは1つ)の炭素-炭素二重結合を含有する単環式不飽和脂環式炭化水素環である。
【0157】
本明細書で使用される場合、「ヘテロシクロアルケニル」という用語は、単環式環並びに架橋環、スピロ環及び/又は縮合環系(例えば、2つ又は3つの環から構成されていてもよい;例えば、2つ又は3つの縮合環から構成される縮合環系等)を含む不飽和脂環式(非芳香族)環基を指し、前記環基は、O、S、及びNから独立して選択される1つ又は複数(例えば、1つ、2つ、3つ、又は4つ等)の環ヘテロ原子を含有し、残りの環原子は炭素原子であり、1つ又は複数のS環原子(存在する場合)及び/又は1つ又は複数のN環原子(存在する場合)は、任意選択で酸化されていてもよく、1つ又は複数の炭素環原子は任意選択で酸化されていてもよく(すなわち、オキソ基を形成する)、更に前記環基は、隣接する環原子間に少なくとも1つの二重結合を含み、隣接する環原子間に三重結合を含まない。例えば、前記不飽和脂環式環基に含まれる各ヘテロ原子含有環は、1つ若しくは2つのO原子及び/又は1つ若しくは2つのS原子(任意選択で酸化されていてもよい)及び/又は1つ、2つ、3つ若しくは4つのN原子(任意選択で酸化されていてもよい)を含んでもよく、ただし、対応するヘテロ原子含有環内のヘテロ原子の総数が1~4であり、対応するヘテロ原子含有環内に少なくとも1つの炭素環原子(任意選択で酸化されていてもよい)が存在することを条件とする。「ヘテロシクロアルケニル」は、例えば、イミダゾリニル(例えば、2-イミダゾリニル(すなわち、4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾリル)、3-イミダゾリニル、又は4-イミダゾリニル)、テトラヒドロピリジニル(例えば、1,2,3,6-テトラヒドロピリジニル)、ジヒドロピリジニル(例えば、1,2-ジヒドロピリジニル又は2,3-ジヒドロピリジニル)、ピラニル(例えば、2H-ピラニル又は4H-ピラニル)、チオピラニル(例えば、2H-チオピラニル又は4H-チオピラニル)、ジヒドロピラニル、ジヒドロフラニル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロピラジニル、ジヒドロイソインドリル、オクタヒドロキノリニル(例えば、1,2,3,4,4a,5,6,7-オクタヒドロキノリニル)、又はオクタヒドロイソキノリニル(例えば、1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロイソキノリニル)を指してもよい。別段の定義がない限り、「ヘテロシクロアルケニル」は、好ましくは、単環式環又は縮合環系(例えば、2つの縮合環から構成される縮合環系)である、3~11員の不飽和脂環式環基を指し、前記環基は、O、S、及びNから独立して選択される1つ又は複数(例えば、1つ、2つ、3つ、又は4つ)の環ヘテロ原子を含有し、1つ又は複数のS環原子(存在する場合)及び/又は1つ又は複数のN環原子(存在する場合)は、任意選択で酸化されており、1つ又は複数の炭素環原子は、任意選択で酸化されており、前記環基は、隣接する環原子間に少なくとも1つの二重結合を含み、隣接する環原子間に三重結合を含まない;より好ましくは、「ヘテロシクロアルケニル」は、O、S及びNから独立して選択される1つ又は複数(例えば、1つ、2つ、又は3つ)の環ヘテロ原子を含有する5員~7員の単環式不飽和非芳香環基を指し、1つ又は複数のS環原子(存在する場合)及び/又は1つ又は複数のN環原子(存在する場合)は、任意選択で酸化されており、1つ又は複数の炭素環原子は、任意選択で酸化されており、前記環基は、隣接する環原子間に少なくとも1つの二重結合を含み、隣接する環原子間に三重結合を含まない。
【0158】
本明細書で使用される場合、「ハロゲン」という用語は、フルオロ(-F)、クロロ(-Cl)、ブロモ(-Br)、又はヨード(-I)を指す。
【0159】
本明細書で使用される場合、「ハロアルキル」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードから独立して選択され、好ましくはすべてフルオロ原子である、1つ又は複数(好ましくは1つ~6つ、より好ましくは1つ~3つ)のハロゲン原子で置換されたアルキル基を指す。ハロゲン原子の最大数は、利用可能な結合部位の数によって制限され、したがって、ハロアルキル基のアルキル部分に含まれる炭素原子の数に依存することが理解される。「ハロアルキル」は、例えば、-CF3、-CHF2、-CH2F、-CF2-CH3、-CH2-CF3、-CH2-CHF2、-CH2-CF2-CH3、-CH2-CF2-CF3、又は-CH(CF3)2を指してもよい。特に好ましい「ハロアルキル」基は、-CF3である。
【0160】
「結合」及び「共有結合」という用語は、本明細書では、特に断りのない限り、又は文脈によって矛盾しない限り、同義的に使用される。
【0161】
本明細書で使用される場合、「任意選択の」、「任意選択で」及び「してもよい」という用語は、示された特徴が存在してもよいが、存在しなくてもよいことを意味する。「任意選択の」、「任意選択で」及び「してもよい」という用語が使用されるときはいつでも、本発明は特に両方の可能性、すなわち、対応する特徴が存在するか、或いは、代替的に、対応する特徴が存在しないという可能性に関連する。例えば、「XはYで任意選択で置換されている」(又は「XはYで置換されていてもよい」)という表現は、XがYで置換されているか又は置換されていないことを意味する。同様に、組成物の成分が「任意選択」であると示される場合、本発明は、特に両方の可能性、すなわち、対応する成分が存在する(組成物に含まれる)か、又は対応する成分が組成物に存在しないという可能性に関する。
【0162】
本明細書では、種々の基が「任意選択で置換されている」と称される。一般に、これらの基は、例えば、1つ、2つ、3つ又は4つの置換基等の1つ又は複数の置換基を担持していてもよい。置換基の最大数は、置換部分で利用可能な結合部位の数によって制限されることが理解される。別段の定義がない限り、本明細書で言及される「任意選択で置換されている」基は、好ましくは2個以下の置換基を担持し、特に1個のみの置換基を担持していてもよい。更に、別段の定義がない限り、任意選択の置換基が存在しない、すなわち、対応する基が置換されていないことが好ましい。
【0163】
当業者は、本発明の化合物に含まれる置換基が、対応する特定の置換基の複数の異なる位置を介してそれぞれの化合物の残りに結合してもよいことを理解するであろう。別段の定義がない限り、種々の特定の置換基の好ましい結合位置は、実施例に示されているとおりである。
【0164】
本明細書で使用される場合、特に断りのない限り、又は文脈によって矛盾しない限り、「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」という用語は、「1つ又は複数」及び「少なくとも1つ」と交換可能に使用される。したがって、例えば、式(I)の「1つの(a)」化合物を含む組成物は、式(I)の「1つ又は複数の」化合物を含む組成物を指すと解釈することができる。
【0165】
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、好ましくは示された数値の±10%、より好ましくは示された数値の、特に示された正確な数値の±5%を指す。「約」という用語が範囲の端点に関連して使用される場合、それは好ましくは、その示された数値の下端点の-10%からその示された数値の上端点の+10%までの範囲を指し、より好ましくは、下端点の-5%から上端点の+5%までの範囲、更により好ましくは下端点と上端点の正確な数値によって定義される範囲を指す。「約」という用語が、非限定範囲の端点に関連して使用される場合、それは、好ましくは、下端点の-10%又は上端点の+10%から始まる対応する範囲、より好ましくは、下端点の-5%から又は上端点の+5%から始まる範囲、更により好ましくは、対応する端点の正確な数値によって定義される非限定範囲を指す。「約」という用語が、FMR1遺伝子又はFMR2遺伝子のCGGリピート数等の整数で定量化されるパラメーターに関連して使用される場合、示された数値の±10%又は±5%に対応する数値は、最も近い整数に丸めることができる(タイブレーク規則(tie-breaking rule)「ラウンドハーフアップ」を使用)。
【0166】
本明細書で数値範囲が提供/開示される場合、それぞれの数値範囲に包含されるすべての値及び下位範囲は、本発明の範囲内に包含されることを意味することを理解すべきである。したがって、本発明は、本明細書に開示される数値範囲内に入る各値、及び本明細書に開示される数値範囲に包含される各下位範囲に具体的かつ個別に関する。
【0167】
本明細書で使用される場合、「含む(comprising)」(又は「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、「含有する(contain)」、「含有する(contains)」、又は「含有する(containing)」)という用語は、特に断りのない限り、又は文脈によって矛盾しない限り、「とりわけ、含有する(containing)」、すなわち、「追加の任意選択要素の中の…を含有する」という意味を有する。それに加えて、この用語はまた、「から本質的になる(consisting essentially of)」及び「からなる(consisting of)」というより狭い意味を含む。例えば、「AはB及びCを含む」という用語は、「Aは、とりわけB及びCを含有する」という意味を有し、Aは更に任意選択の要素を含有してもよい(例えば、「Aは、B、C、及びDを含有する」も包含される)が、この用語はまた、「AはB及びCから本質的になる」の意味及び「AはB及びCからなる」の意味を含む(すなわち、B及びC以外の成分がAに含まれない)。
【0168】
本発明の範囲は、例えば、プロトン化を受けやすい非共有電子対を担持する原子、例としてアミノ基の無機酸又は有機酸によるプロトン化によって形成され得る、又は生理学的に許容されるカチオンとの酸基(カルボン酸基等)の塩等の、式(I)又は(Ia)の化合物の薬学的に許容される塩形態、をすべて包含する。例示的な塩基付加塩は、例えば、アルカリ金属塩、例としてナトリウム塩又はカリウム塩;アルカリ土類金属塩、例としてカルシウム塩、又はマグネシウム塩;亜鉛塩;アンモニウム塩;脂肪族アミン塩、例としてトリメチルアミン、トリエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、プロカイン塩、メグルミン塩、エチレンジアミン塩、又はコリン塩;アラルキルアミン塩、例としてN,N-ジベンジルエチレンジアミン塩、ベンザチン塩、ベンタミン塩;複素環式芳香族アミン塩、例としてピリジン塩、ピコリン塩、キノリン塩、又はイソキノリン塩;4級アンモニウム塩、例としてテトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、ベンジルトリメチルアンモニウム塩、ベンジルトリエチルアンモニウム塩、ベンジルトリブチルアンモニウム塩、メチルトリオクチルアンモニウム塩、又はテトラブチルアンモニウム塩;塩基性アミノ酸塩、例としてアルギニン塩、リジン塩、又はヒスチジン塩、を含む。例示的な酸付加塩は、例えば、鉱酸塩、例として塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩(例えば、硫酸塩又は硫酸水素塩等)、硝酸塩、リン酸塩(例えば、リン酸塩、リン酸水素塩、又はリン酸二水素塩等)、炭酸塩、炭酸水素塩、過塩素酸塩、ホウ酸塩、又はチオシアン酸塩;有機酸塩、例として酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、ペンタノ酸塩、ヘキサン酸塩、ヘプタン酸塩、オクタン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、デカン酸塩、ウンデカン酸塩、オレイン酸塩、ステアリン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、シュウ酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、アジピン酸塩、グルコン酸塩、グリコール酸塩、ニコチン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、アスコルビン酸塩、パモ酸塩(エンボネート)、カンフォレート塩、グルコヘプタン酸塩、又はピバレート塩;スルホン酸塩、例としてメタンスルホン酸塩(メシル酸塩)、エタンスルホン酸塩(エシル酸塩)、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩(イセチオン酸塩)、ベンゼンスルホン酸塩(ベシル酸塩)、p-トルエンスルホン酸塩(トシル酸塩)、2-ナフタレンスルホン酸塩(ナプシル酸塩)、3-フェニルスルホン酸塩、又はカンファースルホン酸塩;グリセロリン酸塩;及び酸性アミノ酸塩、例としてアスパラギン酸塩又はグルタミン酸塩、を含む。式(I)又は(Ia)の化合物の好ましい薬学的に許容される塩には、塩酸塩、臭化水素酸塩、メシル酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、及びリン酸塩が含まれる。式(I)又は(Ia)の化合物の特に好ましい薬学的に許容される塩は、塩酸塩である。したがって、本明細書に記載の式(I)又は(Ia)の特定の化合物のいずれか1つを含む式(I)又は(Ia)の化合物は、塩酸塩、臭化水素酸塩、メシル酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、又はリン酸塩の形態であることが好ましく、式(I)又は(Ia)の化合物は、塩酸塩の形態であることが特に好ましい。
【0169】
本発明はまた、具体的には、本明細書(実施例セクションを含む)に記載の式(I)又は(Ia)の特定の化合物のいずれか1つを含む、非塩形態の式(I)又は(Ia)の化合物に関する。本発明によれば、式(I)又は(Ia)の化合物を非塩形態で使用することが特に好ましい。
【0170】
更に、本発明の範囲は、例えば水との溶媒和物(すなわち、水和物として)又は有機溶媒、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、酢酸、酢酸エチル、エタノールアミン、DMSO、又はアセトニトリル等との溶媒和物を含む、任意の溶媒和形態の式(I)又は(Ia)の化合物を包含する。式(I)又は(Ia)の化合物の任意の非晶質形態又は結晶形態(すなわち、多形体)を含むすべての物理的形態も、本発明の範囲内に包含される。式(I)又は(Ia)の化合物のそのような溶媒和物及び薬学的に許容される塩の物理的形態も同様に本発明に包含されることを理解すべきである。
【0171】
更に、式(I)又は(Ia)の化合物は、さまざまな異性体、特に立体異性体(例えば、幾何異性体(又はシス/トランス異性体)、アトロプ異性体、エナンチオマー及びジアステレオマーを含む)又は互変異性体(特に、プロトトロピー互変異性体、例としてケト/エノール互変異性体又はチオン/チオール互変異性体を含む)の形態で存在してもよい。式(I)又は(Ia)の化合物のそのような異性体はすべて、混合物又は純粋若しくは実質的に純粋な形態のいずれかで、本発明の一部であると考えられる。立体異性体に関しては、本発明は、本発明による化合物の単離された光学異性体、並びにそれらの任意の混合物(特に、ラセミ混合物/ラセミ体を含む)を包含する。ラセミ体は、例えば分別結晶化、ジアステレオマー誘導体の分離若しくは結晶化、又はキラルカラムクロマトグラフィーによる分離等の物理的方法によって分割することができる。個々の光学異性体は、ラセミ体から、光学活性酸との塩形成とそれに続く結晶化によっても得ることができる。本発明は、式(I)又は(Ia)の化合物の任意の互変異性体を更に包含する。一部の化合物は互変異性を示していてもよいことが理解される。そのような場合、本明細書で提供される式は、可能な互変異性形態の1つのみを明確に示す。本明細書で提供される式及び化学名は、対応する化合物の任意の互変異性形態を包含することを意図し、図面によって示されるか、又は化合物の名称によって識別される特定の互変異性形態にのみ限定されることを意図するものではない。
【0172】
特に、式(I)又は(Ia)の化合物は、以下に示すように、R1基を担持している炭素原子において(S)配置又は(R)配置を有していてもよい(実施例2及び3も参照のこと):
【0173】
【化20】
【0174】
本発明は、具体的には、R1を担持する炭素原子が(S)配置にある、式(I)又は(Ia)の化合物の光学異性体(又は光学活性異性体)に関し、更に具体的には、R1を担持する炭素原子が(R)配置にある、式(I)又は(Ia)の化合物の光学異性体(又は光学活性異性体)に関する。本発明はまた、対応するラセミ混合物を含む、そのような異性体の任意の混合物に関する。
【0175】
本発明の範囲は、1つ又は複数の原子が対応する原子の特定の同位体によって置き換えられている式(I)又は(Ia)の化合物を更に包含する。例えば、本発明は、1つ又は複数の水素原子(又は例えばすべての水素原子)が重水素原子(すなわち、2H;「D」とも呼ばれる)によって置き換えられている式(I)又は(Ia)の化合物を包含する。したがって、本発明はまた、重水素に富む式(I)又は(Ia)の化合物を包含する。天然に存在する水素は、約99.98mol%の水素-1(1H)と約0.0156mol%の重水素(2H又はD)を含む同位体混合物である。式(I)又は(Ia)の化合物中の1つ又は複数の水素位置における重水素の含有量は、当技術分野で知られている重水素化技術を使用して増加させることができる。例えば、式(I)若しくは(Ia)の化合物、又は式(I)若しくは(Ia)の化合物の合成に使用される反応物又は前駆体は、例えば、重水(D2O)を使用してH/D交換反応にかけることができる。更なる好適な重水素化技術は、Atzrodt Jら、Bioorg Med Chem、2012年、20(18): 5658~67頁; William JSら、Journal of Labelled Compounds and Radiopharmaceuticals、2010年、53(11-12): 635~44頁; Modvig Aら、J Org Chem、2014年、79: 5861~8頁、に記載されている。重水素の含有量は、例えば、質量分析法又はNMR分光法を使用して決定することができる。特に明記しない限り、式(I)又は(Ia)の化合物は重水素に富んでいないことが好ましい。したがって、式(I)又は(Ia)の化合物における天然に存在する水素原子又は1H水素原子の存在が好ましい。
【0176】
本発明はまた、式(I)又は(Ia)の化合物であって、1つ又は複数の原子が対応する原子の陽電子放出同位体、例えば、18F、11C、13N、15O、76Br、77Br、120I及び/又は124I等によって置き換えられている化合物も包含する。このような化合物は、陽電子放出断層撮影法(PET)でトレーサー、トラッカー、又はイメージングプローブとして使用することができる。したがって、本発明は、(i)1つ又は複数のフッ素原子(又は、例えば、すべてのフッ素原子)が18F原子で置き換えられている式(I)又は(Ia)の化合物、(ii)1つ又は複数の炭素原子(又は、例えば、すべての炭素原子)が11C原子で置き換えられている式(I)又は(Ia)の化合物、(iii)1つ又は複数の窒素原子(又は、例えば、すべての窒素原子)が13N原子で置き換えられている式(I)又は(Ia)の化合物、(iv)1つ又は複数の酸素原子(又は、例えば、すべての酸素原子)が15O原子で置き換えられている式(I)又は(Ia)の化合物、(v)1つ又は複数の臭素原子(又は、例えば、すべての臭素原子)が76Br原子で置き換えられている式(I)又は(Ia)の化合物、(vi)1つ又は複数の臭素原子(又は、例えば、すべての臭素原子)が77Br原子で置き換えられている、式(I)又は(Ia)の化合物、(vii)1つ又は複数のヨウ素原子(又は、例えばすべてのヨウ素原子)が120I原子で置き換えられている式(I)又は(Ia)の化合物、及び(viii)1つ又は複数のヨウ素原子(又は、例えばすべてのヨウ素原子)が124I原子で置き換えられている、式(I)又は(Ia)の化合物、を含む。一般に、式(I)又は(Ia)の化合物中のどの原子も特定の同位体で置き換えられていないことが好ましい。
【0177】
以下において、本発明の化合物に言及する場合、これは、本発明の第1又は第2の態様による式(I)の化合物(又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物)並びに本発明の第3の態様による式(Ia)の化合物(又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物)を指すことを意図している。場合によっては読みやすくするために薬学的に許容される塩及び溶媒和物への言及は省略されるが、式(I)又は(Ia)の化合物の薬学的に許容される塩又は溶媒和物も同様に本発明に従って使用することができることが理解される。
【0178】
本発明の化合物は、化合物自体として投与してもよく、又は医薬/医薬組成物として製剤化してもよい。医薬/医薬組成物は、1つ又は複数の薬学的に許容される賦形剤、例として担体、希釈剤、充填剤、崩壊剤、潤滑剤、結合剤、着色剤、顔料、安定剤、防腐剤、酸化防止剤、及び/又は溶解促進剤を任意選択で含んでもよい。
【0179】
医薬組成物は、1つ又は複数の溶解促進剤、例えば、約200~約5,000Daの範囲の分子量を有するポリ(エチレングリコール)を含むポリ(エチレングリコール)(例えば、PEG200、PEG300、PEG400、又はPEG600)、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、非イオン性界面活性剤、チロキサポール、ポリソルベート80、マクロゴール-15-ヒドロキシステアレート(例えば、Kolliphor(登録商標)HS15、CAS70142-34-6)、リン脂質、レシチン、ジミリストイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリン、シクロデキストリン、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、ヒドロキシエチル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシエチル-γ-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-γ-シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-γ-シクロデキストリン、グルコシル-α-シクロデキストリン、グルコシル-β-シクロデキストリン、ジグルコシル-β-シクロデキストリン、マルトシル-α-シクロデキストリン、マルトシル-β-シクロデキストリン、マルトシル-γ-シクロデキストリン、マルトトリオシル-β-シクロデキストリン、マルトトリオシル-γ-シクロデキストリン、ジマルトシル-β-シクロデキストリン、メチル-β-シクロデキストリン、カルボキシアルキルチオエーテル、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、酢酸ビニルコポリマー、ビニルピロリドン、ラウリル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、又はそれらの任意の組合せ、を含んでもよい。
【0180】
医薬組成物はまた、1つ又は複数の防腐剤、特に1つ又は複数の抗菌防腐剤、例として、ベンジルアルコール、クロロブタノール、2-エトキシエタノール、m-クレゾール、クロロクレゾール(例えば、2-クロロ-3-メチル-フェノール又は4-クロロ-3-メチル-フェノール)、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、安息香酸(又はその薬学的に許容される塩)、ソルビン酸(又はその薬学的に許容される塩)、クロルヘキシジン、チメロサール、又はそれらの任意の組合せを含んでもよい。
【0181】
医薬組成物は、「Remington: The Science and Practice of Pharmacy」、Pharmaceutical Press、第22版で公開されている技術等、当業者に知られている技術によって製剤化することができる。医薬組成物は、経口、非経口、例として筋肉内、静脈内、皮下、皮内、動脈内、心臓内、直腸、経鼻、局所、エアロゾル又は膣投与用の剤形として製剤化することができる。経口投与用の剤形には、コーティング及び非コーティング錠剤、軟質ゼラチンカプセル、硬質ゼラチンカプセル、ロゼンジ、トローチ、溶液、エマルジョン、懸濁液、シロップ、エリキシル剤、復元用の粉末及び顆粒、分散性粉末及び顆粒、薬用ガム、チュアブル錠、及び発泡錠が含まれる。非経口投与のための剤形には、溶液、エマルジョン、懸濁液、分散剤、並びに復元のための粉末及び顆粒が含まれる。エマルジョンは、非経口投与に好ましい剤形である。直腸及び膣投与のための剤形には、坐剤及びオビュラ(ovula)が含まれる。経鼻投与用の剤形は、例えば計量吸入器による吸入及び吹送を介して投与することができる。局所投与用の剤形には、クリーム、ゲル、軟膏、膏薬、パッチ、及び経皮送達システムが含まれる。
【0182】
式(I)又は(Ia)の化合物、又は式(I)又は(Ia)の化合物を含む上記の医薬組成物は、全身的/末梢的又は所望の作用の部位であるかにかかわらず、以下:経口(例えば、錠剤、カプセル、又は摂取可能な溶液として)、局所(例えば、経皮、鼻腔内、眼、頬側、及び舌下)、非経口(例えば、注射技術又は注入技術を使用する、及び、例えば、皮下、皮内、筋肉内、静脈内、動脈内、心臓内、髄腔内、脊髄内、嚢内、被膜下、眼窩内、腹腔内、気管内、表皮下、関節内、くも膜下、又は胸骨内注射による、例えば、皮下又は筋肉内へのデポーの植込みによる)、肺(例えば、口又は鼻からの、エアロゾルを使用した吸入又は吹送療法による)、胃腸、子宮内、眼内、皮下、眼科(硝子体内又は前房内を含む)、直腸、又は膣投与、のうちの1つ又は複数を含むがこれらに限定されない任意の好都合な投与経路によって対象に投与され得る。前記化合物又は医薬組成物は経口投与されることが好ましい。
【0183】
前記化合物又は医薬組成物が非経口投与される場合、そのような投与の例には、以下:静脈内、動脈内、腹腔内、髄腔内、脳室内、尿道内、胸骨内、心臓内、頭蓋内、筋肉内又は皮下に化合物又は医薬組成物を、及び/又は注入技術を使用することによって、投与することのうちの1つ又は複数が含まれる。非経口投与の場合、化合物は、他の物質、例えば、溶液を血液と等張にするのに十分な塩又はグルコースを含有する場合がある滅菌水溶液の形態で使用するのが最適である。水溶液は、必要に応じて好適に緩衝化する(好ましくは、pH3~9に)必要がある。減菌条件下での好適な非経口製剤の調製は、当業者に周知の標準的な製薬技術によって容易に達成される。
【0184】
好ましくは、前記化合物又は医薬組成物は、例えば、錠剤、カプセル、腔坐剤(ovule)、エリキシル剤、溶液又は懸濁液の形態で経口投与され、これらは、即効性、遅延性、修飾性、持続性、パルス性又は制御放出用途向けの香味剤又は着色剤を含有してもよい。
【0185】
錠剤は、賦形剤、例として微結晶性セルロース、ラクトース、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、二塩基性リン酸カルシウム及びグリシン、崩壊剤、例としてデンプン(好ましくはトウモロコシ、ジャガイモ又はタピオカデンプン)、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、及びある特定の複合ケイ酸塩、並びに造粒結合剤、例としてポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、スクロース、ゼラチン、及びアカシアを含有してもよい。更に、潤滑剤、例としてステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ベヘン酸グリセリル及びタルクを含めてもよい。類似したタイプの固体組成物はまた、ゼラチンカプセル中の充填剤として使用してもよい。これに関して好ましい賦形剤には、ラクトース、デンプン、セルロース、又は高分子量ポリエチレングリコールが含まれる。水性懸濁液及び/又はエリキシル剤の場合、薬剤は、種々の甘味剤又は香味剤、着色料又は染料と、乳化剤及び/又は懸濁化剤と、並びに希釈剤、例として水、エタノール、プロピレングリコール及びグリセリンと、並びにそれらの組合せと組み合わせてもよい。
【0186】
経口投与の場合、化合物又は医薬組成物は、好ましくは経口摂取、特に嚥下によって投与される。したがって、化合物又は医薬組成物は、口を通過して胃腸管に入るように投与することができ、これは「経口胃腸」投与とも呼ぶことができる。
【0187】
或いは、前記化合物又は医薬組成物は、坐剤若しくはペッサリーの形態で投与することができ、又はゲル、ヒドロゲル、ローション、溶液、クリーム、軟膏若しくは散粉剤の形態で局所適用してもよい。本発明の化合物はまた、例えば皮膚パッチの使用により、皮膚又は経皮的に投与してもよい。
【0188】
前記化合物又は医薬組成物はまた、持続放出システムによって投与してもよい。持続放出組成物の好適な例には、成形品、例えばフィルム、又はマイクロカプセルの形態の半透過性ポリマーマトリックスが含まれる。持続放出マトリックスには、例えば、ポリラクチド、L-グルタミン酸とγ-エチル-L-グルタミン酸のコポリマー、ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)、エチレンビニルアセテート、又はポリ-D-(-)-3-ヒドロキシ酪酸が含まれる。持続放出医薬組成物は、リポソームに捕捉された化合物も含む。したがって、本発明は、本発明の化合物を含有するリポソームにも関する。
【0189】
前記化合物又は医薬組成物はまた、経肺、経直腸、又は点眼によって投与してもよい。眼科使用には、それらは、等張でpH調整された減菌生理食塩水中の微粉化懸濁液として、又は好ましくは等張でpH調整された減菌生理食塩水中の溶液として、任意選択で塩化ベンザルコニウム等の防腐剤と組み合わせて製剤化することができる。或いは、ワセリン等の軟膏に製剤化してもよい。
【0190】
経肺投与、特に吸入用の式(I)の化合物の乾燥粉末製剤を調製することも想定される。そのような乾燥粉末は、実質的に非晶質のガラス状又は実質的に結晶性の生物活性粉末をもたらす条件下で噴霧乾燥することによって調製してもよい。したがって、本発明の化合物の乾燥粉末は、乳化/噴霧乾燥法に従って製造することができる。
【0191】
皮膚への局所適用のために、前記化合物又は医薬組成物は、例えば、鉱油、流動ワセリン、白色ワセリン、プロピレングリコール、乳化ワックス、及び水のうちの1つ又は複数との混合物に懸濁又は溶解した活性化合物を含有する好適な軟膏として製剤化することができる。或いは、それらは、好適なローション又はクリームとして製剤化することができ、例えば、鉱油、モノステアリン酸ソルビタン、ポリエチレングリコール、流動パラフィン、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、2-オクチルドデカノール、ベンジルアルコール及び水のうちの1つ又は複数の混合物に懸濁又は溶解することができる。
【0192】
したがって、本発明は、本明細書で提供される化合物又は医薬組成物に関し、対応する化合物又は医薬組成物は、経口経路;局所経路、例として経皮、鼻腔内、眼、口腔、又は舌下経路;注射技術又は注入技術を使用した非経口経路、例として皮下、皮内、筋肉内、静脈内、動脈内、心臓内、髄腔内、脊髄内、嚢内、被膜下、眼窩内、腹腔内、気管内、表皮下、関節内、くも膜下、胸骨内、脳室内、尿道内、又は頭蓋内経路によるもの;経肺経路、例として吸入又は吹送療法によるもの;胃腸経路;子宮内経路;眼内経路;皮下経路;眼科経路、例として硝子体内又は前房内経路;経直腸;又は経膣、のうちのいずれか1つによって投与することができる。好ましい投与経路は経口投与である。したがって、式(I)又は(Ia)の各化合物又は本明細書で提供される対応する医薬組成物について、それぞれの化合物又は医薬組成物を経口(特に経口摂取)で投与することが特に好ましい。
【0193】
典型的には、主治医は、個々の対象に最も好適な実際の投与量を決定する。任意の特定の個々の対象に対する特定の用量レベル及び投与頻度は変動する場合があり、それらは、使用される特定の化合物の活性、その化合物の作用の代謝安定性及び長さ、年齢、体重、健康全般、性別、食事、投与の様式及び時間、排出速度、薬物の組合せ、特定の状態の重症度並びに個々の対象の継続中の療法を含むさまざまな要因に依存する。
【0194】
ヒト(体重およそ70kg)への経口投与のための本発明による化合物の提案された非限定的な用量は、単位用量当たり0.05~2000mg、好ましくは0.1mg~1000mgの活性成分であってもよい。単位用量は、例えば、1日1~3回投与してもよい。単位用量はまた、週に1~7回、例えば、1日に1回以下で投与してもよい。患者/対象の年齢及び体重、並びに処置される状態の重症度に応じて、投与量を定型的に変更する必要がある場合があることを理解されたい。正確な用量及び投与経路は、最終的には主治医又は獣医の裁量に委ねられる。
【0195】
式(I)若しくは(Ia)の化合物、又は式(I)若しくは(Ia)の化合物を含む医薬組成物は、単剤療法で(例えば、更なる治療剤を同時に投与することなく、又は式(I)又は(Ia)の化合物で処置又は予防される同じ疾患に対する任意の更なる治療剤を同時に投与することなく、)投与することができる。したがって、本発明は、脆弱X関連障害(例として脆弱X症候群)の単剤処置又は予防に使用するための、式(I)若しくは(Ia)の化合物、又は対応する医薬組成物に関する。特に、本発明は、式(I)若しくは(Ia)の化合物、又は対応する薬学的組成物の、脆弱X関連障害に対する任意の更なる治療剤(又は脆弱X症候群に対する任意の更なる治療剤)を同時に投与することのない単剤療法的投与に関する。
【0196】
しかし、式(I)若しくは(Ia)の化合物、又は式(I)若しくは(Ia)の化合物を含む医薬組成物はまた、1つ又は複数の更なる治療剤と組み合わせて投与することもできる。式(I)又は(Ia)の化合物を、同じ疾患又は状態に対して活性な第2の治療剤と組み合わせて使用する場合、各化合物の用量は、対応する化合物が単独で使用されるときの用量とは異なっていてもよく、特に、より低い用量の各化合物が使用され得る。式(I)又は(Ia)の化合物と1つ又は複数の更なる治療剤との組合せは、式(I)又は(Ia)の化合物と、更なる治療剤との同時/併用投与(単一の医薬製剤又は別個の医薬製剤中のいずれかで)、或いは式(I)又は(Ia)の化合物と更なる治療剤の逐次的/別々の投与を含んでもよい。投与が逐次的である場合、本発明による式(I)若しくは(Ia)の化合物又は1つ若しくは複数の更なる治療剤のいずれかを最初に投与することができる。投与が同時である場合、1つ若しくは複数の更なる治療剤は、式(I)若しくは(Ia)の化合物と同じ医薬製剤に含めてもよく、又は2つ以上の異なる(別個の)医薬製剤で投与してもよい。そのような異なる医薬製剤は、同じ投与経路又は異なる投与経路を介して投与することができる。
【0197】
本発明に従って処置される対象又は患者は、動物(例えば、非ヒト動物)であってもよい。好ましくは、対象/患者は哺乳動物である。より好ましくは、対象/患者は、ヒト(例えば、男性のヒト若しくは女性のヒト)又は非ヒト哺乳動物(例えば、モルモット、ハムスター、ラット、マウス、ウサギ、イヌ、ネコ、ウマ、サル、類人猿、マーモセット、ヒヒ、ゴリラ、チンパンジー、オランウータン、テナガザル、ヒツジ、ウシ、又はブタ等)である。最も好ましくは、本発明に従って治療される対象/患者は、ヒトである。
【0198】
本明細書で使用される疾患又は障害の「処置」という用語は、当技術分野では周知である。疾患又は障害の「処置」は、対応する疾患又は障害が患者/対象において疑われるか、又は診断されたことを意味する。疾患又は障害に罹患している疑いのある患者/対象は、典型的には、当業者が特定の病理学的状態に容易に帰する(すなわち、疾患又は障害を診断する)ことができる特定の臨床的及び/又は病理学的症状を示す。
【0199】
疾患若しくは障害の「処置」は、例えば、疾患若しくは障害の進行の停止(例えば、症状の悪化がない)、又は疾患若しくは障害の進行の遅延(進行の停止が、単に一時的な性質のものである場合)をもたらす場合がある。疾患若しくは障害の「処置」はまた、疾患若しくは障害に罹患している対象/患者の部分応答(例えば、症状の改善)又は完全応答(例えば、症状の消失)をもたらす場合がある。したがって、疾患若しくは障害の「処置」はまた、疾患若しくは障害の改善を指す場合もあり、これは、例えば、疾患若しくは障害の進行の停止、又は疾患若しくは障害の進行の遅延をもたらす場合がある。このような部分的又は完全な反応に続いて、再発する場合がある。対象/患者は、処置に対して広範囲の応答(本明細書で上述した例示的な応答等)を経験し得ることが理解されるべきである。疾患若しくは障害の処置は、とりわけ、治癒的処置(好ましくは、完全な応答をもたらし、最終的に疾患若しくは障害の治癒に至る)又は緩和的処置(症状の軽減を含む)を含む場合がある。
【0200】
本明細書で使用される疾患又は障害の「予防」という用語も、当技術分野で周知である。例えば、疾患又は障害に罹患しやすいと疑われる患者/対象は、疾患又は障害の予防から特に利益を受ける場合がある。対象/患者は、遺伝的素因を含むがこれに限定されない疾患又は障害に対する感受性又は素因を有する場合がある。そのような素因は、例えば遺伝子マーカー又は表現型インジケータを使用して、標準的な方法又はアッセイによって決定することができる。本発明に従って予防される疾患又は障害は、患者/対象において診断されていないか、又は診断できない(例えば、患者/対象は臨床的又は病理学的症状を示さない)ことが理解されるべきである。したがって、「予防」という用語は、臨床的及び/又は病理学的症状が、主治医によって診断若しくは決定される前、又は診断若しくは決定され得る前に、本発明の化合物を使用することを含む。
【0201】
本発明は、一般的及び/又は好ましい特徴/実施形態の任意の組合せを含む、本明細書に記載の特徴及び実施形態のあらゆる組合せに特に関連することを理解すべきである。特に、本発明は、具体的には、式(I)又は(Ia)に含まれる種々の基及び変数の意味(一般的及び/又は好ましい意味を含む)の各組合せに関する。
【0202】
本明細書では、特許出願及び科学文献を含む複数の文書が引用されている。これらの文書の開示は、本発明の特許性に関連するとは考えられていないが、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。より具体的には、すべての参照文書は、個々の文書が具体的かつ個別に参照により組み込まれることが示されているのと同じ程度に、参照により組み込まれる。
【0203】
本明細書における先行刊行物(又はそこから派生した情報)への言及は、対応する先行刊行物(又はそこから派生した情報)が、本明細書が関連する技術分野における共通の一般的知識の一部を形成することの認知又は承認又は示唆の任意の形式として解釈されるものではなく、解釈されるべきではない。
【0204】
本発明は、特に以下の項目に関する:
1. 脆弱X関連障害の処置又は予防に使用するための、
式(I)
【0205】
【化21】
【0206】
(式中、
R1は、C1~5アルキル、C2~5アルケニル、C2~5アルキニル、-(C0~4アルキレン)-CN、-(C1~4アルキレン)-COOH、-(C0~4アルキレン)-COO-(C1~5アルキル)、-(C1~4アルキレン)-O-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-NH2、-(C0~4アルキレン)-CO-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH2、-(C0~4アルキレン)-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-アリール、及び-(C0~4アルキレン)-ヘテロアリールから選択され、前記-(C0~4アルキレン)-アリール中のアリール部分及び前記-(C0~4アルキレン)-ヘテロアリール中のヘテロアリール部分はそれぞれ、1つ若しくは複数のRCyc基で任意選択で置換されており、R5は、R5A基であり;
又は代替的に、R1とR5が互いに結合してC2~3アルキレン若しくはC2~3アルケニレンを形成し、前記C2~3アルキレン又は前記C2~3アルケニレン中の1つ又は2つの-CH2-単位は、-O-、-NH-、-N(C1~5アルキル)-、及び-CO-から独立して選択される基によってそれぞれ任意選択で置き換えられており;
R2は水素であり;
環Aは、フェニル又は5員若しくは6員の単環式ヘテロアリールであり、前記フェニル又は前記ヘテロアリールは、-CO-NR2-を含有する環に縮合しており;
各R3は、C1~5アルキル、C2~5アルケニル、C2~5アルキニル、-(C0~4アルキレン)-OH、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキレン)-OH、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SH、-(C0~4アルキレン)-S(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH2、-(C0~4アルキレン)-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-OH、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-OH、-(C0~4アルキレン)-NH-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-O(C1~5アルキル)、ハロゲン、C1~5ハロアルキル、-(C0~4アルキレン)-O-(C1~5ハロアルキル)、-(C0~4アルキレン)-CN、-(C0~4アルキレン)-CHO、-(C0~4アルキレン)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-COOH、-(C0~4アルキレン)-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-NH2、-(C0~4アルキレン)-CO-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-NH-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-N(C1~5アルキル)-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-NH2、-(C0~4アルキレン)-SO2-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-シクロアルキル及び-(C0~4アルキレン)-ヘテロシクロアルキルから独立して選択され、前記-(C0~4アルキレン)-シクロアルキル中のシクロアルキル部分及び前記-(C0~4アルキレン)-ヘテロシクロアルキル中のヘテロシクロアルキル部分はそれぞれ、1つ若しくは複数のRCyc基で任意選択で置換されており;
nは、0~4の整数であり;
Z1、Z2及びZ3は、それぞれ独立してC(-R6)又はNであり;
R4は、水素、C1~5アルキル、C2~5アルケニル、C2~5アルキニル、-(C0~4アルキレン)-OH、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキレン)-OH、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SH、-(C0~4アルキレン)-S(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH2、-(C0~4アルキレン)-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-OH、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-OH、-(C0~4アルキレン)-NH-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-O(C1~5アルキル)、ハロゲン、C1~5ハロアルキル、-(C0~4アルキレン)-O-(C1~5ハロアルキル)、-(C0~4アルキレン)-CN、-(C0~4アルキレン)-CHO、-(C0~4アルキレン)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-COOH、-(C0~4アルキレン)-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-NH2、-(C0~4アルキレン)-CO-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-NH-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-N(C1~5アルキル)-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-NH2、-(C0~4アルキレン)-SO2-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-カルボシクリル、及び-(C0~4アルキレン)-ヘテロシクリルから選択され、前記-(C0~4アルキレン)-カルボシクリル中のカルボシクリル部分及び前記-(C0~4アルキレン)-ヘテロシクリル中のヘテロシクリル部分はそれぞれ、1つ若しくは複数のRCyc基で任意選択で置換されており;
R5Aは、水素、C1~5アルキル、C2~5アルケニル、C2~5アルキニル、-(C0~4アルキレン)-OH、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキレン)-OH、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SH、-(C0~4アルキレン)-S(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH2、-(C0~4アルキレン)-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-OH、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-OH、-(C0~4アルキレン)-NH-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-O(C1~5アルキル)、ハロゲン、C1~5ハロアルキル、-(C0~4アルキレン)-O-(C1~5ハロアルキル)、-(C0~4アルキレン)-CN、-(C0~4アルキレン)-CHO、-(C0~4アルキレン)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-COOH、-(C0~4アルキレン)-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-NH2、-(C0~4アルキレン)-CO-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-NH-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-N(C1~5アルキル)-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-NH2、-(C0~4アルキレン)-SO2-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-カルボシクリル、及び-(C0~4アルキレン)-ヘテロシクリルから選択され、前記-(C0~4アルキレン)-カルボシクリル中のカルボシクリル部分及び前記-(C0~4アルキレン)-ヘテロシクリル中のヘテロシクリル部分はそれぞれ、1つ若しくは複数のRCyc基で任意選択で置換されており;
各R6は、水素、C1~5アルキル、C2~5アルケニル、C2~5アルキニル、-(C0~4アルキレン)-OH、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキレン)-OH、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SH、-(C0~4アルキレン)-S(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH2、-(C0~4アルキレン)-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-OH、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-OH、-(C0~4アルキレン)-NH-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-O(C1~5アルキル)、ハロゲン、C1~5ハロアルキル、-(C0~4アルキレン)-O-(C1~5ハロアルキル)、-(C0~4アルキレン)-CN、-(C0~4アルキレン)-CHO、-(C0~4アルキレン)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-COOH、-(C0~4アルキレン)-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-NH2、-(C0~4アルキレン)-CO-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-NH-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-N(C1~5アルキル)-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-NH2、-(C0~4アルキレン)-SO2-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-カルボシクリル、及び-(C0~4アルキレン)-ヘテロシクリルから独立して選択され、前記-(C0~4アルキレン)-カルボシクリル中のカルボシクリル部分及び前記-(C0~4アルキレン)-ヘテロシクリル中のヘテロシクリル部分はそれぞれ、1つ若しくは複数のRCyc基で任意選択で置換されており;
各RCycは、C1~5アルキル、C2~5アルケニル、C2~5アルキニル、-(C0~4アルキレン)-OH、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキレン)-OH、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SH、-(C0~4アルキレン)-S(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH2、-(C0~4アルキレン)-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-OH、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-OH、-(C0~4アルキレン)-NH-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-O(C1~5アルキル)、ハロゲン、C1~5ハロアルキル、-(C0~4アルキレン)-O-(C1~5ハロアルキル)、-(C0~4アルキレン)-CN、-(C0~4アルキレン)-CHO、-(C0~4アルキレン)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-COOH、-(C0~4アルキレン)-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-NH2、-(C0~4アルキレン)-CO-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-NH-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-N(C1~5アルキル)-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-NH2、-(C0~4アルキレン)-SO2-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-(C1~5アルキル)、及び-(C0~4アルキレン)-SO-(C1~5アルキル)から独立して選択される)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
【0207】
2. R1が、C1~5アルキルであり、R5は、R5Aであり;又は代替的に、R1とR5が互いに結合して、-CH2CH2-、-O-CH2-、-CH2-O-、-CO-O-又は-O-CO-基を形成する、項目1に記載の使用のための化合物。
【0208】
3. R1がメチルである、項目1又は2に記載の使用のための化合物。
【0209】
4. R5が、-O(C1~5アルキル)又は-OHであり、好ましくは、R5が、-OCH3である、項目1から3のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
【0210】
5. 環Aが、フェニル、ピリジニル、オキサゾリル、及びイソオキサゾリルから選択され、前記フェニル、前記ピリジニル、前記オキサゾリル又は前記イソオキサゾリルは、-CO-NR2-を含有する環に縮合している、項目1から4のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
【0211】
6. 環Aが、-CO-NR2-を含有する環に縮合しているフェニルであり、したがって、式(I)の化合物が以下の構造:
【0212】
【化22】
【0213】
を有する、項目1から5のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
【0214】
7. 各R3が、C1~5アルキル、-O(C1~5アルキル)、ハロゲン、C1~5ハロアルキル、及び-CNから独立して選択される、項目1から6のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
【0215】
8. 環Aが、-CO-NR2-を含有する環に縮合しているフェニルであり、nが1であり、R3が6位で環Aに結合している-CF3であり、したがって、式(I)の化合物が以下の構造:
【0216】
【化23】
【0217】
を有する、項目1から7のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
【0218】
9. Z1、Z2、及びZ3が、それぞれC(-R6)である、項目1から8のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
【0219】
10. R4が、ハロゲン、-CF3、又は-CNであり、好ましくは、R4が-Clである、項目1から9のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
【0220】
11. 各R6が、水素、C1~5アルキル、-O(C1~5アルキル)、ハロゲン、C1~5ハロアルキル、-O-(C1~5ハロアルキル)、及び-CNから独立して選択され、好ましくは、各R6が、水素である、項目1から10のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
【0221】
12.
3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
3-(5-クロロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-エチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-プロピル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
3-ベンジル-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
2-(3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-オキソ-6-(トリフルオロメチル)インドリン-3-イル)アセトニトリル;
3-アリル-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
2-(3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-オキソ-6-(トリフルオロメチル)インドリン-3-イル)酢酸;
5-クロロ-6'-(トリフルオロメチル)-2H-スピロ[ベンゾフラン-3,3'-インドリン]-2'-オン;
7-メトキシ-6'-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロスピロ[インデン-1,3'-インドリン]-2'-オン;
4-クロロ-7-メトキシ-6'-(トリフルオロメチル)スピロ[インダン-1,3'-インドリン]-2'-オン;
4,6-ジクロロ-7-メトキシ-6'-(トリフルオロメチル)スピロ[インダン-1,3'-インドリン]-2'-オン;
3-(2-クロロ-5-メトキシ-4-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
3-(3-メトキシ-4-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
3-メチル-3-(4-ピリジル)-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
3-(2-クロロ-4-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
3-[2-メトキシ-5-(1-メチルイミダゾール-2-イル)フェニル]-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
3-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2-オン;
6'-クロロ-6-(トリフルオロメチル)-3'H-スピロ[インドリン-3,1'-イソベンゾフラン]-2,3'-ジオン;
3-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-6-(ジフルオロメチル)-3-メチル-インドリン-2-オン;
3-(5-クロロ-2-メトキシ-3-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
6-クロロ-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチルインドリン-2-オン;
6-クロロ-3-(2-クロロ-5-メトキシピリジン-4-イル)-3-メチルインドリン-2-オン;
3-(6-クロロ-3-メトキシピリジン-2-イル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
6-クロロ-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2(3H)-オン;
6-クロロ-3-(5-クロロ-2-メトキシピリジン-3-イル)-3-メチルインドリン-2-オン;
6-クロロ-3-(2-メトキシ-5-(1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)フェニル)-3-メチルインドリン-2-オン;
6-クロロ-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2(3H)-オン;
6-クロロ-3-(6-クロロ-3-メトキシピリジン-2-イル)-3-メチルインドリン-2-オン;
6-クロロ-3-(2-メトキシ-5-(1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)-3-メチルインドリン-2-オン;
6-クロロ-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2(3H)-オン;
3-(5-クロロ-2-メトキシピリジン-3-イル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2(3H)-オン;
6-クロロ-3-(5-メトキシ-2-(1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピリジン-4-イル)-3-メチルインドリン-2-オン;
3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2(3H)-オン;
3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2(3H)-オン;
3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2(3H)-オン;
6-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-6-メチル-3-(トリフルオロメチル)-4H-ピロロ[2,3-d]イソオキサゾール-5(6H)-オン;
6-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-6-メチル-2-(トリフルオロメチル)-4H-ピロロ[3,2-d]オキサゾール-5(6H)-オン;
から選択される、項目1に記載の使用のための化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
【0222】
13.
(3S)-3-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3R)-3-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3S)-3-(5-クロロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3R)-3-(5-クロロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3S)-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-エチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3R)-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-エチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3S)-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-プロピル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3R)-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-プロピル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3S)-3-ベンジル-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3R)-3-ベンジル-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3S)-2-(3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-オキソ-6-(トリフルオロメチル)インドリン-3-イル)アセトニトリル;
(3R)-2-(3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-オキソ-6-(トリフルオロメチル)インドリン-3-イル)アセトニトリル;
(3S)-3-アリル-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3R)-3-アリル-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3S)-2-(3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-オキソ-6-(トリフルオロメチル)インドリン-3-イル)酢酸;
(3R)-2-(3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-オキソ-6-(トリフルオロメチル)インドリン-3-イル)酢酸;
(3S)-5-クロロ-6'-(トリフルオロメチル)-2H-スピロ[ベンゾフラン-3,3'-インドリン]-2'-オン;
(3R)-5-クロロ-6'-(トリフルオロメチル)-2H-スピロ[ベンゾフラン-3,3'-インドリン]-2'-オン;
(1S)-7-メトキシ-6'-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロスピロ[インデン-1,3'-インドリン]-2'-オン;
(1R)-7-メトキシ-6'-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロスピロ[インデン-1,3'-インドリン]-2'-オン;
(1S)-4-クロロ-7-メトキシ-6'-(トリフルオロメチル)スピロ[インダン-1,3'-インドリン]-2'-オン;
(1R)-4-クロロ-7-メトキシ-6'-(トリフルオロメチル)スピロ[インダン-1,3'-インドリン]-2'-オン;
(1S)-4,6-ジクロロ-7-メトキシ-6'-(トリフルオロメチル)スピロ[インダン-1,3'-インドリン]-2'-オン;
(1R)-4,6-ジクロロ-7-メトキシ-6'-(トリフルオロメチル)スピロ[インダン-1,3'-インドリン]-2'-オン;
(3S)-3-(2-クロロ-5-メトキシ-4-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3R)-3-(2-クロロ-5-メトキシ-4-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3S)-3-(3-メトキシ-4-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3R)-3-(3-メトキシ-4-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3S)-3-メチル-3-(4-ピリジル)-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3R)-3-メチル-3-(4-ピリジル)-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3S)-3-(2-クロロ-4-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3R)-3-(2-クロロ-4-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3S)-3-[2-メトキシ-5-(1-メチルイミダゾール-2-イル)フェニル]-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3R)-3-[2-メトキシ-5-(1-メチルイミダゾール-2-イル)フェニル]-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3S)-3-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2-オン;
(3R)-3-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2-オン;
(3S)-6'-クロロ-6-(トリフルオロメチル)-3'H-スピロ[インドリン-3,1'-イソベンゾフラン]-2,3'-ジオン;
(3R)-6'-クロロ-6-(トリフルオロメチル)-3'H-スピロ[インドリン-3,1'-イソベンゾフラン]-2,3'-ジオン;
(3S)-3-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-6-(ジフルオロメチル)-3-メチル-インドリン-2-オン;
(3R)-3-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-6-(ジフルオロメチル)-3-メチル-インドリン-2-オン;
(3S)-3-(5-クロロ-2-メトキシ-3-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3R)-3-(5-クロロ-2-メトキシ-3-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3S)-6-クロロ-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチルインドリン-2-オン;
(3R)-6-クロロ-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチルインドリン-2-オン;
(3S)-6-クロロ-3-(2-クロロ-5-メトキシピリジン-4-イル)-3-メチルインドリン-2-オン;
(3R)-6-クロロ-3-(2-クロロ-5-メトキシピリジン-4-イル)-3-メチルインドリン-2-オン;
(3S)-3-(6-クロロ-3-メトキシピリジン-2-イル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3R)-3-(6-クロロ-3-メトキシピリジン-2-イル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3S)-6-クロロ-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2(3H)-オン;
(3R)-6-クロロ-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2(3H)-オン;
(3S)-6-クロロ-3-(5-クロロ-2-メトキシピリジン-3-イル)-3-メチルインドリン-2-オン;
(3R)-6-クロロ-3-(5-クロロ-2-メトキシピリジン-3-イル)-3-メチルインドリン-2-オン;
(3S)-6-クロロ-3-(2-メトキシ-5-(1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)フェニル)-3-メチルインドリン-2-オン;
(3R)-6-クロロ-3-(2-メトキシ-5-(1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)フェニル)-3-メチルインドリン-2-オン;
(3S)-6-クロロ-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2(3H)-オン;
(3R)-6-クロロ-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2(3H)-オン;
(3S)-6-クロロ-3-(6-クロロ-3-メトキシピリジン-2-イル)-3-メチルインドリン-2-オン;
(3R)-6-クロロ-3-(6-クロロ-3-メトキシピリジン-2-イル)-3-メチルインドリン-2-オン;
(3S)-6-クロロ-3-(2-メトキシ-5-(1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)-3-メチルインドリン-2-オン;
(3R)-6-クロロ-3-(2-メトキシ-5-(1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)-3-メチルインドリン-2-オン;
(3S)-6-クロロ-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2(3H)-オン;
(3R)-6-クロロ-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2(3H)-オン;
(3S)-3-(5-クロロ-2-メトキシピリジン-3-イル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2(3H)-オン;
(3R)-3-(5-クロロ-2-メトキシピリジン-3-イル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2(3H)-オン;
(3S)-6-クロロ-3-(5-メトキシ-2-(1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピリジン-4-イル)-3-メチルインドリン-2-オン;
(3R)-6-クロロ-3-(5-メトキシ-2-(1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピリジン-4-イル)-3-メチルインドリン-2-オン;
(3S)-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2(3H)-オン;
(3R)-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2(3H)-オン;
(3S)-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2(3H)-オン;
(3R)-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2(3H)-オン;
(3S)-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2(3H)-オン;
(3R)-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2(3H)-オン;
(6S)-6-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-6-メチル-3-(トリフルオロメチル)-4H-ピロロ[2,3-d]イソオキサゾール-5(6H)-オン;
(6R)-6-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-6-メチル-3-(トリフルオロメチル)-4H-ピロロ[2,3-d]イソオキサゾール-5(6H)-オン;
(6S)-6-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-6-メチル-2-(トリフルオロメチル)-4H-ピロロ[3,2-d]オキサゾール-5(6H)-オン;
(6R)-6-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-6-メチル-2-(トリフルオロメチル)-4H-ピロロ[3,2-d]オキサゾール-5(6H)-オン;
から選択される、項目1に記載の使用のための化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
【0223】
14. 脆弱X関連障害の処置又は予防に使用するための、医薬組成物であって、項目1から13のいずれか1つに定義される化合物及び薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物。
【0224】
15. 脆弱X関連障害が、脆弱X症候群、脆弱X関連振戦/運動失調症候群、脆弱X関連原発性卵巣機能不全、脆弱X関連多嚢胞性卵巣症候群、及び脆弱XE関連精神遅滞から選択される、項目1から13のいずれか1つに記載の使用のための化合物又は項目14に記載の使用のための医薬組成物。
【0225】
16. 脆弱X関連障害が、脆弱X症候群である、項目1から13のいずれか1つに記載の使用のための化合物又は項目14に記載の使用のための医薬組成物。
【0226】
17. maxi-Kカリウムチャネルオープナーとしての項目1から13のいずれか1つに定義された化合物のインビトロ使用。
【0227】
18. 式(Ia)
【0228】
【化24】
【0229】
の化合物
(式中、
R1は、C1~5アルキル、C2~5アルケニル、C2~5アルキニル、-(C0~4アルキレン)-CN、-(C1~4アルキレン)-COOH、-(C0~4アルキレン)-COO-(C1~5アルキル)、-(C1~4アルキレン)-O-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-NH2、-(C0~4アルキレン)-CO-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH2、-(C0~4アルキレン)-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-アリール、及び-(C0~4アルキレン)-ヘテロアリールから選択され、
前記-(C0~4アルキレン)-アリール中のアリール部分及び前記-(C0~4アルキレン)-ヘテロアリール中のヘテロアリール部分はそれぞれ、1つ若しくは複数のRCyc基で任意選択で置換されており、R5は、R5A基であり;
又は代替的に、R1とR5が互いに結合してC2~3アルキレン若しくはC2~3アルケニレンを形成し、前記C2~3アルキレン又は前記C2~3アルケニレン中の1つ又は2つの-CH2-単位は、-O-、-NH-、-N(C1~5アルキル)-、及び-CO-から独立して選択される基によってそれぞれ任意選択で置き換えられており;
R2は水素であり;
環Aは、フェニル又は5員若しくは6員の単環式ヘテロアリールであり、前記フェニル又は前記ヘテロアリールは、-CO-NR2-を含有する環に縮合しており;
各R3は、C1~5アルキル、C2~5アルケニル、C2~5アルキニル、-(C0~4アルキレン)-OH、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキレン)-OH、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SH、-(C0~4アルキレン)-S(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH2、-(C0~4アルキレン)-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-OH、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-OH、-(C0~4アルキレン)-NH-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-O(C1~5アルキル)、ハロゲン、C1~5ハロアルキル、-(C0~4アルキレン)-O-(C1~5ハロアルキル)、-(C0~4アルキレン)-CN、-(C0~4アルキレン)-CHO、-(C0~4アルキレン)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-COOH、-(C0~4アルキレン)-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-NH2、-(C0~4アルキレン)-CO-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-NH-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-N(C1~5アルキル)-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-NH2、-(C0~4アルキレン)-SO2-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-シクロアルキル及び-(C0~4アルキレン)-ヘテロシクロアルキルから独立して選択され、前記-(C0~4アルキレン)-シクロアルキル中のシクロアルキル部分及び前記-(C0~4アルキレン)-ヘテロシクロアルキル中のヘテロシクロアルキル部分はそれぞれ、1つ若しくは複数のRCyc基で任意選択で置換されており;
nは、0~4の整数であり;
Z1、Z2及びZ3は、それぞれ独立してC(-R6)又はNであり;
R4は、水素、C1~5アルキル、C2~5アルケニル、C2~5アルキニル、-(C0~4アルキレン)-OH、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキレン)-OH、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SH、-(C0~4アルキレン)-S(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH2、-(C0~4アルキレン)-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-OH、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-OH、-(C0~4アルキレン)-NH-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-O(C1~5アルキル)、ハロゲン、C1~5ハロアルキル、-(C0~4アルキレン)-O-(C1~5ハロアルキル)、-(C0~4アルキレン)-CN、-(C0~4アルキレン)-CHO、-(C0~4アルキレン)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-COOH、-(C0~4アルキレン)-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-NH2、-(C0~4アルキレン)-CO-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-NH-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-N(C1~5アルキル)-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-NH2、-(C0~4アルキレン)-SO2-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-カルボシクリル、及び-(C0~4アルキレン)-ヘテロシクリルから選択され、前記-(C0~4アルキレン)-カルボシクリル中のカルボシクリル部分及び前記-(C0~4アルキレン)-ヘテロシクリル中のヘテロシクリル部分はそれぞれ、1つ若しくは複数のRCyc基で任意選択で置換されており;
R5Aは、水素、C1~5アルキル、C2~5アルケニル、C2~5アルキニル、-(C0~4アルキレン)-OH、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキレン)-OH、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SH、-(C0~4アルキレン)-S(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH2、-(C0~4アルキレン)-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-OH、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-OH、-(C0~4アルキレン)-NH-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-O(C1~5アルキル)、ハロゲン、C1~5ハロアルキル、-(C0~4アルキレン)-O-(C1~5ハロアルキル)、-(C0~4アルキレン)-CN、-(C0~4アルキレン)-CHO、-(C0~4アルキレン)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-COOH、-(C0~4アルキレン)-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-NH2、-(C0~4アルキレン)-CO-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-NH-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-N(C1~5アルキル)-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-NH2、-(C0~4アルキレン)-SO2-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-カルボシクリル、及び-(C0~4アルキレン)-ヘテロシクリルから選択され、前記-(C0~4アルキレン)-カルボシクリル中のカルボシクリル部分及び前記-(C0~4アルキレン)-ヘテロシクリル中のヘテロシクリル部分はそれぞれ、1つ若しくは複数のRCyc基で任意選択で置換されており;
各R6は、水素、C1~5アルキル、C2~5アルケニル、C2~5アルキニル、-(C0~4アルキレン)-OH、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキレン)-OH、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SH、-(C0~4アルキレン)-S(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH2、-(C0~4アルキレン)-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-OH、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-OH、-(C0~4アルキレン)-NH-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-O(C1~5アルキル)、ハロゲン、C1~5ハロアルキル、-(C0~4アルキレン)-O-(C1~5ハロアルキル)、-(C0~4アルキレン)-CN、-(C0~4アルキレン)-CHO、-(C0~4アルキレン)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-COOH、-(C0~4アルキレン)-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-NH2、-(C0~4アルキレン)-CO-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-NH-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-N(C1~5アルキル)-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-NH2、-(C0~4アルキレン)-SO2-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-カルボシクリル、及び-(C0~4アルキレン)-ヘテロシクリルから独立して選択され、前記-(C0~4アルキレン)-カルボシクリル中のカルボシクリル部分及び前記-(C0~4アルキレン)-ヘテロシクリル中のヘテロシクリル部分はそれぞれ、1つ若しくは複数のRCyc基で任意選択で置換されており;
各RCycは、C1~5アルキル、C2~5アルケニル、C2~5アルキニル、-(C0~4アルキレン)-OH、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキレン)-OH、-(C0~4アルキレン)-O(C1~5アルキレン)-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SH、-(C0~4アルキレン)-S(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH2、-(C0~4アルキレン)-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-OH、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-OH、-(C0~4アルキレン)-NH-O(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-O(C1~5アルキル)、ハロゲン、C1~5ハロアルキル、-(C0~4アルキレン)-O-(C1~5ハロアルキル)、-(C0~4アルキレン)-CN、-(C0~4アルキレン)-CHO、-(C0~4アルキレン)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-COOH、-(C0~4アルキレン)-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-NH2、-(C0~4アルキレン)-CO-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-CO-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-CO-O-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-NH-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-O-CO-N(C1~5アルキル)-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-NH2、-(C0~4アルキレン)-SO2-NH(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-N(C1~5アルキル)(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-NH-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-N(C1~5アルキル)-SO2-(C1~5アルキル)、-(C0~4アルキレン)-SO2-(C1~5アルキル)、及び-(C0~4アルキレン)-SO-(C1~5アルキル)から独立して選択される)
又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物であって、
環Aが、-CO-NR2-を含有する環に縮合しているフェニルである場合、nは1、2、3又は4であり、
環Aが、-CO-NR2-を含有する環に縮合しているフェニルであり、nが1又は2である場合、少なくとも1つのR3基は、ハロゲン、-O(C1~4アルキル)、及び-OCF3とは異なっている、式(Ia)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
【0230】
19. R1が、C1~5アルキルであり、R5は、R5Aであり;又は代替的に、R1とR5が互いに結合して、-CH2CH2-、-O-CH2-、-CH2-O-、-CO-O-又は-O-CO-基を形成する、項目18の化合物。
【0231】
20. R1がメチルである、項目18又は19の化合物。
【0232】
21. R5が、-O(C1~5アルキル)又は-OHであり、好ましくは、R5が、-OCH3である、項目18から20のいずれか1つの化合物。
【0233】
22. 環Aが、フェニル、ピリジニル、オキサゾリル、及びイソオキサゾリルから選択され、前記フェニル、前記ピリジニル、前記オキサゾリル又は前記イソオキサゾリルは、-CO-NR2-を含有する環に縮合している、項目18から21のいずれか1つの化合物。
【0234】
23. 環Aが、-CO-NR2-を含有する環に縮合しているフェニルであり、したがって、式(I)の化合物が以下の構造:
【0235】
【化25】
【0236】
を有する、項目18から22のいずれか1つの化合物。
【0237】
24. 各R3が、C1~5アルキル、-O(C1~5アルキル)、ハロゲン、C1~5ハロアルキル、及び-CNから独立して選択される、項目18から23のいずれか1つの化合物。
【0238】
25. 環Aが、-CO-NR2-を含有する環に縮合しているフェニルであり、nが1であり、R3が6位で環Aに結合している-CF3であり、したがって、式(I)の化合物が以下の構造:
【0239】
【化26】
【0240】
を有する、項目18から24のいずれか1つの化合物。
【0241】
26. Z1、Z2、及びZ3が、それぞれC(-R6)である、項目18から25のいずれか1つの化合物。
【0242】
27. R4が、ハロゲン、-CF3、又は-CNであり、好ましくは、R4が-Clである、項目18から26のいずれか1つの化合物。
【0243】
28. 各R6が、水素、C1~5アルキル、-O(C1~5アルキル)、ハロゲン、C1~5ハロアルキル、-O-(C1~5ハロアルキル)、及び-CNから独立して選択され、好ましくは、各R6が、水素である、項目18から27のいずれか1つの化合物。
【0244】
29.
3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
3-(5-クロロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-エチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-プロピル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
3-ベンジル-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
2-(3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-オキソ-6-(トリフルオロメチル)インドリン-3-イル)アセトニトリル;
3-アリル-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
2-(3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-オキソ-6-(トリフルオロメチル)インドリン-3-イル)酢酸;
5-クロロ-6'-(トリフルオロメチル)-2H-スピロ[ベンゾフラン-3,3'-インドリン]-2'-オン;
7-メトキシ-6'-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロスピロ[インデン-1,3'-インドリン]-2'-オン;
4-クロロ-7-メトキシ-6'-(トリフルオロメチル)スピロ[インダン-1,3'-インドリン]-2'-オン;
4,6-ジクロロ-7-メトキシ-6'-(トリフルオロメチル)スピロ[インダン-1,3'-インドリン]-2'-オン;
3-(2-クロロ-5-メトキシ-4-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
3-(3-メトキシ-4-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
3-メチル-3-(4-ピリジル)-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
3-(2-クロロ-4-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
3-[2-メトキシ-5-(1-メチルイミダゾール-2-イル)フェニル]-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
3-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2-オン;
6'-クロロ-6-(トリフルオロメチル)-3'H-スピロ[インドリン-3,1'-イソベンゾフラン]-2,3'-ジオン;
3-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-6-(ジフルオロメチル)-3-メチル-インドリン-2-オン;
3-(5-クロロ-2-メトキシ-3-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
3-(6-クロロ-3-メトキシピリジン-2-イル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
6-クロロ-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2(3H)-オン;
6-クロロ-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2(3H)-オン;
6-クロロ-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2(3H)-オン;
3-(5-クロロ-2-メトキシピリジン-3-イル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2(3H)-オン;
3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2(3H)-オン;
3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2(3H)-オン;
3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2(3H)-オン;
6-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-6-メチル-3-(トリフルオロメチル)-4H-ピロロ[2,3-d]イソオキサゾール-5(6H)-オン;
6-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-6-メチル-2-(トリフルオロメチル)-4H-ピロロ[3,2-d]オキサゾール-5(6H)-オン;
から選択される、項目18の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
【0245】
30.
(3S)-3-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3R)-3-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3S)-3-(5-クロロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3R)-3-(5-クロロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3S)-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-エチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3R)-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-エチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3S)-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-プロピル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3R)-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-プロピル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3S)-3-ベンジル-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3R)-3-ベンジル-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3S)-2-(3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-オキソ-6-(トリフルオロメチル)インドリン-3-イル)アセトニトリル;
(3R)-2-(3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-オキソ-6-(トリフルオロメチル)インドリン-3-イル)アセトニトリル;
(3S)-3-アリル-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3R)-3-アリル-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3S)-2-(3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-オキソ-6-(トリフルオロメチル)インドリン-3-イル)酢酸;
(3R)-2-(3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-オキソ-6-(トリフルオロメチル)インドリン-3-イル)酢酸;
(3S)-5-クロロ-6'-(トリフルオロメチル)-2H-スピロ[ベンゾフラン-3,3'-インドリン]-2'-オン;
(3R)-5-クロロ-6'-(トリフルオロメチル)-2H-スピロ[ベンゾフラン-3,3'-インドリン]-2'-オン;
(1S)-7-メトキシ-6'-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロスピロ[インデン-1,3'-インドリン]-2'-オン;
(1R)-7-メトキシ-6'-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロスピロ[インデン-1,3'-インドリン]-2'-オン;
(1S)-4-クロロ-7-メトキシ-6'-(トリフルオロメチル)スピロ[インダン-1,3'-インドリン]-2'-オン;
(1R)-4-クロロ-7-メトキシ-6'-(トリフルオロメチル)スピロ[インダン-1,3'-インドリン]-2'-オン;
(1S)-4,6-ジクロロ-7-メトキシ-6'-(トリフルオロメチル)スピロ[インダン-1,3'-インドリン]-2'-オン;
(1R)-4,6-ジクロロ-7-メトキシ-6'-(トリフルオロメチル)スピロ[インダン-1,3'-インドリン]-2'-オン;
(3S)-3-(2-クロロ-5-メトキシ-4-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3R)-3-(2-クロロ-5-メトキシ-4-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3S)-3-(3-メトキシ-4-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3R)-3-(3-メトキシ-4-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3S)-3-メチル-3-(4-ピリジル)-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3R)-3-メチル-3-(4-ピリジル)-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3S)-3-(2-クロロ-4-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3R)-3-(2-クロロ-4-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3S)-3-[2-メトキシ-5-(1-メチルイミダゾール-2-イル)フェニル]-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3R)-3-[2-メトキシ-5-(1-メチルイミダゾール-2-イル)フェニル]-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3S)-3-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2-オン;
(3R)-3-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2-オン;
(3S)-6'-クロロ-6-(トリフルオロメチル)-3'H-スピロ[インドリン-3,1'-イソベンゾフラン]-2,3'-ジオン;
(3R)-6'-クロロ-6-(トリフルオロメチル)-3'H-スピロ[インドリン-3,1'-イソベンゾフラン]-2,3'-ジオン;
(3S)-3-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-6-(ジフルオロメチル)-3-メチル-インドリン-2-オン;
(3R)-3-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-6-(ジフルオロメチル)-3-メチル-インドリン-2-オン;
(3S)-3-(5-クロロ-2-メトキシ-3-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3R)-3-(5-クロロ-2-メトキシ-3-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3S)-3-(6-クロロ-3-メトキシピリジン-2-イル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3R)-3-(6-クロロ-3-メトキシピリジン-2-イル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン;
(3S)-6-クロロ-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2(3H)-オン;
(3R)-6-クロロ-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2(3H)-オン;
(3S)-6-クロロ-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2(3H)-オン;
(3R)-6-クロロ-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2(3H)-オン;
(3S)-6-クロロ-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2(3H)-オン;
(3R)-6-クロロ-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2(3H)-オン;
(3S)-3-(5-クロロ-2-メトキシピリジン-3-イル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2(3H)-オン;
(3R)-3-(5-クロロ-2-メトキシピリジン-3-イル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2(3H)-オン;
(3S)-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2(3H)-オン;
(3R)-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2(3H)-オン;
(3S)-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2(3H)-オン;
(3R)-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2(3H)-オン;
(3S)-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2(3H)-オン;
(3R)-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2(3H)-オン;
(6S)-6-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-6-メチル-3-(トリフルオロメチル)-4H-ピロロ[2,3-d]イソオキサゾール-5(6H)-オン;
(6R)-6-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-6-メチル-3-(トリフルオロメチル)-4H-ピロロ[2,3-d]イソオキサゾール-5(6H)-オン;
(6S)-6-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-6-メチル-2-(トリフルオロメチル)-4H-ピロロ[3,2-d]オキサゾール-5(6H)-オン;
(6R)-6-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-6-メチル-2-(トリフルオロメチル)-4H-ピロロ[3,2-d]オキサゾール-5(6H)-オン;
から選択される、項目18の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
【0246】
31. 医薬として使用するための、項目18から30のいずれか1つの化合物。
【0247】
32. 項目18から30のいずれか1つの化合物及び薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物。
【0248】
33. 脳卒中、虚血再灌流障害、虚血性心疾患、高血圧、心筋梗塞、アレルギー性鼻炎、喘息、慢性閉塞性肺疾患、多発性硬化症、痙縮、振戦、筋肉障害、ジスキネジア、膀胱機能障害、過活動膀胱、尿失禁、過敏性腸症候群、便失禁、便秘、胃食道逆流障害、消化管通過障害、排尿筋活動低下、勃起不全、オピオイド誘発性呼吸抑制、不安、不安障害、感覚処理障害、自閉症、自閉症スペクトラム障害、社会的若しくは語用論的コミュニケーション障害、注意欠陥多動性障害、社会恐怖症、知的障害、疼痛、てんかん、てんかん及び/又は発作性障害、ドラベ症候群、全般性てんかん及び発作性ジスキネジア、側頭葉てんかん、精神病、統合失調症、統合失調症の陰性症状、統合失調症における認知障害、フェラン・マクダーミド症候群、レット症候群、ピット・ホプキンス症候群、16p11.2欠失症候群、ウィリアムズ・ビューレン症候群、開放隅角高眼圧症、緑内障、耳鳴り、糖尿病性網膜症、子宮収縮抑制、片頭痛、リャン・ワン(Liang-Wang)症候群、スミス・レムリ・オピッツ症候群、アンジェルマン症候群、ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群から選択される疾患/障害の処置又は予防に使用するための、項目18から31のいずれか1つの化合物又は項目32の医薬組成物。
【0249】
以下の実施例を参照してここで本発明を説明するが、これらは単なる例示であり、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【実施例
【0250】
特に実施例1~40の化合物を含む、本セクションに記載の式(I)又は(Ia)の化合物は、それらの化学式及びそれらの対応する化学名によって定義される。任意の化学式と本明細書に示される対応する化学名との間に矛盾がある場合、本発明は、化学式によって定義される化合物と化学名によって定義される化合物の両方に関し、特に化学式によって定義される化合物に関する。
【0251】
(実施例1)
3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン
【0252】
【化27】
【0253】
合成スキーム:
【0254】
【化28】
【0255】
工程1.2-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)酢酸の調製。
THF(400mL)中の2-(2-メトキシフェニル)酢酸(35g、210.6mmol、1当量)の溶液に、0℃でSO2Cl2(42.64g、315.9mmol、31.59mL、1.5当量)を滴加した。添加後、混合物を0℃で30分間撹拌した。次いで混合物を25℃に温め、25℃で1.5時間撹拌した。0℃で水(800mL)を加えて反応をクエンチし、次いでEtOAc(600mL)で4回抽出した。合わせた有機層を飽和ブライン(800mL)で2回洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、2-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)酢酸(58g)を白色固体として得、これを更に精製することなく次の工程に使用した。
LCMS: 201.0 (M+H+)
【0256】
工程2.エチル2-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)アセテートの調製。
EtOH(600mL)中の2-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)酢酸(58g、289mmol、1当量)の溶液に、H2SO4(12M、3.61mL、0.15当量)を加え、次に混合物を80℃で12時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル、1:0~1:0の勾配)によって精製した。エチル2-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)アセテート(24.3g、27%)が黄色油として得られた。
LCMS: 229.0 (M+H+)
【0257】
工程3.エチル2-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-(2-ニトロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)アセテートの調製。
THF(40mL)中のエチル2-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)アセテート(4g、17.5mmol、1当量)及び1-フルオロ-2-ニトロ-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン(4.39g、20.1mmol、2.95mL、1.2当量)の混合物に、-40°CでLiHMDS(1M、22.74mL、1.3当量)を加えた。混合物を25℃に温め、25℃で12時間撹拌した。0℃で飽和NH4Cl(100mL)を加えて反応混合物をクエンチし、次いでEtOAc(150mL)で3回抽出した。合わせた有機層を飽和ブライン(150mL)で2回洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル、1:0~10:1の勾配)によって精製して、エチル2-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-(2-ニトロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)アセテート(3.2g、収率43.79%)を黄色固体として得た。
LCMS: 418.0 (M+H+)
【0258】
工程4.エチル2-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-(2-ニトロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)プロパノエートの調製。
DMF(5mL)中のエチル2-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-(2-ニトロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)アセテート(400mg、0.957mmol、1当量)及びMeI(815mg、5.74mmol、357.6uL、6当量)の溶液に、0℃でNaH(60%、57.45mg、1.44mmol、1.5当量)を加えた。混合物を0℃で0.5時間撹拌し、次いで50℃に温め、50℃で1.5時間撹拌した。0℃で水(50mL)を加えて反応混合物をクエンチし、次いでEtOAc(50mL)で3回抽出した。合わせた有機層を飽和ブライン(50mL)で2回洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル、1:0~5:1の勾配)によって精製して、エチル2-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-(2-ニトロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)プロパノエート(244mg、59%)を黄色油として得た。
LCMS: 432.0 (M+H+)
【0259】
工程5.3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン
EtOH(5mL)及びH2O(1mL)中のエチル2-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-(2-ニトロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)プロパノエート(224mg、518.8umol,1当量)の溶液に、Na2S2O4(903.22mg、5.19mmol、1.13mL、10当量)を加え、混合物を80℃で2時間撹拌した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮し、残留物を得、これをカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル、20:1~2:1の勾配)によって精製して、3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン(81mg、43.5%、純度99.2%)を白色固体として得た。
LCMS: 356.0 (M+H+)
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 10.737 (1H, s), 7.587 (1H, d), 7.370 (1H, dd), 7.197 (1H, d), 7.086 (1H, s), 7.030 (1H, d), 6.937 (1H, s), 3.397 (3H, s), 1.586 (3H, s).
【0260】
(実施例2及び3)
(3S)-3-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン(実施例2)及び(3R)-3-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン(実施例3)
【0261】
【化29】
【0262】
SFC(カラム:DAICEL CHIRALPAK AD-H(250mm×30mm、5um);移動相、CO2:MeOH(0.1%NH3H2O)8:2イソクラティックにより、3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン(110mg;実施例1)を分離することによって、化合物2、すなわち(3S)-3-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン(34mg)を白色固体として、及び化合物3、すなわち(3R)-3-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン(37mg)を白色固体として得た。
【0263】
(3S)-3-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン
LCMS: 356.0 (M+H+)
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 10.732, (1H, s), 7.582 (1H, d), 7.368 (1H, dd), 7.192 (1H, dd), 7.080 (1H, s), 7.028 (1H, d), 6.935 (1H, d), 3.394 (3H, s), 1.582 (3H, s)
(3R)-3-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン
LCMS: 356.0 (M+H+)
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 10.737 (1H, s), 7.587 (1H, d), 7.367 (1H, dd), 7.197 (1H, d), 7.085 (1H, s), 7.032 (1H, d), 6.937 (1H, s), 3.398 (3H, s), 1.586 (3H, s).
【0264】
(実施例4)
3-(5-クロロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン
【0265】
【化30】
【0266】
DCM(10mL)中の3-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン(実施例1、150mg、421.66umol、1当量)の混合物に、BBr3(316.91mg、1.26mmol、121.89μL、3当量)をN2下0℃で一度に加え、混合物を25℃で12時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残留物を別の反応からの物質と合わせ、分取HPLC[水(0.1%TFA)-ACN]によって精製して、3-(5-クロロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン(74mg)を白色固体として得た。
LCMS: (M+H)+ : 342.0
1H NMR (400 MHz, DMSO): 7.527 (1H, d), 7.221 (1H, d), 7.156 - 7.123 (2H), 7.015 (1H, d), 6.646 (1H, d), 1.680 (3H, s).
【0267】
(実施例5)
3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-エチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン
【0268】
【化31】
【0269】
工程1.エチル2-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-(2-ニトロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ブタノエートの調製。
DMF(5mL)中のエチル2-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-(2-ニトロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)アセテート(400mg、957.48umol、1当量)の混合物に、0℃でNaH(60%、57.45mg、1.44mmol、1.5当量)をゆっくりと加え、混合物を0℃で0.5時間撹拌した。ヨードエタン(597.33mg、3.83mmol、306.32uL、4当量)を加え、混合物をN2雰囲気下で、45℃にて1時間撹拌した。25℃で水(100mL)を加えて反応をクエンチし、次いで酢酸エチル(50mL)で2回抽出した。合わせた有機層を飽和ブライン(40mL)で2回洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル、1:0~10:1の勾配)によって精製して、エチル2-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-(2-ニトロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ブタノエート(217mg、50.8%)を黄色油として得た。
【0270】
工程2.3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-エチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オンの調製。
EtOH(3mL)及びH2O(1mL)中のエチル2-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-(2-ニトロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ブタノエート(197mg、441.89umol、1当量)の溶液に、Na2S2O4(769.36mg、4.42mmol、961.69uL、10当量)を加え、混合物を80℃で12時間撹拌した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル、10:1~3:1の勾配)によって精製して、3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-エチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン(65mg、38%、純度96%)を白色固体として得た。
LCMS: 370.0 (M+H+)
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 10.758 (1H, s), 7.577 (1H, d), 7.354 (1H, dd), 7.202, 1H, dd), 7.062 (1H, s), 7.026 (1H, d), 7.939 (1H, d), 3.406 (3H, s), 2.276 (1H, m), 2.094 (1H, m), 0.578 (3H, t).
【0271】
(実施例6)
3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-プロピル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン
【0272】
【化32】
【0273】
実施例6では、工程1でヨウ化プロピルを使用して、実施例5に記載の手順に従って調製し、3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-プロピル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン(27mg、収率25.6%、純度95%)、を薄黄色固体として得た。
LCMS: 384.1 (M+H+)
1H NMR (400 MHz, CDCl3): 8.075 (1H, s), 7.489 (1H, d), 7.197 - 7.128 (2H, m), 7.047, 1H, s), 6.842 (1H, d), 6.646 (1H, d), 3.386 (3H, s), 2.183 (1H, m), 2.053 (1H, m), 1.242 (2H, m), 0.836 (3H, m).
【0274】
(実施例7)
3-ベンジル-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン
【0275】
【化33】
【0276】
実施例7では、工程1で臭化ベンジルを使用して、実施例5に記載の手順に従って調製し、3-ベンジル-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン(106mg、収率38.7%、純度98.3%)を白色固体として得た。
LCMS: 432.1 (M+H+)
1H NMR (400 MHz, CDCl3): 7.678 (1H, d), 7.256 (1H, dd), 7.105, (2H, m), 7.036 (2H, m), 6.744 (4H, m), 3.505 (2H, m), 3.435 (3H, s).
【0277】
(実施例8)
2-(3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-オキソ-6-(トリフルオロメチル)インドリン-3-イル)アセトニトリル
【0278】
【化34】
【0279】
実施例8では、工程1でブロモアセトニトリルを使用して、実施例5に記載の手順に従って調製し、2-(3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-オキソ-6-(トリフルオロメチル)インドリン-3-イル)アセトニトリル(127mg、収率33.8%、純度93%)を白色固体として得た。
LCMS: 398.0 (M+NH4)+
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 11.082 (1H, s), 7.612 (1H, d), 7.425 (1H, dd), 7.285 (1H, d), 7.181 - 7.134 (2H, m), 6.998 (1H, d), 3.723 (1H, d), 3.509 (1H, d), 3.330 (3H, s).
【0280】
(実施例9)
3-アリル-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン
【0281】
【化35】
【0282】
実施例9では、工程1で臭化アリルを使用して、実施例5に記載の手順に従って調製し、3-アリル-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン(0.6g、収率28.7%、純度95.8%)を白色固体として得た。
LCMS: 382.0 (M+H)+
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 10.737 (1H, s), 7.616 (1H, d), 7.366 (1H, d), 7.206 (1H, d), 7.074 (1H, d), 7.030 (1H, s), 6.944 (1H, d), 5.298 (1H, m), 5.009 - 4.918 (2H, m), 3.403 (3H, s), 3.072 (1H, m), 2.807 (1H, m).
【0283】
(実施例10)
2-(3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-オキソ-6-(トリフルオロメチル)インドリン-3-イル)酢酸
【0284】
【化36】
【0285】
ACN(10mL)及びH2O(5mL)中の3-アリル-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン(実施例9、600mg、1.57mmol、1当量)の溶液に、NaIO4(1.34g、6.29mmol、348.34uL、4当量)、4-メチル-4-オキシド-モルホリン-4-イウム(202.52mg、1.73mmol、182.45uL、1.1当量)及びOsO4(799.10mg、3.14mmol、163.08uL、2当量)を加えた。混合物を脱気し、N2で3回パージし、次いでN2雰囲気下で、14℃にて12時間撹拌した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮し、残留物を、分取TLC(SiO2、DCM:MeOH、10:1)、続いて分取HPLC(カラム:Luna C18 100*30 5u;移動相:[水(0.1%TFA)-ACN];B%:40%~52%、14分)により精製して、2-(3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-オキソ-6-(トリフルオロメチル)インドリン-3-イル)酢酸(11mg、収率1.7%、純度95%)を白色固体として得た。
LCMS: 400.0 (M+H)+
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 12.241 (1H, br s), 10.829 (1H, s), 7.463 (1H, s), 7.331 (2H, m), 7.211 (1H, d), 7.029 (1H, s), 6.977 (1H, d), 3.558 (1H, d), 3.505 (3H, s), 3.007 (1 H, d).
【0286】
(実施例11)
5-クロロ-6'-(トリフルオロメチル)-2H-スピロ[ベンゾフラン-3,3'-インドリン]-2'-オン
【0287】
【化37】
【0288】
合成スキーム:
【0289】
【化38】
【0290】
工程1:エチル5-クロロベンゾフラン-3-カルボキシレートの調製。
DCM(150mL)中の5-クロロ-2-ヒドロキシベンズアルデヒド(10g、63.87mmol、1当量)の溶液に、BF3.Et2O(906.52mg、6.39mmol、788.28μL、0.1当量)を加え、混合物を15℃で0.5時間撹拌した。次いで、混合物にエチル2-ジアゾアセテート(12.39g、108.58mmol、1.7当量)を滴加した。添加後、混合物を15℃で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して茶色油を得、これをH2SO4(12M、5mL)に滴加した。添加後、混合物を15℃で2.5時間撹拌した。混合物に飽和NaHCO3溶液をpH=8になるまで加え、次いで混合物をEtOAc(250mL)で3回抽出した。合わせた有機層を飽和ブライン(750mL)で2回洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル、0:1~10:1の勾配)によって精製して、エチル5-クロロベンゾフラン-3-カルボキシレート(10g、69.70%)を白色固体として得た。
LCMS: (M+H+): 225.0
【0291】
工程2:メチル5-クロロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-カルボキシレートの調製。
MeOH(50mL)中のエチル5-クロロベンゾフラン-3-カルボキシレート(2g、8.90mmol、1当量)の溶液に、Mg(1.08g、44.52mmol、5当量)を加え、混合物を15℃で12時間撹拌した。反応混合物に0℃でHCl(1N、100mL)を加え、混合物を、EtOAc(100mL)で2回抽出した。合わせた有機層を飽和ブライン(200mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル、0:1~10:1の勾配)によって精製して、メチル5-クロロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-カルボキシレート(1.3g、収率68.67%)をオレンジ色の油として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 7.340 (1H, d), 7.137 (1H, dd), 6.734 (1H, d), 4.949 (1H, m), 4.688 (1H, m), 4.323 (1H, m), 3.799 (3H, s).
【0292】
工程3:メチル5-クロロ-3-(2-ニトロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-カルボキシレートの調製。
DMF(5mL)中のメチル5-クロロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-カルボキシレート(200mg、940.61umol、1当量)の溶液に、NaH(56.44mg、1.41mmol、純度60%、1.5当量)を0℃でゆっくりと加え、次いで、混合物を0℃で0.5時間撹拌した。混合物に1-フルオロ-2-ニトロ-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン(236.01mg、1.13mmol、158.40uL、1.2当量)を0℃で滴加し、混合物を15℃で11.5時間撹拌した。0℃で水(50mL)を加えて反応混合物をクエンチし、混合物をEtOAc(50mL)で2回抽出した。合わせた有機層を飽和ブライン(100mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を別のバッチと合わせ、カラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル、0:1~20:1の勾配)によって精製して、5-クロロ-3-(2-ニトロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-カルボキシレートを、黄色固体として得た。
【0293】
工程4:5-クロロ-6'-(トリフルオロメチル)-2H-スピロ[ベンゾフラン-3,3'-インドリン]-2'-オンの調製。
EtOH(10mL)及びH2O(2mL)中の5-クロロ-3-(2-ニトロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-カルボキシレート(380mg、945.93umol、1当量)及びNa2S2O4(1.65g、9.46mmol、2.06mL、10当量)の混合物を、80℃で12時間撹拌した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル、10:1~3:1の勾配)によって精製して、5-クロロ-6'-(トリフルオロメチル)-2H-スピロ[ベンゾフラン-3,3'-インドリン]-2'-オン(67mg、収率20.4%、純度98%)を白色固体として得た。
LCMS: 357.0 (M+NH4 +)
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 10.974 (1H, s), 7.383 (2H, m), 7.282 (1H, m), 7.164 (1H, s), 7.033 (1H, d), 6.917 (1H, d), 4.879 (1H, d), 4.803 (1H, d)
【0294】
(実施例12)
7-メトキシ-6'-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロスピロ[インデン-1,3'-インドリン]-2'-オン
【0295】
【化39】
【0296】
合成スキーム:
【0297】
【化40】
【0298】
工程1:エチル2-(2-メトキシフェニル)-2-オキソアセテートの調製。
THF(500mL)中の1-ブロモ-2-メトキシ-ベンゼン(50g、267.33mmol、33.33mL、1当量)の溶液を-78℃に冷却し、n-BuLi(2.5M、106.93mL、1当量)をシリンジで加え、1時間撹拌した。シュウ酸ジエチル(155.15g、1.06mol、145.00mL、3.97当量)を撹拌しながら急速に加え、混合物をN2下で、15℃にて4時間撹拌した。反応混合物を水(100mL)で希釈し、EtOAc(50mL)で4回抽出した。合わせた有機層をブライン(90mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル、20:1~10:1の勾配)によって精製して、エチル2-(2-メトキシフェニル)-2-オキソアセテート(45g、収率80.8%)を淡黄色液体として得た。
【0299】
工程2:エチル2-(2-メトキシフェニル)プロパ-2-エノエートの調製。
THF(400mL)中のエチル2-(2-メトキシフェニル)-2-オキソアセテート(45g、216.13mmol、1当量)及び臭化メチルトリフェニルホスホニウム(92.08g、259.35mmol、1.2当量)の溶液に、KHMDS(1M、259.35mL、1.2当量)を0℃で加えた。混合物をN2下で15℃にて5時間撹拌した。反応混合物を水(15mL)で希釈し、EtOAc(10mL)で4回抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル、20:1~5:1の勾配)によって精製して、エチル2-(2-メトキシフェニル)プロパ-2-エノエート(18g、87.28mmol、収率40.38%)を白色油として得た。
【0300】
工程3:2-(2-メトキシフェニル)プロパ-2-エン酸の調製。
THF(200mL)及びH2O(50mL)中のエチル2-(2-メトキシフェニル)プロパ-2-エノエート(18g、87.28mmol、1当量)の溶液に、KOH(58.76g、1.05mol、12当量)を加えた。混合物を15℃で15時間撹拌した。HCl(2N)を加えてpH3に調整し、混合物を減圧下で45mLの容量まで濃縮した。固体沈殿物を濾過により回収して、2-(2-メトキシフェニル)プロパ-2-エン酸(14g、収率90%)を白色固体として得た。
【0301】
工程4:N-[2-ブロモ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-2-(2-メトキシフェニル)プロパ-2-エンアミド。
DCM(70mL)中の2-(2-メトキシフェニル)プロパ-2-エン酸(7g、39.29mmol、1当量)及び(COCl)2(24.93g、196.43mmol、17.19mL、5当量)の混合物に、DMF(861.41mg、11.79mmol、906.74uL、0.3当量)を加え、混合物を0℃で1時間撹拌した。溶媒を除去し、残留物をDCM(70mL)に取り、2-ブロモ-5-(トリフルオロメチル)アニリン(11.32g、47.14mmol、6.74mL、1.2当量)及びTEA(7.95g、78.57mmol、10.94mL、2当量)の混合物に0℃で加えた。次いで、混合物を1時間攪拌した。反応混合物を水(20mL)で希釈し、EtOAc(10mL)で4回抽出した。合わせた有機層をブライン(35mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル、30:1~10:1の勾配)によって精製して、N-[2-ブロモ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-2-(2-メトキシフェニル)プロパ-2-エンアミド(12g)を淡黄色油として得た。
【0302】
工程5:N-[2-ブロモ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-2-(2-メトキシフェニル)-N-[(4-メトキシフェニル)メチル]プロパ-2-エンアミドの調製。
THF(140mL)中のN-[2-ブロモ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-2-(2-メトキシフェニル)プロパ-2-エンアミド(11.95g、29.86mmol、1当量)の撹拌溶液に、NaH(60%、3.58g、89.58mmol、3当量)を0℃で加えた。次いで、PMB-Cl(11.69g、74.65mmol、10.17mL、2.5当量)を加え、混合物を15℃に温め、N2下で5時間撹拌した。反応混合物を水(20mL)で希釈し、EtOAc(15mL)で4回抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル、20:1~5:1の勾配)によって精製して、N-[2-ブロモ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-2-(2-メトキシフェニル)-N-[(4-メトキシフェニル)メチル]プロパ-2-エンアミド(7g)を白色固体として得た。
【0303】
工程6:7-メトキシ-1'-[(4-メトキシフェニル)メチル]-6'-(トリフルオロメチル)スピロ[インダン-1,3'-インドリン]-2'-オンの調製
DMA(50mL)中のN-[2-ブロモ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-2-(2-メトキシフェニル)-N-[(4-メトキシフェニル)メチル]プロパ-2-エンアミド(3g、5.77mmol、1当量)、K2CO3(2.39g、17.30mmol、3当量)、[2-(2-アミノフェニル)フェニル]-クロロ-パラジウム;トリtert-ブチルホスファン(443.14mg、864.82umol、0.15当量)、CH2Br2(7.93g、46.12mmol、8当量)の混合物を脱気し、N2で5回パージした。次いで、混合物を、N2雰囲気下で、130℃にて12時間撹拌した。反応混合物を水(20mL)で希釈し、EtOAc(8mL)で4回抽出した。合わせた有機層をブライン(25mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を分取HPLC(カラム:Xtimate C18 10μ 250mm*50mm;移動相:[水(10mM NH4HCO3)-ACN];B%:60%~70%、20分)によって精製して、7-メトキシ-1'-[(4-メトキシフェニル)メチル]-6'-(トリフルオロメチル)スピロ[インダン-1,3'-インドリン]-2'-オン(1.3g、2.87mmol、収率49.7%)を白色固体として得た。
【0304】
工程7:7-メトキシ-6'-(トリフルオロメチル)スピロ[インダン-1,3'-インドリン]-2'-オンの調製。
DCM(5mL)中の7-メトキシ-1'-[(4-メトキシフェニル)メチル]-6'-(トリフルオロメチル)スピロ[インダン-1,3'-インドリン]-2'-オン(500mg、1.10mmol、1当量)の溶液に、TFA(12.57g、110.27mmol、8.16mL、100当量)及びTfOH(3.31g、22.05mmol、1.95mL、20当量)を加えた。混合物を50℃で10時間撹拌した。反応混合物を水(5mL)で希釈し、EtOAc(5mL)で4回抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル、20:1~5/1の勾配)によって精製して、7-メトキシ-6'-(トリフルオロメチル)スピロ[インダン-1,3'-インドリン]-2'-オン(150mg、収率40.8%)を白色固体として得た。
LCMS: 334.0 (M+H)+
1H NMR (400 MHz, CDCl3): 7.635 (1H, s), 7.269 - 7.218 (2H, m), 7.150 (1H, s), 7.044 (1H, d), 6.980 (1H, d), 6.646 (1H, d), 3.559 (3H, s), 3.304 (2H, m), 2.768 (1H, m), 2.349 (1H, m).
【0305】
(実施例13及び14)
4-クロロ-7-メトキシ-6'-(トリフルオロメチル)スピロ[インダン-1,3'-インドリン]-2'-オン(実施例13)及び4,6-ジクロロ-7-メトキシ-6'-(トリフルオロメチル)スピロ[インダン-1,3'-インドリン]-2'-オン(実施例14)
【0306】
【化41】
【0307】
AcOH(5mL)中の7-メトキシ-6'-(トリフルオロメチル)スピロ[インダン-1,3'-インドリン]-2'-オン(実施例12、190mg、570.05umol、1当量)の溶液に、NCS(114.18mg、855.08umol、1.5当量)を加えた。混合物を50℃で5時間撹拌した。反応混合物を水(15mL)で希釈し、EtOAc(10mL)で4回抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を分取HPLC(カラム:Waters Xbridge Prep OBD C18 150*40mm*10um;移動相:[水(0.04% NH3H2O+10mM NH4HCO3)-ACN];B%:30%~60%、10分)により分画して、4-クロロ-7-メトキシ-6'-(トリフルオロメチル)スピロ[インダン-1,3'-インドリン]-2'-オン(19mg、収率8.95%、純度98.8%)を白色固体として、4,6-ジクロロ-7-メトキシ-6'-(トリフルオロメチル)スピロ[インダン-1,3'-インドリン]-2'-オン(60mg、収率24.4%、純度93.3%)を白色固体として得た。
【0308】
4-クロロ-7-メトキシ-6'-(トリフルオロメチル)スピロ[インダン-1,3'-インドリン]-2'-オン
LCMS: 368.1 (M+H)+
1H NMR (400 MHz, CDCl3): 7.694 (1H, s), 7.270 - 7.225 (2H, m), 7.143 (1H, s), 7.052 (1H, d), 6.601 (1H, d), 3.547 (3H, s), 3.320 (2H, m), 2.782 (1H, m), 2.362 (1H, m).
4,6-ジクロロ-7-メトキシ-6'-(トリフルオロメチル)スピロ[インダン-1,3'-インドリン]-2'-オン
LCMS: (M+H)+: 401.9 (M+H)+
1H NMR (400 MHz, CDCl3): 7.840 (1H, br s), 7.330 (1H, s), 7.279 (1H, m), 7.199 (1H, s), 7.100 (1H, d), 3.429 (3H, s), 3.313 (2H, m), 2.815 (1H, m), 2.413 (1H, m).
【0309】
(実施例15)
3-(2-クロロ-5-メトキシ-4-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン
【0310】
【化42】
【0311】
合成スキーム:
【0312】
【化43】
【0313】
工程1:3-(2-クロロ-5-メトキシ-4-ピリジル)-3-ヒドロキシ-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オンの調製
(a)Mg(564.89mg、23.24mmol、5当量)及びI2(117.98mg、464.84umol、93.63uL、0.1当量)の混合物に、THF(10mL)中の4-ブロモ-2-クロロ-5-メトキシ-ピリジン(2.07g、9.30mmol、2当量)の溶液を15℃で滴加した。混合物をN2下で40℃にて2時間撹拌した。
(b)THF(10mL)中の6-(トリフルオロメチル)インドリン-2,3-ジオン(1g、4.65mmol、1当量)の溶液に、NaH(278.88mg、6.97mmol、純度60%、1.5当量)を0℃でゆっくりと加え、混合物を1時間撹拌した。上記(a)からの溶液をN2下で加え、混合物をN2下で15℃にて7時間撹拌した。反応混合物を水(15mL)で希釈し、EtOAc(10mL)で4回抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル、10:1~1:1の勾配)によって精製して、3-(2-クロロ-5-メトキシ-4-ピリジル)-3-ヒドロキシ-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン(1.5g、収率89.9%)を黄色固体として得た。
【0314】
工程2:3-クロロ-3-(2-クロロ-5-メトキシ-4-ピリジル)-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オンの調製
DCM(5mL)中の3-(2-クロロ-5-メトキシ-4-ピリジル)-3-ヒドロキシ-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン(200mg、557.57umol、1当量)の溶液に、SOCl2(331.67mg、2.79mmol、202.24uL、5当量)を加えた。混合物をN2下で50℃にて5時間撹拌した。反応混合物を水(2mL)で希釈し、EtOAc(2mL)で4回抽出した。合わせた有機層をブライン(3mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル、5:1~2:1の勾配)によって精製して、3-クロロ-3-(2-クロロ-5-メトキシ-4-ピリジル)-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン(190mg、収率90.4%)を白色固体として得た。
【0315】
工程3:3-(2-クロロ-5-メトキシ-4-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オンの調製
THF(3mL)中の3-クロロ-3-(2-クロロ-5-メトキシ-4-ピリジル)-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン(180mg、477.27umol、1当量)の溶液に、0℃でAlMe3(2M、1.91mL、8当量)を滴加した。混合物を50℃に温め、N2下で5時間撹拌した。反応混合物を水(10mL)で希釈し、EtOAc(10mL)で4回抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を分取HPLC(カラム:Waters Xbridge BEH C18 100*30mm*10um;移動相:[水(0.04%NH3H2O)-ACN];B%:25%~55%、10分)によって精製して、3-(2-クロロ-5-メトキシ-4-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン(19mg、収率5.6%、純度99.8%)を白色固体として得た。
LCMS: 356.9 (M+H)+
1H NMR (400 MHz, CDCl3): 7.924 (1H, s), 7.555 (1H, br s), 7.247 (1H), 7.178 (1H, s), 6.953 (1H, d), 3.613 (3H, s), 1.754 (3H, s).
【0316】
(実施例16)
3-(3-メトキシ-4-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン
【0317】
【化44】
【0318】
THF(4mL)中の3-(2-クロロ-5-メトキシ-4-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン(実施例15、7mg、19.6μmol、1当量)の溶液に、Pd/C(10%、0.02g)をH2雰囲気下で加えた。懸濁液を脱気し、H2で3回パージした。混合物をH2(15Psi)下で15℃にて5時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物を分取TLC(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル、0:1)により精製して、3-(3-メトキシ-4-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン(2mg、純度95%)を白色固体として得た。
LCMS: 323.1 (M+H)+
1H NMR (400 MHz, CDCl3): 8.394 (1H, d), 8.204 (1H, s), 7.789 (1H, br s), 7.507 (1H, d), 7.232 (1H, d), 7.177 (1H, s), 6.922 (1H, d), 3.627 (3H, s), 1.773 (3H, s).
【0319】
(実施例17)
3-メチル-3-(4-ピリジル)-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン
【0320】
【化45】
【0321】
合成スキーム:
【0322】
【化46】
【0323】
工程1:エチル2-(4-ピリジル)プロパノエートの調製
THF(10mL)中のエチル2-(4-ピリジル)アセテート(1.5g、9.08mmol、1.39mL、1当量)の溶液に、NaH(363.19mg、9.08mmol、純度60%、1当量)をN2下で-50℃にて滴加した。混合物を1時間撹拌した。MeI(7.15g、50.34mmol、3.13mL、5.54当量)を-50℃で15分かけてゆっくりと加え、次いで反応混合物を-10℃に温め、更に4時間撹拌した。0℃で水(20mL)を加えて反応混合物をクエンチし、次いでEtOAc(10mL)で3回抽出した。合わせた有機層を飽和ブライン(10mL)で3回洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル、20:1~5:1の勾配)によって精製して、エチル2-(4-ピリジル)プロパノエート(800mg、収率49.2%)を黄色油として得た。
【0324】
工程2:エチル2-[2-ニトロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-2-(4-ピリジル)プロパノエートの調製
THF(5mL)中のエチル2-(4-ピリジル)プロパノエート(800mg、4.46mmol、462.96uL、1当量)及び1-フルオロ-2-ニトロ-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン(952.06mg、4.55mmol、638.97uL、1.02当量)の溶液に、KOtBu(751.36mg、6.70mmol、1.5当量)を加えた。混合物を25℃で4時間撹拌した。0℃で飽和NH4Cl(30mL)を加えて反応混合物をクエンチし、EtOAc(10mL)で3回抽出した。合わせた有機層を飽和ブライン(10mL)で2回洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル、10:0~5:1の勾配)によって精製して、エチル2-[2-ニトロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-2-(4-ピリジル)プロパノエート(1g、2.72mmol、収率60.8%)を黄色油として得た。
【0325】
工程3:3-メチル-3-(4-ピリジル)-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オンの調製
AcOH(10mL)中のエチル2-[2-ニトロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-2-(4-ピリジル)プロパノエート(1g、2.72mmol、1当量)の溶液に、Fe(1.52g、27.15mmol、10当量)を加え、混合物を50℃で1時間撹拌した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を分取HPLC(カラム: Waters Xbridge Prep OBD C18 150*40mm*10um;移動相:[水(0.04% NH3H2O+10mM NH4HCO3)-ACN];B%:10%~40%、10分)により精製して、3-メチル-3-(4-ピリジル)-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン(412mg、収率51.92、純度100%)を白色固体として得た。
LCMS: 293.0 (M+H)+
1H NMR (400 MHz, DMSO): 10.968 (1H, s), 8.523 (2H, d), 7.478 (1H, d), 7.386 (1H, d), 7.264 (2H, d), 7.180 (1H, s), 1.725 (3H, s).
【0326】
(実施例18)
3-(2-クロロ-4-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン
【0327】
【化47】
【0328】
合成スキーム:
【0329】
【化48】
【0330】
工程1:3-(2-クロロ-4-ピリジル)-3-ヒドロキシ-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オンの調製。
(a)Mg(282.45mg、11.62mmol、5当量)及びI2(58.99mg、232.42umol、46.82uL、0.1当量)の混合物に、THF(10mL)中の4-ブロモ-2-クロロ-ピリジン(894.54mg、4.65mmol、2当量)の溶液を15℃で滴加した。混合物をN2下で40℃にて2時間撹拌した。
(b)THF(10mL)中の6-(トリフルオロメチル)インドリン-2,3-ジオン(500mg、2.32mmol、1当量)の溶液に、NaH(60%、139.44mg、3.49mmol、1.5当量)を0℃でゆっくりと加え、1時間撹拌した。上記(a)からの溶液をN2下で加えた。混合物をN2下で15℃にて7時間撹拌した。反応混合物を水(15mL)で希釈し、EtOAc(10mL)で4回抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル10:1~1:1の勾配)によって精製して、3-(2-クロロ-4-ピリジル)-3-ヒドロキシ-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン(300mg、収率39.3%)を黄色固体として得た。
【0331】
工程2:3-クロロ-3-(2-クロロ-4-ピリジル)-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オンの調製。
DCM(5mL)中の3-(2-クロロ-4-ピリジル)-3-ヒドロキシ-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン(300mg、912.76umol、1当量)の溶液にSOCl2(1.09g、9.13mmol、662.14uL、10当量)を加えた。混合物をN2下で50℃にて5時間撹拌した。反応混合物を水(2mL)で希釈し、EtOAc(2mL)で4回抽出した。合わせた有機層をブライン(3mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル、5:1~2:1)によって精製して、3-クロロ-3-(2-クロロ-4-ピリジル)-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン(200mg、収率63.1%)を白色固体として得た。
【0332】
工程3:3-(2-クロロ-4-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オンの調製。
THF(3mL)中の3-クロロ-3-(2-クロロ-4-ピリジル)-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン(150mg、432.13umol、1当量)の溶液に、MeMgBr(3M、864.26uL、6当量)を0℃で滴加した。混合物をN2下で0℃にて5時間撹拌した。反応混合物を水(2mL)で希釈し、EtOAc(2mL)で4回抽出した。合わせた有機層をブライン(3mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を分取HPLC(カラム:Waters Xbridge BEH C18 100*30mm*10um;移動相:[水(0.04%NH3H2O)-ACN];B%:20%~80%、10分)によって精製して、3-(2-クロロ-4-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン(8mg、収率5.2%、純度92%)を白色固体として得た。
LCMS: 327.0 (M+H)+
1H NMR (400 MHz, CDCl3): 8.281 (1H, d), 7.490 (1H, br s), 7.356 (1H, d), 7.226 - 7.100 (4H, m), 1.836 (3H, s).
【0333】
(実施例19)
3-[2-メトキシ-5-(1-メチルイミダゾール-2-イル)フェニル]-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン
【0334】
【化49】
【0335】
合成スキーム:
【0336】
【化50】
【0337】
DMF(1mL)中の3-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン(実施例1、50mg、140.55umol、1当量)の溶液に、パラジウムビス(トリ-tert-ブチルホスファン)(71.83mg、140.55umol、1当量)及びトリブチル-(1-メチルイミダゾール-2-イル)スタンナン(78.25mg、210.83umol、1.5当量)を加えた。混合物をN2下で110℃にて16時間撹拌した。0℃で飽和NH4Cl 10mLを加えて反応混合物をクエンチし、次いでEtOAc(5mL)で3回抽出した。合わせた有機層を飽和ブライン(5mL)で2回洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を分取HPLC(カラム:Waters Xbridge BEH C18 100*25mm*5um;移動相:[水(0.04% NH3H2O+10mM NH4HCO3)-ACN];B%:25%~55%、12分)によって精製して、3-[2-メトキシ-5-(1-メチルイミダゾール-2-イル)フェニル]-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン(15mg、収率13.3%、純度100%)を白色固体として得た。
LCMS: 402.0 (M+H)+
1H NMR (400 MHz, DMSO): 10.705 (1H, s), 7.712 (1H, s), 7.635 (1H, s), 7.420 (1H, d), 7.201 (1H, d), 7.045 - 6.982 (4H, m), 3.712 (3H, s), 3.447 (3H, s).
【0338】
(実施例20)
3-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2-オン
【0339】
【化51】
【0340】
合成スキーム:
【0341】
【化52】
【0342】
工程1:エチル2-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-2-[3-ニトロ-5-(トリフルオロメチル)-2-ピリジル]アセテートの調製。
THF(10mL)中のエチル2-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)アセテート(1.5g、6.56mmol、1当量)及び2-クロロ-3-ニトロ-5-(トリフルオロメチル)ピリジン(1.52g、6.69mmol、1.02当量)の混合物に、N2下で0℃にてt-BuOK(1.10g、9.84mmol、1.5当量)を一度に加えた。この混合物を、25℃で12時間撹拌した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を分取HPLC[水(10mM NH4HCO3)-ACN]で精製して、エチル2-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-2-[3-ニトロ-5-(トリフルオロメチル)-2-ピリジル]アセテート(350mg、収率12.7%)を黄色油として得た。
LCMS: 419.0 (M+H)+
【0343】
工程2:エチル2-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-2-[3-ニトロ-5-(トリフルオロメチル)-2-ピリジル]プロパノエートの調製。
DMF(5mL)中のエチル2-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-2-[3-ニトロ-5-(トリフルオロメチル)-2-ピリジル]アセテート(300mg、716.42umol、1当量)及びMeI(610.12mg、4.30mmol、267.60uL、6当量)の混合物に、NaH(60%、42.98mg、1.07mmol、1.5当量)を、N2下で、0℃にて一度に加えた。混合物を0℃で0.5時間撹拌し、次いで50℃に加熱し、1.5時間撹拌した。反応を水(9mL)を加えてクエンチし、EtOAc(9mL)で3回抽出し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を分取TLC(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル、3:1)により精製して、エチル2-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-2-[3-ニトロ-5-(トリフルオロメチル)-2-ピリジル]プロパノエート(0.2g)を黄色油として得た。
LCMS: 433.1 (M+H)+
【0344】
工程3:3-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2-オンの調製。
AcOH(5mL)中のエチル2-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-2-[3-ニトロ-5-(トリフルオロメチル)-2-ピリジル]プロパノエート(0.2g、462.13umol、1当量)の混合物に、Fe(258.08mg、4.62mmol、10当量)をN2下で25℃にて一度に加えた。この混合物を、60℃で4時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル、30:1~2:1の勾配)によって精製して、3-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2-オン(29.5mg、純度97%)を白色固体として得た。
LCMS: 355.0 (M-H)-
1H NMR (400 MHz, CDCl3): 8.380 (1H, s), 7.847 (1H, br s), 7.581 (1H, d), 7.372 (1H, s), 7.298 (1H, dd), 6.731 (1H, d), 3.475 (3H, s), 1.795 (3H, s).
【0345】
(実施例21)
6'-クロロ-6-(トリフルオロメチル)-3'H-スピロ[インドリン-3,1'-イソベンゾフラン]-2,3'-ジオン
【0346】
【化53】
【0347】
合成スキーム:
【0348】
【化54】
【0349】
工程1:4-クロロ-2-(2-エトキシ-2-オキソ-エチル)安息香酸の調製。
エチル3-オキソブタノエート(74.17g、569.94mmol、72.01mL、13.42当量)中の2-ブロモ-4-クロロ-安息香酸(10g、42.47mmol、1当量)及びCuBr(341.17mg、2.38mmol、72.43uL、0.056当量)の混合物に、N2下で25℃にて、NaH(4.08g、101.93mmol、純度60%、2.4当量)を一度に加えた。この混合物を、80℃で2時間撹拌した。反応液を水(50mL)に注ぎ、次いでEtOAc(20mL)で3回洗浄し、これらの有機画分を廃棄した。濃HClを使用して水層をpH1に酸性化し、EtOAc(20mL)で3回抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を石油エーテル/酢酸エチル(10:1、20mL)で25℃で10分間トリチュレートして、4-クロロ-2-(2-エトキシ-2-オキソ-エチル)安息香酸(5g、収率48.5%)を白色固体として得た。
【0350】
工程2:メチル4-クロロ-2-(2-メトキシ-2-オキソ-エチル)ベンゾエートの調製。
MeOH(40mL)中の4-クロロ-2-(2-エトキシ-2-オキソ-エチル)安息香酸(5g、23.30mmol、1当量)の溶液に、SOCl2(13.86g、116.49mmol、8.45mL、5当量)を加えた。混合物を60℃で4時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル、10:1~5:1の勾配)によって精製して、メチル4-クロロ-2-(2-メトキシ-2-オキソ-エチル)ベンゾエート(3.5g、収率61.9%)を無色油として得た。
【0351】
工程3:メチル4-クロロ-2-[2-メトキシ-1-[2-ニトロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-2-オキソ-エチル]ベンゾエートの調製。
THF(30mL)中のメチル4-クロロ-2-(2-メトキシ-2-オキソ-エチル)ベンゾエート(3.1g、12.78mmol、1当量)及び1-クロロ-2-ニトロ-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン(2.94g、13.03mmol、1.95mL、1.02当量)の混合物に、N2下で25℃にてt-BuOK(2.87g、25.55mmol、2当量)を一度に加えた。この混合物を、25℃で2時間撹拌した。反応混合物を水(30mL)で希釈し、EtOAc(40mL)で3回抽出した。合わせた有機層をNa2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル、50:1~10:1の勾配)によって精製して、メチル4-クロロ-2-[2-メトキシ-1-[2-ニトロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-2-オキソ-エチル]ベンゾエート(3.2g)を白色固体として得た。
【0352】
工程4:メチル4-クロロ-2-[1-フルオロ-2-メトキシ-1-[2-ニトロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-2-オキソ-エチル]ベンゾエートの調製。
THF(30mL)中のメチル4-クロロ-2-[2-メトキシ-1-[2-ニトロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-2-オキソ-エチル]ベンゾエート(3.2g、7.41mmol、1当量)の混合物に、N2下で-78℃にてLiHMDS(1M、9.64mL、1.3当量)を一度に加えた。混合物を-78℃で30分間撹拌した。NFSI(2.38g、7.56mmol、1.02当量)を加え、混合物を30分間撹拌した。反応混合物を水(30mL)で希釈し、EtOAc(40mL)で3回抽出し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル、30:1~1:1の勾配)によって精製して、メチル4-クロロ-2-[1-フルオロ-2-メトキシ-1-[2-ニトロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-2-オキソ-エチル]ベンゾエート(2g)を白色固体として得た。
【0353】
工程5:メチル4-クロロ-2-[3-フルオロ-2-オキソ-6-(トリフルオロメチル)インドリン-3-イル]ベンゾエートの調製。
AcOH(3mL)中のメチル4-クロロ-2-[1-フルオロ-2-メトキシ-1-[2-ニトロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-2-オキソ-エチル]ベンゾエート(0.43g、956.11umol、1当量)の混合物に、Fe(533.94mg、9.56mmol、10当量)をN2下で25℃にて一度に加えた。この混合物を、60℃で1時間撹拌した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル、30:1~3:1の勾配)、続いて分取HPLC[水(0.04%NH3H2O+10mM NH4HCO3)-ACN]によって精製して、メチル4-クロロ-2-[3-フルオロ-2-オキソ-6-(トリフルオロメチル)インドリン-3-イル]ベンゾエート(0.138g、収率36.5%、純度98%)を白色固体として得た。
LCMS: (M-H)- : 386.0
【0354】
工程6:6'-クロロ-6-(トリフルオロメチル)-3'H-スピロ[インドリン-3,1'-イソベンゾフラン]-2,3'-ジオンの調製。
AcOH(2mL)及びHCl(1mL)中のメチル4-クロロ-2-[3-フルオロ-2-オキソ-6-(トリフルオロメチル)インドリン-3-イル]ベンゾエート(0.2g、515.85umol、1当量)を、100℃で1.5時間撹拌した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮し、残留物を分取HPLC[水(0.04% NH3H2O+10mM NH4HCO3)-ACN]によって精製して、6'-クロロ-6-(トリフルオロメチル)-3'H-スピロ[インドリン-3,1'-イソベンゾフラン]-2,3'-ジオン(110mg、収率54.15%、純度94.9%)を白色固体として得た。
LCMS: (M-H)- : 352.0
1H NMR (400 MHz, MeOD): 8.003 (1H, d), 7.735 (1H, dd), 7.412 (2H), 7.341 (1H, s), 7.297 (1H, d)
【0355】
(実施例22)
3-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-6-(ジフルオロメチル)-3-メチル-インドリン-2-オン
【0356】
【化55】
【0357】
合成スキーム:
【0358】
【化56】
【0359】
工程1:4-(ジフルオロメチル)-1-フルオロ-2-ニトロ-ベンゼンの調製。
DCM(20mL)中の4-フルオロ-3-ニトロ-ベンズアルデヒド(2g、11.83mmol、1当量)の混合物に、DAST(3.81g、23.65mmol、3.13mL、2当量)をN2下で-78℃にて一度に加えた。混合物を-78℃で3時間撹拌し、次いで25℃に加熱し、9時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル、30:1~3:1の勾配)によって精製して、4-(ジフルオロメチル)-1-フルオロ-2-ニトロ-ベンゼン(1.7g、収率75.2%)を黄色油として得た。
【0360】
工程2:エチル2-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-2-[4-(ジフルオロメチル)-2-ニトロ-フェニル]アセテートの調製。
THF(10mL)中のエチル2-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)アセテート(1g、4.37mmol、1当量)及び4-(ジフルオロメチル)-1-フルオロ-2-ニトロ-ベンゼン(852.44mg、4.46mmol、1.02当量)の混合物に、N2下で-78℃にてLiHMDS(1M、9.62mL、2.2当量)を一度に加えた。この混合物を、25℃で12時間撹拌した。25℃で水(10mL)を加えて反応混合物をクエンチし、EtOAc(10mL)で3回抽出し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を分取HPLC[水(0.04% NH3H2O+10mM NH4HCO3)-ACN]によって精製して、エチル2-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-2-[4-(ジフルオロメチル)-2-ニトロ-フェニル]アセテート(0.11g、収率6.29%)を黄色油として得た。
【0361】
工程3:エチル2-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-2-[4-(ジフルオロメチル)-2-ニトロ-フェニル]プロパノエートの調製。
DMF(3mL)中のエチル2-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-2-[4-(ジフルオロメチル)-2-ニトロ-フェニル]アセテート(0.11g、275.16umol、1当量)及びMeI(234.33mg、1.65mmol、102.78uL、6当量)の混合物に、NaH(60%、16.51mg、412.73umol、1.5当量)を、N2下で0℃にて一度に加えた。混合物を0℃で0.5時間撹拌し、次いで50℃に加熱し、0.5時間撹拌した。25℃で水(3mL)を加えて反応混合物をクエンチし、EtOAc(3mL)で3回抽出した。合わせた有機層をNa2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、エチル2-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-2-[4-(ジフルオロメチル)-2-ニトロ-フェニル]プロパノエート(100mg、粗製)を黄色油として得、これを更に精製することなく使用した。
【0362】
工程4:3-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-6-(ジフルオロメチル)-3-メチル-インドリン-2-オンの調製。
AcOH(3mL)中のエチル2-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-2-[4-(ジフルオロメチル)-2-ニトロ-フェニル]プロパノエート(0.1g、241.66umol、1当量)の混合物に、Fe(134.96mg、2.42mmol、10当量)を加え、混合物を60℃で1時間撹拌した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を分取TLC(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル、2:1)により精製して、3-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-6-(ジフルオロメチル)-3-メチル-インドリン-2-オン(0.041g、収率48.7%、純度97%)を白色固体として得た。
LCMS: (M-H)- : 336.0
1H NMR (400 MHz, CDCl3): 7.831 (1H, br s), 7.543 (1H, d), 7.281 (1H), 7.081 (1H, s), 7.069 (1H, d), 6.915 (1H, d), 6.728 (1H, d), 6.606 (1H, t), 3.477 (3H, s), 1.729 (3H, s).
【0363】
(実施例23)
3-(5-クロロ-2-メトキシ-3-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン
【0364】
【化57】
【0365】
合成スキーム:
【0366】
【化58】
【0367】
工程1:3-(クロロメチル)-2-メトキシ-ピリジンの調製。
ジクロロメタン(80.0mL)中の(2-メトキシ-3-ピリジル)メタノール(8.0g、57.5mmol、1.0当量)の混合物に、SOCl2(17.1g、143.7mmol、10.4mL、2.5当量)を、N2下で25℃にて一度に加えた。この混合物を、25℃で1時間撹拌した。反応液を真空で濃縮した。残留物をジクロロメタン(50.0mL)に再懸濁し、飽和重炭酸ナトリウム溶液を注意深く加えた。混合物を10分間撹拌し、有機相を分離し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮して、3-(クロロメチル)-2-メトキシ-ピリジン(8.1g)を黄色油として得た。
【0368】
工程2:2-(2-メトキシ-3-ピリジル)アセトニトリルの調製。
DMF(50.0mL)中の3-(クロロメチル)-2-メトキシ-ピリジン(8.0g、50.8mmol、1.0当量)の混合物に、NaCN(5.00g、101.5mmol、2.0当量)を、N2下で25℃にて一度に加えた。混合物を50℃で3時間撹拌し、次いで70℃に加熱し、12時間撹拌した。混合物を25℃に冷却し、後処理のために別のバッチと合わせた。反応液を氷飽和重炭酸ナトリウム溶液(w/w=1/1、50.0mL)に注ぎ、15分間撹拌した。水相を酢酸エチル(50.0mL)で3回抽出した。合わせた有機相をブライン(50.0mL)で2回洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル、10:1~5:1の勾配)によって精製して、2-(2-メトキシ-3-ピリジル)アセトニトリルを黄色油として得た。
【0369】
工程3:2-(2-メトキシ-3-ピリジル)酢酸の調製。
水(12.0mL)及びTHF(4.0mL)中の2-(2-メトキシ-3-ピリジル)アセトニトリル(3.0g、20.2mmol、1.0当量)の混合物に、NaOH(3.2g、81.0mmol、4.0当量)を、N2下で25℃にて一度に加えた。この混合物を、90℃で8時間撹拌した。混合物のpHを1N HCl(水溶液)で7に調整した。沈殿物を濾取し、水(10ml)で洗浄し、真空下で乾燥させて、2-(2-メトキシ-3-ピリジル)酢酸(950.0mg、収率28.1%)を黄色固体として得た。
【0370】
工程4:メチル2-(2-メトキシ-3-ピリジル)アセテートの調製。
MeOH(10.0mL)中の2-(2-メトキシ-3-ピリジル)酢酸(950.0mg、5.7mmol、1.0当量)の溶液にSOCl2(1.7g、14.2mmol、1.0mL、2.5当量)を、N2下で25℃にて一度に加えた。混合物を60℃に加熱し、16時間撹拌した。混合物を25℃に冷却し、減圧下で45℃にて濃縮した。残留物を氷水(w/w=1/1、10.0mL)に注ぎ、15分間撹拌した。水相を酢酸エチル(10.0mL)で3回抽出した。合わせた有機相をブライン(10.0mL)で2回洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル、5:1~2:1の勾配)で精製して、メチル2-(2-メトキシ-3-ピリジル)アセテート(570.0mg、収率55.4%)を黄色油として得た。
【0371】
工程5:メチル2-(5-クロロ-2-メトキシ-3-ピリジル)アセテートの調製。
DMF(10.0mL)中のメチル2-(2-メトキシ-3-ピリジル)アセテート(570.0mg、3.2mmol、1.0当量)の溶液に、NCS(840.2mg、6.3mmol、2.0当量)を、N2下で25℃にて一度に加えた。混合物を60℃に加熱し、16時間撹拌した。混合物を氷水(w/w=1/1、10.0mL)に注ぎ、15分間撹拌した。水相を酢酸エチル(15.0mL)で3回抽出した。合わせた有機相をブライン(15.0mL)で2回洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル、10:1~0/1の勾配)で精製して、メチル2-(5-クロロ-2-メトキシ-3-ピリジル)アセテート(200.0mg、収率40.0%)を黄色油として得た。
【0372】
工程6:メチル2-(5-クロロ-2-メトキシ-3-ピリジル)-2-[2-ニトロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]アセテートの調製。
THF(3.0mL)中のメチル2-(5-クロロ-2-メトキシ-3-ピリジル)アセテート(180.0mg、834.8umol、1.0当量)の混合物に、t-BuOK(234.2mg、2.1mmol、2.5当量)及び1-フルオロ-2-ニトロ-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン(192.0mg、918.2umol、128.9uL、1.1当量)を、N2下で25℃にて一度に加えた。この混合物を、25℃で16時間撹拌した。混合物を氷水(w/w=1/1、5.0mL)に注ぎ、15分間撹拌した。水相を酢酸エチル(5.0mL)で3回抽出した。合わせた有機相をブライン(5.0mL)で2回洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。残留物を分取TLCにより精製して、2-(5-クロロ-2-メトキシ-3-ピリジル)-2-[2-ニトロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]アセテート(150mg)を黄色油として得た。
【0373】
工程7:メチル2-(5-クロロ-2-メトキシ-3-ピリジル)-2-[2-ニトロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノエートの調製。
DMF(5.0mL)中のメチル2-(5-クロロ-2-メトキシ-3-ピリジル)-2-[2-ニトロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-アセテート(150.0mg、370.6umol、1.0当量)及びMeI(157.8mg、1.1mmol、69.2uL、3.0当量)の混合物に、NaH(22.2mg、555.9umol、純度60%、1.5当量)を、N2下で0℃にて一度に加えた。この混合物を、50℃で2時間撹拌した。混合物を25℃に冷却し、氷水(w/w=1/1、5.0mL)に注ぎ、15分間撹拌した。水相を酢酸エチル(5.0mL)で3回抽出した。合わせた有機相をブライン(5.0mL)で2回洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。メチル2-(5-クロロ-2-メトキシ-3-ピリジル)-2-[2-ニトロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパノエート(150mg)を黄色油として得た。
【0374】
工程8:3-(5-クロロ-2-メトキシ-3-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オンの調製
AcOH(3.0mL)中のメチル2-(5-クロロ-2-メトキシ-3-ピリジル)-2-[2-ニトロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-プロパノエート(150.0mg、358.2umol、1.0当量)の混合物に、Fe(200.0mg、3.6mmol、10.0当量)を、N2下で25℃にて一度に加えた。混合物を50℃に加熱し、2時間撹拌した。混合物を25℃に冷却し、減圧下で45℃にて濃縮した。残留物を氷水(w/w=1/1)(5.0mL)に注ぎ、15分間撹拌した。水相を酢酸エチル(5.0mL)で3回抽出した。合わせた有機相を、無水Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。残留物を分取HPLC(カラム: Waters Xbridge Prep OBD C18 150*40mm*10um;移動相:[水(0.04% NH3H2O+10mM NH4HCO3)-ACN];B%:65%~80%、8分)により精製して、3-(5-クロロ-2-メトキシ-3-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン(65.0mg、収率65.0%)を白色固体として得た。
LCMS: 355.0 (M-H)-
1H NMR (400 MHz, MeOD): 8.108 (1H, d), 8.034 (1H, d), 7.264 (1H, d), 7.226 (1H, s), 7.061 (1H, d), 3.631 (3H, s), 1.728 (3H, s).
【0375】
以下に記載される化合物は、前の実施例及び本明細書の全般的部分に記載される手順に従って、又はそれに類似して調製することができる。
【0376】
(実施例24)
6-クロロ-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチルインドリン-2-オン
【0377】
【化59】
【0378】
(実施例25)
6-クロロ-3-(2-クロロ-5-メトキシピリジン-4-イル)-3-メチルインドリン-2-オン
【0379】
【化60】
【0380】
(実施例26)
3-(6-クロロ-3-メトキシピリジン-2-イル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)インドリン-2-オン
【0381】
【化61】
【0382】
(実施例27)
6-クロロ-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2(3H)-オン
【0383】
【化62】
【0384】
(実施例28)
6-クロロ-3-(5-クロロ-2-メトキシピリジン-3-イル)-3-メチルインドリン-2-オン
【0385】
【化63】
【0386】
(実施例29)
6-クロロ-3-(2-メトキシ-5-(1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)フェニル)-3-メチルインドリン-2-オン
【0387】
【化64】
【0388】
(実施例30)
6-クロロ-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2(3H)-オン
【0389】
【化65】
【0390】
(実施例31)
6-クロロ-3-(6-クロロ-3-メトキシピリジン-2-イル)-3-メチルインドリン-2-オン
【0391】
【化66】
【0392】
(実施例32)
6-クロロ-3-(2-メトキシ-5-(1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)-3-メチルインドリン-2-オン
【0393】
【化67】
【0394】
(実施例33)
6-クロロ-3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2(3H)-オン
【0395】
【化68】
【0396】
(実施例34)
3-(5-クロロ-2-メトキシピリジン-3-イル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2(3H)-オン
【0397】
【化69】
【0398】
(実施例35)
6-クロロ-3-(5-メトキシ-2-(1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピリジン-4-イル)-3-メチルインドリン-2-オン
【0399】
【化70】
【0400】
(実施例36)
3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2(3H)-オン
【0401】
【化71】
【0402】
(実施例37)
3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2(3H)-オン
【0403】
【化72】
【0404】
(実施例38)
3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2(3H)-オン
【0405】
【化73】
【0406】
(実施例39)
6-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-6-メチル-3-(トリフルオロメチル)-4H-ピロロ[2,3-d]イソオキサゾール-5(6H)-オン
【0407】
【化74】
【0408】
(実施例40)
6-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-6-メチル-2-(トリフルオロメチル)-4H-ピロロ[3,2-d]オキサゾール-5(6H)-オン
【0409】
【化75】
【0410】
(実施例41)
全細胞パッチクランプアッセイにおけるBKチャネル刺激活性の評価
【0411】
機器
増幅器EPC-10、HEKA Electronics社
ヘッドステージ前置増幅器EPC-10、HEKA Electronics社
ソフトウエアPatchMaster、HEKA Electronics社
【0412】
BKチャネルの機能的アルファサブユニットを発現するHEK-293細胞株を、50~80%のコンフルエンスで継代した。細胞を、2mL培養完全培地を含有する35mm滅菌培養皿に播種した。細胞を、単一細胞(隣接細胞への目に見える接続なし)を測定できる密度で培養した。
【0413】
細胞を、5% CO2の加湿雰囲気(相対湿度約95%)にて37℃でインキュベートした。細胞を、ダルベッコ改変イーグル培地及び10%ウシ胎児血清及び1.0%ペニシリン/ストレプトマイシン溶液を補充した栄養混合物F-12(D-MEM/F-12 1x、液体、L-グルタミンを含む)の1:1混合物を含有する減菌培養フラスコ内で継続的に維持及び継代した。上記の完全培地に、600μg/mlジェネティシン及び4μg/mlブラストサイジンを補充した。
【0414】
試験化合物(以下のTable1(表1)に示す)をDMSOに溶解して10mMのストック濃度を達成し、超低温冷凍庫(-70℃~-90℃)内で保存した。すべての試験溶液は、電気生理学的実験の直前に調製し、使用中は室温(19℃~30℃)で保った。
【0415】
浴液
最終浴液には、以下に概説する成分を含めた。
塩化ナトリウム 137mM
塩化カリウム 4mM
塩化カルシウム 1.8mM
塩化マグネシウム 1mM
HEPES 10mM
D-グルコース 10mM
Cremophor 0.02%
pH (NaOH) 7.4
【0416】
1x浴液は、少なくとも7日ごとに、グルコースを含まない10x浴液及び水を含む100xグルコース溶液を希釈することによって調製した。両方の原液を、本研究の実験開始前に調製し、1℃~9℃(10x浴液)又は-10℃~-30°(100xグルコース溶液)で保存した。使用中、1x浴液を、室温(19℃~30℃)に保った。非使用時には、1x浴液を1℃~9℃で保存した。
【0417】
ピペット溶液
1xピペット溶液には、以下に概説する成分を含めた。
フッ化カリウム 130mM
塩化マグネシウム 1mM
塩化カルシウム 計2.8mM
Mg-ATP 2mM
HEPES 10mM
EGTA 5mM
pH (KOH) 7.2
【0418】
1xピペット溶液は、凍結した1xピペット溶液から毎日解凍し、-10℃~-30℃で保存した。使用時には、1xピペット溶液をパッチピペットに充填し、室温(19℃~30℃)に保った。
【0419】
電圧プロトコル
単一細胞を記録できる密度で細胞を播種した35mm培養皿を顕微鏡の皿ホルダーに置き、記載の浴液で(およそ1mL/分で)連続的に灌流した。ピペット溶液を含む細胞に適用されたすべての溶液を、室温(19℃~30℃)に維持した。パッチ電極と個々の細胞の間にギガオームシールを形成した後(ピペット抵抗範囲:2.0MΩ~7.0MΩ;シール抵抗範囲:>1GΩ)、ピペットチップ全体の細胞膜を破裂させて、細胞内部への電気的アクセスを確保した(全細胞パッチ構成)。シールの品質が不良である場合は、別の細胞及び新しいピペットを用いてシール形成のプロセスを繰り返した。安定なシールが確立されるとすぐに、電流はランププロトコルで刺激された。細胞は、350ミリ秒以内に-80mV~+50mVの保持電位で脱分極され、ランプの終了直後に、+50mVで更に50ミリ秒間+50mVで脱分極状態を保った。このプロトコルは、0.5Hzの周波数で実行した。対照記録が達成されると、細胞を、以下のTable1(表1)に詳述されるように、試験化合物を含有する浴液により連続的に灌流した。試験化合物のウォッシュイン中、定常状態レベルに達するまで、上記の電圧プロトコルを連続的に実行した。
【0420】
データ分析
電圧段階ごとに電流振幅の値(pA/nA)が生成された。電流変調の定常状態レベル(+50mV)で記録された電流振幅を、SigmaPlotを使用して同じ細胞の前処理段階で測定された対照条件からのものと比較した。電流調節の量を、対照のパーセンテージとして計算した。少なくとも2つの個別の実験からのデータを収集して、対応する平均値及び標準誤差を計算した。
【0421】
結果
この研究の結果は、以下のTable1(表1)にまとめられている。
【0422】
【表1】
【0423】
これらの結果は、特に実施例1の化合物を含む本発明の化合物が、BKチャネル活性に対して強力な刺激効果を示し、これは、非常に強力であるが代謝的に不安定な参照化合物であるBMS-204352(MaxiPost(商標))の効果と同等である。改善された副作用プロファイルと相まって、この強力な刺激効果によって、本発明による化合物は、脆弱X症候群等の脆弱X関連障害の処置又は予防のための長期投薬を含む治療における使用に特に有利になる。
【0424】
(実施例42)
BK Syncropatch電気生理学
ヒトBK(「KCa1.1」又はKCNM1アイソフォーム1とも呼ばれる)チャネルを安定して発現するHEK細胞を、37℃、5%CO2で10%ウシ胎児血清、1X MEM非必須アミノ酸、及び400μg/ml G418を補充したHamのF-12培地で培養した。
【0425】
化合物のSyncropatch 384 PE (Nanion Technologies社)電気生理学試験の日に、細胞を採取し、以下のように調製した。細胞をダルベッコのリン酸緩衝生理食塩水でおよそ30秒間洗浄(1X)した。2mlの冷TRPLE Expressを加え、フラスコの底を覆うように回して、28℃で約3分間細胞の上に置いた(フラスコを軽くたたいて細胞の約90%を持ち上げた)。8mlの冷培地(F12 HAM's)を加えてTRPLEを希釈した。単一の細胞懸濁液が得られるまで細胞をトリチュレートし、細胞を15mLコニカルチューブに移した。細胞計数を行った。細胞を800rpmで2分間遠心分離した。すべての培地を吸引除去し、細胞を1mLのアール平衡塩溶液に再懸濁した。細胞を、アール平衡塩溶液(EBSS)で0.75×106/mlの濃度に希釈し、SyncroPatchのデッキの「セルホテル」に10℃で約35分間置いて回復させた。各SyncroPatchアッセイの開始時に、搭載ピペッターによって細胞懸濁液を384ウェルSyncroPatchチップの各ウェルに分注した。
【0426】
試験薬剤をDMSOに溶解して、10mMストックを得た(DMSO最終濃度0.1%)。陰性(0.1%DMSO)及び陽性(30μM NS1619)対照を、各テストランに含めて、薬理学的応答性を評価した。
【0427】
BK(KCa1.1)チャネルに対する化合物の効果は、細胞が-80mVの保持電位で電圧クランプされる電圧プロトコルを使用してアッセイした。電流は、100mV~+60mVの190ミリ秒電圧ランプで活性化した。-40mV、-20mV、又は0mVのいずれかへの3つの1秒電圧段階があった。連続するスイープ間には、開始間の15秒の間隔があった。対照条件及び試験薬剤の存在下で、各電圧段階について平均電流振幅を測定した。
【0428】
BK(KCa1.1)電流に対する試験薬剤の効果を評価するために、ヒトBK(KCa1.1)を安定して発現するHEK293細胞を、4穴/ウェル構成のNanion Syncropatch 384ウェル記録プレートの各ウェルのEBBSに加え、次に、電気的に気密なシールを形成するためのシールエンハンサー緩衝液に加えた。シールされた細胞を外部記録細胞外緩衝液で2~3回洗浄し、試験薬剤評価の開始前に各ウェルの細胞内側を細胞内緩衝液で灌流した。化合物の評価は、電圧プロトコルを通常の細胞外記録緩衝液で約1分間実行した後、試験薬剤、対照化合物、又はビヒクルを10分間適用することで構成されていた。これに続いて、参照BK(KCa1.1)活性化因子NS-1619(30μM)を5分間投与し、参照BK(KCa1.1)阻害剤パキシリン(3μM)を2分間投与した。試験薬剤の効果の規模を、以下の等式によって決定した:
【0429】
【数1】
【0430】
このようにして得られた結果は、以下のTable2(表2)にまとめられている。
【0431】
【表2】
【0432】
これらの結果は、本発明の化合物がBKチャネル活性に対して強力な刺激効果を発揮することを示しており、これにより、これらの化合物は治療における使用、特に脆弱X症候群等の脆弱X関連障害の治療に好適なものとなる。
【国際調査報告】