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特表2023-528296電池、電力消費装置、電池を製造する方法と装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-04
(54)【発明の名称】電池、電力消費装置、電池を製造する方法と装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/367 20210101AFI20230627BHJP
   H01M 50/342 20210101ALI20230627BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20230627BHJP
   H01M 10/615 20140101ALI20230627BHJP
   H01M 50/207 20210101ALI20230627BHJP
   H01M 50/289 20210101ALI20230627BHJP
   H01M 10/623 20140101ALI20230627BHJP
   H01M 10/6235 20140101ALI20230627BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20230627BHJP
   H01M 10/6556 20140101ALI20230627BHJP
   H01M 50/35 20210101ALI20230627BHJP
【FI】
H01M50/367
H01M50/342 101
H01M10/613
H01M10/615
H01M50/207
H01M50/289
H01M10/623
H01M10/6235
H01M10/625
H01M10/6556
H01M50/35 101
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022571298
(86)(22)【出願日】2021-03-31
(85)【翻訳文提出日】2022-11-21
(86)【国際出願番号】 CN2021084441
(87)【国際公開番号】W WO2022205080
(87)【国際公開日】2022-10-06
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100159329
【弁理士】
【氏名又は名称】三縄 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】黎 ▲賢▼▲達▼
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 小波
(72)【発明者】
【氏名】李 耀
(72)【発明者】
【氏名】胡 ▲ル▼
(72)【発明者】
【氏名】岳 金如
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ ▲飄▼▲飄▼
(72)【発明者】
【氏名】▲顧▼ 明光
【テーマコード(参考)】
5H012
5H031
5H040
【Fターム(参考)】
5H012AA07
5H012BB08
5H012CC03
5H012CC10
5H031AA09
5H031CC07
5H040AA33
5H040AA37
5H040AS07
5H040AS12
5H040AS19
5H040AY05
5H040NN01
(57)【要約】
本出願の実施例は、電池、電力消費装置、電池を製造する方法と装置を提供し、電池は、放圧機構を含む電池セルであって、放圧機構は電池セルの第1の壁に設けられ、放圧機構は電池セルの内圧又は温度が閾値に達した時に作動して内圧を逃すためのものである電池セルと、電池セルの温度を調節するように流体を収容するための熱管理部品であって、熱管理部品の第1の表面は第1の壁に装着され、熱管理部品に放圧機構に対向する放圧孔が設けられ、それによって放圧機構が作動する時に、電池セル内から排出された排出物は放圧孔を介して熱管理部品を通して排出することができる熱管理部品と、放圧孔の一部を遮蔽することによって、放圧機構が作動する時に、放圧孔に入る排出物の排出方向を変更するためのバッフルとを含む。本出願の実施例による電池、電力消費装置、電池を製造する方法と装置は、電池の安全性を補強することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池であって、
放圧機構(213)を含む電池セル(20)であって、前記放圧機構(213)は前記電池セル(20)の第1の壁(21a)に設けられ、前記放圧機構(213)は前記電池セル(20)の内圧又は温度が閾値に達した時に作動して前記内圧を逃すためのものである電池セル(20)と、
前記電池セル(20)の温度を調節するように流体を収容するための熱管理部品(13)であって、前記熱管理部品(13)の第1の表面(1321)は前記第1の壁(21a)に装着され、前記熱管理部品(13)に前記放圧機構(213)に対向する放圧孔(131)が設けられ、それによって前記放圧機構(213)が作動する時に、前記電池セル(20)内から排出された排出物は前記放圧孔(131)を介して前記熱管理部品(13)を通して排出することができる熱管理部品(13)と、
前記放圧孔(131)の一部を遮蔽することによって、前記放圧機構(213)が作動する時に、前記放圧孔(131)に入る前記排出物の排出方向を変更するためのバッフル(14)とを含む、ことを特徴とする電池。
【請求項2】
前記バッフル(14)から前記第1の壁(21a)までの最大距離は、前記第1の表面(1321)から前記第1の壁(21a)までの最小距離よりも大きい、ことを特徴とする請求項1に記載の電池。
【請求項3】
前記バッフル(14)は、前記放圧孔(131)の軸線(1311)に対して傾斜し、且つ前記第1の壁(21a)から離れる方向に沿って、前記バッフル(14)は、前記放圧孔(131)の軸線(1311)に徐々に近接することによって、前記放圧機構(213)が作動する時に、前記排出物は、前記放圧孔(131)の孔壁に向かって衝撃することができる、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電池。
【請求項4】
前記バッフル(14)と前記放圧孔(131)の軸線(1311)との間のなす角の取り得る値の範囲は、20°~40°である、ことを特徴とする請求項3に記載の電池。
【請求項5】
前記放圧孔(131)の周囲は、二つの対向して設けられる前記バッフル(14)を有する、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の電池。
【請求項6】
前記バッフル(14)が前記放圧孔(131)を遮蔽する面積と前記放圧孔(131)との面積の比は、0.5以上であり、且つ0.8以下である、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の電池。
【請求項7】
前記バッフル(14)の表面粗さは、0.1μm以下である、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の電池。
【請求項8】
前記バッフル(14)は、前記熱管理部品(13)の第2の表面に設けられ、前記第2の表面は、前記第1の表面(1321)に対向するか、又は前記第2の表面は、前記放圧孔(131)の孔壁である、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の電池。
【請求項9】
前記電池は、
複数の前記電池セル(20)を収容するための電気キャビティ(11a)と、
前記放圧機構(213)が作動する時に、前記電池セル(20)内から排出された排出物及び前記熱管理部品(13)の排出物を収集するための収集キャビティ(11b)とをさらに含み、
ここで、前記熱管理部品(13)は、前記電気キャビティ(11a)と前記収集キャビティ(11b)を隔離するためのものである、ことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の電池。
【請求項10】
前記電池は、
前記熱管理部品(13)を防護するための防護部材(115)であって、前記防護部材(115)と前記熱管理部品(13)が前記収集キャビティ(11b)を形成する防護部材(115)をさらに含む、ことを特徴とする請求項9に記載の電池。
【請求項11】
前記防護部材(115)は、一端が開口する中空構造を形成するように、底壁(1511)と複数の側壁(1512)とを含み、前記熱管理部品(13)は、前記開口をカバーして前記収集キャビティ(11b)を形成する、ことを特徴とする請求項10に記載の電池。
【請求項12】
前記放圧孔(131)の軸線(1311)に沿って、前記バッフル(14)の前記第1の壁(21a)から離れる端は、前記防護部材(115)の底壁(1511)に当接する、ことを特徴とする請求項11に記載の電池。
【請求項13】
前記熱管理部品(13)は、前記放圧機構(213)が作動する時に、排出方向を変更した後の前記排出物によって破壊されることを可能にすることによって、前記流体を前記熱管理部品(13)の内部から排出するためのものである、ことを特徴とする請求項1~12のいずれか一項に記載の電池。
【請求項14】
前記熱管理部品(13)上に感温材料が設けられ、前記感温材料は、前記放圧機構(213)が作動する時に、前記排出物によって溶融されることを可能にすることによって、前記流体を前記熱管理部品(13)の内部から排出するように構成される、ことを特徴とする請求項13に記載の電池。
【請求項15】
前記感温材料は、前記熱管理部品(13)の、前記電池セル(20)の排出物に向かう領域上に設けられる、ことを特徴とする請求項14に記載の電池。
【請求項16】
電力消費装置であって、前記電力消費装置に電気エネルギーを提供するための、請求項1~15のいずれか一項に記載の電池を含む、ことを特徴とする電力消費装置。
【請求項17】
電池を製造する方法であって、
放圧機構を含む電池セルであって、前記放圧機構は前記電池セルの第1の壁に設けられ、前記放圧機構は前記電池セルの内圧又は温度が閾値に達した時に作動して前記内圧を逃すためのものである電池セルを提供することと、
前記電池セルの温度を調節するように流体を収容するための熱管理部品であって、前記熱管理部品の第1の表面は前記第1の壁に装着され、前記熱管理部品に前記放圧機構に対向する放圧孔が設けられ、それによって前記放圧機構が作動する時に、前記電池セル内から排出された排出物は前記放圧孔を介して前記熱管理部品を通して排出することができる熱管理部品を提供することと、
前記放圧孔の一部を遮蔽することによって、前記放圧機構が作動する時に、前記放圧孔に入る前記排出物の排出方向を変更するためのバッフルを提供することとを含む、ことを特徴とする電池を製造する方法。
【請求項18】
電池を製造する装置であって、提供モジュールを含み、前記提供モジュールは、
放圧機構を含む電池セルであって、前記放圧機構は前記電池セルの第1の壁に設けられ、前記放圧機構は前記電池セルの内圧又は温度が閾値に達した時に作動して前記内圧を逃すためのものである電池セルを提供するためのものであり、
前記電池セルの温度を調節するように流体を収容するための熱管理部品であって、前記熱管理部品の第1の表面は前記第1の壁に装着され、前記熱管理部品に前記放圧機構に対向する放圧孔が設けられ、それによって前記放圧機構が作動する時に、前記電池セル内から排出された排出物は前記放圧孔を介して前記熱管理部品を通して排出することができる熱管理部品を提供するためのものであり、
前記放圧孔の一部を遮蔽することによって、前記放圧機構が作動する時に、前記放圧孔に入る前記排出物の排出方向を変更するためのバッフルを提供するためのものである、ことを特徴とする電池を製造する装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、電池技術分野に関し、特に、電池、電力消費装置、電池を製造する方法と装置に関する。
【背景技術】
【0002】
省エネと排出削減は、自動車産業の持続可能な発展のカギである。このような場合、電気自動車は、その省エネと環境保護の優位性のため、自動車産業の持続可能な発展の重要な構成部分となっている。電気自動車にとって、電池技術は、その開発に関わる重要な要素である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
電池技術の発展において、電池の性能を高める以外に、安全上の問題も無視できない問題である。電池の安全性を確保できなければ、その電池を使用することはできない。そのため、どのように電池の安全性を向上させるかは、電池技術において早急な解決が待たれる技術課題となっている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本出願は、電池、電力消費装置、電池を製造する方法と装置を提供し、電池の安全性を補強することができる。
【0005】
第1の態様によれば、電池を提供し、前記電池は、放圧機構を含む電池セルであって、前記放圧機構は前記電池セルの第1の壁に設けられ、前記放圧機構は前記電池セルの内圧又は温度が閾値に達した時に作動して前記内圧を逃すためのものである電池セルと、前記電池セルの温度を調節するように流体を収容するための熱管理部品であって、前記熱管理部品の第1の表面は前記第1の壁に装着され、前記熱管理部品に前記放圧機構に対向する放圧孔が設けられ、それによって前記放圧機構が作動する時に、前記電池セル内から排出された排出物は前記放圧孔を介して前記熱管理部品を通して排出することができる熱管理部品と、前記放圧孔の一部を遮蔽することによって、前記放圧機構が作動する時に、前記放圧孔に入る前記排出物の排出方向を変更するためのバッフルとを含む。
【0006】
そのため、本出願の実施例の電池は、熱管理部品上にバッフルを設けることによって、放圧孔の一部を遮蔽し、放圧機構が作動する時に、電池セルから排出された排出物が該放圧孔に入った後、且つ該放圧孔を通す前に、又は該放圧孔を通した後に、該排出物は、いずれも該バッフルに直接的に接触する可能性があり、且つ該バッフルの表面に反射が発生し、さらに排出物の本来の排出方向を変更することにより、より多くの高温排出物は、熱管理部品に接触して、より高い降温効果を達成し、高温排出物が放圧孔を通過した時に流れがスムーズすぎて、熱管理部品に十分に接触できないという状況を可能な限り避けることができる。
【0007】
いくつかの実施例において、前記バッフルから前記第1の壁までの最大距離は、前記上面から前記第1の壁までの最小距離よりも大きい。
【0008】
熱管理部品内に流体が収容され、バッフルから放圧機構が設けられる壁までの距離は、熱管理部品よりも遠く、それによって放圧孔を通過した排出物がバッフルに接触した後に反射されて、より多くの排出が熱管理部品に接触することを確保し、それにより、より高い降温効果を達成する。
【0009】
いくつかの実施例において、前記バッフルは、前記放圧孔の軸線に対して傾斜し、且つ前記第1の壁から離れる方向に沿って、前記バッフルは、前記放圧孔の軸線に徐々に近接することによって、前記放圧機構が作動する時に、前記排出物は、前記放圧孔の孔壁に向かって衝撃することができる。
【0010】
いくつかの実施例において、前記バッフルと前記放圧孔の軸線との間のなす角の取り得る値の範囲は、20°~40°である。
【0011】
該なす角の設置が大きすぎると、バッフルが放圧孔を遮蔽する面積が大きすぎて、該放圧孔を塞ぎ、放圧機構が作動する時に電池セルから排出された排出物の通過に影響を与え、さらに排気がスムーズでなく、さらに電池セルが爆発することになる可能性があり、逆に、該なす角の設置が小さすぎると、排出物のバッフル表面での反射効果に影響を与えるため、該なす角の取り得る値の範囲は、通常20°~40°に設定されて、最適な効果を達成する。
【0012】
いくつかの実施例において、前記放圧孔の周囲は、二つの対向して設けられる前記バッフルを有する。
【0013】
いくつかの実施例において、前記バッフルが前記放圧孔を遮蔽する面積と前記放圧孔との面積の比は、0.5以上であり、且つ0.8以下であり、このように、排出物の排出を阻害せず、排出物がバッフルの表面で反射した後、熱管理部品に大面積で接触することを可能にする。
【0014】
いくつかの実施例において、前記バッフルの表面粗さは、0.1μm以下である。
【0015】
バッフルの表面が粗すぎて、排出物における高温粒子が該バッフルの表面で堆積し、反発できず、さらに該バッフルの効果に影響を与える可能性があることを考慮するため、通常該バッフルの表面を滑らかな表面に設置すべきである。
【0016】
いくつかの実施例において、前記バッフルは、前記熱管理部品の第2の表面に設けられ、前記第2の表面は、前記第1の表面に対向するか、又は前記第2の表面は、前記放圧孔の孔壁である。
【0017】
いくつかの実施例では、前記電池は、複数の前記電池セルを収容するための電気キャビティと、前記放圧機構が作動する時に、前記電池セルから排出された排出物及び前記熱管理部品の排出物を収集するための収集キャビティとをさらに含み、ここで、前記熱管理部品は、前記電気キャビティと前記収集キャビティを隔離するためのものである。
【0018】
いくつかの実施例では、前記電池は、前記熱管理部品を防護するための防護部材であって、前記防護部材と前記熱管理部品が前記収集キャビティを形成する防護部材をさらに含む。
【0019】
いくつかの実施例において、前記防護部材は、一端が開口する中空構造を形成するように、底壁と複数の側壁とを含み、前記熱管理部品は、前記開口をカバーして前記収集キャビティを形成する。
【0020】
いくつかの実施例において、前記放圧孔の軸線に沿って、前記バッフルの前記第1の壁から離れる端は、前記防護部材の底壁に当接する。
【0021】
熱管理部品の表面に少なくとも一つの電池セルが設けられ、バッフルの一端を防護部材の底壁上に当接することによって、該熱管理部品を支持し、熱管理部品と防護部材の底壁との間の距離を確保し、それによって、収集キャビティの空間を確保することにより、収集キャビティ内での爆破の発生を避けることができる。
【0022】
また、各放圧孔内に二つの対向するバッフルが設けられる状況に対して、バッフルの下端を防護部材の底壁に当接すれば、高温排出物は、放圧孔を通過した後、バッフルの作用で対向する二つのチャンネルに分けて排出されることができ、特に高温排出物における高温気体は、収集キャビティに入った後にバッフルによってまとめて二つのチャンネルに分けられることができ、さらに高温気体が熱管理部品の下面を溶融する可能性を増加させ、熱管理部品が大面積で破壊され、その内部の流体が大量に流出し、降温効果を向上させることができる。
【0023】
いくつかの実施例において、前記熱管理部品は、前記放圧機構が作動する時に、排出方向を変更した後の前記排出物によって破壊されることを可能にすることによって、前記流体を前記熱管理部品の内部から排出するためのものである。
【0024】
いくつかの実施例において、前記熱管理部品上に感温材料が設けられ、前記感温材料は、前記放圧機構が作動する時に、前記排出物によって溶融されることを可能にすることによって、前記流体を前記熱管理部品の内部から排出するように構成される。
【0025】
いくつかの実施例において、前記感温材料は、前記熱管理部品の、前記電池セルの排出物に向かう領域上に設けられる。
【0026】
例えば、感温材料を放圧孔の孔壁上に設けてもよく、又は熱管理部品の第1の表面上の放圧孔の周囲に設けてもよく、電池セル内の排出物が放圧孔を通過する時、感温材料を溶融することによって、熱管理部品内の流体を順調に排出し、さらにより良好に降温することができる。
【0027】
第2の態様によれば、電力消費機器を提供し、前記電力消費機器は、電気エネルギーを提供するための第1の態様における電池を含む。
【0028】
いくつかの実施例において、前記電力消費機器は、車両、船舶又は宇宙船である。
【0029】
第3の態様によれば、電池を製造する方法を提供し、前記方法は、放圧機構を含む電池セルであって、前記放圧機構は前記電池セルの第1の壁に設けられ、前記放圧機構は前記電池セルの内圧又は温度が閾値に達した時に作動して前記内圧を逃すためのものである電池セルを提供することと、前記電池セルの温度を調節するように流体を収容するための熱管理部品であって、前記熱管理部品の第1の表面は前記第1の壁に装着され、前記熱管理部品に前記放圧機構に対向する放圧孔が設けられ、それによって前記放圧機構が作動する時に、前記電池セル内から排出された排出物は前記放圧孔を介して前記熱管理部品を通して排出することができる熱管理部品を提供することと、前記放圧孔の一部を遮蔽することによって、前記放圧機構が作動する時に、前記放圧孔に入る前記排出物の排出方向を変更するためのバッフルを提供することとを含む。
【0030】
第4の態様によれば、電池を製造する装置を提供し、上記第3の態様の方法を実行するモジュールを含む。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本出願の一実施例が開示した車両の構造概略図である。
図2】本出願の一実施例が開示した電池の構造概略図である。
図3】本出願の一実施例が開示した電池モジュールの構造概略図である。
図4】本出願の一実施例が開示した電池セルの分解図である。
図5】本出願の一実施例が開示した電池セルと熱管理部品の分解図である。
図6】本出願の一実施例が開示した熱管理部品とバッフルの分解図である。
図7】本出願の一実施例が開示したバッフルが設けられる熱管理部品の平面図である。
図8】本出願の一実施例が開示したバッフルが設けられる熱管理部品の下面図である。
図9】本出願の一実施例が開示した電池セル、熱管理部品とバッフルの断面図である。
図10】本出願の一実施例が開示した別の電池セル、熱管理部品とバッフルの断面図である。
図11】本出願の一実施例が開示した電池の構造概略図である。
図12】本出願の一実施例が開示した電気キャビティの分解図である。
図13】本出願の一実施例が開示した別の電気キャビティの分解図である。
図14】本出願の一実施例が開示した電池の筐体構造概略図である。
図15】本出願の一実施例が開示した別の電池の筐体構造概略図である。
図16】本出願の一実施例が開示した電池の分解図である。
図17】本出願の一実施例が開示した熱管理部品、バッフルと防護部材の断面図である。
図18】本出願の一実施例が開示した電池を製造する方法の概略的フローチャートである。
図19】本出願の一実施例が開示した電池を製造する装置の概略的ブロック図である。
【0032】
図面において、図面は、実際の縮尺に応じて描かれるものではない。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図面と実施例を結び付けて、本出願の実施形態をさらに詳しく説明する。以下の実施例の詳細な記述と図面は、本出願の原理を例示的に説明するためのものであるが、本出願の範囲を限定するために使用されることはできず、即ち、本出願は、説明される実施例に限定されない。
【0034】
本出願の記述において、なお、特に説明されていない限り、「複数」は二つ以上(二つを含む)を意味し、「上」、「下」、「左」、「右」、「内」、「外」などの用語によって指示される方位又は位置関係は、単に本出願の説明を容易にし、説明を簡略化するためのものであり、言及される装置又は要素が特定の方位を有し、特定の方位で構成して動作しなければならないことを指示又は示唆するものではないため、本出願を限定するものとして解釈されるべきではない。さらに、「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、記述する目的にのみ用いられ、相対的な重要性を指示又は示唆するものとして理解されるべきではない。「垂直」とは、厳密な意味での垂直ではなく、誤差許容範囲内である。「平行」とは、厳密な意味での平行ではなく、誤差許容範囲内である。
【0035】
下記の記述に現れる方位用語は、いずれも図面に示す方向であり、本出願の具体的な構造を限定するものではない。本出願の記述において、さらに説明すべきこととして、特に明記し、限定する場合を除き、「取り付け」、「繋がり」、「接続」、「装着」という用語は、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続であってもよく、着脱可能な接続、又は一体的な接続であってもよく、直接的な接続であってもよく、中間媒体を介した間接的な接続であってもよい。当業者にとって、本出願における上記の用語の具体的な意味は、具体的な状況に応じて理解されてもよい。
【0036】
本出願において、電池セルは、一次電池、二次電池、例えばリチウムイオン電池、リチウム硫黄電池、ナトリウムリチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池又はマグネシウムイオン電池などを含んでもよいが、本出願の実施例では、それを限定しない。電池セルは、円柱体、扁平体、長方体、又はその他の形状などを有してもよく、本出願の実施例ではこれについても限定しない。電池セルは、パッケージングの形態によって、一般的には、柱形電池セル、角形電池セルとパウチ電池セルの3つの種類に分けられ、本出願の実施例では、それを限定しない。
【0037】
本出願の実施例で言及した電池は、より高い電圧と容量を提供するために1つ又は複数の電池セルを含む単一の物理的モジュールを指す。例えば、本出願に言及される電池には、電池モジュール又は電池パックなどが含まれてもよい。電池パックは、一般的には、1つ又は複数の電池セルをパッケージングするための筐体を含む。筐体は、液体又はその他の異物が電池セルの充電又は放電に影響を与えることを回避することができる。
【0038】
電池セルは、電極アセンブリと電解液を含み、電極アセンブリは正極板、負極板とセパレータを含む。電池セルは、主に金属イオンが正極板と負極板との間で移動することにより動作する。正極板は、正極集電体と正極活物質層とを含み、正極活物質層は、正極集電体の表面に塗布されており、正極活物質層が塗布されていない集電体は、正極活物質層が塗布された集電体から突出しており、正極活物質層が塗布されていない集電体は、正極タブとされる。リチウムイオン電池を例にして、正極集電体の材料はアルミニウムであってもよく、正極活物質は、コバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、三元リチウム又はマンガン酸リチウムなどであってもよい。負極板は、負極集電体と負極活物質層とを含み、負極活物質層は、負極集電体の表面に塗布されており、負極活物質層が塗布されていない集電体は、負極活物質層が塗布された集電体から突出しており、負極活物質層が塗布されていない集電体は、負極タブとされる。負極集電体の材料は銅であってもよく、負極活物質は、炭素又はシリコンなどであってもよい。大電流を流しても溶断が生じないように、正極タブの数は複数で積層されており、負極タブの数は複数で積層されている。セパレータの材質は、PP又はPEなどであってもよい。また、電極アセンブリは、巻回型構造であってもよいし、積層型構造であってもよく、本出願の実施例はこれに限定されるものではない。電池技術の発展は、多岐にわたる設計因子、例えば、エネルギー密度、サイクル寿命、放電容量、充放電レートなどの性能パラメータを同時に考慮しなければならず、また、電池の安全性を考慮する必要もある。
【0039】
電池にとって、主な安全上の危険は、充電と放電プロセスに由来し、電池の安全性能を向上させるために、電池セルには、一般的に放圧機構が設けられる。放圧機構は、電池セルの内圧又は温度が所定の閾値に達したときに作動して内圧又は温度を逃がす素子又は部品を指す。該所定の閾値は、設計ニーズの異なりに応じて調整を行うことができる。前記所定の閾値は、電池セルにおける正極板、負極板、電解液とセパレータのうちの一つ又は複数の材料に依存することができる。放圧機構は、圧力に敏感又は温度に敏感な素子又は部品などを採用してもよく、すなわち、電池セルの内圧又は温度が所定の閾値に達した時、放圧機構が作動することにより、内圧又は温度を逃すためのチャンネルを形成する。
【0040】
本出願に言及された「作動」は、放圧機構が動作して、電池セルの内圧及び温度が逃されることを指す。放圧機構による動作は、放圧機構のうちの少なくとも一つの部分の破裂、引き裂かれ又は溶融等を含んでもよいが、それらに限らない。放圧機構が作動した後、電池セルの内部の高温高圧物質は、排出物として放圧機構から外に排出する。この方式によれば、制御可能な圧力又は温度の場合に、電池セルに放圧を発生させることにより、潜在的により深刻な事故の発生を避けることができる。
【0041】
本出願に言及された電池セルからの排出物は、電解液、溶解又は分裂された正負極板、セパレータの破片、反応して発生した高温高圧気体、火炎等を含むが、それらに限らない。
【0042】
電池セル上の放圧機構は、電池の安全性に重要な影響を与える。例えば、電池セルに短絡、過充電等の現象が発生する時、電池セルの内部に熱暴走が発生して圧力又は温度が急激に上昇する可能性がある。このような場合に、放圧機構の作動により、内圧及び温度を外にリリースして、電池セルの爆発、発火を防止することができる。
【0043】
現在の放圧機構の設計案において、主に電池セルの内部の高圧と高熱をリリースし、すなわち前記排出物を電池セルの外部に排出することに注目する。しかしながら、電池の出力電圧又は電流を確保するために、往々にして複数の電池セルを必要として、且つ複数の電池セルの間は、バスバー部品によって電気的に接続される。電池セルの内部から排出された排出物は、残りの電池セルに短絡現象を引き起こす可能性があり、例えば、排出された金属屑が二つのバスバー部品に電気的に接続される時に、電池に短絡を引き起こすため、安全上の懸念が存在する。そして、高温高圧の排出物は、電池セルに放圧機構が設けられる方向に向けて排出され、且つより具体的には、放圧機構が作動する領域に向ける方向に沿って排出されることができ、このような排出物の威力と破壊力は、大きい可能性があり、ひいては、該方向上の一つ又は複数の構造を突き破るのに十分であり、さらなる安全上の問題を引き起こす可能性がある。
【0044】
これに鑑みて、本出願の実施例は、電池内に熱管理部品を設け、該熱管理部品の表面は、放圧機構が設けられる電池セルの表面に装着され、且つ、該熱管理部品上に放圧領域が設けられてもよく、例えば、該放圧領域は、放圧孔であってもよい。
【0045】
一方では、該熱管理部品は、複数の電池セルの温度を調節するように流体を収容するために用いられる。ここで、流体は、液体又は気体であってもよく、温度を調節することは、複数の電池セルを加熱又は冷却することを指す。電池セルを冷却又は降温する場合、該熱管理部品は、複数の電池セルの温度を低下させるように冷却流体を収容するために用いられ、このとき、熱管理部品は、冷却部品、冷却システム又は冷却板等と呼ばれてもよく、収容される流体は、冷却媒体又は冷却流体と呼ばれてもよく、より具体的には、冷却液又は冷却気体と呼ばれてもよい。また、熱管理部品は、複数の電池セルを昇温するように加熱するためにも用いられてもよく、本出願の実施例は、これを限定しない。任意選択的に、前記流体は、より高い温度調節効果を達成することができるように、循環して流れるものである。任意選択的に、流体は、水、水とエチレングリコールの混合液、又は空気などであってもよい。
【0046】
一方では、放圧機構が作動する時に、電池セル内から排出された排出物は、該熱管理部品の放圧孔を介して排出されることができるとともに、該熱管理部品はさらに、電池セルを降温して、電池セルの爆発の発生を避けることができる。
【0047】
バスバー部品は、複数の電池セル間の電気的接続、例えば、並列接続又は直列接続又は直並列接続を実現するためのものである。バスバー部品は、電池セルの電極端子を接続することによって電池セル間の電気的接続を実現することができる。いくつかの実施例において、バスバー部品は、溶接によって電池セルの電極端子に固定することができる。「高圧キャビティ」に対応して、バスバー部品から形成される電気的接続は、「高圧接続」と呼ばれてもよい。
【0048】
本出願の実施例で説明された技術案はいずれも電池を使用する様々な装置、例えば、携帯電話、携帯型デバイス、ノートパソコン、電動スクーター、電動玩具、電動工具、電気自動車、船舶及び宇宙機などに適用でき、宇宙機は飛行機、ロケット、スペースシャトル及び宇宙船などを含む。
【0049】
理解すべきこととして、本出願の実施例で説明された技術案は、上記で説明された機器のみに適用できるというわけではなく、電池を使用する全ての機器に適用できるが、説明を簡潔にするために、下記実施例では、いずれも電気自動車を例にして説明する。
【0050】
例えば、図1に示すように、本出願の一実施例による車両1の構造概略図である。車両1は、燃料油自動車、ガス自動車又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は、純電気自動車、ハイブリッド自動車やレンジエクステンダー自動車などであってもよい。車両1の内部には、モータ40と、コントローラ30と、電池10とが設けられてもよく、コントローラ30は、電池10がモータ40に給電するように制御するためのものである。例えば、車両1の底部又は先頭又は後尾に電池10を設けてもよい。電池10は、車両1への給電に用いられてもよい。例えば、電池10を車両1の動作電源とすることができ、車両1の電気回路システムに用いられ、例えば、車両1の始動、ナビゲーション及び走行時の動作電力需要に用いられる。本出願の別の実施例では、電池10は、車両1の動作電源として用いることができるだけでなく、車両1の駆動電源として、ガソリン又は天然ガスの代わりに、又はその一部の代わりに車両1に駆動動力を提供することもできる。
【0051】
異なる使用電力需要を満たすために、電池は複数の電池セルを含んでもよく、ここで、複数の電池セルの間は、直列接続又は並列接続又は直並列接続されてもよく、直並列接続は、直列接続と並列接続との混合を指す。電池は、電池パックと呼ばれてもよい。任意選択的に、複数の電池セルをまず直列接続又は並列接続又は直並列接続して電池モジュールを構成し、さらに複数の電池モジュールを直列接続又は並列接続又は直並列接続して電池を構成してもよい。つまり、複数の電池セルは直接的に電池を構成してもよく、又は、まず電池モジュールを構成し、さらに電池モジュールで電池を構成してもよい。
【0052】
例えば、図2に示すように、本出願の一実施例による電池10の構造概略図である。電池10は、少なくとも一つの電池モジュール200を含んでもよい。電池モジュール200は、複数の電池セル20を含む。電池10は、筐体をさらに含んでもよく、筐体内部が中空構造であり、複数の電池セル20が筐体内に収容される。図2に示すように、筐体は2つの部分を含んでもよく、ここではそれぞれ第1の部分111と第2の部分112と呼び、第1の部分111と第2の部分112は、互いに係合される。第1の部分111と第2の部分112の形状は、電池モジュール200を組み合わせた形状に応じて決定でき、第1の部分111と第2の部分112のうちの少なくとも一つは1つの開口を有する。例えば、図2に示すように、該第1の部分111と第2の部分112は、いずれも中空長方体であり、それぞれ1つの面のみが開口面であってもよく、第1の部分111の開口と第2の部分112の開口とが対向して設けられ、且つ第1の部分111と第2の部分112とが互いに係合して、閉鎖されたキャビティを有する筐体を形成する。また、例えば、図2に示されるものと異なり、第1の部分111と第2の部分112のうち、一方のみが開口を有する中空長方体であり、他方が開口をカバーする板状であってもよい。例えば、ここで第2の部分112が中空長方体であり、且つ一面のみが開口面であり、第1の部分111が板状である場合を例にすると、第1の部分111は、第2の部分112の開口をカバーすることにより、閉塞されたキャビティを有する筐体を形成し、該キャビティは、複数の電池セル20を収容するために用いることができる。複数の電池セル20は、互いに並列又は直列又は直並列接続されて組み合わせた後、第1の部分111と第2の部分112とが互いに係合して形成した筐体内に置かれる。
【0053】
任意選択的に、電池10は他の構造をさらに含んでもよいが、ここでは説明を省略する。例えば、該電池10は、複数の電池セル20同士の電気的接続、例えば、並列又は直列又は直並列接続を実現するためのバスバー部材をさらに含んでもよい。具体的に、バスバー部材は、電池セル20の電極端子に接続されることで電池セル20同士の電気的接続を実現することができる。さらに、バスバー部品は、溶接によって電池セル20の電極端子に固定することができる。複数の電池セル20の電気エネルギーは、さらに導電手段により筐体を通して引き出すことができる。
【0054】
様々な電力需要に応じて、電池モジュール200における電池セル20の数は、任意の数値に設定されてもよい。複数の電池セル20を直列、並列、又は直並列接続することにより、大きい容量又は電力を実現することができる。各電池10に含まれる電池セル20の数は多い場合があるため、取り付けを容易にするために、電池セル20をグループ化して設置し、各グループの電池セル20が電池モジュール200を構成してもよい。電池モジュール200に含まれる電池セル20の数は限定されず、需要に応じて設ければよい。例えば、図3は電池モジュール200の一例である。電池は、複数の電池モジュール200を含んでもよく、これら電池モジュール200は、直列、並列、又は直並列に接続することができる。
【0055】
図4は、本出願の一実施例による電池セル20の構造概略図である。電池セル20は、1つ又は複数の電極アセンブリ22と、ケース211と、蓋板212とを含む。ケース211と蓋板212は、ハウジング21を形成する。ケース211の壁及び蓋板212は、いずれも電池セル20の壁と呼ばれる。ケース211は、1つ又は複数の電極アセンブリ22を組み立てた後の形状に基づいて決定され、例えば、ケース211は、中空の直方体又は立方体又は円柱体であってもよく、かつケース211における1つの面は、1つ又は複数の電極アセンブリ22がケース211内に置くことが可能であるように、開口を有する。例えば、ケース211が中空長方体又は立方体である場合、ケース211のうちの1つの平面が開口面である。即ち、該平面は壁体を有さず、ケース211の内外を連通させる。ケース211が中空の円柱体であり得る場合、ケース211の端面が開口面である。即ち、該端面は壁体を有さず、ケース211の内外を連通させる。蓋板212は開口を覆い、かつケース211に接続されることによって、電極アセンブリ22を配置するための密閉のキャビティを形成する。ケース211内には、電解質、例えば、電解液が充填されている。
【0056】
該電池セル20は2つの電極端子214をさらに含んでもよく、2つの電極端子214は蓋板212上に設けられてもよい。蓋板212は、一般的には平板形状であり、2つの電極端子214は、蓋板212の平板表面上に固定され、2つの電極端子214は、それぞれ第1の電極端子214aと第2の負電極端子214bである。二つの電極端子214の極性は逆である。例えば、第1の電極端子214aが正電極端子であれば、第2の電極端子214bは、負電極端子である。各電極端子214に対応してそれぞれ1つの接続部材23が設けられ、それは蓋板212と電極アセンブリ22との間に位置し、電極アセンブリ22と電極端子214との電気的接続を実現するためのものである。
【0057】
図4に示すように、各電極アセンブリ22は、第1のタブ221aと第2のタブ222aを有する。第1のタブ221aと第2のタブ222aとは、極性が逆である。例えば、第1のタブ221aが正極タブであれば、第2のタブ222aは負極タブである。1つ又は複数の電極アセンブリ22の第1のタブ221aは1つの接続部材23を介して1つの電極端子に接続され、1つ又は複数の電極アセンブリ22の第2のタブ222aはもう1つの接続部材23を介してもう1つの電極端子に接続される。例えば、正極端子214aは1つの接続部材23を介して正極タブに接続され、負極端子214bはもう1つの接続部材23を介して負極タブに接続される。
【0058】
該電池セル20において、実際の使用上の需要に応じて、電極アセンブリ22は1つ又は複数設けられてもよいが、図4に示すように、電池セル20内に4つの独立した電極アセンブリ22が設けられている。
【0059】
図4に示すように、電池セル20の一つの壁上に放圧機構213が設けられてもよく、例えば、電池セル20の第1の壁21a上に放圧機構213を設けてもよい。図4における第1の壁21aとケース211とは離間し、すなわちケース211の底側は、開口を有し、第1の壁21aは、底側の開口を被覆し且つケース211に接続され、接続方式は、溶接又は接着等であってもよい。或いは、第1の壁21aとケース211とは、一体型構造であってもよい。放圧機構213は、電池セル20の内圧又は温度が閾値に達したときに作動して内圧又は温度を逃がすためのものである。
【0060】
該放圧機構213は、第1の壁21aの一部であってもよく、第1の壁21aとは別体型構造であってもよく、例えば溶接の方式によって第1の壁21a上に固定されてもよい。放圧機構213が第1の壁21aの一部である場合、例えば、放圧機構213は、第1の壁21a上に切り込みを設ける方式で形成することができ、該切り込みに対応する第1の壁21aの厚さは、放圧機構213の切り込み以外の他の領域の厚さよりも小さい。切り込みは、放圧機構213の最も弱い位置である。電池セル20から発生した気体が多すぎて、ケース211の内圧が上昇して閾値に達したか、又は電池セル20の内部が反応して熱量が発生して電池セル20の内部温度が上昇して閾値に達した時、放圧機構213は、切り込みで破裂が発生してケース211の内外が連通し、気体圧力及び温度は、放圧機構213の裂開によって外にリリースし、さらに電池セル20の爆発の発生を避けることができる。
【0061】
任意選択的に、本出願の一実施例では、図4に示すように、放圧機構213が電池セル20の第1の壁21aに設けられる場合、電池セル20の第2の壁に電極端子214が設けられ、第2の壁は、第1の壁21aと異なる。
【0062】
任意選択的に、第2の壁は、第1の壁21aに対向して設けられる。例えば、第1の壁21aは、電池セル20の底壁であってもよく、第2の壁は、電池セル20の蓋板212であってもよい。
【0063】
放圧機構213と電極端子214を電池セル20の異なる壁上に設けて、放圧機構213が作動する時に、電池セル20の排出物が電極端子214からより離すことを可能にすることにより、排出物の電極端子214とバスバー部品に対する影響を減少し、そのため電池の安全性を補強することができる。
【0064】
さらに、電極端子214が電池セル20の蓋板212上に設けられる時、放圧機構213を電池セル20の底壁に設けることによって、放圧機構213が作動する時に、電池セル20の排出物は、電池10の底部に向かって排出することができる。このように、一方では、電池10の底部の熱管理部品を利用して排出物の危険性を低減させることができ、他方では、電池10が車両内に設けられる時、電池10の底部は、通常乗客から離れることにより、乗客への危害を低減させることができる。
【0065】
放圧機構213はいかなる可能な放圧構造であってもよいが、本出願の実施例では、それを限定しない。例えば、放圧機構213は、放圧機構213を設けた電池セル20の内部温度が閾値に達する時に溶融できるように構成されている感温性放圧機構であってもよく、及び/又は、放圧機構213は、放圧機構213を設けた電池セル20の内部気圧が閾値に達する時に破裂できるように構成されている感圧性放圧機構であってもよい。
【0066】
電池セル20の温度を調節するために、電池セル20の下方に熱管理部品を設けることができる。具体的には、該熱管理部品は、電池セル20の温度を調節するように流体を収容するために用いることができ、放圧機構213が作動する時に、該熱管理部品は、放圧機構213が設けられる電池セル20の排出物を降温することができる。
【0067】
任意選択的に、該熱管理部品上に放圧領域が設けられてもよく、例えば、該放圧領域は、放圧孔であってもよく、このように、放圧機構213が作動する時に、放圧機構213が開き、電池セル20内の排出物を排出し、該排出物は、放圧孔を介して熱管理部品を通して排出されることもできる。
【0068】
しかし放圧機構213が作動する時に、排出された排出物が該熱管理部品の放圧孔を介して排出される時、排出速度が速すぎるため、熱管理部品に収容される流体が排出物に対して効果的に降温することができないため、どのように効果的に排出物を排出すると同時に迅速に降温するかは、現在の電池セル20の設計で解決しにくい問題となる。
【0069】
そのため、本出願の実施例は、電池を提供し、上記問題を解決することができる。
【0070】
図5は、本出願の実施例の電池10における局所分解図を示す。図5に示すように、該電池10は、少なくとも一つの電池セル20を含み、以下の電池セル20は、電池10に含まれるいずれか一つの電池セル20を例として、すなわち該電池セル20は、図1~4における電池セル20であってもよく、上記図1~4における電池セル20の関連記述に適用され、簡潔にするために、これ以上説明しない。具体的には、該電池セル20は、放圧機構213を含み、放圧機構213は、電池セル20の第1の壁21aに設けられ、放圧機構213は、電池セル20の内圧又は温度が閾値に達した時に作動して内圧を逃すためのものである。
【0071】
図5に示すように、該電池10は、電池セル20の温度を調節するように流体を収容するための熱管理部品13をさらに含む。該熱管理部品13は、上記の熱管理部品の関連記述に適用され、簡潔にするために、これ以上説明しない。具体的には、該熱管理部品13の第1の表面1321は電池セル20の第1の壁21aに装着され、熱管理部品13に放圧機構213に対向する放圧孔131が設けられ、それによって放圧機構213が作動する時に、電池セル20内から排出された排出物は、放圧孔131を介して熱管理部品13を通して排出することができる。
【0072】
本出願の実施例では、図5に示すように、該電池10は、バッフル14をさらに含み、該バッフル14は、放圧孔131の一部を遮蔽して、放圧機構213が作動する時に、放圧孔131に入る排出物の排出方向を変更するためのものである。
【0073】
そのため、本出願の実施例の電池10は、熱管理部品13上にバッフル14を設けることによって、バッフル14が放圧孔131の一部を遮蔽し、このように、放圧機構213が作動する時に、電池セル20から排出された排出物が該放圧孔131に入った後、且つ該放圧孔131を通す前に、又は該放圧孔131を通した後に、該排出物は、いずれも該バッフル14に直接的に接触する可能性があり、且つ該バッフル14の表面に反射が発生し、さらに排出物の本来の排出方向を変更することにより、より多くの高温排出物は、熱管理部品13を衝撃し、このように、該熱管理部品13は、より多くの排出物を降温することができ、また、より多くの高温排出は、高温排出物が熱管理部品13を溶融する面積を広くする可能性もあり、熱管理部品13は、高温の排出物によってより十分に破壊される可能性があり、熱管理部品13における十分の流体が順調に流出することを確保して、より高い降温効果を達成し、高温排出物が放圧孔131を直接的に通して、熱管理部品13を衝撃又は溶断できない可能性がある状況を可能な限り避ける。
【0074】
理解すべきこととして、本出願の実施例の熱管理部品13は、複数の電池セル20の温度を調節するように流体を収容するためのものである。電池セル20を降温する場合、該熱管理部品13は、複数の電池セル20の温度を調節するように冷却媒体を収容することができ、このとき、熱管理部品13は、冷却部品、冷却システム又は冷却板等と呼ばれてもよい。また、熱管理部品13は、加熱にも用いることができ、本出願の実施例は、これを限定しない。任意選択的に、前記流体は、より高い温度調節効果を達成することができるように、循環して流れるものである。
【0075】
図6は、本出願の実施例の熱管理部品13の分解図である。図7は、本出願の実施例の熱管理部品13の平面図である。図8は、本出願の実施例の熱管理部品13の下面図である。図6図8に示すように、本出願の実施例の熱管理部品13に流路134が設けられてもよく、該流路134は、流体を収容するためのものであり、このように、放圧機構213が作動する時に、電池セル20によって放圧機構213を介して排出された排出物は、流路134を破壊し、流路134内の流体を排出することにより、排出物を降温することができる。
【0076】
具体的には、図6図8に示すように、熱管理部品13は、第1の伝熱板132と第2の伝熱板133とを含んでもよく、該第1の伝熱板132が第2の伝熱板133と電池セル20の第1の壁21aとの間に設けられ、且つ第1の伝熱板132が第1の壁21aに装着され、第1の伝熱板132が第2の伝熱板133に接続される。ここで、該第1の伝熱板132の上面は、すなわち該熱管理部品13の第1の表面1321であり、該第1の表面1321が電池セル20の第1の壁21aに装着される。
【0077】
理解すべきこととして、本出願の実施例では、第1の表面1321が電池セル20の第1の壁21aに装着されることは、第1の表面1321が第1の壁21aに直接的に接触してもよく、第1の表面1321が熱伝導性接着剤又は他の物質によって第1の壁21aに接触してもよく、それによって第1の表面1321と電池セル20の第1の壁21aとの間の熱交換を実現する。
【0078】
熱管理部品13上に設けられる放圧孔131に対して、図6図8に示すように、第1の伝熱板132と第2の伝熱板133上に位置が相互に対応するスルーホールをそれぞれ設けることにより、放圧孔131を形成してもよく、すなわち、該放圧孔131は、該第1の伝熱板132と第2の伝熱板133をそれぞれ貫通する。
【0079】
任意選択的に、図6に示すように、該第1の伝熱板132は、開口が第2の伝熱板133から離れる方向に向ける第2の凹溝1322をさらに含んでもよく、該第2の凹溝1322の底壁にスルーホールを設けて、第1の伝熱板132上の放圧孔131を形成する。ここで、該第2の凹溝1322の孔径は、第2の伝熱板133から離れる方向に沿って徐々に増大することができ、すなわち該第2の凹溝1322の孔壁は、放圧孔131の軸線に対して傾斜して、電池セル20が熱暴走する時、放圧機構213によって排出された排出物は、該第2の凹溝1322の側壁により多く接触することができ、それによって、より多くの排出物は、熱管理部品13によって降温されることができ、例えば、該第2の凹溝1322の側壁は、流路134の壁として設けられることができ、そうすると、排出物が該第2の凹溝1322の側壁に接触する時、流路134内の液体は、排出物を降温することができ、さらに、該排出物は、該第2の凹溝1322の側壁を溶融して、流路134内の流体を流出させ、排出物を降温することもできる。
【0080】
熱管理部品13上に設けられる流路134に対して、第2の伝熱板133又は第1の伝熱板132上に凹溝を設けることによって実現することができる。具体的には、第2の伝熱板133上に凹溝を設けることを例として、図6図8に示すように、該第2の伝熱板133に開口が第1の伝熱板132に向ける第1の凹溝1331が設けられ、第1の伝熱板132が第2の伝熱板133に貼合わせて設けられる時、該第1の伝熱板132は、該第1の凹溝1331の開口をカバーすることにより、中空構造を形成し、該中空構造は、流路134である。
【0081】
任意選択的に、本出願の実施例における流路134の形状、サイズと位置は、いずれも実際の応用に応じて柔軟に設けることができ、例えば、図6図8における流路134は、いずれも筋状として設けられるが、図6図8における異なる位置での流路134のサイズは、異なる可能性があり、本出願の実施例は、それに限らない。
【0082】
放圧機構213を通過した排出物が熱管理部品13上の放圧孔131を介して排出されることを考慮すると、熱管理部品13内の流体が排出物をより良好に降温することを可能にするために、又は、さらに、熱管理部品13が排出物によって破壊されて内部の流体を順調に排出することを可能にするために、熱管理部品13上の流路134は、通常放圧孔131の周囲に設けられて、該放圧孔131を通過した排出物は、流路134に直接的に接触して、流路134内の流体によって降温され、さらに、排出物が流路134に接触する時に流路134を大面積で破壊することもでき、それによって、流路134内のより多くの流体を順調に排出することができる。
【0083】
また、熱管理部品13が容易に破壊されることを可能にするために、該熱管理部品13上に感温材料が設けられてもよく、該感温材料は、前記放圧機構213が作動する時に、電池セル20の排出物によって溶融されることができ、内部の流体を該熱管理部品13の内部から排出する。
【0084】
任意選択的に、該感温材料は、該熱管理部品13の、電池セル20の排出物に向かう領域上に設けられてもよい。例えば、該感温材料が熱管理部品13の第1の表面1321上の放圧孔131の周囲に設けられてもよく、さらに例えば、該感温材料が該放圧孔131の孔壁上に設けられてもよく、且つ、該感温材料が設けられる領域は、流路134の壁であってもよく、それによって、電池セル20から排出された排出物は、該感温材料に直接的に接触し、且つ該感温材料を溶融して、熱管理部品13が破壊され、例えば、熱管理部品13の流路134が破壊され、その内部の流体が流出し、排出物を降温する。
【0085】
放圧機構213が作動する時に、電池セル20の排出物が可能な限り大面積で流路に接触するか又はそれを破壊することを可能にするために、本出願の実施例の電池10にはバッフル14がさらに含まれ、それによって放圧孔131に入る排出物の排出方向を変更する。
【0086】
具体的には、図6図8に示すように、該バッフル14は、該バッフル14が該放圧孔131の一部の領域を遮蔽するように、放圧孔131の周囲の任意の位置に設けられてもよく、例えば、該バッフル14が遮蔽する放圧孔131の面積と放圧孔131の総面積との比の取り得る値の範囲は、通常0.5~0.8であるが、本出願の実施例は、それに限らない。例えば、図7に示すようにバッフル14を設けることを例として、該バッフル14の幅D1は、放圧孔131の幅D2に等しくてもよいか、それよりも小さいであってもよいか、又は、それよりも大きいであってもよい。
【0087】
また、本出願の実施例の該バッフル14の数と位置は、いずれも実際の応用に応じて柔軟に設けることができ、例えば、図6図8は、いずれも各放圧孔131に対応して二つのバッフル14を設けることを例とするが、より多く又はより少ないバッフルを設けてもよく、本出願の実施例は、それに限らない。
【0088】
以下では、添付図面を結び付けてバッフル14の設置について例を上げて記述する。
【0089】
図9は、電池セル20及び熱管理部品13が図7に示されるA-A’方向に沿う断面図を示す。該図9は、各放圧孔131内に一つのバッフル14のみが設けられることを例として、図10は、別の電池セル20及び熱管理部品13が図7に示されるA-A’方向に沿う断面図を示す。該図10は、各放圧孔131に対応して二つのバッフル14が設けられることを例とする。図9図10に示すように、本出願の実施例におけるバッフル14は、熱管理部品13の第2の表面に位置してもよく、該第2の表面は、熱管理部品13の任意の表面であってもよく、すなわちバッフル14は、放圧孔131内に設けられてもよいか、又は、放圧孔131の外に位置してもよい。例えば、図9におけるバッフル14が放圧孔131内に設けられ、且つ該バッフル14が熱管理部品13の第1の伝熱板132に接続され、すなわちバッフル14が放圧孔131の孔壁上に設けられ、図10におけるバッフル14が放圧孔131の外部に設けられ、且つ該バッフル14が熱管理部品13の第2の伝熱板133に接続され、本出願の実施例は、それに限らない。
【0090】
いくつかの実施例において、バッフル14と電池セル20の第1の壁21aとの間の最大距離は、流路134から第1の壁21aまでの最小距離よりも大きく、それによって、排出物は、該バッフル14の表面に反射してその排出方向を変更することができ、反射した後の排出物は、熱管理部品13に向けることができ、より多くの排出物は、熱管理部品13に接触することによって、熱管理部品13がより多くの排出物を降温するという効果を達成し、さらに、バッフル14によって排出物の排出方向を変更することによって、より多くの排出物は、熱管理部品13を衝撃することができ、該熱管理部品13上の流路134が破壊されることを引き起こす可能性があり、それにより、流路134の内部の流体が流出し、排出物を降温する。
【0091】
具体的には、本出願の実施例のバッフル14は、通常放圧孔131の軸線1311に対して傾斜して設けられる。図9図10に示すように、バッフル14は、放圧孔131の軸線1311に対して傾斜し、第1の壁21aから離れる方向に、バッフル14は、放圧孔131の軸線1311に徐々に近接することによって、放圧機構213が作動する時に、排出物がバッフル14によって反射され、且つ放圧孔131の孔壁に向かって衝撃することができ、それにより、より多くの排出物は、熱管理部品13を衝撃し、さらに排出物は、熱管理部品13により十分に接触し、降温により有利である。
【0092】
任意選択的に、本出願の実施例のバッフル14が放圧孔131の軸線1311に対して傾斜して設けられる時、バッフル14と放圧孔131の軸線1311との間のなす角θは、実際の応用に応じて設けることができる。しかし、該なす角θの設置が大きすぎると、バッフル14が放圧孔131を遮蔽する面積が大きすぎて、該放圧孔131を塞ぎ、放圧機構213が作動する時に電池セル20から排出された排出物の通過に影響を与え、さらに排気がスムーズでなく、さらに電池セル20が爆発することになり、逆に、該なす角θの設置が小さすぎると、排出物がバッフル14の表面での反射効果に影響を与えるため、該なす角θの取り得る値の範囲は、通常20°~40°に設定されて、最適な効果を達成する。
【0093】
本出願の実施例におけるバッフル14の材料は、実際の応用に応じて柔軟に設けることができる。例えば、該バッフル14は、熱管理部品13と同じ材料を選択することができ、例えば、いずれもアルミニウム合金材料として設けられ、且つ溶接方式で該バッフル14と熱管理部品13を固定してもよい。
【0094】
また、本出願の実施例における該バッフル14の表面を滑らかな表面に設置すべきであり、粗すぎると排出物における高温粒子が該バッフル14の表面で堆積し、反発できず、さらに該バッフル14の効果に影響を与える可能性がある。例えば、該バッフル14の表面粗さを0.1μm以下に設定することができ、該表面粗さは、算術平均粗さ(Ra)であってもよいが、本出願の実施例は、それに限らない。
【0095】
任意選択的に、本出願の実施例の電池10は、電気キャビティ11aと収集キャビティ11bをさらに含んでもよい。以下では、添付図面を結び付けて、電気キャビティ11a、収集キャビティ11b及び熱管理部品13が設けられる電池10について詳細に紹介する。
【0096】
図11は、本出願の一実施例の電池10の筐体11の概略図である。図11に示すように、本出願の実施例の筐体11は、電気キャビティ11a、収集キャビティ11b及び熱管理部品13を含んでもよい。熱管理部品13は、電気キャビティ11aと収集キャビティ11bを隔離するために用いられる。ここでいわゆる「隔離」は、離間であり、シールされていなくてもよい。
【0097】
電気キャビティ11aは、複数の電池セル20とバスバー部品12を収容するためのものである。電気キャビティ11aは、電池セル20とバスバー部品12の収容空間を提供し、電気キャビティ11aの形状は、複数の電池セル20とバスバー部品12に応じて設定することができる。
【0098】
バスバー部品12は、複数の電池セル20の電気的接続を実現するためのものである。バスバー部品12は、電池セル20の電極端子214を接続することによって電池セル20の電気的接続を実現することができる。
【0099】
複数の電池セル20のうちの少なくとも一つの電池セル20は、放圧機構213を含んでもよく、放圧機構213は、放圧機構213が設けられる電池セル20の内圧又は温度が閾値に達した時に作動して内圧又は温度を逃すためのものである。
【0100】
記述しやすくするために、以下では、放圧機構213に関する関連記述に係る電池セル20は、放圧機構213が設けられる電池セル20を指す。例えば、電池セル20は、図4における電池セル20であってもよい。
【0101】
収集キャビティ11bは、放圧機構213が作動する時に、放圧機構213が設けられる電池セル20からの排出物を収集するために用いられる。
【0102】
本出願の実施例では、熱管理部品13を採用して電気キャビティ11aと収集キャビティ11bを隔離する。つまり、複数の電池セル20とバスバー部品12を収容する電気キャビティ11aと、排出物を収集する収集キャビティ11bとは、離間して設けられる。このように、放圧機構213が作動する時に、電池セル20の排出物は、収集キャビティ11bに入り、電気キャビティ11aに入らないか、又は少量に入ることにより、電気キャビティ11aにおける電気的接続に影響を与えないため、電池の安全性を補強することができる。
【0103】
任意選択的に、本出願の一実施例では、熱管理部品13は、電気キャビティ11aと収集キャビティ11bに共通の壁を有する。図11に示すように、熱管理部品13は、同時に、電気キャビティ11aの一つの壁及び収集キャビティ11bの一つの壁であってもよい。つまり、熱管理部品13(又はその一部)は、直接的に電気キャビティ11aと収集キャビティ11bに共通の壁とすることができ、このように、電池セル20の排出物は、熱管理部品13を経て収集キャビティ11bに入ることができるとともに、熱管理部品13の存在のため、該排出物と電気キャビティ11aを可能な限り隔離することにより、排出物の危険性を低減させ、電池の安全性を補強することができる。
【0104】
任意選択的に、本出願の一実施例では、電気キャビティ11aは、開口を有するカバーと熱管理部品13で形成されることができる。例えば、図12は、本出願の実施例の電気キャビティ11aの分解図を示す。図12に示すように、筐体11は、開口(例えば、図12における下側の開口)を有するカバー110を含んでもよい。開口を有するカバー110は、セミクローズドキャビティであり、外部に連通する開口を有し、熱管理部品13は、該開口をカバーし、キャビティ、すなわち電気キャビティ11aを形成する。
【0105】
任意選択的に、カバー110は、複数の部分で構成されてもよく、例えば、図13は、本出願の実施例の電気キャビティ11aの別の分解図を示す。カバー110は、第1の部分111と第2の部分112を含んでもよい。第2の部分112の両側は、それぞれ開口を有し、すなわち第2の部分112は、周辺の壁のみを有し、第1の部分111は、第2の部分112の一側の開口をカバーし、熱管理部品13は、第2の部分112の他側の開口をカバーすることにより、電気キャビティ11aを形成する。
【0106】
図13の実施例は、図2を基礎として改良して得ることができる。具体的には、図2における第2の部分112の底壁を熱管理部品13に置き換え、熱管理部品13を電気キャビティ11aの一つの壁としてもよく、それにより、図13における電気キャビティ11aを形成する。換言すれば、図2における第2の部分112の底壁を除去し、すなわち、両側の開口のリング壁を形成し、第1の部分111と熱管理部品13は、それぞれ第2の部分112の両側の開口をカバーし、キャビティ、すなわち電気キャビティ11aを形成する。
【0107】
任意選択的に、本出願の一実施例では、収集キャビティ11bに対して、熱管理部品13と防護部材で形成されることができる。例えば、図14は、本出願の実施例の筐体11の概略図を示す。ここで、図14における電気キャビティ11bは、図12に示される電気キャビティ11bであり、図15は、本出願の実施例の筐体11の別の概略図を示す。ここで、図15における電気キャビティ11bは、図13に示される電気キャビティ11bである。図14図15に示すように、筐体11は、防護部材115をさらに含む。防護部材115は、熱管理部品13を防護するために用いられ、且つ、防護部材115と熱管理部品13は、収集キャビティ11bを形成する。
【0108】
防護部材115と熱管理部品13から形成される収集キャビティ11bは、電池セルを収容可能な空間を占有しないため、大きい空間の収集キャビティ11bを設定することができ、それにより、排出物を効果的に収集と緩衝し、その危険性を低減させることができる。
【0109】
任意選択的に、本出願の一実施例では、収集キャビティ11b内に流体、例えば冷却媒体が設けられてもよく、又は、該流体を収容する部品が設けられてもよく、収集キャビティ11b内に入る排出物をさらに降温する。
【0110】
任意選択的に、本出願の一実施例では、収集キャビティ11bは、シールされるキャビティであってもよい。例えば、防護部材115と熱管理部品13との接続箇所は、シール部材によってシールされてもよい。
【0111】
任意選択的に、本出願の一実施例では、収集キャビティ11bは、シールされるキャビティでなくてもよい。例えば、収集キャビティ11bは、外気に連通することができ、このように、一部の排出物は、さらに筐体11の外部に排出することができる。
【0112】
上記実施例では、熱管理部品13は、カバー110の開口をカバーして電気キャビティ11aを形成し、熱管理部品13と防護部材115は、収集キャビティ11bを形成する。任意選択的に、熱管理部品13は、追加の防護部材115を設けることなく、直接的にクローズド筐体11を電気キャビティ11aと収集キャビティ11bに隔離してもよい。
【0113】
例えば、本出願の一実施例では、図13を例として、カバー110は、第1の部分111と第2の部分112を含んでもよく、ここで、第1の部分111と第2の部分112は、いずれも一側が開口を有するキャビティ構造であり、それぞれセミクローズド構造を形成することができる。熱管理部品13が第2の部分112の内部に設けられてもよく、第1の部分111は、第2の部分112の開口をカバーする。換言すれば、まず熱管理部品13をセミクローズド第2の部分112内に設けて、収集キャビティ11bを隔離し、さらに第1の部分111が第2の部分112の開口をカバーし、電気キャビティ11aを形成してもよく、このように、図15と比較して分かるように、防護部材115を第2の部分112の底壁に置き換えて収集キャビティ11bを形成してもよい。
【0114】
説明しやすくするために、以下では、防護部材115から収集キャビティ11bを形成する状況を例として説明する。
【0115】
任意選択的に、図10に示される方式を採用してバッフル14を設ける時、熱管理部品13から離れる該バッフル14が一端は、防護部材115に当接することができる。
【0116】
図16は、本出願の実施例の防護部材115を有する電池10の分解図を示す。図17は、防護部材115と熱管理部品13の断面図を示す。図16図17に示すように、防護部材115と熱管理部品13は、収集キャビティ11bを形成する。ここで、防護部材115は、一端が開口する中空構造を形成するように、底壁1511と複数の側壁1512とを含み、熱管理部品13は、該開口をカバーして収集キャビティ11bを形成する。
【0117】
バッフル14が少なくとも部分的に該放圧孔131の外に延びる時、放圧孔131の軸線1311に沿う方向に、バッフル14の第1の壁21aから離れる端は、防護部材115の底壁1511に当接する。例えば、図17に示すように、バッフル14は、熱管理部品13から防護部材115まで延びることができ、バッフル14の熱管理部品13から離れる端は、防護部材115の底壁1511に当接する。
【0118】
該バッフル14を防護部材115の底壁上に当接すれば、熱管理部品13を支持するという役割を果たし、熱管理部品13と防護部材115との間の距離を保持することができ、それにより、収集キャビティ11bの空間が押出されて変形することなく、収集キャビティ11bの空間の圧縮による電池10の爆発を避ける可能性を減少する。また、各放圧孔131内に二つの対向するバッフル14が設けられる状況に対して、バッフル14の下端を防護部材115の底壁1511に当接すれば、高温排出物は、放圧孔131を通過した後、二つのバッフル14の作用で、排出物は、対向する二つのチャンネルに分けて排出されることができ、特に高温排出物における高温気体は、収集キャビティ11bに入った後にバッフル14によってまとめて二つのチャンネルに分けられることができ、さらに高温気体が熱管理部品13の第2の伝熱板133を溶融する可能性を増加させ、熱管理部品13が大面積で破壊され、その内部の流体が大量に流出し、降温効果を向上させることができる。
【0119】
以上は、本出願の実施例による電池及び電力消費機器を説明した。以下は、本出願の実施例による電池を製造する方法と装置を説明する。ここで、詳細に説明されない部分は、上記の各実施例を参照することができる。
【0120】
図18は、本出願の一実施例の電池を製造する方法300の概略的フローチャートを示す。図18に示すように、該方法300は、放圧機構を含む電池セルであって、該放圧機構は該電池セルの第1の壁に設けられ、該放圧機構は該電池セルの内圧又は温度が閾値に達した時に作動して該内圧を逃すためのものである電池セルを提供するS310と、該電池セルの温度を調節するように流体を収容するための熱管理部品であって、該熱管理部品の第1の表面は該第1の壁に装着され、該熱管理部品に該放圧機構に対向する放圧孔が設けられ、それによって該放圧機構が作動する時に、該電池セル内から排出された排出物は、該放圧孔を介して該熱管理部品を通して排出することができる熱管理部品を提供するS320と、該放圧孔の一部を遮蔽することによって、該放圧機構が作動する時に、該放圧孔に入る該排出物の排出方向を変更するためのバッフルを提供するS330とを含んでもよい。
【0121】
図19は、本出願の一実施例の電池を製造する装置400の概略的ブロック図を示す。図19に示すように、該装置400は、提供モジュール410を含んでもよい。該提供モジュール710は、放圧機構を含む電池セルであって、該放圧機構は該電池セルの第1の壁に設けられ、該放圧機構は該電池セルの内圧又は温度が閾値に達した時に作動して該内圧を逃すためのものである電池セルを提供するためのものであり、該電池セルの温度を調節するように流体を収容するための熱管理部品であって、該熱管理部品の第1の表面は該第1の壁に装着され、該熱管理部品に該放圧機構に対向する放圧孔が設けられ、それによって該放圧機構が作動する時に、該電池セル内から排出された排出物は該放圧孔を介して該熱管理部品を通して排出することができる熱管理部品を提供するためのものであり、該放圧孔の一部を遮蔽することによって、該放圧機構が作動する時に、該放圧孔に入る該排出物の排出方向を変更するためのバッフルを提供するためのものである。
【0122】
好ましい実施例を参照しながら、本出願について説明したが、本出願の範囲を逸脱することなく、種々の改良を行うことができるとともにそのうちの部品を等価物で置き換えることができる。特に、各実施例で言及された各技術的特徴は、構造の矛盾が生じない限り、任意に組み合わせることができる。本出願は、本明細書に開示された特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に含まれる全ての技術案を含むものである。
【符号の説明】
【0123】
1 車両
10 電池
11 筐体
11a 電気キャビティ
11b 収集キャビティ
12 バスバー部品
13 熱管理部品
14 バッフル
20 電池セル
21 ハウジング
21a 第1の壁
22 電極アセンブリ
23 接続部材
30 コントローラ
40 モータ
110 カバー
111 第1の部分
112 第2の部分
115 防護部材
131 放圧孔
132 第1の伝熱板
133 第2の伝熱板
134 流路
200 電池モジュール
211 ケース
212 蓋板
213 放圧機構
214 電極端子
214a 第1の電極端子、正極端子
214b 第2の電極端子、負極端子
221a 第1のタブ
222a 第2のタブ
400 装置
410 提供モジュール
710 提供モジュール
1311 軸線
1321 第1の表面
1322 第2の凹溝
1331 第1の凹溝
1511 底壁
1512 側壁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
【手続補正書】
【提出日】2022-11-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池であって、
放圧機を含む電池セであって、前記放圧機は前記電池セの第1のに設けられ、前記放圧機は前記電池セの内圧又は温度が閾値に達した時に作動して前記内圧を逃すためのものである電池セと、
前記電池セの温度を調節するように流体を収容するための熱管理部であって、前記熱管理部の第1の表は前記第1のに装着され、前記熱管理部に前記放圧機に対向する放圧が設けられ、それによって前記放圧機が作動する時に、前記電池セ内から排出された排出物は前記放圧を介して前記熱管理部を通して排出することができる熱管理部と、
前記放圧の一部を遮蔽することによって、前記放圧機が作動する時に、前記放圧に入る前記排出物の排出方向を変更するためのバッフと、を含む、電池。
【請求項2】
前記バッフから前記第1のまでの最大距離は、前記第1の表から前記第1のまでの最小距離よりも大きい、請求項1に記載の電池。
【請求項3】
前記バッフは、前記放圧の軸に対して傾斜し、且つ前記第1のから離れる方向に沿って、前記バッフは、前記放圧の軸に徐々に近接することによって、前記放圧機が作動する時に、前記排出物は、前記放圧の孔壁に向かって衝撃することができる、請求項1又は2に記載の電池。
【請求項4】
前記バッフと前記放圧の軸との間のなす角の取り得る値の範囲は、20°~40°である、請求項3に記載の電池。
【請求項5】
前記放圧の周囲は、二つの対向して設けられる前記バッフを有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の電池。
【請求項6】
前記バッフが前記放圧を遮蔽する面積と前記放圧との面積の比は、0.5以上であり、且つ0.8以下である、請求項1~5のいずれか一項に記載の電池。
【請求項7】
前記バッフの表面粗さは、0.1μm以下である、請求項1~6のいずれか一項に記載の電池。
【請求項8】
前記バッフは、前記熱管理部の第2の表面に設けられ、前記第2の表面は、前記第1の表に対向するか、又は前記第2の表面は、前記放圧の孔壁である、請求項1~7のいずれか一項に記載の電池。
【請求項9】
前記電池は、
複数の前記電池セを収容するための電気キャビテと、
前記放圧機が作動する時に、前記電池セ内から排出された排出物及び前記熱管理部の排出物を収集するための収集キャビテとをさらに含み、
ここで、前記熱管理部は、前記電気キャビテと前記収集キャビテを隔離するためのものである、請求項1~8のいずれか一項に記載の電池。
【請求項10】
前記電池は、
前記熱管理部を防護するための防護部であって、前記防護部と前記熱管理部が前記収集キャビテを形成する防護部をさらに含む、請求項9に記載の電池。
【請求項11】
前記防護部は、一端が開口する中空構造を形成するように、底と複数の側とを含み、前記熱管理部は、前記開口をカバーして前記収集キャビテを形成する、請求項10に記載の電池。
【請求項12】
前記放圧の軸線に沿って、前記バッフの前記第1のから離れる端は、前記防護部の底に当接する、請求項11に記載の電池。
【請求項13】
前記熱管理部は、前記放圧機が作動する時に、排出方向を変更した後の前記排出物によって破壊されることを可能にすることによって、前記流体を前記熱管理部の内部から排出するためのものである、請求項1~12のいずれか一項に記載の電池。
【請求項14】
前記熱管理部上に感温材料が設けられ、前記感温材料は、前記放圧機が作動する時に、前記排出物によって溶融されることを可能にすることによって、前記流体を前記熱管理部の内部から排出するように構成される、請求項13に記載の電池。
【請求項15】
前記感温材料は、前記熱管理部の、前記電池セの排出物に向かう領域上に設けられる、請求項14に記載の電池。
【請求項16】
電力消費装置であって、前記電力消費装置に電気エネルギーを提供するための、請求項1~15のいずれか一項に記載の電池を含む、電力消費装置。
【国際調査報告】