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特表2023-528308生分解性高性能吸収性ポリマーおよびその方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-04
(54)【発明の名称】生分解性高性能吸収性ポリマーおよびその方法
(51)【国際特許分類】
   C08L 77/04 20060101AFI20230627BHJP
   C08J 3/24 20060101ALI20230627BHJP
   C08L 63/00 20060101ALI20230627BHJP
   C08G 69/10 20060101ALI20230627BHJP
   B01J 20/26 20060101ALI20230627BHJP
   B01J 20/30 20060101ALI20230627BHJP
   A61L 15/26 20060101ALI20230627BHJP
   A61L 15/64 20060101ALI20230627BHJP
   A61L 15/42 20060101ALI20230627BHJP
   A61F 13/47 20060101ALI20230627BHJP
   A61F 13/53 20060101ALI20230627BHJP
   C08L 101/16 20060101ALN20230627BHJP
【FI】
C08L77/04 ZBP
C08J3/24 Z CFG
C08L63/00 A
C08G69/10
B01J20/26 D
B01J20/30
A61L15/26 100
A61L15/64 100
A61L15/42 100
A61F13/47
A61F13/53 300
C08L101/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022572335
(86)(22)【出願日】2021-05-26
(85)【翻訳文提出日】2023-01-20
(86)【国際出願番号】 US2021034372
(87)【国際公開番号】W WO2021242936
(87)【国際公開日】2021-12-02
(31)【優先権主張番号】63/030,266
(32)【優先日】2020-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521464547
【氏名又は名称】ザイモケム, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】フリン, アリソン
(72)【発明者】
【氏名】チョカワラ, ハーシャル アクシャイ
(72)【発明者】
【氏名】ピストリーノ, ジョナサン カール
【テーマコード(参考)】
3B200
4C081
4F070
4G066
4J001
4J002
4J200
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200AA03
3B200BA01
3B200BB17
3B200DB02
4C081AA02
4C081AA12
4C081BA16
4C081BB01
4C081BB09
4C081CA231
4C081CA241
4C081CB041
4C081CC05
4C081DA02
4F070AA54
4F070AA61
4F070AB13
4F070AC87
4F070AE08
4F070GA06
4F070GA08
4F070GB02
4F070GB06
4G066AB05D
4G066AB07A
4G066AB13A
4G066AC26B
4G066AC33B
4G066AC35B
4G066BA09
4G066BA20
4G066BA28
4G066BA36
4G066BA38
4G066CA43
4G066DA12
4G066DA13
4G066EA05
4G066FA07
4G066FA11
4G066FA21
4J001DA01
4J001DB01
4J001DB09
4J001EA34
4J001EE38B
4J001FA03
4J001GA11
4J001GE11
4J001JA20
4J001JB01
4J001JC02
4J002CD01X
4J002CD02X
4J002CL02W
4J002FD14X
4J002GB01
4J200AA04
4J200BA30
4J200CA00
4J200DA21
4J200EA21
(57)【要約】
とりわけ、本開示は、高吸収性ポリマーとして有用な技術を提供する。本開示は、様々な用途、例えば衛生用途(例えば、おむつ、タンポン等)における使用に適した、および医療、建設、土木工学、建築、食品、農業等で使用するための液体吸収剤としての、自由膨潤能力、遠心分離機保持容量、荷重下吸収、生理食塩水流動伝導率および/または他の特性などの特性を有する一連の生物系、生分解性、γ-ポリグルタミン酸(γ-PGA)系架橋ポリマーを提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが独立して酸、塩、エステル、またはアミド形態である複数のポリグルタミン酸(PGA)分子を含み、前記複数のPGA分子がそれぞれ独立して、約0.001 MMまたはそれを超える分子量を有する、PGA組成物。
【請求項2】
独立して構造:
-[NH-CH(COR’)CHCH-CO]p-
(式中、
各pは独立して、約1~100000であり、
各R’は独立して、-ORまたは-N(R)であり、各Rは独立して、-H、または、C1~10脂肪族、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される1~5個のヘテロ原子を有するC1~10複素脂肪族、C6~10アリール、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される1~5個のヘテロ原子を有するC5~10ヘテロアリール、ならびに窒素、酸素および硫黄から独立して選択される1~5個のヘテロ原子を有するC3~10ヘテロシクリルから選択される必要に応じて置換された基である;あるいは窒素原子上の2つのR基が一緒になって、窒素原子に加えて0~5個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換された3~10員環を形成する)
またはその塩形態
の1またはそれを超える単位をそれぞれ独立して含む複数のPGA分子を含む、ポリグルタミン酸(PGA)組成物であって;
前記複数のPGA分子がそれぞれ独立して、約0.001MMまたはそれを超える分子量を有する、組成物。
【請求項3】
前記PGAの分散度(M/M)が約1.1~10である、先行する請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項4】
前記PGAのMが約20~200万Daである、先行する請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
前記PGAのMが約2~200万Daである、先行する請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
前記PGAのMが約40~500万Daである、先行する請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
組成物の分子量がサイズ排除クロマトグラフィーによって測定される、請求項3から6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
組成物の分子量がRI検出を使用して手順Bに従って測定される、請求項3から6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
実質的な重量部分(例えば、約30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%等またはそれを超える)の0.02MM、0.7M、または1Mを超える分子量を有するPGA分子を含有する、先行する請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
モル比で実質的な部分(例えば、約30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%等またはそれを超える)の0.02MM、0.7M、または1Mを超える分子量を有するPGA分子を含有する、先行する請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
架橋されている、先行する請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
架橋剤がソルビトールポリグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、またはネオペンチルジグリシジルエーテルである、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
架橋剤の重量パーセンテージ(重量%)が約0.01~10%である、先行する請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項14】
表面架橋されているPGA粒子を含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項15】
生理食塩水を使用したボルテックス試験法によって測定した場合、吸収時間が90秒未満である、先行する請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項16】
荷重下吸収(AUL)が、生理食塩水を使用して、0.3psi下で約12またはそれを超えるg/gである、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項17】
荷重下吸収(AUL)が、生理食塩水を使用して、0.7psi下で約10またはそれを超えるg/gである、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項18】
組成物のCRCが、生理食塩水を使用して、15~50g/gである、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項19】
生理食塩水を使用したボルテックス試験を使用して測定された吸収速度が30~60秒の間である、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項20】
組成物の生理食塩水吸収が20~50g/gである、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項21】
生分解性を有する、先行する請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項22】
OECD 301-Bによって測定した場合、約60%以上のポリマーが28日間にわたって分解する、先行する請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項23】
約15×10-7cm・秒・g-1の生理食塩水流動伝導率を有する、先行する請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項24】
組成物の約80~95重量%が、約150~約600ミクロンの径を有する粒子である、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項25】
先行する請求項のいずれか1項に記載のPGA組成物を調製する方法であって、いくつかのグルタミン酸単位を重合して、先行する請求項のいずれか1項に記載の組成物を得ることを含む方法。
【請求項26】
前記PGAが微生物から調製される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記PGA組成物が再生可能な供給原料から調製される、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
PGAポリマーを架橋することを含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記PGA組成物を架橋剤組成物と接触させることを含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
架橋剤組成物が、ジグリシジルエーテル、トリグリシジルエーテル、3個もしくはそれを超えるエポキシ基を含有するポリグリシジルエーテル、もしくはこれらの組み合わせであるか、またはこれを含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
前記PGA組成物を約0.01~10重量%の架橋剤と接触させることを含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
照射によりPGAポリマーを架橋することを含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
前記組成物をある特定の粒径にする、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
先行する請求項のいずれか1項に記載の組成物を含む物品。
【請求項35】
おむつであるか、またはこれを含む、請求項34に記載の物品。
【請求項36】
サニタリータオルもしくはナプキンであるか、またはこれを含む、請求項34に記載の物品。
【請求項37】
創傷被覆材であるか、またはこれを含む、請求項34に記載の物品。
【請求項38】
液体を先行する請求項のいずれか1項に記載の組成物または物品と接触させること
を含む方法であって、
前記組成物または物品が前記液体を吸収する、方法。
【請求項39】
前記液体が体液であるか、またはこれを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記液体が血液であるか、またはこれを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
前記液体が尿であるか、またはこれを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項42】
本明細書または実施形態1から162のいずれか1つに記載される組成物、調製物、方法、使用、または物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、全体が参照により本明細書に組み込まれる、2020年5月26日に出願された米国仮特許出願第63/030266号に基づく優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
発明の分野
本開示は、一般に、生分解性高性能吸収剤の組成物ならびにそれらの製造および使用方法に関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
要旨
本発明は、とりわけ、高性能吸収性ポリマー、例えば本明細書に記載される様々なPGAポリマーに関する。いくつかの実施形態では、本開示は、様々な用途、例えば衛生用途(例えば、おむつ、タンポン等)における使用に適した、および医療、建設、土木工学、建築、食品、農業等で使用するための液体吸収剤としての、自由膨潤能力、遠心分離機保持容量、荷重下吸収、生理食塩水流動伝導率および/または他の特性などの特性を有する一連の生物系、生分解性、γ-ポリグルタミン酸(γ-PGA)系架橋ポリマーを提供する。
【0004】
高性能吸収性ポリマー(高吸水性ポリマー(SAP)と呼ばれることもある)は、自身の質量に対して、大量の液体(例えば、水、水溶液)を吸収し、保持することができる。例えば、乳児用おむつ、成人用失禁製品、および女性用衛生製品における用途が、SAPの最大の最終用途の一部を構成する。伝統的に、これらの用途に利用されるSAPは、様々な異なる架橋剤を使用して架橋された部分的に中和されたポリ(アクリル酸)[PAA]および/またはポリ(アクリルアミド)[PAM]鎖で作製された。その広範な使用にもかかわらず、これらの架橋ポリマーに基づくSAPは、それだけに限らないが、[1]石油系ポリマーの製造プロセスを取り巻く持続可能性の懸念(例えば、化石由来炭素の含有量が高いため、温室効果排出に寄与する;自然に形成するのに数十万年かかり、消費するのにわずかな時間しかかからない);[2]PAA系SAP製品由来のアクリルアミドに起因する毒性の懸念;[3]SAPの生分解性の欠如は、これらの製品の寿命末期特性を低下させ、焼却または埋め立てによる処分の必要性をもたらす、を含む多数の課題を有する。これらの問題の規模は膨大であり、米国だけでの消費量は年間約300億枚の使い捨ておむつに相当する。
【0005】
これらの課題は、化石系SAPに対するある特定の生物系および/または生分解性代替物に業界を導いてきた。特に衛生用途のための、対象となるSAPの具体的な特性には、生理食塩水吸収(自由膨潤能力とも呼ばれる)、遠心分離機保持容量(CRC)、荷重下吸収(AUL)、ゲル流動透過性(GFP)、およびボルテックス速度(吸収速度の測定)が含まれる。しかしながら、セルロース系および/またはデンプン系ポリマーなどの、本発明より前に開発されたバイオ系および/または生分解性の代替物は、工業的使用についての複数の欠点を被ることが多く、例えば、多くは工業的規模で製造されておらず、多くの報告されるプロセスが非常に高く(例えば、高レベルのカルボジイミドおよび/またはN-ヒドロキシコハク酸イミド、ガンマ線照射等で架橋されたPGA)、ある特定および/または多く(例えば、デンプン系材料)が、不十分な流体保持(CRC)、不十分な荷重下吸収(AUL)、望ましくない色および臭気、および/または流体で過剰飽和した場合の「スライム」の滲出を含む機能性および/または性能に関する大きな課題を示す。例えば、以前商業化されたデンプン系SAP(Lysorb-220、AUL=6g/gおよびCRC=17g/g)は、PAA系SAPと比較した場合、不十分なAULおよびCRCを示した。
【0006】
ある特定の市販の化石燃料系SAPの特性を以下の表1に記載する。
【表1-1】

【表1-2】
【0007】
とりわけ、本開示は、これらの課題の認識を包含し、このような課題に対処するポリマー組成物およびその製品を提供する。例えば、いくつかの実施形態では、本開示は、商業的に製造および利用されるSAP、例えばおむつなどの衛生製品に利用されるPAA/PAMポリマーと比較して同等の特性を有するPGAポリマーを提供する。いくつかの実施形態では、提供されるPGAポリマーが架橋されており、工業的使用、特に衛生製品での使用に適した生分解性、分子量、自由膨潤能力、SFC(膨潤したポリマーが液体を通過させる能力)、強度、AUL、CRC、吸収速度、および/またはGFPなどの特性を有する。いくつかの実施形態では、本開示は、このようなPGAポリマーを製造するための技術を提供する。とりわけ、提供される製造技術は、低コストおよび/または低レベルの材料(例えば、架橋剤)を利用する、ならびに/あるいは高コスト設備(例えば、ガンマ線照射のためのもの)を必要とせず、従来のポリマーを調製するための多くの従来技術と比較して低コストでポリマー調製物を提供することができる。いくつかの実施形態では、本開示は、提供されるPGAポリマーを含む製造製品/物品(例えば、おむつなどの衛生製品)を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、ポリマーの分子量のSEC測定。様々なγ-PGA試料のトレースが示されている。
【0009】
図2図2は、手順Bを使用したある特定の結果。(A)ある特定の生データ。ある特定の標準のピーク:約12.3分で969000Da;約13.1分で504000Da;約14.5分で217000Da;約15.8分で99000Da。PGA-2.0のピークは約11.8分であり;PGA-1.1のピークは約14.3分であり(この具体的な図では217000Daのピークよりも高い);PGA-0.7のピークは約13.6分である。(B)ある特定の分子量結果。
【0010】
図3図3は、ある特定の生分解データ。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ある特定の定義の詳細な説明
提供される技術の1またはそれを超える態様を例示するために、ある特定の実施形態を例として本明細書に記載する。
【0012】
本開示では、特に指示しない限り、「a」、「an」、「the」、「少なくとも1つの」、および「1またはそれを超える」は、少なくとも1つの項目が存在することを示し;文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、複数のこのような項目が存在してもよい。「約」は、明言される数値がいくらかのわずかな不正確さを許容することを示す(値の正確さへのいくつかのアプローチで;値にほぼまたは合理的に近い;ほとんど)。「約」によって提供される不正確さが、この通常の意味で当技術分野において他の方法で理解されない場合、本明細書で使用される「約」は、少なくともこのようなパラメータを測定および使用する通常の方法から生じ得る変動を示す。さらに、範囲の開示は、全範囲内の全ての値およびさらに分割された範囲の開示を含む。「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(including)」、および「有する(having)」という用語は包括的であり、したがって、明言される特徴、整数、工程、操作、要素、または成分の存在を指定するが、1またはそれを超える他の特徴、整数、工程、操作、要素、成分、またはそれらの群の存在または追加を排除するものではない。本明細書で使用される場合、「または」という用語は、関連する列挙された項目のうちの1またはそれを超える数のありとあらゆる組み合わせを含む。
【0013】
γ-PGAという用語は、アミノ酸グルタミン酸(GA)のポリマーを指す。ガンマPGA、ポリ-γ-グルタミン酸、γ-PGAは、本明細書において互換的に使用される。「架橋」という用語は、ポリマー鎖間の共有結合またはポリマー鎖間のこのような共有結合架橋結合の形成を指す。共有結合は、炭素、窒素、酸素、硫黄等などの様々な原子間で形成され得る。いくつかの実施形態では、このような原子が、ヒドロキシル、チオール、アミノ、カルボキシル、エステル、エーテル、アミド、イミド、スルフィド等などの基にある。架橋剤は、一般に、ポリマー鎖間に架橋結合を形成することができる薬剤を指す。「水性系」という用語は、1またはそれを超える溶質または分散種を必要に応じて含む水性媒体を指す。水性系は、油中水型エマルジョンなどの多相組成物の水相であり得る。質量による重量パーセンテージ(質量による%重量または重量%または重量%)は、100倍グラム/グラム(100倍g/g)として計算される。生理食塩水は、本明細書で使用される場合、塩化ナトリウムの水溶液である。実施例で使用される場合、これは典型的には塩化ナトリウムの脱イオン水中0.9g/L溶液である。
【0014】
架橋PGA粒子は、酸性形態または塩形態で調製され得、カチオン種で中和され得る(アミノ酸カルボン酸側基は脱プロトン化され、アニオン形態である)。適切なカチオン種の例としては、それだけに限らないが、K、Na、NH4+、Ca2+、およびMg3+が挙げられる。酸性形態では、架橋PGA粒子は一般に膨潤度が低いが、水に容易に分散することができる。
【0015】
eビームは、電子ビーム照射を表すために使用される用語である。eビームは、電子ビーム加速器を使用して生成物(高エネルギー電子またはベータ粒子)を照射する。ガンマほど過酷ではなく、eビームは、ガンマが可能な密度の材料を透過することができない。ヒドロゲルは、典型的には、吸収性であるが溶液に可溶化しない材料を指す。吸収性は、材料、この場合はポリマーへの水の拡散として定義される。高吸収性は、自身の質量に対して、大量の液体(例えば、約20、約50、約100、約200、約300~最大約5000倍またはそれを超える)を吸収し、保持することができる。
【0016】
本開示によるポリマーを評価するために様々な技術が利用可能である。ある特定の有用な技術を以下に記載する。
【0017】
生理食塩水溶液における生理食塩水吸収または自由膨潤能力
【0018】
いくつかの実施形態では、有用なプロトコルが、ISO 17190-5:2001(E)に詳述されているプロトコルと同様である。手短に言えば、25~50mgの間の乾燥吸収性粉末をヒートシール性不織布袋[空袋重量(Wabe)、吸収性粉末を含む袋重量(Wab)を測定し、対照袋重量(W)を測定する]に入れ、生理食塩水溶液(脱イオン水中0.9%(すなわち9g/L)塩化ナトリウム)で完全に満たされた1Lビーカーに浸す。30分後、袋を生理食塩水溶液から取り出し、完全に吊るした状態で5分間排出させて、自由水分を排出させる。5分後、飽和袋を秤量し[(対照袋重量(Weh)および吸収性粉末を含む袋重量(Wabh)を測定する]、生理食塩水吸収を計算する。
【0019】
生理食塩水吸収(吸収された生理食塩水のg/吸収剤のg)は、以下のように計算される:
(Wabh-Wab-(Weh-W))/(Wab-Wabe
(式中、
abe=吸収性粉末を含まない不織布袋重量
ab=吸収性粉末を含む不織布袋重量
abh=生理食塩水に浸漬した後の吸収性粉末を含有する不織布袋重量
=対照の不織布袋重量
eh=生理食塩水への浸漬後の対照の不織布袋重量)
【0020】
遠心分離機保持容量
【0021】
このプロトコルは、ISO 17190-6:2001(E)に詳述されているプロトコルと同様である。手短に言えば、25~50mgの間の乾燥吸収性粉末をヒートシール性不織布袋(空袋重量;Wabeおよび吸収性粉末を含む袋重量;Wabを測定する)に入れ、生理食塩水(脱イオン水中0.9%(すなわち9g/L)塩化ナトリウム)で完全に満たされた1Lビーカーに浸す。30分後、不織布袋をビーカーから取り出し、遠心分離機バスケット(バスケット回転子を備えた遠心分離機)に入れる。適切な釣り合いのために、試料を含有する袋および対照を含有する袋は向かい合う。遠心分離機を運転して250gの遠心加速度を達成し、それを3分間維持する。遠心分離機のスイッチを切り、遠心分離機が停止した後に袋を取り出す。この後、袋の重量を記録する(Wabh)。同様の手順を空袋でも実施する(WおよびWehはそれぞれ水に浸漬する前および後の袋の重量に対応する)。CRC(吸収された生理食塩水のg/吸収剤のg)を以下のように計算する:
(Wabh-Wab-(Weh-W))/(Wab-Wabe
【0022】
荷重下吸収(AUL)
【0023】
実施例および比較実施例のポリマーについて、荷重下での吸収性を、EDANA法WSP 242.2およびISO 17190-7に従って測定した。具体的には、ポリマーを30~60の間のメッシュサイズにふるい分けする。0.90g、(A)のポリマーをAULシリンダ装置上に均一に分配する;0.3または0.7または0.9psiの重量を有するプランジャをその上に置き、装置全体の重量を測定した(B)。装置を(脱イオン水中0.9%(すなわち9g/L)塩化ナトリウム)に入れ、溶液中で60分間静置した。60分後、装置を取り出し、再度重量を測定した(C)。得られた質量を使用して、以下の式に従ってAUL(g/g)を計算した:AUL(g/g)=(C-B)/A[式2]。式中、Aは吸収性ポリマーの重量(g)であり、Bは吸収性ポリマーを添加した後のAUL集合体の重量であり、Cは生理食塩水中で60分間膨潤した後のAUL集合体の重量である。
【0024】
生理食塩水流動伝導率
【0025】
生理食塩水流動伝導率(SFC)を使用して、SAP材料がおむつ繊維などの媒体を通して液体をどれだけ良好に移動させるかを示すことができる。いくつかの実施形態では、これは、荷重下で生理食塩水溶液を吸収し、それによって膨潤する水性液体吸収剤中に形成されたゲル層の透過性の測定として利用される。ダルシーの法則および定常流法(例えば、「Absorbency」、P.K.Chatterjee編、Elsevier 1985、42-43頁ならびにChemical Engineering、第II巻、第3版、J.M.CoulsonおよびJ.F.Richarson、Pergamon Press、1978、125-127頁を参照する)を使用して、試験は、荷重を受けている飽和コアSAP試料を通過する生理食塩水の流量を測定する。本明細書において、生理食塩水は、脱イオン水中0.9%(すなわち9g/L)塩化ナトリウムである。生理食塩水流動伝導率は、例えば、米国特許出願公開第2009-0131255号および米国特許第8420567号の第16段の段落[0184]~[0189]に開示されている方法に従って測定することができる。
【0026】
吸収速度(FSR:自由膨潤速度とも呼ばれる)
【0027】
自由膨潤速度(FSR)は、吸収性試料の膨潤能力対時間のプロファイルを示すために利用され得る。いくつかの実施形態では、これは、連続時間間隔で上記の自由膨潤能力測定を実施することによって得られる。
【0028】
ボルテックス法(吸収速度)
【0029】
ボルテックス法は、SAP吸収速度を評価するための迅速かつ簡単な方法である。生理食塩水溶液(50mLの脱イオン水中9g/L塩化ナトリウム)を100mLビーカーに注ぎ入れ、その温度を25℃で調整する。これを、マグネチックスターラー(スターラーバーの長さ400mm)を使用して600rpmで撹拌する。ボルテックスの底は、撹拌バーの上部付近にあるべきである。生理食塩水溶液を撹拌しながら、試験する高吸収性材料(2グラム)を生理食塩水溶液に素早く注ぎ入れ、ストップウォッチを開始する。試験する高吸収性材料は、ボルテックスの中心とビーカーの側面との間で生理食塩水溶液に添加されるべきである。生理食塩水溶液の表面が平坦になった時点でストップウォッチを停止し、時間を記録する。秒単位で記録された時間が、吸収速度として報告される。
【0030】
分子量
【0031】
分子量は、本開示によるいくつかの技術によって評価され得る。いくつかの実施形態では、本開示の分子量が、以下に記載される技術を使用して測定される。いくつかの実施形態では、本開示は、以下に記載される方法を使用して測定される、様々な分子量、例えば約0.5MMまたはそれを超える、約0.6MMまたはそれを超える、約0.7MMまたはそれを超える、約0.8MMまたはそれを超える、約0.9MMまたはそれを超える、約1MMまたはそれを超える、約1.5MMまたはそれを超える分子量を有するPGAポリマーを提供する。いくつかの実施形態では、PGAポリマーが架橋されている。実施例で実証されるように、様々な提供されるポリマー組成物は、多くの場合、例えばおむつなどの衛生製品に商業的に利用されるものと同等であるかまたはそれよりも良好な適切な特性を実証する。
【0032】
固有粘度
【0033】
分子量の固有粘度決定は、ポリマーが溶解している溶媒の粘度を増加させることに依存する。この増加は、ポリマーの分子量を決定する簡便な方法を可能にする。粘度法は、狭い分子量分布を有する既知の分子量の標準によって較正されることが多い。特定の溶媒中で測定された固有粘度は、Mark-Houwink方程式によって分子量(M)に関連付けられる。
[η]=K M
(式中、Kおよびaは、ポリマーの種類、溶媒、および粘度測定の温度に依存するMark-Houwink定数である)。指数「a」はポリマー幾何学の関数であり、0.5から2.0まで変化する。Mark-HouwinkパラメータaおよびKの値は、特定のポリマー-溶媒系に依存する。溶媒について、a=0.8の値は、シータ溶媒を示す。a=0.8の値は、良溶媒の典型である。最も柔軟性のポリマーでは、0.5<a<0.8である。半柔軟性ポリマーでは、a>0.8である。剛性棒状ポリマーは、典型的にはa=2.0を有する。
【0034】
これらの定数は、分子量が独立した方法(すなわち、浸透圧または光散乱)によって決定されたいくつかのポリマー試料の固有粘度を測定することによって実験的に決定することができる。ポリマー標準を使用すると、log [η]対log Mのプロットは、通常、直線を与える。この線の傾きは「a」値であり、Y切片は「K」値のlogに等しい。
【0035】
ゲル浸透クロマトグラフィーなどのサイズ排除クロマトグラフィーでは、ポリマーの固有粘度がポリマーの溶出量に直接関連する。したがって、ポリマーのいくつかの単分散試料をゲル浸透クロマトグラフ(GPC)で実行することによって、Kおよびaの値を最良適合線を使用してグラフで決定することができる。次いで、分子量と固有粘度の関係を定義する。
【0036】
また、特定の溶媒中の2つの異なるポリマーの分子量は、ポリマー-溶媒系が同じ固有粘度を有する場合、Mark-Houwink方程式を使用して関連付けることができる。ポリマーの一方のMark-Houwinkパラメータおよび分子量を知ることにより、GPCを使用して他方のポリマーの分子量を見出すことが可能になる。GPCはポリマー鎖を体積で選別し、固有粘度はポリマー鎖の体積に関連するため、GPCデータは2つの異なるポリマーについて同じである。例えば、GPC較正曲線がトルエン中ポリスチレンについて知られている場合、トルエン中ポリエチレンをGPCで実行することができ、ポリエチレンの分子量は、上記の方程式を介してポリスチレン較正曲線に従って求めることができる。
【0037】
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)
【0038】
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)は、PGAを含むポリマーの分子質量を決定するために一般的に使用される方法である。GPCは、様々な移動相を使用し、多様な分子質量の標準(Birrerら、1994)に対して較正する。数平均分子質量(Mn)、重量平均分子質量(Mw)および多分散度(Mw/Mn)を含むパラメータを、溶出時間の関数として、および標準との比較として測定する。実験的には、PGA溶液をGPCに注入する。PGAを、屈折計を使用して検出して、分子サイズ分布および溶出時間についての典型的なクロマトグラムを得る。見かけの分子サイズは、典型的には、近似標準マーカーとしてポリエチレンオキシドを使用して推定される。
【0039】
MWの測定の例示的な説明を以下に記載する:γ-PGAの濃度および分子量をGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)法によって決定する。手短に言えば、γ-PGAの定量分析を、TSK Gel G6000 PWXLゲル浸透クロマトグラムカラム(7.8mm×300mm、Tosoh、東京、日本)を使用して高速液体クロマトグラフィー(Agilent、米国)によって行う。試料を0.5mL/分の流量で25mmol L-1硫酸ナトリウム溶液:アセトニトリル(8:1)の混合物により溶出し、220nmで検出する。ピーク面積標準曲線によってγ-PGA濃度を計算し、保持時間によってγ-PGAの分子量を推定した。
【0040】
HPLC(SEC)
【0041】
HPLC、例えばサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)は、ポリマーの分子量を測定するために一般的に使用される別の技術である。これは、典型的には、分析物の溶出量を利用して分子量を推定する。サイズ排除クロマトグラフィーは、分子の見かけのサイズに基づく分子の分離を可能にする。いくつかの実施形態では、これは、特に様々な条件下でいくつかの立体配座を有することが知られているγ-PGAにとって重要である。例えば、γ-PGAは、水性環境におけるその分子の見かけのサイズに寄与するいくつかの分子内および分子間相互作用を有する。いくつかの実施形態では、γ-PGA検出を改善するための条件が、わずかに酸性のγ-PGAの希釈溶液を含み、これは、検出の改善を可能にするために溶液内の分子の適切な分離および直線化を可能にし得る。
【0042】
実施例1で詳述されるのは、γ-PGAのMWを決定するためのこの方法の実施である。タンパク質が球状でないか、または非理想的なカラム相互作用を受ける場合、タンパク質標準に基づく較正曲線は無効であり、溶出量から決定される分子量は正しくないが、相対分子量決定は残ることに留意することが重要である。
【0043】
SEC-MALS
【0044】
いくつかの実施形態では、多角度光散乱(MALS)が、基本的な物理方程式から溶液中の分析物の分子量を決定する絶対的な技術である。いくつかの実施形態では、分離用のSECと分析用のMALSの組み合わせが、1またはそれを超える分子の溶液を特徴付けるための汎用的で信頼性の高い手段を構成する。測定は各溶出量で実施されるため、SEC-MALSは、溶出ピークが均一であるか不均一であるかを決定し、固定した分子量分布と動的平衡を区別することができる。SEC-MALSのためのこのプロトコルは、純粋なタンパク質モノマーおよび凝集体の分子量およびサイズを分析する。MWを測定する例示的な説明を以下に記載する:https://www.jove.com/video/59615/characterization-proteins-size-exclusion-chromatography-coupled-to
【0045】
電気泳動
【0046】
電気泳動アッセイにおいて、PGAは、メチレンブルーおよびアルシアンブルーなどの塩基性色素で染色することによってSDS-PAGEゲル上の尾を引いたバンドとして可視化することができ、これはPGAの分子サイズ分布と相関する。サイズ分布プロファイルは、デンシトメトリー系を使用して得ることができる。その単純さのために、SDS-PAGEアッセイは、GPCアッセイよりも有意に簡便であり得るが、例えば2000kDaを超える分子サイズを有するPGAの分析ではあまり正確ではない場合がある。
【0047】
MWを測定する例示的な説明を以下に記載する:SDS-PAGEをLaemmli法によって行う。精製γ-PGAをSDS-試料緩衝液(2% SDS、30%グリセロール、0.25Mトリスヒドロキシアミノメタン、pH6.8)と混合し、2分間煮沸する。10uLの試料溶液を4~15%勾配アクリルアミドスラブゲル(Daiichi Pure Chemicals Ltd.、東京、日本)に入れる。適切な分子量標準タンパク質もゲル上の別個のレーンにロードする。電気泳動を1レーン当たり1mAの電流で1時間行う。その後、ゲルを60%エタノールで固定し、蒸留水で十分に洗浄してSDSを除去する。3%酢酸で平衡化した後、ゲルを塩基性色素で染色する。各塩基性色素溶液は、3%酢酸に0.5%の濃度で可溶化することによって調製した。過剰な色素を3%酢酸で数回洗い流して、適切な染色像を得る。ゲル上のPGAの相対バンド位置と、既知の分子量の標準タンパク質(参照として使用される)のバンド位置との比較が、PGAの分子量およびその分布の決定につながる。
【0048】
化学アッセイ
【0049】
典型的には、PGAの分子は、結合数に関係なく1つの末端遊離アミノ基を有し、PGAのアミノ基とグルタミル残基との間の数の比は、平均分子質量(または重量)と一致する。有用な方法では、1-フルオロ-2,4-ジニトロベンゼン(FDNB)を使用して、FDNB溶液中でのインキュベーション、引き続いて酸性条件下、高温でのポリアミド加水分解によってPGAをN-ジニトロフェニル(DNP)-PGAに変換する。得られたDNP-グルタメートおよび遊離グルタメートモノマーを、それぞれ比色法およびHPLCアッセイによって決定する。PGAの平均分子質量(または重量)は、式(1)(式中、係数129は、1つのグルタミル残基の分子質量(または重量)に対応する)を使用して推定される。
平均分子質量=129×グルタミル残基数/アミノ基数(式1)
【0050】
核磁気分光法
【0051】
H-および13C-NMR分光法を使用して、架橋PGAの架橋の均一性および程度を決定することができる(例えば、エステル基の形成によって架橋されたPGAのエステル化を測定することを通して)(Birrerら、1994;Borbelyら、1994)。得られたNMRスペクトルからの化学シフトを、既知の標準と比較して測定することができる。
【0052】
ある特定の実施形態の詳細な説明
【0053】
とりわけ、本開示は、様々な制御された特性、例えば生分解性、分子量、自由膨潤能力、SFC(膨潤したポリマーが液体を通過させる能力)、強度、AUL、CRC、吸収速度、および/またはGFP等を有するPGAポリマーであって、ある特定の工業的使用のための吸収剤として特に有用であるポリマーを提供する。いくつかの実施形態では、提供されるPGAポリマーが、おむつなどの衛生製品を製造するのに特に有用である。いくつかの実施形態では、本開示は、提供されるPGAポリマーを含む製造製品、例えば、おむつなどの衛生製品を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、提供されるPGAポリマーおよびその製品を製造する方法、ならびに提供されるポリマーおよび製品の様々な使用を提供する。
吸収性ポリマー
【0054】
いくつかの実施形態では、本開示は、吸収剤として有用な様々なポリマーを提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載されるある特定のMW、例えば約0.001MMまたはそれを超えるMWのPGA分子が濃縮されたPGAポリマー組成物を提供する。
【0055】
いくつかの実施形態では、提供されるポリマー組成物が、約0.001MM(百万)またはそれを超えるMWを有するPGA分子が濃縮されている。いくつかの実施形態では、提供されるポリマー組成物が、約0.01MMまたはそれを超えるMWを有するPGA分子が濃縮されている。いくつかの実施形態では、提供されるポリマー組成物が、約0.1MMまたはそれを超えるMWを有するPGA分子が濃縮されている。いくつかの実施形態では、提供されるポリマー組成物が、約0.2MMまたはそれを超えるMWを有するPGA分子が濃縮されている。いくつかの実施形態では、提供されるポリマー組成物が、約0.3MMまたはそれを超えるMWを有するPGA分子が濃縮されている。いくつかの実施形態では、提供されるポリマー組成物が、約0.4MMまたはそれを超えるMWを有するPGA分子が濃縮されている。いくつかの実施形態では、提供されるポリマー組成物が、約0.5MMまたはそれを超えるMWを有するPGA分子が濃縮されている。いくつかの実施形態では、提供されるポリマー組成物が、約0.6MMまたはそれを超えるMWを有するPGA分子が濃縮されている。いくつかの実施形態では、提供されるポリマー組成物が、約0.7MMまたはそれを超えるMWを有するPGA分子が濃縮されている。いくつかの実施形態では、提供されるポリマー組成物が、約0.8MMまたはそれを超えるMWを有するPGA分子が濃縮されている。いくつかの実施形態では、提供されるポリマー組成物が、約0.9MMまたはそれを超えるMWを有するPGA分子が濃縮されている。いくつかの実施形態では、提供されるポリマー組成物が、約1MMまたはそれを超えるMWを有するPGA分子が濃縮されている。
【0056】
いくつかの実施形態では、本開示は、それぞれ独立して酸、塩、エステル、またはアミド形態の複数のPGA分子を含み、複数のPGA分子がそれぞれ独立して、約0.001MMまたはそれを超える分子量を有する、PGA組成物を提供する。いくつかの実施形態では、分子量が約0.1MMまたはそれを超える。いくつかの実施形態では、分子量が約0.2MMまたはそれを超える。いくつかの実施形態では、分子量が約0.3MMまたはそれを超える。いくつかの実施形態では、分子量が約0.4MMまたはそれを超える。いくつかの実施形態では、分子量が約0.5MMまたはそれを超える。いくつかの実施形態では、MWが約0.6MMまたはそれを超える。いくつかの実施形態では、MWが約0.7MMまたはそれを超える。いくつかの実施形態では、MWが約0.8MMまたはそれを超える。いくつかの実施形態では、MWが約0.9MMまたはそれを超える。いくつかの実施形態では、MWが約1MMまたはそれを超える。いくつかの実施形態では、MWが約0.7~5MMである。いくつかの実施形態では、MWが約0.7~3MMである。
【0057】
様々な実施形態では、ある特定のMW(例えば、約0.5MMまたはそれを超える、約0.7MMまたはそれを超える、約1.0MMまたはそれを超える)を有するPGA分子および/または複数のPGA分子が、PGAポリマー組成物の約または少なくとも約5重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、80重量%、85重量%、90重量%、95重量%またはそれを超える重量%である。様々な実施形態では、ある特定のMW(例えば、約0.5MMまたはそれを超える、約0.7MMまたはそれを超える、約1.0MMまたはそれを超える)を有するPGA分子および/または複数のPGA分子が、PGAポリマー組成物の約5mol%、10mol%、15mol%、20mol%、25mol%、30mol%、35mol%、40mol%、45mol%、50mol%、55mol%、60mol%、65mol%、70mol%、75mol%、80mol%、85mol%、90mol%、95mol%またはそれを超えるmol%である。いくつかの実施形態では、提供される組成物が、低レベル(例えば、約5%~50%未満、約または約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、もしくは50%重量%もしくはmol%未満)の、分子量が約0.5MM、0.4MM、0.3MM、0.2MM、0.1MMまたは0.05MM以下であるPGA分子を有する。
【0058】
いくつかの実施形態では、分子量について測定した場合、ポリマー(典型的には、異なるMWを有するポリマー分子の混合物の組成物である)が、少なくとも0.001Mの分子量を実証し得る。いくつかの実施形態では、分子量が約0.2MMまたはそれを超える。いくつかの実施形態では、分子量が約0.3MMまたはそれを超える。いくつかの実施形態では、分子量が約0.4MMまたはそれを超える。いくつかの実施形態では、分子量が約0.5MMまたはそれを超える。いくつかの実施形態では、MWが約0.6MMまたはそれを超える。いくつかの実施形態では、MWが約0.7MMまたはそれを超える。いくつかの実施形態では、MWが約0.8MMまたはそれを超える。いくつかの実施形態では、MWが約0.9MMまたはそれを超える。いくつかの実施形態では、MWが約1MMまたはそれを超える。いくつかの実施形態では、MWが約0.7~5MMである。いくつかの実施形態では、MWが約0.7~3MMである。
【0059】
ポリマー組成物またはその一部(例えば、PGA分子)の分子量は、本明細書に記載される様々な技術によって評価することができる。いくつかの実施形態では、異なる方法からの同じ組成物のMWが異なっていることがある。多くの実施形態では、MWが架橋前に評価される。
【0060】
いくつかの実施形態では、MWがMn(数平均分子量)であるか、またはこれに近い。いくつかの実施形態では、MWがMw(重量平均分子質量)であるか、またはこれに近い。いくつかの実施形態では、MWがMp(ピーク極大の分子量)であるか、またはこれに近い。いくつかの実施形態では、提供されるポリマー組成物が、約1.1~10の分散度を有する。いくつかの実施形態では、分散度が約1.1である。いくつかの実施形態では、分散度が約1.2である。いくつかの実施形態では、分散度が約1.3である。いくつかの実施形態では、分散度が約1.4である。いくつかの実施形態では、分散度が約1.5である。いくつかの実施形態では、分散度が約2である。いくつかの実施形態では、分散度が約2.5である。いくつかの実施形態では、分散度が約3である。いくつかの実施形態では、分散度が約3.5である。いくつかの実施形態では、分散度が約4である。いくつかの実施形態では、分散度が約5である。いくつかの実施形態では、分散度が約7である。いくつかの実施形態では、分散度が約10である。
【0061】
いくつかの実施形態では、PGAがα-PGAである。いくつかの実施形態では、PGAがγ-PGAである。いくつかの実施形態では、PGAが、1またはそれを超える-NH-CH(CHCHCOOH)-C(O)-単位(独立して、酸、塩、エステルまたはアミド形態)および/または1またはそれを超える-NH-CH(COOH)CHCH-C(O)-単位(独立して、酸、塩、エステルまたはアミド形態)を含む。いくつかの実施形態では、本開示は、独立して構造-[NH-CH(COR’)CHCHCO]p-(式中、
各pは独立して、約1~100000であり、
各R’は独立して、ORまたは-N(R)であり、各Rは独立して、-H、またはC1~10脂肪族、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される1~5個のヘテロ原子を有するC1~10複素脂肪族、C6~10アリール、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される1~5個のヘテロ原子を有するC5~10ヘテロアリール、ならびに窒素、酸素および硫黄から独立して選択される1~5個のヘテロ原子を有するC3~10ヘテロシクリルから選択される必要に応じて置換された基である;あるいは窒素原子上の2つのR基が一緒になって、窒素原子に加えて0~5個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換された3~10員環を形成する)
またはその塩形態の1またはそれを超える単位を含むPGA組成物であって、
複数のPGA分子がそれぞれ独立して、本明細書に記載されるように約0.001MMまたはそれを超える分子量を有する、組成物を提供する。
【0062】
いくつかの実施形態では、pが約または少なくとも約10、50、100、150、200、250、300、400、500、1000、2000、5000、10000、20000、50000、または100000である。
【0063】
いくつかの実施形態では、R’が-ORである。いくつかの実施形態では、R’が-OHである。いくつかの実施形態では、R’が-NHである。いくつかの実施形態では、1またはそれを超える-COOHが独立して塩形態、例えばNa、K、Ma、Ca塩形態で存在する。
【0064】
いくつかの実施形態では、提供されるポリマー、例えばPGAが架橋されている。
【0065】
とりわけ、提供されるポリマーおよび組成物は、いくつかの特性/性能特徴を有し、例えばおむつなどの衛生製品におけるSAPとしての使用に特に有用である。いくつかの実施形態では、提供されるポリマーおよび組成物が、以下に記載される1またはそれを超えるまたは全ての特性/性能特徴を示す。とりわけ、ポリマーおよび/または組成物は、このような特性/特徴について選択される、および/または以下に記載される1またはそれを超えるまたは全ての特性/性能特徴を示すポリマー分子が濃縮されている
【0066】
いくつかの実施形態では、提供されるポリマーが、例えば、生理食塩水を使用したボルテックス法によって測定した場合に、約100、90、80、70、60、または50秒未満の吸収時間を有する。いくつかの実施形態では、これが約90秒未満である。いくつかの実施形態では、これが約60秒未満である。いくつかの実施形態では、これが約50秒未満である。いくつかの実施形態では、これが約40秒未満である。いくつかの実施形態では、これが約30秒未満である。
【0067】
さらにまたはあるいは、提供されるポリマーおよび組成物は、様々な条件下で、例えばSAPとして有効に利用することができるように、高いAULを提供することができる。いくつかの実施形態では、提供されるポリマー、組成物、調製物等が、圧力下で約10またはそれを超える(例えば、10~50、約10~40、約12~40、約15~40、約または少なくとも約10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49または50)g/gのAULを有する。いくつかの実施形態では、圧力が0.3psiである。いくつかの実施形態では、AULが、0.3psi下で約12~40g/g(例えば、約12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39または40)である。いくつかの実施形態では、AULが、0.3psi下で約20またはそれを超える(例えば、約20~50、約20~40、約または少なくとも約20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、または50)g/gである。いくつかの実施形態では、AULが、0.7psi下で約10またはそれを超える(例えば、約10~40、約または少なくとも約10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49または50)g/gである。いくつかの実施形態では、AULが、0.7psi下で約15またはそれを超える(例えば、約15~40、約または少なくとも約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49または50)g/gである。いくつかの実施形態では、AULが、0.9psi下で約10またはそれを超える(例えば、約10~40、約10~30、約または少なくとも約10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、または50)g/gである。いくつかの実施形態では、AULが、生理食塩水(例えば、0.9%または9g/L生理食塩水)を使用して測定される。いくつかの実施形態では、AULがISO 17190-6に従って測定される。いくつかの実施形態では、AULが、ISO 17190-7に従って生理食塩水(例えば、0.9%または9g/L生理食塩水)を使用して測定される。いくつかの実施形態では、同等または同一の条件下で、おむつに利用される従来の市販のポリマー(例えば、PAA)が、約10~25g/gのAUL値を示す。いくつかの実施形態では、AULが、生理食塩水を使用して0.7psi下で約15またはそれを超える(例えば、15~35、約または少なくとも約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、または50)g/gであり、PAAポリマーが、同じまたは同等の条件下で約11~25g/g(いくつかの実施形態では、17g/gが本出願人によって観察された)の値を示す。いくつかの実施形態では、提供される技術が、尿などの体液について本明細書に記載されるAUL値を示す。いくつかの実施形態では、AULが、ISO 17190-7または同等のプロトコルに従って評価される。
【0068】
さらにまたはあるいは、提供されるポリマーおよび組成物は、様々な条件下で、例えばSAPとして有効に利用することができるように、高いCRCを提供することができる。いくつかの実施形態では、提供されるポリマー、組成物、調製物が、本明細書に記載される条件下で、生理食塩水を使用して、約15またはそれを超える(例えば、15~50、約15~40、約または少なくとも約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49または50)g/gのCRC値を有する。いくつかの実施形態では、おむつに利用される従来の市販のポリマー(例えば、PAA)が、本明細書に記載されるCRC値を示す。いくつかの実施形態では、提供される技術が、尿などの体液について本明細書に記載されるCRC値を示す。いくつかの実施形態では、CRCが、ISO 17190-6または同等のプロトコルに従って評価される。
【0069】
さらにまたはあるいは、提供されるポリマーおよび組成物は、様々な条件下で、例えばSAPとして有効に利用することができるように、高い吸収速度を提供することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される条件下で、ボルテックス評価の時間が、約90、80、70、60、50、40、または30秒以下である。いくつかの実施形態では、これが約90秒以下である。いくつかの実施形態では、これが約80秒以下である。いくつかの実施形態では、これが約70秒以下である。いくつかの実施形態では、これが約60秒以下である。いくつかの実施形態では、これが約50秒以下である。いくつかの実施形態では、これが約45秒以下である。いくつかの実施形態では、これが約35秒以下である。いくつかの実施形態では、これが約40秒以下である。いくつかの実施形態では、これが約30秒以下である。いくつかの実施形態では、提供される技術が、尿などの体液について本明細書に記載される吸収速度値を示す。
【0070】
さらにまたはあるいは、提供されるポリマーおよび組成物は、様々な条件下で、例えばSAPとして有効に利用することができるように、高い吸収能力を提供することができる。いくつかの実施形態では、提供されるポリマー、組成物、調製物等が、約20またはそれを超える(例えば、約20~60、20~50、約または少なくとも約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49または50)g/gである流体吸収を有する。いくつかの実施形態では、流体が生理食塩水(例えば、0.9%または9g/L)である。いくつかの実施形態では、流体が体液である。いくつかの実施形態では、流体が尿である。いくつかの実施形態では、吸収、例えば生理食塩水吸収が、ISO 17190-5または同等のプロトコルに従って評価される。
【0071】
さらにまたはあるいは、提供されるポリマーおよび組成物は、様々な条件下で、例えばSAPとして有効に利用することができるように、適切な強度および/または安定性を提供することができる。いくつかの実施形態では、強度および/または安定性が、おむつなどの衛生製品に利用するのに十分である。いくつかの実施形態では、その合理的な商品寿命において、提供されるポリマーおよび組成物が、従来のポリマーおよび組成物、例えばPAAポリマーおよび組成物と比較して同等のまたはより良好な強度および/または安定性を示す。いくつかの実施形態では、提供されるポリマーおよび組成物が、多くのデンプン系SAPが被る「スライム」および/または「ブリード」現象が実質的にない、または有意に低いレベルである。
【0072】
さらにまたはあるいは、提供されるポリマーおよび組成物は、様々な条件下で、例えばSAPとして有効に利用することができるように、高い流動伝導率を提供することができる。いくつかの実施形態では、提供されるポリマー、組成物、調製物が、例えば、本明細書に示される生理食塩水流動伝導率(SFC)試験によって決定した場合、約10~50、例えば、約10~40、約10~30、約10~20、約10、約15、×10-7cm秒g-1の生理食塩水流動伝導率を有する。
【0073】
とりわけ、本開示の技術(例えば、ポリマー、組成物、調製物、製品等)は、PAA系SAPなどの多くの市販のSAPと比較して、分解性、例えば生分解性の利点を提供する。いくつかの実施形態では、分解性が、OECD 31-Bのプロトコルまたは同等の条件に従って測定される。いくつかの実施形態では、ポリマーの約90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、15%、10%または5%以上が28日間にわたって分解する。
【0074】
いくつかの実施形態では、提供される技術が、例えば、14C、13C、および/または14C/13C同位体比(例えば、ASTM D 6866法を通して)のレベルによって決定されるように、再生可能材料から調製することができる。
【0075】
いくつかの実施形態では、提供される技術(例えば、ポリマー、組成物、調製物、製品等)が、様々な粒径として提供され得る。いくつかの実施形態では、粒径が、約30~1000、約100~1000、約200~1000、約230~1000、約200~900、約200~800、約200~700、約200~600、例えば、約もしくは少なくとも約50、100、150、200、250、300、400、500、600、700、800、900、もしくは1000、または約500、600、700、800、900、もしくは1000ミクロン以下である。いくつかの実施形態では、提供される技術の粒子のレベル、例えば、約50%~95%、約60%~95%、約70%~95%、約75~95%、約80%~95%、約85~95%、約または少なくとも約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%が、例えば、約30~1000、約100~1000、約200~1000、約230~1000、約200~900、約200~800、約200~700、約200~600、例えば、約もしくは少なくとも約50、100、150、200、250、300、400、500、600、700、800、900、もしくは1000、または約500、600、700、800、900、もしくは1000ミクロン以下の径を有する粒子である。いくつかの実施形態では、組成物の約80~95%が、約150~約600ミクロンの径を有する粒子である。いくつかの実施形態では、組成物の約40~80%が、300~600ミクロンの間の粒子である。いくつかの実施形態では、パーセンテージが重量パーセンテージである。いくつかの実施形態では、パーセンテージが粒子数パーセンテージである。いくつかの実施形態では、径が、US標準メッシュスクリーンを通したスクリーニングによって測定される。
【0076】
いくつかの実施形態では、提供される技術(例えば、ポリマー、組成物、調製物、製品等)が、低レベル(例えば、約5%~50%未満、約または約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、もしくは50%重量%もしくはmol%未満)のある特定の実体を有する。いくつかの実施形態では、パーセンテージが、約または約50重量および/またはモル%未満である。いくつかの実施形態では、パーセンテージが、約または約40重量および/またはモル%未満である。いくつかの実施形態では、パーセンテージが、約または約30重量および/またはモル%未満である。いくつかの実施形態では、パーセンテージが、約または約20重量および/またはモル%未満である。いくつかの実施形態では、パーセンテージが、約または約10重量および/またはモル%未満である。いくつかの実施形態では、パーセンテージが、約または約5重量および/またはモル%未満である。いくつかの実施形態では、パーセンテージが、約または約4重量および/またはモル%未満である。いくつかの実施形態では、パーセンテージが、約または約3重量および/またはモル%未満である。いくつかの実施形態では、パーセンテージが、約または約2重量および/またはモル%未満である。いくつかの実施形態では、パーセンテージが、約または約1重量および/またはモル%未満である。いくつかの実施形態では、技術が、低レベルの、分子量が約0.5MM、0.4MM、0.3MM、0.2MM、0.1MM、または0.05MM以下であるPGA分子を有する。いくつかの実施形態では、技術が、低レベルのアクリル酸および/またはアクリルアミド成分を有するか、または実質的に含まない。いくつかの実施形態では、提供される技術が、低レベルのポリアクリル酸(PAA;-[CH-CH(COR’)]n-またはその塩形態)単位(式中、nは約1~10MMである)を有するか、または実質的に含まない。いくつかの実施形態では、提供される技術が、低レベルの、1またはそれを超えるポリグルタミン酸(-[NH-CH(COR’)CHCH-CO]p-またはその塩形態)単位と共重合したポリアクリル酸(PAA;-[CH-CH(COR’)]n-またはその塩形態)単位(式中、nおよびpの各々は独立して、約1~10MMである)を有するか、または実質的に含まない。いくつかの実施形態では、提供される技術が、低レベルのポリアクリルアミド(PAM;-[CH-CH(CON(R))]m-)単位(式中、mは約1~10MMである)を有するか、または実質的に含まない。いくつかの実施形態では、提供される技術が、低レベルの、1またはそれを超えるポリグルタミン酸(-[NH-CH(COR’)CHCH-CO]p-またはその塩形態)単位と共重合したポリアクリルアミド(PAM;-[CH-CH(CON(R))]m-)単位(式中、mおよびpの各々は独立して、約1~10MMである)を有するか、または実質的に含まない。いくつかの実施形態では、提供される技術が、低レベルのポリアクリル酸-アクリルアミド(-[[CH-CH(COOH)]n--[CH-CH(CON(R))]m]t-またはその塩形態)単位(式中、n、mおよびtの各々は独立して、約1~10MMである)を有するか、または実質的に含まない。いくつかの実施形態では、提供される技術が、低レベルの、1またはそれを超えるポリグルタミン酸(-[NH-CH(COR’)CHCH-CO]p-またはその塩形態)単位と共重合したポリアクリル酸-アクリルアミド(-[[CH-CH(COOH)]n--[CH-CH(CON(R))]m]t-またはその塩形態)単位(式中、mおよびpの各々は独立して、約1~10MMである)を有するか、または実質的に含まない。いくつかの実施形態では、nが、約または少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、300、400、または500である。いくつかの実施形態では、mが、約または少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、300、400、または500である。いくつかの実施形態では、tが、約または少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、300、400、または500である。いくつかの実施形態では、提供されるポリマー、組成物、調製物等が、低レベルの、培養培地(例えば、細菌用のもの)で典型的に使用される多糖、糖、および/またはアミノ酸等を有するか、または実質的に含まない。
【0077】
いくつかの実施形態では、本発明は、約15g/gまたはそれを超えるCRC、約12g/gまたはそれを超え0.3psi下でのAUL、約10g/gまたはそれを超える0.7psi下でのAUL、約90秒またはそれを超えるボルテックス速度、および本明細書に示される生理食塩水流動伝導率(SFC)試験によって決定される約15×10-7cm秒g-1の生理食塩水流動伝導率を有する、γ-ポリグルタミン酸(γ-PGA)の生分解性ポリマーに基づく吸収剤に関する。
製造
【0078】
提供されるポリマー、組成物、調製物等は、本開示による様々な技術を利用して製造され得る。例えば、いくつかの実施形態では、提供される技術が、グルタミン酸モノマー単位(例えば、グルタミン酸、またはその塩、エステルもしくはアミドとして)の重合を含む。いくつかの実施形態では、重合が、生物学的に、例えば、適切な条件下、培養物(例えば、細菌培養物)中で実施される。いくつかの実施形態では、重合が化学反応器中で実施される。いくつかの実施形態では、重合が、例えば、特性および/または性能特徴を有するポリマー分子を濃縮するための意図的な制御のない参照条件と比較して、本明細書に記載される特性および/または性能特徴を有するポリマー分子が濃縮された調製物を提供することができるように実施される。いくつかの実施形態では、調製物が精製される。いくつかの実施形態では、調製物が、本明細書に記載される特性および/または性能特徴を有するポリマー分子が濃縮されている。
【0079】
いくつかの実施形態では、ポリマー、例えばPGAが、微生物、例えば細菌から調製される。いくつかの実施形態では、微生物が、本明細書に記載されるポリマー、組成物、および/または調製物を製造するために操作および/または最適化され得る、1もしくはそれを超えるバチルス属(Bacillus)種であるか、またはこれを含む。
【0080】
いくつかの実施形態では、提供されるポリマー、組成物、調製物等が、再生可能な供給原料から調製される。いくつかの実施形態では、供給原料がデキストロースであるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、供給原料が前処理されたリグノセルロースであるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、供給原料がグリセロールであるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、供給原料が、グルタミン酸もしくはその塩、エステルもしくはアミドであるか、またはこれを含む。
【0081】
いくつかの実施形態では、本開示は、
PGA組成物を用意することと;
PGA組成物を架橋剤で架橋させることと
を含む方法を提供する。
【0082】
いくつかの実施形態では、PGA組成物が、本明細書に記載される特性を有する、例えば、本明細書に記載されるMW、分布等を有する。いくつかの実施形態では、PGA組成物が、PGAを含む培養物、例えば細菌培養物である。いくつかの実施形態では、架橋が、PGA組成物を架橋剤、例えばポリグリシジルエーテルとある特定のレベル(例えば、0.01~10重量%)で接触させることによって実施される。いくつかの実施形態では、接触が、PGA分子が所望のように架橋されるように、適切な条件下で、例えば適切な期間(例えば、約10~2000分、約10~500分、例えば、約10分、20分、30分、60分、90分、120分、150分、180分、200分、400分、800分、1000分、2000分等)加熱(例えば、約40~200、約50~200、約100~200、約40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190または200℃)下で実施される。いくつかの実施形態では、粒子が表面架橋されている。いくつかの実施形態では、架橋ポリマーの粒子が、本明細書に記載される架橋技術を使用してさらに表面架橋されている。
【0083】
いくつかの実施形態では、架橋剤が、PGAポリマーなどのポリマーを架橋することができるいくつかの同じまたは異なる薬剤を含む組成物として提供される。いくつかの実施形態では、架橋剤が、ジグリシジルエーテル、トリグリシジルエーテル、3個もしくはそれを超えるエポキシ基を含有するポリグリシジルエーテル、もしくはこれらの組み合わせであるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、架橋剤がジグリシジルエーテルであるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、架橋剤がトリグリシジルエーテルであるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、架橋剤が、3個もしくはそれを超えるエポキシ基を含有するポリグリシジルエーテルであるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、架橋剤がソルビトールポリグリシジルエーテルであるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、架橋剤がERISYS 60であるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、架橋剤がソルビトールERISYS 61であるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、架橋剤がトリメチロールプロパントリグリシジルエーテルであるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、架橋剤がグリセロールジグリシジルエーテルであるか、またはこれを含む。
【0084】
いくつかの実施形態では、架橋が、照射、例えば、γ線照射、eビーム照射等による架橋であるか、またはこれを含む。
【0085】
いくつかの実施形態では、PGA組成物が、適切なpH(例えば、約4~7)の5もしくはそれを超える(例えば、約5~150、5~100、10~100、20~100、30~100、40~100、50~100、約または少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95または100)g/LのPGAの溶液であるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、PGA組成物が、適切なpH(例えば、約4~7)の10もしくはそれを超えるg/LのPGAの溶液であるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、PGA組成物が、適切なpH(例えば、約4~7)の50もしくはそれを超えるg/LのPGAの溶液であるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、PGA組成物が、適切なpH(例えば、約4~7)の100もしくはそれを超えるg/LのPGAの溶液であるか、またはこれを含む。
【0086】
いくつかの実施形態では、調製物が、例えば、粉砕を通して所望の粒径にされる。ある特定の有用な粒径および/または分布が本明細書に記載されている。
架橋
【0087】
いくつかの実施形態では、提供されるポリマーが架橋されている。本開示に従って様々な技術(例えば、試薬、条件等)を利用して、本明細書に記載される構造的特徴、特性、および/または性能特徴を制御および提供することができる。
【0088】
いくつかの実施形態では、架橋が、1またはそれを超える架橋剤を使用して実施される。いくつかの実施形態では、それぞれ独立して-NH-CH(COOH)CHCHCO-またはその塩形態の構造の2またはそれを超えるグルタミン酸単位が架橋剤で架橋されている。いくつかの実施形態では、架橋剤がポリグリシジルエーテルであるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、架橋剤がソルビトールポリグリシジルエーテルであるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、架橋剤が、ジオールもしくはポリオールジ-もしくはポリ-グリシジルエーテルであるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、架橋剤がブタンジオールジグリシジルエーテルであるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、架橋剤がネオペンチルジグリシジルエーテルであるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、架橋剤がトリメチロールプロパントリグリシジルエーテルであるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、架橋剤がグリセロールジグリシジルエーテルであるか、またはこれを含む。
【0089】
いくつかの実施形態では、提供されるポリマー、組成物、調製物等が、グリシジルエーテルを使用してPGAを直接架橋することによって製造される。いくつかの実施形態では、提供されるポリマー、組成物、調製物等が、例えば衛生(および他の)所望の工業用途のためのPGA系吸収性ポリマーの調整可能な特性を可能にするための柔軟性を有するポット一段階架橋法で調製される。
【0090】
多くの実施形態では、本開示の架橋反応を行うために、架橋剤の量は、(A)PGAおよび(B)架橋剤の総重量に基づいて、総質量の約10重量%未満である。いくつかの実施形態では、これが約0.01~10重量%である。いくつかの実施形態では、これが約1~10重量%である。いくつかの実施形態では、これが約1%である。いくつかの実施形態では、これが約2%である。いくつかの実施形態では、これが約3%である。いくつかの実施形態では、これが約4%である。いくつかの実施形態では、これが約5%である。いくつかの実施形態では、これが約6%である。いくつかの実施形態では、これが約7%である。いくつかの実施形態では、これが約8%である。いくつかの実施形態では、これが約9%である。いくつかの実施形態では、これが約10%である。いくつかの実施形態では、提供される技術が、表面架橋された粒子、例えばPGA粒子を含む。いかなる理論によっても限定されることを意図するものではないが、いくつかの実施形態では、出願人は、架橋レベルが低い(例えば、0.1重量%未満の架橋剤)場合、水吸収が高いが、ポリマーは部分的に水溶性であり得、高い抽出可能なポリマーをもたらし、ある特定の使用を制限し得ることに留意している;いくつかの実施形態では、架橋レベルが高い(例えば、10重量%をはるかに超える架橋剤)場合、架橋ネットワークは密すぎる可能性があり、ヒドロゲルが低い吸収性を示し得る。いくつかの実施形態では、本技術が、架橋レベルを調整することを含む方法を通して様々な適切な特性および/または特徴を提供する。
【0091】
いくつかの実施形態では、本開示の架橋が、特別な条件も機器も必要しない、あるいはスケールおよび/またはコストの制限を伴う。いくつかの実施形態では、油浴または水浴中の撹拌装置または培養容器を備えたガラス反応器を利用して架橋を達成することができる。
【0092】
いくつかの実施形態では、本発明の方法が、架橋生成物を膨潤させるために水和させる工程、例えば濾過によって非架橋成分を除去する工程、および乾燥させて、高い吸水性を提供し得る架橋生成物を得る工程のうちの1またはそれを超える工程または全部の工程をさらに含み得る。
【0093】
いくつかの実施形態では、架橋試薬をポリマーまたは組成物、例えばγ-PGAの水溶液と混合し、次いで、適切な温度、例えば約150℃で適切な期間、例えば約1.5時間オーブンに入れる。いくつかの実施形態では、ポリマーまたは組成物、例えばγ-PGAを最小限の水で膨潤させて最大の膨潤をもたらす。次いで、膨潤した生成物をエタノールなどのアルコールと混合して、適切な温度、例えば約70℃適切な期間、例えば約1時間加熱し、次いで、濾過し、乾燥させる。
【0094】
本開示のポリマー、組成物および調製物はヒドロゲルであり、任意の所望の形状で使用することができる。いくつかの実施形態では、提供されるポリマー、組成物、調製物等がヒドロゲルである。とりわけ、ヒドロゲルは、固定された形状に造粒することができるか、または不規則な形状、ペレット、プレート等にすることができる。提供されるポリマー、組成物、調製物等、例えばγ-PGAは、それだけに限らないが、回転式、カッティングおよびナイフブレードミルおよび粉砕機、乳鉢、ディスクおよびボールミル、ならびにアトライタを含む当技術分野で公知の装置において湿式または乾式粉砕のいずれかを使用して粉砕することができる。
【0095】
いくつかの実施形態では、本開示は、生物系の方法を通してまたは再生可能な出発材料から得ることができる、例えば架橋γ-PGAの高性能吸収性ポリマー粒子を提供する。架橋ポリマー粒子、例えば架橋γ-PGA粒子は、粒子が溶解することなく水性系中で膨潤して、高吸収剤として作用する水性系中に分散させることができる。
【0096】
いくつかの実施形態では、驚くべきことに、ポリマー、例えばγ-PGA、ベースポリアミノ酸の分子量を増加させると、架橋ポリマー粒子、例えば架橋γ-PGA粒子が、CRCおよびAULを含む性能特性、ISO 17190試験方法または本明細書に報告される試験方法を使用して測定される吸収速度を有意に増加させることができる。このような増加が、表面架橋などのさらなるプロセスが行われても行われなくても達成され得ることが観察される。さらに、提供される技術は、架橋がどのように行われるかおよび/またはどの架橋剤が使用されるかにかかわらず、驚くべき改善を提供することができる。いかなる理論にも束縛される意図はないが、少なくともいくつかの例では、架橋によって一緒に保持された高MW PGAによって得られるスパゲッティ型構造が、PAA系SAPと同等のAULメトリックスを達成するために必要な強度をヒドロゲルに提供するために重要であり得ることに留意されたい。いくつかの実施形態では、ポリマーおよび組成物が、架橋密度、架橋剤構造および/または特性、例えば架橋剤のエポキシ価(すなわち、エポキシ基/架橋剤の数)を通して最適化され得る。いくつかの実施形態では、架橋剤の構造、架橋の条件、吸収剤の粒径分布、表面架橋等も性能特性に影響を及ぼす可能性があり、所望の特性および/または性能特徴を提供するためにそれに応じて最適化され得る。
【0097】
いくつかの実施形態では、提供されるポリマー、組成物、調製物等が水溶性である。いくつかの実施形態では、提供されるポリマー、組成物、調製物等が水に不溶性である。いくつかの実施形態では、提供されるポリマー、組成物、調製物等が水に不溶性のヒドロゲルである。いくつかの実施形態では、PGA、例えばγ-PGAの組成物および架橋結合が、粒子中の架橋ポリアミノ酸の得られた膨潤三次元ネットワーク中に大量の水を膨潤および保持することができる親水性構造を有する不溶性ヒドロゲル材料を与えるように選択される。本開示の提供される組成物は、水性流体で膨潤した場合にその乾燥重量の最大1000倍の前記流体を吸収する架橋γ-PGA粒子を含む。様々な実施形態では、粒径が100~600ミクロンの間で選択されるが、粒径は、いくつかの実施形態では重要であるが、この点に関して限定するものではない。
γ-PGA
【0098】
いくつかの実施形態では、提供されるポリマー、組成物または調製物が、γ-PGAであるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、本開示の架橋γ-PGAが、ガンマ位で連結されたグルタミン酸モノマー単位を含み、よって、1モノマー当たり1個のカルボン酸側基を有する直鎖ホモポリマーであるγ-PGAを含む。いくつかの実施形態では、架橋γ-PGAが、D-γ-ポリ(グルタメート)、L-γ-ポリ(グルタメート)、D,L-γ-ポリ(グルタメート)またはこれらの任意の組み合わせを使用して調製される。ある特定のPGAは、商業的に調製または入手することができる。いくつかの実施形態では、PGAが生物学的起源のものであり、再生可能な供給原料から製造される。いくつかの実施形態では、γ-PGAが、様々なバチルス属(Bacillus)種による発酵を使用して工業的に生産される。いくつかの実施形態では、γ-PGA生産に使用されるバチルス属(Bacillus)菌株が、γ-PGAを合成するためにグルタミン酸の外部供給を必要とするが、ある特定の種は、トリカルボン酸(TCA)サイクルを介して合成される細胞内グルタミン酸プールを利用することによってこのポリマーを有意なレベルまで合成することができる(グルタミン酸非依存菌株と呼ばれる)。選択された菌株および発酵の条件に応じて、異なる加重平均分子量を有するPGAを得ることができる。さらに、発酵後、異なる分子カットオフを有する濾過膜を用いた濾過を使用してPGAをさらに精製して、所望の分子量プロファイルを有するPGAを得ることができる。いくつかの実施形態では、PGAが、様々なコリネバクテリウム属(Corynebacterium)種による発酵を使用して工業的に生産される。
【0099】
いくつかの実施形態では、PGAが、約1000Daまたは約10000Daまたは約20000Daまたは約100000Daまたは約2500000Daまたは約500000Daまたは約700000Daまたは約1000000Daまたは約1500000Daまたは約2000000Daまたは約5000000Da~最大約10000000Daまたは最大約15000000Daまたは最大約20000000Daまたは最大約25000000Daまたは最大約30000000Daの重量平均分子量を有し得る。γ-PGAの重量平均分子について言及され得る具体的に含まれる範囲には、約10000Da~最大約2000000Daがある。
【0100】
いくつかの実施形態では、PGAまたは架橋PGAの分子量が、実施例に記載される技術を使用して決定される。いくつかの実施形態では、分子量が、手順Bを使用して決定される。いくつかの実施形態では、分子量が、約1000Daまたは約10000Daまたは約20000Daまたは約100000Daまたは約2500000Daまたは約500000Daまたは約700000Daまたは約1000000Daまたは約1500000Daまたは約2000000Daまたは約5000000Da~最大約10000000Daまたは最大約15000000Daまたは最大約20000000Daまたは最大約25000000Daまたは最大約30000000Daである。いくつかの実施形態では、分子量がMである。いくつかの実施形態では、これが、約10~1000、20~1000、30~1000、10~500、20~500、30~500、10~400、20~400、30~400、10~300、20~300、30~300、10~200、20~200、30~200、または約もしくは少なくとも約10、20、30、35、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、165、170、180、190、200、250、300、350、400、450もしくは500万Daである。例えば、いくつかの実施形態では、これが約39万Daである。いくつかの実施形態では、これが約160万Daである。いくつかの実施形態では、これが約165万Daである。いくつかの実施形態では、これが約168万Daである。いくつかの実施形態では、これが約170万Daである。いくつかの実施形態では、これが約180万Daである。いくつかの実施形態では、これが約190万Daである。いくつかの実施形態では、これが約200万Daである。いくつかの実施形態では、分子量がMである。いくつかの実施形態では、これが、約1~1000、2~1000、10~1000、20~1000、30~1000、10~500、20~500、30~500、10~400、20~400、30~400、10~300、20~300、30~300、10~200、20~200、30~200、10~100、20~100もしくは30~100、または約もしくは少なくとも約10、20、30、35、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、165、170、180、190、200、250、300、350、400、450もしくは500万Daである。いくつかの実施形態では、これが約20万Daである。いくつかの実施形態では、これが約30万Daである。いくつかの実施形態では、これが約40万Daである。いくつかの実施形態では、これが約50万Daである。いくつかの実施形態では、これが約60万Daである。いくつかの実施形態では、これが約65万Daである。いくつかの実施形態では、これが約70万Daである。いくつかの実施形態では、これが約80万Daである。いくつかの実施形態では、これが約90万Daである。いくつかの実施形態では、これが約100万Daである。いくつかの実施形態では、分子量がMである。いくつかの実施形態では、これが、約10~1000、20~1000、30~1000、10~500、20~500、30~500、10~400、20~400、30~400、10~300、20~300、30~300、10~200、20~200、30~200、または約もしくは少なくとも約10、20、30、35、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、165、170、180、190、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900、もしくは1000万Daである。例えば、いくつかの実施形態では、これが約40万Daである。いくつかの実施形態では、これが約50万Daである。いくつかの実施形態では、これが約200万Daである。いくつかの実施形態では、これが約220万Daである。いくつかの実施形態では、これが約250万Daである。いくつかの実施形態では、これが約300万Daである。いくつかの実施形態では、これが約400万Daである。いくつかの実施形態では、これが約460万Daである。いくつかの実施形態では、これが約500万Daである。いくつかの実施形態では、これが約600万Daである。いくつかの実施形態では、これが約700万Daである。いくつかの実施形態では、これが約800万Daである。いくつかの実施形態では、これが約900万Daである。いくつかの実施形態では、これが約1000万Daである。
【0101】
いくつかの実施形態では、組成物または調製物中のPGAのレベルが、閾値(例えば、例えば、210nmでのUV吸収、RI検出等の面積%に基づく)を上回る。いくつかの実施形態では、レベルが、約または少なくとも約10%~95%、10~90%、10~80%、10%~70%、20%~90%、20%~80%、20~70%、30%~90%、30%~80%、40%~90%、40%~80%、50%~90%、50%~80%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、または90%である。いくつかの実施形態では、パーセンテージが約または少なくとも約10%である。いくつかの実施形態では、パーセンテージが約または少なくとも約20%である。いくつかの実施形態では、パーセンテージが約または少なくとも約30%である。いくつかの実施形態では、パーセンテージが約または少なくとも約40%である。いくつかの実施形態では、パーセンテージが約または少なくとも約50%である。いくつかの実施形態では、パーセンテージが約または少なくとも約60%である。いくつかの実施形態では、パーセンテージが約または少なくとも約70%である。いくつかの実施形態では、パーセンテージが約または少なくとも約75%である。いくつかの実施形態では、パーセンテージが約または少なくとも約80%である。いくつかの実施形態では、パーセンテージが約または少なくとも約85%である。いくつかの実施形態では、パーセンテージが約または少なくとも約90%である。いくつかの実施形態では、閾値が約分子量238Daである。いくつかの実施形態では、閾値が約分子量599Daである。いくつかの実施形態では、閾値が約分子量2100Daである。いくつかの実施形態では、閾値が約分子量5800Daである。いくつかの実施形態では、閾値が約分子量10000Daである。いくつかの実施形態では、閾値が約分子量12600Daである。いくつかの実施形態では、閾値が約分子量20000Daである。いくつかの実施形態では、閾値が約分子量42700Daである。いくつかの実施形態では、閾値が約分子量50000Daである。いくつかの実施形態では、閾値が約分子量99000Da(例えば、約15.8分のピーク)である。いくつかの実施形態では、閾値が約分子量100000Daである。いくつかの実施形態では、閾値が約分子量217000Da(例えば、約14.5分のピーク)である。いくつかの実施形態では、閾値が約分子量504000Da(例えば、約13.1分のピーク)である。いくつかの実施形態では、閾値が約分子量969000Da(例えば、約12.3分のピーク)である。いくつかの実施形態では、分子量がMである。いくつかの実施形態では、調製物または組成物が、2またはそれを超える独立した閾値で2またはそれを超える独立したレベルを独立して満たす。いくつかの実施形態では、調製物または組成物が、99000Da、217000Da、504000Daおよび969000Daの閾値の各々において独立して、本明細書に記載されるレベルを独立して満たす。いくつかの実施形態では、面積または面積%を計算する場合、閾値の前の面積(例えば、MWが閾値を超える場合(例えば、10000Da、20000Da、30000Da、40000Da、50000Da、60000Da、70000Da、80000Daもしくは99000Da、または969000、504000、217000、99000、42700、12600、5800、2100、599、もしくは238DaのM)、または標準のピーク時間の前の溶出時間(例えば、手順Bに記載されるもの))または時間閾値(例えば、手順Bを使用する場合、約15、16、17、17.5、18、19、または20分)のみが利用される。
【0102】
いくつかの実施形態では、本開示のPGAが、約1~50、1~40、1~30、1~20、もしくは1~10、または約1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10の範囲の多分散度を有する。いくつかの実施形態では、PGA多分散度が1.01である。いくつかの実施形態では、PGA多分散度が1.1である。いくつかの実施形態では、PGA多分散度が1.2である。いくつかの実施形態では、PGA多分散度が1.5である。いくつかの実施形態では、PGA多分散度が2である。いくつかの実施形態では、PGA多分散度が2.3である。いくつかの実施形態では、PGA多分散度が3である。いくつかの実施形態では、PGA多分散度が3.4である。いくつかの実施形態では、PGA多分散度が4である。いくつかの実施形態では、PGA多分散度が5である。いくつかの実施形態では、PGA多分散度が6である。いくつかの実施形態では、PGA多分散度が7である。いくつかの実施形態では、PGA多分散度が7.7である。いくつかの実施形態では、PGA多分散度が8である。いくつかの実施形態では、PGA多分散度が9である。いくつかの実施形態では、PGA多分散度が10である。いくつかの実施形態では、PGA多分散度が50である。いくつかの実施形態では、多分散度が、手順B(例えば、RIを使用)の機器によりM/Mの標準的なGPC計算によって測定される。
架橋剤
【0103】
いくつかの実施形態では、PGAポリマー鎖が、共有結合を通して互いに架橋されている。いくつかの実施形態では、架橋結合がPGAポリマー鎖上のカルボン酸側基の間に形成される。カルボン酸側基間の架橋結合の例としては、それだけに限らないが、カルボン酸側基と、エポキシドまたはアジリジン基などのカルボキシル基と反応性の2またはそれを超える基を含有する架橋分子の反応を介して形成される架橋結合、カルボン酸側基とカルボジイミド化合物の反応を介して形成され、その後、2またはそれを超える反応性アミン基を含有する架橋分子と反応するO-アシルイソ尿素中間体を形成する架橋結合、ならびにカルボン酸側基とグリシジル基およびエチレン性不飽和基を含有する化合物の反応と、その後の付加されたエチレン性不飽和基のフリーラジカルまたは付加重合を介した架橋を介して形成される架橋結合が挙げられる。架橋結合はまた、ガンマ線または電子ビーム照射などの化学線照射を介した2つの異なる直鎖PGA鎖に属する2つの原子間のランダムな共有結合形成を通して形成することもできる。
【0104】
使用される架橋の種類にかかわらず、架橋は、10グルタミン酸モノマー単位当たり1つの架橋結合~約100000グルタミン酸モノマー単位当たり1つの架橋結合の範囲の比であり得る。様々な実施形態では、架橋比が、10または約50または約100グルタミン酸モノマー単位当たり1つの架橋結合~最大約500または約1000または約10000または約50000または約100000グルタミン酸モノマー当たり1つの架橋結合であり得る。言及され得る特に含まれる範囲は、直鎖PGA鎖の10グルタミン酸モノマー単位当たり1つの架橋結合~約10000のグルタミン酸モノマー単位当たり1つの架橋結合の架橋比である。
【0105】
いくつかの実施形態では、架橋剤が再生可能な供給原料から製造される。本開示は、いかなる特定の種類の架橋にも限定されない。
【0106】
様々な架橋技術(例えば、試薬、条件等)を本開示に従って利用することができる。いくつかの実施形態では、架橋剤が、グリセロールグリシジル、脂質由来グリシジルエーテルおよび3個またはそれを超えるエポキシ官能基を有する糖系グリシジルエーテル、例えばソルビトールポリグリシジルエーテル、イソソルビドグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、ポリグリセロール-3-グリシジルエーテル、ヒマシ油トリグリシジルエーテル、およびこれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、多官能性エポキシモノマーが、好ましくはジグリセロールテトラグリシジルエーテル、ジペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、およびペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、例えばペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテルから選択される。いくつかの実施形態では、モノマーが、六官能性グリシジルモノマー、マナトール(manatol)ポリグリシジルエーテル、特にソルビトールポリグリシジルエーテルであるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、ソルビトールポリグリシジルエーテル(CAS 68412-01-1)が、構造:
【化1】

を有する。
いくつかの実施形態では、これが、1分子当たり3~4個のエポキシド基を有するEmerald Performance Materials製のErisys(登録商標)GE-60(本明細書ではSorbGE60とも呼ばれる)ならびに水溶性Erisys(登録商標)GE-61として購入することができる。典型的には、ソルビトールポリグリシジルエーテル(SorbGE)が、ソルビトールヒドロキシ官能基の2つ以上がエポキシド官能基で置換されているソルビトールポリグリシジルエーテルを指す。これには、それだけに限らないが、それぞれ4個および3~4個の間のヒドロキシ基がエポキシ官能基で置き換えられているErisys(登録商標)GE-60およびErisys(登録商標)GE-61が含まれる。
【0107】
いくつかの実施形態では、架橋剤が、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、トリメチロールメタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリフェニロールメタントリグリシジルエーテル、トリスフェノールトリグリシジルエーテル、テトラフェニロールエタントリグリシジルエーテル、テトラフェニロールエタンのテトラグリシジルエーテル、p-アミノフェノールトリグリシジルエーテル、1,2,6-ヘキサントリオールトリグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、ジグリセロールトリグリシジルエーテル、グリセロールエトキシレートトリグリシジルエーテル、ヒマシ油トリグリシジルエーテル、プロポキシ化グリセリントリグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、500~10000Daの範囲の分子量のポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、500~1000000Daの範囲の分子量のポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、(3,4-エポキシシクロヘキサン)メチル3,4-エポキシシクロヘキシルカルボキシレートまたはこれらの任意の組み合わせである、二官能性もしくは三官能性エポキシモノマーであるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、適切なトリグリシジル官能性モノマーが、例えば、Emerald Performance MaterialsによってErisys(登録商標)GE 30の名称で販売されている、式
【化2】

のトリメチロールプロパントリグリシジルエーテル(CAS 30499-70-8)である。
環状および芳香族ポリグリシジルエーテルも、本開示に従って使用することができる。芳香族ポリグリシジルエーテル化合物の例としては、ヒドロキノンジグリシジルエーテル(以下の式EP-1)、カテコールジグリシジルエーテル(以下の式EP-2)、レゾルシノールジグリシジルエーテルフェニル]エチル]フェニル]-2-[4-[1,1-ビス[4-(2,3-エポキシプロポキシ)(商品名、Mitsubishi Chemical Corporation製)、レゾルシノールジグリシジルエーテル、TACTIX-742(商品名:EP-4)、トリス(4-グリシジルオキシフェニル)メタンDPPN-502H、DPPN-501H、およびNC6000(全て商品名、Nippon Kayaku Co.,Ltd.製)、ならびにDENCOL EX-201(商品名、Nagase ChemteX Corporation製)、Mower VG3101L(商品名、Mitsui Chemicals製)、以下の式EP-6によって表される化合物、ならびに以下の式(EP-7)によって表される化合物が挙げられる。Novolacジ-およびマルチ-エポキシ、ジグリシジル1,2-シクロヘキサンジカルボキシレート、4,4’-メチレンビス(N,N-ジグリシジルアニリン)ならびに1,3,5-トリグリシジルイソシアヌレートも架橋剤として使用することができる。
【化3】
【0108】
2またはそれを超える反応性エポキシド基を含有する適切な架橋分子の例としては、それだけに限らないが、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテルおよびトリグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテルおよびブタンジオールジグリシジルエーテルを含む、アルカンポリオールおよびポリ(アルキレングリコール)のポリグリシジルエーテルが挙げられる。このタイプのさらなる適切な架橋剤には、例えば、エリスリトール、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、およびトリメチロールプロパンのポリグリシジルエーテルが含まれる。さらなる例としては、例えば、1,2,3,4-ジエポキシブタン、1,2,4,5-ジエポキシペンタン、1,2,5,6-ジエポキシヘキサン、1,2,7,8-ジエポキシオクタン、1,4-および1,3-ジビニルベンゼンジエポキシドを含むジエポキシアルカンおよびジエポキシアラルカン;例えば、4,4’-イソプロピリデンジフェノールジグリシジルエーテル(ビスフェノールAジグリシジルエーテル)およびヒドロキノンジグリシジルエーテルを含むポリフェノールポリグリシジルエーテルが挙げられる。いくつかの実施形態では、アルカンポリオールおよびポリ(アルキレングリコール)架橋剤のポリグリシジルエーテルが、生分解性架橋結合を形成することおよび低毒性の分解生成物を有することに基づいて選択される。
【0109】
様々な実施形態では、架橋剤が、例えばPGAのカルボキシル基と反応性の3またはそれを超える官能基を有する。ある特定の実施形態では、トリグリシジルエーテル、テトラグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、またはアルカンポリオールのトリ-もしくはテトラアジリジニル誘導体、例えば本明細書に記載される例の1つを使用することが好まれ得る。
架橋条件
【0110】
様々な架橋条件、例えば、濃度、pH、温度等を本開示に従って利用することができる。様々な実施形態では、架橋が、適切な溶媒、例えば水または水を含むものの中でPGAと架橋剤の混合物を適切な温度、例えば約40~200℃、約100~200℃、約120~180℃、約130~170℃、約40℃、50℃、約60℃、約70℃、約80℃、約90℃、約100℃、約110℃、約120℃、約130℃、約140℃、約150℃、約160℃、約170℃、約180℃、約190℃、約200℃で、適切な期間、例えば約0.5~24時間、約0.5~20時間、約0.5~15時間、約0.5~12時間、約1~5時間、約1~4時間、約0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5または10時間加熱することによって達成される。いくつかの実施形態では、架橋剤がPGAと反応すると、水が除去される。
【0111】
いくつかの実施形態では、架橋が、1またはそれを超える照射技術を使用して実施される。様々なそのような技術が当業者に利用可能であり、本開示に従って利用することができる。
吸収性粒子の製造:
【0112】
ポリマー、組成物、調製物等、例えば架橋PGA粒子は、可変的な技術、例えば機械的粉砕または均質化方法(例えば、乾燥架橋材料の微粒子化または水和材料の均質化を含む)を使用して所望の粒径を有するように製造することができる。いくつかの実施形態では、ポリマー、組成物、調製物等、例えば架橋PGA材料が、約30μm~2000μm、例えば約30~1000、約30~500、約100~2000、約200~2000、または約30、50、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000μmの範囲の平均球相当径(すなわち、粒子の平均体積と同等の体積の球の直径)を有する粒子に製造される。ふるい分けなどの技術と組み合わせて、規定の粒径分布、例えば、所望の特性および/または性能特徴を提供するための本明細書に記載されるものを達成することができる。提供される粒子は、様々な粒子形状または幾何学または粒径分布のものであり得る。粒子幾何学の例としては、それだけに限らないが、平坦または円形または不規則な顆粒状粒子、球体、楕円体、および円筒形状の粒子(またはウィスカー)が挙げられる。
【0113】
いくつかの実施形態では、例えば架橋γ-PGAの粒子の、提供される組成物、およびプロセスが、最終用途における性能および/または使いやすさを向上させる追加の添加剤またはプロセスを含み得る。例としては、それだけに限らないが、材料特性を変化させるためにγ-PGAなどのポリマーで架橋された他の分子種、保護コーティングを作り出し、ゲルブロッキングを減少させるかまたは排除するための表面架橋、分散を向上させるための界面活性剤または乳化剤、粒子を活性製剤成分でコーティングすること、粒子に活性製剤成分を含浸させること等が挙げられる。本発明を以下の実施例によってさらに説明する。
SAPを含む製品および使用
【0114】
本明細書に記載されるように、いくつかの実施形態では、本開示は、提供されるポリマーおよび組成物、特にSAPとして有用なものを含む様々な製品を提供する。いくつかの実施形態では、製品が衛生製品であるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、製品がおむつであるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、製品が衛生タオルもしくはナプキンであるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、製品が創傷被覆材であるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、製品が、工学、工業、食品、または農業的使用のためのものである。
使用
【0115】
本明細書に記載され、当業者によって認識されるように、提供される技術、例えば、ポリマー、組成物、製品等は、多くの目的のために利用され得る。例えば、様々な実施形態では、提供される技術が、液体を吸収するのに有用である。いくつかの実施形態では、液体が体液であるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、体液が尿であるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、体液が血液であるか、またはこれを含む。
【0116】
いくつかの実施形態では、本開示は以下の実施形態を提供する。
1.それぞれ独立して酸、塩、エステル、またはアミド形態の複数のポリグルタミン酸(PGA)分子を含み、複数のPGA分子がそれぞれ独立して、約0.001MMまたはそれを超える分子量を有する、PGA組成物。
2.独立して構造:
-[NH-CH(COR’)CHCH-CO]p-
(式中、
各pは独立して、約1~100000であり、
各R’は独立して、ORまたは-N(R)であり、各Rは独立して、-H、またはC1~10脂肪族、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される1~5個のヘテロ原子を有するC1~10複素脂肪族、C6~10アリール、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される1~5個のヘテロ原子を有するC5~10ヘテロアリール、ならびに窒素、酸素および硫黄から独立して選択される1~5個のヘテロ原子を有するC3~10ヘテロシクリルから選択される必要に応じて置換された基である;あるいは窒素原子上の2つのR基が一緒になって、窒素原子に加えて0~5個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換された3~10員環を形成する)
またはその塩形態
の1またはそれを超える単位をそれぞれ独立して含む複数のPGA分子を含む、ポリグルタミン酸(PGA)組成物であって;
複数のPGA分子がそれぞれ独立して、約0.001MMまたはそれを超える分子量を有する、組成物。
3.分子量が約0.001~7MMである、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
4.分子量が約0.7~5MMである、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
5.分子量が約0.7~3MMである、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
6.分子量が約1.0MMまたはそれを超える、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
7.分子量が約1.5MMまたはそれを超える、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
8.分子量が約2.0MMまたはそれを超える、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
9.分子量が約1.0MMである、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
10.分子量が約1.5MMである、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
11.分子量が約2.0MMである、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
12.組成物の分子量が約0.7~5MMである、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
13.組成物の分子量が約0.7~3MMである、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
14.組成物の分子量が約1.0MMである、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
15.組成物の分子量が約1.5MMである、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
16.組成物の分子量が約2.0MMである、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
17.組成物の分子量が、束一的性質測定、電気泳動、光散乱、粘度測定、滴定および/またはサイズ排除クロマトグラフィーによって測定される、実施形態12から16のいずれか1つに記載の組成物。
18.組成物の分子量が光散乱によって測定される、実施形態12から16のいずれか1つに記載の組成物。
19.組成物の分子量が固有粘度によって測定される、実施形態12から16のいずれか1つに記載の組成物。
20.組成物の分子量がサイズ排除クロマトグラフィーによって測定される、実施形態12から16のいずれか1つに記載の組成物。
21.組成物の分子量が多角度光散乱法(MALS)と連結したまたはしないゲル浸透クロマトグラフィーによって測定される、実施形態12から16のいずれか1つに記載の組成物。
22.組成物の分子量が数平均分子量(M)である、実施形態12から16のいずれか1つに記載の組成物。
23.組成物の分子量が重量平均分子量(M)である、実施形態12から16のいずれか1つに記載の組成物。
24.PGAの分散度(M/M)が約1.1~10である、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
25.PGAの分散度(M/M)が約2~10である、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
26.PGAの分散度(M/M)が約2.3である、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
27.PGAの分散度(M/M)が約2.4である、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
28.PGAの分散度(M/M)が約7.7である、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
29.PGAのMが、約10~1000、20~1000、30~1000、10~500、20~500、30~500、10~400、20~400、30~400、10~300、20~300、30~300、10~200、20~200、30~200、または約もしくは少なくとも約10、20、30、35、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、165、170、180、190、200、250、300、350、400、450、もしくは500万Daである、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
30.Mが約20~200万Daである、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
31.Mが約30~200万Daである、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
32.Mが約30~180万Daである、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
33.Mが約40万Daである、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
34.Mが約160万Daである、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
35.Mが約170万Daである、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
36.PGAのMが、約1~1000、2~1000、10~1000、20~1000、30~1000、10~500、20~500、30~500、10~400、20~400、30~400、10~300、20~300、30~300、10~200、20~200、30~200、10~100、20~100もしくは30~100、または約もしくは少なくとも約10、20、30、35、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、165、170、180、190、200、250、300、350、400、450、もしくは500万Daである、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
37.Mが約2~200万Daである、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
38.Mが約20~100万Daである、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
39.Mが約20~70万Daである、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
40.Mが約20万Daである、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
41.Mが約60万Daである、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
42.Mが約65万Daである、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
43.PGAのMが、約10~1000、20~1000、30~1000、10~500、20~500、30~500、10~400、20~400、30~400、10~300、20~300、30~300、10~200、20~200、30~200、または約もしくは少なくとも約10、20、30、35、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、165、170、180、190、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900、もしくは1000万Daである、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
44.Mが約40~500万Daである、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
45.Mが約50~250万Daである、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
46.Mが約50万Daである、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
47.Mが約220万Daである、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
48.Mが約460万Daである、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
49.組成物の分子量がサイズ排除クロマトグラフィーによって測定される、実施形態24から48のいずれか1つに記載の組成物。
50.組成物の分子量が手順Bに従って測定される、実施形態24から48のいずれか1つに記載の組成物。
51.組成物の分子量がRI検出を使用して手順Bに従って測定される、実施形態24から48のいずれか1つに記載の組成物。
52.分子量が架橋前に測定される、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
53.分子量が架橋後に測定される、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
54.複数のPGA分子の量が、約または少なくとも約10重量%、20重量%、30重量%、40重量%、50重量%、60重量%、70重量%、80重量%、もしくは90重量%またはそれを超える、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
55.複数のPGA分子の量が、モル比で約または少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、もしくは90%またはそれを超える、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
56.実質的な重量部分(例えば、約30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%等またはそれを超える)の0.02MMを超える分子量を有するPGA分子を含有する、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
57.実質的な重量部分(例えば、約30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%等またはそれを超える)の0.7Mを超える分子量を有するPGA分子を含有する、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
58.実質的な重量部分(例えば、約30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%等またはそれを超える)の1Mを超える分子量を有するPGA分子を含有する、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
59.モル比で実質的な部分(例えば、約30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%等またはそれを超える)の0.02MMを超える分子量を有するPGA分子を含有する、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
60.モル比で実質的な部分(例えば、約30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%等またはそれを超える)の0.7Mを超える分子量を有するPGA分子を含有する、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
61.モル比で実質的な部分(例えば、約30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%等またはそれを超える)の1Mを超える分子量を有するPGA分子を含有する、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
62.架橋されている、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
63.それぞれ独立して-NH-CH(COOH)CHCHCO-またはその塩形態の構造の2またはそれを超えるグルタミン酸単位が架橋剤で架橋されている、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
64.架橋剤がソルビトールポリグリシジルエーテルである、実施形態63に記載の組成物。
65.架橋剤がブタンジオールジグリシジルエーテルである、実施形態63または64に記載の組成物。
66.架橋剤がネオペンチルジグリシジルエーテルである、実施形態63から65のいずれか1つに記載の組成物。
67.架橋剤の重量パーセンテージ(重量%)が約0.01~10%である、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
68.架橋剤の重量パーセンテージ(重量%)が約1~10%である、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
69.架橋剤の重量パーセンテージ(重量%)が約1%である、実施形態68に記載の組成物。
70.架橋剤の重量パーセンテージ(重量%)が約2%である、実施形態68に記載の組成物。
71.架橋剤の重量パーセンテージ(重量%)が約4%である、実施形態68に記載の組成物。
72.架橋剤の重量パーセンテージ(重量%)が約7%である、実施形態68に記載の組成物。
73.架橋剤の重量パーセンテージ(重量%)が約10%である、実施形態68に記載の組成物。
74.表面架橋されているPGA粒子を含む、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
75.生理食塩水を使用したボルテックス試験法によって測定した場合、吸収時間が90秒未満である、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
76.生理食塩水を使用したボルテックス試験法によって測定した場合、吸収時間が60秒未満である、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
77.荷重下吸収(AUL)が、生理食塩水を使用して、0.3psi下で約12またはそれを超える(例えば、12~40)g/gである、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
78.荷重下吸収(AUL)が、0.3psi下で約20またはそれを超える(例えば、20~40)g/gである、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
79.荷重下吸収(AUL)が、生理食塩水を使用して、0.7psi下で約10またはそれを超える(例えば、10~35)g/gである、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
80.荷重下吸収(AUL)が、0.7psi下で約15またはそれを超える(例えば、15~40)g/gである、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
81.荷重下吸収(AUL)が、生理食塩水を使用して、0.9psi下で約10またはそれを超える(例えば、10~30)g/gである、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
82.AULがISO 17190-7に従って測定される、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
83.荷重下吸収(AUL)が、生理食塩水を使用して、0.7psi下で約15またはそれを超える(例えば、15~35)g/gであり、PAAポリマーが、同じまたは同等の条件下で約11~25g/gの値を示す、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
84.組成物のCRCが、生理食塩水を使用して、15~50g/gである、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
85.生理食塩水を使用したボルテックス試験を使用して測定された吸収速度が30~60秒の間である、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
86.組成物の生理食塩水吸収が20~50g/gである、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
87.デンプン系SAPについて観察されるスライムが実質的にない、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
88.デンプン系SAPについて観察されるブリードが実質的にない、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
89.生分解性を有する、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
90.OECD 301-Bによって測定した場合、約60%以上のポリマーが28日間にわたって分解する、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
91.OECD 301-Bによって測定した場合、約80%以上のポリマーが30日間にわたって分解する、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
92.OECD 301-Bによって測定した場合、約90%以上のポリマーが30日間にわたって分解する、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
93.OECD 301-Bによって測定した場合、約95%以上のポリマーが30日間にわたって分解する、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
94.OECD 301-Bによって測定した場合、ある特定のレベルの組成物を分解するために消費される時間が、同等の条件下で同じレベルの陽性対照を分解するために消費される時間よりも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29または30日以下長い、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
95.OECD 301-Bによって測定した場合、ある特定のレベルの組成物を分解するために消費される時間が、同等の条件下で同じレベルの陽性対照を分解するために消費される時間よりも約10日以下長い、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
96.OECD 301-Bによって測定した場合、ある特定のレベルの組成物を分解するために消費される時間が、同等の条件下で同じレベルの陽性対照を分解するために消費される時間よりも約20日以下長い、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
97.OECD 301-Bによって測定した場合、ある特定のレベルの組成物を分解するために消費される時間が、同等の条件下で同じレベルの陽性対照を分解するために消費される時間よりも約30日以下長い、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
98.OECD 301-Bによって測定した場合、ある特定のレベルの組成物を分解するために消費される時間が、同等の条件下で同じレベルの陽性対照を分解するために消費される時間よりも短い、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
99.OECD 301-Bによって測定した場合、ある特定のレベルの組成物を分解するために消費される時間が、同等の条件下で同じレベルの陽性対照を分解するために消費される時間とほぼ同じである、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
100.レベルが約20%である、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
101.レベルが約50%である、実施形態94から100のいずれか1つに記載の組成物。
102.レベルが約80%である、実施形態94から100のいずれか1つに記載の組成物。
103.レベルが約90%である、実施形態94から100のいずれか1つに記載の組成物。
104.レベルが約95%である、実施形態94から100のいずれか1つに記載の組成物。
105.陽性対照が安息香酸ナトリウムである、実施形態94から100のいずれか1つに記載の組成物。
106.約15×10-7cm・秒・g-1の生理食塩水流動伝導率を有する、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
107.約30~約1000ミクロンの径を有するいくつかの粒子を含む、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
108.組成物の約80~95重量%が、約150~約600ミクロンの径を有する粒子である、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
109.組成物の約40~80重量%が300~600ミクロンの間の粒子である、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物。
110.先行する実施形態のいずれか1つに記載のPGA組成物を調製する方法であって、いくつかのグルタミン酸単位を重合して、先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物を得ることを含む方法。
111.先行する実施形態のいずれか1つに記載のPGA組成物を調製する方法であって、いくつかのグルタミン酸単位を重合して、実施形態1から61のいずれか1つに記載の組成物を得ることを含む方法。
112.PGA組成物が、pH4~7で50g/L超のPGAの溶液であるか、またはこれを含む、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
113.PGAが微生物から調製される、いずれか実施形態に記載の方法。
114.PGAが微生物から調製され、微生物が1もしくはそれを超えるバチルス属(Bacillus)種であるか、またはこれを含む、いずれかの実施形態に記載の方法。
115.1またはそれを超える微生物が操作される、実施形態113から114のいずれか1つに記載の方法。
116.PGA組成物が再生可能な供給原料から調製される、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
117.PGA組成物が、デキストロースであるか、またはこれを含む供給原料から調製される、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
118.PGA組成物が、前処理されたリグノセルロースであるか、またはこれを含む供給原料から調製される、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
119.PGA組成物が、グリセロールであるか、またはこれを含む供給原料から調製される、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
120.PGA組成物が、グルタミン酸であるか、またはこれを含む供給原料から調製される、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
121.PGAポリマーを架橋することを含む、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
122.実施形態1から61および112から120のいずれか1つに記載のPGA組成物を架橋することを含む、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
123.PGA組成物を架橋剤組成物と接触させることを含む、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
124.架橋剤組成物が、ジグリシジルエーテル、トリグリシジルエーテル、3個もしくはそれを超えるエポキシ基を含有するポリグリシジルエーテル、もしくはこれらの組み合わせであるか、またはこれを含む、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
125.架橋剤組成物がジグリシジルエーテルであるか、またはこれを含む、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
126.架橋剤組成物がトリグリシジルエーテルであるか、またはこれを含む、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
127.架橋剤組成物が、3個もしくはそれを超えるエポキシ基を含有するポリグリシジルエーテルであるか、またはこれを含む、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
128.架橋剤組成物がソルビトールポリグリシジルエーテルであるか、またはこれを含む、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
129.架橋剤組成物がERISYS 60であるか、またはこれを含む、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
130.架橋剤組成物がERISYS 61であるか、またはこれを含む、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
131.PGA組成物を約0.01~10重量%の架橋剤と接触させることを含む、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
132.接触させることが、約150℃で90分間実施される、実施形態123から129のいずれか1つに記載の方法。
133.照射によりPGAポリマーを架橋することを含む、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
134.eビーム照射によりPGAポリマーを架橋することを含む、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
135.γ線照射によりPGAポリマーを架橋することを含む、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
136.実施形態1から61および112から120のいずれか1つに記載のPGA組成物を架橋することを含む、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
137.組成物をある特定の粒径にする、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
138.組成物をある特定の粒径にして、実施形態107から109のいずれか1つに記載の組成物を得る、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
139.組成物のCRCがISO 17190-6を使用して測定される、実施形態のいずれか1つに記載の組成物または方法。
140.組成物のAULがISO 17190-7を使用して測定される、実施形態のいずれか1つに記載の組成物または方法。
141.組成物の生理食塩水吸収がISO 17190-5を使用して測定される、実施形態のいずれか1つに記載の組成物または方法。
142.組成物の吸収速度がボルテックス試験によって測定される、実施形態のいずれか1つに記載の組成物または方法。
143.PGAがγ-PGAである、実施形態のいずれか1つに記載の組成物または方法。
144.PGAがバイオソース(例えば、発酵、微生物、培養等)由来のγ-PGAである、実施形態のいずれか1つに記載の組成物または方法。
145.先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物を含む物品。
146.おむつであるか、またはこれを含む、実施形態145に記載の物品。
147.サニタリータオルもしくはナプキンであるか、またはこれを含む、実施形態145に記載の物品。
148.創傷被覆材であるか、またはこれを含む、実施形態145に記載の物品。
149.液体を先行する実施形態のいずれか1つに記載の組成物または物品と接触させること
を含む方法であって、
組成物または物品が液体を吸収する、方法。
150.液体が体液であるか、またはこれを含む、実施形態149に記載の方法。
151.液体が、尿、血液、および他の体液であるか、またはこれを含む、実施形態149に記載の方法。
152.液体が血液であるか、またはこれを含む、実施形態149に記載の方法。
153.液体が尿であるか、またはこれを含む、実施形態149に記載の方法。
154.エネルギーレベル15、30、45、60、75、90、105、または20kGyでのeビーム照射によりPGAポリマーを架橋することを含む、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
155.架橋剤組成物がレゾルシノールジグリシジルエーテルであるか、またはこれを含む、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
156.架橋剤組成物が1,3,5-トリグリシジルイソシアヌレートであるか、またはこれを含む、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
157.架橋剤組成物が環状および芳香族ポリグリシジルエーテルであるか、またはこれを含む、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
158.架橋剤組成物がトリメチロールプロパントリグリシジルエーテルであるか、またはこれを含む、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
159.架橋剤組成物がポリエチレングリコールジグリシジルエーテルであるか、またはこれを含む、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
160.架橋剤組成物がポリプロピレングリコールジグリシジルエーテルであるか、またはこれを含む、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
161.架橋剤組成物がエチレングリコールジグリシジルエーテルであるか、またはこれを含む、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
162.架橋剤組成物がグリセロールジグリシジルエーテルであるか、またはこれを含む、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
【実施例
【0117】
例示
提供される技術の1またはそれを超える態様を例示するために、ある特定の非限定的な例が以下に提供される。
【0118】
実施例1.提供される技術は、SAPとして使用するための特性および特徴を実証する。
【0119】
とりわけ、本開示は、SAP技術(例えば、ポリマー、組成物、方法等)を提供する。本明細書で実証されるのは、SAPを含む様々な使用のための有益な特性および/または性能を実証する組成物および調製物、ならびにこのような組成物および調製物を製造するための技術(試薬、条件等)である。
【0120】
分子量決定:
【0121】
いくつかの実施形態では、分子量を、UVおよび/またはRI(屈折率)検出器を使用してサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を使用したHPLCによって決定した。具体的には、100mgのγ-PGA(または試験する別の試料)を10mLの精製水に混合した。γ-PGAが完全に溶解するまで試料を混合する。より粘性のγ-PGA試料の場合、これは、チューブを一晩穏やかに回転させることを含み得る。次いで、10g/L溶液を、滅菌0.22umシリンジフィルタに通過させた。段階希釈を行って、各γ-PGA試料の5、4、2.5、1、および0.5g/L溶液の濃度を得た。1uLの各試料を、Sepax SRT SEC-1000ガードカラム(7.8×50mm)を伴うSepax SRT SEC-500カラム(4.6×150mm)に注入した。カラムを30℃に保持し、0.1Mリン酸カリウム(pH7)緩衝液を流量0.35ml/分で移動相として使用した。LC-2030 UV検出器を使用して210nmで試料を検出した。ある特定のγ-PGA標準の溶出時間を図1に示し、分子量を標準に従って決定した(図1において、標識分子量は供給者によって提供された)。
【0122】
別の有用な手順(手順B)では、分子量を、UVおよび/またはRI(屈折率)検出器を使用してサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を使用したHPLCによって決定した。具体的には、100mgのγ-PGA(または試験する別の試料)を10mLの精製水に混合した。γ-PGAが完全に溶解するまで試料を混合する。より粘性のγ-PGA試料の場合、これは、チューブを一晩穏やかに回転させることを含み得る。次いで、10g/L溶液を、滅菌0.22umシリンジフィルタに通過させた。段階希釈を行って、各γ-PGA試料の5、4、2.5、1、および0.5g/L溶液の濃度を得た。1uLの各試料をShowdex SB-805 HQに注入した。カラムを30℃に保持し、0.05 Mクエン酸緩衝液を流量0.5mL/分で移動相として使用した。LC-2030 UVおよびRI検出器を使用して210nmで試料を検出した。ある特定のγ-PGAの溶出時間を図2に示し、Shimadzu Lab Solutions GPCソフトウェアを使用して以下のように分子量を決定した。最初に、本発明者らは、既知の分子量を有するポリマーポリエチレンオキシド(PEO)のいくつかの単分散試料を流し、それらの保持時間を測定することによって分子量較正曲線を構築した。図表で、この較正曲線の最良適合線(すなわち、保持時間対分子量)を得た。次いで、Shimadzu Lab Solutions GPCソフトウェアを使用して、同じ条件下(例えば、図2に示される)で実行したγ-PGA試料にこの較正を適用して、γ-PGA試料について本明細書に報告される様々な分子量パラメータを得た。最大約17.5分の溶出時間に対応するγ-PGAピークをこの分析のために考慮した。例えば、PSS Polymer Standards GmbH製のPEO標準を利用して(部品番号PSS-speokitr1、ロット番号peokitr1sa-14)、分子量較正曲線を構築した。M[Da]値を使用して、1またはそれを超えるまたは全ての10 PEO標準(M[Da]=969000;504000;217000;99000;42700;12600;5800;2100;599、238)から較正曲線を構築した。ある特定の結果を図2に提供した。いくつかの実施形態では、本開示は、約10000~20000000、20000~15000000、20000~10000000、20000~5000000、20000~2000000、20000~1000000、30000~10000000、50000~10000000、300000~2000000、100000~1000000、200000~700000、400000~5000000等の実測分子量(例えば、手順Bによって評価される;Da)を有するPGAを含む必要に応じて架橋されたPGA調製物(例えば、γ-PGA調製物)を提供する。いくつかの実施形態では、分子量がMである。いくつかの実施形態では、分子量がMである。いくつかの実施形態では、分子量がMである。例えば、実施例のデータを参照されたい。いくつかの実施形態では、12600Da標準のピーク溶出に対応する時間に検出されたシグナル(例えば、210nMでのUV吸収、RI検出等)が、試料の最大ピーク(例えば、図2において、PGA-1.1の場合、ピークは約14.3分)の約または少なくとも約10%~95%、10~90%、10~80%、10%~70%、20%~90%、20%~80%、20~70%、30%~90%、30%~80%、40%~90%、40%~80%、50%~90%、50%~80%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、または90%である。いくつかの実施形態では、42700Da標準のピーク溶出に対応する時間に検出されたシグナル(例えば、210nMでのUV吸収、RI検出等)が、試料の最大ピーク(例えば、図2において、PGA-1.1の場合、ピークは約14.3分)の約または少なくとも約10%~95%、10~90%、10~80%、10%~70%、20%~90%、20%~80%、20~70%、30%~90%、30%~80%、40%~90%、40%~80%、50%~90%、50%~80%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、または90%である。いくつかの実施形態では、99000Da標準のピーク溶出(例えば、図2において、ピークは約15.8分)に対応する時間に検出されたシグナル(例えば、210nMでのUV吸収、RI検出等)が、試料の最大ピーク(例えば、図2において、PGA-1.1の場合、ピークは約14.3分)の約または少なくとも約10%~95%、10~90%、10~80%、10%~70%、20%~90%、20%~80%、20~70%、30%~90%、30%~80%、40%~90%、40%~80%、50%~90%、50%~80%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、または90%である。いくつかの実施形態では、217000Da標準のピーク溶出(例えば、図2において、ピークは約14.5分)に対応する時間に検出されたシグナル(例えば、210nMでのUV吸収、RI検出等)が、試料の最大ピーク(例えば、図2において、PGA-1.1の場合、ピークは約14.3分)の約または少なくとも約10%~95%、10~90%、10~80%、10%~70%、20%~90%、20%~80%、20~70%、30%~90%、30%~80%、40%~90%、40%~80%、50%~90%、50%~80%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、または90%である。いくつかの実施形態では、504000Da(例えば、図2において、ピークは約13.1分)標準のピーク溶出に対応する時間に検出されたシグナル(例えば、210nMでのUV吸収、RI検出等)が、試料の最大ピーク(例えば、図2において、PGA-1.1の場合、ピークは約14.3分)の約または少なくとも約10%~95%、10~90%、10~80%、10%~70%、20%~90%、20%~80%、20~70%、30%~90%、30%~80%、40%~90%、40%~80%、50%~90%、50%~80%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、または90%である。いくつかの実施形態では、969000Da標準のピーク溶出(例えば、図2において、ピークは約12.3分)に対応する時間に検出されたシグナル(例えば、210nMでのUV吸収、RI検出等)が、試料の最大ピーク(例えば、図2において、PGA-1.1の場合、ピークは約14.3分)の約または少なくとも約10%~95%、10~90%、10~80%、10%~70%、20%~90%、20%~80%、20~70%、30%~90%、30%~80%、40%~90%、40%~80%、50%~90%、50%~80%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、または90%である。いくつかの実施形態では、969000標準のピーク溶出(例えば、図2において、ピークは約12.3分)前のいずれかの時間に検出されたシグナル(例えば、210nMでのUV吸収、RI検出等)が、試料の最大ピーク(例えば、図2において、PGA-1.1の場合、ピークは約14.3分)の約または少なくとも約10%~95%、10~90%、10~80%、10%~70%、20%~90%、20%~80%、20~70%、30%~90%、30%~80%、40%~90%、40%~80%、50%~90%、50%~80%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、または90%である。いくつかの実施形態では、検出されるシグナルが、例えば210nmのUVからのものである。いくつかの実施形態では、検出されるシグナルが、例えば図2に示される、RI検出からのものである。いくつかの実施形態では、パーセンテージが約または少なくとも約10%である。いくつかの実施形態では、パーセンテージが約または少なくとも約20%である。いくつかの実施形態では、パーセンテージが約または少なくとも約30%である。いくつかの実施形態では、パーセンテージが約または少なくとも約40%である。いくつかの実施形態では、パーセンテージが約または少なくとも約50%である。いくつかの実施形態では、パーセンテージが約または少なくとも約60%である。いくつかの実施形態では、パーセンテージが約または少なくとも約70%である。いくつかの実施形態では、パーセンテージが約または少なくとも約75%である。いくつかの実施形態では、パーセンテージが約または少なくとも約80%である。いくつかの実施形態では、パーセンテージが約または少なくとも約85%である。いくつかの実施形態では、パーセンテージが約または少なくとも約90%である。
【0123】
PGAのある特定のバッチのある特定のデータを以下に記載する(手順B、RI)
【表A】
【0124】
本開示を読む当業者であれば、本明細書に記載されるものを含む他の技術を使用して分子量を測定することができ、異なる方法論が異なる分子量数を与え得ることを認識するであろう。しかしながら、多くの実施形態では、分子量がどのように測定されるかにかかわらず、分子量の増加が、γ-PGA吸収性ポリマーのより高い粘度、より高い測定分子量、および様々な改善された性能特性をもたらすという一般的な傾向が残っている。
【0125】
架橋
【0126】
10gのγ-PGA試料(700000Da~2000000Daの販売業者提供の分子量)を250mLビーカーに添加した。分子量が高いほど、同じ質量対体積負荷での溶液の粘度が高くなり、より高い分子量の溶液がより低い濃度で作製されることが観察された。2000000Daのγ-PGA(PGA-2.0)については、90gの水をビーカーに添加して10重量%溶液を作製した。700000Da(PGA-0.7)~最大1000000Da(PGA-1.1)のγ-PGAを、水40gを添加することによって20%に希釈し、15gの水を20000Daのγ-PGA(PGA-0.02)に添加して40重量%溶液を作製した。乱流が減少し、穏やかな混合で接線流を生成する6穴パドルを備えた攪拌シャフトを備えたオーバーヘッド攪拌機を使用して混合物を攪拌した。混合物を、粉末が溶液になるまで、溶液の分子量および粘度に応じて3~30分の間、400rpmで撹拌した。混合後、0.20g(2重量%)のソルビトールポリグリシジルエーテル(Erisys(登録商標)GE61)を添加した。混合物を540~600rpmでさらに4分間撹拌した。その後、溶液を50mLの浅いアルミニウムパンに注ぎ入れ、150℃のオーブンで1.5時間硬化させた。1.5時間後、全ての水が蒸発し、混合物はパン上で薄膜になった。オーブンから取り出したら、新たに形成されたヒドロゲルをアルミニウムパンから放出するために、30~50mLの水をパンに添加した。次いで、このゲルを、水分が5%未満になるまで、70℃の空気循環脱水オーブンに8~12時間入れた。あるいは、いくつかの例では、架橋剤を含むPGA混合物をプラスチック、アルミニウム箔、テフロン(登録商標)または他の放出設計基板に注いだ。次いで、溶液を上記のように架橋した。いくつかの実施形態では、水を添加せずに乾燥材料を直接除去した。次いで、この乾燥ヒドロゲル(SAP)をミル粉砕機で小さな粒径に粉砕し、ガウス分布で30、40、50メッシュスクリーンの間でふるい分けし、性能特性について試験した。ある特定の結果を表2に提供する。本明細書で実証されるように、提供される技術は、高い吸収能力を提供することができ、ある特定の技術、例えば比較的高いMWのPGAを含むものは、PAAなどの参照SAPと同等であるかまたはこれよりも良好な高い特性(例えば、AUL値)を提供することができる。
【表2】
【0127】
本明細書で確認されるように、本開示の調製物は、吸収能力を含む様々な有用な特性を有する組成物を提供することができる。いくつかの実施形態では、AULが、約10~40、10~35、10~30、10~25、11~40、11~35、11~30、11~25、12~40、12~35、12~30、12~25、15~40、15~35、15~30、15~25、または約もしくは少なくとも約10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39もしくは40g/gである。いくつかの実施形態では、AULが約10g/gである。いくつかの実施形態では、AULが約12g/gである。いくつかの実施形態では、AULが約14g/gである。いくつかの実施形態では、AULが約15g/gである。いくつかの実施形態では、AULが約16g/gである。いくつかの実施形態では、AULが約18g/gである。いくつかの実施形態では、AULが約20g/gである。いくつかの実施形態では、AULが約22g/gである。いくつかの実施形態では、AULが約24g/gである。いくつかの実施形態では、AULが約25g/gである。いくつかの実施形態では、AULが約26g/gである。いくつかの実施形態では、AULが約28g/gである。いくつかの実施形態では、AULが約30g/gである。いくつかの実施形態では、AULが約32g/gである。いくつかの実施形態では、AULが約35g/gである。いくつかの実施形態では、ALUが0.3psiにおけるものである。いくつかの実施形態では、ALUが0.7psiにおけるものである。
【0128】
実施例2.様々な架橋技術を利用して、本開示のSAPを得ることができる。
【0129】
本明細書で実証されるように、架橋剤を含む様々な技術を利用して、本開示によるSAPなどの様々な意図された用途のための所望の特性および/または性能を有するポリマーおよび組成物を生成することができる。
【0130】
一組の実験では、ソルビトールポリグリシジルエーテルを様々な条件下で架橋剤として利用することができることが実証される。
【0131】
架橋剤の量を1~10重量%の間で変化させ、PGAの分子量を700KDaとしたことを除いて、実施例1に従って組成物を調製した。ある特定の結果を表3に示す。
【表3】
【0132】
種々のグリシジルエーテルなどの他の架橋剤および/または条件(例えば、約90℃で約3時間)も利用することができ、例えば、以下の表4を参照されたい。A)ソルビトールポリグリシジルエーテルに加えて、ブタンジオールジグリシジルエーテル(BDDGE)、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル(NP)、ポリ(エチレングリコール)ジグリシジルエーテル(PEGGE;例えば、mw=500)、エチレングリコールジグリシジルエーテル(EDGE)、ポリ(プロピレングリコール)ジグリシジルエーテル(PPGGE;例えば、mw=640Da)、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル(TMPTGE)、Erisys(登録商標)GE-60、およびグリセロールジグリシジルエーテル(GLGE)も架橋剤として評価したことを除いて、実施例1に従って組成物を調製した。B)いくつかの架橋剤の濃度を約1~10mol%の間で変化させた。ある特定の結果を表4に提供する。いくつかの実施形態では、2またはそれを超える架橋剤が利用される。
【表4】

BDDGEはブタンジオールジグリシジルエーテルである。Erisys(登録商標)GE-61およびGE-60は多官能性ソルビトールグリシジルエーテルである。NPはネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルである。TMPTGEはトリメチロールプロパントリグリシジルエーテルである。PEGGEはポリ(エチレングリコール)ジグリシジルエーテル(mw=500)である。EDGEはエチレングリコールジグリシジルエーテルである。PPGGEはポリ(プロピレングリコール)ジグリシジルエーテル(mw=640Da)である。GLGEはグリセロールジグリシジルエーテルである。**0.7psiで測定したAUL。架橋剤濃度(重量%)。
【0133】
以下の表5に実証されるように、様々なソルビトールポリグリシジルエーテルおよび様々な条件を利用して、本開示によるポリマーおよび組成物を得ることができる。より水溶性のソルビトールポリグリシジルエーテルを架橋剤(SorbGE)として使用したことを除いて、実施例1に従って組成物を調製した。インキュベーションを、90℃で12時間と150℃で1.5時間の両方で行い、PGAのMWは700 KDaであった。ある特定の結果を表6に提供する。
【表5】

【表6】
【0134】
実施例3.表面架橋粒子は、改善を提供し得る。
【0135】
とりわけ、本開示は、表面架橋粒子を含む技術を提供し、この粒子は架橋ポリマーを含むか、または架橋ポリマーから本質的になり得る。いくつかの実施形態では、さらなる表面架橋が、本明細書で実証される改善された特性および/または性能を提供し得る。
【0136】
調製(3A)においては、2.5gのバルク架橋(プロトコルについては実施例1参照)PGA(700000Da)を小型コーヒー粉砕機に添加した。1mLのソルビトールポリグリシジルエーテルのエタノール溶液(エタノール中0.01モル濃度)を粉砕機中のSAP上にピペットで分注する。次いで、混合物を5~10回パルスし、次いで、小さな浅いアルミニウムパンに移し、150℃のオーブンに15分間入れる。15分後、パンをオーブンから取り出し、SAP材料を室温に冷却し、再粉砕して凝集体を除去し、性能を試験する。ある特定の結果を表7に提供する。
【0137】
別の調製(3B)においては、5gのバルク架橋(プロトコルについては実施例1参照)PGA(700000Da)を小型コーヒー粉砕機に添加し、それによると、500uLの水中の0.01~1mol%のソルビトール-ポリグリシジルエーテルを添加する。混合物を5~10回パルス混合し、次いで、アルミニウムパン上に移し、150℃で30分間硬化させる。一旦冷却し、表面架橋ポリマーを粉砕し、先と同様にふるい分けし、性能特性を測定した。ある特定の結果を表5に提供する。
【0138】
さらに別の調製(3C)においては、5gのバルク架橋(プロトコルについては実施例1参照)PGA-0.7を小型コーヒー粉砕機に添加し、それによると、500uLの水に溶解した0.01~1mol%アリルグリシジルエーテル、Fuji Film Wako Specialty Chemicals製の0.05mol V-044アゾ開始剤を添加する。混合物を5~10回パルス混合し、次いで、アルミニウムパン上に移し、150℃で30分間硬化させる。一旦冷却し、表面架橋ポリマーを粉砕し、先と同様にふるい分けし、特性を測定した。ある特定の結果を表6に提供する。
【表7】
【0139】
実施例4.照射によって架橋された組成物.
【0140】
いくつかの実施形態では、提供されるポリマーが照射によって架橋されている。いくつかの実施形態では、提供されるポリマーがeビーム照射によって架橋されている。いくつかの実施形態では、異なる分子量のγ-PGAを最初に溶液に入れ、次いで、100KGyの総線量で照射することによって架橋した。まず、20mLの分子量の異なるγ-PGAの水溶液を20mLのシンチレーションバイアルに添加した。5重量%~20重量%の溶液を調製した。バイアルを箱に入れ、総線量100kGyを投与するように速度が計算された電子ビーム加速器トンネルに通過させた。ゲルをバイアルから取り出し、乾燥させ、30~60メッシュの間のガウスメッシュサイズ分布に粉砕し、CRCおよびAUL(0.3psi)について試験した。表8はある特定のデータを示す。観察されるように、少なくともいくつかの実施形態では、高分子量ポリマーがより高いAULを提供し得る。
【表8】
【0141】
いくつかの実施形態では、10グラムのPGAを100グラムの水に溶解し、溶液を異なるエネルギー値でEビームに供した。表9はある特定のデータを示す。観察されるように、少なくともいくつかの実施形態では、高いeビームエネルギーが、増加したAULおよびCRC値を提供し得る。
【表9】
【0142】
実施例5.ボルテックス試験
【0143】
いくつかの実施形態では、「ボルテックス法(吸収速度)」の前の節に従ってボルテックス試験を行った。PGAベースのSAP(JP-56D、表4から)は60秒であると決定された。SAP(JP-52A、表4から)は36秒であると決定された。
【0144】
実施例6.本開示は、生分解性ポリマー組成物を提供する。
【0145】
とりわけ、本開示は、生分解性で、環境に優しいポリマー、組成物、およびこれらからの製品を提供する。いくつかの実施形態では、生分解が、例えば、固体材料の炭素から二酸化炭素への変換(Sturm試験)に基づいて、OECD 301Bに従って実施され得る。いくつかの実施形態では、試験が、実験室条件下での固体試料の水生好気性生分解性を決定し、表面水または好気性廃水処理プラントにおける物質の生分解性を予測する。いくつかの実施形態では、試験材料が、本質的に他の有機炭素源を含まず、微生物(活性汚泥)が添加された、化学的に定義された(ミネラル)液体媒体に入れられる。いくつかの実施形態では、水性媒体中の有機材料の好気性生分解中に、酸素が消費され、炭素がガス状ミネラルC(二酸化炭素、COの形態で)に変換される。いくつかの実施形態では、有機材料の一部が、細胞増殖のために同化される。典型的には、反応器が連続的に曝気され、排気が苛性溶液を通って導かれ、生成された全てのCOを吸収する。いくつかの実施形態では、生成されたCOの量が滴定によって決定され、生分解のパーセンテージを計算するために使用される。
【0146】
生分解能力を決定するための別の有用な方法は、単純なプレートアッセイを利用し、このアッセイでは、真菌コロニーを取り囲む透明なゾーンの形成または唯一の炭素源としてポリマーを含む培地上の透明なコロニーとしての細菌分離株の増殖のいずれかに基づいて、ポリマー分解活性が検出される。有用な微生物には、緑膿菌(P.aeruginosa)およびT.ルブルム(T.rubrum)コロニーが含まれる。
【0147】
本開示により提供される組成物および調製物の分解性を評価するために様々な技術が利用可能である。ある特定のこのような技術および/またはプロトコルを以下に列挙する:
【表10】
【0148】
いくつかの実施形態では、本開示は、1またはそれを超えるこのような技術/プロトコル、例えば、OECD 301Bによって分解可能である組成物、調製物、製品等を提供する。いくつかの実施形態では、分解が生分解である。いくつかの実施形態では、分解がOECD 301Bに従って評価される。いくつかの実施形態では、分解が陽性対照と同等であるか、またはそれより速い。いくつかの実施形態では、一定期間後(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29もしくは30日、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11もしくは12ヶ月、1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10年等、またはその後)の分解レベルが、1またはそれを超える陽性対照(例えば、安息香酸ナトリウム)と同等、ほぼ同じ、またはより高いレベルである。いくつかの実施形態では、期間が約5日である。いくつかの実施形態では、期間が約7日である。いくつかの実施形態では、期間が約10日である。いくつかの実施形態では、期間が約15日である。いくつかの実施形態では、期間が約20日である。いくつかの実施形態では、期間が約25日である。いくつかの実施形態では、期間が約30日である。いくつかの実施形態では、レベルが、約または少なくとも約10%~100%、10%~95%、10~90%、10~80%、10%~70%、20%~90%、20%~80%、20~70%、30%~90%、30%~80%、40%~90%、40%~80%、50%~90%、50%~80%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または100%である。いくつかの実施形態では、レベルが約または少なくとも約10%である。いくつかの実施形態では、レベルが約または少なくとも約20%である。いくつかの実施形態では、レベルが約または少なくとも約30%である。いくつかの実施形態では、レベルが約または少なくとも約40%である。いくつかの実施形態では、レベルが約または少なくとも約50%である。いくつかの実施形態では、レベルが約または少なくとも約60%である。いくつかの実施形態では、レベルが約または少なくとも約70%である。いくつかの実施形態では、レベルが約または少なくとも約75%である。いくつかの実施形態では、レベルが約または少なくとも約80%である。いくつかの実施形態では、レベルが約または少なくとも約85%である。いくつかの実施形態では、レベルが約または少なくとも約90%である。いくつかの実施形態では、レベルが約または少なくとも約95%である。いくつかの実施形態では、レベルが約または少なくとも約98%である。いくつかの実施形態では、レベルが約または少なくとも約100%である。いくつかの実施形態では、ある特定のレベル(例えば、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%等)の組成物、調製物または製品を分解するために消費される時間が、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29または30日以下である。いくつかの実施形態では、これが約5日以下である。いくつかの実施形態では、これが約7日以下である。いくつかの実施形態では、これが約10日以下である。いくつかの実施形態では、これが約15日以下である。いくつかの実施形態では、これが約20日以下である。いくつかの実施形態では、これが約25日以下である。いくつかの実施形態では、これが約30日以下である。いくつかの実施形態では、ある特定のレベル(例えば、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%等)の組成物、調製物または製品を分解するために消費される時間が、同等の条件下で同じレベルの陽性対照を分解するために消費される時間よりも短いか、これとほぼ同じであるか、または約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29もしくは30日以下長い。いくつかの実施形態では、これが約5日以下である。いくつかの実施形態では、これが約7日以下である。いくつかの実施形態では、これが約10日以下である。いくつかの実施形態では、これが約15日以下である。いくつかの実施形態では、これが約20日以下である。いくつかの実施形態では、これが約25日以下である。いくつかの実施形態では、これが約30日以下である。いくつかの実施形態では、レベルが50%である。いくつかの実施形態では、生分解性を、OECD 301B CO発生試験を使用して評価した。いくつかの実施形態では、評価が、生分解性状態について評価されている材料に曝露された微生物の活性の程度を監視する。いくつかの実施形態では、微生物が材料を食品源として認識する場合、有機炭素の無機炭素(すなわち、CO)への生物学的変換を評価するために特別に設計されたデータ収集を通して生物学的活性の増加が観察される。いくつかの実施形態では、材料が認識可能な食物源ではないか、または毒性もしくは阻害性である場合、生物学的活性の測定可能な増加はないか、または場合によっては、生分解性対照と比較して活性の顕著な低下がある。一評価では、本明細書に記載される技術を使用して調製した架橋γ-PGA組成物(図3のZA)を、OECD 301B方法論に詳述されている手順に従って、Escatawpa、Mississippi POTWから収集した接種源に曝露した場合の水性媒体中の生分解性について評価した。OECD301B方法論に従って行われた試験に基づいて、30日未満で98.8%の生分解が達成された(図3参照)。いくつかの実施形態では、提供される調製物、組成物および製品が、易生分解性試験分類を満たす。
図1
図2
図3
【国際調査報告】