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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-04
(54)【発明の名称】ガラス材料
(51)【国際特許分類】
   C03C 3/093 20060101AFI20230627BHJP
   C03C 3/095 20060101ALI20230627BHJP
   C03C 3/097 20060101ALI20230627BHJP
【FI】
C03C3/093
C03C3/095
C03C3/097
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022572544
(86)(22)【出願日】2021-04-14
(85)【翻訳文提出日】2022-11-25
(86)【国際出願番号】 CN2021087203
(87)【国際公開番号】W WO2021238476
(87)【国際公開日】2021-12-02
(31)【優先権主張番号】202010460020.2
(32)【優先日】2020-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512264046
【氏名又は名称】成都光明光▲電▼股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHENGDU GUANG MING GUANG DIAN GLASS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.359,Sec.3,Chenglong Avenue,Long quan yi District,Chengdu,Sichuan China
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】毛 露路
(72)【発明者】
【氏名】▲ハオ▼ 良振
(72)【発明者】
【氏名】匡 波
【テーマコード(参考)】
4G062
【Fターム(参考)】
4G062AA01
4G062AA04
4G062BB01
4G062DA06
4G062DB02
4G062DB03
4G062DC03
4G062DC04
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4G062MM02
4G062NN15
4G062NN16
4G062NN29
4G062NN34
(57)【要約】
本発明は、重量%で以下の成分を含む、ガラス材料を提供する:SiO2:50~70%、B2O3:3~15%、TiO2:0.5~10%、ZnO:1~12%、Al2O3:0.5~10%、Na2O+K2O:5~22%であり、B2O3/SiO2が0.06~0.26、(TiO2+ZnO)/Al2O3が0.5~8.0。合理的な成分設計により、本発明のガラス材料は、高い光透過率と優れた化学的安定性を特徴とし、感光デバイスのパッケージの分野に応用できる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
重量%で以下の成分を含む、ガラス材料:
SiO2:50~70%、B2O3:3~15%、TiO2:0.5~10%、ZnO:1~12%、Al2O3:0.5~10%、Na2O+K2O:5~22%であり、B2O3/SiO2は0.06~0.26、(TiO2+ZnO)/Al2O3は0.5~8.0。
【請求項2】
重量%で以下の成分をさらに含む、請求項1に記載のガラス材料:
MgO+CaO+SrO+BaO:0~10%;及び/又はLi2O:0~5%;及び/又はP2O5:0~5%;及び/又はZrO2:0~5%;及び/又はLa2O3:0~5%;及び/又はY2O3:0~5%;及び/又は Gd2O3:0~5%、及び/又はNb2O5:0~5%、及び/又はWO3:0~5%、及び/又は清澄剤:0~1%。
【請求項3】
重量%で以下の成分からなる、ガラス材料:
SiO2:50~70%、B2O3:3~15%、TiO2:0.5~10%、ZnO:1~12%、Al2O3:0.5~10%、Na2O+K2O:5~22%、MgO+CaO+SrO+BaO:0~10%、Li2O:0~5%、P2O5:0~5%、ZrO2:0~5%、La2O3:0~5%、Y2O3:0~5%、Gd2O3:0~5%、Nb2O5:0~5%、WO3:0~5%、清澄剤:0~1%であり、B2O3/SiO2が0.06~0.26、(TiO2+ZnO)/Al2O3が0.5~8.0。
【請求項4】
重量%で以下の成分を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のガラス材料:
B2O3/SiO2が0.08~0.2、及び/又は(TiO2+ZnO)/Al2O3が0.7~7.0、及び/又は(SiO2+TiO2)/(Na2O+ZnO)が3.0~12.0;及び/又はZnO/B2O3が0.2~1.8;及び/又は(Na2O+K2O)/Al2O3が0.8~8.0;及び/又は(Na2O+K2O)/(B2O3+ZnO)が0.2~2.5;及び/又は(B2O3+K2O)/Al2O3が1.0~10.0。
【請求項5】
重量%で以下の成分を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のガラス材料:
(MgO+CaO+SrO+BaO)/ZnOが1.0以下、及び/又は(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al2O3が1.0以下、及び/又は(MgO+CaO+SrO+BaO)/(Na2O+K2O)が1.0以下である。
【請求項6】
重量%で以下の成分を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のガラス材料:
SiO2:55~68%、及び/又はB2O3:5%超13%以下、及び/又はTiO2:1.5~8%、及び/又はZnO:2~10%、及び/又はAl2O3:1~8%、及び/又はNa2O+K2O:6~20%、及び/又はMgO+CaO+SrO+BaO:0~5%、及び/又はLi2O:0~3%、及び/又はP2O5:0~3%、及び/又はZrO2:0~3%、及び/又はLa2O3:0~3%、及び/又はY2O3:0~3%、及び/又はGd2O3:0~3%、及び/又はNb2O5:0~3%、及び/又はWO3:0~3%、及び/又は清澄剤:0~0.5%。
【請求項7】
重量%で以下の成分を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のガラス材料:
B2O3/SiO2が0.1~0.18、及び/又は(TiO2+ZnO)/Al2O3が1.0~5.0、及び/又は(SiO2+TiO2)/(Na2O+ZnO)が3.0~10.0、及び/又はZnO/B2O3が0.3~1.0、及び/又は(Na2O+K2O)/Al2O3が1.0~6.0、及び/又は(Na2O+K2O)/(B2O3+ZnO)が0.3~2.0、及び/又は(B2O3+K2O)/Al2O3が1.5~8.0。
【請求項8】
重量%で以下の成分を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のガラス材料:
(MgO+CaO+SrO+BaO)/ZnOが0.5以下、及び/又は(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al2O3が0.5以下、及び/又は(MgO+CaO+SrO+BaO)/(Na2O+K2O)が0.5以下。
【請求項9】
重量%で以下の成分を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のガラス材料:
SiO2:60~68%;及び/又はB2O3:6~12%;及び/又はTiO2:2~7%;及び/又はZnO:3~8%;及び/又はAl2O3:2~7%;及び/又はNa2O+K2O:8~18%;及び/又はLa2O3:0~1%;及び/又はY2O3:0~1%;及び/又はGd2O3:0~1%;及び/又はNb2O5:0~1%;及び/又はWO3:0~1%。
【請求項10】
重量%で以下の成分を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のガラス材料:
(SiO2+TiO2)/(Na2O+ZnO)が4.0~8.0;及び/又はZnO/B2O3が0.4~0.8;及び/又は(Na2O+K2O)/Al2O3が1.5~5.0;及び/又は(Na2O+K2O)/(B2O3+ZnO)が0.5~1.5;及び/又は(B2O3+K2O)/Al2O3が2.0~6.0。
【請求項11】
重量%で以下の成分を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のガラス材料:
(MgO+CaO+SrO+BaO)/ZnOが0.2以下、及び/又は(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al2O3が0.2以下、及び/又は(MgO+CaO+SrO+BaO)/(Na2O+K2O)が0.2以下。
【請求項12】
重量%で以下の成分を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のガラス材料:
Na2O:2~12%、好ましくはNa2O:3~10%、より好ましくはNa2O:4~9%、及び/又はK2O:2~12%、好ましくはK2O:3~10%、より好ましくはK2O:4~9%、及び/又はMgO:0~5%、好ましくはMgO:0~3%、より好ましくはMgO:0~2%;及び/又はCaO:0~5%、好ましくはCaO:0~3%、より好ましくはCaO:0~2%;及び/又はSrO:0~5%、好ましくはSrO:0~3%、より好ましくはSrO:0~2%;及び/又はBaO:0~5%、好ましくはBaO:0~3%、より好ましくはBaO:0~2%。
【請求項13】
重量%で以下の成分を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のガラス材料:
La2O3、Y2O3、Gd2O3、Nb2O5およびWO3の合計含有量は5%以下、好ましくは3%以下、より好ましくは1%以下。
【請求項14】
前記成分がFを含まない;及び/又はTa2O5を含まない;及び/又はLi2Oを含まない;及び/又はP2O5を含まない;及び/又はZrO2を含まない、請求項1~3のいずれか一項に記載のガラス材料。
【請求項15】
屈折率が1.48~1.56、好ましくは1.50~1.55、より好ましくは1.51~1.54;及び/又はアッベ数が50~58、好ましくは51~57、より好ましくは53~56;及び/又は熱膨張係数α20-300℃が60×10-7/K~90×10-7/K、好ましくは65×10-7/K~85×10-7/K、より好ましくは68×10-7/K~80×10-7/K;及び/又はヤング率が6000×107Pa以上、好ましくは6500×107Pa~8500×107Pa、より好ましくは7000×107Pa~8000×107Pa;及び/又は転移温度が500℃~610℃、好ましくは520℃~600℃、より好ましくは530℃~580℃;及び/又は気泡度がA級以上、好ましくはA0級以上、より好ましくはA00級;及び/又はストライプがC級以上、好ましくはB級以上であることが好ましい、請求項1~3のいずれか一項に記載のガラス材料。
【請求項16】
耐酸安定性が2類以上、好ましくは1類;及び/又は耐水性安定性が2類以上、好ましくは1類;及び/又はISO 10629の試験条件及び要件に従った耐アルカリ性の測定後のガラス試料の重量減少が9mg未満、好ましくは7mg未満、より好ましくは5mg未満;及び/又は光透過率τ360nmが78%以上、好ましくは82%以上、より好ましくは85%以上である、請求項1~3のいずれか一項に記載のガラス材料。
【請求項17】
パッケージング材分野で使用される請求項1~16のいずれか一項に記載のガラス材料。
【請求項18】
請求項1~16のいずれか一項に記載のガラス材料からなるガラス部材。
【請求項19】
請求項1~16のいずれか一項に記載のガラス材料を含む、または請求項18に記載のガラス部材を含む、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス材料に関し、特に感光デバイスのパッケージ分野で使用するのに適したガラス材料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、COMSやCCDなどの光電変換デバイスは窓材としてガラス材料を使用し、当該窓は光透過と光電変換チップの保護という役割を果たしている。従来のCOMSやCCDなどの感光デバイスは、通常、快適な使用環境のカメラに搭載されるため、感光デバイスの保護窓の化学的安定性(耐酸、耐水、耐アルカリなど)、耐候性、耐温度衝撃性に高い要求はない。近年、自動車のセキュリティ、深宇宙や海洋探査、マシンビジョンなどの発展に伴い、非常に過酷な条件下で高い信頼性を持つ感光デバイスが求められている。例えば、高温火災時に使用される感光デバイスは100~200℃あるいはそれ以上の極端な温度環境に耐える必要があり、海洋環境の観察に使用される感光デバイスは、長期的なアルカリ性や酸性の腐食に耐えることができる必要があり、化学(化学的な)実験の観察に使用される感光デバイスは強酸、強アルカリ腐食に耐えることができる必要があり、車載用やセキュリティ用に使用される感光デバイスは長期間屋外環境にさらされることが求められる。COMSなどの感光デバイスは、感光性チップの主要成分がシリコン単結晶材料であり、パッケージの筐体は主にセラミック材料である。セラミック材料は化学的安定性や耐衝撃性に非常に優れているが、光を通さないという弱点があり、光を通す窓として脆いガラス材料が必要である。しかし、化学的安定性や耐熱衝撃性に関し、ガラス材料とセラミック素材の間には大きな隔たりがある。したがって、窓ガラス材料の化学的安定性や温度衝撃への耐性を向上させることが、厳しい外部環境下での感光デバイスの信頼性を向上させる最善の方法である。
【0003】
また、感光性チップの窓であるガラス材料は、紫外-可視-近赤外の異なる波長帯の感光ニーズに対応するため、360nmから2000nmの範囲で高い透過率が要求されている。ガラス材料の透過率は通常360nmから2000nmへと徐々に増加するため、ガラスの最低透過率は360nmの内部透過率(τ360nm)で特徴付けることができる。τ360nmが78%以上であれば、当該パッケージガラスは上記波長帯の透過率の要件を満たすことができることを表している。パッケージ用ガラスは反射損失を極力避ける必要があるため、屈折率が1.60を超えるとガラスの反射損失が大きくなる。反射防止膜をコーティングすることで反射損失を低減することは可能であるが、コストアップや迷光の干渉の問題が発生する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする技術的課題は、光透過率が高く、化学的安定性に優れたガラス材料を提供することである。
【0005】
本発明が技術的課題を解決するために採用する技術方案は次のとおりである。
(1) 重量%で以下の成分を含む、ガラス材料:
SiO2:50~70%、B2O3:3~15%、TiO2:0.5~10%、ZnO:1~12%、Al2O3:0.5~10%、Na2O+K2O:5~22%であり、B2O3/SiO2は0.06~0.26、(TiO2+ZnO)/Al2O3は0.5~8.0である。
【0006】
(2) 重量%で以下の成分をさらに含む、(1)に記載のガラス材料:
MgO+CaO+SrO+BaO:0~10%;及び/又はLi2O:0~5%;及び/又はP2O5:0~5%;及び/又はZrO2:0~5%;及び/又はLa2O3:0~5%;及び/又はY2O3:0~5%、及び/又はGd2O3:0~5%、及び/又はNb2O5:0~5%、及び/又はWO3:0~5%、及び/又は清澄剤:0~1%。
【0007】
(3) 重量%で以下の成分からなる、ガラス材料:
SiO2:50~70%、B2O3:3~15%、TiO2:0.5~10%、ZnO:1~12%、Al2O3:0.5~10%、Na2O+K2O:5~22%、MgO+CaO+SrO+BaO:0~10%、Li2O:0~5%、P2O5:0~5%、ZrO2:0~5%、La2O3:0~5%、Y2O3:0~5%、Gd2O3:0~5%、Nb2O5:0~5%、WO3:0~5%、清澄剤:0~1%であり、B2O3/SiO2が0.06~0.26、(TiO2+ZnO)/Al2O3が0.5~8.0である。
【0008】
(4) 重量%で以下の成分を含む、(1)~(3)のいずれか一つに記載のガラス材料:
B2O3/SiO2が0.08~0.2、及び/又は(TiO2+ZnO)/Al2O3が0.7~7.0、及び/又は(SiO2+TiO2)/(Na2O+ZnO)が3.0~12.0;及び/又はZnO/B2O3が0.2~1.8;及び/又は(Na2O+K2O)/Al2O3が0.8~8.0;及び/又は(Na2O+K2O)/(B2O3+ZnO)が0.2~2.5;及び/又は(B2O3+K2O)/Al2O3が1.0~10.0である。
【0009】
(5) 重量%で以下の成分を含む、(1)~(3)のいずれか一つに記載のガラス材料:
(MgO+CaO+SrO+BaO)/ZnOが1.0以下、及び/又は(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al2O3が1.0以下、及び/又は(MgO+CaO+SrO+BaO)/(Na2O+K2O)が1.0以下である。
【0010】
(6) 重量%で以下の成分を含む、(1)~(3)のいずれか一つに記載のガラス材料:
SiO2:55~68%、及び/又はB2O3:5%超13%以下、及び/又はTiO2:1.5~8%、及び/又はZnO:2~10%、及び/又はAl2O3:1~8%、及び/又はNa2O+K2O:6~20%、及び/又はMgO+CaO+SrO+BaO:0~5%、及び/又はLi2O:0~3%、及び/又はP2O5:0~3%、及び/又はZrO2:0~3%、及び/又はLa2O3:0~3%、及び/又はY2O3:0~3%、及び/又はGd2O3:0~3%、及び/又はNb2O5:0~3%、及び/又はWO3:0~3%、及び/又は清澄剤:0~0.5%である。
【0011】
(7) 重量%で以下の成分を含む、(1)~(3)のいずれか一つに記載のガラス材料:
B2O3/SiO2が0.1~0.18、及び/又は(TiO2+ZnO)/Al2O3が1.0~5.0、及び/又は(SiO2+TiO2)/(Na2O+ZnO)が3.0~10.0、及び/又はZnO/B2O3が0.3~1.0、及び/又は(Na2O+K2O)/Al2O3が1.0~6.0、及び/又は(Na2O+K2O)/(B2O3+ZnO)が0.3~2.0、及び/又は(B2O3+K2O)/Al2O3が1.5~8.0である。
【0012】
(8) 重量%で以下の成分を含む、(1)~(3)のいずれか一つに記載のガラス材料:
MgO+CaO+SrO+BaO)/ZnOが0.5以下、及び/又は(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al2O3が0.5以下、及び/又は(MgO+CaO+SrO+BaO)/(Na2O+K2O)が0.5以下である。
【0013】
(9) 重量%で以下の成分を含む、(1)~(3)のいずれか一つに記載のガラス材料:
SiO2:60~68%;及び/又はB2O3:6~12%;及び/又はTiO2:2~7%;及び/又はZnO:3~8%;及び/又はAl2O3:2~7%;及び/又はNa2O+K2O:8~18%;及び/又はLa2O3:0~1%; 及び/又はY2O3: 0~1%; 及び/又はGd2O3: 0~1%; 及び/又はNb2O5: 0~1%; 及び/又はWO3: 0~1%である。
【0014】
(10) 重量%で以下の成分を含む、(1)~(3)のいずれか一つに記載のガラス材料:
(SiO2+TiO2)/(Na2O+ZnO)が4.0~8.0、及び/又はZnO/B2O3が0.4~0.8、及び/又は(Na2O+K2O)/Al2O3が1.5~5.0、及び/又は(Na2O+K2O)/(B2O3+ZnO)が0.5~1.5、及び/又は(B2O3+K2O)/Al2O3が2.0~6.0である。
【0015】
(11) 重量%で以下の成分を含む、(1)~(3)のいずれか一つに記載のガラス材料:
(MgO+CaO+SrO+BaO)/ZnOが0.2以下、及び/又は(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al2O3が0.2以下、及び/又は(MgO+CaO+SrO+BaO)/(Na2O+K2O)が0.2以下である。
【0016】
(12) 重量%で以下の成分を含む、(1)~(3)のいずれか一つに記載のガラス材料:
Na2O:2~12%、好ましくはNa2O:3~10%、より好ましくはNa2O:4~9%、及び/又はK2O:2~12%、好ましくはK2O:3~10%、より好ましくはK2O:4~9%、及び/又はMgO:0~5%、好ましくはMgO:0~3%、より好ましくはMgO:0~2%;及び/又はCaO:0~5%、好ましくはCaO:0~3%、より好ましくはCaO:0~2%;及び/又はSrO:0~5%、好ましくはSrO:0~3%、より好ましくはSrO:0~2%;及び/又はBaO:0~5%、好ましくはBaO:0~3%、より好ましくはBaO:0~2%である。
【0017】
(13) 重量%で以下の成分を含む、(1)~(3)のいずれか一つに記載のガラス材料:
La2O3、Y2O3、Gd2O3、Nb2O5及びWO3の合計含有量が5%以下、好ましくは3%以下、より好ましくは1%以下である。
【0018】
(14)前記成分がFを含まない;及び/又はTa2O5を含まない;及び/又はLi2Oを含まない;及び/又はP2O5を含まない;及び/又はZrO2を含まない、(1)~(3)のいずれか一つに記載のガラス材料。
【0019】
(15)屈折率が1.48~1.56、好ましくは1.50~1.55、より好ましくは1.51~1.54;及び/又はアッベ数が50~58、好ましくは51~57、より好ましくは53~56;及び/又は熱膨張係数α20-300℃が60×10-7/K~90×10-7/K、好ましくは65×10-7/K~85×10-7/K、より好ましくは68×10-7/K~80×10-7/K;及び/又はヤング率が6000×107Pa以上、好ましくは6500×107Pa~8500×107Pa、より好ましくは7000×107Pa~8000×107Pa;及び/又は転移温度が500℃~610℃、好ましくは520℃~600℃、より好ましくは530℃~580℃、及び/又は気泡度がA級以上、好ましくはA0級以上、より好ましくはA00級;及び/又はストライプがC級以上、好ましくはB級以上であることが好ましい、(1)~(3)のいずれか一つに記載のガラス材料。
【0020】
(16) 耐酸安定性が2類以上、好ましくは1類;及び/又は耐水性安定性が2類以上、好ましくは1類;及び/又は ISO10629の試験条件及び要件に従った耐アルカリ性の測定後のガラス試料の重量減少が9mg未満、好ましくは7mg未満、より好ましくは5mg未満;及び/又は光透過率τ360nmが78%以上、好ましくは82%以上、より好ましくは85%以上である、(1)~(3)のいずれか一つに記載のガラス材料。
【0021】
(17) パッケージング材分野で使用される(1)~(16)のいずれか一つに記載のガラス材料。
【0022】
(18) (1)~(16)のいずれか一つに記載のガラス材料からなるガラス部材。
【0023】
(19) (1)~(16)のいずれか一つに記載のガラス材料を含む、または(18)に記載のガラス部材を含む、装置。
【発明の効果】
【0024】
本発明の有益な効果は、以下の通りである。合理的な成分設計により、本発明により得られるガラス材料は、高い光透過率と優れた化学的安定性を有し、感光性デバイスのパッケージ等の分野での用途に合致していることである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明に係るガラス材料の実施形態について詳細に説明するが、本発明は以下に説明する実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内で適宜変形して実施することが可能である。さらに、適宜省略はあるものの、記載を繰り返すことによって本発明の主旨が限定されるものではなく、以下では、本発明のガラス材料を単にガラスと称することもある。
【0026】
[ガラス材料]
以下に、本発明のガラス材料の構成要素の範囲について説明する。本説明書において、各成分の含有量および合計含有量は、特に指定のない限り、酸化物組成物に換算した全ガラス材料に対する重量パーセントで表すものとする。ここでいう「酸化物組成物に換算した」とは、本発明のガラス材料の組成物の原料として用いた酸化物、錯塩、水酸化物等が溶融時に分解して酸化物に変換された場合の酸化物物質の総重量を100%とした場合のことである。
【0027】
本明細書に記載されている数値範囲には、特に明記されていない限り、上限値および下限値が含まれ、「以上」および「以下」には端点値、ならびに範囲に含まれるすべての整数および分数が含まれ、範囲が限定されている場合に記載されている具体的な値に限定されるものではない。本明細書で「及び/又は」と呼ばれるものは包括的であり、例えば「A及び/又はB」は、Aのみ、Bのみ、またはAとBの両方を意味する。
【0028】
<必須成分とオプション成分>
SiO2はガラスの主な成分の一つであり、本発明のガラスでは、適量のSiO2により、高い耐水性、耐酸性、および高い光透過率を確保することができる。SiO2含有量が50%未満では、ガラスの耐水性、耐酸性、紫外線透過率が設計要件より低くなる。SiO2の含有量が70%を超えると、ガラスの屈折率が設計要件を満たさなくなる。ガラスの溶融温度が急激に上昇し、製造上、高品質のガラスを得ることが容易でなくなり、ガラスの熱膨張係数が低くなる。したがって、本発明におけるSiO2の含有量は、50~70%、好ましくは55~68%、より好ましくは60~68%に限定される。
【0029】
適量のB2O3は、ガラスの構造を緻密化する方向に変化させ、ガラスの屈折率を向上させると同時に、より高い耐水性や耐酸性を実現することができる。その含有量が3%未満であれば、上記の効果は顕著ではない。B2O3の含有量が15%を超えると、ガラスの耐水性、耐酸性が低下する。したがって、B2O3の含有量は3~15%に限定され、好ましくは5%超13%以下、より好ましくは6~12%である。
【0030】
本発明では、B2O3/SiO2の値はガラスの製造難易度に影響し、B2O3/SiO2が0.06未満では、ガラス溶融温度が上昇し、耐火物の侵食が激しくなり、ガラス中に着色不純物と介在物が多く入りやすく、ガラス透過率が設計要件を満たさなくなり、同時に製品内部に欠陥が生じる可能性が高くなる。B2O3/SiO2が0.26超のとき、溶融温度があまり下がらず、B2O3による耐火物の侵食が進み、ガラス中の着色不純物や介在物が多くなり、ガラスの短波長透過率が設計要件を満たせず、同時に製品表面に欠陥が生じる可能性が高くなる傾向がある。したがって、本発明においては、B2O3/SiO2の値は0.06~0.26、好ましくは0.08~0.2、より好ましくは0.1~0.18である。
【0031】
ガラスに適量のAl2O3を添加することにより、ガラスの耐水性、耐酸性を向上させるとともに、特にアルカリ金属酸化物の存在下でガラスの熱膨張係数を低下させることができる。Al2O3の含有量が10%を超えると、ガラスの熱膨張係数が急激に低下し、設計要件を満たさなくなる。したがって、Al2O3の含有量は、0.5~10%、好ましくは1~8%、より好ましくは2~7%に限定される。
【0032】
適量のTiO2をガラスに添加することで、ガラスの屈折率や耐水性、耐酸性、耐アルカリ性を向上させ、熱膨張係数の低減や耐熱衝撃性の向上が期待できる。TiO2の含有量が0.5%未満では、上記の効果は顕著ではなく、10%を超えると、ガラスのアッベ数が設計期待値より低くなり、特に不安定な溶融雰囲気下で短波長の透過率が急速に低下する。さらに重要なことは、TiO2の含有量が多いとガラスの屈折率が急激に上昇し、反射防止膜をコーティングしない場合は短波長側の反射損失が増加し、短波長側の透過率がさらに低下するとともに、ガラスの熱膨張係数が低下して設計要件を満たせなくなるということである。従って、本発明におけるTiO2の含有量は、0.5~10%、好ましくは1.5~8%に限定される。いくつかの実施形態において、ガラスの屈折率、アッベ数、及び溶融時の雰囲気制御の困難さを考慮して、TiO2の含有量は、より好ましくは2~7%である。
【0033】
ZnOは2価の金属酸化物の中で高い電界強度を持ち、ガラスに添加することでガラスの耐酸性、耐水性、耐アルカリ性が向上し、ガラスの屈折率を高め、特にアルカリ金属を含むガラス系ではガラスの熱膨張係数を低減させることができる。これらの効果は、ZnOの含有量が1%未満であれば、顕著には現れない。ZnOの含有量が12%を超えると、ガラスの転移温度が急激に低下し、高温動作環境下でガラスが軟化・変形しやすくなり、高温動作が必要なガラスデバイスにとって致命的な問題となる。また、12%を超えて含有すると、ガラスの分散が急激に上昇し、アッベ数が設計要件を満たさなくなる。したがって、ZnOの含有量は、1~12%、好ましくは2~10%、より好ましくは3~8%に限定される。
【0034】
本発明において、(TiO2+ZnO)/Al2O3の値が8.0を超えるとガラスの紫外線透過率が低下して失透しやすくなり、(TiO2+ZnO)/Al2O3の値が0.5未満だとガラスの融着性が低下して泡が排出しにくくなり内部品質が悪くなってしまう。
したがって、(TiO2+ZnO)/Al2O3の値は0.5~8.0であり、好ましくは(TiO2+ZnO)/Al2O3の値は0.7~7.0であり、より好ましくは(TiO2+ZnO)/Al2O3の値は1.0~5.0である。
【0035】
本発明者らが鋭意実験研究を重ねた結果、ガラスがB2O3を含む場合、ZnOの存在によりガラスの溶融温度がさらに低下し、高品質な製品を得やすくなることを見出した。ZnO/B2O3の値が0.2未満だと上記効果は顕著ではなく、ZnO/B2O3が1.8超であればガラスの転移温度が急速に低下し耐熱性が設計要件を満たさなくなることが判明した。一方、ZnO/B2O3の値が0.2~1.8である場合、B2O3を単独で添加した場合よりも、優れた耐水性、耐酸性、耐アルカリ性を持つガラスが得られる。したがって、本発明では、ZnO/B2O3の値が0.2~1.8、より好ましくは0.3~1.0、さらに好ましくは0.4~0.8である。
【0036】
アルカリ土類金属酸化物であるMgO、CaO、SrO、BaOのガラスへの添加により、ガラスの屈折率や転移温度を高め、ガラスの安定性や熱膨張係数を調整することができる。しかし、アルカリ土類金属酸化物を添加すると、ガラスのヤング率が急激に上昇する。熱膨張係数が同じであれば、ヤング率の低いガラス材料の方が耐熱衝撃性に優れている。したがって、上記の要因を考慮すると、アルカリ土類金属酸化物MgO+CaO+SrO+BaOの合計添加量は10%以下が好ましく、より好ましくは5%以下である。いくつかの実施形態では、ガラスの安定性、熱膨張係数および転移温度が設計要件を満たす場合、アルカリ土類金属酸化物を添加しないことがさらに好ましい。
【0037】
本発明のいくつかの実施形態では、アルカリ土類金属酸化物のAl2O3に対する比(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al2O3を1.0以下、好ましくは(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al2O3を0.5以下、より好ましくは(MgO+CaO+SrO+BaO/Al2O3を0.2以下にすることによりガラスの耐失透性と化学安定性を改善できる。
【0038】
パッケージングの用途によっては、光学系に合わせた高屈折率化や、より高い転移温度が要求されるが、アルカリ土類金属酸化物を少量添加することで実現できる。アルカリ土類金属酸化物を添加する場合、ガラスの耐水性、耐酸性、耐アルカリ性が急激に低下しないように、MgO、CaO、SrO、BaOを単独または組み合わせて添加することが考えられる。MgO、CaO、SrO、BaOなどのアルカリ土類金属酸化物単独の含有量が5%を超えると、ガラスの耐失透性が急激に低下し、大口径で高品質の製品を得ることは容易でない。したがって、MgO、CaO、SrOおよびBaOの含有量は、それぞれ5%以下、好ましくは3%以下、より好ましくは2%以下に限定される。
【0039】
本発明者らが鋭意実験研究を重ねた結果、ガラス中にアルカリ土類金属酸化物がある程度存在する場合、ZnOの含有量を調整することで、ガラスの化学的安定性や耐熱衝撃性の低下を抑制できると考えられることが判明した。いくつかの実施形態では、(MgO+CaO+SrO+BaO)/ZnOの値が1.0以下、好ましくは0.5以下、より好ましくは0.2以下であると、より屈折率の高い、本発明の設計要件の化学安定性や熱膨張係数および耐熱衝撃性を満たすガラスがより容易に得られる。
【0040】
Li2O、Na2O、K2Oはアルカリ金属酸化物であり、本発明のガラス中の含有量は熱膨張係数、化学的安定性、内部品質に密接に関係するものである。
【0041】
Li2Oを添加することで、ガラスの溶融温度が下がり、ガラスの気泡度が良くなる一方で、他の2つのアルカリ金属酸化物と比較して、ガラスへの化学的安定性の損失は最小限に抑えられる。しかし、Li2Oの含有量が5%を超えると、成形工程、すなわちガラス液を液体から固体に冷却する工程でガラスの硬化が遅くなり、大型で高品質の製品の製造(例えば、幅または直径340mm超、厚さ40mm超の製品を製造する場合、ストライプや内部失透などの不具合を起こしやすい)に不利に働くようになる。一方で、ガラスの転移温度の低下も招き、耐熱性が設計要件を満たさない。したがって、Li2Oの含有量は5%以下、好ましくは3%以下に限定され、より好ましくはLi2Oを添加しない。
【0042】
本発明において、Na2OとK2Oの合計含有量Na2O+K2Oが22%を超えると、ガラスのアッベ数が設計要件より低く、ガラスの熱膨張係数が設計要件を超えると同時にガラスの誘電率が急激に上昇し、ガラスの絶縁性が急激に低下し、絶縁性を満たす必要がある特定の用途において不利になる。Na2O+K2Oが5%未満であると、ガラスの熱膨張係数が設計要件を満たさない一方、ガラス中の変動成分の着色能の上昇を招き、ガラスの短波長透過率が設計要件を満たさなくなる。したがって、Na2OとK2Oの合計含有量Na2O+K2Oは、5~22%、好ましくは6~20%、より好ましくは8~18%である。
【0043】
ガラスにNa2Oを添加することで、ガラスの熱膨張係数を大幅に増加させるとともに、ガラスの高温粘度を下げることができ、12インチパッケージ用ウェハーに加工可能な幅330mm超のガラス製品を得ることが容易になる。しかし、Na2Oの含有量が12%を超えると、ガラスの屈折率が低下し、化学的安定性が急激に低下して設計要件を満たせなくなる。Na2Oが2%未満では、ガラスの熱膨張係数が設計要件を満たさず、化学的安定性が著しく悪化する。したがって、Na2Oの含有量は、2~12%、好ましくは3~10%、より好ましくは4~9%に限定される。
【0044】
ガラスに適量のK2Oを添加することにより、特にNa2Oとの共存下において熱膨張係数を向上し、ガラスの高温粘度を低減し、ガラスの気泡度を向上できる。ガラスに適量のK2Oを添加してもガラスの化学安定性を大きく損なわない。しかし、その含有量が12%を超えると、ガラスの耐水性、耐酸性、耐アルカリ性が低下する。K2Oの含有量が2%未満では、熱膨張係数の増加や高温粘度の低減の効果はあまり期待できない。したがって、K2Oの含有量は、2~12%、好ましくは3~10%、より好ましくは4~9%に限定される。
【0045】
本発明のいくつかの実施形態において、(B2O3+K2O)/Al2O3の値が10.0超の場合、ガラスの耐アルカリ性が低下し、熱膨張係数が増加し、(B2O3+K2O)/Al2O3の値が1.0未満であればガラスの溶解性が低下し転移温度が増加する。したがって、(B2O3+K2O)/Al2O3の値が1.0~10.0であることが好ましく、より好ましくは(B2O3+K2O)/Al2O3の値が1.5~8.0、さらに好ましくは(B2O3+K2O)/Al2O3の値が2.0~6.0である。
【0046】
本発明のいくつかの実施形態において、(Na2O+K2O)/(B2O3+ZnO)の値が0.2未満では、ガラス系内の自由酸素が不足し、B2O3やZnOなどの成分がガラスネットワークに入る確率が低下して化学安定性が急激に低下するとともにガラスの膨張係数が下がり、設計要件が満足のいかないものとなる。(Na2O+K2O)/(B2O3+ZnO)の値が2.5を超えると、ガラス系内の自由酸素が過剰となり、ガラスの化学的安定性が急激に低下し、ガラスの膨張係数が設計要件を超えてしまう。したがって、(Na2O+K2O)/(B2O3+ZnO)の値が0.2~2.5、好ましくは0.3~2.0、より好ましくは0.5~1.5のとき、ガラスの化学安定性と熱膨張係数のバランスが最も良好となる。
【0047】
従来技術では、アルカリ金属酸化物であるLi2O、Na2O、K2O等よりもアルカリ土類金属酸化物であるMgO、CaO、SrO、BaO等のガラスへの添加が化学安定性に有利であると一般に考えられているが、本発明者らは実験により、本系のガラスではアルカリ金属酸化物に比べてアルカリ土類金属酸化物の自由酸素供給力が弱いため、(MgO+CaO+SrO+BaO)/(Na2O+K2O)の値が1.0超の場合は、ガラスの深刻な内部ネットワークの破損をもたらす。特に強アルカリ溶液に浸漬した場合の化学安定性が低くなり、(MgO+CaO+SrO+BaO)/(Na2O+K2O)の値が1.0超の場合は、アルカリ土類金属イオンがより簡単に浸食によって析出し、半導体製造時の工程によっては壊滅的な影響を受けることを見出した。したがって、(MgO+CaO+SrO+BaO)/(Na2O+K2O)の値は、1.0以下、好ましくは0.5以下、より好ましくは0.2以下とすることができる。
【0048】
本発明において、Na2OやK2Oを添加することは、適切な熱膨張係数を得るためには必要であるが、ガラスの化学的安定性の低下につながる。本発明者らは、研究の結果、ガラス中にAl2O3が存在する場合、アルカリ金属酸化物の種類とその相対的な含有量によって、ガラスの微細構造が変化し、ガラスの化学的安定性に大きな影響を与えることを見出した。いくつかの実施形態では、(Na2O+K2O)/Al2O3の値が0.8~8.0、好ましくは1.0~6.0、より好ましくは1.5~5.0である場合に、ガラスの化学的安定性が向上する。
【0049】
本発明の幾つかの実施形態において、(SiO2+TiO2)/(Na2O+ZnO)の値が12.0を超えると、ガラスが溶解・清澄しにくくなり、ガラス内部の気泡や介在物を排除することが困難となるため、気泡度A0級以上のガラスが得にくく、ガラス内部のストライプが激しくなっている。(SiO2+TiO2)/(Na2O+ZnO)が3.0未満では、ガラスの熱膨張係数が急激に上昇し、設計要件を超えてしまうためである。したがって、(SiO2+TiO2)/(Na2O+ZnO)の値は、好ましくは3.0~12.0、より好ましくは3.0~10.0、さらに好ましくは4.0~8.0になるように制御される。
【0050】
ZrO2を適量添加することで、ガラスの化学的安定性や耐熱衝撃性が向上し、ガラスの屈折率も改善される。しかし、ガラスの溶融温度が著しく上昇するという特徴があり、その含有量が5%を超えると、ガラス中に介在物欠陥が発生しやすくなる。したがって、ZrO2の含有量は、5%以下、好ましくは3%以下に限定される。いくつかの実施形態において、ガラスの化学的安定性と強度に余剰がある場合、ZrO2を添加しないことがより好ましい。
【0051】
特に化学強化が必要な場合は、適量のP2O5を添加することでガラスの強度を高めることができる。しかし、5%を超えて含有させると、ガラス内に差相が発生しやすくなり、ガラスの成形温度を著しく上昇させることになる。したがって、P2O5の含有量は、0~5%、好ましくは0~3%に限定される。いくつかの実施形態において、ガラス強度設計が使用上の要件を満たす場合、P2O5を添加しないことがより好ましい。
【0052】
本発明のいくつかの実施形態では、ガラスの屈折率や転移温度を高める必要がある場合に、La2O3、Y2O3、Gd2O3、Nb2O5、WO3などの酸化物を適量添加することができるが、それらの単独または合計含有量が5%を超えると、ガラスのヤング率が急激に上昇し、ガラスの強度は上がるものの、ガラスの脆さがより急激に上がり、代わりに熱衝撃に対する抵抗性が減少してしまう。また、ガラスの耐失透性や短波長の透過率も悪くなる。したがって、La2O3、Y2O3、Gd2O3、Nb2O5およびWO3の含有量は、それぞれ5%以下、好ましくは3%以下、より好ましくは1%以下、さらに好ましくは含有させない。さらに、La2O3、Y2O3、Gd2O3、Nb2O5、WO3の合計含有量が5%以下であることが好ましく、3%以下であることがより好ましく、1%以下であることがさらに好ましい。
【0053】
本発明のいくつかの実施形態において、ガラスの清澄性は、清澄剤としてSb2O3、SnO2、SnO、NaCl、硫酸塩およびCeO2の1つ又は複数の成分を0~1%添加することによって改善することができ、好ましくは清澄剤としてSb2O3を使用し、好ましくは0~0.5%を加える。
【0054】
ガラスにFを添加すると、ガラス原料の揮発量が増加し、環境汚染やガラスの縞模様の劣化を引き起こす傾向があるため、本発明のガラスは、好ましくはFを含有しないものである。なお、Ta2O5を添加すると、ガラスの屈折率やコストが著しく上昇し、ガラスの溶融性が悪化するため、本発明のガラスにはTa2O5を含有しないことが好ましい。
【0055】
<含まれるべきでない成分>
Th、Cd、Tl、Os、Be、Seの酸化物は、近年、有害化学物質として規制される傾向にあり、ガラスの製造工程だけでなく、製品化後の加工や廃棄においても環境保全のための対策が必要である。そのため、環境への影響を重要視する状況においては、不可欠に混入する以外は、含有しないのが好ましい。その結果、ガラスは環境を汚染する物質を実質的に含まないものになる。したがって、本発明のガラスは、特別な環境対策がなくても、製造、加工、廃棄が可能である。
【0056】
環境に配慮するため、本発明のガラスはAs2O3およびPbOを含まない。As2O3は、気泡を除去し、ガラスの着色をより防止する効果があるが、As2O3を添加すると、特に白金炉でのガラスの白金の侵食が進み、ガラスに入る白金イオンが増え、白金炉の寿命に悪影響を及ぼす。白金炉の寿命に悪影響を及ぼす。PbOはガラスの高屈折率・高分散特性を大幅に向上させることができるが、PbOもAs2O3も環境汚染物質である。
【0057】
本明細書に記載されている「含まない」、「加えない」、「0%」という用語は、化合物、分子、元素等を本発明のガラスの原料として意図的に添加しなかったことを意味する。しかし、ガラスを製造するための原料及び/又は設備として、意図的に添加されていない不純物や成分が、最終的なガラス中に少量または微量に存在することがあり、それらも本発明の特許の対象となる。
【0058】
以下では、本発明のガラス材料の特性について説明する。
【0059】
<屈折率とアッベ数>
ガラス材料の屈折率(nd)とアッベ数(νd)は、GB/T 7962.1-2010に規定された方法に従って試験されている。
【0060】
本発明のガラス材料の屈折率(nd)の下限値は1.48、好ましくは下限値は1.50、より好ましくは下限値は1.51であり、屈折率(nd)の上限値は1.56、好ましくは1.55、より好ましくは1.54である。アッベ数(νd)の下限値は50、好ましくは51、より好ましくは53であり、アッベ数(νd)の上限値は58、好ましくは57、より好ましくは56である。
【0061】
<耐酸安定性>
ガラス材料の耐酸安定性(DA)(粉末法)は、GB/T 17129に規定された方法に従って試験される。本明細書では、耐酸安定性を耐酸性または耐酸安定性と呼ぶことがある。
【0062】
本発明のガラス材料の耐酸安定性(DA)は、2類以上であり、好ましくは1類である。
【0063】
<耐水性安定性>
ガラス材料の耐水性安定性(DW)(粉体法)は、GB/T 17129に規定された方法に従って試験される。本明細書では、耐水性安定性を「耐水性」または「耐水性安定性」と表記することがある。
【0064】
本発明のガラス材料の耐水性安定性(DW)は、2類以上であり、好ましくは1類である。
【0065】
<耐アルカリ性安定性>
ガラス材料の耐アルカリ性安定性は、ISO 10629の試験条件および要求事項に従って測定され、ガラス試料の重量減少で表される。耐アルカリ性安定性は、本明細書では耐アルカリ性または耐アルカリ性安定性と呼ぶことがある。
【0066】
このガラスを30mm×30mm×2mmサイズの試験片に加工し、6面を研磨した後、2000mlのNaOH溶液に入れ、前記NaOH溶液の濃度を0.01mol/L、pH値を12.0として、試験中のpH値の変化をpHメーターで定期的に観察し、反応試験溶液を適宜交換し、温度50℃で100時間侵食を行った後、mgで表される試料の重量減少を電子天秤で測定する。
【0067】
上記試験方法による本発明のガラス材料の重量減少量は、9mg未満、好ましくは7mg未満、より好ましくは5mg未満である。
【0068】
<熱膨張係数>
本発明でいう熱膨張係数とは、GB/T7962.16-2010に規定された方法に従って試験した、ガラスの20~300℃における平均熱膨張係数であり、α20-300℃で表される。
【0069】
本発明のガラス材料の平均熱膨張係数(α20-300℃)の上限は90×10-7/K、好ましくは上限は85×10-7/K、より好ましくは上限は80×10-7/Kであり、平均熱膨張係数(α20-300℃)の下限は60×10-7/K、好ましくは下限は65×10-7/K、より好ましくは下限は68×10-7/Kである。
【0070】
<光透過率>
本発明に記載の光透過率は、10mm厚のガラス試料の360nmにおける内部透過率を指し、τ360nmで表し、GB/T7962.12-2010に記載の方法に従って試験したものである。
【0071】
本発明のガラス材料の360nmにおける内部透過率(τ360nm)は、78%以上であり、好ましくは82%以上、より好ましくは85%以上である。
【0072】
<転移温度>
ガラスの転移温度(Tg)は、GB/T7962.16-2010に規定された方法に従って試験される。
【0073】
本発明のガラスの転移温度(Tg)の上限は610℃であり、好ましくは上限が600℃、より好ましくは上限が580℃であり、転移温度(Tg)の下限は500℃であり、好ましくは下限が520℃、より好ましくは下限が530℃である。
【0074】
<ヤング率>
ガラスのヤング率(E)は、以下の式で算出される。
そのうち、
式において:
Eはヤング率、Paである。
Gはせん断弾性率、Paである。
VTは縦波速度、m/sである。
VSは横波の速度、m/sである。
ρはガラスの密度、g/cm3である。
【0075】
本発明のガラス材料のヤング率(E)の下限値は6000×107Paであり、好ましくは下限値は6500×107Pa、より好ましくは下限値は7000×107Paであり、ヤング率(E)の上限値は8500×107Paであり、好ましくは上限値は8000×107Paである。
【0076】
<気泡度>
GB/T7962.8-2010に規定された試験方法に従って、ガラス材料の気泡度を試験する。
【0077】
本発明のガラス材料の気泡度は、A級以上、好ましくはA0級以上、より好ましくはA00級である。
【0078】
<ストライプ>
ガラス材料のストライプ(縞)は、MLL-G-174Bに規定された方法に従って測定される。点光源とレンズで構成されたストライプメーターを用いて、標準試料を最も縞が見えやすい方向から比較・確認する。グレード(級)はそれぞれA、B、C、Dの4段階に分けられる。A級は所定の検出条件で目視できる縞が見えないもの、B級は所定の検出条件で縞が細かく散在して見えるもの、C級は所定の検出条件でわずかに平行な縞が見えるもの、D級は所定の検出条件で粗い縞が見えるものである。
【0079】
本発明のガラス材料は、ストライプがC級以上、好ましくはB級以上である。
【0080】
以上のような優れた特性を有する本発明のガラス材料は、電子デバイスや感光性デバイスのパッケージング分野や、撮像装置、センサー、顕微鏡、医療技術、デジタル投影、通信、光通信技術/情報伝送、自動車分野の光学/照明、フォトリソグラフィー、エキシマレーザー、ウェハーなどの各種装置・機器用ガラス部品の製造、コンピュータチップおよび集積回路、ならびにそれらを含む電子機器、または自動車分野、監視・セキュリティ分野のカメラ装置および機器に広く利用することが可能である。
【0081】
[製造方法]
本発明のガラスは、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、水酸化物、酸化物等の従来の原料、従来の工程で製造され、常法によりドージングした後、調製した炉材を1300~1500℃の溶解炉に投入して溶融する。その後、清澄化、撹拌、均一化して、気泡や未溶解物のない均質な溶融ガラスを得るとともに、この溶融ガラスを金型に入れて鋳造し、焼きなましする。当業者であれば、用途に応じて、原料、製法及びプロセスパラメータを適宜選択することができる。
【実施例
【0082】
本発明の技術的解決策をさらに明確に説明し、例示するために、以下の非限定的な実施形態1~20が提供される。
【0083】
本実施形態は、上述したガラス材料の製造方法を用いて、表1~表2に示す組成を有するガラス材料を得るものである。
また、各ガラスの特性を本発明に記載の試験方法により測定し、その結果を表1~表2に表した。
【0084】
【表1】
【0085】
【表2】
【手続補正書】
【提出日】2022-11-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
重量%で以下の成分を含む、ガラス材料:
SiO2:50~70%、B2O3:3~15%、TiO2:0.5~10%、ZnO:1~12%、Al2O3:0.5~10%、Na2O+K2O:5~22%であり、B2O3/SiO2は0.06~0.26、(TiO2+ZnO)/Al2O3は0.5~8.0。
【請求項2】
重量%で以下の成分をさらに含む、請求項1に記載のガラス材料:
MgO+CaO+SrO+BaO:0~10%;及び/又はLi2O:0~5%;及び/又はP2O5:0~5%;及び/又はZrO2:0~5%;及び/又はLa2O3:0~5%;及び/又はY2O3:0~5%;及び/又はGd2O3:0~5%、及び/又はNb2O5:0~5%、及び/又はWO3:0~5%、及び/又は清澄剤:0~1%。
【請求項3】
重量%で以下の成分からなる、ガラス材料:
SiO2:50~70%、B2O3:3~15%、TiO2:0.5~10%、ZnO:1~12%、Al2O3:0.5~10%、Na2O+K2O:5~22%、MgO+CaO+SrO+BaO:0~10%、Li2O:0~5%、P2O5:0~5%、ZrO2:0~5%、La2O3:0~5%、Y2O3:0~5%、Gd2O3:0~5%、Nb2O5:0~5%、WO3:0~5%、清澄剤:0~1%であり、B2O3/SiO2が0.06~0.26、(TiO2+ZnO)/Al2O3が0.5~8.0。
【請求項4】
重量%で以下の成分を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のガラス材料:
B2O3/SiO2が0.08~0.2、及び/又は(TiO2+ZnO)/Al2O3が0.7~7.0、及び/又は(SiO2+TiO2)/(Na2O+ZnO)が3.0~12.0;及び/又はZnO/B2O3が0.2~1.8;及び/又は(Na2O+K2O)/Al2O3が0.8~8.0;及び/又は(Na2O+K2O)/(B2O3+ZnO)が0.2~2.5;及び/又は(B2O3+K2O)/Al2O3が1.0~10.0及び/又は(MgO+CaO+SrO+BaO)/ZnOが1.0以下、及び/又は(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al2O3が1.0以下、及び/又は(MgO+CaO+SrO+BaO)/(Na2O+K2O)が1.0以下である。
【請求項5】
重量%で以下の成分を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のガラス材料:
SiO2:55~68%、及び/又はB2O3:5%超13%以下、及び/又はTiO2:1.5~8%、及び/又はZnO:2~10%、及び/又はAl2O3:1~8%、及び/又はNa2O+K2O:6~20%、及び/又はMgO+CaO+SrO+BaO:0~5%、及び/又はLi2O:0~3%、及び/又はP2O5:0~3%、及び/又はZrO2:0~3%、及び/又はLa2O3:0~3%、及び/又はY2O3:0~3%、及び/又はGd2O3:0~3%、及び/又はNb2O5:0~3%、及び/又はWO3:0~3%、及び/又は清澄剤:0~0.5%。
【請求項6】
重量%で以下の成分を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のガラス材料:
B2O3/SiO2が0.1~0.18、及び/又は(TiO2+ZnO)/Al2O3が1.0~5.0、及び/又は(SiO2+TiO2)/(Na2O+ZnO)が3.0~10.0、及び/又はZnO/B2O3が0.3~1.0、及び/又は(Na2O+K2O)/Al2O3が1.0~6.0、及び/又は(Na2O+K2O)/(B2O3+ZnO)が0.3~2.0、及び/又は(B2O3+K2O)/Al2O3が1.5~8.0、及び/又は(MgO+CaO+SrO+BaO)/ZnOが0.5以下、及び/又は(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al2O3が0.5以下、及び/又は(MgO+CaO+SrO+BaO)/(Na2O+K2O)が0.5以下。
【請求項7】
重量%で以下の成分を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のガラス材料:
SiO2:60~68%;及び/又はB2O3:6~12%;及び/又はTiO2:2~7%;及び/又はZnO:3~8%;及び/又はAl2O3:2~7%;及び/又はNa2O+K2O:8~18%;及び/又はLa2O3:0~1%;及び/又はY2O3:0~1%;及び/又はGd2O3:0~1%;及び/又はNb2O5:0~1%;及び/又はWO3:0~1%。
【請求項8】
重量%で以下の成分を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のガラス材料:
(SiO2+TiO2)/(Na2O+ZnO)が4.0~8.0;及び/又はZnO/B2O3が0.4~0.8;及び/又は(Na2O+K2O)/Al2O3が1.5~5.0;及び/又は(Na2O+K2O)/(B2O3+ZnO)が0.5~1.5;及び/又は(B2O3+K2O)/Al2O3が2.0~6.0;及び/又は(MgO+CaO+SrO+BaO)/ZnOが0.2以下、及び/又は(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al2O3が0.2以下、及び/又は(MgO+CaO+SrO+BaO)/(Na2O+K2O)が0.2以下。
【請求項9】
重量%で以下の成分を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のガラス材料:
Na2O:2~12%、及び/又はK2O:2~12%、及び/又はMgO:0~5%、及び/又はCaO:0~5%、及び/又はSrO:0~5%、及び/又はBaO:0~5%。
【請求項10】
重量%で、Na 2 O:4~9%を含む、及び/又はK 2 O:4~9%を含む、及び/又はMgO:0~2%を含む;及び/又はCaO:0~2%を含む;及び/又はSrO:0~2%を含む;及び/又はBaO:0~2%を含む;及び/又はFを含まない;及び/又はTa 2 O 5 を含まない;及び/又はLi 2 Oを含まない;及び/又はP 2 O 5 を含まない;及び/又はZrO 2 を含まない、請求項1~3のいずれか一項に記載のガラス材料。
【請求項11】
重量%でLa2O3、Y2O3、Gd2O3、Nb2O5およびWO3の合計含有量3%以下である請求項1~3のいずれか一項に記載のガラス材料。
【請求項12】
屈折率が1.48~1.56、及び/又はアッベ数が50~58、及び/又は熱膨張係数α20-300℃が60×10-7/K~90×10-7/K、及び/又はヤング率が6000×107Pa以上、及び/又は転移温度が500℃~610℃、及び/又は気泡度がA級以上、及び/又はストライプがC級以上、及び/又は耐酸安定性が2類以上、及び/又は耐水性安定性が2類以上、及び/又はISO 10629の試験条件及び要件に従った耐アルカリ性の測定後のガラス試料の重量減少が9mg未満、及び/又は光透過率τ360nmが78%以上である、請求項1~3のいずれか一項に記載のガラス材料。
【請求項13】
屈折率が1.51~1.54;及び/又はアッベ数が53~56;及び/又は熱膨張係数α 20-300℃ が68×10 -7 /K~80×10 -7 /K;及び/又はヤング率が7000×10 7 Pa~8000×10 7 Pa;及び/又は転移温度が530℃~580℃;及び/又は気泡度がA 00 級;及び/又はストライプがB級以上;及び/又は耐酸安定性が1類;及び/又は耐水性安定性が1類;及び/又はISO 10629の試験条件及び要件に従った耐アルカリ性の測定後のガラス試料の重量減少が5mg未満;及び/又は光透過率τ 360nm が85%以上である、請求項1~3のいずれか一項に記載のガラス材料。
【請求項14】
パッケージング材分野で使用される請求項1~13のいずれか一項に記載のガラス材料。
【請求項15】
請求項1~13のいずれか一項に記載のガラス材料からなるガラス部材。
【請求項16】
請求項1~13のいずれか一項に記載のガラス材料を含む、または請求項15に記載のガラス部材を含む、装置。
【国際調査報告】