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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-04
(54)【発明の名称】がんの治療のための抗B7H3抗体
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/13 20060101AFI20230627BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20230627BHJP
   C07K 16/28 20060101ALI20230627BHJP
   C07K 16/46 20060101ALI20230627BHJP
   C07K 14/705 20060101ALI20230627BHJP
   C12P 21/08 20060101ALI20230627BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20230627BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20230627BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20230627BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20230627BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230627BHJP
   A61P 35/04 20060101ALI20230627BHJP
   A61K 49/00 20060101ALI20230627BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20230627BHJP
   A61K 51/10 20060101ALI20230627BHJP
   A61K 47/54 20170101ALI20230627BHJP
   C12N 5/0783 20100101ALN20230627BHJP
【FI】
C12N15/13 ZNA
C12N15/63 Z
C07K16/28
C07K16/46
C07K14/705
C12P21/08
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
A61P35/00
A61P35/04
A61K49/00
A61K39/395 T
A61K51/10 200
A61K51/10 100
A61K47/54
C12N5/0783
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022572563
(86)(22)【出願日】2021-06-01
(85)【翻訳文提出日】2023-01-20
(86)【国際出願番号】 DK2021050170
(87)【国際公開番号】W WO2021244721
(87)【国際公開日】2021-12-09
(31)【優先権主張番号】63/034,592
(32)【優先日】2020-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519399626
【氏名又は名称】ワイ-マブス セラピューティクス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マヒウディン,アハメド
(72)【発明者】
【氏名】セケイラ,ソニア
(72)【発明者】
【氏名】ワン,リンリン
【テーマコード(参考)】
4B064
4B065
4C076
4C084
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4B064AG27
4B064CA19
4B064CC24
4B064CE12
4B064DA05
4B065AA01X
4B065AA57X
4B065AA72X
4B065AA90X
4B065AB01
4B065BA02
4B065CA24
4B065CA25
4B065CA44
4C076AA95
4C076BB21
4C076CC27
4C076CC41
4C076CC47
4C076EE59
4C084AA12
4C084NA14
4C084ZB26
4C085AA14
4C085AA15
4C085BB33
4C085BB34
4C085BB35
4C085BB36
4C085BB37
4C085EE01
4C085GG06
4C085KA04
4C085KA29
4C085KB07
4C085KB09
4C085KB18
4C085KB82
4C085LL18
4H045AA11
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA10
4H045BA41
4H045BA50
4H045BA71
4H045BA72
4H045CA40
4H045DA50
4H045DA76
4H045EA20
4H045FA72
4H045FA74
4H045GA26
(57)【要約】
本発明は、ヒト化抗体及び抗原結合断片に関する。より具体的には、本発明は、抗原に結合することが可能なヒト化抗体及び抗原結合断片に関し、この抗体又は抗原結合断片は、好ましくは少なくとも50%の、ヒト生殖細胞系のこの抗体又は抗原結合断片のアミノ酸と同一なアミノ酸を含む。本発明は、腹腔内又は全身的投与によってB7~H3(+)固形腫瘍を治療するための免疫原性について最小の可能性を有する抗体に、さらに関する。本発明は、高ヒト型含有率、B7~H3への強い結合、高い安定性、高い純度及び高い発現力価を有する、B7~H3に対する完全ヒト化抗体に、さらに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号25~30又は64~99の中から選択されるCDR配列に対し全体で少なくとも90%の同一性を有するCDR領域、及び
配列番号40~63、108~131、133又は134の中から選択されるFR配列に対し全体で少なくとも70%の同一性を有するFR領域
を含む、B7H3抗原に結合することが可能な、ヒト化抗体又はその抗原結合断片。
【請求項2】
配列番号28~30、67~69、73~75、79~81、85~87、91~93に対し全体で少なくとも90%の同一性を有する領域、
配列番号25~27、64~66、70~72、76~78、82~84、88~90、94~99に対し全体で少なくとも90%の同一性を有する領域、
配列番号40~43、48~51、56~59、108~119又は133にしたがう配列に対し全体で少なくとも75%の同一性を有する領域、及び
配列番号44~47、52~55、60~63、120~131又は134にしたがう配列に対し全体で少なくとも75%の同一性を有する領域
を含む、B7H3抗原に結合することが可能な、ヒト化抗体又はその抗原結合断片。
【請求項3】
配列番号28~30、67~69、73~75、79~81、85~87、91~93に対し全体で少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%の同一性、例えば少なくとも96%の同一性、例えば少なくとも97%の同一性;例えば少なくとも98%の同一性、例えば少なくとも99%の同一性又は100%の同一性を有する領域、及び/又は
配列番号40~43、48~51、56~59、108~119又は133に対し全体で少なくとも75%の同一性を有する領域
を含む、請求項1又は2に記載のヒト化抗体又はその抗原結合断片。
【請求項4】
配列番号40~43、48~51、56~59、108~119又は133に対し全体で少なくとも80%、より好ましくは85、好ましくは90%、より好ましくは95%の同一性を有する領域
を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載のヒト化抗体又はその抗原結合断片。
【請求項5】
配列番号25~27、64~66、70~72、76~78、82~84、88~90、94~99に対し全体で少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%の同一性、例えば少なくとも96%の同一性、例えば少なくとも97%の同一性;例えば少なくとも98%の同一性、例えば少なくとも99%の同一性又は100%の同一性を有する領域、及び/又は
配列番号44~47、52~55、60~63、120~131又は134に対し全体で少なくとも75%の同一性を有する領域
を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載のヒト化抗体又はその抗原結合断片。
【請求項6】
配列番号44~47、52~55、60~63、120~131又は134に対し全体で少なくとも80%、より好ましくは85、好ましくは90%、より好ましくは95%の同一性有する領域
を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載のヒト化抗体又はその抗原結合断片。
【請求項7】
配列番号25~30及び64~99の中から選択される領域を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載のヒト化抗体又はその抗原結合断片。
【請求項8】
配列番号28~30、67~69、73~75、79~81、85~87、91~93の中から選択される領域、
配列番号25~27、64~66、70~72、76~78、82~84、88~90、94~99の中から選択される領域、
配列番号40~43、48~51、56~59、108~119又は133の中から選択される領域、及び
配列番号44~47、52~55、60~63、120~131又は134の中から選択される領域
を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載のヒト化抗体又はその抗原結合断片。
【請求項9】
Fc、Fc2又はNull-Fcを含む、請求項1~8のいずれか1項に記載のヒト化抗体又はその抗原結合断片。
【請求項10】
B7H3抗原に結合することが可能なヒト化抗体又はその抗原結合断片であって、前記抗体又は抗原結合断片が、配列番号36、37、38及び39のいずれかの中から選択される配列に対し少なくとも70%の同一性を有する配列を含む、前記抗体又はその抗原結合断片。
【請求項11】
前記抗体又は抗原結合断片が、配列番号36、37、38又は39のいずれかの中から選択される配列に対し少なくとも75%の同一性を有する配列を含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の抗体又はその抗原結合断片。
【請求項12】
前記抗体又は抗原結合断片が、配列番号25、64、70、76、82、88、94及び97にしたがう重鎖可変領域CDR1、配列番号26、65、71、77、83、89、95及び98にしたがう重鎖可変領域CDR2、配列番号27、66、72、78、84、90、96及び99にしたがう重鎖可変領域CDR3、配列番号28、67、73、79、85及び91にしたがう軽鎖可変領域CDR1、配列番号29、68、74、80、86及び92にしたがう軽鎖可変領域CDR2ならびに配列番号30、69、75、81、87及び93にしたがう軽鎖可変領域CDR3の中から選択される少なくとも1つの配列を含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の抗体又は抗原結合断片。
【請求項13】
前記抗体が、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、135、136又は137にしたがう重鎖配列及び/又は配列番号10、11、12、13、14又は138にしたがう軽鎖配列を含む、請求項1~12のいずれか1項に記載の抗体又は抗原結合断片。
【請求項14】
前記抗体が、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、135、136又は137に示される配列に対し少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%又は約99%の配列同一性を有する重鎖配列及び/又は配列番号10、11、12、13、14又は138に示される配列に対し少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%又は約99%の配列同一性を有する軽鎖配列を含む、請求項1~13のいずれか1項に記載の抗体又は抗原結合断片。
【請求項15】
前記抗体又は抗原結合断片が、前記抗体又は抗原結合断片のヒト生殖細胞系のアミノ酸と同一であるアミノ酸を、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも77.5%、少なくとも80%、少なくとも82%、少なくとも84%、少なくとも86%、少なくとも88%又は少なくとも90%含む、請求項1~14のいずれか1項に記載の抗体又は抗原結合断片。
【請求項16】
前記抗体又は抗原結合断片が、エピトープに結合し、前記エピトープが、B7H3のエピトープである、請求項1~15のいずれか1項に記載の抗体又は抗原結合断片。
【請求項17】
抗原結合断片の抗体が、配列番号33にしたがう配列と結合する、請求項1~16のいずれか1項に記載の抗体又は抗原結合断片。
【請求項18】
前記抗体又は抗原結合断片が、抗原に結合し、前記抗原が、配列番号31及び32の中から選択される配列を含む、請求項1~17のいずれか1項に記載の抗体又は抗原結合断片。
【請求項19】
前記抗原が、がん細胞上に提示される、請求項1~18のいずれか1項に記載の抗体又は抗原結合断片。
【請求項20】
前記がん細胞が、転移に由来する、請求項1~19のいずれか1項に記載の抗体又は抗原結合断片。
【請求項21】
前記がん細胞及び/又は転移が、前立腺がん、線維形成性小細胞腫瘍、卵巣がん、胃がん、膵臓がん、肝臓がん、腎臓がん、乳がん、非小細胞肺がん、メラノーマ、胞巣状横紋筋肉腫、胎児性横紋筋肉腫、ユーイング肉腫、ウィルムス肉腫、神経芽細胞腫、神経節芽細胞腫、神経節芽細胞腫、髄芽細胞腫、高度グリオーマ、小児脳幹部グリオーマ(diffuse intrinsic pontine glioma)、多層性ロゼットを有する胚芽腫、又はB7H3を発現するがんである、請求項1~20のいずれか1項に記載の抗体又は抗原結合断片。
【請求項22】
Fcガンマレセプターと相互作用しないFc領域を含む、請求項1~21のいずれか1項に記載の抗体又は抗原結合断片。
【請求項23】
Fc領域をさらに含み、前記Fc領域が、反応性ではないか、又はわずかな反応性しか示さない、請求項1~22のいずれか1項に記載の抗体又は抗原結合断片。
【請求項24】
前記抗体が、null Fcを含む、請求項1~23のいずれか1項に記載の抗体又は抗原結合断片。
【請求項25】
前記抗体又は抗原結合断片が、50%未満、45%未満、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満又は約10%の免疫原性を有する、請求項1~24のいずれか1項に記載の抗体又はその抗原結合断片。
【請求項26】
前記薬剤又は抗体が、マウス抗体又はその抗原結合断片である、請求項1~25のいずれか1項に記載の抗体又はその抗原結合断片。
【請求項27】
前記薬剤又は抗体が、キメラ抗体又はその抗原結合断片である、請求項1~26のいずれか1項に記載の抗体又はその抗原結合断片。
【請求項28】
前記薬剤又は抗体が、ヒト化抗体又はその抗原結合断片である、請求項1~27のいずれか1項に記載の抗体又はその抗原結合断片。
【請求項29】
前記抗体又は抗原結合断片が、放射性同位体によって放射性標識されている、請求項1~28のいずれか1項に記載の抗体又はその抗原結合断片。
【請求項30】
前記放射性同位体が、PET標識及び又はSPECT標識の中から選択される、請求項1~29のいずれか1項に記載の抗体又はその抗原結合断片。
【請求項31】
前記PET標識が、124I、225Ac及び89Zrの中から選択される、請求項1~30のいずれか1項に記載の抗体又はその抗原結合断片。
【請求項32】
前記SPECT標識が、131I、177Lu、99mTc、64Cu及び89Zrの中から選択される、請求項1~31のいずれか1項に記載の抗体又はその抗原結合断片。
【請求項33】
前記抗体又は抗原結合断片が、キレーター化合物にコンジュゲートしている、請求項1~32のいずれか1項に記載の抗体又はその抗原結合断片。
【請求項34】
前記キレーター化合物が、放射性同位体に結合する、請求項1~33のいずれか1項に記載の抗体又はその抗原結合断片。
【請求項35】
前記放射性同位体が、124I、131I及び177Lu又は99mTc、64Cu及び89Zrの中から選択される、請求項1~34のいずれか1項に記載の抗体又はその抗原結合断片。
【請求項36】
前記キレーター化合物が、DOTA、DTPA、NOTA及びDFOの中から選択される、請求項1~35のいずれか1項に記載の抗体又はその抗原結合断片。
【請求項37】
前記DOTAが、DOTAのバリアント、例えばベンジル-DOTAである、請求項1~36のいずれか1項に記載の抗体又はその抗原結合断片。
【請求項38】
前記DTPAが、DTPAのバリアント、例えばCHX-A”-DTPAである、請求項1~37のいずれか1項に記載の抗体又はその抗原結合断片。
【請求項39】
前記放射性同位体が、アルファ、ベータ又は陽電子放出放射性核種である、請求項1~38のいずれか1項に記載の抗体又は抗原結合断片。
【請求項40】
IgG、IgG1、IgG2、IgG3及びIgG4の中から選択される構造を含む、請求項1~39のいずれか1項に記載の抗体又は抗原結合断片。
【請求項41】
IgG、IgM、IgA、IgD及びIgEの中から選択される構造を含む、請求項1~40のいずれか1項に記載の抗体又は抗原結合断片。
【請求項42】
配列番号15、16、17又は132にしたがう配列を含む、抗原に結合することが可能な抗体又はその抗原結合断片。
【請求項43】
さらなるジスルフィド結合の導入によってさらに安定化され、及び/又は酸化不安定性残基を除去する欠失及び/又は置換を導入することによってさらに安定化されている、請求項1~42のいずれか1項に記載の抗体又はその抗原結合断片。
【請求項44】
前記さらなるジスルフィド結合ならびに/又は欠失及び/もしくは置換が、CDR領域の外側に位置する、請求項43に記載の抗体又はその抗原結合断片。
【請求項45】
前記さらなるジスルフィド結合が、LFR4における3位及びHFR2における9位のアミノ酸残基をシステイン残基と置換することによって導入される、請求項44に記載の抗体又はその抗原結合断片。
【請求項46】
請求項1~45のいずれか1項に記載の抗体又は抗原結合断片に結合している、自己集合分解(SADA)ポリペプチド。
【請求項47】
前記抗体又はその抗原結合断片が、二重特異性及び/又は三重特異性結合抗体である、請求項1~46のいずれか1項に記載の抗体又は抗原結合断片。
【請求項48】
前記二重特異性及び/又は三重特異性結合抗体が、第1抗原への結合のための第1の請求項1~47のいずれか1項に記載の抗体又はその抗原結合断片、及び第2抗原への結合のための第2の抗体又は抗原結合断片を含む、請求項1~47のいずれか1項に記載の抗体又は抗原結合断片。
【請求項49】
前記第2の抗体又はその抗原結合断片が、DOTA及び/又はDTPAに結合する、請求項1~48のいずれか1項に記載の抗体又は抗原結合断片。
【請求項50】
前記抗体又は抗原結合断片が、自己集合分解(SADA)ポリペプチドに結合している、請求項1~49のいずれか1項に記載の抗体又は抗原結合断片。
【請求項51】
前記自己集合分解(SADA)ポリペプチドが、ヒトホモ多量体化ポリペプチドのアミノ酸配列と少なくとも75%の同一性を示すアミノ酸配列を有し、かつ1以上の多量体化解離定数(KD)によって特徴づけられる、請求項1~50のいずれか1項に記載の抗体又は抗原結合断片。
【請求項52】
請求項1~51のいずれか1項に記載の自己集合分解(SADA)ポリペプチド、及び請求項1~51のいずれか1項に記載の抗体又は抗原結合断片を含む、ポリペプチドコンジュゲート。
【請求項53】
請求項1~52のいずれか1項に記載の二重特異性抗体をさらに含み、前記第1抗原がB7H3であり、前記第2抗原がDOTAである、自己集合分解(SADA)ポリペプチドを含むポリペプチドコンジュゲート。
【請求項54】
自己集合分解(SADA)ポリペプチドと、少なくとも、第1標的に結合しかつSADAポリペプチドに共有結合している第1結合ドメインとを含む、ポリペプチドコンジュゲート。
【請求項55】
前記自己集合分解(SADA)ポリペプチドが、ヒトホモ多量体化ポリペプチドのアミノ酸配列と少なくとも75%の同一性を示すアミノ酸配列を有しかつ1以上の多量体化解離定数(KD)によって特徴づけられ;そして前記コンジュゲートが、第1の多量体化状態及び1つ以上のより高次の多量体化状態となるように構築及び編成され、ここで:前記第1の多量体化状態が、約70kDa未満のサイズであり、より高次の多量体化状態の少なくとも1つが、150kDaより大きいサイズのホモ四量体又はより高次のホモ多量体であり、前記より高次のホモ多量体化コンジュゲートが、SADAポリペプチドKDより高い濃度で存在する場合に水溶液中で安定であり、そして前記コンジュゲート濃度がSADAポリペプチドKDより低い場合に、生理学的条件下でより高次の多量体化状態から第1の多量体化状態へ遷移する、請求項1~54のいずれか1項に記載のポリペプチドコンジュゲート。
【請求項56】
前記コンジュゲートが、キレーターを含む、請求項1~55のいずれか1項に記載のポリペプチドコンジュゲート。
【請求項57】
前記キレーターが、金属イオンを含む、請求項1~56のいずれか1項に記載のコンジュゲート。
【請求項58】
前記金属イオンが、放射性核種である、請求項1~57のいずれか1項に記載のコンジュゲート。
【請求項59】
請求項1~58のいずれか1項に記載の抗体又は抗原結合断片をコードする、単離核酸分子。
【請求項60】
配列番号18、19、20、21又は22にしたがう配列を含む、単離核酸分子。
【請求項61】
請求項1~60のいずれか1項に記載の単離核酸分子を含む、組換えベクター。
【請求項62】
請求項1~61のいずれか1項に記載の組換えベクターを含む、宿主細胞。
【請求項63】
請求項1~62のいずれか1項に記載の宿主細胞を、培養培地中で抗体又は断片の発現を可能にする条件下で培養する工程、及び抗体又は断片を培養培地から分離することを含む、請求項1~62のいずれか1項に記載の抗体又はその抗原結合断片を生成する方法。
【請求項64】
請求項1~63のいずれか1項に記載の抗体又は抗原結合断片を含む、キメラ抗原レセプター(CAR)。
【請求項65】
請求項1~64のいずれか1項に記載のCARを発現するCAR-T細胞。
【請求項66】
請求項1~65のいずれか1項に記載のCAR-T細胞の集団。
【請求項67】
請求項1~66のいずれか1項に記載のCAR-T細胞の集団を含む組成物。
【請求項68】
請求項1~67のいずれか1項に記載のCARを発現するCAR-NK細胞。
【請求項69】
請求項1~68のいずれか1項に記載のCAR-NK細胞の集団。
【請求項70】
請求項1~69のいずれか1項に記載のCAR-NK細胞の集団を含む組成物。
【請求項71】
請求項1~70のいずれか1項に記載の抗体又は抗原結合断片を含む、医薬組成物。
【請求項72】
請求項1~71のいずれか1項に記載の抗体又は抗原結合断片を備えた、T細胞。
【請求項73】
抗体、抗原結合断片、二重特異性抗体、三重特異性抗体、ポリペプチドコンジュゲート、組成物及び/又はCARの、腹膜内への投与の工程を含む、対象における健康状態の症候を、治療するか、予防するか、緩和するか、及び/又は診断する方法であって、前記健康状態が、B7H3抗原の発現によって特徴づけられる、前記方法。
【請求項74】
腹膜内の腫瘍を画像化する方法であって、前記画像化が、抗体又はその抗原結合断片の使用を含み、前記腫瘍が、B7H3抗原の発現によって特徴づけられ、そして前記画像化の方法の前に、抗体又はその抗原結合断片の腹膜内への投与の工程がある、前記方法。
【請求項75】
前記抗体、抗原結合断片、二重特異性抗体、三重特異性抗体、ポリペプチドコンジュゲート、組成物及び/又はCARが、請求項1~74のいずれか1項に記載の抗体、抗原結合断片、二重特異性抗体、三重特異性抗体、ポリペプチドコンジュゲート、組成物及び/又はCARである、請求項1~74のいずれか1項に記載の方法。
【請求項76】
前記抗体又はその抗原結合断片が、配列番号25にしたがう重鎖可変領域CDR1、配列番号26にしたがう重鎖可変領域CDR2、配列番号27にしたがう重鎖可変領域CDR3、配列番号28にしたがう軽鎖可変領域CDR1、配列番号29にしたがう軽鎖可変領域CDR2及び配列番号30にしたがう軽鎖可変領域CDR3の中から選択される少なくとも1つの配列を含む、請求項1~75のいずれか1項に記載の方法。
【請求項77】
前記抗体が、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、23、135、136又は137にしたがう重鎖配列及び/又は配列番号10、11、12、13、14、24又は138にしたがう軽鎖配列を含む、請求項1~76のいずれか1項に記載の方法。
【請求項78】
抗体が、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、23、135、136又は137に示される配列に対し、少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%又は約99%の配列同一性を有する重鎖配列、及び/又は配列番号10、11、12、13、14、24又は138に示される配列に対し、少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%又は約99%の配列同一性を有する軽鎖配列を含む、請求項1~77のいずれか1項に記載の方法。
【請求項79】
請求項1~78のいずれか1項に記載の方法における使用のための、がんの治療のための医薬の製造における、請求項1~78のいずれか1項に記載の組成物の使用。
【請求項80】
がんの治療のための医薬の製造における、及び/又は請求項1~79のいずれか1項に記載の方法における使用のための、請求項1~79のいずれか1項に記載の抗体又は抗原結合断片の使用。
【請求項81】
請求項1~80のいずれか1項に記載の抗体又はその抗原結合断片の、インビトロ使用。
【請求項82】
前記健康状態が、がんである、請求項1~81のいずれか1項に記載の方法。
【請求項83】
前記がん及び/又は前記腫瘍が、転移である、請求項1~82のいずれか1項に記載の方法。
【請求項84】
前記がん、前記腫瘍及び/又は前記転移が、前立腺がん、線維形成性小細胞腫瘍、卵巣がん、胃がん、膵臓がん、肝臓がん、腎臓がん、乳がん、非小細胞肺がん、メラノーマ、胞巣状横紋筋肉腫、胎児性横紋筋肉腫、ユーイング肉腫、ウィルムス肉腫、神経芽細胞腫、神経節芽細胞腫、神経節芽細胞腫、髄芽細胞腫、高度グリオーマ、小児脳幹部グリオーマ(diffuse intrinsic pontine glioma)、多層性ロゼットを有する胚芽腫、又はB7H3を発現するがんである、請求項1~83のいずれか1項に記載の方法。
【請求項85】
請求項1~84のいずれか1項に記載の抗体又は抗原結合断片の、腹膜内への投与の工程を含む、対象における健康状態の症候を、治療するか、予防するか、緩和するか、及び/又は診断する方法であって、前記健康状態が、B7H3抗原の発現によって特徴づけられる、前記方法。
【請求項86】
腹膜内の腫瘍を画像化する方法であって、前記画像化が、請求項1~85のいずれか1項に記載の抗体又はその抗原結合断片の使用を含み、前記医学的腫瘍が、B7H3抗原の発現によって特徴づけられ、そして前記画像化の方法の前に、請求項1~85のいずれか1項に記載の抗体又はその抗原結合断片の腹膜内への投与の工程がある、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、本出願と一緒に提出された、コンピューター読み取り可能形式の配列表を含む。配列表は、本開示の一部を形成し、その全体が本明細書中に組み込まれる。
【0002】
本発明は、ヒト化抗体及び抗原結合断片に関する。より具体的には、本発明は、抗原に結合することが可能なヒト化抗体及び抗原結合断片に関し、上記抗体又は抗原結合断片は、好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも75%の、上記抗体又は抗原結合断片のヒト生殖細胞系のアミノ酸と同一なアミノ酸を含む。本発明は、腹腔内又は全身的投与によってB7-H3(+)固形腫瘍を治療するための、免疫原性についての最小の可能性を有する抗体に、さらに関する。本発明は、高ヒト型含有率、B7-H3への強い結合、高い安定性、高い純度及び高い発現力価を有する、B7-H3に対する完全ヒト化抗体に、さらに関する。
【背景技術】
【0003】
技術背景
ヒトB7-H3(CD276とも名付けられている)は、B7/CD28免疫グロブリンスーパーファミリーのメンバーである。B7-H3は、Chapovalらによると、1つの細胞外V様Igドメイン及び1つの細胞外C様Igドメインを有する2つのアイソフォーム(2Ig B7H3)を含み[1]、そして、Steinbergerらによると、2組のV様Igドメイン及びC様Igドメイン(4Ig B7H3)を並んで有する[2]、I型膜貫通タンパク質として同定されている。Steinbergerらによると、B7-H3は、IFN-γを誘導し得る共刺激性分子として最初に見出された。後に、B7-H3は、T細胞増殖を阻害することが証明され、IFN-γの産生の低減と相関する[2]。
【0004】
国際特許出願WO2016033225によると、8H9抗体のヒト化及び/又は親和性成熟バージョンが、開示される。WO2016033225によると、4つのヒト化8H9(hu8H9)IgG1が作製されている。最もヒトに近い含有率を含むバリアントは、他の3つのバリアントほど強くはB7-H3に結合しなかったが、どれも最適結合能力を示さなかった。hu8H9 H3L3を作製するために、hu8H9抗体のうちの1つの中に6つの変異が導入され、hu8H94.1を作製するために、hu8H9 H3L3にさらに12のヒト化変異が導入された。6つの親和性成熟変異を、hu8H9 H3L3配列内に組み込み、hu8H9 3.1 scFv及びIgG1バリアントを作製した。5つの親和性成熟変異を、hu8H9 H3L3内に組み込み、hu8H9 5.1 scFv及びIgG1バリアントが作製された。
【0005】
発明の要旨
Loosら及びModakらによると、B7-H3は、小児科固形腫瘍、例えば脳腫瘍及び肉腫を含む、種々のヒト固形腫瘍において、広範に発現される[3、4]。しかし、正常ヒト組織における発現は、限定されている。その上、前立腺がん、膵臓がん、胃がん、卵巣がん、骨肉腫、神経芽細胞腫及び神経膠芽腫などを含む多数のがんにおいて、固形腫瘍におけるB7-H3発現が患者生存の低さ、臨床的がん再発のリスクの増大、がん特異的な死ほかと相関していることが見出された[5-11]。B7-H3は、免疫治療のための理想的な標的である[12-14]。再発性転移性中枢神経系神経芽細胞腫を有する患者を治療するための区分された髄腔内送達によって[15]、ならびに線維形成性小細胞腫瘍及び腹膜に関わる他の固形腫瘍を有する患者への単回の腹腔内投与によって、臨床試験において、抗B7-H3マウスモノクローナル抗体8H9は、放射免疫療法として首尾よく使用されてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2016/033225号
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Chapoval, A.I., et al., B7-H3: A costimulatory molecule for T cell activation and IFN-γ production. Nature Immunology, 2001. 2×3): p. 269-274.
【非特許文献2】Steinberger, P., et al., Molecular Characterization of Human 4Ig-B7-H3, a Member of the B7 Family with Four Ig-Like Domains. The Journal of Immunology, 2004. 172×4): p. 2352-2359.
【非特許文献3】Loos, M., et al., B7-H3 and Its Role in Antitumor Immunity. Clinical and Developmental Immunology, 2010. 2010: p. 1-7.
【非特許文献4】Modak, S., et al., Monoclonal antibody 8H9 targets a novel cell surface antigen expressed by a wide spectrum of human solid tumors. Cancer Res, 2001. 61×10): p. 4048-54.
【非特許文献5】Roth, T.J., et al., B7-H3 ligand expression by prostate cancer: a novel marker of prognosis and potential target for therapy. Cancer Res, 2007. 67×16): p. 7893-900.
【非特許文献6】Zang, X., et al., B7-H3 and B7x are highly expressed in human prostate cancer and associated with disease spread and poor outcome. Proc Natl Acad Sci U S A, 2007. 104×49): p. 19458-63.
【非特許文献7】Crispen, P.L., et al., Tumor cell and tumor vasculature expression of B7-H3 predict survival in clear cell renal cell carcinoma. Clin Cancer Res, 2008. 14×16): p. 5150-7.
【非特許文献8】Zang, X., et al., Tumor associated endothelial expression of B7-H3 predicts survival in ovarian carcinomas. Modern Pathology, 2010. 23×8): p. 1104-1112.
【非特許文献9】Lemke, D., et al., Costimulatory Protein 4IgB7H3 Drives the Malignant Phenotype of Glioblastoma by Mediating Immune Escape and Invasiveness. Clinical Cancer Research, 2012. 18×1): p. 105-117.
【非特許文献10】Wang, L., et al., B7-H3 is overexpressed in patients suffering osteosarcoma and associated with tumor aggressiveness and metastasis. PLoS One, 2013. 8×8): p. e70689.
【非特許文献11】Gregorio, A., et al., Small round blue cell tumours: diagnostic and prognostic usefulness of the expression of B7-H3 surface molecule. Histopathology, 2008. 53×1): p. 73-80.
【非特許文献12】Du, H., et al., Antitumor Responses in the Absence of Toxicity in Solid Tumors by Targeting B7-H3 via Chimeric Antigen Receptor T Cells. Cancer Cell, 2019. 35×2): p. 221-237 e8.
【非特許文献13】Majzner, R.G., et al., CAR T Cells Targeting B7-H3, a Pan-Cancer Antigen, Demonstrate Potent Preclinical Activity Against Pediatric Solid Tumors and Brain Tumors. Clin Cancer Res, 2019. 25×8): p. 2560-2574.
【非特許文献14】Castellanos, J.R., et al., B7-H3 role in the immune landscape of cancer. American Journal of Clinical and Experimental Immunology, 2017. 6×4): p. 66-75.
【非特許文献15】Kramer, K., et al., Compartmental intrathecal radioimmunotherapy: results for treatment for metastatic CNS neuroblastoma. J Neurooncol, 2010. 97×3): p. 409-18.
【0008】
挙げられた全ての引用文献は、参照によって組み込まれる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
世界中のがん関連死の主要な原因の1つとして、転移性胃がんは、1年間の報告された生存中央値の低い結果を有する[16]。転移性上皮性卵巣がんを有する女性の5年生存率は、30%に留まっている[Siegel et al.2020,American Cancer Society,2020]。これら及び他のB7-H3(+)固形腫瘍を治療するための腹腔内又は全身的投与による抗B7-H3抗体の免疫原性の可能性を最小化するために、ここで、本発明者らは、高ヒト型含有率、B7-H3への強い結合、高い安定性、高い純度及び高い発現力価を有する、B7-H3に対する完全ヒト化抗体Hu8H9抗体を、提示する。かつての、マウスmAb 8H9をヒト化する試みは、可変ドメインにおいて低いヒト生殖細胞系含有率(V-カッパドメインにおいて73%のヒト生殖細胞系の含有率及びVHドメインにおいて76.5%のヒト生殖細胞系の含有率)を有し、マウス8H9の親和性を取り戻すために、CDR領域において3つの親和性成熟変異を要した[17]。
【0010】
放射性薬品のB7-H3標的化送達のために、そしてエフェクター細胞又は補体との抗体相互作用を消すために、本発明者らは、IgGのFcにおいて変異「N298A及びK323A」及び「L235A、L236A及びK323A」(Kabatにしたがって番号付けられているN297A及びK322A;L234A、L235A及びK322A)を作って、ADCC(抗体依存性細胞傷害活性)、ADCP(抗体依存性細胞食作用)、及び補体活性化を消した。改変Fcは、効果作用においてサイレントであり、すなわちnull Fcである。
【0011】
有力候補の配列に基づき、本発明者らは、事前に標的化した放射免疫治療のための、ヒトB7-H3及びDOTA(ドデカンテトラ酢酸、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-テトラ酢酸、金属のキレーター)の両方に結合する新規なクラスのSADA(自己集合及び分解)抗体をも記載する。SADA抗体は、B7-H3に対するScFv及びDOTAに対するScFvを含む(全てその全体が参考として組み込まれる特許WO2016130539A2からの、ヒト化C825抗体に基づく)。このタイプの構築物は、清澄剤を使わないより迅速なクリアランスのために、インビボで四量体化及び単量体化されてもよい。
【0012】
特定の実施形態において、自己集合分解(SADA)ポリペプチドに結合する抗体又はその抗原結合断片が、国際特許出願公開第WO2018204873号(全てその全体が参考として組み込まれる)に開示されている。
【0013】
特定の実施形態において、四量体化ドメインは、配列番号139と同一である。
【0014】
特定の実施形態において、抗体又はその抗原結合断片は、DOTAキレートについての高い親和性を有する操作されたタンパク質を含み、米国特許第US8648176号又は国際特許出願公開第WO2010099536号(これらは全てその全体が参考として組み込まれる)に開示される。
【0015】
一態様において、本発明は、配列番号25~30又は64~99の中から選択されるCDR配列に対し全体で少なくとも90%の同一性を有するCDR領域、及び配列番号40~63又は108~131の中から選択されるFR配列に対し全体で少なくとも70%、好ましくは少なくとも75%の同一性を有するFR領域を含む、B7H3抗原に結合することが可能なヒト化抗体又はその抗原結合断片に関する。
【0016】
CDR領域とは、相補性決定領域(CDR)をいい、他方で、FR領域とは、フレームワーク領域をいう。フレームワーク領域は、抗体の可変領域(Fab)の一部分である。可変領域は、7つのアミノ酸領域からなり、そのうち4つがフレームワーク領域であり、3つが超可変領域である。フレームワーク領域は、Fabの超可変領域とも呼ばれる相補性決定領域(CDR)のための足場としての作用を担う。
【0017】
マウス抗体を、抗原に対する親和性を維持しながら、副作用などの有害反応を避ける程度のヒト化を導入するようにヒト化することが、課題である。良好な安定性を示しかつ効力及び安全性の観点で薬物として使用される可能性を有する抗体を得ることが、さらなる課題である。
【0018】
特定の実施形態において、抗体又は抗体断片の安定性は、さらなるジスルフィド結合の導入及び酸化不安定性残基の置換などの、当該分野で公知の技術を用いて改善され得る。ジスルフィド結合は、システイン残基のチオール基間に形成され得る。さらなるジスルフィド結合の導入は、抗体又は抗体断片の構造の精査、ジスルフィド結合に好適な距離の範囲内のフレームワーク領域中の残基の同定、及びそれらの位置におけるアミノ酸とジスルフィド結合を形成し得るシステイン残基との置換によってなされ得る。さらなるジスルフィド結合を形成するためのシステイン残基を導入するために好適な位置の好ましい例は、LFR4における3位及びHFR2における9位である。理論に縛られることはないが、LFR領域を変えることによって、CDR領域の配列を非ヒト化マウス抗体に近似しているか又は同一であるように保ちつつ、親和性を維持し、かつなお抗体の高度なヒト化を可能にすることができることは、驚きである。
【0019】
LFRは、軽鎖フレームワーク領域として定義され得る。HFRは、重鎖フレームワーク領域として定義され得る。
【0020】
別の態様にしたがい、本発明は、
配列番号28~30、67~69、73~75、79~81、85~87、91~93に対し全体で少なくとも90%の同一性、好ましくは少なくとも95%の同一性、例えば少なくとも96%の同一性、例えば少なくとも97%の同一性;例えば少なくとも98%の同一性、例えば少なくとも99%の同一性又は好ましくは100%の同一性を有する領域;
配列番号25~27、64~66、70~72、76~78、82~84、88~90、94~99のうちの1つの配列を有する領域、又は1、2もしくは3つの位置において配列番号25~27、64~66、70~72、76~78、82~84、88~90、94~99のうちの1つと異なっている配列を有する領域であって、この相違は、置換、欠失又は挿入の中から選択される;
配列番号40~43、48~51、56~59又は108~119にしたがう配列に対し全体で少なくとも75%の同一性を有する領域、及び
配列番号44~47、52~55、60~63又は120~131にしたがう配列に対し全体で少なくとも75%の同一性を有する領域
を含む、B7H3抗原に結合することが可能なヒト化抗体又はその抗原結合断片に関する。
【0021】
別の態様にしたがい、本発明は、
配列番号28~30、67~69、73~75、79~81、85~87、91~93に対し全体で少なくとも90%、より好ましくは95%の同一性を有する領域、及び/又は
配列番号40~43、48~51、56~59又は108~119に対し全体で少なくとも75%の同一性を有する領域
を含む、ヒト化抗体又はその抗原結合断片に関する。
【0022】
別の態様にしたがい、本発明は、配列番号40~43、48~51、56~59又は108~119に対し全体で少なくとも80%、より好ましくは85、好ましくは90%、より好ましくは95%の同一性を有する領域を含む、ヒト化抗体又はその抗原結合断片に関する。
【0023】
別の態様にしたがい、本発明は、
配列番号25~27、64~66、70~72、76~78、82~84、88~90、94~99に対し全体で少なくとも90%、より好ましくは95%の同一性を有する領域、及び/又は
配列番号44~47、52~55、60~63又は120~131に対し全体で少なくとも75%の同一性を有する領域
を含む、ヒト化抗体又はその抗原結合断片に関する。
【0024】
別の態様にしたがい、本発明は、配列番号44~47、52~55、60~63又は120~131に対し全体で少なくとも80%、より好ましくは85、好ましくは90%、より好ましくは95%の同一性を有する領域を含む、ヒト化抗体又はその抗原結合断片に関する。
【0025】
別の態様にしたがい、本発明は、配列番号25~30及び64~99の中から選択される領域を含む、ヒト化抗体又はその抗原結合断片に関する。
【0026】
別の態様にしたがい、本発明は、
配列番号28~30、67~69、73~75、79~81、85~87、91~93の中から選択される領域、
配列番号25~27、64~66、70~72、76~78、82~84、88~90、94~99の中から選択される領域、
配列番号40~43、48~51、56~59又は108~119、の中から選択される領域及び
配列番号44~47、52~55、60~63、又は120~131の中から選択される領域
を含む、ヒト化抗体又はその抗原結合断片に関する。
【0027】
別の態様にしたがい、本発明は、Fc、Fc2又はNull-Fcを含む、ヒト化抗体又はその抗原結合断片に関する。
【0028】
別の態様にしたがい、本発明は、B7H3抗原に結合することが可能なヒト化抗体又はその抗原結合断片に関し、この抗体又は抗原結合断片は、配列番号36、37、38及び39のいずれかの中から選択される配列に対し少なくとも70%の同一性を有する配列を含む。
【0029】
別の態様にしたがい、本発明は、抗原に結合することが可能な抗体又はその抗原結合断片に関し、この抗体又は抗原結合断片は、配列番号15、16、17又は132にしたがう配列を含む。
【0030】
別の態様にしたがい、本発明は、自己集合分解(SADA)ポリペプチドに関し、このポリペプチドは、本発明にしたがう抗体又は抗原結合断片に結合する。
【0031】
別の態様にしたがい、本発明は、
本発明にしたがう自己集合分解(SADA)ポリペプチド、及び
本発明にしたがう抗体又は抗原結合断片
を含む、ポリペプチドコンジュゲートに関する。
【0032】
別の態様にしたがい、本発明は、自己集合分解(SADA)ポリペプチドを含むポリペプチドコンジュゲートに関し、このコンジュゲートは、本発明にしたがう二重特異性抗体をさらに含み、上記第1抗原は、B7H3であり、上記第2抗原は、DOTAである。
【0033】
別の態様にしたがい、本発明は、自己集合分解(SADA)ポリペプチドと、少なくとも、第1標的に結合しかつSADAポリペプチドに共有結合する第1結合ドメインとを含む、ポリペプチドコンジュゲートに関する。
【0034】
別の態様にしたがい、本発明は、本発明にしたがう抗体又は抗原結合断片をコードする、単離核酸分子に関する。
【0035】
別の態様にしたがい、本発明は、配列番号18、19、20、21又は22にしたがう配列を含む、単離核酸分子に関する。
【0036】
別の態様にしたがい、本発明は、本発明にしたがう単離核酸分子を含む、組換えベクターに関する。
【0037】
別の態様にしたがい、本発明は、本発明にしたがう組換えベクターを含む、宿主細胞に関する。
【0038】
別の態様にしたがい、本発明は、本発明にしたがう宿主細胞を、培養培地中で抗体又は断片の発現を可能にする条件下で培養する工程、及び抗体又は断片を培養培地から分離することを含む、本発明にしたがう抗体又はその抗原結合断片の生成のための方法に、関する。
【0039】
別の態様にしたがい、本発明は、本発明にしたがう抗体又は抗原結合断片を含むキメラ抗原レセプター(CAR)に関する。
【0040】
別の態様にしたがい、本発明は、CARを発現するCAR-T細胞に関する。
【0041】
別の態様にしたがい、本発明は、CAR-T細胞の集団に関する。
【0042】
別の態様にしたがい、本発明は、CAR-T細胞の集団を含む組成物に関する。
【0043】
別の態様にしたがい、本発明は、CARを発現するCAR-NK細胞に関する。
【0044】
別の態様にしたがい、本発明は、CAR-NK細胞の集団に関する。
【0045】
別の態様にしたがい、本発明は、CAR-NK細胞の集団を含む組成物に関する。
【0046】
別の態様にしたがい、本発明は、本発明にしたがう抗体又は抗原結合断片を含む医薬組成物に関する。
【0047】
別の態様にしたがい、本発明は、本発明にしたがう抗体又は抗原結合断片を備えたT細胞に関する。
【0048】
別の態様にしたがい、本発明は、抗体、抗原結合断片、二重特異性抗体、三重特異性抗体、ポリペプチドコンジュゲート、組成物及び/又はCARの腹膜内への投与の工程を含む、対象における健康状態の症候を、治療するか、予防するか、緩和するか、及び/又は診断する方法に関し、この健康状態は、B7H3抗原の発現によって特徴づけられる。
【0049】
別の態様にしたがい、本発明は、腹膜内の腫瘍を画像化する方法に関し、この画像化は、抗体又はその抗原結合断片の使用を含み、この腫瘍は、B7H3抗原の発現によって特徴づけられ、そして画像化の方法の前に、抗体又はその抗原結合断片の腹膜内への投与の工程がある。
【0050】
別の態様にしたがい、本発明は、本発明にしたがう方法における使用のためのがんの治療のための医薬の製造における、本発明にしたがう組成物の使用に関する。
【0051】
別の態様にしたがい、本発明は、がんの治療のための医薬の製造における、及び/又は本発明にしたがう方法における使用のための、本発明にしたがう抗原結合断片の抗体の使用に関する。
【0052】
別の態様にしたがい、本発明は、本発明にしたがう抗体又はその抗原結合断片のインビトロの使用に関する。
【0053】
別の態様にしたがい、本発明は、本発明にしたがう抗体又は抗原結合断片の腹膜内への投与の工程を含む、対象における健康状態の症候を、治療するか、予防するか、緩和するか、及び/又は診断する方法に関し、この健康状態は、B7H3抗原の発現によって特徴づけられる。
【0054】
別の態様にしたがい、本発明は、腹膜内の腫瘍を画像化する方法に関し、この画像化は、本発明にしたがう抗体又はその抗原結合断片の使用を含み、この医学的腫瘍は、B7H3抗原の発現によって特徴づけられ、そして画像化の方法の前に、本発明にしたがう抗体又はその抗原結合断片の腹膜内への投与の工程がある。
【図面の簡単な説明】
【0055】
図1】キメラIgGについてのSEC-HPLC結果を示す。
図2】L2H3についてのSEC-HPLC結果を示す。
図3】L2H4についてのSEC-HPLC結果を示す。
図4】L2H5についてのSEC-HPLC結果を示す。
図5】SADAの概略設計を示す。四量体化ドメインは、DOTAに対するScFvにリンカーを介して結合し、DOTAに対するScFvは、第2リンカーを介してB7-H3に対するScFvに結合した。
図6】卵巣がん細胞株及び神経膠芽腫細胞株に対するSADAの結合を示す。
【発明を実施するための形態】
【0056】
開示の詳細
一実施形態にしたがい、本発明は、
配列番号25~30又は64~99の中から選択されるCDR配列に対し全体で少なくとも90%の同一性を有するCDR領域、及び
配列番号40~63又は108~131の中から選択されるFR配列に対し全体で少なくとも70%、好ましくは少なくとも75%の同一性を有するFR領域
を含む、B7H3抗原に結合することが可能な、ヒト化抗体又はその抗原結合断片に関する。
【0057】
CDR領域とは、相補性決定領域(CDR)をいい、他方で、FR領域とは、フレームワーク領域をいう。フレームワーク領域は、抗体の可変領域(Fab)の一部分である。可変領域は、7つのアミノ酸領域からなり、そのうち4つがフレームワーク領域であり、3つが超可変領域である。フレームワーク領域は、Fabの超可変領域とも呼ばれる相補性決定領域(CDR)のための足場としての作用を担う。
【0058】
マウス抗体を、抗原に対する親和性を維持しながら、副作用などの有害反応を避ける程度のヒト化を導入するようにヒト化することが、課題である。良好な安定性を示し、かつ効力及び安全性の観点で薬物として使用される可能性を有する抗体を得ることが、さらなる課題である。
【0059】
理論に縛られることはないが、LFR領域を変えることにより、非ヒト化マウス抗体により近いCDR領域を保つことによって親和性を維持し、かつなお抗体の高度なヒト化を可能にすることができることは、驚くべきことであると思われる。
【0060】
一実施形態にしたがい、本発明は、
配列番号28~30、67~69、73~75、79~81、85~87、91~93に対し全体で少なくとも90%の同一性を有する領域、
配列番号25~27、64~66、70~72、76~78、82~84、88~90、94~99に対し全体で少なくとも90%の同一性を有する領域、
配列番号40~43、48~51、56~59又は108~119にしたがう配列に対し全体で少なくとも75%の同一性を有する領域、及び
配列番号44~47、52~55、60~63又は120~131にしたがう配列に対し全体で少なくとも75%の同一性を有する領域
を含む、B7H3抗原に結合することが可能なヒト化抗体又はその抗原結合断片に関する。
【0061】
一実施形態にしたがい、本発明は、
配列番号28~30、67~69、73~75、79~81、85~87、91~93に対し、全体で少なくとも90%、より好ましくは95%の同一性を有する領域、及び/又は
配列番号40~43、48~51、56~59又は108~119に対し、全体で少なくとも75%の同一性を有する領域
を含む、ヒト化抗体又はその抗原結合断片に関する。
【0062】
一実施形態にしたがい、本発明は、配列番号40~43、48~51、56~59又は108~119に対し、全体で少なくとも80%、より好ましくは85、好ましくは90%、より好ましくは95%の同一性を有する領域を含む、ヒト化抗体又はその抗原結合断片に関する。
【0063】
一実施形態にしたがい、本発明は、
配列番号25~27、64~66、70~72、76~78、82~84、88~90、94~99に対し、全体で少なくとも90%、より好ましくは95%の同一性を有する領域、及び/又は
配列番号44~47、52~55、60~63又は120~131に対し、全体で少なくとも75%の同一性を有する領域
を含む、ヒト化抗体又はその抗原結合断片に関する。
【0064】
一実施形態にしたがい、本発明は、
配列番号44~47、52~55、60~63又は120~131に対し、全体で少なくとも80%、より好ましくは85、好ましくは90%、より好ましくは95%の同一性を有する領域
を含む、ヒト化抗体又はその抗原結合断片に関する。
【0065】
一実施形態にしたがい、本発明は、配列番号25~30及び64~99の中から選択される領域を含む、ヒト化抗体又はその抗原結合断片に関する。
【0066】
一実施形態にしたがい、本発明は、
配列番号28~30、67~69、73~75、79~81、85~87、91~93の中から選択される領域、
配列番号25~27、64~66、70~72、76~78、82~84、88~90、94~99の中から選択される領域、
配列番号40~43、48~51、56~59又は108~119の中から選択される領域、及び
配列番号44~47、52~55、60~63、又は120~131の中から選択される領域
を含む、ヒト化抗体又はその抗原結合断片に関する。
【0067】
一実施形態にしたがい、本発明は、Fc、Fc2又はNull-Fcを含む、ヒト化抗体又はその抗原結合断片に関する。
【0068】
一実施形態にしたがい、本発明は、B7H3抗原に結合することが可能なヒト化抗体又はその抗原結合断片に関し、この抗体又は抗原結合断片は、配列番号36、37、38及び39のいずれかの中から選択される配列に対し、少なくとも70%の同一性を有する配列を含む。
【0069】
一実施形態にしたがい、本発明は、本発明にしたがう抗体又はその抗原結合断片に関し、この抗体又は抗原結合断片は、配列番号36、37、38又は39のいずれかの中から選択される配列に対し、少なくとも75%の同一性を有する配列を含む。
【0070】
一実施形態にしたがい、本発明は、本発明にしたがう抗体又は抗原結合断片に関し、この抗体又は抗原結合断片は、配列番号25、64、70、76、82、88、94及び97にしたがう重鎖可変領域CDR1、配列番号26、65、71、77、83、89、95及び98にしたがう重鎖可変領域CDR2、配列番号27、66、72、78、84、90、96及び99にしたがう重鎖可変領域CDR3、配列番号28、67、73、79、85及び91にしたがう軽鎖可変領域CDR1、配列番号29、68、74、80、86及び92にしたがう軽鎖可変領域CDR2、ならびに配列番号30、69、75、81、87及び93にしたがう軽鎖可変領域CDR3の中から選択される少なくとも1つの配列を含む。
【0071】
一実施形態にしたがい、本発明は、本発明にしたがう抗体又は抗原結合断片に関し、この抗体は、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8又は9にしたがう重鎖配列及び/又は配列番号10、11、12、13又は14にしたがう軽鎖配列を含む。
【0072】
一実施形態にしたがい、本発明は、抗体又は抗原結合断片に関し、この抗体は、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8又は9に示される配列に対し少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%又は約99%の配列同一性を有する重鎖配列及び/又は配列番号10、11、12、13又は14に示される配列に対し少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%又は約99%の配列同一性を有する軽鎖配列を、含む。
【0073】
一実施形態にしたがい、本発明は、抗体又は抗原結合断片に関し、この抗体又は抗原結合断片は、この抗体又は抗原結合断片のヒト生殖細胞系のアミノ酸と同一であるアミノ酸を、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも77.5%、少なくとも80%、少なくとも82%、少なくとも84%、少なくとも86%、少なくとも88%又は少なくとも90%含む。
【0074】
一実施形態にしたがい、本発明は、抗体又は抗原結合断片に関し、この抗体又は抗原結合断片は、エピトープに結合し、そしてこのエピトープは、B7H3のエピトープである。
【0075】
一実施形態にしたがい、本発明は、抗体又は抗原結合断片に関し、抗原結合断片の抗体は、配列番号33にしたがう配列と結合する。
【0076】
一実施形態にしたがい、本発明は、抗体又は抗原結合断片に関し、この抗体又は抗原結合断片は、抗原に結合し、そしてこの抗原は、配列番号31及び32の中から選択される配列を含む。
【0077】
一実施形態にしたがい、本発明は、抗体又は抗原結合断片に関し、この抗原は、がん細胞上に提示される。
【0078】
一実施形態にしたがい、本発明は、本発明にしたがう抗体又は抗原結合断片に関し、上記がん細胞は、転移に由来する。
【0079】
一実施形態にしたがい、本発明は、本発明は、本発明にしたがう抗体又は抗原結合断片に関し、上記がん細胞及び/又は転移は、前立腺がん、線維形成性小細胞腫瘍、卵巣がん、胃がん、膵臓がん、肝臓がん、腎臓がん、乳がん、非小細胞肺がん、メラノーマ、胞巣状横紋筋肉腫、胎児性横紋筋肉腫、ユーイング肉腫、ウィルムス肉腫、神経芽細胞腫、神経節芽細胞腫、髄芽細胞腫、高度グリオーマ、小児脳幹部グリオーマ(diffuse intrinsic pontine glioma)、多層性ロゼットを有する胚芽腫、又はB7H3を発現するがんである。
【0080】
一実施形態にしたがい、本発明は、Fcガンマレセプターと相互作用しないFc領域を含む、抗体又は抗原結合断片に関する。
【0081】
一実施形態にしたがい、本発明は、Fc領域をさらに含む抗体又は抗原結合断片に関し、このFc領域は、反応性ではないか、又はわずかな反応性しか示さない。
【0082】
一実施形態にしたがい、本発明は、抗体又は抗原結合断片に関し、この抗体は、null Fcを含む。
【0083】
一実施形態にしたがい、本発明は、抗体又はその抗原結合断片に関し、この抗体又は抗原結合断片は、50%未満、45%未満、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満又は約10%の免疫原性を有する。
【0084】
一実施形態にしたがい、本発明は、抗体又はその抗原結合断片に関し、上記薬剤又は抗体は、マウス抗体又はその抗原結合断片である。
【0085】
一実施形態にしたがい、本発明は、抗体又はその抗原結合断片に関し、上記薬剤又は抗体は、キメラ抗体又はその抗原結合断片である。
【0086】
一実施形態にしたがい、本発明は、抗体又はその抗原結合断片に関し、上記薬剤又は抗体は、ヒト化抗体又はその抗原結合断片である。
【0087】
一実施形態にしたがい、本発明は、抗体又はその抗原結合断片に関し、この抗体又は抗原結合断片は、放射性同位体によって放射性標識されている。
【0088】
一実施形態にしたがい、本発明は、抗体又はその抗原結合断片に関し、上記放射性同位体は、PET標識及び又はSPECT標識の中から選択される。
【0089】
一実施形態にしたがい、本発明は、抗体又はその抗原結合断片に関し、上記PET標識は、124I、225Ac及び89Zrの中から選択される。
【0090】
一実施形態にしたがい、本発明は、抗体又はその抗原結合断片に関し、上記SPECT標識は、131I、177Lu、99mTc、64Cu及び89Zrの中から選択される。
【0091】
一実施形態にしたがい、本発明は、抗体又はその抗原結合断片に関し、この抗体又は抗原結合断片は、キレーター化合物にコンジュゲートする。
【0092】
一実施形態にしたがい、本発明は、抗体又はその抗原結合断片に関し、上記キレーター化合物は、放射性同位体に結合する。
【0093】
一実施形態にしたがい、本発明は、抗体又はその抗原結合断片に関し、上記放射性同位体は、124I、131I及び177Lu又は99mTc、64Cu及び89Zrの中から選択される。
【0094】
一実施形態にしたがい、本発明は、抗体又はその抗原結合断片に関し、上記キレーター化合物は、DOTA、DTPA、NOTA及びDFOの中から選択される。
【0095】
一実施形態にしたがい、本発明は、抗体又はその抗原結合断片に関し、上記DOTAは、DOTAのバリアント、例えばベンジル-DOTAである。
【0096】
一実施形態にしたがい、本発明は、抗体又はその抗原結合断片に関し、上記DTPAは、DTPAのバリアント、例えばCHX-A”-DTPAである。
【0097】
一実施形態にしたがい、本発明は、抗体又は抗原結合断片に関し、上記放射性同位体は、アルファ、ベータ又は陽電子放出放射性核種である。
【0098】
一実施形態にしたがい、本発明は、IgG、IgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4の中から選択される構造を含む、抗体又は抗原結合断片に関する。
【0099】
一実施形態にしたがい、本発明は、IgG、IgM、IgA、IgD、及びIgEの中から選択される構造を含む、抗体又は抗原結合断片に関する。
【0100】
一実施形態にしたがい、本発明は、抗原に結合することが可能な抗体又はその抗原結合断片に関し、この抗体又は抗原結合断片は、配列番号15、16、17又は132にしたがう配列を含む。
【0101】
一実施形態にしたがい、本発明は、自己集合分解(SADA)ポリペプチドに関し、このポリペプチドは、本発明にしたがう抗体又は抗原結合断片に結合する。
【0102】
一実施形態にしたがい、本発明は、抗体又は抗原結合断片に関し、この抗体又はその抗原結合断片は、二重特異性及び/又は三重特異性結合抗体である。
【0103】
一実施形態にしたがい、本発明は、抗体又は抗原結合断片に関し、上記二重特異性及び/又は三重特異性結合抗体は、第1抗原への結合のための第1の本発明にしたがう抗体又はその抗原結合断片、及び第2抗原への結合のための第2の抗体又は抗原結合断片を、含む。
【0104】
一実施形態にしたがい、本発明は、抗体又は抗原結合断片に関し、上記第2の抗体又はその抗原結合断片は、DOTA及び/又はDTPAに結合する。
【0105】
DOTA(ドデカンテトラ酢酸)はまた、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-テトラ酢酸とも呼ばれ、式(CHCHNCHCOH)を有する。
【0106】
DTPA(ジエチレントリアミンペンタ酢酸)はまた、IUPAC名称を用いて2-[ビス[2-[ビス(カルボキシメチル)アミノ]エチル]アミノ]酢酸とも呼ばれる。DTPAは、分子式C142310を有する。
【0107】
一実施形態にしたがい、本発明は、抗体又は抗原結合断片に関し、この抗体又は抗原結合断片は、自己集合分解(SADA)ポリペプチドに結合する。
【0108】
特定の実施形態において、その抗原結合断片の抗体は、国際特許出願公開第WO2018204873(これらは全てその全体が参考として組み込まれる)において開示される自己集合分解(SADA)ポリペプチドに結合する。
【0109】
一実施形態にしたがい、本発明は、抗体又は抗原結合断片に関し、上記自己集合分解(SADA)ポリペプチドは、ヒトホモ多量体化ポリペプチドのアミノ酸配列と少なくとも75%の同一性を示すアミノ酸配列を有し、かつ1以上の多量体化解離定数(KD)によって特徴づけられる。
【0110】
一実施形態にしたがい、本発明は、
本発明にしたがう自己集合分解(SADA)ポリペプチド、及び
本発明にしたがう抗体又は抗原結合断片
を含む、ポリペプチドコンジュゲートに関する。
【0111】
一実施形態にしたがい、本発明は、自己集合分解(SADA)ポリペプチドを含むポリペプチドコンジュゲートに関し、そしてこのコンジュゲートは、本発明にしたがう二重特異性抗体をさらに含み、上記第1抗原はB7H3であり、上記第2抗原はDOTAである。
【0112】
一実施形態にしたがい、本発明は、自己集合分解(SADA)ポリペプチドと、少なくとも、第1標的に結合しかつSADAポリペプチドに共有結合する第1結合ドメインとを含む、ポリペプチドコンジュゲートに関する。
【0113】
一実施形態にしたがい、本発明は、ポリペプチドコンジュゲートに関し、上記自己集合分解(SADA)ポリペプチドは、ヒトホモ多量体化ポリペプチドのアミノ酸配列と少なくとも75%の同一性を示すアミノ酸配列を有し、かつ1以上の多量体化解離定数(KD)によって特徴づけられ;そしてこのコンジュゲートは、第1の多量体化状態及び1つ以上のより高次の多量体化状態となるように構築されそして編成され、ここで:第1の多量体化状態が、約70kDa未満のサイズであり、より高次の多量体化状態の少なくとも1つが、150kDaより大きいサイズのホモ四量体又はより高次のホモ多量体であり、より高次のホモ多量体化コンジュゲートが、SADAポリペプチドKDより高い濃度で存在する場合に水溶液中で安定であり、そしてコンジュゲートの濃度がSADAポリペプチドKDより低い場合に、生理学的条件下でより高次の多量体化状態(単数又は複数)から第1の多量体化状態へ遷移する。
【0114】
一実施形態にしたがい、本発明は、ポリペプチドコンジュゲートに関し、このコンジュゲートは、キレーターを含む。
【0115】
一実施形態にしたがい、本発明は、コンジュゲートに関し、上記キレーターは、金属イオンを含む。
【0116】
一実施形態にしたがい、本発明は、コンジュゲートに関し、上記金属イオンは、放射性核種である。
【0117】
一実施形態にしたがい、本発明は、本発明の抗体又は抗原結合断片をコードする、単離核酸分子に関する。
【0118】
一実施形態にしたがい、本発明は、配列番号18、19、20、21又は22にしたがう配列を含む単離核酸分子に関する。
【0119】
一実施形態にしたがい、本発明は本発明の単離核酸分子を含む組換えベクターに関する。
【0120】
一実施形態にしたがい、本発明は、本発明にしたがう組換えベクターを含む宿主細胞に関する。
【0121】
一実施形態にしたがい、本発明は、本発明にしたがう宿主細胞を、培養培地中で抗体又は断片の発現を可能にする条件下で培養する工程、及び抗体又は断片を培養培地から分離することを含む、本発明にしたがう抗体又はその抗原結合断片の生成のための方法に関する。
【0122】
一実施形態にしたがい、本発明は、本発明にしたがう抗体又は抗原結合断片を含む、キメラ抗原レセプター(CAR)に関する。
【0123】
一実施形態にしたがい、本発明は、CARを発現するCAR-T細胞に関する。
【0124】
一実施形態にしたがい、本発明は、CAR-T細胞の集団に関する。
【0125】
一実施形態にしたがい、本発明は、CAR-T細胞の集団を含む組成物に関する。
【0126】
一実施形態にしたがい、本発明は、CARを発現するCAR-NK細胞に関する。
【0127】
一実施形態にしたがい、本発明は、CAR-NK細胞の集団に関する。
【0128】
一実施形態にしたがい、本発明は、CAR-NK細胞の集団を含む組成物に関する。
【0129】
一実施形態にしたがい、本発明は、本発明にしたがう抗体又は抗原結合断片を含む、医薬組成物に関する。
【0130】
一実施形態にしたがい、本発明は、本発明にしたがう抗体又は抗原結合断片を備えたT細胞に関する。
【0131】
一実施形態にしたがい、本発明は、抗体、抗原結合断片、二重特異性抗体、三重特異性抗体、ポリペプチドコンジュゲート、組成物及び/又はCARの、腹膜内への投与の工程を含む、対象における健康状態の症候を、治療するか、予防するか、緩和するか、及び/又は診断する方法に関し、この健康状態は、B7H3抗原の発現によって特徴づけられる。
【0132】
一実施形態にしたがい、本発明は、腹膜内の腫瘍を画像化する方法に関し、この画像化は、抗体又はその抗原結合断片の使用を含み、上記腫瘍は、B7H3抗原の発現によって特徴づけられ、そして画像化の方法の前に、抗体又はその抗原結合断片の腹膜内への投与の工程がある。
【0133】
一実施形態にしたがい、本発明は、上記抗体、抗原結合断片、二重特異性抗体、三重特異性抗体、ポリペプチドコンジュゲート、組成物及び/又はCARが、本発明にしたがう抗体、抗原結合断片、二重特異性抗体、三重特異性抗体、ポリペプチドコンジュゲート、組成物及び/又はCARである方法に関する。
【0134】
一実施形態にしたがい、本発明は、上記抗体又はその抗原結合断片が、配列番号25にしたがう重鎖可変領域CDR1、配列番号26にしたがう重鎖可変領域CDR2、配列番号27にしたがう重鎖可変領域CDR3、配列番号28にしたがう軽鎖可変領域CDR1、配列番号29にしたがう軽鎖可変領域CDR2及び配列番号30にしたがう軽鎖可変領域CDR3の中から選択される少なくとも1つの配列を含む、方法に関する。
【0135】
一実施形態にしたがい、本発明は、上記抗体が、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9又は23にしたがう重鎖配列及び/又は配列番号10、11、12、13、14又は24にしたがう軽鎖配列を含む、方法に関する。
【0136】
一実施形態にしたがい、本発明は、抗体が、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9又は23に示される配列に対し少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%又は約99%の配列同一性を有する重鎖配列及び/又は配列番号10、11、12、13、14又は24に示される配列に対し少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%又は約99%の配列同一性を有する軽鎖配列を含む、方法に関する。
【0137】
一実施形態にしたがい、本発明は、本発明にしたがう方法における使用のためのがんの治療のための医薬の製造における、本発明にしたがう組成物の使用に関する。
【0138】
一実施形態にしたがい、本発明は、がんの治療のための医薬の製造における及び/又は本発明にしたがう方法における使用のための、本発明にしたがう抗原結合断片の抗体の使用に関する。
【0139】
一実施形態にしたがい、本発明は、本発明にしたがう抗体又はその抗原結合断片のインビトロの使用に関する。
【0140】
一実施形態にしたがい、本発明は、上記健康状態ががんである方法に関する。
【0141】
一実施形態にしたがい、本発明は、上記がん及び/又は上記腫瘍が転移である方法に関する。
【0142】
一実施形態にしたがい、本発明は、上記がん、上記腫瘍及び/又は上記転移が、前立腺がん、線維形成性小細胞腫瘍、卵巣がん、胃がん、膵臓がん、肝臓がん、腎臓がん、乳がん、非小細胞肺がん、メラノーマ、胞巣状横紋筋肉腫、胎児性横紋筋肉腫、ユーイング肉腫、ウィルムス肉腫、神経芽細胞腫、神経節芽細胞腫、髄芽細胞腫、高度グリオーマ、小児脳幹部グリオーマ(diffuse intrinsic pontine glioma)、多層性ロゼットを有する胚芽腫、又はB7H3を発現するがんである、方法に関する。
【0143】
一実施形態にしたがい、本発明は、本発明にしたがう抗体又は抗原結合断片の腹膜内への投与を含む、対象における健康状態の症候を、治療するか、予防するか、緩和するか、及び/又は診断する方法に関し、上記健康状態は、B7H3抗原の発現によって特徴づけられる。
【0144】
一実施形態にしたがい、本発明は、腹膜内の腫瘍を画像化する方法に関し、この画像化は、本発明にしたがう抗体又はその抗原結合断片の使用を含み、上記医学的腫瘍は、B7H3抗原の発現によって特徴づけられ、そしてこの画像化の方法の前に、本発明にしたがう抗体又はその抗原結合断片の腹膜内への投与の工程がある。
【0145】
以下のような用語が与えられる範囲を含めて、明細書及び特許請求の範囲の明確な矛盾のない理解を提供するために、以下の定義が提供される。
【0146】
親和性:当該分野で公知のように、「親和性」は、特定のリガンド(例えば、抗体)がそのパートナー(例えば、エピトープ)に結合する強さの尺度である。親和性は、種々の方法で測定され得る。
【0147】
抗体:用語「抗体」は、当該分野で認識された用語であり、既知の抗原に結合する分子又は分子の活性な断片を含むことが意図される。既知の抗原に結合する分子の活性な断片の例としては、Fab及びF(ab’)2断片が挙げられる。これらの活性な断片は、本発明の抗体から、多くの技術によって得られ得る。例えば、精製されたモノクローナル抗体は、ペプシンなどの酵素によって切断され、そしてHPLCゲル濾過に供されてもよい。次いで、Fab断片を含む適切な画分は、膜濾過などによって収集され、そして濃縮されてもよい。用語「抗体」はまた、二重特異性及びキメラ抗体ならびに他の入手可能な様式をも含む。
【0148】
抗体断片:抗体断片は、例えばF(ab’)2、F(ab)2、Fab’、Fab、Fv、sFvなどの、抗体の一部分である。構造にかかわらず、抗体断片は、インタクトな抗体によって認識されるものと同じ抗原に結合する。例えば、3F8モノクローナル抗体断片は、3F8によって認識されるエピトープに結合する。用語「抗体断片」はまた、特定の抗原に結合して複合体を形成することによって抗体と同様に作用する、任意の合成タンパク質又は遺伝子操作されたタンパク質をも含む。例えば、抗体断片は、可変領域からなる単離断片(例えば、重鎖及び軽鎖の可変領域からなる「Fv」断片など)、軽鎖及び重鎖可変領域がペプチドリンカーによって連結している組換え単鎖ポリペプチド分子(「scFvタンパク質」)、及び超可変領域を模倣したアミノ酸残基からなる最小認識単位を含む。
【0149】
二重特異性抗体:二重特異性抗体は、異なる構造の2つの標的に同時に結合できる抗体である。二重特異性抗体(bsAb)及び二重特異性抗体断片(bsFab)は、少なくとも1つの腕、具体的には抗原、例えば、GD2に結合する腕と、少なくとも1つの他の腕、具体的には他の抗原、例えば治療剤又は診断用薬剤を担う標的可能なコンジュゲートに結合する腕とを有する。種々の二重特異性融合タンパク質は、分子操作を用いて生成され得る。1つの形態において、二重特異性融合タンパク質は、二価であり、例えば、1つの抗原についての1つの結合部位を有するscFvと第2抗原についての1つの結合部位を有するFab断片とからなる。他の形態において、二重特異性融合タンパク質は、四価であり、例えば、1つの抗原についての2つの結合部位を有するIgGと、第2抗原についての2つの同一なscFvとからなる。
【0150】
キメラ抗体:キメラ抗体は、1つの種由来の抗体、例えばげっ歯類抗体の相補性決定領域(CDR)を含む可変ドメインを含むと同時に、抗体分子の定常ドメインがヒト抗体の定常ドメインに由来する、組換えタンパク質である。キメラ抗体の定常ドメインはまた、他の種、例えばネコ又はイヌの定常ドメインに由来してもよい。
【0151】
有効量:本明細書中で使用される場合、用語「有効量」は、所定の化合物、コンジュゲート又は組成物の、所望の生物学的効果を実現するために、必要又は十分な量をいう。本発明の方法にしたがう所定の化合物、コンジュゲート又は組成物の有効量は、この選択された結果を達成する量であり、このような量は、過度の実験の必要なく、当業者によって慣用的な事項として決定され得る。
【0152】
ヒト化抗体:ヒト化抗体は、1つの種由来の抗体、例えばげっ歯類抗体のCDRが、げっ歯類抗体の重鎖及び軽鎖可変鎖からヒト重鎖及び軽鎖可変ドメインへと乗り換えた、組換えタンパク質である。抗体分子の定常ドメインは、ヒト抗体の定常ドメインに由来する。
【0153】
ヒト抗体は、抗原性チャレンジに応答して特異的なヒト抗体を産生するように「操作されている」トランスジェニックマウスから得られる抗体であってもよい。この技術において、ヒト重鎖及び軽鎖遺伝子座の要素が、内在性の重鎖及び軽鎖遺伝子座の標的化された破壊を含む胚性幹細胞株に由来するマウスの系統に導入される。トランスジェニックマウスは、ヒト抗原に特異的なヒト抗体を合成でき、このマウスはヒト抗体分泌性のハイブリドーマを産生するために使用され得る。
【0154】
免疫原性:免疫原性は、自己及び関連タンパク質に対する免疫応答を発生するか又は免疫学的に関連する有害臨床的事象を誘導する、治療用タンパク質生成物の性質として定義され得る(FDA)。免疫原性は、免疫応答を引き起こす、分子又は物質の能力をいう場合がある。望まない免疫原性は、治療用抗原に対する、生物による免疫応答であり得る。患者における抗治療用抗体応答の発生頻度は、患者群の%として記載される。
【0155】
免疫原性は、HAMA(ヒト抗マウス抗体)についてのELISAによって試験され得る。この技術において、血清サンプルが、マウス抗体を捕捉抗原として使用する確立されたELISAアッセイを介して分析される。
【0156】
予防する:本明細書中で使用される場合、用語「予防する」、「予防すること」及び「予防」は、予防剤又は治療剤の投与の結果としての、対象における障害の1つ以上の症候の再発又は発症の予防をいう。
【0157】
放射性同位体:診断的又は治療的な使用のために抗体にコンジュゲート可能な放射性同位体の例としては、限定されないが、211At、14C、51Cr、57Co、58Co、67Cu、152Eu、67Ga、H、111In、59Fe、212Pb、177Lu、32P、223Ra、224Ra、186Re、188Re、75Se、35S、99mTc、227Th、89Zr、90Y、123I、124I、125I、131I、94mTc、64Cu、68Ga、66Ga、76Br、86Y、82Rb、110mIn、13N、11C、18F及びアルファ放出性粒子が挙げられる。アルファ放出性粒子の非限定の例としては、209Bi、211Bi、212Bi、213Bi、210Po、211Po、212Po、214Po、215Po、216Po、218Po、211At、215At、217At、218At、218Rn、219Rn、220Rn、222Rn、226Rn、221Fr、223Ra、224Ra、226Ra、225Ac、227Ac、227Th、228Th、229Th、230Th、232Th、231Pa、233U、234U、235U、236U、238U、237Np、238Pu、239Pu、240Pu、244Pu、241Am、244Cm、245Cm、248Cm、249Cf、及び252Cfが挙げられる。
【0158】
配列アラインメント:配列アラインメントとは、単に、2つの配列を互いに上下に並べる任意の方法をいう。それは、DNA、RNA又はタンパク質の配列を配置して、その配列間の類似する領域を同定する方法である。異なるアラインメントアルゴリズムが存在し、そしてそれらは通常、全てのアラインメントにそのアラインメントがいかに良いかを示す数値スコアを割り当てるスコアリング機能を有し、そのスコアリング機能にしたがって最も良いアラインメントを見出すことを試みる。
【0159】
配列同一性:用語「配列同一性」は、2つのアミノ酸又は核酸配列の関連性の測定値として本明細書中で使用される。2つの配列の間の配列同一性を計算するために、配列が並べられ、そして最も長い重複が同定される。配列同一性は、重複する長さ全体の、重複における対応する位置での同一の塩基の百分率として計算される。
【0160】
配列アラインメントを作成しそして配列同一性を計算するために、種々のコンピューターアルゴリズムが、当業者に利用可能である。本明細書中で使用される場合、配列アラインメントは、ペアワイズアラインメントをいう。Smith-Watermanアルゴリズムを用いる配列アラインメントプログラムFASTAを含むいくつかのアルゴリズムが、これを実施する。
【0161】
本明細書中で使用される場合、配列アラインメントは、以下のアルゴリズム及びパラメーターを言及し得る:
アルゴリズム:FASTA(3.8 Nov 2011)[最適化]
パラメーター:BL50 matrix(15:-5)、open/ext:-10/-2
ktup:2、E-join:1(1)、E-opt:0.2(1)、幅:16
【0162】
対象:「対象」又は「個体」又は「動物」又は「患者」又は「哺乳動物」は、診断、予後診断、又は治療が望まれる任意の対象、具体的には哺乳動物対象を意味する。哺乳動物対象としては、ヒト及び他の霊長類、家畜、農場用動物、及び動物園の動物、スポーツ用動物、又はペット動物、例えばイヌ、ネコ、モルモット、ウサギ、ラット、マウス、ウマ、ウシ、雌ウシなどが挙げられる。
【0163】
治療:本明細書中で使用される場合、用語「治療」「治療する」「治療された」又は「治療すること」は、予防及び/又は治療をいい、具体的には、望ましくない生理学的変化又は障害(多発性硬化症の進行など)を予防するか又は遅らせる(軽減する)ことが目的の、予防及び/又は治療をいう。有益な又は所望の臨床結果としては、限定されないが、検出可能であっても又は検出不可能であっても、症候の軽減、疾患の範囲の縮減、疾患の状態の安定化(すなわち、悪化させない)、疾患進行の遅延又は緩慢化、疾患状態の緩和又は寛解、及び鎮静(部分的又は全体的のいずれか)が挙げられる。「治療」はまた、治療を受けない場合の予測される生存と比較してより長い生存をも意味し得る。治療の必要のある者としては、既に症状もしくは障害を有する者、ならびに症状もしくは障害にかかりやすい者、又は症状もしくは障害が予防されるべき者が、挙げられる。
【0164】
添付の図面及び実施例は、本発明を限定するよりもむしろ説明するために提供される。本発明の態様、実施形態、請求項及び任意の項目が組み合わせられ得ることが、当業者には明らかとなるであろう。
【0165】
他に言及されない限り、全ての百分率は、重量/重量である。他に言及されない限り、全ての測定は、標準的条件下(周囲温度及び周囲圧)で行われる。他に言及されない限り、試験条件は、European Pharmacopoeia 8.0にしたがう。
【実施例
【0166】
実施例1:ヒト化抗B7-H3抗体の設計
配列番号23にしたがう重鎖配列及び配列番号24にしたがう軽鎖配列を含むマウス8H9抗体を、ヒト生殖細胞系配列IGKV6-21*02(配列番号37)をカッパ可変ドメインに用いそしてIGHV1-8*01(配列番号38)を可変重鎖ドメインに用いて、IMGT CDR残基をヒトIgG1骨格上にグラフトすることによってヒト化した。次いで、選択した逆突然変異を、配列番号34にしたがう重鎖配列及び配列番号35にしたがう軽鎖配列を含むマウス8H9抗体Fab断片(Protein Data Bank構造5CMA:抗B7H3モノクローナル抗体ch8H9 Fab断片)の結晶構造の合理的設計及び分子モデリングに基づいて挿入し、6つのヒト化VH候補及び4つのヒト化VL候補を作製した(これらの各々が85%を超えるヒト生殖細胞系の含有率を有する)。Biovia Discovery Studioソフトウェア(Dassault Systemes)を用いて、コンピューターモデリングを行った。ヒト化配列の各々を、マウス8H9の親和性を保持するために合理的に操作した。
【0167】
実施例2:ヒト化抗B7-H3抗体の作製及び性質決定
キメラ抗体及びヒト化抗体を、相同性が高いヒト生殖細胞系配列を用いるCDRグラフティング法を用いて作製した。6つの異なるヒト化VH及び4つのヒト化VL配列を合わせて、24の異なるヒト化IgG1抗体を作製した。この抗体を、HEK293細胞において発現させ、そしてプロテインA樹脂を用いて精製した。抗体を、PBSに緩衝液交換し、そしてOD280によって定量し、そして力価を計算した。サンプル純度及び凝集状態を、分子を分子質量及び流体力学的容積に基づいて分離する分析的サイズ排除クロマトグラフィー(SEC-HPLC)によって決定した。各ピークの面積%を、ピークの全面積に基づいて計算する。ピーク対称性を計算し、フロンティングピーク(1未満)又はテーリングピーク(1より多い)を決定する。300A孔サイズのカラムを、280nmでの検出のために用い、PBSをランニング緩衝液として用いた。結合親和性を評価するための表面プラズモン共鳴研究を、Carterra LSA装置において実施した。抗ヒトFc抗体「lawn」を、HC30Mチップ上でアミンカップリングによって調製した。チップを、等容量の100mM MES pH5.5、100mM S-NHS及び400mM EDCによって活性化させた。抗ヒトIgGFc抗体を、固定化した。チップを、1MエタノールアミンpH8.5によって不活性化させた。抗体を希釈しそして抗ヒトFc lawn上にプリントした。4IgヒトB7-H3の8点系列を、調製した。動態研究のために、会合を5分間観察し、そして解離を15分間観察した。
【0168】
発現力価(培養物1Lあたりの精製タンパク質のmg)、純度(分析的SEC-HPLCによる%単量体ピーク)及びSPR(ka、kd及びK)による親和性測定値を含む性質決定データを、表1及び図1~14にまとめる。
【0169】
【表1】
【0170】
IMGT/DomainGapAlign(imgt.org)ツールを用いて、重鎖H1~H6及び軽鎖L1~L4の可変領域についてのヒト生殖細胞系の含有率を計算した(表2)。
【0171】
【表2】
【0172】
発現力価、%純度、キメラIgGと比較した結合親和性及びヒト生殖細胞系の含有率に基づき、3つの構築物L2H3、L2H4及びL2H5を、主な候補として選択した。L2H5は、3つの中で最高のヒト型含有率(VH5及びVL2両方)及び純度(図1~4)を有し、これら全てが、親キメラ抗体よりも高かった。L2H5はまた、キメラIgGに対するほぼ同一な親和性を有した(それぞれ9.4nM及び10nMK)。したがって、L2H5を、抗B7H3×抗DOTA二重特異性SADA(自己集合及び分解)抗体構築物の作製を含むさらなる調査のために選択した。
【0173】
実施例3:放射免疫治療のための抗B7-H3 SADAの産生及び性質決定
3つの抗B7H3x抗DOTA二重特異性SADA構築物(3BH-1、3BH-2、3BH-3)を、図5に示されるように設計した。3BH-1は、配列番号23にしたがう重鎖配列及び配列番号24にしたがう軽鎖配列をVH-VLの方向で含むマウス8H9抗体に由来する抗B7H3scFvからなり、3BH-2は、VH-VLの方向のL2H5配列に由来する抗B7H3scFvからなり、及び3BH-3は、安定性の改善のためにL2H5のScFvにおいてジスルフィド結合を有する(Kabat番号付けによるNh44-VL100)。3つの構築物全ては、VH-VLジスルフィド安定化を有する同じ抗DOTA scFv(ヒト化C825)を含む。
【0174】
実施例4:フローサイトメトリーを介する、B7H3(+)細胞株へのSADA結合
2つのがん細胞株を、別個に、一連の滴定を用いてSADAタンパク質と共に4℃で30分間にわたってインキュベートした。洗浄工程の後、細胞を、フルオロフォア-コンジュゲート化二次抗体(抗His)と共に4℃にて30分間にわたってインキュベートした。再び洗浄した後、細胞を、フローサイトメーターを用いて分析した。3BH-1及び3BH-3は、B7-H3陽性細胞株である神経膠芽腫細胞株U-87MG及び卵巣腺癌細胞株SK-OV-3に対する濃度依存性結合を示している(図6)。
【0175】
実施例5:131I-標識抗B7-H3抗体のインビボでの抗腫瘍効果
ヒト化抗B7H3抗体の抗腫瘍効果を評価するために、ルシフェラーゼによってトランスフェクトされたヒト卵巣がんSKOV-3細胞又は胃がんNCI-N87を、ヌードマウスの腹腔内に注射してもよい。計画したプロトコールにおいて、null Fcを有するヨウ素-131(131I)標識YB8-L2H5は、種々の用量での単回注射として投与されるものであり、そして腫瘍負荷は、生物発光画像化を用いて毎週評価される。
【0176】
さらなる関連配列を、以下に提供する。
【0177】
配列番号1:キメラ重鎖(親)
QVQLQQSGAELVKPGASVKLSCKASGYTFTNYDINWVRQRPEQGLEWIGWIFPGDGSTQYNEKFKGKATLTTDTSSSTAYMQLSRLTSEDSAVYFCARQTTATWFAYWGQGTLVTVSAASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
配列番号2:YB8 H1
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTNYDINWVRQATGQGLEWIGWIFPGDGSTQYNEKFQGRVTLTTNTSISTAYMELSSLRSEDTAVYYCARQTTATWFAYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
配列番号3:YB8 H2
QVQLQQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTNYDINWVRQATGQGLEWIGWIFPGDGSTQYNEKFKGRATLTRNTSISTAYMELSSLRSEDTAVYYCARQTTATWFAYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
配列番号4:YB8 H3
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTNYDINWVRQATGQGLEWMGWIFPGDGSTQYNEKFKGRVTLTRNTSISTAYMELSSLRSEDTAVYFCARQTTATWFAYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
配列番号5:YB8 H4
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTNYDINWVRQATGQGLEWIGWIFPGDGSTQYNEKFQGRVTMTTNTSISTAYMELSSLRSEDTAVYFCARQTTATWFAYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
配列番号6:YB8 H5
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTNYDINWVRQATGQGLEWMGWIFPGDGSTQYNEKFQGRVTMTTNTSISTAYMELSSLRSEDTAVYYCARQTTATWFAYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
配列番号7:YB8 H5 N297A及びK322A
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTNYDINWVRQATGQGLEWMGWIFPGDGSTQYNEKFQGRVTMTTNTSISTAYMELSSLRSEDTAVYYCARQTTATWFAYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYASTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCAVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
配列番号8:YB8_H5 L234A、L235A及びK322A
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTNYDINWVRQATGQGLEWMGWIFPGDGSTQYNEKFQGRVTMTTNTSISTAYMELSSLRSEDTAVYYCARQTTATWFAYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCAVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
配列番号9:YB8 H6
QVQLQQSGAEVKKPGASVKLSCKASGYTFTNYDINWVRQATGQGLEWIGWIFPGDGSTQYAQKFQGRATLTTNTSISTAYMELSSLRSEDTAVYFCARQTTATWFAYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
配列番号10:キメラ軽鎖(親)
DIVMTQSPATLSVTPGDRVSLSCRASQSISDYLHWYQQKSHESPRLLIKYASQSISGIPSRFSGSGSGSDFTLSINSVEPEDVGVYYCQNGHSFPLTFGAGTKLELKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
配列番号11:YB8 L1
EIVLTQSPDFQSVTPKEKVTLTCRASQSISDYLHWYQQKPDQSPKLLIKYASQSISGVPSRFSGSGSGSDFTLTINSLEAEDAATYYCQNGHSFPLTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
配列番号12:YB8 L2
EIVMTQSPDFQSVTPKEKVTITCRASQSISDYLHWYQQKPDQSPKLLIKYASQSISGVPSRFSGSGSGSDFTLTINSLEAEDAATYYCQNGHSFPLTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
配列番号13:YB8 L3
EIVMTQSPDFQSVTPKEKVTLTCRASQSISDYLHWYQQKPDQSPKLLIKYASQSISGVPSRFSGSGSGSDFTLTINSLEAEDAGVYYCQNGHSFPLTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
配列番号14:YB8 L4
EIVMTQSPDFQSVTPKEKVTLTCRASQSISDYLHWYQQKPDQSPKLLIKYASQSISGIPSRFSGSGSGTDFTLTINSVEAEDAGVYYCQNGHSFPLTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
配列番号15:3BH-1
QVQLQQSGAELVKPGASVKLSCKASGYTFTNYDINWVRQRPEQGLEWIGWIFPGDGSTQYNEKFKGKATLTTDTSSSTAYMQLSRLTSEDSAVYFCARQTTATWFAYWGQGTLVTVSAGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSDIVMTQSPATLSVTPGDRVSLSCRASQSISDYLHWYQQKSHESPRLLIKYASQSISGIPSRFSGSGSGSDFTLSINSVEPEDVGVYYCQNGHSFPLTFGAGTKLELKGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSHVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFSLTDYGVHWVRQAPGKGLEWLGVIWSGGGTAYNTALISRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARRGSYPYNYFDAWGCGTLVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSQAVVTQEPSLTVSPGGTVTLTCGSSTGAVTASNYANWVQQKPGQCPRGLIGGHNNRPPGVPARFSGSLLGGKAALTLLGAQPEDEAEYYCALWYSDHWVIGGGTKLTVLGTPLGDTTHTSGKPLDGEYFTLQIRGRERFEMFRELNEALELKDAQAGKEPGGSGGAPHHHHHH
配列番号16:3BH-2
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTNYDINWVRQATGQGLEWMGWIFPGDGSTQYNEKFQGRVTMTTNTSISTAYMELSSLRSEDTAVYYCARQTTATWFAYWGQGTLVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSEIVMTQSPDFQSVTPKEKVTITCRASQSISDYLHWYQQKPDQSPKLLIKYASQSISGVPSRFSGSGSGSDFTLTINSLEAEDAATYYCQNGHSFPLTFGQGTKLEIKGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSHVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFSLTDYGVHWVRQAPGKGLEWLGVIWSGGGTAYNTALISRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARRGSYPYNYFDAWGCGTLVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSQAVVTQEPSLTVSPGGTVTLTCGSSTGAVTASNYANWVQQKPGQCPRGLIGGHNNRPPGVPARFSGSLLGGKAALTLLGAQPEDEAEYYCALWYSDHWVIGGGTKLTVLGTPLGDTTHTSGKPLDGEYFTLQIRGRERFEMFRELNEALELKDAQAGKEPGGSGGAPHHHHHH
配列番号17:3BH-3
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTNYDINWVRQATGQCLEWMGWIFPGDGSTQYNEKFQGRVTMTTNTSISTAYMELSSLRSEDTAVYYCARQTTATWFAYWGQGTLVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSEIVMTQSPDFQSVTPKEKVTITCRASQSISDYLHWYQQKPDQSPKLLIKYASQSISGVPSRFSGSGSGSDFTLTINSLEAEDAATYYCQNGHSFPLTFGCGTKLEIKGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSHVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFSLTDYGVHWVRQAPGKGLEWLGVIWSGGGTAYNTALISRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARRGSYPYNYFDAWGCGTLVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSQAVVTQEPSLTVSPGGTVTLTCGSSTGAVTASNYANWVQQKPGQCPRGLIGGHNNRPPGVPARFSGSLLGGKAALTLLGAQPEDEAEYYCALWYSDHWVIGGGTKLTVLGTPLGDTTHTSGKPLDGEYFTLQIRGRERFEMFRELNEALELKDAQAGKEPGGSGGAPHHHHHH
配列番号18:YB8 L2H5重鎖
CAGGTTCAGTTGCAGCAGTCTGGCGCCGAAGTGAAGAAACCTGGCGCCTCCGTGAAGCTGTCCTGCAAGGCTTCTGGCTACACCTTCACCAACTACGACATCAACTGGGTCCGACAGGCTACCGGACAGGGACTCGAATGGATCGGCTGGATCTTTCCTGGCGACGGCTCTACCCAGTACGCCCAGAAATTTCAGGGGAGAGCTACCCTGACCACCAACACCTCTATCTCCACCGCCTACATGGAACTGTCCAGCCTGAGATCCGAGGATACCGCCGTGTACTTCTGTGCCAGACAGACCACCGCCACTTGGTTTGCTTATTGGGGCCAGGGCACCCTGGTCACCGTTTCTTCCGCTTCTACCAAGGGACCCAGCGTGTTCCCTCTGGCTCCTTCCAGCAAGTCTACCTCTGGCGGAACAGCTGCTCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTTCCTGAGCCTGTGACCGTGTCCTGGAACTCTGGCGCTCTGACATCTGGCGTGCACACCTTTCCAGCTGTGCTGCAGTCCTCCGGCCTGTACTCTCTGTCCTCTGTCGTGACCGTGCCTTCCAGCTCTCTGGGAACCCAGACCTACATCTGCAATGTGAACCACAAGCCTTCCAACACCAAGGTGGACAAGAAGGTGGAACCCAAGTCCTGCGACAAGACCCACACCTGTCCTCCATGTCCTGCTCCAGAACTGCTCGGCGGACCTTCCGTGTTCCTGTTTCCTCCAAAGCCTAAGGACACCCTGATGATCTCTCGGACCCCTGAAGTGACCTGCGTGGTGGTGGATGTGTCTCACGAGGACCCAGAAGTGAAGTTCAATTGGTACGTGGACGGCGTGGAAGTGCACAACGCCAAGACCAAGCCTAGAGAGGAACAGTACAACTCCACCTACAGAGTGGTGTCCGTGCTGACCGTGCTGCACCAGGATTGGCTGAACGGCAAAGAGTACAAGTGCAAGGTGTCCAACAAGGCCCTGCCTGCTCCTATCGAAAAGACCATCTCCAAGGCCAAGGGCCAGCCTAGGGAACCCCAGGTTTACACCTTGCCTCCATCTCGGGACGAGCTGACCAAGAACCAGGTGTCCCTGACCTGTCTCGTGAAGGGCTTCTACCCCTCCGATATCGCCGTGGAATGGGAGTCTAATGGCCAGCCAGAGAACAACTACAAGACAACCCCTCCTGTGCTGGACTCCGACGGCTCATTCTTCCTGTACTCCAAGCTGACAGTGGACAAGTCCAGATGGCAGCAGGGCAACGTGTTCTCCTGCTCCGTGATGCACGAGGCCCTGCACAATCACTACACACAGAAGTCTCTGTCTCTGAGCCCCGGCAAGTGA
配列番号19:YB8 L2H5軽鎖
GAGATCGTGATGACCCAGTCTCCTGACTTCCAGAGCGTGACCCCTAAAGAGAAAGTCACCATCACCTGTCGGGCCAGCCAGTCCATCTCTGACTACCTGCACTGGTATCAGCAGAAGCCCGATCAGTCCCCTAAGCTGCTGATTAAGTACGCCAGCCAGAGCATCTCCGGCGTGCCATCCAGATTTTCTGGCTCCGGCTCTGGCTCTGACTTCACCCTGACCATCAATTCCCTGGAAGCCGAGGATGCCGCCACCTACTACTGTCAGAATGGCCACAGCTTCCCTCTGACCTTTGGCCAGGGCACCAAGCTGGAAATCAAGAGAACCGTGGCCGCTCCTTCCGTGTTCATCTTCCCACCATCTGACGAGCAGCTGAAGTCTGGCACCGCTTCTGTCGTGTGCCTGCTGAACAACTTCTACCCTCGGGAAGCCAAGGTGCAGTGGAAGGTGGACAATGCCCTGCAGTCCGGCAACTCCCAAGAGTCTGTGACCGAGCAGGACTCCAAGGACTCTACCTACAGCCTGTCCTCCACACTGACCCTGTCTAAGGCCGACTACGAGAAGCACAAGGTGTACGCCTGTGAAGTGACCCACCAGGGACTGTCTAGCCCCGTGACCAAGTCTTTCAACCGGGGCGAGTGTTGA
配列番号20:YB8 L2H5 N297A K322A(null Fc)重鎖
CAGGTGCAGTTGGTGCAGTCTGGCGCCGAAGTGAAGAAACCTGGCGCTTCTGTGAAGGTGTCCTGCAAGGCCTCTGGCTACACCTTTACCAACTACGACATCAACTGGGTCCGACAGGCTACCGGACAGGGACTTGAGTGGATGGGATGGATTTTCCCTGGCGACGGCAGCACCCAGTACAACGAGAAGTTTCAGGGCAGAGTGACCATGACCACCAACACCTCCATCAGCACCGCCTACATGGAACTGTCCAGCCTGAGATCTGAGGACACCGCCGTGTACTACTGTGCCAGACAGACCACCGCCACTTGGTTTGCTTATTGGGGCCAGGGCACACTGGTCACCGTGTCCTCTGCTTCTACCAAGGGACCCTCTGTGTTCCCTCTGGCTCCTTCCAGCAAGTCTACCTCTGGTGGAACCGCTGCTCTGGGCTGCCTGGTCAAGGATTACTTTCCTGAGCCTGTGACCGTGTCTTGGAACTCTGGTGCTCTGACCTCCGGCGTGCACACATTTCCAGCTGTGCTGCAGTCCTCCGGCCTGTACTCTCTGTCCTCTGTCGTGACCGTGCCTTCTAGCTCTCTGGGCACCCAGACCTACATCTGCAACGTGAACCACAAGCCTTCCAACACCAAGGTGGACAAGAAGGTGGAACCCAAGTCCTGCGACAAGACCCACACCTGTCCTCCATGTCCTGCTCCAGAACTGCTCGGCGGTCCAAGCGTTTTCCTGTTTCCTCCAAAGCCTAAGGACACCCTGATGATCTCTCGGACCCCTGAAGTGACCTGCGTGGTGGTGGATGTGTCTCACGAGGACCCAGAAGTGAAGTTCAATTGGTACGTGGACGGCGTGGAAGTGCACAACGCCAAGACCAAGCCTAGAGAGGAACAGTACGCCTCCACCTACAGAGTGGTGTCTGTGCTGACCGTGCTGCACCAGGATTGGCTGAACGGCAAAGAGTACAAGTGCGCCGTGTCCAACAAGGCCCTGCCTGCTCCTATCGAAAAGACCATCTCCAAGGCTAAGGGCCAGCCTCGGGAACCTCAGGTTTACACACTGCCTCCATCTCGGGACGAGCTGACCAAGAATCAGGTGTCCCTGACCTGCCTCGTGAAGGGCTTCTACCCTTCCGATATCGCCGTGGAATGGGAGTCTAACGGCCAGCCAGAGAACAACTACAAGACAACCCCTCCTGTGCTGGACTCTGACGGCTCATTCTTCCTGTACTCCAAGCTGACAGTGGACAAGTCTCGGTGGCAGCAGGGCAACGTGTTCTCCTGTTCTGTGATGCACGAGGCCCTGCACAACCACTACACACAGAAGTCTCTGTCTCTGAGCCCCGGCAAGTGA
配列番号21:YB8 L2H5 L234A L235A K322A(null Fc)重鎖
CAGGTGCAGTTGGTGCAGTCTGGCGCCGAAGTGAAGAAACCTGGCGCTTCTGTGAAGGTGTCCTGCAAGGCCTCTGGCTACACCTTTACCAACTACGACATCAACTGGGTCCGACAGGCTACCGGACAGGGACTTGAGTGGATGGGATGGATTTTCCCTGGCGACGGCAGCACCCAGTACAACGAGAAGTTTCAGGGCAGAGTGACCATGACCACCAACACCTCCATCAGCACCGCCTACATGGAACTGTCCAGCCTGAGATCTGAGGACACCGCCGTGTACTACTGTGCCAGACAGACCACCGCCACTTGGTTTGCTTATTGGGGCCAGGGCACACTGGTCACCGTGTCCTCTGCTTCTACCAAGGGACCCTCTGTGTTCCCTCTGGCTCCTTCCAGCAAGTCTACCTCTGGTGGAACCGCTGCTCTGGGCTGCCTGGTCAAGGATTACTTTCCTGAGCCTGTGACCGTGTCTTGGAACTCTGGTGCTCTGACCTCCGGCGTGCACACATTTCCAGCTGTGCTGCAGTCCTCCGGCCTGTACTCTCTGTCCTCTGTCGTGACCGTGCCTTCTAGCTCTCTGGGCACCCAGACCTACATCTGCAACGTGAACCACAAGCCTTCCAACACCAAGGTGGACAAGAAGGTGGAACCCAAGTCCTGCGACAAGACCCACACCTGTCCTCCATGTCCTGCTCCAGAAGCTGCTGGCGGTCCAAGCGTTTTCCTGTTTCCTCCAAAGCCTAAGGACACCCTGATGATCTCTCGGACCCCTGAAGTGACCTGCGTGGTGGTGGATGTGTCTCACGAGGACCCAGAAGTGAAGTTCAATTGGTACGTGGACGGCGTGGAAGTGCACAACGCCAAGACCAAGCCTAGAGAGGAACAGTACAACTCCACCTACAGAGTGGTGTCCGTGCTGACCGTGCTGCACCAGGATTGGCTGAACGGCAAAGAGTACAAGTGCGCCGTGTCCAACAAGGCCCTGCCTGCTCCTATCGAAAAGACCATCTCCAAGGCTAAGGGCCAGCCTCGGGAACCTCAGGTTTACACACTGCCTCCATCTCGGGACGAGCTGACCAAGAATCAGGTGTCCCTGACCTGCCTCGTGAAGGGCTTCTACCCTTCCGATATCGCCGTGGAATGGGAGTCTAACGGCCAGCCAGAGAACAACTACAAGACAACCCCTCCTGTGCTGGACTCTGACGGCTCATTCTTCCTGTACTCCAAGCTGACAGTGGACAAGTCTCGGTGGCAGCAGGGCAACGTGTTCTCCTGTTCTGTGATGCACGAGGCCCTGCACAACCACTACACACAGAAGTCTCTGTCTCTGAGCCCCGGCAAGTGA
配列番号22:3BH-3
CAGGTGCAGTTGGTGCAGTCTGGCGCCGAAGTGAAGAAACCTGGCGCTTCTGTGAAGGTGTCCTGCAAGGCCTCTGGCTACACCTTTACCAACTACGACATCAACTGGGTCCGACAGGCCACCGGACAGTGTTTGGAGTGGATGGGATGGATCTTCCCTGGCGACGGCTCTACCCAGTACAACGAGAAGTTTCAGGGCAGAGTGACCATGACCACCAACACCTCCATCAGCACCGCCTACATGGAACTGTCCAGCCTGAGATCTGAGGACACCGCCGTGTACTACTGTGCCAGACAGACCACCGCCACTTGGTTTGCTTATTGGGGCCAGGGCACACTGGTCACAGTTTCTAGCGGAGGCGGAGGAAGTGGTGGCGGAGGTTCTGGTGGCGGCGGATCAGGCGGTGGTGGATCTGGCGGCGGTGGAAGTGGCGGAGGCGGCTCTGAAATTGTGATGACCCAGTCTCCTGACTTCCAGAGCGTGACCCCTAAAGAGAAAGTCACCATCACCTGTCGGGCCAGCCAGTCCATCTCTGACTACCTGCACTGGTATCAGCAGAAGCCCGATCAGTCCCCTAAGCTGCTGATTAAGTACGCCAGCCAGAGCATCTCCGGCGTGCCATCCAGATTTTCTGGCTCCGGCTCTGGCTCTGACTTCACCCTGACCATCAATTCCCTGGAAGCCGAGGATGCCGCCACCTACTACTGTCAGAATGGCCACAGCTTCCCTCTGACCTTCGGCTGTGGCACCAAGCTGGAAATCAAAGGCGGCGGAGGCTCAGGCGGAGGTGGAAGCGGAGGTGGCGGTTCCGGCGGTGGCGGAAGTCATGTTCAACTGGTTGAATCCGGCGGAGGATTGGTGCAGCCAGGCGGATCTCTGAGACTGTCTTGTGCCGCTTCCGGCTTCTCCCTGACTGATTATGGCGTGCACTGGGTTCGACAAGCCCCTGGCAAAGGACTGGAATGGCTGGGAGTTATTTGGAGCGGCGGAGGAACCGCCTACAACACCGCTCTGATCTCCCGGTTCACCATCAGCCGGGACAACTCCAAGAACACCCTGTACCTGCAGATGAACTCTCTGAGAGCCGAAGATACCGCTGTGTATTACTGCGCTCGGAGAGGCAGCTACCCCTACAACTACTTTGATGCTTGGGGCTGCGGAACCCTGGTTACAGTCTCTTCTGGCGGCGGAGGCAGCGGAGGTGGTGGTTCTGGCGGAGGCGGATCTGGTGGCGGAGGTAGTGGCGGCGGTGGAAGCGGTGGCGGAGGATCTCAAGCTGTGGTCACACAAGAGCCCAGCCTGACAGTTTCTCCTGGCGGAACCGTTACACTGACCTGTGGATCTTCTACCGGCGCTGTGACCGCCTCTAACTACGCTAACTGGGTGCAGCAGAAACCCGGCCAGTGTCCTAGAGGCCTGATCGGCGGACACAACAATAGACCTCCAGGCGTGCCCGCTAGATTCTCTGGATCTCTGCTTGGCGGCAAGGCTGCTCTGACACTTTTGGGCGCTCAGCCTGAGGATGAGGCTGAGTACTATTGCGCCCTGTGGTACTCCGACCATTGGGTTATCGGCGGAGGGACCAAACTGACCGTTCTGGGAACACCTCTGGGCGACACCACACATACCTCTGGAAAGCCTCTGGACGGCGAGTACTTCACACTGCAGATCCGGGGCAGAGAACGCTTCGAGATGTTCAGAGAGCTGAACGAGGCCCTGGAACTGAAGGATGCCCAGGCTGGAAAAGAACCTGGTGGTTCAGGTGGCGCCCCTCACCACCATCATCACCATTAAGGATCCAAGG
配列番号23:マウス8H9重鎖
QVQLQQSGAELVKPGASVKLSCKASGYTFTNYDINWVRQRPEQGLEWIGWIFPGDGSTQYNEKFKGKATLTTDTSSSTAYMQLSRLTSEDSAVYFCARQTTATWFAYWGQGTLVTVSAAKTTPPSVYPLAPGSAAQTNSMVTLGCLVKGYFPEPVTVTWNSGSLSSGVHTFPAVLQSDLYTLSSSVTVPSSTWPSETVTCNVAHPASSTKVDKKIVPRDCGCKPCICTVPEVSSVFIFPPKPKDVLTITLTPKVTCVVVDISKDDPEVQFSWFVDDVEVHTAQTQPREEQFNSTFRSVSELPIMHQDWLNGKEFKCRVNSAAFPAPIEKTISKTKGRPKAPQVYTIPPPKEQMAKDKVSLTCMITDFFPEDITVEWQWNGQPAENYKNTQPIMDTDGSYFVYSKLNVQKSNWEAGNTFTCSVLHEGLHNHHTEKSLSHSPGK
配列番号24:マウス8H9軽鎖
DIVMTQSPATLSVTPGDRVSLSCRASQSISDYLHWYQQKSHESPRLLIKYASQSISGIPSRFSGSGSGSDFTLSINSVEPEDVGVYYCQNGHSFPLTFGAGTKLELKRADAAPTVSIFPPSSEQLTSGGASVVCFLNNFYPKDINVKWKIDGSERQNGVLNSWTDQDSKDSTYSMSSTLTLTKDEYERHNSYTCEATHKTSTSPIVKSFNRNEC
配列番号25:8H9重鎖CDR-1
NYDIN
配列番号26:8H9重鎖CDR-2
WIFPGDGSTQYNEKFKG
配列番号27:8H9重鎖CDR-3
QTTATWFAY
配列番号28:8H9軽鎖CDR-1
RASQSISDYLH
配列番号29:8H9軽鎖CDR-2
YASQSIS
配列番号30:8H9軽鎖CDR-3
QNGHSFPLT
配列番号31:4Ig-B7H3
MLRRRGSPGMGVHVGAALGALWFCLTGALEVQVPEDPVVALVGTDATLCCSFSPEPGFSLAQLNLIWQLTDTKQLVHSFAEGQDQGSAYANRTALFPDLLAQGNASLRLQRVRVADEGSFTCFVSIRDFGSAAVSLQVAAPYSKPSMTLEPNKDLRPGDTVTITCSSYQGYPEAEVFWQDGQGVPLTGNVTTSQMANEQGLFDVHSILRVVLGANGTYSCLVRNPVLQQDAHSSVTITPQRSPTGAVEVQVPEDPVVALVGTDATLRCSFSPEPGFSLAQLNLIWQLTDTKQLVHSFTEGRDQGSAYANRTALFPDLLAQGNASLRLQRVRVADEGSFTCFVSIRDFGSAAVSLQVAAPYSKPSMTLEPNKDLRPGDTVTITCSSYRGYPEAEVFWQDGQGVPLTGNVTTSQMANEQGLFDVHSVLRVVLGANGTYSCLVRNPVLQQDAHGSVTITGQPMTFPPEALWVTVGLSVCLIALLVALAFVCWRKIKQSCEEENAGAEDQDGEGEGSKTALQPLKHSDSKEDDGQEIA
配列番号32:2Ig-B7H3
MLRRRGSPGMGVHVGAALGALWFCLTGALEVQVPEDPVVALVGTDATLCCSFSPEPGFSLAQLNLIWQLTDTKQLVHSFAEGQDQGSAYANRTALFPDLLAQGNASLRLQRVRVADEGSFTCFVSIRDFGSAAVSLQVAAPYSKPSMTLEPNKDLRPGDTVTITCSSYRGYPEAEVFWQDGQGVPLTGNVTTSQMANEQGLFDVHSVLRVVLGANGTYSCLVRNPVLQQDAHGSVTITGQPMTFPPEALWVTVGLSVCLIALLVALAFVCWRKIKQSCEEENAGAEDQDGEGEGSKTALQPLKHSDSKEDDGQEIA
配列番号33:B7H3エピトープ
IRFD
配列番号34:抗体ch8H9 Fab重鎖
QVQLQQSGAELVKPGASVKLSCKASGYTFTNYDINWVRQRPEQGLEWIGWIFPGDGSTQYNEKFKGKATLTTDTSSSTAYMQLSRLTSEDSAVYFCARQTTATWFAYWGQGTLVTVSAASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKRVEPKS
配列番号35:抗体ch8H9 Fab軽鎖
DIVMTQSPATLSVTPGDRVSLSCRASQSISDYLHWYQQKSHESPRLLIKYASQSISGIPSRFSGSGSGSDFTLSINSVEPEDVGVYYCQNGHSFPLTFGAGTKLELKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGE
配列番号36:IGKV3D-11
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSVSSYLAWYQQKPGQAPRLLIYDASNRATGIPARFSGSGPGTDFTLTISSLEPEDFAVYYCQQRSNWH
配列番号37:IGKV6-21
EIVLTQSPDFQSVTPKEKVTITCRASQSIGSSLHWYQQKPDQSPKLLIKYASQSFSGVPSRFSGSGSGTDFTLTINSLEAEDAATYYCHQSSSLP
配列番号38:IGHV1-8
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYDINWVRQATGQGLEWMGWMNPNSGNTGYAQKFQGRVTMTRNTSISTAYMELSSLRSEDTAVYYCAR
配列番号39:IGHV1-46
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYYMHWVRQAPGQGLEWMGIINPSGGSTSYAQKFQGRVTMTRDTSTSTVYMELSSLRSEDTAVYYCAR
配列番号40:LFR1 VL L2H5
EIVMTQSPDFQSVTPKEKVTITC
配列番号41:LFR2 VL L2H5
WYQQKPDQSPKLLIK
配列番号42:LFR3 VL L2H5
GVPSRFSGSGSGSDFTLTINSLEAEDAATYYC
配列番号43:LFR4 VL L2H5
FGQGTKLEIK
配列番号44:HFR1 VH L2H5
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFT
配列番号45:HFR2 VH L2H5
WVRQATGQGLEWMG
配列番号46:HFR3 VH L2H5
RVTMTTNTSISTAYMELSSLRSEDTAVYYCAR
配列番号47:HFR4 VH L2H5
WGQGTLVTVSS
配列番号48:LFR1 VL L2H3
EIVMTQSPDFQSVTPKEKVTITC
配列番号49:LFR2 VL L2H3
WYQQKPDQSPKLLIK
配列番号50:LFR3 VL L2H3
GVPSRFSGSGSGSDFTLTINSLEAEDAATYYC
配列番号51:LFR4 VL L2H3
FGQGTKLEIK
配列番号52:HFR1 VH L2H3
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFT
配列番号53:HFR2 VH L2H3
WVRQATGQGLEWMG
配列番号54:HFR3 VH L2H3
RVTLTRNTSISTAYMELSSLRSEDTAVYFCAR
配列番号55:HFR4 VH L2H3
WGQGTLVTVSS
配列番号56:LFR1 VL L2H4
EIVMTQSPDFQSVTPKEKVTITC
配列番号57:LFR2 VL L2H4
WYQQKPDQSPKLLIK
配列番号58:LFR3 VL L2H4
GVPSRFSGSGSGSDFTLTINSLEAEDAATYYC
配列番号59:LFR4 VL L2H4
FGQGTKLEIK
配列番号60:HFR1 VH L2H4
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFT
配列番号61:HFR2 VH L2H4
WVRQATGQGLEWIG
配列番号62:HFR3 VH L2H4
RVTMTTNTSISTAYMELSSLRSEDTAVYFCAR
配列番号63:HFR4 VH L2H4
WGQGTLVTVSS
配列番号64:IMGT CDRマウス8H9重鎖CDR1
GYTFTNYD
配列番号65:IMGT CDRマウス8H9重鎖CDR2
IFPGDGST
配列番号66:IMGT CDRマウス8H9重鎖CDR3
ARQTTATWFAY
配列番号67:IMGT CDRマウス8H9軽鎖CDR1
QSISDY
配列番号68:IMGT CDRマウス8H9軽鎖CDR2
YA
配列番号69:IMGT CDRマウス8H9軽鎖CDR3
QNGHSFPLT
配列番号70:IMGT CDR H1重鎖CDR1
GYTFTNYD
配列番号71:IMGT CDR H1重鎖CDR2
IFPGDGST
配列番号72:IMGT CDR H1重鎖CDR3
ARQTTATWFAY
配列番号73:IMGT CDR L1軽鎖CDR1
QSISDY
配列番号74:IMGT CDR L1軽鎖CDR2
YA
配列番号75:IMGT CDR L1軽鎖CDR3
QNGHSFPLT
配列番号76:IMGT CDR H2重鎖CDR1
GYTFTNYD
配列番号77:IMGT CDR H2重鎖CDR2
IFPGDGST
配列番号78:IMGT CDR H2重鎖CDR3
ARQTTATWFAY
配列番号79:IMGT CDR L2軽鎖CDR1
QSISDY
配列番号80:IMGT CDR L2軽鎖CDR2
YA
配列番号81:IMGT CDR L2軽鎖CDR3
QNGHSFPLT
配列番号82:IMGT CDR H3重鎖CDR1
GYTFTNYD
配列番号83:IMGT CDR H3重鎖CDR2
IFPGDGST
配列番号84:IMGT CDR H3重鎖CDR3
ARQTTATWFAY
配列番号85:IMGT CDR L3軽鎖CDR1
QSISDY
配列番号86:IMGT CDR L3軽鎖CDR2
YA
配列番号87:IMGT CDR L3軽鎖CDR3
QNGHSFPLT
配列番号88:IMGT CDR H4重鎖CDR1
GYTFTNYD
配列番号89:IMGT CDR H4重鎖CDR2
IFPGDGST
配列番号90:IMGT CDR H4重鎖CDR3
ARQTTATWFAY
配列番号91:IMGT CDR L4軽鎖CDR1
QSISDY
配列番号92:IMGT CDR L4軽鎖CDR2
YA
配列番号93:IMGT CDR L4軽鎖CDR3
QNGHSFPLT
配列番号94:IMGT CDR H5重鎖CDR1
GYTFTNYD
配列番号95:IMGT CDR H5重鎖CDR2
IFPGDGST
配列番号96:IMGT CDR H5重鎖CDR3
ARQTTATWFAY
配列番号97:IMGT CDR H6重鎖CDR1
GYTFTNYD
配列番号98:IMGT CDR H6重鎖CDR2
IFPGDGST
配列番号99:IMGT CDR H6重鎖CDR3
ARQTTATWFAY
配列番号100:m8H9 LFR1
DIVMTQSPATLSVTPGDRVSLSC
配列番号101:m8H9 LFR2
WYQQKSHESPRLLIK
配列番号102:m8H9 LFR3
GIPSRFSGSGSGSDFTLSINSVEPEDVGVYYC
配列番号103:m8H9 LFR4
FGAGTKLELK
配列番号104:m8H9 HFR1
QVQLQQSGAELVKPGASVKLSCKASGYTFT配列番号105:m8H9 HFR2
WVRQRPEQGLEWIG
配列番号106:m8H9 HFR3
KATLTTDTSSSTAYMQLSRLTSEDSAVYFCAR
配列番号107:m8H9 HFR4
WGQGTLVTVSA
配列番号108:L1 LFR1
EIVLTQSPDFQSVTPKEKVTLTC
配列番号109:L1 LFR2
WYQQKPDQSPKLLIK
配列番号110:L1 LFR3
GVPSRFSGSGSGSDFTLTINSLEAEDAATYYC
配列番号111:L1 LFR4
FGQGTKLEIK
配列番号112:L3 LFR1
EIVMTQSPDFQSVTPKEKVTLTC
配列番号113:L3 LFR2
WYQQKPDQSPKLLIK
配列番号114:L3 LFR3
GVPSRFSGSGSGSDFTLTINSLEAEDAGVYYC
配列番号115:L3 LFR4
FGQGTKLEIK
配列番号116:L4 LFR1
EIVMTQSPDFQSVTPKEKVTLTC
配列番号117:L4 LFR2
WYQQKPDQSPKLLIK
配列番号118:L4 LFR3
GIPSRFSGSGSGTDFTLTINSVEAEDAGVYYC
配列番号119:L4 LFR4
FGQGTKLEIK
配列番号120:H1 HFR1
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFT
配列番号121:H1 HFR2
WVRQATGQGLEWIG
配列番号122:H1 HFR3
RVTLTTNTSISTAYMELSSLRSEDTAVYYCAR
配列番号123:H1 HFR4
WGQGTLVTVSS
配列番号124:H2 HFR1
QVQLQQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFT
配列番号125:H2 HFR2
WVRQATGQGLEWIG
配列番号126:H2 HFR3
RATLTRNTSISTAYMELSSLRSEDTAVYYCAR
配列番号127:H2 HFR4
WGQGTLVTVSS
配列番号128:H6 HFR1
QVQLQQSGAEVKKPGASVKLSCKASGYTFT
配列番号129:H6 HFR2
WVRQATGQGLEWIG
配列番号130:H6 HFR3
RATLTTNTSISTAYMELSSLRSEDTAVYFCAR
配列番号131:H6 HFR4
WGQGTLVTVSS
配列番号132:3BH-3 Hisタグなし
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTNYDINWVRQATGQCLEWMGWIFPGDGSTQYNEKFQGRVTMTTNTSISTAYMELSSLRSEDTAVYYCARQTTATWFAYWGQGTLVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSEIVMTQSPDFQSVTPKEKVTITCRASQSISDYLHWYQQKPDQSPKLLIKYASQSISGVPSRFSGSGSGSDFTLTINSLEAEDAATYYCQNGHSFPLTFGCGTKLEIKGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSHVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFSLTDYGVHWVRQAPGKGLEWLGVIWSGGGTAYNTALISRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARRGSYPYNYFDAWGCGTLVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSQAVVTQEPSLTVSPGGTVTLTCGSSTGAVTASNYANWVQQKPGQCPRGLIGGHNNRPPGVPARFSGSLLGGKAALTLLGAQPEDEAEYYCALWYSDHWVIGGGTKLTVLGTPLGDTTHTSGKPLDGEYFTLQIRGRERFEMFRELNEALELKDAQAGKEPGGSGGAP
配列番号133:LFR4 VL L2H5代替物
FGCGTKLEIK
配列番号134:HFR2 VH L2H5代替物
WVRQATGQCLEWMG
配列番号135:YB8 H5代替物
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTNYDINWVRQATGQCLEWMGWIFPGDGSTQYNEKFQGRVTMTTNTSISTAYMELSSLRSEDTAVYYCARQTTATWFAYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
配列番号136:YB8 H5 N297A及びK322A代替物
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTNYDINWVRQATGQCLEWMGWIFPGDGSTQYNEKFQGRVTMTTNTSISTAYMELSSLRSEDTAVYYCARQTTATWFAYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYASTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCAVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
配列番号137:YB8_H5 L234A、L235A及びK322A代替物
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTNYDINWVRQATGQCLEWMGWIFPGDGSTQYNEKFQGRVTMTTNTSISTAYMELSSLRSEDTAVYYCARQTTATWFAYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCAVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
配列番号138:YB8 L2代替物
EIVMTQSPDFQSVTPKEKVTITCRASQSISDYLHWYQQKPDQSPKLLIKYASQSISGVPSRFSGSGSGSDFTLTINSLEAEDAATYYCQNGHSFPLTFGCGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
配列番号139:4量体ドメイン、SADAポリペプチド
KPLDGEYFTLQIRGRERFEMFRELNEALELKDAQAGKEP
【0178】
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Accessed May 26, 2020
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【配列表】
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【国際調査報告】