(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-04
(54)【発明の名称】カード及び/又は札類用の保持器具
(51)【国際特許分類】
A45C 11/18 20060101AFI20230627BHJP
A45C 1/06 20060101ALI20230627BHJP
【FI】
A45C11/18 Z
A45C1/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022573553
(86)(22)【出願日】2021-05-27
(85)【翻訳文提出日】2023-01-27
(86)【国際出願番号】 EP2021064159
(87)【国際公開番号】W WO2021239861
(87)【国際公開日】2021-12-02
(31)【優先権主張番号】202020103097.3
(32)【優先日】2020-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102020127669.9
(32)【優先日】2020-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520053876
【氏名又は名称】マイアー,フランク エフ.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】100100354
【氏名又は名称】江藤 聡明
(72)【発明者】
【氏名】マイアー,フランク エフ.エー.
【テーマコード(参考)】
3B045
【Fターム(参考)】
3B045BA01
3B045CE07
3B045DA33
3B045FC04
3B045FC06
3B045IA02
3B045IA05
(57)【要約】
カード及び/又は札類の受入れ用の容器状体(1、1‘、1‘‘)を含む、カード及び/又は札類用の保持器具であって、その容器状体が、可能な限り問題無く交換部分を付け加えることが可能であり、及び容器状体内に受け入れられるカードが、可能な限り大切に及び確実に保持されるカード及び/又は札類用の保持器具を提供することを課題とするもので、容器状体(1、1‘、1‘‘)は、滑走要素(9、9‘、15、8‘‘、8‘‘‘)を含み、該滑走要素(9、9‘、15、8‘‘、8‘‘‘)は、容器状体(1、1‘1‘‘)の隅領域(1a、1b)上に伸び、及び/又は滑走要素構造体(8‘‘、8‘‘‘)の一部であり、滑走要素構造体(8‘‘、8‘‘‘)は、容器状体(1、1‘、1‘‘)の隅領域(1a、1b)上に延びているものである保持器具。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カード及び/又は札類の受入れ用の容器状体(1、1‘、1‘‘)を含む、カード及び/又は札類用の保持器具であって、
前記容器状体(1、1‘、1‘‘)は、滑走要素(9、9‘、15、8‘‘、8‘‘‘)を含み、
該滑走要素(9、9‘、15、8‘‘、8‘‘‘)は、前記容器状体(1、1‘、1‘‘)の隅領域(1a、1b)上に延び、及び/又は滑走要素構造体(8‘‘、8‘‘‘)の一部であり、該滑走要素構造体(8‘‘、8‘‘‘)は、前記容器状体(1、1‘、1‘‘)の隅領域(1a、1b)上に延びていることを特徴とする、保持器具。
【請求項2】
前記容器状体(1、1‘、1‘‘)に、前記容器状体(1、1‘、1‘‘)とは別個に作られた滑走要素構造体(8‘‘、8‘‘‘‘)が組み込まれており、該滑走要素構造体(8‘‘、8‘‘‘‘)は、少なくとも1つの滑走要素(9、9‘、15、8‘‘、8‘‘‘)及び前記容器状体(1、1‘、1‘‘)の内壁に対して当てがうための少なくとも1つの構成辺(8a、8’a、8‘‘a、8‘‘、8‘‘‘、8‘‘‘‘)を含み、
前記滑走要素(9、9‘、15、8‘‘、8‘‘‘)と前記構成辺(8a、8’a、8‘‘a、8‘‘、8‘‘‘、8‘‘‘‘)が、相互に隣接していることを特徴とする、請求項1に記載の保持器具。
【請求項3】
前記容器状体(1、1‘、1‘‘)に、該容器状体(1、1‘、1‘‘)とは別個に作られた滑走要素構造体(8‘‘、8‘‘‘)が組み込まれており、該滑走要素構造体(8‘‘、8‘‘‘)は、少なくとも1つの滑走要素(9‘、15、8‘‘、8‘‘‘)及び前記容器状体(1、1‘、1‘‘)の内壁に対して当てがうための少なくとも1つの構成辺(8a、8’a、8‘‘a、8‘‘、8‘‘‘、8‘‘‘‘)を含み、
前記滑走要素(9‘、15、8‘‘、8‘‘‘)と前記構成辺(8、8‘、8‘‘、8‘‘a、8‘‘‘、8‘‘‘‘)とは相互に結合しているか、又は一体的に形成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の保持器具。
【請求項4】
前記容器状体(1、1‘、1‘‘)は上側に開口しており、及び底部(2)を有し、該底部(2)には、上側に張り出し、及び相互に間隔を空けて配置された側部ストリップ(3、4)が配置されていることを特徴とする、請求項1~3の何れか1項に記載の保持器具。
【請求項5】
少なくとも1つの滑走要素(9、9‘、15、8‘‘、8‘‘‘)及び/又は1つの構成辺(8、8‘、8a、8’a、8‘‘a、8‘‘、8‘‘‘、8‘‘‘‘)が、弾力的に変形可能、及び/又は柔軟に形成されていることを特徴とする、請求項1~4の何れか1項に記載の保持器具。
【請求項6】
少なくとも1つの滑走要素(9、9‘、15)が、底部側要素(10、16)を有し、該底部側要素(10、16)は、前記底部(2)のくぼ地(11、17)に受け入れられており、又は形状決定的に受け入れられており、それ自身、及び/又は前記構成辺(8、8‘、8a、8’a、8‘‘a、8‘‘‘‘)を、側部ストリップ(3、4)に対して押し付けていることを特徴とする、請求項1~5の何れか1項に記載の保持器具。
【請求項7】
少なくとも1つの滑走要素(9)が、底部側要素(10)を有し、該底部側要素(10)は、前記底部(2)のくぼ地(11)に受け入れられており、前記滑走要素(9)が、側部ストリップ側要素(12)を有し、該側部ストリップ側要素(12)は、前記底部側要素(10)から持ち上がっており、及び前記構成辺(8a)又は前記側部ストリップ(3)によってつかまれていることを特徴とする、請求項1~6の何れか1項に記載の保持器具。
【請求項8】
前記側部ストリップ(3)がその内壁に間隙部(14)を有し、該間隙部(14)は、前記側部ストリップ側要素(12)を受け入れており、前記間隙部(14)は、前記側部ストリップ(3)から形成されていることを特徴とする、請求項7に記載の保持器具。
【請求項9】
蓋部(7)の縁部中の穴部に差し込まれるための保持リブ(18、19)又は保持リベット(22‘)が、構成辺(8、8‘、8‘‘‘‘)と側部ストリップ(4)との間に延びていることを特徴とする、請求項1~8の何れか1項に記載の保持器具。
【請求項10】
前記側部ストリップ(4)に第1の保持リブ(18)が形成されており、該保持リブ(18)は、前記構成辺(8)における第2の保持リブ(19)を補足する状態で形成されており、これにより前記第2の保持リブ(19)を前記第1の保持リブ(18)内にはめ込むことが可能であることを特徴とする、請求項1~9の何れか1項に記載の保持器具。
【請求項11】
少なくとも1つの蓋部(7)が設けられており、該蓋部(7)は、容器状体(1、1‘、1‘‘)を少なくとも部分的に内張した滑走要素構造体によって間接的又は直接的に保持されることを特徴とする、請求項1~10の何れか1項に記載の保持器具。
【請求項12】
少なくとも1つの構成辺(8、8‘、8a、8’a、8‘‘、8‘‘a、8‘‘‘、8‘‘‘‘)が縦長に形成され、及び/又は少なくとも1つの構成辺(8、8‘、8a、8’a、8‘‘a、8‘‘、8‘‘‘、8‘‘‘‘)が、前記容器状体(1、1‘、1‘‘)の少なくとも1つの内壁、すなわち側部ストリップ(3、4)に間接的に、又は直接的に隣接していることを特徴とする、請求項1~11の何れか1項に記載の保持器具。
【請求項13】
少なくとも1つの構成辺(8、8‘、8a、8’a、8‘‘a、8‘‘‘‘)に、少なくとも1つのノッチ要素(20)又はくさび状部分(31)が設けられており、前記ノッチ要素(20)又は前記くさび状部分(31)は、容器状体(1、1‘、1‘‘)の少なくとも1つの収納部分及び/又は少なくとも1つのアンダーカットにはまり込むことを特徴とする、請求項1~12の何れか1項に記載の保持器具。
【請求項14】
前記容器状体(1、1‘、1‘‘)に、少なくとも1つの挟み留部(5)が収容されることを特徴とする、請求項1~13の何れか1項に記載の保持器具。
【請求項15】
前記容器状体(1、1‘、1‘‘)内における、定義された挟込長さ(K)に沿った、滑走要素(9、9‘、15、8‘‘、8‘‘‘)及び/又は前記滑走要素構造体(8‘‘、8‘‘‘)の存在によって、少なくとも部分的に、カード用の挿入幅(E)が形成されており、該挿入幅(E)は、52mm超及び53.95mm未満又は53.98mm未満であることを特徴とする、請求項1~14の何れか1項に記載の保持器具。
【請求項16】
構成辺(8‘、8‘‘、8‘‘‘、8‘‘‘‘)と側部ストリップ(4)との間に、保持リベット(22、22‘)が延びており、該保持リベット(22、22‘)は、前記構成辺(8‘、8‘‘、8‘‘‘、8‘‘‘‘)の穴部を通って、及び/又は前記側部ストリップ(4)の穴部を通って突出しており、前記保持リベット(22、22‘)はリベットヘッド(23)と結合しており、該リベットヘッド(23)は、前記構成辺(8‘、8‘‘、8‘‘‘、8‘‘‘‘)内の穴部内に、及び/又は側部ストリップ(4)内の穴部内に突き出ていることを特徴とする、請求項1~15の何れか1項に記載の保持器具。
【請求項17】
構成辺(8‘、8’a、8‘‘a、8‘‘、8‘‘‘、8‘‘‘‘)が、側部ストリップ(3、4)と隣接しており、これらに、少なくとも1つの突起(24a、24b)又は1つのカム(26a、26b)がはまり込み、及び/又はこれらに、少なくとも1つの突起(24a、24b)及び/又は1つのカム(26a、26b)及び/又はドーム部分(25、25a、25b)が係合することを特徴とする、請求項1~16の何れか1項に記載の保持器具。
【請求項18】
前記容器状体(1、1‘、1‘‘)の内壁(27)が、膨らんだ凸面状に形成され、及び/又は構成辺(8‘、8’a、8”、8‘‘a、8‘‘‘、8‘‘‘‘)が、このような内壁(27)を有するか又は形成することを特徴とする、請求項1~17の何れか1項に記載の保持器具。
【請求項19】
構成辺(8‘‘a)が、第1の部分ドーム部分(25a)を有し、該第1の部分ドーム部分(25a)は、第2の部分ドーム部分(25b)にはまり込み、少なくとも1つの部分ドーム部分(25a、25b)又は両方の部分ドーム部分(25a、25b)が、側部ストリップ(3)中の通抜部(29)に差し込まれることを特徴とする、請求項1~18の何れか1項に記載の保持器具。
【請求項20】
構成辺(8‘‘‘‘)が、前記容器状体(1‘‘)に差し込まれたプラスチックカードの隅部分をつかむための舌状部(30)を有することを特徴とする、請求項1~19の何れか1項に記載の保持器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に従うカード及び/又は札類用の保持器具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(WO2019/243082A1)からは、粉末射出成形(Plverspritsgiessen)によって製造され、及び滑走要素が設けられた保持器具が既に公知である。滑走要素は特に、これらが容器状体内に差し込まれる、又は容器状体(ケース)から外側に引き出される場合に、クレジットカード及びその磁気ストライプを(大切に)保護するものである。滑走要素は、カードが容器状体から望ましくない抜け落ち又は滑り出ししないようにする、ブレーキ又は留め要素としても作用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような背景において、カードの受入れの品質が損なわれることなく、このような容器状体が可能な限り個別に、例えば種々の蓋部を有するように仕上げられる、という需要が存在する。更に、可能な限り多くの種々のクレジットカードの種類が、安全に、及び大切に容器状体内に保持可能であるべきである。
【0005】
従って本発明は、その容器状体が問題無く、交換部分に付け加えることが可能であり、容器状体内に収容されるカードが可能な限り大切に、及び確実に保持され得るカード及び/又は札類用の保持器具を提供するという課題に基づいている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、請求項1の特徴的構成によって、上述した課題を解決する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明に従い、滑走要素は、容器状体の隅領域に亘り延び、及び/又は容器状体の隅領域に亘り延びている滑走要素構造体の固定された、又は解除される部分であり、及びこの滑走要素は、非常にしっかりと、及び信頼性高く、容器状体内に備えることが可能であり、及び容器状体の作成後であってもこれらのことが可能である。隅部分上での配置によって、滑走要素或いは滑走要素構造体は容器状体内に、安定して力決定的に、形状決定的に、物質決定的に、及び/又は摩擦決定的に固定される。カードは特に、容器状体の隅部にも明確に案内され、大切にされ及び保持される。
【0008】
容器状体には、容器状体とは別個に作成された滑走要素構造体を備えることが可能であり、滑走要素構造体は、少なくとも1つの滑走要素、及び容器状体の内壁に備えるための少なくとも1つの構成辺を有し、ここで滑走要素と構成辺は、相並んで位置している。容器状体とは別個に作成された滑走要素は、容器状体内に事後的に、すなわち所定の材料から容器状体を作成した後に、組み込むことが可能である。滑走要素は、カードを保護可能である。構成辺は、内壁に取付けることで容器状体の内径を縮め、及びこれにより挟み込む作用をカードに及ぼす。更に、構成辺は、容器状体が脆い材料で作成されている場合には、容器状体の内壁を安定させることが可能である。構成辺に隣接する滑走要素は、構成辺を固定させることが可能である。滑走要素が構成辺と結合しているか、又は一体的に形成されている場合、同様のことが該当する。
【0009】
容器状体は、上側に開口し、及び底部を有していることが可能であり、ここで底部には、上側に張り出し、及び相互に所定の間隔を置いて設けられた側部ストリップが配置されることが可能である。これにより、カードは何ら問題無く、前方からのみならず、上側からでも、近づけて容器状体内に挿入することが可能であり、及び上側に向けてカードを取り出すことが可能である。
【0010】
少なくとも一つの滑走要素は、弾性的に変形可能に、及び/又は柔軟に形成されていることが可能である。これにより、滑走要素が変形可能であり、及び空所内に留め(クリップ留め)られることが可能である。留めた後、滑走要素は、所定の力を構成辺に及ぼし、これにより、構成辺は力決定的に、及び/又は形状決定的に固定されるか、又は安定化されることが可能である。この替わりに、又はこれに加え、少なくとも1つの構成辺を、弾性的に変形可能に、及び/又は柔軟に形成することが可能である。このような構成辺は特に、構成辺と一体的に、及び好ましくは材料一体的に形成された滑走要素と一緒に、又は構成辺上に成形された滑走要素と一緒に、柔軟なインレイ(Inlay)として容器状体内に組込まれることが可能である。
【0011】
少なくとも1つの滑走要素は、底部側要素を有することが可能であり、該底部側要素は、底部の窪部(Mulde)に受け入れられているか、又は形状決定的に受け入れられており、及びその際、それ自身及び/又は構成辺を側部ストリップに対して押し付けている。滑走要素は窪部内で、窪部壁に対して支えることが可能であり、及び所定の力を側部ストリップに及ぼすことが可能である。
【0012】
少なくとも一つの滑走要素は、底部側要素を有することが可能であり、該底側要素は、底部の窪部(Mulde)に受け入れられており、及び側部ストリップ側要素を有し、該側部ストリップ側要素は、底部側要素から持ち上がり、及び構成辺又は側部ストリップを少なくとも所定の領域でつかんでいる。これにより、滑走要素の一部が底部にほぼ完全に姿を隠し、及び他の部分がほぼ完全に、容器状体の内壁に姿を隠す。更に、滑走要素は、構成要素が既に側部ストリップに隣接している、例えばこれに貼り付けられている場合、殆ど隅部上を走り、容易にクリップできるものである。滑走要素は、底部あるいは内壁内に完全に姿を隠すものではなく、容器状体の内部で平坦状の突出部が突出しており、これによりカードがこの突出部上を滑ることができる。
【0013】
このような背景で、側部ストリップは容器状体の内壁で、隙間部(空所部)を有することが可能であり、該隙間部は側部ストリップ側要素を受け入れるか、又はつかんでおり、及び上記間隙部は、側部ストリップから形成されている。このよう場合、別個の構成辺は不要である。この理由は、隙間部は、側部ストリップから直接的に切削加工するこが可能であるからである。
【0014】
構成辺と側部ストリップとの間に、保持リブ又は保持リベットが、蓋部の縁部中の穴部に差し込むために設けられていることが可能である。これにより、蓋部が固定される。保持リブ又は保持リベットは、側部ストリップに、構成辺に、又は両方の部分に配置することが可能である。保持リベットは形状決定的に相互に噛み合うことが可能である。
この背景において、側部ストリップに第1の保持リブが備えられ、第1の保持リブは、構成辺における第2の保持リブを補足する状態で設けられることが可能であり、これにより第2保持リブを第1の保持リブ内にはめ込むことが可能である。これにより、構成辺の側部ストリップにおける固定が行われ、これは滑走要素の底部側要素によって支持される。
【0015】
少なくとも一つの蓋部が組み入れられることが可能であり、この蓋部は、容器状体を少なくとも部分的に内張りする滑走要素構造体によって間接的に、又は直接的に保持されている。このような蓋部は、容器状体をカバー可能であり、及びカード及び札類が干渉されることから保護する。蓋部は好ましくは、柔軟(弾力的)に形成される。特に好ましくは蓋部は、革、織物、又はゴムから作られる。
【0016】
少なくとも1つの構成辺が縦長に形成され、及び/又は少なくとも1つの構成辺が、容器状体の少なくとも1つの内壁、すなわち側部ストリップに間接的に、又は直接的に隣接していることが可能である。これにより、容器状体の効果的な内張及び安定化が行われる。構成辺は、内壁として機能することが可能であり、該内壁は、挿入されたカード又は幾つかの挿入されたカードによって安定化されており、又は安定化されるものである。カードは挿入された状態で、構成辺に対して押し付け、及びこれを保証し、及び安定化することが可能である。
【0017】
構成辺は、挿入されるカードのためのブレーキとして機能可能であり、及び/又はアンダーサイズを形成し、及び/又は波構造を有することが可能である。アンダーサイズ又は波構造(該波構造は、ここでもアンダーサイズを部分的に形成する)によって、カード上に挟み作用を及ぼすことが可能である。アンダーサイズは、容器状体内部の内壁から内壁までの幅であって、カードの幅を下回る幅である。構成辺は、このアンダーサイズに基づいて、又は定められた材料からの作成に基づいて、ブレーキ作用をカードに及ぼし、これによりカードが容器状体から脱落しないようにすることが可能である。
【0018】
少なくとも一つの構成辺に、少なくとも1つのノッチ要素が備えられることが可能であり、該ノッチ要素は、容器状体の収納部分及び/又は少なくとも1つのアンダーカットにはまり込むものである。これにより、滑走要素構造体は、可逆的に形状決定的に容器状体内にロック(verrasten)されることが可能である。
【0019】
容器状体内には、少なくとも1つの挟み留部が設けられていることが可能である。挟み留部は容器状体に交換可能に組込み可能である。挟み留部は、上側から札類又はカードを押し及びこれらを追加的に固定することが可能である。
【0020】
容器状体内部の滑走要素及び/又は滑走要素構造体の存在によって、定義された挟込長さに沿って、少なくとも部分的にカード用の挿入幅を作り出すことが可能であり、ここで挿入幅は、52mmを超え、及び53.98mm未満である。有利なことには、滑走要素又は滑走要素構造体によって内部構成面が形成され、該内部構成面はカードを少なくとも僅かに挟み、及びこれより容器状体から脱落することを防止するものである。挿入幅が内部構成面の間の間隔である場合、この間隔は部分的に、又は容器状体の前長に亘って与えられていることが可能である。
【0021】
構成辺と側部ストリップの間で、構成辺と側部ストリップとの間に、保持リベットが延びており、該保持リベットは、穴部を通って構成辺を、及び/又は穴部を通って側部ストリップを突出していることが可能である。好ましくは、保持リベットはリベットヘッドと押ボタン型結合している。このような結合は可逆的に解除可能である。しかしながら、保持リベットはリベットヘッドとネジ型結合していることも考えられる。構成辺は好ましくは、その延長方向に沿ってこれを通して、容器状体内に固定されていることが可能である。
【0022】
構成辺は、側部ストリップと隣接し、及びこれらに、少なくとも1つの外側折返部分又は1つのカムがはまり込むことが可能であり、及び/又は側部ストリップを、少なくとも1つの外側折返部分及び/又は1つのカム(26a、26b)及び/又はドーム部分で差し込むことが可能である。カム及び外側折返部分は、側部ストリップあるいは容器状体に対する構成辺の収容方向への方向づけに作用する。ドーム部分は、側部ストリップに差し込まれて、蓋部をドーム部分で可逆的に結合することが可能である。蓋部は、保持器具の容器状体の使用の間、ドーム部分から容易に解除され及び放たれ、カード又は札類が容器状体内でより良好に捉えることを可能となる。
【0023】
容器状体の内壁は、(胴体部が)膨らんだ凸面状に形成されることが可能であり、及び/又は構成辺は、このような内壁を有する、又は形成することが可能である。容器状体の内側で凸状にアーチ形を形成する内壁は、カードを(カードが底部又はその開口部に位置するよりも)内部空間の最も狭い箇所でより(良好に)挟み、あるいは摩擦力を与えることが可能である。底部、即ちこれにより作られた貫通掴み部又は選択窓部に位置するカードは、積層体の中央部に位置するカードよりも、より容易にカード積層体から引出される。
【0024】
構成辺が、第1の部分ドーム部分を有し、該第1の部分ドーム部分は、第2の部分ドーム部分にはまり込み、及び1つの部分ドーム部分又は両方の部分ドーム部分が、側部ストリップ中の通抜部に差し込まれることが可能である。これにより、第2の部分ドーム部分が、一方では側部ストリップの内壁に隣接することが可能であり、及び同時に、外側に突き出る(押し部分の)オス部分を蓋部のために形成することが可能になる。第1の部分ドーム部分は好ましくは、第2の部分ドーム部分に形状決定的に固定される。第2の部分ドーム部分が、第1の部分ドーム部分上でクリンプ(aufcrimpen)、接着及び/又は押付けされることも考えられる。
【0025】
第2の部分ドーム部分は好ましくは、金属で作られている。これにより、第1の構成辺と一体的に、及び材料統一的に形成された、化学合成物質でできた第1の部分ドーム部分上に、価値の高い金属製の部分ドーム部分、特に貴金属でできた部分ドーム部分を配置することが可能になる。この背景において、容器状体自体も所定の金属、特に貴金属で作成することが可能であり、ここで構成辺は化学合成物質で作成されているものである。
【0026】
構成辺は、容器状体に差し込まれたプラスチックカードの隅部分をつかむための舌状部を有することが可能である。これにより、プラスチックカードは摩耗から保護される。更に、舌状部は、プラスチックカードが望ましくない態様で容器状体から外へ滑り出ることを防止する。
【0027】
ここに記載した滑走要素上を、カードは保護状態で滑ることが可能である。滑走要素は好ましくは、カードを保護するために、容器状体よりも柔らかい材料で作成される。特に容器状体が粉末射出成形法によって製造される場合、これは粗い底部を有し得るものであり、従って滑走要素によってカードは底部から間隔を置くことになり、及び挿入及び引抜きの際に保護され得るものである。
【0028】
上述した保持器具のための拡張部分は有利なことには、蓋部及び/又は滑走要素構造体及び/又は滑走要素及び/又は内壁として機能する取外し可能な構成辺を含む。
【0029】
容器状体は、チタンから、貴金属から、セラミックスから、又はカーボン材料から構成されることが可能である。容器状体は特に、粉末射出成形法によって製造することが可能である。
【0030】
本発明における意義として、滑走要素は、ブレーキをかける作用、すなわち引き留める作用を容器状体内のカードに及ぼすことが可能であり、これによりカードは望ましくない態様で容器状体から落ち出ることが無くなる。
【0031】
この替わりに又は追加的に、カードが容器状体内に挿入され及び/又は容器状体内に保持される場合に、滑走要素は本発明の意義において、カードを大切に保護するように作用する。滑走要素は、カードを滑走要素上で滑走させ、及びこの滑走は容器状体の底部ではなされない。滑走要素によってカードは底部から少なくとも領域的に、又は完全に間隔を置いている。
全体の滑走要素構造体も、その部品、例えば個々の滑走要素又は構成辺も、容器状体内の接着剤の利用下に固定される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】
図1は、容器状体及び挟み留部及び完全には組み込まれていない、交換可能な蓋部の固定用の第2の構成辺を備えた保持器具の遠近画法での概観である。
【
図2】第2の構成辺が、該第2の構成辺と第の側部ストリップとの間に交換可能な蓋部を取り上げ、及び固定可能であることを表した、図解的な及び部分的に切り取った状態の図である。
【
図3】下側の
図3Aでは、保持器具の容器状体が、その底部に2個の第1の滑走要素をはめ込み可能であり、これらは第1の構成辺を形状決定によって固定する状態を示しており、中央の
図3Bでは、両方のはめ込み可能な第1の滑走要素が示されており、破線の円の
図3Cでは、第1の滑走要素の拡大した状態が示され、及び上側の
図3Dでは、第1の構成辺が示されている。
【
図4】下側の
図4Aでは、保持器具の容器状体が示され、及びその底部で第2の滑走要素が、一体的にこの部位に形成された構成辺と一緒にはめ込み可能である状態を示しており、中央の
図4Bでは、第2の側部ストリップに向けられた、第2の構成辺の側部の平面図を示しており、及び上側の
図4Cでは、第2の構成辺の遠近画法図を示している。
【
図5】上側の左側の
図5Aは、第1の滑走要素を受け入れるものである、底部の第1のくぼ地の部分的な説明図を示しており、上側の右側の
図5Bは、第1の側部ストリップに接着されている、第1の構成辺の部分的な説明図を示しており(ここで第1の滑走要素はまだクリップされていない)、中央の
図5Cは、はめ込まれる第2の構成辺の部分的な説明図を示しており、及び下側の
図5Dは、完成して組立てられた、挟み留部と蓋部の無い状態の保持器具を示している。
【
図6】保持器具の更なる実施形態を示した図であり、この実施形態では、2個の構成辺が備えらえており、これらの構成辺は、外側折返部分、カムあるいはドーム部分を使用して、構成辺が帰属する側部ストリップにはまり込んでいる。
【
図7】
図6に従う配置構成の、側部ストリップの外側から見た側面図であり、この構成では蓋部が容易に開ける、又は閉じることが可能であるものである。
【
図8】
図6に従う配置構成の、結合ストリップの方向からの遠近画法的な図である。
【
図9】
図6に従う配置構成の、側部ストリップから見た側面図であり、この構成では蓋部が、容器状体でヒンジ式に開けることが可能なように備えられるものである。
【
図10】
図6に従う配置構成の、下側から、ロゴ(社標)が印刷された底部が見える方向に見た遠近画法図である。
【
図11】
図6に従う配置構成の、下側から、ロゴ(社標)が印刷された底部が見える方向、及び結合ストリップの内側の方向に見た更なる遠近画法図である。
【
図12】凸状に膨らんだように形成された内壁の断面図であり、該内壁は、カード積層の中央部のカードに、カード積層の下側、又は上側に存在するカードよりも、より強く摩擦力を及ぼしている。
【
図13】凸状に膨らんで形成された内壁の、更なる図である。
【
図14】凸状に膨らんで形成された内壁の、更なる図であり、該内壁は、構成辺に形成されている。
【
図15】凸状に膨らんで形成された内壁の、更なる断面図であり、該内壁は、カード積層の中央部のカードに、カード積層の下側、又は上側に存在するカードよりも、より強く摩擦力を及ぼしており、及び構成辺は、容器状体内にまだはめ込まれていない。
【
図16】容器状体の断面図であり、該容器状体には柔軟な構成辺が柔軟なインレイとしてはめ込まれている。
【
図17】容器状体の断面であり、複数の構成辺が柔軟なインレイの態様ではめ込まれている。
【
図18】更なる保持器具の立体分解図であり、この保持器具では、第1の(分離状態の)構成辺に第1の部分ドーム部分が一体的に形成されており、該第1の部分ドーム部分は、第2の(別個に作成された)部分ドーム部分に形状決定的にはまり込むことが可能であり、及び両方の部分ドーム部分は、第1の側部ストリップ中の通抜部に差し込まれている。
【
図19】
図18に従う保持器具の更なる図であり、挟み留部と蓋部を有していない保持器具の図である、
【
図20】
図18に従う保持器具の更なる図であり、挟み留部と蓋部が組み込まれた状態でない保持器具の図である。
【
図21】両方の部分ドーム部分を通り、第1の構成辺を通り、及び第1の構成辺が隣接している第1の側部ストリップを通った、部分的な断面図である。
【
図22】第2の部分ドーム部分を通った更なる部分的な断面図であり、第2の部分ドーム部分は、通抜部を通って第1の側部ストリップに貫通して食い込んでおり、及びへり部でその内側に隣接しており、及び第1の部分ドーム部分が同様に、第1の側部ストリップ中の通抜部に差し込まれており、及び空洞状に形成された第2の部分ドーム部分中に、形状決定的にはまり込んでいる。
【0033】
図1は、カード及び/又は札類用の保持器具を示しており、該保持器具は、上側に向けて開口している容器状体1を含み、容器状体1は底部2を有し、ここで底部2には、上側に張り出し、及び相互に間隔をいて配置された側部ストリップ3、4が配置されており、及び少なくとも1つの挟み留部5が備えられており、挟み留部5は、容器状体1内に、上側から底部2の方向に突出しており、これはカード及び/又は札類を底部2に対して圧するようにするためのものである。
【0034】
側部ストリップ3、4は、底部に対して垂直に立っている結合ストリップ6によって、容器状体1の背面でのみ、相互に結合している。カード又はクレジットカードは、前側から引き出しの態様で容器状体1内に、結合ストリップ6又は他のストッパーに当たるまで差し込まれることが可能である。
【0035】
底部2は更に、平坦な前側横断ストリップ2aを有しており、前側横断ストリップ2a上には、結合ストリップ6の方向に、堀抜部2bが接続されている。堀抜部2bを通って、カードは(1本の)指で、又は親指で動かされることが可能である。親指又は指は、下側から堀抜部2bを通って、上側からやって来る挟み部5の方向に突き出る。平坦な横断ストリップ2aは、底部2と一緒に(同列に)並んでおり、及び底部2の一部である。挟み留部5は、容器状体1内で、交換部分として可逆的に組込み可能である。従って容器状体1内には、少なくとも1つの挟み留部5が受けれられている。
【0036】
図2は、蓋部7が備えられており、該蓋部7は容器状体を少なくとも部分的に内張している滑走要素構造体によって保持されている状態を、図解的に及び部分的に切り取って示したものである。この図では、滑走要素構造体は、容器状体1とは別個に作成された部材として形成されており、及び少なくとも1つの構成辺8を、可逆的である形状決定的、力決定的、及び/又は物質決定的な固定用に容器状体1に、及び可逆的挿入用に容器状体内に有している。別個に容器状体1に存在する構成辺8は、細長く作成されており、及び容器状体1の内壁に隣接しており、すなわち蓋部7の中間層(ライナー:Zwischenlage)下に、側部ストリップに隣接している。これにより構成辺8は、これ自体で蓋部7を保持する内壁を形成している。これによって蓋部7は、可逆的に交換可能であり、及び構成辺8は、容器状体1内に差し込まれるカードによって保持され、及び/又は安定化される。
【0037】
図3は、カード及び/又は札類用の保持器具を示しており、該保持器具は、上側に開口している容器状体1を含み、容疑状体1は、底部2を有しており、及び底部2には、上側に張り出しており、相互に所定の間隔を空けて配置されや側部ストリップ3、4が備えられているが、しかし挟み留部5は備えられていない。
【0038】
図3及び
図5の下側の図は、カード及び/又は札類の受入れ用の容器状体1を示しており、この容器状体1は2個の滑走要素9を有しており、これらの滑走要素9は容器状体1の隅領域1a上を広がっており、及び曲げて形成されている。
【0039】
具体的な場合には、容器状体1には、容器状体1とは別個に作られた滑走要素構造体が組込まれており、該滑走要素構造体は第1の滑走要素9及び(容器状体1の内壁に固定するための)第1の構成辺8aを有している。据付けの後、第1の滑走要素9及び第1の構成辺8aは、相互に隣接している。第1の滑走要素9は、弾性的に変形可能に形成されている。
【0040】
第1の滑走要素9は底部側要素10を有しており、底部側要素10は、底部部2のくぼ地11に形状決定的に受け入れられている。それぞれの第1の滑走要素9はここで、第1の構成辺8aを第1の側部ストリップ3に対して押し付けている。第1の滑走要素9は3個の底部側要素10を有しており、これら3個の底部側要素10は、底部2のくぼ地11に受け入れられており、及び3個の側部ストリップ側要素12が、底部側要素10から持ち上がっており、及び構成辺8aをつかんでいる。ここで第1の構成辺8aは、柵状に形成されている。第1の構成辺8aは場所13で、第1の滑走要素9のそれぞれの底部側要素10によって、側部ストリップ3に対して押されており、及び間隙部14を使用して、側部ストリップ側要素12をつかんでいる。第1の構成辺8aは、最初に第1の側部ストリップ3に貼り付けられ、そして滑走要素9がクリップ(einclipsen)され、これは第1の構成辺8aを第1の側部ストリップに対して恒久的に押し付ける。
【0041】
図4は、カード及び/又は札類用の保持器具を示しており、該保持器具は、(再び)挟み留部5の無い、上側に開口している容器状体1を有している。
【0042】
図4及び最下部の
図5は、容器状体1が第2の滑走要素15を備え、第2の滑走要素15は湾曲した滑走要素構造体の一部であり、該滑走要素構造体は容器状体1の隅領域1b上に広がっている状態を示している。
【0043】
具体的な例では、容器状体1に、容器状体1とは別個に作成された滑走要素構造体が備えられており、滑走要素構造体は滑走要素15及び(容器状体1の内壁への固定用の)第2の構成辺8を備えている。第2の滑走要素15及び第2の構成辺8は、相互に結合しており、及び一体的に形成されている。第2の滑走要素15は弾性的に変形可能に形成されている。
【0044】
それぞれの第2の滑走要素15は、底部側要素16を有しており、底部側要素16はそれぞれ、底部2の、第2の(底部側要素16に補足し合う)くぼ地17に形状決定的に受け入れられており、及びこの際、第2の構成辺8が第2の側部ストリップ4に対して押圧する。
【0045】
第2の構成辺8及び第2の側部ストリップ4の間には、保持リブが、蓋部7の縁部中の穴部に差し込むために設けられている構成が、
図2に示されている。第2の側部ストリップには、第1の保持リブ18が備えられており、第1の保持リブ18は、第2の構成辺8における第2の保持リブ19と相互に補足し合うように形成されており、これにより第2の保持リブ19が、第1の保持リブ18にはまり込むことが可能である。具体的には、第2の保持リブ19は、受入部を有する第1の保持リブ18に、釘状にはまり込むことが可能である。しかしながら第1の保持リブ19が、対応する受入部を形成可能であれば、第1の保持リブ18が、第2の保持リブ19に釘状に噛合うことも可能である。
図2から明確に理解されるように、少なくとも1つの蓋部7が与えられており、少なくとも1つの蓋部7は、容器状体1を少なくとも部分的に内張する滑走要素構造体によって間接的又は直接的に保持されている。
【0046】
両方の構成辺8、8aが縦長に形成され、及び容器状体1の内壁、すなわち側部ストリップ3、4に間接的に又は直接的に隣接している。
【0047】
第2の構成辺8には、少なくとも1つのノッチ要素20が設けられており、これは、少なくとも1つの容器状体1の収納部分及び/又は少なくとも1つのアンダーカットにはまり込むものである。
【0048】
第1の滑走要素9は、底部2に受け入れられている底部側要素10、及び第1の構成辺8aに受け入れられている側部ストリップ側要素12を有している。底部側要素10は、束縛ブリッジ21によって相互に結合されている。この束縛によってアンダーカットが生じ、該アンダーカットは滑走要素9を容器状体1内に良好に固定する。
【0049】
図1及び
図5の下側図は、容器状体1内における、挟み込み長さKに沿った滑走要素9、15及び滑走要素構造体の存在は、少なくとも部分的にカード用の挿入幅Eを形成し、ここで挿入幅Eは53.95mm未満である構成を示している。この挿入幅Eは、(不足量として)カード幅を下回る。
【0050】
挿入幅Eは具体的には、完成した状態で組み込まれた構成辺8、8aの間を広がる所定の間隔であり、ここで構成辺8、8aは、内側装置面又は新たに組み込まれた内壁として機能する。挿入幅Eはしかしながら、特に側部ストリップ側要素、容器状体1内で相互に向き合っている滑走要素の間を広がっている幅でもある。当然ながら、この間隔は、滑走要素、特にその側部ストリップ側要素と構成辺との間を(これらが容器状体内で向き合っている限り)広がっていることも可能である。
【0051】
図6~11は、保持器具の更なる実施形態例を示しており、ここでは第2の構成辺8‘と第2の側部ストリップ4の間を保持リベット22が渡っており、保持リベット22は第2の側部ストリップ4の穴部を通って突出し、そして第2の構成辺8‘の穴部へと突出し、及び保持リベット22はリベットヘッド23と押ボタン式に結合しており、リベットヘッド23は、第2の構成辺8‘の穴部に突出している。
【0052】
保持リベット22はリベットヘッド23と一緒に、蓋部7の穴部を通って差し込まれ、これにより蓋部7を第2の側部ストリップと第2の構成辺8‘の間に固定することが可能である。
【0053】
リベットヘッド23は第2の構成辺8‘の内側と隣接しており、保持リベット22はそのヘッド部で第2の側部ストリップ4と隣接している。リベットヘッド23は組立てられた状態で、第2の構成辺8‘の内側の表面と同列に並んでいる。保持リベット22のヘッド部は、組立てられた状態で、第2の側部ストリップ4の外側の表面と同列に並んでいる。
【0054】
図9及び11は、第2の構成辺8‘が第2の側部ストリップ4に隣接しており、及びこれらに少なくとも1つのカム26a、26bがはまり込んでいる状態を示している。具体的には、2個のム26a、26bが与えられており、これらは構成辺8‘の対向している端部に配置されており、及びこの箇所から第2の側部ストリップ4の内側の方向に突出している。
【0055】
長いカム26aは、その長軸と共に、底部2に対して基本的に平行に方向付けられており、他方のカム26bは、その長軸と共に、底部2に対して基本的に垂直方向に方向付けられている。カム26a、26bは、組立てられた状態では、第2の側部ストリップ4の外側の表面と同列に配置されている。
【0056】
図7及び
図8は、第1の構成辺8’aが第1の側部ストリップ3に隣接し、及び側部ストリップ3に、少なくとも1つの外側折返部分24a、24bではまり込んでおり、及びこれに
図1に従う蓋部7用のドーム部分25が差し込まれている構成を示している。
【0057】
具体的には、2個の外側折返部分24a、24bが与えられており、これらは構成辺8‘aの向き合っている端部に配置されており、及びこれらから、第1の側部ストリップ3の内側の方向に突出している。長い外側折返部分24aは、その長軸と共に、底部2に対して基本的に平行に方向付けられており、他方の外側折返部分24bは、その長軸と共に、底部2に対して基本的に垂直方向に方向付けられている。外側折返部分24a、24bは、組立てられた状態では、第2の側部ストリップ3の外側の表面と同列に配置されている。
【0058】
側部ストリップ3、4の穴部は、外側折返部分24a、24b及びカム26a、26bを受け入れているが、上記穴部は、これらを補足するように作られており、すなわち基本的に、外側折返部分24a、24b及びカム26a、26bと同様の(これらを受入れる)断面形状を有している。
【0059】
図12~15は、容器状体1の内壁27が、膨らんだ凸面状に形成されていることを示している。具体的には、第2の構成辺8‘がこのような内壁27を有するか、形成している構成を示している。
【0060】
図16は、容器状体の断面図(部分図)であり、該容器状体には柔軟な構成辺8‘‘が柔軟なインレイの態様ではめ込まれている状態を示している。
【0061】
図17は、容器状体1‘の部分図であり、該容器状体1‘内には、
図16と比較してより短い、複数の柔軟なインレイがはめ込まれている。
【0062】
図16及び17の、柔軟に、及び弾性的に変形することが可能な構成辺構成辺8‘‘、8‘‘‘には、滑走要素が組込まれており、これらは容器状体1‘の底部に、又は底部の中に存在し、及び構成辺構成辺8‘‘、8‘‘‘と材料統一的に、及び一体的に形成されている。
【0063】
図18は、更なる保持器具1‘‘の(図解による)立体分解図を示している。
【0064】
この保持器具1‘‘では、第1の、二重に表された、単離状態の構成辺8‘‘aに、第1の部分ドーム部分25aが一体的に、及び材料同一的に結合しており、第1の部分ドーム部分25aは、別個に作成された第2の部分ドーム部分25bに、形状決定的にはまり込むことが可能である。
【0065】
両方の部分ドーム部分25a、25bは一緒になって、第1の側部ストリップ中の円形状の通抜部29に差し込まれており、及び蓋部7の固定用の押しボタンのオス部分を形成している。
【0066】
更に、単離状態の蓋部7が表されており、蓋部7は、単離状態の第2の構成辺8‘‘‘‘によって、第2の側部ストリップ4に繋がれていることが可能である。
【0067】
更になお、単離状態(離れた状態)の挟み留部5が表されており、挟み留部5は、結合ストリップ6にはめ込むことが可能である。
【0068】
図19は、
図18に従う保持器具1‘‘の、挟み留部5及び蓋部7の無い、更なる図を示している。第2の構成辺8‘‘‘‘にはくさび状部分31が形成されており、くさび状部分31は、構成辺8‘‘‘‘の、結合ストリップ6に向いている側の端部に設けられている。
【0069】
くさび状部分31は、ここに示されている第2の構成辺の全ての実施形態に組み込まれることが可能であるが、くさび状部分31は、容器状体1‘‘中の除去部分(くり抜部分)にはまり込んでおり、及び第2の構成辺8‘‘‘‘を、適切な態様で、ここでは図示していない蓋部に対して押し付け(プレスし)、及びこれにより、構成辺又は構成辺によって作られる(容器状体1‘‘の)内側面の間に、所望の内側寸法が存在する。
【0070】
図18及び19は、舌状部30が構成辺8‘‘‘‘に形成されていることを示しており、舌状部30は、カード挿入領域に向けられており、及び受けいられるプラスチックカードの丸い隅部分をつかみ、及びカードを摩耗から守ることが可能なのである。
【0071】
舌状部30はプラスチックカードを、容器状体1‘‘からはみ出ることからも守る。
【0072】
舌状部30は、構成辺8‘‘‘‘の長さ方向端部に形成されている。そのために構成辺8‘‘‘‘は、容器状体1‘‘内に挿入されるプラスチックカードの隅部のつかみ用に、舌状部30を有する。
【0073】
図20は、
図18に従う(挟み留部5及び蓋部7の無い)保持器具1‘‘の、組立てられた状態、すなわち、構成辺8‘‘a、8‘‘‘‘が、形状決定的、物質決定的及び/又は力決定的に側部ストリップ3、4に保持されている更なる図を示している。
【0074】
図21は、両方の部分ドーム部分25a、25b、第1の構成辺8‘‘a及び第1の構成辺8‘‘aが隣接する第1の側部ストリップ3を通した部分的な断面図を示している。
【0075】
第2の部分ドーム部分25bは金属で作られている。第1の部分ドーム部分25aは、構成辺8‘‘aと同様に、化学合成物質で作られている。
【0076】
図22は、第2の部分ドーム部分25bを通した部分的な断面図を示しており、ここで第2の部分ドーム部分25bは、側部ストリップ3中の通抜部29に差し込まれており、及び第2の部分ドーム部分25bの縁部で、側部ストリップ3の内側に隣接しているもので、及び第1の部分ドーム部分25aが同様に、側部ストリップ3中の通抜部29に差し込まれており、及び空洞状に形成された第2の部分ドーム部分25b内に、形状決定的にはまり込んでいる。
【0077】
構成辺8‘‘aは、部分ドーム部分25aを一体的に備えており、部分ドーム部分25aは、別個に作られた第2の部分ドーム部分25b内に形状決定的にはまり込んでおり、ここで両方の部分ドーム部分25a、25bは、側部ストリップ3中の通抜部29に、一緒になって差し込まれている。
【0078】
第2の部分ドーム部分25bは、金属で作られており、及び蓋部7を(立てて)留めるための押しボタンのオス部分として作用する。
【0079】
ここで、第2の部分ドーム部分25bは、枠部分又は第1の側部ストリップ3を背面に食い込んでおり、及び第2の部分ドーム部分25b内にはまり込む1の部分ドーム部分25a用の受入れ部として作用する。
【0080】
第2の側部ストリップ4からは、第2の側部ストリップ4と統合して、及び一体的に形成された、栓状の保持リベット22‘が内側に突出し、構成辺8‘‘‘‘にはまり込み可能になっている。
【0081】
構成辺8‘‘‘‘内には、リベットヘッド23‘が配置されており、又は形成されており、リベットヘッド23‘は保持リベット22‘と一緒に作用する。
【0082】
第1の構成辺8‘‘は、これと一体的に形成された滑走要素9‘、10を有している。第2の構成辺8‘‘‘‘は同様に、これと一体的に形成された滑走要素15、16を有している。
【0083】
滑走要素9‘、10、15、16は、容器状体1の隅領域1a、1bに配置されている。隅領域1a、1bは、その上でカードが挿入された状態で置かれる底部平面と、この底部平面に対して基本的に垂直に延びている内壁とによって形成されている。
【0084】
容器状体1は特に、金属、セラミックス、カービン材料、貴金属、チタン、化学合成物質、又は更なる材料から作られることが可能である。容器状体1は特に、粉末射出成形によって製造されることが可能である。粉末射出成形によって無機材料、例えば金属又はセラミックスが加工可能である。
【0085】
基本的に完全に無機材料で構成される容器状体1は比較的問題無く、個別に三次元的に形成可能であり、及び物理的特性に関し、その凸凹性及び/又は感触学を修正して、カード及び/又は札類を大切に受け入れることが可能である。
【0086】
金属及びセラミックスは、化学合成物質と比較した場合、切削又は鋳造によって複合した形状を与えることが困難である。このために、金属粉又はセラミックス粉が化学合成物質と混合され、及び次いで粉末射出成形によって、容器状体1の複合化した(複雑な)形状がもたらされる。これに続いて化学合成が除去される。粉末射出成形によって作られた容器状体1は、次に焼成することが可能であり、及びこれにより容器状体1は基本的に純粋に無機状、特に金属状、又はセラミックスス状になる。
【0087】
粉末射出成形法によって、上側に開口した容器状体1であって、底部2を有し、底部2は上側に張出しており、及び相互に間隔を置いて配置された側部ストリップ3、4を有する容器状体1を、ここに記載された類の保持器具のために製造可能である。保持器具は、挟み留部5を有することが可能であるが、しかしながらこのことが必要なわけではない。
【0088】
粉末射出成形法は、方法工程
- 金属粉又はセラミックス粉を化学合成物質と混合する工程、
- この混合物を容器状体1の形状にする工程、
- 化学合成物質を除去し、及び容器状体1を硬化する工程、
を含む。
【0089】
このような容器状体1の中に、滑走要素構造体又は更なる固定用(安定用)付属部材を組込むことが可能である。当然ながら、挟み留部5及び蓋部7も交換部材として組込むことが可能である。
【符号の説明】
【0090】
1、1‘、1‘‘ 容器状体
1a、1b 1、1‘、1‘‘の隅領域
2 底部
2a 2の前側横断ストリップ
2b 2の堀抜部
3 第1の側部ストリップ
4 第2の側部ストリップ
5 挟み留部
6 結合ストリップ
7 蓋部
8、8‘、8‘‘‘‘ 縦長の第2の構成辺
8‘‘、8‘‘‘ 柔軟な構成辺、インレイ及び同時に滑走要素
8a、8’a、8‘‘a 縦長の第1の構成辺
9、9‘ 第1の滑走要素
10 9、9‘の底部側要素
11 2の第1のくぼ地
12 9の側部ストリップ側要素
13 8aにおける場所
14 8aにおける間隙部
15 第2の滑走要素
16 15の底部側要素
17 2の第2のくぼ地
18 4の第1の保持リブ
19 8の第2の保持リブ
20 8、8‘のノッチ要素
21 9のブリッジ
22、22‘ 保持リベット
23、23‘ リベットヘッド
24a、24b 8‘aの外側折返部分
25 8‘aのドーム部分
25a 8‘‘aにおける第1のドーム部分
25b 第2の部分ドーム部分
26a、24b 8‘のカム
27 8‘の凸面状に膨らんだ内壁
28 カード
29 3中の通抜部
30 8‘‘‘‘における舌状部
31 くさび状部分
【国際調査報告】