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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-04
(54)【発明の名称】背もたれスピーカ
(51)【国際特許分類】
   A47C 7/72 20060101AFI20230627BHJP
   B60N 2/64 20060101ALI20230627BHJP
   B60N 2/90 20180101ALI20230627BHJP
【FI】
A47C7/72
B60N2/64
B60N2/90
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022573737
(86)(22)【出願日】2021-05-28
(85)【翻訳文提出日】2022-12-13
(86)【国際出願番号】 US2021034701
(87)【国際公開番号】W WO2021247387
(87)【国際公開日】2021-12-09
(31)【優先権主張番号】63/032,983
(32)【優先日】2020-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/333,056
(32)【優先日】2021-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/333,057
(32)【優先日】2021-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591009509
【氏名又は名称】ボーズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】BOSE CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ・テレンス・ヘンリー・オズワルド
(72)【発明者】
【氏名】ブラッドフォード・カイル・スバット
(72)【発明者】
【氏名】ムハンマド・ハリス・ウスマニ
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス・ケー・レイド
【テーマコード(参考)】
3B084
3B087
【Fターム(参考)】
3B084JA03
3B084JD02
3B087DE09
3B087DE10
(57)【要約】
シートであって、シートヘッドレスト部分と、シート背もたれ部分と、背もたれ部分に関連付けられたラウドスピーカアセンブリと、を含む、シート。ラウドスピーカアセンブリは、乗員の公称耳位置の上方で上向きに角度付けされた音響指向性を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートであって、
シートヘッドレスト部分と、
シート背もたれ部分と、
前記背もたれ部分に関連付けられ、かつ乗員の公称耳位置の上方で上向きに角度付けされた音響指向性を有する、ラウドスピーカアセンブリと、を備える、シート。
【請求項2】
前記音響指向性が、潜在的な乗員の集団の約80%の予想される耳位置よりも高く上向きに角度付けされている、請求項1に記載のシート。
【請求項3】
前記音響指向性が、潜在的な乗員の集団の約90%の予想される耳位置よりも高く上向きに角度付けされている、請求項1に記載のシート。
【請求項4】
前記音響指向性が、潜在的な乗員の集団の約95%の予想される耳位置よりも高く上向きに角度付けされている、請求項1に記載のシート。
【請求項5】
前記音響指向性が、潜在的な乗員の集団の約97%の予想される耳位置よりも高く上向きに角度付けされている、請求項1に記載のシート。
【請求項6】
前記音響指向性が、水平より上に少なくとも20度の角度で上向きに角度付けされている、請求項1に記載のシート。
【請求項7】
前記音響指向性が、水平より上に少なくとも26度の角度で上向きに角度付けされている、請求項1に記載のシート。
【請求項8】
前記音響指向性が、水平より上に少なくとも36度の角度で上向きに角度付けされている、請求項1に記載のシート。
【請求項9】
前記音響指向性が、水平より上に少なくとも40度の角度で上向きに角度付けされている、請求項1に記載のシート。
【請求項10】
前記ラウドスピーカアセンブリが、音響アセンブリの音響出力の中心が前記車両シートのヒップポイントよりも垂直に600mm未満高くなるように位置決めされている、請求項1に記載のシート。
【請求項11】
前記ラウドスピーカアセンブリが、音響アセンブリの音響出力の中心が前記車両シートのヒップポイントよりも垂直に575mm未満高くなるように位置決めされている、請求項1に記載のシート。
【請求項12】
前記ラウドスピーカアセンブリが、
音響出力を生成するための少なくとも1つのラウドスピーカと、
前記シート背もたれ部分内に固定され、かつ前記乗員の前記公称耳位置の上方で上向きに角度付けされた前記音響指向性を有する前記音響出力を提供するように角度付けされた音響出口と、を備える、請求項1に記載のシート。
【請求項13】
前記少なくとも1つのラウドスピーカの角度が、前記公称耳位置から逸脱する位置の範囲にわたって一貫した周波数応答を達成するための前記音響出力を提供する、請求項12に記載のシート。
【請求項14】
前記一貫した周波数応答が、前記公称耳位置に提供される音響出力に対する高周波数(HF)一貫性よりも大きいHF一貫性によって特徴付けられ、HFが、約4キロヘルツ(kHz)以上である、請求項13に記載のシート。
【請求項15】
前記一貫した周波数応答が、前記乗員の両耳間の分離、前記乗員の頭部回旋の分離、又は前記シートを含む空間の複数の乗員間のシート間の分離のうちの少なくとも1つによって特徴付けられる、請求項13に記載のシート。
【請求項16】
前記少なくとも1つのラウドスピーカが、前記音響出口に近接して位置する、請求項12に記載のシート。
【請求項17】
前記少なくとも1つのラウドスピーカが、前記音響出口から離されている、請求項12に記載のシート。
【請求項18】
前記音響出口が、前記シート背もたれ部分に対して固定されている、請求項12に記載のシート。
【請求項19】
前記シートヘッドレスト部分が、前記シート背もたれ部分に対して調節可能である、請求項1に記載のシート。
【請求項20】
前記シート背もたれが、前記乗員の公称肩の上方に延びている、請求項1に記載のシート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
本出願は、米国特許仮出願第63/032,983号(2020年6月1日出願)、米国特許出願第17/333,056号(「Backrest Speakers」、代理人整理番号AS-20-238-US1、2021年5月28日出願)、及び米国特許出願第17/333,057号(「Seatback Speakers」、代理人整理番号AS-21-254-US、2021年5月28日出願)の優先権を主張するものであり、これらの出願の各々は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、概して、スピーカなどの音響出力デバイスを含むシートに関する。より具体的には、本開示は、シートの背もたれに組み込まれたラウドスピーカに関する。
【背景技術】
【0003】
例えば、車両、娯楽会場、及び他の場所における従来のシートは、ユーザの支持及び快適性に焦点を当てている。場合によっては、これらのシートは、音声出力を提供するためのスピーカを一体化させる。しかしながら、これらの従来のシートは、異なるユーザ及び/又は着座位置の範囲に対して、一貫した満足のいく音響出力を提供することができない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
下記で言及される全ての実施例及び特徴は、任意の技術的に可能な方式で組み合わせることができる。
【0005】
様々な実装形態は、シート及びシートを含む車両を含む。特定の場合には、シートは、乗員の公称耳位置の上方で上向きに角度付けされた音響指向性を有するラウドスピーカアセンブリを含む。
【0006】
いくつかの特定の態様では、シートは、シートヘッドレスト部分と、シート背もたれ部分と、背もたれ部分に関連付けられ、かつ乗員の公称耳位置の上方で上向きに角度付けされた音響指向性を有する、ラウドスピーカアセンブリと、を含む。
【0007】
他の特定の態様では、方法は、シートの背もたれ部分に関連付けられたラウドスピーカアセンブリを有するシートにおいて音響出力を提供することを含み、出力の音響指向性は、乗員の公称耳位置の上方で上向きに角度付けされる。
【0008】
実装形態は、以下の特徴のうちの1つ、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0009】
ある特定の態様では、音響指向性は、潜在的な乗員の集団の約80%の予想される耳位置よりも高く上向きに角度付けされる。
【0010】
場合によっては、音響指向性は、潜在的な乗員の集団の約90%の予想される耳位置よりも高く上向きに角度付けされる。
【0011】
特定の実装形態では、音響指向性は、潜在的な乗員の集団の約95%の予想される耳位置よりも高く上向きに角度付けされる。
【0012】
ある特定の場合には、音響指向性は、潜在的な乗員の集団の約97%の予想される耳位置よりも高く上向きに角度付けされる。
【0013】
いくつかの実装形態では、音響指向性は、水平より上に少なくとも20度の角度で上向きに角度付けされる。
【0014】
ある特定の態様では、音響指向性は、水平より上に少なくとも26度の角度で上向きに角度付けされる。
【0015】
特定の場合には、音響指向性は、水平より上に少なくとも36度の角度で上向きに角度付けされる。
【0016】
いくつかの態様では、音響指向性は、水平より上に少なくとも40度の角度で上向きに角度付けされる。
【0017】
ある特定の実装形態では、ラウドスピーカアセンブリは、音響アセンブリの音響出力の中心が車両シートのヒップポイントよりも垂直に600mm未満高くなるように位置決めされる。
【0018】
いくつかの態様では、ラウドスピーカアセンブリは、音響アセンブリの音響出力の中心が車両シートのヒップポイントよりも垂直に575mm未満高くなるように位置決めされる。
【0019】
特定の場合には、ラウドスピーカアセンブリは、音響出力を生成するための少なくとも1つのラウドスピーカ(又はドライバ)と、シート背もたれ部分内に固定され、かつ乗員の公称耳位置の上方で上向きに角度付けされた音響指向性を有する音響出力を提供するように角度付けされた、音響吹出口(又は出口)と、を含む。
【0020】
ある特定の実装形態では、ラウドスピーカの角度は、公称耳位置から逸脱する位置の範囲にわたって一貫した周波数応答を達成するための音響出力を提供する。
【0021】
ある特定の場合には、一貫した周波数応答は、公称耳位置に提供される音響出力に対する高周波(high frequency、HF)一貫性よりも大きいHF一貫性によって特徴付けられる。
【0022】
ある特定の実装形態では、シートからの音響出力は、公称耳位置に提供される音響出力に対するMF周波数応答のばらつきよりも小さいMF周波数応答のばらつきを有する。更なる態様では、一貫した周波数応答は、公称耳位置に提供される音響出力に対するLF一貫性以上のLF一貫性によって更に特徴付けられる。
【0023】
特定の場合には、HFは、約4キロヘルツ(kilo-Hertz、kHz)以上であり、LFは、約1kHz以下である。ある特定の実施例では、ミッドレンジ周波数(mid-range frequency、MF)は、約1kHz~約4kHzに等しい。
【0024】
いくつかの態様では、一貫した周波数応答は、乗員の両耳間の分離、乗員の頭部回旋の分離、又はシートを含む空間の複数の乗員間のシート間の分離のうちの少なくとも1つによって特徴付けられる。特定の場合には、一貫した周波数応答は、ラウドスピーカアセンブリの周波数応答を含む。
【0025】
ある特定の実装形態では、シートは、2つのラウドスピーカアセンブリを含み、シート間の分離は、シート内の両方のラウドスピーカアセンブリによって維持される。
【0026】
ある特定の実装形態では、少なくとも1つのラウドスピーカは、音響出口に近接して位置する。
【0027】
場合によっては、音響出口は、シート背もたれ部分に対して固定される。
【0028】
ある特定の態様では、シートヘッドレスト部分は、シート背もたれ部分に対して調節可能である。
【0029】
特定の実装形態では、シート背もたれは、乗員の公称肩の上方に延びる。
【0030】
いくつかの態様では、シートは、車両運転シート、車両助手シート、娯楽会場シート、ゲーミングシート、又は家庭用娯楽シートのうちの1つである。
【0031】
ある特定の実装形態では、車両乗客シートは、ライドシェア車両、リムジン、バス、又は公共輸送車両のシートである。特定の場合には、車両乗客シートは、複数の車両乗客シートのうちの1つであり、そのうちの1つ以上は、ラウドスピーカアセンブリを含む。いくつかの態様では、車両乗客シートは、シートの1つ以上が互いに向き合うように、ハドルアラウンド構成で配置される。
【0032】
ある特定の場合には、シート背もたれ部分は、中間部分と、中間部分の両側から延びる2つの側面と、を有し、シートに乗員がいない状態で、各側面における背もたれの前面が、中間部分の前面に対して角度付けされ、ラウドスピーカアセンブリの音響出口が、側面のうちの1つに位置する。これらの場合のうちのある特定の場合には、音響出口は、中間部分の前面に対して内向き発射角を有する。
【0033】
特定の態様では、車両は、ラウドスピーカアセンブリを有するシートを含む。
【0034】
ある特定の場合には、乗員の公称耳位置は、乗員の予想される着座位置(又は場所)である。特定の場合には、この公称耳位置は、中央値のアメリカ人男性の耳位置に等しい。更なる場合では、この公称耳位置は、中央値のアメリカ人男性及び中央値のアメリカ人女性の耳位置の平均に等しい。
【0035】
場合によっては、少なくとも1つのラウドスピーカは、音響出口から分離される。特定の態様では、チャネル又は導波路は、ドライバが音響出口よりもシートの基部又はシートの中心の近くに位置するように、ドライバと出口との間に位置する。
【0036】
ある特定の態様では、公称耳位置から逸脱する位置は、シートのより低い位置に座っている乗員に関連付けられたより低い位置、又はシートのより高い位置に座っている乗員に関連付けられたより高い位置を含む。
【0037】
いくつかの実装形態では、少なくとも1つのラウドスピーカは、音響出口に隣接するシート背もたれ部分の前面と交差する水平面に対して上向き発射角を有する。
【0038】
本概要の項に記載される特徴を含む、本開示に記載される特徴の2つ以上は、特に本明細書に記載されない実装形態を形成するために組み合わされ得る。
【0039】
1つ以上の実装形態の詳細が、添付図面及び以下の説明において述べられる。他の特徴、目的、及び利点は、本説明及び図面から、並びに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】様々な実装形態による、背もたれスピーカを有する例示的な車両シートの斜視図である。
図2】様々な実装形態による、公称角度でのシート背もたれ内のラウドスピーカ配置の概略側面図である。
図3】様々な実装形態による、増大した角度でのシート背もたれ内の例示的なラウドスピーカ配置の概略側面図である。
図4】様々な実装形態による、増大した角度でのシート背もたれ内の更なる例示的なラウドスピーカ配置の概略側面図である。
【0041】
様々な実装形態の図面は必ずしも縮尺どおりではないことに留意されたい。図面は、本開示の典型的な態様のみを示すことを意図するものであり、したがって、実装形態の範囲を限定するものとみなされるべきではない。図面において、同様の番号付けは、図面間の同様の要素を表す。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図中の共通にラベル付けされた構成要素は、例示目的のために略同等の構成要素であるとみなされ、それらの構成要素の重複する説明は、明確化のために省略する。
【0043】
シート、例えば、車両シート(自動車、トラック、バス、列車、航空機、ボート、又は他の車両で使用されるシートなど)、娯楽会場シート(例えば、映画館シート、スポーツ又はコンサート会場シートなど)、ゲーミングシート、及び/又は家庭用娯楽シート(例えば、ホームシアターシート)は、音響体験を送達するための音響変換器又はスピーカを付設することができる。場合によっては、スピーカは、スピーカがシートの乗員の耳に近接するように、シート内に付設される。場合によっては、スピーカは、シートヘッドレスト又はヘッドレストウィング内に一体化される。そのようなヘッドレストスピーカは、シート乗員の耳に近いことによって、(例えば、シート間の分離及び/又は両耳間の制御、例えば、両耳間のパラメータ制御を提供することに関して)優れた音響性能を提供することができる。しかしながら、いくつかのシート(例えば、一部の車両シート)では、ヘッドレストスピーカは最良の選択ではない場合がある。例えば、機械的及び電気的な一体化は、場合によっては困難であり得る。いくつかのヘッドレストは、薄くて、あまり嵩張らないように設計されており、ヘッドレストスピーカを収容するのに十分な容積を有していない場合がある。ヘッドレストスピーカは、シート又はヘッドレストに、高い質量中心を持たせることがある(したがって、追加のシート補強材を必要とする可能性がある)。スピーカは、ヘッドレストの他の機械的構成要素と競合し得る。加えて、ヘッドレストコネクタを通してヘッドセットスピーカを配線することは、いくつかのシートにとって困難であり得る。
【0044】
シートスピーカは、車両シートの背もたれに少なくとも部分的に一体化されてもよい。いくつかのそのようなスピーカは、背もたれの上面上に、又は別様に上面の非常に近くに、例えば、可能な限り耳の近くに配置され、シート乗員の公称耳位置に向かって音響エネルギーを放射するように構成され得る。一体化の観点から、背もたれスピーカは、場合によってはヘッドレストスピーカよりも好まれることがあり、その理由は、例えば、背もたれスピーカは、ヘッドレストスピーカよりも低い質量中心を有し、シート背もたれ内のより多くの利用可能な空間に起因してシートに一体化することがより容易であり得ることから、及び/又はヘッドレストスピーカとは異なり、関連付けられた配線がヘッドレストポストを通過する必要がないからである。
【0045】
本明細書で説明される技術は、ヘッドレストスピーカの音響性能に匹敵するか、又は打ち負かし得るように、改善された様式で背もたれスピーカの利点を活用することを可能にする。本明細書に開示される実施例は、公称耳位置に向けられるものと比較して、比較的高い角度で向けられた指向性を有する音響エネルギーを伝達することによって、潜在的な乗員の範囲にわたって広く許容可能な音響性能を提供する。いくつかの実施例では、音響アセンブリは、筐体又は取り付け点と、1つ以上のラウドスピーカと、スピーカからシート背もたれに配置された出口へ、シート乗員の耳により近い領域へ音響エネルギーを伝達する1つ以上の音響チャネルと、を含み得る。音響アセンブリは、予想される乗員グループの公称耳位置よりも高い位置に向けられた比較的高い角度で指向性を提供するように構成される。
【0046】
本明細書で説明される実施例によるシステム及び方法は、背もたれスピーカの一体化の利点を組み合わせることができる一方で、音響エネルギーを公称耳位置に向けるものよりも良好な音響性能を生み出し得る。様々な実施例では、背もたれに組み込まれた高角度ラウドスピーカ及び/又は音響アセンブリは、ヘッドレストスピーカに匹敵するか又はそれよりも良好な音響性能を提供し得る。
【0047】
図1は、例えば、(シート10内の)音響アセンブリ14の音響チャネルからの、又は場合によっては1つ以上の音響変換器から直接の、音響吹出口12を有するシート10を示す。また、図1には、以下でより詳細に説明するように、ヒップポイントのおおよその場所が注釈されている。シート10は、基部16と、基部16に接続された(例えば、枢動点20に対して枢動及び/又は摺動するように構成された)背もたれ部分18と、背もたれ部分18に接続されたヘッドレスト部分22と、を含むことができる。シート10の前面24は、図1で見ることができる。ある特定の実装形態では、シートヘッドレスト部分22は、例えば、異なる頭部位置を有するユーザのものを支持するために枢動、上昇及び/又は下降するために、シート背もたれ部分18に対して調節可能である。
【0048】
図2は、シートバック(背もたれ部分18)が、いくつかの実施例では、基部16に対する約21度のリクライニング角度を伴い得る、車両を運転するため、公演又はメディアプレゼンテーションを鑑賞するため、ゲーム体験に参加するためなどの、公称動作位置にあるシート10を示している。背もたれ部分18内の比較的高く取り付けられたラウドスピーカ26は、公称耳位置に向けられるように位置決めされる。
【0049】
本明細書で使用される場合、「公称耳位置」という用語は、所与の集団のうちの典型的な男性の耳位置と典型的な女性の耳位置との間の中間点に基づく。そのような目的のために、「典型的な」という用語は、着座時のヘッドレスト表面及び/又はヒップポイントに関連し得る、シートに対する中央値(50番目のパーセンタイル)の耳位置を意味し得る(例えば、SAE Internationalから入手可能な、2015年11月付けの「Devices for Use in Defining and Measuring Vehicle Seating Accommodation」と題されたSURFACE VEHICLE STANDARD J826によって定義され得るような)。説明のために、本明細書で使用される対象集団は、アメリカ人成人である。
【0050】
図2を参照すると、中央値の成人男性の位置は、AM50と注釈が付けられている。アメリカ人の成人男性集団の半分は耳位置が高く、あと半分は低いと予想される。中央値の成人女性の位置は、AF50と注釈が付けられている。成人女性集団の半分は、耳位置が高く、あと半分は低いと予想される。特定の実施例では、公称耳位置は、米国人男性集団の中央値、又はAM50に基づいて選択される。
【0051】
図2のラウドスピーカ26は、公称耳位置に比較的近い(又はわずかに下の)高さに位置決めされており、音響チャネルの出力(音響出力)における音響チャネルの中心は、ヒップポイントの垂直方向に約572ミリメートル(millimeter、mm)上の高さに位置する。ラウドスピーカ26は、公称耳位置に向ける(例えば、発射方向、ラウドスピーカの軸)ように配向され、この実施例では、背もたれ部分18がリクライニングされた状態で、シート10が21度のリクライニング位置にある間、音響吹出口12と交差する水平面に対して約15度の上向き傾斜である。図2におけるラウドスピーカ26の位置は、乗員の肩によって遮られることを回避するのに効果的であるが、異なる乗員の高さ及び耳位置の範囲にわたって劇的に異なる音響性能を示し得る。例えば、背の低い個人は、耳位置がスピーカ26の真正面にある場合があり、背の高い個人は、耳位置がかなり高く、かつスピーカ26から更に離れている場合がある。
【0052】
本明細書の様々な特定の実装形態によるシステム及び方法は、図2に示す比較的高く浅い角度のスピーカよりも、乗員の範囲にわたってより一貫した音響性能を達成する。
【0053】
図3は、図2の位置と同様の位置であるが、背の高い個人の耳位置に向けられた、シート30の背もたれ部分18内のラウドスピーカ26を示している。この実施例では、ラウドスピーカ26は、95番目のパーセンタイルの成人男性(AM95と注釈が付けられている)の予想される耳位置に向けられている。したがって、成人男性アメリカ人集団の5%のみが、より高い耳位置を有する。更に女性を考慮すると、成人アメリカ人集団の約97%は、図3においてラウドスピーカが向けられている位置の下に耳位置を有する。AM95は、AM50よりも約60ミリメートル(mm)高い場所を示し、AF05は、AM50よりも約116mm低い場所を示す。
【0054】
図3のシート30内のラウドスピーカ26は、水平に対して上向きの角度に配向されている。この実施例では、ラウドスピーカは、水平に対して約22~約32度、より特定の場合には水平に対して約25~約29度、更により特定の場合には水平に対して約27度の上向きの角度で配向され得る(最後の実施例が示されている)。これは、ラウドスピーカの位置と、95番目のパーセンタイルの成人男性の予想される耳位置とに基づく。様々な追加の実施例によれば、上向きの角度は、約40度より大きくてもよく、又は約20~約60度の範囲であってもよく、又は約30~約50度の範囲であってもよく、又は約35~約45度の範囲であってもよく、又は約37~約42度の範囲であってもよい。様々な実施例では、ラウドスピーカ26はまた、垂直基準又は中心線に対して内向きに、例えば、左から右に角度付けられ得る。
【0055】
様々な実施例では、ラウドスピーカ26は、背もたれ部分18に取り付けられた筐体32、又は取り付け板若しくは他の好適な機械的配置と組み合わせて位置決めされ得る。いくつかの実施例では、背もたれ部分18内の空隙は、ラウドスピーカ26の同調に影響を及ぼす音響容積として機能し得る。
【0056】
様々な実施例(図示せず)では、ラウドスピーカ26の取り付け位置から背もたれ部分18の前面又はその付近(例えば、吹出口12に近接する)に音響エネルギーを伝達する音響チャネルが含まれてもよく、いくつかの実施例ではグリルによって、及び/又は様々な実施例による背もたれ部分18のカバーによって覆われてもよい。そのような音響チャネルは、例えば、ラウドスピーカから離れるにつれて大きくなる、及び図3に概略的に示されるような、増大する断面を有し得る。他の実施例では、音響チャネルは、様々な形状を有し得、減少する又は実質的に一定の断面を有し得る。
【0057】
ある特定の場合には、ラウドスピーカ26は、音響吹出口(又は出口)12に近接して(例えば、隣に、又は隣接して)位置する。しかしながら、この近接は必須ではない。すなわち、様々な追加の実装形態では、ラウドスピーカ(又はドライバ)26は、音響吹出口12から、例えば、数センチメートル(centimeter、cm)以上、物理的に離れ得る。ある特定の場合には、ラウドスピーカ26は、音響吹出口12から10mm、20mm、30mm、40mm、50mm、又はそれ以上離れている。特定の場合には、音響チャネル又は導波路(図示せず)がラウドスピーカ26と出口12とを接続して、ラウドスピーカ26が出口12よりもシートの基部18の近くに位置するようにするか、又はラウドスピーカ26がシート背もたれ部分18内に、例えば、基部18とヘッドレスト部分22との間の中間点の近くに、内部に取り付けられるようにする。
【0058】
様々な実施例では、背もたれ部分18内の音響チャネル、筐体、及び/又は空隙は、ラウドスピーカ26の指向性に影響を与え得る。そのような配置は、一般に音響アセンブリとみなされ得、本明細書における指向性への言及は、文脈が明確に別様に示さない限り、設置されたときのそのような音響アセンブリの指向性を指し得る。いくつかの実施例では、音響チャネルがラウドスピーカ26を閉塞しない(例えば、ラウドスピーカから耳への直接の線上において邪魔にならない、例えば、図3参照)ときなど、音響アセンブリの指向性は、特に音響出力がより指向性になるより高い周波数において、ラウドスピーカ26の指向性と実質的に同じであり得る。したがって、いくつかの実施例では、音響アセンブリの指向性は、ラウドスピーカ26の軸と実質的に位置合わせされ得る。
【0059】
ある特定の実施例では、2つ以上のラウドスピーカ26が音響アセンブリの一部として設けられ得る。好適な信号処理は、2つ以上のラウドスピーカ26が音響出力の指向性の制御を可能にするように駆動されることを可能にし得る。明確にするために、これは、1つの側につき2つ以上のラウドスピーカ26など、左側及び右側の各々についてのラウドスピーカ26の数を指すことを意図している。
【0060】
図4は、図3の位置よりも低い位置にあるが、背の高い個人(AM95)の予想される耳位置にも向けられた、シート40の背もたれ部分18内のラウドスピーカ26を示している。したがって、図4に示されるシート40内のラウドスピーカ26は、水平に対して約34度~約44度、いくつかの特定の場合には水平に対して約37度~約41度、更なる特定の場合には水平に対して約39度の上向きの角度で配向される(最後の実施例が示されている)。これは、ラウドスピーカのより低い位置(図3に対して)と、95番目のパーセンタイルの成人男性の予想される耳位置とに基づく。図3及び図4に示されたラウドスピーカの位置及び向きの組み合わせは、図2のものよりも個人の範囲にわたって良好な音響性能を提供し得る。図2の構成と比較して、図3及び図4のアセンブリにおけるラウドスピーカ26は、背の低い個人の耳位置により近くなり得るが、ラウドスピーカ26の向きは、背の高い個人の耳位置がラウドスピーカ26(又は音響アセンブリ)の指向性とより一致することを意味する。
【0061】
したがって、乗員の身長及び耳位置が変化すると、ラウドスピーカ26からの距離と、ラウドスピーカ26及び/又は音響アセンブリの指向性との位置合わせとの間にトレードオフが生じる。多くの異なる乗員が異なる時間に車両シートを使用し得るので、車両シートの設計者は乗員の耳位置を知らないので、これは利点を提供する。したがって、本明細書で説明される実施例によるシートバックスピーカは、乗員の耳がどこに位置するかを知らないために有益であり、乗員の耳位置にかかわらず、例えば、誰がシートを使用するかにかかわらず、実質的に等しい音響性能を提供し得る。
【0062】
背の高い個人の耳位置は、ラウドスピーカ26からより遠いが、環境(例えば、車両、部屋など)のルーフ又はヘッドライナにより近くなり得、ヘッドライナ(及び/又はルーフ)からの音響補強から利益が得られ得る。加えて、背の高い個人の肩は、ラウドスピーカ26の正面により近く位置決めされ得、また、音響補強を提供し得る。完全を期すために、比較的背の低い人は、耳位置がラウドスピーカ26により近くなり得、したがって音響補強を必要としない場合がある。したがって、ラウドスピーカ26は、本明細書で説明される実施例のうちのいくつかに従って、背もたれのより低く好適に位置決めされ得る。
【0063】
図3及び図4は、それぞれシート30、40のヒップポイントから垂直に測定された高さによる音響出力の中心の位置をミリメートル単位で示している。これらの実施例における高さは、それぞれ約572mm及び約533mmであり、ヒップポイントよりも垂直方向に高い。これらの高さは、ある特定の実装形態に従って変化する場合があり、背もたれを二等分する中心線に対して、ラウドスピーカ26の上向きの発射角、並びにラウドスピーカ26の内向きの発射角の調節とともに変化するように構成され得ることが理解される。
【0064】
様々な実施例では、ラウドスピーカ26は、音響出力の中心がヒップポイントの垂直上方約600mm未満であるように位置決めされ得、又はヒップポイントの垂直上方約575mm未満、又はヒップポイントの上方約550mm未満、又は約525mm、又は約500mm未満に位置決めされ得る。いくつかの実施例では、音響アセンブリの出力の中心(音響チャネルの端部であってもよい)は、ヒップポイントの垂直上方約375mm~約600mmであり得、又はヒップポイントの垂直上方約400mm~約575mm、又はヒップポイントの垂直上方約425mm~約550mm、又は約450mm~約525mmであり得る。参照のために、ヒップポイントより上のそのような測定値は、図に示されるように、垂直から約21度傾斜したような公称位置にある背もたれに対して、垂直にまっすぐ上で測定され得る。
【0065】
本明細書に記載されるように、シート(例えば、シート10、シート30、シート40)は、車両運転シート、車両助手シート、娯楽会場シート、ゲーミングシート、及び/又は家庭用娯楽シートのうちの1つ以上とすることができる。ある特定の実装形態では、車両乗客シートは、ライドシェア車両、リムジン、バス、又は公共輸送車両のシートである。特定の場合には、車両乗客シートは、複数の車両乗客シートのうちの1つであり、そのうちの1つ以上は、ラウドスピーカアセンブリを含む。いくつかの態様では、車両乗客シートは、シートの1つ以上が互いに向き合うように、ハドルアラウンド構成で配置される。
【0066】
ある特定の場合には、本明細書に開示されるシートは、例えば、ゲーミングシート及び家庭用娯楽シート(例えば、ホームシアターにおける)として、複数の目的を果たすことができる。更なる場合において、シート10、30、40は、同様の構成要素及び/又は機能を含み得る、車両内の複数のシートのうちの1つとすることができる。様々なシート構成は、様々な実装形態に従って示されたシートの態様から利益を得ることができ、とりわけ、娯楽会場のスタジアムシート、多搭乗者車両シート構成(例えば、シートが運転者及び/又は搭乗者のために使用される)、家庭用娯楽構成(例えば、1列又は複数のシートが配置される)などを含む。ある特定の場合には、本明細書に開示されるシートは、車室(又はキャブ)内などのキャビン又は他の閉鎖空間内に位置することから利益を得ることができる。このようなキャビン構成では、ある特定の音響上の利点を実現することができる。しかしながら、本明細書に開示されるシートの利点の多くは、他のシート構成及び他の環境において実現することができる。
【0067】
ある特定の場合には、図1図4のラウドスピーカアセンブリの音響吹出口は、シート背もたれ部分18内に固定され、特定の場合には、シート背もたれ部分18に対して固定される。この構成は、基部16に対するシート背もたれ部分18の傾斜/リクライニング角度に関係なく、シート乗員に対するラウドスピーカ26の発射角を固定する。
【0068】
ある特定の場合には、図2図4のラウドスピーカアセンブリの音響吹出口12は、シート背もたれ部分18の中心線から、約180mm~約330mmだけ離され得る。特定の場合には、各ラウドスピーカアセンブリの音響吹出口は、シート背もたれ部分の中心線から、より狭い場合には約200mm、より広い場合には約300mm離される。
【0069】
図2図4に示すラウドスピーカの位置及び向きの組み合わせ、並びに特定の場合には、図3及び図4のシート30及び40に示すラウドスピーカの位置及び向きは、従来のシートバックスピーカよりも、個人の範囲にわたってより良好な音響性能を提供することができる。ラウドスピーカは、背の低い個人の耳位置により近くなり得るが、ラウドスピーカの向きは、背の高い個人の耳位置がラウドスピーカ(又は音響アセンブリ)の指向性とより一致することを意味する。
【0070】
したがって、乗員の身長及び耳位置が変化すると、ラウドスピーカからの距離と、ラウドスピーカ及び/又は音響アセンブリの指向性との位置合わせとの間にトレードオフが生じる。多くの異なる乗員が異なる時間に車両シートを使用し得るので、車両シートの設計者は乗員の耳位置を知らないので、これは利点を提供する。したがって、本明細書で説明される実施例によるシートバックスピーカは、乗員の耳がどこに位置するかを知らないために有益であり、乗員の耳位置にかかわらず、例えば、誰がシートを使用するかにかかわらず、実質的に等しい音響性能を提供し得る。
【0071】
更に、背の高い個人の耳位置は、ラウドスピーカからより遠いが、車両のルーフ又はヘッドライナにより近くなり得、ヘッドライナ(及び/又はルーフ)からの音響補強から利益が得られ得る。加えて、背の高い個人の肩は、ラウドスピーカの正面により近く位置決めされ得、また、音響補強を提供し得る。完全を期すために、比較的背の低い人は、耳位置がラウドスピーカにより近くなり得、したがって音響補強を必要としない場合がある。したがって、ラウドスピーカは、本明細書で説明される実施例のうちのいくつかに従って、背もたれのより低く適切に位置決めされ得る。
【0072】
本明細書に記載されるように、図3及び図4に示されるようなある特定の場合には、少なくとも1つのラウドスピーカ26の角度は、公称耳位置から逸脱する位置の範囲にわたって一貫した周波数応答を達成するための音響出力を提供する。例えば、一貫した周波数応答は、公称耳位置に提供される音響出力に対する高周波数(HF)一貫性よりも大きいHF一貫性によって特徴付けることができる。ある特定の追加の場合には、シート30、40からの音響出力は、公称耳位置に提供される音響出力に対するHF周波数応答のばらつきの約3分の2~4分の3以下のHF周波数応答のばらつきを有する(例えば、シート10の場合の約15dBSPL/Vと比較して、シート30、40の場合は約11~約12dBSPL/V)。これらの実施例では、HFは、約4キロヘルツ(kHz)~約20kHz以上であり、LFは、約1kHz以下である。更に別の実装形態では、一貫した周波数応答は、公称耳位置に提供される音響出力に対するLF一貫性以上のLF一貫性によって更に特徴付けられる。例えば、LF範囲に対する周波数応答のばらつきは、シート10と比較して、シート30、40の場合には約5パーセント~約20パーセント小さくなり得る(例えば、シート10の場合の約4~4.5dBSPL/Vと比較して、シート30、40の場合には約3.5dBSPL/V)。
【0073】
更に別の実施例では、シート30、40は、車内ラウドスピーカアセンブリ(ドライバ26が車両キャビンの中心に近い)及び車外ラウドスピーカアセンブリ(ドライバ26が車両の外壁又はドアに近い)を有する車両シートである。様々な実装形態によれば、車外の場所に位置決めされたラウドスピーカアセンブリについて、シート30、40からの音響出力のLF一貫性は、公称耳位置に提供される音響出力のLF一貫性よりも大きい。
【0074】
背もたれスピーカの追加の特徴は、米国特許第10,730,422号に見出すことができ、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。背もたれスピーカの更なる特徴は、全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願第17/333,057号(「Seatback Speakers」、代理人整理番号AS-21-254-US、2021年5月28日出願)に見出すことができる。シート内の乗員の着座位置及び音響パラメータの更なる説明は、全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第10,455,327号(「Binaural Measurement System」)に見出すことができる。
【0075】
開示されたシステムにおけるある特定の構成要素は、図示されていない場合があるが、様々な追加の機能を可能にすることが理解される。例えば、システムは、電源、プロセッサ、メモリ、送信機/受信機などの通信構成要素、ネットワーク接続機器(Wi-Fi、Bluetooth(登録商標)、セルラ又は近距離通信(near field communication、NFC)機器を含むがこれらに限定されない)、及び位置識別構成要素(例えば、GPSシステム)を含むがこれらに限定されない追加の電子機器を含むことができる。加えて、本明細書に開示されるシステムは、ダイヤル、ボタン、タッチスクリーンなどを含む触覚入力などの1つ以上の従来の入力を含む、ユーザ相互作用を可能にする1つ以上のインターフェースを含むことができる。インターフェースは、ユーザが音声コマンドを使用して調節を行うことができるように、音声コマンドインターフェースを含むこともできる。インターフェースはまた、ユーザがジェスチャ(例えば、手を振る、うなずくなど)を用いて調節を行うことができるように、ジェスチャベースのインターフェースを含むことができる。
【0076】
様々な実装形態では、互いに「連結」されているとして説明される構成要素は、1つ以上のインターフェースに沿って接合することができる。いくつかの実装形態では、これらのインターフェースは、別個の構成要素間の接合部を含むことができ、他の場合には、これらのインターフェースは、強固に及び/又は一体的に形成された相互接続部を含み得る。すなわち、場合によっては、互いに「連結された」構成要素は同時に形成されて、単一の連続部材を画定することができる。しかしながら、他の実装形態では、これらの連結された構成要素は、別個の部材として形成され、その後、既知のプロセス(例えば、はんだ付け、締結、超音波溶接、接合)によって接合され得る。様々な実装形態では、「連結された」と記載される電子的構成要素は、これらの電子的構成要素が互いにデータを通信することができるように、従来の有線及び/又は無線手段を介してリンクすることができる。更に、所与の構成要素内の下位構成要素は、従来の経路を介してリンクされていると考えることができるが、必ずしも図示されない。
【0077】
複数の実装形態を説明してきた。それにもかかわらず、本明細書に記載される本発明の概念の範囲から逸脱することなく追加の改変を行うことができ、したがって、他の実装形態も以下の特許請求の範囲の範疇にあることが理解される。
【符号の説明】
【0078】
10 シート
12 音響吹出口
14 音響アセンブリ
16 基部
18 背もたれ部分
20 枢動点
22 ヘッドレスト部分
24 シート10の前面
26 ラウドスピーカ
30 シート
32 筐体
40 シート
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】