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特表2023-528426ハイブリッドワイヤレスネットワークにおける信頼性及びセキュリティ意識の高い通信
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-04
(54)【発明の名称】ハイブリッドワイヤレスネットワークにおける信頼性及びセキュリティ意識の高い通信
(51)【国際特許分類】
   H04W 40/24 20090101AFI20230627BHJP
   H04W 84/10 20090101ALI20230627BHJP
   H04W 84/18 20090101ALI20230627BHJP
   H04L 41/0813 20220101ALI20230627BHJP
【FI】
H04W40/24
H04W84/10
H04W84/18
H04L41/0813
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022574276
(86)(22)【出願日】2021-05-31
(85)【翻訳文提出日】2023-01-31
(86)【国際出願番号】 EP2021064534
(87)【国際公開番号】W WO2021245019
(87)【国際公開日】2021-12-09
(31)【優先権主張番号】20177738.0
(32)【優先日】2020-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】サンタナ アルナイス オクタヴィオ アレハンドロ
(72)【発明者】
【氏名】ワン シャンユー
(72)【発明者】
【氏名】レルケンス アルマンド ミシェル マリー
(72)【発明者】
【氏名】ローゼンダール レーンダート テウニス
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067EE03
(57)【要約】
本発明は、照明制御及びアセットトラッキングの両方等、複数のアプリケーションを同時に実行するワイヤレスシステム100に関する。ワイヤレスシステム100に含まれるノード200は、複数の通信モードで動作可能であり、各通信モードは、異なる通信技術による。一方、何らかのアプリケーションは、他のアプリケーションよりも高いセキュリティ要件を有する可能性があることを考慮すると、あるアプリケーションは、他のアプリケーションと異なる好ましい通信モードを有してもよい。このような観点から、ノード200が効率的に複数の並列アプリケーションに従事することを支援するモード切替方法が開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレスシステムにおいて通信するためのノードであって、当該ノードは、
当該ノードに割り当てられる役割に応じて複数の通信モードの中からデフォルト通信モードを決定するように構成されるコントローラであって、前記役割は、当該ノードによって実行されるべきアクティビティに関連し、前記複数の通信モードは、
第1の通信技術による、マルチホップルーティングを有するメッシュ又はツリートポロジをサポートすることが可能である第1の通信モード、及び
第2の通信技術による、ポイントツーポイント接続を有するスタートポロジをサポートすることが可能である第2の通信モード、
を含む、コントローラと、
前記デフォルト通信モードとして前記第1の通信モードで動作し、前記コントローラからの指示により、前記第2の通信モードに切り替わり、前記第2の通信モードで通知メッセージを送信し、その後、前記第1の通信モードに戻る、又は、
前記デフォルト通信モードとして前記第2の通信モードで動作し、前記コントローラからの他の指示により、前記第1の通信モードに切り替わり、前記第1の通信モードで別のデータ又は制御パケットを受信し、その後、前記第2の通信モードに戻る、
ように構成される無線ユニットと、
を含み、
前記コントローラは、
前記第1の通信モードで前記無線ユニットによって受信される又は当該ノード自身によって生成されるデータ又は制御パケットのセキュリティレベルに応じて前記第1の通信モードから前記第2の通信モードへ切り替える前記指示を生成する、及び
前記第2の通信モードで前記無線ユニットによって受信される別の通知メッセージに応じて前記第2の通信モードから前記第1の通信モードへ切り替える前記他の指示を生成する、
ように構成される、ノード。
【請求項2】
前記通知メッセージは、前記第1の通信モードへの切り替えに関連するスケジューリング情報を示し、
遅延時間であって、前記通知メッセージの受信の後、前記無線ユニットが該遅延時間後に前記第1の通信モードに切り替わるべきである、遅延時間、及び
当該ノードが前記第1の通信モードに留まるべきである期間、
の少なくとも一方であることができる、請求項1に記載のノード。
【請求項3】
前記通知メッセージは、前記第2の通信モードにおける通信のためのユニキャスト又はマルチキャストアドレス情報を含む、請求項1又は2に記載のノード。
【請求項4】
前記役割は、当該ノードの位置、所定のシステム構成、コンテキスト依存のランタイムノード構成、前記ワイヤレスシステムのアプリケーション展開スキームのうちの少なくとも1つに応じて当該ノードに割り当てられ得る、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のノード。
【請求項5】
当該ノードに割り当てられる役割は、前記ワイヤレスシステム内のノード間の通信を促進するためのルータノードである、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のノード。
【請求項6】
前記コントローラは、前記第1の通信モードをデフォルト通信モードであると決定するように構成され、前記無線ユニットは、マルチホップルーティングを有する前記ワイヤレスシステム内のノード間をサポートするために主に前記第1の通信モードで動作するように構成される、請求項5に記載のノード。
【請求項7】
当該ノードに割り当てられる役割は、アセットトラッキングセンサである、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のノード。
【請求項8】
前記コントローラは、前記第2の通信モードをデフォルト通信モードであると決定するように構成され、前記無線ユニットは、アセットトラッキングシステムのタグデバイスからのビーコン信号を受信するために主に前記第2の通信モードで動作するように構成される、請求項7に記載のノード。
【請求項9】
請求項1に記載のノードを複数含む、ワイヤレスシステム。
【請求項10】
当該ワイヤレスシステムは、ワイヤレス照明制御システムである、請求項9に記載のワイヤレスシステム。
【請求項11】
ワイヤレスシステムにおけるノードの通信方法であって、当該方法は、前記ノードが、
前記ノードに割り当てられる役割に応じて複数の通信モードの中からデフォルト通信モードを決定することであって、前記役割は、前記ノードによって実行されるべきアクティビティに関連し、前記複数の通信モードは、
第1の通信技術による、マルチホップルーティングを有するメッシュ又はツリートポロジをサポートすることが可能である第1の通信モード、及び
第2の通信技術による、ポイントツーポイント接続を有するスタートポロジをサポートすることが可能である第2の通信モード、
を含む、ことと、
前記デフォルト通信モードとして前記第1の通信モードで動作し、指示により、前記第2の通信モードに切り替わり、前記第2の通信モードで通知メッセージを送信し、その後、前記第1の通信モードに戻る、又は、
前記デフォルト通信モードとして前記第2の通信モードで動作し、他の指示により、前記第1の通信モードに切り替わり、前記第1の通信モードで別のデータ又は制御パケットを受信し又は前記ノード自身によって生成され、その後、前記第2の通信モードに戻る、ことと、
前記第1の通信モードで受信されるデータ又は制御パケットのセキュリティレベルに応じて前記第1の通信モードから前記第2の通信モードへ切り替える前記指示を生成することと、
前記第2の通信モードで受信される別の通知メッセージに応じて前記第2の通信モードから前記第1の通信モードへ切り替える前記他の指示を生成することと、
を含む、方法。
【請求項12】
コンピューティングプログラムであって、当該プログラムが処理手段を含むノードによって実行された場合、前記処理手段に請求項11に記載の方法を実行させるコード手段を含む、コンピューティングプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤレス通信システムの分野に関する。とりわけ、複数のノードを含むワイヤレスシステムにおけるノードの通信方法に関連する様々な方法、装置、システム及びコンピュータ可読媒体が本明細書で開示される。
【背景技術】
【0002】
業務用照明市場(professional lighting market)では、(リモート)スケジューリング、エネルギモニタリング、センサベースの照明制御、アセットマネジメント等のあらゆる種類の新しい機能を可能にする、コネクテッドライティングシステム(connected lighting system)への移行が進んでいる。多くの場合、これらのシステムは既存の建物に設置され、この場合、天井を介して(照明制御のための)新しいケーブルを敷設する必要がないように、ワイヤレスネットワークが好まれる。現在広く使用されているこのようなワイヤレスネットワークプロトコルの例としては、IEEE 802.15.4、IEEE 802.15.1又はIEEE 802.11規格の上に構築された様々な独自のネットワーク実装、及びZigbee(登録商標)、Thread、Bluetooth(登録商標) Low Energy(BLE)、BLEメッシュ、Wi-Fi(登録商標)、Wi-Fiダイレクト(Wi-Fi direct)等のオープンスタンダードがある。
【0003】
Zigbeeネットワークは、メッシュトポロジにおいてデバイス間のマルチホップ通信を可能にする。メッシュネットワーキングケイパビリティに加えて、Zigbeeデバイスはまた、低減された電力消費及びコストも提供し、ワイヤレス照明システム等、ワイヤレス制御システムの大規模な展開で用いるのに魅力的である。
【0004】
また、屋内環境では、リアルタイムロケーションシステム(RTLS:Real-Time Location System)等、ロケーションベースのシステムが、機器、人等のアセットを位置特定する(locate)及び追跡する(track)ために展開されることがある。例えば、アセット(例えば、ラップトップ)に取り付けられるアセットタグがビーコン信号を送信してもよく、固定位置に位置するセンサがビーコン信号を受信してもよい。ビーコン信号は、リンク構成(link configuration)を容易にするために、BLEラジオ(BLE radio)を介して送信されてもよい。
【0005】
WO2018228883 A1は、2つのワイヤレスネットワーク間をシームレスに橋渡しすることができるワイヤレスコンボデバイスのシングルホップ/マルチホップ(例えば、BLE/ZigBee)複合ケイパビリティの恩恵を受け、ワイヤレスシングルホップネットワーク(例えば、BLEネットワーク)のメッセージをワイヤレスマルチホップネットワーク(例えば、ZigBeeメッシュネットワーク)上で中継することによりワイヤレスシングルホップネットワークのカバレッジを拡張するシステム及び方法に関する。
【0006】
EP3255949A1は、コンボエンドポイントデバイスと、ワイヤレスルータと、ワイヤレス通信デバイスとの間で通信する方法であって、ワイヤレスルータとコンボエンドポイントデバイスの無線通信回路との間のワイヤレスデータ通信の通信パターンを監視することと、監視された通信パターンに基づいてワイヤレスルータの通信時間を示すデータを記憶することとを含む、方法に関する。
【0007】
WO2020043592A1は、存在及び/又は位置検出のための無線周波数信号を送信、受信及び/又は処理するためのワイヤレスネットワーク内の1つ以上のデバイスを選択するためのシステムであって、存在及び/又は位置検出のための無線周波数信号を送信、受信及び/又は処理するための複数のデバイスの各々の適合性を決定する、複数のデバイスの各々について決定される適合性に基づいて複数のデバイスからデバイスのサブセットを選択する、及び、存在及び/又は位置検出のための無線周波数信号を送信、受信、及び/又は処理するためのデバイスとして動作するようにデバイスのサブセットのうちの少なくとも1つに指示するように構成される少なくとも1つのプロセッサを含む、システムに関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ノードが、主に照明制御のためのある通信モードで、又は主にアセットトラッキングのための他の通信モードで動作するように構成され得るように、照明制御システムの同じインフラストラクチャをアセットトラッキングのために再利用することが有益であることが本発明者らによって認識されている。照明システムは、電気デバイス(ライトフィクスチャ(light fixture))の密度が、対象物を位置特定及び追跡するためのセンサの密なネットワークをサポートするため、アセットトラッキング、又はRTLSを実装するための独自の利点を提供する。照明制御に好ましい通信モードは、アセットトラッキングに好ましい通信モードとは異なるが、異なるアプリケーションからの要件を満たすために複数の通信モードをサポートすることができるノードを配備することは可能である。
【0009】
上記に鑑み、本開示は、効率的にシステムのハイブリッドアプリケーションを促進するためにノードの通信方法を制御することに関するメカニズムを提供するための方法、装置、システム、コンピュータプログラム及びコンピュータ可読媒体に関する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
とりわけ、本発明の目的は、請求項1に記載のノード、請求項9に記載のワイヤレス制御システム、請求項11に記載の通信方法、及び請求項12に記載のノードのコンピュータプログラムによって達成される。
【0011】
本発明の第1の態様によれば、ノードが提供される。ワイヤレスシステムにおいて通信するためのノードであって、当該ノードは、当該ノードに割り当てられる役割に応じて複数の通信モードの中からデフォルト通信モードを決定するように構成されるコントローラであって、役割は、当該ノードによって実行されるべきアクティビティに関連し、複数の通信モードは、第1の通信技術による、マルチホップルーティングを有するメッシュ又はツリートポロジをサポートすることが可能である第1の通信モード、及び、第2の通信技術による、ポイントツーポイント接続を有するスタートポロジをサポートすることが可能である第2の通信モードを含む、コントローラと、デフォルト通信モードとして第1の通信モードで動作し、コントローラからの指示により、第2の通信モードに切り替わり、第2の通信モードで通知メッセージを送信し、その後、第1の通信モードに戻る、又は、デフォルト通信モードとして第2の通信モードで動作し、コントローラからの他の指示により、第1の通信モードに切り替わり、第1の通信モードで別のデータ又は制御パケットを受信し、その後、第2の通信モードに戻るように構成される無線ユニット(radio unit)とを含み、コントローラはさらに、第1の通信モードで無線ユニットによって受信される又は当該ノード自身によって最近生成されたデータ又は制御パケットのセキュリティレベルに応じて第1の通信モードから第2の通信モードへ切り替える指示を生成する、及び、第2の通信モードで無線ユニットによって受信される別の通知メッセージに応じて第2の通信モードから第1の通信モードへ切り替える他の指示を生成するように構成される。
【0012】
ノードは、第1の通信モード及び第2の通信モードを含む複数、2つ以上の、通信モードをサポートすることが可能である。主通信モードは、ノードのデフォルト動作モードとなる。好ましくは、第1の通信モードは、ホームオートメーション及び照明制御アプリケーションで広く採用されている、Zigbee規格によるものである。Zigbeeネットワーク層は、スター型及びツリー型の両方のネットワークと、ジェネリックなメッシュネットワーキングをネイティブにサポートしている。強力なトポロジ制御は、特に直接リンク、又はワンホップリンクでソースノードから遠く離れた宛先ノードに到達するために、制御システムにおける非常に高いフレキシビリティを提供する。好ましいセットアップにおいて、第2のワイヤレス通信技術は、BLE規格に準拠する。有利には、第2の通信技術によるポイントツーポイント接続は、ポイントツーマルチポイント接続であってもよい。BLEビーコンを介する等の、ポイントツーポイント接続又はポイントツーマルチポイント接続の容易なセットアップは、アセットトラッキングシステムにおけるタグデバイスとセンサノードとの間のリンク確立に非常に有益である。任意選択的に、ノードは、ノードの別の使用、又はシステムによってサポートされるべき別のアプリケーションのためのさらなる通信モードもサポートしてもよい。
【0013】
無線ユニットは、複数の通信モードを可能にするために1つ以上のトランシーバを含んでもよく、1つのトランシーバが1つの個別の通信モードのみをサポートしてもよく、又は1つのトランシーバが2つ以上の通信モードをサポートしてもよい。好ましいセットアップにおいて、無線ユニットは、第1の通信モード及び第2の通信モードの両方をサポートするコンボトランシーバである。
【0014】
一例として、無線ユニットは、Zigbee及びBLEコンボデバイスであってもよい。したがって、このようなコンボトランシーバを有するノードは、第1の通信モードと第2の通信モードとをタイムシェアリングベースで切り替えてもよく、これは、同一のワイヤレスシステムにおいて異なるアプリケーションを可能にするための非常にコスト効率のよいやり方であり得る。主通信モードはノードのデフォルト動作モードであるため、無線ユニットは、その時間のほとんど、又はそのデューティサイクルの大部分(majority)において主通信モードにとどまることになる。
【0015】
主通信モードから他の通信モードへの切り替えは、固定されたタイムスケジュールに従うのではなく、トリガイベントに基づき、これは、システムの信頼性及び柔軟性を向上させる。好ましくは、トリガイベントは、主通信モードで無線ユニットによって最近受信された又はノード自身によって最近生成されたパケットのプロパティに基づいてコントローラによって生成される指示(instruction)である。このような指示に応答して、無線ユニットは、他の通信モードを用いて送信又は受信するために複数の通信モードのうちの該他の通信モードに一時的に切り替わり、その後、主通信モードに戻る。それゆえ、ノードは、主アプリケーションに従事する(serve)ためにデフォルトで主通信モードにおいて動作し、その後、システムで可能な別のアプリケーションをサポートするために他の通信モードに一時的に切り替わってもよい。
【0016】
パケットは、ワイヤレスシステム内の他のノードから、又は周囲の他のデバイスから主通信モードで最近受信されたパケットであってもよい。また、ノード自身によって最近生成されたパケットであってもよい。例えば、ノードは、アプリケーションパケットのソース(source)であり、他のノードから受信する代わりに、ネットワークを通じて又はある宛先ノードに配信される(distributed)べき新しいパケットを生成してもよい。周囲の他のデバイスは、周囲に置かれる新しいタグ又はセンサデバイスであってもよい。
【0017】
一実施形態において、パケットのプロパティは、パケットのタイプ、パケットのセキュリティレベル、及びパケットに含まれる情報の少なくとも1つである。
【0018】
指示は、最近受信又は生成されたパケットのプロパティに応じてコントローラによって生成される。割り当てられる役割又は主通信モードに依存して、異なる態様が、最近受信又は生成されたパケットに関して考慮されてもよい。あるシナリオでは、これらの態様は、1つ以上の態様が組み合わせて考慮されるように、共同的に(in a joint manner)考慮されてもよい。
【0019】
有利には、パケットのタイプは、データパケット、制御パケット、ビーコン、又は通知メッセージであってもよい。
【0020】
有効にされるアプリケーションに依存して、異なるタイプのパケットが、ワイヤレスシステムにおいて通信されてもよい。あるパケットは、同じタイプのアプリケーションに従事するノード間で巡回され(circulated)てもよく、ある他のパケットは、主に別のタイプのアプリケーションに従事する他のノードに送達され(delivered)てもよい。
【0021】
例えば、照明制御情報は、デフォルトモードでアセットトラッキングアプリケーションに従事するいくつかのノードを含む、照明制御システム内のほとんどのノードに配信される制御パケットにアセンブルされてもよい。一方、タグデバイスからのビーコンは、主にアセットトラッキングアプリケーションに割り当てられるノードにのみ興味深いものであり、主に照明制御に割り当てられる他のノードにはあまり関係なくてもよい。
【0022】
主にアセットトラッキングアプリケーションに割り当てられるノードに照明制御パケットを転送するために、制御パケットのセキュリティレベルが考慮されてもよい。例えば、第2の通信技術によるポイントツーポイント接続は、第1の通信技術と比較してセキュアではないと考慮されてもよい。緩和されたセキュリティ要件を有する制御パケットは第2の通信モードで直接送信されてもよく、厳しいセキュリティ要件を有する制御パケットは第1の通信モードを介してのみ巡回されることができるということがあってもよい。この場合、主に第2の通信モードで動作する一部のノードがこのような制御パケットを受信することを可能にするために、通知メッセージが、これらのノードが実際の制御パケットを受信するために第1の通信モードに切り替わることをトリガするために、第2の通信モードを介してこれらのノードにまず送信されてもよい。
【0023】
別の例として、通知メッセージはさらに、ユニキャストアドレス、又はマルチキャストアドレス、又は両方の組み合わせであることができる、他の通信モードのためのアドレス情報を含んでもよい。通知メッセージ自体は、すべての近隣ノードにアドバタイズメントとして送信されてもよいが、アドレス情報によってアドレス指定されるノードのみが、他の通信モードに切り替わることをトリガされてもよい。
【0024】
別の実施形態において、通知メッセージは、第1の通信モードへの切り替えに関連するスケジューリング情報を示し、
遅延時間(delay)であって、通知メッセージの受信の後、無線ユニットが該遅延時間後に第1の通信モードに切り替わるべきである、遅延時間、及び
当該ノードが第1の通信モードに留まるべきである期間(time duration)、
の少なくとも一方であることができる。
【0025】
よりタイムリーに主通信モード及び他の通信モードをコーディネートする(coordinate)ために、最近受信又は生成されたパケットはまた、ノードが他の通信モードにいつ切り替わる必要があるかをより正確に示すことが有利である。ノードが他の通信モードにおける送信又は受信アクティビティのために別の意図されたレシーバ又はトランスミッタと事前にアラインされる(aligned)ことができるように、該ノードのためにこのようなスケジュール又はプランニングを行うことは極めて効率的であり得る。
【0026】
また、最近受信又は生成されたパケットは、他の通信モードへの一時的な切り替えに関するノードの期間、又は滞留時間(dwelling time)を指定することは有益であり得る。例えば、ある期間を指定することにより、他の通信モードでの悪いチャネル状態に起因するパケット損失の可能性を考慮し、他の通信モードでの不必要に長い待ち時間をノードが回避するのに役立ち得る。
【0027】
さらなる実施形態において、通知メッセージは、第2の通信モードにおける通信のためのユニキャスト又はマルチキャストアドレス情報を含む。
【0028】
ノードが一時的な切り替え中に他の通信モードで送信又は受信することを支援するために、最近受信又は生成されたパケットにおいて、他の通信モードで使用するためのアドレス情報を伝えることが有益である。例えば、ノードが他の通信モードに一時的に切り替えられる場合、送信されるべきメッセージは、ユニキャストメッセージとして単一の宛先に、又はマルチキャストメッセージとして指定された宛先のグループにアドレス指定されることができる。この場合、ブロードキャストメッセージと比較して、アドレス指定されたノードのみがさらなるアクションを起こすことになるという意味でより効率的である。
【0029】
別の例として、パケットに含まれる情報は、ノードが一時的に他の通信モードに切り替わる場合に該ノードによって行われるべき割り当て(assignment)を指定する。
【0030】
一例として、割り当ては、専用のシーケンス番号又はパケット識別子を有するブロードキャスティングメッセージの受信に関連してもよい。別の例として、割り当ては、意図された宛先ノードから確認応答(ACK)メッセージを受信した後にのみ割り当ては成し遂げられると仮定されるように、意図された宛先ノードへのパケットの成功送達(successful delivery)に関連してもよい。
【0031】
有利には、役割は、当該ノードの位置、所定のシステム構成(predetermined system configuration)、コンテキスト依存のランタイムノード構成(context dependent run-time node configuration)、ワイヤレスシステムのアプリケーション展開スキーム(application deployment scheme )のうちの少なくとも1つに応じて当該ノードに割り当てられてもよい。
【0032】
主通信モードは、ノードに割り当てられる役割、又はノードが実行しようとしている主アクティビティに応じて決定される。役割の割り当ては、予め定義されたシステム若しくはノード構成、システムレベル若しくはネットワークレベルのアプリケーション展開スキーム、ノードの物理的位置、又はコンテキスト依存のランタイム構成に関連してもよい。例えば、複数のノードが近傍に配備される場合、第1のノードを主に照明制御のために指定し、第1のノードの近傍のノードを主にアセットトラッキングのために指定することが効率的であり得る。斯くして、第1のノードは、照明制御関連パケットの検出のためにZigbeeモードで主に動作し、必要に応じて、照明制御情報の一部を近隣ノードに転送する、又は第1のノードで一時的に保管されたメッセージを収集する必要があるというようなトリガを近隣ノードに転送するためにBLEモードに切り替わってもよい。
【0033】
一実施形態において、当該ノードに割り当てられる役割は、ワイヤレスシステム内のノード間の通信を促進するためのルータノードである。
【0034】
ワイヤレスシステムにおいて、異なる種類の通信メッセージが、ノード間で巡回されてもよい。例えば、ワイヤレス通信は、中央コントローラとノードとの間のリモートからのセンシングデータの収集、リモート構成(remote configuration)、又はリモート制御コマンドの配信のために使用されてもよい。また、ワイヤレス通信は、分散制御等、システム内のノード間で行われてもよい。
【0035】
好ましいセットアップにおいて、コントローラはさらに、第1の通信モードを主通信モードであると決定するように構成され、無線ユニットはさらに、マルチホップルーティングを有するワイヤレスシステム内のノード間の通信をサポートするために主に第1の通信モードで動作するように構成される。
【0036】
主にリモート制御のために指定されるノードは、第1の通信技術に応じてルータノードとして動作することが有利である。この場合、ワイヤレスシステムは、すべてがルータノードとして割り当てられるノードを含むコアメッシュネットワークと、各ルータノード周辺の多数の小さなスターネットワークとに分割される。ルータノードの近傍のネイバーは、他のアプリケーションに指定されてもよく、この場合、ルータノードに依拠して、リモートから情報を送信又は受信してもよい。
【0037】
別の実施形態において、当該ノードに割り当てられる役割は、アセットトラッキングセンサである。
【0038】
また、ノードは、主にある通信モード、又は主通信モードで動作する、別のタイプのセンサとして機能してもよい。時折(occasionally)、センサノードは、収集されたセンシングデータを送信する又は他のネットワークから何らかの情報を受信するために他の通信モードに切り替わる必要がある。
【0039】
別の好ましいセットアップにおいて、コントローラはさらに、第2の通信モードを主通信モードであると決定するように構成され、無線ユニットはさらに、アセットトラッキングシステムのタグデバイスからのビーコン信号を受信するために主に第2の通信モードで動作するように構成される。
【0040】
有利には、アセットトラッキングセンサは、ポイントツーポイント接続又はポイントツーマルチポイント接続を有する第2の通信モードで動作する。したがって、アセットトラッキングセンサとして、ノードは、直接通信範囲内にある1つ以上のタグデバイスからビーコン信号を受信するように構成される。
【0041】
本発明の第2の態様によれば、ワイヤレスシステムが提供される。当該ワイヤレスシステムは、本発明による複数のノードを含む。
【0042】
ワイヤレスシステムは、異なるアプリケーションのために使用されてもよい。一例として、ワイヤレスシステムは、オフィス若しくは家庭におけるビルオートメーションのために、又は工場における産業用制御のために使用される。別の例として、制御システムは、セキュリティモニタリングのための監視システムとして使用されてもよい。上述したように、ワイヤレスシステムはまた、アセットトラッキング及び照明制御のために使用されてもよい。また、ネットワークの容量が単一のアプリケーションの実際のスループット要件よりもはるかに高くあり得るという事実を考慮すると、効率を向上させるために、同じワイヤレス制御システムを1つ以上のアプリケーションをサポートするために使用することは有益である。
【0043】
有益には、当該ワイヤレスシステムは、ワイヤレス照明制御システムである。
【0044】
好ましいセットアップにおいて、ワイヤレスシステムは、スイッチ、センサ、及びランプの制御等、照明制御のために使用される。また、ワイヤレスシステムは、ライトとコロケートされる(collocated)又はライトの近くに位置するアクチュエータ及びセンサからステータス情報及びセンシングデータを集めるために使用されてもよい。
【0045】
本発明の第3の態様によれば、通信方法が提供される。ワイヤレスシステムにおけるノードの通信方法であって、当該方法は、ノードが、
ノードに割り当てられる役割に応じて複数の通信モードの中からデフォルト通信モードを決定することであって、役割は、ノードによって実行されるべきアクティビティに関連し、複数の通信モードは、第1の通信技術による、マルチホップルーティングを有するメッシュ又はツリートポロジをサポートすることが可能である第1の通信モード、及び、第2の通信技術による、ポイントツーポイント接続を有するスタートポロジをサポートすることが可能である第2の通信モードを含む、ことと、
デフォルト通信モードとして第1の通信モードで動作し、指示により、第2の通信モードに切り替わり、第2の通信モードで通知メッセージを送信し、その後、第1の通信モードに戻る、又は、デフォルト通信モードとして第2の通信モードで動作し、他の指示により、第1の通信モードに切り替わり、第1の通信モードで別のデータ又は制御パケットを受信し、その後、第2の通信モードに戻る、ことと、
第1の通信モードで受信される又はノード自身によって生成されるデータ又は制御パケットのセキュリティレベルに応じて第1の通信モードから第2の通信モードへ切り替える指示を生成することと、
第2の通信モードで受信される別の通知メッセージに応じて第2の通信モードから第1の通信モードへ切り替える他の指示を生成することと、
を含む。
【0046】
ある好ましいセットアップにおいて、第1の通信モードが、デフォルト通信モードであると決定され、当該方法はさらに、ノードが、マルチホップルーティングを有するワイヤレスシステム内のノード間のリモート制御又は通信をサポートするために主に第1の通信モードで動作することと、第1の通信モードで最近受信された又はノード自身によって最近生成されたパケットのプロパティに応じて指示を生成することと、指示が生成されると、通知メッセージを送信するために第2の通信モードに一時的に切り替わることと、その後、第1の通信モードに戻ることとを含む。
【0047】
別の好ましいセットアップにおいて、第2の通信モードが、デフォルト通信モードであると決定され、当該方法はさらに、ノードが、アセットトラッキングシステムのタグデバイスからのビーコン信号を受信するために主に第2の通信モードで動作することと、第2の通信モードで最近受信又は生成された通知メッセージに応じて指示を生成することと、指示が生成されると、ある持続時間又は割り当てを行うために一時的に第1の通信モードに切り替わることと、その後、第2の通信モードに戻ることとを含む。
【0048】
本発明はさらに、コンピュータプログラムであって、当該コンピュータプログラムが処理手段を含むノードによって実行された場合、処理手段に本発明による方法を実行させるコード手段を含む、コンピュータプログラムに具現されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0049】
図面中、同様の参照文字は、一般に、異なる図にわたって同じ部分を指す。また、これらの図面は、必ずしも正しい縮尺ではなく、その代わりに、全般的に、本発明の原理を例示することに重点が置かれている。
図1】2つ以上のアプリケーションを実行するための複数のノードを含むワイヤレスシステムの概略的なアーキテクチャを概略的に示す。
図2】ワイヤレスシステムにおけるノードの基本的な構成要素を概略的に示す。
図3】さまざまな実施形態によるコンボノードを備える例示的なネットワークアーキテクチャを示す。
図4】ワイヤレスシステムにおけるノードの通信方法のフロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0050】
ここで、本発明の様々な実施形態が、図1に示されるように、複数のノード200を含むワイヤレスシステム100に基づいて述べられる。 ワイヤレスシステム100は、ある制御目的を果たすため又はデータ収集のためにローカルコーディネータ400の制御下にあるローカルネットワークであることができ、ローカルコーディネータはさらに、ローカルアプリケーションサーバ500に接続されてもよい。別の例では、システムは、ローカルコーディネータ、ゲートウェイ、ブリッジ、又はルータデバイス400を介してクラウド、バックボーンネットワーク、又はリモートサーバ500に接続されてもよい。照明のコンテキストにおいて、ノード200は、照明デバイス、照明器具、センサ、又はスイッチの通信機能を果たすために照明デバイス、照明器具、センサ、又はスイッチに含まれてもよい。ノード200はまた、より広いビル/ホームオートメーションのコンテキストにおけるHVACシステム、スマート冷蔵庫、スマートオーブン、他のスマート白物家電、又は別のセンサ若しくはアクチュエータ、又はリモートコントローラに含まれてもよい。
【0051】
ノード200によって実装されるべきワイヤレス制御アプリケーションに加えて、ワイヤレスシステム100においてサポートされるべき他のアプリケーションがあってもよい。一例として、他のアプリケーションは、アセットトラッキングであってもよい。アセットは、コンピュータ、医療機器、パッケージ等、人又は物であってもよい。アセットは、タグデバイス300を含んでもよい。例えば、タグデバイス300は各々、アセットのそれぞれに取り付けられてもよい。各タグデバイス300は、アセット及び/又はタグデバイスの識別(ID)情報を含むビーコン信号等のワイヤレス信号350を送信するためのトランスミッタを含んでもよい。例えば、タグデバイス300は、BLE規格等、ワイヤレス規格に準拠してもよい、ビーコン信号を送信してもよい。したがって、ワイヤレスシステム内のノード200のいくつかは、タグデバイス300からのこのようなビーコンを受信するためのアセットセンサノードとしても動作するように構成されてもよい。
【0052】
図2は、ワイヤレスシステム100における通信のためのノード200の基本的な構成要素を概略的に示している。 ノード200は、マルチホップルーティングを有するメッシュ又はツリーネットワークをサポートすることが可能である第1の通信モード、及びポイントツーポイント接続をサポートすることが可能である第2の通信モードを少なくとも含む複数の通信モードを動作することが可能である、無線ユニット210を含む。無線ユニット210は、少なくとも第1及び第2の通信モードの両方をサポートし、毎回複数の通信モードのうちの1つに従ってタイムシェアリングベースで(on a time-sharing basis)動作するコンボデバイスである、単一のトランシーバを含んでもよい。別の例では、無線ユニット210は、少なくとも2つの別個のトランシーバ220、230を含んでもよい。少なくとも2つの別個のトランシーバ220、230は、シングルモードトランシーバであってもよく、各々が1つの通信プロトコルをサポートしてもよい。また、少なくとも2つの別個のトランシーバ220、230のうち、一方がコンボデバイスであり、他方がシングルモードデバイスであることも可能である。ノード200はさらに、ノードに割り当てられる役割に応じて複数の通信モードの中から主通信モードを決定するように構成される、コントローラ240を含む。
【0053】
任意選択的に、ノード200はさらに、図2において250で示されるように、アプリケーションコントローラ及び/又はアクチュエータを含んでもよい。 アプリケーションコントローラ又はアクチュエータは、照明のコンテキスト、より広いビルオートメーションのコンテキスト、アセットトラッキングのコンテキスト、又は他のアプリケーションにおけるノードの制御機能性に関連してもよい。アプリケーションコントローラ及び/又はアクチュエータは、ノードによって受信される制御コマンドを実行してもよい。ステータス情報が、制御システムへのフィードバックとしてアプリケーションコントローラ及び/又はアクチュエータによって提供される。
【0054】
別のオプションでは、ノード200はさらに、図2において260で示されるように、センサを含んでもよい。 センサ260は、存在及び/又は温度、湿度等の環境情報を検出するように構成されてもよい。センシングデータは、ノード、又はアプリケーションコントローラ及び/若しくはアクチュエータのステータス情報に加えて、又は該ステータス情報とは独立して収集されてもよい。
【0055】
開示される発明は、ワイヤレスシステム100によって有効にされるべきアプリケーション、ノード200の通信インターフェース、例えば、ノードによってサポートされる複数の通信モードはどれであるかに依存して、いくつかの異なるシナリオで実施されてもよい。説明を容易にするために、異なるシナリオは、第1の通信プロトコルの一例としてZigbee及び第2の通信プロトコルの一例としてBLEを取り上げて説明される。
【0056】
図3は、さまざまな実施形態によるコンボノードを備える例示的なネットワークアーキテクチャを示している。 明るいノードは、ルーティングケイパビリティが有効にされた主に第1の通信モードで動作するルータノードであるように構成される。暗いノードは、センシングデータを受信するため又はポイントツーポイント接続のために主に第2の通信モードで動作するアセットトラッキングセンサノードであるように構成される。ルータノード200は、マルチホップルーティングを介して、複数のノード200に制御コマンドを配信する及び複数のノード200からのステータス情報を転送するように動作可能である。斯くして、ルータノードは、ワイヤレスシステム100のコアネットワークの一種として機能する、第1の通信技術による疎なマルチホップネットワーク(sparse multi-hop network)を構築する。ワンホップ直接リンクを有する各ルータノード200の周辺には、かなりの数の非ルータノードが位置してもよい。ブロードキャストメッセージの場合、非ルータノードは、近傍の少なくとも1つのルータノードから直接該ブロードキャストメッセージを受信することができる。任意選択的に、非ルータノードは、ワイヤレスネットワークによって実行されるメインアプリケーションに加えて第2のアプリケーションをサポートする等、主に第2の通信プロトコルに従って動作するように構成されてもよい。当該シナリオでは、このような非ルータノードにメッセージを送達するために、ルータノードが、オンデマンドで第2の通信プロトコルに従った動作に切り替わるためのさらなる労力(extra effort)を要する、又は非ルータノードが、ワイヤレスネットワークからメッセージを得ることができるように2つの動作モード間を定期的にローテーションすることを必要とすることがあってもよい。
【0057】
斯くして、第1のワイヤレス通信プロトコルは、主として、複数のノードを含むワイヤレス制御システムにおいて大規模な情報配信及び収集を実施するためのものであり、一方、制御システムは、照明制御及び/又はビルオートメーションに使用されることができる。第1のワイヤレス通信プロトコルは、Zigbee(登録商標)、Thread、Bluetooth(登録商標) Mesh、Wi-Fi(登録商標)メッシュ、WirelessHART、SmartRF、CityTouch、IP500、Z-wave、又は他の任意のメッシュ若しくはツリーベースの技術であることができる、マルチホップルーティングをサポートすることが重要である。
【0058】
第2の通信プロトコルは、Bluetooth(登録商標) low energy(BLE)規格に準拠することが好ましい。また、第2のワイヤレス通信プロトコルは、Wi-Fi(登録商標) direct、Zigbee(登録商標) Inter-PAN、Zigbee(登録商標) Touchlink、又はポイントツーポイント接続のための容易なセットアップに都合のよい他のワイヤレス通信規格であることもできる。
【0059】
第1及び第2の通信プロトコルに従う2つの通信システムは、異なる変調スキーム、異なる周波数計画及びタイムスケジューリングを使用し得ることを考えると、各ルータノード周囲のローカルスターネットワークが第2の通信プロトコルに従って動作する1つの潜在的な利点は、均質なネットワークと比較して、相互干渉が大幅に低減され得ることである。
【0060】
2つのワイヤレスプロトコルスタックが時間領域で1つの無線フロントエンド(one radio front-end)を共有する、Zigbee/BLE及びBLE/Wi-Fiチップ等、いわゆるコンボ無線チップの利用可能性が、IoT照明システムに対する新たなフィーチャを可能にしている。新たなフィーチャとしては、モバイルからのBLE接続を介したワイヤレス照明の直接制御、ワイヤレス照明システムから送信されるBLE信号を介したモバイルフォンの測位、及びモバイルBLEタグを介したアセットトラッキング等が挙げられる。照明システムにおいてコンボ無線チップの明確なメリットがある一方、クラシックな照明制御の性能と追加された新たなフィーチャの性能とのバランスを取る必要があるという、システム設計が対処しなければならない共通の制約もある。共通の制約は、2つの無線プロトコルスタックがある一方、1つの無線フロントエンドのみが2つの無線プロトコルスタック間で共有されなければならない、例えば、Zigbee/BLEコンボは、Zigbeeでアクティブ(送信、受信又はアイドルリスニング)である際にBLEでは「ブラインド(blind)」であり、その逆も然りである、という事実に起因する。これは、うまく管理されない場合、少なくとも一方の無線プロトコルに対する著しい性能劣化につながる可能性がある。
【0061】
本発明は、2つ以上の機能を確実に実現するためにコンボ無線チップを使用する照明IoT又は他のワイヤレスネットワークにおける動作方法を提案する。一例は、すべてのノードが(Zigbee又はWi-Fiを介した)クラシカルな照明制御又はデータ収集機能及び(BLEを使用した)アセットトラッキング機能の両方を実行する必要がある1つのコンボ無線チップを有する照明IoTネットワークである。また、システムは、各々が複数の単一の無線チップを含むノードによって構築されてもよい。この場合、複数の通信モードをタイムシェアリングベースでスケジューリングすることは重要ではない。しかしながら、同じ周波数帯が異なる短距離ワイヤレス通信技術によって共有されること及びエネルギ効率を考えると、2つ以上の通信モードがノードによって同時に有効にされるシナリオを避けることは依然として非常に有益であり得る。
【0062】
一例として、タグデバイス300は、BLEビーコンを定期的に送信し、これらは、照明ネットワーク100においてノード200によりそれらのコンボ無線チップを使用して受信されることになる。BLEビーコンの測定データが収集され、結果が、Zigbeeプロトコルを用いて照明ネットワーク100を通じて送信されることになる。照明制御及びアセットトラッキングの両方を実現可能にする及び信頼性を高めるために、Zigbeeモードのみ又は主にZigbeeモードで動作するルータとして一定のノードのセットを指定し、残りのノードは、Zigbeeモード及びBLEモードの両方で動作することが開示される。ルータのセットは、ワイヤレスシステム全体の接続性を提供するためにZigbeeの動作を維持する。非ルータノードは主にBLEモードで構成されるが、ルータノードに/から/を介して等、Zigbeeモードで送信又は受信するものがある場合、Zigbeeモードになる。非ルータノードが主にBLEモードで動作する理由は、タグデバイスからのBLEビーコン信号の受信を容易にするためである。より長く非ルータノードがBLEモードで動作することができるほど、タグデバイスからのBLE信号の受信性能はより良くなり、したがって、ビーコン送信レートがトラッキング性能を低下させることなく下げられ得るため、タグデバイスのバッテリ寿命が(間接的に)良くなる。
【0063】
このようなネットワーク構成の例が図3に示されている。図3において、明るいノードは照明制御アプリケーションのためのルータノードであり、暗いノードは非ルータノードであり、主にアセットトラッキングのために使用される。 Zigbeeのルータノードが近くに十分にある場合、非ルータノードは、照明制御ネットワークを介して情報を送信することに問題ない。しかしながら、非ルータノードが主にBLEモードで動作する場合、Zigbeeメッセージを受信することに問題があり得、それゆえ、Zigbeeパケットの大半を見逃す可能性がある。1つのオプションは、Zigbeeの「エンドデバイス」の役割を利用することであり、この場合、明るいノードはエンドデバイス又は暗いノードの親となる。この場合、親は子ノードのためのメッセージを保存し、子ノードは、親が自身のためのメッセージを有しているかどうかを定期的にポーリングする必要がある。ポーリングは、非ルータノードに送られるメッセージがレイテンシ(latency)を伴って到着するという不利な点がある。レイテンシは、平均してポーリング周期の約半分、最大で1ポーリング周期である。エンドデバイスによる(より)頻繁なポーリングを実施することによってレイテンシを低減することは、結果的にアセットトラッキング性能を損なうことになるので、望ましくない。それゆえ、本発明者らは、親からエンドデバイスに、(この例では、Zigbeeモードである)他の通信モードを介して該エンドデバイスがピックアップすべきものがあるという通知を送信することによってレイテンシを減らすことが有利であることを認識している。
【0064】
別の例では、Zigbee規格による「エンドデバイス」メカニズムは使用されず、非ルータノードにメッセージを送信する必要があるルータノードは、まずBLEに切り替わり、非ルータノードに通知メッセージを送信する。通知メッセージは、アプリケーションコンテンツを含まない又は部分的にしか含まない短いメッセージであってもよい。 その後、ルータノードは、Zigbeeモードに戻り、その後にのみ(すなわち、非ルータもZigbeeに切り替わるのにかかる時間の後)、Zigbeeを介して非ルータノードにメッセージを送信する。非ルータは、BLEモードで通知メッセージを受信すると、実際のアプリケーションメッセージを受信するためにZigbeeモードに切り替わり、その後、直接BLEモードに戻るため、非ルータノードにとってアセットトラッキングの主割り当てはそれほど影響を受けない。実際のアプリケーションメッセージは、典型的にはより長く、通知メッセージがアプリケーションコンテンツを含まない場合、完全なアプリケーションコンテンツを含み、又は通知メッセージで伝えられる部分的なアプリケーションコンテンツと一緒に完全なアプリケーションコンテンツを表す部分的なアプリケーションコンテンツを含む。
【0065】
さらに、Zigbee通信は、すべてのノードが、ネットワークに参加した後同じZigbeeネットワークの一部となり、標準的なZigbeeセキュリティ、さらには追加のアプリケーションレベルセキュリティが適用されることになるので完全にセキュアであり得る。一方、BLEモードでのポイントツーポイント接続の容易なセットアップは非常に魅力的であるが、アドバタイズメントは、BLE標準仕様によって典型的にはセキュアでない。より厳しいセキュリティ要件を有するZigbeeネットワークからのアプリケーションデータには、BLEアドバタイズメントメッセージを介して直接送信するには適さないものがあり得る。実際のアプリケーションデータの代わりに通知を送信することで、通知の保護に関するセキュリティの懸念ははるかに小さく、又は適切なセキュリティメカニズムを実装することがはるかに簡単又は単純である。さらに、アプリケーションレイヤセキュリティメカニズムが、セキュリティが必要とされる場合にBLEアドバタイズメントデータペイロードに適用されてもよい。BLEアドバタイズメントのセキュリティキーの配布は、(すでにセキュアな)Zigbeeネットワークを介して行われることができる。
【0066】
先のセクションの例を参照すると、明るいノードは、Zigbeeモードのみ又はほとんどZigbeeモードで動作するZigbeeルータノードであり、暗いノードは、アセットトラッキングのために主にBLEモードで動作するZigbee非ルータノード(Zigbee non-router node)である。Zigbeeルータノードは、適切な動作を維持するために常にZigbeeネットワークをリッスンするためにほとんどの時間Zigbeeモードである必要がある。同様に、非ルータノードは、タグデバイスからのBLE信号をリッスンするためにほとんどBLEモードに留まる必要がある。それゆえ、制御ネットワーク、又はZigbeeネットワークから非ルータノードにパケットを送信する最良のやり方は、非ルータノードがほとんどBLEモードで動作するモードにおける。
【0067】
あるシナリオでは、明るいノード(ルータノード)は、ネットワーク内のすべてのノード又は多くのノードにブロードキャストメッセージを送信する必要がある。これは、典型的には、明るいノードとコロケートされるセンサ又はスイッチによってトリガされるが、スケジューラ、中央コントローラ、又はネットワーク内の別のコントローラ等、他のソースに由来することもできる照明制御メッセージである。ネットワーク内のすべての意図されたノードは、すべての意図されたライトがユーザの前で同期された態様で挙動するように、短時間内にこれを受信する必要がある。ブロードキャストメッセージは、すべての明るいノードがZigbeeブロードキャストプロトコルに従って受信することができるようにZigbeeモードでまず送信される。さらに、明るいノードは、暗いノードがほとんどの時間BLEモードであるため、暗いノード(非ルータノード)に確実に到達するように短いBLEビーコン又はアドバタイズメントの形態で通知を送信する。通知は、周囲の意図された暗いノードに、Zigbeeモードに切り替わり、リッスンするように知らせるだけである。Zigbeeブロードキャスティングは、明るいZigbeeルータノードによって、0.5秒等、ある間隔で、3~4回等、複数回繰り返されてもよい。近隣のルータノードによる再ブロードキャスティングは毎回約100ms続く。それゆえ、暗いノードは、約1~1.5秒続く、Zigbeeブロードキャストが停止するまでの持続時間の間にZigbee受信モードに素早く切り替わる場合、例えば、先の例で述べられるような親をポーリングする必要なく、進行中のZigbeeブロードキャストからアプリケーションデータを受信する可能性が高くなる。それゆえ、開示される方法の利点としては、レイテンシの減少(ポーリングサイクルよりもはるかに短く、ルータノードによる受信とほぼ同期)及びワークロードの減少(固定のポーリングサイクルはスケジューリングされない)が挙げられる。
【0068】
これに対する改良として、暗いノードは、Zigbeeブロードキャストを受信する機会を損なうことなくBLEモードでもある時間過ごし得るように、前述の持続時間においてBLEモードとZigbeeモードの間で素早く交互に切り替わってもよい。別の改良として、通知は、暗いノードがZigbeeブロードキャストメッセージの1つのインスタンスを成功裏に受信するとBLEに戻ることができ、同じメッセージの繰り返しを待つ必要がないように、Zigbeeブロードキャストメッセージを一意に識別する。これは、BLEのリスニング時間を大幅に向上させる。そうしないと、アセットトラッキングネットワーク全体が、約1~1.5秒のZigbeeブロードキャストサイクル中に「デフ(deaf)」又は「ブラインド(blind)」になり得る。通知においてZigbeeブロードキャストメッセージを一意に識別するために、ソースアドレス及びシーケンス番号の組み合わせが使用されてもよい。通知においてZigbeeユニキャストメッセージを一意に識別するために、ソースアドレス、宛先アドレス及びシーケンス番号の組み合わせが使用されてもよい。
【0069】
さらに、システムは、明るいノードにおける通知の送信及びZigbee(再)ブロードキャストをアラインすることによって向上され得る。理想的には、暗いノードへの通知は、近くの暗いノードがすでに知らされ、到来するZigbee(再)ブロードキャストを受信するためにZigbeeモードに切り替わることによって事前に準備するように、Zigbee(再)ブロードキャスティングの直前に送信される。これは、ノードとの2つのモードのタイムリーなコーディネーション(timely coordination)を要する。さらなる改良は、通知メッセージを送信した後にZigbee(再)ブロードキャストを開始するための予想待ち時間(expected time latency)も、暗いノードが、推定されるレイテンシに応じてZigbeeブロードキャストを受信するための自身のスケジュールをより良く準備できるように、通知に含まれることである。
【0070】
別の改良において、暗いノードは、Zigbeeブロードキャストの時間特性を使用することができる。Zigbee再ブロードキャストは約100ms続き、0.5秒の間隔が空けられ、暗いノードは、予想レイテンシの後100msの間のみZigbeeをリッスンし、0.5秒後まで自身の主通信モード(BLE)に戻り、100msの間再びZigbeeに切り替わることを選択してもよい。このようにして、暗いノードはZigbeeブロードキャストを見逃すことなく非常に限られた時間のみZigbeeに費やし得る。このようなタイミング関連のパラメータは、ネットワークのサイズ及び/又はノードファームウェアに依存する可能性があるので、ノードは、(コミッショナ、中央コントローラ及び/又はルータノードによって)あるタイミング値を使用するように構成されてもよく、又はパターンを観察することにより最適値を学習するように構成されてもよい。このスキームは、暗いノードが意図されたZigbeeブロードキャストメッセージを成功裏に受信するとZigbeeでのリスニングを停止するスキームとの組み合わせ等、他の実施形態/例と組み合わせて使用されることができる。
【0071】
別の例では、非ルーティングの暗いノードは、デフォルトモードとしてBLEチャネルでリッスンしている、Zigbeeエンドデバイスである。通知メッセージは、ルータノードによって、非ルーティングの暗いノードにBLEアドバタイズメントとして送信される。受信すると、非ルーティングの暗いノードは、Zigbeeモードに切り替わり、自身の親によってバッファリングされているZigbee(ブロードキャスト)データを受信するためにZigbeeプロトコルに従って(エンドデバイスとして)自身の親ノードを確認する。このようにして、あるデータを受信するイニシアチブ(initiative)は完全に暗いノードにある。
【0072】
ここまで取り組まれているシナリオは、制御ネットワークからアセットトラッキングアプリケーションに従事するノードにブロードキャストメッセージを送信することに関するが、同様のメカニズムは、ユニキャストメッセージにも適用されることができる。ユニキャストの場合、Zigbeeへの切り替えは、BLE通知メッセージにおいて意図されたレシーバのZigbeeアドレスを供給することによって最適化されることができる。斯くして、意図されたレシーバのみがZigbeeに切り替わり、他のレシーバはBLEに留まり、タグデバイスからのビーコン信号をリッスンすることができる。
【0073】
図4は、ワイヤレスシステムにおけるノード200の通信方法600のフロー図を示している。 ステップS601において、主通信モードが、ノードに割り当てられる役割に応じて複数の通信モードの中から決定され、複数の通信モードは、第1の通信技術による、マルチホップルーティングを有するメッシュ又はツリートポロジをサポートすることが可能である第1の通信モード、及び、第2の通信技術による、ポイントツーポイント接続を有するスタートポロジをサポートすることが可能である第2の通信モードを含む。方法はさらに、ノードが主に主通信モードで動作するステップS602を含み、ステップS603において、主通信モードで最近受信された又はノード自身によって最近生成されたパケットのプロパティに応じて指示が生成され、指示が生成されると、ステップS604において、ノードは、他の通信モードを使用して送信又は受信するために複数の通信モードのうち該他の通信モードに一時的に切り替わる。その後、ステップS605において、ノードは、主通信モードに戻る。
【0074】
本発明による方法は、コンピュータ実施方法(computer implemented method)としてコンピュータで、又は専用のハードウェアで、又は両方の組み合わせで実施されてもよい。
【0075】
本発明による方法のための実行可能コードは、コンピュータ/機械可読記憶手段に記憶されてもよい。コンピュータ/機械可読記憶手段の例としては、不揮発性メモリデバイス、光学記憶媒体/デバイス、固体媒体、集積回路、サーバ等が挙げられる。好ましくは、コンピュータプログラムプロダクトは、当該プログラムプロダクトが、上述した実施形態で開示されるノード又はネットワーク又はコミッショニングデバイスに含まれるコンピュータ又は処理手段で実行された場合、本発明による方法を実行するためのコンピュータ可読媒体に記憶される非一時的プログラムコード手段を含む。
【0076】
方法、システム及びコンピュータ可読媒体(一時的及び非一時的)は、上述の実施形態の選択された態様を実施するために提供されてもよい。
【0077】
用語「コントローラ」は、本明細書では、一般に、数ある機能の中でもとりわけ、1つ以上のネットワークデバイス又はコーディネータの動作に関連する様々な装置を述べるために使用される。コントローラは、本明細書で論じられる様々な機能を実行するように、数多くのやり方で(例えば、専用ハードウェアを用いて)実装されることができる。 「プロセッサ」は、本明細書で論じられる様々な機能を実行するように、ソフトウェア(例えば、マイクロコード)を使用してプログラムされてもよい、1つ以上のマイクロプロセッサを採用する、コントローラの一例である。コントローラは、プロセッサを用いて、又はプロセッサを用いずに実装されてもよく、また、一部の機能を実行するための専用ハードウェアと、他の機能を実行するためのプロセッサ(例えば、1つ以上のプログラムされたマイクロプロセッサ及び関連回路)との組み合わせとして実装されてもよい。 本開示の様々な実施形態で採用されてもよいコントローラ構成要素の例としては、限定するものではないが、従来のマイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:field-programmable gate array)が挙げられる。
【0078】
様々な実装形態では、プロセッサ又はコントローラは、1つ以上の記憶媒体(本明細書では「メモリ」と総称され、例えば、RAM、PROM、EPROM、及びEEPROM等の揮発性及び不揮発性コンピュータメモリ、コンパクトディスク、光ディスク等)に関連付けられてもよい。一部の実装形態では、これらの記憶媒体は、1つ以上のプロセッサ及び/又はコントローラ上で実行されると、本明細書で論じられる機能の少なくとも一部を実行する、1つ以上のプログラムでエンコードされてもよい。様々な記憶媒体は、プロセッサ又はコントローラ内に固定されてもよく、あるいは、それらの記憶媒体上に記憶されている1つ以上のプログラムが、本明細書で論じられる本発明の様々な態様を実施するために、プロセッサ又はコントローラ内にロードされることができるように、可搬性であってもよい。 用語「プログラム」又は「コンピュータプログラム」は、本明細書では、1つ以上のプロセッサ又はコントローラをプログラムするために採用されることが可能な、任意のタイプのコンピュータコード(例えば、ソフトウェア又はマイクロコード)を指すように、一般的な意味で使用される。
【0079】
本明細書で使用される用語「ネットワーク」は、任意の2つ以上のデバイス間での、及び/又はネットワークに結合された複数のデバイスの間での、(例えば、デバイス制御、データ記憶、データ交換等のための)情報の転送を容易にする、(コントローラ又はプロセッサを含む)2つ以上のデバイスの任意の相互接続を指す。
【0080】
不定冠詞「a」及び「an」は、本明細書及び請求項において使用されるとき、そうではないことが明確に示されない限り、「少なくとも1つ」を意味するように理解されるべきである。
【0081】
本明細書及び請求項において使用されるとき、「又は」は、上記で定義されたような「及び/又は」と同じ意味を有するように理解されるべきである。 例えば、リスト内の項目を分離する際、「又は」又は「及び/又は」は、包括的であるとして、すなわち、少なくとも1つを含むが、また、いくつかの要素又は要素のリストのうちの2つ以上を、オプションとして、列挙されていない追加項目も含むとして解釈されるものとする。 その反対が明確に示される、「~のうちの1つのみ」若しくは「~のうちの厳密に1つ」、又は請求項で使用される場合の「~から成る」等の用語のみが、いくつかの要素又は要素のリストのうちの厳密に1つを含むことに言及する。 一般に、用語「又は」は、本明細書で使用されるとき、「~のいずれか」、「~のうちの1つ」、「~のうちの1つのみ」、又は「~のうちの厳密に1つ」等の、排他性の用語に先行する場合にのみ、排他的選択肢(すなわち、「一方又は他方であるが、双方ではない」)を示すとして解釈されるものとする。 「~から本質的に成る」は、請求項で使用される場合、特許法の分野で使用される際の、その通常の意味を有するものとする。
【0082】
本明細書及び請求項において使用されるとき、1つ以上の要素のリストを参照する語句「少なくとも1つ」は、その要素のリスト内の要素の任意の1つ以上から選択された、少なくとも1つを意味するが、必ずしも、その要素のリスト内で具体的に列挙されているそれぞれの要素のうちの、少なくとも1つを含むものではなく、その要素のリスト内の要素の、任意の組み合わせを排除するものではないことが理解されるべきである。 この定義はまた、語句「少なくとも1つ」が指す要素のリスト内で具体的に特定された要素以外の要素が、具体的に特定されている要素に関連していても関連していなくても、任意選択的に存在してもよいことを許容する。
【0083】
また、そうではないことが明確に示されない限り、2つ以上のステップ又は行為を含む、本明細書で特許請求されるいずれの方法においても、その方法のステップ又は行為の順序は、必ずしも、その方法のステップ又は行為が列挙されている順序に限定されるものではないことも理解されるべきである。 また、特許請求の範囲において括弧内に登場する参照符号は、便宜上、提供されているに過ぎず、当該請求項をいかようにも限定するものと解釈されるべきではない。
【0084】
特許請求の範囲においても上記明細書においても、「備える」、「含む」、「担持する」、「有する」、「含有する」、「関与する」、「保持する」、「~で構成される」等のすべての移行句は、非制限的、すなわち、含むがそれに限定されないことを意味すると理解されるべきである。 「~からなる」及び「本質的に~からなる」といった移行句のみが、制限又は半制限移行句である。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】