(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-04
(54)【発明の名称】銅の金属相互接続レベルからの相互接続をパッケージ化するためのチップを備えるICデバイス
(51)【国際特許分類】
H01L 21/60 20060101AFI20230627BHJP
【FI】
H01L21/92 602E
H01L21/92 602H
H01L21/60 311S
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022574358
(86)(22)【出願日】2021-06-02
(85)【翻訳文提出日】2023-01-31
(86)【国際出願番号】 US2021035341
(87)【国際公開番号】W WO2021247633
(87)【国際公開日】2021-12-09
(32)【優先日】2020-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】230129078
【氏名又は名称】佐藤 仁
(72)【発明者】
【氏名】マノイ クマール ジェイン
【テーマコード(参考)】
5F044
【Fターム(参考)】
5F044LL01
5F044QQ03
5F044QQ05
(57)【要約】
最終銅相互接続レベル(Mn)を含む金属相互接続レベル(M1~Mn)を有するICチップ(102)と、最終銅相互接続レベル(Mn)に重なり、それに接続されるチップ・ツー・パッケージ相互接続(110)とを含む、集積回路デバイス(100)及び方法。チップ・ツー・パッケージ相互接続(110)は、最終銅相互接続レベル(Mn)の第1の要素に接続されるビア(112)と、銅の導電構造(118)(例えば、バンプ銅)とを有する。ビア(112)は、障壁材料(112a)及びタングステン充填層(112b)を含み、ビアは、銅の導電構造(118)と第1の要素との間に結合される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積回路デバイスであって、
最終銅相互接続レベルを含む金属相互接続レベルを有するチップと、
前記最終銅相互接続レベルに重なり、前記最終銅相互接続レベルに接続されるチップ・ツー・パッケージ相互接続と、
を含み、前記チップ・ツー・パッケージ相互接続が、
前記最終銅相互接続レベルの第1の要素に接続されるビアであって、障壁材料及びタングステン充填層を有する前記ビアと、
銅の導電構造であって、前記ビアが前記銅の導電構造と前記第1の要素との間に結合される、前記銅の導電構造と、
を有する、
集積回路デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載の集積回路デバイスであって、前記銅の導電構造がアンダーバンプ金属構造であり、前記チップ・ツー・パッケージ相互接続が、前記アンダーバンプ金属構造上のはんだバンプを更に含む、集積回路デバイス。
【請求項3】
請求項1に記載の集積回路デバイスであって、前記銅の導電構造が銅ピラーである、集積回路デバイス。
【請求項4】
請求項1に記載の集積回路デバイスであって、前記銅の導電構造が、上に重なるNi/Pd層を備える銅構造である、集積回路デバイス。
【請求項5】
請求項1に記載の集積回路デバイスであって、前記銅の導電構造が、
前記第1の要素と、前記第1の要素に近接する前記チップの一部との上に延在する銅構造と、
前記銅構造に重なり、前記銅構造に接続される銅ポストであって、前記第1の要素からオフセットされた前記銅ポストと、
を含む、集積回路デバイス。
【請求項6】
請求項1に記載の集積回路デバイスであって、前記銅の導電構造が、前記第1の要素と、前記第1の要素に近接する前記チップの一部との上に延在する銅構造を含み、前記チップ・ツー・パッケージ相互接続部が、
単一の前記第1の要素からオフセットされたアンダーバンプ金属構造と、
前記アンダーバンプ金属構造の上のはんだバンプと、
を更に含む、集積回路デバイス。
【請求項7】
請求項1に記載の集積回路デバイスであって、前記ビアがパッシベーション層を介して延在する、集積回路デバイス。
【請求項8】
請求項7に記載の集積回路デバイスであって、前記パッシベーション層が、酸化物の層の上の窒化ケイ素の層を含む、集積回路デバイス。
【請求項9】
請求項7に記載の集積回路デバイスであって、前記パッシベーション層が、酸化物の層の上の酸窒化ケイ素の層を含む、集積回路デバイス。
【請求項10】
請求項1に記載の集積回路デバイスであって、前記ビアが、前記第1の要素と前記銅の導電構造との間に接続される1つ又は複数のビアを含む、集積回路デバイス。
【請求項11】
集積回路デバイスを製造する方法であって、
ダマシン銅プロセスを用いて集積回路チップの最終金属相互接続レベルを形成することと、
前記最終金属相互接続レベルの上にパッシベーション層を堆積することと、
チップ・ツー・パッケージ相互接続を形成することと、
を含み、前記チップ・ツー・パッケージ相互接続を形成することが、
前記パッシベーション層内に、第1の開口と、前記第1の開口よりも広い第2の開口とを形成することと、
前記パッシベーション層の上であり、前記第1及び第2の開口の中に、障壁層を堆積させることと、
前記障壁層の上にタングステンを堆積させることであって、前記タングステンが、前記第1の開口を充填し、前記第2の開口は充填せずにライニングする、前記タングステンを堆積させることと、
前記第1及び第2の開口に前記タングステン及び前記障壁層を残して、化学機械研磨によって前記パッシベーション層の上から前記タングステン及び前記障壁層を除去することと、
前記パッシベーション層及び前記第1の開口の上にプローブ金属スタックを堆積させることであって、前記プローブ金属スタックが、前記第2の開口内に延在するが、前記第1の開口内には延在しない、前記プローブ金属スタックを堆積させることと、
前記第2の開口に前記プローブ金属スタックを残して、前記パッシベーション層及び前記第1の開口の上から前記プローブ金属スタックを除去することと、
前記第1の開口の上に銅の導電構造を形成することであって、各銅の導電構造が、前記第1の開口内の前記タングステンによって前記最終金属相互接続レベルに電気的に結合されることと、
によって形成される、
方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、前記プローブ金属スタックが、Niの層及びPdの層である、方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、前記障壁層が、TaN、Ta/TaNスタック、TaN/TiNスタック、TaN/Ti/TiNスタック、及びTa/TaN/Ti/TiNスタックからなる群から選択される、方法。
【請求項14】
請求項11に記載の方法であって、前記第2の開口のうちの少なくとも幾つかにおいて前記プローブ金属スタックに接触することによって、前記集積回路チップをプローブすることを更に含む、方法。
【請求項15】
請求項11に記載の方法であって、前記銅の導電構造が銅バンプである、方法。
【請求項16】
請求項11に記載の方法であって、前記銅の導電構造が、はんだバンプの下にあるアンダーバンプ金属構造である、方法。
【請求項17】
請求項11に記載の方法であって、前記銅の導電構造が銅ピラーである、方法。
【請求項18】
請求項11に記載の方法であって、前記導電層が再配線層であり、前記方法が更に、
前記再配線層の上にポリイミド層を形成することと、
前記ポリイミド層を介して前記再配線層までアンダーバンプ金属構造を形成することと、
前記アンダーバンプ金属構造上にはんだバンプを形成することと、
を含む、方法。
【請求項19】
請求項11に記載の方法であって、更に、
前記集積回路チップをウェハ上の他の集積回路チップから個片化することと、
前記チップ・ツー・パッケージ相互接続を介して前記集積回路チップをリードフレームに取り付けることと、
前記リードフレームに取り付けられた前記集積回路チップにモールド化合物を付けることと、
を含む、方法。
【請求項20】
集積回路デバイスであって、
最終銅相互接続レベルを含む金属相互接続レベルを有するチップと、
前記最終銅相互接続レベルに重なり、前記最終銅相互接続レベルに接続される、チップ・ツー・パッケージ相互接続と、
を含み、前記チップ・ツー・パッケージ相互接続が、
前記最終銅相互接続レベルの第1の要素に接続され、障壁材料及びタングステン充填層を有するビアであって、前記障壁材料が、TaN、Ta/TaNスタック、TaN/TiNスタック、TaN/Ti/TiNスタック、及びTa/TaN/Ti/TiNスタックからなる群から選択される、前記ビアと、
銅の導電構造と、
を有し、
前記ビアが、前記銅の導電構造と前記第1の要素との間に結合される、
集積回路デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して集積回路デバイスの分野に関し、より詳細には、銅相互接続レベルを有する集積回路デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路は、シリコンなどの半導体ウェハのチップ又はダイ上に形成される。各集積回路チップは、典型的に、集積回路の要素を互いに相互接続し、チップの外部の接続を提供するために、複数のアルミニウム相互接続レベルを含む。チップはその後、幾つかの異なるパッケージング技術のうちの1つを用いて、アセンブリパッケージ化される。チップをパッケージ化するため、用いられるパッケージング技術に応じて、異なるチップ・ツー・パッケージ相互接続が形成される。チップ・ツー・パッケージ相互接続には、ワイヤボンド、はんだバンプ、銅ピラーなどが含まれ得る。チップ・ツー・パッケージ相互接続は、チップの頂部又は最終金属相互接続レベルを、例えば、同じパッケージ内の別のICチップ又はデバイスに、又は外部ピンに(リードフレームなどを介して)接続する。
【発明の概要】
【0003】
集積回路デバイス及び方法は、最終銅相互接続レベルMnを含む金属相互接続レベル(M1~Mn)を有するICチップと、最終銅相互接続レベルMnに重なり、最終銅相互接続レベルMnに接続される、チップ・ツー・パッケージ相互接続とを含む。チップ・ツー・パッケージ相互接続は、最終銅相互接続レベルMnの第1の要素に接続されるビアと、銅の導電構造(例えば、バンプ銅)とを有する。ビアは、障壁材料及びタングステン充填層を含み、ビアは、銅の導電構造と第1の要素との間に結合される。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図面において、下記のとおりである。
【
図1】ICデバイスのウエハファブからアセンブリパッケージングまでのフロー図である。
【0005】
【
図2】一実施例に従ったICチップ・ツー・ICデバイスの断面図である。
【0006】
【
図3A】一実施例に従ったIC製造の様々な段階におけるICデバイスの断面図である。
【
図3B】一実施例に従ったIC製造の様々な段階におけるICデバイスの断面図である。
【
図3C】一実施例に従ったIC製造の様々な段階におけるICデバイスの断面図である。
【
図3D】一実施例に従ったIC製造の様々な段階におけるICデバイスの断面図である。
【
図3E】一実施例に従ったIC製造の様々な段階におけるICデバイスの断面図である。
【
図3F】一実施例に従ったIC製造の様々な段階におけるICデバイスの断面図である。
【0007】
【
図4】種々の実施例に従ったICデバイスの断面図である。
【
図5】種々の実施例に従ったICデバイスの断面図である。
【
図6】種々の実施例に従ったICデバイスの断面図である。
【
図7】種々の実施例に従ったICデバイスの断面図である。
【
図8】種々の実施例に従ったICデバイスの断面図である。
【
図9】種々の実施例に従ったICデバイスの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
ダマシン銅プロセスによって形成された頂部/最終相互接続レベルを有する集積回路デバイスのためのチップ・ツー・パッケージ相互接続に関連して、実施例を説明する。下記の実施例は、電流密度要件が増大したアナログ電力デバイスに特に有益であるが、低電力デジタルデバイス(時にはアドバンストCMOSと称される)などの他のデバイスにも適している。
【0009】
本明細書において用いられるように、集積回路デバイス(ICデバイス)とは、アセンブリパッケージ化された集積回路チップを指す。1つの例示のプロセスを
図1に示す。半導体製造施設(ファブ)において半導体ウェハ上に集積回路チップが製造されると、バンプ処理が成され得、次いで、ウェハはアセンブリパッケージングのためにアセンブリ試験サイトに移送され得る。幾つかの場合において、1つのサイトが、バンプオペレーション及びアセンブリパッケージングの両方、又はファブオペレーション及びバンプオペレーションの両方を含み得る。例示のアセンブリパッケージング工程には、バックグラインド、個片化(レーザ又は機械的ソーイング)、リードフレームへの取り付け、モールド、リードフレームからのリードのトリム/フォーム、及び出荷前試験が含まれる。ウェハチップスケールパッケージングなどの他の適切なアセンブリパッケージングプロセスが、当技術分野で知られており、本明細書で説明するチップ・ツー・パッケージ相互接続の実施例と共に代替的に用いられ得る。
【0010】
次に、一実施例に従った集積回路デバイス100の概要について、
図2を参照して説明する。更なる詳細を
図3A~
図3Fを参照して以下に説明する。集積回路チップ102が製造される。トランジスタ及び他のデバイス(図示せず)が、基板104の中又は上に形成される。基板の上に第1の金属相互接続レベルM1が形成される。付加的な金属相互接続レベルM2~Mnも形成される。金属相互接続レベルMnは、銅を含み、銅ダマシンプロセスを用いて形成され得る。金属相互接続レベルM1~Mn-1は、銅(主に銅)又はアルミニウム(主にアルミニウム)を含み得る。金属相互接続レベルM1~Mnは、トランジスタと他のデバイスとを互いに相互接続するために用いられる。最終金属相互接続レベルMnはまた、チップ102の外部で接続を成すために用いられる。特にアナログデバイスでは、最終金属相互接続レベルMnは、下方の金属相互接続レベルM1~Mn-1よりも厚くし得る。例えば、Mnは、0.2μm~6μmの範囲の厚みを有し得る。パッシベーション層/保護オーバーコート106が、最終金属相互接続レベルMn上に形成される。一例として、保護オーバーコート106は、窒化シリコン106aの層と、窒化シリコン又は酸窒化シリコン106bの層とを含み得る。
【0011】
次に、チップ・ツー・パッケージ相互接続110が形成される。これは、バンプ処理と称されることがあり、ファブとは別のバンプ施設において成され得る。ビア112及びプローブコンタクト領域114が、パッシベーション層106を介して最終金属相互接続レベルMnの要素まで形成される。ビア112は、タングステン充填層112bを含む。ビア112はまた、障壁層112aを含み得る。障壁層112aは、例えば、TaN、又は、TaN上のTi上のTiNのスタック(TaN/Ti/TiNスタック)であり得る。他の例には、Ta/TaN、TaN/TiN、及びTa/TaN/Ti/TiNのスタックが含まれる(スタックの材料は下から上に列挙されている)。障壁層は、タングステン充填112bとメタライゼーションレベルMnの銅との間の相互作用を防止する。
【0012】
プローブコンタクト領域114は、試験のために用いられ、プローブカードのプローブによる接触を可能にするのに十分な幅である。プローブパッドは一般に、ウェハのスクライブ領域に位置するが、ICチップ102内に114などのプローブコンタクト領域を含むこともできる。プローブコンタクト領域114は、プローブによる接触を可能にするために、ビア112よりも著しく広い。従って、タングステン充填層112bは、それがビア112を充填するのと同様に、プローブコンタクト領域114を充填することはない。プローブコンタクト領域114はまた、タングステン層112b上にプローブ金属スタック116を含む。プローブ金属スタック116は、ビア112の中又は上に配置されない。プローブ金属スタック116は、プローブのための構造的に適切な表面を提供する材料を含む。例えば、プローブ金属スタック116は、ニッケルNiの層上にパラジウムPd層を含み得る。プローブ金属スタック116は更に、Ni層の下にTaN又は他の障壁層の層を含み得る。
【0013】
導電性銅構造118が、ビア112上に形成されるが、プローブコンタクト領域114上には形成されない。導電性銅構造118は、場合によっては、バンプ銅と称されることがある。バンプ銅の場合、導電性銅構造118の厚みは、Mnなどのファブ金属よりも著しく厚く、導電性銅構造118は、3μm~25μmの範囲の厚みの銅相互接続、又は高さ25μm~100μmの銅ピラーにおける厚さを有し得る。1つ又は複数のビア112が、各導電性銅構造118を最終金属相互接続レベルMnの要素に接続する。
【0014】
銅構造118を形成した後、更なるアセンブリパッケージオペレーションが行われる。これらのオペレーションは、別個のアセンブリ/試験(A/T)施設において実施されてもよい。これらは、WCSPプロセスにおけるはんだボールの配置、又はリードフレームもしくは他のICデバイスへの取り付け、個片化、モールド、バックグラインド、テスト、テープ、及びリールを含み得る。一例では、ICチップ102はその後、構造122に取り付けられ得る。ICチップ102は、リードフレームのリードである構造122を用いて裏返されてもよい。代替的又は付加的に、構造122は、1つ又は複数の他のICチップとの接点であり得る。加えて、取り付けの手段は、利用されるパッケージング技術に応じて変わり得る。
図2は、導電性銅構造118と構造122との間のはんだ接続120を図示する。次いで、集積回路チップ102、チップ・ツー・パッケージ相互接続110、及び構造122にモールド130に付けられる。
【0015】
次に、タングステンビアを備えるチップ・ツー・パッケージ相互接続110を形成するためのより詳細なプロセスを、
図3A~
図3Fを参照して説明する。
図3Aは、第1の開口302及び第2の開口304がパッシベーション層106を介して最終メタライゼーションレベルMnまで形成された後の集積回路チップ102を示す。集積回路チップ102は、半導体製造を完了しており、これは、最終メタライゼーションレベルMnが、形成されており、パッシベーション層106で被覆されていることを意味する。最終メタライゼーションレベルMnは、従来技術のアナログデバイスにおけるようなアルミニウムではなく、銅を含む。最終メタライゼーションレベルMnは、最終ICデバイス内のICチップ102の外部の/ICチップ102からの電気的接続のための第1の要素306aと、試験中のプローブアクセスのための第2の要素306bとを含む。パッシベーション層は、二酸化ケイ素106aの層と、窒化ケイ素又は酸窒化ケイ素106bの層とを含み得る。
【0016】
第1の開口302は、より狭いビアサイズの開口であり、第2の開口304は、より広い、プローブパッドサイズの開口である。一例として、第1の開口302は0.1μm~1.5μmの範囲の幅を有し得、第2の開口304は8μm~120μmの範囲の幅を有し得る。第1の開口302は、第1の要素306aに重なり/第1の要素306aを露出させ、第2の開口304は、第2の要素306bに重なる/第2の要素306bを露出させる。
【0017】
図3Bは、ビア112を形成した後のICチップ102を図示する。ビア112は、障壁層112aが第1の開口302及び第2の開口304の側壁及び底部をライニングするように、パッシベーション層106の上及び第1の開口302及び第2の開口304内に導電性障壁層112aを堆積させることによって形成され得る。障壁層112aは、例えば、TaNを含み得る。あるいは、障壁112aは、Ta上のTi上のTiNを含み得る。他の例としては、Ta/TaN、TaN/TiN、及びTaN/Ti/TiNのスタック(ここで、スタックの材料は底部から上に列挙されている)が挙げられる。障壁層112aの目的は、下にある銅の拡散を阻止し、その上に堆積されるタングステンへの良好な接着を可能にすることである。次いで、第1の開口302及び第2の開口304を含む障壁層112aの上にタングステン112bが堆積される。タングステンは、第1の開口302を充填する厚みに堆積されるが、第2の開口304は第1の開口302よりも著しく広いので、タングステンは第2の開口304を充填しない。
図3Bに示されるように、タングステン112bは、障壁112aと共に、第2の開口304の側壁及び底部をライニングし得る。次いで、化学機械研磨(CMP)を行って、パッシベーション層106の表面から障壁層112a及び112bを除去し、充填されたビア112を残す。
【0018】
充填されたビア112を形成した後、
図3Bに示されるように、プローブ金属/金属スタック116が、パッシベーション層106及び充填されたビア112の上に堆積される。プローブ金属スタック116はまた、第2の開口304内にも堆積される。ビア112が完全に充填されるので、プローブ金属スタック116は、第1の開口302内に延在しない。プローブ金属スタック116は、プローブに用いられるプローブカードに広範な摩耗を生じさせることなくプローブすることに適した金属を含む。1つの適切な例は、Ni上のPdである。別の好適な例では、TaN上のNi上のPdのスタックである。他の例としては、Ta又はアルミニウム上のTaN上のNi上のPdが挙げられる。
【0019】
図3Dに示されるように、第2のCMPがプローブ金属スタック116上で実施されて、タングステン112bの上にプローブ金属スタック116を残し、第2の開口304の側壁及び底部上に障壁112aを残す一方で、パッシベーション層106及びビア112の上からプローブ金属スタックが除去される。
【0020】
最終メタライゼーションレベルMnは、アルミニウムではなく銅を含むので、ICチップ102をプローブすることに関して、幾つかの課題が提示される。アルミニウムとは異なり、銅は、プローブに必要とされるような環境に曝されると酸化する。これはデータ保持焼成の間は特に問題となり、データ保持焼成において、ICチップはその後、所与の時間にわたって焼成され、その後、再度プローブされる。そのため、プローブ中に銅を露出させること、及び/又は、パッシベーション層における開口の形成とビアの充填との間にプローブすることは望ましくない。プローブのためにタングステンプラグを用いると、広範なプローブカードの摩耗が生じ、製造においてそれを用いることが望ましくなくなる。物理気相成長(PVD)アルミニウム又はPVD Ni/Pdなどの、プローブに適した他の材料を用いて銅Mnの上の開口を充填すると、狭いビアを充填するときに空隙が残る。
【0021】
従って、本明細書の幾つかの実施例は、プローブの競合する要件と、狭い第1の開口302(タングステン)及び広い第2の開口304(Pd)のための異なる表面を提供するための効率的なチップ・ツー・パッケージ相互接続の形成とのバランスをとるため、パッシベーション層における狭い開口と広い開口とを利用する。
【0022】
第2のCMPの後、ICチップ102がプローブされ得る。
図3Eは、スクライブ領域320内の第2の開口304を示す。スクライブ領域は、ICチップ102がウェハ上の他のICチップから個片化又は分離される領域である。これは、アセンブリパッケージング中に鋸又はレーザが通過する場所である。様々な試験構造がスクライブ領域内に形成され得るが、ICチップの機能回路要素及び関連する相互接続はダイエリア322内に位置する。また、任意選択で、第2の開口304が、
図3Eに示すように、ダイエリア322に形成され得、完成したICデバイスの一部のままであり得る。
【0023】
図3Fを参照すると、銅の導電構造118がビア112の上に形成される。銅の導電構造118を形成する前に、障壁層115がビアの上に形成され得る。障壁層115は、例えば、TiW又はTiを含み得る。導電構造118が、パターンを形成し、パターン内の開口に銅を電気めっきすることによって形成され得る。ビア112は、銅の導電構造118と最終メタライゼーションレベルMnの第1の要素306aとの間を電気的に接続する。銅の導電構造118は、バンプ銅と称されることがあり、
図4~
図9を参照して以下に説明するように、多くの形態をとり得る。
【0024】
銅の導電構造118を形成した後、ICチップ102上で所望のアセンブリパッケージング工程を実施することによってICデバイスを完成させることができる。幾つかの異なるチップ・ツー・パッケージ相互接続及びアセンブリパッケージングオプションが、
図4~
図9に関して以下に説明される。
【0025】
図4は、(
図2の銅の導電構造118として)銅ピラー418の形態のバンプ処理を伴うICチップ402を示す。他の実施例と同様に、ICチップ402は、第1の要素306aと、パッシベーション層106を介するビア112とを含む。保護誘電体層408が、パッシベーション層106及びビア112の上に形成される。例えば、保護誘電体層408はポリイミドを含む。他のポリマー、例えばポリベンゾオキサゾール(PBO)又はビスベンゾシクロブテン(BCB)を代わりに用いてもよい。
【0026】
ビア112の頂部を露出させるために、保護誘電体層408を介して開口が形成される。障壁層415が、ビア112の頂部に接するように、開口内を含んで保護層408の上に形成される。障壁層415は、例えば、TiW又はTiを含み得る。バンプ銅処理は、障壁層415上に形成されて、厚い銅ピラー418を形成する。銅ピラー418は、第1の要素306a(Mn)よりも著しく厚く、第1の要素306aについての0.1μm~6μmに対して25μm~100μmの範囲の厚みを有し得る。銅ピラー418の表面上に、はんだ等の接着剤420が形成される。その後、ICチップ402は、アセンブリパッケージングに移され、そこで、接着剤420を用いて、個片化の後に(
図2に関して上述したものと同様に)銅ピラー418をリードフレーム又は別のICチップのリードに接続し得、ICデバイスの形成が完了し得る。
【0027】
図5は、上に重なる金属520を備える銅の導電構造518の形態のバンプ処理を伴うICチップ502を図示する。金属520は、ワイヤボンド金属スタック又はプローブ金属スタックと称されることがあり、Ni/Pd、又はNi/Au又はNi/Pd/Au又はアルミニウムなどの代替物のスタックを含み得る。保護層106の上には、ビア112の頂部に接するように障壁層515が形成される。障壁層515は、例えば、TiW又はTiを含み得る。バンプ銅処理は、障壁層515上に形成されて、厚い銅の導電構造518を形成する。銅構造518は、第1の要素306a(Mn)よりも著しく厚く、3μm~25μmの範囲の厚みを有し得る。金属520(例えば、Ni/Pd)が、銅構造518上に形成される。次いで、ICチップ502は、アセンブリパッケージングに移され、そこで、ICチップ502は、ワイヤボンディングされ、個片化され、モールド化合物が付けられ、ICデバイスの形成が完了し得る。
【0028】
図6は、第1の銅の導電構造618及び銅ポスト622の形態のバンプ処理を伴うICチップ602を示す。保護層106の上に、ビア112の頂部に接するように障壁層615が形成される。障壁層615は、例えば、TiW又はTiを含み得る。銅の導電構造618が障壁層615上に形成される。銅構造618は、第1の要素306a(Mn)よりも厚く、3μm~25μmの範囲の厚みを有し得る。次に、ポリイミドなどの保護誘電体層608が、ICチップ602の上に形成される。保護誘電体層608には開口が形成され、この開口には銅ポスト622が形成される。ICチップ602は、次いで、例えばアセンブリパッケージング施設において、個片化され得る。銅ポスト622は、リードフレームに取り付けられ、ICチップ602にモールディングが施される。
【0029】
図7は、銅再配線層718(
図2の銅の導電構造118として)と、上にはんだボール724が配置されるアンダーバンプメタライゼーション(UBM)層722との形態の更なる処理を伴うICチップ702を図示する。ICデバイス700のパッケージングはWCSPと称されることがあり、ここで、はんだボール724は、完成したICデバイス700を、例えば、顧客が望むようなプリント回路基板に、取り付けるために露出される。ポリイミドなどの第1の任意選択の保護誘電体層708が、ICチップ702の上に形成される。存在する場合は保護誘電体層708に開口が形成され、銅再配線層(RDL)718が、開口内を含んで第1の保護誘電体層708の上に形成される。RDL層718は、ビア112を介してMnの第1の要素306aへの電気的接触を成す。ポリイミドなどの第2の保護誘電体層719が、銅RDL718の上に形成される。第2の保護誘電体層719に開口が形成され、UBM層722が開口内を含んで第2の保護誘電体層719の上に形成される。上記工程は、バンプ施設において実施されてもよい。はんだボール724を開口に配置した後、ICチップ702が個片化される。
【0030】
図8は、別のウエハチップスケールタイプのICデバイス800を図示し、ここでは、銅の導電性構成118がUBM層818の形態を取る。ICチップ802は、ポリイミドなどの保護層808を付けることと、ビア112の頂部を露出させるため保護層808に開口を形成することと、コンタクトビア112への開口内を含んで、保護層808の上に銅UBM層818を形成することと、銅UBM層818上にはんだボール824を形成することとによって、更に処理される。UBM層818は、ビア112を介して第1の要素306aへの電気的接触を成す。はんだボール824を配置した後、ICチップ802が個片化される。
【0031】
図9は、別のウエハチップスケールタイプのICデバイス900を図示し、ここでは、銅の導電性構成118がUBM層818の形態を取る。ICチップ902は、パッシベーション層106の上に銅UBM層918を形成することと、UBM層918上にはんだボール924を形成することとによって、更に処理される。銅UBM層918は、ビア112を介して第1の要素306aへの電気的接触を成す。はんだボール924を配置した後、ICチップ902が個片化される。
【0032】
本発明は例示の実施形態を参照して説明してきたが、本記載は限定的なものではない。例示の実施形態の種々の変形及び組み合わせ、並びに本発明の他の実施形態が、本記載を参照することによって当業者に明らかになろう。従って、添付の特許請求の範囲は、任意のそのような改変又は実施例を包含する。
【国際調査報告】